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説明員(丸山昂君) ただいまの御質問は、最初のFX、F104、この選定の経緯についてどういう手続をとったかという御質問と存じますので、その経緯を申し上げてみたいと思います。
当時はF86Fという要撃戦闘機を装備いたしておったわけでございますが、新しい航空脅威に対処するために新しい戦闘機を整備するということで、そのための
調査団を三十二年の八月から約一カ月にわたって米国に
調査団を派遣をいたしております。これは団長は空将補の永盛でございます。で、この
調査団が候補機として対象にいたしましたのは、当時ノース
アメリカン製で米空軍で採用をいたしておりましたF100D、それからF104A、これはロッキード社のもので同じく
アメリカ空軍でございます。それからF11F1という、これは
アメリカの海軍、空軍で、それぞれ実験機として使われておったものでございますが、グラマン社の製品でございます。それから同じく米空軍が試作中でございました、ノースロップ社の製品であるN156FとそれからF102A、これはコンベア社の製品で、同じく
アメリカの空軍が
使用しておるこの五
機種について、それぞれの
性能、運用、それから生産等、各方面にわたりまして
調査をいたまして、その結果を
報告をいたしました。
防衛庁はこの永盛
調査団の
報告に基づきましていろいろ
検討をいたしました結果、さらに三十三年の一月に佐薙空幕長を訪米をさせまして、さらに慎重な
検討を行ったわけでございます。その結果、三十三年の四月にF11F1というグラマン社の実験機が最も適当であるという結論に到達をいたしまして、そして
防衛庁は三十三年の四月の十二日、国防
会議におきましてこのグラマン社の航空機が最も適当であるという結論を
防衛庁の見解として
説明をいたしております。国防
会議は
次期戦闘機整備のための諸条件を整備するために、一応このグラマン社の航空機を採用することを内定をいたしまして、そして四月の十五日の閣議に
報告をいたしております。この閣議の
報告の
内容は、航空自衛隊の
次期戦闘機については今後の
計画を進行せしめる諸条件を整備するため、一応F11F1Fを採用することに内定するという趣旨でございます。この
機種内定後、御案内のように、国会におきまして衆参両議院の決算
委員会あるいは内閣
委員会等におきまして証人喚問その他の問題がございまして、この
機種内定の経緯についていろいろ御審議があったわけでございます。その後F104が不備の点が
開発をされまして、また西独でこれを正式に採用をしたというような状況も勘案をいたしまして、国防
会議は三十四年の六月十五日に、ただいま申し上げました、前の国防
会議の内定を白紙に戻しまして、そしてさらに
調査団を派遣して、慎重
検討の上
決定すると、こういう方針を六月の十五日に
決定をいたしまして、そして六月十六日に閣議に
報告をし、閣議の了解を得ておるわけでございます。
防衛庁はこの
決定に基づきまして、三十四年の八月に改めて当時の源田空将を団長といたします
調査団を
アメリカに派遣をいたしました。この
調査団は十月まで約八十日間を費しまして、先ほど申し上げましたのと若干の違いはございますが、全体で六機でございますが、対象機についてそれぞれ運用上、
性能上の見地からの適否を
検討、それからすべて米軍の協力を得まして、
調査団みずからが操縦するというようなことで
調査をいたしまして、十一月の六日にこの
調査結果を
防衛庁、
長官に
報告をいたしております。その
調査団の意見を尊重いたしまして、F104Cを採用することが適当であるということを
防衛庁といたしましては庁議を開いてそういう
決定をいたしまして、そして同日の国防
会議にその線で
説明を行っておるわけでございます。
国防
会議はF104Cを採用することを承認いたしまして、同機を百八十機と、ほかに訓練機二十機を四十年度末を目途に
国産をするということを
決定をいたしておりまして、この
決定は十一月の十日閣議の御了解を得ておる、こういう経緯でございます。