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1976-10-19 第78回国会 参議院 逓信委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十一年十月十九日(火曜日)    午前十一時五十分開会     —————————————   委員異動  十月十五日     辞任         補欠選任      稲嶺 一郎君     川野辺 静君     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         森  勝治君     理 事                 長田 裕二君                 原 文兵衛君                 最上  進君                茜ケ久保重光君     委 員                 川野辺 静君                 郡  祐一君                 迫水 久常君                 新谷寅三郎君                 高橋 邦雄君                 棚辺 四郎君                 土屋 義彦君                 案納  勝君                 片山 甚市君                 森中 守義君                 藤原 房雄君                 山田 徹一君                 山中 郁子君                 木島 則夫君                 青島 幸男君    国務大臣        郵 政 大 臣  福田 篤泰君    政府委員        行政管理庁行政        監察局長     鈴木  博君        大蔵省主計局次        長        松下 康雄君        中小企業庁計画        部長       児玉 清隆君        郵政大臣官房長  佐藤 昭一君        郵政大臣官房電        気通信管理官   松井 清武君        郵政大臣官房電        気通信管理官   佐野 芳男君        労働大臣官房審        議官       松尾 弘一君    事務局側        常任委員会専門        員        竹森 秋夫君    説明員        行政管理庁行政        管理局管理官   岩井 政治君        経済企画庁長官        官房参事官    佐々木孝男君        厚生省社会局老        人福祉課長    坂本 佶三君        農林省構造改善        局構造改善事業        課長       浜口 義曠君        通商産業省機械        情報産業局電子        政策課長     堺   司君        通商産業省機械        情報産業局情報        処理振興課長   関   收君        自治省行政局振        興課長      苫米地行三君        日本電信電話公        社総裁      米澤  滋君        日本電信電話公        社総務理事    北原 安定君        日本電信電話公        社総務理事    山本 正司君        日本電信電話公        社総務理事    三宅 正男君        日本電信電話公        社総務理事    遠藤 正介君        日本電信電話公        社総務理事    好本  巧君        日本電信電話公        社技術局長    前田 光治君        日本電信電話公        社職員局長    浅原 巌人君        日本電信電話公        社営業局長    玉野 義雄君        日本電信電話公        社計画局長    輿 寛次郎君        日本電信電話公        社施設局長    長田 武彦君        日本電信電話公        社建設局長    山口 開生君        日本電信電話公        社経理局長    中林 正夫君        日本電信電話公        社データ通信本        部長       山内 正彌君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○公聴会開会承認要求に関する件 ○委員派遣承認要求に関する件 ○公衆電気通信法の一部を改正する法律案(第七  十七回国会内閣提出、第七十八回国会衆議院送  付)     —————————————
  2. 森勝治

    委員長森勝治君) ただいまから逓信委員会開会いたします。  まず、委員異動について御報告いたします。  稲嶺一郎君が委員を辞任され、その補欠として川野辺静君が選任されました。     —————————————
  3. 森勝治

    委員長森勝治君) 公聴会開会承認要求に関する件についてお諮りいたします。  公衆電気通信法の一部を改正する法律案の審査のため、公聴会開会したいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 森勝治

    委員長森勝治君) 御異議ないと認めます。  つきましては、公聴会開会の日時及び公述人選定等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 森勝治

    委員長森勝治君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。     —————————————
  6. 森勝治

    委員長森勝治君) 次に、委員派遣承認要求に関する件についてお諮りいたします。  公衆電気通信法の一部を改正する法律案につき、現地において意見を聴取するため、委員派遣を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  7. 森勝治

    委員長森勝治君) 御異議ないものと認めます。  つきましては、派遣委員派遣地派遣期間等の決定は、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  8. 森勝治

    委員長森勝治君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。     —————————————
  9. 森勝治

    委員長森勝治君) 公衆電気通信法の一部を改正する法律案を議題といたします。  本日の質疑に先立ち、福田郵政大臣から発言を求められておられますので、これを許します。福田郵政大臣
  10. 福田篤泰

    国務大臣福田篤泰君) 前委員会におきまして懸案と相なりました公衆法改定遅延に伴う収入欠陥の処置につきまして、目下、関係機関と鋭意折衝を続けておるところでありますが、現在のところ、いまだ結論を得るに至っておりません。引き続き検討を加えまして、できるだけ早急に実現方努力いたしたいと考えております。
  11. 森勝治

    委員長森勝治君) それでは、これより質疑を行います。質疑のある方は順次御発言を願います。
  12. 森中守義

    森中守義君 できるだけ早急にというのは、いつまでぐらいのことを指していますか。この審議がだんだん進んでいきますが、当然、そういう審議の経過の中である程度固まったものが出てきませんと、なかなか審議が進みませんよ。いつごろまでを予測されておりますか。
  13. 福田篤泰

    国務大臣福田篤泰君) 具体的にいついつまでということは、いまの段階では遺憾ながら申し上げられませんが、一日も早く早急に解決いたしたいと考えております。
  14. 森中守義

    森中守義君 これは先日申し上げましたように、私は、法案それ自体欠陥を持っているように申し上げたい。五兆四千八百億ですか、お金が要るから法律改正をせにゃいかぬと、こう出してさておいて、巨額な歳入欠陥を伴ったまま何らの手当てもなく法案審議してくれということ自体、これはおかしな話じゃないか。これはもう早急な機会とか何とか言わないで、むしろもっと早目にこういう措置はとっておくべきだったと思うんですね。措置をとらないで委員会審議に臨むなんということ自体が見識あるやり方とは思っていない。ですから、私は、やはりそういう根幹になる重要な要素が抜けておるわけですから、このまま審議を続けていくわけにはまいりません。  それで、いま大臣の方でも鋭意関係の向きと話を進めていると、こういうことのようですから、少なくとも委員会審議に障害を与えないように、できるだけ早く出すものは出す、こういうように特に希望を付しながら、自後の質問はちょっと私はそのときまで留保いたします。  それで、委員長、ちょっと資料要求を少しさせてもらいたい。  いままで月間歳入欠陥を六百五十億というように公称されておりますが、六百五十億というつまり月間歳入欠陥基調になっている主要な要素は何なのか、これが第一。  二番目に、その中に資本収入減収が入っているかどうか定かじゃありませんので、もしこれとは別なものであるならば、六百五十億の中に入ってなければ、資本収入減収は幾らぐらいになるのか、これをひとつお示しいただきたい。  それから三木総理などが公衆法並び国鉄運賃法、こういうものが景気動向に非常に関係がある、こういうようにしばしば説明をしてまいっておるんだが、したがって建設投資というものが言うところの景気動向経済動向に与える寄与率は何%ぐらいになるのか。一般的に二・四倍などという説もあるようですが、この電電公社建設投資に伴った景気動向経済動向に与える寄与率、これをお示しいただきたい。  それからあとは、債券発行状況ですが、これは受益者債券それから政府保証債、内国債と外債、それから政府引受債公募特別債、これの四十九年並びに五十年の発行状況をお願いしたいと思います。  それから最後に、先日、総裁との間にやや概念的に五次以降のプロジェクトはどういうものかという大まかなお尋ねをいたしましたが、やはり今回のこの公衆法審議に当たりまして、これからのプロジェクトというのは非常に重要になってきますから、需要の予測をどのくらいするのか。それと五次まで自動化即時化、積滞解消、主として三つのものが大きな柱になっておりましたが、これから先は何がプロジェクト中心になっていくのか。そういう大綱的なものでいいですから、大体こういう方向に電電公社経営中心を置いていきたいというようなことを、大綱で結構ですから、自後のプロジェクトの大枠だけを資料としてお出しいただければよろしいかと思いますが、以上、ひとつ確認をとってください。
  15. 米澤滋

    説明員米澤滋君) ただいまの資料、早急に提出いたします。
  16. 最上進

    最上進君 公衆電気通信法の一部改正案につきまして、自由民主党員といたしまして、若干の質問をさせていただきたいと思います。  今回の国鉄運賃値上げにいたしましても、また電報電話料金値上げの問題にいたしましても、国民世論の中には、私ども入ってまいりますと、また値上げかと、こういういわゆるため息まじりの声が聞こえる。これは事実であります。しかし、今日の国鉄あるいは電電公社社会に果たしております役割りというものを考えてまいりますと、このままいまの国鉄にいたしましても電電公社にいたしましても、悪化した経営実態というものを放置しておくということは、やはり社会の発展あるいは社会資本の充実あるいはまた社会の秩序の維持、こういう観点からいたしましても、私は、決してプラスにはならないというふうに考えているわけであります。  大変国民値上げということで忌みきらわれておりますこの公共料金値上げも、自由民主党といたしましては、結局、これを政府のやむを得ざる措置として受けとめまして、またバックアップをせざるを得ない、いわゆる与党としての宿命を担っているということでありまして、決して喜び勇んでこうした公共料金値上げに私どもは賛意を表しているわけではございません。  特に、私どもが本法案審議を促進することに力を入れておりますのは、すでに公社の五十一年度の予算の中には、電報電話料金等改定を五十一年の六月一日といたしまして、二兆七千八百十一億円をすでに見込んでいるわけでありますけれども、それにもかかわらず、いまだもって本案が成立しないために、すでに三千億円以上の収入欠陥が出ているという、こうした実態というものを何とかしていかなければならない、最小限度に食いとめていかなければならないというふうに考えているからでありまして、どうしても十月以内に本法律案成立をさせて、公社経営というものを健全なレールの上に乗せていかなければならない、一日も早くこれを実現させたいというふうに考えておりまして、委員各位の御協力を、ぜひ、この際、お願いを申し上げる次第であります。  そこで、まず福田郵政大臣にお伺いをいたしたいのでありますけれども先ほど森中委員の御質問にもございました、加えて前回の委員会におきます森中委員の御指摘にも関連をするわけでありますけれども、本法案を村上前郵政大臣から受け継がれまして、いま問題になっております法案審議のおくれの件を大臣はどのように受けとめておられるのか、この辺について、まず御質問をしていきたいと思います。
  17. 福田篤泰

    国務大臣福田篤泰君) 遺憾ながら、前国会において成立を見なかったために、御指摘のとおり、毎月約六百五十億という膨大な赤字欠陥、そのために公社事業自体にも非常な支障を来し、また、いろいろな計画につきましても変更せざるを得ないような状況に相なってまいり、まことに前国会でできなかったことの遅延、おくれたことについては影響きわめて大きなものがあると考えております。
  18. 最上進

    最上進君 実は、森中委員質疑に対するまたお答え、これが先ほどあったわけでありますけれども質問自体保留にはなっておりますけれども、私ども与党議員にいたしましても、この問題については大変心を痛めていると申しましょうか、心配している点でございます。特に、やはり本法律案成立をいたしました後に、当然、補正予算を、いまの現状からいたしますと、組んでいかざるを得ないというふうに考えているわけでありますけれども、そういたしますれば、当然、もうこの段階にまいりますと、私は大蔵との折衝の問題というものがかなり進んでいてしかるべきだというふうに考えているわけであります。  この点につきまして、先ほど森中委員質問とも関連をするわけでありますけれども先ほどお答えでは早急に関係機関折衝をして早急に結論を出すというお答えでありましたけれども、心配しているのは、決して野党の方々ばかりでない、むしろ与党自由民主党議員も非常に心配している点でありますので、この点につきまして、もう一度確認の意味で、早急にひとつ関係機関と交渉をして折衝を進める中で結論を見出していただきたい、これを確認をさせていただきたいと思います。
  19. 福田篤泰

    国務大臣福田篤泰君) 森中委員が御指摘になりましたように、公社のためにも大変これは助かる一つの示唆でございまして、私といたしましても、早速、大蔵当局また公社側ともいろいろと煮詰めておる段階でございまして、先ほどお答え申し上げたとおり、一日も早く具体的に処置いたしたいと、極力努力をいたしておる最中でございます。
  20. 最上進

    最上進君 電電公社は、昭和二十七年に発足をいたしまして以来、大変技術革新の成果というものをその経営の中に生かされてこられたということで大変私は敬意を表しております。と同時に、やはり電話自動化あるいは電報業務改善等、こうした経営合理化を図ることによりまして、電話度数料単位料金を従来の七円を、制度の変更はあったもののやはり二十数年にわたりまして据え置くことができたということは、これはもう外国を見ましても、あるいは他の公共事業を見回してみましても、例を見ない事実でございまして、この企業努力というものは私は率直にやはり評価したいというふうに考えております。  しかしながら、世間の一部におきましては、今回の大幅な赤字というものは政府高度経済成長にいわゆる追随した過大投資である、あるいは膨張主義体質の結果によるものであるという意見も間々聞かれるわけでございまして、私は必ずしもこの意見が的を射ているものとは思いませんけれども、このような批判が現実にあることに対して、こうした批判について総裁はどのようにお考えになっておられますか、御見解を賜りたいと思います。
  21. 米澤滋

    説明員米澤滋君) お答えいたします。  ただいま御質問にありましたが、電電公社発足以来二つの目標を掲げてまいりました。一つは、全国的規模電話の申し込み積滞を解消すること、これは国会委員会附帯決議あるいは御質問等におきまして絶えずそういう御要望が出ておりました。もう一つは、全国電話即時化する、その後の技術の進歩によりましてこれをダイヤル即時化するということでありました。この第一の目標に対しましては、昭和五十二年度末に達成できる、それから第二の目標に対しましては、ダイヤル即時化につきましては昭和五十三年度末に達成できるというような状況になってまいりました。  電電公社というものは、日本の中で電信電話に対しまして独占企業でございますから、他の事業と直接比較するものはございません。能率的な経営を行いまして、国民のために電信電話事業を運営発展させるということが目標でございます。先ほど質問がございましたように、そのために投資を行ったわけでございますけれども、この投資の中で新しい技術革新を積極的に経営の中に取り入れまして、これまで一兆一千億の建設投資を節減するということをやってまいりました。第五次五カ年計画におきまして、特にこれはこの間うちからオイルショックの影響によりまして中途において投資が非常に過大になることが起こるようになりました。したがって第五次五カ年計画におきましては、これを見直しまして、特に電話の充足に直接関係ないような投資、たとえばテレビ電話をやめるとか、あるいはデータ通信の一部を繰り延べするとかということによりまして約一兆円の繰り延べをいたしております。したがって先ほど申し上げましたような積滞解消全国自動即時化という目標に対しまして投資を行ったのでございまして、私は、過大投資ということのないようにこれまでやってまいりましたし、また、これからもそのような過大投資が行われないようにしたいというふうに思っております。
  22. 最上進

    最上進君 明快な御答弁をいただいたわけでありますけれども、次に、電電公社のいわゆる今後の経営姿勢の問題についてお伺いをしたいと思います。  今日、日本経済というものが、御承知のとおり高度経済成長から安定経済成長時代に移行しております中で、いわゆる電気通信事業経営につきましても当然やはり発想の転換が迫られていると考えて私はいいと思うのであります。今後の公社財政というものを展望してみましても、電話加入当たり収入というものが、すでに御報告ありましたとおり、逓減基調にあるということなど、収入の伸びが大変鈍化傾向にあることは否めない事実であると存じます。反面、人件費物件費増大というものが避けられないという現象が起きておるわけでありますけれども、しかも電気通信に対する社会需要にこたえるために必要な建設投資というものは行わなければならない。これに伴う費用の増大あるいはこれに伴うまた利子負担増大、こういう支出の増加というものも当然必至であるというふうに考えられるわけであります。したがいまして、今回、料金改定が行われましても、公社財政の今後の見通しというものは、いままでのような、決して過去二十数年間のようなバラ色のものではないであろう、そういうふうに私は期待してはならないというふうにも考えているわけであります。  公社発足以来の悲願でありました電話の積滞解消総裁がただいまもお話しくださいました二本の大きな柱、いわゆる積滞解消にいたしましても、全国ダイヤル化の問題にいたしましても、おおむね五十二年度末には実現できるということになります。公社は、今後、その事業運営上にも大きな転換期にこれがやはりなるというふうに考えているわけでありまして、今後の経営転換期に当たりまして基本姿勢経営見通しについてひとつ総裁から御所見を賜りたいと思うんであります。
  23. 米澤滋

    説明員米澤滋君) お答えいたします。  先ほど質問の中でお答えいたしましたけれども、積滞解消全国自動即時化というもの、第一点に対しましては二年間、第二点に対しましては三年先に達成できるようになりました。これは一つ公社経営上の大きな転換点になっておるというふうに思います。  ところで、この積滞解消の済んだ後、ではどうなるかということになりますが、やはり人口増加あるいは核家族化の進展ということで、今後まだ五十七、八年までは毎年二百五十万ぐらいの新規需要が起こってくるというふうに予測いたしております。したがって、その新規需要というものに対しまして、やはり公社は積極的にこれに応じなければならないと思います。電話はやはり生活必需品的なものになっておりますし、また、これはアメリカのAT&Tの例を見ましても、AT&Tはすでに、二十年前に積滞解消が実現しておりますけれども、そうなってきますと全国電話移転というものが非常に多くなってまいります。その移転というのが、全国的な規模における移転といわゆる加入区域内における移転と二つございますけれども電電公社の場合でもすでに移転というものが起こってまいります。  それから電話というものが大体都市の方から進んでまいりまして、これから過疎地域における電話普及ということが非常に重要になってくるのではないか。したがって、その過疎地域に対する電話普及ということが必要になってまいりますし、そのために、またいろんな、たとえば農村集団自動電話というようなものを、いま大体平均七加入になっておりますけれども、それをたとえば二共同にするというようなことも必要になってまいります。  それから災害対策でございますけれども、これは、先般、と言いましても昨年の二月に旭川の地区で火災が起こりまして、これは応急復旧に二週間を要したのでございますけれども電話が途絶したことによって非常に地域の住民の方に御迷惑をかけた事態もございます。あるいは地震とか災害ということがございますので、そういう災害対策に対しまして今後ともさらに推進しなければなりません。  それから、また、いわゆる寝たきり老人とか、そういうような福祉に対する電話開発普及も必要ではないかというふうに思います。  全般的に申し上げまして、国民のために電信電話事業を運営し発展させるということを目標にして進みたいというふうに考えております。
  24. 最上進

    最上進君 いまポストテレフォンと申しましょうか、特に五十二年度に積滞が解消された後、公社がどういう事業運営ポイントを置くかということについて総裁からも御説明があったわけでありますけれども、やはりこれは非常に今後の電電公社にとりまして私は大きな問題であるというふうに考えております。いまのお話にもありましたいわゆる人口問題、これにポイントを置かれて、そして今後の公社サービス基本的計画を策定されていくというお話総裁からあったわけでありますけれども、この人口問題を主体にして公社サービス基本計画を策定していくというこの考え方について、もう少し詳しくひとつ総裁から御高説を賜りたいと思うんであります。
  25. 米澤滋

    説明員米澤滋君) まだ何といいますか、大きな大綱という程度しか申し上げられないと思うのでありますが、若干私の個人的な意見も入っておりまして、公社の中で十分まだ議論を尽くしたわけではございません。  先ほど申し上げましたように、まだこれから人口がふえる、二十一世紀に向かいまして千九百万ふえるという統計が出ております。もっと大きな統計ですと二千五百万ふえるという統計もあるようでございますが、大体、千九百万ふえると言われております。これは二十五年先ですからずいぶん先まで見ておるわけでございますが。ところで核家族化の方もまだ進んでおりますが、幾らかスピードはダウンしているのかもしれませんけれども、いずれにいたしましても昭和五十七、八年ごろまでは毎年二百五十万ぐらいまだ電話がふえるんではないか。それから移転の問題がございます。  それから何といいましても巨大都市がこれ以上巨大化するというよりも、むしろやはり地方に中核都市というものが生まれることが望ましいんではないか。これは私の個人的な意見でありまして、公社の中で、じゃどこに中核都市ができるかという議論を詰めてあるわけではございません。したがって、そういう際に電信電話というものが、この電信電話だけでやるというわけではございませんけれども、やはり先駆的な役割りを担うのではないかというふうに考えております。今後、日本の中で人口がふえることに対しまして、それが都市に集中するのではなくて、やはり全国的な、いわゆる自然と人間とが調和した形で環境問題やその他も考えて、バランスのとれた形でそれが発展していくことが望ましいのではないかというふうに考えておるのでございます。
  26. 最上進

    最上進君 五十二年度にその積滞が解消された後、先ほどから主張しておりますけれども公社運営の非常に大きなポイントが一体どこにあるか、どこを基点にして行われるかということに対して、電電公社内におきましても大変活発な論議が行われているということを仄聞をしているわけでありますけれども、ひとつ、この際、北原技師長を初め遠藤総務理事もおいででございますので、ひとつお二人から——聞きますところによりますと、北原さんはポストテレフォンとしてファクシミリのいわゆる提唱をされているということを伺っております。遠藤総務理事の場合には合理化問題を大変主体にしてこれから進めていかれるということもお伺いをしておりますので、この点ひとつお二方からそのお考えを御披露いただきたいと思います。
  27. 北原安定

    説明員(北原安定君) お答えします。  先ほど総裁からお話ありましたように、公社として、五十三年以降、第六次をどうするかというような討議はいたしておりませんし、また、その時期はいずれは来るだろうとは思いますけれども、どこまでも個人としての考えでございますのであらかじめ御了承願いたいと思います。  私、いま最上先生の御指摘になったファクシミリについては確かにそういう考えを持っております。もちろん総裁の言われましたような大事な問題がたくさんあります。積滞解消いたしました大国はアメリカでございますけれども、これは一九五四年だと記憶いたしますけれども、まあ二十年ぐらい前でございます。そのときにアメリカはまだ全国がダイヤル即時にはなっておりませんで、ダイヤル即時をしながら電話の多彩なサービスに移ったわけでございます。私どもも、したがいまして総裁の言われるように、新規に電話をおつけになる方々、移転の問題あるいは多彩のサービス、そういうもので電話中心とした時代が引き続き続くことは間違いないと思っておりますし、そういうのがアメリカの実態になっております。  ところで、電話だけやっておればいいのか、大衆と私たち日本電信電話公社はどのように結びついていったらいいだろうかということを考えますと、電話だけではどうしても片づけられない、やはり人と会わなければ解決できない、あるいは書類として送受しなければ解決できないような問題がたくさん残ってまいりまして、交通との代替えとしての電気通信役割りとか、エネルギーをいかに節減するかというようなことを具体化していくためには、電話だけでは解決できない。ひっくりかえして言いますと、電話では果たし得ない欠点がある部分が考えられるわけです。そういうところを少しずつ直して、そして真に広い意味でのテレフォン・コミュニケーションを国民全体に提供できればというような考え方からファクシミリを考えておるんですが、いかにしても大衆化するにはコストダウンをすることが基本でございます。安くならなければどうしても大衆の商品になりません。  そこで、基本は、それを可能にする技術をどうするかということで、総裁の御指示を受けまして、現在、家庭向きの十万円以下を目標としたファクシミリが可能かどうかの試作検討を続けております。五十二年ごろには、一つのめどをつけて、それを繰り返しテストしながら新しい時代に向けて進めてまいりたいと考えております。以上でございます。
  28. 遠藤正介

    説明員(遠藤正介君) それでは、私も簡単に意見を述べさしていただきます。  二十何年間かかりまして、やっと積滞解消が目前に来ておりまするのですが、これは私どもだけでなく、私どもの先輩も一つの悲願として考えておったわけでありますが、よく考えてみますと、これは実はサービス業としてはスタート台につくということだろうと思うんです。先ほど総裁が申されたのもそういう意味で、一遍五十二年に積滞解消ということが完成をいたしましても、それを維持し、その状態を常にさらに何十年も続けていくということ自体がひとつサービス業としては大変むずかしい問題だろうと思います。  そのことも確かにございますし、またさらに考えてみますと、現在、私どもが積滞なり需要なりというものを解消してきております地域というのは、御案内のように、日本全土の約七%ないし一五%、いわゆる加入区域トップを入れまして一五%程度のものであります。居住面積としてその程度であった時代はいいんでございますが、それがやがて社会の進歩でだんだん開発をされていくというものに追っかけてまいりますと、先ほど申し上げましたように、この積滞がないという状態を維持するだけでも非常に大変でございますし、またそれに伴う加入区域の拡大でございますとか、あるいは現在一応曲がりなりにもやっております地域集団電話をもっと便利な一般化をするというような問題もこれ大きな問題として出てまいると思います。  そういったような点で、私どもはこれを一つの踏み台として電気通信サービスのさらに発展を期すためになすべきことはたくさんあるのではないかと思っておりますし、また、それを何といいますか、収益性をある程度考えながらやっていく、公共性と収益性の両立の面でやっていくためには、やはり皆さんに喜ばれるサービスをしながら、そして十分使っていただいて公社の財務もある程度達せられる、そうたびたび料金の改定をしないでやっていくことができるということになるためには、先ほど技師長のお話しになったような新しい便利な端末を私どもとして営業面でもお願いをして、そうしてそういったようなもので、現在電話だけで使っておる状態でございますけれども、やはり外国へ参りますと一本の回線に住宅電話でも相当多数の付属設備がついておるわけでございまして、そういったようなものを追っかけていく。あるいは料金体系そのものについても、本院で先般来御指摘がございますように、やはり現在の料金体系の基本を見直しまして、もう少し住宅電話、これからの大事なお客さんである住宅電話あるいは家庭の御使用の電話に便利なように体系を改めていくとか、あるいは巨大都市の分散という面でお役に立つような体系を考えていかなくちゃいけない。  そういったような面では大変多岐にわたりますが、いままでのように積滞解消という一本の目標じゃなくて、非常にむずかしい問題が私どもの前にあり、今後、それに真剣に取り組んでいくときがきたと、こういうように思っております。
  29. 最上進

    最上進君 総裁並びに北原さん、遠藤さんからそれぞれ御意見をいただいたわけでありますけれども、ぜひひとつ積滞解消後の一つ公社運営の大きなポイントであるこうした問題、私は非常に大事であると思いますので、ひとつ活発に今後御論議を続けていただきたいというふうに考えております。  ところで、その前提となりました積滞解消の問題でありますけれども、五十二年度末にはできるという話を私ども伺っているわけでありますけれども、こうした今回の収入欠陥等にかんがみまして、本当にこの積滞解消というものが間違いなく五十二年度末にできるのかどうか、この辺についてひとつ総裁から確認の意味でお話を承っておきたいと思います。
  30. 米澤滋

    説明員米澤滋君) お答えいたします。  この料金法案が通った時点で、先ほど大臣お答えになりましたような、この問題にも関連をいたしますが、私たちといたしまして、積滞解消は五十二年度末に全国的規模でぜひ達成したいというふうに考えております。
  31. 最上進

    最上進君 次に、法案成立遅延によりまして、大変電電公社関連の中小企業並びにその下請企業というものが甚大なる影響を受けているということは周知の事実でありますけれども、その実態について、きょうは中小企業庁あるいは通産からお見えをいただいておりますので、このような事態に直面いたしまして現状把握をどのようにされておるか、また今日までどのような施策をとってこられたか、お伺いをしておきます。
  32. 児玉清隆

    政府委員(児玉清隆君) お答え申し上げます。  電電公社関係法案成立がすでに五カ月近くおくれておりますけれども、中小企業庁におきましては、先月来、関連業界、特に中小企業にどのような影響を与えているかについて、主な業界から直接ヒヤリングをいたしまして、かつ八つの通産局がございますので、その各通産局を通じまして各事例のピックアップを行ったわけでございます。  電電公社予算は、言われておりますように、工事計画面だけをとりましても約一兆五千億というふうに聞いておりまして、その発注先の関連企業及び関連労働者、これは建設関係だけではございませんで資材関係も含まれておりまして、膨大な数字に上っております。このため、私どもの調査も関係企業の実情を網羅しているわけではございませんけれども、現在までわかっております結果は、業界への影響ということで概要を申し上げますと、まず第一に、電電公社への依存度についてでございますけれども、これは主要関連業界でありますところの資材メーカー、たとえば通信機器が約五〇%の依存度でございます。同じく線材関係が約三〇%、それから通信建設業がおおむね一〇〇%というふうになっております。特に、その技術的特殊性等から中堅ないしは中小企業につきまして依存度が一般平均よりも高くなっている傾向がございます。  昭和五十一年度の上期の受注状況をいま申し上げましたような業界について見てまいりますと、通信建設が対前年度比でございますが、約一割減ということでございますけれども、八月以降、減少幅が拡大傾向にございます。通信機器及び電線につきましては約三割減という調査結果になっております。  こうした企業の下請企業というものも、同様の受注減となっておりますけれども、その程度につきましては、ばらつきがございまして、その依存度合いあるいは経営に対する直接的な悪影響等異なりますけれども、一般的に申しまして操業率は著しく低下を来しております。特に、今後の仕事量の確保に大きな懸念を持っている向きが少なくございません。  単に受注量の減少だけではございませんで、支払い条件という面からも非常に悪化しておりまして、電電について申しますと、法律で定められておりますところの限度ぎりぎりの支払い条件に最近なっておりまして、元請企業におきまして下請代金の支払いに遅延あるいは困難を来している面も見られるわけでございます。下請企業の一、二について手形期間が延長された、たとえば九十日が百三十五日というような訴えも聞かれております。  総じて申し上げますと、上期につきましては、前期からの繰り延べ工事や関連企業に配慮して発注しているということもございまして、総体的に申しますと影響が小さかったということが言えると思いますが、今後につきましては、手持ち工事の食いつぶしに加えまして、電電公社自身の収入減に対応する工事計画の大幅な削減の影響ということが本格化するように心配をいたしております。したがいまして関連業界としては相当深刻な事態を迎えることが予想されるというふうに考えております。  関連業界におきましては、従来、従業員の削減あるいは合理化、新規取引先の開拓とか、新しい事業分野の開拓等を企業努力として展開してきておりますけれども、そういった方策もそろそろ限界に達しておりまして、今後、電電公社関係法案が早期に成立しない場合はきわめて深刻な事態になることを予想いたしております。  以上でございます。
  33. 最上進

    最上進君 御説明をいただいたわけでありますけれども、私どもが仄聞をしたり想像しております以上に事態は私は深刻であろうというふうに考えております。  日立とか東芝というような大手は大変力のある企業でありますからともかくといたしまして、そこの一部門、特に電電公社関係の仕事だけをやっているまさに依存度一〇〇%に近いような、あるいは一〇〇%というような中小零細企業、そして下へいけばいくほどしわ寄せというものが私は大きくなっているような気がしてならないわけでありまして、ただいまお話を伺っておりますと、仕事がないということだけじゃなくて、たとえば支払い条件も非常に悪化している。中小企業庁の方が手形が九十日から百三十五日という例を言いましたけれども、とにかく百五十日の手形が百八十日に延びているというような訴えさえ出てきているわけであります。  私は、やはりこうした実態というものを何とか解決をしていかなければならないというふうに考えておるんでありますけれども、ただいまの中小企業庁の調査と比較をしてみたいんでありますけれども公社自身が一体どのような受けとめ方を、この遅延による関連企業への波及という問題についてとらえておられるのか、お伺いをしておきたいと思います。
  34. 三宅正男

    説明員(三宅正男君) お答え申し上げます。  公社は、今回の料金改定によりまして年間約五千八百億程度、基本料、通話料あるいは電報等も含めまして、あるいは設備料というようなものの料金改定されるもの全体といたしまして、その程度の増収を今年度予算に組んであるわけでございますが、これを平常月で見ますと、一カ月おくれますごとに六百五十億程度予算よりも収入が下がってくる、こういう形に相なっております。  さらに、この収入欠陥に対応いたしまして、工事計画の繰り延べというようなこともいたしておりますために、工事計画の繰り延べに伴いまして、つけるべき加入電話の付属設備ができない、そのために加入電話の開通ができない、こういったような面もございまして、加入電話工程というものも年間見込みとして相当程度落としていかなきゃならぬ、大体、そういうことをいろいろ勘案いたしますと、九月末で資金欠陥が三千八百億程度生ずる、こういうことになっております。この九月末三千八百億というものに対しまして損益勘定における節減というもので三百億を賄いますが、残りの三千五百億につきましてはやむを得ず工事の繰り延べ、支出抑制、こういう形で対処していかざるを得ないというのが現状でございます。  先ほど中小企業庁の方でおっしゃいましたとおり、上半期については多少ということをおっしゃっておりましたが、私ども五月末にこの法案が継続審議になりましたときに一応八月からは実施できるということを想定いたしまして、工事の多少の繰り延べ等による支出抑制を考えたんでございます。その後、さらに非常にこれが延びてくるということになりましたので、急遽、この三千五百億の工事の繰り延べというものを現在考えております。この結果といたしまして、業界への支出額というものを昨年と比較してみますと、大体、年間の見込みといたしましても、九月末における資金欠陥というものに対応するものでも昨年に比較いたしまして約二〇%減というところまでいくであろう。ただ上半期には先ほど申し上げましたような事情もございまして、昨年とほぼ同額程度の支出ということになっておりますので、したがって下半期における支出というものは昨年の六〇%を割るというようなことになってしまう、こういうような状況になっております。  こういうことでございまして、たとえば特にメーカー等では六〇%で、下半期は昨年の六〇%を割りまして五〇%台まで落ちてしまうというようなことになってまいります。こういう中で確かにこれは業界にとりまして死活に関する問題だということも私どもよくわかりまして、できるだけの方策はとってきておりますが、全体としての資金不足ということからまいりますこの結果というものは、どうもやむを得ないわけでございまして、この中でも、私どもといたしましては特に中小企業に対しましてはいろいろ配意をしてまいっております。  先ほどから全体としての支出ということで申し上げておりましたのですが、八月末における今度は資材メーカー関係の支出というもので見てみますと八〇%をちょっと超えるぐらいのものでございましたが、この中でも中小企業に対しては大体昨年の九〇%以上が八月末で確保できておる、昨年同期に比べてその程度が確保できておる。あるいは工事業界に対しましても全体といたしましては九〇%程度に落ちておりますが、中小企業に対しましてはほぼ一〇〇%が確保できておる。八月末までは大体こういう状況でございまして、今後、先ほどから申しております資金欠陥に伴いまして工事のさらに繰り延べ、支出抑制、あるいはさらに九月末の先ほどの三千五百億の支出の削減ということにおきましても、すでに契約いたしておりますものも一部契約の、何と申しますか、中止ということをせざるを得ないというような事態もございます。  こういうことを考えてみますと、業界に対する影響というものは非常に大きい。特に下半期において業界、特に中小企業が果たして企業を何とか保っていけるかどうか、これは私どももできるだけの配意はしてまいりたいと思いますが、非常に正直申しまして心細いと、こういう状態になっておるわけでございます。
  35. 最上進

    最上進君 御説明にもありましたとおり、すでに契約したものまで取り消しをしなければならないというところまで事態が推移しているようでありますけれども、一番中小零細企業にとりまして必要に迫られているのは、やはり何といってもつなぎ資金の問題ではないかというふうに考えているわけであります。  そこで、いろいろ中小企業庁におきましても、あるいは通産、公社等と打ち合わせをしながら、今日までかなりたちますので、その対策というものを当然とってこられたと思うんでありますけれども、たとえばこのつなぎ資金の問題、資金融資の問題、こういう問題についてどのようないわゆる行政指導をされてきたのか、この点ひとつ中小企業庁からで結構でございますのでお伺いいたします。
  36. 児玉清隆

    政府委員(児玉清隆君) 先ほど申し上げましたような事情を背景といたしまして、事が事でございますので抜本的な対策というのはございませんで、まあ法案が一日も早く通るということ以外には有効な、強力な対策はないと思いますが、いま先生御指摘のように当面のつなぎということ、これは少しも根本策にはならぬわけでございますけれども、金融でつなぐしか手がございませんので、各通産局あるいは政府機関の中小企業専門の三機関等を督励いたしまして、今回の事態を乗り切るために、融資申し込みがあった場合には優先的にこれを取り扱うように先般通達を出しておるわけでございます。  それから中央ではなかなか把握できません事態がございますので、各通産局、八つございますが、ここに十月初めに、これは国鉄と一緒でございますが、国鉄、電電関連の中小企業の臨時対策室というものを設けまして、この窓口を通じましてさらにきめの細かい影響調査、あるいは相談に応ずるという相談業務、それから金融機関に先ほど申しましたような金融を具体的につなぎを入れるためのあっせん等を十月五日から開始をいたしております。  それから、先ほど電電公社の方から御説明ございましたが、本件の解決は私どもだけではなかなかうまくまいりませんので、電電公社に対しましても、中小企業庁長官が九月の二十八日に足を運びまして総裁にお会いいたしまして、特に中小企業に対する配慮について十分尽くしていただきたいというようなことをやっておりまして、その後、両者間でお互い中小企業の影響が大きくならないように特に監視体制を強めて、これに対して適確な手を逐次打っていこうということで緊密な連携体制を現在とっているわけであります。  それにいたしましても、なかなか中小企業は数が多うございますので、十分と言えないかもわかりませんが、特に、資金量の点では、中小企業金融公庫それから商工中金それから国民金融公庫、この三つが専門的な政府機関でございますので、第三・四半期、十月から十二月までの貸付枠を先般決定いたしまして、合計で九千三百七十四億円でございますが、これの消化に当たりましては電電関係の工事によって非常に金融が詰まっている人を優先的に特に配慮するようにということを申し伝えてございます。
  37. 最上進

    最上進君 いまるる御説明をいただいたんでありますけれども、実際に市中銀行へ行きましてもなかなか相手にしてもらえないというような零細、下請の方々もたくさんおられるわけであります。特に電電関係では一口に関連中小企業二千四百社というふうに言われておりますし、七十五万人の人たちがそれで生計を立てておりますことを考えますと、とにかく一刻もこれ猶予ならないというような感じがしてならないわけであります。  そこで、先ほど説明の中で、通達を出して、たとえば通産局にいたしましても、あるいは中小企業関係三機関に対しても、この電電関係のいわゆる融資要請というものがあった場合には特別配慮するようにという通達を出された、そういう御説明がありましたけれども、できますれば、そうした中小企業三機関等で特別にやはりめんどうを見てくれるという話すら知らない人たちというものが大変多いのが実態であります。したがいましてで、できれば私はこうした中小企業関連三機関に、ぜひともひとつ、こうした事態でありますので特別の窓口でもつくっていただきまして、ひとつ困っておられる方々を助けていただきたいというような感じがしてならないわけでありますけれども、この点いかがでございましょうか。
  38. 児玉清隆

    政府委員(児玉清隆君) せっかくの御提案でございまして、公庫自身は、御存じのように、一般の中小企業とたてまえといたしますとなかなか差をつけにくいわけでございまして、特に配慮するということで、配慮事項として特別の傾斜した対策をとるようにということでいっておりまして、まあ役所ですと、先ほど申しましたような臨時対策室というのを機動的にぱっと設けてやるわけでございますが、特に、その際に、金融機関との連携を保つということで私ども対処いたしておりまして、実質的にはいま先生御提案のありましたようなことでPRその他、相談業務の拡充等を図っていけると思いますが、これを一つの上乗せの窓口といたしまして、各金融機関にそういう対策室を設けるというところまでは現在まだ検討いたしておりませんが、必要に応じそういうこともあるいは研究していかなくちゃいかぬと思いますが、若干、事態を見守りたいというふうに考えております。
  39. 最上進

    最上進君 やっぱりいかにも役人らしい答弁でありまして、事態を見守るという、そういう言葉が出るということ自体が私は非常にその実態の深刻さというものを知らない発言であろうというふうに考えております。そういう中でぜひひとつそうした制度金融、資金融資という道が開かれていることを知らない人たちがたくさんおられるわけでありますから、ぜひひとつその人たちのためのいわゆる制度でありますので、こういう機会にこそひとつ活用をして困っている人たちを救う、そういうやはり考え方に立ってひとつ行政指導をしていただきたいというふうに考えております。  また電気通信関係建設投資というのは、もう御承知のとおり、公共投資の中でもその波及効果というものが非常に大きなものでありまして、景気の早期回復というものを図る見地からいたしましても、当然、まず第一に本法案が可及的速やかに成立するということが第一義でありますけれども、やはり電電公社当局におきましても、関連業界に対して可能な限りきめ細かい、ふだん一生懸命電電公社関係の仕事をしているそういう末端の人たちのことをひとつ考えていただきまして、この際、きめ細かな施策というものをやっていただきたい、そうして影響最小限度に食いとめていただきたいということが私どもの切なる願いでありますけれども、この点につきまして、ひとつ総裁からお答えをいただきたいと思います。
  40. 米澤滋

    説明員米澤滋君) 先ほど中小企業庁の方からお答えありましたが、先月末に、中小企業庁の長官も私のところへ見えまして、中小企業の問題について特に配慮してくれという御依頼がありまして、ただいまの御質問にもありましたが、今後、上半期の方はまだまだだったんですけれども、これからきわめて深刻な事態になりますので、公社といたしまして、中小企業の件につきましては最善の努力をいたしたいと思います。
  41. 最上進

    最上進君 先般、関連業界の危機突破大会でも大変強い要望が出されましたけれども、いわゆる来年度契約の繰り上げ発注の問題でありますけれども、この点についてはどのようにお考えでございましょうか。
  42. 好本巧

    説明員(好本巧君) 先ほど森中委員の御質問に対しまして郵政大臣お答えされました内容にございましたように、この六月一日以降の料金改定実施の遅延の期間中の資金欠陥の回復につきましては、五十一年度を含めまして早急にその回復の措置関係方面にお願いして詰めまして、その結果に基づきまして、ただいまの御指摘のようなことができるだけ早急に、しかもできるだけ大きくそういう措置をとれるようにやってまいりたいというふうに考えております。
  43. 最上進

    最上進君 中小企業関連業界の問題につきましては以上にしたいと思いますけれども、ぜひひとつ、公社にいたしましても、中小企業庁にいたしましても、通産にいたしましても、よく連携を取り合っていただいて、本当に下請の方々は困っておられます。したがいまして、ぜひこれに対するきめ細かい施策をこの際打ち出していただきたいというふうに、重ね重ねお願いしておきたいと思います。  次に、村上前郵政大臣が、かつて本会議におきましてあるいは委員会におきまして、本法案につきまして提案理由を説明されましたときの内容と、今回、福田郵政大臣になられましてからの提案理由の説明の文言の中で、二点ほど違う点があるわけであります。  それは、一点は、当然、施行期日の問題の変更があるわけでありますけれども、もう一点、かつて村上郵政大臣が提案理由を説明されたときには、五十年度の欠損金というのは三千億円を超えるものと見込んでいたという言葉が明確にうたわれております。現実には、五十年度の決算によりまして欠損金が二千八百億円強にとどまったことでありますけれども、このいわゆる二百億円の差額というものが私は非常に貴重であるという感じがしてならないわけであります。そこで、貴重な二百億のいわゆる差額が生じているというこの点につきましては、大変経営努力というか内部努力をされたというふうにも伺っております。大変けちけち作戦ということを展開されまして御努力をいただいたということを伺っているわけでありますけれども、この二百億の差額が生じたのは、一体、どこから生じてきたのか、この点についてひとつ御説明をいただきたいと思います。
  44. 中林正夫

    説明員(中林正夫君) 前回の国会におきまして三千億を超える赤字というふうに申しましたのは、昨年の秋の五十年度の補正後の予算におきまして予算上の赤字が二千七百億程度でございます。それに、当時の大体五十年度の収入の見込みが四百億程度収入欠陥という予測をいたしましたので、これを加えまして三千百億ちょっとの赤字ということで三千億を超える赤字というふうに申したのでございますが、その後、収入見通しは大体予想どおりでございましたが、支出の面でいろいろ人件費あるいは金利、そういったもののいろんな節約というものをいたしました結果、赤字が二千八百億程度にとどまったということでございます。
  45. 最上進

    最上進君 特に、今回、大変企業内努力をされたと。その中でも、従来管理者の自宅についていた電話、業務用電話の一般加入電話への切りかえの問題、あるいは、公社が配りましたパンフレットの中にもこれは当然うたわれているわけでありますけれども、消耗品費の削減の問題あるいは電灯照明の間引き点灯の問題、臨時雇用の削減の問題、電話帳の発行周期の延長の問題、こういうことで大変御苦労されてお金を節約されている、私は、この努力の結果であろうというふうに考えてまいったわけでありますけれども、今回、行われている、ここでの臨時雇用の削減の問題の実態、これはどういうふうになっておりましょうか、ひとつ御説明をいただきたいと思います。
  46. 浅原巌人

    説明員(浅原巌人君) 臨時雇用といいましてもいろいろございまして、季節の繁忙あるいは特殊な業務のために充てるもの等いろいろございます。そういうものにつきまして極力計画を調整いたしまして、臨時雇用を雇用するに至らないような計画に切りかえますとか、あるいはいろいろふだんから工夫はいたしておりますけれども、さらに工夫を重ねましてそういうことに至らないように努力をしていくということで全国に達し、また、そういうふうに実行していくという次第でございます。
  47. 最上進

    最上進君 次に、提案理由の説明の中におきまして、大臣は、公社経営の悪化の原因というのは「人件費の大幅な上昇等により、」と説明をされたわけでありますけれども、五十一年度予算を見ましても、事業支出二兆七千三百二十二億円のうちで人件費はその約三分の一だというふうに私は記憶しておりますが、五十年度予算に比べまして五十一年度では約千二百九十四億円の増加というふうに考えておりますが、このペースでいきますと、いわゆる物価上昇に伴う物件費の増高と相まって、やはり近い将来また公社経営というものが非常に危機に瀕するということがもう何か目に見えてわかるような気がするわけでありますけれども、この点についてひとつどのような御見解をお持ちか、お伺いしておきたいと思います。
  48. 米澤滋

    説明員米澤滋君) お答えいたします。  電電公社独占企業でございますので、国内の他の事業と直接比較するものがございません。しかし、国民のために電信電話事業を運営するということで経営の能率化には特に力を注いでまいりました。この問題につきましては労使関係の安定ということも非常に大事でございまして、労使関係近代化路線というのをこの十年間進めてまいりまして、公社に働いておりますこれは電報も入れまして全職員と公社にあります全電話機のレシオ、比率をとってみますと、ヨーロッパの西独、フランス、イギリスに比べましてむしろ日本の方が生産性が上がっている、アメリカのAT&Tとほぼ対等というところまでいっております。  なお、損益勘定の中で人件費が約三分の一占めておりますが、今度の料金値上げを認めていただきますと五十一年度予算の中でまたそれが三分の一の状態に戻ると。しかし、五十年あたりはそれが四〇%近いところまで上がっておりまして、企業体によりましては人件費が六〇%になっているというところもあるというふうに聞いております。私たちといたしまして、今後とも、能率的な経営ということに対しましては最善の努力をいたしまして、今回の料金法案を少なくとも三年間をベースにいたしましてお願いしている次第でございまして、経営の能率化につきましては今後とも最大の問題として取り上げていきたいというふうに考えております。
  49. 最上進

    最上進君 人件費の問題とまた違いまして、いわゆる公社の減価償却費の問題でありますけれども、五十年度の総費用に占める割合が三一・四%で大変過大ではないかという意見が当然一部にあるわけでありますけれども、この点につきましては総裁はどのようにお考えでございましょうか。
  50. 米澤滋

    説明員米澤滋君) これ局長から答えさしていただきます。
  51. 最上進

    最上進君 はい、結構でございます。
  52. 好本巧

    説明員(好本巧君) 五十年度の決算におきまして、総費用の中に占める減価償却費の率が御指摘のように一二%強でございます。これはほかの企業と比べますと相当高い率になっております。たとえば東京電力でありますとか東京ガスでありますとか、あるいはその他の大きな製造業というようなところにおきましては、減価償却の総費用の中に占める比率は一〇%あるいはそれ以下というところもございます。しかしながら材料費といいますのが電力会社では五五%を超えておる、あるいは製造業におきましては四〇%を超えておる。ところが、わが電電公社の原材料費といいますのは、電力費をとりましてもすべての原材料費と目せられるものが一%を割っておる、〇・何%ということでございますので、総費用の中に占める比率は原材料費がほとんどないという特殊性から、非常に大きいように見えるわけでございます。  しかし、一般的には正味の固定資産の総額に対して当年度の減価償却費が何%に当たるかという、いわゆる償却率というもので見る方が正しいのではないかと思われますが、これは日本銀行の日本全産業の中の統計によりますと、大体、一二%強でございます。正味固定資産に対する償却費の率が一二%強でございますが、わが電電公社の場合は一二%強でございまして、ほとんど標準的なものであるということでございます。
  53. 最上進

    最上進君 実は、先日の参議院本会議におきまして、きょう御出席の山中委員が御指摘をされた中で、私はちょっと合点がいかないところがあるわけであります。それは、電電公社赤字というものが、実際は黒字であるのに経理操作でつくられた赤字だという指摘があったというふうに考えております。これはまた後ほど討論の中でも当然あると思いますけれども電話機などの耐用年数を実際に合わせて適正なものにし、償却方法をアメリカの電話会社並みの定額法に改めて、電話部門の改善だけで電報やデータ通信赤字を埋めても直ちに一千百六十億円、五十年度でも八百五十億円の黒字になるというたしか御発言であったというふうに考えております。  実は、耐用年数の問題につきましても、減価償却資産の耐用年数というのは、自然の損傷などの物理的な寿命に加えて、新しい技術の導入等による影響などをやはり総合的に勘案いたしまして、過去の実績データに基づいて郵政大臣の認可を受けた上で設定をしている。さらに常にその妥当性の検証というものを行っているわけであります。   〔委員長退席、理事茜ケ久保重光君着席〕 定率法の採用につきましても、当然、公社としてしかるべき理由があって、定額法でなくて定率法を採用しているというふうに考えているわけでありますけれども、この点につきまして大変誤解を生じる向きもありますので、この際、ひとつ明確に、なぜ定率法を採用しているのか、あるいはまた今回の御指摘にありましたような経理操作でつくられた赤字であるというようなことで私は済ますわけにいかないというふうに考えておりますので、この点につきましてひとつ公社の明快な御答弁をいただいておきたいというふうに考えます。
  54. 好本巧

    説明員(好本巧君) お答え申し上げます。  まず第一点の、経理操作によれば損益勘定の収支が黒字になるのではないかという御指摘でございますが、それはその内容におきましては、一つは、ただいま御指摘の減価償却費が過大に積算されておる、もう一つは設備料を損益勘定の収入に上げるべきだと。そういうことをやりますと、たとえて言いますと五十年度では減価償却費は七千四百億円にも上っておりますし、設備料の資本勘定の収入は一千六百億円を上回っておりますので、そういうものを操作いたしますと、あるいは黒字に見えるのではないかというふうなことをおっしゃっておられるのではないかと思います。  いまの定率法を私どもは採用しておりますが、その根拠理由は後ほどお答え申し上げますが、たとえば外国で定額法をとっておるところがある。たとえばAT&Tというアメリカの電話会社の償却方法は定額法である。あるいは昭和三十五年以前、いまから十六年以前の逓信省、電気通信省時代にとっておりましたわが電話事業の耐用命数というものは、いまと比べるともう倍ぐらい長かったわけでありますが、そういうものを前提に、しかも単純な定額法をとっているというふうな計算をしますと、あるいは七千四百億円の減価償却費が半分ぐらいになるかもしれないわけでありますけれども、そういうものを正しいとして、ただいまの私どもがとっておりますところの適正妥当なる耐用命数と定率法というもので出したものとの差額をもって、これを経理の操作と言われるのは、私は、当たらないんじゃないかと思います。  それからもう一つ、なぜ定率法をとるかということでございますが、これはすでに御案内のように、減価償却といいますのは、固定資産の取得価額をそのそれぞれの一定の寿命期間の間の各事業年度に費用を配分する方法でございますので、とにかく取得費用というものは何年間かの間に配分する必要がございます。したがいまして耐用命数を何年に決めるかということが一番大事なことであろうかと思います。耐用命数というものを実際の寿命に比べて短く決めておりますとそれは過大な償却になりますし、長く決めておりますと過小な償却になる。いろいろ耐用命数というものは非常に大事なものでございます。  したがいまして実際の現在決まっておりますところの耐用命数、これは郵政大臣の御認可を得て決めておるものでございますが、それを先生のただいまの御指摘のように数年に一回吟味検証しておりますが、   〔理事茜ケ久保重光君退席、委員長着席〕 私どものいろいろな調査によりましても、ただいま決まっておりますところの耐用命数というものは、実存寿命と比べましてほとんど等しいか、あるいは実存寿命の方が少し短いというふうな傾向になっておりますので、私どもといたしましては、現在、会計手続上決めておりますところの耐用命数というものは非常に公正妥当なものであるというふうに自信を持っております。  なぜ定額法をとらないかということでありますが、これもすでに御案内のように、電電公社事業というものは、製造業でありますとかその他のサービス業と違いまして、非常に膨大な固定資産を持っておるわけでありまして、現在でも正味の固定資産が五兆円を超えております。しかも地下の埋設物も非常に大量でございますし、いろいろな大変な件数に上るところの物品、設備がございます。そういうものを耐用命数をそれぞれ決めまして、しかも常に過小償却にならないように、過大償却にならないようにということをやるためには、私ども事業は非常に固定資産が大きい、固定資産の量が膨大である。その上に陳腐化が非常にはなはだしい、技術革新による陳腐化が非常に大きい。その上に地下の埋設物等がございますので、国土計画あるいは都市計画等で他律的な原因によりまして、まだ物理的寿命のあるケーブルでありますとかマンホールでありますとか、そういうものを撤去しなきゃいかぬということも非常に多うございます。そういうふうなことから、決めました耐用命数がどうも短くなりがちだ、短くなる傾向が非常に強い。こういう企業におきましては定率法をとるということが非常に安全であるとされております。  同時、総合償却をとりませんと、何十万件というふうな物品でございますので、個々一つ一つの個別償却はとうていとり得ないわけでございます。個別償却をとる小さな規模の企業におきましては、耐用命数が狂っておりましても、実際に撤去するときに、そのまだ償却が済んでいない場合は、残りの償却をそこを損費で落とすわけでありますから、これで過大あるいは過小償却はできないわけでございますが、膨大な施設設備を持っております、固定資産を持っておりますところの私どもといたしましてはやはり総合償却をやらざるを得ない。これはすでに御案内のように総合償却の場合は定率法をとりますと、いわゆる自動調節機能というのがございまして、もし決めておるライフより少し短くなりましても、それがネットの固定資産に同率を掛ける関係上、撤去された後も自動調節作用がございます。そういうことで非常にすぐれた方法であるというふうに学説上も言われておりますので、定率法をとっておるわけでございます。  また一言つけ加えますと、AT&TあるいはイギリスのBPO等は定額法をとっておりますが、定額法をとっておるところも、実際問題といたしましては、いわゆる御存じの加速償却でありますとか、あるいは耐用命数を二〇%以内に縮めることができる方法とかADRという方法、いろんな方法で、非常に定率法に近いような方向にいっておりますし、AT&Tはそれにおいてすらまだ償却費が不足であるということをFCCの方へ認可申請しておるという状況もございまして、直ちにAT&Tの減価償却費だけを比較することは当を得ないのではないかと思います。
  55. 最上進

    最上進君 そうすると、当面、定率法を定額法に改めていくというお考えはないととっていいわけですね。
  56. 好本巧

    説明員(好本巧君) ただいま申し上げました五兆円に上る固定資産の中で、その大宗をなすものは電気通信施設でございまして、線路施設あるいは機械施設がその大宗を占めておりますが、いわゆる建物、工作物というものがございまして、建物、工作物につきましてはそれぞれ個別償却が可能であるということもございますし、先般来のいろんな御指摘によりまして定額法になじむということもございますので、建物、工作物につきましては近いうちに定額法に踏み切ろうというふうに考えておりますが、その大宗をなす電気通信、線路、機械施設の方は、当分といいますか、将来にわたって定率法を堅持してまいりたいと思っております。
  57. 最上進

    最上進君 くしくも電話が発明されてことしが百年目であるというふうに伺っておりますが、この電話普及対策の問題でお伺いしておきたいんでありますが、時間がありませんので、ひとつ答弁は簡明にお願いをしたいと思います。  先ほどから話の出ておりますいわゆる地域集団電話の一般化の問題、それと加入区域の拡大の問題、特にこれは後の加入区域の拡大の問題につきしては衆議院の附帯決議の中でもうたわれておるようであります。この問題について、ひとつ簡潔に御答弁をいただきたいと思います。
  58. 輿寛次郎

    説明員(輿寛次郎君) お答え申し上げます。  第一点の地域集団電話につきましては、現在、五十年度末で約百十万ほど残っております。これにつきましては、もともとまあ農村地区におきます電話普及ということで始まったものでございますが、御存じのようにいわゆる六共同ないし八共同ということで非常に話し中が多いという苦情も出ております。これにつきましては、われわれといたしましては改善しなければならぬということは感じておりまして、まず当面は組み合わせ数を減らすというようなことで、いわゆる話し中を減らすということもやっておりますし、また一般化と言っておりますが、一般電話への切りかえも逐次やっております。  これにつきましては、ただ、いろいろ費用もかかりますし、また取扱局の問題もございますのでおくれておりますが、これにつきましては昨年は六万ぐらいでございましたが、ことしは九万程度やりますし、今後もさらにこの方向は進めていきたい。現在、百十万ほどございますから、これをどのくらい現在やるかということはまだ検討中でございますが、できるだけ早い機会に一般化していきたいと考えております。  それから第二の、加入区域の拡大につきましては、現在、四千五百局ほど局がございまして、加入区域というものはもともと電話局を中心にして半径二、三キロの狭いエリアでございまして、その外に引く場合には特別な負担金が要ったわけでございます。これにつきましても、第五次五カ年計画におきましては、全部を半径五キロまて広げていくという方針を立てておりまして、これは現在続行中でございます。これは五十二年度末までには全局におきまして半径五キロまでは拡張できる見込みでございます。それから先への要望ももちろんあるわけでございますが、これにつきましてはまたいろいろ費用もかかりますことなので、今後の問題として検討したいと考えております。
  59. 最上進

    最上進君 特に要望しておきたいんでありまするけれども、農山漁村などのいわゆる過疎地域における電話普及の問題でありますけれども、御承知のとおり公衆電気通信法の第一条で公社は公衆電気通信役務をあまねく公平に提供することが義務づけられておるわけでありますから、速やかに国民すべてに同じ条件のもとに電話サービスを提供できるということがやはり理想であると思いますので、今後とも、ひとつ公社におかれましても御努力をいただきますようにお願いする次第であります。  次に、電気通信事業と、私は大変関心を持っているのでありますが、資源エネルギーとの関連の問題についてお伺いをしてまいりたいと思います。  御承知のとおり、非常に海外依存が高いわが国でありますけれども、資源エネルギーにつきましては、その節約と効率的な利用を図るということがきわめて重大な課題であるというふうに考えております。角度を変えまして、電気通信が省資源あるいは省エネルギーという面について果たす役割り、これについて質問をしていきたいと思うんでありますけれども、まず電気通信事業というものは比較的に資源消費というものが少ない、いわば知識集約的な事業であるというふうに考えておりますが、特に最近は電気通信技術の目覚ましい発展によりまして、資源消費量を大幅に減少させながら、しかも高性能、高品質の施設や機器というものが開発をされているわけであります。  そこで、第一に、国全体の資源消費量の中における公衆電気通信関係の消費割合というのはどのようなウエートを占めているのか。また、その技術がどんどん革新されていく、その技術革新による資源節減効果というものが当然あるわけでありますけれども、これについてひとつ具体例を含めて御説明をいただきたいと思います。
  60. 前田光治

    説明員(前田光治君) お答え申し上げます。  いま御指摘のとおり、電気通信設備を構成しております物質には非常に多種類のものがございます。分類にもよりますが、約百八十種類ほど使っておるように了解をいたしております。  このうちで、いまお話しの日本の国内での消費量に対して電電公社の年々使っております量が比較的多いものを例として挙げてまいりますと、一つはパラジウムという希少金属がございます。これは日本全国の使用量に対しまして公社の使用量は一七%でございます。それから量の多いもので代表的なものを申し上げますと、銅がございます。銅は年間電電公社が約十七万トン程度を使っておりますが、これは日本全国の使用量の約一五%ぐらいに相当いたしております。そのほかプラスチック類、これが大体日本全国の約四%。その他のものいろいろございますが、概して低い数字でございまして、低い方で申し上げますと、紙が一%、それから重油、石油等が〇・〇八%といったようなわずかな量でございます。  で、いま申し上げましたもののうち、技術革新、新技術の採用によりまして、その節約の例が著しいものをとって申し上げますと、たとえば電気通信電線、ケーブルにぜひ必要な銅でございますが、この銅につきましては、以前、電電公社発足当時あるいは昭和三十年代の初めごろは、たとえば市外線を引きますのに市外ケーブルというものを使っておりまして、これが一対で一本の電話線通話ができたわけでございます。これが昭和四十年初めごろから使っております現在のPCM二十四チャンネル方式という新技術によりまして、二対で二十四の電話回線がとれるようになっておりますので、したがいまして同じ数の電話線をつくろうといたしますと、必要な銅の量は従前の十二分の一になっておるということになります、それからまた長距離の市外回線をつくっております同軸ケ−ブルというのがございますが、これがやはり昭和三十年代に使われておりましたものは二対の同軸ケーブルの上に九百六十チャンネル、九百六十の電話回線がとれたわけでございますが、二年ほど前に電電公社が世界に先駆けて、世界で初めて開発をいたしましたC六〇メガという方式では、この数字が一万八百回線となっております。したがいましてその同じ電話回線をつくろうとしますと、必要な同軸ケーブルの銅の量は約十分の一に縮まったということが技術開発による資源の節約の例としてお話しできるかと思います。
  61. 最上進

    最上進君 時間の制約もありますので、これを最後にいたしますけれども米澤総裁がよく言われます省資源、省エネルギー対策を進めるためのクリーン・リサイクリング委員会、これを他の企業に先駆けて発足をさせられたということは大変高名な話でありますけれども、そういう中におきまして大変御努力をいただいているわけでありますけれども、これからの情報化社会の進展の中で、それに伴いまして、当然、社会電気通信に対するニーズというものが多様化かつ高度化してくるというふうに考えております。エネルギーの効率的消費という国家的見地から見ましても、電気通信事業の果たすべき役割りというものはきわめて私は大きいというふうに考えておりますけれども、したがいまして、公社はこうした要請にこたえるためには一層ひとつ設備の近代化と拡充という点に力を入れていただきたいわけでありますが、そこで、当面、三カ年間の建設計画あるいは投資規模を削減するというようなことがあっては私は決してならないと思っておりますし、ぜひともひとつ当初の方針を今後とも維持をしていくべきであるというふうに考えておりますので、この点重ね重ねお願いをしておきたいと思います。  この点につきましての総裁の御答弁をいただきまして、質問を終わりたいと思います。
  62. 米澤滋

    説明員米澤滋君) お答えいたします。  先ほども申し上げましたように、五十二年度末に電話の積滞解消、五十三年度末に全国自動即時化をするという目標で、加入電話三カ年間に七百七十万つけるという計画をぜひ達成することを考えております。電気通信事業は省資源、省エネルギーで、非常に国民のためにも国のためにも役立つ事業でございますので、そういう見地から、その整備拡充を図っていきたいというふうに思います。
  63. 最上進

    最上進君 終わります。
  64. 森勝治

    委員長森勝治君) 午前の審査は、この程度にとどめます。  午後二時三十分再開することにし、休憩いたします。    午後一時二十四分休憩      —————・—————    午後二時五十八分開会
  65. 森勝治

    委員長森勝治君) ただいまから逓信委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、公衆電気通信法の一部を改正する法律案を議題といたします。  質疑のある方は順次御発言を願います。
  66. 片山甚市

    ○片山甚市君 公衆電気通信法の改正については、七十七国会閉会後引き続き審査を続け、今国会では衆議院で可決をされて本院に送られてきました。  これから質問いたしますことについては、できるだけ簡潔に私から申し上げますから、だらだらと牛の小便のように答えて何が何だかわからぬけれども答弁したというようなことのないように、できるだけ簡潔にしてもらいたい。簡潔なということは、よくわかって答えるということである、言いわけをせぬように。そうでなければ、きょうは時間がありまして慎重審議いたしますから、そのつもりでおつき合いを賜りたい。ほかの人たちにとっても大変話の内容によればくたびれてしまうだろう。くたびれないで、あっという間に幾時間かが済んだということにしたいと思います。そういう意味で、まず要望を申し上げて質問に入ることにしたいと思います。  さて、電信電話公社というのは公共企業体だと存じます。公共企業体の性格について、郵政大臣からひとつお言葉をいただきたい、こういうものはどういうもんだと、こういうふうに。
  67. 福田篤泰

    国務大臣福田篤泰君) 公共の福祉を増進するという公共性の確保をまず第一といたしております。その目的達成のために、独立採算制に基づいて合理的なかつ能率的な経営を志向すべきものだと考えます。
  68. 片山甚市

    ○片山甚市君 いま大臣がおっしゃったように、公共の利益または福祉という国民あるいは市民の経済社会福祉を実現することが目的であって、独立採算をするとか、あなたの好きな二言に言う受益者負担を云々などというのは、それは方法論で、企業としていかにあるべきかということだと思いますが、いかがでしょうか。
  69. 福田篤泰

    国務大臣福田篤泰君) 社会福祉についても、重要な面でございます。
  70. 片山甚市

    ○片山甚市君 そこで、実は、今回かかりました公衆電気通信法の改正の問題でありますが、その前に引き続き議論を聞いておりましたが、情報化社会における電気通信事業というのは産業的にも経済的にも、また政治や教育、医療などについてもきわめて広範多岐な分野にわたって国民に直接的または重大な影響を持つ、そういうことで今日総裁の言葉で言われましたけれども、これが生活必需品的と言われている。今日そうなっておると思いますが、郵政大臣総裁からお言葉をいただきたいと思います。
  71. 福田篤泰

    国務大臣福田篤泰君) 電話は電気、ガスほどではございませんけれども、生活必需的な新しい性格を帯びておるものと考えております。
  72. 米澤滋

    説明員米澤滋君) お答えいたします。  生活必需品的なものだと考えております。
  73. 片山甚市

    ○片山甚市君 通信白書昭和四十八年、また通信白書四十九年、五十年にそれぞれ次のような言葉で「電話は必需品であるとする認識が国民の間に定着してきたことなどの諸事情の変化があげられる。この傾向は、最近における生活行動圏の拡大、核家族化の進展等国民の生活態様の変化と相まって、今後とも一層促進されよう。」という四十八年に対して、四十九年には、これは「シビルミニマムとして」受けとる、四十九年はそういうようになっておるんでありますが、そこで、この電話について福祉の観点からどのように郵政あるいは電電が考えておられるか。電話というものをシビルミニマム、市民生活になくてはならない最低限のものとして今日的に位置づける。こういうような時代に来たということになっておるんでありますが、郵政大臣総裁はそれに対して今後どのようにやっていかれるのか。
  74. 福田篤泰

    国務大臣福田篤泰君) 福祉の面につきましても、私どもはいわば寝たきり老人でありますとかあるいは身体障害者の方々という気の毒な方々に対して、特殊のまた特別の配慮をいたすべきであるというふうに考えております。
  75. 米澤滋

    説明員米澤滋君) お答えいたします。  電話は生活必需品的なものでありまして、国民福祉、そういう身障者その他に対しましても十分考えていかなければならぬと考えます。
  76. 片山甚市

    ○片山甚市君 そういたしますと、これからの事業の基本的なこととしては、国民福祉の向上を初めとするナショナルミニマム、国民的な福祉の最低基準を実現させていく手段として、いわゆる電話というものを位置づけられる、こういうように考えてよろしゅうございましょうか、総裁
  77. 米澤滋

    説明員米澤滋君) そのとおりであります。
  78. 片山甚市

    ○片山甚市君 そこで、今回、出されておる電信電話料金値上げの問題に関して大衆負担の増大をやめてもらいたい、または提供されたサービス並びに料金制度について不公正な問題については改めてもらいたいと思っておるんでありますが、先ほどからの御議論によると、大衆負担について今回どのような観点から増大をさせないようにしておるんでしょう、総裁お答えいただきたい。
  79. 米澤滋

    説明員米澤滋君) 詳しくは総務理事からお答えさせますけれども、たとえば前回公社政府に要望いたしましたときには、いわゆる定額通話料という制度を考えました。しかし、今回は、これは非常にわかりにくいのと同時に、むしろ基本料というような制度を考えた方がいいんではないか。基本料につきましては、住宅電話につきましては、ビジネス電話に比べまして三〇%減の七〇%という額にいたしておりますので、そういう面について考えておるのであります。  なお、福祉関係の問題につきましては、いわゆる寝たきり老人等に対しまして、特別なワンタッチでボタンを押すだけで通信ができるようなものを開発いたしましたし、また、政府その他にお願いをいたしましてユーザーの方の負担を軽減するような方法において電話の架設を図るという方法を講じております。
  80. 片山甚市

    ○片山甚市君 そういたしますと、いま言われたことから大衆負担のいわゆる軽減を図っていくということ、これがナショナルミニマムに通ずると同時に、サービスの内容については後からも論じますけれども、私は具体的な提言、提案をしている。公社当局あるいは郵政当局、政府当局がこれにこたえてもらいたいと思うんです。  なかんずく、今回の料金値上げに関して、経営の民主化というものについて私たちは要求するのですが、今日の経営委員会のあり方についてあの現状でいいと郵政大臣は思っておられましょうか、お伺いいたします。
  81. 福田篤泰

    国務大臣福田篤泰君) 十分、その機能を果たしているものと考えております。
  82. 片山甚市

    ○片山甚市君 わかりにくかったので、もう一度お答えください。
  83. 福田篤泰

    国務大臣福田篤泰君) 十分、経営委員会としての機能を果たしておると存じます。
  84. 片山甚市

    ○片山甚市君 これは私の方から申し上げますと、小佐野賢治という人を選ばれ、そういう人が参加をしてまいった経過から言いましても、決して国民大衆に密着したいわゆる利用者を中心としたものでなくて、大企業あるいは政界が裏にあってやられておる、こういうように思います。ですから、この論争は後にいたしますけれども、何というても、いまの電電公社経営について民主化していくとなれば、経営委員会をいわゆる自立させる、経営委員会らしくさしていく、そして経営の内容をガラスばりにしなければならぬ、こう思っておるところです。  せんだって衆議院では議論をしたところ、結論的に言いますと、利用者の意見を聞く、こういうような御発言がありましたけれども、その趣旨はどういうことでありましょう。経営に関する内容について利用者の意見を聞く、こういうような御答弁がありましたが、それはどういうような方法をとられるつもりでありますか。
  85. 米澤滋

    説明員米澤滋君) お答えいたします。  この問題は、郵政大臣のいわゆる郵政省関係の問題と私どもの問題と両方あると思いますが、公社といたしましては、経営の民主化といいますか、経営をガラスばりにして国民の皆様によく理解していただく、あるいは電信電話を使うユーザーの方の御意見を反映するような仕組みを検討したいということを申し上げましたが、そういう線で進みたいと思います。
  86. 片山甚市

    ○片山甚市君 具体的なことはさらにお聞きすることにして、公共企業体と私企業との違いはどのようなところに違いがありましょう、郵政大臣にお聞きします。
  87. 福田篤泰

    国務大臣福田篤泰君) 私企業は利潤の追求が原則でございますが、公共企業体は、あくまで利益を追求するのではなくて、公共性を高く持たなければならないと考えております。
  88. 片山甚市

    ○片山甚市君 そういたしますと、電電公社が収益性、利益を追求することが中心であって、公共性あるいは福祉を追求することが十分でないということになれば、それに反することに相なると思いますが、大臣いかがでしょう。
  89. 福田篤泰

    国務大臣福田篤泰君) もし公社が利益の追求を主な目的としている場合には、これは確かに筋が違うと思います。
  90. 片山甚市

    ○片山甚市君 国民生活に電話がどのような影響力を持つかということについて、私の手元に家計に占める割合の資料があるんですが、これによりますと昭和四十六年にいわゆる九百六十八円、二十四度数。昭和四十七年に千百二十三円、これは四十六度数。昭和四十八年に千三百十四円、七十三度数。昭和四十九年に千六百十四円、百十度数ということで、加入基本料は八百円の計算になっておるところです。そういうような、いわゆる家計に及ぼす影響というのは大体一・二、総体の中で占めるようでありますが、このような電話について十分に今回の電話料金に関して配慮をする用意があるかどうか、総裁にお伺いします。
  91. 米澤滋

    説明員米澤滋君) 公社といたしましては、先ほど申し上げましたように、住宅電話につきましては基本料についてビジネス電話より七〇%、すなわち三〇%減にしているというその考え方を今回の法案におきましても引き続き採用していきたいというふうに考えております。  ただいま数字がございましたが、何といいましても今回の料金の値上げをお願いしておりますのは、従来の公社経営に当たりまして加入電話の増設を図っていく、いわゆる申し込み積滞をなくなしていくということにおきます拡張の過程におきまして、長期的にパーライン当たりの収入が減少してくる。そこへもってきて、まあ生産性の向上は図ってまいりましたけれども、オイルショック以来の大幅な物価高騰あるいはそれに伴うベースアップというものが原因でございますので、そういうことにおきまして電話を利用している加入者の方に御負担を願いたい、こういうことで政府にお願いをした次第であります。
  92. 片山甚市

    ○片山甚市君 いま私が申し上げたのは、国民生活に密着したものであって、電話はいかに生活必需品的に毎年増加しておるかと、こういうことを申し上げた。それにふさわしいような体制をとってもらいたいということであります。いまのお答えは、私の願っておることについて、公社経営施策、今後こういうふうにやりたいという話であって、私の言うことに答えておりません。  そこで、公社は公企体の立場として、それでは地域社会にどのような同意を得てこの事業を進めておるか、いわゆる地域社会からコンセンサスを得たような形で料金を決めるとか、施策を決めるようなことになっておるでしょうか、お伺いします。
  93. 遠藤正介

    説明員(遠藤正介君) 地域社会という意味がいろいろあると思いますが、はっきりした形でそういうものはできておりませんし、また、今後、利用者委員会と言われるもの、あるいはそういうユーザーの意見を聞くという形で私どももいろいろな方法を考えねばならぬということは総裁の話したとおりでありますが、現在の段階では、私どもとしてはできるだけ国民的コンセンサスを得るように努力はいたしております。
  94. 片山甚市

    ○片山甚市君 大体、公社は自分たちの関係をするところの者たちの意見は聞く、一般的に利用者という広範な層に問いかけて、自分たちがやっておる公共の福祉を向上させる、地域社会的な経済的な、いわゆる福祉向上を図っていこうという公社目的と違って、収益を上げる、すなわち日本の国の大企業を中心とする産業のための、事業用のための電話に終始してきた、そこに依存をしてきた。ところが、電話はどんどんつけていくことになった。すなわち加入債券、余り好きでない受益者債券といいますか、加入債券を法的に拘束させて、その金が入ってくるもんだから、それを種にして、それで大きく広げてきた、こういうことになります。  広げてくると必ずある一定の限界がくれば電話料がつじつまが合わなくなるということで上げられるということで、この数年、もっとさきからも、あんたたちは七円を十円にしたいという宣伝をしておったことは事実です。ところが赤字にしようと思ったらたまたま黒字になってしまって提案ができなかったり、計算し損のうて赤字が黒字になったりしたことはよくあります、これはいま始まったことじゃないんです。このオイルショック、四十八年、四十九年になって初めて七円を十円にしようというようなことを考えておったけども、それは昭和四十年代から、もっと早かったですわ、できるだけ早くやろうと思ったんだが、ついつい電話がどんどんどんどんとつく、債券が転がってくる、電話先ほど申したような形でかけてくれるということで、いわゆる自転車操業をしてもうけてきよる間に値上げする口実がつけなかった。いま日本の国は赤字にならなければこんなものは値上げささぬと、こういうふうになっておるんですから、おわかりですか。できるだけ値上げさすのには赤字がこれだけあるんだという宣伝をすることに一生懸命になられたように思いますが、政府あるいは総裁の方から何かお言葉があったら、それは違うというふうに説明してください。こんなことは言えないでしょうが、あなたたちに。
  95. 遠藤正介

    説明員(遠藤正介君) 加入者債はこれは建設資金の問題でありまして、赤字の問題は損益の問題でありますが、私どもとしては二十三年間料金を上げないできましたのは、その間に物価上昇あるいは人件費のいわゆるベースアップによる上昇がなかったわけではございません。それを、私どもは、しばしば申し上げておりますように、生産性の向上という形で吸収をいたしまして、やってまいりました。それが最近に至りまして、実は、オイルショック以前から公社のその限度がありまして、第五次五カ年計画の末期からはどうしても現在の料金体系では損益の収支が合わないのではないかということは予想しておったんでありますが、それが先般お話しいたしましたように、オイルショックによる物価の高騰等で二、三年早まった、これが私どもが今日法案提出をしておる理由であります。
  96. 片山甚市

    ○片山甚市君 語るに落ちるとはこういうことでありましてね、いわゆるいままでの説明はだ、オイルショックができた、何々ができたからわあっときたと、こう言う。計画的にずっとやってきたんだが、千載一遇でもうこういうインフレが起こってたくさん困ったということができたんで電電公社一緒になってやっておると、私はそう思います。悪意じゃないんですよ。いままで上げたかった、チャンスがなかった、ちょうどいいころに赤字が出てくれた、これはもう国会審議してもらいたいということだ、こういうふうに思います。これは一方的に言います。答弁は必要はない。してもらっても、余りにすれ違いだと時間の浪費。  そこで、そういうことでよくわかるんですが、実は、これからの公企体としてというのは、利用者の要求を取り入れるために、具体的には電気事業者がやっておる程度の、利用者の意見を聞くようなことを制度的にもやっていくように今度は心改められましたか。そうやって地域に固定させるというのは府県単位ぐらいになりましょうが、ブロックになりましょうが、とにかくそこの会社のエリア、電力は九つあります。その人たちの意見を——公聴会といっても審議会といってもいろんなことがインチキがあります。インチキというか、いいかげんな中身でありますから余り信用はできませんが、ないよりましだ。ところが、あんたのところは何にもない。郵政審議会というのがあって郵便料のやつはがちゃがちゃとやる、内容的には十分でありませんが。ところが電電の方のは何にもなしにずんべらぼうですっとここへきて、そしてとにかく二十時間、三十時間、四十時間議論したらこれで全部の意見が通ったことになる、こういうことではやはり電信電話事業国民の手に取り戻すということについて十分でないと思うんです。これは衆議院で議論をした上で——利用者委員会という言葉を言うのは一番おしまいにしますが、国民の声をそのようなことで具体的に今度は心を入れかえて聞いていくということになるのか、いや電信電話料金を何としても、ごり押しでもとは言わぬが、うまいこと自民党に頼んで通らす、通ったら後は野となれ山となれ、知らぬ半兵衛でいくのかどうか。それはひとつきりきりと返事をしてください、どなたか。
  97. 遠藤正介

    説明員(遠藤正介君) 簡潔にということでありますが、片山先生に一言申し上げなくちゃいけないと思うんですが、私どもは、この料金の案をやりましたときに、やはりいろんな形の団体でございますね、消費者団体とか、そこに私どもの方から出かけて御説明をいたしまして、決して知らぬ顔の半兵衛というようなことじゃなくて、そういうところへも出かけていきまして、できるだけ利用者各層の方の御意見は伺ったつもりでございます。  また、私ども、常時、電話局を中心にいわゆる利用者、ユーザーという方の御意見を伺うようにしておりますが、ただ、それが組織的に十分かと言われますと、確かに日常業務においては不十分な面もあろうかと思いますので、この点につきましては、これを機会に改めてそういうユーザーの声を組織的に聞ける道を、あるいは地域社会の声を組織的に聞ける道を考えていきたい、こういうぐあいに思っております。
  98. 片山甚市

    ○片山甚市君 郵政大臣公社当局はそういう涙ぐましいというか、いままで言ったこともないようなことを言っているんですが、制度的にそういうことができるように助言をし協力をしていただけますか、お願いいたします。
  99. 福田篤泰

    国務大臣福田篤泰君) 絶えず、やはり国民の意思を反映さすことが非常に必要でございますので、何らかの形で、何らかの組織でひとつ前向きに検討いたしたいと思います。
  100. 片山甚市

    ○片山甚市君 大臣が誠意をもってお答えをしてくれたものとして承っておきます。交通、水道、電気などがとっておるいろんな方法について最も電電公社でとるべき方法をよくお考え願って、国民から寸毫も、ちょっとも暗いところがある、おかしいじゃないかと言われないようにしておくことが公の企業を預る、お金を預り、人を預っておる立場から当然のことなんです。  そこで、実は、このように考えてまいりますと、電信電話事業の中ではやはり国民福祉というのが最優先議題であって、そのようなことをされて、産業の中に初めてそれぞれの事業用のものがあると思いますが、福祉を最優先にした今後の電信電話事業というものを考えていただける、いただこう、こういうようにお考えなんでしょうか。これは経営の当事者、総裁からお答えを願いたい。
  101. 米澤滋

    説明員米澤滋君) 特に、今後、そういう問題に重点を置いて処理していきたいと思います。
  102. 片山甚市

    ○片山甚市君 そこで、実は、国民のプライバシーに関する問題でございますが、これは少なくとも民間のデータもございます、しかし、ナショナルプロジェクト中心とし、国民の大変なプライバシーが含まれる要素がある一般のデータ通信について、これをプライバシーを保護する措置を公の機関である公共企業体として福祉という立場から十分に配慮されて、今後の通信行政についての万全を期していかれるかどうか、総裁大臣にそのお考えをお聞きしたいんです。
  103. 米澤滋

    説明員米澤滋君) 最初に私の方からお答えいたします。  公社といたしまして、データ通信業務をやっておりますが、これはいわゆるオンラインのコンピューター処理でありまして、オフラインのコンピューター処理は公社関係ございません。ところで、それに対しましてハードウエアの面とそれからソフトウエアの両面におきまして、そのプライバシー保護については万全を期していきたいと思いますが、政策問題その他につきましては政府からお答え願いたいと思います。
  104. 佐野芳男

    政府委員(佐野芳男君) いま公社当局から御答弁がありましたが、郵政省といたしましても、データ通信を所管する立場から主としてデータ保護対策の検討を進めてまいりました。なお、電電公社が提供いたしますデータ通信サービスのデータ保護に関しましては、今後においても、有効適切な措置を講じるよう指導していきたいと思います。
  105. 片山甚市

    ○片山甚市君 有効適切なということは、いわゆるそのプライバシー等基本的人権を保護するための措置について明確に努力をしたい、こういうことですか。
  106. 佐野芳男

    政府委員(佐野芳男君) 片山委員のおっしゃるとおりでございます。
  107. 片山甚市

    ○片山甚市君 そこで、いま申しましたような四つの問題について、私は、国民福祉の向上を初めとするナショナルミニマムの実現や、大衆負担の増大をせずにサービスの提供及び料金制度に関する不公正をなくするように努力をし、経営の徹底した民主化を図りながらも、国民の基本的人権であるプライバシーを守るようなことを今後の電気通信の中で特に留意をしてやってもらいたいということを言ったつもりです。  そこで次にお伺いするんですが、今後、公共企業体という制度から離れていかないで公共企業体を維持していくおつもりであるかどうかについて、わかったことでありますが、郵政大臣にお伺いします。
  108. 福田篤泰

    国務大臣福田篤泰君) 私も、そのように考えています。
  109. 片山甚市

    ○片山甚市君 世の中におもしろい人がおりまして、電話を九つか十に分けたら民営の会社ができて楽しかろう、金もうけができるだろう、情報公社をつくったり会社をつくればおれが天下りできるだろうという寝言を言う人がよくありますが、先ほども申しましたように、公共企業体というのは、いわゆる国民福祉を守り、社会的な経済的な弱い者を守っていくということでありますから、この体制を崩すことのないようにしてもらいたい。ところどころ間違って、労働者にスト権を与えるならば、その反対にいわゆる民営にしたらどうだなどと、厚かましくも国民を犠牲にするような寝言を言う者がおりますが、まさか自民党の人々でなかろうかと思うが、もうそんなことはやめてもらいたいと思う。  政府は、いままで言ったことから言って二度と民営などという寝言を言わないで、いまある公共企業体の、特に公社経営に対しての民主化を徹底して図っていくことが国民の期待にこたえる。公企体だからいいと言いません、公企体の目的を聞いたんです。いまの公企体の電電公社が全部そのとおりかといって聞いてない。先ほどから言うように、いわゆる大衆負担を増大させないようにどうでしょうかと言ったら、総裁は違う方向を答えなきゃならぬ、余り答えたら大変だから。ああいう答え方をするのは大体偉い人の答え方。われわれみたいな者が言うとつじつまが合わない。しかし、それを追及しておると時間がありませんから、間違っているということだけ言ってください。それで間違ってないというなら別に答えないで結構です。  ということで、まず、先ほど申しましたように経営の民主化を図ってもらい、特に電電公社国民経済の要請に対応し得る自主性をこの事業ではとってもらいたい。すなわち仕事をやっていくのに、経営をしていくのに自立的にやっていけるような条件を具備してもらいたい。日本政府からたくさんの重荷を受けたのにもかかわらず、そのために手かせ足かせとなって動かせないことがないようにしてもらいたい、こう思います。そういうことで、私たちは、いまある電電公社経営の内部についてこれから触れていき、健全な経営の基盤や不公正な料金制度についての改正の問題、提供される電気通信サービスのあり方などについてこれからお伺いをしてまいりたいと思います。  これまでが大体私たちの言い分。そうして私たちがいま電信電話事業に対する願いは、国民福祉であり公正な負担である、こういうように考える。公正でないということ、不公正である今日、それを改めてもらいたいということを申し上げます。  そこで事業の見直しのことで伺いますが、経企庁にお伺いするんですが、今回出されました料金値上げの前提となっておるところの公社の収支、投資計画は、新経済発展計画の一環として出されたのか、それとも改められたのか、こういうことについてまず経企庁からお聞きをします。
  110. 佐々木孝男

    説明員佐々木孝男君) 今回の経済計画は、前回の経済計画がつくられました後に石油ショック、不況がまいりまして、そのために前提が変わりましたために、五十一年度を初年度といたします経済計画をつくりましたのでございまして、これは別に値上げの前提になるものとしてつくったものではございません。
  111. 片山甚市

    ○片山甚市君 そうすると、この計画は、昨年のいわゆる見通し、ことしの閣議決定の五十年代前期経済計画という前につくられておると思いますが、いかがでしょう。
  112. 佐々木孝男

    説明員佐々木孝男君) いま申しましたのは、昭和五十年代前期経済計画の中で今後五年間におきます公共事業投資額の枠を決定したわけでございます。
  113. 片山甚市

    ○片山甚市君 電電公社予算参考書、日本電信電話公昭和五十一年度に書いてあるのは、いま言われたものを繰り入れて、それを参考にして決めたと書いてあります。それはどういうことですか。
  114. 佐々木孝男

    説明員佐々木孝男君) 経済計画におきましては、これからの五年間の公共事業につきまして国民生活を中心にして今後生活の質的向上を図るという立場から、それぞれの事業につきまして今後五カ年間、どの程度の事業量を確保することが必要であるかということにつきまして審議会で御検討いただき、御答申をいただきました後で政府で決定したものでございます。
  115. 片山甚市

    ○片山甚市君 そうすると、政府経済計画は見直され修正されておらないものであると、こういうふうに理解してよろしゅうございますか。
  116. 佐々木孝男

    説明員佐々木孝男君) 前回の計画は、四十八年から五十二年を対象にしてつくりました。四十八年の秋に石油ショックが起こりましたために、その分は改定されておりますけれども、今回の五十年代前期経済計画、五十一年から五十五年までの数字というのは、閣議決定されたままの数字でございます。
  117. 片山甚市

    ○片山甚市君 そうすると、修正されたものでやっておると、こういうように理解をしてよろしゅうございますか。
  118. 輿寛次郎

    説明員(輿寛次郎君) お答え申し上げます。  われわれのつくりました五十一年から五十三年度の建設計画あるいは五十一年度の建設計画といったものは、すべてわれわれが原案をつくりましたのは大分前でございますが、昨年暮れにいわゆる昭和五十年代前期経済計画の概案が固まりまして、決定を見たのは一月でございますが、その数字をもとに調整されたと聞いております。したがいまして、今回の五十年代前期経済計画等の中にいろいろ使われております指標は、そのまま予算あるいはわれわれの建設計画に入っているというふうに了解しております。
  119. 片山甚市

    ○片山甚市君 これは私の勉強が足りませんところですから、その間違いの地点を具体的に指摘できないこと、残念でありますが、これはまた同僚議員などが検討した上で、いわゆるこの修正されたものを基本にしてつくられた、それが五十年代前期経済計画、こういうものを借用しておる。それをうまいこと当てはめて、だから七兆円ほどの投資をすることになっておるんだから、電信電話事業に、当然だということでありますが、これについては勉強さしてもらって一まだ会期ありますから、この逓信委員会というのはゆっくりやるそうですから、時間があるようですから、やらしていただきます。これは私自身としては釈然としませんから置いておきます。  そこで、先ほどから総裁がうれしそうな顔をして一人暮らしの寝たきり老人の問題、身体障害者などのことについて御努力をしていただく話を聞きました。そこで、まず厚生省にお伺いするんですが、今日、一人暮らしの老人あるいは寝たきり老人などの方々、一人暮らしといえば大体六十五歳以上でよろしゅうございますが、その方々は合計何名おられるか。また重度身体障害者など、一級、二級の方はどのぐらいおられるか。この方々に対して、厚生省は昨年七千五百しかいわゆる福祉電話をつけませんでしたが、ことしもそれ以下か、そのぐらいにするつもりか、それとももう少しふやすのか、どれぐらいのニードといいますか要求があるか、これについて厚生省からお聞きをしたい。
  120. 坂本佶三

    説明員(坂本佶三君) お答えいたします。  先ほどお話ございました一人暮らしのお年寄りでございます六十五歳以上のお年寄りは、五十一年度で私ども六十二万と推計をいたしております。それから寝たきりのお年寄りでございます、この方も六十五歳以上でございますけれども、一応三十五万と、これは五十一年度でございますが、推計をいたしております。それから重度身体障害者でございますが、この方は十八歳以上の方でございますが、四十五年の時点で三十五万、トータルいたしまして百三十二万になろうかと思いますけれども、現在おられるわけでございます。  それから来年度、五十二年度の福祉電話の設置計画でございますが、昨年、五十一年度につきましては七千五百台一応予算がつきまして、来年度は一万台の増設計画大蔵省に対して提出しております。  私ども予算の基本的な考え方といたしまして、一人暮らしのお年寄り、それから重度身体障害者合わせまして大体六万弱、五万九千台が必要ではないかと、こういうふうに実は試算をしておりまして、現在、それに対しまして国とそれから地方公共団体単独の設置分がございまして、それを合わせまして二万二千台、その差額の三万七千台につきまして順次整備を図っていきたい。先ほどの一万台はその中に含まれる数字でございますが、そういう考えでございます。
  121. 片山甚市

    ○片山甚市君 六万をつけたい、これは大体いま言われた数の中で電話をいますぐ欲しいという方方の数でしょうか、それとも内容的にはどういうことになるんでしょうか。
  122. 坂本佶三

    説明員(坂本佶三君) 私どもの推計といたしまして、一人暮らしのお年寄りにつきましては、まず一人暮らしであって病弱、非常に体が弱い方、それからその中でも低所得の方、こういうふうなことで数をしぼっております。それから重度身体障害者につきましても、すでにもう電話のある方もいらっしゃいますし、そういう方を除きまして一応低所得ということで数をしぼりまして、それが先ほど申しました五万九千という数字になるわけでございます。
  123. 片山甚市

    ○片山甚市君 それでは電電公社にお聞きいたしますが、いまお聞きのように、いますぐにつけてほしいのは約六万人、六万個。そうすると、まあ総裁初めみんなが、なあんだ、もうからぬ電話をというような顔をするだろうと思うが、もうからぬというような考えを持ったら、先ほど言った公共企業体でなくなる。もうかる話じゃなくて福祉ですから、まず、これを最優先にしてもらいたいということを申し上げて、先ほどから言うたように、通信白書のところで昭和四十九年、五十年にそれぞれシビルミニマムであったり、あるいは生活必需品になったり、福祉が認められておるのでありますから、優先順位としてこれから電話をつける、こういうような御決意というか、いわゆる御努力というか、そういうことについての意思表明はできないでしょうか、総裁か、または担当の局長でよろしゅうございますが、お答えを願います。
  124. 遠藤正介

    説明員(遠藤正介君) これは別にもうかる、もうからぬということじゃなくて、先ほど先生御指摘のような精神から、これらの方々につきましては、現在、優先設置基準におきましても、またそれがなくなりましても最優先につけるように手配をいたしております。
  125. 片山甚市

    ○片山甚市君 いや、それはありがとうございます。  そこで、厚生省の関係は負担をするのは設備料ということに相なり、債券公社が無料化する、こういうことであって、厚生省はなぜ一万名になるかというと、大蔵大臣がこういう金は使っちゃいかぬと、福祉などに金は使ってはいかぬということで、一万個を要求しておるんだが、見込みがあるのかないのかわからぬということでしょうか、そういうことであるのかどうか。いわゆる後は電電公社が優先順位ですからどんどんやってくれますよ、金さえ出せばということに。そのときの金はその後から言います、この人たちに、電電公社に出せとまた言やいいんですから、いまとりあえずの方法として、その設備料の負担をこのぐらいの限度しかできないのか。六万名おるんですから、もう少しふやすように概算要求をする、概計要求をする用意はないか。厚生省がするつもりなければ電電公社やりませんから。どうでしょうか。
  126. 坂本佶三

    説明員(坂本佶三君) お答えいたします。  先ほどお話し申し上げましたように、われわれといたしましては大蔵省に対しましてその三万七千台のうちの一万、これを計画的に整備をする予定にしておりまして、その一万台をいただきたいと、こういうふうな基本的な姿勢予算要求をしておる次第でございます。
  127. 片山甚市

    ○片山甚市君 郵政大臣、いまお聞きのとおりですが、本来ですと官房長官か大蔵大臣か来てもらって、この二つの言い分——電電公社が優先順位で努力をしたいという、厚生省は一万個ほどとりあえずつけたいと考える、こういうことについては実現をできるように所管の大臣というよりもこの委員会の郵政関係大臣として御努力を願えますか。
  128. 福田篤泰

    国務大臣福田篤泰君) 二億足らずの予算では私は少ないという考えを持って、少しでも多くもっと予算を大幅に増額して福祉予算の拡充には全力を挙げる決意でございます。厚生大臣とも十分協議しまして大蔵省とも相談をする考えでございます。
  129. 片山甚市

    ○片山甚市君 一万個などというのは、六万個ほど欲しいという人々の要求からいえば非常に少ないことでありますから、私は賛成しておるんでなくて、とりあえず、そういうことについて少なくとも去年よりも具体的に一個でも多くなどと言いません、一万個以上になるように努力をするように要請をしておきたい。  そこで、衆議院の審議においても、いわゆる身体障害者などが使いやすい電話ボックスあるいは局舎の入口などについても改善をしたい、こういうようにおっしゃておるんですが、この改善の時期、大体。また、電信電話料金上がったら何でもできるというのかと、言えと、そんなこと言うておらぬのですから、これは先ほどから公共企業体として当然着手をしていくべき重要なことになりそうだ、それについていつごろから大体やっていく、こういうような決意といいますか、お考え、こういうことについて明示をしていただけば非常に結構ですが、公社当局、答弁お願いしたい。
  130. 玉野義雄

    説明員(玉野義雄君) 福祉関係には機器等いろいろございますが、先生ただいまおっしゃいました公衆電話等に車いすで入るようにするというようなのは、私どもは非常に遅まきではございましたですが、四十八年の九月から始めておりまして、五十年度末で約五千三百台ほどやっております。それで、これは地域の事情等もいろいろございますので、四十九年度には二千台ぐらいでございましたが、五十年度には三千台というふうにいたしておりますので、順次その数をふやしてまいりたい、こういうふうに考えております。
  131. 片山甚市

    ○片山甚市君 私が余りけちくさい話をしたから申しわけないんで、局舎などの改善についてはいつからやられましょうか。
  132. 長田武彦

    説明員長田武彦君) お答えいたします。  現在、窓口に車いすで出入りできますようなスロープをつけております局は、いま試行しておりまして、全国で約六局ほどございます。現在これの試行結果を見ますとともに、局舎が改造できるかどうか、その辺のいろいろ局舎の事情等も勘案しながら早急に検討したいというふうに考えております。
  133. 片山甚市

    ○片山甚市君 早急に、検討せずにひとつ、日時を余り私言いたくないんです。とにかく今年度中にちゃんとそういうことについて実施ができるように努力はできないだろうか。何月何日と言いません。今年度中に局舎についての大体大まかな、どのぐらいな局舎をどのようにやっていきたいというようなことについて決意をしてもらう、これだけの法案審議しておるのですから、ちゃんとしてもらわなきゃいかぬ。お答え願いたい。
  134. 長田武彦

    説明員長田武彦君) お答えいたします。  先生の御趣旨を体しまして、早急に方針を決定したいと思います。
  135. 片山甚市

    ○片山甚市君 それでは盲人用点字ダイヤルのことでございますが、現在開発されている末端器はどういう形になっておるんでしょうか。
  136. 前田光治

    説明員(前田光治君) お答え申し上げます。  現在、盲人用に開発し使われておりますダイヤルは、数字の穴の(3)と(6)と(9)のところに相当いたしましたところに扇形の棒状の突起をつけて、それに手でさわることによって穴の位置がわかりやすいようにしてございます。
  137. 片山甚市

    ○片山甚市君 これはお金がかかることで、研究をせなきゃならぬこといろいろありましょうが、私たちから言えば、比較的簡単で、全数字を点字用ダイヤルにしてもらいたい、これをしたいと考える。  というのは、御承知のように、騒音というか、耳の遠い人の電話「めいりょう」というのがあります。あれは騒音工場でえらい売れておるという話なんです。福祉のためにつくっておると思えば、工場でやかましいところで電話がよく聞こえるんですと、こういうように使っておるというようなことで、非常に私たちも福祉電話というものもおかしいところに使われるなと思いますが、そのことはさておいても、いわゆる全数字を点字で明示ができるようにならないか、技術関係でいかがでしょう。
  138. 前田光治

    説明員(前田光治君) お答え申し上げます。  いま先生前段におっしゃいました盲人用のダイヤルの件でございますが、先ほど若干私言葉が足りなくて失礼をいたしました。これの開発に当たりましては、盲人施設の御協力をいただきまして約十種類ほどのダイヤルをいろいろ試作をしてまいりました。これは先生おっしゃいましたように、ダイヤルの十個の穴の位置にそれぞれ別々の記号をつけるという案もございましたし、それから、われわれ目明きの者がいろいろと考えまして、二つおきにいぼをつけたものとか、その他十種類ほどつくりまして、実際に全盲の方々に御協力をいただきまして、どれが一番正確で使いやすくダイヤルができるかということを調べまして、盲人の方々の御意見伺いましたところが、先ほど申し上げました(3)と(6)と(9)の位置に長い扇形の突起をつけたものが最も使いやすいという答えが非常に多かったものでございますから、現在のような形のものを使っておるわけでございます。  それから、なお後段におっしゃいました騒音の高いところでの電話でございますが、実は、この難聴者用、聴力の低い方用につくっております電話機は、それ専門に使われるのが一番よろしいかと思います。それから、なお街頭の公衆電話機そのほか騒音の非常に高いところで話がしやすいように設計してあります高騒音用の送受話器というのがまた別途ございますので、騒音の高いところにはそういうものを使うように設計し、品物が供給をされているように存じております。  以上でございます。
  139. 片山甚市

    ○片山甚市君 盲人の方々がこれでいいと、こうおつしゃつておると言われる限り、私からとやかく言いませんが、これは後日私の方も関係団体がありますから、よく調べて、意見としてそういうことになるかどうかということに対しては確めたい。  さて、いわゆる私たちは福祉サービスについてはやはり人手によるものが必要だと思う。せんだって、私、この逓信委員会で、この人々に対して電電公社がいわゆる手動交換の方式で人を配置してサービスを提供するようにしたらどうかと、こう言いましたとき、遠藤総務理事であったと思いますが、関係の者に十分に検討さしてみて、そういうことが可能であれば努力したいという意味のことを言われたように思うんです。しかし、今日の電話運用の状態、いろんなことを考えますと、公社がこのぐらいの人を割いてサービスをしたところで電電公社の運用がつぶれるような時代でないということですね。私がわからぬと思うからそんな顔をしておるけれども、わかっておるんです。だから、この機会に人手によるところのいわゆる福祉サービスについて検討してみる、いませいと言いません、これは大変むずかしいことです、そういうことについて電電公社がこの機会に努力をしてみるような気持ちはないだろうか、担当部局長からとりあえずお答えを願いたい。
  140. 遠藤正介

    説明員(遠藤正介君) 御趣旨に沿って検討いたします。
  141. 片山甚市

    ○片山甚市君 そこで、私は、先ほど申し上げた中で、経営の民主化についての話をしていきたいのですが、独占企業である公企体のあり方を見直すために、国民、利用者の意見を十分に反映する立場で郵政大臣並びに総裁の私的諮問機関等の設置について、前向きに検討すると衆議院でお答えをいただきました。私は、この諮問機関等の設置について、いつごろから——私的諮問機関ですから、これ公的だったらなかなかむずかしいんですよ、私的ならやれるんですから。厚生大臣なんかばかすか好きなだけつくってやっていますね。私はもともと所属は社労委員会ですから、何とかかんとか言えばすぐにやって機敏に対応していますね。こういうときでありますから、郵政大臣並びに総裁がいわゆる私的諮問機関としてつくられ、経営に関する諸問題のうち、先ほど申しましたような諸問題、基本的なことです、について、その改善方法を論議をしてもらいたい、こう思いますが、いかがでしょう。
  142. 米澤滋

    説明員米澤滋君) 新年早々にはぜひやりたいと思います。
  143. 片山甚市

    ○片山甚市君 そこで、私は、先ほど経営の民主化ということを言いました諸点についても、可能な限り民主的な——可能な限りと言うと語弊がありますが、民主的な幅広い、利用者や働く人々などという者も入れて、偏った、通称学識経験者、ああいうりっぱな人ばかり集めてするの好きですが、あの人たちもりっぱな意見ですから、そういう奉るような間違いのないことを言うこともよろしいが、ときどき庶民として間違ったことを言うても、これが間違いでなくて正しいという庶民のこの間違いを聞いてもらえるようにひとつお願いをしておきます。これは希望です。なかなかみんなきっちりした学問があったり経験があったり、一かど自分の言ったことを訂正できないほどいわゆる理論を持つ人が集まってくると折り合いがつかない。ところが、庶民という者、利用者というものは素直にそういうことが言えますから、そのあたりで数多くと言いませんが、そういうことをやられるときには、政党的な配慮とか何とかじゃなくて企業に対していわゆる民主的なものを要求する人たちの意見を知ってもらいたい、こういうふうに申し上げておきます。  さて、せんだってお答えをいただいておるところの利用者の意見を聞くことですが、これはどうもPRの場所にしたいというような聞こえ方がするんですが、これに反対をいたしまして、利用者の意見というのは、消極的でなく積極的に聞き出すようにしてもらって、この利用者の意見というのは、常設的に設けてもらいたい。いわゆるそのときそのときぱっぱっと来て、行方も知らず、ただ言いっ放しというんじゃなくて、そういうようにしてもらいたいと考える。その中で実は電電公社が今後計画しようとすることや今日のサービスのこと、また現在払っておる利用料金のことなど利用者から御意見など承る。あなたたちがよくやる手ですが、これ在庫だとかビジネスホンとか、こんなものを売るために集まってくださいという利用者はありませんよ、差し込み電話とか、こういうふうなんじゃなくて、いわゆるごく本当にいい意味で御意見番というか、忌憚なき、限りなく電話を愛しておる、自分が使っておる利用者の意見を聞いておこう。それをいわゆる大臣は、職掌柄、経営委員会はりっぱですなどと言ってくるんです。りっぱなものか、と思ってます。そんなりっぱだったらこんなことにならぬ。もっと早く言わにゃいかぬ。経営委員会が何も言わぬとやっとるというふうに感じます、言うとるつもりでしょうが。五人で経営ができると、大変りっぱです、三十二万もおる会社の経営について。それはそうでしょう、総裁が書いたり副総裁が書いたりみんなしたやつをぱんぱんと盲判を押すんか知らぬけれども、何をするか知らぬけれども、知ったような顔してつくしかない。これは失礼でございますが、さぞかしいまの五人の人がこれを聞いたら、何あのわけのわからぬ国会議員の端くれがと言うかもわからぬけれども、私はそう思います。  私は、こんなんでも飯食ってきたんです。なかなか中におってもわからぬ。まして経営大綱を見とるといっても、わかりませんから、私は後から言う経営委員会の刷新の問題、いわゆる民主化の問題については後で言うとしても、利用者の意見を聞く委員会については常設的に、しかも積極的に、その意見を求める内容というものは建設計画のようなもの、先ほど北原総務は、私の意見ですが、ファクシミリを、どうぞ七円を十円にして金をようくもうけたらやりまっさと、こういうふうに言うとるが、ああいうどぎつい言い方を市民にしたら、はいそうですかということになるかどうかわかりませんが、あなたの夢ですから、技術屋というのはそんなことを言うのが仕事ですからね、言うのはあたりまえです、それだから自分の——おかに上がったかっぱでしょう、技術屋が技術がなければ、あんた、ただの人ですからな。それはわかるけれども、こうしよういうように考えておった計画を大体わかってもらう、利用料金はこのように使われておると。私鉄でも見なさい、小まめに車両何ぼつけました、線路はどないしました言うて、うまいこと値上げしょうと思うたらどんどんしょるんや。あんなことではだめです、あんなことしてくれ言うとるんじゃない、あんたたちは宣伝をこれだけするんですから、これ金あって。もう頼まぬでも宣伝をしまくるところの電電公社、つぶれないと言われる——つぶれないと言われるが、つぶれないとまでははっきり言いませんが。  そういうことでありますから、ひとついまの経営の民主化の一つの柱、利用者に対して意見を置く、こういうことについて、私が申し上げたことについて、言葉の端々は別として、物の考え方とあり方について、具体的な入れ物について御意見をお伺いしたいと思います。御答弁を賜りたいと思う、どなたか、総裁どうですか。
  144. 米澤滋

    説明員米澤滋君) ただいまの御趣旨も十分くみ入れまして、具体的にどういう形にするかは内部でもう少し検討さしていただきますが、一月、新年早々には発足させるように進めたいというふうに思います。
  145. 片山甚市

    ○片山甚市君 実は、公社が清水の舞台から飛びおりるようなつもりで、経理の公開等の問題について、五大紙のメディアを通じて報告をしていくことによって市民に電信電話事業の現状についてよくおわかり願い、御批判を賜りたいという意味のことを衆議院の場でおっしゃったように漏れ承っておると思います。  そこで、大体、私はそういう場合に、少なくとも全国的に言えば私企業でも有価証券の報告がありますから、その程度のものはまずあるでしょう、それを詳細な報告書をつくってやってもらいたい。皆さんの方はこういう広告をしておるし、広報費というのは、もう今度値上げ攻勢の広報費は要らぬのですから、あれだけ値上げをするための広告費を思えば安いものでございますから、これをひとつしてもらいたい、こういうふうに思います。  その場合に、先ほど地域的構成と、こう言いました。地域とは何かと、こう言う。私が申し上げるのは通信部単位ぐらい。東京、大阪ですとちょっとむずかしゅうございましょう。管理部ということについてはむずかしいかもわかりませんが、府県単位で言いますと、府県単位ぐらいのいわゆる現状について、そしてもう少し粗く言いますと、もう一つの舞台は通信局単位ぐらい、そして全国がマクロ的にと、こうなります。あんまり全国のやつをきちんと見て、御家庭の御婦人が、私らの嫁さんというか家内というものがわかるというのはむずかしい。やはり市民がわかるというのは自分の知覚がわかる、それからいいか悪いかという議論をして最終的にマクロ的に達する、こうなる。五大紙のメディアを使ってやられると言われておるんでありますから、私はそういうような御努力を上に上を重ねて、お互いに内部牽制もそうですが、外からもそういう経営について発表するということが布石になるんです。そういうような御努力を試みていただけるものと思いますが、いかがでしょうか、どなたか御答弁願います。
  146. 遠藤正介

    説明員(遠藤正介君) これは先ほど総裁お答えしました利用者の意見を聞く方法とうらはらになりますが、やはりこれにつきましても先生のおっしゃることよくわかりましたので、私どもとして実現できるように研究をいたします。
  147. 片山甚市

    ○片山甚市君 いま遠藤総務理事のおっしゃったことは、この人が言えば間違いないという定評があるんですから必ずやってくれると、こう思いまして確認をしておきます。  で、実は経営委員会について、私たちが民主化、是正を言っておるのは、経営委員長に来てもらったらわかると思いますが、とにかく経営についてタッチをしチェックをする方法についてどのような方法があるのか、これが一つであります。で経営の強化のうらはらとして、私たちは経営当事者としての責任として、いまのような状態の中で経営がうまくいきますと。この言葉、非常に悪いんですが、経営委員会総裁、副総裁を御推薦することになる。総裁、副総裁にすれば経営委員という人に対して物を言うことは大変これ当たりさわりのあることでありましょうから、このあたりの問題が経営委員は電々公社経営者を本当に内閣に推薦する最も大きな権限を持つわけです。ですから、その人の選ばれ方というのを郵政大臣せんだって、私たちが小佐野さんについて——小佐野さんというか小佐野という人になるか、これを信任しないというか就任をお断りしたいと言ったのが強行したですね。ああいう事態があるということは、私たちとしては、メンツもありましょうけれども、いわゆる三十二万の職員を抱え、先ほど言った関連業者を言えば七十五万か、電電を入れたら百二万か三万の人たちの従業員だけでもそう。で加入電話が三千百万人の通話のことを預かるのにしては、大変、五人で足りると思うし、そしてときどき来てわかるというのは、天才的なまことに優秀な方が毎日来ておってもわからぬだろうと思うんだが、毎日来ておる総裁の方がどういうふうにされておるのかと思いますから、経営委員会については郵政大臣から、私が申し上げるようなことが解決するように、大臣としては御配慮を賜れるかどうか。いわゆるいますぐにどうせいと言ったってこれはできません。そのかわり私の方は衆議院の方でも管理委員会の問題を出しておるわけです。それについていわゆる有識経験者を含めた労働者や市民やそういう者たちを入れた管理委員会をつくってチェックするようなことをしてもらいたいと、こう言っておるんですが、それはなかなか屋上屋になっていまの経営委員会をどうするかと言ったってお答えをしていただけない。  これ以上詰めてもだめですが、私の方は、いまの経営委員会では日本電信電話、情報化社会におけるところの事業に対して責任を持つようになっていない。非常駐でできるという考え方は間違い。常駐だっても人を選ぶ方法について大変むずかしいことだと思う。こう思いますから、これについての御所見を郵政大臣から賜りたいと思います。
  148. 福田篤泰

    国務大臣福田篤泰君) 御趣旨の点につきましては、十分あらゆる条件を検討しながら検討さしていただきたいと思います。
  149. 片山甚市

    ○片山甚市君 まあ郵政大臣そっけないお言葉でないと無理でしょう。いまは三木さんの方も揺れておるし、いつ内閣やめるかわからぬようになっているから大変ですなあ。  実は、今度発表される経理内容ですけれども、原価とその算出というものについてこれは大変総合的にやっておるんだということで、特に遠藤さんあたりからもお話が、また経理局長の方からお話があったように思いますけれども、この場合、算式、原価、これはどういうような算式でこれを出してある、原価はこういうことなんだとわかってもらうことは、あなたたちの大好きな受益者負担のどこに負担がかかっておるかということがよくわかる。わからさずにおいて結果論的にこれが責任者だ、これが犯人だ、これがこうなんだと、何にもわからぬが一億総ざんげで全部責任はとれと、こういう言い方になってはいけませんから、原価を発表したらそれで済むんじゃありません、福祉のことでありますから。また誤解があってはいかぬですよ。福祉問題でありますから原価一点張りに言いませんけれども、原価が出せるように工夫をしてもらい、そして算式を明示できるようにしてもらえぬだろうか。こう思いますが、非常にむずかしいことですが、これは大変むずかしいこと。質問している側がむずかしいと思って言っておるんですよ。だけど、むずかしかったらやらぬでいいんだったらこんなもの出しなさんな。遊んでおったらいい。どうでしょう、お答えを願いたい。
  150. 遠藤正介

    説明員(遠藤正介君) これは先生も百も御存じのように、電電公社は従来総括原価主義で電電公社一本として原価を計算し収支を立ててまいりました。たしか昭和四十九年からこれを五大業種に分かちまして、これもいま申されましたように大変むずかしいし、それからある大胆な前提を置いて五大業種についての原価と収入関係を決算時に公表するようにいたしてまいったわけであります。いまさらにそれを細かく分けまして、いま先生御指摘のようにユーザーのお使いになる各種の端末ごとの原価を出しますとか、あるいは各種の利用品目ごとの原価を出すということは、これはちょっと考えましても人件費あるいは資本費用なんかの割り振りなんかにしましてもこういうネットワークでやっておりますものについては大変むずかしいことはもう先生みずからおっしゃっておられるとおりでありまして、私どももできればそういう形で利用者にわかっていただければ一番いいんでございますが、かえってあんまりやりますと誤解を生む点もございますし、まあ御趣旨を体していろいろ研究はいたしておりますが、いまここでできると言うことはなかなかむずかしいと思います。しかし、やはり将来問題としては先生の御趣旨もよくわかりますので、また私どももそういうことができれば一番いいことでございますから、なお研究を続けさしていただきたいと思います。
  151. 片山甚市

    ○片山甚市君 それじゃ電気事業が発表する程度の内容の発表はできませんか、電気事業が出しておる程度の内容では。わかりませんか。
  152. 遠藤正介

    説明員(遠藤正介君) 実は、不勉強で電気事業でどういう程度のものをお出しになっているか、恐らく通産に認可申請をされるときの資料だろうと思うんでございますが、私どもはいまここではわかりませんが、そういう研究の中で専門家もそれはもちろん研究していると思いますので、十分検討さしていただきます。
  153. 森中守義

    森中守義君 ちょっと関連。  いまの原価の問題、ちょっとやっぱりそれだけの御答弁では質問者も得心いかないだろうし、私も得心いかない。  改正案の七十一条の専用回線の条項で、原価を下回らない範囲で低料扱いしてよろしい、こういう改正案になっておりますね。したがって、その一本化された原価といういまお答えがあったようですが、あの中に正確に原価を下回らないという言い方をしている以上は原価に数字があるはずです。そのことを出してこなければ一これは専用回線の低料扱いという意味としてはわかるんです。つまり放送であれ新聞であれ、こういう意味でわかりますが、原価を下回らないというのは、原価というのはやっぱりあるだろうというようになるわけです。その点をちょっと、はっきり原価というのはどういうような仕組みになっているのか。電信も電話もあるいはデータもそのようなものも全部合算をして原価が出ているのか、個別原価になっているのか。その辺の原価の出し方もう少し質問者にわかるように説明を願いたい。私もいまの答弁ではちょっと合点がいかない。
  154. 遠藤正介

    説明員(遠藤正介君) 決算上は電電公社全体のいわゆる総合収支で出しておるわけでございます。しかし、それを先ほど申し上げましたように、四十九年から五業種に分けて、それぞれの業種別に原価と収入とそれぞれあれしているわけでございますが、その問題がいまの七十一条の専用線の原価と関係があるわけでございまして、五大品目と申しますのは電話事業それから電報事業それからデータ通信それからもう一つ何でしたか、加入電信ですか、それと専用線とこういうぐあいになっておりまして、七十一条の法律で決められております原価は、専用線につきましては四十九年から公表いたしております。これは法律ができましたときから内部的にはつくっておりましたんですが、全体として一本じゃなくて五種別に分けまして、いまそのようなことで公表を四十九年からやっておるわけでございます。
  155. 森中守義

    森中守義君 ちょっともう一問。  そうしますと、遠藤さんね、やはり電信も電話もデータもそれぞれ個別の原価を出しているんですか、そうなってるの。それが第一点。ちょっといまのお答えでよくわからない、総合原価主義なのか個別原価主義なのか、それをはっきりしてもらいたいですね。  それから、いま一つ、四十一年以降とこう言われるけれども、原価はやっぱり変動するんじゃないですか。約十年間ですね、いまの説明からいけば。十年間も原価を固定したもので専用回線料が決められる、その他のものがそれを基準にして決めていかれるというのは、原価のたてまえからしてもちょっと得心がいかない。たとえば経営指数が変化するとか、あるいはそのような経済事情の変動等によって原価というのはやっぱり変化する、ローテーションをどのぐらい見るかというのはあるでしょうね。しかし、十年間も全然動かさないで固定した状態で原価を決めておくというのはちょっと問題があるでしょう。その辺私もよくわかりませんね、いまの答弁では。
  156. 遠藤正介

    説明員(遠藤正介君) いま言葉が足らなくて大変申しわけないんですが、私が申し上げましたのは、四十九年度以降毎年いまの五種別、いま先生御指摘の専用線について申し上げますと、専用線については個別の原価が毎年違います。人件費が上がりましたり、物価が上がりましたりして、それを毎年出しておるわけです。
  157. 森中守義

    森中守義君 ちょっともう一問。  いまのお答えからいけば単年ごとにやっぱり出しているんですね。それならば話はまた別ですが、四十一年以降そういう措置をとった、単年ごとに原価算出をやっていると、こういうように理解していいですね、いまの説明からいけばね、それならわかるんですよ。  ただ、私は、その原価というのが、二年とか三年とか、所定のローテーションを置きながら出されていくべきものだという、そういう認識を持っているんです。それならば、これはむしろあれじゃないですか、専用回線に限らず、部門ごとの原価を一度出してみたらどうです。われわれそれ見たいですよ。
  158. 遠藤正介

    説明員(遠藤正介君) 私どもはずっと前からそれはやっておりましたんですが、四十九年から公表し始めたと、はっきり対外的に発表したと、こういうことを申し上げておるわけでございます。したがって専用線の原価は毎年の原価がはっきり出ております。ただ、私が先ほど申し上げましたのは、たとえば専用線の中でまた細かく分けます、A回線については幾らと。これはなかなかむずかしいんでやっておりません。
  159. 森中守義

    森中守義君 だから、部門別でいいわけだ、個別原価主義ということですからね。
  160. 片山甚市

    ○片山甚市君 いま原価の問題については、森中委員が言ったように、善処してもらう。(「善処じゃない」と呼ぶ者あり)いや、出してもらう。  それともう一つは、電気事業がやっておる程度のことば、調べてそのとおりやってもらいたいということです。もう一度お答え願います。
  161. 遠藤正介

    説明員(遠藤正介君) いまここで私はよく中身はわかりませんのですが、電気事業関係をよく調べまして、私どもとしてできるだけそれと同じようなものができるようにいたします。
  162. 片山甚市

    ○片山甚市君 で、森中委員の言ったことについては出していただくことになり、私が申し上げたことについては検討することにしておきます。  そこで、今回の経営の原則的なものについては、先ほど公共企業体制度の維持をしていくと同時に、公共企業の原則に立って経営の民主化を図っていき、国民経済の要請に応じる、いわゆる対応し得る自主性の確立を私どもが申しましたし、健全な経営基盤の確立をしてもらいたい、こういうことを言ってきました。そこで公企体について、国鉄、専売、こういうふうにあるわけですが、このいわゆる公企体に対する国の責任というのはどういうことになっておるんでしょうか、郵政大臣にお伺いします。
  163. 福田篤泰

    国務大臣福田篤泰君) 公共事業として独立採算がたてまえは御承知のとおりでございます。したがって必要な経費はやはり受益者負担、利用者の負担というのが基本的なたてまえでございます。国鉄と電電とは赤字の問題も性質が違うようでございますので、公社としては、原則として受益者負担という形でまいりたいと思います。
  164. 片山甚市

    ○片山甚市君 いま国鉄の例を出されたわけですが、公企体について国の責任というのはどんな責任を持つのか。公企体がいわゆる独立採算をするとか、受益者負担にするとかいうのは、それは公企体の話です。国はどんな責任を負うのですか。
  165. 福田篤泰

    国務大臣福田篤泰君) 公共企業体が円滑に使命ができまするように、法律上の権限に基づいて監督してまいりたいと考えております。
  166. 片山甚市

    ○片山甚市君 大臣はそういうことしか答えられないようだから、そばについておるのに言われたことだけ答えるんだったら、もうよろしいです。私はあまりしつこいのできない方ですから、もうあきらめました。もう本当にばからしいという気持ちになってまいります。  そこで、いわゆる国鉄に関する問題ですが、衆議院の附帯決議を見ると、過去債務を積極的に処置すること、あるいは地方交通線の運営費の欠損について一段と助成措置をとること、運賃上の公共割引をそれぞれの政策実行部門の負担とすることなど、三つの問題提起をして附帯決議をしておるところです。そこで、赤字の内容によって違いがあるというように、私が聞かないうちから予防線を張っておるのを見ると、よほど電電の問題はあるようですが、これはどういうことでそういうような、先ほどの問いもせぬうちからお答えが出たんでしょうか。私がいま言いました三つについて、電電も、公共企業体に対する国の責任として今日的に措置すべきものであろうと思うが、いかがでしょうか。   〔委員長退席、理事茜ケ久保重光君着席〕
  167. 松井清武

    政府委員(松井清武君) 先ほど大臣の答弁にもございましたが、電電公社経営に当たりましては、独立採算制をたてまえとして、受益者負担の原則にのっとって処置すべきものであるというふうに考える次第でございます。  今回の場合の電電公社状況というものをみてみました場合に、今回の法案成立によりまして料金改定をすることによりまして、収入が、赤字が回復するというような状況でございまして、いわば一時的な収入欠陥を生じているというような今日の状況におきましては、国のそういった財政的な助成というものは必要なかろうかと思っております。
  168. 片山甚市

    ○片山甚市君 そうすると、国鉄のように、もう死に体というか、動けなくなった形になればカンフルみたいなものか何かしらぬけれども少しやろうけれども、ちょっとしてやれば何とかなるところでは、国は受益者負担という名前で大衆収奪をすることによって逃げ切りたい、こういうように考えておるということで御答弁としてよろしゅうございますか。
  169. 松井清武

    政府委員(松井清武君) 国鉄の財政事情につきましては詳細は存じておりませんが、すでに年々の赤字につきましても、十数年来赤字を継続しているというふうに聞いておりますし、その繰り越し欠損額におきましても公社とは比較にならぬ膨大なものであるというふうに聞いておる次第でございます。今日の電電公社におきまして、そうならなければということではなくして、そうならないように早急に措置してまいらなきやならないというふうに考えております。
  170. 片山甚市

    ○片山甚市君 まあ幾ら言っても、国鉄に対する附帯決議はいわゆる国鉄のいまの状態に合わしてつくったものであって、電電はそれほどになってないから電信電話料金をうまいこと値上げして乗り切れと、こういうことだという答弁だと存じます。納得しませんが、次の項に行きます。——納得しませんが次の項に移るというのは、そう言ったってあなたはそれ以上の答えはしないことになっとるんでしょうから。この間、森中さんの質問に対して大臣がふにゃふにゃ言えば、あんたも言いよる、このために半日もかかったけれども、まだ解決せぬ。それと同じ内容だ。  公共企業体に対する責任というのは独立採算でないんです、あのね、国民福祉なんです。シビルミニマムだったりナショナルミニマムだったりする問題を、福祉をどういうようにするかということでつくっとるんでありまして、金が帳じり合うかというようなことを先に決めてないんです。金の帳じりは合わすほどよろしいから、しなきゃならぬことは事実ですが、後の話です。あんたたちは金をふんだくってうまいこといわゆるばらまく話ばっかしですね。こういうようなことについて私は納得しません。といいますのは、電信電話事業は国にとっては重要産業ではないと郵政大臣は考えられますか、お答えを願いたい。
  171. 福田篤泰

    国務大臣福田篤泰君) お尋ねの国鉄の衆議院の附帯決議関連した問題でございますが、これは何分にも電電と国鉄とは環境、沿革、財政状況も非常な相違点もあることは御承知のとおりでございます。しかし、電電公社にとりましても、国鉄のこのたびの附帯決議については十分やはり他山の石として参考に、考慮に入れるべきかと思います。同時に、いま御指摘福祉その他の、公共性とは違った意味のまた重点の仕事がありまして、この点も十分考慮すべきだろうと考えます。
  172. 片山甚市

    ○片山甚市君 国は、電信電話事業について、公共企業体に対して重要産業だと考えておるかどうか、通信事業を、お答えを願いたい。
  173. 福田篤泰

    国務大臣福田篤泰君) そのとおりでございます。
  174. 片山甚市

    ○片山甚市君 それならば、日本電信電話公社は昭和五十一年度の財政投融資として幾ら国から財政的ないわゆる資金に対する保障をしてもらっていますか、国の責任を負うていますか、お答えを願います。
  175. 松井清武

    政府委員(松井清武君) 財投につきましては四百三十億でございます。
  176. 片山甚市

    ○片山甚市君 電電公社は四百三十億円要求したところ、四百三十億円いただいたというように理解してよろしゅうございますか。
  177. 好本巧

    説明員(好本巧君) 五十一年度の予算要求につきましては、電電公社は、財投といたしまして一千三百億円を要求いたしました。
  178. 片山甚市

    ○片山甚市君 大臣、公共企業体で特に福祉中心にした事業だと先ほどあなたたちと私と確認しながら、民間の企業には金を出せる、産業界には。しかし、電信電話公社がこのときには三千億円程度の赤字になるだろう、こういう年ですね、予算を組んだときは。そうだったでしょう。その時分に電電公社が千三百億円要求したら、もらったものは四百三十億円程度。何が重要産業ですか。もう一義的に自分が直接やらなければいかぬ仕事、国の仕事、公共企業体という形の行政でありましょう、企業でありますが。ならば、こういうような片手落ちについては納得できません。  われわれ見ておると、電信電話事業が非常に軽く見られておる。金をふんだくれ、早く電信電話料金値上げせい、もっと赤字をつくった方が早い、こういうようにうそぶいておるように聞こえます。だから、事ほどさように電信電話に対する問題は国が大衆負担のもとに大企業のために奉仕をしておることに相なる、こういうふうになります。これについては意見を求めません。どうせそんなことどうかわからぬ、答弁をしない。  そこで、いわゆる経営の基盤の安定を図るためには、公共的責任を全うするため、国民生活の維持向上、福祉の充実のために必要な建設においては、建設資金が不足する場合は国が負担をすることにし、利用者の負担の公平を図るために産業用サービスの建設に必要な資金は、利用者の負担を——あなたの大好きな烏帽子みたいな利用者負担、受益者負担、この産業用ですよ、利用者負担の原則を確立すること。そういうようになりますと、まず電電公社がよって立つところは何かというと、ナショナルミニマムというか福祉でありますから、福祉に関する限りは、これはまず国が責任を持つことになる。その次に産業用の電話については、原則としてユーザーが負担をすることになる。その次に国策的な立場のプロジェクト、たとえばIBMに対応するようなコンピューターの問題、データ通信の問題などを国がやらしていくとすれば、当然、これは国が負担をすべきだと思います。  これについて受益者負担ですから、益があるのは国でしょう、国策というのは国でやるんですな、国策というのは国ですよ、国が負担するんだ。それから福祉というのは何もとんでもないところでするんじゃない、社会的に経済的に組織としてやるんでありますから、電話賃から取るなどというようないじましいことをせずに、ちゃんと負担をしていく。こういうようないわゆる経営の基盤の三つの柱——福祉については国が、産業用については受益者負担のユーザーが、国策におけるところのいわゆるプロジェクトなどについて、これの必要なものについては国が負担をする、こういうように考えるのでありますが、それについては御首肯、うなずいていただけましょうか、お伺いいたします。
  179. 松井清武

    政府委員(松井清武君) 電報電話業務のサービスにつきましては、原則として受益者負担でいくべきであろうというふうに考えております。ただし、先ほど来話がございますように、社会福祉の観点からの福祉電話の設置等につきまし七は、一部国の助成も行い、かつまたそれを拡大していこうと考えている次第でございます。
  180. 片山甚市

    ○片山甚市君 だから、あなたたちは産業資本の手先というんか、大企業の手先というんか、大金持ちの手先というんか、ロッキードたぐいになりますよ。産業用のことを聞いておるでしょう。受益者負担なら、はっきりそれだけ言うてください、これからは産業用はユーザー負担にしますと。  わかりますか、あなたたち受益者負担言うから、一般論言うたらあかんよ、私は分けたんだから。受益者負担というようなことをあなたよう使うから、好きだから、ならばこの言葉はお返ししよう。産業で使って産業でもうけておる、これについてはお支払いしてくれますな、そういうふうに払わしてくれますな、資本家から取り立ててくれますね。まさか使ってない一般電話から取り上げるなとということはいたすまいと思う。——いや、あなたに聞いておると違う、原則の話よ。あなた仕事はわかりはせぬのだから、断る係だから、大臣にかわって。御苦労ですが、ぱっと立って言うてください。
  181. 遠藤正介

    説明員(遠藤正介君) 私どもがいま監督官庁の郵政にお願いをいたしておりますのは、先ほど申し上げましたような福祉関係電話につきましては一部国が負担をしていただきまして、公社の財務に影響のないようにしていただくということが一つでございます。  それで、いま資金的なお話をされておるものと理解をいたしまして、産業用の設備についての資金の調達についてのお話だろうかと思うんでありますが、それでありますれば、私どもとしては、現在の拡充法の中におきましても、産業用の——産業用という言葉自体で表現されるかどうかわかりませんが、受益者負担を産業の場合には産業用として端末機その他に見合った加入者に引き受けていただく、こういう形をとっておるわけでございます。それは私としてはやはりいま先生のおっしゃった産業用のものは産業用で資金を負担するということになろうかと思うのであります。つまり一般の電話の資金をそちらの方へ回さないという意味であります。
  182. 片山甚市

    ○片山甚市君 いや、御答弁はその限りにおいてはよろしいから、私、資金のことを言ったんじゃなくて、産業用に利用しておるものはコストとして当然受益者負担ということでかけてもらいたい。なかなかそうならぬようになっていますから、後から言いますが。とにかく電信電話事業の大半がだれに奉仕をしておるかということははっきりしておるんですから、けしからぬ言うておるのと違うんですよ、現実そうなんだから。ですから、いまのように産業用というものの原価を出してもらえば、原価を割り当てて負担をしてもらうようにすることが私はいまの赤字問題の解決の一番大きなもとだと思いますから、その資金というよりはユーザーが当然原価として負担すべきだと、こう考えます。  そこで、国、地方公共団体の債券の免除をしておるんですが、これは昭和二十八年以来今日まで幾らの総額、何万個の電話になるかお伺いします。わからなかったらいいですよ、質問通告してないから。
  183. 玉野義雄

    説明員(玉野義雄君) 五十年度末で考えますと、老人電話、それから身障者電話と合わせまして一万五千ございますが、これにつきましてすべて債券免除をいたしているわけでございます。
  184. 片山甚市

    ○片山甚市君 お聞きしますけれども、文部省から厚生省から全部ある電話昭和二十八年から以降つけた電話、それしかございませんか。  私が聞いておるのは、債券を免除しておるのは国、地方公共団体しておるんでしょう、その総数。金持ちの国とか地方自治体とかが債券を買わずに、その金を金がないという者から取るというのはおかしいじゃないか。債券を買えぬほど貧乏じゃないですよ、公共団体や国は。当然、福祉のために使うのでしょう、そのかわり。あなたは資本家のために使うからだめです。それをどうですか、これ昭和二十八年から今日まで公共団体につけた電話統計がありますか。
  185. 玉野義雄

    説明員(玉野義雄君) 過去から全部のはございませんが、最近のでちょっと申し上げますと、官庁その他も全部入れますと四十八年度で約三十億でございます。それから四十九年度で二十億。五十年度で約三十億円でございます。
  186. 片山甚市

    ○片山甚市君 私はお金のことは余り聞きたくないんです。まず官庁とか、国や地方公共団体が持っておる電話というのは、それは債券を買わなくてよくなっておるのだが、全部で幾らあるのか。いままでどれだけ免除したかということの昭和二十八年から今日までの累積を聞いたんですが、これないということです。  そこで、政府当局にお聞きするんですが、それならば、そのようなことについては、とりあえず、今後、福祉関係以外は債券の免除をしない、こういうことが当然であろうかと思いますが、いかがでしょうか。先ほどナショナルミニマムになる福祉電話以外は債券を免除しなくてもよろしい、こういうことで考えてよろしいかと思いますが、松井監理官、好きだからあんた答えますか、大臣にかわって。いや、答えてほしくないんだけど、大臣は所用ですから、答えてください、松井監理官、あんた書いてあるのを大体みんな読んでおるんだから。
  187. 松井清武

    政府委員(松井清武君) 国、地方公共団体につきましては、従来から債券が免除されております。
  188. 片山甚市

    ○片山甚市君 免除されとるから、やめたらどうだと言うんだよ。そんなもの、いま七円というんだよ、電話は、それをここで勝手にやね、十円にしょか言うとるんやから、こんな勝手に言うところには——勝手いうか、みんなで決めるんやから、これ反対、賛成で変わるんやから、そうでしょう、私が賛成するか反対するかで変わるようなもんですから。あんた、そんなこと言うて、わかっとるよ、そんなことは。子供じゃねえんだよ、これで飯食ってきてるんだ、それで。国とかそんなとこに安くこれだけ免除できるんなら、がたがた言わんと六万本ぐらいの電話をつけたれと言うんだ、わからんかね。厚生省のあれ、金があるでしょう、あの一万しかつけぬというやつね、やったらいいじゃないですか。わかりますか、わからぬでしょう。あんた官僚で答えるのやけど、先ほど自民党の最上先生ですら、こんな官僚的答弁はかないませんねと言うたけど、私は通らぬよ、あんな紳士と違うんやから、殿様の子供と違うんやから、ちゃんときりきり答えてください。   〔理事茜ケ久保重光君退席、委員長着席〕
  189. 松井清武

    政府委員(松井清武君) その問題につきましては、今後、検討してまいりたいと思います。
  190. 片山甚市

    ○片山甚市君 いや、それでもうよろしいです。検討してください。後でまた同僚の案納委員などがよくお聞きをする機会もあろうかと期待をしています。  そこで、電電公社は装置産業でございまして、金の要る商売でございまして、電気はちょっとしか使いませんで、好本総務理事のごときは〇・何%の電気代ぐらいしか要りませんで、いや減価償却などは安いもんでございましてと、先ほど頼まぬことを非常に宣伝をしてくれました。それほど金が要るのをわかっておるんでありますから、それならば政府当局、電電公社ともにお聞きするんですが、大蔵が来ておれば大蔵でよろしいが、長期低利の債券または借入金の保証をやってもらいたい。  昭和四十三年四月十九日、物価安定推進会議の指摘によりますれば、建設投資は料金引き上げ以外の調達方法によるべきだという指摘をしております。これは日本政府がつくった会議でございますが、それにのっとってみても、この際、長期にわたるところのお金が要るんでありますから、少なくとも十年なり十五年ですね、早くて。いわゆる耐用年数を二十年にすれば二十年という月日がかかるんでありますから、そうでございましょう。耐用年数に応じた長期の低利のお金を借りなければならぬ、こうなりますが、こういう保証をせずに料金に全部ゆだねるということについては納得できないんですが、長期低利債券あるいは借入金というか、そういうものについての保証をすることによって料金値上げについての一定の歯どめができる、こう思いますので、当局の御答弁を賜りたい。
  191. 好本巧

    説明員(好本巧君) 御指摘のように、長期低利の資金を調達することは最も望ましいことでございます。ただいま政府当局から、いわゆる財政投融資の中の政府引受債券あるいは拡充法に基づくところの加入者電電債券、それからその他の特別電電債券、外国債の保証付債券等々、日本国内の債券金利と比べますと、非常に低利のものを御配慮願っておるところでございますが、まだこれで必ずしも私どもは十分だとは思っておりません。特に財政資金の調達はきわめて金利が安うございますし、多々ますます弁ずでございますが、財政当局も非常におのずから限界がございますので、まあいままで以上に要求をしてまいりたいと思います。
  192. 片山甚市

    ○片山甚市君 じゃ財投千三百億円頼めば四百三十億円もらって、ありがたいと思っておる程度ならそれでいいじゃないですか、値上げなどせずに。国の責任はと聞いたわけです。責任というのは口だけ出すんと違うんです、ちゃんと。何もこれは国庫負担をせいと言ったんじゃない。先ほどの話は、郵政はどんなことを答えたかというと、国が負担すべきですねと、こう言った、受益者負担だと寝言を言いよる。産業用について言えば、またあんなことを言いよる。当局が見かねてまあ何とかという答えをした、こういうような形なんです。  いま私がお聞きしているのは、好本総務理事が言うように、ないんです。安定して一本で、計画はわかっておるんでしょう、七兆円の投資をしていいと書いてあるのが今度の政府経済計画じゃないんですか、そうですな、先ほど経済企画庁の人が来たときに聞いたら、ぬけぬけと言っておったんでしょう。それならば、それに該当するものについてはよそからうろうろ借りなくてもちゃんと国がめんどうを見るぐらいは国の責任じゃないんですか。これ金もうけをしているから腹が悪いんじゃないんですか。いわゆるぼろもうけをしようと思う者がおるから、よそから金を借りなければならぬのじゃないですか。国民福祉のためが中心であり、日本の国の通信の安全を保障し、公平なサービスをしようということで、どこにも日本の国にあまねくしようとすれば、これは当然日本の国の防衛上から言っても、でれっとして寝言ばかり言って、くそにもならぬものを買おうとしている、何を言っているか。もう少し国民大衆の声を聞いてやらなければ何もなりません。  長期低利についての問題は、お金を借りるのじゃないんです、国の保証の問題を言っておるんです。手段については、あなたの、中身はいいです、これから八分か七分五厘かは低利だと思っておるそうですから、これはもうよろしいけれども、けど、そういうことにならぬでしょう。もっともっと物価を安定させようとすれば、そういうところの金利をできるだけ少なくして国が負担すべきじゃないですか。私はお金の負担をしてくれと言っているのじゃないです。先ほど経営安定というのは、少なくとも福祉については国が負担をすべきだ。産業用はもうけているんだから、もうけている人が出したらよろしゅうございます。そのかわり国の政策でNASAと同じような政策を持つならば、当然、コンピューター作戦を持つ、情報作戦を持つならば、これは国が出すべきではないでしょうか、こう言った。  それに対して政策らしい政策で答えずに、現状の官僚答弁をして、国会議員というのは大多数が時間が来たらやめるだろうと思っている。今度はやめませんよ、時間があるんだから。私の方だけで二十何時間か三十時間あるんですから、ゆっくりゆっくりやる、まじめに。三日やったって困りはしないから、楽しいんだから、申しわけないけれども。  それで、この問題についてわれわれは胸を張って電気通信産業というか通信をこれほどにしたという充実感がある、私自身にとっても。ですから、何ということだと、インフレを起こし何を起こした結果、値上げですべて解決しようとしているのかと、こうなる。ならば、その前に、国は責任をとって長期の低利資金を安定的にちゃんとできるようにすべきだと思う。先ほど大臣おらぬときに非常に失礼なことを言ったんですが、大臣おらなくても松井監理官がやるよと言ったけれども、それはちょっと訂正しておいて、いまの話について大臣は私の長期低利債についてそういう政策をとる方がいいかどうか、私はとるべきだ、とってもらいたい、こういうように言っておるんですが、お答えを願えるでしょうか。
  193. 福田篤泰

    国務大臣福田篤泰君) 国の法律上の問題でありますが、先ほどお答えしたとおり、福祉関係はこれは当然やっておりますし、しかも、これを大幅に今後も額を伸ばしていきたいと考えております。  ただ、もう一つ質問の、いわゆる国の政策に関する面について、関連のあるものについて国が考えるべきじゃないかというお尋ねでありますが、これはかって森中委員関連質問とも最も関係がございますし、ただいまいろいろ前向きで検討中でございます。お考えとしては、十分、私ども理解できる問題でございます。
  194. 片山甚市

    ○片山甚市君 私の不注意で聞き漏らしましたから、一言、長期低利債については、私の申し上げたことは理論としてわかるから検討するというようにお答えを願ったと思ってよろしゅうございますか。
  195. 福田篤泰

    国務大臣福田篤泰君) 私は、理論として納得いけるものと考えます。したがって、それに沿って具体的内容を検討させていただきたいと思います。
  196. 片山甚市

    ○片山甚市君 そこで、これから核心に入ることになるんですが、支出についてのことについてお伺いをしたい。  負担の公平の原則、さらには資材を有効的に利用する立場から、先ほど最上委員も言っておりましたが、省資源、省エネルギー、こういう立場から考えてみても、私たちは減価償却の算定方法並びに設備等の耐用年数について抜本的に見直す必要があると考える立場であります。理由は、いわゆる経営基盤の確立とともに、関連して明確にしたい一つがいま申しました減価償却制度であります。  わが党は、長期にわたってこの点をあなたの言うように主張してきましたし、衆議院でも、さきの本院の逓信委員会でも指摘されておるところですが、もし私たちが申し上げておるところの建物、工作物を含め機械設備等のすべての固定資産について定額法で試算をするとなれば、五十年度で減価償却引当金は幾らになるでしょうか、まず計数的にお伺いしたい。
  197. 好本巧

    説明員(好本巧君) 五十年度の私どもの現行の算定によりますと、七千四百億円の減価償却費でございますが、これをすべての資産を定額法に改めた場合、いろいろ計算ございますし、また、ただいま詳細な数字は持っておりませんが、大体二五%から三〇%近くの変動があろうかと思います。したがいまして二千億円程度の差異が出てまいるのではないかというふうに思います。
  198. 片山甚市

    ○片山甚市君 そうすると、概算的に言いますと、いまの減価償却の半額程度の数字で当てはまることができると理解してよろしゅうございますか。
  199. 好本巧

    説明員(好本巧君) 約二五%から三〇%ぐらい減るのではないかと思われます。
  200. 片山甚市

    ○片山甚市君 そうすると、いま御答弁いただいたように、機械設備の減価償却については、いまのところ定率法をかえる意思がない理由は、北原さんがおっしゃったようなファクシミリとかテレビ電話とか、いろんなものをこれからつくるし、基礎工程でいろんなものをつくりたいので金が要る、電話も買いかえをする、こういうことでますます金をつくりたいので必要だということのようであります。  そこで、機械設備の耐用年数全般について見直しをするという意味のことを、衆議院の逓信委員会で御答弁をしておるようでありますが、それは本日のお話と若干違うように思うんですが、どういうことなんでしょうか。
  201. 好本巧

    説明員(好本巧君) 衆議院の逓信委員会でも御答弁いたしましたし、当委員会でも答弁いたしましたように、いわゆる規定されたところの耐用命数と実存寿命というものがぴったりと合っているかどうかということを検証吟味するのは二、三年に一度ずつ過去やってまいりました。四十九年度以降もやっておりまして、それは先ほど答弁いたしましたように、ほとんど合致しておるということでございます。今後とも、吟味検証を続けてまいりたいと思います。
  202. 片山甚市

    ○片山甚市君 家庭用の電話機だけ言いますが、耐用年数が来たら取りかえていますか。
  203. 好本巧

    説明員(好本巧君) お答えいたします。  家庭用電話、事務用電話ともに規定しておりますところの耐用命数、たとえば九年が参りましたら直ちに取りかえるということはいたしておりません。
  204. 片山甚市

    ○片山甚市君 六割にわたるところの電話機が耐用年数をいわゆる確実に実施をせずに使っていただいておる。これは表に見えるものです。ですから、家の中のものはもっとでありますが、そういうことを言うと、おまえ見てきたのかと言うと、まだ見てきてないからそれは言いませんが、これはやはり耐用年数というのは何といっても目に見えた電話機だけでも納得できないようなこと。せめて、私は失礼な言い方ですが、うそでもはたから見てもわからぬ程度のうそをつかないと、これはちょっとひでえじゃないかと、こういうふうに思う。  そこで、建物、工作物について定額法を採用するという意味のことをおっしゃっておるようでありますが、これはいつから実施をする予定に考えられるか、お答えを願いたい。
  205. 好本巧

    説明員(好本巧君) 建物、工作物につきましては、できる限り早く実施いたしたいと思います。ただ、これは個別にコンピューターに投入いたしまして、投入いたしますのに相当時間がかかりますが、投入いたしますと非常に後は事務的作業は簡単でございます。これは相当急ぎましても、五十二年度からということはとても無理かと思いますので、五十二年度をまたがって準備いたしまして、できるだけ早く実施したいと思っております。
  206. 片山甚市

    ○片山甚市君 二つのことをお聞きしました。機械設備の耐用年数の全般について見直すことについて、いままで三年ごと、四年ごとにやっておるんだから、それはやってみようということでありますが、それは耐用年数を実際に近づけたい、こういうことと同時に、いままでは設備投資をするための減価償却を積み立てるために耐用年数を引き下げてきた、短縮してきた、これを改めてもらいたいという意味であり、それからいま申しましたところの工作物等についての定額法については、技術上五十二年度から五十二年度にまたがると、こういうお話でありますが、その方があなたは一円でも余計もうかるということでありましょう。もうかることならあしたからでもやるんですが、そうしたら余りもうからんからだと思う。こういうのは不誠実ということになります。  そこで、機械設備についてなぜ定額法で困るのか。これは先ほど最上委員お答えをしておりましたが、もう一度私からお聞きをしたいのであります。
  207. 好本巧

    説明員(好本巧君) 不誠実というお話もございましたが、公正妥当な減価償却をするというのが私どもの義務だと思いますので、間違いのないように個別の投入をするのに若干時間がかかりますので、できるだけ早くやりたい。五十三年度までという意味ではございません、できるだけ早くということでございます。  それから機械、線路の方が大体八〇数%を占めておりまして、建物、工作物は一〇数%の構成比でございます、金額におきましては。なぜかと言いますと、先ほどお答えいたしましたように、総合償却と個別償却があることはすでに御案内のとおりでございますが、個別償却でございますと、定額にいたしましても公正妥当なものが、ちょっとややこしゅうございますけれども、絶対自信を持ってやれる。しかし、総合償却で定額法をやっておるということになりますと、これはほとんどこういうことをやっているところは少のうございますが、非常に過小償却あるいは過大償却が出てくる。総合償却の場合は定率でとっておりますと自動調節機能が働きまして、そういうことがなくなるというのが最大の原因でございます。
  208. 片山甚市

    ○片山甚市君 減価償却に関することは、もう一度私は念を押してお聞きすることになるので、いまはここでおいて、もう一度言います。  もう一つは、無形固定資産ですが、ソフトウエアが五十年度末三百十六億円と年に八十三億円も伸びておりますが、掲示されておりますが、この内容はどのようなものか。無形固定資産の耐用年数はどのぐらいにしているのかについてお答え願いたい。
  209. 好本巧

    説明員(好本巧君) 五十年度の決算におきましては、無形固定資産は正味で六百億円強だと思います。いま御指摘になりましたように、一番大きいものがコンピューターのソフトウエアでございまして、その次がいわゆる地上権といいますか、共同溝とか橋梁添架の地上権、地役権、そういうものを締めて六百億円ばかりでございまして、耐用命数はソフトウェアの場合は八年でございますが、共同溝等は四十八年とか四十三年とか相当長期なものでございます。
  210. 片山甚市

    ○片山甚市君 そうすると、これによっていわゆる取得したものが償却できない、損をするというようなことになってない、こういうふうに理解をしてよろしゅうございますか。
  211. 好本巧

    説明員(好本巧君) そのとおりでございます。
  212. 片山甚市

    ○片山甚市君 そこで減価償却が支出の三二%を占めておるという実態について、これは率で言うべきで一三%と言うべきだと、こういうようなことを言っておられますが、しかし、総費用に関する限りは、これは収支に非常に大きな関係が出てくるものと思いますが、私は、この予算を考えるときに、装置産業だということで非常にたくさん財産を持っておるものが、それに輪をかけるとなれば、当然、他よりも多くの費用の支出を求める。そのために他のものを圧迫する、こういうことになっておる。そのために耐用年数を圧縮させる、あるいは定率にしておる、こういうふうに考えますが、これを改める用意はございませんか。
  213. 好本巧

    説明員(好本巧君) 減価償却は、御案内のように、会計事業年度に対する費用の配分でございまして、取得価額を配分するわけでございますから、耐用命数が正確でございますれば、会計記帳上非常に公正妥当なる表現をするわけでございます。  いま御指摘になりましたのは、耐用命数をもう少し長くする見直しはどうかという御指摘は、私は二つあると思います。先ほど先生がおっしゃったように、現在、郵政大臣の認可を得て決めておりますところの九年とか十年とかという規定上の耐用命数と実存寿命との差をなくしろということが一つ。それからもう一つは、現在、線路、機械その他の施設が耐用命数がわりに短いように思うからもっと長くしたらどうかという御指摘じゃないかと思いますが、実存寿命を長くしますとコストも下がるわけでございますが、そうしますと非常にコストが下がるようでございますけれども、いわゆる技術革新によってサービスグレードをただいまのように維持することができるかどうか、また、そういうことによって資源の利活用、資源の寿命を長くするという非常にメリットがございます反面、また修繕費が非常にかさむ、そういうこともございますので、そういう建設投資の内容にわたってもう少し寿命が長くなるような建設投資計画を考えたらどうかという言うた御指摘ではないかと思いますが、これはいわゆる耐用命数は結果に出てくるものでございますので、私どもは出てきた実存寿命というものを正確に踏んまえて、そういうふうに会計上記帳するのが正しいと思います。
  214. 片山甚市

    ○片山甚市君 そうすると、昭和五十二年には完全充足をすることに計画はなっておる、こういうことでございますね。で、いままでから言うと、設備投資を必要としたのが、つけてくれつけてくれという電話があって大変だということを言ってきて国会に対して説明をしておったんでありますから、完全充足後では、いまのようなことを言っておるけど、具体的に定率の問題について、アメリカのATTもイギリスの郵電公社もございますが、検討してみる。いや、先ほどから言うておるようにファクシミリを三百万個つけたいとか、北原さんがおっしゃるような式で。いやテレビ電話をおもしろく伸ばしてみたいとか、こう言えば金は足りませんけど、私が言うのは、福祉という立場から言えば、そういうことについてどうなんでしょうか、いわゆる完全充足時にいまの定率を定額にできるかどうか、そういうことについて見直してみる、こういうことの御検討を願えませんでしょうか。
  215. 好本巧

    説明員(好本巧君) お答えいたします。  完全充足時といいますよりは、むしろ完全充足いたしましても毎年二百数十万の新規需要が出てきますし、三千万を超える電話のシステム、ネットワークを維持してサービスを現在の程度、あるいはそれ以上に維持改善してまいるというふうなことでございますと、それからまた、御案内のように一年間で一千億円を超える支障移転といいますか、道路等の他律的な原因でわが固定資産を撤去しなきゃいかぬというのが現在一千億以上超えておりますが、こういうふうな社会的環境条件が将来相当変わってまいりましたときには、当然、検討すべきだろうと思います。
  216. 片山甚市

    ○片山甚市君 いや、何というてもこの際は金がうんと入ってくるような仕掛けをやめたくねえと、こういうようなお考えであるということには変わりはない。いわゆるATTとかイギリスとかいろんなことを考えてみても、定額でやれておるのは、何もアメリカの場合は日本よりサービスが悪いからでなくて、いままでよかった、追いついてきただけでですね、それはアメリカには特別の抜け道があるんだと言った、先ほども。定額などと言っておるけど、うまいこといわゆる耐用年数などを、悪い言葉で言ったらごまかすというか、脱法するようにしてあるんで吹っ飛んだという言い方でありますが、それは私は納得できません。いま電電公社がそれほど一生懸命やったって、それはほめてくれるようなものじゃないんです。あこぎに大企業のために奉仕をしても遊離するだけで、一つもかわいがってくれません。  国民は、御承知のように、これからつける電話というのはあなたがおっしゃるように八〇%、あなたが使わないとおっしゃる、憎たらしいとおっしゃる電話ですよ、いや、いま六〇%です、家庭用電話、それを八〇%にする、使わない電話に何で設備が要るんですか。ちょっとおかしいですね。少し算術ができて、いや数学じゃなくて、できてもわかるはずです。後でまたむずかしい話をしますけれども、このぐらいの入り口で、これは納得しないということで。そして完全充足後に将来は見直していくというように確認をとりたいんですが、私は何が何でも減価償却費が高いから引き下げろと言っておるんじゃないんです。定率でしなくても定額にして安定成長だというんならごまかせなかった。もう少しゆとりを持って百年の大計をとるようにしてやらないと、三年か四年かがたがたして、いつも拡大何年か計画をやってそのあげくの果てがこのざまだ、そうですね。昭和四十五年に拡充七カ年計画をやった、夢のごときビジョンも出た。しかし幻のごとく消えたと言わぬが、大変なことであります。  あるときに皆さんがおっしゃったように、借金をした分の返しが大変になりませんかと言ったら、そんな金一千八百億や二千億円ぐらいの金利ぐらい大したことないですなどとおっしゃっておったのは公社じゃないんでしょうか。いまごろになってわずか千八百億円ぐらいのいわゆるお金が足らぬからと言って上を下への大騒動をしたようなかっこうをするのは納得しかねる。お金ですから、私は一千八百億円という金見たことないから、本当に自分が個人で持っておれば大変でありますが、そういう意味で、いまもう一度総裁に、減価償却の問題については、いわゆる投資全体の問題との関係がある、これから技術革新に使うお金との関係がある、これは電話でございませんよ、新しい機械を売りつけるためにお金が要るんでありまして、もっと皆さんのために便利にしたいと言っているけど、果たして便利にしたいと言っておるかどうか、末端の利用者委員会か何か開いてしてもらうと大変よくわかると思うんで、いま申し上げましたところの定率を定額に、こういうことについての見直しが、いわゆる完全充足時に、また後に検討してもらえるかどうか。私は余り約束せよとか言っておらぬですよ。やはりこれだけの野党の諸君の意見のあるときに、われわれの庶民の代表である野党の言うときには、やっぱり自民党の皆さんが言うことと違うんで、一味違ってお聞き届けをするのがあなたたちの職務じゃなかろうか。自民党ばっかり見ておったってうまくいきませんよ、どうなるかわからぬ、これからの世の中。ひとつお答えができればお願いをする。
  217. 米澤滋

    説明員米澤滋君) お答えいたします。  将来の拡張計画の問題で何かファクシミリばかりクローズアップしてきたようでありますけれども、私は、ファクシミリの大きさというのはそう大したことないんで、ただ、そういうものが必要であるということは認めますが、電話と比べてファクシミリがそんなに拡大するとは全然考えておりません。  ところで、完全充足後の問題でございますが、なお引き続き二百五、六十万の電話を架設いたしますが、完全充足後の適当なときに、この原価償却制度というものは検討をいたしたいと思います。定額法につきましては、なおいろんな定額法がございまして、時間があれば申し上げますけれども、省略いたしまして、検討いたします。
  218. 森勝治

    委員長森勝治君) ただいまより十分間休憩をいたします。    午後五時八分休憩      —————・—————    午後五時二十二分開会   〔理事茜ケ久保重光委員長席に着く〕
  219. 茜ケ久保重光

    ○理事(茜ケ久保重光君) 委員会を再開し、質疑を続行いたします。
  220. 片山甚市

    ○片山甚市君 それでは料金体系ですが、衆議院の審議の中を通じてもそうでございますが、事業用と福祉と住宅の三つの種類に体系を変えて、福祉の料金の水準は国民の負担の増大をせず解決をする立場から設定するように申し上げました。それについては公社当局の方では、世界にそういう類例がないけれども検討したいということでありましたが、当委員会で、そのことについてナショナルミニマムの立場に立って抜本的に事業、住宅、福祉の三つの体系を検討していただけるかどうかお伺いしたいと思います。
  221. 遠藤正介

    説明員(遠藤正介君) 衆議院でお答えしたとおりでございます。
  222. 片山甚市

    ○片山甚市君 それを、先ほど申しましたけれども郵政大臣並びに総裁の私的諮問機関等で御議論を願い、できるだけ実りのあるものにしていただきたいと存じますが、いかがでしょうか。
  223. 福田篤泰

    国務大臣福田篤泰君) さように存じております。
  224. 片山甚市

    ○片山甚市君 債券あるいは設備料を含めますと今日の電話料金は高過ぎる、こういう見方をしておきたいのです。なぜそう言うかというと、七円の電話料は、御案内のように、電話交換手がおる前提の電話でございました。それから、先ほど説明があったように、加入者から相手の加入者まで心線を使って通話をするものであって、今日のようなマイクロ・同軸のような安価なものでございませんでした。しかも、その七円というのは事業用を中心とした電話であったために、至って福祉の側面は電信電話事業に関する限りは薄かったと思います。これに加えて、国鉄は、御承知のように、身体障害者に対する無料のパスを発行したり、あらゆる公益の面で国家的な奉仕をしていることは御承知のとおりです。  そういう意味で、先ほどから私は、国鉄社会的に必要としたものについては、その政策上のものは政策決定をしたところで払うようにという三つのいわゆる附帯決議案、三項目がございましたように、にわかに広げることについてここで言うのではありませんけれども、しかし、いまの電話というものについては、あくまでも七円というものがあるのはすべて電話交換をすること、人を間に置くことを前提としたものであって、ダイヤル化したときの七円でない。そういう意味で、二十三年間据え置いたということだけがすべてりっぱなことだというわけにいかない。その間における目覚ましい技術革新というものはわれわれが想像する以上のものだと、こういうように考えますが、いかがでしょう。
  225. 遠藤正介

    説明員(遠藤正介君) 七円に単位料金改定いたしましたのは昭和二十八年でございますが、当時から、このダイヤル通話は約四〇%ございます。全部が全部交換手を通じてやる通話じゃございません。そういう意味から申しますと、別の見方をいたしますと、そのころの七円の通話というものは、一本の電話からかかる相手がせいぜい二百万加入ぐらいだったと思います、まあ百五十万加入ぐらいだったと思います。今日は、御案内のように、一本の電話からかかるのが自動という形で三千数百万の人にかかるというその中身、あるいはその故障の度合いでございますとか、あるいは電話機で聞こえる感度の問題でありますとか、そういうサービス面を負担いたしますと、私は、やはり日本の昔と比べましても、また今日の外国の同レベルのサービスをやっているところと比べましても、決して高い料金とは考えておりません。
  226. 片山甚市

    ○片山甚市君 それでは高いか安いかというならば、個別サービスごとの問題として、この十円にする電話料のコスト、原価はどのくらいで、その算定方法はどういうようにしたのか、お示しを願いたい。
  227. 遠藤正介

    説明員(遠藤正介君) これは先ほども申し上げましたように、電話事業全体としてとらまえております、五大部門のうちの電話事業全体として。たしか五十年度の決算で電話事業の収支率が一〇七%になっておりまして、つまり百円の収入に対して百七円の経費がかかる、こういう営業係数になっております。それで個別にそれを度数料、基本料という分け方をいたしませんで、外国と同じように、基本料と度数料両方でこの一〇七%の係数を改善して一〇〇以下に持っていくと、こういう形にいたしております。
  228. 片山甚市

    ○片山甚市君 七円を十円にするということになれば、やはりその原価を明示しなきゃならぬ。そういう意味で、個別サービスごとではその根拠さえ説明ができない、こういうことでは納得できません。  そこで、先ほど他の委員がお聞きしましたが、公衆法第七十一条に言う、原価を下回らない範囲というものがありますが、それならば専用回線の料金の原価はどのようになっておるのか、原価を示していただきたいと思います。
  229. 遠藤正介

    説明員(遠藤正介君) 現在、五大事業品目の中で、五十年度の決算では先ほど申し上げましたように四品目、つまり電話、電報、加入電信、データ通信いずれも一〇〇を上回る係数でありまして、言うなれば赤字であります。これに対して専用線のみが係数としては六七ないし六八の係数でありまして、いわゆる黒字でございます。この六八の係数が、一応、七十一条に言う原価に該当するわけであります。
  230. 片山甚市

    ○片山甚市君 そうすると、認可料金については、法定料金にリンクするものは法定料金と同水準とするように衆議院での御答弁がありましたが、いつどのような形でこれを明示されることになるんですか。
  231. 遠藤正介

    説明員(遠藤正介君) 自動電話改定をされました後、ごくわずかでありますが、手動の通話料がございます。こういったようなものはうらはらの関係でございますので、自動通話料の実施と同時に、郵政大臣の認可をいただけるように取り進めたいと思っております。  それから、ただいまの専用線のような問題は、これはやはりうらはら——直接のうらはらではございませんが、やはり中身におきまして距離の関係あるいはその他の関係で通話料と関係がございますので、これは早急に五十一年度中に改定郵政大臣に認可申請をしたいと思っております。——失礼、五十二年度中に実施をしたいと思っております。
  232. 片山甚市

    ○片山甚市君 そこで、五十年の七月に、専用回線についてはいわゆる最高のところで約六〇%程度切り下げということになりました。その他は均衡がとれたということでありました。均衡がとれたならば、今回、一緒に提起する必要があると思うのです。そうせなければ、専用回線はいまのような形でいけば不公正が拡大する、こういうふうに考えますが、それらについての専用料金についての改正をこの機会にやるべきだと思いますが、いかがでしょう。
  233. 玉野義雄

    説明員(玉野義雄君) 専用料金につきましては、先生御承知だと思いますが、四十六年に一度近距離につきまして二・四倍改定をいたしておるわけでございますが、さらに五十年度の七月に近距離を大体二倍程度やりまして、それから遠距離の値下げといいますか、これをやりまして、全体的には約四%の増収になっておりますが、このほかに、先生先ほど触れておられました一般新聞の割引がございましたが、これを修正しまして、新聞を二五%、それから警察を五〇%引きに修正いたしたわけでございます。  そういう関連がございますので、五十年七月に改訂したばかりでございますので、ある程度期間を置くことが必要なのと、もう一つは、先生御承知のように、情報化社会の進展に伴いまして、専用につきましても従来音声が主体でございましたが、音声ではございませんで、ほかにファクスとかディジタル、こういうのがどんどん出てまいりますので、ディジタルと音声、ファクスというようなものは性質も違いますので、その辺の体系をもう一度整備したい、こういうふうに考えておりますが、その辺の体系整備にやはり研究を要しますので、それで五十二年度中というふうに申し上げたわけでございます。
  234. 片山甚市

    ○片山甚市君 それでは、専用料金については五十二年に改正をすることになる、一年おくれだ、こういうことになりますが、これはそうだというように納得できませんが、しかし、先ほど申しましたように、法定料金にリンクされる手動通話などを含めて、これが公正な形で検討されるかどうか、私たちは見守りたい、こう思います。  そこで、問題になりますナショナルミニマムの形で、一定度数以内の加入者のいわゆる減免の問題ですが、公社当局あるいは郵政当局はこのナショナルミニマムの形の一定度数をいまどのような度数にして、それでいつごろからどのような形で実施をすることになるのか、こういうことについてお聞きをいたします。
  235. 遠藤正介

    説明員(遠藤正介君) これは衆議院の委員会にもお答えをいたしましたのですが、今回の改正時点の問題と、それ以後の福祉型料金の体系の問題とございまして、後者につきましては、先ほど申し上げましたように今後検討していきますが、今度の料金改定に伴いますナショナルミニマムないしシビルミニマムの問題につきましては、公社法に定められました法律の規定の範囲内で減免措置を行うという方途はあるのかないのか、また、あるとすればどういう範囲でできるかということを、目下、関係官庁と打ち合わせ中でありまして、実施をいたしますといたしますれば、改正法の実施時点から実施することになろうかと思いますが、いままだ研究中で具体的なお答えができません。
  236. 片山甚市

    ○片山甚市君 衆議院では、一週間ないし十日以内ということになる、それで議論をして、おおよそ日にちが来ておるから、そういうことをおっしゃっておる。納得はしませんが、この一定度数の問題については、私たちは、いわゆる社会福祉福祉電話、こういうものについて確立をするためにはどうしても制度的に設けてもらいたいですね。この度数あるいはそれによって適用される範囲が大きく変わるだけに、この制度がつくられると同時に、度数の引き方を見守りたい、こう思うんです。この審議中に、確実にその検討結果について御返答を賜りたいと思いますが、いかがでしょうか。
  237. 遠藤正介

    説明員(遠藤正介君) 現行法律の範囲内で行います分につきましては、審議中に御返事ができるようにいたしたいと思って、いま鋭意検討中でございます。
  238. 片山甚市

    ○片山甚市君 そんなことを言いますが、夜間割引などというのはやられておるんでしょう。あんなもの法律改正と違うんだ、認可事項じゃないんですか。余り言いよると欲が深いんで、法案が通らないと、これで否決などと言ったら、また食らいつかれると思って、人を疑う目で見ておるけれども、どう、そぞろに心を許して、そんなことを言わないで、ああ電電公社はきょうそんなことを言いおったか、いわゆる福祉を受ける方々から言ったら、えげつない電電公社と思ったけれども、ちょっとだけになるというぐらい考えてほしい。言うだけではだめですよ、いまの話は。夜間割引をしておるんですから、あれ頼んだんですから、あなたの方の都合で遊休施設があって電話交換がひまだろうというんでやったんです、あれ、本当は。電電公社やったのよ、そそっと勝手に。そしてまさか——そんなら言葉をかえて、やめるなどと言いませんな、お答え願います。
  239. 遠藤正介

    説明員(遠藤正介君) 私も片山先生とは長いおつき合いをお願いしておりますので、本当ならここで申しあげたいところでありますが、苦衷をお察しの上、必ず審議中に申し上げます。
  240. 片山甚市

    ○片山甚市君 そこで、もう何か言おうとしておるんですが、言っても通じないようでありますが、これ以上言ってもいけませんから、私たちこれを考えて言ったときには、家庭用電話というものが大きくこれから犠牲になっていく、踏み台になっていく、これをやめさせたい、こういうような願いがあり、かつ福祉というものを大切にしたい、こう思いました。  そこで、設備料並びに債券の負担についての分納ですが、低位所得者層の取り扱いについては検討しておる、こういうふうに言っておられるんですが、あなたたちの方は、電話がえらい落ち込んでつけてくれる人がなくて困っている、こういうのがあります、いま。そういうふうに聞いています、新聞にも載っています。それから近畿通信局の係長や何か探してこれにいわゆるつけさす。こういうようなこと新聞のどこかに載っていましたよ。そんなことをするならば、分割、いわゆる設備料に対するあるいは債券に対する分納をさせる、一般に、割賦ですね、一年間ということがありますから余り割賦になるかどうかわかりませんが、それをひとつ決断をしてもらいたい。  すなわち、この間、衆議院でお聞きしたのは所得の低い人々の層の取り扱いについて考えたい、こうお答えいただきました。そこで参議院の段階で考えますと、やはり電話は将来使っていくわけですから、金が入るものが少しおくれていっても、電話つけたいという人たちにとっては都合がいい方法だと思う。これはもう設備料の方は高過ぎる話だ、あるいは債券は世界に類がないからけしからぬという話はありましても、現にある債券ですから、あなたたちの枠組みの中で話をしているんですから、これほど御用的なことはないんで余りうれしくないんですけれども、それは検討していただけませんでしょうか、いかがですか。
  241. 遠藤正介

    説明員(遠藤正介君) 福祉電話の一環として、設備料の分納を私ども考えまして、郵政大臣の御認可もすぐにおろしていただけるというあのときの大臣の御答弁もございますので、これはもうすぐに実施をいたしたいと思っております。  一般にそれを広めるかどうかについては、実は、本日初めての御質問でございまして、準備をしておりませんけれども、私は、まず最初に福祉電話の方からやるべきじゃないかと思っております。
  242. 片山甚市

    ○片山甚市君 それでは、私の同僚の案納委員が次の回に質問したときには、それについて答えてもらいたい。私が再々立つようなことは余りうれしくないので、これはどういう回答をされるにしても、あなたの方のもうかる話をしておるんで、これおもしろくないんです。需要喚起の話ですから、おもしろくないんです。もっともっと困りゃいいんですよ、あなたのところ、そうしたら目が覚めるんです。  それから少し御用的ですけれども、これは考えてみたら、割賦でもいいからとうまいこと言って電話引かそうという、少しおかしいんですが、しかし、そういう要請があるからやっておるんですよ、何も好きでやっておるんと違う、国の政策。ですから、それはでき得ますならば最終段階のときに総合的な判断をして、これについてはひとつ御答弁をしていただく機会があれば非常に望ましい。いややったらよろしい、もう。そのかわりこちらもそういうふうにしますから、おつき合いをちゃんと。  そこで料金決定の原則についてお聞きするんですが、一つは、国民が広く意見を反映し得るようなことが一つ。中央、地方の公聴会などを開かれて反映されること。三つ目に、民主的な審議会がつくられて、そこで議論をされることぐらいはこれからの料金決定をするときには必要なことで、国会で議論するのだからいいじゃないかと、こういうようないまのやり方は電信電話料金に関する限りは無理ですねと冒頭に言いましたら、何らかの形でも検討するような言葉があったように思いますが、料金を決定する場合に、いま私の方が申し上げるようなことは当然踏まえられるものと——これからですよ、いまのことは違う——思いますが、郵政大臣あるいは総裁公社当局の方の御答弁を願います。
  243. 米澤滋

    説明員米澤滋君) お答えいたします。  先ほどお答えいたしましたが、そういうような何か仕組みを考えまして、そこで料金問題も含めていろいろ利用者の方、電信電話を利用する国民の皆様の意見を伺うような仕組みを考えたいと思います。
  244. 福田篤泰

    国務大臣福田篤泰君) 利用者の声を十分聞きまして、対処いたしたいと考えております。
  245. 片山甚市

    ○片山甚市君 私は、具体的に国民が広く意見を反映するようなことができること、中央、地方の公聴会が開かれること、審議会といっても民主的な審議会の構成ができるようにという意見を述べたわけです。それについては反対でないのか、そういう趣旨がよくわかるという前提なのか、やや全面的にとかいうことは別としても私が申し上げたのはそうなのです。  先ほど諮問機関等あるいは委員会とか利用者の会等については来年の二月ごろですね、努力されるような話だった、日にちについてもおおむねそういうような御努力の方向が明示されるものかどうか、お答えを願いたい。   〔理事茜ケ久保重光君退席、委員長着席〕
  246. 福田篤泰

    国務大臣福田篤泰君) その方向で検討いたします。
  247. 片山甚市

    ○片山甚市君 そこで、実は、私としては料金決定についての問題で最も大切なことは、抜本的に言えばグループ料金制度の導入の問題、カメの子型であります。これをやらない限り、いわゆる七円とか十円といったって、東京の七円と何々市の七円とではやはり問題であります。ですから、合理的に、道一つ隔てれば市外電話になる状態はこれは改めるためにも、相当の時間がかかってもグループ料金制度についての検討をする。いや、あなたのところはしたくないような顔をしているけれども、これはした方がいいんです、国民のために。  私はいままでそういうことをやってきたものですから、幾ら加入区域を拡大してみたって納得できるようにならない、どこか広ければどこかが狭いと、こうなってくる、こういうことです。日本国じゅうを一つの通話にしたらまた言いよる、遠いところにかけた者がもうかるじゃないかなどということが出てくる。おわかりですか。ですから、その方法論は別としても、カメの子型あるいはグループ料金と言われるものについて真剣に考えてもらうことが、加入区域のいわゆる拡大の問題あるいは基本料金の原則的な不公平——基本料金が、七円がどこでも同じと違うんですよ。そのことを変えていくという努力がなくして、値上げだけして金を取るという話は首肯しがたいのでありますが、検討をしていただき、先ほどから申しました諮問機関とかあるいは利用者委員会等で市民の、利用者の意見を十分くみ取って改善をしていただきたいと思いますが、いかがでしょう。
  248. 遠藤正介

    説明員(遠藤正介君) 全く先生のおっしゃるとおりであります。公社としても、この前の広域時分制のとき以来、グループ料金制につきましては研究をしております。  で、このグループ料金という言葉でありますが、恐らくイギリス型のことを言っておられる場合のことが多いと思うんであります。私もそのためにイギリスまでやっていただいて自分で見てきておりますが、必ずしもイギリスのやつをそのまま日本に適用していいかということは一つ問題があります。これはなぜかと申しますと、イギリスという国は広さはちょうど同じでありますが、御案内のように、スコットランドあるいはアイルランドという地方とイングランドという地方の通話の交流というものは、日本の東京−大阪あるいは東京−九州とは大分違うんであります。しかも日本の場合には人家が連檐をしておりまして、居住区域が少ないために一カ所に非常に固まっております。また、ドイツは、最近、新しいドイツ型のグループ料金をつくっておるのでありますが、私はその二つをもとにして、日本で申しますとやはり都会とベッドタウンと申しますか、そういったような形のものも含めて、グループ料金という観念に入れるべきじゃないかと思っておりまして、そういったような検討は当然今後なすべきでありますし、また、なされたものをそれこそ地域の利用者の方の御意見伺いながら、適当な機会に実現に移していくということは必要だろうと思って、決して先生の御趣旨に反して、検討しないとかいやがっているということじゃございません、十分、日本的なものを研究してまいるつもりでございます。
  249. 片山甚市

    ○片山甚市君 郵政審議会で検討したいという意味のことの御答弁がありました。で、もしそういうことになれば、郵政審議会の構成とか、そういうものについても検討していただき、それにふさわしいように御処置を願いたいと思います。いままでやはり電電料金がそのような形で取り扱うべき審議会がございませんでしたから、非常に十分でない法案が出、国会でがたがた言うようになってから公聴会というか、間に合わせみたいな話になって、参考人の意見を聞く、法案が出てしまってから、何にもならない、こういうふうな形でありますから、やはり事前によく、法案になるまでに、鋭意、市民、国民の、利用者の声を聞くように、いろいろあるというよりも、そういうようにしてもらいたいということを申し上げ、そして官製でありません、郵政大臣並びに総裁の私的諮問機関等をもう少し活用して、たくさんの意見が聞けるように、そこの中で議論ができますように、もう一度重ねて言明を賜りたい。そのように御処置を願えましょうか。
  250. 福田篤泰

    国務大臣福田篤泰君) 十分承知をいたしております。
  251. 片山甚市

    ○片山甚市君 そこで電話料のことについて、ナショナルミニマムの立場から、住宅用と事務用との間に一定の格差を設けることについては、これからも引き続きやられるものと思いますが、いかがでしょうか。
  252. 玉野義雄

    説明員(玉野義雄君) 御承知のように、ただいま基本料につきましては事務用の七割を住宅に適用しておりますが、今回もそれをそのまま適用してまいりたい、こういうふうに考えております。
  253. 片山甚市

    ○片山甚市君 そうすると、いわゆる住宅用と事務用との間にはこれからもいわゆる格差を設けるということについては同意をしていただくでしょうか。
  254. 玉野義雄

    説明量(玉野義雄君) 格差を設けてまいりたいと思っております。
  255. 片山甚市

    ○片山甚市君 先ほど、一定度数までの現行の維持ということで、福祉の割引問題についてお尋ねしたいところ、しばらく時間をかしてもらいたいということでありますから、このことはどうしても電話を必要とする人に対して社会的に措置をすることであってお恵みでない、こういうように申し上げておきます。  そこで基本料の改定について私はまずお聞きをしたい。基本料の内容について聞きたいのですが、今回、これを二倍に引き上げるという根拠を明確にしてもらいたい。つまり一般論として赤字になったという抽象的なことでなくて、基本料とは一体いかなる性格のものか、その原価はこれまでどの程度と見積もられていたか、原価はないと言っていますが、見積もられていたか。それがどういう事情でどのぐらい必要になってきたかなどを、具体的に利用者が納得できるように示してもらいたい。基本料について、まずお願いします。
  256. 玉野義雄

    説明員(玉野義雄君) まず電話の料金につきましては、御承知のように、かけた都度料金をいただく有料制の度数料と、それからかけるかけないにかかわらず固定的にいただく基本料と二つに分かれておりますが、これにつきましては、今回の改正に当たりましては、電話料金全体を決めます場合に、その配分論といたしまして、基本料は、基本料と度数料との合計の中に占める割合が多ければ多いほど経営は安定するわけでございますが、これにも限度がございますし、やはり使った都度の料金で支払いたいという意向もございますし、その辺の調和を考える必要があるわけでございますが、日本の基本料につきましては、イギリスの三六%、アメリカの四〇%、これに対しまして二〇%ということで非常に低うございますので、これをいきなり四〇%とか三六%とか、こういうことはいかに配分論でも過去の経過がございますので問題であるということで、基本料のウエートを三〇%にしていただくということで、基本料のウエートを三〇%にしまして、度数料を十円という配分にいたしたわけでございます。  したがいまして基本料につきましては、この三〇%というウエートで考えますと、倍ということになりますので、それで二倍ということでお願いしたわけでございます。しかし政府の意向もございまして、五十一年度中は一・五倍にとどめるということにいたしておるわけでございます。
  257. 片山甚市

    ○片山甚市君 いや、先ほどの原価の問題もそうでありますが、この場合に、どのような形であるかというと、お金を配分する形で、いまのものを三〇%にする、こういうことでありますから、これは何といっても納得をすることができない問題だと思うんです。  それでは事務用と住宅用の区分というものは、どのような形でできておる、根拠というのはどういうことですか。
  258. 玉野義雄

    説明員(玉野義雄君) 公衆法の料金に定めがございまして、定義といたしましては、もっぱら住宅の用に供するものを住宅用電話、それ以外を事務用電話という定義になっております。
  259. 片山甚市

    ○片山甚市君 それはいわゆる加入者が申し込んだ内容をそのまま受け取って決める、こういうように理解をしてよろしゅうございますか。
  260. 玉野義雄

    説明員(玉野義雄君) 私の方といたしましては、お客様の状況を、もっぱら住宅の用に供しているかどうかということはなかなか決めがたい点もございますので、概要といたしましては、お客様の申し出どおりでつけていくということに大体はいたしております。
  261. 片山甚市

    ○片山甚市君 そうすると、ビル電話、すなわち事業所の集団電話の基本料との違いはどこに根拠があるのですか。
  262. 玉野義雄

    説明員(玉野義雄君) まず基本料につきましては、一般の事務用、住宅用とも現在の単位料金区域の加入数による五段階の級局の区別がございますが、ビル電話につきましては、これは級局の区別をいたしませんで、ビル電話規模といいますか、交換機の規模によってそれを決めております。それでこれには級局別は決めておりません。したがいまして、ここが一番違うところでございます。
  263. 片山甚市

    ○片山甚市君 そうすると、ビル電話の基本料については、今回、どのように改正をされる見込みでありますか、お伺いします。
  264. 玉野義雄

    説明員(玉野義雄君) ビル電話につきましては、今回、交換機の規模別に基本料を決めておりますが、大体、千四百円から千六百円程度で決めておりますが、これをさらに、規模別というよりも平均にした方がいいと思いますので、これを平均いたしまして、それをさらに倍にするということで考えております。大体、三千円程度になるんではないかと思っております。
  265. 片山甚市

    ○片山甚市君 そうすると、これは先ほど申しましたように負担の割合というものについて、電話料との関係はどのようなことになりますか、いわゆる度数料。
  266. 玉野義雄

    説明員(玉野義雄君) ビル電話につきましては、先ほど申し上げましたように、東京で言いますと事務用の基本料が千三百円になっておりますが、これが二倍になりますと二千六百円というふうになってまいりますが、それよりも大体四百円程度差がございますのは、ビル電話自体の内線相互の装置とか、こういうものがございますので、それを付加して三千円というふうにいたしておりますので、そういう点からまいりますと、ビル電話特有分の付加使用料も取りますし、それから基本料につきましては、一般の事務用電話ですと一級から五級ということで級局別に差がございますが、それを大体一律ということで考えたいというふうに考えております。
  267. 片山甚市

    ○片山甚市君 そこで衆議院の参考人として出席した力石教授が述べているように、共通設備は最繁時の、いわゆる午前九時から十一時、ころですが、呼量によって投資され維持されており、それらの時間帯の電話は事務用であると見られるので、基本料の引き上げを、いわゆる住宅用、事務用を同率に引き上げるということは適当と言えない、むしろ住宅用は抑えてよいではないか、こういうように言われておるんですが、いま事務用の電話に対して住宅用の電話は比率として幾ら利用しておりますか。
  268. 玉野義雄

    説明員(玉野義雄君) これは最繁時のトラフィックの調査でまいりますと、事務用が大体七〇%、住宅用が三〇%というふうになっているかと記憶いたしております。
  269. 片山甚市

    ○片山甚市君 そうしますと、実は、共通設備に必要な経費が大変かかるわけです。いわゆる加入者が端末から局線に至るまでの分というのは非常に限られておるんです。そういう意味で、今日の設備投資の中で負うべきものというのは、やはり私たちとしては事業用が共通設備の七〇%を占有しておるんでありますから、その割合でいわゆるすべての負担をすべきだろう、こう考えます。見方によれば四分の一ぐらい、いま玉野理事の話によれば三〇%ということになりますが、そのように共通設備を考えて妥当でございましょうか。
  270. 輿寛次郎

    説明員(輿寛次郎君) お答え申し上げます。  いま御指摘のありました共通設備というようなお話ございましたが、確かに事務用と住宅用ではトラフィック、いわゆるかける量が違いますから、そういった意味ではトラフィックによりまして差がある部分もございます。しかし、電話設備全体で見ますと、住宅用でありましても事務用でありましてもやはり電話局からお客様のところまでいく線路あるいは土木設備あるいは電話機というものは共通でございます、あるいは局舎も同じでございます、電力も同じでございます。あるいは伝送路にいたしましても、確かにトラフィックに影響する部分もございますが、一方におきまして、やはり住宅用でも最繁時にかけないわけではございませんで、あるいは事務用から住宅用に、住宅用から事務用にかけることも考えますと、やはりわれわれの計算といいますか試算によりますと、全部がそのトラフィックに見合うわけではない。したがいまして四分の一というようなお話ございましたが、そういうことではありませんで、なかなかその計算むずかしゅうございますが、大ざっぱに申しまして事務用と住宅用というものの資質といいますか、そういった差というものは余りないのではないか、そう考えております。
  271. 片山甚市

    ○片山甚市君 いや、それはあなたの方が答弁をしておるんで、最繁時の通話をこなすことのできる設備をつくるんじゃなくて、それじゃ三〇%の電話かけるものにかけてよろしいんですね、いわゆる七〇%最繁時に対する設備でないんですか。そんなら最繁時は、失礼でございますけれども、事務用でないんですか、お答えしてください。
  272. 輿寛次郎

    説明員(輿寛次郎君) 先ほど営業局長がお答えしましたのは、最繁時でございましても、その三〇%ぐらいはやはり住宅用の通話があるという意味でございます。したがって最繁時は確かに事務用が多うございます。住宅用はどちらかというと一日に平均しておりますが、そういった意味では最繁時でありましても事務用の通話のほかに住宅用もあるという意味でございまして、確かに御指摘のように、いわゆる共通設備の中でも交換機の共通設備は最繁時見合いにつくっておりますから、そういった意味では正しいんでございますが、やはり交換機のコストといいましてもそれが全部ではない。したがってトータルコストで考えると、やはり全体に占めるいわゆるトラフィックによって変動する部分というものは少ない、こういうことでございます。
  273. 片山甚市

    ○片山甚市君 どちらにいたしましても、最繁時におけるところのトラフィックをこなすために設備がつくられておる。その中に三〇%占めておる、だから同じく払えと。これは受益者負担でありませんじゃないかという、本当はあなたたちが言っておるのは、便利な者が払ったらいいじゃないか、使った者が払ったらいいじゃないか、こう言って、こういう設備だけは均等割りというのは、これはあこぎです。それはもうあなたの方の考えはね、幾ら言ったってふん言わないんだから、どろぼうとは言わぬけれども、取り上げよう——どろぼうと言ったら失礼です、これは間違いです。取り上げようという側ですから、何と言うてもふんと言わない。  しかし、私たちは、それじゃ四十八年と四十九年の呼量がどのくらい下がったかというと、事業用がうんと下がったでしょう。そして電電公社資料じゃなくて私の方で言えば、家庭用の方がふえておるわけです。家庭用は景気関係なくふえるわけです、実際は。ふえておるんです、あなたたちの期待に反して。減ってくれたらいいのにと思うのに、本当ですよ。事業用は景気で上がったり下がったりするんです、これは本当は。それは全部とは言いませんが、そういうことになっておる。ですから、設備をつくっておるけれども遊休になってないか、あるいは本当に一番そういうような設備を利用して、あきになっておるところを使ってくれるのは家庭用電話です。ありがたいと思わなければいかぬ。それについて、おまえが使うから値上げせにゃいかぬ、金が要る、こういう言う方はこれはもういただけません。あなたの方はこのことを言われた。ふんと言えば、これは大変になるから、最後まで違うと言うでしょう。  だけれども、よその党の人がどういうように言うかもしれないけれども委員の人が。私はこれはがえんじない、あなたがそう言われても納得しない、こういうように言うておきます。説明していることも同じだ。機械は同じようにつくっておかにやあかん、こう言うけれども、余分なものをたくさん便っておるものが払うべきだ、こういうことです。たくさん使っているのは事業用です。事業用が落ちたからとあなたの方は言うておる。そういうことでは、もう一度申し上げておきたい。  次に、設備料の引き上げの問題ですけれども、五万円が八万円になることですが、いわゆるこの際設備料の性格と算定根拠について明確にしてもらいたいと思うのは、昭和三十五年、拡充法が一万円を要求したときに、宅内装置料で四千円、線路設備で六千円だから一万円いただきますと、ぽっきりだと、こう言った。昭和四十三年の公衆法の改正のときは三万円ですと、こう言った。そのときの言い方は、宅内設備三万二千円の二分の一、線路のうち配線ケーブル以降の部分三万六千円の二分の一、それでトータル三万円。四十六年の公衆法の改正のときは五万円と言った。引き込み線の宅内一万七千円と電柱から局線路までの五万八千円のうち五万円だ、こういうように言っておるわけです。そのときそのときで実は設備料を変えておるわけですね、いろいろと。そのときの都合でどのくらい言うたらいいかな、ああしたらいいかな、こうだ、このぐらいかな、このぐらいはいいかな、あのぐらいかなというような調子で決めておる。どっかの魚屋が売り損のうて、売りに行ったときに荷をおろしたような感じを受けますね、これ。こういうあいまいではいかぬと思うんですが、どういうことでありましょうか。原価をはっきりさしてもらいたいし、毎度の改正のたびに根拠が揺れ動くように国民に理解されると思いますが、そんなことはありませんか。一括、そのことお答え願います。
  274. 遠藤正介

    説明員(遠藤正介君) 原価は、具体的な数字は後で局長から申し上げますが、四十六年に改正いたしました以後の物価の上昇その他で、現在では大体七割程度上がっておるわけです、加入者占用部分といわれる部分が。そこで私どもも五万円を八万円に改定をしていただきたいと、こういうぐあいに申し上げておるんですが、もう一つの大きな理由は、四十六年までと違いまして、たしか四十八年からだったと思いますが、先生御存じのように、電話全国移転というものをはっきり公社では認めました。つまり、一遍、五万円なり八万円なりの設備料を払って電話の権利をおつけになられました方は、もちろん子々孫々までそれがもうさらにお金がなしでいける、ずっと伝えられる、あるいは人にも売ることができると同時に、東京から札幌へ移転されましても、自分の電話として向こうで新規の設備料なり何なりは要らなくて架設できると、こういうぐあいになり、また、けさほど総裁が申しましたように、そういったような形の移転の数が、そういう制度になりましたために、非常にふえてきておるわけです。したがって設備料のとっております構成というものが、その段階で、非常に違ってきたということが言えるんではなかろうかと思います。
  275. 片山甚市

    ○片山甚市君 私が聞いておるのは、三十五年、四十三年、四十六年といろいろ変わりましたが、今度は物価が上がったから七〇%掛けました、そんなことではこれは通りません。まあ、それは金が欲しいんだから、こういうふうに言うとるんだからそれ以上聞きません。みんなにわかってもらったらいい。あんまりむずかしいこと言っても、説明してもらってもいいんだけど、説明のつかぬような金をもらっておるということで閉じたい。これ根拠をどういうことなのかと聞いたら、物価が上がったと、こう言われる、こういうことです。それ以外にないんです。だから七〇%上げたんだからしてもらいたいと、こういうことですが、これも根拠が示されたことにならないと思います。  で、実は、専用線のI規格の四十八キロヘルツですが、四十八キロヘルツは実費となっておりますが、幾らこれはもらっておるんですか。でD規格の三・四キロヘルツにしたら、それはどのぐらいになりますか。
  276. 玉野義雄

    説明員(玉野義雄君) 専用線につきましては、先生御承知のように、昨年の七月に、従来両端末二万円ずつということで四万円の設備料を取っておったわけでございますが、これを加入電話との均衡等も考えまして五万円に上げまして、両端末合わして十万円と、こういうふうにいたしたわけでございます。したがいまして専用線につきましては、すべて両端末五万円ずつということで十万円というふうになっております。
  277. 片山甚市

    ○片山甚市君 両端末五万円ずつですが、今度は変えないんですか。
  278. 玉野義雄

    説明員(玉野義雄君) 加入電話の八万円の改定等も考えまして、今回の改定関連いたしまして、専用料の改定をいたしますときに、両端末八万円ずつで十六万円というふうにいたしたいと考えております。
  279. 片山甚市

    ○片山甚市君 それまで、そのところは助かる。福祉電話は一万個はつけない、これは大蔵省が認めない。まあ泣く子は泣け、強い者には金をやろうと、こういうことになる。これが電電公社経営の倫理ということです。  D規格の三・四キロヘルツについての分は、今度、どういうことになりますか。三キロヘルツでもいいです。
  280. 玉野義雄

    説明員(玉野義雄君) D規格は三・四キロヘルツでございますが、これにつきましても、同様に、両端末八万円ずつで十六万円といたすようにしております。  それから先生御承知だと思いますが、先ほど遠藤さんが申し上げましたように、加入電話全国移転、譲渡、これはできますが、専用線については移転、譲渡を認めておりませんので、移転、譲渡をするときにはまた解約、新規契約ということになりますので、そのときはもう一度また十六万円、新しい料金ですと、いただく、こういうふうになっておりますので、そこが電話と違うところでございます。
  281. 片山甚市

    ○片山甚市君 専用回線は、結局、大変利便を受けておるんですから、そんな金いといませんよ。専用回線などというのは私的に使っておるわけないんです。コストの中に入れておるんですから、余り御心配せずにおいてください。御親切に御指摘いただきまして、ありがとうございました。  とにかく、D規格も専用回線の四十八キロヘルツも大体いま同じだと、そうですね。利用度は大変違うんですよ、皆さんはおわかりでしょう。四十八キロヘルツというのと三キロヘルツというのは違うんですけれども、まあやっぱり強い者は得ですなあ、世の中は。強くならなきゃだめかねえ。——批判は幾らしてもらってもいいです。  それで単独電話以外の設備料について、先ほど言ったビル電話二万五千円がどうなり、加入電信五万円がどうなり、専用サービスD−2型、音声の方です、の五万円がどうなる、こういうことを考えるとビル電話というのはずいぶん安くしておるが、これは大変競争関係のことがあるんでしょうか、言いにくいことですが、お聞かせください。
  282. 玉野義雄

    説明員(玉野義雄君) ビル電話につきましては、先生御承知のように、回線当たり電話が五個ついております。この回線当たりの加入電話の設備料が現在五万円でございますので、それの五分の一の一万円と、それからビル電話特有の交換機能がございますので、その分が一電話機当たり一万五千円ということを考えまして二万五千円にしておるわけでございます。  したがいまして、これを回線当たりに直しますと設備料は十二万五千円になるわけでございますが、これの改定につきましては、加入電話の今回の八万円の改定等との均衡も考えながら改定したい、こういうふうに考えております。
  283. 片山甚市

    ○片山甚市君 それでは、いわゆる単独以外の設備料についてもこれは改正をするようにいま考えておる、こういうような御発言があったとして記憶にとどめておきます。  そこで、設備料を、経理上、資本勘定収入の資本剰余金でかつ外部資金とみなしていることについては、わが党はかねがね問題にしたところです。衆議院で内部資金として取り扱うことについて検討すると言っておりますが、五十二年度予算の編成に当たって結論を前向きに出すように御答弁をしていただいたと思ってよろしゅうございましょうか。
  284. 好本巧

    説明員(好本巧君) 検討はいたします。ただ、内部資金、外部資金といいますのは、あくまでこれは便宜上のことでございますので、検討はいたしますが、どちらにした方が期間損益の計算上正しく表記できるか、読まれる方が正しく把握できるかというところが問題かと思います。ただいまのところでは、やはり外部資金としました方が、経常収支から捻出されるところの内部留保あるいは利益金と区別されまして、期間計算上の利益あるいは改良投資に充てる金額というものが非常に明確になる、そういう意味で資本勘定に入れているわけでございますが、将来の問題として検討したいと思っております。
  285. 片山甚市

    ○片山甚市君 設備料は、御承知のように、三万円から五万円に改定した際、昭和四十六年の四月ですが、公社当局は設備料の性格について次のように説明しておる。建設投資の一部として負担金的な性格に変化していると説明しております。  そこで再々例を出して申しわけないんでありますが、電気、ガス、地方鉄道業などの工事負担金的な性格の立場に立つとすれば、まず商法第三十二条の第二項では「商業帳簿ノ作成二関スル規定ノ解釈二付テハ公正ナル会計慣行ヲ勘酌スベシ」とあります。企業会計原則においては、工事負担金について、企業資本の補てんのための拠出額とみなしそれを資本剰余金に計上すべしとしており、また、その価額を資産から控除して帳簿に記載すべきものとしております。法人税法です。そういう立場から、いわゆる電気事業、ガス事業等においては、それにのっとって固定資産より工事負担金の額を控除して記帳し、減価償却の対象より除いております。この意味は、最終的には企業の益金として課税の対象とする、こういうことでありますが、工事負担金的な性格を持つ設備料の取り扱いについて、いま総務理事がおっしゃることについては首肯しがたいのでありますが、少なくとも公益事業、電気、ガスなどと同じようにですね、もう少しそういうようなお金を明確にした方が納得がしやすいと思いますが、検討してもらいたい。
  286. 好本巧

    説明員(好本巧君) お答えいたします。  もちろん、これは検討課題になっておりますが、いま御指摘のように、法人税法上、圧縮記帳するというのは、やはり課税をするという対象でありますから、やはり損金に落とすということが大前提になっていると思います。損金に落とすといいますと、減価償却の対象から除くということでございまして、これは私どもの解釈によりますと、各民間会社、株式会社は商法の適用を受けておりますので、商法上、資本剰余金ということは、そういう負担金というものが資本勘定への繰り入れということが商法上できないことになっておりますので、どうしても損金に落ちる。損金に落としますと利益が大きくなりますから、これを繰り延べて利益金をある年度間に配分するということだと思いますが、私どもは商法上の適用を受けておりませんので、資本剰余金としてそういうものを資本勘定に入れることによって処理する、ただいまの設備料をお客様から、損金に使うという意味ではなくて、工事費の一部としていただくということをお約束している関係上、非常にその方が妥当な表示ではなかろうかと思っております。
  287. 片山甚市

    ○片山甚市君 設備料は、資金調達上、外部資金として計上されているけど、これは明らかに、何回も言いますけど、内部資金であり、建設勘定に入れるべきではない、こういうふうに考えます。  これは意見の相違でありますから、もう少し私たちの意見を聞いてもらって、いまのようなことで減価償却の対象にし、かつ利益を踏んでいく形、こういうことについては首肯しがたい。これは何といっても納得できません。設備料の問題は、衆議院においてもうすでに何回か議論をしていただいて検討することになっておるんですが、こういうような時期になってもなおかつ検討で逃れる、こういうことでありますが、先ほど何か言いますと、郵政大臣並びに総裁の私的諮問機関等つくっていただくことになりますから、そのようなところでもそのようなあり方について、よく経営のあり方について理解をしてもらえるように、意見を反映してもらうようにしてもらいたいと思います。利用者委員会といいますか、利用者がこういうことについても知ってもらいたいと思う。  そこで、専用回線の専用料でありますが、昨年のいわゆる七月に、専用回線についての改定を行いました。七キロ以内についての近距離は値上げをした。先ほどの御説明のように七キロ以上についての遠距離は最高六〇%を超える大幅な値下げを行ったが、度数料の引き上げに伴ってほぼそれが均衡がとれたと考えると先ほどお答えをいただきましたけれども、もう一度、専用回線についての改定を来年のいつ実行されるのか、もう一度お聞きいたします。
  288. 遠藤正介

    説明員(遠藤正介君) 先ほど営業局長がお答えしましたように、五十二年度中にいたしたいと思っておりますが、これは郵政省の認可事項でもございますし、私どもで案をつくりまして郵政省に持ってまいって具体的な実施時期はその後になると思いますが、五十二年度中に実施をしていただくようにお願いをしたいと思います。
  289. 案納勝

    案納勝君 関連で、設備料の問題で二点ばかり質問をいたしたいと思います。  先ほど遠藤総務理事の答弁では、今回の設備料の改定は二点、その第一点は、四十六年度以降物価上昇が七割、こういうことが第一点。そうすると、設備料というのは今後物価にスライドをして上げていくという考え方の上に立って考えられていると思うんです。  もう一点の場合は、四十八年以降から全国移転公社として認めてきた、こういう指摘、これは私は討論はきょうやめます。いま電話加入者ですね、住宅用加入者、これはどのくらいで、現在、月に、そして年間に全国移転をしている電話はどのくらいあるか、これを資料で提出していただきたい。この辺について、まず第一点についてお答えをいただき、第二点は資料で。
  290. 遠藤正介

    説明員(遠藤正介君) あるいは私のお答え方がまずかったのかもわかりませんが、私は物価が上昇したということを即結びつけたわけではなくて、加入者占用部分に対する工費が七割方上がっておると、その理由は物価上昇あるいは人件費、工費の上昇である。したがって具体的にそういう工費が七割方上がっておりますので、この際、五万円を八万円に、六割ですか、値上げをお願いをしたということであります。  それから、もう一つ全国移転と申しますのは、従来、御案内のように加入区域内の移転というものは非常に簡単に行われておったわけです。ただ、加入区域外の移転というのは、これは新しい設備に入ってまいりますので、場合によってはこれを新規の加入者扱いということを一まあ実質的には新規の加入者扱いになるわけです。ですから、外国でやっておりますように、そういう場合は一応契約を解除いたしまして、新規の加入者としてやっていくという方法もあるかと思うんですが、日本の場合には、四十八年からだったと思いますが、加入区域外のものも、そういうぐあいに、もう設備料を二度といただかないで、加入区域内の移転と同じような扱いをしたと、こういうことであります。  それで資料はもちろん提出さしていただきますが、これは大変場所によって違いますが、たとえば人口移動のはなはだしい東京及びその周辺については、今日時点でも、相当なパーセンテージを占めております。
  291. 案納勝

    案納勝君 もう一回重ねて。  四十六年度以降物価上昇、工事費、人件費その他で七割上がっていると。私が聞きたいのは、大きな理由がいま二つある。その一つの大きな理由に、物価や工事費や人件費の上昇ということが大きな理由なんです。今日まで設備費の改正が行われてきた経過の中で、実は、この物価上昇の問題というのは、一つの若干の理由はあっても大きな理由になってない。もしこれが大きな理由だとするならば、私は結論は言ってないんですが、いまだにわが国の経済は物価上昇が続いている、ここで料金値上げをして、そしてまた物価上昇が七割上がりました、設備料は物価上昇にスライドして上げざるを得ません、こういうことになってくると、設備料を設定された理由というのはどこにあるのか、その設備料の考え方というのは何なのか、もう一回はっきりしてもらわにゃいかぬ。  もう一つは、全国移転の問題、電話移転の問題。これはいままであった区域内外、調べられるなら、そのように資料を出してください。どのくらいのパーセンテージなのか別にしても、一般的に私の経験から言うと、私の周りや一般的な住民の転勤その他相当あることは間違いありません。間違いないけれども、しかし、そうやたらに——会社の関係で転勤をしても、社宅に入ってもその設備はそれぞれ会社でするなりしてあります。まだパーセンテージわかりませんからあれですが、その移転をした分まで他の加入者にこれをかぶせていくというやり方というのが料金の立て方として正しいのか、この辺私は大変問題があると思いますので、この辺はこの次私が質問するときにさらにお答えいただくとして、資料をその意味で提出いただきたい。
  292. 遠藤正介

    説明員(遠藤正介君) これも誤解をされておるようですが、私は先ほど設備料の性格が変わったということを申し上げたわけでございまして、要するに設備料が非常に高いじゃないか、あるいは外国に比べて高いじゃないかという理由を御説明したつもりであります。したがって、その移転がふえたからその移転に要する経費をこの八万円の中に入れたと、つまり上げる理由にしたというようなことは申し上げておりませんし、また、その考えはもちろんこの案にはないわけでございます。  資料は、先生御指摘資料をつくりまして提出いたします。
  293. 森勝治

    委員長森勝治君) ちょっと速記とめて。   〔速記中止〕
  294. 森勝治

    委員長森勝治君) 速記を起こしてください。
  295. 片山甚市

    ○片山甚市君 それでは、いま関連質問でありましたから、建設投資の一部として負担金的な性格に変化していると説明したことは、もう変わってしまったというように言われたんですか、設備料について。
  296. 遠藤正介

    説明員(遠藤正介君) 先ほど片山先生が読み上げられた文章は、たしか四十三年の改正時に統一見解のような形で当時の郵政大臣が読まれたものにはございます。私、ちょっと記憶をしておりませんが、こういう意味で申し上げでいるんですが、当時のものはこういうことで、いわゆる一種の統一見解のようなものだと思いますが、「電話設備料は、加入電話の新規加入の際に工事をして電話が利用できるようにするための料金であって、新規架設工事に要する費用の一部に充当するものである。」こういうのが正式な文章でございます。その中身は、先生のおっしゃったものと私ほぼ同じじゃないかと理解しております。
  297. 片山甚市

    ○片山甚市君 そこで、結局、物価あるいは工事費、人件費が何十%上がったので変えたいと、こういうことでありますから、案納委員が言われたことについては明確に答えてもらいたい。私は、このような上げ方についての根拠が明らかでないですから、賛成をしない、こういう立場で申し上げておきたいと思います。  そこで、赤字の原因の問題についてお聞きするんですが、政府公社は収支が赤字になったということで料金の値上げを提案してきておりますが、これまで四十九年度の千七百五十二億円余りと五十年度の二千八百十二億円余りという赤字の欠損はどういうふうにして穴埋めされたのか、お聞きをしたい。
  298. 好本巧

    説明員(好本巧君) お答え申し上げます。  四十九年度及び五十年度決算におきますところの損益勘定の欠損金につきましては、公社法の規定に基づきまして利益剰余金を取り崩します。
  299. 片山甚市

    ○片山甚市君 そうすると、いずれも利益剰余金の中からこれまでの保留分として四十八年度末六千五百三十八億円余りあった中から補てんしたとすれば、残りは千九百七十三億円だと思いますが、いかがでしょうか。
  300. 好本巧

    説明員(好本巧君) 五十年度末におきますところの利益剰余金はただいま先生のおっしゃった数字でございます。
  301. 片山甚市

    ○片山甚市君 つまり、国の一般会計や特別の出資などによらずに、公社の財政の中で赤字を埋められた。これまで年々利益を出してきたので賄えた上、まだ約二千億円近くの利益が残っておるということだと思いますが、いかがでしょう。
  302. 好本巧

    説明員(好本巧君) 御指摘のとおり、一千九百億円余の利益剰余金がございます。
  303. 片山甚市

    ○片山甚市君 電電公社の三三・八%という料金改定の必要額、これはいわゆる金額を計算するとそういうことになるんですが、五十一年度から五十二年度までの三年間の事業収支を見て算出したと聞くけれども、そのマクロ的な算定基礎になつったものについて説明をしてもらいたい。
  304. 輿寛次郎

    説明員(輿寛次郎君) お答え申し上げます。  これにつきましては、われわれといたしまして、五十一年から五十三年度の三年間につきまして、収入支出をいままでの実績をもとにいたしまして計算したわけでございます。その際、いろいろ前提がございます試算でございまして、三年間ということで計算したわけでございます。それからまた建設工費といたしましては、三年間で約五兆四百億、これを想定いたしまして、それをやるという前提で計算してございます。また、いわゆる経済成長率は、政府の五十年代前期経済計画にあります各年平均約六%強というようなことを使っております。そういった前提に基づきまして、収入支出を計算いたしました結果、赤字が約一兆七千億と、こういうふうに出ておるわけでございます。
  305. 片山甚市

    ○片山甚市君 収入を七兆四千二百億円にして支出を九兆一千四百億円にするときに、いまおっしゃった一兆七千二百億円になる。その上に四十九年と五十年の四千五百六十億円になりましょうか、その金額、総トータル二兆二千百億円、さらに改良投資という三千億円を加えた二兆五千百億円が今回の必要なものということになるんでしょうか。
  306. 輿寛次郎

    説明員(輿寛次郎君) さようでございます。
  307. 片山甚市

    ○片山甚市君 そうすると、増収見込み三年で二兆五千百億円ということについては、すでに利益で埋めたところの四十九年と五十年度の赤字四千九百億円を見込むことは余分でありませんか。四十九年までの黒字をもう一度値上げによって復活させるということになるのでしょうか、まずお答えしてください。
  308. 輿寛次郎

    説明員(輿寛次郎君) われわれといたしましては、四十九年、五十年の両方の赤字が四千九百億でございましたので、それは国から借りておるわけでございます。したがって、それをいつまでも借りているわけにまいりませんので、返すことを考えまして、この案をつくったわけでございます。したがいまして料金値上げが予定どおりできますれば、そういった金を返して、さらに、いま言ったようなことで収支としてはやっていける、こういうことでございます。
  309. 片山甚市

    ○片山甚市君 結局、この資本剰余金というか、利益金というものは、全部、電電公社投資に使って、金がない。帳面上は黒字としてあるけれども、実際上は建設投資などに入れて、一銭もない。そこで日本政府から金を借りて利子を払っておる、こういうように理解してよろしゅうございますか。
  310. 好本巧

    説明員(好本巧君) 四十九年度、五十年度の赤字は、料金改定ができませんので、その間は政府の資金をお借りいたしまして、それをお返しすることになっております。
  311. 片山甚市

    ○片山甚市君 そうすると、いわゆる四千九百億円というお金ではなくて、先ほどありましたところの六千五百三十八億円という利益剰余金というのは、どういうような性格で残されておりますか。
  312. 好本巧

    説明員(好本巧君) お答えいたします。  利益剰余金は、御案内のように、公社発足以来、昭和四十八年度まで損益勘定で毎年利益金が出ておりましたそれの累積でございまして、それがいま御指摘の数字だと思います。  これは昭和二十八年の料金改定のときに、これはアメリカでもイギリスでもヨーロッパでも電話事業ではそのとおりでございますが、料金の中の一部を設備の改善改良に使う、しかもその利益金は、公社は公共企業体でございますので社外に流出することはございませんので、全部それが固定資産になっておるわけでありまして、それが貸借対照表上、利益剰余金と固定資産というふうに相バランスしておるわけでございます。
  313. 片山甚市

    ○片山甚市君 問題はですね、いま申しましたように四千九百億円、あるいは残っておる約二千億円という金額、約七千億円ですが、民間の会社なら現金で預金として置けるのを公社法の関係から置いていないと、こういうことになります。それに加えて、さらに改良投資ということで、総裁の方から何回もこれから設備の買いかえをしたい、それでお金が要るんだと、こういうことで三千億円、ちょうど一兆円の金が現実に物としてこれから余分に積み重なる。先ほど申しておきましたように、二兆五千百億円のうち、一兆円という金は本来電電公社には金がある。今度の値上げについて、そういうことについて引き下げるとすれば、二〇%にも下げられるということになるんです。三三・八%じゃなくて、それは二〇%に引き下げることができる。からくりであります。  電電公社赤字のときに騒ぐが、黒字のときはなぜ騒がないか、問題がありますよ、わかりますか。金があったら大変ですよ、余分に取ったんだから返さなきゃいかぬですよ。どうしてそんなどろぼうみたいなことになるんですか、それは納得できません。
  314. 好本巧

    説明員(好本巧君) ちょっと説明が不足でございましたので補足いたしますが、昭和二十八年度以来、公社は損益勘定の収支差額分を予算において予定しておりまして、その利益の全額を資本勘定の収入に繰り入れて、これを建設投資に回すということを各単年度の国会で御審議いただく予算成立しております。
  315. 片山甚市

    ○片山甚市君 それはからくりでありまして、赤字のときやかましく言って、黒字になったときは言わぬでしょう。いや、それはテクニックですから余ったときは大変でしょう。余るようになっていないでしょう、初めは。違いますか。
  316. 好本巧

    説明員(好本巧君) お答えいたします。  ただいま申し上げましたように、まず予算におきまして、明年度の予算におきましては、損益勘定の収支差額分、黒字分何億円、それを資本勘定に繰り入れて建設投資に充てる、あるいは債務償還に充てるということを予算でお決めいただくわけでございます。その予算執行面におきまして、ただいま御指摘のように、予定どおりの収支差額が生まれる場合もありますし、予定より多い黒字が出る場合もありますし、少ない場合もございます。多い場合につきましては、それを次年度におきまして、あるいは次々年度におきまして、予算におきましてやはり資産充当ということでそれを資本勘定の収入に充てさしていただく、それぞれ単年度ごとで予算でお認めいただいておるわけでございます。
  317. 片山甚市

    ○片山甚市君 単年度ごとに予算を認めておるが、計画は五カ年計画とか長期計画で一次から五次までやってきておる。仕事の方は、資本家の方にはうまいこと言ってずっと計画が成り立つようにして安心して設備してもいいよと、電話買うてやるよ、何買うてやるということで安心させておる。われわれにはちょっとしたはずみで赤字になったらもうやいのやいのとこう警告をする。  「テレトピア」七六年十月号に、こう書いてある。「前年度を上回る大幅赤字」「公社電気通信サービスの提供に努め、おおむね所期の成果をあげました。しかし経営の収支面においては、収入の確保と経費の節減に努めたにもかかわらず、二八一二億円もの赤字を生じました。この赤字額は前年度のそれを一〇五九億円も上回るものです。民間企業であれば、とっくに倒産しているところで、公社の財政基盤はさらに悪化している」そんなばかなことがありますか。一兆円近い金が、後から言いますが、隠してあるんでしょう、財産であるんでしょう、いわゆる物であるんでしょう。物というのは金でないですから、あなたたち物を買うとき金があるんでしょう。皆さん隠している。それはからくりです、いやあんた制度です。金がないようにしてあるだけのことです、本来はわれわれはあると。いや、あなたの方はそんなこと言うたって私の方は使えなくなって、もう使ってしまっておるんですと。使っておるんじゃない、財産としてある。消えていっておりやせぬ、物である。物というのは金じゃない。言うてみい、これから。けしからぬぞ。
  318. 好本巧

    説明員(好本巧君) 御説明が不十分でございましたので補足いたしますが、貸借対照表に載っておりますように、固定資産として、物としてございます。そのかわりその単年度の損益勘定で赤字が出た場合は、その分を固定資産を売却することもできませんので、それに対して相対応するものを固定負債としてお借りした借金がふえているわけでございます。
  319. 片山甚市

    ○片山甚市君 だから、郵政大臣、国の責務というのは、こういうところで長期債または長期的な低利のもの、あるいは臨時的にもですよ、いまそれだけの財産持っておるんですから、お金を融通してあげましょう、しかしこれでいつまでもいきませんねというならいいです。ある金をないことにして赤字をつくるということには何というても賛成しません。  いや、これはあなたの方が何ぼ言ったって、これ六千億円あります、また今度の改良投資などとわけのわからぬものも入れて一兆円あるんですけれども、ずいぶん優雅な華麗な企業だということに後日なると思う。いまはこれ委員会の密室であるからわからぬけれども。私は、なぜそんなことを申し上げるのかと言ったら、日本政府電電公社に働かしてもうけさせたときどうするのか、こういうことをせにゃいかぬ。もうけるようになってない、収支相償わにゃいかぬ、あなたのところは。そういうようなことを考えますと、日本政府役割りを果たしてないし、日本電電公社はそういうように単年度ごとに決済をして物になっていますから、お金がありません、お金がないので値上げしてもらいたい、こういうことについて納得できないんですが、大臣の所見を求めたい。
  320. 福田篤泰

    国務大臣福田篤泰君) 利益剰余金を取り崩しまして欠損を補てんすることは、営業用の固定資産を売却することになりますが、固定資産の売却はサービスの停止を意味することで不可能と考えられます。したがって四十九年、五十年度の赤字額は料金を改定することによって経常収支から補てんをすることが必要と存じております。
  321. 片山甚市

    ○片山甚市君 いや、もうそれはわかっておるんです。何も売却せえへんでも、日本政府が責任を持ってやるんですね。売ってくれなどと言っていませんよ、財産があるんだから、物が。ほんとは国営だったんですよ、もと。違いますか。  大臣お知りになりませんが、これは電気通信省という前に逓信省でありましてね、逓信省の時代には、これ国営だったんですわ。だから、私は、国が責任を持つ、最終的な責任があると、こういうふうに言いよるわけだ。これは失礼な言い方でありますけれども、どうしてそうなるのかといったら、会計法規上のことです、これは。しかし、電電には、いま七千億円か九千億円か知りませんが、具体的にはもう少しふえましょうが、剰余金がある、ないようにしてある、設備投資をして。そうですね。それだけであって、ほんまはないんと違うんですよ、ずうっとつないでおるんですから。これはよく知っておいてほしい。ないようにしてある、見せかけです。資本つぎつぎしておるんですから、これから言います。  ですから、昭和二十八年以降、人件費についてどのようになったかということを見ていきたいんです。公社先ほど人件費を言います、事業支出の主たるものは人件費だなどという宣伝してますが、一人当たりの人件費は名目で九倍、物価の上昇を差し引けば実質は二・六倍だと私たちは見ています。一人当たりの事業収入は二十一・六倍です。五十一年度、今度改正をされれば二十八・四一倍になります。加入数は十五・六倍です。いわゆる市外回線の数は実に三十九倍。先ほどから設備投資の必要性を言っとる公社当局の御意見はそのとおり、固定資産というのはこのように伸びているわけで、しかし、労働者の数は御承知のように約二倍しか伸びてない。どんなに生産が上げられてきたか、賃金上昇が事業の発展とは逆に抑えられてきた実態ではないか。それでもなお人件費が上昇したのでこの値上げをしたいなどと言うんですか。この間、福田郵政大臣はお言葉を若干訂正されたようにおもむきますが、しかし本音は人件費が上がったと言う。  装置産業に資本をどんどんふやしたので、いわゆる借金をしたものが金と元金と要る。しかも、これから買う品物は独占から高く買う手前から安くできない。労働者の賃金というのは春闘などがあって思うとおりたたけぬ。そうすると、一番憎たらしいのは労働者の餓鬼どもだ。うまいことを言いよるけど、腹の中ではそう思っているのじゃないかと思うんですが、大臣はそういうような鬼のような心ではなくて、本当はいい心を持っておるかどうか、大臣としてお答えを願えれば本当にうれしゅうございます。
  322. 福田篤泰

    国務大臣福田篤泰君) 事務当局に答弁させます。
  323. 松井清武

    政府委員(松井清武君) ちょっと私御質問の趣旨を取り違えておるかもしれませんが、人件費の上昇につきまして申し上げたことでございましょうか。
  324. 片山甚市

    ○片山甚市君 人件費が今度の料金値上げの元凶、一番大きいところだというように書かれたり言われたりしておるんですが、そういうように思いますか。この「テレトピア」というのは、十月のやつですが、ここに書いてあるんです。「事業支出が、主として人件費増加」と書いてある、一番先に。装置産業の電電公社は減価償却とか金融費用とか、そういうようなことで設備投資に要るから物価は上昇したという方が多いのであって、人件費のことは後で言いますが、どう思っているんですかと聞いておる。
  325. 松井清武

    政府委員(松井清武君) 本委員会の冒頭にも大臣から申し述べたところでございますが、人件費の上昇が公社赤字の最大の原因であるというふうに、もし大臣の趣旨説明が受けとられたとするならば、それは言葉足らずであったということで冒頭に申し上げた次第でございます。  私どもといたしましては、昭和四十八年の秋以来のいわゆる初期石油ショックに端を発した経済情勢の変化に伴う人件費物件費の高騰、あるいは利用構造の変化等、また一方におきます景気の停滞、及びそれに続く経済の安定成長基調への移行などによります収入の伸び悩み等、相乗作用によりまして公社収入が急速に悪化したというふうに考えております。
  326. 片山甚市

    ○片山甚市君 そういうように、全部を総合的に考えております、説明すればそれでいいんでしょうけれども、どの資料を見てもそうなっておるのです。納得できません。  で、そのような形で、昭和二十八年から今日まで、合理化に伴って職員は具体的に配置転換、職種転換というような何万名行われたかについて公社当局は答えられますか。
  327. 米澤滋

    説明員米澤滋君) お答えいたします。  ただいまお話がございましたように、公社発足以来、全国のダイヤルの自動化あるいはダイヤル即時化ということを進めてまいりました。そのために約十万人の配置転換が行われた。その中には電報の近代化によるものも含んでおります。  詳しくは総務理事から——。
  328. 山本正司

    説明員(山本正司君) 第一次五カ年計画以来、昭和五十年度までに自動改式、新電話局の開設、それから無線搬送関係、その他合わせまして約十万九千人の配置転換、職種転換を実施いたしております。
  329. 片山甚市

    ○片山甚市君 それば職員の約三人に一人。これは普通の人事の転勤でなくて、仕事が変わる、技術革新や仕事が変わるということ、局所を本当に変わるということになりますから、大変な犠牲が起きてやっておるわけです。だから、その点について私たちはいまの電電公社が考えておることについて納得ができない。  これほどの労働者の犠牲の中でいわゆる自動化が行われ、中継化が行われ、あらゆることがされたにかかわらず、今日的な収入関係の不調が起こると、中心がすべて人件費になっておるということは、労使関係に対して著しく攻撃的である。しかも一般的な人々に対してこれ以上また合理化ができるような余裕があると思っておるようでありますが、納得しません。公社は、これからどのようにそういうような人々に対する経費を払う経営をやられるか、総裁から御答弁いただきたい。
  330. 米澤滋

    説明員米澤滋君) お答えいたします。  ただいま御指摘のように、十万人の配置転換というのは非常な努力でありまして、これは公社ばかりでなくて、全電通の労働組合自体もまた立場は違いますけれども非常に苦心をしたことだと思います。そのために労使関係でもいろいろなかって不要なトラブルがあった時期もございますが、昭和四十一年以来、労使関係近代化路線というものが敷かれまして、立場は違いますけれども公社事業国民のために運営し発展させるということで進んでまいりました。  これからの問題に関連いたしましては、まだ郵政省に残っております磁石局——マグネットの局がございます。これが逐次自動化することによりまして郵政省の人を受け入れなければならないというために、やはりそういう意味の配置転換というものがこれは郵政サイドの方に起こってまいりますし、公社といたしましてもそれらの方を受け入れるという問題がございます。それからもう一つは、技術革新というものは、この今度の料金の改定案をお願いしている中でもなお五千億円の建設勘定における節減を見込んでおります。しかも、これはこの前この席でも申し上げましたけれども技術革新というのはセオリーだけではないのでありまして、そのセオリーを実際現場に使って、それを国民のためにサービスをいたしますし、また、それを今度は保守し、あるいはオペレートし、あるいは営業するという、そういう職員の人の訓練というものがどうしてもなければなりません。ただ、その際に、公社の中の職場で比較的ロードの軽くなってくるところと非常に繁忙なところとございますから、そういう面につきましてはいわゆる魅力ある職場づくりということで労働組合とも話し合いながら、いろいろこの問題を進めていきたいというふうに考えております。
  331. 片山甚市

    ○片山甚市君 総裁はわかったような話をしているけれども、なかなかそういうようにならぬのじゃないですか。  人件費値上げの原因説であるということについては、私は、生産性を高めてきた背景が主として技術革新といま労働者の犠牲ということにあると思います。オイルショックがあろうとなかろうと、先ほど遠藤総務理事が言ったかどうかわかりませんが、とにかく一つの壁に突き当たったのは、つまり、これまでのように画期的な技術革新ということは通信の領域ではもう望めない。資金があろうとなかろうと技術的にまいらない、そういう厳しさが今日生まれてきた。いままでのような華々しい技術革新というのはそう期待できないと思うのですが、総裁はどう思いますか。
  332. 米澤滋

    説明員米澤滋君) お答えいたします。  華々しいといいますか、直ちに経営の面に非常に影響するような技術革新というものは非常にスローダウンしていると、これがゼロであると申しますと、私は、やはり実際的ではないというふうに思います。いままで九九%まで自動化してまいりまして、まだ自動化も残っておりますし、まだいろいろやらなきやならぬこともありますので、これがゼロであると言うと間違いだと思いますが、確かにスローダウンしているということは事実である。これはアメリカの状態等におきましても、やはりAT&Tのデバッツ会長あたりもやはり技術革新というものが行われると言っておりますので、私は世界的にもこの状態はいま申し上げましたようなことではないかというふうに考えております。
  333. 片山甚市

    ○片山甚市君 どちらにしても、いままでのように合理化に伴ってコストを下げていく、こういうふうな形にならないだろうと思うが、人件費については、先ほど申しましたように、人件費増大が収支を悪化さしたと言っているけれども、第一次は総費用の中で三九・六%、第二次には三七・八%、第三次は三二・二%、第四次が二九・八%で、第五次が三三・二%と見られております。これは仲裁裁定を実施したのであって、民間賃金の動向である。  こういうことになりますと、この昭和二十八年から五十年までの間に三三%以上になったものが十五年続いているわけです。初めのところで第一次五カ年計画で総費用の中の三九・六%、第二次の三七・八%のときに赤字になっておらないのでありますが、これよりもはるかに少なくなった今日、四十八年、四十九年の人件費を名指しで人件費が高くなったから赤字になったという根拠については、具体的にどういう判断をするのか、いわゆる総費用に占める割合、こういうものを見ると、皆さんがおっしゃるようにはなっていない。先ほど申しました人件費は総額で九倍、実質二・六倍、こういうふうに申し上げました。その点についてお答えを願いたい。
  334. 中林正夫

    説明員(中林正夫君) 先生、先ほどいろいろ御指摘の「テレトピア」の記事も、五十年度の収支の悪化というものは単に人件費増加ということだけを申しておるわけではございませんで、まず収入面での二年続きの不況の影響による収入額の伸び悩み、それから利用度の低い住宅用電話増大による収入の伸び悩み、それから支出面ではいま申し上げました人件費増加、それから借入金の増大というようなものを挙げておるわけでございまして、収支悪化の一つの一因としまして人件費というものを申しておるわけでございます。  さらに、人件費増加というものは五十年度の収支というものに大きく影響を及ぼしておるということもまた否めないところでございまして、これを数字的に申しますと、五十年度の赤字は四十九年度の千七百五十三億円の赤字よりもさらに増加をしまして二千八百十二億円の赤字となっておりますが、これの収支の悪化というものは、収益が前年度に比べまして二千二百八十二億円、一二・一%の伸びに対しまして、費用の方が前年度に比べまして三千三百四十二億円、つまり一六・二%増ということで、非常に収益を上回る増加を示しておるわけでございまして、このうちの費用の増加した理由として人件費を挙げておりますが、人件費増加を申しますと、これは千百九十三億円の人件費増加を示しておりまして、費用の増加額の三五・七%というものを占めておるわけでございます。なおまた人件費の対前年の増加率というものも、収益の一二・一%をはるかに上回る一七・一%という増加額を示しております。そういった面から人件費増加というものも五十年度の収支悪化の一つの原因になっておると、こういうことでございます。
  335. 片山甚市

    ○片山甚市君 数字で具体的に言うと、今度は総費用の中で三五・七%上がった、こういう御説明をしていただくんですが、いままで公社の総費用の中に占める割合は大きなものでない。しかし公社が非常に大きな設備投資をして装置産業としてお金を借りる、そういうことになって起こった赤字だと、こういうことについては対立をいたします。それから、あなたたちが人件費が上がったからそういうことになったと言う前に、非常に大きな設備をしたからだと思います。  で、職員一人当たりの収入の伸びについて昭和四十六年から五十年はどうなっておるかについてお答えを願いたい。
  336. 好本巧

    説明員(好本巧君) お答えいたします。  職員一人当たりの事業収入は、昭和四十三年におきましては、一人当たり年間三百万円でございますが、四十九年度では六百万円でございます。
  337. 片山甚市

    ○片山甚市君 四十六年が四百三十一万円、四十七年が四百九十万円、四十八年が五百五十八万円、四十九年が六百万円、五十年が六百五十九万円です。  私は、その一人当たりの収入も伸びておるというような立場から言って、公社が不当に資本費用あるいはそれらについてカバーしておる、それを隠しておる。人件費のみを口実にしておるということで、これは納得できないと、ここに申し上げておきたいと思う。  それから、先ほど言ったように、昭和四十八年には事業電話が九百五十度数、そして住宅用電話が二百四十度数だったのが、四十九年には事業用が九百十に落ち、そして住宅用が二百六十五と、私の方はふえています。ですから、住宅用電話収入について悪くしておる、こういうことについては当たらないと思う。  そこで、一人当たりの負担加入数でありますが、労働装備率ではどういうふうになるか。四十九年と五十年に伸びがなかったかということになるんですが、これはお手元の資料を見てもらうとわかるように、四十六年には六二・七加入、四十七年には七一・三加入、四十八年には八〇・三加入、四十九年には八八、九加入、五十年には九六・一加入です。で四十六年を一〇〇にしたら五十年には一五三%。労働装備率で言うと、昭和四十六年には千二十七万円、ずっと略して今度は五十年になりますと千六百四十一万九千円。で昭和四十六年を一〇〇にすると、この場合一六〇になります。こういう形で非常に労働生産性を上げてきた。こういうことについて認められるかどうか、お答えを願いたいと思います。   〔委員長退席、理事最上進君着席〕
  338. 山本正司

    説明員(山本正司君) ただいま御指摘のように、労働装備率も昭和四十六年と比較いたしますと、約六割増しということで上がっておりますが、他方、一人当たり負担加入者数あるいは一人当たり電話機数といったような生産性を見る指数の面におきましても、四十六年の一人当たり負担加入者数約六十九加入に対しまして、昭和五十年度は百八加入ということで年々向上いたしておるわけでございます。  この数字は欧米、特に最高の能率を上げておると言われますATTの一人当たり電話機数等々と比較しましても、大体、同程度、ちょっと落ちるぐらいでありまして、ほぼ世界最高の能率、生産性指数を上げる段階にまで到達しておるものというふうに考えられるわけであります。
  339. 最上進

    ○理事(最上進君) 関連を許します。案納君。
  340. 案納勝

    案納勝君 関連。  人件費の問題いまやっていますが、関連してちょっと返りまして剰余金の問題で、もう一回はっきりひとつお答えをいただきたい。  七千億程度の、発足以来の剰余金の措置費、多くは申し上げませんが、公社というのは非営利性がきわめて強い公共企業体ですね。そうすると、剰余が出た場合には事業に還元をするか、あるいは価格の引き下げに回すか、あるいは業務改善や職員の待遇改善に回すか、いずれかをするのが通常だと思う、公共企業体として。このいずれに当たるのか、今日措置をされているのは。この点だけひとつ明確にお答え願いたい。
  341. 好本巧

    説明員(好本巧君) 御指摘のように、毎年度の損益勘定におきますところの収支差額、利益金というものは、いま御指摘になったようなことに、いずれかに使用されるものだと思います。  二十八年度以来、利益金は、公共企業体はすでに御案内のように一般の民間企業と違いまして、そういうものは課税の対象にもなりませんし、株式配当も必要でございませんし、役員の報酬にも使いません。いわゆる社外に流出いたしませんで、挙げてこれを二十八年度以来は資本勘定に繰り入れて建設投資に回してきたわけでございますが、ただいま委員の御指摘のように、あるいはそれを料金のレベルを下げるという方に使うということももちろんあり得ると思います。ただ、二十八年度以来、電話事業というのは、すでに御案内のように、ほかの企業と非常に違う特徴点といたしまして、電話の利用者に還元するといいますか、建設投資で拡張、改良、サービスの維持というふうなものにもちろん利益金を使うわけでございますが、拡張に使いましても、経営規模加入電話のネットの規模が大きくなるということは現在の加入者に対して非常に大きな利便を与える、サービスを向上させるというふうな意味から、電話料金の一部をもってその利益金の一部を建設投資に回すということは、アメリカのような民間企業であるAT&Tでも大体過去十年ぐらい毎年の総収入の三%程度を建設投資に繰り入れておりますし、イギリスにおきましても、通常年におきましては一〇%弱のものを投入しておりますし、フランスのごときは三〇%弱のものを総収入の中から建設投資に回しておるというふうなこともございます。  どのくらいの金額で回すべきかということはいろいろ問題はあろうかと思いますが、先ほど御答弁いたしましたように、毎年度の予算において金額も決定して予算成立させていただきまして、それを資本勘定へ繰り入れて建設投資に回しておるという実情でございます。
  342. 案納勝

    案納勝君 もう一回。  要するに、今日まで五次にわたる五カ年計画でですね、毎年の設備投資電電公社の場合はこれはまあ料金問題のあり方の論議が行われた際にも明らかなとおり、また今日まで論議をされてきました、料金は収支相償うという制度の上に立って、その上に立って政府の施策、経済成長や経済見通しの上に立っての計画を立てられますね。そうすると、この剰余金というのは、この計画プラスアルファとしての剰余金として建設勘定に回してきたと、こういうことなんですか。
  343. 好本巧

    説明員(好本巧君) 御案内のように、第一次五カ年計画建設投資額は約三千億でございます。第二次五カ年計画は約七千億でございまして、第三次五カ年計画はトータルで五カ年間で二兆円の投資をしております。第四次五カ年計画ではトータルで四兆五千億の投資をしておりますが、その中でいま申し上げた利益金を回したものは、先ほど指摘になりました約七千億円でございます。
  344. 片山甚市

    ○片山甚市君 人件費の支出については、総費用の中で三三・四%、九千百三十九億円、こういうように見ておるんですが、委託業務費についてでございますが、郵政の場合は八百九十九億円見込み、公衆電話委託費百五十二億円を見込んでおります。今後、いままでの討議の中でも人件費の増高を含めて云々とか言って、これから増加することと思いますが、今度の公衆法の改正によって、電話委託費は現行の赤が四百四十円プラス一度数一・五円、青が四百円プラス一度数一・五円というものがどのような形で変わっていくのか、お答えを願いたい。
  345. 遠藤正介

    説明員(遠藤正介君) これは公衆電話の委託手数料でございまして、特別通話料と関係はございませんので、しかしこの機会にまた別の要素改定をする必要があるかどうか十分検討をしていきたいと思っておりますが、現在のところは、まだ改定するとも改定しないとも考えておりません。
  346. 片山甚市

    ○片山甚市君 先ほどからお話がありましたように、昭和二十八年の公社の固定資産については千百三十三億円だと見ております。その後実施の再評価基準では、改算すると二千五百三十九億円に見られるんですが、それで間違いありませんか。
  347. 好本巧

    説明員(好本巧君) まことに恐れ入りますが……
  348. 片山甚市

    ○片山甚市君 実は、これを申し上げるのは、五十年度末の固定資産額を見ると五兆八千四百九億円になっておるわけです。取得価額では十兆円に上るんですけど、高額の先ほど言いました減価償却をやってまいりまして、それだけになったと思います。それで見ても、実に、電電公社が二十八年にできてから二十二年間で固定資産が二十三倍になっておるんでありますが、このような財産はどのような人の力で——日本政府はお金を貸さないそうですし、いじめたりすることを一生懸命やるそうですが、だれが築いてきたことになるのか。そこで、この五兆八千四百九億円を時価に再評価したら、どれぐらいの額になるか言ってほしい。
  349. 好本巧

    説明員(好本巧君) 五十年度末の資産価額を時価で再評価したら幾らになるかという御質問でございますが、ただいま手元に資料ございませんが、そういうものをある種の前提を置きましてデフレーターを掛けてやったことがございます。その数字はただいま手元にございませんが、そのノミナルの固定資産に対しまして線路施設、機械施設というものが私どもの固定資産の中の九割近くを占めておりますが、そういうものは、ここ数年間のことは別にいたしまして、取得価額というものはそう大きくよその財産のようにインフレでどんどん上がっているというものではございませんので、むしろ調達コストの下がっておるものもずいぶんございますので、はなはだ恐縮でございますが、私の記憶によりますと、せいぜい二、三割とか、そんなものではないかと思います。
  350. 片山甚市

    ○片山甚市君 まあ二、三割で五兆円ですから、いわゆる一兆円か一兆五千億円の金で大したことはないでしょうが、しかし、公社にとっては、私たちは大変です、一千億円とか二千億円が赤字だということで、こういう値上げ法案審議をしなければいかぬのですから。  で赤字赤字と言うけれども、これだけの資産をつくったという、現物を持っているということについては忘れないでもらいたいんです。こういうような資産の飛躍的増大は年々の巨額の設備投資の結果生じたものである、明らかでありますから、いわゆる二十八年から五十年度までに先ほどおっしゃった建設投資総額は幾らなんですか、先ほどおっしゃいましたね、もう一度言ってください、第一次、第二次、第三次、第四次、第五次。
  351. 好本巧

    説明員(好本巧君) お答え申し上げます。  正確な数字はちょっと待っていただきたいんですが、大体、第一次五カ年計画では三千億円、第二次では七千億円、第三次では二兆円、第四次五カ年計画では四兆五千億円、それが四十七年度まででございますので、四十八年度と四十九年度で約三兆円弱の投資をしていることに相なります。
  352. 片山甚市

    ○片山甚市君 そうすると、公社説明によると約十兆円ということに相なろうかと思う。これらの投資によって生産性も上げられたわけですが、全部が全部必要だったかどうかということについては私は疑問が多いわけです。  それは後におくとして、これらのための原資は、設備料、収支差額、つまり純利益、減価償却、債券、その他借入金などで充当されてきたが、その累計はそれぞれどの程度に達するものですか。
  353. 好本巧

    説明員(好本巧君) 手元に五十年度末、最新の数字がございませんが、利益剰余金は、先ほど片山委員がおっしゃった数字でございますが、四十九年度末で、総資産の金額が五兆八千億円でございまして、その中で固定負債が約四兆円。固定負債といいますのは、いわゆる電信電話債券、借入金でございます。それからいわゆる設備料あるいは負担金、そういったもののトータルが約一兆円。それから利益剰余金は先ほど片山委員がおっしゃいましたけれども、四十九年度は欠損で少し減っておりますが、約五千億円。流動負債は二千億円、非常にわずかでございます。  したがいまして、その五兆八千億円の総資産の内訳といいますと、資本勘定で一兆六千億円。資本勘定の中で一番大きいのがただいま申し上げました資本剰余金でありまして、設備料負担金等でございます。それから利益剰余金。そういうものの資本勘定の中で資本金はわずかに百八十八億円でございます。それから固定負債が約四兆円、流動負債が二千億円、そういったような内訳でございます。
  354. 片山甚市

    ○片山甚市君 財務会計統計便覧によると、昭和二十八年から五十年度の合計は設備料で負担金を含めますから一兆一千三百八十七億円、利益金で収支差額として九千八百五十二億円、損金算入として欠損金昭和四十九年に一千七百九億円、昭和五十年に二千八百十二億円を含みますが、減価償却等については五兆二千三百二億円、債券受益者債券加入債券として三兆六千六百八十六億円、内、返済をしたのは一兆六千三百五十七億円です。その他の借入金として外債を含め一兆五千七百九億円ということに相なる。これだけのお金を返すのですが、債券の、借りたお金ですね、いま残額として債券は幾ら残っていますか。
  355. 好本巧

    説明員(好本巧君) まことに恐縮でありますが、四十九年度末の資料しかございませんが、いわゆる加入債券で残額が約二兆九千五百億円でございます。それから政府保証債の残額がこの前御答弁いたしましたように千八百七十六億円でございまして、その他の債券、いわゆる特別電電債関係でございますが、六千四百九十五億円、合計で三兆七千八百八十九億円でございます。四十九年度末でございます。
  356. 片山甚市

    ○片山甚市君 結局、借金をして借金で返していき、これらの債券についての借入金の負担利子は幾らにいまなりますか。
  357. 好本巧

    説明員(好本巧君) 五十年度におきまして、利払い金とその他の債券の取扱費を合算しまして、約三千百億円でございます。
  358. 片山甚市

    ○片山甚市君 私のところの手元の資料を見ると、損益勘定で行っている利子の負担は、発行差損などの金融費用が事業支出に占めるウエートとしては昭和二十八年では五%、昭和三十八年で九%だったものが昭和四十三年では一二%、四十八年では一二・六%、昭和五十年には一三・二%に増高していると監査報告七十七ページに書いてありますが、これは間違いないでしょうか。
  359. 好本巧

    説明員(好本巧君) そのとおりだと思います。
  360. 片山甚市

    ○片山甚市君 つまり、元本とは別に、利払いだけで五十年度には三千百六十二億円も必要になり、電報料の総収入の百四十二億円の二十二倍に当たり、通話料収入の約一兆三千億円の四分の一に充当されておることになります。おまけに借金で返している元本を加えると五十年度には七千百十二億円にも上り、通話料収入の二分の一以上、五五%が借金の返済と利払いに充てられることになります。  大臣、公衆電話をかけ、十円玉を入れたとしますと、そのうち五十五円五十銭が借金の金利と元本の返済に充てられているということですが、こういうような状態、いわゆる借金を返すために大変なことになっておるということについてはよくおわかりでしょうか、お答えを願いたいと思います。
  361. 福田篤泰

    国務大臣福田篤泰君) 一刻も早く公社の財政基盤確立を図って内部資金比率を高めますとともに、外部資金につきましても極力低利な資金の確保に配慮いたし、努力し、金融費等の減少を図ってまいりたいと思います。
  362. 片山甚市

    ○片山甚市君 金融費用の増大ということは、すなわち相当大きな固定資産を持つ設備の拡充、技術革新を行ってきたからということになりましょう。そういうようなことで、いませっかく低利のものをとこうおっしゃいましたけれども、それでは昭和二十八年に電電公社発足してから今日まで、国の一般会計からの補助はどういうことになっているか。繰入金、出資金はあったのかなかったのか。いわゆる昭和二十八年から昭和五十年までの間に一般会計からの補助とか繰入金とか出資金というのはあったのかなかったのかお聞きします。
  363. 好本巧

    説明員(好本巧君) 公社発足のときに、出資金は百八十二億円でございまして、その後、琉球電電公社合併のときに六億円余の追加出資がございまして、合計百八十八億円になりますが、いま御指摘の一般会計からの繰り入れ援助というものはございません。
  364. 片山甚市

    ○片山甚市君 いま八百八十億円のお金について、幾らそれが残っておるか、お知らせを願います。
  365. 好本巧

    説明員(好本巧君) 資本金は百八十八億円でございます。
  366. 片山甚市

    ○片山甚市君 そうすると、昭和二十八年には一般会計の繰入金として二十九億円が五十年度末に八億円に減っているけど、これはどうして八億円になったんでしょうか。
  367. 好本巧

    説明員(好本巧君) 失礼いたしました。それは昭和二十二年、昭和二十三年の逓信省の時分に、一般会計から繰り入れられたものの償還でございまして、公社になってからは繰り入れられたものはございません。
  368. 片山甚市

    ○片山甚市君 国というのは百八十八億円の出資をしておると、こういうことで、すべてあとは電信電話公社の責任に帰し、減価償却については今日は非常な大きな負担をしておると、こういうような状態について改善をする以外にないだろうと思うんです。  で、いま申しましたように、人件費の問題を論じてきました。また設備の問題を論じてきました。収支の問題を論じてきました。  そこで労使関係について総裁にお聞きしたいんですが、関係労働者の労働条件の向上といわゆる雇用の問題についてですが、今日、今回の料金値上げ公社合理化の不十分さから経費の節減が行われていないかに言う向きがありますけれども公社はそのようにお考えですか。
  369. 米澤滋

    説明員米澤滋君) 先ほどお答えいたしましたように、電電公社の内部におきます生産性の問題でございますが、これはヨーロッパの西独、フランス、イギリスよりもむしろ日本の方が生産性が上がっておりまして、アメリカのAT&Tより若干おくれておるかもしれませんが、ほぼ対等というところへいっております。これは何といいましても、他の企業体に比べまして労使関係がやはり安定しているという一つの証明であると思います。  それから公社関連といいますか、外側の問題につきましては、この外側といいましてもいろいろ建設もあり資材もあります。資材関係は必ずしも公社ばかりに資材を納めているわけではありません。それから、また建設関係の方はどちらかというと公社に非常に依存度が高いわけでありまして、これらのところは経営自体はそれぞれの会社の責任者がおるわけでございます。
  370. 片山甚市

    ○片山甚市君 いま総裁公社の環境の問題を話したんですけれども公社事業が基幹産業として私は重要産業と見るかどうかと郵政大臣に聞いたんですが、先進的に合理化を進めてきたと私は考えます。その結果、公社の資産は、昭和二十八年度第一次五カ年計画の出発点に対して見ても、昭和五十年度では約二十三倍ほどに膨張しておる、要員はやっと二倍であるということは先ほどからの説明で申し上げたとおりです。そういう意味では、当該の労働者は合理化に協力したということになりますが、そう思いませんか。
  371. 米澤滋

    説明員米澤滋君) 公社の職員並びに労働組合は、立場が違いますけれども合理化に非常に協力したというふうに思います。
  372. 片山甚市

    ○片山甚市君 労使対等による契約関係は欧米では当然のことであり、電気通信事業のような先進的な企業にあってはこうした近代的な労使関係は当然今後も維持さるべきだと思いますが、総裁はどう思いますか。
  373. 米澤滋

    説明員米澤滋君) 現在、この十年間、労使関係近代化路線を進めておりますけれども、これは今後とも継続、維持されることが望ましいと思います。
  374. 片山甚市

    ○片山甚市君 公社技術水準はアメリカに匹敵し、遜色はないということを公社幹部はいつも言われておるんですが、これをつくり上げてきたのは技術陣を背景とする電電の職員だと考えます。この者たちに対する人権攻撃やあるいはためにする攻撃については断固として反対します。したがって、公社は今後の事業運営に当たって、労働条件についてさらによくなるように向上を図り、雇用が不安定にならないように、安定するように基本姿勢としてやっていくことについては、確認してよろしゅうございますか。
  375. 米澤滋

    説明員米澤滋君) 基本的には、そのような考えで進めていきたいと思います。
  376. 片山甚市

    ○片山甚市君 今日までせっかく労使で築き上げてきた労働条件を低下させるようなことは絶対やらない、こういうようなことで、たとえば頸肩腕症候群が生まれてきました。これはやはり電信電話事業のあり方に大変いびつな問題があろう、そういうことで、今日では他の企業に例を見ないような条件で幾つかの労使協定が結ばれ、罹患者の発生は鎮静に向かっておりますが、こういうことについて労働者の参加、意見を聞く、こういうことについての配慮をお願いをし——お願いをするというか、当然やるべきだ。労働省がいわゆる加害者である電電公社にいわゆる認定権を与えておるというのは、公平にやるだろうということにならなきゃなりませんが、これからもその協定を守って労働者の意見を十分にくみ入れていただくようになるかどうか、お聞かせを願いたいと思います。
  377. 米澤滋

    説明員米澤滋君) いま一つの例といたしまして頸肩腕症候群の話が出ましたが、私はかつてこういう委員会の席で、これが絶滅を期したいということを言いました。関東病院の院長にプロジェクトチームといたします委員会をつくらせまして、報告も出ておりますし、この問題につきましては今後とも積極的に取り組んでいきたいと思います。
  378. 片山甚市

    ○片山甚市君 このような非常に激変期に当たり、安定経済成長と言われるとき、ポスト電話政策と言われるが、昭和五十三年以降になります。   〔理事最上進君退席、委員長着席〕 これについては十分に労使協議した中の政策として、国民の合意を、先ほども申しましたように郵政大臣並びに総裁などの諮問機関でとこういうことを言いましたけど、そこでも練り上げるとともに、関係労働者の合意を得られるように、従来やっていた路線を変えることはないか、こういうことについてお聞きをしたい。
  379. 米澤滋

    説明員米澤滋君) お答えいたします。  昭和五十三年以降の問題につきましては、前回、この委員会でもお答えいたしましたが、確かに一つ転換期に来ていると思います。それで、私といたしましても、これを実施する前に、十分各方面の御意見を伺って対案を考えていく必要があるというふうに思います。
  380. 片山甚市

    ○片山甚市君 いや各方面のことは幾らでも聞いていいんです。事業は人なりと、こうおっしゃるけど、これは企業の外の人も人は人ですから、それは人は人ですけど、企業は人なりというときは、そこの関係の者でしょう。その人たちの技術革新というのはそれに対応できるようにならなけりゃできませんよ、技術を持ってくるわけにいかぬ。だから、私は明確に聞くんですが、当該の労働者、職員の意見をよく反映をして今後やっていかれるかどうか。それだけと言いませんよ、関心があるんですから。ちょっとした変わり者から言うたら何か変なことじゃないかと、そんなことありません、それはどうでしょう。
  381. 米澤滋

    説明員米澤滋君) お答えいたします。  先ほどお話しいたしましたように、いろいろ新しい問題が出てまいりますので、公社内の人、それから労働組合の意見というものは最初に聞いていきたいというふうに思います。
  382. 片山甚市

    ○片山甚市君 実は、労働者雇用の安定という場合には、特に考えなきゃならぬことは、電報の例でもそうですが、中高年齢の者が多い、移動するのに大変なことになる。しかし、長い間日本の通信産業に携わってきた、こういうようなことについては格段の配慮をしながら、この人たちが安んじて仕事ができるような体制をとってもらいたいと思いますが、いかがでしょう。
  383. 米澤滋

    説明員米澤滋君) ただいま電報の問題が出てまいりましたけれども、電報事業につきまして、そこで働いている方に対しましては前々から十分いろいろ配慮してきたつもりでありますが、今後とも、労働組合を通じ、その他働く方の意見というものを十分伺いながら、対案を考えていきたいと思います。
  384. 片山甚市

    ○片山甚市君 公社はお金が今度うんと入るようになる仕組みにしたんで、料金が値上げしたりしたら好き勝手にやるというようなことはないと、こういうような意味のことに受け取っておきます。あなたの方は金を取るとじきにけんか吹っかけて抑えつけてやるの好きなとこですからね、いや資本家ですから、何ぼ言ったって。企業家だからもうかったらいいんだから、人のことなんか考えていないんだから、悪徳商人もおるんだから、皆さんが個人でなくても、世の中そうです。独禁法つくろう言うたらみんな反対しよるでしょう。あれは本当なんです、もうからぬからです、あんなことされたら。三木がけしからぬ言うけど、本当は違うんです、あれは独禁法つくられるからです、本当はね。わかるんですよ。もう心配でたまらぬから言うた、途中で。  それで、いわゆる赤字経営と称する事態を迎えた背景について突っ込んでくると、私は、料金の値上げさえすれば解決するということにはならぬと思います。そんな甘ちょろいことではできない、もう少ししっかりと将来のことについて考えてもらいたいのは、債券の取り扱いですが、経営基盤をどのようにして確立するかということについては、先ほど申しましたように、福祉については、この部分について国が、または公共団体がしっかり考えてくれる。産業用についてはユーザー、利用者があなたたちの好きな受益者負担できちんと原価計算をして負担をしてもらう。国の国策的な政策、こういうことについては国が負担をするというようなことにしてもらえれば、あとの問題はわれわれ利用者というものがしっかり考えていけるようになろう、こう言いました。  しかし、いまある債券の償還計画というものについて、先ほど好本さんがおっしゃった、これはどういうようになるのか。これは問題になりますのは、加入債券については、御承知のように、昭和四十七年に決めるときに、完全充足ができる時期にはなるべく早くこれはやめたい、こういうように言っており、いまの話では絶対やめぬように——二百六十万ほど電話が新しくつくんですよ、それに金が要るから昭和五十七年度まで延長したやつをやりますよと言わんばかりに言っておりますが、いわゆるそういうことでは成り立たないのではないか。そういうことで債券の扱いについてどのように考えていくのか、今後。お答えを願いたいと思います。
  385. 好本巧

    説明員(好本巧君) お答え申し上げます。  拡充法の期限が五十七年度末で参りますし、いま片山委員の御指摘のように、それをさらに延長するということはできないことかと思いますので、しかし、現在、単年度で三千六百億円を超えるような金額を加入者電電債券に依存しておるわけでありまして、それを昭和五十七年までの間にほかの資金調達手段にこれをとってかわらなければいかぬという問題がございますので、いまおっしゃられましたようなことの趣旨も踏まえまして、五十七年度までの間に、できるだけ早くこれを解消するというのが法律の趣旨でございますので、その線で十分検討してまいりたいと思います。
  386. 片山甚市

    ○片山甚市君 いまのようなままで進んでいったときに、債券の償還計画というものがなかったならば、いわゆるやめると言ってもやめられないと思うんです。  いつごろまでに、大体、そういうことのめどをつけられるか、もう一度お聞きしたい。
  387. 好本巧

    説明員(好本巧君) 先ほど申し上げましたように、単年度で三千億あるいは四千億という膨大な金額でございますので、仮に五十六年度までにおきましてはいまのようなことをやっておりまして、五十七年度で急にそれをほかのものにとってかわるということはこれは不可能でございますので、やはり前広に漸進的にそういうラインに到達するようなことを、もう急いでそういう計画をつくらなきゃいかぬという時期に参っておると思います。
  388. 片山甚市

    ○片山甚市君 そうすると、郵政大臣、いよいよ公的な負担をどのように電電の仕事に割り当てるか、こういうようなことで、どういう肩がわりをするかということになり、すなわち、いままでのように借金経営というものを改めていくことがなければ大変なことになろうと思うんですが、郵政大臣はこのことについての財政措置について、先ほどから余り歯切れのよくないことでありますが、措置をどうとられますか。
  389. 好本巧

    説明員(好本巧君) 先ほど申し上げましたように、段階的にほかのものに肩がわりをする、ほかのものとは何であるかということでありますが、これは郵政省、関係方面と十分御協議いたしまして、われわれといたしましては、できる限り資金調達は多様性があって、しかも金利が安いものがいいわけでありますが、財政支出に全部それを肩がわりするということはおのずから限界があると思いますが、なお十分そういうことを御協議しながら検討を進めてまいりたいと思います。
  390. 片山甚市

    ○片山甚市君 じゃ、やっぱり電信電話料金を値上げするから何とかいけるから、そないになりますけれども、これは値上げできぬということになれば相当真剣に考えなきゃならぬこと。いわゆる料金値上げやいろんなことをやって、その設備投資を回転させていこうという考えがある。で装置産業でありますから、これまでくれば、そういうことでなくて、もっと長期のお金を使ってゆっくりした関係でやらなきゃならぬだろうと思うんです。  先ほど申しましたように、とにかく地方自治体、政府機関の電話については諸設備はかなりの大きいものと思います。それを免除しておりますが、何回も言いますように、こういうものは、当然、国がお金を出さぬ、独立採算などといばっておるんなら、独立採算みたいにちゃんとしてもらいたいということを申し上げたい。特に、債券については、もう少しいろんなことを考えて、長期的な低利のものが出るようにしてもらいたいと思いますが、いかがですか。
  391. 福田篤泰

    国務大臣福田篤泰君) 御主張の趣旨を体しまして、十分検討いたします。
  392. 片山甚市

    ○片山甚市君 郵政大臣がそうおっしゃっても、なかなかむずかしそうな声になってしもうて、いやそうおっしゃるけれども、もう議事を早く進めてくれと言わんばかりに聞こえて仕方がございません。  国鉄の場合は、鉄道建設公団には債券借り入れの利子補給などをしておる実態でありますが、これは郵政大臣お答えができないかもわかりませんが、どういうことでそうなっておるんでしょうか。原子力発電あるいは港湾の建設などについては、国はどういうようにしておるんでしょうか。
  393. 松井清武

    政府委員(松井清武君) 国鉄の場合につきまして定かには存じませんが、やはり恒常的な収支欠陥状況というものを考えまして、国として助成を図っているというふうに考えている次第でございます。
  394. 片山甚市

    ○片山甚市君 まあ原子力発電とか港湾とかにはまたそれはそれで民間ですから、またそれぞれの人たちにお金を出していると思いますが、それほど勉強してないと言うんですから、それ以上お聞きするわけにいきませんが、先ほどから言うておるのは、拡充計画の見直しということで、不要不急の新技術導入であったり、あるいはまた使える建物や機械を取りかえたりしているきらいがないかどうか、いま少し経営の状態を重視をし、後世の人々に、しかも利用者にしわ寄せをさせないように計画をきちんとしてもらいたい。私たちはだれが見てもわかるように原価が示され、それによって明確に動けるようにしてもらいたいんです。  なぜならば、五十年度は三百万の増設であったのが五十一年度には二百六十万になりながら、建設投資は相変わらず二二・九%増になる。これは物価増ではないでしょう、物価の増だけではありませんでしょう。一兆五千億円の建設計画があるということになりますから、私はこれらが基礎工程、データ通信施設などに重点を置いたものと考えられますが、加入電話のための施設であるものがどのぐらいの割合になるのか、明確にしてもらいたい。
  395. 輿寛次郎

    説明員(輿寛次郎君) お答え申し上げます。  加入電話に要する建設費用といたしまして、大体、われわれ九三%ぐらいがそれに充てられるべきものと承知しております。
  396. 片山甚市

    ○片山甚市君 それの資料の内訳を後刻いただきたい。それを検討した上で、次のときに発言をする機会を得れば、質問をしてみたいと思います。
  397. 森勝治

    委員長森勝治君) 速記ちょっととめて。   〔速記中止〕
  398. 森勝治

    委員長森勝治君) 速記を起こして。
  399. 輿寛次郎

    説明員(輿寛次郎君) 承知いたしました。
  400. 片山甚市

    ○片山甚市君 先般、会議用テレビ電話が鳴り物入りでスタートを切っておりますが、それほどまで先走りをするお金があるのだろうか。だれがそんなことをしてくれと言っているのか。いま御承知のインドでは餓死が出ておるのに、外国の資源をいただく日本の国ではテレビ電話をつけてみるという発想もどうかと思うんですが、大臣、それほどいまのところ電電の事業は余裕があるんでしょうか。
  401. 森勝治

    委員長森勝治君) 速記ちょっととめて。   〔速記中止〕
  402. 森勝治

    委員長森勝治君) 速記を起こして。
  403. 福田篤泰

    国務大臣福田篤泰君) 事務当局より答弁させます。
  404. 佐野芳男

    政府委員(佐野芳男君) 会議用テレビが現在の公社経営を背景にして適切であるかどうかという御質問ですが、確かにある面だけとらえれば片山委員のおっしゃるとおりでございますけれども、やはり技術革新とか将来の社会の多様化などを考えて、そういう新技術というものをある程度先取りするという態勢もまた必要ではないかと思います。
  405. 片山甚市

    ○片山甚市君 だから言うんです。そんな金は国がちゃんと金もできて、やってくれと、こう言うんですよ。何で七円の電話料から盗むようにしてつくらなきゃいかぬのですか、ちょっと間違ってませんか。私、常識外れだと思っているんです。だから、もうこれ以上言いませんけれども、あなたたちがいかに無謀にやっておるかということがわかればいいんでね。  なかなか、最上さんの方が何でも多数で押し切ろうと思っておるんだから、これはだめですね。私と同調してくれたらすぐ変わるんですがね。いかがなもんでしょう。世の中というのは道理の方に傾いてもらわにゃ。だから設備料を上げなきゃならぬ、何はせにゃいかぬと言って、基本料を二倍に上げます、何々しますというように言いながら、新しいそういうような先導的なものがやられる、それは国策でしょうが。大企業がそれによってちゃんと安定した受注体制を受ける、産業の誘導をしておる、大きい会社は損をしない、こういうことになりますから、これについては、いまのお言葉について反論というよりも、意見を述べておくにとどめます。  さて、本命のデータ通信ですが、一つの例として、設備投資はことし七百十八億円になっておるそうですが、販売在庫管理システム等を含めて今後どのような形になっていくのか、収支相償をいつできるのか。これは八年でやれることになっておるんですが、いかがなものでしょう。
  406. 北原安定

    説明員(北原安定君) お答えします。  データ通信につきましては、先ほど計画局長が言いましたように、電話が主体の公社投資の中で約五%程度の投資をいたしております。  それから、先生御指摘のように、データ通信そのものは、私ども、国家的あるいは国益的な分野、たとえば医療関係とか公害関係というようなナショナルプロジェクトの部分、あるいは全国にネットワークになるような国民生活に非常に関係の深い為替交換のような分野、あるいは中小企業でなかなかひとりでコンピューターを使って整備することのできなような企業に提供する公衆データ、あるいは開発先導、そういうような種類のものを私どもは努めて取り上げてやっておる次第でございます。これらがいわゆるIBMを中心としてやっておりますヨーロッパにおける情勢等から判断しまして、私たちの公社がやることによって、民族糸資本の、あるいは民族系の技術の確立に大変大きく役立ってほしい、この程度のものは今後も続けていきたい、いくべきではないかと考えております。
  407. 片山甚市

    ○片山甚市君 いや、それを電話料でやるというのが気にくわない。電話料じゃなくて、日本政府というのは二十四兆円とか二十五兆円とかいう予算を組んで、がばちょと大企業に援助をすることを命がけでやっている政治ですよ。そこで、なぜ、つぶれかかったというか、いま倒産と書いてあったよ、これね。何やらいう機関誌、あなたのところの「テレトピア」か何かありますな、先ほど読んだ。普通なら倒産のところと書いてあるね、電電公社。そんな倒産をするというような会社が日本の国益についてとかいうのを言うなら、先ほど私が言ったように、日本政府はちゃんとせにゃいかぬと思う。こういうふうに申し上げます。  そこで、分計に問題がありますけれども昭和四十九年度では電話赤字が三百四十五億円に比べ、データでは三百五十四億とほぼ同様な赤字を出していますが、データ通信では四十八年度二百五十五、四十九年度三百五十四、五十年度四百二十四と年々赤字増大しておるんですが、こうした事業領域で、なぜ大企業というようなものが中心となるところでこういう赤字になるのかについて明確にお答えを願いたい。
  408. 北原安定

    説明員(北原安定君) ただいま私の説明がちょっと不足しておりましたんですが、最初からこのデータ通信につきましては公社といたしまして独立採算を原則として貫くべく努力しております。ただ、このサービス公社で実施するようになりまして十年の歳月を経ておりません、数年でございます。  そういうことが一つと、それから採算点を求める方式が八年の耐用年数を原則として計算しますので、四年をポイントとして黒字へ転換するというようなことでございまして、ただいまのところは、御指摘のように平均しまして年に三百億円前後の赤字を出しておりますけれども、五十二年度単年度ではこれが黒字に転化できる見通しを持っておりまして、今後、そういう意味で電話へ依存するということから離れて独立採算的な企業経営に向かえるものと考えておるわけでございます。
  409. 片山甚市

    ○片山甚市君 そういうことで約束をしておるんですから、いまのところちょっとそれはおいておきましょう。しかし、これからの投資総額、そういうものが回収できるかどうかについても疑問です。  そこでプッシュホンによるダイヤルス、電話計算サービスの利用状況ですが、どのぐらいありますか。私はあえて数字を言いませんが、あれだけのコンピューターを東京と大阪に置いて回線を使っておるんですが、投資の回収ができておるんでしょうか、お答え願いたい。
  410. 玉野義雄

    説明員(玉野義雄君) 利用としては、年間九万時間程度であったと思いますが、収入金額で申し上げますと、五十年度で約一億四千万ということになっております。  それで投資額に対する回収でございますが、ダイヤルスにつきましては、当初予想したよりも利用数が少ないというような点もございますので、今回、ただいま二十一秒七円でいたしておりますが、これを改定して収支見合うように直したい、こういうふうに考えております。
  411. 片山甚市

    ○片山甚市君 いまの二十一秒七円を幾らにするんですか。
  412. 玉野義雄

    説明員(玉野義雄君) ただいままだ検討中でございますが、大体、十秒に単位をいたしたいと思っております。
  413. 片山甚市

    ○片山甚市君 いま二十一秒で七円にしてあるものですが、利用者が非常に少ない、こういうようなことについては私は公社経営上の問題として指摘をしておきたいと思いますから、検討をしておいてほしい。これは本当にいつどうなるのか私としては意見があります。  販売在庫管理や科学技術計算サービスについて、民間業者との競争の中で積極的に伸ばしていくというつもりはあるんですか。そういうようなことが大体電電公社の考えですか、お聞かせください。
  414. 山内正彌

    説明員(山内正彌君) お答えいたします。  販売在庫管理及び科学技術計算サービスと申しますのは、主として中小企業に使っていただきまして、御自分自身ではコンピューターを設置することが困難なような会社の企業経営をよくするために使っていただくということが主要なる目的でございますので、しかも、これについては大分外資系の会社が強力に日本において販売をしておるというような状況も踏まえまして、公社といたしましては、国益の面も考えあわせて、さらに販売を一層促進していきたいというふうに考えております。
  415. 片山甚市

    ○片山甚市君 競争を外国の方とやるというのは国策的な問題でしょうが、行政管理庁が電気通信行政監察結果に基づく勧告として報告があります。十八ページあるいは十九ページに書かれておることについてちょっと聞くんですが、行政管理庁に伺いたい。  昭和四十九年九月にいま言った勧告を行っていますが、その中で「データ通信設備サービスの提供条件の適正化」ということが言われていますが、その趣旨を説明してください。
  416. 鈴木博

    政府委員(鈴木博君) 勧告の中で取り上げました「データ通信設備サービスの提供条件の適正化」につきまして、一項目起こして勧告をいたしておるわけでございますが、その内容をかいつまんで申し上げますと、たとえばサービスの提供に当たりまして非常に高度のDRESSでありますとかあるいはDEMOSでございますとか、こういうようなものはそれぞれの情報企業と競合する分野でございます。したがいまして公共企業体といたしまして、その企業と競合している部分について合理化、整理等について今後検討をすることが適当ではなかろうかというようなことを勧告いたしております。
  417. 片山甚市

    ○片山甚市君 電電公社は、ここに書かれていますように「この契約方式は、サービス開始前の解約、中途解約等をしたユーザーから、個別に作成したプログラムの作成費用を回収することができないものとなっているが、一方、民間の情報処理業者の場合は、契約時にプログラムの作成費用を別途徴収している。  一般に公社は、加入電話加入電信、専用回線等の各サービス分野に共通してこのような契約方式をとっているが、民間の事業者との競合があるDRESS等の分野においては、公正な競争関係を維持する上で、民間における契約方式との調整を図ることが望ましい。」こう言っておるんですが、郵政省は、どういうように具体的に公社を指導されましたか。
  418. 佐野芳男

    政府委員(佐野芳男君) いまの片山委員の御質問についてお答えをします。  「データ通信設備サービスの提供条件の適正化」ということで、ただいま行政管理庁から御説明がありましたが、原則としましては、この提供条件につきましても、原価をもとに、適正な報酬を見込んだ額を回収し得る合理的な料金を設定するというような趣旨でございまして、これは先ほど説明にありましたように、民間との調和的発展を配慮したものだと考えます。  そこで、郵政省としましては、このような趣旨を踏まえまして、いま先生からの御指摘もありましたように、ソフトウエアの作成費用につきましても、公社に対しまして、できるだけ早期に回収できるように、また万一解約が生じた場合には、それまでに要した費用が回収できるよう改めるよう、目下、その具体的改善措置を検討さしておるところでございます。
  419. 片山甚市

    ○片山甚市君 公社は余裕があるところでありますから、非常に民間業者との関係をそういうふうにしたんでしょうが、私は民間業者の肩を持つきらいを感じないでもありませんけれども、しかし、あえて赤字を覚悟で売り込むほど公社に余裕がないと思いますから、その勧告をどのように実施をしていくのか、総裁の方からお答えをいただきたい。
  420. 米澤滋

    説明員米澤滋君) 行政管理庁の勧告の線に沿いまして、処置いたしたいと思います。
  421. 片山甚市

    ○片山甚市君 引き続き行政管理庁にお伺いしますが、同じ勧告の中で、データ通信設備サービスの対象分野の明確化について指摘をし、公企体の性格にかんがみ重要な国家的ないし社会的課題を達成するためのプロジェクト、いわゆるナショナルプロジェクト関連したシステムに対象分野の重点を指向せよと言われていますが、なぞそうすべきだとお端えになっておるか、お答え願いたい。
  422. 鈴木博

    政府委員(鈴木博君) ただいま御指摘の項目につきまして申し上げますならば、御承知のとおりナショナルプロジェクトをやっているわけでございますが、この中で公共企業体としてその分野に非常に重点を置かれていることは当然でございますが、それ以外に、たとえば民間でもできると思われるようなプロジェクトも開発いたしておるわけでございます。それはそれなりの理由はあるわけでございますけれども、公共企業体としてどちらにその重点を置くかということになりますというと、今後のいわゆるそのあり方、その方向といたしましては、民間でできるものはしばらくおいてでもそのナショナルなものを手がけることが適当ではなかろうかという認識のもとに勧告をいたしております。
  423. 片山甚市

    ○片山甚市君 いまの行政管理庁の意見について、郵政省並びに公社はどのような態度をとられますか、お答えを願いたい。
  424. 佐野芳男

    政府委員(佐野芳男君) 公社の提供するデータ通信サービスの対象分野につきましてのお話でございますが、電電公社はこれまで電気通信の分野におきまして長年蓄積してまいりました経験と能力というものを生かしながら、民間のデータ通信利用と調和的な発展をしていくというのが望ましいかと思います。  このような観点からいたしまして、わが省といたしましては、公社に対しまして、再三出てまいりますが、公共的なシステムあるいは技術開発先導的なシステム、あるいは全国的なネットワークを構成するというようなものを中心にいたしまして、とりわけ国家的あるいは社会的課題を達成するように、そのための政府施策支援のナショ・プロというようなシステムに指向するように指導しているところでございます。
  425. 北原安定

    説明員(北原安定君) ただいま郵政省の方からお話がありましたように、その線に沿って公社の方では考えておりますが、電信電話技術と共通基盤を持っておりますために、私どもとしては、積極的にこのナショナルプロジェクトのようなものを中心とした方向で、今後、一層努力をしてまいる所存でございます。
  426. 片山甚市

    ○片山甚市君 通産省に聞くんですが、この行政管理庁の勧告の趣旨について、通産省の立場からいえば、どういうように態度を表明されますか。
  427. 関收

    説明員(関収君) 私どもといたしましては、情報処理産業が今後のわが国産業構造の中でも中核的な部門であろうということで考えておりまして、民間企業の発展を支援していきたいと考えております。  一方、いまお話に出ましたとおり、電電公社に一おかれましても公共性の高い分野あるいは技術先進性の高い分野、全国的なネットワークといったようなものについて開発を進めておられるわけでございまして、私どもといたしましては、行政管理庁の勧告にもございますように、電電公社のおやりになる分野と民間企業がやる分野との適切な分担関係が確立されることを心から期待しておるわけでございます。
  428. 片山甚市

    ○片山甚市君 公社に聞くんですが、国の行政機関や地方の自治体でのコンピューター利用の計画はどんどん進められておりますが、さて、どの程度電電公社に相談を持ち込まれておるんでしょうか、この事情について説明ください。
  429. 山内正彌

    説明員(山内正彌君) 確かに地方自治体等におきまして、そういう計画がいろいろ進んでおるということは承っておりますけれども、われわれといたしましても、そういう情報をとるように大変努力をしておりますが、必ずしも完全に、十分にこういう情報をキャッチしているとは必ずしも申せないと思います。しかしながら、そういうナショナルプロジェクト関連するようなものにつきましては、関係省庁とも連絡をとりまして、今後、公社において積極的に進めていきたいというふうに考えております。
  430. 片山甚市

    ○片山甚市君 それは積極的にとかなんとかいうことで、非常に抽象的に言っておるけれども政府機関がシステムをするのについてはなかなか慎重だし、そない予算も取れないし、時間かかってどうにもならぬのじゃないですか。  たとえば前から話がある大阪市の話などというのも、それは労働者の合理化につながりますから、なかなかそんなコンピューター入れてやろうなどということはできないことは事実です。私はこれとうらはらの、先ほど冒頭にお聞きしましたプライバシーの保護に関するものをちゃんと法律的に保護されなければ、これは進まない、こう思いますが、実際上、郵政大臣先ほど聞いた国の責務ということについて言えば、当然、ナショナルプロジェクトをつくるんなら国の内閣の方でいろいろと助言をし、そういうものを仕事がやりやすいようにすべきでないでしょうか。原子力発電所をつくろう、何をつくろうといったら大変力を入れるんだけれども、われわれのこの委員会で討議しておる一度数七円を十円にして、その上がりでうまくこういうような公共的なものをしようという、ナショナルプロジェクトみたいなものをしようというのは、これはただで乗っていくようなことになるんではないか、ただ乗りでないかと思いますが、もう一度郵政当局に聞きます。ナショナルプロジェクトが本当に進んでいけるように、あなたたちは責任を持ってやりますか。
  431. 佐野芳男

    政府委員(佐野芳男君) 施策の方向といたしましては、先ほど私たちが述べておりますとおりでございますし、それからやはり私たちが述べました三つの原則といいますか、三つの方向というものは間違ってないと思います。ただ、先生がおっしゃるように、たとえばプライバシーの問題とかいろんなそれに付随する問題、財政的な問題もあるかもしれません、そういうものはいろいろむずかしい事情があるかもしれませんが、丹念に根気よく一つ一つ問題を解決して、やはり力強く前進すべきだと思います。
  432. 片山甚市

    ○片山甚市君 国の施策は余り進んでおりませんが、ナショナルプロジェクトのシステムの開発にはそれなりの財政的ないわゆる措置が必要だと思いますが、現に情報処理振興事業協会等に関する法律があって、その中で情報処理振興対策のために国はどの程度の補助をしておるか、これについておわかりであれば御答弁願いたい。
  433. 関收

    説明員(関収君) 情報処理振興事業協会等に関する法律に基づきまして設立されております情報処理振興事業協会に対しまして、国から、一般会計から補助金が出ておりますが、補助金の規模昭和五十一年度で十七億三千三百万円でございます。
  434. 片山甚市

    ○片山甚市君 民間に対しては、このような形で、金額は少額でありますけれども、それぞれ援助をされておる、こういうことでありますから、このナショナルプロジェクトをつくる場合に相当国の全体の協力がなければできませんから、これをしっかり踏まえて、民間の情報処理関係が進むと同時に、公社がこういうようなものについて先導的な役割りを果たすとすれば、国自体のいわゆる責任を負うべきだと思います。という立場で、こうした民間のデータ業者の育成には財政措置を講じておるんでありますから、公社に対しては、もう一度言いますと、ナショナルプロジェクト開発に必要な経費の一部は当然国が出資をするか全額出すかということにすべきだと思いますが、まず通産省はどう考えますか。
  435. 堺司

    説明員(堺司君) 御質問の件につきまして、実は通産省と電電公社と超しSIと称する新しいコンピューターの核になります集積回路の開発を進めることにいたしておりまして、現在、相当密接な関係を持っております。
  436. 片山甚市

    ○片山甚市君 密接な関係はよろしいが、ナショナルプロジェクトというものがきちんと開発されて、それが基幹的ないわゆる役割りを果たす、こういうことについては私は特に力を入れてもらいたいと思う。  で、実は、データ通信というのはバラ色でスタートをしたんでございますが、その当該の労働者職員の士気はいますでに沈滞をし始めている。その責任は重大だと思います。郵政省や公社はもっと国にナショナルプロジェクトをさせるんならさせるように、きちんと大蔵省、通産省、あらゆるところに郵政省が一体となって措置をすべきだと思う。  これはIBMのガリバー企業に対抗していくなどと思うんなら、一度数七円のこの電電公社の金を全部つぎ込んでも大変なことではないでしょうか。二千八百億円の赤字になれば目を白黒するようなものについて、NASA計画を持つようなアメリカと対抗するなどということはとうてい思いもつかないことだと思うんですが、そのために一段と努力をされるかどうか。先ほどから言いますように、こういうようなプロジェクトは国がちゃんとすべきである、こう言っておるわけです。電話料金から召し上げるものでない、こういうことでしっかり踏まえてもらいたいと思いますが、いかがでしょうか。
  437. 福田篤泰

    国務大臣福田篤泰君) 御趣旨の線に沿って関係者と十分協議いたしたいと思います。
  438. 片山甚市

    ○片山甚市君 郵政大臣がそう言われたら、それはしないでしょうと言うわけにいかぬから、してくれるのですからありがたいのですが、ひとつしっかりとお願いをしたいと思います。  さて、コンピューターの利用に際して、プライバシーの危機が忍び寄っていると言われて久しいのですが、プライバシー保護のための必要な法制を整備されるについて、この際、明確にしてもらいたいと考えます。実は、官房長官お願いしておったが、官房副長官がおいでになるというので、余り詳しくない人に聞いてもと思いましたから、どなたか答えられる人があったらしてもらいたい。諸外国の法制については、アメリカ、西ドイツ、スウェーデン、フランスなどで法制の整備が行われていると聞いておりますが、そのことについて若干の御返答を賜りたい、まず。
  439. 岩井政治

    説明員(岩井政治君) 諸外国におきますところのプライバシー保護法制等の内容等を申し上げますと、まずスウェーデンではデータ法というのが一九七三年に制定されておりまして、これは電算機処理にかかるデータ、これにつきまして個人情報システムの設置の許可、個人の閲覧、訂正請求、こういった内容を含んでおります。それからアメリカでは一九七四年にプライバシー法が制定されまして、公的分野のみでございますが、データ等につきましては電算処理以外のものを含めまして、これらの個人情報システムの公示あるいは個人の閲覧、訂正請求、そういったものにつきまして個人の権利を認めておる、こういうことでございますが、そのほか西ドイツ、オーストリア等におきましては、なお国会等で審議中でございまして、まだ制定されておらない、こういう事情でございます。  以上、簡単でございますが。
  440. 片山甚市

    ○片山甚市君 行管にもう一度お聞きしますが、個人情報の目的外使用は行われない原則ということについてはよろしゅうございましょうか。
  441. 岩井政治

    説明員(岩井政治君) 諸外国におきましては一定の適用除外を設けておりまして、それ以外は原則として認めないと、このようになっております。
  442. 片山甚市

    ○片山甚市君 いまの言葉をもう一度言うと、個人情報の目的外使用は行わないと、こういうことと同じだというように理解をしてよろしゅうございますか。
  443. 岩井政治

    説明員(岩井政治君) さようでございます。
  444. 片山甚市

    ○片山甚市君 プライバシー保護の条例が制定されたときは、公社も、当該自治体の情報処理に関し、それに従うのは当然と理解するがよろしいか、公社へ聞きます。
  445. 北原安定

    説明員(北原安定君) 国の方針がそういうふうに決まってまいれば、それに従ってまいります。
  446. 片山甚市

    ○片山甚市君 すでに地方自治体にそれぞれプライバシーを具体的に守る条例等が決められつつあることについて、電電公社は御了知をされておるかどうか。
  447. 山内正彌

    説明員(山内正彌君) お答え申し上げます。  一応、われわれの方で常時調査はしておりまして、現状を認識しておるつもりでございます。現在、条例として実施中のものは、国立市において五十年三月に施行されております。それから東京都世田谷区において五十一年六月二十五日に施行されております。
  448. 片山甚市

    ○片山甚市君 地方自治体でも、先進的に、やはり住民の台帳とかいろんなものを持ち出して人権を侵害されないためにも、これはもうやはりプライバシーを守るというところの内容を明らかにしなきゃならぬ。こうなっていますから、電電公社みたいに、オンラインにした、いわゆるコンピューターをつないでしもうた、そうしてもう自由にアメリカの方からでもコンピューターを使える、そうですね。日本の国にコンピューターなかっても、電話回線使えば何ぼでもできるんですから、アメリカのコンピューターは。こんな恐ろしいことをきちんとしてしまっておるんですから、よほどこれしなければ、日本の国はまる裸です。皆さんは飛行機を買うてみるとかPXLを買うてみるとか軍艦を持ってくるとか言いおるけれども、今日、情報をこういうような形でまる裸にする国の政策はわかりません、わからぬですね。知らぬけれども大変なんです。ですから、しっかり個人情報を守ってもらうという立場からお願いをしたいんです。  さらに、通産省に、ソフトウエアの法的保護について熱心に検討をされておるようでありますが、今日のソフトウエアの法的保護の内容、これはどういうことになりましょうか、お答え願います。
  449. 堺司

    説明員(堺司君) お答え申し上げます。  ソフトウエアが開発されまして、その法的保護について諸外国は非常に関心を持ち、わが国でも、四十六年でございましたか、通産省にソフトウエア法的保護調査委員会なるものを設けまして検討を進めました。四十七年五月に中間報告が出まして、その中身は、ソフトウエア、これは無体財産として法的に保護される必要があるということでございますけれども、国際的にまだそれをどのように保護していいかという確固たる方針ができ上がっておりません。したがって、今後、慎重な検討を引き続き行いたいということでございます。ちなみに一九七〇年でございますか、ジュネーブにWIPOと申します世界知的所有権機関ができまして、この問題の検討を進めておりますけれども、いまのところ、各国の意見も流動的でございまして、結論が出ていないという状況でございます。
  450. 片山甚市

    ○片山甚市君 ソフトウエアについては、それは一つの機械の一部として特許権的な意味を持って検討されておるようで、片一方の方は、基本的人権としてプライバシー、この両々相まって制定するように。通産省の方は、財産守る方というか、物をつくって押しつけて公害をつくるというのが大好きなところですから、そういうことのないようにひとつお願いをしたい。いや、われわれは通産省が憎いと思っていませんが、高度成長の中で盛んに公害企業を守ってきたのはあなたたちですから、これはひとつ今度は情報公害と言われるものをなくす、これについてはコンピューターをつくらすばかりで、金を出すばかりをやめて、十分に個人の権利を守っていくというような視点に発想の転換を、通産省が華麗なる一族とかなんとか書かれることがないようにがんばってもらいたい、こう思いますから、御意見だけ申し上げてひとつ御健闘を祈ります。あなたのところが変なことをしたらもう大変なんですよ。  いわゆる日本の国の情報をどのようにやっていくのか、こういうことについてはやはり内閣全体のことでありましょう。行政管理庁が御指摘願っておるようなことについても、郵政あるいは電電関係者が十分に胸に入れて、日本国民の諸権利を守るためにいかにあるべきか、非常に広義な立場でがんばってもらわなければならぬと思います。私の意見であります。  さて、いよいよ時間が来たようでありますが、農林漁業地域におけるサービスですが、いま一つ経営基盤の確立を図る観点から、農林漁業地域サービス拡充の政策についてただしたいと思います。  郵政省の地域通信調査会が、四十九年九月、農林漁業地域における電気通信サービスのあり方についてという報告を行っておりますが、これによりますと、これらの地域では、通勤通学圏の拡大、農協の広域化、地方行政圏の広域化など、生活圏、経済圏等の広域化が進行しておる中で、一つ公社電話も有線放送電話もない集落がまだ残っております。二つ目に、これらの地域の一般加入電話普及率が都市地域に比較して低水準であります。三つ目に、地域集団電話などに対し、話中、ぶら下がりが多いですから、話中率の関係から不満が多いと言われるが、公社はこれを認める立場におりますか、まずお答えください。
  451. 輿寛次郎

    説明員(輿寛次郎君) 公社といたしましては、農山漁村におきます電話普及についてはかねがね努力したところでございますが、いままで数次にわたる五カ年計画をやってまいりましたが、遺憾ながら一部いわゆる農山漁村地域におきましては、多少サービスの悪いところが残っておるということは認めるところでございます。
  452. 片山甚市

    ○片山甚市君 多少ぐらいじゃないんです。いまのようなことについてなくしてもらいたいと思いますが、そこで一般会計や財投から手当てが行われ、それについて、そうしたものに準じて積極的な推進が行われるようになっておるか。まず農林省の場合、農村の構造改善問題からいって、このような措置がとられることは望ましいかどうか。自治省は、自治体の住民の福祉という立場から電話というものをどのように位置づけて協力をしてくれるか。郵政省は、これらをいわゆる有放あるいは地域集団電話そして公社のいまの電話、こういうものを総合的に対処するために努力されるかどうか、お聞きをいたします。お答えを願いたい。
  453. 苫米地行三

    説明員(苫米地行三君) 自治省の方からお答え申し上げますが、有線放送施設は、御案内のように、昭和三十年前後における町村合併を契機にして急速に事業を伸ばしたものでございますので、その意味から申しますと、地域の一体性の確保と申しますか、そういうことにつきまして非常に有効であったということに認識しておりますし、従来から起債等によりまして市町村のそのような事業についてはかなり財源措置をしているということになっておるわけでございます。
  454. 森勝治

    委員長森勝治君) ちょっと速記をとめてください。   〔速記中止〕
  455. 森勝治

    委員長森勝治君) 速記を起こしてください。
  456. 片山甚市

    ○片山甚市君 農林省はおいででございせんか。
  457. 浜口義曠

    説明員(浜口義曠君) 来ております。  いまのお話は、公社電話に対する農林省側の要望ということでございますが、農林省といたしましては、さきに、先生いま御指摘のとおり、地域通信調査会の報告書に指摘されているとおり、普通加入区域外における公社電話条件の緩和にも配慮されるべきと考えております。
  458. 片山甚市

    ○片山甚市君 あとから郵政の方も答えてもらいますが、この報告書の二十ページを見ますと、加入区域外に設置する公社電話については、設置に必要な費用の一部を加入者に対して補助することも検討することが必要であると、このように書かれています。郵政大臣、このような報告書を受けて、どのように措置をされますか。
  459. 松井清武

    政府委員(松井清武君) 加入区域外の状況につきまして、郵政省といたしましては、今回、その状況を把握すべく現在予算要求しているところでございます。そういった状況の把握の上に立って措置してまいりたいというふうに考えております。
  460. 片山甚市

    ○片山甚市君 公社から委員も出ておることですから、この調査会の見解と違うということはありませんでしょうが、いわゆる一般加入電話の増設、地域集団電話の組み合わせ数の緩和、地域集団電話の一般加入への種類の変更、普通加入区域加入条件の緩和に積極的に当たっていくという具体的な計画を示してもらいたいと思いますが、公社お答え願います。
  461. 輿寛次郎

    説明員(輿寛次郎君) お答えいたします。  ただいま御指摘になりました農山漁村に対します電話普及でございますが、まず第一番に、加入電話の増設でございます。これはやはりいままでは多少普及がおくれておりましたことは事実でございますが、これは先ほど来御説明しておりますように、五十二年度末には全国的規模において積滞を解消するということでございまして、大体、加入区域内におきましては平均一ヵ月程度でおつけできるようにしたい、こう考えております。  第二番目は、電話自動化でございまして、五十年度末で手動局が千二百局ほど残っておりますが、これは五十三年度末を目途に手動局を全部自動化したい。したがいまして自動化率は一〇〇%になろうかと思います。  それから加入区域の拡大でございますが、これも第五次五カ年計画で全部、全局四千六百局ほどございますが、これにつきまして、局規模関係なく、半径五キロまで加入区域を拡大するということを計画しておりまして、現在、進行中でございます。これも現在の見込みでは五十二年度末にはほぼ全局完了する予定でございます。ただし、手動局におきましては自動化が進みませんとできないということもございますが、この結果、全国のほとんどの電話局が半径五キロまで拡大されるために、われわれの大体推定でございますが、全国の世帯数が約三千万ございますが、そのうちの約九九%は加入区域の中に入ると、こういうことでございます。  地域集団電話につきましては、五十年度末で百十五万ほどございますが、これにつきましてはやはりいろいろ多数共同でございまして、サービスが悪いことは事実でございますから、これにつきましては、話中の多いものにつきましては組み合わせを変える、あるいは減らすというようなことをやりましてサービスをよくしますと同時に、ご要望に応じまして、いわゆる一般化と申しておりますが、一般加入電話に切りかえるということも積極的に進めてまいりたいと思います。いままでは年間に六万程度でございましたが、今年は九万程度、さらに来年はもっと多くの数をやりたい、こう考えております。  以上でございます。
  462. 片山甚市

    ○片山甚市君 いまのようにナショナルミニマムということになれば、すぐつく電話はむしろいまや農村、農林漁業の村落から解決をしていかなければならぬ。日本のこの国土の面積の非常に大きい部分がいわゆる空白になっておる。こういうようなことを考えてみますと、このような投資は簡単ではありません。先ほど計画の中を見てみましても、農村公衆電話二百個をつける——こういうことになると約百二十九億円、こう書いてあります。ですから、このようないわゆる国家的な事業に関しては、社会的な責務としてそれぞれいわゆる農林省、自治省、郵政省がベースになって有放を初めこの地域の振興のために総合的に対処されるべき、物心両面といいますか、そういうふうにされるべきだと思いますが、いかがなものでございましょう、郵政大臣
  463. 福田篤泰

    国務大臣福田篤泰君) 御趣旨の線に沿って善処いたします。
  464. 森勝治

    委員長森勝治君) ちょっと速記とめて。   〔速記中止〕
  465. 森勝治

    委員長森勝治君) それでは速記を起こしてください。
  466. 松井清武

    政府委員(松井清武君) 先ほど公社の輿計画局長から、農山漁村に対する公衆電話普及につきましてるる説明があった次第でございます。郵政省といたしましても、そういった公社の現在の計画をなお一層助成するように、今後、努力を続けてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。  以上でございます。
  467. 片山甚市

    ○片山甚市君 公社は、いままでお答えになったように、農山漁村に対する電話普及については非常に不熱心だったと思います。努力をしたと言われるけれども、地集や地集の一般化だけでは十分でありませずに、それらの地域のシステム、ネットワーク、先ほど言いましたように有放もありましょう、いろんなものを組み合わせて努力をしてもらいたい、こういうふうに考えます。その地域こそ電話は必要なんです。先ほどお話のように、ある地域で火事があった、そのために電話がなければもっと大変なことになる。こういうことになると、電話というものが命であり暮らしの基礎になる今日の状態、特に過疎地域においては電話が大変なことだと思いますから、そのようにしてもらいたい。  そこで農山漁村については投資の優先順位を優先として公社が考えていただけるかどうか。まずこの点締めくくりたいんですが、いかがですか。
  468. 輿寛次郎

    説明員(輿寛次郎君) お答え申し上げます。  先ほど申しましたように、公社といたしましてはナショナルミニマムを基調といたしまして今度の計画をつくっております。したがいまして、先ほど申し上げたようなことで、こういった計画につきましてはもうぜひ全力を挙げて進めたいと考えております。
  469. 片山甚市

    ○片山甚市君 投資の優先順位としては優先に取り扱う、こういうふうに理解してよろしゅうございますか。
  470. 輿寛次郎

    説明員(輿寛次郎君) さようでございます。
  471. 片山甚市

    ○片山甚市君 それでは関連業界の問題について、いわゆる法案成立遅延によってしわ寄せをされておる。こういう言い方をされたことについて若干の意見を述べて質問にかえます。  電電公社を海運業にたとえると、船をつくっておる造船業がちょうど通信建設業界であると思います。  そこで伺うのですが、先般、建設労働法が成立し、五十二年度初頭を目途に雇用改善基本計画がまとめられる段階を迎えたことは御存じであります。この際、通信建設業の領域の雇用改善基本計画について、公社が、業界とともに、電通共闘など関係労組の意見もよく聞いて、模範的な作案を行い、国の計画に盛り込んでいくという積極的な考えはございませんか。いわゆる衆議院で建設業界のことについて附帯決議をされていますが、そういうことで公社の積極的な回答を求めたいと思います。
  472. 山口開生

    説明員(山口開生君) お答えいたします。  関連業界、特に建設業界の雇用問題につきましては、先ほど総裁から説明をいたしましたところでありますが、公社は、発注者の立場としまして、本来的に考えますと、やはり雇用問題というのは、経営主体といいますか、業者の内部的経営内容であろうかと思います。したがいまして公社が直接的に介入することは大変困難なことでございますけれども、業界の健全なる発展のためには雇用問題というのは大変重要だというふうに深い関心を持っております。従来とも、業界の中でも雇用問題につきましてはいろいろ検討を重ねてまいっておりますが、先ほど先生おっしゃいましたように、前国会におきましても法律が成立しておりまして、公社もこの法律の基本精神に基づきまして業界を指導してまいりたいというふうに考えております。
  473. 片山甚市

    ○片山甚市君 いや、わかってないですね、元請の全部責任になっておるわけです。いま元請というのは天下りで行っているということでやたら批判されておるんですよ。電電公社わかってますか、あなた方と一心同体みたいなものだよ。そんな甘いこと言うたらだめ。いや他人さんだ他人さんだと、そんなもの全部他人さんでないのはよう知っとる。  そこで、公の席上だからそれ以上言いませんけど、この建設労働者については、発注する側も受ける方も一緒になって雇用改善計画を出すようになっておる。その建設労働法に基づくものを電電公社は推進させるように努力するのかどうか、こういうことです。それはお答えしてください。あなたたちいやなんですか。
  474. 山口開生

    説明員(山口開生君) お答えいたします。  先ほどおっしゃいました、いま法で決まっておりますことにつきましてはもちろんでありますが、今後、法の精神を十分に理解いたしまして指導してまいりたいと思います。
  475. 片山甚市

    ○片山甚市君 私は、雇用改善基本計画については、公社が業界とともに電通共闘など関係労組の意見もよく聞いて、模範的な作案を行ってもらいたいと申しました。国の計画に盛り込んでいくという、これからの発展をお願いをしておきます。  そこで、この基本計画策定の当然中心に座ってくるテーマとしては、電話が完全充足体制に入ってきた以降の業界のあり方について論議が交わされておると思います。労働者にとっても重大な関心事であります。また下請、孫請に至るまでの労働者の権利を保障すべし。よって計画策定については、このような諸点について十分に配慮をしてもらいたいとも思いますが、いかがでしょうか。
  476. 山口開生

    説明員(山口開生君) ただいま先生のおっしゃった御趣旨を十分に体しまして検討してまいりたいと思います。
  477. 片山甚市

    ○片山甚市君 それでは、つくられた不況であり、いろんなことで不満がありますけれども、資金面でずれの影響が否めないのでありますから、建設勘定の支出予算は減額修正の必要はないと考えられておるようでありますから、あえて計画縮小をしない。森中委員発言によれば、計画はそのままいくということになっておるのでありますから、先ほど他の委員から質問がありましたように、明年度の工事の繰り上げ発注など行うように配慮しながら、補正予算編成で債務負担行為などについての枠を広げる、こういうようなことについて考えられるでしょうか、ひとつお答えを願いたいと思います。
  478. 好本巧

    説明員(好本巧君) 本日、森中委員の御質問に対しまして郵政大臣の御答弁もございましたが、その内容の趣旨に沿って、今後、検討を急いでまいりたいと思います。
  479. 片山甚市

    ○片山甚市君 それはせえヘんということのように聞こえるし、当てにならぬという話に聞こえるし、七色どころか幾らかわからぬ話ですね。  大変困っておるそうですな。困っておると言ったって発注していますよ。いままでダボハゼみたいによけい仕事があって大変抱えておったのがぜい因が落ちてよかったじゃないかというように私はおか目八目で見ておるんですが、これでおかげで不況だ不況だということによって相当業界まで潤ったというように見える、スマートになったと。これは大変私は意見があるところです。これ以上言いおると、また……。  そこで、私の具体的な言い分としては、先ほど言った雇用改善計画、これについての中へすべて盛り込みたいんですが、元請は全部、孫請だって曽孫請であろうと何であろうと、全部責任を持つ。それから安全労働に関する責任は全部負う。こういうようにしていって、そうしてその人たちの労働者の権利、労災とかいろんなものの権利を保障する、こういうことがやられておる上で電信電話電話がついておると、造船業が行われておると。船長さんが船を走らせるんではなくて、船をつくっておる人たちについては——電電公社は今度七十五万も関係すると言うたじゃないですか。まさかいまみたいに、この法案が通ったらわしは関係ないとぬけぬけと言いよるね。さっきまでは七十五万の人がこの法案にぶら下がっておるので、電電公社さん、何とか——いや、私みたいなやつのところへぬけぬけと来よる。そんなもの、私が何の役に立つか知らぬけれども、そんな、あほらしいけれどもそうです、来ている。  だから、私の言い分としては、七十五万も関係しておったんやから、忘れずに——金がなかったら知らぬ、雇用関係は法律がどうの——法律は、そんなだったら言うてきなさんな、ちゃんとあるんでしょう。今度の建設労働法がなぜつくられたかということもわからんで、三十二万の総裁を務めておるとか、やれ七十万人に近い郵政大臣——郵政大臣は私らを含めて統括しておるんだから、大臣を務めておるなどと言われても聞こえませぬから、しっかりと。建設労働者ですわ、普通の労働者と違うんです、非常に厳しい。こういう話をすると時間がかかりますから、まあそのくらいにしておきましょう。とにかく、どちらにしても、具体的に言えば安全労働、労働基本権の問題、基本権というのは労働基準法上のこと、賃金台帳すらまともにないようなこと、こんなことないように。一匹オオカミでございます、そんな者を雇うておる、そんなことやめておきなさい、ちゃんとした技術者でしょう。世界の水準をいくと総裁言うておる電電公社に、労働基準法も適用されぬような労働者がつくった電話自体が大手を振るようなことでは、涙が出ても出切られない、恥ずかしい、頼みます。  さて、沖繩県における長期積滞の解消についてですが、沖繩には四年に及ぶ長期積滞がございますことについてお知りだと思います。これは沖繩が軍事優先、産業優先で海洋博までやったときに、住宅用電話は押しつけられました。特に沖繩の実態は、本土から来た大企業に食い荒らされて大変でございます。稲嶺さんがおられたらよくわかるところです、きょうは逓信委員会におりませんから。復帰後の沖繩の電話建設において事務用に傾斜したため、住宅用電話の建設が後回しになったのは御承知のとおりです。自民党が多数でこの法案成立させるようなことがあっても、産業の犠牲になった沖繩県民を放置させることはできませんから、善処をしてもらいたい。  すなわち、あんたのところへ資料をくれ言うてもなかなかせえへんから、いわゆる那覇、大謝名、コザ、嘉手納、名護、宮古、八重山、久米島、こういうのがありますが、全部で、昭和四十五年はよろしいが、四十六年までの特別措置はよろしい。四十七、四十八、四十九、五十年一月末までの間に六万四千四十の積滞がございます。これは主として占領中といいますか、アメリカが沖繩を取っておる間は、アメリカとしては琉球電電に設備の投資をさせませんで、まる裸にする、これは植民地政策だった。そういうことで大変苦しい思いをしてきました。今度、あなたたちがあこぎにも五万円を八万円にするなどと言うんでありますが、さっさと早くつけて、こんなことせぬようにしてやってください。大臣、温かいことをしなきやなりませんぞ。二十何年間もほったらかしになっておった沖繩を、これ特別に配慮してもらいたい。いやもう私は多くやる、大臣はそんな顔しとる、もうやってくれそうな顔しとるから、頼む。たまにはこの席上から頼んでもいいだろう。これひとつ公社当局も、私が申し上げたほったらかしになったと言われる分についてですね、沖繩という置かれた条件を考えて、ひとつ御配慮を賜りたいと思いますが、いかがでしょう。大臣お答え願った後、総裁の方からお願いします。
  480. 福田篤泰

    国務大臣福田篤泰君) 本年三月末で積滞数六万六千でございます。いろんな事情で積滞解消がおくれておるようでございますが、これは一種の格差の問題で、私ども全力を挙げて一日も早く全国並みに架設いたしたいと考えております。
  481. 片山甚市

    ○片山甚市君 総裁お答えになる前に、ちょっと誤解がありますから、お答えを願う前にお願いしたい。  実は、特別に電話をつけてもらうと同時に、この料金の問題については関係と御相談をして配慮してもらいたい、こういうことを含みます。設備料、基本料と違いますよ、総裁、答えてください。
  482. 遠藤正介

    説明員(遠藤正介君) 沖繩の問題は大変おくれておりますが、おかげさまで基礎設備も着々とできておりますし、また私ども一五十二年というのは本土並みにはなかなかいきませんけれども、五十三年ごろには大体本土並みぐらいにいくように、毎年度架設する数字もだんだんふえてまいっております。したがいまして沖繩の問題につきましては、先ほど沖繩復帰のときにそういうことをいたしましたが、今回はそういうことをいたさずに、問題はいまたまっておる積滞をできるだけ早く本土並みにつけていく、こういうことに全力を注がしていただきたいと思っております。
  483. 片山甚市

    ○片山甚市君 いや、それは困りますね。やはり沖繩の人々が今度の海洋博などを中心に、事業用を中心にしたために、家庭用電話についてはついておりません。特に、私から言わせれば、特別に検討してもらいたい。ナショナルミニマムとかそんなことを言うんなら、やっぱり温かい気持ちでやるということ。何も沖繩に対してわれわれが気の毒だなどと思っておるんじゃない、きょうだいとしての温かみで措置をしてもらいたい。大臣、もう一度答えてください。総裁答えてくれるのをやめよったから。まず、総裁も答えてほしいんですが、いまのこと。  いわゆる解消についてはわかりました。それなら、つけるということは金もらうということや。これについては、おくらしたのは結局本土の都合というか、海洋博あったりなんかした都合ですから、これは特別に措置をしてもらえるような考えはできませんでしょうか。遠藤さんの方が偉くて、なかなかあんたがだめだということになるの。
  484. 遠藤正介

    説明員(遠藤正介君) これは海洋博だけの原因ではございません。先生よく御存じのとおりです。何と申しましても基礎設備が足りない、また新しく電話局を建てないといけないんですが、敷地の買収が非常にあそこは困難でございます。あるいはまた業務運営の方針そのものが電電公社と旧琉球電電とで相当基本的に違いますために、沖繩の労働者の方々に私どもの方針を御説明し納得していただくのに手間取っておる面もございます。したがいまして、この問題は沖繩復帰のときに一遍やりましたが、今回の場合は、私はやることは非常にむずかしいと、こういうように思っております。
  485. 片山甚市

    ○片山甚市君 いや、これはどうしても納得できませんから、問題としてもう一度私も保留をしておきます。これは納得できません。  それで時間がありませんから、電報のことについて触れておきます。  通常電報は現行を維持することにして、慶弔電報のおける特別紙代等原価を勘案して適正化を図ることに私たちはしたい。なぜかというと、電報の社会的意義は本法の審議の中で再確認され、新たなサービスを含め発展を検討され、廃絶をすることはないと言明されたと理解しております。電報を廃絶されることにならないで新たなサービスを含めて発展を検討することになったと思いますが、いかがでしょうか。
  486. 遠藤正介

    説明員(遠藤正介君) 現在の電報が昔と違いまして、約六割以上が慶弔電報になりまして、この慶弔電報につきましては、やはり電報と申しましてもちょっと性質は異なりますので、これにつきましては別の考えをいたしますが、残りました電報につきましても、私どもはやはり電報として現在の段階でまだ必要な電報、あるいはそれこそナショナルミニマム的に必要な電報というものもございます。そういったようなものを勘案して、もちろんこれを全廃するということではなくて、サービス、料金ともに合理的なものをつくり、またその電報に従事をしておられる職員が非常に数が多いわけでございまして、特に郵政省の方々を入れると非常な数になります。そういう点も勘案して、労働不安が起きないように計画的に労働者、労働組合と相談をしながら逐次善処をしてまいりたいと思っております。
  487. 片山甚市

    ○片山甚市君 電報のウエートは総収入の中の二%程度になりますが、これをいわゆる取り上げるときに、十分に当該労働者、長く働いた人々のことを配慮して生きがいのある職場に取りかえていくようにしてもらいたい。これはたくさん言いたいんですけれども、中継化が始まって今日まで大変な苦しみの中で生きてきたわけです。ただ楽しい日でなかった。つらいつらい谷間の冬のような時代を経た電報です。悲しゅうございます。  さて、郵政がメールグラムをやりたいということでありますが、電報の配達もそれに乗せるようなことは考えていますか。いわゆる電報というものが今日まで、電話普及するまでの間に果たした役割りをしっかり見きわめてもらわなきゃならぬ。どうも電報は鬼子のようにしてやっておるけれども、明治から今日までの間に果たしたいわゆるトンツーから始まる今日までの電報というものに対して、そんなあしざまな足げりなことをして、いまのあの華やかな技術だってもう近いうちに最も古びたときにやられることになるのでないでしょうか、お金だけでしょうか、そういうことをしっかりと答えてほしいのです。総裁、まずお願いします。
  488. 米澤滋

    説明員米澤滋君) お答えいたします。  電報事業につきましては、これまで中継機械化あるいはその他近代化を進めてまいりました。確かに電報の持っておる役割りというものは、社会の変貌によりまして、あるいは電話普及で変わってまいりましたけれども公社といたしましては、電報事業につきまして、その近代化を慎重に、また労働組合の意見もあるいは働く人の意見も十分聞きながら、処理していきたいというふうに思います。
  489. 片山甚市

    ○片山甚市君 電報を値上げすることで片がつくと思えば、電報を圧殺する以外にありません。いわゆるデータ通信いろいろなものがありましょうが、それらについて配慮すると同じように、国及び公社が十分な対策をしてほしいんです。  最後の質問に移ります。  総合通信行政の確立、経営の民主化のガラス張りの問題で、行政管理庁のさきに触れた勧告によっても、また電電公社発行の「経営月報」に郵政省の通信政策課長が書かれておる論文によりましても、本年の通信白書によっても、昭和五十年の総合的な電気通信行政の確立が重要視されてきておりますが、特に最近では自営電気通信設備がどんどん伸びております。戦後、電波の開放によって近年は企業の合理化、業務の省力化の手段としてマイクロを含む無線による自営の回線がふえてきております。また、有線電気通信法で有線電気通信設備の設置は原則として自由であり、郵政大臣への届け出だけで設置できる上、設備の共同設置の許可も多数に上る状況であります。鉄道、道路、港湾、電気、建設、ガス、水道、消防、海上保安、航空、警察、防衛、データ、新聞、気象など多岐にわたっていることは言うまでもありません。無線でやるのか、有線でやるのか、衛星かケーブルかという判断もそこであります。  電電公社がせっかく基幹回線を持っているのに、新たに投資がされるのも国民的に不経済であるが、指導すると言っても、そうは言えない。さらに他人の通信を媒介する公衆電気通信業務の範囲さえ実質的に侵されているきらいもあります。これらの諸点について、郵政大臣は、いかなる対策をいつまでに講ずるつもりか、まずお聞かせを願いたいと思います。
  490. 福田篤泰

    国務大臣福田篤泰君) 近年、電気通信社会的重要性はますます高まりつつあります。その効率的な活用のためには、勧告にもありますとおり、有線と無線、それから自営回線、公衆回線を組み合わせました複合的な電気通信網のあり方につきましても、総合的に検討する必要があると存じます。勧告を受けまして以来、総合的な通信網に関する基本的な問題の把握に努めますとともに、関係方面との連携を一層強化する等、総合的な電気通信行政を推進するために、従来にも増して努力しているところでありますが、今後とも、その方向で努力してまいる所存でございます。
  491. 片山甚市

    ○片山甚市君 言われることは非常に簡単ですが、非常に利害が入り組んでおりまして、そう簡単でない。相当大きな強制力を持たなければ、それぞれがわがままなことをすることになる。省資源とか省エネルギーとか言っても、投資の二重的な、余分なことがそれぞれの団体で行われることになりましたら、国家的損失は大きいと思います。  私は、日本電信電話公社はいわゆる公共の福祉ということにある。何回も言いますよ、日本電信電話公社が金もうけのために走り回る、こんなことはやらすべきでないと、こう思いますが、それの基幹的な投資、いわゆる通信回線が二重に張りめぐらされた、十勝沖の地震のために、そういうものでもどれだけの効用を持ち、どういうようなことになっておるのかということをみんな改めて考えなきゃならぬ。  こういうことで、大臣お答えは非常に、監理官あたりがちゃんとお考えになったことですから、余り実がある話じゃありませんが、私は、総合通信行政ほど今日求められておる大きなものはない。メールグラム問題一つとってみても、いわゆる郵政がやるのか電電がやるのか、なわ張りというようなことで非常に小さい目で議論をしたら大変でございましょう。おわかりでしょうか、どこが通信行政をやるんだなんて争っているようなことでは、いまの世の中では知恵が集まりません。その点では、もっともっと大きく、日本の国は日本の人たちで考える、そして日本の国の通信は、われわれの知恵も外国の知恵もかりた上で効率的にやらなきやならぬと思います。  私は、さっきからの質疑を通じて明らかになったと思うのは、公社の膨大な設備はつまり利用者の協力によって当該労働者の汗と血の結晶によって今日存在しておる。電電公社に対しては政府は百八十八億円の金を出しておるといばっておる、それ以外は口を出しただけだ。もうけたら全部電話局にしとけ、いわゆるマイクロにしとけ、何々にしとけといって金を持たさずに裸にしておく。いざ金がないようになったら借りに来い、頭をどやすと、こういうような大蔵省であるのかどこであるのか知りませんが、こんな薄情な、何かといえば値上げ赤字赤字と言う。にせ赤字という、皆さんのほうはそうでないと言ったって数字が明らかなんですから、財産をつくったために赤字になっておる、そうですね。電話余りつけなんだら赤字にならないのだ、どんどんつけて皆さんにお使いを願って赤字は認めぬ。それは電話だけと違うんです。道楽という意味ではなくて、公共的なデータとか、テレックスとかファクシミリとかいろいろありましょう、いろいろ。そういう先行投資の問題、先導的な役割りをするものに対してはしておるわけです。  そういうことで、つまり紀州の和歌山とすれば、和歌山の人たちが電話をつくり住んだことになる、一法人公社の財産でありません。もっともっと大きく言えば利用者の財産です。国がそれを預かり引き取るというか、守っておるのである。こういう意味では利用者委員会、私の願う管理委員会がもっと素直に心からうなずける経営の民主化、これに役割りを果たしてもらいたい。料金値上げなどについても多くの批判などが加えられているのは、こうした利用者の意見をよく聞いたりして経営がガラス張りに進められておらないからであります。総裁郵政大臣にしたら、ガラス張りだと思っているかもしれないが、私たちから言えば全く真っ暗な密室でやっておる、こういうことは非常に残念であります。  いつの間にか赤字決算という数字を並べ、加入区域の拡大などがどこでどのようになってくるのかわかりませんが、いろいろ言われておる。私は、いまの状態の中で、いろいろと夜間の電話の割引の問題をやめてみたいと言ってみたり、黙ってやってみたりいろいろやっておるが、国民のことじゃなくて、財布の都合になっておるのじゃないか。  こういうことでもう一度締めくくりに、経営委員会のいわゆる内容的な強化のための増員や、常駐の問題や、メンバーの問題について、郵政大臣国務大臣はもっともっと大きな立場で改善を図っていかなければ、このような大きな財産を持つ、総資本六兆に近い、そうして当該の労働者だけでも三十二万の現業である。世界に二番目と言われる三千百万を超える、間もなく四千万になろうという電話を管理するのには、もっともっと多くの人々の知恵をかりた経営体制をつくる必要がある。  間々、公社の中では人事問題に明け暮れておるというように言われますが、そのことのないように身を慎んで職員のことを考えてもらいたい、こういうことを思います。米澤総裁先ほど労使関係については不正常ではない、正常である、近代化をますます進めていきたい。あなたの立場と労働組合の立場はそれぞれ違うでしょうから、若干ずつニュアンスは違うと思うけれども、いままで協議をして進めてきたこの事業が、他に類例を見ない、言葉は悪いけれども、資本蓄積をしてしまった。資本蓄積をしたばっかしに、その資本蓄積の構成をするための赤字、新しい文化と言われる通信文化を生むために、共通経費、設備について、計画局長やそういう人たちはそれは関係ないと言っておりますけれども、私は住宅用電話こそこれからナショナルミニマムの中心だ、そこをしっかり押さえてもらって、守っていってもらう、そうして花が開くというのがやっぱりコミニュケーションでありますから、事業用よりもその方が重いと思う。こういうことで本案に対する質疑を私として終わります。  そうして先ほど資料要求をしました、それから私が合点をしない、これは納得できないと言ったことについては、また機会を得て、許可を得ればお話をさしてもらうことで、長い間の質疑を終わらしてもらいます。ありがとうございました。
  492. 森勝治

    委員長森勝治君) 本日の審査は、この程度にとどめます。  来る二十一日、再び委員会を開くこととし、本日はこれにて散会いたします。    午後九時散会