○大出
委員 そうしてください。私はこれは一遍でやめるつもりございませんので、御研究願いたい。
そこで、私はいま絵解きみたいなことを申し上げましたが、輸送権を向こうに渡しても損がない、なぜならば、
日本の
会社が入って、文書の取り交わしがあって、
利益は
日本にも還元されることになっているから、香港のエドナ社、こっちにも金が行くようになっているから、こういうわけであります。しかも大変大切なことは、バーマ側は七隻のタンカーをゼネラル・ダイナミックスに頼んだことになっておりますが、果たして全部つくるかどうか。フィフティ・フィフティだというのが現状であります。これは造船所というのは大変に業況が悪い。そこで、
一つ間違うと二隻ぐらいつくって後やめてしまうかもしれない、という業界の方々の言い分もある。このクインシーという造船所なんですが、
政府融資がともかく欲しかった、ゼネラル・ダイナミックスは。この
政府融資を何とか取りたい。それには七隻ぐらいをつくるというのでなければ取れない。
ペーパーカンパニー、ここも一ぱいつくったわけですね。ゼネラル・ダイナミックスの側もいろいろ切りかえました。疑惑はあるがということで、アメリカ
政府の側は、
調査の結果、つぶしては困るわけだから融資はした。だから
目的は達している。だから七隻全部つくらないかもしれない。こういう今日の状況でございます。
そうすると、そこでいま差し上げた資料の中にございますが、ここでまた
一つ大きく変わるようになっている。それは写真入りで「ワールドビジネスマン IUインタナショナル
会長 J・M・シーブルック氏」、この人が一月二十一日に
日本経済新聞で、私が枠をつけておりますところをお読みいただければわかるのですけれども、インドネシアのプルタミナからの要請で、インドネシアのLNGを
日本に運ぶことについて交渉中である、こう言っている。
しかも、もう
一つ船の絵のついた記事を差し上げましたが、この船の絵のついた私が線を引っぱっているところをお読みいただくとわかりますが、「この3隻の」NGタンカーは、インドネシアから
日本への液化天然ガス輸送に採用してもらうため交渉がすすめられています。」、こうなっている。つまり、これはゴタース・ラーセンという船
会社であります。IUインタナショナルに合併されて入っていった
会社であります。IUインタナショナルの
会長はシーブルック氏であります。この人が、皆さんのいままでの
答弁からすると、輸送権は向こうにあるのだから
日本側は縁もゆかりもないということですが、プルタミナの要請によって交渉中であると言っている。この相手方は、シーブルック氏の発言によると、
日本と交渉していることになる。プルタミナから要請されたのだから、そうするとその交渉先は
日本しかない、
日本と交渉している。前の皆さんの
答弁を見ると、これはシーブルックさんに聞いてみなければわからないと言っている。そうじゃない。なぜならば、契約上契約を変えることができるからであります。
いま皆さんのお手元にこの契約書を差し上げたつもりでありますが、この契約書をごらんをいただければわかります。
「第一項 輸送契約」、これは実は大変に長いもので、全部ここにお出しをするなんというと、どうも自分の私財を投入しなければなりませんから、貧乏代議士でどうも大変恐縮なんでありますが、これでお許しいただきたいのであります。これは英文で七十五ページあるのですよ。別紙のAとBがくっついている。べらぼうに長い。こんなものは全部出せません。二十九条ございます。この「第一項 輸送契約」をごらんになるとわかりますが、「売り主は、インドネシア側設備から、本契約にもとづき、販売され受け渡される」NGを、その受け入れ設備まで継続的に輸送する責任を有する。そして売り主は、この
目的のために、一九七三年九月二十三日付で、プルタミナとバーマスト・イースト・シッピング・コーポレーション(“バーマスト”)の間に輸送契約(“トランスポーテンション・アグリーメント”)を締結した。」。この次が問題である。「これに基づき、バーマストは、本契約に基づき、販売され、受け渡されるすべてのLNGを輸送するためのLNGタンカーを手配する義務を負うものとする。」。バーマが義務を負う。だが、次のところで、「売り主は、買い主と協議のうえ、本契約の要求を満たす他の」、バーマではない、「他のLNGタンカーを用船することができる。」と言って、ぴしっと切ってある。マルがついている。そしてこの二つを受けて、「しかしバーマスト手配のLNGタンカーが使用不可能であったり、すでに就航中のLNGタンカーが就航不能となり、追加ないしは代わりのLNGタンカーが本契約の
目的のために必要とされる場合には、買い主は売り主に他のLNGタンカーの利用を申し出ることができるものとする。」。
日本側にも権利がある。全く関係ないどころじゃないじゃないですか。三月に間に合わないのでしょう、ゼネラル・ダイナミックスのタンカーは。間に合わないなら、
日本の方から、他のタンカーを使えと言って、物を言うことができるようになっているのです。しかも、その前段の二つ目を見てごらんなさい。「売り主は、買い主と協議のうえ、本契約の要求を満たす他の」、これは
一つ目のバーマストではない、「他のLNGタンカーを用船することができる。」と、ちゃんとなっているではありませんか。だから、ゴタース・ラーセンを抱えているIUインターナショナルのシーブルックスさんが堂堂と
日本に来て、
日本経済新聞にこれだけの広告を載せるじゃないですか。しかも、このゴタース・ラーセンなるIUインターナショナル傘下の
企業と契約を持っているのは
日本の三光汽船じゃないですか、河本さんの。しかもゴタース・ラーセンは、いち早く川崎重工に二隻のLNG船を注文しているじゃないですか。このLNG船の当てはない。フリー船だという。ゼネラル・ダイナミックスという
企業は七隻発注を受けて融資は受けてしまった。全くつくらなければ問題にならぬ。二隻はつくるでしょう。二隻つくるタンカーは一億ドルのものを昨年一億五千五百万ドル。五百がくっついている。五百というのはどうも一隻当たりのリベートだと、こういう。わざわざ五くっついている。それをめぐって昨年大騒動をやった。後、やめるかもしれぬ。向こうに用船権を与えたからといって損をしないようにちゃんと
日本のトンネル
会社、悪名高きファー・イースト・オイル・トレーディング、ある新聞が利権分け取り
会社と書いてある、この
会社を称して。そこが株主に入っているじゃありませんか、ちゃんと。そういうことになっていて、取るものは取り、途中から契約は変えられる。だから着々と準備が進んでいる。川崎重工がタンクができましたといって、近くのホテルで時の通産
大臣河本さんも出席をして、ゴタース・ラーセンの
社長だなんだ、みんな来られて大パーティーをやりました。そうでしょう。五十一年ですよ、去年の一月ですよ、両方とも。
だから田村さんにここでひとつ念を押したいのですが、運輸省に権限があり、進めてきたのだ。これがぱたっとなくなった。そのために中山素平さん以下みんな集まって会合までやって、通産省まで出ている。最後の運輸省の皆さんのせりふは、そう言われてみれば確かにこのLNGの輸送をどうしても
日本が持たなければならぬといういわれもない、というようなことでおしまいになった。やりたかったのですよね。日商だって一生懸命やった。いまでも残念がっている。そうでしょう。そうすると、権限はなくはない。ぴたりととめた何者かいるとすれば、事件はきわめて重大であります。しかも、ここで念のために申し上げておきますが、私が調べた限り朴東宣さんは
日本に三十二回来ておられますけれども、これは朝日ジャーナルでありますけれども、朝日ジャーナルが朴東宣人脈を解明されている中に何と書いてあるかというと、朴東宣の側からの人脈は、先ごろのインドネシアLNGの輸送契約問題をめぐって彼の名が疑惑の対象となったように、秋山竜元運輸次官から――これは秋山さんがどうというのじゃないですよ、人脈なんだから。そういう意味じゃない。悪くとっていただきたくはないのだが、若狭全日空
社長、そして笹川良一氏を含む
日本の海運人脈と深いつながりがあり、またジ・ラインの松永寿
会長とも親しい関係にある、こうなっている。それから、岸元首相に近い重光ロッテ
社長だとか、あるいは児玉系の、さっき私が東亜相互
企業を挙げましたが、町井久之さんだとか、親交があるとされていると書いてある。いかにでも手を打とうと思えば打てる立場にいる。間違いない。だから、私がここに秋山さんと言ったのは、これは書いてあるから言ったので、もちろんこの人だというわけでない。ないが、こういう力を持っている、これだけは間違いない。そうすると、これはお調べいただきませんと不自然過ぎる。
時間がございませんから、もう一点申し上げておきます。価格も、いままで通産省は一遍も価格について答えていない。
外務委員会におけるうちの河上さんの質問でも、
幾ら幾らであろう、高過ぎるであろうと言われれば、言われた価格について否定はしないなんと言っている。皆さんの方から言わない。ところが、これを見てごらんなさい。これは明確なんだから。LNGエレメントというのと輸送エレメントというのをちゃんと二つ分けている。しかも、〇・九九米貨ドルというのはLNGエレメント、第八条の第一項であります。〇・三〇米貨ドルというのはみなし輸送コスト、輸送エレメント、ちゃんと二つに分かれている。高過ぎますよ。こんなばかな話はないですよ。〇・九九米貨ドルによるこのときのLNGだけの――通産省はごまかして、FOB、CIF、これを一緒にFOBにかえれば、河上さんに対する
答弁で、アメリカに行くのと
日本に来るのと同じだと、こう言う。うそおっしゃい。だから私が資料要求をしたらあなたの方は平均を出してきた。出さない。ふざけた話であります。〇・九九米貨ドルというのはLNGそのものの値段だ。もちろん百万BTUであります。英国の百万BTu。だが、〇・九九米貨ドルというこれは、当時の国際価格は〇・六六なんだ、ないしは〇・六〇なんだ。〇・六〇や〇・六六のものを〇・九九と、何でこんなことを契約書で決めたかというんだ、問題は。冗談言っちゃいけませんよ。FOBに直すなら、〇・三のみなし輸送コスト、これがFOBならば、こっちが輸送すればこっちへ来る、それだけのこと。明確になっているものを何でごまかしていままで延々と
答弁してくるのですか、通産省は。もってのほかだ。
しかもこの契約は毎年三%ずつ価格が上がるようになっている。しかもミナス原油等の値上がりに比べて、そっちが上がって高ければ青天井でそっちにいくことになっている。しかも船
会社の船の建造費が上がったら、上がった分は全部
日本に割り掛けることになっている。しかも消防船など見てごらんなさい、ふざけた話で、これは全部
日本で、いいですか、この契約で明確になっております。消防船や何かの危険負担をするためのいろんな船をつくる、つくるのも
日本、しかも運航費も
日本、全部
日本がやる、こんなばかげた契約がどこの世界にありますか。これをお読みください。時間がないからもう細かいことを言いませんが、警戒船、船が危ないからいろいろ走り回るわけですが、そこらの船も全部
日本がつくって
日本が負担する、そんなばかな話がありますか、一体。商業ベースというものを考えてごらんなさい。
幾ら仁義がどうだとか抗弁しても、みんなうそっぱち。ごらんになったらわかるじゃないですか。ここに利権がつかなくて一体何が疑惑だというんだ。そうでしょう。ぴたっとやめた。そうして
日本が株主になって入っていっている。利権分け取り
会社だ。
私はこれは田村さんにここで承りたいのですが、延々と疑惑が続いているんだから、一遍これは田村さんお調べいただきたいのですが、いかがでございましょうか。