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安宅委員 小林先生が、恐らく韓国の問題や何かがあって、その後私がということに予定はなっておったと思うのですが、大蔵大臣の
答弁が余り長いものですから、木に竹を継いだみたいな
質問になるかもしれませんけれども、いまロッキードがらみで非常に問題になっているいわゆる日韓大陸棚協定、日韓の関係というのはいま非常に焦点になっているわけです。しかもアメリカの証券駒引
委員会、ここで
調査を始めたのはガルフ社が一番最初なんです。ロッキードは最後なんですね。まだ喚問の段階です。この状態の中で、ガルフからは証券取引
委員会なり裁判所に対して正式な報告書が出ておるわけです。その中で、こういう状態の中で日韓大陸棚協定というものが
国会にまた上程される、継続審議になっておったわけですが、これは私から言わせれば非常に臭気ふんぷんたる協定です。こういうのを本
国会でどうしても批准をするつもりなのか。これは時間がありませんから、私は理由を述べます。最後に
総理から
答弁していただきたいのです。
この協定は、韓国ロビーといわれる諸君だけがはしゃぎ過ぎて、そしてなぜか熱を上げている、そういう協定ですよ。この協定はそういう意味で非常におかしいのです。日韓
協力委員会だとか、いろんな会がございますが、あの人たちが韓国に渡ったり、東京で芸術家の養成という名目で来てとんでもない芸術をやっている秘苑なんというところがありますね。そこでごちそうになったり、いろんな長い歴史の中で積弊が日々につのるみたいな、そういう中でこの協定というのは突如一九七四年一月三十日、これは結ばれた。しかも、その当時の
閣僚だってその内容は何にも知った人がいなかった。
自民党の関係機関に諮らないで、急にこれは出てきた問題です。大変問題になったわけです。恐らくあのとき
三木さんが外務大臣でなかったですか。間違いだったら訂正いたしますが――
大平さんですか。だから、
自民党の中でも相当大きな
反対があったわけですよ。まるで奇怪な環境の中で結ばれた、こういう協定です。
第二番目に問題にしたいのは、当時の韓国の情勢は何かといいますと、ベトナム情勢の急転換がありまして、もう日韓経済
協力委員会なんというものをやって、企業の連中なんか集まらなくなったような非常に際どい情勢。もう韓国は見込みないじゃないか、
日本の資本家でさえもそう考えた
時代。それに加うるに金大中さんの事件であるとか、いろんなことがあって、日韓の関係は冷えに冷えておったですね。こういうときに結ばれた。こういうことはどうも常識外れだと私は判断しておるのです。
〔
委員長退席、正示
委員長代理着席〕
それを裏づけるように、当時はもう韓国の経済というものは危機に瀕しておって、日韓条約のときの金はもう使い果たしかけておったし、それでどういうことをやっておったかというと、外貨の赤字を埋めるためにプロジェクトのないつかみ金を商品援助として堂々とやってみたり、それから農業援助、これも農機具を売るだけの話ですね。
日本の農業というものを破壊に導いておいてなぜやるんだと
三木さんに私言ったことがあるでしょう。このことは検討しなければならないとあなたはあのとき答えた。こういう情勢の中で結ばれた。これは非常におかしな事件で、結局朴
政権を助けるためにやられた、こういうものとしか私ども判断しておりません。したがって、これは石油の資源を開発するのが本命じゃなくて、言うならば韓国の資金繰りに必要なためにこの協定は結ばれた、みんなそう言っています。
三木さんの頼りにしている宇都宮さんなんか堂々と論文を発表していますからね。こういう状態です。
自民党の中でも心ある人はみんなそう思っています、汚い協定だと。
それからどういうことでしょう、もっと証拠を挙げれば、たとえば岸信介さんを会長とする日韓
協力委員会であるとか、植村さんの日韓経済
協力委員会であるとかいうのは頻繁にこのころ往復をやっていますね。そうして、たとえばそのころ事務
局長だったと思いますが、矢次
一夫さんという人が「わが戦後記」というのを雑誌に発表していますよ。そこの中でおれがやったんだということを堂々と記事にして書いていますから間違いないのですが、こういう韓国ロビーと言われる人々が何らかのつながりによって、そうしてうごめいておったということがはっきりしているのです。
こういう時期は一体どういう時期かといいますと、この間マックロイ報告というのが出ました。私この前の
予算委員会でそれを
質問して、
調査をしてくださいということを言っておいたはずですが、後でそれは触れます。ちょうどガルフ社が韓国に進出をして、そして韓
国政府が仁川沖から
日本の鹿児島の南まで、奄美大島の付近まで勝手に鉱区を設定して――
総理、見てください。
閣僚の人、見てくださいませんか。ここまで韓国の鉱区があると言うんです。九州はここですよ。いいですか。これは奄美大島です。こんなばかなことをやって、その後韓
国政府はいち早くほかの会社に鉱区権を売り払ってしまったのですよ。この鉱区を合法化するために韓
国政府が海底鉱物資源開発法というものを成立させた。その後みんなに売るのです。ところが、ガルフだけは、この法律ができたのは一九七〇年、一九六九年にもうすでに売り払っているのですね。そういう汚い法律なんです。そのときはどうかといいますと、大統領
選挙のためにマックロイ報告に示すとおり、ガルフ社は三百万ドルの
政治献金をしていますね。ドーシーという会長は、これだけの金を出したから金大中さんが負けたんじゃないか、それを出さなかったらあの人は勝ったんじゃないかと思わないかと言ったら、思うと言っているんですよ、アメリカの公聴会で。こういうことがあったときに、
日本の資本が、もうすでに共同開発区域になっている分は分担が決まっておりますね。たとえば
日本石油開発株式会社、西
日本石油開発株式会社それから帝国石油、こういう会社の中で、西
日本石油開発と
日本石油開発はこういう事態を迎えてから急遽でっち上げた会社ですよ。設立年月日を見たらすぐわかる。一九六九年です。いままでなかったのを外国資本を入れて、そうしてあわ食って権利を取った。そうして韓国と政府の間で――二百海里経済水域説がもはや世界の慣例になっているでしょう。それを二百海里以上のところまで、それよりも南のところまで韓国に譲って、この辺なんか八鉱区、九鉱区というところがあるのです。ここなんか二百海里以上ですよ。そこまで韓国と共同開発に踏み切っているのです。本来ならば共同開発どころかこれは
日本でやるべきものであって――あれは中国と協議をしなければだめですよ。けれども
日本の開発区域であって、韓国がなんだかんだ言う筋合いのないところまで共同開発をしているのですね。こういうやり方をした。ここでガルフ社が
政治献金をした。
日本の方はそういう会社を新しくつくってやった、利権に入ろうとした。そのときに
政治献金なりそういうことがないなどという証拠はどこにもないのです。
この前の
国会で、外務省が派遣した韓国第三次経済開発五カ年計画
調査団、これはその
調査団の政府に対する正式の報告ですよ。役人が言っておるのですよ。そこではどういうことが書いてあるかというと、この国は、外貨割り当てや商業借款供与枠を受けるためには、すべて有力者の口添えが必要だ、それから銀行は商業ベースで資金を貸す例は皆無だ、こういうことを報告されている国ですから、ただで
日本の企業にどうぞいらっしゃいなんと言うはずがない。これは私はきょうは言いませんが、今度一つ一つ追及をしていきますよ。このことははっきりしておかなければならない、こういう協定だということです。
それから、本当に
日本人としてとても考えられないこと、いま地図で示したとおり、奄美大島の近くまでなぜ韓国に譲ったかという
国民感情。あなた、いまの
内閣はどういうふうに弁解するのでしょうか。なぜ韓国の言うとおりになって折れなければならなかったのでしょうか。汚いところ、暗いところ、しりを握られているんだ、こう
国民が思うに違いないのです。
日本が折れて、韓国と共同開発という妥協を行って調印した、この国辱的な協定というものは批准すべきでないと私は思います。
時間がないので、ずっと言います。
また、日韓共同開発と言うけれども、韓国は鉱区権をメジャーに売ってしまったわけですから、掘る方は関係ないのですよ。売ってしまったのです。ぽんと入れちゃったのです。シェルであるとかテキサコであるとかガルフだとか、そういうところへ売ってしまったわけですね。そうすると日韓共同じゃないでしょう。日韓共同じゃない。日米共同でしなう、これは完全に。売ったんだもの。(
小林(進)
委員「金をもらってしまったのだからね」と呼ぶ)そうしたら今度どうですか。五月五日の新聞をごらんください。各紙書いてありますが、沖縄沖で帝石とガルフが共同で試掘しておった石油は
失敗したのです。そのときの約束はどういう約束かといいますと、帝石は何にもしないのです。ガルフが掘ったのですよ、四つの井戸を。そして四つの井戸が掘られたならば鉱区権の半分、三万八千平方キロメートル、この鉱区権を半分アメリカにやる、ガルフにやるという約束だったのですよ。つまり非常に深いところの採掘は韓国はもちろんその力がない。
日本の最大の開発会社である帝石でさえ、こういう深いところは力がないからガルフに半分鉱区権をやるというやり方だ。結局同じじゃないでしょうか、みんな。この果実ができたならば五〇%韓
国政府にやる。石油公団法の改正が去年あった。そのときにはちゃんと外国のそういう政府機関にも融資ができるように法改正したでしょう。韓国は全然金を出さないのですよ。
日本の融資でアメリカに売り払った、そういう鉱区権でまた一もうけするという、ひどい、まるでどろぼうに追い銭みたいなそういう協定なんですね。これは私はとても許すことができない。しかも、この協定は五十年間拘束しますね。だから日米じゃなくて米だけですよ、残るのは。
日本の帝石でさえその状態ですから。アメリカが勝手に開発するという地域になってしまいますね、実質上。こんな売国的な協定はありませんよ。しかも、そういう主張ができる区域で、中間線をとってお互いに話し合ってやった協定は世界で二十三ほどあります。そのうち二十四番目が、
日本が中国とも協議しないで韓国とだけやって、しかも自分の主張し得るところをずっと奄美大島まで譲ってやったなどという、本当にでたらめな(
小林(進)
委員「国を売ったものだな」と呼ぶ)国を売った協定だと思わなければなりませんね。そのほかに漁業権の問題がある。漁民の生活問題がある。台風の常襲地帯でしょう。何百メートルという下を掘るのですから。カリフォルニアで一遍ありましたね、ものすごい被害が。設備が壊れて真っ黒な海になったでしょう。もし海がそういうふうになったならば一体どうするのでしょうか。そういう対策が全然ないじゃありませんか。しかも中華人民共和国の揚子江や黄河から流れた大陸だなと言われている。その発言権を無視したままやる。アメリカは非常に利口ですから、これらの会社にもうやめろという勧告を出しておるのです。これはニューヨーク・タイムズも前から報道しています。最近やめました。これはカルテックス、テキサコも掘る気はありません。ガルフもみんな権利を返還しました。せっかく買ったのだけれども返還したのです。だから仁川沖の黄海の部分は、つまり
日本との共同区域を除いた韓国だけでやれる部分はもうすでに掘らないということになっておるのです。これは中国との関係があるからと言われています。
なぜ
日本だけが韓国と一緒になって紛争のもとになるような協定を批准しなければならないのでしょうか。私は外務
委員会その他で詳しくやりますが、そういう理由を挙げまして、そういうことを私が言っても、
総理どうでしょうか。日韓癒着という問題が非常に喧伝されている。ガルフが、
日本の会社と組んで、韓国においてどんなことをしておるかということがだんだんいま暴露されようとしている時期に(
小林(進)
委員「ロッキードの山だよ、最後の山だ」と呼ぶ)ロッキード以上です、ガルフの
汚職は。だから、日韓両国の
国民は何の利益もない。一部の政商や一部の
政権やアメリカ系のメジャーや国際石油資本だけがもうかる。こういうことをわかっておって批准をしなければならないのでしょうか。聞くところによると、外務
委員会の
理事会で、これだけはぜひ衆議院を通してくれなどと言っておるそうです。どうですか、
総理。
総理、
答弁を願います。