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1976-10-06 第78回国会 衆議院 逓信委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十一年十月六日(水曜日)     午前十時五十二分開議  出席委員    委員長 伊藤宗一郎君    理事 稲村 利幸君 理事 加藤常太郎君    理事 志賀  節君 理事 羽田  孜君   理事 三ツ林弥太郎君 理事 阿部喜男君    理事 古川 喜一君 理事 平田 藤吉君       愛野興一郎君    小渕 恵三君       金子 岩三君    亀岡 高夫君       倉石 忠雄君    高橋 千寿君       坪川 信三君    長谷川四郎君       林  大幹君    廣瀬 正雄君       水野  清君    大柴 滋夫君       金丸 徳重君    久保  等君       下平 正一君    森井 忠良君       土橋 一吉君    田中 昭二君       池田 禎治君    小沢 貞孝君  出席国務大臣         郵 政 大 臣 福田 篤泰君  出席政府委員         郵政政務次官  左藤  恵君         郵政大臣官房長 佐藤 昭一君         郵政大臣官房電         気通信監理官  松井 清武君         郵政大臣官房電         気通信監理官  佐野 芳男君  委員外出席者         日本電信電話公         社総裁     米澤  滋君         日本電信電話公         社総務理事   北原 安定君         日本電信電話公         社総務理事   山本 正司君         日本電信電話公         社総務理事   三宅 正男君         日本電信電話公         社総務理事   遠藤 正介君         日本電信電話公         社総務理事   好本  巧君         日本電信電話公         社理事     玉野 義雄君         日本電信電話公         社業務管理局長 川崎鋼次郎君         日本電信電話公         社計画局長   輿 寛次郎君         日本電信電話公         社施設局長   長田 武彦君         日本電信電話公         社保全局長   植田 義明君         日本電信電話公         社経理局長   中林 正夫君         日本電信電話公         社データ通信本         部長      山内 正彌君         逓信委員会調査         室長      佐々木久雄君     ————————————— 委員の異動 十月六日  辞任         補欠選任   園田  直君     林  大幹君   塚田 庄平君     森井 忠良君   池田 禎治君     小沢 貞孝君 同日  辞任         補欠選任   林  大幹君     園田  直君   小沢 貞孝君     池田 禎治君     ————————————— 九月三十日  簡易郵便局法等改正に関する請願安宅常彦  君紹介)(第一五三号)  同外二件(太田一夫紹介)(第一五四号)  同(角屋堅次郎紹介)(第一五五号)  同(小林信一紹介)(第一五六号)  同(辻原弘市君紹介)(第一五七号)  同外一件(広瀬秀吉紹介)(第一五八号)  同(福岡義登紹介)(第一五九号)  同(森井忠良紹介)(第一六〇号) 十月五日  身体障害者電話料金割引等に関する請願(八  木昇紹介)(第二三四号) は本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  連合審査会開会に関する件  公衆電気通信法の一部を改正する法律案内閣  提出、第七十七回国会閣法第八号)      ————◇—————
  2. 伊藤宗一郎

    伊藤委員長 これより会議を開きます。  先国会より継続審査となっております内閣提出公衆電気通信法の一部を改正する法律案を議題といたします。  本案につきましては、第七十七国会におきましてすでに趣旨説明を聴取いたしておりますので、これを省略いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
  3. 伊藤宗一郎

    伊藤委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     —————————————  公衆電気通信法の一部を改正する法律案     —————————————
  4. 伊藤宗一郎

    伊藤委員長 これより質疑に入ります。  この際、田中昭三君より発言を求められておりますので、これを許します。田中昭二君。
  5. 田中昭二

    田中(昭)委員 今臨時国会におきましては、御案内のとおり国鉄の運賃値上げ法案電電公社値上げ法案、この二つと財特法が重要法案になって国会も動いておるわけでございますが、その中で逓信委員会もきょうは定例日ということで、先ほどの理事会で、野党の私としましては、この値上げ法案については直ちに賛成はできませんし、絶対反対立場を私たちは貫いてきました。といいましても審議はしなければなりませんし、その審議については慎重審議を強力に理事会で申し上げましたけれども、まだその確約もないまま議事の進行上、私がただいまから申し上げることは電電公社認可料金の問題でございますが、その前に一言委員長にお願いをしておきたいと思います。  ただいまから私が申し上げますことは、当委員会として重要な問題でもあります。なぜかならば、これは前通常国会でございますが、御案内のとおりこの委員会における郵政大臣の御答弁が解決しておりません。すなわち、国民には約束違反とも言えるような問題だからでございます。そこで、私先ほどの理事会でも委員長を初め各党理事先生方のお許しもいただきましたので、この問題についてだけ先にやらせていただく。でありますから、委員長におきましては中正、中立公平な取り扱いをしていただきまして、郵政大臣を初め——郵政大臣、おかわりになったばかりでございますけれども、このことについては行政担当者とよく御相談、御検討なさったと思いますから、各関係者の明確なるお答えによらなければなりませんし、委員先生方が納得できるようにしていただきたい。また、私も納得できなければこの公社案審議を始めることもできない。なぜかならば、 この国民の代表である当委員会におきまして、行政上こういうことをすると言っておきながらそれが行われないということになれば、議論そのものが無意味になってくる、そういうことでございますから、質問にも入れない。その点を特に委員長、注意をしていただきたい。  最初に、私がいま申し上げましたことに対する委員長の御意見があれば、またお約束をいただきたいと思うのですが、いかがでしょう。
  6. 伊藤宗一郎

    伊藤委員長 田中委員の御発言しかと了承いたし、そのように取り計らいます。
  7. 田中昭二

    田中(昭)委員 では、まずこの問題が起こりました昭和四十七年当時の模様とその後の経過、それから先ほどの通常国会で私が質問したまでの経過委員先生方に、私の言うことが議事録のとおりであるということの一つの証明のためにも、その議事録の中から、できれば全部読んでいただきたいのですけれども、その経緯を聞かしていただきたいと思います。
  8. 松井清武

    松井政府委員 電報電話に関する認可料金取り扱いにつきまして従来までの経過でございますが、昭和四十七年第六十八国会の本委員会におきまして御質問がございました。当時大臣から「認可料金といえども国民生活に重要な関係を持っておる基本的な料金と申しますか、調べてみましたら認可料金はずいぶん数がたくさんあるようでございまして、すべてをはかるということは、相談するということはこれは非常な煩瑣のようでございますから、そのうちの大きな問題と申しますか、生活関係の大きい問題、なるべくたくさん取り上げたいと思っておりますが、そういうものを取り上げて、」「郵政審議会にかけて御審議いただく、その御答申をいただきまして、最終的には私が認可決定をするというようなことにいたしたいと思っております。」というような、その他にもなお二、三の応答があるわけでございますが、最終的には大要以上のような大臣からの答弁があったわけでございます。  その後の経過でございますが、その後電電公社から約四十件に余る認可の申請があったわけでございます。その中におきましては、郵政審議会に諮るのが適当であると思われるようなものも何件かあったのでございますが、先般の当委員会におきまして、田中先生から御指摘がございましたように、一件もかけなかったということで、まことに遺憾に存じておる次第でございます。  今後の対策については、御質問もございませんが、私どもといたしましては、本委員会審議会審議の御趣旨に即しまして、今後遺漏のないように対処してまいりたいというふうに考えておる次第でございますし、逐次その手続を進めているところでございます。
  9. 田中昭二

    田中(昭)委員 いまの経緯説明では大変不十分でございますけれども理事会申し合わせどおり時間をある程度節約しろということでございますので、ただ一言だけ注意しておきますが、いまのお答えの中のものを要約しますと、結局昭和四十七年に大臣認可料金については、全部じゃないけれどもほとんどかけましょう、ほとんど郵政審議会にかけるのが妥当であると思いますということがずっと何回も繰り返されているわけです。そういうことから見ますと、いまの御答弁のように、その後四十件近くあったけれども、一件もかけてなかったということが一つの問題ですね。それから、やはり認可料金については検討して審議会にお諮りするのが適当と思われるものであった、諮るべきであった、だから今後云々、こういうことですから、ここのところは、大臣答弁の、その認可料金の中に重要なものとかなんとかということとはまた意味が違う、私は別な見解がある。議事録を読みましてもそのようにはなっておりませんけれども、先ほど言いましたような時間の関係もございまして、結論だけ先にお聞きしておきたいと思います。  郵政大臣の当委員会におきます発言、これは一貫して行政に反映されなければならないのが当然であります。しかし、現実にはいま読まれた昭和四十七年以後も一件もかけていないというそういう現実。しかし、その委員会の御発言のときには、その発言に対してどうするかという検討もなされているはずなんです。ところが、それも検討がなされていなかったということだし、また、国民の側に立ってみれば、一つを取り上げれば、いわゆる行政国民のためにあるものでなければならない。そうするならは、行政当局でその国民のためになる行政をするという責任義務があると思います。そういうことを私がとうとうと述べるまでもございませんけれども、その責任義務は一体どういうことになりましょうか。これをひとつ大臣の率直な御意見を聞かしていただきたいと思います。
  10. 福田篤泰

    福田(篤)国務大臣 御指摘のように、元廣瀬郵政大臣の本委員会における答弁並びに前村上郵政大臣答弁、私も拝見いたしまして、この際、やはり事務当局が申しましたように、私といたしましては、認可料金について審議会にかけることが筋が通っておる、したがって、具体的にその実現化に向かって検討いたしたいと考えております。
  11. 田中昭二

    田中(昭)委員 最後のところですけれども、いまから検討するのではなくして、検討がその当時なされていなければならない。これはいまの担当官説明も、今後はかけますと言っているのです。その点大臣、間違ってもらっては困りますから、その点もう一回。
  12. 福田篤泰

    福田(篤)国務大臣 たてまえとして前向きに検討中でありますが、具体的に言えばかける方針で、どういうものをかけるかその他の判断は別といたしまして、かけるたてまえで実行いたしたいと考えております。
  13. 田中昭二

    田中(昭)委員 それははなはだ——だんだん私も不満になってきたのです。かけることについて、それをやらなかったから謝りますという遺憾の意をいま表しておるわけですよ。またそれを大臣がいまからかけるかどうかを検討するというのは、そういう大臣担当官とのお話はなさっていないのですか。もうやめようと思ったけれどもやめられぬ。
  14. 福田篤泰

    福田(篤)国務大臣 かける方針と申しますか、具体的にと申しますか、かけることにいたします。いま段取りにつき、また国民生活に密着な部分というのはどういうカテゴリーに入るか、具体的に実はもう検討に入っておることをはっきり申し上げます。
  15. 田中昭二

    田中(昭)委員 かけることが、せめて国民への約束違反に対する反省であり、その上に立って当然行うべきことなんです。そうでしょう。そういうふうに理解しておかなければいけない、こう思うわけなんです。言われた言葉についてはいろいろ問題もございますけれども、私は最初から申し上げますように、今度の値上げ法案については反対でございます。しかし、審議の中で反対の個所が明確になれば、その後で態度を決めるということをつけ加えまして、これは大変不十分でございますけれども、私先ほど言いましたように、委員長においても中立、公平な判断をいただくとするならば、この問題は後でまたやらしていただくということにしたいと思います。  それから、先ほど理事会でも言いましたように、慎重審議のたてまえをとり、野党の言い分も十分聞いて、時間的にも物理的にも余裕はあるのですから、ことさらこれを急ぐことは禍根を残すと私は思いますから、理事会で問題にしました現地調査公聴会連合審査、そのほかのことにつきましても適正なる御配慮をいただくことをお願いしまして終わらしていただきます。ありがとうございました。
  16. 伊藤宗一郎

  17. 阿部未喜男

    阿部(未)委員 私は冒頭に大臣にお伺いしたいのは、ちょうど閉会中に参考人の皆さんの御出席をいただきましていろいろ御意見を拝聴した中で、電電公社料金決定手続の問題につきまして御意見がありまして、たとえば郵便料金の場合には、法定料金であっても郵政審議会諮問をして、郵政審議会答申を得て省の案をまとめ、国会提案をする、そういう手続があるのに、電電公社電報電話料金等法定すべき分野について 全然そういう手続がなく、いきなり国会提案をされる。いまの認可料金と直接関係はありませんが、法定電信電話料等についても郵政審議会等諮問すべきではないかという意見があったのですが、この点について大臣はどうお考えになるか。
  18. 福田篤泰

    福田(篤)国務大臣 御指摘の点は、私の立場から申しますと、やはり郵政審議会にかけるのが筋が通っておると考えておるわけであります。
  19. 阿部未喜男

    阿部(未)委員 筋が通ると考えておるという程度ではいまと同じ答弁になってくるわけですが、今回はすでに提案されておりますから別として、今後電電公社料金改定に当たっては郵政審議会にかけます、こういうことになるわけでございますか。
  20. 福田篤泰

    福田(篤)国務大臣 従来かけておりませんし、もしかけるならば新しい方針に相なりますので、かける方針でひとつ検討させていただきたいと思います。
  21. 阿部未喜男

    阿部(未)委員 ことさら郵政審議会が絶対にいい場所かどうか、それは私も断定できません。できませんが、少なくとも国会提案をする前にそういう第三者の機関諮問機関諮問をする、そういうふうに方針をお決めになるというふうに理解をして間違いありませんか。
  22. 福田篤泰

    福田(篤)国務大臣 お話しのとおりの形にしたいと思っております。
  23. 阿部未喜男

    阿部(未)委員 それでは次の質問に移ります。  公衆電気通信法の一部を改正する法律案が本会議提案をされた際の質問でも申し上げましたし、また当委員会においても数度にわたって私は申し上げてきたのですけれども日本電信電話公社経営委員の中に、ロッキード事件で非常に大きい疑惑を持たれておる小佐野賢治さんがおいでになる。このことは、電信電話公社という公的な機関の中の特に重要な経営委員として国民疑惑の中にある方がおいでになることは好ましくないのではないか、政府としては罷免をすべきではないかということを申し上げてきたのですけれども、当時大臣は言を左右にしてなかなか罷免をしなかった。最近、報道によればこの小佐野さんが経営委員をおやめになったようですが、小佐野さんがおやめになったいきさつをお聞かせ願いたい。
  24. 佐藤昭一

    佐藤政府委員 お答えいたします。  小佐野賢治氏は健康上の理由で八月に辞表を出してこられまして、八月の二十四日に辞職を認めております。
  25. 阿部未喜男

    阿部(未)委員 私が前に質問を申し上げた際にも米澤総裁お答えになったのですが、病気で二カ月くらいお休みになったという経緯があったようでございました。しかしその際はおやめにならなくて、また後で引き続いておやりになったようでございますが、今回はどのくらい欠席をされて、それからおやめになったのですか。
  26. 米澤滋

    米澤説明員 お答えいたします。  細かい資料はいまちょっと持ち合わせておりませんけれども、大体月に二回経営委員会をやっておりますが、最初に二月ぐらい病気でお休みになりまして、その後ずっとお出になったのですが、またその後病気になられまして、また約二月ぐらいお休みになった上で辞表を出された、こういうことでございます。
  27. 阿部未喜男

    阿部(未)委員 これは何も政府の方から辞任を勧告したという筋のものではなくて、本人の自発的な意思による退任でございますか。
  28. 佐藤昭一

    佐藤政府委員 御本人からの自発的な辞表提出がございました。
  29. 阿部未喜男

    阿部(未)委員 そうしますと、本会議なりこの委員会で私がしばしば意見を申し上げたことについては政府としては全然配慮しなかった、そういうことでございますか。
  30. 佐藤昭一

    佐藤政府委員 従来春にただいま総裁から御説明がございましたように約二カ月、四回、それから夏に、ちょっと私も実は記憶が確かでございませんが、一月ないし一月半程度だったと思いますが、回数にいたしまして委員会欠席三回だったかと思います。ちょっとあいまいでございますが……。そういう程度のいわゆる欠席というものは通例、いろいろとそれぞれの委員の御都合によってあり得ることでございますので、なおしばらくその出席状況を見守りたいということで対処してまいったわけでございます。
  31. 阿部未喜男

    阿部(未)委員 それは私の質問に対する答弁にはなりません。私がしはしば委員会政府に対して小佐野さんを罷免すべきであるということを強く要請してきましたが、そのことについては全然顧みなかったのですかということをお伺いしているのです。
  32. 佐藤昭一

    佐藤政府委員 いろいろと論議になっております問題等につきましては、なお調査等が進められている途中でございまして、その段階におきましてにわかに白黒の判断をするというわけにはまいらない、かようなことで対処してまいったわけでございます。
  33. 阿部未喜男

    阿部(未)委員 すでにおやめになったのですから私はそう長くは言いたくないのですけれども、いま灰色の高官とかいうようなものがいろいろ巷間うわさされております。これは必ずしも刑法上の罪に問われるとかいうようなことがなくても、道義的な責任を負うべき者あるいは政治的な責任を負うべき者という意味灰色というような言葉が使われておるというふうに私は理解をしておるわけですが、その意味ではやはり私は小佐野さんもその灰色の部類に入る人ではないかということをずっと申し上げてきたわけです。したがって、いまの官房長答弁では、はっきりしなければそれは政府から罷免はできませんという言い方に聞こえますけれども、私これを取り上げるのは、今後も起こり得る問題だと思うからことさらに申し上げておくのですけれども、今後このような事態が起きた場合に、たとえば電電公社経営委員というようなものについて大臣はどのような措置をおとりになる考えか承っておきたい
  34. 福田篤泰

    福田(篤)国務大臣 電電公社経営委員の使命は非常に重大でございますので、これは仮定の問題と相なりますが、将来政治的配慮を加えるような必要がある場合には当然加えなければならない、こう考えております。
  35. 阿部未喜男

    阿部(未)委員 余り明確ではないようですけれども、いま私の申し上げた趣旨十分政府としてもくんでいただいて、今後このような問題が起こったときには、刑の確定を待つとか明確になる時期を待つとかいうのではなく、少なくとも灰色と言われるような問題が起きた場合には潔く責任をとってもらうような措置をとられることを希望いたしまして、この問題については終わります。  次にお伺いしますが、大臣は就任以来、この公衆電気通信法改正郵政大臣に課せられた当面の重要な課題であるというようにしばしばおっしゃっておられますが、この公衆電気通信法改正の大きな内容というものを大臣はどのように理解をされておるわけですか。
  36. 福田篤泰

    福田(篤)国務大臣 御案内のとおり、電電公社は従来極力料金を据え置くという方針で参りました。技術革新あるいは経営合理化でいわゆる五カ年計画に沿って努力してまいったことは御承知のとおりでございます。電話が二十八年以来据え置きということも一例でございますが、しかし四十八年のオイルショック、景気の沈滞、それから人件費物件費の大幅な高騰あるいはまた利用構造変化等、あらゆる悪条件が重なりまして、四十九年度あたりから急速に経営状況財政状況が悪化いたし、このまま放置していますと電電公社経営自体が壊滅的な打撃を受ける。したがって、この際どうしても料金改定し、値上げをしてこの欠陥を埋めねはならぬ。これも御案内のとおり、その赤字の幅も年々大きくなりまして、現在一月ごとに約六百五十億の赤字欠陥、したがって、いままで計画いたしました事業自体も大幅にいま削減しつつある実情でございます。加入電話の増設六百五十万もすでに五十万削らなければならぬ。さらにまた関連産業に対する発注につきましても一カ年一兆五千億でございますが、そのうち約一千億は契約解除という深刻な事態にまで入った、こういう状況を見ますと、この際どうしても料金改定法案を成立せしめ、各位の御協力をいただき まして一日も早くこの危機を救わなければならぬ、これがこのたびの国会において是が非でも改定法案を成立せしめたいという考えでございます。
  37. 阿部未喜男

    阿部(未)委員 法案改正内容が大幅な値上げを目的とするものであるという点については残念ながら大臣も私も意見が一致したようでございます。  そこで、この考え方ですけれども電話というような通信手段が今日の国民生活にとっては電気ガス水道と同じように国民日常生活に欠かすことのできない、いわばもう生活必需品的な存在になっておるというふうに私は思うのですが、この点大臣はどうお考えですか。
  38. 佐野芳男

    佐野(芳)政府委員 大臣にかわってお答えします。  先生も御存じのように、公社は五十二年度積滞解消ということで数次の電話サービスの拡充を図ってまいった結果、現在では加入電話の数も相当大きくふえまして、昨年三千万を超えたということは周知のことでございますが、そのうち住宅用電話というのが一千九百万加入にも及んでおりますけれども、これをわかりやすく百世帯あたりでは六十世帯に及ぶ電話、非常に普及したということになります。したがって、先生指摘のような国民生活高度化とかあるいは多様化変化に伴いまして電話というものは日常生活に非常に密着した通信手段になっているということは疑いないことだと思います。
  39. 阿部未喜男

    阿部(未)委員 大臣にお伺いしたかったのですけれども、いま監理官から御答弁がありましたように、私どもの認識としては、電話電気ガス水道と同じように国民日常生活に欠かせないものになっておる、そういう理解に立つならば、電気水道あるいはガスなどにはミニマムとしての思想があります。たとえば、最低ここまでの線については非常に安い料金で供給するとかいうふうなそういう思想があるのですけれども、この電話料等のそういうミニマムについての思想というものがあるのかないのか、これはどうなんでしょうか。
  40. 遠藤正介

    遠藤説明員 お答えいたします。  いま郵政省の方から生活必需品というお話がございました。しかし、生活必需品の中でたとえば衣食住に直接関係するものと、それから文化的とは申しませんが、現在の社会情勢から見ての生活必需品というものと、若干のニュアンスの差はあると思うのでございます。それで、遠い将来のことは別といたしまして、今日の時点ではたとえばガスとか水道とかいう生活そのものに必要なミニマムというものと、電話ミニマム性といいますか、シビルミニマムとしての性格には若干私は相違があるように思います。したがいまして、今回の料金値上げにつきましては、一方で財務の救済という点もございますので、今日の時点では私どもはそういうことは考えておりません。しかし、将来の問題としてさらに社会生活が向上していった段階では、あるいはそういうことを考えざるを得なくなる時期が来るかもわからないと思ってはおります。
  41. 阿部未喜男

    阿部(未)委員 残念ながら電電公社と少し私は認識が違うようでございまして、郵政省の方から御答弁のありましたように、必ずしも日常の衣食住と関係があるから生活必需品であり、衣食住と関係がないから生活必需品ではないという物の考え方はどんなものでしょうか。私は衣食住と関係がないものでも、生活必需品はあくまで生活必需品として認めるべきだ。たとえばテレビなんというのは一つの文化的な施設に相違はありません。相違はありませんけれども、今日どこの家庭でもやはりテレビがなければ日常生活が順調に進まないというような役割りをテレビというものが果たしておる。電話についても、そういう意味合いからするならば、衣食住とは関係がないにしても、やはり生活必需品として国民生活の手段の中で欠かすことのできないものであるという認識に立つべきであると思うのですが、どうでしょう。
  42. 遠藤正介

    遠藤説明員 お答えいたします。  いま私が申し上げました意味は、阿部先生とそう遠くないと私は思っているのですが、たとえば水道電気について料金に集約する形でのミニマムというものと、それから電話で申しますとたとえば一日に二度数かけるのがミニマムだというような形のもの——やはり私どもとしては、水道とかガスとか、そういったようなものは生活のための一定量というものはわりあいはかりやすいと思うのでございます。しかし電話の場合には、これは人によって相当違うと思います。たとえば寝たきりの老人でありますとかいう方によって違うと思いますが、市民生活全体として何度数がミニマムだ、したがってそれについて料金的な考慮を加えるべきだという意味でのミニマムというのは、今日の時点でまだそう熟している問題ではないんじゃないか、こういう気がいたしまして、そういうお答えをしたわけでございます。
  43. 阿部未喜男

    阿部(未)委員 ミニマム、最低どこまで必要なのかということについて、それははかりにくいと言われますが、はかりにくいということと電話が日常必需品として認められるかどうかということは、ぼくは別の問題だと思います。電話が今日国民日常生活に欠かすことのできない手段として、生活必需品として認められたからといって、いま遠藤総務理事が言うように、だから何度数までがミニマムだという、そういう理屈は私は成り立たないと思うのです。ミニマムの規定をするのはこれはおのずから別の問題であって、ある老人にとってはたった一度であってもこれは絶対のものである場合もありましょう。ある人にとっては五十度数ぐらいまでは必要であるかもわかりません。そのことはおのずから尺度をもってはかることとは別であって、電話そのものが今日国民生活にとっての日用必需品というふうに理解ができるかどうかという議論については、やはり生活必需品であるというふうに理解をすべきじゃないでしょうか。
  44. 遠藤正介

    遠藤説明員 お答えします。  そういう意味で、生活必需品という点につきましては、全く郵政省の御発言のとおり、私どもも今日の時点では生活必需品だと思っておるわけでございます。
  45. 阿部未喜男

    阿部(未)委員 そこで、かなり具体的になってきますが、いま遠藤総務理事お話しになったように、それでは国民生活にとっても日用必需品であるからミニマムというものを配慮していくとするならば、一体具体的にどの辺に線を引いていくかという問題が起こってくると思うわけです。  そこで、まずミニマムの中の社会福祉の観点から取り上げてみまして、たとえば重度身体障害者であるとかあるいは独居で寝たきりの老人であるとか、こういう人たちの通信手段として、さっき申し上げたようにたとえ一度数の電話でも非常に重要な意義を持つ場合が多いのですが、こういう社会福祉の観点から、通信手段としての電話がそれに相応する設備なりあるいは架設あるいは料金等についての配慮が行われてしかるべきではないかと思うのですが、この点についてはどうお考えになりますか。
  46. 玉野義雄

    ○玉野説明員 福祉電話につきましては、先生おっしゃいますように老人あるいは身体障害者、そういう方の電話でございますが、これにつきましては、私たちも市町村等にお願いしましてできるだけ普及を図るということでやっております。それで、現在老人福祉電話としましては約一万四千五百ほどついておりますし、それから身体障害者用としては約千でございますが、これは全体の対象者が約四万数千ございますので、現在の状況ではまだ三分の一程度という状況でございますが、私たちとしましてもなるべく市町村によくお願いいたしまして、普及を図っていきたいというふうに考えております。  それで、現在の状況としましては、それぞれの市町村を見ますと、基本料につきましてはほとんど市町村で負担しておられまして、度数料につきましては、これは市町村によっていろいろございますが、二百円とか八百円とか限度を決めておられますが、ある程度市町村が負担されまして、あとは本人負担という状況になっております。
  47. 阿部未喜男

    阿部(未)委員 電話料の中の基本料金については地方自治体の負担が大部分である。それから通話料については一定額で地方自治体なり国が負担しておる状況である。その限りでは公社の方には別に負担はないことになるわけで、また設備としてもいまおっしゃったように何万加入かつくっておるということでございますが、架設についてはどうなっていますか、設備料と債券、そういうものは。
  48. 玉野義雄

    ○玉野説明員 債券につきましては、福祉事業ということで免除いたしております。それから優先順位につきましては、これは最優先でおつけいたしております。それから設備料につきましては、これはいただくことにしておりますが、先般来老人につきましては国が三分の一、県が三分の一、市町村が三分の一というので、これがかなりふえてまいっておりまして、その辺で御負担いただいておるということでございます。
  49. 阿部未喜男

    阿部(未)委員 さっき福祉電話という言葉があったのですけれども料金の面で福祉料金というふうなものをつくって、いま営業局長おっしゃったような負担の区分を明確にしながら老人福祉対策を打ち立てていくということはどうでしょうか。
  50. 遠藤正介

    遠藤説明員 料金の中で基本料あるいは設備料——設備料は料金ではございませんが、そういったようなものにつきましては、私どもはいまそういったようなことを政府にもお願いをいたしましてやってまいっておりますが、実際の通話料につきまして福祉型料金をつくるということは、今後の検討課題として私ども検討いたしたいと思います。思いますが、これは事務的に非常に大変な労力がかかるということも先生理解をいただきたいと思います。ただ、日本の将来を考えてそういったようなものを克服しながら果たしてどこまでできるかということは、将来問題として私ども福祉社会の進み方とともに研究すべき当然の問題だろうと考えてはおります。
  51. 阿部未喜男

    阿部(未)委員 いまの社会福祉の観点からする電話事業のあり方については非常に前向きのように私は承りましたし、結構なことだと思いますが、もう少し具体的に方針を定めて、もちろんこれはいろいろ議論のあるところで、本来、この社会福祉というものを公共企業体である電電公社の負担にすべきものなのかあるいは当然国がこれは福祉事業として負担をすべきものなのか、その辺はいろいろ議論のあるところだと思いますけれども政府との間で詰めていただいて明確に、ある町村では地方自治体が負担をしないために寝たきり老人に電話がつかないとか、ある町村では自治体が負担をしてくれるので電話がつくとか、そういう不公平があってもこれはまたよくないわけでございますから、したがって国と、国がまた当然地方自治体を指導するわけでございますから、地方自治体と電電公社との間で話し合いを進めて、この社会福祉の通信については寝たきり老人あるいは重度の身体障害者、その施設、そういうものについて検討を進めていって社会的な要望にこたえるような措置をとってもらいたいと思いますが、これはやはり大臣でしょうね。どうでしょうか。
  52. 福田篤泰

    福田(篤)国務大臣 寝たきり老人あるいは身体障害者、こういう気の毒な方々に対する電話の施設あるいは電話料金関係、私もあなたの御指摘のとおり、やはり国の社会福祉政策の枠内できめの細かい検討をすべき問題だと思います。したがって、厚生省、大蔵省とも話し合いまして、電電公社について、こういう気の毒な方々に対する費用の負担について、シルバーホンなんかもどんどんもっとふやさなければいけない実情でありますが、基本料が高いとかあるいは三分の一補助あるいは自治体の負担あるいは福祉施設の負担等三つに分かれて、まだ統一した基準がないようでございます。関係機関ともよく話し合いまして、至急に電電公社を指導してまいりたいと考えております。
  53. 阿部未喜男

    阿部(未)委員 公社にとって負担分がたくさん出ると公社もなかなか困ると思うのですが、総裁、その辺はどうお考えになっていますか。
  54. 米澤滋

    米澤説明員 お答えいたします。  国の福祉というのは、いろいろな医療から始まりまして非常にバラエティーが多い。電電公社がその福祉政策そのものに意見を聞かれればお答えするという立場になりますが、先ほど大臣からお話しございましたように、政府方針に沿いまして私たちも努力いたしたいと思います。
  55. 阿部未喜男

    阿部(未)委員 社会福祉の観点からするこの電話取り扱いについては、かなり前向きの御答弁をいただきましたので、大きく期待をし、今後の検討を見守っていきたいと思います。  次に質問させてもらいたいのですが、電信電話事業が公共企業体として国内通信については役務の提供を独占しておるわけですけれども、公共企業体と私企業というふうに分けて考えてみて、電信電話事業を公共企業体で運営をしなければならない理由というのは一体何なのだろうか、その点、これは大臣でも総裁でもいいですから、ちょっとお答え願いたいのですが……。
  56. 米澤滋

    米澤説明員 お答えいたします。  公共企業体という、いわゆるパブリックコーポレーションということなんですが、これは歴史的に見まして、最初に国鉄と専売公社がいわゆる公共企業体になる。それから電電公社は、平和条約後に政府に復興審議会、いわゆる審議会が設けられまして、そうして国際電電のような民営形態がいいのかあるいは官営がいいのか、その辺非常に議論された時期がございます。その結果、いわゆる公共性というものを十分考えたものと、それからまた、民間における企業的なものと両方組み合わせて、そして公共企業体がいいということで電電公社が公共企業体になった。いわゆる当時の電気通信省が電電公社という公共企業体になった、こういう経緯がございます。  公社が発足いたしましたのが昭和二十七年の八月でございまして、当時の電話は百四十万しかなかった。電話のいわゆる市場価格といいますか、そういう市場価格がたとえば東京の中で一電話機三十万円というような非常に国民の皆様から手が届かないような値段だったのでありますが、現在は三千万を超えるほど普及したということ。それから、その後、当時まだ東京−大阪あたり電話をかけましても、超特急でも二時間も待たされたというのが全国九九%までダイヤル化したというような結果から見ましても、自主性とかそういう点ではまだ問題ございますけれども、公共企業体という性格はある程度うまくいったんではないか、このように考えております。
  57. 阿部未喜男

    阿部(未)委員 これを民間企業じゃなくて公共企業体という性格で運営をさせておるということは、必ずしもこれが民間の企業と違って利益の追求を目的とするものではなくて、国民生活に便宜を供与する欠かせない手段である、そういう意味合いもあろうと思うのですが、そうなれば、そこでやむを得ぬ事情で赤字が発生をするとか設備に大変な金がかかるとか、そういうふうな場合には当然国がしかるべき手当てをする、そういう性格を持つものではないかというふうに理解をするのですが、公共企業体だから国は一切赤字が出ようとどうしようとかまわない、それでは公共企業体が国民にサービスを提供する意味が非常に薄れてくるので、常に利用者の負担にまたなければならない結果になりますが、場合によっては、やむを得ぬ事情の場合には、そのあたりについては国が責任を持つ、そういう性格はやはり持っておるのではないかと私は思うのですが、どうでしょうか。
  58. 松井清武

    松井政府委員 ただいま公社総裁からの答弁もございましたように、公共企業体は、その運営に当たりましては公共性とそして企業性というものを調和させていくというところにその運営の妙があろうかというふうに思うわけでございます。したがいまして、原則といたしましては、今日まで公社が実施してまいりましたように、独立採算制をたてまえとして進めてまいったわけでございます。  ただいま先生の御質問、公共性の追求のためにやむを得ず出た赤字等についてはどうかという御質問でございますが、これにつきましては、今後の具体的な問題に伴いまして個別に対処してまいりたいというふうに思っておりますが、原則といたしましては、今日まで維持してまいりました独立採算制を貫いていくことが今後の公社運営の健全な経営を図るゆえんであろうというふうに考えておる次第でございます。
  59. 阿部未喜男

    阿部(未)委員 大体考え方としては非常によく似通っておるように思いますが、そこでいま具体的な個々の問題についてはという御答弁がありましたので、続いてお伺いしますが、たとえば昭和五十年度に電電公社値上げを予定をしておりました。これは経営を任されれば独立採算で運営をしておる電電公社としては、われわれとしてはきわめて不満ですけれども、いろいろな内容はあるにしても、赤字経営上出るとするならば、その負担を料金値上げに求めたとしても、その限りにおいて私は必ずしも不当であるとは言えないと思うのです。ところが、その際、政府の物価政策というたてまえからこの提案を抑えられたというふうに私ども理解をしておるのですが、もしそうであるとするならば、少なくとも昭和五十年度のこの赤字は、政府が物価政策としておとりになったわけでございますから、大体私の勘定では二千八百億前後と思いますけれども昭和五十年度の電電公社赤字は、いま監理官がおっしゃったような趣旨からするならば国が負担すべきものである。五十一年度、六月からの値上げが予定されておったようでございますけれども提案をされておったのですけれども、これまたロッキード事件というおよそ電電公社とは無縁のものが影響をしてこの値上げができなかった。これは政府責任に帰する問題だというふうに考えられます。そうなると、私は、昭和五十年度の物価対策として料金値上げを抑えたために生じた赤字、五十一年度の六月から今日までに至る間の赤字、これは本来、公共企業体である経営を任されておる電電公社が負うべき責めのものではなくて、当然個々の問題として国が負担すべきものであるというふうに理解すべきではないかと思うのですが、監理官の先ほどの趣旨からしてどうでしょう。
  60. 松井清武

    松井政府委員 電報電話料金のうちの法定料金につきましては、国民生活等に重要な影響のある基本的な普遍的なサービスにつきまして法定料金としている次第でございます。したがいまして、これら法定料金につきましては国会におきまして慎重な御審議をいただくということになっておる次第でございまして、こういった公社の今日の経営状態の打開のためにも一日も早く御審議を促進し、成立するようにお願いいたしたいと思う次第でございます。
  61. 阿部未喜男

    阿部(未)委員 審議を促進する前に、すでに今日まで生じた赤字の性格についてどう理解をすべきであろうか。たとえばいまここと並行して開かれておる運輸委員会等におきましても、この種の問題が非常に議論の中心になっておるように聞き及んでおりますが、仮に国鉄という公共企業体が、同じような措置がとられるとするものであるならば、日本電信電話公社についても政府は同じような措置を講ずべきであるというふうに考えますが、どうでしょう。
  62. 福田篤泰

    福田(篤)国務大臣 電電公社の特別会計の趣旨は、あくまで料金の問題については御案内のとおり受益者負担というのは曲げられない原則でございます。したがいまして、もし仮に赤字を国の一般会計へ繰り入れるとなりますと、国民全部の納税者に対する負担がかかってくる。しかも、料金の構成する内容から見ますると、利用者の利用回数の変化とかあるいは種類が多いわけでありますから、やはりこれは税の利用によっては不公平という場面も考えられます。結局受益者負担を中心にして算定し、収支を償う原則でこれを算定していくという基本方針はやはり曲げられないと考えておるわけでございます。
  63. 阿部未喜男

    阿部(未)委員 そういう政府方針、私は必ずしも賛成ではありません。受益者負担というものと公共の事業として国民に便宜を供与するという意味からするならば、税負担というものの一つ考え方と、それから受益者負担というものの考え方は明らかに区別される。それは、受益者負担という場合にはそれを利用した者が払うという原則になりますけれども、それを利用した者が払うような場合と、いま申し上げた政府責任赤字を生ぜしめた場合は、これは受益者に何も責任がないわけです。政府責任赤字を生ぜしめているのであって、受益者には責任がない。これはしばらくおきます。  こういう理論を私は持っていますが、そこで、そういう政府方針ならば、公共企業体等についてはあくまでも受益者負担で、国が負担をして税の中からその負担をするようなことはあり得ないというたてまえに立つように思われますが、その方針は少しおかしいじゃないですか。  いま申し上げたように私は例を引きましたが、そういう方針があるとするならば、国鉄だってこれは同じ理屈にならざるを得ないのです。ところが、国鉄の方でもしそうでないとするならば、電信電話公社だって同じ理屈が成り立たなければならない。国鉄は税で負担しても構わないが、電信電話公社は受益者負担でございますという理屈は成り立たないように思われますが、どうでしょう。
  64. 松井清武

    松井政府委員 先ほど申し上げましたように、具体的なケースにおいて判断をしなければならないというふうに考えておるわけでございまして、今日の置かれている、たとえば例に挙げられました国鉄と電電公社財政状況につきましても相当大きな開きがございます。したがいまして、それらの状況判断いたしまして取り扱ってまいらなければならないというふうに思う次第でございます。
  65. 阿部未喜男

    阿部(未)委員 それでは大臣の先ほどの御発言は訂正なさいますか。  こういうものは受益者負担の原則に立つべきものであって、少なくとも国が税金の中から出すような性格のものではないとおっしゃられましたけれども、私は、現にいま並行して審議をされておる国鉄の方の場合には国の負担が相当多くあるのではないかと理解をします。そうすると、先ほどの大臣のおっしゃったことは矛盾してきて、いまの監理官の言い分からも矛盾してくる。今回がどうであるかは別にして、将来の問題として私は設備投資などというようなものはある程度国が出すべきだという考えもあるわけなので、大臣の先ほどのお答えがそのまま生きておると大変困るのです。どうでしょうか。
  66. 福田篤泰

    福田(篤)国務大臣 やはり原則論としては先ほど申し上げた受益者負担が中心でなければならないと私は考えております。  ただ、国が負担する明確な根拠がある場合、たとえば先ほどお話しになりました福祉関係とか、そういうようなものは当然国が負担する場合が出、またやるべきだと思いますが、一般的な一つ料金決定あるいは赤字の問題を扱う場合には、やはり国の一般予算とまた離れて、独立採算制でいくのが正しいのではないかと私は考えておるわけであります。
  67. 阿部未喜男

    阿部(未)委員 大臣、鉄道省と言われた当時からの鉄道の歴史、逓信省と言われたころからの電信電話の歴史を振り返ってお考えになってみませんか。これは明らかに国有、国の財産だったわけです。それが、設備が、施設がそのまま国鉄に移された、あるいは電電公社に移された。そういう経緯考えてみると、少なくとも設備については当初原則的には国がやってきておるのです。国家財政の中で当初はやってきておるのでしょう。それがいまたまたま公社に移されておるだけのことなんです。したがって、いまの大臣お話からいきますと、原則としては、あくまでも公共企業体でやるべきだという原則からいきますと、将来にわたってもこの設備等についてはやはりすべて公社がやるべきだという理論になってくるわけなんですけれども、私は、その公社という性格上、当初申し上げた公共企業体という性格上、設備等についてはあるいは国の責任に帰すべきような料金値上げを抑えたというような場合においては、国の負担があり得るというふうに理解をすべきだ、そこが大臣とちょっと違うのです。どうでしょうか。
  68. 松井清武

    松井政府委員 お答えいたします。  先ほど大臣の御答弁にもありましたように、原則といたしましては、電電公社は独立採算をたてまえといたしまして、その必要な経費は利用者によって負担されるのが適当であるというふうに考えておる次第でございます。したがいまして、公社状況に当てはめまして現在の情勢というものを見てみました場合に、ただいま国会で御審議をお願いいたしております公衆法の改定によりまして、これらの赤字も解消し得るというふうに思っておりますし、それが適当な方法であろうというふうに考えている次第でございます。
  69. 阿部未喜男

    阿部(未)委員 私は、いまこの電信電話値上げがどうこうと言うのじゃないのですよ。基本的に公共企業体とは何かということから発足をして、議論が発展をしていって、そして国の負担もあり得るのではないかという私の質問に対して、大臣は、そういうところに税金を使うのは適当でないというふうにお答えになったわけです。ならば、国鉄がなぜ税金を使って赤字を埋めるのか、私はこう言っておるのです。現にそういう議論がなされておるじゃないですか。それを否定されるのですかと私は聞くのです。やはりあり得るという答弁大臣から出てくれば、私はそれでいい。しかし、大臣があくまでもそれはないというふうに原則論だけを貫かるるならば、国鉄のいまの運輸委員会審議は一体どういうことになるのでしょうか。全く政府の中に矛盾した意見が出てくるじゃないですか。どうでしょう。
  70. 福田篤泰

    福田(篤)国務大臣 料金のあるいは赤字補てんの問題について原則論を述べたわけでありますが、いま御指摘のとおり、明確な国の責任あるいは的確な根拠があった場合には、そういう場合もあり得ることも私は承認いたしたいと存じます。
  71. 阿部未喜男

    阿部(未)委員 私は、法定料金というものは本来そういう性格を持つものだと思うのです。国民経済に大きい影響を与えたりするから、だからこの議会で議論をする。したがって、場合によっては、これは収支償わないけれども、収支償わない場合であっても、それは国民全体の責任として処理をしていく、そういう内容を持つがゆえに国会国民の代表によって議論をし、決定をされるという性格を持つものであって、収支相償うようにやっていくならば、初めから国会で議論する必要はないのです。ちゃんと償うように諸表を出して、それで決めていけばいいのです。常に独立採算で、支出に見合う収入を立てていけばいいのです。ところが、法定料金であるということは、いま私が申し上げたようなこともあり得る。場合によっては国民全体の責任、いわゆる国の責任で処理をしなければならないことがあり得るからその法定料金というものがあるのだというふうに私は理解をするのですが、この理解は間違いでしょうか。
  72. 福田篤泰

    福田(篤)国務大臣 御発言趣旨については私も賛成いたします。  最初申し上げたのは、やはり原則だけは曲げられないということは繰り返し申し上げたいと存じます。
  73. 阿部未喜男

    阿部(未)委員 原則を曲げる曲げぬという問題ですが、原則は曲がっているのです。もしさっき大臣がおっしゃるのが原則なら、いま運輸審議会は原則は大変曲がっているということになると思うのです。だから余り原則、原則とおっしゃらずに、本来料金法定主義をとっておるというそれ自体が、ある場合にはそういうこともあり得るのだというふうに素直に理解をしておくべきで、あくまでも公共企業体だから収支が償わなければならない、あくまで利用者負担でなければならないという理屈は私はないと思うのです。そのことはこれ以上議論しませんが、やはり私の申し上げたように、法定主義をとっておる、あるいは公共企業体という性格、そういうものから考えた場合に、そういうことは国民全体の責任において処理をしなければならない場合もあり得るのだ、そう理解をしておいていただきたいと思います。特別反論はありませんか。
  74. 福田篤泰

    福田(篤)国務大臣 はい。
  75. 阿部未喜男

    阿部(未)委員 それでは次に移りたいと思いますけれども公社が発行しております「当面の建設計画について」その一ページだったと思いますが、「国民のために電信電話事業を運営し」とこう書かれています。たしか下の方です。その次に少しあけて「ナショナル・ミニマム考え方をも勘案し」と、こう建設計画について書かれております。こういう考え方が事実であるとするならば、国民生活の向上、福祉の充実あるいはナショナルミニマムの達成等を基本に据えて、たとえば電気通信事業のあり方というふうなものを検討をするための郵政大臣の私的な諮問機関を速急におつくりになって、ひとつそこで検討をしてみられたらどうだろうか。もう一遍申し上げます。大体おわかりになりますでしょうか。国民のための電信電話としての運営、もう一つはナショナルミニマム考え方も勘案をして、そういう公社の方向をとっていきたい、という電電公社の期待があるようでございますから、そうであるとするならば、郵政大臣のもとに、私的な諮問機関でいいと思いますけれども電気通信事業のあり方を検討する会、その会の名前は別ですよ、そういうようなものを設けられてはどうかという考え方はどうでしょうか。
  76. 福田篤泰

    福田(篤)国務大臣 公社経営についてはあくまで国民の意思を絶えず反映していくこと、これが必要でございますので、御指摘のような組織というものは今後検討してまいりたいと思います。
  77. 阿部未喜男

    阿部(未)委員 大体国会における大臣答弁は、検討をするということは何もしないということになっております。少しやる気があるときには、前向きで、という言葉が前につくわけです。そこで私は非常に悪い皮肉な言い方ですけれども、いま大臣検討してみたいとおっしゃっても、本気に、そのままそういうものができるだろうという期待はなかなか持てないのですよ。本気でおやりになる気があるかどうか。いま私が申し上げたようなものは、大臣諮問機関として、本当に電信電話国民のためのものにする、あるいは先ほど来議論してきたナショナルミニマムというものについても検討していきたいという公社の気持ちもあるとするならば、むしろ直接利害の関係のない第三者機関をつくって、大臣がそこに三者の意見を集約をして大臣の姿勢の一つの参考にされる、私はきわめて有意義なものではないかというふうに考えます。したがって、検討をするというお言葉をどう受け取るかは別ですけれども、私が申し上げましたような趣旨からするならば、いまの大臣検討は余り本気の前向きの姿勢ではないように思われますので、やってみようという気概があるかどうかお答え願いたいと思います。
  78. 福田篤泰

    福田(篤)国務大臣 私個人といたしましては前向きに検討いたしたいと思います。ただ、最近、官房長官から政府機関に対しまして審議会その他のようなものはなるべく抑制するようにという指示が実は参っておりますので、よく政府側とも話し合っていきたいと思います。
  79. 阿部未喜男

    阿部(未)委員 政府方針がまちまちで困りますが、ひとつ大臣の政治力でそういうものをつくって、電気通信事業の今後のあり方について十分国民の意思が反映できるような措置をとってもらう、そのことについて大臣は前向きに考える、こう理解をいたします。よろしいですね。
  80. 福田篤泰

    福田(篤)国務大臣 はい。
  81. 阿部未喜男

    阿部(未)委員 その次にお伺いしたいのですけれども、公共企業体としての経営の民主化を行うということは当然のことですけれども電電公社の場合に、電電公社の事業の実態というものを利用者である国民に知ってもらうために、たとえば管理委員会というようなものを設けて、公社経営についてもチェックすると言うとちょっと語弊がありますけれども、ある程度内容についてのいろいろなことが検討できる、そしてそれを国民に知らせる。あるいはまた利用者委員会というようなものをつくって事業計画あるいは企業の経理の内容というようなものを公開をしていく。そういうことによって、私は、利用者と公社とがお互い に理解を深めながら民主的な運営が図られるのではないかと考えます。これはやるとすれば郵政省の方になると思いますが、たとえば私企業の場合でも経営内容等についてはちゃんとプリントして配付するわけですね。それから、電気料金の決定等についても、電気会社は各地方ごとで公聴会などを持ちまして利用者の意見を聞きながら、どれだけ反映されるかは別ですけれども、少なくとも手続としてはそういう手続をとっておる。電電公社だとほとんどそういうものがないわけでございますので、この利用者委員会なりあるいは管理委員会という名称がそのままいいかどうかは別にして、要するに民主的な運営の基本として国民が、利用者が参加できて、公社経営をある場合にはチェックをし、ある場合には経営内容について意見を述ぶる、そういうものが必要ではないかと思われますが、これは公社の方でもどちらでも結構です、ちょっと御答弁をいただきたい。
  82. 遠藤正介

    遠藤説明員 お答えいたします。  いまの利用者委員会その他について、公的なものとしてのお考えは、郵政当局からお考えがあると思います。私どもといたしましては、実は今度の料金値上げの際にそのことは非常に痛感をいたしておるのでございます。もちろん私どもも法律上、たとえば決算なり何なりの機会に報告書をつくりまして郵政大臣に出します。あるいは国会でこうやって御審議をいただきますときに、国民の代表の方々に対しまして、私どもとしてできるだけ御説明をして、そういう機関を通じて国民の方に御理解をいただいておる。あるいはまた公社になりましてから、現場ごとに利用者の方々に対する懇談会形式といいますか、あるいは制度化されたモニター制度というようなもので電話局の中を見ていただきましたり、あるいは最近多い料金の苦情なんかにつきましてもよく知っていただくためにやってはおります。  ただ、それにいたしましても、何しろこういう巨大な企業になりますと、財務諸表あたりをそのまま法律に定められた形で出しましては、一般の利用者の方にもわかりにくいという点がありまして、私どもとしては将来——今度の料金値上げで相当わかりやすくいろいろな新聞、雑誌等にPRを兼ねて出しましたが、こういうことはやはり今後必要なのじゃないか。つまり、料金値上げがあろうとなかろうと毎年必要なのじゃなかろうかと思って、そういう形でわかりやすく、また別の方法で国民にわれわれの仕事の成果あるいはこれからやっていこうとしていることをお知らせする道を開きたい。それから、特に加入者電電債を持っていただいております方、これは言えば株主でございます。その方々に対しましては、昨年から、まあいま一般の企業もと言われましたが、一般の企業も大体株主に対して株主総会前にいろいろ写真の入った形で企業の実態を知らせておりますが、ああいったようなものを実施をいたしております。またその反響も相当いただいております。私どもとしてもその努力をさらに続けていきたい、こう思っております。  また管理委員会とか利用者委員会という公的なものについては郵政省のお考えがございましょうが、私どもとしては今後ともいろいろな団体か巨たとえば主婦連でございますとか、そういうところから御要望があればその都度参って、料金値上げが済んだ後はそっぽを向く、こういうことじゃなくて、公社の実態を十分御説明し、御理解をいただくような努力は続けていくつもりでございます。
  83. 松井清武

    松井政府委員 利用者の意見公社の運営に反映させるということにつきましては、大変結構であろうというふうに思う次第でございます。しかしながら、先ほどお話のありました監理委員会あるいは利用者委員会等々につきましては、これを提案された担当の方からいろいろ御説明を聞いたわけでございますが、行政組織法上の位置づけ等につきまして、なお私ども了解できない点もございますので、これらは引き続いて御説明を承りながら検討しようということにした段階でございます。
  84. 阿部未喜男

    阿部(未)委員 考え方は、公社の方としてもなるべくそういう趣旨に沿ってやっていきたいというお考えのようでございますし、郵政当局の方としても、そういう提案を受けておる。これはこの前私ども郵政大臣に提起しておるわけですから、それについてまだ十分納得のいかない点もあるので、今後話し合いを進めながら検討をしていきたい。思想としては、利用者の意見公社の運営に反映されることについては賛成である、こういうふうにいまおっしゃったと思います。したがって、今後の課題として引き続いて、この名称がどうであるとか、その内容がどうであるとか、法的位置づけがどうというようなものは、今後の課題としながらも、国民の声が公社の運営に反映できるような、そういうものをつくっていくことについて検討を重ねていく、話し合いを進める、こう理解をして間違いありませんか。
  85. 佐野芳男

    佐野(芳)政府委員 お答えします。  いま先生指摘の、国民の皆様に公社経営とか経営内容あるいはこういう料金改定の時期に御理解をいただくための手段といいますか、そういうことについては、私たち郵政当局といたしましても、電電公社といたしましても、全く同意見だと思います。  それから、現在の経理関係の公開につきましては、口幅ったいですが、現在国会先生方に、予算、決算、料金関係について御審議を願っておる。もちろんそれだけではございませんで、公社当局から話がありましたように、いろんな機会をつかまえて、十分ではないけれども精いっぱい皆さんに御理解をいただくようにPRもしているということで公開をしているというふうに理解していたんですが、これでも不十分な点につきましては、今後十分その辺のあり方について検討していきたい。  それから、公聴会お話がありましたが、この件につきましても正式な公聴会とかなんとかいうんじゃなしに、あくまでもそういう目的のための手段としては、公社も自主的にいろいろやり方もあろうかと思いますが、その点につきましても、郵政省としてもいろんなことを考えて指導してまいりたい、こういうふうに考えております。
  86. 阿部未喜男

    阿部(未)委員 大体趣旨は賛成であるから、あとは具体的に話し合いを進めて検討を加えていきたい、そう理解していいわけですね。そういうことでこの問題を終わります。  次に移ります。私は、今日の日本経済の高度成長は明らかに破綻をしておる、そういうふうに見るわけです。したがって、公社自身でも高度成長の破綻による不況のために通話量の減少を認めざるを得ない、こういう現況になっておるようでございます。このように経済構造が大きく変動をしたときには、公社計画そのものもやはり見直すべきではないかと思うのですけれども、どうも公社計画は、当面の建設計画等を見ましても、やはり高度成長そのままを踏まえて、一〇%から一五%近いような大きい建設計画がなされておるようでございますけれども、大体この不況というふうなときには、私企業であれば投資を見合わせていくというのが一番先になるわけですが、公社の性格上すべてやめていくというわけにはまいらぬことは、私もわかっております。しかし、やはり最小限に計画を練り直して、今日のような低成長の時代に適応する計画でないといよいよ赤字は増大をして、借入金の利息であるとか、債券の償還であるとか、そういうところに公社の財政を皆つぎ込まなければならぬ状況になってくると思うのですが、見直しをする気があるのかないのか、その辺どうでしょうか。これは公社です。
  87. 輿寛次郎

    ○輿説明員 お答えいたします。  電電公社といたしましては、積滞解消あるいはどこでもつく、どこにでもすぐかかる電話ということを目標にいたしまして、二十八年以来、五次にわたる五次計画を推進してきたところでございます。それで現在におきましては、ほぼその目的の大部分は達したわけでございますが、まだ現在におきましても積滞は多うございますし、また、これから後もまだまだ需要は出る見込みでございます。しかし先ほど先生おっしゃったようなことで、昨今の経済情勢から見ますと、いままでの計画をそのまま遂行していいかということは当然問題でございます。  現に資金面でも非常に問題がございまして、予算から申しますと、四十八年、四十九年と引き続いて非常な制限を受けております。そういった意味では、非常に事実上変わっておるわけでございまして、われわれも今回この料金値上げ案を出しますときに、そのベースになります建設投資につきましては、十分内部でも審議したわけでございます。そうしてその結果、できるだけ経費を詰めまして、必要欠くべからざる投資だけにしぼりまして、いろいろやった結果が現在の計画でございまして、現在、ベースになっております投資は、五十一年、五十二年、五十三年の三年間で約五兆でございます。しかしこの内容はほとんどが電話につぎ込む金でございまして、いわゆる七百七十万の電話をつけるというようなことが基調になっておりますが、その八五%は住宅用電話でございますし、広い意味で申しますと、いわゆるナショナルミニマムというようなものにほとんど尽くされておるわけでございまして、こういった点で十分見直しをし、われわれとしてはできるだけしぼった結果がこの投資計画であるということに御承知願いたいと思います。
  88. 阿部未喜男

    阿部(未)委員 それは圧縮すべきであるという考えに立ちながらも、いま出しておる五十一年度から五十三年度までの三カ年の計画五兆円の設備投資については変更する意思はないというふうにお答えになったと思うのです。たとえばいま電話七百七十万台のお話が出ましたけれども、四十九年度に公社がつけられた電話は三百二十八万、五十年度が三百万ですね。そうすると五十一年度は二百六十万ですから四十万減っているのです。五十二年度は二百七十万で、三百万に比べれば三十万少ない。五十三年度は二百四十万。この数字は昭和四十八、四十九、五十年という、過去三年間に架設をした電話の数字に比べれば非常に少ない電話の台数になっておるわけです。ところが一方予算の方は、五十年が一兆三千億——ちょっと上がありますね。それから五十一年は一兆五千億でしょう。五十二年は一兆七千三百五十億でしょう。五十三年は一兆八千億でしょう。電話を架設する台数はずっと減ってきておりながら、建設投資は膨大にふくらんでおる。これはいまあなたがおっしゃった趣旨と合わないように相なる。どういうわけですか。
  89. 輿寛次郎

    ○輿説明員 その点につきましては、先般の委員会でも御質問があったわけでございますが、これにつきましては、ちょっとお話ししませんと非常にわかりにくい要素がございます。と申しますのは、確かに加入者開通の数は最近減っております。これは一つは需要の問題と、もう一つは予算面でございます。しかし電話というものは御存じのとおり、やはりつけますだけでは用は足りませんわけで、たとえば現在ですと三千万の電話加入者がおりますわけですから、一加入開通いたしますと、その方はその日から三千万とはお話をしなければならぬ、こういうことでございます。したがいまして、新規開通の金のほかに、どうしてもわれわれの設備といたしましては、現在で申しますと三千万を擁しておる電話のネットワークを維持、改良するための金もかなりかかるわけでございます。そういったことは、もちろん先ほど言ったようなことで、できるだけ最小限に抑えておりますが、やはりトラフィックの増と申しますか、いわゆる電話の個がふえますと、そういった面におきまして、市外線もふやさなければいけませんとか、あるいは交換機の増設も必要ということになりまして、そういった面がかなりふえてまいります。  それからもう一つの要素は、これも先般お話ししたわけでございますが、実は先ほどお話ししたように、四十八年、四十九年はいずれも石油ショック以来のことで、いわゆる予算としてはかなり制約を受けました。前年度に対しまして五%増というようなことでございまして、それにもかかわらず大量の開通をしなければいけない。そういう意味では、われわれの方で基礎設備と言っておりますが、いわゆる電話局でありますとかあるいは地下設備、線路設備、交換設備、そういったすべての基礎設備を現実には食いつぶした形で開通したわけでございまして、こういったものの取り戻しをいたしませんと、これから先の開通が予定どおりできないということになります。そういったことを含めまして、見かけ上はいかにも開通回数が少ないにもかかわらず建設資金が多いように見えるかと思いますが、事実はそういうことでございます。
  90. 阿部未喜男

    阿部(未)委員 この一般加入電話は、いま申し上げております数字で、五十一年以降減少しておるのですが、たとえばビル電話、ビジネスホン、ホームテレホン、こういうものが非常にふえてきておるわけですね。私が設備投資を少し抑えるべきではないかと言うのは、こういうところにも意味があるわけで、こういう不況の状況になってきたときに、資金の建設投資の割合から言えば、先ほど申し上げたように一〇%以上の伸びを見せておるわけです。経済成長が五、六%にしかならないのじゃないかと言われるときに、電電公社の建設投資が一〇%を超えるという物の考え方が少しおかしいのではないか。民間の企業であるならば、この際まず私は当然新しい設備、建設投資の抑制が一番先に出てこなければならぬと思う。それが電電公社値上げができる。安易にそこに頼り過ぎてどんどん建設投資をしていけは、先ほど申し上げたように、当然減価償却も必要になってくるし、借入金の利息も払わなければならない、ますます借金でどうにもならない状況になってくる。いま一番大切なことは、かつては五十一年から五十三年の計画はこうであったとしても、この段階ではもう一遍見直すべきときに来ておるのではないか、その点をどうお考えになりますかと聞いておるのです。
  91. 輿寛次郎

    ○輿説明員 お答え申し上げます。  先ほどは言葉がちょっと足りなかったかと思いますので、補足させていただきます。  実は公社は第五次五カ年計画は四十七年に策定いたしまして、これは四十八年から五十二年までの計画でございます。これはその当時七兆円ということで計画したわけでございます。それはその後のいろいろ政治情勢、経済情勢の変化、あるいはわれわれもさっき申した検討によりましてかなり圧縮しております。そして、その結果が先ほどから申しております五十一年から五十三年でまいりますと五兆円という数でございまして、この数字はもともとかなり圧縮した数字でございます。どういうところを圧縮したかと申しますと、五十一年から五十三年と申しますとちょっと比較の対象がございませんが、いわゆる前の五次計画と対照いたしますと、たとえばビル電話なんかは三十五万減少させております。あるいは地域集団電話は需要の減でございますが、データ通信なども減らしております。あるいはテレビ電話等も減らしております。しかしその反面、公象電話あるいは福祉電話はふやしておりまして、そういう面ではわれわれとしては十分配慮いたしました。  しかし、先ほどから申しておりますように、電話のネットワークの性質からいたしまして、われわれとしてはそういった、ぜいたくとは申しませんが、いろいろ問題のあるものは抑えましても、それにいたしましても、その結果が先ほど言ったような増でございまして、一〇%の増とは申しますけれども、われわれとしてはこの程度の資金がなければ、またこの建設をしなければ現在残っております積滞の解消はできませんし、あるいはまだ手動局も千二百局ほど残っておりますが、こういったものを自動化するというようなこと、あるいは地域集団電話の問題、そういったものをいろいろ考えますと、そういったものの解決にはどうしてもこの程度の資金が要る、こういうことでございます。
  92. 阿部未喜男

    阿部(未)委員 需要を全部満たすとすれば膨大な資金が要ることはわかっておるのです。それができるならば五十二年までも積滞を持ち越す必要 はなかった。積滞の解消を四十八年から五十二年度までも持ち越さなければならなかったのは資金的な制約があったからじゃないのですか。それをここで一挙に解決しようたってそうはいきませんよ。だから、きわめて常識的に言うならば、やはり建設投資を抑えるというのが、一般社会の経済の発展と見合って、たとえば五%ないし六%程度というのは私はそれなりにわかるのです。しかし、値上げをして金が入ってきそうだから、この際要求のあるのは全部片づけておこうというような五十一年から五十三年の計画だとするならば、これは見直すべきである。それは単に金があるから使うというだけではなくて、それがこれから先の公社の運営に大変な重荷になりますよ。もうあなた方の計算でも電話料収入はそう大きい伸びを示すという計算はないわけでしょう。投資だけを、どんどん建設投資をやっていったら大変な負担になってのっぴきならないことになって、またすぐ値上げをしなければならなくなってくるのじゃないのですか。それならば、こういう低成長時代はそれに見合った建設投資をやるようにもう一遍計画を見直されたらどうですかというのです。
  93. 輿寛次郎

    ○輿説明員 お答えいたします。  ただいまの件、確かにそういう御批判もあろうかと思いますけれども、先ほどから申しておりますように、実は積滞解消という問題は公社発足以来の多年の懸案でございます。これは歴史的に申しますと、四十七年には積滞解消というようなことで計画したわけでございますが、先ほど言ったようなことで、資金の問題ともう一つはやはり需要の増加というようなことで非常におくれまして、やっとここまで参ったわけでございまして、現在の予定では、これだけの建設投資をすれば五十二年度末には全国的規模において積滞が解消できるということでございます。  しかし、この計画は確かに過大というような御批判もあるかもしれませんが、これにつきましては、たまたま先般政府で策定されました「昭和五十年代前期経済計画」がございまして、これはことしの五月に閣議決定しておりますが、その中でもいろいろ議論があったわけでございます。この計画昭和五十一年から五十五年の五年間で国の投資をどうするかというような問題でございまして、そういった面でいろいろ議論がされたわけでございますが、その中でわれわれももちろんこの五十一年から五十三年の計画を含めました計画提出してございます。その結果、政府といたしましては、五十一年から五十五年の五年間で総額七兆三千億、これは五十年度の現価でございますから、いわゆる時価に直しますと約九兆ぐらいになろうかと思いますが、そういった形で一応お認めいただきまして、こういった前提のもとにこういった投資は適切であろうというふうにわれわれは理解しておるわけでございます。  したがいまして、われわれといたしましては、いろいろ困難はありましょうけれども、何とかこの建設計画を実施いたしまして、いわゆる積滞解消あるいは手動電話の解消、無電話集落の解消というようなことに努力したいと思っておるわけでございます。
  94. 阿部未喜男

    阿部(未)委員 それでは米澤総裁公社はこれから金利の負担が大変高くて困りますとか、そういうことはもう言いませんね。たとえば今度の値上げの中の一つの項目には建設投資のための金利負担が非常に大幅な割合を占めていますね。そのことが一つの理由になっておるのです。しかしいまどんどんまだ建設はやっている、しかも国の経済成長よりも大幅な投資をやっていく。当然これは債券がある、それから借入金がある。そうなってくれば、その金利負担は膨大なものになってきますが、そんなに大きな金利を払ってまで無理にやらなければならないのか。先になって、金利負担が大変大きゅうございます、利用度数が減りました、だからまた値上げをしてくださいなどという泣き言を言う心配はない、これで結構料金値上げをせずにやっていけるという確信がおありなんですね。
  95. 米澤滋

    米澤説明員 お答えいたします。  ちょっとさっき説明を聞いておりますと、歴史的なことも幾らか入っておるのでございまして、ただいまの御意見につきまして、まず五十二年の問題と五十三年の問題と二つに分けた方がいいのではないかと思います。  五十二年というのはもう来年でございまして、これに対しては前々から例の積滞解消それから全国の即時化、自動化をするという方針国会でもそれをやれやれということを、いろいろ決議あるいは御質問等もございまして、これはぜひやりたい。  それで五十三年につきましては、これはまた新しい問題でございますが、これは結局五カ年計画に一年足したということでございます。それで、すでに継続審議があった前国会あるいはその他の時点でも、この五カ年計画のいわゆる五十二年までに一兆一千億節減しております。それをさっき計画局長が申し上げまして、ですから、先生のおっしゃった趣旨はある程度やっておるということを申し上げたのでございまして、一兆一千億切っております。  それから五十三年はどうかという問題に対しましては、これは要するにそれが損益勘定の中にどれだけ影響するかということが一つ問題だと思います。資金の問題と損益勘定にどう影響するか。損益勘定に対する影響につきましては、この三カ年間で新技術革新によって五千億金を節減している。そしてそれが損益勘定に入ってまいりますと、約千八百億円ぐらいこの三カ年間で損益勘定を抑えている。そしてこの収支計画に対しましては、五十三年の投資というものは、仮に一〇%切りましても、それほど大きな数字にはならない。これは後ほど数字を申し上げてもいいのでございますが。そんなことで、私たちとしてもその御趣旨は十分考えていきたい、すでに一兆一千億切りましたということだけ申し上げまして、ですから、何も計画局長が言ったことがそのまま実現するとは思っておりません。ただ、それが、収支にはそれほど影響ないんだということを付加させていただきたいと思います。
  96. 阿部未喜男

    阿部(未)委員 たとえば、私は電話の台数でしかわかりません。確かに経済、物価の上昇がありましょう。人件費の上昇がありましょうから、同じ予算で三百万ついたものが来年は二百六十万しかつかないかもわかりません。それはわかりませんけれども、大まかに考えてみて、今日物価はある程度安定しつつあると言われておりますし、また賃金についてもことしの春闘で七、八%ですか、抑えていっておる。そういう状況から勘案してみますと、いま積滞解消の問題もありましたけれども、五十二年度の一般加入電話は二百七十万なんですね。それを五十一年度は二百六十万と、この程度のものであって、従来の苦しいとおっしゃった積滞解消のために三百万を超えて電話をつけてきたときに比ぶれば、少なくとも積滞解消のための一般電話の架設の数は大幅に減少しておると申し上げて間違いないと思うんです。それにもかかわらず、予算が非常に大きくなってきておる。さっきお話がありましたけれども、たとえばビジネスホンですか、何か大幅の削減をしたとおっしゃっていますけれども、それはこの前お話がありましたように、当初の五カ年計画と新しい三ヵ年計画のいずれが正しいのかということを質問したら、総裁は、新しい三カ年計画でいってくださいと、こういうようなお話でしたから、それに比較してみましても、たとえばビジネスホンが五十年度の五十万が五十一年は五十四万、五十二年は五十七万、五十三年は六十万とこのように計画としてはふくれ上がっておるわけなんです。なぜ、建設投資を控えなければならないであろうという常識的な不況の中で、こういうものにどんどん投資をしていかなければならないのか。これを抑えたからといって、いままで一般の加入者の積滞でさえ資金がないために抑えに抑えてきて五十二年までかかってきたじゃありませんか。なぜこのビジネスホンとかホームテレホンとかこういうようなものをあわててふやして投資をしなければならないのか。その辺の感覚が、見直したというけれども、当初の五カ年計画の数字に比べれば減りましたというだけであって、今日の経済情勢に見合う見直しではないと私は思うんですが、どうお考えになりますか。
  97. 三宅正男

    ○三宅説明員 お答え申し上げます。  まず、明年度の予算が、予算概計を提出いたしましたが、先ほど先生おっしゃいましたとおり、一兆七千億余りになっております。これは確かに今年度一兆五千億に比べて相当な増加でございます。ただ、これは先ほど計画局長申し上げましたとおり、明年度につきましては明年度内に何とか積滞の解消をしたい、一掃をしたい。これは長年のお約束でもございますので、何とかいたしたいということが一つございますし、と同時に、これも先ほど計画局長が申し上げましたのですが、石油ショック以後、四十八年、四十九年、五十年、予算の伸びも非常に少のうございましたが、同時に需要が非常に多いために基礎設備を食いつぶして新しい加入者の架設をやってきた。もう基礎設備にほとんど余裕がない、今後新しい需要が出てまいりましても、下手をしますと現在は半年くらいでお待ち願ってついていたものが、また一年、二年待ってもらわなければならないような状態になる、そういうようなことがございますので、この基礎設備の取り返しをぜひやりたい。こういったようなことが数としてといいますか、金額として相当明年度の予算概計が大きくなっておる原因でございます。  と同時に、もう一つ先ほど先生おっしゃいました加入電話以外のものに対する投資が非常に多いんじゃないか、こういうお話ございます。確かにこれは加入電話そのものを引きますのに比べますと、必要度合いと申しますか、これは低いというようなことはあるかもしれません。また、これが需要を全部公社が満たさなければならないかどうかということにも多少の問題はあるだろうと私も存じます。ただ、私どもといたしましては、現在の時点におきましては、今回料金改定をお願いしておるわけでございますが、これをできるだけ長くもたせたい。そういたしますためには、やはり皆さん方が便利に、加入者の方々が便利に電話を使っていただいて、それによって収入がふえていくということも一つの必要条件でございまして、そういった面の経営面での改善、増収努力といったようなものも何とかやりたい。そして一年でも長くこの料金をもたせたいというようなことを念願いたしております。そういった点がこういった投資計画に一応の投資の見通しとして入れてあるわけでございます。ただ、これは先ほど総裁も申し上げましたとおり、経済情勢その他をにらみ合わせながら、五十三年度につきましてはまたいろいろ考え直さなければならぬ面もあるのじゃないかということは私ども考えておりまして、現在あれで何としてでも突っ走ろうと思っておるわけではございません。
  98. 阿部未喜男

    阿部(未)委員 積滞解消ということを強くおっしゃられる。確かに五十二年度までで積滞解消をしたいという公社の意欲があって、そういう方針計画で進んできたことも承知をしております。しかし総裁、数字の上で見ますと、さっき申し上げたように昭和五十年でさえ三百万台つけているのです。昭和五十二年は二百七十万台なんですよ。積滞解消のためにここが三百五十万台になったとか四百万台になったというならは、この一兆五千億が一兆七千億にふくれ上がったことは私は理解ができるのです。だから電話がどのくらい一機について値上がりがしたのかということを勘定してみなければわかりませんけれども、しかし、少なくとも三百万台と二百七十万台は、これは予算の上では匹敵するのじゃないか、金額の上では匹敵するのじゃないか。そう考えてみると、何でこんなに予算がふくらんでくるのだろうか、建設投資がなぜこんなにふくらむのだろうかということがどうしても納得ができないのです。何かさっき資本を食いつぶしたとか話をしていましたけれども、それはこの建設計画のどこにあるのかわかりませんが、建設計画の中では少なくとも一般加入電話からそれぞれの関係を列記してその総額は一兆七千三百五十億というのが五十二年の予算になっておるわけですから、どこをどう食いつぶしたのか私わかりませんけれども、とにかく積滞解消、積滞解消と言うが、二百七十万台しかつけないじゃありませんか、早く言えば。五十年度に比べて三十万台も一般電話は減っているじゃありませんか。それに予算だけが何でこんなにふくらむのでしょうか、それがわからないのです。
  99. 輿寛次郎

    ○輿説明員 お答え申し上げます。  ただいまの、来年の計画が二百七十万ということは、確かにことし、昨年より減っておるわけでございますが、これは先ほどから申しておりますように、五十二年度末で積滞解消という目標を立てておりますから、そういうことに合わせますという意味で実質上減っておるということで、逆に申せば来年二百七十万つけることによりまして、われわれの予想が狂わなければ五十二年度末の積滞解消ができるということでございます。意識的に減らしたわけではございません。  逆に申しますと、いままでは非常に積滞が多かった。したがってできるだけ多くの予算をいただきましてつけてきた、こういうのが三百二十万とか三百万という過去の経緯でございます。したがいまして、そういうことからすれば、たとえば今年度につきましても二百六十万という予想になっておりますが、予算がもっといただければあるいは三百万ついたかもしれません。しかし、これは先ほど申しておるように、単価アップとかいろいろございまして、われわれとしては、ぎりぎり積みましてもことしの予算では一兆五千億で二百六十万しかつかなかった、こういうことでございます。  したがいまして、いままでのことは御理解いただけると思いますが、来年につきましては先ほど三宅総務理事から御説明ありましたように、来年も数は減っておりますが、実質は来年だけやれば済むということではございませんで、電話というものはやはりどうしても基礎設備をつくるのに数年かかりまして、そういったものをやっておきませんと、五十三年度以降も二百万以上のいわゆる需要は出ようかと思います。そういうものに対処するためには、やはり手を抜くわけにまいりませんので、あるいはことし、来年もやっておりますけれども、それを続けていく必要がある。そういった意味で、やはり投資としてはふえるわけでございます。そういったことを含めまして、一見数字としては多く見えるかもしれませんが、中身は先ほどから申しておりますようにかなりしぼった数字でございます。こういうことでございます。
  100. 阿部未喜男

    阿部(未)委員 中身がしぼった数字、総裁、あなたいまの答弁でおわかりになりますか。五十一年二百六十万、五十二年二百七十万で積滞は解消するのでしょう。積滞はこれで解消するのでしょう。積滞を解消するが、その数字は五十一、五十二年それぞれ電話を架設する数字は、積滞を解消してもなお五十年につけた電話の機数よりもはるかに少ないではないかと私は言うのです。五十年には三百万台をつけておる。五十一年には二百六十万台しかつけぬじゃありませんか。五十二年には二百七十万台しかつけぬじゃありませんか。しかもこれで積滞が解消するのですから、その限りでは万々歳ですけれども電話機の数については五十一年で四十万、五十二年では三十万も少なくつけるのに予算だけがなぜこんなにふくれ上がるのですかと言うのですよ。積滞解消とは関係がないじゃありませんかと言うのですよ。
  101. 三宅正男

    ○三宅説明員 お答え申し上げます。  確かに、先生おっしゃいますように、本年二百六十万、明年二百七十万、こういうような新規増設を計画いたしております。これに対して、予算が相当ふくれておるではないか、こういう御指摘であろうと存じます。これに対しましてこういうふうに御説明いたしますと御理解いただけるのじゃないかと思います。  五十一年には二百六十万の新規開通をいたしますが、これに要する費用、というのはちょっと妙な言い方になってまいります。と申しますのは、新しい加入者をつける一方、食いつぶしてまいり ます基礎設備の補充をして将来に備えていくという工事をあわせて一緒にやっております。したがいまして、先ほど申し上げましたように、四十九年、五十年、それから今年におきましてもある程度基礎設備を食いつぶしながらやっておるわけでございますが、基礎設備に投資いたします金及び新しい加入者をつけるために投資いたします金、これを合計して毎年の一加入当たりに幾らになったかという計算をいたしてみますと、これは確かに、先ほど申し上げましたように、基礎設備の工事の年と、新しい加入者をその設備を使ってつける年とは食い違っております。後先になります。したがいまして、ある意味での目安になる数字でございますが、これが四十八年には二十五万円程度でございましたが、四十九年には二十六万円余りになり、五十年で二十九万円。それから五十一年では、現在の予算では一応三十一万円を少し超すぐらいの金になっておる。それから五十二年は、先ほど申し上げました基礎設備の取り返し等を計画いたしておりますので、さらにこの金がふえまして三十二万四千円ぐらいにはなりそうだというふうに私ども見込んでおるわけでございます。そういう意味で、同じ数をつけますにいたしましても、やはり金がたくさん要るのがここ数年間のやむを得ない状況であるということが一つございます。  それから、同時にもう一つの問題といたしましては、これも先ほど計画局長が申し上げたんですが、すでにございます加入者、既設の加入者に対するサービスの維持、改善、こういったようなものに要する費用というものがどうしてもかかってまいります。これは根っこになります加入者の数がふえてまいりますにつれて当然金額的にもふえてくるということがございます。また、石油ショック以後の物価の値上がり及び、公社が発足して五カ年計画を現在までに五次にわたってやっておるわけでございますが、その初期に投資いたしました設備等については、すでに取りかえ等も相当やらなければならないといったようなこともございまして、この既設の加入者のサービスの維持、改良に要する費用というものも年々ふえてまいっております。私ども、今年度にはこの関係に一加入当たりに一万八千円程度のものを投資しなければ現在のサービスが維持できないのではないか、こういうふうに勘定いたしております。     〔委員長退席、三ツ林委員長代理着席〕 したがいまして、これに要する金だけでも、既設の加入者が三千万以上ございますので、五千六、七百億ぐらいの費用を五十一年度においても一応予算において予定をいたしておったわけでございます。さらに明年になりますとこういった点さらに金がふくれてくる。明年の概計で提出いたしておりますものを一応概算をしてみますと、七千億余りがこの既設加入者のサービス維持、改良のために必要である。これを落としますと、せっかく現在皆さん方に御満足いただいておるサービスというものが非常に悪くなってくる。具体的に申しますと、たとえば交換機の増設あるいは市外線の増設というものがおくれてまいります。話し中ばかりになるというようなことも出てまいるわけでございまして、そういった点を考慮して必要な投資額というものを、最小限のものを積み上げたのが五十二年でございます。現在時点で見通し得る限りで最小限のものを見通しましたものが五十三年である、このように御理解願いたいと存じます。
  102. 阿部未喜男

    阿部(未)委員 どうも私はわからないのですが、いまお答えになった数字で申しますと、五十年度の場合の一機当たりの架設に要するものが二十九万、五十一年は三十一万だ、こういまおっしゃったわけですね。そうなりますと、一割、一〇%は一機当たりに上がっていないわけですね。ところが架設の台数は五十年が三百万台で、五十一年が二百六十万台ですから、電話架設の数は一〇%より落ちているわけです。したがって、その限りでは一般加入電話を三百万つけることと二百七十何万つけるのが金額の上で匹敵するのであって、二百六十万に落としてくれば、一般加入電話については、少なくとも予算は減っても五十年度より五十一年度が一般加入電話の架設量がふえるということはどこにも成り立たない。  それから改良費が云々というようなお話がございましたが、改良費はまた別に改良投資の一部にするということで三千億値上げの中に別にちゃんと枠をとってあります。これをどこに使うのかわかりません。むずかしい機械がありますから、それはここに使う、それはここに使うと言われても私どもわかりませんが、素人考えで言うならば、改良費に三千億という予算をちゃんととってあるわけですから、これは別枠であるじゃないか、それならば電話一機が二十九万が三十一万になったとしても、つける台数が三百万から二百六十万に落ち込んだのならば総体の予算は減るはずだ、そういう勘定になりませんか。
  103. 米澤滋

    米澤説明員 お答えいたします。  詳しくは少し資料で御説明しないとなんでございますが、私たちといたしまして、何でもかんでも建設投資をふやさなければならぬというふうには全然思っておりません。これは要するに、建設投資は最小限度でいいのでありまして、先ほど申し上げましたようにこの五十三年度につきましては、これは決めたというわけではなくて一応のこういうものを考えているといういわゆる積算のベースになっておりますが、この建設投資が減ったからといって収支にはそれほど影響ない、これだけまず一つ申し上げたいと思います。  それからもう一つは、確かにおっしゃるように基礎設備の関係とつける数の関係はなかなか説明しにくいので、なにでしたらまたきょうの昼、休憩のときにでも専門家がグラフでも書いてよく御説明した方がいいのじゃないか。  ただここで申し上げたいのは、われわれとしては建設投資をぜひふやさなければならぬ、これは思っておりませんから、済めばカットしても構わないということで、この数字につきましては今後十分検討させていただくということで御了解願いたいと思いますが、中味につきましてはそういうことでございます。
  104. 阿部未喜男

    阿部(未)委員 私はどう考えてもいまの数字が合わないのですよ。だから、この際金が入ってくるから建設投資をうんとやっていくというような勘定になりそうな気がする。  それでは次に行きますが、総裁は損益勘定に余り大きい影響はないのだとおっしゃいましたけれども、しかし減価償却というのは損益勘定の中で計上されて、それが建設投資に回っていく性格のものではないのでしょうか。これをちょっと教えてもらいたいのです。
  105. 米澤滋

    米澤説明員 お答えいたします。  確かにおっしゃるとおりでございますけれども、いまの中で、たとえば建設投資がいま伸びるようになっておりますが、それは一〇%仮にカットいたしたとしても、その影響は損益には一〇%出てこなくて、もっとずっと圧縮された形になる、こういう意味で申し上げたのでございまして、確かにおっしゃるように影響はございますが、一〇%切ったからといって直にそれが損益収支に一〇%なるものではない、こういうふうに御理解願いたいと思います。
  106. 阿部未喜男

    阿部(未)委員 だから私もきょうここで金を借りて利子をきょうすぐ払うと思っていないのです。しかしそういう建設のための借り入れをする、そのものはやがて利息になって大きい負担になるでしょう。だから軽々にこういう時期に建設投資を大きく伸ばすべきではないのじゃないですか、建設投資そのものからも見直しをやる時期ではないのですかということを言っておる。私もその限りでは、たとえばいま総裁がおっしゃったように建設投資をやる、これが十年で償還されるものならば、その十分の一が減価償却になってはね返ってくるくらいのことは大体素人の私でもわかるのですよ。だから直接損益勘定にそのまま一〇%入ってくるなどとは私も思っておりませんが、こういうやり方をしておったならば、また三年先、五年先には値上げの問題が出るようになるでしょう。余りここで建設投資を急ぐことは今日の日本経済の情勢に見合っていないのではないですか。 そのことを私は盛んに申し上げておるわけです。しかしそれはいまおっしゃったように、機械の内容にまで至っては私も素人でございますからわかりません。したがって、こっちの三千億はここの改良の部分でこっちの三千億はこっちの改良の部分ですと言われれば、それは私は言いようがありませんからわかりませんけれども、素人考えで言うならば、二十九万でついておった電話が二万円上がって三十一万になりました。そのかわり、台数は三百万が二百七十万になりましたから、総体的な予算、建設投資は幾らか減ってもいいんじゃありませんかという理屈しか成り立ちませんよ、建設投資で言うならば。それがなぜ大きくふくれ上がってくるのかどうしても理解に苦しみます、この私の言い分はわかるでしょう。  その次に移ります。そこで、なぜ金額がふくれるのか、それは、損益勘定に直接大きい響きがなくても結構でございます。建設投資がなぜそんなにふくらむのか。どうもさっきから聞いておると、積滞解消、積滞解消と、積滞解消を前面に押し出して、これがあるから金がかかるんだとおっしゃるけれども、私の計算ではどうもそうならない。むしろ予算はもっと減っていいのではないか、どこかほかに建設投資の金をつぎ込もうとしておるんでしょうという。それはさっきから改良がどうとかこうとかおっしゃっています。ほかの何か三千万の電話とつながらなければならぬ、そんなことは常識ですよ。初めから、電話がつけば全部につながるのはこれはもう常識の問題ですよ。そのためにどうこうというのはおかしいわけで、いままでだってそれは同じですよ。三百万台つけたときは、ほかの電話につながらぬでよかった、今度つける二百六十万台は三千万台全部につながらなければならぬのでという理屈はないのですよ。この理屈だけ直さなければならぬ、その限りでは。そうすると、何でこんなにふくらむのかわからないのですよ。
  107. 米澤滋

    米澤説明員 お答えいたします。  先ほど申し上げましたように、私たちといたしまして、建設投資を絶対にふやしたいと思っているわけではございません。それですから、ただいまの数字の中身につきましても、何と言いますか、十分それを圧縮することをやるということで御了解願いたいと思いますが……。
  108. 阿部未喜男

    阿部(未)委員 これはまただれかほかの人がやるでしょうから。ただ私は、いまの公社説明ではどうしても納得ができません、これだけは。これははっきり私は申し上げておきます。どうしても納得がいきません。何か、今度つくる電話だけが三千万台の既設の電話とつながるのであって、五十年度につけた三百万台はつながらぬでよかったなんという話になりますけれども、五十年度につけた三百万の電話だってほかの電話と全部接続しておるはずです。今度つくる二百六十万だってやはりほかの電話と接続するわけです。そういうふうに考えていきますと、二十九万が三十一万になった、これはわかりますよ。これは物価が上がった、人件費が上がった、わかりますから。そうしたってつくる台数が一割以上落ち込んでおるわけですから、総体の金が立ち上がる理屈はないというふうに思うのですが、時間がだんだん迫ってきましたから、後で昼休みにでもよく説明していただきまして、納得がいかなければまたやりますよ。  次の問題ですが、この赤字の原因の中で、減価償却というのが、さっきから申し上げているように非常に大きいウエートを占めておるわけですけれども、これは前から非常に議論になっているわけです。いわゆる定率制でいくか、定額制でいくかということで議論になっておるところです。そうしますと、たとえば定率制の場合には、初めの方の償却が大きくて終わりの方の償却が少なくなる。定額制でいけば、終始ずっと同じ額が一貫していくわけですから、当然いまの公社の資産の中には、減価償却の対象になるものの中には定額制の方が妥当であると思われるものが相当ある。たとえば建物、それから工作物、こういうようなものは私はもう定額制をとる方が今日の常識では妥当ではないかと思うのですが、そういう点についてこれを定額制にかえる。それからもう一つは、耐用年数、これも非常に問題になっています。電話機を六年でかえるとか、五年でかえるとかいろいろ計算があるようですけれども、私のところの電話機なんかもう十年ぐらいかわからぬような気がしておるわけです。かわっていません。ところが、耐用年数は非常に短く、こうなっておるようで、耐用年数についてももう一遍検討を加えてみる。そうしますと、減価償却の方はぐっと落ち込んでくるのではないか。減価償却がぐっと落ち込んでくれば、少なくなってくれば、損益勘定の中の減価償却費が減ってくるわけですから、黒字が出るかどうかわかりませんが、非常に料金値上げとの関連では損益勘定ではやりやすくなると言いましょうか、そういう形になってくるのではないか。減価償却はしたがって損益勘定に相当の影響ありと私は考えますので、いまの減価償却方式を改めるべきではないか。この点どうでしょう。
  109. 好本巧

    ○好本説明員 お答え申し上げます。  昨年の予算委員会の分科会の席におきましてもいまの御指摘と同じような御指摘がございまして、建物、工作物につきましては定額の方がなじむのではないかというふうな御指摘がございまして、その席で総裁が、前向きで検討いたしますというふうにお答えいたしました。その後一年以上いろいろ調査をいたしまして、建物及び工作物は件数にして八万件ぐらいございますけれども、その中で昭和三十五年度から昭和四十九年度までの間におきまするところの全撤去財産一万八千件全数に当たりまして、その実用の耐用年数を調査いたしました。その結果は、おおむね現在決めておりますところの耐用命数と比べて同じかあるいは少し短いという数字が出ております。しかしこれはあくまでも過去のことでございまして、五十二年度以降となりますと、やはり特に建物といいますのはほかの企業と違いまして、電話の交換機、通信施設が入っておるいわゆる入れ物というふうな性格が強いものが非常に多うございますので、昭和三十五年度から最近に至りますところの自動改式あるいは急激なる交換機の増大に伴うところの局舎の廃止、こういうことがいままで非常に大きな原因であったわけでありますが、五十二年度済みまして、その後はやはりそういったものの陳腐化といいますか、撤去の傾向というものはやはり鈍化するのではないかというふうな御指摘に対しましては私どもも同感でございます。したがいまして、これを今後建物、工作物につきましては定額法を導入していきたいというふうに考え検討を進めていこうと思っております。
  110. 阿部未喜男

    阿部(未)委員 じゃ、まあ建物と工作物については大体定額方式でやっていきたい、そういう御趣旨のようですから賛成でございますが、耐用年数について、一般の機械類等の耐用年数については検討の余地ありませんか。
  111. 好本巧

    ○好本説明員 建物、工作物以外の電気通信線路及び電気通信機械、そういったものにつきましても三十五年度から四十九年度までの撤去財産全数についてこれも当たって検討しておりますが、これにつきましても、やはり耐用命数に比べまして実際の実存寿命というものは同じかあるいは短いというのが出ております。また、これについて定額にするかどうかという問題につきましては、若干事務的なことになりまして恐縮でございますが、やはり定額方式をとりましたときはただいまのような総合償却の制度をとりますと過小償却ということのおそれもございますので、やはり個別償却を導入しなければいかぬというふうに考えております。     〔三ツ林委員長代理退席、委員長着席〕 また、いま建物、工作物等の定額法を導入しております国鉄その他も全部個別償却をやっておりますので、その方向でやりたいと思いますが、電気通信施設は、私どもの企業の物件はきわめて膨大でしかも種類が非常に多うございますので、これを個別償却で個別に管理していくということはきわめて困難で不可能に近いと思います。
  112. 阿部未喜男

    阿部(未)委員 そういう形で言えば個別はむずかしいかもわかりませんけれども、実質的にはしかし機械類は全部ひっくるめて何年というのではなくて個別になっているんじゃないですか、耐用年数は。
  113. 好本巧

    ○好本説明員 ただいま定めておりますところの耐用命数は、ただいまの御指摘のとおり電柱でありますとか地下管路、交換機でありますとかクロスバー交換機でありますとか、そういうふうにくくって耐用命数を定めておりますが、一つ一つの施設、設備につきまして、その一つ一つを帳簿に入れてそれをどれだけ償却が済んだ、いまは残存がどれだけであって償却不足が何円であるかというふうなことはやっておりませんし、非常に困難だと思います。
  114. 阿部未喜男

    阿部(未)委員 それはまあ一つ一つ耐用年数を決めてやっていけば大変でしょうが、いまやっておる耐用年数も、おっしゃったように、ひっくるめてではあっても電柱は電柱、交換機は交換機というふうな、クロスバーならクロスバーの交換機が何年というふうになっておるはずですから、それでもっていまの定率制がとられておるわけならば、それをそのまま定額制にかえてもそう大きい狂いは出てこないのではないか。確かに個々の機材について言うならばそれは違いが出るかもわかりません。しかしひっくるめて言う中ではそう大きい違いが出ないのであって、したがって、定率での減価償却ができるのならば定額での減価償却も不可能ではない。それで耐用年数は検討し直してみる。これはむずかしい問題でしょう。ですが、いま私が申し上げた趣旨で耐用年数をある程度ひっくるめてみても果たして妥当なのかどうか。いま申し上げたように、電話一つ例にとってみましても、公社の言う耐用年数とわれわれのところに配置されている電話機の耐用年数、実際の使用年数を勘案してみますと、公社のおっしゃるようにはなっておらぬように思われますが、どうですか。
  115. 好本巧

    ○好本説明員 御指摘のとおり減価償却制度は、耐用命数を正確、妥当に決めるということ、それと償却方法が妥当であるという二つがございませんと償却を誤るものでございます。したがいまして、常に実存寿命を規定された耐用命数に合致させるべく努力をするということは非常に大事なことでございまして、私どもも数年に一回、ただいま申し上げました四十九年以前のものも相当詳細にやっておりますが、常にそれを調べたものを、たとえはただいまの宅内の電話機は耐用命数九年でございますが、これは御案内のようにあくまで平均でございまして、中には二、三年で撤去するものもございますし、中には二十年ももつものもあろうかと思います。しかしそういうふうな命数も数年に一遍よく洗いまして、実際に近いものに常に修正していく必要があろうかと思います。ただ、建物工作物の場合と電気通信施設の場合は相当違いますので、その点は御理解いただきたいと思います。
  116. 阿部未喜男

    阿部(未)委員 それでは総裁、これは検討課題にしていただいて、耐用年数が果たして妥当であるかどうか、それからまた、耐用年数の妥当性がそれぞれについてはっきりわかってくれはある程度くくって、そして定率がいいか定額がいいか、この問題はひとつ検討課題で預けておきます。  その次に設備料の問題ですが、これはもういままで議論されておりますので繰り返して申しませんけれども、設備料というのが部外資金として扱われておる。なぜあれが部外資金なのだろうか。それなら部内資金というのは一体どういうもので、部外資金とはどういうものか、もう一遍説明してみてくれませんか。
  117. 好本巧

    ○好本説明員 内部資金と外部資金の分け方でございますが、通説と思われるものに従いますと、損益計算におきますところの内部留保、利益金のようなもの及び減価償脚引当金というふうなものを資本勘定の方へ繰り入れるということをやっておりますので、そういうものは内部資金であります。それで外部資金といいますのは、借入金、債券発行の収入あるいは設備料、そういう利用者あるいは不特定の人からお金を借りているもの、あるいはいただくもの、こういうものを外部資金というふうに整理しております。
  118. 阿部未喜男

    阿部(未)委員 その趣旨はわかりましたけれども、いまの公社の資本勘定から見ますと、どうも外部資金というのは、たとえばお返ししなければならない借入金とか債券とか、そういうものの性格で位置づけた方が私ども素人にはわかりいいわけです。そしていわゆる内部資金と呼ばれるものは、設備料のようにもう公社が実際いただいてしまって返す必要がないもの、それからさっきの損益勘定から繰り入れてくる減価償却とか剰余金の組みかえとか、そういうものがいわゆる内部資金と呼ばれる方が私ども非常にわかりやすいのですけれども、いまのような説明もあるわけですから一概に言えぬかもわかりませんが、これは公社で変えるわけにいかないものなのですか。
  119. 好本巧

    ○好本説明員 会計の処理の基本に関することは、公社法に基づきまして郵政大臣認可を得て定めることになっております。したがいまして、財務諸表の中のそういう様式、表現、そういったものも大臣認可を受ければ修正できると思います。
  120. 阿部未喜男

    阿部(未)委員 大臣、いま申し上げたことおわかりになるでしょう。設備料というのは、いま電話をつけるときに金を五万円納めるわけです。それを公社がもらって、これが外部資金ということになって債券や借入金と同じ項目のところに計上されてくるわけです。ところが、実際はもう公社がもらいきりにもらっているわけですから、返す必要のない金ですから、これはもうそのまま内部資金の方に繰り入れるべきだというふうに私は思うのです。これは経理上の問題ですからそうこだわりませんけれども、性格上ちょっとわかりにくいので聞いておきたいのです。大臣どうですか、それは。郵政省、やれませんか。
  121. 好本巧

    ○好本説明員 御指摘のように設備料は、加入者電電債券と同じように、貸借対照表におきましては資本勘定の資本剰余金というところに計上をしております。これは電電債券と同じように、利用者、加入者、受益者の方にその設備料を工事費の一部に充当するという目的でいただくものでございますので、これはちょうど内部留保を資本勘定に繰り入れましたものが利益剰余金として資本を追加造成するという形で記帳するのが企業会計上正しいというふうに私どもは信じております。
  122. 阿部未喜男

    阿部(未)委員 私はそういう会計法上のことは余り詳しく知らないのですけれども、前に一回、費目をちょっと訂正してもらったことがあるのです。あれはたしか財投何とかいう項目で、財投は何か二百億ぐらいしかないのに借入金が何か千何百億ある、それなのに財投という言葉が使われておるのはおかしいじゃないかと言ったら訂正したのですよ。そうですね。
  123. 好本巧

    ○好本説明員 予算上資金計画の中で、外部資金の中で財政投融資と借入金その他がございましたのを財投等というへッディングでくくっておりましたのを阿部先生指摘されまして、直ちに修正いたしました。
  124. 阿部未喜男

    阿部(未)委員 そうですね。だからできぬことはないわけです、大臣。さっき電電債券、加入者引受債券と同じようなものだとおっしゃったのですが、私は全然違うと思うのです。債券はこれは明確に借り入れです。公社加入者にお金を貸してもらっておるんですから、極端な言い方をすれば。それを法律で義務づけて、電話を架設するときには十五万円の債券を買って電電公社にお金を貸してください。これが債券の性格ですよ。  設備料はそうではないのです。設備料は、これはもう初めから現金で公社にくださいということで公社が取ってしまうのです。したがって、これは明らかに公社のものです。債券は加入者のものであるけれども、設備料は公社のものになってしまっておるのです。公社のものになってしまったものがなぜいつまでも外部資金なのかです。公社のものになってしまった以上はこれは内部資金ではないかというのが、会計法上はともあれ常識的な解釈ではありませんか。
  125. 好本巧

    ○好本説明員 確かに御指摘のように債券は借金でございまして、設備料は無利息、無償還のものでございますから、その点においては全く性格を 異にするものでございますが、しかし、これは電電公社の資金上の事情から加入者の方にまげて五万円あるいは八万円をちょうだいいたしたいということで、それは加入者、お客様に対しては、電話を新しく増設するための工事費の一部に充当するのであるということでいただいたものでございますから、これを損益計算に入れまして物件費とか人件費の方へ費消してしまうということは、趣旨も違いますし、そういうものはまあ、増資のようなものでございまして、私どもとしては、資本を造成するというふうなものでやはり外部資金であり、資本剰余金が正しいと思います。
  126. 阿部未喜男

    阿部(未)委員 そこも議論のあるところです。議論のあるところですが、好本理事、私はこれを損益勘定に入れよとは一遍も言ってないのです。それはその趣旨からするならば、建設の剰余金か何かで、資本剰余金か何かで計上する方が経理上正しいだろうと思います。あなたは先走って、私が何か損益勘定に入れよと言ったようなことを言うけれども、私はそんなこと言ってないのですよ。名称として、内部資金なのかそれとも外部資金なのかということを私はお伺いしたわけなので、その意味からするならば、私は内部資金という名称の中で、たとえば減価償却からの繰り入れあるいは損益勘定の剰余金の繰り入れ、それからいま申し上げた設備料というものを内部資金の項に入れていく、そういう経理の仕方の方がわかりやすくていいのではないか、こう聞いておるのですよ。どうなんですか。
  127. 好本巧

    ○好本説明員 ただいま損益計算のお話をいたしましたのは訂正いたします。取り消します。やはりそういう目的で加入者の方からいただいて建設費の一部に充てる、いわば資本の造成に充てるというものでありますから、外部資金、内部資金と分けるならば、やはり外部資金の方がベターではなかろうかというふうに思っておる次第でございます。
  128. 阿部未喜男

    阿部(未)委員 これはいまここで議論してもなかなか結論は出ないでしょうが、総裁、これはもう一つ検討課題で、やはりさっきから国民にわかりやすいように、国民の電信電話にしようというのなら、取りきり取ってしまった金をあたかも借りたような項目の中に入れておかぬでもいいじゃないですか。はっきりこれだけもらいましたと言えばいいのですから。  そこで、もう一つこの設備料についてお伺いしたいのですけれども、これもいままで議論しておりますから繰り返しませんが、そのように取りきりに取ってしまった、あなたは無利息無償還とおっしゃいましたが、無利息無償還というのはもらってしまったということになるわけでございます。もらってしまった金が建設投資に回った場合、民間の会社ならばその分は固定資産を減らしていくのですよ。ところが電電公社の場合はそれも含めて固定資産にしてあるから、一遍電話をつけるところにお金を出して、そのお金が固定資産になって、今度また減価償却という形でまた通話料といいますか利用料の中に含まれてくるという二重の負担を加入者はせぬならぬことになっておるのですが、これは会計法上どういうことになるのですか。
  129. 好本巧

    ○好本説明員 減価償却は、すでに先生案内のように取得価格をその耐用命数分で、その期間を一会計期間ではなくて耐用命数の存命する期間中に何年かに割り振りましてそれを配分するという会計上の技術であろうと思います。したがいまして、減価償却は取得をした固定資産をそういうふうに年度に応じて配分する方法でございますので、減価償却をしないということはその固定資産をつくりましたときの資金の源泉、すなわち、これが借入金であるのか出資であるのかあるいは設備料であるのかあるいは寄付であるのかあるいは内部からの利益金であるとかいろいろな資金源泉があろうかと思いますが、とにかくその現金をもって固定資産をつくるわけでございますので、造成されました資産というものはやはり生命の期限があるわけであります。しかも事業は永続いたしますので、もしそれを減価償却しないと仮定いたしますと、何年かたつとさらに再度あるいは三度、またそういう固定資産を新しく取りかえて造成しなければいけないという時期が必ず来るわけでございます。そういうことでございますから、一度設備料としていただいてその現金でつくりました固定資産も、やはりその寿命に応じて減価償却をやってまいるというのが正しいと思います。
  130. 阿部未喜男

    阿部(未)委員 民間企業の場合、たとえば電力会社の場合が一番いい例じゃありませんか。たとえば一億の工事費がかかるとすれば、そのうち設備料と同じようなものを三千万電気をつけてもらう方で、利用者の方で負担をする。そうしますと、一億の工事をして固定資産ができても三千万はのけて、あとの七千万を固定資産として減価償却の対象にしていく、こういうやり方に電力会社の場合なんかはなっているわけです。そうでしょう。ところが電電公社の場合は、一遍取りきりに取ってしまった金を、建設工事に使ったからそれを含めた固定資産で減価償却をやる。それはいま好本理事がおっしゃったような形をとっておる。そうすると、金を出した方は、電話加入する際に五万円も取られた上に、これでできた設備の減価償却が要りますからまた金を出してくださいとまた取られる。こういう形になるわけですよ。そうならないですか。
  131. 好本巧

    ○好本説明員 いま御指摘になりました電力会社の例は、電力とかガスとかそういう公益事業の税法上の圧縮記帳のお話かと思いますが、確かに電力会社のようなところは税法に従いまして設備負担金、私どもで言いますと設備料のようなものでございますが、そういうものが現金で入りましたときにそれでもって固定資産を形成いたしましても、貸借対照表上は固定資産をそこへ載せない、現金の流動資産の方にも載せない、それから損益計算の方にも載せない。いわば全部載せない形をとっております。これが圧縮記帳と称せられるものでありますが、これは御案内のように商法上の規制から資本剰余金といいますか、資本勘定の方に負担金を入れることができないような規定になっておりますので、入れるとするとこれは損益勘定に入れざるを得ない。損益勘定に入れますとそれが全部その年の利益の方に回りまして、一年で相当大きな課税をするということを避けるためにそれを損益勘定にも入れない。しかしながら、先ほど来のお話と関連がありますが、この分につきましては減価償却しないわけでございますから、見せかけ上は利益がそれだけふえるわけでございます。減価償却をしないわけですから、それだけ分利益が水増しされるというようなかっこうに相なりますので、その耐用命数期間中においての配分の中におきまして、毎年度の利益のふえた分について課税する、こういう課税上の措置だと思いますが、それはやはり資本勘定の中にも入れられない、損益勘定に入れると非常に課税上問題があるというふうなことからなったのだろうと思いますが、私の方とは非常に事情を異にしておると思います。
  132. 阿部未喜男

    阿部(未)委員 いまちょっとおもしろいことをおっしゃったんですよ。電力会社の場合の設備料に見合う金を、入れるとすれば損益勘定に入れなければならないが、損益勘定に入れれば大変かさがかさんできて税金はたくさん納めなければならないので、そうすると先ほどの理論にもう一遍戻りますが、設備料は損益勘定に入れるとすれば入れられる、そういうことになりますか。
  133. 好本巧

    ○好本説明員 入れるとすればと申し上げましたのは、資本勘定の方に入れることができないという規制が電力会社の場合はございますので、したがいまして、それはどこかに入れようと思うと損益勘定に入れざるを得ないであろう、そうすると利益が単年度に非常にふえて期間計算上も問題があるし、課税上も問題があろう、そういうことで税法上決まったのだろうというふうに聞いております。
  134. 阿部未喜男

    阿部(未)委員 そうすると、電電公社の場合も設備料を損益勘定に入れても悪くはないというふうな理屈になりそうな気がするのです。さっきは私は性格上やはり資本剰余金というふうな形がい いのではないかと申し上げましたけれども、一番わかりやすくするとすれば、設備料は損益勘定に入れるのが一番わかりやすいのですよ。本来金の性格は損益勘定みたいなものなんです。ただ、電力会社の場合にはそこに持っていくと大変利益がふえて税金をたくさん納めなければならないからそういう措置がとられておるわけですから、それなら電電公社の場合はそのまま損益勘定に持っていけば一番わかりやすいじゃないか、そういう理屈になりますが、そのことについてはもういいです。  ただ、私は結論を言います。  この問題についてはそういう取り扱い上おかしいところがあるので郵政大臣がこれは検討をするということを、私どもの党の堀委員質問に対してお答えになっております。それから何年たちますか。検討したのかしないのか、したならばどうなっておるのか、そのくらいのことを出してこないから、同じ問題が二遍も三遍も提起をされて——何か何遍も紙を持ってきておりますか私はまだやめませんよ。やめませんが、こんな紙を持ってくるというのは、そういうことをちゃんと電電公社がやっていないからですよ。あのときの責任者である大臣答弁に基づいていまの設備料の問題を一体どういうふうに検討した結果がどうなったのか、国会をあなた方は軽視しておるのじゃないですか。これは総裁責任です。どうですか。
  135. 米澤滋

    米澤説明員 お答えいたします。  私は会計の詳しい専門家でございませんが、資本勘定というものがあるので、そこに入っておるというふうに聞かされております。確かに御指摘のように本当に検討させていただきまして処理いたしたいと思います。
  136. 阿部未喜男

    阿部(未)委員 いま総裁お答えになったんですからもう大臣には聞きませんが、事務当局の方も、もう何年も前に検討いたしますと約束をしておる疑問のある問題を、今日までもそのままなおざりにして、そして私がここで三十分も時間を費やしてまた同じことを質問しなければならない、全くむだなことだ。もう少し当局に誠意があって約束したことを守ってくれておったならば、こういうむだな時間を費やす必要はなかったんだと思うのです。しかも、きょうまだ結論が出ない。いま総裁がまた検討ということを約束した、こういうことなんでしょう。全くむだな話じゃありませんか。  時間が少ないので後を急ぎますが、その次に通話料の問題についてちょっとお伺いいたします。  通話料でさっきちょっと問題になったナショナルミニマム関係ですけれども、たとえば六十度数以下を現行料金に据え置いた場合にどのくらい歳入欠陥ができるか、百度数以下を現行料金に据え置いた場合にどのくらいの歳入の欠陥を生むか、あらかじめ申し上げてありますからお答えいただけると思いますが、どうでしょう。
  137. 玉野義雄

    ○玉野説明員 六十度数以下を据え置きますと、三年間で千五百七十億違ってまいります。それから百度数以下を据え置きますと二千四百七十億程度違ってまいります。
  138. 阿部未喜男

    阿部(未)委員 膨大な金ではありますけれども公社全体の資金の中から見れば、百度数以下の通話料を現行どおりの七円でいくとすれば、三年間で二千四百七十億しか歳入欠陥は生まれない、こういうわけですね。片方では基本料を倍に上げるわけでしょう。今回は五〇%、来年また五〇%、これも問題があるけれども、上げる。基本料を大幅に引き上げるわけですから、せめて通話料については、百度数以下くらいは現行のままでいく。三年間で二千四百七十億ということなら一年で一千億足らないのですから、その程度のことはできるでしょう。総裁、これはどうですか。
  139. 遠藤正介

    遠藤説明員 お答えいたします。  金額的にも三カ年間で数千億ということになりますと、数千億といいますか、千億ないし二千何百億ということになると、決してばかにならない数字だと思います。私どもの現在の財務上から言いまして、ゆるがせにできない数字でございます。それと、これにつきましては実はいろいろ問題があると思うのです。それは、阿部先生恐らくシビルミニマムという観点からおっしゃっておられると思うのですが、百度数以下を仮に全部やりますと、大会社の多数の電話につきましてもこれをやることになります。これは果たしてシビルミニマムというものに、いろいろ定義はございましょうが、合致するのか。突き詰めていくと、そういう大会社なり、先ほど先生が御指摘になったような、福祉的な方々とかあるいは住宅電話というような方々とは少しケースが違い、シビルミニマムという観点から問題があるのではないだろうか。しからはそういう大会社はやめて、住宅用だけということになりますと、この住宅用、事務用という分け方は、御存じのように社会的な分け方ではございません。これは公衆法の別表に書かれておりますように公社独自の分け方をしておるわけです。したがいまして、たとえば住宅用の中にも大変な大金持ちの方もおられる反面、あるいは事務用の中にも職住兼用といいますか、魚屋さんですとかおそばや屋さんですとか、先生のお立場からいうとシビルミニマムに該当させたいという方もおられると思うのです。そういったようなものを仕分けいたしましてやるということになりますと、これも一つ考えかもわかりませんが、これは大変な作業が伴いまして、コンピューターでやるにしましても、手作業でやるにしても、料金作業に非常な手間がかかり、私どもの労働組合としてもこの点は非常に問題だろうと私は思います。  それからもう一つは、シビルミニマムとして七円に据え置くということが果たして今後諸般の物価の情勢の中で何年も七円に据え置く必要があるのかどうか。私、いまその立場で申し上げると、今日七円というもの自体がすでに日本でほかに類のない価格でございますし、あるいは十円にいたしましても余り例のない、いわゆるシビルミニマム的な料金でございますから、そういった形で、これはせっかく先生の御提言でございますけれども、私どもも十分検討はいたしましたが、それをやることは非常に困難であり、またシビルミニマムという観点からも少し疑問がある、こういうぐあいに思っております。
  140. 阿部未喜男

    阿部(未)委員 もっと私は徹底的にこの問題を議論したいのですけれども、加藤先生からやかましく言われて困っておるのですが、ただ総務理事、私の一番言いたいところをあなたは言ったのです。大会社の電話も百度数までは七円であるというならば、シビルミニマムという観点からおかしいじゃないか、そこは私の一番言いたいところです。当初私は、住宅用と事業用に分けるべきではないかと考えたけれども、これも総務理事がおっしゃったように、事業用の中にもシビルミニマム的な性格の通話というのが相当数あるとは考えざるを得ません。それと、早く電話をつけるために事業用でつけた電話もあります。そういうことを考えてみますと、どこかでくくらなければならぬ。どこかでくくるとするならばどこでくくるかということで考え出したのがこの度数の中でくくったらどうかということです。そうすると大会社などというところに抜け道ができてくるおそれはありますけれども、どこかでくくるならば、やはり六十度数なり百度数、この辺でくくる以外にくくりょうがないのではないか。そして六十度数までということで決めれば、それは仕事の上でもそうむずかしい問題ではなくくくり得るのではないか。それで三年間で千五百七十億なんですから、これはこの前私が公社総裁質問したときに、三カ月間たったら千五百億予算を圧縮してしまったのですよ。簡単に圧縮できるのです。三カ月で千五百億圧縮できるのですから三カ年で千五百億の圧縮は簡単にできるだろうと私は思うておるから、予算的にはまず大きい問題はない。二つ目に、技術的にかなり問題があるでしょうが、そのくくり方として、いま申し上げたように、たとえば六十度数がいいのか百度数がいいのか、それは別です。それは別ですが、くくってもらって、そこから下は現行の料金でいってもらうことがシビルミニマムという立場から——幾らか漏れができます、大会社など漏れはできますが、これはこの際やむを得ない。なぜこれをぼくが強く主張するかと言いますと、片方で基本料金については何の配慮もなくそのままの倍率で上がっているわけでしょう。そのままの倍率で基本料金は上がっているわけですから、基本料金も上がった、そして今度はまたわずかしかかけない通話料も上がったというのでは負担が大き過ぎるから、基本料金については、したがって私は言わない。基本料金を倍にすることについては言わないかわりに通話料の方をせめて、使わない人たちのために、余りたくさん使わない、本当に生活のために使っておる程度のものについてはこれをぜひ生かしてもらいたい。そうでなければ基本料の問題にまたさかのぼって、基本料の地域別の格差が級別になぜあるか、その問題からまた議論しなければならないのですよ。そこまではもう言いたくないから、基本料については、これは明らかに事業用と目されるものについてはこれから先はもっと高く上げてもらっても構わぬと思います、差をつけてもいいのじゃないかという気もしますが、基本料は触れませんから、この通話料については、いま申し上げましたような趣旨で、基本料が同じ倍率で上がっていくのならば、せめて通話料についてだけはシビルミニマムの観点から、そう大きい金額でもないのですから、公社の努力次第でやれないものじゃないのですから、三年間で千五百億、六十度数でくくれば、そのくらいのところは誠意を見せてもいいのじゃないですか。
  141. 遠藤正介

    遠藤説明員 時間の関係があるようですから私も簡単にお答えいたしますが、基本料につきましては、仮に倍に上がりましても、事務用、住宅用の格差というのは歴史的な経緯で現在も残しております。約七割の格差を残しております。ただ通話料につきましては、私がさっき申し上げたような点がありますし、それからいま先生のおっしゃったように、六十度というのはたとえば一日二度数で三十日、これはわかります。わかりますが、それをたとえば大会社についてもシビルミニマムでいくというのはこれは私は相当な問題があると思います。さりとて六十度以下の人だけということになると、これは作業上非常に問題がある、あるいは物価水準からも問題があるということで、それを何か前向きに検討しない限りはまた基本料の議論をされると言われるとこれも困るのですが、私としましては、通話料の方は、先ほどちょっと申し上げましたように、福祉とかそういったようなものについて総体的な料金体系の中で考えていくことは今後検討さしていただきますが、当面この問題についてはお許しを願いたい、こういうように思います。
  142. 阿部未喜男

    阿部(未)委員 結論を出さなければ、途中で中途半端になってしまうので困るのですが、総務理事のお考えはよくわかりました。しかし総裁なり大臣お聞きになって、いま七〇%の差額と言ったけれども、三割です、基本料の差は三割ですが、基本料がことし五〇%上がって来年また五〇%上がって倍になるのですよ。だから電話機を持っておるというだけでいまの電話料の倍を毎月納めんならぬことになる。これは法案が通れば間違いのない事実。その上にまた電話をかけるたびに三円ずつ高くなっていくわけですから、せめて生活の最低の限度のところに筋を引っ張ると、いろいろ矛盾が出てくることも私は承知しております、総務理事のおっしゃることはわかりますよ。大会社の場合も、しかしいいじゃないですか、大会社の場合でも六十なら六十度数まではそれを七円で認めてやったとしても、総額で三年間で千七百億、一ヵ年に直せば六百億ですか、一年六百億程度じゃありませんか、このぐらいのことをいまの公社の経理上やってやれない数字ではない。だから、基本料を上げるのならば、せめて通話料については若干の矛盾はあるけれども一番やりやすい方法で、百度数まではあるいは六十度数までは現行料金に据え置いてもらいたい。そうむずかしい作業じゃないじゃないですか。大臣、あなたはどうお考えですか。
  143. 福田篤泰

    福田(篤)国務大臣 十分専門的な立場から研究してもらいたいと思います。
  144. 阿部未喜男

    阿部(未)委員 総裁どうですか。
  145. 米澤滋

    米澤説明員 先ほど総務理事が答えましたような事情でございまして、この問題は将来の問題として研究させていただきたいと思います。
  146. 阿部未喜男

    阿部(未)委員 このぐらいのことが、この委員会で議論をしてできないというのならば、これは委員会で議論しても全く意味がない。もう出したものは絶対変更しないんだという以外にないような気がするのです。これが何兆とかの予算なら別ですよ。例を申し上げましたけれども、この前十二月に公社が策定した建設計画の案と二月に策定した案はたった三カ月の間に千五百億圧縮したじゃないですか。それぐらいのことが簡単にできる公社が、この一番大切な利用者に対するサービスの面で年間わずか六百億ぐらいのことができるもできないもないじゃありませんか。全くやる気がないんだ。このぐらいのことができぬというなら、全体的に、われわれは承認するとかあるいは通過してもやむを得ないということにはなかなかなりませんよ。それじゃ、もういっときいまのままで公社はがんばってみますか。値上げせぬでがんばってみますか、どうですか総裁
  147. 遠藤正介

    遠藤説明員 これは、私どもとしては決して現在まで検討しなかった問題じゃございません。しかし、これは先生案内のように、実際の料金徴収義務なり請求書発行義務がありますのは組合員であります。したがって、組合とこの問題はずいぶん議論をいたしました。しかしこれは実に大変な作業を現場の人に強いる、しかもその反面、財務上の金額の問題は別といたしまして、シビルミニマムという精神から言っても、余りにも、事業用の大会社に全部やってしまうということはあれだということもありまして、私どもとしては検討はいたしました、十分検討いたした上でお答えをしておるわけであります。
  148. 阿部未喜男

    阿部(未)委員 総務理事のいまの答弁は非常に重要な内容を含んでいますが、それでは、こういうやり方についておたくの実務を担当しておる労働組合も賛成でないというように聞こえるのですが、そういうように受け取っちゃいかぬのじゃないですか。
  149. 遠藤正介

    遠藤説明員 そういうぐあいに全電通としてこれに反対だというようなことを申し上げたわけじゃありません。しかし組合員の作業のロードという点から、もちろんこれは全電通の方々とお話した結果でございますが、私どもとしても検討した結果、いま先生お答えしたような結論を出した、こういうことであります。全電通として反対だという決議をしたとかいう大それたことを申し上げているわけじゃありません。
  150. 阿部未喜男

    阿部(未)委員 余り大それておらぬけれども、いまの議論はそこまでにしておきます。  加藤先生がやかましいから、まとめて質問しますからまとめて答えてください。  まず、いまの問題に関連するのですが、これからの設備料については、設備をすることによって利用が非常にたくさんある事業用のものと日常生活に欠かすことのできないシビルミニマム的な住宅用のものについては相当な格差をつけていいのではないか、こういう考えを持っております、これが一つ。  それから、二点目に、先ほど田中委員から質問がありました認可料金関係ですが、法定料金認可料金とは、リンクする部分が非常に多いわけなんです。したがって、認可料金の方の内容がわからぬずくに法定料金だけを決めてしまうというのは、これはまことにいびつな形になってくる。したがって、法定料金がこうなる場合に、認可料金はこうなるというような形がやはり出てこなければ、私は本当の議論にならないような気がするのですが、認可料金についての、法定料金とリンクする部分についての大きな考え方について聞きたいのです。  それから、公社の関連企業の方々が大変お困りになっておる、これは私どもよくわかります。非常に数も多いようですし、公社の発注は何といっても一兆五千億という建設投資ですから、これはよくわかりますが、特にその中で中小の業者がし わ寄せを受けておるように見受けられるわけです。したがって、予算がどうなるかそれは私わかりませんけれども、特に電電公社の関連企業の中の中小下請について、特段の配意をしてもらいたいと思う。これができるかどうか。  この三つを答えてもらいたいと思います。
  151. 玉野義雄

    ○玉野説明員 設備料につきましては、現在まで、事務、住宅、一律でやっておるわけでございまして、債券は、これも一律で、級局別の格差ということでやっておるだけでございます。設備料につきましては、工事の一部に充当するということでございますが、たとえば電話局からお宅までの加入者回線等を見ますと、これは大体十二万円ぐらいかかるわけでございますが、この辺は事務も住宅も同じでございますので、私たちはそういうような意味で同率にしておるわけでございます。  それからもう一つ認可料金法定とリンクするものでございますが、これは、たとえば、基本料でまいりますと、共同電話の基本料とか、いろいろ認可はございますが、これはやはり法定の基本料と同じように、五十一年度は一・五倍、五十二年度は二倍と、こういうふうにそのままスライドしてやっていくというふうに考えております。
  152. 三宅正男

    ○三宅説明員 関連企業の中小企業に対して配意をしろ、こういうお話でございました。私ども、現在、相当程度の工事費の削減等をやらざるを得ない状態になっております。中小企業等に対する配慮等、十分とは申せませんが、できる限りのことはやってまいっております。数字だけで申し上げますと、メーカーに対しましては、現在までの発注額で、全体といたしましては、平均八〇%程度になっておりますが、中小企業分だけは九〇%を確保しておる。さらに工事関係も、全体としては九〇%にダウンしておりますが、中小企業対象だけを考えますと、昨年とほとんど——先ほどから申し上げました数字は昨年度対比でございます。昨年度とほとんど変わりない金額のものを発注しておる。こういうふうに現在まで配慮をしてまいっております。  この点は、今後、もし料金の成立がおくれますと、さらに工事費の削減という問題が出てまいりますが、こういった線で、できる限りのことは何とか配慮はしてまいりたいというふうにも存じておりますし、あるいは通産省、労働省の方でも、中小企業対策という面で、特に関連企業に対する御配意をいただいておりますが、根本的にはやはり、今後このままの状態が続きますと、相当な発注の削減ということをせざるを得ないというのが実情でございます。
  153. 阿部未喜男

    阿部(未)委員 十分、特に中小企業に対して、配慮をいただいておるということなので、今後もなるべく、予算の削減があっても、中小企業については十分な配慮をやっていただきたいと、お願いをしておきます。  大体わかりましたが、設備料がいまの案でいくと値上げになるのですが、一つは、さっき申し上げた、事業用等で非常に利用度の高いものについては設備料をもっとたくさんもらってもいいのではないか。この問題が検討に値するかしないか、これが一つ。  もう一点は、設備料の値上げが仮に行われるとするならば、今日まで積滞になっておる分、これは公社責任で積滞になっておるのであって、利用者の方は早くつけてもらいたいということで申し込んでおるのに、公社責任で積滞になっておった分が値上げになったために設備料が五万から八万にはね上がるという心配がありますが、この辺についてはどこら辺に線を引くのか。すでに申し込んでおる者については従来の五万円、これから申し込みをされる者については新しい料金ということになるかならぬかわかりませんが、考え方としてどうなるのか、二点。
  154. 遠藤正介

    遠藤説明員 設備料の事務、住宅の差につきましては、先ほど営業局長からお話ししましたように、設備料の性格上これを区別することはいたさないつもりであります。  それから、設備料の値上げに伴う実施時期でありますが、これはかつて三万円から五万円に上げましたときに当時の郵政大臣が遮断機論という名答弁をなさいましたが、どこで遮断機を引きましても必ず問題は起こるわけでございます。そこで、この問題は法律の施行、効力を発したときを遮断機の時点にするというのが一番妥当な方法であろう、こういうぐあいに思っております。
  155. 阿部未喜男

    阿部(未)委員 いま遠藤総務理事からお話があったのですけれども公社の方としてはそれはそれでいいかもわかりません、設備料の遮断機の問題は。しかし、申し込んでおる側からすれば、まことに私はお気の毒だと思うのですよ。東京におったから申し込んで二カ月目につきました、したがって、設備料は五万で済みました。それがたまたま九州の方におったから、二年も前から申し込んであるのに公社の都合で電話がつかなくて、法律が改正をされて八万円の設備料を取られますということは、利用者の側から見るならばまことに不親切なやり方だ。だから、たとえばこの法律が通った日より一カ月なら一カ月だけさかのぼって、その以前のものは従来の料金、それ以降のものは新料金とかいうふうな線の引き方の方がより正しいのではないか。これはどうです。総裁、あなたの考えをお聞かせいただきたい。
  156. 米澤滋

    米澤説明員 お答えいたします。  この問題は、前回設備料を三万円から五万円に上げたときも問題になった問題でございまして、その経緯もございますので、先ほど総務理事が答えたようなことで御了解願いたいと思います。
  157. 阿部未喜男

    阿部(未)委員 私は了解するもせぬもないのですよ。もう私は電話がついておるから、改めて電話をつけぬから了解するもしないもないが、二年も前に申し込んでおる人たちにあなたたちはそれで言いわけが立つのですか。私は二年も前から電話の架設を申し込んでおりますのに電電公社の資金の都合で電話がつかなくて、しかも値上げになったら新しい料金を取られる。ところが、たまたま隣の町は積滞が少なかったから、同じ時期に申し込んだ私よりも後に申し込んだ人でも電話が早くついたから従来の設備料でよかった。そういうのは余りにも差がはなはだし過ぎるから、その差をもっとずっと縮める意味から言うならば、一番いいのは法施行の一カ月前なら一カ月前、ここで締め切ってやる。そうすればもういまからやろうといっても間に合わぬわけです。すでにいままで届け出ておるわけですから。一カ月がいいか一カ月半がいいか二カ月がいいか、それは別ですよ。しかし、やはりそこら辺で線を引っ張るのが、いままで加入の申し込みをされておる方々にとっての一番親切なやり方ではありませんか。そういうやり方がなぜできないのですか。遮断機をおろすのはどこかでおろさなければならぬ。おろさなければならぬことは私も理解するが、おろす場所はどこが一番みんなが納得できる場所かというならば、たとえば法施行の一カ月前までに申し込んだ者については従来の設備料、それがなぜできないのですか。それができない理由を聞かせてください。
  158. 遠藤正介

    遠藤説明員 あるいは言葉が足らなかったかもわかりませんが、いま先生もこれから先の時点のことは困る、こういう御意向のようでありますから、さかのぼっての場合を申し上げますと、遮断機論をあのとき議論いたしましたのは、仮に一カ月前としましても、一カ月前と二カ月前でどういう区別があるのだということで、それぞれの申込者の中には、どうせ一カ月ならあと一日さかのぼれとかそういったようなことで、どこかで必ず不満がある方は出てくるわけでございますね。したがって、遮断機をどこで引くかということになると、実際問題として一番皆さんに納得していただくのは、法律が通った日というのが一番あれなんじゃないかということであのときもそういたしました。したがって、今度の場合も、確かにおっしゃるように不公平といいますか、そういうことはあることは私は十分了解はいたしておるのですが、それをあれするためには、やはり法律が通ったところで遮断機を引くのが、皆さんに総体的に納得していただく一番いい方法ではないか、過去においてもそうであった、こういうことを申し上げておるわけであります。
  159. 阿部未喜男

    阿部(未)委員 いいです。それでいいから、法律の通ったとき、したがって、それまでに申し込んでおる者は全部従来の適用を受ける、これでいいのですね。——いいですか。いいか悪いか、そこをはっきりしてください。
  160. 遠藤正介

    遠藤説明員 法律施行後架設をする者は申し込み時点にかかわらずという意味です。
  161. 阿部未喜男

    阿部(未)委員 だから、私はその不公平を少しでも緩和するために一カ月前説を申し上げたのです。もし仮に今度は法施行以降ということになると、みんなどんどん申し込んでくるおそれがあるから、そこまで公社のことをおもんぱかって、本当は正確に言うならば、法律施行日の前に申し込んだ者は従来の料金でつけるべきです。本人にその意思があったことは明確なんですから、公社に申し出がしてあるのですから、なぜつかないか。これは本来公社責任でつかないのだ。公社責任でつかないものを、あなたのところはまだついておりませんから、いまからつけるのだから新しい料金ですなんて、それはあなた責任の転嫁ですよ。けれども、それではちょっと無理が出てくるのは、そういうことが決まると申し込みが殺到するおそれがあるだろうということを私は公社のためをおもんぱかって、そこで一番いい時期は一カ月くらい前までに申し込んだ者については、従来の料金でいきましょう、これならばまずみんなが納得のできる線ではないか、こう私が申し上げておるのに、それはこの前議論したことだからもうやらぬとか言うなら、それはそれでいいです。検討に値せぬなら検討に値せぬで結構でございますから、公社も現行の料金のままでしばらくおやりになってみて、それでうまく公社の運営ができるかどうか、その方がよろしいのじゃないでしょうか。——質問やめろ、やめろとやかましく言いますから質問やめますが、米澤総裁、いま私が最後に申し上げたこの一つさえも検討に値しないということですか。
  162. 遠藤正介

    遠藤説明員 私が申し上げておるように、不満のあることはあれです。ただ、しかし先生のおっしゃっているように全部が全部公社の都合で積滞になっているものでもないのです。加入者都合というものもございます。しかしそれは数は少のうございますから、そんなことを申し上げておるわけではないので、不満を前提にした上で、先生のおっしゃるように一カ月という線を引いても、一カ月の前後で必ず不満は残るわけでございましょう。(阿部(未)委員「残っても少ないというのです」と呼ぶ)少ないかどうか数はあれですけれども、その差というものは一カ月という理論的な根拠がございませんから、(阿部(未)委員「理論的根拠を議論しているわけではない」と呼ぶ)理論的根拠が何もないというのでしたらだめなんです。それでこれはお怒りになると非常に困るのですが、過去の例もありまして、確かに議論がございました。私どももそれはあれしておりますが、ただ問題は、私どもはこの法案が仮に通過が近いから、現在の架設をわざととめるとかわざとおくらせる、こういうようなことはいたしておりません。これはいまの状態で架設をしておりますから、いまの状態でもしそういうことがあればおしかりは受けてもいいと思いますが、そこでひとつ御了解いただきたいと思います。
  163. 阿部未喜男

    阿部(未)委員 私の質問に対して全く納得のいく答弁をいただいておりません。慎重審議ということになっておりますので、まだ質問を続けたいのですけれども、昼食もしなければならぬだろうと思いますから、これは人道上の問題になりますので、私はきょうの質問で決して納得をしていないということを公社に通告をして、私の質問を終わります。
  164. 伊藤宗一郎

    伊藤委員長 午後二時二十分再開することとし、この際、暫時休憩いたします。     午後一時三十九分休憩      ————◇—————    午後二時二十六分開議
  165. 伊藤宗一郎

    伊藤委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。  阿部喜男君より発言を求められておりますので、これを許します。阿部喜男君。
  166. 阿部未喜男

    阿部(未)委員 午前中の私の質問の中で、特に六十度数ないし百度数以下のナショナルミニマム料金の設定の問題につきまして公社遠藤総務理事から御答弁をいただいたのですけれども、その中に、何か印象として職員と話し合いをした、特に全電通の労働組合というものがあるので、そこと話し合いをしたというふうに受け取れるような御発言があったのですけれども、どうも少しそれは違うのではないかというふうな抗議といいますか、お話が出ておりますので、もう少し意を尽くして明確にしておいてもらいたいと思います。
  167. 遠藤正介

    遠藤説明員 お答えいたします。  先ほどの私の答弁の中で、全電通あるいは特定の組合とそういう話をしたというように言っておるところがあるとすれば、それは私、取り消さしていただきます。私といたしましては、料金徴収事務をやっている者の立場、これはもうほとんどが組合員でございますが、その立場をいろいろ、労力なんかを勘案いたしまして、公社としてそういうぐあいに思う、こういう意味でございますので、大変御迷惑をおかけいたしましたが、取り消さしていただきます。
  168. 阿部未喜男

    阿部(未)委員 よくわかりました。  終わります。
  169. 伊藤宗一郎

    伊藤委員長 平田藤吉君。
  170. 平田藤吉

    ○平田委員 私は日本共産党・革新共同を代表して、議題となっている電報電話料金値上げ法案について政府質問いたします。  この値上げ法案は、一般電話の基本料金を二倍に、度数料を七円から十円に、設備料を五万円から八万円に、電報料は二倍ないし三倍、それから公衆電話料金も一般電話に見合って引き上げるというものであります。公社はこの値上げで、向こう三年間に料金で二兆五千百億円、設備料で二千百六十億円の増大を図ろうとしているわけであります。  重大なことは、この値上げ案が、大企業が主として利用しているデータ通信やテレックス、専用線などの料金や設備料はほとんど手をつけないで、一般国民が使っている電話などの値上げが主な内容となっているということであります。  政府公社は、値上げの理由として赤字を挙げております。そして四十九年度の千七百五十三億円から始まった赤字の累積額が、このままだと五十三年度には二兆二千百億円になるなどと言っているわけであります。しかも、その赤字の原因は、低収入の住宅電話の増加や物価上昇に伴う人件費の増加などによるものだと宣伝しております。私は政府電電公社のこれからの言い分は事実と違うし、偽りであると考えます。  まず赤字の第一の原因は、電話や通信の設備料や電話料金、通信料金など大企業に不当に安く決められていることにあります。第二の原因は、大企業奉仕のために公社経営規模に比べて過大な設備投資を続けてきたこと。そのための大きな負債をつくって年々膨大な金利負担をしてきたこと。第三に、高成長型の設備投資を促進するために、公社の設備の減価償却費を過大に計上してきたこと。第四に、データ通信など大企業向けの新規設備の増強を重点に推し進めて、あわせて電機産業部門の市場の拡大を推し進めてきたことなどが赤字の主な原因であるというふうに考えます。したがって、これら赤字の真の原因を明らかにしてそれを除去し、電電公社の財政、経営のあり方を大企業奉仕から国民奉仕に変えるならば、今回の値上げはしなくとも済むし、国民の負担を軽くすることもできるというふうに考えるわけであります。こうした諸問題を明らかにするために私に引き続いて土橋議員が、参議院では山中議員がそれぞれ分担して質問する予定であります。重大な問題なんですから、事態国民の皆さんに明らかにするために十分な審議を尽くすことを要求するものであります。私は、順次これらの問題について政府並びに電電公社質問をしていきたいと思います。  まず初めに福田郵政大臣にお尋ねいたします。  国民に大きな負担を押しつけるこの電報電話料金値上げ法案を決定したのは電電公社経営委員会であります。この経営委員会委員五名、特別委員二名でつくられておりますけれども、この五名の中に国際興業社主小佐野賢治氏が加わっていたことは御承知のとおりだと思います。この小佐野賢治氏は前総理田中角榮とはじっこんの間柄で、児玉譽士夫と並んで日本の政界の黒幕と言われ、もっと正確には自民党政治の黒幕と言われており、ロッキード疑獄事件の中心人物の一人と目されているわけでありますが、福田大臣はそのことを知っておられるかどうか、まずお聞きしたいと思います。
  171. 福田篤泰

    福田(篤)国務大臣 小佐野委員の問題につきましては、本年八月本人が辞意を表明することによってやめたと事務当局から報告を受けておりますが、その間の具体的な事情は当時まだ就任しておりませんので、官房長から答弁させていただきます。
  172. 平田藤吉

    ○平田委員 私が聞いておりますのは、そういう人物だということを御存じかどうかということを聞いているのです。
  173. 福田篤泰

    福田(篤)国務大臣 その間の事情はうわさとして承っております。
  174. 平田藤吉

    ○平田委員 米澤電電公社総裁にお伺いします。小佐野賢治氏の経営委員としての推薦があったときに、わが党初め野党は全体として反対しました。わが党は、小佐野賢治氏が政界の黒幕と言われ、虎の門の国有地払い下げをめぐる問題など少なからぬ問題で疑惑を持たれている人物であるから、日本の最大の公企業である電電公社の最高幹部にふさわしくないということを主張してきたわけです。その後においても本会議でもまたこの委員会でも、私はロッキード疑獄事件が起こってから、罷免すべきであるということを要求してきたわけであります。この小佐野氏がロッキード事件が発覚した直後、二月十二日の電電経営委員会欠席しているわけです。私は三月四日のこの委員会で、欠席した事情について質問をしたわけですが、当を得た答弁がなされませんでした。二月十二日の重要な経営委員会欠席した小佐野賢治氏は、当時の新聞報道などによりますと、ハワイや韓国、大阪という方に飛び回ってロッキード事件のもみ消しをやっているのではないかというふうに見られていたわけです。したがいまして、私はこの小佐野賢治経営委員会欠席したということ自体これは重大な問題だというように考え質問したわけですが、米澤総裁は私の質問に対して、詳しく調べましてまた次のときにお答えいたしますと約束されておりますけれども、調べた結果はどうだったか、ひとつお聞かせいただきたい。
  175. 米澤滋

    米澤説明員 お答えいたします。  ただいま平田委員からお話がありましたように、小佐野経営委員がたしか二月の、日にちはちょっとはっきり覚えておりませんけれども、ちょうど間に休みを一日はさんだ次の日に経営委員会が開かれることになっておりました。そういたしましたところが、経営委員というのは非常勤の委員でございまして、公社の職員と違って私が毎日の行動に対して責任を持つような立場にございません。経営委員会というのが月に二回開かれておりまして、いつの日に開かれるかということを大体三カ月の予定をつくりまして決めておりまして、大体朝十時から開かれることになっております。そのときに急に欠席するという御通知がございました。その理由は、どこへ行かれたか、私もそこまで調べることはできませんでしたけれども、新聞報道等によりますと、あるいはいろいろなところを回っておられたかもしれませんけれども、いずれにいたしましても、間に休みがございまして、急に欠席するという御通知がございました。そのようなわけでございまして、あとまた御質問ありましたらお答えいたします。
  176. 平田藤吉

    ○平田委員 それではこの三月四日のこの委員会で私が質問したときに答えられたことよりもまた違ってしまっているじゃないですか。私が質問したのに対して欠席するという通知があった。あれは通知があったのじゃないのですよ。電電公社の側からきょうはいかがでございましょうかというふうに問い合わせたら、実はきょうは行けないんだという話が代理の者からあった、こういう話でしょう。だから、経営委員欠席する以上は、一体病気で寝ていたのか、会社の用事でどこかへ行っていたのか、いろいろありますわ。しかし、とりわけロッキード疑獄事件が重大問題になっているさなかに経営委員会欠席している。しかもハワイから韓国を飛び回っていた日にちに相当すると言われているということになったらゆゆしき重大問題でしょう。だから、あなた方が問い合わせたから欠席すると言ったのであって、欠席の通知をしてきたのじゃないのですよ。その点でも違うし、私用でか、何で欠席したのかについてあなたに聞いたのですよ。そしたら、あなたは後ほど調べまして御報告できるようにいたしますという返事をしたわけなんだから、そこのところが、きょういまの話を聞いていると、また小佐野をかばっているんじゃないかという発言にしか聞こえませんよ。もう一遍答えてください。
  177. 米澤滋

    米澤説明員 あのときにお約束しましたように、確かに調べました。そして、大体いつあるということは前の経営委員会で決まっておりますから、文書課の係員が各経営委員電話しましておいでになるのかどうかを伺うことになっております。したがって、正確に申し上げれば、うちの文書課が、おいでになりますかと聞いたら、欠席だ、そういう通知があったということでございまして、その点、私さっき文書課が聞いたということを抜かしましたが、そのとおりでございます。  それから、経営委員も五人おられまして、たとえば、従来病気で三カ月もお休みになった例もございます。それから、中にはいろいろな講演旅行とかあるいは急な用ができて出るはずだったが出られないということがよくあるのでございまして、経営委員がどういう用でどこに行ったかということは、先ほど申し上げましたように、公社の非常勤の方でありますから、私たちとしましてもそこまで調べるということは従来やっていないわけでございまして、あの当時はわれわれといたしましても、ただ文書課が従来どおり伺ったら来られないということだというふうになっておる次第でございます。
  178. 平田藤吉

    ○平田委員 そういう返事をなさるから時間がかかるのですよ。だから私は五時間もらわなきゃ終わらないと言ったのですよ。とにかく、なぜかというたら、この前も論議したけれども、非常勤で名誉職でやっているんじゃないんだということですよ。政府国会に諮って任命しているのですよ。しかも電電公社、日本最大の公共企業体ですよ。ここの最高幹部でしょう。何十人もいるのじゃないのです、たった五人です。たった五人の中の一人だ。しかも日本の政界の黒幕と言われるような人物ですよ。経営委員会の中ににらみをきかせているだけで物を言わなくたって経営委員会が進む方向は決まっていくぐらいの影響力を持つ人ですよ。こういう人物が何しに行っていて欠席したかというのは重大問題です。しかも、聞くところによればロッキード疑獄事件のもみ消しに飛んで歩いていて欠席したんじゃないかと言われているのですよ。それだけに、私はあたりまえのそこらの会社の非常勤の役員さんが欠席しましたなんという問題とは事が違うというように考えるから、私がこの前質問をしたのですよ。そうでもなきゃ聞きやしませんよ。どういうことか一々調べはしませんのでわかりませんというような話じゃこの前の話とちっとも変わりない。この前は、それで満足できないから調査して御報告いたしますとあなたは約束したのですよ。その場逃れのごまかしをやっちゃだめだと思うのです。私がいま言っている論議をやって、その上で調査いたしますと言ったからこの前は私はその質問は終わりにしたのですよ。あなた約束したことを忘れていいかげんなことをやられちゃ困る。もう一遍答えてください。
  179. 米澤滋

    米澤説明員 お答えいたします。  この前確かにそう申し上げましたけれども、ハワイに行ったからとか、そういうところまで調べるということは実は考えていなかったので、ただ私の方で、文書課がいかなる形でどんなふうにコンタクトしたかというそこを調べたのでありまして、その調べたことの報告をしようと思っておったのでございますが、なお、その調べた経緯につきまして詳しく総務理事から答えさせたいと思います。
  180. 山本正司

    ○山本説明員 お答えいたします。  前回の三月何日かの本委員会で、総裁から、事実関係について調べて御報告する、こういう答弁を申し上げたわけでございまして、事実関係を調べましたところ、先ほども総裁から説明がありましたように、経営委員会の前々日に、文書課の方で資料を届けがてら当日の欠席の有無を確かめるわけでございますが、その際は、小佐野委員につきましては、出席できるかどうかわからない、こういう秘書の話でございました。中に一日、二月十一日の休日をはさんで、翌日経営委員会が開かれたわけでございますが、開催前に、秘書の方から連絡がなかったものでありますから、開会二、三十分前だと思いますが、文書課の方からもう一回電話で確認をいたしましたところ、いや、実はいま公社の方へ電話しようと思っていたのだ、こういうお話で、まだ帰国していないので出席できません、こういう返事が小佐野委員の秘書の方からあったわけでございます。  そういった事実関係を調べまして、委員会が開かれました際に御報告申し上げようというふうに考えておったものでございます。
  181. 平田藤吉

    ○平田委員 その話は、この三月四日の委員会に、あなたしているのですよ。それでは満足できないから、私が、少なくとも法律で決められた手続に基づいて国会の了承を得て政府が任命しているのだ、それを、そういういきさつでございますという話じゃ通らぬ、少なくともロッキード疑獄のもみ消しに飛んで歩いて欠席したと言われている以上は、はっきりさせなければいかぬということを言った。それで米澤総裁が、それでは詳しく調べましてまた次のときにお答えいたします、その上で、そう答えたのです。あなたが言っているのは、この間の三月四日の委員会で言ったとおりのことをあなた言っているのです。だめですよ。私はそんなことを言っているのじゃないのだから。何で、どこへ行っていたのだ、ということを聞いているのですから。
  182. 山本正司

    ○山本説明員 前回の委員会総裁答弁申し上げたのも、欠席の理由の内容に立ち入って調査をして返事をするということを申し上げたわけではなくて、先ほども総裁から御答弁ございましたように、欠席に至る事実関係について公社でまだ調査不十分な点があるなら、調査をした上で御報告申し上げましょう、こういう意味答弁いたしたわけでございます。さらにその後もう一回、小佐野委員の会社の方、秘書の方に問い合わせをいたしまして、先ほどのような結果も確認いたしまして、御返事申し上げた次第でございます。公社は、経営委員会事務当局をやっておるにすぎないわけでございまして、欠席の理由についてかれこれ立ち入って調査をするというようなことは、公社の権限として、ないわけでございますので、そういった欠席の事実関係についてだけ調べて御返事申し上げた次第でございます。
  183. 平田藤吉

    ○平田委員 では、大臣にお伺いしますが、この経営委員会内閣が任命しているわけなんですから、どうしてくれます。いまのような話は前の大臣もちゃんと聞いているのですから。電電公社では、中身に立ち入って調べるだけの——事務当局として仕事をやっているのでございますから、できませんと言うのです。どうしてくれます、大臣
  184. 佐藤昭一

    佐藤政府委員 経営委員会委員の方々はそれぞれほかにいろいろと仕事を持っておられる方が多いわけでございまして、そういった意味で、常に委員会出席できない場合もあろうかと思います。そういった意味におきまして、公社の方も委員の方々が常に熱心に出席して御審議いただいているということを前提にいたしまして、従来あえてそういった理由まで問うていないかと思いますが、出席状況等につきましては報告を郵政省の方も受けまして承知しているわけでございますが、理由については本人の方から特に言ってこない場合には承知していないという形になっております。
  185. 平田藤吉

    ○平田委員 話になりませんよ。小佐野賢治氏がそんなにこわいのか、そんなに隠さなければならぬのか。国会で問いただしたのに対して答弁できないようなそういう人を任命しておくから大変なことになるのですよ。いまのお話じゃ話にならないでしょう。電電公社は、そういうわけでございますからわからないのでございましょうなどというのは話になりませんよ。電電公社事務当局なのでそれ以上突っ込んでやれないというから政府がやるべきだ、こう言っておる。それに対する答えは何です。電電公社はそれだけのことで、それ以上はできないのでしょうという物の言い方でしょう。これじゃ話になりませんよ。小佐野賢治氏が経営委員として動いて歩いた行動について、やはりこれは隠しておかなければならぬから、あなた方はそう言って質問にまともに答えようとしないのでしょうから、わかりましたよ。そういう態度だということがわかりました。小佐野賢治を喚問しろと言ったってなかなか言うことを聞かない。偽証罪で告発しろと言ってもなかなか言うことを聞かない、自民党がですよ。そういうような状態とあなた方とが一致しているということを証明しているのですよ。  では次に進みましょう。引き続いて郵政大臣にお伺いしますけれども、いまの小佐野賢治問題、これは今度の予算にかかわり合いがあるから私はとりわけ重視しているわけです。  そこで、いまの日本の政治にとってあいまいにすることができない問題の一つが、この小佐野賢治氏が中心人物の一人と言われているロッキード疑獄事件だというふうに考えるわけです。三木内閣の閣僚である大臣は、この事件についてどんな態度で臨もうとしておられるのか。所信表明を聞いておりませんので、明らかにしていただきたい。
  186. 福田篤泰

    福田(篤)国務大臣 小佐野氏が経営委員辞任した今日、経営委員との関係については私としてはこの際言及いたしたくないわけです。ただ問題は、ロッキード問題関連という御質問でございますが、これはロッキード問題調査特別委員会で当然取り上げ、そしてまた検討されるべきものと考えております。
  187. 平田藤吉

    ○平田委員 大臣、いま出されて審議されている予算は、小佐野賢治氏が参加した経営委員会で決めてきているのです。関係がないとは何ですか。やめたから関係がないということはないでしょうが。小佐野賢治氏が経営委員やめたところで、彼が参加して決めた予算はこうやって生きて動いているじゃないですか。だから聞いておるのですよ。そうしたら、ロッキード委員会でやっておりますから、そっちに任せてあるから。そういうことで今度組まれてきておる予算の中身が十分検討できるはずがないですよ、あなた。やはり責任を負った態度をとってもらわなければならないですね。ロッキード疑獄事件については、三木内閣国民約束をしているのですから。証人喚問の問題にせよ、灰色高官の公表の問題にせよ、真相の徹底究明の問題にせよ、約束しているのですから。あなたは三木内閣の閣僚の一員なんですよ。だから、どういう態度をとられるのかと聞いておる。そうしたら、ロッキード問題特別委員会検討しておりますから、そんなばかな話はないでしょう。もう一遍答えてください。
  188. 福田篤泰

    福田(篤)国務大臣 ロッキード問題に対する考え方は、これはもう総理もしばしば表明しておりますように、徹底的に真相を究明するという原則を貫くつもりでございます。
  189. 平田藤吉

    ○平田委員 テープレコーダーを聞いておるようなもので、全く責任を負った態度とは言えないと思うのです。  これにひっかかっていてもしようがないから次へ進みますけれども、政治の金権体質がこの事件を引き起こしておるのです。電電公社電気機器関係の大手の業界との関連も、私ども決して見逃すことはできないと思っております。後でも触れ ますけれども、そういう意味では、金権体質を電電公社と業界との関係においてもやはり取り払っていく必要があるというように思っておりますが、大臣のお考えをあわせてお聞きしておきたいと思います。
  190. 福田篤泰

    福田(篤)国務大臣 大企業との関連その他については、具体的にいろいろな御指摘があれば具体的に事務当局あるいは公社から答弁させます。
  191. 平田藤吉

    ○平田委員 電電公社が買い入れる通信機、機器あるいは電話線など七割以上は次の会社から購入しておるのです。日本電気、富士通、沖電気、日立、住友電工、古河電工、ここから七割以上買っておるのです。ところが、私が結びつきが重大であると言っておりますのは、電電公社の初代総裁であった梶井氏は日本電気の元会長になっておりますね。それから公社から天下りした部長以上の幹部というのは日電に二十三名、沖電に十五名、富士通は社長以下六名、大どころはこんな状態なんです。これで、一般に使われておる黒電話、五千五百円くらいでいま購入しておりますか。この電話よりも安くできると言われるプッシュホン、これがあなた一万二千円くらいで買っておるわけでしょう。原価は安いと言われておる。電電公社は資料を出しませんからわかりませんけれども、そう言われておる。そういうものを黒電話の二倍くらいの値段で購入しておるのです。これは挙げれば切りがないのですけれども、こういう事態一つとってみましても、これが公社と企業との癒着をもとにして出てきておるのじゃないかというように考えざるを得ないわけです。こういう意味で、企業との癒着をつくり出すこうした問題、天下りの問題など、具体的にやはり改革していかなければならないというように考えております。総裁の方から先に答えていただいて、後で大臣に答えていただきましょう。
  192. 米澤滋

    米澤説明員 お答えいたします。  ただいま御指摘の数字、私いま手元に資料がございませんから、そのとおりであるかどうか知りません。ただ、ちょっといま伺った中で、富士通は社長は死にましていまはもうおりません。私の方も、とにかく電気通信に関しましては、これは私が言うと少しおかしいのかもしれませんが、世界的な一つのエレクトロニクスの代表的な企業になっております。それからもう一つは、日本のメーカーというのはアメリカ、イギリスと違いまして、線材とか器材とかいうふうに分かれておりまして、イギリスのメーカーとかアメリカのメーカーは線材、器材を両方一つの会社でやっている。ここが非常に違うところでございます。したがって、いわゆるシステムエンジニアリングについては、メーカーの中にはそういう人は一人もいない。したがって、電電公社からいま言ったような人は、数字はチェックしないとちょっとそのとおりかどうか知りませんが、いわゆる専門家としてぜひ来てくれということで行っている人なんでありまして、いわゆる行政官庁で入っているのと違って、専門家として行っている。しかもたとえば最近は、海外協力というような問題が非常に出ておりまして、メーカーによっては売上高の三〇%が輸出というようなことになっておりますが、そういうような場合には、メーカーの中にはシステムエンジニアがいない、そういう点で公社の人しかいないということもあって、確かにぜひ公社の人に来てくれということで、公社でも六十歳ぐらいになると大体やめる、あるいは五十八歳ぐらいでやめているわけですから、そういうような人が行くということもあっていいんじゃないかというふうに思います。いまの数字につきましては、私ちょっと正確に覚えておりませんから、お答えを控えたいと思います。
  193. 平田藤吉

    ○平田委員 いまのお話ですと、天下りはあってよろしいということですね。大臣、そういうことでいいんですか。
  194. 福田篤泰

    福田(篤)国務大臣 天下りがいいか悪いかという問題は、電信電話企業のみならず一般的な一つの課題だと存じています。もちろん原則的には、天下りもむしろ業務の遂行が円満にいくという美点もあると同時に、またいろいろな弊害を生む点も無視できないと思います。この点は私どもも慎重に具体的な事実に基づいて検討いたしたいと思います。
  195. 平田藤吉

    ○平田委員 この点でも、いまロッキード疑獄事件が大問題になり、公共企業とそれからいわゆる民間産業、とりわけ関連メーカーとの癒着が問題になるという状況のもとで、天下りもまたいいんだという答弁総裁がなされているような状態では、これは今度組んだ予算だって、材料をどこから買っているかチェックをして全部やったら大変だと思うのです。恐らく大問題が出てくるものだから私の方へ資料を出さないのだろう。私の方は大きな疑惑を持っているのです。この疑惑は私だけではないのですよ。大ぜいの人が疑惑を持っている。電電公社は伏魔殿だと言われている。そういう状態の中にありながら、なおかつしかもロッキード疑獄事件が大問題になっているというのに、天下りもまた結構なんという答弁はいただける話じゃございません。米澤総裁、部長以上の人がそれだけ行っているということを私は言っているのです。だから、ごらんなさい、あなたのところで品物を買っている大手と言ったら、大体七割以上がいま挙げた会社でしょう。いま挙げたメーカーが七割以上の品物をおたくへ納めているでしょう。おたくと言ったら語弊がありますが、公共企業体である電電公社に納めているでしょう。こういう関係のところに天下りするのは避けるべきであり、やめるべきであるということを私は言っているのですよ。ところが、あなたはこれまた専門家でございますから結構でございますと言われるが、電電公社にしか専門家はいないんじゃないのですよ。足りなかったら企業が養成すればいいんです。そういう意味で、私は金権体質の根っこになっている点を見ていますから、今度のロッキード疑獄事件の教訓から学んで、きれいにすべきところはきれいにすべきだということを主張しているのです。あなたはその返事を変えることはできないですか。
  196. 米澤滋

    米澤説明員 お答えいたします。  金権体質というものは、これは当然除去しなきゃならぬし、またメーカーとの癒着があるようなことがあっては絶対にならぬ、これはそのとおりでございます。  ただいま御指摘がありましたけれども、私が申し上げましたのは、いわゆる電電公社からいま御指摘の人が、私はそのとおりかどうか知りません、富士通の社長は死んじゃってもうおりませんし、部長クラスの人が行っているのは確かにあると思いますが、その数なり人名も、私は全然顔を見たこともないような人もあると思います。  要するに、日本のメーカーというのはヨーロッパのメーカーあるいはアメリカのメーカーと違って、線路あるいは機械という、そういう分業的な仕事しかしていない。結局、アメリカのウエスタンとかイギリスのSTCとかいう会社は機械もやっているし線路もやっている。いわゆるシステムエンジニアリングというものが会社に備わっている。したがって、電電公社から行っている人というのは、いわゆる天下りというよりもむしろ専門家として、その専門技術があるという点で行っているのではないか。そこが違うのだということを申し上げたのでありまして、先ほど言いましたように、そういう癒着というものは絶対あってはならぬということは、そのとおりのことでございます。
  197. 平田藤吉

    ○平田委員 大体、癒着というのは天下りによって強められているのですよ。日本の官界と業界との癒着というのはそこら辺に問題があるのですよ。だから常にこの問題が問題になっているのですから、これは総裁、技術者でございますからなんて言って、あるいは専門家でございますからと言って済まされる問題ではないと思う。今後そういうことがあってはならないというように考えるので主張しているわけですからね。これはやはり十分考えていただかないといけないと思うのですね。  次に移りますけれども松井気通信監理官にお尋ねいたします。  これは設備の耐用年数をめぐる問題です。先ほども質問も出ておりましたけれども電電公社は主要な機械類の耐用年数を昭和三十六年、四十一年、四十三年と矢継ぎ早に変更してきております。そして電話の主要設備の耐用年数が、昭和二十八年のときは二十四年半だったのですね。これが四十三年には約半分の十三年半に縮められているわけです。まことに不思議な話だと私は考える。かって二十四年も使うことができた機械や器材が十三年半しか使えなくなったのはなぜなんだろうかという疑問は、これは私だけではなく、国民一般がやはり持たれる疑問だろうと思うのですよ。なぜなのか、これを松井監理官の方からお答え願います。
  198. 松井清武

    松井政府委員 公社は、その発足以来、わが国の経済社会構造の変化に伴いまして、通信の需要の変化に即応して常に良質なサービスを提供していくために、電気通信施設の改良、取りかえをしてきたものでございます。したがいまして、固定資産の耐用命数につきまして、設備の自然損傷などの物理的な寿命のほか、サービスの改善、新技術の導入等による影響などの要因も含めて、総合的に勘案をして決定する必要があるものというふうに考えておる次第でございます。  ただいま先生の御指摘がございましたように、耐用命数につきましては、電電公社におきまして過去何回かにわたりまして見直しがなされておるのは事実でございます。これらの見直しに当たりましては、けさほど来の電電公社答弁にもございましたが、実態調査の結果を十分検討して見直しをしてきたところでございます。したがいまして、私どもも今後公社のそういう実態調査に基づきまして、公社の申請に従い認可手続考えてまいりたいというふうに考えております。
  199. 平田藤吉

    ○平田委員 佐野監理官に少し具体的にお聞きいたしますけれども、まずA型自動交換装置、昭和三十五年まで新しいもので二十四年間使えるとされていたわけですが、それが昭和三十六年になりますと十五年しか使えないということになったのです。同じ新しいものが、四十一年になりますと今度は十三年間しか使えないということになったのです。どうも理解に苦しむわけですけれども、技術が進歩したのでもちが悪くなったのかどうなのか、それから原材料が粗悪になったためにもちが悪くなったのかどうなのか、さらに製造技術が粗雑になったのでもちが悪くなったのかどうなのか、ここのところをひとつお聞かせいただきたいと思います。
  200. 佐野芳男

    佐野(芳)政府委員 電電公社の設備の耐用年数の見直しといいますか改定につきましては、いま松井さんの方からるる説明があったところでございます。いまさらに先生の方から交換機その他具体的な耐用年数の短縮ということについてどういう理由なのかという御質問だと思います。  概要を申し上げますと、交換機あるいはケーブル、それから電話機の耐用年数というものは、公社発足当時は、それまでの電気通信省当時のものをそのまま踏襲しておりました。当時は交換機は二十四年、ケーブルが十八年、それからいま御指摘電話機は二十年というふうになっておりましたが、三十六年に電電公社が実態調査をいたしまして、その結果に基づきまして交換機類は十五年、だからこのときはA型、H型、いわゆるステップバイステップの交換機でございます。  それからケーブルは……。
  201. 平田藤吉

    ○平田委員 いや、A型を聞いているんだから。
  202. 佐野芳男

    佐野(芳)政府委員 はい、A型は十五年でございます。それから電話機十一年というふうに改めた。  で、この理由でございますが、これは電気通信省時代の耐用年数というものが実態に沿ってなかった。それから戦争中の素材ということもありまして非常に寿命の短いものもあったことかと思いますが、その後電電公社は五次五ヵ年計画という拡充計画を始めまして、加入者増あるいは新技術の導入あるいは道路整備というような結果によりまして既設設備の陳腐化、不適応化傾向が出てきたわけでございます。その後さらに技術革新が進んで、昭和四十一年度にさらに改定をいたしまして、これは調査の結果改定をいたしたわけでございますが、交換機は十三年、この中にはもうすでに新しい交換機が入っておるかと思いますが、ケーブルは十二年、電話機は九年というふうに改めたものでございます。  それからもう一つは、いままでの改定の中には三十六年の改定、それから四十一年の改定、いま言ったように設備個々のそれぞれの理由のある改定と、もう一つは資産構成の変化というような要素も入っているように聞いております。
  203. 平田藤吉

    ○平田委員 だめなんですよ、聞いたことに答えてくれないと。耐用年数を何年に変えたかということはわかっているのですよ。だから私が言っているんだから。しかも一般化するとだめだからA型というふうにしぼったのです。だめですよ、私が名前をちゃんと言って質問しているのですからね。聞いておいてもらわないと困るのです。  技術が進歩したのでもちが悪くなったのか、原材料が粗悪になったのでもちが悪くなったのか、製造技術が粗雑になったのでもちが悪くなったのか、一体何で三十五年と三十六年でこんなに耐用年数が短くならなきゃならなかったのかということを聞いているのですよ。——私は彼に聞いているんだから、佐野監理官に聞いているのですから、だめですよ。あなたが出てきちゃだめだ。
  204. 佐野芳男

    佐野(芳)政府委員 電電公社を監督する立場でございますが、個々の設備の具体的な問題でございますので公社の方から答えていただきます。
  205. 平田藤吉

    ○平田委員 何です、あなたは。あなたは電電公社から来た人じゃないの、そうでしょう。あなたは電電公社から郵政省に入っているんだよ。監督する立場であり、指導する立場だよ。予算を通してくるのにこういうことがわからないで予算を通してきたのかね。郵政省は電電公社から出された品物をうのみにしているのかね。どうなのかね。答えなさい。
  206. 佐野芳男

    佐野(芳)政府委員 決して先生の御指摘のようなことはしておりません。厳正に審査しております。
  207. 平田藤吉

    ○平田委員 厳正に審査したら、聞かれたらわかるでしょう。答えなさい。
  208. 佐野芳男

    佐野(芳)政府委員 確かに先生の御指摘のとおり、私は電電公社で、ある専門の技術を担当しておりましたけれども電電公社電気通信技術と言っても非常に範囲が広うございますし、特にこういう耐用年数とか寿命という問題、またそれぞれ専門の考え方があろうかと思いますので、そういう点につきまして、私の当て推量よりも現実にタッチされている公社の方から御答弁願った方が正しい答えが出るかと思ってそういうふうにお願いしたわけでございます。
  209. 平田藤吉

    ○平田委員 予算を通す郵政省が何で一体耐用年数が、たとえばA型自動交換装置の耐用年数が、昭和三十五年まで二十四年間使えますと言っている。翌年になったら十五年しか使えませんと、こう言っている。何で九年間も短くなったのか、郵政省はどういうふうに理解してそれでよろしいと言っているのかを聞いているのです。
  210. 佐野芳男

    佐野(芳)政府委員 A型スイッチのお話でございますが、その中にも回転スイッチとか上昇回転スイッチとかいろいろあろうかと思いますが、確かに三十五年以前は二十四年となっております。それから三十六年に改定したときに十五年、四十一年に十三年となっております。もちろん私が先ほど申し述べましたように、戦前から継続して使用しているものの中で、やはり材料その他の関係で、何といいますか、相当品質の悪いものもあろうかと思います。それから実際に廃棄されていくわけですが、そういう実績などを調査した上でやはりこのスイッチは二十四年はもたないというふうにまた推定される場合もあろうかと思います。  それからもう一つは、技術の進歩その他陳腐化して廃棄されるものもあろうかと思います。そういうものを平均いたしました結果、二十四年が十五年になり、十三年になったことも理由かと思いますが、先ほど申しましたように、やはり整理区分の関係一つ入っているようでございます。  それから、先ほど先生が三つほど理由を挙げられましたけれども、いわゆるその耐用年数というものは、技術が進歩したから、時代が進んで材料が悪くなったから落ちるというようなことというふうには私は考えておりません。
  211. 平田藤吉

    ○平田委員 わかりませんな。さっぱりわかりません。これは国民の皆さんが聞かれたら、何のことやらわからぬでしょう。  次もかかわり合いがありますから一緒に聞きますけれども、自動式交換装置のクロスバー型は、なぜ耐用年数が十九年で、昭和三十六年以降変更してないのかお聞かせいただきたい。あなたは技術屋なんですから、電電公社から出向しているんでしょうから、ちゃんとひとつ答えてください。
  212. 佐野芳男

    佐野(芳)政府委員 確かに四十一年以降十九年と変えておりませんが、クロスバーというのは御存じのように、A型、H型よりもずっと後で開発された方式でございます。戦後、昭和三十年前後からわが国内に普及されたものでございますし、現行方式でございまして、技術が非常に進んでおりまして、まだ寿命も来ておりませんし、改定を要するという判断をする段階になってないということでございます。
  213. 平田藤吉

    ○平田委員 では架空ケーブル、市内線は、昭和三十五年には十八年、三十六年には十五年、四十一年には十二年、これしかもたないということになっていますね。これも不思議なんです。これは、さして変わりないはずなのに、昭和三十五年のときには十八年だったものが、どんどん短くなって、四十一年には十二年しか使えませんということになっております。公害がひどくなったのでもちが悪くなったんですかね。
  214. 佐野芳男

    佐野(芳)政府委員 もちろん年によって耐用年数が変わるということは、先生指摘のように、本質的におかしいわけでございます。新しいものが開発されますと、当初からある程度の、いままでの経験則によりまして、推定をいたしますけれども、新しい技術について、ある程度の推測のもとに耐用年数というものを決める場合があろうかと思います。いまの御指摘のものは、架空ケーブルといいましても、昔は鉛ケーブルが多かったと思いますが、その後、新しいケーブルだとか、そういう材質その他の変化だとか、損傷によって落とすものだけではなく、実質的にいろんな計画変更とかそれから回線の張りかえだとか、短くなって使えなくなったとか、廃棄された実績に基づいて平均的に耐用年数を見直すということがあろうかと思いますので、短くなってきておるのだというふうに考えます。
  215. 平田藤吉

    ○平田委員 これは、いまの話を聞いてもわからないのですが、さっきもお話出ていましたけれども、一番わかりやすいのでダイヤル式電話機ですけれども、これは一般は黒電話機ですね。昭和三十五年までは二十年寿命があるとされていたわけです。昭和三十六年になりますとこれが十一年になって、四十一年になりますと九年しかもたない。昭和三十五年のとき二十年使えたものが、六年たった四十一年には半分以下、九年しか使えないというのは、どういうわけですか。何かがらくたのものがつくられてきているんですか、どうなんですか。
  216. 佐野芳男

    佐野(芳)政府委員 いま一番わかりやすい一般的な電話機のお話が出ましたけれども、確かに三十五年のときには二十年というふうに設定をされておりました。これは、ある非常に環境のいい場所で、静かに非常に上品な、丁寧な使い方をすればあるいは二十年もつというケースもあろうかと思いますが、現在もあるかもしれませんけれども、その当時は自動式電話機でも卓上型電話機だとか、当時わりあい壁かけ電話機というのが多うございまして、取りはずしといいますか、物を落として壊れるとか、それから最近になりまして、加入者の移転関係といいますか、宿がえだとかそういうことで電話機を動かすというケースが非常に多くなってきておりますので、そういうことが重なりまして、非常に壊れる数が多くなっている。そういうことから、確かに三十五年は一応二十年というように推定して設定した耐用年数ですが、三十六年以降改定するときには、それまでの実績等を勘案しまして十一年、さらに四十一年に同じような調査をいたしましたときには九年という結果が出たということでございます。
  217. 平田藤吉

    ○平田委員 これは大変なことです。そうすると、電話機半分ぐらいぶっ壊れるんですか。これはまことに奇妙な話だが、議員会館の私の部屋で使っているものは昭和三十八年のものなんですよ。それから、山中議員のところで使っているものは昭和三十四年製なんですよ。まだちゃんとしています。役立っています。役割りを果たしています。別にこれだからかからなかったり、聞こえなかったりすることはないんですよ。そんなに壊れるのですかね。
  218. 佐野芳男

    佐野(芳)政府委員 お答えします。  先ほど私申し上げましたように、いまたまたま例がございました平田先生だとか、山中先生電話機には、恐らく昭和何年と書いてあるかもしれません。その電話機につきましては非常に使われ方がよかったというふうに考えるべきであって、もちろん当初最初に耐用年数を決める場合には、普通の物理的な寿命というものは大体これくらいだろうということで推定するわけですが、実際の耐用年数の運用になりますと、実績というものをもとにいたしますものですから、やはり電話機の使われ方、あるいは電話機をあっちこっち移動するとかというようなことで、実質的な耐用年数というものはどうしても短くなる傾向にあろうかと思います。
  219. 平田藤吉

    ○平田委員 それもあなた方の方の詭弁なんですよ。実際は、つけたら本当に動かなくなるまで交換なんかしてくれはしないのです。不自由がない限りは使えるだけ使ったらいいのですよ。話し中に切れてしまったり何かするような状態になったら、それは困るけれども。何でそれをわざわざ九年というふうにするのか、そうすると、大体二十年が九年になっていますからね、半分くらい壊れるあるいは取りかえているということになるのですか。
  220. 佐野芳男

    佐野(芳)政府委員 何遍も繰り返しになりますが、たしか静かに置いておれば壊れない。静かに、大事に使えば長く使えるという電話機でも、移動だとか、それから使う人によって非常に荒っぽく使われるということがございますので、実際的には平均九年ということになっておるわけでございます。
  221. 平田藤吉

    ○平田委員 日本人というのは、電話機の扱い方が乱暴なんですか。どうなんです。アメリカの場合でも、耐用年数は十二年から二十一年というふうになっていますね。あなた方はアメリカが好きなんだけれども、イギリスだってそうでしょう。耐用年数は二十年から二十五年ですよ。これは一体どこに日本の特質があるのか、ちょっと聞かしてくれませんか。
  222. 佐野芳男

    佐野(芳)政府委員 今度は通話システムの技術的な問題に多少入ろうかと思いますが、日本の電話は御存じのように、全国どこからどこへかけましても、ある一定の音の高さと申しましょうか、通話レベルで話ができるようになっておりまして、その音の高さを一定に維持するためには、大都市間を結ぶ中継線であるとか、市内に入ってからの市内の中継線あるいは加入者線というような伝送路、線路の心線ゲージの設定もありますし、それにまた呼応いたしまして、電話機の感度というものを考えておるわけでございます。だから日本の電話機というのは非常に感度がよくできておりまして、非常にデリケートと申しましょうか、その点先生がちょっと例示されましたイギリスとか、アメリカはちょっと私よく覚えておりませんが、そういうところに比べまして非常にデリケートで、非常に感度が高いといいますか、そういう差もあろうかと思います。
  223. 平田藤吉

    ○平田委員 とにかくあなた方の言っているのはどうも納得できない。だから最初に私が言った、電気機器メーカーとの関係というものをどうしても考えざるを得ない。というのは、何も電話機だけじゃないのですよ。全部でしょう。たとえば市内ケーブルにしたって、日本は十二年から十三年、 アメリカは十二年から四十一年です。イギリスは十九年、西ドイツは二十年。市外ケーブルにしたってそうです。日本は十六年としているけれども、アメリカは三十五年から四十七年、イギリスが四十年です。それから交換機にしたって、日本が十三年から十九年、これに対してアメリカは二十五年から四十年、イギリスが十六年から二十五年、こういうふうになっているのです。だから、いまの説明をいろいろ聞きましたけれども、とても納得のつく筋合いじゃないし、現実に恐らく皆さん電話を使っていらっしゃって、この電話はうちの壊れたから取りかえてくれと言ってすっと取りかえてもらったなんという人はいないと思うんですよ。これはごくまれだと思うんです。そういう意味で言えば、やはりあなた方がこの予算を組み立てる際に、この仕組みの中に問題があるというふうに考えざるを得ないですよ。  後で総括的に耐用年数の問題についてはもう一遍触れますけれども、減価償却制度をめぐる問題について、公社は減価償却に当たって定額法をとらないで定率法を採用しているけれども、その根拠は一体何なのか、郵政省側で答えられる人、いますか。
  224. 松井清武

    松井政府委員 ただいま先生指摘のとおり、電電公社は減価償却の方法といたしまして、有形固定資産につきまして定率法を採用している次第でございます。先生御存じのとおり、電電公社の資産、五兆を超える一大設備産業でございまして、きわめて高度な技術革新性がございます。また、機器の陳腐化、不適応化が激しいため、早期に償却していく必要がございます。以上のような観点から、定率法を採用しているところでございまして、それなりの理由があるというふうに考えております。
  225. 平田藤吉

    ○平田委員 技術革新が日進月歩で非常に早いということになりますと、なぜ減価償却のテンポを早めなければならないのか、お聞かせいただきたい。
  226. 松井清武

    松井政府委員 技術革新の進展に伴います設備、局舎の陳腐化、不適応化が著しく、恒常的な償却不足に陥ったのでは困るというようなことで、これらの技術革新の進歩に伴って設備を改善していくという必要からでございます。
  227. 平田藤吉

    ○平田委員 それじゃお聞きしますけれども電話の場合、これからどのように技術革新が行われていくと考えておられるのか。余りむだなことをやられると困りますからね。どういうふうに技術革新が行われて、そうするとまた償却のテンポはうんと早まっていくということになるのかどうなのか。そこのところをひとつお答え願いたい。
  228. 松井清武

    松井政府委員 お答えします。  公社の固定資産の場合、サービスの改善、新技術の導入による既設設備の陳腐化、不適応化に加えまして、都市構造の変化、あるいは道路整備工事の実施等によりまして、今後とも早期削除の傾向が存続すると考えられる次第でございまして、定率法により償却不足を防ぐ必要があるわけでございます。
  229. 平田藤吉

    ○平田委員 大体電話は行き渡ったと言われておるんです。それで、都市構造がどんどん変わってどんどん変えていかなきゃならないから、この定率法を採用せざるを得ないんだという話になりますね。そういう情勢なんですか。五十一年から五十三年、どんどん都市構造が変わっていくという情勢にあるんですか。  そこで、もうちょっと突っ込んで聞きますけれども、うちから電話局まで市内交換機、市外交換機、市内、市外のケーブル、これらのどこがどういうふうに革新されていくんだろうかということについてお答え願いたい。
  230. 三宅正男

    ○三宅説明員 私ども現在、いま先生のおっしゃいました宅内から電話局までの分、ここで一番困っておりますのは、加入者がだんだんふえてまいります。都市等の高層化等に伴って加入者の数といいますか加入電話の数がふえてまいります。これを埋めてまいりますのに地下にケーブルを埋めてまいるわけでございます。地下も現在では電気ガス水道、その他地下鉄、あるいはいろいろなものがございまして、なかなか地下の管路増設というものも思うように任せないような状態でございます。したがいまして、今後増加していくようなものに対しましてはケーブルの一本一本の線の太さを細くいたしまして、これによって同じ太さの管路にたくさんの心線数が入るというような方法を次第にとっていかなければならないのじゃないか、こう考えておりますが、これをいたしますと、単に心線を細くしてそれだけで事が済めばよろしいのでございますが、実際上先ほど佐野監理官が申しましたように、通話の感度が悪くなってくる。心線が細くなりましたために、電気抵抗が高くなりまして電話の感度が下がってくる。これを補う手段を電話機でやる、あるいはさらに入り口の交換機でやる、あるいはさらに心線を細くすることにも限度がございますので、それ以上になりました場合には、PCMといったような技術を使いまして心線の多量使用をかけていくといったようなふうに、今後の特に都市の場合に多い現象でございましょうけれども、都市の高層化というようなものに対応するため一つをとりましても、こういった意味で、現在使っております電話機あるいはケーブル、交換機、こういったようなものをそのまま使っていけるかどうかということは非常に問題がございます。そういう場合に、古いものを捨てるのは不経済だ、こう先生はおっしゃる、恐らくそういう御意見なんだろうと存じますが、非常に無理をして、さらに現在は相当ケーブルのための管路、洞道等の増設もやっておりますが、これを錯綜した道路の地下にさらに非常な無理をして工事をしていくよりは、いま申し上げましたような方法で救済していくことの方がはるかに経済的になってくる、たとえばこういう面もございまして、こういった面は単に技術の進歩というよりは必要のために新しい技術を生み出していかなければ救済していけないというようなことを考えながら、現在いろいろ新しいものも考えていっている、こういう状態でございます。
  231. 平田藤吉

    ○平田委員 いまの話を聞いていますと、どこもかしこも皆どんどんうちが建ってどんどん電話を引かなければならなくなって、そうしてどこの管もいっぱいで、それでケーブルを細くしなければならぬみたいな話に聞こえるのですよ。そういう情勢なのかどうか。しかも管の中を通していったって実際の管の中はいまはいっぱいで、どうにもならぬのがどこもかしこもそうなのか、特別の部分だけですよ、それが必要なのは。全体から見たらそんな必要ないですよ。ましてや宅内から局までの間、これは下をもぐらしていっていると言うけれども、いまのところまだやはり電柱でやっているのが圧倒的に多いのでしょう。ですから、あなたがおっしゃるように全部を変えていかなければならないのだというようにはとても理解することはできないのですよ。だから耐用年数を短くせざるを得ないのでございますとあなた言ったら、これはケーブルや何かは十六年のをさらに十年にして、さらに八年にしなければならぬという事態になるのですよ。そんなことをやられたらたまったものじゃないですよ。またそうなるはずはない。また後でこの問題にも触れますけれども、私の方で考えているのは、償却テンポを速めなければならなかった問題はそれだけじゃなかろう、ほかに問題があるのじゃないかということをお聞きしたいわけですよ、ほかにも理由があるんだろうと。  大体、営利を目的とする企業の場合には、当然のことですけれども、法則として最大限利潤の追求をやっていくわけですよ。そのためには減価償却の速度を速めなければならない。減価償却の速度を速めるのにはやはり大まかに言って二つの側面を持っていると思うのですよ。一つは、やはり総体的な剰余価値を生み出していくということ、これがねらいですね。そして、人よりも先に技術の進んだ機械を入れていく。剰余価値を生み出していくというやり方をとるわけですよ。同時に、さっき電力会社の話が出ましたけれども、償却のテンポを速めていくというのは全部、経費が非常にかかるのでございますという理由にしていくのですね。つまり利益を隠していくために償却のテンポを速めるのですよ。だから、今日までの高度成長、急速な成長が行われた時期にはこれがどんどん採用されていったのです。これでとにかくもうけるだけもうけるという仕事がやられたのですよ。しかし、これも考えなければならない矛盾に突き当たってきているというのが現状なんです。何も電電公社だけじゃないんですよ。減価償却制度全体を見直さなければならないという事態にいま遭遇しているんですよ。やはりそこのところを頭に入れておいて物を言ってもらわなければ困ると思うのですね。  この減価償却制度を定率制にして償却のテンポを速めて、これが物価をどんどん押し上げていく役割りを果たしてきたわけですよ。また管理価格、物価を値上げしていく理由として、原価が高くつくんでございますと言うためには、償却のテンポを速める必要があったんですよ。これを高度成長政策の強行された中でどこでも全部やった。だからごらんなさい。電電公社がこの定率制を採用して償却のテンポを速めていった時期というのは、高度成長政策がどんどん推し進められた時期に合致しているんですよ。  電電公社の場合は公営企業なんですから、当然のことながら利潤を追求する必要はないわけなんですね。株主に配当する必要もないのですよ。これはまた許されることではないわけです。同時に、独占企業なんですから競争の相手がいないわけですよ。電電公社で全部やっているわけですから。したがって、技術革新が行われるからということで定率制を採用して償却のテンポを速めていかなければならないという理由はないんですよ。電話機でも、九年もつといったって、十三年前、十五年前、二十年前の電話機を使えたら使えばよろしい、あたりまえなんですよ。いま何と言っているのです。政府自身ですら、使い捨て時代は終わったぐらいのことを言っているのでしょう。そういう立場から考えたらいまのやり方はやはり考えなければならぬと思うのですよ。たとえばA型交換機も使えるだけ使えばよろしいし、新たに電子交換機が出現したにしても現在のクロスバー交換機を使えるだけ使えばよいと思うのです。ケーブルにしてもそうだと思うのです。そうなれば、定率法を採用して償却のテンポを速めなければならないという理屈はないはずなんですよ。ですから今日の情勢全体から見ても、さっきも技術革新に迫られる、こう言っていたけれども、住宅がどんどんできていって、そしてどんどん普及しなければならないという状況にあるときは別なんですわ。いろいろな方法がとられるでしょう。今日の段階では、これは一般的に見直さなければならないと言われている時期なんですからね。私は、いまとられている定率法を定額法に変えたところで公共企業体である以上は一向に差し支えないというふうに思うのですが、その点どう考えられるのか、これは米澤総裁からお答え願いたいと思います。
  232. 米澤滋

    米澤説明員 お答えいたします。  電電公社の中の設備はいろいろあります。線路もありますし、機械、それから搬送無線、いろいろありますし、それからまた局舎、あるいは工作物いろいろありますが、先ほど、きょうの午前の御質問にもありましたけれども、建物、工作物につきましては今後定額法にする問題を積極的に検討したい、こういうように思います。  それから線路につきましては、要するに電電公社というのは独占企業でありますし、国民のために事業を運営し発展させるというのが基本でありまして、そのためには能率的な経営をしなければならない。能率的な経営ということは、結局全体の設備に対するアニュアルコストを最小限度にするということでありますが、そのアニュアルコストを最小限にするためにやはり技術革新をどうしても入れていかなくちゃいかぬ。たとえば例を挙げますと、いままで鉛被ケーブルというものをずいぶん使っておりました。外側が鉛で中が紙、こういうケーブル、これはずっと昔からあったのでありますが、たとえば電灯線がくっつくとそこに穴があく。そうすると、ちょっと雨が降りますとたくさん水が入りましてどんどん障害になる。これを積極的に取りかえるということをやってまいりました。これなんかも大きな技術革新だと思います。それによりまして障害率がヨーロッパのイギリスあたりとは全然比較にならないのでありまして、アメリカよりも日本がいいと言われている。これは結局プラスチックケーブルを入れたということであります。こういうようなことでありまして、こういう種類のことはこれからもまだあります。  たとえば搬送関係にいたしましても、いままでやりましたものにチャンネルをふやしていく。そういたしますとアニュアルコストが減ってくる。アニュアルコストの中には、メンテナンスコストのほかにいろいろ利子とかそういうものが入ってまいります。そういうことで、能率的な経営をするという面におきましてやはり定率法をとった方が実際的じゃないかというふうに思います。外国によっていろいろ制度が違いますけれども、たとえば国際電電なんかと比較いたしましても、ああいう電信電話に対しては定率法をとるというのが世界的な方向でありまして、これがもし民間経営でありますと、株式配当をしなければならないというために、見かけ上よけい利益を出そうというために、わざと定額法でやっている。しかしその定額法もいろいろ定率法に近づけていくというような方向になっておりますので、私は線路、機械等についてはまだ技術革新があり、それが結局能率的な経営ということを考えると定率法でいいんじゃないか。  これまた耐用命数の問題もちょっと触れますと、耐用命数については、これは絶えずその時点で実際に合うように検討すべきだというように思います。たとえば現に電子交換機を入れますが、これの耐用命数がクロスバーより長いわけでありまして、長い耐用命数の電子交換機を入れるというようなこともあります。定額法、定率法をとりましても、耐用命数が同じであれば全体の償却費は同じでございますから、先に償却するか後で償却するかという違いでありまして、長い期間を考えれば、結局耐用命数の違いということが全体の償却費に関係するわけでありまして、定額法、定率法を使っても全体の償却額は変わりないということでございます。
  233. 平田藤吉

    ○平田委員 たとえば電話機、あれは九年だというのでしょう。九年たつと償却が終えるわけですよ。これどうなるんです。それ以上使っているものについては何か特点があるんですか。つまり償却のテンポを速めたからといって実際に利用している人々から見れば利益にならないのですよ。定額法でいっても、寿命ももちろん検討すべきであり、償却方法も定額法をやはり採用していった方が一般の皆さんにとってはいいんではないかというように思うのですよ。たとえば、電話機を見れば。そこら辺はあなた方の方でもやはり考え直してみる必要があるんじゃないかというふうに思うのです。たとえば、償却早く終わったからと言って皆さんのところに還元があるわけじゃないのですから。
  234. 好本巧

    ○好本説明員 減価償却は、先生すでに御案内のように、耐用命数の年次別に取得価格を配分するという会計上の技法でございます。したがいまして、定率、定額の問題の前に、御指摘のように耐用命数というものを正しく、妥当な正確な耐用命数を置くということが最も減価償却の前提条件で重要なことでございます。すなわち過大償却もいけない、過小償却もいけない、妥当、正確なる償却をやるというのが期間計算上最も正しいことであるのでございます。したがいまして、過大償却にもならないし、過小償却にもならないというためには、耐用命数というものを正確にする必要がございます。これは先ほど来たびたび御指摘になった点でございまして、全く同感でございます。わが方といたしましては、これを数年に一回、午前中も答弁いたしましたけれども、詳細に実際の実存寿命というものを調べまして、それが現在決めておりますところの規定上の耐用命数と合っているかどうか、これは長くなれば長く直す、短くなれば短く直すということをやってきてまいっております。しかし、今後はどうかということは将来の予測でございます。耐用命数というものは、いままでの過去の実績を踏まえて将来の予測としてそういう耐用命数を決めておるわけでございますから、それが毎年毎年相当詳細に一つ一つ当たりまして、それを常にフォローアップして現行に戻すということが最も正しいことでございますけれども、事務上の煩瑣にたえませんので、そのためには総合償却をやっておるのでございます。総合償却をやるのは、こういうふうに先生案内のように非常に膨大な設備、物品を持っております関係上、個別、個別のことはできませんので、電柱は電柱、A型交換機はA型交換機、クロスバー交換機はクロスバー交換機というふうにくくりまして、それを総合的に管理しておるわけでございますが、そのときに定率法をとるか定額法をとるか、先生指摘のように、定率法の場合は同じ耐用年数期間中におきましてはやや前重になる。定額法は毎年パーでございますから、その点は確かに若干前重になります。ただ、しかし定率法をとっております一番のメリットと言いますのは、総合償却上は定額法をとりますと、定額法と言いますのは先生すでに御案内のように、取得価格をその耐用命数で割ったものを毎年配分するわけでございますが、そういたしますと、耐用命数よりも早く撤去するというものもありますし、耐用命数を超えてから撤去するものもあります。それを平均的に見て耐用命数よりうんと長く撤去しなかったといたしますと、毎年毎年取得価格に同じ率を掛けてまいりますので、過大償却になります。その逆の場合は過小償却になるわけでありますが、定率法の場合は正味固定資産に同じ率を掛けていくわけでありますから、もし実存寿命の方が耐用命数より短かった場合、長かった場合がたとえ起こりましても、自動調節作用が行われて、過大償却にも過小償却にもならないという非常なメリットがございますので、定率法の総合償却というのがそういう適正、妥当な、過大償却にもならない、過小償却にもならないという点では最もすぐれたものである。しかし前提としては、先生指摘のように耐用命数というものが一番大事なものであろうと思います。
  235. 平田藤吉

    ○平田委員 過大償却、過小償却いずれになってもならないというふうに言われるのですが、それはそのとおりなんですよ。だけれども、いま電電公社がやっている定率法を採用して償却のテンポを速めていく、これが大体建設を促進していくもとになっているわけでしょう。これを速めないというと建設に莫大な金をつぎ込んでいくことができないようになっているんでしょう。そこから電電公社が高度成長に対応して定率法を採用したいというのが実態なんじゃないかと思うのですよ。今日のように低成長と言われるような状況のもとにあって、これは総合的に見直していくのはあたりまえだと思うんだな。ですから、たとえば公社はいま平均耐用年数を十三年半にしておりますよ。十三年半をそのままとしても、定率法を定額法に直しますというと大変な開きが生まれるわけなんです。  たとえば昭和四十五年の大蔵省令三十三号、減価償却資産の耐用年数等に関する省令というのが出ているんです。これに基づいて定額法と定率法とを比べてみますと次のようになるのですね。耐用年数を十三年として一年間の償却率を定額法でとりますと七・六%の償却なんですよ。定率法でとりますと二八・二%になるんです。約二倍の償却になるのですよ。これで見ますと、公社が四十九年度で定率法で六千四百八十三億円償却をしているんですね。これが定額法にしましたら三千四十億円で済むんですよ。これだけを見ましても、あなた方が四十九年度には千七百五十三億円の赤字が出たと言っているけれども、この赤字もなくなって反対に千六百九十億円の黒字になるんです。五十年度も、いまのあなた方の定率法でいって二千八百十二億円の赤字だと言っておりますけれども、これを定額法にしますと、逆に千百七十億円の黒字になるんですよ。  さらに今度は、いま言われた耐用年数だけをいじってみるのですよ。たとえば耐用年数を昭和二十八年当時と同じ二十四年半ということにして、定額法にしたらもちろん大きな黒字が出ます。いまあなた方がとっている定率法を採用していったとしても、四十九年度は千四十八億円の黒字になるのですよ。五十年度は四百五十八億円の黒字になるのですよ。  いま申しましたように、減価償却制度のからくりというのは一般になるべくわかりにくくしていくようになっているんですね。それはいろんな理屈言っていますけれども、わかりにくいようにつくられているのですよ。しかもこれで償却のテンポを速めることによって投資の財源をつくり出す。一方では、先ほど申し上げたように、利益を少なく見せる。こうすることによって物の生産原価を高くつり上げていくことができるわけですよ。何せ原価がこんなに高くつくのですからどうしても物価を上げていただかなければなりません、こうなってくる。そのために定率法を採用しているんですね。そして投資の額をふやし、テンポを速めていくというところにねらいを置いているわけですよ。ですから耐用年数を正当に改めて定額法を採用すれば電電公社は大黒字になるんだ。値上げなんかしなくたって済むんだ。とにかく楽々経営できるんだというふうに思うのですよ。ですから私はこの耐用年数、つまり物の寿命の方を少し勘案すること、ないしは先ほど来言われておりますように、建物はもとより、たとえば電話機に至るまで、やはり寿命を実際に即したものに改善する必要がある。そうすれば今度の値上げなんかしなくたって済むのですよ。電電公社は左うちわでやっていけるのですよ。そういう意味で減価償却制度を正当なものに改むべきだというふうに考えますけれども大臣、そういう方向で指導していく意思があるのかどうなのか。ここはひとつ、国民の皆さんの負担を多くしないということをたてまえにして改善してもらう必要があると私は思う。今度の予算だってそうすればこんなに大騒ぎしなくたっていいのですよ。そういう意味で、改善していく意思があるかどうか、ひとつお聞かせいただきたい。
  236. 福田篤泰

    福田(篤)国務大臣 御主張にはいろいろと根拠がある御主張もあるようでありますので、早期の減価償却を逐次実行しながら、ただいま定率法について十分検討させる考えでございます。
  237. 平田藤吉

    ○平田委員 高度成長政策が行われる前は耐用年数も長かったのですよ。しかも定額法でりっぱにやってこれたのですよ。今日の電電公社のいわゆる巨大化のもとがその中でつくられていったのです。ですから私は、いまの大臣答弁にありますけれども、今度の値上げ法案に盛られている予算内容そのものにやはり手を加えていく努力をしていただく必要があるというように考える。その点についてあわせて電電公社として政府に対して——政府国会へ出しちゃったんだからこれはもうしようがないんだと言えばそれまでだけれども米澤総裁、何とか手を加えるつもりはありませんか。
  238. 米澤滋

    米澤説明員 お答えいたします。  今回の予算案その他に関しては、減価償却制度については全然そういうことは考えておりません。先ほど申し上げましたように、建物の問題につきましては一、二年中に実情に合うように直したい、そして定額制にすることを前向きに検討したい、このように思います。
  239. 平田藤吉

    ○平田委員 とにかく今日の情勢のもとで、これは電電公社に限らず民間企業に至るまで、この段階で公共料金値上げ、物価値上げというのを何とか抑えようとしたら、この減価償却制度にメスを入れる以外にないのですよ。みんなそこへいま到達している、何とかしなければならぬというところへ来ているのですよ。だから、これはもう抜本的に検討し直してもらう必要があると思うのです。  次に部門別収支についてお伺いいたします。  四十八年、四十九年、五十年各年ごとに部門別収支を明らかにしていただきたいと思うのですが、この四十八、四十九、五十年で電話、電報、データ、テレックス、専用線、この収支をひとつ明らかにしていただきたいと思います。
  240. 中林正夫

    ○中林説明員 お答えいたします。  部門別収支についてでございますが、決算は事業全体を一本で決算をいたしておりまして、ある前提に基づいて部門別に収支を出しておる、こういったものでございます。  まず電話につきましては、四十八年度は千百五十億円の黒字でございます。それから四十九年度は四百九十一億の赤字でございます。五十年度は千三百五十三億の赤字でございます。  次に専用は、四十八年度は百四十三億の黒字でございます。四十九年度も百四十六億の黒字でございます。それから五十年度も百六十五億の黒字でございます。  電報が四十八年度は七百七十八億の赤字でございます。四十九年度は九百七十三億の赤字、五十年度も千八十八億の赤字でございます。  それからデータ通信は、四十八年度は二百四十三億の赤字、四十九年度は三百五億の赤字、五十年度は三百六十億の赤字でございます。  加入電信は四十八年度は十二億の赤字、四十九年度は四十九億の赤字、それから五十年度は六十四億の赤字、こういうふうに相なっております。
  241. 平田藤吉

    ○平田委員 これらの五十一年度から三カ年、五十三年までの収支見通しはどうか、これは三月ですかに参議院で山中議員が資料要求をしているんですね。そして、出しますと言って出さないのですよ。この収支見通しはどうなっていますか。
  242. 輿寛次郎

    ○輿説明員 お答え申し上げます。  五十一年から五十三年度の収支見通しは、先般御説明したように、総額としては一兆七千二百億の赤字ということになっておりますが、われわれの収支見通しといたしましては、いわゆる事業別に分けますためにはいろいろな前提が必要でございまして、分計に手間がかかっておくれたわけでございます。  それで、いまその数字を申し上げますと、五十  一年から五十三年の三カ年間で総額は一兆七千二百億でございますが、そのうち電話事業の赤字は一兆二千五百億、電報事業が四千二百億、データ通信事業が五百億のいずれも赤字であります。
  243. 平田藤吉

    ○平田委員 最後の五百億の赤字というのは、データ、テレックス、専用線などですね。専用線その他ということですね、その五百億というのは。
  244. 輿寛次郎

    ○輿説明員 お答え申し上げます。  最後のデータ通信事業でございますが、これはデータ通信等でございまして、データ通信と、それから加入電信なんかも入っております。
  245. 平田藤吉

    ○平田委員 このデータ通信の赤字は幾ら見込んでいますか。
  246. 輿寛次郎

    ○輿説明員 大体二百億を見込んでおります。
  247. 平田藤吉

    ○平田委員 予算の中で、データ通信その他でこの赤字を埋めていく見通しを持っていたのじゃないのですか。いままでの説明ですと、今度の値上げが決まりましたらそれに見習いまして認可料金の分野を引き上げていきます、こういうことになっていたわけですね。だとすれば、データ通信その他の分野でどれくらいの値上げを見積もっているのか、そしてどれくらい埋めていけるつもりなのか。
  248. 玉野義雄

    ○玉野説明員 データ通信の三年間の集約した赤字はいま計画局長が御説明申し上げたとおりでございますが、私たちといたしましてはデータ通信につきましては四十九年の七月に約三〇%値上げをしたわけでございます。その後の状況を見ておりますが、私たちの考えといたしましては大体五十三年度でとんとんになるという見通しで考えております。
  249. 平田藤吉

    ○平田委員 たとえば郵便料金値上げをめぐる問題のときでも三種、四種は認可料金。郵政当局はこの認可料金についても収支の展望というのを国民の皆さんの前に全部明らかにしておるのですね。これはいま言われたような点を含めて、私はやはり電電公社の方でもうちょっと見通しをはっきりさせてもらわないといけないんじゃないか。論議していく上でも大変都合が悪いのですよ。あなた方の方で、三年間でデータ通信はいま二百億の赤字が見込まれていると言うけれども、これは値上げをした上でなおかつ三年間で二百億の赤字が出るという見通しですか。
  250. 玉野義雄

    ○玉野説明員 データ通信につきましては先生御承知のように初期投資が非常に多うございまして、初期投資がどんどん続いてまいりまして、それが安定しまして余り初期投資がないという状態になる場合とそうでない場合と収支が違ってくるわけでございますが、最初は初期投資が多いために収支が非常に悪い。したがいまして、八年間で収支償うという計算でやっておるわけでございますが、先ほど申し上げました二百四十億の赤字と言いますのは五十一年度、五十二年度でございまして、五十三年度は赤字にならないというふうに私たちは考えておるわけでございます。
  251. 平田藤吉

    ○平田委員 どうも数字がちょっと合わないのですよ。電電公社から出されました数字によると、データ通信の赤字は四十八、四十九年の二年間で五百四十八億円なんですね。それで、さらに五十年一年だけで四百二十九億円なんですよ。これは一体どういうことになっておるのか。五十三年は赤字がなくなるということなんですがどういうことになっているのですか。
  252. 玉野義雄

    ○玉野説明員 投資の規模によって違いますので断定的に言えない点はございますが、私がいま申し上げましたのは先生おっしゃいますように過去の累積赤字も全部消して、それで黒字になるという意味じゃございませんで、五十三年度で単年度で初めて黒字に転化する、こういう意味でございます。
  253. 平田藤吉

    ○平田委員 どうもわからないのは五十年一年だけで四百二十四億の赤字になっているでしょう。それで四十八、四十九年で五百四十八億円の赤字だったものが五十年一年間で四百二十四億というふうになっているのですよ。ばっとふえているのですね、赤字が。これはどう説明されるのですか。
  254. 山内正彌

    ○山内説明員 お答え申し上げます。  確かにこういう数字の見通しにつきましては、いろいろな仮定の上に立ってやっておりますので、絶対そういうふうになるということを断言することはむずかしいわけでございますが、データ通信について申し上げますと、先ほど先生のおっしゃいました五十年度四百二十四億の赤字というのはデータと加入電信の合計の赤字でございまして、データだけですと三百六十億という数字でございます。  それで、四十八年度、四十九年度、五十年度というふうにこのデータ通信の状況を見てまいりますと、収支率の点で申しまして四十八年度は一七六%、四十九年度は一六四%、五十年度は一五七%というふうに、歴年大変好転しておるわけでございます。一方、電話あるいは電信事業を見てまいりますと、この三年間でどの事業も大変赤字がふえて、全体として料金改定をせざるを得ないような状態になっておるということも事実でございまして、そういう中にあってデータは大変収支率が改善されているということは、この傾向がさらに五十一年度、五十二年度、五十三年度と続くということでございまして、さらに幾分の認可料金改定もお願いいたしますということにおきまして五十三年度においては黒字に到達することができる、かように確信しておる次第でございます。
  255. 平田藤吉

    ○平田委員 このあなた方の方の数字の出し方もよくないのだ。大変こんがらがって出されていますからね。これはまた後であわせて聞きます。  データ通信ともかかわり合いがありますから聞いておきますけれども、プッシュホンの電話機を売り出すときに、黒電話より早くつけますとかいろいろなことを言って宣伝して売り込んだわけだけれども、最大のセールスポイントというのは、電話機で計算ができますというのがセールスポイントの重点だったわけですね。ダイヤルレス、つまりプッシュホン、計算関係の収支ですけれども、これは一体赤字になっているのか黒字になっているのか、四十九年度、五十年度の数字をひとつお示しいただきたい。
  256. 玉野義雄

    ○玉野説明員 ダイヤルレスにつきましては、電話部門の中のまた細部の部門になりますので、収入はわかりますが支出を分計することが非常にむずかしいわけでございます。それで、当初これを決めましたときには、これは単位料金区域内通話でございますので、一般ですと三分で百八十秒でございますが、これについてはコンピューターの使用がございますので、その面に着目いたしまして、それで二十一秒七円というふうに定めたわけでございます。これにつきましては、先生お話しございましたように、当初確かにダイヤルレスというのはプッシュホンの目玉といいますか、それから後は短縮ダイヤル等でございましたが、プッシュホンについても最近いろいろな目玉が出だしまして、たとえば国鉄のみどりの窓口の予約とか、こういう新しいサービスが出ております。それから将来的には、銀行等がいま準備をいたしておりますが、銀行の預金残高を照会しますとプッシュホンでアクセスできるというようなこともございまして、ダイヤルレスの目玉的な印象が大分薄れてきておりますが、いずれにしましても、これにつきましては、今回の料金改定等もございますので、非常に分計のむずかしい点はございますが、種々調査いたしまして必要ある場合にはこの二十一秒を改定するということで考えております。
  257. 平田藤吉

    ○平田委員 いまのダイヤルレスは利用者が公社の見込みに反してまことに少ないのですね。話にならなかったのでしょう。あなた方の予測からしたらうんと少なかったのじゃないの。そのためにいま、あれはデータ通信を普及するためのまきえさなんだというようなことまでが言われるような状況になっているのですよ。  ところで、ダイヤルレスの収支はこれまではデータ通信の中に入れられていたんですね。あなたは電話部門だと言っているけれども、そうじゃないでしょう。データ通信の中に入れられていた。それが昭和四十九年度からは電話部門に含めるようになったんだというふうに聞いておりますが、これは事実でしょう。
  258. 玉野義雄

    ○玉野説明員 プッシュホンという電話機でアクセスいたしますので、おっしゃるとおり、データから切り離しまして電話部門に入れておるわけでございます。
  259. 平田藤吉

    ○平田委員 私が聞いているのは四十八年まではデータ部門でやっていたんでしょうと言うのです。四十九年から電話部門に入れたんでしょうと言うのです。
  260. 玉野義雄

    ○玉野説明員 さようでございます。
  261. 平田藤吉

    ○平田委員 これは利用率が〇・二%だというふうに言われているんですね。千加入当たり二台というふうに言われているわけですけれども、非常に少ないんですね。  ところで、なぜデータ部門から電話部門に移したのか。データ部門の赤字を少しでも減らして、その赤字電話部門に積み込むために電話部門へ移行させたのではないかというように考えられるわけですけれども、その点どうなんですか。
  262. 玉野義雄

    ○玉野説明員 これは、情報を提供するという意味ではデータと似ております。しかし端末機として電話機を使って、プッシュホンを使って情報を提供するということでございますので、たとえば時報サービスとか、それから天気予報サービス、ああいうものも電話サービスになっておりますので、それと同種のものであるということで入れたわけでございまして、別にデータの赤字を減らそうとか、そういう意図があったわけでもございません。といいますのは、先生ももう御承知だと思いますが、年間収入が大体一億程度のものでございまして、これも順次ふえておりますが、四十九年度で一億でございましたのが五十年度は一億四千万というふうに少しずつ利用者数がふえてはまいっておるわけでございます。
  263. 平田藤吉

    ○平田委員 ダイヤルレスは音声通信じゃないんですね。符号でしょう。したがって、これは電話部門に入れるということ自身もおかしいんです。やはり最初にデータ部門に入れていたようにデータ通信の一種なんですからデータ部門に含めておくべきだというふうに考えますが、どうですか。
  264. 玉野義雄

    ○玉野説明員 先ほど申し上げましたように、天気予報サービスとか時報と同じような種類のものであると私ども考えておるわけでございますが、このダイヤルレスにつきましても、電話機に伝わってくる場合は符号で来るわけではございませんで、音声で言ってくれるわけでございますから、その辺は、天気予報サービス、時報サービスも音声で電話機に伝えているのと同じというふうに考えているわけでございます。
  265. 平田藤吉

    ○平田委員 それは、向こうのコンピューターに入れる場合は音声じゃないんですね。別に、電話局で聞いていて、それでコンピューターに入れて計算をして返してあげるという仕組みじゃないでしょう。直接コンピューターへつないでいるわけでしょう。
  266. 玉野義雄

    ○玉野説明員 その点につきましては、最近出てまいりましたサービスで、これは最初から電話に入っておりますが、たとえば国鉄の「みどりの窓口」の予約のサービスがあります。これなども、おっしゃるように、プッシュホンでプッシュを押して符号でコンピューターに打ち込みまして、それで返ってくるときは音声で返ってくるというやり方になっておるわけでございまして、「みどりの窓口」の予約と同じような方法でございます。
  267. 平田藤吉

    ○平田委員 いずれにしてもこれはやはりダイヤルレスという場合は音声通信ではないわけですから、データ部門に含めておいて、余りもうからぬものはみんな電話部門に回してしまえなどというかっこうにならないようにしていただくことが大事だと思うのです。  それで、四十九年度のデータ部門の項目ごとの支出をひとつお聞かせいただきたい。人件費、減価償却費、金融費用、物件費その他。それから物件費その他の内訳、営業費、保全費、管理費、運用費、共通費。そして管理費の中の研究開発費、それについても明らかにしていただきたい。これはあらかじめお願いしてありますから、数字はすぐ出るでしょう。
  268. 中林正夫

    ○中林説明員 お答えいたします。  四十九年度のデータ部門の項目別の数字でございますが、これは支出額の全体が七百八十四億円でございまして、この内訳は、労務費が百六十三億円、減価償却費が三百七十七億円、それから金融費用が百四十一億円、その他が百三億円、こういうふうに相なっております。  なお、その他の事業費の百三億円の内訳でございますが、これは分計のまた分計で非常に困難な数字でございますが、非常に大胆な前提でこれを分けますと、営業費が七億円、施設保全費が二十四億円、共通費が十六億円、管理費が三十億円、受託業務費が十八億円、租税公課が八億円、こういうふうになっております。  それから研究費につきましては、これは研究の段階でそれが電話部門の役に立つのかあるいはデータの役に立つのか、いろいろそれを分けるということは非常に困難な状況でございますが、仮にこれを通信施設費の固定資産の割合で分計をするということに相なりますと、データ部門の分計は約九億円ということに相なります。四十九年時の研究施設費は全部で損益が二百二十四億円、それから建設が百六十九億円で、合わせまして三百九十三億円でございます。
  269. 平田藤吉

    ○平田委員 いまの数字でちょっとわかりにくいのですが、データ関係の研究費と大体考えられる総額は約八十億円になっているんじゃないですか。というのは、情報処理方式だとかあるいは情報通信用人出力機器だとかいうものを全部合わせますと、私の方で、出された資料に基づいてずっと決算を、四十九年度の予算書ですがこれを検討いたしますと、データ部門の研究費というのが約八十億円になるのですね。これは違いますか。資料が違うのかな。
  270. 三宅正男

    ○三宅説明員 ただいま経理局長がお答えいたしました九億円というのは、全体の研究費を固定資産の価格別に分計した数字でございます。それに対しまして、先生がおっしゃいましたのは恐らく、私どもの方の研究所で研究しておりますものを、項目別に情報処理方式その他といろいろございますが、その中からお出しになったのだろうと存じます。ただ、通研で研究しておりますものの中には、たとえ情報処理方式という部門の中で仕事をやっておりましても、その結果が電子交換機にはね返ってくるといったような、これは一つの例でございますが、必ずしも研究の大項目そのものが全部直ちにデータ通信へつながるとも言えない。私どもの研究所でやっております場合には、各部門にはね返る程度がそれぞれいろいろございますので、そこにございます金額そのものが必ずしもデータだけの研究費ということにはならない、こういうふうに私ども考えております。
  271. 平田藤吉

    ○平田委員 いま考えておりますと言われましたけれども、これはどう見てもやはりデータ部門の研究費ですよね。約八十億になりますよ。情報通信用入出力機器十一億でしょう。これだけで十一億ですよ。それから記憶装置四億余りですね。画像通信方式だけで七億を超えていますね。こういうものはデータ通信部門じゃないのですか。
  272. 三宅正男

    ○三宅説明員 ただいまおっしゃいました中で、まず画像通信はデータ通信部門ではございません。全然別の部門として私ども考えておるわけでございます。今後の新しい分野として考えておるわけでございます。それから、たとえば情報処理関係の研究費を使っております中に超LSI等がございますが、これはでき上がりました場合に、もちろんコンピューターにも使われますが、その他一般の通信にも相当大きな利用価値があるであろう、非常に革命的なものであろう、こういうふうに私ども考えておりますし、またICメモリーも、これはコンピューターにも使いますが、むしろ電子交換機に、今年度末ぐらいからはこの方式に切りかえましてICメモリーを採用していくというふうに、いろいろな部門へ研究結果がはね返ってくるわけでございます。
  273. 平田藤吉

    ○平田委員 はね返るというのは結果なんですよ。たとえばこれだって情報処理方式の分野で四十六億でしょう。あなたはまた何か言うだろうけれども、それは何かの事柄を研究すればいろいろなところで活用できますから、そればかりじゃないのですという理屈を言い出したら切りがないので、さっぱりとデータ通信部門の研究費になるのですと答えたらどうなんです。
  274. 山内正彌

    ○山内説明員 お答えいたします。  確かにおっしゃいますとおり、それらのものはデータ通信の研究開発費として大変活用されるものでございます。しかしながら、ただいま三宅総務理事からも御答弁申し上げましたとおり、同時にそういう情報処理の研究は電子交換の研究であるとかあるいは搬送装置の近代化の研究であるとかというものに非常に役立っておりまして、たとえば、その貢献の程度で申しますと、固定資産の額の方に、要するに電子交換機が公社において非常にたくさん使われておりますので、そちらの方にはね返る分の方がむしろ大きいというふうに御理解いただければよろしいのではないかと思います。
  275. 平田藤吉

    ○平田委員 言い方というのはいろいろあるものだと思いましたけれども、とにかく、データ通信部門でもって研究した研究というのは、これはいろいろな分野へ活用できますよ。あたりまえなんです、そんなことは。主として何のためにやっているかと言えば、データ通信部門のためにやっているので、そこのところだけはっきりさせておいてもらえばいいと思うのです。  次は、データ通信は各システムごとにコンピューターの予備機を備えていますね。この予備機の料金回収だけれども、四分の一しか対象にしていない。したがって、四分の三は料金回収をしていない。この分は当然データ通信の減価償却分として償却されずに、未回収金になって、現在部内でも大問題になっている。これはあなた方も知らないはずはないだろうと思うのです。一体この未回収金というのは幾らになるのか。この予備機の四分の三相当の減価償却はデータ通信から外してあるのかどうか。もしそうなら、どこに入れてあるのか。この三点についてお答えいただきたい。
  276. 山内正彌

    ○山内説明員 お答え申し上げます。  ただいまの件につきましては、先生にちょっと誤解がございますようでございまして、その四分の一という数字は、最初の段階でデータ通信の制度の御認可を郵政省さんにいただきましたときに、料金算定の基礎として考えました数字でございます。予備機というものは、いろいろなシステムに共通の予備機として使えることになるであろう、それが大体四システムに一つぐらいの予備で済むであろうと当初想定をいたしまして、したがって一つのシステムからは四分の一ずつ回収していけはよろしいというようなことで、最初料金を決めていただいたわけです。ですけれども、その分の減価償却は当然全額をするわけでございまして、この点につきましてはどこにも隠しておりませんで、全部データ通信の減価償却費の中に入って減価償却をしております。さらに、現実といたしまして、確かに四システムに一つの予備機を置くということは、やや当初の算定が甘かった点がございますので、現状においてはこれは直して全部いただくようにしておりますので、料金面においても問題はございません。
  277. 平田藤吉

    ○平田委員 いまごとごとっとしたので、何を言ったかわかりませんが、四十九年度は、未回収金は百八億円になると思うのですが、間違いありませんか。
  278. 玉野義雄

    ○玉野説明員 先ほど申し上げましたように、予備機につきましては四分の一ということで料金を計算しておるだけでございまして、残りの四分の三は減価償却をしておらないのではなくて、これは共通に使うという意味で四分の一ずつで分担してもらっておるという意味でございますので、減価償却は全部しておるわけでございます。したがいまして、減価償却の無計上というのはないわけでございます。全部計上いたしておるわけで、いま先生がおっしゃった数字は、ちょっと私たちも記憶にございませんのでよくわからないわけでございますが……。
  279. 平田藤吉

    ○平田委員 そうすると、四分の一の分だけしかいただかなければ、勢い残りの四分の三というのはどういうことになるのですか。
  280. 玉野義雄

    ○玉野説明員 たとえば設備で四つございますと、それぞれに予備機をつけないで予備機を共通に使うというふうにしていただくと、四分の一ずつの予備機で間に合うという想定でやったわけでございますので、遊んでいるという意味ではございません。いわゆる共通分担割合といいますか、そういうことで予備機を四分の一ずつで分けたわけでございます。
  281. 平田藤吉

    ○平田委員 どうもこれもちょっとわかりませんな。  何だか矢継ぎ早に終われという催促が来ていますけれども公社は、データ通信の収支は八年たてばとんとんになる、こう言ってきたのですね。八年たつととんとんになるというのは、先ほどの五十三年になったら単年度とんとん、黒字に転化するところまで持っていけますということを意味するのか、どうなんですか。それは八年と合致するのですか。
  282. 玉野義雄

    ○玉野説明員 五十三年度というのは、先ほどちょっと説明が舌足らずだったのだと思いますが、八年といいますのは、一つのシステムについてそれが八年間で黒字になる、こういう意味でございますので、大体四年たちますと黒字になってくる。そうすると、新しい二年、三年のシステムがたくさんございますと赤字が多くなりますし、四年超えたシステムが多くなりますと黒字になってくるという、いわゆる割合でそうなってくるのでございますが、これがほぼバランスしてきて、五十三年度になってきますと、平均的に四年ちょっとぐらいのものになってまいりますので大体黒字に転ずる、こういう意味でございます。
  283. 平田藤吉

    ○平田委員 それは永遠に黒字に転じない仕組みだね。数がふえていくのでしょう。新しい物がふえていけば赤字になるのですから。古い物が新しい物より多くならなければ黒字にならない。ところが、計算上はそうだけれども現実はそうはいかないのですね。それこそこの分野においては日進月歩技術の発達がありまして、さらにさらにという要求があって、もう四年たつかたたないうち に初めに入れたのは更新しなければならぬという時代にあなた方は遭遇しているじゃないですか。これは一体どうなんですか。いまデータ通信について更改してくれというか、かえてくれ、改めてくれという要求はどれぐらい出ていますか。どれぐらい入れかえてくれというのが出ていますか。
  284. 山内正彌

    ○山内説明員 最後の御質問について正確なお答えをするのは大変困難でございますが、システム規模が不足になりまして、これを解決する方法といたしまして、そのシステム全体を取りかえる方法と、それからそれにプラスをいたしましてさらに寿命を延ばす方法といろいろなことがございまして、これはそれぞれのユーザーさんと御相談の上やらせていただいておりますので、現段階で確定的にこれは更改する、これは増設で賄うというような数を申し上げることは困難でございます。もう少し詳しく調べまして後で御説明に上がりたいと思います。
  285. 平田藤吉

    ○平田委員 いま出ているのは、私の方の調査によれば北海道銀行、これは五年目、それから近畿相互銀行、これが五年目、大阪府信用金庫協会、これが五年目、千葉銀行、四年目、東京信用金庫、これが五年目、全国銀行協会、これが六年目。全部、これでは間に合わないからかえてもらいたいというふうに要求が出ているじゃないですか。だめですよ。これは八年になったらペイしますなんて気のきいたことを言っていたって、これは全然だめなんです。これ以外に早くから出ているのはどれだけあるのだ。ほとんどでしょう。
  286. 山内正彌

    ○山内説明員 お答えいたします。  ただいま先生のおっしゃられましたのは、大体ユーザーさんからの申し入れがあって、ほぼそのとおり実行しているものでございまして、確かにそのとおりでございます。そういうものがございますことは、われわれの方も当初から考えておりまして、ハードウエアにつきましては、たとえば五年でもって全国銀行協会のシステムがかわりますと、その撤去いたしましたハードウェアは別なシステムに使いまして、そちらの方でさらに何年か使っていく、かようなシステムを使っておりますし、ソフトウエアにつきましては、残りました分を次の新しいシステムのソフトウエアに、同じ北海道銀行なら北海道銀行で使いますので、継続しているところでもってまた回収していくということになっておりますので、回収漏れになることはないというふうに確信しております。
  287. 平田藤吉

    ○平田委員 古くなったものを使いますというところがあるのですか。あなたはずいぶんその場逃れのことを言うじゃないの。遠藤総務理事から教わりながら言っていてはだめなんです、あの人の言うことは当てにならないことが多いから。これは実際には出ているのですよ。そうすると古いものを値段をちゃんと一人前にして引き取りますと言う人はいませんよ。よしんば使う人がいたとしたって大割引をしない限り引き取りません。これが使えるようなところは新しいシステムを入れなければ仕事ができないところですよ。こんなその場逃れのことを言っていたってだめですよ。それじゃ八年使わないで五年間、四年間、六年間で交換せざるを得なくなったという場合は、交換した分を償却できないわけですから、これの分はどこかで何かで賄うのですか。
  288. 山内正彌

    ○山内説明員 ただいまのお話でごいうますけれども、一遍撤去されたものはもう使い物にならぬとおっしゃいますけれども、これは十分使えるのでございまして、たとえば北海道銀行でお使いになったシステムというようなものは、次に公社料金計算機のシステムとして使います、料金計算機というものは公社でもどんどんふやしていかざるを得ないので、こちらに使ってまいりますとか、あるいは大阪府信用金庫協会で出てまいりましたものにつきましては、これを他の信用組合の小さいシステムの方に使ってまいります。こういうようなことを実施しておりますので、御心配になるようなことはございませんということでございます。
  289. 平田藤吉

    ○平田委員 じゃいままで大どころでどこのものをどこに回したかわかりますか。答えてください。ないはずですよ。公社がみんな引き取っているのだよ。
  290. 山内正彌

    ○山内説明員 もう一度繰り返して申し上げますけれども、いま私が御説明申し上げましたとおり、私も全部の撤去転用計画について宙で覚えておりませんので、例としては大変少ないかもしれませんが、御指摘になりました北海道銀行のものは料金計算システムに使いますし、それから片方の方で出てまいりました大阪府信用金庫協会のものは信用組合で使う、かようなのが一つの例だと思っております。その他のものにつきましても全部転用計画を立てておりまして、過不足なく使っていくように計画いたしております。
  291. 平田藤吉

    ○平田委員 あなたの前ですかな、朴木さんというデータ本部長は。そうですね、あなたの前ですね。あのデータ本部長が言っているのですよ。これ困っちゃった、どうにもならぬと。データ本部長自身が言っているのですから。これはきっとまだデータ本部長時代でしょう。  「四十三年ころから始めた各種システムが予想以上に伸びて、現在のセンター能力ではパンクが懸念されております。システム更改の設計に平均三年を要するので、昨年サービスインした全銀システムの更改をいまから検討し始めておりますし、東京・大阪の信金システム、その他のバンキングシステムも相次いで更改を迫られている状況にあり、すでに更改の設計作業に入っているものも幾つかあります。この更改に当たっては、ユーザーも公社も負担増にならないことが大事ですが、現状は必ずしもうまくいっているとはいえません。この点、将来のコンピューターシステムは、数年使った後に初期の三倍ぐらいまで能力が経済的に拡張できるという柔軟性を持ったシステムが必要であります。」というように言っている。困難だというふうに後で言っているのですよ。これが実態なんだ。
  292. 山内正彌

    ○山内説明員 確かに朴木——私も存じませんが、雑誌か何かに出た記事かと思いますが、一応そういう問題があるという指摘であろうと思います。そういう問題があることは私も承知しておりまして、かわりましてデータ本部長になりましてから、そういう問題を解決すべくいろんなことを考えてまいりまして、先ほど御説明したような撤去されたものについても転用計画をほぼ完全につくりまして、御心配されなくてもいいような対策を打ったつもりでございますので、いま手元に資料を持っておりませんので、詳しくは別途先生のところに撤去転用計画をお持ちして御説明いたしたいと思います。
  293. 平田藤吉

    ○平田委員 データ通信の場合、このシステムは大体寿命、耐用年数はどれくらいになっているのですか。
  294. 山内正彌

    ○山内説明員 耐用年数は八年でございます。
  295. 平田藤吉

    ○平田委員 八年しかもたないものを五年、六年使って新しいところへ持っていきますと言って、あなた筋が通ると思っているのですか。その場逃れの答弁をしなさんなよ、あなた。
  296. 山内正彌

    ○山内説明員 先ほど来たびたび御説明がございましたとおり、耐用年数というのは平均的な実用寿命でございまして、物理的な寿命ではございません。ですから、たとえば電話機というようなものを申しましても、確かに先生のところでお使いになっている電話機は十数年使っておられる。それからそれ以外のところで、大変使いが荒かったためにわずかの期間でだめになっているものもある。その平均値が耐用寿命でございまして、私が申し上げました八年というデータ通信の寿命も平均寿命でございますので、実際問題として、これに手を入れまして直せばさらに使えるわけでございます。しかしながら、この部門も電信電話よりもさらに技術革新の非常に多い部門でございますので、恐らくどうしてもそういうふうに使えないというようなものも生じてくるであろうというようなことも考えまして、実用寿命八年ということで計算しているわけでございます。
  297. 平田藤吉

    ○平田委員 非常に密度の濃い機械なんですね。それで、しかも何百万台、何千万台とあるのじゃないのですよ。数えるほどしかないのです。これの平均寿命が八年だと言っているのですよ。あなた、まだつくり始めたばかりですよ。その平均寿命が八年なんですよ。どっちが本当なのか。八年しか寿命がないというのがうそなのか、それはまだ使うことができるのです、寿命はもっとうんと長いのですというのが本当なのか、どっちなんです。
  298. 北原安定

    ○北原説明員 お答えします。  ただいま山内本部長が御説明しましたとおり、私たちの計算をしております基本は八年でやっています。この八年は、IBMが世界じゅうにこのコンピューターシステムを提供していく過程におきまして出している基本ベースになっております。したがいまして、やはりこういうものを準用してまいりませんと、データ通信というものは公社だけの専用でございませんで、民間との競合の立場にもございます。したがいまして料金算定は、そうしたIBMを基本にして算定しております。  そこで、先生指摘のたとえば北海道銀行、千葉銀行等が八年に満たずしてパンクする、それで更改する。もともとこれはユーザーの北海道銀行、千葉銀行と相談しまして、八年先に扱うトラック量にふさわしいコンピューターを相談して選ぶわけでございます。それが、銀行の方が大変便利にこれを使うために、トラックがパンクして五年でもう一ぱいになってしまった。そうすると三年残るわけです。三年は未償却になっております。この三年の未償却分を私たちはどこかに持っていって償却をして、それによって企業の収支をとらなければならないわけです。そういう計算で転用計画を重視し、それをやっておるということでございますので、先ほどから申し上げておる八年というものは、その物理的寿命でなくてそういったIBMの世界のコンピューターサービスの基準をベースにしておるということで御了解いただきたい。また、それをベースにして計算しておりますから、三年残った未償却部分については別のところに転用して、そこで回収しておるということも御了承いただきたいと思います。
  299. 伊藤宗一郎

    伊藤委員長 平田先生、どうぞひとつ御結論にお入りいただきたいと思います。委員長から特にお願いを申し上げます。
  300. 平田藤吉

    ○平田委員 いまデータ通信問題で答弁がありましたけれども、これは通る話じゃないですよ。中古がどれほど安いのか知りませんが、入れてから大体三年か四年しかもちませんと言われて、それを金を出して買う人はいないでしょう。後売れないもの。新しいもので三年しか使っていないと言えば売れるかもしれませんが、それが八年たったらもう後は売れませんということになるので、非常に高くつくか、あるいは電電公社が中古だからというのでうんと投げ売りをするか、どっちかです。いま計画とおっしゃいましたけれども現実には進んでいないようでありますから、これはそう簡単なものじゃないというふうに私は考えるわけです。使えるようにするのには、相当手をかけなければできないだろうというように思うのですよ。ですから結局は高くつくわけなんです。八年間でペイしますということで何とかつじつまを合わせんがためにあなた方は無理をしているから、時間がかかってしまうのですよ。もっと簡単に、確かに困っていますという話で済んでしまうものを、八年間でペイしますと言っている関係から何とかかんとか言い回しをしようとするものですから、えらい時間がかかるわけですよ。幾ら時間をかけたってこれは信用できないですよ。一方で自分たちの都合のいいときには何年でももちますと言って、一方ではもちませんと言うのですから、これはどう考えたってそのまま素直にはいそうですかといただくわけにはまいりません。とにかく五十年度だけで五百億に近い赤字をデータ通信で出している。いま公社が公表しているよりもはるかに大きい赤字になっているであろうというふうに考えているわけです。  私どもは再三にわたって部門別の収支を明らかにすること、その計算の根拠を示すことを要求してきました。ところが、電電公社はその点ではまことに不誠実この上ない。いままで各省庁に対して、あるいは公共企業に対して資料の提出を要求しましたけれども電電公社が一番悪いです。そういう意味では、これはやはり国民に真実を隠すというように考えざるを得ないのですよ。資料を出しなさいと言ったら、赤字だけ抜き出して赤字でございますという資料だけを持ってくる。なぜそれが赤字になったか、そしてどれくらい問題があるのかということまで明らかにしたものは一つも出してこない。そうしておいて一方では、パンフレットに見るように、もう早く値上げしてもらわないとパンクしますから大変でございますと国民を脅迫しているようなものだと思うのですよ。こんなことで国民が納得するはずはないと思うのです。しかも、国会での審議を十分にしていくという仕事を妨げていることになると思うのですよ。データ通信初め部門別収支、その計算方法とその根拠を直ちに明らかにすべきだというように考えますが、私どもが資料を要求していて出ていない分、中身については幾らの赤字でございますと言って出してきたってどうにもならないのですよ。こういうふうになってこうだから赤字になるという数字を出さなければ検討のしようがないのですよ。そういう意味では、私が論議していく上でも大変な苦労をせざるを得なかった。そしてきのうになってからごそごそと一定数のものを持ってきますからゆうべはまた徹夜ですよ。おととい少し持ってきた。おとといの晩徹夜でまたゆうべ徹夜でしょう。とにかく十分な審議ができる準備を与えないのです。こういうやり方は、私はとにかく根本から改めなければならないというように思うのですよ。そういう意味で、米澤総裁、私も寝かされないで大変苦労しました。もっと早く出してくれればむちゃしなくても済んだのですよ。そういう点で、ひとつ積極的に資料の面でも協力してもらわなければならないと思うのです。総裁の見解を聞かしてください。
  301. 米澤滋

    米澤説明員 お答えいたします。  ただいまお話がございましたが、なるべく資料を出すように努力いたしたいと思います。
  302. 平田藤吉

    ○平田委員 私は、この質問で、電電公社の住宅の電話がふえたから赤字だというのじゃなくて、やりようによって、財政や経営のやり方を改善することによってこれは解決できるもので、住宅赤字論なんて言ってあそこに焦点を置いた宣伝というのは偽りだから、これはやめるべきだというように思うのです。まだ私も時間をかけて十分に審議したいところなんですけれども、とにかく早くやめるように、早くやめるようにと矢継ぎ早の催促でございます。国民の疑問に答えるためには、まだ問題がたくさん残されていると私は思うのです。委員長が何ですか、職権でもって発言中止を命令することのないようにしていただきたいみたいな脅迫も来ておりますが……。
  303. 伊藤宗一郎

    伊藤委員長 間もなくそうさせていただきたいと思いますので……。
  304. 平田藤吉

    ○平田委員 そんなわけで、とにかく十分な審議ができないのは残念です。私は、委員会がさらに審議を十分に尽くせるだけの時間をとるように強く要求します。  また、値上げ法案審議に当たって、電電公社が資料の提出を怠って審議に困難な状況をわざとつくり出してきました。このことを指摘して、いまも米澤総裁が言われましたように、今後国民の前にすべてを明らかにして、秘密主義的なやり方を克服することを強く要求します。  私が指摘してまいりましたように、公社の減価償却制度を改めただけでも今回の値上げはしなくても済むものであります。制度を改善して値上げ法案を撤回するように要求します。  ロッキード疑獄事件が示すように、金権政治の根拠を断ち切って、清潔な政治をつくり上げるために、公社の幹部の関連民間企業への天下りをやめて、関連企業と公社との関係を正すべきであると考えます。電電公社の大企業本位の姿勢を改め、国民本位に事業を進めることを要求し、公共料全等物価値上げ反対する圧倒的多数の国民立場からこの値上げ法案反対することを明らかにして、私の質問を終わります。(拍手)
  305. 伊藤宗一郎

  306. 田中昭二

    田中(昭)委員 最初に事務的なこともまぜながらお聞きしますから、簡単明瞭に答えていただきます。  まず確認の意味から、五十年度の決算での公社赤字額は幾らでしょうか。
  307. 中林正夫

    ○中林説明員 五十年度の公社赤字は二千八百十二億でございます。
  308. 田中昭二

    田中(昭)委員 そうしますと、四十九年、五十年度の赤字の試算がこの説明書の中に載っておりますが、この説明書では四千九百億ということになっていますね。この四千九百億が料金改定の必要額という大事な算定の基礎になっています。そうしますと、四十九、五十年度の赤字が確定しておりますが、この赤字は四千九百億にはならないわけですが、これはどうすればいいんですか。
  309. 輿寛次郎

    ○輿説明員 お答え申し上げます。  先生指摘のように五十年度決算が出まして、これと四十九年度の赤字を合わせますと、大体われわれの推定では四千五百六十億ぐらいになろうかと思います。したがいまして、われわれがことしの二月にお示ししました料金改定案のベースになっておりますいわゆる四九五〇の赤字、四千九百億というものは約三百五十億ほどは減ることになっております。したがいまして、その分だけ赤字が減ったことになるわけでございますが、その反面、実際はまだ計算は詳細にしておりませんが、いろいろまたプラスの要素も出てまいりますので、それを合わせればいわゆるトータルとしてはそれほどの影響はないものと思っております。
  310. 田中昭二

    田中(昭)委員 はっきりしたものだけでも減らさなくて、まだほかに何か操作するものがあるからというようなことでは私は了解はできません。一つ指摘しておきます。公社はそんなふうに、三百億とか四百億とかいう金は問題ないのですか。そういうことが多々ありますけれども、先ほどからいろいろ議論を聞いておりましても、そういう公社の姿勢といいますか、千億、二千億は金じゃないんだというような、そういう御発言はありませんけれども、それをうかがわれるような御答弁があっておるようですから、まあ一応事務的なことを先に聞いておきます。  それでは五十一年、五十二年、五十三年度の三カ年の赤字が一兆七千二百四十億と出ておりますが、この各年度の年度ごとの赤字はそれぞれ幾らずつになりますか。
  311. 玉野義雄

    ○玉野説明員 五十一年度の全事業の赤字が四千七百三十億、五十二年度が五千六百六十億、それから五十三年度が六千八百五十億で、三カ年合計で一兆七千二百四十億、こういうふうになっておると思います。
  312. 田中昭二

    田中(昭)委員 五十一年二月の計画ですか、新しい計画説明のこの説明書なんか見ていますと、この計画での料金改定額の必要額を充当するために値上げが必要になってくるわけですね。この五十一年二月の収支の見通しの中での改定の時期というのはいつでございますか。
  313. 玉野義雄

    ○玉野説明員 改定の時期はことしの六月一日からで考えております。
  314. 田中昭二

    田中(昭)委員 総裁、これがいま案件がここにかかっておるわけですが、いつごろからこの改定額でやろうと思っておられますか。
  315. 米澤滋

    米澤説明員 お答えいたします。  六月一日に実施するということで計画を立てております。この問題に対しまして本年度の損益勘定の中での料金改定による増収額が五千二百二十五億円。それから資金全体といたしましては、そのほかに設備料五万円を八万円にするという、これは資本勘定に入ってまいりますが、それを入れますと、これは一カ月いろいろスタートのときにずれるという問題がございますので、六百五十億円金が要るということになります。ところが一方におきまして、十月一日の時点において考えますと、この六百五十億円のほかに大体建設工程を二〇%切らなくちゃならぬ、すなわち加入電話にいたしまして約五十万ぐらい工程をずらすということにおきます資本収入の減というものが出てまいりまして、その分で三千五百億円影響してくるということでございます。すなわち六月一日から十月一日までで三千五百億円出てくる。しかし一方公社におきましても節約をしなければなりませんから、その分だけは引いて資金の欠陥を補っていく、こういうことでございます。
  316. 田中昭二

    田中(昭)委員 私が聞いたのは、いま延びておりますね。いつごろから改定しようと思っておりますかということを聞いたわけです。実施時期です。そうしますと、先ほど六百五十億というような数字も出ましたが、五十一年の六月から十一月までの赤字はその四千七百三十億の半分を見ればいいんですか。それとも違った数字であれば、その六カ月間の中の一カ月平均は幾らの赤字になりますか。
  317. 遠藤正介

    遠藤説明員 先ほど営業局長がお話ししましたのは、いわゆる原案でございますね。原案の計画を申し上げたわけです。いま田中先生の御指摘の点は、六月一日実施が現在まで延びておりますが、それが先ほど総裁が申し上げましたように、損益勘定と資本勘定を合わせて毎月六百五十億、こういう形で欠陥が出ております。したがって、六、七、八、九、十ですか、いまの時点では十ですが、五カ月をそれに掛けますと大体の資金欠陥が出るわけでございます。したがって、先ほど御質問がございましたように、いつからこれを実施するかということは、私どもと申しますよりは、もう一日も早く国会でお認めいただいて、一日も早く実施さしていただきたい、こういうぐあいに思っておるわけでございます。
  318. 田中昭二

    田中(昭)委員 どうも私の指摘とは違った数字がいま出たわけでございます。当初の原案には大体月平均四百億、ところがいま遠藤総務なりまた総裁からは大体六百五十億にまたふえるんだ、こういう御説明です。一応それはそのままおきます。  そこで、いまのそういう五十一年度末の赤字の推定で一カ月に平均した場合に差額が出るというのはどういうことでしょうか。
  319. 玉野義雄

    ○玉野説明員 五十一年度予算におきましては料金改定を見込みまして、それで収入を見込んでおるわけでございます。したがいまして、その料金改定による増収見込みを損益では五千二百二十五億、そのほかに設備料として六百億見込んでおるわけでございますが、それで五千八百億を見込んでおるわけでございます。したがいまして、それを一カ月に直していきますと、先ほど遠藤総務が申し上げましたように六百五十億になるということで、一カ月おくれるごとに六百五十億ずつ収入欠陥が起きてくるということでございます。
  320. 田中昭二

    田中(昭)委員 よく理解できないところもありますが、五十一年度の一カ月分の赤字が大幅に上がったということになれば、当初の原案がでたらめなのか、ずさんなのか、どういうことになりますか。
  321. 玉野義雄

    ○玉野説明員 私の取り違いかもしれませんが、当初原案でも、先ほど言いましたように、五十一年度の料金改定の増収見込み額を入れておりますので、料金改定がおくれるとその分だけ減収になってくるということを申し上げたわけなのでございます。ですから、計画は前のとおりでございます。
  322. 田中昭二

    田中(昭)委員 いや、計画が同じならば、金額が一年間に四千七百億だったわけでしょう。それを分析してみると、六月のときは大体四百億足らずくらいになる。ところが現在十月、十一月に見ると、それが六百五十億になる。どうもそういう水増しされたような改定必要額ということは、そういうことはきちっと整合して原案を出すべきだと私は思いますが、郵政省、公社からもそれぞれお答え願いたいと思います。
  323. 玉野義雄

    ○玉野説明員 トータルを割った場合に、そういうふうに一カ月平均にならないじゃないかというお話かと思いますが、これは私の説明不足でえらい申しわけなかったのですが、施行後一カ月間、施行日に一斉にできませんので、刻んでやりますので、当初は収入が少ないわけでございます、全部できませんから。それからもう一つ、公衆電話なんかは施行後四カ月工事期間が要るということで、公衆電話改定はそれだけまたおくれるわけでございます。それで、最初の部分は少のうございますので、たとえば当初予定しておる六月、七月、八月の収入はずれ分だけ少なくなりますから、それで大体九月ごろから完全に収入が入ってくるようになるわけでございます。そのときの完全に収入に入ってくる分が六百五十億というふうに申し上げたわけでございます。したがいまして、おくれましたときには、その完全収入のところはずれちゃいますので、それで六百五十億分ずつ減っていく、こういう意味でございます。
  324. 田中昭二

    田中(昭)委員 郵政省はそれでいいのですか。
  325. 佐野芳男

    佐野(芳)政府委員 いま玉野理事の申し述べたとおりでございます。
  326. 田中昭二

    田中(昭)委員 公社は今後の経営見通しをどういうふうにお持ちになっておりましょうか。
  327. 米澤滋

    米澤説明員 お答えいたします。  電電公社といたしまして国民のために電信電話事業を運営、発展させるというのが基本的な考え方でございます。そしてこれまで進めてまいりました昭和五十二年度末までに電話の申し込み積滞を解消する、これを一つの目標にしております。それからまた、五十三年度末までには全国の自動を一〇〇%自動化するということを考えております。そして今度の料金値上げをお願いする場合に三カ年の計画を立てました。三カ年というのは、結局、第五次五カ年計画の中で二年、すなわち五十一年五十二年、それに一年延長して、これは自動改式がまだ残っておりますから、その一年を足した五十三年、その五十三年までの間にわたりまして投資並びに収入、支出というものを決めまして——決めましたというのは、経済成長が安定成長に変わっておりますから、そういうような条件を入れまして、その予測を立てた結果、先ほど申し上げましたような、郵政省から出ておりますように料金改定をお願いしておるということであります。  なお、その際に、技術革新の成果を建設の中におきまして五千億円、建設投資を節減するということを考えておりますし、それからまた、実際の運営に当たりましても、できるだけ経費の節減を図っていくということにしております。
  328. 田中昭二

    田中(昭)委員 第五次五カ年計画というのが見直しの形で出てきたわけですが、その後の長期計画についてはどのような策定をなさっているでしょうか。
  329. 輿寛次郎

    ○輿説明員 お答えいたします。  第五次五カ年計画昭和四十八年から昭和五十二年までの五年間でございます。これは現在進行中でございますが、午前中もお話ししましたように、いろいろな情勢が変わりましたので、現実は五十一年から五十二年、五十三年の三年間を通じた計画を立てまして、これに基づきまして料金改定もお願いしておりますし、これでまいりたいということでございます。
  330. 田中昭二

    田中(昭)委員 私が質問したのは、その後の計画の策定の基本方針、それから整備目標、計画内容について聞きたい。
  331. 輿寛次郎

    ○輿説明員 お答え申し上げます。  その件につきましては実は今後の問題でございまして、現在、五十三年までと申しましたけれども、これは実は数字から申しますと第六次計画に入るわけでございます。したがいまして、われわれといたしましてはできるだけ早く、具体的には来年の夏くらいまでには一応五十三年以降の長期計画を立てたいと考えております。  その場合、まだ内容については詳しく議論しておりませんが、恐らく大体の基調といたしましては、五十二年度末で積滞が解消いたしましても、その後もさらに新しい需要が出てまいりますので、そういったものに対応することはもちろん、あるいは残っております自動改式局は全部やりますとかあるいはその他地域集団電話の解消とかいろいろな問題に取り組んでいきたいと思っております。
  332. 田中昭二

    田中(昭)委員 この第五次五カ年計画というのは国の新経済発展計画ですか、そういうものに即応してデータ通信の拡充、整備とかそれから総合電気通信網の形成、そういうのが主要目標、大きな柱になっておりますが、先ほどからも言われましたように、データ通信整備、拡充ということが経営上の圧迫の要因になっておるのではないか、こう思いますが、いかがでしょうか。
  333. 輿寛次郎

    ○輿説明員 お答え申し上げます。  ただいまの三カ年間の五十一年から五十三年の計画について申し上げますと、これは大体総額五兆円でございますが、そのうちデータ通信の占めるシェアは大体五%程度でございまして、決してそんな多いものではございません。いわゆる九三%は電話に投資するわけでございます。これは大体いままでの第五次五カ年計画と同様でございまして、そういった方向は今後も変わらないかと思います。したがいまして、その程度のデータ通信というものはやはり今後必要ではなかろうかと考えております。
  334. 田中昭二

    田中(昭)委員 公社の言う数%というのは金額が大きいのですからね。それはまた後で触れるとしまして、いま建設投資を四千三百億ですか、減額したとおっしゃいましたね。その内容はどういうふうになっておりますか。
  335. 米澤滋

    米澤説明員 お答えいたします。  詳しくは関係の局長から答弁させますが、建設投資におきまして三カ年間で節減するものは、線路関係、それから機械関係、伝送関係それぞれございます。  伝送関係は同軸ケーブルのチャンネルをふやすこと、それからマイクロウェーブにつきましてはやはり二千七百チャンネルまでチャンネルをふやしていくこと、それから交換機につきましてはクロスバー交換機C400というもの、それからなおこれはオペレーティングコストが安くなる電子交換機を入れていく。それから線路に関しましてはプラスチックケーブルの最新化を図っていく、こういうことでございます。  なお詳しくは局長から答弁させます。
  336. 田中昭二

    田中(昭)委員 暇が要っているようでございますから私の方から申し上げて確認したいと思います。  電話部門の投資中に加入電話の増設に係る投資を約三千七百億ですか、それからプッシュホンを五万、ビル電話を二万、データ通信を六百端末ですか、これだけ減らす。これが四千三百億の部門別の内容でしょう、違いますか。違えば説明してください。いま私は差を言ったのですけれども
  337. 輿寛次郎

    ○輿説明員 御返事がおくれて申しわけありません。最初の案では五兆四千億でございましたが、これが五兆四百億になっておりますが、その差額は、電話が三千七百億円、データ通信二百二十億円、画像通信二十億円の減でございます。総額約四千億円を減らしております。
  338. 田中昭二

    田中(昭)委員 大体四千三百億とか四千億とかいまの細かい数字はそれにしまして、その説明の中に「当面の建設計画について」というのがございますね。その中で、データ通信については「需要に応じて整備を行う。」こういうふうになっておりますが、これはどういうことですか。
  339. 輿寛次郎

    ○輿説明員 お答え申し上げます。  当面の建設計画の中にも確かにそういうようなことを言っておりますが、データ通信にはいろいろな部門がございます。われわれといたしましては、データ通信はいわゆる企業向けと言われておりますけれども現実にはいろいろ医療、環境、流通等の社会福祉型のデータ通信もございますし、あるいは企業がお使いになるものもございますわけで、こういったものについてはやはり時代の要請に応じて計画していく。その内容は極力われわれとしてはしぼったつもりでございますが、先ほど申したようなことで、総額といたしましては二千七百億程度というものを考えておるわけでございます。
  340. 田中昭二

    田中(昭)委員 いまのことは抽象的に言えば延ばしていきたいということも含まっていますね。違いますか。  そうしますと、もう一つあれですが、この資料の中のやはり同じ「部門別建設投資」の中の「主要整備水準」というのが、前の五十年十一月の分に説明があったのですけれども、二月分にはこれは削除してあるのですが、これはどういう意味ですか。今度はこういうふうに内容を出しては悪いのですか。
  341. 輿寛次郎

    ○輿説明員 お答えを申し上げます。  そういうことはございません。悪いことはございませんで、二月版は私もここにございますが、二月版には入れてございます。当面の建設計画の中にはあると思いますが、十ページあたりに「参考2」という形で入っております。十ページのところに入っておるかと思いますが……(田中(昭)委員「五十一年二月のどれ、何ページ」と呼ぶ)十ページに入っておるかと思いますが……(田中(昭)委員「入っていませんよ」と呼ぶ)そうですか、どうも失礼いたしました。(田中(昭)委員「あなたのだけ入っている」と呼ぶ)そうかもしれません。「主要整備水準」は別に誤ったものではございません。しかし、恐らく考えれば、五十三年度末という数字については、いわゆる五十三年でございまして、第六次計画の初年度ということもありますので、あるいはそういったことを配慮して一時削除した時代があったかと思います。しかし、別にあって悪い数字ではございません。
  342. 田中昭二

    田中(昭)委員 いや、それは悪い数字ではないでしょうけれども、先ほどから私が、データ通信が、前の委員の人も言っておりましたけれども、前の削除された部分をずっと細かく見ていきますと、ちょっと簡単に言いますが、この資料によりますと、五十三年度末には一般加入電話は一・二倍、ビル電話は一・五倍、公衆電話は一・三倍、こういうふうな数字になっているのです、五十年対でいけば。ところが、データ通信だけは二・三倍とずば抜けて多く出ておったのです。どうもここを出すと都合が悪いから全部削ったのかな、こっちはこういう疑問が出てくる。それで説明のところには「需要に応じて整備を行う。」という、さっき、わけがわからぬみたいな——わけがわからぬと言っては失礼でございますけれども、どうも詳細な説明を書かなければならないところに——減らしてないのですか、それは。減らしてもわずかでしょうけれども
  343. 輿寛次郎

    ○輿説明員 ただいま失礼申し上げました。  実は私の手元にあった資料は五十一年三月の分でございまして、ちょっとそれから修正したものが入っておったわけですが、データ通信につきましては別に意図はございません。加入電話その他と同じでございまして、確かに先生指摘のように、五十年度末は端末で申しますと八千五百端末でございますが、五十三年度末には一万九千端末ということで想定してございます。そういった意味で確かに端末はふえるわけでございますが、これは端末で表示しておりまして、現実にはいろいろな御要望もございまして、かなりふえておる。したがって、その辺は需要にはある程度応じざるを得ないということで考えておる数字でございまして、そのほかの意味はございません。
  344. 田中昭二

    田中(昭)委員 総裁、私は専門的ではありませんからよくわかりませんけれども、どうも資料がそういうふうな、いま議論したようなことで、素人にも何かしら理解のできないような、おかしいように感ずるのですが、これは何かデータ通信が赤字というものの中に相当占めておる、先ほども議論になりましたけれども。そういうことでいけば、このデータ通信を少し予算面においても縮小するというようなことが大事じゃないかと思うのですが、それはできないと言われるかもしれませんが……。  そういうことと、いま自分の手元には五十一年の三月の資料がある。私たち逓信委員はこの公衆電話改定については一生懸命になって勉強しているのです。五十一年三月の資料は全然いただいてないのです。そういうところにもまた疑問が起こってくる。国会には説明資料は、去年からそれは大変いろいろありましたから資料が幾つも出てくるのはいいのですが、五十年の十一月と五十一年の二月ではものすごく削除されたり、いまそれは一つ指摘したのですけれども、そういうことと、それから一番困るのは、いまのように自分たちだけ持った資料で説明されて、委員はそういうようなものは持たずに質問するということは、審議すること自体が、先ほどの平田委員の問題ではないけれども、それをかりるのじゃないですけれども、もう少し態度を変えてもらわなければいけないのじゃないかと思いますが、どうでしょうか。
  345. 輿寛次郎

    ○輿説明員 申し上げます。  どうも誤解があって申しわけありません。これは実は私の方の部内の資料でございまして…
  346. 田中昭二

    田中(昭)委員 部内の資料が大事なんだ。
  347. 輿寛次郎

    ○輿説明員 出せないとは申しませんけれども、いろいろな事情でつけ足したということでございますので御了承願います。
  348. 田中昭二

    田中(昭)委員 了解できないです。
  349. 米澤滋

    米澤説明員 お答え申し上げます。  資料につきましては、直ちに出すようにいたします。
  350. 田中昭二

    田中(昭)委員 いまからでは間に合わぬですな。
  351. 米澤滋

    米澤説明員 中身をちょっと説明いたします。  結局ナショナルミニマムという考え方で中身を配列がえしたというのが主なんでございまして、別に何か隠すということではない、いわゆる配列かえしておる、わかりやすくしているということだと思います。
  352. 田中昭二

    田中(昭)委員 いまの建設投資の整備内容にしましても、これは大事な問題ですよ。五十二年度までの第五次五カ年計画を一年おくらして五十三年度までのものを、それにするためには赤字が出てこういう改定をすることが必要です、こういう根底あっての公社の整備目標でしょう。  委員長、これは私だけいまここでもらってもどうしようもないのです。物理的に混乱するようなことならば、一遍中途でやめて、その説明によって二日でも三日でもよく勉強してもう一遍委員会を開いてということなら私はわかります。委員長、その辺どうですか。
  353. 輿寛次郎

    ○輿説明員 お答え申し上げます。  私の不手際でえらい御迷惑をおかけして申しわけございません。  結局、資料はほかのものは何にも変わっておりません。それで、いま先生指摘の主要整備水準だけが抜けておるということでございまして、あとのたとえば部門別建設投資額あるいは収支見込みあるいはその他いろいろな試算がございますが、そういったものは全部変わっておりませんので、御了承願いたいと思います。資料は後ほど早速出すようにいたしたいと思います。
  354. 田中昭二

    田中(昭)委員 あなたは変わっておらぬと言うけれども、削除したところを挙げればたくさんありますよ。私がいただいたのは、五十一年の二月の資料はこれだけですよ。三冊だけですよ。内容も五十年十一月の資料とは大分変わっておりますよ。あなたは自分の担当のところだけをおっしゃったけれども、削除なり都合の悪いところを削ったのはものすごくあります。それはもともと全部載せればいいじゃないですか。  データ通信のことについてはあと質問ございますけれども、これじゃできません。ですからその次のことに、本当は全部とまってやらなければならぬのですけれども、それでは委員長もせっかくあれでしょうから、このデータ通信だけちょっと外してやってみましょう。  では次に、料金決定の原則というようなとらえ方をしましてお尋ねしたいと思うのです。  政府並びに公社は、独占事業である公衆電気通信事業の役務の料金を決定する基本原則をどのように定めておられますか。
  355. 松井清武

    松井政府委員 お答えいたします。  料金決定の原則につきましては、公衆法の一条に「公衆電気通信役務を合理的な料金で、」云々という定めがございます。そのほかに特段の基準等が法律では定められておりません。  何が合理的な料金であるかということにつきましては、私どもといたしましては、事業の能率的な運営のもとにおける適正な料金を償い、その健全な運営を図ることができるに足る収入を確保するに必要な料金であると考えるというふうに考えております。
  356. 田中昭二

    田中(昭)委員 ちょっとそれだけでは、わかったようなわからぬような、私の質問に素直に答えてないですね、次のことまで答えられたから。まあ無理でしょうね。  それでは、いまの公衆法の第六十八条で規定する法定料金認可料金の役務は何を基準にして区別するのですか。
  357. 松井清武

    松井政府委員 お答えいたします。  公衆電気通信法におきます基本的かつ普遍的なサービスの料金につきましては、これを法定料金として公衆法上別表におきまして料金額その他を法定しているところでございます。  その他の料金につきましては、公衆法第六十八条二項によりまして、公社郵政大臣認可を受けて定めるというふうに規定されております。
  358. 田中昭二

    田中(昭)委員 余りきちっとは了解できませんね。  今度は専用回線の料金ですが、これは別表第六を削っておりますね。これはどうしてですか。
  359. 松井清武

    松井政府委員 専用回線の料金の限度額を法の別表から削除している次第でございます。いま先生の御指摘のとおりでございます。  これは、この法律が制定されました当時、専用のサービスの利用実態というものは主として電話の専用等であったわけでございますが、今日におきましては各種の利用がなされるようになりまして、たとえばファクシミリであるとかデータ通信であるとか、いろいろな著しい変化を来している次第でございます。したがいまして、この基準になっております待時通話の料金を基準として定めることは適当でございません。かつまた、専用サービスの種類がはなはだ多くなりまして、その種類ごとに限度額を設けることも実情に即さないというようなこともございまして、法定料金を崩すという意図ではございませんが、そういう次第で削除した次第でございます。
  360. 田中昭二

    田中(昭)委員 だんだんわからなくなってきましたけれども、今回この専用線を法定から外すことは、公共料金法定主義から認可へという、そういう意向に沿ってなし崩しで認可料金の方に持っていったというような感じがしてならないのです。これはどうですか。
  361. 遠藤正介

    遠藤説明員 いま監理官が言われたのと全く同じでございますが、もう少し詳しく申し上げますと、当時この公衆法ができまして第六ができましたときは、電話も待時通話が主なもので現在のように自動が余り普及しておらなかった。それから専用線につきましても、先ほど監理官が言われましたように電話通信のものが主でございました。したがって、ここにございますように「六、〇〇 ○倍以内において」こういう規定ができたわけでございます。ところが今日におきましては御案内のように待時通話の六千倍というのは一つの価格基準としてもう自動ができてまいりますと余り意味がない。それから電話通信だけではなくていろいろな規格またいろいろな機能を持つ回線の専用がふえてまいります。したがって、電話専用だけの規格を決めるよりはそれぞれの機能に合った料金を決めていただく方がいいのではないか。  で、私どもはこれは法定とは申しますが、御案内のように第六は六千倍というところだけ、料金額の基準のところだけが決められてあるわけでありまして、これによって私どもは、かねてから言われておりますように高規格のものについてはもっと上げるとかということを考えておりまして、決して不当に安くするとかあるいは不当に高くするということを考えるものではございません。  そういうことで、郵政省にお願いをし、先ほど監理官が言われたような趣旨で、今回の法律改正から第六を除いていただいたわけでございます。
  362. 田中昭二

    田中(昭)委員 いまおっしゃることは、それなりの理屈、公社側に立った理屈をおっしゃっておるので、結局は認可の方に移行するというような結果になるわけですね。いまそうじゃないというような御説明がございましたけれども郵政大臣、私は、こういう重要なものこそ審議会や何かで論議を尽くすなり、そういうことによって国民がよく認識できるようにすべきだと思いますが、いかがでしょうか。
  363. 福田篤泰

    福田(篤)国務大臣 お説のとおりと思います。
  364. 田中昭二

    田中(昭)委員 大臣もそのとおりということでございますから、これをもう一遍審議会なり何なりにかけるような御検討をいただいてということで、その質問をせぬでもいいようになりましたから、十分ひとつ、通信監理官の方と公社の方は、いまの大臣の御発言趣旨をそれこそ前向きに御検討いただいて、改正案を提出するなり何なりしてもらわなければいけないのじゃないかと思います。
  365. 遠藤正介

    遠藤説明員 これは大事な問題でございますから私から申し上げますが、改正法律案の中の別表の第六をあれいたしましたのは、待時通話の六千倍以内において、こう書いてございます。あとごちゃごちゃ書いてありますが、そこは問題ないのでございますね。たとえば東京−大阪間の待時通話の料金は現在幾らかというようなことを考えましても、これは非常に非現行なんでございます。したがって、私どもはこれによって法定料金認可料金に落とすとかあるいは楽にするという意図は全くないのでございます。ですから、いまの大臣の御発言も、この法律の改正そのものについては私どもの申し上げておるとおりでございます。ただ、その結果、私ども認可申請をいたします各規格の専用料金につきましては、先ほど午前中に田中先生から言われました、国民生活全体に影響のあるものについては慎重に郵政審議会にかけられる、こういう御方針のようでございますので、その場で皆様、一般の方に御理解いただけるような料金にあるいはそれによって修正されることはあると思いますが、この法律の改正そのものにつきましてはそういう趣旨であって、その点を大臣が否定されたものではないと私は、はなはだ僣越でありますが、そう思っております。
  366. 田中昭二

    田中(昭)委員 遠藤総務理事はいまそうおっしゃいましたけれども、私は、国民の側に立って、大臣の御答弁の方が当然だと思います。そんなふうに先取りして——先取りしてといいますと、せっかく法定から外したから外した後はもう認可料金になって、これは国民生活に重要なんだから審議会にかければいいじゃないか、そういう物の言い方には私ははなはだ理解できませんし、納得もできません。大臣、よく聞いておいてください。この認可料金審議会にかけることだけでも、この前参考人意見を聞きましたら、認可料金どころか法定料金認可料金も全部審議会にかけるべきではないか、そういう意見がほとんどだったのです。それはその参考人意見の中に、認可料金だけを審議会にかけるなんというのはおかしい、いまこういう物価上昇のときでいろいろ生活を圧迫するようなこともあるから全部かけるべきである、そういうふうに国民は思っておるのに、国民では認可料金の一部分をかけろという議論をすることはおかしい、こういう貴重な意見があったのですが、これを大臣、いかが思われますか。まず総裁からの御意見をお伺いしたい。
  367. 福田篤泰

    福田(篤)国務大臣 これは先ほどお答えしましたとおり、審議会にかけるという方向でひとつ検討させていただきたい。  なおまた、先ほど来資料提出について御注意がございましたが、審議に差し支えがあるといえば非常に大事なことでございますので、強く要求をされる資料は速やかに出すように、この際お答えしておきます。
  368. 米澤滋

    米澤説明員 お答えいたします。  認可料金につきましては先ほど来大臣から御答弁がございましたが、公社といたしましても、大臣のその認可料金審議会にかけるという方針を受けて処理いたしたいと思います。
  369. 田中昭二

    田中(昭)委員 私も余り専門家でございませんから、いま大臣のおっしゃったことを余り細かくここで確約をとろうと思いませんので、いずれにしろ、公社を監督する郵政省に国民が納得するような方向で行政をやってもらえばいいわけでございます。ところが往々にしていままでは、そういうことがこの委員会で論議をされ、やると言われたことすらやらないという、そういう根本的な問 題を私は問題にしたわけであって、今後そういうことのないようにひとつしていただきたい、こう思います。  そこで聞きますと、警察とか新聞、放送、マスコミ等の専用回線の料金については他の専用料金よりも低く定めることができるとしておるようでございますが、その理由は何ですか。
  370. 玉野義雄

    ○玉野説明員 専用線の中で警察、消防及び新聞につきましては、郵政大臣認可を得まして割引することができるようになっております。したがいまして、これにつきましては、従来国につきましては距離段階によって違いますが、三五%から六七%引き、これは警察、消防でございますが、それから新聞につきましては二四%から四五%引き、こういうふうになっておったわけでございます。しかしこの割引率は過去に長い経過がございまして、かなり前から割り引いておるわけでございます。それでこれは順次修正していく必要があるということを考えまして、私たちの方では昨年の七月に警察、消防につきましては二四%から五〇%というふうに直したわけでございます。それから新聞につきましては、さらに一三%から二五%引きというふうに修正いたしまして、この割引の幅でございますが、これは順次縮めていきたいというふうに国等にもお願いしまして今後持っていきたいと思っております。
  371. 田中昭二

    田中(昭)委員 大した理由はないようでございますね。規定にあるからということですが……。  さらに、今後専用料金は、郵政大臣認可を受けて、その原価を下らない範囲内において定めることとしておるが、その原価はどういう算定になりますか。
  372. 玉野義雄

    ○玉野説明員 原価を割りますともちろん赤字になってまいりますので、赤字にならない範囲ということでわれわれは考えておるわけでございますが、これは個々の場合ではございませんで専用料全体のことでございますが、専用料全体は現在六八%で三二%の黒字になっておるわけでございます。しかしいかに黒字だからといっても、割引の幅が余りにも多いのは問題であるということで関係方面にもお願いいたしまして、割引率を常識的な線に持っていくということを私たちとしていたしておるということを御説明申し上げたわけでございます。
  373. 田中昭二

    田中(昭)委員 料金体系に入りたいのですが、その前にサービスの問題に入ってみたいと思います。  公社はサービスを大変中心にした事業運営と思いますが、このサービス改善にはどのように努力していきますか。
  374. 川崎鋼次郎

    ○川崎説明員 お答えいたします。  ただいまサービスと申されましたので、ちょっと漠然としておりますのでつかみかねますが、電報のサービスもございますし窓口の受付の状況のサービスもございます。それから電話の交換手の扱うサービスもございますし、料金の苦情の問題もございます。それから保全関係のいろいろと、故障修理ということでございますが、一般……
  375. 田中昭二

    田中(昭)委員 確かにそうでございます。私が抽象的なことを聞きましたから、それではいまから具体的に一つの問題にしぼります。  最後におっしゃった料金の苦情、大変これには問題も多いと思いますが、大体料金などの問い合わせ、苦情についてはどのように処置をしてその実態はどういうふうになっておりますか。
  376. 川崎鋼次郎

    ○川崎説明員 お答えいたします。  ただいまの御質問の度数料金の申告の状況でございますが、われわれ四十六年度当時から毎四半期、状況を本社に集めております。その結果によりますと、最近は一カ月一万加入当たりの件数に帰納いたしますと、三・六八というような度数申告の状況でございます。そういう度数申告が窓口に参りますものですから、そういうことに対しましてはわれわれ一番最優先に当たりまして、現場の管理者または電話局長等が率先して当たるようにという指導をいたしております。
  377. 田中昭二

    田中(昭)委員 まずシステムから説明してくれませんか。件数なんかまだ私は言っていないのですから。いま私の問いに正確に。どういう処置をし、その処置をしたものはどういう実態になっておるか。実態と言ったから件数を言われたのかもしれませんけれども料金苦情に対する——現場へまず料金苦情言ってきますわね。それはどういうふうなシステムで処理されておりますか。
  378. 川崎鋼次郎

    ○川崎説明員 まず、それでは料金の請求書の発行のことから若干触れますと、請求書を発行いたしますと、それに対しましてお客様の、高いではないかというような苦情が発生する場合がございます。それが窓口へ参りますと、まず責任者がなるべく会うようにいたしております。そして責任者がその内容につきましてまず聞きまして、その度数料金の前月に比べて多いの少ないのとかいうような議論に対しましては懇切、丁寧に御説明するということになっておりますが、大部分のお方は現在の料金の仕組みを、たとえば十月分の料金の請求書ならば前月の九月の度数料という過去の度数料が上がっておるというのが忘れておられたり何かしまして、そういう料金月の間違いを発見されたりして、大部分の方はおわかりになってお帰りになります。われわれはそういう度数の問い合わせに対しまする件数を集計いたしますし、また電話局長は必ず責任を持ってそういう度数申告にはいつも把握をするような態度で臨むようにということを指導をいたしております。
  379. 田中昭二

    田中(昭)委員 そのことについて、私、事前に申し上げまして、いただいている資料によりますと、大体いまおっしゃったようなことですから、もう一遍確認しながらあれしますが、料金の苦情の処理システムということで御返事いただいておりますが、結局現場においては正確な料金請求に努めておる、まあ抽象的ですけれどもね。その内容としては、いま言われたように管理者がやるとかいろいろなことがあるようですが、管理者は必ずその処理状況電話局長に報告をしております。それから現場の電話局より上部の機関であります通信部等においては、そういう集計をとって必要な処置を講じておる。それからまた本社ではちゃんと指導をしておる、その指導の通達というものを見てみましたのですけれども、まず料金請求にはミスがやはりあるということを一応書いてありますようですね。そして「基本作業の励行」とか「利用度数によるチェックの徹底」とか「指導講習会の実施」とか、こうなっています。一番わかりやすいのは、「問合せに対する応対」こういうものが通達で出ておりますが、その「間合せに対する応待」ということを通達の中から取り上げてみますと、一番は「問合せがあった場合は、原則として管理者が責任をもって応待すること。」これは言葉で言えばそういうことですがね。二番目にはこう書いてあるんですね。「機械を絶対視するような応待は行わないこと。」こういうことを通達に書くということは、現場機関ではこれと逆なことが行われているということですね。まず一つ一つ聞きましょうか。
  380. 川崎鋼次郎

    ○川崎説明員 ただいまの御指摘のように、機械を絶対視する向きが現場において散見されました。たとえばそれはコンピューターだから間違いがないとか、機械計算だから間違いないとか、こういうような応待をいたしまして、新聞投書等にもあらわれた事実が散見されましたので、そういうことはだめだということで去年、絶対にそういうことのないようにということの通達を改めて出した次第でございます。
  381. 田中昭二

    田中(昭)委員 そうしますと、私はやっぱりそういう通達の裏には、現場での苦情の正確なる実態それから処理というのがどうも公社の一方的な処置によってなされるためにお客さんの不満が相当あるんじゃなかろうか、こう思うのですが、この点はどうでしょうか。
  382. 川崎鋼次郎

    ○川崎説明員 お答えいたします。  先ほどお答えを先にいたしてしまいましたけれども、いまの苦情がどの程度あるかというようなお話にも関連するかと思いますが、一カ月一万加入当たり大体三・六八というような苦情が一応ございますが、先ほどお答えいたしましたが、さらにそういう苦情処理に当たりましていろいろと御説明いたします……
  383. 田中昭二

    田中(昭)委員 そうじゃないの。私の質問はそうじゃないの。わからなければもう一度言いましょう。  あなたの方でこういう通達を出すですね。機械は絶対間違いないというようなことを改めて通達を出さなければならぬということは、そういう機械は絶対間違いがないですという説明を現場でして、それに対していろんな実態があるわけでしょう。件数じゃないんです。私は件数はまた別な議論をしなければならぬと思っているんです。そういう苦情の実態の中に、機械だから間違いないというようなことがいままであったというのでしょう。あったということは、あったからそういうことを言わないようにと言っているんでしょう。そのあったところの実態というものをどういうふうに把握していますかと、こう言っているんです。
  384. 川崎鋼次郎

    ○川崎説明員 私はありましたと申しましたが、散見されたということを申し上げて、普通はそういうことはないわけでございますが、たまにそういう問題が散見されております。それを申し上げたのです。
  385. 田中昭二

    田中(昭)委員 たまにじゃありませんよ。この委員会でもどれだけ指摘されましたか。この料金苦情についてお客が困ったことについては、投書を集めればどのくらい集まりますか。この投書さえあなたは実態握っていないじゃないですか。そういう抽象的なことを言うのであれば、それでは私が申し上げましょう。この実態に対する取り組み方を私は現場でいろいろ聞いてきました。具体例を申し上げましょう。  あなたの方のこの処理システムの中に管理者の云々と書いてありますね。いいですか。管理者などが責任を持ってというが、その苦情処理をする経過の中で、公社側の一方的な姿勢とか、すなわちお客さんの方に間違いがあるような説明があって、そのことが料金苦情のトラブルを起こしているんですよ。ないと言えますか、それが。ないと言えますか。管理者と責任者と機関長が全部間違いがないようなことをやっていますか。
  386. 遠藤正介

    遠藤説明員 これは田中先生、私どもこの委員会でも何回も伺いましたように、この数年間、料金の苦情が非常に多くなったことは事実であります。中には非常に激しく間違いがありまして、新聞あるいは週刊誌等に出たケースも、私どもよく覚えております。ただそのころは確かにいま業管局長が申しましたように、現場の料金の応対が第一次応対的にコンピューターでやっておりますから間違いはありません、こういうようなことをやっておることはまず間違いでありまして、コンピューターといえとも——明石の例なとでは、コンピューターは間違ってないのですけれども配線が間違っておったとか、あるいは手作業部分で間違っておるというようなことは幾らもあるので、そういう応対をしないように、いま業管局長が申しましたように、かつてのような、機械でやっておりますから誤りはございませんと言う前に、まず責任者の管理者が会ってその話の中身を伺う。そして、料金請求書というのは非常にわかりにくい点がございます。度数料という言葉もそうでございますが、料金月という言葉もある意味では公社が勝手に決めているのでございまして、十月分の請求書といえば大体十月一日から三十日が常識でございますが、ある料金月のところでは九月の二十五日から十月の二十四日までをいっておりますから、そういったような点をよく懇切に説明をしろ、こういう指導をいたしまして、そして従来やっておりませんでした、料金担当者を全部地方、中央の学園に集めてそういったトレーニングをやりましたのが、たしか数年前から計画的にやって今日ではほぼ終わっておるのでございますが、そういう形で私どもとしてはこの問題について当委員会でも御指摘になった点についてできるだけの努力をやってきておるつもりでございます。
  387. 田中昭二

    田中(昭)委員 私は、こういう細かい問題全部、質問の前にある程度の通告はしているんですよ。それをそのとおりお答えにならないから、私がまた順序立てて言わなければならない。いま総務理事が言われましたけれども、そのずっと言われる中の、本当に現場で管理者が責任を持って、相手の立場に立って全部やっているかというと、そうじゃない。その証拠に、管理者の人でも機械にはミスがないというようなことを言って、そういうことがトラブルの原因になっているというのがあったでしょう、こう言っているんです。あなた、出てきましたか。  それでは第二点。これは全国に全部あるかどうか知りませんが、苦情処理委員会というものを設けて、その委員会で苦情があったものについては処理をしておる。ところが、この苦情処理委員会公社の内部のものだけなんですね。お客さんの方のことは全然配慮してない。これではせっかくの苦情処理委員会も、外から見ればお客さんの不満は解消されないで残る。その残ることが問題なんです。せっかく苦情処理委員会というものをつくったならば、そのお客さんの不満が八〇%とか九〇%とかだんだん少なくなって、そういうのがないようにするのが処理委員会でしょう。それとも公社だけに都合のいいような処理をするための苦情処理委員会ですか。そういう事実があるでしょう。説明は要りません、そのとおりなんですから。  もう一つは、この処理が不適当なまま、現場機関長には全然報告されない事例もありますよ。私は見てきました。これは一年間にならないのですが、これだけの投書を全部見ましても、苦情を持ってきたときに、公社の方に間違いがあるかわかりませんから調べてみますと一遍でも言った記事は全然ないじゃないですか。一番最初にあるこの記事は、同じ場所に二つの家があって、電話線は二本引っ張ってある。この隣同士の家が間違って来ていると言うんです。AのところのものがBのところに行く、BのものがAのところに行く。それから二人の奥さんが話し合って、これはうちのと間違っておりましょう、こういうことで、現場に言ったところが、現場ではそんな間違いはありません。電話線二本行っておって度数計に絶対に間違いありません。こういうことを言っておるのですよ。その内容一つ一つ見れば、本当に公社の通達の指導みたいに、管理者がまず会ってよく聞く。よく聞くどころか、現実は、まず係長の段階で、電話で話しておった。ところが出て来いというから行った。ところがその係長がいないから、引き継ぎは何もなされていない。こういうことは全国にたくさんあるじゃないですか、事例を挙げれば。そういう問題は料金トラブルにまだ至らない問題でしょう。これはクレーム委員会にかけてやったから間違いないと言って説明をして、実際徹底的に追及したらやはり公社側にミスがあった。これも同じようなことですね、四件ぐらい出ていますけれども。計器の間違いがありながら、一方的に公社の方で間違いないのだと言って、今度はその人が正確に自分のかけた回数とかそういうことを全部調べて突き合わせて初めて機械の間違いを認める。こんな間違いが三件投書の中に出ていますよ。このうちの二件はとうとう解決できないのです、そういう電話番号がないと言って。間違いだと言っている実在人物がおって何でそういうことが言えますか。ですから、私はここでこういう議論をすることが——ただ言葉でうまいぐあいに説明されて、ああ、そうですか、そういうことが多いのですよ。ですからいま私が言った三つの問題ですね。苦情処理委員会の問題、管理者の問題、もう先ほど言いましたから言いませんが、それから現場機関長に全部苦情処理が報告されておると言えますか。それだけお答えください。理由はもういいですから。
  388. 遠藤正介

    遠藤説明員 確かに私どものところも現場機関が三千幾つございます。営業の窓口にすればもっと多いと思います。また管理者の数も何万人とおるわけでございまして、一片の通達あるいは一回の訓練でそういうことが一〇〇%実行されておるというぐあいには私も思いません。またそういうことを私どもも耳にしたことがございます。  いま先生指摘の投書につきましては、私まだ拝見しておりませんのですが、見せていただくこ とができれば私どもの方で個々に実情を調査してお答えをしてもよろしいかと思いますが、ただ数年前から、この問題につきましては、業管局も、先ほど申し上げましたように、これに全力投球をしておる形でございます。したがって、一般的な統計的な数字を申し上げることは、決して私ども責任を免れるために申し上げるのじゃないのですけれども、統計的な数字としては私どもはだんだんよくなっていると思う。ただしかし、全国に仮に一件か二件でも、そういう悪いのがあれば私ども公社の信用にもかかわりますし、公社のサービス全体にも影響のあることですから、私どもはその点についてはさらにこれを緩めないでやっていきたいと思いますが、先生の御指摘のようなことは恐らく私はあると思います。私もそう思います。しかしもう少し時間をかしていただいて、トレーニングをしあるいはいろいろ実例によってやっていくことを、時間をかしていただければ、さらに今後のサービスの問題としての御質問でございますから、私どもはそれが公社の今後の大きなサービスの問題になるだろうということは痛感をいたしております。
  389. 田中昭二

    田中(昭)委員 委員長にお願いしますけれども、私は時間が、それこそ最初言いましたように、本当に、いまの問題一つ解決するでも徹底的に私も理解し、公社側も理解してもらうためには、こういうことをやっておったら何時間でもかかるのです。私はいまでも資料が不備なものについてはまだ残しておるでしょう。料金体系でもまだはずしておるのです。その辺を、せっかく遠藤総務理事説明になりますけれども、いま遠藤総務理事が言われたことをもう一回私が私なりに下手な解釈でやりますと、公社も一生懸命努力しておるのだから、管理者の中にも一件か二件かそういうものはあるだろう、だがそれは待ってください、今後の指導によって直します、こういう言い方ですね。これは私が指摘するまでもなく、公社はみずからそういうことをやらなければならない社会的責任があるわけですよ。私はそれを言っているのじゃない。苦情処理委員会をつくった、その苦情処理委員会公社のためにも加入者のためにも本当に機能しておると言えますか。そのお答えはないじゃないですか。それから、現場機関長に全部苦情が報告されていなければ、先ほど担当者の方は全部全国のを集計しておるというけれども、その集計には漏れるのです。そうでしょう。違いますか。ですから、現場機関長に報告されてないものはないと言い切れるか。処理委員会は、私が言ったようなことで、お客さんから見て公社の部内者だけで一方的にやっているのじゃなく、その処理委員会を本当に加入者のためになるように、また公社のためになるように機能するにはどういうことを検討すべきか、落ち度がないか、こういうことを言っておるわけです。  ですから、それはもう御返事いただくまでもないでしょうから、その次でございますけれども、いずれにしろお客さんの不満が残ったものを、そのまま——料金の誤りか公社側にあるものについては、公社責任、先ほど信用問題にも触れましたけれども公社が今後国民とともに発展していく上においては大事な問題である。この対策を考えてみても、私がいま考えておるようなこと以上のことがあるかもしれませんが、その社会的責任を果たすということから考えれば、その対策として、公社側に誤りのあったことは全部公表する、そのくらいの処置をとっても、完全とは言えないけれども一つの方法ではなかろうか、私はこう思います。これは総裁もずっと聞いていただきましたから、ひとついままでこういう国民の大変な不満が残っておるものに対して、幾らかでも安心できるような方向での御返答をいただきたいと思います。
  390. 米澤滋

    米澤説明員 お答えいたします。  ただいま御指摘ありましたような件につきまして、これは非常に重大な問題でありますので真剣に取り組みます。方法といたしましていまいろいろ御提案ございましたが、そういうものも含めまして、早急に措置をいたしたいと思います。したがって、ただいま御指摘ありました苦情の処理の仕方、それからまた管理者に対する報告、そういう点、それからもう一つは、前からよく問題になりますたとえば度数計監査装置をもっと活用する……(田中(昭)委員「それはまたあとでやります」と呼ぶ)——そうですが。そういう問題を含めまして、やりたいと思います。
  391. 田中昭二

    田中(昭)委員 この苦情の問題で、最後にしますから大臣からも、私平易な問題を提起しておりますから、これはわかっていただけると思いますので、御答弁いただきます。  この苦情処理について、先ほどからずっと、こういうようなシステムをつくって管理者の云々とか、それから不親切にならないようにとかいろいろあります、そういう御答弁がございましたが、現実状況では、この苦情の実態に対してはお客さんから見れば大変疑問と不満が残るのです。そういう完全でないような現状を見ますと、現状でいま言ったようにいろいろな措置をやりますけれども、ずっと不満が増大しておるのです。公社に間違いがないとか、こういう立場でやってきているという事実はいまお述べになったわけですけれども、だんだんこの不満が増大している。ということは、増大しなくてもこういう問題は、いま総裁もおっしゃるとおり大事なサービスの問題で、それがサービスの低下を来すということになるわけです。そういうサービスの低下のもとに料金値上げをしようとしましても、私は国民の共感は呼はないと思うのです。妥当でないと思います。大臣、いかがでございましょうか。
  392. 福田篤泰

    福田(篤)国務大臣 料金値上げも、結局するところは国民各位に対するサービスの向上でございますから、私は最初の役所における訓示におきましてもはっきり申し上げたことは、郵政省の仕事は国民に対するサービスに徹底しなければいかぬ、いわゆるお役所仕事を絶対やってはいけない、あくまで国民へのサービスを念頭に置いて、徹底したそういう精神を貫いてやるということを最初に訓示したくらいでございますので、御指摘の点は絶無を期して、やはり公社立場からあらゆる工夫をこらしてそういう不満が起こらぬように、また、起こった場合には直ちに解決するようにあらゆる手段を講ずべきであろうと考えます。
  393. 田中昭二

    田中(昭)委員 国民の共感を呼ばないような状態での料金改定をいま現実に迫られているわけですね。はなはだ残念でございますが、これはそこまで大臣に要求することは無理かと思います。  ここでまたちょっと問題を変えまして、本社の方からたくさん各局長さんたちもお見えになっておりますから、ここで経費の節減ということで、これはやはり赤字であれば経費の節減——先ほど総裁もちょっとおっしゃいましたが、一層努力しなければいかぬと思いますけれども、ひとつ簡単に、各局でどういう経費の節減があるのか、項目だけでも結構ですから述べていただきたいと思います。
  394. 長田武彦

    ○長田説明員 お答えいたします。  私は現在、建設勘定工事の執行を所管しておるわけでございますが、私、今年度は一兆五千億という建設勘定予算の執行を命ぜられておるわけでございます。この中で、現在五十一年度から五十三年度まで三カ年間におきます建設勘定投資の、要するに節減とは何かということについて御説明したいと思います。  先般総裁からもお答え申し上げましたように、五十一年度から五十三年度まで三カ年間で新技術を導入することによります投資額の節減を五千億見込んでおります。この内訳を概略御説明申し上げますと、まず長距離の伝送路の関係でございますが、特にこの辺はいわゆるエレクトロニクスによります新技術の革新の非常に著しいところでございまして、十年前の技術で申しますと、従来マイクロウエーブの方式では一システム当たり四百八十回線の回線がとれておったわけでございますが、現在では二千七百回線の回線を一システム当たりとれるというようなことで、これはとりもなおさず現在四ギガヘルツ、五ギガヘルツ、六ギガヘルツというようなマイクロウエーブの長距離幹 線をつくっておりますが、こういうような波が同じ中継所で同じアンテナを使って送受することができるというようなことで、非常に基礎設備の投資の節約に役立っております。  それから同じくもう一つは、同軸ケーブル方式でございます。これは十年前の技術におきますと大体九百六十回線の回線が上り下り二チューブでとれるということでございましたが、これは現在は二千七百回線ないし一万八百回線が二チューブでとれる、これは倍率にいたしますと十倍以上の回線の使用効率ということで、伝送路自体が非常に安くなってまいりまして、したがいまして回線当たりのコストが非常に安くなってきております。大体こういう長距離伝送路関係で節約できると見込んでおります額は現在二千五百億でございます。  それから次は交換機でございますが、十年前はまだクロスバー交換機というものも導入される当初でございまして、どうやら部分的に導入されるという時期でございました。現在ではクロスバー方式は全面的に導入をされておりますし、さらには現在電子交換機も部分的に導入されている時期になっておりますが、非常にこれも小型化、経済化ということで、大体交換機関係で一千五百億ほどの節約になると考えております。  なお、そのほかのケーブル等につきましては、十年前といいますものはほとんどいわゆる鉛被ケーブルでございましたが、現在はこれが全部プラスチックケーブルになりましたし、さらに〇・三二ミリというような非常に細い心線のケーブルも使えるというようなかっこうになっておりまして、この関係でいわゆる経済化、それから障害の発生率の減少というようなことがございまして、これで大体一千億の経費節減ができるというふうに考えております。  以上、この三年間で五千億の投資の削減でございますが、大体これのはね返りといたしましていわゆる損益勘定面では大体三カ年間で千六百億ほどの経費の節減につながるというふうに考えております。  以上でございます。
  395. 玉野義雄

    ○玉野説明員 ばらばらで申し上げるのも何でございますので、あと、まとめて申し上げさせていただきますが、主なものを申し上げますと、まず、先ほど申し上げました施設局長のとも関連いたしますが、自動改式とか設備の近代化、これによりまして、近代化いたしますと障害率が減るとか、こういうことになりますと補修要員が減るとか、そういうような関連で約千四百二十億、三年間で節減を予定いたしております。  それから、そのほかに電報関係合理化等をいたしまして、電報は一一五で受け付けておりますが、これをなるべく統合いたしまして、集約能率を上げるということ。それからもう一つは、配達でございますが、これは民間の方に委託した場合の方が合理的な場合が非常に多うございますので、これを委託する。現在委託しておるものがございますが、これをさらに拡大するということで、約百八十億節約できると思っております。  それからさらに、電話番号簿につきましてでございますが、これは発行いたしました場合に、従来は全部配っておったのですが、これを希望者にだけ配るということで冊数が節約できます。それからもう一つは、発行周期が毎年でございましたが、これを一年半かにいま延ばしておりますが、さらにこれを二年までに延ばす。その間には訂正版をある程度お配りするというようなやり方とか、あるいはこれは分冊いたしますと部数が減りますので、これで節約ができるとかいうようなことを考えまして、七百六十億ほど考えております。  それから、先ほど料金で問題になりましたが、料金請求書をいまかなりはがき形式にいたしまして発行しておりますが、あれにいたしますと非常にまた節約ができるわけでございます。そういうようなものの拡大とかそれによりまして七百四十億考えております。したがいまして、以上合計いたしますと三千一百億になるわけでございますが、それから先ほど施設局長が申し上げました新技術による投資の削減、これによります償却費、利子の節減が千六百億ございますので、合わせまして四千七百億というふうに考えております。
  396. 田中昭二

    田中(昭)委員 各局長さんはもう少し細かく説明したかったろうと思いますけれども、一応まとめてやっていただきましたから、これで一応私の方から申し上げますが、総裁、今度の改定額についていろいろ勉強する中で、この委員会でも議論になった中で、やはり物価の上昇、高度成長という中での人件費の増加といいますか、いまのようにいろいろな技術革新等で職員全部、三十万ぐらいの方か努力しておられることは——私は努力してないとは申し上げません。努力していただいて技術革新合理化も行われて、先ほどのようないろいろな計画、経費節減というものも出てきていると思いますが、ただ、この赤字ということになってみまして議論されますのは、人件費とかそれから先ほどの減価償却の問題とか、それから利子負担が多くなったとか、こういう項目がありますね。これは私の認識に間違いないと思います。そこで、これは単刀直入に言って、こういう言葉で表現していいかどうかわかりませんが、私はそのまま許していただくといたしますと、そういう人件費、減価償却費、それから利子負担その他何か節約できるものというものが、細かいけれども、何か触れられなかったというような感じもしますけれども、一応余りいい言葉ではありませんけれども、私が公社の実態の中で感じたことをそのまま言わしてもらいますと、どうも無理といいますか、むちゃといいますか、むちゃな労働力を使って、これはすぐ人件費に関連する問題ですね、そしてそこにむだな経費がふえておる。人件費でありませんよ。それに関連したむだな経費がふえる。そしてお客さんに対しては不満を残すというようなことが公社の現状の中で、現場で、ないと言えるでしょうか。
  397. 米澤滋

    米澤説明員 お答えいたします。  先ほど、今後三カ年間に対しまして建設投資あるいは損益の中で節減を図るということを申し上げました。そのほか、まだ細かいことを言いますと、たとえば利子負担を減らすために借金をする場合に最も安く金を借りるとか、あるいは電力を節減いたしましてやるとか、いろいろございますが、それは省略いたしまして、いま人件費のことでございますが、マクロ的に言いますと、生産性、いわゆる公社に働いている全職員と公社にある全電話機、働いている電話機の比率をとりますと、これはヨーロッパの先進三カ国に比べましてむしろ日本の方がはるかによくなっておりまして、アメリカとほぼ対等ということでございますが、マクロ的にはそうであってもミクロ的にはいろいろ問題があると思います。したがって、そういう問題につきましては労働組合ともいろいろ話をしながら改善したいというふうに思います。     〔委員長退席、加藤(常)委員長代理着席〕 確かにおっしゃるように、ミクロ的にはいろいろ問題がある。たとえば技術革新で非常に障害が減っているところにわりあいに人がよけいいるかわりに、たとえば営業部門等で非常に忙しいところに人がいない。そういう問題につきましては配置転換とかいろいろ問題もございますので、労働組合ともよく話し合いながら進めていきたいというふうに思います。
  398. 田中昭二

    田中(昭)委員 そこで一つの問題をいまからまた提起します。これは先ほどの苦情の問題とちょっと関係する度数計の問題ですけれども加入電話の度数計に対して、全国の、いま三千万台近いですか、異常度数というのを調べてありますね。この異常度数を調べておるというのはどういう目的ですか。
  399. 川崎鋼次郎

    ○川崎説明員 お答えいたします。  異常度数というのはたとえば前月支払いました金額に対しまして今月の請求の金額が非常に大きいというふうに加入者の方が判断された場合に、そういう調べの要求が出てくるわけでございます。それでわれわれはある程度その異常度数の基準を決めまして、使用度数の非常に少ない方はちょっと使いましても、電気ガス水道と違い ましてぱっと度数が非常にかさむ場合もございますものですから、前月と比べて非常に多くなることもございますが、そういうものの過去の例から見まして、全部それを調査すれば一番よろしいのですが、とにかく三千万加入もございますものですから、ある一定の基準、たとえば前月に比べまして月に二百度ぐらい使う人ならば前月の五倍程度というような一つの基準を、事務用、住宅用別々につくりまして、それの基準に該当するものにつきまして、どういう事情でこの度数がかさむかということについてよくチェックをするようにしております。
  400. 田中昭二

    田中(昭)委員 いまちょっと不思議に思いましたけれども、普通の度数計の五倍くらいとおっしゃったけれども、これは間違いないですか。これは一緒に答えてもらいます、もう時間が足りませんから。私はそうではないと思うのです。私がいままで聞いた範囲では大体二倍、下はゼロのものを異常度数と見てやっている、こういうふうに聞いております。これは後で訂正してください、もう一つありますから。ですから、この異常度数を調べているのは三千万加入の中でどのくらいやっておるのですか。これは関連してくるから、本当は全部やらなければいけないのですね。
  401. 川崎鋼次郎

    ○川崎説明員 いまのところ、統計をとりますと、一万加入当たりに帰納いたしまして、一月に百六十五件でございます。
  402. 田中昭二

    田中(昭)委員 そういうことではなくて、三千万加入の中のどのくらいを、全体を調べているのですか。
  403. 川崎鋼次郎

    ○川崎説明員 全部調べるわけにはまいりませんから、調べる対象を——いまの百六十五というのは一万加入当たりですから、三千倍しますと約四十五、六万と申しますか、そのぐらいの加入者の分を毎月調べておるということでございます。
  404. 田中昭二

    田中(昭)委員 先ほどの五倍は訂正せぬでいいのですか。また後でどこかで訂正してもらいましょう。  それではこの三千万台の中で四十六万回ある異常度数を調べるために人件費はどのくらいかかりましょうか。
  405. 川崎鋼次郎

    ○川崎説明員 ただいまコンピューターの電算化局と手作業局と二種類のものに全国分れておりますが、大体発行、集計に約五千人手作業局にはおります。それからコンピューターの方の電算化局に三千人でございますから、いまのマクロで申しますと八千人というものが直接、請求のみの事務に当たっておりますから、八千人に三百万円程度人件費を掛ければ年間二百四十億になろうかと思います。  その五倍の方は、先ほど先生に東京の例があるいは出たかと思いますが、東京の例は過去六ヵ月間のうちの最高の度数に比べまして二倍程度上がったというような場合にはそれをチェックするということが出ておりますが、一般的に申しまして、過去の統計値から申しまして度数の低い加入者に対しましては五倍、それからたとえば月に千度以上使うというところにつきましては三倍とかいうふうな順序でもってやっております。
  406. 田中昭二

    田中(昭)委員 こちらの質問のあれも悪かったかもしれません。いま大体二百四十億くらいと言いますが、私がもう少し聞きたかったのは、この異常度数の調査を全然やらない場合と異常度数の調査をやる場合と——やらない場合は人件費かゼロと見た場合ですね。異常度数の調査をやると、それではそのために二百四十億ぐらいの人件費が要るのですか。
  407. 川崎鋼次郎

    ○川崎説明員 私が申し上げましたのは、そういう発行、集計関係に従事しておる人の人件費全部を申し上げたわけでございまして、そういう人々が同時に異常増減の度数につきましてのチェックに携わるということでございます。
  408. 田中昭二

    田中(昭)委員 私の質問に答えてください。わかりませんか。
  409. 川崎鋼次郎

    ○川崎説明員 ですから、異常増減が——どう言ったらよろしいのですか、通常の意味の発行をして集計をするという業務が一方においてございまして、それからそれを集計をして請求書を出す場合に異常増減に気がつきまして、それにつきまして調査をやるのですから、同じ人がやるということになりますので、まあちょっと、半分半分となれば、その半分ということに——そういう計算でございます。
  410. 田中昭二

    田中(昭)委員 それは人件費だけではなくてほかの費用も要りますから、どういうふうなことになりますか、私はこの調査が今度はお客さんのためにはなっているだろうかという疑問が一つあるのです。ですから、それはちょっと省きます、こういうことでははっきりした返答はできないでしょうから。  大体いまのようなことを頭に入れながら、総裁、この異常度数の調査により、電話加入者に対する適正な料金請求がなされておるでしょうか。異常度数を調べて間違いがなかったということで、加入者に本当の適正料金の請求が行っていると断言できますか。
  411. 米澤滋

    米澤説明員 お答えいたします。  詳しくはまた、局長があるいは補足するかもしれませんが、ただいま料金の間違いの中には、いわゆる人為的な面、いわゆる営業ラインといいますか、そういう面と、それから保守的な面と、二つございます。このチェックするというのは、機械の問題と、それから営業面と両方含めてやる方法でありまして、もっといい方法があれば、私はそういうものを採用することは望ましいと思います。  それからもう一つは、保全の方の問題に関しましては、現在度数計監査装置というふうなものがございますので、こういうものをもっと活用するというのも一つの方法ではないかというふうに考えます。
  412. 田中昭二

    田中(昭)委員 こちらは単純ですから、私が質問したことだけにお答えいただいた方がスムーズに行くと思うのです。  私は、そういう異常度数によって、たとえば異常度数を調べた、そしてそれに間違いがないというところで請求が行きますね。そうしますと、その請求か正しいものでないという証拠に——正しいものでない証拠というよりも、正しいものでないという現実が二段階に分かれてあるのですね。これは私ちょっと言葉で申し上げますと、こういうことです。たとえば東京なら東京の十万加入なら十万加入の中で一万加入の異常度数を調べたとしますね。そうすると、その一万加入ぐらいの異常度数を調べた中に、大体二割か一割五分、一万の場合は千五百か二千ですか、そういう異常度数があるようなことを、この記録で私いただいておりますが、仮に二千なら二千、異常度数で一応チェックされます。一万加入の中の二千ぐらいを異常度数で調べて、よくチェックしてみると、その二千ぐらいの中に、いま総裁がおっしゃった、機械の故障というふうに私は聞いているのですが、機械の故障による誤りが何ぼ、それから人為的な誤りによって何ぼ、こうやって、それがまたチェックされるそうです。修正されるわけですね。そして間違いないというところで請求書を書くそうです。ところがその請求書を発行した後、先ほどの苦情を言ってきたものの結果を分析しますと、また機械の故障と人為的故障があるというのです。そこを私は言っているのです。異常度数を調べた、チェックをしたからこれで間違いないと思って請求書を出される。ところがその請求書が出された後にお客さんから苦情を言ってきて、調べてみるとまた機械の故障と人為的故障が出てくる。ということは、異常度数の調査をやっておるからと言って、適正な料金の請求がなされていないということですね。そこを私は言ったわけです。わかっていただいたでしょうか。違いますか。
  413. 遠藤正介

    遠藤説明員 専門的でなく常識的にお答えをいたしますが、異常度数と申しますのは、たとえば私なら私のうちが毎月一万円払っている、ところが今月のは急に二万円になったというときには、だれしもこれは高いと思うわけです。それは請求書をそのまま発行しますと、大体十人のうち八人までは、急に二万円になったのはおかしいじゃないか、いままで一万円だったのに、こういうこと になります。そこで、請求書発行の前にそういうものについては一応機械も調べ、あるいは人為的なエラーがないかどうかを電話局で調べてそして出すわけでありますから、私はそれによってたとえば数字の読み取り作業なんかも違ってくるときがありますから、請求書発行前にそういうトラブルの要因になるようなものが相当除かれておるということは事実だと思うのです。これは事実だと思います。ただしかし、それをチェックをして出したからといって、その中にいま田中先生指摘のように、来られまして最終までがんばれるとというものがあるかどうかということになると、これは必ずしも皆無でないというお答えをしなくちゃいけないかと思います。しかし私どもは、それを数年前から料金の苦情のときに公社としてまずやみ鉄砲みたいにすぐ出すのではなくて、あらかじめそういう異常度数についてはよく調べてから出せ、こういうことを指導している、こういうことでございまして、それは私はやはりサービス業として非常に大事なことではないか、こう思っております。
  414. 田中昭二

    田中(昭)委員 遠藤さん、お疲れのところ、いまそういう説明では私の説明したことのまた手前の方の説明になってしまうのです。総裁よく聞いておいてください。専門家だからといって説明していただきましたけれども、こういうむだな説明は、いやむだな説明とは言いません。前の方の説明ですから、ひとつやめてくださいよ。私が言っていることが、実際現場で行われていることが事実でなければそこで言ってください。しかし、事実を言っているわけでしょう。それは事実だと、こう認めてもらえばいいわけです。  そうすると、異常度数という手をかけて、二百四十億かけるか五百億かけるか知りませんが、そういう調査をして、そして適正だろうと思って出した料金請求がまた間違いがある、人為的事故と機械の故障と。ということは、正確な、適正な料金請求じゃなかったでしょう、こう言っているわけです。——わかってもらったようでございますから、次にいきます。  その適正な料金請求がなされない理由の一つに、いま申し上げましたような度数計自体の故障などによる誤った料金請求がいくことですね。それからさらに、人為的な誤りも加わっております。これは人為的な、いろいろなものがあるでしょうね。それは人間ですから、度数計を見間違えたり書き損なったり、それはいろいろあると思います。そういう事実が加わって間違うという事実がある。もう少し厳格に言いますと、異常度数の基準以内、いわゆる二倍にもなっていなくて、先ほどの五倍にもなっていなくて、異常度数として調査されなかった部分ですね。東京で言えば二倍ということですから、二倍になっていなくても一・二倍とか一・五倍のものは異常度数とはならないのですから。その中にもやはり機械の故障、人為的故障が考えられますね。これはなお多いと思うのです。異常度数でチェックする分はチェックされますから、その分だけは除きますけれども、その分の誤りと請求書発行後に誤るというのが二つ重なっている場合があるでしょう。こういう誤りがないとは言えないし、この事実は、すべて適正料金で請求されてないという証拠でありますね、細かいようですけれども、三千万加入電話加入は先ほど、当初見せましたように。そういうことがありますと、やはり私は現場では一応間違いがないと言うのもわかるような気持ちがするのです、こういうことを考えてみますと。ですけれども、この誤りというのは、全部異常度数の関係なんか全然あらわれてきていない誤りもあります。  まあ、そういうことでわかっていただきましたから続けますが、適正料金でなされていない、すなわち過大な請求がなされたり——電話局にやかましく言うていっても、機械、コンピューターにミスはないと言ってこられるからと言う人もおるかもしれませんね。一遍行って帰ってくる人もおるかもしれない。過大な請求がそのままになっておったり、今度逆に機械の故障で不足があるのだけれども、その不足の請求が行ってない場合もあるでしょうね。そうしますと、三千万台のうち、この不足になった料金請求を私は一遍ぐらい公社の中で調査をしてみるといいますか、そういうものが是正されたら、値上げは必要ないかもしれませんね。どうでしょうか。それにすぐ結びつけるとだめだ、よく検討しますなんと言われるから困るけれども、どうでしょうか。それでは一応、そういう間違いがなされている、適正な料金じゃない、これはお認めいただけますか。
  415. 川崎鋼次郎

    ○川崎説明員 ただいま先生の御指摘のように、確かに事前に調査したものに対しまして、ほんのわずかでございますけれども、またもう一度現場の窓口で苦情が発生するということはございます。  それをちょっと率で申し上げますと、(田中(昭)委員「何かあるのですか」と呼ぶ)いや、これは全国的なあれでございますが、百六十五というのが一万加入当たり大体調べる一カ月当たりの異常増減度数の調査の対象になるものでございますが、そのうちのほとんどが機械的、人為的に異常がないというふうに公社判断いたしまして、百六十五の中でもって〇・六三というものだけが過ちを見つけるというふうになるわけでございます。  それからもう一つ、請求書を出しまして、確かに漏れたものが苦情が出まして、それは率は大体〇・〇七でございますから、確かに先生のいま御指摘のように、われわれは事前の異常増減チェックを十分調査いたしますけれども、それで発見したものの九分の一程度と申しますか、それがやはり苦情で出るということは事実でございますので、今後ともさらにそういうもののミスのないような徹底の仕方をしたいというふうに考えております。(田中(昭)委員「それじゃ答弁になっていません。それは件数が多いんですよ。請求書発行後に間違いというのも相当あるんですよ」と呼ぶ)
  416. 遠藤正介

    遠藤説明員 いま先生のおっしゃったように、そういうのは非常に数が少ないが、確かに間違いでございます。しかしそういうものは、いま局長が申しましたようにあります、  それから逆に取り不足の分ですね。これも理論的に言えば、苦情を言ってこられてそれだけあるのだから、つまりプラス面のエラーがあるのだからマイナス面がそれと同じぐらいあるのじゃないか、それを計算して全部また後から徴収すれば料金値上げはしなくてもいい、こういうお話でございますが、実は私どもはそれはやっておりません。(田中(昭)委員「実態を調べてみなければいけない」と呼ぶ)ですけれども、機械の方の検査基準でもって大体わかるのでございますが、それはやっておりません。もうそれをやるよりも、何といいますか、現在の多過ぎる苦情の応待の方に重点を置いてやっておるわけで、いわんや取り不足だからと言って追っかけていって取るというようなことは、こっちがもう一〇〇%済んで大手を振って歩ける時代になってからやはりやるべきことじゃないかと思っていますが……。
  417. 田中昭二

    田中(昭)委員 私、最初にむちゃな労働力とか言いましたね。その辺は何も私、数字的に一センチの間違もないようにしろと言っているのじゃないのですよ。やった調査なら調査が、本当に調査なされて、公社のためにもお客さんのためにも喜ばれるような状況に逐次なっておれば、公社赤字を幾らかでも減らすようなことになる、そういうことを考えるべきじゃないか、結論はこういうことです。私は疑う気持ちはないのですけれども、この異常度数を調べた件数を四十八年と五十年をとってみると、中身は同じだけれども表題が違うのです。四十八年のときには「四十八年度異常度数件数とその処理状況」。ところが五十年度に出してきたのは、中身は同じだというから私は信用しますけれども、中身の同じものを表題は「五十年度利用度数による事前調査件数とその処理状況」。この領収書発行の後に交えがあるのも違うのです。「五十年度度数料金のミス発生状況」、これにははっきり「度数料金の事故発生状況」、領収書発行前には機械故障がこのくらいあった、人為的故障がこのくらいあった、内容はこういうふうに なっている。ですから、先ほどから根本的な公社の体質の問題といいますか、疑わざるを得ないような、何も同じものならば表題も同じものでいいのだろうと思うのですけれども、どうもこの異常度数の処理件数というのは、表題を変えてくるというようなことも問題でしょうし……。いま申し上げましたように、正しい請求がなされてないとするならば、またその異常度数の調査は人件費が二百四十億要って、そのほかの経費も要りましょうが、そういうのはやはりむだとは言えませんか。異常度数の調査でもそのほかのチェックをやっても機械の故障、人為的誤り、そういうのは残る、そして請求が適正になされてない、そうならばその関係の費用は私はむだだろうというような気持ちがするのです。  それともう一つは、この機械の故障というのは努力されておるわりあいには減っていません。これは東京の分だけでございますけれども、全国で調べたらどういうふうな結果が出るか知りませんが、人為的事故は一万加入当たりわりあい減っているようですね。たとえばここに出ておりますが、四十八年と五十年ではミスの発生件数はふえています。これはやはり加入がふえているからだろうと思いますが、機械の誤りは一万加入当たり四十八年が〇・二、これは五十年も同じく〇・二、これは新宿局です。隣の千代田局は四十八年は〇・ ○一、五十年は〇・〇三と三倍ふえた。これはただ何局かのあれですからあれですけれども、いわゆる機械の故障が減ってないというこれは一つの今後考えてもらわなければならない問題だろう、私はこう思います。まあ一概にむだと私は申し上げましたけれども、これは何とかなるものでしょうか、何とかならないものでしょうか。
  418. 米澤滋

    米澤説明員 お答えいたします。  ただいまいろいろ御意見ございますが、私もこの問題について専門家でございませんので、内部で十分検討さしていただきたいと思います。ちょっとここで直ちにいいとか悪いとか申し上げるのは、これはかなり専門的な問題でございますし、研究さしていただきたい、このように思います。
  419. 田中昭二

    田中(昭)委員 これは研究されてその結果がどう出るか知りませんが、私はお客さんが喜ぶようなことにはならないと思う。機械の故障ですからね。残念でなりませんけれども(「もういい」と呼ぶ者あり)こればかりで時間をとっておっても仕方がありません。  先ほどの経費の節減でもう一つ二つ——いまのはどうしてもやはりこだわりますが、理事の先輩からそういうお話が出ておりますからあれしまして、経費節減の中で、減価償却と利子負担が大変ふえてきた、これが先ほどの五十年十二月の説明のときには書いてあるのですね。住宅用電話一台加入当たり減価償却これこれ。ところが今度の新しい説明書には書いてないのです。私の方から資料を照会するとき一台当たりの原価に占める各費用の費目を要求してもこれは出されません。たまたま五十年十二月の説明には、一台当たりの収入、支出を説明するために減価償却費と利子負担が幾ら、これが全然ふえております、こういう説明がある。それが新しい説明にはないのですね。そういうことですが、それはそれなりの意味があって削られたのでしょうが、いずれにしろこちらから、一台当たりの事務用、住宅用の、収入は出るけれども、費用が出ないということで、大分要求したのですけれどもこれが出ませんでたまたま説明書には前の分にはあって新しいものになかったということをひとつ指摘しておきます。  そこで、利子負担がずっとふえるということは、公社は莫大な資産を持っておりますね。特に固定資産は莫大なものがあります。そうすると、企業というものが経費を節約するという意味においては、そういうものを担保にして低利な利子で支払うというようなことは経費節減にならないのでしょうか、そういうことができないのかどうか、これはどうでしょうか。
  420. 好本巧

    ○好本説明員 資金調達の借入金あるいは債券発行の場合は、できる限り低利、有利な条件でやることをやっておりますが、ただいまの債券発行に関しましては、公社法によりましていわゆる公社の全資産がゼネラルモーゲージとして一般的な担保ということで債券を発行しておるわけでございます。
  421. 田中昭二

    田中(昭)委員 いまの説明では、私が問題提起したにもかかわらず御答弁が余り簡略に過ぎております。     〔加藤(常)委員長代理退席、三ツ林委員長代理着席〕 これが民間企業であれば、仮に公社の持っておる資産ぐらいの企業として見た場合、十分利子の支払いは軽減される、私はそういう方法があろうと思いますので指摘しておきます。  次に、私も公社のことにおいてはいろいろ勉強させてもらっておりますが、いろんなところで公社のOBの方々とお話しする機会がございます。そのたびにいろいろなお話を聞くわけですが、その方から一つの問題点として、いまの公社の行き方といいますか、特に人件費関係する労働を中心にした意見が出ます。それはどういうことかと言いますと、自分たちが若いときには、建設工事なんかを直接自分たちがやった。具体的なことでは自分たちが電柱に上ってやった。そういうことの経験があるから、自分が公社である程度の幹部になったときに、そういう建設工事についてはよく事情がわかる。工事内容もよくわかる。ところがいまの公社のシステムでは、建設工事がほとんど、、九九%ですか、外注になっておりますね。したがって、新しい職員がそういう経験を経ずして幹部になっていった場合に、その工事を検査するとか、工事の内容を見るというような場合にいろいろな弊害があるように思う。私は、公社の将来のためを思って、OBの方ですから、妥当な、重要な事柄を指摘していただいている、こういうように思いましたものですから、ここで述べたわけです。  そこでお聞きしたいのは、人件費の拡大、こういうものと建設工事を外注しないシステム、いわゆる直営と言うそうでございますが、そういうことをやれば、職員の将来のためにも、公社の全体の士気も上がるし、希望も持てる、私はこういうように思いますが、そういう意味での外注費の節約というのはできないものでしょうか。
  422. 三宅正男

    ○三宅説明員 お答え申し上げます。  ただいま先生、外注工事が全工事の九九%ぐらい、こうおっしゃいましたが、ちょっと私、いま正確な数字は把握はいたしておりませんが、いわゆる直営工事の比率はもう少しある、こういうふうに存じております。  そこで、確かに現在請負に出します工事の方が量的に相当多くなっております。しかし、各通信局及び各通信部には工事部隊を置きまして、ここでは直営工事をやっておる。そしてこの直営工事は、同時に、新しい技術面の職員の訓練あるいはそういう工事の実態に職員を触れさせまして、将来、設計あるいは工事の監督といったような面にまで全部経験が反映できるように、直営工事というものを現在ある程度確保できるようにという形でやってまいっております。  具体的に申しますと、電子交換機の開局のための自動機械の工事等は、現在までは相当部分が、半分以上のものが直営工事で行われているというような例もあるわけでございまして、職員の将来への技能の確保と申しますか、そういうために直営工事をやっております。ただ、それでは直営工事と請負工事、どちらが全体的に節約になるかということは、必ずしもどちらがどちらとも申せません。公社に現在おります人間を工事に使いますれば確かにその分だけ請負の方の人件費を持たなくてよろしくなるわけですから安くなるということになりますが、公社に現在おります人間をふやして直営工事をやったのでは、これは同じことになってまいります。そこらの点で、人件費といいますか、相対的にどちらがコストが安いか、これは早急にはちょっと申し上げかねますけれども、そういった意味で、先ほど申し上げましたような意味での直営工事の確保という点については、わ れわれいろいろ努力をしておるところでございます。
  423. 田中昭二

    田中(昭)委員 総裁、OBの方のほとんどの意見は、公社に対する大事な警告といいますか、そういうふうに受けとめるべきだと私は思いますし、機会がありましたらまたそういう意味で御検討もいただきたい、このようにお願いします。  そこで、むだな経費とか云々という問題に関連してもう二つばかり残っております。公社の土地、建物という固定資産が膨大であることは先ほど言いましたが、その土地、建物等が適正に利用されておるでしょうか。簡単に、おるならおる、おらないならおらないで結構ですから。
  424. 好本巧

    ○好本説明員 お答えいたします。  土地、建物は有効に利、活用されるべきではございますが、遊休財産、遊休資産というふうなものは非常に少ない。(田中(昭)委員「それは後で触れますから」と呼ぶ)有効に利用されておるというふうに考えております。
  425. 田中昭二

    田中(昭)委員 特に土地について、いまちょっとおっしゃいましたが、膨大な額になっております。     〔三ツ林委員長代理退席、委員長着席〕 その上にさらに公社は、具体的に言いますと、郵便局がなくなりますその土地を買ったり、とにかくどんどん年々取得が行われておるようでございますが、その中で問題はいまおっしゃった未利用地というのが出てくるわけです。その未利用地は有効利用、管理が正当に妥当な状態でなされておるかどうか、私はどうもむだが大分、ただで損しておるような——いわゆる計算というのはそんな感情論よりも数字ですから、むだな、有効利用されてないとすれば、その分は私はいまの節約の対象になる問題だと思います。そういうことをよく聞きますが、その辺、有効利用されてないというようなものはないでしょうか。
  426. 三宅正男

    ○三宅説明員 現在、確かに公社は毎年相当な土地を購入いたしております。これは大体電話局敷地に充てるものが大部分でございますが、この電話局敷地は、御承知のように大体その加入者の分布の重心になる位置に電話局を置きますのが線路のコストが一番安くなるということがございまして、場所的に非常に限られてまいります。しかも、ある程度の坪数を必要とする、電話局のためには相当広い土地が必要でございます。そういったことのために、大体その電話局の建設の三年前には土地の確保にかかるということをいたしております。したがって、その土地の選定をやりまして適当な土地が見つかりますれば、三年前に買うというようなことを現在までずっとやってきております。その点で一、二年間の、いわばその土地が未利用に終わるということも、将来その土地が得られませんでした場合のことを考えますと決してむだではない。これも五年、十年先のものを買ったのであれば、また未利用、未活用ということでおしかりを受けるかもしれませんが、たかだか三年ぐらいのことでございますので、むしろ先のことを、その土地が得られなかった場合のことを想定いたしますと、この方が経済的であろうというふうに私ども考えております。
  427. 田中昭二

    田中(昭)委員 何遍も注意するようでございますが、余り先走って御答弁いただかぬようにしませんと、次の質問が……。  それで、未利用地については私も調査させてもらいました。それは公社の方にもわかっておると思いますが、はっきり申し上げまして昭和五十年の十月現在で関東地方の未利用地が何件で、広さは何平方メートル、坪数で大体どのくらいあるか、また一件当たりの平均未利用地の坪数はどのくらいになりますか、お聞かせ願いたい。
  428. 長田武彦

    ○長田説明員 申しわけございませんが、いま手元に資料を持っておりませんので、すぐ取り寄せます。
  429. 田中昭二

    田中(昭)委員 私が公社から調査して出してもらった資料がありますから、それではそれでやります。関東地方で大体五十件ぐらいと、こう出ておりますけれども、私はこれが全部だとは思いません。——間違えました。五十九件で約三十五万平米。  内容はいろいろありますが、いまお答えになった中の問題で、三年ぐらいを目安に先行取得しておる、こういうお話でございましたけれども、この問題はちょっと後に譲りまして、私が五十年十月に調べて、その管理計画内容を見てみますと、大変ずさんなものがありました。ですから、それを指摘しましたところが、その未利用地のほとんど大半はその後計画に従って着工計画があります、また着工しました、こういう報告があったのです。  これもわかってないと思いますから、それじゃ私の方から申し上げますと、五十九件のうちで着工したのは——調べましてたった半年くらいの間ですよ、去年の十月からことしの五月ですよ、そのたった半年の間にこの六十件近い中の四十件くらいは、いやそれは着工しましたとか着工計画があります、こういう報告になったのです。私は、事の真実よりも、そういうふうに指摘して半年もたたないうちにそういう大半を、実は着工の計画があったのだというようなことを出してくる、そういう物の考え方に問題があるのじゃなかろうか、こういうふうな気持ちがしてなりません。それが一点。それに対する御答弁。  それから、先ほど三年とか、こういうふうにおっしゃいましたけれども、中には十年も五十年も前に取得した未利用地がありますよ。それだけを指摘すればこれは何にも問題が進みませんね。これは五十一年五月に調べてもらった分です。見てください。これはほとんど「五十一年着工」と書いてある。その前のものはもうほとんど何もない。これは「電話用」と書いてあるだけで着工とかなんとか全然ない。そこで、一々それじゃ五十年前のものはどうか、十年前のものはどうかと聞いていきますと時間がありませんから、ただ、そういう未利用地の中には、細かくというか、実際見ていきますとさらにそういうものがあるということと、指摘して半年後には大半は着工したというようなことになってくる、こういう問題。  それで、わずかに着工する計画があるということになれば、その着工する建設投資というのは五十一年には大体何ほどになるのでしょうかね。この四十件に近い「五十一年着工」「五十一年着工済」というのが出てきましたが、これの建設投資というのはどのくらいの金額になりましょうか。五十二年も出てきております、五十三年もあります。ですから、五十一年が何ぼぐらいの建設投資、五十二年が何ぼ、五十三年が何ぼとわかりますか。
  430. 長田武彦

    ○長田説明員 まことに恐れ入りますが、現在資料を持っておりませんので、すぐお答えできるようにいたします。
  431. 田中昭二

    田中(昭)委員 それじゃ総裁に、いまの詳細はわからぬけれども、いずれにしろそういう方向にあることはわかりますね。五十年の十月に私が調べて指摘して、おおよそ六十件ぐらい出ましたね、それが半年後に全部着工するということになった。それは建設投資が過大投資であるというふうに言われても、その部分だけですよね、そういうふうに国民から見れば見えるのじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。
  432. 長田武彦

    ○長田説明員 お答え申し上げます。  私、昨年先生から資料の御要求がございましてお出ししましたときには、たしかその現在で未利用である土地を出せというような御指摘ではなかったかと思います。それで、実はそのときには、その後の着工予定、利用計画等は特にお示しをしないで、先生の御指示のとおりの資料をたしか出したのだというふうに承っております。それで、先生からまたお尋ねもございましたので、その後判明いたしました着工の予定について追加していろいろ御説明を申し上げたというふうに聞いております。
  433. 田中昭二

    田中(昭)委員 いま、施設局長のお答えもそのとおりだろうと思いますが、これはやはり先ほど別な方がお答えになった、三年ぐらい前に先行投資しているということと、十年も五十年も前に取得したものがまだ未利用になっているというこの問題はまだ残るわけです。  ですから、これは残しましてもう一遍総裁にお尋ねしますが、こういう未利用地が常識からは考えられないような——いわゆる公社の先行取得にしましても、三年か五年くらい前ならば買うこともあるでしょう。ところが、十年とか五十年もそのまま放置されておる、こういう適正な処理が行われないことは、費用がむだに要ったということになりますよ。ということは、その未利用地の固定資産税相当額は公社は払っておりませんかと言うと払っておるでしょう。払っておりませんか。未利用であろうと使っておるものであろうとそれは払っておるはずです。払っておるのですが、それじゃその土地に対しては、とにかく未利用であろうと何であろうとちゃんと交付金が交付され、その管理費も要るでしょうね。そうしますとそれはもう完全にむだな経費ですよ。そのような冗費を当然節減してやらなきゃならないものをやらないという、そういうことを国民判断を求めるならばどういうことになるか。先ほど言いましたように、そういうものをちゃんとして赤字が出るならば値上げをしなさい、こういう議論になってくる、いかがでしょうか総裁
  434. 米澤滋

    米澤説明員 お答えいたします。  確かに御指摘のような点があれば早急に処理をいたします。実はこの問題はときどき定期的に、たとえば三年に一回とかあるいは二年に一回とか、全体を検討するようにやらしているわけでございまして、特にことしの一月には料金値上げ国民の皆様に要望し、また法案を出していただく以上、経営の姿勢を一層厳しくしろということを強く言って、各通信局でやらしておるのでございますが、私もちょっといま資料を見ておりませんけれども、もしそういうものがあるとすれば、直ちに処理をするようにいたしたいと思います。
  435. 田中昭二

    田中(昭)委員 委員長、まだ大分質問が残っておりますが、もう三回も四回もこういうふうな御要求もあるのでありますが、どういうふうにしましょうか。  いま、ずっといろいろ御答弁いただいたものでも、私がいろいろ指摘したことは大体総裁も幹部の方も認めて、むだなものは省こう、要らぬ経費は削ろう、そういうことでございまして、それはもういま明らかになったわけです。ですから、こういうことになりますと、いま公社赤字を埋めるために、赤字を出しましてそれが料金改定の必要額だ、こう言っておるものは、金額の多少にかかわらず変わってくることは現実です。ですから、その点についてはもう少し、こうやって質問も大分残っておりますし——委員長、本当ですよ。これはさっきやめた分ですから。データ通信と、こっちは料金の体系の合理化の問題。ですからきょうは、物理的にももう時間も来ておりますから、最後にもう一つ、それではまとめて総裁大臣にお尋ねして終わりたいと思います。  先ほどから言いますように、サービスの低下、アンバランス、そうして公社の社会的責任の欠如といいますか、こういう現状は、総裁も大体いま議論した問題についてはお認めいただいたと思いますが、せんだってからの参考人意見もそのようなことがございました。六人の参考意見の中には、四人は反対で二人の賛成者も条件つきでございました。これはもう総裁も御存じのとおりでございます。値上げ賛成の立場であっても、無条件賛成ではなく、いまいろいろ指摘しましたような事項についてその根本的解決を見た上で、いわゆる条件つきでの議論もございました。それを考えれば、当然私は今度の値上げについては再考し、撤回すべきではないかと思いますが、ひとつ総裁大臣の御所見をお聞かせ願いたいと思います。
  436. 米澤滋

    米澤説明員 時間があれば詳しく申し上げますけれども、いろいろ御指摘ありました問題は早急に処理をいたしたいと思います。  ただ、今度の料金法案につきましては、すでに六月一日ということでお願いしてありますし、現在でもこれが延びていることによりまして、公社自体の問題、それからまた関連いたします産業の中の中小企業等にも重大な影響が出ておりますので、早急にこの法案の御審議をお願いしたいというふうに思います。
  437. 福田篤泰

    福田(篤)国務大臣 まことに貴重ないろいろな諸点につきまして御指摘いただきました。御趣旨に沿ってあらゆる工夫をこらして、サービス改善、その他の点について全力を挙げてまいりたいと存じます。  なお、今般の料金改定は、せっかく御存じのとおり、どうしてもこれを今国会で成立をせしめなければ、電電公社の事業経営が決定的な打撃を受ける、非常に深刻な状況でございますので、格段の御理解と御支援をいただきまして、ぜひともこの国会で成立できますようお願い申し上げる次第でございます。
  438. 田中昭二

    田中(昭)委員 私はこれで質問やめると言ったわけじゃございませんで、いまの総裁の御答弁大臣答弁次第では、まだこれだけ減価償却の問題とか料金体系の問題とか、それから先ほどのデータ通信の問題も全部残っておりますから、いまの御答弁では大変不満でございます。ですから、これは委員長にお願いして、また別の時間を与えていただいて質問をするということで、きょうは一応終わっておきます。ようございますか。
  439. 伊藤宗一郎

    伊藤委員長 同僚議員の御質問も次回に予定されておりますので、その際にまたよろしくお願いをしたいと思います。  小沢貞孝君。
  440. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 質問順序等まとまっておりませんので、思いつくままに若干質問いたしたいと思います。  今度の改定の中には料金体系を合理化しよう、直そう、こういうことが全然含まれておらないと思います。学者その他の参考人意見を聞いたときにも、たしかどなたか学者からそういう発言があったと思いますが、遠距離ほど割り高くなっている。たとえば一区域内の通話料は七円、それをたとえば東京−福岡県千キロの場合には七十二倍になっている、こういうことがあるわけであります。昔は交換嬢がいて一々接続していた、こういうことでコストも高くついたからこういうことはあながち否定できなかったと思うのだけれども、最近は全く機械化されて、コストからいってもこの料金体系はおかしいではないか、こういう問題があるわけであります。これはいつか近いうちに直そうとする意思があるわけでしょうか。
  441. 米澤滋

    米澤説明員 お答えいたします。  ただいま御指摘がありましたし、また参考人意見聴取の中にもそういう議論がございまして、この問題は今後の問題として十分考えなければならぬ問題だと思います。そういうことで、今回は現在出している法案でお願いしたいと思いますけれども、できるだけ近い将来にこの問題は取り組みたいというふうに考えております。私の方といたしましても、郵政省にこの問題をお願いしていきたいと思っております。
  442. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 これは遠距離を安くし近距離を高くする、総体的に安くするだけならなおいいわけですが、したがって相対的には近距離は高い、こういうことになっていくわけです。そのときは法案を出すわけですか。どういうふうにするわけですか。
  443. 遠藤正介

    遠藤説明員 これは具体的にはいろいろ方法があると思います。たとえば夜間の割引というような形でやります場合には郵政大臣認可で済みます。しかし段階を減らし、あるいはいま先生おっしゃいましたように最終的に遠距離を下げ近距離を上げていくということになりますと、この法律の別表を改正するということになりますので、現在の法律体系から言えばまた法律改正をお願しなくてはいけない、こういうぐあいになります。
  444. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 法律を改正しなければならないということになれば、なぜこの機会に一緒にやらないか、これはだれが考えても当然のことだと思うのです。遠距離の通話をふやすことは、利用が多くなるから、したがって収入はふえる、こういう利点もたしか参考人が供述しておったような気がするわけです。今回上げておいて、またこの料率を直すのも近く出そう、こういうわけですか。
  445. 遠藤正介

    遠藤説明員 参考人のたしか法政大学の力石先生がそういうことをおっしゃったと思うのです。これは遠距離を下げればそこへ通話が集中してふえるということをおっしゃっているのですが、これは統計的にそういうことは果たして断言できるかどうか。俗に言う薄利多売ということを先生はおっしゃっておるのですが、必ずしも現在の状況で遠距離通話というものが企業以外の面では、一般庶民としてはそうふえておりません、だんだんふえる傾向ではございますが。したがって、私どもとしては今日の財務の状況を改善し経営基盤を確立する段階では、少しこれは危険が多過ぎるというので、いろいろ検討いたしましたが、今回は先ほど総裁申し上げましたように見送りました。そして割引制度を、夜間割引ですね、あの制度を少し延ばしていく、こういう過程の中で遠距離に一般の住宅電話なり庶民の通話が伸びていって、そしていわゆる薄利多売の状態がある程度自信ができた段階でやるのが筋じゃないか。その前に、もう一つは十三段階の縮小という問題もあろうかと思います。そういった問題も含めて次の機会に譲りたい、こういうふうぐあいに思っておるわけでございます。
  446. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 この法律改正がもし今国会で通った場合、実施するまでにどのくらいの期間が要るか知りませんが、たとえば十二月一日とか一月一日とか、基本料金は四カ月か三カ月ばかり、わずかな期間暫定的に五割で、来年四月に目いっぱい上がる、こういうかっこうになった法律案ですが、基本料金は今回分だけ上げておいて、来年四月分は全然切り離して、そのときにいまの料金改定と一緒に再提案する。そうなれば審議する方もまことにすっきりするし、いいのではないか。この際、そういうことをお考えになりませんか。どうですか。
  447. 米澤滋

    米澤説明員 お答えいたします。  ただいま遠藤総務理事も答えましたように、遠距離を下げてどのくらいトラフィックが伸びるかというのはやってみないと、少し将来性の問題を見ないとわからないので、とても明年というわけにはいかないと思います。したがって、この問題は私たちとしても重要な研究課題だとは思いますけれども、いまおっしゃったように明年というわけにいきませんので、やはりこれは少し先の問題として処理させていただきたいと思います。
  448. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 これはちょっと脱線しちゃうのだけれども値上げの時期が来年一月一日なら一月一日といたします。そうすると、いまの法律の出し方だと、四ヵ月だけ基本料金値上げが半分であって、その次に四月一日から倍になるわけです。何か国民をだますみたいな提案の仕方なのだけれども、これを切り離して、来年料金改定をするときに、遠距離を安くするときにもう一回基本料を上げる、この方が法律の出し方としてはすっきりするのではないか。だから、それを切り離す意思はないか、こういうことを言っているわけです。
  449. 遠藤正介

    遠藤説明員 一つには、いまの遠距離通話を来年から安くするということはちょっといま考えておりません。いま総裁が申しましたように、いろいろなデータを集めてもうしばらく研究しなくちゃいけない問題だと思いますので、来年から安くするということは考えておりません。  それから、基本料につきましては、六月実施といまの時点とでちょっと違っていることは事実でございますが、私どもとしては、ここでお願いいたしますときに三カ年間の計画を立ててお願いをいたしております。したがいまして、基本料につきましては当初から最初五割、昭和五十二年度から倍、こういうことであれをいたしておりますので、今日通話料と一緒にされれば確かにそういうお話もあるかと思いますが、基本料にいたしましても五割、それから倍という法律の形を変えるのはお許しを願いたい、こういうように思っております。
  450. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 これは値上げ案を出して、政府の物価抑制策か何かで引っ込めたりしたことがある。われわれも説明を聞いたことがあるのだが、昭和四十九年ですか、前の案があった。あのときには、使っても使わなんでも一つ電話について二千円という案をたしか聞かされたような気がするわけです。これがどうして基本料を上げようということに変わってきたわけですか。そのいきさつをひとつ説明していただきたいと思う。
  451. 遠藤正介

    遠藤説明員 あれは定額通話料という形でいたしまして、使っても使わなくてもということじゃなくて、二千円まではその中で使える、使わなくても二千円はいただきます、こういう案を定額通話料という形で政府にお出しをしたわけでありますが、その案だけじゃなくて、先ほど総裁が答えましたように、昨年は諸般の事情から料金値上げそのものが見送りになりましたので、それは見送りになりました。今回も出し直しますときにその点も考えましたが、これは実はある意味では非常にいい案なんですが、非常にわかりにくいという点が一つございます。  というのは、電話料金の体系は、基本料と通話料という二本立てでやっているのは日本だけではなく、世界主要国ほとんど全部がそうでございまして、そこへ、ある意味では日本独特と言えるかもわかりませんが、そういったようなものを持ち込むということについては、やはり国民一般の方々がなかなか理解しがたいのじゃないか、従来の基本料、通話料という形でいった方がおわかりやすいのじゃないか、こういうことで今回は基本料のアップと通話料のアップという形で出しまして、いまの定額通話料というものは公社から政府にお願いします段階で変更いたしたわけでございます。
  452. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 私はこの席でたびたび申し上げているわけですが、電報の赤字です。これは赤字のものを切ることの方が合理化につながるが、それに従事しておる人のこともあるので、どうしても段階的にこれをやめていくという方法をいまから考えなければならないのではないか、こういうように私は考えるわけです。  昭和五十二年ですか、第五次五カ年計画が終わるころになると積滞もなくなる、もう電話の希望はほとんど満たされる、そういう状態になればそのころからもう電報は廃止していくという方向をとらなければならないのではないか、私は素人考えでそう考えるわけです。どういう方法でか、ある地域を限定するとか、電話の普及した地域をとるとか、ある地域ずつ段階的に減らしていくということをしなければ、これに従事している人の問題から大変な問題になっていくのではないか。これはいまから具体的に考えなければいけないのではないか。今度の値上げのとき電報をぴしゃっとやめさえすれば、赤字一千億とか一千何百億と聞いておったのだが、それだけでも浮くのではないかと思うわけで、私は電報は即時廃止論者です。しかし、現実としてはなかなかそうはいかないとするならば、やはりある年次を早々明示して、町村によってはもう全戸に電話が入っているところがあるわけですから、そういう関係の局から廃止していくとか、目標を定めて順次三カ年、五カ年計画で廃止していく、こういう方向をとらなければならないのではないかと思うのですが、どうですか。
  453. 米澤滋

    米澤説明員 お答えいたします。  いまの電報の問題につきましては、確かに御指摘のような点があると思います。ただ、これを実施する時期、その方法等につきまして、たとえば郵政省と一緒になって、いまメールグラム——いわゆる配達は郵政省がやる、アメリカの郵便公社とウエスタンユニオンがやっているような、そういうメールグラムというものも一つの方法であるかもしれません。それからもう一つは、電報の場合には電話ではできない記録通信の面が残っておりまして、特に中小企業がこの電報で相当記録通信をやっておる、こういう面がございますので、ただ赤字だからといって、あるいは電話が普及したからといって直ちにやれない面もございます。したがって、いま御指摘のように、自動改式が終わる五十三年の時点あたりでこの問題をどういうふうにしてやったらいいかということを考えたいと思いますが、メールグラムにつきましてはあるいは郵政省からお答え願った方がいいのかもしれませんけれども、そういうことでこの問題の処理に当たっていきたいというふうに思っております。
  454. 松井清武

    松井政府委員 ただいま電電公社総裁からの答弁もございましたが、現在電報は年間に約四千五百万通でございまして、この中には、慶弔電報等もございますが、生活に直結した、「チチキトク」であるとか、そういったたぐいの電報もあるわけでございます。そういうパーセントもかなりに上っておるわけでございまして、現在これを廃止するということは国民生活に対しても脅威を与えるというふうに考えておりまして、現段階で廃止するのは適当でないと考えておる次第でございます。  しかしながら、今後の問題といたしまして、公社電話が全国的に相当の普及をし、そういった懸念がなくなる時代、あるいは先ほど申しましたように、現在郵政省あるいは電電公社等で検討いたしておりますが、電子郵便等、これにかわる措置が行われる段階になりますれば発展的に解消するということもあろうかと考える次第でございます。
  455. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 二つ質問したいんだが、五十三年の時点で考えると言わないで、いまから計画を立ててやっていったらどうか、私の言うのはこういうわけなんです。赤字で、もうこんなものはやめるにこしたことはないわけです。どうしても存続する理由として中小企業の記録性とかなんとかおっしゃっているんだけれども、そういうことはほかの方法で幾らでも賄うことができるのではないかと私は思うわけです、速達郵便でも出せるしどうにでもなるわけですから。それがなくなればなくなったで、それは対応ができるはずだと思います。だから、そういうこともあって、電話の普及した場所から実施する計画を立てて三カ年あるいは四カ年で廃止する、そういう計画をいまから立てるべきじゃないか、こういうことが一つ。  それから、これも参考人か何かで私も聞きかじっただけなんだが、昔は「ケッコンオメデトウ」というのを何か三字か四字で略号でやって、打つ方も楽だったし、一覧表を見れば楽だったが、あれをなぜやめてしまったか。ああいう簡略にやる方法があった方が合理的なんです。これは確かに電信に従事する人もあの方が楽で合理的だと思う。そういうことを復元をしろ、略号を使え、たしか参考人からもこういう意見が出ておったようですが、その二つの点について。
  456. 遠藤正介

    遠藤説明員 いま郵政省からも、公社総裁からも答弁がございましたが、確かにおっしゃるように、私どもとしてすでにもう五カ年先ぐらいまでの計画は一応つくっております。そして、まず電電公社自体としてできる合理化といいますか、サービスの面でございますね、たとえば夜間の配達の問題。これは配達が一番あれでございます。あるいは窓口の受付、人を使うところも窓口の受付でございますが、一一五五というのを、先ほどちょっとお話が出ましたようにだんだん統合していくとか、公社自体としてできるものはこの一、二年の間にできるだけやっていきたい。もちろん、これにつきましても労働問題が絡みますから公社の一方的なぐあいにはいかないかと思いますが、公社自体としてやっていくようにしたいと思うのでありますが、最終的には、御案内のように郵政省に委託しております委託局の人件費と申しますか、電報業務という問題が一番大きな問題でございます。この問題につきましては、先ほど監理官もおっしゃいましたように、五十二、三年ごろに、わが社の自動化の計画が終わりました後で郵政省とやっていくように、いまからだんだん話を進めております。いつぞや先生から、ある地域、たとえば東京なら東京からやめたらいいじゃないか、こういうお話がございましたが、私どもは、そういう縦割りでやめていくことはむずかしいと思うのです。というのは、着信の局が東京でありましても、そこへ来る電報というのは全国からくまなく参りますし、発信を東京にいたしましても、今度は配達するのは全国どこでもございますからそういうやり方はむずかしいのですが、ただ全国的に、一一五五の受付ですとか夜間の配達ですとか、そういう横割りの形でだんだん合理化をしていきたい、こういう計画をもちまして郵政省あるいは労働組合と協議をしたい、こういうことで公社内部ですでに具体案をつくりつつある状態であります。  夜間配達の問題あるいは一一五五の統合につきましては、公社だけでできる問題でございますからできるだけ早くやりたい、こういうぐあいに思っております。  それから、略号の問題は、私も参考人の御意見で伺いました。大変結構な御意見だと思います。ただ御存じのように、略号は昔慶弔電報にあったわけです。それよりは、二%か三%でありますが、やはり電報というものを残していく。最後に残るのは、そういう電話のない方々の間の通信の最低限としての「チチキトク」というたぐいの電報、これについては略号を残しまして料金面でも考慮する、こういうようなことを考慮すべきじゃないかと思います。ただ、あれは慶弔電報に使っておりました。慶弔電報というのは一種の儀礼的なものでございますし、これは公共料金という概念に入り得ないものだと私ども思っておりますから復活するつもりはございませんが、そういった形で、いわゆるシビルミニマム的な電報の最終のものには略号制度を使い、あるいはそれに対する料金もできるだけ低廉なものでいけるようにしたい、こういうことをいま研究をさしております。
  457. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 時期は別としても、廃止の方向に向かって研究してやっていこう、こういう方向だけははっきりしたわけです。  それで、たびたび聞いてじきに忘れてしまうのだが、これに従事する人が郵政省と電電公社で何人いるのか、それをどういうように配置転換をやっていく考えであるか、それをお尋ねしたいわけです。
  458. 玉野義雄

    ○玉野説明員 具体的な数字、ラウンドでございますが、公社側といたしましては、電報受付、中継、配達全部合わせまして約二万人ばかりだったと思います。いま遠藤総務からも申し上げましたように、将来これがペイするやり方といたしまして、メールグラムとかいろいろな検討をしておるわけでございますが、それでペイする方法が見つかれば、そちらの方で使えます。それから電報が減ってまいりますれば、私の方は加入者がどんどんふえておりますし、営業その他いろいろございますので、転用の余地は十分あると思っております。
  459. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 私は、どんどん人がふえていってしまって、第五次五カ年計画が終わって建設要員が余ってくる、また電報を廃止する、こういうことになってくると配置転換で要員過剰みたいな状態が出てくる、そのことを心配するわけです。そういう立場に立って最近の要員の状況をお尋ねしたいわけで、私資料を持っていないので、この五カ年ぐらいでいいわけですから、ちょっと読み上げていただきたい。絶対数はどのぐらいふえてきたか、毎年どのぐらい採用しているか、毎年どのぐらいの減耗というのか自然退職なり定年退職なり死亡なりあるか、ちょっと五年ばかりをそこで読み上げてもらいたいと思う。
  460. 玉野義雄

    ○玉野説明員 電報だけについて申し上げますと、先般来も御説明申し上げたかもしれませんが、三十九年度の九千万通を最高にいたしまして毎年減っておりますので、電報の要員がふえるということはございません。  それで全体の要員でございますが、定員の増といたしましては、過去には一万人とか、こういうふえ方をいたしておりますが、最近では大体五千名程度の増員でございます。これは、五千名から四千八百名とかいうふうに増要員というのは順次減ってまいっております。それから退職補充でございますが、これもかつては一万人ぐらいございましたが、現在では退職は六、七千人程度でございます。したがいまして、増員が五千名といたしまして退職が五千名といたしますと、採用は一万名、こういうような方向になってまいるわけでございます。  それで最後にくどいようでございますが、先ほど申し上げましたように、電報の方は年々通数が二、三百万通ずつ落ちてまいっておりますので、電報の要員がふくれて後で落ちるという心配はございません。年々少しずつ減っていっているという状況でございます。
  461. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 そうすると、補充が六、七千名で増員が五千名ということは、一万ないし一万二千人ずつ採用している、こういうことですか。毎年一万人ずつ採用しているということですか。だから、この五カ年ぐらい、絶対数の何万人、何万人というのを挙げて見せてもらいたいと思う。
  462. 玉野義雄

    ○玉野説明員 いまの数字でまいりますと、大体五十一年度から五十三年度にかけましては、いま申し上げた一万人足らずの採用ということで推移するのではないかと思っております。
  463. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 五年前くらいから、幾人減耗していき、どれだけふえた、絶対数はどれだけになったと、ちょっと読み上げてくれませんか。
  464. 山本正司

    ○山本説明員 ただいまの御質問に対して、四十五年から絶対数をお答え申し上げますと、四十五年が二十七万三千、四十六年が二十八万二千、四十七年が二十八万八千、四十八年が二十九万八千、四十九年が三十万四千、五十年が三十一万七千五百、こういうことでそれぞれの差が毎年の純増数になるわけであります。ちょっと数字が出ておりませんが、大体七、八千人くらいが純増数でございます。
  465. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 この人件費の割合はだんだんふえていって、三十何%になってくるが、人員の増の割合に従って大体ふえているでしょう。
  466. 山本正司

    ○山本説明員 ごく最近の時点における人件費の割合は、総支出に対して三三・五%ぐらい、三四%を切っております。最近ふえておりますのは、要員の増というのもむろん影響いたしておりますが、それ以上に、昭和四十九年の三〇%近いベースアップによる影響というものが非常に大きく人件費率のアップに影響しておるというふうに考えるわけであります。
  467. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 第五次五カ年計画が五十二年度で終わって、積滞がなくなる、こういうことになれば、建設工事がずっと減ってしまうわけでしょう。それから、いまの電報の問題もある。また、合理化もしなければならない。たくさんの問題があるが、やはり問題は、人をこんなにふやしていってしまっていいか、こういうことだと思う。もう三十一万七千、この十年ばかりの間に倍増もするほどふえてきているのだが、こうしてふやしていっていいかという問題に私は大変疑問を持つわけです。これは採用を抑制するなり何なりして、人をふやさぬ方法、そういうことを考えなければいかぬのじゃないか。基本的にはそう思うのですが、どうでしょうか。このふえ方を見ると、私は大変な事態だと思うのです。
  468. 米澤滋

    米澤説明員 お答えいたします。  ただいま御指摘がありましたように、公社全体といたしまして、能率的経営をするという点から、人件費の問題は非常に重要な問題だと思います。  ただ、マクロ的に言いますと、独占企業でございますから、日本の中でほかのものと比較するわけにいきませんけれども、外国の例と比較してみますと、むしろ日本はアメリカにほぼ匹敵する、そして、ヨーロッパの西独、フランス、イギリスよりも日本の方が、これは電報も含めまして生産性が高い、この事実は一応御理解願いたいと思います。  ただ、これからだんだん電話の積滞が解消した後でも、しかし、日本はまだ人口増がございますし、それから核家族化も進むということになりますと、やはり電話は二百万から二百五十万の間は毎年ふえるのではないかというふうに思いますので、電話の普及がゼロになるわけではありません。やはり相当な数がある。しかし、確かに御指摘のように、人の採用というのは十分慎重にするようにしたい。先ほど営業局長が申し上げましたように、この三年間の人の採用数も、いままでのようにはふえないというふうには思っておりますが、ただ、まだ郵政省から、自動化することによって配置転換問題が起こりまして、その人を私たちの方で受け入れるということがございますから、こういうような面の増加というものは当然起こってまいりますが、全般的には積滞解消後におきましては、確かに要員の増加というものは大分様子が変わってくるのじゃないかというふうに思います。
  469. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 私昔見せてもらってびっくり仰天したのだが、いまでもそういうことをやっているかどうか。修繕部門があって、電話機あるいは交換機の修繕をやっていた。そういうものはまだやっているわけですか。
  470. 三宅正男

    ○三宅説明員 かつて、確かに先生おっしゃいますように、機械類の修理を工作工場でやっておりました。現在は工作工場というものはございませんで、修理は全部外注をいたしております。
  471. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 続いて、保守に従事している者は、概略言うとどのぐらいの人員になるわけでしょう。これは私の質問が素人の質問だから、適当な分類でお答えをいただけばいいが、第五次五ヵ年計画で、建設に従事する者、保守に従事する者、営業に従事する者、その他管理部門というのですか、そういう分け方で大別すると、どういうぐあいになって、どのぐらいの割合で従事しているのでしょう。どういう分類の仕方がいいのか、私の聞きたいのは、保守にどのぐらい従事して、建設にどのぐらい従事して、営業にどのぐらい従事しているか、少なくともそういう割合を聞きたいわけです。
  472. 玉野義雄

    ○玉野説明員 五十年度で申し上げますと、保守要員が約十三万五千ぐらいでございます。それから通信局とか本社とか管理共通がございますが、これが約二万五千でございます。それから建設勘定、いわゆる建設工事等に従事しておりますのが約二万四千程度でございます。それから、営業関係に従事しております者が全体で約十二万程度でございます。これは数が多いように見えますが、実はこの中には運用が入っておりまして、いわゆるオペレーター、それから度数計を見るとか、そういうトラフィック監査をやる要員がございますが、これがそのうち七万ございます。したがいまして、純然たる営業要員をしぼっていきますと、これは三万五千人ぐらいになってまいります。
  473. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 保守に従事する者と営業に従事する者、これが圧倒的多数になっておるわけですが、営業というのにはこういうのも入っているわけですか。たとえば、私たちの家にプッシュホンを買ってくれないか、こういうふうに言ってくる人がいるが、そういうのも営業の中に入っておるわけですか。
  474. 玉野義雄

    ○玉野説明員 そういうセールスマンも営業の中には入っております。
  475. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 これは電電公社でどうしても売らなければいけない仕事ですか。だれかに販売させてはいけないのですか。どのくらいのもうけになるから売れよと言ったら、もっと能率よく一生懸命になって売るのです。これは公社の職員が売らなければいけないものですか。
  476. 遠藤正介

    遠藤説明員 先生のおっしゃらんとするところは私も大体見当がついておるのですが、確かに電話局の所在地からいいましても、そういうセールスに向いているようなところに営業があるわけじゃございませんし、営業につきましても、責任公社が持つけれども、あるいはいまおっしゃったような委託的な販売をやるという形で、直営の人間を少なくしていくという道は今後私ども考えなくちゃいけない点で、現にいろいろ計画をしておるわけです。  ただ、こういう点はあると思うのです。たとえば、都会ではそういうことはできますが、今度は逆に田舎に参りますと、営業的に成り立たないものですから、そういうことを引き受ける人もいないし、ほっておきますと、同じサービスをやはり田舎ではできないというところはやはり直営でやらなくちゃいけないのではないか、直営というか、公社の人間が参りまして。ですから都会と田舎も違いますが、確かにおっしゃるようなことは従来はこれはみんな独占企業で、公社のマークをつけた人間がやらないと何か悪いようなことを言っておりましたが、こういう点については今後経営合理化という点から相当思い切って制度を改革して、まあ俗に言えば一台売って幾ら手数料を払うという形でやっていく道を研究をして、一部は今年度あたりからでも実現してみたい、こういうぐあいに思っております。
  477. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 それじゃプッシュホンを売ったりする、あの営業をやっているのは、一部は民間に任せてやることをことしからやるわけですか。——はい、わかりました。そんなことは私は高給取りの電電公社の職員がやらなくていいんじゃないか。何万人いるか知らないが、そういう者を、やはり電気会社だかどういう人だか資格のある人に売らせる、それを管理、監督する、こういうことでしかるべきだ、こう思うわけです。だから、ことしからやるというならばひとつその方向で、私は、要するにこれに人を一万人も一万五千人も採用するのをやめなさいと、こういうことなんです。  それから料金の徴収も公社の人がやっておりますか。これは何人ぐらいやっているか。この営業の十二万人のうち、料金徴収を直接やって回って歩いている人は幾人いるか。
  478. 玉野義雄

    ○玉野説明員 先生御承知のように、請求書は私の方で発行いたしますが、料金を納めていただくのは郵便局でも銀行でも全部よくなっております。ただ、一部納期を過ぎますと督促の関係がございますので、一部ある一定期間おくれますと電話局へ納めていただくというふうにいたしておりますが、もうほとんどは銀行、郵便局で納めていただいておりますので、その料金を受け取る事務といいますか、これは公社でなくてほとんど外部と、こういうふうにお考えいただいた方がいいと思います。
  479. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 この前聞いたのは、たしか自動振り込みが七五%、こう聞いたが、そうですか。これは一軒一軒徴収に行くのがあるわけですか。何%ぐらいで何人ぐらいそういうことに従事しているわけですか。
  480. 川崎鋼次郎

    ○川崎説明員 お答えいたします。  ただいまの中で料金関係の人が、発行、集計とかそれから自動運用の調査とかといろいろな広い概念で入れますと一万七千人おります。それで、特に収納関係となりますとぐっと少なくなりまして、先ほどちょっと御説明いたしました発行とか集計が八千人とか自動運用が三千人といいますか、そういうのを引きますと、あと数千人、五、六千人というものが窓口におって、収納関係とか消し込み関係をやるということでございます。  それからいま七五%が銀行等のあれに入るという、銀行振り込みと申しますか、入っておりまして、または郵便局の窓口とかそういうところに入るわけでございます。  ちょっと細かくなりますけれども、大体納期を過ぎて二十日ぐらいたちますと、通常御承知のように通話停止ということをやるのでございますが、その時点ぐらいを過ぎますと、もう未収金というのは非常に少なくなります。このごろの統計を見ますと、全体で二十億ちょっと、二十五、六億でございますか、納期を過ぎて一カ月ぐらいたちましたものはもう二十億程度の未収金である。それを、通話停止をどんどんかけて、電話督促等をいたしますと、さらに落ちまして、もうその半分以下になってしまうという状況でございます。
  481. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 私は未収のことはまた後で聞きたいと思っているが、人が幾人従事しているか。たとえば電力会社は、自分のところの職員では集金をしていないわけです。公社みたいなお役所は自分でやっているか、それは幾人でやっているか、こういうわけです。だから、そういうものは電力会社みたいにほかに任せられる余地があるじゃないか、こういうことを言っているわけです。
  482. 遠藤正介

    遠藤説明員 わかりました。  料金の事務と申しましても、度数料を撮影する段階から始まりまして、請求書その他を入れると、いま業管局長が答えましたように、一万数千人おります。そのうち、かつては御案内のように料金を納めるのは電電公社の窓口かあるいは郵便局だったというのを銀行に持っていっただけで、大分ふえるべき人が減ったと私は思うのです。しかし、さらにたとえば度数計の撮影ですとか請求書の発行事務ですとか、あるいは私どもは集金はやっておりませんから歩く人はいませんが、督促だとか、そういうのをよそに任せれば、いわゆる電電公社の職員は少なくて済むじゃないか、こういうことをおっしゃっておられるのだと思うのでございます。しかし、この問題につきましては、これは先ほどの委託販売の問題もそうなんですが、私ども責任を持ってやるという関係で、郵政大臣の御認可をいただいてやる問題であります。私は、この料金の問題につきましては、今日の段階で、先ほど公明党の田中先生がおっしゃいました、ああいうような苦情がいろいろ出ている段階で、これを外の人にこういう請求とかあるいは督促とか——督促というのはいわゆる通話停止に関連いたしますから、そういうことをよそに任せるのは、いまの段階では少し早い、やはりこれは、公社のいまの料金の問題が非常に重要な問題になっている段階では、少し早いのじゃないかと思います。  ただ、それだからといって、人を節約する余地がないわけではございませんで、たとえば一カ月ごと請求しているものを二カ月請求するとか、あるいは前払い制度をしいて、基本料あたりについては割引をしてでも一遍に、たとえば会社なんかはもう年間でいただいた方が、仮に少額の割引でもいいと思うのです。ですから、そういう料金の制度そのものについて郵政省の御認可さえいただければ、そういう面で人の面は相当助かる。そういうことは私どもは郵政にぜひお願いをしたいと思って、いま私どもの案をつくりつつ郵政と折衝しておりますが、その請求事務、発行事務あるいは督促事務というものをよその人に任せるのは、いまの段階ではやはり控えるべきじゃないか、もうしばらくしてからではないか、私はこういうぐあいに思っております。
  483. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 郵政省の認可さえあればやろうと言うから、いいことはすぐやった方がいいと思う。NHKは、一年分納めれば幾ら割引、半年分納めれば幾ら割引とあるわけです。だから、そういうことを極力合理化して、その間の金利をどれだけ割り引くかということはまた計算すればいいわけですから、それは郵政省、やる意思がありますか。直ちにできることはやった方がいいと思う。  それからいま一つは、督促事務。電電公社の職員は四時になればもう集金に行きませんから、だれか民間にやらしてもらえないかという、逆のことなんです。後は課長かだれかしか残っておらぬで、だれもやってくれないから、昼間休んでいてどうしようもない。夜うちへ帰ってくる。そのときは電電公社の人は四時から仕事をやらぬ。残っている人は課長かだれかだから、そういうことがちっとも収納に役立たないから、むしろほかの人に任した方がいいじゃないかと、逆な意味から言っているわけなんです。
  484. 遠藤正介

    遠藤説明員 先ほど申し上げましたのは、収納事務あるいは督促事務全体についての話でありますが、いま先生から御指摘のありましたのは、そのうち時間外ですとか、そのほかにたとえば土曜日、日曜日というのが、週休二日になりますとやはり料金を納められたりする機会の非常に多い日になってまいります。そういう時期につきましては、あるいはそういう時間帯については確かにそのままそこで受け取って翌日公社へそのまま封印でもして持ってくる。間違いないようにする。こういう道は考えなくちゃいけないと思います。これは現在研究中であります。  具体的に申し上げますと、非常に忙しいところで、たとえば銀座のようなところですね。例が悪いかもわかりませんが、銀座は大体五時過ぎにお客さんがお金を持ってくることが多いわけです。銀行も閉まっておる、電話局も閉まっている。そのときにどこかでともかく料金を受け取って、月曜日までして、月曜日に電話局へそのまま持ってきてもらうというのを、ある機関、信用できる機関に頼む、こういうようなことはいま研究をさせております。そういう時間帯あるいは場所的にそういうものは考え合理化をしたい、こういうように思っております。
  485. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 それじゃ、郵政省聞いていなかったからもう一回。  NHKの料金は一年分全納すれば割り引く、半年分全納すれば割り引く、電電公社のもそういうようにしたならばせめて収納費、金利負担、それぐらいのものを割り引いて全納できる制度を、これは郵政省さえ許可すればすぐできる、こういうわけ。そういう合理化をすぐできることだからやらないか、こう言っている。
  486. 遠藤正介

    遠藤説明員 これは小沢先生、誤解があるといけません。私どもの方で郵政に認可を出しておって、郵政がなかなか認可をしておらぬというのではございません。いまこういう問題につきましては私どもの方でまず研究をいたしまして、こういうことで郵政省に認可を求めるというその前段階のところをいま研究しております。恐らく、私はそういうものを合理的に持っていけば現在の郵政省は必ず認可をしていただけると思っておりますから、いままだ持っていってもいないのにそういうことは…(小沢(貞)委員「それではいつ持っていくか、それを聞かせていただきたい」と呼ぶ)ですから、これは今年度中にやるということで、実は私どもの方の毎年の事業計画の中に織り込んであります。
  487. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 それじゃ、それは持っていったら郵政ですぐ許可してもらう、いいですな。大臣、後ほどまた答弁していただきたい。  それから、保守に従事する者十三万五千人、こういうわけです。これは保守の何かできるようなある会社にやらせて監督をする、みずから保守をする、そういうぐあいに分かれていますか、分かれているならば人員その他を聞かせてもらいたい。
  488. 植田義明

    ○植田説明員 お答えいたします。  保守の従事十三万人のほかに、私どもすでに開通工事とか移転工事とか、私どもでサービスオーダー工事と言っているわけですが、そういう加入者の宅内への工事、それからもう一つは離島、僻地等の障害修理、そういうことについては外部の方にお願いしておりまして、サービスオーダー工事で申しますと、全体の件数の半分ぐらいはいま外部の専門の方々に作業をお願いしておるわけでございます。
  489. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 これも人員が絶対増一万何千人もふえていくから私は言うわけで、こういうものももっと、たとえば保守公社というものでもよろしい、電電のOBの人が先に立ってやるのでもよろしい、あるいは民間会社の適当な資格ある者にやらせてもよろしい、もっともっと電電公社の職員みずからやらないでやれる方途というものを開いていくことをお考えにはなりませんか。
  490. 米澤滋

    米澤説明員 お答えいたします。  この問題は研究問題として、いま直ちにここですぐどうということではなくてお願いしたい。といいますのは、一つこういう問題がございます。これはたとえば土曜、日曜のいわゆる休日のようなときにどうするかというようなことがございますので、これは研究させていただきたいと思います。いま直ちにここでどうということを申し上げかねます。ただ、先ほど保全局長が言いましたように、現在の保守の中でもいわゆる請負会社等に相当いろいろお願いしている点もございます。これは形は公社がやっておりましても、いわゆる契約とかいうことでやっておりますので、この辺はどういうふうに全体を整理していくかというふうに考えております。
  491. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 私はその絶対増というものをなるべく少なくしていかなければ将来困るんではないか、こういう立場から言っているわけです。ですから、保守にしても絶対増をしないで、なるべく下請あるいはOBの人で小さい公社をつくってもよろしい、そういうことで外注をしていくという体制を整えていく、これは民間会社みんなやっていることなんだから。大コンビナートへ行ったって、そこの保守は自分のところの職員がやっちゃいない。これは別会社の人がみんな下請でやっている。それと同じことを電電公社はできないはずはないと思う。一万何千人ずつふやしていくその体制では私は将来行き詰まると思うので、少なくとも漸新的にそういう移行の道を考えていかなければいけないのじゃないか。  いま一つは、管理体制二万五千といま聞きました。これはかねてから私は主張しておったが、電電公社技術革新の最先端にいるわけであります。何で通信部、通信局、この二段階を設けなければいけないかということについてもう最初から私は疑問に思っているわけです。多少の権限その他はあるにしても、たとえは私の方の信越電気通信局のそのすぐ下に長野電気通信部がある、新潟電気通信部があるわけです。だから、局という段階をやめるか、部という段階をやめるか、少なくともいまのお役所の体制というものはみんなそうなっている。大蔵省しかり、通産省しかり。そうなっているが、技術革新の最先端にいる電電公社は率先をして三段階制を二段階制にして十分対応できるんではないか。これは私は管理部門に二万五千人も三万人も使わないで済むような、これも漸進的にやらなければいけないと思うから、そういうことで管理部門の人も少なくすることができるんではないか、こう思うわけです。これは再三にわたる私の主張なんですが、研究してみませんか。
  492. 米澤滋

    米澤説明員 お答えいたします。  確かに信越電気通信局あたりから見ますと、あるいは北陸とかから見ますと、あるいはそういう問題が起こるかもしれません。この問題は今後五カ年計画が終わった時点で確かに公社経営そのもの、公社の自主性の問題もございますし、それからそういう能率経営の問題もございますので、余り研究研究と言って申しわけないのでございますけれども、やはりこれは直ちにということではなくて、地域差もございますので、公社の自主性、それから地域差、そういうこともあわせまして研究させていただきたいと思います。
  493. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 それで、建設が二万四千人いて、第五次五カ年計画が終わったらこの人員をどうするか、こういう問題も出てくると思うのだが、私は安易に先ほどのようにふやしているその安易な経営体制、これは民間ではとうてい考えられないこと、本当ですよ。民間ではこんな安易な経営体制なんて全く考えられない。だから私は異常だと思っているのです。だから、民間が努力してあれだけ合理化をやっているというようなところまでやれとは私は言わぬが、少なくとも管理体制、建設部門が終わったらどうする、営業だって私が申し上げたようなこと。電力会社はみんなほかの人が集金をしているわけです。だから、保守体制だってそうです。みずから保守しているところはないわけですから、ある一部は直営でやって、ある一部は保守公社でも何でもいいと私は思う。考え方はいろいろあると思いますから、民間にやらせるか、OBなり何なりに公社をつくらせてやらせるか、いずれにしても直営部門と三部門でいいから、それがどれだけどっちが能率が上がるかという競争関係に置くようなことをするなどしてこの人員をふやすのをとにかく、将来合理化で減らさなければいけないという時期が来るんじゃないかと思うから、そのことをいまからはっきり目標を立てて、ふやすべき人員を、一万何千人もふやしていくという安易な経営体制というものに徹底的にメスを入れなければいけない、こう思うわけです。そういう意味においては、私は最後に言おうと思っていたんだけれども、もっと民間人なり何なりがこの公共企業体の経営についてメスを加えるような、うちの春日委員長が本会議で言っていたんだけれども、ああいうようなどこかでチェックするものがないと安易な経営に私はなっていくんではないか、こう思いますから、この人員を安易にふやしていくことをやめなさい。これに対して抜本的なメスを加えて、方法を講じなさい。どうでしょうか。これは郵政大臣もひとつそのことは真剣に考えてもらいたい。先ほどの答弁と一緒に。
  494. 福田篤泰

    福田(篤)国務大臣 電電公社の業務の合理化、近代化については全く同感でございます。まだ就任日浅くして具体的な確信は持てませんけれども、いままでのやり方で果たしてやっていけるかどうか。具体的に申しますと、法的にも委託業務は認めておりますけれども、広い意味の委託範囲を広げるということも趣旨として賛成でございます。  同時にまた、先ほど電報の問題も出ましたけれども、私個人の考えとしては、大体三年をめどにこうした時代おくれなシステムは変えるべきじゃないか。技術革新の時代でありますし、恐らく後ほど専門家の意見も聞いて、公社側ともよく検討をいたしますが、ほぼ三年をめどにして、コンピューターの発達した時代ですから、いままでのような電報システムを、利用者も激減しておりますし、いま直ちにああいう方法を廃止することは早急でございますけれども、これは時代の進展、技術の革新で当然改変すべきであると考えております。すべての点にわたって、合理化、近代化を具体的に取り上げて検討いたしております。
  495. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 いま私が申し上げたような、ふやすのは余りふやしていくな、一部ずつは合理化をしてやっていけ、こういうことに対して、つまり内部の意思統一、たとえば労働組合との話し合い、そういうようなことについては意見の一致を見られませんか。
  496. 遠藤正介

    遠藤説明員 人をふやすな、あるいは現在まであった機構を見直せ、こういうことは小沢先生が本旦言われます前に、実は三年ほど前からわが社では総裁、副総裁から御下命があります。どういう形であるか具体的に申しますと、人は三十万以上ふやすな、まあ三十一万になってしまいましたが、三十万以上ふやすなとか、あるいは民間の力をもっと活用せいとかそういう形、あるいは通信部、通信局の機構、それに最近は都市管理部という機構までできましたから、そういったようなものが、歴史的とは言いながらそろそろ見直すべき時期ではないかということで研究せいということを実は二、三年前から言われておるわけです。それで、私どもはその線に従って、たまたま小沢先生の御意見と全く一緒の御指示をいただいておるわけですから、いろいろ考え、また一部少しずつ実施しているところもあるわけです。最終的に人をふやさなければ困るということは組合も言っておらぬと私は思います。むしろ全体的にみんながある程度の均衡のとれた形で働くということが望ましい姿でありまして、場所によっては非常に遊んでいる人がいたり、非常に忙しい人がいるということは、むしろ組合としてはあれじゃないかと思いますので、現在の労働組合のレベルというと失礼ですが、一つ計画をもって組合と誠意を持って話をすれば基本的にはわかってもらえる、私はこういうぐあいに思っております。
  497. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 そういうことと関連して、総裁以下経営陣は国会に向かって料金を上げてもらいたいという提案をしているわけです。ところが、自分のところの従業員はそれに賛成をしていますか。言うならば、労働組合はそれに賛成をしているのか反対をしているのか。さらにつけ加えて、自分のところの従業員さえ賛成させ得ないようなものが、国民に向かってどうやってこの値上げに賛成を要求することができますか。従業員はどういう考えですか。
  498. 山本正司

    ○山本説明員 お答え申し上げます。  たしかこの前の委員会におきましても、小沢先生から同じような質問があったと思います。私ども公社の置かれました財政状況の現状というものを十分労働組合にも説明をいたしました。またこれをどうやって改善をし、財政基盤を確立していくかという点についても労働組合の理解を得るように、いろいろ説明をしてまいっておるわけであります。  組合は本年の全国大会その他におきまして、収支相償うというたてまえを堅持しながらも、大衆負担の増大にならないように、あるいはナショナルミニマムの確保といったような点について労働組合の考え方が財政基盤の確立の方途の中に十分反映されるようにというようなことを、組合の大会の論議の中で説明しておるようであります。  先ほど申しましたように、現在の財政状況がいかに危殆に瀕しておるか、あるいはこれをどうしていくかということを公社として十分説明をいたしておりますので、労働組合は労働組合なりに理解を深めてもらったものというふうに私ども考えておるわけであります。
  499. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 いまの説明は、何のことか私にはよくわからない。簡単に言えば、これは値上げしてもらわなければ困るから値上げに賛成、あるいは反対、修正すべき、この三つぐらいな意見しかないけれども、一体どれか、いまの説明ではよくわからないわけです。総裁、これは明確にしておかなければいけないが、国民に向かって値上げをしてもらいたいというならば、三十二万の従業員全体がそのつもりになって国民にお願いをする、これがあたりまえのことだと思う。自分たちが努力しても、これだけ以上は料金値上げによらざれば給料も上がらなければ、経営がやっていけないという、その経営のあり方というものを従業員に説明して、従業員が納得して、それはそうだ、こういうすっきりした気持ちになって国民にお願いするのが、私はあたりまえのことだと思う。  ところが、いまちょっと私は労働組合の運動方針を持ってきて見せてもらったばかりなんだけれども、要するに合理化反対の闘い。合理化反対ということは、文字どおり解釈すれば非合理賛成です。合理化ということは無理や、むらや、むだをなくして、労使双方が一致して合理的なものを追求しなければならない、これは私はあたりまえのことだと思う。  ところが、その中をちょっとそこで見せてもらったのだけれども、こういう異常なことが書いてあるのでびっくりしているのです。「重点施策等に対するとりくみ 事業運営方策等に対するとりくみを次により一層強化します。(1)公社の業務改善成果発表会は、私たちの全面非協力の闘いにより多くの地方で参加者ゼロの状態をつくり出し、まさに形骸化したものとなっています。このような闘いの成果をふまえ」とこう書いてある。私は、これで国民に向かって従業員の人が値を上げてもらいたいと言えるか、こういうことです。  業務改善成果発表会、これは業務の成果の発表ですから、これは職制がやるべきことで、従業員は、発表会にここの職場はみんな来いと言えば、やってこなければいけない。主任以上集まれと言えば、集まらなければいけない。これは一体だれが管理をしているか。こういうことにさえとらざるを得ないような、べっ見しただけですから、これが全体かどうか知りませんけれども、全体を見ると、こういう反体制運動の運動方針のように私には見えるわけです。  その下をもうちょっと読むと、これは断片的にとれば全体の意味があるいは誤解があるような読み方になって、悪い点があるかもしれませんが、その次の段には、「公社の事業運営方策については、これまでのとりくみをさらに強化発展させるため本年度の施策を具体的に把握しその問題点と特徴点を洗い出し、各級機関一体となった具体的追及を強化し目標による管理施策形骸化の立場からとりくみます。」この意味は私もよくわかりませんが、三十何万人の従業員がこれを見て、管理施策の形骸化のためにやりますとか、業務改善成果発表は私たちは全部参加するな、参加者ゼロの成果を挙げましたとか、こういう内部のことができないで、外に向かってどうして料金を上げてもらえるか。生産性向上にみんな従業員が取り組んだ、そしてその結果なおこれは上げてもらわなければならないという、三十二万の従業員が一体となってやった成果の上に立って国民にお願いをする、こういう体制でなければならないのではないか。これはもう経営姿勢の基本問題だと思います。労使は鏡ということを私はたびたび言う。労働者は経営者の顔である、経営者の顔は労働者の顔である、これは間違いない。この経営姿勢というものについて私は基本的にお伺いしたいわけです。
  500. 米澤滋

    米澤説明員 お答えいたします。  個々の問題につきましては、ちょっと私よく読んでおりません。ただ、電電公社と労働組合との関係でございますけれども、すでに自動化につきまして九九%まで自動化したというこの実績、また技術革新におきましても、世界の最高レベル、ないしヨーロッパに比べましてむしろ日本の方が技術成果、技術革新経営に取り入れたというこの実績というものは、やはり労働組合が理解と協力を示したという結果であると思います。とにかく配置転換でも十万以上の配置転換をやりましたし、それから九九・二%まで自動化が済んでここまで来た。確かにいろいろ表に出ていることそのもので、あるいは記事に出ていること自体がどうということではなくて、結果的にはとにかく九九%まで自動化にしたという事実は、やはり労働組合の、立場は違うかもしれませんが、理解と協力があったという証明ではないかというふうに思います。したがって、今度の問題につきましても、理解は大分去年とは違っているのではないかというふうに私は思いますが、具体的にはいまの問題につきまして山本総務からお答えさせます。
  501. 山本正司

    ○山本説明員 ただいま先生が読み上げられましたパンフレットは、恐らく全電通の全国大会用の議案書だと思うのであります。先生も十分御案内のように、そういった大会の議案書等の表現なり何なりというものは相当労働組合流に書いてありますものですから、実態と表現がそのまま受け取られるということについて多少問題があるのではないかと思うのでありますが、その中に挙げられました事業成果の改善発表会と申しますのは、いろいろ現場等で考案、改善等をした成果を持ち寄って今後の事業改善に役立てようということでずっと前からやっておったものでございますが、そういったものをやる過程において、労働組合の立場からいたしますと、それが職場の作業環境あるいは作業労働力の多寡といったような問題とも関連するんだといったような観点から、公社当局といろいろ議論を交わしてきておる経過のある問題でございます。いろいろ論議をいたしておりますが、一定の見通しのもとにそういった問題も解決の方向を見出し得る段階に達しておると考えるわけであります。  その他の問題につきましてもいろいろありますが、要は、先ほど総裁答弁なさいましたように、私どもの事業は技術革新というものを柱にいたしました事業の近代化、合理化というものが事業成長の宿命であり、また、それなくして事業の拡大というものはあり得ないわけでございます。これをやっていく過程におきましては、それに従事する大ぜいの従業員の労働環境の変化あるいは職種転換、配置転換といった問題が生ずるわけでございまして、これらを円滑に実施してまいるために、第一次五カ年計画実施以来、そういった事業の計画内容、まあ設備計画の事前協議と称しておりますが、こういったものを十分労働組合に説明をしながら円滑に労使間の問題を解決していこう、そういった新しい技術の導入その他が事業に及ぼす効果あるいは労働条件に及ぼす影響、こういったものについて説明をしながら組合の納得を得て多数の十万人近い配置転換を実施することができたわけでありますし、現在の自動化がほぼ一〇〇%近く完了いたしておりますのもそういった一つの成果だろうというふうに考えております。今後の労使関係につきましても、いままで以上により近代的な、より安定した労使関係の確立ということを念頭に置いてやってまいりたいというふうに思っております。
  502. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 労使関係のことですからわれわれは国会でこれ以上いろいろ言おうとはいたしませんが、私たちは常識的に考えて、全従業員がこれだけ能率を上げるために一生懸命でやった、だからもうこれ以上は限界だから上げてもらいたい、それぐらいな労使三十二万人のコンセンサスが得られるような体制でなければならない、こういうように私は申し上げたいわけであります。民間会社等においては、よほどイデオロギッシュな左巻きの組合でない限りは、生産性向上には労使共通の広場として取り組む、その成果配分については大いに争う、そういう割り切った二面性を持ってちゃんとみんな取り組んでいるわけですから、どこだってそうなんですから、これはそういう立場でもって労使関係というものを見ていかなければならないのではないか、こういうように考えるわけです。われわれが料金値上げ反対だから——われわれ実際のところは無理ない点もあると思う。上げなければ。これだけの間やってきたから。ただ、われわれが見て言うことは、全従業員打って一丸となって能率を上げる、生産性向上のために努力したというその成果を私たちは見たいわけなんです。民間じゃみんなそういうようにやっているわけですから、そういうぐあいにひとつぜひお願いをしたいわけですが、それについては私は経営者はやっぱり経営者なりに従業員を教育しなければいけないと思う。その教育というものがどういうようになされているか。経営者として、総裁は局長を集めて教育しなさい。局長は部課長を集めて教育しなさい。部課長は主任だか係長を集めて教育しなさい。電電の経営方針はこうだ、能率を上げるためには、国民に負担をかけるのだから、こういうことをやっていかなければいけない、そういう最高責任者の意思というものが主任だか課長だか係長だか末端の経営者まで通るような教育というものをやっているかということ。私は教育が大事だと思います。それをやっているかどうかということ。私は、違法なストをなくすためにも、合法的な運動でなければいけない、法律を守れという単純なそれだけの教育でいいと思う。値上げ国民に要求するからには私たちもえりを正して能率を上げなければいけない、米澤総裁経営方針はこうだ、経営委員会方針はこうだ、そういうことが末端までちゃんとできるような教育システムができているかどうか。これは山本さんか、だれが答弁してくれるか。
  503. 米澤滋

    米澤説明員 お答えいたします。  先ほど申し上げましたように、電電公社のいわゆる生産性といいますか、これはヨーロッパ、フランス、イギリス、西独に比べまして日本の方が進んでいる、それからまた、アメリカのAT&Tとほぼ同じだということで、日本の中で比較する企業はございませんので、それができればいいのでございますが、その点は私は御理解願いたいと思います。  それから、もう一つは、自動化というものも、ずいぶんこれまで公社の中で激しいトラブルもありましたけれども、とにかく九九%まで行き、配置転換も十万人までやったというこの事実はやはり認めていただきたいと思います。  また、技術革新そのものも、やるといっても、これは結局、ただセオリーがあっただけで技術革新ができるわけではないのでありまして、やはり職員が訓練を喜んで受けて、そして技術レベル、技能レベルが上がって、それを受け入れて技術革新ができたというわけであります。  それから、ただいま私の経営上の考え方が通っているかどうかということにつきましては、管理者訓練、これをかなり強化しております。訓練の中でいわゆる教育訓練というものも学園でやっておりまして、まず管理者に徹底しなければいけない、その点は、電電公社が非常によくやっているとは私は申し上げませんけれども、他の公企体よりはうまくいっているんじゃないかというふうに私は思います。その点はそこまででひとつ御了解願いたいと思います。これ以上よその企業体と比較いたしますとちょっとまずいと思いますが、他の公企体よりは電電公社の方がうまくいっているんじゃないかというふうに思います。
  504. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 労働組合の問題や内部の教育問題についてこれ以上触れようといたしませんが、総裁が外国と比べて一人当たりの電話の個数が多いとかなんとか、それだけをいつでもスケールとしているのは、私は違うと思うのです。やはり日本の国内の民間企業はどういうことをやっているかというようなことも経営の中で参考にしながらぜひやっていっていただきたい、こういうように思います。これは希望だけ申し上げておきます。  ちょっとはしょって、あっちへ飛んだりこっちへ飛んだりですが、未収料金。  これはわれわれ逓信委員が九州へ行ったときも、各党の先生からいろいろ発言があったが、未収料金というものはどのくらいで、どういう処理の仕方をしているか、どういうものを未収として損金に落としてしまうか、そのあたりの金額と状況説明していただきたい。
  505. 川崎鋼次郎

    ○川崎説明員 まず、未収金というのは、請求書を窓口で発行いたしましたときに、一方において事業収入として未収金に立てるわけでございますから、発行した瞬間に未収金という額は相当見せかけは大きくなります。  これが、請求書が加入者に着きまして金額がどんどん納期までに入ってまいりますと、急激にその未収金の額が少なくなってまいりまして、納期と申しますのは発行してから二週間後でございますが、納期のときには八八%ぐらいは入ってしまいます。それで、一二%が未収金ということになろうかと思います。  それから、その納期を過ぎまして、何回も督促いたしましてから、一応二十日目に、通話停止をやる段階におきますと、その前後におきまして、正確にはかりますと九八・七ぐらいの収納金になりますものですから、納期後一カ月たちますと一・三%ぐらいの未収金になろうかと思います。ですから、先ほどちょっと先走って申し上げましたけれども、未収金の総額がその時点では大体二十数億に落ちるわけです。それからすぐに別の月の請求書が出てまいりますからまた未収金という額が一たんふくれまして、それがだんだん収納されてきて落ちていく、納期を一カ月過ぎました後の未収金は平均しますと大体二十五、六億程度だと思います。
  506. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 端的に質問すると、もうこれは取れないといって決算上落としてしまう額は一年間に大体どれくらいあるか、こう言っているのです。
  507. 川崎鋼次郎

    ○川崎説明員 いまの未収金の中から長期にわたる滞納というのが発生するわけでございます、いまのは一カ月たちましてからの話ですから。そうしますと、長期にわたる滞納が六カ月以上ぐらいになりますと長期滞納金というはっきりとした管理の対象にいたしますけれども、六ヵ月たちますと一けたの九億とかなんかの額になります。それをさらに別途管理をいたしまして催告なり督促なりをいたしまして、本当にこげつくというようなものは、二億かそこらのものが不能欠損というような額で計上されるわけでございます。
  508. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 前に資料を出してもらったのも、不能欠損二億六千万とか二億七千万とか三億とかあるわけで、これを徹底的に徴収することはもちろん合理化の上から必要なんです。それもやっていただきたいが、どういうようなぐあいにそういうことを処分しているかということを、内部で監督、業務監査、こういう組織体制というのは、私が九州の局で聞いたところによると局長の配下にある部でやっている、こういうふうに聞いたのですが、その体制はそういうことになっているのですか。
  509. 川崎鋼次郎

    ○川崎説明員 お答えいたします。  そういう未収金の問題につきましては通信局の監査部が監査をいたすのが筋でございますが、通信部におきましても別途自治監査と称しまして、そういう現金監査みたいなものを兼ねまして監査をやっておるというわけでございます。
  510. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 だから通信局の中の、これは九州電気通信局の組織の十三部一室二課の中の監査部という一部でやっているわけで、いま聞けば通信部でもやるそうですが、私は労働組合の何か運営方針を見たら、経理が不明朗だ、民主化何とかをつくれみたいなことも盛んに言っていて、なるほどこれはうまいことを書いてあるなと思って見ていたのですが、これは総裁直属か何かで、局のさらに上の方から業務その他を監査するというシステム、それはどういうようになっているか、あるのですかないのですか。
  511. 好本巧

    ○好本説明員 お答え申し上げます。  本社にも監査局がございまして、本社は通信局以下の監査をやっておりますが、全十一通信局を一年間に一回は必ず見る。通信局を見ますときに、御案内のように通信部以下の現場も見る。特に一両年、未収金でありますとか電話料金の徴収に関するトラブルでありますとか、そういうことも一つの重点項目としてやっております。
  512. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 その監査結果というものは公表しているわけですか。私は余りそういうことに関心がないのだが、たまたま国鉄監査報告書というこんな大きいのが来るので、なるほど国鉄というのはそういうふうに監査をやっているな、こうわかるのだけれども、電電監査報告書というのは、寡聞にしてだか、われわれのところには届けられないのだか、公表しないのか、そういうものはないわけですか。
  513. 好本巧

    ○好本説明員 電電公社の本社の組織の中に経営委員会の下に役員としての監事がございますが、その監事が年一回決算の完結しましたときに監査報告書というのをつくりまして、それを郵政大臣提出するということになっております。その監事のつくりました一年一回の監査報告書というもの、ちょうど国鉄で先生ごらんになったものもそういうものではないかと思います。
  514. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 公表されているのですか、これは。
  515. 好本巧

    ○好本説明員 公表されております。
  516. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 それでは、この監査というものを徹底してやっていただいて——これは何も決算の未収だけじゃありません、経営全般についての監査もするのではなかろうか、こう思いますので、徹底してやっていただくようにこの機会に特にお願いをしておきたいと思います。  次に、だれか先ほど質問したそうでありますが、電電公社から民間関係へのいわゆる天下り人事であります。この天下り人事についてひとつお尋ねをしたいことは、電電公社の職員が関係ある民間に天下っていく場合に、法律的な規制は何にもないか、それが一つ。これは簡単なことです。最近、部課長以上であるならばどのくらいの者が関連ある企業に天下っていったか、そこらあたりをちょっと説明してください。
  517. 北原安定

    ○北原説明員 お答えします。  国家公務員に準じてはおりますけれども、直ちに国家公務員と同じ法律が適用されるようには私、了承しておりません。  それから、最近行っております本社の部、局、次長経験以上のような方々というのは、全体で申し上げまして、平均しまして一年に七、八名、十名ぐらいのところ。そして、それはほとんどがその本社職員時代に身につけた職能が要するに会社に買われていっておる。先ほど説明総裁からありましたけれども、わが国の電気通信産業の構成というものか外国のように——システム一式を工事まで含めてやれるというのは外国の製造会社の構成でございます。ところが日本の場合は、発展過程におきまして機械類あるいは線路類、これがそれぞれ別の会社で成長してきております。かつまたこの工事をやる組織も外国のように会社の中にないわけで、工事はまた工事という一つのグループができ上がっている。こんなようなことでございまして、電気通信全体のシステムを設計し、あるいはその中の部分をどういうふうにすればシステム全体がより有効になるかというようなことはなかなかわからない。ことに、最近海外への進出が特に重視されるに及びまして、こうしたシステムエンジニアリングを重視する傾向が強くなっております。それにふさわしい方々が請われて民間に行くという傾向でございます。
  518. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 先ほど最後に、経営全体の何とかをやる管理制度で、何と言ったか。監事ですか、監査ですか、経営委員会の。
  519. 好本巧

    ○好本説明員 監事でございます。
  520. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 その監事に、これは総裁からお願いするかどこからお願いしたらいいか、これは郵政大臣がやるのか、私はそのシステムは知らないが、こういうことでいいのかどうか。ひとつ業務全体の監事という立場から意見を徴してもらいたい、こう私は思います。  いろいろこういう新聞には、電電公社高級官僚天下り一覧表がページにあふれるほど出ていますし、中にはいろいろ書いてあるし、この間から見ると、私たちのところにいろいろ逓信レポートで、日本電気株式会社のOB、これは何十人だか何百人だか知らないが、その次には日本通信協力会社のOB、後にこのぐらいたくさん出ている。これは何巻来たか私も覚えがないほどたくさん来ているわけです。このことがいわゆる天下り禁止、これは国家公務員にはあるわけですが、電電はそれに準ずるが必ずしもそのとおりではないと言うが、直接発注するところ、建設を頼むところ、そういうところへ電電公社の高級官僚あるいは末端の部課長でもよろしい、そういう者が行くことについて、これは公社経営上いいのか悪いのか、何か弊害があるのかないのか。そういうことについてさっき言った監事、だれが指示したらそれができるか、その意見を聞かしてもらいたい、こう思うわけです。  時間がないからそういうふうに集約して言ってしまおうと思うのです。
  521. 米澤滋

    米澤説明員 お答えいたします。  監事に調査させろという御意見でございますから、経営委員会でこういう問題を調査しろと監事に言うようになっておりますから、次の経営委員会でその旨を伝えまして、私の意見は先ほど申し上げたのでございますけれども、監事にやらせる。監事は総裁とまたちょっと違った立場を持っておりますから、監事にやらす、経営委員会で決めて監事に指令するようにいたします。
  522. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 それでは、調査というのは何人がどれだけどういうように行っているかという意味でなくて、それで公社経営がゆがめられるようなことがないか。新聞は悪口をいっぱい書いてあるのだから、癒着をしておるの、それ、工事の発注をもらうためには天下りをもらっておかなければできないだとかいろいろあるけれども、そういうことが公社経営をゆがめるようなことはないかという立場からその監事に指示をしていただきたい。これはまた追って逓信委員会なり何なりにその結果を報告していただきたい。これは委員長にもお願いをしておきます。  今度はずっと小さい問題になって、私がどうしてもやっておかなければならない問題があるのでお尋ねをいたします。  有線放送電話公社の接続の問題についてお尋ねをします。電話料金値上げと関連をして、有線放送の基本料や加算額等の接続料金改正考えておる。これは認可料金ですが、認可料金についてはどなたか質問があったと思いますけれども、どういう方針であるか。
  523. 玉野義雄

    ○玉野説明員 有線放送を接続いたしております加入者につきまして、基本料と、それからいわゆる従量制の場合と、それから定額制の場合とございますが、従量制の場合は基本料ということになっておりますが、これにつきましては一般の加入電話の基本料と同じように二倍、それで五十一年度は一・五倍ということで考えております。それから定額通話料につきましては、これは基本料と市内の通話とが一緒になって定額通話料になっておるわけでございますが、これは一・五倍ということで考えております。したがいまして、一般の自動局の従量制の基本料の値上げよりは少し少なくなっております。したがいまして、一・五倍で五十一年度は一・二五倍と、こういうふうに考えております。これは一般の手動局がございます、私の方の直接のお客さんでございますいわゆる手動局は定額制になっておりますが、ここも同様に基本料は二倍までいきませんで一・五倍ということで考えております。  それから先ほどございました接続料でございますが、これは四十四年に定めたものでございまして、当時たしか一千円ちょっと超えておったと思いますが、それを一千円のままできておるわけでございますが、これは有放の性格等もございますので、一応今回の料金値上げの際に値上げするというのではなくて、そのまま据え置いたらどうかと私たちは考えております。
  524. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 この一回線千円、これ、いま据え置こうと、こうおっしゃるわけでしょう。これ、目標は検査か何か四、五人で来てやったがために、だから毎月毎月一回線ごと一千円。ある局のを、これは具体的に言えば、私どもの長野県の豊科町の局ののは、この制度以来四百三十万ばかり納めました。ところが公社の検査は四日ばかりで五名来たから、幾らどう高く見積っても百万円しかかかっておらないのに、毎月毎月一千円ずつ取られて、何回線分だか知らないが、トータルすれば五百万近くもなっておる。これを永久に取るとは一体どういうことか、こう言ってきているわけです。たとえば私の方の塩尻の有放ののは四日間五名松本局から参りました。それから松本局から三名来て訓練か何かをやってくれました。幾らかかったところで幾らでもない。それを毎月毎月三万円ばかりずつ納めて年間三十何万納めて、もう五年も六年もたっている、こういうわけです。だから、もう三十何万ずつ五年もたっていて、百六十万も百八十万も納めているが、それだけのことをやってくれただけだ。これは幾らかかったって六十万か七十万しかかからぬ。それをどうして、これを永久にこんなに高いもので取っていかなきゃいかぬかというのです。これはこの機会に廃止するか、半値にするかなんかしたらどうでしょうか。
  525. 玉野義雄

    ○玉野説明員 場所によっていろいろニュアンスはあると思いますが、やはり最初一括でいただく手もあるのですが、一括ですとやはりかさみますので、これもやはり月額の使用料ということにした方がいいということで、したわけでございますが、御承知のように、接続いたします場合、有放は設備がある限られた地域内だけの通話でございますので、電送ロスといいますか、そういう点が、私の方ですと七デシベルで終わるのが九デシベルとかいうふうになっておりますので、その辺の通話等の維持等もございますし、そういうような関係で、単なる検査とかそういうだけではございませんので、これは継続させていただきたい、こういうふうに考えております。
  526. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 どう原価計算してみても五十万か百万しかかからぬものを、一回線千円ずつ五十回線、三十回線やっておるのを、毎月千円ずつ納めていくということは、一回に取れば高くつくから分納させているんだと言うけれども、全く原価計算上筋が通らぬわけです。昔は一加入ごと十五円、その次は一回線ごと千五百円、その次に千円にまけてもらった。あのときに、五百円にするというのを私が聞き違えて五百円だけまけていただいた、割り引いてもらった。そういうだけでそのままになっている。これはそんなに永久に取る必要のないものです。これはなしにしろとは言わぬが、半値にするのはあたりまえのことじゃないですか。どうですか、永久にこんなこと…。
  527. 玉野義雄

    ○玉野説明員 やっぱりこれは接続いたしましてその性能を維持して、接続通話した場合に支障のないようにということをいたします場合の保守とか、そういう点もございますし、やはり人件費の値上がりその他もございますので、そういう千円というのは先生非常に御不満かもしれませんですが、私たちといたしましては千円のままで据え置くというのがもう精いっぱいの努力でございますので、その辺よろしくお願いしたいと思います。
  528. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 これは承知できない。百万か七、八十万しかかからぬものを、もう何百万と納めて、まだ永久に取り続けようと、こんなばかな話はないわけで、もうこれはやめたらどうかと言いたいところなんだ。だからひとつ、これは認可料金でしょう、検討をしてもらいたい。  それが一つと、大変細かいようですが、定額制と時分制というものを交換させない、こういうことを言っているんだが、それは選択の自由を認めてほしい。これも検討の余地があるんですか。
  529. 玉野義雄

    ○玉野説明員 度数制と従量制との関連につきましては、先般の広域時分制の際に市内は三分ごとの計算になりまして、従来ですと時間の制限がなかったものですからよかったわけなんですが、三分になってまいりますと一々、有放のオペレーターの方ですが、これが計算をするのが非常に大変だという御意見がありまして、それでそのときに従量制にしてほしいという要望があったわけですが、ただ加入しておる人によっては、従量制は困る、それで定額制にしてほしいというふうに意見が両方に分かれまして、それで私たちとしても、そのときに初めて従量制と定額制というのを、御意見を伺いまして、それによって決めたわけでございます。それで、これをあるときは従量制、あるときは定額制ということになりますと、度数計を動かしたりとめたり、原簿を書きかえて、これは従量制になりますとかいう点が、一々切りかえなければいかぬというようなことで、私の方としても非常に手数が大変でございますので、それで、そういう事情もよく申し上げまして、最初にそういう点をよくお考えの上で定額制、従量制を決めていただきたいということで決めていただいたものでございますので、これは変更いたしますと、度数計をまた動かしたり外したりというような手数もございますし、これもいままでのとおり、最初の御要望で決めたことでやっていただきたい、こういうふうに考えております。
  530. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 年間何百億、何千億も上げるときの話にしては余りにも小さ過ぎることなんだが、これは毎月毎月変えろとは言わぬが、もう制度が実施されて三年たった、これは定時制を選ぶのか時分制を選ぶのかということの選択の機会というものを与えて変更してやったってちっとも悪いことじゃない。法律事項でもなければ何でもない。何か一行か二行書いて通達さえ出せばいいことなんだが、そんなことになぜそうこだわらなければいけないのか。
  531. 遠藤正介

    遠藤説明員 これは小沢先生が一番よく御存じなのじゃないかと思いますが、あの時点では私どもは従量制を主張しておったわけです。ところが、そこでユーザーの方が定額制ということを言っておいでになりまして、そのときに、定額制というのはいいけれども、場合によって従量制の方がいいこともあるのですよ、そのときにまたお困りになるのじゃないですか、こういうことを申し上げましたところが、一遍決めたものは絶対に変えないでもいいから定額制という制度を開いてくれ、こうおっしゃって、それは私どもの方はもう第一条件として、それならば定額制を従量制のほかにしきましょう、こういうことで、変えることはないと、そのときにかたいお約束をしているのです。したがいまして、金額はわずかかもわかりませんけれども、一遍そういう経緯のあったものを変えるということは、秩序を守るといいますか、この問題についてだけじゃなくて、ほかの問題についてもいろいろお約束をしておるようなこともございますし、当時のいきさつを御存じの方は十分御理解いただける、こういうぐあいに思っております。したがって、先生から見ると非常に頑迷固陋のように見えますけれども、これはなかなか大きな問題でございます。
  532. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 大きくないよ。こんなもうまるでケシ粒を拾うような小さい問題を何でそんなにこだわらなければならぬのか。最初のときはどういうぐあいになるかわからないから、定額制、時分制どっちを選択していいかわからなかった、一たん選択しちゃったならば永久に変えてはいけないぞと言ったら、はい、変えませんと言ったがために絶対変えないという、そんなばかな話はないので、やはり三年、五年実施してみたらいろいろの都合が出てきたから、三年に一遍か二年に一遍ぐらいずつ定額制から時分制、時分制から定額制に変えてもらいたいという希望があったときに、そんなものを変えたって、一体電電公社にとってはメンツも何もありゃしない。何でそんなにこだわるのか。たとえば、これは大変いろいろ御理解を得て、私の方の塩尻にやってもらったときには、時分制だか定額制だかなんだかを変えてもよろしいという通達まで出してあるわけですから、そういうようなことが単なる通達か規則かなにかで簡単に直ることなんだから、絶対に決めたものを動かしてはいけないなんて、そんなことに何でこだわる必要がある。三年なり二年やってみて、ああ時分制がいい、定額制がいい、また、いろいろ実際の検討の結果そういう結果が出てきたのだから、二年か三年に一遍は選択の自由を与えてどうしていけない。そんなに何でこだわる必要がある。
  533. 遠藤正介

    遠藤説明員 これは先生、一番最初は定額制という制度は考えてないで、従量制一本でいくというのが私ども方針でありましたときに、これは陳情を受けて定額制ということを開いたわけです。そのときの条件に…(小沢(貞)委員「また直してやったって悪いことじゃない。一たん言ったメンツ上のことにこだわっているのじゃないか」と呼ぶ)いや、メンツではございません。これはやはりそのときの一つのいきさつもありますし、そういう問題を軽々にここで変えますと、この種の問題についてはいろいろな——いままでもいろいろお約束がございますね。かつても破られたお約束もありますし、ですから、よほど慎重にやらなくちゃいけませんし、先ほど営業局長が申しましたように、実際問題としては事務的に度数計を動かしたり外したり、いろいろむずかしい問題があります。ですけれども、せっかくですから検討はさせていただきますが、まず、私は当時の責任者として、それは余りにもひどいんじゃないかという気がいたします。
  534. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 最初は従量制でやりなさいと言ったら、希望として定額制をやらしてくれ、こう言ったから、定額制を言い出した以上永久に変えてやらぬぞ、そんなばかなことはないんです。また、時期が来ていろいろ都合を考えて、検討の機会を与えて、定額制と時分制と交換する機会を与えたってちっとも悪いことはない。まあ、検討すると言うからこのくらいできょうはその点についてはやめます。  それでは、本日はこの程度で。
  535. 伊藤宗一郎

    伊藤委員長 この際、連合審査会開会に関する件についてお諮りいたします。  ただいま審査中の公衆電気通信法の一部を改正する法律案につきまして、物価問題等に関する特別委員会から連合審査会開会の申し入れがございます。  つきましては、これを受諾して連合審査会を開会することに御異議ありませんか。
  536. 伊藤宗一郎

    伊藤委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  なお、連合審査会は明七日午後一時三十分より開会いたします。  次回は、明七日木曜日午前十時三十分委員会、正午理事会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後九時二十二分散会      ————◇—————