○中川(秀)
委員 大臣の御見解に対してちょっと御注文をつける前に、まず斎藤
長官が言われた数字ですが、私は
県民の立場から、そういった数字の説明の仕方では納得しがたいものが多々あろうかと思います。
長官は、復帰時に八十七の施設があって、それが三十二ですか返還をされて五十五になったということですね。面積が八%ぐらい減った。その分だけまた、
米軍から自衛隊に提供された施設が十二、自衛隊の新規の施設が十四ある。その面積も含めると、返還された
土地の割合は大体七%そこそこというふうになる。それは正直にきちんとおっしゃらないとだめですよ。
米軍基地であれ、自衛隊
基地であれ、
県民の、
沖繩県の
土地を
基地以外に有効に
土地利用ができないということは同じなのでございますから、その辺は正確に、はっきりとおっしゃっていただきたいと思います。
防衛施設庁から資料をもらいますと、よく前の方の資料には三十三施設全面返還になりました、こう書いてある。後の統計を見ると復帰時から六施設くらいしか減っていない。なぜかと言って、よくわからないからいろいろ聞いてみると、いや、その分は自衛隊が入っているんでしたと後から御説明をいただいて、ああ、なるほどと思うのでございますけれ
ども、そういうことはきちんと資料にも書いて、正直に正確な認識を得られるように努力をしていただきたい。これはひとつ御注文として申し上げておきます。
それから、大臣の御見解に対して一つ感想があります。大臣は、
沖繩の
基地を当然ごらんになったことがあるだろうと存じます。私も、先ほど申し上げましたようにわが国の安全にとっての
沖繩の
基地の意義、これは本当に
県民の皆さん方に手を合わせなければならないほどの役割りを確かに持っている、担っていると思います。ありがとうと言わなければいけない問題だと思います。しかし、現実に行ってみますと、
基地の入り口に入るやいなや、まず広大なゴルフ場がある。
基地の滑走路だとかいうのが目に入るのではなくて、まずゴルフ場が目に入る。そこでは悠々と緑の芝生の上に
米軍の方、家族の方がゴルフをやっている。あるいは広大な居住地域があって、その居住地域の中に点々と、
沖繩県民の
方々が暮らしている人口密度から言ったら、もう百分の一以下という居住地域がある。こういうようなアンバランスの中で、
県民の皆さん方に、先ほど私が申し上げたような本土の返還のぺースはこれだけで
沖繩の返還のペースはその数分の一だ、こういうようなことを実際にはだで感じておられる
人たちにそういう数字なんだよと言われたら、だれが考えたってこれは本土並み返還ではないではないか、私たちの
県民だけにこの日本の安全保障というものの犠牲を、それも本来犠牲をこうむらなければならない正当な理由があるものでない部分についてまで犠牲をわれわれにしわ寄せをしているではないか、こう感ぜられるのは、私は自分で行ってみても、けだし当然だろうと思うのであります。
長官は、いま御見解の中で、その
県民の気持ちは大変わかるとおっしゃった。しかし、ただ
長官がわかるとおっしゃるだけでこの問題は
解決するものではない。ちゃんと年次計画を立てて、少なくとも本土がこれからやっていこうとする
基地の縮小のテンポとペースだけは、
沖繩県においても一向に変わらないテンポでやります。このぐらいはおっしゃらなければいけないのではないか。広大な居住地域をもう少し整理統合することによって、
県民に返せる
土地があるかもしれない。
基地の入り口に、広大なゴルフ場がまず入った途端にあるというところを工夫することができるかもしれない。いろいろな工夫をすることによって、少なくとも本土が国際情勢の推移の中でこの部分は縮小しようというそのテンポぐらいは、
沖繩県においても同じテンポでやります。こういうような一つの方針ぐらいは持たなければ、
県民の皆さん方は
最後の
最後までその問題について御納得をいただけない部分が出てこようかと思う。いま一度私の感想、
提案に対して
長官の御感想、御見解を伺いたいと思います。