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1977-03-03 第80回国会 衆議院 予算委員会 第18号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十二年三月三日(木曜日)     午前十時開議  出席委員    委員長 坪川 信三君    理事 大村 襄治君 理事 栗原 祐幸君    理事 澁谷 直藏君 理事 田中 正巳君    理事 細田 吉藏君 理事 安宅 常彦君    理事 楢崎弥之助君 理事 近江巳記夫君    理事 竹本 孫一君       足立 篤郎君    伊東 正義君       稻葉  修君   稻村佐近四郎君       越智 通雄君    奥野 誠亮君       金子 一平君    川崎 秀二君       木野 晴夫君    笹山茂太郎君       始関 伊平君    白浜 仁吉君       瀬戸山三男君    根本龍太郎君       藤井 勝志君    古井 喜實君       松澤 雄藏君    阿部 昭吾君       井上 普方君    石野 久男君       上原 康助君    大出  俊君       小林  進君    佐野 憲治君       土井たか子君    藤田 高敏君       武藤 山治君    小川新一郎君       岡本 富夫君    沖本 泰幸君       坂井 弘一君    広沢 直樹君       二見 伸明君    大内 啓伍君       寺前  巖君    安田 純治君       大原 一三君    田川 誠一君  出席国務大臣         外 務 大 臣 鳩山威一郎君         大 蔵 大 臣 坊  秀男君         厚 生 大 臣         農林大臣臨時代         理       渡辺美智雄君         通商産業大臣  田中 龍夫君         運 輸 大 臣 田村  元君         建 設 大 臣 長谷川四郎君         自 治 大 臣         国家公安委員会         委員長         北海道開発庁長         官       小川 平二君         国 務 大 臣         (内閣官房長         官)      園田  直君         国 務 大 臣         (総理府総務長         官)         (沖繩開発庁長         官)      藤田 正明君         国 務 大 臣         (行政管理庁長         官)      西村 英一君         国 務 大 臣         (防衛庁長官) 三原 朝雄君         国 務 大 臣         (経済企画庁長         官)      倉成  正君         国 務 大 臣         (科学技術庁長         官)      宇野 宗佑君         国 務 大 臣         (環境庁長官) 石原慎太郎君         国 務 大 臣         (国土庁長官) 田澤 吉郎君  出席政府委員         内閣総理大臣官         房交通安全対策         室長      室城 庸之君         内閣総理大臣官         房同和対策室長 今泉 昭雄君         公正取引委員会         委員長     澤田  悌君         公正取引委員会         事務局取引部長 長谷川 古君         警察庁刑事局長 鈴木 貞敏君         警察庁刑事局保         安部長     吉田 六郎君         行政管理庁行政         管理局長    辻  敬一君         防衛庁防衛局長 伊藤 圭一君         防衛庁装備局長 江口 裕通君         防衛施設庁長官 斎藤 一郎君         防衛施設庁施設         部長      高島 正一君         経済企画庁調整         局長      宮崎  勇君         科学技術庁原子         力安全局長   伊原 義徳君         環境庁長官官房         審議官    伊勢谷三樹郎君         環境庁企画調整         局長      柳瀬 孝吉君         環境庁大気保全         局長      橋本 道夫君         環境庁水質保全         局長      二瓶  博君         国土庁計画・調         整局長     下河辺 淳君         法務政務次官  塩崎  潤君         法務省民事局長 香川 保一君         法務省矯正局長 石原 一彦君         法務省入国管理         局長      吉田 長雄君         外務アジア局         長       中江 要介君         外務省アメリカ         局長      山崎 敏夫君         外務省経済協力         局長      菊地 清明君         外務省条約局長 中島敏次郎君         外務省国際連合         局長      大川 美雄君         大蔵大臣官房長 長岡  實君         大蔵大臣官房審         議官      額田 毅也君         大蔵大臣官房審         議官      徳田 博美君         大蔵省主計局長 吉瀬 維哉君         大蔵省理財局長 岩瀬 義郎君         大蔵省証券局長 安井  誠君         大蔵省銀行局長 後藤 達太君         厚生省環境衛生         局長      松浦十四郎君         厚生省児童家庭         局長      石野 清治君         厚生省保険局長 八木 哲夫君         厚生省年金局長 木暮 保成君         農林省農林経済         局長      今村 宣夫君         農林省構造改善         局長      森  整治君         農林省農蚕園芸         局長      堀川 春彦君         水産庁次長   佐々木輝夫君         通商産業省通商         政策局長    矢野俊比古君         通商産業省貿易         局長      森山 信吾君         通商産業省産業         政策局長    濃野  滋君         通商産業省立地         公害局長    斎藤  顕君         通商産業省機械         情報産業局長  熊谷 善二君         資源エネルギー         庁長官     橋本 利一君         資源エネルギー         庁長官官房審議         官       武田  康君         資源エネルギー         庁石油部長   古田 徳昌君         運輸政務次官  石井  一君         運輸大臣官房審         議官      真島  健君         運輸省海運局長 後藤 茂也君         運輸省船員局長 横田不二夫君         運輸省港湾局長 大久保喜市君         運輸省鉄道監督         局長      住田 正二君         運輸省自動車局         長       中村 四郎君         運輸省航空局長 高橋 寿夫君         郵政大臣官房長 佐藤 昭一君         労働政務次官  越智 伊平君         労働大臣官房長 石井 甲二君         労働省労働基準         局長      桑原 敬一君         労働省労働基準         局安全衛生部長 山本 秀夫君         労働省婦人少年         局長      森山 眞弓君         建設省計画局長 大富  宏君         建設省都市局長 中村  清君         建設省住宅局長 山岡 一男君         自治大臣官房長 近藤 隆之君         自治省行政局長 山本  悟君         自治省行政局選         挙部長     佐藤 順一君         自治省財政局長 首藤  堯君         自治省税務局長 森岡  敞君  委員外出席者         参  考  人         (海外経済協力         基金総裁)   大来佐武郎君         参  考  人         (海外経済協力         基金理事)   大島 隆夫君         参  考  人         (新東京国際空         港公団総裁)  大塚  茂君         参  考  人         (石油開発公団         総裁)     倉八  正君         予算委員会調査         室長      三樹 秀夫君     ――――――――――――― 委員の異動 三月三日  辞任         補欠選任   多賀谷真稔君     土井たか子君   浅井 美幸君     沖本 泰幸君   矢野 絢也君     小川新一郎君   柴田 睦夫君     安田 純治君 同日  辞任         補欠選任   土井たか子君     多賀谷真稔君   小川新一郎君     岡本 富夫君   沖本 泰幸君     浅井 美幸君 同日  辞任         補欠選任   岡本 富夫君     矢野 絢也君     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  昭和五十二年度一般会計予算  昭和五十二年度特別会計予算  昭和五十二年度政府関係機関予算      ――――◇―――――
  2. 坪川信三

    坪川委員長 これより会議を開きます。  昭和五十二年度一般会計予算昭和五十二年度特別会計予算及び昭和五十二年度政府関係機関予算、以上三件を一括して議題とし、一般質疑を行います。  小川新一郎君。
  3. 小川新一郎

    小川(新)委員 私は、一般質問で通告の順に従ってやるつもりでございましたが、外務大臣がちょっと参議院の方に行かれておりますので、順序を変えまして、最初に公共事業前渡金について建設大臣公正取引委員会にお尋ねいたします。  政府は、不況対策として公共事業一本やり、これが景気浮揚に一番効果がある、また効率が高まる、こういう予算の編成の精神でございますが、私どもも、これに対していろいろと注文はつけますが、この考え方に従っていろいろと御質問させていただきますが、この公共事業だけで地域業種の偏りを生ずる現在の不況状況下では、一兆円減税をもとに行って不況を克服するという重大な事態になっているわけですが、昭和五十年度の総事業費が六兆六千七十八億、五十一年が七兆六千八百九十億、五十二年が九兆五百四十億円、こういう大きな公共事業予算を組んだわけです。で、このことについて私はいま反対するとかなんとかじゃないのですが、この公共事業費を今度裏負担分地方公共団体、これまた同額の額が出てくる。こういうように――また公社とか公団とか財政投融資、こういうものを加えますと昭和五十二年で十二、三兆にはなるのではないか。この公共事業を今度現実に仕事をさせる中小下請企業または重層下請、こういった企業を守るために昭和二十七年の法律第百八十四号、公共工事前払金保証事業に関する法律というのがございます。この公共工事前払い金システムについてお尋ねしたいのでございますが、時間が余りございませんから私の方で大体申し上げますと、巨額な公共事業を発注する際、総事業費の九兆円から十三兆の三〇%ないし四〇%、二兆七千億から三兆六千億の前渡金受注者、元請業者に渡される仕組みになっております。またその前渡金発注者が国、地方自治体すべて組んでおります。こういった、一たん銀行に振り込み、受注者建設業保証株式会社保証を取りつけることを要件として受け取ることができますが、私は、ペーパー一枚で三〇%から四〇%の公共事業前渡金を、一銭の政府補助金も入らない、純然たる営利である株式会社がやっていることはまず間違いないのかどうか、お尋ねいたします。
  4. 長谷川四郎

    長谷川国務大臣 株式会社が三社ありまして、おのおの三社がその業務に携わっている。間違いありません。そのとおりです。
  5. 小川新一郎

    小川(新)委員 この三社はどことどこに分かれているのですか。
  6. 長谷川四郎

    長谷川国務大臣 東日本西日本北海道三つに分かれております。
  7. 小川新一郎

    小川(新)委員 たったの三社でもって日本公共事業の四〇%の前渡金を渡すという。その保証株式会社保証ペーパーがなければ前渡金保証されないのですか。
  8. 長谷川四郎

    長谷川国務大臣 建設業法にも、そういうふうなものがつくられまして、前渡金を渡す場合にはその機関を通す、こういうことになっております。
  9. 小川新一郎

    小川(新)委員 大臣、これは大蔵省も関係しているのですが、公共事業前渡金民間会社保証の紙がないとその三〇%ないし四〇%の金がおりない。しかも日本に三社しかない。この三社が地域を割っている、いまお話を承りますと。北海道だけを北海道保証株式会社という。それから青森県から岐阜、三重までを東日本保証株式会社という。それ以西沖繩までを西日本保証株式会社という。この三つ会社でもって、約十一兆にも及ぶ公共事業事業費の三〇%ないし四〇%の前渡金分割してやっているということは、これは大蔵大臣、当時昭和二十七年、これは大蔵省建設省が申請してつくられたと思いますが、これは株式会社、法人の方の五十七条、これも後で聞きます危険準備金という制度がございますが、大蔵大臣としてはこういう考え方を――昭和二十七年に建設省大蔵省が合意してつくった法律に基づく会社ですが、いま三つ分割しておるわけです。私がいまから申し上げますから、よくお聞きいただきたいのです。  昭和二十七年、東日本保証株式会社資本金一億円でスタート、これと同時にいま言った二つの会社が出て、三つできました。まず建設大臣、この三社の代表者幹部常務専務前歴公務員であるのかないのかの前歴をお尋ねいたします。
  10. 長谷川四郎

    長谷川国務大臣 政府委員から御答弁をいたさせます。
  11. 大富宏

  12. 小川新一郎

    小川(新)委員 この三社の社長さんは全部高級公務員。しかもこの会社交際費旅費調査費、こういうものからまずいろいろと問題が出てまいりますが、まずこの会社三社の五十年度の保証件数が十六万二千八百六十六件、これだけ公共事業前渡金に対して保証した。これに対して請負金額が五兆七千八百八十三億六千九百万円、平均請負金額が三千五百五十万円、保証金額が一兆八千三百二十五億八千百万円。この保証金額一兆八千三百二十五億に対する利潤は幾らですか、大臣
  13. 大富宏

    大富政府委員 お答えいたします。  保証料収入は五十年度で百二十五億八千二百九十九万八千円でございます。
  14. 小川新一郎

    小川(新)委員 全部税金を引いた純益は幾らになりますか。
  15. 大富宏

    大富政府委員 ただいま資料を持っておりませんので、後刻お知らせいたします。
  16. 小川新一郎

    小川(新)委員 百二十五億ももうかっている会社ですね。しかも、この会社貸借対照表を見ますと、昭和五十一年三月三十一日、異常危険準備金十二億四千百七十四万三千七百八十四円について租税特別措置が行われている。これが一つですね。もう一つ、第二異常危険準備金、これが実に百四十三億一千七百五十万円もこの会社資本として積み立てている。そのほかに責任準備金が四十九億二千五百三十五万六千六百四円。価格変動準備金が五億八百八十万八千二百七十円。こういうふうに非常な積み立て金を積み上げながら、たったの三社が、日本でおまえは北海道、おれは東日本、おれは西日本と、百二十億ももうける会社が、その社長が全部国家公務員。しかも三社だけしかない。この三社を通さないと、日本公共事業の四〇%の前渡金が渡されないという。しかも一年間の交際費が五千五百万円もある。何を交際費に使うのです、この会社は。自分の方でペーパーを出してやる会社に、しかも出される建設業者交際費を使ってお世辞を使うならわかるけれども、ペーパー一枚を出してやる会社が五千五百万円を使っている。しかも、西日本では旅費を一年間に三千万円も使っている。どこを歩くのです、三千万円も。調査研究費が一千二百万円から二千万円近くある。何を調査研究するのですか。こういった問題を踏まえながら、資産が莫大な数に上って累積し、このわずかの人たちによって日本公共事業の約十一兆円の四〇%の前渡金を支払う特権階級会社日本で三社しかない。しかも、テリトリー協定違反疑いがある。これは公正取引委員会、どう思いますか。
  17. 澤田悌

    澤田政府委員 独占禁止法から申しますと、ある地域におきまして事業者が一社であるというそのことだけで同法違反というわけにはいかないのでございますけれども、その三社なら三社が協定をいたしまして、事業を営む地域分割の申し合わせをしておるというようなことに相なりますると、独占禁止法違反疑いがあるということでございます。
  18. 小川新一郎

    小川(新)委員 ちょっとそこにいてください。  そうすると、こういう会社の、北日本保証株式会社保証協会じゃないのですよ。よく間違えるのは、保証協会株式会社を間違える。私の言っているのは、純然たる私法人の、私の営利目的とした株式会社。その株式会社が、北海道と東と西と同じ名前をくっつけて三つで割って、昭和二十七年以来今日まで競争相手をつくらない。しかも三社が分割して、北海道業者東日本の方へは保証はできない。こういうことは協定違反にならないのですか、この現実では。
  19. 澤田悌

    澤田政府委員 先ほど申し上げましたように、その三社の間で、それからまたあるいは三社が協会をつくっておるようでありますが、そういう協会である事業者団体、これが営業地域などを協定をいたしておりますれば、独占禁止法違反疑いがある、こういうことでございまして、そういう協定の有無ということが判断基準になるわけでございます。
  20. 小川新一郎

    小川(新)委員 じゃ、この保証三社が金を出し合ってつくっている協会がありますね。この協会名前は、建設大臣、何というのですか。
  21. 大富宏

    大富政府委員 お答えいたします。  保証事業会社協会でございます。
  22. 小川新一郎

    小川(新)委員 この会社幹部前歴をお聞きしたい。
  23. 大富宏

    大富政府委員 この保証事業会社協会任意団体でございますが、この会長は現在西日本保証株式会社社長島村忠男がやっております。
  24. 小川新一郎

    小川(新)委員 前歴は……。
  25. 大富宏

  26. 小川新一郎

    小川(新)委員 常務専務、みんな言ってください。
  27. 大富宏

    大富政府委員 理事でございます。
  28. 小川新一郎

    小川(新)委員 会長、副会長は……。
  29. 大富宏

    大富政府委員 会長は、ただいま申し上げました……。ちょっと、後刻お知らせいたします。
  30. 小川新一郎

    小川(新)委員 会長、副会長、また副会長は二人おって、これは全部三社の東日本西日本北日本社長がなっているわけですね。それが東保証株式会社の二階に保証協会というものをつくって、三社が協定して、三社が分割してそういう会社をつくっていられるということがテリトリー協定違反にならないのですか。しかも、これはどこで、じゃ三社を分割させるように指導したのですか。これがはっきりしない限りは、東日本建設業者公共事業前渡金保証金の三〇%、約三千万円と仮定しますと、その一千万円をいただきに行くときには北海道西日本には行けないのです。東日本保証株式会社に行ってペーパーをもらってこないと、あなたのところはこの保証を取りつけてもいいですよという証書をいただかないと、公共事業費前渡金はもらえないのですよ。これはテリトリー協定違反になるでしょう。公正取引委員会。こういうものをつくって協定しているのですから。
  31. 澤田悌

    澤田政府委員 ただいまの御指摘でございますが、行政官庁がどういう扱いをいたしておりますか、ということよりも、独占禁止法といたしましては、事業者協定をしておるということが判断基準になるわけでございます。それに関して、行政指導があろうとなかろうと、事業者行政指導があっても協定していれば、これは独占禁止法違反疑いがある。なくても協定していればもちろんそうなる、こういうことでございます。
  32. 小川新一郎

    小川(新)委員 わかっているのです、それは。公正取引委員長、そんなことはわかっているの。だから、いまそういう現実になっているの。第一、あなた方の人に聞いたら、こんな会社があることも知らないのだ。しかも、昭和二十七年から資本金が二百億も三百億もふえちゃって、一年間に五十億も六十億ももうかっちゃって、公共事業費がふえればふえるほどこの三社が前渡金がふえていくのです。ロッキードどころの騒ぎじゃないじゃないですか。永久に続いていくじゃないですか、この三社は。北海道と東と西に分かれたまま昭和二十七年にスタートして以来二十三年間そのままの状態で、公共事業費が、景気浮揚だといって予算がふえればふえるほど、その公共事業費前渡金の三〇%ないし四〇%をもらわなければいけない業界のシステムであるならば、どうしてそういうふうに三つで割って二十三年も続いてきた。また、将来何十年、何百年続くのか。おかしいから、公正取引委員長としては、この問題について――しかも、この三社が金を出し合って協会をつくって、その協会会長、副会長はその三社の社長がなっているじゃありませんか。これでもおかしいと思わないですか。
  33. 澤田悌

    澤田政府委員 その御指摘のような点は十分調査する価値がある問題だと思います。疑いがあるかどうかということは、先ほど来申し上げている事実の認定の問題でございますので、調査いたしたいと思います。
  34. 小川新一郎

    小川(新)委員 初めてこの三社に対して公正取引委員会調査をするということをいまお約束したわけですね。それはなぜ調査をするかというと、分割すなわちテリトリー協定違反疑いが去る。この三社が二十三年間独占して日本公共事業費前渡金保証を一手に引き受けて、しかも莫大な利益を受け、しかもその社長はすべて高級公務員がなっているということが指摘されている。この会社社長の月給は幾らですか。年俸でいいです。  ついでに、調べているついでですから、その保証協会の方、二つ兼務していますね。株式会社社長三人が集まって協会をつくった。その協会も兼務していますから、そっちも給料もらっているはずですから、あわせて。
  35. 大富宏

    大富政府委員 お尋ねの三社の社長の給与でございますが、北日本社長年俸は九百五万円、東日本につきましては千六百七万円、西日本につきましては千四百三十三万円。
  36. 小川新一郎

    小川(新)委員 一千六百万というと国会議員より多いですね。しかも、この会社の、東日本保証株式会社の一年間の利益幾らありますか。税金を全部差し引いた利益
  37. 坪川信三

    坪川委員長 計画局長、早く答弁を願います。
  38. 大富宏

    大富政府委員 お答えいたします。  五十年度の保証会社の純利益でございますが、東日本につきましては三十三億四千万円。
  39. 小川新一郎

    小川(新)委員 それは、目的であるところの保証料だけの三十三億、そのほか利子配当、こういうのが約二十億以上ある。合わせてこの会社は六十億以上もうかる。しかも、手数料やその他もたくさんある。  それから、この内容について一つ私はどうしてもわからない問題がある。異常準備金の第一と第二に分けたわけ。異常危険準備金ってどういうものを言うのですか。しかも、百四十三億一千七百五十万円も異常準備金に積み上げるというわけがわからない。異常というのは何かということも説明がつかない。これを説明してください。この二点。
  40. 大富宏

    大富政府委員 保証会社保証限度というのは、自己資本異常危険準備金及び責任準備金の合計額の二十倍ということになっているわけでございます。御案内のとおり、公共投資増大によりまして、前払い保証の対象金額が増大しているということで、それに見合った保証資本の蓄積が必要だという観点で行っているものでございます。
  41. 小川新一郎

    小川(新)委員 この異常準備金の異常ということの定義の中に、東日本建設業保証株式会社前払金保証約款第四条によりますと、「当会社は、地震、噴火、暴風雨、水害その他の天災、戦争(宣戦の有無を問わない。)、事変、暴動、その他保証契約者の責に帰することのできない客観的事由によって請負契約が解除されたときは、保証金支払の責に任じない」と言っている。こういうもののときには損害を私の方で払えませんよと言っている。それが異常準備金なんだ。これが異常なんだ。払わないというところに何で百四十億も積み上げ、第一と第二に分け、すなわち十二億の方の第一については税金を無税にしている。しかし、これはさすがに気がとがめたと思って、ことしから、昭和五十年から税金の損金対象から外した。しかし、昭和三十年から昭和五十年までこの異常準備金という名によって税金を逃れ、もうけ隠しを行っている。こういう実態でありますので、私はまずこういった問題を踏まえた上で保証システムの抜本改正を望まなければならぬ。先ほどの公正取引委員長のお話のように、調査をして速やかにテリトリー協定違反があるかないかの調査の段階を公表していただかなければならぬし、また建設省としては、こういったもうけ過ぎの会社がたった一社だけで東日本を占領する。こういうことで、なぜ株式を上場してないのか。資本金が十億も二十億もある会社が株式を上場しない。まず株式を上場することがどうかという点が第一点。  第二点は、これに対するところの正規の会計検査をする公認会計士が入っていない。こういう問題を踏まえた上でひとつお答えをいただきたい。  株式の上場を行わなければ明確にならない。そうしてテリトリー協定違反があるということは先ほど公正取引委員会委員長調査をするということでございますから、株式の上場を行うのか行わないのか。しかも、もしこれができないならば、こういった問題を民間の株式会社にやらせないで、保証事業協会のように国の何らかの制約下にある特殊法人なり、そういった問題で解決する方策はないのかどうか。これは建設大臣にお尋ねします。
  42. 長谷川四郎

    長谷川国務大臣 いろいろ御質問がございましたけれども、とにかく私も急にいま聞いたばかりの話で、内容の辺はよくわかりません。大体いまの御質問で私も納得することができました。  上場の点につきましては、資本金が満たしてあればそれで上場ができるというものではなく、上場にはいろいろな条件があるわけでありますから、その条件というものが満たされてあるのならば上場はできるだろうと考えます。  したがって、いろいろけさもその話を聞きまして、その保証額、それに対する引き下げ、こういう点については二十七年から三十八年までは引き下げ、後一定の期間はやらなかったけれども、五回にわたって引き下げをやっておるというようなお話も承っておりましたけれども、いま承ると、まだいろいろの点が残されておるようでございます。十分この点につきましては調査をいたしまして、改めてまた御報告をいたしたいと考えております。
  43. 小川新一郎

    小川(新)委員 こんなにもうけ過ぎた会社が上場の資格がないなんて言ったら、日本会社は上場する会社がなくなっちゃいますね。これは明らかに建設省の怠慢であると思います。  その次に、この前渡金が元請会社から下請会社になる――私はここに資料を持っておりますが、ある公共事業を元請会社が受けた契約が一〇〇%としますと、下請会社に八八%の予算で持ってこいと言う。しかも住宅公団の仕事をやらせるときに、この元請が前渡金の四〇%をもらっておきながら、下請には手形で出している。こういう監査はどうしてできないのですか。これはおかしいじゃないですか。
  44. 大富宏

    大富政府委員 先生御案内のように、この前払い金というのは、そもそも請負業者が資材の購入とか労働者の募集等工事の着手に必要な金ということで支払うわけでございますから、元請人の下請人に対する前払い金の支払いという問題についても、建設業法の趣旨に基づきまして、その適正化ということを常に指導しているところでございます。御指摘のように、前払い保証株式会社に対しましても、制度上、前払い金の使途に関しまして、これを監査する仕組みになっているわけでございまして、建設省におきましても、従来からしばしばこの業務検査を行っております。御指摘もございますので、今後一層適正な運用がなされるようにいたしたいと思っております。
  45. 小川新一郎

    小川(新)委員 なぜ適正な運用ができないかというと、建設省の監査しているのは、この保証株式会社の監査だけであって、保証株式会社からもらった保証書を持って銀行へ振り込んでから先へどこへ何が流れていくかということは、銀行が監査しているのですよ。おかしいでしょう。公共事業という国の予算で編成されたお金が十兆も十二兆もあって、その三〇%の前渡し金が、何で民間会社保証書によって前渡し金が出るかということすらおかしいのに、さらにその行く先を監査するのが、銀行がやるなんて、そんなばかな話がどこにある。だからこういうふうな問題が出てくるのですよ。これは中小企業からの陳情書です。「ついに前渡し金はもらうことができませんでした。当社は前の工事の損失を抱えて、前渡し金なしで工事に着工せざるを得なかったために、徐々に困難の度を加えていきました。しかも」云々と言って、この会社は最後に倒産しちゃうのです。しかも、この契約条項が、元請会社が百万円という金額で公団から請け負ったとしますと、八十八万円に落とした契約で持ってこい、それならおまえに元請から下請を出してやるという契約書がここにあるのです。こういうことがこの不況下の中小零細の建設業界の実態であります。公正取引委員長はこの実態をどう見ますか。
  46. 澤田悌

    澤田政府委員 公正取引委員会といたしましては、そうした法令違反疑いがある具体的な問題がありますれば、これは当然調査を行いまして、厳重に処置するわけでございます。ただ、御承知のように、建設業に関しましては、下請の調査等は、実は私の方の一般的な調査から外れております。建設業法に任せてあるわけでございまして、年四回私の方は下請関係の実態調査をいたしておりまして、その違反事実があればそれに対応する措置をとっておるのでありますが、建設業に関してはただいま申したようなわけです。それじゃ、これを一般調査の中に入れて公取がやるかということになりますと、遺憾ながらいまの陣容では不可能でございます。そういう状態にありますので、できるだけ具体的な事実をつかまえて、そして処置したいと、こういう姿勢でおるわけでございます。
  47. 小川新一郎

    小川(新)委員 建設大臣は、ただいまの私の発言に対して、元請、下請の公共工事費の前渡し金が明確に渡っているか渡ってないかの監査を建設省がやるべきだと思いますが、いかがでございますか。これが一点。第二点は、株式上場の条件はすべて整っております。でありますから、これを前向きに、上場することを前提としてやるのか。また、公認会計士は東日本しか入ってない。西日本北日本には公認会計士が入ってない。この監査に対する報告は私たちは信用がおけない。こういう問題について、三点お答えいただきたい。
  48. 長谷川四郎

    長谷川国務大臣 上場する、しないは別といたしまして、前提となるものが、いろいろの御指摘がありました点につきましては、十分に調査をして、その結果、上場するとかしないとかいう問題はその二の問題だと考えます。一応御指摘の点につきましては、十分に公的機関であるということの自覚の上に立って運営されているかどうか、こういう点を調査いたしまして、それから後に考えるべき問題だと考えております。
  49. 小川新一郎

    小川(新)委員 下請代金の銀行の監査……。
  50. 長谷川四郎

    長谷川国務大臣 もちろん、私の方で十分今度は監査をいたしていきたいと考えております。
  51. 小川新一郎

    小川(新)委員 時間がございませんから、この問題はまた後で機会のあるときにお尋ねしますが、どうかひとつよろしく御配慮をお願いいたします。  第二点、外交問題で、大臣がおいでのようですからお尋ねいたします。  竹島問題でお尋ねしますが、大臣、竹島は日本の領土ですか。
  52. 鳩山威一郎

    ○鳩山国務大臣 竹島につきましては、当然のことながら、日本の領土であるということを主張しておるわけでございます。もう御承知のことでございますので繰り返しませんが、明治三十八年に島根県に編入をされておるわけでございます。
  53. 小川新一郎

    小川(新)委員 大臣、この日本の領土である認識のある竹島に日本人が行くことは差し支えありませんか。領土、領海、領空に入っても構いませんか。
  54. 鳩山威一郎

    ○鳩山国務大臣 わが国といたしましては、当然のことであると、こう考えます。
  55. 小川新一郎

    小川(新)委員 そうしますと、過日竹島に読売新聞、RKB毎日放送社が領空を侵犯したというかどで、韓国の国防部から厳重な抗議が来たと聞いておりますが、事実ですか。
  56. 鳩山威一郎

    ○鳩山国務大臣 韓国から抗議があったということ、それから、わが方としてもその抗議に対して、竹島はわが国の領土であるということで、飛行をすることも当然のことではないかということを当方からも厳重に申し渡してあると聞いておりますが、どういう、何部からあったかということは局長の方から御答弁いたします。
  57. 中江要介

    ○中江政府委員 いま外務大臣から御説明になりましたとおりでございますが、要するに、これは外交チャネルを通じて、つまり韓国の外交部からわが方の在韓大使館に対してそういう抗議が参ったわけでございまして、その抗議を向こうが申し入れましたその席上で、日本側としてはそういうことは受け入れるわけにはまいらない、日本の立場は、あれは固有の領土であるということで一貫している、ということではねつけているというのが現状でございます。
  58. 小川新一郎

    小川(新)委員 その抗議の内容については、私は自分で調べたところによって申し上げますから、違っていたら違ったと言ってください。「ひん発する“領空侵犯”に対して、韓国国防部が強い不満を表明している。今後発生するかもしれない不幸な事態についての責任はすべて日本政府にある」と言っているわけでございますが、読売新聞機と毎日新聞機がこの領空を侵犯したときに、今後不幸な事態が発生してもその責任は当方にはないんだ、当方は関知しない、あるのは日本側の政府にあるんだ、竹島はおれのものなんだから来るな、領土、領海、領空を侵犯すれば――不幸な事態とは一体どういうことなのか。この不幸な事態になったときには政府はどう対処するか。もう一つは、民間機、船舶、日本国民に対して、日本政府は、このような韓国側の強い抗議に対してどのように国民に行政指導するのか。行っちゃいけないというのか、行って、機関銃で撃たれて落っこちてもおれは知らないよと、落っこちたおまえが悪いんだよと突っぱねるのか。日本の領土に勝手に行っていけないというんなら、これから取材をするマスコミ関係に対してどういう御注意を喚起するのか、この二点についてお尋ねします。
  59. 中江要介

    ○中江政府委員 先方の抗議の内容の一部分に、いま先生がおっしゃいましたような、国防部が不満としている云々という個所があったことは事実でございます。それに対しまして日本側がその場で反駁いたしましたのは、まず、問題は韓国政府が竹島を不法占拠しているのが原因ではないかという点と、それから、いまの不幸な事態が発生した場合には、これはもっぱら韓国政府の責任にあるのだということをわが方としては言わざるを得ないということで先方に言っております。  それから、民間機が上空を飛行することにつきましては、そういう双方の政府の立場にもかかわらず、わが方の事実上の施政が竹島に及んでいないということも現在の事態としては否定できないことでありますので、その点は民間航空機であれ、あるいは漁船であれ、竹島を、通常のわが国の完全な施政が及んでいる領域と同じように報道するということはいかがなものかということはおのずから考慮されなければならないか、こういうふうに思います。
  60. 小川新一郎

    小川(新)委員 いかがなことと考慮するということは、日本の領空だと言うのですから、日本の国の領土に自分の国の国民が行くのに、隣りの人からここへ来たらぶん殴っちゃう、そしてけがしても死んでも責任は負わないという、こんなばかな問題が一体あるのでしょうか。防衛庁長官、こういう事態をどう見るのですか。これでもしも韓国側が何らかの行為をとったときには、防衛庁としてはどういう考えを持っているか。
  61. 三原朝雄

    ○三原国務大臣 お答えをいたしますが、先ほど来外務大臣が、わが国の竹島問題に対します基本的な方針を言われたわけでございますが、したがって、私ども自衛隊がこれに対処するということは、あくまでも平和的な手段で解決をしようという基本方針でございますので、いま自衛隊がこれに対処するということは考えておらないところでございます。
  62. 小川新一郎

    小川(新)委員 それではもう一遍外務大臣にお尋ねしますが、韓国国防部では、責任が負えない、不幸な事態が発生してもその責任はすべて日本側にある。この不幸な原因というのは何でしょうか。どう理解していますか、大臣。これは大臣にぜひ聞きたいです。
  63. 鳩山威一郎

    ○鳩山国務大臣 韓国側が申してきたこの不幸な事態が起こっても云々ということは、私は表現としてはきわめて不適当な表現であると思います。それで、このような事態が起こるということは、いわば一種の脅迫に近いような言動でありますので、この点についてはわが方としても強く抗議を申しておるところでございまして、余り答弁が直接ではございませんけれども、そのような先方の抗議に対しまして、わが方は絶対に承認することはできないということで御了承願いたいと思います。
  64. 小川新一郎

    小川(新)委員 大臣は去る二月九日の予算委員会で、竹島問題に対して領有問題として問題にするには時期が適当でないと答弁しておりますが、いまがその適当な時期になったのですか。これが一点。  第二点は、マスコミを初めとする日本国民に対して、この地域に立ち入れないように正式に行政指導を通告いたしますか。
  65. 鳩山威一郎

    ○鳩山国務大臣 いまが適当な時期でないというのは、恐らく先刻は――先方の外務部長官が外国へ行く途路に立ち寄られまして懇談をしたわけでございます。そのときに、竹島問題につきまして先方からの発言がなかった、そして、わが方としては特に領海問題につきまして、これはわが方が領海を十二海里に広げるという方針を決めておりますので、この点につきまして了解を求めたわけでございまして、この際に竹島の領土問題を持ち出すということはかえって問題を複雑にするというので、私の方から差し控えたという意味でございまして、そのように竹島問題につきましてわが国の領有権を主張するということは、これは常時主張をしております。いろんな事件が起こりましたときには特に当方から強く主張をしておるところでございます。
  66. 小川新一郎

    小川(新)委員 特に通告を出すか、出さないか。
  67. 鳩山威一郎

    ○鳩山国務大臣 竹島問題につきましては、韓国側も強く自己の権利を主張しております。そういうことから、大変な紛争の対象であるということは、日本の国民につきましても周知徹底を図る必要がある。これもあわせて行うべきことと思います。
  68. 小川新一郎

    小川(新)委員 重ねてお尋ねしますが、そういう危険な状態にある竹島に、領土、領海、領空に入らないよう正式に政府行政指導日本国民やすべての関係者、マスコミ等にするかしないかということを聞いている。
  69. 鳩山威一郎

    ○鳩山国務大臣 わが政府からそのようなことをするということが、わが国の領有権に対する立場に影響を与えるということも考慮されますので、政府が直接そのようなことをやることは考えておらないところでございます。
  70. 小川新一郎

    小川(新)委員 そうしますと、自由に立ち入った場合に、知らないで立ち入って不幸な事態ができた責任は日本側にあると言っておるのですから、不幸な事態ができたらあなた責任負ってくれるのですね。私も調査に行くかもしれないし、そのときの保障というものは何にもないわけです。韓国側は、来るな、来れば不幸な状態になると言っておる。その責任は外務大臣負ってくれますね。
  71. 鳩山威一郎

    ○鳩山国務大臣 竹島問題が韓国との間に紛争の対象であるということは、国民に周知徹底を図るべきものでありますし、この点は、しかし一般の報道機関をもって何よりも徹底をされておると思うのでございますけれども、そこから発生いたしますところの被害が仮にあるとした場合に、この被害に対してどのような措置をとるべきかということは、これは立法政策と申しますか、政策の問題でございますので、これはいまここでどうするということを申し上げるわけにはいかないと思います。
  72. 小川新一郎

    小川(新)委員 私は、大臣、立法だとか何とか言っておるのじゃないのですよ。もう現に二度読売機と毎日機が入ってきた、今度入ってきたら、何人を問わず不幸な事態になると言っておるのですよ、韓国の国防部で。そこまで言われているのですよ。それであなたは竹島は日本の領土だと言っておるのです。日本の領土に行くものが何で不幸な事態になるのですか。だから、さっきから防衛庁に聞いているわけですよ。じゃ行ってもしも万が一のことがあったらどうするのですかということを心配しているからこそ、重ねて何度も何度もあなたの決意を聞いているわけじゃないですか、処置として。それを竹島の領土問題はいま出すときじゃないだのかんだのと、軟弱外交、後退姿勢。ここまで言われて、じゃ日本国民の生命、万が一の事故、こういう問題の方が大切じゃないですか。私は、何も竹島は日本の領土だから、やらないからどうのこうのと言っておるのじゃないのです。交渉にも応じない韓国の態度に対して、しかも一方的にそういうように言ってくる。一方的に私たちがそれに屈服するのかどうかということ。日本の領土内でどうあるべきか。だから、行政指導して、紛争の対象にならないように通告しなければ危険じゃないかということを注意しているのです。そんなわかったようなわからないような返事は私は納得できないですよ。
  73. 鳩山威一郎

    ○鳩山国務大臣 何度も申し上げますが、竹島に対しますわが方の領有権というものは強く主張をいたしておるところでございます。しかし、一方において竹島が紛争の対象であるということもよくわかっております。そこに起こります事態につきまして、私どもはそういった事態が起こらないことを強く期待をいたしております。それから先のことは、いまここでやはりわれわれの立場を弱くするということはしたくないということを申し上げておるのでございます。
  74. 小川新一郎

    小川(新)委員 それはわかる。だから、ではどういうふうにしたらいいのですか。どうしたらいいのですか、外務大臣。では、取材やその他に行く者をそのままにしておけばいいということですか。事故が起きてもしようがない、行った者が悪いんだ、国会でこれだけ議論したんだからいいんだ、これで理解するのですか。
  75. 鳩山威一郎

    ○鳩山国務大臣 竹島が現在のような事態になっておるということ、そして先方の国防部がそのようなことを言っておるということはわが方としてはまことに遺憾なことに存じます。さればといって、わが方としては、それをもってわが方の領有権を一歩引き下がるというようなことはあくまで避けたいということで、そのような事態が起こらないことを期待はいたしております。また、この点につきまして一般の理解は求めなければならないと思うわけでございます。
  76. 小川新一郎

    小川(新)委員 理解を求める。どういう方法で理解を求めるかということはお聞きできませんでしたが、この理解を求め得ずして事故が起きたときは日本政府の責任になる、私はこう理解しております。あなたの責任だと思います。もしもこれに対して不満があればいまここで反論の答弁をしていただきたい。なければ私はそのように理解いたします。
  77. 鳩山威一郎

    ○鳩山国務大臣 私は自分の責任を回避するつもりは毛頭ないのでございますけれども、国際的な、特に領土問題というものはなかなかむずかしい状態にあるわけでございます。竹島のみならず北方四島においても同様でございます。そういうことから考えまして、そこから生ずるところの被害をどうするかということにつきましては、やはり私は国として対処ぶりをはっきりさすべきであるというふうに考える次第であります。
  78. 小川新一郎

    小川(新)委員 あなたの苦しい気持ちもわかりましたし、そこまで申していただきましたからよく理解せざるを得ないでしょう。  次に、カーター大統領は就任とともに、アメリカのアジア政策、とりわけ在韓米軍等の撤退の宣言をしております。そこでお尋ねいたしますが、地上軍撤退もさることながら、韓国に米軍の保有する七百個の核兵器をすべて引き揚げるとの方針を明らかにしましたが、そのとおりですか。
  79. 鳩山威一郎

    ○鳩山国務大臣 カーター大統領が選挙戦におきましてそのような発言をされたことは承っておるわけでございますが、先般モンデール副大統領が見えましたときには核の問題にはお触れにならなかったと承知をいたしております。したがいまして、大統領になられましてから、陸上軍のみならず、核につきましても撤退ないし削減ということにつきましては聞き及んでないということでございます。
  80. 小川新一郎

    小川(新)委員 聞き及んでいないということでありますが、カーター大統領候補のときにそういう宣言をなさった、七百発ということまではっきり言われた。そこで、核を撤去するという主な理由ですが、どのようなところにあるとあなたは、日本政府は分析されておられるか。これはバランス論で私は聞きたいのですが、この間も、軍事、経済、平和、外交、文化、すべてのバランスをとってと、朝鮮半島の緊張度とのバランス論を日本と韓国との関係において福田総理が述べられましたが、これらの韓国にある核兵器はわが国の安全に無関係なのか。何らかの防衛上の関係があるのかどうか。日本のために核使用もあり得るとシュレジンジャー前国防長官は言明いたしておりますが、外務省としてはどのように分析なさっておりますか。
  81. 鳩山威一郎

    ○鳩山国務大臣 核がどういうところにあるかということにつきましては私ども了知をいたしておりません。また、韓国におきます核が日本の安全保障にどのような意味を持つかということにつきましても、私ども確固たる研究をまだいたしておらないのでございますが、この点につきまして政府委員から御答弁をさしていただきます。
  82. 山崎敏夫

    ○山崎政府委員 韓国にありますと言われております核に関しましては、日本政府としては正式には何ら承知しておらないわけでございます。またこの問題に関しましては、カーター大統領は就任して以来一切触れておりません。  また、この問題に関しましての軍事的な意味に関しましては、いろんな分析があり得るとは思いますが、われわれとしては正式にこの問題に関して検討してはおりません。
  83. 小川新一郎

    小川(新)委員 少なくとも日米安保条約体制下にあってパートナーシップを組んで、シュレジンジャー前国防長官も言っている。カーターさんもおっしゃっている。韓国には七百発の戦術核がある、これを引き揚げるとまで言明している。それを、正式にないから私は何も分析していないんだ、韓国と日本の防衛上のバランスにおけるところの研究もしないんだ。一体それが外務省の最高首脳の答えなんですか。こんなことで私たちは、国民は納得できませんよ。  防衛庁長官、あなたはもう防衛専門の立場から論じるのですが、こういった核を撤去することは、七百個の核を撤去するということは、在韓米軍の撤退以上の力があると認識なさっていると思われますが、私はそう思っているのですが、あなたはどのようなバランス論から政策分析をなされていますか。
  84. 三原朝雄

    ○三原国務大臣 お答えいたします。  バランス問題を提起しておられますが、核問題だけで軍事バランスの問題を評価することも非常に困難だと思いまして、その他一般の、在韓米軍なりあるいは韓国軍、北鮮軍というそういう総合的な体制の中でバランスが保たれる。また周辺の、国際関係等の平常化というような問題もあるわけでございますので、私どもはそういう立場から、しかしどういう形で核が持ち出され、あるいは一般地上軍等が削減されるかということを非常に注視をいたしておりますけれども、いまのところその様相が明確でございませんので、いまはっきり核問題だけでバランス問題を私から申し上げることは差し控えねばならぬと思うわけでございます。  なお、具体的な全体の兵力関係あるいはそうした核の問題等につきましては、政府委員から答えさせたいと思うのでございます。
  85. 小川新一郎

    小川(新)委員 政府委員は結構ですが、防衛庁長官外務大臣も聞いていただきたいのは、要するにカーターさんもおっしゃった、シュレジンジャーも言った、在韓米軍三万数千。朝鮮戦争のときには六十万から七十万動員をかけた。しかし朝鮮と中国軍に押しまくられた。最後にはトルーマン大統領に、あの有名なマッカーサーが、原爆使用の許可を鴨緑江を越えてやってもよろしいか、こういう問題まで提起された第一次朝鮮戦争のあの緊迫した状態の中で、このような戦術核があることについては、わが国は非核三原則を貫き通す、米国の核のかさにある抑止力という立場をあなた方が認識するならば、韓国から核兵器の撤去をするということは、要するに政府としては反対なのか賛成なのか、どうなんですか。もう、あるとかないとか、聞いているとか聞いていないとかでなくて、こういった問題に対してはどうなんですか。まず外務大臣から……。
  86. 鳩山威一郎

    ○鳩山国務大臣 ただいま韓国の核兵器の撤去につきまして日本政府は賛成か反対か、こういう仰せでございますが、日本政府は事あるごとに核軍縮ということを主張いたしておるわけでございます。世界全体として、これから行われるであろう総理との交渉等を通じまして、核兵器というものが減らされていく、また究極におきまして兵器として全廃されることが何より好ましいということは皆同意見だろうと思うのでございます。しかし、これが現実の問題といたしまして韓国の安全とか平和、あるいは朝鮮半島の平和ということにいかなる影響を持つかということになりますと、これはやはりわが日本政府としていまの段階におきまして差し出がましいことを言うことは差し控えたい、こう思う次第でございます。
  87. 小川新一郎

    小川(新)委員 基本的には核兵器を撤去することは賛成だ、しかし現実においてはいまはアメリカの言うなりにならなければならないというようなあなたの外交姿勢が、竹島問題もうやむやにする。すべてそういった――少なくとも大蔵官僚最優秀のあなたですから、私はもう少し私のような素人にわかるように外交の答弁をしていただけるのかと思って期待しておったが、全く自治省と大蔵省予算編成のときのような答弁だ。これはまことに遺憾でございますが、時間がございませんから次に進ませていただきます。  自治大臣、領海十二海里にわが国がなったときには、自治体は課税の税収――固定資産税を領海十二海里の中で市町村が取ることができるのかどうか。
  88. 小川平二

    小川国務大臣 お答えいたします。  当然徴収することができると解しております。
  89. 小川新一郎

    小川(新)委員 現実に領海十二海里が設定されたときに、いま公海でやっておりますが、そこに、新潟県の阿賀沖にはいま現実に対象になるような企業がありますが、なればすぐこういう企業も固定資産税を納める対象になるのですか。
  90. 小川平二

    小川国務大臣 お答えいたします。  その具体的な事例について承知いたしておりませんが、筋論といたしまして直ちに徴収することになると思います。
  91. 小川新一郎

    小川(新)委員 そういたしますと、領海十二海里内におけるところの権益、石油権益とかそういう問題でいろいろと権益が発生した場合には、その当該地域の市町村に固定資産税が入ると理解していいのですね。県じゃございませんね。
  92. 小川平二

    小川国務大臣 仰せのとおりでございます。
  93. 小川新一郎

    小川(新)委員 次に、国会の予算修正権について、地方自治体の立場からお尋ねいたします。  国会の予算修正権について、政府は二月二十三日衆議院予算委員会の公明党の矢野書記長の再質問に答える形で、改めて政府の統一見解が明らかにされましたが、その骨子は、国会の予算修正は内閣の予算提出権を損なわない範囲で可能と考えられると言っておりますが、これについて福田総理は提出権を損なわない項の新設もあり得る、その限界をどこに置くか、ケース・バイ・ケースであるけれども、項の新設はあり得る、損なわない範囲については国会と政府が話し合って判断すべきものである、という理解を示しておりますが、地方議会の予算修正権と首長の予算提出権についての関連性でございますが、地方自治法第九十七条第二項において「議会は、予算について、増額してこれを議決することを妨げない。但し、普通地方公共団体の長の予算の提出の権限を侵すことはできない。」と定められておりますが、地方議会の予算修正権が首長の予算の提出権を侵害しない範囲とは一体何ですか。
  94. 小川平二

    小川国務大臣 お答えいたします。  地方議会におきましては、いま御指摘のような地方自治法の条文がございまして、これによって公共団体の長の予算提出権と議会の修正権との調整が図られて今日に至っておるわけでございます。したがいまして、この原則そのものは今後とも堅持さるべきだと思っておりますが、具体的な予算の議決に際しましてどの程度の修正をすれば議決権の侵害になるかということは、そのときどきの地方自治体の判断にゆだねらるべきものだと考えております。
  95. 小川新一郎

    小川(新)委員 そうすると、具体的には款と項と目または節、この款項を加えることは長の提出権を侵すことになるのですか。これは国会の総理の質問と私は軌を一にして、款の新設もあり得る、こう理解してよろしいのかどうか。地方公共団体の長の予算提出権の侵害というのは、項はいけないのかどうか。この点、自治省の見解はどうですか。
  96. 小川平二

    小川国務大臣 この問題につきましての先般来の当委員会における論議の過程で政府の示しました見解は、どのような修正が予算提案権を侵害することになるかは個々のケースに即して判断すべき問題である。これが二月八日の答弁と承知しております。二十三日には、憲法の規定から見て国会の予算修正は内閣の予算提案権を損なわない範囲内で可能と考えられる。そこで予算提案権につきまして、国であると地方公共団体であるとによって扱いを異にすべきではございませんから、この問題については政府答弁と同様の扱いがなされてしかるべきだと考えております。
  97. 小川新一郎

    小川(新)委員 これは大臣、大事なことをいま発言なされておりますね。初めてここで国に合わせるということですから、予算の提出権を損なわない、ケース・バイ・ケースであるけれども、項の新設もあり得ると総理は言っている。そうすると、地方議会においての首長が提出した予算提出権について項の新設も議会の修正についてはあり得る、同じように理解していいわけだと思います。
  98. 小川平二

    小川国務大臣 政府答弁と同様な判断に立って地方議会が自主的に決定すべきことだと考えます。
  99. 小川新一郎

    小川(新)委員 あなた、いま項の新設ということを認めた発言でございますから、私どもはこの地方自治体の弾力的な考え方がきょうは国会で示されたと思って理解いたしております。  次に、地方事務官制度。この地方事務官制度についてはもういろいろと言い尽くされております。渡辺大臣、あなたがこの間わが党の質問に対して、厚生大臣は社会保険事務は国でやった方が好ましいとおっしゃった。私はあなたのおやりになる執行権についてどうのこうの文句を言うことは一つもございません。大臣の御理解なさっております地方事務官というのはどういうものを言っていらっしゃるか。大臣がお考えになっている地方事務官というものの権限、人事権、予算権、それから昇給、身分に関する件、これらについて御明確に御答弁いただきたい。この事務官についての御認識をまず聞いておきたい。
  100. 渡辺美智雄

    ○渡辺国務大臣 厚生省関係の年金、保険等を扱う地方に配属された方たちを地方事務官と言っておりますが、これの任命権者は厚生大臣でございます。それから仕事そのものの日常の監督権は知事に委任をしてある、こういうふうに考えております。また法制上細かく必要な場合には政府委員から答弁をさせます。
  101. 小川新一郎

    小川(新)委員 自治大臣、地方事務官制度をやめるという自治省の考え方に私どもが四十九年に議会で附帯決議までつけておりましたね。五十一年からやるということになったときには尊重する、おやりになるというのが、これはもう自治省の伝統であります。あなたは今回地方自治法改正法案を出しますか。
  102. 小川平二

    小川国務大臣 お答えいたします。  ぜひ提出したいという気持ちで努力を重ねて今日に至っておりますが、率直に申し上げまして提出いたしますというお返事ができないのを遺憾に思っております。
  103. 小川新一郎

    小川(新)委員 理由は何ですか。
  104. 小川平二

    小川国務大臣 これもあけすけに申し上げるほかございませんが、政府内部で見解の調整が今日なおできないからでございます。
  105. 小川新一郎

    小川(新)委員 重ねてお尋ねしますが、政府内部における見解の相違の主な省庁はどこですか、自治大臣
  106. 小川平二

    小川国務大臣 これは私に申し上げよというお申しつけはまことに酷でございますから御推察をいただきたい。――私にこの場で申し上げろというお申しつけはなはだ残酷でございますから、ひとつお察しをいただきたい。
  107. 小川新一郎

    小川(新)委員 残酷であるとか残酷でないとかということではないのですよ。大臣は、私のおやじと同じ名前ですからいじめる気はさらさらないのです。またお父さんに質問しているような気持ちですから。残酷だなんと言われること自体、私は残酷に感ずる。だけれども、これは行政上の問題でございますから、しこりが残るとか残らないじゃなくて結構でございます。もちろん反対なさっている大臣には反対なさっているように、その所管のいろいろなお仕事、また携わっていらっしゃる方々、そういう方々がこれでなければならないのだという信念があって反対なさっているのでございまして、何も小川平二自治大臣を困らせようと思って反対しているのではないと思います。だけれども、地方事務官制度というのは非常に大変な問題でございますが、私が想像してじゃ申し上げますと、最も反対、強烈に大臣を悩ませていらっしゃるのは前にいらっしゃる渡辺厚生大臣じゃないかと私は思うのでございますが、そうでなければ幸せでございますが、渡辺さんはまさか反対をしませんでしょうな。
  108. 渡辺美智雄

    ○渡辺国務大臣 私も、地方事務官制度を廃止をするということはいいんですよ。いいんだけれども、その後どうするかということについて持論を持っておるというだけのことであります。
  109. 小川新一郎

    小川(新)委員 機関委任事務としておろしたらいいと思いますが、いかがでございますか。たくさんの機関委任事務として地方公務員におろしますね。それが一つ。  それから、渡辺大臣には大変御無礼な質問かと思うのですが、先生の出生の栃木県に、地方事務官の不祥事件が起きています。この責任は一体だれがおとりになるんでしょうか。まず、その点からお尋ねします。
  110. 渡辺美智雄

    ○渡辺国務大臣 不祥事件の内容がわからないと何とも申し上げられませんが、内容によっては任命権者である厚生大臣の責任である、かように思います。  それから、私といたしましては、やはりこの国民皆保険あるいは国民皆年金というようなことになって、やはり社会保険事業というのは国が経営の責任を負って全国一律に国営事業として実施をしておる。年金なんかそうですね。したがって、やはり一元的体制のもとに運営されることが望ましいんじゃないか。一方、最近非常に年金の受給者がふえてきました、厚生年金を初め。それで、その人たちが職場の都合で非常に転々と、北海道に転勤したり東京に来たりあるいは大阪に転勤したりというようなことなどもあり、それらの記録やカードを一元的に保管したり、あるいは問い合せにすぐにこたえられるというシステムをつくったり、そういう点から考えると、やはり国が一元的体制でやるのがいいんじゃなかろうかという考えを持っておるわけです。
  111. 小川新一郎

    小川(新)委員 いま栃木県の地方事務官の問題ですが、これは地方事務官の出張費の水増し請求という不祥事ができました。きょう初めて大臣から暖かいお言葉をいただいたのですが、普通、地方事務官の責任は知事にあると思っていたのですが、大臣が責任をおとりになるということになりますと、これは新しい見解でございますが、確認いたしておきます。
  112. 渡辺美智雄

    ○渡辺国務大臣 身分の問題等については、私が任命権者ですから、厚生大臣の責任だと思っております。
  113. 小川新一郎

    小川(新)委員 小川大臣、地方事務官のいろんな責任は知事にあるのですか、大臣にあるのですか。
  114. 小川平二

    小川国務大臣 お答えいたします。  業務に関しますることは監督権者である知事に責任がございまするし、身分の点につきましては任命権者であります主務大臣にあると存じます。
  115. 小川新一郎

    小川(新)委員 身分をどうするかということはあるけれども一、業務に関して一ここは出張費水増しをという業務です。業務の監督責任は知事にある、これは明確になっております。大臣は、この問題について大きく抱擁してくださいましたから、今回から業務に関する問題も知事権から外すかどうか。これは重大な問題です。
  116. 渡辺美智雄

    ○渡辺国務大臣 仕事の問題、実際の業務の問題は委任をしてありますから、したがって、その監督責任は知事だ、私も現在のところ、それはそういうふうに思います。
  117. 小川新一郎

    小川(新)委員 渡辺先生、本当に知事はかわいそうなんです。たくさんの国家公務員の身分の地方事務官を抱きかかえて、任命権もなければ昇給権も与えられない、仕事の責任は自分が負うのだ、こういうことがもうことしで地方自治法施行三十周年、渡辺先生、もうこの辺で知事に全部お任せしてあげられないのですか。そして、できること、できないことは自治省と詰めればいいことであって、私はできないことは申しませんが、外国人登録事務などというものは、年じゅう動いておりますが、これは数は少ないですが、これも機関委任事務として十分地方公共団体がやっております。そういう配慮のもとに、ひとつおおらかな渡辺大臣でございます。いまもそうして、自分の部下の責任はおれがしょってやろう、しかし法律に定められているからこれはやむを得ない、これは知事の責任なんだと。知事さんはいろいろなことで責任を負わなければならない。皆あなたのところの管轄の厚生省関係の一番多いところが悩んでおるのです。これはお互い国会議員としたって、大臣でもなければ何でもないただの政治家として見れば、大臣も私も同じ地元の地方公共団体のお世話にもなり、また協力もする立場でございますね。でありますから、国会で決議をし四十三年には閣議決定までしているこういった問題は、厚生省でひとつ速やかに御検討いただいて、ことし速やかに自治大臣は地方自治法改正法案を出したい、出せない理由がいま省庁にあるのだ、その名前を言わすことは残酷だ、だから私がかわってそうであろうという想定に立って、あなたにいま実に思いやりのある態度で質問しておるのですから、どうかひとつお願いいたします。――委員長答弁は要りません。じゃ、やるということで了解いたしました。  自治大臣、非常にありがたい厚生大臣でございますから……。反対なんですか。
  118. 渡辺美智雄

    ○渡辺国務大臣 お願いしますと言うから、私は御要望かと思って聞いておったのですが、答弁が要らなければそのように決めますと言われても困るわけでございまして、ただ、知事が中途半端では困るということ、私もよくわかります。したがって、知事さんもお気の毒ですから、そういうことから解放するようなこともこれはあわせて考えていかなければなるまい、総理や行管長官あるいは自治大臣とも話し合って、長い問題ですから、これについては、時代の進展というものを見ながら、それから年金制度の運用のあり方というものも考え、大所高所からことしの夏ごろまでには何とか結論を出そうじゃないかということで話し合いをしております。
  119. 小川新一郎

    小川(新)委員 ひとつ、夏ごろまでに結論をぜひ出していただきたいと思います。  次に交付税制度でございますが、内閣法制局はきょうは来ておりますか、来ておりませんか。――これは大蔵大臣にお尋ねいたします。  交付税制度の問題について、この地方財政というのは昭和五十年に、私、よく勉強しておりませんけれども、大きな見直しの問題が出てきて、半分は地方公共団体の赤字地方債でやりなさい。御存じのとおり、赤字地方債というのはあらゆるものに金が使える。人件費にも使えます。あとは資金運用部資金から貸し付けます。五十一年になりますと、八千億は地方交付税交付金で、交付金の落とし分についてで、やはり二兆何百億かありまして、その半分についてはあなたが借金をやりなさい、そして四千数百億については赤字起債としてあなた方がやりなさい。だから普通交付税と赤字地方債とを合わせたわけですね。そして残りを資金運用部資金で貸し付けます。ことしはその二兆数百億の赤字分について真っ二つに割って、半分は地方でめんどう見なさい、あとの半分は私の方でめんどう見ましょう。そのうちの四千数百億はつかみ金として資金運用部資金から大蔵省を通じてあなたに貸し付けましょう。そしてその金は、大蔵省が国民から借金として取り立てて、あなたから取り上げませんよ。残りの分については運用部資金からお借りなさい。こういうふうな段階で三年間、二兆円以上の地方財政の赤字が出たわけでございます。またこれは国と地方が車の両輪であれば、私は国の責任ということと地方の分担ということも考えまして、このような地方交付税法の第六条、この第六条の考え方を一体どういうふうに理解しているのかということが私の一番思っているものなんですが、一体ことしとったような制度、地方交付税率を上げないで四千数百億円の借金ならざる借金をやったことが、地方交付税法で言う地方財政の「著しく」、また同じような状態で赤字が続いていくときには交付税率を手直しするか、いま言ったように制度を改正するかというところで、あなた方は制度の方に逃げ込んだ。この制度の改正というものは二としだけなんでしょうか。来年もこの制度を続けるのでしょうか。しかも、同じような状態だったら来年は交付税率の方に切りかえるのでしょうか。この点まず、これは大蔵大臣にお尋ねいたします。
  120. 坊秀男

    ○坊国務大臣 お答え申します。  ことしとりました予算上の地方財政交付金の地方財政の件でございますが、これは自治省とも密接に相談をいたしましてやった結果でございます。交付税法六条三の二項でございますか、そこで決められておりますことは、一定の場合には制度を改正するかあるいはまた交付税の税率を引き上げるか、こういうふうに選択が行われる。広い範囲において選択が任されておるわけでございますが、ことしとった制度は、いま御説明になりましたとおり、われわれは交付税の税率を上げるということにつきましては今日は必ずしも適当ではない、そこで六条三の二項の趣旨にのっとりまして制度をとった、こういうわけでございます。  しからば、この次こういうことが起こったならばやはりこういうことをやるかどうか、こういうお話でございますが、それは、たとえば五十三年度に予算を編成するに当たりましてどういうことをやるかということは、そのときの状態あるいは国、地方を通ずる財政の状態あるいは金融の情勢といったようなものを踏んまえまして、決して法律の趣旨に反するといったようなことはやるつもりもございませんし、そういう方向で解決をしてまいりたい、かように考えております。
  121. 小川新一郎

    小川(新)委員 自治大臣、いまの大蔵大臣の話を聞いておりますと、地方財政がもうこれ以上悪くならないんだ、そういう認識に立っていらっしゃいますが、よくなろうと悪くなろうと、私どもは地方交付税率のアップということはいまから数年も前から叫んでいる。たまたま昭和五十年、五十一年、五十二年の国の一般会計、地方財政計画、これの落ち込み分が二兆円を超えた、だから地方交付税法第六条の三に従って、税率のアップはやらないけれども制度の改正に踏み切ったんだ。大臣、これじゃ全く自治省の言い続けてきた地方交付税率のアップが、小手先の四千数百億円のつかみ金によって、借金ならざる借金という制度――これも制度だかどうかということの議論がいままでなされてなかった。ここへ逃げ込んでしまったんですが、これは自治大臣の本意でこういうことをしたのですか。
  122. 小川平二

    小川国務大臣 お答えいたします。  交付税率の変更で解決をできれば、これが一番望ましいことでありまするので、その問題について検討もし、議論もいたしたわけでございますが、やはり交付税率を変更するということは、国と地方の財源配分を長期にわたって固定をするということになりまするから、こういう経済が変動しておりまする時期にこれを実行するということは、やはり困難だという判断に到達をいたしたわけであります。したがいまして、これにかわる制度として御高承のような措置をとったわけでございます。
  123. 小川新一郎

    小川(新)委員 そうしますと大臣昭和五十一年財政、行政の抜本改革、昭和五十二年準備期間、昭和五十三年実施ということになっている自治省の方針。私が去年前自治大臣にお尋ねしたときには、五十三年度は絶対に交付税率をアップする、税率改正する、こういうニュアンスの答弁予算委員会でいただいていますよ。ところが、またいまあなたの話を聞いていると、国の経済の変動が厳しいからできないのだということになって、この状態が来年も続けば、このような暫定的な制度ならざる制度によって、地方交付税という大きな自主財源に準ずるような地方の財源歳入の問題については糊塗的な考えで進まれるのかどうか。大臣としてはどうなんです。いまだってこのつかみ金によって、実質三六%に交付税率をアップしたと同額であるというようなことを言っておる。しかし私は、交付税率そのものをアップすることが地方交付税法第六条の三の二の精神であるという理解を持っております。だから、それができないならば制度の改正なんです。交付税率のアップということは、もう前から言われてきたこと。景気が変動しようがしなかろうが、地方公共団体の仕事の配分と税収の配分は、国が三、地方が六、仕事と税収の面では逆転しているとまで言われている。三割自治と言われている状態の中での地方交付税率のあり方についての議論テーマがこんなことで後退されたのでは、私は納得できないので、少なくとも来年は交付税率をどんなことがあってもアップする。そのアップする分についていま私は聞いておりませんが、するという御答弁をぜひいただきたい。そうでなければ地方公共団体はまたつかみ金によるところの、それもつかみ金が幾らになるかもわからない、こういう暫定的な財源処置そのものでは、地方公共団体の財政の根本問題にメスを入れてないと私は断定しているわけですが、いかがですか。
  124. 小川平二

    小川国務大臣 お答えいたします。  ただいま政府が鋭意努力しております景気浮揚の対策が効果をあらわしまして、非常に近い将来に経済が安定成長の軌道に乗る、ある程度の自然増収も期待し得るという状況が出てまいりまして、恐らくそういう際には現行の税制の根本的な見直しということも行わなければならないと存じます。それらの問題とあわせて交付税率の引き上げ、あるいはこれは仮定の問題でございまするが、仮に何らかの新税が創設されるというような場合には、その一定割合を地方に配分するというようなことを考えなければならないと存じております。来年度におきましても、これは状況いかんによりますので必ずというお約束を申し上げるとはなはだ無責任なことになりまするが、ぜひ交付税率の引き上げという方向で問題を処理したいとこいねがっております。
  125. 小川新一郎

    小川(新)委員 そうすると、交付税率引き上げの方を実現するためにウエートを置いて、制度の改正で糊塗的な考えではないということをきょうは大臣が示唆されたわけですから、その点については了解いたします。  地方公営企業金融公庫を大蔵大臣、なぜ自治省の要求に対して反対なさったのですか。自治大臣、地方公営企業金融公庫を地方自治団体の金融公庫に改組するということは自治省の長年の悲願だったでしょう。あなたは後退するような発言を本会議でもしていますが、この決意はいつからお変わりになっちゃったのですか。
  126. 小川平二

    小川国務大臣 お答えいたします。  この問題につきまして、本会議で格別後退した発言はしておらないと存じます。残念ながら、本年は政府内部で意見の一致を見ませんでしたために実現をいたしておりませんけれども、やはり、地方公共団体に対して良質な資金を供給するために公庫の改組ということはぜひ必要だと存じておりますから、これから先も努力をしてまいる気持ちに変わりはございません。
  127. 小川新一郎

    小川(新)委員 大蔵大臣、自治大臣一つも後退していないと言う、この決意は。しかし、現実は後退した。来年も前進あるのみ、突撃あるのみという決意がいま出ました。よもや来年はもう反対なさらないだろうと思いますが、大蔵大臣、いかがですか。
  128. 坊秀男

    ○坊国務大臣 小川自治大臣とは、これは私のつき合いなんということはここで申し上げません、公私ともに政策等につきましていろいろと御相談を申し上げてきた間柄でございます。そういったようなことで、今後もむろん私はいろいろなことについて御相談を申し上げようと思っておりますけれども、公営企業の今度のお考え方は、つまり地方が地方債を募集するに当たりまして縁故債といったようなもの、これは非常にその地方のローカルな関係の非常に深いもの、そういったようなものでやっておる。これを公営企業金融公庫へ、これはまあどういうふうに名前は変えて持ってくるか、というようなことになりますと、かえって縁が中央だと薄くなってくるというようなこともありますし、それから公募債というものをやるということになりますと、債券市場といったようなものに、これから募集するわけですが、それはちょっとなじまないというようなこともあって、かえってどうもぐあいが悪いんじゃないかというような気持ちもありますので、そういったようなことにつきまして、小川さんとよく今後も相談をいたしまして、今日の私の気持ちの中には、そういうような気持ちがまだ解消いたしておりませんことを申し上げておきます。
  129. 小川新一郎

    小川(新)委員 これで終わりますが、最後にどうしても詰めておかなければならないのは、小川大臣、いま三点大事なことをおっしゃいましたね。一点は、まず地方の金融が縁故債になじまないとか、これをやったらどうだとかということが一つありましたし、まだまだその時期が熟さないのだとか、いろいろなことをいま大蔵大臣がおっしゃっておりました。非常にこれはがんこ、こういう答弁では、自治大臣しっかりしないと全部大蔵省に丸められて、また来年も、この予算委員会の席上、申しわけございませんでした、ことしもできませんでしたというような御答弁が返ってくることを私は恐れますので、最後にあなたの考え方をお聞きして、私の質問を終わらしていただきます。
  130. 小川平二

    小川国務大臣 幸い大蔵省からもいろいろ協力をしていただきまして、縁故債の消化等につきまして、当面まずまずという措置が本年は実行できることになったわけでございますが、公庫の改組そのものについてはなおいろいろ意見の違った点がございますから、これから十分御懇談を遂げまして、私どもの意のあるところを理解をしていただいて、実現の方向で努力をしてまいりたいと思います。
  131. 坪川信三

    坪川委員長 これにて小川君の質疑は終了いたしました。
  132. 小川新一郎

    小川(新)委員 最後に、本当に申しわけございませんことは、通告しておって、時間がありませんので、お呼びした関係大臣に大変御無礼いたしましたことをおわびいたしておきます。どうも済みません。
  133. 坪川信三

    坪川委員長 次に、大出俊君。
  134. 大出俊

    ○大出委員 大変時間が短いわけでありますけれども、毎日新聞さんなども地下鉄の問題をお書きになりましたので、きょうは避けて通るわけにいかなくなりましたから、運輸大臣にもお見えをいただいたり関係大臣にお出かけいただきました。  どうもけさの新聞を見ますと、協力基金の方も、銀行のかわりみたいな、注文が出たら金を払うということしかやってこないのに、何か悪者みたいに協力基金が責められて被害者だというような記事も載っておりまして、余り基金を責めても、何にも知らなかった人たちに御迷惑ですから、きょうはひとつ大臣、顔をそろえていただきましたから、責任をとっていただこうと実は思っているわけであります。かくて、新しい資料を差し上げて質問をいたしたいのであります。  地下鉄問題から入らせていただきます。  三原防衛庁長官にお出かけいただいたのでございますが、実は一番最後に、意図あってそうじゃないのでありますけれども、物の順序がそうなっておりまして、大変短い時間になってしまう気がするのでございますので、席をお外しいただきましても結構でございますから、最後の短時間だけひとつ御出席いただきますようにお願いを申し上げる次第でございます。  そこでまず、私ずいぶん苦労して調べてみたのでありますが、事の起こりの入札でありますけれども、確かに入札はされている。つまり箱の中に札を入れたのが入札だというのならこれは入札であります。     〔委員長退席、細田委員長代理着席〕 ところが、相手がいない。箱の中に入っていたのは三菱だけだったということになると、これはどうも入札なのかどうか大変疑問でございます。私が苦心して調べた結果、相手がありません。三菱商事さんがメーンでございますが、三菱、丸紅が幹事でございますが、さらに日商岩井、そして三井物産、これが日本連合をつくったわけでございますけれども、時間の倹約のために最初に申し上げてしまいますけれども、実はこれは日本が金を出すわけでありますので、アンタイドではない、タイドローン。したがいまして、ほかの国の品物は韓国は買えない。日本のものしか買えない。ところが、日本の側でこれだけ大きなメーン商社がずらり並んだら相手がいない。あたりまえであります。この事実をお認めになりますでしょうな。いかがでございますか。――経済企画庁長官がこの協力基金の監督官庁でございますから、長官ひとつお願いいたします。
  135. 倉成正

    ○倉成国務大臣 ちょっと御質問の趣旨がよく理解しにくかったわけでございますが、もう一度、恐縮ですが……。
  136. 大出俊

    ○大出委員 時間がございませんので、聞いてなかったということでは困りますから、ひとつ聞いておいていただきたいのですが、これは通産大臣にももちろん関係がございます。外務大臣にも関係がございます。国家間のつまり契約をなさっているわけでございますから。そこできょうは皆さんお出かけいただいたわけでございます。  もう一遍申し上げます。タイドローン、これは御存じでございますね。したがいまして韓国は、韓国の鉄道庁も調達庁も日本の製品以外は買えない。明確になっております。そういたしますと、日本側が三菱、丸紅、日商岩井、三井物産、かくて日本連合。これを相手にする商社は日本国内にはございません。したがいまして、入札という形はとっておりますが、入っている札は三菱だけ。調べまして結論が明確になりました。お認めになるかと聞いているのであります。これは倉成さんでも田中龍夫さんでも鳩山さんでも結構でございます。いずれも関係の大臣でございますから。
  137. 倉成正

    ○倉成国務大臣 入札の経過については基金の方からお答えいたしたいと思います。
  138. 大島隆夫

    ○大島参考人 事実関係をお答えいたします。  ソウルの地下鉄につきましては応募は二社、それからKNR、韓国の国鉄につきましては一社でございます。ただこれは事実として数のことを申し上げたわけでございまして、数が少ないから入札でなかったということが言えるかどうか、これは問題であろうかと思います。
  139. 大出俊

    ○大出委員 これは当時いなかった大島さんに細かく聞いても仕方がありませんから言いませんけれども、三大臣、関係がございますのでお調べをいただきたい。私もしかと聞いておりますから。大島さんはかれこれ三年近くおなりのようでございますが、当時全くおいでにならないのでございますから、ひとつ三大臣、腕を組んでごらんになっておられないで、責任がございます。これはこの次に御答弁をいただくときに、いまお話しになった大島さんの答弁の中身について詳しく申し上げます。よろしゅうございますか、大臣、答えてください。
  140. 倉成正

    ○倉成国務大臣 よく調査をいたしてみます。
  141. 大出俊

    ○大出委員 それではこの問題は残します。残しますが、当時経済企画庁のさる方が言っておりますのは、入札の形をとったが実際は随契のようなものでございますがと、当時質問者である松浦利尚君に彼の部屋で答えております。事情はおわかりをいただけると思います。いまの点はこの次のときにもう一遍質問をいたしますので、お調べいただきたいと存じます。  次に、協力基金の方で、このいままでの答弁の中で二つのことをおっしゃっているわけであります。その一つは何かと申しますと、輸出関連ということで約九百万金がふえる、アップする、それからもう一つ、仕様規格などという面で六百万円アップする、合計千五百万円アップだ、こういう言い方をなさっておる。確認しておきますが、中身は時間がありませんから申し上げませんが、よろしゅうございますな。
  142. 大島隆夫

    ○大島参考人 六百万と九百万ということを申し上げました。輸出関係とそれから機器関係ということ。これは非常に密接に絡み合っておりますので、概念的には一応区分できましても、中身は非常に相互に絡んでおります。したがいまして、截然と二つに分けまして、どっちかが幾らというように言うのは適当でなかろうかと思います。数字は確認いたします。
  143. 大出俊

    ○大出委員 そんなに言いわけしないでもいいですよ、あなた。どだいいいかげんなんだから。一生懸念いま言いわけをなさるけれども、改めて聞いたら言いわけをするくらいなら、こういう分け方をしてお出しにならなければいいのです。  そこで、いま皆さんのお手元に資料を差し上げましたが、その前に一つだけ申し上げておきますが、この間基金の側の答弁で一編成――一編成と申しますと四M二Tということになっておりますが、実際に調べてみると四M二Tで走っているわけでありますが、二M一Tを一編成といたしますと、交直両用切りかえ装置ということになりますので、整流器その他三千万かかっている。だから三つに割ると一千万ずつになる。こう言っているわけでありますが、さて、これまたその後きわめて詳しく関係のメーカーあるいは国鉄その他調べてみました。昨日も国鉄の技術者の方々、お見えいただいて確かめました。この間私がお出しした資料で、三百万から四百万という整流器等の価格、これにかかわる、つまり交直両用切りかえに要する価格を申し上げましたが、大体その私が申し上げたとおりでございました。なぜかと申しますと、国鉄もそうでありますけれども、M車というのは御存じのとおりモーターカーでございまして、モーターがついている車両を言うのであります。M1と言っておりますのは運転台までくっついている。そこで運転手さんがいて、つまり交直両用切りかえというのは、時間がないからこっちから言っちゃうわけでありますが、切りかえというのは自動切りかえもあれば手動もある。つまりパンタグラフから電流が入ってくる、モーターに来るところで整流するわけでありまして、したがってM1、M2、つまりモーターがついているもの二つ一セットでございまして、整流器がここに一つあればいい、これが専門家の細かく説明をなさる中身でございます。したがいまして、2M1Tという一編成で走る場合に、交直両用切りかえのためには整流器一個でいい。それにかかわる問題は、電圧の高いものから小さくしていくわけですから、抵抗器その他もちろん要ります。変圧器も要ります。あたりまえでありますが。これが一体、それらのシステム幾らかかるかといったら、千五十万円。当時の四十七年、四十八年の私が取り上げた時点で千五十万円。だからM1、M2、T車。T車というのはトレーラーでありましてモーターがない。もちろんこれは配線だけでありますから、整流器など要らない。したがいまして、一車当たりに割りますと三百五十万、こういう金になります。この点は非常に大きく違いますので、再びこの点は明確にいたしておきます。  そこでいまの資料でございますが、有価証券報告書を実は写したものであります。私がこのちょっと印をしておりますところ、百四十四期、ここで――これは日本車輛の有価証券報告書であります――百四十四期のところで、上の六というのは韓国に輸出したいま問題になっております地下鉄であります。二十九両つくりましたが、そのうちの六両をここで輸出しております。一億六千五百万円。これは六で割りますと一車両当たり一千七百五十万円になります。韓国に売ったのでありますから間違いない。しかも、これは有価証券報告書でございますから間違いない。それから百四十五期、ここで三十三両売っておりますが、九億七百五十万円。三十三で割りますと、これまた二千七百五十万円。あたりまえであります。これは車体メーカーで、電気関係はやっていない日本車輛でございますから、もちろん電気関係その他は除かれております。つまり二千七百五十万というのが台車、車体等の価格になっているわけであります。いろいろ調べてもみました。  それでもう一つ私がこちらに書いてありますのは、同じく日本車輛の有価証券報告書所載のものであります。この方は国鉄に納入をした交直両用モハ四八五系統の電車であります。念のために申し上げておきますが、韓国に百八十六両売っておりますけれども、六十両が地下鉄、残り百二十六両が陸の上を走る電車でありますが、地上を走るわけでありますが、これは乗り入れ方式になっておりまして、色が違うだけで車体は同じものであります。したがいまして、私はこの日本車両がつくった超デラックスの国鉄へ納入した四十七年、四十八年の交直両用の車、これまた有価証券報告書をここに写したのであります。何冊にもなりますからここに写しました。四十七年九月契約で二千六百八十六万円。これが日本車輛で、いま韓国向けの二千七百五十万に対比する車両価格であります。これは国鉄に売っております。四十七年十二月に同じく二千七百九万、こういう一車両単価で売っております。四十八年三月、ここで契約をいたしまして、二千六百九十八万、こういう金額でございます。  ところで、無償支給品推定額というのがございますが、主として動力回り、電気回りと言われるものであります。四十七年九月は四千二百七十六万というのが両方合わせた合計額。それから四十八年は無償支給品が千六百八十万円で、合計四千三百七十八万円というのが完成車の価格であります。この点国鉄さんにお見えいただきまして、専門技術者も含めて相談をしてみましたが、こうなっております。モータとか変圧器とか整流器とかブレーキの大部分、これらは無償支給品である、だから動力回り、電気回りの主たるものは無償支給品である、なぜならば、日本車輛は電気、モーター関係は一切手がけていない会社であるから、こういうわけであります。ただ、列車無線あるいは室内灯、こういうふうなものは国鉄が買って支給すると輸送費がそれだけ高くつくからメーカーに買わした、こういうわけであります。大した金額じゃありませんが、その分が日車のこの金額に入っているという勘定になります。この比率をとりますと、四十七年も四十八年も、つまり台車、車体等の車両メーカーが手がける部分が六二%、それから無償支給品推定額と言われるもの、これが三八%、こういう比率になります。したがいまして、この下に私が説明を書きましたが、つまり、二千七百五十万で韓国向けの車体をつくった。このときの動力回り、電気回りはどうかというと、六二%と三八%の比率に分けますと、二千七百五十万に対応する三八%というのは千六百八十五万円になります。説明書きの3のところに書いてありますように、かくて韓国に売りました日本車両が手がけたものの完成車の価格は四千四百三十五万円。  ここで一言申し上げておきますが、いま私が御説明をいたしておりますものは国鉄の最高級の車両であります。どこを走っているかといいますと、山形に行っております「やまばと」、特急であります。あるいは秋田に行っております「つばさ」、特急であります。あるいは北陸を走っております「雷鳥」、こういうところの車両であります。これは皆さんも乗って御存じのとおりに大変デラックスな艤装が行われている。座席一つながめてみたって大変なものであります。つまり、日本の最高級の車両、これと大体似たような価格、それよりちょっと上回る価格、これが実は日本車両が手がけたところの韓国向けの車両でありまして、これは比較じゃありません、日本車両がつくって韓国向けに輸出したのですから。  ということになりますと、先ほどのところに戻りますけれども、規格仕様というところで六百万円かかりました、輸出関連経費で九百万円かかりましたと経済協力基金は説明をいたしましたが、それじゃ仕様規格の中身は何かというと、承認図面取扱説明書を作成した、こんなことはあたりまえであります。特注品だから治工具がかかった、これは日本車両がつくった。この車体関係みんな入っちゃっている。保証期間が二年、これもちゃんと見込んで価格の算定をしている。相手から検査官が来たときに検査装置をつけた、これもあたりまえであります、メーカーがやるのです。車体が大きい、容積、重量、台数がどうのこうの、これはつくった価格の中にみんな含まれているのです。韓国にこれを売ったんだ、売った価格が有価証券報告書に載っているのだから。寒冷地対策に三段式の特殊ヒーターを使った、電気回り、動力回り、みんな入っている。そうすると、この一から五まで、六百万消えちゃう。次の九百万、輸出に随伴する経費、積み出し港までの輸送費、これもメーカー負担だ。そんなことを言ったら横浜の地下鉄は、日本車両が名古屋の豊川にあるものですから、あそこでつくったものを輸送してきたのであります。価格に入っている。そんなことはどこだって同じです。むしろ名古屋でつくって名古屋港から積み出したら陸上の輸送費は逆に少なくなる。話は逆。保証期間が二年、予備費を見込んだ。こんなことまで言うのなら、商社が幾ら予備費を見込んだか、商社の判こでもついて持ってきなさいよ。全部これは価格に入っている。それから輸出保険料、組合賦課金、これは初めから関連経費なんだ。それから外注品取りまとめに要するメーカーの負担、これは日立が全部取りまとめておる。こんなことはあたりまえ。それから物価上昇を見込んだと言うんだが、これは工事期間がいつごろになるかということはちゃんとわかっていて、そこまで見込んで見積もりをしてある。  最後に残る問題は商社の口銭だけだ。それならば一体商社の口銭は幾らに見るんだ。この商社の口銭だけが残りますが、計算をいたしますと、五千八百七十九万円という協力基金がお出しになった一両当たり価格から四千四百三十五万を引きますと、一千四百四十四万円残ります。これは全く不明であります。一千四百四十四万円が全部商社のマージンだというならば法律違反であります。一割が限度のはずであります。聞くところによると、商社のマージンは八%足らずという。この中にみんな入っている。そうだとすると、おおむね四、五百万というところになる。それならそれだけで一千万違ってしまう。百八十六両だから十八億六千万円の差が出てしまう。あなた方がいかに説明してもこれはだめです。  さっき二つに分けて、六百万、九百万、うそばかり言っている。車両価格に全部入っているじゃないですか、一〇%多かろうと高かろうと。そういうでたらめなことを出してくる協力基金にこれ以上質問のしようがない。だから大臣にきょうは来ていただいだ。  外務大臣、あなたに承りたいのですが、国家間で約束をしたのですから、あなたが韓国にお話しになって、鉄道庁その他に了解を得て、契約をお出し願いたい。  JARTSなどというところは、この間も話が出ましたが、いろいろなことをやっています。これは国鉄の関連。年じゅう使っているわけです。これは田村さん、そちらはやはりあなたの所管なんだから、しかも国鉄が同じようなものをつくって、同じ日本車両でつくらしているのですから、あなたにもこれは責任なしとしない。JARTSというのはあなた方のコンサルテーションをやっている。だからこれは御協力願いたい。それから田中通産大臣だって、これは輸出したのですから大きな御関係がある。倉成さんは協力基金の御大将。これだけおそろい。金は大蔵大臣。坊さん、あなたの方から金は出ている。そうだとすると、関連の大臣ばかりなんだから、この際私は時間がありませんからよけい言いませんが、基金が物な言いたければこの次の場面で幾らでも言ってください。あなたが言ったことを私は反論したんだから、今度私が言ったことをあなたが反論するのは構わぬが、きょうは時間がない。だから、せっかく大臣に来ていただいたんだから、ひとつこれは倉成さん、経済協力基金の直接担当だから、あなが関係大臣と御相談をなさって、鳩山さんは、直接韓国との関係はあなたの方なんだから、そこらを御相談いただいて、契約が出せるのか出せないのか。入札はどうなっておるのか。日立が取りまとめたんだが、日立の口銭は一体幾らなのか。あなた方が全部お調べになって出す責任がありますよ。いかがでございますか。
  144. 倉成正

    ○倉成国務大臣 日本の円借款は韓国政府日本政府といたした借款でございまして、ただいま大出委員の御要求になっているものは私的な契約でございますから、この私的契約はやはり基金が金融機関として知り得た秘密でございますから、これにお出しするわけにはまいらないと思います。
  145. 大出俊

    ○大出委員 契約を出せと言っているのじゃない。これだけの疑惑があって新聞がいっぱい取り上げているわけだから、あなた方がこの疑惑を解明する責任におありになるでしょう、あなた方が担当大臣なんだから。だから、韓国にも話し、あなた方はその契約を見たらいいじゃないですか、そのまま出さなくたって。これだけの疑惑に対する解明に足る、あなた方御相談の上で、実はかくかくしかじかのことになっていたという取りまとめをして、あなた方から御報告を願いたいと私は申し上げている。おわかりになりますか。幾ら基金とやり合ったってこれは切りがない。いかがですか。きわどいぎりぎりまで申し上げているんだから……。
  146. 倉成正

    ○倉成国務大臣 お答えしたいと思います。  元来、いま大出委員からいろいろ資料をいただいて私も見せていただいたわけですが、国鉄に納入した車両、これと韓国に納入した車両というのは、本来スペック、設計あるいはいろいろなものが違う、仕様が違うわけでございますから、これをそのまま比較して、高い、安いと言うのは、必ずしも適当でないと思います。しかし問題は、いろいろ御提起になっておるわけでございますから、裸の価格にはらわたをどうするかという問題でございますから、これは、私どもとしては別に専門家でもないわけでございますので、やはり本来専門的に取り扱う基金をひとつ督励して、大来総裁以下非常にりっぱな人物がこの基金にいるわけでございますから、この基金の人たちを十分督励して、そして皆様方の御質問にできるだけこたえ得るように努力をいたしているところでございます。
  147. 大出俊

    ○大出委員 田村さん、あなたも国鉄関係で、このJARTSなんかも韓国についてもコンサルテーションをやっておるわけですから、だからあなた方も御協力願いたいのですよ。この真相は一体どうなのかということを国民に明らかにする責任が国会にあると私は思っておる。政党政派の問題じゃない。御協力願えますか。
  148. 田村元

    ○田村国務大臣 実は運輸省自体には調査をする権限がないのです。法律上ありませんが、まあこの問題、いま御質疑のあったように経済企画庁が窓口のようでございますから、私ども企画庁長官に対しての御協力は可能な限りいたしたいと思います。
  149. 大出俊

    ○大出委員 鳩山外務大臣、これは韓国との関係が絡んでおりますから、そういう意味で、韓国国会でも調査委員会をつくったんですから、だからあなたの方もやはり外交のチャンネルを通じまして調査して、つまり皆さんの方から、この疑惑を解明をするに足るこういう結果になりましたというものが出てくるように、向こう側との関連もありますから、これは折衝をするのが私は当然だと思っておるのですが、御協力願えませんか。このままで捨てておけないのですから。
  150. 鳩山威一郎

    ○鳩山国務大臣 本件につきまして、外務省としては交換公文を作成したという段階におきまして責任があろうと思います。しかし、この地下鉄計画の一部につきまして円借款を供与したのでございまして、その円借款がいかに使用されるかということにつきましては、協力基金の方が実施をいたしたわけでございます。いま私もこの審議をずっと伺っておりました。そして、輸出価格が高いではないか、こういう問題と、そこに何らか疑惑があるではないか、こういう二つの問題があるわけでございます。そして、価格が適正か――私は経済協力というものは価格は適正であるべきだ、日本の資金も使うわけでありますから、これを効率的に実施するためには不当に高いものであっては国際間としても相済まない。適正な価格がいいわけであります。しかし、その適正かどうかという判断は私どもはちょっといたしかねるわけでございます。  それから、疑惑があるかどうかということにつきまして、価格が適正かどうかということと大出先生おっしゃるようにいろいろ関連があるという御主張でございます。私どもとしてまだその実態がどうなのかということを把握し切れていない。その疑惑の点につきまして、じゃどういう疑惑があるのかということも私どもはいまの段階でつかんでおりませんので、いまの段階で韓国政府に対しまして直接――もちろん担当大臣とよく御相談いたしますけれども、目下協力基金の方が国内でどうであるかということを調べておられるわけでありますから、その担当大臣の方とよく御相談をして、考えたいと思います。
  151. 大出俊

    ○大出委員 倉成さん、私どもはいままで四十八年のときに協力基金から松浦君の質問に関連して資料をいただきました。私はこれで地下鉄についての質問は三回目でございますけれども、紙に書いた資料というのはただの一度も実は基金からいただいていない。これは証拠が残るからかもしれませんけれども、それじゃ困る。口で言うだけなんですね。それでさっきも言いわけをすぐなさる。だから、私はしゃべらしたってしようがないと思っている、ころころ変わったのじゃ。したがって、きちっとしたものを、説明し得るものを資料にしてお出しいただけませんか。倉成さん、いかがでございますか。
  152. 倉成正

    ○倉成国務大臣 先ほども申しましたように、元来仕様の違うものを比較するわけでございますから、立論の根拠が、たとえば大出委員のお話の前提に立ってこうだということでお答えをしておるわけでございまして、元来が非常に無理なことをしておるわけでございますから、どういう形で整理をできるかということは、まだ私も基金と打ち合わせておりませんけれども、しかし、お話の線に沿う努力をいたしてみたいと思います。
  153. 大出俊

    ○大出委員 努力するとおっしゃるからいいですが、倉成さん、元来あなた方が松浦君の質問に対してお出しになった資料というのは、ここに文書がございますが、東京の地下鉄とソウルの地下鉄の比較を表にしてあなた方がまず出したのですよ。いいですか。あなたが所管する協力基金が東京の地下鉄との比較を私どもに対して資料として出したのですよ。だからそれにぶつかっていくのはあたりまえじゃないですか。それがいけないといまになって言うというのはどういうわけですか。あなた方が出したのですから。いいですか。ただし、いま私が提出しているのは、韓国に売った地下鉄をつくったメーカーである日本車輛が、有価証券報告書に、六両、三十三両韓国に売りました価格は幾ら幾らですと載せたものを指摘しているのです。これは輸出価格なんだから、架空のものじゃないんだから。そこまで物を言っているんだから、有価証券報告書にまさに変わりはしないんだから。だから、あなた方が、仕様が違うなら違うでいい、どういうふうに解明するかはあなた方の責任だから、あなた方の方で相談するのは構わない。構わないが、きちっとしたものをお出しいただくのがあなたの責任でしょう。そうでしょう。何にも出さぬというのはどういうわけですか。それをやっていただいて、それをやるについてはさっき私が外務大臣に言っているように韓国との関係も出てくる、そういう差しさわりもあるかもしれない。国鉄との関係も出てくるかもしれない、JARTSの関係が出てくるんだから。そういう意味での協力を両大臣にはお願いをし、倉成さんのところでそれをおまとめ願いたいと言っているのです。何のために大臣がいるのですか、そんなことを言うなら。
  154. 倉成正

    ○倉成国務大臣 お答えしたいと思います。  きちっとしたというその中身でございまして、きちっとしたというのが、先ほど大出委員からいろいろ、この点はこうだとおっしゃったわけでございまして、大出委員も非常に専門的に御研究になっておりますけれども、それが全部そのまま正しいとも限らないわけでございまして、したがって、その個々の小さい中身に入って、ここ、ここということを契約の中身まで入ることが適当かどうかということで、それは適切ではない。したがって、大出委員の御質疑の点を踏まえまして、何とか全体として、まあこういうところではないだろうか、そういうことであれば、それは御協力申し上げることができると思いますが、この点はこうだ、この点はこうだということで一々挙げられた各項目について、全部これは幾ら幾らということは、とてもそれはむずかしいと思うわけでございます。
  155. 大出俊

    ○大出委員 じゃ、全体としてとにかくあなたの方、取りまとめてお出しになりますね。そういう努力をなさいますね。よろしゅうございますか。
  156. 倉成正

    ○倉成国務大臣 基金がしばしばこちらで御答弁申し上げている線、これを文書にすることは結構だと思います。
  157. 大出俊

    ○大出委員 問題は、いまあなた、契約に触れることは適当でないと言うんだけれども、正確に物事を、国民の疑惑解消のためにきちっと出されるというなら契約に触れざるを得ないのですよ。契約に触れなければわからぬのですよ。そうでしょう。だから、やったができなかったというなら仕方がない。そこで韓国という相手もあるのだから、鳩山さんにもお願いをしている。国鉄のコンサルテーションを長くやっているJARTSが仕様その他いろいろおやりになったのだから、田村さんにもお願いをしている。やってみてくださいよ。それは国民の皆さんの立場をやっぱり考えて――こういう問題は政党政派じゃないです。だから、そういう御努力を願いたいと言っているのだから、それをやらぬというのじゃ、これは何のために大臣がいるのですか。国民の金を使っているのじゃないですか。
  158. 倉成正

    ○倉成国務大臣 お答えしたいと思います。  大出委員のお気持ちはよくわかります。ただ、きちっとという言葉あるいはその中身にどこまで入るかということで、契約に全然触れないわけにはいかないと思いますけれども、しかし非常に細部に入っていくということは適切でないと思っております。
  159. 大出俊

    ○大出委員 ではもう一遍承りますが、細部に入る云々というのは適切でないというのは、あなたの判断でお決めいただけばいいのだから、要するにわかればいいのだから、細部に入る入らぬはあなたの御判断です。そこで、あなたの方でやれるところまでやってくれと言っているのだから、もう一遍答えてください。おやり願いたい。
  160. 倉成正

    ○倉成国務大臣 大出委員の御質問にできるだけこたえるように大筋としてのものはやってみたいと思います。
  161. 大出俊

    ○大出委員 これはいままで基金任せでございまして、基金の方々は大変お気の毒なんですよ。これは冗談話ですけれども、基金の方と私が電話でお話ししてみたら、新聞に載るものだから基金というのは何かえらく悪いことをしているのじゃないかなんということを言われてという話も出てくるわけですよ。私も基金を被害者にしたくない。わずかのスタッフで、二部なんというのはフィリピンと韓国を持っているのだけれども、事務屋を入れて、女の子まで入れて七人しかいないのですよ。大変な苦労をしているわけですよ。だから、そんなに私も基金、基金と言えない。被害者にしたくない。だから、大臣が責任を負ってくれなくては困る、政党政治なんだから。そうでしょう。そういう意味で申し上げたのですから、それはおやりいただきたい。お約束いただきましたからいいのですが。  実は私どもだって、日本車輛の社長さんがある議員の方と朴大統領に会ったとか、あるいはいま会長になっておられますが、三菱の藤野会長が、これまたさる紹介があって朴大統領に会って大臣の賓客といって大変に歓迎をされ、もてなされたとか、いろいろなことが頭に入っている。入っているのだが、一度も私は名前なんか挙げていないのですよ。触れてもいないのですよ。長い疑惑があるが、しかし対国民という意味でともかくこれが解明されることが先決だ、こう思っているからですよ。だから、そういう意味でぜひこれは関係大臣の皆さんにお願いしておきたいのですけれども、田中さんだって関係がないわけではない。どうかひとつ疑惑解明のために、倉成さんが所管ですから中心に御協力をいただいて、やれるところまでのものを出していただきますように重ねてお願いをいたしておきます。  次に、渡辺さん、大変恐縮なんですけれども、きょう鈴木善幸さんが向こうへ行っておられるものだから農林大臣代理というわけなんですけれども、ところが、皮肉なことに私がこれから質問しようというのはおたくの選挙区にかかわるので、大変これは恐縮なのでありますが、まあ御勘弁願います。  あなたの御出身の栃木県の農協関係の融資問題につきまして、栃木県の県信連、信用農業協同組合連合会、あるいは栃木県の共済連、共済農業協同組合連合会、ここが子会社を通じて多額の融資をして、これが焦げついて大変な騒ぎになっている。本来生産農家対象の金融機関ですから、やれ春もみを仕入れるとか春苗を仕入れるとか肥料をという場合の金融に差し支える。これは大変な騒ぎであります。ちょっと見過ごすわけにはまいらない。ところが、どうも貸した相手の企業の関係もあるようでありまして、この話をたまたま代理である渡辺さん御出身でございますから御存じだと思うのでありますが、いかがでございましょう。
  162. 渡辺美智雄

    ○渡辺国務大臣 大体知っております。
  163. 大出俊

    ○大出委員 大体知っておられればお答えいただけませんでしょうか。
  164. 渡辺美智雄

    ○渡辺国務大臣 栃木県の県信連、それから共済連、あとは農協等が出資者になりまして、株式会社栃木県農協共済福祉事業団というのを昭和三十八年に、ですから十数年前ですね、こしらえた。この会社は農協の役員さんがみんな役員になっておるわけですけれども、最初は保養施設、それから不動産の所有、管理、売買、宅地建物の造成、分譲、こういうようなことを目的にしてやっておったわけです。ところが、昭和四十七、八年ごろになりましてから、いわゆる過剰流動性といいますか、全体的に農協は金が余っちゃった。それまでは信連から中央金庫に上げてそこで消化をしたのですが、その当時になってからは、余り上げないでくれ。これは日本国じゅうみんなそうなんです。下で使え、できるだけ県に貸したり町へ貸したり安全なところへ貸せという指導をやったことも事実でございます。ところが、そこでいまのような会社を持っておったものですから、そこの会社に金を貸した。そこの事業団が二十三億円ばかりをある企業に土地を抵当で貸した。それが焦げついておるということです。しかし、信連や農協が、二十三億円そういうものがあるから農民のための貸付や何かに困るということは全然ございません。
  165. 大出俊

    ○大出委員 これは見方の問題でございましょうが、その相手企業がどうもこの間福島県で問題になりました東亜相互企業という会社だというのですが、御存じでございますか。
  166. 渡辺美智雄

    ○渡辺国務大臣 東亜相互企業という会社だそうであります。
  167. 大出俊

    ○大出委員 東亜相互企業さんといいますと、六本木の町井久之さん、鄭建永さんという方が社長さんだとここに載っております。これは小林進さんがかつて四十八年にこの地下鉄の問題のころに質問をいたしておるものとの関連がございます。今回もどうもそちらの方の話も耳にいたしますので重ねて承りたいのでありますが、いまお話がございましたように、栃木県農協共済福祉事業団、社長さんが滝田春一さん。共済連会長。それから栃木県信連、同共済連がこの事業団に百二億円を融資したのです。そしてそこから金が行っている。これが焦げついて、返済期限が来ても返済されていないように聞いております。いまお答えになりましたからいいのでありますが。  そこで、小林さんの質問で外換銀行というのが韓国にございます。この外換銀行というのは、大蔵大臣、東京、大阪に支店がございますが、だからおたくの監督下にあるわけでありまして、どういう銀行でございましょう。私は韓国政府出資の準政府銀行みたいな銀行だと思っておりますけれども、いかがでございましょう。     〔細田委員長代理退席、委員長着席〕
  168. 坊秀男

    ○坊国務大臣 韓国の出資のちょうど昔の正金と申しますか外国為替銀行、外国為替事務をやっておる銀行のように承っております。
  169. 大出俊

    ○大出委員 この外換銀行が保証をして日本不動産銀行がこの東亜相互企業さんという企業の方々に、私は知りませんけれども、四十八年の質問、五十年の質問等によりますと、五十二億円金を貸した。つまり外換銀行が信用保証をして不動産銀行が五十二億円金を貸した。二億円しかこの東亜相互企業さんはお返しになっていないようであります。したがいまして、残りの金はいまだに――返済期間が分かれておりますからいろいろ来るのでありますが、大変な時間がたっております。四十八年からですからね。いまだに返済をされていない。こういうことなんですが、御確認願えますか。
  170. 坊秀男

    ○坊国務大臣 御指摘の融資については、四十六年から四十八年にかけて五十四億円の融資が実行され、その後一部返済が行われて、現在の残高はおっしゃるとおり五十二億円になっているというように承知しております。本件は四十七、八年ごろの過剰流動性の時代に行われたことだと思います。
  171. 大出俊

    ○大出委員 これは私が非常に気にするのは、当時もちょっと問題になったような気がしますけれども、ここに韓国の新聞がございますが、東亜日報。これは向こうの言葉で書かれておりますが、これを訳してもらいましたら、こういうことなんですね。「特殊層に偏重融資」というのが大きな見出しなんですね。特殊な層の方々に、縁故だ何だで偏重融資をしている。不実担保で、つまり担保も不確実なままで巨額な貸し出しをして、韓国の国会、財務委員会、まあ大蔵委員会ですね、ここで外換銀行監査ということでただす。新民党の議員が、外換銀行海外支店が担保が不足したり回収の見通しがはっきりしない特定の業者に偏重融資をしていると追及をした。うち一人の議員は、東京支店が鄭建永氏に日貨で、日本の金で五十億円という巨額の融資をしたが回収の見通しがはっきりせず、というのがこの下にある文章なんですね。私は、東亜企業さんという企業さんは、大きな企業のようでございますから金はたくさんお持ちになっておられるのだと思います。だから、払っていないのはどういう理由かわかりません。わかりませんが、実はどうも先ほどの二十三億との関連も、外換銀行の側からすると、あるようにちらっと聞いているのですね、何か保証のような話が。そうすると、これはますます複雑なことになりかねない。そういう心配がありますので、もしこれを払わぬとなると、信用保証をしていますから、代位弁済ということになる。私の調べた限りでは、不動産銀行は代位弁済の要求を外換銀行になさっているやに聞いている。ここのところはいかがでございますか。
  172. 坊秀男

    ○坊国務大臣 政府委員をしてお答えさせます。私はつまびらかにしません。
  173. 後藤達太

    後藤(達)政府委員 先生御指摘のように、私どもが聞いておりますのでは、不動産銀行としては外換銀行にこの整理につきましていろいろ交渉をしておる、こういうふうに聞いております。
  174. 大出俊

    ○大出委員 ここに書いてあるのですが、不動産銀行というのは、四十八年以降期限満了したもの、支払い期日がきたものについて文書で外換銀行に代位弁済を求めている、こうなっているのですね。大体お認めのようでございますから深追いはしません。  ところで、この不動産銀行が外換銀行に代位弁済を求めているということになると、これは銀行保証というのは国の約束事に次いでまずかたいものだということになっているのですね。そうすると、これは今後どういう決着をつけるのかという――五十年の大蔵大臣答弁では、余り好ましい融資とは思わないという答弁があるのですね。いままでほっぽっておくというのは、これはどういうわけだという気が私はする。しかも、この外換銀行側は何と言っているかというと、支払いの意思表示はしているのだが、外貨事情やあるいは預金量の問題などからして、待ってくれ、待ってくれ、待ってくれとなっているのですね。もう一遍承りたいのですが、いまそういう非常に微妙なところにきているのだということの御認識はございますか。
  175. 後藤達太

    後藤(達)政府委員 両行の折衝の詳細は私聞いておりませんですけれども、いま先生御指摘のように、いろいろ交渉が行われておるということは聞いております。
  176. 大出俊

    ○大出委員 東亜相互企業さんがどうのこうのと言う気は毛頭ありませんが、さっき渡辺さんに質問いたした二十三億というのも同じ相手企業でございまして、何がしかの外換とのやりとりなども陰にあるように承っております段階ですから、いまここでそこまでは申し上げませんけれども、したがいまして、こちらの方がつぶれていくと、どうもまさに二十三億焦げつきになりかねないという気もする。そういう心配がある。そうなりますと、これは農民の皆さんの金だということなると、ここにも大きな問題が出てまいりますし、それから外換が肩がわり補償するということに、もしこれから先、大蔵省がいろいろ監督権をお持ちですからおやりになって、なるとした場合には、今度は外換銀行の性格上、韓国政府が出資している銀行だということになりますと、韓国流に言えば、向こうの見方からすると、これは不実企業だということ、不実企業ですね、になるのかもしれない。それを外換が信用保証しているのだから、払いますとなると、これはひょっとすると、韓国の国民の皆さんの金でけりをつけるということになる筋合いなんですね。そうなると、たださえどうも韓国に進出した不実企業云々という問題、いろいろな問題が出ているのに、これは韓国民の血税を使ってなんということになると、また日本、韓国の間にもう一つ妙なことが重なることになる。韓国国会で問題になったわけですから、韓国の新聞でも幾つかの新聞が報じているわけですから。これは容易ならぬことだと思うのでありますけれども、大蔵大臣、これをどうお考えでございますか。ここから先は政治的な責任の問題になりますから。
  177. 坊秀男

    ○坊国務大臣 いま突然の御提起でございまして、これはやはりよほど勉強してかからねばならない、かように考えております。
  178. 大出俊

    ○大出委員 これは外務大臣にもちょっと念のために承っておきますけれども、とかくどうも日韓の間には不実企業問題でやりとりがあり、外務省が韓国に進出した日本企業が不実企業と言われている調査をしたものなどもございます。ここでまた妙なかっこうで不動産銀行が代位弁済を求める、外換銀行が払わざるを得ない、こういうようなことになったときに、やはり問題は政治的に両国政府間の問題でもある、こう思いますので、ここらいかがですか、外務大臣、ひとつこれは一言お答えおきをいただきたい。
  179. 鳩山威一郎

    ○鳩山国務大臣 私どもといたしましては、民間の取引の関係でございますので、金融ベースで解決をいたしていただきたい、こう思っております。
  180. 大出俊

    ○大出委員 どうも大蔵省に寄りかかった答弁なんですが、これは前に二回質問が出ているのです。いまだにこれはこのままだというと、利子はどうなんだ。利子も払ってないようでありますから、莫大な金になってきているように思います。こういう問題はいつまでも大蔵省として放任しておくというのはいかがなものか。これは御検討いただいて、御回答いただきたい。もしいまここで御回答できないなら、この面だけ保留させていただきたい、実は、これに関連するもろもろの問題がございますので。いかがでございましょう。
  181. 坊秀男

    ○坊国務大臣 債権債務の関係でございまするから、これはそのままでいいという問題ではございません。しかし、そういったような民間の間の取引でございますから、そこでこれを大蔵省としていま直ちにどうしろこうしろと言うわけにもまいらぬ問題ではないかと思います。そこで、私が申し上げましたとおり、原則といたしましては債権債務の関係ということでありますけれども、大変これはデリケートな点もあろうと思いますので、勉強いたしたいと思っております。
  182. 大出俊

    ○大出委員 それじゃ、勉強の結果をひとつ改めて聞かしていただきますので、この問題はひとつ保留をさせていただきます。先ほどの地下鉄もそうでございますが、お出しいただいて、改めてということにしていただきます。よろしゅうございますね。
  183. 坪川信三

    坪川委員長 大蔵大臣、よろしゅうございますね。
  184. 大出俊

    ○大出委員 まずもう少し詳しくお調べいただいて、そこらもお答えいただきたいので、よろしゅうございますね。
  185. 後藤達太

    後藤(達)政府委員 大臣お答えのように、ひとつ勉強いたしまして、その結果を、どうなったか、まだ少し時間がかかるかと思いますけれども、御報告いたします。
  186. 大出俊

    ○大出委員 もう一つここで承りたいのですが、時間がなくなりましたが、インドネシアLNG問題につきましてまず通産大臣、運輸大臣に承りたいのですが、このLNG問題は二つ問題がある。それに付随してもう一つ問題がある。一つは何かといいますと用船、つまり二十年あるいは二十三年間にわたってインドネシア・プルタミナから、バダクだとかアルンだとかいう基地からLNGを日本に運ぶ、この運ぶ船、用船権はプルタミナが持っていて、バーマオイル関係のタンカーが運んでくる。二十何年間続いて運んでくる。こういう結果になっている。これは一体どうしてそうなったのか。それからもう一つは、大変に価格が高い。で、私は大蔵省の統計日報に基づく各種各国別のLNGの価格を知らしてくれと言って、日報の年月日まで指摘して物を言いましたら、持ってこられたのを見ると、各国突きまぜて平均で出しているのです。並べるとどうもインドネシアなかなかになり過ぎるものだから、こういう出し方を大蔵省はされる。坊さん、これはおかしいですよ、こういうことされるのは。まあそれはそれとして、これは高過ぎる。不当に高過ぎる。なぜそうなったかという疑惑がある。そこへもってまいりまして、相手方、輸送される方のパーマオイルの側で内紛がありまして、ニューヨークの仲裁裁判にかかった。この中で、これは法廷記録にございますけれども、三百万ドルの金を二百万ドル百万ドルに分けて賄賂に使った。その賄賂の相手先がハイ・シッピング・オフィシャル・イン・ジャ。ハン、つまり日本の海運高官にと、こういうこと。それからもう一つ船価、船の価格は一億ドルであったはずでありますけれども、これはパーマがゼネラル・ダイナミックスに七隻頼んでおりますうち、船価、つまり建造費が当初一億ドルと言われていました、これが値上げされまして一億五千五百万ドルと言うてきたわけです。これは東京会談が昨年行われています。その一億ドルをめぐりまして、五百万ドルはリベートなんだ、一隻五百万ドルはリベートである、こういうわけ。で、私は非常に大きな疑いを持っておりまして、運輸省にも大きな責任があるし、運輸省に対する疑惑もある、こう思っているのです。そうしたら、この間、この問題に十四日に触れましたら、田村さんから、まあこれは田村さんと私の仲だからだけれども、話としての話ですけれども、運輸省に権限がないよと――ごめんなさいね、こんなところで言っちゃって。まああれば君とアベックででもおれば調べるがという話を質問の後でちょっといただきましたが、私は実はここで立証いたしますのでお調べいただきたいのです。  というのは、運輸省は、私が調べた限り、当初日商岩井を中心にして、日商岩井がメインの商社でございましたから、大変一生懸命にLNGタンカーを日本でつくって、共同輸送方式をとって、いろいろな企業が一緒になってLNGタンカーを輸送する企業までつくって日本日本で運ぼうということで相当積極的に前に出た。通産省も同様であります。あるいは通産の方がむしろ運輸省よりも積極的だったかもしれない。その足跡歴然たるものがあります。にもかかわらず、何でこれがぱたっととまったか。ある日突然にとまった。そして、ふたをあけてみたら、九月にさかのぼって契約しておりますが、四十八年十一月に両角・ラディウス会談で日本が追認した形になっておりますけれども、この追認をめぐってまた一つ利権に絡む問題が具体的にある。こういう問題なんですね。何でとまったのか。  そこで私は、時間がありませんから立証を先にいたします。ぜひこれは田村さんに力をおかしいただきたいのであります。  まず運輸省が国会にお出しになりました「運輸経済年次報告」、いわゆる白書でありますね。これは四十八年十一月、国会に出されました。この白書の中を見ますというと、この白書の三百二十八ページ、どなたかメモしておいていただきたいのですが、この中の第四という項「LNG船の建造」、ここで、昭和五十二年、昭和五十二年というと、ことしです、ことしから実はインドネシアLNGは輸送を始める、バーマのタンカーが。いいですか田村さん。「五十二年に十二万八千六百立方メートルの大型LNG船が我が国初のLNG船として竣工する予定である。」、きちっと書いてある。昭和五十二年に十二万八千六百立方の大型LNG船が、これは世界最大のLNG船です、これが、わが国初めてのLNG船として竣工する予定である。四十八年十一月といいますと、両角・ラディウス会談で、用船権はプルタミナにやる、バーマと契約するのも仕方がないということで日本があきらめて追認した月なんです。そうでしょう。そこでもう一つ指摘をいたしますけれども、運輸省は審議会をおつくりになっておられる。四十七年九月に海運造船合理化審議会という審議会に対して「今後の外航海運対策のあり方について」ということで諮問をなさった。この中で、「無公害エネルギー源としてのLNGの重要性にかんがみLNG船の建造問題も検討すべき事項とする。」、こうなっているのですね。これは間違いございませんな。
  187. 後藤茂也

    後藤(茂)政府委員 ただいま御指摘のように、海運造船合理化審議会について諮問をいたしました。四十七年の七月でございましたか。
  188. 大出俊

    ○大出委員 この中に小委員会をおつくりになりましたね。つまり海運対策部会にLNG船の小委員会をおつくりになった。これは四十八年七月だと思いますが、いかがですか。
  189. 後藤茂也

    後藤(茂)政府委員 御指摘のとおり諮問を受けましてちょうど一年になりますが、四十八年の七月にLNG船小委員会を対策部会の中に設置しております。
  190. 大出俊

    ○大出委員 この小委員会は、第一回四十八年八月、第二回四十八年十月、二回開いておしまいになっている。いかがでございますか。
  191. 後藤茂也

    後藤(茂)政府委員 御指摘のとおりその年の八月と十月と二回会合をやりまして、それ以降は開いておりません。
  192. 大出俊

    ○大出委員 ここに審議会のメンバーも小委員会のメンバーも全部ございます。それぞれいろいろな関連の方が参画をいたしております。  そこで、ちょっと資料を配り忘れたんだが、差し上げてください、時間がありませんから。  ここに私が取り上げますのは四十八年の――いま回っていきますから後で見ていただきたいのですが大臣、四十八年の八月三日に――これは朝日新聞です、いま回っていきますが、「LNG専用船の建造体制 共同運航方式が有力 八日に海運審小委が初会合」というのですね。このときの構想は、いま私が日商岩井その他、人を介していろいろ調べてみましたが、大変積極的で、日商岩井も当時海運に乗り出すということを企業計画として発表されている。そして日商岩井等が肝いりでこういう共同運航方式でLNG船をつくって、インドネシアのLNGは日本が運ぶ、そのことが実は運輸経済白書の中に、さっき申し上げたように、五十二年にでき上がって走るのだと書いてある。架空の話ではないのであります。ここまでは御確認いただきました。  もう一つ――あれ、御答弁されるのですか。聞いていないんだよ、まだあんたに。
  193. 後藤茂也

    後藤(茂)政府委員 確認云々というお話がございました。先ほど運輸白書を引用なさった点について御説明を申し上げます。  御引用なさいました運輸白書は、その部分は船舶造船技術の各論について触れたものでございまして、その文句はそのとおりでございますけれども、まさにそこに、この当時の白書で書いたとおり、川崎重工におきましてノルウェーの船主が発注をいたしました日本で建造される最初のLNG船が、来年ごろ竣工の見込みにいまでもなっております。そのような事実を背景にして、日本の造船工業の状況というものを分析した部分を先生は御引用になっておられます。
  194. 大出俊

    ○大出委員 私が別に答弁を求めないのにお答えになりましたが、大変積極的でこれはありがたいのですけれども、余り積極的になると、そこに意図ありになりますよ、気をつけないと。  そこで、通産省に承っておきたいのですが、通産省もずいぶんこのとき積極的にお動きになった。むしろ引っ張っていく牽引車的役割りをお果たしになっている。お認めになりますか。時間がなくなりましたから細かい中身に触れません。簡単にお答えください。
  195. 橋本利一

    橋本(利)政府委員 通産省といたしましても、四十八年当初FOB契約に持ち込みたいという努力をいたしたことは事実でございます。
  196. 大出俊

    ○大出委員 通産省もお認めになりました。そうすると、通産省も運輸省も、小委員会まで運輸省おつくりになっておるわけですから、田村さん、これは相当積極的におやりになった。ところが、ぱたっとこれが二回でおしまいになってとまった。各種の議事録を読みますと、当事オイルショックがあってというんですが、オイルショックがあったからむしろ急いでLNGのプルタミナとの契約を結んだということになっているわけでありまして、だから逆になったということは成り立ちません。  そこで、中心点を一つ承りたいのですが、LNGを日本に二十何年間運ぶんですが、これは契約上はバーマが運ぶことになっているという御説明ですけれども、変えることができるんですか、できないんですか。二十何年間バーマだけですか。契約上変えることができますか、できませんか。
  197. 橋本利一

    橋本(利)政府委員 日本側ユーザーとプルタミナとの間ではCIF建て契約になっております。したがいまして、輸送契約は、当然のことではございますが、日本側との契約にはなっておりません。そういった意味合いにおきまして、バーマとプルタミナとの関係の問題でございまして、われわれの立場といたしまして、その輸送契約の改定等について意見を申し上げる立場にないということで御理解いただきたいと思います。
  198. 大出俊

    ○大出委員 私がプルタミナとユーザー五社の契約を出してくれと言ったら、皆さんが文書で回答してまいりまして、私が全部この文句を書いて差し上げたからでしょうが、文書で御回答をいただいた。ところが、この回答には輸送契約はCIF建て、CIFのたてまえ上プルタミナにあって、プルタミナとバーマがやっているんだから何ら関係がないという実は御回答をいただいた。これは間違いないでしょうな。日本側に何も物を言えない、そういうことですか、この契約は。そんならずいぶんこれは私はひどい契約だと思うのですが――私は契約を出してくれ。出していただかぬからわかりませんけれども、そういうことですか。
  199. 橋本利一

    橋本(利)政府委員 何ら関係がないという表現をどう使うか、非常にむずかしい問題でございますが、日本側といたしましてもCIF建てではございますが、できるだけ安く日本に持ってくるということは重要でございます。そういった意味合いにおきまして、輸送費がどこまで高くなるかということについては重大な関心を持っておるわけでございまして、そういった意味合いにおきまして、前回にもお答えいたしたと思いますが、プルタミナとバーマとで輸送契約をやる段階におきましても、当方といたしましてはエスカレーションクローズをきわめて限定的に適用する、船価のはね上がりが輸送費に反映しないようにといった点、あるいはこちらとしても船の安全性にこれまた重大な関心を持っておりますので、アメリカにおける造船場に随時立ち入るといったようなことについても了解を取りつけておるわけでございます。
  200. 大出俊

    ○大出委員 私は商工委員会も外務委員会もすべて読んでみましたが、本当のことをおっしゃっていないのですね。これは後から申し上げましょう。  それからもう一つ承りたいのですが、この小委員会がうまく機能して進んでいけば、この朝日新聞の記事にありますように、共同運航方式で日本がやれた。日本は延ばして延ばして十一月まで持っていったのですね。追認をした。さかのぼって九月から契約した。十月二日だと思いましたが、バーマの側はゼネラル・ダイナミックスに七隻の船を発注をした。こういうかっこうなんですね。私は、この相手方に輸送権を任せるときに、運輸省の方はばたっととまった。とまって、任せるときに、何らかのそこに取引がなければならない。その取引の一つは、契約にも出てまいります証人、ファー・イースト・オイル・トレーディング株式会社の、つまり東さん等が知っていると私は思っておりますが、相手のバーマの子会社、通称バーマストといわれている会社をつくったときに、その株主に、契約の保証人になっている日本の三井等が中心になっておつくりになったインドネシアが半分株式を持っているファー・イースト・オイル・トレーディング株式会社が株主になった。相手のバーマストというのは、これ完全なペーパーカンパニー。SECに指摘をされた。あわてて株主を入れかえたが、まだだめで、さらにこれをもう一つの株主に渡したが、まだだめで、ついにこれを凍結をして新しいガス・トランスポートなる会社をつくったという経緯がある。したがって、日本側は輸送の相手方、契約の相手方であるバーマスト・イースト・シッピングなるトンネル会社ペーパーカンパニー、これがペーパーカンパニー、トンネル会社であることを知っていた。この点はいかがでございます。  なぜならば、日本のファー・イースト・オイル・トレーディングなる会社が、東さんの会社が、三井等がつくった会社が株主になっているのだから、知らぬはずがない。いかがでございます。
  201. 橋本利一

    橋本(利)政府委員 ただいま御指摘のように、当初日本のファー・イースト・オイルがバーマスト・イースト・シッピング社の株主として加わっていたことは事実でございます。その後、昨年の七月、これを売却すべくいたしまして、昨年の九月に売却代金を入手しておるというように承知いたしておりますが、ファー・イースト・オイルがバーマストの株主として参加いたしましたのは、本プロジェクトのLNGについて計画どおりの輸送が行われるかどうかを確認するためであると、これはファー・イーストの説明でございますが、さようにわれわれの方には報告しております。
  202. 大出俊

    ○大出委員 そんな当たらずさわらずうまいことお答えになるものだと思って感心しているのですがね。これはさっき私が申し上げた仲裁裁判の過程で明らかなんですけれども、利権の分け取りなんですね。持ち株に応じて利益を配分するという文書の取り交わしが行われていた。つまり日本のファー・イースト・オイル・トレーディング社にも分け前が入ってくるようになっている。SECの指摘の中には、私もいろいろな人を使いまして調査をいたしましたが、日本のこのファー・イースト・オイル・トレーディングなる日本籍の会社もトンネル会社で、ペーパーカンパニーだとSECは言っている。これはバーマストだけじゃない。  しかもこの過程から出てまいりましたのは、さっき申し上げました仲裁裁判で三百万ドル、九億円の金が賄賂として使われた。相手は日本のハイシッピングオフィシャル・イン・ジャパン。この仲介はバーミューダのこれまたペーパーカンパニー、フォンタス社がやった。フォンタス社とは何かと言うと、これは朴東宣の所有の会社である、こういうわけであります。しかも最初のバーマストの株主には、いまになって悪名高くなったわけでありますが、プルタミナのストウ総裁の香港のエドナ社が二〇%の株を持っていた。調べてみましたが、そのようであります。そうすると、日本とプルタミナのストウ総裁会社エドナ、こちらに利権が渡ってくるようになっていた。そして、このエドナ社にはロビン・ローという人がおりまして、この人はストウ総裁のもとにいた船長さんでありますが、実際にはこの人がエドナ社を動かしていた。SECが調査した過程の話を私がいろいろ調査いたしましたら、日本に向けた賄賂というのは二つあって、一つは朴東宣のフォンタスである。一つはエドナである。その実際の主役はロビン・ローである、こうなんですね。  そうなると、これは向こうに輸送権を渡しても損はない。政治力が加わって運輸省の動きをぱっととめた。通産省もとめた。これは日商岩井はいまでも残念がっているのです、二十年間もLNGタンカーでずっと運び続けるわけですから。つまり、とめて向こうに預けても、こっちに金が入ってくればいい。仕組みがそうできている。だから、ファー・イースト・オイル・トレーディング社などという日本会社は、これもわからぬ会社だが、半分はインドネシアが株主なんだから。ちょうどうまく手を組んで金が入ってくるようになっている、こう見ていいわけであります。  外務大臣にここで一つ聞いておきますが、この仲裁裁判のいきさつというのをお調べになったことはございますか。法廷記録をおとりになったりお読みになったことはございますか。
  203. 菊地清明

    ○菊地政府委員 調べたことはございます。
  204. 大出俊

    ○大出委員 大臣、調べてどうでございましたか。
  205. 菊地清明

    ○菊地政府委員 先ほどの三百万ドルの件についてどうかということを調べたわけでございますが、バーマ・オイル会社から日本の裏会社に対して三百万ドルを払った、その仲介をしたのが朴東宣であるということまでは確認されております。
  206. 大出俊

    ○大出委員 表街道は、この裁判が始まる前にすでにバーマ・オイル・タンカーズの会長のアラステア・ダウンさんがジャパンラインとの関係で三百万ドルを渡したということを公式に発表した。ところが、争いが起こって裁判を始めて出てきたものはそうではなかった。実はこれがSECが注目した要点なのです。元社長のジョン・マクランという方と現職の社長のスタンレー・ウィルソンという方との争い、それと親会社のアラステア・ダウン会長、この争いである。だから、調べてみると、二人とも同じ証言をしているのですね。つまり、三百万ドルというのは表街道で公表したものと中身が違っていた。ここにSECが注目して調べ始めた理由があるわけですよ。そこまでお調べいただかぬと困る、もうまさにどろ仕合いの裁判でございますから。いろいろな法廷書類がある。これは改めて鳩山さんにお願いしておきますが、そこまでお調べ願いたいのですが、いかがでございましょう、あなたはよく御存じないようだから。
  207. 鳩山威一郎

    ○鳩山国務大臣 これから研究したいと思います。
  208. 大出俊

    ○大出委員 そうしてください。私はこれは一遍でやめるつもりございませんので、御研究願いたい。  そこで、私はいま絵解きみたいなことを申し上げましたが、輸送権を向こうに渡しても損がない、なぜならば、日本会社が入って、文書の取り交わしがあって、利益日本にも還元されることになっているから、香港のエドナ社、こっちにも金が行くようになっているから、こういうわけであります。しかも大変大切なことは、バーマ側は七隻のタンカーをゼネラル・ダイナミックスに頼んだことになっておりますが、果たして全部つくるかどうか。フィフティ・フィフティだというのが現状であります。これは造船所というのは大変に業況が悪い。そこで、一つ間違うと二隻ぐらいつくって後やめてしまうかもしれない、という業界の方々の言い分もある。このクインシーという造船所なんですが、政府融資がともかく欲しかった、ゼネラル・ダイナミックスは。この政府融資を何とか取りたい。それには七隻ぐらいをつくるというのでなければ取れない。ペーパーカンパニー、ここも一ぱいつくったわけですね。ゼネラル・ダイナミックスの側もいろいろ切りかえました。疑惑はあるがということで、アメリカ政府の側は、調査の結果、つぶしては困るわけだから融資はした。だから目的は達している。だから七隻全部つくらないかもしれない。こういう今日の状況でございます。  そうすると、そこでいま差し上げた資料の中にございますが、ここでまた一つ大きく変わるようになっている。それは写真入りで「ワールドビジネスマン IUインタナショナル会長 J・M・シーブルック氏」、この人が一月二十一日に日本経済新聞で、私が枠をつけておりますところをお読みいただければわかるのですけれども、インドネシアのプルタミナからの要請で、インドネシアのLNGを日本に運ぶことについて交渉中である、こう言っている。  しかも、もう一つ船の絵のついた記事を差し上げましたが、この船の絵のついた私が線を引っぱっているところをお読みいただくとわかりますが、「この3隻の」NGタンカーは、インドネシアから日本への液化天然ガス輸送に採用してもらうため交渉がすすめられています。」、こうなっている。つまり、これはゴタース・ラーセンという船会社であります。IUインタナショナルに合併されて入っていった会社であります。IUインタナショナルの会長はシーブルック氏であります。この人が、皆さんのいままでの答弁からすると、輸送権は向こうにあるのだから日本側は縁もゆかりもないということですが、プルタミナの要請によって交渉中であると言っている。この相手方は、シーブルック氏の発言によると、日本と交渉していることになる。プルタミナから要請されたのだから、そうするとその交渉先は日本しかない、日本と交渉している。前の皆さんの答弁を見ると、これはシーブルックさんに聞いてみなければわからないと言っている。そうじゃない。なぜならば、契約上契約を変えることができるからであります。  いま皆さんのお手元にこの契約書を差し上げたつもりでありますが、この契約書をごらんをいただければわかります。  「第一項 輸送契約」、これは実は大変に長いもので、全部ここにお出しをするなんというと、どうも自分の私財を投入しなければなりませんから、貧乏代議士でどうも大変恐縮なんでありますが、これでお許しいただきたいのであります。これは英文で七十五ページあるのですよ。別紙のAとBがくっついている。べらぼうに長い。こんなものは全部出せません。二十九条ございます。この「第一項 輸送契約」をごらんになるとわかりますが、「売り主は、インドネシア側設備から、本契約にもとづき、販売され受け渡される」NGを、その受け入れ設備まで継続的に輸送する責任を有する。そして売り主は、この目的のために、一九七三年九月二十三日付で、プルタミナとバーマスト・イースト・シッピング・コーポレーション(“バーマスト”)の間に輸送契約(“トランスポーテンション・アグリーメント”)を締結した。」。この次が問題である。「これに基づき、バーマストは、本契約に基づき、販売され、受け渡されるすべてのLNGを輸送するためのLNGタンカーを手配する義務を負うものとする。」。バーマが義務を負う。だが、次のところで、「売り主は、買い主と協議のうえ、本契約の要求を満たす他の」、バーマではない、「他のLNGタンカーを用船することができる。」と言って、ぴしっと切ってある。マルがついている。そしてこの二つを受けて、「しかしバーマスト手配のLNGタンカーが使用不可能であったり、すでに就航中のLNGタンカーが就航不能となり、追加ないしは代わりのLNGタンカーが本契約の目的のために必要とされる場合には、買い主は売り主に他のLNGタンカーの利用を申し出ることができるものとする。」。日本側にも権利がある。全く関係ないどころじゃないじゃないですか。三月に間に合わないのでしょう、ゼネラル・ダイナミックスのタンカーは。間に合わないなら、日本の方から、他のタンカーを使えと言って、物を言うことができるようになっているのです。しかも、その前段の二つ目を見てごらんなさい。「売り主は、買い主と協議のうえ、本契約の要求を満たす他の」、これは一つ目のバーマストではない、「他のLNGタンカーを用船することができる。」と、ちゃんとなっているではありませんか。だから、ゴタース・ラーセンを抱えているIUインターナショナルのシーブルックスさんが堂堂と日本に来て、日本経済新聞にこれだけの広告を載せるじゃないですか。しかも、このゴタース・ラーセンなるIUインターナショナル傘下の企業と契約を持っているのは日本の三光汽船じゃないですか、河本さんの。しかもゴタース・ラーセンは、いち早く川崎重工に二隻のLNG船を注文しているじゃないですか。このLNG船の当てはない。フリー船だという。ゼネラル・ダイナミックスという企業は七隻発注を受けて融資は受けてしまった。全くつくらなければ問題にならぬ。二隻はつくるでしょう。二隻つくるタンカーは一億ドルのものを昨年一億五千五百万ドル。五百がくっついている。五百というのはどうも一隻当たりのリベートだと、こういう。わざわざ五くっついている。それをめぐって昨年大騒動をやった。後、やめるかもしれぬ。向こうに用船権を与えたからといって損をしないようにちゃんと日本のトンネル会社、悪名高きファー・イースト・オイル・トレーディング、ある新聞が利権分け取り会社と書いてある、この会社を称して。そこが株主に入っているじゃありませんか、ちゃんと。そういうことになっていて、取るものは取り、途中から契約は変えられる。だから着々と準備が進んでいる。川崎重工がタンクができましたといって、近くのホテルで時の通産大臣河本さんも出席をして、ゴタース・ラーセンの社長だなんだ、みんな来られて大パーティーをやりました。そうでしょう。五十一年ですよ、去年の一月ですよ、両方とも。  だから田村さんにここでひとつ念を押したいのですが、運輸省に権限があり、進めてきたのだ。これがぱたっとなくなった。そのために中山素平さん以下みんな集まって会合までやって、通産省まで出ている。最後の運輸省の皆さんのせりふは、そう言われてみれば確かにこのLNGの輸送をどうしても日本が持たなければならぬといういわれもない、というようなことでおしまいになった。やりたかったのですよね。日商だって一生懸命やった。いまでも残念がっている。そうでしょう。そうすると、権限はなくはない。ぴたりととめた何者かいるとすれば、事件はきわめて重大であります。しかも、ここで念のために申し上げておきますが、私が調べた限り朴東宣さんは日本に三十二回来ておられますけれども、これは朝日ジャーナルでありますけれども、朝日ジャーナルが朴東宣人脈を解明されている中に何と書いてあるかというと、朴東宣の側からの人脈は、先ごろのインドネシアLNGの輸送契約問題をめぐって彼の名が疑惑の対象となったように、秋山竜元運輸次官から――これは秋山さんがどうというのじゃないですよ、人脈なんだから。そういう意味じゃない。悪くとっていただきたくはないのだが、若狭全日空社長、そして笹川良一氏を含む日本の海運人脈と深いつながりがあり、またジ・ラインの松永寿会長とも親しい関係にある、こうなっている。それから、岸元首相に近い重光ロッテ社長だとか、あるいは児玉系の、さっき私が東亜相互企業を挙げましたが、町井久之さんだとか、親交があるとされていると書いてある。いかにでも手を打とうと思えば打てる立場にいる。間違いない。だから、私がここに秋山さんと言ったのは、これは書いてあるから言ったので、もちろんこの人だというわけでない。ないが、こういう力を持っている、これだけは間違いない。そうすると、これはお調べいただきませんと不自然過ぎる。  時間がございませんから、もう一点申し上げておきます。価格も、いままで通産省は一遍も価格について答えていない。外務委員会におけるうちの河上さんの質問でも、幾ら幾らであろう、高過ぎるであろうと言われれば、言われた価格について否定はしないなんと言っている。皆さんの方から言わない。ところが、これを見てごらんなさい。これは明確なんだから。LNGエレメントというのと輸送エレメントというのをちゃんと二つ分けている。しかも、〇・九九米貨ドルというのはLNGエレメント、第八条の第一項であります。〇・三〇米貨ドルというのはみなし輸送コスト、輸送エレメント、ちゃんと二つに分かれている。高過ぎますよ。こんなばかな話はないですよ。〇・九九米貨ドルによるこのときのLNGだけの――通産省はごまかして、FOB、CIF、これを一緒にFOBにかえれば、河上さんに対する答弁で、アメリカに行くのと日本に来るのと同じだと、こう言う。うそおっしゃい。だから私が資料要求をしたらあなたの方は平均を出してきた。出さない。ふざけた話であります。〇・九九米貨ドルというのはLNGそのものの値段だ。もちろん百万BTUであります。英国の百万BTu。だが、〇・九九米貨ドルというこれは、当時の国際価格は〇・六六なんだ、ないしは〇・六〇なんだ。〇・六〇や〇・六六のものを〇・九九と、何でこんなことを契約書で決めたかというんだ、問題は。冗談言っちゃいけませんよ。FOBに直すなら、〇・三のみなし輸送コスト、これがFOBならば、こっちが輸送すればこっちへ来る、それだけのこと。明確になっているものを何でごまかしていままで延々と答弁してくるのですか、通産省は。もってのほかだ。  しかもこの契約は毎年三%ずつ価格が上がるようになっている。しかもミナス原油等の値上がりに比べて、そっちが上がって高ければ青天井でそっちにいくことになっている。しかも船会社の船の建造費が上がったら、上がった分は全部日本に割り掛けることになっている。しかも消防船など見てごらんなさい、ふざけた話で、これは全部日本で、いいですか、この契約で明確になっております。消防船や何かの危険負担をするためのいろんな船をつくる、つくるのも日本、しかも運航費も日本、全部日本がやる、こんなばかげた契約がどこの世界にありますか。これをお読みください。時間がないからもう細かいことを言いませんが、警戒船、船が危ないからいろいろ走り回るわけですが、そこらの船も全部日本がつくって日本が負担する、そんなばかな話がありますか、一体。商業ベースというものを考えてごらんなさい。幾ら仁義がどうだとか抗弁しても、みんなうそっぱち。ごらんになったらわかるじゃないですか。ここに利権がつかなくて一体何が疑惑だというんだ。そうでしょう。ぴたっとやめた。そうして日本が株主になって入っていっている。利権分け取り会社だ。  私はこれは田村さんにここで承りたいのですが、延々と疑惑が続いているんだから、一遍これは田村さんお調べいただきたいのですが、いかがでございましょうか。
  209. 田村元

    ○田村国務大臣 私なりに一度勉強してみたいと思います。
  210. 大出俊

    ○大出委員 きょうは田村運輸大臣と鳩山外務大臣、鳩山外務大臣はもっと詳しく調べてみるというお話でございましたから、その両方をまたひとつ承らしていただきまして、そこでもう一遍ひとつ、きょうは駆け足で申しましたが、言わなければならぬたくさんの問題がございます。どうしてもお出しにならぬから、五つのユーザー片っ端から連絡をとりましたが、全部みごとに断られました。みごとなことを政府はなさいます。どうしてもお出しいただけません。いたし方ございませんから私は私なりに調べたわけであります。私契約とは申しながら、何と四千四百億円の金を日本はつぎ込んでいるのですから。よろしゅうございますね。しかも六割を超えるものが輸銀でございまして、大蔵大臣、御存じのとおり輸銀というのは国が出資をしているでしょう。輸銀の金というのはほとんど資金運用部の金でしょう。そうでしょう。民間から入っているのは九千億しか入ってないのですよ。そうすると、四千四百億のうちのほとんどが国民の金。そんな金をつぎ込んで開発して輸入するのでしょう。船は向こう様御勝手に。べらぼうに高い、国際価格の一五%から二割、もっと高い、三年先の価格……
  211. 坪川信三

    坪川委員長 大出君に申し上げますが、時間がかなり経過しましたので、お願いいたします。
  212. 大出俊

    ○大出委員 そういうことでは困るので、ぜひこれは、また御回答をいただくときにひとつ改めて質問をさしていただきますように、この辺でこの問題は保留をさしておいていただきます。
  213. 坪川信三

    坪川委員長 これにて大出君の質疑は終了いたしました。  午後一時三十分より再開することとし、この際、休憩いたします。     午後一時十分休憩      ――――◇―――――     午後一時三十七分開議
  214. 坪川信三

    坪川委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。土井たか子君。
  215. 土井たか子

    ○土井委員 先日、わが社会党の野田哲参議院議員がアメリカに参りまして、かの地で、元在米韓国大使館員である李在鉱元公報館長に直接会いまして、そうしてその席で聞いてきたとろによりますと、日本では、KCIAは政界においては岸さんであるとか椎名さんであるとか、また民間においては矢次さんとか児玉誉士夫夫氏とか、さらに在日大韓民国居留民団、略して民団ですが、民団がいたのでKCIAの活動は非常にやりやすかった、アメリカでは、そのようなロビイストがいない、民団のような組織もないので、在米韓国大使館員までKCIAの工作の手先に使われるようになってきたので、いや気が差してやめたのだというふうな発言がその席であったわけであります。この発言からいたしましても、民団がKCIAの手先として非常に有力なものであったということを、また有力なものであるということを裏づける発言になりはしないか、このように思われるわけでありますが、そうしたこの活動の一環といたしまして、昨年の総選挙において、民団が一連の親韓派の候補に対して選挙活動をしたという事実がもうすでに新聞紙上にも報じられているわけでありますが、こういう動きに対しまして、自治省はその実態を把握して調査をされているかどうか、自治大臣にまずひとつお伺いをしたいと思います。
  216. 小川平二

    小川国務大臣 お答えいたします。  公職選挙法上、選挙運動に関しましては、外国人の場合と日本人の場合とで特別異なった扱いをいたしておりません。現行法上は、在日韓国人の行いまする選挙運動につきましても、日本人の場合と同様の規制を受けるということになっておるわけでございます。したがいまして、いま御指摘のありました問題について、自治省としては特に特別の関心を持っておりませんし、したがって、詳しい事実は把握していないと存じます。
  217. 土井たか子

    ○土井委員 公職選挙法の九条並びに十条にいう選挙権、被選挙権は、外国人にございますかどうですか。
  218. 小川平二

    小川国務大臣 選挙権、被選挙権ともにございません。
  219. 土井たか子

    ○土井委員 選挙権、被選挙権のない外国人が、この選挙権、被選挙権に対して干渉あるいは介入をするというふうな行為とおぼしき事実があるとすれば、どのようにお考えでありますか。
  220. 小川平二

    小川国務大臣 憲法は、外国人に対しましても言論の自由、集会、結社の自由等を保障いたしておりますので、外国人といえども政治活動の自由を持つものである、このように理解をいたしております。
  221. 土井たか子

    ○土井委員 いろいろもう新聞紙上ではこの問題が取り上げられて報じられている事実がございますが、東京では昨年の十二月四日に雅叙園観光ホテルにおいて、また十月三日には八芳園において、それぞれパーティーが催されているという事実がございます。また大阪の方においては、昨年十一月中旬に大阪ロイヤルホテルでパーティーが開かれまして、そこに参加をいたしました民団の商工人たちから、最低五万円、最高百万円に達するお金をそこで集めまして、そして大阪地方の日韓親善協会に所属する候補者たちに選挙資金として組織的にこれを提供しているという事実が報ぜられているわけであります。ところが、問題は、その席に趙一済公使も出席をいたしておりまして、そこであいさつをされているわけでありますが、あいさつの内容は、ここで集めたお金に長銀と興銀が出してくれたお金を合わせて、韓国のために全力を尽くしてくれるここへお集まりの諸先生方に、選挙資金として提供することを提案しますということを公使があいさつをしているわけであります。選挙で親韓派候補に提供された選挙資金というのは、総額約七千万円に及ぶとも言われております。大阪ではこの民団が候補者を支援する集会を開いて、さらに日本人従業員のいる民団の会社や工場では、特定候補への投票が強要されて、それに対して指示文まで出しているという事実も報ぜられているわけであります。しかも、こういう選挙活動というのは、駐日韓国大使館の金在徳公使が、いろいろとこれに対して活動を企画したというふうないきさつも報じられているわけでありますが、外国である韓国の政府からの指示、そこからの資金援助、そういう疑いが、こういうふうな新聞の報ずる内容からすると非常にあるわけです。これが事実とすれば、法令に照らして、許されるべきことではないと思うのですけれども、外国からするわが国の選挙干渉ということになると、事は重大だと思います。問題は、内政干渉に当たると思われるわけでありますが、こういう事実に対して、これは活動は自由である、したがってそれに対していままでのところ関心を持たないとおっしゃって済む問題であるかどうか。非常に問題は重大のように思います。この公使がこういう場所で先ほど申し上げたようなあいさつをし、そして事実選挙資金を組織的に集めて、特定の候補を応援をするということになれば、単に一人一人の参政権の範囲内での活動ということにはとどまらないと思うのですよ。  外務大臣にひとつお伺いしますが、もしこういうふうな事実がありとすれば、これは内政干渉にわたる問題になりはせぬかと私は思いますけれども、外務大臣、どういうふうにこれに対してお考えをお持ちでありますか。
  222. 鳩山威一郎

    ○鳩山国務大臣 ただいま仰せのような事実を把握いたしておりませんので、いまここで急に申し上げるわけにいきませんけれども、いずれにいたしましても、わが国の法令を遵守してもらうことは当然でございますので、なおいま申された事実につきましては調べてみたいと思います。
  223. 土井たか子

    ○土井委員 問題は、大使館、公使館の方々がこの中身に介入をしているということが事実として出てまいりますれば、非常にこれはゆゆしい問題になると思うわけでありますが、まず調査をするとまで外務大臣はいまここで答弁をされましたけれども、調査の結果こういう事実がありとすれば、どのように対処なさいますか。
  224. 鳩山威一郎

    ○鳩山国務大臣 事実を存じておりませんので、事実を確かめてからにいたしたい。そのようなことはよもやないと思いますので、やはりこれは友好国との大使館の問題でございますので……(「関係ないじゃないか」と呼ぶ者あり)したがいまして、事実を知りませんで、いま仮定のことで特定の国のことにつきまして申し上げるのは適当でないと思いますので、しばらく時間をいただきたいと思います。
  225. 土井たか子

    ○土井委員 いま友好関係と言われた。日韓友好という関係から考えましても、すでに新聞報道で報じられている事実がこのようにあるわけであります。こういうことが報じられているということを知らない顔をして、果たして親善と言えるでしょうか。やはり一度こういうことが報道されましたら、事実関係についていろいろと調査をするということが、実はなされるべき対処のまず第一歩じゃないかと私は思うわけでありますが、これについていままで自治大臣にしろまた外務大臣にしろ、全然御存じなかったわけでありますか。
  226. 小川平二

    小川国務大臣 私自身は存じておりません。
  227. 鳩山威一郎

    ○鳩山国務大臣 私もただいま承ったのでございます。
  228. 土井たか子

    ○土井委員 これは、事実新聞に書いてあることすらよく御存じないということになるかと思いますが、これについては、いま御答弁のとおりに、ひとつ調査を、外務大臣は言うまでもなく、自治大臣においても進められるように申し上げたいと思います。  さて、全国の都道府県単位で、日韓親善協会というものが相次いで組織されていっているわけでありますが、その組織状況について把握をされているかどうか、これを続けてお伺いしましょう。
  229. 中江要介

    ○中江政府委員 御指名いただきましたので出てまいったわけですが、これは本来外務省の所管事項ではないわけですけれども、御質問のようなものがあるかという点については、私どもは情報として新聞報道その他で承知しているということでございます。
  230. 土井たか子

    ○土井委員 全国の都道府県、これは大体数から言うと四十五都道府県に上るわけでありますけれども、結成をされる総会の席には、しばしば韓国側から、日本担当大臣と一名言われております李秉禧元無任所長官、それからまた、日本でのKCIAの責任者ともう一般に見られております韓国大使館の趙一済公使が出席をしたり、祝辞を寄せたりするという、並み並みならぬ力の入れようであります。  いまここにこの日韓親善協会というものを結成をしようとしている具体例を挙げたいと思うのです。兵庫の例でございます。  兵庫におきましては、昨年の九月ごろから鄭雲澈韓国神戸総領事と上田将雄川崎重工相談役との話し合いがございまして、この話し合いから事が始まっているわけでありますが、この席上鄭雲澈氏は、会費や運営費は当方が持つというふうに言い出しまして、そしてそれを上田氏と約束をして、上田氏もこれを了解したといういきさつがございます。すでに会長には砂野仁前神戸商工会議所会頭が内定をいたしておりまして、呼びかけ人に外島健吉神商会頭、内海都一県会議員ら財界人を中心に大体二十人ぐらいが決まっているようであります。会員には川崎重工、三菱重工、神戸製鋼、新明和工業など兵庫県下の主要な企業百二十社、韓国側は黄河干民団兵庫団員を初めとして、黄孔煥神戸商銀理事長、尼崎や西宮など主要都市の民団の幹部なんかがこれに対して加わっているわけであります。四月の結成総会には、日韓議員連盟の韓国側の幹事長で先ほど申しました日本担当大臣を務めた李秉禧氏も出席をするという予定になっているわけであります。  ところでここで問題になるのは、実際には韓国のお金で協会は設立をされ、運営がされていこうとしているという事実であります。兵庫県の場合のいきさつは現状においてはここまで来ているわけでありますが、恐らくは各都道府県のこの日韓親善協会の実態も韓国側のお金で設立運営というものがされてきたのじゃないか。いまアメリカでまさに問題になっている買収工作が日本ではこのような形で組織的に行われているということになるのじゃないか、この事実を見ておりますと、このようにも考えられるわけであります。  ところで、民団という既成の組織を通じて、すでに昨年末の総選挙で一定の干渉をしてきただけではなくて、さらにこれを強化していこうというふうな動きがございます。  ここに私、一つの文書を持ってまいりましたが、これは民団が公式文書として下部におろしている文書であります。ひとつ――そうです、自治大臣に確認をお願いしたいと思いますが、委員長、よろしゅうございますか。――それをごらんになっても、ハングル語で書いてございますから、これをただいまから日本語に翻訳をいたしました場合、内容がどういうものであるかということをひとつ申し上げたいと思うのです。  お手元に、いまお渡ししたのが二通ございますね。二通のうち、まず表題は「在日本大韓民国居留民団」と上に横書きで大きく書いてある表題がございまして、「韓居(東)第四三九号」というこの公式文書の内容を日本語に訳しますと、こういうぐあいになります。「受信 団員各位」、「題目 日本人との個人的親交者名簿提出協助依頼の件」、本文は「首題の件、日本社会においてわれわれ在日同胞は有形無形の差別を受けています。東京本部依頼によって、これを是正するための一環策として、政治、経済、社会、教育、言論界等、各界の日本人との個人的親交者を通じ、その解決方策打開を期するための資料にしたいので、右添付様式によって名簿を提出してくださるよう懇切に要請する次第であります。以上」というのがこの本文なんであります。そうして、いま自治大臣のお手元にも参っておりますこの原文の横には、ちゃんと名簿を作成するためのこういう欄が設けられておりまして、ここに名前を記載し、住所を記載して提出するようにという、そういう文書になっているわけでありますが、これが一つです。  いま日本語に訳しました文書に対しまして、まず自治大臣、どのようにお考えになりますか。
  231. 小川平二

    小川国務大臣 お答えいたします。  ただいまこの場でこの文書を見せていただいたわけでございますが、各界の日本人との親睦を進めたいので、ついては名簿を提出せよ、こういう趣旨の文書だと了解しますが、まあ、この文書に関しまする限り、率直に申しまして自治省の所管の範囲内のことであるという感じを持っておらないわけでございます。あるいは御質問の御趣旨を取り違えておるかもしれません。
  232. 土井たか子

    ○土井委員 それでは、同じくただいま読みましたこの日本語訳について、法務大臣はきょうは御出席をお願いいたしかねますので、ひとつ法務省の担当の方、どのようにお考えになるかをお聞かせください。
  233. 塩崎潤

    ○塩崎政府委員 私も、お聞きしております限りにおきまして、直接出入国を担当いたします法務省の所管に関連するような問題とは感じませんでした。
  234. 土井たか子

    ○土井委員 そうすると、こういう文書を公文書として自由に民団が下部に発行して、こういう名簿を作成して、どうかおやりください、こういうことになるわけでありますね。  あと残る一通について日本語に訳すとどういうことになるか、これを申し上げたいと思うのですが、これは同じく「在日本大韓民国居留民団」という表題がございまして、「韓居(東)第四三七号」という番号がふってございます。「受信 団員各位、題目選挙権を持つ帰化人及び日本人従業員、国際結婚者名簿提出協力依頼の件」。日はことしの一月十七日という日に出されているわけでありますが、本文は「われわれ在日同胞は、年間六百億余円の血税を払っているにもかかわらず、滞在国である日本社会から外国人という理由で、金融、就職、福祉、教育面でいろいろ差別や疎外を受けている実情に置かれています。東京本部依頼によって、是正のための一環策として、日本に帰化して選挙権を持つ者及び団員企業体に従事する日本人従業員、日本人と国際結婚した韓国人の名簿把握、本人及び家族たちの参政権を通して社会参与を期するために資料としたいので、右添付様式によって名簿を提出してくださるよう懇切に要請する次第です。以上」、このように書いてあるわけですね。後で訳した方のこの四三七号という公式文書に対してはいかがでございますか。同じく自治大臣、法務大臣にお尋ねします。     〔委員長退席、栗原委員長代理着席〕
  235. 小川平二

    小川国務大臣 文書の趣旨は理解をいたします。
  236. 塩崎潤

    ○塩崎政府委員 お聞きをいたしましたところ種種の活動が行われておる、そのことが理解されたように思います。
  237. 土井たか子

    ○土井委員 いまこの文面からいたしますと、この記載事項にそれぞれ名前が挙げられる日本人の立場からいたしますと、本人の気づかぬうちに名簿に記載される、こういう事実が必ず出てこようと思います。日本人の人権侵害がそこで全くないとは言えません。大臣も選挙を幾度か経験されているわけでありますから、名簿の重要性というのは百も御承知だと存じますけれども、名簿作成は一体何のためになされるのか。言うまでもなく明白でございます。特に、選挙権を持たない外国人の組織である民団がこういう名簿を選挙に利用するとなりますと、日本国民の選挙並びに選挙権に対する干渉、介入、侵害をもたらすことにもなると思うけれども、この点は法令に照らしてどのように理解をされているわけでありますか。先ほど、承りましたというにべもない答弁だけで済んでいるわけでありますけれども、この点についてしかとお答えをいただきたいと思います。
  238. 小川平二

    小川国務大臣 日本に帰化した韓国人、その他選挙権を持ち、あるいは被選挙権を持つ者を通じて在日韓国人の処遇の改善を図ろうということ、そのこと自体格別とがめるべきことじゃないと存じます。
  239. 塩崎潤

    ○塩崎政府委員 外国人登録法によりまして、外国人は、御承知のように六十日以上日本に滞在いたしますときには登録される、その規定が働いて登録されているものだと思います。
  240. 土井たか子

    ○土井委員 全くそれは、いま先ほど私が日本文にして読んだことについて正確に聞いていらっしゃらないことになります。承りましたとおっしゃったのはうそになりますよ。いまの御答弁は全く趣旨が別のことでありまして、まるで履き違えていらっしゃるように思うわけであります。ここに書いてあるのは「日本に帰化して選挙権を持つ者及び団員企業体に従事する日本人従業員」、「団員企業体」というのは、民団の団員の中の企業者のところに従事をしている日本人従業員という意味であります。「日本人と国際結婚した韓国人の名簿把握、本人及び家族たちの参政権を通して社会参与を期するために資料としたい」、こう書いてあるわけであります。いまの御答弁は全く違うわけでありますから、もう一度、その答弁の訂正をお願いします。
  241. 小川平二

    小川国務大臣 要するに、日本人を通じて在日韓国人に対して正しい処遇が行われるように働きかけよう、こう理解して間違いはなかろうかと思うのです。したがって、先ほど申し上げた答弁を訂正せよと仰せられても、格別訂正の余地はないわけでございます。
  242. 土井たか子

    ○土井委員 この名簿作成が、民団という組織を通じて来るべき目の前の参議院選挙に利用されるということになると、問題はいかがでありますか。
  243. 小川平二

    小川国務大臣 外国人といえども政治活動の自由を有することは先ほど申し上げたとおりでございまして、選挙のために必要な名簿を作成する権利もまた認められておると申し上げるべきだと思います。
  244. 土井たか子

    ○土井委員 選挙権、被選挙権を持たない外国人が日本人の名簿を組織的に作成をして、その外国人の組織を通じて特定の候補に対する選挙活動を強制するということになるといかがでありますか。
  245. 小川平二

    小川国務大臣 自由な意思の決定を妨げるということでありますると、さような事実がありますれば、これは選挙法に当然違反することになると思います。
  246. 土井たか子

    ○土井委員 これは、民団の団員の企業体に従事する日本人従業員としたら、雇い主から知らない間に名簿に記載されているばかりでなくて、選挙について特定の候補を支持することを強制されるという向きが十分に出てこようと思うわけであります。そういうことになりますと、外国人によって日本国民の正当に行われるべき選挙並びに選挙権に対する侵害行為、妨害行為、介入行為というものが成立しないという保証はどこにもない。そういう点からすれば、いまこの名簿作成によって、この名簿がどういうふうにこれからつくられ、また利用されていくかということについては、非常に大きな問題をはらんでいると私は思うわけであります。先ほど来の御答弁では、その点は差し支えないというふうな御答弁一点張りでありますけれども、ひとつこのことに対しても十分に調査を要求したいわけでありますが、いかがであります。
  247. 小川平二

    小川国務大臣 雇用されておるという事実から直ちに選挙に際して自由な意思の決定を妨げられるという結論は出てまいりません。これは事実の問題だと存じます。
  248. 土井たか子

    ○土井委員 外務大臣にお尋ねしたいのですが、日本人が外国において特定の候補の選挙に対しての支援活動をするということが許されているのかどうか。また、個人ではなく日本人が組織を形成してその組織の力によって人的物的両面で選挙の活動をするということが認められておりますか、いかがですか。
  249. 鳩山威一郎

    ○鳩山国務大臣 外国におきまして日本人がどのような権利が許されるかというのは、恐らくそれはその国の法制に従うところだろうと思います。私一々存じませんが、その国の法制に従うということであろうと思います。
  250. 土井たか子

    ○土井委員 日本人自身に対して外国での選挙活動ということについて、外務大臣自身はどのようにお考えになりますか。
  251. 鳩山威一郎

    ○鳩山国務大臣 この日本人が政府関係の者であるというような場合にはこれは問題が生じようかと思いますけれども、自由なる人間であればそれはその国で許される行動は当然許されるべきものとこう考える次第でございます。
  252. 土井たか子

    ○土井委員 それは個人の問題でありまして、特に日本政府が背後においてある特定の日本人の組織による選挙運動に対して指示をする、それに対して指揮をするということになればいかがでありますか。
  253. 鳩山威一郎

    ○鳩山国務大臣 わが国の政府はそのようなことは行っておらないと確信をいたします。
  254. 土井たか子

    ○土井委員 わが国の政府はそのようなことを行っておらないと確信をいたしますというお立場からすれば、最初に私は申し上げてまいりましたように、この民団とKCIA活動が非常に密着をしている、一体であるという、こういうことの証言が最近頻々とございます。こういう事情からいたしますと、この名簿作成がKCIAの謀略工作にも活用されないという保証はどこにもございません。これに対して日本政府としてはこの日本人の権利と生活をどのように保護保障するということになるのか、ひとつお伺いしたいと思うわけであります。
  255. 鳩山威一郎

    ○鳩山国務大臣 どうも責任がはっきりいたしませんけれども、KCIAというようなお言葉がありましたので出てきたわけでございます。  外国の政府機関がわが国の選挙に関与するというようなことになれば、これは大変な問題であろう、こう思います。
  256. 土井たか子

    ○土井委員 ただいまのこの公式文書は民団が出した公式文書であります。しかも民団が中心になって日韓親善協会なるものを全国の都道府県段階で結成をされていくというその中身を見ますと、韓国大使館のKCIA責任者と見られる公使などがしばしばこの結成に対して参画をするという、こういういきさつが事実としていままでにございます。そうなりますと、個人じゃないですよ。外国人の民団が組織力をもっていまこういう名簿を作成して、そしてしかも選挙に利用されるいきさつが非常に濃厚であるという問題が具体的に出ているわけでありますから、こうなりますと、もう選挙活動は個人の自由だ、どうか日本でどしどしおやりくださいというわけにはいかなくなってくると思うわけであります。この間の事情から、ひとつ厳重にこういう事情に対して調査を要求したいわけでありますが、いかがですか。
  257. 佐藤順一

    佐藤(順)政府委員 ただいまの御質問がもし仮に政治資金規正法に関連する御質問であるといたしますと、これは当該団体の目的、趣旨とするところがどうであるかということのいかんによるわけでございますので、ただいま挙げられました事例だけで判断することはできないと存じます。
  258. 土井たか子

    ○土井委員 これは政治資金規正法の関係から言うと、現行法上に照らして違法を構成するかどうかという問題になってこようと思いますが、おっしゃる法上は恐らく二十二条の五というところを意識しておっしゃっているに違いないと思うわけであります。ただ、その事実関係について調査をなさらないとこの政治資金規正法に触れるか触れないかという判断もできないわけでありますから、ひとつそういう意味も含めてまず事実調査をするということを強く要求すると同時に、問題は、現行日本の法令に違反するか違反しないか以前の問題が政治的にあるわけです。個人の政治活動の自由の問題じゃない、個人の参政権の範囲で許されるかどうかという問題じゃないわけであります。民団という外国人の組織がいま日本の特定の候補に対して支援活動を送る、そのことのための実は名簿作成であるということになってまいりますと、それ自身が政治的に一つは問題になると同時に、その民団それ自身が自主的にこういう活動をやったのではなくて、実は日韓親善協会が設立されるときに必ずと言っていいくらいこの形成に参画をし出席をし祝辞をそこで述べられる韓国大使館側の責任者があるというこの事実をひとつ注目をされて、その点から日本の現行法令上の問題、この法令上の問題をはるかに越えて、政治的に日本国民の正当な選挙並びに選挙権に対する妨害行為が外国である韓国の政府によってなされていはしないかという問題を提起しているわけでありますから、そういう意味において厳重に私は調査を要求しているわけであります。先ほどの政治資金規正法の点はひとつまず調査を要求しますが、これはいかがですか。
  259. 佐藤順一

    佐藤(順)政府委員 政治資金規正法を所管いたします自治省といたしましては、いま仰せのような団体その他の実態についての調査権等の権能は有しておりませんので、御承知おき願いたいと存ずる次第でございます。
  260. 土井たか子

    ○土井委員 それでは、そういう事実に対しての調査はどういう形で行われるわけでありますか。
  261. 佐藤順一

    佐藤(順)政府委員 御指名でございますので、重ねてお答えいたしますことになりますが、実は法令違反があればそれぞれの立場から調査ないし捜査が行われるものと思います。
  262. 土井たか子

    ○土井委員 法令違反になるかどうかというのは、事実を調査しないとわからぬわけですね。法令違反があるかどうかという事実調査というのは一体どういう形で、だれが行うわけでありますか。
  263. 小川平二

    小川国務大臣 現実に具体的な犯罪の容疑ありと判断をいたしました場合には、警察が捜査を開始するわけでございます。
  264. 土井たか子

    ○土井委員 この問題については警察担当の方にもひとつ調査を要求をしたいと思うわけでありますが、さらに、この法令違反以前の問題として、先ほど申し上げた政治的な側面ですね、よりこれは私は重要な問題だと思います。これに対しての調査をひとつ強く要求したいと思いますが、自治大臣外務大臣いかがです。
  265. 小川平二

    小川国務大臣 大変失礼ですが、いまの御発言の御趣旨をよく理解しかねましたので、恐縮ですが、もう一度おっしゃってください。
  266. 土井たか子

    ○土井委員 先ほど政治資金規正法に違反するかどうかというふうな問題について、これは事実に対する調査ということをひとつ要求をすると同時に、法令に違反するかしないかという問題以前に政治的に、今回の民団の組織を挙げてのこういう名簿作成というふうな問題は、民団という組織が自主的にこの名簿作成を行っているというこのいきさつよりも、むしろその背後に日韓親善協会なるものの設立経過などを見てまいりましても、それぞれ在日韓国大使館員等々が介在をされているという事実がいままでに経過としてございます。したがいまして、今回の問題についても、日本人の名簿を作成をしてその参政権を通じて活動するということが、外国人の組織的な力によってなされると同時に、その背後にその外国である韓国からのいろいろな指示、そういうものが介在をするという可能性もこれはなきにしもあらずなんです。そういうふうな観点からひとつ今回のこの問題を調査を要求をしているわけであります。いかがですか。
  267. 鳩山威一郎

    ○鳩山国務大臣 ただいま仰せになりました中で、日韓親善協会というものが各都道府県につくられつつあるという点を御指摘になって、そしてその親善協会の設立につきまして韓国大使館の公使その他の外交官が行って祝辞を述べる、こういうことを仰せられたわけでございます。その限りにおきまして、私ども日韓それぞれの国がいろいろな親善関係を持ってそういったものの結成に祝辞を述べるということはよく行われていることで、その限りにおきまして私ども何ら問題があるとは思いません。  その後のことにつきましては、政治資金規正法上どうということは、やはりこれは自治省の所管のことでございますし、選挙関係につきましてはやはり自治省のことでございますので、これは私は、親善協会ということでわが外交当局がこれにつきましてとやかく言うのはいけないと思うわけでございます。
  268. 土井たか子

    ○土井委員 重ねてこの点についてあと一問外務大臣に申し上げたいのは、最初に私がこの質問の皮切りに述べたとおりでありまして、アメリカにおける李在鉉氏の発言内容からいたしますと、日本ではKCIAは民団がいたので活動はやりやすかったという発言がございます。この民団の活動それ自身がKCIA工作の手先として非常に意味があるというふうな向きもはっきり元在米韓国大使館員である李在鉉氏が発言をされているわけでありますから、そういう向きからいたしまして、いまの外務大臣答弁で事が済むとは私は思いません。いかがです。
  269. 鳩山威一郎

    ○鳩山国務大臣 ただいま申し上げましたとおり、国交のある国同士がそれぞれ親善関係を結ぶ、その限りにおきまして、私はとやかく言うことはないということを申し上げたのでございます。その後のKCIAと民団との結びつき等にお触れになりましたけれども、そのようなことにつきましては、私どもは事実を把握しておらない次第でございます。     〔栗原委員長代理退席、委員長着席〕
  270. 土井たか子

    ○土井委員 このようなやり方で民団が日本国民の正当に行われるべき選挙や選挙権に対して介入をするという行き方は、外務大臣からお考えになりまして、日韓関係に正常な友好親善というものが促進されるというふうにお考えでいらっしゃいますか、いかがです。
  271. 鳩山威一郎

    ○鳩山国務大臣 私どもそういう活動の結果がどのようなことを生むかということより、やはりお互いに親善を重ねるということは、それ自体として非難するに当たらないことであるということを申し上げているのでございまして、それ以上のことになりますと、具体的に日本の法令にどこが抵触するのである、そういうような事実がございませんと、予断をもって申し上げることはできないということを申し上げておるわけでございます。
  272. 土井たか子

    ○土井委員 あくまで選挙は日本の選挙でありますから、この日本の選挙に対して、外国人である韓国の人たちが民団という組織の力を使って日本人の名簿を作成をして、選挙に対して特定の候補に対しての選挙活動を行うということから考えますと、これは好ましいとお考えになりますか、いかがですか。
  273. 鳩山威一郎

    ○鳩山国務大臣 いまお聞きしたことだけから好ましいとか好ましくないとかということは、私のいまただいまの判断からは出てまいりません。
  274. 土井たか子

    ○土井委員 それでは、いまこの事情についてさらにいろいろと調査をされるというふうなお気持ちがおありになるかどうか、ひとつその点をお聞かせください。
  275. 鳩山威一郎

    ○鳩山国務大臣 先ほど自治省の方からも御答弁がありました政治資金規正法の違反があるかどうかということも、その違反の容疑が出ませんと、これはなかなか調査ができない、そのような答弁もありました。私どもも、何ら容疑も何もないのにただ調査をするというわけにはいかないだろう、こう思う次第でございます。
  276. 土井たか子

    ○土井委員 いま新聞紙上でこのような事実があったという報道がすでに一般に提示をされているわけであります。したがいまして、その容疑があるかどうかというふうな問題についてもやはり調査をするというのが至当であると思いますが、最初に申し上げたとおり、この事情のてんまつについてひとつ厳重に調査を要求したいと思いますが、いかがです。これは自治省になりますか。
  277. 小川平二

    小川国務大臣 先ほど来申し上げますとおり、外国人の政治活動は自由でございまするし、その手段として名簿を作製することも公職選挙法上問題があるとは存じません。ただ、先ほどのお話の中で、政治資金として金銭が提供されたんですか、するというんですか、そういう報道がなされたというお言葉が、こざいました。これは一般的に、選挙に関すると否とを問わず、外国人から寄付を受けることは政治資金規正法の違反になるわけでございますが、重ねて申しますように、警察は現実に具体的な犯罪の容疑がありませんと捜査に着手することはできないわけでございますけれども、国会の場で先ほど来の御発言があったということは警察の当局にしかと伝えまして、注意を喚起することにいたします。
  278. 土井たか子

    ○土井委員 この問題についてはひとつしかと調査を要求することにいたします。  次に、この問題についてはすでに昭和四十七年六月六日に「各種公共事業に係る環境保全対策について」という閣議了解がございまして、それ以後、例の環境保全並びに環境をよりよいものにしていくということのための環境影響評価の制度化が一日も早く急がれていたわけであります。  福田総理は衆議院の本会議で、環境影響評価制度、いわゆるアセスメント法の立法化について次のように答えておられます。「環境対策といたしまして、環境影響の事前評価法を早期に制定すべしというお話でございます。これは、世論もそういう高まりを見せておるわけでございますが、やはり私も、いろいろな開発行為が行われる、その開発行為が行われる前に効果的な環境影響評価をしておく必要がある、こういうふうに思います。それを実行するための制度、体制、ただいまどういうふうにするかにつきまして、政府におきましては検討中であります。」。この答弁は福田内閣の閣僚としてきょう御出席の各大臣は全部御了解のところであろうと思いますが、まず前々環境庁長官の小沢長官は、五十一年三月五日の当予算委員会の席で、その当時国会に法案を提出したいという意向を答えられ、そして前丸茂長官も、昨年十月十二日の公害対策並びに環境保全特別委員会でその向きを明らかにされ、そして現在の石原長官も、衆議院のこの予算委員会の総括質問に対して、今国会にアセスメント法案を提出する意思を表明しておられるわけでありますが、環境庁長官、そのとおりですか。
  279. 石原慎太郎

    石原国務大臣 そのとおりでございます。
  280. 土井たか子

    ○土井委員 これは国会のたびごとに、今国会に提案提案と聞かされて、耳にたこができているわけであります。それできょうはこの席で、一定のはっきりしたこれに対する見通しと確約をいただかなければもうどうにもならないと私は思うわけでありますが、建設大臣、昨年三月の当予算委員会で、わが社会党の島本虎三議員のアセスメント立法化についての質問に対して、小沢元環境庁長官が関係各省庁と調整の上、立法化したいというふうに答えられたことを受けて、当時の竹下建設大臣は「法律案の問題につきましては、環境庁長官のとおりであります。」というふうな答えをされているわけです。長谷川大臣もこの見解に変更はないと思いますが、いま環境庁の方で原案作成中の中に、道路、ダム等都市開発事業も当然環境影響評価の対象として考えられているわけであります。この道路、ダム等都市開発事業というのも当然その中に含めて建設大臣は認識をされているだろうと思いますが、この点をひとつお答えくださいませんか。
  281. 長谷川四郎

    長谷川国務大臣 つまり、高度成長時代から安定成長時代に移行をしてまいりまして、つくればよいというその姿勢だけで済むことではなくなってきて、御指摘のようにアセスメント法案というものを何のために要求するか、これらの諸問題というものを解決するためにこの法案が要求されてきていることだと思うのでありまして、公共事業と環境との調和を図るために、そして建設省としては従来からきめ細かい対応に努めているところでございまして、これに対して何も別に、何の不平も不満もございませんでございます。
  282. 土井たか子

    ○土井委員 それでは運輸大臣にひとつお答えいただきたいのですが、(「運輸大臣は出席していない」と呼ぶ者あり)では政務次官にお答えをいただきたいのですが、「環境庁長官の方で鋭意現在検討しておりますので、その連絡があると思います。われわれとしても前向きに検討いたしたいと思っております。」というのが五十一年三月五日の当委員会における木村元運輸大臣の御答弁であります。現大臣もこれに対して変更の御意思はないと私自身思いますが、伝えられる環境庁案では、鉄道や飛行場や埋め立てや港湾計画が対象事業に含まれているわけです。これらは当然運輸省としては環境影響評価をなす場合に対象として含まれるというふうに理解していらっしゃるかどうか、その点をお答えいただきたいと思います。
  283. 石井一

    石井(一)政府委員 大臣の代行をお許しいただきたいと思います。  そこで、私も急に呼び出されたのでございますが、御指摘のとおり、社会党の島本委員に対して、この問題に関しまして当委員会で木村前運輸大臣答弁をいたしておりますが、環境庁と鋭意検討をし、前向きに取り組みたい、そういう答弁をいたしております。  なお、この環境アセスメントに関しましては、運輸省といたしましては、空港の建設、公有水面の埋め立て、港湾の建設、鉄道、新幹線の建設等等、非常に重要な問題を抱えておるわけでございまして、わが省といたしましても、これまで独自の法改正等で、いろいろと地域住民との対話を推進しつつ、問題の解決に当たってきたつもりでございますが、特に新しい環境アセスメントの法案に関しましては、わが省といたしましても環境庁と十分協議をしてその法制化に前向きに取り組みたい、そう思っております。  ただ、対象事業の範囲だとか地域社会からの意見の聴取の具体的な方法等について、何かまだ最終的なところに少し問題が残っておる、こういうふうに私は伺っておりますことも申し上げたいと思います。
  284. 土井たか子

    ○土井委員 続けて、金丸元国土庁長官は、国土利用計画の中で御質問に答えたとおり、できるだけ早い機会にでき上がることを私は望みますというふうに答えられているわけですが、田澤長官も、この御見解のとおりだと思いますが、いかがですか。
  285. 田澤吉郎

    ○田澤国務大臣 お答えいたします。  国土庁としては、実効性のある環境影響評価制度が実現できるようにただいま環境庁の試案を検討中でございます。長期国土計画との関係で、私たちは常に、これまでもまたこれからも環境保全というものに十分注意をして、また関心を持って進めてまいっておるのでございますので、この法案には全面的に賛成でございます。
  286. 土井たか子

    ○土井委員 通産大臣はいかがです。
  287. 田中龍夫

    田中国務大臣 お答えいたします。  本件につきましてもたびたびこの予算委員会等でもお答え申し上げたとおり、環境影響評価制度の試案につきましても、このような観点から制度のあり方につきまして慎重に検討を進めておるところでございます。
  288. 土井たか子

    ○土井委員 大変慎重慎重と言うので、通産省の方の御答弁は常に慎重過ぎて困るわけでありますが、この環境庁案に電源開発事業というのが含まれているということについては御承知だと思いますが、これは当然のことながら、通産省としてはこの環境影響評価に対して電源開発事業は対象に含まれるというふうにお考えでいらっしゃいますね。
  289. 田中龍夫

    田中国務大臣 お答えいたします。  よく承知いたしております。電力開発、ことに原子力開発と安全の問題が最も重要な問題でございます。
  290. 土井たか子

    ○土井委員 ただいまそれぞれの各大臣からの御答弁を承っておりますと、特に最後の通産大臣からは慎重に検討という言葉がまた返ってまいりました。この慎重に検討というのを聞くと、今国会に提出をいたします、今国会で必ず成立を期してやりたいと思いますというのがみんな消えていくわけであります。  環境庁長官、昨年は調整に時間が不十分ということで法案提出は見送られるというかっこうになったのですが、あれからもう一年たちました。一年もたって、もうとっくの昔に調整はついていると思うのが常識であります。ただしかし、いま先ほど来のあの通産大臣の慎重に検討ということをまた聞かされますと、これもまた調整に手間取ってことしも見送りになるのではなかろうかというふうな風も吹いてくる。特にまだ調整中とおっしゃるのなら、私は怠慢だと言いたいわけであります。一年もたっている。いままで一体何をしていらしたのかということを聞かせていただきたい。一体どこの省庁が問題で延び延びになってきたのかということを率直にいまここでお伺いしたい気持ちでありますが、いかがでございますか。
  291. 石原慎太郎

    石原国務大臣 石橋委員の質問のときにもお答えいたしましたが、何分いままでの日本の行政原理の中に存在し得ない法律でございますので、いろいろ意見もございました。ただ、ようやく調整もつきかけまして、一両日中に各省の意見をくみ込んだ第二のドラフトを環境庁の中で検討する段階までやっと参りました。それをさらにできるだけ短期間に各省庁に持ち帰りまして、各省庁の合意を得た上で今国会に提出するつもりでございます。
  292. 土井たか子

    ○土井委員 環境庁長官答弁は一両日中と、まことに目の前にすぐ出せるような勢いでありますけれども、先ほどの通産大臣の方の御答弁は、慎重に検討というふうな表現がございました。一体何を慎重に検討なすっているのか、どういう点をどのように検討なすっていらっしゃるのか、それを一つは通産大臣にお伺いしたいわけでありますが、工場立地法の地域指定というのは、現に通産省はやっていらっしゃいますか、どうですか。それから地域指定の工場立地についてのアセスメントをやっていらっしゃいますか、どうですか。その他の環境保全上の措置というものをやっていらっしゃいますか、どうですか。これを一つはお伺いをしながら、どういう点を慎重にただいま検討されているかということをお聞かせいただきたいと思うわけであります。いま私が申し上げました工場立地法の地域指定、それから工場立地についてのアセスメント、環境保全上の措置、いずれも工場立地法が命ずるところの通産省としては当然やるべき義務だと思います。したがいまして、それもあわせてひとつ明確にお答えをいただきたいと思います。
  293. 斎藤顕

    斎藤(顕)政府委員 工場立地法に基づくアセスメントの施行は現在いたしておりますが、指定はまだしておりません。
  294. 土井たか子

    ○土井委員 いまだに何もやっていないことにそれは等しいわけであります。これははっきり工場立地法が命じているところなんでありますから、これをまず通産省としてはやるべきことはやるという態度でなければ、いまのアセスメント法に対して慎重に検討とおっしゃっている中身も心もとないものになってくる。アセスメント法案については何かとあげつらって、けちをつけられているのは通産省というもっぱらの評判であります。工場立地法の地域指定、これはなぜできないのか。なぜ、五十一年の三月五日の予算委員会でも取り上げられて、そして当時この問題が追及されながら今日に至るまでいまだに地域指定を行われないのか一これは明確にひとつしていただきたいと思います。
  295. 田中龍夫

    田中国務大臣 お答えいたします。  大変に御心配のようでございまするが、さようなわけではございません。安全の問題、環境の整備の問題、さらにまた住民の環境に対しまする問題等、関係各省庁とともどもに政府といたしまして前向きに推進いたしておる次第でございます。
  296. 土井たか子

    ○土井委員 いまの答弁はまるで私の質問に対する答弁にはなっていないわけであります。工場立地法の地域指定をおやりになっていらっしゃらないという事実が現にあるわけでありますから、そういう点からすると、前向き前向きとおっしゃっても、決していまおやりになっていること自身が前向きじゃない。したがって、そこから慎重に検討することも、前向きの慎重に検討は出てこない、こういうことを一つははっきり認識をしなければならないと思うわけであります。  いまこういう調整が通産省の態度もこれあり、いろいろ通産省にしてみますと、いまここに私が持ってまいりました名簿からいたしましても、今回環境影響評価の対象になっていくようないろいろな業種に天下りでそれぞれ通産省から、たとえば電源開発の総裁、それから北海道熱供給公社の会長、それから九州石油の社長、それから鹿島建設の社長、あとその数読んでいきますと、大体目につくところだけでも取締役、副社長、相談役、顧問等々を含めまして三十六名もあるわけであります。こういう通産省からする天下り先のいろいろなだんな衆の言うことを唯々諾々として聞いているというふうなことであっては、環境影響評価に対して前向きの検討というのは決してできることじゃないと思うわけでありますが、政治や行政というのは国民のためにあるものでありまして、決して大企業向けにあるわけではないわけでありますから、この点をひとつ今回しっかりと――環境影響評価というものを立法化するについても環境庁長官のこの取りまとめの責任というのは非常に大きくなってくると思うわけであります。  ところで、先ほどの御答弁でありますけれども、もし今国会に対しての提案というものが、調整に難航してうまくいかないような場合ありとすれば、例の環境庁設置法にある環境庁長官の勧告権というのがございますが、この勧告権の中身からすると、関係行政官庁の長に対して勧告をする、当該行政機関の長に対してその勧告に基づいて措置をとらせる、そうして、その措置について報告を求めることができるという勧告権がございます。さらに第六条五項を見ますと、内閣総理大臣に対して、当該事項について内閣法の六条の規定による措置がとられるように意見を具申することもできます。こういう勧告権を適用して、今回どんなことがあってもこの国会で、住民の意思を反映することを中心にした環境影響評価法というものの制度を、法律の立法は調整ができなかった場合には無理でありますけれども、制度化を急ぎたいというふうにお心づもりがおありになるかどうか、これをひとつお聞かせください。
  297. 石原慎太郎

    石原国務大臣 事が難航いたしました場合によりましては、そのような御指摘の方法を用いてでも、なお実現に努力する所存でございますが、でき得ればそういう方法をとらずに、各省の合意の上で新しい法律を提出したいと思っております。
  298. 土井たか子

    ○土井委員 全国で大規模開発計画の場所、すでに工事が着工されることを目前に控えている場所、そういう場所におる住民というのが、今回公共事業に対しての予算というものが非常に膨大なものになってきているわけでありますから、環境影響評価によって、自分たちの意思というものを具体的にそういう計画に対して反映していくということは切実な国民的要求であります。長官も御存じのとおりで、昨年の十一月に環境影響評価についてのモニターのアンケートが環境庁によって集約をされているわけでありますけれども、この中身を見ましても、いま住民や国民は環境影響評価について一日も早くこの実現を求めているということが非常に明確に出てまいっております。したがいまして、各省それぞれの思惑がありましていままで調整に難航した、また、昨年はぜひ国会に提案をするということを前々長官が約束されながら、引き延ばしに引き延ばされてきたわけでありますから、もはやここまで参りますと、さらに今国会も見送りというわけにはいかないと思います。ただいまの法案に対しての提案ができない場合も、先ほどの勧告権を適用するなり何らかの措置を講じて、この制度化を具体的にされるように確認をさせていただいて、次の問題に移りたいと思います。いかがですか。
  299. 石原慎太郎

    石原国務大臣 勇気をもって、決意をもって、そのように努力いたします。
  300. 土井たか子

    ○土井委員 最後に一言、勧告権の問題がございますから、先ほどの通産省に対しての、これは昨年の予算委員会の場所でも問題になって、そして今日に至ってお尋ねをしても、なおかつこれは一向に是正をされておりません。工場立地法の地域指定に対しても勧告権の発動は私は望まれるところではないかと思いますが、いかがでありますか。
  301. 斎藤顕

    斎藤(顕)政府委員 すでに数カ所につきましてアセスメントを終了いたしまして、現在大分地区と鹿島地区につきまして、この地域を指定すべく各省にその旨協議をしておるところでございます。
  302. 土井たか子

    ○土井委員 それはその地域についてのみの問題でありまして、全国的にあの工場立地法という法律を通産省としては守る義務があるわけであります。したがいまして、そういう点からすると、全くいまあの工場立地法それ自身が通産行政によって骨抜きにされてきたといういきさつからいたしましても、やはりこのことに対して環境庁長官が黙っておられる法はないと私は思うわけであります。いかがですか。
  303. 石原慎太郎

    石原国務大臣 この問題につきましては、今後通産省と十分に相談し、環境庁の姿勢をはっきり明示するように努力いたします。
  304. 土井たか子

    ○土井委員 次の問題に移ります。  二月の一日に婦人問題企画推進本部から、世界の行動計画に基づきまして、国内行動計画、十年計画が発表されたわけでありますが、それはそれなりにこれに携われた方は努力をされたに違いないと思いますけれども、私からいたしますと、大変不満な中身であります。これを一つ一つ取り上げるいとまがきょうはありません。  ただ一つ言いたいことは、これは十年計画でありますけれども、先ほど来五年の段階で見直しをするということを言われております。この中で、女性は家庭、男性は仕事という従来の男女の役割りにとらわれずに、自立して女性が生きていくための基本となるのは、女性の労働権の確立ということが非常に大事な問題だと思うのですが、問題は、男女不平等というのが日本の場合雇用の面で大変に著しい。子供が生まれると職場を捨てて家庭に戻らざるを得ないような状況が非常に多うございます。男性の半分の平均賃金という中身であります。家事の負担も非常にございます。母性保護に対しての不備が目立ちます。働き続けていくのには壁だらけだと申し上げていいと思います。  ところが、この三十ページばかりの行動計画の中に、この雇用の平等、働き続ける女性の条件整備という問題について取り上げられている部面というのは、わずか一ページなんです。しかも、その中身を見ますと、出産退職などの差別的制度は指導計画で是正する、労使に対する相談体制の充実を図る、婦人が広い職業分野へ進出するように啓発をする、使用者が女性の能力を活用するように奨励をするというふうに、もっぱらここには行政指導と女性の自覚に問題の解決を求めているだけであります。私はこの五年の後、見直しの時期が来るまで、恐らく今回のこの国内行動計画をいろいろとつくられるのに当たりまして、それぞれ労働者代表の方々の意見も中にくみ入れられたということを恐らくは説明でおっしゃるに違いないと思いますけれども、五年の見直しのときに、たとえば婦人問題審議会であるとか企画推進会議の中で、どういう意見が労働者代表側から出されたかということを、ひとつ意見が議事録等々を通じて一般によくわかるように措置を講じていただきたいと思うわけでありますが、いかがでありますか。
  305. 藤田正明

    藤田国務大臣 おっしゃるとおりに、憲法十四条の男女平等の原則に基づいて、この国内行動計画はでき上がっておるわけでございます。それで、五年後に見直しますし、そのときには各階層の御意見を伺う、そして、その見直しを真にその後の五年間において実行できるものにする。かように考えておりますから、もちろん労働側の代表も御参加願うことは間違いないと思います。
  306. 土井たか子

    ○土井委員 いろいろそれに対しての注文つけなり、中身に対しての吟味は、ひとつ後日また別の機会に分科会などを通じて質問をしたいと私自身考えております。  ただ、今回のこの行動計画の中で最後の方に述べていらっしゃる「婦人に関する国際条約については、その再検討の動向を勘案しつつ、批准のための国内の条件整備に努める。」、こうございます。いま、ILOの関係の、特に働く女性に関係のある条約の批准状況は日本は余り思わしくございません。早くから百十一号あるいは百三号条約の批准というものが強く求められながら、いまだに日本はこれに対して批准をしていないわけであります。やっと先日、社会保障の最低基準を定めました百二号の条約に対しても批准をすることになったわけでありますが、その中身では特に医療、家族、出産、疾病、遺族給付という、女性にとって直接かかわり合いのある、女性からすると、この条約を見た場合、まずここが、この最低基準を満たされなければならないと考えている部分がいまだに未批准であります。こういう点から考えまして、一昨年外務委員会で、このILO百二号条約の審議をいたしました節、未批准の部分についても、厚生大臣はまた厚生省当局はこれに対して整備を急ぐというふうな御答弁であったわけですが、御答弁は御答弁のままでありまして、実態は据え置きのままであります。いま、やはり一たん批准をしてしまえばはいそれまでよというのは、これは間違いでありまして、やはり内容に対して充実をさせていくということが当然国内の行動計画のABCだと思うわけでありますが、そういう点からいたしまして、厚生大臣にひとつお尋ねをしたいのは、たとえば二十三歳で女性が結を婚する、そして三十年結婚生活の後、不幸にして五十三歳で離婚をするという場合、この夫は年金が保障されるわけでありますが、その妻である女性に対しては、国民年金に加入をしていない場合どのように保障がございますか。
  307. 木暮保成

    ○木暮政府委員 ただいまの年金制度では、妻の年金権にいろいろな問題がございまして、この点につきましては私ども今後の課題と思っておる次第でございます。  ただいま御指摘のありました点も一つの問題点でございまして、被用者の妻が国民年金に任意加入するという道が開かれておるわけでございますけれども、現在すでに六百万近い方が加入しておられますけれども、これに加入しておりません場合には、いまの御設例のようなときに遺族年金が出ない、こういうことでございます。これは、基本構想懇等で重要な課題として取り上げていただいている次第でございます。
  308. 土井たか子

    ○土井委員 いまの国民年金に加入をしている人と加入していない場合とでは大変に差があるわけでありますね。いまは任意加入ということになっておりますが、現在妻はどの程度加入をしているか、加入をしている妻の人口はどれくらいか、それをひとつお示しいただきたいと思います。
  309. 木暮保成

    ○木暮政府委員 現在五百九十万ぐらいの被用者の妻の方が入っております。
  310. 土井たか子

    ○土井委員 それは全体のパーセントから言うと何%くらいに当たりますか。
  311. 木暮保成

    ○木暮政府委員 被用者の妻がどのくらいの数おられるか、これははっきり数字的に出ないのでございますけれども、大体一千万人ぐらいではなかろうか、そうしますと、半分以上の方が加入しているのではないかというふうに考えております。
  312. 土井たか子

    ○土井委員 厚生省の役人の方々の御夫人は、ほとんどが加入をされているようであります。これはやはり加入をした方がいいということで加入をされているようであります。小さな自治体はこの加入率というのが非常に高いようでありますが、大都市の被用者の妻である女性の加入率は非常に低いのです。全体から申しますと、入った者とそうでない者との中身を考えていった場合に、大変な不公平が、先ほども御答弁の中にございましたけれども、出てまいります。年金に加入すれば、病気になったりそれからけがをしたりして困る場合には、障害者になった場合に障害年金というものがこれは出る、母子年金が出る、遺族年金が出るということでありますけれども、国民年金に加入していないことには全く無権利状況というかっこうになるわけであります。したがいまして、やはり女性の一生というものを通じて、年金というものは本来個人権であるということを考えていきますと、その人に付随している権利だという物の考え方からすれば、あの昭和三十六年にこれが任意加入か強制加入かということでずいぶん論議を呼んだわけでありますけれども、本来国民年金というものは強制加入にしてしかるべきだというふうに考えられるわけでありますけれども、厚生大臣の御所見はいかがでありますか。
  313. 木暮保成

    ○木暮政府委員 年金制度の立て方の一つの基本的な問題といたしまして、世帯単位でやるかあるいは個人単位でやるかということがあるわけでございます。外国の例でも世帯単位でやっておるところが多いわけでございますけれども、個人単位でやるところも出てきておるわけでございます。わが国の場合には、被用者の年金制度が世帯単位でございまして、それに対しまして国民年金が個人単位にやっておるわけでございます。そこの橋渡しということで被用者の妻の任意加入が認められておるわけでございますが、ここら辺は、年金制度個々ではなく、横断的に判断しなければならない将来の課題だというふうに考えております。
  314. 土井たか子

    ○土井委員 将来の課題とおっしゃいますが、これはやはり最近、寿命から言いましても、後、遺族として残るのは大抵は女性の側が多いわけでありますし、それから財産に対しても夫婦共有制ということが問題になってきておる。それぞれ家庭の主婦としてがんばってきている女性に対して、いまの国民年金というもののあり方が任意加入であることのために、年金権を享受し得ないという女性が多くあるということ、したがって、老後の生活を考えていくと、無権利状況のままでやはり個人の生活というものが保障され得ない。そういう状況にあるという関係から考えますと、厚生大臣、これは最後の質問になりますけれども、やはり本来年金権というのは個人に属するという物の考え方からいたしましても、本来、この男女平等の趣旨からして、それから特に今回の国内行動計画というのが女性の自立、それからあらゆる機会の均等、憲法で言うところの性別による差別というものを撤廃するためにつくられている計画であるということにもかんがみ、これはやはり急いで、せめて任意加入を強制加入の方向にと打ち出すのは、私は半歩前進だと思うわけでありますが、どのように考えていらっしゃいますか。
  315. 渡辺美智雄

    ○渡辺国務大臣 先ほど年金局長からお答えいたしましたように、厚生年金と国民年金は、世帯単位で入るか個人で入るかという、本質が違っておるわけですから、それを強制的にするかどうかは非常にむずかしい問題なので、にわかに答えられませんが、検討はいたします。  ただ、あなたがおっしゃったように、年金は個人についているのじゃないか、せっかく三十年も亭主と一緒に来たのにどんな調子か夫婦別れになってしまって、亭主が死んでくれればもらえる年金が、死なずにぴんぴんしていて自分だけ追い出されてしまって、それで年金は一つももらえない。たまたま手回しよく国民年金に入っていた人はよかったが、入っていなかった人は裸で出ていかなければならぬということは、やはりこれは考えさせられるところがあります。まあ年金くれないから死ぬまで一緒にいろよというのではブレーキがかかるのかもしれぬが、女性の方から見れば、どうもそれでは別れるときに別れづらい。三十年も一緒にいれば別れる人は余りないと思いますがね、実際は。ないと思いますが、これは非常に問題点でございますから、よく検討いたします。
  316. 土井たか子

    ○土井委員 検討いたしますでいつも終わるわけですが、これは本当に切実な問題なんですよ。  それで、三十年も連れ添って別れるなんということは余りないがとおっしゃいますけれども、このところ、昨年厚生白書は、初めて日本では女性の一生を取り上げた白書だというふうに銘打って出された白書でございますが、離婚率も上昇していっているのです。そういう点から考えますと、これは、検討検討といつまでも検討で手をこまねいているわけにはいかない問題だろうと思います。ぜひ来年度この年金に対してお考えになる節には、これをひとつ改革の置きどころとして取り組んでいただきますよう申し上げて、終わりにしたいと思います。よろしいですね。
  317. 渡辺美智雄

    ○渡辺国務大臣 年金問題は、ことしの秋までに全体的に見直すことになっておりますから、その一環といたしまして、よく検討いたします。
  318. 土井たか子

    ○土井委員 終わります。
  319. 坪川信三

    坪川委員長 これにて土井君の質疑は終了いたしました。  次に、石野久男君。
  320. 石野久男

    石野委員 外務大臣にお尋ねします。  簡単にお尋ねしますが、日中平和友好条約についてですが、中国の側でも日本の側でも、もうほとんど問題がないというのにもかかわらず、なかなか日本の方でみこしが上がらない、それの最大の障害になっているものは何だろうか、そこだけ一つお答え願いたい。
  321. 鳩山威一郎

    ○鳩山国務大臣 日中の条約交渉につきましては、昨年中はいろいろなことがございまして、政権の交代等もあったわけでございまして、これからは……(石野委員「もうそれはわかっているから、何が障害になっているか」と呼ぶ)それはいま大きな障害というのは私はもう解消されておると思います。ただ、これから最終的に両国が満足のいく形で仕上げをしよう、こういう段階に来つつあるように思います。その段階を双方が決意をして取り組むということであろう、こう思うのでございます。
  322. 石野久男

    石野委員 双方が決意というけれども、中国の側ではもうほとんど問題はないと聞いておりますから、日本の側に問題があると思いますので、政府の決意といいますか、大体いつごろにそういう問題の話し合いをするという用意でおられますか。
  323. 鳩山威一郎

    ○鳩山国務大臣 大きな障害というものは除かれたと思いますが、やはり先方は先方の原案どおりであればいい、こういうことでございますので、これに対しましてわが方として最終的にどう対処するかということがまだ最終的に残っている、こう理解をいたしておるわけでございまして、それが政治日程上いつごろの段階になるかということは、いまこの席で申し上げることはできないのでございます。
  324. 石野久男

    石野委員 この日中の問題は、国交回復以来条約締結の問題は国民の渇望しておるところです。政府もそれは理解していると思うのです。今国会中にその段取りはできるのか、それとも参議院選挙の前にやる決意でおるのか、そこのところをひとつ。
  325. 鳩山威一郎

    ○鳩山国務大臣 その点につきましては、やはり総理大臣とよく御相談を申し上げなければならないことでございまして、まだそこまでは申し上げることはできないのでございます。
  326. 石野久男

    石野委員 この問題の処理というのは、アジアにおける外交上の問題でも、あるいは日本の諸般の外交上の問題でも、一番基本にかかわるきわめて重大な問題だと思うし、また日本の経済運営の上からいっても重大な関係があると思うのです。私は、やはり早期にそういう処理をなさるべきだ、政府はそういうふうにすべきだ、こう思います。  いま総理の決断というお話でございますが、総理と外務大臣との話し合いの中では、この問題をたとえば秋口まで持っていくとか参議院選挙の後にまで延ばすのだというような、そういう話し合いになっておるのですか、どうですか。
  327. 鳩山威一郎

    ○鳩山国務大臣 ただいまのところ、そこまでまだ何ら決められてないということでございます。
  328. 石野久男

    石野委員 これは外務大臣にお願いしておきますが、いまのような話だと、全然日本には、中国との間における条約締結の問題は何にもないのだけれども、政府にはその意思がないのと同じだという結論になってしまうのですね。そうでなければどういうふうに考えているのですか。
  329. 鳩山威一郎

    ○鳩山国務大臣 この予算委員会でもたびたび総理から御答弁がございました。総理大臣から、平和憲法のもとにおきます日本としての姿勢、そういったものに対しまして中国側の理解が得られ、そして双方が満足のいく条件に到達できれば、これはわが方としても条約締結に何ら支障はないということでございますので、そういった点につきまして最後の詰めが残されておるというふうに理解をいたしておるのでございます。
  330. 石野久男

    石野委員 これは非常に重大だし、また国民は渇望しておるのだから、一日も早くそういう総理との話し合いをして進めるように要望しておきたいと思います。  私は、通産大臣科学技術庁長官にお尋ねしますが、先般私は、二月十六日に、「関西電力(株)美浜原子力発電所第一号炉燃料棒折損事故に関する質問」を出しております。その質問に対して総理大臣から、「国会法第七十五条第二項に規定する期間内に答弁することができないので、同項後段の規定によって」三月の五日まで期限を延ばしてくれ、こういう通知がありました。ここではその理由として、「質問事項について検討する必要があり」とあるが、この「検討する必要」というのはどういうことなのか、お答え願いたい。
  331. 橋本利一

    橋本(利)政府委員 先生からいただきました質問主意書に対しまして答弁を準備するに当たりまして、ざっと申し上げて七割方は当時当方の手持ちの資料で準備できたわけでございますが、あと三割程度につきましては新たに事情聴取等を必要といたしましたので、さような表現をとったものだと思います。
  332. 石野久男

    石野委員 もう一度お伺いしますが、私がお尋ねしたのは、これを見てもわかるように、もうほとんど具体的な問題で、新たに資料を求めなくてもいい内容のものだと思っているのです。資料がどうしても手に入らないという理由はどういうことですか。
  333. 武田康

    ○武田政府委員 先ほど長官がお答え申し上げたとおりでございますけれども、質問主意書の中の一部の事項につきましては、再度確認調査をいたし、それからその後それを整理いたしまして、諸手続を経て国会の方に御提出申し上げるまでにちょっと時間がかかった、こういうことでございます。
  334. 石野久男

    石野委員 五日には答弁書は出してもらえるのですね。
  335. 武田康

    ○武田政府委員 一週間延ばしていただきましたので、明日の閣議に私どもとして提出できる段取りになっておりますので、それから国会に御提出する運びになろうかと思います。
  336. 石野久男

    石野委員 去る二月の二十三日に科学技術庁とそれから通産省から、美浜一号機損傷に関し、同社に対する措置及び定期検査体制等の強化についてという統一見解をいただきました。この見解によりますと、規制法第六十七条、電気事業法百六条の「報告を怠ったものであると考える。よって」云々、こう書かれておるのです。この報告を怠ったものと考えるという内容、これはどういうことを意味しておりますか。
  337. 武田康

    ○武田政府委員 御説明いたします。  電気事業法も原子炉等規制法におきましても、いずれも事故につきましての報告義務を課しております。電気事業法の場合で申し上げますと、電気事業法で原子炉本体の事故につきまして報告をしなければいけないということになっておりまして、本件を調べてみますと、この損傷のもとが運転中から発生していると判断されるわけでございまして、そういう意味で報告を怠ったものと考える、こういうようなことで大臣がお話しくださった、こう思っております。
  338. 石野久男

    石野委員 運転中に起きた事故であったのに報告をしてないから報告を怠っておる、こういうふうに考える。よくわかりました。  そこで問題は、その事故が起きているのにその報告が行われなかったというのは怠ったことになるかもしれませんが、その年度における年次報告、その年次報告の中にはこの事実は記載されていたのですか、いないのですか。
  339. 武田康

    ○武田政府委員 四十八年当時通産省が実施いたしました定期検査につきまして、関西電力から報告を受けて判断した部分の中には、本件損傷につきましての記載はございませんでした。
  340. 石野久男

    石野委員 報告に記載されてないということになれば、報告は事実を報告していないのだから、報告書は虚偽の報告をしたことになりますね。
  341. 武田康

    ○武田政府委員 先ほど申し上げましたとおり、本件損傷につきまして報告がございませんでしたことは、先ほどのように報告義務違反で報告を怠った、こういうふうに解しております。
  342. 石野久男

    石野委員 これは読み方の問題はあると思いますが、報告を怠ったということは非常に素直に聞こえますけれども、事実を報告してない、事故が起きているのに起きていると報告しなければ、虚偽の報告でしょう。これは怠っただけではないんでしょう。
  343. 武田康

    ○武田政府委員 当時の定期検査におきましては、通産省の検査官が立ち会います項目と、それから関西電力から自社の点検結果の報告を受けまして判断する項目とございました。それで本件につきましては、燃料体のシッピング、それからコラプスというような現象を見つけますための外観検査等がございまして、その当時の報告ではコラプス、燃料棒がちょっとつぶれる現象でございますが、それとシッピンクチェック――シッピングというのは、燃料棒の中に入っております放射能がいわばにじみ出て漏れてくるというような現象をつかまえるためのチェックでございますけれども、その結果リークの疑いがあるという、その二つにつきましては報告がございまして、私どもも承知したところでございますが、本件につきましてはそういう意味で私どもの方に報告がなかったわけでございます。
  344. 石野久男

    石野委員 そのいわゆるシッピングの報告ですが、私の手元にある昨年の九月にあなた方から資料として提供された関西電力からのシッピングデータによりますと、問題になりました第三領域のC33にはリークがあるけれども、34にはリークはないことになっている。これは何の異常もないということになっているけれども、後で見るとこの34が破損してぶっ壊れてしまっているのです。このデータは、そうすると虚偽の報告ですね。
  345. 武田康

    ○武田政府委員 ただいま御指摘のございましたデーダでございますけれども、いまお話のございましたC33につきましては、このデータから判断いたしますと、当時の考え方と現在の考え方で、最近機械的な処理をしている感じで判定基準にちょっと差はございますけれども、リークの疑いを示す典型的なデータというものがC33でございます。一方、C34につきましては、差し上げました数字につきましては何らコメントがついてないわけでございますけれども、そのデータから見る限りにおきまして、実はそのもとのチャートがございまして、チャートにつきまして、ことしになってからだと思いますけれども、要するに十二月以降の立入調査等で当時の記録をチェックしたわけでございますが、チャートをながめましても、同様そういう数字に直しますと異常のないような数字になっております。
  346. 石野久男

    石野委員 そうすると、これは虚偽でも何でもないんですね、このシッピングの報告は。
  347. 武田康

    ○武田政府委員 私ども十二月以降の立入調査の過程で、もとのチャート、当時のチャートを確認いたしました。そこで、こういう損傷がありながら、しかもその数字が、チャートもそうでございますけれども、数字がそうでないというのは私どもとしても疑問を持つわけでございますが、考えてみますと、損傷がしばらく前から徐々に発展して、あるいはその過程で、シッピングチェックをいたします前に、中にそのシッピング調査においてにじみ出すべき放射能がそれ以前の段階でにじみ出てしまったのかなというような想像もできるわけでございます。ただし、現在まで私どもが調べております一次冷却炉水の放射能レベルとか、それからいまもとのチャートを調べたということをお話し申し上げましたが、そういうチャートで、いま私が申し上げましたように、前々からというのをにわかに断定するのはちょっとまだ早いようでございまして、この辺はさらに詳細な調査をして、いつから起こっておるのかというのは今後確認したいと思っておる次第でございます。
  348. 石野久男

    石野委員 いま、それは会社をかばうのかどうなのか知らないけれども、当時定検に入った人はどういう仕事をしたのですか。
  349. 武田康

    ○武田政府委員 当時におきまして、私どもの定期検査は重要と思われます部分につきまして、顧問の先生方の御意見も徴した上で、これとこれとというふうに決めまして、そこを立ち会いの対象にいたしておりますが、その対象につきましては、たとえば蒸気発生器だとかあるいは一次系のバリアであるとか、そういうような幾つかの項目を選びまして、そういう項目につきまして立ち会いの対象としたのが当時でございます。  なお、現在時点では、その後私どももいろいろ勉強しました結果といたしまして、現在は燃料につきましても立ち会いをいたす項目にいたしておりますし、かたがた先刻来御指摘のあったような事態を踏まえまして、今後とも定検の立ち会い項目あるいは立ち会い回数を強化充実いたしまして、定期検査がもっとよくなるようにしたいと思っております。
  350. 石野久男

    石野委員 余りいいかげんなことを言わない方がいいよ。あなた方は、立ち会い検査をするのは、発電用原子力設備に関する技術基準を定める省令によってやっているのでしょう。いかがなんです。
  351. 武田康

    ○武田政府委員 定期検査をいたします対象、それから時期とかあるいは基準というようなものは法律なり省令なりに定められております。いま御指摘の省令は、定期検査がこれでいいかどうかという判断をいたしますときに、発電用原子力設備に関します技術基準というのがございまして、それに決められた、これは定期検査に限りませず、電気工作物の工事、維持、運用の技術基準なんでございますけれども、これに適合しているかどうかというのが定期検査の判断基準でございます。
  352. 石野久男

    石野委員 規則の第三条の五のいわゆる「性能の技術上の基準」というものを軸にして、電気事業法はこの技術基準に定める省令をつくっているのでしょう。そして基本的には総理府令に基づいてやられているのでしょう。
  353. 武田康

    ○武田政府委員 原子炉等規制法の定期検査の条項は、原子炉等規制法の定めの中で適用除外になっておりまして、発電用の原子炉につきましては電気事業法に基づく定期検査を受けるたてまえになっております。  そこで、先ほど申し上げました発電用原子炉に関します技術基準は、電気事業法のもとでの基準でございまして、ただ内容等につきましては先ほど御指摘のございました原子炉等規制法によります原子炉の性能等の技術基準にまさに相当するものでございます。
  354. 石野久男

    石野委員 これはいま時間がないから多くを述べませんけれども、私は非常に問題があると思うのですよ。規制法の第七十三条で除外規定があって、そしていわゆる定検行為などというものは電気事業法にゆだねられておるのですが、しかし規制法によるところの定期検査に対しては、これは営業用のものでないということでもありますけれども、定期検査合格証というものを出すことになっておるのですね。しかし、発電炉の場合にはそれに相当する合格証などというものは十分規定されてないですね。
  355. 武田康

    ○武田政府委員 電気事業法に基づきます定期検査は、毎年一回の定期検査を電気事業者が、この場合には原子炉を持っている電気事業者でございますが、それを受ける受忍義務というものを持っているわけでございます。これは原子炉等規制法における定期検査につきましても同様でございます。  それから定期検査の合格あるいはこれでは困るという判断基準につきましては、先ほどのように相互に対応する技術基準によっております。  それから一方、電気事業法の定期検査では、検査官は、検査の結果につきまして法第四十八条の技術基準に適合していると認める場合には、検査証に署名押印いたしまして、その後省内の所定の手続を経まして、これでいいという判断をするかっこうでございます。  一方、規制法の方では別途の手続をやっておりますけれども、実態的内容といたしましては、定期検査について電気事業法と原子炉等規制法と同等な規制がなされていると私ども考えている次第でございます。
  356. 石野久男

    石野委員 合格証を出しているのか出していないのかということです。
  357. 武田康

    ○武田政府委員 先ほど申し上げましたように、技術基準に適合していると認められる場合には、検査証に署名押印いたしまして、それがいわば定期検査を終了したことを証するわけでございますが、その定期検査結果につきまして、省内所定の手続をとって処理しているわけでございます。
  358. 石野久男

    石野委員 総理府令の規則第三条の七によってそれは合格証を出すことになっているんですね。片方は、ただ何か判こをちょっと押せばいい、こういうことになっているようです。私は、この七十三条の除外規定によって電気事業に委託された規制法第二十七条から二十九条までの規定は、電気事業法では非常に薄められてしまっていると思うのです。これはこのままほっておいてはいけない、こう思います。いま、当時の検査官、いわゆる定期検査に入った方はいろいろなことをやられたのでしょうけれども、実際に定期検査に入って、その現場の作業日誌というようなものは見ないのですかね。
  359. 武田康

    ○武田政府委員 定期検査におきましては、私ども立ち会い項目にしているものにつきましては、現場に派遣した検査官がポイント、ポイント立ち会いをいたします。その過程で必要があれば同時にいろいろな調べをいたすわけでございます。ただ、四十八年当時の燃料体につきましては、実は私ども立ち会い項目にしていなかったために、私どもが派遣いたしました検査官は、実は燃料体を見てなかったわけでございます。  そういうことで、当時関西電力が自分でチェックいたしました、先ほどのような方法でございますが、それを取りまとめましたものを私どもに報告してもらったわけでございますが、先ほど御指摘の日誌につきましては、これはいわば当時関西電力が作業を進めるに当たりまして、特に燃料の担当者が現場の作業のメモを日誌的なものにまとめたというような性格で、これはベースになるわけでありますが、そのベースを取りまとめなすったものが私ども方にまいって、実はそういうことがございますので、私どもとしては本件を当時報告を受けず知らなかった、こういうような経過になっていたわけでございます。
  360. 石野久男

    石野委員 通産大臣、いまのような事情ですが、大臣は立ち会い検査というものはこれでいいと思うのですが、科学技術庁長官もどういうふうにお考えになるか、ひとつそれぞれの見解を伺いたい。
  361. 田中龍夫

    田中国務大臣 御質問の第一点の、規制法七十三条の除外規定で電気事業法の省令は総理府令に比べて甘いのじゃないかという御質問がございましたが、それに対しましては規制法と同等になっておりまして、御指摘のようなことはないという回答は得ております。  それから、いまのようにこのままのような姿でいいかということでございますが、御案内のとおり立入検査と、これはまた事業所の方の記録確認検査でございまして、さような点から報告がなかったことについては非常に遺憾であり、また定期検査の場合におきましてもさらに十分に今後注意させなければ相ならぬ、かように存ずる次第でございます。
  362. 宇野宗佑

    ○宇野国務大臣 仰せのとおり規制法は電気事業に関しましては適用除外になっておりますので、本件に関しましては本当に先生御指摘のような結果であったことはわれわれといたしましてもまことに残念に思っております。しかし、法のたてまえ上、私たちといたしましても定検の最中に立入検査はできないということでございましたので、通産省の立入検査後にわれわれも初めて立入検査をし、過般のごとき政府の統一見解を出したという経緯でございます。
  363. 石野久男

    石野委員 規制法と電気事業法との間にその扱いの上で厳しさの度合いが違ってきていると私は見ておるのです。これは後で検討を加えなければならない重大な立法上の問題にもかかわってきている、こう思います。このことはひとつ政府当局も頭に入れておいてほしいと思う。  このような事情のもとで事故が起きているけれども、立ち会い検査に入った検査官が、何はともあれ現場の作業日誌も見ないような定期検査というものはあり得ないと思うのですよ。それから、いまはいろいろなことを言っておりますけれども、当時は美浜一号炉の問題は蒸気発生器の問題があって大騒ぎをしておりました。しかし、同時にまた燃料棒の第一領域の燃料棒が非加圧式の燃料棒であって、これは問題があるというので加圧式のものにかえるということも明らかになっておったはずです。そしてそれの燃料棒の組みかえ作業というものは委員会でも問題になっておったのです。そういう問題を定期検査に入った通産の立会検査官が全然目を触れないというようなことは私は考えられないのですよ。もしそうであるとするなら、これは立ち会い検査をする資格は全然ないのじゃないかと思うのですが、大臣はどう思いますか。
  364. 橋本利一

    橋本(利)政府委員 定期検査の充実強化につきましてはせんだってもお答えしたところでございますが、やはり非常に定期検査の場合の対象業務量が多くなりますので、現在のところやむなく立ち会い検査をするものと調査結果をチェックする形と両方併用してやっておるわけでございます。現に美浜一号の当時には大体定検の立ち会い項目は二十数項目であったわけでございますが、その後定検を充実するということで現在三十数項目にわたって立ち会い検査することにいたしておりますが、今回の経緯にかんがみましてさらにこれを拡充いたしまして、四十数項目あるいは五十数項目にまで立ち会い検査の項目をふやしていきたい、また回数もふやしていきたいと思っておりますので、そういった過程におきまして先生がただいま御指摘になりましたような作業日誌を見落とすといったことのないような方向で改善してまいりたいと思います。
  365. 石野久男

    石野委員 定期検査に入って作業日誌も見ないで、それで検査をするなんということは、常識としては考えられないのですよ。私はそういうようなことを許すような通産の検査規格であるならばこれはもうやめられて、除外規定をやめて、規制法の七十三条の中から外して、七十三条を排除して、それで規制法の規定に沿い、そして総理府令の指し示す方向でびしっとやるようにした方がいい。同時にまた科学技術庁と通産省とが二本立てでこんなことをやらないで、とにかく科学技術庁なら科学技術庁、どちらかに一本にかためるようなやり方をしないとまずいと思います。この点については政府でも検討を加えるべきだと思いますが、大臣はどう思いますか。
  366. 田中龍夫

    田中国務大臣 お答えをいたします。  さような両省の間のいろいろな間隙があっては相なりませんので、安全規制の問題等につきまして御案内のとおりに一貫性を持った今度の改正をいたしたい、かように存じております。
  367. 石野久男

    石野委員 これは官房長官にもひとつ意見を聞いておきたいのですが、こういうような実情が、特に原子力というのは基本法にも示されているように、産業立法の中では特別な扱いを受けているわけですよ。環境基本法の中でも放射能問題は、原子力環境は排除されている。それほどやはりこの問題は特殊な扱いを受けているわけです。しかし一番大きな問題になる原子力発電所は、いまのようにきわめてルーズな監督が行われているとするならば、これは許されないと思うのです。官房長官はやはりこういう問題を内閣の問題、政府の問題としてどういうふうにお考えになりますか。
  368. 園田直

    ○園田国務大臣 通産大臣科学技術庁長官からそれぞれお答えしたところでありますが、先般来から、安全性の一貫体制をとるために政府では閣僚の会議を開き、なおこれに基づいてそれぞれの省で法律改正も準備中でございます。  なお、よその国の原子力に関する安全規制を見ますると、相当厳しく複雑に規制してございます。なおまた日本の方では、同時に不時の災害の場合、厚生行政だと思いますが、防護に対する処置等も、これは非常に手おくれでございます。御承知のとおりに原子力開発がおくれておりますが、いろいろ理由はありますが、その大きな理由は国民から信頼されないというところにも一つの大きな問題があると思いますので、そういう点からも、法制上の面からも、事業を実施する面とこれを監督する面と両方厳しく規制するということで、しかもこれは一貫した体制をとりたい、こう思っておるところでございます。
  369. 石野久男

    石野委員 これは政府としても、この問題が三年間も四年近くもほおかぶりをされたままにきてしまったということを重大視しておると思うし、われわれもこれは大変なことだと思っているのですよ。ところが、昨年の八月の二十五日に私は委員会で質問をしました。当時は政府も何がどうだかわからないということだったのです。その間政府は関西電力にいろいろ尋ねていたわけですね。関西電力からの答弁、回答が来て、それを国会に、私に対する答弁をなさったわけです。その答弁によりますと、これは運転中のものではなくて、いわゆる取りかえ作業や何か行われたときに、燃料棒を取り出す過程で、もろくなった部分がどこかに接触して破損したんだ、こういう回答だったようですね。それがそのまま私のところに答弁として、昨年十月の一日の本予算委員会でもそういう答弁をなさいました。ところが、後で破損燃料棒が具体的に出てきまして、原研の大洗研究所でホットラボに入れて検査した。検査の結果から見ると、先般来お話し申し上げておるように、これは決して引き出す途中での破損の状況ではない。むしろ運転中に起きている事故であるということが明らかになってきておる。こういうように関西電力は、四年前じゃないのですよ、昨年においてもこういう虚偽の報告をしているということについて、大臣お二方、どういうふうにお考えになりますか。
  370. 宇野宗佑

    ○宇野国務大臣 この間この場所でその経緯に関しましては御答弁申し上げたとおりでございますが、再度申し上げるとすれば、この間ここで御答弁申し上げた時点におきましては、いわゆる報告義務違反疑いが濃い、こういう状態でございました。しかし、さらに大洗の原研におきましても現物を調査いたしております。私も写真を見たという話を申し上げました。したがいまして、そうした客観情勢を科学技術庁としていろいろと検討いたしました結果、これは濃いというよりもむしろ報告義務違反である、そういうふうな結論に基づきまして統一見解を出した次第でございます。したがいまして、三年間もこれをほおかぶりをしておった、その状態に関しましてはまだいろいろと調べるべきところはございましょうが、科学枝術庁といたしましては、現在原研でさらに現物について調査中でございますし、特にわれわれといたしましては、いやしくもこういうふうな重大な問題が報告をされなかったということについては、これはさらにその責任を追及すべきである、こういうふうな観点に立ちまして、先般お示しいたしましたとおり、同社に対して問題の原子炉の運転の再開は延期せよと、そうした指示をしたものでございます。
  371. 田中龍夫

    田中国務大臣 お答えいたします。  私の方におきましても、社長以下幹部を呼びまして、この問題につきまして厳重に反省を促しますと同時に、今後かようなことが再びないように申し渡した次第でございますが、なお詳細なことにつきましてはたまたま科学技術庁長官の方から申し上げたとおりでございます。
  372. 石野久男

    石野委員 この統一見解として示されたのは「原子炉等規制法及び電気事業法の規定に違反した者であって、主任技術者免状の交付を受けているものに対しては原子炉等規制法第四十一条第三項及び電気事業法第五十五条の規定に基づき、その免状の返納を命ずる手続きをとることとする。」いわゆる免状の返納を主任技術者に対して命じている。これは一つの行為ですから、私はそれはそれなりに認めます。しかし、規制法第八十一条をお読みになるとおわかりのように、いまの免状の取り消しというのは四十一条第三項を適用しましたが、これは恐らく罰則の規定、第八十条第五号、いわゆる虚偽の報告とかあるいは報告をしなかったということに該当しておりますし、だからこれは規定に違反するということになっておるのですが、八十一条が「法人の代表者又は法人若しくは人の代理人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関して前四条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、各本条の罰金刑を科する。」こうなっている。だから、これは第八十条の規定によりますと、当然この法人がその罪に服さなくちゃいけないことになるはずです。  統一見解によりますと、その後に本件は「既に三年間の公訴時効が完成しているため、現時点では、これを告発することができない。」こういうふうに言われておる。この問題についても問題ありますが、とにもかくにも、第二において違反した者であって免状の返納を命ずる手続をするならば、第八十一条によるところの、その法人に対しても同様の処置をなさらなければならないのじゃないですか。
  373. 橋本利一

    橋本(利)政府委員 先ほど来御議論が出ておりますように、今回の関西電力の保安管理上の措置につきましてきわめて不適切であった、また同社の保安に対する取り組み姿勢そのものにも問題があるのではなかろうかということで、きわめて遺憾に存じておるわけでございますが、先ほど来申し上げておりますように、去る三日付で保安体制の総点検を指示いたしますと同時に、先日、通産大臣から、統一見解を申し上げましたように、美浜発電所の第一号機の運転再開を当方が指定するまでの間延期させる。あるいはただいま御指摘の主任技術者免状の交付を受けている者で法律の規定に違反したものがある場合には免状の返納を命ずる手続をとる。あるいは当時の同社内の責任体制を明確化いたしまして、それに対して遺漏なき措置をとるように統一見解で申し上げたわけでございますが、本日付をもちまして文書でもって会社の責任者に示達いたしたわけでございます。会社側もその示達の線に沿って遺漏ない体制を整えるものとわれわれとしては期待いたしておるわけでございます。
  374. 石野久男

    石野委員 この問題は一人の主任技術者だけじゃなく、あるいはただ一号炉について言えば、私どもの承知している限りでは、もう四十七年からずっととまっておるわけですよ。後、もし再開されるとしてもことしの夏ごろだろうと言われておる。そういうものに再開の延期を命じてみても何にも効果はないですよ、実を言えば。こんな見せかけの処置をなさる。そんなことでは関西電力はなめておって、ちっともこたえやしませんよ。一号炉というのはずっととまっているのじゃないですか。現にとまっているものに再開の延期をしたって何にも役に立たない。こんな甘い考え方ではよくないと思うのですよ。むしろこれは、いわゆる設置者である、法人である関西電力の全体としての事業、いわゆる三十三条の二項四号に相当するところの法の対処の仕方をすべきだ、私はそう思うのです。これは、いまの統一見解によるこのあり方というのはもう本当の見せかけの対策だけで、こんなことでは関西電力には何にもこたえませんよ。こういうやり方をするのだったら、もう恐らく国民のだれも原子力行政に対する信頼をおきませんよ。これは政府全体で考えるべきだと思います。  同時にまた、この事故がありましたときに、美浜町あるいは福井県に対して保安協定のようなものがあるはずですね。そのことに対しての一定の義務を果たしていないはずなんですが、それはどうなっていますか。
  375. 橋本利一

    橋本(利)政府委員 ただいま御指摘の三十三条は、原子炉等規制法の条項にかかわる問題かと思いますので、科学技術庁の政府委員からお答えいただきたいと思います。
  376. 伊原義徳

    ○伊原政府委員 お答え申し上げます。  原子炉等規制法によります許可の取り消しあるいは運転の停止、これは一定の要件に該当する場合にのみ適用されるという法律のたてまえになっております。具体的には、同法第三十三条でございますが、本件に即して考えますと、関連のある条項といたしまして同条第二項第一号の定め、すなわち「この法律又はこの法律に基く命令の規定に違反し、罰金以上の刑に処せられ、その執行を終り、又は執行を受けることのなくなった後、二年を経過していない」こういう欠格条項、これが想定されるわけでございます。  ところで、残念ながら本件につきまして報告義務違反があったと考えるわけでございますけれども、公訴時効という関係もございまして、許可の取り消し、あるいは運転停止の要件には法律的には該当しないわけでございます。  しかしながら、私どもといたしましては本件の重要性にかんがみまして、行政判断といたしましてこの美浜一号炉の運転の再開を延期させる、こういうことをやっておる、こういう次第でございます。
  377. 石野久男

    石野委員 三年前、もう四年になるから時効になっている、だから罪のなにには該当しないのだ、こういうことですが、報告の義務あるいは虚偽の報告という問題は現になお続いているのでしょう。事故の発生の時期というものはまだ掌握されていないのでしょう。燃料棒がいつどういうふうにしてやられたかという時点は明確になっておるのですか。
  378. 武田康

    ○武田政府委員 先ほど申し上げましたように、現在までの一次冷却炉水の放射能データ、その他現在まで私どもわかっています限りのデータでにわかに断定はできませんけれども、発見いたしました時点より前、運転中に損傷のもとが発生し、それが徐々に進展し、そして取り出す際にああいう調子でばらばらになったといいますか、散らばったというような筋書きが考えられるわけでございますが、これはさらに専門家の検討を経まして、断定的なことを申し上げるまでにはもうしばらく検討をしなければいけないものと思っております。
  379. 石野久男

    石野委員 私はやはりこの問題は非常に重要だし、また時効を断定するに当たっても、どの時点を時効成立の起点にするのかという問題があると思うのです。たとえば炉はそのままあるし、現に幾つかの報告が行われております。その時点におけるところの報告の怠慢といいますか、なにがあったとしても、たとえば昨年の美浜一号炉に関する報告は虚偽の報告をしておる。この時点からつかめれば、これはもう明らかに虚偽の報告に該当するんですね。ですから、私としてはこれは時効が成立しているという見方はいただけない。政府現実に、昨年十月一日の予算委員会において政府答弁した事実はほとんど間違っている、偽りの報告に基づいた答弁をなさっておりますから、この答弁は取り消されなければいけないですね。燃料棒の取りかえにおけるところの入れかえの工作についてずいぶんと事細かく説明なさっておる。けれども、いま考えるというと、これはもう全然でたらめでしょう。だから、この虚偽の答弁をなさっておる問題についてどういうふうにお考えになりますか。これはもう事実に基づいて訂正されなければいけない。
  380. 橋本利一

    橋本(利)政府委員 関西電力側の報告が虚偽であったかどうかということはいろいろ議論が分かれるところだと思いますが、私たちといたしましては、会社側が燃料取りかえ中の不手際による故障という判断を当初いたしておったわけでございますが、その後、科学技術庁と協力いたしまして立入調査をやる、あるいは原研のラボで検査をやっていただく、あるいは性能のいい水中テレビでもって現物を確認するといったような検討の手続を経た結果、先ほど大臣からもお答えがございましたように、関西電力側の当時の判断には誤りがあった、したがって電気事業法百六条に基づくところの報告義務を怠ったものである、こういう解釈に立っておるわけでございます。
  381. 石野久男

    石野委員 これは報告の任務を怠ったのではなくて、全然違う報告をしているのでしょう。大臣どうですか。怠っているのじゃないのですよ。これは間違った報告をしているのですよ。でたらめの、捏造した報告をしているのですよ。
  382. 田中龍夫

    田中国務大臣 ただいまの御指摘の点は、エネルギー庁の方の考え方も、いろいろと定期検査その他のことにつきまして詳細に調査もいたしておるような次第でもございまするし、また反面、先生の貴重な御注意なり御意見に対しましても、私どももひとつ反省をしなければならぬ点もございます。本件につきましては、ひとつ十分に検討さしていただきとうございます。
  383. 石野久男

    石野委員 検討じゃなくて、昨年エネルギー庁の高橋説明員は私に、時間をとりますから読みませんが、第一領域ではコラップスの問題があった、第三の領域からそこへ持っていった、それから第三の領域においてもう一度その対称性の問題があって持ち込んだ、それで三本入れかえたんだ云々という非常に細かい説明があるのですよ。このときの事情は、いわゆるC34というものの事故は全然ここにはあらわれてないのですよ。だから、この説明はごまかしなんですよ。こういうごまかしの説明をあなた方がしていながら、関西電力からそういうような間違った虚偽の報告を受けていながら、あなた方、それに対して何の処置もしないのですか。この昨年八月二十五日の説明、十月一日の予算委員会におけるところの説明、これは全部やはり訂正しなくちゃいけない内容を持っておる。いかがですか。
  384. 武田康

    ○武田政府委員 ただいま御指摘の八月または十月時点のことでございますけれども、私ども、本件損傷の事実を知ったのは十二月の立入調査で初めて知りましたわけでございまして、それ以前の答弁、それ以前の私どものポジションは、関西電力から聴取しあるいはとってきたデータに基づきまして、関西電力から事情を聴取したところではこうである、かたがた、しかし燃料そのものをプールの中で調べるために準備を鋭意進めていたという中間的なことでございます。それで、鋭意進めました準備が十二月に整いまして、立入調査をいたしました結果、損傷があったという事実を私ども知ったわけでございます。  なお、データその他につきましては、その時点で私どもとして入手いたしましたものをそれなりに評価はいたしたわけでございますが、その過程では実は溶融事故というようなものが認められるようなデータではなかった、しかしなお、これから調べますというようなのが昨年の八月以降十一月までのポジションであったわけでございます。
  385. 石野久男

    石野委員 八月二十五日から十月一日にかけての答弁がみんな関西電力からの皆さんの質問に対する回答に基づいておるから、責任はないんだというのがいまのお話です。しかし、それは通産省としてはそういう言い逃れはできるかしれませんけれども、原子力そのものについて国民は納得できない。われわれも納得できない。何のためにそれじゃ管理監督をするのだ、何のために法律がつくられているのだ、何のために総理府令ができているのだ、電気事業法は何で基準を設けているのだという問題が全部意味をなさなくなってしまうのです。こういうような事実にかんがみても、これはもうすでに委員長には、関西電力の問題について本院に社長ないし関係者を呼ぶようにお願いしているけれども、政府当局においては、この問題について関西電力をなじるだけではなしに、もっと政府当局の中においてこの定期検査に携わった者の当時の責任を考えなければならないんじゃないだろうか。当然考えるべきでしょう。政府はどういうふうにお考えになりますか。これは官房長官、それから通産省、科学技術庁ともどもにひとつ意見を述べてもらいたい、所感を聞かしてほしい。
  386. 宇野宗佑

    ○宇野国務大臣 科学技術庁長官としてお答えいたします。  御指摘のとおりに、この問題を報告義務違反という立場から申し上げました場合には、先般来説明がありましたとおり時効だ、こういうふうな解釈に相なります。しかし、私自身も釈然といたしません。だから先般ここで申されましたとおり、何らか行政的にとり得る措置はないかということが、運転再開の延期でございます。その点に関しましては、石野委員もこの夏ごろだろうと、おっしゃるとおりでありましたが、確かに夏ごろから再開し得る状態ではありましたが、それではやはり問題が多いということで、さらに総点検をしてしっかりやれということで、恐らくことしの年末になるであろう。そうでなかったならば、再開できないであろうというふうな厳しい行政措置をとったわけでございます。  なおかつ、社内の体制に関しましても、先ほど来エネルギー庁長官が申したとおりでございます。  定期検査に関しましては、通産省の事項でございます。  以上、お答え申し上げます。
  387. 田中龍夫

    田中国務大臣 お答えいたします。  発見の有無なりあるいはまた検査の報告の方法等の問題もございますが、事実は一つでございます。さような関係で、ただいま御指摘のとおりに、今後ますますエネルギーの問題に取り組まなければならぬということを考えますれば、さらにこれの責任体制という問題につきましては真剣に考えてまいりたい、かように存じております。
  388. 園田直

    ○園田国務大臣 いろいろな問題でそうでございますが、こういう未来にたくさん問題を持っている問題等は、委員の質問に対してはそらさないで正直に受けて、それを国民の信頼にこたえる方向に持っていくことが政府のやるべきことだと存じます。したがいまして、それぞれ法人なり責任者に注意をする前に、やはり責任の追及ということは大事であると思います。その責任の追及は、それぞれの関係の法律の安全規制、あるいは監督者であれば職務分限令等から照らし所管大臣がやるべきことでございましょうが、方針としてはそういう方向で関係大臣に十分検討してもらいたいと思います。
  389. 坪川信三

    坪川委員長 関連質疑を許します。阿部昭吾君。
  390. 阿部昭吾

    ○阿部(昭)委員 運輸大臣、空港公団は成田空港の用地に供すべく、公共用地の取得に関する特別措置法、特措法と呼んでおりますが、による強権的な土地収用のため先行した事業認定、これは土地収用法によるものであります、に係る起業地の一部のみを起業地とする特定公共事業認定を、特措法第三章第四節の同一事業の規定の適用できる事業として申請したわけであります。先行する事業認定の起業地の一部を起業地とする特定公共事業は、特措法上同一事業としては扱われないにかかわらず、なぜ空港公団は特措法に違反してまで同一事業としての手続をとったのか、このことをお聞かせいただきたいと思います。
  391. 大塚茂

    ○大塚参考人 お答えをいたします。  土地収用法の中で、われわれは飛行場につきましては公益的に必要な事業でございますので一体として事業認定をいただいたわけでございますが、そのうち、四千メートル滑走路を中心とします第一期開港に必要な部分につきまして特に急ぎますので、いわゆる特措法による緊急裁決、認定をお願いをした。その場合、全体の事業につきましてはすでに土地収用法の認定を受けておりますので、その中の約半分であります第一期部分については、特措法の第三十九条と覚えておりますが、によって特に縦覧その他の手続は必要がないという解釈で手続を進めた次第でございます。
  392. 阿部昭吾

    ○阿部(昭)委員 ただいまの答弁は、これは法律的に問題にならぬ答弁であります。土地収用法によって事業認定をとっておった起業地全体をやる場合には、いまの答弁でよろしいのであります。一期工事の半分分しかやらなかったわけであります、特措法は。そういたしますと、一体どこがこの一期分の、いわゆる特措法で急いでやらなければならぬという場所なのかということがはっきりとしないのであります。  したがって、いまからお尋ねをいたします。土地収用にかかる起業地を表示する図面の縦覧、これは短期にしろ長期にしろ、土地収用法の目的たる「公共の利益の増進と私有財産との調整」これは一条であります。この根幹をなす規定の一つなんでありまして、適正手続を保障した憲法三十一条の精神でもあります。ところで、成田空港の特定公共事業に係る起業地を表示する図面は、法手続による短期縦覧にも、同じく長期縦覧にも供されなかったという事実、これをあなたは知っておりますか。
  393. 大塚茂

    ○大塚参考人 実は私の時代ではございませんけれども、そうだったということを聞いております。
  394. 阿部昭吾

    ○阿部(昭)委員 そうだったということは、この長期縦覧にも短期縦覧にも供されなかったということですね。――うなずいております。これは法律違反だ。  第三番、成田空港に係る二つの土地収用、つまり特措法と土地収用法であります。同一事業であるとした結果、特定公共事業認定の告示、これは特措法の十条、に示された起業地名と同告示により長期縦覧に供される図面、土地収用法二十六条の二であります。この起業地とが異なってしまったが、このような違法行為を犯してまで、なぜ二つの事業を同一事業であるとして空港公団は特定公共事業認定の申請をしたのか、御答弁願います。
  395. 大塚茂

    ○大塚参考人 公団としましては、常に政府の主管の向きと御相談をいたしまして、その御指導を得てやっておりまして、私どもとしては、政府の統一見解として正しいものという見解で、それに従ってやった次第でございます。
  396. 阿部昭吾

    ○阿部(昭)委員 いまの答弁は重要ですよ。政府法律違反をあなた方の方に指導したということになるのですよ。いまの答弁は納得いたしません。保留しておきます。  四番目。当初認可を受けた新空港の工事実施計画の認可申請書、これは昭和四十一年の十二月十三日付であります。これによれば、飛行場の施設の概要の項に、敷地面積としておよそ一千六十五ヘクタールと記載されているが、現在空港敷地が事実上拡大されていて、必要な施設の一部がこの拡大部分に配置されているということを運輸大臣は御存じかどうか、これが一つ。  たとえば四千メートル滑走路の西南側の拡大部分、つまり千六十五ヘクタールの外側であります。ここに、たとえば貨物取り扱い施設、航空機給油施設及び飛行場保安管理施設の一部が配置され、同じく東南側の、千六十五ヘクタールのいわば枠外であります、ここに、駐車場及び飛行場保安管理施設の一部が配置されていることを運輸大臣は御存じかどうか。
  397. 田村元

    ○田村国務大臣 そのとおりでございます。
  398. 阿部昭吾

    ○阿部(昭)委員 敷地面積の拡張は、すでに認可を受けている工事実施計画の記載事項の変更をもたらすものなんであります。したがって、航空法五十五条の三、第一項後段の規定により、早急にこの工事実施計画の変更認可を空港公団に受けさせるべきであると私は思うのであります。これが法五十五条の精神だと思います。規定だと思います。運輸大臣として、いつまでにこの変更認可手続を完了させるというふうにお考えになっておられるのか。  なお、念のために申し上げますと、敷地をこの事業目的のために利用することは、起業地を逸脱することになるのであります。つまり、千六十五ヘクタールの外側にはみ出していくことになるのであります。したがって、これは土地収用法上の問題は発生しないのであります。しかし、いずれにせよ、この事業実施計画の認可申請の中に、面積は一千六十五ヘクタールと明記をして認可を受けておるわけであります。この外回りに新東京国際空港として当然必要な施設をはみ出してつくったのでありますから、これは当然に認可申請を変更すべきものだと思うのであります。この変更は一体いつやるのか。
  399. 高橋寿夫

    ○高橋(寿)政府委員 お答え申し上げます。  先ほど大臣がお答え申し上げましたように、いわゆる場外と申しますか、に幾つかの施設がいま設けられておることは事実でございます。ただし、それらの施設は、私どもの解釈では、飛行場としての基本的な機能を支える施設というふうには必ずしも見ていないわけでございます。滑走路とか誘導路、エプロンというようなものとおのずから性格を異にする施設というふうに考えておりますので、それは当初の敷地の中に含まれなければならないというものでは必ずしもないというふうに考えているわけでございます。したがって、工事実施計画の変更認可申請は、その部分については必要ないと考えているわけでございます。
  400. 阿部昭吾

    ○阿部(昭)委員 それはおかしいじゃありませんか。事業認可申請書によりますと、いろいろな詳しいことを全部決めてあの認可を受けておるのであります。その一千六十五ヘクタールの中には、いまこの枠外にはみ出してつくったようなものも全部含む申請で当初認可を受けておるのであります。それ以降、いまのような説明で外回りにいろいろなものを――本来枠内につくりますということで認可を取っておって、それが枠内ではなくして外回りに全部はみ出したのであります。はみ出すということは、当然あの変更認可を要する事業になるわけじゃないですか。ちゃんと、あなたの方で出した工事実施計画、事業認可申請があるのであります。その中には、いまの施設も全部含むことになっているのであります。それを起業地の外側につくったのでありますから、これは当然に事業計画の変更ということにならぬとすればおかしいじゃありませんか。
  401. 大塚茂

    ○大塚参考人 御指摘をいただきました現在場外にございます施設は、当初の工事実施計画に含まれておったものと含まれておらなかったものとがあったと思います。いずれにいたしましても、含まれておったものが場外に出たわけでございますが、ただ、含まれております場合も、航空法の規定によりまして、たとえば消防署につきましては、消防救難施設一式というような書き方になっております。そして現在は、その消防施設の一部だけが場外に出た。しかも、この施設は、近代的な空港には不可欠なものではありますけれども、場内に絶対なければ機能を発揮できないというものではございませんので、たまたま場外の土地で公団の所有地がございましたので、隣接した土地に一部を出したということは、残地の有効利用として適切であったというふうに考えております。
  402. 阿部昭吾

    ○阿部(昭)委員 田村大臣、ぼくはつくって悪いなんて言っていないのであります。しかし、この認可申請書を見ますと、一千六十五ヘクタールの中でこういうものをいろいろつくりますと明示してあるのですよ。これを一千六十五ヘクタールの外枠へ出したわけですから変更じゃありませんかと言うのです。当初の認可申請の内容を変更したならば――これだけ莫大な金を使ってやっておる、しかもなかなか事は運ばぬという、国家国民に大変迷惑をかけておる仕事であります。法律に基づく手続はちゃんととらなければいかぬのじゃないか。この変更認可の手続を航空法五十五条の精神からいって当然にとらなければいかぬもの、ぼくはこう思うのですが、運輸大臣、いかがでしょう。
  403. 田村元

    ○田村国務大臣 私がこの問題で報告を受けましたのは、私自身が法律の専門家でありませんからなんでありますが、消火救難施設とか航空機給油施設等につきましては、飛行場の機能を維持する上で必要な施設ではあるけれども、必ずしもそのすべてが飛行場の敷地内に立地することを要請されるものではない、これらの施設が飛行場に隣接して設置されているからといって、直ちに飛行場の範囲を拡大してこれらの用地を飛行場の範囲内に取り込まなければならないものではない、それから、これらの施設を飛行場の敷地外に配置しても飛行場の機能に何ら影響を与えるものではない、実はこういう報告を受けて、私から、それでは変更申請をする必要はないのだな。私も答弁をする立場であるからはっきりしてくれと念を押したところ、その必要はないと思量せられますという報告でございましたので、そういうふうに聞いておきました。
  404. 阿部昭吾

    ○阿部(昭)委員 大臣、その答弁は私は納得いたしません。これにはちゃんと事業認可申請というものをいろいろな内容を克明にして出しておるのです。一千六十五ヘクタールの枠内に全部おさまることにして出してあるのですよ。私は枠外につくって悪いなんて言っておらないのです。現実には枠外につくったのです、一千六十五ヘクタールの。したがってそういうものをつくるときは、当初の計画を変更しますよという認可を受けなければならぬはずなんであります。いまの大臣答弁は、部下がそう言うからそう言いますというだけでは答弁にならない。これもいずれ、留保しておきます。  その次、かねて問題のアプローチエリアの問題。そこで成田空港の航空保安用施設用地にある二つのいわゆる鉄塔、妨害鉄塔、こう呼んでおります。この鉄塔について、これが立てられたのはあそこで代執行が行われた直後の昭和四十六年から四十七年ごろにこの鉄塔が立ったのであります。ですから、私がかねがね言っておりますよう  に、アプローチエリアという航空保安用施設用地というものは必ず必要なものなんであります。当然に土地収用法で起業地として網を張っておくべきところを彼らは張らなかった、だからこれが立った。いまこれが大騒ぎになっている。そこで問題は、四十六年、四十七年ごろにここに立ったのです。これを空港公団は当時航空法四十九条二項による除去請求権をもとに本案訴訟を提起して除去することを法的に準備をしておくべきものだったのではないか、これは大臣、どうでしょう。
  405. 大塚茂

    ○大塚参考人 確かに先生のおっしゃる本訴をまず提起してというのがあるいは本筋かと思います。ただ、空港公団といたしましては、そう長くほかの準備がかからぬという見通しで、緊急の必要によって仮処分で撤去した方が早くはないかという判断から、本訴を提起しないで今日に及んでおるという次第でございます。
  406. 阿部昭吾

    ○阿部(昭)委員 大臣、あの飛行場を開港するためにはあの鉄塔は邪魔になりますということは、もう四十六年、四十七年に、私がかねがね指摘しておりますように土地収用法の適用を間違えましたために立っちゃったのです。いずれにせよあのころから、開港はことしだ、ことしの秋だ、ことしの秋だと毎回繰り返しておったのです。そっちの方の、除去すべき法的要件、本案訴訟なら本案訴訟でちゃんと事は運んでおらなければならなかったのじゃないですか。大臣、これは空港公団の性格というものが何でもそうなんです。私はそこで、鉄塔の法的撤去を仮処分の手続によるとしても、仮処分が容認される条件は被保全権利、やかましい言葉ですが、あるいは保全の必要性、これが条件だと思う。保全の必要性という要件については、つまり本件について言えば、除去の緊急性だと思うのです。その除去の執行により成田空港が確実に供用開始となる、こういう条件がなければ、実は仮処分によるそれにはならない、こう思うのです。それは大臣、同感でしょう。
  407. 田村元

    ○田村国務大臣 同感でございます。
  408. 阿部昭吾

    ○阿部(昭)委員 だとすると、空港公団が現在まで鉄塔撤去の仮処分申請をしてこなかったのは、この除去の緊急性の要件が成立しなかった、すなわち、鉄塔除去を行ったからといって、成田空港が確実に供用可能となるという状態になかったということだったと思う、こういうふうに理解していいわけですか。
  409. 田村元

    ○田村国務大臣 そのとおりでございます。
  410. 阿部昭吾

    ○阿部(昭)委員 大臣、あっちばかり見て、そのとおりと言うのは、それは困りますよ。  ところで、空港公団昭和四十五年の十一月四日建設大臣に対し特定公共事業認定の申請をしている。特定公共事業認定の要件の一つは、仮処分の要件と同じ緊急性が前提なんであります。特定公共事業認定の申請も、成田空港に緊急性があるとしてなされたのです。これは航空局長、そのとおりですね。
  411. 高橋寿夫

    ○高橋(寿)政府委員 そうであったと聞いております。
  412. 阿部昭吾

    ○阿部(昭)委員 聞いております――それならば、特定公共事業認定に係る起業地を取得したからといって、成田空港が確実に供用可能となるという要件が成立しない。にもかかわらず、なぜこの起業地の取得に緊急性があるといって特定公共事業の認定の申請が行われたのかという問題であります。いまの御答弁と、いま私の言っておること、重大なかかわりがあります。
  413. 大塚茂

    ○大塚参考人 その当時としましては、特定公共事業としての認定を受けまして土地を取得することが緊急である、非常に開港が急がれておりましたので、そういう判断に立って行ったわけでございます。
  414. 阿部昭吾

    ○阿部(昭)委員 大臣、こんなでたらめな役所は、国家、国民のためにならぬです。なぜか。緊急性があると思っていたと言ったって、航空燃料の問題は、私がかねがね指摘しておりますように、あれだって、ちゃんとパイプライン、千葉港埠頭までつながるような土地収用法の適用をやっておったとすれば、もっとスムーズにいったでしょう。これもほったらかし、航空保安用施設用地、アプローチエリア、これも土地収用法の適用をしなかった。だから特措法によって一期工事を莫大な金をかけてやっちゃったけれども、緊急性ありとしてやったけれども、ほか皆ちっとも緊急性に合致するようなやり方をしておらぬわけですから、という状況になってきたわけです。だから、公団は毎年毎年何百億という利子を払わなければならないというばかげた状況になっておるのです。この責任はあなた方は一遍だって感じたことはありますか。その場限りの答弁だけではだめなんです。  そこで、特定公共事業認定に係る起業地計画は、緊急性という特措法独特の要件からして、起業地の取得によって目的とする公益性が確実に実現されるということが前提でなければならなかったと思うのです。あなた方は四千メートル滑走路は緊急性があると言いながら、航空燃料の方は定まらぬ、アプローチエリアは定まらぬ、しかも鉄塔は二本も立つ、こういう状態でちっとも緊急性を満たすような状況になっておらぬじゃありませんか。このことをどう思いますか大臣
  415. 田村元

    ○田村国務大臣 今日ではきわめて緊急性が高いと判断をしております。暫定輸送の問題にいたしましても、おいおいと目鼻もついてきたということでありますが、しかし阿部さんおっしゃるように、過去における公団のやり方においては確かに、どう言いますかまあ要するにやり方でありますが、ベストのやり方ではなかったということだけははっきり言えるかと思います。法律上の違法性はとにかくとして、私ども政治家としてこれを見るときにいささかの批判なしとは言えないような状況であります。
  416. 阿部昭吾

    ○阿部(昭)委員 法律的にも違反だらけなんです。  そこで時間がございませんので、この前のときにいまのアプローチエリア、保安用施設用地の代替地という問題でお尋ねをいたしました。その岩山地区というところ、ここの関係でお尋ねをいたします。時間がありませんから二、三問立て続けにお尋ねをいたします。  先日の答弁では、航空保安施設用地にかかわる十二戸の農家との話はついた。そうでしたね。その十二戸の一つである麻生巳一郎さんという人の名義の土地については、他の土地が一月の十七日のころだと思うのでありますが所有権移転の登記が行われている。ところが、この麻生さんの土地はまだ所有権移転登記は行われていない。これは  一体なぜか。全部ついたとあなたは答弁されました。それから昨年末までの空港公団と地元農家との話し合いでは十四戸がテーブルについていたと聞くが、十二戸という話になったのは一体なぜか、二戸は一体どうしておるのか。  いま一つは、昨年末の十二戸の農家との土地売買契約では、公団の土地買収価格が十アール当たり二百四十万、代替地の売り渡し価格が同じく十アール当たり百八十万ですね。これは当初の用地取得が十アール当たり百四十万、県の用意した代替地が同じく九十万円となっていたことに対応してとられた措置というふうに理解してよろしいのかどうか。  次に、これは資料要求でありますが、十二戸の農家と空港公団の間で交わされた昭和五十一年十二月二十五日付の契約書の写しを御提出をいただきたい。  このほかに、時間がありませんから最後の質問を申し上げます。  妨害鉄塔をひっくり返せばもう一切の障害がないのかという問題であります。成田空港に関する昭和四十七年四月二十八日付工事実施計画変更認可申請書によれば、設置基準である附則七十九条一項一号に係る障害物件が鉄塔以外にも存在するとしているにもかかわらず、運輸大臣は同年六月二十七日に同申請書を認可している。認可の基準としていろいろな妨害物があってはならぬとしている。あったとしてもその妨害物は確実に工事完成時期までに撤去される見通しがなければ認可してはいかぬ、こういう規定があるのであります。そういう……
  417. 坪川信三

    坪川委員長 阿部君に申し上げますが、かなり経過していますので結論をお急ぎ願います。
  418. 阿部昭吾

    ○阿部(昭)委員 このことについてお答えを願いたいと思います。
  419. 大塚茂

    ○大塚参考人 お尋ねの麻生巳一郎氏は話のついた十二戸には入っておりません。これは十二の以外でございます。最初のその十四戸の中には確かに入っておりました。その中から麻生巳一郎氏とそれから岩沢吉井氏ですか二人が脱落をいたしまして十二戸になった、こういうことでございます。  なお、御要請のありました契約書については後ほどお届けをいたしたいと思います。  それから、保安用地の買い上げ価格並びに代替地の売り渡し価格でございますが、これはおっしゃられますように飛行場内と同様に土地収用法の事業認定を受けた時点の価格をもとにして時点修正をされた値段でございます。
  420. 坪川信三

    坪川委員長 これにて石野君の質疑は終了いたしました。  次に、岡本富夫君。
  421. 岡本富夫

    岡本委員 私は最初に二問ばかり緊急の問題を先に質問いたしたいと思います。  その一つは、本日の十二時のNHKのニュースを見ておりますと、大阪国際空港にエアバスの導入ということで運輸省から発表いたしておりますが、この問題はすでに御承知のように、大阪高裁の判決によりましても地域住民の了解が必要である、こういうような結論が出ておるわけですが、これに対して環境庁は大気汚染の問題等十何項目に分けての調査があったそうでありますが、長官のエアバス導入に対するところの見解、これをひとつお聞きしておきたい。
  422. 石原慎太郎

    石原国務大臣 環境庁は、本日運輸省から大阪国際空港に関します当庁から出しました十三項目の申し入れに対しての回答を受理したばかりでございます。これを今後できるだけ早期に検討いたしまして環境庁としての態度を決定するつもりでございます。     〔委員長退席、大村委員長代理着席〕
  423. 岡本富夫

    岡本委員 そうすると、きょうの夕刊を見ますと「条件つき同意の方針」こういうような報道がされておるのですが、環境庁、これは報道の間違いなのか、いかがですか。
  424. 石原慎太郎

    石原国務大臣 環境庁長官といたしまして受けております報告は、本日運輸省からの回答を受理したということだけでございまして、一切そのような事実は関知しておりません。
  425. 岡本富夫

    岡本委員 特に、この問題は重要な問題でありますし、大気汚染、あるいはまた威圧感、あるいは先ほど申しましたように、この高裁の判決、これを踏まえて環境庁としては善処するように、慎重に物を運んでもらいたい。これは一つまず要求しておきます。環境庁長官は用事があるらしいから、あなたはもう退席して結構です。  次に第二問日の緊急の質問は、農林大臣に対してでございますが、渡辺大臣代理は特に農林省のことに詳しいわけでございます。あなたの方が大臣よりも詳しいということでございますので、いまちょうど鈴木農林大臣が訪ソしておりますけれども、現在、漁業問題についてソビエトと交渉中である。でありますのに、日本漁船が二百海里以内において警告を受けたり、あるいはまた照明弾を撃たれたり、いろんなことが行われておるわけでありますが、この状況、簡単にひとつあなたの方からお答えいただきたい。
  426. 渡辺美智雄

    ○渡辺国務大臣 簡単に申し上げますと、ソ連の二百海里の漁業水域の設定を定めるところの幹部会令というのが三月一日から実施をされることになったわけであります。それに伴いまして、ソ連はこれを前提とした新協定の締結を強く主張し、わが方としても、この問題につきまして、新協定の締結交渉を三月中に開始をするということでおおむね合意に達したわけでございます。  いまのお話は、それにもかかわらずいろいろ妨害を受けたりなんかしている、どういう状況じゃということについては、水産庁から答弁をさせます。――質問の通告がなかったものですから、来てないようでございます。ですから、拿捕の状況については追って、すぐに、あなたの質問が終わるまでにそういう状況があれば、ここで御報告いたします。
  427. 岡本富夫

    岡本委員 私は、あなたがこんな大事な――新聞にもすでに報道されておりますように、水産庁の方からはどんどん漁業に出てよろしいという指示が漁民の皆さんに出る、出て行くと非常に危険な目に遭う、こういう状態なんですね。したがって、一つの案としまして、新聞報道によると、鈴木農林大臣の方からイシコフ漁業相に対して申し入れをした、それから打電をした、こういうようなことが出ておりますけれども、事実はもう毎日毎日の問題なんですね。したがって、一々向こうの方から打電をして、待っておるということは漁民としては忍びないと思うのです。一つの案として、海上保安庁あたりが、あなたの方から要請して、そしてソ連の警備船と接触をして、口頭で、向こうも日本語で言っているわけですから、話し合う。そして一日も早く漁民の皆さんが安全操業できるように、こういうふうにひとつ働きかけができないか。
  428. 渡辺美智雄

    ○渡辺国務大臣 趣旨が徹底をしないために数隻が警告を受けたとかどうとかということがございました。それで早速これは鈴木大臣の方からイシコフ大臣に対して申し入れをいたしました。ところが、それは末端で何か誤解をしたのであろうというようなことで、向こうとしても下に趣旨を徹底させます、こういうお約束になっておるというふうに報告を受けております。ですから、そういうことはなくなると思います。
  429. 岡本富夫

    岡本委員 ひとつこの問題はなくなると思うということでありますけれども、宮古とかあっちの方はカムチャッカの方に行っているわけですね。現地で待っていたり、毎日毎日の漁民の生活の問題になろうと思うのですよ。ですから、なくなると思うだけではちょっと非常に弱い。(渡辺国務大臣「なくします」と呼ぶ)なくしますというのをひとつ。  それからもう一つ、暫定措置というのをいまやっていますわね。これはいま交渉しておりますがこれは今漁期中だけなのか、このタイムリミットというものをひとつ明確にしておいていただきたい。これは非常に漁民が心配していることです。
  430. 渡辺美智雄

    ○渡辺国務大臣 いずれにいたしましても、本協定その他の問題がございますので、とりあえず暫定であります。とりあえず……。
  431. 岡本富夫

    岡本委員 タイムリミット。
  432. 渡辺美智雄

    ○渡辺国務大臣 ですから、三月の漁業委員会等の交渉までは少なくともこれが続くということです。いまのままとってよろしいという状態。
  433. 岡本富夫

    岡本委員 ちょっと大臣、いま三月なんですよ。三月になったらという話ですが、いま三月ですからね。東京でもう一度交渉するまでということですね。それはいつごろになりますか。
  434. 渡辺美智雄

    ○渡辺国務大臣 そういうことも含めて交渉をしておるわけですから、大体三月中と見てください。三月のなるべく早い時期と思っておりますが、早い時期と言っても入っちゃっているわけですから、三月中にと……。
  435. 岡本富夫

    岡本委員 この問題は特に漁民の皆さんが毎日毎日心配していることでありますから、向こうの交渉もありましょうが、ひとつ、特にソ連側も末端に対して不徹底だったというこの漁船の問題ですが、できれば海上保安庁あたりが出て接触をして危険を防止していく、これが大事ではないかということを要求しておきまして、本論に入りたいと思います。  通産大臣、来ていますね。わが国のエネルギー、この長期的な見通しについて、あるいはまた計画について、これは五十年十二月ですか、閣議決定をいたしておりますが、これに変更はございませんか。
  436. 田中龍夫

    田中国務大臣 お答えいたします。  五十年の十二月に決めました総合エネルギーの計画、これを今日はなお踏襲して努力をいたしておるところでございますが、客観情勢の変化等によりまして、現状に即するようにいずれは近く更改しなければならぬ、かように存じております。
  437. 岡本富夫

    岡本委員 そのとおりだと思うのです。現状に即するような計画の変更と申しますか、再検討、これが必要であろうと思います。  わが党の二見委員の当委員会の総括質問のときに、福田総理は、長期計画についての変更の必要はないんだというような御答弁があったんです。これは私、横で聞いておったわけですが、どうもちょっとそれと矛盾をするように思うのですが、いかがですか。
  438. 田中龍夫

    田中国務大臣 お答えいたします。  五十年の十二月決定いたしましたそのあるいは石油あるいは原子力あるいは石炭等々の問題でありますが、その計画に従いまして今日なお努力を続け、遂行いたしておるところでございますが、いま申し上げたように、政府の方におきましても、深刻な国際情勢並びにエネルギーの状態からこれを制度的にも機構的にも充実いたしますると同時に、またこれを検討いたしてまいりたい、かように考えております点は、総理も私も何らそごはございません。
  439. 岡本富夫

    岡本委員 どうももう一つはっきりしませんが、そこで、ずばり大臣に、石油の供給について今後の見通し、世界の石油埋蔵量の見通し等、そういったものを含めて御意見があれば御意見を伺いたい。
  440. 田中龍夫

    田中国務大臣 お答えをいたします。  石油全体の問題は、OPECのいろいろの価格の問題でありますとかその他ございまするけれども、今日なお石油全体の計画を変更いたしておるわけではございません。  なおまた、詳細なことにつきましては、計数上の問題を含めまして、担当の長官の方からお答えいたします。
  441. 橋本利一

    橋本(利)政府委員 まず、お尋ねの世界における石油の埋蔵量でございますが、ある一つ調査によりますと、いままで人類が発見した石油の量は一兆バーレルと言われております。将来なお一兆程度発見されるのではなかろうかという観測でございますが、すでに発見いたしました一兆の中でも、いろいろと消費してまいりまして現在六千億バーレル程度じゃなかろうかと言われております。これが巷間で、あと三十年ぐらいしか持たないんじゃないかと言われる根拠ではなかろうかと思います。ただ、計算的にはさようになるわけでございますが、世界の石油消費が四%ずつ伸びていくといたしますと、これは一九九〇年代になりますと量的な面あるいは価格的な面でかなりの制約要因になってくるんじゃなかろうかという懸念を持っておるわけでございます。  それから当面の問題といたしましては、オイルショックの後ずっと石油の需給は緩んでおったわけでございますが、一昨年の秋二千五百万バーレルとOPECの生産を底にいたしまして、昨年の暮れにはすでに三千四百四十万バーレル、と申しますとオイルショックの直前が三千二百九十万バーレルという日産ベースでございましたので、昨年の暮れでやはり石油危機前のピークをもう超えた、こういう状況でございまして、特に昨今は、アメリカが世界の消費の三分の一まで使っておりますが、一時六百万バーレル程度の輸入国であったのが最近では八百万バーレル、人によっては、近く一千万バーレルにもなるんじゃなかろうかというような観測もございまして、当面的にはかなり需給がタイトになるおそれがある。  それから価格につきましては、御承知のように、昨年ドーハの総会で五%アップと一〇%アップの二本立ての価格引き上げが発表され、あるいはそれで通告されてきておるわけでございます。これは日本の国として平均いたしますと、七ないし八%ぐらいの上昇になろうかと思いますが、これが実際上価格にどう反映するかということについても、必ずしもはっきりした判断がいまのところできかねておるわけでございます。  いずれにいたしましても、当面的、中長期的に考えましても、石油供給は量的あるいは価格的にかなり不安定である、流動的な要素もございまして、はっきりしたことは申し上げかねますが、不安定性はいまよりもさらに増していくのではなかろうか、かよう見ておるわけでございます。
  442. 岡本富夫

    岡本委員 大体そういうことで、これは昭和四十二年に商工委員会で論議したこともありましたが、そのために、不安定な石油の供給ということで石油開発公団が発足したわけです。そこで、石油開発公団総裁来ていますね。まず、四十二年から今日まで、現在休眠しているところの会社あるいは解散した会社、こういうところに出資した出資金というものは、総量どのくらいになるのですか。それから融資と、両方……。
  443. 倉八正

    ○倉八参考人 お答えいたします。  解散した会社が三社でございまして、それに対する出資が約三十五億。それから休眠会社ということですが、何をもって休眠会社というかという定義がございますが、鉱区を返還した会社を休眠会社とするならば、いま現在でそれが七社ございまして、それに対する公団の融資が百三十五億でございます。したがいまして、解散した会社といわゆる休眠会社といわれておる会社に対する出資は、合わせて百七十億に上るわけでございます。
  444. 岡本富夫

    岡本委員 私どもで調べた疑わしき休眠会社というのもあるのですが、それはさておきまして、これは後にしまして、石油開発公団公団法の第十九条あるいはまた業務方法書の第七条、これに基づいて出資のできる法人というものはどういうところなのか、これをひとつ明らかにしていただきたい。
  445. 倉八正

    ○倉八参考人 出資の対象になる会社日本法人でございまして、日本法人というのは、御承知のように日本法律に基づいた法人でございまして、その中には完全ないわゆる一〇〇%日本の出資もありましょうし、それからその中に外資もまじった会社があろうかと思いますが、前者の方については純粋な日本法人、それから後の方につきましては半分まで外資が入っておれば、公団といたしましては投融資の対象にしております。
  446. 岡本富夫

    岡本委員 これ、だれかあなたの方ではっきり説明する人、この出資の相手方、要するにあなたがいまおっしゃったこの中で、探鉱を行っている日本の法人、それから日本人がいまおっしゃった出資をして経営参加をしている外国法人、それだけですか。これははっきりしてください。
  447. 倉八正

    ○倉八参考人 ちょっとはっきりしなかったと思いますが、公団の投融資になっておるのは日本法人でございまして、その日本法人の中に外資が入っておっても、その経営権が日本にあり、また資本の構成が最高五〇%までと、こういうことでございます。
  448. 岡本富夫

    岡本委員 どうも、倉八さんはちょっとお年を召しておるのかはっきりしないね。エネルギー庁の長官、あなたはっきり答えてください。あなたの方が許可しているんだから。二つあるでしょう、二つ。
  449. 橋本利一

    橋本(利)政府委員 ただいまのお尋ねの点でございますが、開発公団の出資細則の第四条に出資の相手方というのがございまして、これにおきましては、ただいま本邦法人ということでございましたが「本邦法人または外国法人であって次の各項に掲げる要件を備えている者」ということで「株式の半数以上を本邦人または本邦法人が所有していること。取締役および代表権を有する取締役のそれぞれ半数以上を本邦人が占めていること」、こういった規定がございます。
  450. 岡本富夫

    岡本委員 そうしますと、公団が出資します相手方というのは、一つは探鉱している日本の法人、それからもう一つ日本人が出資をしている外国法人ですね、これは五〇%までといいますか、この二つだけですね、はっきりしてください。
  451. 倉八正

    ○倉八参考人 そのとおりでございます。
  452. 岡本富夫

    岡本委員 そうしますと、公団が四十四年の四月にA社という会社に十八億円の出資をしております。ところが、そのA社からB社に対して出資をしておるわけです。このA社は日本法人です。そうすると、これ公団法第十九条、業務方法書第七条違反じゃありませんか。どうなんですかこれは、そういう場合であれば。
  453. 倉八正

    ○倉八参考人 いまA社が先生の御指摘のように完全な日本法人だ、そこに私の方が融資をした、ところがそのA社がどこかB社に投融資したというのは、どういう意味か私はよく先生のおっしゃる意味がわかりませんが、私の方で融資する場合には、そのA社がここでこういう井戸を掘るんだと、あるいはここにこういうのを見つけたからこういう探鉱をさらに続けるんだと、そのために融資するわけでございまして、そのA社がさらにB社に融資するかどうかは、私の方では関知するところではないのでございます。(「おかしいな」と呼び、その他発言する者あり)
  454. 岡本富夫

    岡本委員 いま町の声としまして、この石油開発公団が出資したりあるいは融資をしたり、全部でたしか両方で三千億ぐらいになると思うのです。これは後でなにしますけれども、こんな大きな莫大なお金が結局、先どこへ行ったかわからないというようなことで、そこまでなかなか調べにくいというので、非常に町の声では、そういうところに利権が重なっておる、そして非常に甘い汁を吸っているというような声があるものですから、私は調査してみた。そうしますと、私一つ会社名前を言いますけれども、公団から四十四年の四月、カタール石油に十八億円という莫大なお金を出資をしているんです。そのカタール石油が翌年、四十五年、合同石油にこの十八億円のお金を出資している。そうしてこのカタール石油は休眠なんです。われわれの大切な日本の国民の金をここへ渡して休眠しておる。そのカタール石油は合同石油に出資をして、そこから株主配当を受けて、要するにこのカタール石油というのは――同じ金ですよこれは。そうして、この合同石油から株主配当を受けてぬくぬくしているじゃないですか。こういう事実を見ましても――これはカタール石油だけじゃない、こういうように公団法に違反している会社が、やはり休眠している会社でジャペックス・カナダ。それからアラスカ石油、このアラスカ石油は、あなたの方は休眠してないと言うけれども、ぼくが調べたらもう何もやってない。いま存続しているけれども三井石油開発、これもやはり出資している。要するに、日本の法人で出資しているところには、あなたの方は貸せないのです。そういうところに非常にずさんな公団の出資あるいは融資のあり方がある。いかがですか、この点。
  455. 倉八正

    ○倉八参考人 いま一例をカタール石油と合同石油とをお挙げになりましたけれども、カタール石油というのは、カタール石油自身が七本掘りまして、アブダビに掘りまして、それに対して石油開発公団は出資したわけであります。それから合同石油というのも、これは日本でも当たりました代表的な一つですが、それにも公団は投資はしておりますが、そのカタール石油が合同石油に投資しましたのは、私の方の投資をしたその資金でもって投資したわけでは決してないわけでありまして、私たちの方の投資というのは、その企業自体、その開発自体あるいは探鉱自体の所要資金を投融資したわけでございまして、それを間接的に投資に向けさせたという意味の投融資では決してございません。
  456. 岡本富夫

    岡本委員 何を言っているんですか、あなた。公団が四十四年の四月に十八億円をカタール石油に出資したんです。カタール石油はその翌年、合同石油に十八億円出資して株主になっておる。そうしてこの会社は休眠だ。しかも四十九年三月には鉱区を放棄しているから、もう解散している。あなたも前の島田さんからかわってどうか知りませんが、こういうような非常にずさんなやり方になっている。  あなたの方で休眠会社として出してきたところの、まあ一々会社を言うわけにはいきませんから言いませんけれども、七社、これで百三十五億といういまのお話でありますが、それから解散した三社、三十五億、これは一銭も戻ってないじゃないですか。いまのカタール石油にしたって、出資していろいろやったけれども結局休眠してしまわなければならぬ。その会社がほかに十八億もまた出資できる力があるんでしょう。国民の金なら、それを要らなくなったら取り返すのがあたりまえじゃないですか。返還するところの償還の契約もあるじゃありませんか。こんなずさんなことではとても――私たちが調べました後、まだ休眠と思われるところの会社五社、これを全部合わせますと、私たちの試算で、若干数字のわずかなところはあれでしょうが、三百三十三億四千二百万円、これだけのお金が、これは解散したり休眠したりして取れない。何をやっているのか、これは疑いたくなるのはあたりまえじゃないですか。通産大臣、あなたにこれを一枚差し上げますから……。そしてまたことしも予算をつけておるわけでありますが、こういうずさんなことではお話にならないと私は思うのです。委員長、この点につきましては、もう一度はっきりと、ひとつ当委員会が終わるまでにしてもらいたいと、これをひとつ要求をいたしておきます。いかがですか。
  457. 大村襄治

    ○大村委員長代理 終わるまでにどうせいと……。
  458. 岡本富夫

    岡本委員 予算が終わるまでに全部資料を出してもらう……。
  459. 大村襄治

    ○大村委員長代理 通産大臣、資料の点どうですか。
  460. 田中龍夫

    田中国務大臣 政府委員からお答えいたします。
  461. 橋本利一

    橋本(利)政府委員 できる限り解散会社と休眠会社のリストを提出するようにいたしたいと思います。
  462. 岡本富夫

    岡本委員 もう一つ、この解散した三社については、商法の規定によりますと、まず、任意解散なのかあるいは法定解散なのか、この点が一つ問題になろうと思うのです。恐らく任意解散ではないかと思うのですが、そうしますと、商法の第百十九条の二に基づいて、財務諸表、こういうものをきちっと提出しなければならぬようになっている。これは出ておりますか。
  463. 倉八正

    ○倉八参考人 出ております。それから先生の御指摘のように、任意解散ですから、商法の規定に基づきまして清算完了の登記もしなくてはならないわけでございます。
  464. 岡本富夫

    岡本委員 これも一遍資料を出してください。  それから、なぜ公団がこういうずさんなことが行われたかと申しますと、一例を申しますと、これは昭和四十六年の三月に設立した海洋石油、これはベトナムのメコンデルタ沖の探鉱ということで公団から十七億七千万円出資しているわけです。御承知のように昭和五十年にサイゴンが陥落しているのです。これはちょうど戦争をやっている最中ですよ。当時これは有望だという話もあったかもわかりませんけれども、戦争をやっているそのそばで、これだけたくさんの金を出すのですからね、これは余りにもずさん過ぎるじゃないか。われわれは、四十二年に商工委員会で石油公団のあれがあったときには、こういうずさんなことをしてはいかぬということを非常に厳しく指摘をしておいたはずです。みんなもうみつのようにたかっているらしい。私は、これはけしからぬと思う。  こればかりやっていると時間があれですから、もう一つの実例だけをひとつ解明しておきたい。これは会社名前を言って非常にあれなんですが、ジャパン石油開発株式会社、ここにも公団から五七%の出資を四十八年二月二十二日にしているわけです。ということは、このジャパン石油株式会社というのは、公団が約六〇%近い株を持っておるわけですね。そうすると国民が持っておることになるんです。ところが、この営業報告書を見ますとどういうことが書いてあるかと申しますと、「アドマ間接権益の対価として総額七億八千万ドルのうち、第二回分六千五百万ドル、第三回分二千六百万ドルをそれぞれBP社に支払いました。この結果、海外石油開発株式会社からの債務承継分を含め、四億五千五百万ドルを支払ったことになります。」この海外石油開発株式会社という会社社長は一緒なんです。だから、この海外石油開発会社の債務を引き受ける、それならば、一期分にこうだ、この債務はこうです、二期分はこうですと、こういうふうに出てくるのが普通なんです。ところが、二期分、三期分これだけ金払ったから、出資額はADMA石油に対して七億八千万ドル払ったから、それでこの海外石油の債務はこれだけだったんだと、これは自分が両方とも同じ社長をしているからこういうことになるんです。これは株主として、これ本当に了承できますか、こういう営業報告。いかがですか。
  465. 倉八正

    ○倉八参考人 この海外石油開発というのは、例の七億八千万ドルの利権を取って入ったところでございまして、その構造の大きさといい、品質のよさといい、日本では手の出るほどのいい石油を出しておるわけであります。それで、その決算書にうたわれた内容についての、いま御指摘の支払いの期間がはっきりしないじゃないかということだろうと思いますので、お答えいたします。四十七年の十二月に一億三千万ドル、それから四十八年の三月にいま先生の御指摘のありました六千五百万ドル、それから四十八年の七月に二億六千万ドル、四十九年の六月に三億二千五百万ドルを支払っております。
  466. 岡本富夫

    岡本委員 この営業報告を見て、本当にこれは、これだけの総額だから、一期、二期これだけ払った、だからその残りは前の会社の債務だったと、こういうような、そんなばかな報告がありますか。  時間がありませんから先へ進みますが、大蔵省来ていますね。同じくこのジャパン石油会社が五十年の五月二十九日に有価証券報告書というものを出しておるはずです。これは出ておりますか。
  467. 安井誠

    ○安井政府委員 仰せのとおり、関東財務局にその日に提出されております。
  468. 岡本富夫

    岡本委員 これを見ますと、もっとややこしいんですよ。当社は昭和四十七年十二月、BP社の出資会社であるADMA社の保有するところの権益を三〇%の比率で買った、当社、ジャパン石油会社は四十七年十二月に。ところが、この会社ができたのはその翌年なんです。できる前に当社は買ったというのです。これは恐らく海外石油開発のことなんですよ。なぜこんなことになったかといったら、両方とも同じ社長だから入り組んでおるのです。通産大臣、こういうものでなぜ許可したのですか。いかがでしょう。     〔大村委員長代理退席、委員長着席〕
  469. 倉八正

    ○倉八参考人 私から事実関係を申し上げさせていただきたいと思います。  これは、四十七年十二月二十六日にADMAにおけるBPの利権を買うという協定が成立しまして、それから約二カ月たった四十八年二月にいま御指摘のジャパン石油開発というのが発足したわけであります。と申しますのは、利権交渉のいろいろの内容につきまして非常にむずかしい交渉があった関係上、できましてからそれを新しい会社に引き継ぐという意味でこういう締結がなされ、それからジャパン石油開発が二カ月おくれて設立されたというのが現状でございます。
  470. 岡本富夫

    岡本委員 そうしますと、大臣、いまの答弁を聞いておりまして、この有価証券報告書を大蔵省に出した当社というのは違うわけです。この時分はまだこのジャパン石油は設立できていなかった。公団から出資するまで成立していなかった。その前のときの、ことに「当社は」と出ているこれは明らかに間違いなんです。こういう間違ったものに融資をする、出資する、こういうことでは、私は本当にずさんだと思うのです。だから、先ほど言ったこういうようなこと、これは一つ一つもっと調べていくと大変なことが起きている。時間もありませんから、これは通産大臣の方でひとつもう一度全部精査してください。そうして当委員会に一遍全部明らかにしてもらいたい。いかがですか。できますか。
  471. 橋本利一

    橋本(利)政府委員 御趣旨に沿うように準備いたしたいと思います。
  472. 岡本富夫

    岡本委員 それで、公団のこの現在までの出資の姿を見ておりますと、実態は補助金なんですよ。出資したといっても、後はもう何もしないし、後どうなっておるかとこう見ていくと、実態は補助金と一緒なんです。出資金ではない。補助金ならば補助金らしく、もっと適正にきちっと使われるようにしなければならぬし、そういうことを考えますと、きょうはもう時間がありませんから余りあれしませんが、もう一度この公団に対して厳しく調査をすることが大事です。きょうも会計検査院の局長さんに来てもらっているけれども、あなたにきょうはもう言ってもらう必要はない。ですから、業務の適正化、それからこの出資している会社は国が株主なんですから、少なくとも役員会、そういったところの記録というものは全部調査をして、それを公団に握っておく、それを今度は通産省はちゃんと調査するということが大事だと思うのです。このままにしておりますと、これからますますだめになってしまう。それで、ここらでひとつ終止符を打たなければいかぬというわけで、少しあちらこちらに出したのではないかと思うのです、だから、この際にひとつうみを出してきちんとしてもらいたい。これを要求しておきます。大臣いかがですか、その答えをもらっておこう。
  473. 田中龍夫

    田中国務大臣 御指摘のように、国家の大事なお金でございます。監督の衝に当たりますエネルギー庁をして、十分精査し、検討させます。
  474. 岡本富夫

    岡本委員 ということは、いまずさんだったということを認めますね。いかがですか、大臣。どういう意味です。
  475. 田中龍夫

    田中国務大臣 お答えをいたします。  開発公団の仕事が、井戸を掘ることでございまして、なかなか当たる当たらないの問題やら、むずかしい問題もあると存じます。さようなことでいろいろの経過があったかと存じますが、監督官庁といたしまして、十分検討いたし、調査をいたします。
  476. 岡本富夫

    岡本委員 本当は謝らなければだめなんですが、まあしようがない。  そこで、もう時間がありませんので、せっかく大蔵大臣来ていただいておるのですから、それから運輸大臣も。  最近の交通事故、これは御承知のように、過去五年間で死者が六万二千四百五十人、負傷者が三百五十六万五千人、こういうような非常に悲惨な姿があるわけですね。この交通事故に対して、農林大臣、人の命は価額にかえますとどのくらいだと思いますか。あなた、農業共済をやっているのだから。
  477. 渡辺美智雄

    ○渡辺国務大臣 それは人の命は大切なものでございますから、なかなか金銭ではかれるものではないと思います。
  478. 岡本富夫

    岡本委員 そのとおり、人の命はなかなか大切なもので、お金にはかえられない。しかし、不幸にして交通事故に遭って、そして悲惨な犠牲者の家庭あるいはまたそうした交通遺児の問題を見たときに、現在千五百万円の自賠責、これは農林大臣、あなた知らぬ顔していてはいかぬですよ、これは農業共済の中にもあるわけですからね。だからあなたに聞いているのです。この自賠責をもう少し引き上げなければ現在の情勢ではあれだと思うのですが、それに対して、これは運輸大臣、どういう検討をなさっておるか。
  479. 田村元

    ○田村国務大臣 自賠責は五十年の七月に引き上げておりますが、今後の限度額の引き上げにつきましては、近く最新の交通事故に関する裁判例のデータが御承知と思いますが公表されます。多分四月か五月ごろに公表されると思います。そのデータが整い次第、その必要性について真剣に検討いたしたい、こう考えております。
  480. 岡本富夫

    岡本委員 もう最高裁ではこの間七千五百九十五万円というようなあれが出ておるわけです。四月に検討して、大体七月ごろは実施できるのですか。
  481. 田村元

    ○田村国務大臣 四月か五月ごろに裁判例のデータが公表されると思いますから、それを見た上で真剣に検討したい、こういうことでございます。
  482. 岡本富夫

    岡本委員 次は、ただ限度額が千五百万というだけでなくして、交通遺児問題、あるいはまた植物人間、こういうような人たちの看護あるいはまた入院の費用、また、一家の柱が倒れたその遺族の人たちに対する担保内容の拡大をこのあたりでしなければならぬのではないか、自賠責の保険も黒字ですから。その点いかがですか。
  483. 中村四郎

    中村(四)政府委員 ただいま先生申されました植物人間といいますか、そういった不幸な状態になられた方に対しまして、その補償内容の充実につきましては、ある意味合いではなくなった方以上の悲惨な状態もあろうかと思いますので、私どもの方としましては、後遺障害者の中で特に重度の方の家族の生活状況等につきまして、来年度調査いたしまして、その調査結果を参酌しながら、このような不幸な方に対する補償のあり方について検討いたしたい、かように考えておる次第でございます。
  484. 岡本富夫

    岡本委員 それではちょっと不満ですが、時間がありませんから。  次には、大蔵大臣、自賠責だけでは現在それだけ以上のものを払えないということで、任意保険、この任意保険はまだ六〇%ぐらいしか進んでいないのですが、これの普及をどうするかということと、それからもう一つ、任意保険を掛けてあっても、いよいよ保険金を出すいうことになるとなかなか出てこない。この手続の簡素化についてどういうようにお考えになっておるのですか。
  485. 坊秀男

    ○坊国務大臣 お答え申します。  仰せのごとく、自賠責保険だけではなかなか足りないというようなことで、それに加うるに任意保険契約というものに入っておりますが、その任意保険契約につきましては、事故が発生してから保険金が支払われるまでに大変時間がかかる。死亡の場合で平均十三カ月もかかるというようなことを聞いておりますが、この保険の性質上もっと早く支払わなければならないということは、もうおっしゃるまでもないことでございまして、その点につきましていろいろと指導をしております。たとえば任意保険と自賠責保険との会社が違うといったような場合には、事故については一社へ通知すればそれで双方事足りる、それからまた請求でも一社へ請求すれば他方の方からももらえる、とにかく一社で二社への手続が事足りるようにするというふうに指導いたしておりますけれども、何にいたしましても、これは非常に大事な保険でございまして、余り事を急ぐの結果、後でトラブルが起こったり何かするということも考えなければならない面がありますけれども、ともかく間違いなしに早く支払うということが大事だというようなことを考えまして、できるだけの指導をやっておるというようなことでございます。
  486. 岡本富夫

    岡本委員 なかなかそうはいってないのです。ぼくはおととし自分でけがしたからよくわかっておる。一つは代理店の問題、ただ自動車の修理屋さんなんかは余り勉強もせずにやっていますから、そういう面も今後相当考えてやってもらいたい。  最後に、交通体系の問題をやろうと思ったのですが、これも時間がありませんから、ずばり、町のターミナル、ああいうところが自転車が物すごい多いですね。通行にも困るし、あるいはまた非常に問題が起こっておるわけですが、この自転車置き場、これについて総理府はどういうように基本方針を立てておるか。その基本方針に従い、また自治体がやるということになると、建設省補助金を出すか。それから運輸省も、私鉄あるいは国鉄、こういうところのそばですから。大体マーケットをつくったって駐車場をつくるわけですからね。やはりいまになれば自転車置き場をちゃんとつくらなければならぬ。これが大事だと思うのですが、それぞれの省からお聞きして終わりたいと思います。
  487. 室城庸之

    室城政府委員 お答え申し上げます。  ただいま御指摘がありましたように、駅前の自転車の放置問題がかなり深刻になってまいっておりまして、交通安全対策上も非常に大きな問題だというふうに考えております。東京都の調査によりますと、昭和五十年十一月現在で、都内の駅周辺の放置台数が約八万台、全国的に見ますと、全国市長会の調査で約三十万台が放置されておるというふうに報告されております。  このような状況に対処いたしますために、当面、駅周辺に自転車駐車場を整備していくことが必要でありまして、地方公共団体を中心に現在も可能な限り駐車場の整備に努めているところでございます。しかしながら、駅周辺には駐車場用地として利用可能な土地が少ないということ、さらに、地価が高いために整備に相当の費用を要するという問題、新たな行政需要であるために財政措置等制度面の手当てが十分なされておらないというような問題がございまして、現在駐車需要に対応できない状況でございまして、大量の自転車の放置が見られております。総理府といたしましては、総合調整機関としての立場から、建設省、運輸省、警察庁、こういった関係省庁とその対策の検討を急いでおりまして、各省庁とも積極的にこれに取り組んでおりますので、早急に結論を得てこの問題の解決を図りたいというふうに考えております。
  488. 田村元

    ○田村国務大臣 いまお話しの自転車置き場、これは大変必要なものだと思います。そこで、私鉄の場合は、これは民間企業でございますから、可能な限りひとつ御協力を願いたいということをお願いすることになろうかと思いますが、国鉄の場合は、端的に言って各駅のそばに土地があるわけですよ。ただし、それも計画のある、使う予定のある土地はちょっと困りますけれども、計画のない土地も相当あるはずです。ですから、地方公共団体あたりから御要望があれば、全面的に前向きに対応できる。ただ、御承知のように、いまは国鉄再建で大騒ぎでございまして、土地の高度利用だ何だということを言っておりますので、幾らかの利用料はちょうだいするかもしれませんけれども、全面的に前向きに対応できると思います。
  489. 長谷川四郎

    長谷川国務大臣 自転車置き場の整備につきましては、御承知のように、四十九年の四月に道路法施行令の所要の改正を加えまして、そして自転車駐車場を道路の付属物とし、そして道路管理者が道路の新設、改築と同時にこれを設置できることといたしました。したがって、昭和五十一年度を初年度とする第二次交通安全五カ年計画の発足に伴いまして、自転車駐車場を新規工種に加えまして、国が管理する直轄国道についてはこれを単独に設置することとしたほかに、その他の道路については、自転車道を設置する場合には必要に応じ補助事業としての一体的な整備をできるようにいたしました。なお、第二次交通安全五ヵ年計画によると、自転車駐車場の整備に要します事業費は三十六億円となっております。したがって、都市計画事業として行う駅前広場の整備に当たりましては、施行者が必要と認める場合には、自転車の駐車需要に対応して所要の整備を行うことが可能であり、また個々の広場の利用の実態に応じた対策を検討するように指導をしております。さらに、五十二年度よりは、駅周辺及び都市中心地区において、街路整備、歩行者空間の確保、総合的な交通規制を内容といたしまして、総合都市交通施設整備事業を実施することとしております。その中において、自転車駐車場の設置、整備についても、計画的にこれを行うことを検討をしております。
  490. 坪川信三

    坪川委員長 関連質疑を許します。沖本泰幸君。
  491. 沖本泰幸

    沖本委員 私は、関連質問に先立ちまして、ただいま入りましたニュースによりますと、緊急事態が起きておりますので、国家公安委員長に各党を代表して御質問したいと思います。  きょうの四時半ごろ、経団連会館にライフル銃を持った男女の三、四人の連中が乱入して、要人を人質にとって発砲しているという報告が入っておりますけれども、これは重大な問題になりますので、このことに関しまして、国家公安委員長から緊急に当委員会に御報告いただきたいと思います。
  492. 小川平二

    小川国務大臣 お答えいたします。  まことに予期せざる事件が勃発をいたしたわけでございますが、ただいままでに警察が確認をしております事実、それからどのような方針でいかように対処いたしておるかということにつきまして、警察庁の刑事局長から御報告を申し上げます。
  493. 鈴木貞敏

    ○鈴木政府委員 御説明いたします。  経団連ビル内でのライフル銃使用事件が発生いたしましたが、その概要を簡単に申し上げます。  本日の午後四時二十七分ごろでございます。発生場所は都内の大手町一丁目九の四、経団連ビルの七階でございまして、被疑者は三名でございます。  状況は、目下経団連にバリケードを構築しておりまして、その間にライフル銃を二、三発ということで、はっきりいたしませんが、三発ほど発射した模様であるということでございます。  犯人三名の人定はまだつまびらかでございませんが、うち一人の犯人の人相、風体は、二十歳ぐらいの男、身長百六十センチぐらい、髪は七三に分けて、この男が銃らしいものを持っておるということで、以下二人の者についてはまだ詳報入っておりません。  これらの連中が経団連ビル七階の秘書課前にバリケードを築いておるようでございまして、内部に常務理事さん初め合計四名が監禁されておるというふうな状況でございます。  警視庁では、この一一〇番を受けまして、直ちに現場措置、警備措置をとっておるわけでございますが、午後四時四十七分第一方面本部に甲号方面警備本部を設置いたしまして、機動隊二個中隊を現場に急派、なお、警視庁では特命警備本部を設置しておるというふうな状況でございます。  御説明が前後いたしますが、逐一入ってきている情報をつなぎ合わしておりますのでお許しを願いたいと思いますが、人質になっている者は、経団連の専務理事の千賀鉄也さん、秘書課員の池誠さん、経団連副会長小池一雄さん、役職不明ですが中村さんというふうな四名であるらしい。  なお、その際ビラ等をまいているようでございます。その内容はいろいろのものがあるようでございますが、いま入手しているものでは、営利至上主義で国を滅ぼすな、楯の会、YP体制打倒青年同盟、日本財界首脳氏諸君へ、というふうなことを記しました檄文が現場付近で発見されておるというふうなことでございます。  現在警視庁では特命警備本部の指揮下におきまして、外周警戒、さらにまた現場の処理隊といたしまして合計七個中隊、約四百名近い陣容をもちまして事案処理に当たっておるということでございますが、いずれにしましても、犯人の逮捕及び人質の絶対安全というものを前提にいたしまして、現場で全力を挙げて事案処理に当たっておるというふうな実情でございます。
  494. 沖本泰幸

    沖本委員 いずれにしましても、人命の安全と、このことに刺激されて全国的に同じような事件の蜂起なり何なりというふうな誘発事件が起きないように、厳重に非常体制をとっていただきたいことをお願いいたします。  それでは私の質問に入らしていただきます。  昨日も社会党からの御質問であったわけですけれども、同和対策特別措置法について総理府総務長官と自治大臣にお伺いしたいわけでございます。  この措置法は、時限立法ですからあと残り二年ということになるわけで、政府の対策状況を見てみますと、五十三年度までに達成できないということはもう確実であるということが考えられるわけでありまして、このために多くの積み残しの問題が発生すること、これは調べてみないとわからないわけですけれども、相当のものが残ってくるんじゃないかという点が出てくるわけで、時限立法で来年度が終わりになるわけですから、そうしますと、もう今年度中に十分、この期限が切れるという問題に対して、具体的な内容なり、あるいはこの法律を延ばす延ばさない、延ばさなければどうするというようなことが、すでに今年度予算を組む前に検討がされていなければならないというふうに考えられるわけです。私はこの場所にいませんでしたけれども、昨日の総務長官の御答弁では検討を加えているということをおっしゃっておるわけですけれども、この問題は延長することが望ましいわけで、私たちはこの延長をすることに全力を挙げていきたいとは思いますけれども、この問題に対して、総務長官、延長するのかしないのか、しなければどういう方法でこの問題点に取り組んでいくのかどうなのかという点。それからさらに、これの実施機関というのは市町村に当たるわけですから、市町村に要求が出てきておって、地方自治体自体がこの問題処理で積み残しそのものを抱え込んで非常な財政窮迫のときに、より以上の大きな問題点がこれから発生することは間違いないということになるわけですから、そういう点を考えていきますと、今後超過負担の問題からいろいろな点を考えていきますと、地方自治体そのものがこの問題で大混乱を起こすということは火を見るよりも明らかであることが考えられるわけです。その点につきまして、時間も余りありませんので、総務長官と自治大臣からお答えをいただきたいと思います。
  495. 藤田正明

    藤田国務大臣 昨日も社会党の湯山先生に同じような御質問ございましたので申し上げておきましたけれども、おっしゃいますように五十三年度で十カ年の計画が、特別措置が切れるわけでございます。それで五十二年度、五十三年度と二カ年あと残されておりますので、五十三年になりますれば遅いと思いますから、この五十二年度中にはどれくらいの積み残しがあったか、これは現実問題としまして人権擁護の活動だとか雇用促進、産業振興等なかなか端的に数字でつかまえられない問題がございますけれども、しかし、それなりにもう一度過去八年間を振り返り、そしてその積み残しの数字を再検討いたしたい、そしてこれをまた延長するか、あるいはまた別途の手段をもってそれをやっていくかを再検討いたしたい、かように考えております。  超過負担の点については、自治大臣の方からお答えがあろうかと思いますから……。
  496. 小川平二

    小川国務大臣 お答えいたします。  同和対策事業につきましては、あとう限り国庫補助負担事業の範囲を広げてほしいということを、昨年も各省が概算要求を提出いたしまするのに先立って、自治省として要請をいたしてきたところでございます。また、お言葉にございました超過負担の問題につきましても、補助の基準に改善を要する余地がまだまだございますので、こういう点につきましても今日まで機会あるごとに各省に要請をいたしてまいったわけでございますが、実際問題として同和対策事業のために地方公共団体の負担が相当重くなっているという事実は否定できないと存じますので、今後もできるだけの努力をいたしてまいるつもりでございます。  法律そのものの延長の問題につきましては、ただいま総務長官から答弁を申し上げたとおりで、私どもとしてつけ加えることは格別ございません。
  497. 沖本泰幸

    沖本委員 できるだけ簡単にということで、時間がないので簡単なお答えを求めようとしたわけですけれども、たとえばこの部落地名総鑑の問題がきのうも問題になったわけでありますけれども、大体この特別措置法がつくられる段階では、物と心の面と両面から差別をなくするためにこの特別措置法が組まれたわけです。そしてあと余すところ本年度を除けば一年、本年度を入れて二年、こういうことになるわけで、その時点でこういう問題が浮き上がってくるということは、この事実を見ていくときに、結局は措置法が十分力を発揮してなかったということが言えると思うのですね。一般的に、お互いに差別問題を取り上げて話し合えば、お互い同士が差別はないということなんです。われわれは差別感を持っていない、差別する考えはない。おまけに男女は同権であり、人権は非常に重く考えられているように一見は見えるわけです。しかし、具体的な問題を拾い上げていきますと、こういう問題が事実出てくるんですね。  ということは、結果的には十年の時限立法が大して働きをしていなかったということになるわけです。ただ、いろいろな更生資金であるとか、あるいは同和教育の問題であるとか、あるいは改良住宅であるとか、いろいろな面で事業がどんどんふえたように見えるわけです。その事業に対して予算が使われていったということが言えるわけですし、それからこの特別措置法には十二項目にわたる付帯条項がついているわけです。その問題一つ一つ取り上げていってもいろいろな問題が残ってきているわけですし、またその十二項目に従っていろいろな事業も生まれてきているということになり、そして長い間の差別から問題をえぐって地域住民からはいろいろな要求が出てきている。それを各地方自治体では要求に従って実行しなければならない。しかし、政府そのもの、各省のこれに対する対策費というものは見るべきものがないために積み残しが起こってくる、こういうことになるわけですから、ただ単にこの部落地名総鑑というものがきのうクローズアップされたということだけで法務省の人権擁護局がこの問題に当たる、あるいは法務省自体がこの問題を考える、調べるということではなしに、もう一度同和対策特別措置法というものを見直してみなければならないということになるんじゃないかということになってまいります。  ですから、各企業が雇用の関係においてそれぞれ本人の人権を重んじて、学歴の点についてもあるいは本人の戸籍の問題についてもそれぞれ措置がされているわけです。されているけれども、なおかつ問題が出てくるわけですね。そういう点をとらえて、差別をなくするために法律ができておるというその根本的なものを各省ともお考えになっていない。ただ、特別措置法に盛られている各事業をなし崩しに、わずかな予算を与えて問題を消化していこうというところにこの問題点の大きなずれが起こっているということになるわけです。それは先ほど総務長官がおっしゃったとおり、積み残しについて数字的に調べようということは大変無理だということをおっしゃるわけですけれども、それはちょうど五年目に調査をやってなかなか中身がわからないで、七年目にやっとある程度の目安がついたということになるわけですから、数字だけをつかむという問題でなしに、こういうふうな問題を総ざらいしてみていただいて、この特別措置法に照らしてどれだけのものが結果的にできていなかったか、この法律の精神なり何なりに照らしてどれだけのものが実行できなかった、またどれだけのことしかできなかった、こういう点を根本的に見ていただいて、しからばその法律を何年延ばさなければならないか、あるいはどれだけのこれに対して国の予算を使わなければならないか、あるいはこのことについて今度はもう一度洗い直して、地方自治体に鼻血を出すようなことをさせないようにある程度のものを見てあげて問題を解消する方向に向けていかなければならないか、これは各省がこぞってこの問題を検討してもらわなければならないと思うのです。  ところが、それぞれの省でみんな内容が違うわけですね。そこに大きな問題があると思うのです。総理府が総理府なりに調査しても調査しただけで、対策室があって問題点を広げてみるだけ、各省は各省別になわ張り的にばらばらにこの問題を取り上げてやってきているというふうな内容ですから、同和対策特別措置法ができ上がって八年たった現在、もう一度振り返ってみるだけの問題があると私は考えるわけです。ですから、そういう点から見直していただかなければならないし、そういう点を考えると、現在すでに問題が検討されていきながら、五十二年度の中身の中に、お金の面では十分ではないけれども、これだけの内容のものの検討が進められているという成果が出てこなければ、五十三年度にこの問題を延ばすか延ばさないかという結論は絶対出てこないと私は考えるわけですけれども、その点についてもう一度長官と自治大臣からお答えをいただきたいと思います。
  498. 藤田正明

    藤田国務大臣 ただいま先生のおっしゃいましたことはまことにごもっともでございまして、物と心、この両面からこの問題は解決していくべきだと思います。そうしてまた、地名総鑑のような、まあこれだけではなくてほかに二、三冊あるようでございますが、そのような営利を追求する目的のものがこの種の問題において出てくるということはまことに残念しごくなことだと思います。先生も御存じだと思いますが、この特別措置法ができ上がりましたときの経緯がございます。その経緯は自社公民、こういう各党が集まりまして種々御相談を申し上げた上でこの特別措置法もでき上がりました。この延長とか、そしてまたその内容につきましても、いまさっきおっしゃいましたような物と心、こういうものを盛り込んで、もう一度各党と御相談の上でどうするかということを決める時期がそろそろ来る、かように考えております。
  499. 小川平二

    小川国務大臣 お言葉にありましたように、この法律の趣旨を生かす上において自治省として何ほどのことをなし遂げ得たか、不十分であるとすればどこに原因があったかということをこの機会に十分点検をいたしまして、その反省の上に立って問題を考え直してみたいと思っております。
  500. 沖本泰幸

    沖本委員 もう時間が切れますので最後に申し上げたいのですが、本当は各省各大臣に関連のある問題点をずっと申し上げてお伺いしたいのが本来なんですけれども、時間の都合でそういうこともできませんので、特に総理府長官と自治大臣に御足労願ったということになるわけでございますけれども、問題は先ほど申し上げたようなところにかかっておるということになりますので、先ほど総務長官からのお話がありましたけれども、同対審という一つの基本原則的な内容のものがサンプルとしてあるわけですからそれに合わせてみて、特別措置法がどういうふうになっていったか、同対審に沿ったところまで問題点を持っていくにはどういうことであるとか、あるいはこれまでの進行状況を見ながら、途中から降ってわいたようないろいろな問題が出ているわけですし、それから地方自治体の困窮ぶりなり何なりというものをつぶさに見ていただければ問題点はすぐ出てくると思うわけなんですね。ですから、この際ですから今年いっぱい真剣にこの問題をお取り上げいただきまして、よくその内容を振り返って検討していただいて、そして十分にこの法律ができた精神が生かされて効果が上げられるように延長の問題をお考えいただきたいと思います。  以上で質問を終わります。
  501. 坪川信三

  502. 岡本富夫

    岡本委員 あと五分ございますのですが、渡辺農林大臣代理の答弁漏れがあったのでそれを聞きたいと思っておりますが、その前に、私、先ほど公団からカタール石油に十八億出資した、それからカタールから合同石油に十八億投資したということで、この公団から来た金がそのまま向こうにストレートに入ったんではないかというように言ったかもわかりませんが、これは金の問題ですから、これは疑わしいということでございますので、ここのところだけはひとつ議事録にとどめておきたい。  それでは、渡辺農林大臣代理に御答弁をいただきます。
  503. 渡辺美智雄

    ○渡辺国務大臣 お答えをいたします。  先ほど岡本議員に答弁をした中で、ソ連海域二百海里内の操業の問題につきまして、追加と一部修正をさせていただきます。  三月一日にソ連船から警告を受けたものが五隻報告になっております。そこで、一日の夜鈴木大臣からイシコフ漁業相に対して先ほどのように申し入れをいたしました。趣旨を徹底するという約束をとったわけでございます。ところが、三月の二日に約十隻警告を受けております。カムチャツカ半島周辺、樺太西岸、択捉沖にソ連監視艇が大体四、五隻ぐらいおるようでございます。そこで、まだ徹底がされておらないということで、実は明日から北海道庁の指導船をカムチャツカ付近に赴かせまして、ソ連の監視船の行き過ぎが続いておる場合には注意を促して、それでソ連船にはひとつモスクワに聞いてくれ、安全操業の保障は確認をされておるはずなんだからそういうことはしないでほしいというようにしたい、こういうように考えておる次第であります。  それから、三月中に東京で漁業委員会があるまでと申しましたが、東京漁業委員会はサケ・マスの方をやるそうでありまして、やはりモスクワに別の団を派遣をして三月中に暫定取り決めをいたそう、こういうことになる模様でございます。  以上であります。
  504. 岡本富夫

    岡本委員 大臣、いまのお答えの中で、私のお聞きしたのは、暫定措置というのは大体タイムリミットはいつまでなんだということをお聞きして、それは先ほど三月いっぱいだと。これは間違えておりませんですか。
  505. 渡辺美智雄

    ○渡辺国務大臣 大体そういうことで両方話がついておるようであります。三月いっぱいにまとめたい。
  506. 岡本富夫

    岡本委員 終わります。
  507. 坪川信三

    坪川委員長 これにて岡本君の質疑は終了いたしました。  次回は、明四日午前十時より開会することとし、本日は、これにて散会します。     午後六時十九分散会