○上田哲君 はい、わかりました。
そこで、問題は、きょうしぼって、四十七年十月九日を伺いたいのでありますけれ
ども、ここでひとつ整理しておきたいのは、私
どもはこれまで長い間の
調査あるいは
証言等々を、同僚議員の追及等々を含めてこういうふうに整理しているんです。いまトライスターでは逮捕者がどんどん出始めておりますけれ
ども、ロッキード問題ということになると、いわば一本のなわをあざなうように、この
PXL問題とトライスター問題は表裏しながら進んできていると思う。
で、ポイントは十月九日になるんですが、ロッキードから見れば、旅客機であろうが軍用機であろうが
日本に対する売り込みは同じだ。きょうもある新聞にロッキード副社長の談話が出ておりますけれ
ども、いまでも執拗にそう言っているわけですね。これは一本通っていると。この十月九日からこう見ていきますと、先ほどのお話にもありましたように、四十七年当初は
日本に余ったドル、アメリカに向かってそのドルをどういう買い物で還元していくかということが最大の政治課題、田中内閣
発足当時の問題であったと。そこで、その直前の佐藤内閣、四十七年の一月のサンクレメンテの会談でも、ニクソン大統領がT2と
PXLの
国産ではなくて
輸入にしてくれということを
要請したと
考えられる理由もあります。こういうアメリカ
政府側の
考え方、これはその後七月二十五日から二十八日にエバリー通商特使が来で、
日本側といろいろ話をいたします。そして、あるいは八月十九日にキッシンジャーが来て田中・キッシンジャー会談が行われました。すべてこれはロッキード、トライスターへという話になっていたといま理解されつつあるんですが、その中にはさまって、八月の八日にワシントン駐在の玉川駐在武官からP3Cの電子機器の
輸入オーケーが出そうだという極秘情報が海幕に届いている、
日本に届いている。で、その辺からこうなってくるわけですね。そして問題の四十七年の八月三十一日、九月一日の田中・ニクソン会談でトライスターについての三億二千万ドルという大買い物の枠が決まると。これは全部トライスターで話は貫かれているんですが、もう一遍申し上げれば、このときはドル減らしということが問題になっていた。そしてロッキードの売り込みというのがぐっと迫っていた。玉川駐在武官がペンタゴンの極秘情報として、向こうの重要な電子機器、秘密兵器の一部であるP3Cの電子機器部分のリリースがオーケーであるよと言ってくる。その
決定をするには大統領のオーケーがなければできない。その大統領のオーケーというのが出ているということは、アメリカ
政府の意思はトライスターだけではなくて当然P3C問題につながってなきゃならぬ、こういうことにこれはもう論理的にならざるを得ない。したがって、インガソル・鶴見会談にしても何にしても、ホノルル会談ではトライスターだけが話されたんじゃなくて、もしそのときにアメリカが
PXLを
議論してなかったら、これは話がおかしいということに当然なってきますね。もうちょっと先申し上げておきますけれ
ども……。
そしてここに十月九日というのがあるんですけれ
ども、十月三十日にはロッキードのトライスターを六機買うことを正式に
決定している。ここに十月三十日がある。そして十月三十日の前に十月九日があって、ここで、いま非常に問題になっている、
国産が
輸入にわれわれが逆転したと言う、全くトライスターと同じ逆転のドラマがここに出てくるわけですね。その十月九日を受けて、すぐ二日後には田中総理が
輸入だとはっきり言っているし、十一月一日になると丸紅とロッキードの間に一機売ったら十五万ドルという契約が結ばれる。さらに十一月十五日にはMDAOが海幕担当者にP3Cの
説明をする、さらにP3Cに岩国では自衛隊のパイロットを乗せて飛び回る。さらに六月には海幕がなぜか急にP3Cの方に向いてアメリカに照会を始める。四十八年七月二十七日には児玉の五十機売ったら二十五億円というのが出てくると。これをずっと見ますと、私
どもが
調査してきたこの流れの中でいうと、トライスターと
PXLというのは、両国
政府の交渉の中で、ドル減らしということをひとつそのときのきっかけにしながら、十月九日をピークにしてこう一本になってきているわけですね。これが含まれてなかったというようなことになったら、これは大変理屈に合わないというのが、いろんな人々にいままで聞いてきたところで、われわれがいま確信している疑念であります。この疑念を解かなければ、このロッキード問題、
PXLというのがどうしても国民には納得できぬというところにいまきていると私たちは思うわけです。
そこで、これを前に振って、こういう
考え方を聞くんだということで、ひとつ後は事実関係であなたにお伺いするんだが、十月九日です。問題の十月九日。この十月九日
——わずかに私は一時間半の問題、さっきの
質問がありましたから助かったので、あの部分は重複させないようにいきますけれ
ども、一時間半の問題をぽんぽんと聞きますから、ひとつ
お答えをいただきたい。
八時半から官邸で幹事会が開かれた。それはどこで開かれました。