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青柳委員 そうすると、先ほど
稲葉委員からのお尋ねにお答えになったときに、それぞれの
関係裁判官からの書面が朗読されましたが、恐らくいまのとおりの方が、たとえばAに該当するのは中山裁判官だと思いますけれ
ども、先ほどのお話では、二年間の修習の中で得た能力を腐らせるのがいいと言ったのは、家庭に入ってそして国費のむだ遣いのように見えるけれ
どもそうではない。積極的な修習をされ、そして法曹にはならなかったけれ
どもそれはむだではなかったというふうに言ったんだというまことに合理的な考え方で発言したように聞こえるのでありますけれ
ども、実はそんな単純なものかどうか。やはり婦人は家庭に入るのが最も幸せではないだろうかということを前提に置いて言ったというふうに受けとめるような雰囲気である。だからこそ、この教官の憲法感覚を疑わざるを得ないというような趣旨のことが、先ほど
指摘されたクラス連絡
委員会のアンケート結果
報告でも読めるのであります。この点はその場におられた多くの人々からの印象を
調査すればよくわかることでありまして、私
どももこの方が将来任官されるかあるいは弁護士になられるかはわかりませんけれ
ども、別にこれに影響力を与える立場ではありませんから、
調査する
可能性は十分あります。しかし
裁判所当局の方で、この
関係者から全部
調査が可能であるならばぜひこれはやってもらわなければならぬというふうに思います。同様のことは川崎裁判官についても言えると思いますし、それから次の山本裁判官について言いまするならば、これは三人の女子修習生を次々に自分の席の前に座らせて、そして約三十分間ぐらいにわたって話を聞いたということでありますから、話を聞いたというよりもむしろ話をしたという方が正確かもしれませんけれ
ども、すべての
関係者から聞くことは私
どもも必ずしも可能だとは思いませんけれ
ども、しかし一対一だから、相手が将来任官しようなどと考えておれば絶対に詳しいことは言わないであろう。言えばもうにらまれて二度と再び自分たちの希望するような任官とか何かはできなくなるだろうというようにたかをくくって、真実でないことをいま最高裁に述べている、物に書いて出しているということであったとするならば、これは大問題、裁判官がうそをつくということになりますから、全く適格性を疑わざるを得ないことになるわけでありますが、先ほど読んだのだけではどうもきれいごとのようでありまして、私
どもが伝聞しておるところによると、日本民族の血を残すことが大事なんだ、女性はそのために家庭に入るべきであって、どうも司法官などになると縁が遠くなる、親も嘆くというようなことが主題になって、やはり奥さんになるべきであって、
法律家として社会で活動するなどということは考えてみたらどうかと言って、具体的には現在すでに裁判官になっておられる女性の例を引いて、この人の生活というのは非常に不自然なものである、女性としてはかたわのようなものであるというような
言葉まで言ったというのであります。こういうことは、
指摘された女性について、つまりすでに裁判官になっておる女性について本当にそんな状況かどうか確かめてみればすぐわかることなんで、また事実、私
どもの調べでも、その点はそういうふうに何かかたわであるというような状況ではないわけです。しかもそのときの雰囲気というものは、面接試験を受けるときのような状況であって、自分たちは全部あなたたちのことは知っておるのだというようなことを言い、そしてそれは何か雰囲気として余りにも厳しいような感じもしたけれ
ども、相手方の婦人とすれば、少しも悪いことはできませんねと言って、ばつを合わせるというか、相手方の
言葉に照応するようなことを言ったら、すぐ食らいついてきて、何か
一つや二つ悪いことをやっておるのだろう、悪いことに違いないのだから言いなさいといったような形で絡まれたというのですね。全くひどいものだと私は思うのですよ。
それからまた別な御婦人についてみると、あなたはいろいろの職歴を持っておるようだけれ
ども、勉強が好きなのかというようなことで、やはり勉強好きな人間というのは婚期もおくれるし私はきらいだというようなことを言う。趣味はどうかというようなことで、絵をかくと言ったら、その絵を持ってきてごらんなさいというようなことで、持ってき方によってはあなたの状況というものもわかるのだというふうに、まことに白けざるを得ないような状況であったという。いずれにしても、女性が勉強するとか裁判官になるとか検事になるとか弁護士になるというようなことは好ましくないということを説得する立場のようにして女性に対応する、こういう傾向が見受けられるのであります。こういう状況というものは、先ほど読まれたようなものではとうていわからない。
それから、大石裁判官の場合は、生理休暇で休むとほかの人の迷惑になるのだというようなことを言う。これは弁護士でも同じだというようなことは、どうしてそんなことが言われるのか。これは何も裁判官だけではなく普通の女性であっても生理休暇というのは当然あるわけだし、周囲に迷惑をかけるな、そういうことで婦人を職業から締め出すような考え方は時代錯誤もはなはだしいとわれわれは考えるのですが、これが先ほどの文章では、いやそんなことはないのだというふうになる。
いずれも驚くべき考え方でありますが、この修習生が見学旅行に行くということは、修習の一課程でありますから、私
どもも反対する筋はありませんけれ
ども、そして懇親会を開くことも悪いことではないと思いますが、そこで、先ほどアンケートから読まれたように、女性の修習生にお酌をさせるというようなことが、ちょうど役所で女性の公務員にお茶を持ってこいというのと同じような感じで酒席で酌をさせる。それに応じなければ胴上げをしたりするというような、そういうことが現実に行われているということを見ますというと、とてもこれはまともでは考えられない。婦人べっ視もいいところである。
さらに驚くべきことには、裁判教官の
部屋というのがあるそうでありますけれ
ども、ある教官が刑事裁判官室でマージャンをやっている。これは恐らく裁判官同士でマージャンをやるのだろうと思いますが、何かマージャンをやるに当たってかける、いわゆるかけマージャンをやっているようなふうで、勝ち負けを全部記録にとどめるのだそうです。そしてこれを番号をつけておくのだそうです。だから教官に一番から何番というように番号をつけておいて、その何番と何番を買えば幾ら当たるという、いわゆる馬券のような、一口百円で馬券を売っている、買わないかということを修習生に勧めるという一幕もあったという。これに至っては、マージャンをやるなというわけではないけれ
ども、いくらギャンブルの流行する社会といいながら、かけマージャンをやる、あるいは馬券にして一般に売りつける。これは果たして事実とすれば大問題だと思うのですね。ただ、そういうことが冗談まじりに言われたというにとどまるのか、真実そういうことが行われているのか、これは絶対によく調べなければならぬ問題だと思います。
それから、修習生が先ほど言いました、旅行に行って、二次会のときに野球けんを始めた。修習生は裸にならないのだけれ
ども、教官だけは裸になってしまうのですね。しまいにはまる裸になったそうでありますが、これはたまたま善意で写真をとった修習生があってこれを焼き増しされて記念に配布された。たまたま私の手にも入りましたが、これに写っているこの裸の男性はまさに川崎事務局長であり、山本刑事裁判教官であります。これはそのとおりかどうか、ひとつごらんになっていただきたい。確認をしていただけませんか。違うのなら私は取り消しますけれ
ども……。