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大出委員 ここでいま一つ大きな問題が抜けておりますが、国家行政組織法の十九条というのをあなた方は削除した。問題の焦点はここにある。つまり行政の
基本である国家行政組織法で、十九条で明確に、恒常的な職の定員というものは
法律で決めることになっていた。これをあなた方は切った、削除をした。これは大変御都合主義、便宜主義。そうしておいて各省
設置法から定数を全部おっ外した。かつて行政機関職員定員法というのは定員の
法律だけある、機構と結びつかない、これは根本的に間違いだと
提案した
政府が、改めてまた定員法にした。つまり行政機関職員定員法に類似する定員のみの、わずか三条しかない
法律をあなた方は出してきた。つまり
法律で決めるとなっていた定数をいわゆる総定員法という形に切り離したのですね。だから
法律で決めるという条文がおかしくなるから、国家行政組織法の十九条を切った、こういう理屈なんです。そのときに私は、佐藤総理の時代でございますけれども、
法律で決める、こういうことになっていたのに国家行政組織法十九条を削るということになるとすると、根本的に定員管理の思想が違ってしまう。そこで念のために承りたいのだがということで、私が質問をして、この定員管理というのは対
国民という意味で確かにサービス行政には違いないけれども、世の中複雑多岐にわたればサービス行政だから機構がふえる、ふえるが、国家財政との
関係でどこでこれをコントロールするかということになるのだから、法定主義が正しいのだが、その
基本原則はどこかにいくのかと言ったら、いかないと言う。総理は、総定員法というものはこれは
法律だと言う。だから五十万何がしという総体の定員、これが上回るようなことのないようにしたいのだが、上回るということになれば
法律改正を求めるのだから法定するんだ、こういう理屈だった。これが当時の総理の言い分でございまして、実は三
国会これが通りませんで、さんざんもめたものでございますから、総裁室に行って、佐藤総理に私は直接お目にかかって長い話もした。いや
大出さん、とにかく理論的にはあなたのおっしゃるとおりだ、私は理論の通らぬ一省一局削減というショック療法をやった、それでもなおかつ各省がふやそうとするので、しようがないからこういう
やり方をするのだから、筋は通らぬがひとつがまんをしてくれ、そのかわり総定員の定数がふえるということになれば、これは
国会に、所管の内閣
委員会にかけてふやすことをお認めいただくという
手続をとるのだからと、こういうことだった。ところがあなた方が今度出してきた
やり方は、総定員法と言われるものはそのままにしておいて、片方の国立学校
設置法の方で、附則で、総定員法の枠から、ナショナルプロジェクトなどと言って、つまりお医者さんの学校のない県等々については次々につくっていくのだということで、ナショナルプロジェクトだからこれを外すのだと言って向こうで外す。これは重大な約束違反で、しかもこの総定員法は三
国会にわたり議論をして、最終的にあなた方は強行採決した。せっかく満場一致で通ってきていた旧来の定員管理の方式を根本的に変えた。だからどこの党も賛成しない、最後に強行採決をする、こういうことをやっておる。そのときの約束は、上回れば必ず総定員法の定数の頭をふやすという形の改正を
委員会にお諮りをする、こう言っていた。やらない。これはどういう神経なんですか。まず承っておきたいのですがね。官房長官、あなたも長く歴代の内閣その他の有数の地位においでになったのですから、これは佐藤総理の約束なんですが、いかがでございますか。