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政府委員(
木田宏君)
一つは、
日本の
大学で
学生、教官を
中心にした国際化のことでございますが、一般的に申しまして、諸外国から
日本の
大学に勉強に来る留
学生の受け入れ問題をどうこなしていくかということで、これは過去二十数年間いろいろな
努力を重ねてきたわけでございます。今日約五千人を上回る留
学生を
日本で迎える
ところまで伸びてまいりました。
もう
一つは、
日本から外国の
大学に出かけていく
学生の数、これは一万人を上回るほど出ていっておるかと思いますが、こういう人たちの外国での勉強と
日本の
国内での勉強というものをどういうふうにリンクさせるかというようなことを考慮いたしまして、もう四年ほど前になりますが、
学校教育法の規則の改正も行いまして、外国の
大学で勉強した
中身であっても、
日本の
大学で勉強したのと同じように単位の認定をできるようにしようということにいたしました。したがって、
学生から見ますならば、海外の
大学で勉強したものが
日本の
大学で勉強したことと同じように
考えられるというようなことも進んできたのでございます。
また、一般的に教官の面で
考えますと、
日本の
大学の教官が外国の
大学へ出かけてまいりましてそうして
向こうの
研究者と一緒に
研究をするということは、これはかなり活発なのでございますが、
日本の
大学に外国の
研究者がやってまいりまして
日本で一緒に
研究をするということにつきましては、必ずしもといいますか、これがきわめて乏しいというふうに申し上げられるかと思います。いまこの点につきましていろいろな
努力をいたしております。具体的には、最近でございますが、
大学に、いわゆる外国からの教師を迎えるポストといたしまして、従来主として語学の先生だけを
中心に迎えておりましたけれども、ことしからは専門の領域につきまして非常に高度な学識者を
日本の
大学に、場合によれば三カ月、半年というふうにお迎えできるようにしたいということで、人数は十人にも足らなかったかと思いますが、予算化をさしていただくことになりました。
もう
一つは、
研究者との
関係で、
日本へ来ていろいろな
研究をしようという方々のことであります。この点につきましては、ごく最近とりました
措置から申し上げますと、分子科学
研究所という新しい
研究所を昨年つくっていただいたわけでございますが、この分子科学
研究所の評議員にお二人、カナダとドイツから外国の学者に評議員として加わっていただくという
措置をとることになりました。また、京大の東南アジア
研究センターには、外国からの
研究者を迎える
研究講座をつくるという
措置もいたしました。こうした
研究領域につきまして、外国の
研究者に
日本の
研究機関へ参画してもらうということは、このほかにもいろいろな
研究事業を推進いたしまして従来から
努力をしてきておるわけでございます。それは
日本学術振興会という特殊法人の
事業を
中心にいたしまして、いろいろな国から学者の交換についての呼びかけがあり、それにおこたえをするという形で進めておりまするし、また個々の
研究所におきましても、そうした
研究者を迎えるというようなことなどはいたしております。しかし、一般的に申しまして、
大学あるいは
研究機関という組織の中に
研究者が諸外国から適宜
研究テーマに応じて参画するという
体制は、
日本の
社会事情と言葉の問題がございまして、必ずしも十分に行われておるとは言いがたいわけでございます。今回
国連大学ができまして、ここにいろいろな
研究者が外国から随時集まり参じるようになりますことは、
日本の従来の
大学、
研究所に非常に大きな刺激になり得るし、その成果を活用できるという楽しみを感じておる次第でございます。