運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1976-07-06 第77回国会 参議院 ロッキード問題に関する調査特別委員会 閉会後第12号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十一年七月六日(火曜日)    午前十一時五分開会     —————————————    委員の異動  七月一日     辞任         補欠選任      内藤  功君     神谷信之助君  七月五日     辞任         補欠選任      峯山 昭範君     太田 淳夫君      神谷信之助君     内藤  功君     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         剱木 亨弘君     理 事                 岡本  悟君                 林田悠紀夫君                 黒柳  明君                 橋本  敦君                 柄谷 道一君     委 員                 石破 二朗君                 大島 友治君                 岡田  広君                 亀井 久興君                 秦野  章君                 最上  進君                 上田  哲君                 対馬 孝且君                 野田  哲君                 秦   豊君                 矢田部 理君                 太田 淳夫君                 内藤  功君                 野末 陳平君    国務大臣        法 務 大 臣  稻葉  修君        国 務 大 臣        (国家公安委員        会委員長)    福田  一君        国 務 大 臣        (防衛庁長官)  坂田 道太君    事務局側        常任委員会専門        員        池部 幸雄君    説明員        国防会議事務局        長        内海  倫君        警察庁刑事局長  土金 賢三君        防衛庁長官官房        長        玉木 清司君        防衛庁防衛局長  丸山  昂君        防衛庁装備局長  江口 裕通君        法務省民事局長  香川 保一君        法務省刑事局長  安原 美穂君        大蔵省主計局次        長        高橋  元君        国税庁次長    山橋敬一郎君        文部省初等中等        教育局審議官   鈴木  勲君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○ロッキード問題に関する調査  (ロッキード問題に関する件)     —————————————
  2. 剱木亨弘

    委員長剱木亨弘君) ただいまからロッキード問題に関する調査特別委員会を開会いたします。  ロッキード問題に関する調査を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次発言願います
  3. 石破二朗

    石破二朗君 当特別委員会設置目的についてでありますけれども両院議長の御裁定によって設置されたものであり、いわゆるロッキード事件調査解明して、政治的道義的な責任を明らかにするというのが当特別委員会の主たる目的であることはよく承知いたしておりますけれども自分自分なりに、国会調査権が与えられておるのは、将来立法上の参考にするとか、あるいは将来行政に過ちなき措置を講ずるために、各種の調査をするというのが主たる目的ではなかろうかと、こういう私見を持っておりますので、そういう前提に立って若干の御質問を申し上げたいと思います。もちろん当委員会調査もまだ中途でありまして、見方によりましてはまだ序の口とも言える段階でございます。私の質問は、若干結論めいたことになるかもしれませんけれども、お許しいただきたいと思います。  まず第一には、国会防衛に関する常任委員会設置することについての防衛庁長官の御意見を承ることができれば幸いと思います。で、どういう理由で当特別委員会の席におきましてこういう御質問を申し上げるかと申しますれば、たとえて申しますれば、きょうまでの当特別委員会質疑なり尋問を通じまして主な議論になりました点を若干挙げてみますると、たとえば昭和四十五年、四十六年、昭和四十七年度のPXLに関する、正確には承知しませんけれども、いわゆる調査研究費というものはどういう性格のものであったか、国産前提とするものであったかどうかというような議論がございました。その間に大蔵当局は、いや国産前提とするものではないと言い、防衛庁においては、正式にはともかくといたしまして、内心では恐らく国産前提としてというような期待をお持ちになっておったかと思うのでありますけれども、いずれにしましてもそういう議論がございました。さらに、昭和四十七年度の予算執行停止になっておりますが、それはどういう理由であるかと、あるいは国防会議議員懇談会を境としてPXL国産問題についての政府態度が変わったんじゃないかと、現に昭和四十七年度の予算執行停止になり、四十八年度の調査研究費予算に計上されていないじゃないかと、その理由はどういうことかと、あるいは国産が技術的に可能だったんではないかとか、あるいは財政的、経済的にも国産の方が有利だったんじゃないかと、こういういろいろの、まあ数え上げれば切りがございませんけれども、そういうことが議論になっておりまするが、いずれも、当時私国会議席を持っておりませんで、当時の事情はよくわかりませんけれども本当ならば当時国会において質疑を通じ、あるいは場合によれば証人を喚問されても当時議論をされておればよかったじゃないかと、きょうになりまして当時議席を持たない者がこういう失礼なことを申し上げるのは大変失礼でありますけれども、今日になってすでに記憶も確かでないような、余り定かでないと思われるような証人等を喚問してみても、本当真相というものはなかなか究明しにくいんじゃないかと考えます。私はこういうことを申し上げるつもりはありませんけれども世間には、一部にはこれは本来国会が怠慢だったんじゃないかと、当時、言われてもやむを得ぬ点があるんではないかと、かように思いますので、こういう御質問をするのが第一点であります。  続いて申し上げます。さらに、PXL必要性がそもそもあるのかないのか、機種をどうするのか、いつ導入すりゃいいのかと、これらも議論は今日ではすでに時期を失しておるんじゃないか、もう少し早くこういう問題は国会議論しておくべきではなかったろうかと、かように思います。さらに、その他の兵器につきましても、国の大事に関することであります。どういうものは国産による、どういうものは輸入に頼ると、ある程度長期的な議論をし、国会でもこれを論じて所要の措置政府にとっていただくように迫っておくべきではなかったろうかと思います。  さらに、兵器調達ということは、物にもよりましょうけれども国産であろうと輸入であろうとほとんど大部分随意契約によらざるを得ないんではなかろうかと思います。およそ国もしくは地方公共団体が購入、調達契約をいたします際には、競争入札原則であります。ところが兵器、特に重要な兵器については大部分これは随意契約によらなきゃならぬだろうと、やむを得ぬと思いますが、そういう場合に間々発生しがちな、間々随伴しがちないわゆるスキャンダル防止のための何らかの措置を講じておくべきではなかったか。そういうことに国会それ自体が介入することもいかがかと思いますけれども防衛に関する常任委員会等がございますれば何らかの措置国会としても講ぜられたんではあるまいかと、かように思います。  さらにもう一点申し上げますれば、いわゆる自衛隊文民統制ということが言われております。よく意味はわかりませんけれども文民統制本当のねらいとするところは、防衛庁部内において私服組制服組に優位の立場に立つということだけで文民統制ということの趣旨が達成されるものではなかろうと思う。最終的には国民、つまり国会自衛隊統制する最高、最大責任者じゃなかろうかと思います。そういう意味から申しましても、国会防衛に関する常任委員会というものは当然設置されてしかるべき問題ではなかろうかと思います。もちろんこれは国会が決めるべき問題ではありますけれども防衛庁長官とされましての御所見が承れれば大変幸いと思います。
  4. 坂田道太

    国務大臣坂田道太君) 私はかねがね、いま私が防衛庁長官であるから言う立場にはございませんけれども、ぜひとも国会防衛に関する常任委員会をつくっていただきたいというふうに実は熱願をいたしておるわけでございます。で、やはりいまお話しの文民統制の話も出ましたけれども、その最も重要な柱というのは、国会自衛隊に対するコントロール統制でございます。国会統制というのは普通は予算法案等審議を通じまして行われておりますが、現状では防衛に関する法案等専門審議をしていただく委員会は設けられておりません。現在のように防衛について各党立場が基本的に違っておるときに、実のある防衛論議を期待するということはなかなかむずかしいことではございますけれども、私は少なくとも国会防衛問題を専管する委員会がある方がいいのではないか、ぜひそうしていただきたい。これはもう繰り返し申し上げますけれども国会自身の御決定になるべき事項ではありますけれども、この点は強く私からもお願いを申し上げたいと思います。特に戦前憲法におきましては統帥権の問題がありましたけれども、新しい憲法のもとにおきましては主権在民でございますし、明らかに文民統制の根幹というのはまさに国会である、主権者たる国民に選ばれました国会議員皆様方によって構成された国会において実力部隊である自衛隊というものがコントロールされるということが私はシビリアンコントロールのもとでなけりゃ実はならないというふうに思うわけでございまして、シビリアンコントロールという言葉が適当かどうかわかりませんけれども政治優先原則あるいは最近ではむしろポピュラーコントロールという言葉が言われておるわけでございまして、やはり民主主義下における実力部隊が存在するからには、一面においてそれは危険な要素もないわけじゃないんだと、自由に対する、あるいは個人の自由に対する危険なものに走るおそれなしとしないんだと、こういうような意味合いにおきましても、やはり国会において、主権者たる国民において選ばれた国会においてこの実力部隊統制をされるというのが私は基本の原則であるというふうに考えておるわけでございまして、たとえば各党防衛に関する御意見はいろいろ違いましても、しかし国民一人一人の生存と自由にかかわる問題についてやはり広く深く論議をするということが、私は防衛の問題をわが自分の問題としてとらえることにつながっていく。そういう意味で私は、防衛白書も今回公刊をいたしましたけれども、もう少しそういう国民一人一人の生存と自由にかかわる問題について活発な論議国民の間に巻き起こるということを私は期待し、また国会においてどうやって日本の安全を守るかということについて、非常な立場相違はあっても議論を尽くすということが望ましいというふうに考えておる次第でございます。  後段の問題につきましては、防衛局長及び装備局長から御答弁を申し上げますが、PXL必要性機種導入時期等は過去において国会意思決定をしておいてしかるべき問題ではなかったのかというようなお尋ねだったと思いますが、次期潜機必要性導入時期、機種決定といったことにつきましては、「所掌事務の遂行に直接必要な装備品、船舶、航空機」「を調達する」——これは防衛庁設置法第五条第四号でございますがという防衛庁の権限に基づいて行われるものでございますし、その決定権は本来は防衛庁長官にあるというふうに考えております。ただ、御承知のとおりに文民統制強化のための措置昭和四十七年の十月、国防会議及び閣議決定によりまして重要事項とされております主要な装備品の種類につきましては国防会議に諮ることが定められておりますので、その手続を終わることが必要であり、また予算といたしまして閣議及び国会の議を経るものであることは言うまでもございません。
  5. 石破二朗

    石破二朗君 防衛に関する常任委員会設置に関しまする防衛庁長官の御意見はよくわかりましたから、あえて再度この問題に触れることは避けますけれども、ただ一点、お話の前段の中にございました、防衛に関する各党意見に大きな差があるので、常任委員会を直ちに設置してもあるいは実りが大して期待できないのではないかというような意味の、そう聞こえますような御発言がございました。後段でそれを若干訂正されましたので間違いはないと思いますが、私の意見は、各党の間に意見相違があればこそ常任委員会設置の必要がある、意見がみんな一致しておるんなら何も特に議論を闘わす必要はなかろうと思いますので、もう御答弁は求めませんが、長官意思はよくわかりましたから次の質問に移ります。  そこで、防衛に関する常任委員会国会設置されないといいますその原因はいろいろありましょうけれども根本は、国民防衛に関してそれだけの重大な関心を払っていないというのが実は根本にあるんじゃなかろうかと思います。国民の間にそういう要望があれば、当然国会議員たるものは国会常任委員会設置するに決まっておると思うんです。  そこで、お尋ねしたいと思うんでありますけれども防衛に関する国民の正しい意味での意識高揚というものを図るために政府はどういう具体的な措置をおとりになっておるのか伺いたいと思います。きょうは問題をしぼって——防衛白書のことは伺いました。そのほか、長官がいろいろ御努力になっておることも大体承知いたしておりますので、きょうは学校教育——義務教育だけで結構でありますが、正しい意味防衛意識高揚につきまして義務教育の場で具体的にどういう教育をおやりになっておるか承りたいと思います。
  6. 鈴木勲

    説明員鈴木勲君) お答え申し上げます。  みずからの祖国を愛し、また国土を愛し、民族を愛し、国に尽くすという心情あるいはそういう知識を養うことは、国民として当然備えていなければならない大変大切な資質であると考えます。国は教育課程の基準といたしまして、学習指導要領を定めているわけでございますけれども、その現在の学習指導要領におきましては、このような指導が一層積極的に行われるようにいたしますために、基本的な方針といたしましては、家庭、社会及び国家形成者として必要な資質育成という観点から、特に国家に対する正しい理解愛情を深め、進んで自覚ある国民として国家発展に尽くそうとする態度育成ということを指導することを強調しているわけでございます。  なお、具体的な方針といたしましては、社会科中心にいたしまして道徳国語などの教科道徳等におきまして国土に対する総合的な認識を深めましたり、あるいはわが国の歴史、民族に対する正しい理解に基づいて国民としての自覚誇りを持たせるようにいたしましたり、あるいは国語を尊重するという態度育成などを中心にいたしまして、このような国民として非常に大切な資質育成ということに努めているわけでございます。
  7. 石破二朗

    石破二朗君 御方針はよくわかりましたし、文部省の意のあるところもわからぬではありませんが、お答えが若干抽象的でございましたので、もうちょっと伺いたいと思います。  もちろん現在、国定教科書じゃありませんので、どの本の何ページにどういうことが書いてあるということを伺うつもりはありませんけれども、具体的に国を防衛するのは、憲法にそのことが書いてありませんから言い過ぎかもしれませんけれども自分の国を守るのは国民責任であると、よかれあしかれお互いのかけがえのない国を守る、国民の安全を守るというために、たとえば中学校、小学校国防についての教育に何時間ぐらい当てておられまするか、おわかりなら伺いたいと思います。
  8. 鈴木勲

    説明員鈴木勲君) 具体的な時間数等ではございませんで、ただいま申し上げました、たとえば学習指導要領……
  9. 石破二朗

    石破二朗君 いや、ようござんす。具体的の時間がわからなければ、もう要りません。
  10. 鈴木勲

    説明員鈴木勲君) 具体的な時間につきましては把握しておりませんが、たとえば道徳教材といたしまして文部省が発行しております「道徳指導資料」というのがございますが、その中に「愛国心」という項目を挙げまして、その「主題設定理由」といたしまして「われわれは自然感情として、国や民族に対する愛情をもつことに気づかせるとともに、それらを純化し、世界の人々から信頼され尊敬される日本日本の文化の創造に尽くそうとする愛国心を育てる。」「日本の独立と発展は、国民ひとりひとりの自覚努力に負うものであることを理解させる。」というふうな主題を設定しておりまして、そのようなものを中心学校におきましては道徳等の時間において具体的な教材を使いまして指導をするということをやっておるわけでございます。
  11. 石破二朗

    石破二朗君 時間がございませんので、またむずかしい問題でございますので、防衛庁長官の御意見を承る、御返答を承るのはあるいは遠慮した方が時間の関係からもよかろうと思いますが、若干意見だけ申し上げてお聞きいただきたいと思います。  国会防衛に関する常任委員会設置ができない。ただいま文部省に伺いましても、具体的に自分の国を自分で守るという教育が私は必ずしも十分に徹底してないんじゃないかと思うのであります。  そこで、憲法第九条の問題でありますけれども、私は趣旨に反対という立場に立つものではございません。その点ははっきりしておきますけれども、私ども法律を習った者にはどうにも読みにくい法律であります。現に一部の方に自衛隊違憲論というのがあるのがその証拠だと思います。国防ということが国の最大の責務としまするならば、防衛に、国防関係のある第九条というものを、私は趣旨を変えなさいということを主張するものではありませんけれども、もう少し国民にわかりのいいように改正してはどうかと、お考えはないかと思います。憲法は尊重しなければならぬということは書いてあります。よく承知しておりますけれども、それと改憲論とは私は別だと思います。現に、重要度は違うと思いますけれども法律があります。法律はひとしく国民は守る義務があります。しかしながら、これを、法律改正論を出したからといってだれも不思議がる者はおらぬと思います。そういう意味におきまして、憲法第九条の趣旨を変えろなんていう毛頭つもりはありません。少なくとも自衛隊違憲論というようなものが起こる余地のないように、わかりやすい表現に改める必要が私はあるように思います。しかしながら、三木内閣の閣僚であります防衛庁長官の御答弁はあえて求めません。  最後の質問に移ります。これは質問の要旨を差し上げます際に書いておりませんでしたけれども、簡単なことでございますからお答えいただければと思います。  今回のロッキード事件、もちろんまだ真相ははっきりしておりませんけれども、これが自衛隊員にどういう影響を与えておるかと実は私は非常に心配いたしております。憲法第九条、先ほど申し上げましたとおり、私は自衛隊違憲ではないとは思いますけれど、一部に違憲論があるがごとく非常に理解がむずかしい文章であります。そこに自衛隊という強大な実力を持ったものがおるわけであります。そこが問題でもありますけれども自衛隊員諸君間違いはないと思いますけれども、やっぱり世間で白い目で見られはせぬか、あるいは肩身の狭い思いをしておる方がありはしないか。そこに降ってわいたロッキード事件であります。自分の生命を託さにゃならぬ飛行機、そういうものの調達に関して疑惑が持たれるというようなことになりますと、自衛隊員諸君はどういう気持ちになるものか心配でなりません。  私は、戦前の五・一五事件、二・二六事件の当時に、直接関係はしませんけれども経験いたしております。現在の自衛隊員に一人もそういう者はないと思いますけれども、この自衛隊員諸君誇りを持っていただき、自信を持って本来の防衛任務に当たってもらわなきゃならぬと思うのでありますが、これらの点につきまして長官とされて、きょうまでどういう御指導をなさっておるか、今後またどういう御指導をなさろうとしておられるか。もちろん国会においてロッキード事件真相を究明して、司法当局措置と相まって、政治的、道義的責任も明確にするというのは当然でありますけれども防衛庁長官とされましてどういう御措置をおとしになり、おとりになろうとしておるのか承りたいと思います。
  12. 坂田道太

    国務大臣坂田道太君) ロッキード問題が発生をいたしまして、われわれにも疑惑がかけられておるということでございますが、私はあくまでもこの疑惑を一掃しなければならない、そのためには真相究明最大限の御協力を申し上げ、そしてわれわれがそういうかかわりがないということをはっきりいたすべきであるというふうに決意をいたしておるわけでございます。  で、防衛庁といたしましては、このPXLの選定をめぐる問題が出てまいりましたので、前の防衛庁長官を初めといたしまして、当時の関係者から詳細に実情を聞き、さきに明らかにいたしました、「次期潜機問題の経緯について」というふうなものも明らかにいたしたわけでございますが、ただいまのところ防衛庁といたしましては何ら問題ないというふうに確信をいたしております。したがいまして、自衛隊全体といたしましてこの趣旨が広く伝わっておりますし、いま自衛隊の士気に非常な影響があるというふうには考えておりません。また、事務当局行政執行に当たっては、国会において特別委員会に対しまして御協力を申し上げることは当然であるけれども、しかし従来われわれが計画をしておるいろいろの問題については、何事もなかったと同じような気持ちで当たってもらいたいということで私は今日までやってまいりました。したがいまして、事務支障もございませんし、さき防衛白書も一年ぶりに実は刊行をいたしましたような次第であります。また、昨年シュレジンジャー国防長官と合意をいたしました件につきましては、七月の八日に安保協議委員会を開きまして、ここにおいて決定をしたいというふうに考えております。それから、ポスト四次防全体につきましても基盤的防衛力という一つの構想を昨年の長官指示から作業にかかりまして、現在ほぼその成案を得るようなところまでこぎつけておるわけでございます。したがいまして、八月の概算要求ないし十二月の最終的な予算編成までには、私どもが計画いたしましたすべての案件を処理したい、それにはいささかの支障もないというふうに考えております。  それからもう一つは、私はできるだけやはり自衛官諸君長官が会うということが必要だということを考えまして、実は長官に就任いたしましてから、——あそこを、防衛庁を警備する自衛官が各地から五十名、六十名やってまいるわけでございます。こういう方々がいるということは知っておりましたけれども、何らそれに対しての働きかけというものがない。そこで、私はもう時間の許す限りこの人たちに五、六分お話をし、一緒に写真を撮ったりなんかしております。これが恐らく今日もう五十回近くなって、恐らく四千人程度お会いしていることになるかと思います。それからまあ北海道、沖繩、できるだけ現地部隊を見たいと思いまして行っておりますし、先ほどは潜水艦に乗りまして、二百メーターまで潜航いたしまして、実際、潜水艦の演習でございますか、それに私一日費やしまして、彼らがいかにまじめにこれと取り組んでおるかと。昨年はP2J、それから「榛名」にも一晩泊まりまして隊員とも話をしますし、実際対潜哨戒の激しい任務に当たっておるその実情も「榛名」から飛び立ちますヘリに乗りまして、そして実際この目でこのはだで実は感じてまいっておるわけでございます。そういうことは何事でもないようでございますけれども、やはり自衛隊の諸君の士気に非常に影響をするわけでございまして、できる限り今後といえども時間の許す限り出向いていって話を聞いたりあるいはまた彼らにお話をしたり、あるいは彼らがやっておることについて詳細に知りたいというふうに考えておるわけでございます。そういうわけでございまして、多少はあるいは影響あるかと思いますけれども、著しく影響がある、あるいは士気が落ちておるというふうには私は考えておりません。
  13. 石破二朗

    石破二朗君 よくわかりました。これで質問は終わりますけれども、ただ私が御質問を申し上げましたのは、ロッキード事件のうちPXLに関しまして当委員会調査もまだ十分進んでおりませんし、いわんや防衛庁長官以下防衛庁の職員諸君の中に疑惑があるというふうには自分は現在のところ考えておりません。そういう前提に立っての質問でございましたから、自衛隊員諸君に与える影響自衛隊の幹部が何かしたからという意味ではございませんので、その点は御承知願いたいと思います。ありがとうございました。
  14. 剱木亨弘

    委員長剱木亨弘君) 午後一時再開することとし、休憩いたします。    午前十一時四十二分休憩      —————・—————    午後一時三十八分開会
  15. 剱木亨弘

    委員長剱木亨弘君) ただいまからロッキード問題に関する調査特別委員会を再開いたします。  ロッキード問題に関する調査を議題とし、休憩前に引き続き質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  16. 対馬孝且

    ○対馬孝且君 まず最初に、今回の丸紅、全日空の株主総会における総会屋の暴力事件に関しましてお伺いをいたします。  今回のロッキード事件の中で、全日空の大庭社長の失脚の際にも暴力団のいかがわしい者がかかわっていたということが過般明らかになりました。ところが最近、丸紅飯田と全日空の株主総会を取り仕切った総会屋の手によって暴力事件が起きたということはきわめて重大であります。  そこで私は、まず警察庁にお伺いをいたしますが、六月の三十日、それから六月の二十九日。三十日は丸紅の株主総会で、三百人の株主が出席して、最前列の方に全部総会屋が陣取って、異議なしという拍手の連発で、わずか、たった十六分で閉会をする。そこに、一人の発言を求めて立ち上がった株主に対しまして、全く傲慢無礼に殴る、ける、こういったような乱暴を受けて、加害者の総会屋が数人逮捕されるという事態に至りました。一方、全日空の方も、総会屋と組んで報道陣をボイコットいたしまして、たった十五分でこの総会が終わるという、しかもいま国民社会的批判を浴びている、最も悪徳商法と言われるこの丸紅、全日空に対する世論の中でこういうことが行われたということは非常に国民としては怒り心頭に発しております。この問題に対して簡潔に、警察庁としてどういう具体的な取り調べをしたかということをお伺いします。
  17. 土金賢三

    説明員土金賢三君) お答えいたします。  六月三十日の大阪丸紅の株主総会についてでございますが、丸紅株式会社の第五十二回定時株主総会が六月三十日の午前九時半から大阪市の東区本町三丁目の同社の会議室で開催されたわけでございますが、総会進行中の午前九時四十分ごろ、発言を求めた株主の代理人が十人ぐらいの総会屋と見られる男たちに取り囲まれまして暴行を受けて発言を阻まれると、こういう事件が発生いたしたわけでございますが、警察では被疑者三人を傷害、暴力行為等で現行犯として逮捕して現在取り調べをいたしておる次第でございます。この被疑者は、横浜市の株式会社アドヴァンス社代表者の蓑島菊太郎ほか同社の社員二人、計三人でございまして、被害者は顔面打撲等全治三週間と診断されておりまして、警察といたしましては背後関係等についても引き続き現在捜査中でございます。
  18. 対馬孝且

    ○対馬孝且君 いま報告願ったことはマスコミにも出ているわけでありますが、なおはっきりしたいことは、けさマスコミを通じまして明らかになりましたのは、明らかに丸紅が総会屋を頼んでそうして一定の賄賂を使ってそうして押さえ込みをさしたと、こういう事実が明らかになったというふうに言われるわけであります。特にこの問題では商法第四百九十四条、会社荒らし等に関する贈収賄罪、こういう法律がありますが、これに対して完全に抵触をするのではないか、こういう観点についてどう考えるか、ちょっとはっきりさしてください。
  19. 土金賢三

    説明員土金賢三君) お答えいたします。  商法の四百九十四条、会社荒らし等に関する贈収賄罪という規定があるわけでございますが、大阪府警におきましては、逮捕している——とりあえず逮捕している被疑者の被疑事実、それの容疑によりまして被疑者の自宅、事務所等五カ所を捜索をいたしておりますが、現在お尋ねのその商法四百九十四条の違反等の問題もございますので、そういった問題も含めて背後関係等について現在捜査中でございます。
  20. 対馬孝且

    ○対馬孝且君 それでは四百九十四条の疑いで調べを継続していると、こういうお答えでございますね。
  21. 土金賢三

    説明員土金賢三君) 逮捕、勾留あるいは捜索したという被疑事実はこの暴力行為違反で現在やっておるわけでございますが、そういった問題も含めて現在捜査中でございます。
  22. 対馬孝且

    ○対馬孝且君 そこで再度お伺いします、ちょっと。丸紅側が総会屋を頼んで行ったという行為について警察庁はどう考えますか。
  23. 土金賢三

    説明員土金賢三君) まだそういう問題については、ただいまお答え申し上げたように捜査の内容になるわけでございますが、いまここではちょっと遠慮さしていただきたいと思いますが……。
  24. 対馬孝且

    ○対馬孝且君 捜査中であるけれども、先ほど、四百九十四条の会社荒らし贈収賄罪ということの視点でひとつ取り調べをしていると、こういうお答えなんですから、一応その関係はどう見ているかということを、程度は、ひとつ感触として言ってもらいたいですな。
  25. 土金賢三

    説明員土金賢三君) お答えいたします。  そういう問題の容疑もあり得るということで捜査をいたしております。
  26. 対馬孝且

    ○対馬孝且君 わかりました。そういうこともあり得るということでございますから……。  それでは次にお伺いします。この総会屋の締め出しに関しまして、私の調べによりますと、警察庁は四十八年一月二十六日、「暴力団取り締まり強化徹底について」という表題で同年四月、資料収集をいたしております。年々この総会屋がふえ、それから逮捕者がふえ、それから検察件数では非常に悪質になっているという情報を得ておりますが、この点の通達があったかなかったか、また通達があったとすれば、どういう通達が骨子であるかを明らかにしてもらいたい。
  27. 土金賢三

    説明員土金賢三君) お答え申し上げます。  総会屋につきましては、最近、暴力団の取り締まりと関連しまして総会屋と暴力団との関係が非常に密接になりつつあると、こういう状況を把握いたしましたので、通達と申しますか、本年の五月、全国の警察に対しまして、総会屋等が行う不法行為等の取り締まりの強化について指示をいたしております。
  28. 対馬孝且

    ○対馬孝且君 そういう指示をしているにかかわらずいまなおこの総会屋がふえて、さらに質的には悪質になっていると、こういう問題でありますが、最近の暴力団の資金源を求めて総会屋に転向している傾向がいま報告ありました資料をもっても明らかなんです。そこで、総会屋の団体数、所属員、暴力団体との関係についての現状はどうなっているか、ちょっとお伺いしたいと思います。
  29. 土金賢三

    説明員土金賢三君) お答え申し上げます。  昭和五十年の五月末現在で全国の警察で把握しておりますいわゆる総会屋は約五千人でありまして、このうち暴力団の構成員として把握しておる数は約五百人ということになっております。また、暴力団と関係を有していると認められる総会屋につきましては約千人と、こういうふうに見ております。
  30. 対馬孝且

    ○対馬孝且君 そこで私は、いまの報告でいっても五千人、五百人という、やっぱり相当数が増大の一途をたどっておるという傾向にあることはどうです。
  31. 土金賢三

    説明員土金賢三君) お答えいたします。  これは数年前に調べた数より増加いたしておりまして、今後ともそういう傾向が続くものと思われますので、私どもも取り締まり上これを重視いたしておる次第でございます。
  32. 対馬孝且

    ○対馬孝且君 そこで私は、ひとつ、今後の総会屋と暴力団が密着をしているという見分けは困難なものだろうと思いますが、いまも説明ございましたが、最近、兵庫県におきまして、まさに、警察署長が暴力団と結託をして、しかも癒着をしてきわめて綱紀乱れる実に驚くべき——暴力団の取り締まり、総会屋の追放と言っても結果的には小物だけが挙がる程度で実際には大物が実は挙がっていないと、こういう実態というのは、兵庫県に見られるような、警察と暴力団の癒着という問題が露呈をされました。  そこで私は、ひとつ、国家公安委員長にお伺いしたいんでありますが、こういった今日の全日空あるいは丸紅、兵庫県に見られるような一連の行為に対しまして、国家公安委員長としてこの件に対する決意のほどと、これらに対する取り締まりの方針というものは一体どう考えているのか、これを国民にやっぱり明らかにすべきじゃないかと、こう考えます。
  33. 福田一

    国務大臣(福田一君) ただいま御指摘になりました警察と暴力団の関係あるいはまた暴力団と総会屋の関係、これらの問題は現在われわれの最も憂慮いたしておる問題であり、また警察としてそういう暴力団に関係があった者については厳重な処分をいたすべきものであるという意味合いにおいて、今回も事実が明らかになった後には、一両日のうちに実は処分をいたしました。懲戒処分に付したわけでございます。今後もこのような事態がありました場合には、特に綱紀を粛正するという意味合いにおいては、私は厳重な処分をして、そうして警察の威信を回復するという態度をとるべきであると考えておるのであります。同時にまた、この暴力団が総会屋と結託するというような事実が次第に明らかになってきておりますが、私は総会屋というものが、言うなれば商法の関係における四百九十四条の問題等に触れるような場合においては、これはまたわれわれとしては断じて許すわけには相ならぬ、断固として取り締まっていくという考えを持っておるのでありまして、先般警察庁長官がある個所において総会屋に対する警察庁の考え方を明らかにもいたしておりますが、実は私たち公安委員としてもこれは重大な問題であるという認識のもとに、今後この問題に対処してまいるかたい決意を持っておるということを申し述べさしていただきたいと思います。
  34. 対馬孝且

    ○対馬孝且君 そこで法務省の方にひとつお伺いしたいのでありますが、今回の総会屋の全くわけのわからない金をもらったという事実、それからこのたびの丸紅株主総会では一億の金が動いていると、こう言われているわけであります。しかも丸紅の場合は暴力男、つまり総会屋に賛助金を出していたという事実もこれまた明らかになりました。これは税金の問題もありますし、こういった所得は一体どう処理をされているかと、こういう問題が一つ起こってくるわけでありますが、これは一つは国税庁としてこの考え方をどう考えておるかという問題と、もう一つの問題は、法務大臣は来ておりませんが、法務省の方にお伺いしたいのは、こういった不明朗な、しかも金の動き、株主総会、総会屋による総会のための総会といったような印象、こういうものに対して現実にどこまで具体的に法務省として取り調べを行い、どういうこれからの取り締まりをしようとしているのか。なお、具体的な例を挙げますと、けさほどの新聞にも出ましたが、検事正が糸山会社のゴルフの招待券をいただいているようなごときに至っては、先ほど国家公安委員長が、綱紀紊乱をしてはならないと、こう言っておりますが、言葉でそう言ってみても、現実にはこういうものが出てきている。これがつまり癒着をして今日のロッキード汚職という事件に実は発生をしていると私は考えるわけであります。こういった問題等も含めまして国税庁と法務省の見解をひとつ明らかにしていただきたいと思います。
  35. 山橋敬一郎

    説明員山橋敬一郎君) お答え申し上げます。  先生御承知のとおり、会社がその事業に関係のある者等に対しまして、接待あるいは供応、贈答あるいは慰安というふうな、あるいはこれに類するような行為のために金を出す、そういう費用というのは交際費というものに該当するわけでございます。したがいまして、会社が株主総会の開催に当たりまして総会屋を接待、供応する、あるいはこれに対して金一封として金品を交付する、こういうふうな金銭も交際費として取り扱われるということになっておるわけでございます。  総会屋が企業から金品を受け取っている場合におきましては、個人として金品を受け取っておるというふうなときは、その金品は通常所得税法上の雑所得、場合によりましては事業所得という場合もあり得るかと思いますが、雑所得として課税をされますし、あるいは法人として受け取っております場合には、当該法人の収益として課税をされるということになるわけでございます。  国税当局といたしましては、総会屋に関する各種のいろいろな問題があるということは十分承知しておりますし、従来から総会屋に対します課税の充実に十分配意しているところでございますけれども、今後もさらにいろいろな努力を重ねまして、この調査を徹底していきたい、こういうふうに考えているわけでございます。
  36. 安原美穂

    説明員(安原美穂君) 総会屋の問題につきましては、現に傷害罪で取り調べ中の丸紅株主総会に関する問題は別といたしまして、一般論といたしまして種々の対策を講ずべき問題でございまして、その暴力行為につきましては刑法その他の関係法律を使って取り締まるべきでありますし、ただし株主の保護という意味におきまして、先ほど来御議論になっております商法四百九十四条の活用を図るべきものと考えております。  なお、その資金源を断つという意味におきましては、ただいま国税当局がお答えのように、税法違反というような点についても検察としては配慮をめぐらすべきものと考えておる次第でございます。
  37. 対馬孝且

    ○対馬孝且君 法務省に再度お伺いしますが、これは四十九年にロッキード事件の企業と癒着の今日の基盤ができ上がったという問題の発生の前に、四十九年にやっぱり総会屋対策として、この際商法の一部改正をすべきであると、特に四十九年監査役制度の改正、衆参両院の法務委員会で附帯決議として法制審議会商法部会、株主総会対策として総会屋対策というものを打ち出しているわけであります。この点から言って、今日なおこういう問題が起きているということは、一体法務省はやる気があるのかないのか。実際に総会屋を取り締まる意思があるのかないのかということが、四十九年に附帯決議ができ上がっているにかかわらず、いまなおこれが手がつけられていないということはどういうことですか、これを明らかにしてもらいたいと思います。
  38. 香川保一

    説明員(香川保一君) ただいまの監査制度の改正の商法の一部改正法律における附帯決議は、私どもは株主総会の民主的なあるいは公正な運営を図るようにしろと、こういう趣旨に考えておるわけでございまして、法務大臣の諮問機関である法制審議会におきまして、現在、いま問題になっております株主総会制度の改善、その他商法の、会社法の主要な問題について鋭意検討中でございまして、結論を得次第、改正法案を提出したいと、かようなことで努力中でございます。
  39. 対馬孝且

    ○対馬孝且君 それでは、近いうちに法案を提出をすると、こういう確認をしていいですね。
  40. 香川保一

    説明員(香川保一君) この株主総会制度の改善については、いろいろの具体的な案が検討中でございますけれども、なかなかこれ、いわばもろ刃のやいば的なところがございまして、御案内のとおり会社側が総会屋を使う場合と、会社のいやがらせに総会屋を使うという両面があるわけでございまして、現在のところ法制審議会でその両方を規制できるような法改正を検討中でございますが、見通しといたしまして、ここ一年ぐらいで結論が得られるというふうにはちょっと断言いたしかねると思うのでありますが、できるだけ速やかに答申が得られるように法制審議会に御努力をお願いするつもりでございます。
  41. 野田哲

    ○野田哲君 関連して、国家公安委員長と、それから法務大臣がいま見えていないので、後ほどお見えになりましたら法務大臣からお答えをいただきたいのでありますが、先ほど来、対馬議員の質問で、検察当局あるいは警察当局と業界との癒着の問題が指摘をされ、それぞれお答えがあったわけでありますけれども、関連をしてひとつ国家公安委員長に質問をするわけでありますけれども、静岡県の警察関係者、署長を初めとした警察の職員が、川奈ゴルフ場においてゴルフ場の会社の社用という形でゴルフを楽しんでおるという事実が静岡県議会において指摘をされておるわけでありますが、これに対して当該関係者の方では、これは政府要人の警護のために行ってのゴルフであったと、こういうふうに答えているわけでありますけれども、その警察署長が答えている政府要人の警護に行ってのゴルフであったという、その政府要人とは一体だれであったのか、この点を調査をして明らかにしてもらいたいし、それから法務省関係につきましては、同様、兵庫県における検事正に対してゴルフの無料の会員権が贈呈をされていた、こういうことが明らかにされているわけでありますが、これらについて、一体法務大臣、法務省はどういうふうに考えているのか、大臣がお見えになりましたら見解を明らかにしていただきたい、こういうふうに思うのです。
  42. 福田一

    国務大臣(福田一君) お答えをいたします。  ただいま御指摘になりました静岡県の警察、川奈ゴルフ場の問題かと存じますが、まだ実は十分な報告が参っておりません。そこで適当な機会に調査をした上で御報告をさしていただきたいと思います。
  43. 対馬孝且

    ○対馬孝且君 先ほど来、国家公安委員長、法務当局、国税側のそれぞれ答えがありました。私は率直に申し上げますが、先ほど挙げた検事正の癒着の問題とか、あるいは兵庫県の癒着の問題、いま出ました静岡県の問題、これを晴らすのは、私はやっぱりいま政府がロッキード問題を徹底的に究明するということと、同時に、いまの総会屋対策の問題では具体的なやっぱり実証を挙げて法に従って取り締まる、こういう徹底措置を講ずるということを、ここで国民の前に明らかにひとつ言明をし、確約をしてもらいたいと思います。いかがですか。
  44. 福田一

    国務大臣(福田一君) ただいま御指摘がありました総会屋の問題につきましては、私の承知している限りにおいては警察側が徹底したいま取り調べをいたしておるという報告を受けておるわけでございます。今後もこの種の事態が起こらないように、こういう事案を契機として徹底的な取り締まりをいたすべきであるというこが私の考えでございます。
  45. 対馬孝且

    ○対馬孝且君 特に私は、その点を今後、具体的な法改正なりあるいは警察庁の行動、政府の行動などを含めて具体的な事実をこれから監視をいたしてまいりたいということを明らかにして次に移りたいと思います。  実は横山元海将補のコンサルタント契約につきまして、新たな疑惑について防衛庁にお伺いをしたいと思います。  まず一つは、横山元海将補に聞いたところ、ロッキード社と契約を結んだ際の仲介役を務めたのは、現ロッキード社に働いておりますジョージ・ローガンという男であるということは間違いありませんか。この点いかがですか。答えは簡単にイエス、ノーでよろしゅうございます。
  46. 玉木清司

    説明員(玉木清司君) お答えします。  ローガン氏につきまして横山元海将補から聞き取りましたところ……
  47. 対馬孝且

    ○対馬孝且君 簡単でいいです。簡単でいいから。
  48. 玉木清司

    説明員(玉木清司君) 紹介したのはローガン氏であるというような報告を聞いております。
  49. 対馬孝且

    ○対馬孝且君 このローガンという男はかつてアメリカの海軍中佐であります。そして、この男がコンサルタント契約の仲介をしたことはいまお認め願いました。そこで巨大な産業と軍あるいはこの防衛庁との結ぶつきという点では、私は一端を示したものと考えます。そこで、横山元海将補の報酬、ロッキード事件の金額から見れば多少の差異はありますが、いずれにしても産軍の癒着であったということは明らかでありますが、そこで、次に質問申し上げたいのは、横山氏は四十九年五月の契約後、五十年九月の初めにロッキード社から契約補足として附則ナンバーワンという契約をした事実は防衛庁は知っていますか。
  50. 玉木清司

    説明員(玉木清司君) 口頭で横山氏から聞いております。
  51. 対馬孝且

    ○対馬孝且君 その口頭で聞いた内容はどういう内容ですか。
  52. 玉木清司

    説明員(玉木清司君) そういう契約を覚えておるということは申しておりますが、内容の詳細については聞いておりません。
  53. 対馬孝且

    ○対馬孝且君 これは、私は横山本人にお会いしておりますが、横山氏は次のとおり言っています。契約の報酬は第三者に渡してはならない、つまり児玉譽士夫とか全日空とか、そういう意味の第三者に渡してはならない、特に念を押しておりますのは政治家に渡してはならないというものでありました、こうはっきり表現をいたしているわけでありますが、この点どうですか。
  54. 玉木清司

    説明員(玉木清司君) 私どもが横山元海将補から聞きましたところでは、その附則では第三者に金を渡してはならないというような取り決めがあったと記憶しておると、こういうような申し立てをしております。
  55. 対馬孝且

    ○対馬孝且君 第三者に渡してはならないということで、政治家に渡してならないということ、この関連が、あんた、きわめて明瞭に関連しているじゃありませんか。  それでは、次の問題をさらに私は確認をする意味でお伺いをしますが、五十年の十月にさらに附則ナンバーツーというのが実は契約を結ばれております。このナンバーツーという内容は御存じですか。これはいままで出ていませんよ、新たな問題だから。
  56. 玉木清司

    説明員(玉木清司君) 本人の申しますところでは、附則ナンバーワン、ナンバーツーというものがあったと、こういうふうに申しておりますので、ナンバーツーもあったことと思います。
  57. 対馬孝且

    ○対馬孝且君 そのナンバーツーの内容は、横山本人からの申し出によりますと、契約者の身分は政府の人間であってはならないということを実はナンバーツーで出されているわけであります。つまり、そういう意味では横山本人のいわくには、退官後八年になるので、そういう意味では附則ナンバーツーに結んでも問題はないということで私は結びましたと、こう言っております。この点どうですか。
  58. 玉木清司

    説明員(玉木清司君) 私どもが聞き取りましたところでは、附則ナンバーツーには契約者が、原文で申しますと、ガバメントオフィシャルであってはならないということが決められておった、このように申しております。
  59. 対馬孝且

    ○対馬孝且君 これ、どうも防衛庁は、調査、徹底してないと思うんですよ。調査不十分だという私は指摘をせざるを得ないんです。三木総理は、五月八日の参議院予算委員会で、ロッキード関係は最優先して徹底的に調査すると答弁をしていながら、防衛庁は全く怠慢であると私は指摘をしなければなりません。なぜかならば、実はこの横山海将補がいま言った附則ナンバーワン、ツーの補足契約を結んだ時点というのは、アメリカの上院ではロッキード社から日本に賄賂の金が流れ込んだと、この一番最初が五十年八月二十五日の、つまり上院の銀行委員会で取り上げられた課題であります。この二カ月後に同じく上院でもってこういった論議が交わされたと、ちょうどこの時期にロッキード社と横山氏のこの契約の時期が符節を一致しているわけであります。この点、防衛庁長官、どういうふうに考えられますか。長官、私は事実をもって確認しているんだからはっきりと答弁せよ。何だ、一々相談しなきゃわからないのか、そんなこと。調べてないんだろう。
  60. 坂田道太

    国務大臣坂田道太君) これは私どもの方で調べたわけでございますが、とにかくこの前の委員会でお答えいたしました程度でございまして、すでにうちをやめましてからのとき、ことでございます。四十二年二月に自衛官を退職しておりますし、そういうようなこの疑惑があるというふうには考えないわけであります。
  61. 対馬孝且

    ○対馬孝且君 疑惑は考えないと言ったって、先ほどあなたナンバーツー、ナンバーワンがあった、ワン、ツーがあったということをお認めになっているじゃないですか、防衛庁が。しかもナンバーワンとナンバーツーにはそういう政治目的のために使ってはならない、政治家、第三者に金を使ってはならないということが明らかになっておるじゃないですか。これが何で疑惑にならないんですか。  それじゃもう一度お伺いしますよ。同じこのころに、五十年の十一月十日に長官、丸紅とロッキード社の代理店契約が新たに改定をされております。この代理店契約に基づく行動においては、このときも政治目的のための支払いをしないことに同意し、契約するという項目が追加されています。これはちょうど横山氏の附則ナンバーワンとツーの時期と、いずれも銀行委員会、アメリカのプロクシマイヤー銀行委員会で賄賂が流れ込んだという事実と期を一にしているわけであります。そういう意味で私は、全く賄賂は隠蔽しようとしたというふうに考えざるを得ないわけであります。この点どうですか。この事実は明らかになっていますよ。おかしいじゃないか。一々あなた打ち合わせしなきゃわからないのか。
  62. 玉木清司

    説明員(玉木清司君) 私ども、この横山元海将補に関しますのは、新聞を見ましてから本人を呼んでその事情を聞いたと、その事情を聞きますのは、元防衛庁におった者がそういうような記事が出ましたので、事態の真相はどうであるかということを聞きましたのでございまして、この本人の行為が全体の流れの中でどういうふうな位置づけにあったかということにつきましては、これはいろんな考え方があろうかと思いますけれども、直接にそれを判断する立場にはないと、こういう考え方でございます。
  63. 対馬孝且

    ○対馬孝且君 全くこれは防衛庁は無責任だと思うんですよ。大事な点にいくとだね、これは聞いてなかったとか、調査がそこまでしてなかったとかというような言い方では、これは本当にロッキードを徹底究明しようという姿勢に欠けている。私はいま具体的に事実を挙げているんですよ。  そこで法務大臣来ましたから、法務大臣にお伺いします。いま私が申し上げたのは、五十年十一月十日に丸紅とロッキード社との契約の中に補足契約というのが出てまいりました。これは七条IV項のC項というのがあるんでありますが、これに対してこの契約の内容というのは、つまり先ほども申し上げましたが、政治目的のためにこういう行動なり金を支払ってはならない、こういう同意契約なんです。これは大久保専務、丸紅の大久保専務とそれからロッキード社のコーチャン副会長との間の契約があるわけであります。この点について、こういう事実について法務大臣として疑惑を持たないかどうか、当然疑惑と考えるべきじゃないか、この点、法務大臣、どう考えますか。
  64. 稻葉修

    国務大臣(稻葉修君) 私に疑惑を持たないかどうかと、私が疑惑を持ったり持たなかったりしてもどうにもなるものではございませんが、これは検察当局が疑惑を持ってやっているのか、疑惑を持たないでほったらかしてあるのかということになりますれば、刑事局長から答弁させなければ、私、よく知りませんけれどもね。恐らくはしかし非常に有能、勤勉な検察当局の人材がそろっておりますから、御指摘になられるようなことについては、まあ私の推定でございますけれども、当然調査、捜査をしているものと私は思いますが。
  65. 対馬孝且

    ○対馬孝且君 法務大臣、あなたはことしの三月三日の衆議院の委員会におきまして、わが党の松浦委員質問に対しまして、いまの丸紅とロッキードの補足契約について、私が申し上げました七条IV項のC項とは私がいま言った、読んだことです。こういう行為について法務大臣としてどう考えるか、こうお尋ねになっていますね。あなたのお答えはいまのお答えと違いますよ。はっきりしてください。そういうあいまいな答弁ではだめだよ。
  66. 稻葉修

    国務大臣(稻葉修君) そのとき——同じ御質問ですか。同じ御質問に対していまの答えと違っているという御指摘ですが、そのときどういう答えをしたか、定かに記憶しておりませんが。
  67. 対馬孝且

    ○対馬孝且君 あなたはこう答えているのですよ。「先ほどの協定七条及びただいまの補足IV項C項ですか、それを総合して考えますと、あなたの御指摘になるようなことが疑われるわけでありまして、捜査上大変にいい参考になると思います。」と。こう謙虚にお答えになっているじゃないですか。客観的にやっぱり事実を肯定しながら参考に寄与すると、こう言っているじゃないですか。
  68. 稻葉修

    国務大臣(稻葉修君) 私が捜査上大変に参考になると言ってみてもどうしようもないんで、検察当局がこういうことがございますれば、これは全部この速記録を見るわけですから、こういう貴重な委員会ですからな、両々相まって全貌を究明しようというのですから、いい参考にするでしょう、こういう意味でございます。したがって、前回の答弁、これ、私、いまでもそう思います。
  69. 対馬孝且

    ○対馬孝且君 その考え方は変わらないということですね。
  70. 稻葉修

    国務大臣(稻葉修君) はい、そう思います。変わっておりません。
  71. 対馬孝且

    ○対馬孝且君 それでは、そういうお答えであれば私は次にお伺いするんでありますが、率直に申し上げて、防衛庁のいまの説明では全く事実を隠蔽するような印象より受けませんが、横山氏はP3C導入後の技術指導のための契約をしたというふうに防衛庁調査資料には出ております。ところが私はP3Cの売り込みの契約目的はあったと考えます。その証拠の補足契約で政治工作を隠蔽しようということが一つ、二つ目はPXL導入は五十七年と言われているのに、何で導入後の技術指導契約を四十九年に結ばなければならないんですか。これは全くおかしいでしょう。四十九に飛行機がまだ入ってきていないのに、しかも五十七年でなければPXLが入ってこないのに、その後の技術指導契約をするというのはおかしいじゃないですか、これどなたが見ても。まだ飛行機が来ていないのに、五十七年、先の話をいまから契約して、技術指導を、入ってきた後の技術指導をすると、これはどなたも、子供が聞いたって、一年生が聞いたってこれは通らないですよ。三つ目は、次期対潜哨戒機はP3Cにすべきだということは私は考えておりますという、これはまあ本人が言っております。それは、いまだにP3Cはやっぱり最優秀である。それは、安くて、効能がよくて、性能がよくて、つまり、バッジシステム等を含めて考えた場合については、いまの国産の体制では不可能だと私はいまなお考えていると、こういう持論の持ち主ですよ、やっぱり、横山本人は。これが三つ目であります。つまり、こういった横山氏の判断からまいりまして、全く防衛庁は論拠にならないのは、防衛庁調査によると、これはP3Cが入ってきた後に技術指導をするということなんだと。五十七年じゃないですか。まだ七年先の話ですよ、あんた。それが何でいまコンサルタント契約をして、技術指導契約を結ばなきゃならぬかということはわからないじゃないですか。トライスターのように買ったならわかりますよ。飛行機を買ったという事実の上に立って契約を結ぶというのはわかりますよ。これは全く、国民にはわからぬね、こんなことは。この点、ひとつ防衛庁長官、私、以上申し上げました三つの観点でどう考えるのかということを明らかにお答え願います。
  72. 坂田道太

    国務大臣坂田道太君) 私どもの方で調べましたときには、横山君は、日本がP3Cを導入した後役立つような技術的アドバイスをすることと、そういうことで契約を結んでおるわけでございます。これは先生御指摘のとおりなんです。しかしながら、それは私の方ではまだP3Cは決めておらないわけです。しかし、ロッキード社の方では日本に売り込みたい、防衛庁に買ってもらいたい、これは実に執拗なまでにあるわけです。それで、こういうような横山氏を選んでそして契約を結ぶことはあり得ることだというふうに私は思うわけなんです、それは非常に先なことであっても。そういうふうに私は思うんです。それならば横山君は、自分の前の地位を利用しまして、そして海幕やなんかに非常にその導入を図るために働きかけたかといいますと、それを私どもが調べた限りにおいてはそういう事実はない。そうして、確かに訪れてはおりますけれども、こういうような装備品に関する外国雑誌の論文の翻訳を置いていったほか、外国会社の新製品の紹介の説明のためやったということなんで、P3Cをどうしても買ってもらいたいといって説き回ったという事実は、うちの方を調べましてもございませんし、本人自身に聞いてもそういうことはやっておらないということを言っておるわけでございまして、それ以上のことを私どもどうにもしようがないわけですね。
  73. 対馬孝且

    ○対馬孝且君 いまの長官の言うことは一貫性がないんですよ。一貫性がないということを私指摘したいのは、いまも出ましたけど、横山氏本人は、P3Cというものについてはいまの世界全体をながめた場合についてはこれ以上の飛行機はないと言っているんですよ、やっぱり。そういう持論の持ち主なんですよ。だから、安くて、性能がよくて、いまの戦略体制に一番対応できる飛行機はやっぱりP3Cであると、こう思った人が、海幕の幹部や技術部幹部に会ったときに、その話はそれなりに私はしていますと、こう言っているんですよ。それが売り込んだか売り込まないかということは答えははっきりしているじゃありませんか。そこまで本人か——かつて、あんたこれだけの最高の、佐官ですよ、かつてはこれ。当時、戦争中は海軍の佐官ですよ。最高の技術、しかも海幕の幹部もやって、そういう方が何で、いまそれだけの性能を持った、それだけの力があった飛行機を持っているんだと、これはやっぱり買うべきであるという考え方に変わっていないと、こう言っているのに、それが会ったときに言ったとか言わないとかって、現実にそういう話はいたしましたと言っていますよ。これが一つ。  それから、七年先のことを盛んにロッキード社が売り込むためのあれだからそういうことはあり得るじゃないですかと、こう言ったって、あなた方の一貫していることは、いまだに専門会議国産か白紙かの問題では白紙であるかあるいは輸入かということは決まっておりませんと、こういう言い方をしていながら、結果的にはPXL、P3Cという問題については、当時の海幕を取り巻く状況としては、技術陣は——この間の証言にもあったじゃありませんか。この間の証言の中にも、海幕の立場から見るならば、制服組の判断から見ればこれを買ってもらいたいという答弁をしているじゃないですか。合わないじゃないですか論理が、これじゃ全然。  それからもう一つ私ははっきりここで追及しておかなきゃならぬことは、横山氏の関係でもう一つやっぱりはっきりしておきたいと思いますのは、四十九年五月まではPXLについては専門会議で検討中だと、これ一貫して防衛庁は言ってますね。それからP3Cが決まっていなかったというのが防衛庁のこれまでの説明でわかるのですけれども導入後の技術指導という契約が結ばれたということは、この時点ではすでにP3C輸入が決まっていたということですよ。そういう客観的な事実が生まれてくるじゃありませんか。  一つは先ほど言った附則ナンバーワン契約、それから横山氏本人の海幕幹部、技術部幹部に対する本人の所信、考え方、それといま言った国産白紙還元という時期と全く、考えて総合してみると、いかにP3Cというものがやっぱりこの時点では決まっており、すでにそういう体制が組み込まれていたということは客観的な事実としてもやっぱり証明することができる。このことを明らかに指摘しておきたいと思います。
  74. 坂田道太

    国務大臣坂田道太君) 先生はP3Cが客観的事実として決まっておったとおっしゃいますけれども、客観的には決まっておらないわけでございます。それから横山君がたとえば自分はP3Cというものをいいと思っておる、それもそれは人の意見でございますから、それはそれなりに意味がある、本人にとっては。しかも彼は自分の選択によってロッキード社に雇われたわけで、それでそういうような意見が一致したからこそ契約を結んだと。しかし、そのことといま疑惑があることと直接結びつくかといったら、私はそうは簡単には言えないということなんで、先生は非常に疑惑があるように一貫しておっしゃいますけれども、私どもの方は一貫して調べた結果としてはまだそれは出てきておらないということを申し上げておるわけです。
  75. 対馬孝且

    ○対馬孝且君 先ほどナンバーワン、ツーの契約があるということを承認をされているわけですよ。客観的な事実としては存在しておると、こう認めておるわけです。しかも稻葉法務大臣が、先ほど私が言ったロッキード・丸紅の補足契約の第七条のIV項のC項には、そういう政治目的のために金を流してはならないんだと、こういう契約も客観的にあるということを法務大臣が認めている。そうだとすれば、この客観的な事実から生まれてくる答えとしては、いかにP3Cがすでに売り込まれるということについて一定の働きかけがあり、一定のやっぱり目的があったということは客観的に事実じゃないですか。それをあなた事実じゃないなんて言ったって、こういう事実があるから私は新たな、いままでロッキード委員会に出たことがないから新たな疑惑として今回問題を提起をした。なおこの問題を調査をひとつしていただきたいと思います。
  76. 坂田道太

    国務大臣坂田道太君) いや、先ほどあなたは、もうP3Cは決まっておったじゃないか、それが客観的でないかと、こうおっしゃいますから、そういうことはございませんということは申し上げたわけです。しかしながらいろいろの疑惑があるといたしまするなら、われわれは当然これに対して御協力——国民疑惑を晴らす責任がございますから、もう少しよく調査をいたして御報告を申し上げたいというふうに思います。
  77. 対馬孝且

    ○対馬孝且君 それじゃ時間も参りましたから、徹底調査をするということで、調査したものについてはひとつ後ほど資料として提出をすること、よろしゅうございますね。これ委員長ひとつ確約してください。
  78. 剱木亨弘

    委員長剱木亨弘君) ただいまの調査をひとつお願いします。
  79. 坂田道太

    国務大臣坂田道太君) 私たちといたしましてはできるだけ調査をして、それの報告をいたしたいと考えております。
  80. 対馬孝且

    ○対馬孝且君 以上です。
  81. 矢田部理

    ○矢田部理君 最初に稻葉法務大臣に伺いたいと思いますが、アメリカの中部カリフォルニア連邦地裁で御承知のファーガソン裁定というのが出ました。この裁定に至る経過と裁定の内容について最初に説明をいただきたいと思います。
  82. 稻葉修

    国務大臣(稻葉修君) 御質問のファーガソン決定につきましては、アメリカ合衆国連邦地方裁判所から正式な内容がまだ発表されておりませんので正確なことはお答えできませんが、検察当局からの報告によれば、ファーガソン決定は刑事訴訟法——わが国の刑事訴訟法でございます、二百二十六条に基づき証人尋問を請求した米側関係人の証人尋問を直ちに開始することを命じているとともに、その証言に基づき入手される資料により、同証人らに対しわが国検察当局の刑事訴追が行われることがない旨を明確にした最高裁判所の判決または規則が日本側から提出されない限り同証人らの証言書類を日本に引き渡してはならない等を命じた決定であります。これがファーガソン決定の知り得た内容でございます。
  83. 矢田部理

    ○矢田部理君 次に、そのファーガソン決定に対する法務省としての対応の仕方、正確に言えば検察庁としての対応の仕方ということになるかもしれませんが、その点はどうなっているでしょうか。
  84. 稻葉修

    国務大臣(稻葉修君) この決定に対しいかに対処するかについては、いまだ上訴の申し立て期間であり、証人側の出方をも考慮しなければならないのでございまして、方針を述べることは、いまここで方針を述べることは適当ではございません。しかしこの点については、まず当事者である米側の検察官の意見を尊重する要があると思われます。検察当局としては証人尋問の実施ができるだけ早期に実現されることが望ましいことは言うまでもありませんが、あわせてその証言書類の引き渡しを受け得る方策についても、すなわちファーガソン決定によるこれを引き渡すための条件、条件を満たすための方策について鋭意検討する要があり、現在諸般の角度からその処理方法について検討しておるというのが現在の段階でございます。
  85. 矢田部理

    ○矢田部理君 ファーガソン決定に対して不服申し立てをする方向で検討しているのか、それとも受け入れる方向で吟味をされているのか、その点はいかがですか。
  86. 稻葉修

    国務大臣(稻葉修君) 不服申し立てというようなことは、まあ私の個人的見解ですが、ではなくて、あのファーガソン決定で述べているといま伝えられておるそういう条件、最高裁判所の、日本の最高裁判所の判決ないし規則で免責特権を決めると、こういう条件の充実を、条件の成就を努力する方向というふうに私は思いますけれども、まあそれ全部ひっくるめていろいろ検討中でございますので、その辺のところまで私から申し上げておきます。
  87. 矢田部理

    ○矢田部理君 大筋受け入れる方向で考えているとのことでありますけれども、ただファーガソン決定がつけた条件というのは、これはもう法律家の目から見ればだれでも明らかでありますが、最高裁の判決で免責の保証をするあるいは規則で決めるというのは、これはまあ制度上も内容からいっても、とうていできない相談のはずなんですが、この点はいかがお考えでしょうか。
  88. 稻葉修

    国務大臣(稻葉修君) 免責特権についての何といいますか、わが国検察当局の意思決定のころにも言っておりますが、それとアメリカの免責特権といいますか、イミュニティーとはまことに性質が違う。それともう一つは、アメリカにおける裁判所と検察庁の関係日本における裁判所と検察庁の関係、検察庁の地位、法的地位、これもアメリカと日本では格段の相違がございますわけでございまして、日本では刑事訴訟法二百四十八条に基づきああいうことをやれば相当の権威があるわけですけれども、アメリカ人の目から見れば、それは裁判所の決定でも何でもないじゃないか、こういう感覚なんだろうと思いますね。だから裁判所の明確なる意思表示を持って来いと、こういうふうに条件が、まあわかりよく、言葉は熟しませんけれども、そういうふうに思ってのファーガソン決定なんでございましょう。そうでなければ安心して証言できないではないか。証言はどうしても得たいというなら、そこまでやってきたらどうかということなんですが、これは矢田部さん、最高裁がそんなことをやるわけはないじゃないかということなんでしょうけれども、しかし尋問を嘱託したのは日本の裁判所なんですわな、その裁判所のですね、いろいろなことについて、一番上に位する最高裁判所なんですからね、嘱託しておいてこういう条件をつけられた、だめならだめ、考えてみようかということはあってもしかるべき法制じゃないかと思いますがな。したがいまして、全然そんなことは無理な話で、条件なんか満たされるわけないじゃないかと、こういうきめつけ方も私としてはいたしかねるわけでございますね。それは最高裁判所の御判断によって決まることでございましてね……
  89. 矢田部理

    ○矢田部理君 私が申し上げたいのは現行制度、ある法体系のもとでそういうことが可能なのかどうか。それについて法務省としてはどういう考え方なり見通しに立っておられるのか。問題が最高裁の条件と法的保証ということがひとつ出ているわけですから、最高裁はどう対応しようとしているのか、それについて相談をして、その上で受け入れるとかどうするかということを決めているのかどうかというようなことも含めて端的にお答えをいただければと思うのですが。
  90. 稻葉修

    国務大臣(稻葉修君) そういう必要があれば御相談もしたりすることになるかと思いますけれども、そういうことを含めていま正確な向こうのあれを取って、決定の内容の正確なものを受け取って、そうしてこれに対処する、いまあなたのおっしゃったようなことも含めて検討をしていきたい、こう思っております。
  91. 矢田部理

    ○矢田部理君 まあ大筋は不服申し立てをしない、しかもこの決定に従うということになりますれば、順調にいけば六日からでも証人尋問が始まるという情勢があるやに聞いているわけですけれども、これはもうそういう段取りで進めているのですか。条件整備は後で、とりあえずこの証人尋問に入るという方向なんでしょうか。
  92. 稻葉修

    国務大臣(稻葉修君) ああいう決定が下されたわけでありますから、証人尋問は始まるわけですね。そうして尋問に応じて証言をしたことを捜査の資料として日本に渡すかどうかは条件にかかっているわけです。証人の尋問を始めるかどうかについての条件ではありませんから、条件は後の方の条件ですから、証人尋問は始まるものと、こういうふうに思っておるわけです。
  93. 矢田部理

    ○矢田部理君 証人尋問の方は受けるけれども、後の条件の方について不服申し立てというわけにはいかないと思うのです。一括して受けるか受けないかということに立つわけですから。そこで一証人尋問は受けるけれども、後の条件についてはわが国の現行制度上、率直に言ってなかなかむずかしい。ファーガソン決定の中身が具体的にどういうものであるかということを最終的に見なければわかりませんけれども、伝えられるような状況ではなかなかむずかしい。その場合に、この条件成就が向こうの要求のようにできなかった場合、結局、せっかく証人尋問をやっても尋問調書はこっちに渡されない、あるいは条件成就のために非常に時間がかかるということになれば、この捜査には間に合わないという、そんなところに追い込まれてきているんじゃないかという感じがしてならないわけですが、その辺の問題点なり、見通しなりについてはどう受けとめておられるんでしょうか。
  94. 稻葉修

    国務大臣(稻葉修君) にっちもさっちもならないところまで追い詰められているとは思っていないんです、私、そうは。条件成就の可能性を追求していく努力をするということでございまして、しかもあの裁定というものは、ファーガソン決定というものは、何といいますかね、味もそっけもないと、木で鼻をくくったようなものだと、満たされない条件をつけてきて不可能にしているというふうには思っていないですね。なかなか味のあることをやるなあという点もあるわけでございまして、その辺に、対処の仕方はなかなかむずかしゅうございます。むずかしゅうはございますけれども、不可能になってしまったというふうにあきらめてお手上げと、こんなふうには思っておりませんね。これからの努力次第によっては条件成就の可能性もあると。
  95. 矢田部理

    ○矢田部理君 余り具体的でなくて、大筋の見通し論だけでは論議がかみ合わないわけでありますけれども、言ってみれば、捜査は強制捜査という段階に入ってきている。いろんな面で時効の問題も迫ってきている問題があるわけですね。そういう条件のもとで、証人尋問に入るにしても、いますぐにはその証人尋問調書は役立たない。事は、少なくとも将来の先に見通しがあるかどうかわかりませんけれども、いま考えられる現状認識だと思うんですね。そこら辺はどうなんですか。
  96. 稻葉修

    国務大臣(稻葉修君) 御指摘のとおり、なかなか容易なことではない、非常に困難性を伴う。ここ当分の間、尋問はどんどん進んで証言も行われるけれども、その証言の内容を捜査資料としてこっちが利用するという道は、ここしばらくの間、当面は閉ざされているという裁定の内容ではないかと思っている。これはなかなかなまやさしいことではないなあと、こういう感じでございますが、さればというて、それは当てにしないで日本の捜査資料だけでやれるというようなふうに法務大臣の答弁いかんによってはとられますと、それじゃどうせ役に立たないなら証人尋問も初めからやらぬでもいいかというようなふうに響きましては、これはやっぱり困りますもんな。その辺のところ、なかなか虚々実々、微妙なところもございますので、余りいまのこの段階ではっきり答弁しろと、右か左かと、困難か困難じゃないかと、たやすいかどうかというふうに割り切って質問していただかないように、余韻を残しておいていただきたいと思いますが……。
  97. 矢田部理

    ○矢田部理君 余韻は結構なんでありますけれども、問題は、嘱託尋問の成果にかなりの期待をかけていたように受け取られる向きがあるわけですね。それが前進したかのように見えるけれども、かなりむずかしい条件がつけられたということになりますれば、当面、捜査としては、その結果が出ればよりプラスにはなるにせよ、そうでない場合も想定をして、独自のやっぱり捜査を詰めなきゃならぬ段階に、強制捜査にすでに入っているわけですから、来ているだろうと思うのですが、法務大臣、これまではまあ入ったばっかりだからしばらく黙っておってくれと、頭脳プレーだから静かにしておいてくれということを再三強調されたんですが、日本の捜査の見通し、情勢はやっぱりどういうふうに展開するのか。その点について嘱託尋問の結果が出ればなおいいにしても、それなしにも十分に立てられる見通しおありなんですか、その点はいかがですか。
  98. 稻葉修

    国務大臣(稻葉修君) それをはっきり申し上げますことが、向こうの嘱託尋問に基づく証言を途中でやめられでもしたら大変だと、こう思うものですから、やはりその証言は重要なんですと、そういうものがなくても、もう煮詰まってきたから見切り発車、こちらの資料だけでどんどん、どんどん強制捜査を進めますというふうなことを、証言を頼んでおいている立場として申されるわけではないわけですね。だから、その辺のところは少し余韻を残して願いたいと、あんまり詰めてイエスかノーか、びしっと言えと、歯切れの悪いことを言うなと、こういうふうに決めつけないでほしいと、そうしてもうぎりぎりのところまで煮詰まってきて、早くやらないと逃亡だとか、証拠隠滅のおそれあるんだとか、そういうせっぱ詰まった状態に追い詰められているとは私は思っていないんです。
  99. 矢田部理

    ○矢田部理君 そこで法務大臣に伺いたいと思うんですが、先般の国会の最終盤で、内閣委員会においていわゆる捜査の中間報告的なものを出されたわけですが、それ以後の捜査の状況、現段階はどういうふうになっているのか、その点について強制捜査に入っていることはわかりますけれども、大筋の話をしていただければと思っていますが……。
  100. 稻葉修

    国務大臣(稻葉修君) 御指摘のその後の捜査の進行状況でございますが、この前報告した段階のことは重複になりますから避けますが、去る七月二日、丸紅株式会社参与伊藤宏が本年二月十七日及び三月一日の衆議院予算委員会において証人として宣誓の上行った証言について、議院証言法第六条所定の偽証の罪に該当するという疑いが濃厚となりましたので、またかつ同人について逃亡及び罪証隠滅のおそれがあると思料されるに至ったために、その身柄を拘束して取り調べる必要があるとの判断に達し、去る七月二日、東京地方裁判所裁判官に対し、逮捕状の請求を行いました。
  101. 矢田部理

    ○矢田部理君 公になっていることは省略していただいて……。
  102. 稻葉修

    国務大臣(稻葉修君) それで裁判所も前記偽証の罪を犯したということを疑うに足る相当な理由があり、かつ逮捕の必要があるとの判断を持って逮捕状を発付されたのであります。現在、身柄を拘束して、また勾留の請求もして、これも勾留状の発付を受けて鋭意捜査中でございます。
  103. 矢田部理

    ○矢田部理君 その程度のことは聞かなくてもわかっているわけですが、ほぼ公になっている状況を見ますと、強制捜査には入ったけれども、偽証だとか、外為だとか、重大問題のいわば横出し的な、あるいはその核心とそうかかわるのかどうか疑しいような問題点については幾つか出ているわけですね。周辺部分についてはそれなりに進んできているんだろうと思うんですが、核心に向かってどうあのときの中間的報告から進んでいるのか、その辺のニュアンスはどうなっているのか、あと二カ月で終わるとか、八月中にどうだとかという話もあるようですけれども、その現段階と見通しについてもうちょっと余韻のある話を今度はお願いしたいと思います。
  104. 稻葉修

    国務大臣(稻葉修君) 鋭意捜査は進行中の現段階において、捜査はこのころには終わりますということを明言するわけにはまいりませんけれども、私はそれ個人的な見解で述べたことがあります。それはいままでの同種事件の犯罪捜査の期間だとか、そういうものを勘案すると、まあ、今度の事件は非常にあれだから、六月の末ごろの段階であと二カ月くらいはかかるんでないでしょうかという私の個人的な感触を申し上げたことがありますが、こういうところであと捜査終了の時期はいつでございますということを断定的に明言申し上げることは差し控えさしていただきます。ただ、すでに逮捕者七名、これからこれらの逮捕者の供述いかんによってはどんどんどんどん、どの程度ですか、速度はともかくとして、速度はともかくとして進んでいきますことは当然でございまして、これ以上は進まないなどとは私は思っておりません。どの程度に、それからどういう速度でということは、私、捜査当局でございませんし、まだ報告も受けておりませんから、申し上げかねます。
  105. 矢田部理

    ○矢田部理君 端的に伺いますが、要するに贈収賄が核心だというふうにかねてから言われているわけですが、その核心にもう入ってきているのかいないのかということを。
  106. 稻葉修

    国務大臣(稻葉修君) これも検察庁からの報告に基づく答弁ではございませんで、私の感触を申し上げますと、入りつつあるという段階ではないかと思います。
  107. 矢田部理

    ○矢田部理君 そこで内閣委員会の中間的報告では、もうすでに丸紅だとか全日本空などを調べているというお話が中間的報告の中にもあったわけですが、現段階でいわゆる政府高官、政治家や国会議員等も含む政府高官については、何らかの形で事情聴取なり調査というか、事情聴取というか、調べなりをしているんでしょうか。
  108. 稻葉修

    国務大臣(稻葉修君) その点につきましては、何といいますか、少し生臭くなりますから、政府高官だとか、国会議員だとかというふうに、そういう職業の種類を指定して、何人調べたとかいうことについては、捜査の進行中でございますので、まだきょうの段階では申し上げかねます。
  109. 矢田部理

    ○矢田部理君 何人だとかなどというふうには私はまだ聞いていないんですが、贈収賄事件でいうと、じゃこう聞きましょうか。収賄側も事情聴取その他に入っているかというふうに伺いましょうか。
  110. 稻葉修

    国務大臣(稻葉修君) それは一般論として贈賄側を捜査して、収賄の方は捜査しないなんという捜査があるわけがないですね。
  111. 矢田部理

    ○矢田部理君 いま強制捜査をされているのは、どちらかというと贈賄側に目される、あるいは位置づけられる人たちですわね。それと反対側で今度は受け手がいるわけですから、その受け手の側が一般的に——というのは、一般論はともかくとして、本件でもそちらの捜査にも、あるいは事情聴取等にも入っているかと、こういうふうに伺っているんです。
  112. 稻葉修

    国務大臣(稻葉修君) まだそういうことについての報告は受けておりません。きょうの段階はそういうお答えになります。
  113. 矢田部理

    ○矢田部理君 私がこういうことを聞くのは、アメリカの嘱託尋問にかなりのウエートをかけた。しかし、これが非常に難航している。それからいろんな周辺事情を中心にして、外為だとか偽証だとかとやっているけれども、どうもその核心に迫り方がはだで感じられないと、ひょっとするとアメリカで嘱託尋問の結果が余りうまくいかないので、そちらに責任を転嫁してうやむやにされてしまうんじゃないかなどと考えている国民もかなりあるわけですよ。そういう点で、確信を持って贈収賄をやっぱりたたき出すということが言い得るのかどうかということを稻葉法務大臣にお聞きしたいのと、それから公安委員長にお尋ねをしたいのは、どうもやっぱり警察筋のたとえば浅沼長官談話などを新聞等を通じて拝見をしますと、稻葉法務大臣は何か任せておけみたいなニュアンスが非常に強いわけでありますが、警察筋の談話等を見ると、非常に何か難航している、見通しがむずかしいと、難事件であると——まあ難事件であることは事実でしょうけれども、というようなニュアンスが感ぜられるわけです。その辺、何か少しばらつきがありはせぬかというふうにも思うので、両大臣からお答えをいただければと思いますが。
  114. 稻葉修

    国務大臣(稻葉修君) この事件は将来の検察当局の威信にも非常に関係する重大問題です。それから一方、私は国会議員でもありますので、国会議員という立場からすれば、いろいろな国会の権限の悪用などということについての疑いも持たれている事件でありますから、そういう点についても全貌を解明して、これはこうでございますと言うて、議会政治の信用を将来につなぎ、検察の威信を将来につなぐと、その検察の威信を将来につなぐ責任の第一人者ですから、一生懸命にやっていると、こういうことでございまして、胸をたたいて任しておけなんという生意気なことを言うたことはありません。しかし、あれだけの有能にして勤勉、善良な検察当局がそろっておることだから、満幅の信頼を置いて一生懸命にやらさしておると、不偏不党、何物にも煩わされず、しっかりやってもらいたいと、こう言っておるのであります。しかも、事件当初から脱税問題であるとか、外為法違反の問題であるとか、贈収賄の問題だとか、そういうふうな性質の犯罪、罪名に疑いをかけられているわけでありますから、検察当局は警察、税務当局と緊密なる連絡をとって、いやしくもその三者の間で意思のそごを来たすような御心配は全然ありませんと、こういうふうに私は申し上げて差し支えないのではないかというふうに思います。
  115. 福田一

    国務大臣(福田一君) 御案内のように、この事案が出ましたときに、国家公安委員会といたしましては、公安委員のこの考え方をまとめて、徹底的な究明をいたすべきであるということをまず第一に三木総理に申し入れをいたしたことはすでに御承知のとおりだと思うのであります。国家公安委員会といたしましては、警察庁がその意味で、その任務をりっぱに果たしてもらえるものであると確信をいたすと同時に、その監督の責任において実は何といいますか、毎日その動きを監視いたしておるというのが実情でありますが、警察関係におきましては、警察庁を初め警視庁その他が万全の態勢を整えて、そうして検察と相協力して、車の両輪のごとき形においていまや事件の究明に当たっておるという私は確信を持っておるのでありまして、その間に何ら意見のそごを来したり、あるいはまたその間における取り調べの相違点が出たというようなことは一切承っておりません。私は警察は十分にその職務を果たしておると信じております。
  116. 矢田部理

    ○矢田部理君 両大臣、結構です。  坂田防衛庁長官に伺いますが、防衛庁関係者はこの事件に関して何人ぐらい事情聴取を受けているでしょうか。
  117. 玉木清司

    説明員(玉木清司君) 現職の職員につきましては、官房総務課長あるいは防衛課長その他四人ほどの職員が防衛庁事務の運び方というような現況説明に、事情聴取という形でありますが、そういう現況説明をしております。それから防衛庁関係のかつての在職者、これにつきましては、航空幕僚長であった石川貫之氏、それから副長であった白川氏、海上幕僚長でありました石田捨雄氏、こういう方々が事情聴取を受けております。
  118. 矢田部理

    ○矢田部理君 次に、質問を変えたいと思いますが、専門会議に向けて防衛庁なり国防会議事務局はどういう説明をされていたかを念のために確認しておきたいと思うのでありますが、専門会議のスタートに当たって、答申は五十年度予算編成に間に合わせてほしい、つまり四十九年いっぱいぐらいに結論を出してほしいという要請をしたことはあるんでしょうか。結論だけで結構です。
  119. 内海倫

    説明員(内海倫君) 専門会議を開会いたしますときに、私からお願いしましたのは、できるだけ答申としては早くしていただきたいと。質問がございまして、大体いつごろですかということで、その質問に答えまして、防衛庁としては五十年度予算に間に合うようにしてもらえればありがたいと、こういう希望が出ておりますということを申し上げました。
  120. 矢田部理

    ○矢田部理君 どちらでも結構ですが、同時に、国防会議事務局なり防衛庁は五十七年度には次期対潜哨戒機を用意しなきゃならぬ、配備をしなきゃならぬと、こういう説明も専門会議にしているんでしょうか。結論だけでいいです。
  121. 内海倫

    説明員(内海倫君) 第二回目の会合の際に、海上自衛隊の方の説明で、一応五十七年から現用機が逐次脱落していくと、こういうふうな説明がございました。
  122. 矢田部理

    ○矢田部理君 そこで、その五十七年度タイムリミット論というのは、その年には量産機を取得しなきゃならぬ、そういう時期として言われたのでしょうか。それとも開発期間の終年というか、終わりの年といいますか、そういう時期として五十七年度論を言われたのでしょうか。
  123. 江口裕通

    説明員(江口裕通君) いまの御質問の点で申しますと、量産機取得のベースでございます。開発ということではございません。それで、なお念のためにつけ加えますが……
  124. 矢田部理

    ○矢田部理君 いいよ、簡単で、後で質問いたしますから。  ところで、この「審議概要」を見ますと——ちょっと、その前に質問しておきますが、国防会議事務局なり防衛庁は、五十年度予算編成に答申が間に合えば五十七年度配備は可能だと、これはたとえば国産の場合もあり得るわけですけれども、答申は。国産の場合でも可能だと、こういう前提に立たれたんでしょうか。
  125. 江口裕通

    説明員(江口裕通君) 先ほど事務局長からお話がありましたように、遅くとも五十年度着手ということで申し上げております。したがって、その意味は、その前提といたしまして開発ベースを考えておるわけでございますが、その場合には開発に一応七年ということでございます。それからさらに量産機取得までに二年ということでございまして、そういたしますと、五十七年ということとは若干平氏が合わないと、端的に申しますとそういうことになります。なりますが、当時の考え方といたしましては、そういう期間のとり方、あるいは開発日程というものがいいかということも御審議していただきたいと。それからさらに五十七年、今度の量産の方、量産機を取得する場合の装備の方のいわゆる減衰問題でございますが、そういった問題について、これは物理的な耐用年数による減衰と、それから運用の仕方による減衰と、いろいろございます。だから、その点の両方のかみ合わせを御審議していただきたいということで御説明申し上げておるわけでございます。ですから、簡潔に申しますと、五十年を遅くとも着手の時期にいたしたいと。それから五十七年というのは、そういう若干の問題はございますが、そこらあたりをめどにして、その辺の開発する方とそれから使う方と、両方の彼此両様面からの検討もあわせてしていただきたいと、こういう趣旨で申し上げておるわけでございます。
  126. 矢田部理

    ○矢田部理君 私が言っているのは、どういう検討をしてもらいたいかということじゃなくて、自分たちの考え方として五十七年度には欲しいと、その欲しい時期に見合って予算なり計画を組むわけでしょうが、五十年度予算に間に合えば五十七年度には国産ということでも配備が可能だという前提で提案をしたのかと、こう言っているんです、時期的な提案を。結論だけでいいです。
  127. 江口裕通

    説明員(江口裕通君) 何遍も繰り返しますが、遅くとも五十年度までに出れば、開発に着手できれは、五十七年度——アラウンド五十七年でございますが、前後には何とか間に合うようなことになるであろうと、こういう考え方でございます。
  128. 矢田部理

    ○矢田部理君 いまあなたも言われたように、「審議概要」を見ますと、開発期間七年、実用化まで二年、つまり九年かかるというのが一つ提案の内容になっているわけですね。そうすると、五十七年度ということになれば、一年かそこらかもしれませんが、間に合わないという計算になるわけですね。その辺は五十七年度タイムリミット論というのをどういうニュアンスで説明したのか。特にこの答申の最後のところが、ただし書き以下の条項が、つまり時間の問題で間に合わないから輸入もやむを得ないのだという結論づけになっているわけでしょう。そうすると、この時間の問題がきわめて重要な経過になるわけですが、どうも「審議概要」を見ましても、五十七年度が果たしてどうなのかということも含めて、時間の問題の論議の足跡がほとんどないんですよ。そこにこの専門会議審議の内容、言うならばあなた方の提案の内容も含めて非常に大きな疑惑というか問題があるように思われるんですが、その点どうですか。
  129. 内海倫

    説明員(内海倫君) 五十七年度から脱落していくということは、先ほど言いましたように、海上自衛隊の説明でございましたけれども、ただ、専門会議立場としましては、それがいわば絶対的なものであるというふうにまでは理解しておりません。したがって、できるだけ早く検討を了するということは考えておられましたけれども、まあ何といいますか、五十七年が決定的なものであるというふうな、審議の状況では、審議の場合にはそこまでは強くは考えないで、とにかく国産開発、国産前提とする開発に着手することの是非という面に対して的確な答えを出していきたいと、こういうことでございました。
  130. 矢田部理

    ○矢田部理君 事務局なり防衛庁の提案そのものが数字上合わないということを一つ指摘したわけでありますけれども、同時にそれならば五十七年度をさらに延ばすことが可能なのかどうかという論議専門会議でしたんでしょうか。それについてどんな吟味や検討がなされたのか。
  131. 内海倫

    説明員(内海倫君) これはちょっと横にそれるかもしれませんが、専門会議としては装備という問題を論ずるというものではございませんでしたので、五十七年にどうしても間に合わなければならないというふうな厳しい条件としては考えておりませんでしたし、したがって、できることならば五十七年に間に合うように、もし間に合わなくても最短期間でそれが処理できるようにということは考えておったと思います。
  132. 矢田部理

    ○矢田部理君 「審議概要」の最後のところ、答申の最後でもあるわけですが、量産機取得までに相当の期間を要するから、土屋証言によれば、もう時間の問題だけだということをこの説明としてするわけですが、相当の期間を要するから当面は輸入もやむを得ないんだと、こういう結論づけになっているわけでしょう、ただし書きは。だとするならば、この期間がもう少し明確に、量産機取得までこのぐらいの余裕はあるよと、それから国産の場合にはどのぐらい縮めたり、あるいは期間が可能なのかという吟味はされてしかるべきだし、その経過が「審議概要」ではもう全然足跡がないんですよ。それでただし書き以下の結論が出ていることはきわめて異常、不自然、問題だというふうに感じられるわけですが、どうなんですか。
  133. 内海倫

    説明員(内海倫君) ただし書きにつきましては、確かに文章としましてはその点が書いてありますが、ただし書きが討論されまして答申になります際の問題としては、ほかにたとえば財政上の制約であるとか、あるいは開発に伴う不確定性への配慮とか、こういうふうなものも含みまして総合的に考えて、もし間に合わなければということを言ったものでございまして、時間の制約だけが唯一の制約になったとは私どもは考えておりませんでした。
  134. 矢田部理

    ○矢田部理君 土屋証言は時間の制約だけだと、この間私の質問に答えているのですよ。あなたの言うとおりだとすれば、逆にうそを言ったことになるわけですけれども、いずれにしてもこの時間の議論が余りなされない。そこで国産ではなくて輸入やむなしという現実論が出てくる余地を開いたと。しかも土屋証言によれば、時間の日程的な面はそちらの案をそのままほぼ受け入れて作業しましたとも言っているわけなんで、この点が非常に欠落をしているんじゃないかという指摘が一つでありますが、時間もありませんので、次の質問として、五十七年配備論は今後どの程度延ばせるんですか。
  135. 丸山昂

    説明員(丸山昂君) 五十七年配備という考え方は、現在の保有しておりますP2Jの耐用命数、それから年間の使用時間等から、一応五十七年以降逐次ダウンをして、そして十年後にはなくなると、こういう考え方でございます。  そこで、私どもいろいろ運用の問題、それから現実にアトリションと申します計画減耗というのがございます。こういう問題を再検討して詰めておりますが、また最大二年ぐらいがそのピークをずらすことができる可能の年数ではないかというふうに考えております。
  136. 矢田部理

    ○矢田部理君 事務局は六十年ぐらいまでという国会答弁のニュアンスもあるわけですが、この四十二年ごろ配備になったやつが五十七年つまり十五年後に減衰状態に入るのは字面としてはわかるわけですが、これは最初の段階では余り飛行時間がなかったのではないかという指摘が一つと、それからオイルショック以降飛行時間を制限している、少なくなっているという状況もあって、さらにこの運用面の配慮をするならば、もう少し延ばすことが可能なんじゃなかろうかという問題点が一つ。それから四次防の積み残しがP2Jはたしか五機ぐらいあろうかと思いますが、これ等の今後の予定、考え方はどうなっておりますか。
  137. 丸山昂

    説明員(丸山昂君) 御指摘のように、実際の飛行時間につきましては、計画時間をやや下回っておるという実情もございます。したがいまして、こういった点も考慮に入れまして、ただいま検討しておりますが、いずれにいたしましても先ほど御答弁申し上げましたように、二年ぐらいが限度ではないかと思います。これを無理して延ばしますと今度は減衰が急速にやってまいります。たびたび御説明申しておりますようになだらかに減衰を考えておる。そして逐次それになだらかに導入をするということを考えておるわけでございますが、全体の機数を無理してピーク時をずっと後に延ばしますと、今度、後急に全部がそろってダウンしていくということでございまして、傾向としては好ましくない傾向だというふうに私ども考えるわけでございます。それから積み残しの分があるわけでございますが、この問題につきましてはポスト四次防の全体計画の中でただいま再検討しておるわけでございます。
  138. 矢田部理

    ○矢田部理君 いま私が指摘したような問題も含めて、あるいは運用上の問題も検討して、五十九年あるいは六十年あたりまでの期間を示せば専門会議の答申内容はまた違った味が出ていたんじゃないかという感じもしないではないのですが、どうもその辺の議論がほとんどやっぱり尽くされていない。ここに一つ問題点があろうかと思うのです。  もう一つ最後にお聞きをしておきたいのは、そういう中で答申が出たにもかかわらず今日まで機種の選定がおくれてきましたね。おくれてきた事情が何であるのか、率直に言って私どもわかりにくいわけです。答申が出たあと了解事項で再び技術的財政的基盤を関係各省間で相談してやりなさい。言ってみれば答申は何の役にも立たなかった、メリットがなかった、別な見方をするならば、時間かせぎにだけ使われたとしか言いようのない、逆にもう一回財政的——まあ財政はともかくとしても、財政問題も答申で一応の検討はしておるわけでしょう。そしてその次は技術問題も関係各省間で今度は検討しなさいということで、それから大分の日時を経過してしまっているわけですね。そういう状況を考えてみると、結局外国機の輸入を基本とする考え方をとるための時間かせぎがずっと今日までやっぱり続いてきておる。これは一体背景は何だったのか、非常にやっぱり疑惑の対象になるわけでありますが、そういう中で、最近八月ごろには次期機種の選定をやりたい、決めていきたいという話もあるようでありますが、これはこれでまた大変問題があるし、国産輸入かということで私どもはいずれにも加担するものでもありませんけれども、問題は、その必要性の是非そのものを根本的にやはり洗わなければならぬというふうに思っているわけでありますが、どうも最近このP3Cが疑惑の対象で評判が悪いということなども手伝って、同じロッキードでありますけれども、S3AのANEWを輸入する、あるいはまた胴体は日本国産をして、その二つをくっつけるというような案が非常に防衛庁の中で有力になりつつあるというような話もあるし、そのほか国産も含めて幾つもの案を検討しているということでありますが、その案の概要、問題点といったようなものについて、最後に御説明をいただいて、私の質問は終わりたいと思います。
  139. 丸山昂

    説明員(丸山昂君) 御指摘のように、四十九年の十二月に答申が出まして、そこで議員懇談会の御了解をいただいて、私ども、その方針に基づいて関係省庁と問題を詰めてまいったわけでございますが、結論的に申しますと、これが四十九年の十二月でございまして、翌年の四月にポスト四次防の長官指示が出て、作業に入っておるわけでございまして、結局、問題は、ポスト四次防の基本的な、いわゆるASW——対潜対策と申しますか、この抜本的な問題にかかわるということで、これを抜本的に検討するということになったということが一番大きな理由でございます。  その間、ちょっと簡単に申し上げますと、その技術的で、財政的基盤等について、さらに検討するという御指示を得たわけでございまして、そこで、五十年の前半をかけまして、この国産につきましては、もう一回見直しをするということで、これは私どもの方の技術関係の者が中心になりまして、見直し案をつくっております。で、在来、国産については七年という計画を、所要期間が考えられておったわけですが、できるだけこれを短縮する案について検討いたしました結果、実質一年、形式的には二年の短縮案というものが、短縮が可能であるという意見が技術サイドからは出されておるわけでございます。  それから一方、P3Cにつきましては、その五十年の三月に国防会議の参事官会議の場をおかりをいたしまして、関係省庁で問題を詰めました際に、外国機の導入については、在来、イギリス、フランス、こういったものがあったわけでございますけれども、現実の問題としては、この専門会議の御審議の過程も参考にいたしまして、P3Cに一本にしぼるということで、五十年の五月に海幕から第二次の調査団を派遣をいたしたわけでございます。
  140. 矢田部理

    ○矢田部理君 かいつまんで話してください。わかっているから……。
  141. 丸山昂

    説明員(丸山昂君) はい。  そういう経緯をたどっておるわけでございますが、最初申し上げましたように、このポスト四次防の基本的な作業の中で検討することが最も至当であるということになりまして、そこで昨年の十二月の三十日、国防会議におきまして、防衛庁長官から、「次期潜機について、防衛庁は、昨年」——ここで昨年といいますのは四十九年でございます——「十二月二十八日の国防会議議員懇談会における了解事項に従って、「その装備化を検討するに際し必要となる技術的、財政的基盤等の諸条件」について、鋭意検討を進めてきたところである。しかし、昨今の経済財政事情の急激な変化もあり、昭和五十二年度以後の防衛力整備計画  (ポスト四次防)の内容、規模等について十分な見通しを得る段階に至っていないため、結論を得ることができない。したがって、次期潜機の問題については、ポスト四次防の一環として処理し、昭和五十二年度予算編成時までに結論を得ることと致したい。」こういう趣旨の発言を防衛庁長官からしていただきまして、この国防会議におきまして御了承を得て、したがって、現在この方針にのっとりまして、私ども作業をいたしておるわけでございます。  そこで、御質問の中にございました、いわゆる国産、それから外国機の導入、それからその中間案というようなものについてどういう案を検討しておるのかと、こういう御質問だと思いますが、これは昨年の夏ごろから防衛庁長官、それから私ども、衆議院の内閣委員会あるいは参議院の内閣委員会等におきまして御説明しておるとおりでございまして、問題は、一方、通産省等から、国内の防衛力の基盤である航空機産業の実態ということから考えて、機体の国産ということも十分考慮に入れる必要があると、こういう御要望もあるわけでございます。そういったいろいろな御意見を総合的に検討いたしまして、機体について国内開発、それから電子機器等については、P3Cの電子機器——当初はP3Cを対象にして考えておりましたが、最近に至りましてS3Aという、これは同じくロッキードの製品ではございますけれども、この電子装置のハードの部門としてはかなり進んだ段階にあるというふうに私ども聞いております。そういうものもやはりアメリカの方でリリースをする可能性があるならば、これらもあわせて検討の対象にしてはどうかということで、まだ非公式の打診でございますが、アメリカにその分離リリースの可能性があるかどうかということを打診をしておるわけでございますが、まだ正式の返事を得ておりません。いずれ技術的にはっきり見通しがつきました場合には正式に申し入れをする予定になっておるわけでございます。
  142. 黒柳明

    ○黒柳明君 まず、法務大臣、あのファーガソン裁定についてまずお伺いしますけどね、いまの御答弁でも、対応策を検討中と、正式な文書が着いてないからと、こういうことと、あわせて非常に無理、困難という、こういう発言もあったわけでありますが、きのう、三木総理報告の後の記者会見、私、けさの新聞、テレビ等で見たり読んだわけでありますが、やっぱりその範囲ですと、ファーガソン裁定のその判例は当然のこと、あるいは立法化も困難であると、無理であると、こういうことを前提にして、だけど法務・検察としては何とか検討したいんだと、こういうような感触に見えるんですけど、ウェートとしてはやっぱり無理なんだと、こういう裁定は非常にやっぱりわが国の法律になじんでないと、こういうことを前提にして、しかるに、先ほど大臣もおっしゃったように、こちらからやっぱり頼んである嘱託尋問だから何とか検討をしたいと、こっち側の検討のウェートの方が必然的にやっぱりどうしても薄いんじゃなかろうか、比重は軽いんじゃなかろうか、こういうふうな感触で私はいたんですが、いかがでございましょうか。
  143. 稻葉修

    国務大臣(稻葉修君) 非常にめんどうなことになってきたなあと、困難なことになってきたなあという感じは受けますけれども、その困難を突破していくのがやっぱり捜査当局の職務でございますからね。職務を忠実に果たすためにはそういう努力もしていかなけりゃならぬなというふうに思うわけでございます。  何しろ最高裁判所の規則とか判決とかいうことがない限り、そういう判決で保証しない限り、免責を保証しない限り、証言の内容資料を渡さぬというふうに言っているようでございますから、それを渡してもらうためには、まあこの最高裁判所の——下級の裁判所か嘱託尋問をやっているわけですからね、尋問を嘱託しているわけですから、ですからその上の最高裁も、そういう意味では、その嘱託した尋問がうまくいくように、証言がとれるように御努力なすっていただけるものと思っておるんです。そういう期待を持ちつつ先ほどのようなお答えをしたわけです。
  144. 黒柳明

    ○黒柳明君 刑事局長、法務大臣は非常にやっぱり先般のこの日米司法取り決め、まあここまでやっぱり問題は発展せざるを得ないとは思うんですが、それはさておきまして、いまの決意、やっぱり何とか困難を克服しなきゃなんないと、こういう決意はかたいんですが、それを受けてやっぱり事務当局は大変だと思います。また大変であったと思います、これからなおさら。この検討のやっぱり可能性ですけれども、この裁定に対応する可能性、これについてはどういうものがまあ列記されるでしょうか。当然その点の一つが最高裁の立法化と、これには憲法の問題もからむと。私、余りこの点については専門家じゃありませんが、勉強した範囲では確かにそのように感じます。対応策というものが検討中かと思いますが、列挙して形だけ、形式的に列挙した場合に、最高裁の立法化等を含めましてどういう方法があるのか、お述べいただけますか。
  145. 安原美穂

    説明員(安原美穂君) このファーガソンの裁定の内容というのは正式にはまだ発表されておりませんで、いわばインフォーマルに伝えられておることでございまして、正式な内容はまだ明後日ぐらいにならないとわからないというようなことでございますから、実は対応策というものも対象が明確でない限り実は立てにくいわけでございます。と申しますのは、基本的に訴追免除ということも、要するにどういう事柄を証言してもらうかということと密接に関連するわけでございまして、たとえばその証言をする人が全然訴追を受けるおそれのないこと、たとえば時効にかかっておるというような事柄について尋問する場合においては、その人が訴追免除の主張などということはできないはずでございますし、それからまあそういうこと。あるいは、アメリカの関係委員会ですでに証言しておられる事柄についてやや具体的に聞くというようなときには、おそらく免責特権などは主張できないんじゃないかと思われるというようなことで、ファーガソンの裁定がどういう真意に出るのかということをもう少し明確にいたす必要があるということで、アメリカにおります堀田君なんかともよく連絡をして、ファーガソン裁定の真意をよく聞けということを指示しておるわけでございますが、と同時に、それを聞きますことによって、いま抽象的には、証言によって得たインフォメーション、資料によって訴追をされないということを日本国の最高裁判所が判決、命令または規則によって保証しない限り証言の書類を渡してはならないということらしいというんですが、そのこともどの程度のことが保証になるのかということもいろいろ考えてみなきやならないということでございまして、いろいろな場合を想定して、実はいろいろなことを考えているわけでございます。たとえば、最高裁の司法共助に関するルールのようなものについて何か書けないかとか、いろいろなことを法務省としては考えておりますが、要はまだ正確な内容がわからないので正確なこれに対応する対応策も具体的には立てにくい段階でおりますが、いろいろのことを考えながら、実は何としてもこの証言、あるにこしたことはない、最善を尽くすのにぜひ欲しいのでございますので、何とか知恵をしぼってやっていきたいということでございます。そういう意味におきまして、先ほど大臣が申されておりますように、事は捜査段階における証拠収集の方法としての証人尋問でございますけれども、基本的には日本国の裁判所の裁判官がアメリカの裁判官に嘱託をなさったことでもございますので、まあ最高裁判所におかれましてもひとつお考えをいただけるのではないかとも思っておりますし、また将来ともにこの捜査共助ということは、今日世界が狭くなった場合においては今後ともこういうことが起こり得る可能性もありますので、将来の問題としても基本的に考えなきゃならぬという意味においては、立法府においてもひとつお知恵を拝借したいとまで思っている次第でございまして、要はいま、内容を明確にすることによって対応策を懸命の努力を、知恵をしぼってやっていきたい、それには立法府、司法府の御協力も得たいと、かように考えておる次第でございます。
  146. 黒柳明

    ○黒柳明君 あくまでも、刑事局長ですね、確かに法務大臣もおっしゃったように、正式な内容来てないからと。ただ、両検事とも当然絶えず緊密に接触はしている、その中からやっぱり来た。その骨子は判例である、あるいは法的裏づけであると。この骨子は変わらない。それからさらに、いま刑事局長の御答弁聞きますと、その向こう側のさらにその裏に隠れたと申しましょうか、あるいはその真意と申しましょうか、そこらあたりをもう一回聞いて、それも含めてと、まあこういうことだと思います。それはそれとして私たち何も、これだけの重要問題ですから結構だと思います。ただ、いま刑事局長おっしゃったように、冒頭はそれが来てから検討とおっしゃりながら、また半ばでは検討も一生懸命やってますと。その中にはまあ時効にかかったもの、これはもう当然刑事問題じゃなくなりますし、これは向こうで証言したものについてはまた問題があるだろうとか、最高裁でも、国会でもと、まあこういうことも出てきたわけですけれどもね。ということは私は、これはもうマスコミでけさの話題になってるわけでありますけど、当然、国会でこういう立法化ということもその中の一つである。当然、最高裁の問題ですから、最高裁でもこの問題に対処することも当然であり、また、してるんではなかろうかと。ただし、やっぱり法務・検察がこの当事者であることは間違いないわけでありまして、この法務・検察が、この嘱託尋問というものがロッキード事件解明に対してどのような位置づけと見ているのか、公判上、あるいは捜査上、解明上。これによっていま言ったような立法府が、あるいは最高裁が動き出すと、こういうことだと思うんです。ですから、やっぱり検察・法務が中心になりまして当然のことですけれどもそれに対しての対応策、当然その骨子を中心として考えなきゃならぬ。その前提としては、この嘱託尋問——あるにこしたことないと一言おっしゃいましたけどね、これは二十一日から始まってるんですよ。もうお覚えだと思うんです、二十八日も同じ質問が出た、これはもう与野党含んで出た。二十一日、二十八日、そして本日となってるわけでありまして、だんだん見通しは暗い。だけれどもというところで、完全にいま法務大臣の、あるいは世論のとおりにむずかしいと、こういう結論に。だけどその中で何とか一生懸命打開策をと。これはもうある意味では相当がけっぷちに立たされた、こういう感触はぬぐえないと思うんです。そのためにこの嘱託尋問というのは、あるにこしたことないという考えよりももう一歩私は進んで、これが必須であり絶対であるのかということになると、いま法務大臣おっしゃったように、何が何でもこれね、正面突破なりあるいはどういう工作なり、やんなきゃなんない、こういうことになると思うんです。だけど、あるにこしたことないということでは、立法府もお考え願いたい、最高裁もお考え願いたいと言ったって、当面の当事者はあんたたちじゃないかと、こういう議論もやっぱり成り立つわけですよ。ですから、そこらあたりもう、がけっぷちに立たされたと、私はこう思うんです、法務大臣非常に強気ですけれども。ですから、そこんところで、本当に必須条件なんだと、解明には、公判維持には、捜査には。そういう構えでいくならば、立法府もと、こういうことになるんですけれどもね。まあひとつ——あしたあたり正式に来るだろう、その時点でさらにコンクリートに検討すると、これはわかりました。だけど、きのうから検討しているということもいまおっしゃったわけですから、ひとつその嘱託尋問のこの解明、公判維持、捜査に対する位置づけというものをもう一つしっかり御答弁いただけませんか。
  147. 安原美穂

    説明員(安原美穂君) その、もう一つしっかり言うこと、そのことが、たびたび黒柳委員の御質問にも答えてますように、捜査の現段階における手のうちを明らかにすることに相なるわけでございますので、私の表現も、時にはなくてもいいようなことを言い、あった方がいいと言ったりして、やや迷いの現状を呈しているのは、まさに捜査の手のうちというものをいまの段階で少なくとも明らかにしたくないと、するべきではないという観点からくる表現のあいまいさが御疑惑を生んでおるのかと思いますが、何と申しましてもそういう意味で、なければ何ともならぬとかいうことかどうかということは申し上げるわけにいきませんが、何と申しましても、また基本に返りますけれども、あれはベストであるということは言えるわけでございます。と同時に、いま、あれはなくてもいいんだとか、あれはもうぜひとかいうようなことを仮に言うようなことは、やはりいま一生懸命にアメリカの司法当局が極力実現に努めてくれております段階であの証言の評価を申し上げることは、協力をいただいておるアメリカに対しても失礼にもなるというようなこともございますので、もうぜひ最善を尽くすためにはいただきたいものだということを申し上げることでひとつ御勘弁をいただきますとともに、示された裁定に対しましては極力知恵をしぼってその証言の獲得のために全力を挙げたいということで、いまの段階はひとつ御猶予願いたいと、かように思う次第でございます。
  148. 黒柳明

    ○黒柳明君 何も御勘弁たって、私たちこそ皆さん方の御努力に対して感謝をしなければならないわけで、私が勘弁するしないという問題じゃないと思います。  そこで、この尋問の結果というものがもし利用できないとすれば、これは贈賄容疑者に対する起訴、逮捕に対して差し支えがない。いまあれば別と、なければグッドかベターか、ここのところはまたちょっといろいろなケース・バイ・ケースでしょうね。あればベストですけれども、やっぱりなくても差し支えがないと踏めるのでしょうか。
  149. 安原美穂

    説明員(安原美穂君) どうしても御疑問が同じところへ戻ってくる感がないわけではないわけでありまするが、要はただいま丸紅の二人の人間、それから全日空の三人というものを中心といたしまして強制捜査をやっておる。その中身はいわば入金された金の使途を究明しておるわけでございますから、これの捜査の結果いかんによりまして、またある意味においてはアメリカにおける証言の価値も相対的にふえ、あるいは減るというようなことに相なるという一般論でひとつ御勘弁願いたいと思います。
  150. 黒柳明

    ○黒柳明君 コーチャン証言引くまでもありません。いわゆるリベート出したのは「丸紅の当時の社長の檜山氏か、当時私と関係のあった重役のうちの一人、具体的には大久保氏のどちらかです、もし成功したいなら、この種の支払いをしなければならないと勧めたのは。」と、当然大久保はいま調べられているわけですね。この大久保を調べて、それで起訴するかどうかを決めるにも、やっぱりコーチャン氏の証言がなければできないんではなかろうかと、私こう思うんですけれども、何回言っても前に戻っちゃうようなことは、これはまた避けなければならないと思いますけれども。そうすると、国内の捜査あるいはいままで来た米側の資料、米側の資料に基づいてというものはありましたですな、逮捕に至ったと。その米側の調査、いままで来た資料と国内の調査、捜査だけで、要するに贈賄側を逮捕できるという見通しはあるわけですね、それじゃ。ベストじゃないけれども、ベターだ、グッドだということは、その見通しがあるということですね、米側資料と国内捜査だけで。
  151. 安原美穂

    説明員(安原美穂君) これもたびたび申し上げますように、いまどういう手の内になっているかということを言うことに連なるわけでございまして答えにくいのでございますが、万一不幸にして米側の資料が利用できないという場合におきましては、すでに得ておる米側の資料、それから国内捜査の結果でその困難を突き破っていくほかはないという結果にはなると思います。
  152. 黒柳明

    ○黒柳明君 ロッキードの関係者、コーチャン等は調べられているいろいろな容疑があると思いますね、あるとすれば。その中に当然贈賄の容疑というものも取り調べの中に入っている。これはもう常識だと思うんですが、いかがでしょうか。
  153. 安原美穂

    説明員(安原美穂君) この嘱託尋問というのはアメリカの手続自体がそれを象徴しておりますように、イン・カメラと言いますか、非公開でやっておりますので、したがいまして密行でやられることでございますので、嘱託尋問の事項が何であるかということをこの席で申し上げるわけにはまいりませんが、やや抽象化して申しますならば、ロッキード社の日本国における企業活動にまつわる想像し得る不正行為に関連して尋問が行われるものであるというふうに御理解を願いたいと思います。
  154. 黒柳明

    ○黒柳明君 非常に長いあれなんで覚えられませんけれども、要するに金主である金を出したロッキードの贈賄容疑が固まらなければ、これが知っていて行く先までコーチャンが知っていて大久保、檜山に渡したのか、あるいは知らないで渡したのか、あるいは渡したのが、大久保がじかに収賄者に渡したのか、これは調べるのを待つよりほかありませんけれどもね。だけれども、常識に考えて、こういう種の事件は、やっぱり金主である金を出したいわゆるA社が、A氏がその贈賄の容疑というものが固まらなければ、それを受けた方のB氏、B社、その贈賄容疑というものは当然これははっきりしないということは、この種の事件においては当然じゃないでしょうか、これは国内外別にしましてね。
  155. 安原美穂

    説明員(安原美穂君) たとえば大久保利春につきましては、すでに逮捕状の容疑事実にも明らかになっておりますように、クラッター氏から一億二千万円の金を受け取ったということは、時効ではございまするけれども、偽証の前提事実として捜査当局では明らかであるというふうに考えておるわけでございまして、ただいま仰せのようにそのような金がどういう趣旨で渡り、そしてそのような金がどういう趣旨をもって使用されたかという行方を捜査中でございますので、その過程で贈収賄等の嫌疑が生じますれば、当然捜査の対象として究明をしなければならない問題に相なるわけでございます。
  156. 黒柳明

    ○黒柳明君 刑事局長はどうですか、ファーガソン裁定というものは日本の国内法には全くなじまないものであると、こういう感触はお持ちだと思うんですが、いかがでしょう。
  157. 安原美穂

    説明員(安原美穂君) この証人尋問、特にアメリカによる証人尋問は、いつも申し上げますように、アメリカ法に基づいて証人尋問をやっているわけでございまするから、アメリカ法の一つの特徴として免責特権と、これを主張させない方法として訴追免除——イミュニティーという制度があって、それを与えることによって証言を強制するというのが向こうの制度でございますが、遺憾ながらと言いますか、わが国はそういう制度はとっておらないということで、それを実質に保証するものとして、やむを得ざる方策として刑事訴訟法の便宜主義の起訴猶予というものの保証を与えるということにしたわけでありまするから、そういう意味においてファーガソン決定というものがイミュニティーというものを常に前提においてなされたとすれば、必ずしもなじむ事柄ではない。ただ、その不起訴処分の約束というものが、それと実質的には効果が同じではないかというのがわれわれの主張であったわけでございます。しかし、制度としてはそういう制度がない以上、決して親しみやすいものではなかったと思います。
  158. 黒柳明

    ○黒柳明君 さらに言うと、これは向こうとこちらの、さっきも法務大臣ちょこっと言いましたが、法制、法律の制度が違いますからもっともですけれども、全く日本の法制を無視したものではなかろうか。ということは、検事が二人行っているわけです。これは直接タッチして交渉しているわけじゃありませんもので、行った御当人もつらいとは思うんですよ。これを間接的にこう聞いて報告して、何やってんだと一言も言われる立場にあるんじゃなかろうか。まあ刑事局長じゃない、法務大臣あたりに何をやってんだと、おれは努力しているのにと。こういうことになると、つらいと思いますよ。ですけれども、つらくたって何だってやっぱり責任を持って行っているわけですから、二本指が一本指になって、最後どうなっちゃうんですか。そういうふうに、だんだん、だんだん、やっぱり行っている二人の検事も中間にはさまっちゃって、ただ単に向こうの報告をするだけで、だんだん、だんだん苦しい立場に来ているわけです。これも確かになじまなかったからと言えば、これはいまの結果論。いまの結果論。  そこで、私、さっき言ったように、司法共助、取り決めまで、やっぱり法務大臣さかのぼらざるを得ないと思うんですよ、この問題は。この問題は確かに、いまこういう向こうのコーチャン側は手を使ったんだから、そんなことは日本国内法じゃないんだから、判例なんか、立法なんかないんだから、向こうじゃあったんだからと言っても、事務次官が行ったときに司法共助、そして最大協力をすると。そのときにさらに堀田検事が隠密でも行ったし、あるいは正式に二人の検事が行った。その間において、あるいは最高裁のこういう判例なりイミュニティーなんというものは向こうじゃもうあたりまえなんですから、そのまでなぜ初めの時点から研究し、あるいはこちらもそれに対応しなかったか。ベストの結果をとって、それで解明までにグッドの道をいかなかったか。いま結果としてはこうなっています、がけっぷちに踏んばって、何とか努力するんですと言っていますが、司法共助の時点にさかのぼって私はちょっと酷かと思いますけれども、これはやっぱりいまここで、だけれども私たちはやるんですと、最高裁も国会もと。これは国会にそんなことを押しつけられたって、これは非常に問題がある。私の素人のいろんな勉強だって憲法上疑義が起こってくる。まして、これを押しつけられたって、臨時国会いつ開くのか、こんなこともう与野党まとまるのか全くわからぬ。だけれども、立法化ということが解決にはベストの道であることも間違いない。そうなると、いまでこういうことを言われていますけれども、なぜあの司法共助のときから、さらにそれから一カ月半いろんな検討を、勉強をしなかったから、させなかったから、指示しなかったからそういう問題というのがここで起こってくるんじゃないですか、法務大臣。まあ、一生懸命やっている当事者にこんなことを言うのも私つらいんですけれども、だけれどもこれだけの事件です。もう、これが公判にも捜査にも使えないとなったらどうなっちゃうんだと、果たして国内だけで、私がいまもう常識的なことを言ったって、コーチャン証言がなかったらもう本当にできるのかと、政府高官の、贈賄側の、収賄側の逮捕は。心配です、私は。そうなると、そこまでのやっぱり政治責任とまで言わなくたって、これはやっぱりお考えになっているんじゃないとかと思うし、反省されているんじゃないかと思うんですが、いかがでしょう。
  159. 稻葉修

    国務大臣(稻葉修君) 実務取り決めは、いまのこの段階でこういう障害にぶち当たってみますと、抜かりがあったんじゃないかという御指摘については甘んじて私どもも反省すべき点があると思います。ただ、あの当時は、事は非常に重大だからというので、わざわざ事務次官を特に煩わして行ってもらったわけでございますが、相互のそう法律は強制し合わないと、相互の法律制度を尊重し合うと、これもまた取り決めとしてはやむを得ないんじゃないかと思いますんです。  それで、黒柳さんの御質問に、まるであの裁定が日本の最高裁にできもしないことを押しつけるようなものだという前提にお立ちになることは、ちょっとこの結論が早過ぎるという感じを、私はその点だけちょっと違うんです。やはり、憲法上、最高裁判所はルール・メーキングパワーをお持ちですから、規則制定権というのもお持ちなんですから、場合によっては時限的にあるいはこの事件に限るとかね、いろいろな方法で免責保証を最高裁判所のルールで権威を与えると、さあどうですということも法則的に全く不可能なことをファーガソン裁定がやっているというふうに思わないものですから、そういう努力をしたいなと、すべきだなと、われわれも実務協定を、御指摘のような点もございますので、責任を感じつつ努力すべきだなと、こういう心境でございます。
  160. 黒柳明

    ○黒柳明君 まあ、最高裁なじまないけれども、法的にはメーキング——ルールをつくる権限があるわけですから、その範囲においてできるわけであると。どうでしょう、刑事局長ですね、この点論議したのかどうか、この問題について刑事局長の論議した所感なり、意見なり。
  161. 安原美穂

    説明員(安原美穂君) 基本的にこの実務取り決めの中心は、すでにアメリカの国内における手続によってアメリカ当局が入手した資料でこちらに参考になるものを提供するというところに取り決めの主体があったわけでございまして、いわば司法共助の問題は補足的なものであった。したがって、御案内のとおり、これはどうしても両政府当局間で決めるわけにはいかない裁判所間の問題でございますので、その実現に最善の努力をするという努力目標の規定でございました関係もありまして、必ずしもこのことが取り決めの主柱をなす事柄ではなかったということは御理解願いたいと思いますとともに、私どもとしては、仮にこの司法共助によって証人尋問嘱託するときには、アメリカの制度ではイミュニティーというものがあるから、恐らく免責特権の主張がなされて、イミュニティーを与えなければ答えないということが出てくる可能性はあるということは私どもは不敏ながら実は予想をしておったわけです。その場合には不起訴の約束をもって対抗しようとまですでに考えておったわけでありまして、それ以上のことはイミュニティーというようなことにずばり当たるようなことはまさに立法事項でございますので、そのことまではする必要はないというのが私どもの今日までの判断であったわけであります。  そこで、今後の問題といたしましてもファーガソンの真意を確かめる必要がありますが、そのような立法事項にわたらない範囲において、最高裁の規則制定権の範囲で最善の知恵を出すというのがさしあたりの私どもの検討の課題であるというふうに考えておるわけでございます。
  162. 黒柳明

    ○黒柳明君 別に、両方ともこれから検討事項ですから、いまこの場であるいは答弁なされたのだと思うのですけれども、法務大臣としてはやっぱり最高裁で立法化しようと思えばできるのだと、まあそれをするしないということは別にしましてね。だけど刑事局長は立法化ということのほかの権限の中で何とかできないかと、こういうことを言われたわけでありますけれども、その点法務大臣は何とか両者を兼ねて、あるいは法務大臣の考えとしてはやっぱりベストの道をとるためには何とか最高裁の立法化ということを一つ前提なり考えの中心なりにせざるを得ないと、こう思っているんでしょうか。
  163. 稻葉修

    国務大臣(稻葉修君) 私の言う立法化とは、形式的意味における法律の制定ということではなくて、裁判所が裁判運営についての自律規定、つまり規則、これも広い意味では立法化なんですね。そういう意味で立法化と申し上げたんで、刑事局長の言うには、憲法によって最高裁判所に与えられている規則制定権を御行使になる、行使される余地はあるのではないかと、私の言うそれが立法化の余地があるのではないかということと同じことでございますので、念のために申し上げておきます。
  164. 黒柳明

    ○黒柳明君 まだいろいろな可能性があると思うのですけれども、この裁定だってひっくり返す、却下できると、できないということでもないでしょうし、さっきの刑事局長おっしゃった時効の問題もありますでしょうし、いろいろな問題があるかと思いますけれども、ただ、これから検討するにせよ、法務大臣おっしゃっているようにむずかしいことは間違いないんであって、いまからだめだということを予測して言うわけじゃありませんけれども、だけどこれが公判にあるいは捜査に使えないとなりましたら、向こうの証言が、これは東条さん、堀田さん行ったって意味ないわけであります。それとこの日米司法共助が全く破綻を来すわけですよ、破綻来す。いまイミュニティーということを想定もしていたと、それに対しては不起訴でと、こういうことも考えていたわけですから、全くこれを考えてないということもなかったわけでしょう。そうなりますと、これがだめになったら日米司法共助というのは全く破綻を来すわけ。そうすると向こうの最善の協力ったって完全にコーチャン側に日米両司法政府が敗北と、こういう結果にもなりかねないわけですな、法務大臣。そうなりますと法務大臣、これ、相当覚悟をしなきゃ私はならない問題がいまの時点にもう提起されている、こう思いますけれどもいかがですか。まあ、ちょっとあした来るから、内容詳しいもの、それから検討すると言っているきょうなんで、ひとつ追っかけてお聞きするのはどうかと思いますが、もうすでに骨子はわかっているのですから、それについていろいろな客観情勢もある程度明白になっているのですから、心証を聞くということが残されている、それを聞いたってぼくは大勢は変わらないと思うんですよ。そうなると、これだけ両政府間が詰めた、そして私たちが期待していた日米両政府のこの司法共助というものは破綻を来す、そうなったときにはやっぱりその最高責任者である人はこれはもう相当覚悟を決めなきゃならない時点にいまもうすでに立たされたんではなかろうかと、これは私の感触です、失礼ですけれども、どうでしょうか。
  165. 稻葉修

    国務大臣(稻葉修君) 非常に重大な段階に来たなあと、またこういう重大な困難に遭うことはかねがね覚悟の前でございますけれども、その困難を突破して、何とか証言を得て、捜査のベストの条件を満たしていきたいと、こう思っておりますがね。ただ、黒柳さんの御指摘のような困難な場面に来たなということは、私自身もそう思います。ただ、ファーガソン裁定というものはなかなか意味深長な点もあるようなところもございまして、とにかく証言はするに決まっているんですから、使えるかどうかの条件がいろいろあるわけです。その辺のところはまことに微妙な点が余韻として残されておると。したがって、とにかく、まあ前にも申し上げましたとおり、つかまえる方も真剣になれば逃げる方も真剣なんですから、こういう困難な場面に遭遇することは当然あり得る、そのときはひとつ突破していこうと言うてずっとやってきたことでございますから、いましばらくひとつ、重大な責任等の問題につきましては御猶予を願いたいと、こういうふうに思います。
  166. 黒柳明

    ○黒柳明君 法務大臣のお言葉、また返すようで申しわけないんですけれども、最高裁のこの規則制定で現在の刑事訴訟法の性格を変えるようなことは、これはできないんじゃないでしょうか。もう国会の立法権の侵害になるんじゃないですか、これは。
  167. 稻葉修

    国務大臣(稻葉修君) それは、こちらから刑事訴訟法の二百四十八条のあのことについて、最高裁判所の規則制定権とどういう関係になるかは、最高裁判所が一番法の番人なんですから——私のことをいつも法の番人と言われるけれども、法の番人は最高裁判所なんだ、憲法上正確には。その番人である最高裁判所がおやりになることにまさか間違いはないと思うんです。私らが判断して、その規則制定権は刑事訴訟法の規定を動かすようなものをつくることができるとかできないとか、それは最高裁判所の御判断にゆだねようじゃありませんか。
  168. 黒柳明

    ○黒柳明君 まあ最高裁が日本の法を守る一番の最高権威ですから、間違いはないとは思いますよ。だけど、いまの法務大臣のお言葉はそれを前提にしてなかったわけでありまして、その点、これはもう何も法務大臣にこんなことを言う必要もないことであって、これはもうとんでもない発言であると。  そこで、また先ほどちょっと言いましたけれども、あの日米司法共助、あのとき、もう言うまでもありません、国会で、これは条約なのかと、条約じゃないのかと。日米両政府が取り決めて、そしてこれ全国会を拘束するじゃないかと。それに対して、これはもう条約じゃありませんと、こう言ってきた。ところが、いまになるとですよ、いまになると、あらゆる検討の範囲の中に明らかに——最高裁は間違いないと思いますけどね、立法化ということも入らざるを得ない時点になっているんです、あらゆる検討の中にですよ、検討するんですから。そうでしょう。そうすると、またあのときの時点に帰るんじゃないんですか。だから、この日米の司法共助というのは性格はどうなんだと、こうなってくるわけですよ。先ほど非常に——いまの時点において、やっぱり重大であり、まあ反省をと、こうおっしゃったんですけれども、これはもう反省とかなんとかの問題じゃないんです。私たち盛んにあのとき言ったわけですよ。条約じゃないものをおいそれとこういう拘束するようなことはだめだぞと。いい意味で展開すればいい、悪い方に展開したら大変なことになるぞと。とうとういまこう追い詰められて、検討の中の一つには立法までもというような時点に追い詰められて——追い詰められてったって、私の感触ですよ、そういう時点になったじゃないですか。そうすると、条約じゃない、あの性格というものは非常にあいまいだったんじゃないかと。もしこれで立法でもしなきゃなんないときになっちゃったら、司法共助、あれが条約じゃないんだ、そこから出発したこと、それに基づいての立法処置こうなったら全く矛盾するじゃないかと、こうならざるを得ないんじゃないですか、どうですか、法務大臣。
  169. 安原美穂

    説明員(安原美穂君) 遺憾ながら黒柳委員の御意見には賛同いたしかねるわけでございまして、司法共助は、わが国の司法共助法とアメリカの司法共助に関する法律との相互の関係でございまして、実務取り決めを根拠にして司法共助を行うものではございません。そういう意味において実務取り決めは司法共助というような立法事項を規定したものではないわけでございまして、先ほども申しましたように、そういう法律で決められておる事柄の実現を期するために両政府間は最善の努力をすると、努力目標を約束した単なる実務の取り決めでございまするから、そういう意味におきましても、この規定があるがゆえに国会の承認を得なければならなかったという議論にはならないわけでございます。
  170. 黒柳明

    ○黒柳明君 ちょっとまた同僚議員が質問したい点がありますんで、法務大臣ですね。これは七月四日、またこれについての御準備をしてきたと思うんですけれども、非常に、毎日新聞のトップ、一面に非常に貴重な御意見をお聞かせいただきまして、ここの中で非常に問題点があるんですが、時間がありませんもので、一つだけ聞かしていただきたいんです。自民党の議員の名前を挙げたところなんですけどね、これは真実かどうか、まあ大綱においては変わりないと思うんですが。「国会議員証人喚問については、どう思いますか?」、質問。法務大臣、「私はねえ、私らの派閥(中曽根派)の佐藤孝行君(元運輸政務次官)など、かわいそうだと思っている。ロッキードと関係なく航空業界再編成のことを勉強して、意見書を出しただけなんですからね。本人は喚問に応じて釈明したいと思っているでしょう。竹下登君(建設相)だってそうですよ。「潔白は証明されます。捜査をお待ち下さい」と答えたいでしょう。本人も「喚問はいっこうに差し支えない」と言っているようだ。(なぜ自民党が妨げるのか)わからんのだなあ。」。「——橋本登美三郎さん(元運輸相)も?」。法務大臣、「そう。運輸省関係はもたもたしているね。PXLの白紙還元問題でも、初めから、いまのような答弁をしておけば、こんなに疑惑を持たれなかったかも知れない。」——大体これ、大綱において発言間違いございませんか。
  171. 稻葉修

    国務大臣(稻葉修君) 大綱においては間違いがありませんが、丸括孤は向こうで注釈つけてるんですから、私のあれではありませんね。(笑声)
  172. 黒柳明

    ○黒柳明君 結構ですよ。  そこでね、これは法務大臣にこんなことを聞くのはやぼな話なんですけども、この人たちは取り調べを受けてない人でしょうね。まさか取り調べを受けている人にこういう……。私は、間接的にこの人はシロだよと法務大臣が裏づけている発言、こうとらざるを得ないんですよ。そうすると、私は聞きたいのは、この人たちは取り調べを受けてない人でしょうね。
  173. 稻葉修

    国務大臣(稻葉修君) 取り調べを受けているか受けてないか、報告がないから私知らないんです。けれどもね、私の言う意味は、佐藤孝行君は、しばしばいろいろな会合がありますわなあ、同一派閥ですから、そういうときに、おれはロッキード問題とは関係がないんだと、ただ航空何とか再編成のその案をつくれと言われたから一生懸命つくって勉強したんですと、こんな、せっかく勉強して、そして今度ロッキード問題が起きたら、これにひっかけられて疑われるのはまことに困ると、こう言うているのを聞いておりますからね。そうして、国会から呼ばれればその点は潔白を証明したいような意気込みでおるから、それは本人のためにもその方がいいかなあという私の感触を申し上げた。それから、この間ここへ竹下君を呼ぶというときでも、竹下君はちゃんと待機しておったってんですからね。ですから、本人がまあどうしてもやりたいってんならやらしたらいいじゃないかというふうな、私の主観的な意見を申し上げたわけです。
  174. 黒柳明

    ○黒柳明君 竹下建設大臣は待機してたということは、呼ばれたら出ようという意味で待機してたと、こうとっていいですね。
  175. 稻葉修

    国務大臣(稻葉修君) 出る意思がなけりゃ待機するはずはない。
  176. 黒柳明

    ○黒柳明君 これはねえ、委員長、私の発言で出たから問題にしたいんですけどね。これは社会党さんの要求で二回にわたって出て、理事会で検討されたんです。それに対してノー、ノー、ノー、ノーと自民党さんが……。なぜならば、質疑の内容はロッキードの問題じゃないと、某雑誌に書かれたことについて追及されるんだろう、質疑がそうあった。これは善意的に質問を渡したわけです、恒例というか、習慣というか。それをたねにとって、ロッキードと関係ないから出させない。そうすると、ここではっきりしたのは、建設大臣は出て釈明したい、だけど、明らかに自民党の——言いましょう、圧力で出られなかったと、こういうことですな。委員長、この真相をもう一回調べてください。もう時間かないんで、これ以上——もう一回調べてください。
  177. 剱木亨弘

    委員長剱木亨弘君) 委員長調査いたします。
  178. 黒柳明

    ○黒柳明君 それで、法務大臣、私は先ほど言ったように、贈収賄の、まあ核心に入っているかどうか、一歩踏み込んだと、そうでしょう。その時期、法務大臣が話すことは、これは捜査と関係がないことであると言えないんじゃないですか、いまの時期において。まして、失礼な言葉ですけれども、決して真っ白と見られている人じゃないかもわからないんですよ、いろんな活字や報道によりますとね、いま挙げた人は。それが間接的にシロだととれるような発言をすることは、私は、もう法務大臣の指揮権発動に通ずるんじゃないかと、こういう感じがする。どうです。
  179. 稻葉修

    国務大臣(稻葉修君) 私は、別にシロらしいとかクロらしいとか、そんな意味で発言しているんではございませんで、国会と捜査当局とは両々相まって事態の全貌を解明すべき立場に両方あるんだから、そういう場合にいま言ったような人の名前、これは本人からいろいろ会って聞いておりますから、そんなに自信がある人を出させないで、怪しいような状態にしておくのは友人としてかわいそうだなと、こういう見解を申し上げただけでございます。
  180. 黒柳明

    ○黒柳明君 だって、この国会で、国民の注視の前で、いろんなことについて質疑したって、捜査中捜査中で答えられなかったでしょう。それほど捜査というのは秘密裏に行なわれている。守られなきゃならない。しかも、その捜査が相当の山場にかかったときに、世間的に見て、世間的に見て決してシロでは見られてない、あるいは灰色からクロに近いと見られている場合もあるんですよ。こういう人たちは。これはもう私言うまでもありませんよ。だから言ったんでしょうね、こういう、弁護と私はあえて言いたいですよ、弁護したんでしょう。だけど、これは明らかに——私もう一回言うの時間がないからいやなんです、時間が。明らかにどう見たってこれはシロだと思って言ったんじゃないと。だけど、この活字にあらわれてくるのは、全く潔白を国会で証明したいでしょうね竹下君は、佐藤君は何にも関係ないのにかわいそうですねと。これはどう見たって、シロだと言わぬ、本意は。そういうものがこの活字になって、発言になったと見られざるを得ないんじゃないんですか、これは、もしそうじゃないんだと、おれはそんなことないんだと言ったとしたら、これは全く法務大臣として、いまのこの事件、しかもこの山場にかかったときの発言としては全く神経を使わな過ぎる。どうですか。これは明らかにシロという気持ち、かばおうという気持ちがあって言ったんでしょう。かわいそうだということは、潔白を証明したいと当人言っているということは。
  181. 稻葉修

    国務大臣(稻葉修君) 丸括弧だの、いろいろやるもんだから、私の編集局長との対談の内容が正式に伝わっておらないことを非常に遺憾に思います、そういう点は。そういう誤解を生ぜられるような書き方になっていることは非常に遺憾に思いますが、私言うのは、本人が疑われて、抱いて寝もせず、いとまもくれずというような宙ぶらりんな状態にされていることは心外だと、こう言っているんだから、やらしてやったらいいようにも思うねと。それはそうだねと。向こうはそう聞きますから、それはそう思うねと、こういう……
  182. 黒柳明

    ○黒柳明君 丸括弧とかなんとかというのは全部関係ないですよ、ここに書いてあるのは。これは発言されたこと大綱で間違いないんですから、丸括弧は関係ないんです。運輸大臣とかなんとかということだけですから。これは明らかに、本人が宙ぶらりんでかわいそうだからという単純な、そんなものを——私か発言するんならいいんです。捜査の最高指揮者でしょう。あくまでも指揮権も持っている。そうですよ。過去はそういう指揮権が発動された。一生懸命やるやると言い、これだけの国会の論争において全く捜査の内容が出てこない。マスコミで先行して、あたりまえのことも言わない、言わない。それか——もう一回言いますよ。これで私最後にする。もう同じこと繰り返したってしょうがない。これだけのやっぱり国民では何か疑惑を持って見られている人をかばうという、はっきり発言していることについては、これはああおれはなんてということがあったら、これは丸括弧も何も関係ないんですから、これについて反省しませんか。こんなことをまたこの次もやる可能性があるんですか。また何か雑誌かなにかに書かれた、宙ぶらりん、またその人あの人かわいそうだな、そういうつもりですか。政治家じゃなくて、ほかの人もやってやりなさいよ、それじゃ。あの人かわいそうだなと。みんな法務大臣かわいそうかわいそうとやってやりなさいよ、そうしたら。政治家だけじゃなくて。不公平じゃないですか、それじゃ。明らかに真意は、やっぱり守ろうという真意じゃないですか。私はこういうことを不注意にも二度と発言しちゃうまくない。もう結論ですから。
  183. 稻葉修

    国務大臣(稻葉修君) うまくなければ今度は発言しないようにしましょう。
  184. 太田淳夫

    太田淳夫君 それでは防衛庁長官にお聞きいたしますが、去る十九日に鹿児島県の鹿屋航空基地で長官は、次期対潜哨戒機は八月の五十二年度予算概算要求までに決めたいと、こういうふうにお話しされておりましたが、以前にもその問題につきましては、この委員会でもいろいろお聞きいたしておりますが、今後国民疑惑の全くない状態でPXLは決めたい、こういうお話をされておりました。そうしますと、いまますます、PXLをめぐって、あるいはトライスターをめぐっての国民疑惑というのはまだまだ解明されない、深い疑惑の渦に巻き込まれている状態でございますが、今後このPXLの選定につきましてどのようなスケジュールで国民疑惑を晴らし、決定していくと考えてみえるか、その点最初にお聞きしたいと思います。
  185. 坂田道太

    国務大臣坂田道太君) まず最初に、鹿屋で私が申し上げましたのは、八月が一つの時期、それから十二月が最終ということを言っておるんです。これは一部に八月だけが書いてありましたけれども、私が申しましたのは十二月も言っております。   〔委員長退席、理事岡本悟君着席〕  それから国民疑惑を持ったような形では次期の対潜哨戒機は決めないということは一貫して私言っていることでございますし、そのために実はわれわれの方でもいろいろ調査をいたしております。また、本委員会におきましても皆様方からいろいろのこの疑惑の点についての御質問がございまして、私どももあらゆる調査資料をもとといたしまして御協力を申し上げておるわけでございます。これがいつごろ明らかになるのか、これはわかりませんけれども、しかし、今後の推移でいずれこれは明らかにされるものだというふうに思っておるわけでございまして、私といたしましては、最終的には十二月の段階までには何とか次期潜機国民疑惑を招かない形において決められるものだというふうにただいま信じておる次第でございます。
  186. 太田淳夫

    太田淳夫君 時間ありませんので、次に進みますが、最近ソ連の情報収集艦がわが国の沿岸に異常に接近しております。そして日本列島の周辺海域をなめ回すように調査している、こういうことも報道されておりますが、このことはソ連の潜水艦用の資料集めだと、このように思うんですけれども防衛庁としてはこのような活発化したソ連調査艦の動きに対してどのように考えてみえるか、あるいはいままでも対潜機の問題をいろいろとこの委員会で討議されてきましたけれども、やはり一日も早く対潜能力を強化していきたい、こういうように考えておられるんじゃないかと思いますが、その点いかがですか。
  187. 丸山昂

    説明員(丸山昂君) お答え申し上げます。  測量艦のわが国周辺海域におきます行動につきましては、御案内のように、測量艦それ自体は海におきまして潜水艦、それからその他水上艦艇も含めまして、海軍の航空機、艦艇が活動する場合の基礎的な諸条件についての調査をいたしておるわけでございまして、これが直ちにそういった水上艦艇なりあるいは潜水艦、航空機というものの活動にすぐ結びつくものではないというふうに私ども考えておるわけでございますが、いずれにいたしましても、こういう測量を行いますことは、将来そこにおいて活動する可能性を持っておるという意味合いにおきまして、私どもとしてはやはり注目して見ていくべき動向であるというふうに判断をいたしておるわけでございます。
  188. 太田淳夫

    太田淳夫君 八日に日米安保協議委員会が開かれます。この席上では、やはりいままでも米国防長官等の発言によりまして、日米協力の強化としてこの問題が特に要望されております。この委員会におきまして、わが国の対潜能力の向上という問題は当然これは話し合われる問題だと思いますが、その点いかがでございましょうか。
  189. 坂田道太

    国務大臣坂田道太君) 今回の日米防衛協力委員会では対象には考えておりません。
  190. 太田淳夫

    太田淳夫君 これは日米の防衛問題のやはり一番基本的な問題としていまとらえているんじゃないですか。坂田長官シュレジンジャー国防長官との会談の中でも対潜能力の強化という問題が話し合われてきましたし、あるいはラムズフェルド長官国防報告の中で、日本が西太平洋における対潜艦船をここで展開できる能力を改善することは日本にとって利益であると、米国はこの分野での日米協力の強化を望むと、こういう話がされておりましたし、当然その後小委員会でも対潜能力の向上ということは米側からも要望され、あるいはこちらの議題となって話し合われると、このように私たちは考えているんですが、もう一度その点答弁をお願いいたします。
  191. 坂田道太

    国務大臣坂田道太君) 昨年シュレジンジャーと私会談をいたしまして、とにかく日米安保条約がある、   〔理事岡本悟君退席、委員長着席〕 しかし、第五条の、有事の際における防衛協力の問題について何らの話し合いが政治レベルでなされておらないということはおかしいと私は考える、これはぜひともやはり日米安保条約が日本の安全にとって非常に欠くことのできないものであるとするならば、やはりこういうようなことについてよく話し合いをする必要があると。それで、まず第一には、最高責任者同士がまず一年一回原則としては話し合おうじゃないかということが一つ。いま一つは、安保協議委員会に新たな機関を設けて、そこでこういうような問題が協議研究できるような場を持ちたいという、この二点について実は合意がなされたわけでございますが、それを受けまして、この日米両国間におきまして日米安保協議委員会の中において小委員会を設けるという手続を今度安保協議委員会で決めるという、そういうことでございます。いずれ一般的な対潜能力の向上とかなんとかということは、わが国の安全を守るためには、海洋国でございますし、資源の大多数を日本輸入をして、それを加工して、そして今日の経済発展を遂げておるわけでございますから、わが国の安全のために対潜能力を持つということは当然なことである。このことはシュレジンジャーとの会談において私からお話をしたことでございまして、向こうはそれについて、それはそうだな、われわれもそれに対して期待をしておる、こういうことでございます。この辺のところを御理解を賜りたいというふうに思います。
  192. 太田淳夫

    太田淳夫君 時間がないからちょっと議論はあれですが、対潜能力の向上ということは日本にとって必要であるがということですが、当然それはPXLとなっていま議論されておりますけれども、先ほど矢田部委員質問に対しまして防衛局長より御答弁がありましたけれども、それによりますと、S3Aの情報処理装置の問題が話がありましたけれども、これはやはり国防会議議員懇談会の了解事項では、一応P3CのANEW装置ということで決定があったわけですが、このS3Aの情報処理装置についての御答弁というのはこの了解事項よりも一歩前進をしている、このように考えてよろしいわけですか。
  193. 丸山昂

    説明員(丸山昂君) 了解事項はP3Cというものを特定しておりませんで、この答申そのものは外国機の導入という表現を用いておるわけでございます。したがいまして、やはり私どもとしてはP3Cに限った問題ではないというふうに考えておりまして、五十年の五月——六月に調査団をP3Cにしぼって出しましたのは、その中で当面やはりP3Cが対象になるという関係省庁とのお話し合いの上調査団を派遣したと、そういう経緯でございます。
  194. 太田淳夫

    太田淳夫君 そうしますと、先ほどの答弁ではリリースの可能性があるかどうかは問い合わせをしているという答弁がございました。もしもリリースの可能性があるとなれば、防衛庁方針としてはこのS3Aの電子情報処理装置を導入をしていくということに決定をするわけですか。
  195. 丸山昂

    説明員(丸山昂君) これも全体の案が十幾つあるわけでございまして、そのうちの一つでございますが、リリースの可能性があればそれも検討の対象にいたしたいということでございまして、ただいまそれが最終的な案になるというふうには考えておらないわけでございます。それからS3Aは、御案内だと思いますけれども、国定翼の大型の対潜機がP3Cでございまして、S3Aは航空母艦に載せますもので、乗員も片っ方は十名でございますが、S3Aの方は四名ということで、大体行動半径その他からして非常に小型になっておるようでございまして、われわれの要求性能に合致するかどうかという点については、まだはっきりしたことがわかっておらないということでございます。
  196. 太田淳夫

    太田淳夫君 一月に久保次官が訪米して調査をしましたのはこの件ですね、たしか。また、このリリースの問題については早く結論を出さなければならない重要な問題だと思いますけれども、八日の委員会でも当然このリリースの問題が議題となるんじゃないか、こういうように思いますが、その点いかがですか。
  197. 丸山昂

    説明員(丸山昂君) 八日の問題につきましては、ただいま私ども、大臣から御答弁がございましたように、日米安保協議委員会の中に防衛協力委員会を設けるという、こういう了解を正式メンバーで御決定をいただくということでございまして、ただいまお話のございました細かい問題につきましては議題にならないというふうに思います。  それから、かねがね申し上げてございますように、PXL装備の問題はわが方の防衛力整備計画の問題でございまして、これに対してアメリカからの協力を得たいという問題はあるわけでございますけれども、これは日米防衛協力委員会の議題ではございませんで、個々に当方の防衛力整備の過程においてアメリカと折衝をしてやってまいる、こういう問題でございます。
  198. 太田淳夫

    太田淳夫君 時間ですから、終わります。
  199. 橋本敦

    ○橋本敦君 まず最初に法務大臣にお伺いをいたしますけれども、いま国民がこのロッキード疑獄事件については、その真相を徹底的に解明してもらいたいという強い要求を持っていることは、これはまあ大臣も御存じのとおりだと思います。そうして捜査が核心に進んでいっていると大臣はおっしゃっている。それで、アメリカにおける嘱託尋問についても全国民が注視をしている。こういう中で法務大臣の言動というのは国民全体にとってきわめて注目される重要なものですから、その言動については特別に慎重にかつ正確にしてもらいたいと、こう思うんですね。  私はけさの新聞を見て驚いたんです。ある新聞は一面のトップ記事で、いかがですか、あなたの写真を載せて「嘱託尋問捜査に利用断念」と、はっきりこういう見出しで書いている。これはきのうあなたが総理に報告をされた際に、アメリカの嘱託尋問調書を捜査に利用することは無理だと、捜査当局としてはあきらめるというような報告をなさったという記事に関連しているわけですね。そこで法務大臣にお伺いするんですが、コーチャン証言というのは、これがあったら捜査が進むか進まないかという問題以上に、あのアメリカの上院の証言でも明らかなように、彼はまさにロッキード日本売り込みの最高の責任者です。そして彼が多額の工作資金を日本に流し込んだ最高の責任者でもある。そして彼は丸紅を通じて日本政府高官に賄賂を贈ったとまで証言している。だから、真相解明をする上で何としてもこのコーチャン証言、真実の証言を、これをやっぱり得なければならぬというように私は思うんですね。こういう中で新聞では「嘱託尋問捜査に利用断念」と、こういうことが出ているのですが、法務大臣、一体あなたは総理にどういう報告をなさったのか。そして先ほどからおっしゃっているように、何としてもコーチャンの証言と尋問調書をこちらに引き渡しを受けるように最大努力をするとおっしゃっている。その決意は国会向けではなくて、本当に変わらないのか、その点、まず所信を明らかにしてもらいたいと思います。
  200. 稻葉修

    国務大臣(稻葉修君) 捜査がだんだん進んでまいりまして、だんだんこう核心に近づいていくに従って私の口は重くなります。しかし、けさの新聞をごらんになってびっくりしたと、いわば慎重でない発言をしたようだというふうにおとりになるようですが、それは新聞がうそを書くからそういうことになる。わしは、捜査の手段として証言を活用することはできなくなった、断念した、そんなことを言うた覚えはございません。その表題は間違っておる。その間違うたこの新聞記事に迷わされてあなたほどの人が私の慎重さを疑うなどということは心外でございます。
  201. 橋本敦

    ○橋本敦君 まるで私が悪いような言い方になっちゃった。ねえ法務大臣。私は何とかコーチャン証言、真実をすべて述べた上でこれを日本側に引き渡しを受けなければならぬ、こういう立場であなたに確認をしている、こう言ったとおりですよね。誤解しないでくださいよ。  そこで、私は、この問題でいろいろむずかしい法律論があるけれども、コーチャン側弁護人及びコーチャンが、日本の検察官が刑訴二百四十八条に基づいて免責特権を与えると、こう言っているけれども、具体的な制度的、法的保証がないじゃないかということを主張しているという事情が、これがかなり裁判所に影響していることは否めないと思うんですね。そこで、まずこの問題について検察庁の見解を明白にしてほしいんですが、刑訴二百四十八条に基づいて、今回の場合に検察庁が真実の証言を得るためにこそ、コーチャンに対して特別の免責を行うということを決定され、これを通告された、その問題は、通告をした検察官と市民であるコーチャン、この間の私的な約束事、私的な契約関係、全くプライベートなものだというような性質のものであるのか、あるいはそうではないという性質のものであるのか、まず、この点の法務省の見解はどうなんですか。
  202. 安原美穂

    説明員(安原美穂君) この問題は、私は、具体的にはこのイミュニティーということが問題になった段階、したがって具体的な証言が始まった段階において初めて主張され、それに対して応対していく問題であるというふうにかねがね思っておったわけでありまするが、今度のファーガソン決定は、そういう意味においてどういうことを前提にしてこのような決定が一般的になされたかにやや疑問があると思い、その点を明確にしたいと思っておるわけでございますが、報告によりますと、このイミュニティーの点が問題になったことを契機として、わが国の検察官に東京地方検察庁検事正が指揮をいたしまして、ロサンゼルスの連邦裁判所の方に、いろいろな事情を勘案して、証言をされた事項に関して訴追を行わないことを宣言するということを宣言した文書を裁判所に出したものというふうに理解しておりますので、そういう意味においては私的な約束ではなくして、裁判所に対するわが国検察当局の意思の表明でございます。
  203. 橋本敦

    ○橋本敦君 検察官がそういう意思を表明されるという問題は、刑訴の二百四十七条によりますと、訴追の権限はもっぱら検察官にあるという国家訴追主義の立場をとっていますから、裁判所に書面で提起をされた免責特権の検察官の意思表示というのは、これは一個人の検察官の意思表示ではなくて、まさに日本の捜査機関、国家意思意思表明であると、こういう公的なものとして受けとめるのがわが国の法制から言って当然だと思いますが、これは間違いないでしょうね。
  204. 稻葉修

    国務大臣(稻葉修君) それは間違いがないと思います。というのは、私は二百四十八条によってこういう処置をしたということを報告を受けましたから、そうして、あなたのおっしゃるような私的なものみたいな権威のないものということであってはいけませんと思いましたから、文書にして六月八日の閣議にこれを閣僚に配付した。ただ、これは閣議が了承しないなどと決定することのできない性質のものでございますわな、検察庁限りのものでございますから。したがって、了承するとかしないとかいう意思表示を獲得するためにやったのではありませんけれども、閣僚にもこういう事実のあることを了解してもらって、国家的権威を付与するという意味のことをやったつもりでおります。
  205. 橋本敦

    ○橋本敦君 そこまで手続的にも手を尽くし、検察庁は上司の当然の決裁を得て裁判所に通告をされたと、こういう問題ですが、このような通告をした後で仮にコーチャンを検察官が、人がかわった、法務大臣がかわった、内閣がかわった、こういうようなことで、その約束に反して、通告に反して訴追するというようなことが実際にあり得るのであろうか。あり得ないと私はもちろん思っていますが、法務大臣、その点はどうなんですか。彼らはそれを問題にしているらしい。
  206. 稻葉修

    国務大臣(稻葉修君) 国家機構といいますか、憲法秩序といいますか、一たん国家意思が決まった以上は国家意思の継続性があるものであって、内閣がかわろうとその意思は継続するものというふうにわれわれは理解します。
  207. 橋本敦

    ○橋本敦君 そうしますと、仮にそのような訴追がなされた場合どうかという議論をしきりにコーチャン弁護団がやっているようですが、あり得ないということはそれはわかりますが、そのあり得ないということが仮に起こって訴追がなされたとした場合、その検察官の公訴提起はわが国の国内法、法制のたてまえから言ってどういう効力を持つのかということも明確にしておく必要がある。  この点について、私は、私の考えによれば、そのような免責という特別の利益を真実の証言を得るために与えた——公的な利益の付与ですね、言ってみれば。これを検察官がやったと。国家意思を代表してやったのにかかわらず、それをひっくり返して公訴をやるというようなことになりますと、一つは、公訴権の乱用という問題にもなりかねない。もう一つ重大なのは、まさに検察官が公益の代表者という立場国家意思を代表して市民に対してそのような免責特権を付与しながら、言ってみれば、後で公訴を提起するというのは、証言だけとってペテンにかけるようなことですから、こういうことはまさに国家立場にある者のなすべきことではないと同時に、これは憲法三十一条が保障している刑事手続における公正と適正な保障、この憲法条項と理念にも反するようなことになる。だから、したがってそういうことはあり得ないんだと、もしやれば憲法三十一条に反する。こういう解釈も成り立ち得ると私は考えているんですが、法務省の御見解はいかがでしょうか。
  208. 安原美穂

    説明員(安原美穂君) 不起訴の約束が、橋本委員のおっしゃるように、たとえ検事正がかわろうとも事実上の拘束力を持って検察の後継者を拘束するということは事実としては当然に考えられることでありまして、公の場において約束したことが人がかわったから約束が守られないということは事実上はないということでございまして、その点はファーガソン判事の裁定も、そういう約束をしている以上は公訴提起がないという、可能性というものはもうミニマムであるということを言っておられますが、いま橋本委員のように憲法のデュープロセスに反するというような見解とは違って、公訴提起をする可能性を法的に抹消し去るものではないという学者証人の証言にファーガソン判事の裁定はやや影響を受けておるのではないかというふうに思いますが、いま御指摘のように、憲法のデュープロセスに反するというような御見解も御見解として、今後の対策を立てる上において参考にさしていただきたいと思います。
  209. 橋本敦

    ○橋本敦君 安原刑事局長に続いて伺いますが、仮に憲法三十一条のデュープロセスに反するということが検察庁の見解としても、あるいは裁判所の見解としても、具体的な今回の問題についての法解釈として成り立ち得るとすれば、そのようにしてあえて約束に反してなされた公訴提起というものは一体その効力はどうなるかということも、次に進んで検討に値する問題ですね。で、そうなりますと、私は刑事訴訟法三百三十八条、これの四号によって、検察官が行った公訴提起、つまり起訴処分、これが法に違反して違法無効であるということで裁判所は判決でその起訴処分、公訴提起を棄却をしてしまうということに法制度上なり得る可能性があるということも考えられるわけですね。この点についてそういう可能性があるかどうか、局長の御意見はどうですか。
  210. 安原美穂

    説明員(安原美穂君) 刑事訴訟法の上位法である憲法に反するような公訴提起の手続が刑事訴訟法上の法令の手続に違反した公訴提起ということで公訴棄却になるという立論は、その前提が、橋本委員の御指摘のように、そのような約束に反する公訴提起が憲法違反であるという前提が確立するならばおっしゃるとおりだと思いますが、その点はなお検討しなければならないむつかしい問題であるように思います。
  211. 橋本敦

    ○橋本敦君 だから、したがって仮に私が言うような立論が法的に成り立つとすれば、いまの現行日本の制度上、検察官が、仮にですよ、仮に公訴を提起しても、それは無効であるとして裁判所によって却下されると。これが明らかになって、結論的には公訴提起はあり得ないと、こうなるんですね。だから、ここのところを具体的に説明するならば一歩前進するという方向に問題を切り開いていけると、私はこういう意味で問題を提起しているんですが、法務大臣、この点についての検討は法務省としてもさらに進めていただけますか。
  212. 稻葉修

    国務大臣(稻葉修君) 大いに参考として検討して、そうしてあの証言を得る一つの手段として役立たせたいと、あらゆる——あらゆることをですね、これからやって、証言を得る努力を集中的にやっていくと、こういうつもりでおります。
  213. 橋本敦

    ○橋本敦君 そこで法務大臣、問題は、法務省でそういった可能な法律論その他を検討していただくということに加えて、あのファーガソン判事の裁定は、検察庁がどういう意見を言うかではなくて、いまや最高裁判所が判決もしくは規則によってと言われているように、最高裁判所がどうこたえるかということに一つは大きくかわってきた。こういう困難な事情があるわけですね。  そこで私は、私の私見ですけれども、いわゆる判決というものはない。そしてまた規則の制定ということもこれは慎重考慮をしなければ、規則の授権範囲を超えてはいけません。そこで、いま私が言ったような問題を検討して、現にこの嘱託尋問を行うことを決定した東京地裁の裁判官がこの問題に対して最高裁に対してどう対応すべきかということの意見を求め、そして最高裁が十五人の裁判官会議の議を経て、いま私が言ったように、日本の法制度的にも、最高裁の見解として、意見として、一たん免責を与えたものを裁判所が受理することはない、公訴提起が有効になされることはあり得ないという、日本の制度上の法解釈を最高裁意見として出して提出するならば、稻葉法務大臣がおっしゃった、あの裁定の微妙なニュアンス、ここで条件を満たして証言調書をこちらに手に入れるということも可能性がないとは言えないというように私は判断するんですね。最高裁がそういう意見書をまとめた例がなければ別ですか、具体的な事件ではないけれども、かって国会が具体的な例の浦和充子事件の裁判問題で議論をしたときに、最高裁は、国会における国政調査権の範囲を超えてそのような裁判内容にかかわる審議をやることは最高裁が持っている裁判権の独立を侵害するという意見書を国会に出された先例がありますね。だから、そういうことからして、最高裁がこの重大なときに下級裁判官が行ったこの決定に対応して嘱託尋問を成功させるために、意見書を米裁判所ファーガソン判事に提出するということもこれは考えられてよい道ではないか。そういう面で、正式の裁定が来れば法的な検討も加えて、法務大臣は早速最高裁とも具体的な協議に入ってもらいたい、私はこう希望するのですが、いかがでしょうか。
  214. 稻葉修

    国務大臣(稻葉修君) きわめて貴重な、有効適切なやり方の一つであると私も考えておりました。御指摘を受けましたが、そういういろいろな方法をよく相談をしまして、これに対処し、捜査に役立たせるようやっていきたいと……
  215. 橋本敦

    ○橋本敦君 最高裁との協議も考えていただける……
  216. 稻葉修

    国務大臣(稻葉修君) 最高裁との連絡、協議も考えたいと思います。
  217. 橋本敦

    ○橋本敦君 で、先週のこの委員会で私は法務大臣に、アメリカの嘱託尋問が大変大きな壁と困難にぶつかっているようだから、法務大臣、あなたはすぐアメリカへ飛んででも、レビ司法長官と会ってでも、第一線検事に任すだけじゃなくて、責任を持ってコーチャン証言を、これをやり切れるようにやったらどうかと私は言ったんですが、そのとき大臣は、私の感触ではうまくいくような楽観的な感触を持っていると、だから事態の推移を見て考えると、こうおっしゃったですね。私は、いま私が提起をした問題は余り楽観的におなりにならないで、本当に真剣にやってもらいたいと、こう思いますね。  で、法務大臣に最後に一つ、全然別のことを聞くんですが、いま国民一つの疑問を持っている。どういう疑問かと言いますと、いま法務大臣は、このロッキード疑獄は、これは検察官が不偏不党、正義の観念に燃えて徹底的に解明しますと、信頼してもらいたい、何度もおっしゃった。私どもに対して何度もおっしゃった。それはそれとして、もうすでに新聞も報じているんですけれども、御存じのように、検察庁がこの疑獄事件で逮捕をした丸紅関係者、全日空関係者その他、これの弁護人に、かっては疑獄の解明に全力を挙げて取り組まれたであろう検察首脳陣が、これが弁護人として全部おつきになっている。きのうは疑獄の追及をやった、きょうは疑獄の追及される側の弁護人におつきになっている。これは弁護士という立場では、どんな事件を弁護しようとその人の自由だという立論は、これは形式論ですよ。いま国民はこの問題について、かっての井上検事総長が、あるいはまた山本清二郎元最高検次長検事が、あるいは野村名古屋高検検事長、あるいは岡嵜さんですか、大阪高検検事長、中村東京高検刑事部長、こういった要職を歴任された検察首脳、いまの検察官の先輩、OBの皆さんがまさに疑獄で問われている人たちの弁護におつきになっているということは、これは検察庁が真相解明をやると言っても、一定の圧力や支障になるのではないかと国民は心配している。検察庁はそんなことはない、捜査に全力を挙げると、こうおっしゃるけれども、私は、こういうことはやっぱり国民疑惑と心配というものは可能な限り払拭する方が、検察庁としてはね、やれるなら一番いいことだと思っているんですよ。こういうことが起こり得るということについて法務大臣どうお考えになるだろうか、一遍聞きたいと思っているんですが、御意見はどうですか。
  218. 稻葉修

    国務大臣(稻葉修君) 言いにくいことをお聞きになりますな。(笑声)
  219. 橋本敦

    ○橋本敦君 国民は心配しているんです。本当に心配している。
  220. 稻葉修

    国務大臣(稻葉修君) 私は、まあかつて検察の首脳であったような人はですね、初めから弁護士であった人とはやはり国民の見る目も違うから、見る目の違うだけの対応の仕方をしてもらいたいというふうに思いますが、きわめて申し上げにくいことです。
  221. 橋本敦

    ○橋本敦君 わかりました。まあそれ以上はお聞きしないということで終わりましょう。要するに、検察庁は、国民の心配や疑惑を受けないで全力を挙げてやるということで、私は法務大臣のいまの答弁意味はやっぱり私なりにつかんでおきたいと思います。  次に防衛庁関係をお尋ねいたしますので、法務大臣結構でございます。  まず第一点、伺いますが、このPXLの白紙還元問題に関連をいたしまして多くの事実関係に関する審議証人喚問が今日までやられてまいりました。その中で一つの問題は、四十七年十月八日、つまり国産論議を白紙にして専門会議で検討するということが決められる国防会議懇談会の前日の夜、日曜日ですが、大蔵省の宮下主計官から防衛庁の小田村経理局長に対して電話があったという事実です。これに対して宮下主計官に直接聞きたいのですが、大蔵省は全部具体的に答えられるということですから、次の質問について答弁をしてください。  この電話連絡は、宮下さんはだれの指示によって行ったものか。二番目は、その具体的内容は、正確に言えばどういう内容か。三番目は、その電話連絡を宮下さんがやった時刻はいつか。この三つについて、まずお答えをいただきたいと思います。
  222. 高橋元

    説明員(高橋元君) お答えいたします。  だれの指示で電話をしたのかという点でございますが、これは前相澤主計局長の指示ということでございます。  第二の電話の内容でございますが、従来からお答えいたしておりますように、高等練習機及び支援戦闘機、これの国産については異論がない、しかし次期潜機及び早期警戒機の国産化を前提とした研究開発は従来の大蔵省の主張どおり認めがたいというのが内容でございます。  それから第三に、十月八日の何時ごろ電話をしたか、この点は、まあ宮下君ともゆうべ、きょうにわたっていろいろ聞いてみたんですが、はっきりした記憶はございませんが、時間で申しますと、十月八日の午後九時か十時ごろであろうと申しております。
  223. 橋本敦

    ○橋本敦君 わかりました。  そこで、次の質問は、この日曜日、八日の夜九時ごろ相澤主計局長がどういう必要があって防衛庁にこの電話をするように宮下さんに指示をしたのでしょうか。
  224. 高橋元

    説明員(高橋元君) まあ、その電話をすることを指示したと、その経緯でございますが、次期——失礼しました。練習機それから支援戦闘機、この国産化の方針につきましては国防会議の議を経て決められるという筋合いのものでございます。これはしたがって十月の九日に決まるという筋合いのものでございますが、大蔵省といたしましては、先日も他の委員にお答え申し上げましたように、十月七日の国防会議の幹事会、その後の関係者意見調査と、これが終わりました段階で、まあ国産化はやむを得ないと、国産はやむを得ないということの内々の決定をしまして、大臣の了承もとったわけでございます。それから国防会議の議員懇談会が次の日に予定されておりまして、九日の国防会議の議員懇談会でも国産方針で大蔵省は意思表示をするという腹を決めております。そこで十月八日の日曜日でございますが、防衛庁が高等練習機及び支援戦闘機の国産について、これを午後から会議をずっと開いておられて検討しておられる、それで、そういう状況がいろいろ入ってまいったものでございますから、防衛庁の検討の御参考にするという趣旨で、大蔵省の内意を防衛庁の様子を見ながら一定の時点で伝えてはどうかということで、これは宮下当時の主計官が相澤主計局長に情勢を報告をいたしまして、その際にいろいろ打ち合わせをしたときに、相澤主計局長からさような指示があって、その指示を受けて九時か十時ごろに電話をいたしたという経緯でございます。
  225. 橋本敦

    ○橋本敦君 わかりました。当時一番問題になっていたのは、高等練習機と支援戦闘機を国産にするか輸入にするかという問題であった。だから坂田長官も、前の増原長官に会って聞いたけれどもPXLの問題は余り頭になかった状況だと、こういうお話であった。  そこで大蔵省に聞きたいんですが、一番問題であって、十月二日から議論をし議論をし議論をしてやってきて、最大の問題となっていたT2及びEST2改の国産は大蔵省は認めるということを、まあやむを得ないとして判断されたということはわかります。これを防衛庁に伝えてやろうということもいいですよ。その際に、なぜPXL国産前提とした研究開発は認めないよというPXL問題を持ち出し、相澤さんはこれを伝えるように指示したのか、この点を伺いたいんです。T2、FST2改だけ国産を認めるということで事足りた当時の状況ではなかったかということです。
  226. 高橋元

    説明員(高橋元君) 十月の二日に四次防の主要項目につきましていわゆる内示を防衛庁に対していたしたわけでございます。その際に、かねてから、四十五年来大蔵省は国産前提にした研究開発は認めがたいということを言っておりまして、四次防の主要項目としても、次期対潜哨戒機及び早期警戒機、この二つにつきましては国産化を前提にした研究開発というものは認めないということを防衛庁に申し上げたわけなんです。それに基づいて、四日、五日、六日と、いろいろ事務段階で段階を分けて何回か折衝をしたわけでございますが、大蔵省としては依然として国産化を前提とした研究開発を認めないという従前の方針のとおりのことを申しておりまして、防衛庁におかれましては、最後に上がってまいりました主要項目の表現では、電子機器等の装備の研究開発というような文言であったかと記憶しておりますが、そのような文言のままで、防衛庁としては、その文言の中に国産化と、機体が入っておるという御解釈でありました。大蔵省の方は、機体が入っておるとは思わないけれども、しかしながら具体的にどうするかは四十八年度以降の各年度の予算で決めてまいるということにしておりまして、事実四十八年度、すでにその年の八月の三十日に提出されておりました予算の要求では、国産化を前提とした機体の設計費というものの要求がございました。そういう経緯にかんがみまして、次期対潜哨戒機及び早期警戒機、こういうものの研究開発について、これは国産化を前提としたというような四次防の主要項目についての御要求は認められないということを、この際改めてはっきりと申し上げたということでございます。
  227. 橋本敦

    ○橋本敦君 しかし、七日の幹事会でもT2、FST2改の国産輸入かの論議は決着がつかなかったけれども、それに関連してPXLの問題について、大蔵からあるいはその他から意見があったという状況は今日まで出ていないわけですね。だからしたがって、防衛庁長官が言ったように、T2、FST2改の論議がまさに焦点であって、PXL問題というのはこれは余り問題になってなかったという状況。そこへ相澤さんの指示でその問題が、四十八年度概算要求に関する一般問題ということならまた別ですが、翌日国防会議で決めなきゃならない四次防問題ということに密着をして入ってきたというところに、私は一つは問題がまだ疑惑として残されているという感じを持ちます。しかし、まあ一応それはいまの御説明で、またしかるべき人に証人その他で聞かなきゃならぬと思いますが、次に防衛庁側の対応ですが、防衛庁にお伺いしますが、この電話を何時ごろ小田村さんが受けて、どういう会議を、どういう人たちにこれを伝えて行ったか、具体的にその点をお聞きしたいと思います。
  228. 丸山昂

    説明員(丸山昂君) お答え申し上げます。  宮下主計官から小田村経理局長に電話がございましたのは、先ほども大蔵からもおっしゃいましたように、大体十月八日の午後九時か、あるいは十時ごろであったというふうな記憶でございます。関係者の記憶でございます。  それから、この電話を受けましたのは長官室でございまして、ここで、先ほどからお話が出ておりますT2、FST2改の対策ということが議論をされておった。増原防衛庁長官がおいでになって、関係参事官、これは内局の参事官でございますが、関係参事官がここに参集をいたしまして協議をしておった席上にこの電話の連絡があったということでございます。  で、小田村経理局長からこの電話の内容について披露がありまして、そしてこれをもとにして協議をいたしました結果、統一見解に出されておりますように、防衛庁としては支援戦闘機の国産が認められるならば次期潜機及び早期警戒機に関する大蔵省の申し入れはやむを得ないであろうという大方の判断に至ったと、こういうことでございます。
  229. 橋本敦

    ○橋本敦君 それはかねてからおっしゃっている筋の話なんですが、それにもかかわらず、なぜ翌日島田事務次官と防衛庁長官が田中私邸を訪問してT2、FST2改の国産について陳情をされたかということがやっぱり問題として残ることは残るんですね。その問題はきょうはさておきますが、問題の十月九日、この十月九日に、いままでの政府答弁並びに証人尋問の結果によりますと、幹事会で意見がまとまらなかった後、後藤田氏がT2及びFST2改の国産を上申する、総理は次に相澤主計局長を呼び入れて、そして大蔵省の意見を問われる。その際に相澤主計局長は、大蔵省は前に、つまり七日ごろですね、いま御答弁があったように、T2及びFST2改の国産は認めるということで大臣の了承も得ているからそれは結構だということであったが、そのときにPXLについてはこれは認められませんよという話を相澤主計局長がした、田中総理はそれを受けて、PXLのような高度の技術的な問題は、専門会議を開いて、そしてそので検討したらどうかと、こういう話があった。これは防衛庁が発表された経過でも、長官の談話でも、答弁でも明らかです。  そこで防衛庁長官に伺いたいのは、この三人の会話がなされたときに、専門会議を設けてやったらどうかという田中総理の意見に対して、後藤田、相澤氏はどう答えたのか、これが一向いままでの政府答弁で明確でありません。私は、これは反対をしなかった、結構ですと、こう言ったと、こういうことで総理が今度は国防会議議員懇談会で発議をされると、こうなると思うんですが、確認のために長官調査の結果に基づいて答弁をその点求めたいと思いますが、どうですか。
  230. 丸山昂

    説明員(丸山昂君) 総理のそういう御発言に対してどのように対応されたかという点について、私どもそこまでは細かい点はよく承知をしておりませんが、以下私の調査をいたしました推測になりますが、その専門会議その他の総理の御発言に対して、御両人とも特に反対はされなかったんではないかというふうに推測をいたします。
  231. 橋本敦

    ○橋本敦君 いまの局長の推測とおっしゃる答弁は、私は常識的で、そうだろうと私も思います、いままでの答弁審議の経過から見て。これは専門家いや反対だとおっしゃったような事実は一切ないですからね。だからしたがって、大体この三人で内々の相談ができて、田中総理が発議をされる、こうなっていくと、こういう経過が明らかなんですね。  そこで、次に国防会議事務局長の内海さんにお伺いしたいんですが、この問題が国防会議の議員懇談会の席上、田中前総理の発議でなされて、皆さんがすぐに賛成をされて文章づくりに入りましたね。この文章づくりにその場で実際に携わった人たちは、いままでの政府答弁と証言を総合しますと、大蔵省の長岡さんが筆記係をやられた、それから防衛庁の島田事務次官がそれに立ち会われた。それから大蔵省からもう一人、相澤主計局長が文章づくりに立ち会っている。それ以外に国防会議の参事官である渡辺さんが国防会議事務局の側としては出られた。それから後藤田さんが出られた。大体これが間違いのない事実だと思いますが、間違いありませんか。
  232. 内海倫

    説明員(内海倫君) いまおっしゃいました点は、私どももそのように聞いております。ただ、渡辺参事官に聞きましたところでは、後藤田さんもそこにおりましたが、間もなく自席に帰ったと、それからその他の方々も自席との間を行ったり来たりしておったように思うと、こういうふうなことは言っております。
  233. 橋本敦

    ○橋本敦君 そういう状況ですと、あのメモは、海原証人の証言によりますと、後藤田さんから海原さんに回った段階では、PXL、AEWなどは専門会議で検討という簡単なメモであった、これは証言で明らかです。ところが、あの了解事項は、PXL、AEW、これについて国産論議を白紙にして輸入を含めて技術的な問題は専門会議を設けて検討というように非常に具体化されてきた。長岡さんは筆記係ですから、皆さんの言われたことを書いて文章をまとめる。その他のメンバーを見てみますと、この間島田さんに聞きましたが、島田防衛庁事務次官も、その席を離れたり行ったりしておって、自分が発言したというようなことは全然ない状況の証言をされた。そして国防会議の参事官である渡辺さんも、いま内海さんがおっしゃったように、行ったり来たりということで具体的に自分が発言するという状況は渡辺さんも言っていない。現に渡辺さんは国防会議事務局の側ですから、国防会議としてくちばしを入れることはほとんど余りないでしょう。そうなると、あの文章はだれの意見が入ってまとめられたかということになると、引き算をしていくと、相澤主計局長、後藤田副長官、この二人の意見が主要な意見としてあの文章にまとめられたと。いまおっしゃったように、後藤田さんは間もなく自席に帰られたというけれども、相澤さんはずっとおられたということは、いま行ったり来たり自席に帰った人を引くと、相澤さんと長岡さんがずっとおったということになる。こういう意味で、あの文章づくりについては、後藤田さん、そしてまたむしろ相澤主計局長があの文章づくりについては重要な役割りを果たしておられたということが、いまの答弁された事実関係から浮かび上がってくる、これは明らかだと思うんですね。  その次の問題ですけれども防衛庁の久保事務次官が、二月八日でしたか、九日でしたか、記者会見で発言をされたことが大きな問題になって訓戒処分を長官がなさった理由は、簡単に言えば何が悪かったんでしょうか、
  234. 坂田道太

    国務大臣坂田道太君) 私どもから調査した結果から言いますと、八日の時点ですね、前の話はちょっと違います。八日の時点。いまから考えますと、非常に重要な時期でございますね。しかも、明らかになりましたように、大蔵省の主計官から小田村経理局長にあのような重大な発言があったということ、しかしそれを実はあのとき記者会見したときには欠落しておったということがわかりまして、そういう重要なことが記憶のないままでああいうようなことを言うことは不用意である。それからまた、三人が出たり入ったりしたことは知っておるかもしれないけれども、そこで何が話されたかということもわかっていない、知るよしもないはず、それがいかにもあそこですべてが決まったと、こういうふうにあの時点で考えられるというのは不用意じゃないかということでございます。
  235. 橋本敦

    ○橋本敦君 それじゃ長官、確認をいたしますが、久保さんはあのPXLの白紙遷元ということはその直前まで防衛庁としては知らされていなかったという趣旨の言明をしているのですね。だから国産前提とした研究開発は認めないという意向が大蔵から伝わったということはそれとして、白紙還元という、国産論議を白紙にしてしまうということは大蔵も言っていません。だから、この点は長官もここで私にも答弁されたように、海幕も知らなければ、防衛庁長官も、そうしてまた予算委員会でも明らかなように、主要閣僚もそれは知らなかった。だから久保さんが白紙還元というそのことは事前には知らなかったんだと、こう言っているというそのこと自体は、これは間違いだというわけじゃありませんね。
  236. 坂田道太

    国務大臣坂田道太君) たとえば了解事項として新たに専門会議なんかをというようなことは唐突なことだというふうに彼はとったと思います。
  237. 橋本敦

    ○橋本敦君 だから、そういう点では間違いは、そういう趣旨ならば間違いはない。  それからもう一つ、この議員懇談会が開かれる前に、後藤田、相澤、そうして田中前総理、この三人が話し合われた、内容は知らぬけれども話し合われた事実、これも長官調査の結果でも明らかですね。だから、これも間違いがないそこで何もかもが決まったのだというように久保さんが言ったとすれば、それは想像を交えた発言だということになりますが、しかし、ここでは、いま私が明らかにしたように、議員懇談会に提起をする以前に、内々の相談というような状況のものがあったことは事実。だから、そういう意味では、久保次官の発言というのは、まるっきりうそだ、まるっきり事実に反するというようなものではない、不用意であり、正確でなかったとは言えるが、まるっきりうそだというのはこれは酷だと、また事実に反すると風は見ているのですが、どうですか。
  238. 坂田道太

    国務大臣坂田道太君) 私もそういうふうに言っておるわけで、説明不足、それから不用意と、こういうことで訓戒……
  239. 橋本敦

    ○橋本敦君 はい、わかりました。  ところが長官、それがやっぱり問題なんですね。まるっきり事実誤認ということではないとあなたもおっしゃっている。長官は、この問題について、二月二十一日に長官談話を発表されていますが、そのころ相澤さんに長官は手紙をお書きになりましたか。
  240. 坂田道太

    国務大臣坂田道太君) 釈明文を書きました。
  241. 橋本敦

    ○橋本敦君 はい。長官、この「新英」という——ちょっとごらんいただきたいのですが、「新英」という、発行者は「相沢英之西部後援会」、これは相澤さんの後援会の機関誌ですが、この冒頭に長官の手紙が掲載をされ、これが後援会の会員にずっと渡されているのですね。で、この機関誌は、四ページ以下は活字印刷ですが、長官の手紙の部分だけは、それこそ墨の色も鮮やかに、これは写植でそのとおり出ているのですね。だから、これは間違いないと思いますが、ちょっと長官見ていただいて、お書きになった手紙というのはこのとおりのものでしょうか——で、この長官の手紙は、これは後援会の機関誌にこのように登載されるだけではなくて、相澤氏自身か、五十一年二月二十九日付で「相澤英之」の名前でもってこのような印刷の手紙を入れまして、長官、いいですか、入れまして、そうしてその内容で、久保さんが陳謝をしたということにプラス、「また坂田防衛庁長官も深く遺憾の意を表明して後援会の皆様にもよろしくお伝え下さいと別添の如き釈明文を寄せられております」、で、「私自身はこの問題に関しまして皆様にご心配おかけするようなことは全くございません」という手紙ですね。だから、こういう手紙に添えて、長官の手紙も印刷して、同封して、これがまたたくさん配られた、こうなるわけですね。  そこで、私は長官に聞きたいんですが、このような釈明文という名の手紙を相澤氏にお出しになったのは、これは相澤さんから書いてほしいという求めがあったからですか。
  242. 坂田道太

    国務大臣坂田道太君) 相澤さんからも、それから後藤田さんからもございました。私、判断いたしまして、久保次官の発言はあの時点においては、かなり記憶違いなところもあるし、憶測を交えて言っていることがある。これは選挙運動なんかやった者ならよくわかるわけでございまして、そういう事実にもとるようなことを言われたらたまったものじゃございませんから、その点だけははっきりさせておくべきだというのが私の真意でございます。
  243. 橋本敦

    ○橋本敦君 求められて書いた。
  244. 坂田道太

    国務大臣坂田道太君) そうでございます。
  245. 橋本敦

    ○橋本敦君 あなたがお書きになったのは、相澤さんあてと、そうすると、後藤田さんあてと、この二通ですね。田中さんからは行っておりませんか。
  246. 坂田道太

    国務大臣坂田道太君) それはございません。
  247. 橋本敦

    ○橋本敦君 ありませんか。
  248. 坂田道太

    国務大臣坂田道太君) はい。
  249. 橋本敦

    ○橋本敦君 相澤さんは、この問題について、いま地元の鳥取で次の総選挙を目指してがんばっておられることは人承知のとおりなんですけれども、そういう状況があればこそ、いまおっしゃったように、求められて書かれたと、こういうことでしょうね。相澤さんは、週刊朝日の座談会でも、あるいは地元の演説でもいろいろなことを言っておられるんですけれども、ある人が、相澤さんは演説でこう言っているけれどもどうなんでしょうかと——これはロッキード問題でわあわあやってますからね。ということで演説のテープなんかも持ってきて聞かしてくれる人もあるのですけれども、そのテープをよこした中で、相澤さんは、そこでその三人の話というものはですね、ということで、田中、後藤田、相澤のこの三人の問題に触れられておられる。そういう中で相澤さんが言っておられるのは、国防会議が始まる前になりまして田中総理が後藤田副長官を呼んで、防衛庁はこう言っているんだけれどもどうだと言われて、後藤田氏は、国産でやむを得ないでしょう、それじゃ大蔵省どうなんだと、今度は隣にいた私を呼んで入ってまいりまして、私は意見を聞かれた。私はそのときに、もう大臣にも相談してあったものですから、防衛庁がぜひ国産してほしいと言うならやむを得ないという意見になっておりましたので、やむを得ないと、総理それはやむを得ないと思いますと、こう言ったと。ただ、何でもかんでも国産国産だというのはこれは財政当局の立場から言って問題があると思いますと、こう言っただけだと、こういうことを演説なさっているんですね。だから、相澤さんはPXL問題について、これは国産前提とした研究開発は認められない、PXL国産は認められないよということはどこ見ても出てこないのです。相澤さんを実際証人に呼んでお尋ねすればもっとはっきりしますけれども、いままで私が調べた限りでは。しかし、いま政府答弁なり証人その他で明らかなように、相澤さんは、T2、FST2改の国産は結構です、しかしPXL問題はいけないと、こう言って、総理がそれを受けて、専門会議で検討したらどうかと、こうなるんですね。PXL問題は全然言われない。もし仮に、そんなこと、PXL問題は相澤さんは言ったことがないんだと、仮に証人に立って証言しておっしゃるなら、これは事実に反すれば偽証になるし、それが事実だとすればいままでの調査が間違いだと、こうなってくる。どうしてもこれははっきりきわめなきゃならぬと私は思うのですよ。  しかし、ともかく私が長官に申し上げたいのは、このようにして相澤氏をめぐる問題というのは、また事実関係証人も呼んでいませんし、決着がついていないんですが、たまたま久保次官が発言されたことに関して長官が釈明という形で、久保次官の発言はこれは事実誤認だというようにおっしゃるならば、これはやっぱり私は、いまこの手紙を私がお話ししたように、選挙区に、後援会機関誌で登載をされ、手紙に添えて出されるということに使われておるというのは、そういうことに使いたいからあなたに頼んだんでしょうけれども、いま長官が、まさにこのPXL問題の疑惑は晴らさねばならぬと、黒白はつけねばならぬと、晴らすために政府防衛庁も積極的に努力を惜しまないんだと、こう言っておられる重要な立場にあるときに、このように「久保次官記者会見時における事実誤認に関する釈明」ということで、人間の記憶というものは案外に不確かなものだというような文言で、久保次官の発言がまるまる事実誤認だというような趣旨に読み取れる手紙をお出しになることはいかがであろうか。久保次官の発言というのは、いま私が確認したように、まるまる事実誤認と言っては久保さんにかわいそうだ、そういう性質のものです。しかもこの手紙が、相澤さんによって、この機関誌の中で、久保次官からもわび状が来ました、坂田防衛庁長官からこのような釈明書が来ましたと、こういうことで皆さん御心配いただきませんようにということになっていくと、長官、あなたがお書きになった手紙は、ちょうどシグ・片山がクラッターあるいはエリオットの宣誓供述書を潔白証明で持ってきたように、あなたのお書きになった手紙が相澤氏の潔白証明のようなことで彼の選挙運動に使われている、こうなっているわけですね。いま、まさにPXL疑惑を追及している、その焦点に立って政府を代表して答弁なさる立場にあるあなたが、このような手紙をお書きになって、このような使われ方をするのは私はこれは遺憾ではないかと、こう考えているのですが、長官はどうお考えですか。
  250. 坂田道太

    国務大臣坂田道太君) 私は、事実の究明というのがやはり事件真相をはっきりさせるということでございまして、それがどちら側にも事実の誤認があってはいけない。その事実をやっぱり明らかにしていくという責任が私にはあるというふうに思うわけです。したがいまして、それが、久保発言によりまして、一部とは言いながら、前述の一番大事なところは欠落しておる。あるいは三人で決めたと。しかし、形式的に言うなら、国防会議で決まることははっきりしている。しかもいままで解明したことでも国防会議で決まっているわけでございます。そういうようなことを不用意にあの段階で次官たる者が言うということは、私から言わせれば事実誤認、一部の事実誤認、あるいはほかのところもあるかもしれません。事実誤認に基づいた不用意な発言ということは私は言えるというふうなつもりで、ああいうことを申しました。  それからもう一つは、そのことについて、私は、政治家を志しておる人たちに、そういう、こちらが少なくとも不用意な発言をしておるということで御迷惑をかけた点について明らかにするということがむしろ必要なことであるというふうに思います。したがって、向こうからそういうふうなお申し出もございましたから、私は進んでそれは書くべきであると思いまして、書いたわけでございます。それから、どういうふうにそれをお使いになるかは、それは御両人の良識の問題だというふうに思います。
  251. 橋本敦

    ○橋本敦君 いま私が長官にお尋ねしたのは、久保氏自身が自分の記者会見に誤りがあったということで、それについて訂正をする、これはいいですよ。だけれども、あなたは長官なんです。あなたが一部事実を間違えたような発言をなさったわけじゃないんですよ、あなたがね。どうですか、明らかですよ。あなたが、なぜ、求められたからといって、久保次官が行った記者会見についてこのような事実誤認だという釈明文を書かねばならぬのか。あなたの手紙を読んでみると、「一部とはいえ」というようなことはどこにもありません。全く人間の記憶というものは頼りないということで、事実誤認で大変な御迷惑をかけましたと、はっきりこう言って、久保次官の発言がまるで全部うそだというように読み取れるような手紙の内容になっておるわけですよ。いいですか。「相澤英之さん並びに後援会の皆さんに多大の御迷惑をおかけいたしましたことを深く御詫び申しあげます。」——全部久保次官発言はうそだというような前提に読み取れる手紙なんですよ。これをわざわざ久保次官が自分が発言したことから責任をとって書くのはいいが、求められたからといって、まさにあなたがおっしゃったように、真実をきわめねばならない立場でロッキード委員会では政府を代表して答弁に立たれる責任のあるあなたが、これを、こういうように正確でない、全部が間違いだと言わぬばかりの手紙をお書きになるということはいかがであろうか。これは真実をきわめることにならない。なぜならば、相澤氏はあなたの手紙を証拠にしている。潔白証明にして、私はPXL何の関係もない、皆さんに御心配をかける何物もないと、こう言っている。真実をきわめるよりも相澤氏の真相隠しに一つは役立たせられているということになりかねないですよと、こう言っているわけですね。それでもあなたは、こういう手紙を長官としてお書きになって、いささかも、遺憾であるというように、みずから振り返って考えてみられるところはやっぱりありませんか。最後にこのことを伺って終わります。
  252. 坂田道太

    国務大臣坂田道太君) 私は、「去る二月九日記者会見の席上における久保次官の事実誤認に基づいた不用意な発言によって政治に志さんとしておられる相澤英之さん並びに後援会の皆さんに多大の御迷惑をおかけいたしましたことを深くお詫びを申しあげます」と言っているわけでございまして、このことは私はその当時として当然なことだと思いますし、いまもそう思っております。
  253. 橋本敦

    ○橋本敦君 見解の相違がありますが、私は、長官として不用意なことに使われるような手紙はお書きにならぬ方がよろしいという気持ちで申し上げたわけです。一応時間が来ましたから質問を終わります。
  254. 柄谷道一

    柄谷道一君 まず、防衛庁長官に、内閣の継続性という立場に立ちまして若干の御質問をいたしたいと思います。  本委員会が本日まで行いました証人の尋問、特に黒部、島田両氏の尋問の結果を集約いたしますと、こういうことになるんではないかと、こう思いますが、まず確認をいたしたいと思います。  昭和四十七年十月九日の国防会議当日まで防衛庁は、PXL問題が国防会議に持ち出され、了解事項がそこで決められ、そして専門会議設置されるということについては全然予知をしていなかった、そこで防衛庁当局としては、形式的には国産化の方針は決まってはいなかったけれども、毎年度の予算で必要な額を確保しつつ、国内の研究開発を積み上げ、そしてこれを成功させ、ぜひとも試作、量産化、そして配備という方針を貫きたいという決意であった、これが十月九日以前の防衛庁の御意向と理解してよろしゅうございますか。
  255. 坂田道太

    国務大臣坂田道太君) 大体そういうふうに御理解賜っていいと思います。
  256. 柄谷道一

    柄谷道一君 そこで、長官は、これまで四十五年、四十六年、四十七年度の予算国産化を前提としたものではなく、国産化を行うかどうかを決めるための基礎的研究のためのものである、こう説明し、かつ答弁をされております。しかし、いまそのとおりであると、こうお答えになったように、確かに形式論を言えば、長官答弁はそのとおりであろうと思いますけれども防衛庁自体の内部状態、特に防衛庁の決意というものは、やはり国産化を進めたいという決意と意欲を持って臨んでおられたことは間違いがないと思うんですが、いかがですか。
  257. 坂田道太

    国務大臣坂田道太君) 形式の問題を非常に離れてお話しになりますけれども政府意思といたしましては、やはり形式を離れて意思は出てこないわけでございまして、大体お話しのところはそのとおりでございますけれども、われわれがそういう熱意を持っておったけれども、しかし年度におきましては、大蔵から国産化を目指す研究開発はだめだということが一本とられておりますから、政府といたしましてはこれは意思は決まってないということでございます。
  258. 柄谷道一

    柄谷道一君 私は防衛庁としての当時の決意というものをお伺いしたわけです。それは間違いないと思うんです。  そこで、国防会議の直前、さき委員からの御質問にもありましたように、今日まで強硬にT2、T2改の国産化という問題について反対をしておられました大蔵省が突然国産化を認めると、こういう連絡があったと。私は、当時防衛庁はこの大蔵省の真意なるものについていかに受けとめられたのか、もっと端的に言いますならば、それはPXL問題を単に昭和四十七年度の予算折衝の時点に戻すという程度の意味ではなく、実質はいわゆるPXL輸入前提条件としてこのようなT2、T2改の国産化という問題が打ち出されたものであると受けとめられませんでしたか。
  259. 坂田道太

    国務大臣坂田道太君) そうではないと思いますね。やはり、PXLPXL、これは大蔵と防衛庁の激しい論争といいますか、対立が続いてきておる。その上に練習機と支援戦闘機の問題をまた輸入と、F5を持ってきたということで、もうそれは恐らく防衛庁の当時の長官を初めとして、頭にきたと思いますね。そうだと思います。
  260. 柄谷道一

    柄谷道一君 すると、当時防衛庁としては、いまの御答弁によりますと、PXL問題は従来どおりの状態が継続をしておるという認識であって、PXL問題に対して国産化を事実上断念したという事実はございませんか。
  261. 坂田道太

    国務大臣坂田道太君) 八日の時点に大蔵からそういう内意がありましたけれども、まあしかし、どっちをとるかというたら、これはやはり支援戦闘機、それから練習機、こっちだと。というのは、一面において研究開発の方はまた勝負できるというふうに思ったに違いないと私は思うのです。
  262. 柄谷道一

    柄谷道一君 すると、新聞紙上で後藤田さんが、国防会議の前日に庁議を開いてPXL問題につきましては国産化を断念したはずである、その趣旨を、その方針を私に伝えてきたと、こう述べておることは全く事実無根のことを言っておられると、こういうことでございますね。
  263. 坂田道太

    国務大臣坂田道太君) その後藤田さんというのが私よくわからないんですけれども、ただ、その八日の日に、島田次官と、それから経理局長でしたか、が後藤田さんのところに行っております。しかし、その主たる陳情は、やはり練習機、支援戦闘機を国産ということを言いに行って、あの人が、後藤田さんがまとめる役にあるわけですから、できれば後藤田さんに確約を得たいと、あっちは大丈夫ですと、こういうことをとりたかったに違いないと私は想像するんです。ところが、そういうつもりで行ったのに、後藤田さんは、そのときそうだと、翌日言ったようには言ってくれてないんですね。そういうことのようでございます。
  264. 柄谷道一

    柄谷道一君 私は、この四月十二日の新聞報道が真実を伝えているかどうか、これはわかりません。しかし、少なくともこの新聞報道によれば、大蔵省の強い意向を受けてPXL問題は国産化を断念したということを伝えてきたということが書かれている。ということになると、これは新聞の誤報であるのか、それとも後藤田さんが事実に相反することを言っておられるのか、もしくは防衛庁が事実と異なることを言っておられるのか、この三つしかケースはないわけですね。したがって、私は本日の段階は、防衛庁はそういう断念したということを伝えた事実はないと、こういうふうに理解いたしておきましょう。  そこで、そういうこととなりますと、次にお伺いしたいのは、この国防会議議員懇談会の了解事項というものの重みであります。さきの黒部さんは、この了解事項は四十六年の予算折衝時点の結果を単に改めて文章化したにすぎない、おやおや改めてなぜこんなものを文章化しなければならないのかなと、こう思ったと、こう証言されたわけでございますが、当時防衛庁のこの了解事項の重さに対する認識はそのようなものであったわけですか。
  265. 坂田道太

    国務大臣坂田道太君) あるいは防衛局長から補足してもらうかもしれませんが、私の調査の結果から言いますと、そのときにはもう一遍勝負ができるということで、しかも大蔵省は内意としてはもうPXLはだめだよという、言うならばどっちかに決めてくれと、こう言っておったのが、新たな了解事項で、また防衛庁としては、これはいけるぞという気持ちを持ったと思います。
  266. 柄谷道一

    柄谷道一君 ところが、そういう認識とその後の事実は全く違うんですね。四十七年の予算では同じ状態であった、したがって巻き直しができると思っていたにかかわらず、六億八千百十万四千円の技術調査研究委託費は執行が全面停止となって、これはゼロになった。当時この国防会議前に概算要求として防衛庁がすでに提出をしておりました二十六億七千八百六十六万円、その内容は、次期潜機設計研究委託費及び技術調査研究委託費、これが全面的に削除されて、生き残ったものは専門会議の資料作成等の経費ということで四千五百五十四万円が認められたにすぎない。四十八年、四十九年は防衛庁当局はもう提出もしないで、概算要求の請求もしないで、ただ請求し、かつ現実に決まったのは外国旅費、四十八年は六百二万七千円、五十年は百八十二万二千円というものにすぎなかった。したがって、私は、これは現実問題としてこういう予算執行ないし決定状態を見ますと、この了解事項というものは四年間にわたって国内の研究開発という作業を全面的にストップをしたという結果になっている事実は、当然これはお認めになりますね。
  267. 坂田道太

    国務大臣坂田道太君) 事実としてはそういう足取りをたどっておるというふうに思います。で、先ほど申しましたように、あれが決まった段階では、また一勝負あると思ったことも私は事実だと思います。しかしその後、大蔵と四十七年度の予算執行について恐らくこれまたやり合ったに違いないんですが、それを執行しなかったという段階からだんだん怪しくなったというふうに思います。そして先生の御指摘のような結果になった。
  268. 柄谷道一

    柄谷道一君 とするならば、当時防衛庁のこの了解事項に対する解釈がどうであったかは一応別に置くとして、この了解事項というものは、実質十月九日まで毎年予算を積み上げて、逐次、前提とはしないけれども意欲を持って国産化の研究開発を行おうとしておったその方針根本的に修正せざるを得ない、修正を余儀なくされるような重みを持つものであったということになると思うのですが、いかがですか。
  269. 丸山昂

    説明員(丸山昂君) 現在から見れば、結果的にはこの了解事項があってから後の動きは当方のあの開発のための努力が一応ストップしたかっこうにはなっておるわけでございますが、この専門会議の結論によって再び研究開発の可能性は十分あるわけでございまして、その専門会議の結論を待って動きたいと、これはもうそういう専門会議ができました以上、それの結論を待たざるを得ないという、こういう客観情勢があったということでございまして、そういう意味ではいまからごらんになるとそういう御批判は出るかと思いますけれども、私どもとしては十分国産開発の希望は、道は開かれているというふうに当時考えておったものでございます。
  270. 柄谷道一

    柄谷道一君 児玉譽士夫さんが昭和四十八年七月、ロッキード社との間にPXL売り込みに関する契約を結んでおったということは、すでにアメリカのチャーチ委員会によって明らかにされているところであります。そして、引き延ばしということに成功したと。私は実質上、まあ結果論ではあっても、国産化の研究開発は四年間にわたって停止され、そして、専門会議が持たれると。専門会議の進行期間中はこの結論が出せない。そこでまた二年間という空白期間がそこに生まれてくる。六年間このことによって国産化の研究開発は結果的には中断せざるを得なかった、これは事実ですね。そして、専門会議は、国産化は多数意見ではあったけれども、土屋証言によれば、そこに輸入を含めという玉虫色の答申が出たのは、いわゆるタイムリミット、これが重要な要因であったと、こういうことを言っておられる。そういたしますと、当然国民は、これら一連の動きの中に一つの大きな力が働いたのではないか、こういう誤解を持つのは、これはまたしごく当然のことではないかと思うんであります。私は当時、いまの御説明のとおりだとすれば、まさに実質上、まあ専門会議が何年続くかはこれは当時予測できなかったにしても、当分の間国内の研究開発というものは断念せざるを得ないと、停止せざるを得ないと、研究開発をですね、という事実を正確に防衛庁として把握し得なかったことはいまにして思えば残念だという、そういう答えになるわけですか。
  271. 丸山昂

    説明員(丸山昂君) 当時、防衛庁といたしましては、るる申し上げておりますように、できるだけ早く国産開発の方向に進めてまいりたいという意欲を持っておったわけでございますから、まあ結果的に一時期その中止、中断といいますか、の状態が出てまいったということは、まあ防衛庁としては非常に残念に思うわけでございますが、しかし、当時の考え方としては、その専門会議の結論というものがそう長い時期にかかるというようなことは考えておりませんし、専門会議の結論が出れば再びその結論によって国産開発の前進が期待されると、こういう状況にあったというふうに私どもは考えるわけでございます。
  272. 柄谷道一

    柄谷道一君 私はその辺はおかしいと思うんですよね。防衛庁専門会議に対して、四十九年度末までに答申を出してもらいたいということは、これ言われたわけですよね。とすれば、もう四十七、四十八、四十九、五十年ですね。少なくとも四年間は国内の研究開発は一時中断せざるを得ないということが、当時、当然わかっているはずですよね。その専門会議が何年かかるかわからないというんであれば、どうしてその専門会議にタイムリミットに対する意見を言われたんですか。
  273. 丸山昂

    説明員(丸山昂君) その了解事項が定められました時点におきましては、専門会議の結論がこれほど長くかかるということは予測をしておりませんでしたし、当然早く結論が出て、われわれの希望しておる国産化を前提とする研究開発が再び着手できるというふうに考えておったものでございます。
  274. 柄谷道一

    柄谷道一君 私に与えられました時間が短いので、私はこのいまの答弁では釈然としないということだけをここで申し上げておきたいと思うんです。  それでは、防衛庁に最後にお伺いいたしますけれども、巻き直しができる、そして防衛庁の意向は従来から一貫して国産化を何とかして実現したいという意向であった。とするならば、専門会議の答申が出た、で、現在、防衛局長は十一案を用意して、国産化、輸入、さらに中間案と、こういう検討を進めているということでございますけれども、従来までのその経緯からいたしますと、ポスト四次防、来年五十二年度予算決定までに結論を出すという、それに対する防衛庁の意向は——大蔵は別ですよ。当然、防衛庁としては、従来の経過から見るならば、しかも国産化は一、二年間の短縮ができるとおっしゃったわけですから、そのウエートの最重点は依然として国産化にあると、こう理解してよろしゅうございますか。なぜ輸入だとか中間案の検討が行われましたか。
  275. 丸山昂

    説明員(丸山昂君) このP3Cにつきましては、四十八年それから五十年、再度にわたる調査をやったわけでございます。その結果、それまでにリリースの見込みがまるっきりなかったわけで、いわば上っ面をなでた知識を持っておったわけでございますけれども、P3Cの実体を知るに及んで、大変格差があるということが特に海上幕僚監部において深く認識をされるに至っております。したがいまして、問題は、そのP3Cクラスの国内開発を行うためには、われわれが当初予測した以上に多額の経費と長い年月を要するということもだんだん判明をしてまいっておるわけでございます。そういう時点を踏まえまして、現在の時点に立って今後のポスト四次防、それからいまのP2Jが減衰をいたします後にどういう形で固定翼対潜機を整備するかという問題については、現時点においてのあらゆる要素を総合的に検討して結論を出さなければならないというふうに私ども考えておるわけでございまして、そのためにあらゆる可能な方法——在来は国内開発ということ一本でやってまいったわけでございますが、それと、それから外国機の導入、さらにはそれらのいろいろな各種の折衷案、それから先ほども私申し上げましたように、防衛基盤の一つでございます国内の航空機産業の現状ということも踏まえまして、できるだけ実態に合ったような結論を出すべきではないかということでただいま検討中ということでございます。
  276. 柄谷道一

    柄谷道一君 さらに私は、日米防衛相互協力とこのPXCの関連及び今後の具体的次期対潜哨戒機決定に至るまでの政府方針等について質問を予定いたしておりましたけれども、法務大臣にも一、二問の質問をいたしたいと思いますので、これは次回の質問に譲りたいと思います。ただ、ただいままでの答弁ではどうも釈然としないということだけは重ねて申し上げておきたいと思います。防衛庁長官、結構でございます。  そこで、法務大臣にひとつお伺いいたします。私もファーガソン判事の裁定につきましては質問を予定しておったわけでございますが、すでに前もって三人の委員による質問が行なわれましたので、私なりに、昨五日の法務大臣の記者会見の際の談話、それから本日の三名の委員に対する答弁、これを要約して次のように理解していいかどうか、答えを簡単に述べていただきたいと思います。  まず、ファーガソン裁定は、日本では刑事訴訟法二百四十八条の起訴便宜主義に根拠を求めて行政措置として起訴猶予処分を予約する、しかもそれを国家意思として表明するということによってこの嘱託尋問が行われるであろう、日本の法令及び法慣例に基づいてそう理解しておった。ところが、アメリカにおいては刑事免責は裁判所で決める、こういういわゆるしきたりがある。そこで、この両国のしきたりの相違、いわば日本法制の弱点という問題が起きて今日の問題が発生をした。そこで、現在はまだフォーマルな情報は入っていない。また、今後微妙な段階であるので余韻を残すことを了承をしてほしい。しかし、現状はせっぱ詰まった状態ではない。今後の方針としては、こういう経過から、当面、捜査にこの嘱託尋問の結果を活用するということは困難になった。しかし、今後最高裁の規則制定権による対応、さらに委員質問によりまして、最高裁の意見書のアメリカに対する送付等手段を尽くして、いわゆる利用停止の解除を得るために政府としては全面的に努力をしたい。そのために、当面捜査にこれを活用するということはできないけれども、少なくても公判維持のためにこれを活用するということはそれができれば可能になる。また、これらの時期が早まれば捜査段階のいわゆる後半の段階でこれを活用するということも可能である。いわゆるこの嘱託による調査というものを、証言というものを活用することはいわゆるベストであるので、ベストが実現するために全力を尽くしたい。こう理解してよろしゅうございますか。
  277. 稻葉修

    国務大臣(稻葉修君) 概括的に言って、そう御理解になって結構だと思います。
  278. 柄谷道一

    柄谷道一君 そこで、今後検察当局は、一つは議会制民主主義を守るために、一つには日本検察の威信というものを維持するために、いわゆる大臣の表現をかりるならば、不党不偏の決意を持って本問題の徹底的究明に当たる、しかもそれは当然贈賄側だけではなくて収賄側にも及ぶものである、こういう答弁をされているわけです。  そこで、私はこれと関連しまして、六月二十三日、法務大臣は衆議院のロッキード特別委員会で、灰色高官についていわゆる五つのケースということを明らかにされました。ところが、本日、七月六日の読売新聞の報道によりますと、自民党の永野法務部会長が灰色のケースというものについて見解をまとめられた。それは被疑者としての調書を取られて不起訴処分になった者というのが大前提である。いわゆる参考人としての調書を取られた者はその対象からは外れる。被疑者調書を取られた者というのをさらに分類すると、金銭援受の客観的事実が確立したが不起訴になった場合、客観的事実はあったが微罪につき起訴猶予となった場合、三つ目は、容疑はあるが、起訴に足る証拠が得られず、客観的事実も確認できないで不起訴になった場合、こういう見解を新聞が報道しているわけでございます。大臣として、この永野法務部会長のこれら灰色の定義というものに対してどのようなお考えをお持ちなのか、それと六月二十三日に法務大臣が述べられた五つのケースとの関連は一体どうなのか、この点をお伺いをいたします。
  279. 稻葉修

    国務大臣(稻葉修君) まず第一に、私は六月二十三日衆議院のロッキード問題調査特別委員会においていわゆる灰色高官というものに当たる五つの場合などということを申し上げたことはないんですね。その灰色高官なんというのはわし知りませんよと、わかりませんよと、それは。どういうのを灰色高官と言うか、まだその概念も明瞭でありませんから。ただ、刑事事件の収賄事件につきまして、公務員の金銭授受のあれはあったけれども不起訴になった場合を類型的に分類すれば次の五つの場合が類型されましょうなと。これは政治的道義的責任追及の問題とは別に離れて、離れて。したがって、灰色高官などというものとは関連なく、いま言ったように、金銭の授受はあったけれども公務員について不起訴になるというような場合を類型的に想定するとこういう五つの場合がそれに該当するのでしょうと、こういうことを申し上げたのであります。したがいまして、永野法務部会長がどういうふうにおっしゃったか、新聞には、あなたそういう、いまお読みになってそう申されましたけれども、これは会って聞いたわけでありませんから。新聞はときどきその本人の発表を間違いますからね。それに基づいて私にこれについてどう思うかと言われても返答のしようがないんです。私のは灰色高官とか政治的道義的責任の追及に関連して五つの類型などということを申し上げたんではないと。したがって、永野さんがもし灰色高官というものに当たる場合のことについていろいろ三つだか、さっき四つ挙げられましたね、新聞の報道について。それとは私のは全然別ですもんな。したがって、それについてどういう意見を法務大臣は持つかと言われても、いまお答えできません。お答えする能力がありません。
  280. 柄谷道一

    柄谷道一君 じゃ、この問題はもう少し後で質問することとして、あわせまして、公表の法的根拠につきまして——これもタッチしないので答える能力はないと言われればそれでおしまいになるんですが、永野さんは、刑事訴訟法四十七条ただし書きの適用は無理である、あくまでも国家公務員法百条に基づく検察官の守秘義務と公益上の必要性との比較考量の問題であるということで、今後、五党間の議長裁定による合意もございますし、さきには、四月五日わが党との間の合意事項もございます。そのいずれもが、政治的、道義的責任を追及するために政府としては国政調査権に対して事実究明に必要な最善の協力をするという趣旨がうたわれているわけでございます。そういたしますと、法務大臣は、この議長裁定なり両党間の合意に基づくいわゆる灰色高官名公表の手続を、根拠をどこに求められようとしておりますか。
  281. 稻葉修

    国務大臣(稻葉修君) まあ、いわゆるその灰色高官というのはどういう人を指すか、私これは国会で定義づけられてしかるべきものですから、そのときに——まあいわゆる世間に一般に言われる灰色高官の、ロッキード事件に関する灰色高官の公表問題に関する所見を、質問者の時間をとって恐縮ですけれども、ぱっと読みますからね、早口で。  いわゆる灰色高官とは何を指すか必ずしも明確ではない。その理由は、まず、いわゆる灰色高官の定義そのものが不明確であるばかりでなく、現在なお鋭意捜査中の段階であって、具体的に事実関係を想定することが本来困難であることに由来します。刑事責任の存在が明確になり、起訴処分に付されたものについては政治的道義的責任の存在することが明らかであり、また起訴猶予処分に付されたものも、犯罪事実の存在が検察当局により公認されたという点で、程度の差はあれ、おおむね政治的道義的責任がある場合になるでしょう。しかし刑事責任を追及できない場合は、後述のようにかなり多岐にわたり、そのいかなる場合に政治的道義的責任があると言えるかは必ずしも明確ではありません。元来、犯罪事実の不存在ないし刑事責任追及不能の問題と政治的道義的責任の存否の問題とは別個の事柄であるからであります。したがって、本問題については、まず政治的道義的責任の所在について調査中である国会において明確にされることを要すると私は思料します。——こっちの権限じゃないんですから。そういうことをまず申し上げておきます。
  282. 柄谷道一

    柄谷道一君 すると、くどいようですが、確認をいたしますと、そのいわゆる灰色高官というものがどういうものがそれに該当するのかという問題、そしてその基準に基づいてその政治的道義的責任というものの追及が始まるわけですが、その最終判断、それは国会の行う問題であるということでございますね。それは間違いございませんね。
  283. 稻葉修

    国務大臣(稻葉修君) そのとおりでございます。
  284. 柄谷道一

    柄谷道一君 その国会が行う問題でございますが、合意事項によりますと、政府国会に対して事実究明に必要な最善の協力をする、これは公党間の約束ではございますけれども、あえてここに「政府は」という字句を入れておるわけであります。何となれば自民党は政府与党であるからであります。いまの、国会が決める、そのことに対して政府というものは、この国会が政治的道義的責任の有無を明らかにするために文字どおりその意向を全面的に受け入れて協力を惜しまない、そういう趣旨と再確認してよろしゅうございますか。
  285. 稻葉修

    国務大臣(稻葉修君) 再確認してよろしゅうございます、と言いたいところですが、ちょっとひっかかる点があるのです。それはやっぱり刑事訴訟法の立法の趣旨をも踏まえてと、こういう前提がついておりますからね。刑事訴訟法の立法の趣旨に反してまで協力するわけにはまいりませんなと、そういうひっかかりがあるわけです。その他の点については最善の御協力を申し上げる所存でございます。
  286. 柄谷道一

    柄谷道一君 両院議長の裁定は確かに、いま法務大臣が言われましたように、刑事訴訟法の立法の趣旨を踏まえてと、立法の趣旨には人権の問題から、公益上の必要性の問題からこれは総括されているのが立法の趣旨でございます。したがって、それを取り上げられますればいま法務大臣の答弁になるんでしょうけれども、われわれは四月五日の合意事項はそういう文言を一語も入れてないわけでございまして、そのことによる両院議長裁定というものを補強する意味の合意事項が、この政府の全面協力、その全面協力の内容とはいかなるものかというところまで問題が進展している。この事実はお認めになりますね。
  287. 稻葉修

    国務大臣(稻葉修君) 議長裁定の方は、総理も総理として、かつ自由民主党総裁としてこれにはまり込んでおりますからね。それは政府を拘束しますが、四月五日の自由民主党の政調会長と民社党ロッキード委員長の河村さん、これは政府は関与しておりませんのですから、そう言われてもちょっと拘束されるという断言はできないですな。しかし、そういう事実があったという点は私も知っております。その事実はそのとおりでございましょう。
  288. 柄谷道一

    柄谷道一君 ちょうど時間が参りましたので、本日の質問の続行をまた次回やることにして、本日は一応終わります。
  289. 野末陳平

    ○野末陳平君 まず、法務大臣にお伺いしますけれども、先日この委員会で竹下建設大臣が来れなくなくなりましたね。でもぼくは、あれやはりおいでになって野党の質問に対して堂々と潔白を自分の口でお答えになった方がよかったと思うんですね。それに関連して——その是非じゃなく、それに関連して、まず法務大臣にお聞きしますが、最近、このロッキード事件に関しまして、もういわゆるマスコミの記事といいますか、特に雑誌が多いんですけれどもね、非常にエスカレートした記事があるようですね。もう疑惑政府高官名というんで具体的に名前が出てきている。竹下さんがどうした、橋本さんがどうだとか、あるいは田中さんがどうとか、かなり具体的になっている。読んでみると、まあうそのような本当のような、よくわからない。非常にこれ、われわれにとってこういうのはもう迷惑なんですね。もちろん本人もそうでしょうが。しかし、本人は何の釈明もしないんだから、これは疑惑が深まる一方になってもやむを得ないと思うんですが、ぼくの考えでは、これは何か釈明のごとき手を打つべきではないかなと、本人がいやならしかるべき形で。政府というわけにもいかぬでしょうがね。この辺のことについて法務大臣どうお考えになります。
  290. 稻葉修

    国務大臣(稻葉修君) まあ、人のことですからね。人の心理状態について他人である私に、おまえはどう考えるかと言われても、ちょっと返答に苦しみますがなあ。先ほど委員のどなたかの質問に対して私が言いましたように、本人がまあいろいろなことを言われて迷惑至極だから、いっそ国会でお呼び出しになれば釈明したいものだなと思っているような人を、釈明するなするなと言うこともどういうものでしょうかなという感じを私は持っておりますね。ただ、ロッキード問題調査特別委員会ですから、その呼ぶか呼ばぬかは国会のお決めになることであって、私から何も、国会もお呼びになって聞いてやったらどうでしょうかとか、そんなおせっかいなことを、人のことに、はまりたくはありませんね。
  291. 野末陳平

    ○野末陳平君 まあ法務大臣としてはそうでしょうね。ですから傍観しているというか、これは関係のないことですから。それにしても、まあこういう記事が決して捜査の邪魔になっているとは思いませんけれども、エスカレートしていくのに対し、何ら本人がどこでも公式的な釈明ないしは自分の考えを述べないということが非常に不自然に思えるんですね。その点ですよ。
  292. 稻葉修

    国務大臣(稻葉修君) いろいろマスコミでエスカレートして、だれだれ、だれだれみたいなことを言うている、それにちっとも本人がうんともすんとも言わない、こういうことについてどう思うかと言われれば、これも人の問題で、私がどうこう言うことではありませんけれども、まあそんたくするに、何を言っているんだと、捜査が進んでばちっと起訴とか不起訴とか、そういうことになりゃおのずから事理は明白になる、そんなことを言いわけがましく言う必要はないと、こう思っていらっしゃるのではなかろうかと、こうそんたくいたします。
  293. 野末陳平

    ○野末陳平君 大体話題になっている人物はみんな大人物ですから、多分そうだろうと私も思いますからね。それはいいでしょう。  で、刑事局長にお伺いしますが、いままでのところ、偽証で大分逮捕されていますが、これ以外の容疑の材料がなかったかどうか、その辺のことは素人でわかりませんけれども、そうなると、例の全日空の社長の若狭さんとか、それから丸紅のあの檜山さんとか、あのお二人も——特に若狭さんの場合は国会でも告発されているわけですから、今後どうなるんでしょうね、そろそろはっきりした形にしないと。いや、本当、偽証ならば当然もうほかの人と同じ、待遇じゃないけど、ほかの人と同じ措置を受けてもいいと思うんですがね。どうなんでしょう、その辺は。
  294. 安原美穂

    説明員(安原美穂君) 衆議院の予算委員会から告発を受けました若狭氏につきましては、現在、偽証罪につきましても捜査中でございまして、ただ先般来、二人、引き続きまして告発を待たずに検察当局から逮捕状を請求して逮捕した者がございますが、あの二人につきましては逮捕するに足りる事由が証拠上もあったということであるに比べまして、若狭氏につきましては、直ちに逮捕されておらないということは、その程度の嫌疑がまだ固まっておらないということの裏返しかと思いますけれども、いずれにいたしましても捜査中でございまして、今後のことはどうなるかはいまこの段階で申し上げるわけにはいきませんが、いずれにいたしましても、地位とか、身分とかによって差別するような考えは検察当局には毛頭ございません。
  295. 野末陳平

    ○野末陳平君 もう少し細かくお答えいただけばありがたいんですが、逮捕に足る嫌疑が固まっていないということは、つまり、若狭さんの場合ですよ、偽証とはっきり断定できる点がまだ足りないという判断ですか。
  296. 安原美穂

    説明員(安原美穂君) 逮捕ということは、御案内と思いまするけれども、客観的には当該被疑者が罪を犯したと疑うに足りる相当な理由があること、ということが、事実問題、証拠の問題では必要でございますし、あと、逮捕の必要性の問題としては、証拠隠滅をするとか、逃亡のおそれがあるというような条件も必要なわけでありまして、それらを総合して若狭氏について検察当局は偽証についての捜査をしておるわけでありまするが、いまだ逮捕するという判断に至っていないものと考えるべきであるということを申し上げたわけであります。
  297. 野末陳平

    ○野末陳平君 そうしたら、若狭社長の偽証ということでお尋ねするわけではなくて、国会における若狭さんの証言についてぼくのちょっと関心のある部分を刑事局長にお尋ねして、その後また法務大臣にも二、三お聞きしたいんですがね。  この間、委員会で、この場所でちょっと刑事局長がおられないときに刑事課長にも質問していたんですが、御存じだと思いますけれども、全日空がコンピューターを日立からユニバックというところに切りかえた件なんですが、これは余りにも唐突であって、理屈に合わないところがあるんで業界でも話題になったことなんです。で、この切りかえの裏の事情ですね、ここら辺にちょっと興味があるんですか、植木さん——あれ、経理部長でしたか、すでに逮捕されていますね、その植木さんが関係しているんで刑事局長にお伺いしますが、この日立からユニバックにコンピューターが切りかえられるということがなぜ業界の話題になったかといいますと、日立のコンピューターでもまだ間に合うし、しかもこの日立のコンピューターというのは運輸省から四十九年度に表彰を受けているぐらいにすぐれたものであると。それをなぜ翌年突然切りかえるのかというのが、どうも理由がはっきりしないというようなこともあるんです。本来新しいコンピューターを導入するについては、当然そうだと思いますが、技術畑が検討して結論を下すべきことなんですってね。これが業界の常識なんだそうです。ところが、全日空のこのユニバックに切りかえる件に関しては少なくとも技術畑の結論とは別に若狭社長が最終的に決裁を下しているという——これは全日空の内部でぼくが調べた範囲でわかったもので、これどうかわかりませんよ、事実の点は。ともかく若狭さんが最終的に決裁したことはこれは事実なんです。そこで、なぜ社長決裁のところまでコンピューターというものがいかなきゃならぬか。しかもユニバックというのは物すごい経費もかかるので相当な大きなビジネスなんですね。この辺の裏の事情がわかれば、たとえばDC10のオプションがあったとかないとか言われていますが、ユニバックを導入することによって三井物産に一種の代償ができたというような憶測も裏づけられるし、その辺に非常に興味を持っていまして、刑事局長への質問は、植木部長が当時資材調達部長だったんですね。資材調達部長としては当然、若狭社長がユニバックに切りかえたその辺のいろいろな理由、内部の事情を知っていると思うわけです。ぼくはそれはわからない。そこで憶測だけなんですが、その辺も当然そちらではもうお調べになっているかどうか。そしてこれが、かなりこのロッキード事件を、DC10のオプション云々というのは事件全体から言えばそれほど大きい問題ではないかもしれませんが、一部解き崩していくかぎとして重要だと思うものですから。いかがでしょうか、植木部長にこの辺の事情を確かめられましたか。
  298. 安原美穂

    説明員(安原美穂君) 六月二十二日の当委員会において野末委員からいま御指摘のようなことがございましたので、早速検察当局には、御指摘のような事柄についての野末委員疑惑をお持ちであるということは伝えてございます。そして、DC10のオプションの問題ということは直接若狭証人の偽証事件にも関連する問題でございますので、東京地検の捜査しております偽証にも関連することではないかと思われるのでございますが、検察当局に知らせた結果、いま御指摘のような点について調べたかどうかということは、捜査の中身の問題でもございますので答えるわけにはまいりません。  なお、植木部長につきましては、ただいま警視庁におきまして外為法違反として捜査中でございますので、何らかの方法で、いま御疑問の点についての御質疑があったことを検察庁を介してでも警視庁に伝えることといたしたいと思います。
  299. 野末陳平

    ○野末陳平君 それでは機会を改めてそちらの警視庁の方にも聞いてみたいと思いますので、じゃ、いまの件は保留にしまして、法務大臣にお聞きします。  先ほども柄谷委員質問で灰色云々と出まして、これは定義があいまいだし、また法務大臣は灰色高官などというものに対して定義したこともないようなお答えでしたが、これをもっと具体的にちょっとお聞きしたいことがありまして……。  ロッキードから大久保に金が渡ったわけですね。そこまでははっきりしているわけですね。そうすると、その金が一体どこへどういう目的で流れていったかということがいま捜査の焦点だと思いますが、いかがなんですか、これ、だれにどういう目的で金が流れていったんだと、受け取り先というか、金の渡った先がわかればこれはもう贈賄の容疑が成り立つんですか。
  300. 安原美穂

    説明員(安原美穂君) これは野末委員御案内のとおり、だれに行ったかを確定いたしませんと、直ちに贈賄かどうかということは、収賄かどうかということはわからないわけでありまして、公務員がその職務に関して収受しておりませんと贈収賄罪にはならないということでございますので、行く先がわかった、わかって行く先の人は直ちに収賄罪になるというわけにはまいりません。しかし、いま御指摘のとおり、一億二千万円という金がどういうふうに処分されたかということは究明の対象になっていることは事実でございます。
  301. 野末陳平

    ○野末陳平君 贈賄の張本人はアメリカのロッキードの方だと思うんですが、大久保にしろ、つまり丸紅にしろ全日空にしろ、ともかくその贈賄を目的とした金の中継ぎをやって、それをだれかのところに持っていって、で、今度は受けた側が職務権限の中で、範囲でその金を受け取っていると、こういうふうになれば、いわゆる贈賄と収賄、両方の容疑が出てくるわけですね。それでいいんでしょう。そうすると、肝心の贈賄というのはアメリカのロッキードの方で、これはちょっと無理なんじゃないですか。大久保とか全日空もみんな少なくとも中継ぎをやって、ある目的で金を持っていけば贈賄としては成立するんですか。
  302. 安原美穂

    説明員(安原美穂君) たとえ外国人でありましても、贈賄の行為が日本の国内で行われたということになりますれば、アメリカ人といえども贈賄罪が成立するわけでございますけれども、具体的に捜査権を発動するためには、日本の主権の行使できる範囲にそれらの者が所在いたしませんとできないという意味において、現在重要な関係人というものが仮にロッキード社におりまして、それが贈賄をしたといたしましたならば、それらの関係人というものは主としてアメリカの方におるということは事実でございますので、そういう意味で、逃亡犯罪人引き渡し条約というものによってその犯罪人の引き渡しを受けるというのが国際法的な慣例でございまするけれども、遺憾ながらわが国とアメリカとの間におきましては、贈収賄罪につきまして逃亡犯罪人を引き渡す条約がございませんので、仮に彼らの中に犯人がおるといたしましても、日本に自発的に来ない限りは捜私権の対象にはならないという意味において、無理といえば無理でございます。
  303. 野末陳平

    ○野末陳平君 現実的には贈賄が無理で、それでも収賄が成り立つのかどうか。その辺は今後の捜査で、ぼくらにはわかりませんけれども、ちょっとはしょっちゃって、もう時間がありませんから、聞きたい肝心な点だけ法務大臣にお聞きしますが、問題は、その贈収賄というような法的な立場で考えますと非常に微妙な点があって、不起訴になる場合もあるでしょうし、そこまでいかないかもしれません。とにかく立件がむずかしいんじゃないかと思うんですが、金の流れは、少なくもロッキードから全日空なり丸紅を通してだれのところに行ったかという金の流れは捜査の段階ではっきりわかると思うんですね。あるいはわかったとしまして、そういう場合に法務大臣、それは発表されるんでしょうかね。これは法的にははっきりしませんね。しかし、少なくとも大久保の受け取った金はどこそこへ、いわゆるこれは政府高官であろうが、どこでもいいんですが、どこへどういう目的で流れたんだと、あるいはだれが受け取ったんだと、この金の流れについては、起訴、不起訴、そういうこととは別に、これは当然われわれか知りたいことだし、これは発表しても——発表してというか、これは当然法務大臣としても隠すというわけにもいかないと思うんですが、どうですか。
  304. 稻葉修

    国務大臣(稻葉修君) それが非常な問題でございます。流れてきた、入った金がどこに出ていったかということを鋭意捜査しなければ話になりません。だから一生懸命にいま捜査しているんでしょう。そうしてその結果、起訴はされないかもしらぬけれども金が渡ったことがはっきりしているという場合が起こり得ることも予想できないわけではありませんね。しかしそれは、捜査の終わったときに、なるほど金は渡っているけれども、職務に関しないで不起訴になったというようなことが捜査の終末に決まることでございまして、いまここで、そういうような場合は全部公表するのかと、発表するのかと、こう言われても、ちょっと、前にも申し上げましたように、いろいろな人の協力を得なければ、いまの捜査の段階において全部発表するんだぞということをここで私は申し上げることは捜査の妨げになるので、いまの段階では申し上げられません。ただ、あの議長裁定の線についてはよく認識しておりますから、最善の御協力を申し上げますと、その発表の仕方についてはいろいろの場合があります、こういうことで、やっぱり最終の責任者の総理大臣がどうされるかということになるかと思います。
  305. 野末陳平

    ○野末陳平君 そういった、抽象的に言われればそのとおりだろうと思いますけれども、やっぱりちょっと納得したくないんですね。やはり問題は、起訴になったり事件になれば、それはいいですよ、文句ないです。しかし、そうじゃない、それがむずかしそうな条件も、また当然考えられるわけです、いまの段階で。そうなると、少なくともロッキードから全日空ないし丸紅に渡った金、あるいは児玉のところへ行った金、それがだれのところにどんな目的で行ったかということは当然知りたいわけです。結果としてそれが、職務権限の中でその金を受け取ったんじゃないし、贈収賄は成り立たないと言われても、それは法的な責任であって、政治的道義的責任から考えれば、少なくも金を受け取った人間は、その名前をわれわれが知りたくなるのはあたりまえなんです。それに対して法務大臣はどういうふうにこたえるのかと、それが問題です。いま発表しますよって全部言えというんじゃない。そういう場合があり得るんだから、それに対してどういうつもりなんだという言葉を聞きたいんですよ。それ、最後にしますから、お願いします。
  306. 稻葉修

    国務大臣(稻葉修君) 私どももね、まあ国民にまさるとも劣らない程度にね、どこへ渡ったんだか知りたいんですな。非常に知りたいですね。それで、国民はもちろん知りたいと思うでしょうから、それがね、その議長裁定にある道義的政治的責任だと、道義的政治的責任とはそういうものを言うんだというふうにぴしゃっと決まればね、それに対しては協力しなければいかぬ、こういうことになりますが、道義的政治的責任とは何ぞやということはそっちでお決めになることだからね、おれが決めるんじゃないんだから、それは権限外のことだもの。職務権限外のことだもの。それは調査権を持たれる国会がお決めになることで、そういうものが道義的政治的責任なんだぞということが国会意思として決まれば、それに対しては大いに協力する方法をいろいろ考えると、そういうことですよ。御協力申し上げますと言えるんですよ。
  307. 野末陳平

    ○野末陳平君 それじゃ、もうやめます。じゃ政治的道義的責任は何ぞやは国会で決めるとして、じゃだれに行ったかというその資料を与えてくれなければ困るので、それはじゃ協力してもらえると、こういうわけですね。隠さないで協力してもらえるということですよ。
  308. 稻葉修

    国務大臣(稻葉修君) 国会の権限である道義的政治的責任追及上必要だと、こう御判定になって、出せ、こう言われれば、どういう形式で出すかは別として、協力を申し上げるという点でこれにおこたえせざるを得ないことになる。喜んでというのか、いやいやながらというのか、それは別ですよ。とにかく結果としてそれに御協力を申し上げることは当然ですよ。
  309. 野末陳平

    ○野末陳平君 はい、わかりました。  じゃ終わります。
  310. 剱木亨弘

    委員長剱木亨弘君) 他に御発言もなければ、  本日の調査はこの程度にとどめます。   明日は午後一時三十分開会いたします。   本日はこれにて散会いたします。     午後六時三十五分散会