○小巻敏雄君 地元市長が誘致運動を始めたということはさておいて、あそこは能登半島、近接をしておる輪島などというところは、これは沿海漁業の
一つの豊庫であり、基地であるわけです。非常にパニックの
状況が起こって、珠洲の地域の漁民がもう輪島のところへ近づいてくることは許さぬというところまで輪島の方では非常に感情が悪くなっておりますし、これらの人たちがそれでは力を合わせて
状況を知ろうとすると、
関係方面で、新聞にはあれこれ記述されるけれ
ども、その具体的内容をつかむことができないというので非常に強いいら立ちを
感じておるわけですね。私
どもの方に対してもこれからの問題について刻々と
状況を知る手だてはないのかというような
状況で、絶えずそれこそわらにもすがるようにさまざまな訴えが来るわけであります。
私が
考えるところでは、これらの問題が、特に一千万キロワットの基地
計画というようなゆゆしい問題が、非常にその地域として珠洲は過疎地で、最近の十
年間ぐらいに一万人も人口が減ったとか、それはもうこういうものにすがらなければ地元が滅んでいくというようなあせりがあるのかもしれませんけれ
ども、輪島の方一帯かけて、これらのところと、農水によって新たに開発を求めようというような希望を失って、地元の中に対立まで引き起こして、非常にある意味ではエゴイスチックな動きの中で初めてさまざまな大きな胎動がその片りんを見せてくる。しかもその実体は一向につかめないというような
状況の中で、そしてこういうふう
にして露頭をあらわしたものはたいてい何年かたつとできておるわけですね。こういう
状況の中に今日の私
どもとしては
行政が真っすぐな方法で国民の合意を得て進んでいくことになっていないというようなところを強く
感じるわけであります。
一方で、すでに開発を終わったところでは、後追いとして規制の問題がさまざまな新しい
対策を迫られる。そうして事が始まろうとする前には、決まってしまうまで住民とは手の届かないところで問題が進んでいく。これらの点についてはどうしてももっと日の当たる場所で、問題が進むにつれてそれぞれの
関係者の中からオープン
にして進められるようにということを強く求めておきたいと思うのです。
次官も帰ってこられたようですから、では私はここで「むつ」の問題に関して質問をいたします。
小沢次官は三月に特使として御出張になって、どうしてもひとつ原潜「むつ」を佐世保で
修理をさしてもらいたいということで、行かれたわけですね。それに関連をして、まあ現地の理解も求めようというところからこういう資料もお出しになったと、確かに姿を見ればなかなか姿のいい船であります。ただし病気持ちであるという、この船の写真を載せて出張されたわけです。この資料を拝見をいたしますと、四十五ページには「「むつ」の
原子炉の燃料体は十分健全に保たれています。」というふうに書かれておるわけであります。そしてそれには三つの理由を挙げて、特に三番目に「
原子炉の出力上昇試験から現在に至るまで定期的に一次冷却水中の
放射性物質の測定が行われておりますが、その結果
放射性物質の濃度は自然の水と変りはありません。」と、こういうふうに申しまして、第四番目の理由として、「今後とも燃料体のまわりを取り巻く一次冷却水の水質管理が厳しく行われる」から、水の質がいいから「被覆管の腐食が生じる恐れはありません。」と、だから「燃料体をわざわざ取り出さなくても十分健全な
状態に保たれ」ることが確認できますというようなことで、一番、わからない中からも、やっぱり関心の集中になる、集中点になる炉の問題について
説明が行われておるわけであります。
この点についてお伺いをするわけですけれ
ども、まず、これ取り出せないのに、ここにも燃料体をわざわざ取り出さなくても十分健全な
状態に保たれることが確認できると書いてあるのですけれ
ども、取り出さなくてどうして確認するわけですか。その手だてをひとつここで御
説明をいただきたいと思います。