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1977-03-04 第80回国会 衆議院 建設委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十二年三月四日(金曜日)     午前十時三十二分開議  出席委員    委員長 北側 義一君    理事 内海 英男君 理事 塩谷 一夫君    理事 野中 英二君 理事 渡辺 栄一君    理事 中村  茂君 理事 福岡 義登君    理事 岡本 富夫君 理事 渡辺 武三君       有馬 元治君    江藤 隆美君       大塚 雄司君    瓦   力君       坂本三十次君    住  栄作君       谷川 寛三君    中島  衛君       中村 弘海君    松野 幸泰君       渡辺 紘三君    伊賀 定盛君       佐野 憲治君    下平 正一君       吉原 米治君    渡部 行雄君       谷口 是巨君    古川 雅司君       瀬崎 博義君    甘利  正君  出席国務大臣         建 設 大 臣 長谷川四郎君         国 務 大 臣         (国土庁長官) 田澤 吉郎君  出席政府委員         国土政務次官  佐藤 守良君         国土庁長官官房         長       河野 正三君         国土庁計画・調         整局長     下河辺 淳君         国土庁水資源局         長       飯塚 敏夫君         国土庁地方振興         局長      土屋 佳照君         建設政務次官  小沢 一郎君         建設大臣官房長 粟屋 敏信君         建設省計画局長 大富  宏君         建設省都市局長 中村  清君         建設省河川局長 栂野 康行君         建設省道路局長 浅井新一郎君         建設省住宅局長 山岡 一男君  委員外出席者         大蔵省主税局税         制第一課長   矢澤富太郎君         農林大臣官房参         事官      羽鳥  博君         運輸省鉄道監督         局国有鉄道部業         務課長     吉末 幹昌君         運輸省自動車局         業務部旅客課長 桜井  男君         自治大臣官房参         事官      平岩 金一君         自治省財政局財         政課長     関根 則之君         参  考  人         (日本道路公団         理事)     平野 和男君         建設委員会調査         室長      川口 京村君     ————————————— 委員の異動 三月四日  辞任         補欠選任   中尾 栄一君     中村 弘海君   伊賀 定盛君     佐野 憲治君 同日  辞任         補欠選任   中村 弘海君     中尾 栄一君   佐野 憲治君     伊賀 定盛君     ————————————— 本日の会議に付した案件  参考人出頭要求に関する件  特殊土じよう地帯災害防除及び振興臨時措置法  の一部を改正する法律案起草の件  建設行政基本施策に関する件  国土行政基本施策に関する件      ————◇—————
  2. 北側義一

    北側委員長 これより会議を開きます。  まず、特殊土じよう地帯災害防除及び振興臨時措置法の一部を改正する法律案起草の件について議事を進めます。  本件につきましては、先般来、各党間におきまして御協議が続けられておりましたが、理事会におきまして協議が調い、お手元に配付してありますとおりの草案が作成されました。  その内容につきまして、便宜、委員長から御説明申し上げます。  本法案の目的といたしますところは、現行の特殊土じよう地帯災害防除及び振興臨時措置法の一部を改正して、同法の有効期限をさらに五ヵ年間延長しようとするものであります。  御承知のごとく、特殊土壌地帯は、九州、四国、中国から中部地方にまたがり、シラス、ボラ、コラ、赤ホヤ花崗岩風化土富士マサ等の特に浸食を受けやすい性状の土壌で覆われ、その風土的悪条件から、台風豪雨等による被害が特に著しく、また、その農業生産力もきわめて低位なる状況であります。  かかる実情に対処するため、さきに昭和二十七年四月、議員立法として、特殊土じよう地帯災害防除及び振興臨時措置法が制定され、さらに昭和三十一年三月、昭和三十六年五月、昭和四十一年五月及び昭和四十六年四月の四回にわたり、期限延長内容とする一部改正がなされ、かくて、同法に基づきまして、治山、砂防、河川改修道路防災農地防災土地改良などの対策事業が実施されてまいったのであります。  今日まで二十五年間にわたるこれらの対策事業の実績は、相当の効果を上げてきており、同法の目的とする災害防除農業振興の両面にわたって著大な進歩改善がなされ、地域住民福祉向上に多大の貢献をなし、大きく感謝されておりますが、しかしながら、必ずしも満足すべき状態にあるとは言えないのであります。  すなわち、現在なお、たび重なる災害による環境の悪化と農業生産力低位性を除去することはできず、加えて近年の都市化の進展や開発等に伴い、特殊土壌に起因する災害が多発し、その態様も多様化しつつある状況にあります。  したがいまして、この際、新たなる地域開発の構想に立った事業計画を策定し、より効果的な対策を強力に推進することこそ、国土保全民生安定等の見地から、その重要性はまことに大きいものがあると信じます。  よって、本法は、来る昭和五十二年三月を最終期限とする時限法でありますので、ここに同法の一部を改正し、昭和五十七年三月三十一日まで、その有効期限を延長して、所期の目的を完全に遂行してまいりたいと存ずるものであります。  以上が草案の趣旨の説明であります。     —————————————
  3. 北側義一

    北側委員長 本草案について別に発言の申し出もありませんので、この際、衆議院規則第四十八条の二の規定により、内閣において御意見があればお述べ願いたいと存じます。田澤国土庁長官
  4. 田澤吉郎

    田澤国務大臣 本法律案については、政府としては、特に異存はございません。
  5. 北側義一

    北側委員長 お諮りいたします。  お手元に配付してあります特殊土じよう地帯災害防除及び振興臨時措置法の一部を改正する法律案草案を本委員会の成案と決定し、これを委員会提出法律案とするに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立
  6. 北側義一

    北側委員長 起立総員。よって、さよう決しました。  なお、ただいま決定いたしました本案の提出手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  7. 北側義一

    北側委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
  8. 北側義一

    北側委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。  建設行政基本施策に関する件調査のため、本日、日本道路公団理事平野和男君に参考人として御出席を願い、御意見を聴取することにいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  9. 北側義一

    北側委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  なお、参考人からの御意見は、質疑応答の形式でお聞きすることにいたしたいと存じますので、さよう御了承願います。
  10. 北側義一

    北側委員長 次に、建設行政基本施策に関する件及び国土行政基本施策に関する件について調査を進めます。  質疑申し出がありますので、順次これを許します。渡部行雄君。
  11. 渡部行雄

    渡部(行)委員 建設大臣がまだ来てませんから、国土庁長官の方から先にやります。  それでは、最初国土庁長官にお尋ねいたしますが、まず豪雪対策の問題についてであります。  いま、御承知のように豪雪地帯は、いままでにないような、ひどい雪のために悩んでおるわけであります。しかも地方自治体は非常に財政が逼迫しておる中で、どうしても住民のために、この雪を処理しなければならない、そういうことで相当の赤字を覚悟して出費をしておるのが実態でございます。したがって私は、この際、特別豪雪地帯指定基準について、これを改定する御意思があるかどうか、こういう問題についてお尋ねするわけであります。  いまの、この基準というのは、ほとんど降雪量積雪量というものによって基準が設けられて、そしてまた非常に古い感覚がここにはあるわけであります。それというのは、部落がほとんど孤立するような状態が三十日以上続く、こういうようなことが書いてありますが、しかし現実には今日では、ほとんどそういう状態は、すでに機械進歩によりまして、なくなってきておるのであります。したがって、そこで私が提案するのは、一つは、二十センチメートル以上降雪があった、その日数をやはり、この基準の中に考えるべきではないだろうか。もう一つは、積雪期間中に風が非常に強いところ弱いところの差があります。そこで風の強いところは相当降雪量があっても、積雪深からいくと余りない、こういう状態が出ておりますので、そういう平均風速と申しますか、こういうものも一つ基準の中に考慮していく。あるいは現在置かれておる観測地点についても、もう一回、果たして、それが適切であるかどうか、こういうものを見直していく、こういう中で、この特別豪雪地帯指定基準について、ひとつ改定する御意思がありや否や、お伺いするものであります。
  12. 田澤吉郎

    田澤国務大臣 お答えいたします。  今回の豪雪状況は、ただいま先生指摘のとおりでございますので、私たちとしては二月早々から関係省庁と連絡をとりながら、その状況を把握して、さらに対策を講じてまいっておるわけでございます。特に私たちは、雪の地帯でも特に降雪の激しい地帯に対しての措置としては、ただいま御指摘のような特別豪雪地帯指定をいたしているわけでございますが、その基準について今回も、いろいろ災害地からの要望もございました。ただいま先生お述べになりましたように、いわゆる積雪量と、それから交通の途絶することによって地域住民に与える影響程度では、この特別豪雪地帯指定基準にはならぬから、もっと、その範囲を拡大してはどうかという意見がいろいろ出てきておるわけでございますので、私たちは、いま先生のお述べになりましたことも含めて、今後、審議会等がございますので意見を聞いて検討してまいりたいと考えております。
  13. 渡部行雄

    渡部(行)委員 豪雪対策については私は、やはり地域住民の側に立って、生活がどれだけ困難を来しておるか、その難度というものを十分考慮することが一番大事じゃないかと思うのです。  そこで、たとえば私の選挙区内にある猪苗代という町、これは地域指定にはなっていないわけです。ところが実際に、そこに行ってみると物すごい磐梯おろしによって風がすごくて、ほとんど雪が吹き飛ばされてしまう。そして、その吹き飛ばされておる平地というものは、もう雪をかくと一時間足らずのうちに、また道路がなくなってしまう、こういうような状態が続くわけです。ところが観測地点ではかられる積雪深というものはどうかというと、これは非常に少ないわけで、そういうことからいくと、これが基準に当てはまらない、こういうことで指定を受けることができないでおるわけです。あるいは喜多方市においてもそうですし、また高郷村というところもそういうわけでございます。したがって具体的に、これは行って調査をしてもらえば一番明らかですが、その雪によって生ずる生活の難度というものをもっと考慮して、そうして、これを改善していくということが、いま緊急の問題ではなかろうか、こう思うのです。  なお、仄聞するところによりますと、三月うちに豪雪審議会が開かれるやに聞いておりますが、この際ぜひひとつ、この問題の解決に当たっていただきたいと思いますが、ひとつ御所見をお承りいたします。
  14. 田澤吉郎

    田澤国務大臣 ただいま御指摘のように町村の中でも、いわゆる積雪の多いところと少ないところ、あるいは風によって積雪の量が少ないけれども、非常に量としてはたくさん降っておるというようなこと、それが地域住民に非常に大きな影響を与えているということは先生指摘のとおりなんでございますので、この点については観測そのものじゃないのでございますから、いかに、その豪雪住民生活影響を与えているか、被害を与えているかということを示すものでございますので、そういう点で、この指定基準については一層、検討させていただきたい、審議会の議を経て検討させていただきたいと思います。
  15. 渡部行雄

    渡部(行)委員 それから第二点は、豪雪対策の中で、いま一番困っているのは市町村道除雪の問題でございます。機械については購入の際に三分の一の補助がなされておるわけでございますが、除雪については全然、補助がありません。したがって実は、この市町村道というのは生活道路でありまして、本当に、これが完全に除雪されないと住民は非常に困るわけでございます。それらについて今後、市町村道に対する除雪費補助をする御意思があるかどうか、お伺いいたします。
  16. 浅井新一郎

    浅井政府委員 お答えいたします。  市町村道除雪の問題につきましては雪寒事業の中で現在、都道府県道までやってきております除雪に対する補助事業を拡大して市町村道まで及ぼすべきであるという御意見は、ここ数年、伺っておるわけでございますが、元来、除雪事業は大体、維持管理という考え方から管理者が責任を持ってやるという思想で従来きておりましたが、雪寒法で雪国のいろいろ除雪に対する財政的な需要を救うという意味で、逐次、都道府県道まで除雪することで拡大してまいったわけでございますが、市町村道までの除雪ということになりますと、市町村道除雪そのものが、幹線道路除雪をまずやって、その次に市町村道に及ぶわけですが、これはやはり相当、機動的にやっていかなければならないということで、あらかじめ路線と区間を決めて除雪補助事業をやるような、いわゆる補助事業としての執行になかなか向かない面がございまして、そういう観点から従来、交付税で処理してきたということでございます。現在、面的除雪について、いろいろ私どもも研究いたしておりますが、こういった観点から交付税で処理するのに加えて、従来から補助事業では機械による除雪体制の強化ということに対して、市町村に対して、いろいろ国から機械力の増強に対する補助ということはやってまいってきております。それからまた市町村道のうち特に重要な路線につきましては、できるだけこれを県道にして、県道として県の負担で除雪するというやり方をするために、県道指定基準寒冷地では緩和してきておるようなこともありますし、また豪雪地域に対しては県で市町村代行事業をやるというようなことも、いろいろやってまいってきております。そういうようなことで市町村道除雪に、いろいろな形での手助けはしておりますが、面的除雪に適するやり方として交付税でやっていくという基本的な考え方は、これまで崩してきてないわけでございますが、今回、特に豪雪が激しくて市町村財政需要に対応するには、交付税だけでは、なかなかやり切れないという面がございましたので、特別な臨時措置として、平年の雪を超える分の二分の一について、予算補助という形で予算補助するという措置を初めて講じたわけでございまして、面的除雪あり方については今後とも検討いたすつもりでありますが、いますぐ、いままでやっております県道補助事業としての除雪予算補助というようなことを市町村道まで拡大するにつきましては、いろいろ問題があろうかと思いますので、今後、検討させていただきたいと思っております。
  17. 渡部行雄

    渡部(行)委員 検討するということで、これは一応これからの政府の誠意を見守っていきたいと思います。  次に、やはり豪雪問題ですから、これは最初にやってしまいます。  雪の中で生活する人々は、雪の降らないところで生活する方々と比べて、非常によけいな出費があるわけでございます。たとえば、ことしの雪おろしなんかを人を頼むと、一日一人六千円でございます。これは会津若松での話ですが六千円で、それに酒、さかなで、ごちそうしなければならない。そうすると、いろいろ合わせて約一万円ほど出費するというのが現実でございます。そればかりでありません。私も今度、東京に出てきて、来るまではメリヤスのシャツを着て、そうして、そこに毛糸のカーディガンを着てこないと寒くて来られない。ところが東京では、そんなものを着たら、とても暑くて歩けない。こういうふうに衣類においても非常に金の出方が違うわけでございます。あるいは暖風光熱費においてもそうですし、また交通費においても、しかりでございます。雪が降らないと自転車でも通れるのでございますが、雪が降ると自転車を使うことはできない。そうすると必然タクシーを頼んだりバスに乗ったりすることになるわけでございます。あるいは履物まで違う。雪の国は長ぐつを履かなければならない。そういうもろもろの問題で非常な出費があるわけでございます。しかし今日の税制の中では、これらの問題がさっぱり考慮をされていない。これは税の不公正だと私は思うのです。国民はひとしく政治の恩恵を受ける権利があると思うのですが、そういう点ではまことに不公平である。したがって、これらの点について今後、税制上、何らかの措置を講ずる考えがあるかどうか。お伺いいたします。これは大蔵省の方だと思います。
  18. 矢澤富太郎

    矢澤説明員 お答え申し上げます。  ただいま先生、御指摘のように豪雪地帯では特定のかかり増し経費と申しますか、生活費増加があることは御指摘のとおりでございます。実際問題といたしましても、いま先生からお話がございましたような一般的な控除といたしまして豪雪控除をつくるべきであるという御要求も強いこと、私ども承知しております。たびたび政府税制調査会に、この問題を御審議いただいておるわけでございますが、ただ問題は、こういった控除税制そのものになじむかどうかというところが問題でございまして、と申しますのは税制全国津々浦々の納税者対象とする。その場合に、それぞれ個人的に、さまざまな事情もございましょうし、また地域的に、さまざまな事情もあるわけでございます。そういう意味で、そういった数多くの納税者対象とする制度で、特定地域特定控除を認めるということに相なりますと、また別のところで似たような事情もあるのではなかろうかということで、ただいままでの税制調査会結論は、個別的な控除税制において設けることは、制度あり方として、なかなかむずかしいという結論をいただいておる次第でございます。  ただ、除雪費用のような経費につきましては、雑損控除という制度がございまして、火災とか風水害によりまして財産の損害を受けた場合、年所得一定割合以上にその損害が達した場合には、年所得一定割合を超えた部分は所得から控除するという制度がございます。除雪費用につきましては、この雑損控除対象といたしまして対処している次第でございます。
  19. 渡部行雄

    渡部(行)委員 非常に不思議な議論を聞くのですが、なじまないというのは、だれになじまないのですか。制度になじまないから住民は不平等に苦しんでもいいという理屈にはならないと思うのですよ。政治というのは、住民対象にしてやるのが政治だと思うのですが、あなたのいまの御答弁だと、何か制度に対処して考えておられるようでございます。そこで、そんなみんなの税金を一方にだけ多く使うことが悪いというならば、恐らく、この六法全書にあるものも国の予算も皆、問題になってくると思うのですよ。たとえば新国際空港にいたしましても、それじゃ、なぜ、ああいう民間航空会社に対して国が予算をあれだけ出すのですか。片一方においては勝手なことをやって、そして、いま苦しんでいる住民に対しては税制になじまないからなどということが答弁になりますか。そういう思想についてお伺いいたします。
  20. 矢澤富太郎

    矢澤説明員 制度になじまないと申し上げたわけでございますが、税制は、一つは公平に数多くの納税者方々を取り扱わなければならないというたてまえがございます。そういう意味で、ある特定地域特定事情に基づくものに対して特別の控除を認めますれば、それは、たとえば北海道でございますれば今度は寒冷地光熱費が非常にかかりますとか、あるいは南の鹿児島に参りますれば台風被害がありますとか、それぞれ恐らく程度の差はいろいろあるとは思いますが、そういった特殊な事情があるのではなかろうか。したがいまして一つに、そういう控除を認めますと、とめどもなく、そういうものが広がってしまうということで、制度になじまないと申し上げたわけでございまして、これはあくまで歳入の面で考えてのお話でございます。
  21. 渡部行雄

    渡部(行)委員 これは幾ら議論しても、なかなか結論が出ないと思いますが、とにかく税制審議会委員を一回、一年間、豪雪地帯生活させてみてください。それが一番いい答えが出ると思うのです。風水害対策とか、そういうものはまた、それぞれ考えるべきであって、考えてならないというものではないのです。考えなくちゃならないことなんです。しかも、この税制の中には必要額控除ということもあるわけですよ。そういうものに、なぜ見られないかという問題もあるわけですから、今後の所信のほどを、もう一度お伺いして、この面については終わりたいと思います。
  22. 矢澤富太郎

    矢澤説明員 お答え申し上げます。  税制調査会委員の中には現在、岩手あるいは長野等、北の方の出身の方もお入りになっております。  また、こういう問題につきましては、いろいろな御要望もございますので、特定所得控除を設け得るかどうかということで引き続き税制調査会検討を続けていただきたいと考えております。
  23. 渡部行雄

    渡部(行)委員 次に、これは自治省関係になると思いますが、今度の豪雪問題でも特別交付税が交付されるわけですが、この特別交付税配分基準についてお伺いいたします。
  24. 平岩金一

    平岩説明員 お答え申し上げます。  ただいま、お話しのように今冬の豪雪に伴います地方自治体除雪費その他の特別な財政需要につきましては特別交付税を配分する予定でございます。御質問の配分基準という点でございますが、これは目下いろいろ試案を考えている段階でございますが、基本的には、そういった経費所要額でありますとか、御承知のように普通交付税寒冷補正、特に積雪度に対応する増加財政需要額を毎年度、普通交付税に算入いたしておりますが、そういった寒冷補正における算入額でありますとか、ことしの雪の降りぐあい、同じく豪雪とはいいましても全国一律ではございませんから、そういった状況を勘案して配分いたしたい、かように目下、考えているところでございます。
  25. 渡部行雄

    渡部(行)委員 まだ目下、検討中ということでございますが、これはやはり交付税配分基準というものを、ある程度住民が納得できるように、ひとつ早急に作成していただきたいと思います。  そこで、いつでも積雲量だけが対象に考えられていますが、先ほど言ったように一番、市町村で困っておるのは雪の降る日数が多いか少ないかなのです。一遍に一メートルも降ったところで、その後ずっと降らなければ、これはすぐに除雪できますから、さほど経費はかからないわけです。ところが毎日二十センチぐらいずつ十日も降られると、もう、これはお手上げになってしまうわけで、そういう実態について十分調査して、ただ積雪量だけでなしに降雪日数というもの、あるいは除雪日数というものを、もっと実態把握をされて、それによって、ひとつ対処していただきたいと思いますが、御所見のほどをお願いいたします。
  26. 平岩金一

    平岩説明員 お答え申し上げます。  これは普通交付税の例を引いて、まことに失礼な御答弁になると思いますが、普通交付税積雪度におきます増加需要額の算定の根っこのデータといたしますものは、まさに先生の御質問の趣旨のとおりといいますか、それでやっているわけでございます。少し説明がくどくなりますが簡単に申し上げますと、おっしゃったように単なる、ある時点での雪の高さというのですか、深さというだけのものではなくて、雪の期間の積、いわば数学でグラフにカーブを描いて縦軸、横軸のカーブの面積といいますか、これは累年積雪積算値と称しておりますが、したがって、あらわす表示もセンチデーでございまして、しかもこれは、まことに素人で間違いましたらなんですが、気象のサイクルと言われるものは十年単位とか、あるいはもっととか言われて、この点はあれですが、そういう意味で、やっているものでございます。したがいまして、御質問のような趣旨で、われわれも対処してまいるという方針でございます。
  27. 渡部行雄

    渡部(行)委員 一応、豪雪対策の一般については、これで終わって、次は建設大臣にお伺いいたします。  まず第一点といたしましては、今度の公共事業は、いわゆる不況から脱却するために最も重要な役割りを果たすというふうに位置づけられております。そこで不況対策としての公共事業ならば、その対象は不況で困る人々が対象にならなければならないのではないかと思うわけです。したがって、そうなると、いままでのような発注の仕方、請負制度あり方、こういうものに再検討を加えて、一体、国の予算がどういう形で末端にスムーズに流れるようにできるか、こういう配慮が当然、必要だと思うわけでございます。それについての大臣の御所見、そしてまた、二日の日に、公共事業の果たす波及効果と申しますか、それについては大体十二兆から十三兆円と言われましたが、一体そういう波及効果があらわれる時期というものは、どの辺に見込んでおられるのか、その辺もひとつ、お伺いいたします。
  28. 長谷川四郎

    ○長谷川国務大臣 本年度は特に意を用いたのは、早期に工事を完了したいというか仕事にかからせなければならぬ、そういうような関係で、いままでと違ったところは、いままでは一ヵ所を一会社にやらせた。それを二つか三つに割って、そして中小の方にも、それがすぐに渡れるようにする。そのほか御承知のように四十何万とある建設業者でございますものですから、私に言わせると大変な数量です。四十七年から四十八年の好景気に向かって、たくさんの建設業者ができております。しかし、それを全部を対象にというわけにもいきませんけれども、大体、小さいのは協同組合、こういうようなものをつくらせて、そして一つの事業を持ってもらおう、こういうようなやり方をしております。  それに対する人間というものに、どのような効果をあらわすかということを、いろいろ調べてみますと、現在、建設省所管事業に必要な労働者の数でございますが、五十二年度には延べ一億五千五百七十二万人目の分が必要になる。こういうようにやって波及効果を大きくしていこうじゃないか、こういうやり方。したがって五十一年度分は大体、年度内に解決がつく。それで先日来お世話になりました補正の方に対しましても、大体九七%から八%完全に遂行できる、こういうような自信を持ちました。さらに、五十二年度の予算を早期に解決をつけていただいて、これらに対しましても、申し上げたような方法で、予算がそのまま通るという想定の上に立って、いませっかく、その準備を進めているところでございます。
  29. 渡部行雄

    渡部(行)委員 それでは、五十年度の決算は終わったわけですから、五十年度の決算の中で、一億円以上の資本金を持つ大企業の請け負った総額と、それ以下の中小企業の請け負った総額について、ひとつ割合と額をお願いいたします。
  30. 長谷川四郎

    ○長谷川国務大臣 数字でございますので、局長の方から答弁させます。
  31. 粟屋敏信

    ○粟屋政府委員 ちょっと現在その金額については資料を持ち合わせておりませんが、割合につきまして、中小企業の受注率という点を申し上げたいと思います。  昭和五十年度でございますが、これは中小企業者の受注の確保に関する法律に基づきまして、中小企業者の受注の機会の増大を図るための目標値を設定をいたしております。昭和五十年度は建設省の直轄、公庫、公団の目標としましては二六・三%という目標を設定をされておりましたが、それに対して二七・三%と、目標を一%ほど上回っておるわけでございます。
  32. 渡部行雄

    渡部(行)委員 これは五十年度の割合でございますが、それでは今度の五十二年度では、どういうふうに、これを変えていきたいと考えておりますか、その辺についてお伺いいたします。
  33. 粟屋敏信

    ○粟屋政府委員 いま申し上げました目標価につきましては、例年これを上げてまいっております。先ほど申し上げましたように昭和五十年度は目標二六・三でございますが、五十一年度は二七・九の目標を掲げて、ほぼ達成できるものと考えております。五十二年度につきましては今後、中小企業庁が中心となりまして各省庁と協議しながら目標値を設定をしてまいることになりますが、五十一年度より上回る目標値の設定がなされるものと考え、また、その実効を期したいと考えておる次第でございます。
  34. 渡部行雄

    渡部(行)委員 そこで私は、一つの提案になるかとも思いますが、いまの請負制度が非常にむだが多過ぎて、しかも上に厚く下に薄いという一つの形をなしているのではないか。たとえば元請が請け負って、それを今度は、具体的に言うと中には一五%もピンはねをして下請に出す、その下請がほとんど企業能力を持たないで、さらにこれを孫請に出す、そして孫請が今度は曾孫請に出して仕事をやる、こういうような実例もあるわけです。そうなると、まず、その請負が流れるたびにピンはねをされていきますから、一番末端にいくと、ほとんど利潤と申しますか、そういうものを得ることができないので、それでは、どうして経営を維続するかと申しますと、結局そのしわ寄せが人夫の方に、いわゆる労働者の賃金の方に食い込んできて、そうして実際に見積もられた単価の半分ぐらいで働かされている、こういう実態があるわけです。こういう問題をやはり積極的に直していかないと、せっかく期待したものが、そういう制度の不備から実は裏目に出てくる、こういう結果があるわけですが、これについてどうお考えですか、お伺いいたします。
  35. 長谷川四郎

    ○長谷川国務大臣 かつては御指摘のようなことがなかったとは言えないと思います。私も、そういうような陳情も受けてきました。しかし特に本年は、そういう点に意を用いまして、なるべく、そういう事態の起こらないように措置をするという、それは申し上げたような分断をして細かく分けて、そして一人一人に請け負わせるというのが、その防止の目的でありまして、本年は特に御指摘のような点については十分に注意を与えるつもりでございます。
  36. 渡部行雄

    渡部(行)委員 そこで私は、やはり、どうしても下請に出さなければならない部分については、それをまず発注者の方に報告をして、そうして発注者は、その部分を元請から切り離して、さらに新しい元請に分割させてやる、こういうような方法を一つはとるべきではないかということ、それからもう一つは、この工事見積もり価格の中にある労働者の賃金の基準単価というものを天下に公表して、そうして、これについて、この賃金部分を侵してはならない。まあ多少の幅はあっても、その幅をひとつ厳守させる、こういうような監督の方法、これは労働基準監督署とも十分、連携をとりながらやっていけば、いけないことはないと私は思うのです。ところが今日は、その基準単価というのは全部、秘密にされておる。そのために実際は働く側では仕方なしに安く、私の方では一般普通労務者の賃金が男で二千円から三千円、高いところが三千五百円、女は二千円から二千五百円、こういうようなことで働かされておるわけです。ところが県の基準単価などを見ますと、ほとんど男女込みで五千円、五千二百何十円、ちょっと末尾の数字は忘れましたが、そういうふうに計算されておる。実態は、それが、平均して半分くらいしか労務者の賃金になっていない。こういうようなことを早急に解決していかないと、せっかくの景気浮揚も困らない人にだけ恩恵を与えて、本当に困って毎日この寒空の中で働く労働者の側がいつも犠牲にされている。こういうような実態を直すためには、どうしても、その単価の公表と監督を強める必要があるのではなかろうか、こう思いますが、いかがでしょうか。
  37. 長谷川四郎

    ○長谷川国務大臣 単価の積算につきましては大体、基準単価というものがございまして、その単価を積み上げて、たとえばセメントは幾ら、鋼材が幾ら、人夫の手間が幾ら、これによって初めて発注する土台ができるのでございますから、その方については十分、発注する場合には、その労働賃金には無理のないものを出しているつもりでありますけれども、御指摘のように統一的なやはり賃金を改める必要があるのじゃないか、それもまた意見のあるところだと思うのでございまして、その点は、しかし私の方の分野ではございませんので、これは労働省の方ですから、労働省の方にもそのような意見があったということだけは申し上げておきたいと存じます。
  38. 渡部行雄

    渡部(行)委員 統一賃金と言ったから労働省というふうにお考えになったのかもしれませんが、私は、こういうことなんです。つまり工事を見積もる際の見積もり単価のうち労働者の賃金について公表する、こういうことでございますから、これはひとつ、その資材費とか、そのほか全部、公表しろというのではありませんから、請負そのものには私は影響はないと思うのです。ですから、そういう点で労働者の賃金部分だけの単価をぜひ公表して、そうして、そういう悪弊を取り除いていただきたい、こういうことでございます。
  39. 粟屋敏信

    ○粟屋政府委員 先生、御指摘になりました工事の請負契約の都度、賃金を公表するということでございますけれども、工事の請負契約は、いわゆる総額で請負契約を締結をいたしております。その中には労働者の数でございますとか資材とか、いろいろなものが積算体系のもとに積算をされて、その総額が出ているわけでございます。賃金だけでも公表したらどうかという御意見でございますが、これはまた公正な請負契約の締結について問題があるのではないかというような考えを持っております。  なお先ほどお触れになりましたけれども、公共事業労務費の調査、これは建設、運輸、農林三省で毎年二回調査をして、その調査結果を報告いたしております。これは昨年の十月でございますが、工事件数で一万六百、人員で十七万四千人の賃金台帳を、そのまま転記をいたしまして、それを集計し報告をしたものでございます。これで五十種類の職種につきまして、それぞれ府県別に標準的な賃金が公表されますので、それをめどにして、その賃金が妥当かどうかというような論議がなされるのではないかと考えております。なお、この標準賃金でございますけれども、ボーナスも加えまして、それを日額に換算をしておりますので、毎日払います賃金より標準賃金の方が若干高いのが現状でございます。
  40. 渡部行雄

    渡部(行)委員 ボーナスをもらう労働者は労働者として考えればいいので、もらわない労働者もいるわけです。ですから、それを分離して見積もりを出すと思うのですよ。見積もりを出すと、その請負に影響があるんじゃないかと、あなた大変、心配されておりますけれども、何で一部分の公表が、それほど請負に影響するでしょうか。私は、その辺が非常にわからないのです。労働者の、いま現実に困窮している実態を救おうとする思想が欠けているのじゃないかと思うのですが、その点について。
  41. 粟屋敏信

    ○粟屋政府委員 労働者に適正な賃金が支払われるということは最も必要なことでございまして、元請業者に対して下請の賃金が十分確保されるような指導は毎々行っておるところでございます。  なお先生、先ほど御指摘になりました、いわゆる標準賃金と実際に支払われる賃金との間に著しく格差があるというような場合につきましては、また十分、調査をいたしまして適正化を図るように努力をいたしたいと考えております。
  42. 渡部行雄

    渡部(行)委員 これは後で資料で結構ですから、建設省、三省協定の労務者の賃金の単価を資料として出していただきたいと思います。  そこで時間が大分、迫ってまいりましたから、次に水の問題についてお伺いいたします。  現在、社会の進歩、工業の発展というものは水需要を急速に増大させておるわけでございます。そこで、この水が、必要な側から必要の度合いに応じて勝手に利用されるようなことになれば、社会はまさに破壊されてしまうと思うのでございます。仄聞するところによると、建設省は建設省、国土庁は国土庁、あるいは通産省は通産省の立場で水に対する立法措置を考えているやに聞くのでございますが、私は、こういう小手先の水立法では、やがて、どうにもならなくなるのではないかと思うわけであります。ローマ法の中には水は万人の共有であるということをうたっており、あるいはゲルマン法では水は民族共同体の総有である、こういうふうにうたっておるわけでございます。ところが日本では、そういう思想がまず全然確立されていない。したがって、この水に対する立法措置を、もっと大きな角度あるいは高い次元から見直す必要があるのではなかろうか。私は、むしろ水は人数の共有物というよりは万物の共有物である、人間だけが勝手にこれを利用し、あるいは汚染していいものでは断じてないと思うのであります。そういう点で私は、水に対する一つの哲学的な思想に裏づけられた、そうして日本の法体系の中で基本的な一翼をなすという位置づけの中から水の立法を考えるべきではないかと思うわけであります。ひとつ、そういう点について建設大臣の御所見をお伺いいたします。
  43. 長谷川四郎

    ○長谷川国務大臣 私は渡部さんの御意見に全部賛成であります。渡部さんのお話は理想でも何でもありません。もう現実に、その問題と取り組まなければ、すでに間に合わなくなっているというのが現在の日本の姿であろうと考えます。おたくの方も山がおありのように、一つの山を見ましても、あれだけ貯水するだけの風格を持っておらなくなってきている。出てきた水の使用度を考えても、一億一千万の国民に年間幾らあったらばいいか。現在では八百六十億トンしか使っておらないというけれども、それでは、その水が人口の増加によって、どのくらい違うか、あるいはまた下水道で、どのくらい水を使うか、さらに洗たくをする一場面を見ても、あのような水の使い方をしていいのだろうか悪いのだろうか。農業をするにしても水なくして農業というものは成り立たない。工業しかりでありまして、工業用水、飲料水、上水道と水を区分しても、今後どのくらい水の利用が多くなるか、これは言をまたない事実であります。水だけは農作物と違って輸入してくるわけにはまいりません。水はこのままでいいのか、節水をどうするのだというような点で経団連さえも動いているということ、われわれはもっと先駆けて、いま国土庁とともに重大な関心を持って進めておるところであります。  したがって、いま、この点をどのように考えるか。まず、とりあえず節水運動をどう起こすかという点を考えておりますし、さらに地下水の問題等につきましては、一昨年から地下水の管理方法についての報告も出ておるのでございますけれども、地下水も無秩序に採取していったらどうなるか、これは地盤沈下を起こすことは御承知のとおりでございまして、これらの問題にまで絡んで水資源の確保をどう図るかという点につきましては十分に検討を加えておるところでございます。答弁が長くなるといけませんからやめますが、そういうように関心を持っておるということだけは一言、申し添えておきます。
  44. 渡部行雄

    渡部(行)委員 私が聞く前に、いま地下水問題を出されましたが、地下水の問題については、まさに放置されておる状態でございます。そこで現実に、こういう問題が出ているのです。国道百二十一号線の中に消雪設備がされまして、いま、どんどんと地下水をくみ上げて消雪をしておるわけです。ところが、その地下水がくみ出されるようになってから、周辺の生活になくてならない井戸が枯渇してきておる。一体、日本では枯渇した人に対する損害賠償の責任はどこにあるのだろうか。いま日本の民法の二百七条では、土地の上下をすべて所有という観念でとらえておるようです。そういうことでいくと、これは自分の土地から吸い出しているのだから問題はないんだと言うかもしれませんけれども、しかし、そういう理屈は成り立たないと思うのです。そういう一つの消雪用水によって周辺に影響を与えた、この事実は、だれも想像にかたくないと思うのですが、その点の一つの賠償責任はどこにあるのか、それをお伺いいたします。
  45. 長谷川四郎

    ○長谷川国務大臣 私は、その方になると弱いので、政府委員から答弁をいたさせます。
  46. 栂野康行

    ○栂野政府委員 お答えいたします。  ただいま先生おっしゃいましたように、現行の法制度のもとにおきましては、いわゆる地下水は土地所有権の効力の範囲内とされておりまして、多量のくみ上げによって井戸の枯渇が生じた場合におきましても、いわゆる当事者間の責任関係を明確にしたものはございません。しかしながら因果関係が明確なものにつきましては、権利の乱用ということにおきまして損害賠償責任を認めた判例がございます。
  47. 渡部行雄

    渡部(行)委員 それでは、この因果関係が大体、万人の認めるところになれば、国がこの枯渇した井戸の問題の賠償をする、こういうことになりますね。したがって、いま住民が市に陳情していくと、市は水道を引けと、こういう答えが返ってくる。しかし水道を引くには相当の金が要るので、とても、そういうことはできない、こういう状態になっているわけです。したがって、これに対しては、もし国の地下水くみ上げをやめない限りは、水道を引くという場合の水道の料金は国の方で支払ってくれる、こういうふうに解釈していいわけですか。
  48. 浅井新一郎

    浅井政府委員 お答えいたします。  いま先生から、消雪パイプの関係で地下水が枯渇するようなことに対して補償問題等のお話があったわけでございますが、ちょっと消雪パイプについての関連でお話し申し上げますと、消雪パイプは御承知のように雪国では非常に除雪という意味では有効な手段ということで、各地の要望がありまして、その条件の許すところに限っては積極的に、これを取り入れることでやっておりますが、現に、そういうことをやったために地下水に問題が出たという話も聞いております。そういうことでありますと、やはり地下水の問題は非常に重要でございますので、除雪の問題との絡みで、あるいは消雪パイプをあきらめて除雪の方に切りかえるというようなことも個々に検討しながら、やっていかなければならぬ問題じゃないかと考えております。
  49. 渡部行雄

    渡部(行)委員 それでは最後に、この地下水問題については、やはり公水と私水という一つ考え方の調整が非常に重要じゃないか。ただ水を節約するというような節水ということだけでは問題が解決するものではないと私は思うのです。  そこで、西ドイツの法律なんかを見ますと「地下水体への物質の導入、地下水の取水、搬出、導出及び引水、地下水の堰上げ、流路変更その他継続的に、又は無視できない程度に、水の物理的、化学的、又は生物学的性状に対し有害な変化をもたらすおそれがある」こういうものの行為については一つの利用という形で規制をしておる。それには、いろいろ法的な考え方があると思うのです。たとえばの話でございますが、そういう水というものは内部に入れば入るほど非常に複雑多岐にわたるわけでございます。したがって、これを総合的にとらえて水立法というものを考えていくためには、どうしても私は、この際、関係各省庁と国会議員と、それから学識経験者、こういうものを入れた特別委員会を設置して徹底的に、これをやっていく必要があるのではないかと思いますが、大臣の御所見をお伺いいたします。
  50. 長谷川四郎

    ○長谷川国務大臣 水利用につきましては、いろいろな機関が考えまして、このごろ、やっておりますけれども、特に、そういうような水問題の解決については建設省だ国土庁だと、一省で解決っけられる問題では絶対ございません。したがいまして、そういう場合には、そのような学識経験者、もちろん委員会方々にもお入りを願って当然、考えなければならない大きな問題だと考えております。
  51. 田澤吉郎

    田澤国務大臣 お答えいたします。  地下水の無秩序な採取によりまして地盤沈下だとか、あるいは地下水位の低下などが起きておりまして、それがやはり国土保全あるいはまた水資源の確保の面からいって非常に大きな問題でございますので、これまでも私たちは、この地盤沈下に対しては積極的な姿勢で調査を進めてきておるのでございます。今後、これは各関係省庁とのつながりがございますので、非常に調査の範囲も広うございますから日数をかけておりますけれども、いま先生お話しのような態度で、この問題に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。どうぞひとつ御協力をお願い申し上げたいと思います。
  52. 渡部行雄

    渡部(行)委員 政府の誠意あるこれからの態度を期待いたしまして終わりたいと思います。どうもありがとうございました。
  53. 北側義一

    北側委員長 古原米治君。
  54. 吉原米治

    ○吉原委員 私は、第三次全国総合開発計画すなわち三全総について、特に長官にお伺いをいたしたいと考えます。  第一に、新全総の結果が、どのように三全総に生かされるのかということでございます。新全総に基づいて進められました国土建設行政が産業基盤整備に偏重したために、過密過疎の進行や、あるいは公害の拡散また自然の破壊、生活基盤整備の著しい立ちおくれなどを招きました。それらの矛盾の激化によりまして新全総はその計画自体が破綻をした、したがって根本的な手直しを余儀なくされたと言っても過言ではないと思います。  新全総のこうした反省に基づきまして現在、策定が進められておるようでございますが、この三全総においては、中間報告の中にも生活基盤の整備と地域格差の是正、これが最重点課題として挙げられております。また先日、長官の所信表明においても「国民が長期にわたり、安定した潤いのある生活を享受し得るよう国土の均衡ある発展」を図っていく、こう述べられておりますが、私も、まさしく、そのとおりであると考えます。つまり三全総においては、産業基盤整備中心の国土行政から生活基盤整備を中心とする、このように転換を図っていかなければならないし、地域格差の解消、自然との調和ある国土建設計画が策定されるべきだと考えますけれども、確認の意味で、国土庁長官のお考え方最初に、お伺いをしておきたいと思います。
  55. 田澤吉郎

    田澤国務大臣 お答えいたします。  先生御案内のように、昭和五十年に国土総合開発審議会が、昭和四十四年にできた新全総を見直して、また新しい長期計画の作業も進めながら、この第三次総合開発計画というものをつくってみてはどうかということになりまして、昭和五十年十二月に第三次総合開発計画概案というものが閣議に報告されまして今日にあるわけですが、これを基本にしながら、いま肉づけ作業を進めているわけでございます。  そこで、先ほど先生からもお話がございましたように、国土の均衡ある発展を図るということによって国民に幸せをもたらすということが三全総の基本でございます。しかも、新全総から三全総に変わった大きな原因は、社会、経済情勢の変化というものが、その背景になっていることも事実でございます。そこで、国土の均衡ある発展を図るためには、まず過疎過密の現象をなくしていかなければならないという面から、まず第一に大都市圏の整備を図らなければいけないということが一つ。それから、もう一つは地方の振興を図っていく。地方の振興を図るためには、やはり雇用の場を地方に与えてやらなければいけない。そうして地方に人口の定住化構想というものを考えていかなければならない。そういうためには、もちろん交通、通信体系だとか、あるいは教育だとか文化だとか医療などという諸機関の今日あるものを見直していかなければならない。そういうことを基準にしながら、いま三全総の肉づけ作業を行っておるわけでございます。ですから三全総の方向としては、あくまでも地域の特性を生かすということ、それから地域の歴史だとか伝統だとかというものに根差した一つの新たなる構想を、この際、総合的に体系立てて進めていかなければならないというのが、この三全総の概要でございます。
  56. 吉原米治

    ○吉原委員 三全総の基本的な考え方については、よく承知をいたしました。しかし、いま長官の御答弁の中で欲しかったのは、新全総の欠陥といいますか、いま、たまたま社会情勢の変化という表現を使われましたけれども、少なくとも四十四年に策定された新全総の持った根本的な矛盾といいますか、そういうものが原因になっておりはしないかという点で、私は長官の考え方をただしたかったわけでございますが、後ほど聞きますから、お答え願いたいと思います。  そこで、長官にお尋ねしたいのですが、新全総で、もうけたといいますか、表現は少し悪ければ直しますが恩恵を受けたといいますか、そういう業種、階層、地域は一体どういった階層であるのか。逆に損をしたというか、新全総のおかげで非常に迷惑をした、被害を受けた地域、業種、階層というのは一体どういうところであったと思っておられますか。すでに十分な調査検討がなされていると思いますので、長官のお考え方をお尋ねしたい。
  57. 田澤吉郎

    田澤国務大臣 お答えいたします。  具体的なことにつきましては政府委員から答弁させますが、高度経済成長で、どの地域がプラスになって、どの地域がマイナスになったということを、ここで個々に判断するということは非常に危険な一つ考え方じゃないかと思うのです。私は高度経済成長の、あの革命的なまでの日本の経済の伸展というのは、あらゆる産業に革命的な発展をもたらしたと思うのです。その歩みが、あるいは農業と大工業との差があったと思うのです。そこにひずみができてまいりましたけれども、全体から見て日本の社会、経済のレベルというものは高度経済成長によって大きくレベルアップしたということ、この事実は私たちは否定することができないものであろうと思うのでございます。ですから、それを踏まえた、いわゆる新全総でございますから、それなりに日本の総合開発計画としての役割りが十分果たされてきたもの、こう考えられるのでございまして、その間において過疎過密の現象だとか、いろいろな現象がそれなりに付随的に起きてきている。それを今度はどう是正するかという問題は、また別としても、私は一応、新全総としての役割りは役割りとして果たしてまいったと感じておるわけでございます。
  58. 吉原米治

    ○吉原委員 新全総の持っております根本的な矛盾といいますか、いま非常にいい面だけをとらまえて評価されておりますけれども、長官の発言の中にありますように、過疎と過密という非常にアンバランスな地域格差を誕生させてしまったという、その欠陥はお認めになりますか。
  59. 下河辺淳

    ○下河辺政府委員 お答えいたします。  いま長官からお答えいたしましたことに関連して多少、補足させていただきますが、新全総だけではありませんが、いろいろな政策が重なって、たとえば一人当たり県民所得の格差ということで見てまいりますと、昭和三十五年当時におきましては、東京を一〇〇といたしまして一人当たり県民所得が五〇以下の県が三十一県ございましたけれども、昭和四十九年の統計によりますと、五〇以下の県が五県というようなことになりましたし、それから一方で人口を見てまいりますと、人口の流動性といいますか流出が、かなり、とまってきまして、昭和五十年国調で県人口が減少を続けている県が四県というところまで、やってきましたから、長官が申しましたように一つ全国的な意味での目的を達しつつあるというふうに考えますが、しかし、いま御指摘ありましたように、都道府県の中で地方都市と山村というような形での新たな格差が、より深刻な状態で三全総の重要な課題になっているという意味では、全国の大都市対地方の過密過疎を解消するということが、実は都道府県の中で新たな過密過疎を生み出しているという実情は認めております。
  60. 吉原米治

    ○吉原委員 現状の認識ですから、この問題については、ここら辺でおきますが、三全総の策定がいよいよ延び延びになっております。先ほども申し上げましたように、少なくとも新全総は、もう根本的に手直しをしなければならぬという、そういう状況下でございますが、にもかかわらず三全総の策定が延び延びになっておる。つまり、ここ二、三年の間は国土行政の基本方針がないままに今日まで推移をしてきた、こういうことが言えるかと思います。これは行政の大変な怠慢であるとともに、政府の責任を強く問われる課題ではないかと私は思います。第三次総合開発計画の策定が非常におくれておるという理由と、そしてまた行政の責任について、大臣のお考えをお聞きいたしたいと思います。
  61. 下河辺淳

    ○下河辺政府委員 お答えいたします。  第三次全国総合開発計画につきましては、いま御指摘いただきましたように一刻も早く、できることが、国土行政を統一的なものにするために必要であるという点は御指摘のとおりであります。しかし、作業をしております私どもといたしましては、石油ショック以後の長期的な日本経済の見通しについては、もう少し検討しなければ定かな将来を考えることが事実上、困難であるということも一つございますが、一方で、地方公共団体の考え方が整理されて、それを積み上げて三全総をつくるという考え方、あるいは新全総に見られますような形で実際、事実上の環境調査を、かなり、した上で計画をつくる必要があるのではないかというような諸点から考えまして、慎重を期しているということでありまして、一方では怠慢のそしりを受けますけれども、一方では慎重にならざるを得ないという事情については御了解いただきたいと思います。
  62. 吉原米治

    ○吉原委員 一緒に答弁をしてほしかったのですが、おくれておる理由の一つに、経済情勢の変化に伴って、あるいは経済見通しの困難性というものが、その理由の大きな課題であるとするなら、たとえば五十一年度の物価上昇率の政府の見込みが八・八%であったかと思いますが、実際は、こんな数字ではございませんで大幅に上回ることは、もはや既成の事実であると思います。こうした見込み違いというものは一体、三全総の中で生活施設等に関する投資の強化というような形で反映されるのかどうか、この点も、あわせてお答えを願いたいと思います。次の質問をしますので、そのときに一緒にお答えを願いたいと思います。  お伺いしたいのは、三全総の策定がおくれている中で、片一方、高速道路の建設はどんどん進んでおります。国土建設の全体的基本計画がないままに、また経済の安定見通しがなかなか立てにくい、こういう状況のもとで、こうした個別計画のみが先行しておるという、余りにも無計画な投資ではないかと思います。長官の言われております均衡のとれた国土の開発というお考えとは、およそ矛盾する考え方ではないかと思いますが、この点も含めて一緒に前段の質問とあわせて、お答えを願いたいと思います。
  63. 下河辺淳

    ○下河辺政府委員 第一点の物価の問題でございますが、経済企画庁の物価見通しもございまして、物価対策もそれぞれ講じているところでございますが、いま御指摘のように政府の見通しよりも若干、上回ったものの、ある一つの物価水準といいますか、一けた台を保つということについては成功をおさめているのではないかと思われます。  御質問の御趣旨の点は、むしろ建設工事の単価が上がってくるということによって、同じ社会資本の中で事業がなかなか進捗しないのではないかということを含んで御質問かと思いますが、単なる一般的物価が上がるということだけではなくて、地価が上昇する問題、あるいは環境に対する投資を重点的に補わなければならないというようなことから、新幹線その他におきましても単価が上がってくるということは事実でございますが、一般物価あるいは地価については対策を、それぞれ講じて、できるだけ抑え込んでいくということが必要でございますけれども、環境投資によります単価の増は避けられないということを考えておるということでございます。  二番目の御質問の方は、新幹線、高速道路というものについて、現在すでに着工しておるものを行政上、継続的に実施していくことについては、むしろ三全総ができないから中断しておるというわけにもまいらないということは、関係省庁からも御説明いただけると思うところでございますけれども、しかし、これから低成長に移行するために社会資本の投資額は、そう大きなものを期待できないという事実であるとか、いま申し上げたような意味での工事単価が上がらざるを得ないという実情から考えました場合に、従来のようなテンポで新幹線や高速道路の建設を進めるわけにはまいらなくなるということは、御指摘のとおりだと思います。
  64. 吉原米治

    ○吉原委員 さらにお尋ねをしたいわけですが、大型プロジェクトの一例として、いま話題になっております本四架橋の問題でございます。かねてから三ルートという基本方針が総需要抑制政策によりまして凍結をされて、そしてまた凍結解除後は当面、一ルート三架橋ということで三つの橋がすでに着工されております。歴代の建設大臣は、三ルートは基本方針であって変更はないとおっしゃっております。この問題は建設大臣お答え願いますから、よくお聞き取りを願いたいと思いますが、当面は一ルート三架橋であるとし、三架橋は地域開発橋だ、こういうことで本四架橋とは切り離して着工してきておる経過がございます。私は、ここに大きな矛盾があるように考えられるわけですが、一体、三ルートが御破算に基本方針はなったのか。その上で一ルート三架橋が出てきたとするなら、それはそれなりに三全総の中で改めて計画を立て直すべきではないか、あるいは三全総の中で審議をすべきではないかと考えます。三ルートという基本方針には変わりはないけれども、個別の橋も本四架橋という超大型プロジェクトの一部分としてやるということになれば、当然また三全総で再検討対象になるものであると考えます。いずれにしても、個々の橋のなし崩し的といいますか、こういう着工の仕方には、いささか疑問を感ぜざるを得ないのでございますが、この点どうお考えになっておりますか。  また最近、一部には一ルートは三全総とは切り離して建設したいという考え方があるように仄聞いたしておりますが、いままで政府は一ルートについては三全総の策定を待ってという見解であったのでございます。この方針を変えられたのかどうか。これは御答弁建設大臣からいただきたいと思います。
  65. 浅井新一郎

    浅井政府委員 大臣御答弁の前に事務的にちょっと説明させていただきます。  御指摘のように、本四架橋問題については当初、三ルート建設ということで基本計画まで決めてまいったわけでございますが、石油ショック以後の経済情勢を考えまして、当面の着工方針として一ルート三橋の建設を図るということを、一昨年の夏に関係大臣がお集まりの上、決めていただいたわけでございます。その方針で今日まで逐次、段階を踏んで、御指摘のように三架橋につきましては、すでに手がついておるわけでございますが、この本四架橋問題につきましては、御指摘のように国の大規模なプロジェクトということで当然、三全総によって決定するというたてまえであるべきだと考えるわけであります。しかしながら一方、三全総の決定が非常におくれるようであれば、関係地域住民の長年にわたります架橋への念願と強い熱意があるわけでございますので、これにこたえる必要もあろうかと考えられますし、また一ルートの決定ということには、当然その前に自然環境保全審議会の審議にかける必要があるわけでございますが、これにもかなり期間を要するというようなことも、あわせ考えていきますと、三全総の策定以前に何らかの措置をとる必要があるのではないかということで現在、検討中でございます。
  66. 長谷川四郎

    ○長谷川国務大臣 本四架橋あるいは先ほどお話しの高速道路、こういうような問題は地域開発を進める上において国土の有効利用これを実現しよう、こういうことで基盤の施設としておるわけでありまして、しかし、ただいまお話がありましたように三全総を無視して、これを行うというような考え方は持っておりませんし、また三全総をなるべく一日も早く成立さして、そして、もって一体の姿になって、これらの問題を解決せなければならない、このように考えております。
  67. 吉原米治

    ○吉原委員 どうも私は、いままでの御答弁の中で国土庁のあり方というものに対して、だんだん疑問を持たざるを得なくなってまいりました。つまり関係地域住民、これは本四架橋だけじゃございません、たくさん全国地域で橋だ、道路だという要望は強うございますけれども、国全体の道路とか橋とか、あるいは鉄道なんという、少なくとも国土行政の基本にかかわる問題について、全体計画、総合計画が立てられないままに、各関係地域要望が強いからということで、どんどん先行してしまう、こういう現在のあり方について、国土庁の果たさなければならない役割りというものは一体、何なのか、常に後追いの計画ではないか。計画というのは物をやる以前に立てるのが計画であって、やった後、何をする役割りを国土庁は果たそうとしておるのか、いささか私は疑問に思うわけでございます。もっと、そういった意味では三全総という大きな国の全体計画といいますか、それこそ長官おっしゃる均衡のとれた国土開発をするのだという全体計画の中で、それは、もちろん予算上の問題もございましょうから年次計画を立ててやられるのは結構でございますけれども、各省が——いま当面、建設省との関係だけを申し上げておりますけれども、それぞれ勝手ばらばらに、国民が要望すること、だからといって、やり出すとするなら、私は国土庁の存在の価値が薄らいでくる、こういう立場で、いま御質問をいたしております。時間がございませんから、後ほど、いまの問題についても国土庁長官、お考えがございましたら、ひとつお答えを願いたいと思います。  続いて、特に今日、福田内閣は景気回復の決め手として公共事業を中心に、あるいはまた第四次不況対策の一環として本四架橋が、これが凍結解除されたわけでございますが、このように、先ほども言いました道路、橋、鉄道といった国土行政の基本にかかわる政策が、国土の均衡ある発展と自然環境の保全などということよりも、もっぱら景気対策のみに使われてきたきらいがあると思われるわけでございます。その結果、御案内のように生活基盤整備が非常に立ちおくれてしまった。あるいは前段、申し上げました公害や過密過疎こういった問題が深刻な社会状況を生み出しておりますし、もはや都市も農村も、あるいは経済も社会も生活も、人間の心の中まで、まるで硫酸でもぶっかけたような荒廃ぶりだと言って私は過言でないと思います。あるいはまた田中内閣の列島改造が一億総不動産屋あるいは総土建、こういうものをつくり出して国土を荒廃させたとも私は言えると思います。このように、新全総自体が経済成長を保障することを基本に作成されて、産業基盤整備の方向に偏重した結果が、巨大な利潤を生み出した大企業の利益のために国民生活が逆に犠牲にされたのだ、こういうことが言えると思いますが、この点について建設大臣並びに前段、申し上げました国土庁長官の、それぞれの御見解がおありになりましたら、お伺いをしたい。
  68. 田澤吉郎

    田澤国務大臣 お答えいたします。  国土計画の基本は、先生御案内のように、その時代の経済なり社会なりの動きというものを十分とらえて、その上に長期の計画を立てるのでございますから、その意味では慎重でなければならないと思うのでございます。と同時に、いま御指摘のありました、もろもろの公共事業がばらばらに行われること、あるいは日本の政治が拙速というか、個々ばらばらに、長期の見通し、長期の計画のないままに行われることも非常に危険なことでございますので、できるだけ早い機会に長期の計画を立てるということは、日本の未来につながるものであろうと思うのでございます。そういう意味で三全総を五十年に審議会で見直しをしなさいと言っておったのが、今日まで延び延びになっておったということは非常に遺憾なんです。しかし、いろいろな事情もございましたので、私は、この秋までには必ず三全総は策定したい、そして国の一つの開発計画の基本を立てたいという考えでおるのでございます。ただいま、いろいろな地方振興のための計画は、三全総の機業というものを基礎にしながら、それぞれ進められておると思いますので、その後、三全総ができた場合に、それは位置づけるという形で、ただいま進んでおるのでございますから、その点、御理解をいただきたいと思うのでございます。
  69. 長谷川四郎

    ○長谷川国務大臣 大体ただいまの長官の御答弁で尽きたと思うのでございますけれども、申し上げたように国土庁だ、建設省だ、運輸省だ、こういう省だけの考え方によって物事を決めていく時代は、もう過ぎました。したがって、こういうような大きな問題と取り組むときには、国民の気持ち、代表する議会の気持ちがどこにあるのかというような点も十分に尊重しなければ解決つく問題ではないと考えます。したがいまして、われわれが、いま国土庁を中心とした、いろいろな呼びかけにこたえ、もって御協力申し上げて国土の運営に当たってまいりたい、こういうふうに考えております。
  70. 吉原米治

    ○吉原委員 お願いをしておきますが、表現は適当でございませんけれども、とかく各省間でなわ張り争い、そういったきらいがあるやに認識しておりますので、関係各省は、いま建設大臣並びに長官がおっしゃったように、ひとつ緊密な連携をとりながら、少なくとも片ちんばな国土行政が進められないように強く要望しておきたいと思います。  次に、新全総の目玉商品だったと思いますけれども、道路交通ネットワークの整備、これが今後どのように改善されていくかということを、ひとつお聞かせ願いたいわけでございます。  年々、巨額の金をつぎ込んで幹線道路はりっぱになりますけれども、一方、生活交通の課題は悪化するばかりでございます。なかんずく過疎地の交通などは全く惨たんたる状況に追い込まれております。まさに新幹線や高速道路網の拡充の陰で、その日陰になって、どんどん過疎地の地域住民の足は奪われておる。国鉄駅の無人化しかり、あるいはまた過疎バス路線の切り捨てしかりでございますが、数え挙げれば切りがございませんけれども、ここでひとつ皆さん方の頭の中といいますか、認識を深めていただく意味で、別プリントで事前に関係各省にお送りしておいたつもりでございますが、ごらんになっていただいたと存じますが、私鉄中国地方労働組合が提起をいたしております「交通における人間回復宣言」という文面でございます。これは交通労働者から見た過疎地の実態を鋭く、しかも多面的な角度からえぐった生々しい宣言文でございますが、でき得れば私はここで時間を割いて朗読をしたかったのです。時間がございませんので省略をいたしますが、この宣言の中で訴えられているような状況を御存じなのかどうなのか。これは恐らく全然そういう状況は認識しなかったというお答えはないと思いますが、だとするなら、御存じだとするなら、ひとつ関係各省、大臣は、今後こうした現状を、どう三全総の中で打開していこうというお考えをお持ちになっておるのか。ここに運輸省、農林省、自治省、それぞれ関係の方の出席を要請しましたから、最初に運輸省の方からお答え願いたいと思いますが、本来は三全総について私は長官にお尋ねしておるのですから、運輸省、農林省、自治省については、現状に対して基本的なひとつお答えだけをお願いしたい。  かいつまんで申し上げますと、運輸省は過疎バス対策、二つ目には国鉄の無人化という課題を伴う営業近代化、これに対する運輸省の方針。農林省は、いま荒廃寸前だ、こう申し上げております農村の立て直しを一体どう立て直していこうとされておるのか、いろいろなたくさんの課題がございますが、基本方針だけを述べていただきたい。  自治省については、過疎バス路線の切り捨てに伴って、切り捨てられては困るという関係市町村が、やむなく単独で財源を負担をしておるという現状が出てきております。これは鳥取県の例でございますが、鳥取県下三市二十六ヵ町村で本年度、単年度ですよ、補助要綱に伴うもの以外に約九千五百万円、これを関係市町村で単独で負担をしなければならぬ。そうでなくても現在、地方自治体財政の危機、こういうことが言われておりますが、いかに単年度であったとしてもバス路線が切られたのでは大変だということで、やむを得ず泣き泣き九千五百万円からの負担を貧乏な自治体がしなければならぬという、そういう現状が出てきております。私は特に自治省に要請したいのは、こういう課題については財政的に特別の措置を講じてやるべきではないかと考えますが、その点の考え方を自治省は特に披瀝をしていただきたいと思います。また、特に許されぬと思いますのは、鳥取市内で実は八ブロックに分けまして、そして市が食掛をするものを八ブロックに割ってしまう。これが一戸当たり二千三百円から最高四千五百円という住民負担をかけておる。乗っても乗らなくても二戸当たり二千三百円から最高四千五百円という、そういう住民負担をかけておるなんという、ばかげた話があるかと私は憤慨にたえないわけでございますが、そういう点も含めて、ひとつ自治省の財政的な特別措置、そういうお考え方があるのかどうなのか。また、あるのが当然だと思いますけれども、少なくとも、それは運輸省の分野だから運輸省の補助基準を拡大してなんという逃げ口上でなしに、ひとつ誠意ある御答弁をお願いしたい。  最後に、その三人の関係省からお答えがあった後に長官、時間がございませんから締めくくりの意味で、ひとつ決意のほどを披瀝しておいていただきたいと思います。三人の答弁があったら私ちょっと質問しますから、そのままにお願いします。
  71. 浅井新一郎

    浅井政府委員 各省から、それぞれお答えがあると思いますが、冒頭に道路整備の姿勢について御質問がございましたので、それに関連して、ちょっとお答えいたしたいと思いますが、先生指摘のように、これからの道路整備は確かに国民の生活基盤として直接、関連の深い市町村道あるいは府県道といったものの整備に徐々に重点を置いていく姿勢でおるわけでございますが、御承知のように、ただいまのお話の中でもございますバス路線その他の点に着目しましても、いわゆる幹線道路と目されております国県道以上の道路につきましても、まだ、その半分がバスがすれ違えないという状況もございます。そういうようなことで現状では、こういったバス路線の確保というような意味からいきましても、こういった国県道のナショナルミニマム的な道路整備というものを叩く達成しなければいけないということもありまして、現状では市町村道整備が比較的おくれておりますが、ここ数年の対前年の伸び率では一般の道路事業に比べて大幅な伸びを見込んでおるわけでございまして、逐次、重点を置いているわけでございます。今後とも市町村道整備については、バス路線あるいは地域住民生活の基盤となる周辺道路の整備、それから木橋、渡船、もぐり橋といったような直接、隘路となっている個所の早期解消というようなことに重点を置きながら、整備を拡大してまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
  72. 吉原米治

    ○吉原委員 ちょっと委員長。長官が何か予算委員会の方の関係でというお話がございますので、三省から答弁をされる前に、私は最後にお願いしたかったのですけれども、ひとつ長官のお答え、いまから三省の、それぞれの立場から現状認識をされて対策を述べられますけれども、賢明な長官のことですから恐らく認識をされておるだろうと思いますから、たくさんの課題を抱えております。そういった課題を解決するために早急に三全総の策定にも拍車をかけていただいて、こういったもろもろの問題解決のために、いろいろな施策を反映さしてもらわなければならぬと思います。そういった意味で、最後にお願いしたかったわけですが、ひとつ三省のお答えがある前にお答えを願いたい。  なお本日、時間がございませんので、まことに意を尽くしませんけれども、私は、この三全総問題については非常にハッスルをしておりますので、ひとつ継続的にシリーズ的に、私は機会あるごとに発言したいと思いますから、申し上げて終わります。
  73. 田澤吉郎

    田澤国務大臣 お答えいたします。  ただいまの地方の公共事業と三全総の関係でございますが、三全総の調査の基本目標は、地方生活圏への人口定住構想なんでございます。これについては四十七都道府県知事あるいは三千数行の市町村長さん方に、いろいろ御依頼をして、それぞれの町村の人口定住はどの規模にあるべきが本当なのか、それを基本にして、どういう産業と、どういう交通その他の体系を整えることが人口定住につながるのかということを、いろいろ意見を聞いておる段階でございます。ですから知事さん初め各町村長さん方の意見を徴しながら、この人口定住化構想というのをつくり上げまして、そして、ただいま御心配の点をできるだけ是正して、りっぱな三全総をつくりたい、こう考えておりますので、積極的な姿勢で御協力をお願い申し上げたいと思うのでございます。
  74. 桜井男

    ○桜井説明員 お答えいたします。  地方におけるバス路線の問題につきましては、先生指摘のように、地域住民方々生活に密着をして非常に重要な役割りを果たしておりますので、私ども従来から地方バス路線維持費補助制度というものに基づきまして、地方公共団体と御一緒に助成措置を講じてきておるところでございますが、昭和五十二年度の予算案におきましては、補助対象経費の範囲の拡大であるとか、あるいは市町村が廃止路線の代替バスを運行する場合の運行費を新たに補助対象に加える、さらには車両の購入費の補助単価を引き上げるといったような内容の一層の充実を図ることといたしております。今後とも私ども、地域住民の方の不可欠の足としてのバス路線の維持ということにつきましては、地方公共団体と御一緒に、さらに努力をしていきたいと考えております。
  75. 吉末幹昌

    ○吉末説明員 お話ございました国鉄の営業近代化の関連でございますけれども、駅の無人化等を進める場合に、国鉄におきましては、駅の利用状況でございますとか、あるいは、その駅の地域社会における位置づけと申しますか、あるいは付近の道路事情あるいは並行交通機関の状況というふうなものを総合的に勘案しまして実施するというふうなことになっておりますけれども、私どもとしましては、無人化等を実施する場合におきましても、できる限り地域住民に対するサービスの低下が防げますように、たとえば駅前商店等に乗車券の発売を簡易委託させますとか、あるいは待合室の改良さらには有人駅からの放送設備をつくるとか、そういうふうなことを行いまして、駅の設備条件あるいは旅客の利用状況等に応じまして基本的なサービスの確保を図るように、そういう指導をいたしているわけでございます。
  76. 羽鳥博

    ○羽鳥説明員 農村の立て直しにつきましての御質問にお答え申し上げます。  わが国の農村は、高度経済成長の過程におきまして農家の生活水準が向上いたしましたものの、反面におきまして農業労働力の過度の流出とか、あるいは農地の壊廃の進行等、その体質が脆弱化していることは否定し得ないところでございます。  農林省といたしましては、去る五十年の五月に閣議決定されました「農産物の需要と生産の長期見通し」などを踏まえまして現在、総合食糧政策を展開しておるところでございます。今後におきましても、わが国農業の体質を強化いたしまして、国内自給度の向上を図ることを基本といたしまして、農業生産に必要な土地、水等の確保と、その整備と開発、農業生産の担い手の育成確保、農村生活環境の総合的整備等の各種の施策を総合的に展開してまいる考えでございます。  また、御承知のとおり五十年の十二月に閣議報告されました三全総の概案におきましても、国民食糧資源の確保の問題とか、あるいは農山漁村の総合的整備等が三全総の主要な計画課題の中に含まれておるところでございます。この点につきましては、その基本的な考え方におきましては、前に述べました農林省の施策と方向を同じくすると思われますので、今後、策定が予定されております三全総におきましても、このような農業、農村の役割りと整備の方向が適正に位置づけられますよう努力してまいりたい、かように考えておるところでございます。  以上でございます。
  77. 関根則之

    ○関根説明員 地方の過疎地域におきます交通輸送手段の確保につきまして、辺地の市町村が非常に苦労をしておる実情につきましては、われわれとしても十分、認識をいたしております。お話がございましたけれども基本的には、やはり交通輸送手段の確保という問題は運輸省の系統において、国も一半の責任を持ちながら国庫補助制度の充実というものを通じてやっていかなければ、特に、そういう問題の起こっておる市町村財政力の貧弱な市町村でございますので、そういった市町村が単独で、そういった施策をやっていくということは非常にむずかしい問題であろうかと思います。したがって私どもといたしましては、従来から運輸省にお願いをいたしまして、国庫補助制度の拡充強化という点をお願いをしてきたわけでございます。運輸省としても最近、非常に、その点で前進をしていただきまして、助かってはおるわけでございますが、まだまだ単独分が非常に多く出てきております。昭和五十年の例で申し上げますと、単独で支出いたしました金額が約八億五千万程度になっておるわけでございます。この財源対策といたしましては、補助分について、私どもは特別交付税の配分の際、その算定において基準財政需要額の中に入れておるわけでございますが、補助分と同じような考え方に基づきまして、単独分につきましても算入をし、配分をいたしておるわけでございます。五十一年度につきましても、その方法をさらに強化をいたしていきたいというふうに考えております。  鳥取市内のお話がございましたが、私まだ、その点について聞いておりませんので、詳しい御答弁を申し上げられませんが、いずれにしろ、そういった個人負担まで取らざるを得ないというような実情が出てくるという事態は、必ずしも望ましいものではない。そういったことをしないでも何とか過疎バスが維持できるような方向に持っていくべきであろうというふうに考えております。
  78. 吉原米治

    ○吉原委員 時間が参りましたから、再質問をしたい課題がたくさんございますが、次回に譲らせていただきます。
  79. 北側義一

    北側委員長 関連質問の申し出がありますので、これを許します。福岡義登君。
  80. 福岡義登

    ○福岡委員 建設大臣にお伺いしたいのですが、先ほど吉原委員の質問の中で、本四架橋の一ルートの着工問題について、三全総、秋ごろに策定される新しい全国総合開発計画の中で処理をするべきではないか、こういう御質問に対しまして大臣は、地元関係者の強い要望もこれあり、それまでに何らかの措置をせざるを得まい、こういう答弁をされたのです。ということは、新全総が策定される以前に一ルートの着工を考えておる、そういう意味なのかどうか、そこのところだけ御質問いたします。
  81. 浅井新一郎

    浅井政府委員 お答えいたします。  先ほど申し上げましたとおり、一ルートの決定ということが、いま残っておるわけでございますが、これは一昨年の関係閣僚の協議では三全総で決めるというふうに一応、言っておるわけでございます。ところが現時点では、まだ三全総が決まらない。一方、地元から言わせれば、着工ストップになってから、すでに一年半以上たっているような現状で、非常に、この着工について熱望といら立ちを持っているというような実情もございまして、早く何とかしなければならないという、われわれの気持ちがございます。そういうことで三全総が非常におくれるのであれば、この際、一ルートの決定について何らかの措置をしないと、これから環境庁に審議をお願いする期間も考えまして、やはり、この辺で何か措置を講じなければいけないのではないかということで現在、検討中の段階でございます。
  82. 福岡義登

    ○福岡委員 三全総の策定がおくれるのであればというお話なのですが、国土庁の方から答弁がありますように、この十月ごろをめどにやっておる、こういうわけですね。ですから具体的に策定の時期は示されておるわけです。それが十日とか二十日おくれるということはあるかもしれませんが、おおむね十月ごろには策定されることは間違いない。そういう事情の中で、いま道路局長お話のような事情もあるので、事前に着工を決定するというお考えのように、どうも聞こえるのですが、その辺はっきりお答え願いたい。
  83. 浅井新一郎

    浅井政府委員 これは三全総が秋ごろということで、まだ、はっきり、いつというふうにも決まってないわけでございますが、これがいつごろになるかということと、また環境庁に対して、いろいろ環境関係の審議をお願いする期間が、およそ、どのくらいかかるかというようなこと、そういうようなものを考え合わせて、現時点で早急に、どういう形で決めるかということを現在、検討中でございまして、決める決めないということは現時点では、まだ申し上げられない段階でございます。
  84. 福岡義登

    ○福岡委員 どうも、はっきりしませんが、いずれ別の機会に質問したいと思います。
  85. 北側義一

  86. 佐野憲治

    佐野(憲)委員 ただいま建設委員会は、大臣の所信表明をめぐりまして貴重な審議が続けられておるわけでありますけれども、特に、委員会の皆さんの御了承を得まして質問さしていただくことは恐縮に存じております。時間も、もう本会議が迫っておりますので、簡単に、しかも率直に、先般の国土開発幹線自動車道のうちの北陸道における規制の問題につきまして、ただしたいと思います。  一つは、北陸自動車道が暮れの二十九、三十日、二月の十五、十六、十七日の三日間が、ほぼ全面的に閉鎖されたわけです。それと同時に、十二月の二十八日から二月の十八日まで五十キロの速度規制が行われてまいったわけでありますが、そういう中におきまして、やはり、この措置地域経済なり民生安定の上に大きな衝撃を与えたと思います。特に金沢市場におきましても富山中央卸売市場におきましても、正月用品のブリが一万七千匹あるいはミカンが二十数万トン、これらが正月には間に合わない。と同時に、そうしたことと関連いたしまして、いろいろな問題が、いま起こってまいったのでありますが、そうしたことに対しまして、まず第一に道路公団に対しまして、なぜ規制がされねばならなかったか、その実態は一体どうだったのか、この点についてお答えを願いたいと思います。
  87. 浅井新一郎

    浅井政府委員 交通どめの実態についてお答えいたします。  先生指摘のように、今冬の豪雪で何回か北陸自動車道が一時的にとまりました。一番ひどかったのは十二月二十九日の福井−武生間でございまして、これは二十二時間ほど、とめております。この一番大きな理由は、八号線が武生市内で、もう通れなくなりまして、その渋滞が高速道路の中まで入ってくるというような状況でございまして、武生市からの要請によりまして、高速道路を通しても武生から先、行けないというようなことで、高速道路を通すことを事前にとめてくれというようなお話がございまして、これは一時そういう事情でストップしたわけでございます。  そのほか数回にわたって、とまっておりますが、その大部分は、非常に降雪強度が強かったために車が十分ぐらい行くと、もうワイパーがきかなくなるような状況降雪で、非常に安全確保上、問題があるというようなことで一時間とか、あるいは五十分、場合によっては三時間とかいうような交通どめをやったことがあるわけでございまして、先ほどの一番大きな二十九日の交通どめなどは、高速道路が、いま武生でとまっておりますので、むしろ、その先の一般国道に問題があったわけでございまして、近い将来、武生から、さらに敦賀、米原の間が通ずるようなことになりますと、高速道路だけで行くようなことができるわけで、そういう事態になりますれば、この二十九日のような形の交通途絶はなくなるだろうというふうに考えているわけでございます。
  88. 佐野憲治

    佐野(憲)委員 道路公団はお見えになっておらぬですか。  一応、実態に対して説明があったのですけれども、やはり福井におけるところの出入り口で起こった問題というのは、いわゆるレッカー車の事故である。そういう問題を中心にいたしましての警察のとった措置なり、あるいはまた道路管理者としての措置が非常に不十分であった、こういうことからも派生的に起こっている点もあると思いますけれども、ほぼ全面的に五日間にわたって閉鎖を行っておるわけです。そういう中に、やはり雪に弱い高速道路、こういう印象を強く与えたと思います。  この点につきまして道路公団にお尋ねしておきたいと思いますが、三十六年、三十八年、非常な豪雪がありました。そういう中において、いろいろな意味での教訓を学んだと思います。ですから国会におきましても昭和三十七年、豪雪地帯対策特別措置法を議員立法で成立させたのでございますが、そのとき私も委員の一人といたしまして、この議員立法を成立させるに当たりまして、いろいろ政府関係機関とも議論を闘わせてまいったのでありますけれども、そういう中におきまして私たちがこうした法律をつくりまして、いろいろ問題がありましたけれども、三十九年に初めて、この法に基づく基本計画が策定されたのであります。閣議の了承を得て総理大臣が決定する、この基本計画の内容につきましても、特に冬季間におけるところの道路交通の確保等の項目を設けまして、四つの事項を指摘して今後に対するところの対策を立てねばならないことを要請をいたしておるわけであります。今回の北陸自動車道の降雪時における、このような混乱を見てまいりましたとき、一体そういう教訓が生かされておったのかどうか、この点をひとつお聞きしておきます。
  89. 浅井新一郎

    浅井政府委員 お答えいたします。  先生、御指摘のように北陸道は、わが国の高速道路として現状では唯一の積雪地域の高速道路でございまして、これは言ってみれば高速道路上での豪雪に遭遇した初めての経験というようなことも言えるのではないかと思います。そういうようなことから従来、高速道路建設に際してはアウトバーンの例その他これまでの国道におきます除雪状況、そういうようなものをいろいろ参考にしながら雪に強い高速道路を目指して設計、施工をしてまいったわけでございますが、今冬の豪雪のいろいろな経験に徴しましても、いろいろ問題が出ておると思います。そういうことで、こういう経験を生かして今後とも除雪体制の強化に努めてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
  90. 佐野憲治

    佐野(憲)委員 次に、道路構造令がありますね。道路構造令の中におきましても、道路を新設し、改良する場合におきましての道路の構造の一般的技術的基準を定めることを目的とする、こういう構造令があるわけですが、この構造令の三十三条には特に「防雪施設」こういう項目を挙げまして「なだれ、飛雪又は積雪により交通に支障を及ぼすおそれがある箇所には、雪覆工、流雪溝、融雪施設その他これらに類する施設」を設けねばならない。と同時に、施行規則、省令におきまして第四条「防雪施設」の中に、「吹きだまり防止施設 なだれ防止施設」このことを規定いたしておるわけです。ですから今度の北陸自動車道の場合におきまして、工事の計画設計に当たりまして、この構造令が正しく生かされておったかどうか。今日における規制問題を中心として北陸自動車道をながめましたとき、そういう点は生かされておったのかどうか、こういう点に対して簡単でいいです。
  91. 平野和男

    平野参考人 お答えをいたします。  高速道路の雪氷対策につきましては、いま、おっしゃられましたような道路構造の面と道路管理体制、両面がございます。道路構造の面につきまして、われわれ、いろいろ配慮をしているわけでございますが、北陸自動車道で具体的にやっております事項といたしましては、たとえば排雪作業を円滑にするために、路肩の方に雪をためます堆雪のための余裕幅を確保しております。さらに中央分離帯の構造等につきましても、普通は盛り上げてつくるわけでございますが、その辺を平らにして除雪作業を容易なようにしている。それから、なだれ等の予想されます区間においては、なだれ防止さく、そういうものをつくっております。さらに凍結しやすいようなトンネルの坑口等につきましてはロードヒーティングと申しまして融雪装置等をつくっております。  以上でございます。
  92. 佐野憲治

    佐野(憲)委員 もし、そういうことが十分に行われておったならば、五日間の全面閉鎖なり五十三日間に及ぶ速度制限をやらなくてもよかったのじゃないですか。やはり道路構造令に問題があったのかどうか。あるいはまた、そういうのが生かされなかったのかどうか、これは大きな問題でありますけれども、時間がありませんので次に移ります。  同時に、そうした状況の中におきまして地域住民の間から、あるいは自治体の間から、現行法の法令を適用されないだろうか、こういう問題提起もあったわけでありますが、すなわち、一つには積雪寒冷地域における道路交通の確保に関する特別措置法、この法律が適用にならないかどうかという点でありますけれども、私も検討してみますと、やはり、いろいろ問題があると思います。しかしながら一般国道の場合、あるいは種別において主要地方道路の場合、そうしてまた主要地方道路を除く府県道市町村道、この種別が適用になっておる。と同時に、その中におきまして除雪なり防雪、凍雪害防止、除雪機械の整備、こういう項目を設けて、それぞれ五ヵ年計画を立て目標を明らかにいたしておるわけです。しかし、こうした措置は特例といたしまして、道路の維持、修繕に対しまして補助をしないという道路法の中におきまして特例を設けて、こういう措置がとられておるわけです。ですから、この法律ができました当時におきましては、昭和三十一年、そうした高速自動車道というものは、まだ雪に耐える自動車道というものは考えられなかった。そういう意味から、やはり、この法律を改正することによって、整備することによって適用が受けられるのではないか、こういう意見一つあるわけです。もう一つ意見として、道路の修繕に関する法律並びに施行令、この法律と施行令を見てまいりますと、これも地方団体に対して、当分の間、特例として道路の維持修繕費に国が補助をすることができるという法律の前提があるわけですね。ですから、この場合におきましても、やはり無理がありますけれども、しかしながら地方道に対しまして、あるいは一般国道であっても指定外に対しまして地方団体に対して維持修繕に補助を出している。こういう立場から考えてまいりましても、現在における先ほど申しました雪寒法の場合におきましても、やはり、そういう中において法の整備をする、改正をする、こういうことができるかできないか、建設省から、その見解をまず、お聞きしておきたいと思います。
  93. 浅井新一郎

    浅井政府委員 お答えします。  雪寒法の趣旨それから、その中身等につきましては先生指摘のとおりでございます。これは本来、積雪寒冷の度が非常にはなはだしい地域におきまして、冬季間の交通確保を図るために防雪施設の整備それから除雪事業それから凍雪害防止事業というような三種の事業を中心に、一般道路対象にやってまいっております事業でございますが、これらの事業の実施に当たりましては、地方公共団体の財政負担が他の地域に比べて非常に雪寒地域が多大になるということを考慮して、道路管理者が行う、こういった事業について特別の措置を行うという趣旨で雪寒法によって実施しておるわけでございます。  こういうようなことでやられている雪寒事業を高速道路まで拡大できないかというような御趣旨のあれだと思いますが、一方、高速道路といたしましては、これは有料道路として日本道路公団が建設、管理を行っておるわけでございまして、その建設、管理に要します費用につきましては、これは料金収入を充てるということが道路整備特別措置法によって決められておりまして、料金収入でこれをやることによりまして、利用者がこれを負担するという形にいたしておるわけであります。もし、これを一般道路と同じように雪寒法でやるようにいたしますと、高速道路に対する、そういう施設に対して、地方の負担がここに流れ込むというようなことにもなりまして、これはやはり考え方としては料金をたてまえにしてやる方が、それだけ負担にならないし、負担にならない分が、ほかの一般道路の防雪の方の手当てに回るということにもなるわけでございまして、やはり、まず日本道路公団が料金の中で、これをやるという姿勢の方がいいのではないかと考えておりますが、先生の言われるのは公団の高速道路除雪体制あるいは、こういった施設がまだ貧弱であるから何か、もう少し工夫をして、やってみろというようなお話だと思いますが、これにつきましては、今冬の貴重な経験に照らしまして十分、道路公団とも相談しながら、ひとつ雪に強い高速道路を目途に努力してまいりたいというふうに考えているわけでございます。
  94. 佐野憲治

    佐野(憲)委員 そうした意味を含めまして、たとえば道路整備特別措置法によりまして、高速道路は通行、利用に対して料金を徴収してもいい、あるいはプールしてもいい、こういうことが明確になっているわけです。しかしながら、現在におけるところの、こういう事態に対しまして、北陸自動車道あるいは今後は東北自動車道も出てくるでありましょうけれども、申請する場合におきまして、こういう雪に対しまして非常に弱い、そういう設計、工事計画となってしまった、そういうものに、どうしても維持修繕の立場から取らねばならない。それが料金収入の中で解決できるだろうか、非常に困難な問題を含んでいるのではないかと思います。そういう意味におきまして、私たち豪雪地域におけるところの特別措置法をつくりましたときにおきましても、やはり、そういう点がありましたけれども、しかし何としても私たちの最終目標は無雪化であり不凍化である、こういう観点からも、あの法律をつくったわけでありますので、そういう目標を持っておりますだけに、この機会に何か法制的に整備しておく必要があるんじゃないか、こういうことが痛感されるわけです。現行法そのものを適用すれば、いま道路局長指摘しましたような無理があると思います。しかし、これを法制的に整備できるかできないか、こういう点ひとつ検討していただきたいと思います。  と同時に、道路公団が道路整備特別措置法によって料金収入を得る。この料金収入の中には維持管理費も見積もられて計算されておると思います。しかしながら、こういう豪雪地帯であり、しかも特異な現象が出てまいっておる。たとえば凍雪害という問題にいたしましても予期されなかった。たとえば、この地域におきましても零下に下りましたことが十二、三日続いておる。交通事故その他を見てまいりましても、いろいろな原因があるでありましょうけれども、閉鎖あるいは制限の中におきましても九十三件も、こういう事故が発生をしておるわけですね。そういう意味において、一つには道路公団自体に対して国が出資金を出しておる、あるいは六・五の資金コストを守るために補給金もやっている、あるいは道路債券も発行しておられるわけでありますが、そういう中におきまして、やるといたしますなら国からの出資金なりをふやす、そういうことにおいて、現にできてしまっている、これから新築しようとするのではなくて、できてしまっておる、こういう道路に対しての方法をひとつ考えられないかどうかという点が一つあると思います。  もう一つ、大臣やはり、そういう中におきまして降雪に対する対策道路構造令に基づいてやったのでありましょうけれども、非常に不均衡が出てまいっておるわけです。そして被害を発生しておる。今後も続くだろう、このことを私たちは非常に心配いたすわけであります。しかも明年度中におきましては福井から敦賀の間の開通を見ることになっておるわけですが、ここは日本においても有名な豪雪地帯であると同時に、特異な気象なり特異な地質を持っている土地だと思います。それだけに今回における教訓というものを生かしてまいらなくちゃならない。だから大変な事態が発生するのではなかろうかと思います。あの間におきまして閉鎖が続くということになってまいりますと、全面的に地域経済に及ぼす影響は大きいと思います。また高速自動車道路があるがゆえに、たとえば国道にいたしましても代替道路にいたしましても、それを前提としての除雪計画なり、その他をやっておる。その大もとである、幹線である、地域経済に重大な影響をもたらすところの国土開発国道ですか、こういうものが麻痺をするということは大変な事態が発生するのではないか、こういうことを地域の自治体の皆さんなり地域住民の皆さんなり非常に心配いたしておるわけですね。ですから、この際に今後の対策として一体どう進めてまいるか。料金収入を取っておるんだから、その中で、それらの措置をやっていくことを公団として検討しておられるのかどうか。とても無理だ、それなら新しい一つ措置を法制的にも、あるいは技術的にも、ひとつ考えなくちゃならない段階を、いま迎えておるんじゃないかと思いますが、この点に対してはどうですか。
  95. 平野和男

    平野参考人 お答えをいたします。  高速道路の雪氷体制といたしましては、私ども雪氷基地を設けまして、そこに除雪車、薬剤の散布車等、必要な機械を配置して必要な都度、除雪並びに凍結防止剤の散布を行っているわけでございますが、ちなみに、現在この区間に配置をしております除雪機械の台数は約四十七台でございます。今回の豪雪の経験にかんがみまして、今後一層そういう除雪作業の充実を図りたいと思っております。さらに、いろいろな防災の施設、先ほどのなだれ防止さく、さらには将来は雪覆いというようなものまで必要になるかと思いますが、そういうものの整備を含めまして施設の整備を今後とも図っていきたいと思っております。  これに要します費用につきましては、先ほども局長が申されましたように一応、料金の中でやっていくというたてまえになっておりまして、現在のところ、その点で支障なくやっておりますので、今後とも、そういうことになるんではないか、かように考えております。
  96. 佐野憲治

    佐野(憲)委員 後から大臣の所見をお尋ねいたすとして、もう少し質問をさしていただきたいと思います。  公団の方、現在の構造令の技術基準に非常に詳しく決められておりますね。それが適用されて新しい道路が構築されたといたして、このような欠陥がいま出てきておるわけですね。今後も出ないという保証はないわけでしょう。皆さんの予期されなかった、たとえば凍雪害が出てきておる。あるいはまた北陸自動車は海岸線も通っておりますから、海岸線の波浪によるところの吹きだまりという問題も出てきておる。あの当時に私も現地を歩きまして、こういう形にして大丈夫なんだと言われたのが実は大丈夫ではなくて、全面閉鎖をしなくちゃならなかった、こういう問題が起こっておるわけです。五十キロに規制いたしましても交通事故が九十三件から起こり、死傷者を出さねばならなかった。ここに技術的に基準に対しても、やはり見直さなくちゃならない問題点がたくさんあるでしょう。同時に、そういう現況というものは、そのような構造のもとにおけるところの自動車道路、この道路そのものが持っておる欠陥というものを一体どうやっていくのか。全面的に点検、見直しをして、そういう事故の起こらないような、閉鎖、規制をやらなくても済むような、雪に耐え得る強い高速道路につくり変える、このことが、どうするかという問題に対しまして何よりも、いま求められているところであります。  だから料金収入でやっていけます、もちろん特別措置法によりましてプールすることができる、こういうことになっておりますけれども、一たん決まった、プールされたものの中で特に構造上の欠陥があった。ですから、それを直すんだ。そのために実は料金を上げますよ。東名、名神高速道路や、その他の道路の皆さんにも、その料金の値上がりを求めるということが果たしてできるだろうか。これからできるものに対しましては、いろいろな対策を講じていくとしても、もう、できてしまっているものに対して相当巨額の費用を要求している。そのことに対して一体、公団として確信を持って料金収入の中でやっていけます、こう言えるかどうか、私は大変、不安な気持ちを抱かざるを得ないのですけれども……。
  97. 長谷川四郎

    ○長谷川国務大臣 佐野先生の御説は私が一々ごもっともと承っておるのです。ただ、私の考え方は、もうこれからは、つくればいいという問題ではなくて御説のように、もっと完備されたものに、距離は少なくても、そういう方向に転換をしていかなければならないのじゃないだろうか。これは住宅と同じような関連を持っておるのではないか、そういうふうに思うのです。したがって、もう、できてしまっているところは、まず、この計画は一年間に何ぼやらなければならぬということは、ごもっとも、よくわかるけれども、そういうような点にかけるべきものはかけて、そして万全を期していくようにしていくことが、いま、できているものに重点を置くということも必要の一つであろう、私はそういうふうに考え方を持っておりまして、もうただ、つくればいいという問題ではなくなってきているという話は先日も申し上げたのでございましたけれども、そういうような考え方を持っております。
  98. 佐野憲治

    佐野(憲)委員 では、そうした考え方を具体的に、どうやっていくか、具体的に解決を迫られているのじゃないかと思いますが、一つには、地方道なり国道に対しましては、そうした意味におけるところの、いろいろな手当てができる。こういう法的な整備があり、地方自治団体に対するところの維持修繕に対しましての特例をもって国が補助をする。国道の場合、県知事が管理しておる場合には二分の一、こういうような特例法によって道路法の問題を、ここで解決していっておるわけですね。しかしながら、この法律を高速自動車道に適用するには、やはり無理がかかる、料金の制度があるがゆえに。ですから、この問題は一体どうすればいいか、法制的に整備してみる必要があるのではないか。この政令ができたころ、法律ができたころと、高速自動車道路が完成してまいったときと相当、経過していますので、その法律の趣旨をもう少し生かす方法がないのかどうか。なければ新しい法律を、法制化を、やはり無雪化あるいはまた不凍化、こういう目標に向かって一つの新しい法制をつくるということもまた必要な段階を実は迎えておるのではないか。そういう具体的な問題に対して、急に言いましても大臣としては、なにでありますけれども、よく内部においてひとつ検討していただきたいということ。  もう一つ大事な点、もう時間もありませんので率直に申し上げますが、大臣も、いま言われました。私は、国土開発幹線自動車道いわゆる高速道ですか、この建設に当たりまして地域住民の皆さんは大変、努力されたと思います。土地の買収に応ずる、なかなか膨大な土地であります。家計の維持の奪われる人たちもおりました。そういう人たちが、やはり地域の発展のために、この道路が将来の幸せになるために、念願を込めて買収に応じた涙ぐましい姿を私は見てまいっております。と同時に、そうした中におきまして、現在におきましても自動車騒音なり、あるいはまた排気ガスなり、いろいろな問題を沿線の周囲の住民に与えておる、こういうことに対する不満もあることを私は知っております。そういう中でできた、この道路だと私は思います。それだけに、こうした道路に対しまして、正月用品を一家、楽しみの子供と一緒に、孫と一緒にと、こういう機会も奪ってしまうような惨めな状態を引き起こさせる。あるいはまた、そうした高速道路によって生鮮食料品が生鮮でなくなった中で中央市場を通じて手に入れねばならない、こういうような地域住民の不満というものを、やはり大臣、胸に刻んでおいていただきたいと思います。そういう善良にして協力してまいった人たちが持っておる今日的な問題を、やはり解決の一歩を進めてまいる、こういうことも大事ではなかろうか、かように考えましたので、重ねて大臣にひとつ要請しておきたいと思います。
  99. 長谷川四郎

    ○長谷川国務大臣 お気持ちもわかりますし、そうでなければならないと考えます。十分、省内において検討を加えるつもりでございます。
  100. 北側義一

    北側委員長 次回は、来る九日水曜日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開くこととし、本日は、これにて散会いたします。     午後一時五分散会