○
大倉政府委員 幾つかの御
質問がございました。
一つは、一律三倍というのは機械的に過ぎるのではないかという点でございます。確かに、何もかも三倍というのは余りに安易ではないかという批判の余地はあろうかと私も思います。ただ、これは非常に
関係省庁が多うございまして、また
関係の方々も多うございます。したがいまして、かなりの時間をかけまして、それぞれの業種を
指導監督しておられる
関係官庁を通じていろいろな御意見を伺って原案を作成したわけでございますが、その
過程で、この分はもっと
上げ率が低い方がいいとか、もっと高くてもしようがないという御
議論がまさしくございましたけれ
ども、結果としてはどの省も、いまある
バランスを崩すと、かえって問題が起こってきてしまう、やはりいまある
バランスは十年間
それなりに定着していると考えた方が、いろいろな方がすべてが御納得されるという案をつくるためにはそれしかないということに判断が到達いたしましたので、結果的にはまことに機械的でございますけれ
ども、いまの
バランスをそのままにして三倍にすることが、何と申しますか一番問題を起こさない、どこにも問題を起こさないという
解決方法であるという結論になって、いまの案を御提示しているわけでございます。
そこで、御
質問の中にございました
弁護士の場合でございますが、これは日弁連が
登録手数料をお取りになるときに、
司法修習生を終わってすぐの方は
手数料を若干安くしておられるということは承知いたしております。ただ、
登録免許税の方の
考え方で申しますと、
人的資格につきましては、そもそもその
資格を得て、そこから
収入が入ってくるというのは、いわば
登録の後の話でございまして、
登録を受けられる
段階ではどなたもその
営業からの
収入というものはないわけでございます、いかなる職業でございましても。したがいまして、
登録を受ける
段階での
所得の大きさという観念というのは、ちょっと採用ができないのではないか。
〔
委員長退席、
山下(元)
委員長代理着席〕
ただ、将来にわたってその方が
常識的にどのような社会的な地位なり、
一般的に世の中の人が考えておられる
所得なりを得られるであろうかということから、何となくという
言葉は非常に適当でないかもしれませんが、おのずからなる
常識からいままでの
税法上の
バランスができているのだろう、それは
弁護士さんが二万円であり
看護婦さんが三千円であるというのは将来にわたってという
感覚を入れて、
それなりにお互いにまあそれならばということで
関係省庁の方も納得されて、この十年来たのであろう、そう考えておるわけでございます。したがいまして、
看護婦さんなどは、いまとてもなり手が少ないんだし、三千円が九千円で六千円上がるということではあるけれ
ども、そんなものは上げないで据え置いたらどうかという御
議論も確かにございました、立案の
過程では。ただ、それをやると、それじゃ私も据え置きよというのがたくさん出てきて収拾がつかないということでございまして、
かたがた看護婦さんの場合は特に
前回の引き上げのときに千円から三千円になって、お医者さんの方は三千円から二万円になったということを踏まえて見れば、そのときの
バランスをそのまま踏襲してきて、今回は一律三倍ということでやむを得ないではないか、最も適当であるというほどの強い自信はございませんけれ
ども、それしか
方法がないではないかということで
関係省庁も納得しておられるということでございます。
それから、
人的資格の問題と別に
営業免許の系統、これは全然別のグルーブでございますけれ
ども、
営業免許の問題で
銀行というものは非常に大きな
資本を持たなければできないではないか、その
営業免許が一件十五万円というのはおかしいではないかという御
指摘がございました。それは、そこだけで考えますと確かにそういう
感じが出てくるという点はあろうと思います。ただ、
銀行の場合には、
免許を受けたらすぐに
仕事ができるわけではございませんで、これは釈迦に説法でございますが、
設立登記をして
支店を配置してやっと
仕事が始まる、したがって、
登録免許税だけの中で考えましても、
設立登記の場合には
資本金の千分の七の
負担をしていただいておるわけです。千億円の
資本金があれば七億円の
登録免許税を払っておられる。ですから大きさというものの
感じは、それは
設立登記の方でいわば
バランスがとれておるのではないか、その
営業ができるという一点だけで考えた場合には、大きさにかかわらず一件十五万円でいいのではないか、まあ
設立登記のときの
負担と合わせてみれば御
指摘のような
感覚も
登録免許税の枠の中では取り入れられているのではないかというのが私
どもの
考え方でございます。