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1976-07-23 第77回国会 参議院 ロッキード問題に関する調査特別委員会 閉会後第17号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十一年七月二十三日(金曜日)    午前十一時八分開会     —————————————    委員の異動  七月二十三日     辞任         補欠選任      秦   豊君     小柳  勇君     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         剱木 亨弘君     理 事                 岡本  悟君                 林田悠紀夫君                 瀬谷 英行君                 黒柳  明君                 橋本  敦君                 木島 則夫君     委 員                 石破 二朗君                 大島 友治君                 岡田  広君                 上田  哲君                 久保  亘君                 小柳  勇君                 野田  哲君                 矢田部 理君                 峯山 昭範君                 神谷信之助君                 青島 幸男君    国務大臣        法 務 大 臣  稻葉  修君        運 輸 大 臣  木村 睦男君        国 務 大 臣        (防衛庁長官)  坂田 道太君    事務局側        常任委員会専門        員        池部 幸雄君    説明員        防衛庁装備局長  江口 裕通君        法務省刑事局刑        事課長      吉田 淳一君        国税庁次長    山橋敬一郎君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○ロッキード問題に関する調査  (ロッキード問題に関する件)     —————————————
  2. 剱木亨弘

    委員長剱木亨弘君) ただいまからロッキード問題に関する調査特別委員会を開会いたします。  ロッキード問題に関する調査を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  3. 久保亘

    久保亘君 私は最初に、昨日衆議院特別委員会が行いました児玉譽士夫臨床尋問について質問いたします。  この質問に先立って確かめておきたいことは、児玉譽士夫起訴容疑は何であるか、それから国税庁児玉譽士夫脱税について顧問料以外の金銭授受についても追徴の根拠と、脱税根拠としているのかどうか、その点について最初にお伺いいたします。
  4. 吉田淳一

    説明員吉田淳一君) 御説明いたします。  児玉譽士夫につきましては三回にわたって起訴をしております。三月十三日、所得税法違反。これは昭和四十七年分についての脱税でございます。第二は五月十日、外為法違反。この点につきましては四億四千万円の受領について起訴をしております。さらに六月四日、同じく外為法違反。これにつきましては一億三千八百万円の受領の事実について外為法違反容疑起訴をしております。
  5. 山橋敬一郎

    説明員山橋敬一郎君) お答え申し上げます。  児玉譽士夫に関しましては、四十七年分の所得税に関しまして、ロッキードエアクラフト・コーポレーションから受領したコンサルタント料を除外するなどの方法によって取得したということで、所得税法違反容疑告発をしております。
  6. 久保亘

    久保亘君 いま児玉起訴容疑で御説明になりました外為法違反合計五億七千八百万の問題については、国税庁としては問題にされておりませんか。
  7. 山橋敬一郎

    説明員山橋敬一郎君) 四十七年分の告発に関しましては、ロッキード社からの報酬というものを中心としてございまして、外為法関係は入っておりません。
  8. 久保亘

    久保亘君 いや、いまの問題でロッキード社からの報酬の中には、いわゆる顧問料四千五百万ないし五千万以外の金銭授受についても対象とされているかどうかということです。
  9. 山橋敬一郎

    説明員山橋敬一郎君) お答えいたします。  四十七年分の所得に関する脱税容疑に関しましては、ロッキード社からのコンサルタント料をその対象としているわけでございます。
  10. 久保亘

    久保亘君 それでは少し検察庁にお尋ねいたしますが、児玉譽士夫衆議院特別委員会による臨床尋問について、その供述チャーチ委員会におけるコーチャン証言を全面的に否定をいたしております。また、いま起訴容疑となっておりますものについても、この供述否定をすることになっております。そのほか、政治家との接触の問題であるとか、あるいは衆議院特別委員会予算委員会等における大庭哲夫氏の証言との関係から見ましても非常に多くの問題があると思いますが、この児玉譽士夫臨床尋問における供述について、検察側の三十回に及ぶ臨床尋問の結果、並びに今日まで捜査をされたそれらの結果に基づいて児玉譽士夫供述についてどのような見解をお持ちか、お尋ねいたします。
  11. 吉田淳一

    説明員吉田淳一君) 先ほど申しましたように、児玉につきましては三回にわたって起訴を行っております。この起訴公訴事実につきましては、これから公判廷において検察官が立証すべき事項でございますので、その点についての見解は避けたいと思うのでございますが、検察官公訴提起いたしましたのは、所得税法違反につきましては、昭和四十七年分につきまして差額八億五千三百七十四万円余の脱税があった。その前提には、実際の総所得が十一億余あったということを認定しておるわけでございます。  さらに、五月十日につきましては、昭和四十八年五月中旬から同年六月中旬までの間にジョン・ウィリアム・クラッターから四億四千万円の非居住者のためにする支払いの受領をしているという事実について起訴をしておるわけでございます。  さらに第三回目は、四十八年六月十四日から同年十二月十二日ごろまでの前後四回にわたって同じくクラッターから現金合計一億三千八百万円を受領したという事実について起訴をしておるわけでございますが、この点につきましては、検察庁といたしましては、それまでの各般捜査を行い、総合的にこの事実を十分認定できるという確信のもとに公訴提起しているのでございます。
  12. 久保亘

    久保亘君 そういうことは、結局昨日の児玉譽士夫臨床尋問供述は、今日起訴されておりますその容疑の認定と比べました場合には、もし児玉譽士夫供述議院証言法に基づく証言として行われているとするならば、偽証疑いが大変濃い供述であるという判断にお立ちになりますか。
  13. 吉田淳一

    説明員吉田淳一君) 先ほど申しましたように、検察庁といたしましては、捜査の結果各般証拠を収集して、それによって総合的に認定して公訴提起しておるのでございます。昨日の児玉委員長に対するいろいろな証言と申しますか、供述につきましての論評はここでは差し控えさしていただきたいのでありますが、いずれにしても検察官としては確信を持って公訴提起しているという次第でございます。
  14. 久保亘

    久保亘君 確信を持って公訴提起されているその確信に対して、本人から全く否定する供述が行われているわけです。だから、もしこの供述議院証言法に基づいて証人として証言されたものであるならば、当然偽証罪として告訴しなければこれは成り立たないことになりはしませんか。そうしないと、公訴提起された根拠を昨日の臨床尋問における供述は全面的に否定されていると見なければならないわけです。その点については明確にしていただきたいと思うんです。
  15. 吉田淳一

    説明員吉田淳一君) 私ども法務省といたしましては、本人児玉個人がどのように述べているかについての論評は差し控えさしていただきたいと思います。同じことを繰り返すようで申しわけございませんけれども検察庁といたしましては、捜査の結果、先ほどの公訴の事実を認定して裁判を求めているという処分をしておるのでございまして、それ以上、御指摘仮定の問題につきましては、結局その個人意見供述信憑性云々のことになりますし、今後この公訴事実につきましては裁判という法廷においてその事実が明らかにされていくものと考えますので、いまの段階裁判に予断を与えるようなことを申し上げるのはいかがかと思うわけでございます。
  16. 久保亘

    久保亘君 それでは少し具体的にお尋ねしましょう。  児玉起訴するに当たって、チャーチ委員会におけるコーチャン証言は、その公訴提起のために必要な要素としてこのコーチャン証言が取り入れられていると考えるのでありますが、この点についてはコーチャン証言児玉起訴の重要な要素となり得たのかどうか、お答えいただきたいと思います。
  17. 吉田淳一

    説明員吉田淳一君) 公訴提起いたしましたのは、先ほど申しましたように、捜査の結果収集し得た証拠各般に慎重に検討した結果、その事実を認定しておるのでございます。そのうちどの証拠にウエートを置いて、重点を置いてそういう事実を認定しているかということにつきましては、先ほど申しておりますように、これから裁判が開かれるのでございまして、私ども裁判の一翼を担う検察庁を所管する法務省といたしましては、どの証拠についてどう考えているかということをこの段階で申し上げるのはいかがかと思いますので、御勘弁いただきたいと思います。
  18. 久保亘

    久保亘君 法務大臣、それではこの児玉供述の中に、顧問にはなったが航空機の売り込みを頼まれたことはない、こういう供述があります。ところが、児玉コンサルタント契約の中には、ロッキード社は日本におけるロッキード社がつくる航空機市場開拓のためにその使命を与えるのだということが明確に書かれております。そのために顧問料が払われると、こういうことになっております。また、その顧問料以外に金銭を受け取っていない、つまり五千万程度の顧問料はもらったが、それ以外は全然受け取っていないという供述がありますが、児玉公訴提起根拠となりましたものは、それ以外の金銭外為法に違反して受け取ったということがその容疑根拠になっているわけであります。  それから政治家とのつき合いは川島正次郎氏の生存中以外には、川島正次郎氏が亡くなられてからは一切ないと、こう言われておりますが、このことについては法務大臣御自身がその後児玉との関係を明らかにされておるんじゃないかと、こう思うんです。  それからまた、もしこの児玉供述が真実であるとしますならば、日航の松尾社長の言明についての大庭氏の証言偽証となります。それから児玉氏は全日空には私の知り合いは一人もいない、こう言っているのでありますが、大庭氏は全日空社長になられた直後に社長恒例のあいさつ回りのスケジュールの中に児玉譽士夫が入っていたので、児玉譽士夫と会ったと言われております。そして、その理由は総会のときなどにお世話になる方々へのあいさつはしなければならなかったということなんでありまして、全日空知り合いが一人もないというのも、大庭証言偽証でない限りは大変うまく論理が合ってこないわけであります。  こういうようなことを総合いたしますと、昨日行われた児玉譽士夫臨床尋問における供述は、もし議院証言法に基づくものであれば偽証疑いが大変濃い供述ではないか、こういうふうに考えるのでありますが、法務大臣は、国政調査権への協力という立場でこの問題についての大臣見解をお述べいただきたいんと思うんです。
  19. 稻葉修

    国務大臣稻葉修君) 昨日衆議院ロッキード問題調査特別委員長田中伊三次氏が臨床尋問をしましたようですが、どういう内容であったかは私存じておりませんがね。どうも私にはわけがわからない。
  20. 久保亘

    久保亘君 わけがわからなければ、いま私が申し上げましたような内容供述で、これはあなたがよく否定されます新聞の報道ではありませんで、テレビ等を通じて、また田中委員長が直接読み上げられたその内容に基づくものでありますから、全然そういう意味での否定的な要素はないと思うんであります。それであなたもこれをお読みになっておりますならば、この児玉供述について、今日まで捜査の、この問題の司法上の責任者としてタッチしてこられた稻葉法務大臣としての児玉供述に対する所感は、おありになるはずだと思うんであります。
  21. 稻葉修

    国務大臣稻葉修君) だから、何を言っているのかわけがわからないという判断であります。
  22. 久保亘

    久保亘君 非常に論理的に、とても息も絶え絶えの病人などとは思えないようなしっかりした答弁です。そして私どもが報道されたところで知っていますのでは、手のひらに数字を書いて一遍手を握ると、その数字はもう記憶が薄れるというような症状であると言われておりますが、きのうの供述に関する限り、とてもとてもそんな状態じゃないと思いますよ。非常にしっかりした、論理的にきちんと組み立てられた供述になっていると思うんです。だから、何を言っているのかわけがわからぬということはありませんよ。言っていることは非常に明瞭です。だから、その言っている内容が少なくとも児玉が現実にこのロッキード社との関係で今日まで果たしてきた役割りについて、うそばっかり、でたらめばっかり言っておってわけがわからぬと言われるなら結構ですよ。そういう意味ですか。
  23. 稻葉修

    国務大臣稻葉修君) そういう意味なんです。
  24. 久保亘

    久保亘君 わかりました。  それじゃ、児玉供述は非常にでたらめで、それで私が言いますように、これは検察当局としては仮定の問題だから言いにくいということでありましたけれども、もしあの供述特別委員会における証言として行われたとするならば、当然に偽証罪を成立させるものだと思いますが、やっぱり法務大臣もそういうふうに思われるでしょうな。
  25. 稻葉修

    国務大臣稻葉修君) 議院証言法に基づいた供述じゃありませんからね。ただわけがわからぬというだけで私の答弁にしておきます。
  26. 久保亘

    久保亘君 昨日の供述は、議院証言法に基づくものではありませんから、これは即偽証罪を成立させるものではないと、こう思いますけれども、いま法務大臣が申されましたように、供述論理そのものは非常に明快でありますけれども、言っている内容は全くでたらめで、何を言っているかわからぬ、こういう状態のものであるということでありますから、児玉譽士夫については当委員会においても必要な尋問を行われるべきではなかろうかと考えております。この点について委員長善処方をお願いを申し上げておきます。よろしゅうございますか。
  27. 剱木亨弘

    委員長剱木亨弘君) 久保君に申し上げます。  後ほど理事会で御相談いたします。
  28. 久保亘

    久保亘君 それでは法務大臣に引き続きお尋ねいたしますが、近くあなたの方で三木総理大臣に対して捜査状況報告を行われると言われておりますが、そのような御予定になっておりますか。
  29. 稻葉修

    国務大臣稻葉修君) 三木総理にというのではなくて、ロッキード問題関係閣僚連絡協議会を来週くらいには開いたらどうかという総理、副総理等の御意見がありますので、捜査当局とも相談の上考えてみましょうと、こういう御返事をしてある段階です。
  30. 久保亘

    久保亘君 法務大臣としてはすでに報告すべき現状について把握をされていると思うんでありますが、その報告は、三木さんがいつも言われております政治日程、今後の政治日程はすべてこの事件進展いかんによるということでありますから、今後の政治日程にかかわる内閣の判断の資料としてその報告が求められ、またあなたの方から報告をされようとしている段階なのかどうか、その点についてお答えいただきたいと思います。
  31. 稻葉修

    国務大臣稻葉修君) 三木総理のお考えはどうかわかりませんけれど、私は、との事件捜査をやっている検察庁を一般的に指揮する、監督する立場法務大臣として、このいままでの経過やそれからロサンゼルスの問題だとか、そういうことについて御報告をしようと、ロッキード問題閣僚連絡協議会に御報告すると、余りごぶさたしているといけませんので。新しい政治日程と絡んだ報告ができるかどうかは全くわかりませんが、そうして、そんなことを考え報告する立場にありませんね。それは総理だとか党の連中がやるべき問題だ。
  32. 久保亘

    久保亘君 そうすると、今度報告されます内容は、まだ事件の終局を見通し得る状態として報告できるものではない、こういうことですか。
  33. 稻葉修

    国務大臣稻葉修君) それはきのうの衆議院ロッキード問題の調査特別委員会でも聞かれたのですけれども政治日程との関係官房長官総理大臣のかわりにお呼びになって、そして最後に、私にそういう政治日程のことも関係するから、いつ終わるんだと、いつ捜査は終了するんだと、こう言われるから、それがわかれば世話はないと、苦労はないんですと、こう申し上げるよりしようがないんですね。ですから、そういうことですから、ロッキード問題の閣僚協議会におきましても、そんなこと聞かれてもわからぬという返事しかできないのです。
  34. 久保亘

    久保亘君 それじゃ法務大臣にもう一点お尋ねいたしますが、法務大臣ロッキード事件については造船疑獄などのあしき前例を絶対に行使しないと、こういうことを言われているのですが、もし刑事訴訟法二百四十八条による微罪または情状酌量による起訴猶予というのですか、公訴提起ですね、提起せずというようなことがこの事件に関連して行われた場合に、もう犯罪内容については、国会の意思もすでに明確になっておりますように事件政治的道義的責任追及は徹底的に行われなければならないということでありますから、これらの問題はすべて国会要求に応じて全面的に公表をされるべきものと考えるのでありますが、この刑訴法二百四十八条による公訴提起の取り扱いについて大臣はどのようにお考えになりますか。
  35. 稻葉修

    国務大臣稻葉修君) すべてそれは検事総長を頂点とする検察当局判断をさるべきことで、私のところに報告があるかもしれませんが、その報告に基づいて、それはおかしいじゃないかとか、そういう意見は私は一切申し述べないつもりです。そうでないと、政治介入の誤解を与えて将来の民主政治の健全なる発達に非常に阻害を来すと思いますから、一切——まあ報告を受けて、ああそうということは発言するかもしれませんが、一切それに対して指図がましいことは申さないつもりです。
  36. 久保亘

    久保亘君 私が申し上げておりますのは、そうではなくて、従来も疑獄事件等についてこの二百四十八条を適用された公訴提起の事実があったのではありませんか。だから今回の事件についても、そのような形でのこの事件関係者起訴を受けない、こういう場合があり得るのではないかと考えられるので、これらの問題はすべて将来国会調査に関連しては明らかにせられるべきものであるという立場を私は申し上げておるわけです。で、その点について大臣はどうかということなんでありまして、検察当局がそのような事例が生ずる可能性がないと言われるならば結構です。
  37. 吉田淳一

    説明員吉田淳一君) 御指摘は、起訴猶予の場合ということでございます。で、刑事訴訟法二百四十八条には、犯罪の軽重その他幾つかの要件を挙げまして、事実が犯罪事実として認められる場合でもこれを公訴提起しないという処分をすることができるという趣旨の規定を置いております。で、この起訴便宜主義をいわゆる疑獄事件で適用した事例があるかどうかということでございますが、この点につきましては、起訴猶予にしたという事例が実際にあったかどうか、私、いま正確に記憶しておりませんのでその点はお答えできかねるわけでございます。しかし、本件につきましては現在鋭意捜査中でございますので、捜査段階において将来こういうこともあるかどうかというのは、これは捜査の結果大体事実がどういうことであるかということが明確にならない限りは、どういう処分が行われるだろうかということはちょっと予測できないわけでございます。
  38. 久保亘

    久保亘君 大臣、やっぱり可能性もあるわけでありまして、そういう起訴猶予処置が行われても、これは法律上の責任追及を受けなくても政治的には当然その責任を問われるべきものである、こういうふうに考えております。そうすると、それらの問題に対しては国会要求に基づいて全面的に公表されるということでなければ政治的責任追及ができないわけですから、それらの点については大臣としてはきちっとした御処置をおとりになると思うのですが、いかがですか。
  39. 稻葉修

    国務大臣稻葉修君) あなた、わしらの方で起訴猶予ということはクロという立場ですからね。クロですから、刑事責任クロと出て政治的道義的責任が伴わないわけはないんですから、それでもう政治的道義的に責任がその人の場合は十分ついて回ったと国民は判断するでしょうから、きちんとやるもやらぬもないんじゃないですか。どうでしょう。
  40. 久保亘

    久保亘君 従来、これは私たちが知っております限りでは、疑獄汚職事件に関連して起訴猶予となったまま、これは世の中に公表されることなくそのまま無罪放免になって終わっている者があるように思うのです。どうなんです。  そうすると、いまの大臣のお言葉ね、少なくとも起訴猶予の者については、これは犯罪の事実が存在するんだから当然求められれば全面的に公表されるべきものだと、こういうふうに理解してよろしゅうございますね。
  41. 吉田淳一

    説明員吉田淳一君) 起訴猶予につきましては先ほど御説明したとおりでございます。そういう処分をした者について公表をすることが適当であるかどうか、それは刑事訴訟法四十七条ただし書き等精神趣旨を体して、適当であるかどうかというのは、その具体的な状況によって公表することによる公益との均衡を図りながらその時点判断すべきことであって、いまの時点で申し上げるのはまだ時期尚早ではないかと思うのでございますが……。
  42. 久保亘

    久保亘君 その辺の判断でなくて、課長のそういう答弁じゃいかぬのでね、その辺の判断課長判断される問題ではなくて、これはやっぱり責任者としての法務大臣判断にかかってくる問題だと思いますよ。  大臣、あなたがさつき言われたことは大変りっぱなことなんで、起訴猶予というのは、それは犯罪の事実が存在したんだから、そういう者が政治的責任を問われるのは当然のことであって、きちっとするもせぬもないじゃないかと言われた、そういう精神できちっとやってもらえるということがわかればいいんです。
  43. 稻葉修

    国務大臣稻葉修君) 刑事訴訟法立法趣旨をも踏まえてとあるから、その四十七条ただし書きとかいうものは、私、法律専門家でありませんから、刑事訴訟法の。だから吉田君に答弁してもらったわけです。それはやっぱり当該検察官公益と比較考量して、公表すべきものと思えばするし、公表しない方が公益に合するということになればしないし、その場面が来なければいまここであらかじめどっちだとかこっちだとか言うわけにいかぬと、こう言っているんですから、そういうものじゃないでしょうか。その場面に来てから、刑事訴訟法立法趣旨を踏まえて、そうして国会国政調査権については最善の協力をするというのがいま言える抽象的な返事でございまして、その場面に来なければ、これはどうだ、これはどうだと、こういうふうには言えません。
  44. 久保亘

    久保亘君 そうなってくると、私は前にあなたに一遍事実を指摘して申し上げたことがあるんですが、四十一年の六月二十三日の最高裁第一小法廷判決ですね、あれ、その後御検討になりましたか。
  45. 吉田淳一

    説明員吉田淳一君) たしか久保委員のお尋ねは、名誉棄損に関する最高裁判例のことだったと思います。この名誉棄損に関する判例につきましては、公務員に係る事実は公共の利害に関する事実であるということになっておりますが、この名誉棄損の問題と、名誉棄損罪を構成するかしないかという問題と、処分を、捜査の結果を公表するかどうかという問題とはやはり別個の問題でございまして、直ちにはその裁判の判示をそのまま援用するというわけにはいかないんじゃないかと思っておりますが……。
  46. 久保亘

    久保亘君 法務大臣は、私せっかくここで具体的な判決を示してあなたの意見を求めたことがあるのに、そういうものを全く無視されておるというのは少しふまじめですよ。いま言われたことは全然違うんです。これはどういう点で違うかというと、今度の四十七条のただし書きの問題について言われているのはこういうことなんですよ。  基本的人権と公益の重みとをよく考えてやりたいということを三木さんもあなたも言われてきたんです。だから、これが公益についてどういうような、公表するに足るものかどうかという判断ということとは違うんです。ロッキード事件の問題に関しては、事実をすべて明らかにする公益上の重要性ということについては、すべての人の意見が一致しているはずです、これを明らかにしなければならないということについては。ただ、そこのところで基本的人権ということがかかわってくるから慎重に扱いたいというのが総理やあなたの主張なんです。そういう立場考えれば、この最高裁名誉棄損に関する判決、国民の知る権利の前には、選出、罷免の権利を持っている国民の知る権利の前には、国会議員やその候補者、高級公務員等についてはプライバシーは優先し得ないという判決が明確に出ているじゃありませんか。そういう意味で、私はこの判決に基づく今度の事件に対する法的な見解というのは明確にしてもらわなければ困る、こういうことを申し上げているわけですよ。
  47. 稻葉修

    国務大臣稻葉修君) 私が言う、公益の比較考量という場合があるからと——基本的人権の擁護ということも民主社会において非常に重要な公益ですわな。その人にとっては私益かもしらぬけれども、一般に人権を擁護するということは公益なんでしょう。それともう一つは、犯罪事件というものは何千万件とあるわけですね。将来もたくさん犯罪事件というものは起こるわけですね。そういうことに対して公表されるということになりますと、将来の犯罪捜査機能が著しく阻害される、これは重大な公益の失墜、そういうことも考えなければならぬから、具体的の事件について、その場面についてよく検討することを要する、慎重を期することを要する、こういうことを申し上げているので、総理のは、これはそういうことじゃなくて、名誉とか人権とかいう問題があるからと、こういうことを言っておられるのですけれども、私は、捜査機能全体が将来非常に都合悪くなる、一々公表されるんじゃ任意捜査に応じてもらうことが危なくてしようがないなという空気になります、と、そういうことをつけ加えて、私は、慎重にやる必要がある、一時こういう場合に国民が全部公表せいと言っているからといって、そのあれにうっかり乗って、そうして将来、犯罪捜査能力、機能全体に大きな響きを与えるということは非常な損失であるので、その辺のところも含めて公益の比較考量をすべきものではなかろうかということを私はしばしば申し上げているわけです。
  48. 久保亘

    久保亘君 国民のそういう声に乗ってというような言い方は大変不穏当ですよ。この判決が示しているのは、すべての人がやっているわけじゃありませんよ。国会議員、その候補者、公務員、中でも高級公務員、こういう人たちについては、その立場をみずから選んだ以上は、国民の知る権利の前には自分の全人格が公表されてもやむを得ないという、それだけの覚悟がなければならぬはずだ、という観点に立っておるように思います。だから、もし今度のような民主主義の存否にかかわる、国家公益に関連をするような事件に関して、その事実を公表されることがいやだと言うなら、国会議員であることをやめればいい、高級公務員であることをやめればいい。そういうような立場を持ちながら、自分のそういう問題は基本的人権とかプライバシーの尊厳とかいうような、そういうものの中に隠れてしまって、そういうものの公表を防いでいくということは、最高裁判決した精神から見ても、刑訴法の四十七条に言っている精神、あるいは刑訴法の一条ですか、その前文に言っている、そういうような精神を正しくとらえた立場から基本的人権と公益との調和というようなことが言われているとは考えられない。だから人間を特定しているわけです。そういう意味で、この最高裁判決というのは尊重されなければならぬ、こういうことを私は主張しているのですよ。
  49. 吉田淳一

    説明員吉田淳一君) 本件においていかなる範囲でいかなる時期に公表すべきかどうかという問題は、きわめて高度な問題でございますので、私はその点についてはここでは触れるのは適当でないと思いますが、私の立場から法律的な観点について一、二御説明させていただきたいと思います。  御指摘名誉棄損罪について公務員または公選による公務員の候補者に係る事実につきましては、それは先ほど申しましたように、法律は公共の利害に関する事実等とみなしておりまして、事実の真否を判断して、真実なることの証明があったときはこれを罰しないという規定を置いておるわけでございます。それで、御指摘判例は、その趣旨に沿うものであると考えておりますが、この条文の解釈といたしましても、刑事判例におきましては、すべての公務員についてプライバシーまで全部その対象になるかどうかという点については、必ずしも刑事判例はそうは言っておらないと思います。  また刑事訴訟法四十七条のただし書きの解釈につきましては、最高裁が別途昭和二十八年七月十八日に判例を出しておりまして、これについては、御指摘の訴訟関係人の名誉の問題を保護するというのも一つの法益でございますが、それ以外に、公序良俗を害し、または裁判に対する不当な影響を引き起こすことを防止する趣旨であるということが四十七条本文の規定の趣旨だと判例は言っておるのでございます。私どもは、これに捜査に対する不当な影響も含まれると解釈しておるのでございますが、そういう趣旨で、四十七条ただし書きの運用の問題は、その個人に対して名誉を棄損することになるのかどうかということとは別に、さらにもう一つ、捜査裁判に対する影響、不当な影響を及ぼさないかどうかという公益との関係で比較考量すべきものだと考えております。
  50. 久保亘

    久保亘君 この問題についてはまた改めて議論をいたしますが、私は、そういう事務的な解釈ではなくて、政治的に——三本総理が、内閣の責任、政治生命という立場でこのロッキード事件そのものの固有の事件について、国家の公益に関する重要な問題という認識を明確にされた上で基本的人権との調和を言われているわけであります。だから、その基本的人権との調和ということに関して、高級公務員や国会議員の立場にある者が、この公益の前に、国民の知る権利の前に自分の基本的人権というものを事実を隠すという立場で主張することはできない、こういう立場を明確にしてやってもらいたい、こういうことです。  次に、時間がありませんので防衛庁関係に少し質問いたしますが、つい最近、カナダ政府がP3Cオライオンの改良型、オーロラの輸入契約を成立させたと言われております。これは十八機、十億ドルと言われておるのでありますが、いま防衛庁が想定されておりますP3Cの価格は、現時点において輸入する場合には大体幾らと想定されておるのか、また、専門家会議に討議の資料として示されたP3Cの輸入価格は幾らで説明をされたのか、その点をひとつ御説明いただきたいと思います。
  51. 江口裕通

    説明員(江口裕通君) 防衛庁、日本政府といたしまして、P3Cの輸入ということを仮に行うといたしました場合の価格の問題でございますが、これはまあ端的に申しまして、これから交渉をいたしてみませんと、はっきりした見通しはつかないわけでございます。巷間いろいろ説がございますけれども、まあ予断を許さないということでございます。  そこで、まあ御参考という意味でも、いま御質問のありました点についてお答えをいたしたいと思いますが、専門家会議で防衛庁が当時説明をいたしましたときのP3Cの輸入単価でございますが、これは約三十億でございます。これは前提がございまして、約百機の平均単価ということでございます。それからもう一つ、これは四十八年十月の調査団が参りましたときのその時点の価格でございますので、まあ現在では若干それとは事態が違ってきておるわけでございます。いずれにいたしましても約三十億ということでございます。  それから、これも確定情報に基づいて資料として申し上げたいと思いますけれども、現在、米海軍がロッキード社に対しまして購入をいたしておるわけでございますが、一九七七年会計年度の米海軍が予算に計上しております単価は千三百九十万ドルでございます。約四十三億円程度のものでございます。で、先般ちょっと衆議院の楢崎先生の御質問のときに、私はこの数字を千九百八十万ドルというふうに申し上げておりますが、これは当時航空雑誌等に記載されておりました数字でございまして、その後いま申しました千三百九十万ドルという数字は予算に計上されております数字でございますので、確定数字といたしましてはむしろこちらをおとりいただきたいと、かように考える次第でございます。
  52. 久保亘

    久保亘君 いまのこの専門家会議に示された三十億という単価、それからアメリカ海軍の購入予算に示された四十三億という単価は、これはいわゆるあなた方の用語に従えば、はらわた抜きのやつですか。もうこいのぼりのこいだけか、それともはらわたを詰めたやつか。
  53. 江口裕通

    説明員(江口裕通君) 私どもの用語ではフライ・アウエイ・コスト、FACと言っておりますので、いま御指摘のはらわたという言葉を言いますと、はらわたは入っております。ただ、初度部品というものは抜けております。つまり身の回り品と申しますか、いろいろな初度的な部品が必要でございますが、これは飛行機以外に必要なものがございます。そういうものは抜いております。しかし、いわゆる搭載機器等は入っております。
  54. 久保亘

    久保亘君 そういたしますと、今度カナダ政府が輸入契約を結んだ十八機、十億ドル、単純に割り崩しますと、一機百六十六億六千万余りになりますね。この単価というのはとても私どもの想像できない金額。そうすると、専門家会議のときには、大蔵省が安けりゃ輸入の方がいいという立場を主張してこられた、そのことによって専門家会議に議論が、それを付せられることになった。その専門家会議では、はらわたを詰めて一機三十億という説明をしてやってきている。ところが、これは財政的見地から見ても全く問題にならない。その現実的でない不合理な数字で論議が進められたということになりはしませんでしょうか。特に専門家会議は、財政的見地から大変激しい論議が重ねられたと聞いておりますし、また大蔵省が十月の国防会議に向けて防衛庁に対して輸入論を強硬に主張されていった根拠も財政的な立場からの主張が強かったと私どもは今日までのいろいろな説明の中で聞いておるわけでありますが、このような数字で議論が進められたとするならば、これは全く非現実的な論議をやってきたということにはなりませんでしょうか。
  55. 江口裕通

    説明員(江口裕通君) いまの点で若干事実的な点からまず申し上げたいと思うわけでございますが、先ほど先生の御指摘のカナダの購入価格の問題でございます。これは確かに、十億三千一百万ドルという数字を十八機で割りますとそういうような数字になるわけでございますが、この中身は若干いろいろの問題が入っておりまして、この十億ドルの中にはいわゆる後方支援関係の機材、たとえば地上のタクティカル・サポーティング・センターと言っておりますけれども、地上機材あるいは訓練機材その他飛行場整備等々いろいろなものが約五億二千七百万ドル入っております。で、これをまず除いていただかなければいけないだろうと思います。それからもう一つ、したがって、機体の単体の価格でございますが、これは現在新聞で、向こうの新聞リリース、プレスリリースの数字でございますけれども、一機当たり二千百万ドルというふうに言っております。それから、それになおカナダの今度採用いたしますP3Cは、いわゆるオーロラでございますけれども、これはそのほかに特殊用途がございます。たとえば、北極圏の観測でございますとか、流氷観測、あるいは何といいますか、海岸観測といいますか、そういったためのいろいろな特殊用途の特別仕様というのがまた入っております。したがって、ややこしくなりますが、この特別仕様分が別途また六百八十万ドル加わります。したがって、飛行機の全体のFACといたしましては、そういう意味では二千八百万ドルになるわけです。しかし、その中で特殊仕様の分の約六百八十万ドル、七百万ドルを除きますと、二千百万ドル、約六十億という数字に相なるわけでございます。  それで、この数字は果たして妥当なものであるかどうかということは、私ども何ら論評すべき立場にないわけでございますが、時間的な経過から申しましても、大分こういうふうに時間がたっております。当時、専門家会議のころとは時間が違っておると思います。それからもう一つ、先ほど米海軍の数字を申し上げましたが、これはかなり低い数字であろうと思います。私どもこの数字が実際輸入価格となって出てくるとは必ずしも思っておりませんけれども、そういったいろいろな数字がございますので、当時用いました三十億というのは、一応調査に基づいてとった数字ということでございます。
  56. 久保亘

    久保亘君 もう一つ。伝えられるところによれば、カナダ政府はこのP3Cの輸入の商談を国家財政上の見地から一遍破談にしたと聞いております。その後、最近に至って十八機の購入契約を成立さしたというんでありますが、このカナダ政府との輸入契約に当たって、条件として、日本に売り込むP3Cの部品下請をカナダにやらせると、こういうようなことが話し合われたと、こういうことを聞くのでありますが、そのような事実を承知されておりますか。
  57. 江口裕通

    説明員(江口裕通君) 先般も秦先生から御同様な御質問をいただきましたのでございますが、そのときお答え申しましたように、そういうファクターが全然ないということはもちろんなかったと思います。ただ、日本を特定しておったかどうかということは、それはわかりませんけれども、そういうファクターはあり得るわけでございます。そういう意味で申し上げました。  それから、今回の契約の中身についてわかっておる限りのことで申し上げますと、いわゆるオフセット条項というのがございまして、カナダはいわゆる十億ドルは支出いたしますけれども、逆に収入面があるわけでございます。これがまさにオフセットということに相なるわけでございますが、そのうち、向こうの発表では、プログラムリレーテッドという言葉を使っておりますが、本契約に関係したものの確定部分のオフセット、つまりその部品でございますが、それが約四億一千四百万ドル程度ございます。  それからその次の条項、今後P3Cが生産される、アメリカなりどこかなりで生産される場合に、カナダの部品を買うというような条項に該当するものが約一億六千八百万ドル程度ございます。強いて申しますと、この中にあるいは日本も入り得る可能性はあると、日本が対象になり得る可能性はあるということでございますが、現段階においては、これ以上のことは何ら私どもわかりませんので、以上でございます。
  58. 久保亘

    久保亘君 そういうことになってまいりますと、やっぱりアメリカはペンタゴンというアメリカの国家的な立場での武器輸出の大商社がありまして、ここが同盟国に対して自分のところのセコハンの武器を売り込んでいく、そしてその場合に同盟国の各国との商談成立に当たっていろいろな操作をやりながらやっていくんでありますから、その場合にカナダに対して、もし十八機、十億ドルに及ぶ契約を成立させる条件として日本向けのP3Cの部品下請が約束されているとするならば、当然日本政府はP3Cの輸入に関してアメリカの国防省当局からも、またロッキードからも、それらについてかなりの心証をすでにとられている、こういうことになるのではないか。これは論理的にそうなっていくわけですね。そういう点について、防衛庁長官、P3Cの輸入についてカナダ政府の契約とわが国のP3Cをめぐる問題とについては何らの関係も存在し得ないし、それをさせることはないということで断言されますか。
  59. 江口裕通

    説明員(江口裕通君) ちょっと長官のお答えになる前に技術的な点だけ申し上げますが、今回のオーロラ契約というものは、これはいわゆるペンタゴンの入りましたものでは必ずしもないと思うわけでございます。ロッキードとの間の関係であろうと思います。そういう点が一つでございます。  それから、繰り返してくどいようでございますが、日本ということの特定といいますか、そういうことは条項には見当たらないわけでございます。ただ、可能性としてはあるということでございます。そういう前提だけ申し上げます。
  60. 坂田道太

    国務大臣(坂田道太君) いま先生おっしゃいましたようなことも十分調査をいたしまして、日本の不利益にならないように決めなければならないというふうに思います。
  61. 久保亘

    久保亘君 委員長、それじゃここで区切っておきます。
  62. 剱木亨弘

    委員長剱木亨弘君) 午後一時十分再開することとし、休憩いたします。    午後零時七分休憩      —————・—————    午後一時二十五分開会
  63. 剱木亨弘

    委員長剱木亨弘君) ただいまからロッキード問題に関する調査特別委員会を再開いたします。  ロッキード問題に関する調査を議題とし、休憩前に引き続き、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  64. 瀬谷英行

    ○瀬谷英行君 議事進行について。  私は、日本社会党、公明党、日本共産党、民社党、第二院クラブを代表いたしまして、次の動議を提出いたします。    動議   本委員会に田中角榮君、後藤田正晴君、相澤  英之君及び小佐野賢治君を証人として出頭する  ことを求めます。   直ちに本委員会において議決すべきことを要  求いたします。  次に、動議提出の理由を申し述べます。  すでに本委員会において数々の証人喚問を行ってまいりました。それらの証人の証言並びに本委員会における質疑のやりとりの中から、最後に残った問題は、特にPXLの問題につきましては、田中前総理、後藤田正晴当時の官房副長官並びに相澤英之大蔵省主計局長、これらの三名の会談というものが疑問に包まれてかぎを握っておるというふうに見られているわけであります。したがって、この三名の証人をまずわれわれとしても再三再四要求をしてまいりました。ところが、自民党の方針等によりまして、これが入れられませんでした。きわめて遺憾であります。しかし、一番いままでのこの委員会の中で残された疑問点はこの三名によって握られているというような判断もできますので、とりあえずこの三名の証人喚問を要求すると同時に、小佐野賢治君につきましては、衆議院におきましていままで証言がございましたけれども、きわめて不十分だし、疑問点も多いわけであります。したがって、この小佐野証人については本委員会で呼ぶことについてはいささかも問題はないはずであります。したがって、野党側協議いたしました結果、この四名の証人喚問を本委員会において速やかに行うということが妥当であるというふうに考えますので、本動議提出の理由として申し上げまして、委員会各位の御賛同を得たいというふうに考えております。以上。
  65. 剱木亨弘

    委員長剱木亨弘君) ただいまの瀬谷君の動議につきましては、かねて理事会で協議を進めております重要な問題でありますので、委員長は理事各位とその取り扱いについて協議をしたいと存じます。直ちに理事会を開きますので、暫時休憩いたします。    午後一時二十七分休憩   〔休憩後開会に至らなかった〕