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1976-02-17 第77回国会 衆議院 予算委員会 第15号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十一年二月十七日(火曜日)     午前十時九分開議  出席委員    委員長 荒舩清十郎君    理事 井原 岸高君 理事 小山 長規君    理事 塩谷 一夫君 理事 正示啓次郎君    理事 山村新治郎君 理事 小林  進君    理事 楢崎弥之助君 理事 松本 善明君    理事 山田 太郎君       伊東 正義君    上村千一郎君       植木庚子郎君    江崎 真澄君       小澤 太郎君    大野 市郎君       奥野 誠亮君    北澤 直吉君       倉成  正君    黒金 泰美君       櫻内 義雄君    笹山茂太郎君       瀬戸山三男君    田中 龍夫君       谷垣 專一君    西村 直己君       根本龍太郎君    野田 卯一君       藤井 勝志君    保利  茂君       前田 正男君    松永  光君       森山 欽司君    安宅 常彦君       阿部 助哉君    石野 久男君       大出  俊君    岡田 春夫君       川崎 寛治君    田中 武夫君       多賀谷真稔君    堀  昌雄君       安井 吉典君    湯山  勇君       横路 孝弘君    野間 友一君       東中 光雄君    正森 成二君       近江巳記夫君    坂井 弘一君       鈴切 康雄君    渡部 一郎君       河村  勝君    小平  忠君       永末 英一君     ————————————— 委員の異動 二月十七日  辞任         補欠選任   阿部 昭吾君     川崎 寛治君   岡田 春夫君     大出  俊君   多賀谷真稔君     横路 孝弘君   林  百郎君     正森 成二君   近江巳記夫君     鈴切 康雄君   坂井 弘一君     矢野 絢也君   永末 英一君     小平  忠君 同日  辞任         補欠選任   大出  俊君     岡田 春夫君   川崎 寛治君     阿部 昭吾君   横路 孝弘君     多賀谷真稔君   野間 友一君     林  百郎君   鈴切 康雄君     渡部 一郎君 同日  辞任         補欠選任   渡部 一郎君     正木 良明君  委員外出席者         証     人         (丸紅株式会社         会長)     檜山  広君         証     人         (丸紅株式会社         専務)     大久保利春君         証     人         (丸紅株式会社         専務)     伊藤  宏君         証     人         (丸紅株式会社         社長)     松尾泰一郎君         予算委員会調査         室長     三樹 秀夫君     ————————————— 本日の会議に付した案件  昭和五十一年度一般会計予算  昭和五十一年度特別会計予算  昭和五十一年度政府関係機関予算      ————◇—————
  2. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 これより会議を開きます。  昭和五十一年度一般会計予算昭和五十一年度特別会計予算昭和五十一年度政府関係機関予算に関し、ロッキード問題について証人より証言を求めることといたします。  この際、委員長より申し上げます。  昨日の委員会における委員発言中、軽々に同僚議員名前を出し、あたかもロッキード事件に関与しているかのごとき印象を与えたことは、議会の権威のためはなはだ遺憾である。(発言する者あり)  議員発言については、今後厳に人権尊重に留意されるよう要望いたします。(発言する者あり)     —————————————
  3. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 本日出頭証人は、檜山広君、大久保利春君、伊藤宏君、松尾泰一郎君、以上四名であります。  なお、本日出頭を求めておりました児玉譽士夫君から、去る十四日、前尾議長あてに、医師診断書を添え、書面をもって病気のため出頭できない旨の申し出があり、議長より委員長に通知がありました。  この際、診断書を朗読いたします。     診 断 書               児玉誉士夫殿    マル明・大・昭四十四年二月十八日生  一、病名 脳血栓による脳梗塞後遺症急性悪化状態。     附記    現在の症状、徴候は別紙のとおりであり、過度精神的緊張(ストレス)は、再び脳卒中発作を引きおこす可能性がある。過度精神的緊張の原因となるような会議への出席には耐えられない状態考える。   右の通り診断致します    昭和51年2月13日       東京都新宿区市谷河田町十番地         東京女子医科大学附属           脳神経センター             医師 喜多村孝一  なお、喜多村孝一医師榊原仟医師より所見を添えられております。  また、理事会の決定により派遣いたしました医師団からも診断書が参っております。  この際、これを朗読いたします。     診 断 書               児玉誉士夫殿         明治四十四年二月十八日生  一、病名 脳血栓による脳梗塞後遺症     神経症状左片麻痺・著明な視野障害皮質性光覚過敏および見当識計算力障害など)のため国会における質疑応答には肉体的、精神的に耐え難いと判断する  右の通り診断する    なお診断時の諸症状別紙の通りである   昭和五十一年二月一六日       東京慈恵会医科大学第三内科             医師 上田  泰       東邦大学医学部第四内科             医師 里吉榮二郎       東京慈恵会医科大学第三内科             医師 下條 貞友  児玉証人の不出頭の件につきましては、理事会において協議の上、決定いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。  それでは、証言を求める前に証人に一言申し上げます。  昭和二十二年法律第二百二十五号、議院における証人宣誓及び証言等に関する法律によりまして、証人証言を求める場合には、その前に宣誓をさせなければならないことになっております。宣誓または証言を拒むことのできるのは、証言が、証人または証人配偶者、四親等内の血族もしくは三親等内の姻族または証人とこれらの親族関係にあった者及び証人の後見人または証人の後見を受ける者の刑事上の訴追または処罰を招くおそれのある事項に関するとき、またはこれらの者の恥辱に帰すべき事項に関するとき、及び医師歯科医師、薬剤師、薬種商、産婆、弁護士、弁理士弁護人公証人、宗教または祷祀の職にある者またはこれらの職にあった者がその職務上知った事実であって黙秘すべきものについて尋問を受けたときに限られておりまして、それ以外には証言を拒むことはできないことになっております。しかして、証人が正当の理由がなくて宣誓または証言を拒んだときは一年以下の禁錮または一万円以下の罰金に処せられ、かつ宣誓した証人が虚偽の陳述をしたときは三月以上十年以下の懲役に処せられることとなっております。  一応このことを御承知になっておいていただきたいと存じます。  それでは、法律の定めるところによりまして、証人宣誓を求めます。全員起立。     〔総員起立
  5. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 檜山君、代表して宣誓書を朗読してください。
  6. 檜山広

    檜山証人      宣誓書  良心に従つて、真実を述べ、何事もかくさず、又、何事もつけ加えないことを誓います   昭和五十一年二月十七日                檜山  広
  7. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 それでは、証人宣誓書署名捺印を願います。——御着席を願います。     〔証人宣誓書署名捺印
  8. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 これより証言を求めることになりますが、証言は、証言を求められた範囲を超えないこと、また、発言の際には、その都度委員長の許可を得てなされるようお願いいたします。  なお、こちらから質問をいたしておるときは着席のままで結構でございますが、お答えの際は起立して発言してください。  なお、委員各位に申し上げます。  本日は、申し合わせの時間内で国政に係る重要な問題について証人より証言を求めているのでありますから、不規則発言等、議事の進行を妨げる言動のないよう御協力をお願いいたします。  証言を求める順序は、檜山広君、大久保利春君、伊藤宏君、松尾泰一郎君の順序でお願いいたします。  檜山君以外の方は、控え室でしばらくお待ち願います。     —————————————
  9. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 これより証人に対して証言を求めます。  まず、委員長より所要の事項についてお尋ねいたします。その後で委員各位の御発言を願うことといたします。  私からお尋ねをいたします。  まず、あなたは檜山広君でありますか。
  10. 檜山広

    檜山証人 そうでございます。
  11. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 住所、職業、生年月日をお述べください。
  12. 檜山広

    檜山証人 東京都千代田区麹町四丁目五番地。丸紅株式会社会長明治四十二年十二月十八日生まれ。
  13. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 丸紅ロッキード社代理店になったのはいつからですか。
  14. 檜山広

    檜山証人 基本契約昭和三十三年に行われて締結されていると思います。
  15. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 トライスター売り込みについて、丸紅ロッキード社と結んだ契約書はどんな内容でありますか。特に、手数料は何%の契約になっておりますか。  なお、一機当たりの金額幾らぐらいになっておりますか、お答えを願います。
  16. 檜山広

    檜山証人 トライスターそれ自体に対する契約内容は私はよく存じておりませんが、契約が、三十三年からずっと年を経るに従って、その機種の変更とかいろいろなことで、その都度修正あるいは改正されておる状況でございます。  大体、手数料はそのケースによって異なると思いますが、平均して〇・七から〇・八%となるだろうと思います。
  17. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 〇・八%というのですか。
  18. 檜山広

    檜山証人 〇・七あるいは〇・八%ぐらいに平均して売り上げの価格に相当するのではないか、こういうふうに思います。
  19. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 あなたは丸紅取締役会長さんでしょうが、大体幾らぐらいということはちょっとおかしいと思うのですが、一機について〇・七%あるいは〇・八%、こういうことに承知していいんですか。
  20. 檜山広

    檜山証人 それで結構です。
  21. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 丸紅がいままでに受け取ったトライスター手数料は総額で幾らになっておりますか。
  22. 檜山広

    檜山証人 実際入手した金とこれから全部契約を完了した場合との合計が三百二十二万ドルということを聞いております。
  23. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 聞いているというのはおかしいんじゃないですか。あなたはよく御承知になっておるんじゃないでしょうか。
  24. 檜山広

    檜山証人 いや、現在全部、会計計理士帳合いによって三百二十二万ドルということになる、およそ三百二十二万ドルになるということを聞いて、承っております。それに間違いはありません。(発言する者あり)
  25. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 私が質問しているんですから、お静かに願います。  丸紅では、正規の手数料以外の金をロッキード社から受け取ったことがありますか。はっきりお答え願います。
  26. 檜山広

    檜山証人 絶対ございません。
  27. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 そのほか、一機について幾らというような手数料はないですか。ありますか。
  28. 檜山広

    檜山証人 ありませんと思います。
  29. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 あなたは児玉譽士夫君がロッキード社の代理人であることを知っておりましたか。
  30. 檜山広

    檜山証人 全然知っておりません。
  31. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 児玉譽士夫という人をあなたは知っておらなかったですか。知っておりましたか。
  32. 檜山広

    檜山証人 全然会ったこともなければ、知りもいたしません。
  33. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 小佐野という人を知っておりますか。
  34. 檜山広

    檜山証人 全然知りません。
  35. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 代理店である丸紅児玉君との関係は全然知らないということですが、本当に知りませんか。
  36. 檜山広

    檜山証人 全く知りません。もう先方の方に聞いてもらって、私ここで見てもらっても結構です。全然知りません。
  37. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 電話でも連絡をとったこともありませんか。
  38. 檜山広

    檜山証人 もちろんございません。
  39. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 なお、重ねてお尋ねしますが、特にロッキード社飛行機売り込みについて児玉君あるいは小佐野君と連絡をとったことは、電話でもあるいは何も一遍もございませんか。
  40. 檜山広

    檜山証人 ただいま申し上げましたように全然知りませんので、全くございません。
  41. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 あなたは、去る二月六日の米国上院外交委員会の多国籍企業小委員会公聴会において、ロッキード社コーチャン氏は、日本児玉君及び小佐野君とたびたび会って航空機売り込みについて相談したと証言しておりますが、あなたがこういう会合に——会ったことがないというのですから、もちろん会合に同席したこともないというお答えかもしれませんが、少しコーチャン氏の証言と常識で判断して違いがあるように私は推測できるんですが、その点いかがでございますか。
  42. 檜山広

    檜山証人 全く、全然そういうことに、会合に出たこともありませんし本当に知りません。
  43. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 あなたは次期対潜哨戒機ロッキード社のP3Cを採用させるため、政府関係者に、あるいは政府高官に、あるいは政治家に働きかけたことがありますか。あるいはこのことで相談を持ち込んだことがありますか、ありませんか。
  44. 檜山広

    檜山証人 全然ありません。
  45. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 政府高官に、対潜哨戒機についてロッキード社のP3Cを採用してくれとかあるいはこれを買い入れるようにというようなことを、電話でもお話しになったことはございませんか。
  46. 檜山広

    檜山証人 ございません。
  47. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 あなたは、大久保利春君と伊藤宏君が、ピーナツピーシズというのですか、ユニットというのですか、という符牒を用いた領収証にサインしたことを知っておりましたか。あるいは知っていませんか。あるいは知っていたとしたら、ピーナツとかピーシズとかユニットとかという私どもにも全然わからない符牒等について、あなたの知り得る範囲のことをお聞かせ願いたいと思います。
  48. 檜山広

    檜山証人 全然知っておりませんでした。アメリカ公聴会のあの献金問題の情報の後で報告を受けました。
  49. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 あなたは丸紅取締役会長として、新聞等にそういう字が毎日掲載されており、あるいはアメリカ公聴会においても、そういう領収証というのですか受取というのですか、何回も何回もそれが発表になっているようですが、そういうことに関してどんな気持ちでおいでになりましたか。
  50. 檜山広

    檜山証人 非常に事の意外に驚きまして、何遍も両人に事実どうなのかということを追及しましたが、自分たち書類にサインをしております。ただし金品の授受は一切関知しない、こういう報告を受けましたので、私もそれを確信しておる次第でございます。
  51. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 あなたの会社では、飛行機以外の外国との取引でも、ピーナツとかピーシズとかユニットとか、そういう暗号をお使いになっておりますか。
  52. 檜山広

    檜山証人 全然ありません。
  53. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 では、この飛行機だけについてそういうことが新聞等発表になり、あるいはアメリカ公聴会でそういう発言があったことについて、どういうお考えでございますか。
  54. 檜山広

    檜山証人 非常に異常に感じました。
  55. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 次に、アメリカ公聴会コーチャン氏は、あなたか大久保専務ですか重役ですか、大久保重役のどちらかが、日本において航空機売り込みを成功させるためには政府当局へ金を支払う、あるいは賄賂といいましょうか、何というのですか、とにかく政府当局に金を持っていかなければならないという勧めをしたというコーチャン氏の証言、そういう発言があったようでございます。また、そういうことを疑られるような発言がありましたが、これに関して、あなたは政府にそういうような勧告をしたことがございますか。ありませんか。どちらですか。
  56. 檜山広

    檜山証人 全然ございません。
  57. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 また、そういうことを示唆したこともございませんか。
  58. 檜山広

    檜山証人 全くございません。
  59. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 コーチャン氏にあなたはお会いになったことがございますか。
  60. 檜山広

    檜山証人 ございます。
  61. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 何度ぐらい会われましたか。
  62. 檜山広

    檜山証人 古いことですから何度ということははっきりはわかりませんが、いずれにしましても、このトライスター交渉が始まってからは二、三回だと思います。
  63. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 その場合に、政府高官等に金を持っていかなきゃならない、持っていかなきゃ売れないぞ、契約ができないぞというようなことをあなたの会社の、まあ、あなたか、ほかの重役か、担当者か、いずれにしてもそういうことをコーチャン氏に進言したというんですか、勧めたというんですか、そういうことはありましたか。ありませんか。
  64. 檜山広

    檜山証人 そういうばかなことは絶対ありません。ただ私が、二、三回でも、コーチャンさんが夫妻でやってきたときに私のビルのレセプションルームで御飯を一回ごちそうした、あとはコーティシービジットに私の方へ来られたとか、そういうことで、絶対そういうことをお話ししておりませんし……。
  65. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 コーチャン氏はまた、約二百万ドルが丸紅の役員を通じて政府当局者に支払われたと証言しているが、あなた自身その仲介をしたことがありますか。あるいはまた、会社の人でそういうことを仲介した重役がありますか。その点をはっきりお聞かせ願いたい。
  66. 檜山広

    檜山証人 ございません。
  67. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 二百万ドルという金額までコーチャン氏は挙げておるのですが、そういうことについてコーチャン氏からも全然話はなかったか。あるいは電話等そういうようなことで連絡もありませんでしたか。
  68. 檜山広

    檜山証人 全然ございません。
  69. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 あなたは、このことに関して社内で事実の究明をなさったか。あるいはまた、コーチャン氏のアメリカ議会における発言等について、そういうような事実等について重役間で相談をしたことはございませんか。
  70. 檜山広

    檜山証人 重役間では相談はしておりませんが、私自身余りにも信用というか、りっぱな経営者だと思っておったのにこういう証言をされたということに対して、事の意外に非常に驚きまして、私の気分としては何とか告訴でもしたいというふうな気分でおりますが、しかし、先般私に対しておわび手紙もいただいておりますし、あるいは法律的にどういうことになるのか、慎重に検討して対処をしたいという考えでおります。
  71. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 コーチャン氏のおわび手紙という、その文面の内容は、端的に言ってどういうことを書いてよこしましたか。時間の関係上、要点だけで結構です。
  72. 檜山広

    檜山証人 要するに、非常な公聴会のいわゆるプレッシャー、アトモスフィアというかサーカムスタンス、まあ、こういう言葉を使っていますが、そういうもとでああいう証言をして、迷惑かけてまことに相済まない、このことが私ども二人にとっての友情にひびの入らぬことを期待しますというようなことでございます。(発言する者あり)
  73. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 ちょっと静粛に願います。  あなたの発言されることとコーチャン氏の証言とは全然違っております。したがって、あなたは、コーチャン氏の証言等について法的な処置、いわゆる告訴をするというような手段をお考えになっておりますか。また、名誉のためにそういう手段をとろうという決意がありますかどうか、お聞かせ願いたい。
  74. 檜山広

    檜山証人 決意を持っております。
  75. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 ちょっともう一遍はっきり。コーチャン氏の証言は、政府高官に二百万ドル持っていくように支払われたというような紛らわしい証言になっておりますので、そういう点について、法的処置を講ずる、告訴をするというようなことをお考えになっておるかどうか。はっきりひとつその点を証言願いたい。
  76. 檜山広

    檜山証人 このような重大問題を、向こうからの公聴会の原文を見ますと、いろいろなことをこういう人から勧められておるが、しかしまた、特に名前を言えというならミスター檜山かあるいは大久保自分交渉を持っていった大久保かもしれない、こういう不定見なあいまいきわまりないことを申し述べておるということに対して私は腹が立って、そういう法的手段で訴える、こういう考えでおります。
  77. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 そうすると、もう一遍重ねてお尋ねしますが、コーチャン氏との食い違いについて法的処置を講ずるという現在はお考えでおりますな。どうぞお願いいたします。
  78. 檜山広

    檜山証人 慎重に検討して、そういうつもりでおります。
  79. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 以上で私からお尋ねすることは終わります。  次に、委員から発言申し出がありますので、それぞれの持ち時間の範囲でこれを許します。奥野誠亮君。
  80. 奥野誠亮

    奥野委員 最初に自民党を代表いたしまして、きのうの共産党東中委員増原恵吉参議院議員に係る発言に対し、次の事由によりまして発言の取り消しの要求をいたします。  一つ、元防衛庁長官増原恵吉参議院議員後援政治団体として岳陽会なるものはありません。その名称はきのう初めて聞かされたものであります。  一つ、元防衛庁長官増原恵吉参議院議員は、小佐野賢治氏と面識はありません。また、日本電建より、個人としても後援団体としても一切の寄付を受けたことは絶対にありません。元防衛庁長官増原恵吉議員後援会日本電建より政治献金を受けたという発言は、事実に反するものであります。  東中議員質問資料とした国政出版室発行政治資金全書記載されている岳陽会なる団体増原恵吉議員後援団体である旨の記載は事実に反するものであり、自治省の届け出書類にも増原恵吉議員後援団体である旨の記載はありません。岳陽会代表者である日野昇氏と、増原恵吉議員後援団体である内外政治経済研究会会計責任者である日野昇氏とは、同一人物であることは東中委員の御指摘のとおりでありますが、これは日野昇氏が昭和三十四年一月から昭和四十年六月三日まで増原恵吉議員秘書をしており、その間昭和三十七年六月五日、内外政治経済研究会を設立、その会計責任者として届け出ましたが、昭和四十年六月三日をもって増原恵吉議員秘書をやめ、福家俊一元代議士の秘書となったものであります。岳陽会資料によれば、昭和四十五年に設立されており、その代表者である日野昇氏は、その時点で増原恵吉議員とは全く関係はありません。岳陽会の集めた資金は、福家俊一氏のための資金であり、増原恵吉議員とは……
  81. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 そこをはっきり……。
  82. 奥野誠亮

    奥野委員 福家俊一氏のための資金であり、増原恵吉議員とは全く関係ありません。日野昇氏が増原恵吉議員秘書をやめた際、内外政治経済研究会会計責任者変更届け出すべきでありましたが、これをそのまま現在まで変更届けをしなかったことは、手落ちがあったと思います。しかし、岳陽会内外政治経済研究会は全く無関係であり、岳陽会に対して寄付をしていると記載されている内外政経研究会は全く別の団体であります。内外政治経済研究会から岳陽会寄付行為をした事実は全くありません。したがって、東中議員発言は事実を正確にとらえたものではなく、このたびのロッキード事件に関連して増原恵吉元防衛庁長官日本電建小佐野賢治氏より政治資金を受けたがごとき誤解を与えたものであって、まことに遺憾であるので、明確に発言を取り消すように要求をいたします。委員長いかがでしょうか。
  83. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 理事会に諮りまして適当な処置をとります。
  84. 奥野誠亮

    奥野委員 それでは証人に対しましてお尋ねをしてまいります。  ただいま委員長証人との応答を伺っておりまして、全く異様な感じを受けました。率直に申し上げまして異様な感じを受けました。あるいは、アメリカ国会における証言というものをほぼ一〇〇%うのみにしてかかっている私たちの姿勢にもあるいは問題があるかもしれないとも考えるわけでありますけれども、率直に申し上げましてそういう感じをうけたわけでございます。アメリカ国会におけるロッキード関係者証言といまの証言との間で基本的に食い違っている点、私は二点指摘したいと思うのであります。  その一点は、アメリカ国会におきましては、丸紅伊藤専務が百個のピーナツを受けたという領収証にサインをされた、それは一億円ということなんだ、その金は伊藤氏を通じて政府職員に渡されているんだ、こういう式の発言があり、そういう裏工作のための金を約二百万ドル丸紅関係者に渡されている、こう言われているわけであります。これに対しましてただいまは、全くそんな金は受け取っていないというお話がございました。  もう一つは、ロッキード社コーチャン社長は、日本において飛行機を売り込むためには裏金を使うことがそれを成功させるために必要なんだという助言を檜山証人とあるいはまた大久保氏であったかもわからないが、どちらかから示唆を受けたんだ、こう言って、自分の行動のどちらかといいますと正当化と言いましょうか、まあそういう裏づけにしておられるようでございます。しかし、そんな示唆を与えた覚えは一切ない、こうおっしゃったわけでございます。  私は、この二点が基本的に食い違っているようにいまの応答を伺いながら感じたわけでございますので、いまの二点について私が指摘しましたとおりに、そのとおりであるかどうかということを明確にしていただきたいと思います。
  85. 檜山広

    檜山証人 先ほど委員長の御質問お答えいたしましたように、あのピーナツなる書類のサインという問題が起きましてから、本人によく尋ねました。しかし、先ほど申し上げましたように、実際に金品の授受が伴っておらないのだということで、私はそれを確信しておるものですから、そういうことで先ほどのような答弁をいたしました。  なお、コーチャンのそういう何か裏金が必要だろうというようなことに対して、私もずっとこの原文を見てみたのですが、どうもいろんな人に日本ではそういうことを聞いているんだ、しかし、ずっと追い詰められていって、まあ名前を言うならというようなことで「アイザー ツー メン アット マルベニ」云々と、こういうふうに何かいま先生のおっしゃられたような、追い込められて自分の知っているような名前をただ述べたというような感じがしてならないのです。したがって、コーチャンからいただいたその手紙といろんなものを総合して私が判断しておるのですが、非常にそういうことで追い込められての証言だとは思いますが、先ほど申し上げましたように、私も納得がいきませんので、必ずそういう何かの手段で、法的な手段であろうが何であろうが、これは私自身としても追及していきたい、こういう考えで申し上げたのでございます。
  86. 奥野誠亮

    奥野委員 いまの二点の食い違いは、非常に重要な問題でございます。でありますから、檜山証人伊藤専務大久保専務にただしただけのことではなしに、丸紅の全役員について当然ただされるべき性格のものだと思います。ただされたかどうか、またその結果がどうであるかということを簡明にお答えをいただきたいと思います。
  87. 檜山広

    檜山証人 お答えいたします。  早速全役員を招集しまして全部に尋ねました。しかし、結局全部そういうことはないという報告でございます。
  88. 奥野誠亮

    奥野委員 私は、ピーナツでありますとか、ユニットでありますとか、ピーシズでありますとか、暗号めいたものの領収証丸紅の企業責任者がサインをされている、これは本当に重大な問題だと思います。これはまた伊藤専務大久保専務に私はしさいに尋ねたい点でございます。     〔委員長退席、正示委員長代理着席〕 細かいことを申し上げませんが、私は、丸紅の体質を疑われるような事件だ、このようなサインはそういう性格のものだ、こう思っておるものでございまして、丸紅にとってもこの点は私は何と言われても致命的な問題点じゃないか。かように考えますので、そこの点だけひとつお答えをしておいていただきたいと思います。
  89. 檜山広

    檜山証人 お答えいたします。  全く軽率と申しますか、こういうことが起こり得るわけがないと思うような事件でございます。いずれにしましても、こういうことが起きましてまことに世間を騒がし、また、わが社の企業イメージの低下ということに非常に大きな打撃を与えているということにつきまして、まことに遺憾だと思っております。したがいまして、私としましても、今後かかることの再度絶対に発生ないように、今後とも管理体制をますます強化していきたい、こういう考えでおります。
  90. 奥野誠亮

    奥野委員 アメリカ国会におけるロッキード関係者証言と、日本国会における丸紅檜山会長証言とが一〇〇%食い違ってしまいました。私は日本人でありますから、日本国会における日本人の発言証言、これを信用したいのであります。信用したいのでありますが、このようなピーナツとかユニットとかピーシズ領収証がある限りすぐには信用してかかれない。大変残念なことでございます。ことに約二百万ドルの裏工作の金が丸紅関係者に渡され、それを通じて政府の職員などに渡っているということになってまいりますと、あるいはその結果贈収賄の犯罪人が出てくるかもしれない、刑事犯罪人が出てくるかもしれないというような大変な事態になってまいるわけでございます。それだけにまた委員長もくどく檜山証人に、これに対してどういう対応策をとるのかというお尋ねがございました。大変きっぱりした檜山証人の御発言があったように思うわけでございます。それにしましても、いまロッキード社コーチャン社長の手紙、若干お触れになりました。私やっぱり正確に全部お読みいただいておいた方が今後の判断に役立つのじゃないかと思いますので、訳文で結構でございますから、訳文をここで読み上げていただけませんでしょうか。
  91. 檜山広

    檜山証人 ここに持っておりますので、私の下手な訳よりは、むしろもしあれでしたら原文を後でごらんになっていただいてはどうかと思います。ここでまだ訳文もしてませんし、そのままコーチャンの肉筆になっておるのでまだあれですから、英語で言うのもあれでしょうし、またもしなんでしたら訳文にしてお届け……(発言する者あり)そういうふうに……。これは英文そのままになっているのです。もし、よろしかったらば訳文にさして、委員長のあれならば原文でも……。
  92. 奥野誠亮

    奥野委員 檜山証人お尋ねいたしますが、その原文を委員長にお渡しをいただいて、委員長から原文の写しと訳文をつけて委員に配付するという方法をとらしていただけないものでしょうか、お伺いをいたします。
  93. 檜山広

    檜山証人 お答えいたします。  それで結構であります。
  94. 奥野誠亮

    奥野委員 日本飛行機売り込みを成功させるためには裏金を使う必要があるのだということを檜山証人たちが助言されたということに対しまして、そんなことは言わないというお話がございました。言わないというお話がございましたが、檜山証人日本の実態をそのようにお考えになっているかどうかということについてただしておきたいと思います。
  95. 檜山広

    檜山証人 お答えいたします。  私は、余りそういうことは必要はないのじゃないか、こう考えます。
  96. 奥野誠亮

    奥野委員 余り明確なお答えじゃないようでございまして、必要がないと言われますと、私はもう少し突っ込んでお話をいたしたいと思います。裏金が必要だということを私はこういう性格のことになると思うのであります。日本の航空会社は「飛行機の機種の選定に当たりまして、航空機の騒音公害がどの程度であるか、安全性がどの程度であるか、経済効率がどの程度であるかというようなことよりも、金銭を選ぶのだということになるのであります。あるいはまた、日本の防衛庁は、政治家の圧力があれば、日本の安全保障よりも、防衛能力の向上よりも、権力に迎合するのだということになるわけであります。こういうことにつながるのでございまして、まことに日本は危険な社会だ。檜山さんのお話を伺いますと、そういう危険な社会であるかもしれない、よくわからないというようなお答えであったように思いまして唖然としたわけでございます。もしそういう社会でありますならば、社会に対する国民の信頼感は完全に喪失してしまいます。まさに日本の崩壊、自由社会の崩壊につながっていくという重大な内容のものである、私はこんな考え方を持っているわけでございます。そのような日本でありますならば、国際社会の信用も失ってまいるわけでございます。  特に加えて申し上げたいことは、政府の職員に裏金を渡していく、それはこういう活動を通じまして日本の社会に経済犯罪人をつくっていくのだということであります。コーチャン氏の活動を通じまして日本の官界を腐敗させていくのだということであります。そんなことを公然とコーチャン社長はアメリカ国会証言しているわけであります。憤りを感じます。しかも、檜山証人は必ずしも明確には、そんな社会とは思っていないとは言い切りませんでした。私はこんなロッキードの会社代理店契約を結んでいられる丸紅の姿勢について大変な疑問を持ち出したところでございます。お答えをいただきたいと思います。
  97. 檜山広

    檜山証人 お答えいたします。  ただいまの私のあいまいなような返事になりましたが、絶対そんなことは——要らないということは要するにあり得ないということを申し上げたので、まことにそれはあれします。  と同時にまた……(発言する者あり)
  98. 正示啓次郎

    ○正示委員長代理 静粛に願います。
  99. 檜山広

    檜山証人 また、そういうコーチャンの先ほどの証言が、私が申し上げましたように、その証言に対して私も全然そういうことがあり得ないということを申し上げておるので、先生がいま申されましたように、何かの手段で本当に彼が何を言ったのかということをそういう意味ではただしたい。また、ただす。それからまた、丸紅としても、後ほど社長が方針を述べると思いますが、私自身もいまにでもこのロッキードとの代理店契約を、こういう会社であるということならば、破棄しなければいかぬということで、すでに破棄するということも新聞紙上で社長も公表しております。ただ、その手段としてはどういうふうにするかは別として、いずれにしても私どもの相手になる当事者ではないということが今回の事件で大体判明してきましたので、私どもとしても、そういう代理店契約の破棄ということに当然なっていくだろうと思います。この最終的な決定は、社長が決定するものと思います。
  100. 奥野誠亮

    奥野委員 いまのお答えを聞いておりますと、檜山証人はこういう場所における発言になれていない、自然、若干私が誤解したということもあるのかもしれません。  私は、総合商社の功績というものを高く評価しているものでございます。明治からわずかに百年、そして日本の経済力をここまで持ち上げたことにつきましては、日本独特の総合商社が果たしてきた役割りというものを評価しているものでございます。資源のない国に産業を興し、製品を海外に売ることで資源や国民生活に必要なものを入れる。そして貿易立国。製品を海外に売ることで資源や国民生活に必要なものを入れる。語学や国際的商慣習などで、一般の日本人では費用がかかってできないことを、まとめて国際的に物的流通を果たしていく。そして、極東の離れたところで先進国の仲間入りをさせたことについては、私は総合商社の功績を買っていいと思うのであります。しかし、ついこの間、商社批判のあったばかりであります。買い占め、売り惜しみ、過度な株や土地の売買、ことに丸紅はモチ米のことで食管法違反まで指摘されたばかりのところでございます。そしてまた今日こういう問題が起こったということになりますと、私は、商社すべてとは言いません、少なくとも丸紅のモラル、真剣に考え直していただかなければならないのではないだろうか。こう思うわけでございまして、これらの点につきましての御反省を聞かせていただきたいと思います。
  101. 檜山広

    檜山証人 お答えいたします。  ただいま先生からのお話のように、私自身としましては、先生から申される以上に真剣に反省に反省を重ねておる次第でございます。御理解をお願いしたいと思います。
  102. 奥野誠亮

    奥野委員 今度の問題が起こりましてから、日本政府アメリカ政府に対しまして、日本関係するあらゆる資料をよこしてもらいたいという申し入れをいたしております。自由民主党もまた、いち早く濱野調査会を発足させたわけでございます。そして、政府職員の名も含めた日本関係するあらゆる資料政府においてアメリカ当局からもらってもらう、それを督励していこう。同時にまた、政府におきます各関係機関の調査、これを鞭撻していこうじゃないか。同時にまた、自民党自身も積極的に調査を行っていこう、こういう姿勢をとっているわけでございます。しかし、いまの御発言を伺いながら、檜山証人発言アメリカ国会におけるロッキード関係者発言との間には大きな食い違いがございます。そうなりますと、丸紅当局がむしろ進んで積極的にこの食い違いを解明されなければならない。あるいはされているかもしれません。それらのことについて明確にお話を伺いたいと思います。
  103. 檜山広

    檜山証人 お答えいたします。  これは丸紅の浮沈に関係することでございますので、必ずいま先生のおっしゃったような方向で、できるだけの資料なり、本質に突っ込んでいってこれを解明したい。こういうことに専念していきます。そういう方面で大いに努力いたしたいと思います。
  104. 奥野誠亮

    奥野委員 松永委員の関連質問がございますので、私はあと一つだけ申し上げまして譲りたいと思いますが、この問題が起こりまして、ロッキード社から世界各地にばらまかれた多額の裏工作のお金、その多額の裏工作の金の非常に大きな部分が日本において流されておったということになってまいったわけでございますので、アメリカでは日本の後進性ということが非常に強く意識された、こう伺いました。しかし、この問題が起こるや、いち早く日本の各界が対応策をとってまいった。世界じゅうで一番早くこれに対して対応策をとり出した。そういうところから、改めて日本社会の健全性、そういうことがアメリカ国民の中に印象に上ってきている、こう思うわけでございます。事ほどさように、私は、この問題は深刻な問題だ、こう考えておるわけでございますだけに、丸紅当局の一段の解明の努力を私は要望いたしたいと思います。
  105. 正示啓次郎

    ○正示委員長代理 次に、松永光君。
  106. 松永光

    ○松永委員 あなたのただいまの証言が本当であるとするならば、丸紅コーチャン証言でイメージダウンどころじゃない、致命的な信用失墜の打撃を受けたわけです。国民から大きな疑惑を受けているわけです。しかも、そういうような疑惑を受ける責任の一端は丸紅にある。丸紅重役がおかしな領収証を書いたという点も、丸紅が大きな疑惑を受ける原因になっておる。あなたは、おかしな領収証を書いた伊藤大久保、この二人に対してどういう措置をとりましたか。
  107. 檜山広

    檜山証人 お答えいたします。  できるだけ早い機会に、いずれにしてもこういうまことに軽率きわまるこの領収証を響いたこと自体においてこういう結果になった、単に丸紅に対して致命的な打撃だけでなしに、国民の皆さんに本当にお騒がせをしたということで、断固たる処置をとりたいと思います。これは社長とも相談して、人事のことでございますので、必ず追ってそういうことをいたしたいと思います。
  108. 松永光

    ○松永委員 十日たってもまだ何もしてないということですよ、それは。真相究明をする責任があるのに、その責任を果たしてないということになりますよ。  先ほど提出されたコーチャン氏の手紙の中に、米国の上院の多国籍企業小委員会証言は済まなかったという言葉があったそうですけれども、先ほどのあなたの証言によれば。あれは違うんだ、うそだったんだ、こういう明確な文言が入っておりますか。
  109. 檜山広

    檜山証人 お答えいたします。  あれはちょうど公聴会から……(松永委員「入っているか入ってないかだけでいいです」と呼ぶ)いや、それは入っておりません。
  110. 松永光

    ○松永委員 ほとんど意味のない文書じゃありませんか。そんなもので疑惑が解けるはずもないし、あなたの会社の受けた致命的な打撃が回復するはずもないし、しかもそのことについては、先ほどの委員長質問によると、あのコーチャン発言を知って重役会議を開いたか開かぬか、わけのわからぬようなことを答えておられたようですが、そういうことじゃ、あなた方は社会的責任を果たしたことになりません。どうです、速やかに真実を追及するための具体的な行動に出るということをはっきり言えますか、どうですか。
  111. 檜山広

    檜山証人 お答えいたします。  重役会としてのいわゆる定例役員会でなしに、臨時に関係の役員とかの者を集合して、いろいろな対策にすでに入っております。しかし、いま先生のおっしゃるように、さらにこれを強化しまして、何としても私どもはこのコーチャン発言に対して、わが社としての根本的な方針をはっきりさせていきたい、こう考えております。
  112. 松永光

    ○松永委員 もう一問だけ質問いたしますが、委員長のあなたに対する質問の中で、トライスター関係手数料幾ら入ることになっておるのか、現実に幾ら入ったのかという質問に対してすら、あなたの答弁は、これこれと聞いているとか、そういったあいまいな証言になっておる。このテレビを見ている人もいるだろうと思うけれども、そのことも大変な新たな疑惑さえ招きかねない。この手数料関係については、丸紅の主張とロッキード社の主張との間に食い違いがあるのですか、ないのですか。食い違いがあったとするならば、その食い違いは解明されたかどうか、その点だけ尋ねます。
  113. 檜山広

    檜山証人 お答えいたします。  食い違いがございません。その数字については、後ほど社長なりあるいは大久保専務がはっきり申し上げ得ると思います。私は会長として、まことに相済みませんですが、大体数字が合っている、そういうことを報告を受けているだけで……(「大体とは何だ」と呼ぶ者あり)いや、そういうことでなしに、ちゃんと調べた結果を後ほど御報告させます。
  114. 松永光

    ○松永委員 いま申した点等を含めて、あいまいな点を速やかに明らかにするように強く要望して、時間がありませんので、質問を終わります。
  115. 正示啓次郎

    ○正示委員長代理 これにて奥野君、松永君の発言は終了いたしました。  次に、川崎寛治君。
  116. 川崎寛治

    川崎委員 御苦労さんです。  檜山証人にまずお尋ねしたいと思いますが、一九七三年、あなたは丸紅社の役は何でございましたですか。
  117. 檜山広

    檜山証人 常務取締役だったと思います。
  118. 川崎寛治

    川崎委員 七四年の九月は。
  119. 檜山広

    檜山証人 はっきり年別にわかりませんが、書類をもし取り求めてよろしいなら、後ほど全部持ってまいります。
  120. 川崎寛治

    川崎委員 これはいずれ後で大出同僚の方から伊藤専務大久保専務にいろいろ細かにお尋ねしますが、その際に、あなたが丸紅社における何であったか——先ほどから伺っておりますと、会長だということで大分いろいろなことを逃げておられます。それで、具体的な詰めをするためにちょっとお尋ねしたかったわけです。  そこで、次にお尋ねをしたいと思いますが、トライスターの導入は丸紅ロッキード社だけの商談で成立をしたのでしょうか。
  121. 檜山広

    檜山証人 わかりません。
  122. 川崎寛治

    川崎委員 つまり、他のいろいろなものが介入せずに、全日空、丸紅——ロッキード社代理店である丸紅さんですね。ですから、ロッキード社丸紅社、そして全日空、その間だけの商談でこのトライスターの導入という、そして購入決定というふうなところに至ったのですかとお尋ねしているのです。
  123. 檜山広

    檜山証人 お答えいたします。  私ども代理店契約に従ってマーケティングとかあるいは輸出入の付属事務とかいうことでやっておるので、果たして丸紅、ロッキードと、それで決まったのか、あるいはそうでないかというようなことに対しては、私はわかりませんとお答えする以外にないのです。
  124. 川崎寛治

    川崎委員 どうぞお水も飲んでいただきたいと思います。  児玉譽士夫氏がトライスター導入に関係していたことを御存じですか。
  125. 檜山広

    檜山証人 お答えいたします。全然知っておりません。
  126. 川崎寛治

    川崎委員 ロッキード社の役員会では児玉氏がこのトライスターの導入に関してほとんど知っておる、間接的に知っておるということが、アメリカの上院の議事録の中では明らかになっておるのですね。そういたしますと、商社として、そういう頻繁な連絡をとり合っておる商社、しかもあらゆる情報をキャッチしなければ商売ができない、こういう中で、児玉氏がトライスター導入に関係していることを全く知らなかった、あるいは、お尋ねし直しますと、全く関係していなかったというふうにお考えですか。
  127. 檜山広

    檜山証人 お答えいたします。  児玉さんが関係していたかいないかということは私は存じませんし、全然私自身はそういうことを全く知りません。
  128. 川崎寛治

    川崎委員 それでは、航空業界の手数料の問題については最初に委員長から御質問ございました。普通二%ぐらいというのが手数料の常識ですね。
  129. 檜山広

    檜山証人 お答えいたします。  これも先ほど申し上げましたように、代理店内容から言ってまず一%もならないということで、私の方の契約は〇・七と、平均して〇・八ぐらいになっておるだろうということでございます。
  130. 川崎寛治

    川崎委員 コーチャン氏はアメリカの上院の公聴会の中で、「航空業界では、丸紅のような商社は手数料契約金の二%を受け取るのが常識だ。これは妥当な手数料だが、児玉氏はトライスター計画の規模が大きいため、丸紅に対し手数料を一%とするよう交渉してくれた」、こういうふうにコーチャン氏は上院の証言の中では明らかにしておるわけです。だから、普通常識的なものが二%。それはさらにそれよりも下がっておる。そして皆さん方、丸紅の幹部ですね、これは、新聞情報にもありますが、こういうふうに抑えられたことに対する不満を述べておられます。だから、児玉譽士夫氏がトライスター導入に関係していたということが全くわからなかったということは、常識としてどうしても納得できません。
  131. 檜山広

    檜山証人 お答えいたします。  そういう、私どもの方の口銭をシビアにするということを児玉さんの方に云々なんということは全く考えてもおりませんし、当事者は泣くようにして、とにかく口銭の引き上げというようなこともお願いしたのだと思いますが、結果においてはそういう、代理店契約の中にうたわれているということでございます。ケースによってずっと手数料が違ってきております。
  132. 川崎寛治

    川崎委員 この問題等はまた大出委員が後ほど大久保氏なり伊藤氏なりの際にやりますが、先ほどお示しになられましたコーチャン氏からのわび状というものの中身を見ますと、あなたとは大変親しいように感じます。そこで、コーチャン氏と会われた。そのことについては、回数が何回だなんというやぼなことはもうお尋ねしません。この際にどういう内容について話し合われたのか。
  133. 檜山広

    檜山証人 お答えいたします。  私はその当時社長としまして、いわゆる外国の大きな取引先の社長が来られたというような場合には、もっぱら、どっちかと申しますればエンターテーンメントと申しますか、いろいろ接待を申し上げるとか、大したこともできませんが、要するにそういうことと、あるいは商社の社長として、少なくとも世界の経済環境はどうだとか貿易がどうとか、そういう意味の話はいたしますが、商売事に関しては全部本部長制度で動いておりますので、私の方の十四部の本部長がやっておりますので、全くこの社長は何も知らぬのかとおっしゃられてもしようがないほど、実はそういう業務の内容については存じておらないのです。
  134. 川崎寛治

    川崎委員 あなたは先ほどは、トライスターの件で会った。コーチャン氏と会っているわけでしょう。証言されたわけですよ。     〔正示委員長代理退席、委員長着席
  135. 檜山広

    檜山証人 いや、そういうことは申し上げません。トライスターの件で会ったとは申し上げません。トライスター以降、トライスターの話が起きてからは二、三回だろうと申し上げました。そのときに、コーチャンが奥さんを連れてこられたときに、十六階のレセプションルームで一回お食事を上げたことがあるということを申し上げたので、トライスターの件についてお話をしましたということは申し上げておりません。
  136. 川崎寛治

    川崎委員 二月十三日の午後、これはアメリカ時間ですが、大出君や参議院の矢田部君たち社会党の調査団は、ロッキード本社のコーチャン氏、当時社長でありますが、コーチャン氏の部屋を訪ねて具体的にお尋ねしました。ここにございます。コーチャン氏とそれから副社長であり相談役、法律顧問のカバナー氏と二人、私たち会ったわけであります。だから、これはコーチャン氏一人ではありませんから、いつでも具体的に対決というか、詰め合わせることはできると思いますが、先ほどのわび状では要するにごめんなさい、こういうことですね。そうしますと全体的、アメリカ上院の多国籍企業小委員会におきますあのコーチャン氏なりフィンドレー氏なり、そういう人たちのーコーチャン氏のときにあるいはクラッター氏もちょっと関係しておりますが、そういう人たち証言については全く否定されておりません。後ほど具体的にそれぞれ詰めてまいりますが、このわび状でコーチャン氏がアメリカ議会証言をしたことをすべて否定をされた、丸紅の言い分が正しいんだ、こういうふうにまず断定できますか。
  137. 檜山広

    檜山証人 お答えいたします。  断定できません。それはちょうど、その手紙を、大久保専務が行って非常に詰問したのに対して書いたのがちょうど証言が終わった明くる日のことでございますから、きのう言ったことはうそだなんてことが書けるわけがありません。したがって、ただそれだけでも書いたということで——私も長い、いま先生がおっしゃったように十何年来ずっと、何回会ったかわかりませんが、りっぱな人だと思っておっただけに、私も全く、いわゆる情けないと申しますか、こんなものかということで非常に憤りを感じておるということなんです。しかし、にもかかわらず一応それだけのものを書いたということに、私は何らかの彼の心情を吐露しているんじゃないかということで、先生方、御判読いただくほかありません。
  138. 川崎寛治

    川崎委員 友情なり心情なり、そうしたものはそうしたものとして理解いたします。しかし問題はそういう友情とか心情という問題ではなくて、日米の間における、そして国民がいま注目をいたしております大変大きな政治献金、言えば疑獄事件という問題の中身でございますから、冷静な客観的な詰めでなければならない、こういうふうに思います。  そこで、コーチャン氏は——ここに議事録がございます。これは外務省から本委員会に出された議事録でございます。大久保氏がコーチャン氏にお会いになられたそのときと、私たち社会党調査団がコーチャン氏に会ったとき、ちょうど一週間ぐらい開きがございます。でありますが、コーチャン氏は、彼自身議事録を目の前に置いて、そして、私の証言は絶対に間違いありませんと、こう言って彼は断定したのです。後ほど詰めてまいりますピーナツピーシズユニット、それからID資金、そういうものの流れについて彼ははっきりそう言ったわけです。  そこでお尋ねしますが、この伊藤さんのピーナツ領収証百個、これが一億円をあらわすということについてはお認めになりますね。
  139. 檜山広

    檜山証人 全然私は存じません。
  140. 川崎寛治

    川崎委員 これはアメリカ議会資料二十七号として、四十年間にわたるロッキード社の会計監査のフィンドレー氏がはっきり、このピーナツ百個は一億円だ、こういうふうに証言をしておるわけです。お認めになりませんか。
  141. 檜山広

    檜山証人 お答えします。  それがロッキード社の暗号であるか——それは暗号で、彼らがそうだと言うならばそれはロッキード社の問題であって、私はピーナツが何かということも全然知りません。
  142. 川崎寛治

    川崎委員 冒頭、委員長質問に対して、あなたは異常に感じたと言われましたが、異常に感じられたのはいつでありますか。
  143. 檜山広

    檜山証人 こういう、領収証でなしに書類にサインしたということを聞いた瞬間に、非常にそういうことが……(「いつだ、それは」と呼ぶ者あり)その報告があったときに感じたことです。
  144. 川崎寛治

    川崎委員 ところが、伊藤氏のこのあれは、ピーナツは、四十八年の八月九日の百ピーナツ以降、百五十ピーシズ、百二十五ピーシズ、百二十五ピーシズというぐあいに、四十八年から四十九年にわたって四回出ておりますね。最初に異常を感じながら、なぜ後ずっと異常が続くんですか。
  145. 檜山広

    檜山証人 お答えいたします。  そういうのは逐次一回ずつあれでなしに、今度の公聴会でそういうものを知りまして、一緒にとんでもないという感じを持ったので、その都度でございません。今度一回にそういうことがわかったものですから。
  146. 川崎寛治

    川崎委員 これは、あなたが記者会見等で言われておることとは食い違っておると思います。そうしますと、今度公聴会で明らかになって、日本の新聞に出始めてからあなたは異常をお感じになられたのですか。
  147. 檜山広

    檜山証人 お答えいたします。そのとおりでございます。
  148. 川崎寛治

    川崎委員 そういう大変な、一億円、総額でユニット大久保氏のまで入れますと六億円ですね。そういう領収証が勝手に書かれるような丸紅商社の経理の仕方でございましょうか。
  149. 檜山広

    檜山証人 お答えいたします。  そういう丸紅としての領収証というものは、財務部に備えられておる一定の領収証以外には、会社としての領収証というものは出るわけがないんです。そこで非常に異常だということを申し上げたわけです。
  150. 川崎寛治

    川崎委員 このピーナツ百個一億円、これが政府高官に渡された、日本政府高官に渡されたということが証言をされております。お認めになりますか。
  151. 檜山広

    檜山証人 全然そういうことはないと思います。
  152. 川崎寛治

    川崎委員 コーチャン氏は日本人に勧められて——このところは何遍も議論がありますね。日本人に勧められて、そうして、それは檜山氏か大久保氏に勧められてこれは政府高官に渡したのだ、こういうふうに言っておるわけです。これを否定されますか。
  153. 檜山広

    檜山証人 お答えします。  先ほど来申し上げましたように、そういうことは絶対ないということで、私もしたがって、コーチャンに対してこれを究明すると、こう申し上げておるわけです。
  154. 川崎寛治

    川崎委員 コーチャン氏は上院の委員会における大変な雰囲気というものについて言っておられますが、それは私たちがチャーチ小委員長あるいはコーチャン自身からもはっきり確認したわけでありますが、アメリカ議会における宣誓をして証言をしたという、その厳粛な事実を彼らは明確にいたしております。でありますから、あなた自身がここで、そういうアメリカ議会証言されておるそのことに対して、否定をされる裏づけをお願いしたいと思います。
  155. 檜山広

    檜山証人 コーチャンが何をおっしゃろうと、その意味で私がこれから裏づけと申しますか、それを探求していく。私もここで証言宣誓をして申し上げているんですから、いずれにしましても私は必ずそういうことを探求していくという決意でおります。
  156. 川崎寛治

    川崎委員 それでは、ピーナツピーシズ、それからユニット、こういう領収証は困る、そして丸紅の役員の名前の入った領収証は困る、こういうことでID領収証に切りかえられるわけです。このことについてはレビンソン小委員会法律顧問が明確に議会の中における審議を通じていたしております。でありますから、このあなた方が出された異常な領収証、しかもあなた知らなかったと言う。しかし、それがID領収証に切りかえられていって、金はIDを通っていない、丸紅を通して政府高官に渡ったのだ、と議会ではコーチャン氏は繰り返し証言をいたしております。いかがですか。
  157. 檜山広

    檜山証人 お答えいたします。  それについて大久保伊藤専務より、絶対に金品の授受がないのだ、関知しないのだという報告を受けておるので、私もそれを確信しておるわけです。
  158. 川崎寛治

    川崎委員 疑われておりますときには、反証をする義務があると思います。ロッキード社から丸紅に対して出されたトライスターに関する支払いの明細、エビデンスですね、証拠をつけて、この議会に後ほど出していただきたいと思いますが、いかがですか。
  159. 檜山広

    檜山証人 お答えいたします。  そのエビデンス、支払い……。
  160. 川崎寛治

    川崎委員 つまり、手数料三百二十万というロッキードの売買については委員長も御質問になりました。ところが、これは手数料であるか、あるいは献金として使われた金であるか、その中身がわからぬわけです。  そこで、そういたしますと、ロッキード社から丸紅に対して、トライスターの購入についての明細書というものを出した、そして私たちははっきり、あなたの政府高官に渡っていないと言う金の明細を知りたいわけです。だから、それを出していただきたいのです。
  161. 檜山広

    檜山証人 お答えします。  それはもうすでに、大蔵省の方で十分精査していただいておると思いますが、もしこの委員会においてそれが必要であるというならば、恐らくそういうものは提出できると思いますから、委員会においてそういう御採択があれば、結構です、出せます。
  162. 川崎寛治

    川崎委員 大変時間がないところで残念でございますけれどもアメリカ議会では、レビンソン法律顧問が、この二月四日審議を始めるに当たりまして、皆さんの手元の資料ロッキード社及びアーサー・ヤング社から強制提出令状によって本委員会が直接入手した資料から抽出したものでありますと言って、事前に資料が提供されておるわけであります。つまり、これができないところに日本国会国政調査権の問題のあり方があるわけです。でありますから、これはいずれひとつ、議会全体として御検討いただかなければなりませんが、予算委員長にこの点を私はお願いをしておきたいと思います。
  163. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 意味がよくわかりませんが、どういうことですか。もう一遍言ってください。
  164. 川崎寛治

    川崎委員 これは後で議運なりで議論します。  ロッキード社は今回の政治献金の問題について、大変大きな波紋を及ぼしました。そこで、社外の人による調査委員会ロッキード社内に設置し、人選も終わっておりますが、丸紅もこの調査のための委員会を社内に設置される御計画があるかどうか伺いたいと思います。
  165. 檜山広

    檜山証人 お答えいたします。  委員会をつくりたいと思います。
  166. 川崎寛治

    川崎委員 代理店契約云々の問題がございましたが、コーチャン氏は今後さらにトライスターを東亜国内航空にも売り込みたい、こういう計画を言っておりましたが、丸紅としては、こういう問題も全部放棄されるということでございますか。
  167. 檜山広

    檜山証人 放棄……。
  168. 川崎寛治

    川崎委員 成田空港が開場されれば、新たにトライスターに対する需要もふえる、だからトライスターを東亜国内航空に売り込みたいのだという大変たくましいことをコーチャン氏は言っておりました。だから、そういう計画というのは当然これまで丸紅社との間にあったと思うのですが、そういう新たな将来への計画というのは放棄されますか。
  169. 檜山広

    檜山証人 お答えいたします。  それはコーチャンさんの計画で、私どもはまだ何もそれは考えておりません。
  170. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 大出俊君。
  171. 大出俊

    大出委員 時間がありませんから、簡単に質問いたしますが、サインをした伊藤専務大久保専務にその領収証を持ってきたのはだれですか。簡単に答えてください。
  172. 檜山広

    檜山証人 お答えします。  私、存じません、持ってきているかどうか。
  173. 大出俊

    大出委員 伊藤専務は、最初は松井さんと言った。二番目にぽんと変わりまして、クラッター氏だと言った。あなた、クラッターを御存じですか。
  174. 檜山広

    檜山証人 知っております。
  175. 大出俊

    大出委員 そこで、申し上げておきますが、ここに私がチャーチ委員会から持ってきた資料がございます。時間がありませんから、問題を提起して、あなたのぴしっとした御答弁をいただきます。  伊藤さんと大久保さんが、ピーナツピーシズユニット、こういうことで署名をいたしたわけでありますが、実は、金はロッキードから送られてきている。ここに送り状が四通ございます。あて先はクラッター氏であります。出したところはディークカンパニーであります。これは証言に出てまいります。この四通の金額は、一つは一億円、一つは一億二千五百万円、もう一つ、これまた一億二千五百万円、そしてもう一枚は一億五千万円。つまり、ピーナツは百で一億でございます。私がチャーチ委員会のスタッフに聞きましたら、ピーシズというのは一片ということであって、つまり何々個という個になる。百二十五ピーシズ、つまり百二十五個。先にピーナツは出ている。ピーナツ百二十五と同じである。ユニットとは何だ。御存じのとおり単位であります。つまり九十単位、三十単位ということであります。つまり九十個、三十個であります。したがいまして、その本体はいずれもピーナツであります。  そうなりますと、ここに四通の送り状が来ておりますが、この送り状は、あなたの方が署名をされたヒロシ・イトウ、トシハル・オオクボ——トシハル・オオクボさんの方だけは期日がないからわかりません、受取が出ておりませんから。だがしかし、伊藤さんの四通というのは、その直前に金は全部クラッター氏に入っている。ぴたり金額は同じであります。  さてそこで、ID領収証がございます。このID領収証金額も一億円、一億二千五百万円、一億二千五百万円、二枚、そして一億五千万円。一億五千万円だけが離れておりますが、期日もぴたりであります。  あなた、クラッター氏を御存じだとおっしゃった。クラッター氏のところに金が入っていた。その直後に受け取りを持ってきて、ヒロシ・イトウさん、トシハル・オオクボさん、サインしてくれと、こういうわけであります。領収証はIDから出ている。ロッキードへ入っている。金はここに東京に来ている、日本に。その目の前でサインをしている。つまり、クラッターさんから社内の事情をと言うのだが、そこを聞いていないはずがない。コーチャンさんが怒るのはあたりまえであります。  私はさしで詰めました。金は直接丸紅に行っている、もらってないと言うがどうだ、議事録のとおりですと。コーチャンさんはあなたに勧められて金を送った、いま申し上げたとおり。勧められて金まで送っていて、そのことを委員会でやむを得ず言うたからといって、抗議を受ける筋合いはない。憤然として、抗議も受けていない、レターももらっていないと言い切った。いかがでございますか。問題提起をしておきます。
  176. 檜山広

    檜山証人 お答えいたします。  私はコーチャン公聴会証言を聞きまして、それで私も非常に憤りを感じましたので、早速大久保に、一体何だということで向こうに調査にやったわけです。その結果、そういう手紙になってまいったのですが、そういう人の、クラッターのところに金が行ったとかなんとかということは全然私も存じておりませんし、丸紅には全然関係もなければ……。
  177. 大出俊

    大出委員 これだけ言っておきましょう。そんなものはと言うけれども、ここにはちゃんとフォーリン・マネー・トランスファー・レシート、明確な公的な送り状がある。持参人払い小切手、金がここについている。あなたはどこへ持っていったか。あなたの良心に聞きたい。いままで言ったことは断じて間違いないか。
  178. 檜山広

    檜山証人 断じて間違いありません。
  179. 大出俊

    大出委員 よし、大久保君以下に聞く。
  180. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 これにて川崎君、大出君の発言は終了いたしました。  次に、正森成二君。
  181. 正森成二

    ○正森委員 ただいまあなたの証言を聞いておりますと、たとえばトライスターL一〇一一の一機当たりの価格についても、〇・七ないし〇・八%だというように非常にあいまいなことを言っていますね。同僚議員の松永光君もその点を指摘しております。だが、この点についてはもっと明白な金額というのはあるのではないですか。
  182. 檜山広

    檜山証人 お答えいたします。  先ほど申し上げましたように、ケース・バイ・ケースで違ってくる。で、あるときには一機十何億円とかいうふうな円で表示されたり、しかし、私どものロッキードから受領する従来の手数料というものは、平均して六、七%になるだろうということを申し上げたのです。
  183. 正森成二

    ○正森委員 六、七%と聞いていいのですか。六、七%と言いましたが、それでいいのですか。
  184. 檜山広

    檜山証人 〇・七、八%です。
  185. 正森成二

    ○正森委員 ここに、二月十三日に私が多国籍小委員会から開示されて、きのうの夜アメリカから持ってまいりました証拠資料があります。一九七二年十一月一日付のロッキード社の社長と丸紅の社長檜山さんの署名のある契約書があります。これはあなた、契約しておられるでしょう。     〔正森委員書類を示す〕
  186. 檜山広

    檜山証人 お答えいたします。  それは要するに、先ほど申し上げましたように、数次にわたって基本契約が更改されたり修正されますが、その都度、社長権限として署名しなければならぬものは、自動的に社長としてそこに、契約の更改に対して恐らく署名をしております。
  187. 正森成二

    ○正森委員 この契約書を見ますと、明白にトライスターの機体については一機当たり十六万ドルという金額が明示されております。そしてこの問題に関連して、ほかの点についてはL一〇一一の予備部品及び地上サービス備品については一%、それ以外にロッキード・エアクラフト・サービス・カンパニーの製品、フライトレコーダーとかあるいは日本宇宙計画用資材、機器などについては五%払うというように明示されております。  委員長は、最初にトライスターの機体についての手数料幾らかとお聞きになりましたが、それならあなたが署名している、この署名がある契約書があるのだから、十六万ドルであるという明白な数字をお答えになるのが当然ではありませんか。なぜ答えなかったのですか。
  188. 檜山広

    檜山証人 お答えいたします。  平均してというようなつもりで申し上げましたのですが、そしてまた、一々申し上げても余りにも多いものですから、どれがどうか私もはっきり覚えておりませんので、平均して大体〇・七、八%になるということを申し上げたわけです。
  189. 正森成二

    ○正森委員 そこにからくりがあります。〇・七とか〇・八%という数字を覚えるより一機当たり十六万ドルと覚える方がはるかにやさしいはずであります。ところが、三百二十二万ドルという総計についていろいろ疑惑があるから、あなた方は〇・七%とか〇・八%とか言って、なるべく金額をあいまいのままにしよう、こうしておられる点があります。  さらに私は聞きますが、あなたのところで、豊田さんというのは一九六九年三月ごろいかなる地位にありましたか。
  190. 檜山広

    檜山証人 はっきり記憶にありません。
  191. 正森成二

    ○正森委員 機械担当の取締役だったと思いますが、一九六九年三月六日付でクラッター氏から豊田氏へ手紙が来ており、さらにこれを受けて一九七三年五月二十日付で、同じく手数料の支払いについてクラッター氏から手紙が来ております。これを見ますと、あなた方はトライスターについて、最初の一機分から四機分については特に値引きをして、総計二十五万ドルを限度として一機当たり六万七千五百ドルの値引きをすること、つまり手数料を放棄することを約束しているではありませんか。違いますか。
  192. 檜山広

    檜山証人 お答えいたします。  私、詳しく存じませんので、後ほど大久保証人よりひとつお聞き取りいただきたいと思います。
  193. 正森成二

    ○正森委員 トライスターのことについて証人として呼ばれておる。しかもこの点については、すでに新聞紙上でも発表されている部分があります。私は、それをおととい入手した資料に基づいて正確に言っているだけであります。そういう点について知らないというのは、国会証人として来るのを何と心得ておるのか。しかもあなたは、いま同僚議員証言に、この手数料の価格がきわめて少ないから、泣くように上げてくれ上げてくれと頼んだと、こう言ったでしょう。違いますか。
  194. 檜山広

    檜山証人 お答えします。  それは全般的な問題を申し上げたわけです。
  195. 正森成二

    ○正森委員 まさに全般的な問題の中で一番大きな売り物であるトライスターについて〇・七とか〇・八というのは非常に手数料が少ないのです。コーチャン氏でさえ平均二%だと言っているのだから少ないのです。それなのに、ここにちゃんと手紙がありますが、一九六九年三月六日にわざわざ十六万ドルという、それでなくても低い手数料を、わざわざ一機分から四機分については六万七千五百ドル、あなた方は手数料を放棄する、こういうことを約束しているのです。泣くように手数料が少ないと頼むはずのあなたが、なぜもともと一機当たり十六万ドルであったものを六万七千五百ドルという大幅な、四割にも上るような値引きをしたのです。
  196. 檜山広

    檜山証人 お答えいたします。  それは必ず大久保証人がはっきり申し上げると思います。
  197. 正森成二

    ○正森委員 非常に私はふまじめな態度である、こういうように思います。そういう社長だから、ワンハンドレッドピーナツというような、わが国の名誉にかかわるようなそういうけしからぬ領収証を出すことになるのですよ。  それでは、ここで突いてもあれだから、大久保証人に聞くことにいたしたいと思います。  次に私は伺いたい。あなたは領収証ピーナツを見たときに異常に感じたと言いましたね。なぜ異常かと言えば、財務部以外には領収証は出さないはずである、だから異常だと感じたと、こう言いましたね。違いますか。
  198. 檜山広

    檜山証人 いや、そういう財務部の領収証、それも一つの原因でありますが、それ以外にピーナツとかなんとかということを、非常に何でなしに、そういうことが私どもの長い経験でございませんので、そういう意味で、あらゆる意味で異常に感じたと、こういうことを申し上げました。
  199. 正森成二

    ○正森委員 明らかに証言の訂正であります。先ほどの証言では、明らかに財務部以外には領収証を出さないから異常に感じた、こう言うております。  それなら私は聞きますが、正規の財務部が出さない領収証ですから、百ピーナツとか百二十五ピーシズとかいう、そういう領収証を出した伊藤あるいは大久保という人は、あなた方の内規に反してこういう領収証を出した、明白な規律違反を行ったということを認めますか。
  200. 檜山広

    檜山証人 まことに規律違反だと思います。
  201. 正森成二

    ○正森委員 それなら私は伺いたい。  そのことによって一流商社とされている丸紅に対して重大な名誉が棄損された。それだけでなしに、日本政府高官がその金を六億円受け取ったということで日本政府は非常に迷惑をしておる。だから国会でこういうぐあいに証言をしておるのです。あなたの会社の内規に反してこういう不当な領収証を出した大久保専務及び伊藤氏に対して、あなたは会長としていかなる人事上の処分をされますか。それをやらなければあなたは責任をとったことにならない。
  202. 檜山広

    檜山証人 お答えいたします。  必ず断固とした処分をいたします。
  203. 正森成二

    ○正森委員 私は、それは当然のことであると思います。ただし私は、それがわけがわからずに書いた領収証であるというあなた方の主張を信じるものではありません。しかし、あなた方の主張のとおりだとしても、最低限その措置をとらなければ、あなた方は首尾一貫しないじゃないですか。十日間たっているのに、のうのうとしてもとの地位にとどまっているじゃないですか。それでは疑われても、日本国民全体の前に私は仕方がないと思います。  もう一つ伺いたいと思います。  あなた方はロッキードとの契約書の条項を履行いたしておりますか。
  204. 檜山広

    檜山証人 履行いたしております。
  205. 正森成二

    ○正森委員 一九七二年十一月一日付の、あなたが署名されたロッキードとの間のいわば基本契約、もちろん修正されたものですが、そういうものがあることは認めますか。
  206. 檜山広

    檜山証人 お伺いしていいですか。——いつのですか。
  207. 正森成二

    ○正森委員 ここに明白にあなたの署名があります。一九七二年十一月一日……。     〔正森委員書類を示す〕
  208. 檜山広

    檜山証人 これはその契約書のリバイス、更改ですか。
  209. 正森成二

    ○正森委員 そうです。
  210. 檜山広

    檜山証人 そのとおりです。
  211. 正森成二

    ○正森委員 ここに明白に、第四条に「代理人の業務」というのが書いてあります。この代理人の業務をあなた方は誠実に履行されましたか。
  212. 檜山広

    檜山証人 契約に従って誠実に履行していっております。
  213. 正森成二

    ○正森委員 この契約書の第四条(d)項によれば、こう書いてあります。その領域内で製品の販売条件に影響を与えるような政治的、経済的条件や競争条件についてアドバイスする、また、将来の顧客の需要や財政能力についてもアドバイスする、こう明白に書いてあります。つまり、あなた方は、日本国内における競争会社の条件や政治的条件についてロッキードにアドバイスすることが契約上の義務になっておる。この契約条項に基づいて、日本では政府当局者政治献金をしなければならないということをあなた方はアドバイスしたんじゃないのですか。
  214. 檜山広

    檜山証人 お答えいたします。  絶対にそういうことはいたしません。
  215. 正森成二

    ○正森委員 それでは、あなた方はこの(d)項に基づいていかなることをロッキードに対してサービスしたのですか。
  216. 檜山広

    檜山証人 お答えいたします。  適切なる、正確なる情報の交換とかあるいはマーケティングということをもって私ども代理店の任務といたしております。
  217. 正森成二

    ○正森委員 私は、そういう御説明では納得することはできません。  同じくこの契約条、項の第四条の(f)項によれば、あなた方は、この契約で負っておる義務について、ロッキード社の求めに応じ、あるいは時期に応じて報告書を提出することになっておりますが、あなた方は何回報告書を提出されましたか。
  218. 檜山広

    檜山証人 お答えいたします。  先ほども申し上げましたように、本部制で動いておりますので、私はそれは全然記憶しておりません。(発言するものあり)
  219. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 どうぞ御静粛に。
  220. 正森成二

    ○正森委員 これはあなたが契約した契約書であります。そしてあなたは先ほど、丸紅契約内容を誠実に履行するかという私の質問に対して肯定されました。したがって、この契約書に書いてある報告書を提出するということは履行されているはずであります。  委員長、いまうなずかれました。速記にそれを記載してください。——立って返事を言うてください。
  221. 檜山広

    檜山証人 どういう報告か私は存じませんので、後で調べたらすぐわかると思います。
  222. 正森成二

    ○正森委員 違います。私の質問に対してあなたはうなずいたじゃないですか。誠実に履行しているはずでしょうと言ったら、うなずいたじゃないですか。
  223. 檜山広

    檜山証人 うなずくといったって、いまただ先生のお顔を見て、その話を終えたからそれにこたえただけで、それでうなずくと言われたんじゃ私も全く、まあこういういなか社長でございますので、その辺はひとつ……。
  224. 正森成二

    ○正森委員 大丸紅の社長からいなか社長であるという答弁を承って、私は非常に愉快に思っておりますが、私は委員長に申し上げたいと思います。  議院証言法では、証人証言をするだけでなしに資料の提出に応じなければならないことになっております。そこで私は、この契約条項に明らかに記載されている丸紅からロッキード社に提出されたリポートすべてについて国会に提出されることを希望いたします。希望じゃなしに要求いたします。これが行われるならば、丸紅が政治的、経済的あるいは競争的条件についていかなる報告をロッキードに行っておったか、また、それに関係して代理人としての業務内容に関してどういうことを行われたか、ということがすべて明らかになるというように私は思いますので、この点の要求をさせていただきたいと思います。
  225. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 理事会でお諮りいたしまして、なるべくあなたの御意見に沿うように努力いたします。
  226. 正森成二

    ○正森委員 残念ながら時間が参りましたので、私は、この続きは大久保専務に対して伺いたいと思います。
  227. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 これにて正森君の発言は終了いたしました。  次に、坂井弘一君。
  228. 坂井弘一

    坂井委員 米上院多国籍企業小委員会に提出をされました、つまりロッキード社から提出されました領収証丸紅関係分でありますが、いわゆるピーナツピーシズ、それからユニット、この領収証ロッキード社からの要求に基づくものですか。
  229. 檜山広

    檜山証人 お答えいたします。  そうです。そう報告を受けました。
  230. 坂井弘一

    坂井委員 そういたしますと、これは法人といういわゆる公の立場でもって交わされた領収証、こう理解してよろしゅうございましょうか。
  231. 檜山広

    檜山証人 お答えいたします。  公ではないと思います。(発言する者あり)
  232. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 御静粛に願います。
  233. 坂井弘一

    坂井委員 ロッキード社という会社法人、つまり公の立場であります。このロッキード社からの要求に基づいてサインをして領収証を渡した、これはまさに公の立場であろう。前段そのことを確認する意味においてあなたにお尋ねをいたしました。ところが、実はそうではない、そういたしますと、これは単なる個人と個人の私文書の授受、そういう理解でございますか。
  234. 檜山広

    檜山証人 お答えいたします。  会社として全然知らないことが、その個人の名において書類にサインされたということでございます。
  235. 坂井弘一

    坂井委員 個人の名において、個人の私文書——相手はそうじゃないんですね。少なくとも米上院、小委員会という公の場所であります。言うならば、公文書的な扱いが行われておる。これにサインしたのは全くの個人である。これはそういうことを言うのならば、その事実に相違するということをあなたの方で挙証する責任がおありになるのじゃありませんか。
  236. 檜山広

    檜山証人 そこで、先ほど来申し上げているのですが、何らかの対抗措置をとる、こういう考えでおります。
  237. 坂井弘一

    坂井委員 では、この法律的な解釈につきましては、あなたの方はどう理解されておるのか。虚偽の私文書作成とこういうことでございますか。
  238. 檜山広

    檜山証人 お答えいたします。  私、余り法律に詳しくないので、その辺はまだ検討しなければならないと思います。
  239. 坂井弘一

    坂井委員 伊藤さんか大久保さんの方がお詳しいかと思いますから、後ほどお尋ねすることにいたします。  檜山さんに尋ねますが、福田太郎氏を御存じですか。
  240. 檜山広

    檜山証人 お答えいたします。  全然知りません。
  241. 坂井弘一

    坂井委員 福田太郎氏を全然知らない。  ジャパン・パブリック・リレーションズというロッキード社日本におけるPR会社を御存じございませんか。
  242. 檜山広

    檜山証人 お答えいたします。  名前は聞いております。
  243. 坂井弘一

    坂井委員 順次追っていきましょう。あなたの本社はどこにおありですか。
  244. 檜山広

    檜山証人 大阪です。
  245. 坂井弘一

    坂井委員 東京で大手町、ビルをお持ちでございますか。
  246. 檜山広

    檜山証人 東京も、東京本社とは呼んでおりますが、税法上からいけば、本社は大阪でございます。
  247. 坂井弘一

    坂井委員 東京丸紅のおたくの社屋は大手町にございますね。大手町ビル、丸紅、その七階にジャパン・パブリック・リレーションズという会社はございませんか。
  248. 檜山広

    檜山証人 私、存じておりません。(発言する者あり)
  249. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 御静粛に願います。
  250. 坂井弘一

    坂井委員 あなたの会社の社屋の中に、しかも七階という場所まで私は指定をして申し上げておる。そこに、いま問題になっておりますロッキードの日本におきますところのPR会社としてジャパン・パブリック・リレーションズという会社が、あなたの会社の七階にあって、そこの社長は福田太郎さんです、とこう申し上げておる。御存じないなんて、どういうことですか。
  251. 檜山広

    檜山証人 お答えします。  まことに不審に思われるかもしれませんが、本当に私は、それこそ天地神明に誓って知りません。ただ、PR会社ということを、ジャパンPR会社があるということは私は存じております。先ほど申し上げました。しかし、どこに何があるなんということは私は全く知りません。
  252. 坂井弘一

    坂井委員 証言者に申し上げますが、きょう大久保氏、伊藤氏、おたくから皆さん四人おそろいなんです。順次お尋ねしていきたいと思います。  わかっておりながらわからないと言うような私は印象を受けてならないわけです。これほど有名な、ある意味におきましては今回の事件の一つのポイントを握る会社じゃありませんか。新聞紙上でも——あなたが御存じない。お話にならない。よろしい、後ほどの証言者にお尋ねするといたします。  ロッキード・アジア・リミテッド日本支配人の鬼さん、御存じですか。
  253. 檜山広

    檜山証人 お答えします。  七、八年前か十年前ぐらいに、私の事務所にロッギードの方と一緒に見えたことがある、その程度でございます。
  254. 坂井弘一

    坂井委員 七、八年あるいは十年前ロッキードの方と一緒に鬼さんが見えた。どういう用件だったのでしょうか。
  255. 檜山広

    檜山証人 お答えします。  はっきり覚えておりませんが、ごあいさつか何かだと思います。
  256. 坂井弘一

    坂井委員 ハル、エリオット、クラッター氏、そのときに同席いたしませんか。
  257. 檜山広

    檜山証人 全然覚えておりません。
  258. 坂井弘一

  259. 檜山広

    檜山証人 全然知りません。
  260. 坂井弘一

    坂井委員 あなたが記憶にあるロッキードの関係者とは、どなたでございますか。
  261. 檜山広

    檜山証人 コーチャンさんとクラッターさん、あとは、その鬼さんと、ロッキードの本社に訪ねたときに向こうの副社長なり——経理担当、製作担当の副社長だと思いますが、その辺を紹介されて昼を御一緒にしたことがあります。
  262. 坂井弘一

    坂井委員 何の話をしたか、全然御記憶にありませんか。
  263. 檜山広

    檜山証人 全然ありません。
  264. 坂井弘一

    坂井委員 鬼氏とは、それ以来何回お会いになっておりますか。
  265. 檜山広

    檜山証人 ほとんど記憶に残っておりません。
  266. 坂井弘一

    坂井委員 それぐらい多いという意味でございますか。それとも、それからはほとんどないということでございますか。
  267. 檜山広

    檜山証人 後者の方でございます。
  268. 坂井弘一

    坂井委員 ユナイテッド・スチール社のシグ・片山氏、御存じでございますか。
  269. 檜山広

    檜山証人 全然知りません。
  270. 坂井弘一

    坂井委員 先ほど私が申しましたジャパン・パブリック・リレーションズ、福田太郎氏、三十三年の四月にこの会社を設立いたしております。児玉さんとは実に厚い親交がございます。しかも先ほど指摘いたしましたように、あなたの会社の中にここの事務所があります。ロッキード・アジア・リミテッド日本総支配人鬼さん、これは全日空との関係もございます。すでに全日空の首脳は会っております。また鬼さんにつきましては、三十三年のFX商戦、このころからハル、エリオット、クラッター、これらが同席いたしまして、さらに児玉氏が加わりましてという経緯がその後ずっと連なってまいります。あなたは鬼さんにお会いになっておる。シグ片山氏は、あなたはお会いになっていない。このことにつきましては後の証言者から証言を得たいと思います。  お尋ねを変えますが、昭和三十三年四月、国防会議でグラマンの採用が内定いたしました。明けて三十四年六月にこのグラマン採用が白紙還元されまして、同年十一月にロッキードが逆転決定いたしました。いわゆるグラマン、ロッキードの空中戦。この時代に丸紅が献金をいたしました政治家、政治団体、御記憶にございますか。
  271. 檜山広

    檜山証人 お答えします。  私はそのころ全くそういう方面に関係しておりませんで、全然存じておりません。
  272. 坂井弘一

    坂井委員 私から申しましょう。  これは自治省に届けられました収支報告によるものでございます。昭和三十年百万、三十二年百六十万、三十三年になりますと、ぐんとふえまして千三百五十万、三十四年は四百三十万、三十五年は二千六百十万、つまり三十三年と三十五年が極端に多いわけであります。三十三年、国防会議でグラマンの採用内定、それから三十四年末には、先ほど申しましたようにロッキードの逆転と、非常に特徴的にあらわれるわけであります。昭和三十年から三十五年までの政治献金と、献金した政治団体及び政治家名前を提出していただけますか。
  273. 檜山広

    檜山証人 お答えいたします。  記録を全部収録しまして、本委員会の御要請とあれば提出いたします。
  274. 坂井弘一

    坂井委員 理事会において御検討いただきたいと思います。  なお、今回指摘されましたコーチャン証言、六億円の政治工作資金、この時期に関連いたしまして、昭和四十五年から五十年までの政治献金の実態につきまして私の方で調査をいたしました。あなたの方は確かめていらっしゃいますか。まずそのことだけお聞きしておきたい。
  275. 檜山広

    檜山証人 ちょっともう一度、何年から何年です。恐れ入ります。
  276. 坂井弘一

    坂井委員 四十五年から五十年。
  277. 檜山広

    檜山証人 いつでもわかるようになっておりますので、その間また調査いたします。
  278. 坂井弘一

    坂井委員 あらかじめ私の方でも調査をいたしております。極端に少ない。いろいろ特徴が見られるようであります。  そこで、最後にお願いをいたしますが、実はこの時期におきまして、あなたの方は税務当局の査察を受けられた。脱税が指摘された。わが党の矢野書記長の質問におきまして、その脱税の指摘をしたわけでありますけれども、あなたの社はこれを全面否定された。ところが、その後このことが立証された。あなたはここに参考人としてお立ちになりまして、まことに申しわけないと陳謝されました。あのときのことをひとつ思い起こしてください。この時点で十数億の脱税行為があった。なぜその必要があったかということにつきましては、もうけ過ぎを隠匿することということが理由の一つ。もう一つの理由は、政治献金として、裏献金として内外に機密費としての必要があった。この二つが指摘されております。これは国税庁との間のやりとりにおいても明確であります。したがって、この時点において非常に政治献金が少なくなるわけでございますけれども、これらが裏献金としてどう流れていったか。同時に、今回六億円の政治工作資金と言われる黒いピーナツ、これの行方をこの際明確にしなければならないという立場から、という目的からわれわれは調査をいたしました。非常に疑わしい面がございますので、この件につきましては、後ほどの証言者から証言を得たいと思います。  終わります。
  279. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 これにて坂井君の発言は終了いたしました。  次に永末英一君。
  280. 永末英一

    永末委員 民社党の永末英一です。  昭和四十四年三月六日付、ロッキードのクラッター氏からあなたの方の豊田取締役に書簡が発せられ、これに対して三月十二日、その内容を承認するサインが行われております。この内容日本におけるL一〇一一販売についてでございますが、これは契約LAIL四〇一一についてその修正第四号、これに基づく手数料の支払いがロッキードからあなたの方に行われる、これについて規定したものだというのが書き出しでございまして、このLAIL四〇一一という契約はいつ締結されましたか。
  281. 檜山広

    檜山証人 お答えいたします。記憶にありません。
  282. 永末英一

    永末委員 これはあなたが先ほど本委員会で述べられました昭和三十三年以来丸紅とロッキードとが契約関係に入っている、その基本契約ですか。
  283. 檜山広

    檜山証人 それはいつの日付になっておりましょうか。——三十三年。私が申し上げましたのは、基本契約は三十三年にということを申し上げたんですが、三十三年ならばそれが基本になって、あとは逐次年を経あるいは機種の変更などによって順々に更改されていっているもので、わかりません。
  284. 永末英一

    永末委員 丸紅・ロッキード間の基本契約とこのLAIL四〇一一、この契約等をひとつ本委員会に提出することを要求いたします。よろしいですか。
  285. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 理事会で諮りましてさよういたしたいと思います。
  286. 永末英一

    永末委員 はい。  さて、この書簡は三月六日にクラッター氏から豊田氏に発せられ、十二日にその同意が承認されておるものでございます。ところが私がここに注目いたしますのは、同年一月十五日、ロッキード社児玉譽士夫氏との間にコンサルタント契約が調印されているのでございまして、これは言うならば仲介人の代理契約ではなくて雇用契約みたいなものでございまして、非常にその内容は条件が厳格であり、そして他に迷惑がかからないようにと、いろいろな条項がございますが、これによって児玉譽士夫氏はロッキードから年間五千万円のコンサルタント料を取ることになりました。これは一月十五日であります。したがって、あなたの方がロッキード社との契約関係ですでにこの新しいトライスターの、後で命名されますが、この販売についてロッキード社との相談の過程で児玉氏が入ってきておるということを、三月時点であなたは知っておるに違いないとわれわれは推測いたします。いかがですか。
  287. 檜山広

    檜山証人 お答えいたします。  全く知りません。先ほどから申し上げておるように、児玉さんなる人自身を私は全然知らないのですから。
  288. 永末英一

    永末委員 あなたの方がこれらのいろいろな問題を処理をしたあげく、四十七年十一月一日にロッキード社契約を結ばれました。この契約の中で、あなたの方は代理店として唯一無二の代理店である、ソール・アンド・イクスクルーシブ・リプレゼンタティブ、こういう名称が使われておりまして、あなたの方は代理店、唯一無二の代理店だということを承知しておられますね。
  289. 檜山広

    檜山証人 代理店契約書は、ソール・アンド・イクスクルーシブでございます。
  290. 永末英一

    永末委員 その四項のC項には次のように述べられております。代理店のなすべきこととして、ロッキードのエンプロイーに対してはこのロッキードの製品を売るについて協力をせよと、こういうことが書いてございます。御存じですね。
  291. 檜山広

    檜山証人 はっきり覚えておりません。
  292. 永末英一

    永末委員 覚えていなくても、そういうものだということは会長として承知しておられるのでしょうな。承知はしておられますね、そういうものであることは。
  293. 檜山広

    檜山証人 一遍読んでみなければわかりませんが、記憶にございませんので……。
  294. 永末英一

    永末委員 これは委員長、重要な点でございまして、自分のやった契約の一番重要な点を記憶を喪失されるようでは本委員会証人として非常に困る。しかし書いてございますから、あなた知っておらぬものとして聞きます。  ところで、児玉譽士夫氏とロッキード社とのコンサルタント契約、これは市場コンサルタント契約でございまして、代理店契約ではございませんが、そのB項に次のような言葉が書かれております。このコンサルタントは、ロッキード並びにその支店、下請、さらに代理店との間でロッキードの製品を売るについて協力をせよ、また助力をせよ、こういうことが書かれておるのでありまして、この二つを突き合わせますと、すでに一九七〇年代の初めからあなたの方は児玉氏との間に内内の連絡はあったとわれわれはみなさざるを得ません。あなたはそう思われませんか。
  295. 檜山広

    檜山証人 そう考えられません。
  296. 永末英一

    永末委員 考えられないのなら、その理由をお述べください。
  297. 檜山広

    檜山証人 質問の趣旨がはっきりわかりませんが、そういう契約児玉さんとの方の関係が云々ということは全くあり得ないと思います。
  298. 永末英一

    永末委員 児玉氏とあるいはID社、いろいろな関係がございますが、いよいよこのトライスターの採用が全日空において決まりましたのが一九七二年、四十七年の十月末でございますが、それが決まりますと、その次の日、十一月一日にあなたの方はロッキードと改めて契約をきちっとされました。そこで、一機当たり十六万ドルのお約束をされた。ところが、このお約束をされた後で、先ほどから申し述べておるように、あなたの豊田常務とそれからクラッターとの手紙が発効するわけでございまして、その中で一機当たり六万七千五百ドルを値引きするとか、いろいろなことが実現してまいるのでございまして、だといたしますと、そういうことを含んでおればこそロッキードのコーチャン会長アメリカの上院における証言で、児玉氏が介在しておるので普通の手数料なら二%程度であるが、この丸紅との契約については約一%に抑えたという証言をしておる。これらの資料をつき合わせると、コーチャン氏の証言に信頼性があって、あなたは知らぬ知らぬと言うのでは信頼性がないではありませんか。日本国民の前に、いまの因果関係を私はそう見ておるのでありますが、あなたは一体どう見るか、お答え願いたい。
  299. 檜山広

    檜山証人 お答えします。  その件については、先ほど何も知らぬじゃないかとおっしゃられましたが、大久保証人がはっきり申し上げると私は申し上げております。というのは、本当に私はそういう関係を知らないから、私も先ほど申し上げたように宣誓して申し上げているのですから、それを信用してください。
  300. 永末英一

    永末委員 手数料交渉というのは非常に重要なことである。そして航空機売り込みに対する中間業者、代理店の、大体世界各国その通有の手数料というのは約二%である。わが国のYS11を外国に売り渡す場合、外国の代理店に三%取られておるということは、われわれとして非常に遺憾ではございましたけれども、二%が基準であればそういうこともあり得るのではないかと思わざるを得なかった。ところが、あなたの方は、わざわざ十六万ドルと約束をされておりながら、内々の交渉で、しかも本契約が一九七二年であるにかかわらず、一九六九年、その段階ですでに、新しくロッキードがエアバスを開発するならばおれは代理店になろう、その場合には新たに値引きするんだ、こういう約束をしておると言うのならば、その値引きの分だけは何らかの裏金に使われるということをあなたは一九六九年から知っておったのではないか。
  301. 檜山広

    檜山証人 全然知りません。
  302. 永末英一

    永末委員 それは、知る知らないは主観的な問題でございますが、そういう交渉をさせておったことも知らないのですか。
  303. 檜山広

    檜山証人 お答えします。  知りません。したがって、後ほど大久保証人に十分聞いてください。
  304. 永末英一

    永末委員 あなたは社長として部下を指揮して、そして署名は明らかにあなたの常務の一人、豊田氏がしておる。しかし、そういうような対外的な契約は、契約に類する書簡の承認事項、こういうものは社長は知らぬでいいのですか。
  305. 檜山広

    檜山証人 お答えいたします。  私ども、本部制になって、下から課長あるいは部長とか本部長の捺印されたものはまず間違いないなということで、大きな、重要なことは斜め読みにもしますが、フランス語もあれば英語もある、ドイツ語もある、スペイン語もある、なかなかとてもあれではないが、間違いがないかという念を押してサインをするのは、決して盲判とは申しませんが、そういうのが現状です。したがって、下の方の管理体制ががっちりしておれば、それで大体サインをするというようなのが現状でございます。
  306. 永末英一

    永末委員 将来決まる値段から、それに最初の四機については上限を決めて二十五万ドルになるけれども、ある一定率まで引いてやるんだ、その半分以上は取らぬのだという約束をあなたの常務はされておるわけだ。その手紙を見て——手数料を取ることが商社の仕事ではありませんか、それを大幅にへっこんでくる、それにしたって一%程度でございますけれども、それから大きく下へへこんでくるという約束を部下が勝手にやっていると一体だれが思うでしょうか。あなたがやらせたのではありませんか。異常だと思いませんか。
  307. 檜山広

    檜山証人 先ほど申し上げましたように、全く私ども知りませんし、また、しかしその署名が豊田とクラッターのなにになっている。(「社長なんか要らぬじゃないか」と呼び、その他発言する者あり)
  308. 永末英一

    永末委員 あなたの重役の、外国と交渉する最も重要な人が、手数料に関することをあなたに報告がなかったでしょうか。決まれば、契約に出てくる売り渡し金額よりは手数料よりはこれだけ割り引かねばならぬ、という約束をしましたよということを一回もあなたが知らぬでこの交渉が済んだでしょうか。
  309. 檜山広

    檜山証人 お答えいたします。  全く一回も相談を受けておりません。
  310. 永末英一

    永末委員 証人、世の中に一度うそをつけば九十九遍うそをつかねばならぬということがある。私は丸紅という会社はりっぱな商事会社だと思っておる。しかも、一番の重要な——アメリカのロックフェラー副大統領に会いましたときに言いました。私の商売は飛行機を売るような大きな商売ではなくて小さな商売ですと申しましたが、小さなかどうかわかりませんが、いやしくも単価の高い飛行機の売買をし、その手数料を取る、こういう商売が、丸紅としてはすでに昭和三十三年以来ロッキード社と組んでT33、104、それからP2V、いろいろな飛行機を手がけたではありませんか。そしていよいよ大きな大型旅客機を導入するということに当たって、その手数料はあなたの方の最大関心事でなければならぬと思います。それについて、あらかじめそれが割引の相談があり、その以前に児玉譽士夫氏のコンサルタント契約がある、こういうことになってくれば、そこに何か異常なものを私は発見せざるを得ない。あなたは全然正常だと思いますか。
  311. 檜山広

    檜山証人 いまの本部制を皆さん御存じがないのかもしれませんが、私どもの本部制というものはその権限の委譲によって、規定によってこれとこれとこういうことは自分の本部長の裁断で行うという、その規定になっておるのです。したがって、いま社長とか会長とかいっても全部統轄するなんというのはどんな人でもできません。それが本部制の要するに制度でございますから。それでいま疑問の点は必ず大久保専務なりその担当のあれが十分御説明できると思います。そういうことで、いま本当に社長としての能力がないとかおっしゃるなら、それはもう何をか言わん。私もそういう意味で私がそれだけの社長であるということをひとつ御認識になって御勘弁願いたいと思います。
  312. 永末英一

    永末委員 本部制というのはいつから発足したのですか。
  313. 檜山広

    檜山証人 本部制は、担当制と本部制としょっちゅうやはり針のように変わっておりますので、四、五年前だと思いますが……。
  314. 永末英一

    永末委員 ことしは一九七六年です。四、五年前なら、一九六九年には発足していない。しかも、トライスター導入に関する話はまさに五年以上前からの話でありませんか。あなた、責任を明らかにしてください。
  315. 檜山広

    檜山証人 その当時は担当常務制だと思います。
  316. 永末英一

    永末委員 私はあなたの方の内部職制について云々するつもりはございません。しかし、少なくともこれほどの重大問題になる案件について、あなたの方の会社としても一番大きな問題ではありませんか。それについて手数料の値引きが、最高首脳部であるあなたが知らぬ間に交渉されておったという答弁は、これは歴史に残って、丸紅の歴史にもかかわる問題ですよ、これは。もう一遍しっかりとお答えください。
  317. 檜山広

    檜山証人 歴史に残って結構です。私はそういう本部制でやってきておるので、全くその本部長の裁断によってやっておることですから、それはやむを得ません。
  318. 永末英一

    永末委員 この件につきましては、一九七三年五月二十四日にロッキード・エアクラフト・アジア社の社長であるクラッター氏から、ロッキード・カリフォルニア会社の財務担当取締役プール氏に対して「丸紅へのL一〇一一の手数料支払いについて」という報告書が報告されておりまして、これがいままで私が申し上げましたとおり、いよいよ本契約が成ったが、このように、そしてその後いろいろな支払いが児玉氏もされておる。そしてこのことが、内容が成就しておるということを背景にしながら、割引が合意を見たという報告書が来ておるのである。それによってあなたの方は、その年の末からロッキードが納入されるについて正規に領収をされております。したがって、それは十六万ドルから六万七千五百ドルを引いたものが当初の四機であり、第五機目からは十六万ドルの手数料を回復しておるのである。したがって、このことの起こりはいま申し上げました一九六九年以前からであり、そしてそのことが明らかになったのは児玉氏の介在以来であると私は判断しております。もう一度お答えを願いたい。
  319. 檜山広

    檜山証人 私も全然、先ほどから申し上げておるように本件は全く関知もしませんし、知っておりませんので、どうぞ、まことに相済みませんが、大久保証人からお承り願います。
  320. 永末英一

    永末委員 終わります。
  321. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 これにて永末君の発言は終了いたしました。  以上をもちまして、檜山証人に対する尋問は一応終了いたしました。  檜山証人には御苦労さんでしたが、御退席を願って結構でございます。  なお、本日再び証言を求める場合もあるかもしれませんので、二十分以内に出頭できる場所で待機していただきたいと思います。  午後一時より再開することとし、この際、休憩いたします。     午後零時三十一分休憩      ————◇—————     午後一時十分開議
  322. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  この際、お諮りいたします。  児玉証人出頭の件につきましては、先ほどの理事会で協議いたしましたとおり、やむを得ないものとしてこれを認めるに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  323. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。  なお、児玉譽士夫君の証言を求めるについては、今後の病状の推移を見て、その取り扱いを理事会において協議することといたします。     —————————————
  324. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 それでは、大久保証人より証言を求めます。  まず、委員長より所要の事項についてお尋ねをいたします。  あなたは大久保利春君ですか。
  325. 大久保利春

    大久保証人 大久保利春でございます。
  326. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 住所、職業、生年月日をお述べください。
  327. 大久保利春

    大久保証人 神奈川県逗子市逗子六の三の二十三。大正三年一月二十日生まれ。丸紅株式会社専務取締役。  以上でございます。
  328. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 あなたは、いつから、何年から航空機部門の仕事を担当いたしましたか。
  329. 大久保利春

    大久保証人 昭和四十四年六月に私が本部長となりまして以降でございますので、六年半余になると存じております。
  330. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 あなたは全日空へのトライスター売り込みに際し、どういう仕事をしたか、またどういう働きをしたか、お述べください。
  331. 大久保利春

    大久保証人 全日空に対する私の取引の主要な任務は、ロッキード社との間にあります基本契約内容に基づきまして、これのための役務契約、これの遂行が中心でございまして、実際の全日空との取引につきましては、私が中心となってやっておりました。
  332. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 あなたは、六日の米国上院外交委員会の多国籍企業小委員会公聴会において、ロッキードのコーチャン氏が、あなた、すなわち大久保証人または檜山氏どちらかが、航空機売り込みに成功するためには、いわゆる売り込み戦術につきましては、政府の当局者あるいは高官に対して金を支払うとか、あるいは金を賄賂というような意味で渡したとかという、そういうことをしなければ売り込みができない、したがって、それを進めるためには相当の運動資金が要るが、その金を提供するようにコーチャン氏に勧告した。そういう金が要るんだから、その金を丸紅の方へ提供するようにということを勧告した、ということをコーチャン氏が、そういうことを言っております。これに対しまして、あなたは、どういう御返事をいただけるか。あるいはコーチャン氏の言うことが虚偽であったか、その証言は全然でたらめであったかどうか、ということについてひとつ説明を願いたいと思います。
  333. 大久保利春

    大久保証人 私はそういうことは一切申しておりません。したがいまして、それが虚偽であるかどうかにつきましては先方の定めることでありまして、私から申すべきことではございませんと存じますが、私は一切申しておりません。
  334. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 そうすると、コーチャン氏の証言と全然違うあなたの御発言でありますが、もしそうだといたしましたら、コーチャン氏に対し、あるいはロッキード社に対して法的処置を講ずる決意がありますか、ありませんか。
  335. 大久保利春

    大久保証人 現在の私の立場として、直ちに法的措置をとるかどうかは、これは社長等によく相談した上でなければ、単独行動をとれない立場におりますので、明確な御回答はいたしかねますが、すこぶる不愉快な感じを持っておることははっきり申し上げたいと思います。
  336. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 すこぶる愉快でないというような御発言ですが、あなたとコーチャン氏の証言とは全然違う発言ですが、何らかの法的な処置を講ずる決意も何もないのですか。
  337. 大久保利春

    大久保証人 時が参りましたら、その決意がございます。
  338. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 何ですか。
  339. 大久保利春

    大久保証人 時が参りましたら、その決意がございます。
  340. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 え、どういうことです。
  341. 大久保利春

    大久保証人 私は先ほど申し上げましたとおり、丸紅の現在は役員でございますので、会社の方針に従いましてやらなければならない立場もございますので、時が参りましたらというのは、私がフリーの立場になったときには、私としての措置を講じます。
  342. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 あなたは、公聴会コーチャン氏が述べているところで、九十ユニットとかあるいは三十ユニットという符牒というのですか、符号というのですか、の領収証にサインをしていることになっておりますが、あなたはサインをしませんか、しましたか。
  343. 大久保利春

    大久保証人 いたしました。
  344. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 九十ユニット、三十ユニットというのはどういうことですか。(「七十」と呼ぶ者あり)七十ですか。違うな、書いたのと。
  345. 大久保利春

    大久保証人 その内容につきましては、私は存じ上げません。知りません。
  346. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 ちょっとお尋ねしますが、全然知らないものにあなたは受け取りのサインをするのですか。
  347. 大久保利春

    大久保証人 まことに不注意きわまることであったと存じますが、私はその内容を知らずしてサインいたしました。
  348. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 あなたは丸紅専務をなさっている方でございます。その人がこういう奇々怪々な、それこそ世界じゅうにないようなこういうものに、受取にサインをするというようなことを平気でして、そういう会社の社則か何かあるのですか。
  349. 大久保利春

    大久保証人 ロッキード側からは私に対しましては、社内事務処理のために必要であるからサインをしてくれと言われてサインしたものでありまして、当時はコーチャン社長でございますが、これを私は信用しておりましたために、改めて注意をすることなくサインしたわけでございます。  また、ただいまの委員長よりの御質問の、こういうものに専務としてやたらにサインするのかということにつきましてはサインはいたしておりませんが、このサインペーパーにサインしたことにつきましては、何と御批判を受けてもまことにじくじたるものがございますし、何とも不明の点をおわび申し上げたいと存じます。
  350. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 そういたしますと、コーチャン氏を信用していたからサインをするんだと、こういうことですが、まことにこれは、丸紅の給仕でもあれば別ですが、専務をなすっている方が、コーチャンから言われれば何にでもサインするのですか。こんなばかげた話がありますか。
  351. 大久保利春

    大久保証人 昭和三十三年以来、ロッキード社とは約十八年にわたりまして私どもは取引をいたしておりまして、丸紅といたしましては重要取引先の一つでございました。また、私が四十四年六月に本部長に就任いたしましたときは、すでに元社長のコーチャン氏は社長としてこの件に当たっておりましたので、私がいま申し上げたのは、私が知りまして以来のコーチャンという者は非常にりっぱな人であると信じ切っておったわけでございます。
  352. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 それでは、なおお尋ねいたしますが、ユニットというものはどういうことですか。ただ何も知らないでサインをしたんだということになって、ユニットということは何も知らないでサインしたのですか。そんなばかげたことはないでしょう。どういうことですか。
  353. 大久保利春

    大久保証人 ユニットにつきましては、ロッキード側に尋ねましたが教えてくれませんでしたので、私はわかりません。
  354. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 ちょっとおかしいじゃありませんか。ロッキード側に聞いてみて何かわからないものに、ただサインをするのですか。そんなばかげた話が世の中に通じますか。
  355. 大久保利春

    大久保証人 委員長のおっしゃるとおりでございますが、先ほども申し上げたように、これはサインペーパーにサインをしてくれということでもありましたし、また、長年の取引先でもありました関係上、私はそれを信用し切っておったと申し上げます。
  356. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 なお、コーチャンという人は、航空機売り込みについて政府当局あるいは政府高官に金を使わなければだめなんだ、金を使えば売り込みができるんだというような発言を何回もしている。これとユニットとの関係についてどういうふうに、そのユニットというのが金の受取であって、その金がどこか政府あるいは政治家に渡っておるかどうかというような疑問を国民はだれしも持っておるのですが、そういう想像をしておりますが、あなたはこれに対してどういう答弁をなさいますか。
  357. 大久保利春

    大久保証人 私は、そのような考えは一切持っておりません。
  358. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 もう一遍。そのユニットと、いわゆる航空機売り込みに対する運動資金というのですか、あるいは賄賂というのですか、そういうこととは結びつきがあると思いますか、ないと思いますか。
  359. 大久保利春

    大久保証人 ないと存じます。
  360. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 ないと思いますか。
  361. 大久保利春

    大久保証人 そのとおりでございます。
  362. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 それでは、ユニットというものは何ですか。何のことですか。
  363. 大久保利春

    大久保証人 先ほど申し上げましたように、先方にこれを尋ねましたが、先方はこの内容を教えてくれませんので、私はわかりません。
  364. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 いつ向こうへ問い合わせて、お聞きになりましたか。
  365. 大久保利春

    大久保証人 それは、いつとおっしゃいますと、この記憶は非常にはっきりしておりませんので恐縮なんでございますが、昭和四十七年の暮れ、秋ごろかと存じて、記憶しております。昭和四十七年の秋ごろかと存じます。
  366. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 なお、これは伊藤証人がサインしたんだと思いますが、ピーナツ百個とかなんとか、そういうことについても、あなたは全然知りませんか、知っておりますか、どっちですか。
  367. 大久保利春

    大久保証人 承知しております。
  368. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 それは、ピーナツというのは何ですか。どういうことの領収証ですか。
  369. 大久保利春

    大久保証人 ユニットと同じような先方の表現を使ってまいりまして、その中身は私は存じません。
  370. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 そうすると、伊藤専務と、ユニットのいわゆる受取にサインするときに、相談なさいましたか。相談してサインしましたか。
  371. 大久保利春

    大久保証人 先ほど申し上げましたように、ユニットというのは私が滞米中に聞かされた話でございまして、ユニットは、私の記憶では四十七年の秋ごろかと存じますので、そのときは相談いたしておりません。
  372. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 またコーチャン氏は、約二百万ドルが丸紅の役員を通じて政府高官に渡されたと、こういうことを証言しておりますが、その二百万ドルは、あなたか檜山さんから、どちらかが政府に献金というのですか、あるいは金を支払ったというようなふうに証言されておりますが、そのことについては御存じですか。
  373. 大久保利春

    大久保証人 一切そういうことはいたしておりません。
  374. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 知っておりましたか。
  375. 大久保利春

    大久保証人 存じておりません。
  376. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 あなたはコーチャン氏を知っておりますか。
  377. 大久保利春

    大久保証人 コーチャン前社長、現副会長はよく存じております。
  378. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 いつからお知り合いですか。
  379. 大久保利春

    大久保証人 昭和四十四年六月、私が機械第一本部長になりまして以降、存じております。
  380. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 この問題が起こると同時に、いわゆる二月の五日にあなたは渡米されておりますが、どういう目的でアメリカに行かれたか。あるいはだれと相談をされてアメリカに行かれたか。はっきりとお答えを願います。
  381. 大久保利春

    大久保証人 二月五日に私が渡米いたしましたのは、社長の命令によってであります。私の会社の社長の命令によってであります。
  382. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 何の目的で行ったんですか。
  383. 大久保利春

    大久保証人 実情の調査をしてこいと……
  384. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 何の実情調査ですか。
  385. 大久保利春

    大久保証人 あの朝に本件が報道いたされまして、私どもも非常にびっくりしたわけでございますが、その実情を調査に行ってこいということを急遽社長から命ぜられて、米国へ出発いたしました。
  386. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 どういう調査をなすってきましたか。
  387. 大久保利春

    大久保証人 私の受けた命令は調査という命令でございましたので、まず第一に、六日の公聴会内容を早く知りたいということで、その六日の公聴会内容を早く手に入れて調査することが一つ。その六日以降につきましては、コーチャン社長に会いまして一体どういうことでああいう発言になったのか、その彼の意思の発表を私自身が確認して帰りたいという決意をいたしまして、そのような行動をとりました。
  388. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 ちょっと、社長がアメリカへ行ってこいと、こういうことだから行ってきましたというだけでは、学生の修学旅行みたいな話で、専務として行かれたこととは少し答弁が常識を逸していると思うのですが、まずアメリカへ参りましてコーチャン氏と会ってどういう話し合いをしてきたか。また、どういうことを相談されてきたか、つまびらかにしていただきたいと思います。
  389. 大久保利春

    大久保証人 コーチャン社長とは一切の相談はいたしておりません。私はコーチャン社長に会いまして二つのことを抗議いたしました。  一つは、あなたの六日の公聴会においてイーザー・ミスター・ヒヤマ・アンド・オア・オークボがリコメンドしたということをあなたは一体どういう意思でそういうことを意思表示したのかということを私は抗議を申し込みました。それが一つ。  もう一つは、先ほどから委員長から御下問になっておられますピーナツとかそういうものにつきまして、あなたはかたく私どもに約束をし、絶対に丸紅には迷惑をかけない、個人にも迷惑をかけないということで信じていたにもかかわらず、何がゆえにこのサインペーパーをこういう委員会に提出するようなことになったのかと、この二つを強く難詰いたしました。
  390. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 コーチャン氏は何と言っておりましたか。
  391. 大久保利春

    大久保証人 コーチャン社長は、それに対しては非常にしょげ切っておりまして、何分にもあの公聴会のプレッシャーの強い環境下において私がああいう証言をしなければならなかったことについて、その環境を理解してもらえるだろうということで、陳弁これ努めておりました。  次のサインペーパーの問題につきましては、この約束を破るつもりでは決してなかったのであるが、社内の処理手続が大変遅くなってこういうことになってしまって申しわけないとひたすら謝るばかりでありました。したがって私は、それならばあなたはそれを書いた物にして私どもの方に陳謝の意を表する気はないかと申したところが、彼はすぐにペンをとりまして、檜山会長並びに関係幹部に対する陳謝の書簡を書きました。
  392. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 それでなおお尋ねしますが、何と言われても、陳謝の文面、手紙を書きさえすれば、あなたの方はこれで終わりましたと、こういうことになるのですか。おかしな話じゃありませんか。
  393. 大久保利春

    大久保証人 全くそうは思っておりません。ただ、私どもとしてそのときとれる、私としてとれる手段はそれ以上ございませんでしたので、直ちにあなたのハンドライティングで陳謝の意を表せということで、その檜山会長あての手紙をもらって帰りました。
  394. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 お尋ねしますが、コーチャン氏の証言とあなたがいまおっしゃっていることとは、もう全然話にならない、全然違うことなんだ。しかも、二百万ドルも政府へ、あるいは高官政治家に賄賂を贈れというような、金額まで出ている。にもかかわらず、あなたの言っていることと向こうのコーチャン氏の言っていることとは全然違いがありまして、しかも、手紙丸紅重役のだれだれにもらってきたからそれでいいのだ、あなたは社長の命令ですと、そんな幼稚園の生徒みたいなことで、あなた済むと思っておりますか。とんでもないことだ。
  395. 大久保利春

    大久保証人 決して済むとは思っておりません。ただ、できることはそれしかできなかったということを申し上げておるわけでございます。
  396. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 そこで、あなたに、コーチャン氏の証言が、もしあなたが考えて違っておると思いましたら、これは法的な処置、いわゆる告訴するという決意はないのですか、あるのですか。どっちですか。
  397. 大久保利春

    大久保証人 私個人としてはございます。
  398. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 個人としては、何です。
  399. 大久保利春

    大久保証人 ございます。
  400. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 ございますと言って、あれですか、告訴するのですか、しないのですか。どっちですか。
  401. 大久保利春

    大久保証人 告訴をいたします。
  402. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 いたしますか。
  403. 大久保利春

    大久保証人 はい。
  404. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 いつ、何月何日にやりますか。
  405. 大久保利春

    大久保証人 現在まだ申し上げるところまで私の考えは固まっておりません。決意はいたしております。
  406. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 決意だけで、告訴するのですか、しないのですか。どっちですか。
  407. 大久保利春

    大久保証人 いたします。
  408. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 以上をもちまして、まことに私としては不本意ですが、後の発言者の時間もありますと思いますので、残念しごくですが、これで委員長としての質問は打ち切ります。  次に、委員からの発言申し出があります。これを持ち時間の範囲で許します。奥野誠亮君。
  409. 奥野誠亮

    奥野委員 いまお話を伺っておりますと、大久保証人は四十七年の秋ごろにユニットを受け取ったという二枚の領収証にサインをしておられる。伊藤証人は四十八年から四十九年にかけてピーナツなりピーシズなりの四枚の領収証にサインをしておられる。そうしますと、大久保証人が先にサインされている。伊藤証人伊藤証人として別個にローキード社から頼まれ、その範囲でサインをされたのか。あるいは大久保氏と伊藤氏との間においてどういう関係があったのか。その間の関係を明確にしていただきたいと思います。
  410. 大久保利春

    大久保証人 四十七年秋のときのサインペーパーとそれからその後の伊藤氏のサインペーパーとの間には、特別に伊藤氏と私の間に話がございませんで、これは私が全部ロッキードから頼まれたものでございまして、当初の最初の四十七年の分につきましては、私がサインをいたしております。それからその後の四十八年の分につきましては、私が伊藤氏に依頼したものでございます。     〔委員長退席、正示委員長代理着席
  411. 奥野誠亮

    奥野委員 そうしますと、伊藤氏はローキード社から直接頼まれたわけではなしに、あなたが伊藤氏にサインを頼んだから伊藤氏がサインをしただけのことだ、こういう趣旨でございますか。
  412. 大久保利春

    大久保証人 そのとおりでございます。
  413. 奥野誠亮

    奥野委員 ロッキード社から頼まれた、こうお話がございましたが、ロッキード社の何のだれがしからどこで頼まれたのか、明確にしていただきたいと思います。
  414. 大久保利春

    大久保証人 ロッキード社のクラッター氏でございます。私の会社の事務所においてでございます。
  415. 奥野誠亮

    奥野委員 その内容がわからずに、ただ迷惑をかけない、社内処理のために必要なんだ、サインをしてくれ、こういうお話でございましたが、子供の社会でありましたならばそれでもあるいは通るのかもしれませんけれども、大人の社会ではまさか大久保証人ともあろう方が内容を聞かないでサインするということは、これはもうあり得ない。何かの事情でここで言えないことだけのことじゃないか、こう思うのでありますが、私が申し上げているとおりでございましょうか。
  416. 大久保利春

    大久保証人 私は事実知りませんので知らないという事実を申し上げておりますので、子供のようではないかと仰せられますと、私自身といたしましてはまことに不明のきわみだと恥じ入っております。
  417. 奥野誠亮

    奥野委員 二枚をあなたがサインをして、四枚は伊藤氏がサインをしておる。そういうあいまいな書類のサインなら、あなたがサインする以上は、六枚全部あなたがサインされるのなら話がわかると思うのです。なぜまたあなたが二枚をサインをして、あとの四枚を伊藤氏に振りかえたのか。その事情を御説明いただきたいと思います。
  418. 大久保利春

    大久保証人 ロッキードのクラッター氏が四十七年の秋に私に頼みましたときは、私は先ほど申した非常に不注意な経過でサインいたしたわけでございますが、四十八年の分につきましては、クラッター氏より、大久保以外の丸紅の役員のサインがほしいということを依頼されまして、伊藤氏に依頼したわけでございます。
  419. 奥野誠亮

    奥野委員 大久保以外のサインをほしいということになりますと、疑問が重なると思うのであります。それと同時に、ユニットから今度はピーナツに変わり、ピーナツからまたピーシズに変わっている。一層私は疑問が深まってくると思うのであります。そうなりますと、サインについては一層の慎重さが加わってくるはずだと思うのであります。いま伺っていますとこういう疑問がわいてまいりますが、いかがなものでしょうか。
  420. 大久保利春

    大久保証人 種々な言葉が出てまいりまして、ピーナツユニットピーシズ、こう出てまいるわけでございますが、いずれも先ほど委員長証言いたしましたように、この内容を何ぽ聞きましても、向こうからは教えてもらえませんでした。
  421. 奥野誠亮

    奥野委員 それでは、権力的といいますか、命令的といいますか、な形で求められた。ロッキード社丸紅との関係はそのような関係にあった、こうおっしゃるわけでございましょうか。
  422. 大久保利春

    大久保証人 丸紅との当初の契約、ソールエージェンシーになった関係は、私はよく存じておらないわけでございますが、ロッキード社丸紅との関係につきましては、当初いろいろあつれきがあったようにも伺っております。しかしながら、私が昭和四十四年の六月に本部長になりまして以降は、コーチャンという一人の社長を通じまして友好な関係裏にございました。したがいまして、現在お尋ねの件につきましては、強圧のもとにやられたというような気持ちは持っておりません。
  423. 奥野誠亮

    奥野委員 角度を変えてお尋ねをしたいと思います。  大久保証人は、日本国内だけの商取引に関与しておられるわけじゃなしに、国際間の取引に関与しておられるわけでありますから、サインの持つ重要性というものは人一倍身に感じておられるはずだと思うのであります。国内で商取引します場合に、三文判を押すなら、あるいは安易に押せるかもしれません。しかし、印鑑証明書をつけまして実印を押す場合には、やはりその結果どういう責任がかぶってくるのだろうかというようなことぐらいは頭に置いて印鑑を押すと私は思うのであります。私は、サインというものはもっと厳粛なものだ、そのサインの結果は全責任が自分にかぶってくるのだということだと思うのでありますが、それにもかかわらず、そんなものにサインしたということになると、何か不正に加担をしているのじゃないか、何か擬装をしているのじゃないか、こういう疑問がわいてくるわけでありますが、この私の疑問にひとつお答えをいただきたいと思います。
  424. 大久保利春

    大久保証人 このサインの意味につきましては、先生のおっしゃるとおりだと存じます。ただ、持ってまいりましたサインペーパーというものは、正式の領収証でもなければ、単なるサインペーパーでございましたので、これは先ほど委員長にも御説明申し上げましたのですが、私どもは長年の友好関係ロッキード社要求を信じてサインをいたしたわけでございます。
  425. 奥野誠亮

    奥野委員 ますますわからないのでありますが、大変失礼でありますけれども、もう一つ重ねて伺いますが、丸紅におきまする金銭領収証の署名権者がだれになっておって、そのサインの権限行使については社内規程としてルールがあるはずだと思うのであります。こういう点について言及しながら、もう一度お答えをいただきたいと思います。
  426. 大久保利春

    大久保証人 丸紅の正式の領収証は、当社の経理部において発行された一定形式の領収証でございます。これ以外の領収証につきましては、正式の領収証ではございません。したがいまして、私どもがロッキードのクラッター氏より要請されましたサインペーパーというものは、当時は非常に軽い気持ちでサインいたしたわけでございます。
  427. 奥野誠亮

    奥野委員 いま明確にされましたように、代表権のある者がサインするわけでございましょうし、サインする場合に理由も知らないでサインするということはあり得ない。これはもういかなる組織においても私はあり得ないと思うのです。商社におきましては、このサインの問題は特に厳格に扱っておるはずだ、こう私は理解をしておるわけでございます。組織上あり得ないことをおやりになっている、こういう感じを持つわけでございます。丸紅だけは別だ、こうおっしゃるわけにもいかぬだろうと思うのでございますが、念のためにもう一遍伺います。
  428. 大久保利春

    大久保証人 先生のおっしゃるとおりでございます。正式にサインをした場合につきましては、これは当然稟議書その他に基づいて権限を与えられた者でなければサインはできないと存じております。
  429. 奥野誠亮

    奥野委員 アメリカ国会で明らかになってまいりましたのは、一個が百万円だ、だから六枚、六億二千万円、また二百万ドルということも出ておるわけでございまして、これが丸紅関係者に渡された工作資金だ、こう向こうで述べられておるわけでございます。そうしますと、サインされる場合に、この領収証が一体どこへ行くと思っておられたのか。いまクラッターという人の名前が出たわけでございますけれども、この方は日本のロッキード・インターナショナルの東京における最高責任者であったのじゃないかと思うのでありますが、同時に、ID社でありますとか、これは向こうでは領収証をつくるためだけの会社だと、こんなことを言ったりもしているようでございます。あるいはその社長がシグ・片山であったというようなことも出てまいってきたわけでございますが、ID社とかシグ・片山とかこういう人物を知っていたかどうか。最小限度面識があったかどうか。あるいはID社という名前は聞いたことがあったかどうか、この点をまず伺いたいと思います。
  430. 大久保利春

    大久保証人 片山という名前は全然存じておりません。また関知もいたしておりません。ID社も全然存じません。また関知もいたしておりません。
  431. 奥野誠亮

    奥野委員 お書きになった領収証がどこへ行くとお考えになっておったんでしょうか。
  432. 大久保利春

    大久保証人 これは社内事務処理のために必要であるということを私は言われて不覚にもそれを信用したわけでございまして、これは用済み後破棄をし丸紅にも個人にも迷惑をかけないということでございましたので、どこへ行くかということは私自身推測をできかねました。
  433. 奥野誠亮

    奥野委員 事務処理というだけでは全くわからない。まさかあなたがそんなことを信用してサインされる軽率な人間だということも私には考えられません。しかし、これにばかり時間をとっておったんじゃ進みませんので、次の問題に移ります。  先ほど委員長からもお尋ねがございましたが、いち早くアメリカに渡られてコーチャンロッキード社長等とも会っておられる。そしてコーチャン社長から檜山会長等への手紙を持ってこられた。この手紙内容に御満足になっておるかどうか伺っておきたいと思います。
  434. 大久保利春

    大久保証人 満足は決していたしておりません。したがいまして、あなたの立証内容についてこれを取り消すというような手紙を書いてもらいたいということを私は要求いたしましたのですが、コーチャンは立証したものを取り消すと偽証罪になるのでそれはできないと言われました。
  435. 奥野誠亮

    奥野委員 重ねて伺いますが、この席で証人が虚偽の陳述をされますと三月以上十年以下の懲役に処せられる、こういうことになっておるわけでございます。恐らくアメリカ国会における証言、虚偽の陳述をした場合には同じような罰則があるはずだ、こう思います。いまお話を伺っておりますと、取り消すと虚偽の陳述をしたことになる、刑事犯罪人にコーチャン社長が処せられる、だからコーチャン社長としてはあの程度の手紙しか書けなかったんだ、こういうことでございましょうか。
  436. 大久保利春

    大久保証人 御説のとおりでございます。
  437. 奥野誠亮

    奥野委員 もう一つ日本では飛行機売り込みを成功させるために裏金を使う必要があるのだということを、あなたか檜山氏かどちらかが助言をした、しかしそんな助言をした覚えはないというお話がございました。しかし、コーチャン氏その他ロッキードの関係者といろんな会合を持っておられると思います。その間にそういう式の話が出たことがあるのかどうかということ、同時にまた、丸紅が海外で活動されます場合に、時と場合には裏金を使っておられるのかどうか、この点をお伺いしたいと思います。
  438. 大久保利春

    大久保証人 丸紅が海外で活動する場合に裏金は一切使っておりません。  また、航空業界において裏金が必要であるということも私自身承知しておりませんし、そういうことは一切申し上げておりません。
  439. 奥野誠亮

    奥野委員 丸紅ロッキード社との間では、三十三年以来エージェントの契約を結んでおられる。同時にまた、全日空のトライスター購入に当たってのコミッション、丸紅の受ける手数料が、コーチャン発言等と比べますと低過ぎるように思われる。ということになってくると、低い部分が別な裏金工作の資金として流れているのじゃないかというような疑問も出ているわけでございます。したがいまして、この代理店契約、私の承知しているのでは、一般的には飛行機会社の特定の機種について代理店契約を結ぶ。しかし、ロッキード社の場合には全体的な代理店契約を結んでおられる。どういう事情でそういう違いがあるのか。  同時にまた、児玉氏にはたくさんなコミッションが出ているようでございます。特にまた、P3Cが五十機日本売り込みができたら二十五億円を支払うというような契約もなされておったというようなことが出てきたりしているわけでございます。児玉氏にどうしてそういう多額のコミッションを払うことができるのか、それらの事情について、ここでひとつ解明をしていただきたいと思います。
  440. 大久保利春

    大久保証人 児玉氏につきましては、私は全然面識も関係もございませんので、どうして渡ったかについて先生から御説明せよと言われましても、御説明の申し上げようがないわけでございます。  最初の御質問の、商社の口銭は大変低いではないかという先生の御指摘につきましては、まことに低いというのが実情でございます。  また、先ほどおっしゃいました、航空機のエージェントとしてはごく一部のものとの契約に限られておるにもかかわらず、丸紅の場合には全体をカバーしておるではないかという御疑問でございますが、これは昭和三十三年の契約当初にさかのぼってみましても、当時はロッキード本社、それからロッキード・サービスという会社であったかと存じますが、私、記憶にそこははっきりしておりませんが、サービスという会社であることはまず間違いないと存じますが、ロッキード本社は民間機、サービスの方は軍用機というふうに、初めから広くカバーをしておったことは事実でございます。
  441. 奥野誠亮

    奥野委員 松永委員の関連質問もございますので、あと一つだけにしておきますが、防衛庁で次期の対潜哨戒機、これを電子機器等の研究開発にまつか、あるいは外国機の輸入——外国機の輸入といいましても、恐らく完成品の輸入じゃなくてライセンス生産を日本でやることになる、ロッキードの戦闘機の場合と同じようなことになるんじゃないかと私は想像しているわけでございますが、こういう問題があるわけでございます。この問題に関しまして、丸紅として防衛庁に対し、いつごろからどこへどのような接触をしておられるか。同時にまた、ロッキード社からエージェントとしてどのようなことを依頼されているか。同時にまた、その契約内容、成功した場合のコミッション等を御説明いただきたい。  同時にまた、突然申し上げましてもおわかりにならなければ粗っぽい数字でも結構でございます。三十三年からロッキード社のエージェントをしておられるわけでございますし、三十三年、四年にかけましてグラマンからロッキードにかわった大変混乱をしたときであります。国会におきましても、決算委員会で与野党一致でグラマンを非難したわけでございまして、そしてロッキード採用ということになった経過があるわけでありますが、防衛庁に対しまして、丸紅からロッキードの製品をどの程度売り込んでおられるか、それが丸紅の売り上げ総額に占める割合がどれぐらいになっているか。粗っぽいことで結構でございます。お教えをいただきたい。
  442. 大久保利春

    大久保証人 最後の先生の、ロッキード社の全体の軍用機関係の取り扱い、それの総額は幾らかということにつきましては、これは現在私どもは軍用機は扱っておりません。現在扱っておりますのは104、これの部品、それからP2J、これは対潜哨戒機でございます。これの部品、それらの軍用機の部品のみを扱っております。昭和三十三年から本日までの取り扱い総額は約一億一千万ドルかと、概略の数字でございますが記憶いたしております。これに対する口銭といたしましては約一%と記憶いたしております。  丸紅全体の今日の売り上げに占める割合につきましては、現在は約五兆八千億ぐらいの売り上げになっておりますので、それとの割合になります。  次期の対潜哨戒機のP3Cのことについてでございますか、これにつきましては私どもの現在の活動はほとんど皆無に近いわけでございます。現在までにこれにタッチすることは、政府としても直接にやっておることでございますので、これの翻訳文その他についてすら私どもの手に入っておらないわけでございます。(奥野委員ロッキード社との契約なしですか」と呼ぶ)ロッキード社との契約にはございます。  契約内容は、一般契約と同じでございます。その中に、現在ではロッキード・エアクラフト・インターナショナル・INCという会社との契約になっております。これはほかの機種と一緒に並行して並べられております。
  443. 正示啓次郎

    ○正示委員長代理 次に松永光君。
  444. 松永光

    ○松永委員 先ほどあなたは三十ユニット、七十ユニット、二枚の領収証にサインをしたと言われましたが、この二枚の領収証のサインは、同じ機会にされたのですか、別々の機会ですか。
  445. 大久保利春

    大久保証人 これは私の記憶では、明らかに別なときだと記憶しております。
  446. 松永光

    ○松永委員 それじゃ一回目が幾らユニットで、要するに三十と七十あるわけですから、どちらが先でどちらが後で、先はいつごろ、二度目のはいつごろ、言ってください。     〔正示委員長代理退席、委員長着席
  447. 大久保利春

    大久保証人 第一回目と第二回目との間はそう間隔がないように記憶いたしておりますが、いま先生がおっしゃいました三十、七十という、その金額内容についても、実は私は金額ははっきり記憶にない……(松永委員「そんなこと聞いているんじゃないんだ、いつごろといつごろか」と呼ぶ)推測でございますが、十月、十一月、そのぐらいの間隔だと記憶しております。
  448. 松永光

    ○松永委員 このサインはクラッター氏に頼まれて、そして丸紅会社の事務所でサインをしたということですが、その際には、あなたとクラッターのほかにだれかおりましたか。
  449. 大久保利春

    大久保証人 おらないと記憶いたしております。
  450. 松永光

    ○松永委員 重ねて聞きますけれども、そのサインをしたときに何かをクラッターからもらいませんでしたか。
  451. 大久保利春

    大久保証人 全くいただいておりません。
  452. 松永光

    ○松永委員 伊藤氏がサインしたこの四枚の領収証があるわけですね。その領収証についてあなたは、あなたが伊藤に頼んでサインしてもらったと、こう証言をされましたが、伊藤氏は新聞記者に対する記者会見のときに、第一回目の会見のときにはそのサインは知らぬ、したことはない、伊藤というのは同姓同名の別人であろうということでしらを切ったのですが、それから数時間後に、自分がサインした、クラッター氏に頼まれてサインした、こういうふうに新聞記者会見で言っておるのです。あなたの先ほどの証言、あなたが伊藤に頼んで四枚のサインをしてもらった、これは間違いありませんか。
  453. 大久保利春

    大久保証人 間違いございません。
  454. 松永光

    ○松永委員 あなたは二月五日に日本を立ってアメリカに行き、そして二月七日に、先ほどの証言によりますとコーチャン氏らと会ったということでございますが、そのときに二つのことを抗議した。一つは、二月六日の公聴会コーチャン氏が檜山または大久保政府高官に金を渡すべきであるといった趣旨のリコメンドをした、そういう証言をしたことについての抗議、それともう一つは、このユニットとかピーナツとかいうもののサインをしたことに関して絶対迷惑をかけないということであったのに表に出してしまった、その二点の抗議をしたということですが、それだけですか、抗議は。
  455. 大久保利春

    大久保証人 私の抗議を申し込んだのはその二つでございます。
  456. 松永光

    ○松永委員 コーチャン氏の証言の中には、政府高官に渡すべく六億の金をロッキード社から丸紅に渡したという趣旨のはっきりした証言があるのですが、その点の抗議はしなかったのですか。
  457. 大久保利春

    大久保証人 二百万ドルの金を高官に渡したというコーチャン証言は、当時私は議事録を見る暇もございませんでしたし、その事実は、その会いました当時は存じ上げなかったわけでございます。
  458. 松永光

    ○松永委員 ちょっといまの証言はおかしいですよ。あなたは六日のアメリカ上院小委員会証言を詳細に調べるべく行ったわけでしょう。問題の重要性からいけば、政府高官に金を差し上げるべきであるというリコメンド、これは言うならば教唆かそこら程度だ。しかし、政府高官に金を差し上げるべくロッキードから丸紅に金が渡されたということはもっと意味の濃いことですよ。そのことを抗議せなかったというのはちょっと合点がいきませんね。重ねて尋ねます。
  459. 大久保利春

    大久保証人 私はその時点ではそれを知りませんでしたので、抗議いたしませんでした。
  460. 松永光

    ○松永委員 コーチャン証言というものは、あなたあるいは檜山現在の会長が贈賄の教唆あるいは贈賄を実行したといったような、刑事犯罪を犯したと疑われるような証言内容ですよ。それに対して厳しい抗議をすると同時に、もう十日以上たっているのですから、まだそれをしてないあなた並びに檜山氏の名誉回復といいますか——あなた方がコーチャンさんの証言にあるような事柄をしたというなら、それは抗議をしたりいろいろな措置をする立場じゃないでしょうけれども、いまの証言によると、檜山さんの証言でもそうでございましたが、違うと言うのですから、違うならばこれは速やかに疑惑を晴らす手続をすべきじゃないですか。それがあなた方の社会的な大きな責任だというふうに思うんだが、その点はどうです。重ねて聞きます。
  461. 大久保利春

    大久保証人 先ほど先生から御指摘のとおりであると存じますので、断固たる処置をとるつもりでございます。
  462. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 これにて奥野君、松永君の発言は終了いたしました。  次に、楢崎弥之助君。
  463. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 社会党の楢崎弥之助です。  きのう私が小佐野氏に対する尋問の中で、ハワイ会談を中心にして四十七年の八月末から羽田を立たれた国会議員名前を明らかにしました。しかし、これは羽田を立たれたという事実を私は明らかにしたのであって、必ずしもその方々がすべてハワイの小佐野氏のサーフライダーホテルに泊まられたとは私は言ってないのですけれども、もし視聴者の方にすべて泊まられたという印象を与えたとすれば、それは間違いであります。そのうちのお一人を紹介しておきますと、たとえば丹羽久章さんは、実はメキシコ大統領就任式にメキシコ政府から正式の招待を受け、これに出席のために八月三十日に立たれたのであって、ハワイ空港で給油中、丹羽代議士は空港内で待機をされて空港から一歩も外に出られたことはないそうですから、こういう点は明白にしておきたいと思います。もし迷惑をかけたらおわびをいたしたいと思います。  それで、いま大久保証人証言を聞いておりまして、もう一度念を押しますが、ユニットというこの領収証を書かれた場所はどこですか。
  464. 大久保利春

    大久保証人 書いた場所は私の会社の事務所と記憶いたしております。
  465. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 サインをしてくださいと、その領収証はだれが持ってきましたか。
  466. 大久保利春

    大久保証人 ロッキード社のクラッター氏でございます。
  467. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 そうすると、クラッター氏が丸紅本社に見えたわけですね。
  468. 大久保利春

    大久保証人 お説のとおりでございます。
  469. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 サインの時期は四十七年秋とおっしゃいましたが、もう少し明確にしてください。この辺は非常に大切なところでありますから。
  470. 大久保利春

    大久保証人 先ほど自民党の先生にお答え申し上げましたように、推測ではございますが、十月、十一月のころと私は記憶いたしておりますので、先生にもっと明白にしろとおっしゃられても秋、もっとはっきりおっしゃれと言われれば十月、十一月、そのぐらいの間隔のものであったと私は覚えております。
  471. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 実は児玉氏に対して渡されたお金が、工作金と思われるものがその時期に集中をしておるのです。だからこれもあなた方の言葉で言えば、仮領収証というものは非常に重要な意味を持つ。そこで、あなたがサインをされたときに、すでにユニットという言葉は書いてありましたか、それとも白紙でありましたか。
  472. 大久保利春

    大久保証人 書いておらなかったと存じます。
  473. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 そうすると、全く白紙に書かれたのですか。
  474. 大久保利春

    大久保証人 白紙かどうかは記憶にはっきりいたしておりません。
  475. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 委員長、注意してください。こういう重要なときに一度証言をして今度は取り消すなんということは許されないことであります。
  476. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 大久保君に申し上げますが、はっきりお答えを願います。
  477. 大久保利春

    大久保証人 事実、私はユニットの数字等について記憶がございませんものですから、いまのように御返答申し上げ、もしその前の証言と反しておるのでありましたら、お取り消しを願いたいと存じます。
  478. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 最初は、あなたは白紙だったとおっしゃった。それからよくわからないとおっしゃった。一体何を取り消すのですか、あなたは。
  479. 大久保利春

    大久保証人 白紙とは申し上げませんのですが、ユニットの九十とかそういう数字について覚えておりませんと申し上げております。
  480. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 白紙ということと、覚えないでも何かが書いてあったということは明確じゃありませんか。ユニットというような、あなた英語はできるのでしょうが。白紙ということと何か文字が書いてあったということはわかるはずじゃありませんか。そういうごまかし的な御答弁はこの国会証言台では通らないのであります。(大出委員「さっきの答弁、ちょっと関連して」と呼ぶ)
  481. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 ちょっと待ってください。——大久保君に注意をいたしますが、さっきは白紙という発言をされております。だんだん変わってきたように思うのですが、あなたの記憶を呼び起こしてはっきりお答えを願います。
  482. 大久保利春

    大久保証人 私、その領収証をその後自分の目で確かめておりませんので、非常に不明瞭なお答えを申し上げたことにつきましてはおわびを申し上げます。これが果たしてどういう数字が書き込まれておったかということをはっきり覚えておりませんというのが私のお答えでございます。
  483. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 大出俊君。
  484. 大出俊

    大出委員 大出ですが、あなたはさっき私が後ろで聞いていたら、二回同じことを答えておる。今度三回目です。さっきの答弁、ここに書いてある。単なるサインペーパー、単なるサインペーパーだ。だから何もわからないでサインだけしたとあなたは言ったじゃないですか。単なるサインペーパーで何もわからぬでサインしたのなら、何も書いてなかったんじゃないですか。ユニットと書いてあればわかるじゃないですか、そのときに。さっき二回繰り返したじゃないか、あなたは、人の質問で。うそを言うのはいいかげんにしなさい、あなたは。答えなさいよ。さっきから何もかも皆うそっぱちだ、あなたは。答えなさい、もう一遍。侮辱するのはいいかげんにしろ、何ということだ、君は。
  485. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 大久保利春君、はっきりお答えを願います。
  486. 大久保利春

    大久保証人 サインペーパーの内容につきましての数字の点につきましては、私ははっきりした記憶がございませんので、その点についてはそれが何十ユニットであるとか、何十ユニットであるかということははっきりしておらないということを申し上げます。
  487. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 あなたは非常に混乱をされておるのですよ。くりくり変わるのですね。何も書いてなかったのじゃないですか。それじゃ、いいですか、別の方からお聞きしますよ。  あなたは金額が明確に書いてある領収証にサインしたことがありますか。
  488. 大久保利春

    大久保証人 金額が明瞭に書いてある領収証にサインしたことはございます。この件についてでなくてでございます。
  489. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 ロッキード社との商売上、金額のある領収証にサインをされたことはありますか。
  490. 大久保利春

    大久保証人 金額の明示してあるサインをしたことはございません。
  491. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 この件についてはとあなたは先ほどおっしゃいましたが、また変わりましたね。あなたは先ほど同僚議員の尋問に対しまして、非常におかしなサインをしたけれども、向こうが決して迷惑はかけないからやってくれということでそのサインをしたのに、コーチャンがどうして公表したのか——いや正確に言います、あなたがさっき言ったことを。どうして公表したのかとコーチャンに詰め寄ったと、あなたはさっき言いましたね。これは初めから後ろめたさがあったということじゃございませんか。そうでしょう、そのサインしたということは。どうですか、その点。
  492. 大久保利春

    大久保証人 私は、おまえはわれわれにかたく約束したことを約束を破ったではないかということを抗議したわけでございます。
  493. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 だからあなたは、このサインするときにこれはおかしいということがわかっておった、むしろおかしいという内容はわかっておったはずです。あなたは先ほど、ロッキードの社内処理に必要なんだろうといってサインしたとおっしゃいましたが、これはあなたが公表してもらったら困ると考えている裏には、あなた自身は、これが実は裏金工作のための資金だ、政治資金をつくるための裏金工作だということをあなた知っておったから、どうもおかしいと思いながら、しかし発表してもらったら困るというふうになったんじゃございませんか。
  494. 大久保利春

    大久保証人 ロッキードの社内事務処理のためにこれは必要であるからサインをしてくれということでサインをいたしましたということを申し上げました。同時に、そのときにクラッターは、これは必ず用済み後破棄をする、しかも丸紅にも個人にも迷惑をかけない、その約束をほごにしたことを私は難詰したわけでございます。
  495. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 大体全貌がわかってきたんですよ。いいですか。クラッター氏のところに送られた金が幾らであるかということは後ほど大出委員から現物をもって証明をいたします。  それからID社から領収証を出された、これも約六億です。ホートン会長公聴会証言したのも二百万ドル、約六億が政治資金として流された。それも丸紅の役員を通じて流された。明確に証言をしておる。六億というところが、全部そこが一致してくる。  そこで、真実はどうであったかというと、実はピーナツとかピーシズとかユニットとかそういう領収証が、ロッキード社に持っていってもそんな領収証が世の中へ通るはずはないですから、だからアーサー・ヤング会計事務所からこれはだめだと言われたので、急遽それをID社の領収証に切りかえた。しかし、ID社は領収証だけはロッキード社にやったけれども、六億というお金自身は実は丸紅に流れた。そして、コーチャン会長証言したとおり、丸紅の役員を通じて政府高官に渡った。こういう姿になるんであります。  ここでもう一つ重要なことがある。あなたは先ほどシグ・片山氏を知らないと言いましたね。本当にそうですか。
  496. 大久保利春

    大久保証人 全く存じません。
  497. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 あなたが東通から丸紅へ移られたのはいつですか。
  498. 大久保利春

    大久保証人 昭和四十一年だと記憶しております。
  499. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 この片山氏とあなたは東通時代から親交があったはずです。それでもまだしらを切りますか。
  500. 大久保利春

    大久保証人 私は知りません。
  501. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 実はけさの新聞を見てみますと、この片山氏が自分領収証を書いただけである、金のことは一切知らない、その金がどういうふうに使われたか、一切知らない。ところが、実は片山氏は知っておるのであります。それをまた大出委員から資料をもって明確にしたいと思います。  だから問題は、いいですか、問題は結局あなたが片山氏を知っているかどうかに非常に大きなウエートがかかっておる。真相を解明する一つのポイントです、これは。つまり、二百万ドル、六億という金を丸紅の役員を通じて政府高官に渡したというこのコーチャン会長証言丸紅の役員とは、一体だれか。これは私はあなたであるとは断定しません。あなたであるとは断定しないが、公聴会における証言を見てみましても、ホートンさんは、檜山会長とあなたから金を使わぬとだめだぞ、日本の商売の場合は、と言われているわけでしょう。そういう一連の流れからすると、この金を政府高官に渡したのはあなただとは断定をしませんけれども、少なくともあなたはその金がどこに流れたか知っているはずです。あなたはその中心人物です。この流れを知っておる中心人物です。どうですか。
  502. 大久保利春

    大久保証人 金品の授受は一切いたしておりません。
  503. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 では、知っておるでしょう、どこに流れたか。
  504. 大久保利春

    大久保証人 どこへ流れたかも一切存じません。
  505. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 その政府高官への金の受け渡しを、この国会のそう遠くないホテルを使った事実はありませんか。
  506. 大久保利春

    大久保証人 ちょっといまのお言葉がよく聞き取れませんでしたが、ホテルでございますか。
  507. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 私はあなた自身が持っていったとは言っていません。しかし、あなたは金の流れを知っている。そうして少なくともその金の流れのうちの一つの金の授受は、この国会のそう遠くないホテルでやられたのではないかと聞いておるのです。私は、あなたはその流れを知っているという前提に立ってこのことを聞いておるのです。
  508. 大久保利春

    大久保証人 一切存じません。
  509. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 それでは幾つか指摘した点について、大出委員から事実をもって証明をいたしていきたいと思います。
  510. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 続いて大出俊君。
  511. 大出俊

    大出委員 いまシグ・片山なる人を全く知らないと、こういうわけでありますが、私は委員長にお願いをしたいのでありますが、このシグ・片山さんという人を証人に申請をさせていただきたい。この方は、新聞記者の方々には金について何も触れていないと言っている。単なる領収証しか書いてないと言っている。  だが、明確に申し上げておきますが、私、ここに持っておりますのはチャーチ委員会の集めました資料一つであります。ナンバーを申し上げます。〇〇七五七〇八〇六四二、これは公式のチャーチ委員会書類のナンバーであります。ファイルに入っておったものであります。これは略語をたくさん使っておりますから、専門の方に訳していただきました。たとえば政府という言葉なども略語でございます。それを訳しますと明確にガバメントになります。ウェント ツー オフィシャル カストマー オア GOVTになっておりますが、これはガバメントの略であります。直しました。さらにこれをもう一遍日本語に訳していただきました。そうしたら、まず一番上に書いてありますのはコンフィデンシャル・ビジネスなんですが、つまり、ある意味の秘密工作、秘密の取引、こういう訳になります。そこで、この一番最後にございますのは、いまのIDのロッキードあての送り状であります。この中身に十万ドル、それから二万五千ドル、二つ並べてありまして、これを支払った。ただし、これは記載しないこと。残金一万ドルはサービス料金と思われる。八〇、つまり、この金のうちの八〇、公的な顧客か政府へ行った。二〇、IDへのサービス料金。二〇のサービス料金は約六百七十万ぐらいになります。千三百万ぐらいを二回にわたって領収証を書いてもらった、こう言っておるのでありますが、このIDへのサービス料金、一つで六百七十万ぐらい、これがファイルされていたチャーチ委員会資料であります。明確にこれはございます。つまり、ID社を知らないと言うけれども、ID社の片山という人はみずからこれを、送り状を書いている。社員はいない、一人だと言うんなら、これは片山さんが書いたことになる。ならば、金の動きはみんなこれに明確になっておる。それならば、知らないなどと言えた義理じゃない。なぜあなたは知らないのですか。答えてください。
  512. 大久保利春

    大久保証人 私は片山を知りません。
  513. 大出俊

    大出委員 だれかさっき、永末さんでしたか、一つうそを言うと九十九うそを言うことになると言いましたが、うそというのは一つ言うと八百うそを言うことになる。本当にうそ八百。先ほどの手紙も、この中身を見ましても、不思議なことが書いてある。あなたがコーチャンさんからお取りになった。「あなたが私どものために力をかし、手伝ってくれただけなのに、私ども証言があなたとあなたの同僚をこのように困った立場に至らせたことを同様に遺憾に存じます。」、これだけじゃないですか、中身は。「あなたが」つまり、丸紅檜山さんか大久保さんか、「あなたが私どものために」コーチャンさんたちのために力をかした。あなたは手伝った。「力をかし、手伝ってくれただけなのに、私ども証言が」そのことを言ってしまったから、あなたやあなたの同僚に迷惑をかけて、困った立場にさせた。アイ アム ソーリーだと言う。そうでしょう。アイ アム ソーリーだと言う。これは一体何ですか、このわび状というものは。わびちゃ何にもいやしないじゃないですか。あなたが私どものために力をかしてくれた。そうでしょう。この議事録を見てごらんなさい。コーチャンさんはあなたに教えてもらったと言うのだ。「コーチャン これは教えられてやったことだった。」、あなたが手伝ってくれた、力をかしてやった。私はコーチャンさんに会って、一時間二十分さしで話したんだから、皆さんがいて、英語の専門家を二人連れていって。そんなにいいかげんなことを、どこまでうそを言うかなんということはわかりますよ。そうでしょう。しまいには憤然として、川崎君が言ったように、たたいている、議事録を。あなた方の方から抗議を受けたこともない、抗議の手紙をもらったこともないと言う。あなた、抗議をしてはいない。約束を破ったことに触れているだけなんですが、さて、その約束はそれじゃ何だったのだ。裏工作資金の流れをつくるために、ピーナツだとかピーシズだとかユニットだとかいうものを出させる、ロッキードが出す、それを処理をする、そのことをあなたは知っている、全部。あなた、もううそを言わないで本当のことを言いなさいよ。御存じなんでしょう。何が密約なんだ。
  514. 大久保利春

    大久保証人 丸紅に一切迷惑をかけない、個人にも迷惑をかけない、その約束を破ったじゃないかということを難詰いたしました。
  515. 大出俊

    大出委員 それじゃ、その約束というものはどうしてでき上がった約束なんですか。中身を言ってください。
  516. 大久保利春

    大久保証人 当然のことといたしまして、これは私どもは拒否すると考えたので、彼は約束したわけでございますので、これに対して、それを破ったことに対して私は難詰したわけでございます。
  517. 大出俊

    大出委員 私は、このチャーチ委員会の議事録等を詳細に読みますと、はっきりしていることは幾つかある。金の流れの説明が全部この中で行われている。私はまた直接このレビンソンなる人に会って聞いてみた。彼が質問をしているからです。金の流れについてチャーチ委員会が調べたことがはっきりしている。一九七二年十一月以降、ロッキード社のスイスにある子会社が小切手を発行をして、それをスイスでフランまたはドルに現金化させて、それをクラッターさんのところに持ってくる、これが一つのルート。もう一つ、一九七二年十一月というのを中心にして始まった。ディークカンパニー。スペルはDEAK。これが東京と香港に支店があって、ドルを円にかえて現金を用意して持ってくる、あるいは持参人小切手で持ってくる、こういうシステム。そこで今度のユニット、さらにピーナツピーシズ、この流れというのはここに明確になっている。この昭和四十年ごろからある大変長い送り状、この中身を調べてみますと、これは明確になっている。これもチャーチ委員会のナンバーが全部ふってある。これは、日本円でここに一億円という表示がしてある。時期はジュライ一九七三年。ですから一九七三年、昭和四十八年の七月の十八日。ここから始まりまして四枚、この中身が明確に——つまり、この流れをあなたは知っておってクラッターさんにあなたが会った。クラッターさんに頼まれた。当時、クラッターさんのところにはこの金が来ていた。あなたどうしてそれを知らないのですか。
  518. 大久保利春

    大久保証人 私はそのようなことは一切存じません。
  519. 大出俊

    大出委員 それじゃもう一遍聞きましょう。あなたは約束をしたと言う。それを破られたと言う。その約束の中身というのを、ここは、きょうはあなたは証人なんだから、詳細に話してくださいよ。何が約束なんですか。何をあなたは世話したのですか。世話した中身を言ってくれ。
  520. 大久保利春

    大久保証人 丸紅に迷惑をかけない、個人にも迷惑をかけないという約束であります。
  521. 大出俊

    大出委員 どういうことをすれば迷惑になり、どういうことをしなければ迷惑にならないのですか。つまり、私どものために力をかしてくれた、とコーチャンは言っている。どういう力をかしたのですか、あなたは。
  522. 大久保利春

    大久保証人 檜山会長に対するコーチャン氏の手紙内容の趣旨は、私はそういうふうに解釈いたしておりません。
  523. 大出俊

    大出委員 あなたは迷惑をかけないという約束をした、それを破ったと、こう答えましたね。迷惑をかけないという約束、その約束の中身は何ですか。中身は何ですか。それがポイントだからはっきりしてくださいよ。
  524. 大久保利春

    大久保証人 かかる事態になったことを言っているものと推察いたします。
  525. 大出俊

    大出委員 かかる事態になったというのは結果でしょう。あなたとコーチャンさんたちとの約束があった。それを破ったとあなたは言う。その約束は何だ、そっちを聞いている。何ですか。
  526. 大久保利春

    大久保証人 その意味の御質問の約束は一切ございません。
  527. 大出俊

    大出委員 ふざけたことを言いなさんな。さっきあなたは言ったじゃないか。そんなにうそを言うのですか、あなたは。
  528. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 先ほども私が申し上げたけれども、クラッター氏があなたのところに来て、サインしてくれ、迷惑はかけない。その迷惑の中身というのは、いままさに出てきておることが迷惑なんでしょう。つまり、政治工作資金を裏金で流した、その中身なんですよ。あなたに迷惑をかけない、公表しないからという中身は、つまりロッキード社の裏工作資金のことをあなたに言ったのだ。だからこれは決して外には出さぬから、迷惑はかけないからサインしてくれ、こういうことじゃないですか。
  529. 大久保利春

    大久保証人 私はそのように解釈いたしておりません。
  530. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 あなたは丸紅専務をしておって、ひょっとしたら迷惑がかかるかもしれないと言われたときに、どういう迷惑がかかるのでしょうか一応教えてくださいと言うのが普通じゃないですか、専務ならば。どうですか。
  531. 大久保利春

    大久保証人 先ほどから申し上げているように、サインしたことそれ自体については、はなはだ不明であると存じております。
  532. 大出俊

    大出委員 大久保さん、あなたは約束を破られたと言うのだが、中身もわからぬで抗議ができぬじゃないですか。中身がわかっているからこそあなたは抗議したのじゃないですか。金が流れた、裏資金だ、これは。はっきり言いなさいよ。ここまできて何でそれを答えぬのだ。
  533. 大久保利春

    大久保証人 丸紅にも迷惑をかけなければ、個人にも迷惑をかけないという約束でございます。
  534. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 委員長、いまのは証言拒否に値する答弁ですよ。だめです、これでは。許しません。
  535. 大出俊

    大出委員 中身、答えなさいよ。
  536. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 大久保利春君に注意をいたしますが、約束の中身はどういうことであったか、発言を求めます。
  537. 大久保利春

    大久保証人 委員長殿にはっきり申し上げます。  これは、先ほど委員長の御質問にも出ましたとおり、これにつきましては丸紅には絶対迷惑をかけない、また個人にも迷惑をかけない、それであるからこのサインペーパーにサインをしてくれということの約束がその中身でございます。
  538. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 その迷惑をかけないという事柄はどういうことですか。
  539. 大久保利春

    大久保証人 迷惑をかけないという中身については、私どもは一切承知いたしておりません。
  540. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 委員長、これは証言拒否であります。委員長の善処を求めます。
  541. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 もう一言証人発言を求めます。が、その中身をあなたは全然知りませんか。
  542. 大久保利春

    大久保証人 全然承知しておりません。
  543. 大出俊

    大出委員 その中身を言うと、刑事訴追を受けるとかなんとかいうことがあって拒否なさるのならば、それは筋ですから、そこのところはいかがですか。はっきりしてくれませんか。表に出たら困ることがあったのでしょう、あなた。
  544. 大久保利春

    大久保証人 ただいま委員長お答え申し上げたとおりでございます。
  545. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 これを言えば刑事事件に発展するおそれがあるから、あなたは証言を拒否しているのですね。
  546. 大久保利春

    大久保証人 そういうようなことはございません。(「これは証言拒否だよ」と呼び、その他発言する者あり)
  547. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 ちょっと待った。(発言する者あり)  これは証言拒否とも言いかねますから、ひとつ理事会で研究しましょう。これは法律的な問題であながち証言拒否だと断定するわけにもいかぬし、だから、理事会で取り扱いましょう。
  548. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 それじゃ、時間も来たようですから、一問だけ最後に。  あなたは先ほどから何回も証言されておりますが、その領収証のサインを求められたときに、おかしいと思ったと言われましたね。そのおかしいと思われた理由は何ですか。
  549. 大久保利春

    大久保証人 内容のわからないユニットというような言葉があるのがおかしいと思いました。(発言する者あり)
  550. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 ちょっと静粛に願います。
  551. 大出俊

    大出委員 先ほどは、何も書いてないということになったのですよ。二回サインペーパーにサインをした。楢崎質問で、何も書いてないと一遍言った。さっきは詰まって何も書いてないことになった。いまあなたは何と答えた。ユニットなどと書いてあるペーパーだからおかしい、こう思ったとあなたは答えた。それじゃユニットと書いてあったことになるじゃないですか。またひっくり返ったじゃないですか。どっちが本当なんですか、これは。証人にならぬじゃないの。
  552. 大久保利春

    大久保証人 私は再三再四申し上げておるわけでございますが、ユニット問題につきましては、これは中身について、数字その他について、私はどういうふうに書いてあるか記憶がないということを申し上げておるわけでございます。
  553. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 楢崎君並びに大出君に申し上げます。  この質問、答弁はいつまでたっても同じ結果だと思います。そこで、全部の質問が終わりましたときに、この問題に限って再質問をすることに理事会で協議いたしますから……。
  554. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 それじゃ、これで終わります。
  555. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 これにて楢崎君、大出君の発言は終了いたしました。  次に正森成二君。
  556. 正森成二

    ○正森委員 私はいまの問題の続きを少し聞いてみたいと思いますが、あなたは、荒舩委員長の最初の質問に、おかしいと思ったのでロッキードに聞いたけれども教えてくれなかったと確かにおっしゃいましたね。それはそのときにはユニットと書いてあった、こういうことではないのですか。それが楢崎委員などの質問で、あるいは白紙であるとか、あるいは数字を覚えていないとか、どうだか記憶がわからないとか、三つぐらいに変わってきた、こういうぐあいに私どもは横で聞いておるのですね。そうすると、あなたとしたら、白紙だったのか、あるいはユニットとだけは書いてあったのか、数字も覚えているのか、そこら辺はどうですか。こういう雰囲気で落ちつけないのなら、少し考えてから答えてください。
  557. 大久保利春

    大久保証人 大変前の話でございますので、私の答弁にいろいろ食い違いがございまして、御迷惑をおかけして申しわけございません。  私よく考えまして、ここで考えをまとめまするに、少なくともユニットということはございました。(発言する者あり)
  558. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 ちょっとお待ちください、質問中だから。あなたの質問じゃありません。
  559. 正森成二

    ○正森委員 同僚議員からいま不規則発言がありましたように、二転、三転しておりますから、おかしいことはおかしいのです。しかし、少なくともユニットと書いてあるということはいま記憶が明らかになった、こうおっしゃるから、それを前提に伺っていきたいと思います。  それで、あなたは何万ドルとかあるいは何億円というお金ならともかく、ユニットというような暗号であるからおかしい、こういうように思われたのでしょう。
  560. 大久保利春

    大久保証人 ユニット内容が全然わかりませんので、何度もどういうことであるのかと質問したわけでございます。
  561. 正森成二

    ○正森委員 私の質問に直接お答えにならなかったけれどもユニット内容がよくわからないということは、つまりこれが隠れたサインであり暗号であるということを間接的に認められたものと思います。  そこで、次の質問に移りますが、ロッキード社は社内事情からこういう領収証が要る、こういう説明だった、こういうことですね。社内事情の場合に、何万ドルとかあるいは何千万円という金額関係する領収証なら会計処理上必要だ、だから何ほどというてわかる場合はあり得るけれども、ワンハンドレッド・ピーナツとか百ピーシズとかあるいは七十ユニットなどというものは会計処理上何ら役立たないものではありませんか。しかも、それをどうしてもくれと言うからには、何らかの物が、すなわちこの場合は金が渡されたということを証明するためにワンハンドレット・ピーナツというような暗号の領収証が必要だった、こう考える以外に説明つかないじゃないですか。しかも一方、金額については隠れた領収証の発行者であるID社から、金の額についての領収証は出されておるのです。だから、それでロッキード社というのはちゃんと帳簿処理上はできる。できるのになおかつワンハンドレッド・ピーナツというような、そういう奇妙きてれつな受領証が要るというのは、受領証のルートだけでなしにまさに物が、お金が大久保氏のところに渡ったぞということ、そのことが必要だったから、やはりあなたに書いてくれ、こう言ったのじゃないですか。そして、それを言われたら困るから、これを言うてはならない、だれにも迷惑かけないぞという約束があったのだ、そうでしょう。
  562. 大久保利春

    大久保証人 いま先生がおっしゃいました金品の授受は一切ございません。
  563. 正森成二

    ○正森委員 それじゃ私申します。  いま同僚議員も読まれましたが、あなたはわざわざこの問題が起こったときにアメリカへすっ飛んでいった。そこで、あなた方の言によれば、わび状を手書きでもらってきたということになっておるけれども同僚議員もお読みになりましたので二度と読まないけれども、どこにもおわびなんて書いてないじゃないですか。こういうことが公表されたということだけを遺憾に存じます。だから、檜山さんか大久保さんから教えてもらったので、それに基づいて政府高官政治献金をしたのだ、それは丸紅の役員を通じてしたのだという内容については全然謝ってもいないじゃないですか。またあなた方は、この全部の証言を聞いても抗議一つしてないじゃないですか。一番抗議しなければならないのはまさにその内容に対してじゃありませんか。その内容について一言も抗議せずに、このことを公表したという約束違反だけを責めておるというのは、公表したというのは約束違反だが、その内容は真実であるということを認めていることじゃないですか。
  564. 大久保利春

    大久保証人 その手紙を取ってくるのが私のできる最善でございました。
  565. 正森成二

    ○正森委員 はしなくも証人が、こういうわび状でもない、ただ公表したのだけは済まなかった、しかし内容はうそではないのだ、そうとれるものしか取れなくて、これが最善だったということは、丸紅の置かれている立場を何よりも明瞭に示しているものである。なぜならそれが真実に合致するからです。コーチャン会長のあの証言というのが真実に合致するからこれだけしか取れない。また、あなたは先ほどの証言の中で、手紙に満足していない、立証を取り消してほしいと言ったら、偽証罪になるからできない、こういう返事だったとおっしゃいました。間違っているから取り消す、とは言っていないのです。コーチャン氏としては、おれは真実を言った、それをあなた方から言われたといって変えたら逆に偽証罪になる、公聴会で言ったのが真実なんだ、こういうことを言っているにすぎないのじゃないですか、そうでしょう。
  566. 大久保利春

    大久保証人 その手紙に書いてあります内容のとおりでございます。したがいまして、コーチャン社長としては証言を取り消せないと言ったことは先生のおっしゃるとおりでございます。
  567. 正森成二

    ○正森委員 何を聞いても初めに言うたことを維持しようとしているようですが、私は傍証からあなたの言うことがいかに不合理なものかを言うてみたいと思います。  ここに委員長、一束の領収証やあるいは手紙のやりとりがございます。丸紅もロッキードも非常にきっちりしたところで、ここには送金の伝票や案内状がありますが、たとえばこれを見てみますと、一九七三年八月九日には、エリオット氏に対して十三万ドルの小切手を受け取りましたという手紙がある。ところが、これには詳細に内容が書いてあって、トライスターL一〇一一について、一機目から四機目まで、値段は先ほど私が檜山会長に言いましたように値引きして九万二千五百ドルですが、その二〇%の一万八千五百ドル、これの四機分が七万四千ドルだ。ナンバー5については、これはもとに戻って値段が十六万ドルですが、それの二〇%の三万二千ドルだというように詳細な内容が書いてあるのです。これが受領証とか領収証を発行するときの両社の普通のやり方なんですね。こういう証拠書類が山ほどある。  ところが、そうであるにもかかわらず、ワンハンドレッド・ピーナツとか百二十五ピーシズとか七十ユニットとかわけのわからないものを書いておるということは、明らかにこれが裏金であり、臭い金であり、公にすることができないお金だからこそそういうぐあいにやったという以外、これらの証拠書類から見られないじゃないですか。あなたは給仕じゃないのです。いやしくも大丸紅専務なんです。しかも、ロッキードとの関係ではもっぱら接触した人物ではありませんか。いかがです。
  568. 大久保利春

    大久保証人 先ほどから申し上げておりますとおり、正式の領収証でないことは認めております。
  569. 正森成二

    ○正森委員 それでは、そういう不誠実な答弁をするのなら、後でまたいろいろ委員長にお願いするとして質問を続けますが、あなたは関係者だから、トライスターの値段が十六万ドルだったけれども一機から四機までについては六万七千五百ドル、二十五万ドルを限度として値引きしたということを御存じでしょう。
  570. 大久保利春

    大久保証人 承知しております。
  571. 正森成二

    ○正森委員 あなたは先ほどの証言で、口銭、手数料が非常に安いということを言われました。檜山会長もそれを認めておられます。ところが、手元にある開示された資料によりますと、あなた方は一九六九年の三月六日付で、わざわざいままで十六万ドルだった一機分の手数料の約束を六万七千五百ドル値引きしているではありませんか。なぜこんな値引きを、ただでさえ安いと言われるのにしたのですか。
  572. 大久保利春

    大久保証人 私が昭和四十四年六月本部長になりまして本件を引き受けました時代の、その時点ですでにこのことは決定いたしておりました。
  573. 正森成二

    ○正森委員 決定していたから知らないと言うのですか。わからないと言うのですか。そんなことで通りますか。(「檜山さんは大久保に答えさせると言った」と呼ぶ者あり)大久保は全部知っていると言いましたよ。伊藤さんじゃわからないでしょう、伊藤さんの上司があなたなんだから。答えられないでしょう。そうしたら私が言いましょうか。一九六九年の……(「答えさせろ」と呼ぶ者あり)答えてごらん。
  574. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 ちょっと静かにしてくださいよ、静かに。(「静かだよ」と呼ぶ者あり)静かじゃありません。肝心なところが聞けなくなるじゃないですか。
  575. 大久保利春

    大久保証人 私が承っておりますところによりますと、その説明は、航空機の開発費は当初非常に大きな金がかかるので、最初の四機は、その開発費のために必要なものであるから値引きをしたということを承っております。
  576. 正森成二

    ○正森委員 いまのお答えは、あなたが一応お考えになったお答えですが、実際にロッキード社から来ている手紙にはそうはなっていないのです。ここに一九六九年三月六日付でクラッターから豊田氏あての手紙がありますが、「貴殿は、丸紅が、ロッキードが今後の購入者に対してより魅力的な価格を提示することができるようにするために、日本の購入者へのL一〇一一第一期販売に当たっての手数料の権利を下記のように放棄することに同意された」云々と、こうなっているのです。開発費がかかったなんて一言も書いてない。今後の購入者にとって、より魅力的な価格を提示するように値引きしてくれと、こういうのです。  しかし、私は聞きたい。値引きをしなければならないのは販売の丸紅だけですか。何よりもロッキード社が値引きしなければならないじゃないですか、価格を魅力的にするには。ロッキード社はそれをやっていないでしょう。
  577. 大久保利春

    大久保証人 先生の御指摘のとおりでございます。私どもの口銭を引いてもロッキードの価格は変わりません。
  578. 正森成二

    ○正森委員 そうすると、ロッキードの価格は変わらないのに、なぜ、購入者にとってより魅力的な価格を提示するということを言ったのでしょうか。それは、全体の価格は変わらないけれども、いろいろやる代理者に支払う価格を抑えなければならない、だからあなたのところを値引きする必要があったのです。なぜか。それは一九六九年の一月十五日に児玉との間でマーケティングコンサルタントの契約をやって、児玉に対して莫大な手数料を払わなければならないようになった、そこでそのしわ寄せをあなた方丸紅のところへしなければならない、だからこの修正条項になったのです。理屈がちゃんと合うでしょう。  しかも、ここにトライスター売買手数料に関する六九年六月一日付の児玉との契約書がある。これを見ると、児玉に対しては逆に、六機までの分については実に十二億二千万円支払うというように、莫大な手数料を払うことになっておる。一機当たり二億円、つまり七十万ドルであります。児玉に対しては七十万ドル払うのに、あなたに対しては九万二千五百ドルに値引きさせる。こういうひどい条件をあなた方がのむ以上は、あなた方は自分以外に日本に有力な代理者ができたということを知っていたはずであります。そうでなければこんな不利な条件をのむはずがない。そうでしょうが。
  579. 大久保利春

    大久保証人 そのような事実は一切存じておりません。
  580. 正森成二

    ○正森委員 そのような事実を一切知らずしてこういう屈辱的な値引きの約束をするとすれば、それは丸紅はよほどおめでたい商社であります。私どもは、長らく練磨に努められたあなた方がそれほど甘い商売をするとは思いません。あなた方は、その裏のことを知っていたに違いありません。  あなたは小佐野氏と何回会ったことがありますか。
  581. 大久保利春

    大久保証人 一度も会ったことはございません。
  582. 正森成二

    ○正森委員 本当ですか。それでは、私どもは、これからの証人尋問のいろいろの中でそれが本当であったかどうかということを明らかにしたいと思います。  時間でございますから、あと一点だけ質問させていただきたいと思います。  一九七二年十一月一日の契約書によれば、あなた方は第四条で「代理人の業務」という任務を負っております。これは認めますね。
  583. 大久保利春

    大久保証人 それはどこの。契約がたくさんございますのですが……。
  584. 正森成二

    ○正森委員 これは、あなたのところの社長の檜山さんが署名されている契約書です。     〔正森委員書類を示す〕 契約を確認されたようですが、この契約書では、第七条に、あなた方は時に応じて発せられるロッキードの政策と指令に従うという義務を負っております。これは認めますか。
  585. 大久保利春

    大久保証人 認めます。
  586. 正森成二

    ○正森委員 ロッキードは、オランダでも見られるように、西ドイツでも見られるように、社運をかけて売り込むためには、政治献金を含めていろいろ当局者に取り組むことがまさにその政策でありました。その政策に従い、あなた方は、この契約書の第四条で政治的ないろいろの条件についてアドバイスすると、こうなっております。それらが結び合わさってロッキードのディレクティブ、指令に従わなければならないから、あなた方は政府当局者にお金を持っていき、ピーナツというような領収証を書かなければならなかった。契約上の義務だからだ。そうじゃないですか。
  587. 大久保利春

    大久保証人 ロッキード社のディレクティブは、政治的情報だけに限っておりません。契約書内容につきましては、基本契約書に、技術の習得それから役務サービス、なおたとえば……(「そんなことはいいよ」と呼ぶ者あり)それらのものについてのたとえば労働ファクター、そういうものにつきましても私どもは四半期ごとに報告する義務を負わされております。
  588. 正森成二

    ○正森委員 いまの答弁は、しかし政治的な指示についてもこれを除外するというようには受け取れませんでした。それ以外にたくさんある、こういうことにすぎないでしょう。どうですか。
  589. 大久保利春

    大久保証人 御説のとおりでございます。
  590. 正森成二

    ○正森委員 最後に一つ。あなた方は「代理店の業務」の中の第(f)項で、あなた方がロッキード社のためにいろいろ行ったことについてレポートを提出することを義務づけられております。何回ぐらいレポートを出しましたか。
  591. 大久保利春

    大久保証人 ただいま申し上げたとおり、四半期、正確には四半期ごとではございませんが、四半期ごとに主として労働ファクターを中心とした報告を出していると伺っております。
  592. 正森成二

    ○正森委員 前に申しましたようにレポートの提出を要請して、私の質問を終わります。
  593. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 これにて正森君の発言は終了いたしました。  次に坂井弘一君。
  594. 坂井弘一

    坂井委員 あなたがサインされましたユニットなる領収証につきまして重ねてお伺いいたしますが、先ほどの証言によりますと、クラッター氏から頼まれてサインをした、こういうことでございますが、そのサインの際に、だれかに相談されましたか。
  595. 大久保利春

    大久保証人 どなたにも相談いたしておりません。
  596. 坂井弘一

    坂井委員 そうすると、全くあなた独自の判断ということでございますね。
  597. 大久保利春

    大久保証人 そのとおりでございます。
  598. 坂井弘一

    坂井委員 サインされまして後に、どなたかにこのことを漏らされましたか。
  599. 大久保利春

    大久保証人 だれにも漏らしておりません。
  600. 坂井弘一

    坂井委員 確認の意味で重ねて伺っておきますが、ユニットの文字は最初から記載されておった、間違いございませんか。
  601. 大久保利春

    大久保証人 先ほどから確認をせよということで、先ほど確認いたしましたので、そのとおりでございます。
  602. 坂井弘一

    坂井委員 日付はございましたか。
  603. 大久保利春

    大久保証人 たしかあったかと存じますが、私の記憶の非常に薄いところを質問されておりますので、あったかどうかはよく覚えておらないわけで、先ほど御答弁申し上げましたとおり一九七二年の秋、さもなければもっと詳しく言えとおっしゃるならば、推測の域かもしれないけれども十月ないし十一月ごろではないかと申し上げた、そのとおりでございます。
  604. 坂井弘一

    坂井委員 日付は書かれてあったかなかったかという私の問いであります。あいまいな答弁では非常に困る。あなたはいま確認されておるでしょう、この領収証については。いまの段階で、あるのですか、ないのですか。
  605. 大久保利春

    大久保証人 覚えておりません。     〔委員長退席、正示委員長代理着席
  606. 坂井弘一

    坂井委員 あて先はありますか。
  607. 大久保利春

    大久保証人 ございません。
  608. 坂井弘一

    坂井委員 日付については、いま米議会において提出をされましたこの領収証、この中に日付があったかなかったかは確認されましたか。
  609. 大久保利春

    大久保証人 確認いたしておりません。
  610. 坂井弘一

    坂井委員 きわめてふまじめですね。あなたがサインされた領収証ですよ、ユニットなる。日付があるか、あて先があるか、金額はどうなっているか、あなた御自身が確認されてないのですか。
  611. 大久保利春

    大久保証人 確認いたしておりません。
  612. 坂井弘一

    坂井委員 お話にならぬですね。まさにこれが問題になっているんじゃありませんか。このユニットなる領収証、これはまさに暗号領収証じゃありませんか。先ほどからの指摘のとおり丸紅に六億の黒い金が渡ったことは間違いない。ID社はシグ・片山氏、ここでつくられた領収証はにせの領収証なんです、日付も金額も。あなた方が書いたところの——書かされたか、ユニットピーナツ、ピース、この領収証とその日付、金額において、まさに丸紅は金は受け取ったけれども、受け取ったという証拠にピーナツ、ピース、 ユニット、こういう暗号を付して、確かに受け取りましたよという証拠としてロッキードの本社に送らなければならぬ。ロッキード本社では会計監査上このような領収証は通用するはずがない。そこでこの代行をしたのがID社であります。シグ・片山氏であります。あなたのサインされた領収証がまさに今回の疑惑を解明する重要な問題として、解明しなければならない一番最たるものとしていま議論されておる。証人証言を求めようとしておる。にもかかわらず、あなた自身は日付もあて名も確認していない。何たることですか。再度証言を求めます。
  613. 大久保利春

    大久保証人 確認しておりません。
  614. 坂井弘一

    坂井委員 では聞きますが、あなたがいち早くアメリカに飛ばれました。コーチャン氏に会われました。きわめてかたい約束をしたにもかかわらず、あなた方の言葉で言えば仮領収証、暗号領収証であります、これが米議会において暴露された。大変困ったことになった。そこであなたはコーチャン氏に抗議をした。その際、コーチャン氏はあなたに対して、米議会において虚偽の証言をした、まことに申しわけない、こう言ったのですか、どうですか。
  615. 大久保利春

    大久保証人 そのような発言コーチャンからはございませんでした。
  616. 坂井弘一

    坂井委員 米議会におけるコーチャン氏の証言は事実である、しかしながらどこにも出さない、あなたには迷惑をかけない、丸紅にも迷惑はかけないと言ったことに対して迷惑をかける結果になったことについては申しわけない、米議会において証言したことは全く事実である、あの異様な雰囲気の中で、緊張したその中で私は真実を証言した、ということなんでしょう。そのことは訂正していないのでしょう。
  617. 大久保利春

    大久保証人 私に対する説明は、先ほども申し上げましたとおり、あのように圧力のかかった雰囲気での私の立場を理解してほしいということでありました。
  618. 坂井弘一

    坂井委員 あなたの証言によれば、コーチャン氏はあくまでも本当のことを言った、言ってはならない本当のことを言ってしまった、そのこと自体は関係者に対しては大変な迷惑をかけることになる、だから申しわけないということじゃございませんか。あなたはどう受け取られましたか。
  619. 大久保利春

    大久保証人 私はそのように受け取っておりません。
  620. 坂井弘一

    坂井委員 日付もないし、あて先もない、そういうものにあなたはサインされておる。その際にあなたはかたい約束をされた。先方は絶対に迷惑をかけない、こう言った。そのかたい約束をするほど大事な中身についてあなたは何の確認もしないでサインをした。こんなばかなことが世の中通用するはずはない。  しからば聞きますけれども、六億の金は、あなた自体流れてきたであろうことは考えられるけれども、あなた御自身はその流れについては知りません、こういうことでございますか。
  621. 大久保利春

    大久保証人 金の流れについては一切私は存じません。
  622. 坂井弘一

    坂井委員 あなたは福田太郎氏を御存じですか。
  623. 大久保利春

    大久保証人 福田太郎という名前は伺っております。
  624. 坂井弘一

    坂井委員 福田太郎さん、ジャパン・PR社、ロッキード宣伝会社であります。事務所はどこにありますか。
  625. 大久保利春

    大久保証人 大手町のビルではないかと存じます。
  626. 坂井弘一

    坂井委員 大手町のビルではないかと言われるそのビルはあなたの東京本社じゃありませんか。
  627. 大久保利春

    大久保証人 私どもの本社は現在竹橋にございます。
  628. 坂井弘一

    坂井委員 元本社、大手町ビルの七階、あなたの会社で提供した。
  629. 大久保利春

    大久保証人 私の会社で提供いたしておりません。
  630. 坂井弘一

    坂井委員 あなたの社のもとの大手町のビル、その七階に福田太郎氏の事務所がある。確認をしていただきたい。
  631. 大久保利春

    大久保証人 七階かどうかは存じませんが、あのビルにあることは承知しております。
  632. 坂井弘一

    坂井委員 非常に回りくどい。あなたのもとの本社ですね。  伺いますが、福田太郎氏はシグ・片山氏と交際がありますか。
  633. 大久保利春

    大久保証人 全く知りません。
  634. 坂井弘一

    坂井委員 あなたは先ほどもシグ片山氏には会ったこともない。電話連絡等もございませんか。
  635. 大久保利春

    大久保証人 一切ございません。
  636. 坂井弘一

    坂井委員 次の伊藤証人にこの件につきましてさらにお尋ねをするといたしまして、P3C等の問題がございますので、鈴切委員にかわります。
  637. 正示啓次郎

    ○正示委員長代理 次に鈴切康雄君。
  638. 鈴切康雄

    ○鈴切委員 あなたは四十七年の秋に領収証を出しておると言われましたけれども、それは偽造や変造でなく、間違いなくあなた自身のサインであるということをお認めになりましたね。
  639. 大久保利春

    大久保証人 認めます。
  640. 鈴切康雄

    ○鈴切委員 領収証にサインしたユニットは、領収証である以上、金を意味しているということをあなたはお認めになりますか。
  641. 大久保利春

    大久保証人 最初に証言いたしましたとおり、ユニットについては存じ上げません。
  642. 鈴切康雄

    ○鈴切委員 領収証にあなたはお書きになるということは、それは金を意味したということをあなたはお認めになりませんか。金を意味している。領収証ですよ。領収証は金でしょう。
  643. 大久保利春

    大久保証人 そのことにつきましては、先ほども御説明申し上げましたとおり、何回聞いても向こうは教えてくれませんでしたので、わかりません。
  644. 鈴切康雄

    ○鈴切委員 私は領収証と言っているのですよ。あなたは領収証に書いた以上は、それは金を意味しているのではないかと聞いているのです。  それではお聞きしましょう。  丸紅株式会社会社の定款に、仮の領収証でなくして空の領収証を出してもよいと定められておりますか。
  645. 大久保利春

    大久保証人 定められておりません。
  646. 鈴切康雄

    ○鈴切委員 航空機業界では空の領収証を出す商慣習になっておりますか。
  647. 大久保利春

    大久保証人 なっておりません。
  648. 鈴切康雄

    ○鈴切委員 大久保専務が書いた領収証があるにもかかわらず、何も金をもらっていないと主張しているのは、あなただけです。米議会コーチャン証言と、あなたの書いた領収証が明らかになっている以上、黒い疑惑を晴らすためにもあなたが挙証する責任があります。だから少なくとも領収証は相手方において、ロッキード社においては有効に使われておるわけでありますから、当然その疑惑を晴らすために、あなた並びに伊藤氏は個人の預金、株式、通貨、不動産など国民の前に明らかにする責任がありますが、それを公開しますか。
  649. 大久保利春

    大久保証人 委員会の御要請があれば、喜んでいたします。
  650. 鈴切康雄

    ○鈴切委員 委員長、いま委員会の要請があれば公開をするという話ですから、それを要望いたします。
  651. 正示啓次郎

    ○正示委員長代理 理事会において協議をいたします。
  652. 鈴切康雄

    ○鈴切委員 大久保専務領収証を発行していながら金は受け取ってないと言っている。本来、領収証に基づいて受け取るべき金を受け取っていないということは、結果的に言って会社に大変な損害を与えることにならないですか。
  653. 大久保利春

    大久保証人 これが正規の領収証であればそうなると存じますが、先ほどから申し上げておりますとおり、このユニットは何であるかと聞いてもわからないものでありまして、会社にもまた個人にも迷惑をかけないからということでサインをいたしたわけでございますので、私は損害はなしと考えてサインしたものでございまして、これについては不明をおわび申し上げておるわけでございます。
  654. 鈴切康雄

    ○鈴切委員 定款にないことをあなたはお書きになって、そしてしかも株主の利益を害することになると思うが、あなたはどのようにお思いになりますか。
  655. 大久保利春

    大久保証人 重大なる責任を感じております。
  656. 鈴切康雄

    ○鈴切委員 それは商法第二百五十四条の取締役の忠実義務、それから二百六十二条の表見代表取締役の行為について、二百六十六条の会社に対する責任、いわゆるこの法律違反であるというふうにあなたはお認めになりますか。
  657. 大久保利春

    大久保証人 そのように判定されれば私も認めるのにやぶさかではございません。
  658. 鈴切康雄

    ○鈴切委員 そんなことで許される問題ではありません。丸紅がただ口先で会社の潔白を主張しても、ただそれだけで国民の疑惑が晴れるものではありません。  トライスター導入に関する丸紅ロッキード社、ID社間の取引関係のすべてと、PXLの獲得のための工作費用の会計記録をすべて国会に提出をしなさい。約束できますか。
  659. 大久保利春

    大久保証人 私どもが持っております書類であれば、委員会において御決定なさった場合にはすべて提出いたします。ただ、対防衛庁関係の仕事につきましては、機密事項もございますので、ロッキード社の提出をいたしました書類につきましては委員会限りとしていただきたいと存じます。
  660. 鈴切康雄

    ○鈴切委員 あなたは対防衛庁関係というお話がありましたけれども、PXLの工作という問題についてもかなりおやりになりましたか。
  661. 大久保利春

    大久保証人 先ほどから申し上げておりますとおり、PXLについては現在政府ベースで行われておりますので、私は工作は何もいたしておりません。
  662. 鈴切康雄

    ○鈴切委員 先ほど私が資料の提出を求めたのは、手数料、報償費、宣伝費、交際費、その他の経費、契約書など、本件に関する資料の全部を要求いたします。
  663. 正示啓次郎

    ○正示委員長代理 これにて坂井君、鈴切君の発言は終了いたしました。  次に永末英一君。
  664. 永末英一

    永末委員 証人が航空本部長になられましたときには、すでに前年、四十四年の三月付で新しいロッキードの大型新輸送機に関する値段の値引きのことが内約されておったのですね。
  665. 大久保利春

    大久保証人 私は、昭和四十四年六月に本部長を命ぜられ、それから機械第一本部長として、責任のある最高責任者として航空機の仕事に当たってまいりました。したがいまして、いま先生のおっしゃった日にちはその前でございまして、まだ引き継ぎを受ける前のことでございますので、よくわかりません。
  666. 永末英一

    永末委員 あなたが本部長に就任されたときには、いつでき上がるかしれないけれども新しいロッキードの飛行機日本に導入することができるならば、その場合には手数料の値引きがあるのだ、これはいつ承知されましたか。
  667. 大久保利春

    大久保証人 正直申し上げまして、かなり後だったと存じます。
  668. 永末英一

    永末委員 かなり後というのは、記憶がございませんか。
  669. 大久保利春

    大久保証人 ここでまたはっきりしたことを申し上げますと、また前後矛盾いたしますといけませんので、いつからだということは私が知ったときからでございますが、少なくとも、今回の問題で種々一機一機口銭を調べたときに非常にはっきりいたしましたので、明瞭に、今回の問題についての口銭関係を調べた時点では、これははっきり認識しております。
  670. 永末英一

    永末委員 一九七三年五月二十四日付、ロッキード・カリフォルニア社の財務担当プール氏あてに、日本におけるロッキードの代表者クラッターから手紙が送られました。その中にこの関係のことが全部明記をされ、そしてそれは大久保氏、あなたに通報されております。したがって、この中における経過というものは、いつから始まってどうだということを、あなたは完全に承知せられたはずである、そうじゃございませんか。
  671. 大久保利春

    大久保証人 先生が金額を挙げて言われて、それがいつから認識できたかということになりますと、先ほどの答弁になります。  経過につきましては、先ほど申し上げましたようなことで、当初の航空機の口銭は安いのだということは知っておりました。
  672. 永末英一

    永末委員 あなたの方は、ロッキード社との間で、この新しい大型輸送機に関する手数料の話をいつから始められたのですか。
  673. 大久保利春

    大久保証人 この手数料の決定につきましては、昭和四十七年十月三十一日、この決定があってからのことと当然考えておりますが……。
  674. 永末英一

    永末委員 私どもが調べ上げましたこと、すなわちアメリカ国会公聴会に参考資料として出しておるその資料からすれば、すでに昭和四十年度において内約はできておる。四十四年の豊田常務という方をあなた知っていますか。
  675. 大久保利春

    大久保証人 存じております。
  676. 永末英一

    永末委員 その人は、航空に関してどういう責任の地位にありましたか。
  677. 大久保利春

    大久保証人 私の前任者であります。
  678. 永末英一

    永末委員 あなたは、前任者からこの件について引き継ぎを受けておりませんか。
  679. 大久保利春

    大久保証人 詳しく引き継ぎは受けておりません。
  680. 永末英一

    永末委員 あなたの方の商社の仕事として大型の飛行機を導入する場合、その手数料の問題は最も重要な問題だと私ども考える。にもかかわらず、丸紅においてはその責任者が交代した場合に、その最も重要な問題について引き継ぎを受けないのですか。
  681. 大久保利春

    大久保証人 私ども会社組織においては、それぞれ部長がおりまして、この部長がその部の損益問題について現在責任体制をとっておりますので、細かいいきさつにつきましては本部長は報告を受けておりません。
  682. 永末英一

    永末委員 先ほど、あなたのところの檜山会長は、あなたがこのことを全部知っておると言われた。われわれはそう思いましたからこのことをお聞きしておるのだけれども、あなたはまた私は知らぬと言う。一体だれが知っておるのですか、丸紅では。
  683. 大久保利春

    大久保証人 檜山会長が申し上げたのは、多分、最初の四機が九万二千五百ドルと安いということについて会長が恐らく質問を受けられて、それがわからないので、それは大久保が知っておると申したと存じます。したがって、いま申し上げた九万二千五百ドルという数字も、恐らく檜山会長は御存じなかったと存じます。したがって、私が現在お答え申し上げておる程度のことを檜山会長は御期待なさって、そう言われたかと存じます。
  684. 永末英一

    永末委員 私、あなたの会社がこの証人台に立たれたときに、きわめてあいまいな答弁をされるのはきわめて遺憾だと思います。正確に国民の前にお答え願いたい。  このロッキードL一〇一一という航空機に関してはいつから話が始まっておるのですか、お答え願いたい。
  685. 大久保利春

    大久保証人 L一〇一一につきましては、非常に前からワイドボデーという問題の計画があることは存じておりました。ただ、これが実際に今後販売できる航空機として世間に出し得る状況になったのは、恐らく一九四五年以降ではないかと推測いたしております。     〔正示委員長代理退席、委員長着席
  686. 永末英一

    永末委員 四十五年以降ではなくて、四十四年の三月にすでに値引きの話をしておる。それまでに話をしていることは明確ではありませんか、記録上。うそを言っちゃだめですよ。そのことを知らないで、あなた、よく本部長が勤まっておりますね。  私がもう一つ伺いたいのは、あなたの方とロッキードとの関係は、ロッキードの生産品をあなたが扱うについてどういう契約があるのか。すなわち、あなたの方は、すでに昭和三十一年前にT33に関して取り扱いをいたしました。次いで、P2Vについて取り扱いました。これは昭和三十四年に一号機が完成です。次いで、F104機が昭和三十七年に完成をいたしました。これはもうすでに昭和三十三年ころから扱っておるはずだ。そして今回のこのL一〇一一というのは、記録によりましても昭和四十四年から取り扱っておられる、こういうことですね。そのたびごとに一つ一つ契約の修正をやっておりますか。
  687. 大久保利春

    大久保証人 ロッキード社との契約昭和三十三年に始まりまして、その後、これは記憶にはっきりございませんので、また後で問題になってもいけないと存じますが、三十数回の契約変更があって今日に至っておると承知しております。
  688. 永末英一

    永末委員 新しい機種を扱われる場合には、そのたびごとに契約をしますか、しませんか。
  689. 大久保利春

    大久保証人 当然いたします。
  690. 永末英一

    永末委員 それでは、ただいま現在まで、あなたはP3Cについて一切の販売交渉をしておりませんね。
  691. 大久保利春

    大久保証人 P3Cについては、私は一切の交渉をいたしておりません。(「委員長」と呼び、その他発言する者あり)
  692. 永末英一

    永末委員 証人、語尾がよく聞こえなかったのですが……(私語する者あり)
  693. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 静粛に願う。
  694. 永末英一

    永末委員 P3Cの販売については、この時点まで一切あなたの方は販売活動しておりませんね。もう一度お答え願います。
  695. 大久保利春

    大久保証人 P3Cは政府ベースで行われておるものでありますので、現在私が中心になって商活動は一切いたしておりません。
  696. 永末英一

    永末委員 先ほどあなたの書かれたユニットという言葉のある領収証の問題が出ておりますが、あれはタイプで印刷したものについてあなたの署名だけを要求したものですか。
  697. 大久保利春

    大久保証人 タイプであるかあるいは手で書いたものかは記憶にございませんので、申しわけないのですが、お答えできません。
  698. 永末英一

    永末委員 ピーナツという文字の入っておる領収証はタイプで印刷され、本人のヒロシ・イトー氏の名前も印刷がされてある、そこに署名がされておる。ピーシズも同じである。だといたしますと、あなたが署名されてから約一年間の間に六件起こった事件でありますけれども、似たような手口であるのなら、すべてタイプで打たれたものの署名を求められたと見るのが私は順路だと思う。思い返してください。
  699. 大久保利春

    大久保証人 覚えておりません。
  700. 永末英一

    永末委員 あなたは伊藤宏氏に対してピーナツピーシズの署名を求めたとおっしゃいました。そのときには、どんな紙でしたか。
  701. 大久保利春

    大久保証人 四角い、小さな紙でございました。
  702. 永末英一

    永末委員 その上に印刷はありましたか。
  703. 大久保利春

    大久保証人 その紙にはタイプで書いてあったと写真でも確認しております。
  704. 永末英一

    永末委員 記憶にあるのか、後で写真を見て思い出したのか、どっちですか。
  705. 大久保利春

    大久保証人 私の記憶でタイプで書いてあるとお答えいたします。
  706. 永末英一

    永末委員 一九七二年十一月一日にあなたの方はロッキードと市場代理人契約を結びました。十一月一日です。あなたの書かれたユニットは、これより前ですか後ですか。それとも前と後ですか。
  707. 大久保利春

    大久保証人 前でございます。
  708. 永末英一

    永末委員 ほかの資金の流れから言えば、大体このあたりに約一億円程度の金が流れているのである。われわれは傍証から推察すれぱ、あなたはこれに使われたというぐあいに考えざるを得ない。あなたもひとつ十分に研究してください。
  709. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 河村勝君。
  710. 河村勝

    ○河村委員 いまのに関連してちょっと伺います。  先ほどあなたは、丸紅としては外国で活動する場合には裏金は一切使わない、そういう答弁がありましたが、国内では使うこともある、こういうことですか。
  711. 大久保利春

    大久保証人 私どもは口銭をベースとして商取引をやっておりますので、外国と聞かれましたので外国と申し上げたので、国内もございません。
  712. 河村勝

    ○河村委員 本当ですか。
  713. 大久保利春

    大久保証人 本当でございます。
  714. 河村勝

    ○河村委員 先ほどあなたは、正式のサインであるにもかかわらず会社の稟議を経ずにサインしたのは間違いであったとおっしゃったように思いますが、そうであれば、あなたのサインされたのは正式のサインですか。正式のサインをなさったのですか、このユニットという書面について。
  715. 大久保利春

    大久保証人 私は正式のサインペーパーだと思っておりません。
  716. 河村勝

    ○河村委員 サインペーパーではなくて、じゃ先ほど正式のサインであるにもかかわらず稟議をしなかったのは間違いだったというのは、それはうそですか。
  717. 大久保利春

    大久保証人 領収証に関して、あれは領収証であるかという御質問に対してでございましたので、そのようにお答えいたしましたのですが、ああいう紙については、とにかく一切の正式の領収証ではございませんので、正式の領収証にサインをいたすときは社内で稟議をいたします。
  718. 河村勝

    ○河村委員 社内で稟議する、しないというのはこれは対内的な問題であって、対外的には稟議しようとすまいと効力は変わりませんね。ですから、正式のサインであればそれは正式の領収証になるのではありませんか。
  719. 大久保利春

    大久保証人 そのとおりだと存じます。
  720. 河村勝

    ○河村委員 もし正式の領収証であれば、その金は会社に納めなければならないものですね。
  721. 大久保利春

    大久保証人 その領収証が私ども会社の正式の領収証であるかどうかということになりますと、正式の領収証と申し上げたのはいささか早計だったと存じますが、あの領収証には丸紅という名前は何も書いてございませんので、正式かどうかの認定は、前の証言を取り消させていただきます。
  722. 河村勝

    ○河村委員 あなた、それはおかしいのではありませんか。会社領収証であろうとなかろうと、代表取締役であるあなたが正式のサインをすれば、これは法律的にはどこに出しても正式の領収証です。そうではありませんか。
  723. 大久保利春

    大久保証人 先ほど大分前に、この領収証は個人としてか会社としてかというときに、私は個人と申し上げたので、先ほどのような訂正をいたしたわけでございます。
  724. 河村勝

    ○河村委員 それではおかしいですね。正式のサインであれば、代表取締役のあなたが正式のサインをして、それで個人のものだということが言えるのですか。
  725. 大久保利春

    大久保証人 私は個人の手紙にも同じようなサインをいたしておりますので、私は先ほどのように取り消さしていただいたわけでございます。
  726. 河村勝

    ○河村委員 そうすると、正式で有効な公式の領収証であるとないとはどこで区別するのですか。
  727. 大久保利春

    大久保証人 先ほど申し上げましたように、当社の経理部から発行いたしました丸紅名前の入った所定の領収証が正式の領収証でございます。
  728. 河村勝

    ○河村委員 そんなばかなことはないのですよ。それは紙が会社の印刷のものでなければ正規の領収証にならない、そういうばかげたことはありません。  時間が過ぎましたので、これで一応打ち切って、後に残します。
  729. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 大久保証人に対する質問につきましては、一応最初の約束の時間を終了いたしましたが、まだ関連的な質問が残っておりますので、伊藤証人及び松尾証人証言終了後に出頭願うことといたします。  御退席を願って結構でございます。     —————————————
  730. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 ただいまから伊藤証人の入室を求めます。  伊藤証人に対し、まず委員長より所要の事項についてお尋ねをいたします。その後で各委員の御発言を願うことといたします。  それでは、私からお尋ねをいたします。  あなたは伊藤宏君ですか。
  731. 伊藤宏

    伊藤証人 はい、さようでございます。
  732. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 住所、職業、生年月日をお述べください。
  733. 伊藤宏

    伊藤証人 東京都千代田区富士見一の十一の二十四の六〇一号。昭和二年一月二十二日生まれ。丸紅株式会社専務取締役並びに若干の関連会社の非常勤の役員をやっております。
  734. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 あなたはいつから丸紅専務の地位を得られたのでありますか。
  735. 伊藤宏

    伊藤証人 お答えいたします。  昭和五十年の五月の末日の総会後の取締役会で専務に互選をされました。
  736. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 昭和四十八年には社内でどんな地位にあり、どんな仕事を担当されておりましたか。
  737. 伊藤宏

    伊藤証人 お答えいたします。  昭和四十八年は、私は常務取締役。役職は社長室長、人事本部副本部長、業務本部副本部長を兼務いたしておりました。
  738. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 特にそのころからロッキード社関係についてお述べを願いたいと思います。
  739. 伊藤宏

    伊藤証人 お答えいたします。  私は、われわれの会社昭和三十三年ごろからであったと思いますが、ロッキード社日本における総代理店契約を締結しておりまして、それ以来の関係であるということはそのずっと以前から承知いたしておりましたが、私自身ロッキード社との取引につきまして直接に担当をいたしたことはございません。
  740. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 去る二月四日及び六日の米国上院外交委員会の多国籍企業小委員会公聴会において、ヒロシ・イトーのサインのある百ピーナツを受け取ったとの領収証が公表されたが、あなたのサインに間違いありませんか。間違いですか。どっちですか。
  741. 伊藤宏

    伊藤証人 間違いございません。
  742. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 あなたはどういう理由でこのサインをいたしましたか。
  743. 伊藤宏

    伊藤証人 お答えいたします。  たしか四十八年の八月の九日、これはその書類にそういう日付がありますのですが、私は、実はその日であるかどうかということはいま明確に覚えてないのでございますが、その当時に、わが社の当時の常務でございましたが、現在の大久保専務大久保さんから、この書類ロッキード社の社内事情のために必要なものである、丸紅には全く迷惑をかけないから、しかも用済み後に破棄をするからサインをしてくれと言って頼まれたのでということでございましたので、私は同僚であり先輩であります会社の役員からの依頼でございましたので、深く考えもせずに気楽にサインをしてしまったものでございます。
  744. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 そのサインはだれにあてた領収証でありましたか。
  745. 伊藤宏

    伊藤証人 あて名も何もございません書類でございました。
  746. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 そうすると、ピーナツ百と書いてあるだけですか。
  747. 伊藤宏

    伊藤証人 文面は、「アイ レシーブド ワンハンドレッド ピーナツ」という言葉と、いま申し上げました日付がございまして、そこに私のサインをいたしたわけでございます。
  748. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 そこで、ピーナツというのにサインをするというのはちょっと普通では想像のつかないようなことでございますが、そのピーナツはどういうことだったか、どういう意味があるかというようなことをひとつお聞かせ願いたい。
  749. 伊藤宏

    伊藤証人 私は、実はこのピーナツという言葉の意味を全然その当時存じておりませんでした。大久保さんからそういう話でございましたので、大久保さんにもその意味をたしか問いただしたと思うのでありますが、大久保さんもたしか御存じなかった。しかし、まあそういう先ほど申し上げましたような事情でございますので、気軽にサインをしてしまったということでございます。まことにいまにして思えば軽率のきわみであると深く反省している次第でございます。
  750. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 そうすると、大久保専務にこれにサインしろと、こう命ぜられてサインしたわけですか。
  751. 伊藤宏

    伊藤証人 命ぜられたと申しますか、気安く同僚として頼まれたと言った方が適当じゃないかと思うのであります。
  752. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 その後、サインをした後、上司の社長であるとかあるいは会長であるとかに、こういうものにサインしたという報告をいたしましたか。
  753. 伊藤宏

    伊藤証人 一切いたしておりませんでした。
  754. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 なお、お伺いいたしますが、中学生でもあればピーナツ何個受け取ったというサインをいたしますが、日本最大の商社とも言われる丸紅で、しかも当時常務でありましたあなたが、ピーナツ百個にサインをしておかしいと思いませんでしたか。
  755. 伊藤宏

    伊藤証人 お答えいたします。  いまも申し上げましたように、全く深く考えもせずに気軽にサインをしてしまったわけでございます。まことに軽率のそしりを免れませんし、申しわけないと思っております。
  756. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 お尋ねしますが、軽率だけではおかしいじゃありませんか、ただ、軽率でありましただけでは。あなたは常務取締役でありまして、年間に何兆円という取引をする会社の常務としてピーナツ百個にサインをいたしました。何の意味だかちっともわからないで、ピーナツ百個サインと、これはおかしいとちっとも思いませんでしたか。
  757. 伊藤宏

    伊藤証人 お答えいたします。  ただいまも申し上げましたように、確かに不審な気持ちもございましたが、大久保さんからそういう説明がございましたので、そのときにはそれ以上深くも考えずにサインをしてしまったものでございます。
  758. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 米国の公聴会で、ワンハンドレッド・ピーナツということは一億円の意味であり、またこの一億円は、日本政府当局者に支払われたものだと疑いの目を持って見られるような証言コーチャン氏からなされております。これについてあなたは事前に知っていたのではないんですか。ワンハンドレッド・ピーナツというのは一億円だ、こういうことは、そのとき知ってサインをしたんじゃないですか。
  759. 伊藤宏

    伊藤証人 お答えいたします。  全く私は存じておりませんでした。
  760. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 まことに不可思議な話でございまして、漫画の映画を見ているようなわけじゃないので、これはどこへ出しても、中学生のいたずらじゃあるまいし、ワンハンドレッド・ピーナツにサインをいたしました。これでその受取がどういうふうな受取の意味を持っていたかというようなことを全然知らなかったということは不可思議きわまると思いますが、もう一遍ひとつ御答弁願います。
  761. 伊藤宏

    伊藤証人 お答えいたします。  私は全くその意味するところを存じませんでした。
  762. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 そこでコーチャン氏が、これは一億円を意味しているんだという証言が米国の公聴会発言されて、それをあなたは新聞あるいはテレビでごらんになりまして、どういう感じを持ちましたか。
  763. 伊藤宏

    伊藤証人 まことにびっくりいたしました。驚愕いたした次第であります。
  764. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 それが百ピーナツに値しているものだかどうだかということをそのとき判断できましたか。
  765. 伊藤宏

    伊藤証人 全くできませんでした。
  766. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 じゃ、何にも知らないでいたということですか、全然何も知らないで。
  767. 伊藤宏

    伊藤証人 さようでございます。
  768. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 丸紅の取引においては、ピーナツ百とかユニット幾つとか、そういうようなことが、このロッキード以外の取引にもそういう暗号がしばしば外国等の取引において使われておりますか、どうですか。
  769. 伊藤宏

    伊藤証人 全くさようなことはないと思っております。
  770. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 それではおかしいと思いませんでしたか。ほかにそういう暗号を使っておらないときに、この問題だけ——この問題とは想像できなかったかもしれませんが、どうしてピーナツを百ということにサインをされて、おかしいとも何ともちっとも思わなかったということは、それこそ不可思議きわまることですが、どうですか。その考えをひとつ述べてください。
  771. 伊藤宏

    伊藤証人 お答えいたします。  先ほどからも申し上げますように、いまにして思いますればまことに軽率と申しますか、に尽きるのでございますが、そのときは、先ほど申し上げましたような事情で依頼されたものでございますから、全く深くも考えずに気軽にサインをしてしまったものでございます。
  772. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 なお、これが一億円を意味しており、それがコーチャン氏の証言によれば、ロッキードの飛行機売り込みのいわゆる政府に対する運動資金、あるいは言いようでは賄賂に使われておったというような、と疑いを持たれるような証言をしておりますが、このコーチャン氏の発言に対してあなたはどうお考えですか。
  773. 伊藤宏

    伊藤証人 私はさようなことに全く関知をしておりませんし、まことに心外でございます。
  774. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 だれに対して心外ですか。
  775. 伊藤宏

    伊藤証人 コーチャン氏に対してでございます。
  776. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 これがコーチャン氏の証言で、政府高官にこの金が賄賂あるいは運動資金に渡されていたということについて、そういう証言をしておりますが、あなたはその事実を知っておりますか。
  777. 伊藤宏

    伊藤証人 私は存じません。
  778. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 そこで、あなたはコーチャン氏の証言に対して心外だと言われておりますが、これに対して法的な処置を講ずる、あるいは言いかえれば告訴をするとか、そういうような考えを現在持たれておりますか、どうですか。
  779. 伊藤宏

    伊藤証人 お答えいたします。  実は、あの証言がございましたときに、まことにびっくりいたしまして、何と申しますか、いかなる手段を弄しましてもこれははっきりさせないといけないという気持ちで、今日いっぱいでございますのであります。実は、どういう対抗手段がありますかにつきまして、私どもの弁護士の先生方とも寄り寄りいろいろ御意見を承っております。ただしかし、まだ現在のところ最終的な結論に至ってはおりませんが、私の気持ちといたしましては、きょう、この証言によりまして、私の、そういうことはなかったということを皆さん方にこの証言台から証言をさしていただくということが何よりの私の務めであろう、かように存じております。
  780. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 また、アメリカ公聴会で、この領収証ロッキード社の第二の代理店であるID社と関係があるとの証言がありました。あなたは、ID社とはどういう会社か、ID社の性格あるいはID社の役員、重役とかあるいは社員とかと知り合いでありますか。
  781. 伊藤宏

    伊藤証人 お答えいたします。  私は、ID社という会社を聞いたことも全然ございませんし、全然存じておりません。
  782. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 あなたは、ロッキード社コーチャンという副会長、元社長だったと思いますが、その人以外に、ロッキード社日本売り込みに来ている人たちのどういう人と知り合いでございますか。
  783. 伊藤宏

    伊藤証人 お答えいたします。  私は、コーチャン氏も、それからその当時日本におられましたクラッター氏も、それからエリオット氏も、長年の取引先ではございますから、お名前は存じております。しかし、私は、先ほど申し上げましたように、直接の担当者ではございませんので、お会いしたこともございません。面識はございません。
  784. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 名前を知っているだけですか。
  785. 伊藤宏

    伊藤証人 はい、さようでございます。
  786. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 ピーナツの受取を出したのは、だれに渡されましたか。
  787. 伊藤宏

    伊藤証人 大久保さんだったと思います。
  788. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 大久保さん以外の人は、このことを御存じですか。
  789. 伊藤宏

    伊藤証人 御存じないと思います。
  790. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 あなたは、児玉譽士夫という方を御存じですか。
  791. 伊藤宏

    伊藤証人 お名前は存じておりますけれども、お目にかかったことも何もございません。
  792. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 電話で話し合ったことはありませんか。
  793. 伊藤宏

    伊藤証人 電話でお話ししたこともございません。
  794. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 あなたはピーナツだけじゃない、これは何と読むのか、ピーシズと読むんですか、どこの言葉だかよくわかりませんが、という符号を用いた領収証にサインしましたか。
  795. 伊藤宏

    伊藤証人 サインいたしました。
  796. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 それは何ですか、ピーシズというのは。
  797. 伊藤宏

    伊藤証人 その意味は私は存じておりません。
  798. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 何も知らないところへやたらにサインするんですか。おかしいじゃありませんか。何にも知らないところへやたらにサインをするというのは、落書きの先生でもあるんですか。
  799. 伊藤宏

    伊藤証人 たしか、先ほど申し上げましたように、大久保さんから同様に依頼を受けまして、深く考えもせずにサインをしたものでございます。
  800. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 しかし、大久保さんがピーナツだとかピーシズだとかというように、これにサインしなさい、子供じゃあるまいし、これは大久保さん、何を意味するものですかと、これにサインしたらどういう効果があるんですかぐらいなことは聞かないで、ただサインをするんですか、あなたは。おかしいじゃありませんか。
  801. 伊藤宏

    伊藤証人 確かにそういうような質問をしたことはあろうかと思いますが、先ほど申し上げましたように……。
  802. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 ありますか、ありませんか、そういうことを大久保さんに。
  803. 伊藤宏

    伊藤証人 はっきり記憶しておりませんけれども、そういうやりとりはあったんじゃないかと思いますが、大久保さんからは、正式に、先ほど申しましたように、決して丸紅に迷惑をかけるもんじゃないということでありましたし……。
  804. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 それはだれが丸紅に迷惑をかけるもんじゃないとおっしゃったんですか。
  805. 伊藤宏

    伊藤証人 これは大久保さんがこの依頼を受けましたロッキード社のこちらの、多分クラッター氏じゃなかったかと思います。
  806. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 それじゃ、クラッター氏にあなた会っているんじゃありませんか。
  807. 伊藤宏

    伊藤証人 お会いしておりません。私が直接クラッター氏からこれをサインをしてくれを頼まれたものではございません。
  808. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 そうすると、大久保さんに、これにサインしろとかどうとかということを言われれば、何て書いてあってもあなたはサインいたしますか。
  809. 伊藤宏

    伊藤証人 それはさようなことはございませんのですが、長年の取引先であるロッキード社からそういう理由でサインをしてくれということでありましたので、私はその大久保さんのその言葉をそのまま信じて気楽にサインをしたものでございます。
  810. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 あなたに聞きますが、これが、あなたがサインしたピーナツであるとか、あるいはピーシズであるとかということが、ロッキード社丸紅の取引の関係及び日本全体のあらゆる問題にいま大変な、このことによってこういう委員会を開かなくちゃならないような状況が起こっておる。いまのこの不況をどうしたら克服するか、インフレをどうしたら終局するか、あるいは雇用問題、そういうような重大な問題を解決するために予算審議が行われるときに、あなたがピーシズだの、ピーナツだのというのにサインしたためにこういう問題が起こっているんです。事はきわめて重大だと思う。なおまた、ロッキード社コーチャンという、どんなコーチャンだか知りませんが、コーチャンという人が、そのピーナツピーシズが金であって、その金が日本政府に渡っておるかのごとき、そういう疑いを持たれるような証言アメリカでしているのです。あなたのサインしたことは、きわめて重大な国際問題まで引き起こしている。こういうことに対して、あなたはどういう責任をお持ちになっておりますか。どういう考えを持っておりますか。一言発言を願います。
  811. 伊藤宏

    伊藤証人 お答えいたします。  いま委員長の御指摘のとおり、私の軽率なる行為が、かくも日本の政治、社会全般に対しまして重大なる問題を提起するに至りましたこと、何とおわびを申し上げてよいやら、非常に苦衷に胸をさいなまれているような状態でございます。のみならず、また私ども会社の信用にも非常に大きな傷をつけたことにつきましても、大変大きな責任を痛感いたしておる次第でございます。
  812. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 また、アメリカ公聴会で、あなたがサインしたことによって、約二百万ドルという金をはっきりここにコーチャン氏が挙げて、これが丸紅の役員を通じて政府当局あるいは政治家に、飛行機売り込みに対する運動資金というのですか、賄賂に使われているというような、そういう意味を含んだ証言をしております。あなたは、この二百万ドルという金について——丸紅でも会長あるいは社長次いで専務という重要な役目をしている。この二百万ドルがどういうところに使われておるかということについて、あなたが知り得る範囲のことをひとつお聞かせ願いたいと思います。
  813. 伊藤宏

    伊藤証人 私は、さようなことに全く関知をいたしておりません。
  814. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 私は、なおあなたに質問したいことがございますが、しかし、他の委員発言の持ち時間が来ておりますので、以上をもちまして私の質問は終わります。  委員からの発言を持ち時間の範囲で許します。奥野誠亮君。
  815. 奥野誠亮

    奥野委員 いま伊藤証人委員長に対する御答弁を伺っておったわけでございますけれども、納得のいく人は一人もいなかったんじゃないだろうかな、こんな気持ちを持ちながら伺っておったところでございます。  大久保氏から特に伊藤証人を選んで頼んできた、これは私は御理解になるんじゃないかと思うのであります。特に伊藤氏を選んで頼んできたということは、あなたが当時社長室長だった、だからあなたに大久保氏が頼んだ、こう理解せざるを得ない。また、あなたもそれくらいのことはおわかりになった、こう思うわけでございます。その点、お伺いいたします。     〔委員長退席、小山(長)委員長代理着席
  816. 伊藤宏

    伊藤証人 お答えいたします。  私が社長室長であるからという理由で大久保さんが頼んでこられたものとは、必ずしも私は思っておりません。
  817. 奥野誠亮

    奥野委員 こういう領収証にサインをしておられるのは、あなたと大久保氏以外にはないわけであります。同時にまた、あなたがやはり疑問を持ったということをおっしゃった。ピーナツピーシズ、言葉は違うわけでありますから。したがいまして、なぜ自分に頼んできたかくらいのことは、私はその間のやりとりの中で、なければ不思議だ。私のこの考え方、間違っていますか。
  818. 伊藤宏

    伊藤証人 決して間違いなどということを申し上げるあれはございませんが、私が大久保さんからそのときに依頼を受けましたのは、あなたが社長室長だからこのサインをしてくれと言われた覚えはございません。
  819. 奥野誠亮

    奥野委員 言う、言わないの問題じゃなくて申し上げているわけでありますが、次にロッキード社関係であるということは、先ほどのお答えからも理解できると思うのであります。丸紅にとって、それほどロッキード社というものが重要な存在であったかどうか、伺っておきたいと思います。
  820. 伊藤宏

    伊藤証人 私は、ロッキード社丸紅との関係昭和三十三年からの非常に古い関係であり、そして日本におけるソール・アンド・エクスクルーシブなリプレゼンタティブ、総代理店としての契約を結んでいる先である。しかも、その間にいろいろな商売がございましたかと思いますが、そういうことが全く遺漏なくといいますか、円満に遂行されている先であるというふうに存じております。
  821. 奥野誠亮

    奥野委員 この問題は、昨年の八月、アメリカの銀行委員会公聴会ですでに起こっておるわけであります。また、ことしに入りましてからは、二月四日、六日と、多国籍企業小委員会公聴会で取り上げられておるわけでございます。これらの間に、ロッキード社から丸紅は通報、連絡を受けておったでしょうか、伺っておきたいと思います。
  822. 伊藤宏

    伊藤証人 私は、そういうことは一切聞いたことはございませんでした。
  823. 奥野誠亮

    奥野委員 あなた個人の問題じゃなしに、丸紅のだれかのところへ絶えず連絡はしてきておったものかどうか。要するに、ロッキード社丸紅の存在というものを重視しておったかどうか。本来協力し合っていかなければならない企業間のおつき合いをしておったかどうか。あなたは、ロッキード社というものを非常に大事なようにおっしゃいましたけれどもロッキード社自身はそれじゃ丸紅というものをどう扱っておったかという判断を得たいために、こんなお尋ねをしておるわけであります。
  824. 伊藤宏

    伊藤証人 いまの先生の御指摘につきましては、私は直接の担当でございませんものですから、単にビジネスの上での結果と申しますか、そういう点について遺漏があったとは思っていないのでありますけれども、直接の窓口の者あるいは担当の責任者が、いま先生の御指摘のようなロッキード社についての総合的な評価をどう思っておるかということについては、私は直接伺っておりませんでした。
  825. 奥野誠亮

    奥野委員 社長室長であるあなたの耳に入っていないくらいですから、恐らく私は連絡がなかったんじゃないだろうかなという推測をいたします。また、踏んだりけったりの扱いを受けているんじゃないだろうか。踏んだりけったりの扱いを受けるようなロッキード社に、何もわけがわからずに、どんな大事になるかわからないようなサインをされる、一層わからなくなってくる、こんな気持ちで伺っておるわけでございます。  同時に、この領収証は、当然ロッキード社へ行くものだという御判断もあったものだと思うのでございますが、伺っておきたいと思います。
  826. 伊藤宏

    伊藤証人 当然、これはロッキード社からの要請によって行われたものであるということは、存じておりました。
  827. 奥野誠亮

    奥野委員 用済み後破棄するんだという話は聞いたんだ、こうおっしゃいました。社長室長ともあろうお方ですから、用済み後破棄するということは、自分のところへ戻してもらうというぐらいの話はしておられるんじゃないか、こう思うのでありますけれども、そうでなかったら用済み後破棄してもらうという話もよくわからない。これらの点について伺っておきたいと思います。
  828. 伊藤宏

    伊藤証人 確かに、いまにして思いますれば、非常にそういう点で遺漏な点が多うございました。当時は、先ほど申し上げますように、向こうの責任においてそういう処置をするということでございましたので、それを私は信じてサインをしたものでございます。
  829. 奥野誠亮

    奥野委員 この問題が明るみに出ましたときのあなたの態度、大変二転三転をした。だから一層、あなたがこの問題の実相を知っておられたはずだ、こう考えざるを得ないわけでございます。この問題が明るみに出ましたときに、二月五日の早朝の記者会見で、全然身に覚えはない、こう言明をされた。それから数時間後には、内容を確かめずにサインをしたのは軽率だった、こういう発言をされたわけであります。しかもこのサインは、大久保氏と松井直氏とに頼まれてやったのだ、こうおっしゃった。ところが、サインをした時点では、この松井直氏は退社をし、その翌年亡くなっているわけでありますから、死人に責任をかぶせようとしているということで遺族から大変な反発が出たことも御記憶になっていると思います。一体、これは明らかに事実を知っておったから驚いたんだということにならざるを得ないんじゃないかと思うのですが、伺っておきたいと思います。
  830. 伊藤宏

    伊藤証人 いま奥野先生の御指摘の点につきましては、御指摘どおり非常に誤解を受けておりますものでございますから、少し説明をさせていただきたいと思うのであります。  おっしゃいましたように、このニュースが入ってまいりましたのは五日の早朝でございました。私は全く驚愕をいたしたわけでありますが、そのときの断片的に入ってまいりましたいろいろなニュースに、確かにイトー・ヒロシという名前が出ました。それはIDコーポレーションの人である、あるいはまた、その受け取った領収証というものの金額も、一億円が正しいんだけれども、その前に十万ドルであるとかいろいろなニュースが入りまして、そしていずれにいたしましても、それらはイトーなる男を通じて日本のガバメントオフィシャルズとそれから関係先のエアラインのリプレゼンタティブに流れている、こういう証言であったのであります。いま申し上げましたような証言が全部まとまってまいりましたのはしばらく時間がたってでございますけれども、その過程過程におきまして、私は全くそういうことに関知いたしておりませんものですから、全くそれは関知いたしませんということを、私の方の広報室を通じて私の見解を申し述べておりましたわけであります。  ところで、お昼過ぎでございましたか、先ほどの御指摘のヒロシ・イトーとサインいたしました書類のコピーが電信で送られてまいりました。それを見ますと、確かにこれは私自身のサインでありました。そしてそれを確認をいたしまして、それから私が午後の記者会見に臨みまして、実は思い出してみればたしか大久保専務だったか、あるいは松井君だったか——松井君と私は断定はいたしておりません、だったか、そういう書類を頼まれてサインをしたことがあります、しかし、その意味する内容等々については全く関知しておりませんし、サインは私のサインでございますけれども、そういう金品のルート等々については、これは午前中に申し上げましたように、全く関知するところではございません、かように申し上げたわけでございます。  それから、いま御発言がございました松井君につきましては、確かに御指摘のとおりでありまして、私もよく確かめてから発言をすればよかったのであります。実は私は、あの一九七三年の八月九日という日付があります、あの日にサインをしたかどうかということも、私は明確にいまなお記憶がございません。したがいまして、大久保さんか松井君だというふうに申したのでありますが、松井君は確かに、調べてみますと、その年の四月に退社いたしておりまして、それからまことに不幸にも、一年後でございましたか出先で心筋梗塞で急死をされたわけであります。私は松井君という、これは非常に有能な男でございまして、退社をいたしますときにも私自身で慰留をいたしたことが一度ならずある男でございます。航空機部ができましてから生え抜きの中心人物でございましたものでありますから、私の頭にはとっさに、大久保さんでなければ松井君かなというひらめきがございまして、さように申し上げたわけであります。したがいまして、これはまことに御遺族にも御迷惑をおかけいたしました。後ほど取り消しましたような次第でございます。
  831. 奥野誠亮

    奥野委員 あなたは商社マンですから、サインの持つ重要性、これはもう十分知っておられる。理由もわからずにサインをなさるようなことはまず私は絶対あり得ない、こう考えております。また、そんなことがあったら商社なんて崩壊してしまう、成り立たないものだ、こう考えるわけであります。その意味のわからないような紙にサインをされたわけでありますから、この紙は疑問を持つ何か不正な紙だなということは直観的にわからなければおかしいんじゃないか。これがわからないでどうして商社の責任者になっておるのだろうか、これは私は当然そう思われてしかるべきものだと思うのです。何か不正に加担をしている、私がこう申し上げること、いかがでしょうか。
  832. 伊藤宏

    伊藤証人 まことに先生の御指摘、ただただ恥じ入るばかりでございまして、先ほど来申し上げましたように、そういううかつにと申しますか軽率にそういうことをサインいたしてしまったものでございます。まことに申しわけないと申し上げるよりほかはございません。
  833. 奥野誠亮

    奥野委員 最初のピーナツ百個の領収証、これは一億円を意味するものであり、あなたの手から政府職員に渡ったのだ、こういうことがアメリカ国会において堂々と言われておるわけでございます。日本政府職員に対する侮辱であります。そんなことがアメリカ国会公聴会において堂堂と言われているということでございます。それだけにまた、この事実を、真偽をわれわれとしては絶対に解明をしなければならない、こういうことになってまいってきておるわけでございます。非常に重要な問題を起こしてしまったわけでございますし、同時にまた、ガバメントオフィシャルと書いてあるのです。政府の職員なんです。先ほどからここで立って尋ねておられる方々がみんな政府高官政府高官、いつの間にやら政府高官になっているのです。いろいろ次々にこれは波紋を起こしまして、国内に大変な混乱を起こしてしまいました。あなたの百個のピーナツ領収証がこれだけ大きな波紋を起こし、国民全体に疑問を投げかけている。いま委員長も指摘されましたけれども、これはやっぱり始末はしっかりつけなければならない。問題を明らかにしなければならない。私は、当然伊藤証人個人としても強い責任を感じておられるのじゃないかと思いますので、重ねて伺っておきたいと思います。
  834. 伊藤宏

    伊藤証人 全く御指摘のとおり、私も非常に苦慮いたしております。どういう対抗措置があるか等も含めまして、先ほど来申し上げましたように考えております。  私は、実は奥野先生にお願いをいたしたいのでございますが、私は……
  835. 小山長規

    ○小山(長)委員長代理 もう少し言葉を明瞭に。
  836. 伊藤宏

    伊藤証人 はい。  私も日本人、日本国民の一人でございます。その日本国民の一人がこの席で、国権の最高機関のこの国会の席で宣誓をして証言をしているわけでございます。どうか私の申すことを信じていただきたい、かように申し上げるよりほかございません。
  837. 奥野誠亮

    奥野委員 先ほど……(発言するものあり)
  838. 小山長規

    ○小山(長)委員長代理 お静かに願います。
  839. 奥野誠亮

    奥野委員 委員長から、ロッキード社のエージェントが日本に三つあった、丸紅とそれから児玉氏とそれからID社、しかしID社も児玉氏も知らない、こういうお話がございました。シグ・片山というのがID社の社長であった、こう言われておりますし、ユナイテッド・スチール社の社長でもある。このシグ・片山なる人物は御承知になっておったか。名前は聞いておられたか。お伺いしておきたいと思います。
  840. 伊藤宏

    伊藤証人 私はお名前も全く存じません。
  841. 奥野誠亮

    奥野委員 大久保氏がアメリカからコーチャン社長の檜山会長等にあてた手紙を持ってまいったわけでありますが、この手紙内容に満足しておられるかどうか。内容は御承知いただいていると思いますが、その手紙内容に文面に満足されているかどうか、伺っておきたいと思います。
  842. 伊藤宏

    伊藤証人 弊社の大久保専務が参りまして、先方の証言後にコーチャン氏と会いましたときの状態につきましては、その状況につきまして詳しく報告を聞きました。そして檜山あてにああいう弁明文と申しますか、を預かってこられたわけでありますけれども、私どもといたしましては、あの文面にはっきりと、自分たち証言で申し上げたことを取り消すことは一つも書いておられないようであります、ただ非常にプレッシャーがきつく、そういうサーカムスタンスあるいはアトモスフェアとかいろいろな言葉を使ってございましたが、そういう中で、自分がああいうことを発言したことに対してはまことに申しわけないというような趣旨でございまして、これは気持ちとしてはわかるのでございますけれども、あれが果たして私どもの立場を完全に認めてもらったことになるのかどうか、これは法律的にまだ非常に問題であろう、かように思っております。そういう措置につきましては、文面等のなにも含めまして今後検討を進めてみたいと思っております。
  843. 奥野誠亮

    奥野委員 伊藤証人は社長室長でありますから、正規の政治資金のことなどについては担当もしておられるだろうし、詳しいだろうと思います。また、私たち政治資金規正法の改正などを通じまして疑惑を払拭したいということで努力していることもわかっていただけると思うのであります。政治資金規正法を改正して、政党以外の、議員を応援する政治団体等が一人から受ける金額につきましては厳しい制限を加えたわけでございます。世界に例のない少ないような改正を加えまして、そうして特定の政策によって政治活動が左右されないような努力をしよう、こうまでしているやさきにこういう問題が起こってきたわけでございます。政界だけではないでしょう。経済界も官界もすべて疑惑に包まれたわけでございますだけに、私は、丸紅自身が全体的な疑惑解明に一層の責任を負っているのだということの自覚を持っておられると思うので、一言伺っておきたいと思います。
  844. 伊藤宏

    伊藤証人 まことにおっしゃるとおりでございまして、私どももそのつもりで懸命に努力してまいるつもりでございます。
  845. 小山長規

    ○小山(長)委員長代理 次に松永光君。
  846. 松永光

    ○松永委員 先ほどあなたは、自分の軽率で通るかどうかわかりませんけれども、奇妙きてれつな領収証にサインをしたということで、そのことが現在起こっておるいろんな問題、日本自体に対して大変な疑惑を招くような、もちろん丸紅というものの信用、これをもう大変傷つけたということも重大な責任を痛感しておる、ということを言われました。あなたが重大な責任を痛感しておるならば、委員の中から発言もありましたように、その責任を果たさなければならぬ。この際あなたが果たすべき責任は、真相究明に本当に積極的に協力することだ。この場でも積極的に協力することはもちろんであるが、その他の場所においても調査等に積極的に協力して真相究明に協力する、それがあなたの果たすべき義務ではないかと思いますが、あなたはどう考えておりますか。
  847. 伊藤宏

    伊藤証人 おっしゃるとおりでございまして、私もそのつもりでおります。
  848. 松永光

    ○松永委員 時間がありませんので簡単明瞭にひとつ、いま申したような気持ちで、あなたは答えていただきたいのです。  まず、あなたがサインした領収証のこと。領収証の写しが来るまでは、あなたは否定をしておられたわけですね。そのことは先ほどの証言である程度、納得ができたというほどではありませんけれども、わからぬでもないが、しかし、あなたのサインした領収証のコピーが来た後の記者会見、最初の記者会見から数時間後の記者会見で、あなたはこういうふうに言っておられます。あのサインをしたのは、東京に駐在していたロッキード社のクラッター氏に、社内事情のためにサインしてくれと頼まれたのでサインをした。それからこの件については、機械担当の大久保利春専務と松井君も知っていたと思う、私と営業の責任者と相談してやった、こういうふうに、あなたがサインした領収証のコピーが来てそして自分のサインだということを認めた後の記者会見で申したというふうに新聞は報じておりますが、この事実は間違いありませんか。
  849. 伊藤宏

    伊藤証人 ちょっとニュアンスが違うのじゃないかと私は思うのでありますが、先ほど申し上げましたように……
  850. 松永光

    ○松永委員 じゃ違うというのを指摘してください。私のいま言ったこととどことどこが違うということを。
  851. 伊藤宏

    伊藤証人 大久保専務か松井君と、二人という意味でなくて、どちらかだったということでございまして……。  それからもう一ついまおっしゃったのは……(松永委員「頼まれたのは」と呼ぶ)頼まれたのは、はっきり私が直接クラッター氏から頼まれたわけではございません。大久保専務を通じてでございます。
  852. 松永光

    ○松永委員 このクラッター氏に、社内事情のためにサインしてくれと頼まれたのでサインしたと、はっきりこう記事に載っていますね。これは違うわけですね。きょうの証言が真実だ、こういうことですか。
  853. 伊藤宏

    伊藤証人 そのとおりでございます。
  854. 松永光

    ○松永委員 新聞は大体こういう場合にはそううそは書かぬと思うのだけれども、あなたの証言、言うことがそのときそのときでいろいろ変わるということがますます問題の真相解明をむずかしくするわけですよ。その意味で積極的に協力してもらいたい、こう申し上げたわけなんです。  そこで、次にお尋ねしますが、この四枚の領収証、これは一どきにサインをしたのですか。四枚別々の日時にサインをしたのですか。どっちですか。
  855. 伊藤宏

    伊藤証人 別々であったと記憶いたしております。
  856. 松永光

    ○松永委員 そのサインをした日ごろですけれども、これはあなたがサインをした四枚の領収証に日時が書いてある。その日時ごろだったでしょうか。どうです、その点の記憶は。
  857. 伊藤宏

    伊藤証人 これは実ははっきりとした日時は覚えておりません。多分そのそれぞれの日のころであったと記憶しているという程度でございます。
  858. 松永光

    ○松永委員 あなたは、この四枚の領収証、コピーを見られたわけですから御承知と思いますが、日付、それからそのピーナツとかピーシズの文字と、それから数量、それからあなたの名前、これらがタイプしてありましたね。そのあなたの名前の上の段にあなたがサインをしておる、こういう状態になっておるのですが、あなたがサインをしたときには、あなたのサイン以外の文字がタイプで印刷されてあったかなかったか、どっちですか。
  859. 伊藤宏

    伊藤証人 タイプで印刷されておりました。
  860. 松永光

    ○松永委員 また、先ほども奥野議員から質問があったのだけれども、社内事情で必要だ、こういうことでございますけれども、わけのわからぬような領収証なるものがどうして社内事情で必要であろうか。それは何ぴとが考えても疑問に思うはずです。ましていわんや、あなたは営業畑というよりは総務関係、まあそういう事務処理関係のベテランとして、そうして総務課長をやり、それから常務取締役社長室長、こういう事務の処理については丸紅きってのベテランという立場でありますから、それは不思議に思わぬはずはないですね。それから常務取締役社長室長という自分の地位の重さからいって、それは軽々にサインするとはどうしても考えられない。何か必要性といいますか、を承知して、中身も薄々知って、まあ大きい目で言えば会社の利益になると考えてサインをしたとしか考えられませんけれども、もう一回その点、くどいようですけれども……。
  861. 伊藤宏

    伊藤証人 先ほどからたびたび申し上げますように、いまにしてみれば、御指摘の数々、まことに身にしみるんでございますけれども、そのときはまことに軽率と申しますか、私どもの同僚である大久保さんからの依頼でございましたので、深くチェックをせずにいたしてしまったというのが実情でございます。
  862. 松永光

    ○松永委員 先ほどあなたは、真相究明に積極的に協力するのが自分の義務だというふうなことを認められたわけですけれども、時間がありませんので、ひとつ積極的に協力する、そのことをあなた行動で示してもらいたい。それがあなたの社会人としても責任を果たす道だというふうに、だれしもがそう考えると思いますが、そのことについてのあなたの決意のほどを最後に承って、時間が来ましたので私の質問を終わらしていただきます。
  863. 伊藤宏

    伊藤証人 先生から御指摘のとおり、私も努力いたします。
  864. 小山長規

    ○小山(長)委員長代理 これにて奥野君、松永君の発言は終了いたしました。  次に大出俊君。
  865. 大出俊

    大出委員 社会党の大出俊です。  まず、いままでの話を聞いておりまして、入り口で一つ非常に大きな疑問を持つわけです。どうも、専務、おっしゃっていることが本当に聞こえない気がする、大変な疑点があります。  それは、まず先ほどのお話の中に、大久保さんからロッキード社内の事情がある、だからサインをしてもらいたい、その後で、用済み後破棄するからという、これは容易ならぬことでありますね。事もあろうに丸紅の枢要な地位においでになるあなたでございましたから、少なくともサインをしてしまって、それが用済み後破棄する、そういうものにサインをしろと言われたときに、破棄するというなら、これはだれが考えてもそうでありますけれども、世間に出ちゃまずい、知れてはまずいものだから破棄をする、そのことをあなたが気がつかぬはずがない。破棄せなければならぬその領収証と言われるものにサインをあなたは求められておる。そのことをあなたは疑問に思わなかったんですか。そんな不思議なことがあっていいはずがない。いかがでございましょう。
  866. 伊藤宏

    伊藤証人 確かに、いまにして思いますと、先生の御指摘のとおりでございます。ただ、そのときに用済み後の破棄という意味が、はなはだうかつでございましたけれども、きわめてロッキード社側の社内事情だけのためにというように受け取りましたものでございますから、サインをいたしてしまったわけでございます。
  867. 大出俊

    大出委員 それでは承りたいのですが、大体あなたは、何月何日と何月何日と何月何日、四回でございますが、サインをなさいましたか。
  868. 伊藤宏

    伊藤証人 サインをいたしました日がその日であるかどうかということについては、いまもってはっきり覚えておりませんが、あの領収証が出てまいりまして、あの書類で確かめました上でその日は承知いたしましたということでございます。
  869. 大出俊

    大出委員 あなたがサインをされたのは、七三年の八月九日、これがピーナツ百個。七三年の十月十二日ピーシズ百五十。七四年の一月二十一日、これは結構日にちがあります、ピーシズ百二十五。その次が七四年の二月二十八日、ピーシズ百二十五。一年前の八月の九日から翌年の二月まで、半年以上になりますね。半年にもなる間に四回あなたはサインを求められたわけであります。破棄せざるを得ない、世間に出ては大変に困るから破棄をするわけでしょうから、その疑問を持ちながら、半年の間に四回続けてあなたがサインをしたという御心境はいかがでございますか。
  870. 伊藤宏

    伊藤証人 いつも申し上げますように、そのたびごとに大久保さんから、ロッキードの社内事情によるものであって、決して迷惑をかけないということでございましたので、サインをいたしてしまったものでございます。
  871. 大出俊

    大出委員 それは通りませんよ、専務。そんなべらぼうな話ないじゃないですか。あなたは七三年、つまり四十八年の八月、暑い夏の終わりごろに持ってこられて、社長室で大久保さんに言われた。破棄せざるを得ない書類。あなたがサインをした。疑問を持ったとおっしゃった。それから十月になって、秋、また同じものを、今度はしかも中身が違う。ピーナツじゃないですよ、ピーシズ。これだけでも、一体ピーナツピーシズはどう違うんだぐらい聞くのはあたりまえじゃないですか、あなた。どうなんですか。
  872. 伊藤宏

    伊藤証人 さような意味とかなにについて、私は全く関知しておりませんし、聞いてもおりません。
  873. 大出俊

    大出委員 だから信用できぬと言うんだ。それじゃ、あなた機械の人形と一緒じゃないですか。あなたのところへ大久保さんが持ってきた。破棄せざるを得ない資料、世の中に出ちゃ困る、あなたサインをされた、疑問を持ったとおっしゃった。それから二カ月もたって、夏は過ぎて秋になって、また同じものを持ってきた。見たら違う。英語に達者なあなただ。ピーナツじゃない、ピーシズ。しかも百五十。ふえている。これは一体何ですかと聞くのはあたりまえだ。人間の常識じゃないですか。それもしないとは何事かね。そんなでたらめなことを言っちゃいけませんよ。それは認められない、そんなことは。
  874. 伊藤宏

    伊藤証人 そのときの会話の一々につきましては覚えておりませんけれども、確かに先ほど申し上げましたように、ピーナツの意味とかなんとかというものは聞いたかもわかりません。しかし、私どもが関与することじゃございませんので、深くは気にとめずにサインをしたものでございます。
  875. 大出俊

    大出委員 この世の中で、人間が生きているのだから、神経があるのだから、常識があるのです。(発言する者多し)
  876. 小山長規

    ○小山(長)委員長代理 聞こえませんから静かに。
  877. 大出俊

    大出委員 世の中には常識がある。関与すべき筋合いのものではないとは何ですか。あなたがサインをしているんじゃないですか。だからこんな問題が起こっているんじゃないですか。ピーナツの百、それであなたが疑問を持ったのでしょう。今度はピーシズの百五十と来た。どう違うのですかぐらいなぜ聞かない。数がふえたのは何ですかと聞かない。それを何にもしないで、あなたはただ黙ってサインしたのですか。通りませんよ。もう一度言ってください。
  878. 伊藤宏

    伊藤証人 同じようなロッキード社の事情を聞きましただけでございまして、その意味するところを一々聞いておりません。
  879. 大出俊

    大出委員 それじゃ、そのロッキード社の事情を聞いたというのなら、二回目なんだから、何て聞いたのですか、言ってください。あなた、きょうは証人でお見えになっているのだから、言ってください。国民の疑惑を解くのだから、言ってください。
  880. 伊藤宏

    伊藤証人 わが社の同僚であり、先輩でありますところの大久保さんから、ロッキード社の社内事情のためにこの書類にサインをしてほしい、決して御迷惑をかけないということでございましたので、その言葉を信じて私はサインをしたわけであります。
  881. 大出俊

    大出委員 社内事情というのは何だと開いているのです。何とあなたは聞いたのだと聞いているのです。破棄せにゃならぬものにサインをするんでしょう。
  882. 伊藤宏

    伊藤証人 私は社内事情ということについて存じません。
  883. 大出俊

    大出委員 あなた、それじゃ証言拒否に類するのじゃないですか。これは二回目ですよ。私は秋の話を聞いておるのだ。  じゃ、ついでにもう一つ聞きましょう。  それじゃ、年が明けた、年が改まった。さて、七四年の、つまり四十九年の一月二十一日、今度はピーシズ百二十五、三回目。世の中には三度目の正直というのがある。また破棄せざるを得ない資料、ロッキードの社内事情。大久保さん、ちっとは中身を聞かせてくれと言ったって、三回目なんだから不思議じゃないでしょう。それでもあなたは聞かないとおっしゃるのですか。本当のことを言ってください。
  884. 伊藤宏

    伊藤証人 三回目につきましても同様でございました。
  885. 大出俊

    大出委員 それじゃ、私もがまんしてもう一遍聞きます。  月が過ぎた。二月になった。またまたピーシズ百二十五といってこれを持ってきた。それでもまだあなたは、ロッキードの社内事情とは何だ、とも破棄せざるを得ない領収証なんだから中身は何だ、とも聞かなかったのですか。そんな子供だましのこと、世の中通じますか。そんなもの証言拒否だ。出直せ。そんなばかなこと。何だ、いいかげんなことを言って。黙って聞いていられるかい。
  886. 伊藤宏

    伊藤証人 いま思い出してみましても、そのピーナツからピーシズの一連に至りますまで、いま申し上げましたように、私が直接社外の方から頼まれたものじゃございません。したがいまして、いま大出先生御指摘のように、もし私が社外の方からそういうことでございますれば、確かにそのときにおかしいと言うのもあたりまえ、また拒否するのも当然であっただろうと思うのです。わが社の社内の、私の同僚であり、私の先輩であります担当の本部長から私は頼まれましたので、深くそれをせんさくせずにサインをいたしたものでございます。
  887. 大出俊

    大出委員 委員長、これは証言拒否だ、全く。これじゃ証人で呼んだ意味も何にもないじゃないですか。半年の間に四回も、子供じゃあるまいし。何にも聞かない。社内の人間だからといって、あなたの担当の部門でなければ、なおのこと聞くのがあたりまえじゃないですか。常識じゃないですか。それじゃ、すべてこれ、あなた、うそじゃないですか。  がまんして、もう少し聞きましょう。  あなたさっき、こちらから新聞がお書きになった中身について質問があったら、クラッターさんんが持ってきたと言った。私もその新聞持っている。最初は松井さんという言葉が出てきた。ところが、きわめて変わり身が早い。午前と午後ともう違う。それから何時間もたつともう違う。  ところでここに、これまた新聞の記事、さっきおっしゃっておられましたが、こういう時期の新聞の記事というのはそう変わるものじゃない。深刻に追っかけておられるのですから。朝日新聞の二月六日の朝刊、ここであなた何と答えているかというと、クラッターさんのことに触れておられる。  その前に念を押しておきますが、クラッターさんについて、担当ではないから、名前は知っているけれども顔をよく知らないとあなはおっしゃいましたね。いかがですか。もう一遍言ってください。
  888. 伊藤宏

    伊藤証人 申し上げましたとおりでございます。
  889. 大出俊

    大出委員 この朝日新聞の一問一答の中で、「クラッターさんは顔は知っているが、」、まず顔から始まる。さっきあなた、知らぬとおっしゃったのです。「クラッターさんは顔は知っているが、」、ここから始まる。二人だけで会ったことはない。当時丸紅もロッキードも麹町にあったので、ロッキードを通じて二回ほど会っている。二回になっておる。これは朝日新聞の二月七日の夕刊だ。一問一答になっている。あなた先ほど、担当が違うから、名前だけは聞いているが顔は知らぬと言った。ここでは顔は知っていると言う。二人だけで会ったことはないが、麹町にあって、ロッキード、丸紅関係だから二回ばかり会っている。一人じゃないのでしょうけれども。何でそうころころ変わらにゃいかぬのですか。
  890. 伊藤宏

    伊藤証人 お答えいたします。  実は、その新聞記事も正確じゃない点がございまして、私がクラッター氏の顔を知っていると申しましたのは、そこには麹町と出ているようでございますが、大手町ビルに私の方の社がおりましたときに、ロッキードの東京のオフィスが大手町ビルのあのビルにございましたわけでありまして、したがいまして、廊下でとかあるいはときどき、当然こういう関係ではありますから、同じビルの中で私の方を訪問されまして、そのときに、たとえばまあ言ってみれば廊下で会ったという程度のことでございまして、私が、商談はもちろんのこと、二人で会ったことはもちろんのこと、そういう商談の中にお会いしたことはございません。廊下で会ったと言いますのは廊下ですれ違ったというような意味でございます。そういう意味での、顔が全然知らないというわけじゃございませんけれども、いまお会いいたしましても、はっきり大ぜいの外人の中で……(発言する者あり)
  891. 小山長規

    ○小山(長)委員長代理 ちょっと静かに願います。
  892. 伊藤宏

    伊藤証人 記憶に残るというような関係ではございませんということを申し上げたわけでございます。
  893. 大出俊

    大出委員 これは、さっきのあなたの証言と違うじゃないですか。さっきあなた、担当部門が違うので、会社も大きいので、名前だけは知っている、顔もよく知らないと言ったじゃないですか。いまあなた、今度は顔は知っているんじゃないですか。しかも何ですか、廊下ですれ違って、顔はわかっているじゃないですか。なぜそういううそを言うのですか。これ、うそのうその、それこそうそというのは一つつけば八百になるけれども、そんなべらぼうなことじゃ質問できぬじゃないですか。一つ一つ変わっちゃって。
  894. 伊藤宏

    伊藤証人 それは前回に申し上げましたのがちょっと説明が不十分であったかもわかりませんけれども、面識がないと私は申し上げたのだろうと思うのであります。
  895. 大出俊

    大出委員 そう変わられたんじゃ——さっき私はちゃんとメモをとって聞いていた。担当部門が違う、会社も大きいんだ、だから名前は聞いているけれども顔を知らぬと言った、ちゃんと。今度言ったら、面識がないという意味だったと言う。それじゃ、この新聞がお書きになっていることは正しいんだ、朝日新聞は。そうでしょう。いまあなたが二つお答えになった中に明確にうそがある。だから、さっきから理路整然のごとくおっしゃるが、一つうそを言ったら全部をうそをつくんだ。だからうそ八百と言うんだ。そういうことじゃこれは証言にならぬじゃないですか。証言にならぬ。これはもうとにかく偽証だ。そんなことじゃ質問できぬ。
  896. 伊藤宏

    伊藤証人 お答えいたします。  言葉が足らなかったのじゃないかと思いますので明確に申し上げたいと思いますが、私はロッキード社との取引に直接関係をいたしておりません。したがいまして、クラッター氏と直接に……(大出委員「ちょっとお待ちなさい、相談しているのだから」と呼ぶ)担当じゃございませんので、クラッター氏といろいろなロッキードとの契約の問題、その他商談の問題等についてお話ししたことは全くございません。廊下で会った程度の面識というものと、会ったこともないという程度の違いでございまして、私はそういうような意味で申し上げたものじゃございません。要するに、クラッター氏から直接頼まれたものじゃございません。そしてまた、それに類するようなことを平素クラッター氏とお話を申し上げているような仲じゃございませんということを申し上げたかったわけでございまして、大変言葉が不適正であったことはおわびいたします。
  897. 大出俊

    大出委員 質問できないじゃないですか。
  898. 小山長規

    ○小山(長)委員長代理 大出君、先へ進んでください。
  899. 大出俊

    大出委員 これはあなた、宣誓をして証言しているのですよ。あなた、名前は知っていて顔は知らぬと言った人が、記事を中心にして質問をしていったら——新聞記者とあなたやりとりしている。良心があるから、さっきはあっさり、顔も知らぬ、名前だけ聞いていると言ったのが、会ったことがある、とあなたおっしゃった。そうなると、これは質問にならぬじゃないですか、一つ一つころころ変わったのじゃ。時間がないところだから、時間がもったいないけれども、あなたのそういう答弁じゃ、どれ一つ信用できぬじゃないですか。丸紅商法というのは片っ端うそで固めてやっているのか、それじゃ。  もう一遍がまんするけれども、もう一つ聞きましょう。  あなたは知らなかったんじゃない。ここにそういう記事がある。これもやはり新聞社の方々がお取りになった記事。いま新聞にたくさん出ている今回のアメリカの上院のチャーチ委員会等で証言をされた中身について、この六億円という金、二百万ドルという金はトライスターの輸入と関係があるのかということを聞かれている。そうしたらあなたは——これは朝日新聞の二月六日の朝刊の記事だ。関係ない、トライスターの輸入が決まったのは四十七年秋で、私がサインしたのは四十八年の八月のころだ。きちっとあなた答えている。頭がいいあなたのことだ。ぽんと返ってきている。トライスター関係がない。関係ないですよ、あなたの言うとおりだ。ちゃんとあなたは知っている。  例を挙げて言いましょう。四十八年の一月の十二日、これが全日空があなたたちを通じてトライスター契約をした、調印をした日だ。四十八年の一月の十二日。いいですか、あなたがピーナツにサインをしたのは四十八年の八月の九日なんだ。トライスター問題は四十八年の一月の十二日にけりがついた。調印をしちゃっている。さて、八月の九日という日は一体何か。その翌日の四十八年の八月の十日の日に、PXLとAEW選定のための専門家会議が発足をしたんだ。そしてこれは四十九年の十二月の二十八日に専門家会議で、PXL国産が望ましいけれども外国機導入やむなしという結論が出たんだ。その間の出来事だ、これは。あなたが幾らうそで固めてもだめだ。事実は明らかなんだ、これは。どうなんですか。
  900. 伊藤宏

    伊藤証人 いま大出先生から御指摘のようなことは、私は全く関知しておりませんし、私は存じないと申すほかございません。  先ほど、ちょっと振り返らしていただきますが、委員長から発言を許可されましたときに申し上げられなかったことでありますが、クラッター氏のことであります。(大出委員「時間がないんだから、いまのを答えてください」と呼ぶ)いまの件につきましては私は全く関知しておりませんし、存じません。  クラッター氏のことにつきまして……
  901. 大出俊

    大出委員 待ちなさい。時間がないんだから。  全く関知しないといって、あなたも丸紅の商社マンです。しかも枢要の地位においでになるんじゃないですか。丸紅はロッキードの代理店なんじやないのですか。P3Cオライオンというのは丸紅が代理するんじゃないんですか、成約すれば。全く知らない、関知せずとは何事です。あなたのおっしゃる、それまでうそじゃないですか。あなたはロッキード社の代理をなさっているのじゃないですか。代理店契約が明確にあるじゃないですか、この中に。しかも、さっきも出たけれども、情報提供の義務までこの中にはきちっと入っている。経済的な、政治的な、この中には両方入っている。明確になっている。その商社のあなたほどの地位の方がわれ関知せずとは何事だ。それまたうそではないか。答えなさい、もう一遍。
  902. 小山長規

    ○小山(長)委員長代理 関知せずの意味をもう少し明確におっしゃってください。
  903. 伊藤宏

    伊藤証人 はい、お答えいたします。  私の方の社内ではいろいろの取引関係の仕事がございまして、営業の本部も十三の本部に分かれております。そのうちの一つの本部の重要な仕事でございますが、私は現在の立場におきまして直接担当しておりませんので、いま先生の御指摘のようなロッキード社との全般的な契約とか、そういうことについては存じておりますけれども、たとえばP3Cがいまどういう段階になって、どういうことに相なっているかというようなことについては私は存知しておりません。そういう意味でございます。
  904. 大出俊

    大出委員 あなたのように一々言うことをひっくり返したんじゃ質問にならぬ。  そこで、もう一点がまんして聞きましょう。  松井さんの話が出ました。松井さんという方はいつおやめになって、いつお亡くなりになったのですか。この話を出して御家族の皆さんには恐縮だが、必要だから申し上げるのでお許しをいただきます。いつおやめになって、いつお亡くなりになりましたか。
  905. 伊藤宏

    伊藤証人 たしか四十八年の四月にやめまして、ちょうど一年後ぐらいに亡くなられたと記憶いたしております。
  906. 大出俊

    大出委員 おたくの社内報によれば、四十八年の四月三十日おやめになっている。そうしてお亡くなりになったのは、後に関係がありますから申し上げておきますけれども、四十九年の四月の二日です。この間にいま私が挙げたあなたのピーナツ領収証、ちょうど松井さんがおやめになったすぐ後から出始めた。松井さんがお亡くなりになる直前まで等間隔に近く四通出ている。松井さんがお亡くなりになった後はない。これは一体何だ。四十八年の八月の九日が一つ。四十八年の十月十二日が一つ。四十九年の一月の二十一日が一つ。同二月の二十八日が一つ。この後、松井さんはお亡くなりになっている。しかも、トライスターの一番機が飛んだ翌日だ、これは。しかも、この間にロッキード側でも人が死んでいる。あなたは一番最初に何と言った。私のところに持ってきたのは松井さんだったと思うと言った。そうでしょう。いきなりこのことが明らかになってぴんとあなたに感じたものが松井直さん。しかも私が先ほど読み上げた新聞の記事の中に、わけのわからぬ領収証にサインをしろと言われたときに問いただしたのだ、問いたださせたと言う。新聞に明確に記者の方々が一問一答を取っている。この中で、だれが問いただしたんだと質問をされて、松井直さんだと思う。これは朝日の二月六日の朝刊だ。松井直さんだったと思う、ロッキード社に事情を問い合わさせたのは松井画さんだと思う、あなたは答弁しているでしょう、新聞記者の方に。不思議なことですよ、これは。ここにからくりありと考えるのは常識でしょう。お答えください。
  907. 伊藤宏

    伊藤証人 お答えいたします。  松井君じゃなかったかと申し上げましたのは、先ほど申し上げましたとおりでございまして、いま先生の御指摘のようなことは、松井君の死とあるいは会社をやめたことと全くこれは関係ございませんということだけはっきり申し上げておきます。
  908. 大出俊

    大出委員 わからぬじゃないですか、あなた、いまそんなことを言ったって。あなたは何も知らぬと言うくせに、何も知らぬ人間にわかりますか、そんなことを言って。  承りましょう。何も知らぬじゃないですか、あなたは。片っ端から知らぬと答える。PXLのことも知らなければ、何も知らぬとあなたは言った。知らぬ人間にわかりますか、一体。いいかげんなことを言うんじゃない。
  909. 小山長規

    ○小山(長)委員長代理 何に関係ないか、はっきりしてください。
  910. 伊藤宏

    伊藤証人 私が領収証を出した期間と、それからいま、松井君がやめまして亡くなるまでの期間との間の関係のことにつきまして先生から御指摘がありましたので、私はそれは全然関係がないと申し上げました。松井君がやめましてから後に私の方に全然そういうことについてコンタクトはございません。
  911. 大出俊

    大出委員 あなたが最初に新聞記者に言ったように松井さんだと言うならば、松井さんはやめてからあなたのところへ行ったことになる。このサインをした第一回は松井さんがやめてからだ。一遍も来たことがないなんということにならぬじゃないですか。しかし、時間がないからその点には触れない。  最後に、あなたはピーナツがわからぬ、ピーシズがわからぬと言うけれども、ただいま一体どうお考えになりますか。あなたがサインしたものはこれは金にして五億円だ。これは全部領収証がIDから出ている。大久保さんのものはユニット七十と三十で百なんだから一億なんだ。六億のうちの五億があなたのサインだ。しかも金の送り状まで来ていて、クラッターさんが全部金を受け取っている。金はクラッターさんが受け取って持っていた。受け取った直後にあなたのところにサインを求めに行っている。しかも、その領収証はID社から全部そろってロッキードに出されている。この現実をいまあなた考えて、あなたのやった結果として何が起こったか、あなたの判断を聞きたい。あなたも真剣に議事録を読んだのでしょう。新聞見たのでしょう。なら、あなたがサインしたそのことが、上院の議事録を通じ、証言を通じてどういうことになっているか、あなた御存じでしょう。お答えください。
  912. 伊藤宏

    伊藤証人 先ほど申し上げましたように、私のサインをいたしました事情というものから申し上げたとおりでございますので、その後それがどういうことに相なって、いま先生の御指摘のような、あるいは今度の公聴会で言われているようなことになっておりますかについては、私は全くわかりません。
  913. 小山長規

    ○小山(長)委員長代理 次に川崎寛治君。
  914. 川崎寛治

    川崎委員 ロッキード社内の問題だということでしたが、これはロッキード社内の不正の金をつくる作業でしたね。
  915. 伊藤宏

    伊藤証人 さようなことは私は存じません。
  916. 川崎寛治

    川崎委員 そうではありませんですか。不正なものだということをあなたは知っておりましたですね、不正常であるということを。
  917. 伊藤宏

    伊藤証人 私は存じません。
  918. 川崎寛治

    川崎委員 金であるか物であるか、その領収証はどっちの関係であるとあなた思いましたか。
  919. 伊藤宏

    伊藤証人 先ほども申し上げますように、私はピーナツという意味をそのときに全然存じておりませんでした。
  920. 川崎寛治

    川崎委員 金に関する、つまりロッキード社内の不正な金をつくる作業である、だからそれが用済み後破棄。そしてあなたは、伊藤さんは、あなたがある政府高官にその金を渡したのです。それはアメリカ証言にちゃんと出ております。どうですか、これは反論できますか。
  921. 伊藤宏

    伊藤証人 先ほど来申し上げましたように、私は実はそういうことを言われておりますので、どういうふうにそれに対して対抗手段考えるべきかということをいまいろいろ苦慮しているのが現状でございまして、先生の御指摘のようなことを私は全然認めることはできませんし、私が申し上げたことが真実であります。
  922. 川崎寛治

    川崎委員 ロッキード社内の事情ということですから、日本におけるロッキード社の不正な金をつくる作業にかかわるものであるということは理解できますね。
  923. 伊藤宏

    伊藤証人 さようなことは全く私は関知いたしておりません。
  924. 川崎寛治

    川崎委員 それでは、なぜその領収証が正常でないということを知りながら、ロッキード社との間の金のやりとりにかかわっておったのですか。
  925. 伊藤宏

    伊藤証人 先ほど来申し上げますように、私はピーナツという意味が金であるか物であるのかということは全く存じておりません。
  926. 小山長規

    ○小山(長)委員長代理 これにて大出君、川崎君の発言は終了いたしました。  次に東中光雄君。     〔小山(長)委員長代理退席、委員長着席
  927. 東中光雄

    東中委員 本日奥野委員は、私の昨日の発言に関してその一部を取り消すようにとの発言がありましたので、この点について重ねて委員長に申し上げます。  私の発言は、かつて増原恵吉議員の公費秘書をしており現に増原氏の政治団体内外政治経済研究会会計責任者として公式に届けられている人物である日野昇氏が、これまた現に主宰している政治団体である岳陽会に、日本電建から三千万円の献金があったという官報記載の事実に基づいて言ったものであります。奥野委員は、日野氏について、昭和四十五年以来全く増原議員関係ないと言われましたが、日野氏は、増原議員の政治団体である内外政治経済研究会会計責任者として昭和四十五年十月から昭和五十年六月までの五年間、十回にわたり政治資金規正法に基づく収支報告書を自治省に届け出ています。もし官報記載やこれらの事実に誤りがあるとするならば、それは記載者または届け出をされた者の責任に属する問題であります。このことを委員長に一言申し上げまして、質問に入らしていただきたいと思います。  証人にお伺いいたしますが、あなたも大久保氏も、この問題の領収証にサインをするについて、口を合わしたように、ロッキード社の社内事情から、丸紅に迷惑をかけないから、用済み後破棄するから、こういうことであったからやったんだ、こう言われましたが、ここに言われている用済み後の破棄ということをわざわざ向こうが言うたから、だからそれについて書いたのだ、サインしたのだ。用済み後破棄の意味はどういうことでございますか。
  928. 伊藤宏

    伊藤証人 私はその意味を存じておりません。
  929. 東中光雄

    東中委員 用済み後破棄するということを言われたから、だからあなたはそのサインをしたのですね。サインをする動機になった用済み後破棄ということの意味があなたわからぬままでやっておるというのだったら、これはもう白痴ですね。そういうことになるでしょう。用済み後破棄するということを向こうが言うているからやったのだから、その言うておる意味はどういう意味かということがわからぬということはないでしょう。
  930. 伊藤宏

    伊藤証人 いま早走りましてといいますか、申し上げたのでございますが、用済み後破棄という言葉の意味というよりも、私がいま御回答申し上げましたのは、用済み後というのは何の意味だというふうにお伺いされたのではないかと思って、さように申し上げましたわけでございます。
  931. 東中光雄

    東中委員 聞いていることに答えてください。——答弁してください。
  932. 伊藤宏

    伊藤証人 用済み後破棄という意味、先生いまお聞きになりましたのは、用済み後破棄という意味でございますか。用済み後の、用済みという意味の内容でございましたのでしょうか。用済み後破棄……。
  933. 東中光雄

    東中委員 時間をおくらせて、そうして証言を回避するという態度がありありと出ています。あなた、用済み後破棄するということであったから、だからあなたはサインをしたのだとここで証言しているわけでしょう。そうしたら、用済み後破棄するのだから、端的に言えば、それは早く処理してしまう、秘密にしてしまう、秘密にするんですよということを言っているんじゃないのですか、用済み後破棄という意味は。あなたは、そういうふうに言っているから自分は行動したんだと言って、しかもその用済み後破棄という相手の言ったことについて理解ができないというのは何ということですか。証言をしてください。
  934. 伊藤宏

    伊藤証人 用済み後破棄という意味は、私は、実はその用という、用済みという、どの用が終わるとかという意味の内容についてはせんさくいたしませんで……(東中委員「私の質問に答えてください」と呼ぶ)向こうの社内の必要が終われば破棄をするという意味に簡単にとったものでございます。
  935. 東中光雄

    東中委員 すると、用によっては、五十年、百年も用済みにならぬというふうに思っておったわけですか。
  936. 伊藤宏

    伊藤証人 いえ、まさかそんなことは思っておりません。比較的短期間に用は済むのだろうと思っておりました。
  937. 東中光雄

    東中委員 用は済んだら破棄するというのは、文字どおりに言うならばあたりまえのことですよ。わざわざ向こうがそう言うたからということじゃないですね。何でも用が済んだら捨てると、そういう文字どおりのことをあなたはいま言ったわけです。ここであなたが先ほど証言された意味はそういうことじゃなくて、用済み後破棄あるいは用済み後焼却、秘密、用済み後破棄、こういうふうに普通扱うわけですわね。そういう内容だということはもう明白じゃないですか。どうですか。
  938. 伊藤宏

    伊藤証人 それにつきましては、私は、私に依頼されました大久保さんからその内容についてはよく聞いておりませんので、何ともお答えいたしかねます。
  939. 東中光雄

    東中委員 用済み後破棄の意味を大久保さんから聞いてない。それじゃ、あなたが頼まれたときに、なぜあなたが頼まれたのですか。大久保さん、なぜやらないのかということを言いましたか。
  940. 伊藤宏

    伊藤証人 私がそのときに聞きましたのは、大久保さん御自身以外の、丸紅のだれか役員のサインをもらってくれというふうに私は説明を受けたように記憶いたしております。
  941. 東中光雄

    東中委員 ほかに大久保氏がサインをしておるものがあるんだということはそのとき聞いていますか、聞いていませんか。
  942. 伊藤宏

    伊藤証人 聞いておりません。
  943. 東中光雄

    東中委員 そうすると大久保氏は、自分がサインをしていることは隠して、そしてあなたに頼んでおる。それであなたは、大久保氏がサインしたかどうかということも言わない。まさにこれは横を全部遮断した秘密のやり方であるということは明白になるわけですが、あなたのところへ大久保氏が来て、サインをあなたがされたのですか、四回とも。その点はどうですか。
  944. 伊藤宏

    伊藤証人 たしかそうであったと思います。
  945. 東中光雄

    東中委員 わざわざ専務が行って、だれもおらぬところでこの話をされているわけですね。皆おるところでやっておりましたか。
  946. 伊藤宏

    伊藤証人 ちょっとその辺の記憶は定かでございませんけれども、たしか私の部屋にやってこられてからの話だったと思っております。
  947. 東中光雄

    東中委員 明白にあなたと大久保氏だけでやっておるということになる。そして横の関係も、大久保氏とあなたは知っているけれども大久保氏のことについてはあなたは知らない関係にあるということでありますが、あなたがこのサインしたものがアメリカ議会発表された。それを聞いたときに、このサインしたこと自身についてはあなたはどう思いましたか。それが表に出されたときにどう思いましたか。
  948. 伊藤宏

    伊藤証人 大変驚愕いたしました。
  949. 東中光雄

    東中委員 それは、心理状態を言っているのじゃないのです。どう思いましたか。あれは自分がサインしたんだから、発表しておるのはあたりまえだ、自分がサインしたことをサインしたと出ているわけですから、これは、ああ、あれが出たかというふうに思うというのが普通ですね。それが驚愕したと言う。あれは出るはずのないものなんだと。それが出たから驚愕したんでしょう。そうじゃないんですか。
  950. 伊藤宏

    伊藤証人 そういう意味ももちろんございましたけれども、それよりもっと大きな理由としましては、あの私のサインいたしました書類がそういうことに使われているんだということの方にむしろ大きく驚愕をいたしたわけであります。
  951. 東中光雄

    東中委員 そういうことに使われておるということに驚愕した。その事実をそのときに事実だと認めたわけですね、あなたは。そんなはずがないのだと普通なら思うわけですよ。そうでしょう。一億円だ、ワンハンドレッド・ピーナツが一億円だ、そんなはずがないじゃないかというふうに普通なら思うのに、そうだったのかと思って驚いた。これはあなた、次元の全く違うことを言っているわけですが、結局は、発表をしない、社内のことだけなんだ、社内の手続きなんだ、こういうことで、まさか発表をされるとは思っていなかった、それが出たということであなたは対応策を考えておるのでしょう。告訴しようにも告訴しようがないじゃないですか。あなたのやったことを、事実を発表されたわけでしょう、サインというようなことを言えば。それで、あなたが一億円のことをあなた自身が知っておったというようなことは何も言っていないですよ。それに弁護士に相談し、対応策を考える。さすがに、先ほど告訴する決意だとは言われなかったけれども、あたりまえのことですよ。事実のことを、事実あったことを、コーチャン氏が宣誓の上、真実を述べなければいかぬから事実どおりに言うた。サインしているということを言うた。そうしたら、それに対してあなた方が抗議をするということになれば、事実を事実どおりにアメリカ議会で言うたことに対して、あなた方は抗議するという立場をとっている。隠しておくということになっておったのに、ロッキードを信頼しておったのに、出さぬということで信頼しておったのにやったのはけしからぬ、こういうことになっているのでしょう。だから、あくまでも秘密の行為として、裏の領収証としてやられたものだ、これは動かないじゃないですか。どうですか、その点。
  952. 伊藤宏

    伊藤証人 先生のおっしゃる意味は、もう一つ私、よくのみ込めなくて申しわけないのでございますが、私は、事実サインをいたしたということについては、これは何も、事実そのとおりでありますから、それを違うと言うわけにはまいらないと思うのであります。ただ、それの金品の授受だとか言われておりますような金額の授受について、私は全く関知いたしておりませんので、それとこれとを結びつけて言われる場合に、一体これはどういうことになるのかということを私は究明しなくちゃいけないと思っておるわけでございます。
  953. 東中光雄

    東中委員 あなたは、これが発表されたときには身に覚えがないという趣旨のことを記者会見で言っているわけですね。身に覚えがないどころか、四回も同じことを、しかもピーナツ領収証というのは、だれも考え及ばぬような特異なことをやってきたわけでしょう。それが身に覚えがないはずはないわけですよ。サインを見て初めてわかるというようなものじゃないことは明白でしょう。そのときに、記憶がなかったなんて言えるものじゃないんですよ。いまだかつてやったことがないこと、世界じゅうで、こんなことをやったというのは聞いたことがない。そういう行為をあなたは四回にわたってやってきた。そして、それが発表されたら、身に覚えがない。これは明白に事実を否定する、何とか隠そうという態度じゃないですか。そういう点で私は、これは領収証を知っている、自分でやった、秘密だということも知っている、やみの領収証だということも知っている。領収証で物を受け取って、受け取ったということを知らせる。このためにコーチャンは、この領収証要求をしているわけだ。そのものは何か。ピーナツ百個じゃない、ピーナツ百個で示されているほかのものだ。それは金額しかないじゃないですか。どうですか。
  954. 伊藤宏

    伊藤証人 いまの先生のお言葉、どうも私理解ができなくて申しわけないのでございますけれども、私は、書類にサインをしたということを全くうそだとか違うとか申し上げているわけじゃございません。ただ、それがそういうようなことであるということを全く存じなくてサインをいたしたものでありますので、そういういま言われておりますようなことが事実だとすれば、そのこととの関連は——これは私が書いた、これはもうまことに、先ほど来申し上げますように、何とも責任が重大であります。何とおわびを申し上げてよろしいか、ないのでありますけれども、ただ、その金銭の授受と、そういうことを知っていてやったんだろうとおっしゃることについては、私はそうじゃございませんと申し上げるよりほかはございません。
  955. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 関連して、野間友一君。
  956. 野間友一

    野間委員 松永委員質問に対して、このピーナツ百個の領収について八月の九日にあなたがサインをした、サインをするときに持ってきたものは、日付と、それからワンハンドレッド・ピーナツと、それからあなたのサインの下のあなたの名前を印刷したもの、こういうことでしたね。これは間違いありませんね。
  957. 伊藤宏

    伊藤証人 はい、そうであったと思います。
  958. 野間友一

    野間委員 これはあなたは余り考えずに気軽にサインをした。そうすると、持ってこられてその場でサインをした、これも間違いありませんね。
  959. 伊藤宏

    伊藤証人 はい、そうであったと思います。
  960. 野間友一

    野間委員 これらについての話が事前にあったのかどうか、その点いかがですか。
  961. 伊藤宏

    伊藤証人 これは実は明確に記憶しておりませんけれども、そういう話がありまして、私が承諾をして、そしてその書類大久保さんが持ってこられたんだろうと思います。やぶから棒にそういうことじゃなかったんじゃないかと思っております。
  962. 野間友一

    野間委員 それはおかしいじゃないですか。あなたは大久保氏から、大久保氏以外の役員のサインがほしいんだ、こういう話を受けた、それで自分はサインした、こう言われたわけでしょう。ところが、この領収証は最初からヒロシ・イトーのサインの下のこの欄に、ヒロシ・イトーとあなたの名前が書いてある、こういうことですね。つまり、事前にロッキード社大久保とあなたとこの三者の間で了解がなければ、こういうものは書けないはずじゃありませんか。
  963. 伊藤宏

    伊藤証人 それはいま申し上げましたように、私がそういうことを書きますと言ってから、そういうことが来たのだろうと、先ほどその辺を経過を省略して申し上げたわけでありまして、あくまで大久保さんから頼まれたことであることは間違いございません。
  964. 野間友一

    野間委員 終わりますけれども、あなた、それはうそだ。絶対違うよ。  終わります。
  965. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 これにて東中君、野間君の発言は終了いたしました。  次に坂井弘一君。
  966. 坂井弘一

    坂井委員 先ほど来伊藤証人証言を聞いておりますと、本筋を離れましてあえてこの事件の核心に触れようとされない。これではだれしもとうてい納得できるものではないと思います。  そこで私は、今回の事件の具体的な本筋の中から幾つかの問題をお尋ねいたします。この際、伊藤さんは宣誓された証人でございます。あなたがこの場でいかに——今回のこのロッキードの黒い献金、これがまさにあなたの社を通じて政府ないし政府関係者あるいは高官に流されたと、こう証言をしておりますコーチャン氏、同時にチャーチ委員長もそのことをはっきりと言い切っておる。この事件の真相を解明することは、これは国会に課せられた、また国民に対する責務でもあります。とりわけ証人は、今回の事件の全貌をあなたのお知りになる限り正直にここでお述べになって、そして今回のこの忌まわしい事件を今後の新しい日本の民主政治のために、そういう立場で少なくともあなたはきわめて重大な反省の上に立って、そして冷静に、かつ正確に、あなたのお知りになるすべてをここで証言されるのは当然のことであります。時間がたてば必ずわかることでございますので、私は本筋に戻しまして幾つかの問題につきましてあなたにお尋ねをいたしたいと思います。  その前に、あなたがお書きになりました、サインされましたピーシズ、この領収証につきましては、これは最初からあなたは非常に疑問を持たれた、そして大久保専務に尋ねた、いいんですか、結構だ——サインしてくれということでもってサインをしたのだということであります。しかしながら、少なくともあなたはその際に、一体ピーナツとは何を意味するのか、こんなものにサインしてよろしいのかどうか。これはあなた自身がその場で相当深刻に考えられたはずであります。同時に、このことにつきましては、このピーナツなる領収証あるいはピーシズなる領収証、これは将来において破棄をする、絶対迷惑をかけない、こういう条件のもとにあなたはサインをされたはずであります。しからば、破棄をする、使用しないのだということになりますと、これは世間に出て悪いものであります。つまり公表してもらっては困るものであります。言うなれば不正の書類である。このことをあなたはよく御存じの上でサインをされたのでしょうか。
  967. 伊藤宏

    伊藤証人 お答えいたします。  そういう不正の金ということは私は全く存知いたしておりませんでした。
  968. 坂井弘一

    坂井委員 これは尋ねますと、ロッキード社の社内事情あるいは経理上の問題、そういうことに使うのだから、おたくの社ないしは関係者には決して迷惑はかけません、破棄をいたします、ロッキード社の少なくとも経理上のつじつまを合わせるための必要な書類として、そう理解してあなたはサインされたと思いますけれども、いかがですか。
  969. 伊藤宏

    伊藤証人 ロッキード社の社内事情というものが具体的にどういうことであったかということは私は存じませんでしたけれども、そのために必要だということでサインをいたしたことは間違いございません。
  970. 坂井弘一

    坂井委員 社内事情は恐らくや経理上のことであろうと想像するにかたくありません。領収証であります。それでもあなたは、これは金には関係のないものだ、そう思ってサインをした、こうおっしゃるのですか。
  971. 伊藤宏

    伊藤証人 金に関係があるとは、そういう説明を受けておりませんでしたし、またそういうものであるのであれば、これははっきりとした金額を明記すればいいのでありまして、私は何かの暗号であろうという感じを持ってサインをしただけでございます。
  972. 坂井弘一

    坂井委員 つまり、このことは公表されてはきわめて困る暗号の領収証なんですよ。ピーナツピーシズ。しかし、黒い金がピーナツという呼称であなたの社に渡ったその事実だけは証拠としてロッキード社はほしい。そのために出された書類なんです。そのことはコーチャン証言等においてもはっきりしておる。領収証にサインするのに、この領収証は金に関係ないのだ。——金に関係ないのならば、一体何に使うのですか。しかも、外に出たら困るからと言って、かたがた念を押して、破棄をしてくださいよと。その約束が破られた。だからもって、あなた方は大変な迷惑だと言って抗議をした。これにすぎない。この問題をあなたにこれ以上聞いてもお答えにはならない。本論に返ります。  昭和四十八年の一月の二十一日、全日空との間にトライスター六機の売買契約を結んで現在に至っております。十八機の契約が完了したようであります。あなたの社が輸入手数料として受け取られた額はお幾らですか。
  973. 伊藤宏

    伊藤証人 先ほど申し上げますように、私の直接の担当ではございませんので、正確な数字は承知いたしておりません。
  974. 坂井弘一

    坂井委員 では、その輸入手数料等のことにつきましては改めてお伺いしたいと思います。  トライスター売り込みに対しまして、あなたはどのような活動をされましたか。
  975. 伊藤宏

    伊藤証人 私は直接そういうことにタッチしたことはございません。
  976. 坂井弘一

    坂井委員 全日空の関係者にもお会いになっておりませんか。
  977. 伊藤宏

    伊藤証人 お会いしておりません。
  978. 坂井弘一

    坂井委員 そうしますと、大韓航空に対してもあなたは接触をお持ちではない。
  979. 伊藤宏

    伊藤証人 全くございません。
  980. 坂井弘一

    坂井委員 P3Cについて伺いたいと思います。  PXLの国産化が白紙還元されました。このことをあなた個人はかなり期待されたんではないかと思いますが、いかがですか。
  981. 伊藤宏

    伊藤証人 私はロッキードとのこの契約の中に、ソールエージェントであり、エクスクルーシブなエージェントでありますから、P3Cが採用になりましたら、当然われわれのビジネスになることは承知いたしておりましたので、そういう意味での期待はなかったとは申しませんけれども、具体的にそれがどういう形でどうだというようなことにつきましては、私は担当じゃございませんので、全く存じておりません。
  982. 坂井弘一

    坂井委員 次期対潜哨戒機、PXLの白紙還元に伴いますところの輸入、そうしますとP3C、当然あなたの社ということになるわけであります。あなたは丸紅専務さんでいらっしゃる。したがって、社のためには相当大きなプラスにはなる、こう思われたであろう。想像にかたくないわけであります。そこで、あなたはどのような活動といいますか、動きをしたかということを尋ねたわけでありますけれども、何ら担当ではないから関係していないと言う。  お尋ねいたしますが、政界あるいは官界にあなたは相当お顔が広いようでありますが、どのような人と特にじっこんにされておられますか。
  983. 伊藤宏

    伊藤証人 御指摘のように、よく存じ上げております方はいらっしゃいますけれども、ロッキードの問題あるいはまたP3Cの問題等についてさようなことを私が御依頼をしたり、また話題に出したことも全くこれはございません。
  984. 坂井弘一

    坂井委員 あなたは、あなたの社がロッキード社の輸入代理店として扱いますところのトライスターあるいはP3C、そのことについて一切、あなたがおつき合いになる政界、官界、お役人さん等にお話をされることはない、こういうことでございますか。
  985. 伊藤宏

    伊藤証人 さようでございます。
  986. 坂井弘一

    坂井委員 いまの証言につきましては、あなたは責任持てますね。
  987. 伊藤宏

    伊藤証人 当然お持ちいたします。
  988. 坂井弘一

    坂井委員 伺いますが、あなたはジャパン・パブリック・リレーションズの社長の福田太郎氏をよく御存じと思います。どういうおつき合いか、おっしゃってください。
  989. 伊藤宏

    伊藤証人 私は福田さん御自身とはほとんど面識がございません。ただジャパン・PRという会社は、私の方の広報の関係で毎月英文のブレティンを発行いたしております。これは海外の取引先に対しまして、日本の経済の実情ないしは産業界のいろいろな動向などにつきまして簡単に解説を加えまして、毎月月刊として発送いたしております。その編集について数年前から私の方の広報室が依頼している、そういう関係でございます。
  990. 坂井弘一

    坂井委員 すでに福田太郎氏につきましては、米上院委員会におきまして福田太郎氏の名前が出た。領収証もあります。このことは今回のロッキードの黒い献金事件、これに関係した重要な意味を持っております。そのことについて、その内容ではなくて、いま報道されております。あるいはまた米上院におきまして証言された、あるいは資料として提出されたその事実については、あなたは御存じでございますか。
  991. 伊藤宏

    伊藤証人 私は、さようなことは今度のこの証言で初めて知りましたわけでございまして、いままでは全くそういうことは存じておりません。
  992. 坂井弘一

    坂井委員 ロッキード・アジア・リミテッド日本総支配人の鬼さんは御存じですか。
  993. 伊藤宏

    伊藤証人 お名前を存じておりますのと、それから先ほどのクラッターさんと同様でございますが、長いことこちらに駐在をなさっていらっしゃいますので、面識と言うとまたこれ言葉があれしてもいけませんけれども、若干お顔をうろ覚えに覚えているという程度の関係でございます。
  994. 坂井弘一

    坂井委員 あなたはこの鬼さんと、それから全日空の関係者とお会いになったことはございませんか。
  995. 伊藤宏

    伊藤証人 鬼さんともここ相当長い期間お会いしたこともございませんし、全日空の関係の方ともお会いしたことはございません。
  996. 坂井弘一

    坂井委員 鬼さんのロッキード・アジア・リミテッド、この会社は三十三年当時から、つまりグラマン、ロッキード第一回のFX空中戦、あの当時からの有名なあの事件に登場する方であります。  重ねて伺いますけれども、私はいつと申し上げているわけではない、あなた自身が鬼さん、それから全日空の関係者と同席をされたことはございませんか。
  997. 伊藤宏

    伊藤証人 全然ございません。
  998. 坂井弘一

    坂井委員 一問だけ聞きます。  では、あなたの社の会長、社長、大久保専務が同じように、鬼さん、それから全日空の関係者と会ったことをあなたはお知りでしょうか。
  999. 伊藤宏

    伊藤証人 私は全然存じません。
  1000. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 これにて坂井君の発言は終了いたしました。  次に永末英一君。
  1001. 永末英一

    永末委員 伊藤証人は、ローマ字であなたの署名をされるときにどういうようにお書きになりますか。ひとつレターを順番に言ってください。
  1002. 伊藤宏

    伊藤証人 フルネームでいたしますときには、HIROSHI、それからITOHというふうに書きます。ただ、Hを使わないで略字、イトーの最後でございますね、使わないで書いている場合もございます。
  1003. 永末英一

    永末委員 あなたは商社マンでございますから、横文字を書く場合には、国内の取引ではなくて国際的な取引には、この署名の持つ意味をよく御存じだと思います。したがって、いまおっしゃったITOHとイトーを書かれるか、ITOと書かれるかはあなたの習慣上手が知っているはずですね。何と書かれるのですか。いつも二手書かれるのですか。
  1004. 伊藤宏

    伊藤証人 これは実は先生も御承知だと思いますが、法務局に届けております私の正式のサインは、いま先生に申し上げましたとおりHを入れて届けてございます。
  1005. 永末英一

    永末委員 あなたが書かれました四枚の領収証はすべて——すべてではございません、そのうちの三枚がHIROSHI ITOHとこうなって、それから一枚だけが名前がイニシアルだけでH、それからITOHと、こうなっている。日本人のイトーという署名の場合には、Hを抜いている人が多いわけですね。したがって、この領収証があなたのところに来るときには、あなたの署名を非常に熟知している人がこのペーパーを持ってきたと考えざるを得ない。あなたは、あなたが打ったのではなくて、紙が持ってこられた、印刷された紙であったとおっしゃった。私はそう判断しますが、このレシート、領収証と称する紙が、きわめてあなたのイニシアルの癖を知っている人だと私思いますが、あなたはどう思いますか。
  1006. 伊藤宏

    伊藤証人 これは実は私がそのサインボードをあれしますときに、確かに大久保さんにさようなことを申し上げたんじゃないかと思っております。
  1007. 永末英一

    永末委員 最初のお話では、大久保氏があなたのところへ、自分以外の役員の名前をくれろというので、伊藤氏、あなたに名前を書いてくれというような、途端のような話でございましたね。しかし、きょうの証言で、いまの証言でも明らかなように、前から話をして、大久保氏とあなたの間には打ち合わせがあり、そうして実行された、このように見えますが、相違ございませんね。
  1008. 伊藤宏

    伊藤証人 いま先生がおっしゃいました、前から打ち合わせがありということ、そんなに前からこのことについてどうこうというのじゃございませんで、ただその書類は来るわけでございますから、そのサインをしてくれるかという事前の承認といいますか、承諾といいますか、そういうものがあったということでありまして、決してずっと前に打ち合わせがあって、こうこうごうごうというようなことではございません。
  1009. 永末英一

    永末委員 この四枚のあなたが署名をされた領収証を見ますと、一九七三年八月九日のピーナツは、「アイ レシーブド ワン ハンドレッド ピーナツ」とフルの文字で書いてございます。ところが、十月十二日と目される領収証は、「アイ レシーブド」それから「一五〇」と書いて「(ワン ハンドレッド フィフティー)ピーシズ」、こういう書き方になっておる。ところが、年かわりまして一月二十一日付一九七四年のものは、「アイハブ レシーブド 一二五(ワン ハンドレッド トウェンティーファイブ)ピーシズ」、こういうようになっておる。最後に発行されたということになっております一九七四年フェブラリー二十八、この日付のものは、単に「レシーブド ワン ハンドレッド トウェンティーファイブ(一二五)ピーシズ」、こうなっている。非常に一枚一枚わざわざ異なったスタイルをとってあなたの署名をとっている。これは逆に言えば、相談して考えられたあげくつくられた領収証だと逆にわれわれは判断せざるを得ない。  したがって、あなたに関する場合、イトーというあなたの署名の癖を知り、そしてあらかじめそれが相談をされて、こういう領収証をつくるから署名をするんだとあなたは納得されて署名をされた、こう見ますが、御答弁を願いたい。
  1010. 伊藤宏

    伊藤証人 いま先生が御指摘のような、そういう詳しい事前の打ち合わせというものは全くいたしておらなかったと思います。
  1011. 永末英一

    永末委員 詳しいということは抜きにして、あなたがこの委員会へ最初来られたときには、大久保さんから相談があったから書いたという非常に簡単な印象をわれわれに与えようとされた。しかし、いまやこの領収証を書く前には大久保氏あるいはその他の人々と十分に打ち合わせをされてこの領収証が書かれたと判断しますが、あなたは認めますか。
  1012. 伊藤宏

    伊藤証人 大久保さんと私との間のことでございまして、その間に他の人が介在したということはございませんし、そして一番最初に大久保さんとの関係で私が簡単に書いたと申し上げましたが、そういう具体的な書き方とかなんとかいうことにつきまして、私は御説明する時間がなかったものですからいたさなかったわけでございます。
  1013. 永末英一

    永末委員 このダイビングはロッキードがやったんですか、あなたの方でやったんですか。
  1014. 伊藤宏

    伊藤証人 これは多分先方じゃなかったかと思います。
  1015. 永末英一

    永末委員 先方がやるというのならば、やはり相談があって十分の打ち合わせがなければ持ってきませんね。私はそう見ますが、いかがですか。
  1016. 伊藤宏

    伊藤証人 これは大久保専務と先方との話によりまして、私が大久保専務から依頼を受けまして、私が多分承諾をいたしましたので、そして大久保さんから向こうの方と打ち合わせをされて持ってこられたんじゃないか、かように思います。
  1017. 永末英一

    永末委員 この件については、あなたは大久保専務以外の人と相談をしましたか。
  1018. 伊藤宏

    伊藤証人 全然相談をいたしておりません。
  1019. 永末英一

    永末委員 先ほど同僚議員からもお話がございましたが、あなたは記者会見に臨まれまして、営業部の責任者と相談したがという言葉を述べられたり、あるいはまた担当部で疑惑を招いてはいけないというので、営業部門とは関係のない社長室長の私がサインしたということをあなたの言葉で発表されているわけだ。どなたかに相談されたということは、いずれの新聞も明確にその間のニュアンスを伝えておる。あなたはこの記者会見を否定されるのですか。
  1020. 伊藤宏

    伊藤証人 いいえ、否定するものではございませんが、営業部のそのときの状況は、先ほど申し上げましたとおり、私のこの書類が出てまいりましたときに、全くそういう事実関係のことについて私は関与いたしておりませんので、非常に実はびっくりしながら記者会見に臨んだわけであります。  それで、どういうことであったかということで、よく思い出さないままに、先ほど御指摘がございましたように、大久保さんかあるいは松井君でなかったかな、こういうような表現を使ったわけでございまして、そのいろんな問答のときに、そういうことであればよくチェックをいたしたかということで、当然のことながら、私が先方と直接打ち合わせしたわけじゃございませんでしたので、チェックをいたしましたというふうに申し上げました。それは、その後の記憶をよく整理いたしますと、大久保さんに直接チェックをし、大久保さんに直接サインをして渡したということが判明したので、きょうはっきりと証言でそのことを申し上げているわけでございます。
  1021. 永末英一

    永末委員 記憶を整理したら判明したのではなくて、そのようにつくり上げたと私どもには思えますね。やはりあなたが、最初この事件が、電送でこの領収証が明らかになったときに、逃れられない、こう思われたのでございましょう。そこで営業部という名前を出された。そのときは素直にそう言われたと思う。しかしその後、営業部を出せば営業部のだれかがまた関係があるであろう、こう思われたのかどうか知りませんが、大久保さんだけにしぼっておる。そうじゃないのでしょう。相談されたのでしょう、社長室長としては。違いますか。
  1022. 伊藤宏

    伊藤証人 いいえ、大久保さんの依頼を受け、大久保さんに確認をしたわけでございます。
  1023. 永末英一

    永末委員 社長室長というのは、いわば社長の代理のような者ですね、外部から見ますと。したがって社長のあらゆること、表も裏もあなたは御存じのはずだ。その社長室長が領収証自分の署名をするということは、いわば社長の代行行為と見られてもいたし方がない。それほどのトップの、あなたの会社としてはトップの機密事項をあなたと航空機関係の最高の責任者である大久保さんが相談した。社長に報告しなければならぬ事項ではないですか。社長に報告しましたか。
  1024. 伊藤宏

    伊藤証人 社長には全く報告をいたしておりません。そして、今度の事件が起こりましてから報告をいたしたわけでございます。
  1025. 永末英一

    永末委員 慎重なあなたが、この問題について独断で領収証のごときものにサインされるということは、外部のわれわれにはわからない。この件に限って、あなたはピーナツとかピーシズとかいうことは非常に異常であるとお考えになったと先ほど言われました。その異常なことを、社長やあるいは実権を持っておられた会長に御相談なさらずに署名をされることは、外部の者にはわかりませんよ。このことが社長に累が及ぶと考えなかったのですか。
  1026. 伊藤宏

    伊藤証人 全くそういう御推理は当を得ておりません。私は先ほど申し上げましたように、大久保さんから、ロッキード社の社内事情のために必要なものである、したがって決して丸紅に迷惑をかけないから、用済み後に破棄するからサインをしてくれということを言われましたので、非常に深く考えずに気軽にサインをしてしまったものでございます。したがいまして、そのときにその内容、意味するところの内容等について全く存じておりませんでしたし、いま先生がおっしゃいますように、そのときに社長に報告をするということは全く考えずにやってしまったものでございます。
  1027. 永末英一

    永末委員 この署名の件について、あなたはいかなる意味においてもロッキード社とは無関係である、このように考えておられますか。
  1028. 伊藤宏

    伊藤証人 ロッキード社から依頼を受けまして、その書類にサインをいたしたわけでございますから、全部無関係だとは言いがたいわけでございますけれども、それに伴う金品の授受がありとすれば、それについては全く私は無関係でございます。
  1029. 永末英一

    永末委員 あなたにこの署名をせしめた直接の使嗾者と申しますか、それを言うた人は大久保氏でしょう。ロッキード社はあなたの矢面に立っていないわけだ。大久保氏の言を信じてあなたは署名された。その意味合いで金品などを聞いているわけじゃない。あなたはその意味では、この署名したことについてはロッキード社とは無関係だと考えておられますか。
  1030. 伊藤宏

    伊藤証人 その頼まれました経緯とかそういう意味での、直接的には無関係だと思っております。
  1031. 永末英一

    永末委員 それでは署名をされたすべての原因は大久保氏にありとお考えですか。
  1032. 伊藤宏

    伊藤証人 原因がすべてであるという意味の理解でございますが、私は大久保さんからそれを依頼を受けましても、私がお断りすることはできたと思うのであります、はっきり申しまして。それを私の判断でしてしまったわけでございます。したがいまして、私は全く全然無関係大久保さんだけがどうだということは言えないと思います。
  1033. 永末英一

    永末委員 社長室長にあった、いまや専務取締役が、同僚あるいは先輩かもしれませんが、その人の言を信じて署名をし、いまや会社に大変な迷惑をかけておる。そして、先ほど申されたように、ロッキード社は署名の件に関する限り無関係である、こうなりますと、あなたは大久保さんに対して何らかの対抗手段をとる意思がございますか。
  1034. 伊藤宏

    伊藤証人 先生のおっしゃる対抗手段というのはよくわからないのでございますけれども大久保さんが先方から依頼を受けられまして、そして私にそれを取り次いで頼まれまして、そしてそのサインをしたのは私自身でございますから、それを全く、その責任までも大久保さんにどうこうということは、これは私できないと思っております。
  1035. 永末英一

    永末委員 道義的な意味では、社長室長としての機関にあるあなたはある種の背任的行為をされておるわけだ。その背任的行為をせしめた者は大久保氏でしょう。したがって、あなたは会社のためを思うならば、会社はいまや窮地に立ち至っておる、大久保氏がそういうことを持ってこなければ、社長室長であるあなたがやる必要はなかったはずである。その意味合いで、大久保氏に対して、会社のためにあなたは告訴するとかなんとかの手段をとるつもりか。それとも、いや、初めから共同謀議の人間であるから共同責任をとる、こういうおつもりですか。
  1036. 伊藤宏

    伊藤証人 共同謀議という言葉につきましては、いささか私は抵抗を感ずるのでございますけれども、同じ会社の同僚として会社のためにやってまいったことでございます。まことにそういう点では、私はこの事件に対して責任を大久保さんだけにどうのこうのなんというようなことはとても考えるような気持ちはございません。
  1037. 永末英一

    永末委員 終わります。
  1038. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 以上をもちまして永末君の発言は終了いたしました。  伊藤証人に対する尋問は一応終了いたしました。  伊藤証人には御苦労さま。御退席を願って結構でございますが、なお、本日再び証言を求める場合があるかもしれません。二十分以内に出頭できる場所で待機していただくようにお願いいたします。     —————————————
  1039. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 ただいまから松尾証人の入室を求めます。  松尾証人に対し、まず委員長から所要の事項につきましてお尋ねをいたします。その後、委員各位の御発言を願うことといたします。  それでは、私からお尋ねいたします。  あなたは松尾泰一郎君ですか。
  1040. 松尾泰一郎

    ○松尾証人 さようでございます。
  1041. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 住所、職業、生年月日をお述べください。
  1042. 松尾泰一郎

    ○松尾証人 東京都世田谷区赤堤一の三十二の十四。丸紅株式会社社長。明治四十三年六月七日。
  1043. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 あなたは、米国上院外交委員会の多国籍企業小委員会公聴会で問題となったピーナツピーシズユニットという符号を用いた領収証に、大久保利春君及び伊藤宏君がサインをしていたことを知っておりますか。
  1044. 松尾泰一郎

    ○松尾証人 今月の四日、六日のアメリカ上院における公聴会で、いま言われました二人がサインをしたという事実を聞かされたのであります。
  1045. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 それは米国の委員会証言の後ですか、それをお知りになったのは。
  1046. 松尾泰一郎

    ○松尾証人 後でございます。
  1047. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 それまで全然そういうことは知りませんでしたか。
  1048. 松尾泰一郎

    ○松尾証人 それまでは全然報告を受けておりません。
  1049. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 あなたは、これが発表された後に事実の究明のためにどんな処置をとられたか。特に両君に対して何か処置をいたしましたか、お尋ねいたします。
  1050. 松尾泰一郎

    ○松尾証人 非常に驚きまして、まず伊藤専務に、こういう事実があるのかどうか、何のためにいたしたか、という点を聞きました。率直に、非常に軽率にもそういうことをいたしたということで、私に対して申しわけないという謝りをしたのであります。  大久保専務につきましては、ちょうどアメリカ公聴会の、われわれがとても想像し得ないような発言が参ってまいりますので、現地からも、報道機関からの情報もあり、またわが社のワシントン事務所からの報告がございましたが、いまひとつ確かめなければならぬということで、早速向こうに調査に行くようにと命じまして、六日の公聴会の前に行ったのでありますが、実際は公聴会の前にはコーチャンには会えないというようなことで要領を得なかったのでありますが、六日の公聴会におきまして、大久保君が、ユニットというようなことが報道されましたので、これは何事だということで電話で彼に聞いたのでありますが、彼としてはその当時記憶がややあいまいであったようでありますが、どうも私がサインをしたらしいということでありました。その内容につきましてはもうひとつはっきりしないということでありまするので、彼が帰りまして後詳細に聞いたような次第であります。
  1051. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 大久保専務アメリカにあなたが派遣したのですか。
  1052. 松尾泰一郎

    ○松尾証人 さようでございます。
  1053. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 それはコーチャン氏の証言について、それを調査するために派遣を命じたわけですか。
  1054. 松尾泰一郎

    ○松尾証人 コーチャン氏の証言のみならず、公認会計士の公聴会における証言等々、まことに奇想天外な事実が出てまいりまするので、それらをひっくるめて調査をしてまいるように申したのであります。
  1055. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 あなたは児玉譽士夫という人を御存じですか。
  1056. 松尾泰一郎

    ○松尾証人 全然存じません。
  1057. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 会ったこともありませんか。
  1058. 松尾泰一郎

    ○松尾証人 会ったことは全然ございません。
  1059. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 ロッキード社飛行機の輸入に対して非常な力を尽くしておるというようなことも知りませんでしたか。
  1060. 松尾泰一郎

    ○松尾証人 全然聞いたことはございません。
  1061. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 あなたは、アメリカ公聴会ロッキード社コーチャン氏から、約二百万ドルが丸紅の役員を通じて飛行機売り込みのために政府当局者あるいは政府高官に賄賂として支払われていると疑義を持たれるような発言があったことを御存じですか。
  1062. 松尾泰一郎

    ○松尾証人 そういう発言コーチャンがしたということは承知いたしております。
  1063. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 それに対してあなたはどういうお考えを持たれましたか。
  1064. 松尾泰一郎

    ○松尾証人 まことに心外であり、事実無根であると考えております。
  1065. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 あなたの会社内の大久保専務あるいは伊藤常務等がピーナツとかあるいはユニットとかピーシズというような領収証にサインをしたことをあなたは御承知ですか。
  1066. 松尾泰一郎

    ○松尾証人 先ほど申し上げましたように、ワシントンにおいてああいう事実の発表があり、またコーチャン証言があり、それによって知ったような次第であります。両人に確かめた結果、残念ながらそういう事実があるということを知った次第であります。
  1067. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 その領収証が裏金であって、二百万ドルというような大金が政府等にあなたの会社の役員を通じて渡されているというような、それに疑いを持たれるような、あるいは考え方によってはそれがまことらしくあるいはまことであるかもしれないというような発言コーチャン氏がしておるのですが、そういうことに対してのあなたの責任はどういうお考えをお持ちになっていますか。
  1068. 松尾泰一郎

    ○松尾証人 私の責任ということでございますが、その両名が領収証らしきものにサインをしたという事実は二年あるいは三年前のことでありまして、まあもちろん私もその当時は副社長でございました。少なくともいまこういう事実が出たということについては、まことに残念にも存じますし、また申しわけなく存じておる次第であります。
  1069. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 あなたはこれに対して社内で、これが事実であるかないかの究明を役員会等においてするような会議をいたしましたか。
  1070. 松尾泰一郎

    ○松尾証人 ああいう報道をワシントンから受けまして非常に驚きまして、緊急役員会を開き、その席上本人からも事情を説明させたような次第であります。たまたま緊急役員会のときには大久保専務の方はワシントンに行って、いなかったのでありますが、帰ってまいりまして以後、本部長会の席上、彼からその実情を説明させたような次第であります。
  1071. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 先ほど私が申し上げたように、二百万ドルというような大金が政府飛行機の買い入れのための運動資金として渡されているということを、丸紅の役員がこれを支払っているというコーチャン氏の証言、これはあなた知っておりますか。あるいはコーチャン氏の発言は知っておりますが、それは事実であったかないか、御答弁願います。
  1072. 松尾泰一郎

    ○松尾証人 この二百万ドルの金が丸紅をスルーして云々というようなことは、先ほども申しましたように、事実無根であるというふうに確信いたしておりますし、いま申しましたように、両名からいろいろ問いただしました結果、彼らも金銭の授受には全然関知をしておらぬということを申しておりまするので、私はこの二人の言うことを信じ、またそうであると確信をしておるような次第であります。
  1073. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 そこで、今回の事件に関して、アメリカロッキード社証言と、丸紅のきょうおいでになった四人の重役各位の発言と全然食い違っております。また、アメリカロッキード社コーチャン氏が証言したときも、宣誓をしてアメリカ委員会に臨んでおる。こちらも先ほど宣誓をされてこの会議に臨まれております。  そこで、これは国全体の不名誉な問題であると同時に、丸紅といたしましても、それこそかってない不名誉な問題であると思います。一体、ロッキード社コーチャン氏の発言が真実であるか、丸紅発言が真実であるか、国民注視の的であります。したがって、この証言に食い違いのある点からいたしまして、ロッキード社に対し、あるいはコーチャン氏に対し、法的処置、すなわち告訴してこれを解明するというような、あなたに決意がありますかどうか、お聞かせ願いたい。
  1074. 松尾泰一郎

    ○松尾証人 委員長のおっしゃいますように、わが社の信用、名誉に関する重大な問題でありますし、また、日本全体の信用にも非常にかかわる問題でございまするので、いろいろと法律上のむずかしさはあるようでございますが、わが社といたしましては、内外の法律専門家の協力を得まして、その真相の徹底的な追及をいたしたい。また、コーチャン氏等のロッキード社幹部に対する責任といいますか、対抗措置といいますか、それらについても、目下あらゆる可能な措置を検討している次第であります。
  1075. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 よくはっきり最後の方がわかりませんが、いわゆる法的処置をおとりになるかどうかということについて私は質問しているわけです。とるか、とらないか。これははっきりする方が丸紅自体にとっても、また国全体に、日本の国の名誉にかけても必要であると思うのですが、これに対してはっきりした御答弁を願います。
  1076. 松尾泰一郎

    ○松尾証人 率直に申しまして、ああいう発言に対してはもうふんまんやる方ないものがありまして、適当な対抗措置がありますれば即刻とりますと申し上げたいのでありますが、しかし、何分法律が地域によって違いますので、ただ対抗措置をとるとここで私が約束しましても、事実問題として不可能な場合も考えられます。したがいまして、私は、あらゆる可能な措置を内外の法律専門家に目下検討させておると申しておるわけであります。
  1077. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 ちょっとお聞きいたしますが、まるでよその会社で起こった問題等のように私には聞こえるのですが、あなたは丸紅の社長として、代表取締役として、こうした問題は一刻も早くその真相を究明しなくちゃならないという責任をお持ちになっていると思うのです。  そこで、アメリカ法律日本法律に違いがありましても、正しいことは正しい、曲がったことは曲がっている、間違っていることは間違っている。したがって、法的処置を速やかにとるかとらないかということを私はあなたに質問しているわけです。あなたの会社でできたことなんです。国民全体の疑惑の的です。国会としても迷惑千万です。どうぞはっきりした御答弁を願います。
  1078. 松尾泰一郎

    ○松尾証人 ただいまも申しておりますように、法的措置をとる所存でありますが、なお専門家にと申したのでありますが、あるいはその後段がお気に入りでなければ、とると申し上げます。
  1079. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 まことに歯切れの悪い、聞きようでは法的処置をとられるかのごとくあるいはとらざるがごとくですが、もう一遍、丸紅の社長でございますから、代表取締役でございますから、はっきりした処置をとるかとらないかということをお聞かせ願います。
  1080. 松尾泰一郎

    ○松尾証人 法的措置はとります。しかし、とれない場合が——法律的に技術的にとれない場合は御容赦を願いたいと思います。
  1081. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 お尋ねいたします。  とれない場合ということは、どういうことを想定なすっておられるか。
  1082. 松尾泰一郎

    ○松尾証人 いままでのところ、非常に法律すべてが違うということもありまして、弁護士さんの意見によりましても、困難な面があるということも聞かされておるのでありまして、いま私の方の顧問弁護士を招致しまして、日本側の弁護士とどういう点が困難性があるのかという点もいろいろ調査していただくということでいまやっておる次第でありまして、私が申し上げておりますのは、法律上可能なあらゆる措置をとるということを申し上げておるので、とらないということを申しておらぬわけでありますから、その点はひとつ御了承願いたいと思います。
  1083. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 なお、最後に申し上げますが、取引の上でピーナツピーシズユニットなんという言葉で、これが何億円、何万ドルに値するというような疑惑を持たれる。こんなピーナツとかピーシズとかユニットということは、世界じゅうの商取引の領収証にはないと私は思う。こんなことで、何万ドルの領収証なんというようなことはまことに不可解千万であるばかりではない。日本人の名誉にかけてもこれは究明しなくてはならぬことだと私は思う。しかも、専務がこれにサインをした、社長も会長も知らないとか、これは、法廷でありませんから私はそれ以上追及いたしませんが、まことに奇々怪々であり、残念至極です。ぜひひとつ法的な処置をとって解明されることが丸紅の将来に対しても私はいいと思うし、そうしなければならぬと思っておるのでありまして、このことをひとつはっきりとあなたに、そういう処置をとられるよう進言をして、私の質問を終わります。  次に、委員から発言申し出がありますので、それぞれの持ち時間の範囲でこれを許します。奥野誠亮君。
  1084. 奥野誠亮

    奥野委員 だんだん時間も遅くなっておりますので、私のお尋ねもはしょりたいと思います。また、お答えも簡明にしていただいて結構でございます。  一つは、丸紅ロッキード社とエージェント契約を結んでおられる。     〔委員長退席、正示委員長代理着席〕 ところが、ロッキード社は三つのエージェントを持っておったということが明るみに出てきたわけでございます。そういうように秘密エージェントを持っているということは別段とがめるべきことでないのかどうか、ということが一つであります。  同時にまた、ロッキード会社からの言い分を見てまいりますと、秘密代理人のことを明らかにしたんじゃその役割りが果たせないんだ、こういうことを言っているようでございますが、置いた場合にも、基本的なエージェントであります丸紅に何ら連絡しないことが、それで商慣習上正しいのかどうか。やはり知らせる、連絡をすることが本来の筋道であるのかどうなのか。どうお考えになっておるか、御意見を伺います。
  1085. 松尾泰一郎

    ○松尾証人 すでに三人の人たちからお答えしたかもしれませんが、丸紅はロッキードのエクスクルーシブエージェントになっておるわけでありまして、それ以外のエージェントは認められないはずでございます。しかしながら、今回のあの事件を契機として、それが、そういう別のエージェントがあったということがわかったのであります。まことに遺憾でございます。その意味においても、これはどういう違反ということになるのか、それらも私は先ほど、いろいろな面から法律専門家に研究を願っておると言うのは、そういうことを含めてひとつ研究を願っておるのであります。
  1086. 奥野誠亮

    奥野委員 いま伺っておりますと、商慣習上も、エージェント契約を結んでおるんだから、別な秘密エージェントを持つということは契約違反だ、こう考えているということでございますね。
  1087. 松尾泰一郎

    ○松尾証人 さようでございます。
  1088. 奥野誠亮

    奥野委員 次に、この種の問題が昨年の八月にアメリカ国会の銀行委員会公聴会で取り上げられ、続いて何回か他の委員会でも公聴会として取り上げられておるわけでございます。その間に、この種の問題についてロッキード社から丸紅に対しまして連絡があったかなかったか。また、ないとすればエージェントの契約を結んでいながら丸紅の盛衰に係るようなこういうような問題についてさえも連絡をよこしてこないということは、私には納得ができかねるように思うのでございますが、これらについての事実関係を伺っておきたいと思います。
  1089. 松尾泰一郎

    ○松尾証人 まことにごもっともなお尋ねでございますが、全然そういう連絡はなかったというふうに聞いております。部下から報告を受けております。
  1090. 奥野誠亮

    奥野委員 連絡をすべき性格のものだ、にもかかわらず連絡がなかった、こういうことでございましょうか。
  1091. 松尾泰一郎

    ○松尾証人 彼らがどう判断したかはこれはわかりません。丸紅関係がないことだから連絡する必要はないと判断したのか何か知りませんが、連絡がなかったのは事実でございます。
  1092. 奥野誠亮

    奥野委員 納得のいきかねる領収証へのサインなどの問題が出たわけでございますし、つい先ごろは、丸紅として大変不名誉なモチ米の食管法違反でありますとか買い占め、売り惜しみ、いろいろ批判をお受けになった。やはり丸紅の体質について根本的な改革を考えなければならないというお気持ちをお持ちであるかどうか、伺っておきたいと思います。
  1093. 松尾泰一郎

    ○松尾証人 四十八年、このいわゆる狂乱物価問題に際し、商社批判を受けまして、その後、われわれ貿易業界のみならず、私の方といたしましてもいろいろ行動基準なり経営指針を設定をいたしまして、内部の管理組織につきまして一段と改善を加え、また規定を厳重にし、いろいろの対策委員会をつくりまして処置してまいったのでありまして、私、社長を拝命してまだ八カ月ぐらいにしかなりませんが、そこそこ成果は上がってきたというふうに確信をしておったのでありますが、こういう両名のまことに軽率によるといいながら書類にサインをしたという事実は、ちょうどわれわれがそれを検討しつつある直前ないし直後に該当をするのであります。まことに残念至極に存じておるのでありますが、私といたしましては、今後さらに現在の管理組織あるいは規定等に再検討を加えまして、自後再びこういうことの行われないようになお努力を続けたい、こういうふうに思っておる次第であります。
  1094. 奥野誠亮

    奥野委員 日本飛行機売り込みを成功させるためには裏金を必要とするんだという示唆を、檜山会長または大久保専務から与えられたというようなことをコーチャン社長が言ったわけでございますが、関係者はそんなことは言った覚えはない、こうおっしゃっている。同時にまた、丸紅日本においてあるいは海外においていろいろと商活動をなさる場合に、地域によってはいろんな事情があろうと思います、そういう地域においても丸紅としては裏金を使うというようなことはやっていない、というようなお話がこれまであったわけであります。私も、営利のために手段を選ばないというふうなことは避けて、地域社会の腐敗を助長するような行動は慎んでいかなければならない、こういう気持ちを持っておるわけでございますけれども、これらの点についての御見解を念のために伺っておきたいと思います。
  1095. 松尾泰一郎

    ○松尾証人 多くの国々との取引に当たりまして、そういう誘惑といいますか申し入れといいますかがあることを部下からも聞かされておるのでありますが、そんなことまでしてやる必要はない、裏金を使わなければ取引ができぬというようなことならもうやめてくれというふうに、絶対そういうことをやっちゃならぬということで指導しておりますので、守られておると私は確信しておる次第であります。
  1096. 奥野誠亮

    奥野委員 きのうきょうの当委員会における証人の答弁など、委員各位の聞きようによっていろんな感じを持っておられると思います。同時にまた、私自身アメリカ議会における証言につきましても、やはりいろんな疑問がたくさんあるわけでございます。今後、両議会におけるいろんな疑問点、これは解明しなければならない問題だな、こう思っておるわけでございます。同時にまた、お互いが問題を一層混乱させておる、情報過多で大変な混乱を招いていると思うのであります。たとえて申し上げますと、日本議員が多国籍企業小委員会のレビンソン法律顧問を訪れて、その結果、新聞記者にレビンソン法律顧問は、政府職員の中には政府官僚、閣僚を含む、と言うた、翌日の新聞にはレビンソン法律顧問は、あんなことを言う人たちには二度と会いたくない、こんなことを言うたという記事も出ておったわけでございました。また、ある議員コーチャンロッキード社長に会った。コーチャンロッキード社長は、日本の閣僚に会った、日本の閣僚に会ったのは自分が求めて会ったんじゃなくて、求められて会ったんだ、こういう発言をして新聞記事になった。翌日には、コーチャンを囲む関係者が閣僚のところへ表敬訪問に連れていったんだということになった。いろいろ物の言いようによりまして大変な混乱を日本じゅうに引き起こしているわけでございまして、まさにロッキード旋風、日本国じゅうが全く混乱させられて大変な迷惑を受けてしまった、こんな気持ちを持っているわけでございます。混乱させられ、迷惑を受けるだけならよろしいのですが、政界も、官界も、経済界もみんな疑惑に包まれたような感じも私はするわけでございますだけに、やはり何といいましても実態の解明、これは一番大切なことだ、こう考えているわけでございます。丸紅自身も私はそういう責任を負っておられる、こう考えるわけでございますだけに、これらの点についてのお考えを伺っておきたいと思います。
  1097. 松尾泰一郎

    ○松尾証人 お説のとおり、まことに情けないと申しますか、遺憾なる事態が発生し、私の心境といたしましては、巻き込まれたと、こういう感じをいたしておるのでございますが、そういう意味におきまして、こういうことになった真相の究明を徹底的にやる。また、わが社において、先ほども若干触れましたが、対策につきましても徹底的にやりたい、こういうふうに思っておるのであります。これまでとかく組織とか規定というようなことでやりましたが、結局はこれは役員を含め全従業員の精神というか心構えの問題に帰着するのではないかというふうに思っておるわけでありまして、私も、非才ではございますが、就任以来社員の精神、心構えの教育、訓練ということにつきまして鋭意努力をしてまいっておるのであります。再びこういうことの起こらないように引き締めてまいりたい、こう思っております。
  1098. 奥野誠亮

    奥野委員 アメリカ公聴会におきます記録を読んでまいりますと、コーチャンロッキード社長が、日本では、秘密代理人を置いてこれに支払いをしていく、それが商慣習だというようなことを言うたのに対しまして、パーシー議員が、自分日本に千五百人を抱える工場を持っておるのだけれどもそんな商慣習はないよ、こういう反発もあったりもいたしております。また、部分的にはコーチャン氏の行動は自分に有利に理解をしてもらうために言っているのじゃないかと思われるような関係の記事もずいぶんあるわけでございます。裏金をずいぶん使った、それでエアバス導入の決定を延ばさしたのだ、それが成功したのだ、こういうことを言っているわけでございますが、きのう全日空の社長はそれなりにいろいろ解明をいたしておりました。われわれにはその点は理解できたような感じもするわけでございます。  しかしながら、いずれにいたしましても、アメリカ国会で指摘されたような日本の社会であっては大変なことだと思うのであります。金でどのような機種を採用するかということを日本は決定できるのだ、金で筋道を曲げることができるのだ、こんなことになったら大変なことでございます。まさに国民から信頼を失う社会になってしまうわけでございますだけに、われわれも積極的に信頼される社会を築き上げるために努力を払っていかなければならない。強い決意を持っております。強い決意も持っておりますが、いま社長のお話を伺っておりますと、丸紅は巻き込まれただけだというふうな言い方をされました。私はこれは大変残念なことだと思うのであります。丸紅とロッキード、これは組んで仕事をしておられたわけでございます。ある意味においてはロッキードの活動については丸紅は何ら責任はなかったのだというような言い方は私はしてもらいたくない、こういう気持ちも持ちます。同時にまた、ピーシズだ、ピーナツだというようなものの領収証にサインをしておられる。これはおたくの社から出た問題でもあるわけでございます。  それだけに、私はいろんな面において厳しい姿勢をとってもらう、厳しい対応策をとってもらう。いま法的措置について委員長から大変強い繰り返しての質問がございました。いろんな面においてすべてについてであります。一つじゃなくて全体的に強い姿勢をとってもらいたい。このことを私はお願いをして終わりたいと思いますが、この決意だけを伺っておきたいと思います。
  1099. 松尾泰一郎

    ○松尾証人 先生の御指摘のとおりに考えておるのでございまして、われわれは非常に強い決意でこれに対処したい、こう思っております。
  1100. 正示啓次郎

    ○正示委員長代理 これにて奥野君の発言は終了いたしました。  次に安井吉典君。
  1101. 安井吉典

    ○安井委員 松尾証人名前アメリカ公聴会の記録の中にはありません。しかし、私は、政治腐敗というのは民主主義を破壊するものであり、政治のモラルが確立されなければデモクラシーというものは成り立たない、そういう確信の上に立って、丸紅代表者であるあなたに若干伺っていきたいと思います。  丸紅は、ロッキードとの間の代理店契約に基づき、経営戦略としてはトライスター、それから次にP3C、続いてYXにも手を伸ばすという考え方ではなかったのですか。
  1102. 松尾泰一郎

    ○松尾証人 若干古い話になりまして、私が丸紅に入る前の問題からにわたりますが、丸紅ロッキード社のエクスクルーシブエージェントになっております。したがいまして、ロッキード社で開発し生産をしたあらゆる機種につきまして丸紅がエージェントの役割りを担当してまいっておるのでありまして、どの商品がどうということではございませんで、それが商品可能になった段階から向こうからいろいろな情報の提供があり、その販売協力といいますかマーケティングといいますか、それを依頼されるかっこうになっておるのであります。
  1103. 安井吉典

    ○安井委員 エアバス・トライスター、そのプロジェクトと、その後に続くP3C等の軍用機、これは後のやつは一兆円にも上る大きなプロジェクトであります。だから私は、トライスター一つの布石で、その後軍用機の側面に一つの大きなねらいを持っていたのではないか、こう思うのですが、その点どうです。
  1104. 松尾泰一郎

    ○松尾証人 ねらいとおっしゃいますが、ロッキード社がねらいを持っておったかという御質問でございますか。
  1105. 安井吉典

    ○安井委員 丸紅ロッキード社代理店でしょう。だからロッキード社の方針に従って丸紅はやるはずですからね。だから丸紅の方針を聞いているわけです。
  1106. 松尾泰一郎

    ○松尾証人 ただいまも申しますように、ロッキード社が開発し、販売可能になった商品について取り扱うということになっておりまするので、古くは御存じのような104、現在の戦闘機、また現在の対潜哨戒機、これはほとんど大部分が、部品を入れまして国産をされておる。また、104につきましても大部分は国産のようでございますが、昔からそういうことで参っておるのであります。したがいまして、今後どういう戦闘機が出てくるか、あるいはどういう対潜哨戒機が出てくるか、私は余り、その方は弱いのでございますが、当然、この契約上は販売に協力するということでございます。
  1107. 安井吉典

    ○安井委員 それは代理店契約書を見せていただければわかりますし、私どもアメリカ側の資料でもらっております。先ほども資料要求がありました。しかし、私は、基本契約だけじゃなしに、F104からL一〇一一、C1、P3C、YXというふうに機種ごとの契約、その後の修正状況もすべて含めた資料の御提供を、さっき約束がありますから、そういうことでお願いしたいと思いますが、どうですか。
  1108. 松尾泰一郎

    ○松尾証人 委員会からの御要望がございますれば、提出申し上げます。
  1109. 安井吉典

    ○安井委員 独占禁止法第六条第二項、ロッキードとの国際的協約の届け出を、この条文は一カ月以内に行わなければならないという規定になっておりますが、丸紅はこれをいつ行いましたか。
  1110. 松尾泰一郎

    ○松尾証人 実はまことにぼんやりした話ではございますが、私も二、三日前に部下から報告を受けたのでありますが、提出がおくれておるということで公取委員会にもその点を謝りといいますか、して、お許しをいただいて出したというふうな報告を受けております。(「いつ出したんだ」と呼ぶ者あり)日時ははっきり覚えておりませんが、一週間前でありましたかどうかわかりませんが、最近……(「いつの契約」と呼ぶ者あり)現在の契約
  1111. 安井吉典

    ○安井委員 それはうそですよ。いまの契約昭和四十七年に結んでいるじゃないですか。その昭和四十七年の契約を二月十二日の日にやっと提出をしているわけです。(「いつの、ことしか」と呼ぶ者あり)ついこの間。四十七年のやつを二月の十二日にやっと提出したわけですよ。独禁法第六条では、契約が結ばれてから一カ月以内に出さなければいけないのですよ。(「罰則適用だ」と呼ぶ者あり)罰則は二十万円以下の罰金ですけれども、これは届け出をしなかった場合。しかし、届け出をしたわけですから、おくれながらも。これはどういう扱いになるかわかりませんが、これを裏を明かせば、実は社会党の特別委員会で、この条文による届け出がなされているかどうかを公正取引委員会に問い合わせをした。公正取引委員会は四十七年度のものからずっと繰ってみたが、ない。それで大急ぎで丸紅連絡した。丸紅はあわてて提出をしてきたのが二月の十二日で、社会党の特別委員会が公正取引委員会に問い合わせをしなかったら、これは、あなたの方はまだ届け出をしないのですから二十万円以下の罰金になるところだった。われわれが助けたようなことになったわけでありますけれども、そのようなでたらめなことをやっているのが丸紅だという印象を私はぬぐうわけにはいかない。あなたは通産官僚でしょう。(「独禁法はきらいなんだ」と呼ぶ者あり)いわゆる商社というわけで、いつかもここで議論をしたことがありますが、独禁法を無視することがたとえお好きであっても、しかし、やはりこういう届け出だけはきちっとやるべきだと思う。どうですか。
  1112. 松尾泰一郎

    ○松尾証人 届け出がおくれまして、まことに申しわけなく存じております。
  1113. 安井吉典

    ○安井委員 ロッキードとの代理店契約に基づいて、丸紅トライスターやあるいはPXL等の導入についてどのような努力をいたしましたか。民間会社、とりわけ私は、政府に対してどのような働きかけをしたかということを、この際伺っておきます。
  1114. 松尾泰一郎

    ○松尾証人 そもそも国がお買い上げになる飛行機類につきましては、政府が御決定になることであります。したがいまして、われわれはただ資料の提供をするとか、両者の間に立って意思疎通をするということぐらいではなかろうかと私は思っておるのであります。私は副社長時代、余りこのロッキード問題には関与していなかったものでよく知りませんが、私も社長就任以来、いまいろいろ問題になっております事柄は全部新聞で勉強させていただいたというのが実態でございます。
  1115. 安井吉典

    ○安井委員 私は、一粒百万円のピーナツをあなたがどうやって配ったかということをいま証言を求めているわけじゃありません。P3Cということで、最後はP3Cオライオンを目指しているということだったと思うのですけれども政府に対して、いかにして採用を求めるかということについて相当な努力をされたと私は思うのですよ。その苦心の一端をきょうちょっと伺いたいと思います。
  1116. 松尾泰一郎

    ○松尾証人 私自身に関する限り、昨年六月以来何らの苦心をいたしておりません。担当者からもどういうマーケティングをやったんだということも聞きましたが、大したことはやっておらぬ。前社長の時代も連絡ぐらいなことでありまして、政府高官にいろいろお願いに行くとか防衛庁にいろいろお願いに行くとかいうようなことは全然いたしておらぬようでありますが、しかし、商売でありますので、情報の提供あるいは向こうから係が見えたときに一緒にお供をしておるとかいうふうなことは、これはやっておる次第でございます。これは輸入のエージェントとして当然の事柄でありまして……。
  1117. 安井吉典

    ○安井委員 児玉譽士夫という人物に会ったことはないとあなたは言われましたけれども、あなたの方は余り政府に働きかけをしなかったらしいが、児玉譽士夫という人はよくやったらしいですよ。何しろ領収証が出てきているやつだけでも四十七枚で十七億円ロッキードが払っている。少なくとも、それ以前のやつを入れれば二十一億円は児玉譽士夫に渡っている。そして、アメリカ証言においても、児玉さんの活躍は全日空のトライスター採用に、PXL白紙還元に、あるいはその他非常に価値があった、こう言っていますね。二十一億円ぐらいやったかいがあったというわけです。丸紅の方はさっぱりやらなかった。児玉一人の活躍で丸紅はもうかったということに、これからいうとなるわけであります。実際は、私は丸紅児玉氏とがタイアップしてやったのじゃないか、こう思うのですよ。あなたは児玉氏に面識がない、こう言われたが、丸紅の中には児玉氏と連絡をしながらそういう活動をやった人がいないのですか。はっきり証言してください。
  1118. 松尾泰一郎

    ○松尾証人 私自身は、先ほども申しましたように、お目にかかったことはございませんし、会長にもその点はお尋ねがあったかもしれませんが、会長とも話したとき、全然知らぬのだ、御高名はかねて伺っておるが会うたことはないなというようなことでありますし、わが社では児玉先生にお目にかかったとか、話をしたというような者はおらないのじゃないかと私は思っております。
  1119. 安井吉典

    ○安井委員 おらないとあなたはおっしゃるのですか。
  1120. 松尾泰一郎

    ○松尾証人 さようでございます。
  1121. 安井吉典

    ○安井委員 それじゃ、それだけはっきり聞いておきます。  コーチャン氏とは始終連絡をとっておられたようでありますが、ずいぶんこちらへ見えているようでありますが、その都度接触を持たれておりますか、丸紅は。あなたじゃなしに丸紅はということでお伺いをします。
  1122. 松尾泰一郎

    ○松尾証人 御存じのように、いろいろ組織というものは大ぜいの人間がおりまするので、彼が、コーチャン氏が日本へ参りましたときにどの程度の接触をいたしておったかということは私よくわかりませんが、少なくとも担当の者は大体会うとったのではないかというふうに私は判断をいたします。
  1123. 安井吉典

    ○安井委員 私は入国管理局でロッキード社コーチャン前副会長の出入国歴について調べてもらった。昭和四十四年からことしまで、実に二十四回来日されている。とりわけ一九七二年、これは例のハワイ会談の前後であります。そのときには六回見えていて、八月にこの人が見えたときは三十二日間東京にいるし、九月に続いて来られたときは四十九日間いるわけですよね。そういう中での深いつながりというものがあったという事実だけは私はここで明確にしておきたいと思いますが、それでいいですね。
  1124. 松尾泰一郎

    ○松尾証人 非常によくお調べでございますが、私自身、先ほども申しますように、このロッキードの関係は関与していなかったと言うとこれは非常に無責任に聞こえますが、余りタッチをしておりませんので、彼が何日、どの程度、何回来たということは、先生のおっしゃることは、御質問の趣旨もよくわかりませんが、認めろという趣旨であれば、私は何とも申し上げかねます。
  1125. 安井吉典

    ○安井委員 小林委員の後の質問につなぐために急ぎますが、さっきから問題になっているピーナツという言葉ですね。いま私に教えてくれた人がいる。伊藤さんの証言のときにこれが来ればよかったのですが、アメリカの俗語でウイル ユー ペイ イン カインド オア ピーナツという言葉がある。私に親切をくれるか、それとも、オア ピーナツというのは賄賂をくれるかという意味なんだそうですよ。ピーナツというのはアメリカのスラングの中で賄賂という意味があるわけですからね。私は、もう先ほど来ずっといろいろ議論の繰り返しがありますけれども、ここに一つの大きな根源があるような気がする。そのことだけ指摘をしておきます。  それから、委員長にちょっと申し上げたい。ロッキードから丸紅に黒いピーナツが六億円、児玉氏へ二十一億円という大金がばらまかれて、それが日本高官に渡っているという海の向こうの証言で、いま大騒ぎになっているわけであります。しかし、二日間こうやってやりましたけれども、その疑惑は晴れるどころか、むしろ私は深まっていくばかりだと思う。とりわけ、最大の焦点である児玉証人は不出頭、その他の証人もこれは全くでたらめな言い方で、私は、アメリカ国会とこちらの国会と偽証罪のやり合いみたいなことになっているような気がする。ですから、こういう中において、さらにまた小佐野氏の再喚問や田中角榮氏らの新しい証人要求がすでに出ているわけです。  今回のロッキードの問題は、長年にわたる保守政治のもとでの、日本の政治や経済の構造的な病巣が露呈されたものだと私は思う。この二日間の尋問で真相究明の幕明けができただけなんで、したがって、きのうきょうに引き続き、われわれは今後時間をかけても、たとえ予算や法案の多少おくれができても、これらの問題を徹底的に究明すべきだと思う。これは日本の民主主義を守るための重大な段階だと思います。ひとつ委員長決意を伺います。
  1126. 正示啓次郎

    ○正示委員長代理 委員長が不在のため、委員長の指名により委員長代理をいたしておりまするので、大変私から申し上げるのは不適当かとも思いますが、安井委員がただいまお述べになったことは、その御趣旨において私も異議はありません。しかしながら、これは理事会でもたびたび話が出ておりますように、今日の経済、日本の雇用問題等から考えますと、われわれは予算の審議ということについてもこれを促進する必要があるということを痛切に感じております。  したがいまして、いまの問題、二つの要請についていかように今後進めるかにつきましては、当委員会といたしましては、理事会において十分協議をいたし、決定をいたしたいと存じます。  次に小林進君。
  1127. 小林進

    ○小林(進)委員 時間もありませんから、ほんの駆け足で重点だけ申し上げておきます。質問にもなりませんけれども。  ただ、児玉小佐野コーチャンについてあなたは全然お知りにならぬでしょう。これは言っておきますけれどもコーチャンは小委員会の中で、この売り込み工作中に十回訪日し、延べ十一週間日本に滞在したが、その間何回も児玉小佐野両氏に面会をし、売り込みの戦略について話し合った、こう言うのであります。私は、これは当然丸紅さんが中心になっておやりになったというのだと思いまして、あなたたちの答弁は全部私は明らかになるときがあると思いまして、これだけ御注意を申し上げておきます。  時間がありませんから次に移りますけれども、ロッキードとあなた方との契約書の第四条、あなたのところには政治的にアドバイスをする義務があるわけです、第四条に規約があるのですから。その第四条に基づいて——それは丸紅さんとロッキードとの契約書の一番中心なんです。総代理店としての一番重要な内容一つなんです。その第四条に基づいて、あなたは社長としてどういう政治的アドバイスをおやりになったかどうか、これを私はお伺いしておきたい。
  1128. 松尾泰一郎

    ○松尾証人 まことに不勉強で申しわけございませんが、そういう文言があるかどうか調べてみたいと思いますが、私、御存じのようにまだ就任して八カ月でございまして、私自身に関する限り、そういうことは全然ございません。
  1129. 小林進

    ○小林(進)委員 それはあなた、社長に就任して八カ月を自慢されたって、それはだめです。一カ月でも社長は社長だ。その契約に基づいてトライスター導入についての諸工作、これは第四条で工作をやらなければならぬように決めてあるんだから、それについてロッキードに対して報告をされたはずです、されているのですから。また報告をしたレポートもお出しになっている。これは国会資料としてちゃんとちょうだいすることになっておりますから、これは逃げられませんが、社長としてあなたは、そのロッキードに対して工作の内容をどういう報告をされたか、これを私はお伺いしておきたいと思う。
  1130. 松尾泰一郎

    ○松尾証人 四十七年ごろでありましたか、トライスターの導入が全日空で決められたのでありますが、その間の事情は私は余り報告を受けておりませんので存じません。
  1131. 小林進

    ○小林(進)委員 どうも最高責任者としてそういう重要な報告書類も工作も何にもお知りにならないということは、あなたは座して高禄をはんでいられるのですか。実に情けないのであります。  それでは一つお伺いしますけれども、一体ロッキードとの契約に基づく手数料ですね、これはきのうから伺っているけれども、まだはっきりしない。その手数料の現在の段階で一体幾ら受領されたのか。未受領の分が幾らあるのか。これは明確に数字でお示しをいただきたいと思う。
  1132. 松尾泰一郎

    ○松尾証人 先般のアメリカ公聴会におきまして、公認会計士の報告によれば、三百二十二、三万ドルかと思いますが、が丸紅へということでありました。その後、あれは御存じのようにアーサー・ヤングという公認会計士でありますし、わが社とも非常に関係の深い会社でありますので、現地とも、非常に調べた資料をもらい、わが方の資料とも調整といいますか、照らし合わしたのでありますが、私の方は現在までもらっております輸入手数料というものは二百八万ドル前後でありまして、あとは契約残についての手数料であろうかとも思うのであります。その点につきましては、公認会計士から明確な書類をいただいております。
  1133. 小林進

    ○小林(進)委員 手数料三百二十二万ドルのうち二百八万ドルは手に入れて、あとはまだ未収入、こういうふうに理解したらよろしゅうございますな。これは後でひとつ資料で明確にちょうだいする。  で、その中で、その手数料が最初一機十六万ドルの手数料であったものが、途中六万二千五百ドル減らされた。これは、手数料で食う商社としては大変な損失なんでございますけれども、こういうふうな、会社に対して大きな収入減を来したようなその内容について、あなたは社長としてどの程度にこれを知っておられるのか、これをひとつお聞かせをいただきたいと思うのであります。
  1134. 松尾泰一郎

    ○松尾証人 古いことでありまして、私としましてもにわか勉強と率直に申し上げた方がよかろうかと思いますが、にわか勉強をいたしたのでありますが、いま一機、先生のおっしゃったあれで、トライスターについては十六万ドルの輸入手数料をもらうことになっておるのであります。ところが、最初の四機につきましては、ちょっと不正確かもしれません、九万四、五千ドル程度でありました。私もこれは最初の四機、なぜこういうことに低いのだということで聞きましたが、担当の大久保当時常務の前の常務が担当しておったころのようでありますが、向こう、ロッキード側の償却に充てるためにひとつ丸紅に協力してくれというようなことを言われて、やむを得ずそういうことを承認したということでございます。
  1135. 小林進

    ○小林(進)委員 この点にも大変大きな疑惑が残っておりまするから、これはやはり文書で、資料で明確に、十六万ドルが六万二千五百ドル減ったその経緯をひとつ提出していただきたいと思います。  次に、ひとつわび状の問題でしばしば質問が出ましたが、本当に皆さん方は、あのわび状は、内容は少しも訂正していない、わび状にならないわび状だということはこの中で明らかになった。あなたの方は非常に憤慨しているとか、いろいろの言葉がございましたが、その憤慨をどういう形で一体示されるのか。これは委員長もずいぶん強く言われた。名誉棄損の訴訟をこれはおやりになると言ったのだから、本当におやりになるかどうか。もし訴訟をお出しになれば、訴えたあなたのところも全部検察庁のそれぞれの捜査を受けなくちゃならないが、そういうみずからの姿勢も、捜査を受ける覚悟でもおやりになるだけの決意があるのかどうか。これは自分の方にも臭いところがあればできませんから、だから私どもは、あなた方が一生懸命やるやると言っているけれども、本当に丸紅さんにはあるのかどうなのか非常に疑いがありますから、これをはっきり聞いておきたい。  それからもう一つは、これくらい憤慨をする相手会社なんだから、これはあなた方のところですぐできる、総代理店契約は、これはいまでもできることですから、一体おやめになる意思があるかどうか。それからいま一つは、P3C、こういうロッキードの対潜哨戒機などというもの、それを取り継ぐのを、日本政府や防衛庁に取り継ぐようなそういうことも、一切これはやめる。裏手も裏手もなし。こういう一体ロッキード会社とは縁を切るという、そういう決意、行動をお起こしになる考えがあるかどうか。国民はここで二日間にわたる証言を聞いたところで、調子のいいことを言っているわいと、腹の底からあなた方が憤慨したり、腹の底からあなた方が白いなどとはまだ国民はだれも信じていない者が多い。本当に皆さん方に顧みてやましいところがない、顧みてきれいだと言うならば、国民に向かってきちっとこういう黒い影を持つロッキード会社の総代理店はやめた、そういう飛行機は扱わないということを私は天下に声明すべきだと思う。あわせて私は名誉棄損で訴訟も起こすべきだと思うが、この点の決意はいかがでございますか。
  1136. 松尾泰一郎

    ○松尾証人 名誉棄損で訴えるかどうかという問題、また現在の契約をどうするかという問題、先生のおっしゃいましたP3Cというものは、要するに現在の契約をなくせばそれで問題は自動的に解決するわけであります。先ほども委員長お尋ねに対してお答えしましたように、断固たる態度で臨む、あらゆる法律上許される手段をとるということを申し上げたのであります。それで御了承をいただきたいと思います。
  1137. 小林進

    ○小林(進)委員 それでは総代理店契約をおやめになりますな。おやめになりますな。総代理店契約をおやめになりますな。どうですか。
  1138. 松尾泰一郎

    ○松尾証人 それも含めて検討するということを申し上げておるのであります。
  1139. 小林進

    ○小林(進)委員 私はそこら辺をきちっとやらなければ、丸紅さんに対する国民の不信頼は回復できませんよ。一昨年もあなた方はモチ米の買い占めで国民に大きな騒動を与えて、旬年を出ずしてまたこれをやっているのですから、本当に国民の前で姿勢を示すならそれをやってくださいよ。  私は時間がありませんからいま一つだけ言っておきますが、一体檜山さんか大久保さんか、ともかく政府の当局に金をお渡しなさいと言ったということをあなた方は知らぬと言っているが、これはコーチャンも思いつきで言っているんじゃないんだ。この中には、ちゃんとその金を渡すように勧めた人の名前はだれかということをパーシー上院議員が聞いている。それで、答えないから、その人は児玉氏かと彼は押している。いや、違いますと、こうコーチャンは答えている。パーシーは次いで、それでは小佐野氏かと、こう言って追及するのに対しても、コーチャンは、いやそれではない、こう言っているのです。それではだれなんだ、はっきり言いなさいと、こう言ったけれどもコーチャンはしゃべらないから、そこでパーシーはあなたに、その金を政府の要人にやりなさいと言った人はもう秘密の委員会でも名前は出ているのですよ、すでに委員会で挙げられているんだ、その問題の人だけをいまここで別に扱うとしてもそれは納得できない、政府に金を上げなさいと言ったその人たちこそあなた方をここまで引きずり込んできた人たちではないか、だから言いなさいと、こう言われて、そこでコーチャンがこう言っているんだ。わかった、私に金を払うよう勧めたのは丸紅の二人のうちのどちらか、つまり、当時社長だった檜山か、私が特に取引で関係した重役の一人の大久保氏だか、このどちらかが、もし日本でうまくやろうと思うならこの種の金は出さなければならぬと勧めた、と彼はこう言っているのでございまして、実にそれは追い詰められて確信を持って言っているのでありますから、この点はひとつよく考えていただきまして、あなたは社長ですから、人事権はあなたがお持ちなんでしょうから、こういう問題もひとつきちっとやって、国民の前に身のあかしを示すという、外に向かってはいわゆる総代理店をやめる、内に向かっては人事権を持つ社長がきちっとこういう人たちの処分をして、天下にひとつ明確な区分を示していただきたいと思いますが、いま一度この問題の決意を伺っておきたいと思うのであります。
  1140. 松尾泰一郎

    ○松尾証人 断固たる態度をもって対処するということを申し上げておきます。
  1141. 正示啓次郎

    ○正示委員長代理 これにて安井君、小林君の発言は終了いたしました。  次に野間友一君。
  1142. 野間友一

    野間委員 コーチャン証言あるいはフィンドレー証言、これが全くの事実無根だ、ふんまんやる方ない、法的措置をとるんだとあなたは先ほど言われた。具体的にこの中身について聞くと、まだそこまでは考えていない、こういうことなんですけれども、もう一度聞きますが、具体的にどのような法的措置をとるのか。いまあなたのところでは決めておるのかどうか。
  1143. 松尾泰一郎

    ○松尾証人 この問題は、いままでの私たちの研究によりますれば明確なる結論が出ないのでありまして、アメリカ日本との法律の差もありましょうし、そういうことで先ほど来申し上げておりますように、アメリカの弁護士にもこちらへ来てもらい、日本側の権威者とどういう措置が法律上可能であるかということをなお十分研究してもらう、必要ありということを申し上げておるのであります。  どういう措置をとるかと言われましても、法律上不可能なことを私がとると申し上げても、うそ八百言ったと、またこれはなにになるかもしれませんので、だから、私はあらゆる可能な措置をとるべく、そういう専門家の力をかりて研究しているということを申し上げておるのであります。
  1144. 野間友一

    野間委員 できないものはできませんよ、それは。あたりまえの話なんだよ。刑事上の責任追及、法的措置の追及、民事上の措置の追及、両方あります。名誉棄損になるのかならないのか、これも大事な問題です。  と同時に、あなたも先ほど秘密エージェント、これは契約違反だというふうに言われた。民事上の措置も当然考えるべき筋合いのものであります。ところが、いまのあなたの発言によりましても、具体的にまだ決めていない。法律的にできないもの、これはできません。しかし、できるものは必ずやる、これがもしあなたが言うのが前提とすれば、当然とるべき態度じゃありませんか。いまのあなたの話を聞いておると、とると言いながら、とりたいという願望にしか聞こえません。  そこで、もう一遍聞きますけれども、本当に法的にとり得る措置があれば、刑事的にもあるいは民事的にも当然とるべき措置はとると、こうお聞きしてよろしいですか。
  1145. 松尾泰一郎

    ○松尾証人 可能なる方法があればとることにやぶさかでございません。
  1146. 野間友一

    野間委員 契約違反の問題についても、これはできるわけです、私法上の問題ですからね。確かに顧客との関係があるかもわかりません。しかし、それは部分的な問題であって、漸次これを縮小していくとか、いろいろ方法はある。あらゆる可能な手段は全部とると、これを本当にここで断言してください。
  1147. 松尾泰一郎

    ○松尾証人 ただいま申し上げたとおりでございます。
  1148. 野間友一

    野間委員 ところで、昭和四十四年の三月に、従来の基本契約で約束されておった口銭が約半分に減っておるわけですね。この点についてわが党の正森議員質問をして、大久保証人がそのとおり間違いないと、こう認められた。あなたもそれに沿うような趣旨の証言をされております。これはあなた知っていますね。
  1149. 松尾泰一郎

    ○松尾証人 大久保証人がどういう発言をしたか、御存じのようにわれわれ隔離されておりましたので、わかりません。私がいま小林先生に申したとおりでございます。
  1150. 野間友一

    野間委員 あなたも商社の社長なんだよね。商社がいままでの口銭が半分になるということは一体どういう意味を持つのか、これはあなたおわかりだと思うのですね。従来の契約がある、基本契約があって、契約が継続しておる。突然これが、口銭が半分になる。これはどういうものを意味するのか、お答えいただきたいと思います。
  1151. 松尾泰一郎

    ○松尾証人 半分ではないように思うのでありますが……(「半分だよ」と呼ぶ者あり)私の記憶間違いかもしれませんが、半分ではない。かなり減額されていることは事実でありますが、これも担当者からの報告を私は信ずるよりほかしようがないのでありまして、余り想像を加えることは許されないようでございますので慎しみますが、報告を受けましたのは、最初の四機につきまして、先方側のいろいろ償却をしなければいかぬものが多いから協力をしてくれと言われて、大久保君の前の常務が了承した、サインをしたというふうに報告を受けておるのであります。
  1152. 野間友一

    野間委員 あなた、やはり社長でしょうが。社長はそういう無責任なことを言っちゃ困るじゃないか。しかも、商社の場合に、口銭が半分に下がるということは、いわゆるこれが眠り口銭になるということを意味するでしょうが。しかも、時期的に見ますと、昭和四十四年一月に、あなたも新聞等で御承知のとおり、児玉氏とロッキードとの間でコンサルタント契約が締結されておる。これは新聞で見ましたでしょう。ちょうど時期が符合するわけですよね。つまり、あなたのところの口銭が半分になったその直前に、児玉とロッキードとの間の契約のこれが締結されておるという事実があるわけですね。これは商社として常識じゃありませんか。したがって、あなたは、丸紅商社は、この児玉とロッキードの間に一つの秘密エージェントの約束があったということを知っておるはずだと思うのです。これは常識じゃあまりせんか。
  1153. 松尾泰一郎

    ○松尾証人 児玉さんとロッキードとがそういう秘密の契約があるということは、古くからその当時の者に聞きましても、そういうことは全然知らないと申しておるのでありまして、これはその当時から担当しておった大久保専務なりに十分お聞きになったことかと思うのであります。私は、児玉さんの件と丸紅とのこの契約とは全然別個のものだというふうに信じております。何ら関係がないというふうに考えております。
  1154. 野間友一

    野間委員 信ずる、信じない、これはあなたに判断を聞いておるのじゃない。事実を聞いておるわけです。あるいは、その事実をあなたの立場として、丸紅としては当然知らなければならない、また、常識的に考えても知るべき立場にあり、またこういう事実があった、これを申し上げておるわけですね。あなたはあくまで否定される。  それじゃ関連して聞きます。全日空に対するトライスター売り込み、これは丸紅だけで順調に進んだのかどうか、いかがですか。
  1155. 松尾泰一郎

    ○松尾証人 これももうすでに檜山会長なり大久保専務に十分お聞き願ったことと思うのでありますが、私、先ほど申しましたように、当時、こういうネゴシエーション等に関係をいたしておりませんので、どういうことであったかということはよく承知いたしておりません。
  1156. 野間友一

    野間委員 あなたは昭和四十七年当時は機械関係の本部管掌の副社長でしょう。そうですね。
  1157. 松尾泰一郎

    ○松尾証人 さようでございます。
  1158. 野間友一

    野間委員 そうすると、あなたは航空機の管掌をしておるところじゃありませんか。いかがですか。しかもこれは、トライスターの機種の決定から発注、このときにはもうすでにあなたはこういう仕事をされておった、そうでしょう。
  1159. 松尾泰一郎

    ○松尾証人 確かに制度的にはさようなことになるわけでありますが、管掌とか担当というものは社長の補佐役であります。社長が不在であるとか社長の委任を受けた場合には代行をいたしておりますが、その仕事の実態は本部長がいたしておったということでありまして、まあこれは私の責任逃れを言うておるわけじゃないのですが、勉強不足なのか、部下が十分に私に連絡をしてくれなかったのかもわりませんが、いずれにしましてもよくわからぬのであります。
  1160. 野間友一

    野間委員 そんないいかげんな答弁をしちゃ困るじゃないか、あなた。宣誓して証言しておるわけでしょう。しかも私が聞いておるのは、四十七年当時、これは問題になったときだ。このころすでに機械関係の本部の管掌の副社長だ。これはあなたは関心がないなんていうようなことは、これはありようはずがないわけですね。売り込みは容易であったのかどうか、それはどうでしょうか。簡単にこれが全日空に対する売り込みができたのかどうか。いかがですか、もう一遍答弁してください。
  1161. 松尾泰一郎

    ○松尾証人 先ほど申し上げたとおりでありまして、むずかしかったかやすかったかというようなことは、私よりも檜山会長なり大久保専務にお聞き願った方が、その辺の実態はよくわかるかと思います。
  1162. 野間友一

    野間委員 委員長に申し上げますが、証言法に基づいて聞いておるわけですよ。聞いたことに答える義務があるのですよ、あなたは。委員長、私の聞いたことに忠実に答えるように言ってください。
  1163. 正示啓次郎

    ○正示委員長代理 松尾証人に申し上げますが、いま野間委員から御要望のように、端的に質問お答えをいただきます。
  1164. 松尾泰一郎

    ○松尾証人 事実を申し上げておるのであります。想像して申し上げたくないわけであります。
  1165. 野間友一

    野間委員 だから、あなたが知っておる事実を私は聞いておるわけだ、その売り込みについて。
  1166. 松尾泰一郎

    ○松尾証人 知らないのであります。
  1167. 野間友一

    野間委員 何にも知らないのですか。あなたは責任者でありながら何にも知らないのですか。売り込みが容易であったかどうか。苦労したかどうか知らないのですか。
  1168. 松尾泰一郎

    ○松尾証人 知らないのでございます。
  1169. 野間友一

    野間委員 そんなばかなことがありますか、あなた。あなたはいやしくも航空機関係の管掌をしておる副社長でしょうが。知らないとは一体何でしょうか。そんなばかなことがありますか。  委員長、もう一度注意してください。知らないなんてそんななめたことを言うな。
  1170. 正示啓次郎

    ○正示委員長代理 松尾君、ひとつ端的にお答えください。
  1171. 松尾泰一郎

    ○松尾証人 幾ら怒られましょうとも、報告を受けなければわからぬわけであります。わからないものはわからぬと申し上げておる。知らないものは知らぬと申し上げておる。その方が忠実であろうかと思います。知らないものを知ったように申し上げることはかえっていけないのではないかと、こう思います。
  1172. 野間友一

    野間委員 あなたのところの会社は一体どうなっておるのだよ。だれに聞いたってみんな責任分散するじゃないか。最後は一体どこに行くんだよ。全部しわ寄せじゃないか。  それでは、この点については私は保留します。  さらに続けます。あなたのところでは社内報を出しています。「まるべに」というやつ。そうですね。
  1173. 松尾泰一郎

    ○松尾証人 出しております。
  1174. 野間友一

    野間委員 松井さんが亡くなったときに、これは七四年の五月、「まるべに」という社内報ですけれども、これで坂という前の航空機課長、この人が追憶の文章を書いております。坂という人は、いまは自動車部長付のようですが、前航空機課長をやっておったということをあなたは認めますね。
  1175. 松尾泰一郎

    ○松尾証人 そうでございます。
  1176. 野間友一

    野間委員 この「松井さんの追憶」という文章によりますと、「ロッキード社資金不足顕在化は、致命的試練としてわれわれの頭上に加わり、」——その前からあるのですが、「昭和四十二年当初よりこのセールスは困難を極めた。」、これはトライスターです。「ボーイング(日商)はすでに日航が採用し、機種統一の大義名分は厳とし、ダグラス(三井)は、商用航空機として日本市場に確立された名声と親近感があった。」。ところが、「ロッキード社資金不足顕在化は、致命的試練としてわれわれの頭上に加わり、さらに、全日空はすではダグラスに内定済みとの情報も、実は入手していたのである。」、それから大変な苦労があるということが出ておる。  これからすると、全日空がトライスター以前にすでにこれがダグラスに内定済みだということを丸紅は知っておったということが坂さんのこれに出ておる、この点はいかがですか。
  1177. 松尾泰一郎

    ○松尾証人 これも余り想像を加えて申し上げるのもいかぬのでございますが、余り私はよく知らないのでありますが、ロッキードが財政的にというか、非常に困難な立場にあったということは私もよく知っておるわけであります。
  1178. 野間友一

    野間委員 こういう困難な、すでにダグラスが決まっておると全日空の大庭さんも言っておる。決まっておる、決まったものにどうやって機種を変更させるか、これは大変難儀なこと。これは尋常な勝負じゃ商売できない。そこで政治的な力を加えて、ここから政界、官界、財界、これを通じてこれをひっくり返すということが必要になるということにこれは結びついていくと思うのですが、あなたは知らぬと言う。しかし、客観的なこの事実からすればそうせざるを得ない。このことは、これが米議会でのあのコーチャンやフィンドレー、この証言の信憑性を裏づけるものである、こうお考えになるのが私は常識だと思うのですが、いかがですか。
  1179. 松尾泰一郎

    ○松尾証人 昨日の公聴会におきまして、全日空の社長、副社長からいろいろの御説明があるのを拝聴したのでありまして、ああ、さようであったかというふうに知った次第でありまして、わが社に関してその困難があったかどうかというようなことについては、余り知らないのであります。
  1180. 正示啓次郎

    ○正示委員長代理 野間君、時間が来ましたから結論にお入りください。
  1181. 野間友一

    野間委員 じゃ、これで終わりますが、全く無責任きわまる。あなたは一体何のための社長だ。大丸紅というあなたの立場は一体何なのか。結局、あなたらは全部責任を分散して逃げようとする。しかもコーチャンやあるいはフィンドレー氏、彼らの証言と全く相反する証言をして、これでのうのうと逃げようと考えておる。私は断固としてあなたらの態度、これを非常に遺憾と考えておるのですけれども、この点についてはさらにほかの証言で、ここで事の黒白を明らかにしたい、こうつけ加えて終わります。
  1182. 正示啓次郎

    ○正示委員長代理 これにて野間君の発言は終了しました。  次に坂井弘一君。
  1183. 坂井弘一

    坂井委員 松尾証人に最初に申し上げておきたいと思いますけれども、あなたは、何もかも知らぬ存ぜぬということでは社長の責任を果たされるということにはならない。少なくとも今回の事件というものがあなたの社、これが重要なかかわり合いを持つ。したがって、あなたみずからの責任においてこの真相の究明をする。そして、いまこれだけ多くの疑惑を与え、また国民の多くは、まことに今回の事件が、今日までのこの証人喚問の経緯を見る限りにおいては、なおさらに一層の疑惑に包まれていくということに対して納得しがたい非常に大きなものがあろう。したがって、あなたが丸紅の社長である限りは、その責任という立場をまず明確に踏まえて、正確なる御証言をいただきたい、こう思います。  あなたの会社児玉譽士夫氏は非常に深いつながりがございますね。いかがですか。
  1184. 松尾泰一郎

    ○松尾証人 私の承知している限りにおいては、全然ございません。
  1185. 坂井弘一

    坂井委員 檜山会長伊藤専務児玉氏と一切かかわり合いはないと、あなたはこの場で証言できますか。
  1186. 松尾泰一郎

    ○松尾証人 二人からさように聞かされておりまして、それを信じておるのであります。
  1187. 坂井弘一

    坂井委員 聞かされておりますと一あなたみずからはどのように、ただいま申しました檜山氏あるいは伊藤氏、児玉氏と関係があるかないかにつきまして、あなたはどう思っていらっしゃいますか。
  1188. 松尾泰一郎

    ○松尾証人 お二人とも関係がないと私に申しておりますし、私もそうであろうということを信じておるということを申し上げたのでありますが、それをどうこうとおっしゃいましても、どういうことなのか私もちょっと返答に困るわけでございますが……。
  1189. 坂井弘一

    坂井委員 あなたの社内の幹部から、あなた自身に、檜山氏や伊藤氏は児玉氏と非常に深いつながりがある、それも一年や五年や十年ではない、二十年あるいはそれ以上前からだということをあなたはお聞きになっていませんか。
  1190. 松尾泰一郎

    ○松尾証人 全然聞いておりません。
  1191. 坂井弘一

    坂井委員 後ほどこのことについてはやがて明らかになるでしょう。  あなたの会社が四十七年から四十八年、いわゆる狂乱物価の当時、悪徳商法をほしいままにして国民から大変な糾弾を受けました。御承知のとおりであります。肝に銘じているはずだと思います。あのときに木材あるいは大豆、羊毛、それからやみ米、豚肉の輸入に伴うところの関税法違反、ずいぶん世間を騒がしたものであります。当時、この黒いつぶてがピーナツとかピーシズとかユニットとかいう形でもってあなたの社に六億の金が流れてきた、政治工作資金として。当時、このような狂乱物価の際に、まことに反社会的な行為を行ったあなたの会社であるということを十分認識され反省されていると、私はそう信じて、そしてあなたにその反省の上に立って真実を証言してもらいたい、これを期待しながらお尋ねをしているわけであります。  当時、つまり四十三年から四十七年までの間に、あなたの会社において経理上不正な行為があったことをあなたは御存じですか。
  1192. 松尾泰一郎

    ○松尾証人 納税の問題につきまして不始末があり、更正決定と申しますかを受けたことは承知いたしております。
  1193. 坂井弘一

    坂井委員 後ほどこの件に関しまして渡部委員が明らかにしてまいりますが、当時あなたの社は、米国丸紅との間で架空伝票等を交換しまして多額の不正な金をプールした。架空伝票の操作あるいはその金が一部ヨーロッパ等に流れた。それがすでに国税当局の摘発により、そしてその摘発され、摘発後の指摘において、この脱税の金がどこに使われたかということについて内外の政治献金、機密費、そのことが明らかにされておる。そのことをあなたは御存じございませんか。
  1194. 松尾泰一郎

    ○松尾証人 その当時、納税上手続的な過失があったということについては存じておりますが、それが政治献金に回ったというふうな御指摘がございましたが、もしそういう事実があれば、正直なところ、私、新社長としてそれを伺いたいのであります。私はそういう報告も受けなければ、そういうことはなかったと私は思っておるのであります。
  1195. 坂井弘一

    坂井委員 国税当局の調べの中で、なぜ脱税行為が行われたか、それはいわゆる機密費、それの示すものが政治献金であるということについて、あなたは一切御存じない、こうおっしゃるのでしょうか。
  1196. 松尾泰一郎

    ○松尾証人 存じません。また私は、政治献金などにそういう金が使われたというふうには考えられません。
  1197. 坂井弘一

    坂井委員 きわめて松尾証人、ふまじめだと思いますよ。これだけの十数億にのぼる脱税行為をあなたの社が犯した。重加算税を追徴された。なぜ脱税をしたかというと、先ほど私があらまし申しましたが、手口はいろいろあります。米国丸紅等を使いまして、架空の伝票を操作したり、脱税の目的はどこにあったかというと、内外に対する政治工作資金政治献金、機密費、それが指摘されておる。脱税をしたということについてきわめて深刻な反省に立つならば、あなたは社長としてなぜ脱税があったのかということを当然御調査されて、その上に立って是正されるのが当然じゃありませんか。そういう姿勢もない社長であるならば、先ほどからの証言のとおり、あなた御自身がお知りになっても知らぬ存ぜぬで通そう、こういう魂胆以外の何物でもないとしか私は言いようがありません。  この問題につきましては、渡部委員が関連で質問いたします。
  1198. 正示啓次郎

    ○正示委員長代理 次に渡部一郎君。
  1199. 渡部一郎

    渡部(一)委員 あなた、昭和四十三年から四十六年までの三ヵ年にわたりまして、丸紅が十八億の脱税を行い、国税当局の査察を受けて膨大な追徴金を払われた。不正所得が約十億。十億円に近い脱税に対して約三億円を支払われたということについては御存じですか。
  1200. 松尾泰一郎

    ○松尾証人 金額、時期等については、正直に申しまして全然記憶がございませんが、納税につきまして不始末があったということは聞かされたのであります。申し添えますが、その当時、私は財経担当をいたしておりませんので、詳細は全然存じません。
  1201. 渡部一郎

    渡部(一)委員 あなたは、三十九年から専務、四十一年から副社長ですね。それが、そういう大事な問題を知らないというのは、私は理解できない。それだけじゃなくて、大変問題なのは、この費用というものが、本社経理担当幹部と丸紅米国の経理担当の打ち合わせによって、裏経理勘定として秘密裏に運用されておった。このプール資金が問題になっているわけです。丸紅は当時、こういう裏資金を持っておったということはお認めになりますね。
  1202. 松尾泰一郎

    ○松尾証人 全然存じません。
  1203. 渡部一郎

    渡部(一)委員 あなたは、こういう問題が国税庁の査察において明快になり、本社においてはこの内容が国内の機密費あるいは政治献金として運用されておると国税庁が査察の結果認められたということを御存じないのですか。
  1204. 松尾泰一郎

    ○松尾証人 ただいま申しますように、不始末があったことは知らされておりましたが、それが内外の政治献金に使われたというようなことは財経の担当からは全然知らされておりません。
  1205. 渡部一郎

    渡部(一)委員 あなたは知らない知らないとおっしゃいますが、これは国税庁にお問い合わせをなされば明快なことです。そして、お問い合わせになった上、知らないということでは済まないということがわかるでしょう。  しかも、このような裏操作の金を持っておったということは、あなたの前の説明をなすった丸紅の幹部たちは、裏資金を持っておりませんと言いましたけれども、裏資金を明快に持っていたことを国税庁が証明しております。あなたはその場合に、あなた方の偽証罪というものをどういうふうに弁明されるおつもりか、決意だけ伺っておきたい。
  1206. 松尾泰一郎

    ○松尾証人 ただいま申しますように、丸紅が裏資金を持っておったということについては事実も知りませんし、私はそういうことはなかったと確信いたしております。
  1207. 渡部一郎

    渡部(一)委員 これは将来大問題になりますから、私は御注目いただくように委員長にお願いしておきます。  次に、私はあなたに書類一つ渡しておきます。政治献金です。あなたの会社は、そのころ大量のそういう機密費をつくり、政治献金を運用しておられました。このリストを私の方は自治省の古い倉庫の中から調べ上げて一応つくったわけであります。これをチェックされた上、本当かどうかをお答え願いたい。それが本当かどうか、ただいまお答えができないのならば、後ほどあなたの方から資料の御提出を仰ぎたい。  念のため申し上げておくと、昭和三十年、石橋湛山後援会、経済再建懇談会。三十二年、経済再建懇談会、宏池会、自由民主党。三十三年、蓬庵会——これは石井光次郎氏のものであります。石橋湛山後援会、経済再建懇談会、自由民主党、その他。三十四年、経済再建懇談会、石田博英後援会、その他。三十五年、蓬庵会、経済再建懇談会、石田博英後援会、宏池会、岸信介氏の信友会、湛山会、国政研究会——これは倉石忠雄氏のものであります。その他になっております。四十五年、国茂協会、それから相武政経研究会、忠政会——これは久野忠治氏のものであります。それから竹帛会、これは宇野宗佑氏のものであります。その他であります。四十六年、国民協会、相武政経研究会、竹島会、その他であります。  このように並んでおりますが、これをチェックされ、このとおりかどうか。まあお答えむずかしいかと思いますが、後ほどこれを御提出を願います。いかがですか。
  1208. 松尾泰一郎

    ○松尾証人 非常に古い時代にまたがっておりまして、私が丸紅に入りました前の年度も五、六年ございますが、これらについていま答えるだけの資料は私持っておりませんので、後でお答えをさせていただきたいと思います。  また、政治献金につきましては、わが社といたしましても、何といいますか、そうたくさんではないが、まあ会社の力に合ったのをさせていただいておるのでありますが、それらにつきましては、ひとつ委員会から要請がございますれば資料は差し上げたいと思います。
  1209. 正示啓次郎

    ○正示委員長代理 渡部君、時間ですから結論にお入りください。
  1210. 渡部一郎

    渡部(一)委員 あなたは先ほどからいろいろなことを知らぬ存ぜぬとまあ言い続けておられるわけです。ところが、こういうことは国民がテレビで見ており、アメリカ国民も注目しておりますと、いろいろな問題がだんだんだんだん、こうばれてくるわけですね。  私、念のために申し上げますが、コーチャン氏との問題で、あなたは賄賂資金として二百万ドル受け取ったことがないとか、日本高官に仲介したことがないとか、賄賂を勧めたことがないとか、いろいろ言われました。しかし、その全部をコーチャン氏が、あなた方の言うわび状、釈明書において釈明したと思われるかどうか。これは非常に微妙な問題です。私はあれは釈明になってないと思います、原文を拝見してみまして。ただ、あなた方を窮地に追い込んだということだけをわびている。だからコーチャン氏は、自分の言った言葉は、証言は全部正しいとアメリカにおいて取材者に対して繰り返して言明をいたしておる、こういうわけですね。ですから、あなたはこの問題について、これ以上あなた方が変ながんばり方を示すと、やがてその内容を全部ひっくり返すような証言が出てくるのではないか、私はこう思うんですね。  この際、申し上げておきますが、問題のその政府高官名前を言っていいかという打診がアメリカの国務省から日本の外務省に到着しておるという報道が、ただいま七時のニュースにおいて、NHKのテレビにおいて報道されておる。ということは、アメリカ政府側は日本のあなたの会社が仲介してお届けになった賄賂というものを渡した高官名前を知っているということを示しておる。これは明らかにあなた方の証言全部を覆すだけでなくて、もうとんでもないことにおたくの社はなりますよ。ですから私は、あなたは先ほどから詰め寄られると、その問題についてそう信じているとか、記憶がないとか、そういうふうに部下からまだ報告がないとか、いろいろな陳弁を弄されておられるけれども、国民の前で、こういう陳弁のあげくの果てに丸紅全体の評価を下げ失敗してしまうということがあり得る。だから私は申し上げるのですけれども、こういう政府当局者名前がいよいよ出てくるとしたら、どうされるおつもりなのか、そのときの責任はどうされるおつもりなのかと私は最後に申し上げておきたい。そして、こういうような黒い霧に包まれたままの丸紅というものは今後存在が大変むずかしくなるということを御社のために憂えておきたい。それだけ申し上げておきます。
  1211. 正示啓次郎

    ○正示委員長代理 松尾君、答弁をしてください。
  1212. 松尾泰一郎

    ○松尾証人 すでにけさほど来、私を含めまして四人の者が申しておることは、間違いがないと思うのであります。思うと言うと、また逃げるようにおっしゃいますが、当時そういうことに関与しておらなかったはずでありますので、そう申し上げるほかいたし方がないのでありまして、いかようなことになりましても、私はそういうことはなかったというふうに信じておるのであります。  いずれにしましても、今回のこの問題を契機にしまして丸紅が信用を失墜したということについては、非常に残念に思っておるのであります。これの回復につきましては、私としては最善の努力をしたいと申し上げておきます。
  1213. 正示啓次郎

    ○正示委員長代理 これにて坂井弘一君、渡部一郎君の発言は終了いたしました。  次に永末英一君。
  1214. 永末英一

    永末委員 松尾証人は、先ほどP3Cの件に関し、現在の契約をなくすればこの問題はなくなると、その場で証言をされました。間違いございませんね。
  1215. 松尾泰一郎

    ○松尾証人 さようでございます。
  1216. 永末英一

    永末委員 もう一遍確認します。間違いございませんね。
  1217. 松尾泰一郎

    ○松尾証人 わが社に関する限りは、ございません。
  1218. 永末英一

    永末委員 その松尾証人の言われました現在の契約とは、どの契約を指すのですか。
  1219. 松尾泰一郎

    ○松尾証人 どの契約と言われましても、ここに資料を持ち合わせておりませんが、私の記憶によりますと、現在ロッキードと三つぐらい契約があるように記憶しておるのであります。その中の一つではなかろうかというふうに思っております。
  1220. 永末英一

    永末委員 ロッキードの契約の仕方は、基本契約を行う、そして丸紅、あなたの会社はいろいろな機種を手がけられる。その機種の手数料についてはそのたびごとにその手数料の額を定めますから、基本契約に対するアメンドメント、すなわち改正、修正を行ってきておる。これがあなたの会社昭和三十年代の初め以来とってきたものだと、われわれは承知をいたしておる。相違ございませんか。
  1221. 松尾泰一郎

    ○松尾証人 三十三年以来のことでありまするので、この基本契約と個別の契約になっておったかどうかについては私も勉強不十分でございますが、現在の三つの契約を見ますと、別段基本契約とかなんとかいうことじゃなしに、若干機種が重複をしておるものもございますが、一応民間機の関係あるいは軍用機の関係というふうに区別をしているように記憶しておるのであります。
  1222. 永末英一

    永末委員 三つの契約一つずつP3Cに関係があるのですか。
  1223. 松尾泰一郎

    ○松尾証人 そうではないと思っております。
  1224. 永末英一

    永末委員 それではどの契約ですか。
  1225. 松尾泰一郎

    ○松尾証人 三つの中の一つではないかと思っております。
  1226. 永末英一

    永末委員 それは何年度に結ばれた契約ですか。
  1227. 松尾泰一郎

    ○松尾証人 現在の契約はいずれも四十七年の十月でありましたか十一月でしたか、もう一つ記憶しておりませんが、そのころではなかったかと思います。     〔正示委員長代理退席、委員長着席
  1228. 永末英一

    永末委員 われわれの知り得るところでは、あなたの会社はロッキードと四十七年十一月一日に市場代理店に関する契約をしております。これですか。
  1229. 松尾泰一郎

    ○松尾証人 契約は三十三年以来いろいろ変遷をし、リバイズを重ねてまいっておるのでありまして、いま先生のおっしゃいました四十一年というのは私もよくわからないのですが……(永末委員「四十七年」と呼ぶ)四十七年——現在の契約は四十七年の契約が三種類ございます。
  1230. 永末英一

    永末委員 四十七年の契約は付属の条項がございまして、その中にトライスター等が書かれてございます。その他のあなたのいままで手がけられた航空機の部品も書いてございます。しかし、P3Cは明示されていない。私がお聞きしたいのは、先ほど、ロッキードが生産しているあらゆる商品、生産品に対して、あなたは、この日本地域における唯一の代理店であるということを申された。したがって、その契約は一体どれを指しているのかということを伺っておるのであって、あなたの言われる三つとかなんとかというのがあり得るとするならば、あなたの方の書類に明らかなように、コントラクトLAIL四〇一一という契約はこのトライスター契約をするについても現存しておったらしい。さらにまた、これはそれ以前にさかのぼる昭和三十年代の初め、あなたの会社がF104やないしはT33を手がけた以前につくられた基本契約があるはずである。したがって、一体どの契約であなたがいまP3Cの問題を考えているかを伺っておる。明確にお答えを願いたい。
  1231. 松尾泰一郎

    ○松尾証人 実は私も記憶が少しはっきりいたしませんが、率直に申しまして、私のにわか勉強で申しわけありませんが、にわか勉強したところによりますと、もう相当前から、三十三年であったか四十一年であったか私は記憶がありませんが、そのころからP3Aという飛行機があったようであります。その後それが発展しましてP3シリーズというふうに変化いたしております。またそれが、私が申しました現契約といいますのは四十七年の何月かでありますが、その中には、それはP3Cというふうに書かれておるように記憶をいたしておるのであります。
  1232. 永末英一

    永末委員 コンサルタント契約を結びました児玉譽士夫氏は、四十八年七月二十七日にロッキード社とこの基本的なコンサルタント契約に対する修正を行いました。そして新たにP3Cの問題につきましてもコンサルタントの役割りを果たすという約束をいたしました。いまあなたの御説明では、四十七年十一月一日のロッキード社丸紅契約にすでにP3Cが書いてある、したがって、新たにP3Cだけの契約はしてなくてもこの問題は取り扱われるのだ、こういう意味の御陳述がございました。相違ございませんね。
  1233. 松尾泰一郎

    ○松尾証人 さようでございます。
  1234. 永末英一

    永末委員 それでは、現在あなたは丸紅の社長としてP3Cの販売について努力をしておられますね。
  1235. 松尾泰一郎

    ○松尾証人 先ほども申しましたように、私自身何の努力もしてないということを申し上げたいのであります。
  1236. 永末英一

    永末委員 いやしくもロッキード社日本地域における唯一の代理店であるあなたが、P3A以来この飛行機は連綿として改装を加えつつ今日に至り、P3BからP3Cになっておる、その販売について契約をしながら、あなたは販売に努力をしないのですか。
  1237. 松尾泰一郎

    ○松尾証人 担当の者は努力をしておると思いますが、私、社長としまして部下から、こういう動きをせいとか、こういうふうに頼みに行けとか言われたことがないのでありまして、私自身としては、まことにふがいないという印象を与えるかもしれませんが、そのとおりでありまして、何にもいたしておらない、これが事実でございます。(発言する者あり)
  1238. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 ちょっとお待ちください。  委員長から松尾証人に一言申し上げますが、そうすると、あなたの会社は、その係の人だけが努力して社長は何にもしないということですか。これは委員会に対して、あなた、おっしゃることははなはだもってけしからぬ答弁だと思います。注意をいたします。
  1239. 松尾泰一郎

    ○松尾証人 社長としましてあらゆる問題に何もしないというわけではない、現段階においては係がいろいろやっておると思うのでありますが、私までに問題が上がってこない。その意味におきまして、私としては何らまだ動きをいたしておらぬということを申し上げておるのであります。
  1240. 永末英一

    永末委員 大久保専務は、この航空機問題に対するあなたの方の、部門としては最高の責任者ですね。
  1241. 松尾泰一郎

    ○松尾証人 さようでございます。
  1242. 永末英一

    永末委員 あなたがただいま私に対しP3Cの問題に対して証言されたことと、先ほどあなたの会社大久保専務がこの点に関し証言されたことは全く食い違っております。これは丸紅の不統一を示すならばあなたの会社の不名誉でありますが、後刻大久保専務が再びこの証言台にあらわれると思いますので、その点ははっきりいたしておきますが、もう一度あなたのはっきりとした御答弁を願いたい。あなたの社長の努力は別としても、丸紅は、現在P3Cの販売についてロッキード社から代理権を得て、その努力をしなければならない立場にあると私は解釈しておりますが、相違ございませんね。
  1243. 松尾泰一郎

    ○松尾証人 先ほど申しますように、契約の文言から言えば努力をしなければいけない立場にございます。
  1244. 永末英一

    永末委員 あなたは昔通産省におられたようでございますが、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律、いわゆる独占禁止法の第二章第六条第二項に次のような言葉がございました。「事業者は、国際的協定又は国際的契約をしたときは、公正取引委員会規則の定めるところにより、当該協定又は契約の成立の日から三十日以内に、当該協定又は契約の写を添附して、その旨を公正取引委員会に届け出なければならない。」とありますが、これらロッキード社との国際契約を届けられましたか。
  1245. 松尾泰一郎

    ○松尾証人 今日現在では届けておるわけでありますが、先ほども質問いただきましたように、届けがかなりおくれたということで公取委員会からもおしかりをいただきまして、受け付けていただいたというふうに報告を受けておるのであります。
  1246. 永末英一

    永末委員 P3Cの関係まで参りますと、それはストレートにわが国の防衛庁に対する外国飛行機アメリカ航空機売り込みになるわけでありまして、われわれはすでに昭和三十三年、三十四年において、防衛庁に関しロッキードとグラマンの売り込みについて、きわめて日本の防衛に関し望ましくないうわさを耳にしております。したがって、もし今回のようなトライスターという、民間の航空会社に対する航空機売り込みでさえ、アメリカにおいてあなたの方は賄賂に関係したという証言がなされておる。もし防衛庁に対する航空機売り込みに同じような問題が出てくれば大変なことであると私は心配をいたしておる。  この意味において、いまP3Cは丸紅としては取扱商品の中だと思いますが、今後もこのような問題の絶滅を期するためには、賄賂のごとき問題はあってはならぬと考えますが、あなたもそう思いますか。
  1247. 松尾泰一郎

    ○松尾証人 そういう賄賂のごときことは絶対にあってはならぬと思っております。
  1248. 永末英一

    永末委員 あってはならぬというのは、主観的にはそう思われますけれども、国民は、一体アメリカ航空機や武器を輸入をして、それを防衛庁に商社が売りつけるという行為の中に、きわめていかがわしい空気を察知するのであります。あなたの丸紅はその空気の中で、しかもトライスターによってこれだけの黒い霧の中に包み込まれているとするならば、P3Cの売り込み等については辞退をして、これからはもし航空機の導入があり得るとするならば、民間航空機に限り、軍用航空機は取り扱わないという御決心がございますか。
  1249. 松尾泰一郎

    ○松尾証人 まことに不幸にして黒い霧に包まれたわけでありますが、私は先ほど来申しておりますように、丸紅に関する限りそういう事実はないということを確信しておるのでありまして、先ほど来、ロッキードに対するいわゆる今後の対策として一般的に申し上げましたが、民間機あるいは軍用機、その他いろいろ含めまして、現在の契約をどういうふうにするか、廃止に持っていくのか、縮小するのか、またコーチャン自身の個人的な責任といいますか、を問うのかということについて、あらゆる方法をいま検討しておるということを申し上げたのであります。そういうことで御了承いただきたいと思います。
  1250. 永末英一

    永末委員 私の申し上げておるのは、やめるやめないはあなたの方の独自の判断で決まることである。しかもあなたは、民間航空機の輸入に対してもこれだけの疑惑を引き起こしたいわばその共犯の一人であるとするならば、しかもなおかつあなたはP3Cという問題の航空機に対して関心を持つ地位にある、こうなってくると、P3Cの採用か否か、まさにいま問題となっておるこの賄賂の問題が解決しない限り、前進させてはならぬ問題だ。これをあなたがそれにもかかわらず前進させるならば、日本の防衛の一番重大な基礎である国民合意は吹っ飛んでしまうのである。この際、この疑惑がしっかりと晴れるまでは、あなた方はP3Cの導入はしない、こういう覚悟。いわんや、ひいては軍用機の導入に商社が介入してはならぬ、競争によって売り込むような、そういう態度をしない、こういう決意があってしかるべきだと思いますから、この点について社長としてのあなたの御決心を伺いたい。
  1251. 松尾泰一郎

    ○松尾証人 先ほども申しましたように、慎重にまた真剣に対処したいということを申し上げたのであります。P3Cにつきましても、そういう態度で臨むということを申し上げておきます。
  1252. 永末英一

    永末委員 はなはだ証人の答弁は不十分でございますが、時間が参りましたので、これで終了をいたします。
  1253. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 これにて永末君の発言は終了いたしました。  以上をもちまして松尾証人に対する尋問は終了いたしました。  松尾証人には、御苦労さんでした。御退席を願って結構でございます。     —————————————
  1254. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 この際、先ほどの大久保利春証人より重ねて証言を求めることにいたします。大久保証人の入室を求めます。  委員から発言申し出がありますので、申し合わせの時間内でこれを許します。楢崎弥之助君。
  1255. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 あなたはこの事件が明るみに出てアメリカに立たれましたが、それを確認をしたいと思います。いつどこに向かい、ロサンゼルスにいた日は何日と何日と何日ですか。
  1256. 大久保利春

    大久保証人 私は五日に東京を立ちまして、同じ五日の夕刻にニューヨーク・ケネディ空港に到着いたしました。引き続きまして、ニューヨーク−ワシントン間の飛行機でワシントンに参りました。その晩はワシントンに泊まりました。翌六日でございますが、六日はワシントンに午前中おりまして、コーチャン証言が終わると同時にニューヨークに参り、ニューヨークにその晩は泊まりました。七日の日は、ニューヨークからロサンゼルスに参りました。ロサンゼルスにおいては、七日の夕、コーチャン社長に会いました。その晩はロサンゼルスに一泊いたしました。八日は、一日じゅうロサンゼルスにおりました。静養いたしたわけでございます。九日にシアトルに向かい、シアトルに一泊いたしまして、シアトルから帰朝いたしました。日本へ帰りました。日本時間にして十一日でございます。
  1257. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 実は入管の調べによりますと、ID社社長のシグ・片山氏、このシグというのはSHIGと書くのですね。この方は二月八日の日に羽田を出国され、パン八便でロサンゼルスに向かわれた。つまり、私は時差の関係はよくわかりませんが、八日の日にあなたは会われたんじゃないですか、ロサンゼルスで。
  1258. 大久保利春

    大久保証人 先ほど申し上げましたとおり、八日の日は一日ロサンゼルスにおいて休養いたしておりましたので、お会いいたしておりません。
  1259. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 このシグ・片山氏はID社の社長です。この方も問題の方ですね。だから当然、八日に立ったということはこの事件の打ち合わせにロサンゼルスに行った、こう思うのが常識でありましょう。同じように打ち合わせに行かれたあなたが八日にロサンゼルスにおられる。そうすると、ロッキード社の本社で同じく打ち合わせに来た人たちが会うのが当然じゃありませんか。きょうの証人喚問のように別々に控え室におられるわけじゃないのでございますから、そう考えるのが当然じゃありませんか。どうですか。
  1260. 大久保利春

    大久保証人 私は、ロサンゼルスにおいてはロッキード本社に参っておりません。
  1261. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 私はロッキード本社へ行かれたかと聞いておるのじゃないのです。会うのはよその場所でもいいですよ。ロッキード本社のあるのがロサンゼルスでしょう。それを言っておるのです。本社のあるロサンゼルスに行かれたということ。じゃあ、ほかのところで会われましたか。
  1262. 大久保利春

    大久保証人 一切会っておりません。
  1263. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 このユナイテッド・スチール社ですか、これは三十三年設立されたわけですが、資本金一億二千万円の日本法人であります。鉄鋼の貿易や外国の鉄鋼メーカーのノーハウの代理人などをやっておる。丸紅とは取引はありませんか、商売上。
  1264. 大久保利春

    大久保証人 私の方の会社とは取引は一切ございません。
  1265. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 私はなぜくどく片山氏とあなたの関係を追及をしておるかというと、あなたはうそを言っているからです。先ほど言ったとおり、四十一年でございますか、東通が丸紅に合併をして約十年になります。東通時代からあなたは片山氏とお知り合いのはずなんですよね。これはいずれ明確になることです。  そこで、なぜこう私が言うかと申しますと、先ほども大出委員が指摘しましたとおり、この片山氏は、領収証は書いたけれども金の流れは知らない、金は知らないと二つ言っています、新聞の報道によりますと、記者会見して。金の流れを知っておるというのがこのID社からの送り状、ID社というのは、さっき大出君も言ったとおり一人ですから、片山氏だけですから、これは片山氏の送り状なんでしょう。それにちゃんと金の流れが書いてあるわけでしょう。そうすると、懇意な仲であるあなたは、当然この流れを知っておるはずなんですね。知っておるはずです。だから一番ポイントを握っておるあなたと片山氏が、ほとんど時を同じくしてロサンゼルスにいた。こういう客観的な事実からすれば、だれが考えたってあなたが片山氏とロサンゼルスで会ってないなどというがごときは、これは通らない話なんです。通らない話。  次に、あのピーナツピーシズ、この領収証はタイプで打ってありますけれども、これはどこで打たれたやつですか。
  1266. 大久保利春

    大久保証人 私がクラッターから頼まれまして、けさほどの証言のとおり、依頼を受けましてから伊藤君に頼みまして、私のところの秘書に打たせました。
  1267. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 後で全部聞いていきますから、ちょっと待っておってください。  それでは次に、伊藤氏に相談してすぐその場で伊藤氏にサインをさせたのですか。それとも何日か前に相談をしてそのタイプを打って、伊藤氏にサインをさせたのですか。
  1268. 大久保利春

    大久保証人 伊藤君に依頼いたしまして、直ちにタイプを打ってもらいました。
  1269. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 じゃ、相談してすぐですね。その日ですね。そのサインをさせた日はいつですか。
  1270. 大久保利春

    大久保証人 日にちは十月、四十八年の——四十八年の八月が第一回目と記憶いたしております。
  1271. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 場所はどこでなさいましたか。
  1272. 大久保利春

    大久保証人 けさほど立証いたしましたとおり、私のところの事務所でございます。
  1273. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 事務所のどこですか。
  1274. 大久保利春

    大久保証人 事務所内でございます。
  1275. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 不正確です。本社の事務所の中のあなたの部屋ですか、それとも社長室ですか。
  1276. 大久保利春

    大久保証人 私の部屋と記憶いたしております。
  1277. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 次に、そのときにクラッター氏はおられましたか、そばに。
  1278. 大久保利春

    大久保証人 クラッター氏はおったと記憶いたしております。
  1279. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 大体わかってまいりました。  それでは、四回この種の領収証を書かれておりますが、その都度——もう一回目に相談したからあとはもう、あとはどういうふうな形で伊藤さんにサインをさせましたか、あとの三回は。
  1280. 大久保利春

    大久保証人 伊藤氏に対しましては、依頼をクラッターより受けるたびに、私から伊藤氏に依頼いたしました。
  1281. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 あなたは、この種の変な領収証のサインを、ほかにもいろいろあなたの同僚、あなたが伊藤さんより上役ですから、あなたと同じぐらいの位の方がおられると思うのですけれども、なぜこのサインをさせるのに伊藤さんを選んだのですか。
  1282. 大久保利春

    大久保証人 ロッキード社とは、けさほども証言いたしましたとおり、長年のつき合いでもありますし、ロッキードの仕事はあるということは伊藤君がよく知っておることが一つ。もう一つは、私は、社長、会長相談するまでもないことにつきましては常々伊藤君と相談いたしておりましたので、一番気安く頼める相手でございましたので、伊藤君に依頼いたしました。
  1283. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 これは、こういうことはだれでも相談されませんね、だれでもは。こういうことを相談される人というのは限られておるのじゃないですか。つまり、社長室長というのはこの種の隠密と申しますか、機密なこと、あるいは機密費、そういったものを取り扱っておるところだからあなたは伊藤さんを選ばれたんじゃないでしょうかね。  そこで、伊藤氏は社長室長ですから、伊藤氏に相談をすれば、このようなことをさせれば、これは当然社長には伊藤氏が伝えるものとあなたは思っていましたか。
  1284. 大久保利春

    大久保証人 そのように想像いたします。
  1285. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 そうすると、伊藤氏が自分の独断でこの種の重要なことを——檜山会長は知らなかったというのですから、あなたは当然伊藤氏から社長に報告があるものと思っていた。しかし、伊藤氏は社長に報告しなかった。社長に報告しなかったということをあなたはいつ知りましたか。
  1286. 大久保利春

    大久保証人 その後伊藤氏と話しておりますとき、社長に報告しなかったということは後ほど知りました。
  1287. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 こういう事実は社長に知れたら困るとあなたは思われましたか。
  1288. 大久保利春

    大久保証人 困るとは思いませんでした。
  1289. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 あなたはさっき、公表しない約束があるのに公表したじゃないかとコーチャン氏に抗議したのでしょう。だから公になれば困るようなことですが、公になったら困ることだけれども、社長に知れる分は困らない、こういうことですか。
  1290. 大久保利春

    大久保証人 公になったら困る、社長だから困らないということではございませんで、当然社長にも報告してもよかるべきことであったのですが、私自身報告いたしませんでした。
  1291. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 あなたはコーチャン氏に対して、公表しない約束であったじゃないか、こういうことで抗議をされたというのですが、もしこれが公表されるかもしれないとあなたにわかっていたら、伊藤氏にサインをさせなかったですか。
  1292. 大久保利春

    大久保証人 公表、公表と先生はおっしゃいますが、私は公表をしてはならないということは申し上げておりませんので、これは用済み後破棄をする、丸紅には迷惑をかけない、個人にも迷惑をかけない、ということをけさから再三再四申し上げておるわけでございます。したがいまして、これを公表するしないという問題は別にいたしまして、公表しないということを信じた上でやったことでございますので、いずれにいたしましても伊藤君に相談いたしたと存じます。
  1293. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 いま確かに公表されないと信じたから伊藤君にサインさせたとおっしゃいましたね。逆を言えば公表されるかもしれない、表に出るかもしれない、世の中に、とわかっていたら、あなたは伊藤さんにサインを求めるようなことはしなかったという意味ですか。
  1294. 大久保利春

    大久保証人 公表されるされないにかかわらず、伊藤君に相談をいたしますということを申し上げておるわけでございます。
  1295. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 実はいま同僚諸君は全部聞いておるわけですが、伊藤氏が先ほど証言した内容とあなたが証言された内容はほとんど違っているんですね。  伊藤氏は、このタイプはクラッター氏が打ったものと思う、こういう証言でありましたが、あなたは自分のところで打たした、あるいは伊藤氏に打たした、こういうことでございますね、これが違っておる。  それから伊藤氏は、自分の部屋で、つまり伊藤室長の部屋にあなたがやってきて、そこでサインしたと言っているのですよ。あなたはいま何とおっしゃったかというと、自分の部屋でサインさしたとおっしゃいました。ここも違っております。  さらに伊藤氏は、クラッター氏には面識がない、会ったことも、見たこともない。同じ部屋で、三人で——あなたの証言は同じ部屋で三人でおって、伊藤氏にサインをさした、これは大変な違いですよ。  したがって、私はもう一度ここに伊藤氏と大久保氏の対決を委員長にお願いをしたいと思います。どうでしょう。
  1296. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 しかし、これは時間の関係もありますし……(「だめだめ、きょうじゅうにやらなければだめだ」と呼ぶ者あり)うるさいな、何だ君は。いま発言中です。  なおまた、先ほど伊藤君の帰られるときにそういうようなことも発言がありませんで、もう帰っております。でありますので、どうぞいま一問聞いていただいて、それからまた理事会で研究することがあるかもしれません。
  1297. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 私は、いまの問題については納得ができませんので、つまりどちらかが虚偽の証言をされているわけです。もし大久保氏が虚偽の証言をしておるとすれば、これから先、私何を聞くのですか。何を聞くのです。虚偽の証言をずっと続けておれば、何を聞くのです。
  1298. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 それは——聞いてください、どうぞ。それは私に聞かれても困ります。何を聞くか聞かないかはあなたの自由ですから。
  1299. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 どちらかが虚偽の証言をしておるのですね。大久保さん、これをはっきりしなければ私は質問を続けることができません。
  1300. 大久保利春

    大久保証人 私は虚偽の証言をいたしておりません。
  1301. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 もう時間が過ぎちゃっているのですよ。お約束の時間は経過しております。ですから、また後の理事会で御相談をして、その結果を出すことにいたしましょう。
  1302. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 では一言だけです。  実はこのくだりは、アメリカのチャーチ委員会公聴会でも証言されておるとおり、非常に本件の核心にいま迫りつつあるところです。いま大久保氏は、もし証言のとおりであれば、あなたが一番金の流れ、丸紅に渡った金の流れがどこに行ったかということを知り得る立場にある。そして証言のとおり、もしかしたら伊藤氏が運び屋かもしれない、非常に重要なところでございますから、あと理事会で御相談をいただきたいと思います。
  1303. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 承知しました。  これにて楢崎君の発言は終わりました。  次いで東中光雄君。
  1304. 東中光雄

    東中委員 あなたは、伊藤氏と相談をして伊藤氏のサインをやるようになったということでありますが、あなたが伊藤氏に頼むについては、クラッター氏があなたに、丸紅のほかの人をということ、あなた以外のほかの人をということを言うたから伊藤氏に頼んだのだ、こう証言されましたが、そのとおりですね。
  1305. 大久保利春

    大久保証人 そのとおりでございます。
  1306. 東中光雄

    東中委員 そのことは、クラッター氏と伊藤氏とあなたが三人寄って、伊藤氏がサインするときにそういう話をされているわけですね。
  1307. 大久保利春

    大久保証人 伊藤と三人ではなくて、クラッターと私の話し合いでございます。
  1308. 東中光雄

    東中委員 あなたは、伊藤氏にはそのことは言っていますか。
  1309. 大久保利春

    大久保証人 そのことと申すのはクラッターから内容を依頼されたことだと存じますが、それは伊藤氏には告げました。
  1310. 東中光雄

    東中委員 あなたもやっているのはあるけれども、あなた以外の人にもやってもらいたいということで伊藤氏に会ったのだということを言われておるかどうかと聞いているのです。
  1311. 大久保利春

    大久保証人 大久保以外の丸紅の役員にサインをしてくれと言われたので、サインを依願したわけでございます。
  1312. 東中光雄

    東中委員 あなたがユニットのサインをしておりますが、そのことは伊藤さんは知っておりますか。
  1313. 大久保利春

    大久保証人 けさほども申し上げましたように、ユニットの件は、伊藤氏は全然知りません。
  1314. 東中光雄

    東中委員 ユニットピーナツなどの領収証は、あなた個人のプラィベートなものではございませんね。クラッターは丸紅のあなた、あるいは丸紅のあなた以外の人ということでありますから、やはり丸紅の人でなければいけないのだということでやったことですね。
  1315. 大久保利春

    大久保証人 私がプライベートにやったことでございます。
  1316. 東中光雄

    東中委員 あなたがそれをやったのは、丸紅大久保さんであり、伊藤氏に頼んだのも丸紅伊藤さんに頼んだ、こういうことでしょう。丸紅のあなた以外の人、丸紅関係ないだれでもいいんだというわけではないことは明白であります。いかがですか。
  1317. 大久保利春

    大久保証人 丸紅以外のだれでもいいということではございません。
  1318. 東中光雄

    東中委員 その取引の相手であるロッキード社から頼まれて丸紅のあなたが、あるいは丸紅伊藤氏がやったということは、ロッキード側の要求として言われてそれでやっているわけですから、明白に会社会社との関係であなたが個人のサインをしているということになることは明白であります。  そこで、このサインをするときに、先ほども同僚議員が伺いましたが、このサインをしたのは、あなたはコーチャン氏を信頼しておるからやったんだというふうに言われております。その信頼しておるからというのは、これが公表されたり、あるいは丸紅大久保氏がユニットピーナツ、これに対して伊藤氏がサインをしておるということが世間に漏れるというふうなことは絶対にないと信頼をしてやった、こういうことになると思うのですが、そうじゃございませんか。
  1319. 大久保利春

    大久保証人 公表と先ほどから言われておりますが、私は、丸紅にも迷惑をかけない、個人にも迷惑をかけない、用済み後はこれを破棄するということを信用してサインをいたしました。
  1320. 東中光雄

    東中委員 だから、それを信用したからであって、それが信用できぬような状態であればサインはしなかったということを言っておられるわけであります。あなたの証言は、別の表現をすればそういうことになります。  そこでお伺いするのですが、普通なら領収証は、正式の領収証は経理を通します、あるいは稟議をする。しかし、公表されたり、漏れたり、その事実が外へわからない方が——絶対にわからないという確信を持ったからこそ、信頼しておるからこそやったのだから、だからそういう稟議をしたり何かしようと思ってもできない。できるだけ知っておる人の範囲を少なくしておく必要がある。隠密行動をやる必要があるのだということで、会社に関することであるけれども丸紅大久保氏がサインをし、丸紅伊藤社長室長がサインをする、こういうことになったことはもう明白じゃないですか、いかがですか。
  1321. 大久保利春

    大久保証人 けさほどから再三申し上げておりますが、サインいたしましたのは私個人、伊藤個人としてサインいたしたものでございます。
  1322. 東中光雄

    東中委員 このサインは、ユニット領収証は、経理上の処理としてはこの領収証は何の意味も持たないということは、あなたサインするときに当然判断されておると思うのですが、いかがですか。
  1323. 大久保利春

    大久保証人 当社の経理には何ら関係のないものであること、これは確かでございます。
  1324. 東中光雄

    東中委員 当社の経理はもちろん、ロッキードにしても、世界じゅうどこへ持っていっても、ユニットという領収証が、あるいはピーナツ百個という領収証が経理上どんな意味も持ちようがないわけですから、だから、経理上に使われる領収証ではない。用済みになれば、その用は何かと言えば、経理上のものでないということだけははっきりしておるわけですね。これは事柄の性質上非常にはっきりしています。しかもなお、領収証が要るというのは、領収証というのは申すまでもありませんけれども、受け取ったという事実を証明するための証拠なんです。証拠としてつくっておるわけです、領収証というのは。後日のための証拠に、受け取ったという事実を証する証拠として書くのが領収証であります。ですから、ここではユニットと称せられるものが、丸紅のだれかが受け取ったんだということの事実を証明した証拠にあなたがサインをされたということであります。これはもう客観的にそうなります。それならば、ユニットというのは何なのか。知らなかったとあなたはおっしゃったけれども、それは知らなかったら何に使われるかわからぬ、どのように使われるかわからぬようなものについて、知らぬままでサインすることはできないわけですから、あなた方はその内容については知っておった。そして、その内容を受け取って、受け取ったという事実をここでサインをした、極秘裏にやった、こういうことになることはもう明白であります。それならば理屈が、筋道が立つわけであります。  そういう点で、二百万ドル、六億の賄賂、これも表へ出ては困ることです。だから別の言葉、ユニットというような、あるいはピーナツというような、それ自体ではわからない言葉で、しかしそのものは受け取りました。渡した賄賂は領収証をもらってくるわけにはまいりません。賄賂の領収証をくれと言うのはどこにもいないです。だから、もらってこれないから、丸紅の責任で渡しましたということを書いたということでありますから、この事実関係の論理は崩しようがないと思うのです。  そういう点で、あなたは知らないと言えばそれで済むと思っているかもしれませんが、幼稚園の子供さえやらぬようだと委員長が言われるようなそういう状態をなぜやったのかと言えば、私がいま言ったようなことを隠そうとするからそういうことになったんだ、こう思うのですが、あなたの考えをお聞きして、質問を終わります。
  1325. 大久保利春

    大久保証人 一切隠そうともいたしておりませんし、金品の授受は一切いたしておりません。
  1326. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 これにて東中君の発言は終了いたしました。  次に坂井弘一君。
  1327. 坂井弘一

    坂井委員 正確にお答えください。  あなたは先ほどの証言で、当初、つまり四十七年の十月か十一月ごろユニット記載された領収証にサインをした。その後クラッター氏からの要請で、あなた以外の人のサインにしてもらいたい、こう頼まれた。そのときは、あなたはなぜそのようなことをクラッター氏があなたに要請するのであろうかと疑問をお持ちになったはずだと思います。どう考えられましたか。
  1328. 大久保利春

    大久保証人 私はそのときは疑問を持ちませんでした。
  1329. 坂井弘一

    坂井委員 あなたの社には絶対迷惑をかけない、破棄いたします、こういうかたい約束の、きわめて意味のある重要な内容を持つ領収証であります。あなた以外の人、そうクラッター氏がわざわざ要請する、そのことに対して何の疑いもなかった、これは常識的に考えても理解できないのですけれどもお答えいただきたい。
  1330. 大久保利春

    大久保証人 たびたび申し上げておりますとおり、丸紅ロッキード社とは昭和三十三年以降十八年余にわたる長い取引であり、特に私が昭和四十四年六月本部長になりまして以来、コーチャンとの接触は非常に多かったわけでございますが、この間当時のコーチャン社長は、私としては非常に信頼しておった人でございましたので、私としてはそういうものに対しては疑義を持たなかったわけでございます。
  1331. 坂井弘一

    坂井委員 それでは伊藤氏がピーナツなる、ワンハンドレッド・ピーナツ、サインをされるわけでありますけれども、このピーナツという言葉、文字、あなたはこれをいつお知りになりましたか。
  1332. 大久保利春

    大久保証人 私がクラッターから依頼を受けまして、内容をそういう文言にしてくれという依頼を受けたときでございます。
  1333. 坂井弘一

    坂井委員 それは伊藤氏がサインをした、その日でございますか。
  1334. 大久保利春

    大久保証人 前後四回ございましたので、その日もございますれば、その前の日もあったかと存じます。
  1335. 坂井弘一

    坂井委員 先ほど伊藤証人証言によれば、ピーナツという文字を見て非常に奇異に感じた、これはおかしいぞというので、あなたにわざわざ尋ねられたそうであります。間違いありませんか。
  1336. 大久保利春

    大久保証人 ピーナツとはどういうことかということは聞かされました。
  1337. 坂井弘一

    坂井委員 そのときあなたは、このピーナツについてどう説明されましたか。
  1338. 大久保利春

    大久保証人 先方にこの内容を尋ねたけれどもピーナツの表現は教えてもらえない、丸紅には一切迷惑をかけない、また個人にも迷惑をかけないと言っておりますということを伊藤君に説明いたしました。
  1339. 坂井弘一

    坂井委員 それは当日以前じゃないのでしょうか。
  1340. 大久保利春

    大久保証人 当日以前と申しますと、その日の前のことでございますか。——そういう場合もございましたし、また同日内であったこともございます。
  1341. 坂井弘一

    坂井委員 問題を変えますが、あなたはアメリカに行かれて、コーチャン氏に七日の夜会われた。場所はどこですか。その際の同席者、名前を示してください。
  1342. 大久保利春

    大久保証人 コーチャン社長、クラッター、もう一人弁護士がおりました。
  1343. 坂井弘一

    坂井委員 コーチャン社長、クラッター、あなたはもちろんのこと、弁護士は何とおっしゃるのですか。
  1344. 大久保利春

    大久保証人 名前は、場合によると間違っておるかもしれませんが、カバナーという人間だったと記憶いたしております。
  1345. 坂井弘一

    坂井委員 その場所をはっきり示してください。
  1346. 大久保利春

    大久保証人 ハリウッドに向かいます道路にサンシャインブルバードという通りがございますが、このサンシャインブルバードのちょっと外れたモーターインで、名前は私忘失しております。
  1347. 坂井弘一

    坂井委員 あなたがアメリカに滞在中、そのほかに会われた、今回のロッキード事件関係者をお述べいただきたい。
  1348. 大久保利春

    大久保証人 ロッキード事件関係者はそれ以外一切会っておりません。
  1349. 坂井弘一

    坂井委員 電話等連絡をされた方はございませんか。
  1350. 大久保利春

    大久保証人 ちょっとよく聞き取れませんでしたが……。
  1351. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 電話にて連絡をした人はおりませんか。
  1352. 大久保利春

    大久保証人 ございません。
  1353. 坂井弘一

    坂井委員 あなたの本社にはしばしば電話をされましたか。
  1354. 大久保利春

    大久保証人 私は、情報の、現実の事情の調査をしてこいということを言われましたので、必要に応じまして私は会社連絡もし、また会社に居どころもはっきりさしておりました。
  1355. 坂井弘一

    坂井委員 その際、あなたが連絡された丸紅本社、どなたですか、相手。
  1356. 大久保利春

    大久保証人 大ぜい多人数の人がおりましたが、主として秘書課長の中居君が中心でございました。
  1357. 坂井弘一

    坂井委員 会長、社長、専務、その他重要なポストにおられる方には電話をしておりませんか。
  1358. 大久保利春

    大久保証人 会長に一回、伊藤君に一回、その程度であると覚えております。
  1359. 坂井弘一

    坂井委員 会長伊藤専務報告された話の内容の焦点、中心、それは何ですか。
  1360. 大久保利春

    大久保証人 会長には、コーチャンに会いましたときの事情を説明いたしました。同時に、会長あてのコーチャンの親書をとったことを報告いたしました。伊藤専務には私が現在どこにいるか、それから現在の状況がどうなっておるかという、私の知る範囲内のワシントンからの私の各支店から集まりました情報を伝えました。一番多く連絡をとりましたのは中居課長でございます。
  1361. 坂井弘一

    坂井委員 時間が参っておりますのでやめますけれども、私が聞いておるのは、その情報なり報告の一番中心となったものは何か、焦点は何か、こう聞いておるわけである。情報を入れた、中身の話は何もないじゃありませんか。
  1362. 大久保利春

    大久保証人 情報とは、先ほど申し上げましたとおり、私がその後の進展の状況を米国サイドから報告いたしたことでございます。
  1363. 坂井弘一

    坂井委員 終わります。
  1364. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 これにて坂井君の発言は終了いたしました。  次に永末英一君。
  1365. 永末英一

    永末委員 大久保証人に伺います。  対潜哨戒機P3Cは、丸紅ロッキード社が現在結んでいる契約上、その販売に努力をしなければならない商品だと証人はお考えですか。
  1366. 大久保利春

    大久保証人 基本契約において定められました役務契約範囲内で協力すべきものと考えております。     〔委員長退席、小山(長)委員長代理着席
  1367. 永末英一

    永末委員 基本契約に定められた、その次は少し聞き取れなかったのですが、現在持っておられる基本契約で当然そこにいろいろな条項ございますが、当然P3Cは販売に努力をしなければならぬ商品である、このようにお考えですね。
  1368. 大久保利春

    大久保証人 お説のとおりでございます。
  1369. 永末英一

    永末委員 先ほど、特別の契約がなければ販売に努力をしないでよいという旨の御証言があったようでございますが、いまの証言が正しいのですね。
  1370. 大久保利春

    大久保証人 私、特別契約と申し上げた記憶はございませんのですが、これは特別契約ということでなくて、すでにけさほど御証言申し上げましたように、対潜哨戒機につきましては、昭和三十三年より基本契約に織り込まれておるものでございます。したがいまして、特別契約ということは起こり得ない現況下にございます。
  1371. 永末英一

    永末委員 したがって、現在これは対潜哨戒機P3Cはあなた方の販売努力の対象である、このように理解してよろしいか。
  1372. 大久保利春

    大久保証人 御説のとおりでございます。
  1373. 永末英一

    永末委員 先ほどからの御証言によりますと、ロッキード社のクラッター氏があなたに対して、まずユニットの言葉のある領収証に署名を求め、次いで伊藤氏に対して署名を求めたということでございますが、あなたは今回、アメリカを訪米されましたとき、このクラッター氏に対して何か申されましたか。
  1374. 大久保利春

    大久保証人 私の会話は一切コーチャン社長との会話に限られておりました。
  1375. 永末英一

    永末委員 クラッター氏はコーチャン社長の命を受けて大久保証人伊藤証人にそういうことをやったのかどうかわかりませんけれどもコーチャン氏にストレートに会いに行かれるとするならば、この領収証に署名をされた事件はもっと大きな、丸紅とロッキードとの交渉の中の一環であるからあなたは行かれた、このように解釈いたしますが、そう解釈してよろしいか。
  1376. 大久保利春

    大久保証人 私が一番強くコーチャンに非難いたしました内容につきましては、領収証のことのほかに、第一に挙げましたのは六日の証人喚問におけるコーチャン氏の証言のことでございます。
  1377. 永末英一

    永末委員 コーチャン氏は、あなたに対して書面を、手紙を預けました。その手紙をあなたは先ほどここへ御提出になり、われわれもそれを読んだのでありますが、コーチャン会長アメリカ議会における証言について、そのことの証言内容を否認した言葉、一つもございません。ただ、状況上わかってくれろということでございますから、あなたはコーチャンとの会見におきまして、この内容を否認してきたという事実は残っておりません。そう理解してよろしいね。
  1378. 大久保利春

    大久保証人 お手紙内容を私見まして、先生のおっしゃるとおりの法律効果しかないと存じております。
  1379. 小山長規

    ○小山(長)委員長代理 もう少しそこのところを明確に、最後のところを明確に言ってください。
  1380. 大久保利春

    大久保証人 おっしゃるとおりの法律効果しかないと私は承知しております。
  1381. 永末英一

    永末委員 それでは河村委員に最後の締めをしていただきます。
  1382. 小山長規

    ○小山(長)委員長代理 河村勝君。
  1383. 河村勝

    ○河村委員 きょうあなた方は、この証人喚問に出てこられるときに、関係者の間で厳しい申し合わせをして出てこられたようであります。その一つは、自分または会社の不利益になることは一切知らぬ、存ぜぬで通すということが一つと、それからいま一つは、伊藤宏氏のこの領収証関係のことは、すべてあなた、大久保さんが全部かぶるから、伊藤氏には一切自分大久保さんから聞いただけだということを言わせる。その二つの申し合わせをして出てこられたことは非常に明確であります。  しかし、これで私の質問で、きょうの証人喚問はこれで最終、一応終わります。でありますから、あなた方が本当に真実を述べる機会というのは、いまが本日においては最後であります。でありますから、ぜひここでもって本当のことを言ってほしい。  それは、言うまでもなく、このアメリカ上院でのコーチャン証言というのは、御承知のようにID社を隠れみのにして、丸紅を通じて二百万ドルを政府高官に送ったというのが一つですね。この二百万ドル、六億円、これがちょうどID社の領収証の合計が六億一千万何がしですね。     〔小山(長)委員長代理退席、委員長着席〕 それからユニットピーシズそれからピーナツ、これの推定の合計がやはり六億。これがもう完全にぴったり一致しているわけですね。しかも、それが昭和四十七年の末、すでにトライスターの発注が決まって、事が済んだ後から始まってこれだけの金が流れているわけです。ですから、これらの金というものが、いま問題になっておりますP3C、これの工作に使われたということは、ほとんどだれが見ても疑いのない事実であります。  でありますから、ここであなたが、本日の最終の機会でありますから、この点について、どう見ても間違いのない、だれが見ても間違いのないこの事実を認められることを期待をいたします。あなたの証言を求めます。
  1384. 大久保利春

    大久保証人 一切そのようなことはございません。
  1385. 河村勝

    ○河村委員 大変残念であります。あなたは恐らく、これでとにかくこの証人喚問が終わって、これでまあまあ一応逃れたという印象を持っておられるだろうと思います。しかし、われわれは、これだけの大きな国民の疑惑を晴らすために、決してこれだけでもって終わることなしに、これからまだまだ究明を続けるつもりでございます。だから、どうか、あなたお帰りになりましたならば、関係の方々にその旨をよくお伝えいただいて、もう一遍反省をされることを、最後に要請をしまして、本日の質問を終わります。
  1386. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 これにて永末君、河村君の発言は終了いたしました。  以上で大久保証人に対する尋問は終了いたしました。御退席を願って結構でございます。  以上をもちまして、証人に関する議事は終了いたしました。  次回は、公報をもってお知らせすることといたしまして、本日は、これにて散会いたします。    午後九時十二分散会