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1977-05-26 第80回国会 衆議院 物価問題等に関する特別委員会 第16号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
五十二年五月二十六日(木曜日) 午前十時三十三分
開議
出席委員
委員長
西宮
弘君
理事
青木 正久君
理事
砂田 重民君
理事
金子 みつ君
理事
中川 嘉美君 愛知 和男君 関谷
勝嗣君
友納
武人君 中西 啓介君
中村
靖君 平泉 渉君 堀内 光雄君
中村
茂君 宮地 正介君
藤原ひろ子
君 依田 実君
出席国務大臣
国 務 大 臣 (
経済企画庁長
官)
倉成
正君
出席政府委員
公正取引委員会
事務局経済部長
吉野 秀雄君
公正取引委員会
事務局取引部長
長谷川
古君
経済企画庁国民
生活局長
井川
博君
経済企画庁物価
局長
藤井 直樹君
委員外
の
出席者
大蔵省銀行局
総
務課長
宮本
保孝君
食糧庁総務部長
小野 重和君
物価問題等
に関 する
特別委員会
調査室長
芦田 茂男君 ————————————— 本日の
会議
に付した案件
物価問題等
に関する件 ————◇—————
西宮弘
1
○
西宮
委員長
これより
会議
を開きます。
物価問題等
に関する件について
調査
を進めます。
質疑
の
申し出
がありますので、順次これを許します。
中村靖
君。
中村靖
2
○
中村
(靖)
委員
私は、戦後一貫して取り上げられ、一向に解決されない、古くて新しい問題である
歩積み
両
建て等
のいわゆる
拘束預金
の問題を初め、
金融機関行政
に関する幾つかの点について、きょうは
質疑
をさせていただきたいと思います。 申すまでもございませんけれ
ども
、わが国の
産業経済界
の発展を
考え
る上において、
全国
で五百十一万
事業所
のうち九九・七%が
中小事業者
である、そこに三千万人の
方々
が従事をされておる、こういう
中小企業
の健全な育成をなおざりにすることは絶対にできないわけであります。彼らがいま一番悩んでいるのは、まず何よりも仕事が欲しいということ、そして、
金利負担
が余りに大き過ぎるということではないかというふうに私は思います。 そこで、まず
大蔵省
にお伺いをいたしたいと思いますけれ
ども
、これだけ何十年という長い期間にわたって大きな社会問題になってきておるこの
拘束預金
について、
公正取引委員会
はすでに二十五回、
アンケート調査等
を実施してこられておるわけですけれ
ども
、
大蔵省
は昨年の春初めて
債務者側
に対する
実情調査
をなさったわけであります。なぜこれだけの重要な問題について、
金融機関側
だけでなしに
債務者側
に対して
実情
の
調査
を
大蔵省
としてなさらなかったのか、何か
理由
がありましたら、それをお聞かせいただきたいと思います。
宮本保孝
3
○
宮本説明員
先生
御
指摘
のとおり、確かに
債務者
を
対象
にいたしました
調査
は、昨年初めて行ったわけでございますが、それは
公正取引委員会
の方がかなり前から、これも御
指摘
でございますけれ
ども
、実施いたしておりまして、私
ども
は
金融機関
を監督しておりました
関係
上、
債務者
に対して直接に
調査
をするというのは、
行政管理庁
の方の法律がございまして、
国民
に
統計作成
のために
余り負担
をかけてはいけないというふうなことがございまして、
公正取引委員会
でやっておられるものでございますから、またここで
大蔵省
がダブって
債務者
に対して
調査
をするというのはどんなものかというふうなことで、なかなかできなかったわけでございますけれ
ども
、先年来、国会におきましてもこの問題につきまして真剣に御論議いただきまして、ひとつ
大蔵省
としても
調査
をしてみたらどうかというふうな御示唆もございまして、
行政管理庁
とかけ合いまして、それでは
公正取引委員会
とは別の見地から
大蔵省
がやるならば認めてもよろしいというふうなお許しを得まして、去年実施に踏み切ったということでございます。
中村靖
4
○
中村
(靖)
委員
いままで
アンケート調査
をなさらなかった事情をいま伺ったわけですけれ
ども
、こういう大事な問題で、
調査
をされる側の
負担
というものももちろん無視はできないかもしれませんが、しかし、昨年の
調査
は
中小企業
三千社を
対象
におやりになった。
公取
と同じ
会社
に
調査
を依頼されたわけでもないでしょうから、私はそれは余り
理由
にはならぬと思うのでございます。せっかく昨年初めておやりになったわけで、
大蔵省
としては今後もこういう
調査
を
定期
的にお続けになるおつもりでしょうか。
宮本保孝
5
○
宮本説明員
私
ども
といたしましては、この
アンケート調査
を例年やっていきたいというようなことで
予算要求
をいたしておりまして、毎年
予算
は計上していただいております。したがいまして、今後もできれば続けてやっていきたい、こういうふうに
考え
ております。
中村靖
6
○
中村
(靖)
委員
もう
一つ
この
調査
のことで伺いますが、この
調査
はいわゆる
記名式
で
回答
を受けておられるのでしょうか、あるいは無
記名式
なんでしょうか。
宮本保孝
7
○
宮本説明員
記名式
でございます。
中村靖
8
○
中村
(靖)
委員
記名式
といまおっしゃいましたけれ
ども
、
回答
が全部
社名入り
あるいは
代表者名入り
で
大蔵省
の
手元
に届いておりますのですか。
宮本保孝
9
○
宮本説明員
種々
ケース
がございまして、無
記名
で
回答
が来ているのもございます。
中村靖
10
○
中村
(靖)
委員
いままで
公正取引委員会
で二十五回、毎年二回ずつ
調査
をおやりになった。
大蔵省
も、先ほど申し上げたように、昨年春初めて
調査
をなさいました。確かにいままでの
調査
結果を見ますと、
昭和
三十九年に初めて
公正取引委員会
が
調査
をされたころに比較して、いわゆる狭義の
拘束預金
はかなり減ってきておるというふうに思いますし、その間の
大蔵省並び
に
公正取引委員会
の御
努力
というものは私は大いに多とするものでございます。しかし、それでもいまだに
金融機関
からそれとなくにらまれているというような、いわゆるにらみ
預金
というのがまだまだ後を絶っていない。
大蔵省
の
調査
によりましても、一〇・九%もにらみ
預金
があると言われておるわけでありますし、そういったにらまれている
預金
を
債務者
が
金融機関
に引きおろしにいったときに、
現実
に引きおろしを拒否されたという
ケース
も二〇・四%あるということでございます。
債務者側
はこういった問題についていろいろな
不満
を感じておる、これは偽らざる事実だと私は思うのです。この
不満
を、どこかにこの
苦情
を言いに行きたいということはもちろんあるわけでしょうけれ
ども
、
現実
には、いまたとえば
取引先
の
銀行
の
窓口
に
相談
をするとか、あるいはたとえば
銀行協会
を初めとする各
金融機関
の
関係協会
に申し入れをするとか、あるいはもう少し熱心な方はたとえば
公正取引委員会
の
取引課
に
苦情
を持ち込むとか、あるいは
大蔵省
の
財務局財務部
に
申し出
る、こういうようなことで、現在の
窓口
はいま私が申し上げたようなところになっておるわけでありますけれ
ども
、
調査
によると、
苦情
を申し入れた
方々
というのは実は非常に数が少ない。こういった
窓口
に
苦情
を
申し出
たのはわずかに四・八%にすぎない。
取引先
の
金融機関
に
苦情
を申し入れたのは四・二%、
大蔵省
の
財務局
や
財務部
に
申し出
た数というのはわずかに〇・一%にすぎない。七〇・六%はこういう
不満
を感じながら
苦情
を
申し出
たことがないと答えておるわけでございます。 これは
大蔵省
と
公正取引委員会
と両方からお聞きをいたしたいのでありますが、いままでのこういった
苦情処理
の
実情
あるいはどういった
行政指導
をなさったか、そういう点について、簡単で結構でございますが、伺いたいと思います。
宮本保孝
11
○
宮本説明員
私
ども
といたしましては、
財務局
とか
財務部
に
苦情受付所
を設けまして、
申し出
るようにということを
皆様方
に申し上げているわけでございますけれ
ども
、現在まで、確かに御
指摘
のとおり、非常に少のうございまして、五十年度が三十六件、五十一年度が三十七件。ただ、ことしからは非常にふえまして、実は去年の十一月に新しい
通達
を出しまして、私
ども
といたしましても新聞あるいは
週刊誌
、
テレビ等
を通じまして、
財務局
とかあるいは
銀行協会等
におきます
苦情相談所
にどしどしお
申し出
いただきたいということをPRいたしました結果、五十二年度に入りまして四月中一月で二百五件というふうな
苦情
の
申し出
がございます。したがいまして、私
ども
といたしましても、この点につきましては今後十分留意していきたい、こういうふうに
考え
ている次第でございます。
中村靖
12
○
中村
(靖)
委員
いろいろ御
説明
があって、最近は非常にPRも行き届いて、そういった
苦情処理
の数もふえてきたという
お話
で、私は非常に結構な
傾向
だというふうに思いますけれ
ども
、
拘束預金
の問題というのは、
債務者側
は大きな
不満
を抱えながらどうも
金融機関
に
苦情
を言いにくい、また、もし何々
会社
のだれだれがこういうことを
役所
なり
銀行
なりにいわゆる文句をつけたということになりますと、
言葉
は悪いかもしれませんが、しっぺ返しを食うというような
心配
が非常にあるわけですね。もしかたきをとられたら、
会社
はにっちもさっちもいかなくなるというような
心配
もあるわけです。そこで、いままでのこういういわゆる
苦情処理窓口
というのが、たとえば
一つ
の例として
公取
を挙げますと、
公正取引委員会
では
取引部取引課
で
苦情
を承る、それからたとえば
全国
の八カ所の
地方事務所
でもってやはりそういった
窓口
を置くというようなことをなさっておりますけれ
ども
、しかし、これでも
全国
にほんの何カ所かしかそういう
窓口
がないということになってしまうわけですし、こういう問題は、
債務者
がもう少し堂々と胸を張って、遠慮なく率直に
苦情
を言い、またいろいろ教えてもらい、
指導
を受けるというような
機関
がどうしても必要じゃないか。 そこで、きょうはせっかく
経済企画庁長官
が御
出席
でございますので、
長官
に御意見を伺いたいのでございますが、そういう
意味
で、できれば民間も参加したような形で
第三者
的な
苦情処理機関
というものを新設すべきじゃないだろうか。そこで安心してわれわれが御
相談
にあずかれる、そこでいろいろ
指導
を受けて解決できれば一番いいんですけれ
ども
、なかなかそれで解決できない問題も多いと思いますので、そういう場合には
第三者
的な
苦情処理機関
を通じて、たとえば
大蔵省
なりあるいは
公取
なり、あるいはたとえば
銀行協会
なり各
銀行
なりにいろいろな
指導
をしていただくといったような、間にワンクッション入れたような形の
機関
というものがどうしてもこの際あるべきじゃないだろうか、こういう気持ちが私は強いのですが、
長官
、いかがでございますか。
倉成正
13
○
倉成国務大臣
拘束預金
の問題につきましては、しばしば
予算委員会
あるいは
大蔵委員会
、またその他の
委員会
におきましても問題となりまして、その都度
大蔵大臣
から、この問題についてはさらにそういう
拘束預金
によって
債務者
の方が非常に大きな
負担
にならないように
指導
するということが言われておりまして、特に最近におきましては当局の
指導
もかなり進んで、ただいまの
質疑応答
にもありましたように、
拘束預金
、にらみ
預金
というのが減ってきたことは事実でございます。しかし、いま
中村委員
の
お話
のように、そうでありましても、まだまだ
お金
を貸す方と借りる方の
立場
ということを
考え
ると、どうしても借りる方の
立場
が弱いものですから、やはりこういう
拘束預金
あるいはにらみ
預金
というものが残っておることも事実であろうかと思います。ただ、この解決の
方法
として、やはり一義的には、
銀行
と
借り入れ関係
の
企業
との問題でありますから、
当事者同士
で円滑に話が進むということが一番望ましい
方法
であり、先ほどの
総務課長
からの
お話
のように、
銀行協会
やあるいはその他の
窓口
の
整備
ができておるわけでございます。しかし、それでも足らないからどうするかということで、
中村委員
の御
提案
は、実は
国民生活審議会
が四十八年二月二十七日に
答申
をいたしておりまして、その中においてちょうど
中村委員
と同じような
苦情処理窓口
の拡充、
第三者
を含めた
苦情処理委員会
の
設置
などその体制の
整備
を図ることが必要であるという
一つ
の
答申
を出しておるのでございます。私も多少
財政金融
の
関係
に携わってまいりましたけれ
ども
、実際どういう
第三者
の
苦情処理委員会
かということになると、非常にこれはむずかしい問題なものですから、まだこの問題について具体的な構想というのが固まっていないというのが
実情
でございます。 したがいまして、これはやはり
監督官庁
であります
大蔵省
を
中心
に、そういう
借り手
の
立場
の
方々
が今日
相当努力
をしておられるけれ
ども
、なおかつまだ
苦情
が、
借り手
の
不満
が残っているという問題にどうやって取り組んでいくかということを、ひとつ
監督官庁
である
大蔵省
を
中心
に
考え
ていただきたいと思いますし、われわれもまた何らかの形でお手伝いをしたい、そう思っておる次第でございます。
中村靖
14
○
中村
(靖)
委員
長官
、ひとつぜひ
関係官庁
で御
相談
をいただいて、できればやはり気楽に御
相談
に行けるような
機関
というものの
設置
を私はぜひ
お願い
をしておきたいというふうに思っております。
大蔵省
は、昨年の
大蔵省
の
調査
結果を踏まえられて、昨年の六月と十一月に
銀行局長通達
を出されました。特に十一月の「
歩積
・両
建預金
の自粛の強化について」と題する
通達
におきましては、たとえば
債務者
の
手元
に
預金証書
が保有されている
預金
は非
拘束預金
として扱うということを徹底する、また
債務者側
の逆
相殺権
を認めることを
取引約定書
に明記させるといったような強い姿勢で
行政指導
に乗り出されたわけですけれ
ども
、実際に
大蔵省
はこういった
拘束預金
についていままで
現実
にどういう
チェック
をなさっていらっしゃるのか、あるいは
行政指導
をなさっていらっしゃるのか、少し具体的にお伺いしたいと思うのです。 これは、最近は
銀行
も非常に要領がよくなってきたというか、あるいは利口になってきたというか、たとえば
貸し付け
や
手形割引
の日から少しずらして、一、二カ月おくらせてその
預金
をしてくれとか、あるいは
自分
の店に
預金
をするとばれるから本店や別の
支店
に
預金
をしてくれとか、あるいは
自分
のところの
預金
をおろして
定期
にするというのはどうもまずいから、それはやめてよそから
お金
を持ってきてくれとか、それから
債務者名義
でない
個人名
や無
記名
の
預金
を要求するとか、やり方がどうも陰にこもって、ぐあいの悪い
傾向
があるやに聞いておるわけでありますけれ
ども
、そういったような点をどういうふうに
チェック
をされておるのか、
実情
を少しお聞かせいただけないでしょうか。
宮本保孝
15
○
宮本説明員
私
ども
といたしましても、いま
先生
御
指摘
のとおり、
銀行側
が非常に巧妙になってきているというようなことは耳にいたしております。私
ども
といたしましては、この問題につきましては、先ほど御
指摘
のような
アンケート調査
とか、あるいは
財務局
、
財務部
あるいは
銀行協会等
の
苦情
の
受付
に出てまいります
ケース
、あるいは一番重点を置いておりますのは
銀行検査
でございますけれ
ども
、
歩積み
両
建て
を主眼にいたしました
検査班
を編成いたしまして、常時パトロールするというふうなことでやっておるわけでございますけれ
ども
、やはり限界がございます。どういたしましても
銀行側
といたしましてもいまおっしゃいましたような点がございますので、
個々
の
ケースごと
に私
ども
はその実態を把握いたしまして、そして
ケース
が出てまいりますれば、厳重な注意なり、あるいは
担当役員
をはっきりと登録させておきまして、余りひどい
ケース
でありますれば、
担当
の
役員
に厳しく
責任
をとってもらうというふうなことをやっておりまして、そういう
意味
におきましては、
先生
御
指摘
のような
個々
の
ケース
につきまして具体的に
苦情
が出てまいる、私
ども
の耳に入るということが一番必要じゃないかと思います。そういう
意味
におきましては、まだ
第三者
的なものは設けられておりませんけれ
ども
、
財務局
なりあるいは
銀行協会等
の
相談所
にどんどんお
申し出
いただきたいということを、最近ようやくPRし始めたということでございます。せっかく
努力
しておるわけでございます。
中村靖
16
○
中村
(靖)
委員
私が調べたところによりますと、たとえば非常に悪質な
ケース
があった、
大蔵省
がこれをキャッチした、その場合に、これが
銀行
の場合には
銀行協会
に、こういう
ケース
があったからという
文書
を
加盟銀行
に流させた、そういう
行政指導
を
大蔵省
がされた事実があるようですけれ
ども
、それも私がいろいろ調べてみますと、何々
銀行
何々
支店
がこういうことをいたしましたという具体的な
銀行名
とか
店名
は書いてないらしいのですね。つまり、こうこうこういったような
ケース
が起きましたという、漠然としたことで
文書
には載っておる。そんな手ぬるいことではいけないんで、やはり具体的に
銀行名
なり
店名
なりはっきり書いてそういう
通達
も出していただかなければいかぬと思うし、むしろそれ以上に、こういうことを
金融機関内部
に知らしめるということも大切でしょうけれ
ども
、
一般
の市民にこの
銀行
はこういうけしからぬことをしたということを、非常に悪質な場合には知らしめる必要がある。そういう
意味
で、
大蔵省
は
行政指導
をする上において、非常に悪質な場合には
一般
に公表するというようなことをお
考え
になっているのか、あるいはこれは制度的にできないのか、その辺いかがなんですか。
宮本保孝
17
○
宮本説明員
たとえば
架空名義預金
を預かるとか悪質なものについては公表したらどうかというような御
提案
もちょうだいしたことがございます。ちょうど似たような
ケース
だと思いますが、金銭的な
取引
というのはプライベートな面も多分にございまして、
歩積み
両
建て
問題につきましても、
個々
の
ケース
につきまして白、黒の判定をすることはなかなかむずかしいところがございまして、一概にすべて公表するというような点はなじまないかもしれませんけれ
ども
、
先生
御
提案
の趣旨につきましては私
ども
十分理解できますので、今後の
検討課題
にさせていただきたいと思います。
中村靖
18
○
中村
(靖)
委員
ぜひ
検討課題
にしていただいて、よほどひどいときには公表するぐらいの思い切った処置を
大蔵省
はとっていただかないと、いつまでたっても
中小零細業者
は
金融機関
に振り回されるということがなくならないと思います。ぜひ
お願い
をしたいと思うのです。 それに関連いたしまして、私は先日、親しくしているある
中小企業
の社長からこういうことを聞きました。最近、
銀行
がうるさくて困ります。ここのところ、ある
銀行
から、
自分
の
銀行
はもうすぐ創立百周年を迎える、
幾ら幾ら定期
をしてほしい、どうしても
定期
をしていただけないんだとすると、残念だけれ
ども
貸出金利
の面で扱いが不利になりますということを言われて、実はほとほと困っておるという話を聞いたのです。これは
現実
の問題です。つい最近の問題です。これなどは必ずしも
拘束預金
ということではないのかもしれません。しかし、
金融機関
が何か
一つ
の
自分
の方のお祝い事で、むしろ百周年なら
銀行
から何か品物でも配ってくれるのがあたりまえだと思うのですけれ
ども
、逆に
預金
をしろとは、非常におかしい。これは
一つ
の例でして、たとえばやれ頭取がここのところでかわりましたとか、あるいはまた
支店長
が交代しましたとか、あるいは
支店
の店舗の開設何周年でございますとか、こういった
理由
で
預金
を
強要
する
金融機関
というのはまだ非常にあります。これなどは独禁法上の不公正な
取引方法
の
一つ
である、
取引
上の優越した
地位
の
乱用行為
に該当するんじゃないだろうかというふうに私は思うのですけれ
ども
、その辺、
公正取引委員会
はどうお
考え
ですか。
長谷川古
19
○
長谷川政府委員
お答えいたします。 具体的な事実を存じませんので、余りはっきりしたことは申し上げられませんけれ
ども
、
取引
上の
優越地位
を乱用いたしまして、相手方にとりまして不当に
不利益
な
条件
で
取引
するということは不公正な
取引方法
になっております。 ただ、御
指摘
の件が不当に
不利益
な
条件
での
取引
と言えるかどうか、少し具体的に検討いたしませんと何ともお答えしかねますけれ
ども
、
一般
的には不公正な
取引方法
になる場合もあり得るということかと思います。
中村靖
20
○
中村
(靖)
委員
公正取引委員会
の問題だけではなしに、やはり
大蔵省
の
銀行局
としての
行政指導
にまって
——金融機関
も
預金競争
があります。これはもう
現実
の問題ですから、私もこれを無理になくせとは決して申さないわけですし、
銀行
や信用金庫が
定期預金
をふやしてくれという要望は、一これは商売ですから、むしろ当然だと思うのですけれ
ども
、これをしなければ云々といういろいろ
条件つき
でいわゆる
中小企業者
を圧迫する、無理を言うということはこれからさせてはならない。そういう
意味
で、ぜひ
大蔵省並び
に
公正取引委員会
のそういったことの起こらないような
指導
をこれからお
順い
をしておきたいと思っております。 それからもう
一つ
、これは昨年、
経済企画庁
が
全国地域婦人団体連絡協議会
、
地婦連
という
団体
だと思いますけれ
ども
、この
地婦連
に
調査
を依頼いたしました
金融
、保険の
表示等
に関する
消費者
の
意識調査
というのをされたわけでありますが、その中で、
消費者
がたとえば
住宅ローン
とか
自動車ローン
とか
トラベルローン
とか、そういうものを利用する際に
定期預金
を
強要
、強制されたという
ケース
が、この
調査
によると全体の一三・五%もあったという報告がなされておるわけであります。私が最近調べたところによりますと、たとえば
建て売り業者
が
お客
さんに建物を売る、これに
お客
さんの便宜のために
ローン
をつけたい。そのために
銀行
に半ば強制的に
建て売り業者
の方が
預金
をさせられる。
建て売り
を買う方ではなくて、
建て売り業者
の方が
銀行
に
お礼
の
預金
をさせられる。名づけて、
協力お礼預金
というのだそうです。つまり、そういう
消費者
の零細な
ローン
を利用するというようなことに関してまで直接、間接にこういった動きが、
金融機関
の
預金強要
というようなことが行われている。 こういうことはやはり実質的な
金利
の上昇にも結びついてくるわけですし、ひいては物価問題を初めとする
国内経済
の問題にも
関係
してくるだろうと思うので、特にこれは
経済企画庁
が御
調査
をなさったことでもありますので、簡単で結構でございますが、
長官
にこのことについて御見解を伺いたいと思います。
井川博
21
○
井川政府委員
いまここにデータを持ち合わせませんので、具体的にどういうパーセンテージが出ているかということは承知いたしませんが、
地婦連
の
調査
の中にたしかそうした
該当項目
があったと思います。実は、
中小企業等
に関する
歩積み
両
建て等
の問題ほど
消費者預金
における
歩積み
両
建て
の問題は問題化いたしておりません。と申しますのは、むしろ
金融
的にいま
金融機関
が大いにこれから伸ばそうとしている
分野
ではございますけれ
ども
、
現実
にはきわめて信用度の強い
消費者
にしか
ローン
が行きわたっていない。そういう
意味
では、これから伸ばしていってもらわなくちゃならぬ
分野
だというふうな
考え
方が成り立つのじゃないかと思っております。しかし、その少ない
ローン
の中にもやはり
定期預金
の
強要
というふうなことがあるとすれば、これは先ほどの
中小企業等
に対する
歩積み
両
建て等
の問題と同じように、
関係各省
とも十分話し合って、そういうことがなくなるような方向になっていかなくちゃならぬだろうというふうに
考え
ておるわけでございます。
中村靖
22
○
中村
(靖)
委員
時間が参りましたのでこれで終わらせていただきますけれ
ども
、非常に重要な問題であると同時に、むずかしい問題だと思いますが、ぜひ御
関係
のそれぞれの
役所
におきまして十分な御
指導
をこれからもいただきたいと思います。 最後に、これは私の言っておる
言葉
ではないのですが、私の知っておりますある
中小企業経営者
の独自、
ひとり言
をつけ加えさせていただきたいと思います。私がかわって発言をするわけです。 とにかく
金融機関
は横暴です。
貸し付け
や
手形割引
に見合う
物的担保
は十分過ぎるほど取り、
連帯保証
で
無限責任
を負わされ、その上
預金
をしろ
預金
をしろと言う。すべての財産を
金融機関
につぎ込んで、そして実質
金利負担
は莫大だ。私は
会社
や社員のためにではなく、
銀行
のために働いているようなものだ。私は、将来
銀行
の幹部を呼びつけて頭を下げさせることのみ夢見て、死にもの狂いで仕事をしているのです。 この
中小企業経営者
の
ひとり言
をもって、私の質問を終わらしていただきます。
西宮弘
23
○
西宮
委員長
中村靖
君の
質疑
は終わりました。 次は、愛知和男君。
愛知和男
24
○愛知
委員
五月の末ともなりますと、お米の値段の問題がそろそろにぎわいを持ってくるわけでございますが、先日も実はわれわれ
委員会
が塩釜、仙台にお魚の値段の問題で
調査
に参りました。その際に
消費者
団体
との懇談会があったわけでございますが、
消費者
の
皆様方
も、これからお米の値段がどうなるのだろうかということで大変
心配
をしておられたわけでございます。また、きょうのある新聞によりますと、米価の引き上げについて報道がされておりまして、これからいろいろ各方面からお米の値段についての議論が重ねられていくわけだと思いますが、きょうは限られた時間でもございますので、余り突っ込んだ議論はできかねると思いますけれ
ども
、ひとつお米の問題につきまして、幾つか政府のお
考え
、取り組み方と申しますか、お聞かせをいただきたいと思います。 まず初めに、現在の
消費者
米価は六十キロ当たり一万三千四百五十一円、こう言われておりますけれ
ども
、これを庶民にわかりやすく言いかえまして、茶わん一杯の御飯というようなことで換算をすると、どれくらいになるのでしょうか。
小野重和
25
○小野
説明
員 一食大体百グラム普通食べますが、お茶わん二杯ぐらいです。したがいまして、茶わん一杯ですと五十グラムになります。一方、
消費者
米価でございますが、標準価格米を例にとりますと、十キロ当たり二千七百四十円でございます。したがいまして、五十グラムということになりますと、お茶わん一杯十四円ということになります。
愛知和男
26
○愛知
委員
いま日本人は一日平均何杯ぐらいの御飯を食べているのでしょうか。何か資料はございますか。
小野重和
27
○小野
説明
員
国民
一人当たりのお米の消費量でございますが、最近は一年で八十八キロでございます。ということになりますと、一日当たり二百四十グラムになりますが、二百四十グラムということになりますと、先ほど申し上げましたように、茶わん一杯五十グラムですから、おおむね五杯程度ということになります。ただ、八十八キロという一人当たりの消費量はお米全体でございます。したがいまして、御飯で食べるものもありますし、それからお酒にするのもありますし、せんべい、みそ、いろいろあります。したがいまして、御飯で一日五杯食べるというわけではありませんが、それに相当する、こういうことでございます。
愛知和男
28
○愛知
委員
そのうちのいわゆる御飯というのは、どれくらいだかわからないのですか。いわゆる主食である御飯としてどれくらい。
藤井直樹
29
○藤井(直)政府
委員
家計
調査
で見まして米の消費を計算いたしますと、五十一年の歴年で約五十一キロでございます。したがいまして、それが先ほどの御
説明
の八十八キロのうちの食用分だということになるかと思います。主食用ということになるかと思います。
愛知和男
30
○愛知
委員
五十一キロということになりますと、それは、ちょっと計算していただけますか、御飯にすると何杯ぐらいになるのでしょうか。
藤井直樹
31
○藤井(直)政府
委員
御飯にしますと、一日三杯ぐらいじゃないかと思います。
愛知和男
32
○愛知
委員
そうしますと、これも計算すればわかるのかもわかりませんけれ
ども
、一日のいわゆる御飯代というのは、一人当たり幾らぐらいになりますでしょうか。
小野重和
33
○小野
説明
員 三杯ということですと、標準価格米で申し上げますと、先ほど申し上げましたように、一杯十四円でございますから、四十円台というようなことになろうかと思います。
愛知和男
34
○愛知
委員
そうすると、およそ一日に食べる御飯代として平均一人四十数円ということでございますが、この値段は、いわゆる家計の上で占めるウェートというのはどれくらいになっておりますでしょうか。
小野重和
35
○小野
説明
員 約三%でございます。
愛知和男
36
○愛知
委員
この三%というのは、主食の家計におけるウェートでございますが、外国に比較してどの程度かというようなことがおわかりでございましょうか。
小野重和
37
○小野
説明
員 ちょっと
手元
に数字がございませんが、外国の場合ということになりますと、パンに相当するかと思いますが、いわゆる欧米の国でございますが、食べる物の中のでん粉の量——でん粉比率、こう言いますが、これは生活が向上するに従って低くなるということでございますので、たとえばアメリカ、ヨーロッパもそうでございますが、パンの全体の食品に占める比率というのは日本よりは少ないと思います。数字は
手元
にございませんが、そういうことが言えるかと思います。
愛知和男
38
○愛知
委員
日本人はだんだんお米を食べなくなってきているという話をよく聞くのでございますけれ
ども
、事実はどうなんでしょうか。
小野重和
39
○小野
説明
員 お米の消費量、これは主食のみならず、酒やら何やらほかの一切をひっくるめての話でございますが、戦後一番多かったのは
昭和
三十七年でございます。一人当たり百十八キロ食べておりました。現在では、先ほど申し上げましたように、八十八キロということになりまして、減ってまいっております。 その減り方でございますけれ
ども
、たとえば四十年の前半では年率二・六%くらいの減り方でありますが、最近では減り方が少なくなってまいりまして、最近の数年では年率一・五%の減少ということになりまして、ごく最近では、一・五と申し上げましたが、減り方は非常に少なくなってきたということでございます。 いずれにしましても、お米の消費量が一人当たり減ってきていることは間違いないのでありますが、その原因は、先ほ
ども
ちょっと申し上げましたが、
国民
の食生活の中におけるでん粉比率は、どうも所得がふえるに従って減ってくる。何にかわるかということになりますと、畜産物とかあるいは砂糖、油脂、こういうものにかわってきておる、こういう食生活のパターンの変化によるものが非常に大きいというふうに私
ども
考え
ております。
愛知和男
40
○愛知
委員
最近は少しずつその減り方が減ってきたという
お話
でございますが、その
傾向
は今後はどんなふうになっていくだろうと見ておられますか。
小野重和
41
○小野
説明
員 一人当たりのお米の消費量の減り方は、これからも減り方が鈍化するということになると思います。ただ、
国民
全体の消費量ということになりますと、人口増がございます。人口増とそれから一人当たりのお米の消費量の減、これが大体見合うというふうに見ております。現在わが国のお米の消費量は千二百万トン、ちょっとそれを切れるかもしれませんが、農林省で立てました
昭和
六十年の長期見通しによりますと、千二百十万トンにふえるということにしておりまして、おおむね横ばいということでございますが、その横ばいの中身は、先ほど申し上げたようなことであるというふうに
考え
ております。
愛知和男
42
○愛知
委員
そのお米をだんだん日本人が食べなくなってきたということと、お米の値段が少しずつ上がってきているということの相関
関係
というものは、何かあるのでしょうか。
小野重和
43
○小野
説明
員 お米の消費の減退
傾向
の原因でございますが、これは価格との
関係
、私
ども
統計的にいろいろ研究しまして、いろいろな数字をはじいているわけでございますが、どうも価格との
関係
というのはそれほどはない。大きい
理由
というのは、やはり食生活の変化という原因が一番大きいのじゃないかというふうに
考え
ております。
愛知和男
44
○愛知
委員
御飯の値段が一杯十四円、一日四十二円ぐらいということになりますと、ほかの物価、たとえばいまコーヒーが一杯何百円もするような時代に比べて、大分安いのじゃないかという
考え
方というか議論もあるわけでございますが、
長官
はこの点どんなふうにお思いでいらっしゃいましょうか。
倉成正
45
○
倉成国務大臣
私もお米の価格を他のいろいろな物価と比較しまして、たとえばコーヒー一杯最低いま二百円、そういう場合に、いま
お話
しのように、茶わん一杯五十グラムといたしまして、一日三杯ぐらい食べていると、主食代が四十円から五十円の間ということになりますと、これはそういう限りにおいては非常に安い、そういう感じを持っております。
愛知和男
46
○愛知
委員
一方、たとえばコーヒーはいよいよとなったら飲まなくたっていいんだということもございますが、お米に関しては、これは食わないわけにはいかないということもあるわけで、そういう点から言いますと、御飯の値段というものは、主食ということからいっても、ほかの物価とは違う次元で
考え
なければならないという議論も同時にあるんじゃないかと思いますが、その点はいかがでしょうか、
長官
。
倉成正
47
○
倉成国務大臣
コーヒーを飲む場合には、何というか、他の要素が入っておりますね。たとえば娯楽であるとかあるいは余暇を過ごすための
一つ
の手段であるとか、待ち合わせのためのものであるとか、そういう要素が入っておりますから、一概に喫茶店におけるコーヒー価格とお米の値段と比較するということは適当でないと思います。また同時に、このお米というものはわれわれ日本人にとって欠くことのできないものでございますから、この価格を
考え
る場合に、他の著移的なものと同様に
考え
ることは適当ではないと思います。同時に、これは最近の商品市況とも関連するのですけれ
ども
、欧米ではコーヒーというのが必需品でありまして、食生活の中で大変なウエートを占めておるわけですから、そういう生活様式、食生活のパターン、そういうこととも関連して
考え
なければならないと思いますが、一概に両方比較するということはなかなかむずかしいことじゃないかと思います。
愛知和男
48
○愛知
委員
さて、お米の値段の
一般
的なことを幾つかお伺いしたわけですが、ことしも
消費者
米価があるいは少し上がるかもしれないと報道などされております。そこで、この問題でちょっとお伺いしてみたいのですが、昨年は
消費者
米価が一〇・二%上がったわけでございますが、この米価の一〇・二%の値上げが物価にどの程度の影響を与えたかということで資料がございましたら、教えていただきたいと思います。
藤井直樹
49
○藤井(直)政府
委員
昨年のお米の値段が一〇・二%上がったことによりまして、
消費者
物価に対する寄与度は〇・四%でございます。
愛知和男
50
○愛知
委員
この〇・四%というのは、お米のウエートから機械的に計算した数字なんでしょうか、それとも、便乗値上げみたいなものがあったかどうかわかりませんけれ
ども
、そんなようなものも加味した寄与率なんでしょうか。
藤井直樹
51
○藤井(直)政府
委員
このうちには直接的なものと間接的なものと二つ含まれておりまして、家計
調査
上の、要するに米として支出する分に対するものが〇・三五%、それからあとの間接的な影響としては、たとえばみそのようなものとか外食のもの、そういうようなものに対する影響度を計算しましたのが約〇・〇五でございます。
愛知和男
52
○愛知
委員
その間接的な面というのは、ちょっとよく内容がわからないのですが、米価の値上げに伴う便乗値上げといったような事実が去年の場合にはあったでしょうか。
藤井直樹
53
○藤井(直)政府
委員
例年、米の値上げをいたしますときには、いま御
指摘
の便乗値上げの問題を私
ども
一番
心配
しているわけでございます。したがいまして、値上げに際しましては、外食
関係
の
団体
に対して便乗値上げをしないようにという要請を非常に強くいたしますと同時に、個別の商店について、たとえば都道府県それから農林省の食糧事務所等におきまして
調査
をいたしまして、そういうことが仮にあれば強く警告するというようなことをいたしますし、また一方、物価モニター等に
お願い
いたしまして
調査
をするというようなことをいたしております。そういうことで、昨年の値上げの際には、
調査
いたしました結果、便乗値上げというような事実は余りなかったというふうに思っております。
愛知和男
54
○愛知
委員
便乗値上げ防止のために、食糧庁の方もそれなりの対策というものをやっておられるでしょうか。
小野重和
55
○小野
説明
員 便乗値上げ問題でございますが、二つございます。
一つ
は精米、お米屋さんの売るお米の問題でございますが、これは、たとえば標準価格米のようなものは
指導
価格をきちっと設定しましてそれで守らせる、これは守られております。それからまた、それ以外の自主流通米とか、あるいは中米と言っている政府米のうちの一部でございますが、これにつきましても、原料玄米の値上がり、それと流通経費の増高、これらを考慮しながら、品質に応じた適正な価格を設定するように都道府県知事、食糧事務所が協力して
指導
に当たっておりまして、その結果を見ましても、決して便乗値上げはないということは言えると思います。 それから、あとは外食の問題でございます。これにつきましては、ただいま物価
局長
から御
説明
ございましたが、外食
関係
のいろんな
団体
がございます。おすし屋さんとかいろいろあるわけでございますが、この
団体
を通じまして、いやしくも便乗値上げがないようによく
指導
しましたし、また、食糧事務所それから都道府県の職員を動員しまして、価格の
調査
それから
指導
、これに当たらせております。そのような結果、数字はいろいろございますが、決して便乗値上げはなかったとはっきり申し上げられると思います。
愛知和男
56
○愛知
委員
ことしも
消費者
米価が少し上がるのじゃないかと
一般
によく言われておりますが、それに伴う便乗値上げがないようにということで、いまから対策を
考え
ておられますでしょうか。
小野重和
57
○小野
説明
員 ことしの米の価格をどうするかはこれからの問題でございますので、何ともちょっといま申し上げられないのでございますが、もとより売り渡し価格を引き上げた場合の便乗値上げの防止につきましては、従来の値上げの際も先ほど申し上げましたような形でやっておりますし、同じようなことを当然やりまして、いやしくも便乗値上げがないようにいたしたい、かように思っております。
倉成正
58
○
倉成国務大臣
いま非常に大切な御質問をされておりますが、
消費者
米価が上がった、その部分が外食のたとえばカレーライスあるいは親子どんぶりの中でどのくらいの値上がりになるかということになると、非常に金額的には少ないものであるわけですけれ
ども
、ちょうど各そういう仕事をしておられる
方々
にとっては人件費の値上がりがあるとか、いろいろそういう他の要素がある、これをたまたま米の値上げと一緒にやるというような場合が間々あるわけでございまして、なかなかカレーライスが五円上がったとか親子どんぶりが五円上がったということは聞かないので、一遍にやはり二十円、三十円上がる、そういう場合がありますので、この点はひとつ
消費者
米価が上がった場合にどの程度のものがお米の部分であるかということを十分
消費者
の
方々
にもPRして、いやしくも便乗値上げがないように
努力
をしていくべきだと思っております。したがって、数字の上ではいろいろな
説明
ができるかもしれませんけれ
ども
、そういう
傾向
があるということは事実だと私は思います。 それからもう
一つ
は、そういう物理的なものとは別に、やはりお米というのは
一つ
の物価の象徴的なものであるということで、非常に心理的な要素が多いと思うのです。お米も上がった、したがって多少物価が上がるのは当然だというような感じが、従来の物価体系の中であることも事実でございます。したがって、お米の問題についてはやはりわれわれとしては慎重に対処していかなければならない、そういうつもりでございます。
愛知和男
59
○愛知
委員
いま
長官
からまことに適切な御
指摘
があったと思うのでございますが、私は物価というものにおける心理的な要素というものはまことに大きなものがあると思うのでございます。何年か前のいわゆる狂乱物価のときにトイレットペーパーの買い占めが起こったというようなことも、その心理的な要素が非常に大きかったと思うのでありまして、
一般
消費者
が心理的にそういう動揺なり何なりを来さないように、前もってそういった面での手を打つというのが物価対策のまことに大きな大切な要素ではなかろうかと思うわけでございます。このお米の値上げの問題につきましてその対策をすでに講じておるかと御質問申し上げますと、政府としてはまだ米の値段も決まってないのだからいま答えるわけにはいかない、こういうことになるのも仕方がないのかもしれませんけれ
ども
、決まってからでは遅いのでありまして、そういう場合に備えての対策というのが、物価の監視役としての
経済企画庁
のまことに大きな大切な仕事ではなかろうか、こんなふうに思うのでございます。その点につきまして、先ほど
長官
からも伺いましたが、重ねてもう一度、
一般
に物価問題に対する対処の仕方、たとえばこの間の魚の問題にしてもそういう要素がなきにしもあらずだ、こんなふうに思うわけでございますが、前もって先手先手と
消費者
の心理を落ちつかせるということに対してどう取り組んでいくかということにつきまして、大変原則的な話でございますが、
長官
のお
考え
を聞かせていただければと思います。
倉成正
60
○
倉成国務大臣
先ほ
ども
申し上げましたように、お米の価格というのが非常に物価に及ぼす心理的な影響が大きいわけでございますので、われわれはこれに慎重に対処してまいりたいということと同時に、やはりお米の家計費に占めるウエートなり、あるいはお米の部分が一体どのくらいの消費量があり、どのくらいの価格であるかというようなこと、ただいま愛知
委員
が
お話
しになりましたけれ
ども
、一日三杯食べてそのお米が四十円台だということは、なかなか
一般
国民
は知らないと思うのでございます。したがって、そういう賢い
消費者
になるようないろいろな
努力
を、われわれとしてはできるだけの情報を提供いたしまして、お米の価格の仕組みについてもあるいはこれの及ぼす影響等についても
関係
の
消費者
団体
あるいは
関係
の
方々
にもできるだけのPRをこれから努めてまいりたいと思います。
愛知和男
61
○愛知
委員
以上で質問を終わらしていただきます。
西宮弘
62
○
西宮
委員長
愛知和男君の
質疑
は終了いたしました。 次回は公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午前十一時三十二分散会