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1976-10-28 第78回国会 参議院 逓信委員会 第7号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
五十一年十月二十八日(木曜日) 午前十時十五分開会
—————————————
委員
の異動 十月二十七日
辞任
補欠選任
秦 豊君
森中
守義
君 山田 徹一君
塩出
啓典
君 十月二十八日
辞任
補欠選任
川野辺 静君
福岡日出麿
君
—————————————
出席者
は左のとおり。
委員長
森
勝治
君 理 事
長田
裕二君 原 文兵衛君
最上
進君
茜ケ久保重光
君 委 員 郡 祐一君 迫水 久常君
新谷寅三郎
君
高橋
邦雄君 棚辺 四郎君 土屋 義彦君
福岡日出麿
君
案納
勝君 片山 甚市君
森中
守義
君
塩出
啓典
君
藤原
房雄君
山中
郁子君
木島
則夫君
青島
幸男
君 国務大臣 郵 政 大 臣 福田 篤泰君
政府委員
郵政政務次官
左藤
恵君
郵政大臣官房長
佐藤 昭一君
郵政大臣官房電
気通信監理官
松井 清武君
郵政大臣官房電
気通信監理官
佐野 芳男君
郵政省電波監理
局長
石川
晃夫君
事務局側
常任委員会専用
員 竹森 秋夫君
説明員
国土庁長官官房
審議官
下山 修二君
厚生省社会局老
人福祉課長
坂本 佶三君
農林省構造改善
局構造改善事業
課長
浜口
義曠君
日本電信電話公
社総裁
米澤 滋君
日本電信電話公
社総務理事
北原 安定君
日本電信電話公
社総務理事
三宅 正男君
日本電信電話公
社総務理事
遠藤
正介君
日本電信電話公
社総務理事
好本 巧君
日本電信電話公
社技術局長
前田 光治君
日本電信電話公
社営業局長
玉野 義雄君
日本電信電話公
社業務管理局長
川崎鋼次郎
君
日本電信電話公
社計画局長
輿 寛次郎君
日本電信電話公
社施設局長
長田
武彦君
日本電信電話公
社建設局長
山口
開生
君
日本電信電話公
社経理局長
中林 正夫君
日本電信電話公
社データ通信本
部長 山内 正彌君
—————————————
本日の会議に付した案件 ○
派遣委員
の
報告
に関する件 ○
公衆電気通信法
の一部を改正する
法律案
(第七 十七回
国会内閣提出
、第七十八回国会衆議院送 付)
—————————————
森勝治
1
○
委員長
(
森勝治
君) ただいまから
逓信委員会
を開会いたします。
公衆電気通信法
の一部を改正する
法律案
を議題といたします。
本案審査
のため、去る二十二日、
福岡
市に
委員
を派遣し
地方公聴会
を行いましたので、
委員長
から御
報告
をいたします。 私は、
最上理事
、
高橋委員
、
案納委員
、
森中委員
、
藤原委員
、
山中委員
及び
木島委員
とともに、目下当
委員会
に付託されている
公衆電気通信法
の一部を改正する
法律案
の
審査
に資するため、去る十月二十二日、
福岡
市
西日本新聞会館
で開催されたいわゆる
地方公聴会
に出席し、
学識経験者
など六名からそれぞれ
本案
に対する
意見
を聴取してまいりましたので、その概要を御
報告
申し上げます。 まず、
反対意見
の
陳述人
三名の
意見
の
要旨
を申し上げます。
福井陳述人
は、
電電公社
が
公企体
として
国民大衆
の前に開かれたものであることを強く求めるものであるが、今回の
法案
の内容は、単に
値上げ
のみにとどまって、
公企体
としてのあり方についての視点が欠落しているのではなはだ遺憾である、このような
経営体質
は、今回の
料金
問題についても
利用者
に対する
公社経営
の実体の周知や、
利用者
の
理解
を得、また、
利用者
の
意見
を
経営
に反映する
措置
が徹底を欠いている結果となってあらわれていることを強調され、今後三年間で二兆五千百億円の
増収
が必要であるとしながらも、そのための
料金改定
である
度数料
七円から十円、
基本料
二倍、
電報料
二ないし三倍が、この
増収
とどう結びつくかの
理解
が得られていないことを指摘されております。 続いて、今回の
料金改定案
の理由または根拠についての
疑問点
、ないしはその
矛盾点
について次のように述べられております。 その第一は、低
収入
の
住宅用電話
が
赤字
の
原因
の
一つ
とされているが、
通信白書
にも記載されているように、
事務用
は
景気変動
の影響を受けてダウンするのに反し、
住宅用
は安定的な伸びを示しているので、この
説明
は納得しがたい。 第二は、
事業支出
のうちの
資本費用構成比
は、
昭和
二十八年度の二六%が五十一年度では四五%となっているが、その
原因
は
減価償却費
であって、現在
事業支出
の三〇%を超える額に上っているが、その解明が十分でない。 第三は、当面の
建設計画
における三ヵ年間の
投資額
五兆四百億円は、
昭和
五十年代
前期経済計画
の
実質成長率
六%に対比すれば
高度経済成長
の踏襲と受け取られるが、その点についての
説明
が十分でない。 第四は、
電電公社
の使命は、
電気通信
を通じて
公共
の
福祉
を実現することにあるが、たとえば昨年の
専用料金
の最高六〇%の値下げに見られる大
企業優先
の
経営姿勢
や、今次
料金改定
に当たっての逆
福祉
型の
料金改定
、すなわち試算によれば、
値上げ率
は
住宅用
を百
度数
とした場合七五%、
事務用
を二百
度数
とした場合七〇%であって、これは厳しい反省を促さざるを得ないと訴えられ、
最後
に、
全国電気通信労働組合
としての
提言
の大要を次のように述べられております。
一つ
、広く
利用者各層
の
意見
を吸収して
経営
に反映させるため、
中央
に
経営委員会
にかえて
電気通信監理委員会
、
中央
、
地方
及び各県に
利用者委員会
を設ける。 二つ、健全な
経営基盤
を確立するため、
電話福祉施策等
に対する
国庫負担
、
産業用通信施設
に対する
投資
の
産業負担
を図る。
三つ
、
ナショナルミニマム
の
立場
に立って、
電話
の
料金体系
を
福祉用
、
住宅用
、
企業用
の三種類とする。
原陳述人
は、
独立採算
は私
企業
の
経営原則
であって、
公共性
と矛盾するものであるが、
電電公社
は、
高度経済成長
の中で
独立採算
によって大きな利潤を上げながら、それを
景気
主導的ともいえる過大な
設備投資
に振り向けてきている、にもかかわらず
値上げ
の前になると
赤字
であると宣伝する、しかし、この
赤字
はつくり出された
見せかけ
の
赤字
であるということを第一に指摘しておられます。 その
一つ
は、過大な
減価償却
であって、
昭和
五十年度では総
事業支出
の三分の一に近い七千五百億円に上っている。これは従来
定額法
によっていたものを、
通信施設
については
昭和
三十六年から、また建物などについては
昭和
四十一年から、それぞれ
定率法
に変更したことによるものである。また、この膨大な
減価償却費
を
資本勘定
に組み入れることも問題であって、新しい
投資
をふやすための
内部留保
を厚くする
手段
である。さらに、
償却
に当たって
固定資産
の
耐用年数
を
高度成長期
の波に対応して
投資計画
を拡大するごとに短縮してきているのであって、たとえば
電話
機の
耐用年数
が九年であることなど
理解
に苦しむ
年数
となっている。
アメリカ
の
同業会社ATT
においてさえ、
定額法
を採用し、
耐用年数
は
わが国
の約二倍となっていることに照らしても、
償却
の過大であることが明らかである。 その二は、
設備料
の
経理
上の
扱い方
であって、これは
工事費
に見合うものであるから、当然に
事業収入
に計上すべきものであるにもかかわらず、
外部資金
としてストレートに
資本勘定
に持っていくのは、
収入
の隠しであり、
会計経理
の常識からもとうてい納得できない。 その三は、多額に上る利子であって、
過大投資
のための
資金調達
による
資本費用
までも
料金
にはね返らせることは全く不当であると主張されております。 次に、第二の論点は、
企業
に有利な
料金体系
を問題とするもので、
福岡
−
東京
間の
市外通話料
と
専用料
を具体的な数字を挙げて
比較
しつつ、その
不当性
を述べられております。 第三は、
住宅用電話
の
増加
が
赤字
の
原因
となっているという点で、
電話
の共通的な
設備
は
ピーク
時の
通話
をこなすように設計されているが、その時間帯の
事務用
と
住宅用
の
通話量
の比率はおおむね七対三であるから、重点は
事務用
にあって、
住宅用
は従的な
設備
になっている、しかも、主たるお客である
事業
が使わない日曜、祭日、
夜間等
に
住宅用
は多く使っているので、
住宅用
の
増加
が
赤字
の
原因
であるという
説明
は当たらないとされております。 第四は、
料金原案
を決定する
公社
の
経営委員会
の
民主化
についてであって、
委員
は、
財界人
からのみ任命されており、
国民
の
意見
が反映できない
構成
となっているので、抜本的な
民主的改革
が必要であると
提言
されております。
石川陳述人
は、
労働組合
の役員であることを前提としての
陳述
であります。 この二年間は、
賃金面
ではガイドラインあるいは
ガイドゾーン
など一種の
所得政策
によって、賃上げをきわめて低い幅に抑え込まれてきているにもかかわらず、相次ぐ
公共料金
などの
値上げ
や
健康保険
の
自己負担分
の引き上げなどによって
実質賃金
は低下し、五%ないし六%の
生活水準
の切り下げを余儀なくされている実情にあり、このような
情勢
の中で、
電報電話料金
の大幅な
値上げ
は納得できないところであって、原則的には
反対
であるとされております。 しかし、
経済原則
の観点から考えた場合に、
料金改定
は絶対に行うべきでないかというと、そこには
検討
の
余地
があるのではないか、
料金設定
のなかでさらに工夫する
余地
はないかとして、次のような
提言
をされております。 すなわち、
料金体系
の問題として、
電信電話料金
は、
寝たきり老人
や身障者などを対象とする
福祉料金
、
勤労者
の
生活水準
を維持確保するための
勤労者料金
、
企業活動
に使われる
産業用料金
の
三つ
の形態が考えられる、そこで、シビルミニマムを包み、
勤労者
の
生活
を守りながら、
企業
からの
収入
を求めることによって、全体として
電電公社
の
収入
の安定を図ることが可能ではないか、このような方向で
専門的立場
で
検討
されたいというものであります。 また、その具体的な例示として、次の二点を指摘されております。 第一点は、
公社
の資料による諸外国との
料金比較
の中で、
市外通話料
の
比較
はあえて触れられていないが、最も
遠距離
の場合は、
アメリカ
の十四倍に対して日本は七十二倍という大きな倍率となっている。
企業
による
利用
の多い
遠距離
を安くすることによって
収入
の
増加
が図られるのではないか。 第二点は、
電電公社
は
技術革新
の先兵の
役割り
を果たし、世界の
水準
を上回るような
技術
とシステムを開発しているので、
産業活動
に
利用
される
データ通信
、これは
民間情報産業者
や
外資系業者
と競合するものであるから、この商品を積極的に売り出したらどうか、
公企体
であっても、
収益性
を高める
企業姿勢
があってよいのではないか、
検討
されたいというものであります。
最後
に、
企業
の
安定的発展
は、
労使関係
の
正常化
と
経営努力
とが相まって達成されるものであるが、
民間
から見た場合、
電電公社
の
労使双方
の中には、まだ親方日の丸的な考えが残っているのではないだろうかと疑われる、仮にもし、そのことによるトラブルが
経営能率
を低下させ、それが
料金
にはね返るとすれば、
国民
の迷惑はこの上ないので、一言付言しておきたいと結んでおられます。 次に、
賛成意見
の
陳述人
三名の
意見
の
要旨
を申し上げます。
高崎陳述人
は、
石油ショック
以後の
経済情勢
の変化の中で、
電電公社
の
経営
が悪化し、四十九、五十年度で約四千九百億円の
赤字
が発生し、さらに五十三年度までの
赤字額
も一兆七千億円を超えるという状況にあるので、この際、
料金改定
によって
経営基盤
の確立を図ることはやむを得ないとの
立場
をとるとされ、
通話料
七円を二十数年間据え置いたことは
経営努力
と
技術革新
の成果で、
物価指数
が当時からおおむね三・五倍にもなっているので、これを十円にすることは決して無理ではない、
設備料
についても、これは
加入者
の
財産形成
の一部となるものであるから、
昭和
四十六年に決めた五万円を
物価上昇
に合わせて八万円に
改定
するということが悪いという断定的な材料は見当たらない、また、
基本料
も固定的な
収入
として
経営
の基礎を固めるものであって、一部には
業務用
を高くし、
住宅用
を安くという
意見
があるが、私はこの
程度
の
格差
でよいと思うと述べられております。 次に、
減価償却
が
定率法
による
過大償却
であるという
意見
に対し、
電気通信技術
は日進月歩であって、
利用者
の便益を増すためには、あらゆる新
技術
を取り入れる必要があるので、このような
事業
の性格上、
定率法
によるべきであり、
定額法
による
見せかけ
の
赤字
の
減少
は、
国民
の将来の利益を損なうものであるとの
見解
を示され、また、
公共料金
は
福祉型料金
であるべきだとの
意見
に対して、
福祉
を強調することにもおのずから限界があり、たとえば七円を十円にすることが逆
福祉
であるとは考えられないとの
意見
を述べられております。 次に、
料金改定
のおくれによって
関連企業
は大きな打撃をこうむっており、
九州
においても約三百社一万二千人の
従業者
が脅威を受けている、特に
電電公社
の
建設投資
は、その
波及効果
が大きく、
景気回復
に
水揚げポンプ
の
役割り
を果たすものであるので、この際
拙速主義
でこの
改定案
が成立することを要望すると強調されております。 しかし、今回の
値上げ
とは別個に、
料金決定原則
の
明確化
、
寝たきり老人
などの
電話福祉対策
、
市外通話
の
距離別格差
の
是正
、「チチキトク」など
緊急用
の
電報料金
の据え置きなどについて、漸進的に
検討
実施することを提案されております。
上田陳述人
は、
農村生活改善コンサルタント
として十年間の体験の上に立った
意見
の
陳述
であります。 最近では、
農村
のどんな
山間僻地
でも、
電話
とテレビの普及によって陸の孤島はなくなっており、
農村地域
においての
電話
の効用ははかり知れないものがある。たとえば、農産物の
販売出荷調整
の
連絡手段
として欠くことのできない
連絡手段
であり、営農の
指導
の面でも、霜が降るからむしろをかけなさいというような
連絡
な
ども
電話
で手軽に済まされ、また、私の仕事の中の
健康管理
についても、一度面接した後は
電話
によって
事後指導
ができるなど、非常に
能率
の向上に役立っている。
昭和
三十年以来の
高度経済成長
によって、
九州
の
農村
から
基幹労働力
が
東京
、
大阪方面
に流出して、いわゆる三ちゃん
留守家族
になっているが、これら
留守家族
の
人たち
も私
ども
の調査では、その七四・三%が万一の場合は
電話
があるから心配はないという回答が寄せられている。また、
台風
など
災害
の多い
九州
の
農村
で、非
常用無線電話
が設置されたことは住民に大きい
安心感
を与えている、などの事例を挙げられ、このように
農村
こそ
電話
の
必要性
が高いにもかかわらず、
福岡
県では
磁石式局
が三十七局も残っており、
地集電話
が二万五千もあって非常におくれていると思う。 したがって、
値上げ
を歓迎するものではないが、二十三年間も七円に据え置かれたことは大変な
企業努力
によるものなので、バスの
最低区間
六十円、往復百二十円に
比較
すれば十円は決して高いという実感はない、むしろ一刻も早く
料金改定
を行って、もっと
電話
の利便を受けられるようになることが望ましいと述べられております。 また、
電報
についても、
記録性
の点などからその
必要性
を認めておられます。 ただし、
料金値上げ
については、
地集電話
の不便の解消、
加入区域
の拡大、祝日の
通話料
の割引きなど、気安くコミュニケーションができ、心の通い合いが深められるための
措置
を要望するとの条件を付されております。 兼
尾陳述人
は、次の三点に要約して
意見
を
陳述
しておられます。 第一は、今回の
料金改定
を全般的にどう考えるかという問題でありまして、
公共企業
といえ
ども
独立採算
として収支相償うことは必要であり、
電報電話料金
は
石油ショック
以後の新
物価体系
の中に組み入れられていないので、今回の
改定
はやむを得ないものと受けとめているとの
立場
を明らかにされ、
事務用
、
住宅用
の
格差
を広げるべきであるとの
意見
に対しては、
わが国
の場合には
企業
の中に中小、零細なものが圧倒的に多いので、この
程度
の
格差
で公平を欠くとは言えない、また、
定率法
による
減価償却
は、
技術革新
のテンポから見て当然に必要である、なお、
福祉料金
の問題については、個々の
企業等
の
負担
としてではなく、総合的な
所得政策
の問題としてとらえるべきであるとの
見解
を述べられております。 第二は、
九州
という
地域的立場
からの所見であります。
九州
は
全国比
において
人口
、面積が一一%であるのに対し、
電話数
は一〇%であって、離島を多く持っている
特殊事情
からもこの
格差
の
是正
は切実な問題である、その上、国土の
均衡的発展
のための
人口
の
地方分散
によって、今後二百万人ないし三百万人の
自然増
が予想され、そのためにも
生活基盤
、
産業基盤
の充実を図る上に
電話
など
通信施設
の拡充が必要である、また、当面の問題として不況からの立ち直りも
九州
は全国的に見ておくれているが、
電電公社
の
建設投資額
は全
九州
のそれの一割以上を占めているので、
景気
の
早期回復
のためにも、また、
料金改定
のおくれによって苦難に陥っている
関連業界
への救済のためにも、この
法案
の
早期
な成立をお願いしたいと要望されております。 第三は、
料金改定実施
後における
検討課題
でありまして、
ピーク
時に見合う
設備
を効率的に使うために、時間
帯別料金制度
を導入して
収入増加
を図ること、
電報
の
赤字減少
のために、
慶弔電報
の
値上げ幅
をさらに大きくすること、
台風
など
災害
時における
安全性
を確保するための
防災通信対策
を強化すること、平素のPRが不足しているので
利用者
の
理解
を深める
配意
が必要であること、などについて提唱されております。 なお、
陳述人
の
役職名等
は、朗読を省略して別紙として提出いたしますので、末尾に掲載されることをお願いをして、私の
報告
といたします。
森勝治
2
○
委員長
(
森勝治
君) これより
本案
に対する
質疑
を行います。
質疑
のある方は順次御発言を願います。
青島幸男
3
○
青島幸男
君 もう当
委員会
におきましても本
法案
につきましては、専門的なお
立場
から
皆様かなり
深く
検討
なされまして、私はもとより専門的な知識もございませんが、しかしながら、
ユーザー
としては日ごろ
電話
のご厄介になっておる者の一人でございます。
ユーザー
の
立場
から主に本
法案
について、日ごろ疑問に思っております問題の幾つかを御質問申し上げたいと思います。 本
法案
の
審議
に先立ちまして、私のところへ奇妙な陳情と申しますか、
問い合わせ
というのが参りましたので、その点からお尋ねしたいと思うんです。 先般、本
法案
が衆議院を通過いたしました際に、もうこれはやがては事実上
値上げ
があるんではなかろうかと感じました一人の
ユーザー
が、局へ
電話
をいたしまして、今度
電話
の
料金
が上がるそうだけれ
ども
、
度数
は七円が十円になる、それから
基本料
が倍になると言うんだけれ
ども
、支払いの期日がそれぞれ違うわけだから、たとえば十二月一日に本
法案
が発効をして、その日から
料金
が
改定
されるとすると、十一月二十日から十二月二十日までを
一つ
の
料金
の期間として納入している場合には、
値上げ
した
料金
と旧
料金
が重なり合うわけですが、その際に、それはどういうふうに
計算
をするのかという
問い合わせ
をしたところ、その局では、
日割り
で
計算
するんだと。
日割り
で
計算
するならば、
増加分
を三十日で割って、まあ二十日
勘定
でしたらそのうちの二十日分を払えばいいのか、あるいはその七円の
増加分
についても、いつから、どういう決めで
増額分
を払うのかという
問い合わせ
をしたところ、あなたはどなたですか、どういう趣旨でそういうことをお尋ねなんですか、特定の個人にそういうことをお教えすることはできないという
返事
を受けて、その方は大変憤慨なさいまして、再三
電話
をしたところ、ちょっと待ってくださいと言って係が何人か交代をして、再三
説明
をしたあげくに、
本局
に
問い合わせ
てくれと、
本局
へ
問い合わせ
ますと、なるほどそれに似た
返事
が返ってきている。しかし、それでは十一月三十日の十一時五十八分から十二月一日の零時四分までにわたって話した
通話
はどういうふうに
計算
をするのかというふうなことを問い合わしたことに対しまして、明瞭な
返答
がないばかりか、
不信感
と言いますか、どうしてそういうことを根掘り葉掘り聞くのかというようなことで、むしろおしかりを受けるというふうな感じになった。これは大変私にとっては不本意だというようなことを申しておりました。 ただいまの
陳述
に対しまして、明確な御
返答
がいただけると私もすっきりするんですが、お願いいたします。
遠藤正介
4
○
説明員
(
遠藤正介
君) そういう
岡い合わせ
に対するお答えが、いま先生のおっしゃいましたように、いわば官僚的な、あるいは態度が非常に悪かった点につきましては、
おわび
をいたします。 実は、この
法律
がまだ御
審議
中でございますので、私
ども
も軽々にその
事務手続
を
現場
の方に
連絡
をするということはいささかどうかと思って差し控えておりますが、いま御質問のありました
通話料
につきましては、この
法律
の
改正法
の
経過措置
というところがございまして、
経過措置
の第二項によりまして、先生おっしゃいましたように、仮に十一月一日からこれが発効するといたしまして、その
料金月
が十月の二十一日から十一月の二十日までの方は、十一月二十日までは旧
料金
、七円で
計算
いたします。それだけまあ具体的に申しまして
サービス
をいたしまして、次の
料金月
、つまり十一月二十一日から始まるときに新
料金
の十円でいただくと、こういうぐあいにいたすつもりでございますが、これを、まだ
法案
御
審議
中不謹慎のお怒りがあってもいかがかと思いますので、詳しく
現場
には話しておりません。そのために、いま申しましたように、小さな局ではまだ適切な応対ができなかったのじゃないかと思います。その点ははなはだ不行き届きで、深く
おわび
をいたします。
青島幸男
5
○
青島幸男
君 なるほど、国鉄さんのように早々ともう新
料金
の切符を刷ったり、
自動販売機
の印刷や塗装を塗りかえたりしてしまっているというのも、まあ
ユーザー側
にとってはうれしい話じゃないと思うんですね。上がるかどうかもわからないのに、今度上がると言ったらこういうふうにしろということを、末端の
会計
の任に当たっている方々に周知徹底してしまうというのもどうかと思うんですけれ
ども
、実際に、それぞれの
事業所
なり家庭なりで帳簿を担当していらっしゃる方については、今後どうなるのかということはわりあい関心の深いことだと思うのです。いまおっしゃられたような
サービス
に徹せられるのはいいんですけれ
ども
、もともとは
値上げ
をしてもらうのは
赤字
を埋めるためで、そうすると、
法案
が通らないと日に何億という欠損につながるんだというようなことなら、一銭も損のないようにきちっと取り立てるというのが筋ではないかという気もいたします。しかし、国鉄の定期券などは、
値上げ
の前に買って、しかも六ヵ月もそのままの
料金
で通用するなんというようなところから考えますと、その
程度
の
サービス
があってもしかるべきだと私も思います。 しかし、
経過措置
ということでもいきなり
料金
が変わると、それからいままで十何年ですか、二十何年ですか、
料金
を上げていらっしゃらないし、
料金
が上がるということに対する事務上の手続の、あるいは扱いのやり方がおなれになっていらっしゃらないから、そういう不備が出てくることもあるかもしれませんけれ
ども
、新
料金
になるときには、適切な期間を設けて十分に趣旨を徹底して、
ユーザー
の方々に御
理解
をいただいて、混乱のないようにしなければならないはずですし、それから、それでなくとも
会計
月、あるいはその締めを順繰りにずらしてあるということは、一挙に事務が繁雑にならないようにしてあるわけでしょう。そうなりますと、なおさら
料金改定
の折に事務が繁雑になって、そのためにミスが起こったりすると、要らぬ誤解のためにまず
ユーザー
の方に大変迷惑をかけることになりますし、その辺の手当てはどういうふうになっているのかということ、大変気になりますのでお尋ね申し上げます。
遠藤正介
6
○
説明員
(
遠藤正介
君) これは今度、現在御
審議
をいただいております
法律案
が国会で成立をいたしました後、公布という手続を経まして、公布の翌日から施行するということになっております。したがいまして、成立から公布までの期間がございます。この期間の間にいろいろなことをいたさなくちゃいけないわけでございまして、たとえば関連の認可
料金
の御認可をいただくという手続もやります。いま先生御指摘の
通話料
につきましても、その期間の間にいま問題になっておりますそういう小局あたりに対する事務
指導
を急いでやります。これはわりあいにそう御心配になるほどむずかしい問題じゃないと申しますのは、
度数
というものは毎年いままではかっておるものと全く同じでございます。それを掛け算をするのに七を掛けるか、十を掛けるか、こういう違いでございます。 ただ、先ほど先生いみじくも御指摘になりましたように、十一月の三十日の夜からかけ始めて十二月一日の朝までかけていた
通話
はどうなるかというような問題はございますが、それは先ほど御
説明
いたしましたように、
料金月
の関係で、そういうものは
経過措置
で一回限り旧
料金
で
サービス
をさしていただきますので、事務的な手続はわりあい簡単にできると思うんです。ただ、それをお送りいたしますときに、請求書に、これは旧
料金
でいただきましたと、あるいは来月から新
料金
でいただきます。新
料金
の内訳はこういうことで七円が十円になりますと、こういうことをいまの例で申しますと十一月二十一日に発行いたします請求書の中に入れまして、そして個々の
加入者
にもあらかじめ御周知をいただきたいと、こういうぐあいに思っております。その点は国鉄のように、私
ども
の方は毎日毎日お客さんがおいでになってお金をいただくというのと違いまして、月に一遍の請求、支払いでございますから、わりあい
加入者
の方にも時間的な余裕を持って周知ができると思っております。そういう段取り、内々の準備は本社で研究して、いつでも発動できるようにはいたしております。
青島幸男
7
○
青島幸男
君
値上げ
についてのPRを、
ユーザー
から取った
料金
で行うというのも、はなはだやりにくいことかもしれないんですけれ
ども
、しかし、誤解のためにいやな思いをお互いしなきゃならないというようなことを避けるためには、やっぱりきちっとした手だてを周知しないとどうにもならないと思うんです。その点は遺漏のなきように御配慮をいただけるものと思いますけれ
ども
、それでは、いまの陳情者に対しては私はそのようにお答えしておきますんで、ありがとうございました。 さて、七円が十円になるんだから大した
値上げ
じゃないじゃないかというようなかっこうのPRをなさっていらっしゃるし、
陳述人
として公聴会へおいでいただいた方の中にもそういう御
意見
がありました。バス代その他から比べてわりあい安いじゃないか、物価値上がりの折からこのぐらいは仕方がないというようなふうにお受け取りになる方もあるわけですけれ
ども
、しかし、それまで、四十六年以前は同一
通話
区域内では何時間かけても同じ
料金
であったわけでして、あのときの
説明
も、三分以上
電話
をかけるのは実はおかしいことなんであって、
電話
というのは通常三分以内で終わるのが普通だと、それ以上かけるのはばかなんだというようなことをおっしゃっておられる趣旨でございましたし、八〇%以上が三十分以内に終わっておるという事実もあるし、そのために話し中がなくなるんだから
電話
の効率が上がって、
ユーザー
の方はそれだけ便利になるじゃないかというようなお話もありました。 しかし、その上にしかも三分ごとに七円加算するということの
増収
は、他に広域時分制の中で消化するのだから、
増収
にはならないんだという御
説明
もありましたけれ
ども
、この辺がかなり納得のいかない部分でして、ということは、
ユーザー
の
立場
からすれば、実質的に
公社
の中で
増収
にはならなくとも、使う
立場
からすればこれは値上がりなんです。実際値上がりにはならないんだというようなまやかしの中に
値上げ
を実行されたということに対して、私は大変憤りを持ちました。それで、何でも効率的に事が運びさえすればそれでいいんだというのは、余りにも人間性を疎外した話ではなかろうか。人間の交流を妨げるからして人心の荒廃に結びつくというようなことで、前井出郵政大臣とこの間でかなり御議論を申し上げたことがありますけれ
ども
、あれもいまだに私は根に持っておりまして、納得しておりません。ああいうまやかしみたいなもので、
値上げ
のかまびすしい折から実質的
値上げ
に結びつけていったというような考え方が、今回もあるんではなかろうかという疑心暗鬼にならざるを得ないわけですね、七円が十円になるというだけだということ。 何回も当
委員会
でも出たわけですけれ
ども
、平均的な、家庭
電話
の
ユーザー
の
基本料
金と使用頻度というのはどの
程度
なんですか。
遠藤正介
8
○
説明員
(
遠藤正介
君) 住宅
電話
の
基本料
金の平均は大体八百円でございます。それから平均の
通話
度数
は一ヵ月二百六十度、これが平均でございます。
青島幸男
9
○
青島幸男
君 八百円が今度倍になるわけですね、五十二年度以降。それから七円が十円になります。そうしますと、ちょっと
計算
していただきたいんですけれ
ども
、旧
料金
で八百円の
基本料
で七円で二百六十回かけますね、そうするといままで幾ら払ったら済んだわけですか。
遠藤正介
10
○
説明員
(
遠藤正介
君) 二百六十度掛ける七でございますから、千八百二十円ですか。恐らく先生の御質問こういうことだと思うんですが、現在の住宅
電話
の平均の方が、
基本料
も
通話
回数もそのままとして、この新しい
料金体系
を適用になったらば何%ぐらい上がるかと、こういう御質問だろうと思うんです。それは大体六〇%でございます。つまり値上がりしたために
通話
を少しセーブするとか、そういうことはなくて、いままでどおり
通話
をされるということになりますと、いまのケースの場合は六〇%になります。
青島幸男
11
○
青島幸男
君 話が繁雑になりますからわかりやすい例でしますと、
基本料
金千三百円、それで百回の頻度としますね、そういうケースありますでしょう。そうしますと、千三百円の
基本料
金に月百回かけるわけで、七円でしたから七百円になるわけですね。そうすると、いままでの旧
料金
ですと総額二千円払えばよかったわけですね。それが三円増しになります。しかも
基本料
金は倍になりますと、千三百円の二倍で二千六百円ですね。それで十円掛ける百回ですからこれは千円になるわけです。三千六百円払わなきゃならないわけですね。そうすると、いままで二千円で済んでいたところが三千六百円払うということになりますと、八割上がったことになるんじゃないですか。そうすると、とても七円が十円になるだけの話だよという理屈とは、おっしゃり方とは事実上はなはだそぐわない。いままでうちは二千円払ってたら済んだのに、今度は三千六百円かい、七円が十円になるという話とばかに違うじゃないかという感覚をお持ちになってもいたし方ないですね。しかも、八〇%は三分以内だということをおっしゃるのは、それは結構だと思う。しかし、残りの二〇%はどの
程度
の使用時間であったかということのデータをお持ちですか。
遠藤正介
12
○
説明員
(
遠藤正介
君) いろいろな御質問が出ましたが、千三百円というケースを引っ張りますと、これは
事務用
の
基本料
金になります。それで一番極端に申しますと、
住宅用
でもいまのような御
計算
をなさいますと、また、そういうケースも事実あると思うんでございますが、八百円の
住宅用
の
基本料
で一回も
通話
をしない人が一番いい例だと思うんでございますが、これは明らかにいままでよりは二倍になります。ですから最高二倍から、まあ住宅
電話
で言えば平均六〇%の間にまだ散らばりがあるわけなんですね。これはやはり、
基本料
というものはかけてもかけなくても取られるという感じから、その部分が大きく占めるか、
通話料
のように、かけた回数に応じて取る部分が多く占めるかによって非常に違うわけでございますが、一番極端に言えば、先ほど申し上げたように、全然
通話
しないで、
基本料
だけで払っておられる
加入者
という方もおられます。そういう方は二倍になるわけですね。これはもう明らかでございます。ですからこの
料金
の
値上げ
につきましては、先ほど先生おっしゃいましたように、七円から十円になるだけですというような単純な言い方は、私
ども
いたしておりません。また、そういうぐあいにも思っておらないわけであります。 それから、先ほどの三分以内が八〇%というのは、これは広域時分制のときも話をいたしました。その先はどうなっているか、その当時の資料はあったんです。ちょっといま私、手元に持っておりませんが、大体大ざっぱに分けて、残りの一六%に対してそれは大体どのぐらいだというのも当時はございました。いまちょっと私、手元にございませんが、五、六年前の資料であればあったように記憶しております。
青島幸男
13
○
青島幸男
君 いまはないわけですね。
遠藤正介
14
○
説明員
(
遠藤正介
君) いま手元にございません。
青島幸男
15
○
青島幸男
君 最近、大変
電話
を身近に感じておりまして、私
ども
の娘などは——私
ども
の例を出して恐縮ですけれ
ども
、延々一時間ぐらいかけていることは間々ありますね。私も気が小さいんで、タクシーなんかに乗っておりましても、カチャン、カチャンとメーターが上がるたんびに肝を冷やすんです。娘が長
電話
をかけていると、もうあれで何分ぐらいかけているから幾らになるんじゃないかと、まあ親の
立場
になってみますと、娘の長
電話
というのは相手のいかんにかかわらず大変気になるのも事実ですけれ
ども
、それ以上に
料金
が非常に強迫的な気分になるわけですよ。そこで、三分を超える
通話
の内容はおおむね十分以上になるでしょうね、それは三十分、一時間というのは異例のことかもしれませんけれ
ども
。そうすると、三分を超えた分を大体おおむね十分として
計算
しますと、それはまた大変な金額になってきますよ、試算してみましたら。 それで、なおかつ最近では、都市集中型に
人口
が動いておりますし、よってもって都市の近郊に住宅地ができますね。そうすると、都市に集中しておいでになっている方々は大抵郷里をお持ちになっている。郷里との
連絡
も頻繁になるでしょう。まして職と住がかけ離れて新興のベッドタウンというのはおおむね市外区域になります。そうすると、同一
通話
区域内でないところの方が多くなるわけですね、比率が。そうなりますと、一々市外をかけるということで
計算
して、先ほどの例でいきますと倍以上に当たります、その二〇%が十分を超えるという
計算
にしますと。しかも、いままで郷里に二度
電話
をかけていた、いままで郷里にかけているのは七円で
計算
していたわけですね、
基本料
。今度十円になるわけでしょう。そうすると、たとえばいつも
公社
でおっしゃられる七十二倍になるわけですね、一番高いところは。七十二倍にしますと、十分間で一番遠い、
格差
のあるところへ十分かけたという前提で
計算
しますと幾らになりますか。旧
料金
との差です。
遠藤正介
16
○
説明員
(
遠藤正介
君)
東京
から
九州
の一番遠いところまでかけますと、従来は十分間千六百八十円でございました。これが二千四百円になりまして、四三%のアップになります。
青島幸男
17
○
青島幸男
君 そうしますと、大体郷里に二度かけていたと、一般の家庭の方が。そうすると、大体三千円か三千三百円ぐらいですか、それが五千円以上になるわけです。加算されるわけですね。そうなりますと、いままで大体四千円で済んでいたのが七千円、八千円と払わなきゃならなくなるわけですね、旧
料金
から考えると。そうしますと、十二万円の家計費でやりくりしていた御家庭にとって、四千円が七千円になるということ、その三千円のアップというのはどんなに手痛く響くかということをお考えいただかなきゃならぬわけです。だから
基本料
をささやかに倍にしていただきます、これはかけてもかけなくても同じですと、しかも
度数料
につきましては七円が十円になるだけですという、そういうPRのなさり方と、実際にお支払いに行った方が、あるいは請求書を受け取った方が感じられる考えとかなり隔たりがあるように私は感じますね。この辺のギャップを上手に埋めていきませんと、まただまされたというふうに
ユーザー
がお思いになって、これはあなた方のお考えとはまるで違った反応を得るようなことになるんじゃないかという気がしますけど、いかがですか。
遠藤正介
18
○
説明員
(
遠藤正介
君) これは
基本料
の部分と
通話料
の部分とに分けて考えていただきますと、
通話料
の部分については、もう七円から十円になるというのは、非常に金額的には三円というわずかなように見えますが、パーセンテージにすると四三%でございます。ですから
通話料
の体系については、もうどこへかけられても従来と同じ回数かけられておれば、四三%アップということは変わりないわけでございます。その部分が少なければ少ないほど今度は、
基本料
の方はかけようとかけまいと取られるわけですから、全体としての上がり率は高くなるわけです。その点を御
理解
いただきますと、私は先ほどから申し上げておりますように、まあ確かに
青島
先生、この前の広域時分制のときも私横で聞いておりましたが、井出大臣と非常に哲学的論争をしておられましたが、受け取られる側は人によって多少私は違うと思います。 ただ、しかしあのときに、まあだまされたという御表現はいかがかと思いますが、従来無制限であったのが三分七円になったというところと、それから、従来八十秒七円であったところが三分七円になったと、つまり値下がりしました。半分以下に値下がりをしたというところの
加入者
の数から申しますと、私は全国的には
地方
を含めて後の値下がり感の強い
加入者
の方が多い。これは
加入者
数から言いまして多いんです。ただ、
東京
の方ですからね、三分にしたら上がった方が。で、上がった方が
東京
の方でございますし、また、
青島
先生のようなわりあい行動力のある先生が多いものですから、いわゆる声なき声というのはあんまり出てきませんけれ
ども
、田舎へ参りますと、確かにあのときの広域時分制では値下がりをしたという声は私
ども
の耳には相当入ります、あのときの問題といたしまして。したがって、まあ今度とはちょっとケースが違いますが、今度も私
ども
は確かにそういう意味で七円が十円になったという簡単な——十円という金額は確かに安い金額でございますが、上がり率が四三%になったと、それから極端に言えば、
通話
を全然しない方は二倍になるということはよくわきまえて、PRなんかにも気は配っておるつもりでございます。
青島幸男
19
○
青島幸男
君 私も不注意で、あるいはわりあい得手勝手でして、
東京
に住んでいてそういう実態をしかとらえてないから、私ばかり損をするんじゃないかというような考え方に陥るという傾向もあるかもしれません。しかし、PRの仕方としては、その辺のところを十分にしませんと、そういう誤解を生むケースもありますよ。ですから、値下がりして喜んでおられる方もかなりおいでになるというようなことも、それは声を大にしておっしゃる方がいいかもしれません。そういうふうにすべての人間に誤解がないような行き届いたPRの仕方をなさるようにお気をつけになりませんと、むだな誤解を招くんではないかという気もいたしますし、それから、いままでの支払い
電話
料金
の請求書について、家庭でもめるというケースがあるかもしれません。 おまえがばかな長
電話
をするから、
電話
料がかさんでしょうがないというようなことになるかもしれませんね。そうすると、月に二回郷里の父親のところに
電話
をかけてごきげん伺いをしておったけれ
ども
、これはやめようじゃないかということになって、それから同一
通話
区域でないから、会社がきょうは遅くなるよとか、事務所へ泊まるよとかいう
電話
ももう少し控えておこうということになりますと、田舎の父親はひがんで病気になっちまうし、女房はつまらないことで気を回してヒステリーで子供連れて出ていっちまって、だんなはノイローゼになって会社もやめるようなことになって一家離散ということになったら、それは
遠藤
さんのせいですよ、本当に、こういうやり方をとったら。 ですから、それは冗談事はともかくとしまして、いままでの
公社
のPRのやり方が
ユーザー
の方々に親切なようになされていれば、正当に
理解
が行き届いて御協力いただけるところも、そうでないようなところに陥ってしまうケースもあります。現に私、当
委員会
におりましても、その辺のところは十分に
理解
してないわけですから、それは頭の悪いせいもありますけれ
ども
、その辺を今度の
値上げ
につきまして総裁からこのPRのあり方いかんですね、あるいはどうやったら
ユーザー
の方々に、喜んで
値上げ
に協力する方おいでにならないと思いますけれ
ども
、まあ御
理解
いただけるようにしたらいいかということも、こういう点からまず承りたいと思います。
米澤滋
20
○
説明員
(米澤滋君) お答えいたします。 ただいま御指摘のありましたように、電信
電話
を使う、いま
電話
が対象になっていますけれ
ども
、
電話
を使う方に実情をよく把握していただくということにつきましては、この
法案
が通りましたら直ちに十分な
措置
を講じたいと思います。いろいろ御注意ございましたが、確かに表現といいますか、いろいろやり方、
公社
はどっちかといいますとやはり出が
電気通信
省から、役所から来ておるものでございますから、私、PRが決してうまくいっていると思いませんけれ
ども
、十分注意して進みたいと思います。
青島幸男
21
○
青島幸男
君 そのようにしていただかないと、
ユーザー
の方はまただまされたというようなかっこうのお気持ちになられることは、
ユーザー
の方にしても
公社
にしてもそれはおもしろくないことですから、そのように御努力いただきたいと思いますけれ
ども
、そのことは、特にもしこの
法案
が不幸にして通るようなことがありましたら、そのようにひとつお気遣いをいただきたいということを要望しておきます。 それからもう
一つ
、
ユーザー
としての不満と申しますか、疑問なんですけれ
ども
、百円硬貨を使用してかける公衆
電話
がありますね、あれはおつりが戻ってこないんです、おつりといいますか、余った分が。あれは大変不親切な感じが私するんです。 たとえば、私の秘書は郷里が宇和島でございまして、かなりのスピードで
料金
加算される。それで、まず持ち合わせの百円玉を投入いたしまして、一回入れてかけたところが、先方が間違ったうちにかかってしまった。つまりプッシュホンになっているわけですけれ
ども
、あのプッシュホンが小さくて使いなれていないと押し間違いが多い。しかも縦型についてますから、こういう扱いじゃないわけですね、こういうふうに押すんですね。そうすると、宇和島あたりになると、私もよくわかりませんが、局番が十一けたにわたるそうですね。常識的に考えましても、手帳に書かれた細かい数字を多少老眼ぎみの私
ども
の年齢の者が押すわけですね。ピッパカプッパカ音がするもんですから、あわてるわけですよ、あれは。それで違ううちへかかってしまうというケースが間々あると思うんです。それで、それは違います、あっ失礼しました、ガチャンと。おつりが出てこないから百円損ですね。 それで、今度は間違えないようにしようというので、改めて百円玉を入れて、とつおいつかけてやっと向こうに通じて、それで
通話
をしたい本人の所在を確かめると、いま探してきますからちょっと待ってください、待っている間にことんと切れてしまうんですね。それで仕方がないから、用を足さないからもう一回かけようかというと、持ち合わせがない。五千円札、一万円札しかない場合に、たばこ屋へ行ってチューインガムで崩してもらうというわけにはいかない。本人はパイプたばこしか吸わないのに、ハイライトなり何かを買うわけです、百五十円ぐらいのたばこ。それで、この次は間違えないようにというので入れますね。それでやっとかかって、本人はどうしました、いまいません、ガチャンと切れると、これは都合四百五十円を費して実効成らずですよ。ほんの数秒で本人いません、ガチャんでおつりがこないわけですから。 そうなりますと、よく最近、コインを乗せると、かぱっと取られるゲームのおもちゃがありますけれ
ども
、あれにひっかかったみたいな感じがして、実に不満だったということを申しておりました。こういう機械を平気でこしらえてそこらに置いておいて、不当利得を得ているんじゃないかということで大変憤慨しておりましたけれ
ども
、この辺どうお考えなんですか。
遠藤正介
22
○
説明員
(
遠藤正介
君) これは
青島
先生お口が悪いのかどうかわかりませんが、これは実は大変むずかしいので、あそこに注意書きが書いてあるのをよくゆっくりお読みになれば、いまのケースは絶対起こらないんです。と申しますのは、あの百円公衆は百円玉のほかに十円を入れるところがございます。六枚まで入ります。そこに最初十円玉で入れられて、相手が
遠藤
かどうかを確かめられて、しかも御本人かどうかを確かめられて、そしてあれすれば十円で済むわけですね。あるいは二十円ぐらいで済むわけです。それを確かめた上で、今度百円を継続してお入れになって本格的な
通話
に入られると、こういうぐあいにしていただくようにということをあそこに書いておるんですが、なかなかそれが長文になりますので、あるいはおわかりにくい点があるかもわかりません。もしそういう点がございましたら私
ども
は改めたいと思いますが、そういう注意を十分していただくということが
一つ
。 それからまた、百円公衆はできるだけ何といいますか、普通の赤
電話
が横にあるところに置くようにしております。それで、そうでない方、余り遠くでなくてという方には普通の赤
電話
でかけられるように、つまり、おつりの問題が出ないようにというようなところに置くように
指導
をいたしております。ですから、そういうケースは非常に珍しいケースだと思いますが、ふなれの場合にはそういうことがございますので、
電話
機のところに書いておりますPRの文句なんかが不十分でございましたら、私
ども
の方も十分注意さしていただきます。そういう何かインチキな機械とは全然違うわけです。 〔
委員長
退席、理事
茜ケ久保重光
君着席〕
青島幸男
23
○
青島幸男
君 それは私同様かなり軽卒な男ですから、そういう間違いを恐らく犯したのは本人が悪いんだろうとも思いますけれ
ども
、私も確かめに行ってまいりましたら、なるほどおっしゃるとおり書いてございますね。しかし、公衆
電話
からそんな長距離へ
電話
をかけるという際は、かなり緊急あるいはあわてているわけですね。そうなりますと、ポケットに入っている小銭など確かめずに行くケースもありますわ。それから、十円がなくて百円玉だけでも、いまのようなケースは起こり得ますね。そうなりますと、やっぱり
ユーザー
本位にあの機械ができているんではないんじゃないかという疑念を持ってもいたし方ない部分もかなりあるんじゃないか。やはりもう少し明確にあれは明示なさった方がいいような気がいたします。 それから、プッシュホンの普及に努めた結果、テレビを通じてかなり長いことPRなすっていらっしゃいましたし、あるいは活字メディアでも、雑誌、新聞等にもかなり綿密なPRをなすっておいでになりましたけれ
ども
、あのプッシュホンをあれだけ普及せしめるということで、
公社
はどういう実利あるいは実損を得られているのか、御
説明
いただきたいと思います。
遠藤正介
24
○
説明員
(
遠藤正介
君) プッシュホンの
一つ
のメリットといいますか、
一つ
のあれは、先般来るる申し上げておりますように、普通の
電話
機と違ってある意味で
データ通信
といいますか、
データ通信
の端末機という両方の性格を持っておるということをもう少しわかっていただいて、そしてあれが普通の
通話
のほかに、たとえばまだいまは少のうございますけれ
ども
、新幹線のあれですとか、近く始めたいと思っております馬券の購入ですね、場外馬券の、そういったようなことに使えるということを普及する、いわゆるコンピューター、あるいはそれに伴う端末の操作に一般大衆の方になれていただくというのが
一つ
の目的。 それから、
通話
といたしましては、プッシュホンをお使いになりました方が、これは
原因
は必ずしも定かでないのですが、昔の黒
電話
からプッシュホンにおかえになりますと、
通話料
が大体平均二、三〇%上がっております。そういう意味で具体的に
通話料
が上がるというのは、
原因
はこれはわかりませんのですが、もともと
通話量
の多い方がプッシュホンをお使いになるケースもございますが、その方々にいたしましても、プッシュホンにかわりました後そういうケースが統計的に出ております。したがって、実際的にも
公社
としてはメリットがあると、こういうぐあいに考えております。
青島幸男
25
○
青島幸男
君 プッシュホンの御
説明
はよくわかりました。ですから、プッシュホンをあれだけ普及せしめたという事実が、
公社
に
経理
上どんな利害をもたらしたかということをお尋ねしているわけです。
遠藤正介
26
○
説明員
(
遠藤正介
君) ですから、
通話料
として二、三割
程度
増収
になっておるということであります、古い型の
電話
機を使っておるところより。
青島幸男
27
○
青島幸男
君 私、かねがね考えますのは、テレビ等でもかなりの頻度でPRをなさっておいでになりましたし、かなり莫大な宣伝費をお使いになっていると私思います。当然それに見合った分の
増収
なんというのは図れっこないというふうに私考えますから重ねてお尋ねしているのですけれ
ども
。 〔理事
茜ケ久保重光
君退席、
委員長
着席〕
遠藤正介
28
○
説明員
(
遠藤正介
君) そういう意味では、
通話料
がふえるというのは毎月の
通話料
で継続的でございますから、私も正確に
計算
はしておりませんが、PR経費としてプッシュホンの広告経費として使った金額と
増収
金額との対比は、私は
計算
はしておりませんが、そう
赤字
にはなっておらないんじゃないかと、こう思います。しかし、なおこれは正確に
計算
をさしてみます。
青島幸男
29
○
青島幸男
君 その辺が実は私は大変腹立たしいことでして、そんな
計算
で
値上げ
も何もないですよ。そんなずさんな
経営
者ってないでしょう。そんなずさんなことだったら屋台のおでん屋もできませんよ、本当に。プッシュホンというのは外観は確かにモダンですよ、それで扱いも楽しいかもしれませんね。その点
通話量
はふえるかもしれないけれ
ども
、あれはいまのところある種の嗜好品ですよ。実際に新幹線の予約はできるかもしれませんけれ
ども
、前々日か前日しかないわけですね。やってみても事実上とれたためしはないですよ、あれ。それからプッシュホンを持っている御家庭がすべてロケットを打ち上げたり橋をかけたりしているんじゃないのですから、そういう天文学的な数値にわたって複雑な
計算
を必要とする方がお持ちになっているとは限らないし、そんなにすばらしいものであっても、それは宝の持ちぐされですよ。 それは確かに一時、隣の自動車よりうちの方は大きく見えますとか、時速二百八十キロ出る自動車がもてはやされたときもありますけれ
ども
、実際にそんな自動車を買ったって走れるところはないわけですから。他と比べてそれを持つことに意味を持っている人はいいですよ。うちの
電話
機は電子
計算
機と直結していて、すごい、かなり高度の
計算
もできるんだよということは、ミンクのコートを持っているんだよということと同じような結果で、実際には使用してないわけでしょう、そんなに頻繁には。ですから、あんな不経済なもので、しかもああいう欺瞞、はっきり言えば欺瞞的なもので、しかもあんなに莫大な経費を使って、しかも収支とんとんに相償っているか、経費倒れになっているか、その辺も明確にわからないといまおっしゃられるわけだから、そんなことで運営ができるんですかということを私は申し上げたい。
遠藤正介
30
○
説明員
(
遠藤正介
君) 私はいま言葉がちょっと足りなかったんですが、私
ども
の
増収
額はわかっておるのです。ただ、プッシュホンそのものにどれだけ広告費を使ったかという
計算
を、ちょっとここであれですが、私は明らかに黒字になっておると思うのです。現在プッシュホン全体で百五十万ございますが、全体で伸びておることは事実なんでございますけれ
ども
、今年度売った四十四万というものに対応いたしまして、いまの二割ぐらい実際
通話料
がふえております。これを平均の
通話料
であれして
計算
しますと、大体年間に十九億四千万ぐらいの
増収
率になるわけです。これは先生もう、私もそうびんとくるんですが、十九億何千万という金額をプッシュホンの広告代に使ったはずはございません。しかし、果たして幾ら使ったかということを、いまここで手持ちの数字はございませんので、そういう意味で、これは明らかに黒字になっておるし、広告をした価値はあると、私も現在思っておるのですが、プッシュホンそのものに一体幾ら使ったかということは、ちょっと手持ち数字がないので、その辺が明確にお答えできない。しかし、十九億ないし二十億に近い金額の広告費でないことは、これは明らかでございます。
青島幸男
31
○
青島幸男
君 いずれにしても、明確なお答えがいただけないということですね。グラハム・ベルが発明して以来、あの
電話
というのはダイヤル式の送受信機で必要かつ十分だと私は思っています、将来にわたっての展望はわかりませんけれ
ども
。別の用途の使い道を実験室でなさるなら幾らなすっても結構ですよ。しかし、ああいう嗜好品に似たものをあれだけのPRをして普及せしめようとした努力、しかも、こういうものはいいもんなんですよ、隣の自動車より大きい、隣のうちの
電話
機よりきれいなもの、便利な能力を秘めたものをお買いになったらどうですかという言い方でPRなさることよりも、
公社
の使命というのは一般
国民
の
福祉
増進ということを一義に考えなきゃならないわけですからね。嗜好品めいたものに重点を置くよりも、少しでも一般の
電話
が安く、便利に、的確に通ずるようにお考えになることの方が先じゃないんですかと申し上げているのですよ。 輸送にしても、的確に、安全に輸送することの方が第一でしてね、他より大きかったり他より早く走ったりすることを考えるのは一般の
企業
が考えればいいことでありまして、
公社
が率先考えるべき筋合いのものではないでしょうということを、総裁、申し上げているのですよ。ですからいままで、あのピッポッパがどんなに可能性を秘めているものであっても、一般の家庭につけられた場合には、それは何千分の一、何万分の一も効果を発揮していないじゃないか。しかも嗜好品みたいなかっこうで、宣伝のあり方もそうですよ、短く短くピッポッパって、ピッポッパと通じやしないんですよ、あれ。実際には交換機はゆっくり働いているわけでしょう。ですから、七つ回すところ
三つ
で済むということはありますわね。しかし、交換機は同じスピードで回っているんだから早く通じるわけじゃないんでしょう。そういうようなことは、少なくとも公益を一義にする
公社
がとる態度ではなかったんではなかろうか。あのプッシュホンの普及の、しかもあのやり方は皆さんの失敗ではなかったかということを私は問いたいんですけれ
ども
、どうですか。
米澤滋
32
○
説明員
(米澤滋君) お答えいたします。 プッシュホンにつきましてはいろいろ御批判ございます。たとえば、いつかこの
委員会
でも、プッシュホンにした方が早く
電話
がつくというようなことを
現場
で言ったとかいうようなことがありました。これは非常によくないということで、それは改めました。先ほど
遠藤
総務理事が答えましたように、プッシュホン自身、これはあんまり外国のこと引くとしかられるんですが、日本の発明じゃなくて
アメリカ
とか、そういう外国のまねでございまして、何といいますか、ダイヤルよりも確かに、ダイヤルにもいろいろなスピードのやつがございますけれ
ども
、あれは接続の方は確かに早い、これが
一つ
のメリットでございます。それからもう
一つ
は短縮ダイヤルができる。
遠距離
にかけるときに三数字でかけられる、こういうメリットがございます。また、
通話
の方でも、そういう
住宅用
につけたような場合、あるいは
事務用
につけた場合にも、いままでの
電話
に比べまして二〇%ぐらいトラフィックがふえるという、そういう現象が起こっております。しかし、確かにPRの面におきましては、私
ども
確かに問題があると思いますので、そういう点につきましては十分注意していきたいと思います。
青島幸男
33
○
青島幸男
君 今後の注意もそれは無論ですけれ
ども
、あの時点で、いまあんまりやりませんけれ
ども
、あれは結局失敗だったし、効率的でないからおやめになったんじゃないんですか。あれがもしPRを始めたころの趣旨にのっとって、非常に円滑かつ有効に働いておるということだったら、いままで続けているんじゃないですか、PR。一わたり行き渡ったからもうそれでいいというお考えなんですか。それはどういうことなんでしょうか。
遠藤正介
34
○
説明員
(
遠藤正介
君) どちらかというと後の方でございます。私の方もいろいろ、いまはたとえばキャッチホンというようなことをやったり、毎年毎年その年の商品の宣伝は広告経費の中でやらしておりますが、五年も十年も続ければお怒りもごもっともと存じますが、私は、あれはあの売り出した当座二、三年でございますか、やりまして、それで一応皆さんにわかっていただいたと思うので、現在はプッシュホンそのものとしては、全然やらないわけではございませんけれ
ども
、ああいうふうな宣伝は現在はやっておりません。それは、失敗だからというよりは、もう一応皆さんにある
程度
PRが行き届いたということが確認されましたのでいたしておらないわけでございます。
青島幸男
35
○
青島幸男
君 しかし、大方のプッシュホンの
ユーザー
の方で、実際に大変な可能性を持っているかもしれませんけれ
ども
、その可能性を活用なさっている方というのはむしろ少なくて、つかぬことを大臣お尋ねいたしますけれ
ども
、プッシュホンでコンピューターに直接つなげて
計算
をなすったり、あるいは新幹線の御予約を大臣みずからなさることはないと思いますけれ
ども
、少なくとも大臣の身近の方で、あのプッシュホンがコンピューターに、
計算
機につながるんだから、それでつながっている機械を操作して
計算
をなさっている方というのを身近にごらんになったことありますでしょうか。
福田篤泰
36
○国務大臣(福田篤泰君) 議員会舘に備えてありまして、秘書が使っているようでございます。
青島幸男
37
○
青島幸男
君 ですから、
計算
機につないで利子
計算
をするとか、そんなことをなさっているのをごらんになったことありますかね。
福田篤泰
38
○国務大臣(福田篤泰君) 実際に操作しているところは見たことありません。
青島幸男
39
○
青島幸男
君 私も初めあれを見たときには、かなりおもしろい。パンフレットもついてくるわけですよ。生まれてきょうまで何日生きたかというのが
計算
できますとか、十五年年賦で年利が幾らだと、こういうローンは月々幾ら返せばいいんだというような
計算
がおもしろおかしくできるように、PRにはなってます。確かにそのとおりですけれ
ども
、しかしあんなものは一、二度やったら、大体家庭
生活
をしていれば加減乗除ができれはいいのであって、あるいは
計算
機も普及しておりますからそれぞれ専門の
立場
で
計算
をするでしょうし、実際には余り
計算
機に直接通じるからといって役に立っているわけじゃないわけですよ。それをいかにも近代
生活
の必需品のような売り方をしてPRするというようなやり方が、再三申し上げるようですけれ
ども
、ああいう形で行われたということにはかなり無理があったんじゃないか。ですから、そのために出た
赤字
を一般の
ユーザー
の
値上げ
というかっこうでしりぬぐいをさせられるのはかなわないというような認識を持つ人がいても、それは不思議じゃないんじゃないかという気がするわけです。確かに将来的な展望に立てば、あれは大変な可能性を持っていると思います。でも、実験室でやることなら一向に構わないと先ほど申しましたけれ
ども
、まだまだ実験室でやっている段階ならまだしも、一般にああいうかっこうで普及せしめようとしたのは無理があったんじゃないかということを私申し上げているんですが、その辺はどういう御
見解
をお持ちでしょうか。
福田篤泰
40
○国務大臣(福田篤泰君) こういう新しい需要と申しますか、こういうものに対してやはり的確に需要の動向を見極めて、その上で需要に応ずる新しい開発なり研究をする必要があろうかと考えます。
青島幸男
41
○
青島幸男
君 いまのお言葉のとおりだと私思うのですよ。実は
ユーザー
の方にそういうニーズがあってやられたことなら、それはそれでいいんですよ。しかしニーズに基づかないのに勝手にやったんだったら、判断に誤りがあったんじゃありませんかということを
遠藤
さんに申し上げているのです。どんなにPRをしても有効でないものは売れないし、
利用
されませんね。そういう意味ではちょっと時期が早かったし、やり方に誤りがあったんじゃないですか。
遠藤正介
42
○
説明員
(
遠藤正介
君) いまのPRでございますが、プッシュホンというものは、確かに具体的に
ユーザー
のニーズから出てきたものではございません。それからまたダイヤルス、いわゆる
計算
でございますね、
計算
につきましては、あれをやりましたころは、現在の電卓も相当高価でございました。そういう関係もありましてあれしたんですが、その後、電卓の方の価格がもう著しく低価格になりまして、現在では、先般も申し上げましたように、電卓に匹敵してあれが有効な
措置
とは思っておりません。したがって、あれの価格も今回この機会に上げたいと思っておりますし、また、今後普及される地域については、そういうようなPRは全然いたしておりません。 ただ、いまからちょうど五、六年前だったと思うのですが、その当時にそういうことをやった点がおしかりを受けておる点だろうと思うのであります。ただしかし、プッシュホンというものは実は私
ども
もどのくらい需要があるかということをあれいたしましたが、現在では全国で約百五十万ついております。したがって、そう私は嗜好品あるいはぜいたく品といいますか、確かにぜいたく品かもわかりません。というのは、付加使用料として別に千三百円取りますから。でございますけれ
ども
、需要が非常にないのに、無理に宣伝で売っておるというぐあいにも考えておらないわけでございます。
青島幸男
43
○
青島幸男
君
遠藤
さんに珍しく前半率直に非をお認めになったから私も納得したんですけれ
ども
、確かに
ユーザー
のニーズから出たものではないというお答えですし、百五十万出たと、それに私、あの当時のいきさつを考えますと、
高度経済成長
時代で何でも使い捨て、何でも新しいものにしようじゃないかと、新しいものはいいものだと、便利なものはすてきなんだというムードが確かにありましたね。しかし、
ユーザー
のニーズに基づいてやったんでなかったということは、いまとなっては失敗ですよ。そのことを率直にお認めになったので私も了解しますけれ
ども
、やっぱり
ユーザー
本位に物を考えて進めなければ、基本的に
公社
の運営は成り立たないわけだし、使用者のニーズにも沿わないわけです。あり方の基本を覆すことになりますわね。そのことをお認めになればそれで結構なんです。 それからその後は、あと、テレビ
電話
などというものの開発にも意を注いでおられるようにも承りますけれ
ども
、大臣、将来テレビ
電話
なんというのができましてダイヤルをする、あるいはプッシュホンをパンチすると相手の人がテレビに映るというようなものができたら、それをお求めになろうというお気持ちがありますかね。
福田篤泰
44
○国務大臣(福田篤泰君) 先方だけ出るとまだぐあいがいいですが、こちらも出ますので、便利なようでまた不便な面もあるので、まだ持ちたいとは特に思っておりません。
青島幸男
45
○
青島幸男
君 それは、そういうものがかなり普及すれば、閣議にもお出にならないで、自宅においでになって閣議ができるというようなことになるかもしれませんけれ
ども
、それはそれなりに便利もあるけれ
ども
、不便もあるでしょう。やっぱり便利に事が行われるということは、決して人々に幸せをもたらさないということの
一つ
の例だと思います。ですから、いま
公社
の方で率直に
ユーザー
のニーズから出たものではないのに無理やり押しつけたかっこうでやったのは、確かに多少軽率のそしりがあったということをお認めになりました。だから、今後そういうことのないようにしていただきたいと思います。どんなに前衛的で、どんなに空想的なことが実験室で行われようと、そのことは私は一向に文句を言いませんし、それは全く違った目的のものが発見されるケースもありますね。特に同軸ケーブルなどの開発というのは、私はすばらしいことだと思います。本当に今度中国へケーブルが届いたそうですけれ
ども
、あれをいままでの有線で一々やって、あれだけの有効回線数を考えたら数倍、数十倍の経費がかかるものでしょう。それを節減できるというようなことから考えますと、かなりの発明、発見のための開発費をつぎ込んだとしてもそれは見合うわけですね。ですから、それは実験室の中でおやりになっているのは結構だと思うんです。それから、人々のニーズがあって行われるなら結構ですけれ
ども
、今後そういうことがあったら、
国民
の方々はこれは納得しないんじゃないかという気がいたします。その点を特に御要望申し上げたいと思うんです。 先ほどから私、かなりみずからの周りの例も挙げまして、表現にも適切でない部分もあったかもしれませんけれ
ども
、
ユーザー
の
立場
からしまして、本当に
電電公社
は、私たちが便利なように、私たちの
福祉
を増進してくれているように鋭意努力をしてくれているんだという認識を持ってないということを申し上げているわけです、いままでそのことを一々申し上げたわけです。それで、その上に当
委員会
で何度も問題になりましたけれ
ども
、家庭用
電話
は
赤字
だからとか、そういうような言いわけめいたことに、論理的な納得のいく根拠
一つ
もないわけですね。その上でさまざまな失敗を繰り返し、あるいは得手勝手なことをやりながら、その後始末を
値上げ
というかっこうで
ユーザー
にしりを持ってこられるということははなはだ迷惑です。 ですから、できればもっと基本的なところまでさかのぼって
料金体系
を
計算
し直すなり、いままでの反省をするなり、これは
民間
企業
だったら責任者は更迭というようなことにまでなるんじゃないかという気がしますよ。だから、親方日の丸だからいいんだというようなことが
公社
の中に空気としてある。それを教育して徹底してたたき直していかなければ、皆さん方の要求にこたえることはできないなんという発言もありましたけれ
ども
、それは教育するとすれば、みずから反省するにしくはないんで、いたけだかに偉そうなことを申し上げるつもりはありませんけれ
ども
、私も
ユーザー
の一人として、今回の
値上げ
大変不満である、ぜひもう一度お考え直しになっていただきたいということを申し上げまして、質問を終わらせていただきます。
塩出啓典
46
○
塩出
啓典
君 最初に、総裁にお尋ねしたいと思いますが、四十九年、五十年と、
電電公社
も創業以来初めて
赤字
に転落をしたわけであります。これには油ショックとかいろいろ要因があるわけでありますが、まあしかし、
公社
としても
一つ
の大きな転換期を迎えたと言わざるを得ない。 そういうときに当たって、総裁としても、いままでの
電電公社
の
経営
のあり方と申しますか体質と申しますか、いいところは伸ばし、また悪いところは改めていかなければならない、そういう決意で今日まで努力をしてこられていると思うわけでありますが、非常に抽象的な質問ではありますが、総裁として、そういう転換期を迎えて、特にこういう点に力を入れて今日までやってきたし、今後もこういう点に力を入れていきたい、そういうような点について要点と申しますか、御所信を承りたいと思います。
米澤滋
47
○
説明員
(米澤滋君) 一言に申し上げますと、
国民
の皆様のために電信
電話
事業
を運営し、発展させるということでございます。
公社
は、発足いたしましたときに百四十万の
電話
でございましたが、これまで五ヵ年計画を五回立てまして、
昭和
五十二年度末には
電話
の申し込みの積滞を全国的規模でなくなすと、これはこの
委員会
におきましてもたびたび御質問になり、あるいは附帯決議というものが出ておりますが、そういう目標と、もう
一つ
は、全国をダイヤル即時化する、これは五十三年度末には達成できる見込みでございます。その二つの目標を求めてまいりまして、現在の時点におきまして、この目標は達成できるというふうに考えております。 また、今回のオイルショックによりまして、非常に大きな物価の高騰並びに人件費の高騰を起こしまして、そのために、何とか収支とんとんでまいりましたのが
赤字
になりまして、
昭和
四十九年と五十年の累積
赤字
が約四千五百六十億円ぐらいのところになってまいりました。そして、このような傾向は経済の高度成長から低成長にいくということ、また、
電話
の普及に伴うパーライン当たりの
収入
が減ってくるという、この二つの長期的なことがございますので、
料金
の
値上げ
をお願いした次第でございます。 そういうわけでございますが、何といいましてもこれは独占
企業
でございますから、最初に申し上げましたように、
公社
の中で
経営
の
能率
化、いわゆる
能率
的な
経営
を図るということが大事でございまして、国内において
公社
と直接
比較
するものがございませんので、先進国の
電気通信
事業
の状態とも
比較
いたしまして、
経営
の
能率
化には十分力を尽くすと同時に、また
技術革新
の成果を積極的に
経営
の中に入れまして、たとえば
建設投資
におきまして、これまで一兆一千億の節減を図るということを進めてまいりました。 また、
経営
の合理化のもう
一つ
の点といたしまして、自動即時化というような自動化の問題、あるいは無人化というようなことにつきましてもこれを進めてまいりまして、これには
労働組合
の、
立場
は違いますけれ
ども
、
理解
と協力を求めてまいりまして、配職転等におきましてこれまで約十万人に及ぶ配置転換、職種転換を行ってまいりました。今後とも、
国民
のために電信
電話
事業
を運営する、
能率
的
経営
を行うということを進めていきたいと思っております。
塩出啓典
48
○
塩出
啓典
君 これは
公社
の出版した中にも載っておるわけでありますが、
企業
に対する社会の批判の口はだんだん厳しくなってきておる、また一方においては
公社
は
民間
企業
と異なり、
企業
間の競争のない独占
企業
にありがちなひとりよがりや安易感に陥らないように厳しくみずからを自戒し、そうして常に分析と反省を行っていくと、こういうことを書いておるわけでありますが、さらには、こういう資源、エネルギーの不足の時代を迎えまして、
公社
としても、当然、省資源、できるだけ資源をむだ遣いをしない、こういうようなことも当然考えに入れていかなければならない。 これは
公社
の
経営
方針の中に書いておるわけですから、総裁としてももちろんこれには異存はないと思うのでありますが、確認をしておきたいと思います。
米澤滋
49
○
説明員
(米澤滋君) お答えいたします。 ただいま御指摘のことは、
公社
の運営方策の中にも書き上げておりまして、そのように考えております。
塩出啓典
50
○
塩出
啓典
君 それから、特に
サービス
精神の自主的な高揚、こういう点でお客様中心の
サービス
を実現する。これは私は非常に大事な問題じゃないかと思うんですけれ
ども
、特に、こういう問題について
公社
としてはどういう点をいままでと改めてきたのか、これはちょっと抽象的な質問かもしれませんけれ
ども
、伺っておきます。
米澤滋
51
○
説明員
(米澤滋君) これは何といいましても、この電信
電話
事業
というのは、出だしが逓信省、それから
電気通信
省という官営の時代を長い間歴史的に過ぎておりますし、そういうことでありますし、しかもまたこれ独占
企業
でございますので、やはり絶えずわれわれが
事業
運営につきまして反省し、また
国民
のためにお役に立っているという、そういう認識が必要であります。 それからもう
一つ
は、何といいましても、大ぜいの、現在、職員にいたしまして三十万を超えるという大部隊でございますので、そこに何か精神的なよりどころが必要である。したがってヒューマニズムに基づく
サービス
精神、それをただ上から与えるというのじゃなくて、働く人々がみんなそういう意識を持って
国民
の皆様に
サービス
するという、そういう考えが必要である。したがって、それを自主的にというのは非常に大事なところだと思いまして、そういうことを
公社
の中で強く働く人に要望しているところでございます。
塩出啓典
52
○
塩出
啓典
君 それからもう一点、これは五十年度の第一回監査部長会議で好本総務理事が次のことをおっしゃっておるわけであります。これは新聞の記事でございますので、これは事実であるかどうか、また、その内容について御
説明
願いたいと思うわけでありますが、このように好本さんは言っています。
料金改定
が実現した後でむずかしい問題がある。「今後も従来と同じような傾向線で生産性の向上をはかり建設工事のコストダウンを図ることができるのかといった点に問題がある。」時間の関係で中間は省略いたしますが、「これまで伝送路、交換機等で
技術革新
による大幅なコストダウンを図ってきたが、今後も大きなコストダウンにつながるようなインパクトをもった
技術革新
が目前にあるかというと必ずしもそうとはいえない。」その後に、いま申しましたように、ちょっと間を置いて「むしろ
料金改定
が実現したあとでむずかしい問題がはじまるというように
理解
している。」こういうことを言っておるわけでありますが、私も、大体、わかるような気もするんですけれ
ども
、発言者である好本さんから御
説明
を願いたいと思います。
好本巧
53
○
説明員
(好本巧君) たしか監査部長会議でそのようなことを申し上げたというふうに記憶しております。 私の申し上げたかったのは、
料金改定
といいますのは、
公社
の財政基盤の確立として焦眉の急であって、非常に重大な問題であると皆
地方
の幹部も考えておるわけでありますが、
料金改定
さえ済めば——
料金改定
ということがないからいま非常に財政基盤の危機が訪れている、
経営
全般に大変な危機がある、しかし
料金改定
さえ、さえと申しますか、
料金改定
が成功した暁には安堵感があるというふうな点を私は察知いたしまして、そういうふうな甘い考え方では非常に大きな問題があるんじゃないか。 〔
委員長
退席、理事
茜ケ久保重光
君着席〕
料金改定
は確かに非常に大きな問題でありますけれ
ども
、もしそれが私
ども
の期待どおりに成功いたしましても、そこでだれるようなことがあってはいけない。なぜかなれば、私
ども
は二十三年間
料金
レベルのアップをせずにまいったという裏には
技術革新
と生産性の向上と
労使関係
の安定、そういうものが基盤になっているけれ
ども
、そのポスト
料金改定
というものを考えますと、いままでのような傾向線、いままでのようなトレンドで生産性の向上というものが図れるかどうか、自動改式、自動即時化、そういう努力化あるいは非常に大きな
技術革新
によるところの建設コストのダウンというものが従来どおりの傾向線の延長線にはないのだ、非常に厳しくなる。そこで
料金改定
が済んだらというような一部の誤った者がおるのはいけない、そういうことを申したかったわけでございます。
塩出啓典
54
○
塩出
啓典
君 これはちょっと後の問題にも関連しますので、確認しておきたいと思いますが、やはりこれはいかなる分野におきましても
技術革新
のメリットを活用するというその前提には、まあかなり大量の需要の
増加
、そういうものが必要ではないかと思うわけであります。したがって経済がこういう伸びの少ない低成長と申しますか安定成長と申しますか、そういう時代に入れば、それから先ほど申しましたように資源の節約という、これは
公社
の方針の
一つ
でありますが、そういう点から考えて、
技術革新
というものをいままでのようにどんどん活用してそれによってコストを下げるということが非常にむずかしくなってくる、こういうように私は
理解
をしておるわけでありますが、その点でよろしいのかどうか。
前田光治
55
○
説明員
(前田光治君) お答え申し上げます。 確かに、いまから二十数年前、
電電公社
が発足いたしましたころには、残念ながら日本の
技術
水準
というものは
アメリカ
、ヨーロッパ等に比べて非常に低い形になっておりました。その後、急速にこれを追いかけまして、したがいまして過去二十年あるいは十年間における
技術革新
のテンポというものは非常に速い形になっておりまして、私
ども
のこれは勘で申し上げてなんですが、約十年ぐらい前にはヨーロッパの
水準
に追いついております。それから最近では
アメリカ
と肩を並べておるというふうに自負をいたしておりますが、そういった急速な
技術
力の進歩があったわけでございます。 しかし、今後とも、それと全く同じぐらいの急速な進歩をおまえやれるかとおっしゃられれば、それはなかなかむずかしい点があろうと思いますけれ
ども
、今後とも、やはり安いコストで
電話
サービス
を国是に提供してまいれますように、
技術革新
によるコストダウンという問題については十分努力をいたしてまいりたいと思っております。
塩出啓典
56
○
塩出
啓典
君 ここで郵政大臣にお伺いしたいと思いますが、先ほど転換期を迎えて
公社
の今後の姿勢として
国民
の批判の目というものが強くなってくるわけですし、そういう点から誤解をされたり批判をされたりしない、そういう
公社
になっていかなくてはならない。あるいはまたエネルギー節約の時代を迎えて、消費は美徳ではなしに、節約を美徳として資源をむだ遣いしないような方向でいく、あるいはお客様中心のそういう
経営
体制に変えていく、あるいはまた、いま申しましたように、これからはいままでのような
技術革新
による生産性の向上というものがいままでのようには望めないわけですから、そういう意味でもっと厳しい姿勢で臨んでいくという、こういうような、ほかにもいろいろあると思うんですけれ
ども
、そういう主なる点につきまして、私は全くそのとおりであると思っておるわけでありますが、郵政大臣の所感を聞いておきたいと思います。
福田篤泰
57
○国務大臣(福田篤泰君)
経営
の一種の転換期に直面しておることは、御指摘のとおりと存じます。したがって、
公社
側から答弁がありましたとおり、あらゆる角度から新しい問題、新しい要素、新しい需要というものを踏まえて、絶えず不断の研究を続け、
検討
を続ける必要があろうかと考えます。
塩出啓典
58
○
塩出
啓典
君 そこで、先般、NHKの会長でありました小野さん、小野会長がいろいろなことで、御存じのようなことでついに会長を
辞任
をしたわけであります。ところが、最近の新聞報道によりますと、会長は
辞任
をしてたけれ
ども
どうも顧問であると。これは私は新聞報道で、この事実を確認したわけじゃございませんが、NHKの場合は、役員が退職した場合には、三年間は顧問として退職するときの給料をもらっておる、あるいは退職金の制度につきましても、最高五割の特別慰労金制度がる、退職金の
計算
も在任時の給料掛ける在任月数掛ける〇・五五である、そして役職が変わるたびに退職金をもらうようになっておると、こういうようなことが新聞で報道されておるわけであります。 で、このことについては、いろいろな
意見
もあろうかと思いますが、しかし、少なくとも
国民
の目から見た場合には、そういう三年間も顧問として同じ給料をもらう。NHKも決して
経営
はよくない。先般受信料も
値上げ
をしたばかりのNHKであり、しかも退職金の
計算
にいたしましても、少なくとも庶民から見た場合にははなはだ納得のいかない、そういう点があるんじゃないかと思うわけであります。 私は、
公社
の場合は、話に聞きますと、そういう顧問制度とか特別に退職金を五割アップするというような制度はないと聞いておるわけでありますが、まず、NHKにおけるこういう制度について、郵政大臣としてはどう考えるのか。また、それに対して郵政大臣の
立場
として
指導
と申しますか、そういう
指導
をする権限があるのかないのか知りませんけれ
ども
、余り放送の中立性を侵してはまずいかもしれませんけれ
ども
、そういう点にはどう対処されるのか、その点を伺っておきたいと思います。
福田篤泰
59
○国務大臣(福田篤泰君) NHKの役員の退職金は、放送法第十四条で
経営委員会
の議決を経て決めるということになっておるようでありますので、私
ども
、自主的に
経営委員会
にお任せしておるわけでありますが、いま御指摘の名誉顧問につきましては、特に同額の報酬を三年間続けるというのは、これは社会常識と申しますか、私
ども
としても、いろいろ批判を浴びたことはやむを得なかったと思います。 幸い、小野前会長は名誉顧問を辞退したという
報告
を受けております。今後、あらゆる面においてNHKの顧問制度についても再
検討
を加えるという
報告
を受けております。その自主的な判断で、良識に訴えて批判を浴びないような
一つ
の制度改革をしてもらいたいと考えております。
塩出啓典
60
○
塩出
啓典
君 NHKと
電電公社
は別な
立場
ではありますけれ
ども
、やはりNHKにおける今回の事件を
一つ
の他山の石と申しますか、大いに参考にして、私は、
公社
としても、いやしくも
国民
の
人たち
から批判を受けたりそういうようなことのないようにやってもらいたいと思います。 〔理事
茜ケ久保重光
君退席、
委員長
着席〕 それで、特に、いわゆるNHKのような顧問制度とか退職金の特別慰労制度、そういうものは
公社
にはないと聞いておったわけでありますが、そのことも含めて総裁の御
見解
を承っておきます。
米澤滋
61
○
説明員
(米澤滋君) お答えいたします。
公社
には、そういう退職金の割り増し制度というのはございません。それから、NHKのように、顧問を置きまして、三年間、役員の場合に退職時の給与と同じものを出すというような制度もございません。 なお、そういうような問題につきましては、今後とも、十分注意をいたしてまいりたいと思っております。
塩出啓典
62
○
塩出
啓典
君 それでは、まず最初に、
昭和
四十八年から始まった第五次五ヵ年計画の問題についてお尋ねをしたいと思います。 御存じのように、この計画は、四十八、四十九、五十と五年計画の三ヵ年を経過したところで、今年からの新しい五十一年、五十二年、五十三年の計画が立てられたように私は
理解
をしておるわけでありますが、この五ヵ年計画というものは、加入
電話
の場合は、一般加入
電話
は何万戸、ビル
電話
は幾ら、地域集団
電話
、あるいは公衆
電話
、テレックス、
データ通信
、テレビ
電話
と、こういうようにそれぞれ五ヵ年計画の目標が示され、そのための
建設投資額
として七兆円の計画であったわけでありますが、この計画に従って四十八、四十九、五十と三年間完了したわけでありますが、この三年間の達成がどういう状況であったのか。と申しますのは、当然、五ヵ年計画のうちの三年であれば、単純に言えば六割になりますか、六〇%ぐらいまで達成すればこれは普通じゃないかと思うわけでありますが、そういう点、それぞれの項目においてどの
程度
の達成率であったのか、この点を伺いたいと思います。
輿寛次郎
63
○
説明員
(輿寛次郎君) お答え申し上げます。 第五次五ヵ年計画は、四十八年から五十二年までの五年間でございます。したがいまして現在その四年目に当たっているわけでございますが、計画の内容で申しますと、本来なら先生のおっしゃるとおり三年間で六割が正しいわけでございますが、現実には、四十八年秋の
石油ショック
以来非常な経済変動、いわゆる人件費の高騰、物価の高騰がございます。あるいは政府の抑制策もございまして、建設
投資計画
で申しますと、たとえば四十九年も五十年もいずれも前年度の五%秘度の増しか認められませんで、われわれとしては予定どおりの遂行ができなかった次第でございます。したがいまして、ちょっとここで個々については整っておりませんが、六割という形にまいりませんで、かなりといいますか、下回ったことは事実でございます。
塩出啓典
64
○
塩出
啓典
君 私、ちょっと
公社
からいただきました資料で、いまここで
計算
してみたわけでありますが、一般加入
電話
の場合は六〇%に対して五九%ですから、大体、目標どおりいっておるんじゃないか。ビル
電話
が五十六万加入で、三ヵ年間で九万八千ですから一七・五%ですね。それから地域集団
電話
が十一万加入の予定が、これが五万三千で四八・二、これはそう多く乖離はしてないわけでありますが、公衆
電話
は六〇・五%、市外
電話
回線が六一%、テレックスは五〇%、
データ通信
が二万四千端末のところが五千七百端末で二三・七%。 これを見ますと、非常にビル
電話
と
データ通信
ですね、これが計画に比べて未達成というか、未達成にしては余りにもはなはだしく離れ過ぎているんじゃないか。六〇%いくべきところをビル
電話
一七・五となると三分の一以下であります。
データ通信
も二三・七%ということで、これも半分以下でございまして、どういうわけでこの項目が特に悪いのか、それは
公社
としてはどのような分析をしておりますか。
輿寛次郎
65
○
説明員
(輿寛次郎君) お答え申し上げます。 詳細についてはちょっとここで資料ございませんが、一般的に申しますと、先ほど申したように、
石油ショック
以来の経済変動によりまして当初抑えられました。そのために、われわれといたしましてはかなり苦労いたしましたが、その中でも加入
電話
の開通というようなものは優先的にやるというようなことで、極力、切らないようにしたわけでございますが、その他については一般的に落としております。 また、ビル
電話
、
データ通信
につきましては、恐らく、これは想像でございますが、やはり四十八年以降のいろいろの
景気変動
によりまして、いわゆる世の中自体が
投資
抑制とかあるいは
景気
沈滞ということがありまして、ビル
電話
でございますと、たとえば会社がお使いになるわけでございますが、いままでのPBXを廃止してビル
電話
にするというようなことでございますので、やはりその点におきましては会社といたしましても資金が要るわけでございます、そういった意味で需要が減ったわけでございます。また、
データ通信
も同じようなものでございまして、やはり
データ通信
のメリットは認めるにしても、恐らく、お使いになる
ユーザー
としてはいろんな
情勢
から控えたということで、実績はいずれも計画を下回ったというふうに
理解
しております。
塩出啓典
66
○
塩出
啓典
君 油ショックという、これはわれわれも予測し得なかった事態でございまして、それによってこういう計画が不達成になったということは、一応の
説明
としては
理解
はできます。 それでは、五十年度のビル
電話
の計画と実績はどうなっておるのか、また
データ通信
の五十年度の計画と実績はどうなっておるのか。まあこれはもう五十年といえばもちろん経済界の見通しについてもかなりの不安定要素はありましたけれ
ども
、しかし、一応はオイルショックからは立ち直る
一つ
の過程にあったわけですが、この五十年度における予算と実績はどうなっていますか。
川崎鋼次郎
67
○
説明員
(
川崎鋼次郎
君) お答えします。 予定が四万八千に対しまして実績が二万六千でございます。これも先ほど計画
局長
が御
説明
いたしましたように、ビルそのものがなかなか予定より建設がおくれているというような関係もございましたし、例の不
景気
の影響もございまして、なかなかそういう方面の、まず建物が建たないということもございます。それからもう
一つ
は、やはりビル
電話
等に対する
投資
意欲というものが衰えているということもございまして、予定に達しませんでした。
塩出啓典
68
○
塩出
啓典
君
データ通信
の方はどうでしょう。
山内正彌
69
○
説明員
(山内正彌君)
データ通信
につきましては、DRESS関係で申し上げますと、予算は千五百に対しまして販売数は五百八十八でございます。それからDEMOSは、五百五十が予算でございますが、実際の販売数は百六十九という実績になっております。これも、
原因
は、ただいまと同じ
原因
だというふうに考えております。
塩出啓典
70
○
塩出
啓典
君 ちょっといまの、よく聞こえなかったんですけれど、金額で最初言われたんですかね、もう一回ちょっと。
山内正彌
71
○
説明員
(山内正彌君) 数でございます、端末の数でございます。
塩出啓典
72
○
塩出
啓典
君 いまのは、科学
技術
計算
と在庫
サービス
とを分けて言ったんですね。ちょっと日本語で言ってもらいたい、ぼくは専門家じゃございませんので。
山内正彌
73
○
説明員
(山内正彌君) 申しわけございません。もう一度申し上げます。 販売在庫管理システムは、予算の方で千五百端末ということで予定いたしましたんですが、実際の販売数と申しますか純増数は五百八十八でございます。それから、同じく科学
技術
計算
サービス
につきましては、予算は五百五十でございますが、販売数は百六十九でございます。
塩出啓典
74
○
塩出
啓典
君 私がいただいた資料では、全部合計しまして端末数で三千三百の予定が千四百と。そうなりますと、恐らくこのいまの在庫と科学
技術
計算
では二千五十になりますが、
データ通信
としていわゆる五ヵ年計画の二万四千端末の中には、いまさっき言われました二つのほかに、いわゆる銀行のオンラインシステムとか、そういうものが含まれているんじゃないかと思うんですが、そっちの方はどうなんでしょうか。
山内正彌
75
○
説明員
(山内正彌君) 失礼いたしました。 ただいまのには各種通信と称します数字が落ちておりまして、先生の予算三千三百というのは、その各種通信を含みました数字でございます。それから二万四千と申しますのも、同じくその各種通信というものを含みました数字でございます。
塩出啓典
76
○
塩出
啓典
君 いま五十年一年の計画を見ましても、私の
計算
では、ビル
電話
は計画の五四%の達成率、
データ通信
は四二・四%の達成率であります。その中で特に在庫管理のシステムあるいは科学
技術
のシステム等は三分の一近いような、こういう達成率であります。 そこで、私は、総裁にお尋ねしたいわけでありますが、恐らく、いろいろな
企業
において需要予測をどう判断していくかということが、これが
企業
の死命を制する問題じゃないかと思うわけであります。そういうわけで、先ほど、結果から見ればいろいろ需要が伸びなかったんだと、そういうこともありますけれ
ども
、油ショックのときはいいとしても、三十万の優秀な職員を抱え、コンピューターをたくさん持っておる
公社
が、単年度の需要予測においても、このような大幅な見込み違いをするということは、一体、どういうわけなのか。 当然、こういう
データ通信
にいたしましても、それ相応のやはり
設備投資
をしていかなければいかぬ。きょう下さいと言って、はいあしたというわけにはいかない。やっぱりそれに備えてその目標達成に必要なだけの施設というものはつくっておかなくちゃいけないわけであります。当然、そうすれば、それだけの金利もかかる、
減価償却
もしていかなくちゃいかぬ。そして品物が売れなければ、こういうものは
公社
の大きな
経営
の圧迫になっていくと思うわけであります。そういう点は、一体、どう考えておられるのかですね、これを承っておきたいと思います。
遠藤正介
77
○
説明員
(
遠藤正介
君) いまの点は、確かに私
ども
もこれから特に大きな問題だと思っていろいろ研究をいたしておるところなんでございますが、いまの五十年度、この予算の編成のやり方にも
一つ
問題がございまして、五十年の予算というのは、御案内のように、四十九年の七月ごろから概計という形で組み始めるわけでございます。したがって、余りにもこういう経済の急激な変動のございますときには非常に時期的にずれがはなはだしいという
一つ
問題がございます。 五十年度の場合、四十九年の七月ごろでございますと、やはりまだ例の
石油ショック
の関係がはっきりしなかった時代でございまして、私
ども
として、そういったような予算編成上の
技術
的な問題のずれを実際にこういう
企業
面においてはどういうぐあいに修正していくかということを今後の大きな課題として、特にこれからは先生のおっしゃるとおりに研究すべき問題でありますので、目下、その点を中心に研究をいたしております。
塩出啓典
78
○
塩出
啓典
君 五十年度の建設
投資計画
は一兆三千四百七十億円に対しまして、実績は一兆四千百八十一億と建設の
投資額
は予算を上回っておるわけですね。そして、そういう個々の販売というものが売れ残っているということは、当然、私はそこに大きな
赤字
の
原因
をつくっているのじゃないかと思うわけであります。 したがって、今回、この
電電公社
の
値上げ
法案
というものをわれわれは
審議
をしておるわけでありますが、
赤字
というものの
原因
が、一体、どこにあるのかですね、
公社
の
説明
書を見ると、まず第一に、人件費の高騰というのが出てくるわけであります。もちろん人件費の高騰もコストプッシュの要因になることはわれわれは認めるわけでありますが、しかし、もうちょっとさらに細かく、たとえば四十九年、五十年の
赤字
の累計が四千五百億でございますが、この中の
原因
をやはり分析した場合には、人件費に関するものはどの
程度
寄与してるんだと、それから需要予測の見込み違いによるものは大体どの
程度
なんだと、こういうような点をわれわれは知りたいと思うわけでありますが、
公社
としてはそういう点は
検討
しているのかどうか、その点はどうでしょうか。
遠藤正介
79
○
説明員
(
遠藤正介
君) もちろん決算時において、十分、私
ども
として
検討
はいたしておりまして、いまの問題も、結局、費用の増大と、それから
収入
面が予定
収入
を、いまの商品その他を含めまして、
収入
面が予定より少なかったと、こういうぐあいに分析をしております。それぞれの金額等も私
ども
の方では分析をいたしております。
塩出啓典
80
○
塩出
啓典
君 いまのお話では、よくわかったようなわからないような、非常に困るわけでありますが、それでは五十年度のいわゆる計画とそれから実績ですね、そういうものが違ったわけですね。そして一方、
建設投資
はやはり予定よりもオーバーして行われておる。 そういう点を考えると、私は、特にこのビル
電話
とかあるいは
データ通信
等の場合は、いわゆる過剰
投資
と申しますか、需要以上の
設備投資
をして、それが
赤字
の
原因
になっているのではないか、こういうことを心配するわけですけれ
ども
、そういうことはありませんと言っても、われわれはああそうですかというわけにいかぬわけで、実は私が心配するようなことはないんだ、そういうことを逆に
公社
としてはやっぱり証明をしてもらわないと困るわけでありまして、これはここで口頭で言って証明できるものじゃありませんから、これは、あすでも、あさってでも、きょうの夜でもいいですから、そういう資料をもって
説明
をしてもらいたい。その点はお願いできますでしょうか。
三宅正男
81
○
説明員
(三宅正男君) ただいまの
投資
の問題でございますが、五十年度予算を上回る
投資
と先生おっしゃいましたですが、その実際の
投資額
の中には前年の四十九年度からの繰り越しの金額が入っております。五十年度予算では補正予算を入れまして一兆三千数百億であったと記憶しておりますが、それに前年度からの繰り越しを入れてそれだけの
投資
をした、こういうことでございます。 それから、先ほどから問題になっております計画と実際の販売とのずれ、これに対しましては、確かに先ほど
遠藤
総務理事が申しましたように、いろいろ計画、予算を組みます時期と実際に実行いたします時期までの間のずれという問題が相当ございます。これに対しましては、私
ども
、できる限りは実際のその年度に入りましてから、実行計画上いろいろ調整をやってまいっております。できるだけそういったむだな
投資
がないように、実際のそのときの見込みに応じた
設備
という形にできるだけ持っていくという努力はいたしております。
塩出啓典
82
○
塩出
啓典
君 いまの私がお願いしました点についての資料を出していただけるかどうか。たとえば、いまおっしゃったように、私がいただいた資料は五十年度の当初の計画であって、それが年度の途中に
情勢
を見てこのように何月何日の会議で変更をして、そうしてやってきた結果決して過剰
投資
ではないんだ、そういうことも含めて資料をもって御
説明
願いたいと思うんです。その点はよろしいでしょうか。
三宅正男
83
○
説明員
(三宅正男君) はい、承知いたしました。できるだけそういう御趣旨に沿う資料を提出いたします。
塩出啓典
84
○
塩出
啓典
君 この問題については資料を提出してもらってから、また問題があれば御質問させていただきたいと思いますが、特に加入
電話
が、これも新聞の報道でございますが、五十年度には十万個売れ残った、さらに四十九年度は五万個売れ残った。
公社
の計画で見ますと三百万個のうち二百八十一万の実績で十九万個計画に達成をしていないわけでありますが、これは新聞の報道で見ると、
公社
の方ではちゃんと売るつもりでいたけれ
ども
、買う人がいなくて売れ残ったようにとれますし、また、こっちの計画で見ると、予算がなくて三百万の目標が二百八十一万しか達成しなかったようにもとれるし、このあたりは、どういうようになっておるんでしょうか。
川崎鋼次郎
85
○
説明員
(
川崎鋼次郎
君) お答えします。 四十九年度は、いまの御指摘のように五万五千売れ残りました。これは総需要抑制策というものが出まして、非常に予算が窮屈になったということもございまして、全般的に縮少された結果、基礎
投資
が不足いたしまして、一般加入
電話
をつける場合に間に合わないというような状態がありまして落ちたわけでございますが、五十年度は約十九万確かに不足といいますか、つけ残りが生じたわけでございます。 これにつきましては、これもやはり何と申しますか、引き続きまして基礎
投資
の建設が縮少された結果、大都市とそれから大都市周辺、またそれから中小都市というふうに分けてみますと、大都市周辺におきましてはわりあいに早くつけなければいけないという観点から従来とも建設を急いでやっておりましたのですが、大都市には余り基礎
投資
をした割りには需要が発生しなくて、つけるのがたまってしまった。逆に大都市周辺とか中小都市におきましては基礎
投資
が若干足りないところに積滞が出まして、それでつかなかったというような相乗効果もございまして、三百万でございますか、三百万の予定に対しまして十八万強が売れ残ったという状態でございます。
塩出啓典
86
○
塩出
啓典
君 どうも、私、いまの
説明
がよくわからないのですけれ
ども
、売れ残りとつけ残りは違うのですか。たとえば普通売れ残りというのは、店屋に売ろうと思って品物を出している、ところが買ってくれないために売れ残ったと、これをわれわれは日本語の感触でそう感じておるわけですけれ
ども
、いまの話では、五万五千売れ残ったのは総需要の抑制で
設備
がなかったのだ。これは売るには品物がなかったわけですから、向こうは買えなかっわけですね。それは結局売れ残りではなしに、これは
設備投資
の予算がなくて計画に達成しなかったということになるんじゃないかと思うのですけれ
ども
、その点、どうなんでしょうね、どっちなのか。
遠藤正介
87
○
説明員
(
遠藤正介
君) 私から補足的に御
説明
いたします。 確かに、この点も
公社
の現在における問題点なんでございますが、需要が、積滞がどんどん伸びておった時代から急に大幅に減り出した時代、
昭和
四十九年からでございます、それまでは、大体、私
ども
の方で三百万とかなんとかというのを皆各通信局ごとで取り合いぐらいにいたしまして、大げさに言うとそういう状態でございます。したがって通信局へ割り当てというとおかしいですが、計画をいたしましたものがそれぞれの通信局で十分はけたわけでございますが、そういう需要といいますより積滞解消にだんだん近づいてきまして、積滞が今度は前年度より減ってまいる時代になると、これは今後の問題もあると思うのでございますが、もう少し通信局間で、その計画数をいま言ったようなことがありましたらよその通信局へ回すとか、そういうことを早くやれば確かに全部さばけたといいますか売れたわけです。ところが、その辺が長年ふなれなものですから、そう急激に変化することに対応できない、俗に言う硬直性がございまして、この一、二年は確かに先生御指摘のような点があったと思うのです。 この点も非常に問題にいたしまして、今後は、要するに需要の測定も厳重にやらなくちゃいけないし、それから実際に計画をいたしました後で需要に変動がきたものに対する即応性を、もう少し硬直性がなくてやれるようにするために、どういう
地方
の機関の横の
連絡
をするか、あるいは
中央
でそれをどういうぐあいに統制するかということを十分にいま研究をしておりますのですが、この境目に、二十数年間そういう経験がなかったものでございますから、いま御指摘のような御批判は私はもう甘受せざるを得ないと、こういうぐあいに思っております。
塩出啓典
88
○
塩出
啓典
君 結局、五十年度末で積滞は何万ですかあるわけですけれ
ども
、実際に欲しいところには
設備
がない、
設備
をつくったところは需要がない、そういうことで売れ残りがあったという、そのようなことですね。だから、実際は十九万売れ残ったけれ
ども
、一方では積滞があると、こういうことで
理解
いたしました。 それで、きょうは十二時半まで午前中でございますので、
最後
に、いまのようにいろいろ需要予測という点において、非常にこれは変動する
経済情勢
の中でそれをどう正しい予測をしていくかということ、これはもう
企業
体としては本当に命取りにもなりかねない問題じゃないかと思います。 そういう意味で、いままではどんどんつけても、ともかくつくればどんどん売れるという、こういう高度成長時代が変わってきたわけで、そういう点で、私は、この需要予測
一つ
をとっても、そういう時代の変化に対応できるやはり
公社
の体質というものをつくってもらわなくちゃいかぬ。いまのようなそういう結果になったんじゃ困るわけでありまして、そういう点、
公社
としても、総裁としてどういう点を今後改めていこうとしておるのか。また、さらに郵政大臣としても、これは非常に私は大きな問題じゃないかと思う。午後からの今度の三ヵ年計画の需要の見通しの問題にもこれは関連してくる問題なんですけれ
ども
、郵政大臣としては、
公社
に対してそういう点どういう今後
指導
をしていくつもりなのか、これを総裁と大臣に承っておきたいと思います。
米澤滋
89
○
説明員
(米澤滋君) お答えいたします。 確かに、いま御指摘のように、積滞解消の時点が非常に近づいてまいりました。もうすでに
東京
周辺とか大都市の周辺、そういうところでは積滞解消のようなことが実現しかかっております。したがって従来のようにいわゆるマクロ的な需要予測ではなくて、もっとミクロ的な
現場
の実態がよくわかるようなそういう管理方法、これは新しいソフトテクノロジーというような範囲に入るわけでございますけれ
ども
、そういう
現場
でミクロ的な管理をもっとしっかりやるということが大事だと思います。 それからもう
一つ
は、何といいますか、早目にそれに対応するようなやり方というものが、いわゆる硬直性をなくなしていくということが必要だと思います。そういう末端における管理と弾力性といいますか、硬直性をよく考えていくという、具体的にはそういうことになると思いますが、確かにこれらにつきましては
公社
の中で今後とも十分これまでの経験を生かすばかりではなくて、いろいろ新しい発想も入れながら進めていきたい、このように思います。
福田篤泰
90
○国務大臣(福田篤泰君) いろいろ流動的な要素もあるようでございますが、実態調査を正確にやはり把握して、見込み違いは少しでも幅を狭くする、計画をそのとおり実行できる目標に向かって、十分、実態調査を中心として
検討
すべきものと考えております。
森勝治
91
○
委員長
(
森勝治
君) 午前の
審査
は、この
程度
にとどめます。 午後一時三十分再開することとし、休憩いたします。 午後零時二十八分休憩 —————・————— 午後一時三十七分開会
森勝治
92
○
委員長
(
森勝治
君) ただいまから
逓信委員会
を再開いたします。 休憩前に引き続き、
公衆電気通信法
の一部を改正する
法律案
を議題といたします。
質疑
のある方は順次御発言を願います。
塩出啓典
93
○
塩出
啓典
君 それでは、午前中の続きは、ちょっと郵政大臣が御出席になってから、ずっと関連する問題ですから、それは後に譲りまして、郵政大臣いらっしゃる前に、二、三の点についてお尋ねをいたします。 まず
一つ
は、沖繩県の
電話
の積滞の状況でございますが、ここ数年積滞が
増加
しておると、このように聞いておるわけでありますが、各年度ごとの積滞の数がどうなっておるのか、その点をお知らせいただきたいと思います。
川崎鋼次郎
94
○
説明員
(
川崎鋼次郎
君) お答えします。 四十七年度に復帰いたしましたのですが、四十七年度の年度末の積滞が四万、それから四十八年度が五万一千、四十九年度が六万、五十年度が六万六千、こうなっております。
塩出啓典
95
○
塩出
啓典
君 これは、
わが国
の国内の方は、年度末の積滞数は年々
減少
して五十二年度末においては積滞が解消できると、こういうところまでいっておるわけでありますが、沖繩がこのようにおくれているのはどういうわけか、特に日本へ復帰して以来、むしろ日本の国内よりも速いスピードでいかなければいけないんじゃないか。沖繩の
人口
はたしか百万人ですから日本の大体一%でございますので、六万六千という積滞は日本の全体で見れば六百万にも匹敵する積滞ではないかと思います。そういう点、
公社
としても、少し沖繩に対する力の入れ方が足りないのではないか、その点はどうでございますか。
遠藤正介
96
○
説明員
(
遠藤正介
君) これは積滞がふえてきております
原因
は、一番大きな
原因
は、向こうの従来ありました琉球
電電公社
というものの仕事のやり方が基本的に違う点がございます。 端的に申し上げますと、基礎
設備
、特に局舎の敷地の買収ですとか、あるいは局舎の建築そういったようなものが復帰後初めて
公社
が手がけるという形になりました点が一番大きな点でございます。そこへ持ってきまして、いまの沖繩の土地事情からいたしまして、敷地難、非常に敷地の入手難ということが大きな問題でございまして、今日まで御迷惑をかけておるわけでございます。それからもう
一つ
は、
労働組合
との関係が、いろいろ仕事のやり方が
公社
の場合と違ったような形になっておりますために、これをだんだん整合していきますのに若干時間が手間取ったわけでございますが、それをできるだけいま先生おっしゃいましたように追っかけてまいりまして、建設の
投資額
も年々
増加
をしております。 したがって、積滞数もふえてはおりますが、同時に、架設数も、たとえば四十七年度の
電話
の架設数は沖繩全部で三千でございましたのが、四十八年には六千、四十九年は一万一千、五十年は一万六千というぐあいに、大幅に伸びてきております。こういう形で基礎
設備
あるいは
加入者
開通等その他を追っかけておりますので、恐らく、五十三年以降には、早い機会に本土並みに達成できるものと私
ども
も思っておりますが、なお一層の努力を続けておる次第でございます。
塩出啓典
97
○
塩出
啓典
君
公社
は、今日まで、国内の積滞の解消とそれから自動化一〇〇%と、これを目標に五ヵ年計画をやってきたわけでありますが、五ヵ年計画とさらにその前の計画もそういうところに大きな焦点があったわけでありますが、当然、沖繩につきましても、三ヵ年計画なり五ヵ年計画なりはっきり立てて、いつまでにここまで持っていくということを明示をしてやっていくべきではないか。 いまのお話では、毎年つける数はふえているけれ
ども
、それ以上に積滞がふえている。一年間に一万六千で積滞が六万六千ということになりますれば、これはいまのペースではもう五年も六年もかかっちゃうわけでありまして、国内では午前中のように
電話
が十九万も売れ残った、こういう状態でありながら、依然として沖繩に積滞が残っているということは、これはもう非常にゆゆしい問題ではないかと思うのであります。 これは、
公社
としても、早急に長期計画なり、いろいろ困難な問題はあると思うんでありますが、長期計画をひとつ立ててはっきりめどを立ててやってもらいたい。特に、沖繩は、海洋博の後、非常に日本の国内よりもはるかに経済状態が悪いわけでありまして、そういうところに
電話
の
投資
をすることは
一つ
には不況対策になっていくわけでありますので、そういう点で、これは早急に何ヵ年計画なりつくって、沖繩については一日も早く積滞が解消するようにやってもらいたい。これはひとつ総裁と郵政大臣に御答弁をお願いしたいと思います。
米澤滋
98
○
説明員
(米澤滋君) 沖繩の通信
設備
につきましては、今後とも、長期計画をつくりまして、早急に積滞の解消を図りたいというふうに思います。
左藤恵
99
○
政府委員
(
左藤
恵君) 郵政省といたしましても、
電電公社
ができるだけ速やかに達成するよう、あらゆる面で郵政省としても協力し努力していきたいと、このように考えております。
塩出啓典
100
○
塩出
啓典
君 それで、ここはどうなんでしょうか、今回、
設備料
の
値上げ
ですね、こういうのがどうなるのか。たしか、私の記憶では、沖繩には日本の国内と違った制度が復帰当時はあったように思うんでありますが、現状はどうなっているんでございましょうか、これわかりましたら。
玉野義雄
101
○
説明員
(玉野義雄君) 復帰前の問題で、
設備料
につきまして沖繩に特別
措置
はとられておりますが、これはその時代まで残っておるものは数は大分少なくなっておりますが、今回も、そのまま適用されるということで、新
設備料
ではございませんで、旧
設備料
のままで残っております。
塩出啓典
102
○
塩出
啓典
君 そうすると、いま六万六千残っているのは、
設備料
は八万にはならないわけですね。
玉野義雄
103
○
説明員
(玉野義雄君) いいえ、その中の一部でございまして、かなりそれはもうついてきておりますので、六万が全部じゃなくて、そのごく一部でございます。
塩出啓典
104
○
塩出
啓典
君 それから、これもまた違う問題ですが、
電話
リクエスト等により集中的に
電話
がかかると、同じ局内の
電話
も不通状態になると。そういう意味で放送局なりスタジオを受け持つ局は、そのため必要以上の
設備
が必要になってくる。 これは新聞の記事でございますが、新宿住友ビル四十七階の特設スタジオから民放ラジオの人気リクエスト番組が放送される、そこへ
電話
が殺到いたしまして、一時間の間に四万四千七百五十八回のコールがかかった。この
電話
番号帯を処理する交換機は十台の処理能力でフルに動いても一時間に二万千七百三十五コールで完全にパンク状態で、だから、その同じ局内の
電話
はほとんど不通状態になったと、こういうようなことが新聞の記事に載っておりますが、そういうようなことが
東京
とかあるいは大阪とか、そういうところでかなり多いのかどうか、それに対する対策はどうなのか、これはどうなんですか。
輿寛次郎
105
○
説明員
(輿寛次郎君) お答え申し上げます。 そういった問題は、
通話
リクエスト等によりますトラフィックの集中は確かに多くはございませんが、間々ございます。たとえば、前に昔ございましたが、リカちゃん
電話
というようなことで、そこに
電話
をかければ人形の声が聞こえるというようなことがありますと、そこにトラフィックが殺到するというようなことがございまして、最近では、プッシュホンによります新幹線のいわゆる座席予約というようなことをやりましたときにも同様でございまして、そういったときにもやはり発売日に殺到するということを恐れて、いろいろな
設備
を考えて
設備
したことがございます、恐らく、今後も、そういったリクエスト等につきましては、そういった傾向がありましょうから、そのためのやはり対策というものはしなければならないものと考えております。
塩出啓典
106
○
塩出
啓典
君 結局、対策とは、そういう危険性のあるところは
設備
を増強して数をふやすということが対策なんですね、それはどうなんですか。
輿寛次郎
107
○
説明員
(輿寛次郎君) お答え申し上げます。 確かに、そのかかる
電話
局に対しまして
設備
をふやしてさばくということが
一つ
でございます。それからもう
一つ
は、やはり
電話
が殺到いたしますと、そのためにほかの方も迷惑するわけでございますから、場合によりましては、その以前の段階で切るといいますか、話し中にしてつながらせないようにするということも考えなきゃいけませんので、そういったことを総合的に考えているわけでございます。
塩出啓典
108
○
塩出
啓典
君 ただ、そういうことで
設備投資
をして、それは言うなれば、庶民の一般の人のための
設備投資
ではなしに、一部の
企業
のための
設備投資
、もちろんかける方は一般の
国民
の皆さんですが、そういう意味で、そういうものの分まで
国民
全体が
負担
をしなければならない、そういうのはどうなんですかね、ちょっと納得がいかないような気もするわけですけれ
ども
、これは
公社
としては、そういう問題どう考えていますか。
三宅正男
109
○
説明員
(三宅正男君) ただいま計画
局長
が御
説明
申し上げましたように、ある
程度
設備
という問題も考えなきゃいかぬわけでございますが、そのほかに、たとえば、いまの国鉄の座席予約、これはシーズン的に相当殺到する場合があり得るわけでございます。この場合などは、先ほ
ども
計画
局長
が申しましたように、そこへある
程度
以上の呼びがかかり出しました場合には、新たに発生いたします呼びを発信のもとの局の方で抑えて話し中にしてしまう、こういったような
設備
を、国鉄側に一部の
設備
の
負担
をいただきまして
設備
をした、こういうような例もございます。 また、いまのリクエスト等につきましては、定期的にやられておりますところでは、たとえば発信
加入者
の末尾番号その他の制限をするというようなことで放送局側で相当抑えてもらっている。初めてやるというような場合なんかに、ときどきその新聞記事にあるようなものが出てまいりますわけで、定期的に毎週あるというようなものの場合には、そういう制限でほとんど問題を起こさない
程度
の呼びに低くしてもらっている、こういうような対策をいろいろやっているわけでございます。
塩出啓典
110
○
塩出
啓典
君 その点、ひとつよろしくお願いします。 それから、瀬戸内海における船舶
電話
の問題でありますが、非常にここは島が多いために不感海域が広く、非常に不便を来しておるわけであります。それに加えて、さらに架橋によって不感海域が広まっていく。 たとえば、先般、山口県の大島と本土との間に架橋が開通したわけでありますが、その架橋の障害のために、たとえばレーダーの映像も非常に変な映像が出て、これが船の安全航行にも大きな支障となりまして、全日本海員組合等からもその対策が強く出されておるわけであります。さらに、本四架橋に伴う障害に対し船舶
電話
の影響も非常に心配されるわけでありまして、これも同じく全日本海員組合の
人たち
からその調査及び対策の要望が強く出されておるわけでありますが、郵政省、
電電公社
は、こういう問題をどう考えているのか、これをお聞かせいただきたい。
長田武彦
111
○
説明員
(
長田
武彦君) お答えいたします。 船舶
電話
施設に対しましては、特に、いま先生御指摘の不感地帯というようなものもまだ若干残っておるのは事実でございますが、逐次、これらの不感地帯については現在
投資
をいたしまして、サテライト局あるいはブースター局というようなかっこうで局の増設を図っております。ちなみに、最近の年度別の
投資額
を申し上げますと、
昭和
四十七年度では八億、それから四十八年度三十億、四十九年度十八億、五十年度十八億というようなふうに、大体、この辺の
投資
につきましては不感地帯の対策並びに波が足らなくなってまいりましたので、新たな波を使いました基地局をつくるということで
投資
をいたしております。
左藤恵
112
○
政府委員
(
左藤
恵君) 船舶
電話
の問題につきましては、周波数の問題もありますので、そういう電波の割り当てという問題も、十分
電電公社
の要望にこたえるように郵政省としては努力して、いまのそういった問題についての解決に当たらせたいと、このように考えております。
塩出啓典
113
○
塩出
啓典
君 この船舶
電話
につきましても、かなり積滞があるように開いておるわけでありますが、この点はどうなっているのかお尋ねしたいと思います。 さらに、ただいま施設
局長
から
投資額
の実績を御
報告
いただきましたが、私のいただきました資料では、純
増加
と申しますか、いわゆる船舶
電話
の端末のふえた数が、大体、四十五年などは一億の
投資
で千八十三個もふえておるわけでありますが、四十七、四十八、四十九は、たとえば四十七年八億、それで九百四十一、四十八年は三十億で百十五、四十九年は十八億で五百六十一個と、こういうようなことで、どうも
投資額
と船舶
電話
の純
増加
に非常に大きな開きがあるわけであります。これはどういうことなんでございましょうか。
玉野義雄
114
○
説明員
(玉野義雄君) 先ほど施設
局長
が申し上げましたのは、不感地域等に対する陸上の基地のアンテナとか、そういう
公社
自体がやる
投資額
でございまして、それで船舶につけます端末機自体は日本船舶通信でやっておるわけでございます。ですから、それの委託費を払っておりますが、実際に端末機を買ってつけますのは船舶通信がつけるようになっておるわけでございます。したがいまして、先ほどの
投資額
と端末機の価格とはちょっと別でございますので、その点、そういうような御疑問が出たのではないかと思っております。 おっしゃいましたように、端末機も順次ふやしていってはおりますけれ
ども
、現在、全体で八千四百加入数がございまして、それの積滞が約六百ほど残っておりますが、これはいわゆるいま船舶通信で認められておる波は百五十メガでございまして、これですと、入れますのに一万を切るというような状況でございまして、それぐらいしか収容できない、全国として。したがいまして、これは波を変えませんと今後の需要に応じ切れないという点がございますので、郵政省ともお打ち合わせいたしまして、これを二百五十メガに切りかえるということをただいま計画いたしておるわけです。そうしますと、約三倍の三万近く収容できるようになりますので、そういうふうにしたいと思っております。
塩出啓典
115
○
塩出
啓典
君 それから、公衆
電話
の問題でありますが、私は広島でございますので、しょっちゅう新幹線で帰るわけでありますけれ
ども
、たとえば福山とか三原とか、ああいうところは新幹線のホームには公衆
電話
がずらっと並んでおるわけですね、いつでもさっとかけれるわけであります。
東京
駅のホームには公衆
電話
があることはあるわけですけど非常に数が少ない。列車に乗ってかければいいようなものでありますが、列車に乗ってかけると、これは非常に大幅に値上がりをいたしまして、われわれはできれば、乗る前にかければ十円で済むのを、新幹線に乗るとどんなに近くても三百円払わなくちゃいかぬ。そういう意味で、前々から、
東京
駅なんかのホームに、もうちょっとこれは公衆
電話
をふやして、いつも何人かの人が並んでおるわけなんですから、そういう対策を
公社
としては考えているのかどうか。 大体、公衆
電話
に一日当たりあるいは一ヵ月当たりどれだけの
収入
があるかというのをちゃんとつかんでおけば、どこの公衆
電話
はいつもすいているけれ
ども
、どこの公衆
電話
は非常に人が多い、そういうようなことは私は
公社
の方でおのずとわかると思いますけれ
ども
、 〔
委員長
退席、理事
最上
進君着席〕 冒頭にもありましたように、そういう
サービス
、
国民
の側に立って考えるのであるならば、そういうことも考えてもらいたい。その点はどうなんでしょうか。
遠藤正介
116
○
説明員
(
遠藤正介
君) 国鉄は、
東京
駅だけじゃなくて、どこの駅でもそうなんでございますが、私
ども
としては、もうぜひつけたいというところがたくさんございます。ところが、人様の建物あるいは人様の土地でございますものですから、向こう様の御了承を得なくちゃいけないわけでありますから、そういうことで了承を得るのがなかなか大変でございまして、私
ども
としてはもうぜひつけたい。
東京
駅の新幹線あたりは確かに御案内のように弁当を売る店に
一つ
ぐらいしかないわけですから、たくさんつけたいのでございますが、なかなか向こう様がどういうわけかうんと言っていただけないケースが多うございます。しかし、各通信局を督励いたしまして、国鉄の方にいろんなデータを示しながら交渉させておるわけであります。
塩出啓典
117
○
塩出
啓典
君 きょうは国鉄は来ていないわけでありますが、今回は国鉄も電電もどちらも
値上げ
法案
を抱えるという、こういう同じ
立場
にあるわけですから、ひとつそういう意味からもやっぱり
国民
の側から見れば国鉄がつけさせないからだめだという、そういう話では納得しないわけでありまして、要は必要なところにはつける、それぐらい
公社
がやっぱり積極的に、郵政大臣もいるわけですし、郵政次官もいるわけですから、そういうのを通すなりして、必要なところにはちゃんとつける、国鉄がつけさせないからつけないんだ、こういうことではいかぬと思うんですよ。ただ、民家のある一人の人がそこに公衆
電話
はつけちゃいかぬ、これは私人ですからやむを得ないわけですけれ
ども
、国鉄というのはやっぱり
国民
の国鉄なんですから、そういう点どうなんでしょうか。 私はほかのところは知りませんが、やはり
東京
駅のホームの公衆
電話
あるいは駅の改札に近いところの公衆
電話
、そういうところの
料金
を調べれば大体わかると思うんですよ。ここにデータいただきましたけれ
ども
、これは
東京
駅全体のデータですけれ
ども
、それでも大体
一つ
の公衆
電話
に十一万二千円、
東京
駅平均で十一万二千円のようですね。公衆
電話
というのは、そんなに十一万二千円も入らなくても、たしか一万か二万あれば大体採算が合うんじゃないかと思うんですね。これは
東京
駅の平均ですから、その中にはもっと込んでいるところもあるわけでありまして、次官、そういう点をひとつ郵政省も責任を持って改善をしてもらいたい、その点どうでしょうか。
左藤恵
118
○
政府委員
(
左藤
恵君) いまお話しのとおり、郵政省としても、そういった問題について
電電公社
が積極的にやるということについて協力をしなければならない、このように考えております。
塩出啓典
119
○
塩出
啓典
君 それでは郵政大臣がお見えになりましたので、午前中の続きを質問させていただきます。 午前中は、四十八年−五十年の需要の予測というものがいろいろな経済の変動等でかなり狂ってきたわけでありまして、
公社
としても需要の動向の変化に対して敏速に対応していくように努力をしていく、こういう総裁のお話があったわけであります。この
委員会
に付託されております
公衆電気通信法
の改正は、五十一年から五十三年の新しい計画に伴う
料金
の
改定
を
審議
しておるわけでありますが、この新計画の需要予測においては
公社
としてはどういう点を改善をして、改善というか予測の方法においてどういう点を配慮して今回の計画をつくったのか。
輿寛次郎
120
○
説明員
(輿寛次郎君) お答え申し上げます。 確かに先生御指摘のように、需要の予測は非常にむずかしい問題でございます。まず第一に、経済の将来の発達といいますか、成長見合い等が非常にむずかしゅうございます。その他いろいろな要素もございますが、われわれといたしましては、現在の計画は五年間で七百七十万の
加入者
を開通するという計画がベースでございますが、これのもとになります新規需要数も、いままでのたとえば需要の伸びあるいは今後のいろいろの需要の
増加
あるいは経済成長率その他を勘案いたしまして、まあわれわれといたしましてはできるだけの努力をいたしまして捕捉したつもりでございます。
塩出啓典
121
○
塩出
啓典
君 これはどうなんですか、私たちは、じゃなぜその三年間の
電話
の一般加入
電話
が七百七十万であるのか、たしか
昭和
五十年代
前期経済計画
という政府の発表をもとにやっておる、このようにはお聞きしておるわけでありますが、それぞれの根拠ですね、ただ、去年がこれぐらいだからことしはこれぐらいにしておこうというわけにはいかないと思うんですね。いままではそれでよかったかもしれませんけれ
ども
、これからはそういうわけにはいかないと思うんですけれ
ども
、そういう意味で、まずこの七百七十万という根拠はどういう
計算
の上にできたのか、これを伺っておきたいと思います。 〔理事
最上
進君退席、
委員長
着席〕
輿寛次郎
122
○
説明員
(輿寛次郎君) お答え申し上げます。 根拠というと何でございますが、われわれといたしましては、本社には計画局という組織がございますが、
地方
には通信局に計画部がございます。あるいは各県単位にあります通信部にも計画課というのがございまして、それぞれの段階でその管内の
電話
局をいろいろ使いまして、それぞれの地域につきましていろいろの予測をするわけでございます。 その予測には、結局、いろいろな予測の仕方がございますけれ
ども
、先ほど申したように、マクロ的には経済の成長率ということを考えるわけでございます。あるいは総理府の統計その他も使用いたします。一方におきましてミクロ的には、それぞれの
電話
局管内におきましてどの方面に団地ができるとか、あるいはこの方面でこういう数がまだ需要として出るであろうというふうなことを、当然、現在のいわゆる需要というか、
加入者
の数とあるいは世帯数、新築の住宅戸数その他を勘案して試算させるわけでございます。そういうものを集計いたしますと、これは個々のものでございますから、かなり正確とは言いながらまた一方において偏っている面もございます。それを調整いたしまして、各通信部ごと、いわゆる県単位にまとめまして、さらにもっと大きくくくり、
最後
に本社で調整といいますか、いろいろな要素を加味して
検討
している、こういうことでございます。 内訳を申しますと、たとえば五十一年は新規需要数を二百四十五万と想定しております。また五十二年は二百五十万、五十三年は二百四十二万と想定いたしまして三年間で約七百五十万ぐらいの新規需要があるという想定をしております。現在五十年度末で積滞が四十八万ほどございますから、そういったものにそれが加わりまして七百七十万を開通する、こういう計画を立てたわけでございます。
塩出啓典
123
○
塩出
啓典
君 五十年度末で積滞は四十八万一千と聞いておるわけでありますが、積滞がゼロになることはないんですよね、やっぱり申し込んでつけるまでの期間もありますし多少のばらつきもありますし、しかし全部をたとえば一ヵ月でつけるようにするにはかなり過剰
設備
を全体に抱えていかなくちゃならない、そういう経済の効率も当然考えていかなければいけないと思うんですが、いわゆる
電電公社
の言う積滞解消というのは年度末で何ぼぐらいのときが解消になるのか。それにしても四十八万一千というのはほとんどこれは積滞解消と考えてもいいんじゃないかという、そういうように思うわけで、その点はどうなんでしょうか。
輿寛次郎
124
○
説明員
(輿寛次郎君) お答え申し上げます。 確かに積滞といまわれわれが言っておりますのは、実は、申し込んでつかない
電話
でございまして、厳密にはきのう申し込まれたものもきょうはつかないわけですから積滞ということになるであろう。こういうことから考えますと、われわれの目標としております積滞解消と申しますのは、全国のいわゆる
加入区域
内におきまして、申し込んだら平均約一ヵ月でつくというのを目標にしております。と申しますのは、逆に一ヵ月分くらいの需要に相当するいわゆるランニングストックもあるということでございます。で、われわれ先ほど申したように、大体年間の新規需要を二百四、五十万と想定しておりますから、そういう意味からいたしますと月々の新規需要は約二十万ぐらいでございます。したがいまして、われわれの
建設計画
あるいは予測が違わなければ、どこでとりましても同じでございますが、月々大体二十万
程度
のものが残る状態はありますが、これがいわゆる数字的に見た積滞解消という状態ではなかろうかと、そう考えております。
塩出啓典
125
○
塩出
啓典
君 いまのは
公社
の
見解
でございますか。大体、年度末に二十万くらいになっていけば積滞解消となる。年度末二十万ということになると、もう全国至るところにかなりの
設備
の余力を持っていかなくちゃいかぬ。もちろんそれにこしたことないわけですけれ
ども
、それはしかしそのためにやっぱり
料金
が上がることは
国民
にとってもこれはよくないことなんで、大体、そんなふうに考えていいわけですね。
輿寛次郎
126
○
説明員
(輿寛次郎君) 確かにお説のとおりでございまして、全国どこでも
電話
を一ヵ月くらいでつけるというためには、その場合の
設備
をしておかなければなりません。しかし、その
設備
が非常に過剰な場合は確かにいわゆる
過大投資
になります。したがいまして、理想的に申しますと、需要が出るといいますか、お申し込みがある時点のちょうど前に
設備
ができれば一番いいわけでございまして、できて遊ぶということでは困るわけです。したがいまして、われわれといたしましては、先ほど来申したように、これからも需要予測というものをまずできるだけミクロ的、マクロ的に詰めまして正確にしたいということが第一点でございます。 それからもう一点は、その需要予測に基づきまして
設備投資
をいかにやっていくか。何でも
設備
をつければいいというんでは、積滞解消はいたしますけれ
ども
、いわゆる
過大投資
になりまして、これは不経済支出になります。したがいまして、その辺を十分うまくやっていく、そのためにいろいろな手法が考えられますが、われわれといたしましては、たとえば全国をまた細かいブロックに分けまして、そこにおきます発生というようなことをとりまして、系列的な評価を集めてコンピューターで解析するというようなことも使いまして、何とか最も適切な一番正確な予測をすると同時に、それに見合った
設備
を適切にしていくということに努力したいと考えておるわけでございます。
塩出啓典
127
○
塩出
啓典
君 今回、
設備料
を五万円から八万円に
値上げ
をし、
基本料
金も上がるわけでありますが、そういうのが当然需要の減退につながると思うんですけれ
ども
、そういう点は
公社
としてはどの
程度
影響があると予測しているんですか。
輿寛次郎
128
○
説明員
(輿寛次郎君) お答え申し上げます。 これもなかなかむずかしい問題でございますが、われわれといたしましては、大体、この五十一年、五十二年ぐらいの二年間で約二十万
程度
の需要減があるものと見越して
計算
してございます。
塩出啓典
129
○
塩出
啓典
君 そうしますと、いま
公社
の資料をいただきますと、新規申し込み数というのは四十七年を
ピーク
にいたしまして四十八年、四十九年、五十年と低下をしてきておるわけですね。で、やはり
電話
の新規申し込みというのは、ほかの経済成長などと違いまして、これは結局足らぬところが申し込むわけですから、そういう意味でわれわれのこの数字から見る限りではさらに五十一年も低下していくんではないかと、それにもかかわらず、五十一年度はしかもいま申しましたように
料金
の
値上げ
によってどうしても需要の減退がある。で労働者の賃金もことしの四月からは
実質賃金
においては対前年度マイナスに転じておる状態ですから、当然、需要はもっと減るんじゃないか。 ところが、さっきの新規の今年度の計画では二百四十五万。ということは、五十年に下がってきたのがかなりもとに上がると、こういう予測を立てておる、その点非常に高過ぎるんじゃないかという気がするんですが、その点はどうなんですか。
輿寛次郎
130
○
説明員
(輿寛次郎君) 確かにそういう御指摘もあろうかと思います。で、この辺もなかなかむずかしいところだと思いますが、私
ども
といたしましては、いままでの減というものは、いわゆる不況といいますか、不況による減、あるいはいろいろ物価その他の上昇によります非常な減であろうかと思ったわけでございます。で、これにつきましては、ことしは
景気
の回復はおくれておりますが、われわれといたしましては、もう少しこれが早目にいわゆる復活するといいますか、上昇するというつもりで計画したわけでございます。 御指摘のとおり、確かに新規需要の大体八〇%以上は住宅
電話
でございますから、住宅
電話
の需要というものは、現在の需要とも関係ございますけれ
ども
、やはり世帯の方が新しく
電話
をつけるという場合には、どうしても家計上の問題からも関係するわけでございます。その辺ではいままで落っこってきたことは当然であろう。で、今後確かにこの辺がもっと上がるかどうかということはむずかしい問題だと思いますが、われわれこれを策定した時点では、ことしからそれが上昇に転ずると、こういう考えでございます。
塩出啓典
131
○
塩出
啓典
君 御存じのように、経済も今年度に入りましてから政府の発表によれば着実に回復をして、いまは再び中だるみを迎えてはいるわけでありますが、少なくともこの四月から五、六という五十一年第一・四半期等においては、かなり明るい兆しがあったわけですけれ
ども
、今年度の第一・四半期の申し込み数というのは一体何ぼあったんですか、新規申し込み数は。
川崎鋼次郎
132
○
説明員
(
川崎鋼次郎
君) 今年度の四月から六月までのを申し上げますと、四月には二十二万七千、五月が十九万一千、六月が十七万八千、合計五十九万六千新規申し込みがございます。
塩出啓典
133
○
塩出
啓典
君 で、これは昨年度の新規申し込みを見ますと、第一・四半期が六十六万一千、それから第二・四半期が五十五万九千、第三が五十五万九千、第四が六十一万四千でございますか、これを見ますと、やはり四月が一番四半期の中でも数が多いようになっております。 で、去年とことしを
比較
いたしますと、去年の第一・四半期は六十六万一千の新規申し込みだと、ことしは
景気
が大体年間成長率六%ぐらいの成長と見込まれるときでも五十九万六千、そういうことになりますと、これはもちろん
電話
が架設料が上がる前の話で、恐らくこういう
値上げ
の前には駆け込みというのがあるわけでありまして、むしろこれがふえてなくちゃいかぬ、実際はですね。そうすると、
電話
料金
が上がると減ってくる、そういうような点を考えますと、去年のペースに比べてもすでに約一割ダウンしておるわけですね。それを今年度の需要は去年よりも実質は一割ダウンしているのに、目標はもう去年よりも上のおととしの線を目標にしておると、こういうような計画は私は非常に現実性のない計画であって、こういうものは変更すべきじゃないでしょうかね、どうなんですか、それは。
輿寛次郎
134
○
説明員
(輿寛次郎君) 確かにいまの第一・四半期と昨年のを比べると、そういう形もあろうかと思いますが、われわれといたしましては、先ほど申したように、実は
景気
の回復がかなりおくれて出てまいるということでございまして、確かにだから昨年と比べるとどうかということになりますと、ちょっと
比較
がむずかしゅうございますが、われわれとしては、今後はまた出てまいりまして、平均とは申しませんが、先ほど言ったような二百四十五万
程度
はふえるものと思っております。
塩出啓典
135
○
塩出
啓典
君 この点はどうなんでしょうか、いま
景気
の回復がおくれて出てくるということは、
電話
の需要というのは
景気
の回復とタイムラグがあるということなんですか、そういうことなんですか。
輿寛次郎
136
○
説明員
(輿寛次郎君) お答え申し上げます。 住宅については、大体、そういう傾向ではなかろうかと思っております。
塩出啓典
137
○
塩出
啓典
君 だから、それならそれでもいいんですけれ
ども
、ただ、私たちもやっぱりこういう
建設計画
の一番大きなのは一般
加入者
の
電話
の計画が一番多いわけで、それにやはりどれだけ
設備投資
をしていくかということは
公社
の
赤字
がどうなるかということに物すごく影響していく問題なんですね。また、過剰な
設備投資
をして昨年のように十九万個も
電話
が売れ残るということはよろしくないことなんで、そういう意味で、どう見ても今年度の目標というものは、この後
電話
の需要が
景気
の回復よりタイムラグがあるということであれば、なおさらいま
景気
はまた後退をしているわけなんですから、そうすると、ますます今年度後半において
電話
の申し込みはふえないということになりますよ。そうなると、これはますます
料金
の
値上げ
もかかわって、今年度の加入
電話
の計画というものは過大過ぎる。 だから、これは、総裁、どうなんでしょうか、先ほ
ども
午前中、やはり
公社
としても立てたときにはそうであったかもしれませんけれ
ども
、常に経済は動いているわけですから、そのときに対応して流動的に計画をやっぱり変更していく、硬直性をなくするということは
遠藤
さんもいま言われたわけですね、そういう意味で、まだ
審議
の途中ではありますけれ
ども
、われわれもこの計画は変更すべきじゃないか、もう少し今年度の、あるいは三年間の目標、一般加入
電話
の目標を減らすべきではないか、その点はどうでしょうか。
米澤滋
138
○
説明員
(米澤滋君) 先ほ
ども
需要の問題についてお答えいたしましたが、この計画の中で、最初五ヵ年計画を立てたときに比べまして約百万ぐらい減らしておりますので、私は、計画局の数字、これは細かい点におきましては若干問題あるかもしれませんけれ
ども
、この全体の万の単位の数字はすでに百万ぐらい削っておりますので、大体、妥当ではないかというように考えております。
塩出啓典
139
○
塩出
啓典
君 私たちも、ふだんならば、それはどちらへどう転んでもいいわけですけれ
ども
、今回は、そういうもののために
公社
の三年間の
赤字
がふえて、そのために
値上げ
を
審議
をしておるわけですから、そういう点、郵政大臣、どうでしょうか、私たちといたしましては、やはり計画というものは現実に合った計画を立てて、それに基づく
赤字
を解消していくということでないと、最初の計画自体がそういう水増しの計画で、それで
赤字
があるからどうのこうのと言っても、これはやはりすでに
審議
をする以前の段階でありまして、 〔
委員長
退席、理事
茜ケ久保重光
君着席〕 こういう点は郵政大臣としてもどう考えるのか、私は計画の見直しをすべきじゃないかと思うんですが、その点どうでしょうか。
福田篤泰
140
○国務大臣(福田篤泰君) 需要予測は正しいものと考えております。
塩出啓典
141
○
塩出
啓典
君 いま何とおっしゃいました、はっきりお願いします。
福田篤泰
142
○国務大臣(福田篤泰君) 需要予測につきましては、ほぼ正しいものではないかと考えております。
塩出啓典
143
○
塩出
啓典
君 郵政大臣も連日の
審議
で大分お疲れのようで、われわれもそれ以上どうのこうのと言うわけにはまいりませんかもしれませんが、この問題は私としては納得のできない問題であります。 もうすでに今年度は、
料金
の
値上げ
前でも、昨年よりも一割ぐらい申し込みが減っているのですから、今後、
値上げ
をすればさらに二十万も減ると言っているわけですから、それを去年よりも高い一昨年のところに目標を置いておる。これがやはり今回の
建設投資
をふやして結果的には
赤字
の因を、幅をふやしておるわけですから、この問題は、先ほどの総裁の御答弁にしてもわれわれは納得できませんので、やはり根拠を——もちろん、経済の変動もあるでしょうし、三年間の計画ですから、ことしは多少多くても、来年はこうなっていくとか、七百七十万という根拠についてもう少し説得力のあるものを出してもらいたい。恐らく
公社
としても七百七十万という数字は、ただ去年がこれだけだからこうしようという適当に決めた額ではないと思うのでございます。そういう根拠となる資料を出してもらいたい、この点どうでしょうか。
遠藤正介
144
○
説明員
(
遠藤正介
君) いま総裁がお答えしましたように、当初計画より百万全体で削る過程で私
ども
大いに議論をしたのですけれ
ども
、その後の状況はそういうぐあいになっていることも事実でございますが、もう少し長期的に見ませんと、これは少しわからない問題だと思いますが、少なくとも現在の計画の中の加入数の需要予測の根拠はちゃんと一応できておりますので、それに基づいて後日
説明
をいたしたいと思います。
塩出啓典
145
○
塩出
啓典
君 わかりました。この問題については、その資料をいただいた後、また御質問をさしていただきたいと思います。 それから次に、五十一年−五十三年計画の前提条件でございますが、まず、試算の前提条件として、私がいただいた資料では、今年二月、四十九年、五十年の
赤字
の合計が四千九百億というところから出発しておるわけでありまして、実際は四千三百七十二億で五百二十八億多いわけでありますが、これはどういうことなんでしょうか。 〔理事
茜ケ久保重光
君退席、理事
最上
進君着席〕
好本巧
146
○
説明員
(好本巧君) 四十九年度と五十年度の
赤字
の合計が四千九百億円であるということをこの二月のお手元の資料には記してございますが、それは四十九年度の決算に基づく
赤字額
が一千七百六十億円でございまして、それに対しまして五十年度の
赤字
をどのくらい見るかということで約三千億をちょっと超えるぐらいというふうに見積もったわけでございます。 〔理事
最上
進君退席、理事
茜ケ久保重光
君着席〕 したがいまして両者合算いたしまして四千九百億円という数字が出るわけですけれ
ども
、先般、八月に五十年度の決算が出まして、損益
計算
におきますところの総収益・総費用の差額、すなわち
赤字
が二千八百億円というふうになったわけでございます。したがいまして四十九年度、五十年度の合計は約四千五百六十億円ということでございますから、約三百五十億円ぐらい、当時の資料から見ますと差異が生じたわけでございます。 〔理事
茜ケ久保重光
君退席、
委員長
着席〕 この三百五十億円の
赤字
が減ったわけにつきましては、これは主として節約努力によるものでございます。
塩出啓典
147
○
塩出
啓典
君 この三年間の
事業収入
を年平均六%と見て
計算
をしているようでありますが、この六%の根拠はどういうことなんでしょうか。
輿寛次郎
148
○
説明員
(輿寛次郎君) お答え申し上げます。 これは五月に閣議決定を見ました
昭和
五十年代
前期経済計画
の中で、いわゆる経済成長率を六%強としておりますので、そういったものをベースにしてございます。
塩出啓典
149
○
塩出
啓典
君 私が見た範囲では、経済成長がゼロの場合でも
公社
の年々の
事業収入
は伸びてるんじゃないかと、二けたの伸びをしていると。したがって経済成長が六%だから、じゃ
公社
の
事業収入
は六%であるというのは、
収入
を過小に見積もった計画ではないか。こんなばかな話はないと思うんですが、これはどういう根拠で、経済成長が六%だからといって
事業収入
の伸びも年六%にしたんですか。
輿寛次郎
150
○
説明員
(輿寛次郎君) お答え申し上げます。 ちょっとここに数字ございませんが、
事業収入
のいわゆる目安、ベースといたしまして経済成長率を使うわけでございますが、この経済成長率はこの政府決定の六%を使うと、こういう意味でございます。したがいまして数字が六%という意味でございます。厳密に申しますと、
事業収入
はそれらに大体見合うんでございますが、
事業
用、
住宅用
その他はそういうあれではございませんが、ここでは
事業収入
を
計算
するに当たって経済成長率を使うわけですが、その数字が六%、こういうことでございます。
塩出啓典
151
○
塩出
啓典
君 これは
事業収入
が、結局、六%ずつ伸びているということではないんですね。そうすると、この五十一、五十二、五十三の
事業収入
は何%伸びるようにして
計算
をされておるわけでしょうか。
輿寛次郎
152
○
説明員
(輿寛次郎君) お答え申し上げます。 前年度比で申しますと、五十一年度は前年度比八・五%、五十二年は九・六%、五十三年は八・四%と見ているわけでございます。
塩出啓典
153
○
塩出
啓典
君 それにしても、この点どうなんでしょうか。私は
計算
はしていませんけれ
ども
、ここに一覧表があるわけですが、これは四十六、四十七、四十八、四十九、五十ですね、ずっと油ショックのときも、それからもうゼロ成長のときも全部
事業
収支が二けたの伸びをしてきているわけですね。それで、いまの話では、しかも
建設計画
の方はこれからどんどん需要が伸びていくんじゃないかと、こういう予測を立てながら、
事業
収支の方はこの数年来かつてない一けた台の
収入
の伸びと、こういうのはどうなんでしょうかね。何か根拠がありますか、それは。
輿寛次郎
154
○
説明員
(輿寛次郎君) お答え申し上げます。 いろんな要素があろうかと思います。
一つ
は、やはりいわゆる
収入
の少ない低
収入
加入者
といいますか、そういうものがふえているということが
一つ
であろうと思います。それからまた、いわゆる
加入者
の増も減っております。それからまた、先ほど御指摘のあった、たとえば前年度で
比較
いたしますと、三百万というふうな予定が売れ残ったというようなこともございまして、そういったかせぐもとになる加入数が減っておるということもございます。そういった点をいろいろ
計算
いたしますと、このような数字になると、こういうことでございます。
塩出啓典
155
○
塩出
啓典
君 これはどうでしょうか、五十一年がなぜ八・五になり、五十二年がなぜ九・六になり、五十三年が八・四になっていくのか。私たちは、やっぱり過去の年度ごとの
事業収入
の伸びというものからマクロ的にわれわれ素人は直観的に感ずるわけでありましてね。それから見て非常に納得できないわけでありまして、これがもし
公社
としていろいろ
計算
の結果こういうことになったんであるならば、この根拠を私は資料として出してもらいたいと思いますけれ
ども
ね。
輿寛次郎
156
○
説明員
(輿寛次郎君) これは、われわれといたしましては、今後の予測につきまして、大体一番大きな要素がいままでの傾向でございまして、その点を
事業
用、
事務用
あるいはその他のものにつきましていろいろ分析いたしまして、それをどういう形で伸ばすかということにつきまして、先ほどの経済計画を使うということでやっておりますので、後ほど提出さしていただきます。
塩出啓典
157
○
塩出
啓典
君 この点についても質問を留保させていただきたいと思います。 それから、次に
減価償却
の問題でありますが、この
減価償却
の問題は、当
委員会
におきましても、きのうの連合
審査
等におきましても、いろいろ問題になってきたことでございますが、重複はできるだけ避けるつもりでおりますが、あるいは重複する点もあるかもしれませんが、
電気通信
機及び
電気通信
線路の平均
耐用年数
は、これは恐らく実績じゃないかと思うんでありますが、
昭和
三十五年二十一・四年から
昭和
四十三年は十三・三年に
減少
しておる。これは、私、調査室からいただいた資料を拝見したわけでありますが、これは
電気通信
機及び
電気通信
線路の平均
耐用年数
というのはいろいろなのの平均じゃないかと思うんですけれ
ども
、この二十一・四年が十三・三年に、八年の間に実に七年も短くなっておる。これは内訳はどうなりますか、こういう機械が何年短くなり、これはこうなったんだという。
好本巧
158
○
説明員
(好本巧君) 四十一年度に、三十六年度に決めておりました耐用命数をそれぞれの種目、品目ごとに
改定
いたしまして、その総合平均がいまおっしゃったような数字だと思いますが、それぞれの細かい内訳の数字はございません。
塩出啓典
159
○
塩出
啓典
君 これはあれですね、実績ではなしに、
公社
はたしか
会計
規則による
耐用年数
を何回か変更してきておるわけでありますが、四十三年度に変更して十三・三年に短くしたというのは、それは実績ではなしに、理論的な
会計
処理上の平均
耐用年数
と、こう考えていいわけですか。
好本巧
160
○
説明員
(好本巧君) もちろん御指摘のように、
会計
上使いますところの耐用命数のことでございますが、どうしてその数字が出たかといいますと、調査に基づきますところの実存寿命というものをもとにして決定したわけでございます。
塩出啓典
161
○
塩出
啓典
君 だから、私は、その実存寿命が実際に減ったから、このように
会計
処理上の
耐用年数
が減ってきておるというお話ですから、どのように実際の
耐用年数
が減ったのか、その資料はございませんか。 たとえば、これにはいろいろ自動式交換機二十二年とか、公衆
電話
室は七年とか、公衆
電話
機は六年とか、そういうのがあるわけですが、実際に
公社
として公衆
電話
を取りかえるまでの平均寿命というものが年ごとにだんだん短くなってきているということじゃないかと思うんですけれ
ども
、そういう点はどうなんですかね。
好本巧
162
○
説明員
(好本巧君) お答えいたします。 三十六年から四十三年までの間、実績値が年々大体短くなっているのじゃないかという御指摘でございますが、事実、調査の結果、おおむね逐年短くなっておる。その実績実存寿命に基づいて、耐用命数を決定いたしておるという経緯でございます。
塩出啓典
163
○
塩出
啓典
君 これはどうなんでしょうか、今後も、そういう傾向が続くのかどうか。私は、冒頭、総裁のお話もこういう転換期を迎えて節約をしていかなくちゃいかぬ、こういうようなお話で、当然、今後は
耐用年数
を延ばしていかなければいけないのじゃないか。恐らく先ほど
青島
委員
の方からプッシュホンですか、プッシュホンというのは、あれは需要者の方から出た要望ではなしに、
公社
の方から積極的に売っていったように聞いておるわけでありますが、ああいうのはあんまりプッシュホンが早く流布していくということは、そのプッシュホンの前のいわゆる普通の
電話
機はどなるんですか、それはまたよそで使うんですか、これは
償却
処分になるんですか。
好本巧
164
○
説明員
(好本巧君) まず前段の問題でございますが、四十三年度以降も二、三年に一遍実際の実存寿命を吟味検証しておりますが、これはおおむね四十三年から五十年の間はほとんど横ばいでございます。四十三年以降でございますね、ほとんど二、三年に一遍十分それぞれの実存寿命を吟味検証しておりますけれ
ども
、四十九年度で調べましたところでは、四十三年度からはほとんど横ばいで長くも短くもなっていないという状況でございます。 それから、ただいま申されました局内の
電話
機、これをプッシュホンとかホームテレホンに取りかえるということが相当数ございます。お客様の要望に従って取りかえますが、取りかえましたときの処理といたしましては、それを現実には取り払って修理工場で一遍オーバーホールいたしまして、これがまたほとん
ども
とと同じように、新品同様にオーバーホールするわけでございますから、機能、性能とも新品と同じようになるわけです。これを新しくまたつけるということをやっておりますが、耐用命数といいますか、
会計
処理といたしましては、それを取り外したところで寿命が尽きた、撤去財産であるというふうに処理しております。
塩出啓典
165
○
塩出
啓典
君 そういうようにまた再生をして使うということは非常にわれわれとしてもいい方向じゃないかと思うんですけれ
ども
、ただ、三十五年から四十三年まで平均として
耐用年数
が減っているということは、これは数字で見ればわかるんですけれ
ども
、なぜ
耐用年数
が短くなったのか。いわゆる機械が陳腐化したためにもう廃棄せざるを得なかったのか、あるいは新しいものができてそっちへ切りかえるためにそうなったのか。私は、だんだん科学
技術
の進歩によって
一つ
一つ
の品物の寿命は延びているんじゃないか、そういう意味で、なぜどういう項目が短くなったためにこの平均がこれだけに減ってきたのかという、このもとになる具体的なのを示してもらわないと、ただ、この数字だけで減った、減ったんだというのではわれわれは納得できないんですけれ
ども
、その点はどうなんです。
三宅正男
166
○
説明員
(三宅正男君) いろいろ
耐用年数
が実際の調査によりまして三十五年から四十一年にかけて短くなっておるわけでございます。これが短くなりましたのは、それぞれの品目別にいろいろな理由はございます。 非常に簡単な例でひとつ申し上げますと、たとえば市内の架空ケーブルは、三十五年当時には、鉛をかぶせましたケーブルを使っておりました。これは時間がたちますとともに鉛にひびが入る、そのために雨が降りましたときに水が入って絶縁障害を起こす、こういうような障害に私
ども
悩まされておったわけでございます。三十七、八年からだったと思いますが、これをプラスチック被覆のケーブルにかえるということをいたしまして、だんだんにこのプラスチックケーブルに引きかえてまいったわけでございます。こういう場合にもちろん使えるものを引きかえるわけじゃございませんで、障害になった場合、あるいは
加入者
数がふえまして対数の多いケーブルに引きかえなければいけない場合、こういう場合に新しいケーブルに引きかえていく、こういうことをいたしまして、現在では、ほとんどプラスチックケーブルにかわってきております。こういうふうに、いろいろな障害の修理の場合、あるいは増設の場合といったような場合に引きかえをしてまいりまして、だんだんにものがかわっていく、このためにやはり撤去というものが相当行われてくるというようなことが、この場合には架空ケーブルの耐用命数といいますか
耐用年数
といいますか実存寿命といいますか、これがこの当時相当短かくなった、こういうことがございます。 その他のものにつきましても、それぞれいろいろな理由で新しいものに取りかえていかなければならない、あるいは障害がありますために取りかえるというようなことで、次第にものがかわっていく。私
ども
むしろ使えるものを捨てるということはいたしておりませんけれ
ども
、何かのチャンスにいいものに取りかえていく、こういうことを長年続けてきております。こういう意味で
耐用年数
が四十一年当時大分短かくなったわけでございます。その後、相当
設備
の何といいますか品質が安定してまいりまして、こういう障害等は大分減ってまいっております。 しかし、いまの市内の架空ケーブルに例をとりますと、その後も
加入者
数の相当な急増及び道路工事の拡幅等が行われますために移転をしなければいけないというようなことのために、相当現在までは取りかえが行われております。したがいまして、ときどき実際のデータを検証いたしまして、この
耐用年数
でいいかどうかということを調べておるわけでございまして、最近では、四十九年から五十年にかけて調査をいたしまして、ほとんど変わっておらない、こういうことでございまして、今後も、調査は常にチェックを続けまして、実際に合った
耐用年数
というものを常に設定していく、こういう形で運用してまいりたい、こういうふうに私
ども
考えております。
塩出啓典
167
○
塩出
啓典
君 そうしますと、結局、まだ使えるけれ
ども
新しいシステムにかえた方がいい、その方が保守とかそういうような点からいいんじゃないかと、こういうことで、いままでは使えるけれ
ども
新しいものに取りかえると、それからまた道路工事なんかでそういうような場合があると、そういうわけで短くなった、こういうお話ですけれ
ども
、どうも道路の拡幅工事でまだ使える
電電公社
の線を廃棄しなければならないというような場合は、これはやっぱりあれですか、
公社
はもう損してもそれをやらなくちゃいけないわけなんですかね。
三宅正男
168
○
説明員
(三宅正男君) 私
ども
、道路上にあるいは道路の下に、いろいろ線路
設備
をつくっておりますが、これは昔逓信省時代からのあれでございまして、無料で使っております。電力会社等は道路占用料を払っておられるわけでございます。私
ども
は無料で使わせていただいておる。そのかわりに移転等の事態が起きました場合には私
ども
の費用で移転すると、こういうことになっております。
塩出啓典
169
○
塩出
啓典
君 それで、今後は当然いままでの行き方というものは変えていかなければならないんではないか。というのは、いままでは多少使えても人件費を節約する意味で保守はもっとスムーズにいくようにもう一遍にかえちゃった。こうやってどんどん使えるものを新しくかえてきたわけですね。寿命が短くなってきているということは、実際の寿命は長くなっているはずなんですから、それを結局短くしてきたということは、使えるものを次に新しいものに取りかえると、こういうことできたわけでありますが、当然、そういう方向はこれから変えていかなければいけないのであって、資源の節約というそういう点もあるでしょうし、そういう点から
耐用年数
を延ばしていかなくちゃならぬ。そのために多少保守に人件費が多くなっても、いま日本全体を見れば非常に失業者が多いわけですから、だからやっぱりいままでのような行き方は当然改めていかなければいけないんじゃないか。
耐用年数
につきましても、もっと長く使うように、このように当然方向転換をすべきだと思う。もうすでに方向転換しているんじゃないかと思うんです。その点はどうなんですか。
三宅正男
170
○
説明員
(三宅正男君) 方向転換と申しますか、いままでも私
ども
使えるものは捨ててはおりませんが、ただ、たとえば先ほどの例で申しますと鉛に穴があいた場合にその部分だけの修復をしないで、ある
程度
の長さの部分をプラスチックケーブルにかえる、こういうようなことは従来やってまいったわけでございます。現在では、もうこの例で申しますればプラスチックケーブルにほとんどなっております。こういう意味で、使えるのはできるだけ使っていくということは今後も心がけてまいります。 ただ、他動的な要因、その他での取りかえというものもどうしても出てまいりますので、そういった点はもちろんできるだけ使えるものを使うという形を心がけながら、同時に、実際の
耐用年数
にどう影響が出てくるか常によくチェックをいたしまして、それに合わせていくという形で運用してまいりたいと存じます。
塩出啓典
171
○
塩出
啓典
君 それでは、いまの
耐用年数
ですが、結局、八年間の間にもう三分の一も減っておるわけでありまして、それが個々の品目についてどういうものがどういうぐあいに減ったのか、そういうものを全部平均してこういうような結果になったんじゃないかと思うんでありますが、そのもとになるこういうものが減ったんだと、そういうものを、これは後で結構ですから、資料として御提出いただきたいと思います。その点どうでしょうか。
好本巧
172
○
説明員
(好本巧君) 耐用命数の三十六年度以降、各内訳につきましてどういうふうに取りかえが出てきて、どういうふうに耐用命数が動いてきたかという一覧表を提出したいと思います。
塩出啓典
173
○
塩出
啓典
君 それから、
定額法
と
定率法
の問題は、いろいろ
公社
には
公社
の言い分があると思うんでありますが、ふだん非常に高度成長で
収入
もどんどん伸びているときに、これはもう定率でも何ら差し支えないと思うんですけれ
ども
、
公社
といたしましても創業以来の
経営
の転換期を迎えておるわけですから、今回の油ショックに対して
民間
企業
というものはいろいろなそういう対応策を立てて、この経済の転換に対応するために努力をしてきたわけですから、もちろん
公社
が全然やってないというわけじゃございませんけれ
ども
、私は、
値上げ
もせなければならない
赤字
になっているときに、この
耐用年数
、あるいはまた
減価償却
を定額に変えるとか、
赤字
解消のあらゆる
手段
を尽くして、そしてしかる後に
値上げ
をすると、それをそういうものは全くどうもしないで、さあ
赤字
だから
値上げ
する、これでは
国民
も納得できないわけでありまして、したがって
定額法
のいわゆる
減価償却
にしてはどうか。定率の方がいいにこしたことはありません、
公社
の
立場
はいいかもしれませんけれ
ども
ね。
定率法
にしたからといって
公社
がつぶれるわけでもないでしょう。この点どうなんですか。
好本巧
174
○
説明員
(好本巧君) これは先般の当
委員会
におきまして、将来の
減価償却
の方法につきまして十分
検討
を加えるとお約束したわけでございますから、その線でやりたいと思いますが、ただ、
減価償却
といいますのは、期間損益の
計算
を
国民
の皆様に正しくお示しする。要するに
過大償却
があってはこれは利益隠しというようなことになりますし、過小
償却
があると将来非常に恐ろしいことになりますので、
事業
は永続いたしますので、長いある一定のスパンの間これを妥当なる
償却
計上を続けていくというのが一番正しいことではないかと思います。ある一年、二年の損益が
赤字
である、黒字であるということによって、そのときにそれに対応して
減価償却
制度をいじるということは危険なことではないかと思います。 しかし、冒頭に申し上げましたように、将来のいろいろ環境条件が変わってまいりますので、いろいろ真剣に
検討
を始めてまいりたいと思います。
塩出啓典
175
○
塩出
啓典
君 私は
会計
の専門家じゃございませんで、よくわかりませんが、
定率法
に改めた理由として、既存
設備
の陳腐化、不適応化が著しいと、これは
公社
からいただいた資料ですが、また当
委員会
でもそういうお話が出ました。あるいは都市構造の変化によって
耐用年数
を実態に合わせる、すなわち、いまさっき話しましたように
耐用年数
が短くなるという道路工事、そういうようなことで
定率法
にしているということなんですけれ
ども
、私は、そのもとになる陳腐化、不適応化というのがもういままでのようにはないと、あっては困ると、資源の面から申しましても、また先ほど
技術革新
というものはそうこれからは好本総務理事もいままでのような
技術革新
、コストダウンを伴う
技術革新
はもうないと、ないというか、困難になってきていると、そういうことで、この
定率法
をとった理由として
公社
の挙げている基礎が崩れているわけです。 一方の方では、資源の節約とかなんだかんだ言って、それでこっちの方では陳腐化や不適応化が著しい、そっちを改めなければ、結局、
公社
の
経営
体制が改まったとは言えないのじゃないかと思うのです。そういう意味で、これはもう時間もありませんのでこの辺でやめますけれ
ども
、ひとつ
公社
としても
検討
してもらいたいと思いますよ。その点を要望しておきます。
森勝治
176
○
委員長
(
森勝治
君) ちょっと速記とめてください。 〔速記中止〕
森勝治
177
○
委員長
(
森勝治
君) 速記を起こしてください。
米澤滋
178
○
説明員
(米澤滋君) お答えいたします。 先ほど好本総務もお答えいたしましたが、
技術革新
のテンポは確かにこれからスローダウンすると思いますが、しかし、また
技術革新
が全然ないかというとそうではないのでございまして、この五十一年から五十三年におきましても、
技術革新
の成果によりまして
建設投資
を約五千億円節減する年にしております。 私の個人的な
見解
にもなりますが、いままで進んでいるような大きな、たとえばマイクロを超多重にするとか、同軸ケーブルをやるとかいうようなものは確かにスローダウンしますが、また基礎研究が出てきまして、そしてそれがまたこう出てくる時期が——もうこれで永久にスローダウンするというふうには思っておりません。これはある時期が来ますと、また
技術革新
が急速に出てくる時期が来るんではないか。それが五年先であるか、あすかもしれません。したがってその問題はそういうふうに考えます。 それから、いまの
減価償却
の方法につきましては、前回、この
委員会
でもお答えいたしましたが、今後、研究さしていただきたいということを申し上げました。そのように計らいたいと思います。
塩出啓典
179
○
塩出
啓典
君 それから次に、
料金
問題についてお尋ねいたしますが、まあ
電電公社
は今日まで二十数年間、広域時分制はありましたが、一
通話
七円という
料金
はずっと据え置いてきたわけであります。これは
公社
の
技術革新
と、また
公社
で働く皆さんの
企業努力
にも負うところが多いと思うわけでありますが、しかし、
設備料
というものが一万から三万、五万、八万と、このように変わってきているわけですね。 それで、たしか
遠藤
総務理事はきのうの連合
審査
でも、この
設備料
の今回の五万から八万の
値上げ
は
物価上昇
に見合って決めたんだと、このようにおっしゃっておりましたが、これは一万から三万、三万から五万のときもやはり
物価上昇
に見合って
値上げ
をしてきたわけなんでしょう。
遠藤正介
180
○
説明員
(
遠藤正介
君) いましさいには私も記憶しておりませんが、大体、そうであったと思っております。
塩出啓典
181
○
塩出
啓典
君 そうしますと、
公社
のいままでの
料金
の
値上げ
というものを見てまいりますと、非常に
設備料
の
値上げ
は急速に上がってきておるわけですね。そうすると、当然、
料金
の考え方というものは非常に変わってきつつあると思うんですね。ということは、やはり
設備料
の
値上げ
というのは、いままでつけている人はもう必要ないわけですから、これから新たにつけなければならない人がますますつけにくくなると、こういう状況ですね。 これがまあ非常にどんどん申し込みが多くて積滞がもうどんどんたまって工事が追いつかないんだと、こういうときに
設備料
を上げる、これはやはり経済の原則からいってもそういうことはあり得ると思うんですけれ
ども
、いまのようにだんだんだんだん需要が減退をしてきているときに、新規需要ももう四十八年、四十九年、五十年と下がってきているわけですね。ことしも下がり去年も下がってきておる。こういうときに
設備料
の
値上げ
をするというのは、非常に時代逆行というか、一体、どういう考えのもとに
設備料
を上げたのか。
設備料
なら
電話
とってない人が困るわけで、大体いろいろ文句言う人は全部
電話
とっておるでしょうから、抵抗ないところから上げてしまえという、こういうような考えのようにもとれるわけです。その点はどうなんですか。
遠藤正介
182
○
説明員
(
遠藤正介
君)
設備料
につきましては、
料金
の中でもたとえば
基本料
、
通話料
と違いまして、先般来御
説明
しておりますように、具体的な加入
電話
架設の工事に要する費用の一部に充当すると、こういう考えでございます。したがいまして、いまの工費の上昇とかいうものと直接リンクして考えることが非常にしやすい点がまず第一点であります。 それからもう
一つ
の点は、お言葉でありますが、非常に需要が出ているときに、たとえば積滞解消ということで追い回されているときに
設備料
を上げることによって少しでも楽をするということもこれはまた逆にどうかと思うわけであります、つまり需要を抑制して積滞解消のテンポをできるだけ早めると。むしろまあこういう機会が一番よろしいのではないかと思っているということで、今回、お願いをしておるわけであります。
塩出啓典
183
○
塩出
啓典
君 昨年五月、
遠藤
総務理事が記者会見で、
電話
の付加使用料の徴収は廃止してもいいと思っていると、このほか無料にできるものがあればどんどん無料にして、ひいては
収入
増につながるのではないかと考えていると。もちろんこの前提には
値上げ
のときにということですね。それに付随して、去年の五月十三日電波タイムズに記者会見で語ると書いております。そういうことは言いましたか。
遠藤正介
184
○
説明員
(
遠藤正介
君) その五月のときにどういうことを言ったか、あるいは記者がどういうぐあいにお書きになったか私もちょっと記憶がございませんが、付加使用料全部ではなくて、付加使用料の中には無料にした方がいいというのが確かにあると思うんであります。たとえば御家庭で
電話
機をソケットで持って歩くことができる、それを差し込み
電話
と申しでおりますが、差し込み
電話
口というのは要するにソケットみたいなものですが、このソケットみたいなものはやっぱり付加使用料としてたしか月に五十円ずついただいておるわけです、従来。しかし、私は、こういうものは五十円の金額を取るために徴収費用というものが非常にかかりますですね。しかも差し込みというのはどんどんただで接いでいただいて、それであっちこっち持って歩かれて
通話料
を上げる方が結果的には
公社
としてもいいし、またお客様に対してもそれがいいんじゃないかという意味でそういう考えを持っておりまして、そういうことを言った記憶はございます。付加使用料全部という意味じゃもちろんございません。
塩出啓典
185
○
塩出
啓典
君 それはそのように無料にしたわけですね、そういうものについては。あなたの言われたところはただにしたわけですね、まだしてないんですか。
遠藤正介
186
○
説明員
(
遠藤正介
君) まだ、その前提となっております問題が解決しておりませんので、まだやっておりません。しかし、なればそうさしていただきたい。まあこれは郵政省に認可を求めなくちゃいけませんが、郵政省にお願いするつもりです。
塩出啓典
187
○
塩出
啓典
君 総裁は、
昭和
四十七年五月二十三日の当参議院
逓信委員会
におきまして、当時、拡充法の
審議
のときに
森勝治
委員
の質問に答えて、五十七年度末の時点まで
電話
の
設備料
につきましては、これを
改定
することは考えておりませんと、こういうことを発言をしたわけでありますが、この発言したの間違いないかどうかですね、そうすると今回の
値上げ
は公約違反ではないだろうか、その点はどうですか。
米澤滋
188
○
説明員
(米澤滋君) 確かに私もそのようなことを発言いたしました。ただ、しかし、その後オイルショックという世界的な経済の大変動がございまして、物価の高騰、それからそれに伴う人件費の大幅な変動というものがございまして、今回はやむを得ずお願いしていると、こういうことでございます。
塩出啓典
189
○
塩出
啓典
君 非常にオイルショックはいろんな場合に使われるわけでございますが、その点はひとつ今後とも公約の実践できるように努力をしてもらいたい、そのことを要望しておきます。 それから次に、
データ通信
の問題について二、三お尋ねしたいと思います。 まず、大分はしょりまして、
公社
はこの
データ通信
部門が四十八年度が二百四十二億、四十九年度が三百五億、五十年度は三百六十億と、このように
赤字
があると、こういうことは私聞いておるわけでありますが、その前の四十四年、四十五年、六年、七年、こういうこの前はどうなるのかですね。私は、たしか前の広域時分制の
審議
のときにも、
データ通信
の部門というものははっきり分けて、やっぱり収支というものをはっきりしなくちゃいけないんではないかと、こういうことを申し上げたわけでありますが、この点はどうなんでしょうか。
山内正彌
190
○
説明員
(山内正彌君) お答え申し上げます。
データ通信
事業
が正式の
公社
の業務として
法律
的に認定されまして始めましたのは
昭和
四十六年からでございまして、日が浅うございまして、しかも、現在もそうでございますけれ
ども
、当時から電信
電話
と一体的
経営
をするというような線で進んでまいりましたので、特に初めの時期におきましては
経理
の分計ということをやらないでいたわけでございます。その後、国会等でいろいろ御議論がございましたので、最近、大変大胆な仮定のもとに分計ということをいたしましていろいろ御
報告
をさしておる次第でございまして、したがって四十八年からのデータはございますが、それ以前のデータはとっておりませんでしたので、数字としては持っておりません。
塩出啓典
191
○
塩出
啓典
君 そうしますと、
データ通信
の
赤字
のために一般の
加入者
の
電話
料が上がるんではないかという、こういうことがいつも危倶されておるわけであります。私たちも
公社
の
経理
がわからないから、それだけにそうではないかなと、こういう気がするわけでありますが、そういう心配を持つ
国民
に対して、いやそうではないんだと、もちろんいま単年度で
データ通信
部門が
赤字
になったからといってわれわれは決してそれで短絡的にどうのこうのするわけじゃありませんが、やはり八年なら八年の間にはこのように収支が見合って、決して
データ通信
部門への
投資
あるいは
赤字
のために今回の
値上げ
をするんではないと、こういうことを
国民
が納得するように、またわれわれが納得できるように、それだけの資料をやはり
公社
は出すべきじゃないかと思うんですけれ
ども
ね。われわれは全くそういう点は
理解
できないわけであります。その点はどうされますか。
輿寛次郎
192
○
説明員
(輿寛次郎君) お答え申し上げます。 御指摘の点は、恐らく今後三年間の
事業
別収支を出しておりまして、これが一兆七千二百億、こういうことが
値上げ
のベースになっておるもので、その内訳かと思いますが、その内訳をざっと申しますと、この分計非常にむずかしゅうございます。それでやはり大胆な仮定で
計算
してございますが、その結果によりますと、大体、
電話
事業
の
赤字
が一兆二千五百億、
電報
事業
約四千億、
データ通信
事業
で申しますと約二百億くらいでございます。したがいまして、ゼロとは申しませんが、ほぼ、その一兆七千二百億のうちの二百億
程度
ということでございまして、まあいわゆるデータの
赤字
を
公社
は埋めるというこではないということでございます。
塩出啓典
193
○
塩出
啓典
君 二百億というのは、創業以来の
データ通信
に対する
設備投資
とか、そういうものを全部勘案して二百億の
赤字
という意味じゃないわけでしょう。結局、五十一、五十二、五十三年度の単年度収支の合計の
赤字
が二百億というわけでしょう、それじゃ話にならぬと思いますね。その前が問題なんですから、いままでが問題なんですから。しかも、いまの本部長の話では分けてないという話じゃないですか。 私は、たしかこの前の広域時分制のとき、当
委員会
の会議録は持ってきておりませんが、そのときに、総裁はやっぱり
データ通信
部門の
設備投資
は全部分けているという、そういう答弁だったんですよ、ここは。もちろん共通で使う
設備
はあるでしょうけれ
ども
、そういうような点、もう少しやはり納得のいく
説明
をしていただかないと、私たちはやっぱり素人なんですから、その素人でもわかる
説明
をしてもらわぬといかぬと思いますね。
遠藤正介
194
○
説明員
(
遠藤正介
君) 私も確かにその記憶がございます。それで当初から総裁から
独立採算
ということは私
ども
命ぜられておりまして、
独立採算
にいたすためにはやはりその分計の方法をいろいろ研究をいたさなくちゃいけない。システムが非常に大きくなれば分計も幾らか楽になるんですが、非常に少ない段階では、御案内のように、非常に分計はむずかしいわけでございます。まあはっきり申し上げてその作業に一、二年かかりまして、結局、四十八年度の決算からそういう数字が出てきたわけです。しかし、その前に、数字はわかりませんが、あったことは確かだと思います。 それから、いま計画
局長
が申し上げた数字は、確かに五十一年から五十三年の予想分計でございますが、これのほかに四十九年、五十年の決算の
赤字
もすでにあるわけでございます。したがって、いまの断面におきましては確かに
データ通信
の
赤字
が
電話
の
料金
にはね返っているということは皆無とは言えないと思います。ただ、その比率から申し上げますと、先ほど御
説明
しましたように非常に少ない比率であるということと、それからもう
一つ
は、今度の法定
料金
ではございませんで、これと同時に行われます認可
料金
の中で特定回線ですとか端末回線を
値上げ
をいたしまして、
データ通信
自体としてそれを戻していくということにいたしまして、結局、全システムとして五十三年度から収支とんとんに持っていくと、こういう計画を私
ども
持っております。
塩出啓典
195
○
塩出
啓典
君
遠藤
総務理事が五十三年度には何とか収支とんとんに持っていきたいと、これは五十三年度という単年度の収支をとんとんに持っていきたいと、こういうことですね。そういう点どうでしょうか、いまの
説明
でもわれわれは何となくわかったようなわからないような気がするわけなんです。 確かに一般加入
電話
とか、そういう方面の
設備投資
の金額とか
収入
に比べれば、
データ通信
関係の占める割合は非常に低いですから、少々こっちで
赤字
出たから、それが七円が十円になったということは、それはないでしょうけれ
ども
、しかし、七円が十円になるうちの、三円値上がりする、まあ何銭か知りませんけれ
ども
、それはやはち影響があるわけで、そういう意味をもう少しわれわれに納得できるような
説明
——まあ
説明
よりか資料がないものかどうか。それはおまえの勉強が悪い、仕方が足りぬからで、もっといろんなものを見て調べろと言われりゃそれまでかもしれませんけれ
ども
、もうちょっと
公社
としても親切に、
データ通信
部門の収支はこうなんだと、いまは
赤字
だけれ
ども
、将来、今度はほかのいわゆる専用回線とかそういう方面で埋め合わせをして、結局、一般加入
電話
にはそういう影響はないんだということを、口で言うんじゃなしに、もうちょっと証拠をもって
説明
できないものですかね。そういうデータはないんですか、
公社
には。
遠藤正介
196
○
説明員
(
遠藤正介
君) まあどの
程度
の資料をお出しすればおわかりいただけるか、実は見当がちょっとつきかねておるんですが、るる申し上げておりますことは、
一つ
のシステムごとに八年で収支のバランスをとる、こういうぐあいにいたしております。したがって最初うちはどうしても平均よりも低目に出まして、四年目からいろいろな黒字になってくるわけです、各システムとも。それで、それは各システムでございますから、
データ通信
全体としては後から追っかけ追っかけ新規
投資
がございますから、ある
程度
安定した状態にならないと、その数字が実際に出てこないわけでございます。それは五十三年度大体出てくるであろう。 で五十三年度単年度というのは、五十三年度単年度だけ黒字になって、また五十四年から
赤字
になるという意味ではもちろんございません。それから先は黒字でずっと、もっとさらに黒字幅がふえていって、そして過去の大げさに言えば累積
赤字
を吸収していくと、これはいまの
データ通信
の
料金体系
そのものから御
説明
ができるのではないかと思っております。
塩出啓典
197
○
塩出
啓典
君 そうしますと、八年で
減価償却
するのじゃなしに、八年目にようやくいわゆる損益分岐点を越えて、それから後何年かたつうちにやつっぱり収支償っていくと。そうなってくると、このコンピューターの
耐用年数
というのは、それはちょうど八年がまん中だとすれば、やっぱり十六年間の長い見通しの上に採算を考えているわけですか。
好本巧
198
○
説明員
(好本巧君) いまのは八年がまん中ではございませんで、耐用命数は八年と決めておりますので四年がまん中でございまして、五年目から黒字になっていくと。四年間の
赤字
を五年目からだだだん消していって八年目で消すという、そういう意味でございます。八年がまん中じゃございませんで、四年がまん中でございます。
塩出啓典
199
○
塩出
啓典
君 それなら八年目までには、もう大体単年度だけの
赤字
解消じゃなしに、実際はもっと
減価償却
もしてなくちゃいけないわけでしょう。しかも、いまさっきも話しましたように、
データ通信
のうちのいわゆる科学
技術
計算
あるいは販売在庫管理の両
サービス
、こういうものもかなり
景気
の動向を反映をして解約が出ているわけですね。四十八年、四十九年、五十年の実績も計画を大きく下回っているわけでありますが、そういう中で五十三年度までに黒字というのも、これはまだ実際は単年度の黒字であって、決してよくないわけで、その五十三年度の単年度の黒字が果たしてできるのかどうかですね、できるのかどうかといって、先の話ですから、ここでできると言えばそれまでかもしれませんけれ
ども
、いままでの
赤字
から見ましても大体四十八、四十九、五十と
赤字
はどんどんふえてきておるわけですね。これがばっと五十一、五十二、五十三で上向いてゼロになっていくということは計画として予想されますか。 〔
委員長
退席、理事
最上
進君着席〕
北原安定
200
○
説明員
(北原安定君) 補足
説明
さしていただきますが、この
サービス
を始めましてから私
ども
日がまだ非常に少なくて数年の経過しかございません。したがいまして好本が
説明
しましたように、八年のシステムライフといいますか、その中で回収するのに、その前段の四年に該当するシステムが多いということでございます。そして年々の
増加
といいましても、そう毎年コンスタントに一定にふえているわけじゃなくてしますために、累積するシステム総数の平均使用
年数
が四年の線をだんだん超えてくる、そういうことで五十三年から単年度で黒字の方向に行く。 それから先生もう
一つ
言われました公衆
データ通信
サービス
、この方は実はミニマムコストという点で考えまして八年が適当であるかどうかということについては
一つ
の
検討
事項を含んでおります。ということは、
ユーザー
単位でやります個別
サービス
はIBMのやってまいりましたやり方で、コンピュータのコストパフォーマンスから八年くらいで次のコンピューターが出てくる、したがって従来のやつも物理的には十分使えるのだけれ
ども
、それを新しいやつに取りかえて、そして市場独占の方向をやってきたその先住民族のIBMの方式をやはり無視してやることができないために私たちも八年のシステムライフと、物理的にはもっと使えるものでございます。したがって公衆データ
サービス
というのは多数の中小
企業
の皆さんが共同でお使いいただくものでございます、これも一応八年で
計算
しております。しかし、これは八年が来たからまだ十分使えるのに無理して放棄するという性質のものではなかろう、もう少し長期に使えるのじゃないかということと、全国にネットワークとしてこれを
構成
していくためにだんだんコンピューターを全国的に設置していく、そのために当初はどうしてもシステムの中に満杯になるだけ収容ができない、だから徐々にそのシステムが満杯になるように収容していくということで、公衆データ
サービス
の方は各種
サービス
よりはもう少しく見方が変わる部分もございます。そんなようなことも考えまして、五十三年度単年度で黒字になる見通しを持っておりまして、それ以降、特別の変化がない限り、年々黒字の方向に進むものと考えております。
塩出啓典
201
○
塩出
啓典
君 よくわかりませんけれ
ども
、後でゆっくり会議録を読ませてもらいます。いずれにいたしましても、三年後に黒字にするとここではっきり明言されたわけですから、その結果を見て、三年後にまた——そのときにはもういらっしゃるかどうか知りませんけれ
ども
、そういう点、われわれの非常に心配しているところでありますが。 そこで、この白書を郵政省が出しておるわけでありますが、あの白書等にも
データ通信
等についてのいわゆる財政問題については特別には書いてないわけですね、
電電公社
全体の財政というのはあるわけですが、やはり
独立採算
にして、これはまあ皆さんから見れば何もそんなに分けなくても同じ
公社
がやっているんだからおれたちを信用しろと、こう言いたいかもしれませんけれ
ども
、先ほど一番最初に話しましたように、
国民
の批判の目も厳しい時代なんですから、やっぱりそういときには何だかんだ言われないようにはっきりしていくということがぼくは大事じゃないかと思うのですね。そういう点で、この白書等にも
データ通信
の収支と申しますか、そういうものをやはりはっきり明示をして、それで
国民
の
理解
を求めると、こういう方向にすべきではないか。 これは郵政大臣に
提言
したいわけでありますが、その前に、
公社
の方として、もし郵政大臣の方からそういう要望があれば、できるかどうかですね。実際には、いまさっき言った割り振りをどうするかという、そういうことはちょっとむずかしいとおっしゃってましたけれ
ども
、もうできているわけでしょう。だから、これからはできるんじゃないですかね、その点どうでしょうか。
遠藤正介
202
○
説明員
(
遠藤正介
君) これは
昭和
四十九年からでございましたか、一本の決算のほかに、先般お話ししましたように、五大重要品目について累計を——仮の累計でございますが、いたしまして、一応公表するようになった。したがいまして、当然、郵政省にもお隠ししているわけでございません、それをお使いいただいて、そういう白書を編さんされることにつきましては私
ども
も決して否定をするものではございません。
塩出啓典
203
○
塩出
啓典
君 郵政大臣、わかりましたか、質問は。そんならお答えをしていただきます。
松井清武
204
○
政府委員
(松井清武君) 先生の御
意見
を踏まえまして、
検討
させていただきます。
塩出啓典
205
○
塩出
啓典
君 まあ
検討
じゃ余りよくないわけですけれ
ども
、ひとつ前向きに
検討
していただきたいですね、お願いしておきます。 それから
データ通信
関係の
料金
については、これは認可
料金
である、そういうことで、今回、われわれ庶民の方の
値上げ
だけをして
データ通信
を
値上げ
せぬのはけしからぬではないか、こういう庶民感情があることは事実でありますが、 〔理事
最上
進君退席、
委員長
着席〕 これは
公社
としてはやはり多少今回の
法案
が通った後時期を置いて
検討
すると、そういうことと
理解
していいわけなんですか。
遠藤正介
206
○
説明員
(
遠藤正介
君) 結構でございます。
塩出啓典
207
○
塩出
啓典
君 で、どうなんですか、いま
公社
も銀行関係などはいろんないわゆるオンラインの
サービス
をやってますね。そういうことをしてやった銀行とかそういうところは、
企業
においては、それだけの効果が出ているのかどうか、その点どうなんですか。
山内正彌
208
○
説明員
(山内正彌君) もちろん
企業
の秘密というような点がございますので、この
データ通信
サービス
を実施したからどれだけそれによって利益が上がったというような御発表は各銀行ともございませんので、推定する以外にないわけでございますけれ
ども
、相当大きな効果は各
企業
に与えていると思っております。
塩出啓典
209
○
塩出
啓典
君 これは実は「金融と銀行」という雑誌に載っておるわけでありますが、それによりますと、たとえば都銀上位銀行ではオンライン実施後第二年度までは
赤字
で推移するが、第三年度からは黒字に転換、第六年度目には四十八億円
程度
の利益を生ずることになる。都銀の下位銀行はやはり三年目まで
赤字
、四年目から黒字、第六年目には二十一億の収益が出る。相互銀行なんかの場合は、これはコンピューターをレンタルすれば二年度目から黒字である。こういうようにいろいろ銀行について書いておるわけですね。 そうしますと、これは
電電公社
が八年たってようやく単年度収支が償うぐらい一生懸命努力をしてそういう
サービス
をしている。
サービス
を受けている方は二年目でばっちり、二年目以後に黒字になっていると、こういうことはわれわれとしても非常に
国民
感情から見て納得のいかない事柄ではないか。したがって最近は銀行が一番利益率を上げているという、そういう状況の中で、こういう銀行等に対する
料金
等の問題とか、そういうものはやっぱりどうなんですか、もう少し大幅に上げてもいいんじゃないかと、この点どうですか。
北原安定
210
○
説明員
(北原安定君) 銀行の方がどういう状態になっているか、私
ども
つぶさではございませんが、先ほど八年というシステムライフの中で、前半は
公社
が
赤字
で後半は
公社
黒字ということは、それだけこのシステムを導入しやすくする、すなわち
ユーザー
がそれだけ前半
負担
が多いので、その
負担
を少しでも楽にして、後半黒字が出てくるのを
公社
がそれをいただくと、こういう考え方に立っておりますことと先生のいまの
説明
は合うように思います。ただ、二年でいいのか三年がいいのか、その辺わかりませんが。 ところで、このコンピューターの
サービス
の分野、
データ通信
の分野は、
公社
は電信
電話
の
サービス
と違っておりまして、要するに
民間
企業
との競合のある分野でございます。したがいまして私たちが選んでいる道はやはり国家的なシステム、たとえば公害とかあるいは医療というようなものを主としてやろうとか、全国にまたがってくるような大きなネットワークになるようなもの、たとえばいま先生の出された銀行のシステム、それから開発先導的なもの、あるいは大衆が特にコンピューターを使おうと思っても、それだけの資力も人間的な能力もないというところに
公社
が手を差し伸べる、こういうような国家的な、それから国益的な面に多くの力を入れておるわけです。そういうようなことがございますのと両方でございまして、ただいまやっているような、すなわちナショナルプロジェクトに相当するようなのは
比較
的政府との関連になってくるから、他の一般の
民間
の競合の中にはなじみにくいかと思いますけれ
ども
、そうでない全国的なようなものは、どちらかといいますと
民間
との競合になってきやすい。 逆にいきますと、先ほど言いましたように、IBMがやってきたような
料金体系
というものを、すなわちレンタルというようなものをベースにして
ユーザー
はいろいろ考えるわけでございます。それと
公社
の
サービス
、あるいは広い意味での
サービス
の中に
料金
も入るわけですが、それとのバランスの上に立っていろんな
検討
をされると思います。そこで私たちもできるだけの努力をしてシステムがミニマムコストになるような努力をする、そういうことでやっておるのでございますが、
電話
のように、それを
設備料
、
基本料
あるいは
度数料
というような単純明快にはなかなかやりにくいわけでございます。そういうところでしたがって制度を違えていかなければならない、そういうことでなかなか見にくい点がございますが、最初のうち
公社
の方は
赤字
になる、したがってそういう部分をいろんな形で借入金等で
負担
、あるいは一部
負担
を端末機などにはしてもらいながらやっていくという形でございますために、御指摘のように、そこから何といいますか
民間
がIBMを中心としてなじんできたやり方をある
程度
は若干崩していますけれ
ども
、余り崩すとなじみにくくなってやりにくい。そんなようなところで御指摘のように余り
公社
式の方法ですとなじみにくくなって、したがって
ユーザー
もやりにくいというようなことで、その辺の調和をこの際指摘しましてまだ数年でございますので、見ながら進んでいるというのが実情でございます。
塩出啓典
211
○
塩出
啓典
君 要は
赤字
を余り出さぬようにやってもらいたいという、その結果をひとつ見ていきたいと思うのですけれ
ども
、また、いまもちょっとお話が出ましたけれ
ども
、やっぱり
民間
と競合している部分もあるわけで、そういうところは
民間
の
料金
もあるし、こっちだけ勝手に決めて変えるわけにもいかないし、そういうような問題はどうなんでしょうか。これは先般もこの当
委員会
で公述人の方からもありましたけれ
ども
、
公社
はやはりもっと本来の業務に徹すべきじゃないか、そういう点で余り
民間
と競合する部門に進出していくということは果たしてどうなのか、これは非常に大きな問題でいろいろな
意見
もあると思うのですけれ
ども
、総裁としてはどうなんでしょうか。やはり
公社
の歩むべき方向というものは、将来の危険
負担
とか、そういうことで
民間
ができない、そういうところをやはり
公共企業
体としてやっていくべきじゃないかと思いますが、その点はどうなんですか。
米澤滋
212
○
説明員
(米澤滋君)
データ通信
の発足時におきましては、いろいろ御
意見
がこの
委員会
等においてもございました。これは独占ではございません、
データ通信
につきましては。したがって
公社
としては、いわゆる医療とかあるいは公害防止、流通機構の改善、そういういわゆるナショナルプロジェクトに力を入れていく、そういう
公共性
の強いものに力を入れていくというふうにしたいと思います。
塩出啓典
213
○
塩出
啓典
君 それでは
データ通信
の
最後
に、四十九年九月の行政管理庁の勧告におきましては、役務提供前の契約解除または中途解除が生じた場合、いわゆるその契約解除によって、
公社
としてはそれまでいろいろ
データ通信
のプログラムを開発しておる、そうすると、そういうものが契約解除になると、そのプログラム作成の費用を回収できない、こういう契約方式を早急に
検討
するように、こういうことを勧告を出しております。それに対して、郵政省は早急に
検討
するよう
電電公社
に指示をした、こうなっておりますが、これはもうそういう契約はできたのでしょうか。
遠藤正介
214
○
説明員
(
遠藤正介
君) これはいまの勧告がございまして、郵政省からの指示がございまして、私
ども
の方でいろいろ研究を重ねてまいりました。
一つ
は、一番大きな問題は、これもやはり
民間
、特にIBMあたりはそういう点を非常に逆にねらっているわけでございます。そこらの点も考えまして、いろいろ契約のやり方、あるいはいわゆる違約金と申しますか、そういうものの取り方、これを考え、一応成案ができましたので、近く郵政大臣に御認可をいただくように要望しております。
塩出啓典
215
○
塩出
啓典
君 わかりました。 じゃ次に、最近、PBX等の販売保守委託会社、そういうものを
公社
が出資をしてつくると、こういうことで問題になっておりますが、現在、
公社
が出資をしている会社の概要及び今後の出資予定の会社はどういうものがございますか。
遠藤正介
216
○
説明員
(
遠藤正介
君) これはいまから一年ないし二年前から、私
ども
はいろいろ研究をいたしておりますが、御案内のように、PBXあるいはビル
電話
、その他の端末につきまして、非常に妙な言葉ですが、直営という言葉と自営という言葉がございます。直営というのは
公社
が直接販売、保守をやる、それから自営というのは
民間
の方が販売、保守をやる、こういうものでございますが、この二つをこのままの形で通じていくことにはいろいろ問題がございますので、できるだけ
公社
としても
サービス
面からそういう会社をつくってやっていきたいと、
民間
と協力して
一つ
の会社をつくって、特に大都会あたりについてはそういう会社をつくってやっていきたい、こういう構想で
民間
と折衝しておったんでございますが、そのうちに現在の不況期が参りまして、一応、その話を凍結をいたしております。したがって、現在の段階では、まだ予定の
投資
をする会社をつくっておりません。いまの御質問の、すでに
投資
をした会社はないわけであります。近く
景気
が回復をいたした上で、そういう問題を改めて
民間
の方と御協議をしたい、このように思っております。
塩出啓典
217
○
塩出
啓典
君 そうすると、現在まで
公社
が出資している会社というものは全然日本にはないわけですね。
玉野義雄
218
○
説明員
(玉野義雄君) 現在までいたしておりますのは、先ほど御質問のございました船舶通信をいたすための日本船舶通信という会社がございますが、ここに六億七千五百万円出資いたしました。それからあとは、皆さん方ポケットベルと言っております携帯用の無線のあれでございますが、あの会社が現在各
地方
ごとに十三ございます。ここにそれぞれ出資いたしております。それからそのほかに、これは別関係でございますが、KDDに一部出資しておるのがございます。
塩出啓典
219
○
塩出
啓典
君 どうでしょうか、いままで
公社
が保守をやっておったわけですね。それをいつまでも
公社
がやるのは大変だから別な会社をつくると、そういう御趣意だったんですね。大体、そういう、いままで
公社
がやっておった仕事を
公社
から離して、いわゆる業者などと一緒に販売保守委託会社をつくるという、そういうことなんですね。
遠藤正介
220
○
説明員
(
遠藤正介
君) 誤解をなさるといけませんので正確に申し上げますが、販売と保守を端末につきまして委託会社をつくるという意味です。完全に切り離すんじゃなくて、委託会社という形でやっていきたいというのが私
ども
の当初の方針でございます。いまの船舶とかポケットベルの話は別でございます。
塩出啓典
221
○
塩出
啓典
君 これは全国の
電話
設備
業界がやはり非常に死活問題として深刻な影響があると。そういうことで、
公社
にもこういうものはやめてもらいたい、そういうものはわれわれ業界に任してもらいたいと、こういう要望が強く出ておるわけですけれ
ども
、で
公社
はまあそういうようなことは関係なしに——いろいろ話し合いもしているようですけれ
ども
、この
料金
の
値上げ
以降においてはこれをつくると、こういう考えのように
理解
をしているわけですけれ
ども
、それはやはりそういう会社をつくるんですか。
遠藤正介
222
○
説明員
(
遠藤正介
君) その死活問題だと言って
反対
しておられることは私もよく承知しております。で死活のうちの活の方を私
ども
は言っておるので、このままでまいりますとやはり自営の方々は先細りといいますか、になると思うのです。むしろそういう方々のお力も拝借して委託会社にした方が私
ども
はそういう業界のためにもいいと思っておるんですが、長年やっておられる方にはなかなかその趣旨がよくおわかりにならない点もありますし、たまたま不況期でもありまして、何か
公社
が仕事を取り上げるんじゃないかという誤解もあったようでございます。したがって、いまは凍結をしておりますが、ゆっくりお話し合いをすればおわかりになると思うので、つくるつくらぬの前に、よく
民間
の方々とお話をして、納得を得られればつくりたい、こういうぐあいに思っております。つくるというように決めたわけでもございませんが、少なくとも私
ども
の意図はそういうものでないということをよく御納得のいくように話し合いをさらに継続はいたしたいと思っております。
塩出啓典
223
○
塩出
啓典
君 私は、そういう、いままでいろいろ
電電公社
に協力をし、また自営用品の販売とか保守とか、そういうことをやってきたたくさんの歴史を持つ
人たち
もいるわけで、そういう中で、いまのお話では、いまのままでは先細りになる、だから、こういう会社をつくらなければならないという、そういう意味がちょっとわからないんですよね。この目的は何ですか、一体。
遠藤正介
224
○
説明員
(
遠藤正介
君) 御存じのPBXというのは、これも
技術
的にいろいろ進歩してまいりますし、で進歩してまいりますのはやはり
公社
でそういうものを新しくつくっていくわけでございますね。そういったような形で、もしこのままの状態でいきますと、直営の方がずっとそういう新しいものができますから、古い型のものはどうしても先細りになる。あるいは先般来お話の出ているビル
電話
ですとか、そういったようなものについては、現在、やはりPBXの業者の方は全然御関係がないのですから、やはり私
ども
はPBX、ビル
電話
の
サービス
からいいましても、たとえば土、日に会社が休みのときに
電話
機の移転をしたい、こういう会社が非常に多いのでございます。そういった点はやはり
公社
としてはなかなかむずかしい点もございますので、むしろそういうところへいまの自営のPBXの業者の方々のお力を使うとか、あるいは販売網といたしましても、これだけ端末がたくさんふえてまいりますと、やはり幾らかそういう方々のお力もかりた方がいい場合もございます。 そういったような面でこの考えを持っておるわけでございまして、同時に、これは中の職員の問題にも関係することでありますから、片や
民間
の業者の方、片やうちの
労働組合
とも十分話を進めていかなくちゃいけない問題だと思っておりますが、決してごり押しをして、ぐじゃぐじゃにまあわけのわからないうちにつくると、そういうつもりは毛頭ございません。
塩出啓典
225
○
塩出
啓典
君 非常に結構な目的なんですけれ
ども
ね。しかし、彼らが非常に恐れていることは、いま言われたように、直営の方はどんどん
技術
が進んでいくでしょう、そういう自営の方はおくれていく。そういうわけで、そういう自営用品の
人たち
が
一つ
に集まって、そして
公社
の
指導
を受けて
技術
をみがき、現在は
公社
が管理しているビル
電話
とか、そういうようなPBX等にも進出をしていくと、こういうのであれば非常にいいわけですけれ
ども
ね。 ただ、彼らが今日までのいろいろな歴史から心配しているのは、結局、そういう会社ができると全部
公社
の人が天下りしてくるんじゃないか、それで結局
公社
の流れをくんだ者、そういう者だけ日の当たる場所になって、そういう日の当たらない
人たち
、
公社
にはいはいと言う人は非常にいいけれ
ども
、それ以外の者ははみ出されていく、こういうようなことを一番心配しておるんじゃないかと思いますけれ
ども
ね。そういう当初に心配をしておるということを私は総裁に申し上げたいわけですけれ
ども
、総裁としてはどうされますか。
米澤滋
226
○
説明員
(米澤滋君) お答えいたします。 先ほど
遠藤
総務理事が答えましたように、つくる場合にいたしましても、業界の方あるいは
公社
の内部の
労働組合
その他とも十分話し合って進みたいというふうに思い、慎重に処理したいと思います。
塩出啓典
227
○
塩出
啓典
君 そこで、この問題に関連するわけですけれ
ども
、いわゆる関東
電気通信
資材株式会社、こういう会社があるわけでありますが、これはどういう会社であるのか。これは
電電公社
の資材にも関係のある会社のようでありますし、まあ
電電公社
としてはこういう会社をつくるように
指導
したのか、またこの会社をつくった目的は何なのか、そういう点はどうなんですか。
山口開生
228
○
説明員
(山口
開生
君) お答えいたします。 いまお尋ねの関東
電気通信
資材株式会社でございますが、これに関東エリアにおきます私
ども
の通信建設の請負業者が共通の資材——これは工事用の資材でございますけれ
ども
、業者が準備いたします工事用の資材につきまして共同に購入をする、こういうようなことを目的としましてつくった会社でございます。この会社は、各種の
電気通信
資材の調達、いま申しました調達関係、あと販売あるいは加工、こういったものを初めとしまして、工事用の機械工具の修理なりあるいはレンタル、そういったものをそのほかに行っております。
—————————————
森勝治
229
○
委員長
(
森勝治
君)
質疑
の途中でございますが、
委員
の異動について御
報告
いたします。 川野辺静君が
委員
を
辞任
され、その補欠として
福岡日出麿
君が選任されました。
—————————————
塩出啓典
230
○
塩出
啓典
君 それで、いまのお話では、関東
電気通信
資材というのは、いわゆる
公社
の仕事をする請負業者が資材を共同で購入するためにできた会社である、こういうお話であります。まことにそういう趣旨である限りは非常にいいと思うんですけれ
ども
、これは業者の方の自発的な意思でできたのか、
公社
の
指導
のもとにできたのか、その点はどうなんですか。
公社
としては、そういうようにつくるように
指導
したのかどうか。
山口開生
231
○
説明員
(山口
開生
君) 最初、やはり業界の方で共同に購入した方がいろいろのメリットがあるということで発案されたものであります。これを受けまして、
公社
の方もそういったものができることによりまして安く工事に要しますものが共同購入できることは大変結構なことでございますので、これを認めてございます。
塩出啓典
232
○
塩出
啓典
君 これは、現在、いま私が申し上げたのは、関東
電気通信
資材株式会社という、これは関東の場合でありますが、いろいろ調べてみますと、これは全国の
電気通信
局単位にそういう会社ができているように思うわけであります。その点は間違いないですね。
山口開生
233
○
説明員
(山口
開生
君) お答えいたします。 全国の通信局管内に全部持っておりまして、全部で十の会社がございます。
塩出啓典
234
○
塩出
啓典
君 これはどうですか、共通の資材を共同購入するための下請業者のつくった会社であると、しかし、いろいろ聞いてみますと、その役員はほとんど大半が、その業界の生え抜きの人ではなしに、
電電公社
から行った
人たち
であると、大体
局長
クラスである。関東
電気通信
資材の場合は役員が何人いて、
公社
の出身者は何人でしょう。
山口開生
235
○
説明員
(山口
開生
君) 関東資材の場合をとりますと、役員が監査役を含めまして九名おります。そのうち
公社
から直接行ったという役員はございません。一応、先ほど申しましたように工事会社の共同出資でできておりますので、建設工事会社からこの会社に役員に入っている中で
公社
出身者は六名でございます。
塩出啓典
236
○
塩出
啓典
君 この
人たち
は最終ポストは大体どのぐらいのポストなんですか、大体
地方
の
局長
さんクラスですか。
山口開生
237
○
説明員
(山口
開生
君) 社長をやっております
遠藤
正孝というのは
東京
市外
電話
局長
でございます、最終ポストは。
塩出啓典
238
○
塩出
啓典
君 いや、六人いらっしゃるわけでしょう、みんなで、
公社
の出身者が。六人の人のたとえば
局長
クラスとか、あるいは
課長
クラスとか、最終的なポストはどの
程度
でしょうかと、わからなければいいですよ。
山口開生
239
○
説明員
(山口
開生
君) 先生おっしゃいますとおり、大体
局長
クラスが多いと思います。
塩出啓典
240
○
塩出
啓典
君
公社
がいろいろな仕事を発注する場合に、いわゆる
電電公社
が資材を供給する場合と、それから業者が直接買って使用するいわゆる直接材、こういう二種類がある。特に屋内外線、屋外内線というのですか、こういうものに関しては
公社
支給材ではなしに、直接にその下請業者が買う材料が非常に多いと、このように
理解
をしていいのでしょうか。
山口開生
241
○
説明員
(山口
開生
君) ただいまお話がございました、屋外、屋内と実は言っておりますが、屋外線と屋内線、これは
電話
の配線に使う線でございますけれ
ども
、
公社
が支給する材料を
公社
支給物品と言っておりまして、業者が準備する物品は業者提供物品、こういうふうに私
ども
は申しておりますが、その線類は業者提供物品でございます。
塩出啓典
242
○
塩出
啓典
君 このいわゆる
電電公社
が支給する材料ではなしに、業者が工事をするためにいろいろ材料を使うわけでありますが、この材料について、下請あるいはその二次下請、そういうものが関東
電気通信
資材の品物を買わなければならない、こういう方針でございますか、
公社
としては。
山口開生
243
○
説明員
(山口
開生
君) 先生下請とおっしゃっていますのは、実は、私
ども
では元請認定会社と言っておりますけれ
ども
、工事を請け負っております工事会社、認定会社は、
公社
が業者提供物品とは言っておりますけれ
ども
、この線類につきましては品質を非常に重視しておりまして、との線については
公社
が事前に検査をしております。したがいまして、その検査物品が正常なルートで建設業者に渡るためにはやはりルートをはっきりしておいた方がいいということから、この流通経路をとるように指定をしております。
塩出啓典
244
○
塩出
啓典
君 したがって、いわゆる元請認定会社とか、そういうところが使う資材というものは流通経路を明らかにするために必ずこの関東
電気通信
資材株式会社を通して買わなければならない、こういう方針で行政
指導
をしてきておるわけですね。
山口開生
245
○
説明員
(山口
開生
君) 強く行政
指導
しているというわけではございませんけれ
ども
、やはりその方が安定した品物を業者が購入するためにも便利であり、また総合的に業者が出資してつくりました共同購入機関でございますので、総合的にはやはり経済化の方向にある、こういうふうに思っておりますので、一応、そのルートを通すことを認めております。
塩出啓典
246
○
塩出
啓典
君 そうしますと、そういう共同購入をして、非常にほかより安ければこれは一番いいわけですけれ
ども
、それが非常に値段が高いと。で、やはり同じメーカーの同じ製品を使っても、そういうものを使うと
公社
からやかましく言われる。しかし下請業者としてはやっぱりできるだけ安いコストで、同じ品物で安いんであれば、これはできるだけ安い方がいい。そういうのを使うと今度はもう圧力がかかる。そういうことで、どうもそういう品物に関東
電気通信
資材の検査を通過したというラベルを張っておるわけですね、品物に。皆ラベルを張っておる。そのラベルのない品物はけしからぬじゃないかと。なぜラベルの会社を買わないんだと。そういうことが行われておるわけでありますが、これはやはり
公社
として認めるわけですね。
山口開生
247
○
説明員
(山口
開生
君) お答えします。 ただいまも申し上げましたように、その流通経路が一元化されていることの方がより安い品物が入手できるというふうに私
ども
思っておりますし、まあ実際にそのように運営されているわけでございますが、そういった点で、流通経路が一元化されているということと、
公社
の検査合格印が張ってあるものを扱っているという、その印のためにあるシールを張っているということは認めております。
塩出啓典
248
○
塩出
啓典
君 だから、その点はどうなんですか。私は、品質はやはり信用のあるものを買わなければならない、そういうことで
公社
がいろいろ検査をする、それは必要でしょう。しかし、関東
電気通信
資材を経てなければ使ってはならないとか——それはやはり流通経路の一元化ということはいいかもしれませんけれ
ども
、しかし、ある場合にはもっと信用できるメーカーから直接買って、その方が安い品物であればそれはどんどん使ってもいいですよ、素性のわからない、信用のおけない品物をつくることはこれはよくないにしても。そういうことで、何か関東
電気通信
資材、しかも九人のうち六人が
公社
の関係の
人たち
である。そういう会社を通らなければ、通った品物を使わなければ、それを使ってはならぬと、こういうようなことは、いままで一生懸命安い品物を供給していた、ほかのそういう線材なりを供給する業者を圧迫をしておるわけですね。こういうようなことは
公社
の方針として私はちょっと行き過ぎじゃないかと思うんですが、その点どうですか、総裁。
三宅正男
249
○
説明員
(三宅正男君) この問題、もうすでに七、八年前からこの屋内屋外線の業者提供ということをやっております。このやりました動機は、屋内屋外線というのを実際の宅内の配線に使います場合に、その
加入者
のお宅の様子いかんによって屋内線、屋外線の使用量がいろいろ違ってまいります。たくさん要るお宅もあれば、少ししか要らないお宅もある。そこらを
公社
の支給物品といたしますと、一々全部、何メーター使って何メーター返納するというようなことを一々やらなければならない。こういう煩瑣がございましたために、一般的に申しますと、業者提供物品はいわゆる品質の点でも一般市販品
程度
でがまんのできる物と、こういう物をいたしておるわけでございますが、この屋内屋外線に限ってこういう制度をとったわけでございます。 ところで、その場合に、先ほど建設
局長
申し上げましたように、
公社
が品質を検査いたしまして合格した物だけを使ってもらいませんと、安い物が入ったんではこれは困ると、こういうことがございまして、同時に、この屋内屋外線をつくっております電線メーカーが非常に小さなメーカーでございます。これは大きなメーカーではつくっておりません。したがいまして電線メーカーの方は、
公社
がこういう業者提供物品にいたしますと自分らは一体どうなるんだという不安も持っておりまして、電線メーカー非常に中小
企業
のメーカーが集まりまして販売協同組合をつくりまして、これを通して出荷する、こういうことに電線メーカーの方はいたしたわけでございます。これは中小
企業
の協同組合として許可された協同組合でございます。したがいまして販売の方が口が
一つ
になってしまったということがございましたので、工
事業
界の方もやはり購入を
一つ
の口にしぼるということをいたしたというふうに私聞いておりますので、そういう意味で、先ほど建設
局長
が申しました流通機構が一本化していた方がいいと、こういうことになったわけでございます。
塩出啓典
250
○
塩出
啓典
君 総裁、どうですか、この点は。
米澤滋
251
○
説明員
(米澤滋君) 私も、実は、余り詳しいこと実際知らないんでありまして、よく調べまして、
検討
をさしていただきたいと思います。
塩出啓典
252
○
塩出
啓典
君 私は、本来の目的は非常にいいですよ、共同購入。けれ
ども
、結局、そういう会社が最初は業者の代表の会社であったのがだんだんたつうちに
電電公社
の、天下りという言葉が適するかどうか知りませんけれ
ども
、そういうものに結局支配されていってしまう、そうして
一つ
の流れ、言うなればそこが今回の場合もトンネル会社のようになって、
電電公社
がもうここの製品でなければだめだと。これは屋内線、屋外線だけじゃない。電柱のゴムバンドまでともかくここのを買わなきゃだめだと。それで
最後
には、
公社
の
電気通信
部がいろいろいままでは直接品物を買ったのを全部今度は逆にこういう各地にある
電気通信
資材、そういうものを使って買っていくと。そうすると、
公社
へ品物を納入するためにはどうしてもそのトンネルを
一つ
越えていかなければいけない、こういうようなことが
一つ
の利権にも結びついていく気が多分にあるわけであります。この問題はこの
程度
にとどめておきたいと思いますが。 そういう意味で、先ほど話の出ましたいわゆるPBX等の販売保守委託会社等にいたしましても、やっぱり何だ、
公社
の幹部の天下り先をつくるための会社じゃないかと、そういうことを言われるようじゃ困ると思うんですね。あくまでも、
公社
の
立場
ではなしに、今日まで営々として今日の
電気通信
、
電電公社
を中心とする
技術
の進展の陰には一生懸命努力してきたそういう業者がいるわけなんですから、そういう業者の
立場
に立って
公社
がやはりそれを応援をしていくと。 各通信局にこういういまのような会社ができると、今度は、さらにいろいろな資材を運搬する運輸会社が各通信局にできておるわけですね。今度はさらに保守会社が、今度はまた、いまは
東京
と大阪、名古屋でさらにできてくると、こういうような方向にいくことが果たしていいのかどうか。これは本当に慎重にやっていかないと、むしろ官側としては、そういう下請業者、一生懸命協力していた業者の
立場
に立って、それを
公社
が応援をしていく、こういう形にしていかなければならないんではないか。そういう点でひとつ、こういう問題については総裁も余り御存じないようでございますので、よくひとつ御調査をいただいて、また手を打っていただきたい。さらに、その問題も今後の
委員会
で問題にしていきたいと思いますけれ
ども
、その点よろしいでしょうか。
米澤滋
253
○
説明員
(米澤滋君) 先ほど申し上げましたように、私もよく実情を知りませんので、
検討
さしていただきます。
塩出啓典
254
○
塩出
啓典
君 この点は、郵政大臣、私は大きな問題じゃないかと思うのですけれ
ども
、郵政省といたしましても、ひとつそういう点にはよく気を配って対策を立ててもらいたい。先ほど申しました会社の設立等は、
遠藤
さんは話せばわかるというようにおっしゃっているようでありますが、私はそういうような会社は設立すべきではないと、そう思いますので、その点ひとつ慎重に対処してもらいたい。このことを要望しておきます。
福田篤泰
255
○国務大臣(福田篤泰君) 批判を受けるようなことのないように、十分注意いたしまして
指導
してまいりたいと思います。
塩出啓典
256
○
塩出
啓典
君 それでは、次に、
料金
の問題でありますが、御存じのように、現在、
電話
料金
というものはわれわれの自宅では知ることはできないわけでありまして、やはり時期を締め切って
電電公社
から請求が来て初めて幾ら使ったかということはわかるわけですね。そういう意味では、この間も新聞の投書に載っておりましたけれ
ども
、請求書が幾ら来るか、来てみなきゃ全然わからないのは
電電公社
の
電話
の請求書とバーの請求だけだと、こういう
値上げ
に絡んで投書がございました。 やはり、これからの低成長時代を迎え、国も
地方
自治体も税収が非常に少なくなってくる。したがって経費を節減をし、入るをはかり出るを制すと、そういう体質改善を迫られておる。
企業
も同じだと思うのですね。われわれ家計においてもどうやって
生活
を切り詰めていくかという、こういうことも非常に大きな問題になってくると思うんですね。そういう意味から、やはり
電話
料金
を何ぼ使っているかという、いまかけた
電話
料金
は幾らなんだと、こういういわゆる
料金
即知計と申しますか、こういうものが非常に必要である。これは私も当
委員会
でも何回か要望したことがあるわけでありますが、そういう自宅においてかげながらいま何ぼ使ったんだと、こういうような計器を開発することは、これは時代の要求であり、
公社
としても当然全力を挙げていかなければならない、私はそう思いますが、総裁の御
見解
はどうでしょうか。
米澤滋
257
○
説明員
(米澤滋君) 技師長からお答えさせます。
北原安定
258
○
説明員
(北原安定君)
電話
の
料金
をガス、電気のように宅内で見られるようにするということにつきましては、いろんな角度からそういう
ユーザー
及び
事業
の要請からもいろいろ研究をしております。世界各国、そういう方向のことが進んできておりまして、外国の一、二の例を申し上げますと、たとえばドイツ、イギリスなどで一部そういうのを提供しました。これはもうかなり前でございます。ところが、やってみますと、この
度数
計というものは大変精度の高いものを要求されます。ということは、宅内に置きますとエラーが非常にふえてくる。そこで正規の
電話
局のいろんなコンディションのいいところに置いてきちっとやっているものとの食い違い、誤差が出てきます。そこでドイツのようなところでは、誤差を生じた場合には、
電話
局内の
度数
計を正規のものとするというように法的にも明らかにしてそしてやっておりますが、しかし、分計、すなわち
料金
をある
程度
分計をするとか、あるいはある
程度
の予定を立てるという意味においては大変価値のある場合もありまして、当初かなりの量が出ていきましたが、最近、私の調べたものでは、ドイツでもイギリスでも約十万
程度
が宅内
度数
計として使用されているというところで非常に伸び悩んでおるのでございます。 ところで、
公社
にいたしましては、どうしていますかといいますと、かねてからこの宅内
度数
計の研究というものをやってきておりまして、その第一は、まず
度数
登算機能というものを宅内に送りまして、そのパルスでメーターを変えていかなきゃいけない。そのために宅内に行っている
通話
線路を通じてそのシグナルを送るわけですが、これが
通話
の妨害にならないように、かつ、いろんな意味において
電話
に機能がふえてまいりますから、そういう機能にも衝突しないように、いろんな研究を重ねておりますが、どうしても精度がなかなか上がりにくい点が出ております。 そこで、最近やっていますのは、PBXにまずひとつわかるようにしようと、それを可視式と称しておりますが、これでいろんなテストをやってみております。それから可聴式——耳で聞けるようにするものもやっておりますが、これはコンピューターのようなものを使って音声でその
度数
なり金額なりを表示するというようなことでございますが、この方は大変特定のところには便利ですが、一般家庭向きにはなかなかならないというようなことでございまして、現在の段階では、線路の特性に合って精度の高いものを提供していくということが大変むずかしい。それは
一つ
には宅内に置かれるコンディションの問題でございます。 ところで、また電気や水道、ガスというようなものとの食い違いでございますが、これは計量していけばいいということですが、私たちの方のは、非常に一
度数
七円というパルスを、正確に
九州
にかけた場合では二・五秒に一パルスを送るとか、都内ですと三分で一パルスを送るというように、その送る内容が従量的にただ一定に行くというものと違っておる点がまた大きな特色でございます。そんなようなことで、研究は進めております、前向きな努力もやっておりますが、現在、自信を持って提供できるようなところにはきておりません。テストは進めておる状況でございます。
塩出啓典
259
○
塩出
啓典
君 いま、そういうものが時代の要求として必要なんじゃないだろうか。先ほどからプッシュホンとかいろいろ出ましたけれ
ども
、そういう開発も必要でしょうけれ
ども
、むしろ
ユーザー
の
立場
に立つときには、私は、テレビ
電話
も大事でしょうけれ
ども
、やっぱりこういう研究をやることの方がもっと大事なんじゃないですかという、その
見解
を承りたかったわけですが、その点はどうなんです。
北原安定
260
○
説明員
(北原安定君) もちろん先生御指摘のように、こういうことが非常に正確にかつモダレートのコストで提供できるようになることが望ましいわけでございまして、私たちも、かなり前から、こういう方向の研究は研究所を中心にして、
技術
局などで
現場
試験な
ども
繰り返しやっておることは事実でございます。なかなかこれを
ユーザー
に、
加入者
に提供して、しかも
加入者
と
公社
の間にトラブルのないような見定めをするためには、なお今日の
技術
ではコストが非常に高くなって大衆化しにくい。というのは、これはただで提供するわけにもいかないんで、そういう希望者には有料で提供する。有料ということになりますと、コストダウンをしないとこれがなかなか普及がしていけない。こういうように努力はせいぜいやっております。
塩出啓典
261
○
塩出
啓典
君
公社
は、こういうものの研究に研究費をどれだけつぎ込んできたのか。研究はそのように部門に分かれることはできないかもしれませんけれ
ども
ね。たとえば何々プロジェクトチームとか、そういうようにやった場合には必ず予算がつくわけです。そういうようにはっきり
一つ
の計画を持って、これだけの予算を積んで研究をやったと、そういうことはあるんですか。
北原安定
262
○
説明員
(北原安定君) ただいま手元にはございませんけれ
ども
、
現場
試験をかなり実行しておることもございますし、
現場
調査というようなものもやりましたから、そういうものを集計すれば、先生のおっしゃるような金額のものは推計できると思います。
塩出啓典
263
○
塩出
啓典
君 まあ結局、
公社
のいろいろの研究の結果、結論としてはいいものはできなかった、いまのところはね。で、しかも非常に高過ぎるということをおっしゃっていましたね。たしか私ちょっとお聞きしたんでは、十六キロヘルツですか、ヘルツの新しいパルスを送って、そしてこのメーターを動かす、こういうやり方だと、大体、どれだけかかるんですか。
北原安定
264
○
説明員
(北原安定君) 手元に資料ありませんので、うろ覚えの点がありますから、後刻、また修正さしていただくとしますが、一番単純なもので一万円弱ぐらいじゃなかったかと……使用料でしたかな、あれは。ちょっとお待ちください。——それから、いまおっしゃるように、精度の問題がございますんで、精度もいまの局内
度数
計に近い精度のものにするためにはどうしても高くなると、こういうことでございますから、ある
程度
の目安のものでやるというなら、また別でございます。
長田武彦
265
○
説明員
(
長田
武彦君) お答えいたします。 先ほど先生御指摘の十六キロヘルツ、これを使います方式について、いままで大体
技術
局中心でいろいろ試作
検討
を進めていただいたものでありますが、もちろんその量にもよりますが、大体推定いたしますと、宅内
度数
計としましては、物品費では大体三万円
程度
ではないかというふうに想定をしております。
塩出啓典
266
○
塩出
啓典
君 これは三万円ぐらいでもうできるわけですね。三万円出せば、私が、じゃ三万円でつけてくださいと言えば、つけていただけるんですか。そういうのはもう完成しておるわけですね。
前田光治
267
○
説明員
(前田光治君) お答えいたします。 いま約三万円と申し上げましたのは、宅内におつけする機械の原価でございますが、そのほかに、先ほど先生おっしゃっておられますように、
電話
局の方から十六キロヘルツのパルスを送る装置を
電話
局につけなければなりません。あるいはお宅に取りつけ工事に行きます費用とか、そういうものがございますので、さらにその上に若干の上積みが必要であろうかと思います。 なお、先ほどから技師長申し上げておりますように、現在までのところ、
公社
が直接自信を持って一切誤差が出ないという宅内の加入装置をつくることはまだ研究中でございまして、できてございません。たとえて申しますと、月に七千円
度数料
をお払いになる方、これが
一つ
狂いますと七千七円という請求になることになります。これは千回に
一つ
も間違ってはいかぬということになりまして、〇・一%よりももっと高い精度がなければ御満足がいただけないということで、
技術
的に非常に精度に対する要求がむずかしいということに
原因
がございます。
塩出啓典
268
○
塩出
啓典
君 じゃ私が聞きましたコストは、ここへつけるだけのコストじゃなしに、やっぱり当然そういうのをするためには局内にも
設備
が要るわけですから、だから私の知っている範囲では、かなりあれは三万円どころの話ではない、西ドイツ等でやっているようでありますが、かなり三十万円か、こういう単位と
理解
をしているわけですけれ
ども
、全体のコストから見た場合ね。その点はどうなんですか。
長田武彦
269
○
説明員
(
長田
武彦君) お答えいたします。 私、先ほど御
説明
いたしましたのは、宅内
度数
計の物品費ということで、三万円というふうに申し上げました。あと工事をいたします費用でありますとか、それから局内側の装置、そういうものを含めますと、大体、この三万円が五万ないし六万円ぐらいにはなるんじゃないかというふうに考えております。
塩出啓典
270
○
塩出
啓典
君 それは、結局、今後その計画を実施に移せばそうなるということで、五万円出してそういうものをつけてくれると、こういうのは大体いつの予定なんですか、そういう計画あるんですか。
北原安定
271
○
説明員
(北原安定君) 先ほど来私申し上げておりますように、ただいま
料金
をいただくそのもとになるのは、
電話
局に
度数
計を置きましてそしてやっておるわけでございますが、これとほとんど同じ精度を宅内機器につけようとしますと、それまだ開発に努力しているところで、直ちにおつけするような見通しも立ちませんし、それからおつけする場合に、月幾らの使用料をいただくかという
検討
もしたがってできないような状況でございます。したがって制度的にこれを
検討
するのはまだ時期が早い。安くて、ただ分計
程度
でもいいからということになりますと、その
程度
のものをどうするかということにつきましては、まだ
検討
はいたしておりませんけれ
ども
、必要によっては社内で
検討
を始めることとしても結構かと思います。
塩出啓典
272
○
塩出
啓典
君 さきにいわゆる広域時分制ができますときに、
公社
はそういう
国民
の要望にこたえる意思で、あのとき三分のやつをつくりましたですね。あれは市内
電話
には確かにないよりはあるにこしたことはないわけですけれ
ども
、ただ、
公社
は一号
通話
時分計という分だけの機械を何か発売をしているようですけれ
ども
、これはどなたかわかりますか、分だけわかる機械。
長田武彦
273
○
説明員
(
長田
武彦君) お答えいたします。 前回、広域時分制をいたしましたときに、
加入者
に無料で配りました三分計というもの以外に、
電話
機に直接くっつけまして、大体、分単位の表示をする、先生おっしゃいます一号接続計というのを当時つくったというふうに覚えております。
塩出啓典
274
○
塩出
啓典
君 これは大体一台七千円で、
公社
は積極的には売ってないようでありますが、しかし、分だけじゃこれは
東京
に三分かけたから幾らだといって、私はいま広島ですけれ
ども
、広島はたしか三秒ですからね、七円三秒ですから、今度十円で三秒になりますけれ
ども
、これではやっぱり役に立たぬわけであります。 それで、私の聞くところによりますと、いわゆる高千穂通信機器製作所ですね、高千穂通信機器製作所はやはり
電電公社
に自営用品の申請をいたしまして、こういう
市外通話
の
料金
をはかる機械、これを
公社
は認定をしておるわけでありますが、この機械はどういうシステムになっているのかわかりますか。
長田武彦
275
○
説明員
(
長田
武彦君) 現在、宅内
度数
計で自営の設置を認められておりますものを大別いたしてみますと、三種類ございます。
一つ
は、単独
電話
等に設置をいたしまして、これは
通話
対地ごとにタイマー、一種の時計でございますが、時分を
勘定
いたしませんと
度数
が出ませんので、そのタイマーを内蔵しておりまして、大体概算の
料金
額を表示いたすというものがございます。この中には、いま先生御指摘の高千穂というような会社もこういう品物をつくって現在販売をしております。それから二番目には、いわゆるPBXでございますが、PBXの中継台につけまして、そこで秒数あるいは
度数
などを表示するという同じく
料金
即知計といわれるものがございます。それから三番目には、今度は自動のPBXでございますが、これは非常に最近大きなPBXがございますので、そういうものが内線ごとに一応
度数
計をつけておりまして、それに通常いま
公社
の
料金
制でございます三分七円であるとか、あるいは十秒七円であるとかいう大体この秒数をPBXの中で自分で勝手につくりまして、大体、それで各内線ごとに
料金
を分けるという三種類がございます。
塩出啓典
276
○
塩出
啓典
君
企業
のやつはいいです、時間急ぎますから、結局、いわゆる一般
加入者
の場合を対象にしておるわけですから。
長田武彦
277
○
説明員
(
長田
武彦君) 一番最初に申し上げました単独
電話
等につけますというものでございまして、この中には、確かに高千穂もこういう商品を販売しております。
塩出啓典
278
○
塩出
啓典
君 実は、これは(器械を示す)市販のものでございますが、これが(器械を示す)
公社
のこうやって三分のやつ、これは無料ですね。これが(器械を示す)いまさっき施設
局長
から
説明
がありました高千穂通信機器の品物であります。これは三万六千円ですね。これは決してPRするつもりはないわけですが、これは市内はわからないのですね。昼と夜がありまして、昼かけるときはこっち、夜かけるときはこっちと、ここに二・五秒から三秒、四秒、五秒、六秒と、こういうように八十秒までありまして、そしてかける前にスタートを押して、そしてこれをいま昼ですから昼にして、広島にかけるのだったらこれを3にして、そうして
電話
をかければ、ここに金額がちゃんと出るようになっておるのですね、七倍した金額が。 これは
公社
自営用品として認定をしているわけですけれ
ども
、これは確かにないよりはあった方がいいと思うのですけれ
ども
、ただ、
公社
はこれを認定はしたけれ
ども
、じゃ実際に、私は広島におりますけれ
ども
、広島からあるところに
電話
をかける、操作は非常に複雑ですけれ
ども
、それ全部間違いなくやっても、じゃそこが一応七円で何秒かということはこれはわからないわけですね。
電電公社
の
電話
帳を見ると確かにある
程度
載っているわけなんですよ。けれ
ども
、やっぱり県によって一ヵ所しか載っていない。県によっては近いところはもう何種類もありますし、遠いところは、
東京
とか北海道なんかになりますと、これは
一つ
ですけれ
ども
、ある
程度
中距離のところは、名古屋あたりだったら二ヵ所ですね。だからどっちになるかということはわからないわけですね。したがって私が申し上げたいのは、
公社
はこういうものを認定はしましたけれ
ども
、それを運用していくのに必要な、どこそこへ
電話
かければ七円で何秒になるかということを
加入者
に知らせていない、そういう点はちょっと片手落ちじゃないか、その点はどうですか。
遠藤正介
279
○
政府委員
(
遠藤正介
君) 確かに言われてみると、そういう点はございます。
電話
帳以外に、それぞれの
加入者
に、その
加入者
のおられるところからの対地別の
料金
表をやはり適当な機会にお配りした方がいいと思います。それを今度は十円で何秒という方式で出すか、私は三分で幾らというような形の方がいいのじゃないかと思いますが、いずれにいたしましても、そういったようなものを今回の
料金値上げ
のPRの中にはひとつ考えさしていただきます。
塩出啓典
280
○
塩出
啓典
君 広島におきましても、広島から全国のあらゆる局に何秒で昼の場合は七円と、こういう表は、広域時分制ができる前に、一回、四十五年には配られておるのですけれ
ども
、それから広域時分制になりまして、広島市内等においては八十秒七円がいわゆる三分七円になっておるわけですね。そういう点は実際には新しい最新のものは出されていないわけです。そういう意味では、この器械を使おうとしてもなかなか使えない、こういう状態にあることを御認識をいただきたいと思うのです。その点は、今後手を打ってくださるということですから。 で、実は、これはなぜ私がこういうことを申すかと申しますと、日本通研という会社が自宅の
電話
機に安価にしかも容易に
電話
料金
計を取りつける方法を提案をし、これを
公社
に対して自営用品の認定の申請を出したわけでありますが、これが先般却下になっておるわけですね。それで、この日本通研が出したこれは「1号Aテレレータ」という商品名でありますが、この器械はどういうシステムの器械であるのか、これをちょっと御
報告
願いたいと思います。
長田武彦
281
○
説明員
(
長田
武彦君) お答えいたします。「1号Aテレレータ」というものの認定申請は五十年六月三十日、日本通研株式会社から提出されております。これを
公衆電気通信法
及び同施行規則によりまして
審査
を行いまして、今年八月三十日に文書により認定できない旨通知したものであります。 この方式は、
電話
局で実はいろいろな種類があるわけでございますが、ある特定のタイプの局におきましては、局内で
度数
計を回すためのパルスが
加入者
側の線路に、私
ども
出す気はないんですが、非常にわずかではありますが、ごく微量なものが漏洩をしております。それを宅内側で拾いまして、それをもって宅内
度数
計として使用するという方式でございます。私
ども
これについて一応認定できないということでございますが、実は、この課金パルスを漏洩をいたします局といいますものは、すべての交換局がそうであるということではまずございません。また、こういう方式のパルスが出る局でございましても、この局でたとえば直通回線というようなものを、実は、これトラフィックに応じまして設定をいたしますわけですが、こういう直通回線に入りますと、こういうパルスというものは出なくなります。それから交換機が電子交換機、これは今後相当導入されるわけでございますが、たとえばこういうようなものに収容がえされるというようなことがありましても、出なくなります。それから局から市外局に至ります間の回線の方式が変わったりいたしますと、また出なくなることもありますというようなことでございます。 そういうことで、非常に
電気通信
網の
構成
の設定状況がいろいろ変わることによりましてパルスが出たり出なかったり、いろいろ変化をいたしますということと、もう
一つ
は、
公社
の
度数
計と常に連動しているというふうに誤解をされますと、非常にこのような問題からいわゆる
料金
苦情ということにつながるんではないか。そういたしますと、非常に私
ども
の業務の遂行にいろいろ支障があるということでございまして、これは認定できないということで御通知を申し上げたわけでございます。
塩出啓典
282
○
塩出
啓典
君 ただいまのお話で、いわゆる私の
理解
するところでは、交換機とかあるいは伝送方式、そういうものにいろいろの種類があり、それによって課金方式も違うわけでありますが、しかし、
公社
の局内におけるいわゆる課金装置というものは、やっぱり何らかのパルスによってその課金メーターがぱっぱと上がっていくわけですね。そのパルスというものが自宅の
電話
まで流れてきておる。このパルスの種類には大きく分けて三種類ぐらいあるんではないか。 PCM方式をとる場合、この場合はいわゆるこの問題になっている「1号Aテレレータ」というのは、AB登算方式の場合、それからパルスが出てくるわけです。それをキャッチしてメーターをつくっておるわけでありますが、これは、施設
局長
、私の言っていることは間違いないかどうかね、ぼくは素人ですから、間違えている点があったら訂正してもらいたいと思うんですよね。 そのいわゆるAB登算方式のクロスバー交換機であれば、全部パルスが出るわけでありますが、ただ、いわゆる市内
通話
それからいわゆる直通対地ですね、非常にしょっちゅう
東京
と横浜のようなところは
公社
としても直通回線を引いておるわけでありますが、そういうときはまた別なパルスが出るわけであります。したがって、この器械はいわゆるAB登算方式の局に関する
電話
機というものを対象にしておりまして、そうして市内
通話
、それからいわゆる直通回線の場合はボタンになっておるわけですね。ボタンですね。直通回線というのは、
東京
の場合であれば横浜とか名古屋とか、これはもう何ヵ所か、三ヵ所か四ヵ所、五ヵ所あるわけですから、そこへかける場合はボタンを押して、そしてタイマーによって課金装置は動く、こういう実はシステムになっておるわけなんですね。 それで、実は、この器械をここにきょう持ってきたわけなんですけれ
ども
、これはこういう器械なんです(器械を示す)。ここにはボタンが、広島の場合は、私のところからたとえば呉にかける場合は、これは直通回線ですから、そのときだけこれを押してかければ、あとはもうかけた場合に
公社
の課金装置に出てくるパルスがそのままこれに移ってきて、そしてこのメーターに登算されていくわけですね。だから、私が言いたいのは、なぜ
公社
がこういう——これはもちろんこの「1号A」というのは電子交換機とかあるいはPCM方式の交換機とか、そういうものには使えませんけれ
ども
、現在ある交換機のかなりの部分がこれで使えるわけでありまして、交換機というのは、きょうの午前中の
審議
で
減価償却
のところで問題になりましたように、そう簡単にかわるものではないわけですからね。
公社
としても、ほかのことには研究はやるけれ
ども
、こういう点の研究には非常に熱意がない、私はそのように思うんですけれ
ども
ね、この点どうですか。
北原安定
283
○
説明員
(北原安定君) 先ほど
長田
がお答え申し上げましたし、私も申し上げましたとおり、
通話
対地に可聴——耳に聞こえる音を出すということは、私たちは長い間これを避けて、音声に近い雑音の少ないそういう
サービス
を提供することに努力してきたわけです。 ところで、いまの方式は、結論的には、そういった音声バンドの中にパルスを流していくわけでございます。したがいまして、精度を上げるということであれば、ますますそのパルスを正確に宅内に送る、しかも宅内は
電話
局から遠いところ近いところとございますから、遠いところにもその
サービス
が提供できるということになりますと、かなりのレベルで出さざるを得なくなってくるだろう。そういうことが私たちが提供している
電話
サービス
の品位というものとどうなってくるかということ、ここに
一つ
の問題がある。しかしながら、先生のいまのようなお話でございまするし、実物まで拝見したのでございまするので、さらに一層
技術
的にも
検討
はさせてみたいと思います。 〔
委員長
退席、理事
茜ケ久保重光
君着席〕
塩出啓典
284
○
塩出
啓典
君 だから、まず、いま言われましたパルスというものがですね、
電話
局から近い家庭もあれば遠い家庭もあるわけですね。したがって余り減衰が急であれば、これは使用には適さないわけでありましてね、そういうことはもう調べりゃすぐわかる問題なんですよ。私は、だから、
公社
にはともかくこれをもっと調査したらどうなんだと、テストしたらどうなんだと、こういうことを申し上げてきましたけれ
ども
、
公社
はそういうものはテストする必要はありませんと、そういう姿勢が私はいけないということをここで言いたかったわけなんですよね。これは決して施設
局長
が悪いわけじゃなしに、私は
公社
全体の姿勢の問題じゃないかと思うんですね。そういうことをさせまいという
一つ
の、総裁が悪いわけでもない、全体が悪いのかもしれませんけれど、そういう無言の圧力があったのかもしれませんが、これはやっぱり調査をしてもらいたいと思いますね。 それで、これはもちろん全部の
電話
に適用できるものではありません。電子交換機とかあるいはPCM方式とかですね。しかし、いわゆるこのAB登算方式には少なくともこれは適用できるわけですから、いまのパルスが遠方の局でも保障されれば適用できるわけですね。ただ、問題は、その直通回線があるわけですね、直通回線が。直通回線のところは直通回線で、たとえば私が広島から呉へかけた場合は、直通回線に乗った場合はこれはメーターに出ないわけですね。そのときはこっちのボタンを押して、これは八十秒ですから8のボタンを押して、それに切りかえなくちゃならない、そういう問題はあるわけなんですけれ
ども
、私は、
公社
として、自営用品というのは全部の
電話
機に適用できなくても、この種類の交換機に適用できる品物であれば、これは部分的にもやっぱり認定すべきではないか、それは当然じゃないかと。その点はどうですか。
北原安定
285
○
説明員
(北原安定君) 御指摘の点、確かによくわかるように思いますが、何といたしましてもお金をいただくということ、またこれによって苦情というものが常に
公社
には出てくるわけでございます。したがいまして、これが本当に先生のおっしゃったように、ある特定の人にいいんだといいましても、
電話
局からどれだけの距離、があの人はいいのか悪いのか、いろいろそこにございまして、新たな苦情がこれによって発生するようなことのないように、そのためには十分の調査あるいは条件、いろんなことをやってからでないとまずいと思いますが、現状では本当に微弱のパルスが流れているのをキャッチしてやるという方式のようにいま私ここで承りました。したがいまして、これを本当に苦情のないようにきちっとするということのためには、
通話
の品質に影響のあるようなところまでいくんじゃないかというような気もいたしますので、とにかく
検討
をさせていただきます。 〔理事
茜ケ久保重光
君退席、
委員長
着席〕
塩出啓典
286
○
塩出
啓典
君 じゃ、そういう
技術
的な問題はテストすればすぐわかる問題ですから、もちろん離れたところでできないとだめだと思うんですけどね。それとパルスというのは大体
公社
が出しておるものじゃない、多分漏れているものだと、そういう最初の
公社
の言い分だったわけですね。確かにわざわざ出しておるんじゃないが、漏れているわけだ。けれど、やっぱりいまの世の中は漏れてるやつでも使えるものは使っていくというのが非常にいいんじゃないかと思うんですけれどね。 それで、こういうものをもし許可したならばパルスを永遠に出さなくちゃならぬから、それは
公社
の
技術革新
を促進する、そういう
意見
もあったんですよ。しかし、この点ははっきりさしておきたいと思うんですけれ
ども
、
公社
がいろんな
電話
につける自営用品を認可するときに、
技術革新
でこっちを変えなきゃならぬときには、それはやっぱり条件として認可していくようにしていかないと、これを認可したために、今度こっちの
設備
を買いたいけれど、この認可したものは使えなくなるから
技術革新
ができないというんじゃそもそもおかしいわけですから、そういうようなことは、私は、パルスは
公社
がわざわざ出しているんじゃないんだし、そういうものを
利用
するものはいけないとか、将来の
技術革新
を束縛するから認可しないというような言い分はちょっとおかしいんじゃないかと。この点はどう思いますか。
北原安定
287
○
説明員
(北原安定君) 大変微妙な問題でございまして、確かに漏れているものでございまして、わざわざ出しているものじゃございません。パルスというものは本来そういう性質を持っております、漏れやすい性質を持っているわけですから。ただ、それは同時に邪魔にならないように回路研究やいろいろしておりますので、普通条件では、もう本当に出ているという認識さえしにくいものでございます。それに注目して
一つ
のアイデアを出されたと、こういった創意というものをやはり生かしてみる努力、研究ということはあながちただ一片の制度でいいとか悪いとか論ずるものでもなかろうかと思いますので、先ほど来申し上げたように、よく
技術
的に
検討
さしていきたいと思います。
塩出啓典
288
○
塩出
啓典
君 それから、私は、
公社
がなぜ認可しないかという理由の中で、
公社
の
度数
計と常に連動しているとの誤った認識を与えることにより
料金
苦情がふえるからいかぬと。これは
料金
苦情はふえないにこしたことはないでしょう。けれど、そういうものを
国民
が本当に欲しいと、そういうときにはやっぱり
国民
の
立場
も考えて少々は不便でもがまんすると。これが、一番最初に総裁が言ったでしょう、
国民
の側に立った
サービス
をするということは、私は、このために最初聞いておったわけですからね。だから、もちろん、こういうものをつけたからといって
料金
苦情がふえるわけはないと思うんですよ。こういうものをつけたから、こういうものができたからといって
料金
苦情がふえるものでもないわけでありまして、だから、やっぱり
国民
が本当に知りたいという、もしこの器械が適切なものであるならば、たとえ
料金
苦情がふえても私は認可すべきであると。 これはどうですか、総裁、
技術
的な問題でなしに、一般論的な問題で。
米澤滋
289
○
説明員
(米澤滋君)
技術
的なことは、私、
技術
を大分離れておりますのでちょっと判断は技師長に任したいと思いますけれ
ども
、いまの
国民
のサイドに立ってやるというその考えは賛成でございます。
塩出啓典
290
○
塩出
啓典
君 それで、あともう
一つ
私が
公社
と
意見
の合わないところは、御存じのように、これは(器械を示す)そういうAB登算方式の局の
電話
につけましても、直通回線があった場合は、市内はいいわけなんですけれ
ども
、直通回線の市外の場合はこのメーターに出ないわけですね、パルスが別なパルスですから。そのときは、これと同じようにボタンを押すようになっておるわけなんです。 そうすると、私は広島の西
電話
局におりますけれ
ども
、西
電話
局の場合は岩国と呉と五日市と三ヵ所直通対地があるわけなんですよ、三ヵ所ですね。これは秒数はちょっと忘れましたけれ
ども
、三ヵ所で、それで五日市と呉が三十秒だったら二つのボタンでいいわけで、こっちは岩国のボタンと。こっちは三十秒ですか、こっちはまあ四十秒、四十二秒なら四十二秒のボタン、これを押せばいいわけなんですね。それはやはり局によって多少の違いはあるわけなんですけれ
ども
、そういう直通回線を引くとか引かないということはしょっちゅう変わる問題じゃないと。
公社
として一年の計画で直通回線を今年度はこういうように引くと決まれば、また来年それは変わるかもしれませんけれど、それを、だから、もし直通回線がふえれば、この中にはタイマーが七つついているわけですから、そういうタイマーをまたつければいいわけでね。 それを、
公社
の方は、お客さんの知らぬ間に直通回線がついちゃうから、そうなるとこのメーターに出てこぬことになるから、そうなると
料金
が違うようになって苦情が多くなるという、こういう論理なんですよね。これはどうですか、北原さん。
長田武彦
291
○
説明員
(
長田
武彦君) お答えいたします。
公社
のいまの
電話
網の
構成
の中で、私
ども
、いわゆる基幹回線のほかに直通回線というものを設定して
電話
網全体を効率的に使うということを考えております。通常、直通回線といいますものは、だんだん局でトラフィックが多くなってまいりまして、ある特定の対地に対しますトラフィックが相当
程度
ふえてまいりますと、そういうようなところは直通回線で直接に、中継する市外の交換機を節約をするというようなかっこうで回線を設定するということをいたしております。ですから、いままでも直通回線といいますものは、大体、年々、新たにそういう区間が全国的にふえていったというかっこうでございます。 で中国通信局の管内で、五十年度末で一応局の状況をまず申し上げてみますと、いわゆる市内の
電話
局というのが五百四十二ほどございますが、そのうち、その「1号Aテレレータ」の申請者が使用できると称しております局は、四〇%の二百二十一局でございます。残りの三百二十一局は、先ほど先生のおっしゃるPCM方式あるいは電子交換機、いわゆるAB線で
度数
登算をしていない局が三百二十一局。また直通回線を持っております局はどれだけあるかといいますと、中国管内で八十局ございまして、このうち、その品物を使用できるとしている局は実は十九局ございます。したがいまして直通線を有しなくてその品物を使えるという局は、二百二十一局から十九局を引きました二百二局ということになるわけでございますが、これらの二百二局というのは直通線もないということでわかりますように、かなり規模が小さい局でございまして、この十九局と二百二局を
比較
いたしますと、大体、
加入者
数は両方とんとんぐらいの感じでございます。 さらに、先ほどAB線で登算をするという局でございましても、実は、市外局までまいります局間の中継線が従来ケーブルでいっておりましたものを、PCMと言われるように搬送を経るというようなことをいたしますと、実はこの本品が使用できないようなかっこうになるわけでございます。さらに、直通線がだんだんふえてまいりますと、要するにこの内蔵しましたタイマーを使った対地というのがどんどんふえていくというようなかっこうになるわけでございます。 それで中国通信局管内で、大体、四十九年、五十年、この二年間で直通線というものはどのくらい新たに新設されているかと申しますと、大体、十四局で五十三ルート、区間といったらよろしいと思いますが、五十三区間ぐらい新設がされております。このように毎年相当の数でこういう直通回線というものは設定されておりますし、さらには局間中継線が搬送化されているとか、あるいは電子交換が入るというようなことで、ネットワークの形というものがやはり年々変わっていくわけでございます。そういう中で、本品が使えるか使えないかというような判断というのは、時々刻刻、変わっていくというような点にいろいろ問題があるということで実は申し上げているわけでございます。
塩出啓典
292
○
塩出
啓典
君 この問題これでやめますが、ひとつ総裁にお願いしたいことは、やはり
公社
といえ
ども
、
技術
は何もかも全部わかっているわけじゃないわけですから、問題は、やはり実際にテストをして実際に確かめてみると、こんなことは大した金のかかる問題じゃありませんし、設計図の上ではそうならないが、実際にやってみればこうなる場合もあるわけですから、特にこの問題は
国民
の要望の強い、家において
電話
料金
を知ることができるというこういう器械、もしこれが非常にいいとなれば、これは非常に
国民
にとってもプラスじゃないかと思うのですよ。 こちらよりは値段もずっと安いし、こちらは三万六千円ですから。こちらはもう大きさも半分ぐらいですしね。それでただいまの
料金
も出るし積算
料金
も出るわけですから、
電話
かけながらばばっとこう動きますから、そうすると長
電話
も減ってくるわけです。そうなると
公社
の
収入
は減るかもしれませんけれ
ども
、しかし、これはある面からいえば
設備投資
をそれだけ減らせばいいわけですから、そういう長い視点に立てば、急激に減ると
公社
は困るかもしれません、非常にこれ減っていって
設備投資
を節約していくということは、新しいやはり方法なんですから、そういう意味で、この問題については私はもっと真剣に取り組んでもらいたい。このことを実際に調査をして、どうしてもそれはこういう理由で使いものにならないというのであればやむを得ないにしても、私はテストぐらいしろと、テストもしないで頭から玄関払いをするというのはちょっと失礼じゃないかと思うのですね。 そのことを申し上げまして、それともう
一つ
、いま施設
局長
の言いました四十八年に中国
地方
で十四局で五十三対地に新たに直通回線ができたと、こういう
説明
なんです。私の方の調査では、もう四十八年に直通対地がふえまして後、四十九、五十、五十一は全く変更がない、こういう調査になっておりますので、だから具体的にどことどこがこういうように直通対地がここがふえて回線数は十から二十になったというのじゃなしに、新たに直通回線がどこそこにできた、そういうのをひとつ具体的に資料として、まだわからぬでしょう、いまのところはね。わかり次第ひとつ資料として提出をしていただきたい。
長田武彦
293
○
説明員
(
長田
武彦君) お答えいたします。 私、先ほど申し上げました十四局五十三対地と申しますのは、四十九年、五十年に新たに新設された区間でございます。この内容につきましては、別途、御
説明
いたします。
米澤滋
294
○
説明員
(米澤滋君) さっき技師長がお答えいたしましたように、調査をいたします。
塩出啓典
295
○
塩出
啓典
君 一応、これで質問を終わります。 それでちょっと二、三前の方で、長期計画の問題と、それから
減価償却
の問題、こういう問題については資料を出していただくようにお願いしておりますので、今回資料要求した分については、資料の結果によって、場合によっては質問をさしていただくかもわかりませんし、非常に資料がもうばっとわかれば、もう質問はさしていただかない、こういうことでひとつ御了解いただきたいと思います。
森勝治
296
○
委員長
(
森勝治
君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
森勝治
297
○
委員長
(
森勝治
君) 速記を起こしてください。
案納勝
298
○
案納
勝君 私は、ただいまから、公衆法の
審議
が今日まで慎重に続けられてまいりましたが、なお若干の問題について、明確にならない点、あるいは今日まで
審議
の中でなお継続をしている問題等にしぼって、少しく御質問をしたいと思います。 わが党は、御案内のとおり、衆議院からさらに参議院にかけて、長時間にわたって各党の同僚議員とともに今日まで
審議
してまいりました。わが党の基調は、具体的な公衆法のあるいは今後の
公社
の運営等の問題をめぐって問題を提起をする。その内容は、
公企体
だから
経営
が
赤字
でいいとか、あるいは不安定でいいとかと言っているのではありません。それだからといって、私たちが
公共性
をかなぐり捨てて、私
企業
の論理に立って利潤を追求して、
国民
の犠牲の上で、
赤字
克服の
手段
を選ばないやり方、こういうものに私
ども
は明確に
反対
をしてきております。
公企体
として
公社
がその
公共性
の確保を前提として自立し、不公正を排除して
国民
のための
電気通信
事業
を実現することを基本にして、
国民
が納得する、そういう健全な
経営
の基盤を確立するという意味で今日までも
審議
をしてきました。そういう
立場
で、私も、いまから幾つかの問題を明確にしていきたいと思います。 しかし、その前に、実は、大臣に明確にひとつお答えをいただきたいことがある。大臣の
見解
をお聞きしたいと思います。と申しますのは、最近、幾つかの問題が新聞紙上をにぎわしています。ロッキード問題、鬼頭問題、またその他の問題でにぎわしております。その中の
一つ
について大臣の
見解
を聞きたい。 私
ども
は、いまも申し上げましたように、各同僚議員も毎日遅くまでしかも真剣に討議をしてきております。それはこの公衆法が最も
国民
生活
に重大な影響を与えるからであります。ところが、私がここでお聞きしたいのは、あなたは三木内閣の閣僚です。それで三木内閣は自民党内閣であります。ここにおられる各自民党の先生はその与党であります。ところが、きょうは二十八日であります。いま臨時国会が開かれている。先般、
森中
同僚議員あるいは
藤原
同僚議員も指摘をしましたように、今日までの公衆法の
法案
提出や、今日までの
審議
の中における自民党政府の責任の重大という問題については明らかにしました。そういう中で今日新聞の中で話題を提供しているのは、三木内閣の中枢にあり、しかも、そのかなめである福田副総理、彼が、御案内のとおり三十一日は自民党の党大会です、三木総理は
国民
の信頼をかち得ることはできない、国の政治について責任を持つことができない、こう言って総裁に立候補の意思表示を明らかにしている。言いかえるならば、いま新聞でいろいろと取りざたされていますが、まさに三木内閣内部抗争が、閣内不統一というのが、いや自民党内部自体の、自民党の与党としての責任が実はどこにあるのかという事態に今日来ていると思うのです。しかも、三十一日、人事大会だと。 私は、この姿勢を見たときに、こんな政府あるいは与党自民党は、この提案をされている
国民
生活
に重大な関係ある公衆法について責任を持ってこれに当たっていくという姿勢が果たしてあるのかと疑わざるを得ないのです。私は、もちろん三木内閣や自民党について、これらについてとかく心配しているのじゃありません、関係ないです。特にそれらの抗争について言う気もありません。どろどろした金権政治そして
国民
の願いを無視してこうやられていることに対して憤りこそ持ちます。しかし、私がここで大臣の
見解
、大臣のお考えを聞きたいというのは、こういう事態の中で、大臣として責任ある国の政治がやれるとお考えになっているのか、この公衆法問題についてなお慎重に
審議
をしているこの段階で、責任を持ってこれに当たっておられるのか、また当たれるのか。実際に、今度の公衆法で多くの課題が提起をされました、同僚議員から。そしてそれらについて
検討
が進められ、今後も
国民
の
立場
に立って開かれた、要するに
電気通信
事業
として、
公社
として今後対処する幾つかの課題も提起をされました。そういうものに対して、あなたは責任を持ってそれに当たっていくという形がつくれるのかどうか、いまの三木内閣、いまの自民党で、私ははなはだ疑問視せざるを得ないのです。 大臣は、今日の事態についてどう考えるか。大変失礼な言い方がいままでの中にありましたらお許しをいただきたい。あなたはどういうふうにお考えになっているのか。まあ大臣の派閥はよく知りませんし、前大臣の村上さんと同じだと聞いておりますが、挙党協の中にもお入りになっていると聞いていますけれ
ども
、それらを踏まえて、あなたは今日の事態について、
国民
のきわめて重要な問題というものをこの臨時国会で
審議
している段階、どのように政治家としてお考えになっているのか、大臣としてどうお考えになっておるのか、この辺について明快にひとつお答えをいただきたい。
福田篤泰
299
○国務大臣(福田篤泰君) 現三木内閣の閣内におきまして、一部の閣僚が批判的な言動を出していることは遺憾ながら事実でございます。しかし、いま御
審議
を願っている
料金改定
法案
に関する限り、全閣僚が総理以下全力を挙げてこの成立を期しております。当然、所管大臣である、郵政大臣である私は、全責任を持って全力を挙げてこの成立を期し、また御
審議
を煩わしている最中でございます。したがいまして、この
法案
に対する
審議
の過程において答弁を申し上げ、あるいは
説明
をいたしておる点につきましては、私は、単なる一時的な言い逃れとか、あるいは
説明
じゃなく、全責任を持ってその実行を必ず確約いたしたい覚悟でございます。したがいまして、いろいろな批判もございますが、いま御
審議
を煩わしている
料金改定
問題、この
法案
に関しましては、閣内一致してその成立を期し、全力を挙げている事実をぜひとも御認識を賜りたいと存じます。
案納勝
300
○
案納
勝君 この問題について立ち入ってこれ以上やっても意味ありませんから、次に進みます。 まず、私がお尋ねをしたいのは、まだしっくりいままでの討議等を通じましていかない点がありますので、
公共企業
体——
電電公社
の基本的性格、その面からあり方の問題について少しくお答えをいただきたいと思います。 福田郵政大臣は、去る十月二十三日に、第二十七回の電信
電話
記念日に当たりまして祝辞としてお話をいただいております。この祝辞の中に「現在
わが国
の加入
電話
総数は三千万を超え、
住宅用電話
の普及率も百世帯当たり六十三加入に達し、」云々とあります。その中で、大きくこれらについての評価をした上で「現在
公社
の
経営
は発足以来最大の困難に直面しているが、この難局を乗りきるためにも、新たな発想の下に全員協力して、」云々ということがあります。 私がここでお聞きしたいのは、
電気通信
事業
の
経営
の最大の困難とは何を言っているのか、
公共企業
体としての制度のあり方、そのことの見直しを言われているのか。また
赤字
だから
料金値上げ
をして、それによっていこうという、
値上げ
を認めてもらう、あるいは
値上げ
をするという、その意味で国会で
審議
が行われている場等の問題も考えて、最大の今日の困難、こういうふうに言われているのか。新たなる発想とは何か、何を新たなる発想というふうに大臣は言われているのか。この辺についてひとつ大臣の御
見解
を承りたい。
福田篤泰
301
○国務大臣(福田篤泰君) 経済のいわば構造的な大きな変化、あるいは新しい時代の激変の中にありまして、この郵政
事業
というものは新しい発想を必要とすることは申すまでもございません。 これにつきまして、私は、従来のいままでのような考え方、構想で果たしてこれでいいのかどうか、就任早々疑問を持っておる一人でございます。したがって、これについては何らか新しい激変する時代の要請にこたえて、究極には
国民
に対する
サービス
、
福祉
向上でございますので、これの目的に沿う何らかの新しい構想が必要ではないかと考えておるわけで、ただいませっかく
検討
中でございますので、遺憾ながら具体的にどうこうということはいまのところ申し上げられませんが、必ず近いうちに具体的な
一つ
の構想をつくり上げて実施をいたしたいと考えております。
案納勝
302
○
案納
勝君 大臣、失礼な言葉の端々があったらお許しをいただきたいと思います。 この間、私は、大臣の御就任をされたときの一般質問の際に、通信
事業
全体についての新しい発想と、こう言われました言葉じりをとらえたわけじゃないんですが、この発想とは何かと、こうお聞きをいたしましたら、いま
検討
中、いまもまた実は
検討
中だと言われるんです。決してこれはさらに重ねて大臣に畳みかけているわけじゃないんです。ただ、私は、たとえばきのうの物特との連合
審査
会の中でも言われましたように、長い間高度成長政策を続けて、なかんずく
電気通信
事業
は高度成長政策の中で
企業
中心の、重化学工業中心の高度成長する先兵的
役割り
を果たしてきた——これは後ほどいろいろ出ると思います。そして、いま日本の経済も社会も——きのう福田さんが言ったわけじゃありませんが、これはまあそれをとるわけじゃありませんが、政治、経済も発想の転換をしなくてはならぬ。
国民
生活
重点、
福祉
優先という、そういう方向へ政治の転換や社会、経済の転換をしなくてはならぬ。 私は、
電気通信
事業
、
公共
事業
としてのあり方は、今日まで大
企業
中心の高度成長政策のお先棒をかついできた。こういう段階についての批判やその他は別におきましても、いま最大の課題はそこにあるのではないのか。そういう方向に
電気通信
事業
、
公社
自体の運営が進められていかなくてはならないということが、私は、この発想の転換といいますか、新たな発想というのは、大臣が言われたように私はそれが本当ではないか。まだ
検討
しますということなのかどうか。それにしては余りにも、大臣、申しわけないが、私は郵政
事業
をお預かりになっておられる大臣、いま当面する、公衆法を
検討
する姿勢として私はきわめて残念でならないんです。この辺について大臣はどのようにお考えになっておられるのか。私の申し上げるような、そういう意味で低成長時代になった今日、
福祉
優先、
ナショナルミニマム
という、そういう運営や政策の転換の中で
電気通信
事業
というものがいま新たなる発想に立つでいる、こういうふうに私は
理解
をしたいんです、本当は。大臣はどういうふうに——大臣の御
見解
をお聞きを申し上げたい。重ねて畳みかけるわけじゃありませんが、お聞かせをいただきたい。
福田篤泰
303
○国務大臣(福田篤泰君) 具体的には、御存じのとおり、五十二年度の積滞解消とか、あるいは五十三年度の自動化の完成とかいった一応の目標はございます。恐らくこれは
事業
的にも必ず達成し得るものと思いますが、こういうことだけでは私は果たして新しい時代の
電気通信
事業
の任務を果たせるのかどうか。いわば社会的重要性、責任というものを特にいま御指摘になりました社会的な
福祉
政策とか、こういう点につきましても新しく課題として取り入れていく必要があろう。事務的な目標はさることながら、そうした新しい観点の社会政策の
立場
から、職員一人一人がやはり重大な責任を自覚してやらにゃならぬということを考えておる次第でございます。
案納勝
304
○
案納
勝君 重ねて、大臣、申しわけありませんが、大臣のいまのお言葉わかりましたが、そこで、私は、今回提案をされている公衆法の内容を大臣はどのように御
理解
をされておられるのか。大変失礼な言い方になるのかもしれませんが、いま申し上げました、大臣、その新しい発想と新しい今日の社会的責任、こういうものについてはどういうところに生かされて提案をされているのか。大臣、申しわけありません。本当は米澤総裁に聞けばいいのですが、提案者が大臣でございますので、大臣として、これらについて御
見解
を承りたいと思います。
福田篤泰
305
○国務大臣(福田篤泰君) 一言にして表現すれば、
公社
の
企業
の財政の健全化でございます。御案内のとおり、四十八年以来のオイルショックを中心とした悪条件、考えられないような
赤字
の累積でございますので、いままでのような安易な
経営
状態ではとうてい乗り切れないし、事実上、この累積の
赤字
をそのまま放置した場合には
事業
自体が破局を迎えるという深刻な事態であると考えます。したがって
料金改定
によって何とかこの危機を切り抜けたい。同時にまた、六月成立しなかったためのいわゆる
赤字
の累積についても、政府としても何らかこの際手を打つべきだと考えておる次第でございます。
案納勝
306
○
案納
勝君 大臣のいまのお言葉を聞いていますと、
料金値上げ
だけで、大幅
料金値上げ
が中心だというふうにしかとれないんです。私は、ここで大臣にこれ以上重ねて聞くのはあれでしょうから、米澤総裁にもひとつ質問をさしていただきます。 いま、新しい発想と社会的責任、こう言われました。政治、経済、社会が大きく転換をして、激しく動いて、意識が変化をしてきている。
公共企業
体としての
役割り
、任務が私は今日ほど高められ重視されているときはないと思う。先ほどのやりとりの中で今回の
料金値上げ
、要するに公衆法の提案をされている内容はどのような内容が中心で、いまほど申し上げた発想の転換といいますか、そういうものはどこに生かされてきているのか。
ナショナルミニマム
といいますか
福祉
優先といいますか、
公共企業
の持つそういう
役割り
というものはどこに生かされてきていますか。その辺を、簡単でいいですから、お答えをいただきたいと思います。
米澤滋
307
○
説明員
(米澤滋君) お答えいたします。 一言で言えば、
国民
の皆さんのために電信
電話
事業
を運営、発展させるということになると思います。
公共企業
体といたしましては、この間うち申し上げましたように、
電電公社
といたしましては二つの目標を掲げてまいりまして、積滞解消、これは二年以内、全国ダイヤル即時化は三年以内ということを予定しておりますけれ
ども
、さらに従来の高度成長から安定成長に移ってきたというような事態の変化もありますので、
公共
の
福祉
の増進ということに対してさらに一層力を入れるとともに、また
能率
的な
経営
を行いまして、
公共性
と
企業
性のバランスをとって発展させていきたいと、こういうことでございます。
案納勝
308
○
案納
勝君 いま、総裁は、
国民
の
事業
として
公社
の運営を発展をさせる、要するに
電気通信
事業
を発展させる、その目標は二つなんです、あわせて
国民
の
福祉
ということを重視をしております、そういうものになると、こういうふうに言われました。 そこで、私は、もう一回少しく、
公共企業
体である
電電公社
、
公共企業
体の原則といいますか本質といいますか、それと基本的な原則といいますか、これはどういうことなのか、もう一回私は振り返る意味でひとつ監理官の方、郵政省から明確にお答えいただきたい。
松井清武
309
○
政府委員
(松井清武君)
公共企業
体の性格でございますが、
公共企業
体は、
公共
の
福祉
に密接な関係を持つ
事業
について、
公共性
と
企業
性とを調和させるために、政府からは独立した法人格を与えられ、しかも私的所有、私的支配からは独立した性格を持っている
企業
体を一般に
公共企業
体というふうに呼んでおるわけでございまして、その
公共企業
体の
経営
に当たりましては、目的とするところは、申すまでもなく
公共
の
福祉
を増進させるためでございまして、そのために
独立採算
制に基づき合理的かつ
能率
的な
経営
というものを志向すべきものであろうというふうに考えております。
案納勝
310
○
案納
勝君 ということは、言いかえますと、
公共
の
福祉
を増進をさせる、これが第一の
公共
事業
としての根本的な基準である、こういうふうに
理解
してよろしいですね。そしていま言われましたように、その
公共性
を根本的基準として、
経営
に当たって
企業
性を持ちながら、それは
独立採算
制というたてまえを通じて権力やあるいは私的支配から独立をしている、こういうことをいま言われた。私はここでもう一回もっと明確にひとつはっきりしておきたい。 私は、いま言われる
公共
の
福祉
というのが第一目的である、そういう
立場
に立ってもう一歩進めるならば、これはある意味では幅の広い意味で、本来、政府がやらなくちゃならない部門の一環を
構成
するもの、このくらいの言い方をしてもいいんじゃないか。と申しますのは、
公共企業
体というのは、政府が一般行政と同様に、
公共
の利益、
福祉
目的を持って独立した
企業
型の行政機関だ、こういうふうに言い切ってもいいほど、私は基本基準というのは重要だと思う。 それで、あわせて、いま監理官が言われた点について、もう一回そういう面からも、
経営
の問題についてお尋ねしますが、
独立採算
制というものを言われました。しかし、この
独立採算
制というのは、役務の提供という
手段
を通じて
公共
の
福祉
に貢献をする、その貢献をして役務の提供に伴う対価としての
料金
をもって
独立採算
制の一応たてまえを立てる、しかし、それはあくまで原価主義の
立場
に立って、非営利的な
企業
として私は第一の基本的基準、根本基準を実現をする使命を持った
企業
だというふうに、そういうふうに
理解
をしますが、いかがですか。
松井清武
311
○
政府委員
(松井清武君) そのとおりで結構でございます。
案納勝
312
○
案納
勝君 それじゃここで、いま御確認をいただきましたが、そうすると、
電気通信
事業
というのもその範疇の中で運営をされる、こういうふうに
理解
してよろしゅうございますね。
松井清武
313
○
政府委員
(松井清武君) そのとおりでございます。
案納勝
314
○
案納
勝君 それじゃ、これは総裁にお聞きをしますが、情報化社会と言われる今日の段階で、通信
事業
は、いま総裁は
国民
の
事業
である、こう言われました。そういう
立場
に立って
国民
の情報流通の基幹的
役割り
を果たし、産業、経済だけでなくして、政治、文化、医療、さまざまな広範な分野にわたって
国民
生活
の今日必需品化しています。したがって真の
公共
事業
としての
役割り
を果たす、発展をさせる、こういうことは
ナショナルミニマム
を基本としていま言う
国民
の
福祉
の増進を図っていく、ここが
経営
の基本である、これを原則として進めるということを確認してよろしゅうございますか。
米澤滋
315
○
説明員
(米澤滋君) ただいま御
意見
ございましたが、
ナショナルミニマム
を基本として進めていきたいと思います。
案納勝
316
○
案納
勝君 ここは大臣と監理官にお尋ねをしたいんですが、これは政府という
立場
です。 私は、先ほど監理官の御
意見
を承り、また私の方の
意見
も監理官の方から間違いないことについて御
理解
をいただきましたが、そういうふうになりますと、
経営
的には
国民
経済の要請に対応すると同時に、自立性を確立をさせる、これはまあ私は
電気通信
事業
として、
電電公社
としてそういう
立場
に立っていると思うんです。あわせて
国民
生活
の維持向上、国家的な面からあるいは
福祉
の充実あるいは
国民
的国家的要請による開発
投資
などについて資金が不足をした場合は、国が補償をしていくという筋道が私は
電電公社
の場合にとられてしかるべきだと、そういう原則の上に立って私は
公社
の運営や
公社
の自立性やあるいは健全化というのが図られるべきだと思いますが、郵政省いかがですか。
松井清武
317
○
政府委員
(松井清武君) 国家的な要請に基づく諸施策について資金が不足した場合には、国が
負担
すべきであると思うがどうか、ということが具体的な御主張の点であろうかと思います。 もちろん
公共企業
体につきまして、具体的に
電電公社
の場合を考えてみました場合に郵政省としてこれを監督しているわけでございますし、そういう意味合いにおきまして
電電公社
の健全な
経営
を確保するということにつきましても国の責任もあるということは存じておる次第でございます。そういう意味から健全な
経営
を図るべく国として努力をするということは当然でございますが、ただ、あらゆる問題について、国の要請によるいろんな施策について国がその資金を
負担
するか、どうかということになりますと、一概にはそうはならないというふうに思っているわけでございまして、先ほどの
公共企業
体の性格もございましたが、
公共企業
体自体がそもそもそういった国策に沿って
公共
の
福祉
を実現する、そういうことのためにその
企業
を運営するものでございます。したがいまして
公共企業
体本来の任務というものがその中に含まれておるというふうにも思うわけでございます。かつまた
公共企業
体自身が原則といたしまして
独立採算
制をたてまえとしているわけでございます。 ただ、個別の問題によりまして、場合によりまして国が何らかの助成をする、あるいはそれなりの協力をする、ということもあろうかと思いますが、この点につきましては、こういった表現が適切であるかどうか私も自信がございませんが、個別の問題、ケース・バイ・ケースで対処していきたい、対処していくべき筋ではなかろうかというふうに思うわけでございまして、原則的にはやはり
公社
が、
公共企業
体が
独立採算
の範疇において処理されるべき問題だろうというふうに考える次第でございます。
案納勝
318
○
案納
勝君 ここでちょっと話が横道にそれるかもしれませんが、
遠藤
さんにお尋ねします。
電電公社
の資本金は全額国庫出資ですね。これはいま幾ら出資していますか。
好本巧
319
○
説明員
(好本巧君)
電電公社
発足のときの資本金は、政府出資金は百八十二億円でございますが、あと琉球
電電公社
合併の際の六億円を合算しまして、ただいま資本金百八十八億円余でございます。
案納勝
320
○
案納
勝君 それじゃ、もう一回監理官にお尋ねします。 この
日本電信電話公
社法第三条「
公社
は、公衆
電気通信
業務及びこれに附帯する業務その他第一条に規定する目的を達成するために必要な業務を行う。2
公社
は、前項の業務の円滑な遂行に妨げのない限り、逓信大臣から委託された業務及び委託による左の業務を行うことができる。一
電気通信
設備
の設置及び保存 二
電気通信
用の機械、器具その他の物品の調達、保管、修理、加工及び検査 三
電気通信技術
に関する実用化研究及び基礎的研究 四
電気通信
業務に従事する者の訓練」こうあります。 第一条では、「公衆
電気通信
事業
の合理的且つ
能率
的な
経営
の体制を確立し、公衆
電気通信
設備
の整備及び拡充を促進し、並びに
電気通信
による
国民
の利便を確保することによって、
公共
の
福祉
を増進することを目的と」する、こう書いてあります。 そこで、私は、監理官にお尋ねしたいのです。第一条によって「
能率
的な
経営
の体制を確立し、公衆
電気通信
設備
の整備及び拡充を促進し、並びに
電気通信
による
国民
の利便を確保する」これは
日本電信電話公
社のまず背骨ですね。ところが、三条では、このほかに「逓信大臣から委託された業務」ということで、わざわざこれらについて四項目が羅列をされています。これはどういう意味ですか。 要するに、私は、今日の
電気通信
事業
というもの、後ほど幾つかの問題、課題についてお聞きしますが、その前提となるもの、確かに先ほど
公共
事業
の問題について、性格について申し上げました、あるいはやりとりをやりました。
電気通信
事業
の場合、国の全額出資で百八十八億。今日
赤字
になってきた最大の
原因
は後ほど討議をするとしても、きわめて普通こうちゃんと見ても、資本金の膨大な支出というのが問題になるわけであります。ところが、今日まで
電気通信
事業
の運営というのは政府はしょっぱな百八十二億ですか、金を出しました、資本金。あとは受益者
負担
で全部
国民
の
料金
の中から肩がわりでつくりなさい、こんなやり方を今日まで、財投その他について若干のことはありますが、これはわかったわけで、運営をしてきたところに、そしてなおかつ
電電公社
としては高度成長政策や日本列島改造という当時の国のあるいは
企業
や産業の要請に応じた
設備投資
をあるいは
建設投資
をせざるを得ない。すべてそういうものが
国民
の肩がわりの中に行われてきて、にっちもさっちもいかなくなったのが実は今日の公衆法の実態だと私は
理解
をするのです。 そこで、そのことによって起こってくる国の責任とはどこにあるのか。NHKじゃありませんが、国が委託をした以上は国が一定の責任を持っていくということがなければ、私は通信
事業
の今日と今後の健全な運営なんて不可能だと思います。結局、国鉄の二の舞を続けていくことになりかねないと思う。この辺について、一条、三条の関係について、どのように郵政省としては
理解
をして、国の責任というものをお感じになっているか、あるいは責任というものについてどのように
理解
をされているのか、この辺明確にひとつお答え願いたい。
松井清武
321
○
政府委員
(松井清武君)
公社
法三条の点でございます。
公社
法三条につきましては、いま先生がお読みいただきましたとおり、
公社
の行う業務の範囲について規定をしたものでございまして、第一項におきましては、
公社
の第一条の目的を達成するため当然行うべき、いわば本来業務についての規定をしたものでございます。第二項につきましては、その第一項の業務の円滑な遂行に支障のない限りにおいて委託による業務というものも規定しているわけでございまして、その中には郵政大臣から委託される業務及びその他制限列挙で書かれておりますが、委託による業務として次のことが行えるということになっているわけでございます。したがいまして郵政省としてもこういった規定に基づきまして委託をしている業務もございます。 この業務は、この
法律
に三十三年に追加されたということになっておるようでございますけれ
ども
、これによりまして電信為替業務の一部を
公社
が受託してやっているということでございます。こういう問題につきましては、当然、郵政省といたしましても委託費を払っておるというような関係になっておるわけでございます。ただ、そういった委託関係においてなされる業務につきましては、当然、国としあるいは郵政省とし、委託手数料を契約に基づきまして支払うことは当然のことでございます。 いま問題になっておりますのは、この
公社
の本来業務の遂行に当たっても、国としてそういった何らかの
措置
を行うかどうかという点でございますが、この点につきまして、私先ほど申しましたように、原則としては
独立採算
制でいく。しかし、個別のもろもろの状況、
公社
の財政事情というものが非常に厳しくなってきた、たとえば国鉄の場合におきまして政府におきましていろんな助成
措置
というものも講じ、かつ今後におきましても考えられておるというような状況もあるわけでございますし、また事柄の性質によりましてはあるいはそういうこともあろうかというふうに思うわけでございまして、これはやはり個別に考えていくべきが至当であろうというふうに思っている次第でございます。
案納勝
322
○
案納
勝君 それじゃ個別的に、しかも政府の責任という
立場
で具体的な問題については、政府として具体的な財政的な
措置
というのは当然あり得る、こういうふうに
理解
してよろしいですね。
松井清武
323
○
政府委員
(松井清武君) 原則として
独立採算
制のたてまえでございますが、例外的には、そういういろんな
措置
があり得るというふうに思っております。
案納勝
324
○
案納
勝君 私は、先ほど
公共企業
体というのは、政府の一般行政と同様、
公共
の利益、
福祉
の目的を持って独立した
企業
型の行政機関だ、そういう責任があるんだ、こう申し上げました。そうして
独立採算
制の問題について私は否定はしていない。ただ、
公共企業
体というのは一般の行政官庁に見られるように組織的な硬直さやあるいは
経営
活動の態様からくるところのいろんな非
能率
的な面、こういうものから独立をして、そしてマネージメントの方法を導入することによって効率的な機構の運営を図っていこう、経済単位として積極的に経済性というものを考えながら
国民
の
公共
の
福祉
、要するに
独立採算
制という
立場
を守っていく。しかし、それはあくまで
公共
の
福祉
を実現をする、そういう基本的命題を追求するための
企業
型の行政機関的
役割り
を私は先ほど指摘をした。 そこで、いま一番問題になっているのは、今日の段階における、あるいは
電気通信
事業
の将来の展望を考えた場合ですね、今日の
赤字
の
原因
というのは、後ほど指摘をし、御
意見
をそちらで回答いただきたいんですが、先ほど私が申し上げたような運営や今日までの推移の中で出てきたと思います。だとすると、政府として責任を持って
国民
の
福祉
増進という
立場
に立ち、
公共企業
体の性格からいっても、これらについての積極的な助成といいますか、積極的な財政的な
措置
、必要な問題について私は当然そのことはあり得る、そうされなくてはならないというふうに考えています。私の言っているのが間違いかどうか、端的にひとつお答えいただきたいと思います。
松井清武
325
○
政府委員
(松井清武君) ちょっと聞き損じた面もあるわけでございますが、私
ども
受けとめた範囲におきましては、そのとおりであろうというふうに存じております。
案納勝
326
○
案納
勝君 それでは次に移ります。 今日、政府は、
公衆電気通信法
について国会に提案をされまして、これは言うまでもなく、今日の
経営
上の
赤字
がきわめて大幅になってきて
赤字
総額二兆二千百億の見込みとなって、改良
投資
を含めて約二兆五千百億という
料金改定
の必要が生じている、これが今回の
値上げ
案となっているということで、約
事業収入
に対して三三・八%の
料金改定案
が提案をされています。 この
赤字
になって
料金改定
を提案をさせざるを得ない収支悪化の
原因
は、一体、どこにあるのか、この辺も実はいままで多くの同僚議員が指摘をし、論議をされてまいりました。しかし、まだ十分にはっきりしないところがあります。まず、ここのところを明らかにしていただきたい。
中林正夫
327
○
説明員
(中林正夫君)
公社
の収支状況は、近年、悪化の傾向をたどってまいりましたが、
技術革新
と
経営
の合理化によって四十八年度までは辛うじて収支均衡の道をたどってまいりました。四十八年度におきましては二百九億の利益金がございます。しかし、四十九年度の状況は急激に悪化いたしまして、四十九年度には千七百五十三億円、五十年度には二千八百十二億円と非常に大幅な借金を計上するに至っております。 こういったふうに四十九年度から急激に収支の悪化を生じた
原因
は、
一つ
は、
利用
度の低い
電話
の増大によって収益が伸び悩んでいたということ。他面、支出の面におきましては、四十八年秋以来の経済変動に基づく物価の高騰あるいは四十九年度における非常に高額のベースアップという面、それから利子
負担
の増額、こういったものによって支出が収益を大きく上回っていた、そういったところにその
原因
がございます。 それを、収益と需要の動きを前年度に対します伸び率で見ますと、収益は、四十七年度が対前年で一六・七%、四十八年度が一六・六%と順調に伸びてまいっておりますが、四十九年度は一〇・四%、五十年度には一二・一%と伸びが鈍化をいたしております。一方、需要の方は、四十七年度が一五・六%、四十八年度が一五・九%と伸びておりますが、四十九年度にはこれが二二・二%と大きく伸びております。それから五十年度にも一六・二%というふうに、四十九年度、五十年度とも収益の伸びを需要の伸びが上回っておる、こういった状況でございます。
案納勝
328
○
案納
勝君 いま、物価の高騰とベースアップ等を初めとして幾つかの問題について指摘されました。 しかし、今日、たとえば私の手元に損益
計算
算定の資料があります。この資料を見ますと、たとえば三十六年を一〇〇とした場合に、四十六年の総
収入
指数は四二七、総支出の同指数は五五七、これは三十六年を一〇〇とした場合の四十六年度の指数であります。
収入
成長指数より支出成長指数の方が大きく上回ってきている。これは四十六年です。いまあなたは四十七年、四十八年、四十九年、五十年というふうにおっしゃいましたが、もはやこの段階からこういう状態が続いている。いや、もっと前から続いてきていると言っても言い過ぎではない。 この支出上昇の要因を見ると、費用項目別の同指数をさらに見ていきますと、
事業
費の指数は四二八、総支出平均以下でありますけれ
ども
、管理費が五一二、資本費は実に八一三、資本費の中でも利子及び債券取扱費がそれぞれ一〇一九、
減価償却費
が七九六、債券発行差損
償却
が七四七、きわめて著しく高くなっているのであります。五十年度をとってみますと、三十六年を一〇〇として、総
収入
指数は七一九、総支出は一〇五九、この状況は四十六年に比べてみても変わります、さらに拡大をしています。それで
事業
費指数を見ますと八二七、管理費が一〇七三、資本費は実に一五一九、資本費の中でも利子及び債券取扱費が二四三四、
減価償却
が一四三〇。従来の伸びと比べて若干伸びが縮まっていますのは債券発行差損
償却
が七八二。これは何を物語るかというと、これはあなた方の
電電公社
の中における専門家を集めての
検討
の中でも、このことは指摘をされている。この資本費の膨張が
公社
の総合収支悪化の第一
原因
であるということすら明確に指摘をされているじゃありませんか。 私は、このことについて、確かに物価が上がりました、人件費、これは大変一般受けがします。しかし、
公社
の
経理
、財務状態というのは私はそんなところじゃない。たとえば労務費について各費目別に見ますと、五十年度をとっても全体の
事業
費の中に占める
役割り
というのは二六・七ぐらいにしかなっていないのであります。この資本費の膨張は、急速な
投資
とそれに伴う
外部資金
への依存度の上昇、こういうことになってきたことは明らかでありましょう、だれも否定できないはずであります。 すなわち、
電話
新規需要の急速な拡大、私はこれは
高度経済成長
政策にあるいは日本列島改造に乗って
事業
用を第一義として進めてきたところにあると思いますが、それに伴う
投資
の拡大、こういうものになり、
投資
の拡大は一方で
減価償却費
の膨張をもたらした、こういうことが繰り返されてきて、他方では証券への依存度を高めて社債利子の膨張となっている。これらが収益率の低下を促し、利益率の低下は建設
資金調達
によってさらに資本費の膨張を来している。この資本構造と
収入
構造の関連ないしは悪循環こそが現在の
公社
の財務の基本的な特徴として問題になっているところではないでしょうか。私は、ここのところにメスを入れない限り、今日の
公社
の将来における健全財政、健全財務をつくり上げるということは不可能だと見ています。これは私が言っているだけではありません、皆さん方の内部の中で
検討
されておる分野でも、このことが一番最大の問題として指摘をされてきているではありませんか。 もう
一つ
は、
電報
部門の
赤字
の拡大ということを
公社
で
説明
になっておる。
電報
部門の
赤字
というのは全
収入
の一%にしかすぎないんじゃないか。最大の問題はいま言ったところにある。ここのところを本当に本気になって
公社
は考えているのかどうか、口先だけで人件費が上がりました、物価がと、これは一般受けするかもしれません。しかし、本当のところはここにあるんじゃないかということをあなた方はどう考えているのか、明確にしていただきたい。
好本巧
329
○
説明員
(好本巧君) いま先生御指摘の、
昭和
三十六年度を一〇〇として
昭和
五十年度に各
事業
費、
収入
、その内訳の御指摘がございましたが、全くそのとおりでございます。 先ほど中林
経理
局長
が答えましたのは、
公社
の収支が一番よかったのは
昭和
三十五年度でございまして、そのころは
収入
の二五%が黒字であったと、それからだんだんと一直線で
昭和
四十二年ごろまで下がってまいりまして、
昭和
四十二年から
昭和
四十八年度までというのは御案内のように収支とんとんでございまして、ほとんど海面すれすれの低空飛行というところでプラス・マイナス・ゼロというのが続いたわけでございます。私
ども
は何とかこれを
赤字
にしないということで、このままいけば五十二年度ごろまでいけるんじゃないか、こう思っておったわけでございます。 なぜ
昭和
三十六年を
ピーク
にしましてどんどんどんどん下がって
昭和
四十二年度にそういうことになったか、四十二年度から四十八年度までそういう状態に相なったかといいますと、先生御指摘のように、
資本費用
の圧迫が大きゅうございます。もちろん、どういうふうな各部門の内容の経費、費用がふえてきたかということは先生の御指摘になった数字のとおりでございます。ただ、先ほど申し上げましたのは、それが
一つ
の遠因といいますか基本的な構造でありまして、それで五十二年度までもつだろうと思ったのがもたなくなったというのは、四十八年度の油ショックその他でそういうことになったということを申し上げた次第でございます。
案納勝
330
○
案納
勝君 基本的構造、要するにここのところ、だから一番私は
公社
として実は今後の将来のためにはメスを入れる、
検討
する、こういうことにしてもらいたいのです。そこに関係をするのは
減価償却
であり、借り入れする債券であり、あるいはそれに伴う国の一定の援助の問題が出てくるでしょう。私は、ここのところに明快なというか一定の前進や方向というのが出されない限り、今後、三年間、仮に収支相償という原則に沿って今回の
値上げ
が行われたとしても、私は再び今日の危機というものを繰り返すことになる。従来のパターンの繰り返しだけでは、今日大きく変化をしている国際、国内の
経済情勢
や社会、政治
情勢
の中で対応できなくなる、こういうふうに考えますが、総裁、いかがお考えでしょうか。
米澤滋
331
○
説明員
(米澤滋君) お答えいたします。 今回、お願いいたしました
料金
法案
の基礎になっておりますのは、三年間をベースにしております。ただいまお話しのように、確かにこの
資本費用
の問題は重要でございます。しかし、この三年間を考えた場合には、今回の
料金
法を認めていただきますならば三年間は持ちこたえるベースにしておりますし、なお
企業努力
によってもう一年ぐらい延ばしたいというふうに考えております。 しかし、さらに将来の問題につきましては、まだ
経済情勢
その他もいろいろ問題がございますので、これらにつきましては、将来の見通し等につきましてまだ国の計画も五年ぐらいまでしか決まっていないようでございますので、今後にはいろいろ問題を含んでおると、このように考えております。
案納勝
332
○
案納
勝君 総裁ね、私たち社会党が今日まで同僚議員がきわめて強くこの原案について
反対
あるいは批判をしてきているのは、実は、いま今度の
料金値上げ
を認めてくれれば三年間は何とかもつだろう、そんなことではないのです。そんなことはいかにも
国民
の犠牲の上でいま乗り切ろうとしている
公社
の姿勢をあらわしているのにすぎないと私たちはとっているのです。 そうでなくして、私がいま言ったように、今日、
公社
運営全体のあり方なり
経営
のあり方の中で
赤字
になってきた根本
原因
は、物価高や人件費というのもあるでしょうが、この基本的構造の要するにいま先ほど申し上げました資本費のところがこのまま回転をしていきますと、同じようなパターンでいくと同じようなことを繰り返すだけで、それを糊塗するために
国民
の犠牲で
料金
を
値上げ
してくる、こういうことになるだけではないかと、このことを指摘をしてきている。私もそのことを基本的問題としてこの資本費の問題について
公社
が
理解
をし把握をして取り組まない限り、
料金値上げ
を幾ら口を酸っぱくされて言われても私
ども
はうんと言うわけにはいかない。問題の焦点というのははっきりしているじゃないですか。もう一回答弁してください。
米澤滋
333
○
説明員
(米澤滋君) ちょっと先に総務理事から答えさせます。
好本巧
334
○
説明員
(好本巧君) その前に一言。 確かに、いま御指摘のとおりでございますが、二十三年間
料金
レベルを上げずにまいったといいますのは、そういうふうな費用の圧迫にもかかわらず
技術革新
を中心とするところのコストダウンというものを
投資
面におきましても経常経費面においてもとってまいりまして、それで利益もないけれ
ども
赤字
でもないというのを続けてきたということを先ほど申し上げたわけでございます。 今後、そういう
投資
面あるいは経常経費面でコストをますます下げていけると、どこまでいけるかということでございますが、確かに金利あるいは金融費用というものが相当大きくなっておりますが、これはやはりできる限り安いコストの資金を導入するということに努めなければいかぬと思います。それ以外は、諸外国に比べても相当効率的な
投資
をやってきておりますが、やはりそれに対しましては、それに見合う適正妥当なコストをカバーする
料金
の
改定
も必要かと思います。
案納勝
335
○
案納
勝君 私は、まだごまかしがあると思うんですよ。
電電公社
は二十八年に五円から七円に
料金
改正をされた。で
電電公社
の財務上は、先ほど言われましたが、百八十二億ですか資本金を発足のときだけ国が見た。このままいきますと国はその資本金だけで、さらに建設やあるいは
設備
資金というのが必要になってくる。ところが、
わが国
の場合に、これが低成長の時代の推移をするならば、まだそれでよかったかもしれぬけれ
ども
、
電電公社
は今日まできわめて
わが国
の経済成長以上に、あの最も見直さなくちゃならないときですら一四%の
建設投資
が行われてきている。どんどん、それこそ、これ
遠藤
さんが言われていますが、
景気
刺激策としても住宅に次いで
電電公社
の
建設投資
というのは大きな影響を持っている。それほど今日までの
建設投資
というのは第一次から第五次にわたってまさに膨大な
建設投資
が行われてきた。ところが、これをカバーをしてきたのは債券の発行をすることができる、その債券なんです。皆さん一番御存じじゃないですか。ところが、その債券を発行して、そして
減価償却
を三十六年と四十一年ですか、定額から定率に変える、あるいは
減価償却
を見直す、こういうものが繰り返されてきて、そういう中でやっと乗り越えてきたというのが現状じゃないでしょうか。 いま私は四十六年段階の例をとりました。三十五、六年当時は一番利益があったときですね。しかし、このときから四十六年、今日においても、やがては行き着くところはこういう状態になるぞと、それには債券の無期限債券化とか、あるいは政府の最も安い財投の資金投入とか、そういうものがなされてこないと行き詰まるぞということは、
公社
、あなた方自身の中にもそのことについて研究がされ指摘をされてきているんじゃないですか。いま助かってきたのは、やっとここまできたのは債券という
資金調達
の方法が認められてきたからじゃないですか。そのことがいまある
程度
限界に来つつあるのじゃないですか。金利の支払いの膨張、要するに資本費の膨張というのはそういうところに今日あるというふうに私は
理解
をします。 だから、私は、いま一番必要なのはこの資本費のところの改善を本当に本気になってやるかどうか、ここにかかっているというふうに私は
理解
をしますが、私の言っていること間違いかどうかはっきりしていただきたい。これは私自身も大分勉強さしてもらいましたが、
公社
の中において、いろいろその問題について
検討
すればするほど
公社
自体の中においても、そのことが今日の課題になってきているんじゃないですか。私は、ここで、あんまりごまかさないで言っていただきたい。
好本巧
336
○
説明員
(好本巧君) 確かに金融費用の高騰の
原因
は金利でございますから、
外部資金
のほとんど全部を債券発行に依存してまいったわけであります。ただ、債券発行の金利といたしましては、ただいま御指摘の拡充法によるところの電信
電話
債券、これは拡充法によりまして財政投融資の政府保証債と全く同じ金利でありますし、その他、政府の方の、いまの日本では一番金利としては安いとも言えるような金利でやってきたことは事実でございます。しかし、そういう借金でありますとか債券発行以外の方法によるならば、さらに金融費用はもっとセーブできたということは言えると思います。 それから
減価償却
の方は、とにかく
固定資産
の取得価額を費用配分をするわけでございますから、多大な必要以上の
投資
があった分がもしございますれば、その分が必要以上の
減価償却
が出ておるということは言えるかもしれませんが、適正妥当なる拡張があったとするならば、
資本費用
の中の
減価償却費
は適正であったとも言えると思います。
片山甚市
337
○片山甚市君 関連してお聞きしますが、
昭和
二十八年から五十年度までに
公社
が利益を処分したもの、いわゆる利益金として上げたものは幾らになるか。で、そのときに
減価償却
は二十八年から五十年までに幾らしたか。これを聞くのは、
減価償却
というのはやはり財産をつくっていく過程で残したものですね。それから利益金というのは、やはり毎年度そういうことで、皆さんが好きな言葉では累積黒字でありますね、累積黒字、それは幾らになっておるか、すぐに答えてください。
好本巧
338
○
説明員
(好本巧君) お答えいたします。 五十年度末におきまして、二十八年から五十年度までの
減価償却
引当金の累計は四兆八千億でございます。それから
昭和
二十八年度から利益金の累計が一番多かったのは、御案内の
昭和
四十八年度末でございますが、約六千五百億でございます。四十九年、五十年とだんだんと減ってきております。
片山甚市
339
○片山甚市君 実は、今日、利益金が取り崩されて新しい
設備投資
に必要だということであって、先ほどから言われておるように、この
減価償却
引き当てによるところの財産の保全のことありますから、実際上は、
値上げ
をする分についての次の段階になる改良費というもので三千億円というのはわれわれとしては納得できない。いま
減価償却
の問題が出ていますから、そこのところであたかも
電電公社
は倒産をするように言っておるんですが、まだ利益金としては残っておる、こういうふうに言明しておきます。否定をされるならしてもらったらいい。
好本巧
340
○
説明員
(好本巧君) 利益金は五十年度末の決算におきまして一千九百七十三億円残っておりますが、これは五十年度末でございます。
案納勝
341
○
案納
勝君 そこで、私は、いままでのことを通じて収支悪化の
原因
というのは資本費にかかっていると、こういうこと、一定の答弁も私はそのことを認められていると見てよろしゅうございますか。—— そこで、私は、ここで総裁にお聞きしますが、簡単にお聞きをいたします。もういままで多くの議員が指摘をし論議をしてきたところでありますが、
資本費用
の大半が
減価償却費
でありまして、まあこれは私たちに対する
説明
は、
電気通信
事業
における
技術
の陳腐化がきわめて早いことを理由に、機械や
設備
の
耐用年数
の短縮、
償却
率の引き上げなどにより年々莫大な
減価償却費
を設定をしてきたと、こういうことについて
説明
をしております。このために
昭和
四十八年度の
事業支出
に占める割合が三四・二%、他産業に例を見ないものとなって、支出を圧迫することになってきたというのは私は当然だと思います。 そこでお尋ねをしたいんですが、これについて
減価償却
の
定率法
等について多くの
意見
が今日まで同僚議員から出された。私はこれを繰り返したくありませんが、これは
中央
公聴会、
地方公聴会
において
電電公社
の
料金値上げ
について賛成をする公述人の方々も、全部一致して、建物や工作物や諸施設については、
定率法
の採用については再
検討
すべきだと述べられていた。郵政省は、監督官庁としてこれについてどういうふうにお考えになるのか、あるいは
電電公社
としてどのようにお考えなのか。このことについては、先ほどから私申し上げましたように、
公社
内部で
料金
制度のあり方その他を
検討
をする中でもこのことは大きく指摘をされている。今日、この公聴会や
審議
の中で与党の先生方からもこのことについて指摘をされた、これらを受けて、どう
措置
をするのか、ひとつお伺いをしたい。
米澤滋
342
○
説明員
(米澤滋君) お答えいたします。 いまの
減価償却
の中で、建物、工作物につきましては、これを
定額法
にすることを早急に
検討
をいたしたいと思います。
松井清武
343
○
政府委員
(松井清武君) ただいま総裁から答弁ありましたとおり、郵政省といたしましても、
公社
からそのような申請があれば、認可してまいりたいと思っております。
案納勝
344
○
案納
勝君 米澤総裁に重ねてお尋ねいたします。 その御答弁をいただきまして結構だと思うんですが、早急にというのは、私は早い方がいいと思うんです。これは
法案
が仮にどういうようになろうと、私はそのことによって内部の資金あるいは利益、利潤、そういうものがこの
減価償却
の見方によって違ってきますから。私は、これは五十一年の末ぐらいに明確に結論を出していただきたい。いかがですか。
好本巧
345
○
説明員
(好本巧君) 建物、工作物の
償却
方法を定額制にする問題につきましては、先般ここで総裁が御答弁されましたので、私
ども
直ちに
検討
に着手しております。まあ、よその定額制に最近直したところ等も調査
検討
しておりますが、何しろ膨大な物品でございますので、五十二年度当初から実施するというのは非常に困難じゃないかと思っておりますが、でき得る限り早く、コンピューターなどの入れるまでが時間がかかるんでありまして、入れると非常に後はコンピューターで楽なんですが、そういうことを全部導入するのに五十二年度当初から実施するというのは非常に困難かと思いますが、できる限りスピードを上げてやりたいと思います。
案納勝
346
○
案納
勝君 それでは、ついでに関係をします問題について、改良
投資
として三千億円必要だという、実は、今日まで私も少し見さしていただきました。この前の
料金値上げ
あるいはその前の
料金
の一部改正、こういう問題のときにおける
電電公社
の提出された予算案あるいはこれに付随する
説明
書、改良
投資
三千億円とは、一体、何を指すのか。いかがですか。
輿寛次郎
347
○
説明員
(輿寛次郎君) お答え申し上げます。 改良
投資
という言葉は、確かにちょっと耳なれないかと思いますが、
公社
は、従来から、いわゆる経常運営の経費のほかに、
投資
の財源の一部を
料金
に含めまして、こういったもので手動式局の自動化でありますとか、
加入区域
の拡大とか、防災計画等のいわゆる既設
加入者
の
サービス
改善を進めてまいりました。これは
電話
事業
の特質でございまして、ほかのあるいは電気、水道なんかと違いまして、ああいったものは、そのつけることによりますその方の利便だけでございますが、
電話
の場合は、つける方はもちろん、そこにまた
電話
がかけられるというようなこともございまして、そういった意味ではお互いの
利用
価値が増大するという意味でございます。また、時代の進展とか
国民
生活
の向上に即応しまして
サービス
の改善を図る必要もございます。そういったことで従来から認められておりまして、二十八年の
料金改定
後、収益の一部を改良
投資
の一部に含めてわれわれといたしましてはやってきたわけでございます。 今回も、いろいろ御議論あるかと思いますが、われわれといたしましては、やはりこういった精神にのっとりまして、額としては多い方がいいわけではございますが、そうもまいりませんので、過去十年間の実績は、大体、
収入
の約三%でございますが、その
程度
の三千億円を改良
投資
に充当したいということで御提案しているわけでございます。 中身といたしましては、いま申しましたように、たとえば五十一年から五十三年度の計画は全部で五千億円でございますが、そのうち、いま申しました自動改式とか地域集団
電話
の一般化等、あるいは
加入区域
の拡大あるいは防災対策、そういったものを含めますと大体五千億
程度
になろうかと思いますが、そういった一部に充当したいということでございます。
案納勝
348
○
案納
勝君 私、よくわからないんですがね、
減価償却
というのは、商法上、
設備
を健全に保全し維持すると、その意味での
減価償却
というのが税法、商法上認められておる。もちろん、これは
電電公社
も商法、税法の適用を受けてないわけですが、しかし、
減価償却
の考え方はそうです。 そうすると、従来は、建設をした
設備
の健全な保全や維持のためということで
減価償却
をやってきた。改良といいますか、そういうものは新しい
建設計画
、新規
投資
になるんじゃないですか。ところが、ここでは改良
投資
として、突然、唐突として実は出されておる。じゃ
減価償却
とは何なのかというのが出てくる、いまの
公社
で。これは建設資金でございますと言えるんじゃないですか。そんな
減価償却
と麗々しく言ってますが、この辺の私は使い分けがよくわからない。これは三千億というのは、そんな失礼なことを申し上げたら間違いかもしれませんが、利益隠し以外にないんじゃないか、こういうふうに私には感じられてならないんです。 先ほど米澤総裁から
説明
がありましたから、私は一定のある
程度
の了解はできる。たとえば
アメリカ
みたいに一定の定額でもってきわめて厳しくこれが決められたり、一定の適正利潤というものをその中に上積みすることが認められる、そういう中における改良
投資
の予算化というものについては私はある
程度
認めることができます。しかし、
わが国
でいままで電電がとってきた
定率法
に基づく改良
投資
というのは何なのかということがどうしても
理解
できない、ひっくり返してみても。まあ、しかし、五十二年度からはどうなるかわからぬが、いずれにしても
減価償却
について手直すと、こういうわけですから、その辺で一部認められる分野は出てくるとしても、私は今日の段階でわからないんですが、いかがですか。
好本巧
349
○
説明員
(好本巧君)
減価償却
は、すでに御案内のように、
固定資産
の取得価額をある年間の間に——ある年間の間といいますと、耐用の寿命期間中ということでございますが、その年間の各
事業
年度に取得価額の費用を配分する、取得した年に全部それを立てるのではなくて繰り延べるということでございまして、それにはいろんな方法がございますが、すなわち耐用命数のある期間中に各
事業
年度別に費用を配分しておるということでございます。たまたま、その問題と、その各
事業
年度の立てました
減価償却費
が資金としてそれをどこへ使うかという問題は、おのずから別であろうと思います。わが社もそうでございますが、それをどこか有利に土地を買うとか、あるいはその他有価証券を買うという方法もあるかもしれませんが、私
ども
は、それを改良拡張等の建設資金として使っておるわけでございます。 ただいま計画
局長
が申し上げました三千億円の改良
投資
分といいますのは、その改良
投資
という言葉が適切であるのかどうかちょっとそこに問題が誤解されるかもしれませんが、計画
局長
が申し上げましたように、
公社
は、二十八年度以来、これはどこの国の
電話
事業
でもやっておりますが、
料金
からいただいた分の中の一部を利益金の中から
建設投資
に回すと、これは改良拡張ということが、ほかの
事業
と違いまして、
電話
加入者
のネットがだんだん大きくなっていく、既存の
加入者
に大きな便益を与えるということから、そういう理屈づけが一番ポピュラーでありますが、
アメリカ
におきましても全
収入
の三%相当のようなものを毎年拡張改良に使っておりますし、イギリスの郵電
公社
におきましては、大
赤字
の年は別でございますが、大体、総
収入
の一〇%近いものを
料金
の中から改良の方へ回しております。フランスはもう三〇%ぐらいのものを回しておる。まあこういうことで大体認められておるのではないかと。
昭和
三十六年ごろは二五%もそちらの方へ回しておったわけでございますが、過去十ヵ年間は平均して三%
程度
で、非常にわずかなものでございますが、そういうものは許していただけるんじゃないかと。これを改良
投資
分というふうに名前をつけておるわけでございます。
案納勝
350
○
案納
勝君 私は、一定の利潤を生み出すことについて、
経営
の健全化としてこれを否定しているものじゃないんです。しかし、いま言われた
アメリカ
がどうだというようなものは、私も
アメリカ
のやつを少し勉強させてもらいましたが、先ほど私が申し上げたような理由なんです。イギリスの場合にもしかりなんです。もっと端的に、開かれた
公社
という
立場
から私は出すべきだと思うのです、
電電公社
としても。わけのわからぬような、よく理屈の通らないような実は出し方をすべきじゃないと思います。この辺について、監督官庁として、どういうふうにお考えになりますか、その一点をお聞きして休憩に入ります。
松井清武
351
○
政府委員
(松井清武君)
ナショナルミニマム
の観点に立ちまして、
国民
に利便を提供する電信
電話
、
国民
の利便を確保する電信
電話
サービス
のよりよき確保という点から、この改良
投資
につきましては、いわば一般的な
経営
原価を保証するだけでなくして、ある意味で
公共
的なよりよい
サービス
を提供するという必要余剰を含んだものであろうというふうに私自身は考えているわけでございまして、一般の
料金
水準
の決定原則、基本的には原価保証主義ということでございますが、今日まで
公社
がとってまいりましたのは、それにプラスしますにいま申し上げますような意味での必要余剰、要するに改良
投資
ということで進めてまいったわけでございまして、これによりまして私はそういった
国民
に対しましてのよりよい
サービス
の提供、改善が期待できるというふうに考えて、了承している次第でございます。
森勝治
352
○
委員長
(
森勝治
君) 暫時休憩いたします。 午後六時三十二分休憩 —————・————— 午後七時十四分開会
森勝治
353
○
委員長
(
森勝治
君)
委員会
を再開し、
質疑
を続行いたします。
案納勝
354
○
案納
勝君 先ほど休憩前に、改良資金の問題でお尋ねしました。郵政省の松井監理官の方から
ナショナルミニマム
の
立場
に立っての改良資金の使用について御
説明
がありました。きわめて不満ですが、見守っていきたいと思います。 そこで、もう一点お尋ねをしたいのですが、先ほど片山同僚議員から、二十八年以降剰余金について約六千八百億、こういうお話がありました。これは四十九年の収支赤が出ています千七百九億に充当した今日に残っている剰余金、こういうふうに
理解
してよろしいですか。
好本巧
355
○
説明員
(好本巧君) 五十年度末の利益剰余金が千九百億円余ございますが、これは四十八年度末の六千五百億円余の利益剰余金から、いま御指摘になりました四十九年度分の欠損金一千七百億円を取り崩しまして、その後また五十年度末におきまして五十年度の欠損金二千八百億の
赤字
をさらに取り崩しました残りが千九百億円余でございます。
案納勝
356
○
案納
勝君 そこで、この前の
委員会
で片山
委員
から質問をいたしまして、剰余金については
固定資産
化している、取り崩すことは困難だと、こういう答弁があったやに聞いているんです。私の方から関連質問で、剰余金というのは建設
勘定
に入れて、建設
勘定
の中で処理をしているのか、こういう質問をしたことを覚えていますが、この辺はどうなんですか。
好本巧
357
○
説明員
(好本巧君) 利益金の取り崩しでございますが、確かにそのように答弁いたしました。利益金はほとんど全部が
固定資産
になっておりますので、取り崩すという場合には負債をふやして、固定負債がふえるというかっこうに相なっております。したがいまして四十九年度、五十年度の両年度の
赤字
の欠損金の取り崩しました合計が四千億円余りありますが、その分だけが負債がふえておるというかっこうになっております。
案納勝
358
○
案納
勝君 それは
計算
上のあれですか、実体上そうなんですか。
好本巧
359
○
説明員
(好本巧君)
会計
記帳上の形もそうでございますし、実際は、大蔵省から政府のお金を四千億円余お借りしたということでございます。
案納勝
360
○
案納
勝君 四千億……ああそうか。そうすると、それで
赤字
を埋めた形になって、借りた分だけ
赤字
になっていると、こういうことですか。そうすると
固定資産
は全然動かない。その剰余金はそのまま、言われるところの差し引いたような形になっているけれ
ども
、剰余金として残っていると、こういうことですか。
好本巧
361
○
説明員
(好本巧君) ちょっと
説明
が下手で言葉が足りなかったわけですが、利益剰余金は四千億円余り減っております。その分だけが、ほとんどその分だけが負債がふえておるわけでございます。
固定資産
の方はそのままでございまして、減っておりません。
案納勝
362
○
案納
勝君 これ郵政省にお聞きしますが、私いまの
説明
よくわからないのですがね。まあ不勉強というか、よくそこあたりの
会計
の処理わかりませんが。
公社
法の六十一条に「(利益及び損失の処理)」というのがある。それで「
公社
は、」「
経営
上利益を生じた場合において、前
事業
年度から繰り越した損失の補てんに充て、なお残余があるときは、その残余の額は、積立金として整理しなければならない。」こうあります。いま言われる
固定資産
でやっているということ、そして
赤字
の穴埋めは大蔵省から借りてきて穴埋めをする、負債がふえる、そういうことでこの六十一条の
公社
法に基づく処理というのは適法なんですか。 もしね、もう
一つ
聞きますが、今回提案をされているように、五十一年度の場合、あるいは今後このままいくと
赤字
が予測される、そこでそれを
料金
にかけているわけですが、その剰余金は、その場合には少なくともそれで損失、要するに欠損に当てて、そしてその上で剰余金、要するにこの積立金、剰余金というのはゼロの形で新しい
料金
という、そういう
料金
決定というふうになっていくのか、なっていくのが筋道じゃないかと思います。ここらあたりは、私よく
会計
上の処理についてはわかりませんが、いま言ったように、前段は適法なのかどうか、その後の処理については私の言ったようなことになるのか、その辺について。
松井清武
363
○
政府委員
(松井清武君) ただいま先生からございました
公社
法六十一条の点でございますが、
会計
法上の処理といたしまして、
公社
は六十一条に沿って
会計
法上の手続、処理はしているわけでございます。ただ、したがいまして、その利益が生じた場合には、その積立金として整理をしているということでございまして、これはそのとおり適法に行われているというふうに承知しているわけでございます。 しかしながら、これまでの
公社
設立以来、今日までのこの問題に対する実際の扱いというものを見てまいりますと、
公社
は、これを翌年の予算によりまして承認された範囲において、
公社
の
電気通信
設備
の拡充の財源として事実上は充当してきておるということでございます。
案納勝
364
○
案納
勝君 まあこればかり時間かけても、これとってもわかりませんので、いずれ、終わりまして、
説明
をしてもらいたいと思います、資料で。
好本巧
365
○
説明員
(好本巧君) 承知いたしました。
案納勝
366
○
案納
勝君 次いでお尋ねいたしますが、今日における
公社
の
料金
決定の原則というのはどのようになっていますか、その辺を質問いたします。
遠藤正介
367
○
説明員
(
遠藤正介
君) 御案内のように、
公社
法に決められておる
料金
決定の原則は非常に抽象的といいますか、「合理的な
料金
」という文章になっておりますが、
公社
としては
独立採算
制をたてまえとしておりますので、いわゆる
事業
全体として総括原価主義によりまして
料金
水準
を決める、こういうぐあいになっております。それによりまして
料金
水準
を定めるわけでありますが、個別の個個の
料金
につきましては、できるだけ個々の
料金
の原価に近い形で、あるいはその効用等も見まして決めるようにいたしたいと思っております。
案納勝
368
○
案納
勝君
公社
が総括原価方式をとっているということは、平たく言うならば、採算のいい
電話
部門の黒字で採算の悪い電信部門の大幅な
赤字
を埋めていく、それで総体的に収支、
経営
を安定をさせていく、こういう意味での総括原価方式、こういうふうに
理解
していいですか。
遠藤正介
369
○
説明員
(
遠藤正介
君)
電報
だけではございませんが、
事業
全体といたしまして、決められた
料金
によりまして得られる
料金
の総
収入
が総括原価に等しいといいますか、近い形で
料金
水準
を決める、これがいわゆる総括原価主義というものの定義と申しますか、中身だろうと思います。したがいまして、それを具体的に
電報
と
電話
との関係について当てはめますと、先生のおっしゃるとおりだろうと思っております。
案納勝
370
○
案納
勝君 そうすると、総括原価方式はそのまま
料金
ということにはなりませんね。そうすると、これを
料金
に配分をしなくちゃいけませんね。この方式はどういうことになっていますか。
遠藤正介
371
○
説明員
(
遠藤正介
君) ですから、いまの
電報
と
電話
について申し上げますと、これをもう少し累計をいたしまして、
電報
の原価と
電話
の原価に
比較
して
料金
を決めますと、非常に
電報
の
料金
が高くなり、その分だけ
電話
の
料金
が低くなるということになります。しかし、一応原則としては総括原価主義でございますが、個々の
料金
の決め方としては、
電報
を除きましては、それぞれの原価にできるだけ近い形で
料金
を決めていくというのがもう
一つ
とっておる方式だと思います。 ただ、個々の原価と申しましても、先般来申しておりますように、個々の原価の出し方が非常にむずかしいものでございますから、一応、四十八年以降とっております五重要部門の原価を中心に考えておりますし、あるいはそれ以外に端末あたりの付加使用料なんかにつきましては、それぞれの付加使用料について原価を
計算
して、それに近い形に
料金
を決めていくというぐあいに、相当バラエティに富んではいるわけでございます。
案納勝
372
○
案納
勝君 私は
地方公聴会
に行きまして、
中央
でもそうですが、賛成をする方に、それでは
公社
の出している数字、原価というものは適正なのかどうかと聞いたら、みんなわからないと、こう言うんです。要するに
国民
皆わからぬと思うんです。いまの
説明
を聞くと、収支の割り掛けで出している、こういうふうに言われた方が一番端的にわかりやすいような気がしてならぬ。これで原価と言えるか、総括原価と言えるかと大変疑問を持つ。 私は、先ほど一番冒頭申し上げましたが、開かれた
電気通信
事業
、そして今後きわめて多様化している
国民
の意識、それで今日までのようなパターンの繰り返しで済まない、今日の実情から言って。しかも
ナショナルミニマム
、社会
福祉
を追求するという命題を進める
立場
から言うと、私は原価を
国民
に公表していく、そしてこの
電電公社
のガラス張りの
経営
というものの中で、
国民
から共感と協力を求めていくということでいかなければ、私は、将来、いずれにしても
電電公社
というのは行き詰まってこやしないか、こういう点をきわめて心配いたします。 そういう原価について、きわめてむずかしいとは思います。郵政省の場合も総括原価方式、しかし個別原価についての算定がある
程度
明らかである。まあ発表はしていませんが、国会の中には一定の
報告
はする。しかし、私はそれは別にしても、いずれにいたしましても原価、個別原価というもの、そしてそれが最も正確に
国民
みんながわかるように明らかにしてもらいたい。この辺について一点お伺いをしておきます。 それとあわせて、
電電公社
の
料金
制度というのは、総括原価プラス建設資金が一部加わっていますね、七円の中で、あるいはその他各
料金
の中で。だから、そういった事実についてもやっぱり
国民
の前に明らかにして、その上で必要な部分については政府に要求を、要するに低利の金あるいは財政
措置
については要求するものは要求していく、あるいはみずからが資金を確保していく内部自立の体制をつくり上げていく。そういうものをしていかなければ、大体、電通の原価というのはどうなっているのか、あるいは
料金
だけあれするけれ
ども
、これはもう放漫
経営
の中のツケを全部
国民
に回していく、こういうようなことで私は本当の意味での協力や共感という、
国民
全体の
理解
の上でということにはなっていかない。その点はいかがでしょうか。
遠藤正介
373
○
説明員
(
遠藤正介
君) 現在、決算という形で正式に公表と申しますか、郵政大臣に提出をし、あるいは国会に提出しているのは、ものによって明らかなのは総括原価でございます。また、今度の
料金値上げ
でも出しておりますのは、いわゆる総括原価としてこれだけお金が足りないからということでやっております。もちろん、これでは私
ども
は必ずしも
国民
皆様の最終的な御了承はなかなか得られないであろう、こういうぐあいに思っております。 そこで、四十八年以降、
電話
、
電報
、加入電信、専用線、
データ通信
というものにつきましては、非常にむずかしい作業でございますが、ある一定の条件のもとでそれぞれの原価を決算時に分計をいたしまして、これも外部発表をいたしております。あるいはまた、その中でも
データ通信
というものにつきましては、先ほど来お話がございましたように、特に
独立採算
をやかましく言って、この部分については別に
独立採算
でいこうというので、その部分についての原価を中心に
料金
を決めれるようにいたしております。 が、しかし、それを余り強くやっていきますと、ただいま申し上げましたように、現行の原価というものが非常に乖離をしておりますから、
料金
に対して。なかなかむずかしい問題がありますが、一応、原価をだんだんそういう形で仕分けをして、
国民
の皆様方にわかっていただく努力は今後もやっていくべきだろうと思っております。ただ、作業上、こういう膨大な
事業
でございますから、なかなかむずかしいんでございますが、四十八年以降、五大
事業
につきましてはそういう形で分計をし、それを外部発表する、こういうぐあいに踏み切ってはおるわけでございまして、さらにそれを詰めてまいりたいと思っております。
案納勝
374
○
案納
勝君 その四十八年以降というのは、たとえば
電話
の場合は収支率が一〇六%で、これは五十年度ですね。百円の
収入
を上げるのに百六円かかりますと。
事業
全体では一一三%。専用
電話
については収支率は六八%。要するに百円上げるのに六十八円で済んでいますと。こういうのがいま言われた原価なんでしょう。
遠藤正介
375
○
説明員
(
遠藤正介
君) いま先生お読みになりましたのは五十年度の収支率でございますが、その公表しております中身には、決算時におきましてその各部門における
収入
と費用とが出ております。その費用と
収入
の比が収支率になるわけですが、その費用というのを私
ども
は原価と考えておるわけです。
案納勝
376
○
案納
勝君 それじゃまるで原価というよりか、たとえば費用というのは管理費やいまいろいろありますね、労務費やらあるいは
事業
費の中でたくさん物品費やその他あります。そういうものについて要るだけ使ったと、そして使ってそれを総計して赤が出た。だから、これだけかかったんだから、これだけ赤が出たから、これについては赤になっているのだ、これはもう原価なんだ、こんなやり方ですか。そうすると、放漫か適正かというチェックはどこにあるんですか。この辺どうですか、余り時間とりたくないんですが、この問題について。
遠藤正介
377
○
説明員
(
遠藤正介
君) いま言われた意味がちょっとわかりかねるんですが、原価の中身はもちろんいま先生おっしゃいました営業費とか
償却
費等のいわゆる
資本費用
ですね、こういったようなものが入っておることは事実です。これを分析されれば、その中で放漫かどうかわかりませんが、放漫なら放漫と、あるいは
資本費用
が多過ぎるどか
事業
費が多過ぎるとか、そういうことはもちろんわかってくるわけです、それを分析していけば。
案納勝
378
○
案納
勝君 この問題、時間の関係もありますから触れませんが、ただ、ここで明らかにしておきたいのは、要するに
料金
が総括原価プラス建設資金の一部、そして
料金
制度というのが、国際的にもそのようなんですが、
電電公社
の場合は二部
料金
制度になっていると、私はそれなりに
理解
をしました。 ここで十円に今度仮に上がるとします。十円のうちに建設資金として含まれているのは何円に当たりますか、この
料金
制度になって。
遠藤正介
379
○
説明員
(
遠藤正介
君) その十円の中に幾ら含まれているかというよりは、総括原価主義としては、先ほど来御
説明
していますように、総括原価に建設資金の一部、外国ではこれを資本報酬と言っておりますが、私
ども
の方は改良
投資
の一部という形で、先ほど計画
局長
が例示いたしましたように、過去十年の平均で三%というものをこれに加えております。それに基づいて
料金
水準
を今度
改定
して定めておるわけでございます。したがって十円の中にそれがどのぐらい入っている、幾ら入っているということはちょっと
計算
はできない、非常にむずかしい問題だと思います。
案納勝
380
○
案納
勝君 やり出すと実は切りないんですが、電通の
料金
決定の原則というのは、国鉄法のように明確に言ってませんね。その沿革というのは、たとえば
法律
が制定された二十八年当時は決めようがなかった。要するに、社会的な経済の不安定、あるいは
料金
決定の基本原則を広げてもそのとおりいけるかどうかわからなかった、こういうことが言われている。もう一点は、政策の意図から決められなかった。これは低物価政策をそのときの政府がとる、あるいは低賃金政策をとる場合に、諸物価が上昇して
企業
としては当然
値上げ
すべき場合でも
赤字
を覚悟で政府としては抑えていけるという、そういう
余地
を残して公衆法の六十八条というのが決められている、こういう沿革について私は知ることができました。そして二十八年の七円のときの
料金
決定は、資産の維持のために必要な
償却
費の不足分と
設備
拡充費の一部を補うためのもので、そのとき以来
料金決定原則
に重要な変更が加えられた、こう言われている。 ここのところを私は聞きたいんです。いま
説明
が十分でないんです。突っ込んでいけば時間がこれだけでも相当かかりますが、私はこの辺についていまの
説明
ではよくわかりませんので、いずれにしても、この段階というよりも後ほどでいいですから、明確にひとつ
説明
をしてもらいたい、こう思います。ようございますか。
遠藤正介
381
○
説明員
(
遠藤正介
君) 承知いたしました。
案納勝
382
○
案納
勝君 それじゃ質問を次に入ります。ここの点は保留をしておきます。従来の
審議
の中で、同僚議員が進めてまいりましたから余り重複しないようにいたします。 そこで、お聞きをしたいのは、
福祉
電話
についてであります。厚生省が
委員会
でひとり暮らし老人六十五歳以上は六十二万、同じく
寝たきり老人
三十五万、重度身障者三十五万と
報告
されました。この中で今日、それぞれの無
電話
状態というのはどういう状態になっておるか、これを明らかにしていただきたい。
佐野芳男
383
○
政府委員
(佐野芳男君) いま手元に資料があるんですが、ひとり暮らし老人だとか
寝たきり老人
あるいは心身障害者それぞれの方々につきまして、
電話
がついていない状況はどうかというお尋ねかと思いますが、ひとり暮らし老人で
電話
を保有してない、持っていらっしゃらない方は、五十一年度の厚生省のお調べでそういう
人たち
が六十二万人のうち六五・三%と算定されておりまして、数で言いますと四十万五千人。それからそのうち子供がなくて病気がちで非課税のものを抽出いたしますと四万四千人になるということでございます。それからもう
一つ
は、重度の身体障害者で
電話
をお持ちでない方は、これは四十五年度の厚生省調べでございますが、そういう方々が三十五万人いらっしゃいまして、
電話
をお持ちでない方は五万七千人というふうに出されております。
案納勝
384
○
案納
勝君 パーセンテージはどうなんですか。
佐野芳男
385
○
政府委員
(佐野芳男君) パーセンテージでございますか、失礼しました。最初の老人の方が六五・三%でございます。
案納勝
386
○
案納
勝君 それ何年度ですか。
佐野芳男
387
○
政府委員
(佐野芳男君) これはベースになる
人口
といいますか、ベースになる
人口
は五十一年の厚生省の調べで六十二万人、それに六五・三%という数字は、これは四十八年の数字でございます、ちょっと合わないんですけれ
ども
。それで大体積算しますと四十万五千人と。それから重度の身障者の方は、ベースの数字の三十五万人というのは四十五年の厚生省調べでございます。それから率といたしましては、これは郵政省で調べたパーセンテージでございますが一六・三%、これを掛けますと五万七千人と、このうち在宅者の方で非課税のものを抽出いたしますと、対象者といたしましては一万六千人というふうに
計算
されております。
案納勝
388
○
案納
勝君
通信白書
では、五十年度ひとり暮らしの老人は三五%とされておりますが、その違いはどういうことですか、これ四十八年度。
佐野芳男
389
○
政府委員
(佐野芳男君) 私、最初申しましたのは、ひとり暮らしの老人で
電話
をお持ちでない方、その方が六五・三%と申し上げました。
案納勝
390
○
案納
勝君 そこでお尋ねをしますが、この前——厚生省の方お見えにまだなっていないようですが、これは
公社
の方で
説明
ができ、あるいは郵政省で
説明
できるならば。せんだって同僚
委員
の質問で三万七千台の新設必要台数のうち、一万台を大蔵省と交渉している、こういうふうに言っておりますが、これはなぜ一万台ということになるのか、
電話
解消の根本策というのが必要じゃないですか。早急にこの対策を立てるべきだと思いますが、これについての対策を明らかにしてください。 〔
委員長
退席、理事
茜ケ久保重光
君着席〕
佐野芳男
391
○
政府委員
(佐野芳男君) これは厚生省に郵政省からいろいろとお願いして、厚生省で大蔵と打ち合わせをいたしまして、いろいろ御協力を願っておるわけでございますが、一万台の根拠といたしましては、この手元の資料によりますと、私先ほど言いましたように、もとの計画というのは厚生省に五ヵ年計画というのがございまして、私先ほど申しました対象者の、老人につきましては四万四千人、それから身障者の方は一万六千人、これを合わせますと六万人になりますが、もうすでにお持ちの方の二万三千人を差し引きますと、残りが三万七千人、これを五ヵ年計画のうちの後の五十二、五十三、五十四という三ヵ年計画で充足をしたいということでございまして、最初の五十二年度は一万、その次の年度が一万二千、それから五十四年度が一万五千、こういうことで三万七千を埋めたいというふうに聞いております。
案納勝
392
○
案納
勝君 そうすると、五十三年度までに全部解消するということですか。
佐野芳男
393
○
政府委員
(佐野芳男君) 五十四年度になります。一万台というのは五十二年度でございますから、いま残っているのが三万七千、それを五十二から始めまして五十二、五十三、五十四と、御存じだと思いますが、五十一年度は別に七千五百台、本年度これをやっております。ですから、来年度の予定といたしまして一万、五十三が一万二千、五十四が一万五千と、こういうふうになっております。
案納勝
394
○
案納
勝君 郵政省に重ねて伺いますが、
公社
は、今日提案の中でも、
国民
の要望にこたえるために最大の目標は五十二年度末に積滞解消、いつでもつくと、そうしてダイヤルで全国どこへでも通ずると、こう言っておられますね、最大の目標は。ところが、いまの計画によると、身障者や、こういう最も手厚い対策をやらなくてはならない
福祉
関係について五十四年度までかかるというのは、これはどういうことになりますか。 厚生省の方は、私の時間が少し早目になっているのでまだ来てないんだが、郵政省は、それこそ先ほどの
ナショナルミニマム
じゃありませんが、少なくとも全国
国民
がいつでも申し込めばつくというときには、これらの身障者の
人たち
の
電話
については、あるいはこの
福祉
電話
についてはすでに完了をしておるという状態をつくってこそ、初めて
ナショナルミニマム
あるいは
福祉
政策というのが私はその面では進められたと評価がされることになるんじゃないでしょうか。
電話
というのは、もう身障者やひとり暮らしの老人にとってはまさに
生活
あるいは命のかかったような問題、この辺はどうなんですか。私は、少なくとも全国
国民
の要望にこたえて、住宅
電話
が積滞がなくなるまでの間に、このことについては郵政省は全力を挙げてやる、このくらいでなくちゃ実際に、私は今日公衆法を
検討
していますけれ
ども
、問題にならないと思いますね。 〔理事
茜ケ久保重光
君退席、
委員長
着席〕
松井清武
395
○
政府委員
(松井清武君) ただいま佐野監理官が答弁いたしましたのは、厚生省の五ヵ年計画による数字でございます。この点につきまして郵政省と厚生省の間で約束事、合意ができておるという問題ではございません。郵政省といたしましては、これら
審議
の過程におきまして郵政大臣がしばしば申しておりますように、この
福祉
電話
の推進につきましては、できる限り努力を尽くしたいということで大臣も申しておるとおりでございまして、私
ども
といたしましても、速やかにこれが完全に設置できますように、最大限度の努力をしてまいりたいと思っております。
案納勝
396
○
案納
勝君 それは松井さんね、いまおっしゃったことは了解いたしますよ。要するに
国民
の要求が住宅
電話
の積滞が解消するという時点までには最大の努力をする、こういうふうに
理解
していいですね。ということは五十二年ですね。
松井清武
397
○
政府委員
(松井清武君) この
福祉
電話
の設置につきましては、厚生省の予算において推進しているところでございます。したがいまして郵政省独自の施策でございませんので、私
ども
といたしましては、そういった先生の趣旨を体しまして最大限の努力をいたします。
案納勝
398
○
案納
勝君 それからもう一点ですが、
通信白書
の中にも明らかなように、こういう老人の皆さん、身体障害者の皆さんというのは経済的に低所得者層が多いわけですね。
通信白書
では、
生活
保護世帯が七五%に上っているわけですよ。これらの人人に対して、国あるいは
地方
公共
団体、
公社
によるそれぞれの
役割り
がありましょうが、本人
負担
の減免
措置
というものについて私は積極的にとっていくという姿勢がいま必要だと思いますが、これらについてどのようにお考えですか。
松井清武
399
○
政府委員
(松井清武君)
福祉
電話
推進の対策につきましては、いろんな方法があろうと思いますが、現在、私
ども
が考えておりますのは、先ほど申しましたように、
福祉
電話
の設置につきまして
設備料
を免ずる、
設備料
を国ないし
地方
公共
団体等で
措置
するという形でひとまず推進の普及を図ってまいりたいというふうに考えておりまして、それと同時に、
公社
自身におきましても、この問題につきまして債券の免除等を図っておるわけでございます。あるいは優先的設置というものをやっているわけでございます。したがいまして、現段階におきましては、今日までとってまいりましたそういった
福祉
電話
対策につきましての量的な促進という観点で進めてまいりたいと思っております。
片山甚市
400
○片山甚市君 関連して。 重症身障者の問題ですが、一級の在宅身障者が世帯主である場合、その
電話
の
基本料
についてこれを国及び関係が
負担
をする無料化ということ、あるいは家族に身障者または身障児がいる家庭、それと在宅の心身障害者が世帯主である家庭の
通話料
については、これは割り引くとか減免の
措置
について、いま具体的に進めてもらえないか。これは具体例でありますから、そういう点を踏まえて対処してもらいたいと思いますが、いかがですか。
松井清武
401
○
政府委員
(松井清武君) ただいまの問題につきまして、
料金
の減免
措置
につきましては非常にむずかしい問題があろうかと思いますので、今後の
検討課題
にしていただきたいと思います。
片山甚市
402
○片山甚市君 いま申しましたのは、
ナショナルミニマム
というような場合には、こういうような人々に対して具体的な施策が実施される——
検討
するのは結構です、三年か四年か先にまた
値上げ
でもしようかと思うときの思いつきでやるんですから。いまの話です。これは具体的に言って、当面の問題として取り組んでもらえる。で私は全体の話をしておるんです、総括的な。
ナショナルミニマム
ということになれば、動けない、一級と言えば動けない人ですよ、おわかりですか。働けない、寝たきりみたいになってますね、そういう方方ですから、大体想像がつくんじゃないですか。そういうことについて、私が申し上げたようなことについて具体的に
検討
するというか、今度の中に入れてもらいたい。これはどうしてもできませんか。
松井清武
403
○
政府委員
(松井清武君) 現在までのところ、先ほど申しましたように、こういった身体障害者の
福祉
電話
につきましても、対象者についてできるだけ速やかに普及するように、設置するように努めるという量的拡大ということを考えておりまして、その点につきましては今日まで
検討
していなかったわけでございます。今回、先生の御指摘を受けましたので、ひとつ真剣に
検討
さしていただきたいと思います。
片山甚市
404
○片山甚市君 それでは、同僚
案納委員
が申したように、
電話
のない者については何よりも優先的に——郵政省、
電電公社
当局は厚生省の要求とか要望にこたえるし、無
電話
の状態がなくなるように、そういうことについては、この
法案
審議
の中で努力することを明確にした。これ一番優先する、命に関係するからですよ。これは後から
案納委員
が言うと思いますけれ
ども
、
農村
におけるいわゆる過疎の
電話
と、年寄りといいますか心身障害者、あるいはいわゆる
寝たきり老人
などというものについては、
電話
は今日的に大切だということは総裁も
遠藤
さんも言っておったように思う、これは。ですから、そのことについて、このことをやることがなければ、これだけあこぎな
値上げ
をする提案をする資格はなくなりますから、相当あこぎなんですよ、本当は。本当はですよ、うまいことを言わないと通らないから、うまいこと、ああ言ったらこう言う、こう言ったらああ言うとなっているけれ
ども
、ですから、これだけは約束をしてもらいたい。 郵政大臣、いかがでしょう。私の申し上げたことで、
福祉
電話
については具体的に話ができるようにしてもらう。関連質問として大臣にお伺いしたい。
福田篤泰
405
○国務大臣(福田篤泰君) この点は、半年でも一年でも早く完全に設置できますように、厚生省とも強く折衝し、大蔵省に対して折衝いたす覚悟でございます。
案納勝
406
○
案納
勝君 厚生省の方、お見えになっていますね。いまあなたおくれておいでになったというから、私の方が大体もっと遅く来るものだろうということで時間を指定していましたが、おくれられた。 いまお見えになる前に、一万台ことしの計画で
福祉
電話
をと、厚生省主導型ですね。本来、
福祉
問題は厚生省所管ということには間違いありません。いまそういう所管が
電電公社
はどうだと言っているときではない。それぞれが持ち場持ち場で
福祉
問題を横につないでいってこそ初めて完成する。 そこで、いま郵政省に要請したところですが、三万七千台のうち一万台、これは厚生省。ところが、現実に
公社
の
電話
の普及は五十二年度には申し込めばすぐつくという状態をつくるのがこの公衆法の中に明らかなんです。御案内の、あなたたちが一番知っているひとり暮らしの老人、寝たきりの老人あるいは重度身障者というのが、また
電話
というのは必需品以上の、しかも最も命の次のものでありますね。そうすると、いまから五十四年度ぐらいで完全に無
電話
状態をなくするというのじゃなくして、少なくとも五十二年度という、申し込めばすぐつくという状態のときには、そういう
福祉
電話
も解消しているということを明確にしてもらいたい。このことについて郵政省の方は前向きでさらに厚生省その他と努力をするという答弁、私はその辺について厚生省の御
見解
を承りたい。そういうことを明確にひとつ努力をしてもらいたい。 もう
一つ
は、
通信白書
等でありますが、これらの人々は経済的低所得者層が多いわけです、七五%が
生活
保護世帯。そうすると、これらの人々に対する国、厚生省、郵政省、あるいはその他の各関係省も含めて、あるいは
地方
公共
団体、
公社
によって本人の
負担
の減免という
措置
をとってもらう、このことがまさに仏つくって魂入れずというんじゃなくて、目玉を入れることになるのじゃないか。これについてもぜひひとつこの
審議
の過程を通じての強い要望ですから、速やかにこのことの実現のために関係省庁との打ち合わせをして詰めてもらいたいと、こう思いますが、郵政省の方もさらにその趣旨をもって
検討
し、さらに量的促進を図るという答弁。厚生省の御
見解
を明確に。
坂本佶三
407
○
説明員
(坂本佶三君) お答え申し上げます。 先生御指摘ございましたように、来年度一万台、全体としまして約六万台の必要に対しまして現在二万二千台ということで、その差の三万七千台を三ヵ年計画で整備したい。こういうことで、とりあえず来年度一万台実は大蔵省に対しまして要求しておる次第でございます。先生のお話もございまして、私
ども
計画をできるだけ早く実現しますように努力をいたしたいと思います。 それから
生活
保護世帯の問題でございますが、先生御指摘のように、老人世帯あるいはその身体障害者の世帯、大体、全体の七五%強を占めておる状況でございます。私
ども
といたしまして、
生活
保護世帯の特に
生活
扶助基準につきまして年々上げてまいりまして、五十一年度でございますが、一二・五%の増を実は考えておるわけでございます。それで一二・五%の増の中には物価の上昇分というものを実は加味してございますので、
生活
保護世帯につきましては御安心いただけるんではないか、そういうふうに考えておる次第でございます。
案納勝
408
○
案納
勝君 次に移ります。 これは総裁にお尋ねしますが、
一つ
は、
経営
の
民主化
問題について今日まで多く長時間をかけて論議をしてきました。これは私は簡単に触れるだけにして、原則的な面だけの答弁をいただけばと思います。 たとえば、
電気通信
事業
全体をもう一回見直し、さらには
国民
の共感や協力を得る、こういう意味で総裁の諮問機関として——私的諮問機関になりますか、そういう設置についてその方向が確認されたと。また
利用者委員会
という形をとって
中央
、
地方
においてできるだけ幅広い
国民
の
意見
を、あるいは
国民
が物を言う場というものを拡大をしていく、そういうものの中で
ナショナルミニマム
を広げ、確立をし、
国民
の電信
電話
事業
として確立をしていくという、そういう筋道がいままでの論議の中で論議をされ、方向として確認されたと思いますが、そのように確認をしてよろしゅうございますか。
米澤滋
409
○
説明員
(米澤滋君) お答えいたします。 そのように処置いたしたいと思います。
案納勝
410
○
案納
勝君 次いで、
料金
における大衆
負担
の増大防止という面で、同じくこれもそういう面での確認できょうのところはいいのですが、一定
度数
以内の
加入者
について現行据え置きとすることを今日までわが党は主張してきました。
公社
も基本的に体系見直しの中で
検討
をすることとして、暫定
措置
については、本
委員会
の
審議
の期間中に結論を出すというふうに答弁をされたやに聞いております。これはどのように
検討
されたか明確ではありませんが、これもこのような方向でいま
検討
をしている、こういうふうに確認してよろしゅうございますか。
米澤滋
411
○
説明員
(米澤滋君) そのような方向で
検討
いたしたいと思います。
片山甚市
412
○片山甚市君 関連で。 実は、水道、電気、ガスのミニマムを見ると、水道の場合は大体一立米四十一円二十銭
程度
のやつをこれは
生活
状態として保障しておる。電力の場合は、
東京
の場合百二十キロワットまで一キロワット十八円八十一銭ということでやっております。ガスについては、いわゆるゼロから七立方メートルについて一律に六百五十円、八立米から三百六十立米まではそれぞれ掛けて、平均的に言いますと六十立米が平均で三千四百円になっています。これを見ますと、電電のいわゆる
通話
の問題も、若干、家庭用
電話
についての
料金
を見直す場合、いわゆる
ナショナルミニマム
ということの場合は、ガスや電気や水道と同じように配慮をこれからしてもらいたい。 これは何回も言いましたんですけれ
ども
、
公社
が余り賛成をしませんでした
通信施設
についての
定額法
、いわゆる
減価償却
の
定額法
の問題について、そういうのは
技術革新
のテンポに合わないじゃないかと言っています。しかし、電力の場合は、同じ装置産業ですね、一番たくさんある、それでも
定額法
をとっておるようでございます。だから、いまお金をたくさん集めるために
減価償却
の話をわれわれしましたけれ
ども
、今日、そのようなことについては、建物とかそういうものについては
定額法
を適用したい、しかし、それ以外のものについては、まだ、五十二年度完全充足といいますか、が終わったときに見直してみたい、こういうふうな総裁の言葉がありました。そこで、そういうものについても若干前進するんなら、
ナショナルミニマム
という形で考えるならば、いま言ったガスや電気や水道と同じように、ある一定のものについては
国民
に保障する、こういう形にしてもらいたい。私は、
公社
が一
度数
七円というものが
ナショナルミニマム
じゃないかというような御発言があるように聞こえますけれ
ども
、それは違うと思うんです。私は、同じようにやっておっても、済みませんけれ
ども
、電力会社の方がずっと原価の公表ということについてはシビアにやられておるようでございます。先ほど同僚議員から言いましたから、このことについて、水道やガスや電気のものを十分に参酌をして、しんしゃくをして、これから努力をしていただけるかどうか、総裁にお伺いします。
米澤滋
413
○
説明員
(米澤滋君) 先にちょっと総務理事から答えさせまして、後で私がお答えいたします。
遠藤正介
414
○
説明員
(
遠藤正介
君) ガス、電力というものは認可
料金
でございまして、私
ども
の場合は法定
料金
でございますが、したがいまして
法律
の範囲内でできる限り、いまのお示しの電気、ガスに近い形のもので考える方角で
検討
いたしております。
米澤滋
415
○
説明員
(米澤滋君) ただいま総務理事が答えたように処理いたします。
案納勝
416
○
案納
勝君 次へ移ります。
電報料金
についてお伺いをいたします。
電報
の
減少
傾向は
電話
の普及、加入電信の発達等で否定はできません。しかし、今回の値上がりにより通数に及ぼす影響はどのようになるというふうに見ているのか、どのくらい
減少
すると見ておられるのか、まず、その点が第一点であります。 第二点は、一緒に言いますが、
電報
制度の存続については、今日までの同僚議員の
質疑
等の中で継続が確認されてきましたが、現行
料金
を据え置き、たとえば例文などをつくっておいて
利用
の拡大や新たな
サービス
を含めて積極的な施策を打ち出すべきだと思いますが、これについてはどうお考えになっていますか。
遠藤正介
417
○
説明員
(
遠藤正介
君) 最初の
電報
通数の
減少
、通数減を
料金値上げ
でどういうぐあいに見ておるかという御質問に対しましては、前回の
料金値上げ
をいたしました
昭和
四十七年当時の実績値から、今回の
料金値上げ
によりまして約一三%の
減少
を見込んでおります。通数にいたしますと年間約五百万通ということになります。 それから第二点の問題は、衆議院の
逓信委員会
における附帯決議の中で、緊急通信としての
電報
が今日の時点でまだ相当あるという点を御指摘を受けております。したがいまして、そういったようなものを中心にいたしまして、いま先生おっしゃいましたような点を今後
検討
してまいりたいと考えております。
案納勝
418
○
案納
勝君
電報
の場合は、もういまさら申すまでもなく、
電話
の架設料が今度は八万円に引き上がったりなどしますが、そういう意味で
電話
を持つことのできない層がかなりある。後ほど触れますが、過疎地帯、農漁村にとっては通信
手段
として欠かせない今日、あるいはまだまだ——これは
遠藤
さんが週刊誌の対談の中でも言っているように、商業
電報
も無視できない、特に中小
企業
。こういう状態にありますだけに、しかも
公社
の
料金
方式が総合原価方式、少なくとも
電報
の
赤字
の分は
電話
の黒字の分あるいは
増収
の面でカバーしていくという、そういう面での総合原価方式がとられているという面から見ると、一%の比重しか占めていないわけですね。そうすると、私は
ナショナルミニマム
的なそういう
立場
で現行の
料金
を据え置いて、その上で具体策として先ほど指摘をしたような積極的な新しい分野の拡大をしていく、こういうことが私は必要ではないのか、いまこそ。こういうふうに考えます。 これについての
見解
と、あわせて、たとえば具体策として先ほ
ども
申し上げましたが、農漁村地域に発着する
電報料金
については低料化するとか、あるいは
慶弔電報
などは
早期
発信をしてもらって一括配達するとか、そういう面についての工夫というのが私はなされてしかるべきだと思う。その
提言
は
ナショナルミニマム
として現行の体制、現行の
料金
制度を据え置いていくという、そういう姿勢の中で私は出てこなくちゃならぬと思いますが、
公社
の方の
見解
はいかがですか。
遠藤正介
419
○
説明員
(
遠藤正介
君) 現在、
電報
の収支率は、御案内のように約九〇〇%であります。大体、年に二〇〇%近くこれが悪化しておりますので、恐らく二、三年後には一三〇〇%ぐらいのあれになると思います。いま先生のおっしゃいましたことは確かに私
ども
もわかるんでございますが、余りにも原価と乖離をするということのために、今度はそれが別の目的で使われるというケースがあるんです。 一般の普通
電報
にいたしましても、たとえば「チチキトク」というような本当に
電話
がなくて必要なあれのほかに、
料金
が安いために——
料金
が安いためにというのはもっと具体的に申し上げると、配達の人が安く使えるために、たとえば私
ども
この間初めて聞いてびっくりしたんですが、一番極端な例で申しますと、サラリーマン金融の方が金の催促をするのに夜
電報
を何回も何回も打つ、そうすると、その都度
電報
配達が行って
電報
、
電報
とたたき起こす、本人も眠れないし近所にも何事だということで金を払わざるを得ないというように、
電報
とは違った目的に使われるようなことがあります。これはやはり私は
料金
というものを余りにも低く抑えておりますと、そういう別の目的に使われるということが確かにあると思います。また
慶弔電報
につきましては、これは
公共
的なものかどうかということについて
一つ
の疑問もございます。これが
公共料金
と言えるかどうかということについても御議論があろうかと思うんであります。そういった面から、今回の
料金値上げ
は、私はこれはそういう意味で最小限の
料金
の引き上げではないかと思います。 現在の段階では「チチキトク」とかいうものを確かに摘出するということは通信の秘密その他について非常にむずかしゅうございます。これを先ほど先生の御提案のように例文化をいたしましてやるということができれば、これから先はこういったようなものをある
程度
ナショナルミニマム
的に据え置いてやるということもできるだろうと思います。今後の問題として、そういうことを考えることは私も必要だと思いますが、今回の
料金値上げ
はそういう意味で最低限のあれでありまして、今後は、いまの例文化とか、そういったような形で本当に「チチキトク」とか
電話
のない方にあれをするという問題については十分考慮を払わしていただくような方角で
検討
をさしたいと思います。 それから、ちょっと答弁漏れがございますが、事前発信につきましては、確かに先生がおっしゃるとおりでございまして、いまは御存じのように配達日時指定、毎時指定をいたしておりますが、こういうような細かい指定はかえって要員的にも経費がかさみますから、逆にこれは毎時じゃなくて、一日午前とか午後とかいうように大くくりにして一括配達に近い形にするとか、あるいは十日前に事前発信をした方は今度は逆に
料金
を割り引く、こういうようなことは今回考えたいと思っております。
案納勝
420
○
案納
勝君
遠藤
さんね、
最後
に、この
電報
問題について、いま
遠藤
さんが悪用されるということについて言われましたけれ
ども
ね、私はこれは仮にそれがあっても一部にすぎないと思うんですよ。そういうものじゃなくて、いま
電報
というのが
国民
生活
にどのような
役割り
を果たしているのかという視点、その面から、要するに
赤字
だからというのじゃなくして、
電報
というものについての私は価値判断をすべきだと思いますよ。これが私は
公社
が
ナショナルミニマム
あるいは
公共
事業
として、それであるいは郵便の場合においても同じですが、さまざまな種類がありますが、もっとも最初から
赤字
なのわかっている種別だってある、そういうものについて
国民
の
立場
に立って評価をすべきであって、いま言われたような
立場
でやると、これはどうしてもひっかかってしようないんですよ。やはり何としても、何が何でもともかくそういうものを度外視をして
赤字
さえ埋めればいいんだ、
手段
を選ばないんだというように聞こえてきてならない。 ここに業界紙もありますが、これにもいいこと書いてあるんですよ。これまでの惰性の中からではなくて、新しい視点から未来像を描くときだ。それも
国民
の
理解
と支持が得られる、そういうものにしていかなければならないということが業界紙の中にも、電信
電話
記念日に当たっていま置かれている
立場
について適切に書かれています、社説に。私は求められているのは、いまそこだと思いますよ。だから、そういう意味で私はこれについていま言ったような
立場
、視点に立って
検討
してもらいたい。私は、いまの言われる点については納得することはできません。 もう一点は、きわめてこれは、
遠藤
さんや皆さん御存じのように、
電報
問題をめぐって、
赤字
は切り捨てだ、
赤字
のところは、こういう発想が要するに
赤字
部門の切り捨ての発想というのが私はあるような気がしてならない。それを敏感に受けるのは
現場
で働いている労働者なんです。そういう面できわめて労働者の
人たち
は、労働不安が強い。幾ら百万遍いま言われるような
説明
をされたってわからない。私は、今日まで、全電通と
電電公社
との
労使関係
というのは郵政に比べたらきわめて円滑にいっていると思います。私は郵政の二の舞をしてもらいたくない。みずから出身であるが、涙の出るときがあります。しかし、そういう場合にお互いに
理解
をし合って、そして
事業
の持っている理念なり、あるいは使命なり、目的なりに一緒になって協力し合っていけるという体制をつくるには、もっとこの辺について気を使っていただきたい。私はこのことについて強く要望しておきたいと思いますが、いかがですか。
遠藤正介
421
○
説明員
(
遠藤正介
君) 私
ども
、
電報
に働いておられる方が今日のこういう
電報
の悪い状態というものの責任者だとは
一つ
も思っておりません。むしろ現在までに
労働組合
を通じまして
電報
の各種の合理化、すでにもう六、七年になろうかと思いますが、大変な御協力をいただいて、だんだん合理的に施策も行われていることは私も高く評価をしておるわけでございますし、また、こういう形の労使の話し合いによる合理化というものが今後も望ましい。そのための努力を惜しむものでは
一つ
もございません。 ただ、私、先ほどつまらない例を引いたのですが、その例がまたすべてを支配するようにお聞きになりましたらこれは誤りでございます。確かにそういうものは一部でございます、ございますが、私は余りにも原価から乖離していく状態が続くということは、これはまた別の意味で職員の士気にも影響するかと思います。私
ども
が今回の
料金値上げ
をいたしましたのは、大体、今日時点の七、八〇〇%という収支率をこれ以上悪くしない、またこれ以上よくすることもできないだろうけれ
ども
、少なくとも数年間は、この七、八〇〇%の収支率を維持する、こういう形で今回の
料金値上げ
をお願いをしておるわけです、
電報
につきましては。 そして、その中で、先ほど申し上げましたように、通信の秘密とか、そういうようなことが十分解決できる方法で、例文ですとか、あるいは事前発信制度の勧奨とかということによって合理的な施策をさらに織り込んでいきたい、こういうぐあいに考えているわけでございまして、実は、私、先生の御質問を取り違えたのかもわかりませんが、今度の二倍三倍というのを引っ込めろと、こういうように伺ったものですから、それはできませんというところに重点を置いてお答えをいたしたのでありますが、今後は、もうそういう意味で十分
検討
させていただきたいと思っております。
案納勝
422
○
案納
勝君 それじゃ次に移ります。 認可
料金
の問題について質問します。
公社
の今回の
法案
の
説明
によると、約二兆五千百億の
料金改定
の必要額が、これが
値上げ
案となっている、こういうふうに
説明
をされております。そこで
料金改定
による
増収
見込み、五十一年の六月から五十四年三月までは
増収
見込み額は
基本料
、
通話料
、
電報料
その他
設備料
、これは法定
料金
で合計二兆七千二百五十億の
収入
を見込んでおる。これは私の調査、要するに調査室の資料ですが、こうだとすると認可
料金
の分はどういうようになっているのか。これをやりますと相当時間をとりますが、要するに大量にあります認可
料金
。この今回
値上げ
の必要額は法定
料金
の
値上げ
によって全部賄う。認可
料金
についてはそれをさらに引き上げる意図があるやに聞いている。これはどのような形に認可
料金
をしようとしておられるのか。今日におけるこの認可
料金
と法定
料金
の関係はどうなっているのか、この辺が第一点であります。 第二点目は、少なくともこの認可
料金
というのは取りつけ料、使用料、債券と、こういうふうに分かれている。四十八年改正されましたが、余りにもこの取りつけ料、債券、使用料も他に比べて低額なものがきわめて多いのであります、法定
料金
に比べて。まさにその意味で言えば
負担
の公平を欠いていると言っても言い過ぎではない。一々取り上げれば切りがありませんが、そういう認可
料金
について、もっと
国民
にこの原価というものを、これこそ原価が私は出せると思うのです、この原価を公表して、さらにはこれを決定するときには、先ほど総裁等から答弁がありました
利用者委員会
やあるいはその他のそういう
国民
が参画できる舞台というところに、
委員会
あるいはそういう機関に十分諮った上で、最終的には郵政
審議
会になるかもしれませんが、郵政
審議
会の議を経るなどして、少なくとも公表の原則に立って、
国民
にも当
委員会
にも明確に私は
報告
をすべきだと思うのです。 そして、また、
報告
をするというよりか、公衆法を提案をされるときには、この認可
料金
についての内容についても明らかにされなければ、この
委員会
が
電電公社
の財務問題について
検討
をしているという、このことを除いて
検討
するなんてまさにナンセンスであります。私は、この辺について、今回の取り扱いについて大変厳しく申し上げておきたいと思う。今後、こういう状態で出されるならば
審議
することはできません、
公社
の財務問題については。したがって、その辺について明確にお答えをいただきたい、こう思います。
遠藤正介
423
○
説明員
(
遠藤正介
君) これは金額的には三ヵ年の
増収
額二兆五千何がしの中に三千五百五十億が認可
料金
で入っております。この認可
料金
は大半がいわゆる法定
料金
にリンクをいたすものでございまして、端的に申し上げると、
通話料
関係では四三%のアップということになるものでございます。たとえば公衆
電話
の
電話
料でありますとか一〇〇番
通話料
とか、そういったようなものであります。 それから、特に違うのは、いわゆる
慶弔電報
でありますが、これはあらかじめすでに現行の三倍ということは一応案としてそこにお示しをしております。 いずれにしても、これは私
ども
が決めると申しますよりは、
法律
が成立しましたその時点で私
ども
の方から認可に申請をいたしまして、そして、郵政大臣が、この間の話のように、
国民
生活
に影響の大きいものについては郵政
審議
会に諮られまして御決定され、認可をされる、こういうことでありますので、私
ども
の方で現段階でこう決まりましたと、決めておりますということはなかなか言いにくいのでありますが、いま私
ども
が認可申請をしようと思っているもの、あるいは認可申請をする金額に基づきまして三千五百五十億というものを二兆五千億の中に入れておるわけでございます。
案納勝
424
○
案納
勝君 そうすると、二兆五千百億の中に三千五百五十億が入っている。ところが、これは私の方の資料が間違いかもしれませんが、
料金改定
に
増収
見込み額の内訳は次のとおりと出されておる中に、
基本料
九千三百億、
通話料
一兆四千五百、
電報料
三百、その他として加入電信三百、公衆
電話
三百、
専用料
その他四百、小計二兆五千百億。それから
設備料
として加入
電話
が二千四十、加入電信三十、その他八十、計二兆七千二百五十億、こういうふうに資料に出ているわけです。これを見る限り、そんなの入ってない。 そこで、私は、
遠藤
さん、いま
説明
受けましたリンクするんだ、その上で郵政
審議
会に諮っている。いま私は認可
料金
の取り扱い問題について郵政大臣にお伺いをしたいんです。少なくとも三千五百五十億がこの
赤字
の中の必要とする
改定
必要額の中に入っているとするなら、少なくとも、この
委員会
の中に三千五百五十億の認可
料金
の内訳はこのようになります、リンクにすれば、こういうものがなければ私はこの三千五百五十億も出てこないし、そういうものがあるならばそのことを明らかにした上で、認可
料金
については、法定
料金
ではないにしても、この
委員会
で財務全般にわたって
検討
するときに提出されないなんと言ったら、それこそ欠陥
法律
じゃないでしょうか。私は、この取り扱いについて、大臣に、今後この点については明確にひとつしてもらいたいと思うんです。 そういうものがされていかないと、私は一々聞きましたが、たとえば
電報料金
、
電話
料金
等については法定
料金
から外すとか、外さないとかという論議があったことも聞いております。そんな論議をするもう以前の問題だと思います。
意見
が出る自体問題ですが、私はこれらの問題について今後の取り扱いについて大臣としてどういうふうにお考えになるか、この点をお伺いしたい。 それからもう
一つ
、
遠藤
さんからいまお話がありました。私は、これは原価として明らかにできる、要するに総合原価方式でなくして、あくまで原価方式によっていっているはずだと、認可
料金
。違うというのはそこで指摘できる。これは
国民
の前に明らかにして、決定する前ですよ、十分に
意見
を聞いた上で、協力と共感を求めるということが必要じゃないか、こう指摘している。そういう姿勢があるかどうか、いかがですか。
松井清武
425
○
政府委員
(松井清武君) ただいまの認可
料金
の扱いの問題につきましては、先生の御指摘はごもっともな点が多いというふうに思うわけでございます。ただ、この収支、三年間の中における認可事項でございまして、未決定の要素もかなり多いわけでございます。しかしながら、そういった問題でございましても、未決定な事項でございましても、三年間の収支の中には、その間における改正される問題につきましては、その収支の中で入れておく方がいいということで、三千数百億の計上をしてきたわけでございます。 したがいまして、これから逐次、
公社
から認可
料金
につきましては申請が参るであろうというふうに思っておりますが、少なくともこのおおよその概略といいますか、おおよその計画的なものを明らかにするということは必要であったかというふうにいま反省している次第でございますが、今後、留意してまいりたいと思います。
遠藤正介
426
○
説明員
(
遠藤正介
君) 最初に、数字のあれを申し上げます。いま先生お読みになりましたこの小計のところ、千三百六十億でございますね、千三百六十億になっておりますでしょう、認可
料金
によるものというのが、小計で。それに
基本料
、ダイヤル
通話料
という上の欄の中に、本来の法定
料金
のほかに、たとえば共同
電話
の
基本料
ですとか、ダイヤル
通話料
の中には夜間の
通話料
というようなものが認可
料金
として含まれているわけです。それを全部入れまして三千五百五十億になるわけでございます。それが数字の御
説明
。 それから、私は、いま監理官もおっしゃいましたように、確かに、これは現在の公衆法の立て方がそうなっているために、従来の例でそういうぐあいになっておるんですが、次に、もしこういう機会がございましたら、やはり法定
料金
と認可
料金
を一緒に私は出すべきだろうと思います。で、まあ郵政省の方がどういうお考えかわからなかったのでございますが、いま非常にはっきりいたしましたので、私は、現在の郵政省の監理官のお考えにはもう非常に、むしろありがたいことだと思って、ぜひそういう方向でやっていきたいと思っております。
案納勝
427
○
案納
勝君 それはいつまでも自民党が多数で続くというわけじゃないんですから、これは保革伯仲、逆転をすれば、これはもう欠陥
法律
で私たち本日で返してもらいます。これは認めることはできませんよ。私はそういう
措置
をしかるべくきちっとやっぱりとってもらいたい。このことが財務をこの
委員会
で十分に慎重に
審議
をする、そういうことにつながっていくと思うのです。 そこで、私は、過疎問題に入ります。 今日、私はいままで、まだ十分ではありませんが、
電電公社
の今日までの
経営
あるいは運営、
建設投資
、こういうものを全体的に見るときに、しかも総裁が五十二年度までには積滞解消をすると、こう言われた。また、あわせて
技術革新
によってきわめて多くの新しい
技術
が開発をどんどんされている。しかしながら、過疎地帯あるいは農漁村、離島、こういうところについてはまさに
生活
必需品である、いや都市以上に
生活
必需品である
電話
についてはほとんど実は顧みられず、最近、これらについての改善されているケースというものを見ることができないのです。今日、この地域差というのが一層浮き彫りにされてきています。 そこで、私はお尋ねをしたいのですが、四十九年の九月に、地域通信調査会
報告
書において、過疎地域における
電気通信
設備
の整備を図るためという幾つかの課題が
提言
されています。これに対して郵政省あるいは政府はどのように対処をしてきたのか、これについての御
説明
をいただきたい。
松井清武
428
○
政府委員
(松井清武君) 郵政省といたしましては、調査会の
報告
の趣旨を踏まえまして、
農村
漁業地域、あるいは過疎地域に対しまして、
公社
電話
に対する要望の強いことにかんがみ、加入
電話
の積滞の解消、自動化の達成、
加入区域
の拡大、無
電話
集落への公衆
電話
の設置等を積極的に推進し、あるいは住民の要望にこたえていくよう、今日まで
電電公社
の推進を
指導
してきたところでございます。 今日の段階におきまして、積滞の解消あるいは自動化の達成がなされました段階におきましては、ますますこれらの地域に対する公衆
電話
サービス
の重要性というものが付加されるというふうに思うわけでございまして、今後とも、それらの問題を重点的に取り扱ってまいりたいと思っております。
案納勝
429
○
案納
勝君
公社
の方から、今日までの討議の中で、五キロに加入
電話
区域を拡大をすると残ったところが三十万世帯である、こういうふうに
報告
をされましたが、事実、そういう状態になると思っておられるのか、これはどうですか。
輿寛次郎
430
○
説明員
(輿寛次郎君) お答え申し上げます。 この推定なかなかむずかしゅうございますが、全国の
電話
局全部が、われわれの建設工事が予定どおり進みますならば、五十二年度末には、全自動局——手動局の一部は五十三年になりますが、全国がいわゆる半径五キロの円内が
加入区域
になるということでございますと、大体の推定でございますが、その円外にあるいわゆる
加入区域
外の世帯は約三十万世帯であろうということでございます。
案納勝
431
○
案納
勝君 これは国土庁それから農林省等にお尋ねをしますが、過疎地域、山村、離島の振興を目的とする特別立法があります。過疎地域対策緊急
措置
法、山村振興法、離島振興法、これらがありますが、この中に
通信施設
の整備はこれらの
法律
によって振興計画の一環になっております。ところが、これらについて有線放送や有線放送
電話
に対する国の助成としては今日までわずかに三十年代に行われました農林省それから自治省による若干の補助以外には出ていません。 これらの
法律
は、単に有線放送及び有線放送
電話
だけでなくして、当然、
電電公社
の加入
電話
、公衆
電話
を含むものと私
ども
は解釈をしています。過疎地帯における
公社
の
電話
の普及整備を対象にするこういった施策についてどのように考えられているのか、特に所管官庁の国土庁、あるいは最も過疎地帯の、しかも最も今日私のところへ陳情が来ている幾つかの問題も緊急を要する問題がありますが、
地方
の過疎地域、
農村
漁村の問題等を抱えておられる農林省等の御
見解
を承りたいと思います。
下山修二
432
○
説明員
(下山修二君) お答えいたします。 ただいま先生がお話しになりましたように、過疎法あるいは離島振興法あるいは山村振興法の中におきましては、
通信施設
の整備というものがそれぞれ
事業
計画あるいはやるべき施策というものの中に明確にうたわれておるわけでございます。で、その
通信施設
の中には、先生御指摘の、当然、有線通信だけではなくて
電話
の普及というようなものも中に入っているわけでございます。御承知のように、こういう過疎地域でございますから、当然、
産業基盤
の整備とあわせまして
生活基盤
の整備というものを図っていかなければ、こういう地域の振興はできないというのがわれわれの
立場
でございます。したがいまして、そういう意味の
生活基盤
の整備の重点である通信網あるいは
通信施設
の整備につきましては、特に重要視しているわけでございます。 国土庁といたしましては、そういう観点がございますので、たとえば離島振興対策
審議
会の中にも郵政次官に入っていただきまして
審議
に参加していただくとか、あるいは、いろいろの地域の計画を立てるときに郵政省当局ともいろいろ相談し、また
電電公社
の方につきましても、いろいろの島の問題等も含めまして、いろいろの便宜を計らっていただいているというふうな現状でございます。
浜口義曠
433
○
説明員
(浜口
義曠君
) 農林省といたしましては、ただいま先生から御指摘のとおりでございまして、三十年代に有線放送
電話
施設等に関連いたします助成を行ってまいりました。農山漁村におきましては、地域における連帯性の活用というよなことによりますところの農林漁業
経営
の近代化のために重要な
役割り
を果たしているということにかんがみまして、三十年代の新農山村建設のほかに、現在でも、本施設に対する助成、特に農林漁業団体が
経営
する有線放送の健全な育成を図るための農林放送
事業
施設としての助成を行っているところでございます。
案納勝
434
○
案納
勝君 過疎地帯における
電話
の建設保守費用というのは、町の
人たち
といいますか、区域内の
人たち
に比べたら、全く割り高になっていることは御存じのとおりであります。一本引くのに三十万円、さらに保守
設備
費を払わなきゃならぬ、全く架設をしようとしてもできないという状態。過疎地帯における住民にとっても、
電話
加入区域
における架設の場合、同じようなやっぱり不公平の
是正
といいますか、しかも
電話
がいまや情報化社会の中にますます
生活
必需品化している今日、今日のこの費用の
負担
は地域の住民の経済力から言ったらまさしく禁止的な
措置
だと言っても言い過ぎではない。これについては私は国がしかるべくこの山村振興法を含めて、離島振興法ですか、関係法が現実にあるわけであります。もっと積極的に国の助成というのが必要だと言わざるを得ないのであります。 たとえば、私はこれは三十万世帯と言われましたが、そんなことはとてもじゃない、考えられない。離島、対馬というところがあります。この対馬の厳原町の中で、いま地域集団
電話
の場合は一定の制限があります、
加入者
の数もあるいはその加入する距離についても。ところが、対馬のような離島の場合、厳原町の中でもそうであります。
一つ
ずつの村が山越えにそれぞれ湾を抱えながら村があります。その村は片や漁村、魚を取る。片やシイタケ等を栽培をしている。そしてたとえば私のところに来ていますのは、久和という村は戸数が六十二、
人口
が二百四十、安神という村は戸数が三十八、百四十一、あるいは豆酸というのは戸数が四十四で
人口
が二百十七、こういう村があるんです。直線距離で厳原から山越えに、聞きますと五キロ以内。ところが
電話
局からその関係の
電話
局に引くとはみ出してしまう。こういう中では
電話
が引けないという。農集
電話
がありますが、せいぜい農集は二本ぐらい。日掛という村ですが、厳原からタクシーを呼ぶのに、自分のうちから公衆
電話
まで行って、
電話
をかけて自分のうちまで戻ってくると、タクシーの方が早く着くというぐらいの距離。そこはシイタケと漁港であります。いまは広域経済下になっていて、シイタケの出荷についても大阪あたりと
電話
をして、その相場の動きによって出荷する。魚をとってそれを持っていくにしても、同じように
電話
がない。その中で病人が出ても公衆
電話
のところまで走らなきゃいけない。家族は
福岡
に出ている、大阪に出ている。その家族とないしょ話も公衆
電話
しかないからできない。こういう状態の過疎地、離島というのが放置をされたままあるんです。
電話
を引くには三十万から四十万かかる。 ところが、町といいますか、都市下では、先ほど、またきのう、この間からの論議の中で米澤総裁も言われましたが、電子交換機やデータ網の建設やあるいは映像通信やら、そういうものもまさに五十二年には完全充足される。この
人たち
は五十二年になっても充足されない。しかも町の私たちのうちの場合には、この近所だったら、家を出て
電話
がなくても百メートル行けば公衆
電話
があるんです。隣に行けば
電話
が借りられるようになっている。ところが、そういう
人たち
のところはそういう状態にないんです。たった五キロ、直線距離五キロから五百メートル離れているだけで引けない。こういう状態をこのまま放置をしていて、五十二年度には積滞数完全充足でございますと、
料金
をこれだけ上げてください、こういうことを言って、はいそうですかということにはなりませんよ、これは。ましてやどんどん
技術革新
は進んでいます、
建設投資
はこれだけ必要です、こう言っても、本当に
公共企業
体、
ナショナルミニマム
として、
国民
のための通信、
電話
、私はそういう
役割り
にならないと思います。 先ほど、冒頭に私が申し上げましたように、今日までの
電電公社
の
事業
というのは、高度成長政策の中で産業本位、これはもうわかるわけです、優先順位見れば。まず、高度成長時代は、事務所、
事務用
の
電話
から始まって、
国民
の住宅
電話
を犠牲にして高度成長の中で
設備投資
が進められた。ある意味では一定のところまで来ると、これは飽和状態になることは間違いない。そして新しいものが産業から求められる。それは
データ通信
であり、さまざまな新しい開発でしょう。それに手がけざるを得ないから、もっと大きい
設備投資
や
建設投資
をせざるを得ない。しかし、そのまま放置をするわけには住宅
電話
というのはいかない。したがって五十二年に完全充足ということを辛うじてとらざるを得ない状態に来ているのがいまの
電電公社
の私は今日までの
経営
の実態だと思う。 私は、この発想をいま変えるべきときだと思う。変えていかなければ、私は
公社
の将来というのはきわめてむずかしくなると言っても言い過ぎじゃないと思う。また先ほど申し上げた
民間
の業界の新聞ですら、そのことは指摘をしているところだ。私は、これについて、
電電公社
、郵政省そして農林省、国土庁、これらがそれぞれ、単に縄張り争いじゃなくて、協力要請じゃなくて、真剣にこの問題について取り組んでもらいたいと思う。この辺いかがですか。
輿寛次郎
435
○
説明員
(輿寛次郎君) お答え申し上げます。 まず第一の、先生例に挙げられました対馬の例でございます。確かに島なんかが一番むずかしいわけでございまして、山が追っておりまして道が曲がっておる、距離が遠い、あるいは工事がむずかしいということで、確かにそういった集落がかなり残っておることは承知しております。これらにつきまして、われわれといたしましても、まず
電話
がない集落があっては困りますわけで、五十年末の大体推計によりますと、全国でまだ六百ほど残っておると思いますが、こういった無
電話
集落につきましては、極力、これからも解消していきたいと思っております。 予算につきましては、大体、二百ほど計上しておりますが、実質は、御希望があれば全部おつけしたいと思っております。そういった形でまず無
電話
集落をなくすことが第一でございます。 その次は、やはり
加入区域
の拡大でございましょうが、これは先ほど申し上げましたように、全国、一応四千ほどございますから、こういったものをまず第一段階としては五十二年度末までに、
改定
期が来るまでに広げたい。その先については、また今後の問題として
検討
したいと考えております。 それから、現在でも、その
遠距離
のほかに、確かに区域外でございましても、一軒、二軒ぽつんとあるものと、確かに三十軒、四十軒まとまったものとは違うかと思いますが、こういったものにつきましては現在でも地域集団
電話
ございますが、こういったものの範囲をさらに拡大してつけますとか、あるいは交換、改式というようなことも考えていかなければならないものと考えております。
松井清武
436
○
政府委員
(松井清武君) ただいま
公社
から答弁のありました諸施策につきまして、強力に推進するよう
指導
することはもちろんでございますが、郵政省といたしましても、これら地域に対する今後の
電気通信
サービス
の拡充は非常に重要な問題であるということは認識している次第でございまして、すでに五十二年度の予算の概算要求におきまして、ひとまず普通
加入区域
外の地域における
電話
普及促進策を策定するための基礎資料を得る調査費というものを要求している段階でございまして、そういう実態をも十分把握いたしまして、今後、そういう実態も徴しながら
措置
してまいりたいと考えておりますし、これらの問題は郵政省だけで完全な
措置
ができる問題ではございませんので、御指摘のとおり、関係の各省ともよく協議いたしまして整備に努力してまいりたいと思います。
浜口義曠
437
○
説明員
(浜口
義曠君
) ただいま郵政当局からの御回答ございましたが、有線放送に関連いたしましては接続
通話
範囲の拡大等についても要望しているところでございます。さらに、
公社
電話
の点につきましても、都市と
農村
との
格差
是正
といったような点から、担当省とも十分話し合っていきたいと思っております。
下山修二
438
○
説明員
(下山修二君) 御指摘のありました離島地域につきましては、確かに架設する場合に海底ケーブルを敷設するとか、相当の経費がかかるということはわかります。しかし、先ほど先生の御指摘のように、地域住民の
生活
環境整備という点を重点に置いていかなければならないという
立場
もございますから、ただいま主務官庁の監理官が申されたとおり、協力しまして、この改善策について努めていきたいと思います。
案納勝
439
○
案納
勝君
最後
ですが、輿さんの言われる当面区域を拡大してそのあとにという、それも
一つ
のやり方かもしれませんが、それじゃ解決しないんですよ。いま対馬で仮に例をとりますと、全国平均が百人当たり普及率は六二・九個ですね。対馬では、いま申した厳原、下県郡で二一・二個なんです。これしか申し込みがとれない、できないんです。これはいまみたいな状態にあるからなんです。 そこで、私は、松井監理官の答弁について了としますが、もっと進めて、この辺、たとえばそういう特殊な離島や山村の場合ですね、
加入区域
を五キロに延長する。収容局から五・八キロあるというような場合、八百メートルですね、あと。そこで集団的な需要が、しかも、その地域社会上あるいは離島振興上あるいは
国民
生活
上必要だという認定ができるならば、その五キロをそこの部分特別に、そういう離島や山村の場合について、山を越えていくわけですから、平地の場合と違う条件がある、そういうものについて拡大をすると、これは全部拡大すればまた問題がいろいろあるでしょうけれ
ども
、そういう限定をしたところを中心にして救済
措置
を考えるということはできないのか。 もう
一つ
は、こういうことで救済できないところ、離島や山村や過疎地帯のそういうところについては、国の助成あるいは
地方
公共
団体等々、それぞれの分担を決め、
公社
ももちろん入ってもらわにゃいかぬと思います、入った上で助成
措置
を講じていく。三十万出さなきゃ
電話
が引けないようなことについては一定の助成
措置
を打って、同じような他の地域に住んでいる
国民
と同じような便益や、実際に利便が供給できる、役務が供給できるというような、そういう
措置
について、もう一歩突っ込んで
検討
願いたいと思いますが、いかがでしょうか。
松井清武
440
○
政府委員
(松井清武君) 区域外の設置につきまして、現状では、第一義的に
公社
の施策にまつところでございます。しかし、郵政省といたしましても、そういうふうな実情というものを放置できないという
立場
から、それぞれの調査を要求している段階でございまして、先生のいま言われた御趣旨というものは私
ども
も現在重要課題として考えておる点でございまして、そういったお考えも十分踏まえまして、今後、その具体策につきましては
検討
してまいりたいと思います。
案納勝
441
○
案納
勝君 今度はいよいよ
最後
になります、本当の
最後
に。
最後
に、忘れておりましたので、沖繩の積滞解消の問題について要望をしておきたい。 先ほ
ども
意見
が同僚議員から出ました、また、せんだってわが同僚議員片山さんの方からも出ましたこの六万戸の積滞について、地理的ないろいろな条件や今日までの復帰の問題をめぐっての問題があることは百も承知している。しかしながら、早急に、沖繩の
電話
の積滞解消というのは重点施策として取り組んでもらいたい、また取り組むべきだと思います。これについて、私は、一定の計画を立てて、少なくとも五十二年度までに全国の積滞が解消されるとするならば、これに歩調を合わせる、こういうことが
技術
的にあるいは実際的にむずかしいとするならば、今回の公衆法を提案をされた五十三年までの間には、沖繩の積滞は解消するというプログラムを私は策定をすべきだと思う。この辺について
最後
に強く要請をし、御回答いただくと同時に、これらについての努力を願いたい、こう思います。 以上をもって、その回答を受けて、私の質問を終わります。
輿寛次郎
442
○
説明員
(輿寛次郎君) お答え申し上げます。 先ほ
ども
申しましたように、沖繩の
電話
事情は悪うございます。これは一にかかっていろいろな地理的な問題とか、あるいは労務上の問題があろうと思いますが、そういったものを含めまして、われわれといたしましては、早急に計画を立てて、できるだけ早く本土並みといいますか、積滞解消に近づけたいと努力したいと思います。
森勝治
443
○
委員長
(
森勝治
君) 本日の
審査
は、この
程度
にとどめます。 本日はこれにて散会いたします。 午後八時五十九分散会 —————・—————