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1976-02-13 第77回国会 参議院 災害対策特別委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十一年二月十三日(金曜日)    午前十時四十八分開会     —————————————    委員の異動  一月二十七日     辞任         補欠選任      春日 正一君     塚田 大願君     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         工藤 良平君     理 事                 古賀雷四郎君                 宮之原貞光君                 神谷信之助君     委 員                 上田  稔君                 佐藤  隆君                 高田 浩運君                 八木 一郎君                 鈴木  力君                 辻  一彦君                 中村 英男君                 原田  立君                 塚田 大願君                 柄谷 道一君    国務大臣        国 務 大 臣        (国土庁長官)  金丸  信君    政府委員        国土政務次官   野中 英二君        国土庁長官官房        審議官      紀埜 孝典君        国土庁地方振興        局長       近藤 隆之君        農林大臣官房審        議官       杉山 克己君    事務局側        常任委員会専門        員        村田 育二君    説明員        警察庁交通局交        通規制課長    福島 静雄君        大蔵省主計局主        計官       佐藤徳太郎君        国税庁直税部資        産税課長     入江  清君        文部省初等中等        教育局企画官   宮園 三善君        文部省管理局指        導課長      大井 久弘君        文部省管理局助        成課長      西崎 清久君        厚生省社会局施        設課長      水田  努君        厚生省構造改善        局建設部長    岡部 三郎君        林野庁指導部造        林課長      能勢 誠夫君        中小企業庁計画        部金融課長    安田 佳三君        建設大臣官房建        設機械課長    桑垣 悦夫君        建設省道路局企        画課長      浅井新一郎君        自治省財政局指        導課長      関根 則之君        自治省税務局固        定資産税課長   川俣 芳郎君        日本国有鉄道施        設局長      鈴木 秀昭君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○災害対策樹立に関する調査  (派遣委員報告)  (雪害対策に関する件)     —————————————
  2. 工藤良平

    委員長工藤良平君) それでは、ただいまから災害対策特別委員会を開会いたします。  この際、野中国土政務次官より発言を求められておりますのでこれを許します。野中国土政務次官
  3. 野中英二

    政府委員野中英二君) このたび国土政務次官を拝命し、中央防災会議事務局長として災害対策の重責を担うこととなりました野中英二でございます。  私は国土並びに国民の生命、身体及び財産を災害から守ることを目的とする災害対策は国政の基本であると考えております。今後は、その使命の重大さを痛感し、微力ながら災害予防災害応急対策災害復旧等、各般にわたる災害対策の推進に全力を尽くしてまいりたい所存であります。  何とぞ、委員長初め委員皆様方の格段の御指導、御鞭撻をお願い申し上げましてごあいさつといたします。     —————————————
  4. 工藤良平

    委員長工藤良平君) 災害対策樹立に関する調査を議題といたします。  まず、先般当委員会が行いました豪雪地帯における雪害実情調査のための委員派遣につきまして、派遣委員から報告を聴取いたします。辻一彦君。
  5. 辻一彦

    辻一彦君 去る一月の二十八日から三十日までの三日間、工藤委員長藤原理事佐藤塚田柄谷の各委員及び私辻は、新潟県下における豪雪実情調査してまいりました。日程の関係上、今回の調査は一月二十人目の本会議終了後出発し、新潟には二十八日深夜到着いたしましたため、実質的調査は二十九、三十の両日に限られましたことを最初に申し上げ、以下その概略につき御報告いたします。  第一日目は新潟県庁におきまして、君知事、県議会副議長及び関係部長新潟気象台長建設省北陸地方建設局長新潟鉄道管理局長から、今回の豪雪による被害等実情についての説明並びに陳情を聴取いたしました。  まず、豪雪をもたらした今回の気象概況経過について申し上げます。  一月十五日ごろからバイカル湖付近にあらわれた寒気は非常に広範囲であり、五百ミリバールの気温中心付近でマイナス五十度に近く、これが徐々に南東に進んだため、新潟県下では十八日夜半からまず上越地方記録的な豪雪となり、その後日最大降雪量は二十二日を除き連日百センチ以上に及び、連続降雪量の六日間累計では、昭和三十八年のいわゆる三八豪雪を上回ったものであり、全く異常気象としか言いようがありません。  各地積雪量は二十三日現在、十日町二百六十九センチ、塩沢二百七十センチ、松代二百八十七センチ、関山では四百五十五センチであり、一月十八日高田地方の日降雪量最大は百三十センチで、高田測候所観測開始以来第三位の記録となったのでありますが、二十四日には寒気団の移動に伴い、一週間にわたって更新した大雪警報注意報に切りかえ、さらに注意報も同日解除となったものであります。  次に、これら異常豪雪に伴う被害状況について申し上げます。  まず、人的被害につきましては、除雪作業屋根からの転落による死者五名、自宅周囲雪掘りによる圧死二名、計七名のとうとい生命を失っております。なお、負傷者自宅雪掘りにより重傷を負った者四名、除雪作業転落による軽傷三名、合計十四名であります。  さらに、建物被害につきましては、住家の半壊一棟、一部破損二棟、流雪溝の溢水による床上浸水四棟、床下浸水二十一棟、非住家屋根雪の重みによる全壊四棟、合計三十二棟であります。  次に、商工業被害は、輸送停滞交通困難等による生産、売り上げの減少に伴うもので、その額は一月二十六日現在商業関係で六十五億円、工業関係では八十一億円、合計百四十六億円余でありますが、これらは県下七十三の市町村報告に基づくものであり、今後降雪状況によっては、なお、相当額被害が発生するものと思われます。  なお、スキー場宿泊施設の入り込みは、市町村観光協会等を通じ調査の結果、一〇から一五%程度であり、旅館の申し込みについては一月二十三日以降すべて取り消しとなったため、観光収入の激減が予想されるとのことであります。  次に、農林関係被害について申し上げます。  まず、水稲育苗園芸ハウス全壊等八百余万円、畜産施設千八百二十万円、畜産団地法面及び敷地内道路の崩壊二千五百万円、その他の共同利用施設百五十万円、果樹枝折れ、養鯉等六百十万円、合計五千八百八十余万円となっておりますが、いずれも積雪多量のため調査不能が多く、さらに今後の融雪期における公共土木施設等被害、さらに田植え時の遅延等による被害が予想されています。  次に、交通機関について申し上げます。  まず、国鉄関係につきましては、一月十八日夜半から県下全域にわたる多量の降雪のため、一月十九日新潟鉄道管理局内雪害対策本部を設置し、厳戒体制に入ったのでありますが、すでに信越、飯山線については第三次、上越線については、第二次の規制に入っており、その後も間断なく降り続くため、信越線に二千五百名、上越線に約千二百名の人力を投入するとともに、排雪列車をフル運転させるなど運行に万全を期したのでありますが、二十一日二十一時二分、越後湯沢を発車した急行「佐渡二号」が越後湯沢−越後中里間で進退不能となり、地元消防団緊急出動によりようやく救出されております。  なお、今冬の雪は特に山雪型であったことと、気温が連日氷点下を記録したため、例年と異なる乾燥した雪質であった上に、三八、四八豪雪をしのぐ降雪量であったことが除雪作業を一層困難にしたものと思われます。このため、新鉄では二十三日、知事に対し、上越線及び信越線陸上自衛隊派遣を要請し、最悪状態を脱し、二十七日十時には信越線運転規制を第五次から第四次に緩和することができ、自衛隊撤収方を要請したのであります。  次に、県下におけるバス及び私鉄運行状況につきましては、新潟陸運局のまとめによりますと、新潟交通は千七百八十九キロの免許キロに対し、運転休止率は二十日、二十一日、二十六日の三日間平均一二・六%、越後交通は二五・四%、頸城自動車八〇・二%、蒲原鉄道三〇・二%、川中島自動車新潟県内分で一七%であります。中越画方では一月二十四日、下越地方では一月二十六日がピークとなったのでありますが、市街地における運行はほぼ確保され、大きな混乱はなかったようであります。上越地方ではなお六〇%程度運行不能となっているとのことであります。  私鉄関係につきましては、新潟交通新潟臨海鉄道蒲原鉄道越後交通が一月二十日から二十三日にわたって全面または一部運休となりましたが、比較的被害は少なくて、一月二十四日以降多少のおくれはあるもののダイヤどおり運行しております。  次に、道路関係について申し上げます。  県内国道除雪を担当する北陸地方建設局では、冬期を迎えるに当たり、新潟国道上越国道高田の各事務所管内除雪延長六百十四・六キロの降雪積雪気象状況等により、平常、注意、警戒、緊急の四体制をとり、全路線車線交通確保除雪目標としていたのであります。  一般国道十七号線の交通確保については、一月十九日、県警と協力、塩沢道路ステーション、神立、二居、苗場、長岡各地において不完全装備車徹底的取り締まり実施、一月十八日から二十七日にはトンネル坑口の雪庇落とし、根雪の処理等のため、群馬県境から長岡市間で計十六回にわたり片側交互通行を行うとともに、猛吹雪で視界不良による通行制限、さらに一月二十一日、六日町地区内で大型トラックのスリップによる横転、湯沢町八木沢−芝原、湯沢町二居地区では道路に乗り捨てた車の除去、さらに二十四日、湯沢町浅貝−塩沢道路ステーション間が吹雪となだれの危険状態のため通行どめのやむなきに至ったとのことであります。  また、一般国道十八号線の交通確保につきましても、上越市南本町及び南城町−美守間約十キロ区間が道路沿いの家屋からおろした雪を排除するため、約四時間にわたり全面通行どめとなりました。さらに、上越南城付近約三・二キロにわたって片側交互通行実施し、交通確保に努めたのでありますが、一月二十二日、長野県境上越市石橋間三十七・二キロが屋根雪処理と猛吹雪のため通行どめとなったのであります。  北陸地建局長は、県知事に対し、同日、自衛隊派遣要請を依頼、上越大字石沢南城町の間三・三キロで即刻作業開始し、一車線通行確保しております。一月二十五日には県境部分四キロの排雪作業開始赤倉直江津間全線車線、新井−直江津間路線バス通行確保するとともに、緊急車赤倉まで通行確保したものでありますが、同日十七時には、県境部排雪作業終了全線車線確保しております。  次に、一般国道四十九号線は南蒲原津川町で屋根の雪を排雪するため、一月二十三、四の両日片側交互通行、また、津川麒麟橋−常波橋間で約三時間の通行どめとなりましたが、ほぼ問題なく確保されておりました。  なお、北陸地方建設局における一月十八日から二十六日まで延べ九日間の新潟県内における除雪機械の稼動は、所有百六十九台と民間借り上げ分を含め、実に千八百十一台に上っております。  次に、県の豪雪地帯対策促進に関する要望について申し上げます。  まず緊急対策といたしまして、   一、特別交付税増額配分   二、除雪事業費追加配分   三、災害対策関係諸法適時発動——これは 特に災害救助法適用については、豪雪に対す る適用基準積雪量のみによることなく、日降 雪量等も勘案するなど、弾力的運用を図ってほ しいということであります。   四、融雪時期における農業生産対策   五、「豪雪に際して地方公共団体が行う公共 の施設除雪事業に要する費用補助豪雪指 定基準」の緩和   六、被害住民税負担軽減のための雑損控除 の大幅適用   七、中小企業に対する金融円滑化——これ は政府系中小企業金融機関融資枠の確保に 配慮し、円滑な融資がなされるような措置。   八、国有鉄道の冬期輸送力増強確保であり ます。   次に恒久対策といたしましては、   一、特別豪雪地帯に対する税財政措置拡充 強化——これは特別豪雪債大幅確保でありま すが、特に制度化してほしい。また、特別豪雪 地帯における市町村基幹道路改築県代行実施 に係る地方負担軽減のため地方交付税上の措 置等でありますが、特に除雪機械等車庫補助 の増額であります。   二、道路交通確保対策拡充強化   三、公立学校施設整備事業促進   四、公立小中学校寄宿舎制度確立——現在 通学困難地域においては、約二千名の中学生が 寄宿生活を続けている現状から、寄宿舎制度 を図り、「舎監制」を確立されたいことであり ます。   五、特別豪雪地帯における農業特別対策事業 の新設   六、造林木保育事業国庫補助制度及び造林 融資制度拡充強化   七、豪雪地帯における土地改良事業採択基 準の緩和補助率の引き上げ   八、特別豪雪地帯に対する消防施設整備拡  充   九、冬期孤立集落集落機能維持制度の創設   十、医師公舎起債対象額等の拡大  以上でありますが、いずれも積雪がはなはだしい地帯では、産業停滞地域の方々の生活水準向上が極端に阻害されるため、その及ぼす影響はまことに甚大であり、今後の課題として優先して取り上げなければなりません。  調査団一行は、被害実情並びに陳情を聴取後、国道四十九号線を経て中蒲原郡村松役場に到着、特別豪雪地帯後進性打開のための切実な陳情を聴取したのでありますが、村松町では、周辺の津川三川の両地区が二級地であるが、当町では一級地であるので、普通交付税の額の算定に当たり、寒冷の差による地域区分是正をしていただきたい、とのことでありました。  さらに東蒲原郡津川役場津川町、鹿瀬町、上川村、三川村。南蒲原田上町では加茂市田上町、下田村。第二日目栃尾市役所、小出郷福祉センターでは北魚沼郡町村会を代表して、小出町長湯之谷村長、さらに堀之内下倉城県豪雪地帯市町村協議会を代表して山古志村長から、いずれも昭和三十八年の豪雪を上回った記録的豪雪により、住民生活活動維持のための交通網確保、医療、防災関係整備教育民生関係緊急措置、苦しい地方財政の中での多大な負担、さらに降雪天災であるという理解のもとに、豪雪地帯の特殊な実情に配慮願いたい旨の陳情を聴取いたしました。  次に、本調査終了し特に感じましたことは、栃尾市における繊維産業実情であります。  栃尾織物工業協同組合を代表して稲田理事長は、栃尾市の繊維産業大衆衣料として年間二百五十億円を生産し、その就業人口八千五百人、明治以来市唯一基幹産業としての責務を自負してきたが、ドル、オイルショック以来、長期不況の折の豪雪により、原材料・製品の輸送遅延代金決済商取引の不円滑、従業員の出勤不能による生産低下、納期のおくれ、返品、値引きなど経営内容はさらに悪化しておる現状にある。かつては唯一交通機関であった栃尾鉄道が廃止され、物資の輸送県道見附経由によるトラックだけで、豪雪のみならず、輸送渋滞がはなはだしいため致命傷であり、今回の豪雪による被害は一月二十日現在四億五千万円と試算推定されております。  これに対処するためには、別枠による低利緊急融資、さらに、冬期間市外との交通県道栃尾見附線の一路線のみのため、国道三百五十一号線の早期完成と、主要地方道栃尾見附線のバイパス、栃尾田井線完成を図らねばなりません。  また、新潟県が本年初の全国のモデルケースとして、県単独事業による冬期集落保安要員制度を創設し、孤立状態を余儀なくされる集落対象として、住民の安全、生活環境維持向上のため、昭和五十年度一千七百万円の予算を計上、県三分の一、市町村負担三分の二で現在二十四市町村で二百二十名が活動しているが、好評のため、国としても取り上げる必要がある。  さらに、今回の豪雪の経験から、基幹道路における車両交通渋滞、滞留に対処する方策の検討。  豪雪地帯に対する税制のあり方。  災害救助法適用が困難であるため手おくれになりやすいため、法体系についての見直し。  特別豪雪債制度化。  市町村道除雪について国庫補助は困難とのことであるが、主要通学路除雪について制度化することができるか、県として検討必要性。  豪雪に際し地方公共団体が行う公共施設除雪事業に要する費用補助豪雪指定基準緩和。  上川村における現在八戸が希望している集団移転に対する配慮。  一部市町村実施している国・県道除雪の意義。  屋内体育館建設に際しての超過負担現行基準の二、三倍であるため、その是正必要性、等々でありますが、問題が多岐にわたるため、各委員の質問を待つことといたし、ここに御報告を終わりたいと思います。  以上であります。
  6. 工藤良平

    委員長工藤良平君) どうもありがとうございました。     —————————————
  7. 工藤良平

    委員長工藤良平君) 次に、雪害対策に関する件について質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言を願います。
  8. 佐藤隆

    佐藤隆君 昭和三十年代にやっと豪雪というものは災害であるという認識が出てまいりまして、特に四十六年ごろから特別豪雪地帯の線引き、この検討——一つ考え方が出てまいりまして、常襲豪雪地帯は常襲災害地帯である、こういう考え方で一つ一つ進められてまいりました。一歩ずつ前進はしておるようでありますけれども豪雪の都度私ども調査をし現地の実態を見ますと、まだまだ、その地域その地域住民には大きな不平不満が残っているわけであります。そういう意味で毎回同じようなことを言っているようなんで、実は私自身むなしさを感じているわけであります。しかし、やはりその都度こういう機会をとらえて主張をして、政府から考えてもらいませんと前に進まないと思いますので、従来のこうした場での主張と若干重複をいたしますけれども国土庁中心に真剣にひとつ考えていただきたい、これをまず国土庁長官お願いをいたしておきたいと思います。  具体的な問題でありますが、まずきょうは時間が非常にございませんので、きのう政府委員室を通じていろいろ話し合いをすでにいたしておりますが、そういうことでひとつ簡潔に答えていただきたいと思います。  第一点は、天災融資法発動がどうなるであろうか、そして、激甚災害指定はどうであろうか、その見通し、これを簡単にひとつ御説明いただきたいと思います。
  9. 紀埜孝典

    政府委員紀埜孝典君) 局地激甚災害指定でございますが、先生御存じのとおり、各省査定事業費を待ちまして、その結果によりまして作業を進めるということになっておりますので、各省調査の結果等を待ちまして、それぞれ対処していきたいと、かように存じております。
  10. 佐藤隆

    佐藤隆君 大体その時期はいつごろになりますか。大体でいい。
  11. 紀埜孝典

    政府委員紀埜孝典君) ちょっと各省の結果待ちで、いま明確にこの席でいつごろということが言えないのでございますが、各省調査が終わり次第ということでごございます。
  12. 佐藤隆

    佐藤隆君 次に、今度死者がやはり大分出ておるわけでありますが、個人災害救済法適用につきましては、これは厚生省でありますが、お答えは要りませんが、法の精神を体して取り扱いを早急、弾力的にやっていただきたい、お願いをいたしておきます。厚生省来ていますね、お願いしておきます。  次に特別交付税、これは緊急措置としては一番大きな問題であります。先ほどの報告のとおりであります。そこで四十八年豪雪時には六十四億三千万の特別交付税をもらったことを私ども記憶をいたしておるわけであります。そこで具体的ないろいろな問題、あるいは恒久策につながる問題、これがなかなか実らないというものはほとんどがこの特別交付税措置によってまあとりあえず満足をしていただく、こういうことになるわけなんですが、特別交付税交付について、このたびの豪雪に関して考え方自治省にひとつ聞いておきたいと思います。
  13. 関根則之

    説明員関根則之君) 今回の豪雪に際しまして、地方公共団体の要した経費につきましては、従来と同じような考え方で、特別交付税算定の際にこれを算入をいたしまして配分をいたすことで現在作業を進めております。
  14. 佐藤隆

    佐藤隆君 従来どおりという考え方でなくて、とにかくいろいろなことで、もうやらねばならぬことでやられてなくて不平不満が非常に多いわけですから、それを特交でまあまあということでどうやら不満足ながら満足をしてもらっているという状況にありますから、ひとつ念を込めてやってくれませんか。この期待大きいんですよ。特に今度あなたの先輩の財政局長、首藤さん、この人は非常に理解があった。いまから八年前、当委員会におきましても、当時担当課長として豪雪対策については本当に理解をしてくださって、私どもりっぱな役人だなということで感謝しておった人なんですよ。そういう財政局長おるんですから、ひとつ本当に念を込めてやっぱり豪雪について関心を持っている人が、本当に根を込めてやってくれたなと、ありがたいという気持ちが出てくるような特交配分をきょうぜひ頼みますよ。まあこれ以上言ってもしようがないですから、ひとつ作業を進めてください。  それからついでにこれは答弁要りませんけれども、さっき報告にあるように、雪寒地域級地区分等について若干の不満もあるようですから、こういう時期にひとつ改善をしてください。補正係数までやっぱりはじき直して改善をしてください。これはもう多くを語りません、お願いしておきますね。  それから建設省に聞いておきますが、雪寒道路事業の中の除雪費ですね、これの追加配分、これも緊急の問題としては一番みんなが待っておるわけであります。四十八年度には十二億四千八百万追加をしておりますし、機械補助追加等については七千五百万これを追加しておる実績もありますし、一月中に調査をするのだというようなことを漏れ聞いておりましたけれども、はっきりした数字が言えるなら、ここで追加配分について数字を言ってください。
  15. 浅井新一郎

    説明員浅井新一郎君) お答えいたします。  本年度の除雪費は、当初全国で六十七億予定しておりまして、そのうち内地分補助関係では二十四億六千三百万でございました。このうち七割を降雪期に入る前に配賦しておりまして、あとの三割が保留されております。しかし、これはとても今回の豪雪除雪費には足りません。現在試算中でございますが、大体十数億、直轄も含めまして足りないという数字が出ておりますので、これを財政当局と御相談して不足額を至急配賦するようにいま取りまとめ中でございまして、来週中には一応決めたいというふうに考えております。
  16. 佐藤隆

    佐藤隆君 十数億という数字が一月中の調査の結果で出ておるわけですが、なお、詰めたい、こういうことですね。今度の豪雪はほとんどが新潟県中心のものでありますから、十数億というものが早々にさらに具体的な数字が決められ、そしてこれがほとんどこのたびの豪雪地帯であった新潟県に追加配分をされるであろうというふうに理解をしておきたいと思います。  それから災害救助法について、これは従来いろいろこの場でも議論をしてきたのですが、やっぱり中身があまりまだ改善をされておりませんので、厚生省、大した中身じゃないから、県から要請しなかったわけですよ。きょうはもう時間がありませんから、これは詰めませんがね。県が措置する場合に、発動する場合に、ありがたがられる、ためになる内容、これをやっぱり考えてもらわぬといけないと思います。それだけ申し上げておきます。  それから農林省にお聞きしておきますが、融雪災害、これは雪が消えてから出てきますが、農林省の方針だけを聞いておきたいと思います。
  17. 杉山克己

    政府委員(杉山克己君) いま御指摘のように、融雪のときに明らかになる災害という性格を持っておりますので、まだ対処措置は具体的に決めておるわけではございませんが、従来三十八年以後、たびたび豪雪被害がございました。それらのときにとってまいりました措置、たとえば金融対策では、天災融資法発動して経営資金等を融資するとか、それから自作農維持資金を融通するとか、あるいは農地、農業用施設、林道そのほか共同施設等の災害復旧事業、これらについて災害助成事業として取り上げるとか、あるいは造林木の復旧事業、さらには営農対策といたしまして、水稲の苗の確保対策事業、あるいは果樹の共同育苗圃施設の設置事業、そのほか桑の苗にいたしましてもあるいは果樹だなの復旧にいたしましても、もろもろの細かい災害対策事業がございます。これらの措置を前例にならいまして、今回の実情を把握し次第、できるだけ早急にしかるべき措置をとりたいというふうに考えております。
  18. 佐藤隆

    佐藤隆君 次に、これは大蔵、文部、厚生のこ三省所管事項の公共施設除雪法の基準、これを見直してもらうことについて質問いたしたいと思います。  大蔵省からはどなたが来ておられますか。
  19. 佐藤徳太郎

    説明員佐藤徳太郎君) 主計官の佐藤でございます。
  20. 佐藤隆

    佐藤隆君 この公共施設除雪法の基準というのは、過去には閣議了解事項、こういうことできたわけでありますが、昭和四十三年からこれは実態に合わないということで破棄をいたしまして、当分の間ということで三省申し合わせとなって今日に至っておるわけであります。ところがこの公共施設除雪法の精神がどうも生かされていないということで、政令、施行令、これらについてもう少し考え直したらどうなんだということを従来もこの場で議論をしたことがあるわけなんです。で、ある程度、この三省申し合わせ以降すでに七年以上経過をいたしておりますので、ここらでこのたびの豪雪を機会にぜひひとつ考え直して一つの線を出してもらいたいということでお願いをいたしたいわけであります。現在四十カ所の観測所で、そして観測点ごとに昭和六年から三十五年まで、ずいぶん古い数字でありますが、その平均最大積雪深の一・五倍を超える観測所が二〇%以上ということでないとこの法律は適用にならないということが政令で決められておるわけであります。これを一・五倍というのを一・二倍ぐらいにひとつ引き下げてはどうか、こう私は考えます。同時に局地的などか雪、一日一メーター三十センチも降る、積もるというような場合にも、実際にこの法律が適用になるような基準改正、これは考えられないものか。特に、観測地点にもやはり問題があるようであります。その適正配置ということになりますと、これは専門的には気象庁の分野に属しますが、現在豪雪地帯である新潟県には四カ所しか観測地点がないんです。そしてこれはもう本当に実情に合わない形になっております。特に、今度補助基準である施行令、これを見ますと、これもまたいろいろ問題があるようであります。法律の精神が政令でゆがめられ、極端な言い方をしますけど、政令でゆがめられ、施行令でさらに縛られておる、こういうことなんです。四十八年に政令が出た補助対象新潟県の守門村だけだったんです。四十三年には七町村対象になっただけであります。これは基準に問題があるから、この法律がちっとも適用になっていないんです。ですからこの基準は、施行令にしても豪雪時の除雪費——これは実績ですね——が、交付税で計算される平均除雪費の一・五倍を超え、かつその町村の標準税収の百分の一を超える場合に補助、こうなっておるわけでありますが、こういうことで一日で一メーター三十七センチもどかっと降ったような場合、一体どうするんだということなんです。だからこの基準がどうもきつ過ぎるということはもうはっきり言えると思うんです。三省申し合わせの窓口は文部省ですから、文部省からひとつ答えてください。
  21. 大井久弘

    説明員(大井久弘君) この法律の立法趣旨でございますが。除雪事業に要する費用が平年に比し著しく多額である場合と、それから当該地方公共団体の財政事情等を勘案して、特に必要があると認めるとき、というときに必要な国庫助成をしようとするものでございます。したがいまして、現行の政令におきまして、補助要件といたしまして、平年除雪費の一・五倍及び標準税収入額の百分の一としているということにつきましては、この立法趣旨から見て妥当性があるのではないかというふうに私どもは考えているわけでございます。  さらに、この政令が定められたときには、当初は平年除雪費につきましては二倍、標準税収入額につきましては百分の四であったわけでございますが、実情に合わないということから、昭和四十三年度に大幅な基準緩和し、現行の政令となっているものでございます。およそまあ平年の除雪費につきましては、御案内のとおり、寒冷積雪地域の級地区分に応じまして地方交付税でいわゆる寒冷補正として一般的な財源措置がなされておるということ、さらに特別な事情で除雪に要する経費が平年に比して著しく多額となった場合には、別途特別交付税による財源措置も講ぜられるということからみて、この補助要件といたしましては妥当なところではなかろうかと実は考えているところでございます。
  22. 佐藤隆

    佐藤隆君 この公共施設除雪法というのは、そんな妥協の産物ででっち上げられたものじゃないんですよ。それは国会の中でこの法律ができるときの経過は私も調べてみましたよ。いろいろあります。いろんな議論があって、こういう法律に落ち着いた。しかしその結果はこの法律がさっぱり適用になってない。しかも基準はどうか。基準がきつ過ぎる、私がそう言えば、いや特交でもみているしなんて、それはだめですよ、そんな考え方はだめですよ。四十三年に改正をしたのは、私がこの場で言って改正になったのじゃないですか。それから七年も経っていると、こうさっき言っているんですよ。だからいままでのことはいいんですよ。ここで新しく考え直す必要があると思うから私は申し上げているんです。一挙に何もかも解決できないから、徐々に私ども政府お願いをして、そうしてやってきたんですよ、そういう経過があるから。それとももうこの法律をなくしてしまうなら、なくしてしまいますか、そんなわけにいきませんよ。自治省、よう聞いててくださいよ。こういうところ、抜け道に全部特交だ、特交だと言われているんですか。だからこれはこの施行令を改正するか、それが間に合わないなら、この分も特交でしっかりみてくださいよ。そうでなければ合わないわけだ。文部省、やっぱりどうですか、いままでどおりの姿勢では困るんですよ。このわずかな適用実績で、いやあのときはわあわあ言われてつくった法律だから、まあまあそれほど期待はされてなかったのだ、そうはいきません。国民はそうは受けとめていません。公共施設除雪法ができたか、ああそれはありがたいな、こう思っているんですよ。国土庁長官、これはやっぱりこんなことじゃいかぬと思うですよ。豪雪対策は進まないですよ。あえてここで長官に答弁は求めませんが、豪雪の窓口としてこの公共施設除雪法の基準改正、政令、施行令を変えればいいんです。法律を直さなくたっていいんですよ。それとももう三省申し合わせを今度やめて、また閣議了解事項にしますか。国土庁長官がその気持ちになってもらえば、また閣議了解事項で基準の改正をしてもらうということだってできないことはない、国土庁長官がその気になられれば。しかし文部省そこまでやらしていいですか。そういうことならそういうようにわれわれは取り組みますよ。どうですか、文部省。
  23. 大井久弘

    説明員(大井久弘君) 今冬の降雪につきましては、現在のところいわゆるこの政令によって豪雪指定する指定基準がごいますが、この基準には現在達しておりませんので、本法の豪雪指定するに至っておりません。実情におきましては、この法律の立法趣旨からみて、現行基準におきましては気象庁の専門的な御意見を参考として、四十観測地点を選定し、さらに特定の一部の地域というよりは全国的な範囲で平年に比して著しく多量の降雪があった場合に、一定の要件を満たしたときに政令で指定するというような趣旨でございます。したがいまして、この特定地域について豪雪につきまして指定をするというようなことにつきましてはやや問題があろうかと考えますが、なおこの指定基準をより実情に合ったものにするというようなことにつきましては、今年度の実情をよく調査した上で、関係省庁と連絡をとりながら慎重に検討してまいりたいというふうに考えております。
  24. 佐藤隆

    佐藤隆君 だめだね、まあ本当は文部大臣が出てくりゃいいんだ、文部大臣を要求すりゃよかったな、本当に。  大蔵省主計官に出てきていただいておりますが、大蔵省に答弁を求めようと思って出てきてもらったんじゃないんです。四十三年のこの基準を改正するときも、大蔵省に気がねをして文部省も厚生省も口をつぐんでいたんですよ。そういう経過があるものだから、このやりとりを聞いてもらいたいために出てきてもらったんです。だけどまあ、あなたもやっぱりいま答弁ぜいと言えばまたこれよりもっと厳しい答弁をするかもしらぬから、言わぬでもいい、答えぬでもいいけれども国土庁長官どうでしょうか、これは長官にきょう私はお尋ねする気はなかったんですけれども、こういうかたくなな態度ではこれは本当に豪雪地帯住民の要望にこたえることにならないんですよ。ですから四十三年に、基準改善を一歩前進、半歩前進ということでやってみた。七年間やったがこういうことだった。さっき私が申し上げたとおりであります。事務レベルで任しておったんでは法の趣旨を体し得ないということが明らかであるとするならば、また閣議了解事項に戻しますか。私は国土庁長官に、これは長官、ここで閣議了解事項に戻すなんていう答えももらえるはずはございませんから、これはよく検討してください。検討して、そして一歩でも半歩でも前進するようにいたしたい、やり方はどうであれ、政令と施行令の問題じゃないですか。一言お答えをいただきたい。
  25. 金丸信

    ○国務大臣(金丸信君) 先生のおっしゃられることも私にもわからぬわけじゃない、また三省の、文部省の考え方もわからぬわけではないんですが、私もあなたと同じように政治家であります。政治家である以上、あなたの立場に立って考えることも当然だと私は思います。そういう意味で十分ひとつ三省と話し合って検討してみたい、前進を図るべく検討してみたいと、こう思います。
  26. 佐藤隆

    佐藤隆君 前進を図るべく検討する、こういうことでありますから、大蔵省、文部省、それから厚生省も聞いておられますが、窓口の国土庁長官のひとつお気持ちを十分体して、なお事務的に練り上げることができれば即刻ひとつやっていただきたい、強く要望をいたしておきます。  中小企業金融対策はもうこれ時間がございませんから、ほかの委員の方も発言があると思いますし、省略をいたしておきますが、国土庁長官お願いをいたしておきます。政府関係機関中心にひとつ万全の措置をとっていただきたいと思います。  次に、豪雪地帯の税対策ということで、非常にこれも要望が強いわけでありまして、この委員会におきましても、あるいは豪雪地帯対策審議会においても議論が重ねられてまいりました。非常にむずかしさがございます。私もよく承知しております。承知しておりますが、このたびは特にこの要望が強かったので、委員長におかれて当委員会でこれをどう取り組むかということについて理事会にでもひとつお諮りをいただいて御検討をいただきたいと、お願いだけをいたしておきたいと思います。  その税の関係でありますが、山林所得について租税特別措置法三十条によって、概算経費控除、経費率三〇%の規定がありますが、豪雪に伴う被害についてその外枠で控除すべきであるという主張を私どもしてまいりました。引き続きそういうことでやってもらいたいと、こう思います。同時に、このたびの新潟地方の豪雪についてそういう取り扱いになるかどうか、国税庁にお聞きしておきます。
  27. 入江清

    説明員(入江清君) 先生お話しのように、災害による損失につきましては、山林所得の計算上、概算経費の別枠、外枠として控除する考えでございます。で、今回の問題につきましても、いわゆる激甚災害復旧造林、そういった指定がございました場合、あるいは森林国営保険ないし森林災害共済の給付の対象になったような山林、そういったものにつきましては一般に災害による被害として別枠の考え方でございます。そのほかにも、そういった対象にならないものにつきましても、個々の実情に即しまして関係の自治体あるいは森林組合等の御意向も十分承りましたところで、実情に即して別枠としての扱いをしたい、こういう考え方でおります。
  28. 佐藤隆

    佐藤隆君 いま言われた三点のうち二点はきわめて事務的に外枠で取り運べると。三点の問題は、その他の事項については県あるいは森林組合等そうしたところから直接の実情の訴えがあれば、その趣旨に沿う、外枠の趣旨に沿う、こういうことでありますですね。
  29. 入江清

    説明員(入江清君) さようでございます。
  30. 佐藤隆

    佐藤隆君 次に、林野庁に林業関係でちょっと聞いておきたいと思いますが、育林事業の国庫補助対象の林齢の引き上げ、雪起こしの件ですね、このことについてひとつ改善を図ってもらいたいということなんですが、このことについて意見を聞いておきたいと思います。
  31. 能勢誠夫

    説明員(能勢誠夫君) 雪起こしの補助事業につきましては、実は従来なかったのでございますが、四十八年から保安林等につきまして初めて補助事業を創設いたしまして、五十一年からは新たに普通林につきましても、一定の要件を持つものについて補助対象とするということで計画をいたしておる次第でございます。この場合の林齢は五年から十年までの林齢を補助対象にいたしておりまして、この考え方は、五年以下の場合は木か小さいものですから余り経費がかからない、また十年以上の場合は、平常の場合は、木が大きくなっておりますので余り倒れておらないというようなことで、五年から十年までということにいたしておるわけでございます。ただ、今回の豪雪のように非常に大きな雪が降りました場合には相当大きな木も倒れますので、こういう場合は激甚災害復旧造林ということで特に地域指定いたしまして、二十五年ぐらいまでのものでも起こして、十分今後生存していく見込みのあるものについては助成の対象とする、こういう措置をとってございますので、そういう形で今後も進めてまいりたいというふうに考えております。
  32. 佐藤隆

    佐藤隆君 国鉄に一点だけ。  これはもう時間がございませんから答弁要りませんが、五十年度にスタートした雪寒事業、だいぶ豊富な予算をつけてやったわけですが、五十一年度になったら十三億七千九百万円減っちゃった、予算が減ったわけですね。減ったというのは、五十年度でもういいところ済んだということになるのか、それとも何か特殊な理由があったのか、そのこと、やはり答弁をちょっといただいておきましょう。それ一つと、あとこのたびの除雪体制というものについて、これはいろいろ検討しておるようですから、ここでまだそう煮詰まっていないでしょうから、具体的なものはないと思いますけれども、このたびの経験に徴して、まだまだ除雪体制というものを考え直さなければいかぬと思うのですよ。十分考えていただきたい、それをお願いしておきます。簡単でいいですよ。
  33. 鈴木秀昭

    説明員鈴木秀昭君) 御指摘のとおり、四十九年までは二十億ペースでまいりました国鉄の除雪対策でございますが、五十年度はその四倍の七十九億という予算を計上しましたが、この中で大幅なものは除雪車両でございました。これの特異性は、北海道地区がSLがなくなりましてDLにかわりましたために、DLの車両を多額に購入したためでございまして、本年度からはその置きかえも終わりましたので、五十一年度は約六十五億というもので、地上設備等々につきましては大幅にふやしております。  それから第二点目でございますが、御指摘のとおり、特に機械除雪ができにくいところ、ホームの下でございますとか、あるいは人家の密集地区でございますとか、あるいは踏み切り地区でございますとか、こういうようなところにつきましての地上設備的なあるいは機械的な除雪設備については一層今後とも増備あるいは技術開発をしてまいりたいと思います。
  34. 佐藤隆

    佐藤隆君 まあそういうことで少しずつはよくなるようにひとつ努力をしてもらいたいと思います。特に雪に強い、これは特急「とき号」の問題で、おととし、ここで議論をしたことがありますが、あれから新しい——まあ古物ばかり日本海側を走らせておりましたが、今度は新しい、雪に強いのを開発をされたその国鉄の努力は非常にありがたいと思っております。新しい「とき号」は暖房にちょっと問題があるようですが、私も技術屋ではありませんからよくわかりませんけれども、そういう声を耳にしておりますので、この面についてもなお検討いただきたい。お願いだけいたしておきます。  次に、豪雪債の問題でありますが、これこそは本当に何回も何回もここで議論をしてきた問題でありまして、これをひとつ制度化をする、そして償還財源に対する地方交付税の補てん措置ということで議論をいたしてまいりました。まあ過疎債並みにということでやってまいりましたが、一般起債枠の中で豪雪枠というものだけとりあえず認めてもらってということで滑り出していたのです。そういう形でまあやっていって、ある時期が来たらひとつこれを制度化していこうと、こういうねらいが私どもにはあって、そして一般枠の中に豪雪枠というものを認めてもらったわけであります。これはもう四十七年からそういうことでやっておりますが、これもこの辺でやっぱりそろそろ制度化ということに踏み切るべき時期ではないか、こう思っております。大蔵側ともひとつ真剣に精力的に相談をしていただきたい、こう思っております。いかがですか。
  35. 関根則之

    説明員関根則之君) 豪雪債につきましては前々からの重要懸案事項でございまして、御要望が非常に強いということは私ども十分承知をいたしておりますけれども、前から繰り返し御答弁申し上げておりますように、豪雪と申しますのは、まあ程度の差こそあれ毎年毎年大体同じ日本の地域に降るわけでございまして、まあ言ってみればコンスタントな現象でございます。そういうものに対する経費の財源手当てといたしましては、やはり本則と申しますか、コンスタントな財政制度が必要であるというような考え方から、私どもの方では普通交付税で必要経費を計上をいたしておるわけでございます。そして、ただ普通交付税では年々の変動についていくわけにはまいりませんので、特別豪雪があったようなときには特別交付税措置をするというような制度をとっているわけでございます。そういうことでその金額も相当年々多額になってきておりますし、私どもの方の考え方では、ほぼ市町村の財政需要というものを賄うことができているんではないかというふうに考えておるような状況でございますので、後は、特に建設事業等が特定の年度に固まりますときに、その資金手当てをどうするかという問題が残されています。この問題につきましては、先生御指摘のとおり、一般単独事業債の中に豪雪債というものを設けまして資金手当てをいたしておるわけでございますので、こういった制度の体系からいたしまして、いま直ちにその豪雪債の裏を交付税で見るという必要があるかどうかということにつきまして、やはり制度上私どもとしてはなかなか踏み切れないというような状況にあるわけでございまして、現在の時点でもそういった考え方がそう大幅に変わっていないわけでございます。したがって、私どもとしてはなかなかこの問題をこの際片をつけるということは非常にむずかしいんではないかというふうに考えております。
  36. 佐藤隆

    佐藤隆君 むずかしいということはよくわかりますけれども、やっぱりここらで考える時期ですよ。これは財政局長ともよく相談をして、その気になれば私はできるような気がしてきたんです。いままでむずかしい、むずかしいと思ったけれども、やっぱりこれはやらなければいかぬし、できるなというような気がしてきたんです。やっぱり辺地、過疎、そして豪雪というこのダブルパンチを受けておる地域を救わなかったらおかしいですよ。ただ、大蔵側あたりの意見、腹の中を探ってみると、全くそういうような形で、もうあらゆる地域に何か名前をつけてどんどんふえてきたら困るではないかという横並びの関係を心配する向きもあるようですが、横並びの関係はそう心配要らぬと思うんです。豪雪地帯をやったからといって、豪雪債を制度化したからといって、そう次から次へ出てくるようなことは予想されません——と私は思うんです。ですから、これはまた改めて議論をいたしますけれども、このたびの豪雪を機会にひとつさらにきめのこまかい検討を進めてください。強くお願いをいたしておきます。  それから、さっきも報告にありましたように、新潟県が試みにやった保安要員制度の問題でありますが、これはまあこのたびで実績が出るわけでありますから、それをもとにして政府側で十分ひとつ検討をしていただきたいというお願いだけをいたしておきます。  最後に、私が前にもここでも申し上げておりました、提案をいたしておりました義務教育の通学道路除雪交通安全、こういうことで、豪雪対策の中でひとつ考えてもらいたいということで、去年、国土庁から早速調査をしていただきました。関係各省庁で調査をしていただきました。その結果、まだ具体的に進んでいないわけでありますけれども、私が最初考えましたのは、市町村道除雪についての直接的な措置というものがなかなかめんどうであるということだったんです。で、この壁をどうにかひとつ破らなければいかぬけれども建設省では、まあ意欲があっても、力というと失礼な言い方でありますけれども、なかなか容易ではないと、こういうことです。まあそういうことで、通学道路だけでもひとつ直接除雪補助というものができないものかということで提案をいたしてまいりました。これは特に文部省の関係建設省関係、特に現場では警察庁の関係になろうと思いますが、末端にいくと警察関係になると思いますけれども、総理府の交通安全対策室ですか、そことの関係で、何かひとつもうこの際、試みに地域を選定してやってみてはどうかと、こういうことで焼き直しの言い方をここでするわけでありますけれども、このことについてひとつ——どこから答えていただきますか。これは各省間でもうキャッチボールだったですからね。おれはいやだ、おれはいやだと言ってみんな投げ合いやってきたわけなんだけれども、わが省こそはその趣旨に基づいてこんなことを考えているということがあったらひとつ答えてください。
  37. 近藤隆之

    政府委員(近藤隆之君) 一昨年の秋の豪雪地域対策審議会におきまして、先生からも強い御指示がございまして、いまお話しのとおり、関係各省キャッチボールをやっていてもしようがないじゃないか、国土庁が主管省なら、国土庁が音頭をとっていろいろ検討しろというようなことで、先ほどもお話ございましたように、実態調査もいたしましたし、また、前後六、七回になるかと思いますけれども関係省庁私どもの方へお集まり願って、いろいろ検討したわけでございます。ただ、まあ検討をすればするほどいろいろ問題が出てまいりまして、一口に主要通学道路と申しましても、市町村道だけでなくて、農道、あるいは冬の間は道路がないところを圧雪道路と言うのですか、雪を固めたところが臨時に道路になるというようなものもございまして、どの範囲を主要通学道路とするか、学校の置かれておる地形等によりましても非常に千差万別でございまして、どこで線を引くかということで、現在の段階、各省庁とも苦慮しておるところでございまして、なお検討は続けたいと思います。  一方、御承知かと思いますけれども、私どもの方で、明年度予算でございますが、基礎集落圏防雪体制整備事業というのを全国二カ所モデルで実施してみたいと思っております。従来は広域の豪雪体制整備ということで、ここ二年くらい幾つかの個所を選んでやっておったわけでございますけれども、今度は、生活道路が最近非常に問題になってきておりますので、この通学道路もまさにその一環であろうかと思いますけれども集落圏に規模をおろしまして、その地域の防雪体制というものをどういうふうにもっていくべきかということを今度はまあモデルを二カ所選定いたしまして、つぶさに検討してみたいというのを別途考えております。したがいまして、現在の段階ではまだ結論が出ておらなくてまことに申しわけございませんけれども、なお検討は続けさせていただきたいと思っております。
  38. 佐藤隆

    佐藤隆君 その中でひとつ試みにやってみようかなという考え方も出ておると、こういう意味ですか。
  39. 近藤隆之

    政府委員(近藤隆之君) 基礎集落圏の防雪体制というものをどうもっていくかというのをモデルを使ってやってみれば、当然その中には主要通学道路除雪という問題も重要な一環として絡まってくるんではなかろうかというふうに考えております。
  40. 佐藤隆

    佐藤隆君 どうもありがとうございました。
  41. 上田稔

    ○上田稔君 まず最初に、このたびの豪雪によりましてお亡くなりになられました方々に対しまして心から御冥福をお祈りを申し上げ、また被害をお受けになられました方々に対しましてお見舞いを申し上げます。  さて、先ほど文部省に対しまして佐藤委員から、豪雪に際して地方公共団体が行う公共施設除雪事業に要する費用補助に関する特別措置法施行令についてお話があったのでありますが、私も実はこれについて詰めさしていただこう、文部省にお聞きをしようと思ったのでありますけれども、先ほどのお話でどうも詰まりそうにもありませんし、これに対しまして長官の方で前向きに検討をするというお言葉をちょうだいいたしました。私もその前向きに検討するということに実は期待をしたいと思うのでございます。  雪というものは全国的に一度にだあっと降るという性格のものではなくて、豪雪というものはやはりある地域に非常に集中をする。あるときは魚野川水系にずっと豪雪がある。あるときは信濃川水域に豪雪がある、あるときは福井県の方の九頭龍川に豪雪がある、またあるときは海岸、こういうふうにいろいろと私は雪の降る地域というものは変わっていくと、ある地域に集中をするものでございますから、全国的の考え方で対処していただくというのはちょっとおかしいのではなかろうか。このいまの基準によりますと、先ほど佐藤委員からお話があったとおり、全国的に四十カ所の観測地点があって、そのうちの二〇%以上でしたか、それがある基準以上を超えなければ補助を出さないのだというような考え方に立っておりますけれども、そういうものではなくて、やはり局地激甚的な考え方、こういうものを考えていただかなくてはいけないんじゃなかろうかと思いますが、そういう点でまず最初にお願いを申し上げておきます。
  42. 金丸信

    ○国務大臣(金丸信君) 先ほど佐藤先生にも申し上げたとおりでありますが、なかなかむずかしい問題点もあるようでありますが、しかしそのままにしておったんでは物事は解決つかない。事務当局は事務当局として措置法にのっとり、その他万般の中で御答弁申し上げている、それ以上別な答弁をするわけにはいかないという立場も御理解いただきたいと思いますが、私は政治家の立場として、当然これはできるだけの温い配慮はすべきだという考え方で十分検討して、前向きでいきたい、こういう考え方でございます。
  43. 上田稔

    ○上田稔君 それはそういうふうにお願いをいたしまして、次に、もう文部省は帰られたんですか——それでは国鉄の方にちょっとお伺いをしたいと思います。  このたびの豪雪におきまして一番に新聞記事にもなり、地元の方々が困られたのは、国鉄が脱線をしてそれがために交通ストップになったと、鉄道がとまったということでございます。これの原因は一体どういうことでございましょうか。
  44. 鈴木秀昭

    説明員鈴木秀昭君) 今回の雪は、内地としましては例年にないいわゆる寒さのために比重の軽い雪でございまして、非常に吹きだまりが多くできたわけでございます。そして非常ないわゆるどか雪でございまして、国鉄としましては脱線いたしました前、十九時十五分にラッセルを越後湯沢から出しておりまして、その後二時間後にこの列車が出たわけでございますけれども、千分の二十という勾配のために吹きだまりの中に突っ込みまして、そしていわゆる雪でなかなかスピードも遅くなりますから、スピードも出せませんので突っ込みまして、それで雪のために浮き上がって脱線したというのが原因でございます。
  45. 上田稔

    ○上田稔君 私の聞いておるところでは、ポイントの点で脱線をしたんだということですが、そうじゃないんですか。
  46. 鈴木秀昭

    説明員鈴木秀昭君) そのようなものになっておりませんで、いわゆるここは踏切の地点の付近でございまして、なかなかラッセルがいわゆる人家のあるところあるいはいろいろな障害物のあるところはウイングを広げきれませんで、始終このようなことをやっておるわけでございますが、そういうような中で踏切がいま一つのやはり問題点でございます。なかなか機械除雪がしにくいところであります。それからいわゆる粉雪となって吹きだまりができていたといういろんな現象で浮き上がり脱線をしたというようにわれわれは理解をしております。
  47. 上田稔

    ○上田稔君 この鉄道で一番雪に対してのウイークポイントというのは、私の聞いているところではいまのお話の踏切と、それからポイントであるということを聞いておるんですが、ポイントは大丈夫でありますか。
  48. 鈴木秀昭

    説明員鈴木秀昭君) ポイントにつきましては在来からいろいろな融雪装置をつけてございました。古いものはいわゆる電気ヒーターを下に入れているわけでございますが、これは多少能率の悪いものでございまして、通常におきましてはこれで働いているわけでございますが、今回のような、特に関山地区は国鉄にとりましては四十年に一回ぐらいの大雪でございました。したがいまして、このようにどさっと降りましたときは、どうも従来の融雪装置では余り効果がございませんでした。したがいまして、今後はやはり水をかけますとか、熱風をつけますとか、そのようないわゆる装置化をさらに増強してまいりたいと思っております。
  49. 上田稔

    ○上田稔君 このたびの雪は豪雪であるというお話でございます。確かに全体を見れば非常に十日間も大雪が続いたということでありますけれども、国鉄が故障をしたのはもっと先の話で、早いうちに故障が起こったのではなかったかと思うのです。そういうことを考えますと、この豪雪地帯に対しての対策というのを国鉄は余りおやりになってなかったんじゃなかろうか、まあなるほどポイントの下には石油かガソリンか何か知りませんが、ぽっぽっぽっぽっと燃えているというようなのはときどき見受けるわけでございますけれども、ああいうことではなくて、やはり新幹線におかけになっておるような考え方でおやりをいただいたら雪国の方の国鉄も交通確保されるんじゃなかろうかと思うのでありますが、いかがでございますか。
  50. 鈴木秀昭

    説明員鈴木秀昭君) 先生の御指摘のとおりでございまして、したがいまして先ほども説明申し上げましたように、四十九年度までは大体二十億、正確には二十二億でございますが、二十二億を年間かけまして雪害対策を、費用を見積っていたわけでございますけれども、五十年からはそういうようなことではいかぬということで、約四倍に近い七十九億という予算を計上いたしまして、特に、前回も申し上げましたように、北海道の動力車のエネルギーの変更というものもございましてかけましたが、五十年度は六十九億というような、いわゆる四十九年度に比べまして三倍近い予算を計上しておるわけでございまして、先生御指摘のように、まあ北海道の雪と新潟地方の雪とは従来におきましては多少雪質も違いまして、したがいましてそれぞれの装置が違っていたわけでございますが、今回は多少いわゆる北海道的雪が多く降ったということに多少問題がございますが、御指摘のとおり、今後とも一層除雪対策に、それから特に困っておりますのは、踏切でございますとか、だんだん環境が変化いたしまして人家が密集しているところの除雪に非常に苦慮しております。したがいまして、やはり水とか熱風とかいろいろなものを考えて装置化してまいりたいと思っております。
  51. 上田稔

    ○上田稔君 豪雪地帯はいままで過疎となっていくので非常に困っておったのでありますけれども、ようやくこのごろ観光収入ということを考えて、非常に張り切って民宿などをおやりになっておる。これに対して国鉄がとまるということは、地元にとっては非常に困る点であります。こういう点を考えて国鉄も大いにそういう豪雪に対する面の対策をひとつおやりをいただきたいと存じます。  次に、建設省にお聞きをしたいのでございますけれども、あるいは警察庁の方にお聞きをしたいんですが、国道十七号線の、先ほど報告にもありましたけれども、自動車が滑ったのか何か立ち往生をして、それによって交通途絶があったということの報告がありました。私も現地へ行きましたらそういうことをお聞きをしたのですが、この実態はいかがでございますか。
  52. 福島静雄

    説明員(福島静雄君) 今回の雪害に伴います交通渋滞状況を簡単に申し上げますと、国道十七号上り車線——東京に向かう方向でございますが、この渋滞は一月二十二日の湯沢町から塩沢町にかけまして約十キロメートルの渋滞を最高に、毎日二、三キロメートルの渋滞が発生した状況でございます。なお、下り車線におきましても、自動車の渋滞、一月二十二日に湯沢町で二キロメートル程度渋滞が発生しております。下りにおきましては、そのほかの日は特に大きな渋滞はなかった状況のように見受けられました。  そこで、この渋滞の原因でございますが、これは積雪がはなはだしいために全面交通禁止の規制あるいはまた区間によって片側車線で交互通行をさせるという規制を行わなければならなかったということ、さらにまた勾配、屈曲部等では非常な低速で走行せざるを得ない、また御指摘のように、一部にチェーン着装の不備等のためにストップしてしまった車もあるというふうなところが今回の渋滞の原因ではないかというふうに考えておる次第でございます。
  53. 上田稔

    ○上田稔君 実はそれで現地でお聞きをしますと、結局スリップどめのためにチェーンをつけておらないような車がスリップをして、そして衝突をして事故を起こして、それがストップの原因になったんだというふうにお聞きをしたのですが、そういうことも多くありましたかどうか。
  54. 福島静雄

    説明員(福島静雄君) 私どもの受けました報告では、事故によって交通が途絶したという状況よりも、やはり非常に積雪が激しいために車を通行させることが危険である、交通に支障を来すという観点で交通を、先ほども申し上げましたように三回ほどでございますが、全面通行禁止にしたということ、それから区間によりまして片側の交互通行をさしたというふうなところに主として車が通れないというふうな事態になったというふうに考えておるところでございます。
  55. 上田稔

    ○上田稔君 もしそれでしたら、いまなぜ新潟県側におきましては全部車両を検問をして、そうしてチェーンを巻かなかったら通さないと、こういうことをおやりになっておるのですか。私はそうじゃなくて、やはりチェーンを巻いてない車が交通ストップを起こしたから、新潟県側では、これはもういけないということで検問所をつくって、そうしてチェーンを全部巻かして、そうして三国峠を通しておられるんじゃなかろうかと思うんですが、その点はいかがですか。
  56. 福島静雄

    説明員(福島静雄君) 先生御指摘のように、一月二十二日の午前一時から約九十五時間にわたりましてチェーン着装車以外は通行禁止の交通規制を行っております。ただ、その後におきましても、やはり非常に積雪が激しいためにチェーンを巻いた車といえどもちょっと通行できないという状況もありましたので、その際は全面通行どめの規制を行ったというふうなことでございます。
  57. 上田稔

    ○上田稔君 それで新潟県の湯沢側ではそういうふうにチェーンを全部巻かしておられるわけです。ところが、下ってくる車、三国峠のあの隧道を抜けて、そして湯沢の方へ出てくる車については、これはチェーンを巻いておらない車がたくさんあるわけです。そうすると、下るときにはスリップしやすいのではなかろうかと思うんですが、この点がどうもうまくいかないんじゃなかろうか。湯沢の方ではもうどうしてもチェーンを巻いてもらいたい、いままでの交通の事情から見てやはり巻いてもらいたい。ところが、隧道を抜けてくる車は、これはやはり隧道の手前のところでチェーンを巻いてもらわないとなかなか巻いてくれない。そういうことを考えますと、私は新潟県警が湯沢町でそういう検問所をつくってチェーンを全部巻かなければ通さないという方法をとっておられるなら、やはり群馬県警においてもこの三国峠を通るときにはチェーンを巻かなければ通さないというように厳密にやらなければ効果が上がらないんじゃなかろうかと思うんですが、その点はいかがですか。
  58. 福島静雄

    説明員(福島静雄君) 積雪路を通行いたします場合に、やはりどちらかと申しますと上りの方がチェーンを巻かなければ走行困難であるという状況がございますので、新潟県警察といたしましては、主として上り方向に重点を置きましてチェーン着装の規制を行ったわけでございます。なお、下り方向においても、上りには及びませんが、一部やはり規制実施いたしております。ただ先生御指摘のように、それ以前に群馬県側においてもっと規制なり指導なりを強化すべきではないかという点でございますが、この点につきましては新潟県側から群馬県側に依頼をいたしまして、このチェーン着装の指導を群馬県側においても実施いたしております。特に二十四日につきましては警察官約二十名を群馬県において配置いたしましてチェーン着装の指導をいたしましたほか、この期間にチェーン着装の立て看板、それからこれは道路管理者の施設でございますが、御協力をいただきまして三国峠はチェーン着装の標示を出しておりますし、また二十一日から二十三日までの間、若干名の警察官を国道に配置をいたしましてチェーン着装の指導をいたしておるところでございます。ただ御指摘のように豪雪状況からいたしますと、なおこの面につきましてはもっと強化する必要があるというふうなことも考える必要があろうと思いますので、なお検討の上、今後十分御指摘のような措置について強化してまいりたいというふうに存じます。
  59. 上田稔

    ○上田稔君 その群馬県側は沼田において検問所をつくっておられるはずです。沼田においておつくりになっておるときはなるほど群馬県側に雪が降ったときです。だから、新潟県の状態を考えないで群馬県のために検問所を強化しておられるという状態ではなかろうかと私は思うんです。したがいまして、これはなかなか県警の間の連絡がうまくいかないのかもしれませんけれども、やはり県警の間を十分に連絡をとっていただいて、そして新潟県側がそれほど厳重に——スノータイヤをつけているものでも全部巻かしておるわけですから、それほど滑りやすいという状態であるなら、これは群馬県側もやはりそれに協力をして、群馬県側は雪が少なくても、やはりそれに協力をして、そしてお互いに同じような調子でおやりをいただきたいと思うわけです。そうして交通をひとつ安全確保をしていただきたい。
  60. 福島静雄

    説明員(福島静雄君) 警察は都道府県単位で任務を遂行しているわけでございますが、交通は広域的なものでございますので、ただいま先生御指摘のとおり、特にこういった雪害の際には、あらかじめ隣接の手前の方の府県におきまして十分そういった指導措置をとるというふうなことにつきまして、今後指導を強化してまいりたいというふうに考えております。
  61. 上田稔

    ○上田稔君 最後に建設省にちょっとお聞きをしたいのですが、道路の改良工事をおやりになるときには改良工事をだあっと進めてしまって、それから後でどうも雪対策の施設をおつくりになるのがいままでの実態ではなかろうかと思うのですが、いかがでございますか。
  62. 浅井新一郎

    説明員浅井新一郎君) お答えいたします。  雪関係施設と一口に申しましてもいろいろございますが、スノーシェッドとか、なだれ対策のいろいろなさく類は、豪雪地域では、幹線道路ではできるだけ改築の時点で十分整備していきたいというふうに考えておるわけでございますが、一方消雪パイプとかあるいは流雪溝、そういったような施設につきましては、水源の関係とか、流末処理の条件等がいろいろございまして、そういうようなことで設置可能な地域が限定されます。  それから、こういった施設は人家連檐区域に特に有効であるというようなことで、最近あちこちに急速に伸びてきた施設でございまして、これまでは、先生御指摘のように、既設の道路を中心にやってまいってきておるわけでございますが、やはり部分的に非常に効果のあるところもありますので、改築の際にも十分そういった施設を効果的な個所については取り入れながら改築していくというような姿勢でやってまいりたいというふうに考えております。
  63. 上田稔

    ○上田稔君 いままでのところはそういうことが考えられていなかったけれども、最近ではこういう予算もつけていただいて工事をやっていただいている。これからはひとつ豪雪地帯というのは、やはり雪を消していくという考え方でやっていただかなければいけないわけですから、道路の改良をおやりになるときにも、こういうものも一緒に設計の中に入れておやりをいただきたいと思うのであります。そうでないと、せっかくつくった道路をまた掘り起こしてそして消雪パイプを入れるというようなのは、いかにもこれは地元の方々にとっては、何をしているのだ、建設省というのはいつでも道路工事をするのが建設省なのかというようなこともありますし、また道路の構造上も最初からこれはつくってある方がいいのではなかろうかと思いますので、ひとつお願いをいたします。  次に、雁木と言いますか、アーケードと言いますか、この考え方でありますけれども、これについてちょっとお聞きをしたいのですが、建設省除雪をされる。あなた先ほど申しましたような、融雪のあるいは消雪の施設をおつくりをいただいている。これは主に自動車通行に対しての考え方ではなかろうかと思うのであります。で、したがいまして、今度は雪国の方々が、いままではずっと昔のときには冬になるとどこにも出られないという状態にあったものを、それを経済活動を活発にしようじゃないかということから、車道についてのいろいろな除雪についての考え方が出てきたのだと思います。ところがそういうことで、商店にはいろいろな品物が入っていくことになってきた。しかしながら、そうなったら今度はお客さんが買いに使てくれなきゃ困る。冬季の人の交通、これをひとつぜひとも考えに入れていただきたいと思うのであります。  それでは、冬季の人の交通というのはどういうことかと言うと、まあ昔からの知恵で、雪国の豪雪地帯には雁木というものがあります。雁木というもの、これは一つの名前ではアーケード、この区別はちょっと非常につきにくいでしょうけれども、そういうようなことになって、人に対する通行に対してはそういう雁木というかアーケード、こういうものを考えていくというのが一番いいのではなかろうか。歩道に対していろいろな——歩道の下に電気を入れて、そうして雪を消していくというようなこともあるでしょうけれども、それは非常に金のかかることだから、普通にいけば雁木をつくっていけば非常にいいんじゃないか。そうすると雁木あるいはまたアーケード、そういうものに対して建設省もひとつ人の交通確保する上において助成をしていくというような考え方はありませんか。
  64. 浅井新一郎

    説明員浅井新一郎君) アーケードにつきましては、一般的には沿道の商店が雨よけとか、日よけといった効果を期待して、買い物活動を快適にするというような目的でつくられるのが実態でございますが、雪国の雁木ということになりますと、これは昔からの生活の知恵で、それなりの交通確保の効果があるということで、冬季には非常に大きな効力を発揮するわけでございます。一口にアーケードというふうに言ってしまえないものだと思います。  そういうことで、建設省では実はこのアーケードの取り扱いにつきましては設置基準を設けまして、むしろ一般のアーケードは消防的な見地あるいは衛生上の見地あるいは交通上の支障の問題等も考えまして、抑制的な考え方で一応基準を設けておるわけでございますが、その中で雁木につきましてはこれをむしろ抑制的な基準を外しまして積極的に受け入れるようなことでやっております。したがいまして、付属物ということにはなりませんが、占用条件としては非常に緩和したような扱いになっております。これに対して助成するというところまではちょっとなかなか広告の問題とかいろいろございまして、いきませんが、昔からの生活の知恵でありますし、いろいろ研究はしてみたいというふうに考えております。
  65. 上田稔

    ○上田稔君 まあいままで建設省は歩道の設置ということについてもなかなか踏み切れなかったのですけれども、最近は歩道というものを全国的につくっていかなくちゃいけないということでおやりをいただいておる。そうすると、冬の交通というものの確保という意味におきまして、やはり雁木というものに対しての助成ということもお考えをいただいて、そうして奨励をしていただいたらいかがだろうか、そうすれば冬季においての人の交通ということができるようになるのじゃなかろうか。で、余りデラックスなアーケード、それを全部補助対象にするんだということはできないかもしれません。ですから、やはり一定の基準を設けての助成というようなものもひとつお考えをいただいて、雪国において非常に冬季交通に不便をしておられる豪雪地帯に対しては何らかそういったようなこともひとつお考えをいただきたいと思う次第でございます。  以上で質問を終わります。
  66. 工藤良平

    委員長工藤良平君) 午後一時再開することといたしまして、休憩いたします。    午後零時二十一分休憩      —————・—————    午後一時六分開会
  67. 工藤良平

    委員長工藤良平君) ただいまから災害対策特別委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き雪害対策に関する件について質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  68. 辻一彦

    辻一彦君 私、先ほど報告をしましたように、この間、新潟豪雪地帯を二日見てまいりまして、あわせて一、二福井県における深雪地帯豪雪地帯と言われる大野、勝山、今庄、池田、名田庄等々も一回り見ましていろいろ感じたこともありますので、含めてお伺いいたしたいと思います。  第一は、先ほど質問がありましたが、災害救助法適用基準緩和をして、あるいは改正をして、豪雪の非常に困ったときに適用せよという声は、約二十カ町村を二日間で回った中でいずれも新潟では聞いた問題でありました。そういう点から現在の豪雪に対して過去にどの程度災害救助法適用されたか、あるいはその雪の場合にそれに対する適用基準はどういうふうになっているか、このことについてお伺いいたしたいと思います。
  69. 紀埜孝典

    政府委員紀埜孝典君) 国土庁の紀埜でございます。正確なことは何でございますが、何か新潟陳情などによりますと、積雪状況によりまして災害救助法適用できるようにするようにと、こういう御意見でございまして、この間からの議論を聞いておりましたら、今回の積雪に対しましては、厚生省としては前向きで適用できるように県当局、関係市町村当局とも相談したい、こういうふうな考えを申し述べておりました。こういうことでございます。
  70. 辻一彦

    辻一彦君 その答弁は、さっき佐藤さんから御質問があって伺ったのですが、若干もう少し具体的に伺いたいと思います。  この過去の適用例を見ると、豪雪では三十八年の三八豪雪適用されたのみで、雪の場合にはほとんど適用されていない。余りにも基準がむずかしくて適用範囲外になるので、新潟あたりのあの市町村でも半ばあきらめてはいたものの、何とか考えられないか、こういう声が私は切実に非常に強いと思うのですね。そこでこれは雪がたくさん長い間に降って、そうしてそれがどんどん四メーター、五メーター積もった場合にも大変ですが、しかしもう一つは、どか雪といって一日に大変な雪が降る場合があります。新潟の場合もずっと調査をして、県から出してもらった資料がいろいろありますが、それによると、たとえば二十一日の九時から二十二日の九時まで二十四時間に山手の方では一メーター三十センチ雪が一晩で降っている。それから、たとえば岩沢地区では一月二十日に百十五センチ。一月二十三日に九十五センチ。それから宮野原では一月二十一日に百十三センチ、一月二十二日に百三十センチ、一月二十四日に百十六センチ。大和では一月二十日に百十四センチ、二十一日に百二十三センチ、二十二日に七十九センチ、二十三日に八十四センチ、二十四日に八十五センチ。六日町では二十一日に百十九センチ。湯沢では二十一日に百三センチと、こういうように挙げればずいぶんありますが、一晩に一メーターを超える、百センチ以上の雪が降る。そうすると、孤立した部落は二日も三日も一メーター以上の雪が降り続けば、ちょっと国道県道沿いならばいいけれども、いわゆる里道等、県道国道につながる場合には、非常に除雪の援助も来ない。全く孤立をして非常に不安におそわれるという、こういう状況がありますね。私はこういう状況を見れば、しんしんと雪が一晩に一メーターも、何日も降り続くと、初めは機械が入ってもなかなか機械も入り切れないと、人力以外にないと、こういう状況にきたときに、やはり災害救助法はこの条件を考えて適用すべき中身でなかろうかと思うわけなんです。従来の方法では三八豪雪、一月に一回適用されたのみであるが、この状況を見るとこれは何か考え直さにゃいかぬ、陳情がちょっとあるからまあ検討してみましょうという程度では済まされない現状にある、こう判断しますが、これについてひとつ担当の方の御見解をお伺いいたしておきます。
  71. 紀埜孝典

    政府委員紀埜孝典君) 相当運用の幅があるようにお聞きしておったのでございますが、ちょっと微妙なところがあるようでございますので、早速厚生省の方へ連絡をとっていただいておりますので、少し時間を——この質疑は後にしていただきますようお願いできたらと、こう思っておりますが、よろしくお願いします。
  72. 辻一彦

    辻一彦君 それはこの委員会中に、きょうじゅうにいろいろな検討をしていただいて聞かしていただくということですか。
  73. 工藤良平

    委員長工藤良平君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕
  74. 工藤良平

    委員長工藤良平君) 速記を起こして。
  75. 辻一彦

    辻一彦君 それじゃ後でひとつお伺いしますから。  第二に、これに関連して、先ほども出ておりましたが、新潟県で冬期保安要員制度というのができております。これは建設省の方にもいろいろ要請の資料が出されておりますから、いろいろ御存じであるとは思いますが、新潟でかなり私はよくやっておられるのではないかと思います。というのは、いままでの部落段階におけるこの冬の保安といいますか、雪の対策は村、部落全体の共同責任でやると、こういう体制を部落ではとっております。しかし、なかなか出かせぎに長期に行って、もう若手の人が村にいないとか、あるいは生活保護家庭であるとか老齢家庭であるとか、そういうところがかなり——豪雪地帯というのはいわゆる僻地にもなりますから——実際として出て、る。あるいは寝たきり老人が、私の調べた一つの村でも、新潟では一町村に九人、そういう雪の深いところに寝たきり一人で住んでいる老人がいると、こうなるとほうっておけないというような点から、新潟ではこの冬期保安要員制度というものをつくって、これは御存じのとおりですが、給与を六万何がしか出して、県が三分の一、市町村が三分の二の負担をして、その人が緊急ないわゆる連絡やあるいはそういう生活保護家庭、老齢家庭の除雪に当たるとか、あるいは部落の連絡をとってどうしても足で雪を踏んで道を歩む以外にない場合には、そういう動員といいますか連絡に当たると、こういうふうにしてこの制度新潟でかなり適用されて、それが行われているところでは喜ばれておると思います。しかし、現実に町村を歩いていろいろ話を聞いてみますと、県が三分の一で町村が三分の二では、大きな市は別として、小さな町村ではなかなかそういう集落に要員を置くということも容易ではない。こういう点から、これに対して何らかの、国の制度化、助成の手が望めないかと、こういうことが大変強く出ております。私は、ああいう深い雪の中に閉ざされる部落まあ便利のいい方へ出てこいと言えばそれまでですが、やはり、どうしても長い住みなれたところに住んでいかなくちゃいけないと、ここを守り抜こうと、こういう人たちに、せっかく新潟県が出しているこういう対策に対して国としても何らかの方法を考えるべきでないか、こう思いますが、これは国土庁の方に関係がありますので、担当並びに長官からお伺いしたいと思います。
  76. 金丸信

    ○国務大臣(金丸信君) ただいまの問題は新潟知事からも私、直接要請があって承っております。また、国土庁の誕生のゆえんも、過疎過密、山村僻地というようなところに目を向けて、いわゆる均衡のとれた地域社会をつくるということが国土庁誕生のゆえんだと私は考えておるんですが、そういう立場から考えれば、山村の豪雪地帯の問題について、保安要員、この問題についても考えなくちゃならぬなという考え方、しかし、この保安要員を、いわゆる豪雪地帯にもいろいろの段差があるというようなことを考えれば、事務的にはなかなかなじまないという考え方があるようでございますが、いまちょうど、ことしは豪雪新潟でこの保安要員が相当活動しておるという状況を私は耳にしております。ですから、その活動状況も踏まえてひとつ、国土庁も保安要員の国のこれに対する考え方というものを考えてまいりたいと、こう考えておるわけでございます。
  77. 辻一彦

    辻一彦君 長官、これは雪がなくなってから調べてみたって話にならない。この間私たちが行った二十八日、汽車が動き出して直ちにその夜に参議院の調査団は現地に行きましたが、それでも現場の町村長さんから、もっと雪があるときに来てくれと、もう三分の一ほどは雨が降って雪が減ってしまったと。こういうことで、一番深刻な苦しいときを見てほしいという声がやっぱり切実にありましたですね。そういう意味で私は、国土庁がもし、そういういまの保安要員の新潟の実態を踏まえて、かなり動いておるという認識に立って何らかの対策を立てることをお考えになっておるならば、直ちに国土庁の係官、担当者を現地に派遣して、この保安要員がどういう活動をし、どういう強い要望があるか、政府としても調べて対処すべきである、私はこう思いますが、いかがですか。
  78. 金丸信

    ○国務大臣(金丸信君) 実は私は生まれがそんなに雪の降らないところでございまして、豪雪という、五メートル、四メートルという雪の実態を見たことがない。しかし国土庁長官が、その豪雪地帯災害の窓口である以上見なくちゃいけないということで、私も、実はこの間、衆参両院の特別委員会の視察で、そのお供ができればいいなと思っておったんですが、予算委員会で縛られて行くこともできないということで、近い将来大至急行って、またなお、お話のありました国土庁の職員も十分にその辺は出張さして、検討さして御期待に沿うようにいたしたいと、こう考えております。
  79. 辻一彦

    辻一彦君 雪のあるときに行ってもらわぬといかぬですから、これは本当に大至急頼みます。ぜひ国土庁で、長官初め担当の方もよく現地を見ていただいて、この切実な声に具体的に私はこたえてもらいたいと思います。かなり前進さしていただけるような御発言のように受け取りましたから、お願いしたいと思います。  それから第三としまして、超過負担の問題ですが、これももう恐らく——私はこの委員会初めてですが、再三論議をされたのじゃないかと思います。しかし、現実にあの雪の中に入って、たとえば、学校の屋内体育館、運動場等を見ると、表ならば、太平洋岸、山陽道ならば屋外に運動場があって子供達は外でかなりスポーツができる。逆に言いますと、バスケットなんかは屋内でしょっちゅうやるから強いという面もありますが、とにかく外で長い間スポーツ、運動が子供たち、小中学校でできない。どうしても屋内に頼らざるを得ない。それからまた、屋内のその体育館は、社会的にも広範な地域の人たちのいわゆるスポーツといいますか、運動といいますか、そういう場所として欠くことができない大きな役割りを持っている。そうすれば、どうしても日本海側は山陽道の屋内体育館に比べて単位面積といいますか、そういうものがある程度広くなくてはいかないし、それからそれを確保しようとすればいずれの町村も全部、まあどういうのですか、超過負担と申しますか、かなり重い負担をしている。私は、県当局に要請してその公共施設整備費における超過負担がどうなっているかということを体育館を中心にしてずっと調べてもらったんですね。それがここにずっと出されておりますが、これも新潟市から長岡、三条、十日町、見附、巻町、板倉、村松、六日町、白根市、豊浦町、何村でしょうか、横越村、味方村、頸城村等々ずっとありますが、このいずれを見ても五十年度に実施した実施面積、これを見ると、この基準と実際やった面積は、いずれも一・三八、一・二九、一・五四、一・三九、一・二七、一・二四、一・九五、一・六一、二・五五、一・二三、一・二三、一・二八と、一というのもありますが、大部分は、場合によれば半分ぐらい基準よりもよけいつくっているということ、それからこれを数字の予算の面で見ても、いわゆる対象になる分とそれからその基準面積とそれから事業費を比べても、これも実際は超過の負担として一・三八、一。一八、一・八二、一・六〇、一・五〇、一・七四、一。四五、一・五七、二・三二、一・七一、二・八八、一・五三、一・三二、一・八三というように、経費の方から見ても、いわゆる一・八ということは一・八倍この基準よりもよけいにいっているということですが、面積から見ても基準よりも広くとらざるを得ないし、もちろんそうなれば経費もよけいとらざるを得ないというようにして、かなりよけいとらざるを得ない。現実にはこれが、国が基準を認めなければこれは超過負担という形で地方財政にかかってくる。基準どおりやれば、まあ冬じゅう、長い、もう十一月から場合によれば五月まで雪がありかねない。その中で、外へ出られないから中で運動したい。それができない。いやでもおうでもこういう赤字を覚悟の上でこの超過負担をかぶっているという事実があります。若干、この点については学校等々について改正された、是正されたということは聞いてはおりますが、この実態を見るとまだその道は遠いと思いますが、これについての見解はどうでしょうか。
  80. 近藤隆之

    政府委員(近藤隆之君) 先生御指摘の超過負担の問題は、現在地方財政においては非常に大きな問題でございまして、本年度の予算あるいは補正予算、及び明年度の予算におきましても、関係各省で話のついたところにおいては超過負担の解消措置が講ぜられておるわけでございます。豪雪地帯につきましては、その通常の基準より以上に、まあいろいろかかり増しがあることも事実でございまして、まあ私ども国土庁の豪雪を所管しております立場から申しますと、文部省その他、施設を所管する官庁に対しましては、実態に合うように基準をできるだけ是正していくように常に要請しておるところでございまして、漸次改善されつつあるように存じております。
  81. 辻一彦

    辻一彦君 去年、おととしの段階である程度の前進があったということは承知をいたしております。しかし、いま申し上げたように、雪が一月や二月に降って一カ月や二カ月というのと違って、場合によれば十一月ぐらいから雪が来て、十二月から根雪になって春先まで雪に閉じ込められる、こういう所はもう外へ行って、まあ雪合戦もありますが、普通はなかなか外では運動はできない、どうしても屋内中心になる。そうすると、いやでもおうでもかなり基準よりも大きい物をつくらなくちゃいかぬ。経費がかかる。超過負担は避けたいといいながらどうにもならぬというのが私は実態じゃないかと思います。だから漸次、少しずつ改正されつつあるとはいうものの、この町村の実態を見ると道はかなり遠いし距離があると思いますが、これを具体的に文部省と協議をして、もう少し豪雪地帯に対して具体的な前進ができるように対処していただくお考えありますか。
  82. 近藤隆之

    政府委員(近藤隆之君) 昨日も衆議院の災害委員会におきまして、ただいま先生御指摘ございましたところの特に体育館につきまして、文部省の係官の方が答弁しておったようでございます。国土庁の立場といたしましては、できるだけ実態に合うように文部省の方とも相談してまいりたい、このように考えております。
  83. 辻一彦

    辻一彦君 文部省は見えてませんか。来てますか、いないですね。それじゃ、文部省は呼んでいませんからやむを得ませんが、これは長官ひとつ、屋内のりっぱな体育館というもの、それはそれ以外に方法はないという状況じゃないかと思いますから、現地を見ていただけばなおいいわけでありますが、これはひとつ長官の立場からも国土庁として文部省とぜひ強力に話し合っていただきたい、いかがでしょうか。
  84. 金丸信

    ○国務大臣(金丸信君) 十分文部省と話し合ってみたいと思います。
  85. 宮之原貞光

    宮之原貞光君 関連。  いま体育館の問題が出たんですが、実はこれは文教関係でも大分議論になるんですけれども、いまの体育館の施設基準が児童生徒の数に応じて規模が違うんですよ。したがって、山村僻地のいま問題になっておるところの豪雪地帯あたりは、言うならば体育館というのは単に体育館だけじゃなくて、部落の、その地域の皆さんにとっても非常にいろんな面でも大きな役割りをしなきゃならぬのですけれども、ただ、たとえば七百名以下はどうだと、百名以下はたとえば室内の遊戯ができる程度という基準が非常に小さいものですから、豪雪地帯あたりでは体育館という名の講堂になっているんですよね。したがって、これではいま辻委員から質問があったところの本当に現地の要望に沿ったものができないんです。したがって、余り子供の数とかなんとかに拘泥し過ぎて、体育館の規模の違いを、大きく小さく分けるというようなことでは、私はいまの現地の要望にこたえることにならぬのじゃないだろうかと、こう思いまして、まあ逐年その最低基準が少しずつ上がってきていますけれども、もう少しやっぱり抜本的にこの体育館の持つところの意義というものを、単に学校教育という狭いところだけから見ないで、こういう所あたりのやっぱり特殊の事情ということも考慮していただきまして、私はやはり文部省と、その点を特に所管の国土庁あたりは口添えをしていただいて、りっぱなものをつくるような方向に善処していただきたいと思うんです。いかがなものでしょうか。
  86. 金丸信

    ○国務大臣(金丸信君) 雪の降らない所と豪雪地帯、そういう環境の非常に違っておるということを考えてみれば、一律に学校の生徒数で決めるというようなこと、これ自体も矛盾もあるという私も感じがいたします。この問題につきましては十分ひとつ文部省と折衝をしてみたいと考えております。
  87. 辻一彦

    辻一彦君 次に、これも先ほどもちょっと出ておりましたが、具体的な数字で若干伺いたいと思います。というのは、雪国、深雪、豪雪地帯はごく端的に言えば、雪が二メーターも屋根に積もる。だから非常に重い重さが家屋にかかります。したがって、いいかげんな細い柱や材料ではつぶれてしまうから非常に太い木やがんじょうなものをつくらなくちゃいかない。そうすれば家は非常にりっぱな大きなものになって固定資産の評価が高くなる。それにまたよけい税金がかかる、暖房費は要ると、本当は細い柱で暮らせるなら暮らしたいんだが、つぶれたんじゃどうもならぬというのでやらざるを得ない。こういう中で、いわゆる雪国に伴ういろんな特に税負担等々の軽減について配慮してほしいと、こういう声が非常に強いんですが、豪雪地帯、雪国におけるところの家屋の構造を国土庁は一体具体的にどういうように考えておられるか、理解されておったらお伺いいたしたいと思います。
  88. 近藤隆之

    政府委員(近藤隆之君) 私、専門ではございませんので的確な御返答ができるかどうかわかりませんけれども、雪国の場合におきまして、それ以外の地域に比べまして固定資産の耐用年数等においては若干違いがあるんではなかろうかというように感じます。
  89. 辻一彦

    辻一彦君 大臣もその雪のところを見ていらっしゃらないし、どうも皆さんも余り見ておられぬので聞いてもぴんとしないと思いますね。  これも新潟の県に要求して、私は、家屋、住居の構造と経費についての比較資料というもので、一般のいわゆる地域とどのぐらい、また積雪量においてどのぐらい構造が変わっているかということを少し調べて出していただいた。それを見ますと、まず豪雪地帯では冬になって住居として考えなきゃならぬことは、一つは雪おろしをしなくちゃならない。屋根に何メーターも雪が積もってほうっておけばつぶれてしまうと、これは大変な作業であって、先ほど雪おろしのために、その雪の下になり、一緒に落ちて何人の方が亡くなられたという痛ましい犠牲もありますが、こういう雪おろしの作業ということは、これは雪のないところではちょっと想像のできない作業であると思います。  それから新潟には、私どもの福井も雪がかなりありますが、雪掘りという言葉はやっぱり新潟の方が本場で、雪をかくというんじゃなくして、埋まった家を雪を掘って入り口を探すということで雪掘りという言葉を現地では使っておりますが、屋根に雪が積もる。軒下にも積もる。上の雪を落とせばもう軒下はすっぽりかぶって二階が平面、表道になってしまう。そうしますと下へ通路をつくるためには雪を掘らなくてはならない。いわゆる雪掘りという作業がまたありますですね。  それから窓のガラスやそういうもののために雪囲いという、屋根にかけて軒下に雪を囲わなくちゃ保安ができないという、こういう問題がある。さらに真っ暗になってしまうと、だから冬じゅう全部電気をつけにゃいかないという経費もかかる。最近の家屋の構造は調べてみると、この絵が出ておりますが、片方の軒が短くて、わずかに出ておって、こうこういうようにして傾斜になっている。だから雪がこちらの方へはすぐ落ちやすくなっている。しかしそのかわりに片方の方は日当たりがいいようにしてかなり高い住居をつくっている。そして床下はこれは非常に高くして下を倉庫にしている。こういうように雪国特有の家屋構造が今日あらわれておりますが、私はこれぐらいのことを認識をして国土庁もひとつ雪害の問題、住居の問題を考えてもらわぬといかぬと思うんですが、こういう状況をずっと挙げてみると、どうも平場におけるあるいは太平洋や山陽における家の構造とは大変変わっているし、経費も大変多くかかる。これは一体よほどこれについての配慮が私は必要だと思いますが、表とそして豪雪地帯というものが家屋の構造上数字でどのぐらい違うかということを国土庁わかりますか、わかったらひとつ知らせてください。
  90. 近藤隆之

    政府委員(近藤隆之君) 国土庁としては、申しわけございませんけれども、いままでよく検討しておりません。手元に新潟県からの何かこの程度違うという資料があるようでございますけれども、まだこの点につきましては県当局の説明も聞いておりませんし、私どもの方でこの内容を精査しておりませんので、自信のあるお答えはいたしかねます。
  91. 辻一彦

    辻一彦君 私がいま、新潟県から調べていただいて、積雪加算に関する構造上の資料というので、無雪地域豪雪地域の一覧表が、いろんな面で材料量を引いておりますので、参考に読み上げてみますが、これは駐在所の建物を調べたそうですから、まあ間違いはないと思います、駐在所ですから。コンクリートの量は一平方メートル当たり十・六、それに対して豪雪地帯は二十一・一、それから鉄鋼の量は一平米五十三キロに対して八十三キロ、それから型枠百十平米に対して二百十九・五平米、それから木材の量が構造材で十四・一六立方メーターに対して十九・六六立方メーター、全体で二十一・二四立方メーターに対して二十七・五三立方メーター等々と、こうなっておりますですね。これは新潟県の代表的な例でありましょうから、これをもって全国的に推算するにはいろんなデータが必要であると思います。しかし、村の駐在所を調べて、その構造であれば、かなりこれは具体的な私は数字だと思いますね。こうなると、コンクリートの使い方、鉄筋の使い方、型枠の使い方、木材の使用量等々について、明らかに雪のない地域と雪のある地域はかなり大きな差がある。それが端的に言えば、大きい木材を使うのと細いので済むということに、簡単に言えばなると思います。こういう点を私は考えると、これは固定資産税の面であるとか、あるいはいろんな税制において十分配慮をするべきであると思いますが、この点はひとつ自治省の方から伺いたいと思いますが、いかがですか。
  92. 川俣芳郎

    説明員(川俣芳郎君) 固定資産税におきまして家屋を評価いたします場合は、再建築費評点数をまず出しまして、それからその家屋の経年によります減点補正をいたすということに相なっております。で、積雪寒冷地域に所在をいたします家屋、特に木造家屋の場合でございますが、につきましては、他の地域に所在するものと比較をいたしまして、やはり損耗の度合いがかなり大きいという事情、あるいはお話しのような特殊な構造をとらなければならないといった事情を勘案いたしまして、通常の経年減点の補正率に加えまして、五%ないし二五%の割り落としを積雪寒冷補正としていたしておるわけでございます。  そういうことでございまして、たとえば新築の木造家屋でございますと、実際の評価額、これは取得価額でございませんけれども、固定資産税の評価基準算定をいたしました評価額の初年度から六割の額をもって評価額といたすというようなことに相なっておるわけでございまして、ただいまお話しのございましたような事情等と申しますものは、固定資産税の家屋の評価に当たりましては十分勘案されておるところである、かように私どもは考えておるわけでございます。
  93. 辻一彦

    辻一彦君 豪雪地域では、その補正係数の二五を三〇に上げてほしいという声が非常に強い。これはもう自治省の方にはずいぶん伝えて、耳に入っておると思いますが、その声が非常に強いんですが、雪の量も、これは降ると言っても、ピンからキリまであって、私たちが最後に見に行った只見川の上流の方、新潟県と福島県の県境へ行けば、五十メーター三十とか四十、自動車で行けば、両側は白い断崖になっているような、そういう道をずっと通りましたが、私は、やはりそういう豪雪、本当の意味の雪の深いところ、豪雪地域にはまだ二五をもって十分な配慮とは言いがたいと思うんですが、そういう豪雪地域に対して二五を三〇に上げる可能性についてはどう考えておりますか。
  94. 川俣芳郎

    説明員(川俣芳郎君) ただいま御指摘のような御要望の次第もございまして、実は私どもも一昨年調査をいたしたことがございます。その結果によりますと、大体いろいろ特殊事情もあるかもしれませんが、平均的に申し上げますと、無雪地帯豪雪地帯積雪地帯とを比較いたしますと、二割程度の差があるという結果を私どもは持っておるわけでございます。そういうことから先ほどもいまの補正率でおおむね妥当ではないかと申し上げたわけでございますが、なお今後も引き続きましてそういった点については私どもとしても検討はいたしたい、かように思っておるわけでございます。
  95. 辻一彦

    辻一彦君 自治省で調べられた具体的な資料を提出いただけますか。
  96. 川俣芳郎

    説明員(川俣芳郎君) 後刻提出さしていただきます。
  97. 辻一彦

    辻一彦君 私の方にもいろいろ調べたのが、細かいのもありますからなおひとつ検討してみたいと思いますし、いま検討したいということでありますから、この声はひとつよく聞いてさらに前進するように願いたいと思います。  厚生省の方から見えたということでありますから、先ほど残した問題について伺いたいと思います。新しくお見えになったのでさっきの質問要旨がまた重複するおそれがありますが、ひとつ御理解いただきたいと思います。  午前中にも論議をされておりましたが、災害救助法がいわゆる豪雪に対して適用された例というのは、三八豪雪以外聞いてないんですが、それ以外にあるのかどうか、いかがですか。
  98. 水田努

    説明員(水田努君) まず災害救助法の法の構成と厚生省としての運用の姿勢というものを先に御説明をさしていただきたいと思います。  災害救助法というのは、多数の生命なり身体に危害が生じ、また危害が生ずるおそれがある場合に、人命あるいはその方々の生活を応急的に保護し、社会の秩序の保全を図る、これが法の目的になっているところでございまして、一応家屋の損壊を基準としまして、知事にその発動権限が委任をされているわけでございます。そのほかこの一般基準によらないものとしまして、多数の生命または身体に危害が生じ、または危害が生ずるおそれがある場合には厚生大臣に協議をして知事発動できる、これが法の構成になっているところでございます。私どもといたしましては、地域のそういう急迫した状態における最も的確な判断を下し得るのは知事でございますので、知事の判断を最大限尊重する、こういう姿勢のもとで私ども災害救助法の運用を図ってまいっているところでございます。  雪害に際しましての救助法の発動の実績は、いま先生が御指摘のとおり、三十八年に二カ月近い継続した豪雪がありました結果、十一の県におきまして災害救助法発動された、こういう実績を持っております。それ以降につきましては発動は見ておりません。
  99. 辻一彦

    辻一彦君 法の解釈とその適用基準というのはいま御答弁のとおりであると思います。  そこで一番住民に密着をしている知事が、新潟県が知事の名をもってわれわれのこの調査に対して要請したいわゆる要望書に、またきょうこの場所において新潟の副知事、県会副議長がお見えになってそれぞれ直接口頭で委員会前に陳情になられた、その中身によれば、やはり最も住民状況を知る県知事が、「災害対策関係諸法の適時発動」として「豪雪による被害は深刻であるので事態の変動に応じて災害関係法令を適時に発動できるように対処されたい」、「特に災害救助法適用については、豪雪に対する適用基準積雪量のみによることなく、日降雪量等も勘案するなど、弾力的な運用をはかられたい」と、こう要望しておりますね。そこで先ほども申し上げたんでありますが、三八豪雪のときには二カ月という長い期間にわたって雪が降り積もって非常に大変であったと、これはそのとおりです。ところが今回の雪の型を見ると、これは大寒波がバイカル湖の方から襲来をして、そのために雪が非常に乾いた形で零度以下になって雪がどんどん降った、こういうことで一日の降雪量は三八豪雪をしのぐものがある。さっき私は全部地区における一日の各日ごとの降雪量を読み上げたんですが、それは重複しますからいまは申しません。しかし、一晩に百三十センチからたとえば高田地区では一日の降雪があった。あるいは大和というところでは二十日に百十四センチ、二十一日に百二十三センチ、二十二日に七十九、八十四、八十五、ずっと続いている。こういうように百センチ、九十センチ、九十センチと続く。百センチを超すような雪が数日間降り続いておるわけですね。そうしますと、十八日から二十二日にわたる五日間に降った量は三八豪雪積雪量をしのぐものがある、あるいはその日に降った量としてはこれをしのいでいる。こうなると、実は孤立した部落では毎日一メーター幾らも降るともう機械がなかなか来ない。人が出て県道に至る道を踏んで道をあける。しかしなかなか——全く孤立をして非常な不安に包まれている。そこには病人もいるし、それから寝たきり老人もいるし、あるいは出かせぎに行って若い人がいなくて年配の人がおる、生活扶助の家庭も多い。こういう中で一日に降る量がかなり多くて非常な不安に包まれる場合にはこの法の適用、運用について弾力的に考えてもらえないかというのが私は新潟県の要望の要旨であると思いますが、これについてどうお考えになりますか。
  100. 水田努

    説明員(水田努君) 災害救助法という法律はかなり古い歴史を持っておりますし、非常に簡潔な伝の構成になっております。それは逆に言いますと、法の趣旨に照らして弾力的に運用できるというよさをこの法律は一面において私どもは持っていると考えております。したがいまして、私ども豪雪に際しまして災害救助法発動する場合に積雪量をもって判断をすべきだと、こういう考えは持っておりません。それは施行令の一条の四号で、厚生大臣に協議するという包括的な規定の中では、多数の生命、身体に危害が生じ、また危害が生ずるおそれがあるという事態というのはこれは積雪量だけでははかり得ないものでございまして、それは一つの判断材料にはなっても究極の基準には私どもはなり得ないので、実際にそういう積雪量にかかわりなく、そういう法の四号が想定している事態が発生した場合には災害救助法発動しても適当なものである、このように考えております。
  101. 辻一彦

    辻一彦君 大分むずかしい言い回しで、まあわかるようでもあるし、なかなかわかりにくい点もありますが、なるほど多数の人の身体生命に心配があるというときに発動されるということですが、積雪量とは関係がないと言いますが、雪が降ってどんどん降り積もって、雪かきをしても間に合わない、雪おろしも間に合わないと。そして年寄りがおるようなところでは家が倒壊のおそれもあるというほど雪がだんだん降ってくるということ、私は一定の期間を通じてどれだけの積雪があるかということがそういう危険を生ずる判断の私はもとになると思うのですね。全部家がつぶれちゃってあるいは人が多数死傷を受けた後では間に合わないのであって、やっぱし事前にこれはある意味においては予防的な対処もしなくちゃならぬと思うのですね。そうしますと、二カ月という間にずっと降り積もった雪の場合もあるが、今度のどか雪のようにきわめて短時間に三八豪雪をしのぐような雪が降ったときには、ほぼそれに匹敵するような深刻な不安な状況というものが生じてきている。しかし、前回発動された三十八年の豪雪基準にとれば、この二カ月にわたる積雪量に比べればまだ距離がある、こういうことで私はちゅうちょされたというか、県としてもなかなか踏み切れなかったと、こういう面があるんじゃないかと思うんですが、そういう状況のもとにおいて弾力的運用ができると、こう言っていいんですか。
  102. 水田努

    説明員(水田努君) 大体先生のおっしゃっておられる趣旨と私の気持ちはほぼ同じではないかと思うんです。いわゆる積雪量だけ基準に判断していたのでは、法の運用の適正を欠く場合が起こり得るので、それはあくまでもやはり村が雪によって孤立して、応急に炊き出しその他しないとそこの部落において非常に生活に動揺が生ずると、あるいはなだれが起きそうで緊急にどこかに住民を避難させなきゃならぬというような事態、あるいはそのおそれがある場合には積雪量だけで判断していたのでは、法の運用としては私は適正を欠く、その意味においては先生のおっしゃるとおりだと考えております。
  103. 辻一彦

    辻一彦君 私の話の半分しかあなたはまだとっていないと思いますね。私の申しているのはそういう面もありますが、もう一つは、二カ月間かかってずっと積もり積もって危なくなる状況もあるし、たった五日や六日で、この記録を見れば三八豪雪をしのぐ降雪量がその短い期間に降っている。そうすれば、いわゆる積雪量でずっといく場合もあるけれども、一日に一メーター以上とか、かなりな量が降った場合に、非常に深刻な状況、不安に包まれるようになるが、それに対する適応はどうかと、こう伺っているんです。これはいかがですか。
  104. 水田努

    説明員(水田努君) その急迫の状況の判断というのは、やはり現地における知事が最も的確に判断し得る立場にあると思いますので、知事がそういう先生のお出しになった設例のような急迫した状態があるという判断のもとに、私ども災害救助法発動したいという要請があった場合には、私どもはオーケーを出すつもりでおります。
  105. 辻一彦

    辻一彦君 具体的であるようで抽象化されている感じがしますね。一晩に一メーターも降って視界がきかないほど雪が降る。初めは大型の機械が来ておったけれども、これも国鉄の列車でももう動けなくなるほど雪が降れば、いかに大型機械でももう動かない。あるいはまた道が狭くてそういう大きなのが十分能力が発揮できない。そうなると後は人力に頼る以外にない。しかし、道を踏み固めて通路をあけても一晩に一メーター、一メーター三十という雪が何日か降ればとても間に合わないと、そういうぐらい雪が降ったときに深刻な不安に住民が包まれた場合に、そのときにおける法発動の可能性というものはどうなんですか。その場合には知事も大変だという判断があれば、これは大体災害救助法適用できるんですか。
  106. 水田努

    説明員(水田努君) いま大変お答えが端的でないというおしかりを受けているわけでございますが、施行令の一条の四号の発動というのは、具体的なケースで具体的な状況のもとにおいてこういう状況下において発動したいという御相談を受けるという体制になっているものですから、知事の持ち込まれたケース・バイ・ケースという一つの事象に対しての判断になるものでございますので、ここはまた災害救助法の運用面での実際的な役割りを果たす点だろうと思うんです。ケース・バイ・ケースで臨機応変に対応しようという規定でございますので、一般基準としてどういうふうな基準があるんだと、こう言われますとどうしてもまた法に戻って多数の生命身体に危害が発生するおそれがあるという現地における発動権者である知事の認定、これを前提に——われわれは、厚生省としてはイエス、ノーの判断のしょうがないというのが法の運用とそれを受けてわれわれが対応する行政庁の側のパターンはそういうことになっているものですから、なかなか端的なお答えができないのは大変申しわけないと、このように思っておるわけでございます。
  107. 辻一彦

    辻一彦君 厚生省はあれですか、そういう豪雪地帯のうんとひどいところを具体的に見に行っておられますか。
  108. 水田努

    説明員(水田努君) 私どもまだ就任して半年でございますので、豪雪地帯に直接足を運んだことございませんが、たまたま私北海道の美唄で生まれまして、大体冬は二メーターくらい雪の積もったところで子供の時代を過ごしておりますので、大体豪雪地帯における生活というものは、自分は自分なりに承知しているつもりでございます。
  109. 辻一彦

    辻一彦君 北海道の雪はわりと粉雪でかなり雪の質が違いますね、東北から北陸にかけての雪と。しかし、二メーターあればかなりな雪ですからそれは体験をお持ちでしょう。これは私は一遍厚生省の方も、この豪雪で孤立している部落の実態を調べてもらって、一日に一メーター以上どんどん降るというのはなかなか大変な状況で非常に不安になると思いますから、その事態を一遍調査をして、この法の弾力的運用を求めるというこの声に私はひとつ対処して調査をして検討をしてもらいたいと思いますが、いかがですか。
  110. 水田努

    説明員(水田努君) 私どももできるだけ早い機会に新潟実情等も勉強をさしていただきたいと思いますし、それから私ども災害救助法の運用の適切さの欠くることのない運用という点につきましては今後とも、いままでも意を用いてきたつもりでございますが、今後とも非難を受けることのないように対処してまいりたい、このように考えております。
  111. 辻一彦

    辻一彦君 前進をしてもらわぬと私はいかぬと思うんですね。  そこで長官、ちょっといま中座されましたが、大体の筋は御存じのとおりであろうと思いますが、厚生省の方も現地を一遍見て、そういう一日に降る雪の量によってどういう不安な状況になるか、そういう場合にこういう災害救助法発動の要件というものがどうかということを現地で調べてみようということでありますが、先ほど佐藤委員からの御質問ありまして、長官も前向きにこれらの問題については検討したいと言われましたが、重ねて若干の論議を聞かれて、それを踏まえての御見解を伺いたいと思います。
  112. 金丸信

    ○国務大臣(金丸信君) 豪雪地帯というものは先ほどもお話申し上げましたように、私は実際見ておらないということでまことに申しわけないんですが、できるだけ早い機会にひとつ豪雪地帯の視察をいたしたい。  なお、そういう中で先生方が御視察なさってきょうの御質問になっておられるような点につきまして、十分踏まえながら視察して、なお、豪雪地帯がよりよき地域社会になるような方途について最善の努力を尽くしたい、こう考えております。
  113. 辻一彦

    辻一彦君 あと二十分程度の時間ですから、ちょっと急ぎながら伺いたいと思います。  五つ目に市町村中小企業に対する金融措置がどうなっているか、これについて通産それから中小企業庁から伺いたい。見えておりますね。  すでにさっき調査報告で申し上げましたように、繊維地帯というのが新潟にもかなり大きな地帯があって、さっきの繊維を中心とする市では年産二百五十億からの生産がある、かなり大きなところであると思います。そこで雪に閉ざされて糸の原料が入ってこない、それから織った織物は出荷することができない、それから従業員の人は雪おろしや自分のことに追われてもう工場へ来てくれない、こういうことが重なって、前のドルショックからオイルショックで繊維は非常に深刻な不況にありますが、それに加えて豪雪の中で大変な打撃を受けた。さっきの一つの市でも四億五千万程度の損失になるというのでありますが、こういうところでいま政府三公庫によるところの特別枠の融資を求める声が非常に強いんですが、しかるべき手は打たれておるとは思いますが、どの程度対処されておるか、お伺いしたいと思います。
  114. 安田佳三

    説明員(安田佳三君) 今回の豪雪によりまして、新潟県におきましては相当被害が出ましたが、その被害の内容を見ますと、除雪費——家屋の損失もしくは設備の損失とかいうものはほとんどありませんで、主たる被害除雪費関係被害でありました。このほか、ただいま先生御指摘になりましたような、たとえば従業員が出勤できないとか、原材料の手当てがつかない、あるいは商談がストップした等々によります、いわば得べかりし利益がなかったということによる困惑も相当あったというふうに聞いております。私ども関係機関等を通じまして調べました結果によりますと、あるいは新潟県の調べによりますと、そういう得べかりし利益は二百億円程度あるというふうに伺っております。また関係機関を通じましてそれらに対する手当て、資金面の手当てをどの程度要望しているかということを聞きますと、政府関係中小企業金融機関に対する融資希望といたしましては、新潟県調べでは十四億円ほどございますが、それらの機関からの直接の見込みによりますと、現在の状況から見る限りは、まだそこまではいってないような状況でございます。申し込み状況等から見ますと、現在の時点におきましては、それらの要望がどの程度出てくるかをもう少し見なければ何とも言えないという状況でございまして、私どもといたしましては、それらの機関の窓口の申し込み状況につきまして十分注意してまいりまして、必要に応じまして適切な手段を講じてまいりたいというふうに考えております。
  115. 辻一彦

    辻一彦君 時間が限られておりますから、あんまり細かいとこはもうやめますが、この資料をずっと新潟から取り寄せて、各被害市町村ごとの融資を要請する額をずっと見ると、そちらにもいっていると思いますが、二十三億五千六百万円の緊急融資に対して三公庫に十四億五千三百万円という期待額が上げてありますが、この程度は手当てできるんですか。
  116. 安田佳三

    説明員(安田佳三君) 十四億円ということになりますと、新ただ枠の配分等は必要になってくるかもわかりません。ただ現在、ただいまの時点におきます窓口における申し込み状況等から見ますと、現在の枠で対処できるというふうに考えております。しかしながら、そういう間接的な売上減等による影響は時間がたって出てくることも考えられますので、今後の動きにつきましては十分注目してまいりたいというふうに考えております。
  117. 辻一彦

    辻一彦君 これは中小企業庁の方ならもう御承知のことですが、まあ現地の繊維関係というのはどこでも同じですが、かなりみんなお金を借りておりますね。もうドルショック、オイルショック等々のずっといろんな時代を通して政府関係、民間からかなりな融資を受けている。一つは金も借りたいが、返さなくちゃならないのを一体どうしたらいいかという返済猶予の問題もあろうし、さらに借りるにも大体担保にもう入れてしまって、第一、第二、第三担保と置いて、なかなか借りることもできない。だから仮に枠があっても借り切れない、借りられないという実態も私はかなり繊維産業、こういう地域中小企業に多いと思うんですがね。だから枠があるので、申し込みが枠以内だから余り心配がないというのは、ちょっと即断であって、実態は担保能力なくして借り切れないという実態もあります。それらに対して、かなり私はきめ細かい手を金融の点においても打つべきだと思いますが、そこらは現地を把握してどうですか。
  118. 安田佳三

    説明員(安田佳三君) 新規の貸し出しのほかに、すでに借り入れを行っておりますものの返済を持ってほしいという要望も相当強いのではないかという点は御指摘のとおりだと思います。この返済の猶予と申しますか、条件変更につきましては、この雪害のほかに不況の影響もございまして、多くの中小企業者の方々から要望がございます。そこで政府といたしましては、政府関係中小企業金融機関に対しまして、各業種の実態を十分に考慮いたしまして、経営基盤の弱い中小企業等に対しては、その返済猶予等に十分配慮するよう通達等により指導を行っております。その指導の結果、返済猶予の実績とすれば、四十九年度におきましては千六百四十億円ほどの返済猶予をいたしたところでありますが、五十年度の四月から十二月までの九カ月間に、すでに昨年を上回る二千億円近くの返済猶予を実施いたしておるところであります。今後もそういう要望はなお強いと思いますので、そういう中小企業者の方々に対しましては、個別企業の経営状況に即しまして、できるだけきめ細かく対処するよう引き続き指導してまいりたいというふうに存じております。  また新規の貸し出しを受けるに当たりまして、担保等が不足しておる面は最近特に顕著に出てきているところでございまして、この担保につきましては、私どもといたしましては、一つには信用保証協会の保証を通ずる信用補完を強化いたしますとともに、さらに個別企業の借り入れに当たっての金融機関の担保の徴求につきましては、たとえば政府中小企業金融機関の態度といたしまして、原則として貸し出しを行うたびごとに担保評価の見直しを行うとか、あるいは担保物件の評価に当たりましては一段ときめ細かい配慮をすることとか、あるいは担保物件の対象範囲をできるだけ弾力的に考慮すること等につきまして、すでに政府系の三中小企業金融機関指導いたしておるところでございますが、特に今回豪雪でそういう苦しい事情にあります中小企業者に対しましては、そういう趣旨を一層徹底するよう指導してまいりたいというように考えております。
  119. 辻一彦

    辻一彦君 それは昨年の臨時国会で、予算委員会で、通産大臣や中小企業庁長官がすでに答弁をして、通達をそれぞれして、国会に適当な時期を見て何段階かに分けて報告をするという、こういう約束になっておりますから、これは調べて報告をしてもらわなければならぬと思います。しかし一般的に、私はその努力はそれで結構ですが、新潟の現地の要望は、商工関係の人も、ずいぶん町村で何人かとお会いして、具体的に伺っております。時間の点からあまり紹介はいたしませんが、この声に対して一応の手配はされておるということでありますが、さらに指導を強化をして、政府系三機関を通して十分な手当てがなされるように、もう一度努力を願いたいと思いますが、いかがですか。
  120. 安田佳三

    説明員(安田佳三君) 新潟中小企業者の方々が非常な困難の中にあることは十分私どもも承知いたしておりますので、いままでも指導をしている点につきましては、特に慎重な配慮を払うよう三機関に対して指導してまいりたいというように考えます。
  121. 辻一彦

    辻一彦君 問題を変えて、これは建設省に伺いたいのですが、新潟豪雪地帯で、村部の方で、県道やそういう大きな道に出るのに村の町村道、これを除雪するのに、いま小型のハンドトラクターといいますか、耕運機の前に除雪機がついたような、うしろから人間がついていくという、これが非常に小規模で有効なので、これらをひとつ備えていろいろ対処をしたいと、これに対して国の助成の道を開いてほしいという声がずいぶん強くありましたが、現地ではせっかく調査団が来たんだから、ひとつ具体的に何か——来たのでこういう効果があったということが出ないかということで、一つに、せめてこういうものに対する手当てを具体的にできないかという声が非常に強かったんですが、これは私は余り細かくどうなっているかはわかりませんが、すでに手当てがされているのか、あるいはそうでなければ、する用意があるのか、いかがですか。
  122. 桑垣悦夫

    説明員桑垣悦夫君) いまの小型の耕運機等というお話でございますが……
  123. 辻一彦

    辻一彦君 いや、耕運機じゃないんだ。耕運機の先についたようなものというんだから、正式の名前は何かあったはずだけれども
  124. 桑垣悦夫

    説明員桑垣悦夫君) 現在市町村除雪機械補助をいたしておりますが、大体除雪機械補助と申しますのは、金額が非常に高いものですから、いま数年、五年から十年ぐらいの寿命がございますので、主として大きな機械が多いんですけれども、いま御指摘のような機械があることは承知しておりますが、現在のところ、耕運機といったらハンドガイドといいますか、手で押していくやつ、人が上に乗っかって、いわゆるロータリー車で吹き飛ばすとか、ブルドーザーのようなかっこうのやつで押すとか、そういう大型の機械が高価なものですから、補助の方はそういうのを中心にやっておりますが、いま御指摘のあったようなのがどの程度かは——いろんな豪雪の場合には小さな機械で果たして十分動くものかどうか、問題もあるのじゃないかと思いますが、いま御指摘の現場がどういうところかよく承知しておりませんので、調べさしていただきまして、補助対象になるかどうかも——余り小さなものですと、ちょっと補助対象としてわれわれの方で考えておるのには適合しないのじゃないかと思うんですが、検討さしていただけたらと思います。
  125. 辻一彦

    辻一彦君 価格は百万程度と言っていましたですね。道が狭くて大きいのが動かせない里道というか、村道だって結構あるわけですね。そういうときに生活道路を開くということが当面どうしても大事なんだから、そのためにハンド何とかと言いましたけれども、そういう小型の除雪機をぜひ町村で数台必要なところに持っておりたい、それに国の助成の道を開いてほしい、こういうことですから、これは建設省ひとつ、村の段階における非常に強い声だったと思いますから、検討いただきたいと思いますが、いかがですか。
  126. 桑垣悦夫

    説明員桑垣悦夫君) いま申し上げましたとおり、現在補助対象としてはもうちょっと大きな機械になっていまして、そういう市町村の今度の新潟の状態もいろいろお聞きしたんですが、まず国の道路をあけないといけない、その次に県だ、それから市町村というステージになりますので、その辺の緊急の度合い等もありますし、われわれの方の補助対象ももともと三八以前から非常に道路がとまって困ったということから除雪機械というものを開発してまいりましたので、現在のところそこまでやっておりませんが、内容によりまして十分検討さしていただいて、おっしゃるように、手で押すような簡単なもので非常に高性能のものがあるのならこれはむしろそれの方がよろしいのじゃないかと思いますが、ちょっと非常に機械としてはむずかしい点が考えられますので、検討さしていただきたいと思います。
  127. 辻一彦

    辻一彦君 高性能のはずはないんだ、そんな百万の価の機械で。しかし、それじゃないと、大きい機械は入って部落でもう回転がきかない。来たままもう帰れないから来ない。初めはちょっと来ても、もう後は来てくれないと、やはりそういう中で動ける機械で生活の道路を開きたいという、そういう声なんですから、高性能で大型にまさるという、そういうことではないんです。それは山の中というか、雪の中をごらんになると、こういうところにはそういう機械も必要だということも私わかると思いますから、よく見ていまのように御検討いただきたいと思います。  そこで時間の点もありますから、農林省に二、三点お伺いします。一つは、積雪地、豪雪地は特にそうですが、雪が早く来て、場合によれば十一月、十二月に根雪になって、春先まで雪が解けない。そうしますと、かなり長い間雪の期間があります。土地改良や圃場基盤整備等々の予算が決まっても、なかなか短かい期間では十分な成果を上げがたい。その点から、一つは豪雪地帯等に予算が決定をすれば優先的に先に予算執行ができるような道を開いてほしい。これは法の問題じゃなくして運用の問題であろうと思います。  第二は、もう一つは夏場の期間が大変短いので、通年施行の制度はいろいろ論議にもなり、昨年は大蔵原案によって復活をしましたが、なかなかこれからも大変であると思いますが、この地域では夏場の期間が短いので、ぜひ通年施行の制度を残して、夏の日の長い間にぜひじっくりと土地改良をやってしまいたい。もう雪に覆われれば工事がやはり粗末になるし、どうしても無理がいっていく、こういう雪国の事情を十分考えて通年施行をぜひ継続をされたいという声が非常に強いんですが、この点について農林省見解いかがでしょうか。
  128. 岡部三郎

    説明員(岡部三郎君) 豪雪地帯土地改良事業実施についての御質問でございますが、第一点の早期発注の問題でございますが、これは私どもとしては、予算が決まりましたらできるだけ早く発注をするということを極力指導をいたしておるわけでございまして、特に御指摘のように豪雪地帯あるいは積雪寒冷地帯等におきましては、なかなか冬場になりますともう工事ができないわけでございますから、積雪前に工事が完了する、そのためにはどうしても早く発注しなきゃならぬということで、極力そういう指導をしておるわけでございます。特に五十一年度予算におきましては、景気浮揚という面からも早期発注を一段と推進をいたしたいというふうに考えております。  二番目の通年施行についてでございますが、これも豪雪地帯等を中心にしまして非常に強い御要望があるわけでございます。圃場整備等の面的な事業につきましては、一方で汎用耕地をつくりまして、いわゆる米から他作物への転作を推進するというためにも非常に圃場整備は効果があるというふうなことが言われておりますので、五十年度までいわゆる稲作転換対策の一環といたしましてこの通年施行が実施されてきたわけでございますが、五十一年度以降は、五十一年度から三カ年間実施することになっております水田総合利用対策の一環といたしましてとれまた通年施行を引き続き助成をいたしていくことにいたしております。
  129. 辻一彦

    辻一彦君 施設園芸でハウスがずいぶん被害を受けたりあるいはなかなか雪が深くて、とてもこれ春先からなかなかやれないということで、せっかく施設園芸に力を入れながら困っているという状況がありますが、施設園芸にも共済制度の道を開いてくれという声もありますが、これらについてこれから先の見通しをどう考えておられるかということと、それから午前中にも御答弁がありましたが、雪が降って、特に北陸、東北等の雪は、重たい雪が降りますと、解ける時期等々あって、木が非常に倒れて、造林保育の場合に非常に大きな作業になる。大体私もきのう福井の方の豪雪地帯を歩いてみましたが、下刈りをする経費といいますか、作業と、そして雪で倒れた木を起こす作業がほぼ見合うぐらいに非常に大きな負担がかかる。こういう点で、雪国の特色であるこういう木の保育について、雪起こしについても特段の配慮をしてもらいたいというのがすべての雪の地帯豪雪地帯の要望であると思いますが、この二点、簡単で結構ですから、ちょっとお伺いしたいと思います。
  130. 杉山克己

    政府委員(杉山克己君) ビニールハウス等園芸施設につきましては、まだ全面的に共済事業の対象ということにはなっておりません。しかし、一般的に共済事業の対象にするという方向で、目下一部の農業者の加入を得て試験的に実施をいたしておるわけでございます。四十九年から始めておりますが、できるだけ早期にデータを整理いたしまして、早い機会に本格実施に移したいと考えております。今回、雪の被害を受けました新潟とか石川、福井、そういった地域におきましても、一部積極的な御意見をお持ちの農業者はみずからそういう試験実施に加入しておられます。そういう方たちは、試験実施の段階で今回の災害に見合っての共済事業の対象になるということになっております。いずれにいたしましても、全面的にはまだ採用になっておらない。できるだけ早い機会に今回の結果等も踏まえまして、設計を立てて全面的な実施対象にいたしたいというふうに考えております。  それから二番目の雪起こしといいますか、造林木に対する国の助成でございますが、森林の造成はいま先生も御指摘のように、単に植えたと、その後ほうりっ放しでいいというものではございません。長い期間にわたって慎重な十分な配慮が必要であるというふうに考えております。したがいまして、従来から特に豪雪地帯におきます雪起こしについては、造林補助事業の対象といたしましてこれを取り上げています。しかも従来は保安林などまあ制限林、いわゆる伐採等について施業が制限されております、そういうものだけを対象にいたしておったのでございますが、五十一年度からは、これはまあ若干の要件を前提といたしますが、新たに普通林、そういう制限林以外のものも助成対象とするように広げてこれを行うということにいたしております。まあ新潟にそういう事態が出てまいりますれば、これはその普通林に対する助成の第一号というようなことも考えられるわけでございます。それからさらに、まあ特に四十八年度以降は、一般的なそういう助成対象補助率を上げるという考え方のもとに、被害が甚大な場合には激甚災害復旧造林地域指定を行う、そしてその対象地域については、実質補助率をかさ上げするということをいたしております。さらにこういった事業につきましては、当然造林の資金が必要でございます。その事業に必要な資金につきましては、農林漁業金融公庫の制度融資におきましても、従来から融資対象としておりますし、今後できるだけそういう対象を拡大するというような方向で努力してまいりたいと思っております。
  131. 辻一彦

    辻一彦君 雪が解け出すと果樹やそれからいま言った木だとか、そういういろんな被害がこれから本当は出てくると思うんですね。そういう意味で農林省の方は現地の状況を把握をしながら十分な対処をそれぞれお願いをしたいと思います。  最後の質問でもう一つお伺いしたいんですが、これは豪雪指定の問題でありますが、豪雪指地域の点で、各地にはぐるりが大体同じ条件で特別豪雪地域指定されているのに、自分のところだけはどうしてならないのかと、こういうことを行ったところでいろいろ聞くんですが、その一つの例として、これは福井県の大野市という、周辺は勝山市が四十八年に指定されております。和泉村がされておりますし、それから向かい側の石川県の周辺の村も全部指定になっておる。それから岐阜県のところも指定になっている。たとえば石川県の石川郡の河内村、吉野谷村、鳥越村、尾口村、白峰村、それから岐阜県の方も徳山村、荘川村、白川村、河合村、宮川村、ぐるっと豪雪地域指定になっておるんです。ところがこの市だけまだその指定から漏れておる。そこで問題は観測地点にいろいろ問題があるようですが、この場合の観測地点が全く平坦地に置かれている。同様の地域の観測地点をずっと周辺図を見てみると、いずれもやはり旧村の役場、いわゆる山間の村が合併しておりますから、そういうところに観測点がある場合は、ほとんどそれに該当していると、こう思われる。そこでこの狭いところだけれども、平坦地に観測点があるとかなり状況が違うんだが、私はこの場合に発電所が幾つかあるわけですね。その発電所が長年にわたってずっと調査をした積雪量、そういうものがかなり克明にここに出されておるんですが、その状況を見れば周辺とほぼ同じ、それ以上の積雪と、こう見られますが、これらの発電所等々の観測を活用して、これに対処をするべきでないかと思いますが、これについての御見解はいかがでしょう。
  132. 近藤隆之

    政府委員(近藤隆之君) 特別豪雪地帯地域指定につきましては、法律の定めるところによりますと、「積雪の度が特に高く、かつ積雪により長期間自動車の交通が途絶する等により住民の生活に著しい支障を生ずる地域について、豪雪地帯対策審議会の議決を経て内閣総理大臣が定める基準に従って、豪雪地帯として指定された道府県の区域の一部を特別豪雪地帯として指定する。」ということで、審議会の議を経まして現在一定の豪雪度及び交通途絶の状況についての基準がございまして、それに当てはまったところを機会的に選定しておるというのが実情でございまして、線を引きますと、どっかでその線を外れるところが出るのは当然でございまして、現在特豪地域指定の申請が幾つかの町村から出てきております。中にはその基準そのものを緩めろという陳情もございますけれども、現在の審議会の空気といたしましては、基準そのものは——現在もうすでに二百町村近くの特豪地域指定がございますので——緩めるべきでないという空気が圧倒的のようでございます。ただ、ただいま申しましたように、この指定基準につきましては若干流動的な要素もございます。そして、最近特にぜひ追加指定してほしいという要望のある市町村の実態を見てみますと、いま先生が例として挙げられました大野市もそうでございますけれども、周りの町村が指定になっていて、うちも同じように雪が降っているのになぜ指定にならないんだというようなところに申請のめどがあるようでございまして、そういった点につきましては、私どもの方で、何分にも過去二十年ないし三十年の気象庁の公認した記録によっておるわけでございますので、その分野につきましてはなかなか動かしがたい要素もございますけれども、新しいメッシュマップ等を利用するとかあるいはまた交通途絶の状況等も、先に指定しました時期よりも二、三年もたっておりまして若干情勢が変わった点もあるようでございますので、現在、基準は変えないけれども、いまの基準で落ちこぼれがあるのかどうかという点につきまして、ボーダーラインにある市町村について慎重に検討しておるところでございます。
  133. 辻一彦

    辻一彦君 時間の点もあって余り詳しくは申し上げませんが、ここの大野市の海抜四百四十メーター以上の面積は全面積の七六・四五%、これは指定の要件を満たすということ、それから通行不能の日数が三十日以上の集落数が一五・九%で指定要素を満たしておる。それから交通不能が三十日以上となる地区は冬期間ほとんど正常な郵便物の集配がなされていない——これも該当する。それから人口の割合等々、大体数え上げてみると、ほぼ該当する要件にかかる点がかなり私はあると思うんですね。そういう点で、これらの要件とそれから周辺地におけるそういう点を考慮すれば、十分これは私は検討していただかなくてはならないと思います。で、気象庁の公認の数字ですが、これは観測点をふやすことが可能であれば、私はいろんなデータが出ると思うんですよ。やっぱり盆地のような市は、市といっても真ん中はなるほど平坦地ではあるけれども、ぐるりは合併村がずっと山の方にあって、周辺がみんな高い山の中腹にあると、そこらに観測点を持っていけば一遍に該当するんだから、一番お盆の底に置かれているものだから、そこで私は隣の町がそうなっていながらちょっとかからないんじゃないかと思うんです。この点は一遍十分これらの諸条件を検討してお願いしたいんですが、もう一度いかがでしょうか。
  134. 近藤隆之

    政府委員(近藤隆之君) 御指摘の点は一々ごもっともな点もあるわけでございますので、市が申しておりますそれらの事柄も十分勘案の上、現在検討しておる最中でございます。
  135. 辻一彦

    辻一彦君 これで終わりますが、大蔵の主計官にも出席を願っておるんですが、主計官に個々の予算を聞くよりも、豪雪地域における問題は、私、午前中にずっとありましたので、なかなか大変な問題があるということを理解をしてもらって、これは大蔵の立場からすればなるべく経費は節約しなければならぬということであると思いますが、しかし、あの雪深いところに住む地域の人たちの気持ちと生活の実態を十分くんで、きょうのいろいろな論議を予算の面に、これが具体化するときには十分きょうの午前午後の論議をひとつ活用して配慮をいただきたいと思いますが、いかがですか。それだけです。
  136. 佐藤徳太郎

    説明員佐藤徳太郎君) われわれといたしましては、豪雪地帯におきまして、住民の皆さんが、豪雪というようなことで産業の発展でありますとか、生活向上の面で大変いろいろ阻害を受けておりますというような面もございましょうし、また生活態様の違い、変化等によりまして、やっぱり豪雪問題もだんだんむずかしくなってくるというような点は、もちろんこれはございますので、そういう点を踏まえまして、政府としては従来から各省庁と連絡をとりながら対策を講じてきておるわけでございまして、本日の御審議の結果等も十分われわれとしては参考にさせていただいて、今後とも努力してまいりたいと、かように考えております。
  137. 塚田大願

    塚田大願君 私も毎年この豪雪の問題につきましては当委員会で質問をしてまいりました。政府の施策等の面を見れば、確かに一歩ずつ——いや、半歩ぐらいかな、まあ、とにかく前進しているということもそれは確かだろうと思うんです。しかし、やはり考えてみましたときに、いまの社会情勢あるいは経済、こういうものの、つまり時代の変化ということを勘案いたしますと、やはり前進したというふうな評価を私はちょっとしかねるという感じがするんですね。もちろん、担当省庁や担当官、努力されていることは知っています、私もしょっちゅううるさく言っておりますから。だけれども、やはり全体としてみれば、いま申し上げたように、時代の流れというものを考えましたときには、一歩前進、しかし二歩後退という感じを否めないんですね。特に、きょうも、まあ、金丸大臣も積極的な姿勢を示されておりますが、こうやって私がこの災害委員会で質問するたびに大臣が違う——違うんじゃない、かわっておる。担当官もかわっておる。同じことを実は繰り返しているような感じがしてしょうがないんですよ。だからそういう意味では、もちろんかわられたから政府の姿勢がけしからぬとは言えない。問題はやはり、政府のその取り組みの姿勢が一貫して本当に前向きで積極的であるかどうかということが問題だと私は考えるわけです。そういう意味で、やはりこの豪雪雪害の問題につきましては、政府は今後積極的にひとつ取り組んでいただくことをまず冒頭にお願いしておきたいと思うんです。  ことしの豪雪は、先ほどからお話がございましたように、三八豪雪以上あるいは四八豪雪以上ということでありまして、私もこの間視察にも行ってまいりました。私はその雪の中で生まれて育った人間でありますから、別にそんなに雪について驚くということはございませんけれども、やはり政治の手がこういう地域にどれだけ届いているかどうかという点でやはり一番関心を持つわけであります。特に、こういう豪雪になりまして私が繰り返し毎年感ずる、一番胸を痛めることは、やはり人命が被害を受けるということです。家屋がある程度傷んだり、いろいろ除雪費がかかる。これは金の面で何とかなるわけですけれども、人間の命というのはこれは金でかえられないんですね。ところが、毎年毎年繰り返して人命が被害を受ける。ことしも御承知のとおり、十日町や柏崎で屋根から落ちます雪のために母親と子供が生き埋めになったというケースがございます。十日町の場合には子供だけが二十何時間たってとにかく助けられた。ところが柏崎の方は、逆に母親の方が助かったけれども子供はだめだった。こういう場合にですね、いわば雪国の宿命といいますか、そういう悲話とでも申しましょうか、大変悲しいことがあるわけでありますが、これが何百年と続いたと言えばそれはそうでしょう。  たとえば私、毎年この委員会では鈴木牧之の「北越雪譜」という本を引き合いに出すわけです。これは天保年間に出た本で、私が持っているのは岩波文庫でありますけれども、百六、七十年前の出版であります。この中にも、そういう親子が雪のために被害を受けたというふうな話もちゃんと載っておる。非常によく似た話なんですね。子供だけが助かった。一晩雪の中に埋まっていたけれども、母親の体温で命だけは助かったというふうな話がこの本にも載っておるのであります。あの先般起きました記事を見ましたときに本当に胸につまされるような思いであります。  そういうことで、長いことこの雪の問題というのは地域の方々が本当に苦しんできたことでありまして、そういう意味では、この本にもありますけれども、「雪國の難義暖地の人おもひはかるべし。」ということをこの著者は言っておりますが、やっぱりこの地域に住んでみませんと、なかなかこの苦労というものはわからない。  そこで、私はまず最初に政府お願いしたいのは、この雪害というものに対する認識、これをやっぱりしっかり持っていただきたい。さっき大臣も、ひとつおれも今度雪の中へ入ってみるとおっしゃいましたが、これはぜひひとつ実現していただきたいと思うのですね。やはりあそこに入ってみませんと、なかなか実態というものはつかみにくい。数字やなんかいろいろ出てきますけれども、実態というものは本当に自分のはだ身で感じなければ、災害、特に雪の害というものはわかりません。風水害の場合でしたら、これはどこにもありますから、災害がこんなものかということはわかりますけれども、雪の場合にはこれは本当に限られた地域でありますから、そういう意味ではぜひひとつ大臣行っていただいてつぶさに実情調査していただきたい、こう思っておるわけであります。  まず大臣にそのことをお願いいたしまして質問に入りますが、第一の質問は、やはり先ほどからもいろいろ論議になりましたけれども、この雪害に関する法体系というものを見直すということは私はどうしても必要ではないか。先ほどるる災害救助法の話も出ました。あるいは公共施設除雪事業の問題も出ましたが、私は全体としてこの法体系がまだ非常に不備であるという感じがするわけであります。たとえば先ほど出ました災害救助法の問題でありますけれども、担当官の方では、運用を弾力的にやればいいんだ、できるのだ、こうおっしゃるけれども、三八豪雪以来これが発動されておらない。四八豪雪のときに私はずいぶんやりました。現地の陳情も受けました。この災害対策委員会でもなぜやらないのだということを質問いたしました。やはりこの基準がどうだ、何がどうだ、その適用をしにくいのだということで四八豪雪のときには適用されなかった。私はそのとき大変不満に思いました。現地でも大変不満を持っておりまして、なぜその適用をされないのか、何のために法律はあるのか、われわれ視察に行きましてつるし上げられました、新潟県で。そういうことから考えまして、弾力的運用ができるのだとおっしゃるのだけれども、実際問題としてはいろいろその基準とかいう問題がある。それから救助の内容にいたしましても、炊き出しだ、毛布だ、あるいは仮設住宅——豪雪地帯ではこんな形ではどうにもならないわけですね。問題は除雪がまず一番の問題なんです。あるいは屋根の雪おろし、道路除雪。ですからそういう意味では、今度新潟県が災害救助条例というものを県で持っておりましたが、実際はこれも空文のようになっておった。これが去年の一月ですか、運用基準というのが決まりまして、初めてことしこの条例が発動された。ひどいところには除雪をする。ただし、これは県の財政も非常に少ないですから、結局、新井市と津南市だけにしか適用されない。あの広い地域の中でたった二市です。二つの市にしか適用されない、こういう状態だと。せっかくしかし県がそこまで努力されておることは私は評価していいと思うんですが、県がそれだけ努力している以上、国としてももっと私はこの災害救助法適用を本当に文字どおり弾力的におやりになる必要があるんじゃないかと思うんです。これが一つ。  それからもう一つ、御承知のように、豪雪地帯対策特別措置法というのがあります。これは確かに災害対策の基本法なんですね。基本法としてこの特別措置法があるわけです、一面豪雪法と言われているわけでありますけれども。ところが、これもいわば財源措置が非常に少ないんです。裏づけが非常にないんです。たとえばこの法律の十一条では、国の財政の許す範囲内において財政措置をすると、こういうただし書き、制限がされておるわけですね。こんなよけいな文句をつける必要はないわけだけれども、こういう言葉がついている。ですから地元へ行きますとやっぱりこの不満が非常に大きいです。財政措置のない法律なんて幾らつくってもらっても役に立たない、何とかしてくれ、改正をしてくれ、こういう要望がございます。私は当然だろうと思うんですね。そのほかに、たとえば先ほど出ました公共施設除雪事業補助法、あるいは雪寒地域道路交通確保措置法、あるいは過疎地域対策緊急措置法、いろいろあります。法律はいっぱいあるんです。そのほかに災害関係の法律を入れればかなりの数でありますけれども、これがみんなばらばらで、本当に、しかも財政的な裏打ちがないと、こういうことでありますから、せっかくの法律がたくさんできて、つくるときにはみんな苦労してつくっていながら、本当にこういう豪雪で緊急な場合にこれが適用されていかないと、これでは何のために法律があるんだかわからない。したがって、私はこの災害関係の法律、あるいはこの豪雪雪害関係法体系、これはこの際、せっかく国土庁ができて金丸さんが就任されておるんだから、私は思い切ってこの際この法体系全体を見直してやっていく。先ほど災害救助法とか公共施設除雪法なんかは積極的に見直しますと、こういうふうに、検討しますというお話でございましたが、そういう個々の法律の手直しでなく、法体系全体をやはり災害あるいは豪雪雪害これに対応するような形で私は見直し、改正していただく必要があると思うんですが、少し長くなりましたけれども、ひとつ大臣の御所見を伺いたいと思います。
  138. 金丸信

    ○国務大臣(金丸信君) 五十年前ときょうの時点で考えてみますと、情報網等も発達しておりますし、豪雪地帯の人たちが暖地の状況をテレビや新聞等で見ますと、どうしてわれわれはこんなに違うんだろうというような考え方を持ってしかるべきだと私は思います。そういう点から考えてみまして、いま災害関係の法案を見直したらどうだ、非常に事務当局は弾力的にこれを運用すればというお話もあります。なかなか、弾力的に運用すればという問題が、弾力的に運用しない面もあるからこういう御質問も出るだろうと私は思うわけでありまして、そういう意味で、私も実際地元の豪雪地帯を見たことがないのですから、十分ひとつ見せてもらって、見直すべきであるか見直すべきでないか、私は政治家として判断してみたいと思います。しばらく時間をおかし願いたいと思います。
  139. 塚田大願

    塚田大願君 確かに大臣おっしゃるように、政治家として検討をするその時間を与えていただきたい——もっともなことだと思うんです。が、もうこれは、専門家の中では私はこの災害法案の不備というものは大体今日定説になっておると思うんですよ。みんな後追いですからね。何か風水害が起きた、さあそれを何とかしよう、河川を何とかしよう、まあこういうことでいつもうろうろうろうろしておるのが災害対策ですよ。雪害の場合でも同じことなんです。ですから、そういう意味では今日もう専門家の中での一つの定説とも言うべき問題でありますから、ひとつ大臣のいまのその積極的な答弁の積極的な面を私は期待をしたいと思っております。ぜひひとつやっていただきたいと思います。  次にお伺いしたいのは、先ほどから出ました冬期保安要員制度の問題であります。これは大変具体的な問題であります。実は私、昨年のこの災害対策委員会は五月に開かれました。このときに私新潟の地元から陳情書をこんなにいただきまして、その陳情書に基づきましてこの保安要員制度の創設についていろいろ質問をいたしました。あるいは昨年の十一月でありましたか、七十六国会の本会議でも私はこの問題を質問いたしましたが、このときは大臣の数の関係で農林大臣が答弁してくれましたが、私はこの問題を、やはり具体的な姿勢を示す一つのあかしとしてこの制度をまず手がけていくということがどうしても必要だろうと思うんです。ところが、私は五月にこの委員会で質問いたしましたときに国土庁の担当官は、この制度はいまの補助制度から見てなじまないんだということを繰り返し繰り返し答弁いたしましてね。私大変不満に思いまして、じゃ、この質問は私は今度は保留すると言ってそのときは保留しておきました。したがって、きょう一年目で再びこの問題について質問申し上げるわけでありますが、しかし、この間で新潟県ではこの冬からすでに制度として実施をいたしました。二十四市町村、二百十九人の要員を置きましてこの制度を発足させました。私ども視察に行きましたところが、大変やっぱり実施しているところではもう感謝感激と言いますか、もう大変に喜ばれているということがよくわかりました。私は県の積極的な姿勢を高く評価するわけでありますけれども、やはりこういうことによって私は政治に対する信頼というものが回復されるんだと思うんですよ。あの一番へんぴな山村で、豪雪地帯に生きていて、政治なんというものはおれたちとは無関係だと思っていた連中が、人たちがやはりこういう制度——非常にまだ不十分でありますよ。一つの村に二人ぐらい要員がいたからといって何ができますか。しかし、そういうこの姿勢に対して住民は評価をするんですね。そういう意味では大変私はこれはもう政治というものはかくあるべきものだということを確信持ったわけでありますが、しかしそれにしても、せっかく県はおやりになったけれども、予算を聞きますと千七百万円です。非常にわずかですね。しかも、負担が県が三分の一、市町村が三分の二、給与が六万円、身分保障がない、こういうことでまだ足踏みをしている市町村がたくさんあるんです。それじゃとてもやっていけない。六万円くらいでいまどき働いてくれる人はない。しかも、非常に危険な作業、身分保障がないということで、せっかくの県のこの施策もまだ十分徹底しているという状態ではございませんけれども、しかし、これを積極的に受けとめた町村に聞きますと、たとえば東頸城郡の松之山町なんかに行ってみましたら、町がこの六万円にさらに四万円上積みをする。それから、身分保障についても、災害時だけ、被災時だけの身分保障をするということを町自身がいたしまして、そして、これが実際上非常に効果的に運用されて大変喜ばれているという状態でございます。しかし、こういうことをすべて県や市町村にまかしておくという状態では、これは国としてまことに恥ずべきことだと私は思うわけです。これはもういままでもずいぶん論議されましたから繰り返しません。ぜひひとつ国土庁でもこの制度調査、研究していただいて、制度化の方向に向かってひとつ努力していただきたい。それがすぐ制度化というふうなことにならなくとも、財政的な援助は少なくとも何とか方法を考えていただきたい、こう思っておるんですが、その点について、これも大臣にひとつ御答弁願いたいんです。
  140. 金丸信

    ○国務大臣(金丸信君) 先ほど辻先生にも御質問に答えたわけでございますが、豪雪地帯特別豪雪地帯というようなものがあるわけでありますし、その実態というものはきょうの委員会でもいろいろお話を承ったわけでございます。私もまた現地を見せていただいたり、また、新潟知事さんからも強い要請もあります。ただ、国でやるとすれば、新潟だけやるというわけにはいかない。これは全国的なことに考えなくちゃならぬという問題もある。それには財政的な裏づけも当然考えなくちゃならぬということであります。財布を持っている大蔵省とも十分折衝もしなくちゃならない。しかし、国土庁として、この災害の窓口として、考え方としては前向きにそういう姿勢になって考えるべきだと私は考えております。しかし、この問題につきましては、ただいま新潟でちょうど豪雪の中でこの保安要員が活動している状況もあるやに聞いておりますから、それも十分調査し、そしてその上でどうしようという問題について十分各省庁とも連絡をとりながら検討してまいりたい。こう考えております。
  141. 塚田大願

    塚田大願君 ぜひその検討も後ろ向きではなくて前向きにお願いしたいわけです。  予算の話もいま出ましたから、国土庁の予算についてちょっとお伺いするんですが、国土庁の予算を拝見いたしますと、ことし五十一年度の分は豪雪地帯対策予算というのは昨年に比べて一%増、こういうことになっているんですね。四億二千万円ですか、これがことしの予算。昨年が四億一千五百四十万。こんなことで一%増というのは実質的には、これは今日の物価、インフレの状況から計算をいたしますと、私の計算では約九%、九・四%ぐらい減るという私の計算になります。一〇%近い減ということになるわけでありまして、これではいろいろ説明を聞きましたけれども、たとえば防雪生活圏整備モデル事業が減ったから、なくなったから、終わったから、そういうことが影響しているんだという説明もございますけれども、しかしこれでは何とも説明のしようがないんじゃないかと私は考えるんですね。特に昨年私は国土庁からやはりいただいたんですが、各省庁の雪害対策予算を国土庁が整備をされまして全部集計していだたいたんですが、これはことしはまだやっていないと、そんなお話なんですね。まことにどうも私はそういう意味では国土庁の姿勢を疑わざるを得ないと思っているわけです。それはとにかくとして、それは後で答弁していただくとして、とにかくことしの豪雪市町村除雪予算がどんなふうになっているかと思って私はこの間も上越市へ行ってまいりました。直接上越市へ乗り込んで上越市を調べて参りましたけれども上越市の場合には除雪の予算は当初六千万円だった。ところがこの間のあの一週間の豪雪で一億八千万円使った。三倍使ってしまった。これからまた雪が降るかもしれないのにもうすでに予算を使い果たしただけでなくもう三倍も使っているという状態を聞きました。あるいは三条市の場合は当初予算二百五十万円、これは市としてはちょっと少なかったと思うんですね。しかし、実際にどのくらい使ったかというと二千四百万、約十倍使っちゃったという。それはあたりまえですよ、二千四百万やそこら当然使ったろうと思うんです。こういうふうに予算の面で非常に市町村は苦労しておるわけですね。国の場合だってそれは確かに今日財政が非常に苦しいということはこれはもうはっきりいたしておりますけれども、やはり人間の生活防衛、生活を守る、国民の生活を守るという見地から考えたときに、こういうところで予算を私は削るべきではない。   〔委員長退席、理事古賀雷四郎君着席〕 これはもちろん国土庁だけではありませんよ。建設省や何かの予算はまだ見ておりませんからよくわかりませんが、これでは大変少ないと思うんですが、その点国土庁どういうふうにお考えですか。
  142. 近藤隆之

    政府委員(近藤隆之君) 豪雪地帯対策に対する国土庁の役割りの問題に関連してくると思いますけれども国土庁は事業実施官庁という形をとっておりませんで——これまではでございますけれども、防雪につきましてもモデル事業は実施するけれども、それが一般に定着すれば各省において事業化を行っていただく、そのような立場をとっておるわけでございます。  そこで明年度の予算案でございますけれども、防雪関係について申しますと、克雪管理センターにつきましては本年度同様八カ所を予定しております。それから防雪生活圏整備のモデル事業につきましては、大体こういうモデル事業は二年ぐらいやりまして後新しいものに切りかえていくというシステムをとっておりますが、二年続けて   〔理事古賀雷四郎君退席、委員長着席〕 この防雪生活圏整備モデル事業はやりましたので、五十一年度は新しく基礎集落圏防雪体制整備事業というのに切りかえようということで予算要求いたしまして、集落圏につきましてはやはり二カ所新規で認められておりますというような状況でございまして、実質的には私ども予算が前年度より減っておるという感じは持っておらないわけでございます。  それからなお、豪雪地帯に対する公共事業その他の全体の事業量がどうなっておるかという御質問でございますが、現段階におきましては御承知のように、五十一年度予算案が国会で審議中でございまして、個所づけが決まっていない部分が相当ございます。五十一年度は公共事業の早期発注が叫ばれておる折でございますので、予算が成立いたしますれば直ちに各省において個所づけを行っていただきまして、それを私どもの方で集計いたしましてお手元に提出いたしたいと思っております。
  143. 塚田大願

    塚田大願君 どうも余りすっきりした説明ではないですけれども、この問題でこの予算額全体の一般論ではこれはどうにもしようがありませんから、質問を進めていきたいと思うんですが、一つここにあります基礎集落圏防雪体制整備事業、これは新しい事業のようでありますが、この内容を聞いてみますと、私はこれはこれなりにいろいろ積極的な側面がある事業だと思うんで、これはぜひひとつもっともっと大いにやっていただきたいと思うんですが、事業量として二カ所というふうになっております、新潟県、地元へ行きましたら、これはぜひ新潟にも一つ、代表的な豪雪地帯だから一カ所ほしいという要望が非常に強いんで、私もそれは無理もないところだと思うんですが、この二カ所というのは大体計画としてはどういう地域になっておりますか。答えられなければいいんですが、答えられたらひとつ答えてください。
  144. 近藤隆之

    政府委員(近藤隆之君) 現在の段階で、御承知のようにまだ予算も成立いたしておりませんので、私どもでどこということを予定しておりません。ただ、私どもといたしましては、過去二年間、先ほども申しましたように広い範囲の防雪体制をどうするかということを、モデルを指定いたしまして検討したわけでございますけれども、今度は、いまいろいろ問題になっておりますところの生活道路等の問題も含めて、基礎集落圏というところへおろしてモデルを設定して勉強してみたいということでございます。  そこで、この事業は一カ所六千万を予定しておりますけれども、二分の一国庫補助金を出すことにしております。したがって、残り三千万というのは関係の県、市町村負担しなければならないわけでございますので、そういう負担をしてもやりたいというところを、予算が成立いたしましたならば県の方に照会いたしまして、ぜひやりたいというところがあればそこでお願いしたいと、そのように考えております。
  145. 塚田大願

    塚田大願君 じゃ、国土庁ばかり質問しておられませんから、いろいろまだありますけれども建設省に移ります。  建設省にお伺いしたいのは、一つは国道除雪の問題であります。この国道除雪の問題も、私、一昨年にも質問をいたしまして、去年も質問いたしましたが、この中で、建設省としては国道の消雪施設の電気料に対する補助をおやりになっている。私はこれは善政だと思うんです。やはり今度行きましたら地元では大変感謝しておりました。こういうことを一つずつやっていただく必要があると思うんです。ところが、今度行ってみて一つわかりましたことは、これと逆に国道あるいは県道除雪を村に負担をさせておるというケースが一つありました。これはそうどこにもあるというケースではないだろうと思う。もしそれが方々にあったらこれは問題だと思うんですけれども、これは南蒲原郡下田村であります。この村では除雪の予算というのは大体、村予算の一〇%、約二千万円が除雪費でありますけれども、この費用が実際にどういうふうに使われているかというと、大体村道に三分の一、国と県道に三分の二使われておる、こういうことなんですね。ちょっと驚きました。そんなに村が国道県道除雪負担しているのかと行って詳しく聞いてみましたら、なるほど国・県道につきましては、四十六キロあるんだそうでありますが、県からの協力費は二十一・五キロ分は確かにもらっていると。二百十万円でありますか、約半分ですね。事業をしているその半分の分だけは協力費をもらっているけれども、あとは村の負担になっておるということなんですね。それで一体内訳はどうだと聞きましたら、つまり国・県道四十六キロのうち、自分が自主的に負担しているのは二十四・七キロある。その内訳は国道が三・二キロ、県道が二十一・五キロ、こういう数字になる、こういうわけです。なるほど国道についての負担は三キロぐらいでありますからそう大きくありませんけれども、しかし県道も含めますとやはり相当な二十四キロにもなるわけでありまして、これを村が、もう貧乏村が、小さな山村でわずかな予算でこれをやるというのは確かに大変だろうと思いました。が、しかし、実情はとにかく指定路線に入っていないというようなことで県も大変冷淡な態度を示しておる。しかし村は指定路線になっていないからといってほうっておくわけにはいかない、村道をやれば当然国道県道はやらなければいけない、こういうことでやってしまう。しかし協力金や何かは何もない、こういうことなんですが、こういうことは私は、国道の場合はもちろんのことでありますが、県道の場合でもこういうことをやらしてはいかぬのではないか、建設省としてもそういう点ではちゃんと行政指導をする必要があるのではないかと思うんですが、この点はどういうことになっておりますか。
  146. 浅井新一郎

    説明員浅井新一郎君) お答えいたします。  国・県道除雪は、先生おっしゃいますように、もちろん国道指定区間につきましては建設大臣がやりますが、指定区間以外の国道並びに県道につきましては道路管理者としての知事が管理するのがたてまえでございまして、この原則でやっておるわけでございますが、御指摘の市町村が一部いろいろな事情で分担しているようなところも調べてみますとございます。これは国県道、大体、現在全国除雪路線が四万五千キロございます。四万五千キロの国・県道除雪をやっておりますが、そのうち、現在までの調べでは十五路線の約百キロばかりの延長につきまして、一部市町村お願いしているというケースがございますが、この場合、三つばかりのケースがございまして、一つは市町村が府県から除雪の委託を受けてやっている。この場合、有償でやっておるわけでございます。そういう場合と、もう一つは市町村が府県から委託を受けずに独自に無償で除雪している。それから三番目には、府県が通常は除雪しておるわけでございますが、特別な豪雪時に一時的に臨時に市町村が相談して国・県道の一部除排雪に協力というような形で、これも後で清算して有償というケースが大部分でございますが、そういうような形でやっておるケースがごく例外的にございます。これはいろいろな事情にもよるわけでございまして、除雪機械の配置上そういったような形をとった方が便利な場合、相談してやっているようなケースが多いわけでございます。  しかし、原則から言いますと、これはもちろん御指摘のように道路管理者がやるべきでございまして、四万五千キロの除雪計画路線をいま持っておりますが、これも毎年二千キロぐらいのペースで逐次延ばしていっております。その中で、当然管理者として除雪計画路線の中に入れてやるべきものと思いますので、こういう例外的な措置は逐次その中で解消していくように指導してまいりたいというふうに考えております。
  147. 塚田大願

    塚田大願君 とにかく実態はいま申し上げたとおりでございますから、これはとにかくできるだけ早くこういうことは解消していただきたいと思うんです。こういうことがまかり通っているんじゃこれは国の、政府の信頼にもかかわることでありまして、私もこんなことがあるとはちょっと想像していなかったんで、村長が語気鋭く話されましたときはどきっとしましたよ、こんなわずかなことですけれどもね。そこにやっぱり政治の信頼の問題が出てこようかと思いますから、それをぜひやっていただきたい。  それから次にお聞きしたいのは、なだれ対策なんですが、まあこれも時間の関係もございますから、これはもうごく簡単にお聞きいたしますが、とにかくもうなだれが起き始めました。新潟県でも幾つか起きて人命の損傷もございました。なだれというものはやはり非常に恐ろしいのでありまして、これに対する万全の対策をひとつ建設省お願いしたいと思います。  それからもう一つついでに時間の関係で一緒に質問いたしますが、バイパスの問題ですね。私、上越へ行きまして、上越建設省の土木工事事務所にも寄ってまいりましたが、あそこでは上信バイパスの工事が始まっておるわけでありますけれども、そしてこのバイパスは今度のああやって十八号線がとまってしまったというふうな苦い経験から見まして、どうしても何とか早くこれは通すべきだと思って、まあ当事者は大変努力をされておるようでありますが、しかしやはりこの予算を聞いてみますと、このバイパスの予算、まあ全体の計画が二十五キロでありますか、しかし、五十年度では約二億円だと、こういうわけです。全体の予算総額はどのぐらいになるかと言ったら、二百億から二百五十億でしょうと、こういうお話でございましたが、しかし、年に二億円ぐらいではこれは十年も十五年も、あるいはひょっとすれば二十年もかかるかもしれない。こういうことですせっかくのこのバイパス、豪雪バイパスのアイデアというものが生かされないだろうと思うんですね。これはことしのようなああいうことをなくするためにも何とかひとつこの予算措置は積極的にやっていただかなければいけないんじゃないかと思います。そこで私いろいろ聞いてみましたら、なるほどバイパスというのは全国で何百本、何千本でありますか、何か大変大きな計画があるようでありますが、それを平均してその予算づけをしていたんではそれはやっぱりみんな少しずつスズメの涙ほど配分するということになって、結局どれもこれも余り効果がないということになりかねないので、私はこういう地域のバイパスというのはいわば別枠で、豪雪地域のバイパスというのは別枠でひとつ予算を組むぐらいの姿勢がないとこれは片づかないんじゃないかと、毎年雪になるととにかくストップしてしまう、幹線がストップするということではどうにもしようがないんで、そういう面で何か知恵を出す必要があるんじゃないかと思っておりますが、その点はどうでしょうか、二点です。
  148. 浅井新一郎

    説明員浅井新一郎君) まず第一点のなだれの問題でございますが、なだれにつきましてはこういった積雪地域道路交通にとって人命にかかわる非常に重大な障害でございまして、われわれも雪国の道路づくり、それからでき上がった道路の管理の面で最重点を置いているわけでございます。まあ対策としましては、まずその危険個所の交通規制によりまして事故を未然に防ぐということがぜひ必要でございまして、まあこれは雪国の除雪路線が拡大すればするほどこのなだれの危険個所がふえてまいるわけでございまして、これに効果的に対応するためにはまず構造的に追いつかない面を、こういった危険個所の交通規則を敏速にやるということで対応していかなきゃならないということがまず第一だと思います。  まあそのほかのなだれの起きそうなところに人工なだれを起こして危険個所を解消するという措置も最近はかなりやっております。  それからまた雪寒事業によりまして、防雪工の中でスノーシェッドあるいはなだれ防止さくの設置といったようなものをなだれ常襲地帯を中心にして積極的に実施しておりますが、まあこういったような諸施策を総合的に進めることによりまして、道路の冬李における安全性の確保を、安全度を高めたいというふうに考えておる次第でございます。  それから二番目の上信バイパスの件でございますが、御指摘のように豪雪地帯の雪に強い道路、幹線道路をつくるということは、バイパスの事業採択の際の一つの大きなまあポイントと申しますか、採択の条件でございますので、そういうことも加味しながらバイパス事業の促進を重点的に図ってまいりたいというふうに考えておるわけでございますが、まあこの十八号の上越−新井市間の区間につきましては、一部区間について現道拡幅の事業を実施してきましたが、今回のこういった何日間かストップしたような状況を考えますと、やはり抜本対策として上信バイパスの建設を急がなきゃならないというふうに考えております。昭和五十年度からこの上信バイパスは着手ということで、まあ当初はかなり事業費も少ないわけですが、これから逐次道路予算全体の中でひとつ重点的な張りつけをやりながら事業の促進に努めてまいりたいというふうに考えております。
  149. 塚田大願

    塚田大願君 このなだれの場合でも、バイパスの場合でも、道路行政のまあ一つの大きな課題だと思うのですけれども、とかくこの十八号線の場合でも交通規制ということを大変建設省は安易にお考えになるのではないかと思うのですね。私それを非常にちょっと懸念するんですけれども、まあ危険なところを通らなければいいじゃないか、なるほどそれは単純明快かもしれないけれど、今日の社会生活、経済生活の中で、通らないわけにはいかないからこういう問題が起きてくるわけで、その道路規制なんかということを考えるのはこれは下の下でありまして、そんなことを考えるのでなくて、やはり積極的に道路をどう確保するかという観点でひとつお考えになってなだれ対策も考えていただきたいし、バイパスの問題も考えていただきたい。で、バイパスの場合にはまあ予算の措置も積極的にやると、こういうお話でございましたから、そういう点をひとつ期待しまして、時間の関係がありますので、私の持ち時間ももうなくなりそうでありますから進めます。  次に、運輸省。きょう来ておられるのは国鉄ですか。国鉄に聞きます。  これも今度の豪雪対策信越本線が一過間にわたってストップしてしまった、あの新井のあそこで。そこで、まあ上越線もそうでありますけれども上越線の話は先ほど出ましたから信越本線の方にしますが、どうもね、私は国鉄の豪雪対策というのは大変消極的だという感じがするんですよ。聞きますと、まあ先ほどもるる説明がございました、雪だまりに汽車が突っ込むとかなんとかという説明ですが。あの地帯はみんなそうなんでしてですね。そのための対策がなけりゃいけない。私も今度直江津に行きまして、あそこの運転区ですか何かにも、運転長にも、区長にも聞きましたけれども、まあ十年ぶりの豪雪だったんで今度はやむを得なかったんだというふうな話です。しかし、十年ぐらい——何百年に一回というならまだしも、十年に一回は確実に来るんですね。二〇豪雪、三八豪雪、四八豪雪、そしてことし。もうとにかくだんだんこう周期が短かくなってくるような傾向もある。そういう中で久しぶりの豪雪だったから対策ができませんでしたじゃ私は言いわけにならないんじゃないかと思うんです。そこでいろいろ、私はもうその直江津機関区の現場へ入って聞いてみました。運転の直接の担当者にいろいろ聞いてみたらこういうことを言ってました。このことについてひとつ質問したいんですが、たとえば運転指令部というのがあるんですね、前にはこの直江津——いまの上越です。——にこれがあった。ところがこれが何年か前に合理化で新潟に持っていかれた、新潟市に。そうしたら、いざ豪雪のときに指令というものが非常にとんちんかんな指令ばっかり来ると、全く間に合わないと。大体運転指令部を何で雪のない新潟に——まあ新潟といっても広うございますから、新潟市になりますともう非常に雪が少ない、その新潟市に何で持っていったんだ、直江津にもう一度持ってくるべきじゃないか、大体こういう合理化をやった国鉄に問題があるんだ、ということを言っておられました。たとえば貨車があすこの関山の駅の近くでとうとう雪の中に突っ込んでとまってしまった。そうしたら運転指令部からどういう指令が来たかというと、保線区に対して、直ちに人間を集めて自動車でひとつ救援に赴けと、こういう指令が来たというんですね。現場の人は笑ってるんです。汽車がとまるぐらいの状態でどうして自動車が動くかと、こういうことなんです。およそそういう意味では運転の指令の体制が大変もう狂っておるということが一つ。  それから動力車の検修基地というのがかつて直江津機関区にあった。つまり機関車の検修ですね、検査修理。この基地が直江津にあった。これが今日長岡に持っていかれた。さあ妙高の辺でラッセルやロータリーが故障をしたって部品がない。すぐ直江津から、機関区から届けるわけにいかない。長岡までまたそれを取りに行かなければいけない。こういうことでもうだんだん仕事がおくれて、そしてついに信越線が動かなくなったんだと、こういうお話も聞きました。こうやってみますと、やはりとまるべくしてとまったんじゃなくて、やはりそういう手落ちから本線がとまらざるを得なかったということも考えられる。あるいはさらに、あの直江津で聞いてみましたら、雪害施設はどういうふうになっているんだと、機械はどういうふうになっているかと言ったら、ロータリー車が一台、ラッセル車が三台、こういうことだというんです。古い人に聞いたら、これは戦前から同じだというんですね。ロータリーが一台、ラッセルが三台しかない、何にも進歩がないじゃないか、こういうことを聞きましたけれども、そういう意味では国鉄は日の当たる新幹線なんかには大変力を入れていらっしゃるけれども、こういう北陸やその他の幹線になりますと全く力を入れてない、料金だけ上げると。これでは国民は納得しませんよ。ですから、こういう豪雪対策に対して国鉄はどういう計画を持っておられるか、どういう決意を持っておられるか、ひとつお聞きしたいんです。
  150. 鈴木秀昭

    説明員鈴木秀昭君) まず御質問の指令という問題でございますが、運転指令と申しますものは動いておりますところの列車に対していろいろと運行指令をするととろでございまして、上越等はいわゆる停止手配をとるとか、そういうような役目を持っておる組織でございますが、御指摘のように直江津派出所というものがいまの新潟に移りましたのは昭和二十八年でございまして、昭和二十八年のころの鉄道輸送はまだその地域周辺の輸送というものの比重が高うございまして、したがいまして、その直江津というところでその地域の列車指令をしていたわけでございますが、それからずっと通信設備が発達いたしまして、そしてそういう指令業務が近代化をされてまいりましたのでということと、それからやはり特急等々がいわゆる広域運転を行っているというような状態等、輸送全体の円滑化を図りますために管理局に全部運転の指令関係を一元化するということで能率的に運用するためにいたしたわけでございます。したがいまして、雪害時につきましても全部情報は、いわゆる頭脳は全部管理局の新潟に置いておりますので対策本部等々も全部その新潟に置くわけでございますが、必要に応じまして現地に対策本部を設置いたします。そして現地の実情を把握するわけでございますが、今回の豪雪に関しましては、いわゆる運転の指令業務は新潟で行っておりますが、除雪作業等の現地の指令は直江津と長岡で、長岡はいずれ湯沢に移して除雪作業をしたわけでございます。  それから、もう一つ運転の基地のいわゆる変化といいますのは、やはりこの期間に動力の車両の種類が変わってまいりまして、その車両の変わりによりまして、それに応じました検修設備をつくるわけでございますので、そうした一連の動力車のいわゆる変化に伴いまして基地を変えていくという面がございますが、多少、そのもしも、私調査してみなければわかりませんが、あるいはその部品等の一部がこうしたもので本当に雪害に何か足らないものがあったのかどうか、御指摘の点についてはさらに調査して万全を期したいと思います。  なお、いわゆる除雪機械が足らないのではないかという、国鉄の除雪の姿勢についての第三点の御指摘がございましたが、午前中にも申し上げましたように、四十九年度ぐらいまでは毎年二十二億のぺースで除雪の対策をやってまいりましたが、五十年度からは五カ年計画で約四百億、五十年度には七十九億という金を予算計上してございまして、それらの計画に基づいて、除雪機械等も整備しておるわけでございますが、この新潟管内におきまして同じではないかというお話がございますが、三十七年度と五十年度と比較してみますと、いわゆるどんどん除雪機械の古いものを新しいものにかえております。ですから、旧型の除雪車が三十七年度四十一両ございましたものが、このようなものが現在十三両でございますが、逆さまに新型車両がいわゆる三十五年度五両程度のものが二十四両に増備しますとか、モーターカー・ラッセルとかモーターカー・ロータリーとかそうしたものに機械が置きかわっております。したがいまして、現在では合計してみますと、この管内に三十七年度五十七両ございましたこれらの機械は、現在百六両に増備しているわけでございまして、これでも十分とは申せませんので今後とも除雪機械等につきましての増強を図ってまいりますとともに、やはりこうした中で社会の変化とともに、もう少し特に問題になってきます環境の変化、環境の変化と申しますのは、いままではわりあいと人家がなかったところが人家がふえてくる。そうするといわゆる雪をずっとはねますというようなことになりますとなかなか民家に被害を及ぼすというようなことから、除雪機械除雪作業が制限をされてくる区間が広がってまいります。あるいは踏切等もそうでございますが、こうしたものにつきましては地上設備でいま道路側がいろいろやっておられますようないわゆる水——散水によるもの、あるいは今後熱風によるもの等々の地上設備の増強とともにこの除雪機械というものと組み合わせて今後なお一層除雪に、作業の効果に努力してまいりたいと思います。
  151. 工藤良平

    委員長工藤良平君) 塚田君、時間がもう大体過ぎておりますから簡単にお願いします。
  152. 塚田大願

    塚田大願君 はい、もう時間がきましたので、まだいっぱいあるんですね、こうやって質問しておりますと、まだ自治省関係、大蔵省、農林省、文部省、聞きたいことは山のようにありますけれども、まあ先ほどの質問者と重複する面もございますから、これは割愛をいたします。が、いまの国鉄ですね、これはまあこの実情をやっぱりあなた方は余りお知りにならないんじゃないかという感じがするんですね。数字なんか並べてもとにかくなるほど車両もふえたかもしれない、しかしそれをばらばらに余り直接関係ないようなところにまいても余り効果的ではないわけなんで、やはりこういう豪雪地帯にかっちりした体制をつくっていくということが私は先決ではないかと思うんですね。まあそういう点で国鉄も恐らく全然努力していないとは私思っていませんが、ひとつぜひその点でなお一段の努力をしていただかなければならないと思うんです。  最後に、幾つかありますけれども、まあみんないままでいろいろ出ましたから、自治省豪雪債の問題、あるいは固定資産税の評価基準の問題、商工業者の問題、これは割愛いたします。自治省の担当官大変御迷惑をかけます。大蔵省の所得税の特別控除の問題もこれもまあ毎年私やっておりますので、ことしも大体同じような答弁が返ってくるようだけれども、これも何とかひとつやはり研究し努力していただくという注文をつけておきたいと思うんです。  最後に農林省にちょっとお伺いしたいんですが、これは最後の一問です。まあいま農林被害というのはハウスの倒壊ぐらいで、いよいよ本格的な被害というのはこれから融雪期にわたって出てくるわけでありますけれども、しかし、さしあたってのこのハウスの被害にいたしましても約六千万ぐらいあるというんですね。これは農業共済対象になるんだと思うんだが、その点はひとつどうなのか。それからまたこういう被害に対する融資ですね。これをひとつどういうふうにやったらいいのか、この辺のことについてひとつお願い、お聞きしたいのと、それからいよいよ融雪期に当たりまして苗代の消雪の問題であるとか、共同苗代の問題が出てきます。去年も私この苗代の除雪費の問題についていろいろくどく聞きましたけれども、またことしもこういう状態であります。ひとつその辺の対策、農林省としては積極的にお考え願わなければいけないと思うんですけれども、その辺全体についてひとつお知らせ願いたいと思うんです。
  153. 杉山克己

    政府委員(杉山克己君) お尋ねは三点でございましたが、一番初めのビニールハウス等の園芸施設、これが共済の対象になるかということでございますが、先ほど前の先生にお答え申し上げましたけれども、園芸施設につきましてはまだ一般的に農業共済の対象にするというように制度はでき上がっておりません。まあ農作物、米麦あるいは家畜、そういったものについては早くから災害補償の対象になっておりますが、逐次まあ果樹でありますとか取り入れられてまいりまして、さらに園芸施設につきましても、野菜も同様でございますが、対象を拡大すべきであるという御意見がございまして、四十八年に法律改正をいたしまして、四十九年から試験実施をいたしております。試験実施といいますのは、本格実施に当たりまして、これは保険でございますから、やはり料率でありますとか共済の金額でありますとか、あるいは損害の認定、いろいろ技術的な問題を解決しなければなりません。そういう保険設計を得ますためのデータを得るための試験ということで試験実施をいたしておるわけでございます。試験の期間中でございますが、まあ希望する農家を主といたしましてこれに加入していただいていまその共済事業を実施していると、まあ北陸——新潟とか石川あるいは福井、そういった地域の加入している農家の方がいらっしゃいます。積極的に試験の段階から入ろうということで入られた方はそういう意味では今回対象になるということになるわけでございます。まあいずれ本格的な制度の問題は、そういう実際の実地の試験をまちまして、データを整備した上で保険設計を立てて、これはまた法律改正が必要でございますが、その暁において実現するようにいたしたいというふうに考えております。  それから融資の問題でございますが、これはいままでもいろいろ制度融資の手だてがございまして、たとえば個人施設災害復旧、ビニールハウス等がこれは入るわけでございますが、これにつきましては農林漁業金融公庫資金の中で主務大臣指定施設資金というのがございますし、これによりまして金利六・二%、償還期限は十五年、据え置き三年というような資金を融資することができるようになっております。共同利用施設資金につきましても同様な制度がございます。  さらに、これは災害だけではございませんが、災害を契機に施設を大型化したい、近代化したいというような者に対しましては、これは農業近代化資金というものがございまして、金利は若干いまの公庫資金よりも高くなりますが、六・五%で、償還期限個人の場合十二年、据え置き三年というような資金が融資されるような道も開かれております。  おっしゃられますように、まだ被害の実態、全貌は把握いたしておりませんが、そういう被害を受けた農家が新しく復旧事業を行いたいという要望に対しては、できるだけこういう融資の道等を通じておこたえしてまいりたいというふうに思っております。  それから苗代の被害のお話でございますが、これはまさにいつ雪が解けるかということによって被害程度と内容が決まってくるかと思います。雪の消えるのが遅くて苗代を設置するのが困離であるというような地域あるいは農家に対しましては、別な地域に苗代を設置する、そのためには委託で苗代をつくるとか、あるいは共同でもってつくるとか、そういうことがあるわけでございます。あるいはそれに伴いまして、むしろ雪を消すこと、融雪することを促進する必要があるというような場合は、そういうことも事業の対象に取り込んでいく必要があるのではないかというふうに思っています。いずれにいたしましても今後の融雪状況等を見まして、できるだけ現地の要望にこたえられるような措置をとってまいりたい、こういうふうに考えております。
  154. 塚田大願

    塚田大願君 終わります。
  155. 柄谷道一

    柄谷道一君 特別委員会はいわゆる超党派で豪雪の実態を同じ目で見、同じ認識を持って帰ってきたわけであります。したがって、質問内容も当然重複する部分が多うございますけれども、できる限りこれを避けながら質問をいたしたいと思います。  まず長官にお伺いいたしたいと思うわけでございますが、昭和五十一年度の政府予算案をながめて見ました。すると、国土関係豪雪地帯対策特別事業費は、さきの委員も指摘されましたように、特別豪雪地帯克雪管理センターの建設、防雪生活圏整備モデル事業、基礎集落圏防雪体制整備事業が計上されてはおりますけれども、その金額も少なく、さきに指摘されましたように対前年度の伸び率は一%であります。また自治省関係の予算をながめてみましても、地方交付税特交ともに目新しい施策というものはこれに織り込まれているようには認識できません。また建設省関係災害対策予算をながめてみましても、激甚災害対策として特別緊急河川の補強、砂防、地すべり対策及び急傾斜地崩壊防止対策事業は独立の項目として起こされておりますけれども雪害につきましては一括して災害復旧関係事業として計上されておりました。事業費は三千三百四億四千六百万円、国費二千四百八十九億二千八百万円と計上されておりますけれども、これも前年度の補正後予算と比較をいたしますと事業費においてはマイナス四・四%、国費においてはマイナス二・九%と減少しているのではないかと、こう思います。これは私の試算でございます。また道路整備事業予算をながめてみましても、一般道路には雪寒事業は含まれておりません。地方道整備事業費として三百六十億四千万円計上されておりますけれども、この対前年度の伸び率は一六・二%であります。私は、ただいままで長官がこの雪害対策について非常に前向きの答弁をされているわけでございますけれども、五十一年度予算を見る限りにおいてはその長官の意欲を残念ながらくみ取るわけにいかないというのがその実態ではないかと思うのであります。まあただいままで、各委員がいろいろ指摘をされておりますけれども、冒頭、この雪害対策に対する長官としての基本的な考え方をお伺いをいたしたいと思います。
  156. 金丸信

    ○国務大臣(金丸信君) 新年度の雪害関係予算につきましては、道路雪害防止対策費とかあるいは豪雪地帯の対策費とか研究費三百十四億、一六%の伸びであります。これで十分だとは私は考えてはおりませんが、各省庁の協力を得て万遺憾なきを期してまいりたいと、こう考えております。
  157. 柄谷道一

    柄谷道一君 いま長官は、地方道の整備事業費の中の積寒事業費が一六%伸びていると、こういう御指摘であるわけですが、国土関係災害復旧関係事業費は、私のさきに指摘したとおりでございまして、若干、緊急財政下にあるとはいえ雪害対策が予算上十分配意されていないというふうに認識をいたしますので、これはさらに長官として一段の御努力を強く冒頭求めておきたいと思います。  そこで、雪害関係の対策諸法規の問題につきましては、これまた触れられてきたところでございますけれども豪雪地帯対策特別措置法、これ率直に申しまして財源措置が具体的に決められておりません。したがっていわば宣言法ともいうべき性格が強いと思うのであります。他の地域振興法等がいわゆる事業実施法的な性格を持っているというものと比べますと、なお補強の必要があるのではないだろうか、その他関係諸法規の体系的な総洗いが必要ではないか、このように思われるわけでございます。長官は政治家として見直しの時間が欲しいと、こういう御答弁がさきにあったわけでございますけれども、特に御質問いたしますが、特別措置法等について、この法体系整備のために本年度中に豪雪対策審議会にこの問題を諮問いたしまして、それらの審議を通じてこれらの法案の改善のために努力するという長官のお考えはございませんか。
  158. 近藤隆之

    政府委員(近藤隆之君) 豪雪地帯対策特別措置法は、先生も御案内のとおり、昭和三十七年に議員立法という形でできたものでございます。そうしてこの法律の趣旨といたしますところは、雪害の防除その他産業等の基礎条件の改善に関する総合的な対策を豪雪地帯に対してとれという宣言沖でございまして、若干の事業法的な色彩もございますけれども政府といたしましては、国会の総意によってできましたこの豪雪地帯対策特別措置法の趣旨にかんがみまして、豪雪地帯に対する対策というのは関係各省ほとんどすべての省庁にわたるわけでございますが、そういったものの運用を通じてこの法の目的に沿うようにやっていこうということで現在まで対処してきたところでございます。で、一部におきまして、この法律をどういうふうにすべきかということを検討しておる部面もございますけれども、現段階におきましては、私どもの方でまだこれをどうすべきであるという確たる方針は持っておらないわけでございまして、今後とも国会初め各方面の意見を伺いつつ態度を決めてまいりたいと思っております。
  159. 柄谷道一

    柄谷道一君 私は法案制定の経緯は十分知っております。しかし、今回少なくとも特別委員会が現地を視察をいたしまして、与野党を通じてこれら諸法規の洗い直しが必要ではないかということにつきましては共通の認識を持って私は帰ってきたと思うんです。したがいまして、従来の経緯は経緯として、やはり今回の豪雪というものが残した一つの教訓というものを踏まえながら、この問題に対してやはり専門的に設置されている対策審議会で現行法規の洗い直しというものを行うことは決して無意味なことではない、こう私は思います。長官としていかがですか。
  160. 金丸信

    ○国務大臣(金丸信君) 先ほども私申し上げたんですが、また先生からもお話ありましたように、災害対策というものはまさに超党派で、その中に思想が入っておるものじゃないと私も思います。また、きょう各先生方のお考え方も皆一様に同じような考え方を持っていることもわかります。  先ほど来申し上げましたように、私もその地域——豪雪地帯を見たことがない。十分にひとつ見て、私も先生方と同じように人間であります。同じような感じを受けて帰ってくるだろうと私も思う。そういう中でひとつこの問題について前向きに見直す、検討する、そういうように問題をひとつやってみたい、ぜひひとつ時間をかしていただきたい、こういうことであります。
  161. 柄谷道一

    柄谷道一君 厚生省関係に法規関係でお尋ねをいたしますけれども新潟県の陳情によりますと、積雪量だけでなくて一日降雪量等も勘案するなどして弾力的運用を図ってもらいたい、こういう陳情が寄せられているわけでございますけれども、政令一条一項第四号によりますと、多数の者が生命または身体に危害を受け、または受けるおそれが生じるという場合、こう定められておりまして、具体的運用としては、交通途絶により孤立部落が発生したとき、なだれ発生により人身及び住家被害が発生したとき、一部住家の倒壊またはその危険性が増大したときと、こう書かれているのみでございまして、この政令なり現行基準を見る限りにおいては、非常に機動的かつ弾力的運営ができる仕組みになっているわけでございます。にもかかわらず、今回の豪雪に当たって、三十八年豪雪のときに発動された救助法がなぜ今回発動されることがなかったのか、この点についてお答えを願います。
  162. 水田努

    説明員(水田努君) 災害救助法の法の構成及び運用につきましては、柄谷先生の御指摘のとおりでございまして、私ども厚生省としましては、特段一定の積雪量がなければ発動できないというようなかたくなな考えは持っておりません。要は、法の運用の衝に当たられます知事が、政令並びに厚生省が考えております、いま先生の御指摘の基準に該当するような状態にあったかどうか、この判断にかかっていたと、このように考えております。
  163. 柄谷道一

    柄谷道一君 私はここで責任追及をいたしたいとは思っておりません。確かにこの発動に対する順序は御答弁になったとおりでございますけれども、あれだけ新聞に書かれ、しかも豪雪の状態が天下に報道されている、こういう中で、県当局の申請を待って大臣協議という冷たい姿勢ではなくて、やはり厚生省自体がより積極的な姿勢をもって県に当たっていくと、そういう温か味のある私は政治が望ましいのではないか、こう思うのであります。  そこで、これは私思いますに、災害救助法発動されなかったと思われます理由が大体三つあるんじゃないかと思うんです。一つは、三十八年豪雪が平野型豪雪であったのに対比いたしまして、今回豪雪がいわゆる山岳型豪雪である。したがって、局部的には非常に大きな被害が出ているわけでございますけれども、前回と比べて家屋密集地帯に降った豪雪ではなかったということが一つの関心を薄めた理由ではないかと思います。  第二には、これは他の委員も指摘されたわけでございますが、現在の救助法自体の発動を行っても仮設住宅の建設とか、緊急炊き出しとか、緊急救助とか、こういう問題でございまして、余り豪雪地帯には飛びつくような魅力のある救助法の内容になっていないということが第二。  それから第三には、現行の救助法は地震、台風、洪水、大火災、こういった災害は非常に集中的、一時的にその被害があらわれてくるわけでございます。しかし、雪害というものになりますと、これは長期にわたって交通が途絶し、生活及び産業に甚大な影響を与えますとともに、なだれ等による危険や住民福祉に対する影響がきわめて多い。しかし、これは非常に慢性的に長期にわたってあらわれてくる現象であって、人命の損傷なり、住宅の倒壊、破壊、こういったものが他の災害に比べて、いわゆる即時にあらわれてくるものと慢性的にあらわれてくるものとの、やはり同じ災害といっても差がある。現行法は、こうした地震、台風、洪水、大火災等に力点を置かれた救助法の内容であって、これは慢性的にあらわれてくる雪害というものに対する配慮がやはり欠けているという面があるのではないか。  私、新潟へ参りまして非常に貴重な意見を聞いたわけでありますが、雪は水のかたまりである、やがて暖かくなれば解けていくものだと、こういう印象を持ってとられがちでございますけれども、それは非常に長い期間経過した後、融雪するものであって、積雪時においてはこれは砂、岩石と同じで、住民に対して大きな影響を与えている。そこらは雪というものに対する認識が果たして現行でいいのであろうかどうか。こういった意味において、私は機動的に発動できる災害救助法であっても、災害救助法自体がひとつ雪というものの持つ特質というものを配慮して、もっとその内容について改革のための検討が行われるべきではないか、こういう印象を、私非常に強く持って今回の視察を終えたわけでございますけれども、今後の救助法のあり方について厚生省としての御所見を承りたい。
  164. 水田努

    説明員(水田努君) 災害救助法が風あるいは水、火を中心に構成されているものとは私ども必ずしも思っておりませんが、先生の御指摘の面で、雪害に対して弾力的に対応が十分できていない面があるではないかという御指摘につきましては、十分踏まえまして、私どもも今後のこの法律の運用の仕方については、十分前向きに研究並びに検討をさしていただきたい、このように考えております。
  165. 柄谷道一

    柄谷道一君 長官にお伺いしたいわけでございますが、災害対策基本法の第三条に、国の責務として、防災に関し国が万全の措置を講ずる責務を有することを明らかにしております。あわせて同条の第二項で「災害に係る経費負担の適正化を図らなければならない。」と、こううたっているわけでございます。  今回の豪雪等にかんがみまして、長官として、現状、この経費の適正負担が行われている、現在の負担の方式は適正であるとお考えでございますか。
  166. 金丸信

    ○国務大臣(金丸信君) なかなかむずかしい問題で、ちょっと私、答弁に迷うのですが、事務当局から聞いてみますと、適正な方向でやっておると、こういう——私、教えていただいたわけですが、答弁になりませんか……。
  167. 柄谷道一

    柄谷道一君 非常にむずかしい質問であると承知で出したんでございますが、私は必ずしも適正でないと思われる面がたくさんあると思うのであります。  その一つは、豪雪に関しての地方公共団体が行う公共施設除雪事業に要する費用補助豪雪指定基準の問題でございます。各関係市町村は、現行基準は厳し過ぎてほとんどこの制度対象にならない。まあ何としても平年度積雪量の一・五倍という基準は、一・二倍ないし一・三倍ぐらいに基準を落とさないと、この基準適用されず、各市町村超過負担が増加するということを訴えております。これに対して、これは文部、厚生両省にかかわる問題だと思いますが、どちらの省でも結構です、これらに対する洗い直しのお考えをお持ちかどうか、お伺いします。
  168. 大井久弘

    説明員(大井久弘君) 午前中、本委員会におきまして、この法律の適用基準につきまして佐藤先生から御質問があったわけでございますが、佐藤先生の御趣旨並びに国土庁長官の御発言の御趣旨を体しまして、この法律の適用基準につきましては、本年度の降雪状況を十分実態を調査いたしまして検討してまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
  169. 柄谷道一

    柄谷道一君 第二は、これもさきの議員が質問をされましたけれども市町村からするならば、一般生活道路としてこれは除雪がきわめて必要だと、しかし、現在は除雪指定路線に入っていない。したがって、現在の四万五千キロの指定以外に、委託融消の場合はまだ救いはあるわけでございますけれども、なお、市町村独自で行わなければならない除雪というものがある。さきの議員は南蒲原郡下田村を挙げましたが、同じようなことが東蒲原郡の三川村においても陳情されております。毎年二千キロぐらいの割合で、逐次、この指定路線の拡大を図りたいということでございますけれども、私は、今回の豪雪を一つの契機として、国土庁が積極的に建設省とタイアップしながら、いわゆる国県道でありながら市町村がその経費を負担して除雪を図っている路線が一体どれぐらいあるのか。その路線というものがやはり指定路線の拡大なり、また、委託融消の範囲とする妥当なものであるのかどうか。今回の問題をひとつ契機として、その実態を適正に把握し、毎年二千キロという機械的な拡大ではなくて、むしろ早期にこれらの対策、改善が行われるべきではないかと、こう思うのでありますが、いかがでございますか。
  170. 近藤隆之

    政府委員(近藤隆之君) 建設省と十分相談してまいりたいと思います。
  171. 柄谷道一

    柄谷道一君 長官にこれはお願いしておきたいわけでございますが、私、実態調査をいたしまして、豪雪地帯という地帯は、一般的に過疎現象の強い地域でございます。しかもその市町村の面積というものは非常に広大であります。しかもその広大な面積の中の山岳部分が非常に多いのが特徴であります。したがいまして、除雪をしなければならない道路は非常に広い。しかし、財源の中心となるべき住民は少なく、かつ過疎現象が進んでいる。また、これらの地域は見るべき自主財源を持たない。これは後ほどの質問でもまた指摘したいと思いますが、新潟の場合は、地場産業としての繊維産業がその産業の中心でございますけれども、これは三年に及ぶ不況で法人税関係の収入も激減しておると、いわゆる財源の枯渇、しかし除雪に要する経費だけはたくさんかかる、こういう実態を考えますならば、私、冒頭長官がほぼ適正に負担されているとはいうものの、地方交付税のあり方や特交のあり方というものについてこの際もう一度検討して、やはり適正負担の原則を確立するという国の姿勢があってしかるべきではないだろうか、こう思うわけでございます。その点に対する長官としてのお考えをお伺いします。
  172. 金丸信

    ○国務大臣(金丸信君) 国土庁は過疎過密をなくしていく、こういうことになりますと、いわゆる過疎地帯の受けざらというものはしっかりしたものをつくらなくちゃならぬ。青年はみんな都会へ行ってしまってだんだんだんだん過疎地帯がなお異常な姿になっていくということを考えてみれば、当然、財政的な町の貧困の状況の中で次の時代を担う青年が幻滅の悲哀を感じるような地域社会をつくっておったんじゃならないということだけは確かだと私は思います。そういう意味で、ただいま先生のおっしゃられることはもっともだと私は思います。十分ひとつ内容を把握して検討してみたいと思います。
  173. 柄谷道一

    柄谷道一君 その検討とあわせまして、すべての費用を国のみにおぶさるわけにはいかぬと、こう思うわけです。といたしますと、たとえば融雪施設を各市町村がつくる場合これは相当の金が要ります。また除雪機器の整備にも相当の費用を要します。さらに雪上車の問題、また一部負担とはいえ各市町村が受け持たなければならない除雪費も要ります。こうした問題を考えますと、現在一般単独事業債の中でこれらは処置されているわけでございますけれども、少なくとも過疎債に準じた豪雪債というものの検討が、さきに述べました交付税なり特交というものとあわして全般的な財政対策というものが、もう一度見直されるべきだと私は思うのであります。さきの質問で長官非常に前向きの御回答をいただいたわけでございますが、その検討のときにあわせて豪雪債の問題についても御検討願いたいと思いますが、いかがでございますか。
  174. 金丸信

    ○国務大臣(金丸信君) 豪雪債の問題、自治省との関係もあることでございますから、自治省とも十分話し合ってこの問題について検討してまいりたいと、こう考えております。
  175. 柄谷道一

    柄谷道一君 次は文部省関係にお伺いをしたいわけでございますが、これもすでに触れられているところでございますけれども豪雪地帯、通学困難な地域はこれは寄宿舎なくして学習は成り立ちません。現実に寄宿舎豪雪地帯においては持たれております。ところが、この制度化がされていない、また舎監制度というものについても未確立である、御承知のとおりであります。また、屋内運動場につきましても、確かに若干積雪地の配慮は現行制度においても行われておりますけれども、これは現実にマッチしたものではない、太平洋沿岸と比べましてやはり冬季長期間にわたって学童の体育は屋内体育館に頼らざるを得ないわけでございまして、現実にこれらの市町村においては国庫補助基準面積の大体二倍ないし三倍の体育館をいま持っている。このための地方超過負担というのは膨大な額に上っている。また、豪雪地帯における危険建物の改築に伴う耐用点数につきましても現状十分の配慮がなされていないのではないか、こういう指摘が行われています。  一般に見まして、現行の豪雪地帯に対する教育対策というものについて、なお現制度ではその配慮が十分でない、こういう実感を私深くいたしたわけでございます。現状までの配慮は配慮で評価いたしますけれども、これらの問題についても、今回豪雪を機会に、豪雪地帯の子弟の教育というものの重要性にかんがみたひとつの前向きの対策が打ち出されてしかるべきではないかと、こう思いますが、いかがでしょうか。
  176. 西崎清久

    説明員(西崎清久君) ただいま先生からお話ございました屋内体育館と危険改築の問題にお答え申し上げたいと思いますが、屋内体育館の基準につきましては、御指摘のとおり新潟豪雪地域から御要望がかねてございまして、四十八年度にも新潟県から面積改正についての案をいただいております。そこで私どもは四十九年度に、特に豪雪とか山村等で非常に小規模学校が多うございまして、個々の屋内体育館が非常に二百平米、三百平米というふうな小さいところが多うございましたので、最低でも小学校の場合は五百平米、中学校の場合は六百平米というふうなものをつくりまして、四十九年度は一応小規模の改正をいたしたわけでございます。それから五十年度に至りまして、ことしでございますが、ことし小学校では十四学級以上、中学校は十一学級以上について約二〇%程度の改正をしたということで、昨年ことしとかけて屋内体育館の基準改正をしたという経緯がございます。  今後の問題といたしまして、やはり屋内体育館はまだ未保有校がかなりございまして、危険面積を持つ校舎あるいは屋内体育館が多うございますので、採択面等で今後私どもとしては極力努力をいたしてまいりたいというふうに思っております。  それから危険改築でございますが、御案内のとおり基準は四千五百点以下ということに相なっておりますが、積雪地は雪の荷重その他で非常に老朽度が進むということもありますし、危険であることについては積雪地が非常にその度合いが高いわけでございますので、私どもの弾力的取り扱いとしまして、豪雪地帯特別豪雪地帯等においでは五百点増しぐらいまでの扱いでは補助採択上の配慮をしてまいるというふうな方針でケース・バイ・ケースで取り扱いをしてまいりたいというふうに思っております。
  177. 宮園三善

    説明員(宮園三善君) 寄宿舎の舎監の制度について御説明申し上げます。  確かに先生おっしゃるように、学校教育法の体系では寄宿舎について定めがございますのは盲学校、聾学校、養護学校だけでございます。しかし教職員の定数につきましては、昭和三十三年に公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律というのが定められまして、四十四年に初めて小中学校の寄宿舎にも舎監業務を考慮した担当の定数を規定するということで、その法律の七条の五号というのを新しく起こしたわけでございます。ただその場合には、通年制の寄宿舎だけでございまして、その後主として新潟県の御要望が非常に強かったわけでございますが、季節制の寄宿舎についてそういった通年制と同じような舎監相当の定数を加算できるようにという要望がございまして、四十九年から実施されております第四次の五カ年計画で新しく法律を改正いたしまして、季節制の寄宿舎につきましても将来舎監相当定数は加算できるようにいたしております。ただ、これは五十三年度までの五カ年間で完成をすると。実はほかにも学級編制、三複学級を解消するとか、養護教員、事務職員の定数を増加すると、全体で二万四千四百の定数改善を行っておりますので、それを全体を含めて五カ年間で実施をするということになっておりますので、確かに四十九、ことし五十で二年目でございますから、冬期寄宿舎の多い新潟県では全寄宿舎にそういった定数がまだ未配置のところが多いんじゃないかというふうに存じます。しかし、いずれにしましても五十三年の改定までには法律どおり配置できるものだというふうに考えておりますし、まだ残された問題がないわけではございませんで、男女別の寄宿舎があった場合にそれをどうするかとか、いろんな問題がございますが、さらにこれ以上の改善につきましては、この五カ年計画完成後の問題として新しく検討してまいりたいというふうに思います。
  178. 柄谷道一

    柄谷道一君 各委員から国土庁、建設省厚生省は現地を見て認識を深めて対策をとってもらいたいという要望が出ているわけでございますけれども、文部省もぜひこの豪雪地帯の実態に触れて、いま申しました体育館の問題、耐用の問題、さらに寄宿舎の実態、一回決めた五カ年計画は変更不可能というものではないわけでございますから、その計画の変更すべき箇所も多々あろうと、こう思うわけであります。ぜひこれらの問題について文部省もより真剣に、今回の豪雪を契機に豪雪地帯における教育体系及び教育のあり方というものについて施策を補強していただきたいと、時間の関係で要望にかえまして、次は通産省関係に質問を移したいと思います。  辻委員から質問がありまして、お答えがあったわけでございますが、御承知のように、この豪雪地帯、特に今回の新潟豪雪被害を受けました地域は、栃尾、見附、十日町、五泉、亀田、六日町、こういったような繊維産業がいわゆる地場産業となっている地域が非常に多いわけでございます。で、御答弁を聞いておりますと、何か今回の雪害を切り離してとらまえる、たとえば栃尾地域四億五千万円程度の損害だと、こういわれていることに対して、実態に応じて融資ないしは償還猶予というような現行制度の中で配慮をしていきたいというような趣旨の答弁であったと思うんであります。私は、まずその認識を改める必要があるんではないか。繊維産業はたびたび商工委員会でも議論が出ておりますように、過剰設備の存在、そしてそのために構造改善必要性が唱えられているにかかわらず、なかなかこの過剰設備の破棄も思うように進んでいない、またアメリカの輸入規制によりまして甚大な被害を受けた、また総需要抑制の影響をもろに受けまして不況のどん底に入っていった。加えて無秩序な輸入の増大が産業を非常に危機に陥れている、いわば三年に及ぶ不況でございまして、その繊維産業の受けている被害というのは想像に絶するものがあるわけでございます。しかもこの不況は政府の施策にかかわらず、一般の観測としては本年の後半期まで続いていくのではないかというのが一般の定説であるわけであります。このような状況に追い打ちをかけたいわゆる豪雪被害である、そういう認識を持って当たらなければ、私はその対策が十分だとは言えないと思うのであります。そこで、基本的には私は、この委員会の主要議題ではございませんけれども、たとえば三年なら三年という期間を限定をして、審議会の答申しました垂直統合の推進とか、過剰設備の処理とか、近代化とか、流通機構近代化という一連の構造改善を進めていく、そしてある一定時限をもってその構革を完了させる、その一定期間内にはカンフルを打たなければならないわけでございます。そのカンフルとしては融資の問題があり、輸入の適正化の問題があり、償還猶予の問題があり、金利負担軽減の問題があり、転廃業対策があり、そして雇用対策がなければならぬと思います。そういう施策の実施を、これは別の機会に強く求めたいわけでございますけれども、こういうまだ十分の施策が整備されていない段階に襲った今回の豪雪というものを考えますならば、私は、当然そこに別枠融資と、特に緊急的な償還猶予の施策というものが進められなければならないと思うのであります。地場産業でございまして、現在の繊維産業の今後の動揺というものが地域に対して与える影響というのはきわめて甚大である、こういうことを考えますならば、私は、総合的繊維施策の中身の一環として、緊急に繊維産業に対するいわゆる救援の手が差し伸べられるべきではないか、そういう視点からいたしますと、さっきの質問に対する答弁はきわめてなまぬるいと一言で申さざるを得ないわけです。発想を新たにこれらの問題について通産省で取り組まれる姿勢があるのかどうか、お伺いします。
  179. 安田佳三

    説明員(安田佳三君) 繊維産業に対します業種別対策につきましては、繊維問題を担当いたしております生活産業局の方で各種の対策を講じているところでもありますし、また繊維問題懇話会からは昨年の暮れに当面の繊維対策についての提言等もいただいております。  そこで、繊維のうちの中小企業関係の施策といたしましては、いまいろいろ御提案があったわけでございますが、たとえば金融関係につきましては、直接金融ではございませんが、信用補完面におきましては、繊維産業中小企業信用保険法に基づく倒産関連業種に指定いたしまして、保険料の低減、てん補率の引き上げというものを実施いたしておるところであります。また、転廃業につきましては、これは現在、転廃業に関する法律を作成する作業を進めているところであります。また、業種全体としましての構造改善事業につきましては、繊維存所管している局におきましていろいろ検討いたしております。  こういう実情がございますので、私どもといたしましても、新潟地方の豪雪に当たりまして、特に新潟の地場産業であります繊維産業被害及び今後の動向につきましては非常に注目をいたしておりまして、被害以後、私ども中小企業金融機関につきまして融資の申し込みを調査いたしました折にも、繊維関係につきましてどのような資金需要があるかということを調べております。その内容を申しますと、たとえば商工組合中央金庫につきましては、正式に融資の申し込みのありましたものは、繊維の製造関係で十日町二件、見附一件という状況でございまして、合計いたしますと八千四百万円程度。相談のあったものといたしましては、五泉におきまして十一件、六千万円ほどの相談があるという状況でございまして、中小企業金融公庫につきましては、現在のところまだそういう申し込み等はございません。ただ繊維関係被害といたしましては、十日町、五泉、栃尾、見附等におきまして、従業員の出勤率が低下したことから操業がストップしている、あるいは交通途絶により商談がストップしているとか、そういう事情から相当の売上減というものが生じており、それが今後融資の申し込みとなってあらわれるんではないかという観測をいたしておるところであります。また、国民金融公庫におきましては、繊維関係以外は若干の融資の申し込みがございますが、まだ繊維関係については融資の申し込みがない、そういう状況になっております。ただ、先ほども申し上げたわけでございますが、そういう間接的な被害と申しますか、いわば得べかりし利益が喪失したということに伴う融資の申し込みというものは、やや時間がかかった後に出てくることが想像されますので、そういう意味で私どもといたしましては、今後の状況を十分注意して見守ってまいりたいというふうに考えておるところであります。  また、別枠の融資を設けろというお話でございますが、現在、申し込み状況がそういう状況でございますし、また、三中小企業金融機関の資金枠というものは、現在の段階におきましてはまだ十分需要に対処し得るというふうに考えておりますので、現在の段階では別枠を設ける必要がないんではないだろうかというふうに考えておりますが、これにつきましてもさらに状況を見まして、必要に応じて枠の追加等を考えてまいる予定でございますが、それはもう少し状況を見守らなければ何とも申し上げられないというふうに思います。  それから、緊急の償還猶予でございますが、償還猶予につきましては、先ほど御答弁申し上げましたとおり、個々の企業の実態、実情に応じて償還猶予を図るということにいたしておりますが、一般の償還猶予の実績は、先ほど申しましたとおり、一昨年は千六百億円程度でございましたものが、五十年度におきましては四月から十二月までに約二千億近くまで償還猶予を実施いたしております。  また、繊維関係につきましても、返還猶予の実績は、四十九年度の実績と比べまして五十年度の四−十二月の実績は、金額ではおおむね昨年の実績を超えております。件数では若干、昨年に至っておりませんが、金額では超えておるという状況まで実施いたしております。特に、雪害等がございますと返還が困難になる事態も十分予想されますので、関係機関に対しましては返還猶予につきましてきめ細かく実施するように指導いたしたいというふうに考えております。
  180. 柄谷道一

    柄谷道一君 私、率直に言って、もう少し実態を把握していただきたいと思うんです。ということは、なぜ融資の申し込みがそんなに少ないのかということでありますけれども、もう構造改善のための政府系三機関からの融資は受けた、対米輸出規制に伴う融資は受けた、さらに臨時繊維の問題での融資は受けた——いわゆる中小企業等はもう目いっぱい融資受けているわけです。金は、融資はしてほしいけれども、そうなると今度は、いまの繊維産業の不況にかんがみて、果たしてその受けた融資をどのようにして償還していくのか、このことに対して確たる確信が持てないということが非常に融資を鈍らしている一つの大きな底流になっていると思うんです。ということになると、まあ時間の関係でここは私は討論は避けたいと思いますけれども、通産省の方としても、現行制度がこうで融資の申し込みがないではないかと、枠がまだ余っているんではないかという、そういう従来の発想ではなくして、冒頭私が申し上げましたように、この追い打ち的豪雪に対する融資分については、別枠融資の方法をつくり、金利の軽減を図り、そして償還期間というものに対して工夫をこらすという、文字どおり血の通った施策というものでなければ、私は現行制度の運用の中からなかなかこれらの危機というものを救っていくということはむずかしいのではないか、こう思うわけであります。この点に対して、また再度商工等で質問することとして、本日は私の要望を申し上げて、通産当局としての善処を求めたいと思います。  時間が余りありませんので、あと予定いたしましたものを要望、意見の形に変えまして長官にお願いをいたしたいと思います。  冬期孤立集落集落機能維持制度の創設については、各委員から述べられたところであります。私は、今回の視察を通じて、人心安定のためにこの新潟県が勇断をもって実験的に実施したこの制度は、きわめて高く評価されているというのが各党を通じての評価ではなかったろうかと思います。この制度化につきましても前向き検討という長官の御答弁がございましたけれども、ひとつ今回の豪雪というものの結果この制度のもたらしたメリット、またどこに改善すべきデメリットがあるのか、早急に県当局とも話を詰めていただきまして、これは毎年あることでございますから、明年度にはぜひこれらの制度全国豪雪地帯に採用されるように御努力を願いたい。  あわせまして、豪雪地帯におきまして税の問題がございます。これも質問しようと思っておりましたが、時間がございません。それぞれの陳情、もっともな点が多うございます。たとえば家屋につきましても、排雪のための空間面積を必要とする。また、雪に耐えるために建物の構造もがんじょうにしなければならぬ。しかしながら、固定資産税評価基準については、これらの豪雪地帯に対する特段の配慮がなされていない。また、所得税につきましても、病気のときは医療控除があり、盗離のときは盗離控除があるにもかかわらず、一回の雪おろしに七千円前後の経費がかかる実態にかかわらず、豪雪地帯に対する特別控除制度が創設されていない。税制の面においても、今回の豪雪を契機としての一つの手直しが必要ではなかろうかと、こう思うわけです。  また、まだ被害の実態は明らかにされておりませんけれども、農業関係、園芸関係造林関係につきましても、他の委員から指摘されましたように、多くの改善すべき問題点を含んでいると思うのであります。ひとつ、災害問題を掌握される長官として、今回の豪雪がもたらした国の施策として検討しなければならない課題は、余りにも多いのではなかろうかと思います。その一つ一つについて、より実りのある検討をしていただき、これらの裏日本一帯に居住しております日本人は多いわけでございますから、それらの人々に対してやはり国の政治の温かさというものをはだで感ずるようなひとつ姿勢を長官として積極的に御推進願いたいということを強く要望いたしまして、時間でございますので私の質問を終わります。
  181. 工藤良平

    委員長工藤良平君) 他に御発言もなければ、本件に対する質疑はこの程度にとどめたいと思います。  本日は、これにて散会いたします。    午後四時二十七分散会