運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1977-05-12 第80回国会 衆議院 交通安全対策特別委員会 第11号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十二年五月十二日(木曜日)     午前十時二十分開議  出席委員    委員長 鈴切 康雄君    理事 加藤 六月君 理事 左藤  恵君    理事 野中 英二君 理事 井上  泉君    理事 太田 一夫君 理事 新井 彬之君       阿部 文男君    北川 石松君       中村 弘海君    野田  毅君       堀内 光雄君    井上 一成君       久保 三郎君    吉原 米治君       草野  威君    寺前  巖君       伊藤 公介君  出席政府委員         内閣総理大臣官         房交通安全対策         室長      室城 庸之君         警察庁交通局長 杉原  正君         防衛庁防衛局長 伊藤 圭一君         運輸省自動車局         整備部長    犬丸 令門君         海上保安庁長官 薗村 泰彦君         建設省道路局長 浅井新一郎君  委員外出席者         大蔵省主計局主         計官      宍倉 宗夫君         文部省初等中等         教育局中学校教         育課長     白井  實君         文部省体育局学         校保健課長   遠藤  丞君         水産庁漁政部企         画課長     大坪 敏男君         運輸省自動車局         業務部旅客課長 桜井  勇君         運輸省航空局飛         行場部計画課長 武田  昭君         運輸省航空局技         術部運航課長  長沢  修君         運輸省航空局管         制保安部保安企         画課長     小池 公隆君         海上保安庁警備         救難部長    久世 勝巳君         労働省労働基準         局監督課長   倉橋 義定君         日本国有鉄道常         務理事     尾関 雅則君         特別委員会調査         室長      綿貫 敏行君     ————————————— 五月四日  ハイヤータクシー安全輸送確立に関する請  願(小林政子紹介)(第四四四七号) 同月六日  ハイヤータクシー安全輸送確保に関する請  願(安島友義紹介)(第四七〇六号)  同(川本敏美紹介)(第四七〇七号)  同(斉藤正男紹介)(第四七〇八号)  同(渋沢利久紹介)(第四七〇九号)  同(新盛辰雄紹介)(第四七一〇号)  同(田邊誠紹介)(第四七一一号)  同(田畑政一郎紹介)(第四七一二号)  同(村山富市紹介)(第四七一三号)  同(森井忠良紹介)(第四七一四号)  同(渡辺芳男紹介)(第四七一五号)  同(吉原米治紹介)(第四七一六号) 同月九日  ハイヤータクシー安全輸送確保に関する請  願(川本敏美紹介)(第四七五四号)  同(久保三郎紹介)(第四七五五号)  同(坂本恭一紹介)(第四七五六号)  同(山花貞夫紹介)(第四七五七号)  同(山田芳治紹介)(第四八五五号) は本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  交通安全対策に関する件      ————◇—————
  2. 鈴切康雄

    ○鈴切委員長 これより会議を開きます。  交通安全対策に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。左藤恵君。
  3. 左藤恵

    左藤委員 交通安全対策につきまして、当委員会でいろいろ御質疑がございました。最近は、関係者の御努力によりまして交通事故というものも漸減はいたしております。また、それによる犠牲者も少しずつは減っておりますけれども、私は、いろいろな立場から見て、まだまだきめの細かい対策というものをやっていく必要があると思いますし、またそれだけの効果があるのではないか、こう思うので、そういった見地から警察庁交通局長初め皆さん方に若干お伺いさしていただきたい、このように思います。  実は、昨年の五月十九日に当委員会で私がお尋ねした問題で、その後どういうふうに取り扱われているかということについて、確認をさしていただきたいと思う問題が幾つかございます。  その一つといたしまして、高速道路におきましてトラックとか乗用車、そういったものが、車両点検が不十分なために、たとえばガソリンが欠乏するとか荷崩れを起こすとか、そういう意味の不注意から生じる事故によりまして非常に渋滞を生ずる。これはもうたくさんの車、国民に対して迷惑をかけておるのであります。その現象に対して、市町村におきましては迷惑条例というものがあるわけでありますが、そうしたもので、いままでたとえば保安基準から見て整備不十分ということでそういった事故を起こした車に対する処罰が行われているのかどうか、そして、それだけで果たして十分なのかどうか、何かほかに守られなければならない法益というものがあるのではないかということを前回のときにもお尋ねをしたわけです。この点について警察庁でも検討しようというお話があったわけですが、その後検討された結果についてお伺いさしていただきたい、このように思います。
  4. 杉原正

    杉原政府委員 お答えをいたします。  御指摘のように、ガス欠の問題、それから荷崩れの問題、非常に迷惑をかけておりますのは事実でございます。これに対してどういうぐあいに対応したらいいのかということでございますが、基本的に、先ほどお話もありました迷惑条例というのが都道府県、市町村にいろいろございますが、これはいずれも故意犯が大体その範疇になっておりまして、荷崩れとかガス欠というのは故意でなくて、基本的に過失犯ということがございます。  それでちょっと迷惑条例範疇が異なるということでございますが、そこで守らるべき法益というふうなものを現行の法体系の中でどのように位置づけ、さらには例示のそういった行為に対します可罰性をどのように考えるか、また他の処罰との均衡というふうな問題がございますので、いま諸外国のいろいろな例を取り寄せておりまして、この辺を見ながら、これは通常の犯罪の体系の中で考えていくべきものなのか、あるいは過料のような、そういう範疇の中で考えていくべきものなのか、その辺のところもあわせながら十分検討して、早急に結論を出すようにしたいと考えております。もうしばらく時間がかかりますが、御容赦願いたいと存じます。
  5. 左藤恵

    左藤委員 過失犯という見地迷惑条例対象とは違う場合がありますが、先日、これは過激派の学生か何かだと思いますが、道路くぎをまいたり油をまいたりして、車を路上に放置するというような事件があったと思います。こういった場合には、高速自動車国道法の二十六条で、そういったものは処罰対象になるのではないかと思います。  その場合に、これは未遂罪も罰するという規定になっておりますが、たとえばいま問題になっております成田空港周辺の騒擾の問題につきましても、高速道路を走っていくという段階においてそういった危険性があった場合に、それを未遂罪処罰するという意味でチェックするということができるのかどうか、この辺についての現実の問題としての取り扱いをどうなさっているか伺いたい。
  6. 杉原正

    杉原政府委員 極左暴力集団によります道路くぎをまくとか、これは故意犯の領域でございますけれども、いわゆる往来妨害事件というものがございまして、これは私どもが把握したので七件ございます。高速自動車国道法の二十六条の適用を受けますものが愛知、大阪でそれぞれやっておりまして、これは高速自動車国道法違反と刑法の往来妨害事件、これの容疑として捜索令状その他で捜査をやっておるというふうなことで、まだ犯人の検挙には至りませんが、そういう容疑で現在捜査中でございます。  なお、七件、そういういろいろな平場等につきましてもありますので、同じ捜査対象としてやっております。
  7. 左藤恵

    左藤委員 この前のときにも少し私からお伺いしたのですが、要するに暴走族というものは、夏になってきますと活動が非常に活発になってくるという問題がございます。すでにまたそういうふうな動きがあると思いますが、そういった暴走族というものに対して、少年であるとかいうふうな見地から見て、取り締まりが少し緩過ぎはしないか、もう少し厳しい、たとえばいまの高速自動車国道法の二十六条というようなもので、交通の危険を生じさせる心配がある場合には、未遂でも処罰することができるというような法律もあるわけでありますから、——現に、たとえばそういったものについて、パトカーが逆に何かそういう心配があって、それを護衛して回っているような実態というものは少しおかしいのじゃないか、もう少しそういうものに対する厳しい態度があっていいのじゃないかと私は思いますが、この辺についての御見解をお伺いしたいと思います。
  8. 杉原正

    杉原政府委員 いま暴走族と言われますものが全国で約三百五十グループ、二万人、われわれの把握しておりますのでおるわけでございますが、これが非常に皆さんに迷惑をかけるというふうなことでございまして、これは相手が少年ということで、私どもの方の立場から言いますと、よく心情は十分理解し、できるだけのあれはやっていきたいという基本的な姿勢ではありますが、何さま他人に迷惑をかける、車列に人を引っ張り込んでぶん殴るというふうな非常に悪質な事案が最近非常にふえておりますので、私どもとしては、これを甘やかすという姿勢はいささかも持ちませんで、そういうものに対しては、徹底した処置をやっていきたい。  五十年の六月に、免許の行政処分というのがありますけれども暴走族につきましては、他の一般違反行為の上に三十日を付加するというふうな形で現在処理をしております。これで大分効果があったような感じはいたしますが、明日からまた、神戸まつりというふうなことで、昨年死者が出たような、ああいう暴走族が騒ぎのきっかけになるというふうなことがございますので、これからもいろんな法令を駆使して徹底した措置を講じていく、それを解体に結びつけていくということで処理をしていくようにしたいというふうに考えております。
  9. 左藤恵

    左藤委員 こういった問題については、ぜひ国民全体の立場から判断して、厳しい取り締まりをすることによってそうした安全を確保していただきたい、御要望を申し上げておきたいと思います。  それから次に、自動車の例の満艦飾という問題について、前回のときにもいろいろ質問を申し上げましたが、保安基準の点から見て、ランプを赤とか黄とか緑とかいう交通信号と紛らわしい色は違反だけれども、それ以外のものについては、検討するけれども、必ずしもじゃまにならないのじゃないかというような御意見もありました。その後、何かこの問題について検討されたかどうか。  そういったランプの問題だけでなくて、あるいは変形ハンドルといいますか、そういうふうな問題でこれも交通安全上問題があるのではないかと私は思いますし、さらにまた、もう一つの問題といたしまして、たとえばアクセサリーとしてつけておりますナンバープレート外国ナンバープレートのようなもので、つける場所にもいろいろありまして、そうした場合に、交通事故があった、そのナンバーがアメリカのあるステートのナンバープレ−トがつけられておるということであったら、その番号を覚えた場合に非常に混乱を生ずるとか、いろいろ問題があると私は思います。  そういったアクセサリーというものについての限界がありますが、そういうものについて、車両検査のときには必ず相当厳しいものをやっておられるといたしましても、現実問題としては、非常に適宜に取り外しができるものですから、そういうものに対しての取り締まりというものもないわけです。基準というものを、警察庁としてどういうふうな指導をしておられるか、また、運輸省としてどういうふうな考え方を持っておるか、その後何か検討された問題があれば、御説明いただきたいと思います。
  10. 犬丸令門

    犬丸(令)政府委員 いわゆる満艦飾トラック、もしくは暴走族用変形ハンドルでございますとか、その他車高を下げますとか、その種のいわゆる不正改造等が昨年来ございまして、この委員会におきましても御指摘をいただきましたところでございます。また、ただいま御指摘がございました外国自動車ナンバーアクセサリー的に車両に取りつけて走る、こういったようなことは、いずれも車両法もしくは保安基準違反するものでございます。  まず、満艦飾トラックでございますが、これは種々の飾り灯火をつけて走っておりますものですが、このうち、赤色、紫色、緑色、こういった灯火保安基準で禁止いたしておるわけでございまして、これらの灯火満艦飾トラックに多く使われておるのでございますが、保安基準違反でございますので、これらを取り外すことによって、ほぼ交通安全上の障害を除去することができるのではないかと考えておりますわけでございます。  昨年、この委員会で御指摘をいただきました関係もございまして、昨年の七月に自動車局長通達を出しまして、自動車関係業界車体業界自動車整備業界販売業界等に対しまして、この種の自動車不正改造の防止について強く指示したところでございまして、この線で、また今後ともそういったような不正がなされないよう、私ども十分に進めてまいりたいと考えておるところでございます。  それからまた、ナンバーのことでございますが、これは道路運送車両法におきまして、何人も自動車登録番号標に紛らわしい外観を有するものを使用してはならないというふうに規定いたしておるわけでございます。外国製ナンバープレートは、寸法、文字、色等いろいろございまして、また取りつけ場所によりましては、必ずしもこの規定によって車両法違反であるということにはならないかもしれませんが、ただいま先生が御指摘になりましたような、本来、自動車のわが国の車両法による登録番号標を表示すべきところにこういったものを表示するということは、これは間違いなく違反でございます。また、紛らわしいものを紛らわしい位置に取りつけるといったようなことも、この法律の趣旨から見て弊害を生ずるおそれがございますので、こういったものについて今後とも自粛を求めて、そういったことのないように対策を進めてまいりたいと考えます。  また、こういったものを含めまして、自動車不正改造ばかりでなく、そのもとでございますところの自動車用品そのもの自動車関係用品店の店頭において販売されるということは、必ずしも好ましいことではございませんので、私どもといたしましては、不正改造に使用されないように、こういったふうな自動車用品販売について適正な指導をしていただきますように、通産省に対しましてもお願いをいたしましたところでございます。  これらの問題については、今後ともその対策を進めて、こういったような違法車両がなくなるように努力をしてまいりたいと考えておりますところでございます。
  11. 左藤恵

    左藤委員 いまの問題で大分改善していただいておるというわけでございますが、こういった警察庁現実に取り締まる問題、そしてそれに対する基準をつくるのは運輸省であり、さらにまた現実プレートとか何かの販売をしておる者に対する行政指導という面は通産省であるというような、各省にまたがる問題について、たらい回しされたのでは困るわけでありまして、一つの取りまとめというものを交通安全対策見地から総理府の交通安全対策室長さんの方でやっていただけるものかどうか、この辺はいかがでしょうか。
  12. 室城庸之

    室城政府委員 各省庁にまたがります対策等につきましては、交通安全基本計画というようなもので大筋を定めておりますが、そのほかにも、その都度交通対策本部決定というようなことで、調整の結果を政府各機関の意思として実行いたしやすいような仕組みを従来もとっておりますので、こういった組織に乗せてこの問題の調整を図り、また実施の効果を上げるように努めてまいりたいというふうに考えております。
  13. 左藤恵

    左藤委員 それから、これは一つ新しいアイデアみたいなものでありますけれども交通信号というものが現在、これは国際的な条約によって決められておるのだと思いますが、単に、赤、黄、青という三つの色を丸いところに表示するという形になっておるわけであります。最近は、結局運転する者につきましては、色盲検査というものもあるわけなのですが、一般歩行者の場合、色弱の人、色盲の人というのもあるわけなのですが、こういったことで、たとえば停止信号の場合はバツ印をつけて、そしてバツ印のところに赤いランプがつく、それから注意信号の場合は三角なら三角というようなものにして、そして青いのは丸い、こういうようなことであれば、色と両方あわせてやることができると思うのです。  そういった問題については、これは国際条約で決まっておるならば、そういったものを提案してみたらどうかという一つ考え方を持つわけなのですが、これについての何か御意見がありましたら、お伺いしたいと思うのです。
  14. 杉原正

    杉原政府委員 色盲その他の方がかなりおられるという実態から見ましても、先ほど先生の御指摘アイデアは非常におもしろいといいますか、やっぱり私どもいろいろそういう面をこれから考えていかなければならないことだと思いますし、先生がおっしゃったことを私もちょっと部外の方からお聞きをしたことがございまして、いま事務的にどういうふうにしていったらいいのか。国際的な問題もございますので、十分そういう方向で検討してみたいというふうに思っているところでございます。
  15. 左藤恵

    左藤委員 それから、これはひとつ文部省の方にお伺いいたしたいと思いますが、最近、小学校の高学年、五年生、六年生あるいは中学校の低学年の男子の児童に多いと思うのですが、外国の車、特にスポーツカーといったものを自分の持っておりますカメラで写す、そしてお互いがそういう情報交換をするというようなことが一つの流行みたいになっておる。大阪の場合ですと、御堂筋のある地点に近畿一円から子供たちが集まってくる。特に休みの日は、そういうところに殺到する。そして、歩道だけで写しているとか、あるいは歩道橋の上で写しているというなら、まだそれほど危険性が少ないと思いますが、車道にまで乗り出してくる。非常に危険だと思うのですが、こういうことに対しまして、文部省としては、学校教育段階で、交通安全指導というものについて、何か手を打っておられるのかどうか。この辺のところで、教育委員会に対して指示するとかといったことを何かやっておられるかどうか。この辺についての指導実態をお伺いいたしたいと思います。
  16. 遠藤丞

    遠藤説明員 学校教育におきます安全教育という問題につきましては、一つには、教科の中で、中学校で申しますと、保健体育という教科の中の保健分野におきまして扱うという教育の内容がございますが、そのほかに、特別活動という教育範疇の中で安全指導というものを、一年間を通じまして計画的に時間を確保して、指導をするということにいたしております。  小学校中学校につきましては、その安全指導の面が非常に重要であろうということで、四十七年と五十年に安全指導の手引きというものを文部省として作成いたしまして、各学校に配付をいたしまして、これが活用されるようにということでお願いをいたしているわけでございます。  特に、先生指摘のような、最近の乗り物、主として外国スポーツカー、それからSLといったようなもの、あるいはSLを含む鉄道の写真というようなものを競って撮影に行くということが過熱してまいりまして、大阪におきましては、特に最近そのような傾向が顕著に見えておるということで、大阪府の教育委員会といたしましては、春休みに入ります直前に、管下の教育委員会あて休み中のそういった生活安全といいますか、生活において危険な行動に走らないように、本人に対してももちろんそうでございますが、親に対してもその旨を徹底するようにという通知をいたしておるわけでございます。不幸にして事故が起こってはおりますけれども、今後ともそういった指導の充実を図ってまいりたい、このように考えております。
  17. 左藤恵

    左藤委員 この前、ある週刊誌にもこういったことについてのブームというものを単に報道するというだけではなくて、何かそういったものをあおるような報道というものがあった場合には、これは言論の自由というようなことではありますけれども、やはり文部省としても、そういった子供交通安全という見地から、そういったものをあおるような記事というものに対して抗議をするとかいうふうなことにして、そういった指導を徹底していただきたい。先ほどのお話にありましたSLブームというものは、一応SLそのものがもういま走らなくなりましたけれども、今度はまた、特急列車にはねられたというふうな事例もございますので、十分そういったことについての安全教育というものに配慮をしていただきたいということを要望いたしたいと思います。  それから、次に、駐車違反の問題について、いろいろお伺いいたしたいと思いますが、このことにつきましては、前回も、また私はとにかく数回この駐車違反に対します取り締まり実態ということについて、特に商店街におきます駐車違反取り締まりというものが、なかなか実情を見ますと、改善されていないどころか、最近は特にひどくなったような気がすると思うわけであります。  具体的には、私が例を申しますと、大阪松屋町筋というのがございまして、ここに人形屋さんとか、そういうのがずっとあるのですが、この辺のところの商店荷物の積みおろしというものについて終日駐車しておるということが第一。そこへまた、小型トラックでありますと、二重駐車三重駐車ということが現実に行われております。  取り締まりをなさっておるかということの実態を伺いますと、取り締まりをしておるということですが、何か非常にそういったことについて、現実では、もう六車線ほどありますところが真ん中の二車線なり、三車線くらいしか有効に使われていないということで、車の渋滞も生じておる。せっかく一方交通にして車の流れをよくしようということにしてあるにもかかわらず、そういった実態で、ある特定の人に独占されておるということについて、取り締まってもハエを追うようなものであるというような実態であるので、それで一体いいのだろうか、私は非常に疑問に思うわけであります。  問題はそういうことですけれども、やはり商店としては車庫とか、そういうようなものを十分持ち合わせないし、現在におきましては、荷物の積みおろしというものはどうしてもやらなければいかぬと思うのですが、そこである一定の時間帯、たとえば十時から二時とかというところだけは駐車禁止を解いたらどうかというようなことについて、過去もうここは終日駐車禁止というところにするのだと決めて、もうそれしか考えられないのだというようなかたくななことじゃなくて、過去のことにとらわれないでそういうことをすべきじゃなかろうか。あるいはパーキングメーターで四十分パーキングということをやって、そういうことで商業活動をその時間帯だけでもとにかくできるようにして、そのかわり厳しく取り締まっていくということにしなければ、何か取り締まりをしたときにつかまったら不運であったというようなことであっては、私は、根本的に遵法精神に影響してくるのじゃないか。子供から聞かれて、ああいうところへ車を置いていけないと書いてあるのに、置いてあってもだれも何も言ってこないじゃないかというような、そういうことに対する遵法教育という点から見ても、私は非常に大きなマイナスじゃなかろうか、このように思うわけであります。  実態として、警察が取り締まるだけの定員とか、そういうようなことで能力がないというなら、またそこで考える方法もあるのじゃなかろうか、こういうことについて放置しておくこと自体が、私は前からお願いしているわけですが、一向に改善されないのですが、その辺のことについて警察庁としてはどういうふうにお考えであるか、伺いたいと思います。
  18. 杉原正

    杉原政府委員 駐車の問題につきましては、全く先生から御指摘のとおりでございまして、大阪のこの面につきましては、本部長以下本腰を入れて対策をこの際考えたいということでございます。  いろいろ一般的なあれがございますが、御指摘場所につきましては、いろいろ商店活動実態、営業の実態が違うところから、貨物の集配等の商用のための車両の使用時間が非常に区々でございます。それから、ある時間帯規制を解除して、そのときに集中をさせますと、逆に二重、三重の集中になるおそれが出てくるという面がございます。  そこで、いま考えておりますのは、あくまでも地元の商店街の積極的な理解と協力が必要でございますが、パーキングメーターを設置をしまして、短時間の駐車需要の処理をいま計画をしておるようでございまして、地域の商店会等といま相談を始めたようでございます。  なお、五月の十日からあそこの地域について、他の署の応援も得て大々的な駐車違反取り締まりを実施をするというふうに聞いております。
  19. 左藤恵

    左藤委員 とにかくそういった点から見て、何か警察と商店街との間で、いまはやりの言葉で言えば癒着しているのじゃなかろうかというような、そういう市民の声というものに対しても警察が説明できるようなことをやっていただかなければ、警察に対する一つの信用とか信頼というものがなくなってしまうということが私は一番恐ろしいんじゃないかと思います。そういうことについて積極的に、そしていつまでもそういったことを放置しないでやっていただきたいと思います。  特にもう一つ、歩道というものに商品をいろいろ置いておるという実態は、これはもう全国至るところにあろうと思いますが、その程度のことにつきましても、たとえば品物を道に展示してある場合にどこまで取り締まっておるのかということについて、Aの警察とBの警察でそういった取り締まり基準というようなものが違っておったのでは、そこにまた一つの法の公平というようなものもあろうかと思います。地域的な実態というようなものももちろんあるわけでありますけれども、そういうことについての警察としての何か——いまの地域におきましては、車道までそういった商品を置いておるという問題について、これは非常に私は公道を、そうでなくても渋滞をする道路をそういったことで独占していくということについては、非常に問題があると思います。  こういうものに対する指導基準をどこに置くかということについては、私はやはり警察庁で考えて、そしてその線を出していただく。それから実態、こういう場合はこうだというようなことについての現実の問題についての指導はそれぞれの警察でやる、そしてそこに一つの法的な公正というものを持っていただかなければならないと思いますが、こういったことについての取り締まりに対する方針は、どういうふうに考えておられますか、これをお伺いいたしたい。
  20. 杉原正

    杉原政府委員 これは路上の放置物件、あるいは作業というふうなものを考えますと、私どもで全国一律のきちっとした基準をつくるというより、むしろ地域で、同じ土地柄であっても商業活動実態道路の状況、そういうふうなものをかなり個々に検討していきませんと、やっていることが余りにも非常識だというふうな形になる場合も出てまいります。  そこで、私どものこういう路上作業あるいは路上の放置物件というふうなものの取り締まりと並行しまして、東京の横山町などでかなり成功したので、物流対策といいますか、荷物を個々に出すのではなくて、一定の時間にある商店のものを一斉に出してトラックに積み込むというふうな、そういう物流の合理化、共同配送と言っておりますけれども、こういうふうなものをやはり片方で取り入れていきませんと、やってもやっても同じような状態になっていく。余りきつくやると、営業そのものができなくなる。そういう形になりますので、その両面を考えながら、取り締まりの方も手を抜くことなく、そういう方向に持っていくように関係の向きとも協議をし、協力をしていきたいというふうに考えております。
  21. 左藤恵

    左藤委員 その辺のところは非常にむずかしい問題ですけれども、私は、やはり当然一つ指導基準というものがあっていいんじゃなかろうかと思います。  たとえば店のところから五十センチとかいう範囲のところは、歩道が三メートルあればその程度のものは認めるとかいうようなことがあってもいいんじゃないかと思います。そして現実に、いま申しました歩道じゃなくて車道までオートバイ、二輪車ですかの中古、それから新車、それの修理とか販売の店においては、現実にそういったものを車道にまで出して並べておるということで、そういうことがまかり通るということになれば、一体どこまで、先ほど申しました道路の占有というものがいいのか、占有することが当然の権利のような、そういうことがあってはならないと私は思います。そういうことについての指導が弱いんじゃないかというか、いままで全然やってないんじゃないかというようなことを思いますので、ぜひこの点についてやっていただきたいと思います。  これに関連しまして、この前もちょっとお伺いしたのですが、都市の構造という問題から見まして、都市の機能を保持しながら自動車交通の需要を完全に満たしていくということは非常にむずかしい、場合によってはマイカーの規制とかいうふうな問題をやっていただいたらどうかということについてこの前お尋ねをいたしましたら、そのときにシンガポールの実例なんかお話しになりまして、必ずしもうまくいってないというようなことで、結局このことについては、またもとへ戻ったような印象があるわけなんですが、この問題についてひとつ検討していただきたい。  町の中から車を追い出すということをやれば、車を追い出す順位といいますか、そういうふうなものをどういうふうに盛っていくのかということについて、バスの優先レーンとかあるいは専用レーンというものを確保するとか、あるいは逆に、広い通りにむしろ緑地帯をよけいふやしたらどうか、こういう意見まで最近出ているわけなんです。そういうことをして、それで車の流れが渋滞することによって、かえってまた逆に緑地帯を設置した以上に排気ガスとかいうことに対する公害の問題というものが生じて、健康を損なうようなことがあってもならないわけであります。  そういったものを含めまして、検討はどこでやっていただけるものか、これは単に警察だけの問題でもないと思うのです。そういうことについて、建設省の道路関係の問題とも関連しますが、こういった問題については、どういう形で政府として取り組まれるのかということについてもお伺いさせていただきたいと思います。
  22. 室城庸之

    室城政府委員 自動車の総量の抑制ということは、いろいろな角度から従来も言われてきておるわけでございますが、直接にはいわゆる公害問題から、移動発生源としての自動車を抑制する必要があるんではないかという形の発想が一つございます。さらに、道路の上での自動車量といいますか、いわゆる交通渋滞の原因になっておる自動車量というものを相対的に減らしていく必要があるんではないかという角度からの発想がございます。  いずれにいたしましても、全体として都市内の道路の容量というものに対して、どの程度の自動車量というものが適当であるのかという問題を実は各国とも追求いたしておりまして、わが国においてもそういった問題についてもう少し研究を進めてみたらどうかということで、実は五十一年度から三カ年の計画をもちまして、総理府交通安全対策室が中心になりまして、総量抑制の問題というのを研究、調査いたしております。現在、特別の委員会を設けまして、専門の学者の先生方にも御参加をいただきまして、昨年度、今年度、来年度と三カ年にわたって研究を進めてまいりまして、その結果、わが国において現実に行政的な措置として行い得るものは何であるかということを研究してまいりたいというふうに考えております。  一つは、積極行政の面で、といいますのは、たとえば公共輸送機関というものをより充実していく。さらに市民の足としてこういったものが使われやすいような条件をつくっていく、いわば運賃を安くするとか、あるいは終夜に至るまで終日運転しておるような運転系統が確保されるとか、あるいは市民の要望に応じた路線網が構成されるとかいうようなことが積極的になされていけば、その結果として、自然にマイカーというものが減っていくんじゃないかという積極行政の面からのアプローチ。さらに、現在日本でもやっておりますような消極行政、主として警察の交通規則を中心にいたしまして、現在よりも車自体にいろいろな形の制限を加えていくというような面での消極行政の面からのアプローチというものがあろうかと思います。  いずれにいたしましても、そのどちらかだけやっておれば解決するという問題ではなかろうと思いますので、両面を踏まえまして、具体的な施策としてどういうことが現実に可能であるのか、また、今後の自動車の総量の伸びというようなものを考えながら、いわば都市機能を維持するための方向としてどういった方向を選ぶべきであるのかというようなことについて、総合的に検討してまいりたいというふうに考えております。
  23. 左藤恵

    左藤委員 どこでやっておられますか、どこの主管ですか。
  24. 室城庸之

    室城政府委員 総理府の交通安全対策室が中心になってやっております。
  25. 左藤恵

    左藤委員 この問題については、ぜひお話のようなことで早く結論を出していただく。そしてまた、いまの積極的な面と消極的な面、両面があるということでお話ありましたが、単に警察の取り締まりとか、そういうことだけではなくて、非常に幅広く、たとえば車に対する税制の問題とかというふうな問題にも当然関連してくるわけだと思いますので、そういったことについては審議会、各方面の御意見をまとめられたならば、ひとつ積極的に具体的な施策になっていくようなことについて、たとえば法改正というものも、手続的には大変だろうと思いますけれども、そういうことにかかわらず積極的に取り組んでいただきたい。非常に狭い面積の中へ車だけが殺到するということになって動きがとれなくなってしまうということで、それは国民の健康、交通の安全、いろいろな面で、たとえばいらいらを起こしていくというような心理的な面まで響いてくるというようなこともありますので、十分配慮していただきたい。  時間になりましたので、その他の点につきましては、また今後に譲ることにいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。  ありがとうございました。
  26. 鈴切康雄

    ○鈴切委員長 次に、井上泉君。
  27. 井上泉

    井上(泉)委員 それでは、私はこれは警察庁交通局長にお尋ねするわけですけれども、あなたは新任早々、新任と言ってももう大分になるのですけれども、大体委員会で審議をされたこと、あるいは委員会で行ったことについては、誠意を持ってこれは当たってもらわないと困るわけですが、あなたが誠意がないというわけではないと思うわけですけれども、まず、委員会における論議の過程とか、あるいは委員会調査したこと、そういうことについては、あなたはどういうお考えを持っておられるのか、まず、その点承りたいと思います。
  28. 杉原正

    杉原政府委員 私のこの席での答弁とか、その他について不十分な面も多々あろうと思いますが、実は先般来井上委員から御質問のありました件につきまして結論が出ましたので、早速これは先生に連絡をとってほしいということで、担当の課長にすぐ御連絡するようにということでやりましたのが、これは私どもの内部の全く事務的なミスでございまして、先生御不在のときに、詳しいことを言うべきことをだんだん下におろして連絡をしたために、内容が全くわからないような者が御連絡を申し上げたという形になりまして、昨日私、その話を聞きまして、担当者に強くそれを指摘して、以後そういうことのないように十分留意しろということをいたしましたので、この席をかりておわびを申し上げたいと思います。
  29. 井上泉

    井上(泉)委員 たとえば、大川村のバスの転落事故については、非常に重要な問題だということで、当委員会として、これは社会党が視察に行ったということではなしに、当時の太田委員長がこういう過疎地における交通事故等については非常に重要なことだからということで、委員会調査に行った経過にあるわけです。  ところがそれの報告をいただいたところ、全くお話にならぬ報告であるわけで、私は地元であるから、地元の新聞では大々的に六段、七段抜きで、「通学バス転落事故 県、業者を書類送検 仮橋工事にミス 県の監督にも抜かり」と、こういう大々的な報道がなされておるわけですが、やはりこれは委員会調査に行って、問題がどうなっておるのかということでこれを追及したわけですから、そうすれば、少なくとも委員長個人じゃないですから、私は、委員会がそういう事故調査に行った結果については、やはりこれは委員会に報告をするなり何なりの処置、それから通り一遍の——これは県も一年有余かかっているのですから、そうして大学の先生に鑑定を頼んだり、検査を頼んだり、いろいろしているのですから、もっと詳しい事故原因の究明の結果についての報告があってしかるべきだと思うわけですが、そのことはどうですか。
  30. 杉原正

    杉原政府委員 全くの私どもの手落ちでございます。この席をかりておわびをし、二度とこういうことのないように十分考えていきたいと思います。
  31. 井上泉

    井上(泉)委員 それと同時に、私は大川村のバス転落事故についての経過については、当時の委員会調査であったわけですから、委員会にその報告をするということが行政が流れておることになって——そのときの委員会でやったことはもう次の委員会では知らぬ、こういうことになるから同じことをいつも蒸し返さなければいかぬわけです。これは別に警察庁だけの問題じゃないです。これは運輸省にしても総理府にしても、そのことは言えると思うわけですが、その委員会でその日に論議をして、そこで済んだら後はもうどういう経過をたどろうともお構いなしということではなしに、やはり交通安全対策の仕事というものは流れておるのですから、絶えず安全対策というものは進んでおるわけですから、そのときに問題になった点等についての処理については、委員会等に報告というようなことは、これは当然なさるべきことだと思うわけなので、その点ひとつ十分警察庁においても留意をして対処していただくようにお願いをして、私は、この問題についての質問はもうこれで打ち切りたいと思いますので、ぜひそういう御配慮をお願いしたいと思います。  そこで、その次に私は運輸省にお尋ねするわけですが、労働省も来ておりますね。  ハイヤータクシーの運賃料金が改定をされて、そうしていろいろタクシー業界のあり方というものがよく言われておるわけですが、タクシー労働者の身分というか、そういうものが非常に不安定な状態の中に置かれておるということを指摘せざるを得ないわけです。というのは、十六時間もハンドルを持ってやるとか、あるいはオール歩合の出来高払いとか、そういうふうな労働条件の中で働いておる者がずいぶん多いわけですが、こういうタクシーの労働者、タクシーの運転者の労働条件というようなものについて、労働省はどういうふうに考えて指導されておるのか、まずその点を。
  32. 倉橋義定

    ○倉橋説明員 タクシー運転をされる労働者の方々につきましては、労働の特殊性及び交通事故というような一般公衆災害の問題もございますので、労働省といたしましては、これらの方々の労働条件の向上につきましては、重点的な対象といたしまして過去、現在も取り組んできておるところでございます。具体的には、昭和四十二年にタクシー運転手の労働基準といいますか労務管理の改善基準を出しまして、それに基づきまして鋭意業界を指導してまいっておりますし、また、最底労働条件に違反する、基準法に違反するような事案につきましては、監督指導を通じましてその是正を求めるとともに、悪質なものについては厳正なる司法処理に付しているところでございます。
  33. 井上泉

    井上(泉)委員 もとの大川村の関係でちょっと後戻りをするわけですが、私、メモに建設省の方の名前がなかったので、どうしたことかなと思ったのですが、建設省の道路局長にお尋ねするわけです。  こうした大川村のバスの転落事故が架橋工事のミスで、それは業者と県の監督、こういうことになっておるわけです。これは発注者である道路管理者の責任が問われた鑑定結果ということになって、今度はその補償問題というものがまだ何もなされてないわけですが、こういう結果になった場合に、こうした補償問題はどういうふうになるのですか。
  34. 浅井新一郎

    ○浅井政府委員 お答えいたします。  この道路は、道路管理者は高知県であるわけでございますが、高知県は、この事故の後、早期に被災者の救済を図るために、見舞い金の拠出とか生活資金の貸し付け等の措置を講じてまいってきたところでございます。しかし、その後一年を経て、御指摘のような事態がはっきりいたしたわけでございます。  今後、示談等のお話し合いをすることになろうかと思いますが、今後も、被災者に対する救済につきましては、誠意を持って積極的に当たるというふうに高知県の方も申しております。建設省といたしましても、被災者の救済につきましては、十分誠意を持って当たるように県当局を指導してまいりたいというふうに考えております。
  35. 井上泉

    井上(泉)委員 それでこういう場合には、やはりこれは自動車保険の損害賠償の保険には該当しないわけですから、これは県が誠意を持って事に当たらにゃならぬ、こういうことになるわけなので、建設省の方としても、県に対してこうした問題についての責任を問われておるのだから、早く補償問題については解決するように、そういう指示なり、あるいは勧告なり処置をとっていただきたいと私は思うわけですが、どうですか。
  36. 浅井新一郎

    ○浅井政府委員 先生お話のような方向で指導してまいりたいというふうに考えております。
  37. 井上泉

    井上(泉)委員 よろしくお願いします。  そこで、タクシーの問題へ戻るわけですが、いま労働省、四十二年にそういう通達を出してからと言うが、そのことによって改善の状態というものがかなり出ておるのでありますか。それからまた、そのことは運輸省はどういうふうに考えておるのか。労働省と運輸省とそれぞれからお伺いします。
  38. 倉橋義定

    ○倉橋説明員 四十二年からその改善基準に基づきまして鋭意業界を指導監督をいたしております。この内容につきましては、業界にも相当浸透はしてきておりまして、個々の具体的な企業におきましては、相当の遵守状況を確保しておりますが、何せタクシー企業の数が多いわけでございまして、毎年毎年問題のある企業を選びまして、監督を実施しております。  ちなみに、昨年タクシーの事業所を監督した状況でございますが、その監督した事業所の八割以上に何らかの法違反が認められたということでございまして、この法違反違反率というのは、過去数年さほどの変化がない、減少を示しておりません。ただ、先ほど申しましたように、個々具体的な企業につきましては、改善が進んできております。改善のおくれておるような企業を選びましてやっている関係もございまして、違反率が非常に高いわけでございます。  今後とも悪貨が良貨を駆逐することのないように、悪質な事業所を選びまして、厳しい行政指導、監督をやっていきたいと思っております。
  39. 桜井勇

    ○桜井説明員 お答えいたします。  タクシーの運転者の労働条件の改善につきましては、ただいま労働省からお答えがございましたけれども、従来から労働省を中心といたしまして、いまお話のございました四十二年の改善基準を遵守させるという形での指導監督が行われているわけでございます。  私ども運輸省といたしましても、道路運送法に基づきまして、私ども立場といたしましては、安全輸送と旅行の利便増進を図るという観点でございますけれども、そういった面からの指導監督を行っております。労働省と私どもの方の間で相互通報制度というのがございまして、私ども陸運局におきまして監査を実施いたしました際、労働基準関係法令の違反を認めたような場合には、所轄の労働基準監督機関への通報を行うということになっておりますので、私ども、今後ともこういった制度を活用いたしまして、労働関係機関との連絡、協力を密にしていきたい、かように考えております。
  40. 井上泉

    井上(泉)委員 それでは、オール歩合制とかいうようなことは、労働条件の点から考え、そうして運転者の身分の安定、そういうふうな点から考えてよくない、こうしたことは指導してない、こういうことははっきり言えますか。
  41. 倉橋義定

    ○倉橋説明員 改善基準によりましてタクシー運転手の賃金を平均的に確保するために、六割の保証をするようにというような基準を出しておりますし、また、極端な刺激的な歩合制をとる場合につきましては、どうしても過度の運転を強いられるという結果になるために、極端な累進歩合制につきましては、これを採用してはならないという線を出しまして、業界を指導してきております。そういうような結果、固定部分を採用している企業が相当ふえている状況でございます。
  42. 井上泉

    井上(泉)委員 ところが最近では、タクシー経営者が逆にこのオール歩合制を採用する、あるいは労働時間の延長というような、いわゆる労働条件改善という面から見ればむしろ逆行しておる、そういうふうな動きというものが非常に強いわけです。もちろん労働条件の改善ということは、第一次的には労使間の交渉によって決めるべきことですけれども、少なくともお客を運送する、そうして運輸省の免許の事業であるというような点から考えても、私は、タクシー運転手はそういうオール歩合でやれとかいうような動き方については、これは運輸省にしても労働省にしても厳重に注意をせにゃならぬ問題じゃないかと思うわけです。  そこで、労働省にしても運輸省にしても、そういうオール歩合制の場合に、たとえば厚生年金だとか厚生保険とかいうようなものの基準収入額というものをどういうふうに位置づけておるのか。そういうことは承知をしてないわけですけれども、労働者が厚生年金を受給するに当たっても、こんな歩合制でやった場合にどういうふうに処理しておるのか。これは労働省も監査をした場合に、オール歩合制のところはどういうふうにやっておるのですか。
  43. 倉橋義定

    ○倉橋説明員 社会保険料の算定にどのような方式で採用しているかは、ちょっと私ども承知しておりません。しかしながら、私ども先ほど言いましたように、歩合制をとる場合につきましても、通常の賃金の六割以上を固定給与と合わせて払うような制度をつくれという指導をしてまいってきておるわけでございまして、まあ若干の月間におきます収入の波動性ということはあるわけでございますが、その中で確保された賃金の中の所定の金額が法律に従った保険料負担ということになるんではないかと思うわけでございます。
  44. 井上泉

    井上(泉)委員 ぼくは厚生省の関係の方にも言うてあったのに来てないですが、やはりそういうタクシー業者が不当な労働行為というか、そういう通達にも違反したようなことでオール歩合制を採用しておるようなところに、調査をした場合に、一体そういう労働者の社会保険の算定の基礎になる収入を幾らにしておるのか、そういう調査はわからないからされないわけですね、いまの答弁によると。これは運輸省も同じことですか。
  45. 桜井勇

    ○桜井説明員 先ほど申し上げましたように、道路運送法に基づきます安全輸送なり、あるいは旅客のサービス向上という観点から私ども指導監督をいたしておりますので、先ほど労働省からお答えございましたが、賃金の具体的な形態等につきましては、私どもは詳細につきましては承知しておりません。
  46. 井上泉

    井上(泉)委員 賃金の具体的なことは承知をしてないと言ったところで、これはやはりタクシーを許可するに当たっては——タクシーを運転するのは、車はひとりで動きやせぬですから、タクシーというものは運転手があって初めて動くし、タクシーとしての役割りを発揮するわけだから、だからそのタクシーの運転者の労働条件というものを、十六時間制を採用するだとか、あるいはオール歩合制でやるのだとかいうようなことは、交通安全の観点から見て、タクシー労働者に非常に過重な負担というものを与えるという認識にはならないですか。  それで、一体これはどういうふうなことになっておるのだろうとかいうようなことを、やはり免許を与えるに当たって、労働者のことを考えずに、ただそのままタクシー業というものを見るということは、これは私は運輸行政として非常に手落ちである、こういうように思うわけです。誤ってないかもしれないけれども、手落ちだと思うのです。
  47. 桜井勇

    ○桜井説明員 いま先生指摘のございましたタクシー運転者の労働条件の問題でございますが、先生指摘がございましたように、労働条件の問題は、基本的には労使間において協議の上、決定されるべきことでございますけれども、確かに労働条件の問題というのは、交通安全の問題とも密接な関連を持ってくるということだと思います。  そういうことで、実は労働問題を主管していらっしゃる労働省を中心といたしまして従来から指導監督が行われてきておる。それに対しまして、私ども道路運送法という観点から労働省とも連絡をとり、協力を密にしながら事業者に対しての指導監督を行っておるということでございます。
  48. 井上泉

    井上(泉)委員 これは、そのタクシーの運転者のオール歩合制とかいうような形でやった場合には、失業保険をもらうのにも厚生年金をもらう場合にも、あるいは医療手当をもらう場合でも、これは算定の基礎が何かわからぬような状態にあるわけですから、こういう点について厚生省がどういうふうな取り扱いをしておるのか。これは厚生省の関係者の方が来てないので、私はこの点については交通安全の対策の総合調整という任務を持っておる総理府の方でひとつ厚生省のそういう関係調査してもらいたいと思うのですが、どうでしょう。
  49. 室城庸之

    室城政府委員 ただいまの問題につきまして私も十分存じておりませんので、早速、どういう事情であるのかを私の責任で一応調査さしていただきます。
  50. 井上泉

    井上(泉)委員 そこで、最近タクシー経営者というものがオール歩合制というようなことを労使の交渉の中で提示をするというような、全く時代逆行もはなはだしいようなそういう動きが各地で出ておるということを——私は何も、地域、ここにこうあるということを言えと言えば、言いますけれども、あえてそこまでは言わなくとも、こういうことがあるわけだ。だから、四十二年のそういう通達というものが十分生かされてないわけだから、なおこの点については、運輸省あるいは労働省においては適切な指導をする必要があると思うわけですが、その点について運輸省、労働省、それぞれの御意見を承っておきたいと思います。
  51. 倉橋義定

    ○倉橋説明員 オール歩合制等を採用する企業というのは、たしか自動車運転事業につきましては、あることは事実でございます。私ども、オール歩合制をとる場合につきましても、固定部分等含めて六割分の保証ということで強く指導してまいってきております。また、極端な累進歩合制につきましては抑制をするということで指導してきております。  実は昨日も、全乗連の労務委員長を呼びまして、料金改定を契機にして、今後の賃金形態につきましても労働者の保護を図れるように業界を挙げて取り組んでもらいたいというような要請をしたわけでございますが、今後とも、労働基準法ないしは、先ほど申しました改善基準に従いまして、強力な指導をしてまいりたいと思っております。
  52. 井上泉

    井上(泉)委員 強力に指導したいということが末端でどの程度に浸透しておるのか、私も現地で調査をしたいと思いますので、十分ひとつ指導していただきたいと思います。労働省の関係は、きょうはこれでいいです。  そこでその次に、車検の制度についてですが、この間運輸省の労働者、つまり官側の労働組合の方から、こうした車検制度についてのあり方というものを問われておるわけですが、このことについて、政府にこうした内部からそういうふうな、内部の実際業務に携わっておる人がそういう意見を出されておるわけです。調査したことを出されておるわけですが、これらのことに対して、整備部長もごらんになったと思うわけですが、出されておることが事実であるのか、指摘されておることが正確であるのかどうか、その点をきょうは時間がないので、簡単に承っておきたいと思います。
  53. 犬丸令門

    犬丸(令)政府委員 ただいま先生の御指摘の点につきましては、私ども運輸省の労働組合からの意見書等によって承知いたしておるところでございます。  その主たる論旨といたしましては、自動車が急激にふえてきておる、これに対して国の施設、要員が十分でないために十分な検査ができないのではないかという指摘でございます。  私どもは、必ずしも、その点については組合の意見に全く同意見ということではございませんので、自動車の増加に対処いたしまして車検制度全体としての充実、それから国が行います検査についての自動車検査業務量の増加に対応して、検査場の新設もしくは古い検査場の移転、移設、拡充、さらには新規コースの増設といったことで、それに対応する施設をつくりますとともに、要員が、定員事情が非常に厳しいわけでございますので、それに対応いたしまして、検査コースの機械によりますところの自動化を図ってきておりまして、検査精度を上げるとともに、検査能率も上げていくという対策をとってきております。  また、検査の事務処理についてでございますが、これは機械化、電算化によりますところの合理化等も図ってきております。こんなことで検査に対応いたしましては、合理化等を進めてきておりまして、今後ともその方向で進んでまいりたいと思っております。したがって、現時点において検査がおろそかになっておるというふうには、私どもは考えておりません。
  54. 井上泉

    井上(泉)委員 それは、役人として、検査がおろそかになっておる、こう言うと問題だから言わないということであって、現実は、検査がおろそかになっておるという事例がたくさんあるわけなので、そこを率直に認めなければならない、こういうふうに私は思うわけです。  最近でも、埼玉県でダンプカーの運転手が公印を偽造して車検の有効期間を更新して、そしてその車検切れのダンプカーを乗り回しておって逮捕された。この場合においては、車検証の判が全く簡単なもので、いつでも偽造ができるというようなことで偽造した、こういうこともあるわけです。  それと、ほかにまだ車検の能力、たとえば高知県にもその問題があったわけですけれども、いま車検を受けたということによって、その車両が安全であるということを国が証明するわけです。だから、国が証明した車が整備の不良のために事故を起こすということは、今度は国が逆に責任を背負わなければいかぬわけですから、やはり車検の整備というものが、車が激増して非常に手が足らない、十分やっておるけれども、手が足りないということは、私は事実だと思うわけです。  そこで、いま部長の言われるような車検を整備するその制度というもの、そして機械の導入だとかあるいは要員の増員だとかというようなことは検討しないと、いまのままの車検制度のあり方では、急増した自動車の安全を確認する車検としての機能を発揮することはできないじゃないか、こういうふうに思うわけなのです。万全であるという考え方なので、車検について手落ちはない、そういう考え方に立ってやると、それなら何もする必要はない、新しい機械を入れる必要もない、こういうことになるのですから、やはりいろいろの欠陥があるから車検制度というものについては、もっと検討し、整備充実を図らにゃいかぬじゃないか、人の面でも機械の面でも充実を図らにゃならぬじゃないか。これは運輸省の労働組合が出したことがいいとか悪いとかという問題でなしに、これは当然考えるべきことだと思うわけです。部長の言うように、車検のやり方が悪いとかいうことでないというなら何も改善する必要はないわけですから、問題はないわけです。その点について部長の見解をもう一回お伺いしたい。
  55. 犬丸令門

    犬丸(令)政府委員 私どもといたしましては、車両数の増加もしくは安全関係の規制の強化、排ガス対策の強化、こういったことに対応いたしまして、今後とも検査制度の充実もしくは検査施設の要員の充実強化に努めて、自動車検査の万全を図ってまいりたいと考えております。
  56. 井上泉

    井上(泉)委員 私は、最後に空港の問題で、きのう参議院の交通安全で成田空港の問題についてずいぶん論議をされたわけです。きょうはその問題も提起をし、質問もいたしたいと思っておりましたけれども、時間の関係でそのことは省きます。  さらにまた、高知空港の問題についても、この間運輸大臣が高知へ来て非常に威勢のよい、空港整備には思い切った金を出す、それで空港拡張もやる、そして特定空港に指定もする、こういうふうなことを言ったわけです。  空港拡張問題については、これは私ども反対の立場に立ち、この問題に臨んでおるわけなので、その点については、また大臣の見解等を中心に当委員会で論議をすることにいたしたいと思うわけですが、いま高知空港の状態を見ますと、そういう空港拡張以前、あるいは特定空港に指定をするとかいう以前の問題として、安全保安施設というものが非常に不備ではないか。これは少し雨でも降るとすぐ欠航になるし、そうして霧が立ち込めるとすぐ欠航になる、そういう状態が繰り返されておるわけです。  高知空港の利用状況は、これは運輸省の出した資料によっても、九五%以上の利用状況があるし、これは大変な利用者があるわけなので、そういう中で空港の保安施設というものには、これはジェットが飛ぼうが飛ぶまいが万全を期すべきではないか、一日に二十五便も六便も飛んでおるのだから。そういう点で、高知空港の航空保安施設のいまの状態から見て、これをもっと整備をなすべきだと思うので、この点についての整備計画の説明をお伺いをし、十分な整備を尽くしていただきたいと、こう思うわけですが、どうですか。
  57. 小池公隆

    ○小池説明員 高知空港の航空保安施設でございますが、これにつきましては、現在VOR、それからNDB、それから照明施設と、こうございます。  それで、高知空港の航空便の就航率でございますが、私ども調べましたところでは、去年の実績で大体九八%程度ということで、これは気象による欠航、こういうものを考えた場合の数字でございますが、九八・三%という数字が出ておりまして、決して悪い数字ではないと考えております。  なお、今後の航空保安施設の整備計画でございますが、まず、安全対策としましては、本年予算で進入管制業務というものが認められております。これを実施いたしますとともに、さらに今後の問題としましては、ターミナルレーダーの整備とか、あるいは現在VORだけでございますが、これにDMEというものを付加するとか、そういうようなことを当面の対策として検討を進めている次第でございます。
  58. 井上泉

    井上(泉)委員 そういう計画は十分わかるわけですが、計画は幾らあっても、これが実行されないとこれは問題があるわけです、実行しない計画なら幾ら計画を立ててもしようがないわけですから。少なくとも私は五十三年、何も特別天皇が来るからどうこうということは問題でないわけですけれども、来年の五月には植樹祭が高知で行われて天皇も来られる。そういうふうな点から、高知空港の保安施設というようなものについては、より万全を期さねばならぬ状態にあるわけなので、これを空港拡張に名をかりて、ジェットが飛ぶようになればこういう施設をするんだとかいうようなことで、施設をおくらすようなことがあってはならないわけなので、いまあなたが言われておる計画は非常に結構な計画ですが、その結構な計画をいつまでに実行するつもりなのか。私は、少なくとも五十三年にはそうしたものが整備をされるようにしてもらいたい、こういうふうに思うわけですが、どうでしょう。
  59. 小池公隆

    ○小池説明員 ただいま御説明しましたASRとかそれからDMEの追加、これにつきましては、必ずしも空港の拡張計画、これと見合ってということではございませんで、早急に整備したいということでございます。いま五十三年度の予算にのるかどうかというようなことで検討を進めているわけでございますが、のりましても二カ年整備、二カ年計画、こういうことに相なろうかと思っております。
  60. 井上泉

    井上(泉)委員 そうすると、五十二年の予算にはのっていない、計画はあるから五十三年の予算にそれを組み入れるように努力をする、こういうことですか。  それから、そうなれば少々の雨天の場合なんかは飛行機は飛べる、こういうことですか。
  61. 小池公隆

    ○小池説明員 計画につきましては、おっしゃるとおり、五十二年度にはございませんものですから、五十三年度以降について早急に整備することを考えている、こういうことでございます。  なお、就航率の向上につきましては、これらの施設、ASRとかDMEの付加というのは、必ずしも役立つものではございませんで、先ほども申し上げましたように、ただいま就航率九八%という状態でございますので、これがどの程度上昇するかという点については若干問題がありますけれども、DMEの付加につきましては、最低気象条件、これが多少上がりますので、多少はその就航率が向上するかと考えております。
  62. 井上泉

    井上(泉)委員 時間がないので、私はあれですけれども、就航率がたとえば九八%というのは、一カ月なら一カ月の間に九八%予定した飛行機が飛んだ、こういうことですか。私は、飛んだ飛行機に九八%の乗客があった、こういうふうに思ったのですが、これはどっちですか。
  63. 小池公隆

    ○小池説明員 ただいまお答えしました数字は、昨年度の定期便の計画便数に対する高知の気象条件による欠航の便数、こういうことでございます。
  64. 井上泉

    井上(泉)委員 いま指摘をしたような、九八%の就航率というように、予定した飛行機が九八%も飛んでおるようにとても私は思わないわけですが、なお、そうした保安施設を整備することによって就航率が向上するわけでありますから、そのことは、ぜひひとつ五十三年度の予算の中に組み入れて、こうした就航率の高い、そうして利用率の高い僻地の地方空港の安全施設というものを十分充実するように要望して、私の質問を終わります。
  65. 小池公隆

    ○小池説明員 ちょっとよろしゅうございますか。——就航率という言葉は多少誤解がございます。ですから、就航率はさらに多少落ちます。  これは相手側空港の問題、それから機体等の問題、そういった問題等で多少落ちるわけでございます。私が申し上げましたのは、高知空港の気象条件による欠航の割合、それを除きますと、九八%は可能である、こういうことでございます。大変失礼いたしました。
  66. 井上泉

    井上(泉)委員 気象条件が悪いと高知空港はかなり欠航が多いでしょう。そのことはどうですか。私、自分が調査しておるから言いますよ。
  67. 小池公隆

    ○小池説明員 就航率につきましては、年間のトータル的な数字が出ていないわけでございますが、確かに台風シーズン、九月等につきましては落ちます。(井上(泉)委員「五月も多いですよ、三月も四月も」と呼ぶ)五月につきましては、昨年の実績でいきますと東京−高知、高知−宮崎等は一〇〇%でございます。それから大阪−高知につきましては、ANAで九五・七、TDA九四・四という数字がございますけれども、これらはいずれもそれぞれの会社の全国平均レベルを上回っておりまして、ここだけが特に悪いということではない、このように思います。
  68. 井上泉

    井上(泉)委員 要は、就航率を高めるような装置をしてください。
  69. 小池公隆

    ○小池説明員 わかりました。
  70. 鈴切康雄

    ○鈴切委員長 次に、太田一夫君。
  71. 太田一夫

    ○太田委員 私は、きょうは海上保安庁の現有勢力と、いよいよ近づいた十二海里領海、二百海里漁業水域時代、こういうものに対応して、能力が十分であるかどうかという点についてお尋ねをいたします。  そこで、最初に新聞記事から入らせていただきますが、五月五日の朝日新聞に「二〇〇カイリ水域の監視 苦しいやりくり海上保安庁」という大見出しがございまして、その中に書いてあることは、海洋二法が成立して、わが国も二百海里漁業水域の施行が本決まりとなった。海上保安庁のいまの巡視船艇、航空機の体制では手薄で、二百海里の安全確保に十分手が回らない。そこで海上保安庁は応急対策を立てておる。応急対策を立てて、そして二百海里優先体制というものに踏み切る方針だ。六月中に警備救難活動の計画の立て直しをする。七月から実施に移す。こういう報道であります。その中に、さらに「海上保安庁は、外国漁船が入ってくる心配の強い北洋−三陸沖、日韓、日台海域の三つに監視対象をしぼり、その海域に巡視船艇を重点的に配置する」、そういうことにいたしまして、飛行機にしても、問題は、機数の不足と予算の少なさから飛行時間が制限されている。ことしの飛行時間は前年度とほぼ同じ一万五千時間ぐらい、こういうことであるので、したがって、飛行時間が同じならば余分に動かすことができないから、「黒潮異変と関係が深い冷水塊の監視なども、あと回しになりそうだ。」と書いてあります。こういう報道がなされました。  それから、その二日前の五月三日の朝日新聞に出ておりましたニュースは、見出しは「自衛隊も監視・注意」防衛庁二百海里違反で新見解というニュースであります。これは内容はどういうことかと言うと、何でも参議院の農水で防衛局長が御答弁になったようでありますが、「外国漁船の違反操業を発見したときは、海上保安庁に連絡するだけでなく、違反漁船の動きを監視し、接近して違反操業をやめるよう注意することがありうる」、これは法的権限に基づくものではないが、事実行為としてそういうことを行う。これは、目の前の交通違反に対して警察官以外の人が注意を与えるのと同じ立場だ。それで、「海上保安庁の活動に協力する、という点が強調されていたが、」「防衛局長の答弁は、自衛隊が事実上、違反漁船の取り締まりに乗り出すこともありうることを示唆したものとして注目される。」こういう報道があったわけです。  そこで、これを読んで、ニュースを聞いた人たちの集約された議論でありますが、それはどういうことかというと、どうも海上保安庁の方は、いよいよ近づいた二百海里、十二海里時代に即応する保安上の責任を十分果たし得る決意といいますか、確信というものがないというところに起因しておるように思うのです。  この前大臣が、ちょっとニュアンスは違うけれども、変わったことをおっしゃったのですね。大臣がこの前、本委員会でおっしゃったことは、現有勢力で十二海里までならやり方でさまになる、けれども、二百海里といえば大変なことだ、まだまだ十分ではない、だから補正予算の交渉、来年度予算の交渉等について保安庁関係の予算の増強を重点事項としてやっていくんだ、こういう話であった。それとこれと絡み合わせてみて、これはもう防衛庁投げてしまわれたのではないかという感じがしましたが、これはいかがですか。
  72. 薗村泰彦

    ○薗村政府委員 先生指摘のように、いろいろ報道で伝わっておる点はございまして、私どもも、すべてそれを拝見しております。ただ、はっきり申し上げられますことは、私どもは、海上保安庁法の第二条で私どもの任務というものがはっきり定められております。その庁法の二条によりますと、法令の海上における励行、犯罪の予防、鎮圧、犯人の捜査、逮捕、海難救助、海上交通安全、その他海上の安全の確保については海上保安庁の任務だということが明らかに示されておりますので、今回の領海法、漁業水域法に基づく新しい海洋秩序の維持のために、海上保安庁が一義的にその責任を果たすということは、もう当然でございますので、私どもはその決意も明確にいたしておるところでございます。  また、装備につきましては、十二海里に領海が広がる、二百海里の漁業水域が設定されるということにつきましては、私どもは、大臣も先日申し上げたと思いますけれども、船艇を三百十隻、それから航空機を三十四機、北は稚内から南は石垣に至るまでずっと配備をしてございますので、その現有勢力でもう当然全般的な仕事をするとともに、現在の当面の事態に備えて、やはり重点的に考えるべきは、北方水域における日本漁業と外国漁業とのあつれきの防止、それから外国の漁船の現状で申しますと、私どもも現状を絶えず把握しておるところでございますけれども、三陸沖から銚子沖にかけて、現状では五十杯ぐらいに外国の漁船の数はちょっと減っておるようですが、当然最盛期におけるその隻数も私どもわかっておりますので、そういったことに備えて秩序を守れるようにということを重点的に考えていくという決意と、それからお話のございましたように、恐らくそういう事態が目下の考えられるところでは七月早々来るんじゃないかということで、もう時期的にも余裕がないことでございますので、当然そういったピークのときにどう対処するかということも考えて、やっておるわけでございます。  自衛隊との関係につきましては、八十二条という自衛隊法の発動ということは、これは別途法規に定められてはおりますけれども、私どもは現状においては、当然わが方がやるというつもりでございますが、同じ法律の中に、お互いに緊密な連絡をとれというのは、これはもう定められておる点がございますので、この点は十分連絡をとって事態に対処していきたいということを考えておる次第でございます。
  73. 太田一夫

    ○太田委員 長官は、いまの現有勢力でやり抜くとおっしゃったわけですね。それから七月がいよいよそのときであろうとおっしゃったのですが、水産庁の方に伺いますが、これは政令で実施が決まっておるわけですね。そこで、これは決まりましたか。いつから実施するという、いまの七月でございますか、六月でございますか、決まっておりましたら、お答えいただきたい。
  74. 大坪敏男

    ○大坪説明員 ただいま御指摘の領海法なり漁業水域に関する暫定措置法施行の日取りでございますが、御案内のように、両法の附則におきましては、公布の日、これは五月二日でございますが、公布の日から二月以内に施行するということになっておるわけであります。私どもといたしましては、関係省庁とも協議の上、現在のところ七月一日施行という段取りを考えておりまして、その方向で、現在関係省庁間におきまして、施行に必要な政省令の作成作業を進めておるところでございます。
  75. 太田一夫

    ○太田委員 いま水産庁もおっしゃった七月一日、十二海里、二百海里が施行される。領海は四倍に延びる。それからさらに警戒水域が二百海里まで至るということは、海上保安庁にとりましては大変な任務を負わされることになる。これは、この前のときもそのことについて山本さんなりあなたからいろいろといままでの苦心談やらこれからの計画はお話しなさいました。いささかテンポが遅いではないかと思っていたところでありますが、七月一日と決まれば、もう目の前でございますね。  そこで、これはついでに防衛庁の局長さんにお尋ねをいたしますが、あなたの参議院の農水の委員会における御発言がこの記事になっておるのでありますが、まだその日の農水の議事録が参っておりませんので、私はそれが真実かどうかということが確認されておりませんが、どういうことをおっしゃったのでございましょうか。
  76. 伊藤圭一

    伊藤(圭)政府委員 私の発言が新聞に取り上げられたわけでございますが、いま海上保安庁の長官からお答え申し上げましたことと違っているわけではございません。それからまた、防衛庁長官であります三原大臣もたびたび御答弁申し上げておりますように、現在の法律を変えて自衛隊が新たな取り締まりの任務を行う考えはないということを申しております。  あのときの農林水産委員会におきます御質疑の中で、まあ自衛隊というのは現在どういうことをやっているんだというようなお話がございました。御承知のように、自衛隊は、訓練は公海上あるいは領海とを問わず、ことに対潜訓練などは遠く洋上まで出かけてまいりまして、訓練をやっております。したがいまして、そういった訓練をやっております際に、明らかに違法、不法行為をやっていると思われる船が見つかりましたときには、直ちに海上保安庁に御連絡申し上げて、巡視艇の到着を待つというのは従来からの御協力の仕方でございまして、従来も、領海三海里の際にはそういうことがたびたびあったわけでございます。  したがいまして、今回領海が十二海里に広がり、また二百海里に広がりましたときにも、そういうことは当然やるわけでございますが、それだけしか現在の法律の中で海上保安庁に御協力できないのかという重ねての御質問がございました。したがいまして、私は、現在の法律の中でも、できることといいますと幾つかございますということを申し上げまして、その中の一つに、明らかに違法な漁業の操業をやっているというようなものがわかりましたときには、海上保安庁にももちろん通報いたします。そして、ただ非常に遠いところでございますから、あなたは二百海里の中に入っているということを、そばを通った自衛艦あたりが注意するというようなことは、これは事実行為として可能ではないだろうか、それは権限に基づく取り締まりではございませんけれども、巡視艇の到着を待ちながら、そういうようなことも不可能ではないのではないかというふうに申し上げたわけでございます。
  77. 太田一夫

    ○太田委員 いまのお答えをお聞きになって、薗村長官は、保安庁の立場でどうお考えになりますか。
  78. 薗村泰彦

    ○薗村政府委員 私ども考え方ということですが、必要な現行の法令で許されるところに従って、自衛隊から私どもが百一条の密接な連絡ということで情報の提供をいただくということは、私どもは協力を受けたいと考えております。  ただ、私どもは率直に申しまして、外国漁船の取り締まりということを北方では対ソ連の関連、それから西の方では韓国との関係ということで、従来ともそういう事態に対処してまいりましたのですが、やはり私どもの従来の経験からいって大事なことは、国際問題として慎重を期さなければいかぬという点がございまして、私どもは、従来そういう配慮はいたしてきたというつもりでございます。
  79. 太田一夫

    ○太田委員 これは、事によれば大臣か総理大臣にでもお尋ねせにゃならぬことだと思いますが、防衛局長のおっしゃったことは、法律に明確にしてあるわけではないけれども、まあ臨機応変の処置としてとり得るゆとりというものがあるのではなかろうかというところから、あなたは領海内に入っているから領海外へ出てくださいというように言うんだとおっしゃったのでしょうかね。それとも、現行法上で自衛隊法にはそれをやり得る可能性があるからそれを生かすとおっしゃったのでしょうか。
  80. 伊藤圭一

    伊藤(圭)政府委員 法律で許されているという、法律に基づく権限としてそういうことをやるということを申し上げたわけではございません。いま海上保安庁の長官からも御答弁がございましたように、私どもは、やはり現在の法体系の中で海上における不法行為取り締まりを海上保安庁が任務としておられるということにつきましては、それなりの意味があると思っております。  御承知のように、世界の国々の中でも二十カ国以上は、海軍とは別に平時の取り締まりというものは海上保安庁のような機関を持って、実施いたしておるのが現実でございます。このことは、やはり海上におきますいろいろなトラブルにつきまして軍事力が直ちに介入するのではなく、そういった警察行動というものは警察力によって取り締まるべきだという基本的な考え方、そういうものに基づいているということを十分承知いたしているわけでございます。  したがいまして、私どもは、いままでは領海が三海里でございますと、連絡をしますと直ちに巡視艇なんかに来ていただいておりますので、連絡ということを中心に考えてまいりました。ただ、非常に領海が広がる、さらに二百海里ということになりますと、私どもの御協力できる面というものも事務的には検討いたしましたが、先ほど先生がその新聞の記事でも御指摘になりましたように、海上保安庁の巡視艇、航空機を重点配備をするということになりますと、その重点配備以外のところの海難救助あるいは航空救難、そういったものにつきましては、あるいは海上保安庁の御要請などによりまして、自衛隊のヘリコプターなりあるいは艦艇というものがそういう任務、災害派遣ということで出かけるということが多くなるのかなというようなことも考えました。  あるいはまた、二百海里のところでいろいろな不法な行為が行われておりますときに、これは私も単なる想像でございますけれども、そういうのは日本の漁船あたりが一番早く見つけるのではないか、その場合に最初に通報があるのは海上保安庁だろうと思います。その場合に、海上保安庁の方からこういう連絡があったので、実態を見てきてもらいたいというような御要請がございましたら、その都度海上保安庁に御協力する意味におきまして、私どもは足の長い飛行機あるいはスピードの速い飛行機を持っておりますので、そういうもので実態を写真なんかで撮ってきて御連絡するとか、そういったいろいろな方法があるかと思っております。  その中で、非常に遠いところで、長い間じっと二百海里の中で違法な操業をやっているというものについては、あなたは二百海里の中に入っているんではないでしょうかというようなことを質問したりするということは許されるのではないかというふうに考えたわけでございます。
  81. 太田一夫

    ○太田委員 これは防衛局長、現行法の運用上の中からあなたはおっしゃっているのであって、自衛隊法の八十二条の発動であるとか、あるいは八十二条を若干やわらかくして、しばらくの間、保安庁勢力の後詰め部隊としてやるんだということではない、あくまでも百一条ですか、自衛隊法百一条の一項というのは、この両者は相互に緊密な連絡を保たなければならないのですから、これは連絡ということで、先ほどあなたがおっしゃったように、漁船が最初に見つけるであろう、通報が海上保安庁にいくであろう、海上保安庁は、ちょっと遠いし、そちらの方にあなたの方の飛行機をちょっと頼めないかなというようなことがあれば協力を申し上げる、こういうようなふうに保安庁は中に入っておりますね。こういうお話は私はわかると思う。しかし、あなたの方の船にしても飛行機にしても、武力装備があるわけでありますから、それが前面に出て、おまえはそちらに出ていけとか、けしからぬからやめろとか、ああしろこうしろということで規制なさるということになると、これは一つ一つに終わらなくて、次から次へとそういうことが拡大されてきて、まあ言うなら、保安庁の勢力は少ないから、余力のある自衛隊の勢力の方が実は機動力が強いから、こちらでひとつ助けましょうというようなことになってきますと、やはり武力前面、平和後詰めということになりまして、どうもたてまえというのが逆になってしまうような心配を私は感ずるのですよ。最後におっしゃったように、あくまでもたてまえとして保安庁が前面に出てくる、相互緊密な連絡という面において連絡上の後の行動が若干従ってくるということはいいが、簡便な便法として、ちょうど見つけたからおれが追っ払ってやったよ、薗村長官、あなたの方はガソリンが助かってよかったですねなんというようなことは困ると思うのですがね。どうですか。
  82. 伊藤圭一

    伊藤(圭)政府委員 いま先生が御指摘になりました八十二条の発動というのは、過去二十数年間、自衛隊ができましてから一度もこれはございません。そのことは、反面におきましては、やはり武力というものを用いるのは慎重でなければならないという政府の一貫した態度だと思っております。したがいまして、先ほどお答え申し上げましたのも、私の方から積極的にそういうことをやるということは考えていないのでございまして、そのための任務を持ってそういうことをやるんなら法律の改正が必要だと私どもは思っております。  ただ、たまたま訓練あるいは調査活動の際に、そういうものを明らかに見つけ、そして海上保安庁に御連絡をして、その状況を見守っておるときにそういうことも全然できないかということであれば、これは全く否定されることではないのではないでしょうかというふうに申し上げた次第でございます。
  83. 太田一夫

    ○太田委員 大体了解できました。長官、それならあなたの方はひっかかることはありませんね。あなたの方が、いまのお話ならどうもまずいということはありませんね。ありますか。
  84. 薗村泰彦

    ○薗村政府委員 いま防衛局長からお話ししました八十二条が仮に発動される場合といえども、私どもは、海上保安庁が当面の第一線に出て仕事をするので、海上自衛隊は支援後拠、あるいは後方から応援ということであるという協定を現に結んでおります。  それから平素の場合に、私、先ほども国際問題と申し上げましたが、その次に私どもが対漁船の取り締まり関係でいろいろやっている過去の例から言いますと、停船をさせて、移乗をしていって、立入検査をして初動の捜査をするというようなのはかなり技術を要します。したがって、これは私どもがやるべき仕事だということを心得ておりますので、その辺はよく防衛庁もおわかりだと思いますから、私どもは、百一条の範囲内で、そういう情報提供ということで御協力を仰ぐということで、今後とも考えていきたいと思っております。
  85. 太田一夫

    ○太田委員 念を押してくどいようでありますが、防衛局長に確認をさせていただきます。  したがいまして、いままでのお話を帰納すれぱ、自衛隊というのが直接的に秩序維持に当たるというようなことをこれからやらなければならないということにいま決意を新たにされているわけではない、分野というものはあくまでも明確に守る、こういうことであるということについては、間違いはありませんね。
  86. 伊藤圭一

    伊藤(圭)政府委員 先生のおっしゃるとおりでございます。
  87. 太田一夫

    ○太田委員 そこで、保安庁長官にお尋ねしますが、あなたの方、先ほど何百隻とか何十機とかいう現有勢力のお話がありましたけれども、この二、三年来、老朽船の代替建造等をなさいまして、かなりその内容はよくなっていますね。よくなってはおるが、まだまだ勢力というものは十分でないということは、飛行機にいたしましても船艇にいたしましても、同じことだと思うのです。この前の委員会のときに、あなたの方の山本さんだったと思いますが、十九隻のPM四百五十トン型巡視船、これは十九隻が十九隻とも老朽化しているから、五十三年度に代替の建造をするという予定であるとおっしゃった。これはなんですか、十九隻は、五十三年度予算をこれから交渉して、これから認められたならば来年度になって、初めて代替建造になるのか。それまではいまのままで、よたよたやるのですか。
  88. 薗村泰彦

    ○薗村政府委員 私どもの装備についての御質問でございますので、私ども考え方をまず述べさせていただきたいのですが、私ども実は、領海が十二海里に拡大をする、それから二百海里に漁業水域が設定されるということをまるで予期しておらなかったわけではございませんので、先ほど申し上げました現有の船艇三百十隻、それから航空機三十四機と申し上げましたが、さらに新しい海洋秩序に対応する体制整備をどうするかということで、すでにその計画の一部は緒について、五十二年度の予算に盛られた点はございます。それはヘリコプター搭載巡視船が一隻、それから大型航空機、YSでございますが、これの改造が一機、それから日本海等の基地と中型のヘリコプター一機、それから三十メートル、三十ノットの高速巡視艇が二隻、それから三百五十トンの巡視船の代替建造五隻、こういうことで新しい事態に対応してやっていかなければいかぬという、その緒についた整備計画を立てておったわけでございますが、先ほどもちょっと大臣のお話も出ましたけれども、率直に申し上げて、二百海里時代の到来というのが予想以上に早かったということはそのとおりでございますので、何とかその整備計画を、従来考えておったよりももうちょっとスピードアップをして、促進方を図らなければならぬのじゃないかということを考えておりまして、どういうようにその促進方を図っていくかということについて早急に考えていきたいということでございます。  その四百五十トンの話が出ましたのは、私、先ほど三百五十トンということで五隻ということを申し上げましたのが、先生先ほどお話ございましたように、数年間にわたって老朽船の淘汰と代替建造ということを考えました中に、一番古い船が実は三百五十トン型ということの建造に新しくなりますが、二百七十トン型という船がございましたので、これを何とか一番老朽のものを代替建造しなければいかぬということで、最後に残った五隻が二百七十トンから三百五十トンに代替建造が認めてやれるようになったというのが五十二年度の予算案に盛られていることである。そこで、次に老朽船として手をつけるべきは四百五十トン型の十九隻でございますが、これはちょっと五十三年度に、先ほど申し上げました大型ヘリコプター搭載の巡視船、大型航空機、それから三十ノットの高速巡視艇、中型ヘリというようなものを、先ほどからもお話が出ておりますように、かなり広くなっている、足の長いことが必要な二百海里時代ということを考えますと、それをもちろん重点的に考えていかなければならぬし、それとあわせて四百五十トン型もひとつつくりかえていきたいなということでございますので、代替建造について確たる計画はまだ申し上げられないということでございますが、いずれにしても冒頭に申し上げました整備計画を見直しをして、促進方を図っていきたいということが現在の情勢でございます。
  89. 太田一夫

    ○太田委員 長官、私は任務を遂行されるのに遠慮があってはならぬと思いますよ。あなたが遠慮されればされるほど、見てはおれないから、防衛局長さんはそういう答弁をされなければならないわけです。あなたは遠慮する必要はない。きょうは大蔵省の主計官がいらっしゃいますから伺いますが、補正予算のときから運輸省は重点項目としてこれを出していらっしゃると思うのでありますが、現在、海上保安庁には、十一管区海上保安本部の中に海上保安部というのが六十五カ所、保安署が五十一、合わせて百十六カ所あるわけですね。航空基地は十二カ所。百十六カ所でいまおっしゃった巡視船艇というものをそれぞれ割ってみると平均どれくらいあるかというと、巡視船というのは一隻平均ない。巡視艇で二隻そこそこ。飛行機は十二基地に対して二・八機平均。こうなるわけなんで、そんな巡視船が一保安部なり保安署なり前線基地に一隻平均ないなんという弱体の勢力でもって、総トータル消防船まで含めて数を申したり、そんなさもしい話ではなくて、とてものこと、この二百海里時代、領海十二海里時代になってくれば、生命財産の保護という点を中心にした任務だけでも事足りないのだ、だから何とかして増強してほしい、その増強計画は近く策定するから、ひとつ大蔵省頼みますということになると思うのです。  そこで、大蔵省の主計官、いらっしゃいますね。現在そういう差し迫った要望に対して、あなたの方はこたえられる限りこたえるという御決意があるのか、まあ自衛隊の方の船と飛行機と一緒にして考えればいいんだから、そうあわてたことはないと考えていらっしゃるのか、どちらでしょう。
  90. 宍倉宗夫

    ○宍倉説明員 お答えいたします。  先ほど薗村長官から御答弁がございましたように、五十二年度の予算案におきましても、ある程度領海が十二海里に広がる、それから経済水域——当時は漁業水域ばかりではございませんで経済水域と言っておりましたが、経済水域二百海里ぐらいになるということを、いつの時期かはっきりはいたしませんでしたが、想定した形で予算を組んだつもりであります。したがいまして、予算の金額にいたしましても全体で百六億、この乏しい財政状況の中で前年度に対しまして六七%もふえた形で予算を組み、この点につきましては、私どもといたしましても、きわめて重点的な配慮をしたというふうに考えているわけであります。  ところで、現実に領海が十二海里また漁業水域二百海里、こういったことになりますと、海上の警備の方法、警備の程度、そういったものにつきまして、新しい時代に即応した警備体制のあり方というものが問題になってくるのは当然のことかと思います。現在、保安庁の方から伺っておるところによりますれば、水産庁などと御協議もされつつ、新しいそういった警備体制のあり方について御検討なさっているという話でございます。  私ども立場といたしましては、そういった検討結果を踏まえまして、どういうふうにこれに取り組んでいくかということを判断するわけでありますが、先生指摘のように、当面、緊急に措置をしなければならないもの、こういうものもあると思います。それからある程度時間をかけて整備をしていけばいいのではないかというものもあろうかと思います。それぞれどうやっていくかということにつきましては、ただいま検討しておる検討結果を踏まえまして、私どもとして適宜対処し、また財政上の措置を考えてまいりたい、このように考えております。
  91. 太田一夫

    ○太田委員 六月中に新たなる計画ができ上がるという保安庁の御方針のようでありますから、それでひとつ率直に大蔵省に要求していただければ、その結果については、適宜適切に対処するとおっしゃったのだから、適宜適切にやってもらわなければ困ると思う。  それで、これは保安庁長官御存じですか、五十二年五月二日の参議院農林水産委員会における水産業の振興に関する決議というのがあります。この決議の中の六というのは、「外国漁船に対する海上保安庁の取締り体制の整備拡充を急ぎ、」とありますね。農林水産委員会から、こういう一項目として急いでくれと言われておるのですが、急いでくれということは、あなたの現有勢力では足らぬということですね。そういうことでしょう、決議の中に入っている、急いでくれというのは。そうすると、あなたの方も、ここはよほど増強計画を急いでもらわなければならないと思います。確かに、ことしは二百七十トンの巡視船が三百五十トン、若干大型になって五隻代替建造なさいましたけれども、二十三メートルのPCというのは、巡視艇としては一番王様ですよね。これは相当のところまで行ける能力を持つのですから、PCを三十メートル、三十ノットという新しい型につくり上げていこうということ、これはいいことだと思うのですよ。これは、ことしはわずか二隻でしょう。二十隻とかいうならいいが、何か単位が一つ違いはせぬかという気がしてしようがない。  そこで、ちょっと妙な話ですが、農水の決議も含めて考えれば、あなたの方の手勢が手薄であるならば、主力勢力が不足するならば、現在、休漁船が数多くありますね、北転船も使い道がなくて困っているのがある、そういう漁船などで相当性能のいいもので、何ともならない、使いようがなくて遊んでいるもの、係船されているものがあるとするならば、そういうものを借り受けてはどうか。船員が足らぬというなら、そこに乗っておった船員もベテランだから、そういう人を臨時に委嘱して、あなたの方の補助作業に従事させたらどうだろうかという気もしますが、農水の決議を踏まえて、あなたの方は、具体的な対策としては何を考えていらっしゃるのですか。そして、いまの休漁船の借り上げというようなことはお考えになったことがありますか。
  92. 薗村泰彦

    ○薗村政府委員 私の記憶に間違いなければ、参議院で領海法と二百海里法が一緒になりまして連合審査をおやりになって、それでいよいよ最後に、もう一度農水で法案の御審議から採決をされるというときの御決議が、先生先ほどお読みいただいた件だと思います。  総理も答弁に立たれまして、いろいろな問題が出まして、その中に海上警備体制の整備強化という質問も実は総理にも出まして、それで、海上保安庁にその仕事をやらせるという方針で整備強化も適当に考えていきたいということをお答えをなさったそのときの決議ということでそれを承っておりますので、私ども当面、重点的に勢力を集中してやるということと、それから先ほどもお話し申し上げましたが、その緒についているところの計画をできるだけ促進方を図っていきたいということと、両面で考えていくのがその中身であろうと思います。  一部、実は漁業の方の船が余っているからというお話がぼつぼつ出ているのも事実なんでございます。私ども、一方では漁業の方で船が余っておられることもわかりますから、何とかということを実は検討もしております。ただ、率直に申し上げさせていただいて、民間の漁業用の船を私どもの巡視船艇に使うということにつきましては、かなりな改造が必要でありましたり、また私ども自体が悩んでおります古い船の老朽淘汰というようなことから見まして、私どもがいま飛びつくような、改造して金をかけてもいいような船がそんなにあるということが、ちょっと確信が持てません。  それから人のことですが、実は、私どもは司法警察の職権を持ってやっておりますので、これも話はちょっとこんがらがりますけれども、単に民間の人がお乗りになったままの民間船が目玉になって監視に当たればどうだろう、そこから連絡をしてくればどうだろうというお話もございますのは事実なんですが、私どもは、実は情報の収集ということはもうちょっと幅広くやりたいということで、もうそういった特定の船に限らず、先ほどもちょっと話が出ましたように、全部の漁船から、全部の商船から、あるいは自衛隊の船から連絡をいただく、無線通信、短波によって、私どもは全海域にわたって全船からその情報がいただけるようなシステムといいますか、ネットワークといいますか、それに必要な聴取のための設備といいますか、そういうものを考えるべきであって、どうも、単に監視だけで終わるということでは——実は私ともの巡視船の仕事としては、その次に停船を命じ、臨検をし、立入検査をし、初動の捜査をしというような、次の段階に続いて、初めて海上警備というものができるということでございますので、ちょっとそれを切り離してというようなことはできない、非常に困難な面が多いという点をいま考えておりますので、そういうことは、ちょっと、いますぐ可能ではないのじゃないかという感じでございます。
  93. 太田一夫

    ○太田委員 それは新海洋法時代に即応する態勢として、あなたの方がある程度の勢力をお持ちになっていらっしゃれば、そのようなことを考える必要はないが、代用手段も考えざるを得ないくらいのところではなかろうかと思うわけだ。  これはどこに責任があるか知りませんが、大蔵省もしっかりしてもらわなければ困ると思う。金を出すことはいやだ、先ほどちょっとおっしゃいましたけれども、何%ふやしたというお話がありました。そのパーセントというのは、もともと小さいのだから、余り大したことにならぬでしょう。数字にすれば百六億とおっしゃったと思いますが、これも一つゼロが足らぬ。私は、長官、もうちょっと本当に今度は、田村運輸大臣も重点項目としてやるとおっしゃったから、補正予算から。補正予算の前、待つまでもなく、じゃんじゃんと主計官の方にもあらかじめ申し込んでおいて、今度こそつくれと言っても、にわかにつくれるわけはないでしょう。これは決まったからと言って、あした船が動くというわけにいきませんから、とにかく一刻も早く新造、建造あるいは代替、増強等に踏み切っていく必要があると思うのですよ。私は、あなたの方がよっぽどしっかりしてもらわなければ、さてとなって、本当に十二海里、二百海里時代の幕あけが七月二日に来た、もたもたしてしまったということでは困りますよね。これは一番困ると思うんだ。この前行ったときに、何とかやります、何とかやりますと言うのですが、大蔵省の主計官も一遍あれに乗せて——いま一番多いのは、巡視船艇は巡視艇のCLでしょう。十五メートルのCL、百五十三隻もあるんだから、一遍これに乗ってもらって、これでどこまで行けるか、一遍行けるところまで見てもらう。そうすると、いや、これは大変だ、こんな小さな船で二百海里なんてとてもやれっこないし、五十海里もとても行けないなということがわかるわけだから、そういう点をひとつあなたも大いにPRしてもらわなければ困る。ひとつそれはがんばっていただきたいと思う。  時間がなくなってしまいましたので、これで終わりますけれども、新しい時代の海上保安庁の任務というのは、いよいよ脚光を浴びてくるわけですから、その時代に蹉秩のないようにがんばっていただきたいと思いますが、最後に御所見を承ります。
  94. 薗村泰彦

    ○薗村政府委員 私ども重い責任というものを目下自覚をして、痛感しています。そのためには、覚悟も必要だし、手段も必要だと思っておりますので、今後十分対処していきたいと思います。
  95. 宍倉宗夫

    ○宍倉説明員 船が、また飛行機がたくさんあればあるにこしたことはもちろんないわけでございますが、警備のやり方を一体どういうふうにしていくのか、二百海里全面にわたりましてどこにも船がいるというようなことが果たして必要なのかどうか。御承知のように、二百海里の中にも漁場の地点というものは限られておりますし、それから漁期というものもございます。したがいまして、どの程度の船が要り、それからまたどの程度の飛行機が要るのかということにつきましては、ただいま検討の最中でございますので、その結果を待ちましてから、私どもとして対応をしてまいりたい、このように思っております。
  96. 太田一夫

    ○太田委員 ちょっと心配になったので一言加えておきますが、主計官、北洋等においては哨戒パトロールが必要だ、こういう一つの型がありますね。あるいは前進パトロールが必要だ、こういう場合もありますね。ですから、パトロールというのは、常時やらなければいけませんね。事があったから走っていくというのは、これは消防車ですよ。火事になってから走っていくのは消防車で、消防車は火事になりそうな家の前に行って、とまっておりませんよ。けれども、海上保安庁の巡視船というのは、海難等あるいはトラブルが起きそうな海域、警戒海域には行っているのです。ですから、そう大して事故が起きないんだから要らないだろうということになれば、海上保安庁が努力すればするほど、しまいには新造計画はゼロになってしまいますね。そんなものじゃない。そこまで前進して前進哨戒をする、パトロールをするから、あるいはそこに行って哨戒パトロールしておるから、そういうことが少ないという、これはやはり広い海ですから、よっぽど勢力がなければやれません。だから、一度船に乗って行っていただいて、実感を新たにしてもらう必要があるのではなかろうか。あらしの日と、もう寒い日はなくなりましたが、ひとつ本当に苦心を見ていただく必要もありますね。  以上、要望して、終わります。
  97. 鈴切康雄

    ○鈴切委員長 この際、午後一時十分まで休憩いたします。     午後零時三十五分休憩      ————◇—————     午後一時十二分開議
  98. 鈴切康雄

    ○鈴切委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。寺前巖君。
  99. 寺前巖

    ○寺前委員 まず最初に、去る五月七日の朝、京都府乙訓郡大山崎町の新幹線軌道上で国鉄の職員の方らが、こだま二〇七号にはねられて死亡するという事故がありました。同時に、国道百七十一号線を走っていた乗用車に体がほうり出されてしまって、運転手に重傷を負わせるという、昔だったら考えることのできない大事故が起こっております。この事故はどうして起きたのかを、まず最初に国鉄の当局から御説明いただきたいと思います。
  100. 尾関雅則

    ○尾関説明員 御指摘事故は、保線の係員が、レールを調査するために側道を歩いておりまして、そのうちの一人が軌道の中に立ち入ったように考えられております。それで、来る車両に気がつかずにはね飛ばされて亡くなったものだと推定をしております。  なぜ軌道内に立ち入ったかという真の原因につきましては、本当のところはよくわかりません。しかし、新幹線は、御承知のとおり、非常に高速で運行しておりますので、当然必要な処置、すなわち、この個所でしたら、見通しが余りよくございませんので、指令に連絡をいたしまして、徐行をするという処置をしてからでないと入らせない、入っちゃいけないということになっておりますが、それが守られていなかったように考えられます。いずれにしろ、まことに遺憾なことであると思っております。
  101. 寺前巖

    ○寺前委員 いまお話を聞いていると、入らせないことになっている、入らす場合にはちゃんと指令の方に指示をさせる。入らせないようになっているのに、国鉄の職員が指揮して下請の会社の職員を連れていっているということに、結果的にはなっているわけでしょう。これは、それじゃさっぱりわからないことになりますよね。普通の国道を歩かすというのではなくして、ちゃんとさくがあって入らせないようになっているところへ入れたという行為があるんだから、そうすると、この入れるという行為そのものの段階からこれは検討しなければ、何か安易に行われているように見えて仕方がない、ちょっこらそこらの自転車にはねられるというのとは意味が違いますから。  そこで、こういうことが平然と行われている以上は、直ちに何らかの措置をしなければならない。十分な検討は別として、あってしかるべきではないか。たとえば、昼間新幹線が走っている時間中に入れるという措置をやる場合には、必ず連絡なしには一切だめなんだとか、何かしかるべきぴちっとしたけじめを明確にしないことには、後々保証の限りではない。それで、この問題からの細部の措置の問題はさらに別に検討してもらうとしても、一番大きなところで即刻、走っている間におけるところのあり方の問題、あるいは下請に何か仕事をやらさなければならないことで現場を見にいくという措置がある場合には、こういう時間帯でなければだめだとか、何か措置があってしかるべきじゃないか、どういう措置をこの事件から直ちにとられたのか、まず、その点について聞きたい。
  102. 尾関雅則

    ○尾関説明員 先ほどの御説明に若干舌足らずの点がございましたので、申し上げますけれども、新幹線は、開業以来、新幹線の用地と民地の間にさくを設けまして、そのさくの門扉をあけて中へ入るとき、これは夜間もございますし、昼間もございますが、そのときにはあらかじめ指令に届け出てかぎをあけて入る、こういうふうに決まっております。これが第一段階でございます。これはそのルールどおり守って、三人が、職員が二人、請負の会社の者が一人入ったわけでございます。  そして第二番目に、その用地の中でありましても、安全な通路と、それから本当に列車が走る軌道内とございますが、運転時間帯は通路を歩かなければいけない。しかし、どうしても軌道内に立ち入る必要がある、たとえばレールのところにちょっとおかしな徴候があるというようなことを見つけたようなときには、もう一回指令に電話して徐行の措置をとって、そしてからでないと軌道内へは入らないというルールになっております。二番目の方のルールが守られていなかったものと考えております。それから、軌道内へ入りましたのは職員でございまして、このはね飛ばされた職員が請負の方になお衝突をしまして、人間と人間が衝突して亡くなったということでございまして、もう一人の職員と請負の方はルールは守っておったものと思います。御指摘のとおり、早速いままで決められたルールをきちっと守るということを徹底してくれということを書面をもって通達をいたしております。  新幹線は、開業の直後に四十年に非常に大きな事故、似たような保線の方々が大きな事故をやっておりますが、その後十年間ほとんど人身事故はございませんでしたので、新幹線のこわさというものをそろそろ職員が忘れかけておるのではないかと考えられる節もございますので、一層緊急にそのルールを再認識させ、徹底をさせ、守らせるということにしたいと考えております。
  103. 寺前巖

    ○寺前委員 今度の場所と少し離れてはおりますが、似通ったこの大山崎の地域で、前にパイプか何かが新幹線の方から落ちてきたという事故がありまして、この地方の住民なり議会でも問題になって改善方を要望した。横が非常に危ない、何しろあの大山崎の付近というのは、国道と新幹線とそれからもう一つ鉄道と、三本が走っている地域、しかも非常に接近をしている地域です。お隣との間には一・何メートルという幅の間隔で三本の路線が走っておって、少しずつ高さが違う。それも一・何メートルという違いでの状況ですから、その当時フェンスを一メートルほど高めるという措置をしたけれども、フェンスという状況では、これだけのスピードを持っている列車が走るのに、両側面を走っている自動車なりあるいは鉄軌道が、そういう状況のもとでは安全性を保てるというふうには見られない。ですから、地域の皆さん方は、新幹線の何らかのことが起こった場合でも、その範囲で抑えることができるように、フェンスという状況とは違う防御措置が検討されるべきではないかということを言っております。これについて何らかの検討をされているのか、研究しておられるのか、お伺いをしたいと思います。
  104. 尾関雅則

    ○尾関説明員 先生指摘事件は、新幹線の水タンクの温水管が、それを支えております金物の溶接部分から折れまして落ちたものでございます。その後、この溶接部分の構造を強化いたしまして、落ちないようにするという措置をいたしました。  擁壁等につきましては、やはり特に道路の接近しているような現地につきまして、防音壁等と一緒に工事をするかどうかというようなことを含めまして検討をしております。
  105. 寺前巖

    ○寺前委員 それでは、ぜひその検討を早く進めていただきたいと思うのです。  時間の都合がありますので、次へ移ります。  この間久しぶりに、連休で、私は、国鉄の京都から山陰線をずっと歩いたり、あるいは奈良線を歩いたりしてみました。国鉄の京都からの山陰線の本線というところは、京都市内と、過疎化しつつあるずっと奥、北部と、これを結びつけるという意味においては非常に重要な役割りをする路線になっています。ところが、近年その周辺部から京都市内あるいは大阪の方面に働きに行く人の路線と言えば、国鉄の単線の山陰線と建設省の所管する国道九号線、全くこの二つの路線しか入る道がない。ところが人口が急増するだけではなくして、農業だけで生活ができなくなっていくというところから、そこが詰まり出してきた。国道で詰まり出すと、汽車の方へ行く、汽車の方が詰まってくるとまた国道へ来るということで、それぞれがずっとふえてきておるというのが最近の実情だ。したがって、そこから山陰線の複線電化という問題が日程の要求としてなってくるし、国道九号線についてもバイパスを強化せよという話となって広がってきていると思うのです。これらの件について、地元からも府を挙げて国なり建設省の方に前々から要望が強くなっていっているわけですが、問題は、こういう要望をする住民にこたえるようにするために、現実にそのテンポを早めてもらうということがきわめて重要だと思うのです。  まず最初に、国鉄の方にお伺いをいたしますが、昭和五十年、五十一年と二年間にわたって航空写真を撮ってこられたようです。写真を撮ったからといって、みんなが期待は持たされるけれども、さてどうなるのかということを見守っておりますので、国鉄として本年度は何をするのか、そしてこの線について一体いつごろになったらどういう事態をつくってくれるのか、着工はいつごろからやるつもりなのか、そういうめどを一つは説明をしていただきたい。  それから調査をしたり、工事にかかっていったりするということになってくると、一定の時間がどうしてもかかります。どのぐらいかかったら、初めて使い物になるんだろうかというめどを示してもらいたい。  と同時に、その間に、それではここで輸送されている人たちに対する対策という問題があわせて現実的な問題になります。奥の方で乗るときには、人がふえたといっても一人ふえ、二人ふえしていきますけれども、京都に一番近いところになってくるとそれらが全部たまってくるのですから、したがってそこのラッシュの事態というのは、もう定数の倍以上の状況に乗車効率はなってきているというのが実態だ。したがって、増車なり増便なりの対策というものもあわせて並行してやらなかったならば、この住民の期待にこたえることにならないと思うのです。これらの点について御説明をいただきたいと思うのです。  あわせてこの際に、私は山陰線に乗ってずっと調べておったら、人がたくさん乗っているし、私も飛び乗りをやっているものですから座るところがない。そこで、デッキのところから横に立ってひよっと見たら、じゃ腹が穴だらけ。車掌さんに、この列車だけが悪いのですかと聞いたら、いやみんなですよ、こういう話。物を売りに来る人もなかなか歩きにくい。結局そのじゃ腹のところが一番すいていることになる。荷物をそこへばっと置いて、私は見ながらその人に聞いてみた。穴があいておってあなた大丈夫ですか、いや落ちますんやと、こう言う。こんなひどい状態というのは、私は線に乗っておって、正直言って最近までよく気がつかなかった。われわれとしては気がつかなかった。えらいこっちゃと思うのですが、仕事をしておられる国鉄の皆さんにすれば、知らなかったでは済まない話だと思う。私の乗った列車だけが特殊じゃないと、乗務員に聞いたらこうおっしゃるんだから、実態はどうなっておるのか、どうするつもりでおるのか、あのじゃ腹のままで走らしておいていいと思っておられるのか、あわせてこれについても、お話を聞かしていただきたいと思います。
  106. 尾関雅則

    ○尾関説明員 山陰線につきましては、四十年ごろを底としまして最近漸次お客さんがふえてきておりまして、全国的に見ましても、相当込んでいる線区の一つになっております。電化、複線化につきましては、御承知のとおり、同区間の地形が非常に狭隘な保津峡の付近もございますので、二年ぐらい前から測量調査をいたしまして、現在は特に保津峡付近をどういう形で通るかということ。現在のトンネルは改修して大きくしませんと電化ができませんので、どういうふうにあそこの線路を直すかということを技術的に検討しておる段階でございます。  いつから着工するか、あるいはいつまでにできるかというお尋ねでございますが、技術的なそういう検討が終わるということが一つと、それから国鉄の財政的な面あるいは電化工事、複線化工事の工事能力の面から、全国的にあちらこちらで現在工事を進めておるわけでございまして、それらとのバランスといいますか、関係も勘案しながら決めたいと思っておりますが、ただいまのところいつからということはまだお答えできないのが遺憾でございますけれども、そのような状況になっております。  それから、それまでどうするかという増発、増便のお話でございますが、これは次期のダイヤ改正、現在は五十三年の十月に予定をしておりますが、そのときに何らかの措置をしたいというふうに考えて、それの実現の可能性、どこからどの区間にやるか、車両をどう回すか、乗務員をどういうふうに増強するか等につきまして検討をしたいというふうに考えております。  それから、じゃ腹の問題でございますが、まことにお恥ずかしいところがお目にとまりまして申しわけなく感じておりますけれども、じゃ腹はほろの材質を四十九年度以降、火災防止の見地からビニロンで難燃性のものにかえたわけでございますが、それから少し傷みが速くなったというようなこともございまして、御指摘のようなところがお目にとまったんではないかと思います。これは安全上非常に問題でございますので、今後ともそういうことがないように保守、取りかえに努力をしてまいりたいというふうに考えております。
  107. 寺前巖

    ○寺前委員 あとの二つ、三つはいいとして、それじゃ、もう航空写真を撮ったんだから、すぐに技術的な調査に入るというのが、ことしの計画になるわけですね。それが一つ。  それからめどとしてはどういうことになりますか。十年ぐらいかかるんですか。大体の大きなめどとして十年くらいは待ってもらわなければならぬとなったら、待つように自治体もいろいろのことも考えなければいかぬだろうし、五年ぐらい待ってくれとか、五年から十年くらいの間には何とかつくり上げたいとか、それなりのめどを国鉄としても、変化が起こったら別な話として、提起されないと、五年後を大体めどにするとか、あるいは六、七年待ってくれとか、その辺のおおよそのつもりというものをひとつお考えをいただきたいというふうに思うのですが、どういうことになるでしょうか、重ねてお聞きをしておきたいと思います。
  108. 尾関雅則

    ○尾関説明員 技術的の検討の中身を若干御説明しますと、特にルートの問題があるわけでございます。そのルートをどうするかということの検討の中でやはり地元の方々との御相談をしなければならないことも出てまいりましょう。そういうようなことで、寄り寄りいま検討しておる最中でございます。  それから大ざっぱでいいから大体どんな見当かという御指摘は、直接のお答えにならないかもしれませんけれども、この前の再建計画のときに、全国約一万キロくらい電化をしたいという案を検討したわけであります。これを大体十年間でやる。その前半五年の間に、いま約七千キロくらいになっておりますから、二千キロくらいの電化をやりたいというような案がございました。その中には当然入っておるわけでございますので、そのような観点から推測をしていただければ幸せだと思います。  また、工期でございますが、これはやはり隧道が非常にたくさんございますので、着工してから六年くらいはかかるんじゃないかというふうに現在考えております。
  109. 寺前巖

    ○寺前委員 それじゃ、また積極的にひとつ検討をしていただくということにして、建設省、あわせてこの九号線の方です。  結局、京都市内と京都府下奥との関係のただ一本のルートになっておるということになりますが、そこにはいま老ノ坂という坂があって、トンネルが走っております。その老ノ坂の京都市分のところにニュータウンがいまどんどん建設が始まっておる。ニュータウンが、京都市内との関係でどう交通対策をするのかということが一つの問題。ネックのととろにまた大きな町ができちゃうために、この老ノ坂のところの問題がまたもう一つ困難をきわめる事態になる、こういうふうに思うのですよ。  そこで、この九号線のバイパスの建設について、一体どういうめどを立てて解決しようとするのか。まず、京都市内分をどのようなめどを立てておるのか。それから、あそこへトンネルを掘らぬことには、何ぼ奥の方の路線をやったって、結局ネックのところにまた来ちゃうのですから、その次にはトンネルのところは大体いつごろから着工に入るつもりでおるのか、そういうめどをひとつわかりやすく示していただきたいと思います。そして全体計画としては、いつ時分には路線がめどが立ってくるのかお答えいただきたい。
  110. 浅井新一郎

    ○浅井政府委員 お答えいたします。  御指摘の国道九号線ですが、京都と山陰地方を結ぶきわめて重要な国道でございまして、御指摘のように、いま特に京都に近いところで非常に渋滞が起きておるわけでございます。交通量としましては、大体二万七千台から二万九千台、三万台近くの交通量が流れているわけでございまして、二車線ではとてももち切れないぐらいの交通でございます。この区間は大部分が二車線道路でございまして、これを四車線に拡幅ないしはバイパスをつくって解決しなければいかぬわけでございますが、一番ネックになっておりますのは、老ノ坂にかかる前の京都市に近い沓掛地区の拡幅、これはバイパスではなくて現道を拡幅する計画で考えておりますが、この間三・四キロございますから、これが現時点では一番ネックでございますので、まずここを解消する必要があろうということで、五十二年度から沓掛拡幅ということで、三億四千万ばかりの金を投入いたしまして、拡幅工事に入るということにいたしました。当面は用地買収を急ぐわけでございますが、用地買収に入った時点で、やはり若干地元の反対等も出ております。そういうことで、取っかかったばかりでございますので、そういう問題も含めて、めどがいつごろになるかというのは現時点ではちょっとつきにくいわけでございますが、用地買収が進むにつれて、その辺のめどがつこうかと思います。  残事業といたしましては、全体が五十五億かかりますので、ことし三億四千万ばかり入れますと、大体五十億ちょっとの残事業があるわけでございまして、工事用地等が非常にスムーズにまいりますれば、今後逐次事業費を伸ばしていくということで考えますので、恐らく五年から十年くらいの間には全部できることになると思います。  それと並行して、その先の老ノ坂トンネル、これは御指摘のように、トンネルを抜かなければならないわけでございまして、トンネルが、大体一キロちょっとのトンネルになろうかと思いますが、この間やはり全体事業費としましては百十五億ばかりの金がかかるわけでございまして、これにつきましては、いまの沓掛地区の進捗状況等をにらみながら整備に入りたいわけでございますが、何せちょっと事業費が大きいわけでございまして、道路事業全体が非常に苦しい時期でございます。場合によっては有料道路を導入することによりまして、早期開通を図るというような措置も必要ではないかということで現在検討中でございます。
  111. 寺前巖

    ○寺前委員 何で有料道路をやらぬとあかぬということになるのですかね。金の都合だけですか。私は、主要な日常的な道路を有料道路でやっていくというようなことをやったら、これじゃ一体道路行政はどうなっているのだということになると思うのですが、最近の傾向として、大体そういう方向でやろうとしておられるのかどうか、ちょっと御説明をいただきたいということ。  それから並行して、トンネル問題は進めておかないと、事業が大きいから時間がかかるのですよ。お金の使い方によっては、一年でできちゃうのかどうか知りませんけれども、しかし常識的な見方があるだろうから、その辺はどういうふうにお考えになっているのか、これについて重ねてお聞きをしたいと思うわけですね。
  112. 浅井新一郎

    ○浅井政府委員 ことしは、老ノ坂トンネルの区間につきましては、測量試験費として六千万を一応予定いたしております。具体的な着工に結びつく調査はこれで進めたいというふうに考えておりまして、並行的に進めていくわけでございますが、着工順序としては、沓掛バイパスを先にやって、できるだけ早く老ノ坂にかかるという順序になろうかと思います。そうしますと、合わせてこれで二百億近い金がかかるわけでございます。御承知のように、道路事業は、石油ショック以来ほとんど事業費としては横ばいでございまして、その結果四年間ほとんど伸びがない間に、片や建設コストは倍近く上がってきているというようなことで、実際の事業ペースが半分に落ちておるわけでございまして、従来五年でできましたのに現時点では十年かかってもまだ終わらないというバイパスが全国的にあるわけでございます。  そういう事情もございまして、取りかかってもなかなからちが明かないということで、地元の皆様に御迷惑をかけている向きが全国各所にあるような状況から、やはりこういうものに取りかかったら、早く上げるためには借金をしてでも何とかつくるというような考え方もどうしても入れてこざるを得ないということから、受益の範囲で有料道路を導入いたしまして、利用者から料金を取って、これをペイしていくというような手法も、早く通すためにはやむを得ない措置ではないかということで、こういうこともあわせて検討いたしていきたいというふうに考えておるわけでございます。
  113. 寺前巖

    ○寺前委員 あわせて聞いておきますが、近畿自動車道の舞鶴線の早期実現ということで、一昨日も私のところに舞鶴市議会の方から要望書を持ってこられました。この線については、昭和四十七年の六月に基本計画に組み入れられたわけですが、整備計画が、神戸市から福知山までずっと入って、そこの建設に取りかかったとは言っても、福知山——舞鶴間についてはなされていない。福知山に長田野という工業団地が建設されてきているわけだけれども、いま舞鶴港というのが北海道とのフェリーボートもあって、非常に大きな役割りを輸送上果たしてきているということを見ると、せっかくこの三田−福知山のところに路線をずっと建設をするとしても、舞鶴との間を結びつけさせないことには意義が半減するんではないだろうかということなんですね。  そこで、いつになったらこの整備計画にのせてくれるのか、いつになったらこの路線を問題にしてくれるのかということで、地域住民の方々が非常に大きな要望を持っておられるわけですが、これについてどういう計画で進めておられるのかをお聞きしたいと思います。
  114. 浅井新一郎

    ○浅井政府委員 御指摘の近畿自動車道舞鶴線でございますが、これも先ほどの九号線の代替的な役割りも果たす非常に重要な横断高速道路でございまして、御指摘のように、福知山までが整備計画が出されておりまして、日本道路公団で早期着工を図るべく現在、関係地方自治体と関連公共事業との調整を行いながら、実施計画の策定のための諸調査を鋭意行っている段階でございます。ただ、その福知山−舞鶴間につきましては、御指摘のように、これがつながらないと、本当の高速道路のネットワークとしての意味がないということは、確かにそのとおりでございまして、早い時点にここまでの高速道路を完成する方向で努力をいたしておるわけでございますが、現時点では、道路公団に施行命令が出ております高速道路の延長が四千八百キロございまして、そのうち約二千キロだけ開通いたして、まだ二千八百キロの未供用区間があるわけで、これだけの仕事をいま抱えております。  そういうことから全国的に追加の施行命令の要望が非常に、特に横断道路を中心に多いわけでございますが、先発の区間がまだなかなか進行がはかどらないというような事情もございまして、これに対してさらに間口を広げることに若干見きわめがついてないわけでございます。ただ、本区間を含めまして、全体の整備計画の策定について現在作業を進めております第三次全国総合開発計画と調整を図りながら着工の順序を決めてまいりたいというふうに考えておりますので、いましばらく待っていただきたいということでございます。
  115. 寺前巖

    ○寺前委員 いずれにしたって、整備計画を審議会にのせないことには制度としては進まないことになりますね。最近、総合的な諸関係もあるから審議会に追加路線をどうするかというのはずっとかけておられるようですが、それも一定のめどを立てた段階に、審議会でそういうものを検討されることになるだろうと思うのです。  そういう場合に、この路線については、せっかく整備計画を三田−福知山のところをずっと立てているのだから、それは次のそういう審議をするときには大体のせるという計画でおられるのか、もう全面的に見直しだという路線にしてしまうのか。そこはどっちの立場をとるのですか。審議会というのがそういう問題を審議する時期というのは、ことしに大体やる予定をしておられるのか、来年ごろにそういうことを考える時期にしておられるのか、一つは審議会の時期の問題。  それからもう一つは、いま言ったように、総合見直しをやってもう相手にしないという立場にしてしまうのか、その審議会が始まったときには、次にはそこに提案をしたいというつもりでおられるのか、その辺の見通しを聞かせてください。
  116. 浅井新一郎

    ○浅井政府委員 先ほど申し上げましたように、この路線につきましては、現在福知山まで出ておりまして、舞鶴までつなぐことで路線としての意味があるというふうに考えております。  そういうことから、非常に重要な路線であるというふうには認識いたしておるわけでございますが、全国七千六百キロ、いろいろ検討していきますと、やはりこれに並ぶ路線もたくさんあるわけでございまして、その辺のプライオリティーの問題につきましては、三全総の中で十分その位置づけをはっきりさせたいというふうに考えておりまして、その上でやはり審議会にかけるということになろうかと思いますので、現時点では、今年度いつ審議会を開くということは決めておりません。三全総の決定は秋ごろというふうに聞いておりますので、少なくともその時点まではその調整にとられるわけでございますので、予定いたしていないわけでございます。
  117. 寺前巖

    ○寺前委員 お約束の時間になってきたようなので、まだ京都の南部の国道二十四号線、百六十三号線その他幾つかの国道の問題について、この間歩いてきたことで幾つかお話を聞きたいというふうに思っておりますが、また次回にさせてもらいますが、最後に一、二点だけ聞いておきたいと思いますのは、名古屋と大阪を結ぶ名阪国道というのですか、そこに最近、去年の秋でしたか、目方をはかる機械を据えつけたわけですね。トラックスケールというのですか、看貫を置いたわけですね。そこで、過積みになっている車は、三重県側から京都府側に、百六十三号線を流れ込むという傾向が非常に強くなっている。その百六十三号線というのは、路線は非常に狭い。特にいまトンネル建設を始めている笠置町の七曲なんというのは、交互に行かなかったら通れないぐらいの路線です。全体がそういう路線です。したがって、そういう路線に片一方で過積みの検査をやったら入り込んでくるというのは当然のことなんで、これはそういう対応策というのは総合的に、こちらでもはかるならばこちらでもはかって、全面的にむちゃはさせられないのだぞという総合的な対策を組んでもらわないことには、田舎の方の路線はたまったものではないという問題が出てきているのですね。これについてどういうふうにお考えになっておられるのか。  さらにまた、そういう田舎に大量に入り込んでくると、そこの交通安全対策はどうなっているのか。道路補修はどうなっているのか。国道にも直轄で管理するところと、府県に任すところがあります。府県に任すところを聞いてみたら、その交通安全対策費というのは、一年間に千五百万円ほどしかもらえない。対策を組むのは三百メートルぐらいだとか、あるいはまた道路の補修についても、建設省の方の補修の実施要綱で、昭和四十二年以前に舗装されたものとか、あるいは舗装補修を行ったものとか、そういうものに限って対象にしてめんどうを見ようというわけだけれども一般的には十年なんだという。実際にはそういう状態でどんどんふえてくる。ですから、そこらはもっと現実的に対応するような委任事務を府県に対してやらないと、田舎路線というのはしわ寄せを受けてきているのではないか。そこをどう検討しておられるのか、最後にお聞きして、終わりたいと思います。
  118. 浅井新一郎

    ○浅井政府委員 御指摘の百六十三号線でございますが、この過積み車両のチェックの問題でございますが、過積み車両につきましては、全国的に非常に問題としてわれわれもいま頭を悩ましておるわけでございます。そういうことから、全国の主要ポイントで看貫を設けてチェックすることによって、全体としてそういう過積み車両を抑えていくという方針でやっておるわけでございます。たまたま名阪国道でそういうことを実施したということで、それはそれなりに意味があって、かなり効果を発揮していると思いますが、その反面、一部の車が別の路線に流れてきて、今度はそこの問題として大きく浮かび上がってくる、そういう問題がございます。これにつきましては、御指摘のように、総合的にやはりチェックポイントを計画するということが重要だと思います。  そこで看貫につきましては、この区間は、現在京都府知事の管理する区間でございますが、府でもこの検査所の計画があるようでございますので、その効果的設置につきまして十分地元と協議するように指導してまいりたいと考えております。  それから、そういうことによりまして、いろいろ国道なんかの補修すべき区間が非常に多くなってくる。かなり壊されていくわけでございますが、大体基準としては、十年を経過したものを対象にして一応拾っておりますが、しかし十年以内でも、いろいろな条件で非常に壊れが激しいというようなところにつきましては、実際の損傷率等を勘案しまして、具体的に対応していくということでいっておりまして、補修費は年々ふやしてまいってきております。全国的に申し上げますと、一般の改築の事業費の伸びが大体七、八%、ここ二年ばかり七、八%でございますが、それに対して舗装補修費は五十一年が三二%、それから五十二年が二九%というぐあいにかなりな大きな伸びでふやしてまいってきております。今後もそういう姿勢で、壊れの実態に応じて舗装の再整備をしてまいりたいと考えております。  歩道等につきましても、御指摘のように、交通安全事業で逐次歩道の整備をふやしていっているわけでございますが、なかなか十分というわけにはまいりません。しかし全体の道路の中では、歩道整備につきましては、非常に重点を置いてやっておるわけでございまして、交通安全施設整備事業の大体全体の八割は歩道、自転車道の事業でございまして、その交通安全事業全体も、昨年度前回の五カ年計画を改定いたしまして、新しい五カ年計画に、規模として二・五倍の規模にふくらましたわけでございまして、最重点で整備を進めておるわけでございますので、その中で百六十三号につきましても、できるだけ地元の要請に沿って、整備を進めてまいりたいと考えております。
  119. 寺前巖

    ○寺前委員 もう時間が来ましたので、終わります。
  120. 鈴切康雄

    ○鈴切委員長 次に、伊藤公介君。
  121. 伊藤公介

    伊藤(公)委員 近年、自動車を初めとする各種の交通機関の進展に伴いまして、自転車の利用ということも大変に多様化をしてきているわけであります。たとえば通勤であるとか通学、あるいは奥様方の買い物に、日常の業務用に使用される自転車の利用は大変に増大をしているわけでございます。  しかし、このように進展をする自転車交通に対しまして、自転車道としては、全国でいまだ一万余キロしか設置をされていない。世界の国々に比べますと、著しく整備がおくれているわけでございます。私も、もう数年前でございますけれども、ヨーロッパで五年ほど生活をしておりました。大分その間の事情とは変わったと思いますけれども、自転車道、日常生活に自転車が活用されている、生活に自転車というものが入り込んでいるということが、ヨーロッパにおいては非常に進んでいるわけでございます。特に、東京を初め、日本の大都市におきまして、大多数の自転車が自動車との混合交通を余儀なくされて、全交通事故死亡者数の約一二%を自転車乗車中というのが占めている。  つい先日、大変人口の密集している多摩地域の市長さん方がお集まりになったときにも、この問題が課題になりました。そして、当面自転車の通勤をできるだけ自粛してもらいたい、こういう話し合いもかなり具体的に話題に上っているわけでございます。一方においては、レクリエーションとしてのサイクリング熱の高騰というものも今日では非常にふえておりますし、現在の大変乏しい施設では対処ができない、必然的に一般道路での混合交通、あるいは小さな空き地や公園で自転車を乗り回さなければならない、こういうのが現状でございます。私はかねてから、町における、健康的で大変明るい地域社会をつくるために、非常に重要な交通手段として、自転車道路網の整備をこの委員会におきましても、幾たびか指摘をしてきました。しかしながら、自転車道、特に自転車専用道路の整備はどうも遅々として進んでいないと言わざるを得ないわけでございます。  まず、自転車道の整備の状況は、全国的に一体どう進んでいるのか。また、特に高速道路に乗っても、あるいはどこの道路に私どもが行っても交通渋滞、こういう東京の交通状況を考えますと、大変大事な問題だと思っているわけでございますが、一体現状はどうなっているのか、お尋ねをしたいと思います。
  122. 浅井新一郎

    ○浅井政府委員 自転車道の整備の推移と現況についてお話し申し上げますと、確かに御指摘のように、日本の道路の現状は、従来自動車中心といいます、自動車の伸びを追いかけて整備してきたことから、歩道、自転車道の整備が非常に大きくおくれたというのはわれわれ現時点で、大きく反省している事柄でございまして、そういうことから、御指摘のように、諸外国と比べましても、特に自転車道については大きな差があるわけでございますが、わが国の自転車道の整備は、昭和四十六年に第一次の交通安全施設整備五カ年計画が発足した、そのころからようやく始まったわけでございまして、その当時の全国の自転車道の延長は、延べ延長で申し上げますと、わずかに千二百キロ程度しかなかったわけでございます。それ以来、建設省としましては、この交通安全事業を中心に、歩行者と同様に道路交通上ではいわゆる弱者に属する自転車利用者の交通の安全を確保するために、歩道整備の拡充とあわせまして鋭意整備の促進を図ってまいったわけでございます。その結果、この間一般道路の改築事業としても自転車道の整備を進めておりますので、あわせて自転車道の延長は大幅に延びたわけでございますが、昭和五十一年三月、昨年三月の時点で、大体延長といたしましては一万四千八百キロになっておりまして、五年前の約十倍の距離に延びておるわけではございます。  そういうことで鋭意整備を進めてまいっておるわけでございまして、いままでの道路づくりの反省の上に立って、これからはやはり歩道、自転車道の整備をより以上に重点を置いて整備してまいるというのが現時点でのわれわれの姿勢でございますので、今後、そういうことで前向きに自転車道の整備に取り組んでまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
  123. 伊藤公介

    伊藤(公)委員 この五年間に十倍になったのだ、こういうお話でございますけれども、どうも自転車専用道路の整備は、その延長から見ましても、あるいはその地域における個所数においても非常に小さい。具体的に、いつになったら自転車道路網は整備をされるのか、あるいは政府はこれに対する長期的な構想を現実に持っているのか、お聞きをしたいと思います。  先ほど東京の状況はどうかという御質問をしたわけでございますが、具体的なお答えがありませんので、あわせてお願い申し上げます。
  124. 浅井新一郎

    ○浅井政府委員 自転車道の整備につきましては、御承知のように、道路の現状がこういったようなことで、従来から日本の道路は車社会の歴史が非常に浅かったということで、狭い道幅の中で車と人と自転車を通さなければならないというような、いろいろむずかしい問題を抱えておるわけでございまして、新しくつくるバイパス等の整備につきましては、これは初めからそういう形で三者平等な考え方で整備を進めてまいっておるわけでございますが、すでにある道路の中で自転車の利用しやすい姿に道路をつくり直すということは、スペースの余裕がないためになかなか困難な点もございます。そういうことから歩道と自転車道を共用したり、あるいは区画線でわずかに区画して、自転車の通るスペースを与えたりというようなことをいろいろ工夫しながら整備をしておるわけでございまして、こそくな手段ではありますが、今後ともこういうことも含めてやっていかなければならないとは考えております。しかし本格的な自転車道の整備もいろいろやっております。御承知かと思いますが、屋外レクリエーションを目的として昭和四十八年度から開始しました大規模自転車道につきましても、現在五十二年度末で約七百キロの整備ができるということで、四十八年からでございますので相当なぺースで整備が進められておるわけでございます。  そのほかに、レクリエーション以外の一般生活用の自転車道につきましても、現在第二次の交通安全施設等整備五カ年計画におきましては、歩道整備と並んで、先ほど申し上げましたように最重点、全体の八割をこの歩道、自転車道に使うということにいたしておりまして、計画期間中に改築事業によるものを含めまして、延長としましては一万六千五百キロを整備する予定にいたしております。その結果、昭和五十年度の二倍に相当する約三万一千キロの延長にこの五カ年計画終了時点ではなるわけでございます。従来ストックが少なかったために、かなり延長的にはまだまだという感じはいたしますが、取り返すぺースとしましては、かなり急ピッチで進めておるわけでございます。  それから東京周辺についてでございますが、東京あるいは大阪といったようなところの自転車道の整備は、道路状況あるいは沿道の状況等からしてその設置が困難な場合が多いわけでございますが、このため、河川敷とか水路敷、公共空間を効果的に活用しまして、あるいは既存道路幅の一部を利用して、先ほど申し上げましたように、その整備を図っていくところが多いわけでございます。  三多摩地区におきましても、このような手法によりまして整備を進めておりますが、昭和五十一年三月時点の三多摩地区の自転車道の延長は約百六十キロということになっておりまして、これは東京都全域の整備延長の六五%に相当しておるわけでございます。  そのほか、公安委員会が行う歩道の自転車通行可というような形で通しております区間は、東京都全域で約七百キロあるというふうなことになっております。
  125. 伊藤公介

    伊藤(公)委員 私は、再三指摘をさせていただいておるように、非常にばらばらの自転車道路ではなくて、たとえば大東京の新しい人口が密集をしている多摩地区等におきましては、環状の自転車道路網をつくる、ネットワークとしての自転車道路網の整備をしたらどうか。いまお話がございました新しくつくるバイパス等については、新しい自転車道路、専用道路というものも考えながらつくっているのだ、こういうお話がございましたけれども、つい先日、東京の中では最大のニュータウンがつくられております多摩ニュータウンというのがあるわけですが、これは人口約四十二、三万、周辺を集めて約五十万都市という、全くいままで山であったところに新しいニュータウンづくりが急速に進んでいるわけでありますけれども、このニュータウンの中へお住まいになっている方々が「住みよい多摩ニュータウンをつくる会」、これは全くイデオロギー抜きの、皆さんが自主的におつくりをいただいている会でございますが、私ども実は懇談をする機会がございました。しかしこれだけの全く新しい五十万というニュータウンがつくられているこのニュータウンづくりの中には、私が現在調べた中では、自転車の専用道路というものが全く考えられていないのが現状でございます。いまお話の中に、河川敷という問題がございましたけれども、ちょうどこのニュータウンとニュータウン続きのような形で、東京を割って流れる多摩川があるわけでございますけれども、もしそういうお話でございますと、土地を新たに求めなくてもいい、多摩川の河川敷を利用した自転車専用道路、さらに五十万都市という、かつてない町づくりが進められているこのニュータウンとをつないだ新しい自転車専用道路というものは考えられないのか、お尋ねをしたいと思います。
  126. 浅井新一郎

    ○浅井政府委員 御指摘のように、都市計画の中に自転車道を織り込んでいくということは、これからの都市づくりの中で非常に重要なことだと思いますし、多摩ニュータウンのような非常に大きな都市づくりの中では、自転車の利用というものを十分調査いたしまして、主要なルートにつきましては、十分な自転車道をつくるということも重要だと思います。  御指摘の多摩川の中にそういうものをつくることが、果たしてそういう線から有効かどうか、これはよくわかりませんが、一般的な考え方としては、そういう考え方で、都市計画全体に自転車道の網をかぶせるということは、言うべくしてなかなか困難な問題でございます。その中の主要な、非常に需要の高いルートにつきましては、道路づくりの中に歩行者と自転車それから車という三者をそれぞれ分離して、十分な自転車道をつくるという考えが必要かと思いますが、これは一般論でございまして、多摩ニュータウンの実態につきましては、実は所管外で十分な知識を持っておりません。これは実は都市局所管でございますので、また、帰りまして十分その意向をお伝えし、検討したいと思います。
  127. 伊藤公介

    伊藤(公)委員 自転車の専用道路歩行者道をあわせて自転車道のネットワークをつくる、こういうことはぜひお進めをいただきたいと思うのでありますけれども、現在ある歩道の上につくるということもいま少し試みられているようでありますが、現在ある歩道の上につくるということであれば、早急にできるような気が私はするわけでございますが、この点についてはいかがでしょう。
  128. 浅井新一郎

    ○浅井政府委員 一般に、歩道が三メートル以上ございますれば、それを二つに分けて、歩行者と自転車を区別して利用するというやり方もできるかと思いますが、これもまた歩行者交通量、自転車の交通量による問題でございまして、これは、実態的には、実際具体的な調査をしてやっていかなければならぬ問題とは思いますが、多摩ニュータウンの計画そのものについては、また、われわれのサイドからそういうことが可能かどうか、十分検討したいと思います。
  129. 伊藤公介

    伊藤(公)委員 ぜひ積極的に新しい町づくりの中でお考えをいただきたいと思います。  最後に、総理府として、交通安全の上から、いままで建設省がお答えになったような自転車道の整備及び安全利用については、どのようにお考えになっておるか、お尋ねをしたいと思います。
  130. 室城庸之

    室城政府委員 自転車の問題につきましては、先ほど道路局長からもお話がございましたが、第一次交通安全基本計画を昭和四十六年から推進しております過程において、四十八年ごろから急速にこの自転車の問題というのが上がってまいりまして、自来全国に六十四のモデル都市を設定いたしまして、ここを中心に、とりあえずモデル的な推進を図っていこうということで、予算もそのように措置をいたしまして、いろいろ進めてまいりました。  その結果、本来の自転車道というものは、先ほど道路局長から御説明があったとおりでございますけれども、そのほかに、道路の車道部分の一部を自転車の専用通行部分というふうに定めましたり、あるいは歩道の上に自転車通行可というようなことで交通規制の面で自転車の通行路を確保したり、あるいは駐停車禁止路側帯というものを設けまして、道路の端っこではありますけれども、そこには自動車駐車することを禁じまして、両端に自転車や人の歩く部分を確保したというような措置が、大ざっぱに申し上げまして、約二万数千キロにわたって全国的には措置されてまいったわけであります。  しかしながら、いま先生がおっしゃいますように、これを通常の日常生活の中での自転車の利用というものと結びつけました、いわゆる網的整備という点につきましては、まだ日が浅いという点もございますし、道路一般的な状況が、やはり都市機能を満たすために相当部分自動車の優先通行というようなものを認めざるを得ないというような部分もございまして、在来道路について自転車の通行部分を確保するということ並つきましては、部分的にかなり困難な問題がございます。したがいまして、一応形はつけてきたと申しましても、これを十分に網的に整備して、出発地から目的地までずっと安全な保護された自転車の通行帯を確保するというような実態にはなかなかほど遠いものがあるということは、私どもも十分認識いたしてございます。  したがいまして、第二次交通安全基本計画、これは御承知のように、昭和五十一年から五十五年までの計画でございますけれども、この中にはそのような自転車の問題を正面からとらえることにいたしまして、「通勤、通学、買物等日常生活に利用される自転車の通行の安全を確保するため、自転車道、自転車歩行者専用道路等を整備するとともに、自転車歩道通行可、自転車専用通行帯の設定等の交通規制の強化に伴う道路標識、道路標示を整備する。」というふうな規定を設けまして、かつては六十四のモデル都市でだけやってみようとしておりましたものを全国的に敷衍して、今後交通安全を考える上で、全国的にこの問題を取り上げようという方向を打ち出しておるわけでございます。  今後、逐次このような方向で、地方的な計画が進んでまいることを期待しておるわけでございますけれども、特に在来道路でこのネットをつくるということは、いま申し上げましたように、いろいろ困難がございまして、努めて各種の規制を活用しながら何とか実態をつくり上げていくという努力をせざるを得ないと思いますが、最近の、たとえば岡山県等はかなり自転車対策の進んだところでございますけれども、岡山市あるいは玉野市、ここらあたりでは、かなり自転車通学というものが常態化しておる実態もございます。また、玉野市では、かつてございました地方鉄道を撤去いたしました際に、それを全部自転車専用道に切りかえるということで、造船所の職員約四千人がこれを自転車専用道として利用しておるというような実態もございまして、そのような条件の許すところでは、逐次生活道路としての自転車道が整備されつつある。また、筑波学園都市におきましても、ほとんど市街地を縦貫する自転車道を持っておりまして、新しく計画していきます場合には、こういったことがかなり可能でございます。したがって、今後新しい道路をつくります場合、あるいは在来道路について交通安全を考えていくという場合に、歩行者並びに自転車のこういった安全通行のベルトというものを網的に整備していくということは、絶対不可欠の要件でございますので、そのような方向で私どもも各省庁の連絡調整を図りながら進めてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
  131. 伊藤公介

    伊藤(公)委員 新しい都市づくりの上でも、また、いま申し上げました交通安全という上からも、また、新しい町づくりの中におけるコミュニティーづくりという面から言っても、ぜひ国策として自転車専用道路、あるいは現実的に現在ある道路の中に許す限り自転車道というものをつくるということをお進めいただきたい。  また、かねてから議論をされてまいりました自転車を私どもの生活の中で活用していくということになりますと、必然的に自転車置き場ということが大変大事な問題でございます。長い間議論されてきた問題でありますけれども、駅前における自転車置き場の問題、あるいは買い物に自転車を利用するところに関しての自転車置き場等の整備に関しても、当然法的な整備も急がなければならない、こういう段階であろうと思います。こうした問題につきましても、私は次回に重ねて質問さしていただきたいと思います。積極的にお進めいただくことをお願い申し上げまして、私の質問を終わります。
  132. 鈴切康雄

    ○鈴切委員長 次回は、公報でお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後二時二十九分散会