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井上(普)
委員 私は、
国土の
改良事業といいますか、
改造事業にマッチしたような
治水対策ができていなかったのではないか、これは大いに反省をしなければいかぬ点ではなかろうかと思います。たとえば
国道二号線あるいは
高速自動車道ができておる
兵庫県におきまして、
道路の
上流には水がたまるというような
現状を見ております。したがって、ここは当然それだけの暗渠をつくっておかなければならないんだけれども、それの
計算ができていなかったのではなかろうか。それには、あるいは
宅地開発もありましょう。そのときそのときの様子からいたしまして、
計算をやり直す必要があるのではなかろうかという気がしてならないのであります。同時に、
国土の
改造事業が行われた
一環といたしまして、それによる弊害がかなり出てきておる。総合的な
対策ができていなかったのではないか。
一例を申しますと、
吉野川の
上流に早明浦
ダムができまして
吉野川の水が非常に濁ってまいりました。その後、
調整ダムといたしまして
池田ダムができたことは御
承知のとおりであります。けさ私のところに電話がかかってきたのでありますが、
台風が過ぎましてもう一カ月以上になりますけれども、現在におきましても
池田ダムが濁っておる。
池田町という町があるのですが、これは
人口大体三万ぐらいありますが、そこの
中心部をなしております
商店街あるいは集落、約一万人の
人口がそこにありますが、そこの
周辺の井戸水それから上水道全部が濁って、現在使うのが困難ということになって、きのうも町議会で大問題になっておるようであります。これは
御存じないかもしれません。知っておりますか。——こういうような問題に対してどういうような対処をするのか。この点ひとつお伺いしたいのです。
それからもう
一つは、
ダムができたけれども、
ダムのおかげで
ダムの
上流において堆積が非常に多くなってきている。ために河床が上がって、そして
水位が上がるがゆえに水没するという
ケースもかなり出ておるようであります。
それから、こういうような一面がある反面、前前から
過疎地帯になりますと、そこらの
砂防あるいは
施設というものがおろそかになりつつあったのではなかろうかと思うのであります。私、この間も申し上げたかもしれませんが、私の生まれた
徳島県というところは非常に山が峻険であります。峻険でありますにもかかわらず、その七、八百メートル高いところに
人家が張りついておるという
状況であります。その中で前々から有名な
砂防工事をやっておるところは今度は助かっています。しかし、やっていないところというのは全部崩れたと言っても過言じゃございませんでしょう。昔、
古宮村という村がございましたが、そこでは
過疎現象が起こりまして、いまでは
人家が四百五十戸に減っております。大体半分になっております。その四百五十戸のうちで、この間の
台風によりまして川っ縁にあるものは全部流された。
被害をこうむった。山の上にある部落、
住家はほとんど
地すべりによって傾いておるという
状況で、現在四百五十戸のうちで三百戸が
移転をしなければならないという、全
村壊滅の
状況になっておるのであります。これは、
治山事業が非常におくれておったこと、これはもちろんでありますけれども、今後の
対策としてどうすればいいかということを真剣に考えなければならない時期が来ておるのじゃなかろうかと思います。
過疎対策事業あるいは
災害対策事業で新しく
集団移転する際には大体
国庫補助でできるのだというような
お話がございますけれども、これは
国土庁の方でもあるいは
建設省の方でも。しかし実際問題として、四百五十戸のうちで三百戸が動くということになったら、その
敷地が手に入りません。
敷地がまず手に入らない。大体その
古宮村から二十五キロないし三十キロ離れたところでなければ
平たん部に出られませんので、これはもう大変なことになる。村としての存立がどうだろうかというところは旧
古宮村のみならず、現在の一宇村でもそういう
現象が起こっておるのであります。これらに対して一体どうすればいいか。そしてまた
集団移転の場合
国庫補助の対象になるという
お話が再三あるのでございますけれども、
地元の町長さんに聞きますと、やはり県の指導によって、それはできない、これはできるという
ケースがかなり起こっておるようであります。こういうような点についてどうするのかという方針をひとつ
国土庁としてお考え願いたい。総合的な
対策をひとつ考えていただきたい。
あるいはまたもう
一つ申しますと、昨年にも
被害がございました。
災害復旧費をひとつ早急に査定しなければならぬということで、
調査設計を各村々はやっておるわけであります。ところが、全県的に傷んでおりますので、
調査設計をする
技術屋が村の中にはおらないことは
御存じのとおりですが、県の役人も人数が少なくてそこに派遣することができないという
ケースがかなりあり、民間に委託して査定を受けるための
調査設計をやっておるという
ケースがかなりあるのであります。しかし、その
調査設計費につきましても
補助規定がございませんので、私の方の美郷村なんかを見てみますと、税収が三千万円ぐらいしかないところで
調査委託設計費が一億三千万円要ったという
ケースもあるのであります。
村財政としてはこれはもう持ち切れぬというので、悲鳴を上げておるのがあるのですが、ここら
あたりの
対策についてもひとつお伺いいたしておきたいと思います。
それから先ほど
委員長からも申されましたが、
激特災害は
一般改修費の中から出されておるようであります。これはやはり項目を新たにして
激特災害というものに対する
対策を講ずる必要があるのじゃないか。
予算処置としてやる必要があると思うのですが、この点の
対策はどういうようにやられておりますか。
以上、飛び飛びになりましたけれども、お伺いいたしたいと思います。