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室城政府委員 自転車の問題につきましては、先ほど
道路局長からも
お話がございましたが、第一次
交通安全基本計画を昭和四十六年から推進しております過程において、四十八年ごろから急速にこの自転車の問題というのが上がってまいりまして、自来全国に六十四のモデル都市を設定いたしまして、ここを中心に、とりあえずモデル的な推進を図っていこうということで、予算もそのように措置をいたしまして、いろいろ進めてまいりました。
その結果、本来の自転車道というものは、先ほど
道路局長から御説明があったとおりでございますけれ
ども、そのほかに、
道路の車道部分の一部を自転車の専用通行部分というふうに定めましたり、あるいは歩道の上に自転車通行可というようなことで
交通規制の面で自転車の通行路を確保したり、あるいは駐停車禁止路側帯というものを設けまして、
道路の端っこではありますけれ
ども、そこには
自動車が
駐車することを禁じまして、両端に自転車や人の歩く部分を確保したというような措置が、大ざっぱに申し上げまして、約二万数千キロにわたって全国的には措置されてまいったわけであります。
しかしながら、いま
先生がおっしゃいますように、これを通常の日常生活の中での自転車の利用というものと結びつけました、いわゆる網的整備という点につきましては、まだ日が浅いという点もございますし、
道路の
一般的な状況が、やはり都市機能を満たすために相当部分
自動車の優先通行というようなものを認めざるを得ないというような部分もございまして、在来
道路について自転車の通行部分を確保するということ並つきましては、部分的にかなり困難な問題がございます。したがいまして、一応形はつけてきたと申しましても、これを十分に網的に整備して、出発地から目的地までずっと安全な保護された自転車の通行帯を確保するというような
実態にはなかなかほど遠いものがあるということは、私
どもも十分認識いたしてございます。
したがいまして、第二次
交通安全基本計画、これは御承知のように、昭和五十一年から五十五年までの計画でございますけれ
ども、この中にはそのような自転車の問題を正面からとらえることにいたしまして、「通勤、通学、買物等日常生活に利用される自転車の通行の安全を確保するため、自転車道、自転車
歩行者専用
道路等を整備するとともに、自転車歩道通行可、自転車専用通行帯の設定等の
交通規制の強化に伴う
道路標識、
道路標示を整備する。」というふうな
規定を設けまして、かつては六十四のモデル都市でだけやってみようとしておりましたものを全国的に敷衍して、今後
交通安全を考える上で、全国的にこの問題を取り上げようという方向を打ち出しておるわけでございます。
今後、逐次このような方向で、地方的な計画が進んでまいることを期待しておるわけでございますけれ
ども、特に在来
道路でこのネットをつくるということは、いま申し上げましたように、いろいろ困難がございまして、努めて各種の規制を活用しながら何とか
実態をつくり上げていくという
努力をせざるを得ないと思いますが、最近の、たとえば岡山県等はかなり自転車
対策の進んだところでございますけれ
ども、岡山市あるいは玉野市、ここらあたりでは、かなり自転車通学というものが常態化しておる
実態もございます。また、玉野市では、かつてございました地方
鉄道を撤去いたしました際に、それを全部自転車専用道に切りかえるということで、造船所の職員約四千人がこれを自転車専用道として利用しておるというような
実態もございまして、そのような条件の許すところでは、逐次生活
道路としての自転車道が整備されつつある。また、筑波学園都市におきましても、ほとんど市街地を縦貫する自転車道を持っておりまして、新しく計画していきます場合には、こういったことがかなり可能でございます。したがって、今後新しい
道路をつくります場合、あるいは在来
道路について
交通安全を考えていくという場合に、
歩行者並びに自転車のこういった安全通行のベルトというものを網的に整備していくということは、絶対不可欠の要件でございますので、そのような方向で私
どもも各省庁の連絡
調整を図りながら進めてまいりたいというふうに考えておるところでございます。