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1977-04-26 第80回国会 衆議院 決算委員会 第19号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十二年四月二十六日(火曜日)     午後二時四十二分開議  出席委員    委員長 芳賀  貢君    理事 天野 光晴君 理事 丹羽 久章君    理事 森下 元晴君 理事 北山 愛郎君    理事 原   茂君 理事 林  孝矩君       宇野  亨君    野田 卯一君       三池  信君    馬場猪太郎君       広瀬 秀吉君    春田 重昭君       安藤  巖君  出席国務大臣         外 務 大 臣 鳩山威一郎君  出席政府委員         公正取引委員会         事務局審査部長 野上 正人君         外務大臣官房長 松永 信雄君         外務大臣官房会         計課長     柳  健一君         外務省アジア局         長       中江 要介君         外務省アメリカ         局長      山崎 敏夫君         外務省欧亜局長 宮澤  泰君         外務省条約局外         務参事官    村田 良平君         外務省国際連合         局長      大川 美雄君         大蔵省主計局次         長       高橋  元君  委員外出席者         外務省経済局外         務参事官    溝口 道郎君         外務省経済協力         局外務参事官  大鷹  正君         水産庁漁政部水         産流通課長   塩飽 二郎君         会計検査院事務         総局第一局長  前田 泰男君         決算委員会調査         室長      黒田 能行君     ————————————— 委員の異動 四月二十三日  辞任         補欠選任   津島 雄二君     川崎 秀二君 同日  辞任         補欠選任   川崎 秀二君     津島 雄二君     ————————————— 本日の会議に付した案件  昭和四十九年度一般会計歳入歳出決算  昭和四十九年度特別会計歳入歳出決算  昭和四十九年度国税収納金整理資金受払計算書  昭和四十九年度政府関係機関決算書  昭和四十九年度国有財産増減及び現在額総計算  書  昭和四十九年度国有財産償貸付状況計算書  (外務省所管)      ————◇—————
  2. 芳賀貢

    芳賀委員長 これより会議を開きます。  昭和四十九年度決算外二件を一括して議題といたします。  本日は、外務省所管について審査を行います。  まず、外務大臣から概要説明を求めます。鳩山外務大臣
  3. 鳩山威一郎

    鳩山国務大臣 昭和四十九年度外務省所管一般会計歳出決算につきまして、その概要を御説明申し上げます。  歳出予算現額は一千四百五十五億七千三十二万円余でありまして、支出済歳出額は一千二百六十一億九千三百十七万円余、翌年度繰越額は百十九億七千八百四十九万円余、不用額は七十三億九千八百六十五万円余であります。  歳出予算現額の内訳は、歳出予算額一千二百六十八億七千八百四十九万円、前年度繰越額百七十八億四千五十万円余、予備費使用額国際連合緊急軍及び国際連合兵力引離監視軍の活動の継続、日比友好親善特別支出金に要した経費)八億五千百三十二万円余でありまして、前年度から繰り越したものの内訳は、海外技術協力実施委託費十六億八千五百六十六万円、経済開発計画実施設計等委託費六千三百万円、経済開発援助施設費七億七千五百十二万円余、経済開発等援助費百三十九億九千九百三十二万円余、在外公館施設費十三億一千七百三十九万円余であります。  支出済歳出額の主なものは、科学技術振興のため、国際原子力機関に対し同機関の憲章に基づく分担金及び拠出金として、四億四千七十四万円余、並びに国際連合その他各種国際機関に対する分担金等として九十六億七千百六十五万円余。  次に、経済協力の一環としての技術協力実施につきましては、コロンボ計画等に基づく技術研修員二千百五十五名の受け入れ及び専門家三百一名の派遣事業のほか、青年海外協力隊派遣開発調査医療協力農業協力開発技術協力開発協力専門家養成確保等事業アジア諸国等開発途上国に対する経済開発援助及び国連開発計画等の多数国間経済技術協力のための拠出等に要した経費五百四十五億八千八百八十四万円余。  さらに、移住振興につきましては、中南米等への移住者三百五十四名を送出及びこれを援護するため等の経費三十五億二千七百七万円余であります。  次に、翌年度繰越額について申し上げますと、財政法第十四条の三第一項の規定による明許繰越のものは百十八億四千百二十一万円余でありまして、その内訳は、経済開発等援助費百十二億九千三百四十六万円余、在外公館施設費五億四千七百七十五万円余。  また、財政法第四十二条ただし書の規定による事故繰越のものは一億三千七百二十七万円余でありまして、その内訳は、経済開発等援助費一億三千七百二十七万円余であります。  不用額の主なものは、外務本省の項で退職手当を要することが少なかったこと、経済協力費の項で経済開発等援助費を要することが少なかったこと、移住振興費の項で移住者渡航費交付金を要することが少なかったこと並びに在外公館の項では、職員諸手当を要することが少なかったこと等のためであります。  以上でございます。
  4. 芳賀貢

    芳賀委員長 次に、会計検査院当局から検査の概要説明を求めます。前田会計検査院第一局長
  5. 前田泰男

    前田会計検査院説明員 昭和四十九年度外務省決算につきまして検査いたしました結果、特に違法または不当と認めたものはございません。
  6. 芳賀貢

    芳賀委員長 これにて説明の聴取を終わります。     —————————————
  7. 芳賀貢

    芳賀委員長 これより質疑に入ります。  質疑の申し出がございますので、順次これを許します。原茂君。
  8. 原茂

    ○原(茂)委員 きょうはアジア中心の外交問題その他を二、三お伺いしまして、後、開発途上国の非産油国累積赤字の問題を聞いて終わりたいと思うのです。  最初に、きょうの新聞で、韓国における、特にソウルの二つの大きな新聞が、現在の日韓大陸だなについて、わが国の国内における審議状況等に照らして発表したと、推測記事が載っておりますが、大臣もごらんになったと思うのです。  この第八鉱区に関して、いままでは日韓大陸だなに対する一つの遠慮もあったのですが、現在の段階で、韓国がこれに対する開発に乗り出すということを公式に発表させたわけでありますが、これをどのようにお受け取りになっておられるか、まずそれを先にお伺いしたい。
  9. 鳩山威一郎

    鳩山国務大臣 その新聞記事につきまして、外務省といたしましても大変疑問に思いましたので、至急韓国ソウル大使館にも問い合わせたのでございますが、それによりますと、そのようなことは、韓国外務部におきましても全然知らないという返事でございましたので、私どもとしては、恐らく根拠のないものではないかというふうに考えておるところでございます。
  10. 原茂

    ○原(茂)委員 わが国韓国における大使館を通じての調査をされて、外務部からの返事が、全然そのような事実はない、こういう返事だという回答でございますね。  そこで、ついでにお伺いするのですが、日韓大陸棚協定がいま問題になっていますが、これは御存じのように、日本韓国との共同開発になるわけであります。現在、いよいよ山を迎えて、国会での審議状況をお互いに見守っているところであります。この協定そのものの内容については、外務委員会あるいは連合審査等で、もう十分に尽くしているわけですから、私からあえて触れませんが、韓国が実際には発言したことがないと言っております第八鉱区ですが、この鉱区開発をやるときには韓国が独自でやることになるのですか、あるいはアメリカとの協同開発というようなことになりますか、日本が、この開発にも何らかの手をかすということに話がされているのか。  今日まで何もないわけじゃない、ずっとたな上げになっていたわけでありますから、第八鉱区に関して、万が一韓国がこの開発をやるということになれば、一体韓米でやるのか、あるいは韓国独自なのか、日本も何らかの形で関与することになるのか、どんなふうになりますか。
  11. 中江要介

    中江政府委員 御指摘の第八鉱区なるものは、日韓大陸棚協定では、いかなる場所でも問題にされたことのない鉱区でございまして、いま外務大臣が申されましたように、韓国側でも、それが何のことを意味するのか、いまのところ、的確に説明のない問題でございまして、私どもといたしましては、大陸だなの北部の境界画定は、御承知のように中間線で永久に終わっております。それで、この中間線から日本側日本が独自にやりますし、韓国側韓国が独自にやる。南の方は御承知共同開発協定でございますので、その区域は共同開発でやる。それ以外のことには言及しておるわけはないので、いまのところ実態をつかみがねておる、こういうことでございます。
  12. 原茂

    ○原(茂)委員 それでは、いまの日ソの漁業中心交渉の問題を、これも一点、ちょっとお伺いしたいのですが、きのうになりまして、いきなり二百海里外ということを正面に出して、ソ連から、ある意味では私どもが見ても、ちょっと理解に苦しむような提案がされまして、日本からの代表も非常にいま困っているだろうと思いますし、大臣としても、この処置に困っておられると思うのです。恐らく三十日から中型、小型の漁船の出漁ということが、すでに準備をされているやさきのこの問題ですが、鈴木さんが予定を早めて、とにかくモスクワへ飛んで行くんだというようなことも報道されています。  一体これにどう対処しようとしているのかをお伺いしたいのと、私は、やはり鈴木さんばかりでなくて、外務大臣として出ていって、この問題に対して日本態度をある程度鮮明にしてこなければいけないような問題も含んでいるんじゃないかと思いますが、外務大臣おいでになるようなことは考えていられるかどうか。最初に申し上げました、ソ連のきのうの提案に対して、どのようにお考えになっているかもあわせて、三つに分けてひとつ大臣からお答えをいただきたい。
  13. 鳩山威一郎

    鳩山国務大臣 現行の日ソの漁業条約に基づきます交渉を行っておったところでございますが、わが方の荒勝代表がこれに当たっておられたわけであります。そして漁獲量についての話し合いも終わり、いよいよ早々に出漁ができるではないかというところまでいっておったわけでありますが、最終段階になりまして、その適用海域をどう表現するかという点になりまして、ソ連邦が引いた二百海里の外で操業をするということで、その二百海里の中でのサケマスの漁は、また別途鈴木大臣が担当されておったソ連の二百海里漁業専管水域内の漁として、その中にサケマスも何ぼか入るべきものである、こういうことで二百海里外のものとして進んでおったことは御承知のとおりでございます。  ところが、二百海里外というものの表現につきまして、閣僚会議決定水域の外ということを明定しなければならない、こういうことを先方が申してまいったわけで、それにつきましては、御承知のとおり二月二十五日の官房長官談話をもちまして、わが国政府としては、その承服しがたいことを申し述べているところでありまして、そこで最終段階で行き詰まったということでございまして、はなはだ残念に思う次第でございます。  そのことにつきましては、結局は暫定漁業協定と同じ問題に逢着したということになりましたので、現状におきましては、なお今日も交渉をすることにしておりますが、しかし先方態度は大変かたいという情報を聞いておりますので、今日片がつかないということになってまいりますと、鈴木農林大臣が三回目の訪ソをされまして、適用海域の問題を最終的にお詰めになるそのときに、両方とも、その時期まで解決ができないことも予想される段階に立ち至ってまいったということで、出漁がおくれるのではないかという点につきまして、いま非常に心配をしているところでございます。
  14. 原茂

    ○原(茂)委員 予定を早めて農林大臣が行かれるという状態になっているようですが、農林大臣だけでなくて、やはり外務大臣が出ていかないといけない問題に、つい発展をされてきたというように考えますが、外務大臣も出かけていって、この問題の解決に当たる意思があるかどうかということも御答弁をいただきたい。
  15. 鳩山威一郎

    鳩山国務大臣 私自身は、昨年の日ソの定期外相会議というものが行われないで終わってしまいましたので、本年に入りまして、国会の方が終わりました段階におきまして、なるべく早い機会訪ソをいたしまして、懸案の問題を討議して、そして平和条約締結交渉に入りたい、このように考えておるところでございます。  その問題と、今回の漁業交渉とは、次元の違う問題であるから、領土問題が漁業交渉にからみますと、大変な時間を要してしまいますし、結果がどうなるか、なかなか保しがたい面がありますので、懸案事項解決は、なるべく早い機会に別個の問題として交渉に当たりたい、このように考えておったところでございます。  漁業交渉最終段階になりましたので、モスクワ駐在重光大使に帰還を命じまして、きょう午後こちらに着いて、私まだ会っておりませんが、これから諸情勢を綿密に分析いたしたい。そして鈴木農林大臣の第三回目の訪ソが必ず問題の解決になりますように、私どもとしても最大限の努力をいたしたいということであるわけでございまして、領土問題につきましては領土問題として別途解決を図るという考え方をいたしておるところでございます。
  16. 原茂

    ○原(茂)委員 領土問題を別途解決しようという決意はわかりますし、国会が終わったら、すぐに行って折衝する、このことはいいのですが、いまのように北海道の漁民の状態考えたときに、少なくとも二百海里外といったものを正式に出されてくると、領土問題を避けて通れないような状態にいまなっているのに、鈴木さんだけで、この問題の解決ができると私は思わない。やはりこの機会外務大臣が、鈴木さんと一緒か、きびすを接した形で、必要があれば出ていくというような意思決意をお持ちにならないと、いたずらに、この問題が延びていくのではないかと思いますが、どうですか。状況によって外務大臣も、条約問題、平和条約とは別に切り離してこの問題のために、いわゆる領土問題は自分でやるというつもりでお出かけになるような決意をお持ちになっているかどうかを天下に示してもらいたい。どうですか。
  17. 鳩山威一郎

    鳩山国務大臣 領土問題自体が、二百海里水域問題というものが出てまいりまして、この問題の解決が非常に大事な問題で、しかも一日を急がれる問題になってきたという認識をしているところでございます。しかし今回の鈴木イシコフ会談が二回にわたって行われました経緯からいたしますと、今回の交渉にストレートに領土問題が絡むということは、大変問題をむずかしくするという判断をなお捨てておらないのでございます。
  18. 原茂

    ○原(茂)委員 まだ聞いたことがありませんから、この機会に正式にお伺いするのですが、わが国としては歯舞色丹、国後、択捉、あるいは千島全域、まあ事によると南の半分だとか、一体政府としては、正式に返還を要求する北方領土とは何と何だとお考えになっているか、ひとつお答えをいただきます。
  19. 鳩山威一郎

    鳩山国務大臣 政府は、北方四島が日本の古来の領土であるという主張をいたしておりまして、御承知のように歯舞群島あるいは色丹諸島北海道の一部である、この点につきましては諸説も一致しておるところと思います。国後島、択捉島につきまして、これが千島列島という名前のもとに入るかどうかというような御議論もあるわけでありますが、わが国といたしましては、一八五五年の日魯条約、いわゆる下田条約におきまして、択捉島までが日本で、得撫島から先がロシア領ということを決めた経緯もあるわけでございますから、いわゆる北方四島というもの、これを固有領土として主張いたしておるというところでございます。
  20. 原茂

    ○原(茂)委員 御存じのように、サンフランシスコ講和条約の結ばれました後、ずっと時間がたってかち自由民主党は、鳩山大臣御存じだと思うのですが、われわれは千島を放棄したわけではないんだ、あのサンフランシスコ条約を見ればわかるが、北は放棄したが、南は固有領土という主張が、あの条約の中にも解釈できるようにしたんだ、こういうことを正式にあらゆる機会に発言しているのですが、じゃ、その自民党の発言は間違いですね。
  21. 鳩山威一郎

    鳩山国務大臣 サンフランシスコ条約の直後の話を私、正確に記憶してないものでございますから、いまここで直ちに御返事ができませんので、検討させていただきたいと思います。
  22. 原茂

    ○原(茂)委員 あの条約をよく読むと、南半分はわが国固有領土であると理解ができるはずだ、自民党としては北半分しか放棄はしていないんだ、あの条約にもはっきりしているんだ、こう言っているのですから、調べていただきましょう。いまおっしゃったように、御存じないのなら調べていただきまして、そのことが過ちであるのか、あるいは正しいのかということも含めて、ひとつ調べた結果は、どうぞ私並びに委員長に知らせていただくようにお願いいたしておきます。  ついでにお伺いするのですが、日本国有財産台帳を見ますと、千島列島全域国有財産として載っているのであります。明治十八年以来、ずっとわが国領土というたてまえをいまもとり、国有財産台帳に載っていることを御存じですか。
  23. 鳩山威一郎

    鳩山国務大臣 ただいま御指摘の点は、確かめたことはございませんでした。
  24. 原茂

    ○原(茂)委員 先日、大蔵大臣出席を願って大蔵省所管審議をここでやったときに、大至急に少なくとも政府統一見解というものをつくる必要がある。現在日ソのいわゆる領土問題中心交渉をやっているのに、わが国台帳を見たら、国有財産でございます。全千島が入っているんです、こういったものがあるのに、それを知らぬ顔しておいて、何かにこれを利用しようというので、やっているならともかく、そうでないなら、やはりもうこれは整理をしなければいけないと思うので、至急政府としての見解を統一するようにということを要求しておきました。したがって、恐らく閣議での報告があったり審議がされているんだなと思って、きょうは外務大臣にこういったことをお伺いすれば、明快な統一見解が示されるだろうと期待をして、実はお聞きしたわけであります。  この種の問題は、放置しておいてはいけないと思いますので、国有財産台帳をお調べになって、「千島列島に所在する財産で、現在国有財産台帳に登録されているものは計上されている。」という。じゃ一体何がと言って調べてみましたら、千島列島全域が、わが国国有財産であるということ、しかも面積から建物から、九十六億平方メートルに及んで云々という詳細な説明がありましたが、これはゆゆしき問題だと思う。しかも、これはこのままにほっておくことはできない問題で、領土問題に対しても、一度は正式に通らなければいけない大きな壁なんですから、しかも、その陰でこういったものが、ずさんにも国有財産として載っていることのよしあしと、これに対して少なくとも大至急に私は統一見解というものが示されなければいけないと思いますが、もう一度大臣からお答えをいただきたい。
  25. 鳩山威一郎

    鳩山国務大臣 千島列島全体が国有財産台帳に載っておるということにつきまして、何ら連絡を受けなかったものでございますから、この点につきましては、大事な点でございますので、至急政府部内として検討をさせていただきたいと思います。
  26. 原茂

    ○原(茂)委員 これも機会を待つのではなくて、正式に委員長並びに私のところへ、その統一見解ができたときにお知らせをいただきたい。ほうっておいてはいけないと思いますから、ぜひお約束を願いたい。
  27. 鳩山威一郎

    鳩山国務大臣 御指摘の点は鋭意検討させていただきまして、政府として統一的な見解をお出しして、必ずお届けいたすつもりでございます。
  28. 原茂

    ○原(茂)委員 それから雑件というわけではありませんが、大事な問題でしょうが、水産庁それから公取からも来ていただいておりますので、先にその方を少しお伺いいたしたいと思うのです。  二百海里問題が起きてからの水産物価格の高騰の問題なんですが、これは目に余るものがあるのですね。ちょうどかつての狂乱物価のときの独占が、非常なもうけをしたと同じようなことを再び水産業界がやっているというようにしかとれませんが、多くを申し上げる前に、エコノミストがこの間の三月二十九日号で、こういうことを「展望」の中に書いているのです。  「漁業二〇〇カイリ時代を迎えて、大手水産株が活況を呈している。日魯株価など、昨年末に比べて二倍にも上昇している。漁業二〇〇カイリ時代になると、日本国民の重要なタン白資源である漁獲量が減って、国民は大変な損失をこうむり、中小漁業者はやって行けなくなるというのに、大水産会社株価だけがハネ上がるというのだから、どうも現代とはおかしな時代だ。この二〇〇カイリ時代の突入必至とみられた昨年一二月一〇日の、ソ連の二〇〇カイリ導入宣言の直後には、むしろ水産会社の経営が悪化する材料として受け取られ、水産株は一時値下がりした。ところがそれからいくばくもなくして大変な好材料へと大逆転したのである。これは石油ショックの時、石油関連株が一時、暴落した後、急反騰に転じたのと、まったく同じ様相である。なぜこんな国民的マイナスが、大水産会社にとっては大きなプラスになるのか。その答えは最近の水産物流通段階における異変をみれば明らかだ。スケトウダラ年間漁獲量約二四〇万トンのうち、七五%がかまぼこ原料スリ身用に使われるが、そのスケトウダラ産地価格は、ことしに入ってから急騰し、約一年前に比べて二倍になっている。冷凍スリ身も三割強の値上げで、その原因は「大手商社水産会社の買占めや、かまぼこメーカー思惑買い」だとみられている。冷凍スリ身の八割以上を生産販売しているのが、大洋漁業日本水産大手二社という独占ぶりだから、価格操作ができる。」  こういうのですが、私も実際に市場の状態が、これにぴたっと当てはまっていることを知っています。ここで公取にちょっとお伺いするのですが、この大洋漁業日本水産大手二社が価格操作をしていることは間違いないと思います。このような二百海里の実際の悪影響がまだ出ていない段階で二割、三割、四割という値上がりをするような状態が今日放置されていますが、公取としてはこれに何ら手をつけたことがないのか、つけられないのか、あるいはこれからどうしようと考えているのか、ほうっておいてはいけないと思いますから、いままでの経過、それから今日何をやっているのか、今後やろうとする見通し、これをひとつ野上さんですか、おいでになっているようですから、お伺いしたい。
  29. 野上正人

    野上政府委員 お答えいたします。  私ども現在のところ、大洋漁業日本水産が、水産物価格につきまして、共同して価格を引き上げたというような端緒には接しておりません。ただ、その動向につきましては監視はしておりますけれども、そういう違反の疑いのあるような端緒というものには、現在までのところ、接しておりません。
  30. 原茂

    ○原(茂)委員 その二社に対する動向についての監視はしておられるというのですが、監視をした結果、どうもそういう疑いがない、こういう意味ですか。
  31. 野上正人

    野上政府委員 種々の業界紙その他によりまして、価格の推移その他については、われわれとしては調査しておりますが、との両社間、あるいは水産物業者間で価格協定をいたしまして、値上げをしておるというような疑いを持たれるという事実につきましては承知しておりません、こういうことでございます。
  32. 原茂

    ○原(茂)委員 私は公取の存在のためにも、こういうときに、もうちょっと深く掘り下げて検討をしていただいて、二社が共同でという表現になりますと、それはないかもしれないが、暗黙のうちに業界というもの、業者というものは、その時期をぴしっととらえて、こういった大きな利益を求めてやまないものなんです。それがきちっと何かの証拠で、二社が話し合ったり何かしたということがなければ何にもできないという公取ではなくて、そういう疑いが、すでに大衆には持たれているのですから、したがって、いま当然何らかのもう少しきめの細かい調査をすべきだと思いますが、この点はいかがですか、もう一遍お答えいただきます。  それからもう一つ、これはまだ後段にいっぱい書いてあります。倍になったものはこういうものがありますと書いてあります。私は、この問題の二つ目に申し上げたいのは、やはり公取は、この種の値上がりをしたときには、前からわれわれがあらゆる機会に言っているように、原価の公開というものを義務づけるようなことを何といっても強く進めていただきませんと、原価の公開がなされないと、ただ口頭でいろいろなことを言われ、この状況で、この環境でと言われると、ついそのまま見過ごされて、損を受けるのは国民なんですから、したがって公取の任務として、原価の公開というものを何らかの形で義務づけるというようなことを、大手独占と言われるような企業に対してはさせていただかないとだめだと思いますが、この点に関して何らか考えておりますかどうか。
  33. 野上正人

    野上政府委員 お答えいたします。  水産物価格動向、それから大手三社の動向につきましては、今後とも厳重に監視を続けたい、こういうふうに考えております。  それから次に、原価の公表でございますが、これにつきましては企業者の秘密という点が十分配慮されなければならないという考えから、従来とも個別に企業者の原価を公表した事例はございません。
  34. 原茂

    ○原(茂)委員 ございませんことはわかっているから、前からもう何回も言っているのだが、もうそろそろ原価の公表というものを義務づけるような措置をとらないと、この種の問題が、いわゆる国民のコンセンサスの中で常識的な価格に落ちつかせるというようなことが不可能だろう、法律だ、取り締まりだ、何だで抑えることだけを考えても、これは不可能だ。やはり国民的にこれがある程度のコストなんだ、なるほど無理もないということがわかって、そういうふうに適正利潤として、このくらいのものが常識だろうというようなものが、独占価格であればあるほど、やはり国民理解した上で常に生活が持たれるというような慣習をつけてやる、それをだれが踏み切るか。公取が原価の公開というものを何らか工夫して、ここらでもう実行に移すようなことを考えていただかないと、だめじゃないかと思う。いままで事例があるかないかではなくて、もう一遍前向きに答えてもらいたい。
  35. 野上正人

    野上政府委員 先ほどお答えいたしましたとおり、原価というものは、従来から企業者の極秘事項だという考え方がございます。それで、この点につきまして、もう公表してもいい時期ではないかというような意見もあるやに承っておりますが、現在のあれから申し上げまして、原価を公正取引委員会が公表するまでには至っていないのではないかと考えております。
  36. 原茂

    ○原(茂)委員 公取がそんな考え、そんな態度でいる限り、本当に適正な値段の中で国民生活を維持していくことは不可能、残念ですが、そう申し上げる以外にない。これ以上公取に時間を費やすわけにはいきません。したがって、公取はもう結構です。どうもありがとうございました。  それから、この問題で水産庁にお伺いするのですが、現在は、二百海里を設定しましても、少なくとも大手水産会社にしますと、沿岸なんか、とてもじゃないが、相手にできない、したがって、遠洋漁業一本でおれたちはやっていくんだ、こういうふうに言ってもいるし、そういった設備をいま持っています。しかし、各国が二百海里を正式に決めてまいりますと、やがて、あっちもこっちも行けない、行っても高い手数料も払わなければいかぬというようなことになってくると、またぞろ、わが国の二百海里以内に帰ってきて、中小漁業がようやくやっているところで、またとりまくるということを大手が間々やるだろうと私は思うのです。そんなに遠くない時期に必ずそうなる。  そういうことをやったときに、何が起きるかというと、魚族の繁殖する基地になっている魚礁といいますか、稚魚などが蝟集して、ここで育っていこうとする魚礁まで、そっくり底びきその他でわっと持っていく。したがって、今度は大手日本の沿岸、二百海里以内に入ってきて、一生懸命やったら、本当に根こそぎ、日本の魚族が絶滅するような状態に私はなるだろうというふうに考えますが、そういう心配がないかどうかを水産庁からお答えをいただく。  同時に、そのようなことが私の心配のとおりに起きたとするなら、一体どういう手を打ちますか。私は、必ずその問題が起きてくると思う。したがって、大日網でございますとか底びき網でございますとかいうものに対して、大手の使うこれらの生産手段を禁止するとか、あるいは何年かに限って禁止するとか、何かの手当てをしない限り、大変なことになるだろうというのが素人考えですが、そのようなことが起きたときの手当てはなさいますか。  要するに、魚礁までが一括持っていかれるような、大きな漁労の仕方に関して制限を加える、あるいはその設備を使うことを禁止するというようなことをして、沿岸における魚族の保護を真剣に考えないと、わが国の二百海里以内の沿岸が、本当に魚が根絶やしになる危険があると思うが、一体どうか。  いまの二つにお答えをいただくのと、一緒に考えていただきたいのは、いまわが国の沿岸は、いわゆる中小水産業者、漁業会社などがやっているのですが、これにやらしておくこと自体が、魚族をある程度ふやしていく原因になると思うし、これが中小の漁業関係者を生かす道でもあるし、同時に、日本の魚族を保護するという意味からも、中小企業である漁業関係者に、日本の沿岸における漁獲の特別な許可を与えて、大手水産会社における二百海里以内の日本の沿岸における漁獲は、むしろ思い切って禁止をしておく方がいいんじゃないかという気がしますが、それでは日本国民に対するたん白給源、これらの供給ができなくなると言ってしまえば、それまでですが、中小漁業者が本当に一生懸命にやれば、かってそうだったように、日本の沿岸における魚族を適当に繁殖させながら、しかも日本国民に必要なたん白資源を供給するという道が、かえってその中から出てくるのじゃないかと思います。そのことすら考えていいのじゃないかという私の考えを含めて、さきに申し上げた二つに水産庁からお答えをいただきたい。
  37. 塩飽二郎

    ○塩飽説明員 お答え申し上げます。  私、実はいま先生が御指摘になりましたような、わが国の近海におきます水産資源の保護育成、開発を今後どうやって進めていくかという問題を直接担当しておりませんので、必要でありますれば、後ほど正確なところをまた調べた上で、お答えいたしたいと思いますが、私の一応承知しておる範囲内で申し上げますと、確かに御指摘のような遠洋漁業に進出しておる大手水産会社等が、二百海里の制約の結果といたしまして、わが国の近海等にまた舞い戻ってくる、そういう問題があることは事実でございます。  それからさらに、今後わが国水産物の供給を二百海里条件のもとで安定的に確保してまいるためには、伝統的な漁場であります近海の漁場というものを見直して、そこにおける生産力を再びもとに戻していく、さらに引き上げていく、そのために沿岸漁場の整備開発が非常に急がれておるわけでございまして、政府といたしましても、五十一年度を初年度といたしまして、七年間に数千億円の国費を投じた上での魚礁の投入であるとか、あるいは漁港の開発その他沿岸漁場の整備を集中的に行っていきたいということで、予算措置その他の制度的な措置を講じておるわけでございます。  そういった中で、ただいま先生の御指摘になりましたような大手の企業が、沿岸の零細中小の漁業者の漁業活動を制約する、あるいは資源を乱獲するというような形で漁業活動が行われますことは、単にそういった零細業者に対する立場を確保していくということだけではなくて、資源の効率的な活用という面からも、種々問題が生ずるおそれがありますので、現行の漁業法あるいは水産資源保護法その他の現行制度の活用、運用を通じまして、そういった問題には今後とも対処してまいりたい、こういうふうに考えております。
  38. 原茂

    ○原(茂)委員 塩飽水産流通課長さんの御答弁をいただいたわけですが、私が言っていることは、ただ思いつきで言っておるのじゃなくて、真剣に考え国民の一人として考えておりますので、網の使用禁止ですとか、大手の入り込むことを規制する措置でございますとか、中小漁業の経営に活力を与えて、これが中心で、わが国沿岸二百海里における漁獲は行わせるとか、そういうような措置を新たに講じないとだめですよと、私は思ったとおりを申し上げておりますから、課長さんもお帰りになって相談していただいて、ぜひ真剣な討議をしていただくようにお願いしておく。  恐縮ですが、次の委員会で、また同じことを言ってもなんですから、相談をした結果、こんなふうに考えているというようなことを、ぜひ委員長並びに私のところに報告をお願いしたい。よろしゅうございますね。——水産庁お帰りいただいて結構です。  それでは次に、また大臣にお伺いいたしますが、南北朝鮮の統一問題に関して、ある意味では緊張緩和という大きな題目で、今日までわれわれにとっては非常な関心事できたわけでございます。  かつてアメリカが中国に対して、日本の頭越しにあのような外交を展開いたしましたが、昨年の八月、まだ国務長官でございましたキッシンジャーが、アジアにおける、特に朝鮮を中心にした問題に対して相当大胆な提言をしている。その後注意しておりますと、そのキッシンジャー提言というものが、いまだに生きていて、カーター政権になりましても踏襲することを二、三の機会に関係者が発言しておるのを見ました。  そこで、余り細かいことを言っても、そちらが専門家ですから、むだになると思いますから、ずばりお聞きしたいのですが、キッシンジャーの考えている思想というものは、アメリカ、中国、南北朝鮮、この四者がワンテーブルに着いて、とにかく話し合いをする、そこまでこぎつけた後に、この南北のいわゆる統一問題、あるいは裏返すと、それの実現できるような外交的な手段、結果的には緊張緩和の道をそこから探っていくし、成果を上げるのだという考えに尽きるわけですが、そういったことを、またぞろアメリカ日本の頭越しに近くやるような心配はないだろうかと考え始めたのですが、全然ないという保証はないし、私などはその目で見ていますから、またやりはしないかなという、北朝鮮とアメリカというものを非常に関心を持って見ていると、何だかそんなことも、また行われそうな気がするという心配を一つ持っている。外務大臣としては、私と違って、いや断じてその心配はないとお考えなのか、それが一つ。  それから、アメリカのキッシンジャーが考えていた、いまカーター政権が受け継いでいるような韓国に対する援助をどうのこうのというようなことは、これは別です。きょうは、それを議題にしないのですが、そういうことをむしろ日本が率先して、アメリカ、中国、南北朝鮮に対して同じテーブルに着いて、われわれが、日本が主導権を、イニシアチブをとりながら、この問題のもっと積極的な緊張緩和への道をつくり出していくというようなことをおやりになった方がいいのじゃないか。その時期が来ていると思いますが、そのお気持ちがあるかどうか。  日本の外交は、いままで見ますと、二百海里もそうでしたが、余りにも手おくれ、追いかけ外交、受け身の外交で、何もかもこの大事な国のナショナルインタレストといいます国益を中心にして、積極的に、碁ではありませんが、二目、三目先を打つような外交の布石というものは、何ら見られなかったように私には思える。こんな状態をいつまでも続けていてはいけないので、やはり先取り外交をやっていただくという意味からも、最も私たちに隣接した、しかも緊張緩和の大きな布石になるこの南北朝鮮の問題を、いま申し上げたような、もっと積極的な態度で踏み出していただくことが必要だと思いますが、そういう思想でお伺いしますので、いまの二つにお答えをいただくのですが、この間、外務大臣が参議院か衆議院か知りませんが、新聞に、おとといかきのうかに出ていました。両方の話し合いの橋渡しですか、というのか何か知りませんが、そんなことをやるつもりだということがありますが、私はそんなことだけじゃない、もう少し、かつて中国と日本の頭越し外交をやられたアメリカにまたぞろやられるようなことのないような、当然の義務として日本が率先してイニシアをとるような、そういった外交の展開をすべきだというふうに考えていますが、いかがですか。二つに分けてお答えをいただきたい。
  39. 鳩山威一郎

    鳩山国務大臣 朝鮮半島の平和の問題、緊張緩和の問題につきまして御指摘があったわけでございます。  まず、アメリカのカーター新政権がどのような態度をとるであろうか、こういう点についてでございますが、先般の福田総理とカーター大統領との会談を流れました考え方というのは、アメリカ自身は、特にアジアにおける日本の地位というものを非常に高く評価をしておられたということで、かつて頭越しというような、そういう表現も使われまして、頭越し外交というようなものがあったけれども、自分はそのようなことは考えておらない、大事なことは日本とよく相談をしてやってまいりたい、こういうような表明があったのでございます。  アメリカが北朝鮮とどのような外交方針をとるであろうかということは、わが国としても大変関心のあるところでございまして、私自身もバンス国務長官とも、その点につきましてお話し合いをしたわけでございます。私の現在までのところの印象といたしましては、アメリカ自身が韓国の意向を無視しまして、北朝鮮と直接的な接触を試みる気持ちはないという表明をいたしておられたわけでありますけれども、南北朝鮮の緊張緩和の問題は、わが国自身の立場からいたしますと、北朝鮮と国交のあると申しますか、従来から非常に緊密な関係にあります中国とソ連という隣接国との関係を、日本が良好に保つことによって南北間の緊張緩和が進められるというふうに考えておるところでございまして、日本といたしまして、この中国との関係改善に努めていくということが、それがまた緊張緩和の一助になるものというふうに考えているところでございます。  先般来申し上げていることは、南北関係が対話が再開できる、このような情勢をどうしてつくり出していくことができるであろうか、こういつたことが、まず第一に手順として考えらるべきであろうということでございます。行く行くのところ、この平和的な統一というものが実現できれば、これにこしたことはないわけでありますけれども、なかなか一挙に、そこまでは到達できないであろう、それにはやはり相当な年月がかかるであろうということから、何をおきましても、まず南北間の話し合いを始めてもらいたい、こういったことを先般来申し上げたところでございまして、そのような方向で、わが国といたしましては努力をいたしたい、こう考えているところでございます。
  40. 原茂

    ○原(茂)委員 そのお答えがきのうかおととい、どこかの委員会でおありになったように新聞で見まして、私は考えているのですが、ただストレートに南北が話し合いをするような道をつけてみたいと言ったときに、現在の韓国における裏、それから北鮮における裏の、国際的な大きな力とのつながりを考えたときに、私はただ表面的に外務大臣が言っているような、南北が話し合いのできるように何とかしたいという願望はわかるのですが、それを実現するために必要なことは、その意味においては中国との事前の理解が必要であり一あるいはまたアメリカとの事前の理解が必要であり、というような配慮をした上で、ある意味において、これらと同じ流れにある、相当力を入れている大国と言われる諸国に、いま外務大臣考えている考え方を理解をさせ、これの了解のもとにでなければ、南北が話し合いをするということは、恐らく不可能だ。  平たく、きのうかおととい外務大臣が言われたような、南北を話し合いの座につけたい、何とかそれをできないものだろうかと努力をしてみたいと言っただけで終わっているようなことで、実際にこれが実現するとは絶対に思えない。いまのような国際的な状況なり環境からいっても、そのことを実現するための、いわゆるネゴシエーションというものが、ある程度この国、あの国に必要だということは、当然おわかりだと思う。そういうものをやって、だんだんに南北の話し合いというものを進ましていくような配慮をすべきだと思いますが、もう一度私の考えに対して、大臣考えをひとつお聞かせいただきたい。
  41. 鳩山威一郎

    鳩山国務大臣 原先生の御意見は、私もまことによくわかります。大変こじれた南北間の関係というものを、どのように次第にほぐしていくことができるか、こういうことで、いろいろなことを考えることは、やさしいのでございますけれども、実際の実行というものが、なかなかむずかしい問題であろうと思います。  毎年国連の場におきましても、朝鮮半島の問題で議論が出るわけでございまして、ことしの展開がどのようになるか、これも大変大事な点であろう、こう思うのでございますが、では、いまどういうことを、どのような手順でこうやりますということまで、なかなか申し上げにくいということも御理解を賜りたいと思いまして、原先生のただいまの御指摘もよく胸に畳みました上で対処してまいりたい、こう思う次第でございます。
  42. 原茂

    ○原(茂)委員 そこで、その問題の次にお伺いしたいと思いますのは、この間福田総理は、いまわしが中国へ行くということは云々、あるいはモスクワへ行くことは、ソ連へ行くことは云々というような一流の考え方を述べられておりましたが、中国に対しては、やはり最も大事な隣国の一つとして、わが国は今後の外交あるいは国益を考える面から言っても、重要な接触を保たなければいけないと思いますが、中国に対して現在の懸案解決しようというので、一番大きな障害になっているのは、御存じのようないわゆる大国、特にソ連を名指しで覇権という問題、覇権条項が日本政府の認めるところになるかならないかが大きな問題となって、中国との一つの壁になっているわけですが、外務大臣、いまは、この中国との間にある壁、覇権問題というものに対してどういう見解をお持ちなのか。  いま申し上げた南北の話し合いを進めていく上において中国を無視して、これを実現することは不可能だ。したがって、お互いにざっくばらんな話し合いの中で了解を得ない限り一これはなかなか困難だと思いますし、またそうなければ、してはいけない問題だと思いますが、その中国に何か話し合いをしようとしても、一番大きな壁がまだ依然として残っているわけですが、この問題の解決に対する方策や決意のほどを続いてお伺いしたいと思います。
  43. 鳩山威一郎

    鳩山国務大臣 中国との関係でございますけれども懸案の平和友好条約の締結という大きな問題が残っているわけでございますけれども、その他の点におきましては、きわめて密接な関係が積み重なっていっておるわけでございまして、条約の締結というものは、いわば、この最後の仕上げのような形になっているわけでございまして、私ども、この問題は福田総理もたびたび申し上げておりますとおり、両国が本当の意味で満足できるような、そういう条件というものは、私はもう必ず到達できるものというふうに考えております。  そういうわけで、現在のところ、両国間の問題として、こういう障害があるのだというようなことは、私はそういったものとして、特にここで申し上げることはないくらいの気持ちでございます。  そういう意味で、いずれその時期が参りますれば、必ず仕上げができるものと私は考えているところでございます。いま原先生のおっしゃることも、私もきわめて御趣旨はよくわかっているつもりで、いまこのように申し上げているところでございます。
  44. 原茂

    ○原(茂)委員 日本の責任ある総理なり外務大臣おいでになって、本当にざっくばらんに話ができる状態になるためには、やはりこの覇権条項に対して、前々内閣からの大きな懸案で引き継がれている問題ですから、これに福田内閣が早期に大胆な穴をあけない限り、あれもこれも、文化交流もいっています、人事交流もいっています、経済交流もうまくいっています、なにもやっています——確かに中国と日本の間のそういった面における交流というものは、まあまあ進んできていることは事実です。  しかし、一番大事な国と国が本当にぴしっと握手して、何でも話ができるというようにするための一番大きな障害は覇権条項なんですから、この覇権条項に対してぴしっとした解決をし、穴をあけるということをしない限り、本格的な日中の外交というものは展開できない。何かというと、これが常に尾を引き、影となって、お互いがいわゆる十分な外交の展開を妨げているんだというように考えて、これは間違いない。したがって、いまのような態度で、言いにくいことで間接的に、おまえ、わかれという意味でおっしゃっているのかもしれませんが、冒頭に申し上げたように、大臣、外交が後手後手になっているという大きな原因も、問題がここにあるということが長年ちゃんとあるのですから、これに対しては、ぴしりと腹を決めるときには腹を決めて、そうしてはっきりした対処をしていかないことには信頼される日本、あるいは日本外交にはならない。  中国が、われわれの友人が出かけていくたびに、この問題に関してどうだろう、この問題に関しては、どうも政府態度が煮え切らない、おまえの仲間ですら、この問題に対して少しおかしいのがいるんじゃないかと言わんばかりの、何かこの問題が、常に私たちが腹を割って話し合う邪魔になっていることは間違いありませんので、やはり日本の後手後手の外交というものを先取り外交にしていこうというため、あるいは南北の緊張緩和というものを考えたときの根回しをしようという、その相手国の一つである中国に対しては、どうしてもこの覇権条項に対する早期の決着をしなければいけないと思いますので、そのうち何とかなるだろう、自然に解決すると思いますということでは、もう福田内閣時代にこの問題の解決はあり得ないというふうに断定しても間違いないほどの、いままでと同じ、ずるずると過ぎてしまうような状況になるんじゃないかという心配をしています。  もう一度この問題に関して、確たる解決をするという信念でおやりになるかどうかだけでも、いまの鳩山外務大臣の手で必ずやるという意気込みがあるかどうか、これをお答えをいただいて、この問題は終わります。
  45. 鳩山威一郎

    鳩山国務大臣 福田総理もはっきり申し上げておりますように、この問題につきまして、覇権条項をどうするとかこうするとかいうことを、ここで御議論を詰めていただくよりは、とにかく見ていてほしい、こういう言葉でおっしゃっておるのでございますから、私は必ず実現できるものというふうに信じておるところでございます。
  46. 原茂

    ○原(茂)委員 本当の気持ちは半分しか期待できないんだけれども、大いに期待をしていますと言って、これは結んでおきますけれども、ぜひもういいかげんに穴をあけていただくような決意と実行を再度促しておきたいと思います。  それから次に、非産油国中心にした、いわゆる累積債務の問題についてお伺いをいたします。あれは一九二九年でしたか、いわゆる国際金融恐慌が起きまして、大事件でございましたが、あのような事態すら、うっかりすると起きかねまじい状態になっていると言われますが、この途上国の累積債務、借金を返すために借金をするという自転車操業的な状態に対して、いま日本政府としては、どのように考えておられますか、まずそれからお伺いしていきたい。
  47. 鳩山威一郎

    鳩山国務大臣 いわゆる累積債務の問題、なかんずく発展途上国の累積債務の問題が大変大きな問題であるという認識におきましては、私自身も人後に落ちないつもりでおるわけでございます。  この問題は、油の値段が四倍になったということが言われております。確かにそうでありますが、発展途上国に対しまして、国際的にも工業化のために経済協力、援助を続けてきた、そういう意味で投資による債務がふえておりましたところに油の問題が出て、さらにそれが累積をするという状況であります。しかも、それに加えまして、先進国が皆不況になって発展途上国からの輸入も減らさざるを得なくなってきた。こういう三つの要因が、この累積にあると私は思います。  したがいまして、現在のところ、昭和の初めのころのような大変危険な状態であるかどうかは別にいたしまして、これはほっておけない事態になりつつあることは、おっしゃるとおりであろうと私は思います。  これに対しましていろいろな考え方が出て、途上国側の要求は、現実の要求の形でいろいろ出ておるものでありまして、この要求をどういうものを認めるかということは、なかなか言いにくいということで、はっきりしたことを申し上げられないのは残念でございますけれども、大きな考え方といたしまして、私どもは既存の機関を極力力をふやすことによって解決するのが一番いいのじゃないか、非常に大ざっぱなことで失礼でございますが、たとえばIMFを、産油国の力もかりてIMFの資金量をふやすことによりまして、これらの債務問題に取り組んだらどうであろうかという考え方が、いまだんだん有力になりつつぐざいますし、わが国といたしましても、そのような方向が好ましいと考えております。  なお、あわせまして、発展途上国の輸出に対しまして、安定的な輸出を保たせるために基金を設けるべし、共通基金のような問題が出ております。いろいろな基金をつくれという問題がありますが、わが国といたしましては、なるべく既存の機関を活用して対処することが望ましいという考え方をとっておるところでございます。
  48. 原茂

    ○原(茂)委員 国際貿易ですとか、あるいは金融組織が世界の一つの川のように、ずっと発展をしてきた現状から言うと、まさに世界は一家的な一つの線上にいるような状態にあるのですから、同じような金融パニックが起きたら、日本もその例外ではないわけですから、この問題に関しては、起きるかどうかわからないというのは大臣と私も同じですが、そのことが起きたら大変なんですから、起きないような手当てをしなければいけない。  その意味で、いま大臣が言われたように、国際的な機関の補強なり増強に努める、そういうことを通じて、これに対する援助をまた続けていく必要があるだろう、確かにそれが必要だとは思います。必要だとは思いますが、そこでアメリカ中心にした、この累積債務に何とかして対処していきたいと考える方式と、いま大臣が言われたように、既存のいろいろな手だてを通じてやっていくという方式と、対立関係ということにはないでしょうけれども、少し違った形で日本提案、ある意味では必要があれば逆提案をしようというので六項ぐらいに分けて、いろいろな既存の制度、既存の国際機関、IMFその他を通じて、いままでと違った率で、いままでと違った方式でということを考えておられるのですが、アメリカ中心になって考えているのと、いま大臣の言われたような方式を日本考えているその理由は、細かくは結構ですが、一体何なのですか。  たとえば端的に言うなら、今日まで〇・二四ぐらいの日本の援助が、これらの国々に行われていた。それがだんだんいろいろな比率になり、今度は〇・二ぐらいに下がってしまった。諸外国はどうかというと、先進国の場合は、わが国の倍ないし二倍半という援助をずっとコンスタントに続けている。それで、アメリカ方式によって万が一この問題に対処しようとすると、日本の負担がぐっと大きくなるということが困るからというのか。あるいはその他この種のパニックを防ぐという前提で、いわゆる開発途上国の累積債務の解決に当たっていこうと考えるのには、日本の経験からいって、この方がいいんだという何か確たる信念があってお考えになっているのか、そのどちらかを、これは詳細にお答えをいただきたい。
  49. 鳩山威一郎

    鳩山国務大臣 わが国のいわゆるODAと言っておりますが、開発援助費の負担が低いということ、これは御指摘のとおりでございまして、これにつきましては、私ども今後格段の努力をしなければならないと思っております。  しかし、わが国は、国際機関を通じます協力につきましては、本当に率先して協力をしてきたわけでございまして、負担が大変だからというようなことではないと思います。  既存の機関を使った方がいいという一つの考え方は、これは日本はとにかく外貨がうんとあるから、できるだけ援助をしろ、こういうこともありますが、しかし、これから赤字に悩む国々につきましては、それぞれやはり自助努力もしてもらいたいということが一つの考え方でありまして、IMFが援助をします場合には、毎年その援助先に対していろいろなコンサルテーションを行う、こういうようなしきたりができておるわけであります。ただ資金だけを供給するということより、相手国の再建に協力をしていくという姿勢が、どうしても必要であろう、それが既存の機関をなるべく活用した方が好ましいという一つの考え方でございます。  また、一次産品問題につきましては、若干違った角度の問題でありまして、現在共通基金の問題につきましては、この間うちまでいろいろな議論がなされ、また、この秋までに持ち越しになりましたけれども、この共通基金をどうするかという問題は、やや別個の観点から、所得をいかに安定的に確保せしめるかという点について、これは金融問題以外の問題として、やはり考えていかなければならないのではないか。また、その通常の貿易に伴います関税関係に対するいろいろな配慮、これも東京ラウンド等の場を通じまして、開発途上国に対して自立を可能ならしめるための条件をつくる、そういった方向で、やはり格段の努力が必要であろうと考えておるところでございます。
  50. 原茂

    ○原(茂)委員 この三月ごろにBIS、国際決済銀行から、日本の民間金融機関が援助をしている状態至急に報告してくれといって要請があったはずですが、もう報告は日銀を通じて出しましたか。
  51. 鳩山威一郎

    鳩山国務大臣 ただいまの御質問の点につきましては、つまびらかにいたしておりませんので、これも後刻報告をさせていただきたいと思います。
  52. 原茂

    ○原(茂)委員 こういうことを考えると、本当は質問の要項というのは全部そっくり差し上げておくといいわけですね。そうじゃないと、どうも後になって後になってということになるんですね。ですから、かみ合わないんじゃないんで、私の対案といいますか、提案といいますか、こういうものがぱっぱっと出てこないんですね。  素人が言うんだから、どうせ役には立たないとは思いますけれども、それにしても、われわれも、こういう問題を真剣に考えている一人としては、もっと真剣な論議ができるようにということを実は期待をしているわけですが、残念ながら——BISから日銀、これは日本の中央銀行ですから、当然来るのですが、各国の中央銀行に対してそういう要請を出して、これは三月までですが、それに対して一体どんな回答が出るんだろうかというので、実は私は相当大まかな数字だけでも出れば、物を言いたいなと思っていたんですが、それはまた後に——何か答えられるなら、ちょっと答えていただけますか。
  53. 溝口道郎

    ○溝口説明員 日本の発展途上国の債務に対する貢献でございますが、BISに出した数字は手元にございませんが、世銀の数字がございます。世銀の数字で、日本のODA以外の債務、これはほとんど民間が主でございますが、一九七四年末で、三十四億二千四百万ドルという数字がございます。
  54. 原茂

    ○原(茂)委員 その数字は知っているんです。三月に要請を受けたものに対して、どんな数字を出したか知りたかったのです。それはわからないわけですね。答えてください、わからないならわからないで。
  55. 大鷹正

    ○大鷹説明員 この問題につきましては、実はきょう午前の大蔵委員会の席上で、大蔵省の藤岡国際金融局長が答弁をしておられたのを聞いておりましたので、お伝えいたしますと、日本の商業銀行の債権は、現在累積しているのが八十億ドルくらいで、そのうちの半ば以上が開発途上国向けで、半ばよりも少し少ないものが先進国向けだというふうに答えられておりました。
  56. 原茂

    ○原(茂)委員 その詳細は、もう少しわかったときに資料として出してもらいたい。  この問題については、それでいいんですが、先ほど大臣からIDA、第二世銀の話が出ましたが、今度は七十二億ドルの資金を集めてIDAが、この問題に対処していくわけですが、第六次の手当ても考えているようですが、私は、ひとり世銀だ、何だというだけじゃなくて、アジア開発銀行なんかも、この種のことをやはり考えておく必要があるんじゃないかと思いますが、この点は何も考えていませんか。やはり必要があると考えて、何かの手当てを考えていますか。アジア開発銀行においても同じようなことを、日本はこの大きなチーフなんですから、考えなければいかぬと思います。  これに対しては、何らいままでは報道されていませんが、先ほど言ったように、日本外交がいつもおくれおくれで後追いになっているのを、先取りでやるという意味からいっても、こういうことも少し考えていっていいんじゃないかと思いますが、これに対する指導的な役割りを果たすような検討をしているか、今後どうするのか、ちょっとお聞きしておきたい。
  57. 鳩山威一郎

    鳩山国務大臣 アジア開発銀行は、たしか先週の土曜日の総会に大蔵大臣出席されたわけでございますが、増資の話は、まだ大蔵省から聞いておりません。この問題につきまして、なお今後の資金量の増大につきまして、大蔵省とよく相談をいたしたいと思います。
  58. 原茂

    ○原(茂)委員 いまずっと申し上げてきたような不測の事態に対処する手当てというものは、パニック対策としても必要ですから、ぜひやらなければいけないのですが、たとえばOPECグループのような国々の中の黒字の不均衡というものをなくすという対策も、国際的な問題としては考えていかなければいけないのですが、これに対して何か考えていますか。
  59. 鳩山威一郎

    鳩山国務大臣 石油産出国に外貨がたまって、その分だけほかの国が赤字になる、こういう傾向がまだ続いておるわけでございます。その問題に、どのように取り組むかということは根本的な問題でございまして、CIECという会議におきましても、この根本の問題は大変な問題で、現在までのところ、これ以上の油の値上がりを最小限に食いとめるということが主要な問題であったわけでございますが、現在におきまして、この産油国の黒字を減らす方向に持っていくということは、なかなかむずかしいわけでございます。  そういう意味で、従来はOPEC諸国の黒字が民間の金融機関に入って、民間の金融機関の手から、それが融資という形で赤字国に行くということ、これが大変心配な点でございますので、そういった資金が国際機関の手に入って、国際機関から手当てができるようになることによりまして、この金融不安というものが軽減できるのではないかということが、現在考えられている方向ではなかろうか、個人的な見解でございますけれども、私はそのように解して、何とかそういったルートができないかということを考えているところでございます。
  60. 原茂

    ○原(茂)委員 GABのような機関を通じてという吸収の方法、こういった問題は、鳩山さんはもともと専門家でベテランですから、余り釈迦に説法みたいで、言うのもどうかと思うのですが、このような会議といいますか新融資制度等をつくって何とかしなければいけないという国際的な会議が、四月の終わりか五月の初めかに、ワシントンか東京か知りませんが、どこかで持たれることになっていますか。
  61. 鳩山威一郎

    鳩山国務大臣 IMF関係の会議もあると思いますが、またCIECという場におきましても、石油に関する問題が討議をされるわけでございますので、私どもはそれに対処する意味で勉強いたしているところでございます。
  62. 原茂

    ○原(茂)委員 そういう会議を持たれることが、もう日本ではっきりしているのかどうかをひとつ明確に答えてもらいたいし、ことし、その会議に正式に出席することになるのか、オブザーバーでもやるような立場なのか、日本の立場も二つ目にお尋ねしたい。
  63. 鳩山威一郎

    鳩山国務大臣 どうも金融関係の会議になりますと、大蔵省が主務だものでございますので、私どもはCIECとか、そのような会議に参加をするつもりでおります。
  64. 原茂

    ○原(茂)委員 局長、何か言うことがあったら、ちょっと答えてください。
  65. 鳩山威一郎

    鳩山国務大臣 CIECは五月の末に行われる予定で、私はぜひ参加をいたしたいと思っております。
  66. 原茂

    ○原(茂)委員 金融問題だから大蔵省というのは、これは日本の縦割り行政のいいところでもあり、悪いところでもあるのでしょうが、少なくとも私は、大蔵省が単独でこの問題に対処するということはできない、やはり国際的なこういった途上国における累積債務問題ということは、日本の外交にとっての重要な問題として、外務省が非常な関心を持って打開をしていくために大蔵省と常に打ち合わせをしながらやっていかなければいけない問題だ、単に大蔵省の問題でございますということで過ごしてはいけないのではないかと考えていますが、この点、どうですか。  これからもずっと、それは大蔵省なんですよ、こっちは外務省でございますということでやっていきますか、この種の問題を。
  67. 鳩山威一郎

    鳩山国務大臣 四月の末に、IMFと世銀との合同の会議があるようでございまして、これにつきましては、もちろん大蔵省が主務で参加いたしますけれども外務省からも参加をさせたいと考えておりまして、御指摘のように、これは世界経済の大事な問題でありますので、外務省としても積極的に取り組む所存でございます。
  68. 原茂

    ○原(茂)委員 これも大蔵省が一番よく知っているのかもしれませんが、OECDの加盟国すべてに、もうすでに署名をしてもらって、そうして金融支援基金というファンドができるわけですが、約二百五十億ドル、これには日本は加盟をするのですか、しないのですか。
  69. 鳩山威一郎

    鳩山国務大臣 OECDの金融支援基金、これはもう国会の御承認をいただいたわけでございます。  しかしながら、一番の大手でありますアメリカが、国会の承認が得られないというところでありますけれども、私どもアメリカ政府に対しましては、この問題につきまして、早くその手続方を要求をしておるところであります。しかし、この問題につきましてのカーター新政権の態度というものが、まだ鮮明にされておりませんが、何か一つの考え方としては、先ほど申し述べましたような既存の機関を使った方がいいではないかというような考え方も出てきているやに伺っておりますが、これにつきましては、それ以上のことは、まだ決着を聞いておらないのでございます。
  70. 原茂

    ○原(茂)委員 そうですか。日本の方は、これはいつの国会で通ったのですか。去年ですか。アメリカの批准がおくれていることは知っているのですが、何年度の予算で通ったのですかね。
  71. 鳩山威一郎

    鳩山国務大臣 五十一年度予算のときに御承認をいただいておると思います。
  72. 原茂

    ○原(茂)委員 これは私の方が不勉強だった。  そうすると、アメリカの批准がおくれているために、現在発効をしないわけですけれども、そこで、もう一つお伺いしておきたいのは、現在、発展途上国と言われる八十六カ国の累積が七四年度末で大体千五百十四億ドルになるという世銀の発表があるんですね。その内訳等はいま聞こうとしていないのです。私は、日本の関係することで重要だと思うのは、たとえば北朝鮮、あるいはザイールもそうでしょう、そのほかにもありますが、主に北朝鮮それからザイールなどの、いまわが国が焦げつきと考えているものは、どのくらいあるのでしょうか。
  73. 鳩山威一郎

    鳩山国務大臣 北鮮の焦げつき債務と言われております総額は、いま手元にないのでありますけれども、この間、わが国が民間の債権につきまして折衝いたした数字は、多分そのころで二億八千万円くらいのわが国の債権があったわけで、これは円でございますが、その後あるいは減少をしておるのではないか——失礼しました。円と申し上げましたが、ドルでございまして、ことしの初めでございましたか、二億数千万ドルということで、そのうち、期限の来ておるものが一億ドルちょっとというようなことでございます。  ザイールにつきましては、いま手元にございません。
  74. 芳賀貢

    芳賀委員長 この際、外務大臣に申しますが、当委員会は決算委員会であるということを十分体して、特に数字については責任のある、正確な数字を述べてもらいたいと思います。
  75. 原茂

    ○原(茂)委員 時間が来ましたので、飛んで結論的なことを一つだけ聞いてみたいのですが、発展途上国に対する援助というこの種の問題に対処をするのには、当然ある種の機関を通じてやるわけですから、他国との協調のもとに融資をする、あるいは援助をしていくということになるのが原則だと思いますが、日本が独自でということは、この問題に関する限りないというふうに思いますが、これはどうでしょうか。
  76. 大鷹正

    ○大鷹説明員 いまの先生の御質問が、債務の処理についてということでございますと、確かに先生がおっしゃいますように、日本が独自でやるということはできませんので、これは輸銀法の規定によりまして寸大部分の大きな債権国がやるという場合に日本がやるというふうになっております。
  77. 原茂

    ○原(茂)委員 結構です。そこで、いま一例に出した北朝鮮ですが、あなたで結構ですが、他国との協調のもとに、その問題の処理が北朝鮮に対してもできますか。
  78. 大鷹正

    ○大鷹説明員 いま私が申し上げましたのは輸銀の関係のことでございまして、完全な商業債務は、また別の問題になるかと思います。
  79. 原茂

    ○原(茂)委員 なるほど。本来ですと、それも金融だから大蔵省に聞かないとわからないということになるのでしょう。  だが、先ほど言ったように、私は、わざわざきょう、大蔵省でなくて皆さんに伺ったのは、当然のこととして、この種の問題に関心を持ってもらいたいからです。つまらないことには、よく関心を持って各省みんなまたがっていて、こういう大事なことになると、逃げるのだか何だか知りませんが、大蔵省だということになるのでしょうが、私は、大臣によく聞いておいてもらいたいのです。  この種の問題を、大蔵省の金融問題だと考えていたら、大きな間違いなんですね。これこそわが国外務省の、国益を守るための外交上の一つのセクションとしての金融問題があるんだ、こう考えなければいけない、非常に大事なかかわりを持った問題だ、こういうふうに考えて今後対処していただきたいと思います。  残念ながら、これ以上いま進めていけませんので、次に賠償など特殊債務の支出が完了した問題について二、三お伺いしたいのです。  賠償というものは、すでに昨年か、ことし残っているビルマの経済援助等で全部終わったということになりますね。
  80. 鳩山威一郎

    鳩山国務大臣 そのとおりでございます。
  81. 原茂

    ○原(茂)委員 それで、今後は無償の経済開発援助等はまだ行われていくわけですが、これはどうでしょうか。
  82. 鳩山威一郎

    鳩山国務大臣 賠償は終了いたしましたけれども、ことしの予算におきまして特にその点も考慮して、無償の経済協力費を別項を立てていただきまして、六十億円を計上してもらったところでございます。
  83. 原茂

    ○原(茂)委員 経済開発援助というものが今後行われるのに、どういう条件であれば援助を行うということになるのか、その定義をひとつ聞きたい。
  84. 鳩山威一郎

    鳩山国務大臣 無償の経済協力と申しますのは、従来から行われておったわけでございます。  技術協力の面では、これはほとんどが無償の形で行われてまいりまして、技術指導のような事業を行っておった。その中には技術者の派遣でありますとか、いろいろな事業を行っておったところでございます。  そのほかに無償の経済協力が従来から、これは特にどのようなものについてという制約が別にないのでありますけれども、金額が余り多くないものでございますから、発展途上国のために、たとえば医療の援助をいたしますとか、あるいはKR援助と称しまして、食糧関係の援助をいたしましたり、各種の、特に発展途上国の福祉の面を考えたような援助を続けておるわけでございます。
  85. 原茂

    ○原(茂)委員 私の質問が悪かったかもしれません。これは、極端に言うと、どこからアクションが起きるのですか。日本が率先やるものなんですか。それとも必要性をどこかから言ってきて、それから援助というものは具体的になっていくのですか。どっちなんですか。
  86. 鳩山威一郎

    鳩山国務大臣 先方から要請がある場合がほとんどだろうと思います。
  87. 原茂

    ○原(茂)委員 先方から要請があったときに、それにこたえるかどうかを決定する機関はどこですか。
  88. 鳩山威一郎

    鳩山国務大臣 わが省におきまして責任を持っております。技術協力の部面では技術協力事業団というものもございますが、責任は外務省で負っておるわけでございます。
  89. 原茂

    ○原(茂)委員 幸いにそうたくさんないのですが、たくさんあったときに、そのセレクトを外務省がおやりになるのですけれども、そこで、先ほど質問した二つ目になるのですが、どういう条件であったら、こっちを選ぶ、三つ四つあって、一つしかできないといったときに、その選ぶ何か条件というものがあるのかどうかを伺いたい。
  90. 鳩山威一郎

    鳩山国務大臣 従来から、仮に食糧の問題でございますと、やはり民生の安定というものから、予算がそう十分とは申せないのでございますけれども先方との御相談の上で金額も決めておるということでございます。
  91. 原茂

    ○原(茂)委員 ちょうだいした資料があるのですけれども、四十九年度も五十年も、この種のもので不用額が出ているのです。しかも金額が、出したわりあいには、そんなに安いものじゃない。この不用額、額にして大きいのですが、なぜ出るのですか。援助に値しない、値する国がないということなんでしょうか。
  92. 大鷹正

    ○大鷹説明員 無償協力、技術協力ともに予算の消化には、われわれとしても全力を挙げているわけでございますけれども、やはり相手国の事情もございまして、先方と協議して決めたプロジェクトで、なかなかディスバースが進まないというものもございまして、そういうもので結局不用に至ってしまったというものも幾らかございます。そういう事態が、今後はできるだけ少なくなるように、われわれとしても、できるだけの努力をいたしたい、こういうふうに思っております。
  93. 原茂

    ○原(茂)委員 この種の援助を実行するときは、結果的には商社を通じることが多いのですか。
  94. 大鷹正

    ○大鷹説明員 無償の場合には、先方が一応入札をいたしまして、そしてどの商社なら商社がやるかということを決めるわけでございます。その場合に、日本の商社が参加することもよくございます。
  95. 原茂

    ○原(茂)委員 そうですか。こういうふうにわが国が無償の援助をするというのだけれども日本の商社なりメーカーだけじゃなくて、どんな外国のいわゆる事業団体であろうと、オープンビッドには参加できるんだ、そう見ていいのですか。そういうものですか。日本の国内における商社その他だけじゃないんですか。条件なしですか。
  96. 大鷹正

    ○大鷹説明員 いま私が申し上げました商社も参加する云々ということは、もちろん実施段階のことでございます。  そこで、いま先生のおっしゃいましたのは、ほかの国の商社云々ということでございますけれども、無償協力につきましては原則としてタイドエード、タイドということで、日本の商品あるいは役務を提供するということになっておりますので、したがって実際には、参加する商社等も日本の商社ということになっております。
  97. 原茂

    ○原(茂)委員 でしょうね。で、国内でこれを賄うわけですが、その賄う手段なり、その方法について、またいろいろな疑惑や問題の起きないようにするためには、ああした方がいい、こうした方がいいんじゃないですかということを、この次また機会があったら申し上げます。それを言うことが、いまできなくなりましたから。実は、それを申し上げたかったのです。それで、この次にそれを申し上げますから。したがって、いまはペンディングにしておいて、質問を終わります。
  98. 芳賀貢

    芳賀委員長 林孝矩君。
  99. 林孝矩

    ○林(孝)委員 最初に、私は核燃料の再処理問題に関して大臣の答弁を求めます。  カーター米大統領が就任以来、新しい核エネルギー政策を発表したわけでありますが、これは核兵器の拡散を防ぐために、内容としては、プルトニウムを抽出する使用済み核燃料の再処理をやめる、またプルトニウムを燃料に使う高速増殖炉開発もおくらせる、こういう内容のものが中心になっておる、このように伺っております。  そこで、まず第一に、日米交渉経緯と、この問題に関する日本の基本的な考え方、カーター大統領の、こうした新しい政策が生まれた背景をどのように認識されておるか、この三点についてお伺いしたいと思います。
  100. 鳩山威一郎

    鳩山国務大臣 福田総理が、カーター大統領との会談におきまして、この核燃料サイクルをぜひ日本はやらなければいけないということを力説されたわけでございます。  その論拠は、日本は御承知のように非核三原則、核兵器は絶対に持たない、持ち得る状況にあるけれども、持たないのだということが第一でございまして、また第二番目として、日本が原子力の平和利用の面につきまして、核保有国と差別待遇を受けるということは納得し得るところでない。それから、日本にはこのような制限を課して、ほかの国は一体どうなるのであろうか、NPT条約に加盟していない国には一体どうするのだ、あるいはまたソ連は一体この新政策どおりやるのかどうか。そういうような点を強く追及をされまして、そしてあらゆる国がプルトニウムというものを一切触れない、世界じゅうがそういうことができれば、それは日本としても聞かなければならぬことになるであろうけれども、そのようなことができない段階で、資源の乏しい、特にエネルギー資源が絶対に不足をしておるわが国としては、どうしても核燃料のサイクルを考えなければならないということを主張されたのでございます。  首脳同士の話は両方の意見の言い合いに終わったわけでございまして、カーター大統領としては、ちょうど前の日に「原子力の問題と選択」という著書が出まして、これをよく読んでほしいというようなことがあったわけでありますけれども、プルトニウムというものが、いかにたやすく兵器化するおそれがあるか、これがこのまま進んだ場合には、世界じゅうが本当に大変な不安に陥るのではないかという指摘が強くあって、自分としては、将来はぜひ核兵器の全廃までいきたいけれども、とにかくこれ以上核燃料の再処理が危険をまき散らすということは防がなければならないと力説されたわけであります。  その場は結局のところ、日本としての立場は、これから継続して日米折衝に入るということになりまして、その後で使節団を直ちに送ったわけでありまして、その折衝をずっと続けておりまして、先週、使節団はとにかく帰ってこられたわけで、今月の八日だったと思いますが、カーター大統領の新しい政策が発表になったということでございます。この政策につきまして、日本が再処理の権利のあるというような表現もありますし、それらの点から考えますと、福田総理がカーター大統領に強く主張した点が、どこかで認められておるのではないかというような判断もいたしておるわけでありますけれども、しかし従来からの、その後の折衝ぶりから考えまして、まだ日本アメリカとの原子力協定におきまして八条C項という条文がありまして、この再処理につきましてアメリカ側の承認が必要である、したがってアメリカ側としては、カーター大統領の原子力に対する新しい方針に対しまして、日本が協力をしてくれるという期待を強く持っているということも事実であるわけでございまして、まだその点では決着がつけられていない。これから原子力に関しまするいろいろな会議が続くわけでありますが、これらの会議の経過を待ちませんと、まだわが国としても安心できる事態ではないという感じを持っておるところでございます。
  101. 林孝矩

    ○林(孝)委員 いまの大臣の答弁は、八日のカーターの方針発表に対する日本側の受けとめ方、これに二つある、一つは日本が協力してくれるであろうという期待、それからもう一つは、今度は逆に日本側から見た場合に、日本主張が受け入れられる可能性は皆無であるとは言えない、そういう二つの受けとめ方をされておるということでありますが、先日、福田総理は安易な妥協はしないという意味の発言をされて、日本政府のこの問題に取り組む基本姿勢と思われる発言をされておることが報道されたわけでありますけれども、その真意というものはどこにあるのか、またこの対米交渉に当たって、日本の総理の言われる安易な妥協はしないという考え方が、もうすでに政府の中で固まっておるのかどうか、たとえば西ドイツであるとかフランスと共同してアメリカ交渉するとか、そういうような具体的に決まっておることを背景にして、総理はこのように言われたのか、その点、外務大臣はどのように理解されておりますか。
  102. 鳩山威一郎

    鳩山国務大臣 わが国といたしましては、わが国のエネルギー問題の将来、長期的といいますか、あるいは二十一世紀を考えてと申したらいいのか、長期的に見たエネルギー資源という面から原子力に頼らなければならない、そして原子力に頼るという意味は、どうしても高速増殖炉というものを開発していくということが絶対に必要なんだという点から、わが国としての立場を貫かれる、こういうことをお考えであろうと思うのでございます。一方プルトニウム技術と申しますか、再処理技術が世界じゅうに広がるということの危険度というものもカーター大統領が指摘をされておるとおりの面もあるわけでございますので、これから先やはりこれらにどう対処するかという点につきましても、私は日本としても、その方面では協力をすべきであろうというふうに考えます。  そして、わが国としてのエネルギー問題として原子力を本当に活用するということ、核の平和利用からくる拡散というものをいかに防ぐか、この二つの面で私は努力をすべきであろう。わが国の必要の面から言えば、妥協はすべきでない、必ず確保できるように努力をするという意味でありますし、他方、拡散を防ぐという点では、協力するにやぶさかでない、協力をすべきであろうというふうに考えるわけでございまして、安易な妥協という表現は、どのようなことを考えられたか知りませんが、私は、このような意味ではなかろうかというふうに思います。
  103. 林孝矩

    ○林(孝)委員 核が拡散するということに対しては協力、また平和利用に必要という面では努力ということですが、たとえば核が拡散しないようにするための協力の仕方、それから平和利用については、もうすでに実験に成功して、一つの増殖炉が臨界に達したということで大々的に世界に報道されておるわけですけれども、そういう両面を持っておるわけですね。  お伺いしておきたいことは、いまも具体的に指摘いたしましたように、たとえば拡散しないように協力するということを一つ例にとってみましても、日本独自でそういう日米二国間での話し合い、この行き方で行くのか、それともまた、先ほど申し上げましたような西ドイツであるとかフランスであるとか、そういう国と共同してアメリカに協力するのか、また今度は逆に、共同してアメリカ交渉して平和利用に使うという形での使用の面の交渉に当たるのか、その点をお伺いしたいわけです。  というのは、アメリカのいわゆるカーター提案というのは、非常に強力な信念に基づいて、今回の提案をしているような受けとめ方も一方にあります。大臣が言われた可能性というものも非常に含まれておるという理解もありますけれども、そんなものではない、カーターの発言というのは非常に強い信念で行われておるものであって、揺るぎがたいというような受けとめ方もあるわけです。もう一度、その点を確認しておきたいと思います。
  104. 鳩山威一郎

    鳩山国務大臣 まさに御指摘のとおりで、カーター大統領自身は強い信念に基づいて主張されておるわけでございます。特にアメリカ自身といたしましては、みずから規制をするという態度を打ち出されて、それでは外国に対して、どのようにするかというところは、まだおっしゃらなかったわけでございまして、みずから、自分のところの商業的な再処理は、とにかく近く稼働するであろう工場も、もう取りやめさせるのだという姿勢を強く出されたわけであります。そういうところを見習って、ほかの国も協力してほしいということが言外にあることは、事実であろうと思うわけでございます。  しかし、私どもとしては、日本のエネルギー上から、そのようなことは承服をできないわけでありますし、これから、いかなる具体的な手段をもちまして、この拡散防止ということを実現さしていくかという点につきまして、これから問題が出てくるのではあるまいか。来るべきロンドンで行われます主要国の首脳会議の場におきましても、恐らくエネルギー問題の一環として、あるいは石油関係の消費節約の問題も出ると思いますが、それとともに、この原子力関係の問題も、いろいろ論議が出るであろうと予想されているところでございまして、これから諸外国との外交で、国際的にこれをどのようにしていくかということが、カーター政権にとりましても今後の大きな課題になったという段階であろう、このように考えておるところでございます。
  105. 林孝矩

    ○林(孝)委員 日本政府として、核拡散の防止に協力するという具体案をお持ちかどうか。  また、いま申し上げましたような強い信念に基づいてのカーター米大統領の新しいエネルギー政策、これはいま外国に対して、どうこう言われてないということでありますけれども、先ほどの八条C項なんかの関連で言いますと、言わずもがな、当然影響を与えておるわけですね。そういうことで、平和利用に対してという一つの前提を置いてみた場合でも、非常に厚い壁を感ずるわけですね。それを、対米交渉の中で日本の要望、意見というものをアメリカに納得させるということになりますと、それだけの説得力のあるものが必要とされるのではないか。そのような具体案をお持ちになっておるかどうか。  二つの意味でお伺いしたいと思います。
  106. 鳩山威一郎

    鳩山国務大臣 この問題につきまして、宇野科学技術庁長官と田中通産大臣と私とで担当することになっておりますので、先般も若干の時間御相談をしたのでございます。  わが国態度といたしまして、既定の高速増殖炉の開発計画、したがいまして、プルトニウムを使いましたところの核燃料のサイクルというものを、ぜひともやらなければならないという線を強く打ち出しておるわけでございます。これから国際的に、いかなる手段によりまして、拡散を防ぐことができるかという点につきまして、これは各国の考え方を見ながら、検討をしていくことになろうと思いますが、国内におきまして、まだそこまでの検討は進んでおらないのが現状でございます。
  107. 林孝矩

    ○林(孝)委員 これは、先進国首脳会議までには、具体的なそうした詰めは行われますでしょうか。
  108. 鳩山威一郎

    鳩山国務大臣 私どもとして、再処理技術がたやすく核兵器に転化し得るという危険度は皆認識を持っておるわけでございます。その拡散を防止したいということは、各国ともそう考えておると  ころと思います。しかし、現に技術を輸出して、輸出契約が進んでおるというような進行中のところもあるわけで、扱いがなかなかむずかしいと思うわけでございますけれども、これから、わが国自身は核の開発を極力進めたい、しかし、世界じゅうにこれが拡散することは防ぎたい、こういう半ば矛盾したと言えば矛盾したような主張になるわけでございますけれども、そのような具体的な有効な方式が見出せるかどうか、これが今後の課  題であるということだろうと思います。
  109. 林孝矩

    ○林(孝)委員 アメリカの今回の新エネルギー政策、これは一つの大きな問題として、考えようによれば、新しいエネルギーの世界的な独占体制をしくものではないかというような批判も行われているわけです。この考え方、こういう見方が適切に当たっているとしたならば、これは新しいエネルギーの世界支配ですから、重大な問題として、日本としても考えなければならないと思うのですが、そのような憂慮といいますか、政府におかれましては検討された経緯はございますか。
  110. 鳩山威一郎

    鳩山国務大臣 核に関しますカーター大統領の主張は、フォード大統領も昨年の秋かち選挙の際に主張されたこともありますし、私は、核の危険に対して、このままほっておけないという純粋な気持ちから出ておる、こう考えておりまして、再処理をとめるということも、核燃料がどんどん燃やされて、その始末をどうするかということも、これまた、まことに厄介な問題でございますので、現在アメリカで建設中の再処理施設も運転しないというようなことは、アメリカ自身の利益のためではない、みずから姿勢を示したものであると私は理解しているところでございます。
  111. 林孝矩

    ○林(孝)委員 次に、日米原子力協定第九条の関連ですけれども、この協定は、核燃料サイクルの維持、すなわち再処理は前提になっておる、このように理解されるわけです。日米原子力協定が、そのような内容を前提としておるということを考えれば、今回のカーター提案は、この原子力協定に反するものであるのではないか。カーター提案が具体化されるということになれば、日米原子力協定も改定しなければならなくなる、前提が崩れるわけですから。そのように考えられるわけですが、この点についてどうお考えか。  またカーター大統領の提案は、基本的に核兵器国のこれ以上の拡散を防止する、そういう目的でつくられた核拡散防止条約が、不完全であるということを裏づけることにもなるのではないかと思うわけです。不完全であるということから、核拡散防止条約では防ぐことができない、このような否定的な見方を核拡散防止条約に対してしておる。この条約の起草国であるアメリカが、新大統領による政策の変更によって多国間条約を実質的に無視するような態度をとることになった、これは結果論的に、そのように言えるのではないかと思います。  こういう点について、政府はどのように受けとめておられるか、明確にしておいていただきたいと思います。
  112. 大川美雄

    ○大川政府委員 日米原子力協力協定との関係につきましては、おっしゃいますとおり、原子力協力協定では、日本におきまして再処理を行うことを一応想定しております。これは原子力協定の第八条C項の規定を読みましても、歴然としております。その規定ぶりは、アメリカからもらった核燃料を使用した後の使用済み燃料を日本で再処理する場合には、その再処理工程につきまして、協定に規定しております保障措置を十分に適用することができるかどうかということを日本政府アメリカ政府とで一緒になってよく検討して、できるということであれば共同決定をするというような手続が書いてございます。  現在問題になっております東海村の再処理工場につきましては、この共同決定が行い得るかどうかという時点に来ておりまして、まだその結論は出ていないわけでございます。私どもとしては、もちろん協定に従いましてアメリカから、いわゆる共同決定のアメリカ側の決定を得るべく最善の努力をいたしております。  それから、核拡散防止条約との関係は、言うまでもございませんが、核防条約の四条の規定との関係でございまして、四条では「平和目的のための原子力の研究、生産及び利用を発展させることについてのすべての締約国の奪い得ない権利に影響を及ぼすものと解してはならない。」という規定ぶりになっております。これは実は、たとえば濃縮ウランなら濃縮ウランを、アメリカ日本に対して供給保障をするという意味では必ずしもございませんし、もう少し一般的な書き方での平和利用に対する各国の権利を規定したものであります。  この条約が起草されましたのは、いまからすでに十年以上も前のことでございまして、実は条約が起案された時点では、あるいは予想し得なかったような、いろいろの発展がその後に実は起こっている。その最たるものは一九七三年の石油危機、それから、その次の年に行われたインドの平和核爆発、それから石油危機に続きまして、開発途上国を含む大多数の国が石油の供給に対する不安を覚えまして、非常に原子力発電に対する関心を高めたという情勢が出てきたわけでございます。  そこで、核防条約が現在のままで果たして完全であるのかどうかというようなことは当然論議の対象にはなるわけです。しかし根本は、どこまでも核防条約で、核の拡散を防ぐための基本的な文書としては、依然として核防条約が厳存しているわけであります。それに対しまして、新しい事態に即応するためのいろいろな補完的な、あるいは補強的な措置が国際間で一昨年、昨年来論議されていることは事実でございます。そういった背景におきまして、現在のアメリカの新政策を私どもとしては把握している次第でございます。
  113. 林孝矩

    ○林(孝)委員 その説明は、よくわかりました。そこで結論的に、私の質問にお答え願いたいわけでありますけれども、したがって、先ほど申し上げました日米原子力協定の改定、また核拡散防止条約をどのようにしていくか。先ほど説明のあった核防条約の第四条、この条文の理解からすれば、いわゆる平和利用のための研究、利用、こういうものを侵害することにもなるのではないか、そのようにも考えられるわけでありまして、このアメリカの新しい政策転換は、この核防条約あるいは日米原子力協定、もちろん時間がたっておって情勢は変わっておる、これも要因にはなるわけでありますけれども、日米原子力協定また核防条約が制定されたその意図というものから考えても、今回のアメリカの新しい政策、これは非常に重大な変更でありまして、当然この条約、協定に対して考えを新たにしなければならないのではないか。このままの状態、事実関係で、果たして先ほど説明があった、たとえば第四条も素直に読めるかどうかということになりますと、ひっかかる点があるわけで、その点に対してどのように受けとめておられるのか、認識されておるのか、大臣にお伺いします。
  114. 鳩山威一郎

    鳩山国務大臣 カーター大統領の新しい政策というものが、既存のいろいろな条約等と、ほぼ別の次元でこの新しい政策を打ち出したような感じがいたしておりまして、現行の核防条約の第四条とか、いろいろな現在の法規にはそぐわないような大きな政策を打ち出されたというふうに私どもも認識しておりまして、これがいかに国際間におきまして理解をされていくか、そしてそれに対応するような体制がいかに発展していくであろうか、これはむしろ今後の大きな重要な課題になってきておる、そのように考えております。
  115. 大川美雄

    ○大川政府委員 ちょっと補足させていただきますが、核防条約の四条との関係につきましては、確かに国によっては、すでにアメリカのいまの姿勢が四条に対して違反じゃないかということを述べている国もございます。私どもも、アメリカの対外核政策が、具体的に最終的にどういうことになりますかによりまして、場合によっては四条の精神にもとるようなことになり得るというふうに見ておりますけれども、現在直ちにこれがこの規定に違反すると断定することは、何しろ百カ国近くの締約国がございますので、日本なら日本一カ国で、特定の加盟国の行為が、この条約の特定の条文に直ちに違反するかしないかということは、なかなか断定しにくい面があろうかと思います。各国がみんなで検討の上で、どういうような結論に達するか、日本だけの問題ではなくて、各国の間における討議の問題でもあろうかと思っております。
  116. 林孝矩

    ○林(孝)委員 四条の問題に対する受けとめ方はわかりましたが、じゃ一点は、日米原子力協定、これは先ほども答弁でお認めになったように、いわゆる核燃料サイクルの維持、再処理、こういうものが前提になっておる。こういうことからすれば、この日米原子力協定の改定というものが行われてしかるべきではないかということ。  それからもう一つは核防条約についてですけれども、第八条の規定に基づいて、核防条約の再検討会議、こうしたものを政府として要求すべきではないか、このような措置をとられる意思というものがおありかどうか。  この二点についてお伺いします。
  117. 鳩山威一郎

    鳩山国務大臣 核防条約あるいは日米原子力協定、これの改定をすべきではないかという御意見でございますが、このカーター大統領の新しい政策は、まだこれは大きなかがり火を出した段階のように思います。これから、それがいかに国際的にこの問題に対処すべしという議論に発展をいたしますかどうか、これらの点も考えながら検討をしていくべきものというふうに思っております。
  118. 林孝矩

    ○林(孝)委員 そうした面で、いま外務省として、たとえばアメリカであるとか、フランスであるとか、ドイツであるとか、そういう国々と外交ルートを通して連携をとりながら、この問題に関して情報交換をしたり、あるいは当然のこととして先進国の首脳会議には、この問題が一つのテーマに上がってくると私は理解するわけですけれども、そういう会議を控えて、事前に現在外交ルートを通して話し合い、対策、対応というものを考えておるという、そういう事実関係はございますか。
  119. 鳩山威一郎

    鳩山国務大臣 関係のある在外公館には極力情報をとらしておりまして、その情報は、関係の科学技術庁長官その他のところには遅滞なくお届けをしてございまして、各国の情勢もおおむね判断はつくような体制にあるわけでござまいすけれども、根本的に核の拡散につきまして各国とも関心は持っておる。しかし、自分の国におきましては、やはりそれぞれ高速増殖炉の計画、核燃料のサイクルを確立したい、そういったわが国と同じ希望を持っておるということも事実でございまして、これからどのように、これが集約をされてまいるか、こういう段階であろうと思いますが、なお大川局長からも補足をさせていただきます。
  120. 大川美雄

    ○大川政府委員 先ほど核防条約の再検討会議についての御質問がございましたけれども、これは御承知のとおり、一応五年ごとにという規定になっておりまし又条約発効後最初の再検討会議は、一昨年の五月に、ジュネーブで開かれたわけです。その際に、日本が特に強く主張いたしまして、次の再検討会議を、それからまた五年後の一九八〇年に、ぜひ開いてもらいたいということを主張いたしました結果、一九八〇年にもう一回・二度目の再検討会議を開催することに、すでになっております。それをちょっと補足させていただきます。
  121. 林孝矩

    ○林(孝)委員 事情がこういう事態になったもので、五年に一回という再検討会議、これはすでにもう決まっていることでありますが、これを八〇年という先ではなしに日本として呼びかける、そういうお考えがあるかないか、こういうことでございます。
  122. 大川美雄

    ○大川政府委員 条約規定上は、五年になっておりますけれども、今後必要を見まして、また考えてまいりたいと思いますし、それから同時に、この再検討会議の場ということのほかに、たとえば御承知のウィーンに国際原子力機関がございまして、そこで毎年総会とか理事会がございます。そこでも、いろいろこの問題について各国と討議する機会が当然あるわけでございます。  なお、これから五月の上旬にかけまして、御承知のとおり、たとえば今週はロンドンにおきまして原子力機材の主要輸出国の協議がございますし、それから五月に入りまして、二日からオーストリアのザルツブルクで、原子力問題に関する、大きな、いわば学会のような会議がございますし、それから御指摘の先進国首脳会議がございますから、そういった折にも、もちろん機会をとらえて、アメリカを含め、英、仏、独等の国々とも、できるだけ積極的に情報を交換したりいたしたいと考えております。
  123. 林孝矩

    ○林(孝)委員 核問題の最後の質問に移りますけれども、この機会に、日本の立場というものは、核に対して日本はどういう考え方で臨んでおるか。いわゆる核武装する心配があるというような国、があるかもしれないし、また日本が核に対して、どのような政策を持っているかということに対して、まだ理解をしていない国があるかもしれませんし、そういういろいろな意味を含めて、わが国の核政策、非核政策、こういうものをアメリカだけではなしに、世界の各国に理解せしめる、認識させる必要があるのではないか、また、そういう意味においては非常にいい機会であると私は思うわけでありますが、こうした機会をとらえて日本の核政策、非核政策というものを世界に理解を深めていくという努力、こういうものをされる考え方があるかどうか、この点をお伺いして、核の問題については終わることにいたします。
  124. 鳩山威一郎

    鳩山国務大臣 この核の兵器につきましては、日本といたしましても、カーター大統領も将来の問題として打ち出されましたけれども、核兵器は全廃すべきだという、わが国が唯一の被爆国であるという立場からは、強く主張すべきものと思いますし、それはなかなか先のことでありますけれども、米ソで行われておりますSALTの交渉のごとき軍備の縮小につきましても、これは当然主張しなければならない。なお、その大前提といたしまして、いかなる核実験も禁止をするということも強く主張していかなければならない。  わが国が非核三原則をとっておるということ、これは世界に大変有名でありまして、諸外国でも日本が核武装をしようなどということはだれも思っておらない。その点は心配して、いろいろマークしておるのではなくて、世界にこれ以上再処理技術がどんどん普及をしてしまうということに対する、これを防がなければならないという趣旨を強調されておりまして、その点につきましては、日本は絶対的に信頼されておる、こう認識しております。この点につきましては、なお世界に声を大きくして主張すべきものというふうに思っております。
  125. 林孝矩

    ○林(孝)委員 次に、竹島問題についてお伺いいたします。  一九五二年二月の李ライン設定以来、竹島問題の解決のために、どういうことを政府としてされてきたのか、具体的に御説明願いたいと思います。
  126. 鳩山威一郎

    鳩山国務大臣 竹島問題につきまして、日韓間におきます国交正常化の際に、日本といたしましても竹島問題の解決に努力をいたしたわけでございますけれども、この問題は、向こうから見ましても、いわば領土問題であるということで、大変難航をいたしたことは御承知と思うわけでございます。終局のところ、この紛争の解決につきましてのいろいろな手続を決めることによりまして処理をされたわけでございますが、その後の経過は、日本といたしまして、韓国側が竹島に対しまして、いろいろな施設を施したりするようなことがあってはならないということで、わが方としては監視艇で巡回をする等の措置をとってきたわけでございまして、事あるごとに先方に対しましては抗議を行ってきたところでございます。  なお、詳細は中江アジア局長から補足をさせていただきます。
  127. 中江要介

    中江政府委員 竹島問題につきまして、いま先生がおっしゃいました一九五二年に、李承晩ラインが引かれてから日本政府としてやったことの中で、特記すべきことは二つあったと思います。  一つは、李承晩ラインが引かれて、その中に竹島が入っているということがはっきりいたしまして、日本が講和発効して独自の外交権を持つに至りまして早速一九五四年に、国際司法裁判所に提訴するということを閣議決定をいたしまして、正式に韓国提案したというのが、韓国に対する最初の外交的な接触であったかと、こう思います。  ところが、この一九五四年の九月二十五日付の口上書をもって韓国に対しまして、竹島問題は国際法の基本原則に触れる領土権の紛争であるから、国際司法裁判所に提訴しようということを提案いたしましたのに対しまして、約一カ月後の十月二十八日付の口上書で、韓国返事をよこしまして、竹島については、韓国が初めから領有権を持っており、国際司法裁判所でこの権利の確認を求めるべき理由はない、こう言って拒否してまいりました。  その後は、したがいまして国際司法裁判所に提訴することができないわけでございますので、竹島に対する韓国領土主張に対して、いま大臣がおっしゃいましたように、事あるごとに抗議をし、韓国の官憲が竹島から即時撤去するように要求していく、そういうことを繰り返しておりますうちに、例の一九六五年の国交正常化を迎えるわけでございまして、日韓正常化の際に、ひとつ竹島問題を解決しようということで、国交正常化の大きな交渉の一つの問題として、鋭意双方で努力をいたしましたけれども、このときも、ついに円満解決に至らずに、そこで、先ほど大臣もおっしゃいました紛争の解決に関する交換公文というものを、国交正常化の一連の文書の中に作成いたしまして、これは日韓双方とも竹島という具体的な領土紛争を念頭に置いてつくられた交換公文でございまして、これに基づきまして、特別の合意があれば、それによるけれども、それがないときには、紛争は外交交渉で、まず解決に努力する、それで解決に至らないときには調停に付する、こういう筋道ができたわけでございます。  しかし、その紛争解決に関する交換公文にのっとって、具体的に本件を解決するという雰囲気がまだ盛り上がらないままに、竹島については、日本は海上保安庁の巡視船で定期的に巡視させまして、ある場合には写真を撮り、ある場合には事実を記録にとどめまして、事あるごとに韓国に抗議を申し入れているというのが現状でございます。
  128. 林孝矩

    ○林(孝)委員 大臣にお伺いいたしますが、たびたび抗議をしている、あるいは海上保安庁の巡視船が監視しているということは存じ上げておるわけですが、正式に外交交渉韓国側に申し入れされた経緯があるかどうか、その点についてお伺いしたいと思います。
  129. 鳩山威一郎

    鳩山国務大臣 ただいま、るる経過を御説明申し上げましたように、先方は、この問題につきまして話し合いをしようという態度にはないわけでございます。したがいまして、この問題につきまして討議をするためには、これは定期的な会議の際に、この問題につきまして当方から提案をする以外になかろうと思うております。しかし、会議につきましては先方とのいろいろ議題の調整等もあるものですから、これを正式の議題として討議をするということが、なかなか実際問題としてむずかしいわけでございます。  しかし、今国会におきましても、大変な御議論をいただいた問題でありますし、また、これからこの領土問題というものが、いろいろ漁業水域等の関係が出てまいりますと、また大変大きな問題に発展をいたすべきものでございますので、何らかの交渉を行いたいという気持ちでおるわけでございます。
  130. 林孝矩

    ○林(孝)委員 たとえば日韓閣僚会議の重要な議題の一つとするとか、あるいは日韓経済閣僚会議で、経済援助の日韓友好関係の前提として、この問題を考えるとか、そのような具体的な対応を今日までされたかどうか、その点はいかがですか。
  131. 鳩山威一郎

    鳩山国務大臣 この竹島問題を、ほかの問題と絡めるということにつきましては、これはなかなか軽々に判断しがたい問題でございまして、事が領土問題でございますので、大変な決意を要する点であります。したがいまして、日本といたしまして日韓関係の正常化以来、積み重ねてまいったわけでございますが、これにつきまして、やはり私どもは、領土問題は領土問題、他の協力すべき問題はその問題として取り組むという姿勢でなければ、事態は大変複雑な問題になると考えられますので、この点は慎重に配慮をさせていただきたいと思う次第でございます。
  132. 林孝矩

    ○林(孝)委員 絡めるということではなしに、たとえば日韓閣僚会議の重大な議題として、その竹島問題が提起されたかどうかということ。  それから時間がございませんので、もう一つ質問いたしますけれども、現在韓国において、いわゆる二百海里漁業専管水域という問題と関連させて、こうした領土問題も韓国側として考えておるというような報道、韓国が二百海里宣言をするとかいう報道、いろいろそういうものがあるわけですけれども、結局こうした問題が長引けば長引くほど、現在のような領海問題であるとか、あるいは漁業専管水域の問題であるとかということが出てきますと、たちまちにして、こういう問題と絡んでしまう、そういうことなんで、問題の処理というのは、ますます複雑になり、多難になっていくのではないかと思うわけなんですね。  そういうことから考えますと、やはり今日まで政府が竹島問題について、韓国に対して抗議をしてきた、あるいは巡視艇で監視してきた、しかし現実に向こうに、施設が竹島に設けられておって、向こうの兵隊もいるということで、実際問題として膠着状態が続いているわけで、この問題の打開ということ、この問題の解決をどうすればいいかということに対しての見通しとか、具体策というものを持っておられるか、またそういうものを積み重ねていくために、いまどのような努力をされておるのか、お伺いしておきたいと思います。
  133. 鳩山威一郎

    鳩山国務大臣 この竹島問題は領土問題でございますので、わが国といたしましても、絶対に確保しなければならない、また先方国民的な関心事になっております。こういう事態にありますので、わが国といたしましては、ねばり強く努力を続けていくということ、これを今日まで続けてきたわけでございます。  そしてこの問題は、やはり李承晩時代から、このようなことになったわけでありますが、日本韓国の間の友好関係を増進していく方向でなければ、なかなか解決は容易でない、そういう種類の問題であるというふうに認識しているわけでございまして、なお今後あらゆる機会をとらえて、できる限りの努力を続けてまいるということで考えておる次第でございます。
  134. 林孝矩

    ○林(孝)委員 終わります。
  135. 芳賀貢

    芳賀委員長 安藤巖君。
  136. 安藤巖

    ○安藤委員 私は、日本アメリカとの防衛協力の問題についてお尋ねしたいと思います。  今月の十八日に、第四回の日米防衛協力小委員会が開かれたわけですが、そこで下部機関として作戦、情報、後方支援、こういう三つの部会を発足させることになったわけですが、この三部会で取り上げる具体的な問題は、一体どういうものかということをお尋ねしたいのです。  聞くところによりますと、有事の際の作戦、命令指揮権の連絡調整、それから在日米軍基地の安定使用、それから海空防衛機能の日米の分担の問題について取り上げるというふうに聞いておりますけれども、そのとおりかどうかお答えいただきたいと思います。
  137. 鳩山威一郎

    鳩山国務大臣 四月十八日に開催されました第四回の防衛協力小委員会におきまして、今後の研究協議の進め方につきまして協議されたわけでありますが、その第三回会議で了解されました研究協議の対象事項のうちに、当面わが国に直接武力攻撃がなされた場合、またはそのおそれのある場合の諸問題を中心に研究協議を進めていくことが了解をされたわけでございます。  御指摘のように、作戦、情報、後方支援の三部会を設置しまして、専門的な立場からの検討を行うということが了解された次第でございまして、その内容につきましては、アメリカ局長からお答えさせていただきます。
  138. 山崎敏夫

    ○山崎政府委員 この三つの部会の任務といたしましては、作戦部会におきましては、自衛隊と米軍が共同対処をするに当たりまして、作戦運用上の調整の問題をやることになっております。  次に情報部会は、情報交換等の情報活動に関する調整事項を扱うことになっております。  さらに後方支援部会は、補給、整備等の後方支援活動に係る調整事項について検討いたしまして、その結果を、それぞれ防衛協力小委員会に報告するということになっております。  それ以上の詳しいことは、何ら決めておりません。
  139. 安藤巖

    ○安藤委員 そうしますと、私がいまお尋ねしましたようなことで、在日米軍基地の問題については全く触れていないわけですか。
  140. 山崎敏夫

    ○山崎政府委員 この部会は、防衛協力小委員会の下部機構といたしまして、在日米軍と自衛隊との整合のとれた共同対処行動を行うに当たってのいろいろな面について、専門的な見地から検討するわけでございますから、在日米軍基地の問題には、基地といいますか、在日米軍と自衛隊との行動の調整という問題は検討するわけでございますが、在日米軍基地そのものの問題を取り上げるというわけではございません。
  141. 安藤巖

    ○安藤委員 基地そのものの問題ではなくて、いま自衛隊と在日米軍との関係、その調整という問題もおっしゃったのですが、在日米軍基地の使用問題、具体的に言うと、いろいろ議論が出ておりますけれども、安定使用の問題についてはどうでしょうか。
  142. 山崎敏夫

    ○山崎政府委員 安定使用の問題という、おっしゃる意味がちょっとはっきりわからないわけでございますが、もちろん安保条約のたてまえからいたしまして、在日米軍基地は有効に安定的に使用させる義務はわが方にあるわけでございます。  ただ、基地のそういうふうな安定的な使用の問題というのはいろいろな面がありまして、たとえば周辺対策をやるとか、そういうふうなこともあるわけでございますが、そういった問題をここで取り上げるわけではございません。
  143. 安藤巖

    ○安藤委員 その問題は、すぐまた後でお尋ねしますが、もう一つ、先ほど後方支援の点について少しお答えいただいたのですが、緊急時の補給それから輸送、物資の調達、あるいは通信などの支援体制づくりですね。そのために国内法を改編するという問題、あるいはそういう緊急時の治安問題について、いわゆる戦時立法みたいなものをつくるかどうかという点についても検討されることになるのかどうか、いかがでしょうか。
  144. 山崎敏夫

    ○山崎政府委員 先ほど大臣からもお話のございましたように、今回の防衛協力小委員会の会合におきましては、今後の協議の進め方につきまして、日本が直接武力攻撃を受けた場合、または、そのおそれのある場合の問題を討議するわけでございます。そういうふうな観点から、輸送の問題とか、通信の問題とかという問題も、後方支援に関する部会において検討されることはあるかと思います。  それから、治安の問題でございますが、治安の問題は、当然日本自身の問題でございまして、そういう問題をこの部会で扱うとか、あるいは防衛協力小委員会において扱うというふうなことはございません。また、それに関しての立法の問題というふうな問題を、この部会で扱うことは考えておりません。
  145. 安藤巖

    ○安藤委員 私が危惧するところは、そういう物資の調達等、後方支援の関係で、いろいろ通信、輸送等の関係で、いろいろな関係法律の緊急時における手直しとか、そういうようなことがあるのじゃないかというふうに思っておったのですが、そういうことはない。それから、私がお尋ねしたような、いわゆる緊急時の戦時立法みたいなものは、この委員会では取り上げないというふうにお伺いしましたので、そういうふうにやっていただきたいと思うわけですけれども、もし、そういうことになりますと、これは国民の基本的な権利の制約にかかわる問題ですので、重大な問題ですから、そういう点だけ指摘さしていただいて、先ほどの問題に移りたいと思うのです。  在日米軍基地の安定使用の問題については、安保条約の趣旨のことを、いまお話しになったのですけれども、駐日大使に最近なられたマンスフィールド氏、この人は昨年の十二月の十六日の読売新聞の記者とのインタビューで、米軍撤退後の韓国の防空の保障は、在日米軍基地と近海の空母からの発進によって初めて可能になるというふうに言っているわけです。それからさらに、米軍による空からの対韓防衛保障に在日米軍基地を使用するのは当然だというふうに強調しているわけです。それから、さきの日米共同声明の中でも、いわゆる韓国条項というのは再確認しておりますし、米国が韓国の防衛についての約束を引き続き守るということも確認されているわけですね。  そうしますと、アメリカ政府が在韓米軍の撤退後の韓国の防衛の約束を守るというために、在日米軍基地に最大限有効な役割りを期待しているのだということは明らかだと思うのです。だから、そういう関係からいたしますと、在日米軍基地の使用を許可するかどうか。この判断に当たっては、アメリカの対韓防衛の責任履行のために、その妨げにならないように日本はするのだ。だから、そういう場合の在日米軍基地の使用については、イエスと言うことも了解しているのだということにならないかと思うのですが、その点はいかがでしょうか。
  146. 山崎敏夫

    ○山崎政府委員 今回の日米首脳会談におきまして、朝鮮半島の問題が話し合われまして、その関連におきまして、在韓米地上軍の撤退問題が話し合われたことは事実でございます。ただ、その会談の関連において在日米軍基地の問題が話し合われたということはないわけでございます。また、結局在日米軍基地の問題は、安保条約及び地位協定の関連規定に従って律しられているわけでございます。ただ安保条約は、もちろん日本の安全とともに極東の平和と安全というものにも関心を持っております。  その意味におきまして、朝鮮半島に万一何らかの事態が発生いたしましたときには、米軍が出動するということは、確かにあり得るわけでございますが、その場合には、安保条約に付属する交換公文に書いてありますように、そういう場合には事前協議の対象になるわけでございまして、その事前協議の際には、日本側はもちろん日本の国益を守る見地から、イエスもあればノーもあるという態度で臨むわけでございます。この点に関しましては、従来と何ら変わっておりません。
  147. 安藤巖

    ○安藤委員 十八日の小委員会では、韓国の問題については話はなかったというふうにお答えになったわけですが、これは昨年の七月の日米安全保障協議委員会のときにつくられたわけですね。その小委員会の設置を決めた後で、アメリカのシュースミスという公使、この人は基地の安定使用問題が当然取り上げられる問題だということをはっきり言っているわけですね。そして先ほどもお話しになりましたけれども、この小委員会は日米安保条約の第五条、それから極東の平和と安全という規定のあります、いまおっしゃった第六条、これとのかかわりのある軍事協議機関として発足しておるわけです。  そういうことから考えますと、在日米軍基地の安定使用の問題、妨げなく米軍が在日米軍基地を使用することができるという趣旨で言っているわけですけれども、もちろんイエスということを、日本政府アメリカに対して言うということも含めて、安定使用ということを言っているわけですけれども、この問題は韓国の有事の際の日米協力の内容として、小委員会の対象になってくるということは当然考えられると思うのですが、全くそういうようなことはないというふうになるわけでございましょうか。重ねてお尋ねします。
  148. 山崎敏夫

    ○山崎政府委員 この防衛協力小委員会は、仰せのとおり昨年の第十六回安保協議委員会において設けられた機関でございます。そして、この安保協議委員会というものは、安保条約に基づく機関でございます。したがいまして、その安保条約の目的を効果的に達成するために設けられた機関でございますから、安保条約に関連する問題は、すべて取り扱い得るわけでございます。  ただ、この防衛協力小委員会の設立の経緯からいたしましても、安保条約五条の事態と申しますか、日本が武力攻撃を受けた場合の日米の協力のあり方を中心としてやることになっておるわけでございますが、同時に安保条約は、前文その他をごらんいただきましてもわかりますように、日米両国は極東の平和と安全に共通の関心を持っておりますので、そういう限りにおいて第六条の問題も取り扱うことは考えられておるわけでございます。  ただ、先ほどから申しますように、まず日本が武力攻撃を受けた場合、あるいは武力攻撃を受けるおそれのある場合を中心に討議していくことになっておりまして、それの問題を少し専門的な見地から討議いたすために、今回部会が設けられた、こういうことでございます。
  149. 安藤巖

    ○安藤委員 安保条約の第六条は、御承知のように、そしていまお答えがありましたように、極東の平和、安全の維持ということが規定されているわけですね。朝鮮半島は当然この極東の中に入ることは、これまでの長年の議論の中でもはっきりしていると思うのですが、そういう関係で、この小委員会は日米安保条約の五条と六条とのかかわりで設けられたということからいたしますと、韓国における有事の際のことも当然この小委員会で議論になってくると思うのですが、そういうような点からしても、この小委員会では韓国の問題、韓国の有事の際の在日米軍の基地の使用の問題については、全く問題にされるものではないという点は、はっきり断言できるわけですか。
  150. 山崎敏夫

    ○山崎政府委員 先ほどから申し上げておりますように、この防衛協力小委員会は、安保条約第五条の事態をといいますか、わが国が武力攻撃を受けた場合を中心に研究、協議を進めていくわけでございますが、第六条に想定されるような事態、つまり極東の平和と安全が乱されるような事態についても討議し得ることになっておるわけでございます。特に韓国というふうに特定して討議することは考えておりません。おりませんが、その第六条に基づいて、米軍が在日米軍基地を使用するという場合に起こる諸問題についても討議することになっております。  ただ、事前協議に関する事項に関しては、この小委員会ではやらない、事前協議に関する事項は、従来どおり外交チャネルで扱うことに決まっておるわけでございます。
  151. 安藤巖

    ○安藤委員 ところで、韓国の朴大統領は、ことしの一月には在韓米軍の撤退の問題について、朝鮮民主主義人民共和国との間に不可侵条約が締結される、人民共和国がこの不可侵条約の締結に応じるというなら、在韓米軍の撤退に反対しないと語っていたと思うのです。ところが最近になりまして、今月の二十二日でしたか、UPIとAFPの通信社の社長に対しまして、カーター政権が在韓米軍の撤退の決意を固めている以上は、撤退を引きとめないと語っている。先ほど申し上げましたような不可侵条約という条件を引っ込めてしまっているわけなんですね。こういう点について、とにかく朴大統領が態度を変えていると思われるのですが、外務省はどういうふうに見ておられるのでしょうか。
  152. 鳩山威一郎

    鳩山国務大臣 朴大統領がこの正月に、そのような発言をされたことも承知をいたしておりますが、その後お考えが変わったとか、そういう点につきましては、私ども正確に確かめたこともないわけでございます。  先般私どもの得ております情報は、韓国外務部長官がワシントンで、バンス国務長官並びにカーター大統領と会談をされて、その後の記者会見等がありまして、その結果として、私どもは知っておるわけでございまして、これはまず第一には、アメリカ韓国間の問題でございますので、わが国としても関心を持っておるところでございますが、まだいかなる形で撤退が行われるかということも、つまびらかでない段階でございます。  したがいまして、いまどのような考え方でおるかということは、正確には私どもから申し上げるのは適当でないと思うのでございます。
  153. 安藤巖

    ○安藤委員 日本政府は、これまで在韓米軍の撤退の問題につきましては、直接日本政府があれこれ言うべき筋合いではないというようなことを、福田総理が言っておられたのは御承知のとおりだと思うのですが、いまのような朴大統領の考え方の変化があったかどうかということが、はっきりしておみえにならないようでございますけれども韓国軍の増強について、アメリカが相当力を入れているというのは事実としてあると思うのですね。  それから、この前の日米首脳会談の結果、共同声明の中でも、日本が基盤的防衛力の強化をするというような約束をしているとあるのですが、何度もお尋ねするようですけれども韓国の有事の際の在日米軍基地の使用について、日本がイエスと言うような約束をしているということが前提になって、いま私がお尋ねしたような朴大統領の考え方が変わってきた、それから先ほど紹介しましたマンスフィールド氏の見解韓国の防衛については在日米軍基地の使用というのがあるから、そちらの方でカバーできるのだというようなことからしますと、どうも韓国有事の際に、日本は在日米軍の基地の使用について、日本の基地からアメリカ空軍が発進することについては、事前にあれこれ文句を言わないで、イエスと言う事前の約束があるのではないかというような気がしてしようがないのですが、それは先ほどおっしゃったように、別の事前協議の問題として別途に外交ルートでやるのだ、別途に考えるのだというふうに伺ってよろしいわけですね。
  154. 山崎敏夫

    ○山崎政府委員 先ほども申し上げましたように、この防衛協力小委員会におきましては、事前協議に関する問題については取り扱わないというふうに両国の間で了解されております。  そして在日米軍基地を韓国有事の際に、戦闘作戦行動の基地として使用する場合には、当然事前協議の対象になるわけでございまして、その際には、日本政府としては、そのときの状況と国益に照らしてイエスを言うこともあれば、ノーと答えることもある、こういうことになっておる。この点は、従来と全然変わらないわけでございます。
  155. 安藤巖

    ○安藤委員 もう一点だけ追加して、くどいようですが、お尋ねしたいのですが、これまでお尋ねしましたような日米共同声明の内容、それからマンスフィールド氏の発言、シュースミス公使の発言等々からいたしますと、日本の国益をもってイエス、ノーということはおっしゃるのだという御答弁でございますけれども、どうもイエスと言わざるを得ないというようなところへ日本が追い込まれてきているのではないかという気がするのですけれども、それは先ほどお尋ねしましたように、そういうようなことはないというふうに伺ってよろしいわけですね。最後に一つだけお尋ねしておきます。
  156. 鳩山威一郎

    鳩山国務大臣 最近、マンスフィールド氏の発言等から、そのようなお尋ねがあるわけでございますけれども韓国の地上軍の撤退問題が論議されるようになりましたので、よけいそのような御心配が出ると思うのでございます。  そこで、私が先般福田総理にお供をいたしましてワシントンへ参りましたときに、バンス国務長官にもお目にかかって、その点につきまして韓国の撤退と絡みまして、そのようなことがあることはないと思いますけれども、その点は確かめまして、従来とこの方針の変更は全くない。したがいまして、戦闘作戦行動にわが国内の基地を使われる場合には、事前協議の対象になるんだ、そうして、それはイエスもあるし、ノーもあるという、この従来の態度は、そのままで堅持をされておるということで御了承いただいて、結構でございます。
  157. 安藤巖

    ○安藤委員 終わります。
  158. 芳賀貢

    芳賀委員長 次回は、明二十七日水曜日、午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開くこととし、本日は、これにて散会いたします。     午後五時五十一分散会