○春日正一君 この点、私さっきも大臣が来る前に言ったんですけれ
ども、四十六年に非常におくれておるのに中央
防災会議はあの時点では長期にわたって開かれてなかったのですね。なぜ開かなかったかいうことで聞いたら、そのとき政府は、いま開こうと思っているところなんだという話で五月に開かれた。それから後二回しか開かれてない。私も
災害対策基本法では、中央
防災会議は
防災基本
計画を作成する、そして中央
防災会議は毎年
防災基本
計画に検討を加えること、三十四条ですか、というように規定されておるわけです。それがいま言ったように長期の
計画を立てたから、あとは実務的に委せてと言っておいて、それが自動的にこう動いて時宜に合うように進んでおるなら、私はそれでもまあいいと思うんですよ。ところが実際には、先ほど言いましたように、地震の対策ということにしても、基本
計画は立ったけれ
ども、実際にはなかなかそれが進まないというような状況がある。しかもその間に非常に大きな事情の変化というようなものも出てきておるわけです。
私、ちなみに最近一年ほどの新聞の、秘書の切り抜いたのを見出しだけ書き抜いてみたのですけれ
ども、これほどあるんです。五十年七月十一日「銀座のビル・深夜の煙攻め」というようなのが出てくる。五十年九月七日「
日本橋タオルビルの火事、煙攻めエレベータ、逃げる途中ストップ」というようなのが出てくる。五十年十一月二十四日「東京八王子、都市ガス爆発、マンションぶち抜く」それから五十年十二月十九日「茨城県日立市、満員キャバレー全焼」こういうふうな形で、それから大阪の繁華街沈むというようなのも出てくるし、こうやってちょっと切り抜きを大急ぎで見ても十六ぐらい、こういういわゆる都市化が進んでいった中でビル火災が起こったとか、爆発が起こったとか、いろいろな形で新しい都市
災害が起こってくるというような事態が起きているわけですね。そうすると、基本
計画を立てたからそれでいいわということではなくて、やはりこういうふうな新しい問題もあるし、同時に私
ども政府の
仕事としてぜひ考えていただかなければならぬことは、決めたことが着実にやられているかどうか、このことを絶えず点検して、やられでなければなぜやられてないのか、どういう手だてを講じたらやられるようになるのかということを検討して、それに即応ずるような対策を出していく、それがやはり
防災会議を毎年開いて、基本
計画に検討を加えるというようなことの
意味だろうと思うんですよ。私
どもも党の
仕事をする場合でもそういう形でやっています。
計画を立ててやってみた、うまくいったかどうか、全部数字的に集計してみて、なぜいかぬか、どこに隘路があるか、どうしてこれを打開するかということで、それでまたやっていくということで
計画がやられていく。そういうふうに考えてみますと、これは非常に大事な
防災対策というものがやられぬまんまで、まあ
計画があるからいいわということでほっておかれるということではこれは非常にぐあい悪いんじゃないか。だから大臣も一年に一回ぐらいはと言われましたけれ
ども、これはぜひやはり開いて、なぜおくれているかと、さっき私言いましたけれ
ども、お決めになった
防災対策緊急
事業計画を策定して地方自治体の
計画にのせていこうということも、四十九年をめどにやろうというのが五十一
年度に何とか入れ込みたいというような形で二年もずれている。そういうふうなところを毎年検討して、そうして促進していく、手当てをしていくようなそういう処置を講じなかったら、まさかのときにこれは大変なことになってしまう。私、去年北海道の水害を見てきて痛切に
感じたのですけれ
ども、あの水が出てそして石狩川の決壊した個所へ行ってみますと、非常にたくさんの樋門だのそれからポンプがあるんですけれ
ども、それがほとんど農事実行組合か何かに委託みたいな形になっているために点検されてなくて、いざ水が出たときに使おうと思ったら動かなかったとか、操作の方法がわからなくて閉めようと思ったら逆に上がってそこから水が入ってきてしまったというようなことが
幾つかあったんですね。だから、私は少なくとも毎年一回は点検して油を差すものは差す、そして操作の方法をわからせるというふうにして、いつあってもいいようにしておかなきゃまずいじゃないかと言ったんですけれ
ども、地震の場合なんかなおさらだと思うんですよ。非常にこう周期が長いものですから、間は何にもしておかなくても差し支えないんだけれ
ども、起こったときには相当大きな被害が来るわけですから、そういう
意味で私は
防災会議を毎年きちっと法律どおりに開いて、立てた
計画を着実に実行していくように検討し、推進していく責任があるだろうということを申しておるわけですよ。その点についてひとつ大臣の御意見を聞きたい。