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1976-10-28 第78回国会 参議院 商工委員会 第5号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十一年十月二十八日(木曜日)    午前十時十三分開会     —————————————    委員の異動  十月二十八日     辞任         補欠選任      福岡日出麿君     川野辺 静君      鈴木  力君     志苫  裕君      安武 洋子君     須藤 五郎君     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         柳田桃太郎君     理 事                 楠  正俊君                 熊谷太三郎君                 竹田 現照君                 加藤  進君     委 員                 植木 光教君                 小笠 公韶君                 剱木 亨弘君                 斎藤栄三郎君                 菅野 儀作君                 林田悠紀夫君                 福岡日出麿君                 吉武 恵市君                 阿具根 登君                 志苫  裕君                 対馬 孝且君                 森下 昭司君                 桑名 義治君                 中尾 辰義君                 須藤 五郎君                 藤井 恒男君    国務大臣        通商産業大臣   河本 敏夫君    政府委員        公正取引委員会        事務局取引部長  後藤 英輔君        公正取引委員会        事務局審査部長  野上 正人君        通商産業大臣官        房長       宮本 四郎君        資源エネルギー        庁長官      橋本 利一君        資源エネルギー        庁石油部長    古田 徳昌君        中小企業庁長官  岸田 文武君        中小企業庁計画        部長       児玉 清隆君    事務局側        常任委員会専門        員        町田 正利君    説明員        資源エネルギー        庁石油部流通課        長        宇田川治宣君        消防庁危険物規        制課長      矢筈野義郎君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○揮発油販売業法案(第七十七回国会内閣提出、  第七十八回国会衆議院送付) ○中小企業事業転換対策臨時措置法案(第七十七  回国会内閣提出、第七十八回国会衆議院送付)     —————————————
  2. 柳田桃太郎

    委員長柳田桃太郎君) ただいまから商工委員会を開会いたします。  揮発油販売業法案を議題といたします。  質疑のある方は順次御発言を願います。
  3. 竹田現照

    竹田現照君 大臣にこの法律質問の前にちょっとお伺いしておきたいんですが、実は、この間エネ小をやりまして、北炭会長以下ここに来ていただきまして、いろいろと北炭問題についてちょっと質疑が交わされたんですけれども、どうも、国会萩原会長が述べられたことがほんの二、三日の間にまた変わってしまう。新聞の報道によると、通産大臣とお話になった後の北炭の態度もまた変わっている。大臣も大分、立腹されたかどうかわかりませんけれども、そういうようなことが報道されている。ここのエネ小で言われて、二、三日たったらまた変わった。きのうも大臣萩原会長と会われているようですけれども、一体何が本当なのか。どうも言われる政商萩原通産大臣以下振り回されているような感じがしてならないわけですけれども、その点、大臣北炭責任者との話で一体どこが本当なのか、お答えをひとつ聞いておきたいと思います。  それから、きのう衆議院石特大臣が何か新しい制度創設通産省が踏み切って、その適用第一号を北炭にというようなことが、けさの一部の新聞に出ておりましたけれども、その真相はどういうものかお伺いしておきたいと思います。
  4. 河本敏夫

    国務大臣河本敏夫君) 北炭再建案は、去る十九日に会長、社長の連名でエネ庁に持ってこられました、実は、その内容が、再建案提案の三、四日前に、私に会長からエネ庁長官立ち会いのもとに来ました再建案と非常に違った内容になっておりました。それで私も、ほんのわずか、数日の間に一番大事な点が根本的に変わってしまったのか、それについて何らの説明もありませんので、実はその真意をはかりかねておったわけでございます。ところが一昨日、実は、それは行き違いで間違いであった、やはりこの十四、五日ごろに私に口頭説明をした案が本当の案であって、その案に修正をしたい、こういうことで修正の手続をされると同時に、改めて北炭再建についての基本的な考え方説明するために昨日午前おいでになりましてお目にかかったわけであります。  その内容を簡単に申し上げますと、一つは、幌内再建のために今後百二十億円ばかりの金がかかるので、その分については、何分にも大事故による災害復旧であるから何とか政府の方でめんどうを見てもらいたい。しかし、ことしから来年度、つまり五十三年の三月までに必要とする一般資金——運転資金も含めてだそうでありますが、それは百三十億、本年度分が五十七億、来年度分が七十三億、こういうことで百三十億を必要とするが、この分については政府に頼む何らの根拠もないし、そういうものを頼むべきではない、こういう判断のもとにそれは自力であくまで調達をいたします。したがって、幌内復旧に要する部分だけを政府の方で何とか配慮をしてもらいたい。こういう案でございまして、先般私が口頭説明を受けた案と全く同じ内容のことを説明されたわけでございます。まあそういう内容でございますので、いま検討を続けておりますが、近く審議会経営部会を開いていただきまして、そこで検討していただこうと思っております。  政府としての基本的な考え方は、幌内のような非常に大きな大事故を起こした復旧は、なかなかこれは個々企業ではむずかしいということは、これは理解をいたします。しかし、北炭に対しましては現行制度内でできる限りの援助をいたしまして、現行制度ではもうこれ以上援助をする余裕は全然ございません。そこで、今後の復旧に対して政府援助するといたしますと、何らかの新しい制度というものをつくらなければならぬわけでございますが、この機会に、大災害を起こした石炭鉱山復旧について、何らかの特別配慮を加える制度が必要ではないか、こういうことにつきまして関係方面の了解を得た上で検討してみたい、こういう考え方を、昨日衆議院石特委員会で申し述べたわけでございますが、具体的にはどういう内容かは、いま各方面と折衝をする準備をしておりまして、まだ最終段階ではございません。
  5. 竹田現照

    竹田現照君 これは大臣にはそうなんですが、国会の場で正式に北炭側が要請をしたわけですね、百三十億の政府裏づけを。そういうことがもうくるくる変わっておったんでは、国会へ呼んでいろいろと真意をただし、国会側がこの石炭問題にいろいろと対処をしようということが何かおかしくなっちゃって、一体どういうふうに考えたらいいか、とまどう面が非常に多い。言ってみれば、国会にいいかげんに来てでたらめを言ってたといったって、それはもう抗弁の余地がないことなんです。ですから、大臣にいろいろと釈明されるのはいいけれども、われわれの方にはそれは全然ないわけですが、それはまあ大臣に言ってもしようがありませんが、しかし、北炭側通産省エネ庁はもう少し何か、先ほど私が言ったように、持って回られて引き回されているような感じのないように、ちゃんと筋道を立てたひとつ対策を立てていただくように、私は特に要望しておきたいと思うんです。  それと、きのうの石特大臣が言われたことは、もう少し何か北炭問題についてはっきりされているような言明があったように新聞は報じておるんですけれども、ちょっとその点私はまだ釈然といたしませんが、もう一度はっきりひとつ説明をしていただきたいと思う。
  6. 河本敏夫

    国務大臣河本敏夫君) 私が石特委員会発言をした一番の骨子はいま御説明をしたとおりでございまして、あとは若干の関連する質問等がございましたが、骨子は全くいま申し述べたとおりでございます。たとえば、しからば経営部会がいつ開くか、こういう問題に対しましては、これはもうできるだけ早く開きたい、こういうことも申し述べました。それから、しからば百二十億に対しては政府は全部めんどうを見るのかと、こういう御質問もございましたが、それに対しては経営部会意見を聞きました後、それによって最終判断をしたいと思うけれども、しかし、非常に大きな大災害事故でもあるので、できるだけの援助をする方向検討をしておる、しかし、最終的な数字をいま申し上げる段階ではない、経営部会意見を聞いた上で判断をしたいと、こういうことを言いましたが、大体それで尽きておると思います。
  7. 阿具根登

    ○阿具根登君 関連で一、二点だけ御質問申し上げます。  こういう大災害が起きたときには、格段の援助をされることはこれはあたりまえで、やってもらいたいと思うんです。それで、いま百二十億と言われたんですが、総額で二百四億かかる。そうすると六〇%になる、ところが要望は七〇%のはず。だからこれは百四十億と読みかえていいのかどうか。いままで二十億出ておるわけだから百四十億と読みかえていいか。その問題が一つ。  それから、大災害が今後もまた起こったら大変だし、こういう場合は非常に困るので、何か特別な措置考えたいと、こうおっしゃることも当然であるし、われわれもいままで要望してまいりました。だからそれは当然でございますが、それは特別会計の中で考えておられるか、全然別枠でこれは考えておられるか、この二点をはっきりお聞かせ願いたい。
  8. 河本敏夫

    国務大臣河本敏夫君) 北炭側要望は、約二百億の復旧資金に対して、現在八十億がもうすでに出ておるわけでございます。これから出ていく金が約百二十億と、こういうことになっておりまして、これまで出ました八十億の中には政府資金が約二十億含まれております。先方は二百億の約七割、そういうことを言っておられますので総額百四十億ということになりますけれども、すでにその中には政府資金が二十億出ておりますので、今後必要とする百二十億について協力を求められたものであると、かように理解をいたしております。  それから第二点につきましては、これは目下エネ庁を中心といたしまして検討中でございまして、かつまた関係方面理解を得なければなりませんので、まだ最終案は固まっておりません
  9. 竹田現照

    竹田現照君 それでは、このガソリンスタンドの問題について質問に入ります。  最初に、通産省がこれまでとってきたガソリンスタンド行政に対する概略について、簡単に説明をしていただきたいと思います。
  10. 橋本利一

    政府委員橋本利一君) 御承知のように、ガソリンスタンド業界というのは非常に企業の数も、スタンドの数も多うございます。九三%までが中小零細企業ということからいたしまして、ややもすると過当競争を引き起こしやすい体質でございます。さようなところから、昭和四十年以来、過当競争未然に防止するということからいたしまして、スタンド建設調整行政指導ベースにして実施いたしております。特に四十八年の十二月以降は石油危機後のショックに備えるために、新規設置を原則として抑制するといった方向指導してまいっておるわけでございます。  それから二つ目の問題は、ガソリンが他の油に比べましてかなり割り高であるというところから、一部には灯油等を混入いたしまして、いわゆる不良ガソリン発生という問題がございます。これに対しましては、私たちといたしましても四十一年から四十七年にかけまして、ガソリン試買検査を実施してまいりました。その後四十九年度以降は社団法人全国石油協会におきまして、引き続きガソリン試買検査を行い、不良ガソリンを排除するように努めておるわけでございます。  それから第三点は、流通近代化観点からいたしまして、昨年の九月石油製品販売業経営合理化近代化を推進するという観点に立ちまして、いわゆる近促法の指定業種に指定いたしまして、現在その指針となるべき近代化計画を策定いたしておる段階でございます。  いずれにいたしましても、揮発油業界の健全な発達ということが、ガソリン安定供給あるいは不良ガソリンの排除ということに不可欠のことでございますので、今後ともさらにそういった方向に即して対策を進めてまいりたいと考えております。
  11. 竹田現照

    竹田現照君 この法律案を出すに至った一つの経緯からいって、このオイルショック以後通産省がとってきたことは暫定的な措置なんで、法律に基づいてちゃんとしたことをやることが最善であると、こういう趣旨のようでありますが、スタンド建設枠というものを、いままで石油の元売会社に割り当てるというかっこうで乱立を防いできたわけですね。しかしその結果全部それぞれの元売系列のもとに入って、言ってみれば、縦のカルテルが実施しやすいようになっているとも言われている。そこにフリーマークの問題がこのごろ出てきておるものですから、そのフリーマークを締め出すことによって系列支配カルテルがより強化される、そういうような結果を招くのではないかという懸念が、この法律提案に付随をしていろいろと論議をされてきておったようでありますけれども、その点について通産省はどういうふうにお考えになっておられるか。
  12. 橋本利一

    政府委員橋本利一君) この法案をつくる過程におきまして、あるいはこれを幸い規制さしていただきまして実施に入る段階におきましても、無印だからということで差別的に考えるつもりはございません。ただ、この法律の目的といたしておりますガソリン安定供給品質確保という観点からいたしまして、必要最小限のチェックをいたすことにはしておりますが、それとても無印だからということではなくって、若干の品質管理なり、あるいは安定供給し得る能力があるかどうかということについて審査するわけでございます。さようなところから系列化を進めるとかいったような考えは毛頭ございませんで、むしろ個々スタンド自己努力によって、自分の責任において営業を営めるように配慮して運用してまいりたいと思っております。
  13. 竹田現照

    竹田現照君 この無印の問題について、また後で触れます。  それから、いままでの行政指導の中で距離基準というのがありますけれども、これは、薬事法で薬屋の距離基準というような問題が憲法違反という見解が出ておりますけど、これと照らし合わせて、この行政指導の面は同じような問題が提起をされるのではないか、いままで余り提起されてないようですけれども。そういうことが考えられると思うんですけれども、その点についての御見解をお伺いいたします。
  14. 橋本利一

    政府委員橋本利一君) 薬局距離制限に関する最高裁の判決は、薬局許可制必要性を認めるものの、品質確保するために距離制限をとることはいかがかというのが判決の要旨であったかと思います。  それは薬局につきましては御承知薬局方というのがあって、それで十分品質確保はできるはずじゃないかと、こういう観点のようでございますが、御承知のように、ガソリンスタンドにつきましては過当競争性が非常に強い、しかもそれがスタンド乱設によって引き起こされるというようなことでございますので、われわれの考えておりますのは、こういった過当競争未然に排除する、しかもそれは行政指導と申しますか、どちらかといえば強制力を伴わない行政指導ベースで実施しておるといったようなところが薬局の場合とケースが違ってくるのじゃなかろうかと思います。  そういった意味合いにおいて、必ずしもこの距離基準がそのまま憲法違反につながる問題であるとは考えていないわけでございます。
  15. 竹田現照

    竹田現照君 そこで、いま御答弁の中にありましたスタンド乱立による過当競争の問題がありますが、事実問題として、ほかの産業に比べて倒産廃止というものがそれほど多いようにはちょっと思わないのですけれども、最近の統計——石油業法に基づく届け出台帳の調べでも、これむしろ減ってきているのではないかと思うんですけれども、どういうふうにエネ庁では掌握をされているのですか、過当競争の面。事実問題としての倒産廃止数字からあらわれたものとして必ずしもそんなようなふうには受け取れないと思うんですけれども、いかがですか。
  16. 橋本利一

    政府委員橋本利一君) 石油業法第十四条に基づく事業廃止届け出によりますと、ことしの一月から七月までの間に九百三十七件の廃業が報告されておりまして、ただいま御指摘のありましたように、三月、四月ごろが、たとえば三月が二百五十一件、四月が百九十四件、このあたりをピークにいたしまして、以後、五月は百十七件、六月は百五件、七月は百三十四件、まあ三月、四月に比べますと若干減っておるということになろうかと思いますが、一、二月時点に比べるとやはりかなり高い水準でございます。この九百三十七件の内訳を申し上げますと、その廃業理由といたしまして営業不振と言っているのが四十九件ございます。全体の約五%ぐらいになります。そのほかに譲渡が二百二十四件、合併が二百三十九件、それぞれ二四、五%に当たるわけでございますが、これも譲渡あるいは合併と言っておりますが、原因としてやはり営業不振によるものもこの中にかなり含まれているのじゃなかろうかと思いますが、いまのところ内訳までとっておりません。
  17. 竹田現照

    竹田現照君 いまのは五十一年ですね。
  18. 橋本利一

    政府委員橋本利一君) 五十一年の一−七月……。
  19. 竹田現照

    竹田現照君 ことしになってからは、この過去三年から比べると、一−七月で九百三十七というと、かなりふえているというふうに理解してよろしいんですか。私のあれでいくと、四十八年が千九十四件、四十九年が千九件、五十年が九百六十八件、ことしが一−七月で九百三十七件ということになると、かなりの数になってくるのですが、ふえてきているというふうに理解してよろしいんですか。
  20. 橋本利一

    政府委員橋本利一君) ただいまおっしゃいましたように四十八年が千九十四件、四十九年が千九件、五十年が九百六十八件、これは年間でございますから、ただいま私が申し上げたのは本年一−七月ですでに九百三十七件、単純計算いたしますとことしはやはり従来の年よりも増加しつつあるということが言えるかと思います。
  21. 竹田現照

    竹田現照君 この増加したというのは、やはりスタンド乱立あるいは無印——無印がそんなに莫大にふえているというふうには数字上あらわれていませんけれども、そういうようなことに影響されて出てきたのか、それともほかの要因でふえてきているのか、その辺はどういうふうに把握されていますか。
  22. 橋本利一

    政府委員橋本利一君) いまおっしゃった無印もやはりこのところふえておりまして、少なくとも新設について抑制的な指導をした後、かれこれ四百件ぐらい増加しているのじゃなかろうかと思います。  それから、ただいま申し上げましたことしの一−七月の廃業届の中で、やはり譲渡合併に至った原因というものも営業不振という原因もかなりあるんじゃなかろうか、最近になりまして粗利益も減りつつございます。それからいま一つは、新設を抑制する方向指導してきている影響が、たとえば転籍といったようなマークのつけかえと申しますか、そういった形でも影響が出てきておるのじゃなかろうかと見ておるわけでございます。
  23. 竹田現照

    竹田現照君 そこで、いわゆる業転物が大量に市中に出回っているという大きな原因は、ガソリン販売力以上に精製メーカーが生産して、このために通常のルート以外の別ルートメーカー販売せざるを得なくなった、そのことが大きな原因なんですが、業転物として安くいわゆるフリーマークスタンドに流さず、その分だけ価格を安くして系列スタンドに流せばいいんではないかというようなことも考えられるんですけれども、そういうことになるともっと元売価格を下げられるんではないかと、そういう気もいたします。ただ通産省は、このまま放置しておくと石油元売企業経営をますます悪化させて、悪循環を繰り返すことになるんだと、そういう御見解のようですけれども、この業転物について、いま私がただしましたようなことについてどういうふうにお考えになっていらっしゃいますか。
  24. 橋本利一

    政府委員橋本利一君) 業転物発生原因は、まさに御指摘になったとおりだと思います。ガソリン需給のアンバランスが一時的に出た。それに対しまして元売の方では、むしろ資金繰りの面から在庫処分と申しますか、換金売り的な、しかもそれは押し込み販売的な無理をした販売をいたしておる。その結果、こういった業転物が出回っておるというふうに現実を見ておるわけでございます。さような性格のものでございますので、これを一般的に元売価格を下げてということにはなかなか結びつかないんじゃなかろうか。どちらかと言えば緊急避難的な、換金売り的な性格業転物というのは持っておるんじゃなかろうかという認識でございます。それが一時的にしかも一部のスタンドにそういう価格で流れることによりまして、孜々として努力をしておる一般スタンドに、多大の悪影響を及ぼすというところがむしろ問題ではなかろうかというふうに考えておるわけでございまして、われわれといたしましては、全体の供給計画を適切に運用すると同時に、こういった部分的な地域的な、あるいは一時的な業転物発生というものを、やはり防止する方向対策考えるべきだと思っておるわけでございます。
  25. 竹田現照

    竹田現照君 この業転物というのはどこの産業にもありますけれども、実際問題としてそれを根絶するということは困難である。したがって、今度のこの法律案というようなことでなくて、販売力に見合った生産指導、あるいは販売仕入れ先別数量報告をチェックする、そういうようなことで対処しなければならないんではないかということの意見もありますけれども、いま長官お答えになったように、この法律が制定されることによって、業転物というものについて根絶は無理としても、かなり効果が上がるというふうに解釈していいんですか。
  26. 橋本利一

    政府委員橋本利一君) 業転物というものが、他の産業にあることも御指摘のとおりだと思います。これは一般的には需給円滑化という観点から役立っている面もあるわけでございます。だから、ガソリンにつきましてもその点は同じような事情にあるわけでございますが、ただ違うところは、他の産業に比べてガソリンでは、需給円滑化に資する以上に多くの量が出回るというところに大きな問題があろうかと思います。この法案の十九条によりまして、第一線のガソリンスタンドに対する是正勧告だけでは問題が解決しない場合に、さかのぼりまして元売あるいは特約店といった事業者に対しても勧告をする、所要の是正措置をとるというふうに規定いたしておりまして、それはそれなりの効果は私たちとしても期待いたしておるわけでございますが、あわせてやはりそういった元売の体制問題と申しますか、過当競争を引き起こさないような方向での再編成と申しますか、そういった措置もあわせてやはりとって、総体的にこの対策を進めていく必要があると考えておるわけでございます。
  27. 竹田現照

    竹田現照君 そこで、きょう付の「ぜんせき」を私は見たのですが、この新聞によりますと、この法律衆議院で通って、その過程通産省答弁、大半のものがスポット購入では困る。三分の二以上が継続購入であることが一つのめどだという、その答弁を悪用して業転玉の売り込みが早くも始まってきた、そういうようなことでいろいろと書いていますけれども、けさ私が新聞の折り込みに入っていた新聞を見たのですが、とすると、むしろ業転玉というのはふえても減らない結果を現に巻き起こしているというふうに、これは業界紙に書いてある。これは日本経済の中に折り込まれた新聞けさ見たのですが、これは考え方と逆の方向にいっているとすれば、ちょっと問題じゃないかというように私は思うんです。これは実情がわかりませんが、現実にそういうようなことが業界紙で報ぜられているとすれば、これはやはり問題だと思うんですが、けさぼくのところに配布された新聞だからあなた方見ていないかもしらんけれども、どうですか、こういう実態が出てきているとすれば。
  28. 橋本利一

    政府委員橋本利一君) 御指摘のようなことであれば非常に問題だと思います。実情を調査いたしまして対処いたしたいと思います。ただ、私たちが安定的な仕入れのめどを販売予定量の三分の二というふうに置きましたのは、やはり先ほど御指摘のありました必要以上といいますか、固定的な系列化を避けるためにフリーチョイスの幅を残しておいた方がいいのではないかということと、反面三分の二安定仕入れの可能性があれば、安定供給に支障を来さないだろう、こういう判断のもとでやっておるわけでございまして、いわばかけ込み的にそういった行為が行われておることはきわめて好ましくないことでございますので、よく実情を調査いたしてそれに対する対策をとりたいと思います。
  29. 竹田現照

    竹田現照君 それで三分の二出た、三分の一は業転玉でもいいんだ、こういうことで云々ということなんですね。ですからこれはなかなか言うべくしてむずかしいんでないか。むしろ衆議院の論議の中にもありましたけれども、この何か対象がフリーマークのところにしぼられているような感じ、既存の業者の権益保護、または立法の過程が大体既存業者が一生懸命になって、選挙目当てにこれがやられたというようなことが、うそかまことか言われておったし、現にまたそういう動きがなかったわけでもない。ところがむしろこういう元売だとかそういう商社のいわゆる商道徳というものを無視したそういうやり方というものを、むしろ積極的に対応策を考えなければならぬだろう、そういうことを言われていたことと、むしろ逆に指摘をされることが助長されるような行為というものが、法律の制定の過程の中で出てきているということは、これはやはり問題なんですよね。ですから、通産省としてやはりこの法律を制定をされた趣旨、その経過は別として、趣旨に照らすならば、こういう問題について私は業転玉がふえていくという点もあるということなんです。そのあることについてもう少ししっかりした対応策があってしかるべきだ、そう思うんです。これはもう石油ショックのときに例の緊急法律出たときも、この委員会でもいろいろと論議をされたことなんですよ。だけれども、依然としてそのことが解消されていない。そして業界に混乱をももたらしている、そうして消費者にも不信をかっている。とすれば私はこの法律ができたからといって、即効的な効果というものは期待できない。むしろ変な方向に現にいっているとすれば、この新聞の報道が正しいとすれば、変な方向にいっている。ですから、全体をひっくるめてもう少し長官、明確な態度というものをひとつ表明していただきたいと私は思います。
  30. 橋本利一

    政府委員橋本利一君) 業転玉に対しましては、特に本法の十九条の規定を活用することにより、また先ほども申し上げましたように、元売の再編成を促進することによりましてこういったものの根絶を期していきたいと思います。
  31. 竹田現照

    竹田現照君 そこで、最近の円高基調による差益があるので、製品価格というものを引き下げるべきだという意見があります。しかしこの為替レートというのは常に変動するもんだから、差益が出たから下げる、損したら上げる、差益が出たから下げさせる、それじゃ差損が出たら上げさせるか、そういうふうなことなかなか一律に規定できないものだ、こういうことも言えますけれども、しかし業界に対する不信というものが非常に強いから、石油ショック以来。通産次官が諸悪の根源が石油業界だなんていうことの発言まで飛び出すことがあったわけですが、それだけにこの差益と価格の関連、この点について非常に関心が深くなってくるのは当然だと思いますけれども、その点についていかがお考えですか。
  32. 橋本利一

    政府委員橋本利一君) 一円高になりますと、原油代金一キロリッター当たり八十円に相当するわけでございます。大体月間二千五百万キロリッターの原油を輸入いたしておりますので、その場合には月二十億円の差益が出る。十円であれば二百億円の差益が出る。一応計算上はさような形で出てくるわけでございますけれども、ただ、これはユーザンス等の関係もありまして、企業会計上どのように処理されてくるかというのはなかなか実態としてはつかみづらい面があります。しかし、いずれにせよそういった差益が出ておるということは事実であり、その限りにおいて石油企業経営の実態にプラスしているということも否定できないと思います。ただ、いま先生御指摘になったわけでございますが、為替レートというのは非常に不安定である。四十九年度におきましては八百六十三億の差損を出しておる。それから五十年度におきましては、約二百六億程度の差損を出している。こういう実態でもございますし、それから、本年に入ってからの為替レートの推移を見ましても、ことしの一月が三百五円強であったものがその後一時は二百八十八円まで下がり、現在のところは二百九十一円、わずか十カ月足らずのところでも十円前後の推移を見ておるといったようなこともございますんで、やはり為替レートの問題につきましては、いま少しく情勢の推移を見る必要があるんじゃなかろうかというふうに考えておるわけでございます。  それから、第二の問題といたしまして、御承知のように現在世界的な石油情勢というのが非常に不安定な状況にございまして、伝えられるところによると、この十二月のカタールにおけるOPEC総会では値上げが打ち出されるんじゃなかろうかといったような話も出てきておるわけでございまして、そういった原油価格の動き自体がきわめて注意を要する段階に来ておる。また、仮に、好ましくないことでございますが、原油価格が上がりますとそれがまた為替レートの方にはね返ってくるといったような事情もございますので、御指摘のような点もございますが、当分の間円レートの推移などをながめてみたい、こういうことでございます。
  33. 竹田現照

    竹田現照君 そこで、法律案の中身についてお尋ねいたしますが、この法律案は、解釈の仕方によってはかなり官僚統制が強くなる懸念があると思うんです。たとえば、通産大臣はいかなる場合に安売りと認定して勧告できるか。条文では「標準的な販売価格と著しく異なる価格で」売っているときとしていますが、これはかなり広く解釈できる条文なんですが、同様のことが業者の認定基準や過当競争地区の指定基準についても言えると思います。こういうことについて、通産省の、運用面で慎重を期すというようなことを衆議院でも言われておるようですけれども、その慎重を期すということは法律の条文には出てきてないし、またちょっと書きにくい面もあろうかと思いますが、この制定後に、そういうような、実際の運用の意識の問題ですけれども、運用いかんによっては、非常にむしろ業界の健全な発展を期したいという趣旨とは逆の結果を生ずるおそれもなしとしないと思うんですけれども、そういう点について、法律が制定された後の運用に対する物の考え方も、あわせてひとつ御見解をお伺いしておきたいと思います。
  34. 橋本利一

    政府委員橋本利一君) この法案では揮発油販売業につきまして登録制その他の規制を行うことにいたしておりますが、これは、揮発油販売業の健全な発達と揮発油の品質確保のための必要最小限のものという意識に立って本法案を整備し、また運用段階ではそういう配慮をベースにして運用いたしたいと思っておりますが、若干具体的に申し上げますと、たとえば指定地区の指定に当たりましても、石油審議会意見を聞きかつ期間を定めてやるというふうに規定いたしております。  あるいは、十九条の規定の中におきましても、著しく高い場合の是正勧告は全国ベースでしかも要件をそうシビアにせずに勧告ができるようにいたしておりますが、著しく低い場合の是正勧告におきましては、指定地区内に限りまして、しかも、これは衆議院修正が入ったわけでございますが、石油審議会意見を聞いて行うというふうになっておるわけでございまして、具体的な法文上でもさような配慮をいたしておりますが、現実に運用の段階におきましては、いささかも統制的なことにならないように、目的を達成するために必要最小限措置によって対処していきたいと思っております。
  35. 竹田現照

    竹田現照君 この法律を制定する過程で、全石商と元売との間で意見の一致する面もありますがまた対立する面もあると。元売は、その後の経過は聞いておりませんが、「石油文化」二月号が出された段階ではこの法制化に反対だと報ぜられているんですけれども、それは、先ほど私が触れた業転玉なんというものの関連もあるかもしれませんけれども、乱売防止対策として元売段階について、現行の石油業法でしかるべき措置がとられる道もかなりあるんではないかという点、あるいはスタンド段階についても行政指導をさらに進める余地がある、あるいは脱税目的の不良ガソリン対策については、行政技術的に対応できる道もあると、いろいろなことを言われているわけです。  それから、この法案で言う通産大臣勧告権はスタンドの安売りだけではなくて問屋の差別価格にも及ぶということになっておりますが、こういうのはこういう法律じゃなくて独禁法によるべきものだという意見もございます。この点は公取との間に、どういうことにこの独禁法上の問題もあわせてお話し合いがなされておったのか、ひとつお聞かせをいただきたいと思います。
  36. 橋本利一

    政府委員橋本利一君) まず、元売が本法案に反対しておったんじゃないかという点でございますが、御指摘のようにやはり十九条の問題なども関連あろうかと思いますが、主としてその反対の理由は、免許制がとられるんじゃなかろうかという観点からの反対であったようでございます。今回の法案では登録制でお願いいたしておりますので、その点の問題は解決いたしておるんじゃなかろうかという解釈でございます。  それから、石油業法でかなりのところまでやれるんじゃないかという御指摘でございますが、これにつきましては、御承知のとおり、石油製品販売業者に対しましては届け出義務だけが課せられておるということでございまして、その他規制的なことは一切規定されておらないわけでございます。そういったところから、業法の活用によりまして末端におけるスタンド乱設を防止するということは事実上困難だと、こういう問題の認識でございます。ただ、石油業法に基づきまして石油供給計画を作成することになっておりますが、これを適正に運用することによって、それなりの効果を上げていきたいと思っておるわけでございます。ただ、石油供給計画自体がマクロ的な性格を持っておるものでございますから、業転物といったような、地域によって、企業によってあるいは時期によって発生するようなものには、やはりこの業法の石油供給計画だけでは十全な効果が発揮できないといったようなところから、十九条後段の規定で対処せざるを得ないんではなかろうかと思っておるわけでございます。  それから次に、独禁法との関係でございますが、大きく分けて三つのケースがあると思います。価格是正の問題でございますが、一つはコスト割れに至らないまでも、価格が著しく下がることによって相当部分のスタンド経営が困難になってくるというか、この場合には独禁法では対処し得ませんので、本法案の十九条で対処するということになろうかと思います。  それから不当廉売と申しますか、不当に安い価格での販売あるいは地域、相手方によって価格を変えて売る場合、いわゆる差別価格でございます。この二つのケースにつきましては、この法案とそれから独禁法、両方で対処していいんじゃないか、二つの法案の目的とするところ、あるいはそのための手段がそれぞれ異なっておるわけでございますので、抵触の問題はないということで、それぞれの法案の立場に応じて、いま申し上げた不当廉売あるいは差別価格を規制していくということになろうかと思います。公取ともそういったことで話し合いがついておるわけでございます。この法文上、正式に公取と協議するという規定はございませんが、われわれといたしましては実務上十分公取と連絡をとりながら、支障を来さないように運んでいく考えを持っております。
  37. 竹田現照

    竹田現照君 スタンド過当競争是正のために不当景品類及び不当表示防止法第十条による公正競争規約を締結させるとか、中小企業団体の組織に関する法律五十六条、七条によるいわゆるアウトサイダー規制を行うようスタンド業者を規制できないものかと私は思うんですけれども、その点はいかがでございますか。
  38. 橋本利一

    政府委員橋本利一君) 一つ考え方であろうかと思うわけでございますが、ただ、公正競争規約につきましては御承知のように、景品類または表示に関する事項についてのみこの種の規約を締結できるというたてまえになっておるわけでございます。揮発油販売業における大きな問題は、スタンド乱設あるいは先ほど来お話が出ております業転玉による安売防止、こういう問題につきましては、ただいま申し上げましたような事情から、公正競争規約だけでは有効な手段になり得ないという点がございます。  それから団体法の問題でございますが、商工組合は原則として県単位に設置されるということになっております。現に、揮発油販売業者の商工組合も県単位に設立はされておるわけでございますが、スタンド過当競争はむしろ県といった大きな範囲ではなくて、市町村単位の中での競争、狭い範囲での過当競争ということでございますので、そういった意味合いにおきましても、団体法でも十分に対処し得ないんじゃなかろうかということからいたしまして、現在御審議いただいているような本法案を準備いたしたわけでございます。   〔委員長退席、理事熊谷太三郎君着席〕
  39. 竹田現照

    竹田現照君 この法律案が制定のねらいである流通秩序の確立、これは流通段階対策だけでは不十分だという点も指摘できると思いますし、業界全体の体質改善策というものが考えられないと、一つ一つ法律をつくったとしても、先ほど私が言ったようにもうすでにこの法律が制定されようとする段階でいろんな問題が派生をしておるように、なかなか石油業界の問題というものは、いわく言いがたいぐらいむずかしいんじゃないか、こう思うんですが、業界全体の体質改善ということについてどういうふうにお考えになっておられますか。
  40. 橋本利一

    政府委員橋本利一君) 石油業界の問題といたしましては、精製元売企業自体が過当競争をやっておるといった構造的な問題を抱えておるところにあるんじゃなかろうかと思います。こういった精製元売企業段階における過当競争が、揮発油販売業者間の過当競争を引き起こす大きな原因になっているということも事実だと思うわけでございます。したがいまして、本法によりましてガソリンスタンド業界の健全な発達を図るとともに、先ほど申し上げましたように、元売段階における集約化と申しますか、体制を整備いたすことが非常に重要になってくるわけでございまして、前の国会でお願いいたしました石油開発公団法の改正、こういった手段も用いまして、業界における自主的な体制の取り組みを政府としても側面から支援してまいりたい、かように考えておりまして、まさに御指摘のとおり、業界全体として構造問題に取り組んでいく必要があろうかと思っております。
  41. 竹田現照

    竹田現照君 言ってみれば規制法である法律が、従来この種の法律というのは、ややもすれば既存業者の保護法になりかねないわけですけれども、しかし、通産省はこの法律の制定に当たってそうではないのだ、販売業の健全な発達とガソリンの進出の確保を図るために必要最小限度の規制を行うのだ、そのほかいろいろなことを言われておりますけれども、たとえば、言われるところのフリーマークというようなものが、この法律によって不当な何といいますか、扱いといいますか、そういうようなことが行われるというような心配はないのか。もうこの法律ができれば、ガソリンを安く売ることはできないのだというような意見もあるわけですから、こういう点についてやはりはっきりした法の運営、法に対する考え方、こういうものを示される必要があると思うのですが、その点はいかがですか。
  42. 橋本利一

    政府委員橋本利一君) この法律では目的達成のために必要最小限の規制措置をとりたいということで立案いたしておるわけでございます。そういった意味合いにおきまして目的を達成しなくちゃいかぬ反面、規制は最小限にしなくちゃいけないという基本態度で臨んでおるわけでございます。したがって、既存業者をいたずらに保護するといったようなことを考えておるわけじゃございません。  反面、無印につきましては先ほど来申し上げておりますように、無印だからといって差別するわけでございませんで、安定供給あるいは品質管理の能力さえ持っておれば十分登録をしていくということでございます。  それから、これができれば安いものが売れなくなるのかという御指摘でございますが、いわゆる業転玉といったようなアブノーマルな形で、あるいは需給アンバランスの一つの逃げ道として出てくるものに対しては、十九条で対処いたしたいと思います。企業努力によりまして合理化をし、その効果を消費者に還元するといった意味合いにおける価格の引き下げについては、十九条を対象としては考えておりません。   〔理事熊谷太三郎君退席、委員長着席〕
  43. 竹田現照

    竹田現照君 そこでいわゆる無印スタンドの方の主張もいろいろなところに述べられておりますが、そういう方々の主張もやっぱりうなずけるわけですから、そういうことについてひとつお尋ねしておきたいと思うんですがね。業転物と言われるものができる経緯というものは、私があえてここで述べるまでもなく、すでに御承知のとおりなんですけれども、安い油が業転物としてあるから、安く売ればいいんだけれども、石油業界では安く仕入れても安く売ってはならないというジンクスがあると。だから、商売人というものはよい品を安く仕入れて、経費を節約して、少しでもお客様に安く届けることが使命なんだけれども、そういういまどこの給油所へ行ってもそうですが、エアサービス、洗車サービスというものがいろいろありますけれども、そういうことによってかなり高く売る理屈にもなっているが、こういう無印のところというのはそんなものなくて、ガソリンを売るだけなんです。だから、コストというようなものが必ずしも高くつかない、だから安くていいんだ。ビールでもキャバレーと屋台では飲むところによって非常に値段に数倍の開きがある。これもサービス、設備の違いが理由だというようなことも言われて、それと同じことがこのガソリンスタンドでも言えるんでないかと、こういう主張があるわけです。こういうことについてどういうふうに——これは私がいま言ったことは、やっぱり説得力のある主張なんですね。こういうことにどういうふうにお答えになるのか。やはりなるほどなということがなければいけないんでないかと、こう思うんです。  それから、対象は必ずしも無印ばかりではないのかもしれませんけれども、たとえば農協、北海道なんかも農協のスタンドが札幌市内を初めたくさんあります。これはほかのスタンドよりは値段は安いですよ、現実問題として。ですから、業界にすれば必ずしも好ましい存在ではないんじゃないかという気も私はします。詳しくそういう人たちと接してませんから、わかりませんけれども。しかし、農協というのはこれは大変な全国的に大きな力を持っているし、無視できない政治力もあるから、うかつなことも言えないということなんでしょう。しかし、高いのは勧告できるけれども、安いのを高くしろというわけにはいかないと思いますけれどもね。業界の秩序云々というようなことになってくれば、やっぱり同じようなことが指摘されてもいいんでないかと思うんです。ですから、そういうことについてどういうふうにお考えになるのか。  この油の値上げも、軽油の引き上げは運輸業界が反対する。A重油の引き上げには電力や鉄鋼業界が反対をする。しかし、ガソリンや灯油というものは一般消費者からの反応がわりあいと少ないから、案外こういうものを高くするんだ。灯油問題というのは、特に私も選挙区なんかを中心として大変重要な消費者の関心を持っている問題なんですけれども、そういういろいろないま申し上げたもろもろの問題等を考えて、やはり納得のできる説明というものが私は必要だとそう思うんですが、そういう点についてはいかがですか。
  44. 橋本利一

    政府委員橋本利一君) まさに安く仕入れて安く売れるということであれば、これが一等いいことかと思いますが、問題はそれが適正なコストを吸収してやれるかどうか、あるいは長く経常的に安定供給ができるかどうかという判断をいたさなければいけないかと思います。ガソリンスタンドにつきましても、たとえば建設費は地域によって異なるわけでございますが、数千万から二億円近くかかるとも言われております。それに伴ってそれなりの資本費が要るわけでございますし、あるいは人件費も当然考慮していかなくちゃいけないわけでございますんで、そういった意味合いにおいて、それをカバーしてなお安く売れるならばよろしいわけでございますが、御指摘のような業転物というものは、むしろそういったコストを無視したと申しますか、一時的な需給アンバランスを換金押し込み的な売り方をしているというところに問題がございまして、むしろ善良と申しますか、孜々として努力しているスタンド業界に対して一つの悪影響をもたらす、結果として安定供給ができなくなるといったような問題もございますので、私たちとしては、やはり流通秩序の確立ということを念頭に置いて対処をしていかざるを得ないんじゃないかと思います。特に先年の石油危機といったような時期におきましては、主として業転物などを扱っているスタンドに対してはガソリンの供給が停止される、あるいは多大に減量きれるといったようなことからいたしまして、消費者に安定供給ができないということもございます。そういったことも勘案していく必要があろうかと思います。  終わりの方でガソリンなり灯油の価格問題御指摘になったわけでございますが、これは石油製品全体の価格体系の問題と申しますか、あるいは御承知のように、石油製品は連産品でございますので、なかなかコストの振りかけというものがむずかしいわけでございますが、ただこの価格体系は白物に高くって黒物に安いというのが現実だと思います。それがまた一方で民族系と外資系との企業格差を生み出している原因でもあろうかと思いますが、こういった価格体系につきましてはいろんなファクターが複雑に入りまじっておりますので、漸進的に考えていかざるを得ないと思いますが、いずれにいたしましても、灯油といったような家庭用の生活必需品につきましては、特に需要期である冬場につきましては、これに対する抑制指導をやっていくということで家計に多大の影響を及ぼさないようにわれわれとしても従来も指導してきておりますが、今後もそういった方向指導してまいりたいと思っております。
  45. 竹田現照

    竹田現照君 そこで、この法律に反対の代表的な意見として、通産省にすでに出されていると新聞にも出てますが、消費者連盟からいろいろと項目を挙げて質問がなされていますけれども、これには通産省返事を出されているんですか、返事がちょっと新聞に出てないのであれなんですが。
  46. 橋本利一

    政府委員橋本利一君) ことしの三月に質問状が出てまいったわけでございますが、宇田川課長が直接日本消費者連盟の事務局長と会いまして、口頭説明を行い、質問状に対する回答にかえるということで了解を得ておるわけでございますが、よろしければ宇田川課長同席しておりますので、具体的にお答えさしていただきたいと思います。
  47. 宇田川治宣

    説明員宇田川治宣君) ただいま長官からお話がございましたように、ことしの三月十一日付の文書をもちまして、お名前は失念いたしましたけれども、日本消費者連盟の事務局長の方が直接申し入れ書を持参いたしまして、私が面接をいたしました。  で、その消費者連盟の要請の趣旨という点につきましては四項目ございまして、石油製品販売業について自由競争を阻害するような規制を設けることはおかしい、本来営業の自由があるはずではないかということが第一点でございます。  それから第二点につきましては、いわゆる無印と称されている方々を排除するような規制を行うということはおかしい、系列業者の既得権の擁護になるような規制は行うべきでない、自由経済の否定につながるものではないかということが第二点でございます。  それから御主張になりました第三点は、無印と称されている方々が売っていらっしゃる商品、品物が粗悪品が多いというふうに言われているけれども、実態はそうではないんではないか、したがってそういうことを前提とした規制を行うというのはおかしいではないかという点が第三点でございます。  それから最後に第四点といたしまして、およそ行政官庁による営業の許認可というのは弊害をもたらす、汚職事件その他も生じる可能性もある、通産省についても統制というのは百害あって一利なしではないかという点でございました。  それで私は事務局長の方にお答えいたしました要点だけを申し上げますと、第一点の自由営業という点については基本的にはおっしゃるとおりである。しかし、経済の運営、社会的経済的な必要のある場合には必要最小限度の規制を加えるということは、これは単に揮発油販売業だけではなくいろんな業種、業体においてそれぞれ許認可、登録その他の必要な措置というのがとられているわけであって、問題は揮発油販売業者にこういう規制をすることが妥当であるかどうかということで考えていく必要のある内容であって、本来そういうものをとるべきではないということではないんであってということをお答えいたしました。  それから第二点の無印と称する方々を、この法律は排除する規制をつくろうとしているんではないかという点につきましては、先ほどから長官がるるお答えいたしてございますように、無印だからということで特別の規制あるいは統制あるいは排除ということを考えるつもりはない。全体としての揮発油販売業の健全な発展を図るということの必要最小限度の規制を行うということを考えておりますということでお答えをいたしてございます。  それから第三点の無印と称するガソリンスタンドだけがとは書いてございませんが、いわばだけが粗悪品が多いということを認識の前提として規制を加えるのはおかしいという第三の御主張の点につきましては、私は率直に申し上げて、無印さんだから粗悪品が多いということは断定できないと思う。一般のいわゆる系列と称されているガソリンスタンドにおいても、灯油の混入あるいはBPXの混入というふうな事例というのが現実にもあるし、それはむしろ無印であるとかないとかということではなくて、ガソリンスタンド一般としてそういうガソリンスタンドで売られているガソリンに粗悪品が混ざる、発生するということ自体、消費者の保護という観点から問題があるのであって、そういう一般的な見地から消費者保護という立場からする規制というものを考えていく必要があるというふうに判断しておりますということをお答えいたしたわけでございます。  それから最後の行政官庁による営業許認可権ということが弊害をもたらすという点につきましては、この制度と申しますのは、登録制という事前チェック制ということを考えておりまして、自由裁量の余地を残すような、大幅な自由裁量の余地を残すような許可あるいは認可というふうなやり方とは違います。そういう意味で比較的画一的な処理ということが行われると考えておりまして、そういう御指摘のような弊害が起こる余地はきわめて少ないというふうに考えておりますが、なお御指摘の点は運用に当たって自戒をいたしますということをお答えしたと記憶いたしております。  それでかれこれ一時間以上にわたりまして、そういうやりとりを行いまして、三月十九日までに御回答くださいという文書でございましたけれども、ただいまの回答によりまして回答をいたしたということでよろしいですねということを御了承をいただきました。それで結構でございますということでお帰りをいただいたというのが経緯でございます。
  48. 竹田現照

    竹田現照君 あなたの方とのやりとりはいまお聞きしたんであれですが、しかし依然として、やっぱりこういう主張に基づく反対が根強くあるわけですから、そういう点についてはやっぱり懸念をされていることは、いろいろと理由があって懸念をされているわけですから、そういう心配がないように結果的にしてあげなくちゃいかぬと私は思うのです。  そこでちょっと関連してお伺いしますが、言われているところの、いま質問の中にも言われているノーマークの業者というのは大体一%だと言われていますね。一%またそれ以上だとも言われているけれども、しかし販売量は一〇%はあると言われているわけですね。それははっきりつかんでいますか。一%のノーマークで一〇%も販売しているとすれば、消費者の利用度合いというのはかなりウエートが高いわけですよ。ですからそういう点ははっきりしたものがあるのですか。
  49. 宇田川治宣

    説明員宇田川治宣君) 現在の法体系につきましては、先ほど長官がお答えいたしましたように、石油業法に基づきまして届け出を行っているということになっております。で、これは販売業をやっております、ガソリンスタンドを開業いたしましたという届け出をするということでございまして、いわばそれ以上の実態調査あるいは報告聴取というふうなことは、なかなか御協力を得て全体について行うということは、いわば実態的に困難な面がございますので、私ども通産局の報告によりまして、約四百五十のいわゆる無印ガソリンスタンドというのがあるということは、電話その他で確認はいたしてございますけれども、その営業の内容につきましての詳細な事情聴取あるいは調査ということは、残念ながらいままで網羅的には行っておりません。ただ先生御指摘のように、一般的に無印ガソリンスタンドというふうに言われておりますガソリンスタンドの営業方針につきましては、先ほど先生がお話しになりましたように、安いものを安く買ってそれで安く売るという、利幅としてはできるだけ低くして、そのかわりにいわば量販というのでしょうか、薄利多売と申しますでしょうか、そういうような傾向で販売をされている方々が、比較的その無印ガソリンスタンドといわれている方々には多いというふうに言われております。  で、現在、平均的なガソリンスタンドの月間の、月々の販売量というものを概算いたしますと、約月間のガソリン販売量は五十キロリッターでございますが、無印ガソリンスタンドの中には、それをかなり上回ってたとえば八十キロリッターであるとか、あるいは百キロリッターであるとかいうようなかっこうで売っておられる方々が多いのではないかというふうに、若干うわさも含めまして、私が伺ったところではそういう事情でございます。  ただ先生の御指摘のように、数としては一%ではあるけれども、販売量としては一割にも達するというほどの格差があるということは、これは実態調査が十分行き届いておりませんので、確定的なことはお答えできませんけれども、私の感じとしてはそこまではあり得ないのではないかと、一・何倍、あるいは数倍という程度の、平均に比べますと販売量ではなかろうかというふうに思います。
  50. 竹田現照

    竹田現照君 いずれにしても、いま具体的に数字通産省わかっていないと思うのですが、こういう関係者の人に言わせると一〇%ぐらいあると、こう言われているのですね。それだけに私が先ほど言ったように、消費者に一〇%からの販売量があるとなったら、無視できない販売数字ですからね、とすればいろいろと懸念をされることについて、十分以上の配慮がなされなければならぬ問題だと思うのです。この点特に要望しておきます。  それからガソリンのメーター売りについてちょっとお尋ねしてみますが、外資系に余りないようですけれども、日石、出光、共石、丸善等の石油売会社が、給油所に対してガソリンのメーター売りをやっている。これはもう半ば強制なようですね。ところが今度はこの法律ガソリン品質管理を各給油所が行うということになれば、メーター売りで品質管理をする理由というものはないわけですね。そうして元売会社が給油所に対して優越的な地位を利用というのか、乱用というのか、するということはこれは不公正な取引方法で、むしろ独禁法違反の懸念なしとしない。そういう点から考えて、今度の品質管理との関連から、メーター売りというものはやめさせるべきではないかという意見がございますけれども、この点について、法律との関連でどういうふうに通産省考えですか。
  51. 宇田川治宣

    説明員宇田川治宣君) 現在メーターセールスと称する販売形態は、先生御指摘のようにエッソとか、モービルとか、あるいはゼネラルといったいわゆる外資系の元売会社は若干それと違った方法もとっているようでございますが、その他の元売会社は比較的メーターセールスという販売方法をとっているというふうに私も聞いております。メーターセールスの根源といいますのは、かれこれ十年ぐらいもう歴史を持っているわけでございますが、主たる内容といいますか、そのメーターセールスの意義というのは、一つは受け渡しあるいは引き取りというものが非常にはっきりしている。どこの商品がどこから流れてどこへ売られたということが比較的はっきりしているというようなことから、非常にブランドといいますか、そういうものを重視するガソリン元売としての意識から、メーターセールスというものを行っているという傾向があろうかと思います。  それからまた第二に、先生の御指摘になりました品質確保という点が、私の先ほど申し上げました、どこから取引されてどこへ売られたということが非常にはっきりするということとの関係から、品質保証にも役立つという点が第二の点としてあろうかと思います。  また、メーターセールスのもう一つの意義といいますか、それはガソリンスタンドのタンクの中に入っているというものは、いわば元売がまだガソリンスタンドに売っていない商品である、つまりそこの在庫金融といいますか、そういうものはいわば元売が負担している、言いかえますとガソリンスタンドはタンクを明け渡して元売さんの油を入れておく、それでこれは自分の資金では一切めんどうを見ない、それでノズルで売るといったときから、元売さんとガソリンスタンドとの間で売買が行われる、それで売り上げに立ったということで、一種の金融負担といいますか、そういう面でのメリットもあろうかと思います。そういう意味からいたしますと、ガソリンスタンド側にとりましても、いわばメーターセールスというのはそういう意味からするメリットというものが、あるいは出てくるのではないかということも考えられます。  いずれにいたしましても、実態的にもうかれこれ十年前にメーターセールスというものが行われておりまして、現在全部が全部売ることでなくて、半分あるいはそれを若干上回る程度にメーターセールスというのが行われているという、これは仄聞いたしておりますけれども、実態的にそれは元売特約店、あるいは特約店ガソリンスタンドとの間の契約関係で行われているという内容でございまして、御指摘のように、その契約それ自体が、優越的な地位を利用して強制的にメーターセールスを押しつけたということでございますと、独禁法——不公正な取引との関係というものが生じるかと思いますけれども、そういうことでない場合にはいわゆる契約関係で、ガソリンスタンド側としてのメリットも考えて契約が成立しているというふうに受けとれるかどうかという問題があろうかと思います。先生の御指摘のように、これが強制されたものである、メーターセールスでなければ、もう一切販売しないとかというふうな、いわば強圧的な態度で行われたということがございました場合には、私どもとしても十分に実態を調査いたしまして、適切な指導を行っていきたいというふうに考えております。
  52. 竹田現照

    竹田現照君 しかし、事実問題として元売から施設その他の金を借りたり、あるいはまた油の代金の手形その他の問題、事実上の買い取りでないような形態とすれば、いま私が言っているような、実際は強制だけれども、そういうところは弱みがあるから強制だとは言わないですよね。だけども、形はどうあれ事実問題としてそのメーターセールスは強制の形をとっていく、そういうことを指摘してもいいんじゃないかと思うのです。  そうすると、品質管理というのが元売品質管理を——いま説明もいろいろ言われましたけれども、給油所というのは全然品質管理の責任がないのか、お金を払っていないから、まだ現物は元売会社のものだということになれば、何か預っているだけで、預っているものを売っているというようなかっこうになるのか、その品質管理の責任というのは一体どこに出るのですか。
  53. 橋本利一

    政府委員橋本利一君) 灯油が混入されるケースというのは三つぐらいあるかと思うのです。海上輸送の場合、船ですね。陸上輸送の場合、ローリーの中で。それからもう一つスタンドに入って、地下で貯蔵されている段階においてやられる場合。三つあるようでございますが、やはり最後の段階で、預っているその段階では所有権はまだ移転しておらない油でも、地下タンクで混入するおそれが残るわけでございまして、そういった意味合いからいたしまして、メーター売りについてのいろいろなメリット、デメリットはございますが、品質管理につきましては普通のスタンドと同じように、やはりスタンドごとに品質管理者を置くべきだと思います。
  54. 竹田現照

    竹田現照君 それで、メーターセールスの問題と関連して、品質管理の責任の度合いというやつは、海上でやられようと、どこでやられようと、スタンドで売られる最終グラウンドがそこなんだから、そこでちゃんとした品質管理がなされたものが、消費者の手に渡るということが一番大事なんで、その責任が預っているからとか、どうだとかということでなくて、はっきりしたものであってしかるべきだし、そのことが法律の趣旨でもあるわけですから、その点はこれからの運営に当たってしっかりやっていただきたいと、こう思うのです。  それから衆議院修正で、石油審議会の問題についていろいろと諮問をして云々と、こういうことを言われている。しかしこの石油審議会に消費者を代表するという委員は一人もいないですね。ただ流通小委員会に二人ほど消費者を代表すると思われる人がおります。けれども、法律に出てくる石油審議会には一人もおらないんですよ。ですから、衆議院の審議の中で、どこまでこの運営、その内容、構成について論議があったか承知しませんけれども、修正の趣旨からいきますと、石油審議会でいろいろと意見を聞かなければならぬとかなんとかというのは、先ほどから私が言った消費者のいろいろな懸念だとか、そういうようなものも十分その中でくみ取られて、法運用の上に遺憾なきが期せられると、そういう意味合いがあって修正もなされたものだと思っているのです。  しかしいま申し上げましたように、審議会に必ずしも消費者の意見が反映されるような形にはなっていない。したがって、この現行の二十名の石油審議会委員に消費者を代表する者を追加させるべきであると、そういうふうに私は思う。そしてとかくこの種審議会には行政官庁の考え方をそのとおりやる、まあ言うなら隠れみの的審議会であるという世評、まあ現実もそうなんですけれども、そういうものをやっぱり排除することが私は必要だ。この機会に特にこの石油審議会の構成について明確な、私がいま心配をしたようなことの是正をされる意思というものがおありなのかどうかですね。これは大臣に私はひとつ聞いておきたいと思うんです。
  55. 河本敏夫

    国務大臣河本敏夫君) ごもっともな御趣旨でございますから、今後も積極的に検討をしてまいりたいと思いますが、現在は定員の関係で入っておりません。そこで、いまお話の小委員会に若干の代表がおりますので、審議会に小委員会の代表が出席をしていただきまして意見を述べていただく、そういうふうに当分の間取り計らっていきたいと思います。
  56. 竹田現照

    竹田現照君 確認しますけれども、二十名と枠があるから、それをふやすか、あるいは人員構成の中で将来消費者をどういうふうに入れるかは別として、そのことが実現されるまでは、この流通小委員会の消費者代表というものに出席をしてもらって、意見を必ず聞く、そういうふうに運営をしていきたいと、そういうふうに理解していいんですね。
  57. 河本敏夫

    国務大臣河本敏夫君) そういうことでございます。
  58. 竹田現照

    竹田現照君 ぜひそのことは直ちに実行をしていただきたいと思います。  それから、ことしの三月エネ庁が出しました「ガソリンスタンド及びガソリン販売に関する諸課題とそれへの対応のあり方」において、地域環境の保全という項目で、自動車の出入りに伴う交通安全、防災、騒音防止、悪臭等の対策を十分に実施することが望ましいと、そういうふうにうたわれておりますけれども、ガソリンスタンド周辺の騒音、悪臭等についてどのような行政指導をなされておるのか、この法律とはちょっとらち外でありますが、このほかに二、三お尋ねをしておきたいと思います。
  59. 古田徳昌

    政府委員(古田徳昌君) 先生御指摘になりました三月十日の諸課題への対応のあり方によりますと、「地域環境の保全は、基本的には、消防法、建築基準法等の規制により対処されるべきものであるが、今後、これらの規制によっては、不十分な面が生じてくれば、適宜、所要の措置を講じていくこととする。」というふうな表現になっておりますけれど、実はこの問題につきまして、初めに長官から従来のガソリンスタンドにつきましての行政指導内容を御紹介いたしましたが、従来におきますガソリンスタンド建設に当たっての行政指導の中身としまして、地域社会への環境の適応ということを十分配慮して考えてきていたわけでございますが、具体的には、たとえば学校等の敷地境界線から五十メートル以上離さなければいけない、あるいは病院の敷地境界線から三十メートル以上の間隔をとるようにというふうな形の指導をやってきていたわけでございます。  それから、現在、これも先ほど長官の御説明にありましたけれど、中小企業の近促法の指定業種にいたしまして近代化計画の策定中でございますけれど、その中で近代化合理化設備に加えまして騒音とか要臭とか、そういうふうな環境対策の面での防除設備の設置を、消防法の規制等と離れまして十分考えて織り込んでいきたいというふうに考えておるところでございます。
  60. 竹田現照

    竹田現照君 そこで、消防庁からもおいでをいただいてますが、ガソリンなど危険物の地下貯蔵タンクの点検について、消防庁の指導が昨年の法律改正とはちょっとうらはらに、骨抜きのおそれのあるような指導が行われているということをこの間新聞が報じておりまして、おいでいただいた矢筈野課長の談話が出てますけれども、当分の間期限つき云々というようなことになっていますけれども、法律を改正をした趣旨というものが提案をされているんですが、提案をされた消防庁自体がよくおわかりになっているわけです。それと、骨抜きと思われるようなこういう指導について、暫定のようなことを言われていますけれども、こういうことについてどういうふうに今後対処されるのか。  また、実際にガソリンスタンドというものを監督される通産省として、消防署の指導なるものについてどういうふうにお考えになっているのか。両方からひとつお尋ねしておきたい。
  61. 矢筈野義郎

    説明員矢筈野義郎君) 御指摘のとおり、昨年の法律改正によりまして、危険物施設を定期的に点検するというふうに安全の強化を図ったわけでございまして、地下タンクを有するガソリンスタンドもその対象でございます。  問題は、どういう点からチェックするかという問題だろうと思いますが、東京消防庁で管下のガソリンスタンドの約七〇%を指定点検いたしまして、地下タンクから漏れるチャンスがあるのかどうか等を検査した結果、百四十に実はガソリンの検知口からの検知が認められる。それを徹底的に調べましたところ、地下タンクからの漏洩は一個もございませんでした。問題は、配管の連結部あるいは点検口の構造不備、地盤の亀裂等から下に入りまして検知口から検知しておるというケースでございまして、こういう実態を踏まえながら定期点検の項目も細部を煮詰めていきたい。どうしてもやはりガソリンスタンドは市街地にございますので、周囲に影響がないように十分の注意を払いながら点検するよう、今後も指導してまいる予定でございますけれども、地下タンクを空にいたしまして内部開放点検するというのは非常に危険を伴う作業でございまして、事実、過去いろんな危険も生じましたので、そういう場合に、必要性があれば当然不燃性ガスを噴入しましてやりますけれども、やり方についての装置の問題とか、あるいは方法等も十分安全確保を図る方法で検討した上、細部の点検項目を進めてまいりたい。同時に、ガソリンスタンドにおけるガソリンの取り扱いの安全基準についてもあわせて指針要領をつくりまして、そういう面からの安全も図り、漏洩あるいは火災等の発生のおそれのないように十分対処してまいりたい、かように存じております。
  62. 古田徳昌

    政府委員(古田徳昌君) 私どもとしましても、完全を期すためにはやはり定期的な点検が望ましいということで考えておりますので、今後、ガソリンスタンドの営業の実態を踏まえた方法で消防庁も十分検討していただけるかと思いますが、いずれにしましても、私どもとしましても、ガソリンスタンドの実態を十分消防庁の方にも御連絡しながら、適切な指導を行っていきたいと思います。
  63. 竹田現照

    竹田現照君 ただ、消防庁の指導では二十四時間営業のガソリンスタンドでは事実上何もできないと、こういうことを言われているわけですね。そういう点はどうなんですか、消防庁の方は。実効が上がらないという……。
  64. 矢筈野義郎

    説明員矢筈野義郎君) 当分の間、仕事を開始する前、あるいは夜仕事が終わったときに油の量を測定いたしまして、漏洩のないようにチェックするということを指導しておりますが、御指摘のとおり、二十四時間営業のスタンドにおいては、その間の実態が把握できないということになりますので、その辺の特徴をどういうふうにわれわれ安全面からとらえるかということはいま検討しておりますが、先ほど申し上げましたように、タンク自体の漏洩というのはほとんどございませんので、他の部分についての欠陥事項を常時点検するということで当分の間はカバーしてまいりたい、かように存じております。
  65. 竹田現照

    竹田現照君 法律の改正が昨年なんですから、具体的に通達が出されてなおかつしてあれがされるというようなかっこうでは、法律改正の段階でやっぱりそのことはしっかりしたものを持って出される必要があるんじゃないかと、そう思うんです。  それから、ことしの七月に川崎で町の中を火だるまのタンク車があって、大変住民に不安を起こしたという事件が報道されておりましたけれども、タンクローリーの事故件数、その対策、そういうものについて、消防庁と通産省からお考えを聞いておきたいと思います。
  66. 矢筈野義郎

    説明員矢筈野義郎君) タンクローリーのまず事故件数でございますが、火災件数にしまして、昭和四十七年六件、四十八年四件、四十九年一件でございます。なお、火災に至らないで流出した件数が、昭和四十九年は七件ございました。タンクローリーについては、道路を運行する関係上、いろいろな車両との衝突ということによる事故が一番懸念されますので、タンクローリー自体の構造、たとえば転覆しても油が漏れないように保護枠を設けるとか、あるいはタンクローリーの中の油が、強度の面でタンク自体に直接影響を与えないように間仕切りを設けまして、さらに防波板を設けるとか、そういう構造面での安全のチェックが一つあろうかと思います。その点については、再三の実験を踏まえまして、構造改正をいたしたわけでございます。  さらに、油を出し入れする場合に静電着火とか、あるいはエンジンの稼働による着火等も非常に危険な状態として考えられますので、そういうことのないように取り扱い方法についての基準を強化しておるわけでございます。いずれにしましても、構造面及び取り扱い上、両面から資格のあるタンクローリーの危険物取り扱い者が同乗いたしまして万全を図るように、規定上もなおかつ指導上も行っておるという実態でございます。
  67. 古田徳昌

    政府委員(古田徳昌君) 先生御指摘の川崎市で事故を起こした車の場合は、個人経営石油類の運搬会社のタンクローリーで、消防法の規定を順守せずに、エンジンを切らずにガソリンを抜き取っていたというふうな形の事故だったようでございますけれども、いずれにしましてもこういうことが起きないように、私どもとしましては消防庁との連絡を密にして、元売会社等に対する安全指導を十分行っていきたいと思います。
  68. 竹田現照

    竹田現照君 以上で私、質問を終わりますが、先ほどから申し上げましたようないろいろと消費者の懸念、それからあるいはまたこの法律がむしろ最終的にはガソリンの高値安定招来につながるんじゃないかとか、あるいはまた既存業者の保護だけに終わってしまうのではないかと、そういういろいろな懸念がございますから、その点については十分な、十分過ぎるぐらい配慮をされるように、特にこの高値安定というようなことはいまの物価問題等とも関連をして、灯油の前例がありますからね、ぜひ私はそういうことにならないようにやっていただくことを要望して、私の質問を終わりたいと思います。     —————————————
  69. 柳田桃太郎

    委員長柳田桃太郎君) 委員の異動について御報告申し上げます。  安武洋子君が委員を辞任され、その補欠として須藤五郎君が選任されました。     —————————————
  70. 柳田桃太郎

    委員長柳田桃太郎君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、休憩いたします。    午前十一時五十六分休憩      —————・—————    午後一時四分開会
  71. 柳田桃太郎

    委員長柳田桃太郎君) ただいまから商工委員会を再開いたします。  揮発油販売業法案を議題といたします。  質疑のある方は順次御発言を願います。
  72. 桑名義治

    ○桑名義治君 最近の産油国の値上げの動向についてまず最初にお伺いしておきたいと思います。  景気回復に絡みまして、イランのパーレビ国王が、来年から石油価格を最低一五%値上げすることを呼びかけているということが報道されております。またクウェートの石油省のナシル次官補も一〇%程度の値上げということをまた発言している事柄が報道されているわけでございますが、十二月のOPECのカタール総会では若干の値上げがあるかもしれない、こういう見方が強いと、このように言われているわけでございますが、通産省としてはこの動きをどのようにとらえられておられますか。
  73. 河本敏夫

    国務大臣河本敏夫君) 昨年の十月一日からOPECは御案内のように一〇%の値上げを決めましたが、去る五月のインドネシアバリ島の総会では値上げ問題は見送っております。その後、いまお話の十二月のカタール総会を前にいたしまして、再びこの値上げ問題が非常に大きくクローズアップしまして、最近では値上げ反対派であったサウジも必ずしも反対でないと、そういうふうな意向であるというふうな説等が伝えられておりますが、要するにこの石油価格の値上がりを最近見ておりますと、需給関係で値段が決められていることよりも政治的な判断で決められている、いわゆる政治価格である。そういうことでございますので、その直前まで確たることは言うわけにはまいりませんけれども、そういう動きになりつつあると、こういうことだけはあり得るのではないかと思います。
  74. 桑名義治

    ○桑名義治君 結論として、どういうふうになるかはっきりわからないというのが結論のようでございますけれども、通産省としてはこれをどういうふうな今後取り組み方をするかという、アメリカとのかね合いやいろいろなかね合いがあると思うんですが、これについて政策的にはどういうふうな動きをするというふうにお考えになっていらっしゃいますか。
  75. 河本敏夫

    国務大臣河本敏夫君) 昨年の十月一日からの値上げのときもそうでありましたが、一〇%値上げいたしましても、油の種類によって値段違いますし、それから支払い方法等もそれぞれ各国皆違っておるわけであります。あるいはまた各石油会社でも違っておるわけでございますので、そこはそれぞれの石油会社の企業努力によりまして取引の条件を改善をいたしまして、実質は六%ないし七%ぐらいな値上げにとどまるかと思います。  でありますから今回、私どもは反対でありますが、その反対の意向を押し切って万一仮に上がるということがございましても、そこはやはり交渉いかんで、実質はある程度低く抑えていくということも可能である、そういう企業努力というものを私は日本の石油関係業者に強く期待をしたいと、かように考えておるわけでございます。  アメリカも日本以上のいまは大輸入国になっておりますので、アメリカも当然反対でありますが、現在のところヨーロッパ各国の動向はよくわかりませんけれども、しかし、先ほども申し上げましたように政治価格でございますから、いまのような動きがありましても、あるいはまた場合によっては変わるということも考えられるのではないかと思いますが、いずれにいたしましても大勢としてはやや値上げの傾向が強くなりつつある、こういうことでございます。
  76. 桑名義治

    ○桑名義治君 そこで、政府の省エネルギー対策でございますが、昭和四十八年の石油危機のときにはガソリンの消費節約を目的として給油所の日曜祭日の休業、こういった強力な行政指導が行われたわけでございます。石油緊急事態宣言が解除されて、緊急対策本部がいわゆる資源とエネルギーを大切にする運動本部と、こういうふうに現在変わっているわけでございますが、私は日本の置かれている立場から考えますと、こういったエネルギーの節約というものは、これは常時今後も考えていかなければならない重大な問題だと思うんです。ところがこういう運動本部ができましたけれども、余り運動が進んでいないんじゃないかというふうにどうしても考えられるわけでございますが、この点はどのような方向で、どのような運動を現在進められておられますか。
  77. 橋本利一

    政府委員橋本利一君) ただいま御指摘の全国のガソリンスタンドの日曜あるいは祝日における休業状況をまず申し上げますと、五十年の二月時点で八二・五%でございます。それからことしの二月では六九・四%、最近時点の五十一年十月には七二・九%、若干取り戻したわけでございますが、当初に比べるとやはりかなり落ちておるということは言えるかと思います。御指摘のように供給の確保も非常に大切でございますが、与えられたエネルギーについて消費節約をしていく、あるいはそのエネルギーを効率的に使用していくということも非常に大切だと思いますし、あるいは長期的には産業構造自体を改変していく必要があろうかと思いますが、いずれにしろ当面の問題といたしましては、この運動本部を中心にいたしまして、さらに国民に強く省エネルギーあるいは節約ということを訴えていきたいと思います。  また一方、たとえば電気料金等につきましても、時間帯あるいは季節別の特約料金制度というのは一部について適用されておりますが、こういったものもやはりピーク時を避けることによって、当初、それだけ削減できる。それに従ってまた資本費もそれだけ節約できるといったような点もございますんで、そういった面から電力を節約する、あるいはピークを避けて使う場合に、それに対する経済的なリターンがあるような方向でやるのも一つの方法じゃなかろうかと思いまして、近く検討に入る準備を進めておる、こういうことでございます。
  78. 桑名義治

    ○桑名義治君 では、具体的なこういうふうな方向で推進をしていくという、いわゆる項目的なものはまだでき上がっていないわけですか。
  79. 橋本利一

    政府委員橋本利一君) たとえば従来のように、二月を消費節約月間にするとかいったようなこと、あるいは不要不急と申しますか、使わないときには廊下の電気等を消すとかいったようなこと、あるいは工場における節約運動というものを従前どおりにやっていこうと思ってはおりますが、それにさらに消費節約を進めるための対策をさらに検討していきたい、こういうことでございます。
  80. 桑名義治

    ○桑名義治君 まあ、具体的ないろいろな方法は聞くことができませんでしたけれども、いまからの検討ということでございますから、この問題はここら辺にとどめておきますが、いずれにしましても、四十八年のあの石油危機のころをもう一度思い出して、わが国の置かれている立場から、やはりエネルギーの節約について、政府が先頭を切ってこの運動を展開をしていかなければならないもう時期が来ている、こういうふうに私は思うわけでございますので、その点の最大の御努力をお願いをしたいと思います。  で、そこでいよいよこの揮発油問題に入っていきたいと思いますが、従来から通産省行政指導で揮発油販売業の問題は対処してきたし、また行政指導で事足りると、こういうふうに主張を続けられてきたわけでございますが、ここでこういう揮発油業法という法律が提出をされたということは、いわゆるこの業界における行政指導ではもう手当てができなくなったんだと、こういう一つの認識の上に立って本法案が提出されたんだろう、こういうように思うわけでございますが、その主なる背景を御説明願いたいと思います。
  81. 橋本利一

    政府委員橋本利一君) わが省といたしましても、揮発油販売業界における過当競争未然に防止したいという観点から、昭和四十年以来、行政指導によりましてスタンド建設調整を実施してきている。それから四十八年の十二月以降は、さらに省エネルギーという観点に立って調整を続けてまいったわけでございますが、やはり行政指導というものには強制力が伴いませんので、それなりの限界があるということが一つでございます。  それから、特に新しい問題と申しますか、前々からないわけではなかったんですが、最近特に著しい傾向といたしまして、灯油を混入するいわゆる不良ガソリン発生という問題が見受けられるようになってまいったわけでございます。そういった意味合いから、ことしの春、消費者あるいはユーザーの方たちにも集まっていただきまして、スタンドのあり方についていろいろと御意見承ったわけでございますが、そういった過程において特に消費者サイドからのお話は、品質の悪いガソリンを売ることによって消費者に不測のマイナス影響を与えているから、これを厳に取り締まるべきであるといったような御意見も拝聴いたしましたので、そういったものを踏まえて、従来の行政指導にかえまして、法律に基づくところのガソリン業界の健全な発達、あるいはそれを通じての安定供給、あるいは品質確保、こういう形で本法案を準備いたしまして御審議いただいておる、こういうことでございます。
  82. 桑名義治

    ○桑名義治君 この法案の案を見てみますと、大都市あるいは中都市、農村と、地域差はあるとは思いますけれども、いわゆる指定地域を設けるというふうに言われているわけです。その指定地域に設けられた分については、いわゆる登録の制限等があるやにもうかがわれるわけでございますが、この指定地域はどのようないわゆる基準で決めるのか、あるいはまた、指定地域内での事業開始の繰り下げ期間、これを設けるというふうに載っているわけでございますが、この期間をどの程度の期間に定めようと考えられておられるのか、その点についてお伺いしておきたいと思います。
  83. 橋本利一

    政府委員橋本利一君) 地区を指定する要件は二つございまして、一つ販売数量、一つ過当競争の有無ということになるかと思います。  まず販売数量につきましては、全国平均の販売量を基準にいたしまして、全国をたとえば大都市、中都市、あるいは農漁村といったふうに数種の地域に分類いたしまして、その各種の地域ごとにその地域における基準販売量というものを算定いたしまして、その基準販売量よりも、その地区にあるスタンドで著しくその販売量が下回っておることということが、まず第一番の要件になるわけでございます。  二番目の方は、そういったことを前提といたしまして、その地域で過当競争が行われ、かつ相当部分のスタンド経営が困難である、こういう実態を前提といたしまして審議会意見を聞き、期間を定めて地区を指定する、こういうふうに手順を考えております。  で、いまの平均値は大体月間五十キロリッター程度でございますが、地域ごとにどの程度になっておるかというのは、さらに調査の上で考えていきたいと思っております。  それから、繰り下げ等の大臣指示について、期間はどうかということでございますが、これは、ただいま申し上げましたように、まず地区の指定について期間がございますから、これを超えることはできないということは当然のことでございます。かといって、何年ぐらいが適正かということは、その地域の事情に応じて判断することになると思いますが、たとえば五年以上といったものは、これはやはり問題だと思います。というのは、期間を設定するということは、その間におけるスタンドの自助努力合理化努力ということも期待するという面もございますし、規制はできるだけ小さく最小限にすべきであるという立場もございますので、さほど長くできません。たとえばその近くに工業団地ができるとか、あるいは現在工事中の高速道路が開通するとか、それによって自動車の走行数もふえてまいる、そういう事態がございましたら、そういったのと関連して期間を決めるということになろうかと思います。
  84. 桑名義治

    ○桑名義治君 そうしますと、そういった周囲の事情の判断については、基準の判断については、地元の通産当局が決定をするわけですか。
  85. 橋本利一

    政府委員橋本利一君) これは、本法施行上非常に重要な問題でございます。たとえば地区指定を受けると、法律的な効果といたしましては、いままでの設備の調整の問題もございますし、あるいは十九条で価格是正の勧告をする場合にも、特定地域内という限定がございますから、そういったことから非常に重要な案件であるということと、それから全国を見渡した上で考えるという必要性もございますので、まずまずこれは大臣権限のまま残しておきまして、通産局長に委譲するということは考えておりません。それから、そういった問題でありますがゆえに、やはり石油審議会意見を聞いた上で指定をいたしたい、かように思っておるわけでございます。
  86. 桑名義治

    ○桑名義治君 次の問題といたしまして、このスタンドは中小企業が九三%を占めるという、そういうお話が午前中にもございました。この業界が大企業の直営、特に商社の進出が目立ってきたわけでございますが、そういった意味で分野調整のいわゆる対象とすべきではないかと、こういうふうに一部では考えられておるわけでございますが、この点については通産当局としてはどのようにお考えですか。
  87. 橋本利一

    政府委員橋本利一君) まあ大手商社と申しますか、大企業がこの揮発油の流通分野でどういう機能を果たしておるかということでございますが、必ずしも実態は明らかでないのでございますが、一般的には卸活動と申しますか、特約店あるいは元売といったような形で機能している場合が多うございまして、直接ガソリンスタンドを持ってみずからいわゆる直営をやるというケースは、案外少ないようでございます。で、現在末端のガソリンスタンド過当競争が行われております主たる理由は、やはり数が非常に多いということと、その中におきまして九割以上が中小零細企業である、問題はむしろそういったところに多くあろうかと思いますので、現在御審議いただいておるような法案を準備したというわけでございます。  ただ、午前中にもお話が出ておりましたように、いわゆる業転玉というものはやはり元売から出てくるものでございますから、そういったものに対しましては、本法の十九条によりまして、第一線の末端のガソリンスタンドに対する是正勧告だけでは問題解決しない場合、そこまでさかのぼって大臣勧告を発動する、こういう仕組みにしてあるわけでございます。
  88. 桑名義治

    ○桑名義治君 そこで、石油販売業者の登録制を今回は実施をするわけでございますが、石油元売業者の石油販売業者に対する系列化が促進をされるということは、これはまあ考えられるわけでございますが、そのことによってやみ再販等が実施されやすくなるおそれはないのかどうか、あるいはまた通産省では、石油販売業者の系列化が不当に促進されないように、どのように具体的に配慮をなさっておられるのかどうか、この点について伺っておきたいと思います。
  89. 橋本利一

    政府委員橋本利一君) 系列化が進むことによって、事実上やみ再販が行われるとかいうことは、非常にこれは好ましくない状況でございます。そういったところから、私たちの本法案に取り組むやり方は、安定的な供給のための安定的な仕入れということについてはチェックいたすことにしておりますが、その場合にも特定の一社との契約ではなくて複数でも結構である、あるいは安定仕入れのウエートを三分の二程度まで認められるならば、あとの三分の一はフリーに選択購入してもよろしいといったような姿勢を示しておるのも、実はその系列化と申しますか、あるいは過度の依存関係といったものを排除したいという配慮からでございます。  かたがたその再販の問題につきましては、十九条についてまず元売の方から規制していったらどうだという御意見もあるわけでございますが、元売の方から規制してまいりますと、結果としてやみ再販と申しますか、再販価格的な効果を生み出すおそれがあるということで、本案でお願いいたしておりますように、まず第一次的にガソリンスタンドに対する勧告是正をやりまして、それで至らざる場合、必要やむを得ざる場合にはさかのぼって特定の元売業者に勧告をしていく、こういう法律技術的な手を打っておるのもやみ再販に対する配慮からということになろうかと思います。
  90. 桑名義治

    ○桑名義治君 では、条文の第四条の二項の「事業計画書及び通商産業省令で定める書類を添付しなければならない。」、この基準はどのようなものかということをお尋ねしたいと思うんですが。
  91. 橋本利一

    政府委員橋本利一君) 第四条二項によって申請書に添付される書類といたしましては、現在なお具体的内容検討いたしておりますが、たとえて申し上げますと、申請者の履歴書、品質管理者の履歴書、それから経営的基礎の有無を判断する——ということは、安定仕入れができるかどうかということでございますが、そういった必要書類を添付書類としてわれわれいま考えておるわけでございます。
  92. 桑名義治

    ○桑名義治君 この基準によって無印スタンドが排除されることが絶対にないかどうか、これは午前中でも論議をされておった事柄でございますが、なお、登録時に排除されなくても、既存の販売業者が特定揮発油販売業者に万が一圧力をかけた場合、供給が不安定になることはないかどうかという心配があるわけですが、この点についてはどのようにお考えですか。
  93. 橋本利一

    政府委員橋本利一君) 毎々申し上げておることでございますが、無印であるからといって差別するつもりはございません。本法の目的といたしております品質を管理する能力があるかどうか、安定供給のための安定仕入れができるかどうか、そういった点に着目いたしまして審査するわけでございますので、無印だからといって排除されるという性格のものではございません。  それから、既存の業者につきましては、経過措置によりまして、六十日間は従来どおり、六十日以内に申請を出しまして、登録されれば新しい法律に基づく業者になるわけでございますし、その間万が一登録が拒否されるような場合にはその時点で廃業、こういうことになろうかと思いますが、その時点において御指摘のように系列化を促進するような動きが元売の方にありとするならば、あるいはそういった事実がございましたら、私たちとしてはそれは厳に取り締まっていこうと考えております。
  94. 桑名義治

    ○桑名義治君 四十八年から給油所の新設が凍結をされていると、こういうふうに聞いているわけでございますが、この本案が実施をされることになった場合、この凍結はどのようになるんですか。  今後給油所の建設の枠はどういうふうに考えておられるのか、また一つの枠を決められるのか、あるいはまた、それとも全く自由になるのか、その点についてもちょっとお伺いをしておきたいと思います。
  95. 橋本利一

    政府委員橋本利一君) 先ほどお答えいたしましたように、行政指導というのは限界があるわけでございますので、幸いこの法案が成立いたしまして施行することになりますと、従来の行政指導というものはやめるという方向考えております。  それから、枠を設定するかどうかということでございますが、これにつきましては、一つには供給計画で五十五年度まではガソリンは大体年率四・九%で伸びるだろうというふうに見ておるわけでございますが、この伸び率を新しいスタンドでカバーをするのか、それとも既存のスタンドにおける一店舗当たりの売上量、販売量がふえていくという形でカバーするのか、これはその地域によってあるいは需給事情によっていろいろと変わってくるだろうと思います。  そういった意味合いから一定の枠と申しますか、そういったことをあらかじめ設定することは非常に困難じゃなかろうかと思いますし、かたがた、現在は全国ベースで考えておるわけでございますが、今回のこの法案では、先ほど御指摘のございました指定地区内において若干の建設調整をやるということになっておりますんで、そういった意味からも、全国的な意味での枠の設定ということは必ずしも要らないんじゃなかろうかというふうに考えておるわけでございます。
  96. 桑名義治

    ○桑名義治君 開業するために大きな投資をし、準備を整えたところで登録拒否ということが起こり得るだろうかどうだろうかというふうなちょっと疑問があるわけですが、この点はどういうふうにお考えですか。
  97. 橋本利一

    政府委員橋本利一君) 登録の申請は、本法案の第三条によりまして、揮発油販売業を開始する前に行う必要があるわけでございます。したがって、現実にはさようなことがあっては困るわけでございますが、反面、中には指定地区というものを告示することにいたしておりますが、それと兼ねて十分説明会などをいたしまして、かりそめにもむだな投資準備をして、結果として建設調整の憂き目に遭うといったことのないように、運用面でも配慮いたしたいと思います。
  98. 桑名義治

    ○桑名義治君 そこで、もう一点特にお聞きしておきたいのは、現在のエッソ、モービル等に見られる委託販売形態のガソリンスタンドが大変に多いというふうに聞いておりますが、これは、まず最初に軒数はどのくらいあるのか、お聞きをしておきたいと思います。
  99. 古田徳昌

    政府委員(古田徳昌君) ただいまお話のございましたマネ・プラ方式による給油所の数はエッソ関係で二百八十四になっております。
  100. 桑名義治

    ○桑名義治君 この販売形態の経営は過去から苦しい経営内容で、相当数の運営者が借金を抱え、あるいは運営をしておったけれども、交代をした、あるいは倒産をした、半数近くもこういう形になっているわけでございますが、この委託販売の形態を、通産省としてはどのようにとらえられておられますか。
  101. 古田徳昌

    政府委員(古田徳昌君) エッソの全体のガソリンスタンドの数は二千七百六十一ございまして、したがいまして、ただいま申し上げましたマネ・プラ方式によるスタンドはその約一割という形になっております。  それから、このマネジャープラン方式によるガソリンスタンドにつきましては、四十五年に国会でも議論の対象になって、いろいろと問題点が指摘されたと記憶しておりますが、これにつきましては、エッソ側がその強い経済力で非常に不当な契約内容にしているというふうなことで、通産省としましても、問題を指摘されました諸点につきまして、その改善のために努力いたしまして、四十六年一月に新しい契約内容に改正して、それに基づいて現在経営しているわけでございます。  このようなマネジャープラン方式につきましては、メリット、デメリットいろんな問題があるかと思いますが、たとえば基本的には、資金力に乏しい有為な人材に対しましていろいろと機会を与えるというふうな面もあるかと思います。それによりまして、元売会社とマネジャーの相互協力によりましてすぐれた石油製品とか、あるいはサービスを一般消費者に供給するというふうな面があるわけでございますが、反面先ほど言いましたようなマネジャーの地位を不当に圧迫するというふうな問題点も生じがちでございますので、その点につきまして関係者の話し合いを十分、これは昭和四十五年から六年にかけてでございますが、させまして改善に努めていたところでございます。今後ともそのような事態をもし生じましたならば私どもとしましても十分指導を行っていきたいというふうに考えております。
  102. 桑名義治

    ○桑名義治君 まあ非常に改善をされたような意味のお話がございましたが、この「サービス・ステーション・マネジャー・プラン契約書」、この中身を見てみますと二十一条あたりになると、「甲は、乙が次の各号のいずれかに該当する場合は、何ら催告を要せず直ちに本契約を解除することができる。」、このメーカーから、いわゆるエッソから石油とらないで、よその業者から石油をとった場合には理由の有無を問わずに本契約を催告もせずに解除するというような、こういう契約内容になっているわけですよね。そうすると改善をされた、改善をされたとは言いながら、これは不当に圧迫をされていると言われても決して言い過ぎじゃないと思うのですがね。まだほかに項目でいろいろ不当な項目がたくさんあるわけですよ。一例として一番これはひどいなと思った項目をいま一つ読み上げてみたわけですが、こういう点についてはどのようにお考えになっていらっしゃいますか。
  103. 宇田川治宣

    説明員宇田川治宣君) 先ほど部長からお答え申し上げましたように、四十五年当時問題になった後でマネジャープランの契約の相手側であるマネジャーの方々の、いわば協議会というふうなものが当時できまして、エッソとの間でいろいろ、できるだけ対等な契約内容にしようということで話し合いが行われました。通産省としても当時そういう方向指導をいたしたわけでございます。  それでその際、従来からございましたものとの対比で一つ、二つ、その改善された例を申し上げますと、「エッソ、マネジャー相方の権利義務を互に尊重し、相互協力のもとで円滑な運用を計ることを目的として運用規定を具体的に規定」するというようなこと、あるいは従来、不良勘定の処理につきましては、不良債権はいわゆるマネジャーの責任になっておったということにつきまして、新しい、新々契約書というふうに称しておりますが、新々契約書におきましては善良なる管理者義務の遵守事項ということを明記いたしまして、その場合には不良勘定は全額がエッソ側が負担するというような規定を設けたというような幾つかの改善が見られたというふうに承知いたしております。  それでその結果、当時三百件ほどございましたマネジャー協議会の方々は大体これで結構でございます、こういうことで通産省にも御報告をいただきまして、現在そういう形で運営をされておりますが、なお先生の御指摘のようなことで、まだ不平等な契約関係になっているというようなことで問題を提起しているマネジャーの方々も現実にいらっしゃいますし、それから私の承知している限りでは数件、訴訟にも係属してなっているというふうに聞いております。いずれにしましても、私どもの先ほど部長が申し上げましたように、そういう問題が起こりました際に両当事者を呼びまして、適時の指導なりを図っていきたいというふうに考えております。
  104. 桑名義治

    ○桑名義治君 こういう契約方式、いわゆる委託販売方式、このガソリンスタンドは本法の適用は受けるのかどうか。受けるとするならば、販売形態でいえば、おたくからの説明書があるわけですが、これの特約店あるいは二者、三者、直営、どこに属するようになるわけですか。
  105. 宇田川治宣

    説明員宇田川治宣君) このマネジャープラン方式によりますがガソリンスタンドにつきましても、登録の対象になるというふうに考えております。  それでその場合、登録を申請する者あるいは登録の対象となる者はいずれであるかという点につきましては、この契約書を額面どおりに読みますと、いわゆる委託販売契約方式になっておりますので、すべてエッソの責任において販売されている、マネジャーとしてはエッソの指示によって販売を行っていくというような形でございますので、そういう観点からいたしますと、むしろエッソが直接その登録の申請当事者になるということも考えられますし、また内容あるいは実態をお聞きいたしますと、そうではなくてガソリンの売買関係がある、一応エッソからある金額で引き取りましてそれを売るというふうな関係もあるというふうにも聞いておりますし、そういう点で申しますと、むしろマネジャーが直接登録の当事者になるというふうなようにも解されます。いずれにしても、複合した契約でございますので、契約の内容及び実態というものをもう少し詳細に調査をいたしまして、登録の対応関係ということを決めてまいりたいというふうに考えております。
  106. 桑名義治

    ○桑名義治君 いまの御答弁では、最初にこの本法の適用を受けるという、こういういま答弁があったわけですね。で、その後のいろいろな説明関係から、いわゆるエッソと結ぶか、あるいはまたいわゆるマネジャーと結ぶか、その登録の当事者をどっちにするかということは今後の課題として研究するというふうに最終的な結論がそうなっちゃったわけですがね、答弁は。そういうことですか。
  107. 宇田川治宣

    説明員宇田川治宣君) 御指摘のとおり契約、単に契約条項だけではなくて、契約の実態をよく調査いたしました上で、申請当事者ということを最終的に調査し確定してまいりたいというふうに考えております。
  108. 桑名義治

    ○桑名義治君 そうすると、この本法がいわゆる適用を受けるようになってから、発効してから即座にいわゆる登録申請をやった場合には、おたくの方は受ける準備はあるわけですね。
  109. 宇田川治宣

    説明員宇田川治宣君) 本法におきましては、附則第一条におきまして、幸いにして本法が制定公布された暁におきましては、公布の日から六カ月以内で施行の日を政令で定めることになっております。したがって、私どもとしてはそういう若干の猶予期間というものを有効に使いまして、その間精力的に各種の調査なり実態なりを調べて、施行される期日までの間に申請者を確定しておくということで進めたいというふうに考えております。
  110. 桑名義治

    ○桑名義治君 そうしますと、こういう契約を結んでいるところですね、給油所については何ら本法適用については支障はないと、こういうふうに理解してもよろしゅうございますか。
  111. 宇田川治宣

    説明員宇田川治宣君) 事態が混乱に陥らないように、事前に十分調査し、確定していきたいというふうに考えております。
  112. 桑名義治

    ○桑名義治君 この委託販売方式は、契約の内容から見て販売業法との間に幾つかの疑問や非現実的なものが見られるわけですが、エネルギー庁は、複数の仕入れ先によって系列強化ではない理由としておられますけれども、この契約では仕入れ先の選択権は全くないわけですね。その元売の意に反した場合、供給の停止あるいは登録の拒否につながる重大な問題を含んでいる、こういうふうに考えられるわけですが、委託販売方式でも選択権はあるのでしょうか、どうでしょうか。契約の内容と、いわゆるエッソと契約の内容と、それからこの法律との競合関係が生まれてくるんじゃないかというふうに考えられるわけですが、その点の矛盾をどういうふうにとらえられておられるのですか。
  113. 橋本利一

    政府委員橋本利一君) 御指摘の点は、やはり契約当事者相互間の問題と、われわれが御説明いたしております系列化を避けるための複数でも結構だということは別の問題ではなかろうか。この法律で言っております、あるいはわれわれが運用で考えておりますのは安定仕入れ先が複数であってもよろしい。逆に言うと、当該スタンドが好むならば特定の一社でもよろしいと、こういうことになるわけでございます。  それからこちらのおっしゃる委託契約の方も、本来、やはり契約というものは平等の原則に立ってやらなくちゃいけないわけでしょうが、御指摘のようなそういった不平等な契約になっているということは、第一義的にはやはり当事者間での話し合いと申しますか、われわれとしてはそういった話し合いを持たれるように、ケースによっては指導する必要もあろうかと思いますが、やはり契約自由の原則からいたしまして、第一義的には当該契約当事者がそういった不平等を是正するための交渉というものをやるべきではなかろうかと思います。そういった意味合いにおきまして、われわれが仕入れ先が複数でもよろしいと言っていることと、ただいま御指摘の、販売委託契約との関係には私は事実上乖離はないというふうに思うわけでございます。
  114. 桑名義治

    ○桑名義治君 本法を提出されたその趣旨という立場から考えまして、いまの御答弁にもありましたが、この問題と契約の問題は別だと、こういうふうにおっしゃっておられます。しかしながら、この契約の中身というものは非常に不平等にでき上がっておることは事実です。  そこで、委託販売形態のガソリンスタンド経営者は本法によってさらに強い元売の支配力が出てくるんじゃなかろうかというふうに考えられるわけです。で、販売数量の増販強要、それから支払い済度の短縮、契約の解除権の乱用と、いままで以上の圧力が出てくるおそれがあるわけでございますけれども、業者では非常にこの点を心配しているわけです。したがって、この心配を取り除くためにも、このような委託販売形態の業者に何らかのいわゆる指導を強化すべきだろうというふうに考えるわけでございますが、通産省としてはどのようにお考えですか。
  115. 橋本利一

    政府委員橋本利一君) 御指摘のようなことのないように、指導いたしたいと思います。
  116. 桑名義治

    ○桑名義治君 この問題を解決するためにはどうしてもやはり「サービス・ステーション・マネジャー・プラン契約書」という、こういう不平等な契約をすることからまず脱却さしていかなきゃならないと思うんですが、これはまたもとに戻るようで恐縮でございますけれども、こういったいわゆるスタンドの契約について通産省としては今後どういうふうな態度で臨みたいというふうにお考えになっていらっしゃるんですか。
  117. 橋本利一

    政府委員橋本利一君) こういった委託契約というものは、見方によりましては、と申しますのは、資金力のない人がこういった石油販売業に従事したいというような、力はあるが資金がないといったような場合には非常にプラスに働くだろうと思います。あるいはそういった旺盛な気持ちで販売に当たれば、それだけまた消費者にもプラスになろうかと思いますが、ただ問題は、いまおっしゃる不平等の問題だと思います。この点につきましては、私企業と申しますか、両当事者の契約の問題でございますので、第一義的に政府がこれに介入するということはやはり適当でなかろうかと思いますが、ただ、そういった状況に応じて不平等のサイドに立っておるガソリンスタンド業界の方から指導なりを依頼してきた場合には、それに力を貸す方向で是正してまいりたいと、かように考えるわけでございます。
  118. 桑名義治

    ○桑名義治君 確かに御答弁のように、一企業の問題、契約の問題というふうにとらえていけば、そういうふうにとらえられないことはないと思います。しかし、こういう法律ができ上がる以上、この法に即した、いわゆる日本全国のガソリンスタンドという全体の枠の中で、やはり方向性というものをある程度通産省としては定めていく必要があるんじゃないか、こういった立場から見た場合に、こういう不平等契約というものは思わしくない、好ましくない、こういうふうにわれわれは考えておるわけでございますが、その点どうでしようか。
  119. 橋本利一

    政府委員橋本利一君) ケースにもよるだろうと思うのでございますが、場合によってはやはりその不公正取引に該当するようないわゆる優越的地位を乱用したといったようなケースであれば、われわれとしてやはり独禁法と申しますか、公取の方で直接規制するということもあろうかと思いますが、私たちの方といたしましては、そういった点、公取ともよく連絡をとりながら指導してまいりたいと、かように考えております。
  120. 桑名義治

    ○桑名義治君 継続的購入先を登録をさせる、一方においては臨時的な取引、いわゆるスポット買いも認めていると、その理由はどういう理由なんですか。また、大半をスポットで仕入れていれば登録拒否の対象と言うが、その限度、基準というものをまず示していただきたいと思います。
  121. 橋本利一

    政府委員橋本利一君) 安定供給のための安定仕入れにつきまして一部スポット物と申しますか、必ずしも確定的でないものでもよろしいというように考えておりますのは、一つはやはり、完全に一〇〇%安定購入する場合に比較して、フリーチョイスの範囲が残っている方が元売なり特約店との関係において、自由な立場を維持できるんじゃなかろうかという考え方と、反面、三分の二まで安定仕入れできるならば、本法のねらいとしておる安定供給も可能であろう、こういう両面から考えまして、一部フリーを認めておる、こういうことでございます。  その安定度合いをどの程度にするかということでございますが、本法案と同種と言ってはなんでございますが、液化石油ガスの場合に、販売予定量の三分の二について安定確保仕入れができるならばよろしいということになっておりますので、本件についても大体三分の二程度を、安定仕入れ先が挙証されるならばまずまずよかろうと、こういう考え方に現在立っているわけでございます。
  122. 桑名義治

    ○桑名義治君 仕入先の変更は、その届け出は不要としておられますが、登録は当初だけの形式に終わってしまうのじゃなかろうかという一つの疑問もあるわけです。  さらに、仕入れ先は一社に限定せず、数社でもよいと、こういうふうになっているわけですが、一般スタンドが複数の仕入れ先を記入することは現実に可能なことであろうかどうかということなんですが、その点はどういうふうにお考えになっておりますか。
  123. 橋本利一

    政府委員橋本利一君) 先ほど来申し上げておりますように、複数の卸売あるいは特約店との契約というのを前提としておりますが、これはやはり必要以上と申しますか、固定化した系列関係にならないように、そういったことを排除しようという配慮からでございますが、今度は、現実的に複数の仕入れ先を確保できるかどうかという問題でございますが、これはガソリンにつきましては、元売あるいは特約店等におきましては、そちらの方にやはりウエートを置いていこう、自分のシェアを広げていこう、こういうのが一般的な動きでございますので、そういった線からは、少なくとも元売業者にとっては自分のシェアを拡大するという方向ではプラスになるわけでございますから、まずまず複数の仕入れ先を確保するということは可能であると考えておるわけでございます。  ただその場合に、一部の卸あるいは特約店の中で、他と協調していじめるような形で、仕入れ先になることを排除しようというような動きがある場合で、これはもう厳にわれわれの方としても指導してまいりたいと思っておりますから、まず複数の仕入れ先は可能だと思います。
  124. 桑名義治

    ○桑名義治君 いわゆるマークがえは、多額の手当が出たり、卸価格を下げたりして、不当に石油業界を混乱をさしているわけですが、これは、石油売会社の駆け込みによるいわゆるシェアの拡大を目的としたもので、石油販売業者に対する元売の不当な系列支配ではないかというふうに一応考えられるわけですが、石油販売業者の仕入れ先の選択に関し元売の妨害を排除するような規定を設ける必要はないかというふうに考えるわけですが、その点はどのようにお考えですか。
  125. 橋本利一

    政府委員橋本利一君) 御指摘のように、昨今転籍するものがふえてきておるわけでございますが、これはいろいろ理由があろうかと思います。経営困難になってマークがえをせざるを得なくなったものもあろうかと思いますが、一方、やはり御指摘のように四十八年の十二月以降、原則として新設を抑制するような方向指導しておりますので、そういったところから、元売がシェア拡大のために既存のスタンドマークを自分のと書きかえさせるといったようなことも、現実の問題として考えられないわけではないと思います。そういったところから、できるだけ早くこの法律が施行されることによりまして、そういった転籍といったような方法でなく、秩序正しいスタンドの建設が行われるようにいたすべきだと思います。ただその転籍について、これを一般的に規制するということはいかがかと思います。  ただ、その流通秩序を不当に混乱させておるとか、あるいは市場支配的な意図を有するものにつきましては、これは好ましくないわけでございますから、そういった元売業者に対しましては、十分指導をやっていかなくちゃいけないかと思います。ただケースによりましては、独禁法の不公正取引に該当するような場合、これはもう現行法で十分対処できるわけでございますが、そういった趣旨を体して、私たちといたしましてもさようなことのないように指導してまいりたいと思います。
  126. 桑名義治

    ○桑名義治君 業転玉発生原因は大体那辺にあるのか、またこの法律が施行されたらそういうものはなくなるというふうにお考えになっていらっしゃるものか、この点についてはどうでしょうか。
  127. 橋本利一

    政府委員橋本利一君) 御承知のように、現在石油業法に基づきまして石油供給計画というものをつくって、需給を適正に調整しておるわけでございますが、これは何分全国ベースと申しますか、マクロベースのものでございます。その間にこういった業転玉発生しておるわけでございますが、これはやはり精販のギャップと申しますか、ガソリンが採算油種であるところから、できるだけ多くこれに依存していきたいといった風潮があるわけで、ややもすると過剰生産に陥る。それは地域的に、あるいは企業によって、あるいは時期によって違うかと思いますが、そういったマクロに対してミクロ面での一時的な現象ということでございます。これに対しましては、われわれといたしまして本法案の第十九条によりまして、値段が著しく下がっておる場合でございますが、末端の揮発油販売業者に対する是正勧告だけでは問題が解決しない。かつ必要とおぼしき場合には、その原因者である元売あるいは特約店までさかのぼって是正勧告をするというような形で考えております。それから、こういった法案をあわせまして、別途やはり元売業界における再編成の努力というものも続けていかなくちゃいけないと思います。そういった面両々相まって、こういった業転玉というものの発生未然に防止していくということが必要かと思います。
  128. 桑名義治

    ○桑名義治君 そうしますと、安売りの原因となっている業転玉というものは、採算の高いガソリンに依存する元売に大きな原因がある場合が多い、結局供給過剰となり乱売、業転押し込み販売、こういうのが実情であるために、元売にも適正ないわゆる行政指導をすると、こういうふうに理解していいわけですか。
  129. 橋本利一

    政府委員橋本利一君) それは御指摘のとおりでございます。
  130. 桑名義治

    ○桑名義治君 いわゆる無印スタンド業者は、本法案の設定によって自分たちの営業が脅かされるんじゃなかろうかというふうな意味合いで、この法案に反対をされておったのではないかと思うんですが、通産省としてはこれらの人々の意見というものは十二分に聞いたのかどうか。  また仮に、無印スタンドの業者が不当に排除去れることはないというようなお話が先ほどから何回も出てきているわけでございますが、念のためにもう一度その点をお伺いをしておきたいと思います。
  131. 橋本利一

    政府委員橋本利一君) 本年の一月から二月にかけまして、ガソリンスタンドをめぐる諸問題につき、関係各方面から意見を聴取したわけでございます。その段階におきまして、無印スタンドからの要望意見も出ております。それから、石油審議会の流通小委員会で検討をしておる段階、あるいはその後原案作成の過程におきましても、無印スタンドから単独に、あるいは集団で直接面会を求めてきております。そういった段階で担当の部課長が応接し、それぞれの懸念される点についてこちらの考え方をよくお話しておるというふうに承知いたしております。  それから、無印スタンドについて排除しないのかというお話でございますが、これは無印だからといって区別するということではなく、この本法に定めるところの品質管理能力があり、あるいは安定供給能力があるかないかということを、無印ならざるスタンド業者と同等のレベルにおいて判断する、こういうことでございます。
  132. 桑名義治

    ○桑名義治君 本法案のいわゆる項目の一つとして、品質保証が大きな一つの要件になっておるわけですが、今日までの不良ガソリン発生の理由は大体どこら辺にあったのか、あるいは粗悪品認定の基準はどこがするのか、それからその防止体制は今回の法規制で十分可能なのかどうか、この点について伺っておきたいと思います。
  133. 橋本利一

    政府委員橋本利一君) 粗悪ガソリン発生の最たる原因は、ガソリンが他の石油製品に比べて割り高であると申しますか、税金を入れてみますと他の油より六万円から六万五千円ぐらい高いんじゃないか、そういった状況からいたしまして、灯油を混入して粗悪ガソリンをつくるといったような動きがあるわけでございます。これの実態は流通過程が複雑でございますので、海上あるいは陸上輸送の過程で、あるいはタンクに入れてから灯油などを混入するということだと承知しておりますので、特にその末端のスタンドにおいて、品質管理者を置いて十分その品質確保を図りたい、こういうことでございます。  それから、粗悪な揮発油の基準につきまして、いま申し上げましたようなところから、灯油の混入率でもって判断する、そういうことになろうかと思います。
  134. 桑名義治

    ○桑名義治君 十六条に、「技術上の基準に適合する分析設備を使用して揮発油の分析をさせなければならない。」こういうふうになっているわけでございますが、この分析設備というのはそれぞれのスタンドごとに恐らく置かれるのではなかろうかと思うのですが、その分析はどの程度分析すればいいかということなんですが、回数なんですね。たとえば、新しい揮発油が来た、ガソリンが来た、そのときに分析をするのか、そのたびごとに分析をするのかどうか、そこら辺をお聞きしておきたいと思います。
  135. 古田徳昌

    政府委員(古田徳昌君) 第十六条に掲げてあります分析設備は、これは各ガソリンスタンドごとに必ず持たねばならないということではございません。各スタンドごとに持って利用しても結構でございますし、それから数軒が共同で利用するという形でも結構だというふうになっております。それからこの分析設備は、ガスクロマイトまたは蒸留方式というふうなことになるかと思いますけれど、その設備につきましては現在私どもの方としてもなお検討中でございますが、三十万ないし五十万程度のものになろうかと思います。  それから、分析の回数でございますが、これは現在のところ私ども週に一回ないし二回という程度のことで検討していきたいと思っております。
  136. 桑名義治

    ○桑名義治君 石油協会の事業内容をちょっとお聞きしておきたいと思うのですが、それと、本法の品質検査がなされた場合、石油協会の品質検査との関係はどういうふうにとらえていけばいいんでしょうか。
  137. 古田徳昌

    政府委員(古田徳昌君) 全国石油協会の事業概要を御説明しますが、石油協会に対しましては四十九年度、四十八年度及び五十年度で二十億円の国からの補助金が出ておりまして、その補助金を基金としまして、その運用益によって各種の事業をしているわけでございます。その事業内容としましては、品質の保全対策事業としまして品質検査、それから品質検査方式の研究開発といったふうなものをやっております。それから、環境対策事業としまして、産業廃棄物の処理計画につきましての各種の検討、それから廃油処理関係で関係者の意識を高めるためのポスター作製配付といったふうな事業。それから、調査統計事業としましてはガソリンスタンドの実態調査を必要に応じて講じてやるというふうな各種の事業を行っております。  その中で一番中心となります事業は、先生も御指摘なさいましたがガソリン品質検査でございます。これにつきましては、昨年の例で申し上げますと、一万九千八百九十五軒のガソリンスタンドを検査しております。で、それにつきましてまずペーパークロマト試験を行い、その不適合なものにつきまして蒸留試験を行うということで、昨年の事例で申しますと、ただいま申し上げました総数の中で最終的に八十六件が不適合というふうな結果が出ております。
  138. 桑名義治

    ○桑名義治君 そうしますとあれですね、本法の施行に当たって、個人的にそれぞれのガソリンスタンドが分析をすることも可能だし、あるいは数軒のガソリンスタンドがいわゆる一つの分析機械を通してこういう検査結果を常に備えておくということも必要だし、それに加えて石油協会の検査もまたあり得る、こういう二重の検査がかぶさると、こういうことになるわけですか。
  139. 古田徳昌

    政府委員(古田徳昌君) この法律に基づきます品質検査は、いわば自主検査といいますか、自分で毎日といいますか、各ガソリンスタンドごとに販売しております揮発油の品質をみずから十分把握しておく。で、不良ガソリンを売らないように注意するということにねらいがあるわけでございまして、それをさらに担保する形としまして、この石油協会のいわば第三者による抜き取り検査といったふうな方式で各ガソリンスタンドの自己検査、自主検査といったものの効果をさらに高めていきたいというふうなことでございます。したがいまして、私どもとしましては、この両方の方式で品質の管理が十全に行われると考えておりますし、この石油協会の抜き取り検査といいますか、品質検査につきましては、今後とも拡充をしていきたいというふうに考えておるわけでございます。
  140. 桑名義治

    ○桑名義治君 さらに、本法の一つの柱として、いわゆる価格の適正化ということが考えられているわけですが、取引形態によって価格が多少異なるのではないかと、こういうふうに思うわけです。たとえば無鉛ガソリン、これは業転価格によりますとキロリットルが九万円前後、一般代理店価格がキロリットルが九万五千円前後、それから委託販売店はキロリットルが約十万円以上と、この数字が物語っておりますように元売からの仕入れ価格だけで一〇%以上の大きな差があるわけです。で、著しく異なる価格——リットル当たり五円から十円の差があれば価格を考慮する必要があると、こういうふうに一般的に言われているわけでございますが、このような販売形態の違いによる仕入れ価格の差をどういうふうに考えるのか、また元売勧告の対象になるのではないかと、こういうふうにわれわれは考えるわけでございますが、この点はどうでしょうか。
  141. 橋本利一

    政府委員橋本利一君) まず申し上げておきたいのは、十九条の価格是正の場合に、たとえば企業努力によりましてそれだけコスト低減できたものを消費者に返すと、還元するということはむしろこれは歓迎すべきことであり、またそういった方向であってほしいと思うわけでございますが、問題は、業転玉といったような一時的な需給のアンバランスから押し込み的に販売されまして、それが業界全体の秩序を乱す、ひいては消費者の利益も害する、こういったものを排除したいというのが十九条の思想でございます。したがいまして、いま御指摘の取引形態の差による価格の差というものはそれぞれによってやっぱり実態も違うのではなかろうかと思いますので、そういったよく実態を詰めた上でじゃないと、直ちにそのまま十九条の発動対象になるということではないんじゃないかというふうに考えておるわけでございます。
  142. 桑名義治

    ○桑名義治君 終わります。
  143. 加藤進

    ○加藤進君 この法律の目的として、揮発油の安定供給確保する、そのためにガソリンスタンド乱設を規制する、こういうことが法案の趣旨になっていると思います。  そこでお尋ねしたいわけでございますけれども、実際にガソリンスタンド乱設がこれで規制できるのかどうか、実効ある規制がこの法案によって可能かどうか、その点の確信ある御答弁をまずお伺いしたいと思います。
  144. 橋本利一

    政府委員橋本利一君) 本法の目的の一つが、安定供給にあるわけでございます。その安定供給を乱すと申しますか、過当競争原因スタンド乱設にあるというふうに現状を認識いたしまして、本法案におきましては、スタンドの建設について若干の調整を行う。具体的には、あらかじめ石油審議会意見を聞いて、定めましたところの指定地区内におきましてスタンドが設置される場合に、一定の要件に該当する場合には事業開始の日を繰り下げるとか、あるいは設備の縮小を指示するとか、そういった目的達成のための必要最少限の措置をもって乱設を防止いたしたいと、かように考えておるわけでございます。
  145. 加藤進

    ○加藤進君 私の懸念するところは、いま答弁されたような方策によって、果たして乱設そのものを規制できるかどうか、実効ある規制ができるかどうか、こういう懸念なんですが、この点はまた後々問題を残しておきたいと思います。  そこで、この法案が成立、施行される場合に、あの石油危機以降続けられてまいりましたガソリンスタンドの増設規制というのは解除されることになるのかどうか。  もう一つ石油危機まで実施されてまいりました元売ごとのスタンド建設枠というものはどうなるのか。これも廃止されることになるのかどうか。その二点をお伺いしたいと思います。
  146. 橋本利一

    政府委員橋本利一君) 行政指導にやはりおのずからの限界がある、強制力を伴わないという点から限界ということも意識いたしております。そういったところが本法案を提出いたした一つの理由でもございますので、幸い可決成立いたしました暁には、従来の行政指導はやめる方向検討するということになろうかと思います。  それから、元売ごとに枠を設定するかどうかというお話でございます。今後のガソリン需給見通しにつきましては、石油供給計画では、五十五年度まで毎年四・九%で伸びていくというふうに推計されておるわけでございますが、その四・九%年率の伸びをガソリンスタンドの数でふやしていくのか、それとも一店舗当たりの販売量が増加していくのか、このあたりの判断は非常に地域によって違ってくるかと思います。  それからいま一つは、本法案考えております建設の調整につきましては、全国ベースではなくて地区を指定いたしまして、その地区の中において一定の要件を充足する場合に、先ほどの御質問のような建設調整をやる、こういう構え方になっておりますので、従来のように枠を設定するということはまずまず必要はないんではなかろうかというのが現在時点での考え方でございます。
  147. 加藤進

    ○加藤進君 そうすると、石油危機以来とってきた行政指導の面についてはこれをともかく行わない、もっぱら本法案の実施に待つ、こういう趣旨だろうと考えています。そうなると、第六条第一項、第二項による一定の規制はともかくあるにしても、ガソリンスタンドの建設は、登録さえすればその規模はともかくとして自由にできる、こういうことが言われるのじゃないでしょうか。
  148. 橋本利一

    政府委員橋本利一君) まず一つは、登録拒否要件に該当しない場合には第一次的にはパスするということになるかと思います。ただ、先ほど申し上げました指定地区内で建設する場合には——指定地区というのは、本来、平均の販売量よりも著しく下回っておって多くのスタンド事業継続が困難であると、こういう地域でございますから、その地域では、先ほど申し上げておるところの営業開始の日の繰り下げとか、あるいは設備規模の縮小といったような指示の対象になることはあり得ると、こういうように御理解いただきたいと思います。
  149. 加藤進

    ○加藤進君 その点は理解した上で、なおかつ開設しようとすれば日にちは若干延びるかもしれぬし、考えていたとおりの規模ではないかもしれぬけれども、とにかくガソリンスタンドのいわば開設は可能だと、こういうふうに理解すべきでしょう。だとするなら、石油会社の油の種別、単位当たりの利益という点から考えてみますと、言うまでもなく、ガソリンは他の油脂に比べると、その額においてもまた利益においても、圧倒的に高いことは言うまでもないわけでございますが、常日ごろ収益の悪さをいつも宣伝しておるのが石油会社の状態でございますが、利益を上げるとなればどうしても可能な限りガソリンをたくさん、みずからのシェアを広げる、こういうことが企業意思として今後とも働いていくということは、これはまあ当然なことだと認めざるを得ないと思います。  さらに、石油危機以降行政指導で建設が中止されていたものがその規制を外されるわけですから、スタンド建設も拍車がかかることもまた予期しなくてはならぬと思いますけれども、その点について重ねて御意見を承りたいと思います。
  150. 橋本利一

    政府委員橋本利一君) ガソリンが、数ある石油製品の中で採算油種だと言われております。そういったところから、御指摘のようにガソリンへの依存度が高まっていくという御判断も必ずしも間違いじゃないと思います。また、実態はそういう方向に動いているんじゃなかろうかと思いますが、従来の行政指導を外し、この法律によることによってむしろ増設に拍車がかかるんじゃないかという御指摘でございますが、これにつきましては、やはり地域ごとの需給事情によってその趣も異なってくるんではなかろうかと思います。  この法律は本来登録制でございまして、直接規制するといったような許可制あるいは免許制をとっておりませんので、そういう御指摘の点もあろうかと思いますが、また反面、消費者に対する利益の保護という問題もございますし、あるいはニューカマーの扱いの問題もございます。さらにスタンド業界における合理化近代化のための自助努力ということもやはり要請しなくちゃいけない。そういったものを絡めて考えますと、やはり本法案のような規制の仕方、目的達成のための必要最小限の規制ということも私たちといたしましては妥当なものではなかろうかと思います。  ただ、毎々繰り返すようで恐縮でございますが、企業の数あるいはスタンドの数はきわめて多く、かつ中小企業性の強い業種でございますんで、そういった実情もよく認識しながら法案を運用してまいりたいと、かように考えておるわけでございます。
  151. 加藤進

    ○加藤進君 私がこの点についてあえて申し上げたいのは、乱設を規制するという措置は決して悪いとは言いません。しかし、それを末端のガソリンスタンドに登録させる等々の措置をもって規制をすることよりも、むしろ元売等々の大資本が鋭意ガソリンを中心として販売競争に乗り出してきておるのが現状でございますから、その面についての規制を行うということを抜きにしたら、この法案はまさに一部しり抜けの状況が起こってくるのではないかと、そういう点を私は指摘したわけでございますけれども、この点について通産大臣どうお考えになるでしょうか、お聞きしたいと思います。
  152. 河本敏夫

    国務大臣河本敏夫君) 五万三千ばかりガソリンスタンドがありまして、三万数千の業者がありますが、このうちの中小企業は大体八四、五%になっております。一部には、いまお述べになりましたような傾向もありますが、大勢としては影響はない、特に商社などは卸の段階が多いのではないかと、こう思います。  そういうことでございますから、今後とも気をつけてはいきますけれども、まだ新規参入を許可しないとか、あるいは系列化を何かの形で取り締まるとか、そういうことをする必要はないのではないかと思います。
  153. 加藤進

    ○加藤進君 この点は大臣も頭にとめておいていただきたいんですけれども、私はそういう意味の具体的な措置、そのことについて反対しているわけではなしに、しかしこの法案の目的や趣旨から見るならば、本当の規制というのは末端のガソリンスタンド業者ではなしに、元売、大メーカーのところに目を向けていかなくてはならぬのではないか。その点の私は指摘を申し上げたわけでございます。  続いて価格の問題について若干触れたいと思いますけれども、第十九条の一項に言う「標準的な販売価格」、これはどのようにして定められるのか、お伺いしたいと思います。
  154. 橋本利一

    政府委員橋本利一君) 十九条で言っております「標準的な販売価格」と申しますのは、必ずしも全国を通じての平均価格と、こういったことではございませんで、需給の実態を反映いたしまして現実、ただいま市場において形成されておる価格と、こういう解釈でこの用語を使ったわけでございます。
  155. 加藤進

    ○加藤進君 販売価格が、標準的な価格に比べて著しく高いという場合には改善勧告がなされるわけですね。たとえば、単に高いから引き下げなさいというのであるか、その地区の標準的価格は幾ら幾らであるから、したがってその線まで下げるというような具体的なやはり指導があるのか、その点はいかがでしょうか。
  156. 橋本利一

    政府委員橋本利一君) ただいま申し上げましたように、「標準的な販売価格」というのはその都度判断するわけでございますが、その価格に対して仮に一割なり二割なり高い場合には、個別に、その時点における標準的な販売価格まで引き下げるように個別指示いたすことになるだろうと思います。
  157. 加藤進

    ○加藤進君 先ほどの御説明でも、標準的価格と言うけれども、結局はその地域における実勢価格、こういうところに落ちつくのではないかと思いますが、その場合に、たとえばカルテルなどによる高価格がその地域に存在していても、それを認めることになりはしないか、こういう懸念がありますけれども、その点はどうでございましょうか。
  158. 橋本利一

    政府委員橋本利一君) 著しく高い場合と著しく低い場合で、勧告の要件が違ってきておるわけでございまして、先生いま御指摘のは著しく高い場合のことでございますので、その地域のという地域要件はかかってまいりませんで、むしろ需給の実勢を反映した価格を、一応その時点での標準的な販売価格というふうにいたしまして、それまりも仮に二〇%高い場合には二〇%下げなさいと、こういう指導をするということでございます。
  159. 加藤進

    ○加藤進君 しかし、その地域地域の状況を考えて、その地域においてつくられるいわば標準価格というものに対してどれだけ高いか、あるいはどれほど過分に低いか等々のことが判定されるわけだと思いますけれども、そういう点違いますか。
  160. 橋本利一

    政府委員橋本利一君) 私が申し上げましたのは、著しく低い場合には、あらかじめ審議会意見を聞いて決めました指定地域内でのみ発動されるわけでございます。それから、著しく高い場合は、そういった地区指定とは関係なく、全国地域について引き下げ勧告をするわけでございますが、その場合、もちろんおっしゃるように地域によって若干の標準的な販売価格も違うだろうと思います。ただその場合は、指定地区内のように、市町村だとか、少なくとも府県単位よりも狭い範囲ではなくて、あるいは北海道だとか九州だとかいったような、かなり広い地域での地域という意味では、その実勢価格というものも違ってくるだろうと思いますから、そういったことは判断に入れることにはなると思います。
  161. 加藤進

    ○加藤進君 そうしますと、ある地域で先ほど指摘しましたように、たとえばカルテル行為等々通じて高価格があらわれる、こういった場合に、その高価格というものを、その地域における標準価格とみなすというようなことは起こり得ないということははっきり言えますか。
  162. 橋本利一

    政府委員橋本利一君) カルテル行為によって価格がつり上げられるという場合には、もう第一義的に独禁法の問題になってまいりますから、その点からの是正措置というものはとられるだろうと思います。一方、またこの法案の立場からいたしましても、著しく高いという現実でございますから、十九条に基づいて引き下げの勧告をするということもあるわけでございます。
  163. 加藤進

    ○加藤進君 私がカルテル行為と言ったのは、それは公然とした法違反という意味ではなしに、カルテル行為とみなされ得るような内容のいわば高価格ということが起こった場合のことを私は申し上げたわけでございます。  そこで、次に移りますけれども、先ほどもエッソの問題が出されました。数年前から外資系の元売会社がやっているマネジャープラン、こういうものが全体として問題化しておりますが、こういう実態についての通産省としての調査という点はどうなのか、実態把握の点についてはどのように見ておられるのか、簡潔にお答え願いたいと思います。
  164. 宇田川治宣

    説明員宇田川治宣君) 午前中の御質問にもお答えいたしましたけれども、四十五年当時マネジャープランにつきまして問題が起こりました。それを調整指導したわけでございますが、実は四十八年の七月に全国の地方の通商産業局に依頼をいたしまして、全国三百十一カ所のマネプラのガソリンスタンドのうち百カ所程度を選びまして、私どもとしての実態調査をいたしたことがございます。
  165. 加藤進

    ○加藤進君 その上でどんなふうに御判断されたのか、あるいはその上での何らかの御指導があったのかどうか、その点ちょっと簡単にお教え願います。
  166. 宇田川治宣

    説明員宇田川治宣君) 幾つかございますので、主要な点を申し上げてみますと、たとえば、私どものあれではマネジャープランのガソリンスタンドを始められた動機はどういうことかということで、答え、自分の能力を十分発揮できると思ったからだというふうにお答えになった方が二五%程度。自分の努力次第で大きな収入が得られると思われたからというふうにお答えになった方が四八%というようなことがございます。それからまた御不満の点ということで、契約内容について不満があるかどうかというようなことにつきまして、利益率あるいはコミッションが低いというふうにお答えになった方が、これはダブルで——トータルで一〇〇%という意味でなくて、延べで申しますと六六%。仕切り価格が高過ぎるというのが半分程度というふうな幾つかの御不満がございます。それで、そういう問題を解決するためにどうすればよいかということで、自分で問題を解決したいというふうにお答えになった方が二五%。できれば通産省なり何なりが中に入って指導していただきたいというふうに答えられた方が半分を超えているというふうな状況でございます。  午前中にもお答えいたしましたけれども、私どもといたしましてはマネジャープランに関する問題につきまして、関係当事者からの要請に応じまして、エッソなりなんなり関係者とのあっせんなり指導なりというようなことを逐次行ってきておりますし、今後ともそういう方向で対処したいというふうに考えております。
  167. 加藤進

    ○加藤進君 私、具体的にやはり問題を提起したいと思いますけれども、ここにゼネラル石油の「マネージャープラン」というのがございます。これは御承知のとおり、ゼネラル石油といえばあの石油危機のときに千載一遇のチャンスだといってぼろもうけをたくらんだということで社会的な指弾を受けた会社でございますけれども、そのゼネラル石油の出している「マネージャープラン」というパンフレットの中に、次のように書いてあるわけであります。「ゼネラル石油が新らしく建設していく近代的な素晴しい設備を持つガソリンサービス・ステーションの経営を独立の希望と熱意を持ちながら、単に資金がないということで、その望みを実現出来ない人達にお任せして思う存分腕をふるって頂こうということなのです。」その後に、「努力すれば必ず自分の利益となってはねかえってくる仕事をお望みの方」、「豊かな生活を望んで居られる方」はどうぞ、こういういわば宣伝文句でございます。また次のところにはこういうことが書いてございます。「コミッションの料率はその他の収入と合わせてあなたが努力されるならば必ず経費を賄った後、充分なあなたの利益として蓄積出来るよう配慮されています。」、結構なことでございまして、こういういわばパンフレットが出されてマネジャーを募集しておるわけでございます。御承知のことでございますけれども、この「マネージャープラン」のやり方というのは、マネジャーになった人にゼネラル会社がガソリンスタンドをつくって提供する、そこへ入居させると、こういうことでございます。ですから、つまりマネジャーになる人の希望に基づいていわばガソリンスタンドが建設されるというものではないわけで、会社の指定されたところへつくられて、そこで営業を行わなくてはならぬ、こういう条件があるわけであります。大体ガソリンスタンドの収益の上がるところはどこなんだろうか、こうなれば、これは言うまでもなくその一人一人の経営者の経営能力ということでなしに、そのスタンドの置かれておる立地条件、環境ということに左右されるということはこれはもう周知のことでございます。これに必ず利益が上がるなどというようないわば保証は何一つないわけでございます。  ところがこのパンフレットを見る限りにおいては、必ず収益が上がります、大丈夫でございますと太鼓判を押すようなことを書き連ねておるわけであります。これは現実とは全く違うような、いわば架空の宣伝文句が並べられておる、こう見て差し支えないと思われるような内容でございまして、こういうことで人を募集するようなやり方は、これは独禁法上も問題になるのではなかろうかと私は考えるわけでございますが、公正取引委員会のその点についての御見解を承りたいと思います。
  168. 後藤英輔

    政府委員(後藤英輔君) 独禁法の体系でもって不当表示、誇大広告を取り締まっておりますのは、現在不当景品類及び不当表示法という法律でもって一般消費者に対して、メーカーなりあるいはまた販売業者が物なりサービスを供給する場合に、消費者が商品選択をするについて誤認をするような内容の表示、広告を問題にいたしております。この「マネージャープラン」の場合には、これは一般消費者に対して商品選択についての誤認ということではなく、こういう施設を経営して、そしてそれによって利益を上げるという、そういう事業者の募集であるという点で現在の不当景品類及び不当表示防止法の一般消費者が商品選択の際の誤認を避けるという点には直ちには当たらないのではないかというふうに考えておりまして、これは独禁法の公正取引方法についても、現在の公正取引方法の体系では無理ではないかというふうに考えております。  ただ、こういうような一般的な誤認あるいは誤解を招かせるようなものについては、たとえば軽犯罪法とか、そういうような一般的な法律の規制もございますけれども、独禁法の現在の体系では先ほども申し上げたような体系になっておりますので、直ちには無理ではないかと思います。
  169. 加藤進

    ○加藤進君 通産省はどういうふうにお考えでしょうか。
  170. 橋本利一

    政府委員橋本利一君) 先ほど来のお話でございますが、第一次的には両当事者の契約の問題ではなかろうかと思います。ただ、本来両当事者の問題とはいえ、平等を原則とする契約についてきわめて不平等であるとか、あるいは御指摘のような行き過ぎた勧誘と申しますか、そういった行為は好ましくございません。したがいまして、ケースによりましてあるいは関係者からの要請がございました場合、われわれとしてはそういった現状を是正するにやはり力を貸すべきではなかろうか、かように考えるわけでございます。
  171. 加藤進

    ○加藤進君 その点、私がなおあと御指摘申し上げますけれども、余りにも誇大広告で事実を誤る、誤認して応募せざるを得ない、こういう状況をつくり出すわけでございますから、これは十分通産省としても頭に置いて御指導を賜りたいというふうに考えます。  このパンフレットの別のところにまたこういうのが出てまいります。これはどれだけ収益が上がるのか、こういういわば試算が出ておるわけでございます。ここに出されておる例としては、「日の丸サービス・ステーション」という例が出ておるわけでございますけれども、ここで「ゼネラルスーパーガソリン」、その「売上金額百三十三万四千円」。そこから上がる「荒利益十四万」である。こういうふうに「荒利益」が計上されておるわけであります。「ゼネラルガソリン」の方には「売上金額百七十七万六千円」。そこから上がる「荒利益十四万八千円」でございます。こう出ておるわけでございます。そういうものを集計いたしましてさらにそこから経費を差っ引くと「純利益十六万八千円」になるわけでございます。こう出ておるわけでございます。ところがここに非常に大きな偽りがあるわけですね。というのは、売上金額のうちからガソリン税を引いて、そういう上でその一割を利益とみなす、こういう計算方式が契約上とられておるわけでございますけれども、この宣伝文句の中には、ガソリン税を全然差っ引くなどというようなことは出ておらないわけでございます。御承知のように、ガソリン税はほとんど売上金額の中の半分を占める程度の比重があります。これは全然無視して、あたかもガソリン税なきに全部粗利益に入る、こういうことが公然と計算上出されてきている。これは私は大変実際の状況とは違う、うそのやはり計算あるいは試算が、宣伝上出されてきておる、こう言ってもいいと私は考えていますが、その点について、いま申し上げた私のこの宣伝文書の内容についてどういうふうにお考えになられましょうか。これも独禁法上問題はないし、独禁法上の関係ではこれを規制することが不可能だ、こういうふうにお考えになるでしょうか、どうでしょうか。ちょっとお尋ねしたい。
  172. 後藤英輔

    政府委員(後藤英輔君) この問題も先ほど申しましたように、不当表示あるいは誇大広告、宣伝というふうな点での規制は困難かと思います。事業を開始するについての条件提示の問題でございますので、たてまえとして独禁法の問題としては取り上げられないのではなかろうかと思います。
  173. 加藤進

    ○加藤進君 にもかかわらず、こういう状況やこういうことが実際上横行しては困るという御判断はお持ちだろうと思いますが、その点はどうですか。
  174. 後藤英輔

    政府委員(後藤英輔君) やはり商売をするについて相手方、いい人を選ぼうというようなときにはやはりもっと正確な情報というものを出して、それで先方の判断を求めるということはこれは当然だろうと思いますので、そのような内容があるとすれば、これは好ましいことではないというふうには考えられます。
  175. 加藤進

    ○加藤進君 通産省はいかがですか。
  176. 橋本利一

    政府委員橋本利一君) いまこの場で先生からパンフレットのお話を伺って、私自体そのパンフレットを準備している余裕がございませんので何とも申し上げかねるわけでございます。ただ、計算とおっしゃる以上前提を置いておるのであろう、その前提はどういう置き方であるか、その前提のもとにいかなる方法で試算しているかといったようなところも見きわめないと、私は一概に断定できないと思うわけでございますが、ただ御指摘ガソリン税等につきましては、現在すでにいま四万三千百円という非常に高いガソリン税がかかっておるわけでございますから、少なくともそういったものについては十分明らかにしておく必要があるだろうと思います。  もう一つ。私のこれ個人的な見解で申しわけございませんが、普通の商品を買うのと違って、パンフレットを見たからすぐ買ったというわけではなくて、それに基づいて応募して元売特約店等とやはりネゴシエートをやるのだろうと思いますので、そういったときに疑問といたしていますような前提なり試算のやり方について当然十分話し合うべきであって、それもやらないでガソリン経営を委託されるというのはいかがかと、率直に申し上げるとそういう気がいたすわけでございます。
  177. 加藤進

    ○加藤進君 その点も少し御勉強いただきたいということで御指摘申し上げるわけでございます。それからこのパンフレットはいずれ見ていただくつもりでございますからよろしくお願いいたします。  ともかくこの試算でいきますと、十六万八千という純利益があると言いますけれども、ガソリン税差っ引かれたらこれどうなりますか、それじゃやっていけませんよ。赤字は明らかです。それを隠して、これだけの収益になる、こういうことでいわばマネジャーを募集する、こういうやり方は私は商売上、商業道徳としては許しがたいものだとこういうふうに考えますが、その点に限ってもう一度一言お答え願いたいと思います。
  178. 橋本利一

    政府委員橋本利一君) 何であれ人をあざむくということは決していいことではないと思います。
  179. 加藤進

    ○加藤進君 そういう一般的なお答えの上で、ではさらに具体的に内容を突き詰めていくと、これはちょっと大変なことになるというふうにお気づきになるのではなかろうかと思っております。  次はこれは契約の結び方なんです。ある人の場合には、これは二千五百人の方がこういう宣伝に基づいて応募されたそうであります。一緒に試験を受けられて一カ月後に合格者が発表された、その方は七人だそうでございます。で、この方たちは一緒に四十五日間の講習を宿舎の中でかん詰めで受けられた。その講習の最後の日に、ゼネラル石油の本社のマネプラの支社のさる方が契約書の内容説明されたということであります。しかし一方的に読み上げられただけで、文書をいただくわけでもなく、質問させてくれるわけでもなかった。質問しようとすると、詳しいことは店を持たれたときに担当者にお聞きになればいいでしょう、こういうふうに片づけられた。それから二カ月くらいたってから店が提供された。そこでさらに契約書を見せられたのはいつかというと、開店一カ月後であった、こういうことでございます。こうなりますと、この時点では契約書に不満はあっても、半年以上も前に以前の仕事はやめておるのでございますから、もとに戻るわけにはいかぬ、もうここまで来た以上は契約の中身がどうあれ、ともかく店を継がざるを得ない、こういう羽目に追い込まれざるを得ないことはこれはもう明らかでございまして、こういうケースはこの人ばかりではなく私の聞いた限りにおいてもまだ数名ございます。  こういうやり方を現に行なっておるのにもかかわらず、問題がないとお思いになっておるのか、何とも処置がないとお考えになっておるのか、公取の御意見をお伺いしたいと思います。
  180. 後藤英輔

    政府委員(後藤英輔君) 確かに不親切とかいう点については好ましくない行為であろうとは思われますけれども、それが独禁法上で直ちにというふうにはまいらないというふうに考えざるを得ないと思うわけでございます。投資をするかしないか、それについての事業者としての判断をうながすような内容でございますので、独禁法のいまの体系では無理だということでございます。
  181. 加藤進

    ○加藤進君 にもかかわらず心情的にはそういうことはあってはならぬことだ、こういうふうに私は理解していいですね。通産省いかがでしょうか。
  182. 橋本利一

    政府委員橋本利一君) 御指摘のようなことが実態であるならば、好ましくないことだと思いますので、実情をよく調査いたしまして、その調査の結果に基づいて対策考えたいと思います。
  183. 加藤進

    ○加藤進君 その点についてもし直接そういう被害を受けた方を紹介してほしいと言われるなら喜んでそういう方を御紹介申し上げますから、ぜひじかにその点をお聞きいただければ結構だと思います。  次に、この契約の中身についてでございますけれども、契約書の問題点は、常識的な商習慣からすれば、どの項目も実は問題があるわけでございます。しかし、時間の関係もございますので、私はこの法案との関係について、見過せないような問題についてだけ申し上げたいと思います。これが契約書でございます。これもお届けするつもりでございます。もういっておりましょうか。これはゼネラル石油の契約書でございますが、先ほどもエッソの契約書の問題が出ておりますが、エッソは契約書を何回も改定したそうでございますけれども、これはもうできた四十四年以降一度も改定をしたことがない、こういう契約書でございます。  その契約書の内容一つについてこういう項目がございます。第十二条でございますが、「給油所における営業方法その他運営の細目については、本契約に定めるところのほか、乙」すなわちこれはマネジャーでございますけれども、「乙は甲がその都度指導又は指示するところによらなければならない。」元売ゼネラル石油の担当者が、その都度指示することによらなければならない。二、「乙は」すなわちマネジャーは、「給油所の営業の状況について、甲に対し、定められた時期に、定められた様式による報告書を提出するほか、甲の指示した帳簿・伝票等を備付け、これを確実に記帳しておかなければならない。  甲は必要と認めたときは随時給油所内に立入り、営業の状況、商品・帳簿等を閲覧し、あるいは乙」すなわちマネジャーに対して「説明・資料の提出等を求めることができる。」、こういう内容の契約書の条項があるわけであります。  この規定を前提として、実際、毎月ゼネラル石油のセールスマンが回ってきまして、そうして帳簿をチェックしていく。利益が余り上っていないということになると、彼らはこう言うそうであります。指示価格で売ったのでは少し高いんじゃないのか、少し安く売って量を伸ばしたらどうか、伸ばしなさい、これはどうかじゃなしに、伸ばしなさい、こういう指示を与えるというのであります。これは私が実際の方から聞いたことであります。つまり、安売りを強制する、こういうことを指導と称してやっておるわけであります。  ある人の場合は、指示価格以下で売ると利益が落ちるのでこれは困りますと断ったらそれじゃ特価にするから下げなさいよ、特別の価格にするから下げよ、こういう口約束で、あたかも特別価格にするというようなふうに受け取らしておるわけでありますが、そして値段を下げさせて販売量をふやさせるわけでございますけれども、しかし実際にはそれは口約束でございまして、言を左右にして特価にしないでマネジャーに損をさせるようなことを平気でやる、この指示価格というものがございますから、この指示価格というのは原油価格に使われている公示価格みたいなものだと私は考えていますが、手数料を払うときの基準になるものですから、マネジャーは、値引きをして売って損をしても、ゼネラル石油は量をふやして回収金も規定どおり入るという、笑いがとまらない状況になってくることはこれは明らかでございます。一番貧乏くじを引いて一番犠牲を受けるのはマネジャーその人であるということがきわめて明確になるわけであります。さきの石油危機のときに、ゼネラル石油はマネジャーに対して利益を上げるためには営業時間を延長しなさい、日曜日も営業しなさい、こういう指示を出して、御承知のように行政指導違反をやったわけですね、これは。そして少しでももうかると、例によって経営状態がいいですね、こんなに利益があるなら値引きをして量をもっと多く出したらどうか、こう言って販売量の拡大を強要してくる、これが現状でございます。まあゼネラル石油のことでございますから、言うまでもなく千載一遇で、もうける一方ではこうしてマネジャーというスタンド経営者をいじめて、さらにもうけをふやしておる、これが現状なんですね。  こういうゼネラル石油石油販売における商売のやり方というのを、主務官庁である通産大臣、どのようにお考えになるのか、これはもう石油危機のときと思いあわせた上で、ひとつお答えを願いたい、こういうふうに考えます。
  184. 橋本利一

    政府委員橋本利一君) 実情をまずよく調査いたしたいと思います。
  185. 加藤進

    ○加藤進君 ぜひひとつ、実情を確かめていただきたいと思いますね。  それから公取の方にも、せっかくお越しを願っておるわけでございますから、その点についての御見解を賜っておきたいと思います。
  186. 後藤英輔

    政府委員(後藤英輔君) 取引の実際の内容につきまして、そういう不親切と申しますかあるいは好ましくないというような点が御指摘がございましたので、われわれの方もそういう点について、さらに広告だけの問題ではなく、問題があるかどうかという点については実情を調べてみたいと思っております。
  187. 加藤進

    ○加藤進君 私がこのことをあえて申し上げるのは、ただせっかく宣伝につられていったけれども、大したもうけがないなあなどという程度のものじゃないということでございまして、条件に恵まれた一部の人を除いてほとんどの人たちが、いま借金を抱えて苦労をしつつある、中には自殺をした人まで出てきている、こういう現状があるわけでございまして、しかも名前はと言えばマネジャーでございまして、日本石油のあるいはゼネラル石油の系統のマネジャー、こういう肩書きだけ持たされて、内容から言うととにかくもう生きてもいけないような状態に追い込まれる。ところが片やゼネラル石油の方はどうかというと、マネジャーがそういうことでやめざるを得ぬ、やめさせてもらいたい、こういう状況に立ち至っても、マネジャーはかえられるかもしれませんけれども、スタンドはそのまま残るわけでございますし、またマネジャーが苦労して確保されたお得意さんももうちゃんと残っておるわけでございますし、シェアの拡大を固定化して、また新しいマネジャーをうまく宣伝でだましながらさらに新たにしぼり取っていくなどということは平気でできる、こういう仕組みになっておるわけでございます。  こういう現状を十分御認識いただいた上で、さて法案にやはり立ち返ってみるならどういうことになるのか、こういうことでございますから、この法案が、幾らガソリンスタンドの登録制をしいて規制しよう、それによって乱設乱立を防ごうと、こう言われても、元売会社がこのような飽くなきシェア拡大のために手段を選ばないという方向に出ておる、こういうことに対して有効な規制を行わない限りは、実際上の効果というものをかち取っていくことは不可能ではないか、私はその点から見て、本法案の趣旨から見て、このような状況について通産省通産大臣も黙って見過ごすわけにはいかないとお思いになっておるかと思いますけれども、その点の御所見をお伺いしたいと思います。
  188. 橋本利一

    政府委員橋本利一君) ガソリンスタンドという揮発油の流通末端段階における混乱の原因は、やはり一つは多くの中小企業スタンド乱設することによって、過当競争を引き起こしているというところに一つ原因があるかと思います。   〔委員長退席、理事熊谷太三郎君着席〕 いま一つは、やはり元売あるいは特約段階におけるところの過当競争あるいはその販売姿勢といったようなものが原因になっておるかと思います。本法案では主としてガソリンスタンドを対象にいたしまして、ガソリンスタンドにおける経営の安定あるいは品質の保持ということに焦点を合わして検討したものでございますが、これとあわせて元売段階における体制問題と申しますか、過当競争あるいは誤った販売姿勢を改めるような、構造問題的なコンタクトも必要ではなかろうかと思いますので、両々相まって、石油製品の流通業界における秩序の回復と申しますか、あるいは維持、確立が必要である、かように考えておるわけでございまして、本法案を幸い制定、公布していただいた暁には、この目的に即応して運用してまいりますが、これと並行いたしまして、石油業界全体の構造問題と申しますか、特に元売部門における再編成問題にも政府としても側面から十分支援をいたしたい、かように考えておるわけでございます。   〔理事熊谷太三郎君退席、委員長着席〕
  189. 加藤進

    ○加藤進君 法律を施行する、その対象はガソリンスタンド業者、こういうことで法律が及ぶわけでございますけれども、さて、もうけをふところに十分取り入れている元売業者は何ら法的規制の枠の中に入らない、もっぱら通産省行政指導にまつ以外にない、こういう状況は私は片手落ちではなかろうかということを、この法案について強く感ずるわけでございます。  さらにもう一つお聞きしますと、この前の通産省の御説明によりますと、マネプラというのはいま衰退の方向に向かっておるようだと、こう言うのでございますが、こういう不当な安売りをするような店が、しかし少しでも存在する、こういうことになれば、法案及び政府の意図に反して、規制に対して否定的な効果が起こる、こういうことも考えられるわけでございますけれども、その点について、衰退の方向にはあるけれども、存在する以上はこの問題について黙視するわけにはいかぬと、こういうお気持ちで今後の指導に当たられるかどうか、その点重ねてお伺いしておきたいと思います。
  190. 古田徳昌

    政府委員(古田徳昌君) マネプラのスタンド数は先生御指摘のように、最近減少傾向にございます。ゼネラル石油の場合で申し上げますと、四十七年十二月には百三十二軒でございましたが、現在は百一まで減っております。それから先ほど話の出ましたエッソの場合は、同じく四十七年十二月に三百十一でしたが、二百八十四まで減っております。しかし、いずれにしましても現在ただいま申し上げましたような数でのマネプラ方式に基づくスタンド経営が行われておりますから、それにつきまして今後とも問題が生じました場合に、私どもとしてはできるだけの指導を行いたいというふうに考えております。
  191. 加藤進

    ○加藤進君 見過ごすことのできない点は、こういうマネプラ方式というのは、元売段階では御指摘のような衰退の傾向あるいは停滞の傾向にある、こう言えるかと思います。しかし、新しい形で、流通段階においてこういう甘い商法があるならひとつやってみょうがなどというような動きも、私は耳にしておるわけでございまして、こういう点も含めてマネプラの実態把握について通産省は十分に掌握され、そして適切な対策をとっていただきたいということを強く要望するわけでございます。少なくともこれを放置されるというようなことではなかろうかと思いますけれども、その点はいかがでしょうか。
  192. 橋本利一

    政府委員橋本利一君) やはりマネジャープランのいいところを伸ばして、デメリットの部分を減少ないしは解消していくという方向が正しい対応のあり方だと思いますが、そのためにも実情をよく調査いたして対策考えたいと思います。
  193. 加藤進

    ○加藤進君 最後になりましたので。  こういうマネプラ方式というのは、先ほどの質問にもありましたようにエッソだとか、私の指摘したゼネラル石油、あるいはモービルなどというような、社名で聞けばすぐ明らかなように、すべて外資系の会社がやっておる販売形式でございます。で、ヨーロッパでも若干違うけれどもまあそういう形式が広範にとられている、こういうことになっておるわけでございますが、エッソでもゼネラル石油でも、世界最大のメジャーであるエクソンの子会社かあるいは関連会社であることは御承知のとおりでございます。  で、わが国の石油原価の供給価格がメジャーによって決定される、こういう重大な問題を含めて、メジャーからの石油の購入については非常に大きな問題があります。で、本法案の目指す揮発油販売業界の安定という目的のためにも、その一つの実効ある方策としてこういう多国籍の石油企業の横暴な企業活動、これを何らかの形で規制するということについて、従来の政府の姿勢をさらに一歩前に進めて、具体的な方策を講ぜらるべき時期に来ておるのではなかろうか、その一つがマネプラとしてあらわれてきておるのではないか、私はこう考えますけれども、最後に通産大臣にその点の御所見をお伺いをしたいと思います。
  194. 河本敏夫

    国務大臣河本敏夫君) まず一つは、この法律に関連をして私どもが考えなければならないのは、石油の精製業者あるいは元売業者、これはまあ乱立状態になっておりまして、対外的にもOPECあるいはまたメジャーと対等の交渉ができる企業がほとんどないという状態にいまなっておりますし、対内的にはやはりこの過当競争が行われている、こういう状態でございますので、この分野において何らかの調整が必要である、こういうことから、昨年は石油公団法を改正していただきまして、また、ことしの予算にはこの調整を実現するための若干の予算も認めていただいておるわけでございますが、目下政府はその方向努力をいたしております。  また、もう一つの点といたしましては、いま御指摘のメジャーに対する今後の対策でありますが、御案内のように事のよしあしは別といたしまして、世界の流通業界の大半の勢力はいまメジャーが占めております。石油流通の大半の力はメジャーが押さえておる、こういう状態でありますから、石油を取り扱います場合にメジャーの力を抜きにして現時点では考えられない、こういう状態でありますが、やはりわが国といたしましては、できるだけ外国との取引も直接の取引にするようにだんだんと持っていかなければならぬと考えておりますが、なかなかこれには一度にはいかない、十分情勢を正確に把握しながら、順次そういう方向に進めていくと、こういうことでなかろうかと思います。
  195. 藤井恒男

    ○藤井恒男君 大臣、最初にちょっと本法と離れますが、一問だけお伺いしておきたい。  それは減税にかかわる問題ですが、七−九の経済が中だるみである。これは私も本院で質問したところでありますが、これまで経企庁や日銀などは、どちらかといえばまあ強気の発言をしておったわけでございますが、全国歩いてみて、それぞれの中小企業、あるいは大手の企業でもそうでございますが、実態を見てみますと、企画庁や日銀などが予測しておるものと実態が非常に違う。十先もはかばかしくない、まして一−三に期待をつなぐことができないというのが私は一部の業界を除いた大部分の産業界の実態だと思うんです。これはまあ鉱工業生産指数それ自体を見ても明らかなところである、いろいろな施策を講じなければいけないんですが、特に私が必要と思うのは何といっても減税であろうと思うんです。御承知のように春の賃上げ、それから夏の一時金ともに低位に失しておるし、減税は見送りである。さらに社会保険料等が値上げされておるという状況の中で、まあ個人消費の大部分を占めるサラリーマンの実質所得は低下しておるわけです。私は四月三十日に予算委員会の総括質問のとき、経企庁長官にもあるいは大蔵大臣にもこの点を指摘して、スポットでもいいから夏の一時金の折に減税すべきである、そうしなければ個人消費の伸びを求めるわけにもいかぬし、企業における稼働率というものも上昇しない、何らかの手を打つべきであろうということを指摘したんだけど、まあ財政が赤字の折に、どうも不可能であるというような答弁に終わっておりました。  で、いまのような状況を昨年の時点で考えると、すでに公定歩合の引き下げだとか何らかの手だてを打って、景気刺激策あるいは景気回復策が講ぜられておったわけなんです。私はいまの時点でなお手をこまねいてしばらく様子をながめるということであるなら、この中だるみの景気というものが本格的な景気低迷を呼び起こしていき、一−三にかけての倒産というものは大変なものだろうというふうに思うんですが、その意味において大臣、この減税ということについてどのようにお考えか、その点を一問だけ法案審議と外れますけど、お聞きしておきたいと思います。
  196. 河本敏夫

    国務大臣河本敏夫君) 通産省では、景気の動向につきまして調査をずっと進めておりましたが、昨日結果がわかりましたので発表いたしましたが、大体のことを申し上げますと、景気は一月以降七月まで順調に回復しておったと思います。しかし、八月以降急速に落ち込んでまいりまして、八月は前月比生産はマイナス一・七%、それから九月も引き続いてマイナス一・〇%、それから十月もマイナス一・一%と想定をされております。まあそういうことで三カ月間連続落ち込みましたので、七月時点に比べますと生産はおよそ四%落ち込んだことになるわけであります。これにはいろいろ理由がありますが、電電、国鉄のおくれ、工事のおくれ、それから冷害、水害、いろいろ理由はあるわけでございますが、十一月は予測といたしまして生産は四・六%のプラスである、こういう数字があわせて出ております。そういうことを考えますと、景気は、海外の経済情勢、特にアメリカとドイツが大勢としては決して心配すべき状態ではありません。ほかの国で若干心配な国もありますけれども、アメリカとドイツが非常に大きな役割りを果たしておりますので、国際経済情勢はまずいい方向に向かっておると、かように判断していいのではないかと思います。  したがいまして、わが国の経済も昨年時点とは違いまして大勢としては私どもも心配ないと、かように考えておるわけでございますが、御案内のようにことしの五月に新しい五カ年計画が決まりましたが、その五カ年計画では平均六%台の経済成長ということを目指しておるわけでありますが、その前半においてはやや高目の経済成長を実現すべきであると、そういう付帯的な意見もついておりますので、その意見どおりの経済運営を実現いたしますとするならば、やはり来年の一−三月の経済活動というものは相当活発でなければならぬ、そうしませんと、四月以降もやや高目の経済成長を目指し、その経済に引き継いでいくことができない、こういうことでございますから、何らかの対策が必要であろうと、こういう結論に達しまして昨日若干の意見を申し述べたわけでございます。  その一つに減税問題ということを取り上げましたが、もう少しこれは詳しく申し上げますと、とりあえず政府のやれる対策が幾つかございますので、さしあたり政府の直ちにやれる対策は急いでやるということ、そしてここ一、二カ月の様子を見まして、遅くとも十二月にはこの減税問題について再検討を加えるということ、それから国鉄、電電の工事のおくれました七千億見当のものに対して、何らかの補てんの対策考えていくということ、そういうことを中心とするさらに第二段階の経済政策を検討すべきである、こういう趣旨のことを言ったわけでありますが、そのうち減税問題につきましては、実は私は、昨年は国際経済情勢もまだいい状態ではありませんししますので、二兆円ぐらいの減税をして景気回復の一つの大きな刺激材料にすればよい、こういうふうに考えておったわけでございますが、ことしは景気刺激のための私は減税は必要ない、こう思います。なぜならば、先ほど申し上げましたように、国際経済情勢が大勢としていい方向に行っておるわけでありますから、必ずしも減税によりまして景気刺激を図る必要はない。  ただしかし、ベースアップも御案内のような水準でございますし、消費者物価も上がっております。さらに公共料金、地方税、それからベースアップ分に伴う所得税の増加、こういうことを考慮をいたしますと、実際は実質所得が減っておる、こういうことになりますので、政治の課題として、実質所得が減るような政治を継続するということは、これは考えものだと思います。そういう意味において、少なくともこの調整減税を十二月段階で真剣に検討すべきではないだろうか、かように思いまして、一つ提案として昨日申し述べたわけでございます。
  197. 藤井恒男

    ○藤井恒男君 いまのお話承りますと、通産大臣としては、景気全体は大まかな見方をすれば、まあまあ順調に推移しておるから一、二カ月間様子を見て措置すべきことは措置していくべきである、こういうことに尽きておると思うんです。  まあ減税問題については政治の課題として調整減税的な、要するに一般庶民の実質所得の低下を補う意味においてやるべきであろうということでございますが、私は全体的なことについては、きわめて大まかに言えば大臣おっしゃるようなことになろうかとも思うわけだけど、それぞれの地域における中小企業の実態というのは必ずしもそうじゃないので、通産省も調査を終了されたということですから、いずれまた私資料などについてお伺いしたいと思うんだけど、私はやはり需要を喚起するという意味においても、単に調整減税、落ち込みだけをカバーするということじゃない形での、減税措置というものが必要であろうと思うわけです。これはまあ意見の分かれるところだろうから、この場で論ずべきことでもないかと思いますが、もう少し中小企業等の実態も把握していただいて、何らかの需要を創出するための施策、それを各般にわたって講じていただきたい。その中の一つの柱として減税という問題も位置するものであるというふうに思いますので、なお御検討いただきたいと思うわけです。  時間も経過しておりますので、二、三私は本法についてお伺いしますが、まず長官にお伺いします。  この法案の審議に当たって通産大臣は、石油販売業界の経営実態が非常に悪い、そして業界が、乱立状態のもとで大混乱しておる、このまま放置しておけば倒産が相次ぐだろうということを危惧する旨の答弁をなさっておるわけです。で、石油販売業界が一般の中小企業に比して、いろいろな資料で、低位に置かれておるということはわかるわけだけど、まあ大臣答弁しておられるように、この石油販売業界、ことに他の中小企業に比して劣位に置かれておるという状況、これを一遍聞かしてもらいたいと思うんです。
  198. 橋本利一

    政府委員橋本利一君) 先生すでに御承知のように、揮発油販売業者というのは、そのほとんど、まずまず九三%までが中小零細企業だと言われておるわけでございまして、従来から過当競争を繰り返して、経営悪化に悩んでおったわけでございますが、最近は特にいわゆる業転玉なるものが出回りまして、一層過当競争を激化しておるというのが実情でございまして、若干数字的に申し上げますと、石油製品小売業の売上高対営業利益率でございますが、昭和四十九年におきましては二・八%でございました。その他一般の小売業平均が四・二%とかなり格差があるわけでございますが、前年度四十八年度に比べますと、一般の小売業が三・六%に対して石油製品の小売業は二・九%、したがって四十八年より四十九年の方がさらに格差が広がっておる、こういう実情にございます。それから業種的に似通っておるものと比較いたしましても、燃料小売業と称するものが四・〇%でございますが、塗料販売業が四・七%、自動車整備業が五%、この面からもかなり大きな差があるというのが現実であり、私たちもそういう認識に立って対策考えておるわけでございます。
  199. 藤井恒男

    ○藤井恒男君 いま長官おっしゃったように、大体同業と見られるような他の産業界に比べても著しく劣位にある、そういう状況、しかも過当競争にあるわけでしょう。そういうことでありながら、ガソリンスタンドをなおつくっていこうとする動きが顕著である、ここに問題があるわけでしょう。そうすればこれは常識じゃないですね。いまおっしゃるように非常に過当競争である、利益も悪い、にもかかわらずなお新規参入があるということは、これは一体どういうことだ、何かそこに石油販売業ならではのうまみがひそんでおるというふうに、常識的に言えば見られるわけなんだけど、その辺はどうお考えですか。
  200. 橋本利一

    政府委員橋本利一君) まさに御指摘の点、一見しますと矛盾ととれるわけでございますが、ガソリンというのは数多くある石油製品の中で、最も採算性が高いと申しますか、いわゆる採算油種というふうに考えられておりまして、そのために石油業界全体を通じてガソリンの得率を高める、あるいは販売の能力を高めていく、一言で言えばガソリンへの依存度を高めていこうという動きがございまして、そういった動きが、流通の末端段階としてのスタンドの増設という背景をなしておるものと理解いたしておるわけでございます。
  201. 藤井恒男

    ○藤井恒男君 しかし長官、これは非常にむずかしいところかもわからぬけれどもね、マジックロジックと言うのです、そういうのを。常識じゃないですね。だから奇妙きてれつであって、悪い、悪い、倒産も続出する、採算も悪いんだ、零細過多性だ、だから新規参入もとどめなければいかぬ、それなのにたくさん入ってくる。そしてガソリンは採算油種であるから当然ここに入ってくるんだろうということは、どう言ってもこれは理屈に合わぬわけです。だからここに、こういった転職の多い、しかも大臣答弁のように、ほうっとったら倒産がたくさん出るだろう、大混乱しておるというところに入ってくるということ、そこに私は何かうまみが落ちておると思うんですよ、どうですか。
  202. 橋本利一

    政府委員橋本利一君) なかなか的確なお答えできないかもしれませんが、やはり中小企業が多いということからいたしまして、ある意味においては、それだけバイタリティがあると申しますか、過当競争に走りやすいということと、それからやはり元売が、その面からシェアを拡大していこうという動きとこれがマッチして、増設の動きというものが現実のものとなっておるんじゃなかろうかと思います。特に今後の石油販売業界というのはどうなっていくだろうかという問題があるわけでございますが、少なくとも石油危機以前ほどの高い伸び率でこれは期待できない、ところがそれに対しまして、やはり参入意欲というものも別途強くあるといったようなところが、従前以上に過当競争を激しくしておる原因ではなかろうかと思うわけでございます。
  203. 藤井恒男

    ○藤井恒男君 先ほど来その意味においてでも、この業転玉ということについていろいろ話があったわけですが、結局この業転玉というのは、いろいろな御説明もいままで質問者になさっておりましたが、詰まるところは、本年度百億の予算をつけておるところの元売の再編成というところにいかなければ、この法律が通っても直ちにこの業転玉がおさまるものとは思われない、この百億の予算措置をとった元売の、再編の進捗状況、どうなっておるか、それをちょっとお聞かせいただきたい。
  204. 橋本利一

    政府委員橋本利一君) まさに御指摘のとおりだと思うわけでございますが、元売の再編成の進捗状況は、率直に申し上げますとまだ本格的な動きに入っておらない、一部、販売につきまして受委託の業務提携をやっておるとか、あるいは精製についての受委託提携をやっておる、そういった部分的な動きがあるわけでございますが、いわゆる本格的な再編成の動きというものは、いまのところまだ十分でないものがございます。  ただ私といたしましては、この再編成というのは非常にむずかしい問題でございまして、無理に合体いたしましても、またそれがもとに戻るようなことになれば、傷口がかえって深くなるという問題もございます。したがいまして私といたしましては、方向を過つことなくスローだがステディに進めていくというのも一つの行き方ではなかろうか。もちろんそういう問題につきましては、当事者である元売業者の自主的な判断というものが先行すべきものではございますが、ただいま御指摘のあったような石油開発公団に用意してございます百億の資金等を用いまして、政府としても、側面からこれを支援していくという体制で臨んでまいりたいと思っております。
  205. 藤井恒男

    ○藤井恒男君 この業転玉の問題をめぐって、午前中の質疑竹田現照さんが「ぜんせき」の記事について述べておられたわけだけど、要するに継続的購入について、「大半のものがスポット購入では困る。三分の二以上が継続購入であることがひとつのめどだ」という政府答弁に対して、商社筋が、「法律で三分の一までは業転玉を買ってもいいことになった。」ということで、このスポット買いを売り込んでおるという、これはまさにおかしな話なんだけれども、これは「ぜんせき」という私のところにも参った新聞記事です。こういうことを考えてみますと、一つ国会答弁を足場にして、これを逆手にとって、スポット買いをあおる、それほど競争が激しいと言えばそれまでだけど、業界のこの混乱の一因に、大手商社が余りにも手を入れ過ぎておるということも考えられはしないか。そういう意味で、いま政府検討しておるところの分野調整法という形で、もし石油販売業が業種指定をされるということになったら、いま言ったような問題も様相が変わっていくと思うんだけど、そのような見地に立って、一遍石油販売業についての混乱を防止するというたてまえから、分野調整法なども照らした上での見通しなどがあればお聞かせいただきたい。
  206. 橋本利一

    政府委員橋本利一君) まあ大手商社などを中心といたしまして、大企業が揮発油の流通段階でどの程度の役割りを果たしておるかという問題でございますが、一般的には卸機能を中心といたしておりまして、直接自分がスタンド経営するというケースはむしろ少ないというふうに認識いたしておるわけでございます。  で、われわれが問題といたしております末端流通段階における混乱というものは、むしろ大企業の進出と申し上げるよりも、全体の九〇%以上を占めておる中小企業者同士の過当競争によって惹起されておる面が強いと思うわけでございます。そういったところから、本法案によりまして、若干の指定地域内におきまして建設の調整を大臣指示にかけて認定してもらいたいと、かように考えておるわけでございます。ただ、先ほどもお話になりました業転玉発生ということは、これはやはり元売なり、特約店から出てくるものでございますから、それに対するチェックと申しますか、あるいはそういった防止措置というものは十分考えなくちゃいけません。  で、その関係ではこの法律の十九条の後段におきまして、末端のスタンド業界に対する監督だけでは問題が解決しない。かつ、その原因が卸売、あるいは特約店段階にあるという認定がなされた場合には、直接そういった元売業者に対しても是正のための勧告を発動するような規定にいたしておるわけでございますんで、そういった方向で対処してまいりたいと考えるわけでございます。
  207. 藤井恒男

    ○藤井恒男君 結局業転玉などによる問題を、いま長官もまさにおっしゃったとおりだけど、零細なガソリンスタンドだけを締め上げていって解決するものじゃないわけなんだから、やはり出てくるところをきちっと処置しなきゃならない。つまり、それは元売であり、卸であろうと思うんです。この新聞記事にあるようなことということはとんでもない話です、これ本当であれば。だから、この辺のところは十分当局としても措置していただかなければ、こんなことが新聞に堂々と載ってやられておるということは、これはもうなめられておることですからね、一遍真剣に当たってみてもらいたいものだと思います。  それから、石油販売業の業界でことしの一月から七月にかけて九百三十七という企業廃業しておるというふうに私は聞いておるんだけど、実は一昨日も私、中小企業転換法の質問の折りに、具体的に石油販売業の問題を取り上げて、中小企業転換法の適用を受けるものであるか否かということを問うたんです。そうしますと、中小企業庁としてはこれは単に過当競争による経営基盤が脆弱化しておるものであって、そこから出てくるところの転廃業は、新しく発足する中小企業転換法の適用にはなじまないというお答えでございました。  まあ非常に私はここのところ問題の残るところだと思うんですが、まあ過当競争——過当競争というのは全体の業界で起きてきたんであって、転廃業をする一々の企業は、どちらかといえば被害者です、これは。転廃業していく場合ですね。したがって単なる落ちていくものは揺さぶって落としてしまえと、自由競争のたてまえから、優勝劣敗だと。どんどん落ちるものは落とせということでこれは済むものかどうか。いまの零細過多性五万三千もあるというような規模、それらを考えていくと、今後とも私はこの業界における転廃業というものは続いていくと思うんです。それを、ただ落ちいくものは落ちればいいんだ。残るものが適正規模に達して有効競争すればいいんだということだけでは政治は済まされないと思うんだけど、その辺をどうお考えか、お聞きしたいと思います。
  208. 橋本利一

    政府委員橋本利一君) 中小企業事業転換対策臨時措置法案措置の対象となります転換の理由と申しますか、原因としては、「貿易構造」「その他の経済的事情の著しい変化によって生ずる事態であって政令で定めるもの」、こういうふうに規定されているやに聞いておるわけでございますが、果たしてこのガソリンスタンド業界倒産廃業といったものがこの要件に該当するものであるかどうかということが、現実に対しての問題かと思います。果たして御指摘のようにスタンド乱設による過当競争というものが、この政令要件に合致するものであるかどうかということにつきましては、私の方といたしましても、中小企業庁と十分連絡をして検討してみたいと思いますが、貿易構造その他経済事情の著しい変化ということに踏めるかどうかと、まあ率直に申し上げてなかなかむずかしい点もあるんじゃなかろうかと思います。いずれにしましても、御指摘でございますので、中小企業庁とよく検討してみたいと思います。
  209. 藤井恒男

    ○藤井恒男君 これでやめますけど、大臣、一昨日の商工委員会でも私この問題とり上げて、それがまあ繊維の問題との対比において非常に問題の残るところだぞと、だから今後詰めなきゃいけないというふうに私は意見を申し上げたわけだけど、大臣もお聞き及びだと思うんです。  まあこの種の問題は、これは転換法もきょうこれで上がるわけですから、今後どう措置していくか。それは単なるオイルショックならオイルショックというようなものが直接的にこの問題を提起して、どんどん転業を余儀なくするというものだけをフォローするのがこの転廃業なのかどうかですね。ガソリンスタンドそれ自体も、広い意味で考えれば、国際的ないろいろな状況のもとに置かれておるわけですから、転廃業法案ができれば、広く中小企業をカバーする方向に私は運用していくべきだという考えを持っておるんだけど、どのように今後詰めていかれるのか、御所見をお伺いしておきたいと思います。
  210. 河本敏夫

    国務大臣河本敏夫君) 中小企業事業転換法をお願いをいたしました趣旨とはやや離れておるとは思いますが、御質問の御意見は。しかしせっかくの御提案でございますから、関係者でよく相談をしてみます。     —————————————
  211. 柳田桃太郎

    委員長柳田桃太郎君) 委員の異動について御報告申し上げます。  鈴木力君が委員を辞任され、その補欠として志苫裕君が選任されました。     —————————————
  212. 柳田桃太郎

    委員長柳田桃太郎君) ただいままで審議をしてまいりました揮発油販売業法案に対して、他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  213. 柳田桃太郎

    委員長柳田桃太郎君) 御異議ないと認めます。  よって、本案に対する質疑は終局いたしまた。     —————————————
  214. 柳田桃太郎

    委員長柳田桃太郎君) 中小企業事業転換対策臨時措置法案を議題といたします。  本案につきましては、質疑は終局をしておりますので、これより討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。——別に御発言もないようですから、これより採決に入ります。  中小企業事業転換対策臨時措置法案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  215. 柳田桃太郎

    委員長柳田桃太郎君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  竹田君。
  216. 竹田現照

    竹田現照君 私は、ただいま可決されました中小企業事業転換対策臨時措置法案に対し、自由民主党、日本社会党、公明党、民社党の四党共同提案による附帯決議案を提出いたします。  案文を朗読いたします。     中小企業事業転換対策臨時措置法案に対する附帯決(議案)   政府は、中小企業事業分野への大企業の進出が中小企業に著しい圧迫とならないよう適切な措置を講ずるとともに、本法施行にあたり、次の諸点について十分配慮すべきである。  一、事業転換にあたつては、転換先等の指導を適切に行うとともに、特に小規模零細企業助成に十分配慮すること。  二、事業転換に必要な情報の収集、提供を行う体制の確立をはかるとともに、転換に必要な技術の開発のため、公設試験研究機関の活用等適切な技術援助につとめること。  三、事業転換計画の認定にあたつては、手続きの簡素化をはかること。  四、事業転換資金の貸付条件の改善、資金量の確保等につとめるとともに、転換資金の助成、信用補完制度の運用にあたつては、本法の趣旨を十分生かすよう政府関係中小企業金融機関、信用保証協会等を指導すること。  五、事業転換にあたつては、従業員、関連企業等の意向を十分反映させるようつとめ、転換にともなう離職者の発生を防止するよう企業指導するとともに、離職者が発生した場合にはその対策に万全を期すること。   右決議する。
  217. 柳田桃太郎

    委員長柳田桃太郎君) ただいま竹田君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  218. 柳田桃太郎

    委員長柳田桃太郎君) 全会一致と認めます。よって、竹田君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し通商産業大臣から発言を求められておりますので、これを許します。河本通商産業大臣
  219. 河本敏夫

    国務大臣河本敏夫君) ただいま議決をいただきました附帯決議につきましては、その御趣旨を尊重いたしまして、万全を期する所存でございます。     —————————————
  220. 柳田桃太郎

    委員長柳田桃太郎君) 揮発油販売業法案を議題といたします。  本案につきましては、質疑は終局いたしております。  加藤君から委員長の手元に修正案が提出されております。修正案の内容はお手元に配付のとおりでございます。  この際、本修正案を議題といたします。  加藤君から修正案の趣旨説明を聴取いたします。加藤君。
  221. 加藤進

    ○加藤進君 ただいま提案いたしました日本共産党の修正案につきまして、提案の趣旨を御説明申し上げます。  修正案はお手元に配付されているとおりでございます。  修正点の第一は、法律の目的で、石油売会社などの事業活動を規制し、消費者の利益と販売業者の経営安定を図ることを明確にしております。  第二は、石油売会社などによる不当な価格つり上げに対して改善措置を命じることができることといたしております。  第三は、給油所の過密地区に属する大企業の給油所の新増設を規制することとしております。  第四に、石油売会社などは揮発油販売業者の揮発油の入手先の自由な選択を妨げてはならないことといたしております。  第五は、揮発油の品質の管理を適確に行うべき能力を有することを明示したことであります。  第六は、揮発油の品質管理のための分析設備の購入などに際して国が助成措置を講ずることとし、また、品質管理者については、十以内の給油所を一括して管理できることとしております。  第七は、石油需給調整審議会を民主的に強化することとしています。  以上が修正案の趣旨でございます。  何とぞ、委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
  222. 柳田桃太郎

    委員長柳田桃太郎君) それでは、ただいまの修正案に対し質疑のある方は順次御発言を願います。——別に御発言もないようですから、これより原案並びに修正案について討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。——別に御発言もなければ、これより採決に入ります。  まず、加藤君提出の修正案を問題に供します。加藤君提出の修正案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  223. 柳田桃太郎

    委員長柳田桃太郎君) 少数と認めます。よって、加藤君提出の修正案は否決されました。  それでは次に原案全部を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  224. 柳田桃太郎

    委員長柳田桃太郎君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  竹田君。
  225. 竹田現照

    竹田現照君 私は、ただいま可決されました揮発油販売業法案に対し、自由民主党、日本社会党、公明党、民社党の四党共同提案による附帯決議案を提出いたします。  案文を朗読いたします。    揮発油販売業法案に対する附帯決議(案)   政府は国民生活にとつての必需品である揮発油の安定供給確保するための体制をすみやかに整備するとともに、本法の施行にあたり既存揮発油販売業者の過剰保護または消費者利益の阻害につながらないよう特に次の諸点について適切な措置を講ずべきである。  一、石油審議会の運営にあたっては、消費者の意見が十分に反映されるよう配慮すること。  一、揮発油販売業者の登録の際、新規参入者、特にノーマーク業者が不当に排除されることのないよう十分留意すること。  一、通商産業大臣の揮発油販売業者に対する揮発油販売価格引き上げの勧告必要最小限にとどめるとともに、当該勧告により価格が高値に安定することのないよう配慮すること。  一、石油元売業者等特定揮発油卸売業者の揮発油販売業者に対する過度の系列化等により、中小揮発油販売業者の経営の安定、消費者の保護に支障とならないよう配慮すること。  一、揮発油の品質確保に資するため、適切な揮発油分析器機等の開発の指導に努めるとともに、立入検査等の人員並びに予算を確保するよう格段の努力をすること。   右決議する。  以上であります。
  226. 柳田桃太郎

    委員長柳田桃太郎君) ただいま竹田君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  227. 柳田桃太郎

    委員長柳田桃太郎君) 全会一致と認めます。よって、竹田君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し通商産業大臣から発言を求められておりますので、これを許します。河本通商産業大臣
  228. 河本敏夫

    国務大臣河本敏夫君) ただいま議決をいただきました法律案に対する附帯決議につきましては、その趣旨を尊重いたしまして万全を期する所存でございます。
  229. 柳田桃太郎

    委員長柳田桃太郎君) なお、両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  230. 柳田桃太郎

    委員長柳田桃太郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後三時四十分散会      —————・—————