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楢崎委員 ちょっと長くなりますが、重要な部分ですから御紹介をしておきたいと
思います。訳については若干の言葉遣いの不適当なところがあるかもしれませんが、それはお許しをいただきたい。
「
日本の高官たちは、ANAの」つまり全日空の「この選択は、米英
政府に感謝されるであろうと確信している。八月のハワイ会談で、ニクソン大統領は
田中首相に、飛行機を含め
アメリカ製品をもっと輸入するよう強く要請した。これは、
アメリカの貿易赤字を減らすためにである。東京の大手新聞「読売」を含め
日本の数社の新聞社が、ニクソンはロッキード社の経営存続に特別な
責任を感じて、
田中との会談でも特に
トライスターを称賛した」。
だから、これによりますと、
トライスターをハワイ会談で称賛していることになっていますね。いいですか、話が出ておるわけですよ。いまの
大平大蔵大臣のお言葉と完全に違っておる。
「九月にはイギリスのヒース首相が、やはり貿易収支の赤字を嘆き、東京でのじきじきの会談で、
日本の高官たちに、ロールス・ロイス社のエンジンを備えておる飛行機を買うよう促した。」。やはり
田中・ヒース会談でもこのロールス・ロイス社のエンジンを備えた飛行機、すなわち
トライスターを買うように促した。やっぱり話が出ておるわけですよ。すべて
大平蔵相の言われることと違うわけであります。
「
日本側は、」、この「
日本側」というのは
田中前
総理かもしくは
日本政府高官であります。「
日本側は、これらの要請を真剣にとって、ニクソンとヒースの両者を満足させる方法は、
日本が
トライスターを買うことだと考えた。長年の希望、それをかなえるために、
日本のプレスの報道によると、
田中は全日空の長年の夢の
一つ、アジア地域での海外ルートを認めることにした。交渉に当たって、
米国の三大競争会社の
日本の代理店をしている主要商社の役員たちは、
日本人からは、」、この「ザ・ジャパニーズ」と書いてありますこれは、前後の文脈からいいますと
田中前
総理もしくは
政府高官であります。「
日本人からは、ロ社が特別な配慮を受けていると述べている。全日空の
トライスター購入決定について、
日本国際運送業者副会長であるJALのフキニシ・トールは、「この選定にはちょっと驚きを感じている」と述べた。JALは先週、ショートレンジ、」、SRですね、すなわちこれは747SR、いま飛んでおる
日本航空のエアバスであります。「ショートレンジ型のボーイング747を四機購入した。全日空もロッキードも
政治的圧力は全面否定しており、全日空は、
トライスターのエンジンの音が静かなので選んだと言っておる。ところが、実際に
大阪で行ったテストでは、
トライスターのエンジンはDC10に比べても特に静かではない。さらに、
トライスターのエンジンはDC10に比べ、三倍の割りで整備調整されなければならない。また、先ほどのテストで、
トライスターのロールス・ロイス・エンジンはDC10より燃料を食うことがわかった。(一部改良されるところだが)全日空の購買により、ロッキード社は、この取引の結論が出るまで、据え置きになっていた……」というような個所があるわけですね。
これをわざわざ、この二月四日の
チャーチ委員会の重要な
資料としてここに添えられておるということは、先ほど申し上げたとおり、ロッキード社の賄賂
事件がどう流れて、一体
政府高官のどこに流れついたか、それを探るために重要な
資料としてこれを位置づけておる、こう見ざるを得ないのであります。しかも、この全
資料の中で
田中総理という名前が出てくるのはこの一カ所であります。だから私は、十六日の
証人喚問の日に、あえてさりげなく、ハワイ会談の実情あるいは随行者等を
小佐野氏に確認をしたのであります。これも
真相究明の過程においてどのような意味を持つかは、今後日米のそれぞれの
真相究明によって明らかになる、このように私どもは思わざるを得ないのであります。
そこで大、平蔵相にお伺いをいたしますが、私が昨年十月二十三日に当
委員会でこの問題を取り上げて以降年末までに、全日空及び
丸紅に対して
国税局から
調査をされましたか。