運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1977-04-06 第80回国会 衆議院 農林水産委員会 第14号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十二年四月六日(水曜日)     午前十時十三分開議  出席委員    委員長代理 理事 菅波  茂君    理事 今井  勇君 理事 片岡 清一君    理事 山崎平八郎君 理事 竹内  猛君    理事 美濃 政市君 理事 瀬野栄次郎君    理事 稲富 稜人君       熊谷 義雄君    佐藤  隆君       染谷  誠君    玉沢徳一郎君       森田 欽二君    小川 国彦君       新盛 辰雄君    野坂 浩賢君       馬場  昇君    松沢 俊昭君       津川 武一君    菊池福治郎君  出席国務大臣         農 林 大 臣 鈴木 善幸君  出席政府委員         農林大臣官房長 澤邊  守君         農林省農蚕園芸         局長      堀川 春彦君  委員外出席者         農林水産委員会         調査室長    尾崎  毅君     ————————————— 本日の会議に付した案件  農業改良助長法の一部を改正する法律案内閣  提出第四〇号)  農業改良資金助成法の一部を改正する法律案(  内閣提出第四一号)      ————◇—————
  2. 菅波茂

    菅波委員長代理 これより会議を開きます。  委員長の指名により、私が委員長職務を行います。  農業改良助長法の一部を改正する法律案及び農業改良資金助成法の一部を改正する法律案の両案を議題とし、審査を進めます。  質疑の申し出がありますので、これを許します。松沢俊昭君。
  3. 松沢俊昭

    松沢(俊)委員 二つ法律案につきまして、御質問申し上げたいと思います。  この農業改良助長法という法律昭和二十三年にでき上がっておりますから、ことしが五十二年ということになりますので、もう三十年も続いておるわけでありまして、その間昭和三十八年まで数次の改正が行われておりまして、非常に長い歴史を持ったところの法律でございます。したがって時代もまた大変変わってきていると思います。私たちの小さいころは帝国農会なんというのがありまして、そこの技師なんかが村を回って、そしていろいろと農民指導をやってこられたということを思い出すわけでありますが、その後二十三年になりましてから、それらの人たちを含めまして、これはアメリカ型の緑の自転車というような形で普及員制度というものができてきたように実は記憶しているわけなんでございます。  当時は農民の場合におきましても、情報をとるにいたしましてもなかなかとりにくいという環境にありましたし、また学校教育等におきましてもいまのような状態ではなかったと思います。そんな関係でこの普及員仕事大変やりがいのある仕事であったし、農民もまた普及員を非常に信頼をしておった、こういう面があったと思いますけれども、最近はテレビから新聞からいろいろな媒体を通じまして情報が入ってまいりますし、また農家教育水準というものも大変高まってきているわけなんであります。  したがって、私たち農村を回ってみますと、普及員以上の知識技術を持っているところの農民もたくさん出てきている、こういう状態に間々ぶつかるときがあるわけであります。しかし、この制度というのはこれからも拡充強化をしていかなければならない、こういうぐあいに考えております。そうだとしまするならば、新しい時代に即応したところの普及員知識技術などの水準というものを高めなければならない時代に入っていると思いますが、その点につきましてどのような方法でこれを高めるようにしておられるのか、その点をお伺いしたいと思うわけであります。
  4. 堀川春彦

    堀川政府委員 先生の御指摘のとおり、普及員資質向上を図ることが大変重要でございまして、私どもは、最近におきます農業事情の著しい変化に対応いたしまして効果的な普及指導活動が展開できるように研修目標を定めまして、そうしてその研修の内容につきましても、過去の経験を分析いたしまして足らざるところを補うというような考え方常々検討を加えておるわけでございますが、そういう考え方で体系的に整備をしましたところの研修基準課程というものを策定いたしまして、これに基づきまして専門的な知識技術向上のための各種研修をやっておるわけでございます。  たとえば、比較的長期にわたるものとしましては三カ月から六カ月というようなものもございます。そういったものは特に専門的な技術強化を図るための研修でございます。また、それぞれ現地において緊急に解決を要する課題もございますので、そういったものを中心とする研修、こういったことをやっておるわけでございます。そのほか一般的な職務能力の付与のための新任者研修でございますとか、あるいは普及所長さんとしての特別に必要な知識技能等を得るための普及所長研修、そういった研修のほか、あるいは一年間にわたります大学での留学研修、あるいはまた四十九年度から海外研修もこれに加えまして、これらの研修をそれぞれ総合的に実施することによって資質向上を図ってまいっておるわけでございます。
  5. 松沢俊昭

    松沢(俊)委員 何といたしましても、やはり時代の推移に従ってそれに対応できるところの資質向上というのが必要なことでございますので、これは一層努力をしてもらいたい、こういうぐあいにお願い申し上げるわけであります。  次に、普及員制度ができ上がってからずっと今日まで、何としても人間の数というのが不足であるならば、なかなか思うような活動というものもできないと思いますので、そういう点からいたしまして、ここ数年間の——私は新潟県でありますが、新潟県の普及員の数を見ますと、減っているように感じられるわけなんでありまして、要するにこの定数という問題は一体どうなっているのか、その点をお伺いしたいと思います。
  6. 堀川春彦

    堀川政府委員 五十一年度の普及員予算上の定数といたしましては、農業改良関係普及職員につきまして一万六百四十二人でございます。来年度は一万五百五十七人、生活改善関係普及職員は五十一年度が二千三百六十三人、五十二年度が二千三百四十四人ということでございまして、合計いたしまして五十一年度が一万三千五人、来年度が一万二千九百一人ということに相なる予定でございます。
  7. 松沢俊昭

    松沢(俊)委員 そうすると、これはやはり減っておりますね。減るところの原因というのはどこにあるのでしょうか。
  8. 堀川春彦

    堀川政府委員 これは、四十三年度から国の行政機関職員につきまして定員の管理計画というものを実施いたしておるわけでございます。五十二年度からそれの第四次の計画が始まるわけでございます。四年計画でございます。その管理計画は四年間に計画的に国家行政機関職員削減していくという計画でございますが、これを決定いたしましたときの閣議決定におきまして、地方公務員につきましても助成等関係がございますので右に準じて措置するというふうになっておりまして、そこで普及職員につきましても助成の面で予算上の定数を国の削減計画と対応した形で削減をしていくという形でございます。
  9. 松沢俊昭

    松沢(俊)委員 大臣にお聞きしますけれども改良普及員というのは、農村におきましては、役人という名のつく職員の中では最も農民に慕われる、そういう職員であるわけであります。したがって、この職員がだんだん減っていくということであっては、これからの農業の振興をやるという立場からすると決していい傾向ではないと思います。農林省人員削減計画というところから減っているんだというふうなお答えがあったわけでありますけれども高級役人はそう必要はないわけでありまして、やはり地方の住民や農民にとりましては最も身近な、しかも直接メリットのある、そういう職員を欲しがっているわけでありますが、そういう点から考えまして、第一線で働く者を削減するということは決していいことではないと思いますけれども大臣はどういうふうにお考えになっていますか。
  10. 鈴木善幸

    鈴木国務大臣 松沢先生先ほど来お話しになっておりますように、普及員の今日までの二十数年間に及ぶところの活動、これはわが国の農業発展向上の上に大きな貢献をしてきておる、しかも末端の農民諸君に毎日接触をして、その相談相手として農業改善発展のために努力をされておる、非常に大事な役割りを果たしておる、こういうことは御指摘のとおりでございます。私どももこの農業普及員の今後の活動にも大きな期待を寄せておるところでございます。  ただ、ただいま局長から御説明を申し上げましたように、国家公務員定数削減、それに伴う地方公務員のそれに準じたところの削減という閣議決定の線に沿いまして、若干減ってきておることも御指摘のとおりでございます。  それをカバーしてまいりますためには、先ほどもお話がありましたように、普及員諸君資質向上、本当に信頼をされ、頼りになるようなりっぱな資質を持たなければいけないということで、研修でありますとかあるいは海外への派遣の問題でありますとか、農林省としてもできるだけ普及員諸君資質向上のために意を用いておるところでございます。また最近は大分道路事情等もよくなっておりますし、通信の設備もだんだん普及をしてきておるということで機動力も持たせるように配慮もいたしておりますし、また普及のための機材の整備というようなことにも努力をいたしまして、若干の人員削減はそういう面でカバーをしながら、普及員諸君の今後の活動を最も効果的に、これが達成できるようにということに配慮をいたしておる次第でございます。
  11. 松沢俊昭

    松沢(俊)委員 県の方に参りますと、普及員給与助成ですか、それが三分の二の助成ということに実はなっておるはずでありまするけれども、これが県段階に行くと三分の二来ていない、いわゆる超過負担のような状態になるんだというお話を承るわけなんでありますが、これはどういうところからそういうずれというのが起きてくるんでしょうか。
  12. 堀川春彦

    堀川政府委員 これは一つには国の職員給与ベース地方公務員給与ベースを比べましたときに、ベースにおいて差があるということが一つ原因でございます。それからもう一つは、職員構成におきまして、普及員の方の職員構成年齢構成等を調べてみますと、かなり高年齢の方がいらっしゃるというようなことで、そういう者の補充、交代の関係が影響をしておるというふうに思っております。その二つ要因が一番基本的に大きな要因だと思います。
  13. 松沢俊昭

    松沢(俊)委員 ベースの問題で差があるんだというお話でございますが、これは大体何等級ぐらいなのを一つ基準にして三分の二ということになるのですか。
  14. 堀川春彦

    堀川政府委員 普及員職種によりまして格づけを決めておるわけでございます。たとえば主任専門技術員が三等級号俸専門技術員が四等級十二号俸普及所長が三等級号俸、それから改良普及員も、地域を担当する改良普及員は四等級号俸、こういうぐあいに職種によって格づけを決めまして、その格づけを前提として助成の単価をはじいていく、こういう形になっておるわけでございます。
  15. 松沢俊昭

    松沢(俊)委員 話を聞きますと、こういう普及員制度ができてから最初に普及員になったのは大体昭和五年生まれだそうですね。そういう人たちが県には相当たくさんおられるわけなのです。そうすると、年齢が相当上回っているということを配慮して三分の二の補助をやっていかないと、そこにやはりずれが起きてきて、県の方でそのオーバーした分を負担しなければならないということになるわけですから、この辺、改める必要があるのではないでしょうか。
  16. 堀川春彦

    堀川政府委員 私どもそういう形での助成を続けてきておるわけでございますが、年齢構成の差とかいろいろございますけれども、著しく実態と乖離することは不適当であるという考え方のもとに、五十年度におきましては、四十九年度に実施した給与実態調査に基づきまして、普及職員の学歴なり任用の経験年数十分考慮の上、国家公務員給与ベースに換算して平均五号俸の引き上げを実施したわけでございます。今後とも、このような問題につきましては、普及職員給与実態とそれらに関連する事項を調査いたしまして、必要に応じ是正の措置をとってまいりたいと考えておるわけでございます。
  17. 松沢俊昭

    松沢(俊)委員 最近兼業化が大変進みまして、朝晩農業をやる農民もいますし、日曜日に農業をやる農民もいるわけなんです。そういうところでは、普及員農民の中に入っていって普及活動をやっているわけでありますから、やはり農民のいる時間に普及活動をやらなければならない。こうなりますと、日曜、夜間に働くことになるわけでありますが、これにつきましては超過勤務手当も何もついてないと実は聞いているわけであります。この点の手当改善する必要があるのではないか、こう考えるのですが、その点はどうでしょうか。
  18. 堀川春彦

    堀川政府委員 確かに超過勤務は、県々の実情、県内においても普及所ごと実情に応じまして差がございまして、その辺は、一律の助成基準でどうこうというのは必ずしも適当でないということで算入はしておらないわけでございます。それは、地方地方実態に応じた県の扱い方にお任せした方が適当であろうということから組み入れておりません。しかし、今回の助成対象とします費目につきまして若干の範囲の拡大を図っておるわけでございまして、手当等につきましても、そういう必要のあるもので算定をしてこれを助成対象にいたすことが適当だというふうに、できるものは取り上げていくという態度でございます。
  19. 松沢俊昭

    松沢(俊)委員 いま御答弁があったのは一二%のやつですか。
  20. 堀川春彦

    堀川政府委員 ただいま申し上げましたのは超過勤務関係でございまして、一二%の手当は、改良普及員手当でございますから別個の問題でございます。
  21. 松沢俊昭

    松沢(俊)委員 それでは超過勤務手当はこれからも配慮しながら進めていくというふうに理解して差し支えないわけですね。
  22. 堀川春彦

    堀川政府委員 その辺は、私どもも、給与なり勤務態様なりそれに対する手当の支給の実態というものを調査いたしまして、一つの方向づけができるということになれば検討してまいりたいと思います。
  23. 松沢俊昭

    松沢(俊)委員 さっき大臣の方から御答弁がございましたが、人の数は減るけれども機動化を進める、そしてまた、資質向上のためにいろいろな措置をとっていくのだ、こういうお話であったわけでありますが、実際、現場へ行ってみますと、そういう状態にはなっておらぬわけであります。これは、広域普及所に変わるときに、村の人たちから、ここの普及所をなくしてもらっちゃ大変困るという話が出たときにおきましても、いや、統合して機動化を進めていくのであるから、そう不便になるようなことはないのだ、こういう説明が行われたわけでありますが、さて、広域普及所になってみますと、なかなか機動化が進んでおらぬ。ひどいところになりますと、五人の普及員がいるところに自動車が一台しかない、こういう状態になっておるわけであります。五人で一台の自動車を使うということになりますと、大変無理が起きてまいります。したがって、自家用車仕事をしなければならない。自家用車仕事をするということになりますと、今度事故なんかが起きた場合においては、業務上の過失であるかどうかということが大変むずかしくなるので、所長の方としては、そういうことをやってもらっちゃ困る、こういう歯どめがかけられるということなのです。そうすると、一台の自動車が動いているときには、あとの四人の人たち仕事ができないという状態になるわけであります。しかし、仕事ができないというわけにはいかぬから、やはり無理して自家用車活動をやるというのが現状であるわけであります。そういう点、大臣の方では、さっきの御答弁では、いや、そういう方向で進むのだと言っておられますけれども大臣の御答弁と現実の状態は大分違っているわけであります。この辺、大臣はどうお考えになっておりますか。
  24. 堀川春彦

    堀川政府委員 私ども機動力整備には今後も力を注いでいきたいと思っておるわけでございます。先生の御指摘のとおり、普及員配置数と足になるところの自動車の台数との関係はおっしゃるようなことでございますので、できるだけ整備を急いでまいりたいと考えております。また、普及員の方が自家用車を用いて普及活動をしなければならないということは、私どもそういう整備を急速に進めることによってできるだけ早く解消いたしたいと思っております。  現在、自家用車を用いて普及活動をする等の実態につきまして、県等に御照会をいたしましていろいろと調べておるところでございますが、原則として禁止というのが多うございますし、全面禁止というのもかなりございます。公認をしておるというのは比較的少数ということでございます。ただし、原則として禁止という場合におきましても、所長が必要やむを得ざるときにそれを認めるということにいたしておりまして、そういう所長の許可を得て普及事業に携わっている公務執行中に事故が起きたというような場合におきましては、事故態様にもよりますが、おおむねその車を官用車とみなしまして処理をしておるというのが実態のように承っております。
  25. 松沢俊昭

    松沢(俊)委員 それでは、いま大体一万三千人の普及員がおられるわけなんでありますが、この一万三千人の普及員に対しまして自動車の数というのはどのくらい配置されてあるのですか。
  26. 堀川春彦

    堀川政府委員 昭和四十年度以降計画的な整備を進めてきておりまして、五十一年度までに、一普及所当たりにいたしますと三・一台、改良普及員五人に一台ということになります。計千九百八十四台を整備してきておるところでございます。
  27. 松沢俊昭

    松沢(俊)委員 これを漸次改善していくというお話でございますが、それは改善して最終目標はどうなるのですか。
  28. 堀川春彦

    堀川政府委員 最終目標というのは立てておりませんが、できるだけ急速に整備するという気持ちでやっておりまして、できれば三年以内に一普及所当たり五台、改良普及員三人に一台というところに引き上げたいというふうに思っておるわけでございます。これは中間の目標という考えでございます。
  29. 松沢俊昭

    松沢(俊)委員 大臣お急ぎのようでありますので、大臣にもう一つ質問を申し上げたいと思います。  資質向上、そのためには研修、そして海外の方の研修までやらせているというお話でありますが、いろいろ聞いてみますると、海外といってもやはりアメリカあたり中心のようでありまして——そのほかにも行っておられるようでありますけれどもアメリカ農業の形態というものと日本の農業というものは、あちらは粗放農業でありますし、こちらはすぐれた集約農業、こういうことになっているわけであります。それから、いろいろ技術面等におきましても、たとえば最近中国あたりでは家畜のはり麻酔によるところの手術をやるというのが非常に進んでいるわけなんですね。そういう点なんかも考えますと、単に先進国でしかも大変規模の大きな国にだけ集中的にやるということでなしに、やはりその点を考えて、これからアジアとの関係というのを深くしていかなければならぬわけでありますから、アジア国国との技術交流というようなものを深めることを考えていく必要があると思います。たとえば中国を含めまして考えていく必要があると思いますが、その点はどうでしょうか。
  30. 鈴木善幸

    鈴木国務大臣 御指摘のとおり、普及員諸君資質向上のために研修教育を積極的にやる、またあわせて海外事情調査をし、新しい技術等を身につける、そういうことで、今後、御指摘のように関係の深いアジアの各地域並びに北欧方面等にも私はぜひ研修旅行範囲を広げてやってまいりたい。だんだん農業経営が専門化するような状況下にございますので、そういう情勢に対応して今後の研修海外出張等につきましても十分配慮してまいりたいと考えております。
  31. 松沢俊昭

    松沢(俊)委員 今度は局長に御質問を申し上げますけれども、三人に一台の自動車普及というのはいつごろのめどなんですか。
  32. 堀川春彦

    堀川政府委員 一応私ども三年をめどにして、早ければ早いほどいいというふうに思っておるわけでございます。
  33. 松沢俊昭

    松沢(俊)委員 そうすると五十五年に三人に一台になるのですか。
  34. 堀川春彦

    堀川政府委員 三年でございますので、五十四年度までに三人に一台という整備水準にしたいというふうに思っておるわけでございます。
  35. 松沢俊昭

    松沢(俊)委員 それから、普通の役所の場合におきましては運転員というのが配置されていますね。たとえば県なんかの場合においては、土木事務所だとかあるいは財務事務所だとか要するにいろいろな事務所出先機関としてございますね。そういう場合においては、自動車があって、そして運転員がいて、職員が必要なときにおいてはその運転員が運転してあちこちに人員の輸送をやるというのが通例になっていますのですが、ここの場合におきましては運転員というのは配置されておらぬわけなんですね。そういう点もやはり考えていく必要があるのじゃないでしょうか。
  36. 堀川春彦

    堀川政府委員 もともと普及職員の任務は農民に直接接して普及活動をやることでございまして、そのために農家のところまで出向くというのが普及員職務でございます。したがって、昔は足で歩くということも多うございましたでしょう。自転車も使った。それからオートバイ等を活用するようになり、それが自動車の形に変わってきたという経過をたどっておるわけでございます。一人一人が、あるいは集団で組を組んで普及に出かけるわけでございますが、そういう普及活動にすべていまは自動車を使う場合に運転員が別に一人ずつつくということは、これは普及員活動あり方というものと実際問題としての困難性ということもございまして、そういうふうにはいたしておらないわけでござます。
  37. 松沢俊昭

    松沢(俊)委員 そういうことであれば、早目に一人一人に自動車が行き渡るようにしてもらわぬと、なかなか農民期待にこたえるわけにいかぬということになるのじゃないか、こう思うわけなんでありまして、これは速やかに機動化を促進をしてもらいたい、こういうことを強く要望申し上げておきます。  それから、普及員指導する専門技術員ですね、これが県に配置され、そしてまた、そのほかに農業改良研究員というのが試験場に配置されている、こういうことになっておるわけなんであります。専門技術員の場合は一応わかりますけれども農業改良研究員というものは、これは法律におきましては、地方的事情必要性を正しく考慮をして試験研究を能率的に行うということに実はなっているわけなんでありますが、どういうようなことを具体的にやっておられますか。
  38. 堀川春彦

    堀川政府委員 県の農業試験場は、いわば普及事業の拠点である、またそうならなければならないというふうに言われておるくらいでございまして、国の試験研究機関等で開発をしました技術あるいは品種というようなものを現地に適応させるため、あるいは現地固有の農事上の試験研究というものを深めるために県の試験場が置かれておるわけでございまして、そこにおいて開発されあるいは現地適応ができるようになった技術普及事業に持ち込むという仕掛けというか仕組みになっておるわけでございます。したがいまして、農業あり方というものを踏まえ、それから専門技術員というような改良普及組織の専門的な知識を持った方々との連携を保つというような意味で、試験場側改良研究員というものが置かれまして、普及の方の連携をとりながらその現地現地地域地域必要性の高い課題につきまして研究をし、これを普及につないでいくという意味でそういう特別の制度になっておるというふうに理解をしております。
  39. 松沢俊昭

    松沢(俊)委員 私は去年の災害で感じたわけでありますけれども、なるほど気象条件の異常な面が出まして、それで大きな災害になった、こう言えば簡単な話になりますけれども、しかし考えてみますと、水稲なんかの被害というのは、そういう異常気象が来た場合において耐え得ることのできないそういう品種というもの、これを単にうまい米だとか銘柄米というようなものに集中させたということによって一層被害を大きくしたように実は感じられるわけなんであります。そういう点で、試験研究というものも単にその場その場の場当たり的なものでなしに、やはり将来的な長期展望に立った研究、しかもそういう災害なんかがあっても、この地域ではこれをつくっていれば大丈夫だという、そういうものをもう一度改めて考え直すところの必要の時期に実は来ているのじゃないか、こんなぐあいに考えておりますが、その点はどうでしょうか。
  40. 堀川春彦

    堀川政府委員 先生のおっしゃるとおりだと思います。昨年の冷害の経験にかんがみまして、私どもも重大な反省をしておるわけでございます。  一例を挙げますれば、たとえば品種でトヨニシキという品種がございますが、そういうものの栽培適地の限界を越えて山間高冷地の方へ上がったために被害を大きくしたというような問題もございます。したがいまして、品種の適性というものをよく考えた作付ということがなされなければならないわけでありまして、試験研究自体はりっぱな成果を持っておりましても、普及を誤る、あるいは農家の対応の方がこれについてこないということになりますと、そこにまずい結果が出てまいりますので、いま先生の御指摘の点はまさにそのとおりで、私どもも十分これから気をつけてまいりたいというふうに思っておるわけでございます。
  41. 松沢俊昭

    松沢(俊)委員 時間が参りましたのでこれでやめますけれども、とにかくこの普及事業というのは長い歴史を持っておりまして、これをさらに一層強化をして、そして農業の振興に当たらなければならないと考えておりますので、いま御答弁のございました点を積極的に進められまして、そしてやはり普及事業というのがあることによって日本の農業発展しているんだという実績をつくってもらいたい、こういうことを強く希望申し上げまして、質問を終わります。
  42. 堀川春彦

    堀川政府委員 そういう心組みでやってまいりたいと思います。  御質問の後で申し上げて大変恐縮なんですが、私先ほどの御答弁で勘違いをした点が一つございまして、機動力整備の一応の年次目標は五十四年度末まででなしに五十六年度末でございますので、大変失礼を申し上げました。訂正させていただきます。
  43. 菅波茂

    菅波委員長代理 この際、暫時休憩いたします。     午前十時五十五分休憩      ————◇—————     〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕