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1976-11-02 第78回国会 参議院 内閣委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十一年十一月二日(火曜日)    午前十時五十分開会     —————————————    委員の異動  十一月二日     辞任         補欠選任      上田  哲君     大塚  喬君     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         中山 太郎君     理 事                 加藤 武徳君                 林  ゆう君                 野田  哲君                 秦   豊君     委 員                 石破 二朗君                 岡田  広君                 源田  実君                 世耕 政隆君                 寺本 広作君                 山本茂一郎君                 吉田  実君                 上田  哲君                 大塚  喬君                 片岡 勝治君                 矢田部 理君                 太田 淳夫君                 峯山 昭範君                 岩間 正男君                 河田 賢治君                 中村 利次君    国務大臣        国 務 大 臣        (総理府総務長        官)       西村 尚治君        国 務 大 臣        (防衛庁長官)  坂田 道太君    政府委員        人事院総裁    藤井 貞夫君        人事院事務総局        給与局長     茨木  廣君        人事院事務総局        職員局長     中村  博君        内閣総理大臣官        房総務審議官   島村 史郎君        総理府人事局長  秋富 公正君        警察庁長官官房        長        鈴木 貞敏君        行政管理庁行政        管理局長     辻  敬一君        防衛庁防衛局長  伊藤 圭一君        防衛庁人事教育        局長       竹岡 勝美君        防衛庁経理局長  原   徹君        防衛庁装備局長  江口 裕通君        防衛施設庁労務        部長       古賀 速雄君        農林大臣官房審        議官       杉山 克己君        林野庁長官    藍原 義邦君        運輸大臣官房長  山上 孝史君        気象庁長官    有住 直介君    事務局側        常任委員会専門        員        首藤 俊彦君    説明員        大蔵省主税局税        制第一課長    矢澤富太郎君        自治省行政局公        務員部長     石見 隆三君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○一般職職員給与に関する法律の一部を改正  する法律案内閣提出衆議院送付) ○特別職職員給与に関する法律及び沖繩国際  海洋博覧会政府代表設置に関する臨時措置法  の一部を改正する法律案内閣提出、衆議院送  付) ○防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案(内  閣提出、衆議院送付)     —————————————
  2. 中山太郎

    委員長中山太郎君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。  一般職職員給与に関する法律の一部を改正する法律案特別職職員給与に関する法律及び沖繩国際海洋博覧会政府代表設置に関する臨時措置法の一部を改正する法律案防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案、以上三案を便宜一括して議題といたします。  まず、政府から順次趣旨説明を聴取いたします。西村総理府総務長官
  3. 西村尚治

    国務大臣西村尚治君) ただいま議題となりました一般職職員給与に関する法律の一部を改正する法律案及び特別職職員給与に関する法律及び沖繩国際海洋博覧会政府代表設置に関する臨時措置法の一部を改正する法律案について、一括してその提案理由及び内容概要について御説明申し上げます。  まず、一般職職員給与に関する法律の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容概要を御説明申し上げます。  本年八月十日、一般職職員給与について、俸給表及び諸手当改定等内容とする人事院勧告が行われたのでありますが、政府としましては、その内容を検討した結果、人事院勧告どおり、本年四月一日からこれを実施することとし、このたび、一般職職員給与に関する法律について、所要改正を行おうとするものであります。  次に、法律案内容について、その概要を御説明申し上げます。  第一は、全俸給表の全俸給月額を引き上げることとしたことであります。  第二は、初任給調整手当について、医療職俸給表(一)の適用を受ける職員に対する支給月額限度額を十四万円から十五万円に引き上げるとともに、医療職俸給表(一)以外の俸給表適用を受ける職員のうち、医学または歯学に関する専門的知識を必要とする官職を占める職員に対し、支給月額限度額を三万円から三万二千五百円に引き上げることとしたことであります。  第三は、扶養手当について、配偶者に係る支給月額を六千円から七千円に引き上げるとともに、配偶者以外の扶養親族に係る支給月額を二人までについてはそれぞれ二千円から二千二百円に引き上げ、この場合において、職員配偶者がない場合にあっては、そのうち一人については四千五百円とすることとし、また、上に述べた扶養親族以外の扶養親族については一人につき四百円から千円に引き上げることとしたことであります。  第四は、住居手当について、月額一万二千円以下の家賃を支払っている職員の場合、家賃月額から五千円を控除した額を支給月額とするとともに、月額一万二千円を超える家賃を支払っている職員の場合、家賃月額から一万二千円を控除した額の二分の一を七千円に加算した額を支給月額とし、この場合において、その加算した額が一万五百円を超えるときは、一万五百円とすることとしたことであります。  第五は、通勤手当について、交通機関等を利用して通勤する職員の場合、全額支給限度額月額一万円から一万二千五百円に引き上げ、最高支給限度額を一万千五百円から一万四千円にすることとしたことであります。このほか、自転車等を使用して通勤する職員または交通機関等自転車等を併用して通勤する職員についてもそれぞれ通勤手当支給月額を引き上げることとしております。  第六は、宿日直手当について、勤務一回についての宿日直手当支給限度額を、通常の宿日直勤務にあっては千三百円から千六百円に、管理監督等業務を主として行う宿日直勤務にあっては二千六百円から三千二百円に引き上げるとともに、土曜日等の退庁時から引き続いて行われる宿直勤務についても支給限度額を引き上げることとし、また、常直的な宿日直勤務についての支給月額を九千円から一万千円に引き上げることとしたことであります。  第七は、期末勤勉手当について、十二月に支給する期末手当支給割合を百分の二百十から百分の二百とし、六月に支給する勤勉手当支給割合を百分の六十から百分の五十に引き下げることとしたことであります。  第八は、非常勤委員、顧問、参与等支給する手当について、その支給限度額日額一万六千五百円から日額一万八千円に引き上げることとしたことであります。  以上のほか、附則において、この法律施行期日適用日俸給表改定に伴う所要の切りかえ措置勤勉手当の額の特例措置等について規定しております。  次に、特別職職員給与に関する法律及び沖繩国際海洋博覧会政府代表設置に関する臨時措置法の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容概要を御説明申し上げます。  この法律案は、ただいま御説明申し上げました一般職職員給与改定に伴い、特別職職員について所要改正を行おうとするものであります。  次に、法律案内容についてその概要を御説明申し上げます。  第一は、特別職職員俸給月額を引き上げることとしたことであります。その内容を御説明いたしますと、内閣総理大臣俸給月額は百四十五万円、国務大臣等俸給月額は百五万円、内閣法制局長官等俸給月額は八十八万円とし、その他政務次官以下の俸給月額については、一般職職員指定職俸給表改定に準じ、七十四万円から六十三万七千円の範囲内で改定することとしております。  また、大使及び公使については、国務大臣と同額の俸給を受ける大使俸給月額は百五万円、大使号俸は八十八万円とし、大使号俸及び公使号俸以下については、一般職職員指定職俸給表改定に準じ、七十三万円から五十七万千円の範囲内で改定することとしております。  なお、秘書官については、一般職職員給与改定に準じてその俸給月額を引き上げることといたしました。  第二は、委員手当について、委員会の常勤の委員日額手当支給する場合の支給限度額を三万千円に、非常勤委員支給する手当支給限度額日額一万八千円にそれぞれ引き上げることとしたことであります。  第三は、沖繩国際海洋博覧会政府代表俸給月額を七十三万円に引き上げることとしたことであります。  以上のほか、附則においては、この法律施行期日適用日等について規定しております。  以上が両法律案提案理由及びその概要であります。  何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
  4. 中山太郎

  5. 坂田道太

    国務大臣坂田道太君) ただいま議題となりました防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容概要を御説明申し上げます。  この法律案は、このたび提出された一般職職員給与に関する法律の一部を改正する法律案の例に準じて、防衛庁職員給与改定を行うものであります。  すなわち、参事官等及び自衛官俸給並びに防衛大学校及び防衛医科大学校学生学生手当一般職職員給与改定の例に準じて改定するとともに、営外手当についても従前の例にならい改定することとしております。  なお、事務官等俸給のほか、扶養手当住居手当通勤手当宿日直手当期末勤勉手当及び医師等に対する初任給調整手当につきましては、一般職職員給与に関する法律規定を準用しておりますので、同法の改正によって同様の改正が行われることとなります。  この法律案規定は、公布の日から施行し、昭和五十一年四月一日から適用することとしております。このほか、附則において、俸給の切りかえ等に関する事項について、一般職におけるところに準じて定めております。  何とぞ、慎重御、審議の上、速やかに御賛成くださいますようお願い申し上げます。
  6. 中山太郎

    委員長中山太郎君) 以上で説明は終わりました。  これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言を願います。
  7. 野田哲

    野田哲君 まず、総務長官に今回の法案提出に至る経過について伺いたいと思います。  八月十日の人事院勧告の取り扱いについて十月十五日に閣議決定を行われているわけでありますけれども、この十月十五日の閣議決定を見ると、従来、公務員給与決定に見られない決定が行われていることに私は非常に注目をしているわけであります。それによると、第四項で「三公社、五現業公庫公団等のいわゆる特別給については、労使間の団体交渉決定すべきものではあるが、これまでの経緯にかんがみ、国家公務員期末勤勉手当減額措置に準じて措置されるよう期待する。」、こういう条項が含まれておるわけでありますけれども、こういう条項が含まれた決定というのは、従来の公務員給与決定にはなかった異例の初めての決定だと思うんです。こういう決定が、今回の公務員給与決定に当たって、ことさらに含まれた経過をまず伺いたいと思うんです。この決定第四項について、これは閣議決定に至る前に開催をされた給与閣僚協議会、この給与閣僚協議会でもこのような決定が行われていろのであるのかどうか、まずこれを伺いたいと思うんです。
  8. 西村尚治

    国務大臣西村尚治君) 閣議決定後のこの発表、これは閣議決定前の給与閣僚会議でも問題にならないわけではございませんでした。こういうことが今度初めて公表されたということにつきましては、これはもちろん政府といたしましても、三公社現業公庫公団、こういったところの職員特別給、これを決めるのはあくまで労使団体交渉によって決まるべき筋のものだということは十分承知しております。承知しておるのでありまするけれども、何といいましても、この三公社現業公庫公団、その職員業務というものは、申し上げるまでもないことですけれども、その公共性特殊性という非常に国家公務員と似たところがございまして、従来から、そこの職員支給される特別給、これにつきましては一般職国家公務員のそれに準じて支給されてきたというのが実情でございます。今日までずっとそういうふうになってきておるようでございます。  ところで、この人事院勧告というものがなされるようになりまして以来、今日大分なるわけですけれども、この公務員支給される特別給というものが前年を下回る率をということで勧告をされたのは今回が初めてでございます。初めてでありますので、これは人事院の方としては民間給与その他を勘案してこういう勧告をなされたことはありますが……
  9. 野田哲

    野田哲君 そこは後でまた触れますから。
  10. 西村尚治

    国務大臣西村尚治君) 後でいいですか。じゃ以上です。
  11. 野田哲

    野田哲君 問題は、いま西村総務長官は、給与閣僚協議会でも問題になったと。公労協の問題、三公社現業公庫公団等の問題が給与閣僚協議会でも問題になったという説明があったわけですが、つまりこれは、第四項についても給与閣僚協議会で決めて閣議に持ち出したと、こういうことなんですか。そこのところをはっきり説明してください。
  12. 西村尚治

    国務大臣西村尚治君) 給与関係閣僚会議でこれが問題になったということではないのでございます。この閣僚会議では財源措置等がずっと問題になってきておったわけでありますが、いずれにしてもこれは完全実施しなければいかぬ。そういうことで、中心議題はそれでありました。ありましたけれども、この特別給にたまたま触れるに当たりまして、こういうことになった、ついては三公社現業公庫公団の方もそれにならってもらいたいものだなといったような意向の表明があったと、それがここにあらわれている、そういうことでございます。
  13. 野田哲

    野田哲君 これは西村長官ね、大変重要なことなんですよ。給与関係閣僚協議会というのは、三公社現業を担当している所管大臣、たとえば林野庁所管をしている農林大臣あるいは国鉄関係を担当している運輸大臣郵政電電関係を担当している郵政大臣、こういう大臣は含まれていない。そういう三公社現業あるいは公庫公団等所管する大臣が含まれていない。一部は含まれております。たとえば大蔵大臣とか、大蔵大臣の場合には専売、印刷、造幣など所管しておりますから含まれておりますけれども、大どころの林野、国鉄郵政電電等所管する大臣が含まれていないところでこの三公社現業の問題に触れた決定をするというのは、これは給与関係閣僚協議会としては越権行為ではないですか、いかがですか。
  14. 西村尚治

    国務大臣西村尚治君) 給与閣僚会議決定をしたということではないのでございます。そういう希望の意見が述べられたにとどまっております。それはあくまで強制力はありません。最終的に決められたのは閣議でございます。そこはひとつ誤解のないようにお願いいたしたいと思います。
  15. 野田哲

    野田哲君 最終的に決められたのは閣議であるといっても、いまの説明を聞くと、給与閣僚協議会でこれが話題になった、議題というのか話題というのか、とにかく議論になった。そして閣議決定をされておる。こういうことですが、この決定は三公社現業公庫公団等労使間に政府が不当に介入することになるのではないですか。いま長官も述べられており、三公社現業公庫公団等のいわゆる年末手当等については、これは公労法あるいは労働組合法によって団体交渉決定をされる、そして労働協約の締結によって効力を生ずる。こういう法体系に置かれておることは疑う余地がないと思うんです。これが、そういう法体系のもとで交渉が成立をしない場合には、それぞれ公労委なり中労委なりそういう仲裁、あっせん等機関もあるわけであります。そういう法体系無視をしてこういう閣議決定を行われるということは、政府みずからが法によって守られているところの三公社現業公庫公団等労働者団体交渉権協約権、これを無視をして不当に介入をする道を開いたと、こういうふうに私は指摘をせざるを得ないと思うのです。一応この問題については二、三日前に政府見解表明がありましたけれども、問題は、今後公務員給与決定に当たって、こういう三公社現業公庫公団等に及ぶことまで決定をされるという考え方が、今後今回の例によって続くのかどうか、この点をはっきりしておかなければいけないと思うんです。こういうことは今後やらないと、やるべきでないと思うのですが、いかがですか。
  16. 西村尚治

    国務大臣西村尚治君) 不当に介入という言葉をお用いになりましたけれども、私どもは全然そういう気持ちはないのでございまして、この三公社現業職員特別給支給、これは最初にも私が申し上げましたように、また、ただいま先生が御指摘になりましたように、公労法労使双方団体交渉で決めるということ、これははっきりしておるわけです。閣僚皆そういうことは承知であります。ありますけれども、同じ役所の中でこの適用を受ける人と、また、三公社現業団体交渉で決める分とあるわけですね。二本立てになっている役所もずいぶんあります。そういうことをも考えますと、今度こういうふうに下回ることになったんだから、同じ役所で勤めておる人の間で支給率が違うのもまずいんじゃないかと、まあ政府としては、これに準じて従来も足並みをそろえてきたわけだから、今後も足並みをそろえてもらえるように期待すると、期待の表明にとどまるわけでございますので、そう不当に介入するという筋のものでは毛頭ない、かように考えておるものでございます。
  17. 野田哲

    野田哲君 長官ね、そういう答え方をされると、私はここへ改めて専売公社総裁電電公社総裁、あるいは国鉄総裁等公社現業当事者出席を求めて、この閣議決定についてどう受けとめられたかということを聞かざるを得ないんですよ、そういう答え方をされると。これはそれぞれの使用者当事者がいるわけなんですから、当事者が判断すればいいことなんであって、閣議でこういうことを決定されるというのは、これは閣議としては法体系無視した行き過ぎだ、こう指摘をせざるを得ないんです。だから、もう二度とこういう決定はやらないと、こういうことであれば了解をいたしますけれども、その点はどうなんですか。
  18. 西村尚治

    国務大臣西村尚治君) 私どもは、別に不当な拘束をしようなどという考えでこれをやったわけではございません。ただ、今後やらないかということを私がこの場でどうも言明するわけにはまいりません。後のことは後の人が、またケース・バイ・ケースで判断をして措置されることで、ただ、不当に介入するというような印象を与えたとすればそういうことは慎むべきであろうということは考えられます。
  19. 野田哲

    野田哲君 これは長官、納得できませんよ。そういうことであれば、労働大臣、三公社現業当事者出席を求めて、この閣議決定に対してどういう受けとめ方をしているのか、今後、三公社現業のそれぞれの労働組合との交渉に当たって、どういう見解で臨んでいかれるのか。この閣議決定については一切関知いたしませんという態度が表明されなければ、これは長官見解は納得できない。この点は保留をしておきます。  人事院総裁に伺いたいと思うんです。公務員給与決定に当たっては、国家公務員法の六十四条第二項ですか、俸給表決定に当たっては生計費、それから民間賃金動向、この二つが主要な給与決定要素に挙げられております。今回提案をされている法改正の基礎となっている八月十日の人事院勧告、平均六・九四%の給与改定、特にその中の俸給表改定はさらにそれよりも率が下がるわけでありますけれども、この八月十日の勧告内容を見ると、民間給与動向だけが対象になっていて、国家公務員法に基づくところの俸給表決定二つ要素、つまり生計費動向については全く加味をされていない。度外視をされている。これはどういうわけですか。
  20. 藤井貞夫

    政府委員藤井貞夫君) 御指摘になりましたように、国公法の第六十四条第二項には生計費規定があることはそのとおりでございます。ただ、従来の人事院考え方なりやり方というものは、それなりに理解をされておる面もあるかと思うのでありますけれども民間給与との比較をやって、その較差を埋めていくという基本的なやり方でやってきておるわけでございます。その場合に、民間給与決定されますいきさつ、経過、手続などは、これは専門家先生に釈迦に説法でございますけれども団体交渉を主体としてこれが決定をされていく。その場合には、当然いろいいな要素がございましょう。民間企業については同業他社相場でありますとか、あるいは企業支払い能力の問題であるとか、あるいはまた、いまお話しになっております生計費の上昇の問題とか、そういうようないろんな点が考慮の対象になりまして決定を見ていくということであろうかと思います。したがいまして、われわれといたしましては、生計費のことを全く無視しているということではございませんで、むしろ民間給与決定の過程においてそういう要素も全部溶け込んでおるという立場をとっておるのでございます。ただ、民間景気等が非常に悪い、したがって春闘の相場等が余り伸びないというような場合におきましては、それなりの不満というものもありましょうし、また批判というものもございます。したがいまして、そういう意味では何か物足りない、生計費等が実質的に上がっておるのにどうもそのカバー率が足りないじゃないかというようなお気持ちがあることは私たちもわかります。わかりますけれども、それらの点はやっぱりそれなり民間給与決定に溶け込んでおるという立場を従来も堅持をいたしまして、そういう立場で官民の較差という問題を取り扱ってきたということでございますので、その点はひとつ御了承を賜りたいと思います。  なお、われわれといたしましては、御承知でありますように、標準生計費という考え方をとっておりまして、給与決定とのバランスにおきまして、それらの点を並行的に審議をしながら、その妥当性についての裏づけをやるという作業もあわせて行っておりますこともつけ加えさせていただきたいと存じます。
  21. 野田哲

    野田哲君 人事院総裁は、民間との比較をして決定をすれば、民間賃金決定要素の中へ生計費の問題が溶け込んでおると、溶け込んでおるというふうに言われたんですが、私はどうもそうは思えないですね。  給与局長、毎年春三月ごろから、ずっと五月ごろ、六月ごろにかけて民調をやりますね、民間給与実態調査民調、この調査内容の中へ生計費が溶け込むような民調内容になっていますかどうですか。なっていないでしょう、これは。
  22. 茨木廣

    政府委員茨木廣君) 総裁が言われました溶け込んでおるというのは、民間給与決定背景事情の中に民間の従業員の生計費というふうなものが一つのやはり交渉の材料になってお決まりになるであろう、そういう意味で、そのときの物価なり生計費というふうなものが給与の中に溶け込んだものが、私ども民調として調査してくる中に入っておる、こういう意味で総裁が申し上げられたわけでございます。私ども人事院としては、絶えずそういうような考え方をいたしておるわけでございます。
  23. 野田哲

    野田哲君 これは溶け込んでいるといえば、かすかにあるいは溶け込んでいるかもわかりませんけれども、確かに民間労働者の場合でも、物価の上昇、これは要求を出すときには要求の根拠としてはこれを取り上げます。取り上げますけれども、溶け込んでいるという色が出るほど溶け込んではいないですよ、決定されたものは。これはやはりその企業の好不況、これがやはり一つの大きな要素になっていると思うんです。  ところで人事院では、ことし六・九四%の勧告をされたわけですが、昭和五十一年度の物価の上昇と比較をして、この六・九四%の引き上げで公務員の実質賃金は上昇することになると思われておりますか、それとも、実質賃金は低下すると、こういう判断をされておりますか、どっちですか。
  24. 茨木廣

    政府委員茨木廣君) 定昇を入れましてかつかつであろうというように考えております。
  25. 野田哲

    野田哲君 きょうは総理府統計局長は見えていないんですが、人事局長、総理府では統計資料によって、折々に労働者賃金と物価の比較による係数的な発表をされておるわけですが、一番最近の発表でも実質賃金は物価の上昇によって低下をしている。こういう発表があったと思うんですが、どうですか。
  26. 秋富公正

    政府委員秋富公正君) ただいま先生指摘のように、私統計局長でございませんのではっきりした数字もただいま手元に持っておりませんが、五十一年度の私の手元の資料によりますと、物価上昇率は九・三%ということになっております。
  27. 野田哲

    野田哲君 人事院総裁ね、まあいま給与局長は、定期昇給を含めると実質賃金まあとんとん、かつかつと、こういう話があったわけでありますけれども、定期昇給の金額というのは、これはいわゆる上下の格差が非常に大きいわけですね、大きいわけです。ですから、平均的にかつかつだということになれば、平均以下の者は給与局長説明によっても実質賃金は低下をしている、こうなりますね。いかがですか、この点。
  28. 藤井貞夫

    政府委員藤井貞夫君) 実質賃金の問題につきましては、今度の給与勧告内容につきましては全体の引き上げ率がそんなに伸びませんでした。そういうこともございまして、上下大体同率ということに相なっておったわけであります。したがって、民間の配分状況をも参照いたしまして公務員の場合にも大体その線にのっとった俵給表の改定ということを考えたのであります。ただ、従来からいろいろ指摘されておりまする世帯形成時でありますとか、あるいは三、四人の家族の方々、要するに中年層関係の関係は従来ともいろんないきさつ等もございましたけれども、若干問題があったことはわれわれも承知をいたしております。そういうことで、今度の上げ幅の中でもそういう階層についてはできるだけの配慮を加えたつもりでございます。それとも並行いたしまして、扶養手当その他についても措置をしたということで、全体の枠の範囲内におきましては、できるだけの措置人事院としてはいたしたつもりでございます。
  29. 野田哲

    野田哲君 八月十日の勧告、その基礎となったこの四月、五月、このころから以降公共料金が軒並み上昇をしているわけですね。電力、それからNHK、それからガスあるいは水道、いま審議をされておる電電、国鉄運賃、米も上がっている。こういう形で公共料金軒並み上昇をしている。そういう状態は、この八月十日時点の勧告では全く加味をされていないですね。ですから、これはとんとんという説明をされましたけれども、これらの公共料金の上昇を見れば、これはもう実質賃金が低下をしているということはもうだれが見ても明らかだと思うんです。  そこで、特別給という問題について伺いたいと思うんですが、特別給という制度は、これは年度中途の経済情勢の変動、あるいは物価の上昇による実質賃金の低下の状態というものを、夏期手当あるいは年末、年度末、こういう節々の一時金、特別給によって調整をしていく、カバーをしていく、そういう意味、性格を含んでいるものだというふうに私は理解をするんですが、人事院総裁見解はいかがですか。
  30. 藤井貞夫

    政府委員藤井貞夫君) いま御指摘になりましたようなねらい、要素を持っておりますことは事実だろうと思います。特に日本の場合、いま社会慣習として長年の積み重ねがございまして、その間に賞与というものが果たしてまいっております役割りというものは、御指摘のような点があることは事実だろうと思っております。
  31. 野田哲

    野田哲君 昭和四十八年の年末に、勧告以降の非常な物価の上昇によって緊急措置がとられましたね、四十八年だったと思うんです。この場合本やはりこの勧告以降の非常な物価の高騰によって実質賃金が低下をする。これを緩和する措置、そういう形で四十八年の年末に緊急な措置がとられたと思うんです。そういう意味からすれば、ことしは夏期手当、年末手当を率を下げる、〇・一ずつでトータル〇・二カ月分切り下げるという措置がとられているわけでありますが、これは四十八年の経過に照らしても、今日の物価の上昇傾向、なかんずく政府みずから公共料金の大幅な引き上げ措置を各方面にとられている。こういう経過からすれば、この〇・二の切り下げ措置というのは、これは全く今日の経済情勢に照らして公務員の生活を切り下げる、政府みずから、先ほどとんとんと言われましたけれども、そうではなくて、切り下げる措置をとった、こういうふうに見なければならないと思うんですが、この点の見解はいかがですか。
  32. 茨木廣

    政府委員茨木廣君) 物価の関係でございますが、総合消費者物価の指数で見ますと、発表されております八月までの間でほとんど横ばい、一〇〇・一、〇・一けたのところの数字の出入りというような程度に推移しておるようでございまして、あの四十八年当時の状況とは相当異なるものがあるように考えられます。  それから、もう一つの問題といたしましては、月数では今度の特別給、総合的に下がっておりますけれども、基礎になります本俸等の改善がございますので、それを乗じました結果では、やはり四%以上昨年度の特別給に対しましては伸びておるわけでございます。  それから、もう一点申し上げさせていただきますと、勧告の際に参考資料としてお配りしました末尾の方に、標準生計費等の資料が入っておるわけでございますが、先ほど総裁からも答弁がございましたように、特別給を抜きましたもので標準生計費の関係で見ていきますと、大体一応おさまりになると。特に若い層でありますれば、相当余裕が出ておるという姿でございまして、そういうようないろいろ事情を考えますと、四十八年当時の状況と本年度の状況とは相当違っておるんではないか。どうしてもやはりたてまえが、御案内のように民間特別給が一定時期に必ずしも出されるということでございませんで、それぞれの支給時期がいろいろ異なりますものでございますから、年間の特別給としてつかまえて比較せざるを得ないと、こういうようなところで、現在やっております方式で前年の五月から四月までの時点におきます民間特別給支給状況を全部つかまえまして比較をする、こういうような方式をとらせていただいております。その辺のところもございますので、四十八年当時と今回との相違はひとつ御了解をいただきたいと思っております。
  33. 野田哲

    野田哲君 これは前に勧告の前後の委員会でも私が指摘をしたのでありますけれども特別給勧告に当たっては、従来一貫してコンマ以下二けた目を全部切り捨ててあります。切り捨て分だけでトータルすると一カ月以上が切り捨てられている。こういう指摘をしたわけでありますけれども、この点について、かつて、藤井総裁の前の亡くなられた佐藤人事院総裁が、この民間との比較でコンマ以下二けた目を切り捨てていることの理由について述べられたことがあるんですが、佐藤総裁がその点について述べられた趣旨をちょっとここで給与局長わかっておれば説明してもらいたい。
  34. 茨木廣

    政府委員茨木廣君) いろんな場面で前総裁、その前の総裁もそういうことを述べていらっしゃいますが、ずっと読んでみますと、一番はっきり出ているのが、四十八年の十一月十六日の衆議院内閣委員会の答弁等で出ておるような感じがいたしておるのでございますが、一応先ほど申し上げましたような比較でいきます関係上、しかも給与法定主義がございますわけですから、その年その年の状況で小回りのきいた形でぴたっと合わしていくというわけにもまいらぬ、そういうようなところで、やや固定的な感じもあるということで小数点以下二けた目のところの変動まで一々合わせていったんでは大変だと、そこでその辺のところを切り捨てていくということが、下げる場合というようなことも考えていきますと妥当な措置ではないかというような感じの趣旨で答弁をしてきておると思っております。  参考までにその部分をちょっと読ましていただきますと、「考え方はいわば両刃の剣の問題でございまして、いや〇・〇四民間のほうが今度低く出たら、それは切り下げるかというような話も当然裏からいうとつながる問題でございます。民間給与というものは、その年その年の営業成績によって、多い年もあり、少ない年もあるというのが普通なんで、それを〇・〇幾つまできわめて克明に追跡していくというと、今度下げるときも、小数点以下二位のところでまたこちらは操作しなければならぬ。わがほうは、とにかく法律にはっきり書くのですから、一応固定的な形になるわけです。民間の場合のその年その年というのとは、ちょっとまた違った形になりますから、小数点二位以下は、まあ両面から考えてみて切り捨ててもよかろう。」云々と、こんなような答弁がございまして、そこに気持ちが出ているんじゃなかろうかと思っておるところでございます。
  35. 野田哲

    野田哲君 これは西村総務長官もよく認識をしておいてもらわなければならないと思うんですが、いまの佐藤前人事院総裁、小数点以下二けた目を切り捨てることについて、非常に簡単に二けた目ぐらいはいいじゃないかと、こういうような意味で言っておられる節もあるんですけれども、たとえばいまの公務員にとって〇・〇六切り捨てられるということは一万円切り捨てられることになるんです。これは民間で一万円切り捨てられるというようなことになれば、もうたちまちストライキという状態になる金額なんです。二けた目といってもそういう重要な意味を持っておるということを認識をしておいてもらわなければならないと思うんですが、前の総裁がなぜ二けた目を毎度毎度切り捨てたのかと、こういう指摘に対しては、つまり公務員の場合には法律で固定的に決めているんだから、上げるときにもそこを切り捨てているが、これは下げなければならない情勢になったときにもそう即座に切り下げるというわけにいかない、その歯どめという意味があるんだというふうな意味合いの説明をされているわけです。ですから、今回いきなり〇・二ずばっと切り捨てられたというのは、前の佐藤総裁の趣旨から言えば、公務員の場合にはそう上げ下げが簡単にできないから、二けた目を切り捨てる場合も今度下げるときの歯どめにするんだという意味があるわけでありますから、今回のいきなり〇・二を切り下げた、こういう点は当時の佐藤総裁が国会で述べられた精神に合致していないんじゃないか、合致していない。少なくとも、あの佐藤総裁のなぜ二けた目を切り下げたのかということに対して答えられた趣旨からいくと、本年の場合には切り下げを見送って、来年の夏期手当なり年末手当の状態を見て、あるいはことしの場合の年末の模様を見て、少なくとも来年ぐらいまでは待つ、切り下げの措置を待って、ことしの年末、来年の夏、この状態を見て判断をすべきじゃないか、これが佐藤総裁が述べられた趣旨だと思うんですが、藤井総裁になられてからそういう趣旨はもう放棄されたわけですか、いかがですか。
  36. 藤井貞夫

    政府委員藤井貞夫君) 私も、前にも人事院に御厄介になっておりましたし、その間の事情は私なりに承知をいたしておるつもりでございます。ただ、佐藤前総裁につきましても、これはそんたくの限りではございませんので、言葉が適当ではないかもしれませんが、一けたということの変動が出てきた場合は、恐らく変わった表現をしておられたのではないかという感じがいたします。それともう一つは、御承知のように、従来下がったためしはございませんでした。民間の景気の動向その他からいたしまして、毎年何がしか上がってきたという事実がございましたので、そういうことをも踏まえて、二けた目というようなことについて仮に変動が生じてくる、あるいは下がるという場合に、右へならえして下げるかといったことになると、たてまえ上も余りおもしろくないというような趣旨も踏まえて発言をせられてきたのではないかというふうに考えます。私自身も、率直に申して二けたはもう無視して当然なんだというような考え方は持っておりません。いまお話しになりましたように、もとの基礎になります俸給が上がってまいっておりますので、それなりにこの二けたといいましてもそう無視のできる数字ではないというようなことも考えていかなければならぬと思いますけれども、ことしの場合におきましては、去年の実績というものを調べてみましたところが、実は一けたのところで差が出てきた、落ち込んだという事実が出てまいりました。そこで、私は二けた目と一けた目の評価というものは、程度問題としても、これはやはり同等に取り扱うわけにはまいらないのではないだろうか。先刻来も申し上げておりますように、私自身といたしまして、いままで減額などいたしたことは従来の経緯でないのを、私の代になりましてそういう勧告をせざるを得ないということになりましたことにつきましてはまことにこれは悩みましたし、また情において忍びないところのあることは当然のことでございます。ただ、しかしながら民間のやはり賞与の動向というものが現実の姿となって出てきておるという場合に、その分だけ無視をしていくということになりますと、やはり人事院勧告というものが従来築いてまいりました評価というもの、あるいは信頼性というもの、そういうものに影響を来すことがあってはこれは大変である。やっぱり納得性というものは常に持っていかなきゃならぬということから、忍びざるところではございましたけれども、こういう措置を講ぜざるを得なかったということでございます。ただ、これにつきましては、従来の経緯もあることでございますので、四・九五というものが出てまいりましたのを二けたを切り上げまして五ということで、その差額〇・二をごしんぼういただくという措置を講じますとともに、六月支給分につきましては、支給してあるものをこれを返しなさいということは既得権の問題ともつながります。また適当でもございませんので、そのことはやはり保障をするという配慮を講ずることにいたした次第でございます。したがいまして、これは従来の方針を踏襲いたしますと、来年は来年でまた前年一年間の状況を精細に調査をいたしますので、その結果に応じまして上げるべき要素が出てくればその措置を講じてまいるということは当然のことであるというふうに考えておるのであります。
  37. 野田哲

    野田哲君 ことしの年末、すでに民間の場合には年末手当の要求が出始めております。週刊誌などでもいろいろ報道されておりますけれども、今回切り下げられた措置が、ことしの年末、来年の夏の民間比較をしてバランスがとれない、こういう状態が出たときには、もう来年回復措置をとられますか。
  38. 茨木廣

    政府委員茨木廣君) 毎年民調の際に特別給調査をいたしますから、その結果、現在のただいま審議いただいております月数では合わないということになれば、当然検討をしなきゃならぬと思います。
  39. 野田哲

    野田哲君 たとえば、ことしの年末に民間は非常に上昇をしたというときには、例年の手順からいくと来年の勧告に反映をするということになって、来年からもとへ返す、こういうことになりますか。
  40. 茨木廣

    政府委員茨木廣君) たとえばの話でございますが、民間の夏期はどうも余り芳しくなかったので、それを打ち消し、かつ、いまおっしゃられましたような伸び率が十二月を中心とします期に出てまいりますれば、それはまあそういうことになるだろうと思います。
  41. 野田哲

    野田哲君 防衛庁長官、駐留軍の労働者ですね、いま公務員給与法、俸給表改定審議をやっておるわけでありますけれども、駐留軍は、国家公務員に準ずるということのたてまえがあるわけでありますけれども、毎年アメリカとの関係で、駐留軍の場合には労務基本協約というんですか、この改定が非常に難航をして、昨年の場合で言えばついに年を越して年度末ぎりぎりにやっと合意ができた、そして実際、金が支払われたのは年度を越した、こういう状態になっているわけであります。これはいろいろ私もその背景、要因等について検討したのでありますけれども、まず、やはり基本は政府がそういうふうな遅延をさせない、こういう立場でアメリカ等との交渉に当たってもらわなければこの問題は解決しないと思うんです。この点で、ことしの場合、昨年、一昨年のような状態にならないように早期に決着をつけていく、こういう心づもりがおありかどうか、これを伺っておきたいと思います。
  42. 古賀速雄

    政府委員(古賀速雄君) 野田先生の御質問に対しまして、まず私、労務部長でございますが、私からお答えをいたしたいと思います。  先生すでによく御存じのように、駐留軍従業員の給与は、これは米軍が支払って負担をするということになっておりまして、給与の中身等につきましてはAB間、つまり米軍と施設庁の間で協議をして決める、さっきおっしゃいました基本契約でございますが、そういうふうなたてまえになっておるわけでございます。  そこで、毎年給与改定につきましては、公務員給与改定が終わりまして直後に米軍と交渉に入るわけでございます。そこで、先生おっしゃいましたように、四十九年から五十年にかけてはこの交渉が大変難航いたしまして、四十九年は二月、それから五十年は年度末というふうなことになったわけでございますが、この原因は四十九年は二九・何%、約三〇%の労務費のアップ、それから五十年も一〇%を超えるアップでございまして、米軍のこの負担が相当なものになりまして、片や人員整理をやっても労務費の負担がなかなか軽減しない。ちなみに、これは約一千億になっておるわけでございますが、そういった関係で、米軍はこの給与改定につきまして、労働条件の引き下げと申しますか、少し現在の給与を値引きしろというふうな交渉がこれに絡んでまいります。そこで大変にこの交渉が難航すると。私どもとしては当然のことですが、基地に働いております従業員の労働条件を低下するということは極力避けなきゃならないということで私どももがんばるものですから、そういうことで大変長引いたのが従来でございます。  ところで、ことしはその経緯にかんがみまして、そういった労務の基本的な問題は交渉とは切り離して、別途AB間で検討してその問題点を洗い出して、さらに要すれば日米合同委員会に上げて、日米両政府間の問題として片づけようと、こういうふうな段取りがことしの春からつきまして、この点については七月の十六回の安保協議委員会でも合意を見たわけでございますが、そういったことでやっておりますので、ことしは従来とは違ったようなやり方になっております。したがって、恐らく今回の給与改定につきまして、従来のような形でリンクさせるようなことは理論的にはできないわけでございますが、まあ相手があることでございますのでこれからの話でございますが、私どもといたしましては今後の給与改定につきましては、昨年、一昨年のようなことが絶対にないように努力をする決意でおります。
  43. 野田哲

    野田哲君 自治省に最後に伺いたいと思うんです。自治省は昭和五十一年十月十五日付の自治給第四七号、こういう形で、地方公務員給与改定に関する取扱いについて、次官通達を各地方公共団体に出されておるわけでありますが、この第一項によると、「地方公共団体における職員給与改定の実施は、国における一般職職員給与に関する法律改正等の措置をまって行われるべきものであり、いやしくも国に先行して行うことのないようにすること。」と、こういうまず項目があるわけでありますが、地方自治体における給与決定というのは、これは労使交渉を積み上げた上で条例によって決定をされるわけでありまして、条例の制定権というのは、これは自治体固有の権能であって、地方自治体の職員給与改定が行われる手順から言えば、人事院勧告が行われ、あるいは地方人事委員会勧告が行われればこれによって準拠すべき基準というものははっきりしてくるわけです。それが出さえすれば、いつ条例で制定しようとこれは自治体が判断して決めるべきものであって、このように「いやしくも国に先行して行うことのないように」と、これは少し自治体の権能に対して不当に自治省が介入をし過ぎているんじゃないんですか。「いやしくも」とは一体何ですか。こういう、国よりも先に条例を制定をしてはいけない、国の法律改正が行われるよりも前に条例の制定を行ってはいけないという根拠はどこにあるんですか。
  44. 石見隆三

    説明員(石見隆三君) お示しの十月十五日の次官通達は、国家公務員給与改定につきまして閣議決定がなされましたことに伴いまして、地方公務員給与改定について留意すべき事項を次官名をもってお示しをいたしたものでございます。先生御案内のとおり、本来地方公務員給与国家公務員給与に準ずるというのが地方公務員法で定めております給与決定原則に最も適合したものであろうというふうに私ども考えておるわけでございます。したがいまして、地方団体におきます給与決定の実施を国におきます一般職職員給与に関する法律改正などの措置を待って行っていただく、すなわち国家公務員につきましての給与改定についての最終的な確定を待って行っていただくのが適切ではないかというような考え方に立ってこの一項を書いたつもりでございます。  なお、給与改定につきましての国の人事院勧告あるいは閣議決定がなされました場合には、給与改定についてのいわば人事院としてのお考え、あるいはまた政府の方針が一応定まるということになるわけでございますが、給与法定主義との関連から申しましても、前段申し上げましたように、国家公務員給与改定についての最終的な確定を待って措置をしていただくというのが適当だろうというふうに存じておる次第でございます。
  45. 野田哲

    野田哲君 内容の適正、不適正を私は言っておるんではないんです。国の場合で言えば人事院勧告があり、それが閣議決定で行われれば、これで国としての、政府としての方針、意思表示というものはあったわけでしょう。そうすれば、法律が制定されるまでに条例で制定してどこが悪いんですか。中身の適正、不適正というのは、これは別の角度から検討しなければならないが、法律改正よりも地方自治体における条例の制定が前であることがなぜいけないんですか、どこに問題があるんですか。あなたは適切な措置だというふうに言われたけれども、こういうことがあるがゆえに地方の労使間では無用な紛争をこの通達によって巻き起こしているんじゃないですか。十月にちょうど議会があったからそこで条例の制定を行うということがなぜいけないんですか、法律的にそういう根拠があるんですか。
  46. 石見隆三

    説明員(石見隆三君) まあ人事院勧告がありました段階におきまして、それぞれの地方団体におきまして人事院勧告内容等もごらんをいただき、あるいはまた職員団体とその時点でいろいろなお話し合いをなさるということは、私どももとより否定をいたしておるわけではございません。しかし、先ほど申し上げましたように、地方公務員給与は、地公法の規定に基づきまして国家公務員に準じて取り扱っていただくというのが地方公務員についての給与決定の原則に最も適合しておるものというふうに私ども考えております。したがいまして、その内容、あるいはまたその手続等におきましても、国家公務員に準じてやっていただくのが適当ではないかというふうに考えておるわけであります。そこで、先ほども申し上げましたように、国家公務員につきましての給与改定について最終的な決定、すなわち国会の法律の制定を待ちまして地方公共団体としてはその取り扱いを決めていただきたいというふうに存じておる次第でございます。
  47. 野田哲

    野田哲君 これはもう全然だめだ。準じるというのは、条例の制定が前か後かということが準じるということじゃないと思うんです。具体的に言えば、十月十五日には政府閣議決定を行ったわけですから、政府の意思はそこで明確になったわけです。それで、地方自治体で政府の方針が明らかになったと、準拠すべきところも明確になって、十月二十日ごろに条例を制定する、議会に提案する、これがなぜ悪いんですか。どこが悪いんですか、それが。はっきりしてください。
  48. 石見隆三

    説明員(石見隆三君) 国家公務員につきましての給与改定についての閣議決定がなされますれば、ただいまお示しのとおり、まさしく給与改定についての政府の方針は確定をされたというふうに私ども理解をいたすわけでございますが、申し上げるまでもなく、国家公務員給与につきましては、給与法定主義というたてまえをとっておられるわけでございますから、国会の法律の制定を待って国家公務員給与というものが確定するものであるというふうに私ども理解をするわけであります。そこで、先ほど申し上げましたように、地方公務員給与国家公務員給与に準ずるというたてまえをとっておりますので、国家公務員についての給与の確定を待って地方公務員給与についてのお取り扱いを決めていただくというのが順序としても妥当ではないかというふうに存ずるわけでございます。
  49. 野田哲

    野田哲君 これ以上言いませんがね、全然趣旨が違いますよ、これは。  最後に、時間が来ましたので防衛庁長官もう一回。沖繩ですけれども、軍の労働者、特にエクスチェンジという職場がありますけれども、私この間沖繩へ行って見たんですけれども、日本人の軍に働いておる労働者がどんどん断続的に首を切られております。日本人の首を切る傍ら、米軍の方で、米軍の家族などへ英文の文書をずっとばらまいて、日本人の首を切った後へ米軍の家族とか、米軍を退役をした者を採用しているという状態がずっと続いております。この問題については昭和四十九年の秋、いまごろであったと思うんですが、当時の山中防衛庁長官、私が指摘したときに山中長官は胸を張って、そういうことは即座にやめさせます、こう言って答えておられるんですけれども、ずっと続いているんです。これはよく調査をして、こういう状態で非常に雇用の不安定な沖繩において、そういう米軍の措置によって、職場があるにもかかわらず日本人の労務者は締め出されて、そのポストへアメリカの家族や退役をした者が職についている、これは全く不当な措置と言わなければならないと思う。こういう措置が起こらないようにひとつきちっとした措置をとってもらいたい。
  50. 坂田道太

    国務大臣坂田道太君) ただいま仰せの事柄につきましては、私も承知をいたしておるわけでございまして、そういうことはやはりあってはならないことでございます。したがいまして、私どもといたしましても、厳にそのことに留意いたしまして米側とも折衝をいたしておるわけでございまして、今後とも十分注意をいたしまして、改善に努めてまいる所存でございます。
  51. 中山太郎

    委員長中山太郎君) 三案に対する午前の質疑はこの程度にとどめます。  午後一時まで休憩いたします。    午後零時三分休憩      —————・—————    午後一時十一分開会
  52. 中山太郎

    委員長中山太郎君) ただいまから内閣委員今を再開いたします。  休憩前に引き続き、一般職職員給与に関する法律の一部を改正する法律案特別職職員給与に関する法律及び沖繩国際海洋博覧会政府代表設置に関する臨時措置法の一部を改正する法律案防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案、以上三案を便宜一括して議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言を願います。
  53. 秦豊

    ○秦豊君 私は防衛関係にしぼりたいと思いますから、西村長官人事院総裁、自治省側、どうぞくつろいでください。  防衛庁側に伺いますけれども、この提出法案、拝見しましたけれども、具体的なポイントをちょっと伺っておきたい。つまり、陸上と海上、航空三自衛隊の年間総予算、それと人件費の比率、これをこの際伺っておきたいのと、それから今後二、三年の趨勢をもあわせて伺っておきたい。どうでしょう。
  54. 原徹

    政府委員(原徹君) お答えいたします。  陸上自衛隊の総予算は、五十一年度の当初で見ますると六千五百十七億円、で、人件費と糧食費を足しまして五千二百十一億円で、その割合は八〇%になります。ちょうどでございます。今度のこの法律給与改定がございますと、改定後で陸上自衛隊六千五百八十九億円に対しまして、五千二百八十三億円でその比率は八〇・二%になります。  それから、海上自衛隊につきましては、当初予算が三千四百四十一億円で、人件費、糧食費千四百九十九億円、その比率四七・七%。それから改定後で申しますと、総予算三千四百六十二億円、それから人件費、糧食費千五百二十一億円、四八・一%でございます。  それから、航空自衛隊は当初予算三千六百二十二億円、それから人件費、糧食費千四百七十一億円で四〇・六%、それから改定後は総予算三千六百四十三億円で、人件費、糧食費千四百九十二億円、その比率四一・〇%でございます。  そこで今後のことでございますが、私ども防衛関係費全体の中で、いまの比率、人件費、糧食費の割合は全体で五六%でございます、五十一年度。それが今後どうなるかということでございますが、四十一年から四十六年ぐらいまでの間は大体その比率が四六%程度でございました。特に四十九年、五十年、五十一年と例の石油ショック以来の値上げによりまして、大幅なベースアップがございましたものですから、その比率が四六から五六にぽんとはね上がった、こういうことになっているわけでございます。これは確かに非常に高い数字でございます。私どもはなるべくこれが下がるように期待をしておるわけでございますが、今後毎年度、これはベースアップの率と、それから防衛関係費の伸びの率と、それの相関関係になるわけでございますが、人件費、糧食費ウエートが五六%でございますから、それが仮に一割伸びる、そうしてその人件費、糧食費以外が仮に一五%というような感じでいきまするとその比率が年一%程度いまのシェアが下がります。その程度のことは私どもは可能ではないかと思いますし、ぜひ徐々にこの比率を下げていきたいと、そういうふうに考えております。
  55. 秦豊

    ○秦豊君 私は三十分しか時間がありませんので、坂田長官と基盤的防衛力問題とか、あるいはポスト四次防大綱の決定を踏まえた論議を展開するには余りにも僅少な時間だから、きょうは具体的な問題を二、三伺って恐らく時間になると思うのですが、FXの選定に絡んで伺っておきたいんだけれども、これは防衛局長でしょうか。平野さんあたりの話ですね、空幕長、それからあなた方の内局の局長クラスの考え方。つまり私どもが横から見ておりますと、FXの予算要求をする場合の機数ですね、機数をどう踏まえるか、これは重要なポイントです。あなた方はポスト四次防大綱の骨子において、いわゆる量から質への転換、基盤的防衛力構想、まだこれはこなれが悪くて、あなた方自体まだこの理論を十分にかみ砕いているとは言えない、まだ熟成していないと、こう私は思う。ところが、内局の考え方と空幕のとらえ方は、機数の選定においてかなり食い違いがあるんじゃないか。たとえば内局は、私の知り得た限り、この一スコードロン、飛行隊を、基幹的な機数を十二機とした場合は予備機が四機、そうすると十六機で、五個飛行隊で八十と、教育訓練用が十とすれば九十でおさまるんだがというふうな、仮に概算をしているのかしていないのか、これは見当外れなのかわかりませんが、それでユニホームの方は基本機数自体がすでに十八機ぐらい、十八機編成で予備機を四とすると二十二機、二十二機の五スコードロンで百十機、予算にすれば二千億、三千億ぽんと違いますから、これはかなり違います。だから、基本的にどうとらえるかという問題が内局と空幕の間で一致しないととても予算要求には至らないと思う。この点だけに限定して防衛局長どうですか。
  56. 伊藤圭一

    政府委員(伊藤圭一君) 機数の問題は、御承知のようにF86Fのときには一個スコードロン二十五機でございました。104以降というのは一個スコードロンを十八機で計算いたしております。したがいまして、FXにつきましても一個スコードロン十八機という基準編成については認識は変わっておりません。しかしながら、御承知のように非常に高価なものになる見通しでございますので、その十八機の編成に在場予備、それからIRANのための予備機というものがございます。そういったものを稼働率を上げること等によりまして多少とも節約できるんではないかというようなことで検討はいたしております。
  57. 秦豊

    ○秦豊君 しかし、それにしても煮詰まり方が遅いのは、防衛局長、内局とユニホームとの間に、あなた方が備えねばならない脅威についての対処の仕方についての認識、これが大きく差があるのかどうか。そうではなくて、認識は一致しておるんだが単に財政上の理由で大蔵省と国民世論と野党の方を振り向きながら、とにかく抑えようという内局主導型の配慮だけが問題なのか、その点はどうなんですか。
  58. 伊藤圭一

    政府委員(伊藤圭一君) 一九八〇年代の航空機の性能そのものにつきましての違いがあるわけではございません。しかしながら、一方におきまして、いわゆる計画数値としては、従来の104、ファントムのときと同じように、前広に必要な機数というものは計算上はすぐ出てくるわけでございます。しかしながら、同時にまた104、ファントムの経験などを踏まえまして、一方オイルショックその他配備の問題等がございまして、現在までの実績等を勘案いたしまして、節約できるものはどの程度までできるのかというような現実から来ました検討というものをしている次第でございます。
  59. 秦豊

    ○秦豊君 では基本に立ち返って、あなた方がいやしくも予算要求をする機数算定の根拠、これはどういうところにあるわけですか。
  60. 伊藤圭一

    政府委員(伊藤圭一君) これは基盤的防衛力の中で、いわゆる常時警戒態勢を保つためには、現在九カ所でアラート態勢についております。この飛行機のユーティリティーアワーと申しますか、一カ月間の飛行可能時数というものを計算いたしまして、二機を五分待機にし、さらに二機を一時間待機という形で維持するためには、その背景にどのぐらいの機数が必要かというのが計算の基礎になっておるわけでございます。
  61. 秦豊

    ○秦豊君 まあ平野さん側と伊藤さん側で、では機数算定についての認識と把握が一致し、予算要求ができるのは一体いつごろですか。
  62. 伊藤圭一

    政府委員(伊藤圭一君) これは概算要求の時期というのがだんだん迫ってきておりますので、遅くとも今月の下旬までには結論を出して、大蔵省に概算の要求をしなければならないというふうに考えておるわけでございます。
  63. 秦豊

    ○秦豊君 あなた、この前私に対する答弁で、空幕の上申ですね、正式な。これは十一月末かと聞いたら、あなたはいや中旬にいたしたいと言われたが、大体煮詰まりましたか、あるいは変更がありましたか。
  64. 伊藤圭一

    政府委員(伊藤圭一君) 中旬ごろまでには上申をもらいまして、その結果を踏まえまして、下旬までには大蔵省の方に申し込みたいというふうに考えております。
  65. 秦豊

    ○秦豊君 坂田防衛庁長官、あなた方が前の久保次官らと協議をして、あなたが取り上げ決定をしたいわゆる坂田方式ですね、基盤的防衛力構想、量から質。量的にはすでに日本の自衛隊の力は概成、おおむね成ったと、したがってより高いクオリティーをという路線をとろうとされている。ところが、すでに基盤的防衛力を適用する最初の正面装備の更新であるFX、これをどう選ぶかという段になると、あなた方の見解はどうしても基盤的防衛力的ではないんですね、私の見るところ。どうしても、在来の対処防衛力構想というか、理論というか、それを払拭し切っていない。いまだにそれに実態はとらわれていると私は思うんですよ。たとえば、詳しく言っている時間はないけれども、あなた方は基盤的防衛力構想を出せば、はなはだもって自己抑制的で、恐らく世論の合意を得るというふうな甘い計算をしたのかもしれないけれども、私から言わせれば、絶えず衣の下からより近代的なよろいがのぞいているだけだという程度にすぎない。また全体として熟成していないと思うんだけれども、何かFX選定の場合は、在来の構想とどこがどう違うのかさっぱりわからない。これについては的確な答弁ができますか。
  66. 伊藤圭一

    政府委員(伊藤圭一君) 基盤的防衛力の中におきましては、質的な向上というものを重点として考えております。したがいまして、FXの段階におきましては、一九八〇年代の航空機の性能に対処できるものという考え方でございます。在来の所要防衛力という考え方でまいりますと、本来的には、航空自衛隊といたしましては、日本の要撃体制といたしましては十個スコードロンでは足りない、もっと飛行場も持ち、もっと多くの航空機も持ちたいという考え方がその背景にあったわけでございます。しかしながら、今度の基盤的防衛力におきましては、先ほどちょっと私間違って申しわけございませんが、九カ所でアラートについておると申し上げましたが、七カ所でございます。この七カ所でアラートについておれば、いわゆる領空侵犯に対する措置も可能であり、そしてまた奇襲的な攻撃というものにも直ちに対処できるという観点に立ちまして、この十個スコードロンを今後とも維持していこうという、その出発点において所要防衛力の考え方と基盤的防衛力の考え方というのは違っているというわけでございます。
  67. 秦豊

    ○秦豊君 装備局長、空幕側は、FXがF15と特定をして大体六十億見当と、空幕なりの要するにある機数を踏まえた上でですね。こういうふうに把握をしておるようだが、内局はそれより高く算定をしつつあるのではないか。FXの価格、これは重要な関心事の一つであると思うが、いまこの段階ではどの程度に把握がされているか、伺っておきたい。
  68. 江口裕通

    政府委員(江口裕通君) 先般もお答え申し上げましたように、何分目下は、機数算定その他作業中でございます。したがいまして、数字が非常に動きますので確たるお答えを申し上げることはできないという状況でございますけれども、お答えをごく丸く、大変恐縮でございますが丸く申し上げますと、一応完成機ベースの考え方と、それから、その後TFと申しますか、いわゆるトレーナーバージョンを入れます。それからノックダウンを入れまして、さらにフォローオンということになるわけでございますが、その間に価格が動いてくるのはこれは当然でございます。先般も申し上げましたように、完成機ベースでございますと六十億にはもちろんなりません。しかしながら、これがフォローオンになってまいりますと、やはり六十億を超えるというのがどうも私どもの推定でございます。いま大体そういうプライスのレンジをもって価格の算定あるいは査定等をいたしておる段階でございます。
  69. 秦豊

    ○秦豊君 これは時間があるときにもっと詰めましょう。それから本質論もそうしましょう。  防衛局長ね、こういう点はどうなんですか。あなた方は、量は一応概成だから固定をしておいて、質を高めるんだと。ところが、正面装備の購入費というのは年々高騰するわけですね。狂騰と言ってもいいかもしれない。そうすると、質のうんと高いものを装備すれば、つまりユニホームの大好きなより精強な戦闘機とか、より精強なミサイルとか、こういう感覚を当てはめると、うんと高いものを仮に購入すれば、これは数量的には減らせるんじゃないですか、どうなんですか。
  70. 伊藤圭一

    政府委員(伊藤圭一君) そういった一つの要素も確かにあろうかと思います。その点が具体的に出ておりますのは、86Fのとき二十五機の編成であったものが104以降は十八機という編成に変わったということ、あるいはRFの飛行隊にいたしましても、86のときには二十五機であったものが現在は十四機、それによって十分任務が果たせるというようなことも具体的にあるわけでございますから、いまと同じものを、性能を向上さして必ず必要とするかどうかというのは、その性能と効果といいますか、そういうものとの比較によって判断されるべきものだというふうに考えております。
  71. 秦豊

    ○秦豊君 これは長官にも一度聞いたことがあるんだけれども、いわゆる文民統制、シビリアンコントロールの最高機関は言うまでもなく当国会である、したがって所轄委員会内閣委員会あるいはその他の関連委員会である、これは自明の理である。ところが、あなた方がFXを選定しようとする場合には、私が絶えず言うんだけれども、この機数が、どういう脅威がインプットされ、ORが終わり、部内作業が終わり、機数が算出をされたのか、なぜこの機種でなければならないのかというきわめて根源的なところについては、国会がいままで著しくチェックができていない。結局ユニホームの願望が数量化され、そして素人の集まりのような国防会議で追認されるのみというふうな状態が在来繰り返されてきたパターンである。去る二十九日に終わった国防会議だって、そんなに突っ込んだ議論があり得たとはとても思えない、あの程度の時間量では。私は言いたいんだけれども、こういう本質論はきょうあと十分しかないからとてもできませんが、言っておきたいのは、われわれ国会に、坂田さんの持論によれば、重要な正面装備の更新等は国民の痛切な関心事ですよね、そういう場合にはできるだけたくさんの情報を、事実を、資料を出すと言っていた坂田さんの考え方によも変わりはないと思うが、FXの問題がより具体化されてくる段階で、委員会審議の持ち方ももちろん工夫しなければならないが、いままでよりより踏み込んだ資料を国会議員に提供し、そしてわれわれを通じて疑惑を持った国民にこたえると、こういう基本的な姿勢にはよも変わりはないと思うが、念のために、これからAEW、PXL、FXを議論しようとする大事な時期なんだから、長官見解を改めて聞いておきたい。
  72. 坂田道太

    国務大臣坂田道太君) これからどういう機種を持つか、たとえばFXにしましてもPXLにいたしましても、それが国民の生存と自由にどのようなかかわり合いを持つかということにつきまして、やはり私たちといたしましてはできる限り国民の皆様方におわかり願えるような資料を提出すべきであるというふうに私は考えておる次第でございます。
  73. 秦豊

    ○秦豊君 さらに要望をしておきたいんだが、前回、前々回の私のFX質問に対して、たしか坂田長官も伊藤防衛局長も、失礼だが、なぜF15でなければならないのか、もちろんあなた方は絶対的にという絶対の二字ははずされたけれども、意識的に。なぜF15でなければならないのかという設問に対しては不十分な答弁しかいただいていない。したがって、私はあの質問は恒久的に留保して、今後ともあなた方を問い詰めていきたいと思う。  もう時間がないからちょっとはしょりたいんだけれども、私、先般航空ショーを見に行った。勉強の一環だと思ったが、あそこでF14と15と16を一応専門家の解説を聞きながら素人なりに手探りで回ってみた。よくもあなた方が大胆にF15一機種、よくも大胆というか、ラフというか、もうとにかくよくもあんな一機種にしぼれたものだというのが私の実感で、それぞれ運用を考え、それぞれ比較を客観的にすれば、それぞれにとるべきところがある、もちろん捨てるべきものもあるだろうが、よくも大胆にF15にしぼったものだと。やはりこれはあなた方が、日本に内在するニーズというか、必然というか、必要よりも、アメリカのいわゆる極東空軍との、第五空軍との、あるいは第七艦隊との、アメリカの戦力との共同作戦、日本には重戦闘機構想、フィリピン、韓国には、まあハイ・ロー・ミックスで言えばローの方、この程度を選ばせるというふうな構想をあなた方が忠実に履行しているにすぎないと私は思うんですよ。この点についてだけ答弁を求めておきたい。
  74. 坂田道太

    国務大臣坂田道太君) 秦さんはF15に決まったような前提でお話しでございますが、私どもまだ決めておるわけではございません。私といたしましては、やはりF14、F15、F16、そのおのおのの特徴、長短というものがあると思うんです。それを比較いたしまして、その三つのうちでどれがよりベターであり、どれが日本の防衛の中で防空ということについてベターであるかという選定をしなくちゃならない。ですから、これだけじゃなくて、14、15、16のいいところもあるだろうと思うんです、それぞれ。しかし、それをわれわれが選択したのはこういう経緯でございますという説明ができるようにしなければいけないんではないかというふうに私は考えておるんです。まだ私のところへ上申してきておりませんので何でございますが、私はそういうふうに運んでくれと言っておるわけです。
  75. 秦豊

    ○秦豊君 そんなのどかな段階ですか長官。あなたの答弁、それは非現実ですよ。事態はもっと進行しているんで、いまやF15一本でしばって、その理由づけ、背景説明ができるように準備しつつある。その文書が上申書なんですよ。平野さんのところから、伊藤さん経由かなんか知らないけれどもあなたのところに回ってくる。そんなあなたの言われたように、いまごろのどかに悠々と、14、15、16をそれぞれ比べているのであります、そのように言いつけているのであります、そんなのどかな段階じゃありませんよ、あなた。それはあなた間違いです。それはこの次の閉会中審査その他特別国会以後、予算化とあわせてそれは追及したいと思います。あと数分しかないみたいだから、ちょっと具体的な問題聞かしてくれませんか。防衛庁は坂田方式によってGNPと防備費の問題を、私もいつか追及したが、一%以内から一%程度というふうに微妙に路線を転換しつつあり、巧みに世論を誘導しつつある。ところが、はじいたことがあるんですか。仮に経済企画庁の数字を引用して、わが国の経済成長率がおおよそ実質で六%とした場合の防衛費とGNPとを比較してみると、仮に昨年度のように〇・八%台とした場合、アローアンスを見て、幅をとって〇・八から一%とした場合でも八兆三千五百億円から十兆四千四百億円になりますよ、〇・八から一%の中ではじいてみると。そうしますと、これは四次防の当初見積もりのおおよそ二倍ですよ、これは。当初見積りの、実績じゃありませんよ、当初見積もり。それから、第一次から始まって第四次に至る防衛力整備計画に費やした総額にほぼ見合います、これは。だから、あなた方は一%程度なんて気軽におっしゃっているけれども、そんなふうにやすやすと口にしてほしくないような膨大な金額なんですよ、これは。これを踏まえた装備計画、防衛計画なんです。そういう点についてGNPの一%程度なんて気軽におっしゃったけれども、あなた方は今後数年間の経済動向を一応インプットしながら、防衛費が一%になった場合、あるいは一・二になった場合、装備計画との見積もりにおいてそういう算定作業はとっくになすっているんでしょうね。
  76. 原徹

    政府委員(原徹君) いま御指摘のように、五十一年度のGNPは百六十八兆でございますから、五倍と単純にいたしましても八百兆になります。六%の伸びを見積もりますと、五年がちょうど千兆、たしかその程度でございます。だから一%で申しますとそれは十兆、〇・八%なら八兆、そういうことになるわけでございますが、四次防のときとこれからのときというのは価格の出発点のベースが非常に違うわけでございます。四次防は四十七年度の価格でございましたし、今度はやるとしても五十二年度からの問題で、その間の値上がりを考えますと、それは仮に十兆といたしましても実質二倍などというものではとてもない、多分一・二倍か三倍か、実質はそんな程度のものではないかというふうに、計算上はそういうふうになるわけでございます。
  77. 秦豊

    ○秦豊君 時間がありませんから、これはどなたでしょうか、防衛局長か、装備局長か私よくわかりませんが、レーダーの換装計画を今後のために伺っておきたいのですが、今後換装されるレーダーは三次元レーダーでしょう。恐らく東芝あたりのメーカーではないとも思うが、それを含めて、方位と距離だけではなくて高度が把握できる三次元レーダー、これに換装をしつつあるのではないか、この前もちらっと言われておりましたね。そこで伺っておくんだけれども、三次元レーダーへの換装予定は何カ所ですか。
  78. 伊藤圭一

    政府委員(伊藤圭一君) 三次元レーダーへの換装というものは実は四次防の当初からやっております。四次防というより、三次防の終わりごろからやっておりまして、全体にございます二十八カ所のレーダーを逐次いいレーダーにかえていっているわけでございます。現在までに換装が終わりましたのが六カ所ございまして、現在予算がつきまして換装中のものが嶺岡山でございます。したがいまして、七カ所予算化されまして換装が終わることになっております。いままでの三次元レーダーというものはかなり大型のものでございましたが、今後の三次元レーダーはこれを多少改装いたしまして、もう少し能率のいい小型のものに改めまして、私どもの計画といたしましては毎年一カ所程度のテンポで更新してまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
  79. 秦豊

    ○秦豊君 伊藤さんね、どうなんですか、二十八カ所いまありますね。けれども、あなた方の基盤的防衛力構想に従えばよりクォリティーが高くなるのだから、性能がアップするんだから量は減ることはあり得るとおっしゃいましたね。レーダーサイトも減るのですか、換装が全部終わったら。
  80. 伊藤圭一

    政府委員(伊藤圭一君) この三次元レーダーというのは、御承知のように、いままでのレーダーは方向を探るレーターと、それから測高——高さをはかるレーダーと二つに分かれておったわけでございます。これも一番最初はFPSの3というのは非常に古いものでございました。これを逐次FPSの20というのにかえてまいりまして、現在はほとんどがFPSの20というものにかわってきておりまして、その中でさらに七カ所三次元レーダーにかわっておるわけでございます。しかしながら、捜索するための到達距離というものが飛躍的に延びるというものではございませんし、御承知のようにレーダーの場所というもの、レーダーの覆域というものは地形あるいは水平線によって限度があるわけでございますから、現在の全国的に配備されております二十八カ所のレーダーというものはやはり警戒体制としては必要だというふうに考えております。しかしながら、この三次元レーダーになることによりまして、飛行機を見つけましたら高度も方向も直ちにわかるというような非常に能力が上がってくるというふうに考えておるわけでございます。
  81. 秦豊

    ○秦豊君 これ時間がないから、後で調査をした上で、もしおわかりでなければ。私の調査によるとレーダーサイトは二十八マイナスアルファだと思います。四カ所ぐらい減るんじゃないだろうか、最から質への転換の中で。御前崎、滋賀県の経ケ岬、根室ほか一カ所、これは減るんじゃありませんか。お答えできるならばいまここでしてください。
  82. 伊藤圭一

    政府委員(伊藤圭一君) いま申されました根室、御前崎、それから海栗島というところがございます。これはいわゆるレーダーサイトの中でバッジシステムの中に組み込まなかったレーダーサイトでございます。といいますのは、そこの覆域でございますけれども、この三つがほかのバッジシステムと同じように直ちに連動しなくてもある程度の機能を果たせるということで、これはマニュアルで残してあるところでございます。しかしながら、このバッジシステムというものは、背景といたしましてマニュアルシステムを残しております。といいますのは、そのバッジシステムに故障が起きましたときに直ちにマニュアルに切りかえまして捜索ができるようになっておるわけでございますので、そういう観点から、その三つのレーダーサイトもいまのマニュアルのままで維持していきたいというふうに考えているわけでございます。
  83. 秦豊

    ○秦豊君 これが最後ですが、時間をはみ出した部分は後から回答をいただきたいと思います。  いまのに関連しまして、バッジシステムの更新もあるわけですね、性能アップも。それはメーカーはヒューズなのかその他の連合なのか、どれぐらい費用がかかるのか、つまり予算が。それから、バッジシステムに組み込むサイトの数は幾つか、これもいまここで答えられれば伺いたい。  最後に、いま防衛協力小委員会、少し足踏み状態であるが、防衛庁サイドあるいは三幕の中で、日米連合防衛戦略構想というふうな構想を練り上げつつある形跡がほの見えるんだけれども、いわゆる間接侵略、敵の一部武力の非公然な行使の段階、これを活力の活で活戦段階とし、あとは武力戦段階というふうなさまざまな段階を想定して、日米防衛協力、分担という分野をより精密に煮詰めようという作業が行われている事実があるかどうか。その二つを最後に伺っておきたい。
  84. 伊藤圭一

    政府委員(伊藤圭一君) いま申されたようなことは私聞いておりません。そういった間接侵略の段階から共同でやるというようなことは考えておりませんので、私は聞いていないわけでございます。
  85. 秦豊

    ○秦豊君 そういう作業は行われていないと明言できますね。後から出てくると困りますよ。いいんですね。
  86. 伊藤圭一

    政府委員(伊藤圭一君) 私はそういうことがないと確信いたしております。
  87. 秦豊

    ○秦豊君 それでは最後に、いまの問題はさらに継続的に伺いますけれども、バッジの問題を調べてお答えをいただきたいと思います。時間切れだから一応これで終わります。
  88. 片岡勝治

    ○片岡勝治君 先ほど野田委員の方から、今度の給与改定についていろいろの角度から説明があったわけでありますが、私は減税という問題について今度の給与改定との関連から質問をしていきたいと思うわけであります。  御承知のように、政府はことし、来年も減税ゼロ、こういう方針でいるやに聞くわけでありますけれども、しかし、減税に対する国民の要望は大変強い。これは各新聞もここ一カ月の範囲内において、この減税ゼロに対して相当厳しい批判をし、記事になっておるわけであります。特にロッキード事件が国民の前に暴露され、あるいは三木引きおろし劇を半年も繰り返している、あるいはまた閣僚の中でも反三木の署名などをして大騒ぎをしている。しかも物価はどんどん上がっておって全然下がる傾向を見せていない。国民の目からすると夢も希望もない日本だと、こういう感じを素朴に持っているんです。そういう中で、せめて減税ぐらいは何とかできないか、そういう希望、期待が、私は大変暗い世相ではありますけれども、まあ減税ぐらいやってひとつぱっと明るくしてくれないか、そういう希望が大変強いわけであります。そういう点でひとつ政府見解を承りたいと思うわけであります。  第一番目に、これは九月十六日に国税庁が発表いたしました昭和五十年度の民間サラリーマンの所得の実態調査ですか、税務関係から見た所得の実態、こういうものが発表されました。その内容について、平均給与所得が幾らか、あるいはその伸び率が幾らか、国税庁から見たその数をここでちょっと発表していただきたいと思います。
  89. 矢澤富太郎

    説明員矢澤富太郎君) ただいま御指摘民間給与実態調査、これは五十年十二月の給与調査でございますが、一年を通じた給与の伸びは、前年に比べて一二%伸びるとまとめております。なお、この間の物価の上昇は一一・八%でございました。
  90. 片岡勝治

    ○片岡勝治君 いま発表されましたように、民間給与実態調査と、それからその間の消費者物価指数の上昇の伸び率、これを見るとほとんど同じである、あるいは見方によると逆転をしてきたということになってきたわけであります。つまり、それだけ日本のサラリーマンの生活は引き下げられてきた、こういうことがはっきり言えるわけであります。  さてそこで、五十一年、そして五十二年が減税ゼロという政府の方針でありますから、そういう前提に立って、今度給与改定が、春闘が九%あるいは一〇%、今度の人事院勧告もそれに近い数字を示しているわけですよね、この九%ないし一〇%、仮に数字を計算を簡単にするために一〇%ということに想定しましょう、春闘並びに今度の人事院勧告に基づく給与改定。この一〇%が給与改定によって引き上げられた、春闘によって引き上げられた。必然的に税金が、累進課税でありますからそれに基づいて引き上げられてくるわけです。きょうの毎日新聞にも「減税へぜひ蛮勇を」ということで記事が載っておりました。その数字を拝借をいたしまして質問をいたしますが、昭和五十年の年収三百万円の人が、仮に春闘あるいは給与改定で一〇%の給与改定があったとすると、昭和五十一年には三百三十万円、昭和五十二年には三百六十三万円になる。したがって、それによる所得税が昭和五十年には八万二千八百円、それが減税ゼロ、しかし一〇%のベースアップがありましたから税金の方は十一万百六十円、さらに昭和五十二年には十四万一千六百三十二円ということになるわけですね。これはいいですか、この数字は。
  91. 矢澤富太郎

    説明員矢澤富太郎君) 先ほど先生から毎日新聞をいただいて拝見しておりますが、その数字は毎日新聞に記載のとおりでございます。
  92. 片岡勝治

    ○片岡勝治君 そうすると、この負担率ですね、この三百万円の一人の労働者の所得税の負担率はどういうふうになりますか。あるいはもう一つは、税金が八万二千円から十一万円、十二万円から十四万円に増税されるわけですね、この増税の率はどういう数字になるか。
  93. 矢澤富太郎

    説明員矢澤富太郎君) お答え申し上げます。  所得税だけの率で申し上げますと、五十一年の三百三十万円のときの税負担は三・三四%でございました。五十二年度はそれが一割ふえて三百六十三万円ということに相なりますと、税額は十四万一千円余りとなりまして、その負担率は三・九〇%と相なると思います。
  94. 片岡勝治

    ○片岡勝治君 もう一つ増税の率、これは毎日新聞に載っております。この記事によると、五十一年から五十二年度の増税の率は、つまり二百万円の人は、これは住民税が入っておるようでありますけれども昭和五十一年が四万四千五百円、昭和五十二年には一〇%のベースアップによる増税四八・八%、三百万円の人は増税の率二八・五%、以下そこに数字が書いてありますが、この数字は誤りないと思いますが、いいですか、これで。
  95. 矢澤富太郎

    説明員矢澤富太郎君) 計算、チェックはしておりませんが誤りないだろうと思います。
  96. 片岡勝治

    ○片岡勝治君 こういうふうに数字を見てまいりますと、一〇%の春闘あるいは今度の人事院勧告に基づく給与改定による減税ゼロ、そういうことで計算をいたしますと、実は減税ゼロではなくて大変な税金の増になってくるということですね、いま数字を挙げましたとおり、負担率を考えてみましても相当の負担率の伸びがあるわけであります。あるいは増税の率を考えてみましても四八・八%、二百万円の人はつまり五〇%の増税の率になるわけです。つまり、一〇%の賃上げに対して実は税金の方は五〇%の増ということになりますから、これは大変な増税になるということ、恐らく戦後最大の増税ではないですか、これは。減税ゼロとは言いながら戦後最大の増税ということになってくるわけです。  そこで、今度の春闘で九%台あるいは今度の人事院勧告に基づくベースアップで所得税はどのくらい増収になるんですか。もし数字がわからなければ率でもいいです。
  97. 矢澤富太郎

    説明員矢澤富太郎君) ちょっとただいま、おおよその数字も頭にございませんので、申しわけございませんけれどもお答えいたしかねます。
  98. 片岡勝治

    ○片岡勝治君 しかし、今度の五十一年度予算を計上するときに、税収というのは、ここに日本の財政という本を拝見さしていただいていますけれども、相当細かく分析をして税収を計算するんでしょう、春闘何%アップすれば税金がどれだけ伸びると。
  99. 矢澤富太郎

    説明員矢澤富太郎君) まことに申しわけございませんが、ちょっと税収見積もりの方は私の担当外でございまして、いますぐお返事できませんが、ちょっと調べさせまして、この委員会の途中でお答えするようにしたいと思います。
  100. 片岡勝治

    ○片岡勝治君 私も細かい数字はまだよく調べておりませんけれども、率にすると二〇%ぐらい税収が伸びるんじゃないかと、所得税が。春闘と今度の人事院勧告によって所得税がそれだけ伸びる。それは伸びるはずなんですよ、それだけわれわれは税金をよけい出すということですから。  それから、今度社会保険も、これも新聞の記事を拝借させていただきたいと思いますが、厚生年金の掛金が八月、それから健康保険料が十月からそれぞれ引き上げられ、月給袋が一層さびしくなったと。たとえば、月収二十五万円のサラリーマンの場合、厚生年金と健康保険は十月以降八千四百六十円アップされる。平均八・八%のベアでふえた二万二千円のうち約四〇%が消え去ったと、こういう記事ですね。これは確かに厚生年金、健康保険料が大幅に引き上げされたわけでありますから、つまり、われわれというか、国民、労働者、サラリーマンにしてみると、いま言ったように、一方で税金で大幅な増税をされる、そうして片方、いま言った厚生年金、それから健康保険、この金額が相当多くなったために、いわゆる春闘や、それから今度の人事院勧告でふえた分がすっ飛んでしまうと、こういうことが書かれておるのですけれども、健康保険や厚生年金の増加率というものはあなたの方ではわかっていませんか、どのくらいふえているか、率。
  101. 矢澤富太郎

    説明員矢澤富太郎君) 申しわけございませんが、わかりません。
  102. 片岡勝治

    ○片岡勝治君 さっきのことはわかりましたか。
  103. 矢澤富太郎

    説明員矢澤富太郎君) はい、いま計算しております。
  104. 片岡勝治

    ○片岡勝治君 それでは時間の関係がありますので。  低成長時代を迎えて新しい増税構想が税制調査会でいま論議をされている。これも新聞報道によりますと、きょうにも大蔵省側から新税構想の一覧表を税調の方に提出すると、こういうことが言われております。これはひとつわれわれの方にもその一覧表をぜひいただきたいと思いますけれどもいかがでしょうか、増税構想。
  105. 矢澤富太郎

    説明員矢澤富太郎君) ただいま先生指摘のございました一覧表でございますが、これは後ほどお届けいたします。  それから、お出しいたします趣旨は、大蔵省としてそういう増税を考えているということでお出しするものではございませんで、一部委員先生方の御要望がございまして、いま話題になっているその新しい税、これをひとつ一覧表に出してくれということで、税制調査会の委員先生の御依頼を受けたようなかっこうで大蔵省として便宜取りまとめたものでございます。資料は後ほどお届け申し上げます。
  106. 片岡勝治

    ○片岡勝治君 そうするとあれですか、もちろん大蔵省の省議として決定したとかなんとかということじゃないけれども、しかし、大蔵省がいろんな資料を集めて、一つの検討材料としての資料ということでしょう。全くそこいらから集めたやつをぽんと出すということじゃないんでしょう。大蔵省で少なくとも、多少いろいろな角度で検討してそういうものを税調の方の参考資料として出すということじゃないんですか。この辺ちょっと性格をもう一度お答え願いたいと思います。
  107. 矢澤富太郎

    説明員矢澤富太郎君) 大蔵省といたしまして、具体的にフィージビリティー、実施可能でああるかどうかについて検討したものだけをこれにまとめたという性格のものではございません。したがいまして、国会で御論議のございました、ことに野党の先生方からも御提案をいただいております土地増価税だとか、あるいは富裕税の関係だとか、そういったものまで幅広く織り込んだ資料でございまして、最近、財源対策に関連いたしまして話題になっている税目をひとつ一通り見てみたいじゃないかと、勉強してみたいという税制調査会の委員の方々の御要望に従いまして、便宜、最近話題になっているいわゆる新税構想について一覧表をまとめたものでございますので、大蔵省としてこれはいけそうだというような判断を加えたものではございません。
  108. 片岡勝治

    ○片岡勝治君 わかりました。その資料はわれわれの方にもお出し願えるということでありますから、至急お願いしたいと思いますが、きょうの税調にそれをお出しになったんですか。それから、一部新聞にすでに発表されておりますけれども、その内容は、いまもちょっと項目に触れられましたね、二、三。そのほかにはどういう項目があるんですか。
  109. 矢澤富太郎

    説明員矢澤富太郎君) ただいまの資料は、きょう二時から始まります税制調査会で御審議をいただく予定でございます。それで項目といたしましては、たとえば資産課税の関係でございますと土地増価税、それから富裕税、それから一般消費税の関係でございますと、物品税の課税範囲を広くしたような製造者消費税だとか、それから世上しばしば話題になっておりますEC型の付加価値税でございますとか、それから、アメリカあたりでやっております売上税の関係とか、その他ギャンブル課税、それから広告費課税等々を盛り込んでおる予定でございます。
  110. 片岡勝治

    ○片岡勝治君 この税調、いまいろんな角度から審議をされておるようでありますけれども、減税の問題については、われわれとしては当然論議の対象になると思うんですけれども、そういう方向で税調が運営されているのかどうか。
  111. 矢澤富太郎

    説明員矢澤富太郎君) 税制調査会は九月から本格的な審議に入ったわけでございますけれども、当面のいままでの審議というのは、中期税制をどう考えるか、つまり赤字公債から脱却するためには、財源対策、何がしかの租税負担の引き上げが必要であるというようなことが、五十年代前期経済計画でも言われておりますが、そういった観点から所得課税、消費課税、資産課税のすべてをもう一回見直してみようということで審議をいたしております。それで、大体十一月中ぐらいは中期税制の観点からの税制の検討をいたしまして、五十二年度の税制改正につきましては、年が迫ってから別途審議を開始する予定でございます。  ただいまの減税のお話でございますが、第一部会は所得課税を検討するところでございますが、第一部会におきましては、国税——税収入に占める所得税の割合を国際的に比較してみましたり、それから国民所得に対する所得税の負担率を比較いたしましたり、あるいは夫婦子二人の標準的な世帯で税負担が各国と比べてどうなっているかというような資料も御検討いただいております。そのときの全般的な印象といたしましては、日本の所得税負担というものは国際的な水準に比べてまだかなり低いようだという御印象を皆さんお持ちだったように私は受け取っております。
  112. 片岡勝治

    ○片岡勝治君 単純に外国と比較することには非常に問題があるわけですよ。つまり、われわれ国民にはいろんな意味でのストックが非常に少ない、社会資本も非常に低い、そういう点を全然考慮しないで単純に外国と比較をして、日本の税金は必ずしも高くないというようなことは私は納得できないんです。  時間の関係がありますから、改めてまたゆっくり税金問題については聞きたいし、むしろ、所管内閣委員会ではありませんので、大蔵委員会等を通じて追及をしていきたいと思うんですけれども、冒頭申し上げましたように、大変労働者、サラリーマンは物価値上げ、物価の高騰の中で春闘や今度の給与勧告のベースアップ分も吹っ飛んでしまう、そういう中で税金だけはどんどん累進課税ですから上がっていく、さっき言ったように、五割も値上がりしていくということですから、これはやっぱり国民感情としてなかなか理解、納得できないことであります。そういう点で、政府は減税ゼロということを繰り返し繰り返し言っているわけでありますけれども、しかし、われわれとしては、何としてもベースアップ分ぐらいは実効あるような、そういう実収入になるような、そういう政策が必要だと思うんですが、ひとつこれはそれぞれ関係当局、あるいは関係大臣に強く減税の声があるということを伝えていただきたいと思います。  時間が参りましたので終わります。
  113. 矢澤富太郎

    説明員矢澤富太郎君) 大変失礼いたしました。先ほどの数字でございますが、所得税の源泉分でございますが、五十一年度の見込み額は五十年度当初予算に対しまして一一・五%の伸び、それから五十年度の補正予算額に対しまして一九・九%の伸びで歳入を見積もっております。
  114. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 初めに総務長官にお伺いします。  特に私は、今回の給与勧告がありましてから閣議決定するまでが非常に長い時間を要しています。しかも、私はこの点については、特に財特と、何というか、てんびんにかけて、財特が通ってから初めて閣議決定をした、こういうふうなやり方というのは大変な悪例だと私は思うんですよ。そういうふうな意味では、こういうふうな駈け引きでどうして政府公務員給与決定するのか。私は人事院勧告を非常に急いで八月の十日にされた、ですから従来の考え方から言えばもう直ちに閣議決定をして、多少財政的な問題はありましょう。その点は私も認めないわけではないんですけれども、こういうような財特の法案とてんびんにかけて決めるなんというやり方は、私は給与の本来の考え方からいって非常に悪例を残した、こういうように考えているわけですけれども、この点については総務長官、どうお考えですか。
  115. 西村尚治

    国務大臣西村尚治君) 別に財特法とてんびんにかけたなどというつもりはないのでございますが、ただ、実際問題といたしまして、あれだけのものを完全実施しますためには相当な財源措置を必要としたわけでございます。二千九百九十億必要だと、これに対してある程度のベースアップの準備は予算上してありましたけれども、あれを完全実施するためにはまだ一般会計だけでも七百億の財源措置を新たに必要とする。私ども立場から言いますと、早く完全実施の態度を決めたかったのでありますが、やはり財政当局といたしましては、どうしてもそこのはっきり確たる見通しがつかない以上はちょっと困る、もうしばらく待ってほしい、そういうことで、財特が通らないとそこのめどもつかぬものですから、結果的にはてんびんにかけたようなことに誤解されることになったかもしれませんけれども、最初からそういう意思はあったわけじゃございません。やむを得ない今年限りの姿だと、そういうことで御了承願いたいと思います。
  116. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 総務長官は何も財政当局の代弁をする必要はありませんでして、給与担当の大臣なんですから、当然私は、人事院勧告というものが労働基本権とのうらはらの関係であるわけですから、少なくとも、やっぱり完全実施という問題についての閣議決定というのは一日も早くなされると。こういうような問題とてんびんにかけたわけじゃない、またやったわけじゃないと口ではおっしゃいますけれども、現実はそうなっているわけですよ、現実は。ですから、私はこういうような問題は総務長官が先陣を切って、もう今後こういうようなことはないように戒めていく、そういう姿勢でなくちゃいかぬと総務長官が先陣に立って閣議でおっしゃっていただかないとどうしようもないわけです。そういうふうな意味では、総務長官というのは非常に大事な立場にあるわけです。再度私は総務長官の所信を聞いておきたい。
  117. 西村尚治

    国務大臣西村尚治君) それは総務長官給与担当の所管大臣でございますから、あそこに至るまでにはずいぶん先頭を切って、早く早くということで閣議でも発言をしたわけでございます。いま申しましたのは、経過を御了解願いたいと思って申し上げただけでございます。
  118. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 これ以上言いませんけれども、いずれにしましても、総務長官の力量の差にもよるんですよね、これは。これは非常に大事な問題ですから、私はもうこれ以上言いませんけれども、いずれにしてもこういう問題はこういうふうな駆け引きの材料にしてもらっては因るということだけははっきりしておきたいと思います。  そこで、私はきょうは非常に短い時間でございますので、端的にお伺いをいたします。  まず、警察察庁にお伺いをいたします。まず、今回の給与勧告に当たりまして、これは人事院に対しまして、各省庁の人事課長さんやそれぞれ担当者からいろんな要望等もずいぶんなされているわけです。そこで私は、そういうふうな問題と同じような問題ですけれども、多少問題があるんじゃないかと考えていることが一つあるわけです。それは、一つは、私が前々からこの内閣委員会で取り上げてまいりました私的諮問機関という問題と問題が絡んでおりますので、あわせて質問をしたいと思います。  いま警察官給与制度研究会というのがございますね、この警察官給与制度研究会というのは、これは要するにどういうふうな性格の研究会であるのか、あるいはまた、法的にはどういうふうな位置づけをされていらっしゃるのか、この二点を初めにお伺いをしたい。
  119. 鈴木貞敏

    政府委員(鈴木貞敏君) お答えいたします。  御質疑の警察官給与制度研究会でございますけれども、警察庁にそういう研究会はございます。で、これは警察の職務の特殊性といいましょうか、御承知のとおりいろいろの面で、警察官の給与あるいは勤務条件、そういった面についてはやはり慎重に検討し、そしてまた実態に即した手当が行われるように警察庁としてもいろいろ配慮しているわけですけれども、この研究会は四十四年に一応できまして、率直に申しますと、二点で御質疑のように、法的根拠といいましょうか、そういう行政組織法上での確たる根拠がある機関ではございません。部内を中心にした研究会でございまして、さらにまあ部内だけではあれでございますので、部外の有識者の方にオブザーバー的にいろいろテーマに応じて参画していただいて、それでいろいろ検討し、警察職員給与なりその他の勤務条件についての改善に資したい、こういう性格の研究会でございます。
  120. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 行政管理庁お見えになっていますね。  これはまず、行政管理庁はこの点についてどう考えているかという問題がありますが、まず警察庁の方にもう一点お伺いしておきますが、これは要するに大臣の私的な諮問機関ですね。
  121. 鈴木貞敏

    政府委員(鈴木貞敏君) 大臣の私的な諮問機関、そういう位置づけは私の方でしておりません。先ほど申しましたように、部内、庁内の研究会という性格づけとして理解しております。
  122. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 部内の研究会ということですか、ということは、そういうぐあいにおっしゃっておりますが、そうじゃないわけですよ、鈴木さんね。これは要するに、部内の研究会と言おうと審議会と言おうと、何と言おうと同じなんですよ。問題は国家行政組織法の第八条機関であるかどうかということとの絡み合いで、これは行政管理庁が前々から取り上げて、政府部内で何回も問題になった問題なんですね。しかもこの中身は、私が大臣の諮問機関であるかと聞いたら、いやそうじゃない、内部の機関だとおっしゃいますが、それならこの研究会がその研究の成果を意見としてまとめて大臣に——いわゆる答申じゃないけれども、意見と書いていますけれども、意見というところを答申と変えれば同じですよ。そういうふうにするのは全くおかしいわけです。国家公安委員長福田一殿ということで答申を——私あえて答申と言いますが、意見としてまとめて答申すること自体がおかしいのであって、ですから私はいかにこれは部内の機関大臣の私的諮問機関ではないと口ではおっしゃっても、その実体は私的な諮問機関になっていると。この点はお認めになりますか。
  123. 鈴木貞敏

    政府委員(鈴木貞敏君) 仰せのとおり行政管理局から、私たちの方も懇談会等の行政運営上の会合の運用その他についてはいろいろの面で指導を受けております。そういう面で十分配意しているつもりでございますけれども、この研究会は、いわば部外の有識者の意見を答申のかっこうで取りまとめて決定するというような合議制の正規の運営方法をしておりません。したがって、辞令を用いて委員であるとか、あるいは会員であるとか、そういうこともしておりませんし、また定期的に日時その他も決めておりませんし、また会合する際もその都度口頭でお願いしておるというふうなことでございますし、また、警察庁は御承知のとおり国家公安委員会の規則とか、あるいは長官訓令とか、法的なあれで、いろいろのあれが規制されておるわけでございますが、この研究会についてはそういう裏づけもないというふうなことでございまして、おっしゃるとおり、この研究会で、大臣に対しまして、いわゆる国家公安委員長に対しまして意見を提出するというふうな形式を一応とっていることは事実でございますけれども、実態におきまして、そういう部外の有識者も含めて警察官の給与その他についての御意見をいろいろいただいた点を、大臣——国家公安委員会委員長にも反映する、こういうかっこうになっておるという実情でございます。
  124. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 私はね、これはいかぬと言うているんじゃないのですよ。これは、私やめろとか、いかぬと言うているんじゃなくてね、これは非常にあなたがおっしゃるようなでたらめな、そういう意見をたらたら聞いてどうこうというような中身じゃないですな、これね。この意見の中身というのは、非常に貴重な警察官の仕事や、その中身や、第一線で活躍している皆さんの非常に大事な問題をいろんな角度から取り上げて、その待遇改善をうたっているわけですな、これは。ですから、非常に私はいい意見をまとめていらっしゃる——いい意見かどうかわかりませんよ、それは。その点は別にして、貴重な意見をまとめていらっしゃるわけですよ。ですから、私はそれはそれなりに、やっぱりきちっと法的な位置づけをしてやればいいんで、要するにいま官房長がおっしゃるようなそういうちゃらんぽらんな、たとえば通達も何にもしない、委員の委嘱もしない、ただ呼んできて、ただ都合のいいときにぱっとやるというような、そういう感じのこういう研究会で、これは研究会という名前は書いていますがこれは逃げ道でこうやっているんであって、実際は、これは非常にいかぬと言うんです、これでは。この中身は、たとえばいま官房長がおっしゃったのは、全部行政管理庁の通達を逃げようと思って、いま一生懸命全部おっしゃっているわけですよ、委員の委託がなかったとか、審議会という名前がない、またその委員に対しての招集の日時を決めていない。これはそういうことを決めると、やっぱりこういうあれにひっかかるから決めないでやっているみたいですけれども、決めないでやるということはいかにいいかげんな会合かということになるわけです、逆に言えばね。しかも中身はぱっちりした中身になっている。一人一人の意見を聞くということですけれども委員の名前はここに全部記載されていますが、中身はどれがどの人の意見かということになると全くわからない。要するに研究会としての意見ですね、そう言うのが正しいでしょう。ですから、そういうようになってくるとこれは八条機関の抜け道のいわゆる私的な諮問機関と言わざるを得ないわけです。ですから私はこういうふうな、四十四年にできて現在まで法的根拠なしで、しかもこれは給与の研究会として現実にやって、そしてその給与の改善について大臣にお願いをしているわけです。そうしますと、非常にこういうふうなものは全く脱法的にやっているんであって、非常に遺憾なことなんです、これは。  行政管理庁、この問題はあなた方、私に先般の委員会で私的懇談会の見直しの結果というのを出しましたね。これに警察官給与制度研究会というのは入っておりませんが、これは一体どういうことですか。
  125. 辻敬一

    政府委員(辻敬一君) 先般の当委員会におきまして、いわゆる私的懇談会につきましての私ども考え方なり整理の状況なりを御報告申し上げたわけでございますが、その際取り上げましたのは、いわば全省的な性格のものを取り上げたわけでございます。具体的に申しますと、大臣決裁あるいは閣議決定ないし閣議了解というものを取り上げたわけでございます。と申しますのは、本来の審議会と紛らわしいという見地から問題にされるべき私的懇談会としては、まず各大臣の私的懇談会であるという考え方に立ったわけでございます。しかし、私ども事務次官以下のレベル、事務的なレベルにつきましても同様ないわゆる私的懇談会があることは承知をいたしているわけでございまして、それをほうっておくつもりはございません。先般当局の方針を各省に連絡をいたしたわけでございますが、その際も、大臣決裁と事務次官決裁にかかわるものにつきましては事前に報告を徴することにいたしておりますし、また、局長レベル以下のものにつきましては適宜部内通達等により各省におきまして同様の方針で臨んでいただきたいということをお願いしたわけでございます。  ただいま御指摘の警察のケースにつきましては、警察庁長官決裁の懇談会でございましたので先般の御報告の中には入っておりませんけれども、このような事務次官レベル以下の問題につきましても漸次方針が決定されてまいるものと、かように期待しているわけでございます。
  126. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 あなた方そういうことで逃げたらいけませんよ。少なくともこの警察官給与制度研究会というのは、これは国家公安委員長である福田一さんに五十一年の七月一日で現実に答申を出しているんですよ。これは一体何ですか、事務次官以下なんということにはなりませんよ、これは。しかもその中身たるや非常に重要な意味を含んだ中身がいろいろあるわけです。ただの部内機関じゃないですよ。この中身を見てみなさい、全部それぞれ。私は中身、この人的構成についても問題がありますよ。これは後で言いますが、全部これは対外的な人たちがいっぱい入って現実にこういうことをやっている。こういうふうな、しかも、給与の改善についての意見を述べておる。一人一人の意見じゃないですよ、まとめた意見として出ています。これはやはり私は問題があると思うんです。こういうふうなものはきちっとやっぱりチェックすべきじゃないですか。
  127. 鈴木貞敏

    政府委員(鈴木貞敏君) 峯山先生のいまおっしゃいました性格の点でございますが、再度申し上げますと、委員の構成メンバーは庁内の長官、次長、私自身の官房長、警務局長、人事課長、給与厚生課長、会計課長、それから人事課、給与厚生課の理事官、こういう庁内の警務局を中心としたものが委員というふうなメンバーになっておりまして、答申といいましょうか、その意見を取りまとめて福田大臣——国家公安委員会委員長に出したその付表に名前がついているその方については、それぞれの項目についていろいろ御意見を聞くと、こういうふうなかっこうになっておるわけでございまして、確かに今井一男先生の名前で大臣に対する意見の提出といいましょうか、そういうかっこうになっておるわけでございますけれども、その点行政組織法八条の機関じゃないか、それと非常に紛らわしいじゃないかということの御指摘でございますけれども、私たちは先ほど来申しておるような性格でとらえておるわけでございますけれども、そういう面できわめてそれと紛らわしいとか、そういうかっこうでどうだということであれば、また行管の方とも十分あれしまして、そういう形式その他については一応検討してまいりたいと、こういう気持ちは持っております。ただ、警察の給与の改善その他につきましては、広く一般の部外の有識者の方の意見も十分にくみ入れて、いろいろの点からひとつ検討していくと。まあ自分自身の給与決定でございますので、そういう意味で部外の方たち、有識者の方たちの御意見も十二分にお伺いしていろいろの将来の施策を組みたいと、こういう気持ちでおるということでございます。
  128. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 ですから、そのとおりであればまさに国家行政組織法第八条で言ういわゆる行政機関になるわけですよ、いま官房長の説明どおり、そのとおりだとね。それは即私的諮問機関なんという性格のものじゃない、法的な根拠のまさにないものじゃなくて、まさに法的根拠が必要ないわゆるその研究会になるわけです、いまあなたのおっしゃるとおりだと。これはまた、私の手元にありますこの資料によりますと、警察庁の皆さんがいま何人か入っているとおっしゃいましたが、それは事務当局で入っていらっしゃるんでしょうけれども、正式の委員としては警務局長さんお一人ですね、この表によりますと。いま三人か四人おっしゃいましたけれども、警務局長さんお一人入っている。これは人事院、ちょっとお伺いしますが、人事院は第三者機関でしょう、大体もともとね。そういうふうなところに人事院給与局長とか職員局長とか名前を連ねているということは一体どういうことなんですか、これ。
  129. 藤井貞夫

    政府委員藤井貞夫君) いろいろ御論議をいただいておりますいまの警察関係の研究会でございますが、これに関しましては、いろいろ警察官の待遇問題、給与等を中心とする待遇問題が論議をされるその場合に、警察庁といたしましては、そういう論議を踏まえて、毎年の勧告時等にいろいろわれわれの方にも申し入れをされるわけでございます。それの前提といたしまして、研究会の研究結果というものも十分参考にしていきたいというような趣旨でできておるように私ども伺っておるのでありますが、その際に、やはりわれわれの方は、口幅ったいようでございますけれども給与に関してはそれなりの知識と経験というものを持っておるつもりでございまして、そういう角度から申して、言葉は悪いですが、余りにも警察なら警察独自ということで一方的に突っ走るといいますか、独善的になっていくということになりましてもこれはおさまりが悪いという点がございます。いろいろな、やはり給与制度の運営については均衡論という問題も考えていかなきゃなりません。従来のいきさつも考えていかなきゃならぬ。そういう積み重ねの上でやっていかなきゃならぬという問題もございますので、そういう趣旨でひとつ意見を聞かしてもらいたいという趣旨から、警察の方から研究会に専門家を参加してもらいたいということの申し入れがあったのではないかというふうに考えておるわけでございます。で、それはそれなりに中立機関としての性格ということについての御論議はあろうかと思いますが、専門の立場からの御意見というものをお聞きになれば申し上げていくということは、それはそれとして意味のあることではないかというふうに考えて、従来もそういうことで御参加を申し上げてきたのではないかというふうに考えております。
  130. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 人事院総裁のおっしゃっていることを聞いていると、これはまさに問題ですね。これはまさに問題というより大問題です。警察のこういうことを研究する人たち、そういう人たちの独走、突っ走りを許してはならないから人事院の担当局長やみんなその中に入っちゃうということは、逆にそれを裏返して言えば、この研究会から出た答申というものは非常に正当なものが出てくると、そういうことになりますね、これは。しかも、人事院というのは第三者機関でしょう。第三者機関のしかも第一人者の給与局長が入ってぱちっとやるということは、どうも、この人が入っているんだから問題ないということですっと通っちゃうということになります。これは大問題ですよ、実際そうすると。これはしかも、これが法的に全く根拠も何もない、それじゃますます人事院総裁、問題が大きくなるでしょう。ですから、これは中立機関給与局長やこういう人たちが、たとえば、こういう研究会から呼ばれてどうあるべきかということでたまたまこのレクチュアをしたりするんならいいですよ。しかしながら、こういう研究会の正式のメンバーになって、研究会委員と、こうして一覧表でちゃんと出ております。ということは、まさにこの中立機関としての局長とか、そういうふうな立場を放棄してやっているんだと、そういうふうに見られてもしようがないですよ、これは。非常に軽率のあれは逃れがたいところがあります。そういうような意味で、私は、こういうような制度というのは、第三者機関で当然研究して、そして要望するなりなんなりするというのはいいと思うんです。当然そうあってしかるべきだと思うんです。しかも、それもきちっとした法律に基づいてあってしかるべきだと思うんです。ところが、そういうふうな法律にも何にも基づかないこういうふうなものに、こういうふうな意味でアタックして、そして中へ入ってやるというのは、自分のところで審査しつくったものを、また給与局長はそれを受けてそれでやるというので、非常に私は形態としてもおかしい。これは私は早急に改善をしてもらいたいと思うし、こういうことがあってはならないと考えるんですけれども総裁どうですか。
  131. 藤井貞夫

    政府委員藤井貞夫君) 御意見の点は十分拝聴をいたし、考えてまいりたいと思っておりますけれども、これは給与局長の入りますのはぴしっと専門の立場から抑えてしまうというようなものではございませんで、峯山先生も御承知かと思いますけれども、この研究会のまとまりました結論といいますか、結果というのは、たとえば去年、ことしの場合等で見ますと、警察官の方からは、教員の給与についての特別改善が行われたというようなことがございまして、それとの均衡論からもう少し何か処遇を考えてくださいと、特にそれの具体的な方法といたしまして、教員の特別手当に当たるような、そういう何かの特別手当的なものを考えてくれないかというようなことが出ておりますが、これは恐らく給与局長としてはそういうことについて賛成をしたはずがないというふうに思っております。私もときどき重要な点は報告を受けて、承知をいたしておりますけれども、したがいまして、これは研究会としては一応まとまって出てきておるけれども、それをそのまま人事院として承知いたしましたということで素通りしてやっていくというものではございませんので、その点はひとつ御了解賜りたいのと、御批判のありました点につきましては、私自身としてもそういう疑惑のない運営にしていくために考えてみたいと思います。
  132. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 私はこの問題は非常に重要な問題ですから、いろいろ私的諮問機関というは今後もきちっとやっていきたいと思うのですけれども、行政管理庁の姿勢というのは余りよくないですね。さっきの答弁聞いていましても、これは次官以下だとか、何という考えですか、本当に。そういうふうなふまじめな姿勢で私的諮問機関を洗い直しているなんというのは私は非常に納得できない。中身は非常に大事な問題を含んでおりますし、そういうふうな姿勢というのは私はよくないと思うんですよ。行政改革を推し進める上においては、もうちょっとばっちりした姿勢でこういう問題に取っ組んでいかないと私はいかぬと思っているんです。  それでは、答弁はまとめて後で最後にもう一回お伺いしますが、防衛庁にお伺いをいたします。  まず、防衛庁の自衛隊離職者就職審査会というのがございますね。これは自衛隊法に決められた審査会があるわけですが、この審査会というのは現在どういうふうになっておりますか、稼働しておりますか。
  133. 竹岡勝美

    政府委員(竹岡勝美君) いま先生指摘の自衛隊離職者就職審査会という名前でございますが、これは昭和四十八年の十月十六日に防衛庁設置法を改正いたしまして、防衛庁の付属機関として設置したものでございます。これは御承知のとおり、防衛庁の方も一般国家公務員と同じように、高級幹部が退職後私企業に再就職しますというような場合に、その営利企業への再就職——新規に入ります場合、同じような制限がございます。従来は、そういう制限がありますけれども特別の場合には、たとえば国家公務員の場合ならば人事院の承認を得て例外的に認められることもあるというのがございました。それを受けまして、自衛隊法の方にも長官の承認を得て例外的に認められることがあるということにしておったのでございますが、やはり長官の承認ということだけではいかぬだろう。もっと公正な第三者機関があってしかるべきではないだろうかということで、法を改正してこの審査会を設けたわけでございます。五人の構成員がおりますけれども、現在も、ときには会合しておりますが、現在この審査会にかけなければならないような特例の再就職の例はございません。
  134. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 これは、私はまず非常に問題だと思うんです。四十八年以降、この審査会にかかる自衛隊の退職者、これは一佐以上ですね、四十八年以降一佐以上の人たちは毎年何人ぐらいずつ退職していったんですか。
  135. 竹岡勝美

    政府委員(竹岡勝美君) 自衛隊の場合は、御承知のとおり停年制度がございますので、一佐は五十三歳、将補は五十五歳、将は五十八歳ということで、その停年をもってやめていくわけでございますが、一応四十六年から五十一年の六月末現在、一佐以上で辞職いたしました者は計千五百九十二名おるわけでございます。今後この数はさらにふえていくのではなかろうかと、このように思っております。
  136. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 これ、千五百九十二名もおって、この第三者機関ともいうべき離職者審査会に一名もかからなかったなんというのは一体どういうわけなんですか。
  137. 竹岡勝美

    政府委員(竹岡勝美君) 私の方でこの営利企業への就職についての制限がございます。従来の在職中に密接な関係があった企業に、特に役員あるいは役員にふさわしいそういった地位につくことについての厳しい制限がございます。そして私の方では、その在職中の職務上密接な関係があった営利企業というものは、防衛庁は御承知のとおり許認可権等々はございませんので、一応装備関係で調達その他で防衛庁に登録しております約千九百の登録会社がございますけれども、その登録会社に役員または役員にふさわしいような、そういった企業に影響力のある重要なポストにつく場合にこの審査会の審査を受けることになりますけれども、いままでやめましたのは、いま数字を申し上げましたが、この中に、もちろんやめて悠々自適をしている者もおりますし、あるいは登録会社以外の普通の民間の団体なり小さな会社に入っておる者もおります。また、もちろん登録会社に入った者もございますけれども、その登録会社に入りました者はほとんど顧問または嘱託ということでの非常な閑職で迎えられておるのが実態でございますので、この審査会にかけるような事案がなかった。これは、まさに自衛官の場合、非常に就職がむずかしい、しかも特別に長い特殊な勤務についておった、自分のいままで得ました職業経験が十分に生かせる第二の人生で大きく働ける場所というのは非常に少ない、せいぜい入りましても顧問か嘱託というような閑職につかざるを得ない、そういった実態でございますので、審査会にかかった件数がないと、このように申し上げた次第でございます。
  138. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 私は、一般的にはそうだと思うんですね。ところが、一佐以上はそうじゃないと私は見ているわけです。まず第一に、その防衛庁のいわゆる、実際に調達実施本部に登録している会社、これは相当にありますね。しかも千五百人の人が一人もかからないなんて、そんなばかなしり抜けはない。現実の問題として、いまあなたは法律をうまく自分の都合のいいように解釈をしておるわけです。要するに自衛隊法のこういう審査の中で、いわゆる役員及び役員に準ずるというようなところを、顧問とか嘱託とかいうものはそれとは違うんだ、そういうふうな解釈でずいぶん逃げているような感じがするわけですよ、私は。ずんべらぼうに逃げてる感じです。現実の問題として、人事院もこれは毎年年次報告書を出しておりますが、これを見てみなさい。一ページからずっと見てみなさい。要するに、一般の公務員の場合は役職につくつかないは別にしても、顧問なんていうのはずいぶんありますよ。顧問とか部長とか参与とか、そういうようなものも全部ほとんど対象の人たちはチェックをいたしております。自衛隊の場合も、たとえば顧問についた人もずいぶんおります、現実に。私はきょうはもう時間がありませんから詳しくやりませんけれども、今度のロッキードの委員会でも問題になった防衛産業に天下った人たちが何人かおりますね、やっぱり。現実に、そういう人たちは顧問とか嘱託とかいう立場であってもその企業の重要な立場にいるわけでしょう。そういう人たちが全く、審査会が四十八年に法律事項できちっとこういうぐあいになっておりながら、いままでに一名も審査をしてないなんていうのは非常に私は納得できない。私はそういうような意味から、何というのか、こういう人たちの審査、自衛隊のそういう天下りというような問題についても、いわゆる高級職員ですね、こういう人たちについては、やっぱりそういう人たちは現実にそういうような事件を起こす、問題を起こすことになりかねないわけです。そういうような意味でもやはりもう少し厳密な姿勢をとるべきだ。私は営利企業へ天下る場合は、国家公務員法と同じくらいの、百三条でうたわれておりますが、その百三条と同じぐらいの中身のある、そして人事院がやるようながっちりした審査をやるべきだ。要するに、一般の自衛隊の皆さんが退職する場合は、非常にそれはないでしょうね、就職先もなかったり、非常にむずかしい点もあるでしょう。そういう点はそれなりに私は配慮してやるべきだと思うのです。しかしながら、現実にこういう問題が起きているから、現実の問題としてこういうふうな法律事項としてわざわざ三十七条の二ということで、こういう「自衛隊離職者就職審査会」というようなものができたわけですね。ですから、できたからにはそういうような問題もきちっと運用し活用して、やっぱり国民の信頼を回復するためにも、こういう点はきちっとすべきところはすべきだと私は思うのですよ。どうです。
  139. 竹岡勝美

    政府委員(竹岡勝美君) いま峯山先生から、自衛隊退職者は非常に就職が厳しいだろうという御理解をいただきまして感謝申し上げます。特に自衛官と警察官というような、こういう役職にある者が営利企業との、あるいは防衛庁が営利企業との何か変な関係があるということだけは絶対に排しなきゃならぬということはわれわれ肝に銘じております。たとえば、五十年に将でやめまして登録会社へ顧問または嘱託で入りましたのが十名おります。あるいは将補で十九名、一佐で十七名おります。ただし、御承知のとおり同じ顧問でも、たとえば取締役会で選任されますとか、あるいは総会で選任されるとかいうことで、毎日常勤で非常に影響力の高い顧問というポストもあるやに聞いております。ただ、私の方の顧問というのは、もう全く非常勤の、ほとんどそういう役員会等で選任されるものじゃございませんで、単なる閑職的なポストであったということから、従来、実態上ほとんど審査会にかけるまでのことはない。もちろん、やめる自衛官は全部それは覚悟しておるわけなんです。われわれはいまさらもういいポストにはつけられない、つくべきじゃない、特に登録会社にということで十分覚悟しておりますので、そういった閑職についております。それでなかったのでございますが、しかし、防衛庁と企業との癒着ということだけはもう今後一層心がけねばならない点でございますので、この審査会の運用等、もう一度先生の御指摘に従いましてさらに勉強してみたい。また、その点はそういう間違いのないようにさらに心を引き締めてまいりたいと思います。どうもありがとうございました。
  140. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 最後に、行政管理庁当局にもう一回お伺いしておきますが、この私的諮問機関ですね、これは私は、先ほど具体的には一つだけ警察官の給与の制度の問題を取り上げましたが、この問題の中身そのものを見ても、私はやっぱり行政管理庁の答弁では納得できない。これは今度何らかの機会にやりたいと思うんですが、行政管理庁は、きょう幾つかいろいろ言いましたけれども、現在はどうお考えなのか。やっぱりこういうようなものは内部の機関で、まだチェックする必要はないとお考えなのか。また、委員の中身を見ましても、私は非常に重要な問題を含んでいると思いますが、こういうような点からも、私はもうちょっとチェックすべきじゃないかと考えているわけですけれども、また実際にこういうような諮問機関的なものは、いまの自衛隊の就職審査会なんというのがあるわけですから、やっぱり法律改正してきちっとした制度をつくれば、それなりにそれは意味があるわけですから、もう法律の裏づけも何にもなしに、むやみにこういうようなことが行われているということ自体が問題なのであって、それは機構をふやすこと自体もそれは問題です。いろんな非常に複雑な問題はありますけれども、そこのところはやっぱりかちっとしなくちゃいけないと私は思うんです。そういうような意味から最後に答弁を伺っておきたい。
  141. 辻敬一

    政府委員(辻敬一君) いわゆる私的懇談会の問題につきましては、再三峯山委員から御指摘をいただいているところでございまして、私ども、そういう私的懇談会の見直しを行いますとともに、本来の審議会との間の区別を厳密にするように努力をいたしているところでございます。  そこで、先ほど申し上げたところでございますが、前回の委員会に御報告を申し上げましたように、大臣レベル以上のものにつきましては整理方針を立てまして、廃止をいたしますもの、終期を設定いたしますもの、運営を改善いたしますものというような区分で整理をいたす方針を決めたわけでございます。それから、事務次官レベル以下のものにつきましては、これも先ほど申し上げたところでございますが、先般、各省に私どもの方針を連絡いたしました際に、そういうものにつきましては今後各省から報告を求めることにいたしております。また局長レベル等のものもあるわけでございますが、これは各省において部内通達等で所要措置を講じていただくように指導したわけでございまして、漸次、事務次官、局長レベル以下のいわゆる私的懇談会につきましても、大臣レベル以上の懇談会と同様な方針でもって臨んでまいりたいと考えておるわけでございます。
  142. 太田淳夫

    ○太田淳夫君 それでは、かわりまして、法律の中身について御質問いたします。  最初に、人事院総裁にお尋ねしますけれども、この八月十日に本年は勧告を出されたわけですけれども、この今回の勧告につきましても、官民の給与較差を埋めるという従来の方法をそのままで踏襲されているわけですけれども、この勧告に対しまして、マスコミ関係等では賃金だけの官民比較をするのでなくて、年金とか退職金とか、そういうものを含めたいわば生涯給与比較すべきだという、そういう批判もよくあるわけですけれども、そういう生涯賃金比較論というような批判に対して、人事院総裁としてどのような見解を持たれるか、最初にお聞きしたいと思います。
  143. 藤井貞夫

    政府委員藤井貞夫君) 最近、御指摘のようにマスコミその他でもって生涯給与比較論というものが打ち出されております。これは恐らくは給与自体の官民給与較差を埋めるということで、漸次、公務員の方も改善をされてまいっておることは事実でございますし、また特に民間が不況というようなことに相なってまいりますと、やはり批判的な問題としてそういうことも論議をされるということが通例でございます。私たちといたしましても、この問題は実は深刻に受けとめておりまして、マスコミ関係等にもわれわれの方で集めた資料、またこの資料の分析の結果に基づいて、そう精細なものはまだできておりませんですけれども、蒙を開いていただかなければならぬ点は実は申し上げてきておるつもりでございます。この問題は実はもう少し多方面にわたって調査をし、検討を加えてまいらなければならない問題が多いわけでございまして、給与だけではなくて、退職金の問題、あるいは共済年金の問題、その他一般的な住居の問題、さらには勤務条件全般の問題等を比較考量してまいらなきゃならぬ面がございます。ただ、これは民間の場合は給与とはまた違った大変複雑な問題で多種多様にわたっておることが多いのでございまして、そういう意味から単純なる比較論ということはなかなかむずかしい面が多々ございます。しかし、だんだん給与の問題についても匹敵するようなことに相なってまいりますと、いまの年金なり退職手当なりというような問題等も含めて、やはりわれわれとしては検討していくということも、これはぜひ必要であろうという考え方に立っておりまして、もう少し精細な調査をやって、この問題ともひとつ真正面切って深刻に取り組んでまいりたい、かようにいま考えておる次第でございます。
  144. 太田淳夫

    ○太田淳夫君 当然これはいろんな比較をする場合には前提条件がそろわないと比較ができないと思いますし、検討を十分にしていただきたいと思いますけれども公務員の方々にはそれぞれ民間の会社にないようないろんな条件が厳しい面があると私どもは理解しております。それで、中には退職金が減額されると——いまちょっとお話しの問題も含めて検討するというお話もありましたが、そういう退職金、年金の減額というようなこともちらちら聞こえるようなこともございますので、その点についてどういうふうに考えてみえるか、ちょっとお聞きしたいと思います。
  145. 藤井貞夫

    政府委員藤井貞夫君) 御指摘のように、公務員については勤務条件、また服務について民間の方々とは違った厳しい条件というものがあることは御承知のとおりでございます。そういうことから、やはり単純に民間との対比だけをやって、いつも同じであればいいんだと、またその方が合理性を持っているんだというところにまで急にいってしまうことはいかがであろうかと、やはり公務の特殊性から優秀な人材を確保しなければならぬというこれは大きな要請がございます。また、勤務条件についても厳しいものがある、それに報いることはやっぱり考えていかなければならぬ、そういう問題もございます。さらに、いまお話しになりましたように、共済年金等につきましてもこれは民間とは違った、要するに懲戒というようなことになりますと減額をされたりなんかというようなこともこれは出てまいるわけでありまして、それらの比較検討を総合的にやっていくということがぜひ必要でございます。しかもこの点は、比較検討といいましても同一表面に並べてやるには余りにも複雑であるという点がございますので、ひとつわれわれとしては慎重な態度でこの問題には今後とも対処してまいりたいということでございます。
  146. 太田淳夫

    ○太田淳夫君 それでは次に進みますけれども、午前中同僚議員の質問にもありましたけれども、ことしのボーナスの点ですね、特別給のカットが今回問題点でございますけれども、これは民間公務員比較する場合には大体一年前の民間比較をされているわけですけれども、先ほど野田議員から質問ありましたけれども、ことしの夏のボーナスの実態はどうだったのか、あるいはまた暮れのボーナスについてはどういう見通しを立ててみえるか、また、来年の勧告については今回のカット分を取り戻せるかどうか、その点をちょっとお話を聞きたいと思います。
  147. 茨木廣

    政府委員茨木廣君) ことしの夏期の民間特別給の伸び方は三%程度と言われております。調査機関によって多少そこは振れがございますけれども、そういうようなパーセンテージが言われております。それを本俸の伸び、定昇込み九%台の伸びというようなもので割り返してみますというと、大変伸びが悪かったという点が明らかになっております。そこで、それが仮に十二月期でどの程度伸びてまいりますかということでございますが、それを打ち消すためにはもう一四、五%台の伸びをしないというと、どうもことしの、いまお願いを申し上げている程度までいくのも困難ではないか。ところがいま見ておりますと、年末のぼつぼつ要求が出ておるわけでございます。それがいま申し上げました数字程度か、ちょっと低いか、その辺のところでございます。要求数値がそういうことでございますから、来年度どうなるかということになりますとなかなかむずかしい情勢があるんではないかなというのが私どもの率直な偽らざる気持ちでございます。
  148. 太田淳夫

    ○太田淳夫君 時間がなくなるので先へ進みますけれども、指定職についてちょっとお聞きしますけれども一般職給与比較が中小企業まで含めて比較されておりますけれども、この指定職というのは民間の大企業の重役あるいは社長などの給与比較して決められていると、こういうふうに聞いていますけれども、ことしは具体的にどのような民間企業の役員と比較されたのか、その点ちょっとお聞きしたいと思いますし、また、民間企業の規模等について概略お伺いしたいと、このように思います。
  149. 茨木廣

    政府委員茨木廣君) 指定職の俸給表の決め方は、一つは部内均衡というようなことで行政職(一)俸給表の一等級との関係、あるいはその他の俸給表の最高等級との関係、そういうものとの連動を考慮しながら決めるというようなたてまえをとりながら、何年に一遍かやはり民間の状況も調査いたしましてその間の乖離を防いでいくという措置をとっておるわけでございます。前回は四十九年にやりましたが、一昨年、昨年と相当いろいろ経済的な変動もございましたので、ことしどの程度いっておるかということを、従来やっておりました五百人以上の規模の企業につきまして、通信照会調査でございますが、実施いたしました。業種についてはやはり産業各界にまたがりますように業種をそれぞれ選定してございますが、そういうことで、従来とそういう内容についての選定の仕方というようなものは変えておりません。約六割方の回答がございました。約千三百社でございますが、そういうもので調査をしてみますというと、この二カ年間に民間の方のそれらの給与は相当上がっておるようでございまして、二カ年で約二〇%近い一九%台程度の上がり方を示しておるようでございます。  今回私ども俸給表の方では、直には下からの大体連動数字に、昨年カットするために抑えました分を復元するということで大体おさまったので出してございますので、民間と比べますというと、若干抑えぎみの数字に相なったわけでございますが、参考までにそういう調査いたしました結果で申し上げてみますと、従来よく使っておりますところで第三位の額、上から社長、副社長とありますか、その次に専務となりましょうか、そういう第三位のところの役員の数字で申し上げますというと、四十九年が六十二万円であったものが今年は七十五万円という数字になっております。この辺のところを横にらみしながら、一等級の方から連動しながら昨年のカットしました分の復元というものをしてきましたものがことしの最高金額のところに使ってございますが、それと比較していただけばおわかりのように、ちょっと抑えぎみな数字になったと、こういう程度でございます。
  150. 太田淳夫

    ○太田淳夫君 時間がないのであれですが、次に俸給表についてちょっと一点だけお伺いしますけれども勧告説明によりますと、この俸給表につきましては「本年の民間における初任給の状況及び職務の階層別給与の上昇傾向等にかんがみ、中位等級に配慮しつつ、全俸給表の全等級にわたる改善を行なった。」、こう書いてありますが、符に今回配慮したと言われていますこの中位等級ですが、かねてから給与法の中だるみについては問題があることを指摘されてきましたけれども、今回特に配慮をしたという点について具体的に説明をしていただきたい、こう思います。
  151. 茨木廣

    政府委員茨木廣君) 各俸給表の一番基礎になるのが行政職(一)俸給表でございますが、この等級の平均引き上げ率で申し上げますと、全体が六・九%でございますが、一番高いのが五等級のところで七%という数字になっております。その次が六、七等級でこれが六・九、六・九、それから四、三、二が六・八、それから一と八が六・七と。で、例年でございますと新卒のところを各社が引っ張り合うという関係でございましょうか、初任給のところが大変高かったわけでございますが、ことしはそういう傾向がなくなって、昨年は初任よりもちょっと上のところが民間でも是正されたような傾向がございましたが、ことしはもう一つ上の係長クラスのところに重点があって、全体的には大体そう差のない同率的な配分であったようでございますので、それをこちらの方も採用いたしまして、いま申し上げましたような大体同率的な、しかしその中でも五等級のところに一番重点が、こぶが出てきた、こういうようなかっこうの配分にいたしてあるわけでございます。
  152. 太田淳夫

    ○太田淳夫君 いまお話がありました、その各等級の配慮をしたパーセントですけれども、五等級が配慮して相当上がっているかと思うとそう大して差がないように私たち思います。特に問題の五等級十号俸以上につきましては、一般職公務員の方々の行政(一)適用者の約四分の一、約二五%の該当者がこのランクにみえるわけです。この点を改善するには相当の費用がかかるということは理解できるわけですけれども、もっと抜本的にこの点について改善することが私は緊要ではないか、こう思うんですが、その点の所信をお伺いしたいと思います。
  153. 茨木廣

    政府委員茨木廣君) 標準生計費等の分析あたりから見ましても、どの辺が、まあ相対的な問題でございますが、一番まあ恵まれない方というか、そういう感じがあるかなというふうに見ますれば、相対的にはやはりいまの中間層のところが、ここ十数年、初任給に一番重点がいって上薄下厚というようなアップ率の適用が累積されてまいりました関係上、そこのところにどうも問題があるんではないかという気持ちはいたしております。ただ、いま御指摘もございましたように、いろいろ全体の原資の配分という姿をとりますので、一気にそれを回復するというわけにもことしいかなかったわけでございます。そんなところで、扶養手当の方も相当そこに金を持っていくことによって、あわせてそういう生活費が世帯持ちのところに流れますようにというようなところの配慮もいたしたわけです。今後ともよくひとつ留意をしてまいりたいと思っておる次第でございます。
  154. 太田淳夫

    ○太田淳夫君 それでは、総理府にちょっとお伺いしますけれども特別職給与についてお伺いします。  時間もありませんので一点だけですが、この別表第一を見ますと、昨年、内閣総理大臣とか、あるいは国務大臣につきましてはベースアップを据え置いたわけですが、今回の改正では、内閣総理大臣が百四十五万、国務大臣が百五万になっています。内閣総理大臣百二十五万から百四十五万に約二十万円、一六%上げているわけですね。国務大臣が九十万から百五万円に十五万円、約一六・七%を上げるわけです。一般の職員の方々はことしは低くて約六%台のときですから、たとえ昨年据え置いたとしても十数%一挙に上げるということは国民感情からどうも納得できないような気がしますけれども、その点、一国の総理大臣あるいは国務大臣給与なんかについて総務長官見解をちょっとお伺いしたいと思います。それから、この別表第一にありますそれぞれの官職についての格づけ、あるいはその根拠というものについて説明をいただきたいと思います。
  155. 西村尚治

    国務大臣西村尚治君) 総理大臣国務大臣、これは昨年も据え置いたんだからことしも少し低目にと、上げるにしても低目にという御趣旨だったと思うのでありますが、これは実は全体の給与体系上のバランスがございまして、と申しまするのは、先生承知だと思いまするけれども、国会法三十五条の関係があるわけでございまして、一般職公務員の最高が上がりますとどうしても国会議員のそれも上げなきゃいかぬことになっておるわけです。そうすると、下が上がってきますと、上を据え置いておきますとここに非常に無理ができる。ですから、ある程度はこれにつれて上の方も上げなきゃならぬというそのバランス上の問題がございます。それから、一般職公務員のベースアップの率というものももちろん勘案しなきゃならぬ。さらに民間企業の役員の報酬との関係もございます。そういったようなこと全体を勘案をいたしましてこういうふうに決めたわけでありますが、その率が多過ぎるではないかということであります。この点につきましては、実は四十二年、四十七年か、その前年に据え置きましたときには、どうしてもそういう率が一般職の人に比べて高くなる、これはもうやむを得ないことでございます。まあ、大体私からその程度を御説明申し上げ、それから各ランクの問題につきましては人事局長の方から御説明いたします。
  156. 秋富公正

    政府委員秋富公正君) 特別職の格づけあるいはその給与月額内容でございますが、これはただいま総務長官からお答え申し上げましたように、官職の職務とその責任の重要性、さらに一般職公務員給与あるいは民間給与動向というものを勘案しながら定めておるところでございまして、上は総理大臣から下は各種委員まで、それぞれその重要性に応じましてその格づけをいたしているわけでございます。
  157. 太田淳夫

    ○太田淳夫君 それから、時間もありませんので防衛庁に一点だけちょっとお伺いしますけれども、防衛庁では、先ほど峯山委員から質問ありまして、離職者の問題は今後大変な御努力をされると思いますが、給与制度等調査研究会及び人事制度調査委員会等を設けて処遇改善については検討されておると聞いておりますし、長官にいま報告書を提出されておるようでございますが、その中で特に重要な問題、あるいは緊急を要する課題があれば御説明願いたいし、また、自衛官の退官後のいろいろな就職状況について、いま現在でも約三万人前後退職者があると聞いておりますが、年年これは増加する一方だと思います。その点について、いままでの高度成長時代と違いまして、これから安定成長あるいは不況が深刻化していくその中で、どのように考えてみえるか、あるいは防衛庁としての施策の本年の一番の重点は何か、その点ちょっとお聞きしたいと思います。
  158. 竹岡勝美

    政府委員(竹岡勝美君) お答えを申し上げます。  いまの防衛庁、特に自衛官の人事制度上、今後、本年あたりからですが、最大の問題は、いま御指摘のとおりに退職者の再就職の援護問題であろうと思います。若い任期制隊員が大体年間二万名退職いたします。また曹以上の幹部自衛官、これは停年制がございますから約三千名やめていくわけでございますが、この任期制隊員は、御承知のとおり若い隊員が二年ないし三年、あるいは四年ないし五年という、途中一歩自衛隊の社会に入ってからまた普通の現実社会に乗り出すわけでございますから、就職が非常にむずかしい。よく考えてやらなきゃならない問題だと思います。また停年制の隊員につきましても、若年停年制がございますので、停年制隊員の約九八%を占めます者が五十歳でやめていくわけでございます。これが今後、年々約いま三千名と申しましたが、数年先には六千名になろうと思うのでございます。この再就職というものにわれわれもできる限り職業安定機関、あるいは地方自治体の力をかりまして、われわれ内部ではできます限りの再就職の訓練をしてやるなり、あるいは停年間近には自分の郷土配置をしてやるなり、あるいは自動車運転の免許を与えてやるなり、そういった点の配意をさらに一層力を入れてまいりたいと思います。おかげさまで、こういった関係で年間約五億ほどの予算をいただいておりますけれども、いま各幕、内局ともに再就職の援護対策のグループをつくりまして強化してまいりたい、このように考えておるわけでございます。  先ほどちょっと御指摘がございました、私の方の防衛庁職員給与制度調査会、防衛庁は専門機関である人事院管理を受けておりませんので、防衛庁自体で相当この給与制度の改善は勉強しなきゃなりません。そのために専門の方々のお知恵をかりております。これの最大の成果は、本年二月から各先生方の御支持を得ましてできました営内居住隊員の糧食費の本俸繰り入れ、これが最大の成果であったのではなかろうかと思いますが、今後も職員の福利厚生、再就職援護、こういった問題につきまして一層の努力をしてまいりたいと思います。一方、予備自衛官制度、これの給与制度も現在問題になっております。もう少し招集手当を上げるべきではなかろうかというような問題も出ております。勉強してまいりたいと思います。  以上でございます。
  159. 河田賢治

    ○河田賢治君 大分同僚議員から同じような問題が提起されて政府側の答弁もありますが、多少問題を変えて特別職、指定職の問題について質問したいと思うんです。  今度、内閣総理大臣が一六%アップ、国務大臣が一六・七%アップ、こういうことになっております。これは昨年上がらなかったからことし一遍に上げるという話なんですが、しかし、まあ昨年はしんぼうができたわけですね、上げぬでも、一年間。そうすると、ことしは一般と同じぐらいに上げれば、去年しんぼうしたんだからまあことしも去年のしんぼうした分をそのまましんぼうし終わってずっと続いたらどうだということはどうなんですか。何も去年上げなかったからことし上げなきゃならぬという、そういう理屈はないはずなんですね。しかも、大臣自身が財政窮乏の折から少しはポケットマネー出さなきゃならぬというような問題も起こりましたよね。そうだとすれば、今日民間とのバランスとかなんとかいうことはあります、これは後で私話しますけれども、少なくとも、そういう場合に去年は上げなかったからことしは去年分まで上げるという、この点は私たちはどうもいただけないわけですね。この点についてひとつ責任ある答弁をお願いします。
  160. 西村尚治

    国務大臣西村尚治君) これはある程度上げませんと、先ほど太田委員にも御説明申し上げましたように、一般職国家公務員のベースアップがありますと政務次官の方もどうしても上げざるを得ないわけです、国会法三十五条で。これを上げていきますと、総理大臣との間にランクがありますでしょう。総理大臣の方を抑えておきますと非常に無理ができるものですからどうしてもある程度上げざるを得ない。それで、昨年の分も全部上げるということになりますと、本当は百五十万円ということになるわけですが、そこはある程度セーブをいたしまして百四十五万円に抑えたと、そういうことでございますのでひとつ御了承賜りたいと思います。
  161. 河田賢治

    ○河田賢治君 そういうことは私たち地方自治体でも経験しているんですよ。私京都ですが、蜷川知事なんかは自分たち、副知事と収入役、この特別職は余り上げるなと、ところが一般に国家公務員が上がる、それからまた地方公務員もある程度上がるわけですね。そうすると収入役とか副知事あたりとか、もうどんどん追い越すようになってしまうわけです。据え置くわけにいかぬというのできわめてわずかばかり上げて、全国四十六都道府県のうちで三県を除いて京都府知事が最後から四番目という給料をもらっていたことがありますよ。しかし、それでも抑えているんです、やっぱりね。だから、総理大臣にしろ何にしろ多少のランクはありますけれども、ある程度抑えてもまだ開きは相当あるんですからな、これは何もこれから上は幾ら幾らといってそのまま上げぬでもいいんじゃないかと思うんです。私、たしか昭和二十四年ごろでしたか、一番最低の国家公務員給与と、そして総理大臣とを比較したことがあります。ちょっと数字は忘れましたけれども、そのころといま比較しますと、ずいぶんこれは差ができているんですよ。たしかそのころは十二倍半ぐらいだったと思うんです。いまはそんなどころじゃないですね。だから、やっぱり上の人を抑えるということは必要なんです。大会社も確かにありますよ、これは後で私お聞きしたいんですけれども、この大会社、少なくとも十億以上の資本金のあるところは大蔵省が全部企業統計をとっているわけでしょう。そういうようなのをひとつ人事院でも、指定職並びに特別職の一つの給与の参考資料としてこれから御提出を願いたいと思うんです。このことが一つ。  まず、大蔵省へ届けた数によりますと、大体百十万の会社のうち十億以上が千五百七十六社あるんです。この役員、つまり監査、それから常務なんかも入っているでしょう、専務、これが二万一千二百二十七人、一社平均にして十三人ぐらいなんですよ。それじゃ従業員はどれだけかといいますと、これは相当のものでして、これはたしか四百七十九万人の人間が従業員としておるわけです、部長以下ですね。国家公務員だって四十九万ぐらいですからね、いま。これに対して特別職があります、指定職が大分ありますが数は少ないでしょう。しかし、そういう比例をしてもそう大して大きな変化はないわけなんです。それで、もしもこういうところで社長の給与が多過ぎるとか——これはまあ賞与は別だし、会社も二つも三つも、あるいは十ぐらい兼務できますよ。だから、そういうところから、財政窮乏なんだから下の方を抑えぬと少しはやっぱり上からもっと取る工夫をして、財政に寄与させると、こういう方法もあるわけでしょう。だから、そのランクというものも何も一定したものじゃないので、したがって、政府が率先してそういうやり方をやって、そして民間企業もこういうやり方で一定の指導をすればまた財政にも寄与できる、こう考えるわけなんですがね。この点、資料の問題とその点についてひとつお伺いしたいと思うんです。
  162. 茨木廣

    政府委員茨木廣君) 何年に一遍かやっております役員の調査でございますが、これは普通の社員でございますと、民間相場といいますか、横の関係というようなものが非常に濃厚に給与決定がされますけれども、上の方の役員になりますと、それぞれの会社の営業が端的に反映してくるというか、そういう面があるだろう思います。それで、これも大変、その取扱いには十分注意いたしますからというようなことで丁重に御依頼をして協力を得ているというかっこうでございまして、一般の民調の場合のように相当軌道に乗った形でいまいただいておるという姿でございませんので、その辺のところで、慎重に取り扱わさしていただきたいというようなことで前にも申し上げたことがございますが、そういう事情にあるということをひとつ御了解いただきたいと思っております。これだけの資料を得まして参考にするのにも大変苦労をいたしておるわけでございます。
  163. 河田賢治

    ○河田賢治君 私どもは、個々の会社の、どこどこの、松下会長は幾らもらっているとかいうようなことを発表してくれとは言わぬですよ。しかし、大量的な、少なくとも現在大蔵省は、何百万円、何千、一億以下とか、一億から十億とか、十億以上という会社と、こう分けて、それで十億以上では会社が幾らあり、役員が幾らあり、従業員が幾らあると、それに対して役員賞与がどれだけで、あるいは給与手当が幾ら出ておる、従業員の給料はどれだけ出ているという企業統計として統計をとっているわけでしょう。うその統計をどんどん集めているわけじゃないと思うんです。ある程度これは真実性があるし、またそういう大量的なものでわれわれも観察しないと全般というものは見えぬわけなんですから、何も個々の企業の機密なり、あるいは個々の人々の給与とかなんとかいうことを調べぬでもいいわけなんです。そういう調べ方なら、現に大蔵省がやっているわけなんですから、これが真実かどうかということを、やはり政府としても一定の大企業からはそういう資料をもらって、そしてこの特別職なりあるいは管理職のそういうものの参考に私たちはしたいと、こう思うわけなんですよ。この点でもう一度御返事願います。
  164. 茨木廣

    政府委員茨木廣君) 今後の問題として、どの程度そういう方向に進めますかよく検討をいたしてみたいと思いますが、一応そういうまとめましたものを、御質問に答える形で先ほども数字を申し上げたわけでございますが、何分にも数が、一般給与上のような多人数のものの結論というよりも、先ほど申し上げましたような二千社内外でございますので、細密にそれを分析いたしますというのはなかなか危険かなという感じもございまして、それを一本に集計しました形の数字を先ほど申し上げたような次第でございます。
  165. 河田賢治

    ○河田賢治君 それから、ことしの人事院勧告が出ましてから、閣議決定、そして国会に提案される、この問題については、先ほど峯山議員からも、いわゆる財政法の特例法との関連で国会へ提出されることが非常におくれておると、いわば駆け引きにもなっておるということが指摘されました。私はその問題には触れませんけれども、毎年人事院勧告が出ても二、三カ月しないと給与法案ができてこない。その理由としては、政府は、なかなか法案づくりに時間がかかると言ってこられたわけなんです。しかし、実際には、人事院勧告が出れば、もう大体勧告の出るころには内定もしておるでしょうし、それらは各必要な官庁、特に一般職、あるいはまた防衛庁などにはわかるわけなんです。特に防衛庁の方からはなかなか法案のあれが出てこないから一遍に出せぬというようなことを言われたので、防衛庁の局長ですか、給与の関係の局長に聞きますと、いやそれは一週間あれば大体そんなものはできちゃうんだと、毎年出ることなんですから。閣議にかかって何%上げるということが変更になったりすれば、これはちょっと計算で時間もかかるでしょうけれども、そうでなければ、大体毎年四月から実施する、人事院を非常に尊重して政府は毎年最近はやっているわけなんで、法令というものも大体もうできているわけですからそんなにかかるはずはないわけなんですが、これからは、やはりこういう問題は、国会が開かれれば、あるいは開かれなくても開くようにして、人事院勧告が出れば国家公務員に対する支給を早めることが私は必要だと思うんです。ひとつ計算してみてくれませんか。これが今国会で上がるとしますね、四月から上がる。毎月上がった分の給与、一体国家公務員どれだけの支払いになるか。そうすると、それだけおくれたわけでしょう。普通の商事関係で言いますと、金を払うにはどこかから借りなきゃならぬ。借りれば利子をつけんならぬでしょう、何カ月間か。ここで二千何億ですか今度の支払いがあるわけで、そうすると、これの利子だけでも大変なものですわ。それだけ労働者は損しているわけですよ。毎月物価が上がります。上がらぬうちに買うわけにいかぬ、金もらわなきゃ。ところが金もらうのはずっと先なんですから、そのときはもう物価は上がっちゃっていると、そういう関係もある。だから、一カ月でも早く職員には支給することが政府の私は責務だと思うんです。そういう関係で、こういうものの手続なんか二カ月、三カ月かかるというんでなくて、できる限り今後早くこれができ上がるように、またそういう準備もどこでもやってもらうと。こういうことをだんだん習慣づけませんと、二カ月も三カ月もおくれるとか、国会が開かれぬ限りいつまででもほっておかれるということは、もう働く人にとって、特に物価が安定していればそうでもありませんけれども、そうでない場合はこれは大変なことになるんですよ。この点について、政府の方も、人事院勧告を出した、これに応じて早く作業をして、とにかく提出するとか処置をするとか、そういう点についてひとつお聞きしておきたいと思います。
  166. 西村尚治

    国務大臣西村尚治君) 給与関係法案の国会提出、これを早くしろということでございますが、いままでは先生指摘のように閣議で取り扱い方針を決めます。その閣議決定がありましてからどうしても一カ月、少なくとも一カ月必要期間としてあったわけでございます。それにはやはり法案作成の作業が要る、それから法制局の審査、それから部内の——部内といいますと与党の中のいろんな手続等がございまして、どうしてもやはり一カ月必要だったんです。しかし、今度はそういうことをなかなか言っておれないと、タイムリミットがございますから。この臨時国会十一月四日で終わるとすれば、閣議決定後一日も早く出してこれを間に合わさなきゃいかぬ、審議してもらわなきゃいかぬわけですから、一カ月などということになったらこれはアウトになってしまう、これは大変だということで、実は前植木長官が特別に人事局長に指示をいたしまして内々作業させておったわけです。そういうことで、非常に無理でありましたけれども、まあどうにか滑り込んだというようなことでございますが、これを今後例にというわけにはまいらないと思いまするけれども、いまおっしゃいまするように、できるだけ早く提出をして審議をお願いするという努力は必要であろうかと思います。
  167. 河田賢治

    ○河田賢治君 もう一つ。これはほかにも出ているんですけれども、自衛隊の指定職、今度改定で八・八五%上がっているわけですね。参事官俸給表改定率として。ほかの方は大体六・八とか六・九で平均七・一になっていますが、大体において下の方は今度の改定率の平均にいっているわけなんですが、ほかの方も指定職は同じですけれども、特に防衛庁でも指定職八・八五という、これは内閣委員会調査室の審査資料によるんですが、こういうふうに高くなっているのはどういうわけでしょう。この点ひとつ御説明願いたいと思います。
  168. 竹岡勝美

    政府委員(竹岡勝美君) 防衛庁職員の場合には、御承知のとおり指定職の一部、それから参事官等を含めましたいわゆる参事官等俸給表、これが七・一八%のアップ率でございます。それから、ちなみに申し上げますと、自衛官全体のアップ率が七・〇七%であります。それから一般事務官、これは一般職と同じでございますから六・八九%でございます。いわゆる指定職を含めた参事官等のアップ率七・一八%が一般事務官より高いじゃないかというような御指摘でございますならば、これは参事官等俸給表適用を受けますのが百九十五人、わずかな人数なんです。その中に指定職が十二人おるわけなんです。指定職のアップ率は一般職と同じでございますから八・数%の高いアップ率になります。だから非常に少ない人数の中で指定職の占めておる率が高いから参事官等のアップ率が七・一八%に上がっておるわけでございます。それから、百九十五人から十二人除きました、指定職だけ除きました参事官等のアップ率は、これは一般事務官と同じで約六・九%になっております。だから、自衛隊だけ指定職を特に上げたわけじゃございません。これは一般職と同じ指定職のアップ率で、その高い指定職が参事官等に占めておる比率が高いという理由でございます。
  169. 河田賢治

    ○河田賢治君 これは本当は文部省なんかを聞くといいんですけれども、主として給与をよけい出しておる、特に大学の学長で東京と京都が特別に学長の中でも上になっていますね。ところが、御承知のように東京にしましても京都にしましても、何といいますか、いろんな学校の中というものが、まあ長官も御存じのとおりなんですけれども、学校が閉鎖されているとか、こういうことがあったり、かなりそいつが尾を引いたりしております。それから、学生に自治を与えるのは結構だと思うんですよ、寮なんかに。ところが新聞で見ますと、あの中に前科者が入ってきて二カ月も三カ月も学生の寮に寝泊まりしてただでおったというようなことが新聞に出ておりますね。それから、たしか京都でしたか、これもどこかの学生寮で死人が出て、それがもう一週間以上もたってわかったとか、確かに学生に対する自治を与えるのは結構なんです、最高学府の人間ですから。しかも、最高学府に出ておれば、御承知のように育英資金は貸してもらえるし、私立から見ればうんと安いんだし、だからそれなりにやっぱり学生を指導するのは学長に私は責任あると思うんですよ。ところが、学長はほかの大学よりも給料うんと高いんだと、それで済まされておったんじゃ私はちょっと学問に対する疑惑を持つんです、一体どんな教育するんだろうかと。科学ばかりが学問じゃないんですからね。こういう点がありますので、これはまあ人事院になるか総理府になるか知りませんけれども、こういうところはよほどやっぱりひもを締めていただく必要があると思う。そうしませんと、給料だけ出せば、位のいい人はそれで職責が果たされておると思うと間違いなんですね。職責に応じたことも考えなきゃならぬ。少々悪いときには減額もするとか、そのくらいのひとつ気持ちを持ってやってもらわぬと私は本当に正しい政治にならぬと思うんですよ。この点をひとつ注文しまして私の質問を終わって、あと残り時間は岩間議員に譲ります。
  170. 岩間正男

    ○岩間正男君 端的に質問しますから端的にお答え願いたい、時間の関係からね。  まずお聞きしたいんですが、いろいろな操作の仕方、それで時間がかかったと、人事院勧告の実施がおくれたと、こういう話が先ほどあったわけですけれども、これはやはり先ほども質問がありましたように、財特法と絡まったと、この問題が非常にやはり大きな問題じゃないかと思うんです。この点はどう考えておりますか。とにかくスピードはこれは最大のサービスですよね、どんどん物価変動が激しい、こういう中での給与改定ですから。この点についてどういうふうに考えるかお伺いしたいと思います。
  171. 西村尚治

    国務大臣西村尚治君) いままでも申し上げましたように、総理府としてはできるだけ早く閣議決定までこぎつけたいと、そういうことで給与関係閣僚会議をたびたび開催したのでありますけれども、何しろ膨大な財源の裏づけを必要とすると、そういうことでどうしても関係閣僚会議の意見がまとまらなかった。財特法との駆け引きというようなお話でございますが、そういう気持ちは全くないわけでございます。いままでにないことしは赤字財政の年でありますためにこういう結果になった、やむを得ないことだということでひとつ御了解賜りたいと思います。
  172. 岩間正男

    ○岩間正男君 おかしいじゃないですか。いまの御答弁そのものが矛盾だ。ことしは赤字財政だから非常に財源が見つけられない、したがって、やっぱりこれを補てんするための財特法が通らなきゃだめだと。だからどんなに弁解したって、それはやっぱり財特法との絡まりというのはあなた自身の答弁の中にちゃんと含まれている、矛盾はね。自分で自白している。だから、私はこういうやり方というのは非常に正しくないと思う。ある意味では卑劣だと思うんです。どうも政府やり方を見ますというと、今度皆そのやり方をとっているじゃないですか。たとえば仲裁裁定をやる、国鉄の運賃値上げをしなければこれは給与改定はなかなか困難だ、電電の値上げ法案が通らなければこれは給与改定はむずかしい。で、仲裁裁定の方が非常に渋っている。こういうやり方がこの三木内閣になってから目立つんだね。これはやはり私はこういう政治的な卑劣なやり方をしちゃいかぬと思う。これはひきょうです。   〔委員長退席、理事林ゆう君着席〕 これは当然公務員労働者の基本的人権というのは、これはもう保障されている。法律によって保障されている。それから、労働基本権は奪われている、その代償として出された人事院勧告です。これは当然切り離してやるのはあたりまえ。こんなものが前例にされていけば、これは自民党内閣の政治姿勢というのは問われることになる。私はこういうやり方というのはやるべきじゃないと思う。どうですか、それはこの法案の中にもちゃんと背景としてあるんですから、この点明確にしておかなきゃならぬと思うのですが、いかがですか。
  173. 西村尚治

    国務大臣西村尚治君) その絡ませる絡ませないの問題は、これは意図的に絡ませたようにおっしゃいますからそうじゃないと私は申し上げておるんです。意図的に絡ませたんじゃない。結果的にはあるいは絡んだという形になったかもしれませんけれども、とにかく一般職国家公務員だけでも七百億も新しい財源を必要とする。それのめどがつかないうちに、さあやりましょうなどということは政府としては言えないわけでございます。そのめどをはっきりつけてから踏み切るというのが責任ある政府の態度、そう言わざるを得ない。そういうことで、こういうことになったんだということでひとつ御了承賜りたいと思います。
  174. 岩間正男

    ○岩間正男君 八月十日ですからね、勧告が出たのは。それをそれだけの検討ができない。これは政争にもう本当に明け暮れておったんじゃないですか。そんなばかなことは許されないんですね。だから、結局九月の十六日にこれは召集したんです。それが最後の五十日間近になっていまこれを通すか通さないかと、こういうことになっている。財特法はいきなり、急いでこれは通したでしょう。そうしておって、当然これは法律によって決められ、そして公務員労働者の基本的人権として、生活権として明確になっている問題がこう後回しになるというやり方は、これは政治姿勢にはっきり関係する問題ですよね。こういう汚いやり方はやっていかぬと思う。電電の場合も同じ、国鉄の場合も同じ、仲裁裁定と全部絡ましている。どうですか。これは総理がいないからだけれども、これははっきりあなたは給与を実施する責任者ですから、そういう点でははっきりしなきゃならぬ。  さて、出されたこの勧告、平均六・九四%、一万一千十四円、こういうことでありますけれども、これは先ほどからも問題になっていますが、消費者物価の値上がり率、これとの対比でこれは非常にひどいと思うのです。大体五十一年度の予算編成の基礎条件として物価上昇をどれぐらいに見込んでおったか。これは大蔵省いますか。——いないですね。では私の方から言いましょう。これは八%を見込んでおったのです。それがどうですか、八%を割った月がありますか、これは人事院給与局長どうですか。時間がないんだ。
  175. 茨木廣

    政府委員茨木廣君) 統計局の発表の消費者物価指数の総合のところで申し上げますと、四月以降九・三、五月が九・二、それから六月が九・五、七月が九・九、八月が九・二というのが対前年同月比の指数でございます。
  176. 岩間正男

    ○岩間正男君 全然これは八%割った月はないんです。平均すると九・五%ぐらい毎月上がっている。しかもこれは政府統計だ。たとえば、東京都で調査した最近の実態調査があります。この調査によると、ほとんど多くの人は三〇%上がったという生活感覚を持っているんです。とても一〇%割ったとか、九%とか、こんなもんだというふうには考えていない。こういう実態から見ますというと、これは公務員労働者の生活が今度の給与によって保障される、こういうふうには考えられない面が出てくるわけです。こういう点は深刻に受けとめなければならぬのです。なぜそういうことを私が言っているかというと、公務員労働者の生活権というのは、自分の地位を確保する、だれよりもこれは国民に対してですね、これは当然責任を負わなくちゃいけないんです。公僕と言われる意味があるとすれば、国民に対するこれは奉仕の義務がある。ところが権力支配のもとで、権力に対するそういう柔順な態度とか、そういうものだけは要求されるというのがいまの公務員の姿になっておる。これは根本的にやはり公務員の身分というものについて考え直さなくちゃいけないと思うんです。それは何よりもやっぱり生活権を確立するということが非常に重要なんです。生活権が非常に不安定な状態のもとでは十分の任務を果たすことはできないんですからね。この点についてどうですか、総務長官はっきり、人事院総裁もこれは責任ありますから答弁を願いたい。簡単でいいですよ。
  177. 西村尚治

    国務大臣西村尚治君) 質問の御趣旨がよくわからなかったのですが、今度のベースアップが物価の騰貴率を下回っておる、そのことについての御質問ですね。これは質問、あるいは私が聞き違いかもしれませんが、私もそういうふうに理解して答弁申し上げますが、確かに物価指数の上昇率を下回っておることは否めません。否定できませんが、ただ、私どもの方としましては、人事院勧告というものをあくまで尊重するという立場で今日まで貫いてきておるわけでございまして、その人事院勧告というものは、公務員給与、これは納税者である国民の理解と納得を得られるものであるべきだと、そういう前提に立って考えておるわけでありますが、それを総理府で、じゃどういった程度が納得と理解を得られるか、これもわれわれの方で調査するというその能力もございません。従来の例からして独立した中立の第三者機関人事院が専門的立場調査研究をして勧告をされるわけですから、それを尊重して完全実施する、それよりほかない。そういう立場できておるわけであります。
  178. 藤井貞夫

    政府委員藤井貞夫君) 公務員の使命、またこれを達成をいたしますために、いまお話のありましたように、労働基本権の制約がある。また、服務その他についても強い規制が講じられておりますので、これらを見合いながら公務員が十分にその職責が果たせるように処遇の改善をしていかなきゃならぬと、そういう認識は私も先生と同意見であり、全くそうでなければいかぬという考え方を持っております。そのためにいろんなことをやっておりますが、その中で、基本的な一番最近の大事な事柄というものはやはり給与勧告でございます。この給与勧告につきましては、従来ぜひとも完全実施をしていただきたいということでわれわれも要望しておりましたし、また、国会等でも御鞭撻をいただきまして、ようやく時期的にもまた内容的にも完全実施という措置が講ぜられてまいっておりますことはわれわれとしても大変喜びにたえないところでございます。ただ、この給与勧告というのは、そのたてまえは官民給与比較をいたしまして、較差がある場合にその較差を埋めるという基本方針をとって従来からやってきておりまして、ことしの場合もそういうことで同じようにやったということでございます。ただ、民間の状況あるいは経済界の状況、物価の問題、その他大変厳しい環境にあるということは私も存じておるつもりでございまして、そういう配慮を腹に入れながら仕事をやってまいっておるつもりでございますし、まあ御批判等もいろいろあろうとは思いますけれども、今後ともそういう基本的な姿勢というものは堅持して対処してまいり、人事院の使命達成のために努力をいたしたいと、かように考えております。
  179. 岩間正男

    ○岩間正男君 これは制限された時間でやっておりますから簡単に御答弁願いたい。私、聞きたいことがたくさんあるんだが、時間の制約を受けております。  次に、今度自治省にお伺いします。  最近のこれは各県、大都市の地方人事委員会勧告状況、これをもらったわけですが、まだ勧告が行われていないところもあるけれども、軒並みこれは国の六・九四%を下回っておる。わずかに三県が上回っているというような実情のようです。自治省通達ではこれに対していろいろな制限を加えておったでしょう。そういうことになっているんですが、自治省通達というものはどういうものですか、これを明らかにしてもらいたい。
  180. 石見隆三

    説明員(石見隆三君) 御指摘の通達は、本年十月十五日に自治省事務次官名をもちまして各都道府県知事及び各指定都市の市長にいたしました通達であろうかと思います。この通達は、御案内のとおり国家公務員給与改定につきましての閣議決定がなされましたことに伴いまして、本年度の地方公務員給与改定につきまして留意すべき事柄を列挙したものでありまして、毎年度こういう形でこのような時期に各地方団体に通達を申し上げております。
  181. 岩間正男

    ○岩間正男君 その中身は。
  182. 石見隆三

    説明員(石見隆三君) 中身につきましては、御案内のとおり、給与改定と申しますのは、いまさら申し上げるまでもなく、一定の適正な給与水準を実現するために行うものであるというふうに理解をいたしておりまして、現在の地方公務員給与水準の現状から見まして、給与改定の際に全般にわたりまして給与水準の適正化をお願いいたしたいという内容でございます。
  183. 岩間正男

    ○岩間正男君 結局は、漫然と国の改定率に準じた改定をしてはならない、こういうことなんですよ。これは抑える、そういうような改定に関する通達を出しているわけですね。これはやはり既得権の侵害ということ、あるいは自治体に対する介入、あるいは地方の人事委員会に対する介入ということになると思うんです。こういうことはいいんですか。こういうことはすべきじゃないというふうに思うのでありますが、地方自治の精神から言えばこれはどうなんですか。
  184. 石見隆三

    説明員(石見隆三君) この通達は先ほども申し上げましたように、給与改定に際しまして、現実に現在の地方公務員給与国家公務員給与水準をかなり上回っておることは事実でございます。そこで私どもといたしましては、いま申しましたように、地方公務員給与国家公務員に準ずるという法律上のたてまえになっておりますわけでございますから、この辺のことにつきまして適正化をお願いするということで通達を出したものであります。根拠といたしましては、地方自治行政あるいは公務員行政につきまして、自治大臣は必要な助言あるいは勧告、御指導申し上げる法律上の権限を有しておりますので、その法律の根拠に基づきまして、給与改定に際し留意すべき事柄を列挙したものでございます。
  185. 岩間正男

    ○岩間正男君 地方財政がなかなか楽でない、赤字財政を続けているところが多い、そういうところにこのような通達が出てまいりますと、実際はこの結果は地方公務員の生活権に非常に深い関係を持ってくる。これが非常に極端にやられた場合には、やはり既得権の剥奪ということにつながるわけですから、これはよほど慎重にやらなければならない。そうしてしかも、そういう権限を持っておるということを言っておりますけれども、やはり地方自治の精神に立ってこれを考えれば、画一的なこのようなやり方をやるべきではないと私は考えるわけです。  時間の関係がありますから次に進みますけれども、今度の人勧の実施ですね、政府閣議決定をしたわけでありますけれども、この給与改定をやると同時に三つのいろいろな制約を加えてきている。それは、行政事務の運営の簡素化、合理化、あるいは第四次定員削減の計画、それから、地方公務員団体の定員、給与の抑制、これはいま挙げたところですが、このようなやり方で、一方では予算の節約をやろうとしておるわけですね。しかし、その中で私は特に地方行政の問題をお伺いしたい、実は冷害との関係で。  今度の冷害、これは北海道、東北六県を初めとしまして、十県、十地方が激甚地になるわけでありますけれども、こういう中できょうの十一時に冷害の被害状況が発表されたと思うんです。農林省からその概略を、非常に簡単でいいですから説明してほしいと思います。
  186. 杉山克巳

    政府委員(杉山克巳君) 本日農林省におきまして、本年の水陸稲の予想収穫量と、それから冷害による農作物被害の概況を発表いたしました。  予想収穫量の方から申し上げますと、水陸稲合計でもって千百七十八万三千トン、これは、いわゆる作況指数で平年作を一〇〇としたものに比べますと、水稲で九四、それから陸稲で九九となります。陸稲は数量的にネグリジブルでございますから、九四という作況と御理解いただければ結構でございます。  それから、冷害による農作物の被害でございますが、これは沖繩県を除く全国都道府県において発生しております。総被害見込み金額は四千九十三億円。作物別に見ますと、水陸稲の被害が最も大きくて被害見込み金額は三千四百三十三億円、総額の約八四%になります。次いで野菜が二百九十二億円、雑穀、豆が百三十七億円、果樹が九十九億円となっております。  それから、地域別に見ますと、主な道県といたしまして、北海道が被害が一番大きくて、金額で八百六十一億円、以下金額は省略しますが、順番として岩手県、宮城県、新潟県、青森県、それから福島県、山形県、秋田県、千葉県、長野県、こういう順番になっております。いま申し上げました十道県の被害額は総被害額の約八割というふうになっております。  以上でございます。
  187. 岩間正男

    ○岩間正男君 気象庁に伺いますが、異常低温とは一体具体的にどういうことを指すのですか。
  188. 有住直介

    政府委員(有住直介君) 異常という定義でございますけれども、気象学の方では、たとえば気温を例にとりますと、気温が変動いたしますが、変動の平均のカーブ——変動の分布をつくったといたしまして、平均のところから、専門の言葉で言いますと標準偏差の二倍以上ずれたときに異常と言うという約束になっておりまして、年でいきますと、大体二十五年から三十年に一回記録として出てくるようなものがちょうど異常値というものに相当いたします。ことしの東北の場合は異常値ということで大変農作物その他に被害があったわけであります。
  189. 岩間正男

    ○岩間正男君 異常気象の監視、これも気象庁の当然の任務に入っておりますね。
  190. 有住直介

    政府委員(有住直介君) 監視と申しますか、観測というものはいたしております。ただ、農業気象の関連といたしましては、私どもとしては、やはり予報というものを出しましてお役に立てるということが非常に重要なものでございますから、長期予報の研究ないし整備ということを私どもは努力いたしまして、そうして予報によりまして農業気象として農業等にも役立てていただこう、こういう姿勢でやっておるわけでございます。
  191. 岩間正男

    ○岩間正男君 単に観測するだけでなくて、その結果は被害を防止する、あるいはまた国民の、この場合は農家の場合ですが、こういうところにサービスをする、こういう体制が確立されることが望ましいわけですね。
  192. 有住直介

    政府委員(有住直介君) そういうことでございますので、長期予報の研究等も進めながら、非常にいま気象庁としてはむずかしい予報ですけれども、世界に先駆けまして一カ月予報、三カ月予報、それから六カ月の暖候期、寒候期予報というものをやっておりまして、世界でも三カ月予報をテスト的にやっているのはイギリス、アメリカ等でございまして、いまだ業務的には三カ月以上の予報というものはやっていないのでございますけれども、気象庁といたしましては、過去、従来からこの辺に力を入れまして努力しているようなわけでございます。
  193. 岩間正男

    ○岩間正男君 一年ぐらい前から予知されないというと、これは気象通報としては余り効果がないわけですね、冷害の予防については。どうなんです。
  194. 有住直介

    政府委員(有住直介君) やはり農業対策その他準備をするのには早いほどよろしいかと思っておりますけれども、現在の長期予報の技術段階といたしましては、気象庁ではいま暖候期予報、寒候期予報を六カ月前にやっているわけでございますけれども、技術的には、私どもとしてはこれ以上の長い長期間の予報に踏み切るまだ段階には来ていないというふうに考えているわけでございます。
  195. 岩間正男

    ○岩間正男君 その欠陥は体制的にはどういうところにあるんですか。
  196. 有住直介

    政府委員(有住直介君) やはり、これからのその予報技術の推進ということであろうと思います。で、気象庁におきましても、従来の整備にさらに強化するために、昭和四十九年、昭和五十年には、いままでより以上の資料をいただくために、たとえば北半球の高層のデータを豊富に取り入れる、全世界のデータを取り入れる、また従来よりも増して南半球のデータも入れる、こういうことを四十九年、五十年とかけまして、定員も四名ずつ八名いただきまして、各方面の御理解をいただきまして推進しているわけでございますけれども、この異常気象と申しますのは、地球全体の大循環的な関係で起こりますので、全地球的な視野でもって各種データを入手し、それを予報するという方向に向かいつつあるわけでございまして、その方向で気象庁も進んでいるわけでございますが、まだ現段階では遺憾ながら六カ月がもう本当のぎりぎりの線というふうに私ども思っているわけでございます。
  197. 岩間正男

    ○岩間正男君 気象庁のある研究者に聞くと、長期的な予報は新しい分野に入るが、基礎研究の体制が必要であると言っている。しかし、この調査研究は気象研究所の一室でわずか五人か六人で行っているにすぎない。経常費もわずか五千万程度にすぎない、こういうことです。一千億という単位の被害、現に先ほどもこれは四千億以上の被害が統計上もきょう発表されたわけです。それを考えますと、この日本の気象観測の体制というものは、こういうような冷害、これが今後どうなるか、ことに北方において今後継続されるかもしれないというような、そういう予想もされている。そういう中で非常にこれでは心細い次第、そう思うんですが、どうですか。
  198. 有住直介

    政府委員(有住直介君) ただいま申しましたように、四十九年、五十年で八名の人をいただきまして、現在では本庁と申しますか、東京の気象庁には二十一名の定員から成ります長期予報課というのがございまして、そこで長期予報を専門に業務をし、また研究もしているというのが現状でございます。さらに、地方予報中枢でもこの予報官がおりまして、これは複合的にやっておりますけれども、中枢によって違いますけれども、通常二十数名の予報の課の定員がおりまして、その中で普通の短期と一緒にいたしまして仕事をしているというのが現状でございます。また、研究方面につきましては気象研究所というのがございまして、そこの中の予報研究部の中でこういう大循環を含みます長期的な問題というものに取り組んでおるのが現状でございます。
  199. 岩間正男

    ○岩間正男君 それじゃ、この気象関係の中で、冷害ですね、これを長期に観測する、そういう関係の人は実際どのくらいいるんですか。
  200. 有住直介

    政府委員(有住直介君) 長期予報課というのに二十一名おりまして、それから、この農業気象という観点に立ちますと、さらに産業気象課というのがございまして、この定員が十七名で働いておりますが、そこで農業気象ということでタッチしながら仕事を進めておるというのが現状でございます。
  201. 岩間正男

    ○岩間正男君 私はこの気象問題、運輸委員会でも何回も取り上げました。この体制についてお聞きしたんだが、どうも長官の答弁はいつでも大丈夫です、これからとにかくやっていきます、こういう答弁ですね。ところが被害はどんどん起こる。そしていつでも体制が立ちおくれだ。今度の問題だってそういうことをこれははらんでおります。無論冷害ですから単にこれは予報の問題だけじゃない。それから、少なくともこの冷害を事前にキャッチすることができる、対策を講ずるということになれば、被害はずいぶん減らすことができるんですよ。そう考えますと、いま全部をかき集めてここで答弁されたんだと思いますが、四十数人ということで、しかもそれは長期予報とか農業関係の気象だと、こういうふうに言っていますが、全部それにかかっているわけでもない。そこへもってきて予算の問題がある。さらに総定員法のこれは適用を受けるわけでしょう。人員減らされるんじゃないですか。今度の総定員法による削減、これがかかってきているんだと思いますけれども、これに対して来年度の体制を確立するためにどれぐらいの人員の要求をされておるか、そういう点あわせて答弁を願いたい。
  202. 有住直介

    政府委員(有住直介君) この長期予報関係につきましては、いろいろとわれわれも強化していこうという方向で検討させていただいております。  それから、この削減でございますけれども、気象庁というのは大体が非常に技術をもとにいたしましてサービスをよくしていきたいと。で、できるだけいいサービスをするということは、とりもなおさず、たとえばいまの農業災害を守るということでございますと、どうしても質のよい正確な予報というものを提供したい、そういうことで進めております。まあ防災にしろ何にしろ的確な予報を的確に出す、そのためには、たとえば大型の電子計算機を本庁に据えまして数値予報を展開いたしましたり、これもいま十分に利用さしていただいておりますが、さらに地域観測網計画によりまして、全国に千点以上の観測点を置きまして自動的に十分で資料を集め、また十分で資料を配るというような仕事をやらせていただいたり、また来年の七月には静止気象衛星を上げまして全地球的な観測をしたい、こういうことをもくろんでいるわけでございますが、これらはいずれも先ほど申しました、たとえば全地球的な観測をしますと、それによりまして長期的な予報の精度も上がる、そういう観点で技術的な向上というものを目指して進めておるわけでございますが、それに対しまして、やはりいままでやっていたような古いと申しますか、旧来の観測方法というものはとりかわっていくという面も出てまいりまして、そういうものにつきましてはこの削減ということもやらざるを得ないというふうにわれわれ考えて進めているわけでございます。
  203. 岩間正男

    ○岩間正男君 これは何人削減され、そして何人要求しているんですか。
  204. 有住直介

    政府委員(有住直介君) いままでの総数は六百二十九名の削減でございまして、しかし、新しい方面への定員増のいろいろのバックアップをいただきまして六百四十四名の定員増をいただいておりますけれども、差し引きといたしましては十五名の増ということにいままではなっております。先生の御質問は第四次かと思いますが、この次の削減につきましては、まだ私どもは何名というようなことが気象庁といたしましてはわかっておりません。
  205. 岩間正男

    ○岩間正男君 大体、冷害の長期予報というのは一、二年ぐらい前から予報できる体制をとらなければ実際の効果はない。その点ではせいぜい三カ月ぐらいまでの予報しかできない現状、こういうことでは、完全にやはり冷害の予報体制を確立しているということはできないわけですね。これは、どうしたって人員の問題がある。予算の問題がある。そうして、そういうものを充足することによって、たとえば今年度だけでも四千五百億を超えるような、これは官庁統計でもそうでありますが、実際はこれは大変だと思うんですよ。私もこれは冷害の調査に東北各地を回りました。大変です。実際、これは驚きます。もう山間の農民では種もみを持たない、それから来年の飯米がないというところがざらにある、こういう悲惨な状況にぶつかってきたわけです。  これはたとえばこのつくり方も、一番大きな問題は何といっても田植え機で植えること。非常に苗がまだ小さい、発育が非常に不良だ。そこへもってきて化学肥料を使う。それから土地の生産性が非常に弱ってきておる。どうしても有機物質が要る、堆肥をもっと入れる。これは八戸で見たんでありますが、淋代というところ、淋代平というところで、この道の両側で、こっち側を見ますというと四割か五割とれている、こっちはゼロだ。同じたんぼでそんなに違う。何だ、どうして違うんだと聞いてみたら、一方は手植え、そして堆肥を入れている。一方は機械植え、そして化学肥料。こんなに違う。そうすると、冷害に対するときにはまあ品種の問題もある、こういう栽培の問題もあるわけです。これが事前に、今年度冷害があるんだと、こういうことがもう長期予報の中ではっきり出されておれば、少なくともこの冷害を半減する、あるいは大幅に減らすことができるわけですね。そうすると、私はここで国家的な利益の問題から考えたって、人員を毎年毎年総定員法で削っていく、そして実際必要なところには人員を回さない、とんでもないところで削っている。本当にもう何といいますか、目先だけ見て減らすために実は大変な、何百倍の損害を受けている。こういう点を考えますというと、もっと血の通った行政をしなければいけないと思うんですよ。だから私は行管庁長官出席をきょう求めたんだ、ぜひ来てもらいたいと。まあ局長さん見えておるんでしょうが、これは長官に聞いてもらいたいんですね。もう少し再検討しなければならない。いままでも何遍もこの問題出してきました。単にこれは気象庁の問題だけじゃない。海運局の問題とか、あるいはまた、これは自動車の車検のところでどんどん人員を同じように一律に切っていく。その結果どんなに大きな被害が直接国民に及んでいるか。こういうことを考えますというと、本当に行政の民主化、国民のための政治を確立するという立場に立ってきたら、私はこれは根本的にこういう点を考え直す必要があるんじゃないかというふうに思うんです。そういう点からのこれは質問をしているんですがね。だから、単にここに来て、そうしていかにも私のところには間違いがございません、こうしてちゃんとやっておりますという答弁は余り望ましくない。実際こういうところをもっとこうやりたいんだというような、そういう積極的な意見をあなたたちがお出しになる必要がある。前の気象庁長官もどうもそういうきらいがあった。その点どうですか、この冷害対策についてもっと根本的な考えをするために、行政管理庁は、この問題、いま迫った現実の問題として徹底的に検討する必要があると思うんですけれども、気象庁の人員削減はいままでたくさんの問題を抱えておりました。ここで繰り返す時間の余裕がありません。そういう中でこの冷害問題が発生した。これに対処する一つの方向としてはっきりこれを確立する、そういうことが非常に現時点で必要な緊急の問題になってきていると思うが、これはどうですか、局長の方、答弁をいただきたい。   〔理事林ゆう君退席、委員長着席〕
  206. 辻敬一

    政府委員(辻敬一君) 気象庁の定員につきましては、先ほど来気象庁長官からお答え申し上げたところでございますが、私どもといたしましても、従来から必要な部門につきましては実情に応じまして必要な増員を行ってきたところでございまして、全体として見ますと、定員削減はございますものの、差し引き気象庁の定員は増加をいたしておるわけでございます。この分野におきましても技術の進歩がございますし、新しい機械の導入でございますとか、新しいシステムの導入でございますとか、そういう問題もございますので、そういう点を考えあわせながら気象庁全体としての業務が円滑に行われますように、今後とも十分検討いたしてまいりたいと思います。
  207. 岩間正男

    ○岩間正男君 いまの冷害問題、具体的に冷害問題にどう対処するか、具体的に聞いている。一般論ではだめ。あなたたちのは一般論で、皆ざるから水が抜けるようだ。
  208. 辻敬一

    政府委員(辻敬一君) 具体的な冷害の問題につきましては、先ほど気象庁長官からお答え申し上げたところでございまして、長期予報におきます従員の充実等につきましては、四十九年度、五十年度において配慮したこともあるわけでございまして、今後ともそういう実情を十分検討いたしながら適切な配慮を図ってまいりたいと思っております。
  209. 岩間正男

    ○岩間正男君 一つだけ、最後に。  WMO、世界気象機構の発表によると、気象変動について一年先を予測することは至難のわざではない、こう言われておりますが、はっきりこれは確認してようございますね。その上に立っての体制を気象庁は確立する必要があると思うわけでありますが、ことに冷害のこの深刻な被害から考えてその必要があると、こういうふうに考えるわけでありますが、あわせて御答弁いただきたい。
  210. 有住直介

    政府委員(有住直介君) いま先生のお話の、かなり長い先の予報が可能であろうというお話でございましたが、私の記憶によりますと、WMOでつくりましたGARP計画というのがございますが、その計画書の中で将来そういうことができるようになるかもしれないということを見たのでございます。それは、現在私どもの進めております静止気象衛星を上げて全地球的に観測をするという計画が、来年、再来年とございます。それを第一次の全球観測計画と申しておりますが、その成果をまとめた上で、その後何年かわかりませんが、今度は第二次の全球観測計画を立てたいという方向で進んでおりますが、そのときにはさらに衛星等による観測が精密化されまして、大気を十の層に分けて、観測の数値予報で、格子点と言っておりますが、それを平面だけで一万点、十の層ですと十万点の格子点を使って数値予報を行うようになった暁には、恐らく数百日の先の数値予報も可能ではなかろうか、可能かもしれない、そういう表現のところを記憶しておるのでございますが、それではなかろうかと思うのでございますが、私どももそういう計画には国際的な協力として進んで気象庁も参加しておりまして、そういう方向で長期予報につきましてもわれわれは進めさせていただきたい、そういうふうに思っているわけでございます。     —————————————
  211. 中山太郎

    委員長中山太郎君) この際、委員の異動について御報告いたします。  本日、上田哲君が委員を辞任され、その補欠として大塚喬君が選任されました。     —————————————
  212. 中山太郎

    委員長中山太郎君) それでは、引き続き質疑をお願いいたします。
  213. 中村利次

    中村利次君 去年の十一月に行政局長名で、給与条例の規定に基づかない昇給短縮は違法であるという指導通達を出していますね、いかがですか。
  214. 石見隆三

    説明員(石見隆三君) 去年の十一月十八日付行政局長名を持ちまして、違法な昇給措置の廃止についてという通達を出しております。
  215. 中村利次

    中村利次君 ことしの三月、これは次官通達で、公立学校教員の給与水準が国立学校教員の給与水準を上回る場合には運用昇短の廃止など教員給与の適正化に努力をする、こういう通達を出していますね。
  216. 石見隆三

    説明員(石見隆三君) いまお示しの通達は手元に持っておりますものと一致しておりますかどうか、今年の三月十七日に事務次官名をもちまして、教員給与の改善に関する取扱いについてという通達を出しております。
  217. 中村利次

    中村利次君 片方は違法である、片方は給与の適正化に努力をしなさいという通達なんですが、これはどういうことですか、突然で申しわけありませんが。
  218. 石見隆三

    説明員(石見隆三君) いまお示しの前段の通達につきましては御指摘のとおりでありまして、後段の通達におきましては、前段の通達を受けまして、「一一月一八日自治給第六二号で通知した関係事項を遵守し、引き続き教員給与の適正化に留意して」、そういう形でお願いいたしたいということを申し上げておるわけでありますし、後段の通達は前段の通達をそのまま受けておりますので、趣旨としては同じ気持ちでおるわけであります。
  219. 中村利次

    中村利次君 違法であるというきめつけであっても、やっぱり現状行われておるものは、これは改善に努力をしなさいということだと思うんですよ。そうなりますと、人確法が制定をされまして、これはやっぱり読んで字のごとく、教員に人材を求めようということで給与も改善をしようという、それで第三次までの人事院勧告が出されておるはずなんですよ。ところが、特定の県なんかでは昇短を廃止したことによって、これはたとえば地方公務員の場合には条例に基づいて給与を決めていますから、にわかにこれをカットするわけにはいかないけれども、運用昇短の方はカットされて、人確法に基づいて給与の改善をされたけれども、カットされちゃったことによってかえって下回るという事例が出ていると言われていますが、そういう点御承知かどうか。
  220. 石見隆三

    説明員(石見隆三君) その辺の各県ごとの詳細につきましては、ちょっと手元に資料を持っておりませんし、いま直ちにここでお答え申し上げることはいかがかと思うわけでありますが、いわゆる一斉短縮あるいは運用昇短によりまして、すでにかなり地方公務員給与自体が国家公務員給与水準を上回っておりますことは事実でございますので、したがいまして、後段の通達におきましては、教員給与の改善に際しましては給与の水準の適正化を図るという観点から、前段の通達を受けて、そういうような扱いにつきましては今後行わないようにしていただきたいということをお願い申しておるわけでありまして、あるいは先生指摘のような例が理論的には起こり得るかと存じますけれども、現実にそういう例が起こりましたかどうか、ちょっといまのところ資料を持っておりませんので。
  221. 中村利次

    中村利次君 これは人事院にもお伺いをしたいと思うのですが、あるいは総理府総務長官でも。やはり人材確保というものは、教員の給与を改善して人材を確保しようというところに目的があった。確かに国家公務員よりも地方公務員の方が給与が上回るということは指摘されています。そのことを既得権として守るのが是か、あるいはやっぱり国家公務員に準ずるということで適正化を図っていくことが是か、これはいろいろな議論がございましょう。しかし、私はやっぱりこの適正化を図っていく方向性については、これは否定しない。適正化すべきであると思う。しかし、たとえばいま審議中の人事院勧告についても、六月の期末手当あるいは勤勉手当の率を引き下げ、しかしながらすでに支払われたものについては特別措置といいますか、そういう配慮がある。ですから、仮に適正化すべきであるとしても、人材を確保して教育を充実しようという目的を持ったそういう人確法に基づいて勧告されたものによって実質収入が下回るというような、そういうことはちょっとやっぱりこれは非常におかしいではないかというのが、これは私は常識だと思うのですが、いかがでしょう。
  222. 藤井貞夫

    政府委員藤井貞夫君) 御承知のように人事院といたしましては、人確法に基づいて三次にわたる勧告をお願いをいたしたのでございます。ただ、その場合にわれわれの直接の対象になりますのは国家公務員でございます。したがいまして、地方の指導ということになりますと、これは自治省なり文部省の問題に相なるわけでございます。給与の基本のあり方というものが、国家公務員と地方公務員の間に均衡性を持っていくべきであるというのが、これは法律のたてまえもそうなっておるわけでありまして、そういう趣旨から、自治省としては少し行き過ぎな面が出ておるというようなことに注目して指導の適正化を図ろうとしておられるのではないかというふうに思いますが、これは私の立場からとやかく申し上げるべき筋合いではなくて、自治省なり文部省の方からお答えをいただくことが適切であろうと思います。
  223. 中村利次

    中村利次君 私は、これはむしろ政府の姿勢だと思うのですよ。ですから人事院総裁に、私は総裁としてそういうこともやむを得ないのかどうかということを聞きたかったのです。人確法に基づいて三次の勧告をされた、もう二次ですでにそういう事象が、仮に少数であっても出ていると言われている。そういうことは、やっぱり人事院立場からいっても好ましいことではないんじゃないかというような感じでお答えを求めたのですが、これはいいでしょう。所管ではないとおっしゃれば確かにこれは所管ではない。しかし、どうですか総務長官政府の姿勢として、人確法に基づく給与の改善をしようとしたところが、一時的であってもかえって下回るものになったというのでは、仏つくって魂入れないどころか、何かどうも私は相当の不満が出ると思いますよ。いかがでしょう、政治姿勢の問題として、政府の。
  224. 西村尚治

    国務大臣西村尚治君) ちょっと私、初め半分席を外しておったものですから聞き漏らしまして、あるいは的確な答弁できないかもしれませんけれども、地方公共団体の職員給与の関係のようですが、これは申し上げるまでもなく自治省の所管でございますので、私どもがとかく意見を差しはさむのはどうかとも思われますけれども、一般論としましては、これは国家公務員給与に準じるべきものだと、地方公務員法にもそういう規定がございます。ただ、にもかかわらず若干いままで地方公務員の方が上回ってきた、それを少し是正すべきだという意見は閣議にも出ておりました。そういうのを受けて先般の通達が出たんだと思いますが、これが何か大きく出血するような結果になるというようないまお話だったんですね。
  225. 中村利次

    中村利次君 部分的であってもですね。
  226. 西村尚治

    国務大臣西村尚治君) これは長い目で見ると是正してもらうべきだと思いまするけれども、一時的に大きな摩擦、まあその辺どうも私も実態をつかんでおりませんので何ともここで申し上げかねるのでありますけれども、その中にありましても、これは自治省の所管ですから、余り私が深入りして意見を申し上げるのはちょっと遠慮さしていただきたいと思います。できれば、さっき御指摘になりましたような、この六月期の、五・二カ月分の特別給を〇・二減らすべき勧告が出されたにもかかわらず既得権は戻入させない、戻入しない、そういったような配慮が、余り出血が大きいようだったらあるいは望ましいということは言えるかもしれませんけれども、実態をつかんでおりませんので、ちょっとこれ以上のことを申し上げるのはひとつ遠慮さしていただきたいと思います。
  227. 中村利次

    中村利次君 やっぱり給与条例に基づかない運用昇短は違法であるということで、今後人事院勧告がまた累次続くわけですね。給与が改善されたかと思うと実際には足切りをされてかえってマイナスになってしまうんだというようなことでは、私は人確法の精神がこれは生きてこないと思う。だから、運用上給与を適正化するということに私は異論は申し上げませんが、やっぱりそういう、何というんですか、給与改善をしようというのが不改善になるようなことは避けた適正化のために、自治省も政府全体としてもこれは御努力を願いたい。それで結構です、もう。これはいろいろあるんですよ、六十九短のやつが三十六短ぐらいに落っこっちまう、そうなるんですって。ひとつこれは御検討を願いたいと思う。  それから次に進みますけれども、わが国は独立国としての専守防衛力を持っています。これは文民統制に基づく専守防衛力を持っておると私どもは解釈をしておる。そこで、たまたま十分かどうかという非常に疑惑を持つような事件が起きました。ミグ25事件で、独立国としての日本の防衛のありようが果たして正しいのかどうかという問題も含めて、あるいは文民統制が正しく機能をしておるのかどうかという、そういう問題を含めてあの事件が起きたと私は思っておるんですけれどもね。そこで、明らかにソ連側の言い分はどうあろうとも、わが国の領空が侵犯されて函館に強行着陸をしたんですから、その結果ミグ25の調査をされた。された結果について、何かやっぱりわが国として調査をした結果得るものがあったのかどうか、まずお伺いしたい。
  228. 坂田道太

    国務大臣坂田道太君) 今回のミグ25戦闘機の領空侵犯の事件でございますが、私は当初から、日本の主権が侵されたわけでございますから、これはやはり独立国としてなすべきことはなさなければならぬ。したがいまして、人についても、物についても調査をすべきであるというふうに考えました。一方やはり日本の平和外交という観点もございますので、やはりその取り扱いについては外交的な配慮というものも一面において考えるべきである、こういうような方針を立てましてこの調査も行ったわけでございますが、その結果、まだ細かい詰めた調査書というものは私のところに参っておりませんが、しかし、大筋の形における報告というものは届いております。それによりましても、得るところがあったと、そのものが何であるかということは、まだいまこれの返還の実が上がっておりませんので、多少外交的配慮もございますので、いずれ私は国会で明らかにいたしたいと思っておりますが、得るところはあったと、人についても物についても、ということでございます。
  229. 中村利次

    中村利次君 得るところがあったということは非常に結構だと思います。そうなりますと、調査結果が大臣のもとにまとめられたら、本委員会に報告をなさるということですね。
  230. 坂田道太

    国務大臣坂田道太君) そのとおりでございます。
  231. 中村利次

    中村利次君 結構だと思います。  いまお答えの中で、独立国として、あるいは友好親善をあわせて考えて、機体の調査あるいは人の調査にしても、何というんですか、適正にやったとおっしゃった。まあ機体の調査については調査結果の報告を待ちましょう。しかし、人の問題については私はいまの大臣の答弁ではどうもやっぱり納得できませんね。何かわれわれから見ますと、非常にあわてて、日本に置いて相当の尋問、主権国家としての尋問をしようとすれば、何かトラブルでも起きやしないかというような、そういう感じであわててアメリカに本人の希望どおり供っちゃったという、そういう印象が非常に強いんですよ。そういう点どうですか。
  232. 坂田道太

    国務大臣坂田道太君) 率直に申し上げまして、われわれ防衛庁の希望と、それから外務省のまた人道上の配慮と、この二つの意見がございまして、政府といたしましては、やはり短時日にこの人の調査を終わって、そうして本人の希望どおりにすべきであるという判断がございましたので、私どももそれに同意をしたということでございます。
  233. 中村利次

    中村利次君 どうも私は外務省あたりの配慮が余り強過ぎて、何か独立国としての主権が国民の間に納得されないような形が出たんじゃないかということをきわめて憂慮するんですよ。これはひとつ国民感情からいっても、私はいま一段と配慮をされるべきではなかったかと思います。  それから、先ほど申し上げましたように、文民統制が正しく機能をして、わが国の独立国としての専守防衛体制というものはなければならない。ところが、これは私は代表質問でも取り上げてみたんですが、総理の答弁はまことに、何だかピント外れでございまして、大変な領空侵犯をされてから、あるいはスクランブルをやったわが国のファントムが相手に警告を発してから、あるいは函館に強行着陸をされてからの防衛庁長官に対する連絡というものは、非常におくれていますね。ということは、やっぱり総理に対する報告もおくれておると思うんですよ。こういうことでは、シビリアンコントロールが果たして正しく機能しておるのかどうか非常に疑わしいものがありますが、そういう点どうですか。
  234. 坂田道太

    国務大臣坂田道太君) この点報告がおくれましたことはまことに遺憾なことでございまして、こういうことがあってはならないというふうに私は思っております。しかし、これがわれわれが申しますようなシビリアンコントロールということなのかどうなのかということにつきまして、まあそうだと言えばそのとおり、先生のおっしゃるとおりだと思いますけれども、いま少しこの点はわれわれといたしまして気をつけなきゃならないことだと思います。それから、もう少しやはりこういうような事態に対する訓練等も行われなければいけないんじゃないかというふうに思っておるわけでございまして、いま私どものところに、領空侵犯あるいは領空侵犯しそうな飛行機の状況等は一々報告がまいりますけれども、やはりある段階段階でこれは長官のところまで上げるべきだと、最終的には参りますけれども、すぐやるかどうかというような判断もございます。しかし、今度の場合、確かにおくれたということはちょっと問題だと私は思っております。で、いまこれに対して厳密な実は調査を行っておりまして、これに対する改善措置を具体的に指示しておりますので、いずれその報告も参ると思います。
  235. 中村利次

    中村利次君 改善措置としてはどういうことをお考えになっていらっしゃいますか。
  236. 伊藤圭一

    政府委員(伊藤圭一君) 御承知のように、レーダーサイトでつかまえましたのを、アラートについております飛行機が上がってまいります。そしてこれを誘導いたしまして、帰ってと言いますか、その飛行機をつかまえまして領空侵犯措置をやるわけでございます。この情報といいますのは、各地のレーダーサイトを通じまして航空総隊の指令部までは即時わかっているわけでございます。ところが、航空総隊から航空幕僚監部、さらに内局等には、現時点ではこれを電話をもって報告するという形になっております。したがいまして、航空総隊のスコープにあらわれたものが直ちに幕僚監部にも、そしてまた長官のもとにも届くような通信の改善、そういったものが具体的なものとして考えられておるわけでございます。
  237. 中村利次

    中村利次君 どうも、これはやっているとまた次ができなくなっちゃうんで困ったものですよ、時間が短いということは。もうしようがありません。またこれはいずれかの機会に、本委員会は防衛はやっぱり一つの柱ですからやりたいと思います。  次に移りますけれども、これはこの間林野庁関係で私は職業病について質問をしたんですが、時間が短くてやっぱりどうしても詰めることができなかった。きょうもあと幾らもないですから、これは詰めることができないでしょうけれども、しかし、とにもかくにも、いまやっぱり日本の国鉄だとか、あるいは林野の行政なんというものは容易ならざる事態ですね、容易ならざる事態。だから、そういう状態の中で、私はこの作業能率を高め、生産性を向上をして国民の期待にこたえるのは当然だと思う。これは当然です。しかしながら、だからといって、人命にかかわりあいのあること、あるいは職業病を出していいということは断じてないわけです、これは何事でもそうですけれども。これが昭和三十年代の半ばごろから問題になって、昭和四十年に認定をされて、この間の業務部長の御答弁によりますと、四十四年には、振動病を出さないという労使間の協定を結んだ、四十五年には労働省の通達が出た。ところが、四十年当時あるいは四十四、五年当時に比べて数倍する振動病が出ているんですね、全くびっくりするぐらい。これをどう解釈すればいいのか、私はどうしてもこれは納得できませんから、ここからもう一回始めます。
  238. 藍原義邦

    政府委員(藍原義邦君) 前回業務部長がお答えいたしたと思いますけれども、いま先生指摘のとおり、チェーンソーによります振動障害病が確かに発生いたしております。私どもといたしましても、従来から病気の発生を防ぐために時間規制等一応やりまして振動病の発生を予防してまいったわけでございますが、非常に残念なことに、確かに現在ある程度の人数の罹災者が出ております。これに対しましては、関係省庁とも十分連絡をとりながらその治療対策を現在進めておるところでございますが、今後とも、チェーンソーによります振動障害による病状の出ないように万全の対策を講じてまいりたいというふうに考えております。
  239. 中村利次

    中村利次君 これは原因はどこにあると思いますか。その対策を講じた後ですよ、対策を講じた後五、六倍にふえているという原因はどこにあると思いますか。
  240. 藍原義邦

    政府委員(藍原義邦君) ただいま先生指摘の原因と申しますと、いろいろな問題が関連して出ているんではないかと思いますし、はっきりこれが原因だということはなかなか言いにくいというふうにわれわれ考えております。しかしながら、やはりあくまでもチェーンソーを使った方々から発生しておるということで、まあ振動によるものということで、ただいま組合関係とも十分協議をしながら、その使い方、あるいはかかりました方のいろいろな治療対策というものを考えておるわけでございまして、ただいままで相当の人数が出ておりますので、今後こういうことのないように、ただいま振動が非常に少ない機械を開発するとか、あるいは治療に対しましても万全を期すということで対応したいと考えておりますし、原因はどこかというふうにお尋ねになりますと、どれがはっきりした主原因だということはなかなか言いにくいのではなかろうかと考えております。
  241. 中村利次

    中村利次君 原因がわからないで対策の立てようはないんですよ。それは、四十四年に林野庁が自信を持って一日二時間、週五日以内ならばこれは病気にかからない。それで、労働省にこの間、それは権威があるのか、責任を持てるのかと言ったら、専門家先生方に委嘱をして、あらゆる角度から検討してもらって、これなら振動病にはかからないというものなんだと言う。そういう基準だと言うのですよ。それなら、それを受けて労使協定をされたんだから、そのことが守られておれば新たな患者が発生するはずはない。もし新たな患者が守っていながら発生をするということになれば、その一日二時間、週五日というのはやっぱり誤りだという、どっちかですよ。そのどっちかがわからないというんじゃ対策の立てようがないんだから、やっぱり一日二時間、週五日ではだめなんだというならまだ話はわかります。ただし、それには責任問題がありますよ。しかし、そういう基準をつくって協定したものが守られていないというならば、またこれは今後どうして守らせるかという、これからの確かに対策につながります。しかし、わかりませんというんじゃそれは問題にならないから、どっちだか、それははっきりしてください。
  242. 藍原義邦

    政府委員(藍原義邦君) 四十四年来、先生指摘のように一日二時間ということで規制いたしておりますが、連続の使用の問題についてはいまのところはっきりした取り決めをいたしておりません。たとえば、国有林の場合ですと、過去数年チェーンソーを一年間連続して使っておるという事態もございます。したがいまして、そういう連続して今度年間使う時間の規制とか、その他さらにまた検討すべき問題が私どもとしては残っておるんではなかろうかということで、そういう問題を詰めて現在検討中でございます。
  243. 中村利次

    中村利次君 わかりませんよ、そういう御答弁じゃわからない。皆さん聞いていてわからないと思う。
  244. 藍原義邦

    政府委員(藍原義邦君) いま申し上げましたのはおわかりにくかったかもしれませんが、一日に二時間という規制は、取り決めはいたしておりますけれども、これを一年間あるいは数年続けて使っております、毎日毎日。それを一日二時間、週何日、月何日、さらに一年間では何時間というような規制の仕方もあろうかと思います。そういう考え方で今後連続してできるだけ使わない方途を考えたらどうかということで、ただいま目下検討しております。
  245. 中村利次

    中村利次君 これはそうなってきますと、長官、あなたたちは重大な責任、本当にそうなれば未必の故意と言われても言いわけができないくらいの重大な責任というか、過失を犯していますよ。私は労働省に次官通達のいきさつを聞いたら、一日二時間、週五日、これが守られておれば、専門家が衆知を集めて白ろう病にはかからないというものなんだと言う。またそうでなきゃいけませんよ。それを、協定を取り決めてから六年、労働省の通達があってから五年たっているんです。いまになってまだそういうことをおっしゃるんではあなたたちの責任はどこにあるんですか、それは。いろんなことが私は取りざたされているから、いいですか、何かあなたたちがそういう協定、取り決め、使用基準、そういうものによってまだ罹病をする可能性があるような答弁なら、責任のすべてはあなたたちにある。しかし、この前の業務部長の答弁では、それが定着するまでには時間がかかりましたということもあった。それから、やっぱり一々追跡をしてその基準が守られておるかどうかを徹底的に見きわめるということはきわめてむずかしいというような意味の答弁もあって、だから、何かもっとそういう使用基準をばっちり守れば何とかなるんじゃないかというようなそういうものもあるんならともかく、そうじゃなくて、使用基準そのものに問題のあるような答弁なら、私はこれはあなたたちは責任追及されてしかるべきだと思う。私も追及します。いかがですか。
  246. 藍原義邦

    政府委員(藍原義邦君) 私お答えいたしましたのは、前回に業務部長がお答えいたしたものを省略して申し上げましたので、その辺については私の説明不十分で申しわけないと思いますが、いままで病気にかかりました方々を調べてみますと、先ほど先生おっしゃいましたように、時間がかかった問題、あるいはなかなか徹底してできなかったという問題もございます。そういうことがございまして、こういう問題が出ておりますし、それに合わせまして従来の取り決めで今後ともわれわれとしては対応していくというふうに考えておりますけれども、さらに詰める中ではいろいろまた従来の取り決めと合わせまして、もしその中でやれるものがあればいろいろ検討していったらどうだということで検討を進めておる次第でございまして、従来の取り決めが決してわれわれとしてもそれが悪かったというふうに理解しておるわけではございません。
  247. 中村利次

    中村利次君 やっぱりナマズ問答になっちゃうんだな、これは。私は従来の使用基準にもし不十分なものがあったら、直ちに使用をやめるぐらいの、それくらいのものがあなたなければいけませんよ。そうでなきゃ責任をとれないでしょう。あなたたちはやっぱり傷害罪を犯していることになりますよ。しかし、その基準はそれは単に林野庁だけではありません。労働省が専門家によってこれなら大丈夫だというものを出したというものをあなたの答弁はやっぱり否定することにもなるし、きわめてこれは重大です。だから、そういう意味ではこれははっきりしてもらいたいんだが、きょうもう時間がなくなりそうで、時間がぼくは一時間ぐらいあれば本当にこれは細かく詰めていきたいと思いますがね。しかし、あいまいもことしておるんでしたら、これは長官の政治的答弁で、とにかく余り物をはっきり言うといろいろ差しさわりがあるのかもしれないけれども、しかし、それではあなたたちの責任は免れないわけですから、そういうような御答弁だったら私は提案しますよ。直ちにやめますか、チェーンソーや刈り払い機の使用を。そうでないと、あなた決め手ないじゃないですか。今後もどんどんふえるというのをどういう責任とりますか、どうですか。
  248. 藍原義邦

    政府委員(藍原義邦君) 先ほど御説明申し上げましたように、従来から振動の少ない機械を開発する等、あるいは一部緊急退避的に手のこを使う等の対応をいたしまして、振動病の発生の予防に万全を期しておるわけでございますし、今後とも、先ほど申し上げましたような対応をしながら、計画的な生産をしながら、この病気の発生の防止に万全を私どもは期してまいりたいと考える次第です。
  249. 中村利次

    中村利次君 もう時間がなくなりましたから、最後に。まだこれは私は納得しませんから、いずれかの機会にまた取り上げますけれども、何というんですかね、そんなあいまいなことではいけませんから、これは長官の御答弁のようだったらこれはやめるべきです。しかし、これは国有林たると民有林たるとを問わず日本の林業に求める国民の期待は大きいんです、これは特に国有林の場合には。それにこたえるような生産性の向上だって、作業能率の向上だってやらなきゃならぬでしょう。そしてそれはそういう職業病をつくらないようにやらなきゃならぬ。それをやろうとしたのが四十四年、四十五年じゃなかったんですか。国鉄の生産性向上運動と同じように、何かそこでアクシデントがあればもうくたくたになっちゃって国民の期待にこたえられないような、そういうことをやるから国鉄はあなたどうしようもなくなっちゃったと私は思いますよ。ですから、そういう病気を次々と発生させるような憂えがあるんだったら、私は直ちにやめるべきであると思う。あるいはリモコンだとかロータリーですか、そういうものの開発がどうなっているのか、直ちにそういうものを取り入れるおつもりがあるかどうか。それから、そういう重大な職業病であるんですから、少なくとも都道府県単位ぐらいに政府の責任で対策を講ずる医師団、そういうものをきちっとりっぱなものを設定をして、そして認定から治療、治癒基準、そういう国民の合意を得られるような、納得できるようなそういうものをつくって、そしてこの振動病の撲滅をやるつもりがあるかどうか、そこら辺伺ってきょうはこれでやめます。
  250. 藍原義邦

    政府委員(藍原義邦君) ただいま先生、私どもの気構えを御質問されたわけでございますが、私も林野庁長官になりましてまだ五日目でございます。引き継ぎを受けましてこの問題をただいま私も勉強いたしておりますが、当然国有林の職員、作業員の安全、健康を守るのがわれわれの責務でございます。したがいまして、今後関係方面とも十分連絡をとりながら、予防、治療その他この振動病に関連するものにつきましては、万全の対応をしてまいりたいというふうに考えております。
  251. 中村利次

    中村利次君 質問をはぐらかしてはだめですよ、まあきょうはいいけれども。まるっきりどうもすれ違いじゃしようがない。
  252. 中山太郎

    委員長中山太郎君) 他に御発言もないようですから、三案に対する質疑は終局したものと認めます。  ちょっと速記をとめてください。   〔速記中止〕
  253. 中山太郎

    委員長中山太郎君) 速記を起こしてください。  これより討論に入ります。  討論は三案を一括して行います。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
  254. 野田哲

    野田哲君 私は日本社会党を代表して、一般職職員給与に関する法律の一部を改正する法律案に賛成、特別職職員給与に関する法律及び沖繩国際海洋博覧会政府代表設置に関する臨時措置法の一部を改正する法律案に賛成、防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案に反対の立場によって討論を行うものであります。  まず、一般職職員給与法改正については、その内容に強い不満を持つものであります。特に、六・九四%の改正特別給支給率の切り下げ等々についてきわめて強い不満を持つものでありますが、客観情勢上やむを得ず賛意を表するものであります。ただし、特別給支給率の切り下げが行われておる点については、民間動向を考慮し、できるだけ早期に回復の措置がとられることを強く希望するものであります。  防衛庁職員給与法の改正については、この改正案が人事院勧告に基づく一般職員の給与改正に準じたものであることは理解できるものでありますけれども、わが党は憲法第九条の精神によって、自衛隊の存在そのものに疑義を持つものでありますから、その立場からこの改正案については賛意を表することができません。  以上をもって討論を終わります。
  255. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 私は公明党を代表いたしまして、ただいま議題となっております給与関係三法案に対して賛成の討論を行うものであります。  今回の給与法改正案は、去る八月十日の人事院勧告を完全実施をするものでありまして、すでに審査の過程から明らかとなっておりますように、中位等級職員給与改善、特別給の減給を初め、中立機関、第三者機関であるべき人事院の責任のあり方等については多くの問題を抱えているのでありますが、諸物価高騰にあえぐ公務員諸君の生活を幾分かでも補うものであり、人事院勧告を尊重するという見地から一日も早く成立させることが必要であると思うのであります。  従来、当委員会において、私ども人事院勧告の早期支給政府に強く求めておりますが、本年も八月勧告、十一月に法案が成立し、四月にさかのぼって差額が支給されるというのは決して好ましいものではありませんが、この点を再度要望いたしまして、私の討論といたします。
  256. 岩間正男

    ○岩間正男君 私は日本共産党を代表して、以下給与三法案に対する態度を明らかにしつつ討論を行います。  一般職給与法は、物価上昇率をも下回る低い改善率に加え、期末勤勉手当を年間〇・二カ月減額するなど、公務員労働者に実質賃金の低下、生活水準の切り下げを強いるきわめて不満なものであり、同時に配分においても、指定職など一部の特権高級官僚に平均水準を上回る手厚い改善を加え、上厚下薄の給与体系を強化するものとなっている点など問題がありますが、不十分さや問題点を持ちながら、公務員労働者の要求を一定程度反映したものとして賛成するものであります。  次に、特別職職員給与に関する法律及び沖繩国際海洋博覧会政府代表設置に関する臨時措置法の一部を改正する法律案について申し上げます。  内閣総理大臣国務大臣、政務次官、大使公使、沖繩海洋博政府代表の俸給基礎額の改善は、一般職に準じた改善と称しながら、その改善率は一般職平均改善率の二倍前後、額では十倍から二十倍にも達する手厚い改善を加えています。こうした大幅な改善は、民間賃金水準や国民の生活実態から見て緊急性も必要性もなく、国民的合意を得ることはできません。お手盛り案の域を出ない本法案には反対であります。  最後に、防衛庁職員給与法案については、昨年のような特別優遇策は含まれておらず、一般職に準じた改善を図っています。その引き上げ率はきわめて低水準で、曹士隊員家族に実質給与の低下、生活水準の切り下げを強いる不十分な内容となっており、配分においても一部高級将校等に平均引き上げ率を上回る改善を行うなどの問題点はありますが、曹士隊員、家族の生活防衛という観点から見た場合、法案それ自体としては反対すべきものではありません。しかしながら、憲法違反の自衛隊の隊員の給与改善であり、単純に賛成することはできないものであり、棄権の態度を表明するものであります。
  257. 中村利次

    中村利次君 私は民社党を代表して三法案に賛成をいたします。もちろん、中には不満とすべきものもありますけれども、しかし、人事院勧告の完全実施という点において、三法案に対して賛成をいたします。  なお、防衛庁の職員につきましては、私はこの現実にある防衛庁、これはいろいろと視察をしてみましたけれども、隊員の給与のみでなく、いろいろなやっぱり処遇について改善すべき点がある。自衛隊を日陰者扱いにしたり、遠慮をなさる必要は全くないと思う。  以上申し上げて賛成をいたします。
  258. 中山太郎

    委員長中山太郎君) ほかに御発言もないようですから、討論は終局したものと認めます。  それでは、これより採決に入ります。  まず、一般職職員給与に関する法律の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  259. 中山太郎

    委員長中山太郎君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  この際、片岡君から発言を求められておりますので、これを許します。片岡君。
  260. 片岡勝治

    ○片岡勝治君 私は、ただいま可決されました一般職職員給与に関する法律の一部を改正する法律案に対し、各党共同提案に係る附帯決議案を提出いたします。  まず、附帯決議案を朗読いたします。    一般職職員給与に関する法律の一部を    改正する法律案に対する附帯決議(案)   政府並びに人事院は、次の事項について善処  するよう要望する。  一、特別給については、公務員給与制度の特殊   性にかんがみ、民間動向を考慮し、可及的   速やかに従前の支給割合に回復するよう努め   ること。  二、給与改善については、早期支給を含め、支   給手続の改善について引き続き検討するこ   と。  三、週休二日制については、試行終了後本格実   施について速やかに所要の検討を進めるこ   と。   右決議する。  附帯決議案の趣旨は、案文及び審査の過程で明らかでありますので、説明は省略させていただきます。  以上でございます。
  261. 中山太郎

    委員長中山太郎君) ただいま片岡君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  262. 中山太郎

    委員長中山太郎君) 全会一致と認めます。よって、片岡君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、西村総務長官から発言を求められておりますので、この際、これを許します。西村総理府総務長官
  263. 西村尚治

    国務大臣西村尚治君) 長時間にわたりまして、熱心に御審議いただきましてありがとうございました。  ただいまの附帯決議につきましては、政府としまして今後とも努力し、検討を続けてまいりたいと存じます。
  264. 中山太郎

    委員長中山太郎君) 次に、特別職職員給与に関する法律及び沖繩国際海洋博覧会政府代表設置に関する臨時措置法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  265. 中山太郎

    委員長中山太郎君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  次に、防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  266. 中山太郎

    委員長中山太郎君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、ただいま可決されました三案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  267. 中山太郎

    委員長中山太郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれをもって散会いたします。    午後五時十三分散会      —————・—————