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三木内閣総理大臣 それは、その速記録も読んでおりませんが、何もかももういままで捜査したものを全部
国民の前に明らかにするという発言は、私はどこにもしてないわけでございます。これは繰り返し、
議長裁定の、ということをもうあらゆる場面で言いまして、そうして裁定の線に沿うて最大の
協力をしたいということを述べてきたわけで、そういうものを全然枠も何もなしに全部、捜査をした内容を
国民の前に明らかにするということは、私は
考えてもいませんし、そういうことはすべきでもないと思っておりますから、言ったことはないのです。
これは私はこういうふうに
考えておるわけです。まあ、行
政府としてはやはり
検察というものがある。準司法的な機関でありますけれども、これは何ら手心を加えることなく、徹底的にこの
事件の解明をしておるのですね。そうして、児玉の線というものがまだ解明されてないということですね。こういうふうな児玉の線も解明されれば、
総理大臣としてやはり
報告の
責任は、
田中君の言われるようにあると思いますよ。これは全部の捜査が終了したときにそういうふうな
報告はあってしかるべきだと私は思っておるわけです。ところが、やはりそれは
事件の全容というものが明らかにされないと、この
事件全体というものに対して、いろいろと私
自身この問題に対して、
真相はこうだった、こういう性格のものだったということを言うことは私はできません、だから、いまどうしても
政府とすれば、捜査の過程、捜査の結果、そういうふうなものを御
報告するということより仕方がないですね。
ただしかし、それではいま
田中君の御指摘のような
政治的道義的な
責任の追及という問題があるわけですから、この問題はもう個人名も含めて
資料はお出しをいたしますから、どうか
国会において、
一つのいわゆる灰色と
国会が言われておる、その
国会の言う灰色というものはこういう基準、こういう範囲のものを言うんだということをお決めいただければ、これに対して
協力をいたします、こう言っているんですから、
政府としては最大限度
——いままでそんなことはないですから、いままでそんなことありませんよ。そういうことのないこともして国政
調査権に
協力をいたしますよと言うんですから。それはいろいろと次々にこのこと、このことというような御不満もあるかもしれませんが、やはり
一つの法治国家として、われわれとしても法律を超えた存在ではあり得ないわけですから、御
理解のある
国会の方々の御
理解を得たいと思うわけでございます。