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三木内閣総理大臣 そういうふうに私は
考えないのですよ。これは私自身はできるだけ真相を明らかにしなければならぬという論者ですよ、これは事件が起こってからもう終始私のとっておる態度ですけれどもね。しかし、
一つのいわゆる
灰色高官という、これは
政治的道義的責任というのでしょうが、こういう問題について、これはやはり
判断を下すのは
国会だと私は思う。どこの国をごらんになってもそうでしょう。行
政府がいろんな皆に対して
政治的道義的責任ありという断定を下して、そうしてその
責任を追及しておるという国、私はないと思うのですね。
国会自身が、やはりどこの国を見てもそうですよ。おととしも、私、イギリスへ呼ばれて行ったけれども、やはりイギリスで
国会自身が何か政治献金について、それがある贈賄をして刑務所に入っておる人から政治献金を受け取ったということで道義的
責任が追及されていました。おととしの五月です。アメリカでもロッキードの問題というのは
国会でいろいろやっておるのですからね。私は、河村君、逃げようとするのではないのですよ。
政府が一々
政治的道義的責任ありという断定を下すことは、それはだれの
内閣になっても弊害があるんでないでしょうか。それはやはり
国会の国政
調査権というものがもっと有効に機能することが本当だと私は思うんですよ。逃げて言っているのではないのです。そういうことで
政府が言った九十
ユニットについても金の流れを言ったわけで、
政府が灰色という
カテゴリーの中に入れて言ったわけではないのです。あれがすべてですからね、金の流れは。全部金の流れを明らかにしておいた方がいいということで言ったわけですからね。しかも、その内容について、もしいろんな
基準をおつくりになろうとすれば相当参考になるようなことまで申したわけでございますから、われわれも無論いろいろ
考えてはみますけれども、どうか
国会の方でも、いつも
三木はけしからぬ、ロッキード隠しだ、隠しだ、そういうふうなことでは問題はなかなか前進をしないわけですから。
政府は
資料をいつでも提供すると言って、いままでも
国会がお決めになったら
資料を提供してきたことは、いろいろきょうの実例などをごらんになってもわかるのですから、
国会の方でも与野党が歩み寄って
——私は
自民党にも言っているのですよ。これは
自民党の言うとおりにもいかない、だから一本化に努力してくれということを私はもうしょっちゅう言っているわけです。だから、そこで皆がやはり歩み寄るという気持ちがないと、与野党の一致というのはどの問題でもやりにくいですね。だから、私は、そういうものができて
政府がいろいろそういうことを、これは将来の先例にもなるでしょうから、これは非常に弊害が出てくるんじゃないかということで慎重に
考えざるを得ないのですが、
国会の方でもひとつ御努力を願って、いろいろな
基準づくりみたいな
材料は
資料として精いっぱいの提供はされたと私は思いますよ。そういうことで、どうか
国会の方も時間がないと言ってこの問題を投げないで、まだ会期はあるわけでございますから、どうかもう少し
国会の方でも御努力を願いたいと思うのです。われわれも無論
考えます。