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1976-10-21 第78回国会 参議院 逓信委員会 第5号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十一年十月二十一日(木曜日)    午後零時二十五分開会     —————————————   委員異動  十月二十一日     辞任         補欠選任      棚辺 四郎君     戸塚 進也君     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         森  勝治君     理 事                 長田 裕二君                 原 文兵衛君                 最上  進君                茜ケ久保重光君     委 員                 川野辺 静君                 郡  祐一君                 迫水 久常君                 新谷寅三郎君                 高橋 邦雄君                 土屋 義彦君                 戸塚 進也君                 案納  勝君                 片山 甚市君                 森中 守義君                 藤原 房雄君                 山田 徹一君                 山中 郁子君                 木島 則夫君                 青島 幸男君    国務大臣        郵 政 大 臣  福田 篤泰君    政府委員        郵政大臣官房長  佐藤 昭一君        郵政大臣官房電        気通信監理官   松井 清武君        郵政大臣官房電        気通信監理官   佐野 芳男君    事務局側        常任委員会専門        員        竹森 秋夫君    説明員        経済企画庁長官        官房参事官    佐々木孝男君        日本電信電話公        社総裁      米澤  滋君        日本電信電話公        社総務理事    山本 正司君        日本電信電話公        社総務理事    三宅 正男君        日本電信電話公        社総務理事    遠藤 正介君        日本電信電話公        社総務理事    好本  巧君        日本電信電話公        社計画局長    輿 寛次郎君        日本電信電話公        社建設局長    山口 開生君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○公衆電気通信法の一部を改正する法律案(第七  十七回国会内閣提出、第七十八回国会衆議院送  付)     —————————————
  2. 森勝治

    委員長森勝治君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。  まず、委員異動について御報告いたします。  棚辺四郎君が委員を辞任され、その補欠として戸塚進也君が選任されました。     —————————————
  3. 森勝治

    委員長森勝治君) 公衆電気通信法の一部を改正する法律案を議題といたします。  質疑のある方は順次御発言を願います。
  4. 藤原房雄

    藤原房雄君 公衆電気通信法の一部改正に当たりまして、若干の質問をいたしたいと思うわけであります。  当委員会におきましても、何点かの角度から質疑が交わされて同僚委員から進められてまいりましたので、なるべく重複しないようにということを念頭に置きながらと思いますが、一体、私ども専門家ではないわけでありまして、専門的なことになりますと、どうしてもわからないといいますか、なかなか理解のできない点もございます。そういうことがございますので、一部重複するところがあるかもしれません。また、私の質問が非常にまあ常識的過ぎるという、そういう場合もあろうかと思いますが、私ども各地回ってまいりまして、やはりこのたびの電話料金値上げということに対しましては国民が非常に深い関心を持っておりますし、料金値上げだけではございませんで、農村へ行けば農村農集電話のことや、さらにまた積滞の、沖繩を初めといたしまして、なかなか解消できないところもございます。またデータ通信のこと、非常に多範にわたりますこういう問題を抱えておりまして、それぞれの立場から私どもは歩けば歩くほどいろんな意見が寄せられておるわけであります。それだけにそういう方々代弁者といいますか、素朴なそういう方々立場に立って、やはりこの電話料金値上げというものに対しまして国民が非常に深い関心を持っているとともに、諸物価の高騰の中でまた値上げになるのか、大変だという、こういう強い訴えの声を私どもは聞いておるわけでございます。  そういうことで何点かについて御質問を申し上げるわけでございますので、どうかひとつ歯切れよく国民の納得いくように御説明をいただきたい、こう思うわけであります。  最初に、公衆電気通信法の一部改正というと、これはもう料金改正ということが一番大きくクローズアップされるわけでありますが、初めからそういうところに入るのもどうかと思いますので、少し高いところからちょっと二、三点お聞きしたいと思うのでありますが、大臣料金値上げのことだけで頭がいっぱいだという、この法律さえ通って値上げになればいいんだという、こういうことだけではないだろうと思うのであります。電気通信事業が将来どうあるべきかという、こういう将来の展望についても大きな抱負を持っていらっしゃるだろう。  この前、大臣に就任なさって、福田大臣から簡単なお話は私どもお伺いをいたしましたけれども料金のこともさることながら、いまの国のこの重要な役割りを果たします電気通信事業の将来展望ということについて、大臣新任なさってまだ日も浅いわけでありますから、強い、温かいといいますか何といいますか、就任早々ですから、そういう抱負なり希望なりというものはお持ちになっていらっしゃると思いますが、まず、その点から大臣抱負をお聞きしたいと、こう思います。
  5. 福田篤泰

    国務大臣福田篤泰君) 今後の電気通信事業は、積滞解消後も電話需給均衡を維持し、電話サービスの一層の発展を図ることを基本といたしまして、情報化社会の進展に伴う新しいサービス開発し、農山漁村地域等に対する電気通信サービス拡充等を行うことによりまして、国民需要、負託にこたえていく必要があると考えておる次第であります。
  6. 藤原房雄

    藤原房雄君 積滞解消なんていうのは、これは法律の第一条から言ってもあたりまえのことで、早急にやらなきゃならぬことですが、電気通信事業の持つ役割りというものは非常に大きいと私は認識いたしております。当面の問題を解決するんだという、そういうお話も結構ですが、将来に向かって私はこういう抱負を持っているのだという、そういうお考えはいまのところは別にないんですか。値上げさえ決まればいいという、こういうことではないだろうと思うのですけれども、その辺のお考え、また将来のバラ色展望とでもいうものをお持ちになっていらっしゃるならば、ちょっとお聞きかせいただきたいと思うのですが、どうでしょう。
  7. 福田篤泰

    国務大臣福田篤泰君) ただいま将来の展望に対する考えを端的に述べたわけでありますが、やはり今後の社会情勢あるいは情報化社会、新しい局面も予想されますので、そういうものに対する新しい需要にどうこたえるか、また広い範囲の国民大衆のいわば文化生活あるいは福祉の向上といった面につきましても、十分、電気通信事業を通じまして国民に対するサービスを徹底いたしたいと考えておる次第でございます。
  8. 藤原房雄

    藤原房雄君 新しい需要をどんどん起こして通信事業発展に尽くせという、こんなことを一生懸命何か後押ししているみたいな感じで申しわけないんでありますが、それは将来に向かっての電気通信事業というのは、明るいといいますか、これからまだまだ開発すべき、技術的にまた大きな展望が開けておると私どもは認識しておるわけであります。  そういう点からいきまして、これから私ども大きな期待をかけてまいりたいと思うわけでありますが、しかし、何をするに当たりましても、その裏づけとなる財源が問題になるわけでありますから、当然、あれもこれもというわけにはこれはいかぬだろう。特に、現在、高度成長から低成長へと経済が大きく転換が指向されておる現段階におきまして、電気通信事業技術門発というものにつきましては、いろんなものが考えられ、進められておると思いますけれども、この技術開発ということについてもこれまたいろんな研究機関で鋭意努力をなさっていることだろうと思います。こういう技術開発の将来に対してのいろいろな構想といいますか、こういうことはやっぱり総裁にお聞きした方がよろしいのかもしれません。ぎすぎすした料金値上げについての厳しい話はこれからするとしまして、最初、ひとつこういう明るい話から進めていきたいと思いますが、総裁、どうでしょう。
  9. 米澤滋

    説明員米澤滋君) お答えいたします。  電電公社は、国民のために電信電話事業運営発展させるというのが基本でございます。ただいま技術開発の将来ということでございますが、技術開発といいましても二つ方向がございまして、一つは、いわゆる研究というようなところから出てきて、それが開発の部面に持ってくるというような行き方と、もう一つは、実際、国民の、利用者の方のいわゆるニーズの方から出てくる御要望と、こういう二つ方向開発が行われるわけでございます。  これまで電電公社といたしましても、積滞解消、これはまあ平均一カ月ぐらいに申し込んだらつけるということと、全国自動即時化ということを進めてまいりました。前の目標に対しましては二年間、後の目標は三年間でできることに計画しておりますけれども、これをやる過程におきましても、やはり技術開発が非常に必要でございまして、たとえばマイクロウェーブの超多重化あるいは同軸ケーブルの超多重化あるいはPCMを使うとか、あるいはまたプラスチックケーブルを使うことによりまして、従来鉛ケブルだと、雨が降りますと大量の故障が起こるのがプラスチックケ−ブルによりましてそれが防止できたというような、そういうことをいろいろやってまいりました。  これからは、いま一つの新しい問題といたしまして、特に電話需給均衡になっても今後まださらに新しい新規申し込みというものが毎年二百五十万ぐらい参りますし、それからまた、特に農山地方における電話普及、これが技術開発をやりながら、余り金のかからない方法考えながら進めるという面におきまして、たとえば集線装置PCM方式を組み合わせたような方法とか、あるいは北海道あたりへ行きますと牧場などがかなり電話局から遠いところにございますが、そういう際に一般の電灯線搬送電話をつけていくというような、そういう技術開発する。あるいはまた福祉の問題としては、寝たきり老人やあるいはそういう方々に対しまして、福祉の面におきましてさらにまたもっと進んだものをやる、そういうようなものがございます。  それからもう一つは、通信網の基幹となるネットワークといたしまして、伝送あるいは交換というような面におきましていろいろ技術があるわけでありまして、そのために、たとえば超LSIとか、あるいは光ファイバ伝送とか、あるいはまた将来の通信ディジタル化、そんなようなことも一つ目標を持った基礎研究として進めていきたいと存じます。  なお御質問ございましたら、もっと詳しく申し上げますが、以上のようでございます。
  10. 藤原房雄

    藤原房雄君 最初に申し上げましたように、非常に専門的な分野が多いものですから、これ以上詳しいお話を聞いても私もなかなか理解がよくまいりません。また、いろんなもので発表になっているものもございますので、それはそのときまたお話を聞いたりなんかさしていただきたいと思います。  いま大臣抱負といいますか、就任なさって将来に対してのお考え、また総裁技術的な開発について非常に多方面にわたって、いまちょっと七、八分話しただけでは足りない、まだまだ幾らでも詳しくお話ししますよというぐらいあるわけですから、電気通信事業というものは、これから本当に研究開発と、また利用者立場からのニーズと相マッチしてというお話でございますが、大きなこれから発展を遂げなければならないだろうと思います。こういうことで私どもも大きな期待をしておるわけであります。いかんせん経済がいままでのような高度成長時代とは違うわけでありますので、それに即応した技術開発といいますか、そういうものもいまお話の中にも二、三出ておったようでありますが、ひとつ努力していただきたいものだと思うわけであります。  話は次に移りますが、公明党としては、初めて質問するわけでありますから、大きなところからだんだん入っていきたいと思うわけであります。先ほど申し上げたように、一部改正項目だけぎすぎす言うこともどうかと思いますし、やはりこれまた問題を論議するには電電公社の全体の問題についてもいろいろ論議しなけりゃならぬだろう、こう思うわけであります。  そういう点から二、三お聞きしているわけでありますが、電電公社のこの五十一年度の「事業経営に関する運営方策」というのが発表がございましたですね、ことしの初めに。私は電電公社事業がずさんであるという、こんなことを言うつもりもありませんけれども年度年度、それぞれ一年間どの会社にしましても個人にとりましてもやはり一つ目標を立てるわけであります。その時代に即応し、その立場、その環境に応じて、そしてその目標達成のためにやはり一年間努力をする、こういうことで年の初めの一月というのは重要だと、こう言われる。これは当然企業体についても同じことが言えると思うわけです。  この「事業経営に関する運営方策」というのも非常に長文であるわけでありますが、その中で、私、特に気を引かれたところは「電話及び電報利用者である国民に対し、料金値上げを要望する以上、公社経営姿勢については、一段と厳正にする必要がある。この際われわれは、一層厳しい姿勢事業運営にのぞみ、経営の刷新と能率化をはからなければならない。」という、強い決意といいますか、この一年間経営姿勢ということについて訴えたところがあるわけであります。まあこの発表があってから、ややことしも終わらんとする段階に来たわけでありますが、この方策にのっとって一年間経過し、具体的にどういうことをどう実践をしてきたのかという、こういうことをひとつ経営姿勢ということになるのかもしれませんけれども、お答えいただきたいと思います。
  11. 米澤滋

    説明員米澤滋君) お答えいたします。  電信電話事業独占企業でございますので、また今度のように料金値上げ国民の皆様にお願いする以上、特にことしは運営方策の中でもただいま御指摘がありましたように公社経営姿勢を一層厳しくする。また、さらに能率的な経営を行うということを言いました。  独占企業でございますので、国内で的確にこれと直接比較するものはございません。したがって私たちといたしましても、先進諸国電気通信状況等を比較しながら、能率的経営が本当に行われているかどうかということを絶えず反省しております。たとえば公社に働いております方々電報の人を含めまして働いております全職員と、それから公社にあります全電話機のレシオをとってみますと、ヨーロッパのイギリス、フランス、西独に比べまして、むしろ日本の方が生産性が上がっている。アメリカとほぼ対等というところまでまいっておりますが、こういう指標等につきましてもよく見ながら能率的な経営を徹底するということにしていきたいと思います。  要員の問題等につきましても、技術革新が進むことによりまして、若干人が余裕のある場所と非常に忙しい場所とございます。そういう際に、労働組合とも話し合いながら配置転換その他の問題を決める。いわゆる最近言われているジョブ・エンリッチメント計画というものがございまして、魅力ある職場をつくっていくということで、いまいろいろ方策考えております。またそれから女子職域を広めていく。女子の方でオペレーター以外にもっとほかの営業とかあるいは保全等の方に対しましては、そういう面の女子職域を拡大するというのも一つ方法でございます。  それからまた、さらに技術革新そのもの能率的経営一つの重要な柱でございまして、今度お願いしております料金改定のベースとなる三ヵ年におきまして建設投資で約五千億円の節減をすることにいたしております。また損益勘定の面におきましては、たとえば従来公社住宅につくっております、逓信省以来置いてあったのでありますが、業務用住宅電話というような制度をやめまして、公社の人がみんな、特に管理者が多いのでありますが、自分で電話基本料を払うというような制度に変えまして、それによって資本収入の増加を図ること。あるいはまたオイルショック以来の省資源、省エネルギーをさらに徹底するために、電灯——これは機械のところで電気を節約するわけにはいきませんけれども、オフィスにおきまして電灯の数を減らすとか、あるいはエレベーターを減らす。あるいはまた電話帳発行等につきましては、これはいろいろ議論がこれまで国会でもございましたが、希望する方に電話帳を配付する、あるいは発行の周期を若干ずらすとか、いろいろそういう損益勘定の面におきましても進めておる次第でございます。  これもまたいろいろたくさん項目もございますけれども、概括的に申し上げますと以上のとおりでございます。
  12. 藤原房雄

    藤原房雄君 こんなことで時間を費やすといいますか——こんなことと言っては失礼な話ですけれども、このことばかりで時間を費やすつもりもないんでありますが、まあ基本的なことでありますからお聞きしているので、いま総裁お話しされた詳しい項目を全部挙げろなんということを言っているわけではございません。  いずれにしましても、公社としましても非常に今日までいろいろ努力していらっしゃったことだろうと思いますが、時代の変遷とともに一つの大きな公衆法改正をしなければならぬという、また経営姿勢そのものにつきましても最大の努力をしなければならない大事なときを迎えていると思うわけであります。そういうことからいたしまして二、三お聞きしているわけであります。  それから、もう一つお伺いしたいんでありますが、「公社事業が正しく理解され、社会の協力が得られるよう平素から地域社会との対話を重視し、地についた広報活動を積極的に推進していく」こういうのがあるんですけれども、何といいましてもあらゆる階層の方々に利用いただいている公社立場として、公社事業なり、またその地域にありますいろんな特殊性があるわけでありますけれども、そういうことについて事業の概況なりまた技術の現況とか、そんなことについてよく御理解いただくことは非常に大事なことだと思います。こういうふうにあります「対話を重視し」云々というのは広い意味でおっしゃっているんだろうと思いますけれども、やはり物事が周知徹底されていないといいますか、よく理解されていないということのために誤解を生み、またいま強い批判を浴びるということがしばしばあるわけでございますので、確かにこの地域社会との対話というのは大事なことだと。これはもうNHKの審議のときにもずいぶん私ども論議いたしましたのが、あらゆる方々の声が吸い上がるようなシステムはNHKの場合はできているわけですが、公社の場合は、経営そのものにつきましても、これは後からまた私触れるわけでありますが、経営委員会という七名の方で最高決議機関でお決めになる、まあモニター制度や何かいろいろお考えのようでありますが、番組編成という重要な立場にありますNHKから見て、何でもそれにイコールで私は考えようとは思いませんけれども、先ほど来お話ございました技術革新にいたしましても、また将来のこの電気通信事業の使命ということを考えてみましても、技術開発がここまで来、また将来こういうことをこの地域の問題についてはいま考えておるのだ。先ほどお話ございましたが、山間僻地、非常に僻地のような過疎地につきましても電話事業についていろいろ研究開発が進められておる。  こういういろんな問題について地域方々と現状というものをお話しし合う。また公社としてこれからどういう事業計画で何をなさんとするのか。またいろんな苦情処理といいますか、御不満も当然業者の方々、いろんな方々がいらっしゃるわけであります。そういう方々に対しての応待、苦情処理の早急な処置、こういう常日ごろの活動といいますか、地域住民との接触といいますか、こういうことで公社事業理解するとともに、さらに建設的な意見もそこから出てくるだろう、こういうことで私地域社会との対話を重視するということは非常に大事なことだと思うのでありますが、具体的にはこれいままでどういうことをしておったか、そしてまた五十一年度について特に何かお考えになって実施なさったことがあるのかどうか、もう一年にならんとしているわけでありますが、このところをちょっとお聞かせいただきたいと思います。
  13. 遠藤正介

    説明員遠藤正介君) いま総裁申しましたように、私ども事業独占でございますので、普通の民間会社と違って独占の上にいわゆるあぐらをかくということのないように、できるだけ国民皆さん、あるいはユーザーの方々の御意見を伺い、苦情を伺うということが私どものそういう過ちを犯さない一つ方法だと思って、従来からこの点につきましては全国的にいろいろ施策をとってきております。  具体的に申し上げますと、電話局ごとあるいは通信部ごと通信局ごとにその土地の地域社会方々とのいろんな形での接触をいたしまして、私どもの方からもいろいろ事業計画あるいは公社サービスの中身についてお知らせすると同時に、皆さん方の御不満なりおわかりにならない点をお知らせするとか、あるいは場合によっては局の中を御案内をいたしまして、現在の度数計がどういうぐあいになっているというようなことまでお見せをする、こういうこともぬかりなくやっておるはずでございますが、特にこの一、二年は、先ほど総裁が申しましたように、国民大衆にいわゆる料金値上げをお願いするわけでありますから、そういう意味でその点には重点を置きまして、最近は特にいろんな形での消費者団体ですとか、あるいは主婦連のような団体がございますが、そういう方々にもこちらの方から呼びかけまして、こちらの方から出向きまして、各地方公社計画を御説明し、御意見を伺う、こういうこともやっております。  それから、だんだん住宅電話というものが普及をしてまいりました現在、やはり私どもとしては、これからのお客様の主力というものは住宅電話でございます関係もありまして、そういう意味で、先ほどちょっと先生のお口からも出ましたようなモニター制度というものをつくりまして、これは通信部ごとにつくっておりますが、もうすでにモニターの方が全国で一万人ぐらいになるんじゃないかと思いますが、非常にいろんな意味で御意見を伺っております。  それから、民間会社と違いまして私どもの方は株主というものがございません。しかし、株主に該当するものといたしましては、従来いろいろ問題がありました例の加入者債券強制引き受けをお願いいたしました第一次取得者と申しておりますが、そういう方々に対しては、ある意味で私ども公社株主に該当する方だと思いますので、そういう第一次取得者を対象にいたしまして、民間会社株主に対していろいろ図式その他でわかりやすい形で、私どもの経理の内容なり事業計画を、株主総会あたりにやっておりますが、ああいう形のパンフレットをそういう第一次取得者加入者の方にお送りする、こういうこともこの一年の間に始めました。  それから、もちろん決算とか事業計画というものは郵政大臣の手元へ御報告を申し上げ、また国会において十分御審議をいただいているわけでありますが、何と申しましても、公社の膨大な決算、事業計画を、そのままの形ではなかなかわかりにくいところもあろうかと思いまして、最近、あるいは今後とも、これは料金問題が終わりました後も、私どもはこういったものにつきましてはもう少しわかりやすい形で、たとえば五大新聞に掲載いたしますとか、そういう形で皆さんにわかっていただくように、また、この審議の過程で、この委員会あたりで今回も御意見出ました点も十分考慮いたしまして、今後とも、そういう方法はやっていきたいと、こういうように考えております。
  14. 森勝治

    委員長森勝治君) 午前の審査は、この程度にとどめます。午後二時再開することとし、休憩いたします。    午後零時五十五分休憩      —————・—————    午後二時十分開会
  15. 森勝治

    委員長森勝治君) ただいまから逓信委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、公衆電気通信法の一部を改正する法律案を議題といたします。  質疑のある方は順次御発言を願います。
  16. 藤原房雄

    藤原房雄君 公衆電気通信法の一部改正、午前中に引き続いて質疑をするわけでありますが、この法案に入る前に、逓信委員会として非常に重大な問題なので、ちょっと簡単ではございますが、大臣の所信をお伺いしたいと思うのであります。  きょうの新聞にも報じられておりますように、小野NHK前会長が名誉顧問になったということで、昨日、衆議院の委員会でも大分、NHKの会長がいらっしゃって、大臣も出席していらっしゃったと思うのでありますが、いろいろ質疑が交わされたようであります。大事な法案の審議中ですから、私、長時間お伺いする、そういう気持ちもございませんけれども、今年のNHK値上げ予算を中心といたしまして相当な広範囲にわたりますNHKのあり方、体質問題の質疑が交わされました。そうした中で起きた一連の問題であります。小野会長個人についてどうこうという、私は、そんな気持ちはございませんが、しかし、本年NHK国民から非常に厳しい眼で見定められております現況の中で、再びこういう物議を醸すといいますか、立場立場でそんなことは何だという言い分はあるかもしれません。しかし、これは簡単に見過ごしてはならない重大な問題だと私は思うのであります。この問題につきまして、大臣から所信を——所信といいますか、今回のこの問題につきまして、どういうお考えでいらっしゃるのか、お伺いしたいと思います。
  17. 福田篤泰

    国務大臣福田篤泰君) NHKが、言論報道の公共的な機関として、その経営が自主的に営むことを確保されているというたてまえから申しましても、あくまで厳しい中立性、不偏不党の態度が要求されることは御承知のとおりでございます。その意味で、いわば経営の最高あるいは役職員の最高の地位にある会長たる者は、こうした中立性を疑わしめるようなことがあった場合には、まことに遺憾なことでございまして、厳にその行動はあくまで不偏不党、中立性を貫くべきであると考えています。
  18. 藤原房雄

    藤原房雄君 遺憾に思うという、思うだけですか。  この名誉顧問というのは、どういう立場で何をどうするのかという、名誉顧問の立場もさることながら、こういう環境の中で、いま大臣がおっしゃったようなことは私どもも当然だと思うのですけれども、これに対して、このまま遺憾と思いますということだけで終わるのか、何らかの処置を——処置といいますか、行動を起こさなければならない。これはいろんな方法があろうかと思いますけれども大臣はそこまで積極的なお考えでいらっしゃるのか、不偏不党がどうだこうだという、遺憾でございますと言うだけなのかどうか、その辺はどうですか。
  19. 福田篤泰

    国務大臣福田篤泰君) 名誉顧問就任ということがいま問題になっておるのですが、これは御承知のNHKの内規によって小野前会長が名誉顧問になっているということであり、したがってNHK立場で自主的に判断して、これに対処していただきたいと思います。
  20. 藤原房雄

    藤原房雄君 だから、それは自主的にやるのはNHKの機構の中での人事ですから。しかし、監督官庁の責任者の国務大臣として、遺憾でございますとただ思って、じっと胸に秘めてそのままいるのか、その責任ある国務大臣としてただ思っているだけだということなのか。もっと、このことについてはあれほど衆議院、参議院を通じましてNHKの体質問題が、中立性というものが論議された中でもございますから、しかもまだ幾日もたたずということの中のことでもございますから、これはそう思いますと言って、おれは思っているんだけれども向こうの方でやるんだろうなんていう、こういうことなのかどうかということを私は聞いているんです。
  21. 福田篤泰

    国務大臣福田篤泰君) NHKが内規によって行われるたてまえでございますので、監督官庁の立場からこういう人事問題について具体的なことを述べることはこの際差し控え、あくまでNHKの良識に訴えたいと思うわけでございます。
  22. 案納勝

    案納勝君 ちょっと関連。  大臣、重ねて部の方から、この間の七日の委員会の関連で質問さしていただきます。  当委員会で七日に一般質問大臣も一緒におられましてお聞きになりました。きのうは、衆議院で質問がありました。七日の当委員会質問で、小野前会長の顧問問題について、私の方から、慎重に、しかも問題が問題だけにその取り扱いについては十分配慮するようにという要望を申し上げました。これは大臣もおられたからお聞きになったと思います。NHKの坂本会長は、十分その意を踏まえて配慮していく、対処するというふうに言われました。  そこで、私は、いま藤原委員質問に重ねてお聞きするんですが、その舌の根も乾かぬうちに名誉顧問に就任をされた。また、ましてやその質問のやりとりの以前に、新聞によりますと今月一日からということが報ぜられている。だとすると、全くこの委員会を愚弄したとしか言いようがない。  大臣は、確かにいま言われましたように、NHKについては予算等の提案権あるいは監督権はあるにしても、その中立性から郵政省として人事にくちばしを入れることはなかなかむずかしいということです。私は、そのことについては、郵政省がくちばしを入れることについては余り感心しません。大臣として、いま一連のこの問題についてどのように考えておられるのか、この辺を明確にしていただきたい。  私は、NHK問題についてそう時間をとる気はありませんけれども、いま言われた当委員会でこのことについて指摘をされ、それについて善処方を約束をしているにもかかわらず、衆議院の逓信委員会で問題になった。しかも、新聞紙上に報ぜられているところによると、十月一日にはすでに名誉顧問に就任をしていたという事実、そういうやり方というものについて私は納得することができませんので、大臣は、この辺と、いま藤原委員から質問されました名誉顧問の就任の問題について、大臣としてどう思うのか、郵政省を代表する立場として明確にひとつお答えいただきたい。
  23. 福田篤泰

    国務大臣福田篤泰君) 先ほど来、お答え申し上げますとおり、やはりこれは内規によって自主的にNHKが決定し、また決定しようとしておるわけでございます。したがって、具体的にわれわれとしてはこれに対して人事の介入はいたしたくありません。  ただ、強いて感想と申しますか、大臣としての感じと申しますか、そういうことについてどうかというお尋ねだとするならば、私は、あくまで社会的常識と申しますか社会通念というか、こういう点について各誉顧問に就任することが果たして適当かどうか疑いを持っておる次第でございます。
  24. 藤原房雄

    藤原房雄君 いま同僚委員からお話ございましたように、私どもが時間を相当かけて——時間をかけたからつてそれで言い尽くしたことじゃ決してございませんで、いろんな問題の中の集約したものを私どもは訴えているわけでありますが、私は何も大臣NHKの機構の中にくちばし入れろということを言っているわけじゃ決してないんですけれども、余り歯切れの悪い言い方するもんですから、はっきり言ってもらいたいということですが、とにかくいまお話がございましたように、ここでいろいろ話し合っている前に、もう決まっておるという、こういう不見識な——結局、私どもは、それぞれの立場で、このNHKにしましても、また公衆電気通信法にいたしましても、国民の最大関心事の値上げ法案、われわれの生活に大きな影響力を持つ。そうでなくても物価がじわじわ上がって本当に物価高に苦しんでおるという、あらゆるアンケートの結果が出ておる。こういう中でのことですから、私ども真剣にならざるを得ないわけです。  しかし、法案審議のときにはもっともらしく、そうでございますとか、中正を保ちますとか、一たび法案が通ってしまうと、NHKの予算が通ってしまうと、態度豹変といいますか、国会の審議の場だけつくろえば、そしてまた平身低頭していればという、こういう姿勢ですと、これはもう本当に私どもは何のために時間をかけて論議をしてきたのか、審議をしてきたのかという、こういうことになると思うんです。NHKの受信料値上げそのものもさることながら、体質的な問題が非常に論議されたわけでありますから、それが幾日もせずしてこんな形であらわれることは私どもは本当に残念でなりません。  今度の公衆電気通信法、いわゆる電話料金値上げ、恐らくこの値上げもいまは慎重な顔をしておっても、一たび通過してしまいますと、同じような態度に出られるのではないかという、こういう不信感を持つのは当然のことだと思うんです、大臣。これは本当にこれ以上しゃべるのも心重いですわ。重いからもう座るかな。大臣、どうですか。
  25. 福田篤泰

    国務大臣福田篤泰君) NHKの体質と申しますか、いわば社会的良識に照らしてどうかと思われる点についての御批判は十分伺っておきます。  ただ、この料金改定の法案につきましては、あくまで公社経営の健全化を図るためにも絶対に必要であるという点を御理解願いまして、私どもはこの成立を望んでいる次第でございまして、この点は法案の審議並びに成立とはどうかひとつ切り離して、いろいろと御審議を煩わしたいと思う次第でございます。
  26. 藤原房雄

    藤原房雄君 私、そういうこともあって、いま大臣切り離せなんて言うけれども、切り離すなんてできるはずがありません。  ですから、NHKの予算の審議の時間全体を見まして、受信料の値上げそのものについての審議というのはそんな大きな時間が費やされなかった。それよりも中立性とか体質問題とか、こういうことの方が非常にもう各委員から活発に論議があったんじゃなかったでしょうか。やっぱり時代の推移とともに、オイルショック以来の物価上昇の中で、私ども一つの野党だからといいましても何でもかんでも反対反対と言っているわけじゃありません。また国民の大多数の方々が反対しておるといいましても、それはそれなりに私どももこういう社会情勢経済変動の中でのことですから、わかるといたしましても、その経営努力なり、また体質的なものがどこまで真剣にこういう事態の中で研究されているか。ですから、NHKのあの予算審議というのは本当に受信料値上げのことについてはそんな長い大半の時間を費やしたということよりも、厳正中立とか放送事業のあり方とかNHKの体質問題ということが諸外国の例やいろんなことを通して論議があったんじゃないでしょうか。こういうことはさらりと忘れ去って、まあ大変なときなんだから値上げだけひとつ認めてくれ、それと切り離して考えてくれ、こういうことじゃ、とてもじゃないけれども、私どもは応じるわけにはいきません。  電電公社皆さんも右に同じという、こんなことを私言うつもりありませんけれども、どうもこれは大臣の、やはり国会審議の重さといいますか、私個人がここで何時間しゃべっているということではなくて、ですから冒頭に私申し上げました、各所を回っていろいろな人たちにお会いして、その声の集約を大臣総裁に、それぞれの担当の方々に申し上げる、そういうことで改革をしなきゃならないことは改革していただく。経営姿勢なりまた公社の体質といいますか、将来のあり方等についてもやっぱりこれからまたいろいろ論議があろうかと思いますけれども、これは真剣に考えていただきたい。料金値上げということだけではないんだぞということを私は冒頭に午前中申し上げたわけでありますけれども、その理由はそこにあるわけです。  言ったしりから、こうやって守られないといいますか、頭の片すみにも入っていないというか、全然受けとめられていないというのは非常に残念です。そういう私どもの心情の上に立って、今回の問題について、それはくちばしを入れるわけにはいかぬかもしらぬ。しかし、毅然とこの問題については対処してもらいませんと、私どものこの審議というものが、国会の審議というものが問われなきゃならない。これは非常に重要な問題ですから、私は、ひとつ大臣にちょっとしっかりお答えいただきたいと思います。
  27. 福田篤泰

    国務大臣福田篤泰君) この法案を提出した理由なり、あるいは値上げを何とかしなきゃならぬという背景なり原因というものは、私どもはぜひとも必要であるという事情を承知しておりますが、御指摘のように、何かこの法案審議について割り切れない問題があった場合には、私はこれはやっぱり非常に迷惑でもあり、また困ったことである。この点は、NHKの例を挙げられましたが、良識に反するような、また法案審議に悪影響を及ぼすような行動あるいは方針等があります場合には、厳にこれを戒める考えでございます。
  28. 藤原房雄

    藤原房雄君 私はこういう委員会で上手なことを何も並べていただくことはないんで、率直に言っていただければよろしいわけですし、またやっぱりそこで反省をするといいますか、われわれの言うことが必ずしも全部適当であるとは限らないのかもしれません。しかし、その中から参考にしていただくいろんな問題があるだろうと思います。そういうものをひとつしっかり受けとめていただいて、特に公社の問題について相当時間をかけて論議をするということは、こういう大きな料金値上げでもなければ、すみからすみといいますか、相当時間をかけての論議というのはなかなかないんじゃないでしょうか。またNHKにつきましても、受信料の値上げということを一つの契機として相当時間をかけて論議したわけです。私どもはもっともっといろんな角度からやらなきやならぬということで審議時間ということについては私どもは非常に主張するわけでありますが、自民党の方々は、まあそんなに何十時間もなんていう、いつも言われるわけですけれども、ですから今度の逓信委員会にいたしましても、これはもうわずかな時間で衆議院みたいにすっすっと通ってしまったなんという、こんなことではいかぬ。  われわれも初めから慎重審議ということを申し述べておるわけでありますが、やはりこれは慎重にひとつ審議をし、あらゆる角度から論議をしていかなきゃならぬ。また、それを十分に受けとめていただく。これは各委員会で私どもよく言うんでありますが、附帯決議で文章化されて、そして院の皆さんで決議したことでさえも、半年、一年ほどしてまた委員会が開かれ、その附帯決議がどういうふうになっているかということを問い直しても、これは進んでいない。附帯決議をつけるときには、みんなで決議するときには政府の皆さん方にもある程度御相談をするわけでありますから、実行のできないようなことを無理やり決議をするわけないわけであります。  どうですか、大臣国会審議の尊重といいますか、私は、まあこれで小野名誉顧問ですか、この問題いつまでも申し上げてもしようがないんでありますが、これで了解したというわけにはいきませんけれども、とにかくこれを契機にしまして、国会の品位の高まるような、国務大臣として今後の運営にひとつ真剣に努めていただきたい。大臣だって若いとき、やはり委員会で御発言になったり、いろんなことをなさった経験がおありだと思いますよ。自分の言ったことがそのときははいはい聞いて、次の日は横向いているんじゃ、どんな気持ちなさるかみずからの体験でよくおわかりだと思うんですが、何万何十万という方々の代表として私どもが申し述べているこの国会の場の審議というものの重みというものを、大臣の責任において今後ひとつ反映をさしていただきたい、こう思うんです。  次に、法案の審議に入らしていただきますが、冒頭にも申し上げましたように、今度のこの改正は、いろんな改正もこの中に盛り込まれておるわけでありますが、国民の眼からいたしますと、やっぱり料金値上げというのは一つの大きな重荷といいますか、そういうことから私どもはいろんなお話をいたしますと、春以来、次々と物価の値上がりになる中でまた電話料金値上げになる、住宅用で平均しますと六〇%ということですか、こういうことで、それなりにそれぞれの立場立場でいろんな御意見の方がおるようであります。  本会議の席上でも、物価との関係について私もいろいろお聞きしまして、まあ本会議ですからわずかなことでありますし、一番庶民の方といいますか利用者の大半の方々が、値上げは困ったものだと頭を抱える理由には物価との関係があるわけで、物価等対策特別委員会との連合審査、当然、これは大きな問題ですから連合審査をすることになろうかと思います。ですから、詳しい物価との問題についてはその連合審査の場でやるといたしまして、概括的にお聞きするわけであります。  四月から考えてみましても、医療費が〇・二%、消費者米価が〇・二%、消費者麦価が〇・〇七七、電気料金〇・三、NHK受信料が〇・二、塩が〇・〇三という、消費者物価指数に及ぼす影響、これをもう合計いたしますとおよそ一%を上回るという。今度国鉄運賃と電信電話料金、これがもし可決し値上がりが決まりますと、およそ一・二五%の消費者物価への寄与率といいますか、になる。公共料金というのは二%以内におさめようというのが政府の考えであったはずでありますが、いま私が申し上げたことだけ見ましても二%を大きく上回るという、こういうことになるんじゃないか。こういうことから政府の物価目標というのは、もろくもといいますか、もう崩れ去ったと、期末を迎えずして崩れ去ったと言わざるを得ない、こう思うんですが、企画庁の方はいらしていますか。   〔委員長退席、理事茜ケ久保重光君着席〕
  29. 佐々木孝男

    説明員佐々木孝男君) 物価の目標につきましては、経済計画におきまして五年間平均六%、それから消費者物価につきましては年度につきまして四月−七月で約八%ということを目標にしておりまして、まあ公共料金を幾らにするという目標ではなくて、消費者物価をどれくらいのところへ抑制できるかということを目標にしておりますので、まだ目標が完全に崩れ去ったということにはならないかと存じます。
  30. 藤原房雄

    藤原房雄君 あなたのおっしゃるのは数字の上でのことだろうと思いますが、最近、一連の物価問題についての消費者の実感というか、こういうアンケートがありますわね、そういうところでどういうアンケートの結果が出てるかおわかりになりますか、何かお持ちですか。
  31. 佐々木孝男

    説明員佐々木孝男君) 私は物価の担当でございませんもので、いまその資料を準備しておりません。失礼いたします。
  32. 藤原房雄

    藤原房雄君 九月に消費者物価指数八%を目標にということでさっきお話しありました。御存じのとおり、ベースアップ、また農家の方々につきましては生産者米価、特に農家の北の方は冷害に打ちひしがれておるわけでありまして、これが一けたに抑えられてしかも冷害ということです。こういうことから国民の大多数は物価高の中で実質所得が非常に低下しておる。こういうことから消費者のこのアンケート、どれを見ましても、実感として非常に——何%に抑えたというまあ高らかな宣言を、ことしの三月も一けた台に抑えたという福田副総理のにこにこした顔が新聞に出ておりましたけれども、そういうこととはうらはらに物価に苦しんでおるという声が起きておる。  こういうことで、この電話料金料金策定に当たりましても物価との配慮をいろいろしてきたことはわれわれもよく知っておるわけでありますが、やっぱりこの一消費者という立場に立つと、現在、この物価の異常な上昇の中で国民生活はますます窮地に陥れられる、そういう実感がおわかりになるかどうか、国務大臣として、ひとつ大臣どうですか。
  33. 福田篤泰

    国務大臣福田篤泰君) 消費者物価の指数その他を見ましても、確かにこの値上がりについては相当の影響がございます。これは十分私どもも承知しておりますが、政府のいわば前年度の国民生活に対する計画に基づいて五十一年度について一は旧基準では〇・四%ぐらい消費者物価指数を押し上げるという数字も出ております。本年度は七ないし八%というわけでありますが、この点についても十分私どもは承知をいたしておる次第でございます。したがって、こういう影響を少しでも緩和したいという意味から、単年度におきまして収支均衡を図るわけでなく、基本料の引き上げを五十一年度は、二段構えとして、五〇%、住宅電話の負担増も五〇%以下に配慮した次第でございます。
  34. 藤原房雄

    藤原房雄君 まあ国務大臣または総裁は今度この法案によって健全化するんだという、公社の三カ年計画を初めといたしまして企業の健全化を図りたいという、そういう観点の上に立って一日も早くこの法案の成立をという、こういう気持ちに燃えていらっしゃるんだろうと思うんですが、それはそれとして私ども皆さん立場がわからないわけじゃありません。しかし一方、さっき何だか切り離すだなんて話があったけれども、それと別な立場に立つ消費者の立場に立てば、これまた私の言ったようなこともおわかりいただけるだろうと思うんですけれども、わからないかなあ。  私、いやみ言うわけじゃ決してないんですけどね、本当にこれ申しわけないことだけど、大臣の御家庭で電話料を月どのぐらいお払いになっているか。総裁電話料払っているのかな。
  35. 米澤滋

    説明員米澤滋君) 払っています、私は。
  36. 藤原房雄

    藤原房雄君 そうすると、お偉い方々はどのぐらい自分の家庭で電話料をお払いになっているか、おわかりになったらおっしゃっていただきたいと思いますけれども
  37. 米澤滋

    説明員米澤滋君) お答えいたします。  私のところでは、大体、月六千円から七千円ぐらい払っております。
  38. 藤原房雄

    藤原房雄君 大臣はどうですか。
  39. 福田篤泰

    国務大臣福田篤泰君) これは秘書に任しておりますが、大体、五万円前後でございます。
  40. 藤原房雄

    藤原房雄君 大まかでも本当におわかりになったから、やっぱり非常に御関心を持っていらっしゃるということで、私も心から敬服いたします。  しかし、こちらにいらっしゃる部課長さんたちはほとんどお払いになっていらっしゃらない方か、お払いになっても総裁と同じように優遇措置をいただいている方々でしょうから、庶民の窮状からはちょっと——こんなこと失礼かもしれませんけれども、でも総裁はよくお払いになっている金額おわかりになったと私も感心しているんですけれども。  私、郵便料金値上げのときにも、失礼な話で、若輩のくせに大臣何通手紙出しましたかなんて、こんなこと言ったんですが、やっぱりこれは実際自分で実感としてお持ちになっているのと、他人任せといいますか、そういうことのわからないお立場とはちょっと理解の度合いが違うんじゃないかと思う。そういうことで、まことに申しわけないんでありますが、お聞きしたわけです。本当は全部厳しく聞くところでありますけれども、失礼だと思いますから代表して二人だけに聞きました。  大臣の御家庭は、これはもう一般の家庭とは違っていろんなお電話があるでしょうから、これは非常に家庭としましては高額のようであります。私どもも大体それに近いぐらいの電話料を払っているわけでありますけれども、そういう自分の家庭で自分がみずから払うという立場に立ちますと、今度のこの住宅用の六〇%の値上げというのはやっぱり相当に大きな負担になる。一万円の方は今度は一万六千円になるという計算になるんですね。それは、実際、地域とか度数とかいろんなことで違うわけですけれども。こういうことからいたしまして、ぜひひとつ物価の問題については連合審査でいろんな角度から論議するわけでありますが、ことしは公共料金が軒並みに値上りになって政府主導型とも言われるような、しかも賃金が低く抑えられて実質所得のマイナスという、実質所得が非常に低く抑えられた、こういう中での公共料金値上げであり、この電話料金値上げという、こういうことでありますから、この値上げに当たりましては、消費者に大きな負担にならないようにということで非常に慎重な配慮を払われたことは私も重々知っておりますけれども、配慮を払った何だといっても結局は値上げするわけでありますから、そういうことで消費者の実感というものをぜひひとつ深く理解をした上で——皆さん立場はわかるんですよ、皆さん立場立場として、その消費者の立場も、みずから電話料を払う方々立場理解した上で、今後の公社運営また企業努力、体質の問題等、真剣な取り組みとともに、これからまたいろんな観点についてお話し申し上げるわけでありますが、真剣にひとつ受けとめていただきたい。  私は、まず、こういうふうに物価との関連で要望したいと思うんでありますが、総裁大臣、ひとつお答えいただきます。
  41. 米澤滋

    説明員米澤滋君) お答えいたします。  ただいまいろいろ御意見ございましたけれども公社といたしましても、国民の皆様に電話電報料金値上げをお願いする以上、一層、経営能率化並びに経営姿勢を厳しくして対処いたしたいと思います。
  42. 福田篤泰

    国務大臣福田篤泰君) 御承知のとおり、公社がいわゆる五カ年計画経営の合理化あるいは料金を何とか据え置きたいという努力をしてきたことは御承知のとおりでございます。四十八年のオイルショック以来、非常な悪化した財政状態になって、やむを得ずとりました料金値上げでございます。それが結局は国民に御迷惑をかけるという意味合いでぜひともこれをお認め願い、理解を願いたいという立場でありますので、この点は値上げをお願いする以上は、利用者あるいは国民皆さんに対するサービスの徹底、あるいは増設、自動化等、いろいろ具体的にその成果をやはり生かしていきたいと考える次第でございます。
  43. 藤原房雄

    藤原房雄君 私は、このたびの料金値上げを是認するものじゃ決してありませんけれども、いま大臣からもお話しございました、総裁からもお話しございました、そういう姿勢というものをひとつ貫き通していただきたいと思います。  前置きが非常に長くなって申しわけございませんが、さてお聞きしたいのは、公社の問題ずっと見まして一番目につくのは、やっぱり経営委員会ですね、この問題だろうと思います。  それは法律でもきちっとうたわれておりますように、経営委員会が唯一の審議の場であり最高の意思決定機関である、こういうことから経営委員会というものは非常に公社運営の中で重要なウエートを占める、このように思うわけであります。経営委員会がどういうように運営されているか、ひとつ経営委員会運営のあり方や、経営委員会のメンバーもずっと入れかわるとかいろいろあるようでございますが、現況についてちょっとお伺いしたいと思います。
  44. 山本正司

    説明員(山本正司君) 電電公社経営委員会は、公社法十一条の規定に基づきまして、委員が五人、それから職務上当然就任いたします特別委員二人、合計七人をもって構成されておりまして、そのうち一人を委員長、それから委員長に事故ある場合に委員長代理を置く、こういうことになっております。  現在、委員は三名欠員でございまして、委員長代理の大野勝三氏、それから委員の細川隆元氏の二名と特別委員総裁、副総裁の合計四名で構成いたしております。  会議は、委員長が主宰いたしまして、原則として毎月二回、第二及び第四木曜日に開催をいたしております。大体、年間では二十二回ないし二十三回ぐらい開かれております。会議の内容は、公社法十条に決められました議決事項、これは主として予算、決算それから事業計画、資金証達のための借入金等、公社経営の重要事項でございますが、こういった議決事項のほかに了解事項及び報告事項の種類別に議案が付議されまして、毎回二時間程度の時間をかけて審議をいたしております。  それから委員会で議決を行うためには、委員長または委員長代理を含む四名以上の出席が必要であるということが決めてありまして、現在欠員が三名ございますが、十月十三日以降欠員が生じたわけでございますが、まだ委員会を開催されておらないわけでございます。
  45. 藤原房雄

    藤原房雄君 この経営委員会につきましても同僚委員からもいろいろ質問がございましたけれども経営委員会といいますと思い出される——思い出すというか、あってはならないとして私どもが厳しく見なければならないのは小佐野氏のことであります。  その前からいろんなうわさがありまして、私どもも適当ではないということで国会でも大分反対があったわけでありますが、やっぱりこういう人事、しかもいまお話しのように法律上を見ましても経営委員というのは少数精鋭という、私企業と一緒にしていいかどうかわかりませんが、日本の企業の中でも企業としてこういう形の中では最高とも言われる大きな企業体であります公社の最高意思決定機関、そのわずか五名の中の一人を選ぶということですから、これは慎重でなければならぬ。私どももそういう見地から公明党といたしましても、小佐野氏の再任ということについてはこれは非常に反対したわけでありますが、これを全会一致できずに採決で決めた。これは非常に私どもは遺憾に思いますし、こんなことが二度とあってはならぬというふうに思うんですけれども大臣、どうですか、これは大臣の関係だから。
  46. 福田篤泰

    国務大臣福田篤泰君) とかくの議論を起こすような人事については、十分注意いたしたいと思います。
  47. 藤原房雄

    藤原房雄君 やはり私ども何も個人攻撃とか、それから個人的にどうこうというんじゃなくて、野党も、私どもも何十万何百万という、そういう支持する方々もあり、そういういろんな人たちの接触の中で私どもはやっぱり見、聞き、それでそういう憂いを感ずる。そういうことで申し上げておるわけでありますから、こういう最高の意思決定機関、そして少数精鋭というこの経営委員会につきましては、全会一致で推されるような、まあ立場立場いろんなことがあるかもしれませんけれども、いろんな角度からやっぱり検討していただいてなすべきだろう。まあいま大臣慎重にということですから、慎重の中身はどうするんだという、そんなことがあるかもしれませんが、とにかく同じ轍を踏まないように、この前の委員会のときも、私、申し上げたんですけれども、これはひとつ慎重にやっていただきたい。  それで、この経営委員の選出の手続といいますか、何といってもこれは公社を動かす最高の意思決定機関であるだけに人選というのは非常に大事だろうと思うんでありますが、これは郵政省当局がいろんな角度から御検討いただいて、国会に諮って内閣が任命するという形をとるわけです。どういう資格の人をどういう基準で、どういう手続を経てお選びになるのか、このあたりちょっとお聞かせいただきたい。
  48. 佐藤昭一

    政府委員(佐藤昭一君) お答え申し上げます。  経営委員の任命につきましては、広い経験と豊富な知識を有する者であって、公社の業務の運営に関する重要な事項を決定するに最もふさわしい者を慎重に選考してまいっているわけでございます。これからの経営委員の任命につきましても、利用者、消費者の意向も十分反映するように配意をしてまいりたいと、かように思っております。
  49. 藤原房雄

    藤原房雄君 これはもう同僚委員からも何度か指摘がありましたけれども、慎重に選考してという、じゃだれがどこで、どういうふうに選考するのかということになりますと、まあ事務手続上いろんな方法があるのかもしれません。私はこの問題だけやっておるわけにいきませんからあれですけれども、確かにこれだけ大きな公社の最高意思決定機関という、そういう大事なことを任されるわけですから、それ相応の経営能力なり、いまお話しのような諸条件というものが備わってなけりゃならないのは私どもは当然のことだと思います。  しかし、NHK経営委員会との比較、これは人員が一三名、規模も非常に小さいNHKが十三名の経営委員会によっていろいろなことが審議される。公社経営委員会も二十八年の公社発足当時はたしか三名、全部で五名だったはずですね。それが七名になり、今日に至っているんです。これは戦後のまだまだ公社自体が今日のような大きな規模でなかった時代考え方で法案というものがまかり通って今日まで来ているわけであります。こういうことからいきまして、私、まだ人数が少ないからだめだと、そんな単純なことで申し上げているんじゃないですけれども、これだけの大きな公社の最高意思決定機関ということであるならば、もうこの二十八年当時から大きく時代も変遷し、大きい規模になった今日、この経営委員会のあり方といいますか、メンバーとか機構とか、こういうものについて考え直すべき時期ではないかと、こう思うんでありますが、どうでしょう、大臣
  50. 福田篤泰

    国務大臣福田篤泰君) 経営委員会の人数の構成内容でございますが、二十八年当初から五名プラス二名の合計七名と相なっておるようでございます。しかし、今後は、御指摘の点について十分検討の余地ありと考えております。
  51. 藤原房雄

    藤原房雄君 お言葉を返すようでございますが、「経営委員会は、両議院の同意を得て内閣が任命する非常勤の委員三人と、職務上当然就任する常勤の特別委員である総裁、副総裁二人の合計五人」ですよ、最初は、二十八年。まあ、そんなの人数はどうでもいいんだけどさ、うそ言っちゃいかぬ。
  52. 米澤滋

    説明員米澤滋君) ちょっと調べます。
  53. 藤原房雄

    藤原房雄君 いや結構です。知らないだろうなんていうことで言ったんじゃないだろうと思うけどど、ちゃんと当時、二十七年ですね、国会公社法が上程されたとき、郵政大臣は佐藤榮作、提案理由の説明ちゃんとここに持っているから間違いないですよ。行かなくたってもうわかっているんだから。——行ってくるまで座っているかな。  このときは非常勤の方三名と総裁、副総裁で五名と。まあいつこれふえて七名になったのか。いずれにしましても五名から七名ですから二名ですわね。NHK経営規模から何からしましてもずっと違うという、こういう時代背景等を考えて、いま大臣おっしゃっておりましたけれども、ぜひこれは御検討いただいて、それでこれはNHKとはまた事業の内容違いますから、何も同じに私は言うつもりもありませんけれども、やはりこれだけ大きな企業体となり、そしてまた非常に大衆化した。この二十八年当時というのは本当に電話をつけている方というのは、まあ大臣のような方しか電話つけてなかったわけですから、いまはもうどなたのうちにも電話があるという時代になった。こういうことで時代の推移とともに、この経営委員の中に利用者を代表するそういう方が加わって、そしてこの利用者方々の声も聞く。もちろん経営的な手腕がなければならぬことは当然でありますが、そういう方々が最高意思決定機関でありますから、そういう方もいらっしゃらなきゃならないことは当然ですけれども、   〔理事茜ケ久保重光君退席、委員長着席〕 メンバーをふやしていただいて、その中に利用者代表という、こういう方も加えさしていただいて、そしてより民主的に運営のできるように、そういう経営委員会の改革というものもなされなきやならない、そういう時期に来ていると私は痛感するんですけれどもね、大臣、これはいままでお考えになったことがあるのか、まあこれから考えようとするのか、そういうことについてはもうあらあらこういうふうになっていますということなのか、そういうのはどうですか。
  54. 福田篤泰

    国務大臣福田篤泰君) ただいまの経営委員会の人数をふやすとか、あるいは利用者の声を直接吸い上げる何かの組織が必要である、実は、NHKの場合でもそういう御議論が出まして、私も全く同感でございまして、公社についても何らかのやはり利用者なりあるいは国民立場に立った生の声を吸収できるように何か組織を考えるというようなことで、早急にこの点は研究し検討して、来年早々にも、そういう組織をひとつつくり上げたいと考えておるわけであります。
  55. 藤原房雄

    藤原房雄君 いま大臣から非常に積極的なお話がございました。どういう方を選ぶかということになると、いろんな問題等があるかと思いますけれども、そういう姿勢でひとつ取り組んでいただきたい。利用者からの意見を吸い上げるためには、先ほど、まあ午前中からお話しありましたモニター制とかいろんなことあるかもしれませんけれども、最高の意思決定機関の中に利用者のこういうことに明るい方にやっぱり入っていただく、こういう声が反映されるということは非常に大事なことだろうと私は思うわけであります。  それから、どうしても先ほど経営委員の選任に当たりましては経営手腕ということが第一番に言葉が出ました。まあ大体選任に当たりましてはそういうことが念頭に置かれて、それだけではないことは先ほどの話の中にありましたけれども、やっぱり経営手腕——これだけの大きな企業体でございますから当然経営手腕がなきやならぬと思いますけれども、そういう経営面だけのウエートを置いた人選というものがなされる、どうしてもこれはそちらの方に偏ってしまう。公社に対するいろんな批判というものもやっぱりそういうところから一つずつ改善をしていく必要があろうかと私は思うのであります。  また、経営手腕のある方という、最初に冒頭その言葉が出てきましたけれども、この経営委員方々公社に関係のある事業なり、また企業に関係してはならぬということも条文の中にございますけれども経営に携わってそういう財界にも重きをなすという人はどうしてもいろんな企業に関係をお持ちになる方が——そういういろんな事業をなさったからなればこそ経営手腕がすぐれているということになるんでしょうし、そういう方がまた財界の大きな重鎮としてその地位にあるということになると思うんです。ですから、どうしてもそういう角度からの意見といいますか、そういう問題が出てくると思います。公社が一兆円を超すような大きなお仕事をなさる、こういうことになりますと、いろんな利害関係が出てくる。こういう観点からいたしましても、この経営委員の人選ということについては構成またそのメンバーの選任、こういうことについてはどんなに慎重過ぎても慎重過ぎることはないと思います。余り慎重過ぎて一向に人が決まらないなんというのもそれもまた困りますけれども、いままでとかくのうわさといいますか、小佐野氏個人のことを私言っているわけじゃありませんけれども、小佐野氏に端を発して公社経営委員というものがいま見直されるといいますか、こんなことではならぬという国民の声、こういうものをひとつ重視していただきまして、今後、こういうものについては善処をしていただきたい。いま大臣から積極的なお話ございましたけれども、ひとつ具体的に進めていただきたい。よろしくこれは御検討のほどを、検討すべきであると、こう申し上げて次に移りたいと思います。  次は、これだけの値上げというものが、二倍、三倍という、慶弔電報三倍だから三倍ということですけれども、大体消費者物価とかなんかは何%ですけれども、この前の郵便料金も倍率だったですね。いままでずっと七円でやってきたんだから少しぐらいはと、そういう顔がどうも浮かんでくるようですけれども、それだけに国民が非常に重圧感といいますか、そういうものを感ずるわけです。  ここで一つ指摘しなきゃならないのは、この料金決定——料金決定といいますか、値上げの数値をはじき出すに当たりまして、まあいろんな角度から御検討されて数値をはじき出したんだろうと思います。それはまた後からいたしますが、この電電公社が決めたものを郵政省に、郵政省から国会に、国会承認になると法定料金についてはそれで決まる、また認可料金につきましては大臣が認可する、こういうことで決まるわけですね。ちょっとこれは、郵便料金値上げのときにいろんな論議がございましたが、郵政審議会のようなころで専門家の方があらゆる角度から専門的な知識でこれを審議をして、そうした上で国会に諮るものと手続上大変な相違があるわけですね。ここに、私どもは、これだけの倍率で諮らなきゃならないような値上げをするに当たりまして、いきなりこういうことを時間をかけて論議をするのは国会の場しかないという、これは手続上もっと専門的な立場からの審議があってよろしいんじゃないか。これは、過日、衆議院の参考人の中で、公益事業料金決定については専門的な考察の機関が抜けていることが欠陥であるという、こういう御発言があったようでありますが、こういうことに対して郵政省ではどうお考えですか。
  56. 松井清武

    政府委員(松井清武君) ただいま先生が御指摘ございましたように、料金の決定に当たりまして、今日まで郵政省といたしましては郵政審議会に諮問をしなかったわけでございます。全然郵政審議会にお諮りをしていないかといいますと、そうでもございませんで、やはり今回の料金改定に当たりましても、一応その構想を申し述べまして、それぞれの先生方の意見を聞くというような手続は踏んでいるわけでございますが、しかし、正式に諮問をし、その答申を受けて、それを参考として郵政大臣がこういった法定料金を決定するという、いわゆる郵便料金の決定等に当たりましてとられておりましたような手続を今日まで踏まえていなかったわけでございます。そういった点につきましても、過般の委員会におきましてもいろんな御指摘もございまして、今後のこういった料金の改定に当たりまして、法定料金につきましても前向きで郵政審議会に諮るように検討してまいりたいというふうに考えております。  また、認可料金につきましても、国民生活に重要な関係のある問題につきましては、今後、郵政審議会に諮ってまいりたいというふうに考えておりまして、それぞれの手続というものを目下郵政審議会にもお諮りをして進めておるというのが現状でございます。
  57. 藤原房雄

    藤原房雄君 いま考えておるということですけれどもね、いままでなぜそういう形をとらなかったかということですが、これは認可料金についてはもちろん審議会に諮っているというのは、法定料金は審議会にかけるけれども認可料金はかけないというならまだしも、われわれ法案審議で、法案のことは血眼になっていろんな角度から検討しますけれども、やっぱり認可料金についても当然これでいいのかということでいろいろ大臣にもアドバイスする。審議の過程でやるわけですけれども、法定料金だから、法定料金国会で十分審議をいただく、審議をするんだ、そういうことで今日までそういう審議会にかけるというような方法をとらなかったのか、その辺はどうなんですか。
  58. 松井清武

    政府委員(松井清武君) 今日まで郵政審議会になぜかけなかったかという点についての御指摘であろうかと思います。この点につきましては、先ほど申し上げましたように、私どもも過去のそういった経験あるいは反省に立ちまして、今後につきまして新しく検討を重ねておる段階でございます。  いままでの点につきましてあえてここで申し上げますと、一つには、法定料金というのは、先生の御指摘もありましたように、国会において十分な審議をいただけるという点が一点でございます。また、これら法廷料金——電報電話料金につきましては、郵政審議会に法律上かけなきゃならないという特段の定めがなかったということが第二点でございます。  それからまた、公社が十分内部的に検討いたしまして、また先ほどの御議論にもございましたように、経営委員会にも諮りまして、その議決を経て提出されたものでございます。そういう意味におきまして、公社が郵政省に提出するまでの間におきまして、第三者の意見というものも十分そこで把握し得る立場にある、そういった把握の上に立って提出してきておるというような点もあるわけでございます。  郵政省の中におきます扱いとして見ました場合に、郵便料金等につきましては郵政審議会にお諮りをしているわけでございますし、現在のその電報電話料金につきましては諮問していないというような点では、確かに片手落ちの面があるわけでございまして、今後につきましては、そういった点の改善という方向考えてまいりたいというふうに思いますが、いままでの経緯をあえて申し上げれば以上のような点でございます。
  59. 藤原房雄

    藤原房雄君 私は何も古傷に触れるつもりもないんですけれどもね、いま率直なお話ありましたから、それはそれでいいですけれども、私どもまあいまおっしゃったお話はこれは十分わかるわけですが、わかるわけって、そうだろうと、私の大体認識していることと同じですから。  過日のあの参考人の方は郵政審議会のメンバーだったですね、その方が、はからずもこういう公益事業料金決定にはやはり専門的な立場からこれを機関にかけるべきだというようなお話があった。ですから、郵政審議会にも全然かけていなかったということではないんだとか、それから経営委員会でもお諮りいただいたんだということですが、経営委員の方、だれとだれが御出席になって、どれだけの時間をかけてこれだけの料金値上げのことについて御審議になったのか、その方々は本当に専門的な——非常に公社のお仕事というのは専門的な分野が広いですね、それだけの専門的な知識がありませんと、単なる経営手腕云々だけではならないんじゃないかと私は思うんですよね。そういうことからいたしまして、恐らく今度値上げしたいということになったということで十分な審議ということは、経営委員会にしましても郵政審議会にしましても、いままではなかったんじゃないかと私は思うんです。  これは二十七年の法律がそのまま今日までまかり通ってきたわけでありましょうし、それにのっとってきたんでしょうから、ぜひひとついまのお話しのように、これは公社の今後の料金決定に当たりましての改革すべき重大事項として御検討をいただきたい。大臣、ひとつ大臣の口から御答弁いただきます。
  60. 福田篤泰

    国務大臣福田篤泰君) 御説のとおりだと思います。
  61. 藤原房雄

    藤原房雄君 しかも、これはこれからのことであります。現在、上程されておりますこの法案につきましては、そういう専門的な立場からの十分な審議というのはなかったわけであります。それだけに、私どもは反対だから慎重審議と言っておるんじゃ決してないんで、そういう経過を踏まえて、いま監理官のお話しの中にも国会で十分な審議をしていただけるということもありましてという、はからずもそういうお話ございました。  私ども十分な審議をなすべきだということで、そういう認識でおるわけでありますが、やっぱり与党の方は早く早くということで、早くったって、これは御存じのとおり、もう会期末で十分な審議もなく閉会してしまいました。その後いつ臨時国会が開かれるのか、これはお家の事情で、大臣いらっしゃるからあれですけれども、なかなか開かない。それで九月の十六日ですか、になりましてから、ようやく国会が開かれたという、これはもう慎重に審議をしていただけると郵政当局はお考えになっていらっしゃる。国会の方は十分に審議する時間がないということになって、それでもすぐ上げろという、上げなきゃ困るのだというんじゃ、ほんとにこれは非常に矛盾しているんですよね。それだけに私どもはできるだけ努力をして十分な審議をしなきゃならぬと思いますし、ただ、ここで私どもがどんなに努力しましても、専門的な問題についてはどうしても理解し得ないといいますか、深くそこにメスを入れることのできない部分があるんです。こういう問題もありますので、幅広い人々に来ていただいてのこの公聴会ということと、それから専門的な立場方々の御意見を聞くという参考人という方々、まあ専門的な立場の方の御意見、こういうことをこの委員会で慎重にやりませんと、郵政当局が期待している十分な審議をしていただけるというこの郵政当局の期待に沿うことのできないことになるんじゃないか、私、こう思うんです。  そういうことから、理事会等におきましても、参考人をぜひ呼んでいただいて、専門的な立場からと、こういうことを私どもは主張し、委員長からまあそういう意向についても御理解いただいておると思うんですが、委員長、ひとつこの点についてはお取り計らいをお願いいたします。理事会でまた諮っていただけますか。
  62. 森勝治

    委員長森勝治君) いいでしょう、それは。
  63. 藤原房雄

    藤原房雄君 まあこういうことで、この委員会の審議というのは非常に重要なことになると思います。  そういうことで、今回のこの法案審議につきまして、私どもいろいろな角度から論議させていただいておるわけです。そういう気持ちで私もおるんですけれどもね、ところが、この前、公社の方かどちらの方か知りませんけれど、国会で慎重審議、慎重審議と言ってもなあなんという、そういうことを言う方がいらっしゃって、私どもほんとに憤慨しておるんですけれどもね、皆さんからすれば幼稚な質問だと言うかもしれませんが、先ほど来申し上げているように、私どもは私どもでほんとうに真剣にやっておるわけです。また、多くの消費者、利用者立場方々もそれ相応に大変にこの値上げ問題については関心を持っていらっしゃる、そういうことをぜひひとつ脳裏に刻み込んでいただいて、今回のこの法案については慎重に審議を進めていただきたいということと、今後については、ぜひひとつこの料金決定の手続といいますか、機関といいますか、こういうものについて、まあお考えになっているということですから、早急にひとつやっていただきたいと、こう思うわけです、長々申し上げましたが。  それから認可料金についても、郵政審議会にかけないのがございますですね。どういうのは審議会にかけないのですか、かけるやつとかけないやつとの基準といいますか、これはどういうふうになっていますか、ちょっと御説明いただきます。
  64. 松井清武

    政府委員(松井清武君) 認可料金の郵政審議会への諮問でございますが、六月二十一日に郵政審議会を開きまして、電気通信関係のサービスにつきまして認可料金を郵政審議会にお諮りしたいということを申し上げまして、その手続を進めている段階でございます。したがいまして、まだここで具体的な確定は見ておりませんが、考え方といたしましては、国民生活に重要な関係を持っている認可料金について郵政審議会に諮り、その答申を得たいというふうに考えております。  この具体的な事項としましては、一つは、広く国民一般が日常生活に通常利用するようなサービス料金、夜間通話の料金であるとか、あるいは一〇〇番通話の料金であるとかというようなものに相なろうかと思います。  それから第二点には、過疎地域等、一定地域の住民が日常生活に通常利用するサービス料金ということで、たとえば接続有線放送電話基本料であるとか、定額使用料であるとか、あるいは地域集団電話の定額使用料であるとかというようなものでございます。  また、その他の料金といたしまして、企業用のもの等を含めまして、たとえば専用の回線使用料といったようなもの、そういった一応の判断基準をもちまして今後かけてまいりたいと考え、現在、鋭意作業をいたしておる段階でございます。
  65. 藤原房雄

    藤原房雄君 資料をいただきまして、慶弔電報料金とか共同電話料金とか、こういうのは審議会にかけるんだということですね。ですから、国民生活に非常に大きな影響を及ぼすものについてということなんだと思いますけれども、これはだれが御判断になってそういうふうにかけるやっとかけないやつを決めるのかということをちょっとさっき聞ているんですけれども
  66. 松井清武

    政府委員(松井清武君) ただいまそういった般的な基準に従いまして、郵政省として判断して扱ってまいりたいというふうに考えております。
  67. 藤原房雄

    藤原房雄君 郵政省が判断するんでしょうけれども、郵政省、やっぱりそういうことを審議する何かあるわけでしょう。郵政省が判断するというのは、郵政省のどなたかというか何か判断する機関というか、があるわけでしょう。まさか監理官一人で決めるわけじゃないんでしょう。どうなんですか、おわかりになりますか。
  68. 松井清武

    政府委員(松井清武君) 郵政審議会の性格そのものが、もともと郵政大臣の諮問によってそれを調査し検討し答申するということになっております。郵政大臣が必要と認めた諮問事項についての答申を得る機関でございますから、そういう性格上、郵政大臣の御判断によって扱ってまいりたいというふうに考えております。
  69. 藤原房雄

    藤原房雄君 わかりました。  それじゃ次に移りますが、企画庁の方いらっしゃって長い間お待たせしてまことに申しわけございませんが、御存じのとおり、公社が策定いたしました第五次五カ年計画、これはまた大きな時代の変化とともに、五十一年から三カ年計画というものに移行せざるを得なくなった。その新三カ年計画、これを策定するに当たりまして、企画庁の五十年代前期経済計画というものを参考にしてこの計画を立てたということでありますが、五十年代前期経済計画、との概要、これはいつの時点でこの計画をお立てになったのか、そしてまたこの数値は——一番問題はオイルショックの前か後かというような、これでもう大変な相違になるわけです。また四十九年ごろですと、まだ変動の激しい中にあったわけですから、五十年の前半ですか、恐らくこれを策定なさったんじゃないかと思うんですが、決定するというか、ですから四十九年ごろの数値といいますか、それだとやっぱり高度成長の、言葉は低成長時代になぞらえてということかもしれませんけれども、実際的な数値とか考え方というのは高度成長時代のものがやっぱり頭にあったのではないか、こういうふうに考えざるを得ないんですけれども、そこらあたりのこと、五十年代前期経済計画の概要とその策定の経過ですね、これについてひとつ御説明いただきたいと思います。
  70. 佐々木孝男

    説明員佐々木孝男君) 今回の計画を閣議決定いたしましたのがことしの五月でございます。  作成の過程を申しますと、四十九年の秋ごろ、前回経済社会基本計画というのがございましたが、オイルショックその他によってその計画をそのまま政策の基本にすることはできないということが明らかになりまして、作業といたしましては四十九年の秋ごろから作業を始めております。ただ、この場合の作業は準備作業でございまして、いわば今後の成長率は一体どれくらいになるか、日本の経済の能力、キャパシティが一体どういうものであろうかという非常にマクロの検討をいたしました。これが五十年の四月ごろまでかかりました。  それから、いま御審議いただいております社会資本に関する数字は、五十年の中ごろから開始をいたしまして、大体の骨子ができましたのが五十年の十二月でございます。五十年の十二月に社会資本の大枠とそれから各部門につきましての割り振りを決めまして、これを五十一年の一月に閣議報告いたしました。そしてこれが基礎になりまして、たとえば港湾の五カ年計画であるとかいう今回の予算編成に関連いたしましてつくられます長期的公共事業計画の基礎になり、同じように先ほど申しました五十年、昨年の十二月大体決まりましたものを一つの基礎にいたしまして郵政省の方で五十一年から五十三年までの計画をつくられた。  ただ、つけ加えておきますけれども、私たちの企画庁で作業いたしました前期計画は五十一年から五十五年までのものでございまして、いま申しました経過から申しますと、すでにむしろ不況が非常に深刻化していた時期につくられたものでございまして、ちょうど五十年の秋ごろといいますとい五十一年度の経済はかなり低成長ではないかというような議論が非常に盛んであったころでございますので、高成長の夢といいますか、高成長時代考えをそのままこの計画に盛り込んだということではないと思っております。
  71. 藤原房雄

    藤原房雄君 私ども考えるのには、いまいろいろ御説明ございましたように非常に経済的に変動激しいときですから、企画庁でもこの数値のとらえ方というのはなかなかむずかしかったのだろうと思いますし、五十年代の前期の経済計画ということですから、なるべくそれに沿うようにということで御努力なさったのだろうと私推察するわけですけれども、この企画庁の計画をもとにして新三カ年計画がつくられたわけなんで、そしてまたこの三カ年計画を実施するに当たりまして、非常に大きな事業をするわけで、今回の料金値上げにつきましても今日までの累積赤字とこの三カ年計画を実施するに当たりましてどうしてもこれは資金が、ということがその中にあるわけでございます。こういうことから、この企画庁の数値、経済計画というものは非常に重要な参考資料といいますかウエートを占めておる、私どもはこういうふうに認識しておるわけです。ですから、いろいろお聞きしたわけであります。  また、そういう点から、こんな大幅な値上げをする根拠になった企画庁の経済計画というものは、少し公社計画も過大だけれども、企画庁の数値というもの、計画というものもこれは本当に時宜にかなった、本当に現在のこういう時代にマッチするものかどうかという、こういうことからお聞きしたわけです。  いまの御説明をすべて納得したわけじゃございませんが、いろいろな経済の激しい変動の中でのことですから、最大限の努力をして出した数値という、こういう認識しか私どもはできませんが、さて、この中でいろいろな公共投資について数値も出されているわけですが、電気通信部門につきましては七兆三千億と、こういう数値が出ているわけですけれども、この策定の根拠といいますか、基礎になるものはどういうことが基礎になってこういう計画が、公共投資額が出てきたのか、これをちょっと御説明いただきたいと思います。
  72. 佐々木孝男

    説明員佐々木孝男君) 先ほど申しましたように、全体の五カ年間の公共事業の投資額が百兆になります。これは五十年価格で百兆になりまして、そのうち七兆三千億が電気通信施設の方に振り向けられるという枠を決定したわけでございますが、基本的な考え方といたしましては、電気通信国民生活の基盤を形成し、国民生活を質的に充実するものである、そういう考え方に基づきまして計画を作成しているわけでございます。  内容的に申しますと、まず、計画期間中に住宅電話を中心に電話の一層の普及を図る。それで大体五十二年度末に加入電話の積滞を全国的規模において解消するということを目指しまして、引き続き加入電話普及率を五十五年度まで高めていくという考え方に立っておりますが、同時に、過疎地帯などにおきます電話の自動化であるとか、あるいは医療情報システムなどデータ通信開発、さらに画像通信開発、拡充というようなことを考えておりまして、このような事業を五年間で行うための投資額として七兆三千億が適当であろうと考えた次第でございます。
  73. 森勝治

    委員長森勝治君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕
  74. 森勝治

    委員長森勝治君) 速記を起こして。
  75. 藤原房雄

    藤原房雄君 郵政省の方のいろんな計画、現状、それから、これから何をなそうとしているかという、こういうことをあらゆる部門に分けて参酌してはじき出したということになりますわね。それは郵政省でつくったやつを企画庁がもらったわけじゃないんだと思うんですけれども公社としては大きな計画を立てて、これだけの資金が必要なんだということになると、それに伴って料金値上げというものが必要になるということで、これは決して不可分のことではないわけであります。それでありますから、国民の要望にこたえるということから事業を大きくすることは望ましいことだ、要望にこたえるということになりますけれども、一面から言えば、それが料金にはね返るということになるわけでありますから、そこは慎重に、要望があるから全部やっちまうんだというんじゃなくて、入るものと出るものとの均衡、こういうことを十分にお考えになってこれは計画をしなければならぬのは当然だと思います。  しかし、企画庁さんは、お金を集める方は別に頭に置かずに百兆という、こういう公共投資額の上に立って、料金決定の重要な要素であるということは全然考えなかったということは言えないと思うんですけれども、やはりいろんな要望を、また社会——電気通信部門だけじゃありませんから、いろんなものを発展させるためにはということではじき出したんだろうと思うんですね。ですから、それが料金にどういう形になるかというところまではお考えになっていらっしゃらなかったと思うんですけれども、どうですか。
  76. 佐々木孝男

    説明員佐々木孝男君) 従来の計画といいますか、従来の高度成長時代におきましては、たとえば税をとりましても、自然増収が非常にふえてくるというような意味で財源問題というのは比較的考慮しなくて済んだ時代がございます。しかし、それが急速に変わりまして、今後は公共事業につきましてもやはり財源問題というのは考えなければならないことだと、これはわれわれも認識したわけでございますが、まだそこのところの検討が十分に進んでいなかったこともまた事実でございまして、一つ一つの財源を洗っていきますと、一般会計のものもありますし財投のものもございますし、それから料金値上げによってのものもございます。それをすべてにわたって影響を考えてこの計画をつくったかと言われますと、そこまでは十分踏み込めなかったというのが実情でございます。
  77. 藤原房雄

    藤原房雄君 正直なところ、いま御答弁になったとおりだろうと私も思います。だから企画庁はどうだったかとかいうことを言うつもりはありませんけれども、そういうことになりますと、とらえた数字自体も非常に変動のあったときの数値であるということ、また、よもやことし——先ほど来くどくどくどくど、まだ言うのかというような顔して皆さんお聞きになっていらっしゃるけれども、公共料金値上げ、こういう生活や、いろいろ実質所得の低下といいますか、こういう中で、この三カ年計画というものを遂行することはこれは望ましいことですけれども、こういう料金との兼ね合いということになりますと、これはやっぱり検討しなければならない一つの要素もここに出てくるんではないか、こういうように考えざるを得ないんですけれども、こういう点について郵政省としてはどういうふうにお考えになっていらっしゃるんですか。
  78. 佐野芳男

    政府委員(佐野芳男君) いま経企庁の方から五十年代前期計画の公共投資の割り振りといいますか、百兆円の中の電気通信の占める額が七兆三千億というお話がありました。この中を見てみますと、やはり環境衛生あるいは国土保全、いろいろ項目はあるようでございます。鉄道などもあれですが、中でも電気通信のウエートをやはり非常に高く見ておられる。  私たちは、百兆円の中の金額としてのとらえ方と、一つの割り振りといいますか、国の政策の割り振りとしてのとらえ方と両面あると思います。それから、いま先生御指摘のように、確かに国民の要望があればそれに沿った計画というものを立てて実施していくということも一つの望ましい面ではあるけれども、また裏を返しますと、それが料金の面にはね返るということもございまして、私たちがこういう原案を作成するときには、やはり料金水準というものを決定する際にはそういう面も十分考慮した上で作成しているわけでございまして、この五十年代前期計画公社の三カ年計画と申しますか、今度料金改定のベースになっています五十一年度から五十三年度までの計画でございますが、これは後で公社の方から御説明があると思いますけれども、先生の御指摘の点には十分配意した上で、すり合わせが十分できておると。したがって、この三カ年の金額といたしますと、七兆三千億のうちの五兆四百億というものがこの三カ年に割り振られた建設計画の投資規模でございます。  では、なぜ、この計画が大き過ぎないんだということになりますが、この中身を見ていただきますと、再々御説明申し上げておるのですが、五兆四百億円のうちの九三%ぐらいが基礎的な電話サービスと申しますか、いわゆる電話サービス網の投資額でございまして、今後、電話需給均衡を迎えつつある時期におきましてもやっぱり電話部門への投資というものが大宗を占めているような状態でございますので、この投資計画というのは郵政省としましても適切な規模の建設計画だというふうに考えております。
  79. 藤原房雄

    藤原房雄君 いま、衆議院を通過し、参議院でこれだけ審議している中で、修正しなきゃなりませんなんという言葉は出てくるわけもないと思いますけれども、そういうこととは別に、まあずいぶん確信といいますか、根拠を持ってお述べになったようでありますが、それでは、この新三カ年計画、これについてひとついろいろ御説明をいただきたいと思います。  まず、この計画の概要ですね。余り詳しいことはいいですから、中心的な概要だけちょっと御説明してください。
  80. 輿寛次郎

    説明員(輿寛次郎君) お答え申し上げます。  この計画は、五十一年から五十三年の間にやろうという計画でございまして、大体、建設投資額は五兆四百億円を予定しております。  主な構成といたしましては、一般加入電話を七百七十万つけたいという計画でございます。内訳を申しますと、そのうち住宅用は六百四十三万でほぼ八五%ぐらいになろうかと思います。あと公衆電話でありますとか、あるいは市外電話回線、その他いろいろございまして、そういったものを合わせて五兆四百億でございますが、基調といたしましては、先ほど先生御指摘のありましたようなことを、十分考えまして、われわれといたしましては、いわゆるシビルミニマムと申しますか、あるいは国民福祉の増進に役立つものだけにかなりしぼりまして、極力ほかのものは抑えたつもりでございます。したがいまして、たとえば過疎地対策と言われておりますような自動改式でありますとか、あるいは加入区域の拡大でありますとか、地域集団電話の一般化でありますとか、こういったものは、ほぼ原案どおりといいますか、前の五カ年計画よりはふやした形で入れて考えております。そういった意味計画でございます。
  81. 藤原房雄

    藤原房雄君 第五次五カ年計画よりもナショナルミニマムの考え方を入れて計画をし、三カ年計画をやったんだということですから、非常に望ましいことなんですが、お言葉だけをお聞きし、また計画についてという、こういうものを見れば非常にほれぼれするようなお言葉が並んでおるわけですけれども、先ほど申し上げているように、大幅料金値上げということにどれだけの配慮が払われて経済企画庁の数値というものを参酌してきたかという、これは私どもいま御説明ありましたことだけで素直にそうですかという理解はなかなか得られない。  ちょっとお伺いしますけれども、四十八年度から五十年度の三年間の建設投資の実績です、これは五十年度の公社の監査報告書などをずっと見まして合計いたしますと、大体、三兆九千二百六十七億になるというふうに思いますけれども、それと新三カ年計画であります五十一年度から五十三年度までの三年計画、投資規模がおよそ五兆四百億と先ほどお話しありましたけれども、それから四十八年度から五十年度までの三年間の実績と決算の方ですね、これはよく見りゃわかるわけですから、それと新三カ年計画、これを比較して、ちょっとわれわれそんな深くわかりませんけれども、大ざっぱに見るところ、一般加入電話は九百七万の実績があるわけでありますが、ところが計画の方は七百七十万ということで、先ほど概要御説明いただきたいという、こういうことに対して一般加入電話とか自動改式とか、こういうのを一生懸命やるんだというお話でしたが、実際、こういう金額は相当な大きな金額にふくれ上がっているんですけれども、加入電話とか、そのほかのことにつきましてはちょっと縮小になっているような感じがするんです。おわかりになるでしょうか、ちょっと御説明ください。
  82. 輿寛次郎

    説明員(輿寛次郎君) お答え申し上げます。  先生の御指摘は、四十八年から五十年度までの投資に比べて、あるいは投資といわゆる開設件数に比べて、五十一年から五十三年度の投資が多過ぎるんではないかと、こういう御指摘かと思います。  これにつきまして御説明いたしますと、細かい数字は省略いたしまして、われわれの数字多少違うかもしれませんが、四十八年から五十年度三年間で見ますと、確かに総額は三兆八千億ほどかと思いますが、そのうち電話部門のものは大体三兆五千億ぐらいでございます。その他のものが三千億かございますが、これば農山漁村対策とかあるいはいろいろなものでございます。そしてその電話に比べますと、確かに五十一年から五十三年の方では総額五兆でございますが、そのうち大体電話部門に投資するのが約四兆六千億ぐらいでございます。そうしますと、いま電話部門と比較いたしますと、一兆一千億ぐらいふえておる勘定になります。  この中身を大体申し上げますと、実は、そのうちの内訳は、一つは四十八年−五十年という、四十九年あたりは、五十年までそうでございますが、非常に投資が抑えられました。その反面、非常に需要が熾烈でございまして、そういった意味では、われわれは、基礎設備と言っておりますが、基礎設備を食いつぶしまして加入者対策をしたということで、実質は無理無理いたしまして暫定投資等をしてつけたわけでございまして、その意味では、われわれで申しますと局舎、線路、交換機といった基礎設備を食いつぶした形でございますので、これを取り戻しませんと、どうしても今後のまた需要に、ニーズに差し支えるわけでございます。この分が約三千億ぐらいございます。それから物価上昇がございまして、この分が大体二〇%ぐらいと想定しておりまして、これが七千億ぐらいふえる勘定でございます。また、工程が、実際上過疎対策とかいろいろございまして、ふえておりますので、これが一千億ぐらいで、合わせて一兆一千億ぐらいが電話部門でふえておるという勘定でございます。その他のものもやはり多少ふえておりますが、そういった意味で、ごく大ざっぱに申しまして、確かに加入者件数という数で比べますと差があるように見られるかもしれませんが、そうではないということでございます。  つけ加えておきますと、実は、われわれいつも申しておるんでございますが、加入電話というものは確かに新設時には金がかかりまして、大体、ごく大ざっぱに言いまして一加入引きますのに三十二万ほどかかりますが、これは新設だけでございます。ところが、公社電話というのは現在すでに三千万以上の加入者がございまして、この方々が日夜通話をしているわけでございまして、この方々はやはり電話普及あるいは社会活動の活発化に伴いまして電話をかける量もふえるわけでございます。これをわれわれはトラフィックの増と言っておりますが、言うなら、かける量がふえますから、それに見合ったやはり回線増設とか設備の増設をしなきゃならぬ、あるいは設備が古くなっているものは取りかえなきゃならぬ。そういった意味で、われわれはそれを維持改良と言っておりますが、こういった金がやはり年々かなりかかるわけでございます。これもごく大ざっぱに申しまして、現在ある加入者に直してみますと、大体、一加入当たり一万八千円とか二万円以上だと思います。したがいまして現在三千万ありますということは、大体、六千億ぐらいの金がいわゆる維持改良費に使われているということでございます。  そうしますと、最近のように毎年三百万ぐらいふやしてまいりますと、過去三年間のものと今後三年間と比べますと、そういった維持改良の対象になる数で言いますと、やはりこれも相当ふえておる。ごく大ざっぱに申しまして四十八年から五十年度の三年間では延べで七千七百万加入かと思いますが、これが五十一年から五十三年ですと、それが約一億三百万になるわけでございますし、そういった意味で約三〇数%の増になるということもございます。したがいまして、そういったネットワークが生きておりまして、これを維持していく、改良していくためのコストがかなりかかる、ここが実はほかの事業と違うところであろうかと思いまして、そういったものを全部含めますと、先ほど申したように、われわれとしては極力むだといいますか、後に回せるものはおくらしたのでございますが、投資としては五十一年から五十三年度の間に五兆の金がどうしても必要であるということでございます。  その大部分は、先ほど監理官からお話しありましたように、電話の投資でございまして、そういったものをまたやることによって五十二年度末の積滞解消でありますとか、あるいは五十三年度末の自動改式を完了いたしますとか、あるいは過疎対策その他が実行できるものと期待いたしておるわけでございます。
  83. 藤原房雄

    藤原房雄君 二つの柱として一般加入電話とそれから自動改式ですね、いまのお話にもございましたが、それはいろんな理由があるのはわれわれもわからないわけじゃありませんけれども、二本の柱として新三カ年計画を立てたと、で規模も五兆円だという、こういうことですからね、一兆一千億からの増になる。しかるに、実質的に一般加入電話にしましても自動改式にしても減になっておる。これならばさっぱり柱にならぬじゃないかということですね。これは何もむずかしいことをひねくり回す人じゃなくても、一般的に三カ年計画関心を持つ方ならば、おわかりになるだろうと思う。  しかし、それは維持改良のためにはいろいろなお金がかかるのだとか、また基礎施設にお金がかかったのだという、こういうことですけれども、それなら、この二つの柱で利用者皆さんのためにもう大奮発をしてやっているんですよ、やるんですよ、ということじゃないわけですね。  で、ちょっとこれを見ますと、この三年の比較で、これからの投資規模の五兆円と、いままでの三年間の実績等を比べますと、大体二八%の伸びですか。それから五十一年度の予算で建設投資額が一兆五千億。これに対して毎年の伸びがおよそ大体一二%という計算になるかと思いますけれどもね。その一二%、それは公社としての考え方の上から言って、利用者の要望にこたえるために、こういうことで策定された数字かもしれませんが、しかし、現在新規経済計画、五カ年計画で物価変動の伸びというのは——一応、ことしは一けた、来年八%ですね、来年三月末。そういう実績、そうして新経済計画の中の物価上昇の見方、こういうものと見ますと、やっぱり五兆円の投資というのは、理由はいろいろあるかもしれませんけれども、これは公社の仕事というのは確かに設備にお金がかかるということはわれわれも重々わかるわけですが、やはりこの投資額というのは非常に大きい。  実は、実態もちょっと見ますと、こういうからくりといっていいかどうかわかりませんけれども、実質的には過去三年の実績を下回る計画しかない、こういうことですから、この基礎施設といってもわれわれやっぱり先行投資的なもので、大企業に対するものがその中に非常にウエートを占めているのじゃないかと、こういうふうに考えざるを得ないのですけれども、それらについての御説明はどうですか。
  84. 輿寛次郎

    説明員(輿寛次郎君) お答え申し上げます。  確かに、いま数字だけ見ますと、そういうふうにおとりになられるかもしれませんが、くどいようでございますが、過去三カ年間というのは非常にいわゆる政府の総需要抑制という形で投資が抑えられた年でございます。四十九年、五十年というのは前年度比五%ぐらいしかふえておりません。したがいまして、そういった意味では公社としてはかなり無理をしてやってきたときでございます。  しかし、やはり電話をつけなければなりませんから、具体的に申しますと、新しくケ−ブルを張るところを無理無理細い線を引っ張ってやるとか、あるいは傷んだところを応急処置してやるとか、やりくりをしてやったわけでございまして、これは決して長い目で見ればいいことじゃございませんし、また長もちをするわけでもございません。そういったものをやはり取り返すためには、どうしても今後かなり投資が要るということでございます。  それから確かに七百七十万、数は少のうございますが、総体的に申しますと、これからの実はつけるお客というのは八五%ぐらいは住宅用でございます。それもどちらかといいますと、大都市は大体済みまして、今後はいわゆる中小都市あるいは地方でございます。過疎地でございます。そういった意味ではどうしてもコストが上がることも事実でございます。そういった意味で、数だけではまあ比較にならないといいますか、なかなか判定しにくい要素があることは御理解いただきたいと思います。  それから過疎地対策にいたしましてもそうでございまして、われわれといたしましては、たとえば地域集団電話の一般化等はかなり御要望ございますけれども、予算上できなかった。いままではたとえば一年に六万ぐらいしかできませんでしたが、こういったものも今後はふやしていかなければならない。たとえばことしはこれを十万にふやしておりますが、来年以降もさらにやっていかなければならぬ。それから改式もそうでございまして、そういったいろいろどちらかといいますと、いままでなかったような金がかかる部分がふえてきた、こういうふうに御理解願いたいわけでございます。  それから大企業の分につきましては、いろいろ御指摘ございますがたとえば全体の投資率で申しますとデータ通信の投資が五%ぐらいでございまして、これはいままでと余り変わっておりません。これももっと減らすべきだという御意見があるかもしれませんが、やはり一方におきましてコンピューターが社会活動に非常に貢献することも事実でございます。またニーズもございまして、そういった意味ではかなりわれわれといたしましても抑えましたけれども、やはりこの程度の投資は必要だということでやっているわけでございます。  大部分、九三%程度は電話の方への投資でございまして、それもいわゆる大企業にではなくて八五%以上は住宅用ということからもおわかりになりますように、大部分がまたいわゆるナショナルミニマム的な投資に入れられておると、こう御理解願いたいと存じます。
  85. 藤原房雄

    藤原房雄君 何かというとナショナルミニマムというお言葉を出すわけですけれども、そういう配慮がなかったとは私は言いませんけれども、しかし、今回のこの新三カ年計画というのは、一般加入電話と自動改式、こういうものを大いに今後皆さんの要望にこたえるようにやるのだという二つの柱を中心として計画を立てたということでおっしゃるから私は言うのですけれども、そんなに維持費とかまた基礎施設にお金がかかるということならば、やっぱりいままでのこの経過を踏んまえまして、基礎施設というものの充実が次への大きな発展といいますか、こういう基礎施設をきちっとしなければ、加入電話にしましても自動改式にしましてもできないわけですから、こういう基礎施設ということが相当なウエートを占めている、こういうことに対しても、いままでの無理してきたやつを今回三カ年計画解消するために力を入れたのだということを、もう少し一項目力を入れて力説していただきませんと、さあ申し込めばすぐつくようになるのだぞ、それからまた自動改式、自動化するのだぞということで、われわれ聞く立場利用者からしますと非常に結構ずくめな話、しかし、ちょっと中を見、そうしてお聞きしますと、さあいままで無理してきましたので、どうしても基礎施設にたくさんお金がかかるのですと、こういう話ですと、それじゃ国民を欺瞞するといいますか、もっと率直にそういう点はお話しいただいた方がわかりがいいんじゃないかと思いますし、そういう配慮というものがなければならぬと思うのです。  いずれにしましても、設備投資をするに当たりまして過大にならないようにいろいろな配慮をしたろう、配慮をしなかったら、これは大変な問題ですけれども、われわれどう見てもこれは過大だなという感じがしますが、とにかく最近は電話に対してはもう生活必需品ということで要望が強い。また産業発展の上からいたしましてもニーズがだんだん拡大しつつある。こういう中でどれを三カ年計画に入れて、そうしてやるかという、こういう緊急の度合いといいますか、こういう基準というか緊急の度合いというか、どれを先にやるかということ、全部何でもしますというわけにいかぬでしまうから、こういうとらえ方といいますか把握の仕方、恐らくそういう選択的なやり方というものをお持ちになって、今回、こういう計画をおっくうになったのじゃないかと思うのですけれども、あるかないか知りませんけれども、なかったならこれは大変なことになる。こういう緊急の度合いというものについてどう考えているか、どういう方針で今回のこういう計画をおつくりになったのか、これちょっと御説明いただきたい。
  86. 輿寛次郎

    説明員(輿寛次郎君) お答え申し上げます。  ちょっと言葉が足りませんでしたので補足さしていただきますと、実は、われわれは先ほど経済企画庁の方からも御答弁ありましたように、経済審議会で五十二年度末の積滞解消というようなことはお認めいただいたわけでございまして、まず、これに向かって邁進するわけでございますが、五十二年度末の積滞解消と申しますのは、そこで電話需要がなくなるというわけではございませんで、われわれは需給均衡と言っておりますが、言うならばその年に出た需要をその年に果たすという意味でございまして、平均一ヵ月程度の待ち合わせで全国どこでも電話がつくという意味でございます。したがいまして、まず五十二年度末にそういう状態になりましても、五十三年以降も毎年二百数十万の需要が出てまいりますから、それに対する設備というのはつくっておかなければならぬわけでございます。設備は一年でできるわけじゃございませんで、どうしても長いものは数年かかりますので、そういったものをいわゆる蓄積といいますか、順々につくっていくという意味で設備が必要でございます。  それからもう一つは、やはり昔はそうだったのでございますが、現在、積滞が一万とか二万ありますところに電話をつけるということは一番安くできるわけでございます。と申しますのは、そこにお客がいるわけでございますから、それに見合った設備をつくればいいわけです。最も能率がいい。またつくったそばからすぐ売れるわけですから、そういった意味では非常によろしいのですが、今後の需給均衡という状態を考えますと、これはそうではなくて、やはり需要予測というようなものを正確にやりまして、この地区には、この村には一体今後何年間にどれぐらい出るであろうということを予測しまして、それに見合う設備をつくっておく、こういうことでございます。したがいまして見込み生産といいますか見込み設備でございまして、これが誤りますと非常に過大投資になるおそれがありますが、といって、それがまたできませんと、いままでのようにある地域では申し込んで三年もつかない、四年もつかないというところも出てくるわけでございまして、やはりこれをできるだけなくしたい。その理想は実は平均一ヵ月程度の間合いでつけるということでございまして、その意味ではどうしても設備がふえることもやむを得ないわけでございます。したがいまして、われわれはまず加入電話の積滞解消あるいはその後の維持ということに最重点を置きまして、その投資をまず第一に置いております。  第二番目は、やはり先ほど申し上げたように、まだ全国で千二百局ほどの手動局が残っております。その手動局というのは磁石式の局でございまして、交換局を呼んでつなぐというほかに、当然のことですが、市外通話がかからないということがございます。また設備がないわけですから、当然、そこは電話がつかないということでございまして、そういった意味ではやはりこれを何とかしてやっていかなければならない。これはわれわれもかなり努力をしておりますが、何と申しましても、これからの千二百局は山間僻地でございまして、非常にコストがかかると同時に、やはりいわゆる労務上といいますか要員配転の問題が絡んでまいりまして困難でございます。しかし、これをやらなければ電話としては役に立ちませんので、われわれはぜひこれをやっていきたい、これがまず大きな第二点目でございます。  その他まだいろいろございまして、たとえば加入区域の拡大と言っておりますが、現在は電話局から遠いお客様には負担金をいただいております。百メートル九千円ということで、非常に高いように思われるかもしれませんが、実際はその倍ぐらいかかっておりますが、そういったお金をいただかないとできないことになっておりますが、これも何とか広げたい。で、われわれこれを五十二年度末までには全国の局すべてにおきまして電話局から半径五キロの円内は全部普通加入区域にしたい。したがって、その区域内は申し込めば電話が五万円、今度上がりまして八万円ですが、ということだけでつくという状態にしたいということでございます。こういたしますと、全国の世帯は約三千万ほどございますが、九九%は普通加入区域に入るということでございまして、残りは一%程度、約三十万世帯はまだはみ出しておりますが、これは今後の問題といたしまして、そこまではやっていきたい。  そういうことが最重点でございまして、その他、放送電話の充実でありますとか地域集団電話の一般化でありますとか、そういうようなものもございますが、そういった点ももちろんあわせまして、少なくとも国民の皆様の要望のある限りは、それにこたえるようなことを根底として計画を立てたわけでございます。  以上でございます。
  87. 藤原房雄

    藤原房雄君 さっき申し上げました設備投資の緊急の度合いによる選択のやり方といいますか、方針といいますか、いま申し述べたのも、こういうことやります、ああいうことやりますということなんですけれども、そういう設備投資をするに当たって緊急の度合い、そういうものを勘案して、選択的にやるその方針といいますか、考え方ということをさっきちょっとお聞きしたんですけれども、それはやっぱりあるわけでしょう。いまおっしゃったのはそのためにこういう施設がというそういうお話ですけど、一般論的にそういう方針というか考え方というのはおありになったら、ひとつ説明していただけませんか。
  88. 輿寛次郎

    説明員(輿寛次郎君) 確かにございまして、先ほど来申しておりますように、われわれとしますと、住宅電話を主としたいわゆる国民生活に役立つといいますか、福祉の増進に役立つものを重点にしておりまして、その他のいわゆるビジネス通話用のものでありますとか業務用につきましては、もちろん普通においてはやらなければなりませんが、極力抑えるというようなことをしたわけでございます。
  89. 藤原房雄

    藤原房雄君 過大投資にならないために、その緊急の度合いをどういう考え方で把握しているかという、まあナショナルミニマムはどうだとかそんなのはわかるけれども、それはいろんなケースがありますから、優先順位を簡単に一、二、三番というふうにつけるということはむずかしいことかもしれませんけれども、しかし、これだけの大きな設備投資をするわけでありますから、緊急の度合いというものをやっぱり選択的に考えませんと、こういう計画を立てるときの基本的な考え方として、そういうものがベースにありませんと、どうしてもこれもあれもということになって過大なものになるんではないか、そういうことに対しての基本的な考え方は何か。これはナショナルミニマム、国民のために、まあそれはそうかもしれませんけれども、一応、その基準的なものは公社の中でお考えはあるんでしょうけれども、そういうものは別にないんですか、項目ごとに検討して、これは大事だ、これは大事だというふうにして選び出すんですか、どうなんですか。
  90. 三宅正男

    説明員(三宅正男君) 先ほどから計画局長が御説明申し上げておりますように、公社といたしましては、加入電話を完全に需要に応じていく体制をつくっていく、これがまず第一でございます。したがいまして、先生いまお尋ねの緊急の度合ということになりますと、加入電話需要を満たして、同時に、すでについております加入者方々の通話、これに不便をかけないようにトラフィックの増等に伴う設備をつくっていく、こういうことが第一でございまして、もし私ども先生のお尋ねに合いますかどうか、たとえば落としていったという面で考えてみますと、たとえば大正末期以来、ずっと東京、大阪等で使ってきておりますステップ・バイ・ステップの交換機等はもう相当な年数がたっておりますが、この三年間はまだ取りかえないで何とか措置をしてこれでサービスを何とかやっていきたい。こういうようなものの取りかえ等はもっと後に回したい、こういうようなことも考えてやっております。
  91. 藤原房雄

    藤原房雄君 私は何も考えもなくやっているとは思いませんけれども公社のする仕事というか事業というのは非常に多いものですから、それはすべて利用者にとって大事なことばかりです。それがまた一般の都市生活者また農村の方、漁村の方、また企業を営む方、そういういろんな広範な方々に対しての必要に応じて施設する、こういうことですからね。緊急の度合いということについての考え方というのは、基本的な考え方というのは、やっぱり何でも基準に当てはめて何でも尺度をつくれと、そんなことを押しつける、そういうつもりで言っておるんじゃないんですけれども、今回の場合、ともすれば施設が過大になりがちだという、こういう計画を立てるに当たりまして、なりがちだということの上に立ってやはりこういう考え方の基本というものをきちっと定めておきませんと、どうしてもこれも必要あれも必要ということでだんだんだんだん拡大ぎみになっていくという、こういう私は心配をするわけです。  心配をするから申し上げているわけでありましてね、どうもいまお話を聞くところ、余りそういうものはきちっと定まっていないといいますか、まとまっていないみたいな感じなんで、ぜひひとつ今後こんな大きな計画を立てることがあるかどうか知りませんけれども、緊急の度合いをどう把握するか、こういうことの上に立って計画というものをその時代の推移に合わせていただきたい。くどいようですけれども、この計画が大きくなれば大きくなるほど料金にはね返るという、こういうこれはもう公社がどんどん投資をしてなさるのだったら一向構いませんけれども料金にそれがはね返るということの上に立って、私どもは、過大になるとそれだけ利用者への負担が大きくなる、こういうことの上に立って余り過大にならない適切なものであるべきだ、私どもの見る目からしてどうもこれは過大な計画と言わざるを得ない。そういうきみがあっちこっちにあるぞということを申し上げているわけです。  ちょっとお聞きしますが、固定資産の回転率ですね、四十六年以降、どういうふうに推移しているか、ちょっとお伺いしたいと思います。
  92. 好本巧

    説明員(好本巧君) 正確な数字は後ほど御説明しますが、大体、横ばいだと思います。
  93. 藤原房雄

    藤原房雄君 私の方で拾い上げて四十六年が一〇〇、四十七年が一〇一、四十八年一〇二、四十九年が九八、五十年が九六ですか、大体、こういう数字だと思います。いまお話しのように大体横ばいだと、低下しておりますね、不況のもとでやっぱり低下している。  こういう数値が出ているわけですけれども、やっぱり安易な設備投資の結果がこういう形にあらわれているのじゃないかという私ども考えを持つんですけれども、どうですか。
  94. 好本巧

    説明員(好本巧君) 御案内のように、固定資産の回転率は、事業総収入等に差異がございますので、諸種の事情から、固定資産当たりの収入は四十八年ごろから相当鈍化してまいったということが大きな原因ではなかろうかと思います。
  95. 藤原房雄

    藤原房雄君 同僚委員からもいろんな角度から御指摘もありましたし、また後ほどわが党のほかの委員からもあろうかと思いますので、このことばかりに時間を費やすわけにいきませんので、次に移ります。  料金決定の原則ということも、よく公社のあり方の中の一つの大きな問題になっているわけですけれども、郵政省と公社にお尋ねするわけでありますけれども、やっぱり公共性の高い独占的な事業であります料金決定、公衆電気通信事業の役務の料金を決定する基本原則というものが非常に明確さを欠くといいますか、私どもはそういうふうに認識しておるわけですけれども、この料金決定の原則についてひとつ御説明をいただきたいと思います。
  96. 松井清武

    政府委員(松井清武君) 料金決定の原則につきましては、一、電信電話料金料金総収入額が合理的で能率的な電信電話事業経営に必要な総費用を償うよう定めらるべきものである。二、具体的な個々の料金を決定するに当たっては、原価、効用、他の類似サービス料金との均衡、過去の沿革等を総合勘案して定めらるべきものである。  以上のように考えておる次第でございます。
  97. 藤原房雄

    藤原房雄君 いま監理官がおっしゃることも、それは当然だと思いますが、当然というか、勘案しなければならない大事な項目であります。  やはりこの公衆法の第一条で、合理的料金で、迅速かつ確実なサービスをあまねく、かつ公平に提供するというふうに記入されているわけですね。この料金決定に当たりましては、電気通信法ではこの一条、それと後にまたあるわけですけれども、原則的には第一条の「合理的な料金で、あまねく、」云々とある。この合理的という解釈といいますか、郵政省としては、これはどのようにこの「合理的な料金」というものについてお考えになっていらっしゃるのか、このたびの料金値上げにつきまして、どういうふうに具体的に御検討なさって、このたびの料金決定をなされたのか、この点についてひとつお伺いいたします。
  98. 松井清武

    政府委員(松井清武君) ただいま先生御指摘の、公衆法第一条の「迅速且つ確実な公衆電気通信役務を合理的な料金で、あまねく、且つ、公平に提供すること」云々の、この「合理的な料金」とはいかに考えておるかという点が第一点でございますが、これにつきまして、私どもといたしましては、事業の能率的な経営のもとにおける適正な費用を償い、その健全な運営を図ることができるに足る収入を確保するものであるというふうに考えておる次第でございます。  したがいまして、そういった公衆法の一条に掲げられております「合理的な料金」というものについての考え方、並びに先ほど申しました料金決定の原則等々を勘案いたしまして、今後の公社の健全な財政基盤を確立するという見地から、具体的な決定をした次第でございます。
  99. 藤原房雄

    藤原房雄君 公共性の強い独占的な事業ですから、いろんな制約がある中でこの料金決定というものがなされるわけでありますが、郵便事業にいたしましても当委員会でも昨年来審議がありましたが、またそのほかの公共的な電気、ガスにいたしましても大きな設備投資をしなければならないそういう部門も多いわけですけれども料金決定に当たりまして、合理的料金というのは、これはいまの御説明にも能率的な云々と御説明あったのですけれども、今回の公社料金決定に当たりましては、今日までの累積赤字というものと、それからこれからなさんとする新三カ年計画という、こういう両面があるわけですね。この合理的な云云という言葉、本当に今回の三年計画というものがその法の精神を貫くものであるかどうか。  私も、先ほど来、非常に過大な投資ではないかと、企画庁の計画を初めといたしまして、いま経済面の変動の激しい中でのことだから、いろんな面を考慮しなければならぬぞ、そういう点は考慮したのかと、またいろんな計画それ自体の中で過大になり過ぎはしないかという、こういう危惧があるということを先ほど来ずうっと述べたわけでありますが、こういうもの等の上に立ってこのたびの料金が決定されたわけです。そういうことが過大であるとかないとかいうのはどこではかるかということになりますと、いまむずかしいことだと思いますけれども、郵政省としては、「合理的な料金で、」云々というこの言葉、この第一条の精神というものがこのたびの料金決定の中に妥当であると、こうお考えになっていらっしゃるか、それともまた別なお考えがあるのか、この点をちょっとお聞きいたします。
  100. 松井清武

    政府委員(松井清武君) 大変厳しい御質問でございます。  この料金決定の原則につきましても、私ども公社との間におきましても定例的に協議を進めながら、現在までいろいろ議論を尽くしておるところでございます。先ほど御説明いたしましたのは、現段階において、私どもが今回の料金改定に当たりまして基本的に料金改定の原則として考えた点であるわけでございます。したがいまして、そういうふうな原則にのっとりまして、全体的にはこの料金の総収入額でもって総費用を償うという原則の上に立ちまして、三年間の収支見通しというものが健全な財政基盤を確立できるという立場において決定を見たものでございます。  具体的にはいろんな決定がなされるわけでございまして、先ほども申しておりますように、個別的には原価であるとか効用であるとか、これまでの経過あるいは類似サービス料金等を個別に検討いたしまして、総合勘案して決めてきたわけでございます。全体といたしまして第一条の精神を貫いておるというふうに私ども考えております。
  101. 藤原房雄

    藤原房雄君 第一条に反したら大変なことになりますけれども、本当にこの法案の審議の大事なときですから、非常に微妙なことなんで、こういうことは本当はこの料金を決める段階で本当にいろんな議論をしていただきませんと、そういうことからいたしましても審議するところが専門的な方々が審議する場が非常に少ないというのは痛感するわけですが、いずれにしましても公衆電気通信事業というのは非常にいま大衆化し、どなたにも生活必需品のようになってきたという現段階でありますから、それにこたえようという公社立場からしますと、これはもうあれもこれもということになるわけであります。そうしてあげることが最も望ましいことなんですけれども、それが料金にはね返るということになりますと、これはまた慎重にならざるを得ない、先ほど来申し上げているとおりです。  これがないんだったら、本当に公社さんのなさる過大投資は——それはそれなりの意味があるのかもしれません。ですから、現在のようなこういう経済変動の中でこれだけの大きな投資をするということが公社のこの料金決定に当たって合理的ということに妥当するかどうか、これは私どもも非常に苦慮するところです。  しかも、何倍という倍率ではからなきゃならないほどの大幅値上げ、それは慶弔電報と普通電報でしょうと言われるかもしれませんけれども、それだけじゃなくて基本料もやっぱり二倍になるわけであります。住宅電話について平均は倍ということですから、いままでの経過はあったとしましても——経過というのは毎日の生活をなさる方には余り関係のないことでありまして、現時点で幾ら値上がりになるか、そしてまたほかの公共料金やほかの物価上昇とどういうふうに相乗して私どもの生活に影響を及ぼすのかという、こういうのは実際消費者の立場国民一人一人の立場考え方だと思います。電電公社としましては電話料金値上げということなんで、これは消費者物価には〇コンマ以下の影響でございまして、電力が値上がりになる、電気料金もこれは電力だけでございまして、これも消費者物価にはそんな大きな影響はございません、消費者米価が値上がりになる、お米だけでございまして、お米はもう〇コンマ以下でそんなに皆さんに影響いたしませんと。しかし、一家庭の財布から出る、これは財布は一つの財布でして、あっちからこっちから、大した影響ない影響ないと言って、それが累積いたしますと、一けた台に抑えられた今日のこのベースアップの中でやっぱり生活が大変だという実感は、先ほども申し上げましたけれども、いろいろなデータの中に、アンケートの中に出てくるような結果にやっぱりならざるを得ない。  そういう点で、電話料金値上げというのは、非常に時期が悪かったのかよかったのか知りませんけれども、これは企画庁にあたりでこういう公共料金値上げについては大いにいろんな角度から論議していただきたいと思いますが、国民の生活への影響ということを考えて、一時期に集中するというのじゃなくて、段階的にやらなきゃいかぬ。福田副総理も、経済企画庁長官もそういうことをおっしゃったこともございますけれども、何らかの形でやはりそういうものをつくらなければならないだろうと思いますが、ですから、公社だけの責任だとは私は決めつける気持ちもございませんけれども、いずれにしましても、今回のこの料金決定に当たりましては、原則は原則として、この投資が即料金にはね返るということを勘案いたしまして、その点については、まあ「合理的」というこの第一条の精神から相当卸検討になってお決めになられたのかどうかということを非常に苦慮するわけです。そしてまた十分な審議会といいますか、審議をする場がないという、こういうことを考えますと、私どもは本当に今度の値上げについてはいろんな角度から危惧を抱かずにはおれないという、こういうことを申し上げておるわけであります。  次に、さっき料金決定に当たりましてこういうことを考えておりますというお話でございましたけれども、四十四年の五月八日ですか、当時の河本郵政大臣料金改定の際には料金の決定の原則を確立したいというお話ございましたけれども、それにのっとってのお考えをさっきお話しになったのですか、郵政省の考え方として。
  102. 松井清武

    政府委員(松井清武君) ただいま御指摘の四十四年の公衆法改正の際における逓信委員会での質疑の中におきまして、そういった料金決定の基本原則、これはもう非常に重要な問題であるからこれを確立するようにしていかなければならないということを大臣が答弁されているわけでございまして、それにつきまして提案者の方からは、大臣の答弁はよくわかりました、ひとつぜひそういうふうに非近代的な非現実的な公社料金改定に抜本的なメスを入れてもらいたいということが述べられておるわけでございます。  こういうふうな当時の経緯というものを踏まえまして、郵政省といたしましても、また電電公社といたしましても、今日まで料金問題について検討しておる次第でございまして、四十七年の公衆法の改定の際におきましても、広域時分制を実施いたしまして、要するに生活圏、経済圏の拡大に対応してその最低の通話料金の範囲を拡大するというような形におきましての近代化の実現等となっているわけでございますし、私どもも、そういった非常に近代的な料金体系への見直しというもの、これは常に、また今後とも、重要な課題として取り組んでいかなければならないというふうに考えておる次第でございますし、また、そういうことに当たりましての料金決定の原則につきましても現段階におきましてさように考えているわけでございますが、いろんなこれには見方、考え方があるわけでございまして、今後ともに検討を進めてまいりたいというふうに思っております。
  103. 藤原房雄

    藤原房雄君 大臣、これは非常に大事なことでありますし、検討と言っても四十四年から今日ま来ているわけですね。これは何らかの機関に諮るとか、基本的な考え方というのはわかりますけれども、やっぱり国民に大きな影響を持ち公共度の高い公社料金を決定するということになりますと、これはきちっとしなければならぬと思うんです。いま御答弁ありましたように、いろんな立場方々がいて、いろんな論議のあることは私どもわかりますけれども、それだけにいろんな幅広い方々の審議を経て、この原則というものをつくるべきじゃないか、このように思うんですけれども、どうですか、大臣
  104. 福田篤泰

    国務大臣福田篤泰君) 原則としては、事務当局が答弁申し上げたとおりでございますが、御承知のとおり、きわめて複雑な要素がございまして、なかなか困難な条件もあるようでございますが、今後とも、慎重に専門家の意見も聞きながら検討いたしたいと考えております。
  105. 藤原房雄

    藤原房雄君 慎重ももうここまできたら何にもしない慎重みたいなもので、これからどういうふうに進むのか。ですから、これは大臣の期間中とか何とかいうわけにはいきませんけれども、やっぱり審議する場をまず検討していただきまして、幅広い意見を聞くとか何とかおっしゃっていましたけど、これはこういうことをやるにはどうしなければならないかという手続といいますか形というのはあるわけですからね。四十四年から何ぼ慎重審議でも、原則は原則としましても、きちんとしなきゃ。  料金の問題については、公衆法法律こんなにございますけれども、この中でわずか一行「合理的な料金」云々という、こういうことだけで、その中身等につきましても、まあ私ども本当にこの料金値上げということにぶつからなきゃ、なかなかこの条文を真剣に読もうなんて気持ちになりませんけれども、この公衆法の全文の中でわずかこの第一条の「合理的な料金」云々というところと、それから六十八条、まあ「料金」という言葉が出てくるのはここだけだと、それで過大投資と思われるような投資、それが料金の中に組み込まれるということになりますと、現在は便利さも大事だけれども、やはり生活を安定してもらいたい、こういう国民の非常に強い要望もある。三木内閣ができてから、もうこの物価大作戦を展開するのは三木内閣の使命だという、こういうように総理大臣が大みえを切るほど物価に対しての国民の声というのは強いわけですね。そういうことを考え合わせますと、やはりこういう原則といいますか、そういうものをより明確にする必要があろうかと思います。こういうことで、どうかひとつ、すぐ大臣が決めるわけではないわけでありますから、これはそういうふうに所要の手続等を経てお決めになる、そういう審議会の場なりそういう手順をひとつ早急にとっていただきたいと思います。  さて、次は、第一条の「合理的な料金」云々というだけで、その他の原則といいますか考え方というのは、さっき御説明あったことが大体原則的なことで頭に置いて決定なさるのかもしれませんけれども、いま第一条だけでは私どもはこの料金決定については非常にあいまいであると言わざるを得ません。  それから、こういうことはおきまして、次に、公衆法の六十八条で規定する法定料金と認可料金の役務は、何の基準によって決められるのかという、ここのところをちょっと御説明いただきたいと思いますが、法定料金と認可料金、これの役務をどういう基準で区別するのか、ここのところ。   〔委員長退席、理事茜ケ久保重光君着席〕
  106. 松井清武

    政府委員(松井清武君) 基本的、普遍的なサービスにつきましては法定料金とし、その他のものは認可料金というふうに考えております。
  107. 藤原房雄

    藤原房雄君 もう一回、ちょっと済みません。
  108. 松井清武

    政府委員(松井清武君) 基本的、普遍的なサービスにつきましては法定料金といたしております。その他のものにつきましては認可料金ということで、基本的にはそういう考え方で扱っております。
  109. 藤原房雄

    藤原房雄君 専用回線料金について別表の第六を削ることになりましたですね。こういうのはどうしてそういうふうにしたのか、その理由をちょっと御説明いただきたいと思います。
  110. 佐野芳男

    政府委員(佐野芳男君) 六十八条の一項、二項につきまして、いま法定と認可というふうに分かれておるわけでございますが、いま御指摘の別表の六千倍云々の項の削除の件ですけれども、これは先生から本会議の席上でも御質問があったかと思いますが、大臣からも一応答弁いただいたんですが、これは、この法ができました当時は、その専用線の形態といいましょうか種類といいましょうか用途といいましょうか、ほとんどが通話といいますか電話通話を主体とする専用の形がほとんどであったということで、それの専用線の料金の限度額としまして余り高過ぎてもいかぬということで、いろんな経緯があったと思いますが、一応、待時通話の三分間の通話料金の六千倍というふうに何か限度を決めたというふうに伺っております。  それをもとにいたしまして、その枠内で、今度は六千倍以内ということは確かな法定でございますが、その枠内で公社の方から専用線の料金を決める場合に申請されまして、もちろん郵政省としましても中身をよく精査いたしまして六千倍以内に入っているかどうかというようなことで審査してまいったような話を聞いておりますが、その後、現在に至りまして専用線の形というものがいろんな形が出てまいりました。先生も御存じだと思いますが、サービスの種類といいましょうか公社では品目と称しておりますが、ABCといろんな形がございまして、電信型もありますし通話型もありますし、それからある帯域をもって専用に貸すというようなものもありますし、いろんなやつがございまして、それからまた、その一つの品目の専用線を今度お客様が借りましても、その使われ方がまたいろいろな形がございまして、単に昔のように待時通話というものをベースにして何倍と決めてもほとんど無意味だと、もう回線の太さが違います。  したがって、これは確かに無制限に高くするということにつきましては、これはあくまでも良識的な行政行為でやらなければいけませんが、これを外したということは、これを外して単なる認可でどうでもできるというような気持ちでやったわけではございませんで、ほとんど無意味になったというふうなことで、   〔理事茜ケ久保重光君退席、委員長着席〕 仮に、これまた個々に定めるといたしますと大変複雑なことになりますし、またこういう専用回線の形態というものも今後ますます複雑になってくるということで、まあ外したといいますか削除したという次第でございます。
  111. 藤原房雄

    藤原房雄君 法定料金と認可料金とは、基本的普遍的な云々という御説明がありましたけれども、これは非常にあいまいといいますかね、何か具体的な問題にぶつかったときにそれをどう判断するかということになりますと、都合のいい言葉が並んでいるわけですね。  今回の、この専用線を法定料金から外すということ、これは何でも法定で縛りつけておけ、手かせ足かせという、こういうことを私主張するつもりもないんですけれども、やはりこれだけの大きな企業体、これだけの多くの人たちに利用され、こういう公共性の強いものであるだけに、いろいろな審議の場を経て慎重にやらなければいかぬということから、やっぱりこの法定料金から外すということについては、私どもも、今回のこの大幅値上げ値上げの方に頭がいっておったわけですけれども、いろいろお聞きいたしますと、こういう何項目かのまた値上げ法案とは別なやつが出てくる。いろんな御説明あるのはもっともな話ですけれども、しかし、それなりの理由があってなさったろうと思いますけれどもね、こういう公共料金の法定主義という原則の上からいきまして、こういうことはやっぱり相当審議をして、また現実な審議の上に立って慎重にやりませんと、これはまずいんじゃないかと私は思うわけですね。そうでなくても国鉄を初め法定主義、法定料金というやつはもう変えようという、こういう声もあちこちに聞かれるこういうときでありますから、私どももいささか神経をとがらさざるを得ない、こういう気持ちでここのところを見ておるんですけれどもね、これについてはどうですか。
  112. 佐野芳男

    政府委員(佐野芳男君) 先ほども説明申し上げましたように、確かに何倍という最高限度額につきましては、いままでこの欄外といいますか、別表欄外で法定されているのでございますが、これを外してしまいますと最高限度額というものが法定でなくなるということでございまして、従来も、この限度額の枠内においては大臣の認可ということでやってきたわけでございます、実質的には。最高限度額は六千倍までですよと、これを超えちゃいけませんというのが法定だったわけですね。で、私たち、この枠を外して専用線をべらぼうに高くしようという気は毛頭ありません。  先ほど申し上げましたように、いろんな種類が出てきまして、それを単に昔の待時の音声回線という、待時の音声回線をベースにしている、そういうような何倍と決めること自体が無意味だ。だから、本来ならば、個々の回線品目別に、あるいは用途別に、また何倍というふうに——だけど、その機能するもとの物体といいますか、もとのベースになる回線というものは何にしたらいいかということもいろいろ問題でありますので、この際は、限度額と定めている枠を法定から外しますと、だけども、ついでに申し上げさしていただきますが、先生御心配になっています専用回線の利用料金につきましてはいろいろ議論がございますので、この件につきましても、先ほど松井監理官の方から説明いたしましたけれども、先ほど話題になっております郵政審議会などで厳密に決めていただこうという、こういう意向を持っておりますので、その点は、ひとつ御安心願いたいと思います。
  113. 藤原房雄

    藤原房雄君 これはいろんな審議会がございまして、厳しくいろんな角度からチェックされるという、こういうことであれば、私どももそれなりにあれですけど、こういう法定料金がという、そういう言葉だけで私は言っているわけじゃ決してありませんけれども、そういうことからもひとつ慎重——こういう法定料金を外すということについては非常に神経をとがらしている、こういう私どもの心情といいますか、そういうものもあるわけですし、また先ほど来申し上げているように、審議会というものについての審議の経過というものも非常に浅いということからも、私ども、専門的な知識とかいろんなものを要求されるだけに、時間をかけてよく見なきゃならぬということ、こういうことを申し上げているんです。  次に、料金体系の整備、これも公社の問題としては大きな問題でして、次に移らさしていただきますが、最近、自動化が九割以上という、こういう時代ですから、市内へかけるのも市外へかけるのももうダイヤル回せばすぐつながるという、こういう自動化の非常に進んだ時代になったわけですね。こういう中で簡単に北海道へ九州へと電話をかける。で、かけて話しするのは非常に結構なんですけれども料金にはね返ってくるわけですけれども、現在、技術革新によりまして、近距離とか遠距離の通話によってコスト——コストが距離によってそんな大きな差はないだろうと、こういうこともよく言われるわけですけれども、近距離電話、市内電話それから遠距離電話、自動化が進んだ中でこういうコストと距離、こういう問題についてどのように郵政省としてはお考えになっていらっしゃるのか、お伺いしたいと思います。
  114. 佐野芳男

    政府委員(佐野芳男君) これも各先生方からいつも御指摘のある問題でして、私たちも非常に関心のある問題でございます。それから、いま技術革新により遠距離、近距離の通信コストというものはそんなに変わらないんじゃないか、縮小しているんじゃないかという点につきましても、ある面では私は正しいと思います。  今後の方向といたしましては、やはり料金格差というものを、より正しい原価計算というものをよくやりまして、遠距離、近距離の格差というものを縮めるといいましょうか、是正する。現在、十四段階か十五段階に分かれておりますが、先生の御質問にもありますように、市内通話と最遠距離の通話では七十二倍も開きがあるということにつきましては確かに問題でありますが、私どもとしましては、今後の料金改定がもしもこのまま皆様に御理解願えるとすれば、その後において早速こういうことについては、公社の財政事情なども見ながら、是正していきたい、こういうふうに考えております。
  115. 藤原房雄

    藤原房雄君 現在一通話七円が今度は十円ということですけど、こういうふうに改正しようという——しかし、原価の上でこれはどういう計算といいますか違いになるのか。電電の方では、これに対して、総合原価主義をとっていますとかいろんなことを言うんですけれども、これだけの大きな事業になりますと、それぞれいろんな角度からの検討というものが——うちの方は個別原価主義はとっておりませんという、そういうことでは——非常にむずかしいことはよくわかります。それは電力会社にいたしましても各送電線のそれぞれの原価というものを割り出すということは、これはなかなかむずかしい。電気通信事業というのはさらにむずかしいことは私もわかりますけれども、しかし、郵便にいたしましても、あの非常に複雑なシステムの中でやはりこの原価というものを、一応、これはいろんな異論があって委員会でも問題になりましたけれども、しかし、それはそれなりに原価というものははじき出して一つ考えの資料にするということはあるわけですけれどもね。  七円から十円になる、それはコスト、原価一体どういうふうに変わってくるのか、どういう理由でそうなるのか、そこらあたりのことは素朴な庶民にとりましては説明をしてもらいたいというところだと思うんですよね、どうですか。
  116. 遠藤正介

    説明員遠藤正介君) いま問題になっております距離区分による料金格差でございますが、これは実は私どもといたしましても非常に問題に思っておるところですが、なぜこうなったかということを簡単にちょっと御説明いたしますと、昔交換手さんがつないでおりますときは、確かにこれぐらいの差があったわけでございます。あるいはもっとこれ以上の差があったと思うんです、間に人手が入りますから。ところが、昭和三十四年にこれが自動化になりましたときに、その料金体系をつくるときに、当時の考えとしては、交換手のつないでおったときの料金から余り急変をしてはどうかということで、各層別に当時の料金の収入額にバランスのとれた形で自動料金をつくったのがもとでございまして、簡単に申し上げると、現在の距離別の料金体系というものは、そういう原価に基づかないで、そういう交換手さんがつないでおられたころの料金体系との歴史的な関係のつながりの方が強いわけでございます。  もちろん、それでも、当時は一番近いところと一番遠いところが百何倍もあったのを、現在七十二倍まで落としてきておりますが、この七十二倍という格差は、この距離から見ましても、はっきり申し上げまして原価は非常にむずかしいと思いますが、原価計算をいたしましても、今日の自動電話ではそれだけの差はないことは明らかであります。ただ、これを改正いたしますにつきましては、やはり全体的に見直さなくちゃいけないものでございますが、外国の料金と比較いたしますと、たとえば日本の場合で申しますと、東京−大阪間あたりが大体平均の網のかかるぐらいで、大阪より近いところが非常に安過ぎる、そして、大阪から遠いところが非常に高過ぎる、急カーブを描いておるわけでございます。ですから、これは簡単に先を落としてやるということは財政的になかなかむずかしい問題がございます。  一番簡単にやろうと思えば、近距離を上げて遠距離を下げる、そしてこの七十二倍をやっていくということが一番簡単な方法でございますが、これはなかなか近距離の通話料の値上げということでまた大きな問題もありましょうから、そういうドラスティックな方法をとることがいいか、あるいは漸進的に十四段階段階別に縮めていくのがいいか、いろんな方法があると思いますが、そういう点を私ども研究しておりまして、先ほど郵政省の監理官がお答えになりましたように、現在、私ども郵政にお願いをいたしておりますのも、当面、公社の財政基盤が確立しました上で、そういうものを逐次改正していくようにいたしたい、こういうぐあいに考えております。
  117. 藤原房雄

    藤原房雄君 その問題に付随して、付随してといいますか、最近のこの生活圏の拡大、こういうものから料金問題を論ずると、いろんな問題が出てくるわけでありますが、これもいまよく言われるところのものでございますけれども、これは以前に当委員会の附帯決議で「電話料金体系とくに広域帯の問題については、今後さらに慎重に検討を加え、社会経済生活の進展に即応するよう努めること。」という附帯決議があったんですね。  いまお話しのように、確かにそういうことについてはいろいろな角度から御検討になって、これは遠距離の遠くのやっと近距離のあれじゃありませんけれども料金体系全体として見れば、そういう遠くのやつと近距離のやつとの格差の是正ということ、それとあわせてこの広域帯の問題、こういうことについて料金体系全体として公社としても検討してきたんだと、しかし、今度の経営の状況からいってなかなかそれは実施できない段階にあるという、そういうふうなお話のようでありますが、広域帯の問題については附帯決議までつけて新しい時代に即応するようにということであったわけですけれども、これはどういうふうに検討して、現在はどうなっていらっしゃるのか、ちょっとお聞かせをいただきたいと思います。
  118. 遠藤正介

    説明員遠藤正介君) これは広域時分制を実施いたしましたときの附帯決議に基づきまして、私どもの方ではいろんな方法研究をやっております。特に、相当こういう問題について外国にも権威者がおられますし、日本にも経済学的な研究をしておられるグループがおられますので、そういう先生方を動員して外国との比較をやっていただきましたり、そういう形でここ数年聞こういう問題についていろいろ研究をしていただいております。そしてそのうちどれがいいかというのは、学者の御意見と私どもが実際こうやって国会に法案改正という形で出すものとはまたちょっと違うんでございますが、学者の御意見としては私ども一応まとまったものを持っておるものであります。しかし、これをこういう場に出しますと、出しますときの出し方としてはやはりいろいろな問題があると思いまして、先ほど申し上げましたように、もうしばらくお待ちを願って、それを逐次出していくべきではなかろうか、こういうぐあいに思っております。  簡単に申しますと、英国型のグループ料金とか、ドイツ型のカメの子料金とか、そういったような形は非常に単純にわが国の場合には当てはまらない要素が非常に多うございます。というのは、国土の面積が同じようでございますが、居住地域が非常に少ない、それから非常に人家がそういう意味で連檐をしておる、それから田舎と都会のそういう問題についての関係が非常に違います。そういった点で、やはり日本的なグループ料金制というものをしいていかなくちゃいけないし、私ども余りドラスチックな方法じゃなくて、逐次やっていくのが望ましいと、こういうふうに思っております。
  119. 藤原房雄

    藤原房雄君 こういう予盾といいますか、是正しなければならない問題があるという問題意識というのは早くからあったわけですけれども、これは革命的にすぐやるなんということはでき得ないことだとわれわれその点は了解しますけれども、しかし、慎重にとか何とかということで言葉はいいんですけれども、それがなかなか進まない。今回のようなこういう料金値上げのときにやっぱりこういう問題の是正というもの、こういう不合理性、また不公平さを是正するというのは利用者にとって望ましいといいますか、当然、しかるべきだという考え方に立つんじゃないでしょうか。  グループ別とか広域帯とかいろんなことを言われておりますけれども、区域内通話の三分七円と、それから隣接区域との通話、これは七円で八十秒ですか、これ換算しますと大体三分十五円七十五銭、ですから一つ道路隔ててということをよく言いますけれども、これは倍以上になる計算になりますね、計算しますと。笑い話じゃないけれども、公衆電話が近くにあって、そこから向こうへかけるときにはその公衆電話に行ってかけると安いという、そういう地域もあると聞いていますけれども、とにかく最近経済の大きな変動の中で経済圏とか生活圏というものが大きく拡大しつつあり変貌を遂げておる。ですから、慎重に検討してとか、まあ一遍にやったら大変なことだろうなんというそんなことを言っていましたら、ますますこういうものが是正ができなくなる。  先ほどのお話じゃないけれども、新三ヵ年計画をつくるに当たりましても、いままでおくれた施設やいろいろなものを整備するためにお金がかかる、まとめていつかの時点にしなけりゃならぬということになる。こういう点でやはり一遍にできなければ、いつの時点でどうするかということをやっぱり御検討なさることも大事なことだと思う。こういう点、具体的にこれを進めるということについての検討と言えば、どこで何をだれがどうしているかということなんですけれども、そんなこと、私、問いだたす気もないけれども、検討という言葉は非常にいいんですけれども、その実現方のためにどれだけの積極性があるかということが問題になるんですけれども、その点。  それからやはりさっきお話しありましたように、遠距離と近距離との格差、こんなに技術革新したわけでありますから、利用者に利益が還元されるという上からいきましても、この格差を是正するということは急務といいますか、なさねばならないことだろうと思いますけれども、しなければならぬということはわかります、検討しますと、こういうことを繰り返し続けてきたんではしょうがないので、四十六年ですかの附帯決議があるわけでありますし、これらのものを考え合わせて、これらの問題の解決のためにひとつ積極的な取り組みをいただきたいと思うんですけれどもも、何せさっきのお話しのように、審議する場とか、どういうふうにこれを検討するか、発表する場をつくるか、そこらあたりがまだ定まっていないということですけれども、これはもう電電の基本にかかわる問題ですから、どうかひとつそのための手続きといいますか、こういうものの審議を進める手順、こういうものの機構というものをこれまた早く検討してやっていただかなければならないと思うんです。  その点ひとつ、先ほどの質問とそれから、手続や何かということについての手順なり何なりについての大臣としての所感、これをちょっと聞かしていただきたい。
  120. 福田篤泰

    国務大臣福田篤泰君) いまお尋ねの件については、料金体系そのものと非常に密接な関係がございますので、料金体系の根本的な見直しどきということをいろいろ取り上げていきたいと考えておる次第でございます。
  121. 森勝治

    委員長森勝治君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕
  122. 森勝治

    委員長森勝治君) 速記を起こして。
  123. 遠藤正介

    説明員遠藤正介君) 私ども、いま先生の御指摘は、たとえば三多摩ですね、東京と三多摩あるいは大阪と堺というような関係があると思うんです。これがもういままですでに例の広域時分制あたりでその格差は若干ずつ縮めてはまいってきておるわけです。それは御存じのとおりだと思うのでございますが、もちろんそれではまだ不十分でございます。  まあドラスチックな方法をとれと言う方は、東京があれなんだから東京を四区分して、東京同士でかけるのにも、たとえば八十秒にしてしまうとか、そういうようなことを言われる方もありますが、私は、そういう行き方で格差を是正するよりは、もう少し現状を維持するところは維持しながら格差は是正していく方がいいんじゃないか、こういうぐあいに思っております。ただ、いまの東京、大阪の問題とそれから地方ではやはり違うと思うのです。大都会でベッドタウンと年じゅう通勤をしておられる地域地方とはやっぱり違う。したがって大都会中心になるかもわかりませんが、そういうところからやっていく。まあこういうような若干私見になりますが、そういったような形で、先ほど申し上げましたように逐次やっていくことが一番いいんじゃないかと思っておりますが、決してこの問題をゆるがせにするつもりはございません。  いま申し上げましたように、もう十分に近いほど研究し尽くしておりますので、また私どもの案も郵政省の方々にもお示しをいたしまして、また、いろいろな方法で世の中の方にも訴えるものは訴えて、何といいますか、段階的に直すように努力をいたしていきたいと考えております。
  124. 藤原房雄

    藤原房雄君 それから広域均一料金制の移行ということもいろいろ論議になっているわけですが、これを採用して、広域均一料金制、これは特に巨大都市等においてやっぱり要望が強いわけでありますけれども、試行的にこういうものも進めるという必要があろうかと思うのですが、これについてのお考えはどうなんですか。
  125. 遠藤正介

    説明員遠藤正介君) 広域均一料金制というのはいろいろな意味にとれますが、これもなかなかいま先ほど申し上げたような意味で、やり方によっては非常に御不満の多いところも出てまいるかと思います。必ずしも喜ばれる方ばかりでもないと思います。したがって先ほどお答えしましたものと一緒に私ども考えていきたいと思っております。
  126. 藤原房雄

    藤原房雄君 それからちょっとさっき申し上げましたが、これはさっきの話の中に含まれることかもしれませんけれども、こういう技術革新によって遠距離の通話というものがそう昔みたいにコストがかからなくなった。そういうコストがかからなくなった利益を利用者に還元するというか、こういう考え方というのはどういう形でいつするかということになると、これはなかなかむずかしいことかもしれませんけれども、そういう考え方というのは、公社皆さんの腹の中には、何らかの形にしなきゃならないということは当然あるのだろうと私は思いますけれどもね。  痛いほどわかっているとか、先ほど来非常にそういう答弁が返ってますけれどもね、これはやはりこれだけの大きな施設を抱えて何を改革するにも大変な経費のかかる中でありますから、これはそう一遍にはいかないことはわれわれだってわからないことは決してありませんけれども、やはりこういう矛盾した、またどの委員質問するに当たりましても出る問題だろうと思いますけれどもね。いま税金にしましても何にしましても、不公平の是正とかこういうことが叫ばれるわけでありますけれども、やっぱり是正への、そういう不公平さといいますか格差というものを是正するということに対する努力、する姿勢というものが問われているのじゃないかと思いますけれども公社についても同じことが言えると思うのです。わかり過ぎるほどわかるんですから、どうかひとつこの問題を積極的に改革の方途を見出していただきたい。  それから、この三カ年計画を立てるときに、積滞解消ということなんか非常に重きを置いてなさったようでありますが、この格差を是正すると料金体系に非常に影響があるという先ほども答弁もありましたけれども、そういう料金面や収入面ということが考え一つであって、やはり利用者へのサービスというか利用者への還元というものは今回の値上げの中に見当たらない、と言うと語弊がありますけれども、われわれの考えているところ、そういうものは感じられないような気がするのですけれどもね。今回のこの法律改正に当たって利用者へのこういう配慮というのはどういうふうにあるんですか。
  127. 遠藤正介

    説明員遠藤正介君) 従来、公社はそういったようなものは、建設でございますね、設備の方で私は実際還元してまいったと思うのでございます。で今度のやつについて、今度の料金値上げによる還元というのは、私は先ほど来申し上げているようなサービスの向上という面でできるだけやっていきたいと考えております。
  128. 藤原房雄

    藤原房雄君 架設料の問題ですが、これも同僚委員から質問がありましたと思うんですけれども、私もやっぱりこれには一、二ちょっと触れなければならぬと思います。  架設料が今度五万から八万になっていることですが、これは先ほどの質疑の中にも、実はもっとかかっているのを五万円にし、今度は八万円だというような言い方をしておりましたけれども、実際五万円を八万円にする、これはつかみ金みたいに決めたんじゃない、やはり何らかの根拠があったんだろうと思うんですけれども、どういうふうにこれを算定なさって八万円という数値がはじき出されたのか、これをちょっと御説明いただきたい。
  129. 遠藤正介

    説明員遠藤正介君) 設備料の性格そのものについては先般お答えをしたとおりでありますが、設備料というもので工事費の一部を加入者に負担していただく場合に、あれは加入者に一番近いところですね、自宅から、加入者専用部分と言っておりますが、一番近いところ、これをもとに計算をいたしておりますんですが、先般昭和四十六年に五万円に改定をしていただきました当時、約七万円でありました工事費の価格がその後の物価上昇あるいは工事費の上昇によって現在約七割弱の増加をいたしております。たまたま物価指数の上昇率を、その期間についてとりますと約六割でございます。したがって七割弱でございますが、七割弱の値上げ幅よりはやっぱり物価上昇率に合わせて六割というすっきりした形の方が皆さんに御納得いただけるんじゃないかということで、五万円の六割アップの八万円にさしていただくというのが簡単に申しますと八万円の根拠でございます。
  130. 藤原房雄

    藤原房雄君 設備料がいろいろ話題といいますか、論議になるたびに設備料の性格といいますか、こういうものがよく問われるわけですけれども、けさもお話がありましたけれども、これはこの前の同僚委員質疑の中にもありまして、ここ数年間に二、三度言い方が変わっておるという、こういうことを私いまずっと見て感ずるわけですけれども、この設備料の性格ということについてどういうふうに理解していらっしゃるのか、この点ちょっとお伺いしたい。
  131. 遠藤正介

    説明員遠藤正介君) これは昭和四十五年でございますか、までは確かに、速記録なんか見ましても、よく変わっておることは事実でございます。しかし、これは昭和四十四年か五年、まあ五、六年前、当時、小林郵政大臣のときに統一的な見解を示されて以来、変わっておりません。それを先日も申し上げたわけでございますが、設備料の性格というものは「加入電話等の新規加入の際に工事をして電話等の利用ができるようにするための料金であって、新規架設工事に要する費用の一部に充当されるものである。」こういうぐあいに御説明いたしておる次第であります。
  132. 藤原房雄

    藤原房雄君 常識的には私どももそういうふうに理解するわけですけれども、いまお話しありました工事負担金といいますか、工事費に使うものだという、またそれは受益者負担としてやむを得ないといいますか、それは持っていただきますよということだと思うのですが、この設備料というのは現在のこの法律の上からいいますと、公衆法の六十八条に基づいて、その別表の第四、ここに定められているわけですね。これは六十八条に、公衆電気通信役務の料金であって、別表左に掲げるものの額は云々と、「公衆電気通信役務の料金」という、こういうことがうたわれて、その別表にこうだということですから、いまの御説明では設備料金なんというこういうこととは、この法律の条文と照らし合わせると、どうもこれはまあ受益者負担的な性格で工事料としていただくんだという御説明はわかるんですけれども法律と照らし合わせますと違うんじゃないかと、こう感ずるのですけれども、これはどういうふうに説明しますか。
  133. 遠藤正介

    説明員遠藤正介君) その点が五、六年前まで非常に御議論のあったところでございます。私が先ほど読み上げましたこの統一的な見解の中にはこう書いてございまして、「加入電話等の新規加入の際に工事をして電話等の利用ができるようにするための料金であって、新規架設工事に要する費用の一部に充当されるものである。」こういうぐあいに説明をして、自来、今日に至っておるわけでございます。
  134. 藤原房雄

    藤原房雄君 いま御説明ありましたけれども、この役務の料金ということでサービス料金ですね、こういうことになって、この工事負担金的なものとの性格は、別にこの文章といいますか、法文と、またいま先ほどの説明と合わせますと、これは性格的に違ってくるんじゃないか。  最初に設備料というものの性格規定といいますか、性格についてという、冒頭申し上げたわけでありますけれども、この法文の上からいきましても、いまの説明をお聞きいたしましても、これは法律にきちっと書いてあるわけでありますから、この法文、これは公社の御説明とか何かならいざ知らず、法律の明文といいますか、きちっとあることと勘案しますと、いまの御説明だけではそうでございますかというふうには理解し得ない。つまり公社のおっしゃるようなことであれば、やっぱりこれは法律を変えてきちっとわかりやすいように整理をしていただかなきゃならぬと思うのですけれども、どうですか。
  135. 遠藤正介

    説明員遠藤正介君) 法律改正するまでのことは私はないと。当時もその御議論があったようでございますが、そのときそういう御討議をなさっておりますが、この継続的なサービスに対応する料金と、それからいま申し上げましたような電話が利用できるようにするための料金という意味で、確かに性格的に違います。違いますが、この別表に掲げている他の料金と、そういう意味でその違いがあればこそ会計処理上の違いも出てくるわけでございまして、それをあえて法律改正するまでのことは私どもは現段階では必要ないと思っております。
  136. 藤原房雄

    藤原房雄君 これちょっと次に関係があるものですから申し上げるのですが、それは曲解といいますか、いままでそういう答弁もしてきたんでしょうし、まあその答弁を繰り返しておっしゃっているのかもしれませんけれども、そういう説明をして、そして見解を述べなければならぬという、そこらあたり設備料の、そしてまた毎回こういう問題になりたときにそれが取り上げられるというところに問題があろうかと思うのですね。法律改正なんということになると、皆さんにとってはこれは大変なことかもしれませんが、やはり法文の整備なり、また料金値上げのときなんかは簡単とは言いませんけれども、こういったように長々御説明してもなかなか理解できないようなそういうものじゃなくて、もう少しだれが見ても明確という、こういうふうに法文の整備なり、また検討をひとついただきたいものだと思うのです。  それに、また、この設備料が、いまのお話で工事負担金的な性格のものであるという説明がございましたけれども、設備料収入の相当額について、固定資産の圧縮記帳ですね、これを行うのが妥当であると会計上考えるわけでありますが、この圧縮記帳を行わないということになると、電話加入者にとっては、設備料の負担と、それから設備料収入によって形成された固定資産の減価償却費の料金にこれがはね返るということと、二重の負担を負うことになるんじゃないか。これもこの問題があるときにはいつも論議されるところですけれども、私どもやっぱり素朴に考えてみまして、現在の公社のこの会計上のやり方から見ましてこういうふうな疑問を抱かずにはおれないんですけれども、これに対してはどういう説明なさるのですか。
  137. 好本巧

    説明員(好本巧君) 設備料は、ただいま御指摘のように、受益者に、加入者の方に負担をしていただくわけでございますけれども、実際、その工事費の一部に充当いたしまして、固定資産形成いたしますと、事業は永続、永久的なものでございますので、その取得した資産については減価償却をするのが当然だろうかと思います。
  138. 森勝治

    委員長森勝治君) ただいまから十分間休憩をします。    午後五時十七分休憩      —————・—————    午後五時三十四分開会
  139. 森勝治

    委員長森勝治君) 休憩前に引き続き、公衆電気通信法の一部を改正する法律案を議題といたします。  質疑のある方は順次御発言願います。
  140. 藤原房雄

    藤原房雄君 そのほか、減価償却の問題や、公社にまつわるといいますか、公社自体の経営に関する諸問題たくさんあるわけでありますが、またお願いしている資料で届いてないのもあったり、この資料の御説明をいただかなきゃならないのもございますので、それはまた後日に譲ります。  それで、ちょっとこれは問題は別になるわけでありますが、公社が年間一兆円を超す大きな工事量を抱えておるという、これだけの大きなお仕事をなさる公社につきまして、それには今日までもいろいろなことが言われてきたわけであります。これはもう大きくなった電電公社としましてはより厳正に、こういう下請というか、公社の発注する工事というものに対していままでいろいろ指摘のあったことにつきまして厳正になさっていらっしゃることだろうと思いますが、やはり公社の高級幹部の方々が天下りをなさって、そういう方々が下請の業者または受注なさる大手の業者にたくさんいらっしゃるとか、この発注にまつわるいろいろな問題、こういうこともいままで決算委員会等で指摘があったわけであります。しかし、厳しく見れば、国会でいろいろな論議があったこともまだ改まっていないという、こういうところも、私ども、詳しく一つ一つ調べたわけではありませんが、気のつく点、何点かあるわけであります。ますますこれから重要な役割りを担う公社といたしましては、今日まで指摘された点については、これはもう大変なことだと思いますけれども国民の共有の財産とも言えるようなこの公衆電気通信事業でありますから、どうかひとつこういう非難を浴びないような配慮が必要だろうと思うんであります。  そういうことから、現在、景気回復のためのいろいろな施策等と絡み合わせまして、中小企業対策といいますか、こういう問題についてちょっとお聞きしたいと思うんです。  公社が発注する総額の中で、中小企業向けに発注しているお仕事というのは、大体、工事量とか工事費で分けるのか、いずれでも結構でありますけれども、どのくらいの割合になるか、ちょっとお聞かせいただきたいと思います。
  141. 山口開生

    説明員(山口開生君) お答えいたします。  その前に、先ほど先生から御指摘いただきました公社の関連企業に関します指導の問題につきましては、御指摘をいろいろ受けておるわけでありまして、その都度と言っては大変語弊がございますけれども、先ほどの御指摘以外のことにつきましても、一般の国民の皆様から批判を受けないように厳正な措置をとるために努力をしてまいっております。今後とも、そのように考えていきたいと思っております。  そこで中小関係の、これは主として建設業界だけに関して御説明をいたしたいと思いますが、電気通信設備工事関係の発注枠の中に占めます中小企業向けの割合といたしましては、総発注額が五十年度をとりますと総契約額といたしまして四千四百八十六億円ございます。中小企業向けの契約額といたしまして七百二十四億円でございましてて、この割合をとりますと一六・一%ということになっております。  また、これは五十一年度はまだ計画段階でございまして、最終的には決まってはいないわけでございますけれども、当初の目標でまいりますと、中小企業向けの割合は一六・五%ということになっておるわけでございます。
  142. 藤原房雄

    藤原房雄君 御承知のとおり、官公需についての中小企業者の受注を確保する法律ですか、こういう法律がございまして、各省の仕事がどういうふうになっておるか、中小企業向けにどれだけの配慮が払われておるか、通産省にまとめられておるわけで、公社としましても、その法律にのっとって配慮があるんだろうと思います。  数字的に見れは、決してほかの省庁に劣る数字ではないだろうと私ども認識はいたしておりますが、いずれにいたしましても公社の年間の工事量というのは相当大きいわけであります。非常に特殊な事業で、だれにでもできる仕事でないというそういうお仕事も非常に多いようなんで、ほかの諸官庁と一緒にして数字だけで見比べるわけにはいかないのかもしれません。しかし、いずれにしましても工事量の多いということから、それが日本各地の中小企業に与える影響というのは非常に大きい。また、その元請から下請と公社の仕事が流れていく中で、先ほど申し上げたようないろんな問題が惹起しておるわけです。先ほど、こういう問題については謙虚に改善をし努力をしていくということでありますから、それはもう私どもが指摘するまでもないことだと思います。  ここでちょっとお聞きしたいんでありますが、去年の実績より、ことしの官公需の中小企業向けの仕事、わずかでもふやしたような努力の跡も見られるわけでありますが、より一層の努力をしていただきたいということと、公社が元請に仕事を出し、それが実際仕事をするのは下請であるという、そういう形態が多いわけでありますが、そういうときに、私は、元請に仕事を出したんだからその先の先まで見定めることはないという、こういうことはないだろうと思いますが、まあ法的に言えば発注したものがちゃんとでき上がればいいということになるかもしれませんけれども、少なくとも公社という立場から、公共性の高い公社立場からいたしまして、元請にだけその責任を追及する、実際どこでどういう仕事をして、どういう施工がなされておるかということについて無関心であっていいというようなことはないだろうと思うんですけれども、元請、下請、そういう実態等について、公社の出されるお仕事がどういうふうになっているかという、そういう中身の問題ですね、契約とかまた施工とかいろんな問題についてお調べになっていらっしゃるのかどうか。それは元請には厳しくやるけれども、その先のもののことについては余り報告も受けないし、公社自体も余り調査をしてないんだということなのか、この辺はどうなんでしょう。
  143. 山口開生

    説明員(山口開生君) お答えいたします。  公社は、やはり発注者の立場といたしまして、元請と下請の関係につきましては絶えず重大な関心を持っておるわけでございまして、たとえて申しますと、雇用促進関係の法案がございますし、それから建設業法等もございますし、そういった法律を守っていくことはもちろんでございますけれども、それ以外にも、やはり元請と下請の関係がうまくいくということが公社の関連の仕事が円滑に進んでいく、こういうことにもなりますので、公社としても関心を持っておるわけでございます。  ただ、本質的には、元請と下請の問題は、公社とは違った元請、下請の双務性に基づきます契約めもとに成り立つことでございまして、とやかく公社が介入することは問題ではありますけれども、したがいまして、常時、これを監視するということはやはりちょっと問題がございます。しかしながら、定期的にどうなっているかということについては調査をしている次第でございます。その結果によりますと、元請から下請へという関係が、一般の建設業界とほぼ同じような関係をもちまして、パーセンテージでございますけれども、たとえば元請らか下請へ出します外注率がほぼ二〇%とか、二〇から三〇%とか、こういったようなかっこうになってございます。
  144. 藤原房雄

    藤原房雄君 これはいまむずかしいことかもしれませんが、公社から元請として出す業者は大体どのくらい。そしてまた、その元請から仕事をもらってする業者、その仕事仕事によってあるので、ちょっとどれが元請でどれがどうかということになるとむずかしいけれども、それはいろいろな孫請というか、そういうことでなさっていらっしゃるのだと思いますが、業者の数ですね、ちょっとお聞かせいただきたい。
  145. 山口開生

    説明員(山口開生君) お答えいたします。  公社が認定しております業者は、一級から四級までランク分けをしてございますけれども、全体で六十九社ございます。それに対しまして、いわゆる下請をやっております業者——これは元請業者が登録を公社にするわけでございますが、その数が約二千社ほどございます。
  146. 藤原房雄

    藤原房雄君 二千社というほどの多くの数の業者の方々がお仕事をしているわけでありますから、そこにはいろんなトラブル——これは中身を分析しますといろいろなことがあろうかと思うんですが、その点は公社としても非常に気を使っているようで、形の上では下請業者からの苦情相談窓口というのが各通信局ごとにあるようですけれども、形はこういう下請業者からの苦情相談窓口というのは設けられておるが、この窓口で実際どのぐらいの相談にあずかっておるかという、そこらあたりちょっと最近のデータとか何か、わかる範囲でどういう問題が主に持ち込まれてきたか、おわかりになりましたら、ちょっとお聞かせをいただきたい。
  147. 山口開生

    説明員(山口開生君) お答えします。  公社がそういった下請と元請の苦情あるいはトラブル関係をいま窓口として受け付けていますのは、各通信局ごとに契約課という課がございまして、そこで事務的には受け付けをすることになってございます。  ただ、そこでいまお尋ねの年間にどの程度の件数があるかということになりますと、実は、その窓口だけで簡単に片づくような問題とか各種ございますので、全体的に何件かということはちょっと把握をしにくい状態でございます。なお、その中身に関しましては、特にここ四十八年のオイルショック以来、賃金不払い関係の問題とかあるいは季節労務者の方の労働条件問題とか、こういった問題が特徴的に出てまいっておるように考えます。
  148. 藤原房雄

    藤原房雄君 とにかく日本全国にわたってこの一兆円を超すような大きなお仕事を二千からの業者がなさるということですから、こういう窓口を置くということは非常に適切なことだと思うんですが、しかし、総体的な数もわからないのかどうか、いまお話しなかったんですが、   〔委員長退席、理事茜ケ久保重光君着席〕 実際は、そういう通信局に窓口が設けられるということですが、本当に言いたいことが言える窓口かどうかということになりますと、実際いろいろお聞きしますと、それはもう率直に申し述べるといろいろまあ後々差しさわりがあるということもあったり、問題によってはですよ、そういうことで、これは窓口はつくっているんだという、こういうことだけじゃなくて、アンケート調査というか何といいますか、これは頭のいいお役人さんいろいろひとつ知恵をしぼっていただいて、こういういろんな公社の仕事をなさる方々の中でいろいろ問題の起きることを未然に防ぐ、また問題が起きたものは解決をする、こういう積極的な姿勢をひとつつくっていってはどうかと思うんですね。とにかく二千を超す業者の方々がいらっしゃるということでありますと、いろんな問題があろうかと思います。また、そういう窓口があるなんということも知らない方もあるかもしれません。そういうことで公社の仕事、それにまつわっていろんな問題が起きる、今日までも国会でもいろんな論議があったわけでありますが、そういうものの解消のために積極的な姿勢、そういう取り組みの姿勢というものをぜひとってもらいたいと思うんですね。それはひとつぜひ検討していただきたいと思うんです。  で私どももいろんな方々にお会いするわけでありますが、一括下請なんということは、これは建設業法上、違法ということはもう御存じのとおりでありますが、ややそれに似たような——それは厳密に見なければなりませんので、軽々にどこの業者がどうだなんということはこれは言えるわけがございませんけれども公社のお仕事をする元請さんが一括下請と疑わしいそういう状況が感じられる。これはもうどこということじゃなくて、全国公社の仕事をしている業者の中で、こういうことはしょっちゅう聞くわけですね。  ですから、先ほど私はこういう実態といいますか、いろんな工事そのものも大事でしょうけれども、元請と下請との関係等についてもなるべくトラブルが起きないように、また適正になされているかどうか、それはもう公社として口のはさめる範囲内、目の届く範囲内というのは自然これはあると思います。全部見定めるなんということはでき得ないかもしれませんが、国会でもしばしば論議になっているところでもございますので、こういう問題について何らかの規制を設けることができないのかどうかということと、それから先ほど申し上げた下請の方々の非常に困っていることを快く聞いていただける、そして問題の解決に当たっていただける、そのあとお礼参りじゃないけれども、そういうことの憂いがなく相談できる、こういう形のものを考えるべきじゃないか、こう思うんですけれども、どうですか。
  149. 山口開生

    説明員(山口開生君) ただいま先生のおっしゃいましたことにつきましては、確かに下請業界の健全なる育成のためには必要でございまして、私どもは先ほど申しましたように通信局には一つの窓口を置いておりますが、やはり日本的な風習といいますか、下請さんが問題があっても、なかなか言いにくいということも事実でございまして、そういうことのないように今後指導していきたいと思いますが、なかなか一朝一夕にあるいは従来の風習を打破できるかどうかという問題もございますけれども、先ほど申しましたように下請の健全なる育成ということで努力をしてまいりたいと思っております。
  150. 藤原房雄

    藤原房雄君 中小企業対策というのはもう国の政策として今日非常に重大な関心が払われて、そのためのいろんな法律もできて、中小企業庁もあるわけであります。しかし、それは形の上で行政上そういう形がとられているんで、現在、まだまだ中小企業対策というものは完全にできているとは言えないし、これからも大きな改革をしなければならないというのは御存じのとおりです。その中にあって、やっぱり大きな工事量を抱えて二千を超す業者がお仕事をなさっているということからいたしまして、これは国の施策に準じていくのが公社の中小企業に対する姿勢ではなかろうか、こういう観点から私は申し上げているわけです。  建設業法の二十二条の一括下請なんというようなこんなことが出て、そういうことをした業者が問われる前に、まず公社自体がそういうことを許す、許している公社がやっぱり国民の非難を浴びるのではないでしょうか。今回、こういう料金値上げという問題を抱え、国民が非常に関心を持っている、この公社一つ一つの問題については非常な関心を抱いておる、特にこの工事ということにつきまして私いま申し上げているわけですが、こういう問題が起きて国民に大きな疑惑を抱かせるということのないように、これはこれから、先ほどお話ございましたけれども、取り組んでいただきたいと思います。これはぜひひとつ総裁大臣も真剣にお考えいただきたいと思いますが、どうですか。
  151. 米澤滋

    説明員米澤滋君) お答えいたします。  ただいま御指摘ありました問題につきましては、いままでも注意いたしておりましたけれども、今後、一層、この問題に対してよく実態を把握いたしまして、適切な措置をとりたいと思います。   〔理事茜ケ久保重光君退席、委員長着席〕
  152. 藤原房雄

    藤原房雄君 資料で建設工事の級別契約額というものをいただきましたが、一級、二級、三級とあるんですが、その他というのは一体これはどういうことなんでしょうか、ちょっとお聞きいたします。
  153. 山口開生

    説明員(山口開生君) お答えいたします。  その他とありますのは、公社の認定しておりません業者に発注をしているものでございまして、具体的に申し上げますと、たとえば道路工事で一般の建設業者と一緒に工事をやるような場合に、公社の業者よりは一般の道路関係の業者さんが一緒にやった方が経済的であり能率的であるというようなこととか、あるいはきわめて特殊な工法を持っておりまして、まだ公社の業者自身がそれになじまない、そういった場合にやります例外的事項でございます。
  154. 藤原房雄

    藤原房雄君 認定されていないものということのようですが、数も金額も相当多いわけですし、公社の工事というものが日本の建設業界に及ぼす影響といいますか、は非常に大きい。これだけに中小企業対策ということについては今後もひとつ鋭意御努力いただきたい。私もいろんなお話を聞いておりますし、また今日までも国会においていろいろ問題になっただけに深い関心を払ってこれからも厳しく見てまいりたい、こういうように思いますから、どうかひとつ十分努力していただきたいと思います。  で、それに伴いまして、最近、下請業者の方々が私どものところへ郵便で郵送したり、社長さんがいらっしゃったりしまして、料金値上げしないので工事が減らされて私どもに工事が来ません。公明党さんの反対のためになんていう名前を挙げてきたんで、私も頭にきちゃうんですが(笑声)、公社でそういう指導をしているわけじゃないでしょうけれども、本当ですよ。私は慎重に審議しようということなんで、上げないのはおまえだなんて、そういう誤解を与えるような発言はまさか公社さんでしていないでしょうけれども、どうですか。
  155. 三宅正男

    説明員(三宅正男君) 決して私どもそういう指導をしたわけじゃございません。ただ、業界が現在非常に困っておることは事実でございまして、そういった業界が自主的にそういう陳情をいたしたんだと、こう存じております。
  156. 藤原房雄

    藤原房雄君 これはもうこの委員会が始まったときに、冒頭に森中委員からお話ございましたように、通常国会の終わるときの国会の動きや臨時国会が始まるまでのいきさつ、いろいろお話ございました。私も全く同感で、これはもう当委員会がどうこうとか、それからまた野党のわれわれがどうとか、さっき話したように、慎重審議——慎重審議もいいとこだなんていう、こう言う方もいらっしゃったようでありますが、こういうことではこれは本当に困るのでありまして、挙げて、これは政府・自民党のお家の事情と申しますか、通常国会会期内に審議が進まなかったということや、ロッキードを初めとしましていろんな問題がございました。それをわれわれに転嫁するような発言、またそう思わさせるような言動というのは、これはもう絶対許し得ないことだと思います。私どもも、いまこの値上げが妥当であるか、今回のまた法律改正というものが妥当なものであるかどうかということについて、一生懸命審議しておる。過日なんか九時半までがんばったのであります。こういうことで、ひとつわれわれの熱心さというものも評価していただきませんとならぬと思うのであります。  この五十一年度予算の当初の予算、これは六月から値上げを予想してお組みになったわけでありますから、これは現時点で四ヵ月の狂いが生じた、こういうことで事業費とか建設費等については削減をしたということも伝え聞いておるわけでありますので、この削減の経過と内訳等について、ちょっと御説明いただきたいと思います。
  157. 三宅正男

    説明員(三宅正男君) 五十一年度の予算におきましては、御案内のとおり一兆五千億の建設投資というものが予定されておったわけでございます。昨年が一兆三千億余ということでございますんで、相当大きく伸びるというふうに見ておったわけでございます。しかし、この料金関係の法案の実施のおくれましたために資金欠陥が現在生じております。  九月末現在で生じました資金欠陥が約三千八百億に相なっております。このうち三百億円は損益勘定の中で措置をいたしたわけでございます。残りの三千五百億というものが建設勘定で何とか措置をせざるを得ない、支出を抑制しなければならない、こういう形になっておりまして、現在におきまして、その線に従って契約の繰り延べあるいはすでに契約いたしました工事の中止とかいったような措置をやってきております。  全体といたしまして、上半期におきましては、関連業界への発注額というものは昨年とほぼ同額ということでございましたんですが、今後、この契約の繰り延べあるいは工事の中止、こういったようなものが響いてまいりまして、下半期におきましては、関連業界への発注額というものは昨年同期の四〇%余りというところまで落ちるということが見込まれておりまして、その点、業界に対する影響というものが非常に心配されておるわけでございます。さらに、これは九月末における資金欠陥でございまして、十月も現在二十日を過ぎておりまして、さらにこの資金欠陥がふえてきておりますので、この下半期における発注額、新たな発注額というようなものをさらに減らさなければならぬ。あるいはすでに行っております工事の中止の数をふやさなければいかぬ、こういうような状態に立ち入るわけでございまして、私ども、業界に対する影響というものを非常に心配しておる状態でございます。
  158. 藤原房雄

    藤原房雄君 これは予算削減によりまして、五十一年度の事業計画の変更という基本的な、大事な問題がいま起きているわけですから、これは軽軽しく処理してはならないし、そういう問題については私ども非常に危惧するわけであります。業界等に対しての仕事のことも当然のことでありますが、こういう公社立場にいたしますと、あらゆる施策を講じてということだと思いますが、削減をしないで済むように、政府としてもやっぱり何らかの方途を講ずるという努力はなけりゃならぬだろうと思うんですけれども、いままでもそういう努力をなさったのかどうか、そうした上でいまお話しのあったような経過にたどりついたのかどうか、この辺、大臣どうですか。
  159. 福田篤泰

    国務大臣福田篤泰君) 公社側とも十分協議いたしまして、一日も早く回復いたしたいと思います。
  160. 藤原房雄

    藤原房雄君 これはさっきの経過報告にもございましたが、七、八、九、十、四カ月、一カ月にすれば六百五十億ということ、少なくとも四カ月ですから一年の三分の一の四カ月にわたって歳入の見込みの差が出たわけですね、予算との差が出てきた。こういうことですから、これは相当な大きな問題であり、公社経営等に認められております予算の弾力的な執行ですね、この弾力的な執行も、こういう四カ月にもわたる大幅な収入減といいますか見込み違いということになりますと、これは単に工事量、建設費とかまた事業費をどうしましたという、そういうことで済ましていいかどうか。  この問題については過日も取り上げられましたし、また、わが党の鈴木委員が参議院の大蔵委員会質疑をいたしました。私、公社の問題を審議するに当たりまして、財政民主主義という、また国会の予算審議権、こういうものと考え合わせまして、四カ月の間値上げにならないんだからこういうふうになったのはやむを得ないんじゃないかという、そういうことではなくて、やっぱり財政民主主義という観点の上からこれは非常に厳格に見なきゃならぬ。財政法上は、補正予算という二十九条に条項がございますが、「予算作成後に生じた事由に基づき」云々ということがあります。こういうことを考えますと、これはやはり何らかの形ではっきりしなければならぬ。  具体的に申し上げますと、補正予算案を提出しないというのは、これは少しおかしいんじゃないかという私は感じがするんです。これについては、大平大蔵大臣が国鉄、電電公社値上げ二法案の成立を見きわめて、それを踏まえて減額補正予算案を国会に提出する必要があるかどうか検討するという話が七日の日にあったわけでありますが、私の方もやっぱり電電公社のこの問題の中でこれは差し迫った一つの大きな問題であり、財政民主主義ということで国会の予算審議権という、こういう問題との兼ね合いの上から、これはやっぱり大蔵大臣に来ていただいて、きちっと私ども立場で明確にしなければならぬ、私はこのように思うんです。  こういうことで、ぜひ大蔵大臣を当委員会にお呼びしてはっきりこの見解を求める。これは、過日、森中委員からもお話があったことでありますが、私も、やはりいろいろこう調べていって、今日のこの趨勢の中でこれは度外視できない問題だという感を深くするわけです。ですから、これぜひひとつ後日大蔵大臣の出席を求めてはっきりさしていただきたいと、こういうふうに思うわけであります。ぜひひとつこの問題については後日機会を与えていただいて、この問題を留保さしていただきたいと思いますが、委員長、よろしくお願いします。森中委員もお呼びになっていらっしゃるわけですから、そうときに一緒にさしていただくということで、よろしくお願いいたします。
  161. 森勝治

    委員長森勝治君) 速記をとめて。   〔速記中止〕
  162. 森勝治

    委員長森勝治君) 速記を起こしてください。
  163. 藤原房雄

    藤原房雄君 一つの大きな問題にぶつかって、これに派生する問題を解明して、私の審議を進めていきたいと、こう思いますので、きょうは、これで一応留保さしていただきまして、本日の審議を終わらせていただきたいと思います。
  164. 森勝治

    委員長森勝治君) 本日の審査は、この程度にとどめます。  本日はこれにて散会いたします。    午後六時十三分散会