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久保亘君 一致している部分というよりは、私はあなたの正確なお答えをいただくならば、全面的に食い違っている部分はない、こう言われた方が正しいのではないかと思いますが、繰り返しになりますから、この辺でおきますが、そういうことになりますと、このコーチャンの会見内容はかなり信憑性が高い、こう
考えるわけです。この中でいまだに捜査当局が強制捜査等を行われることなく、しかも
国会における証人喚問も同意を得られていない、そういう人物が具体的にこの中にあらわれてまいります。たとえば小佐野賢治であるとか、あるいは最近新聞に報道されましたユニット三十にかかわる四名の高官、それから特にコーチャンが力を込めてこの説明をしたと思われる
ロッキード社のトライスター売り込みの最大の危機打開に中曽根康弘氏が非常に重要な役割りを果たしてくれた、こういう会見の内容などについて、私たちはどうしても当人たちの否定があるだけに、当
委員会においてこれらの方々がその事実を自分たちの否定されておりますことを公式の場で明確にするためにも、ぜひ
委員会に出席をされて説明をせられることがきわめて望ましいと
考えております。特に中曽根氏の場合に、中曽根氏が四十七年十月五日、コーチャンが児玉事務所において児玉氏を通じて中曽根工作をやったというくだりについて、中曽根さんが直ちにこれに対して法的対抗措置を考慮をするという記者発表をされておりまして、その中で十月五日の日にはと、夕食のメニューを説明すればよいのに、朝飯のところから説明をされまして、十月五日は午前七時半に上野駅を立ってというところからずっとアリバイを説明されておるわけであります。ところが、大変最近はお忙しいとみえまして、自宅に午後八時十分過ぎに戻った。だからと、こうなっておるんですが、コーチャンの方は、午後八時に児玉事務所を訪ねて児玉と相談の上、児玉が電話をかけたということになっておるわけでありますから、ちょうど中曽根さんが自宅にお帰りになったその後に電話がいっていることになっているわけです。だから、これは何らアリバイが
成立するもんじゃない。そういうような説明でもって事実無根、法的対抗措置を考慮するというふうなことを述べられましても、私たちは大変疑問を持つわけであります。
で、この際、捜査に
支障があるから証人の喚問は困ると述べられてこられました
自民党並びに捜査当局は、原点に立ち返れば、二月の六日この
事件が発生いたしました直後において
三木総理は、日本の
政治の名誉にかけてもこの問題は明らかにする必要がある、これは
国民としても非常に疑問を持っているでしょうから、できるだけわれわれの手の届く限りで材料を収集して、もしそれが法規に抵触するならば厳重な措置をしなければならぬ、こう述べられておって、そしてその後証人喚問についても、捜査当局の捜査というものに対して、これが迅速に真相
解明に役立つであろうからしばらく待ってくれ、で、
政治道義上の
責任追及は
国会が当然されるべき権限であり、その
責任を覆い隠してしまおうなどという意図は全くない、こういうことを
三木総理は言われているわけであります。ところが残念なことに昨日の衆議院の
委員会においては中曽根氏の喚問を多数を頼んで理不尽に拒否されたというふうに私
どもは聞いております。しかもその中で捜査に
支障があるからという
理由でやられたと聞くんですが、それならば同じく疑惑の残っておって、まだ強制捜査の対象となっていない小佐野賢治については証人喚問に同意をされておるわけであります。このことから見ても明らかに
政治的に
国会議員、なかんずく党の主要な地位にある者を多数をもって覆い隠そうとする
政治的意図、
政治的圧力を私たちは大変強く感ぜざるを得ません。
コーチャンの会見内容を細かに分析をいたしましても、今日まで捜査当局が進められてきました内容というのは、コーチャンの会見内容ともきわめて高い確率で一致をしておるわけでありまして、その他の部分だけが全くこれは虚偽の供述であるなどということは、一般的には理解しにくい点であります。そういう点で、ひとつ
法務大臣の、これらの疑惑の持たれている人たちに対する証人喚問について、なおかつ捜査上の
支障が強く残っておってどうにもならないものなのかどうか。すでに半年以上を過ぎて、
政治的道義的
責任の
究明も、進んだ部分については積極的に進めにやならぬ段階に入ってきているんじゃないか、こう思うんですが、この点について大臣の御
見解を聞いておきたいと思う。