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1976-11-04 第78回国会 衆議院 ロッキード問題に関する調査特別委員会 第9号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十一年十一月四日(木曜日)    午前十時四十三分開議  出席委員    委員長 田中伊三次君    理事 塩崎  潤君 理事 瀬戸山三男君    理事 松永  光君 理事 森  美秀君    理事 山下 元利君 理事 田中 武夫君    理事 横路 孝弘君 理事 松本 善明君    理事 坂井 弘一君       内海 英男君    小沢 一郎君       奧田 敬和君    小山 長規君       近藤 鉄雄君    三枝 三郎君       羽田  孜君    古屋  亨君       保岡 興治君    綿貫 民輔君       稲葉 誠一君    大出  俊君       斉藤 正男君    楢崎弥之助君       松浦 利尚君    庄司 幸助君       三浦  久君    鈴切 康雄君       河村  勝君    永末 英一君  委員外出席者         議     員 佐々木秀世君         議     員 加藤 六月君         議     員 二階堂 進君         議     員 福永 一臣君         ロッキード問題         に関する調査特         別委員会調査室         長       中里  煥君     ————————————— 委員の異動 十一月四日  辞任         補欠選任   上村千一郎君     保岡 興治君   木野 晴夫君     三枝 三郎君   佐藤 文生君     羽田  孜君   箕輪  登君     小沢 一郎君 同日  辞任         補欠選任   小沢 一郎君     箕輪  登君   三枝 三郎君     木野 晴夫君   羽田  孜君     佐藤 文生君   保岡 興治君     上村千一郎君     ————————————— 本日の会議に付した案件  ロッキード問題に関する件      ————◇—————
  2. 田中伊三次

    田中委員長 これより会議を開きます。  去る二日、政府より、ロッキード事件に関し、田中角榮君、佐々木秀世君、加藤六月君、二階堂進君、福永一臣君の四君に関し報告書が寄せられております。  本日は、四君各人別に政府から寄せられた報告書を御披露申し上げ、同時に、御本人弁明を十分以内に限り許すことにいたしたいと存じます。  この四君のうち田中角榮君からだけは、本人の出頭にかわり弁明書が寄せられております。  まず、田中角榮君に関する政府報告書を御紹介申し上げます。  一、前内閣総理大臣田中角榮  二、ロッキード事件捜査過程において得られた資料、すなわち、全日空関係者及び丸紅関係者供述米国における嘱託証人尋問の結果等によれば、田中角榮は、昭和四十七年七月七日から昭和四十九年十二月九日までの間、内閣の首長たる内閣総理大臣としての職務に従事していたものであるところ、昭和四十七年十一月十六日ころ、東京都内において全日本空輸株式会社代表取締役社長若狭得治らより依頼を受けた丸紅株式会社代表取締役締役伊藤宏から、ロッキード社から流入したいわゆる三十ユニット領収書に見合う三千万円の一部である現金一千万円を、全日空がL一〇一一型航空機導入することについて内閣総理大臣として尽力した謝礼という趣旨のもとに、榎本敏夫を介して収受し、もって右職務関係に関し収賄したと認められるのであるが、請託の事実が認められないため単純収賄罪となり、三年の時効が完成しておるものと認められる。こういう事情にある報告でございます。  これに対して、田中君は本日は出庁せず、弁明書をよこしております。弁明書でも差し支えはないという交渉になっております。  その弁明書を御紹介申し上げます。     弁明書       衆議院議員 田中 角榮一、一千万円の収賄容疑について  (1)発表によると、私に対する容疑内容は、全日空のL一〇一一型航空機導入について、内閣総理大臣として尽力した謝礼趣旨のもとに、全日空若狭得治社長から依頼を受けた丸紅伊藤宏取締役から榎本敏夫秘書官を介して現金一千万円を収受したというものである。  (2)しかしながら私は、全日空のために右のような航空機導入について尽力したこともなく、何等のかかわりを持ったこともない。従って、右のような尽力に対する謝礼を受けることなど想像も出来ないことであり、現実にも一千万円を収受した事実は全くない。榎本秘書官からも受領したとの報告を全然受けていない。  (3)榎本秘書官も右のような金を伊藤取締役から取け取った覚えは全くないと強くこの事実を否定している。それに検察官の取り調べに際し、榎本秘書官は、具体的に根拠を示して金員を受け取っていない事実を刻明弁明したことは榎本自身、並びにその弁護人からも聞知している。その弁明は十分に真実味を帯び、何人も納得するに足るものであると信ずる。  (4)即ち、私にとっては一千万円の容疑事実は、全く身に覚えがなく、この点について収賄の疑いを受けることは、遺憾の極みであり、私は無実であることを強く表明するものである。 二、容疑事実の発表不法性について  (1)刑事局長の説明によると、このような収賄の事実は全日空関係者及び丸紅関係者供述米国における嘱託証人尋問の結果等から認定されたというのであるが、私としてどのような証拠関係になっているのか知る由もない。唯検察庁が私自身や、榎本根拠のある事実を否定する弁明に一顧もせず、反対尋問にさらされもしない一方的な証拠によって容疑事実を認定し、それが確定不動のものであるかの如く世間に印象づけたことに対し、強い憤懣を禁じ得ないのである。  (2)このような公表によって、私の名誉は著しく毀損せられ、いわれのない指弾によって公私の生活に回復すべからざる被害を受けることになったのである。  (3)われわれ国民基本的人権は、国政の上で最大限尊重をすべきことは、憲法の明規するところであり、これを承けて刑事訴訟法も随所にこの趣旨に則り個人基本的人権尊重をあらゆる機関に強く要請しているのである。  (4)今回のこのような切り捨てご免の如き容疑事実の公表は、明らかに基本的人権尊重し、これを保障する憲法刑事訴訟法に対する重大な侵犯行為であり、同時に私の基本的人権に対する著しい侵害である。  (5)このような人権侵害の問題は、私一個人の問題だけには止まらない。いつ、いかなる人がこのような憂目に遭うかも知れない危険は、目に見えているのである。これこそ国民一般にとって、他人事として看過されてよいような瑣末な問題ではない。重大な憲法問題であることを痛感されるのである。三、結論について  (1)以上述べたところにより明らかな如く、問題の一千万円収賄容疑事実については全く事実無根であることを表明する。  (2)このような一方的容疑事実の公表は、明らかに基本的人権尊重する憲法の条規にもとり、個人に対する重大な人権侵害である。  (3)従って、このように侵犯行為により、甚大な被害を蒙る私としては、このような不法な行為に対しては正当な法的手段を通し、国民の一人として徹底的に抗争する所存であることを明らかにしておきたい。     昭和五一年二月四日       衆議院議員 田中角榮印判こがついてあります。  これで田中君に関する発表を終わります。  それから、順番からいって、佐々木秀世君。  元運輸大臣佐々木秀世。  ロッキード事件捜査過程において得られた資料、すなわち全日空関係者及び丸紅関係者の共述、米国における嘱託証人尋問の結果等によれば、佐々木秀世君は昭和四十七年七月七日から同年十二月二十二日までの間、運輸大臣として職務に従事していたものであるところ、同年十月三十一日ころ、東京都内において、全日本空輸株式会社代表取締役社長若狭得治から依頼を受けた丸紅株式会社秘書課長副島勲から、ロッキード社から流入したといわれる三十ユニット領収証に見合う三千万円の一部である現金三百万円を、全日空がL一〇一一型航空機導入するに際し、事業計画変更等について種々便宜を計らわれたい趣旨のもとに収受し、もって、右職務に関し収賄したと認められるが、請託の事実が認められないため、単純収賄となり、したがって三年の時効が完成したと認められる。  これが佐々木秀世君に対する当委員会に対する政府報告であります。  これより佐々木秀世君の弁明を求めます。  申し上げますが、あらかじめ私の名代、事務当局より連絡をいたしましたように、弁明はお一人十分以内に限る。十分以内の御発言ならばどのような発言でもよろしゅうございます。  それでは、佐々木秀世君より委員外発言を求められております。これを許します。佐々木君。
  3. 佐々木秀世

    佐々木(秀)議員 ただいま委員長から委員外発言を許されまして、本当によい機会を与えられたことをお礼を申し上げます。  ロッキード問題につきまして皆様方に何かとお手数をおかけいたしておりますことにつきましては、心から恐縮に存じております。  今回私が、ただいま委員長がお読みになった趣旨によりまして、果たしてその事実が本当かどうかということの弁明機会を与えていただいたものと存じます。しかし、私にもまたいろいろ不審な、あるいは了解のしがたい点がございますので、少し委員長に御質問を申し上げたいと存じます。
  4. 田中伊三次

    田中委員長 十分の範囲ならよろしゅうございます。
  5. 佐々木秀世

    佐々木(秀)議員 十分の範囲で行います。  それはなぜかと申しますと、この私たちに寄せられました速記録、この速記録によりますと、委員長の御提案で、道義的、政治的責任のある者、こう書いてあります。委員長の御提案によって、と書いてありますから、委員長はどういうお考えで御提案をされたのか。  なぜそういうことを承りますかと申しますと、先般来の動きを見ておりますと、刑事訴訟法に準ずるところかは知りません、私はそういう点は素人ですから。しかし、こういう資料内容捜査内容につきまして、いまお読みになったようなことにつきましては、政府はこの資料提出することには応ずることはできないという、これは新聞記事がうそであればどうか知りませんけれども、二日の夕刊に、法務大臣がはっきりと言明しております。その応ずることができないと言われた捜査資料提出されたということが一つ。それからもう一つは、国会最高機関として、灰色というわれわれが法的には解釈のできない言葉によって、きょう呼び出された四名、ほかに田中総理を、これに当てはまるかどうかという判断皆様方が行うのじゃないかと思います。政府の出された資料を了承すれば、判断了解されたことになります。この政府資料だけでは不足である。もっともっと、皆さん方がふだん言っているように、徹底的な究明をしたいというならば、金を渡したという一方的な資料だけで判断するというのは公平を欠くのではないでしょうか。受け取ったと言われているわれわれの方の資料も十分に検討していただいて万全を期することが、片手落ちにはならないと私は思うのです。そういう点で、委員長はひとつどういうお考えで、きょうの資料に基づいて委員会の了承を得られるのかどうか、その点を承りたい。
  6. 田中伊三次

    田中委員長 佐々木さん、御参考ですが……(「ちょっと待った」と呼ぶ者あり)ちょっと待て。御発言及び私の答弁あわせ十分以内、これは御了承いただきたい。(発言する者あり)それで、何が原因で政治的道義的責任者であるということを認めたかといいますと、国会は、議長裁定によってこの委員会が設立をせられ、ロッキード事件に関する真相の究明を熱心にしてまいりました。熱心にしてまいりまして、調査を重ねてきた結果、あなたの行われた行為は、法律上起訴に値しないのであるけれども、罪にはならぬのであるけれども、政治的道義的責任は負うてもらわねばなるまいと認定をするに至りました。この認定政府に通告をして、政府はこの認定を信じて、いま読み上げました内容報告を寄せてきたのであります。どうかこの点は国会立場というものを理解を願いたい。国会は裁判所ではありません、捜査当局でもありませんから、一々証拠を突きつけてこれを判断するという筋のものでございません。その必要はない。また、そういうことは事実上できない。できないが、あなたの行為政治的道義的責任のあるものと認定をするに至った、国会が。わかりましたね。そういう理由でございます。
  7. 佐々木秀世

    佐々木(秀)議員 はい、わかりました。これ以上質問をいたしまして答弁を繰り返しておりますと、十分という短い時間が過ぎてしまいますからこれで質問は終わりますが、そのいまの委員長答弁では、われわれは納得することはできません。  なぜならば、「その行為は」と言われた委員長のその言葉一体委員長はそれをどこでお調べなされたのか。私に対しては一回も事実を委員長から伺われたことはございません。あなたから連絡を受けたこともございません。そうすると委員長の「その行為は」というものは、検察庁から提出された一方的な資料に基づいて判断したものと私は考えます。そうでなければ、もっと私に対して事実の認定をしなくちゃならないのじゃないかと思います。  そこで、理屈を申し上げるよりも、はっきりと申し上げます。いままでも私は、機会があればいつ何どきでもその機会に出ていってお答えいたしますと主張してきたことは、委員長も御承知のとおり。  私は、この速記録を見ますと、佐々木秀世は、運輸大臣として、トライスターを輸入するに当たって事業計画変更に対して頼まれて、その要請にこたえた、こういう事実はございません。一体事業計画変更なんというものは、これは事務的な行為でありまして、航空局においていろいろ騒音の問題とかあるいは滑走路の問題とかございましよう。そういうことが大型を入れるために変更されるということだと推測いたしますが、そんな事務的な問題を大臣が一々こうしなさいとかああしなさいとかいうことが、大臣職務の常識でしょうか。私は、こういうことはやはり事務担当者の問で当然行われているものと解釈いたします。  それからもう一つは、私に金を渡したという副島なる人物は、全然面識もなければ会ったこと——面識ですから、会ったこともありませんし、従来交際もございません。その人が、十月三十一日とはっきりここに日にちを申し上げるなら、あるいはいろいろな点で信憑性もございましょうが、「十月三十一日ころ」というのは一体何でしょうか。人間の記憶はそう確かなものでございませんから、いろいろございましょう。しかし、この十月三十日、三十一日前後というのは大事なときなんです、この事件から言うと。十月三十日は、アメリカロッキード社から丸紅に三十ユニットという名称で金が参りまして、領収証を出した日が三十日でございます。そして、「三十一日ころ」ということになれば、受け取った次の日私に持ってきたというならば、「ころ」などをつけないで、「三十一日」とはっきりここに記入することができるのではないでしょうか。  それから、「東京都内」とは一体何ですか。東京のどこで、だれが、どうして、それから現金か小切手か、渡したということを明示しておかなければ、信憑性を私は疑います。
  8. 田中伊三次

  9. 佐々木秀世

    佐々木(秀)議員 もうちょっと申させてください。  アメリカ嘱託尋問と言いますが、アメリカ嘱託尋問新聞に出たのは、最初はここにおられる二階堂さんや何かには七百万円とか、私には四百万円とか、ある人には五百万円とか、そういう金がいつの間にやら三百万になったり二百万になったり、全く信憑性がないじゃありませんか。そういうことでは確固たる証拠というわけには私はまいらぬと思います。
  10. 田中伊三次

  11. 佐々木秀世

    佐々木(秀)議員 数挙げればたくさんございます。しかし、それらの点を一々具体的に聞いてもらわなければ、ただ単に、ないがしろに、あるいは形式的に十分間だけ発言を求めて、そうしてその判断をするなんということは、国会最高機関としての権威に対して私は疑うものでございます。
  12. 田中伊三次

    田中委員長 佐々木君、時間、時間。
  13. 佐々木秀世

    佐々木(秀)議員 もっともっと真剣に判断する必要があるのではないでしょうか。  私は以上、まだ申し上げる点が——非常に残念であります。こんなことで政治生命を失われるような判断のなきよう、賢明なる委員諸君の御判断をお願いいたしまして、私の弁明を終わりたいと思います。
  14. 田中伊三次

    田中委員長 御苦労でした。  それでは、次に加藤六月君に関して政府から寄せられた報告書を先に読みます。  元運輸政務次官加藤六月。  ロッキード事件捜査過程において得られた資料、すなわち、全日空関係者及び丸紅関係者らの供述米国における嘱託証人尋問の結果等によれば、加藤六月は、昭和四十七年七月十二日から同年十二月二十六日までの間、運輸政務次官としての職務に従事していたものであるところ、同年十一月一日ころ東京都内において全日空株式会社取締役社長若狭得治らから依頼を受けた丸紅株式会社秘書課長副島勲から、ロッキード社から流入したいわゆる三十ユニット領収証に見合う三千万円の一部である現金二百万円を、全日空がL一〇一一型航空機導入するに際し、事業計画変更等について種々便宜を取り計らわれたい趣旨のもとに収受し、もって右職務に関し収賄したと認められるものであるが、請託の事実が認められないため、単純収賄罪となり、三年の公訴時効が完成していると認められる。これが寄せられた報告書でございます。  これに対して加藤六月君から委員外発言を求められております。これを許します。加藤六月君。
  15. 加藤六月

    加藤(六)議員 加藤六月でございます。  率直に申し上げます。一方的報告灰色高官とされるのは心外のきわみであります。いままでこの問題について何ら知らされていなかったので、種々報道されたことにつきまして疑問を持ってきましたが、今回の報告書によって初めて疑われた点がわかりました。  私はいままで、検察庁徹底的解明と、いつ、どこで、だれから、幾らもらったか教えてほしいのはこの加藤六月でございます。こう申してきました。また、真実は一つであるとも申してきました。世上言われている私に対する疑点が、もし昭和四十八年亡くなった丸紅航空機部次長松井氏にかかわるものなら、私は生涯責になり、一切の沈黙を守るのが死者に対する礼であると考えておりました。墓あばきはできません。もちろんその松井氏と一切の面識もありませんでした。  今回、その事実も資料も全く知らされておりませんでしたが、報告があったので、この際、この問題についてはっきり具体的に申し上げたいと存じます。  私は、衆議院議員に選ばれ九年十カ月、自由社会を守り議会制民主主義を守るため必死で働いてまいりました。また、今回のロッキード事件に対しても、徹底解明こそ信を国民に問う方法であるという立場に立ち、いまもその考えに変わりはありません。二月二十三日のロッキード問題に関する国会決議に対しても、私はその発案者であり、提案者でもあります。そして、直ちに政府高官名公表されることを期待して提案したわけであります。また、本委員会であるロッキード問題調査特別委員会をつくるに際しましても、私が議運委理事として最大限の努力をしたことは、単に自民党議員のみならず、野党各党議運理事委員諸兄の御存じのとおりであります。これは、先ほど申し上げました国民の要望にこたえる道であるとの政治的信念に基づき、翻って身にやましさがなく、後ろ暗さがない私の行動のまず第一の証明であります。  しかるに、八月十日ごろ突如として私の名前が出てき、その後一連の動きと八月二十六日の私を含む四人の事情聴取云々東京地検の態度及びマスコミの報道は、一体憲法、刑法、刑事訴訟法上、基本的人権の擁護を何と考えておるのでありましょうか。  時あたかも挙党協ができ、わが党内にごうごうたる三木総裁解任の声が上がってきたときであります。悪質なデマ、策謀、人権無視等は断じて許せない気持ちであります。  今回の政府報告は、具体的な資料提出もなく、事実その他に関してきわめて不完全なものであります。したがって、その反論も、十分意を尽くせないと思いますが、中身に対する反論に触れてみたいと思います。  まず第一に、私は、昭和四十七年七月十二日から同年十二月二十六日まで運輸政務次官をしておったのは事実であります。  次に、十一月一日ころ東京都内において丸紅秘書課長副島勲から三十ユニット、三千万円のうちの二百万円を私がもらったということでありますが、「ころ」とは一体どういうことでしょうか。明定しておりません。不思議な表現であります。四十七年十一月一日は、私は選挙区岡山におりました。同日午前中、浅口郡金光町内で、同町の後援会会員を訪問し、案内の自動車が破損いたしております。午後は小田郡矢掛町の後援会会員を訪問し、また懇談会を開いております。十一月一日私が訪問したということを日記に書きとめておられる方もおります。また十一月一日、晴れの園遊会夫婦で御上京せられた方が、東京で私の不在を知り残念がっておられ、その招待状を大切に保存されておられる方もあります。したがって、十一月一日、東京にいない私が、岡山県が東京都内に含まれておるならともかく、どうして東京都内で金銭の授受が行われたのでありましょうか。全く事実無根であります。  また、丸紅副島勲について全然面識もございません。  次に、「全日空トライスター導入するに際し、事業計画変更等について種々便宜を取り計らわれたいとの趣旨のもとに収受した」と報告書にありますが、これは請託になるのではないでしょうか。しかし、請託の事実は認められないと報告しております。矛盾と撞着に満ちております。  そもそも、私は、わが自由民主党航空対策特別委員会における姿勢及び運輸政務次官であった当時の姿勢は、事務当局が提示する案に対し、徹底的に質問調査はしますが、一たび理解したら誠心誠意国会及び党内部に対しそれを支持し、推進していくのを本旨といたしております。  また、あえて日本航空全日空東亜国内航空三社を比較検討するならば、国が出資し、日本航空法に基づいておる日本航空をして、現在以上に多くの国々の首都に日の丸の翼を飛ばしたい情熱を燃やしております。  なお、昭和四十七年三月二十二日の自民党航空対策特別委員会において、航空企業運営体制についての議論があったとき、私が全日空手かせ足かせをはめるなと発言したごとく報道されていますが、私の発言内容は全く逆であります。余り小さいことを決めるな、運輸省に任しておけば心配がない、党は運輸省手かせ足かせをはめるなということを申したのであります。  次に、全日空長期低利の融資をせよとの発言をしたと報道せられていますが、これまた全然逆であります。それは、昭和四十五年十一月二十日の閣議了解によって東亜航空日本国内航空の両赤字会社を合併させることになりました。したがって、この赤字会社東亜国内航空をいついかなる方法で、安全が確立された際、幹線に乗り入れさせるかという議論、また合併させた責任政府にある、さらに、日本航空に対する東亜国内航空の借金の問題等に敷衍し、東亜国内航空長期低利の金を出さねばならないと発言したのであります。  ついでながら、この会議等を通じ、全日空トライスター問題は一切議論されておりません。また、私も全然知りませんでした。  以上の事情考えてみましても、私が全日空に対し事業計画変更等について種々便宜を取り計らう理由は何もないのであります。  なお、事業計画変更認可申請は、私が政務次官をやめた一年後に行われております。すなわち、昭和四十八年十一月三日提出昭和四十九年二月二十日の認可になっております。  さらに、丸紅関係者檜山、大久保、伊藤等についても、一切の接触もなく、したがって会ったことも、電話で話したこともございません。  なお、米国における嘱託証人尋問云々がありますが、もし名前が出ているのであるとすれば、運輸政務次官加藤六月の名前を利用されていると思います。コーチャンやクラッターをおどかして金を取るなら、決定したときの運輸大臣佐々木秀世運輸政務次官加藤六月の名前を使わなければ金は出なかったのでありましょう。  さらに、ロッキード事件捜査過程において出てきた資料全日空丸紅関係者供述書が提出されていないので、私にとってはこの内容を知ることができません。しかし、今回の報告は全くの一方通行ではないでしょうか。これが裁判であるならば、これらの資料供述書が法廷に提出せられ、黒白が争われるわけでありますが、この点につき堂々と争うことができないのは残念至極であります。裁判所はこれを行い、正しい判決が行われるためにあるのであります。しかし、今回のこの方法は、一方的にそういう経過を経ずに、私、加藤六月が永久に黒という灰色にされてしまうのは、死んでも死に切れない心境であります。  したがって、「単純収賄罪となり、三年の公訴時効」云々は、全く架空の事実に基づく法律上の無責任な結論であります。
  16. 田中伊三次

    田中委員長 加藤君、結論を急いでください。
  17. 加藤六月

    加藤(六)議員 したがって、黒はもちろん、灰色でもなく、私は全く潔白であります。  全日空丸紅ルートの本当の解明とともに、他ルートの徹底的解明を通じ、真相の明白ならんことを心から期待するものであります。  重ねて申し上げます。真実は一つであります。水かけ論争に終わらせてよいものではありません。私は、不浄の金をもらって私の政治信念や国の政策を曲げるようなことは断じていたしておりません。三木総理得意の瀬戸際作戦にひっかき回された私としては、ふんまんやる方ない気持ちであります。  冷静に考えてみますと、私が国会議員だからこそきょうのこの機会を与えられたのであります。国民の中には弁明機会もなく、冤罪を着せられ、冤罪に泣く人々がいかに多いかということを考えますとき、はだ寒くなる思いがいたします。心すべきことではないでしょうか。
  18. 田中伊三次

    田中委員長 結論を急いでください。
  19. 加藤六月

    加藤(六)議員 最後に、こういつた責任を、だれが、どういう形でとるのでしょうか。はっきりさせるのが真の政治ではないでしょうか。  以上申し上げまして、私の発言を終わる次第でございます。
  20. 田中伊三次

    田中委員長 御苦労でした。  次は二階堂進君に関して寄せられた政府報告を朗読いたします。  元内閣官房長官二階堂進。  ロッキード事件捜査の経過において得られた資料、すなわち、全日空関係者及び丸紅関係者供述米国における嘱託証人尋問の結果等によれば、二階堂進は、昭和四十七年七月七日から同四十九年十一月十一日までの間、内閣官房長官であったものであるところ、昭和四十七年十一月初旬ころ、東京都内において全日空株式会社代表取締役社長若狭得治らより依頼を受けた丸紅株式会社取締役伊藤宏から、ロッキード社から流入したいわゆる三十ユニット領収証に見合う三千万円の一部である現金五百万円を、全日空が、一〇一一型航空機導入することについて尽力した謝礼趣旨のもとに受領したと認められるが、右金員は内閣官房長官としての職務に関する対価であることが認定できないために、収賄罪の成立は認められない。  これに関して二階堂君から委員外発言を求められております。これを許します。二階堂進君。
  21. 二階堂進

    二階堂議員 私に関するこの問題につきまして、私は言われておるような金銭の授受がなされたというような事実は全くないということを明確にいたすために、与えられた時間内で反論をいたしたいと思います。  去る二日の衆議院のロッキード調査特委員会の秘密会で、ロッキード社航空機売り込みに関し、いわゆる三十ユニットの関係で、丸紅株式会社の伊藤宏から私が金銭を受け取ったとし、私の名前が公表されたことが報道されました。  また、本日は、私ども四人がいわゆる灰色高官というような、言うならば一方的資料に基づく、暴力にも等しい断罪が下されるようなことになったと私は受け取っております。これは許しがたいことであり、私は限りない憤激を覚えるものであります。  私は、天地神明に誓って、ロッキード社航空機売り込みに関し金銭を受け取った事実は全くありません。明確にいたしておきます。また、私の関係者についても、厳重に調査をいたしましたが、丸紅全日空の関係者から金銭を受け取った事実も全くありません。  私は今日まで、伊藤宏とは一回も会ったこともありません。私並びに私の関係者は、何びとからもロッキード社航空機売り込みに関し、尽力されたい旨の依頼を受けたことも全くありません。  私は在官中、あるいは退官後も、そういう事実は全くないということを、この正式の委員会皆様方に明確にいたしておきたいと思うのであります。  私がロッキード社航空機売り込みに関し金銭を受け取ったと言うなら、本日のこの委員長読み上げられました文章の中を見ましても、「十一月初旬ころ、東京都内」こういうことでは、明確な判断資料があるのかないのか。私が受け取ったと言うならば、何月何日、東京都内のどこで、だれが——いままでの新聞報道を見ますと、あるいは官邸で、あるいは公邸で、あるいは議員会館でというようなことがうわさされております。そういうような具体的な事実の資料の提供がなされておりますか。私は、こういうことでは納得のできないことばかりであります。  私がこのロッキード社航空機売り込みに関しまして金銭を受け取ったと言うなら、いつ、どこで、だれから金銭を受け取ったというのか。法務省当局は全資料を直ちに公開すべきであると思います。私に金銭を渡したという者がいるなら、私はいつでも対決する用意があります。  政府がかかることを公表することは、政治家にとってはまさに死刑の判決にも等しいことであります。私が金銭を受け取ったということを公表する以上、政府は当然資料を公開しなければ片手落ちであり、その義務があると私は確信いたします。もし私の利益のために資料の公開をしないと言うならば、私は私に与えられている権利を放棄いたしますから、即時、一切の資料を公開していただきたい。  もう一つは、去る二日の秘密会において、法務省の安原刑事局長報告によれば、私が丸紅から金銭を受け取った旨を認定したのは、全日空関係者丸紅関係者供述米国における嘱託証人尋問の結果であるとのことでありますが、これはすべて、金を渡した側の一方的資料であります。そうじゃありませんか。私や、私の関係者はこれまで、捜査当局に対し、全日空丸紅から金銭を受け取った事実は全くないことを指摘してまいりました。私どもの言い分を全く無視し、渡したという側の一方的資料によって、いかにも金銭の授受の事実が確定されたかのように公表する態度は、私は、国会議員としても一国民としても、断じて許すことばできません。  私に金銭を渡したと供述する者が、それは確かに新聞の報道によれば伊藤宏と言われております。その金銭を、真実は自己のためもしくは別の使途に使ったにもかかわらず、自己弁護のために苦し紛れに私に渡したと供述した疑いもありますので、この点について徹底した調査がなされるべきだと私は思います。検察当局も徹底した調査をなすべきだと私は思います。  ある法律専門家は、ないということの証明は、悪魔の証明と言われ不可能であると教えてくれました。刑事訴追されれば、法廷で無実の主張、立証もでき、無罪の判決を得て、身のあかしを立てることもできます。しかし、本日はわずか十分以内の反論機会を得ましたが、反論を尽くすことは不可能でございます。  私は、丸紅の伊藤宏なる人物は全く知りません。会ったこともありません。伊藤宏は、保釈後、読売新聞社の記者に対し、私に金銭を渡した旨の全く虚偽の発言をし、その旨の新聞報道が九月十三日の読売新聞に報道されております。私は、弁護士とも相談の上、名誉棄損による民事上、刑事上の責任を追及する所存であります。近くその手続をとります。それ以外に私の立場を救済する方法はありません。  また、去る八月二十六日、私が検察当局から全く事情聴取を受けていない時点で、報道関係者に対し、私ら四人が事情聴取を済ませた旨の発言がされております。またこれを発言した東京地検の検事もおるわけであります。かかる検察官の態度は、捜査の公正を疑わしめるものがあります。その動機が一体何であったのか、あるいはその政治的背景があったとするならば、その政治的背景は何であるのかを明らかにするために、私は徹底した断固たる措置をとる所存であります。  許されないことではありませんか、皆さん。調べも済んでいないのに、調べが済みました。書いていいかという記者の質問に対して、書いていい。ある雑誌には、名誉棄損にはならないよ、と言ったと書かれております。こういう検察官の態度が、一体法治国の今日許されていいものかどうか。  その翌朝の八月二十七日の新聞には、われわれ四人は、テレビ、新聞に大々的に灰色高官と宣伝された。以来私は限りなく人権と名誉をじゅうりんされてしまっております。私の家内も東京におることができなくなりました。私の選挙区では、共産党の党員がありとあらゆる悪口を宣伝し、ビラを張っております。  憲法に保障され、刑事訴訟法に保障されておりまする国民の人権と名誉を、一体だれが守ってくれるのですか。最高の権威である国会の諸君が、こういうことこそ真剣に取り上げて、国民の人権や名誉を守るために真剣な追及と努力をされるべきが至当だと考えています。私にはその救済の手段、方法が全くありません。切り捨て御免の措置であります。  したがって、私は、こういう検察官の八月二十六日、七日にとった態度については許しがたいものを覚えます。一国民の人権と名誉を守るためにも、断固たる措置を私はとる考えでございます。  私は、ロッキード事件の真相究明について、これまでの捜査当局の努力は十分評価するものであります。日本の民主主義のためにも、このたびの事件の真相は徹底的に解明されなければならないと考えております。  しかし、このたびの政府の措置は、憲法刑事訴訟法の精神を全く無視したものでありまして、法治国家では考えられない蛮行であると私は断言いたします。前例もなければ法的根拠もない、そういうものは、この国会において、よき前例ならいいけれども、悪い前例を残したことになりはしませんか。  昨日の毎日新聞は、このたびの措置は「三木流の瀬戸際作戦」であり、法務当局が「法的根拠に乏しく前例がない」と激しく抵抗したと書いてあります。そのとおりであってしかるべきだと思います。しかし、三木さんは「逆指揮権の発動ともいえる強引な早ワザ」で自分の主張を通したもので、「三木流の政治臭はぬぐい切れない」と昨日の毎日新聞は報道いたしております。  私は、このたびの三木首相のとられた措置は、政治的意図に基づくきわめて不当きわまりない措置だと考えざるを得ません。  私は、真相の究明は徹底的にやってもらいたいが、いわれなき無実の責任を一方的に暴力的に断定されて、そして憲法刑事訴訟法の精神を貫く人権と個人の名誉が著しくじゅうりんされておるようなこの状態は、黙視するわけにはまいりませんので、今後、先ほど申し上げましたような措置をとりまして、自分の人権と名誉の回復と、広く一般国民の人権と名誉を守るために、私は敢然と今後も闘っていく決意を表明いたしておきたい。  ありがとうございました。
  22. 田中伊三次

    田中委員長 御苦労さまでした。  次に、福永一臣君に関して寄せられた政府報告書を御紹介申し上げます。  衆議院議員福永一臣。  ロッキード事件捜査過程において得られた資料、すなわち、全日空関係者及び丸紅関係者供述米国における嘱託証人尋問の結果等によれば、福永一臣は、衆議院議員であり、かつ自由民主党航空対策特別委員会委員長であるところ、昭和四十七年十月三十一日ころ、東京都内において、全日本空輸株式会社代表取締役社長若狭得治らより依頼を受けた丸紅株式会社秘書課長副島勲から、ロッキード社から流入したいわゆる三十ユニット領収証に見合う三千万円の一部である現金三百万円を、全日空がL一〇一一型航空機導入することについて尽力した謝礼趣旨のもとに受領したと認められるものであるが、右金員が衆議院議員としての職務に関する対価であることが認定できないため、収賄罪の成立を認められなかったものである。  これに関し、福永一臣君より委員外発言を求められております。これを許します。福永一臣君。
  23. 福永一臣

    福永(一)議員 私は、いまお読み上げになりました、安原刑事局長か何か知りませんが、その報告書、これについてまず異議があります。  私は、委員長としてもまた個人としても、ロッッキード社のつくったトライスターという一〇一  一、この飛行機についての売り込みに対して、だれからも一度も頼まれたことはありません。依頼を受けたことはありません。ただいまの委員長のお言葉によりますと、頼まれた、依頼を受けたというようなことを書いていますが、これは「謝礼趣旨のもとに」と書いてありますけれども、全然事実無根でございます。  しかし、実は私は率直にきょうは話をしたいと思うのです。  まず、灰色高官という意味は一体何であるか、これは全くわからないのです。およそ罪になる者、罪にならぬ者、罪になった者は黒と言うでし ょう。罪にならぬ者は黒と言いません、灰色とも言いません、白です。それを灰色高官などと、だれが発明したか、三木さんが発明したという話もございますが、何か四十七条によってなんとかかんとかで非常に張り切って、はしゃいで、灰色というのは三木さんがつくったという話を私は聞いておりますけれども、それはどうかわかりませんが、少なくともマスコミあるいは野党の諸君が使うのはもっぱら灰色でございます。その灰色ということに対するところの一これは妙な名前ですね。われわれ五人がいかなる心境にあるか、皆さんおわかりでしょう。悲痛というか痛憤というか、その極にあるのであります。  二日に行われた本委員会の秘密会の安原刑事局長の説明文を見ると、田中委員長が道義的責任政治的責任云々ということを言われたということを、いま佐々木秀世君からお話がございまして、それに対しては答弁がございましたので、重複いたしますから省きます。  五人はそれぞれ立場が違っていますから、必ずしも一致しないでしょう。そこで、私は私なりの一立場を申し上げます。  私の場合は、ロッキード社航空機売り込みについては全く無関係で、一度も、だれからも頼まれた事実はありませんことを繰り返します。  また、私が委員長をしている自由民主党の航空対策特別委員会においては、いまだかつて一回もその機種の問題などについての論議は議題にされたことはございません。断言いたします。また議事録によってもはっきりしております。また、われわれの委員会はそんな権限もなく、そんな習慣もありません。したがって、全日空丸紅あたりからトライスター導入についての相談や依頼などあろうはずもなく、頼む方にしてみれば、その必要さえも考えないのであります。依頼する値打ちがないのであります。  およそ今回のロッキード事件なるものは、児玉ルートによるロッキード社との結びつきを解明せずして、われわれ国会議員仲間同士でつつき合ってみても、結論が出るはずもない。われわれ五人は、まさに犠牲の羊として政府公表するという。実際は知りませんけれども、新聞報道によると、まるで韓国あたりの裁判あるいは独裁国の問答無用の裁判、最も極端な言い方をすれば、暗黒裁判をやる無法地帯であると言ってもいいと思います。法治国家の、しかも国権の最高機関であるところの日本の国会で、法務省も検察庁も気が進まず、いやがる氏名の公表を、あえて公表させるという三木政府の政治は、まさに謀略としか理解できません。  すなわち、私個人のことを申し上げますと、  一、ロッキードには全く無関係であること。  二、丸紅全日空から受け取ったとされる金は、あくまで政治献金であり、ロッキードに絡む不正な金は一銭ももらっておりません。三十ユニットなどと言われる名は、ことしになって知ったことで、全く寝耳に水という感じでございます。  三は、四十七年の総選挙の直前に、全日空及び全日空にかわって届けると言ってきた丸紅からの金も、私の後援会に入金され、記帳されているし、自治省にもほかのものと含めて届け出をしておるのであります。  四番目、全日空丸紅の両社は数年前から私の後援会に会費として若干の金を毎年納入があり、これは継続的なものであって、四十七年度は総選挙のための選挙陣中見舞いとして額がふえたものと思う。特におかしいのは、丸紅からの三百万と安原局長は言っておりますけれども、三百万は間違いです。これは二百万でございます。百万円は途中で消えたか、だれかネコババしたかわからない。  五番目、要するに、全日空といい、丸紅といい、この二つの会社から四年前にもらった金がロッキードから来たユニットとかなんとか、おかしな金であったとは、神ならぬ身の知る由もありません。いまにして思えば、一生涯を通じても一大災難を受けたことになります。総選挙を直前に控えて政治生命にもかかわる公式発表、これはまさに致命的なものになるかもしれない。(発言する者あり)
  24. 田中伊三次

    田中委員長 お静かに。
  25. 福永一臣

    福永(一)議員 当面を糊塗するために、政府は何という情けないことをするかと思います。  委員長から実は二、三日前にも私の大好きな京都産尾張屋のそばまんじゅうをいただきました。多年の親友である田中伊三次君、私のまんじゅう好きを知っております。これは恐らく私に対して友達として、個人として側隠の情を催しての贈り物だと思って、ありがたくいまちょうだいしております。ところが、丸紅全日空ルートの金は表向きは普通の金、実は毒の入った毒まんじゅうであったわけです。いまや、猛烈な中毒症状になり、半死半生の状態であります。  もう一度繰り返します。結論を申し上げます。  丸紅全日空から受け取った金は合計三百万円であって、正当な政治献金である、断じてロッキード関係の金でないことを確信しております。灰色など、変な呼び方はこの場で返上いたします。それゆえに、政治的道義的責任ありと言われても、私には不正行為をしたという観念が頭の中にありませんから、責任のとりょうがありません。  以上であります。
  26. 田中伊三次

    田中委員長 御苦労でした。(「委員長委員長、動議を提出します」と呼び、その他発言する者、離席する者あり)それでは、本日の予定は終わりました。  委員会は、暫時休憩をいたします。     午前十一時五十一分休憩      ————◇—————     午後五時二十五分開議
  27. 田中伊三次

    田中委員長 それでは、休憩前に引き続いて会議を開きます。  この際、委員長から皆様に御報告を申し上げることがございます。  さきに委員外発言を許しました四君につきまして、この四君を証人として喚問するということについて動議が提出され、直ちに休憩をいたしまして、休憩中理事会を開きまして熱心にその可否について討議をいたしましたが、自民党は反対、野党は賛成、この賛否が一致をいたしません。これが一つ。  それからもう一つ報告を申し上げます。内閣総理大臣及び法務大臣を呼びまして四君の発言につき、四君がいろいろ発言をしておりますから、その発言についてさらにその四君の発言内容を確かめることが必要であるとの野党の熱心な御意見がありました。これにつきましてもるる協議をいたしましたが、ついに意見の一致を見るに至らなかったのであります。  なお、全日空プール資金の関係の十三人の公表についても、この際、公表を続けてやるべきであるとの熱心な御意見がありましたが、この点につきましても与野党の間に意見の一致を見なかった次第であります。  なお、閉会中審査の件につきましても、閉会中審査の意見も一致せず、したがって閉会中の審査につきましては議長に進達をしない、この方針でございます。  それから請願でございますが、ロッキード事件の真相徹底究明に関する請願第二二号外九件の請願が出ておりますが、これらの請願の取り扱いについても協議をいたしました結果、意見が一致をせず、その結果は、これらの請願は全部留保をすることに方針が決定をいたしました。右御報告を申し上げます。本日は、これにて散会をいたします。     午後五時二十七分散会