○工藤
説明員
先生御
指摘のとおり、年間の海難事故の約半数近くが
漁船で占められておりますが、
漁船の在籍数は約四十万隻以上ございますので、発生率といたしましてはそれほど高いとは考えておりません。また、海難事故の原因としては、機関故障であるとか材料が悪いとかいろいろございますが、大
部分としては
乗組員の人的な要因によるものが多いように考えられます。したがいまして、
漁船乗組員の資質向上ということには、私
どももなお一層努める必要があると考えております。
ただ、そうは申しながら、海難事故というのは非常に不幸な出来事でございますので、これを減らし、根絶するということが非常に望ましいことであると考えておるのでございます。
水産庁といたしましては、私
どもの方で建造等の許可の際に、
漁船の復原性、それからその他機能等につきましても、厳重にチェックをいたしておりまして、安全の向上ということについては十分努力しているつもりではございますけれ
ども、何分にも小さい船の場合には、やはり船自体の耐航性といいますか、そういうものが非常に少ないので、やはり
乗組員の注意というものが一番大事なことではないかと思います。
それから
船舶安全法の三十二条の検査対象外になっているではないかというお話でございますが、現在は、昭和四十八年の安全法
改正の際に、二十トン未満の小型
漁船のうちに百海里以上の遠距離に出る
漁船がございますが、その六業種の
漁船について、すでに
船舶安全法の検査対象として検査されております。なお、その他の
漁船につきましても、
漁船の操業
実態からして検査が必要と思われるものにつきましては、検査対象等を拡大することにつきまして、ただいま運輸省側と協議を行っているところでございます。
ただ、
水産庁といたしましては、六年に一回の定期検査、三年に一回の中間検査という画一的な検査だけで、海難が根絶できるというふうには考えておりませんが、検査がそういう海難防止の一助として役に立つという面がございますので、その辺については、むげに検査を拒否するというような考えは持っておりません。
以上でございます。