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1976-07-16 第77回国会 衆議院 予算委員会 第31号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十一年七月十六日(金曜日)     午後零時十一分開議  出席委員    委員長 荒舩清十郎君    理事 小山 長規君 理事 塩谷 一夫君    理事 正示啓次郎君 理事 山村新治郎君    理事 小林  進君 理事 楢崎弥之助君    理事 松本 善明君 理事 山田 太郎君       上村千一郎君    植木庚子郎君       江崎 真澄君    大野 市郎君       北澤 直吉君    澁谷 直藏君       瀬戸山三男君    田中 龍夫君       野田 卯一君    保利  茂君       前田 正男君    安宅 常彦君       阿部 昭吾君    石野 久男君       金瀬 俊雄君    田中 武夫君       多賀谷真稔君    堀  昌雄君       中島 武敏君    寺前  巖君       平田 藤吉君    受田 新吉君       田川 誠一君  出席国務大臣         法 務 大 臣 稻葉  修君  委員外出席者         法務省刑事局刑         事課長     吉田 淳一君         予算委員会調査         室長      三樹 秀夫君     ————————————— 委員の異動 七月七日  辞任         補欠選任   湯山  勇君    米内山義一郎君 同日  辞任         補欠選任  米内山義一郎君     湯山  勇君 同月十四日  辞任         補欠選任   正森 成二君     田代 文久君 同日  辞任         補欠選任   田代 文久君     正森 成二君 同月十六日  辞任         補欠選任   森山 欽司君     澁谷 直藏君   阿部 助哉君     金瀬 俊雄君   不破 哲三君     平田 藤吉君   正森 成二君     寺前  巖君   池田 禎二君     受田 新吉君 同日  辞任         補欠選任   澁谷 直藏君     森山 欽司君   金瀬 俊雄君     阿部 助哉君   寺前  巖君     正森 成二君   平田 藤吉君     不破 哲三君   受田 新吉君     河村  勝君     ————————————— 本日の会議に付した案件  証人告発の件      ————◇—————
  2. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 これより会議を開きます。  この際、去る二月十七日に本委員会証人として出頭し、証言を行った丸紅株式会社会長檜山広君の逮捕に関し、政府説明を求めます。稻葉法務大臣
  3. 稻葉修

    稻葉国務大臣 丸紅株式会社会長、現取締役檜山広に対しては、七月十三日外国為替及び外国貿易管理法違反により逮捕し、現在勾留の上取り調べ中であります。その被疑事実の要旨につきましては、刑事局吉田刑事課長をして説明させます。
  4. 吉田淳一

    吉田説明員 檜山についての被疑事実の要旨を申し上げます。  被疑者檜山丸紅取締役であり、居住者であるが、同社取締役数名と共謀の上、法定の除外事由がないのに、昭和四十八年八月ごろから同四十九年二月ごろまでの間前後四回にわたり、東京都内において、ジョン・ウィリアム・クラッターから非居住者であるロッキードエアクラフト社のためにする支払いとして現金合計五億円を受領し、もって非居住者のためにする居住者に対する支払い受領をしたものである、こういう事実でございます。     —————————————
  5. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 先ほどの理事会申し合わせに基づき質疑を行います。正示啓次郎君。
  6. 正示啓次郎

    ○正示委員 ただいま法務大臣並びに刑事課長の御説明のありました丸紅檜山会長逮捕の問題について、私ば、委員会理事会申し合わせでございますから、できるだけ与党及び各野党の疑問とされるところ、すなわち、国民全体の疑問とするところを代表してお尋ねをいたしたいと思いますので、法務大臣並びに政府委員としてはひとつ十分なる御答弁をいただきたいと思います。  まず第一に、いま御説明でございますが、われわれこの予算委員会としては、すでに最初委員会として自主的にやりました若狭全日空社長、それから続いて丸紅大久保専務伊藤専務、今回檜山会長、こういうふうに四人の偽証問題を取り上げるわけでございますが、今回のこの檜山会長逮捕事由、いま伺うところによれば、これは前の大久保伊藤の場合と非常に違っておる。できるだけ時間を節約する意味で私は繰り返しませんが、これは一体どういうわけでありますか。私どもはいまのように外為法違反があれば当然に檜山がこの委員会において証言したところと著しく食い違いがある、すなわち偽証疑いはきわめて濃厚である、こういうふうに判断をするわけでありますけれども法務当局あるいは検察当局はこの外為違反というだけで逮捕をして勾留しておるわけでありますけれども、何ゆえに偽証ということを取り上げなかったか、これをまず第一に伺いたいと思います。
  7. 稻葉修

    稻葉国務大臣 大久保の場合は特殊な事情があったので国会告発を待たずに逮捕いたしました。その後、当予算委員会理事会等法務大臣としていろいろ御質疑に答えてまいりましたが、やはり本筋偽証でいく、逮捕する場合は、国会告発があって、これは捜査条件ではなく、訴訟条件とば言われておっても、そういうふうな順序を踏むのが本筋ではなかろうかということでございましたので、檜山の場合は外為法違反は明確である、しかし偽証もありそうではあるけれども、これはまだ国会告発がないのだから、国会告発があればそっちの方面は訴訟条件としてどんどん捜査していこう、こういう考えでいたしました。
  8. 正示啓次郎

    ○正示委員 いま法務大臣の御答弁を聞きまして、野党理事方々、われわれも同感でありますが、今度のロッキード問題は厳正に法によっていわゆる峻厳なる処置を講じよう、これが私ば国会及び国民の期待である、こう判断するわけです。そうしますと、いま法務大臣ちょっとこう国会に遠慮されたような発言でありますけれども、もうこれば容疑が十分立証せられるということであれば、外為違反とそれから偽証容疑と、これは両方で逮捕するあるいは勾留するということならわかるのです。この前いろいろ聞きますと、たとえば伊藤の場合は、外為容疑もあるのだけれども証拠が固まらないのだ、あるいは大久保の場合は、外為容疑は非常にあるのだけれども、これはもうはっきりしておるのだけれども時効にかかっておるというようなことで、偽証ということによって逮捕した、こういう御説明があったのですが、その辺に非常に便宜主義といいますか、検察便宜主義的なものが、例のいわゆる起訴便宜主義じゃなくて、このときは逮捕便宜主義といいますか、そういうふうなことが感ぜられまして、そうすると、きわめて厳正に法に照らして処断するのだという検察の態度を、やや政策的に国会に対する配慮で、この際は偽証はしばらく国会告発を待とうかというふうな配慮があるのではないか、これを私どもとしては、ちょっと痛くもない腹を探るというふうにおとりになるかもしれませんけれども、そういうふうな感じもあるのですよ。だからここははっきりとどういうわけで偽証容疑ということを重ねなかったか、あるいは偽証容疑の方が重いのですからね、これはもうたびたび御説明があったように。その方を除外した点について、これは今後のいろいろな問題にもまた関係してくると思いますので、もう一回重ねて御答弁をいただいておきます。
  9. 稻葉修

    稻葉国務大臣 逮捕理由が、ときに偽証容疑であったりときに外為法違反容疑であったり便宜主義的じゃないかという御質問でありますが、そういうことはないのです。そういうことはありませんのです。正示委員も御指摘のとおり、大久保の場合はまことにやむを得ざる事由がございました。しかも、それは決していいかげんにやったものではなくて、ちゃんと裁判所から逮捕状発付を得て、第三者の判断も得て、そしてやっていることですから、その点は便宜的だということにはならないと思うのです。  それから、その次の今度の檜山の場合は、重い犯罪である偽証はさておいて、そうして外為逮捕している。厳粛じゃないじゃないか、厳密じゃないじゃないか、そういう御指摘でございますが、これは、前に伊藤大久保の場合にいろいろ国会からも御批判があり、学界などでも弁護士会などでも、やはり国会証言に基づくものだから国会告発を待って逮捕状発付してもらってやるのが本筋ではないかということがございましたので、国会はいま捜査当局とともによき協力者として、いろいろ捜査便宜を与えてもらった点もあるわけでございますから、国会に対し、やはり遠慮とおっしゃいましたけれども国会のそういう御議論をも尊重して、とにかく逮捕はできるのだからというので、偽証逮捕状なしに外為法逮捕状逮捕した、こういうわけでございます。
  10. 正示啓次郎

    ○正示委員 これは、私は大臣を信用しないわけじゃ決してありませんけれどもね、こういうところはやはりきちっとした一つ法秩序それから法の適用、そういうことはやはり余り政治的配慮はないんだということをこの際、私としては明らかにしておく必要があると思うんですよ。だからひとつ刑事課長、もっぱら事務的な解釈でいいですから、いま大臣が言われたような御答弁に対して、法務事務当局として、検察と緊密な連絡をとっておる本省の責任課長としてどういう見解でこれをやったのか、ひとつ弁明を求めたい。
  11. 吉田淳一

    吉田説明員 檜山につきましては、御指摘のとおり、外為法違反のみの容疑によって逮捕したわけでございます。その基本的な考え方については法務大臣が述べたとおりでございますが、もう少し敷衍いたしますと、大久保につきましてはもう先ほど来出ているとおりでありますが、伊藤の場合は、まだ伊藤自身外為容疑があるということを証拠によって認定するのはこれは時期尚早である、もう少し捜査をしなければいけない、しかし丸紅という会社に金が入ったということは証拠上明らかである、したがって、その時期等におきましてどうしてもあの時点で身柄を拘束しなければならない、そういう捜査上の事情がございまして、そこで偽証罪でさらに告発前の逮捕に踏み切ったわけでございます。今回の場合は、私ども、もちろん外為法違反について檜山十分容疑があるという証拠をもって検察当局はやったわけでございますので、当然偽証につきましてもその容疑は十分であるというふうに考えております。  しかしながら、外為法違反によって身柄を拘束し、さらに、あわせて偽証罪につきまして国会の御判断を待ちつつ、その偽証罪についてもあわせて捜査をするという所存でこの外為法違反逮捕に踏み切った、こういうことでございまして、決してそこは政治的にどうこう考えたということではございませんで、国会の御意思を尊重しつつ、かつ、捜査目的も達しようという配慮でございます。
  12. 正示啓次郎

    ○正示委員 そこで、大臣及び課長の御説明から、それじゃ今度は証拠の問題に移るわけでございますが、この檜山逮捕勾留、これを決断せられたのは一体何を根拠にしておるか。すなわち、最近の、例の伊藤の場合は、外為容疑もあったけれども証拠は不十分であった、そこで、やむを得ないけれども国会告発をしてもらえば、これは捜査上も非常な有力な援軍である、こういうふうなあれがあったと思うのでありますが、今度は、いまここに読み上げられた被疑事実を見ましても、檜山は「同社取締役数名と共謀のうえ」云云、こうありますね。当時檜山のやった役割りは、これは取締役会を主宰する立場にあったと思うのです。  そこで、こういうふうに書いておられるこの事実を捜査当局は何によってつかんだか。その証拠は一体何であるか。すなわち、前に大久保の場合あるいは伊藤の場合には、アメリカからのその後の資料というようなことも言われたのでありますが、今回は、大久保伊藤逮捕勾留捜査、これから主として檜山のやった役割りというものを割り出されたのか、そしてその結果外為違反という容疑ははっきりと確立し、その結果として、ここにおいて檜山証言したこともまた、いまはっきりと刑事課長が述べましたように偽証容疑あり、こういうふうに考えておられるのか、その根拠をひとつ大臣、お示しをいただきたい。
  13. 稻葉修

    稻葉国務大臣 まず、私から結論だけを申し上げて、理由の細かい点等につきましては、吉田課長から答弁させます。  正示委員の御指摘のとおりでございます。檜山については、七月十三日、合計五億円を受領したという外為法違反容疑により逮捕しているのでありますから、金品授受は絶対ないとかあるいはそう確信しておるという本委員会における檜山証言というものは虚偽の陳述であることに論理上必然的になります。  大久保伊藤の両名が領収証にサインしたことを檜山が承知していたかどうかという点の偽証容疑につきましては、今後の捜査にまつべきものと聞いております。
  14. 吉田淳一

    吉田説明員 檜山外為法違反により逮捕いたしました証拠関係についてのお尋ねでございますが、本来、捜査によって得た証拠内容等について触れるのは、御承知のように適当でないのでございますけれども国会の御審議目的、趣旨にかんがみまして、できる限りの御協力をするということで、その証拠につきまして若干御説明いたします。  この檜山につきまして、外為法違反容疑ありと検察当局が考えております証拠といたしましては、もとより、すでに公表されておりますピーナツ、ピーシズの領収証、あるいは御指摘実務取り決めに基づいて提供された米側資料、こういうものがあることは御指摘のとおりでございますが、そのほかに、その後今日に至るまで、検察当局においていろいろ調べた国内捜査による丸紅関係者供述、それより押収した証拠品等によって認定しておるのでございます。  御指摘の、外数名と共謀の上とあるが、その点はどうなのかというお尋ねもあったように思うのでございますが、この点につきましては、なお現在捜査中でございまして、その内容につきまして、この段階でそれはだれかということは明らかにできないのは遺憾でございますが、それらと、外為法違反の五億円の受領行為という実行行為を、共謀の上分担して行っているということを、先ほど申し上げた証拠を総合的に勘案して認定しているわけでございます。
  15. 正示啓次郎

    ○正示委員 そこで、われわれはこの委員会に、丸紅関係はほかにも証人を呼んでいるわけですね。それらが取締役、そのほかに社内の特別の地位はありますけれども、いわゆる法律上取締役としてというのは相当ほかにもあったわけですが、そういう者もこれに関連をしておるのですかどうか。これはやはりこの委員会として関心を持たざるを得ないのですが、私はあえて名前は言いませんが、ここに証人として呼んだ丸紅の当時の取締役でこの共謀の中に入っておる者がありや否や、これは刑事課長からお答えをいただきたい。
  16. 吉田淳一

    吉田説明員 先ほども申しましたように、取締役外数名と共謀をしているという容疑をもって逮捕をしておるのでございますが、御指摘の、当委員会証人として出た者らが含まれているかという点につきましては、現在の段階ではなお今後の捜査支障を来しますので、御答弁は差し控えさせていただきたいと思います。
  17. 正示啓次郎

    ○正示委員 捜査支障があるということならば、これはあえて詰めてまいりません。  そこでもう一つ伺っておきたいのは、この前、大久保伊藤の場合のいわゆる被疑事実の書き方に違いがあったのです。すなわち、大久保の場合はたしか個人的な、クラッターから受け取った、ところが伊藤の場合は会社会社から受け取った、こういうふうな表現を使っていましたね。今度檜山の場合はその点はどうなのでしょうか。会社としてか、それとも一部個人的なものもあるのか。あるいは会社として受け取ったということであれば、いわゆる両罰規定会社の機関としての行為と、あるいは会社全体としての外為違反と、この二つの問題があると思うのですが、二つ行為が法に触れるという問題になってきまして、これを両罰規定で罰するというふうな問題が起こってくると思うのですが、この点はいかがですか。
  18. 吉田淳一

    吉田説明員 最初に、まず事実関係が、会社として受け取ったのか、個人として受け取ったのかという点でございますけれども、この点につきましては、受領行為という事実行為について共同して行ったのが檜山外数名の取締役であるということでございます。この点につきましては、伊藤につきまして御審議をいただきましたときに明らかにいたしましたように、それは会社に金が入っているという容疑を持っておるわけでございますが、なおこの点についてはさらに今後の捜査にまつべきものであるというふうに考えております。  そこで、会社に入っているとするならば、あるいは会社に入っていないといたしましても、いずれにいたしましても外為法違反につきまして、その会社業務に関して会社業務の過程でこのような犯罪行為を行っているとすれば、それは当然外為法の第七十三条の両罰規定適用の問題が起こります。この点は、事実行為につきまして十分その事案を解明いたしまして、その解明次第でその問題が起こり得るというふうに考えます。
  19. 正示啓次郎

    ○正示委員 実はこの前伊藤告発の場合に、檜山も同時にやるべきじゃないかという御意見野党理事方々、あるいはわれわれの中にもそういうふうな懸念というものがあったわけです。きょうの理事会でも、野党先生方に先見の明ありということを実は私は申し上げたわけでございます。ほかにもまだこれからいろいろあるのですが、これはロッキード問題調査特別委員会との関係等もありますのであえて申しませんが、いま伺ってみると、確かに檜山証人が二月十七日の委員会で言っておる証言、これはちょっと時間が超過しますが読んでみますと、「丸紅では、正規の手数料以外の金をロッキード社から受け取ったことがありますか。」と荒舩委員長が鋭く質問されたら、これに対して檜山氏は「絶対ございません。」こう答えておる。それからまたさらに大久保伊藤の両人から「自分たちは書類にサインをしております。ただし金品授受は一切関知しない、こういう報告を受けましたので、私もそれを確信しておる次第でございます。」これはしゃあしゃあというのですか、こういうふうな答弁があった。これらの点はいまや外為違反の事実によって、明らかにこれは偽証疑いがある、こういうふうに私も認めざるを得ないのであります。きょうは本体はまさにこういうところにきたと思いますので、後でもう一回理事会を開かれるのかどうか存じませんが、委員方々にもいま御記憶をひとつ新たにしていただいて、偽証問題については適正なる御処理をいただきたいと思うのであります。  さて、若干関連問題に入らしていただきますが、先ほど理事会でいろいろ野党の方からも御意見がございました。たとえばコーチャン証言、これはアメリカで行われたものでありますか、このコーチャン証言と矛盾するようなこの委員会における各証人証言というものは、どうも後から見ると大体偽証になっておるじゃないか。そこでそういうのはおいおい偽証でやらざるを得ないのじゃないかというふうなことを言っておるのですが、私はやはり日本国民としては、日本のりっぱな捜査当局も非常な張り切り方でいま活躍中でございますし、さらにまた特別委員会における証人喚問も行われておるときであり、あるいはまたロサンゼルスにおけるファーガソン裁定による嘱託尋問もなお努力中であるわけでございますから、若干今後の推移を見てやらなければならないのではないかという意見も非常に強くあるわけでございますが、こういうアメリカ証言日本委員会証言とを比べてどうも日本証言はいいかげんである。これはこの前もちょっと法務大臣に伺いましたが、証言権威あるいは証人喚問の意義という問題、こういうことについて一体法務当局としてこの際どういう見解を持っておられるか、これを伺っておきます。
  20. 稻葉修

    稻葉国務大臣 いままでの捜査の経過、それから逮捕の実績、これは偽証逮捕したケースが多いのですが、これを見ましても、いかにもわが国における国会証言アメリカに比してうそが多い。つまり、国会権威をあれだけの重い刑罰で保とうとしている立法の精神をもわきまえずはなはだ不届きであるというふうに思っております。
  21. 正示啓次郎

    ○正示委員 それから、よくこの質疑応答で出てくる政府当局の御答弁の中に、まだ検察から報告を受けていない、こういう御答弁がときどきある。これは特別委員会のあれなんかも私も拝聴しておってやはり感ずるのですが、これはどう処理なさるのですか。これはあるいは刑事課長が御答弁なすった方がいいと思うのですが、国民としては、せっかく国会でこういう点はどうだと質問を受ける、政府当局はまだ検察から報告を受けてない、あとどうするのかという点を……(発言する者あり)ちょっと待ってくれよ。理事会申し合わせでやっているんだ。(発言する者あり)
  22. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 私語を慎んでください。
  23. 正示啓次郎

    ○正示委員 私は、この点は国民に対してはっきりと答えるべき必要があると思いますから、刑事課長からひとつお答えいただきたい。
  24. 吉田淳一

    吉田説明員 国会の御審議に最大限御協力する意味で、私どもといたしましては捜査支障がない限りはできるだけ検察当局より事情を聞いて御報告すべきことでございます。しかしながら、捜査はその目その日、一刻刻々に証拠によって推移しているものでございまして、また、その捜査内容につきましては、非常にデリケートにわたる部分もそのケースケースとしてはあるのでございます。そういうことについて一々私どもが、それについて、これはどうなっているかということを聞くこと自身検察当局捜査支障があってはいけないという配慮もございますし、私どもとしては国会に御報告できる大筋はつかんで御報告いたすべく、捜査支障がない限りはそのようにいたす所存でございますが、間々そういうことがありますので、いまお尋ねのような、報告を受けてないというような答弁があったものと私は思っております。
  25. 正示啓次郎

    ○正示委員 それからもう一つ、大事な点ですから、もう時間がありませんので二つ一緒に聞きますが、このファーガソン裁定問題。この前も聞きましたが、これで国民として非常に疑問に思うのは、コーチャン氏はあの裁定に服してすらすらと供述した。ただ、その供述の結果を外へ出さぬ、こういうことになったと思うのです。ところがクラッターエリオットは非常にしつこく抵抗している。そこで、これはどういうわけで違うのか、コーチャンクラッターエリオットとの違い、これを検察当局はどうつかんでいるか、これが一つ。  それから、きのうも特別委員会最高裁の局長も呼んでお聞きになったようですが、これはぜひひとつこの前のこの委員会で言明されたように、努力をして何とかいたしましょうと法務大臣は言われた、その線でこれは御努力願いたい。私は、こういうところは検察司法当局最高裁とは一体的に大いに解明する責任があると思うのですよ。そこでその方の見込みは一体どうなのか。これから調査官を派遣するなどと言っていますが、これもひとつ、ぜひ実現してやっていただきたい。これが第二点。  それから第三点は、しかしながらロサンゼルスの残りの二人の証人嘱託尋問がいかがであろうとも、一方では時効という問題があるでしょう。すでに大久保については時効で打てなかった、仕方がないから国会偽証で打ってもらった、こういうことがありましたね。そうすると、伊藤やその他の場合も時効というものは待ったなし。それとの見合いにおいてどういうふうにロサンゼルス問題解決を考えておられるか。時効はどんどん進展するんだから、ああいうものは待っておれない——もちろん願わしいことは願わしいけれども、あるいはこれは起訴段階あるいは裁判の段階、立件の段階というふうに考えておるのか、そしてどんどんこちらの捜査を進めて時効の前に必ず起訴に持っていく——私は、やはり起訴に持っていくんだというふうな意気込みでいまやっておられると思うのですが、その点を国民の前にはっきりしていただきたい。  それからさらにもう一つ、最後に法務大臣に伺っておきますが、どうも大臣、このごろいろいろ、大臣はいま非常に重要な立場におられるでしょう。それだけにあなたの一言一句はきわめて重いのですね。それがちょっと、私は、はしゃぐなんという言葉は使いたくありません、使いませんが、私はやはり同じく国民に選ばれて国会に席を持った者の中から疑いを持たれるような者が出るというときは、検察、司法行政の最高責任者である法務大臣は粛然としてえりを正す、これが本当のあるべき姿だと思うのですよ。そこで、たとえば与野党を問わずというふうな表現がありましたから、あれについての真意をこの際この委員会の席においてはっきりとしていただきたい。  以上、私の質問、たくさん項目がありましたが、最後のお答えをいただいて質問を終わります。
  26. 稻葉修

    稻葉国務大臣 コーチャン氏と、それからエリオットクラッター両氏の場合はどうして違うんだろう、これはどうもアメリカのイミュニティーという制度についての適用クラッターエリオットの場合とコーチャン氏の場合と違うんじゃなかろうかと、推定ですね、これは中のことは非公開ですからわかりませんから。しかし、専門家の目から見て私の推定が当たっているかどうかは、吉田課長からその点の違いを……。  もう一つは、最高裁のオーダーまたはルールを持ってこいというような条件で、これを捜査に使ってもいい、悪い、こういうことになっていますわね。それで、私どもとしては、捜査当局はどうしてもこれを捜査資料として使いたい、そこで法務省から最高裁判所事務総局に対し、証人尋問の結果が入手できることとなるよう具体的な方策について最高裁が検討していただくよう依頼をいたしました。最高裁判所においては、わが国の法令の範囲内における可能な方法について検討されているが、近くファーガソン判事決定の内容、意義等についても直接調査を行うため、事務総局係員の派遣をも考えているといわれております。  それから第三番目は私の発言につきましてですか、これは新聞がうそを書くものですから、それで私はまいっちゃうのです。私の四国における演説は個所が多いのですが、ある最初の個所で、私は、はしゃいでいるとか、委員会などで楽しんでいるとか、そんなことを言われますが、そんな心境ではないのです。ただ、こういう時期はえてして陰惨になりますから、明るく、明朗に真実を究明していこうという気持ちは多少ないわけではないのです。(笑声)いや、笑われちゃ困るのですがね。私はきわめて真剣なんです。ことに従来、わが国における多数の疑獄事件があいまいになったりした例もあるし、こういうことをいつまでも続けておったのでは、わが国の法秩序の維持担当大臣としてこれは困る。法秩序の維持と人権の擁護を担当する法務大臣として困る。遵法精神にも影響する。国民の遵法精神が崩れてくれば法秩序の維持はできないのですから、こういう事件はきちんとやっておかなければいかぬ、こういう気持ちで真剣にはやっているのです。それをふざけているとかそれから楽しんでいるとかそんなことを言われるのははなはだ心外である、こういうことを強調したい余り、浮かれることができる問題ではないということを強調せんとする余り、まかり間違えば仲間内から関係者が出そうだと言われている事件でございますから、決してそんななまやさしい問題ではありません、こういう演説なんですな。そうしたら、記者諸君であったか代議士さんであったか、仲間内と言うといかにも狭く聞こえて、この段階で、あなた新政同志会だな、どうもそういう御注意を受けましたから、ああそうか、そうすると迷惑がかかるな、これはいかぬ、法務大臣の発言としては軽率のそしりを免れないなと思ったから、次の会場へ行って、仲間内と申しましたが、狭い範囲のことを言うのでなくて、与野党を問わず政界仲間からという意味です、政界仲間からも、そういうことでございますのでと訂正しておきます。こう言ったら、今度は新聞を見たら、驚いたことには、与野党を問わず逮捕者が出るかなんという見出しで書かれてしまう。そういう見出しは私の発言と関係ないものね。だからその点はうそですと、こう言うのです。新聞記者もたくさんいますから、うそですと、こう言っているのです。そういうことなんでございまして、しかも、私一人の迷惑ならいいけれども野党に迷惑のかかることだから、新聞社は慎重にやってもらいたい、こういう真意でございますから、御了解願いたいと思います。本当に真剣に御了解願いたいと思います、人に迷惑のかかることですから。
  27. 正示啓次郎

    ○正示委員 吉田課長時効とそれから向こうの証言の活用の必要性……。
  28. 吉田淳一

    吉田説明員 お尋ねの二点について私から御説明いたします。  第一のコーチャンクラッターエリオットの違いというのはどういうところからくるのかという御指摘でございますが、これは大臣が申しましたように、非公開の手続の中でのことでございますので、私がその手続の中でどういう主張なり理由でおくれたり、実施されているのかということを申し上げるのは、私の立場としては申し上げにくいのでございますが、法律的な、若干技術的なことですけれども、私どものまず考えておりますことを申し上げますと、コーチャン氏については米国の上院の多国籍企業の小委員会におきましてすでに証言を行っている等の事情の違いがございます。これが向こうのイミュニティー、米国刑罰法令のイミュニティーの権利の行使との関係で法的な違いがクラッターエリオットと出てくる、そういうことは米国の判例上ほぼ言えることだと思いますが、その点を指摘させていただくのにとどめさせていただきたいと思います。  それから第二の点といたしましては時効の問題でございますが、たとえばピーナツ領収証の中に伊藤の署名したもので昭和四十八年八月九日のものがあるということ等は十分承知しております。検察当局といたしましてはその点も念頭に置いて鋭意捜査を行っておるわけでございますし、もちろんそれには嘱託尋問の結果が早期に国内に反映するということが最善であることは間違いないのでございますが、仮にそれがおくれたといたしましても、国内の独自の捜査に基づきましてできるだけの真相をいま解明しようとしておるのでございまして、みすみすそれらを時効にかけるというような不手際は検察当局は起こさないというふうに確信しておるわけでございます。
  29. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 次に、小林進君。
  30. 小林進

    ○小林(進)委員 ほんの一問だけ御質問をいたします。  この予算委員会における二月十六日の小佐野賢治証言についてでありますが、そのときの証言アメリカの上院多国籍企業委員会におけるコーチャン証言とは異なっておることが明らかであります。この問題について捜査当局は小佐野証言偽証について調査を現在お進めになっているかどうか、これをお伺いをしておきたいのであります。
  31. 稻葉修

    稻葉国務大臣 重要な事項につきましては自発的に検事総長から法務大臣報告があるのですけれども、いま言ったようなことについて一々報告はございませんし、私からも聞いておりませんので、私からはやっているのかやっていないのかということをお答えするわけにはまいりません。
  32. 小林進

    ○小林(進)委員 この予算の委員会で都合四日間にわたり証人喚問をしたわけでございますが、その中で、若狭証人檜山証人大久保伊藤証人、それから同じく渡辺証人はこれはロッキード特別委員会でありまするが、このうちの檜山氏は偽証ではございませんが、他の四人はいずれも偽証罪で実は拘束をされているわけです。身柄逮捕されているわけであります。でありまするから、捜査当局は若狭、渡辺、大久保伊藤については偽証罪被疑濃厚なりとして捜査をされてその結果逮捕されたものと判断してよろしい。言うならば、同じく小佐野についてもこの委員会における証言偽証濃厚としていま申し上げました他の諸君と同じように捜査が続けられるというのが普通の常識じゃないか、普通の判断じゃないかと私は思うのであります。それを小佐野についてのみまだ聞いておらないとおっしゃることは、むしろどうも御答弁に素直さがないと思われるのでありまして、ついては、どうでしょう、検事総長からいま直ちに聞いてその結果を御報告願うというわけにはまいりませんかどうか。
  33. 稻葉修

    稻葉国務大臣 法務大臣から検事総長に問い合わすということでございますが、この程度のことを私から検事総長に問い合わすことはいままでずっとしてないのです。初めから重大な段階に来たら自発的に向こうから報告を受けるという方針できているものですから、私からこの件について問い合わすということはちょっと困りますな。
  34. 小林進

    ○小林(進)委員 余り長い質問はいたしませんが、ともかくいままでのは、檜山氏だけは身柄拘束されたのが直接は偽証罪ではないけれども、いまの正示委員とのやりとりで偽証が濃厚になっていることもほぼ明らかになった。ならば、いま残っているのは、ここで証人として出てまだ表面上逮捕されない者は、鬼証人、大庭、小佐野、松尾と四人であります。しかし、われわれはその四人の中で大庭証人についてはそれほど濃厚な被疑を持っておりません。偽証に対する被疑は持っておりません。しかし、鬼、小佐野に対しては、われわれはいまここで逮捕されている諸君より以上に偽証は濃厚なりという判断に立っているのであります。特に、小佐野氏については、くどいようでありまするが、いま身柄拘束中の諸君よりもこれはさらに偽証は濃厚なりという判断に立っており、また世人もそのように考えているようであります。それに対して、いまなお法務大臣が、這般の問題について事情を明らかにされていないということは、私どもどうも納得がいかないのでございますが、これ以上の御答弁をいただけないということになれば、私ども別な方法でもこの問題を処置する以外にはないというふうに考えておりまして、御答弁があれば承りますが、なければ私の質問はこれで終わります。
  35. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 次に、松本善明君。
  36. 松本善明

    ○松本(善)委員 この偽証捜査と当委員会における告発の問題は、国会証言をする場合に一切うそを言わせないという点を確立をするという点で、ロッキード事件の真相解明と同時に、非常に重要なことであるというふうに私は思っております。それについて、きょうは檜山証人の問題をまずやりましたけれども、当委員会としては、ここで証言をした証人偽証問題についても当然考えなければならないわけであります。この点につきましては、捜査当局が、この当委員会判断のためには全面的に協力をさるべきであると思いますが、いかがでしょうか。
  37. 稻葉修

    稻葉国務大臣 当委員会の国政調査権について全面的な協力をすることは当然でありますね。
  38. 松本善明

    ○松本(善)委員 そこで伺いますが、先ほど刑事課長答弁にありましたが、確認のためでありますが、松尾証人につきまして、この檜山被疑事実の中の「取締役数名と共謀のうえ」という点に、松尾泰一郎氏が入っているかどうかについてはいまは言えないのですか、その点をはっきり伺いたいと思います。
  39. 吉田淳一

    吉田説明員 先ほど申しましたように、その点につきましては現在捜査を開始したばかりでございますので、外数名の者はだれかと、たとえばお尋ねの者が入っているかということにつきましては答弁を差し控えさせていただきたいのでございますが、いまの御指摘の松尾については、私はまだ聞いておりません。
  40. 松本善明

    ○松本(善)委員 先ほども指摘がありましたが、コーチャン証言と矛盾をする証言をした者は、先ほどの指摘で、ほとんど偽証告発がされ、そして捜査がなされております。小佐野賢治証人について考えますと、これはコーチャン証言の中で骨格をなすものであります。そういたしますと、小佐野証言コーチャン証言が矛盾をしていることは明白でありますが、それがコーチャン証言が間違いだという前提で一体いままでの捜査ができるのだろうか。私は、これはいままでの捜査は、コーチャン証言の信憑性を高しとしてやらなければできないものであると考えております。この点を捜査当局はどのように考えているか、お答えをいただきたい。
  41. 稻葉修

    稻葉国務大臣 小林進さんの御質問にも、またいまあなたの御質問にも、捜査当局は一体どう考えているか、こういうことですが、わが捜査当局は非常に国会証人証言については熟知しております。全神経をこれに注いでおるわけです。それからコーチャン証言についてもそのとおりでございます。資料がこれはあるのですから。その間に矛盾があれば十分その矛盾が追及されてしかるべきものでしょうが、その点についての報告は受けておりませんけれども捜査当局に御信頼を寄せていただきたい、このことだけは申し上げておきます。
  42. 松本善明

    ○松本(善)委員 いま小林委員からすぐ検事総長、検察庁に問い合わせて報告されたいという話がありましたが、それについての答弁を前提にしてのことでありますが、われわれもここで証言をした証人についての偽証については重大な関心を持っております。それについては先ほど法務大臣は、当委員会の国政調査について全面協力をするのは当然である、こういうふうにお答えになりました。そういう点から言うならば、私はいますぐでなくても、当委員会が小佐野賢治証人やあるいは松尾泰一郎証人等について、偽証の問題について検討をするという場合には必要な資料が提供さるべきである、こういうふうに考えます。報告を受けて、必要な可能な限りの御協力を、この点について御協力をなさる意思がありますか。
  43. 稻葉修

    稻葉国務大臣 先ほど国会の国政調査権については全面的に協力すべきことは当然である、こう申しました。全面的と申しますのは、憲法を踏まえ、刑事訴訟法に違背せざる範囲内において全面的に協力するということは当然であります。それから法務大臣と検事総長以下検察当局との関係につきましても、なるべく政治介入のおそれを国民に誤解を与えないように全面的に向こうに任せてありますから、ある段階になれば報告があると思います、刑事局長なり刑事課長を通じて。その際には、その報告国会の国政調査権に基づいてそのまま材料をお出しして協力できるものかどうか、いま捜査中でございますから、捜査密行主義に反しない限りにおいて可能な限り御協力を申し上げるという気持ちでおります。
  44. 松本善明

    ○松本(善)委員 きょうの討議を検察当局にお伝えいただけますか。
  45. 稻葉修

    稻葉国務大臣 伝えます。
  46. 松本善明

    ○松本(善)委員 そしてその報告について、委員会への御協力、御報告についていつごろまでに返事がいただけるかということはお約束いただけませんでしょうか。
  47. 稻葉修

    稻葉国務大臣 はっきり日限を限ったり、いつごろまでという日限を限られることはちょっと困るのであります。
  48. 松本善明

    ○松本(善)委員 終わります。
  49. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 次に、山田太郎君。
  50. 山田太郎

    ○山田(太)委員 先ほどからの同僚委員質問並びに答弁の中で、少々補足させていただきたいことがございますので、あえて質問の座に立たしていただいたわけでございます。  そこで、先ほど正示委員から両罰規定の問題について質問をしていただきました。それは私ども質問をかわってやってもらったわけでございますが、その点についてちょっと敷衍して、ちょっと補足させていただきます。  やはり楢山氏を含めて「取締役数名と共謀」してということでございます。したがって外為法違反については、これは当然法人といたしましての丸紅株式会社外為法違反になるということがまず考えられるわけです。先ほどの御答弁では、そういうことも起こり得るというふうな何かあやふやな御答弁であったように思います。そこで、外為法七十三条では、法人の代表者が、法人の業務または財産に関し、七十条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人に対して罰金刑、これはただし書きで不正受領額の三倍までを科すると規定されているわけでございますから、したがって、取締役数名共謀の上外為法違反、しかもロッキード社の代理業務をやっているということになりますと、これは当然、起こり得るのでなくて外為法違反、両罰規定適用すべきものであると断定しても間違いないと私は思うのでございますが、その点について先ほどの御答弁は起こり得るというふうな、言葉のあやかもしれませんが少々あやふやな言葉でございましたので、その点を補足質問させていただきます。
  51. 吉田淳一

    吉田説明員 私が先ほど御説明いたしましたのは、現在その行為者につきまして捜査を続けておる段階でございまして、その事実行為の解明を待って、その結果いかんでは両罰規定適用の問題が理論上起こり得るということを申し上げたのでございます。何せ現在、檜山につきましても七月十三日に逮捕して、ただいま勾留して取り調べをしているばかりのことでございますので、これからその事実行為の解明がさらに続行されるということでございます。したがいまして、両罰規定適用につきましては、やはり事実行為がはっきり確定した上で、会社の、法人の責任が問われるということと考えておりますので、いまの段階では起こり得るという以上のことは申し上げられないのでございます。
  52. 山田太郎

    ○山田(太)委員 くどいようですがもう一遍聞きます。  この檜山氏は代表者の一人です。そこでやはりそれが外為法違反ということに確定すれば、これは当然法人も外為法違反ということになるというのは間違いないですね。
  53. 吉田淳一

    吉田説明員 それが会社業務に関して行われる以上、当然そうなると思います。
  54. 山田太郎

    ○山田(太)委員 では業務でないという場合はどういう場合が想定されるわけですか。
  55. 吉田淳一

    吉田説明員 別に事実を想定して申し上げたわけではございません。(山田(太)委員「ただ言葉だけだね」と呼ぶ)はい。構成要件としてそのことが必須の構成要件になっておりますので申し上げただけでございます。
  56. 山田太郎

    ○山田(太)委員 もう一点お伺いさせていただきます。  それは先日の当委員会で、伊藤告発のときに際しまして、私が丸紅、全日空からの政治資金の問題について質問させていただいております。その後、参議院のロッキード特別委員会で、外為法違反というふうなことにならなくても、その出た方の金については、政治資金規正法の違反についても抜かりなく捜査されているということでございました、私の調べた範囲内では。  そこで、政規法違反ということの一つの筋道といいますか、それを少々列挙さしていただきます。そうしてそれに対しての答弁をいただいて、そうしてそれにかからない場合はどうなるんだという質問を次にさせていただきます。  そこで、まず第一番目は、寄付を受けていながら報告しなかったもの、二番目は、寄付を会費と偽っているものもありはしないか、三つは、外国法人から受けているものか、政規法の問題で聞いているわけですよ。四つは、選挙時の候補者への寄付で、それが報告されていないというふうな場合のことか、このいずれを指すのか、あるいはその他にそういう政規法違反的なものがあるのかどうかという点についてまずお答えをいただいておいて、その次の質問をもう一つさせていただきます。
  57. 吉田淳一

    吉田説明員 政治資金規正法違反が成立する場合の幾つかの御指摘があったわけでございますが、念のためにお断りしておきますけれども、現在本件においてそのようなことが問題になっておるということではございませんので、その点はこの事件の捜査とは関連なく、その政治資金規正法の問題としてお答えさせていただきたいと思います。  御指摘のとおり、器付を受けて報告をしないあるいは報告書等に虚偽の記載がある、あるいは外国法人から寄付を受けたと評価される事実関係にあるというような場合は、政治資金規正法違反の問題が起こると思います。さらに選挙に関して寄付を受けた場合におきましては、一定の場合において公職選挙法においてその点が規制の対象になっていると考えております。
  58. 山田太郎

    ○山田(太)委員 その他にはありますかどうですか。
  59. 吉田淳一

    吉田説明員 なお具体的にその幾つかの法規を全部点検しなければ正確なことは言えないのでございますが、大筋はいま申し上げたことだと思います。
  60. 山田太郎

    ○山田(太)委員 もう一点お伺いしますと、いま申しましたが、たとえばこれは出る方の金、きょうは偽証罪の問題ですから、ちょっと外れたことになって恐縮でございますが、その受け取った金が出た方、この出た方は全部調査しなければならぬ、捜査しなければならぬのは当然ですが、昨日の——日にちを間違ったらごめんなさい、昨日の衆議院のロッキード特別委員会であったかと思うのですが、これは自治省の答弁が間違っておると思うわけでございます。といいますのは、たとえば法人にしろ個人にしろ、政治家の個人に政治活動用として、政治献金として金が出される。それが個人に渡った場合、それは政治活動に使ってしまって、あと全く残らない、ゼロということになれば、あるいは赤字になればこれは報告する必要がないということになっておるはずでございますが、きのうの自治省当局の答弁ではそうではありませんということで、私が心配するのは、なぜこういう質問をしたかといいますと、個人に金が出ておる、たとえば丸紅なりあるいはロッキードなりから。ところが個人で政治献金されたという場合、報告する義務も何ら課せられてない。金が残った場合のみ雑所得として報告するのであって、残らない場合はそれはする必要がないというふうに私は理解しておったわけです。法の番人の立場として、これはやはりロッキード問題に関連が深い問題ですから、この点についてはそういう場合はそれではもらい得になってしまうじゃないかというふうになる可能性があるわけです。そういう点についてお伺いしておきたいと思います。
  61. 吉田淳一

    吉田説明員 私、昨日の質疑応答をよく聞いておりませんでしたので、ただいまの問題につきましては、自治省当局が答えたことにつきまして、それが正しいのかどうか、やはり責任あるお答えをしなければいけないと思いますので、その法律問題につきましてはもう少し検訂させていただきたいのでございますが……。
  62. 山田太郎

    ○山田(太)委員 じゃあ、御答弁はないわけでございますが、他日これは御答弁あるものと思いますので、一応これで質問終わらせていただきますが、意見だけ一言言わせてください。  といいますのは、例の小佐野賢治氏、証人としてお見えになったこの小佐野賢治氏の偽証容疑は非常に濃厚である。したがって、わが党としては当然告発すべき対象になるものと、こう判断しておりますので、同僚委員から多々御質問がありましたが、その点は同じ意見でございますので、この点ははっきり表明させておいていただきます。  それからもう一つは、法務大臣から四国においての発言等々についての弁明といいますか、あるいは釈明といいますか、その点はそうであろう、当然そうでなければならぬと私ども思っておりますので、その弁明、釈明は確かに承っておきます。  以上で質問を終わります。
  63. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 これにて質疑は終了いたしました。  この際、暫時休憩いたします。     午後一時二十三分休憩      ————◇—————     午後一時二十四分開議
  64. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 これより再開いたします。  この際、証人告発の件についてお諮りいたします。  去る二月十七日に本委員会に出頭し、宣誓の上証言を行った檜山証人証言について偽証疑い濃厚なものと認め、議院における証人の宣誓及び証言等に関する法律第八条の規定により告発いたしたいと存じますが、その告発状を予算委員会調査室長をして朗読いたさせます。三樹室長。     〔専門員朗読〕      告 発 状 (案)        東京都千代田区麹町四丁目五番地            被告発人 檜山  広  右の者が昭和五十一年二月十七日、本委員会において、証人として宣誓の上行つた別紙被疑事実に示す証書は、議院における証人の宣誓及び証言等に関する法律第六条に該当するものと認め、同法第八条により本委員会の決議に基づき告発する。(関係会議録別添)   昭和五十一年七月十六日       衆議院予算委員長 荒舩清十郎  最高検察庁   検事総長布施     被 疑 事 実  被告発人は、丸紅株式会社取締役社長、引き続き同会長の職に在った者である。  本委員会は、ロッキード問題の真相究明のため、被告発人を含む関係者多数より証言を求めたのであるが、被告発人は、丸紅ロッキード社から正規の手数料以外の金を受け取ったことは絶対ない旨及び大久保利春、伊藤宏両人から、領収証にサインはしたが金品授受については一切関知していないとの報告を受け、これを確信している旨証言した。  然るに、被告発人が自社の取締役数名と共謀の上、ロッキード社クラッターから同社のためにする支払いとして現金合計五億円を受領したことを捜査当局証拠資料に基づき確認し、裁判所も当該資料を審査した結果外国為替及び外国貿易管理法違反容疑逮捕状を発行し、被告発人は、七月十三日逮捕され、同月十五日勾留された。  更に、同月十六日の本委員会における政府当局答弁及び提出資料をもとに判断するとき、被告発人の前記の証言は、偽証疑いが極めて濃厚であると認められる。
  65. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 本告発状に基づきまして檜山広君を告発することに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  66. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。  委員長において直ちに告発の手続を進めます。     —————————————
  67. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 この際、御報告いたします。  さきに本委員会において偽証疑い告発を行った若狭得治君に関し、検察当局から去る八日逮捕した旨の通知書が参りました。  また、大久保利春君に関し、去る十三日公訴提起を行った旨の処分通知書が参りましたので、御報告いたします。  なお、両通知書を会議録に掲載いたします。     —————————————
  68. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 田中武夫君より、議事進行について発言を求められておりますので、これを許します。田中武夫君。
  69. 田中武夫

    田中(武)委員 先程の正示委員質問に対して稻葉法務大臣は、議院証言法によるところの偽証については先に国会告発があることが本筋との意味の御発言がありました。委員長も御承知のように、すでに社会、共産、公明の各党から小佐野賢治君に対しまして告発の要望が出ておるわけでございます。したがって、その実現のために委員会は休憩とし、直ちに理事会において協議せられるよう動議を提出いたします。  なお、もし必要ならば、偽証の事実につきまして具体的に申し上げる用意のあることを付け加えておきます。
  70. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 ただいまの田中武夫君の御発言につきましては、理事会において協議いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。    [「異議なし」と呼ぶ者あり]
  71. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 この際、暫時休憩いたします。     午後一時三十分休憩      ————◇—————    [休憩後は会議を開くに至らなかった]