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1976-08-10 第77回国会 衆議院 物価問題等に関する特別委員会 第11号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十一年八月十日(火曜日)     午前十時十二分開議  出席委員    委員長 板川 正吾君    理事 越智 通雄君 理事 大石 千八君    理事 加藤 紘一君 理事 萩原 幸雄君    理事 松浦 利尚君 理事 山中 吾郎君       加藤 六月君    竹内 黎一君       安田 貴六君    加藤 清政君       中村  茂君    和田 貞夫君       野間 友一君    有島 重武君       石田幸四郎君    和田 耕作君  委員外出席者         経済企画庁長官         官房参事官   朴木  正君         資源エネルギー         庁公益事業部長 服部 典徳君         参 考 人         (中部電力株式         会社取締役社         長)      加藤乙三郎君         参 考 人         (東京電力株式         会社取締役社         長)      水野 久男君         参 考 人         (中国電力株式         会社取締役社         長)      山根 寛作君         参 考 人         (四国電力株式         会社取締役社         長)      山口 恒則君         参 考 人         (関西電力株式         会社取締役副社         長)      齋藤 義雄君         参 考 人         (平和経済計画         会議運営委員) 福田  勝君         参 考 人         (全国地域婦人         団体連絡協議会         事務局長)   田中 里子君         参 考 人         (全国消費者団         体連絡会代表幹         事)      工藤 芳郎君         物価問題等に関         する特別委員会         調査室長    芦田 茂男君     ————————————— 本日の会議に付した案件  物価問題等に関する件(電気料金改定問題)  派遣委員からの報告聴取      ————◇—————
  2. 板川正吾

    板川委員長 これより会議を開きます。  物価問題等に関する件について調査を進めます。  先般、物価問題等に関する実情調査のため、委員を派遣いたしました。その報告を便宜上私からいたします。  去る七月十三日議長の承認を得まして、同月二十二日から三日間愛知県及び静岡県に赴きました。  派遣委員は、萩原幸雄君、加藤清政君、松浦利尚君、山中吾郎君、和田貞夫君、小林政子君、有島重武君、和田耕作君及び私の九名で、また地元選出委員大石千八君及び石田幸四郎君の御参加を得まして、実情調査してまいりました。  愛知県におきましては、まず名古屋市に赴き、物価対策実情等について愛知県及び名古屋市並びに東海農政局等国出先機関から説明及び要望を聴取した後、消費者生協、労組、中小企業等代表懇談会を開催し、物価の諸問題について忌憚のない意見要望を聴取いたしました。  次いで家畜ふん尿園芸還元事例、キュウリの水気耕栽培等を視察した後、野菜対策について県、関係町長、農家、農協、園芸連の各代表と懇談いたしました。  静岡県におきましては、中部電力浜岡原子力発電所静岡温水利用センター、御前崎港、焼津水産加工センター焼津漁協の超低温冷蔵庫等を視察いたしました。また焼津市において、水産物の生産流通問題等について県及び市当局並びに焼津漁協、仲買人、冷蔵、加工小売関係代表から説明要望を聴取いたしてまいりました。  以上が概要でございます。なお、内容の詳細につきましては、報告書を提出いたしましたので、これを会議録末尾に参照として掲載し、それによりごらんいただきたいと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 板川正吾

    板川委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう取り計らいます。     —————————————     〔報告書本号末尾に掲載〕      ————◇—————
  4. 板川正吾

    板川委員長 次に、物価問題等に関する件、特に電気料金改定問題等につきまして、本日は参考人として、中部電力株式会社取締役社長加藤乙三郎君、東京電力株式会社取締役社長水野久男君、中国電力株式会社取締役社長山根寛作君、四国電力株式会社取締役社長山口恒則君、関西電力株式会社取締役社長齋藤義雄君、平和経済計画会議運営委員福田勝君、全国地域婦人団体連絡協議会事務局長田中里子君、全国消費者団体連絡会代表幹事工藤芳郎君、以上の方々に御出席をいただいております。  この際、一言ごあいさつを申し上げます。  参考人各位には御多用のところ御出席をいただき、まことにありがとうございました。  御承知のとおり、電気料金改定につきましては、北海道電力など四社が六月中旬、関西電力が先月末、合わせて五社の料金改定が行われました。現在、東京、中部、中国四国電力会社から二六%ないし二八%の値上げ幅申請されております。すでに石油ショック直後の四十九年に九電力会社平均五六・八二%の大幅値上げを行い、その後燃料費人件費高騰に続き、さらに電気事業の長期にわたる安定供給保安確保に必要な設備投資のための資本費等上昇が主な値上げ理由に挙げられております。  最近の物価は、十二カ月連騰の卸売物価に加え、消費者物価も再び二けた台に迫りつつある状況で、さらに今後電気料金改定、九月実施消費者米価、次いで国鉄、電信電話料金等値上げに関する法律案が国会に提出され、審議中であります。  相次ぐこれら公共料金値上げは、産業物価等国民生活に与える影響が強く、国民各層から最も深い関心が寄せられております。特に電気料金は家計への負担がきわめて重く、料金改定については国民十分納得のいくきめ細かい説明理解を得ることがきわめて肝要であると考えられます。  本日は、さきに電気料金改定申請を行った電力五社並びに消費者方々に、それぞれの立場から、値上げに至った理由、その実態と対策等について御所見を伺うことといたします。  何とぞ本問題について忌憚のない御意見をお述べ願いたいと存じます。  次に、議事の進め方でございますが、電力会社側からは、まず各社共通事情を含めて総括的に加藤参考人から十分程度、四社の特殊事情水野参考人山根参考人山口参考人及び齋藤参考人からそれぞれ五分程度お述べいただき、次に福田参考人田中参考人及び工藤参考人からそれぞれ十分程度要約して御意見を承りたいと思います。その後、委員からの質疑に対してお答えをお願いいたします。  なお、念のため申し上げますが、参考人委員長の許可を得て御発言を願い、また委員に対しては質疑できないことになっておりますので、さよう御了承をお願い申し上げます。  それでは、まず加藤参考人お願いをいたします。
  5. 加藤乙三郎

    加藤参考人 加藤でございます。  まずもって、私どもこのたび料金改定という大変御迷惑な申請をいたしましたことは、御案内のような、いま委員長からお話ございましたように、家庭生活はもちろんのこと、産業界にもまだまだのときにお願いをせざるを得なくなったことにつきまして、申請者一同心から心苦しく存じておるのでございます。  私ども、ちょうどいまから二十五年前にいまの体制に相なったのでございまして、その間、安定供給こそ私どもの与えられた使命である、目的であるというふうに考えまして、二十五年間、この大きく伸びました産業界あるいは家庭生活向上に要しました電力供給に携わってきたのでございます。  その間、一例を申しますれば、創立当時は発電設備は九百万キロにも足らなかったかと存じます。ただいまでは九千万キロ、十倍になり、なおその上にそれぞれの電源あるいは県営の発電所から購入いたしました電気の量を合わせますと十一倍にも相なったかと存ずるのでございます。発電所建設のみならず送電線におきましても、その当時十七万キロが一番大きな電圧の送電線であったかと存じますが、ただいまでは五十万キロというような送電線もつくり、それから常時落とします変電所並び配電線建設に昼夜を忘れて安定供給ということに邁進してまいったのでございます。  その間、また生産性向上あるいは合理化という面もこれまた鋭意怠らずやってまいりまして、創立当時従業員の数も十三万台だったかと存じます。それがただいまでも十三万人でございます。その間、いま申しましたような販売電力量増加と比較いたしますると、生産性向上は十一倍強にも上がっておるかと存ずるのでございます。あるいはまた合理化の点につきましても、熱効率一つをとりましても約倍にも上がっておりますし、総合ロスについてはこれまた逆に倍以下に減っておるのでございます。  さようにいたしまして、負託に若干でもこたえてまいったかと存じまするが、四十九年の石油ショックのためにすっかりこの様相が変わってまいりましたかと存ずるのでございまして、やむを得ず四十九年に、一時的避難といいますか、一年の原価計算ということで料金改定お願いいたしたのでございます。その後の電力事情を見ましても、やはり六%ぐらいは増加し、あるいは最大においてはキロワットで七%は伸びるだろうというような調査も出てまいりました。これらをあわせ考えますると、なお今後とも設備の増強に努めなければならないと思うのでございます。したがって、このたびの申請も、大きく申しますと、設備関連費の急増、燃料費増高環境対策費増大というためにこのたびの申請をいたさせていただいたことになったのでございます。  第一番の設備関連費上昇でございますが、申し上げましたとおり、設備投資の絶対量がふえましたこと、油ショック以後建設単価が著しく上昇してまいりまして、資本費負担が高まるとともに、設備保守管理にかかわる修繕費などが大幅に増加いたしました。また、少しでも輸入燃料依存度を薄めるという意味におきまして、燃料源多様化というために原子力発電あるいはまたLNG火力発電あるいは水力見直し等をいたしまして、多様化電源確保に努めてまいりたいと存ずるのでございます。したがって、これらの発電設備は従来の設備に比較しまして相当建設費が高くなり、したがって資本費増加をもたらしたのでございます。  第二番の燃料費上昇でございまするが、これは各社とも石油依存度の度合いが高うございまして、その燃料石油が主でございます。現行料金実施以後の原油価格の数次にわたる値上げ為替レートの変動、あるいはまた重油ナフサ等、昨年十二月に行われました標準価格設定等によりまして値上がりをいたしたのでございます。さらに、環境保全のため燃料良質化を一段と進めておりまするので、このための燃料費上昇いたしたのでございます。  第三の点は、社会環境が急テンポに変化をし、それに応ずるための費用増加していることでございます。よりよい環境を求める社会的要請は強まるばかりでございます。したがいまして、大気汚染防止あるいは騒音防止あるいは緑化など、環境保全自然保護のための投資はますますふえておるのでございます。また、都市化も一層進んでまいりますので、配電線絶縁化あるいは地中線化変電所地下設置など、過密対策もこれまた講じなければならないのでございまして、このためにも原価高騰いたしてきたのでございます。  このほか、人件費とか公租公課を初め、諸経費増高しておるのでございます。  以上のようなものがこのたびの申請をさせていただきました大きな要因でございます。  私どもは、この上は一層サービスの向上に努めますことはもちろんでございます。一面、私ども従来も力を入れてまいりましたが、電気合理的使用ということも、これは官庁その他あらゆる面、特にお客様方からの御協力をいただきまして、一層努めてまいりたいと存ずるのでございます。  また、広域運用の点につきまして、施設設備につきましては一社化と同じような理念のもとに運営をいたしてまいったのでございまするが、この上は新設の発電所送電線等につきましても、これまた地域方々の一層の御理解をいただきまして建設に努めてまいり、資本効率化あるいはまた地域効率化等に資してまいりたいと存ずるのでございます。  重ねて、私どもこのようなときに大変御迷惑なお願いをいたす次第でございますが、諸先生初めあらゆる方々の御指導と御教示をいただきまして、与えられましたこの安定供給ということにつきまして遺憾のないような電気事業運営を一層努めてまいりたいと存ずるのでございます。この上ともよろしくお願いを申し上げます。
  6. 板川正吾

    板川委員長 ありがとうございました。  次に、水野参考人からお願いいたします。
  7. 水野久男

    水野参考人 東京電力水野でございます。  本日は、私ども料金改定申請につきまして御説明を申し上げる機会を与えられましたことを厚く御礼を申し上げたいと思います。  当社申請改定率は総平均で二六・八四%でございますが、今回の料金改定お願いせざるを得なくなりました原価高騰要因の第一は、石油ショックに端を発するインフレ設備関係費を初め人件費業務運営経費など電力原価全般にわたって影響を与えるということでございます。  第二には、エネルギー高価格時代を迎えまして、燃料価格前回改定以降も上昇を続けておることでございます。  このインフレ影響あるいは燃料価格上昇といった電力各社共通要因に加えまして、第三に、当社首都圏供給区域とする電気事業として、首都圏都市化過密化という条件のもとで他に類のないコスト増要因を持っておりまして、いわば都市型電気事業とも言うべき特性に基づく事情が存在するのでございます。  すなわち、当社管内都市化あるいは過密化代表例として申し上げたいことば、東京都の都心部には一平方キロ当たり三十万キロワットもの需要が集中といいますか密集しておることでございます。しかも、これらの地域は情報の中枢機能が集中しておりますことから、瞬時の停電も許されないという非常に高い信頼度が要求されております。  このような全国一の過密環境下のもとで、高度な需要にこたえていくための設備の形成には多額の建設費を必要としております。たとえば送電変電設備地中化には、地上に設置する場合の少なくとも十倍以上の建設費を必要といたします。また、配電設備被覆化を初め社会安全対策強化も不可欠でございます。  さらには、この過密地区需要特性といたしまして、都心部の昼と夜とでは電気需要に大きな差がございまして、夜間の需要は昼間の約一四%程度にまで激減いたします。また、夏の冷房需要増加に伴いまして、一年を通じて見ますと夏場ピークには一層高まりまして、最も使用量の少ない月には夏場の三分の一にも減少してしまいます。こうしたことから電力設備利用度はどうしても低下いたします。ひいては一キロワットアワー当たり資本費割り高になってまいるのであります。  一方、電源立地につきましては、過密環境下での発電所建設はますます困難化しております。また、遠隔地に立地することが非常に強まっておりますことから、送電線長距離化ということも避けられない状態でございます。  これら過密環境のもとにおきます設備関係費増高に加えまして、発電用燃料につきましても、当社燃料はより一層良質なものとしていかねばならぬという事情がございます。現在、当社燃料平均硫黄分は〇・二%、全国平均の〇・三八%より良質なものを使っておりますけれども環境規制強化に対応いたしまして、五十二年にはさらにこれを〇・一一%にまで引き下げる計画でございます。この燃料の超良質化に伴いますコスト増過密地域電気事業に課せられた宿命でございます。  以上、都市型電気事業としての特性中心原価高騰要因を御説明申し上げましたが、電力コスト高騰を続けておる中にありまして、これまで当社は、収支の均衡に懸命な努力を傾注してまいりました。しかしながら、収支悪化を続けておりまして、この結果、財務体質悪化はもとより、投資圧縮費用繰り延べ等によってかえって設備弱体化を来すといった問題点も出てきております。このため、原価上昇を可能な限り自己努力によって吸収することを基本といたしまして、極力改定率圧縮した上で、まことに心苦しい限りではございますが、やむを得ず料金改定申請お願いした次第でございます。  何とぞ独特な当社経営実情を御賢察の上、電力供給基盤確立のため格段の御配慮を賜りますようお願い申し上げまして、私の陳述を終わります。
  8. 板川正吾

    板川委員長 ありがとうございました。  次に、山根参考人からお願いいたします。
  9. 山根寛作

    山根参考人 中国電力社長山根でございます。  委員長からの御注意もございましたので、私の方の特異な実情を御説明申し上げて御了解を得たいと存ずるわけでございます。  御承知のように、中国地方は細長くて山が低く水が少ないということで、水力発電に期待するところはきわめて薄いわけでございます。ほとんど大部分が火力発電によっておるわけでございます。数字で申し上げますと、大体供給電力量の八割は火力発電をしております。そのうち六割を自社の火力供給をいたし、あとの二割が買電、いわゆる電源開発等のつくりました火力発電所から電気を買いましてそれを供給するというふうな実情でございます。  このために、燃料費が非常に膨大なシェアを占めるわけでございまして、全経費の大体五割が燃料費でございます。この燃料費が実に不安定でございまして、おととしのオイルショック以来も値上がりを続けております。要するにわが社の経営は油に左右されるという傾向が非常に強いわけでございまして、この点、流動的な油にはほとほと困り切っておる実情でございます。  その上に、国の環境政策から脱硫あるいは窒素酸化物の排除というふうなことで膨大な設備を強いられております。ところが、これに使います硫黄分の高い油がだんだん昨年から上がってまいりまして、脱硫コストに引き合わないというふうな実情が出てまいったことをひとつ御承知おきをいただきたいと思うわけでございます。  以上が油の関係でございますが、あとの問題は各社とも大差はございません。設備膨大化による資本費値上がり、諸費の値上がりその他でございます。重複をいたしますので、説明を省略いたします。  これで終わります。ありがとうございました。
  10. 板川正吾

    板川委員長 ありがとうございました。  次に、山口参考人お願いいたします。
  11. 山口恒則

    山口参考人 私、四国電力山口でございます。  今回の料金改定理由につきまして、今回申請に至ります経緯、それから当社申請の五十一年、五十二年原価の特徴的な点を二、三申し述べたいと存じます。  当社におきましては、五十年度は、需要の停滞、物価上昇などによって、当初から収支の大幅な悪化が予想されましたので、修繕費圧縮あるいは諸経費の節減など、あらゆる分野合理化効率化努力を進めておいりました。幸いなことに豊水に恵まれまして燃料費を大幅に節減することができたこともありまして、ようやく苦境を切り抜けることができたような次第でございます。しかしながら、その後の諸経費増大は日増しに著しくなりまして、このままでは事業使命を達成することは困難な事態となりましたので、先般、やむを得ず必要最小限度改定お願いした次第でございます。  次に、申請内容でございますが、まず最初に燃料費について申し上げたいと思います。  当社火力比率が八〇%以上、九社の中で特に高い方でございます。前回改定後のたび重なる石油価格上昇を強く受けております。  当社におきましては、これまで硫黄酸化物対策について燃料の低硫黄化で対処してまいりましたが、地域におきます環境保全の強い要請がございまして、五十年には全火力発電設備の三分の一に相当いたします排煙脱硫装置設置いたしまして、公害防止に積極的に取り組んでまいりました。その結果、価格の安い高硫黄重油使用が可能となったわけでございますが、この高硫黄重油が、いま中国電力社長が申しましたように、非常に値上がりをしたという実情でございます。そういうことで燃料費負担が急激に増加しております。  次に、資本費修繕費などの設備関連費用増大でございます。  当社は、需要増加に応じまして適正規模電源開発を国のエネルギー政策の方向に沿いながら鋭意進めてまいりました。幸いにも、現在のところこの工事計画はきわめて順調に進んでおりますが、五十一年度、二年度の設備投資は極力効率化を図りまして、五十年比で平均一二%の伸びということになっております。  なお、五十二年度には伊方原子力発電所が運開をする予定でございますが、燃料費火力に比べまして十数%程度で済みます。一方、設備建設費石油火力の二倍以上という計算になっておりますが、総合的に見て原子力原価低減に大いに寄与するものとなっております。  このような電源を初めといたします電力供給設備建設とともに、排煙脱硫装置などの公害防止対策及び安全確保のための投資を積極的に推進いたしておりますために、設備に関する費用増大をいたしております。以上のとおり、当社原価は、資本費燃料費中心増加いたしておりますが、しかし、排煙脱硫装置設置原子力発電所運用によりまして、資本費が大幅に増高いたします一方、高騰する燃料費増加幅を抑制することができるという結果になっております。  当社料金水準は、需要密度が低いことなど四国地域特性を反映いたしまして、全国レベルではやや不利な状態にありますが、今後とも経営のあらゆる分野合理化効率化努力を結集いたしますとともに、事業に課せられました社会的責任を達成してまいる所存でございますので、十分な御理解を賜りたいと存ずる次第でございます。
  12. 板川正吾

    板川委員長 ありがとうございました。  次に、齋藤参考人お願いいたします。
  13. 齋藤義雄

    齋藤参考人 関西電力齋藤でございます。  関西電力料金改定経営上の課題につきまして、簡単に御説明を申し上げたいと存じます。  さて、当社は、去る六月十八日、電気料金改定申請を提出いたしました。御当局におかれまして慎重かつ詳細な御検討と厳正な査定のもとに、七月三十日御認可をいただきまして、本日から新料金実施さしていただくことに相なったわけでございます。  電気料金改定率は、電灯二〇・一四%、電力二三・一二%、電灯電力合わせまして、総合二二・二二%でございます。  当社は、オイルショック以降高騰し続ける電力原価をできる限り企業内で吸収するため、今日まで経営全般にわたって合理化効率化あるいは経費支出繰り延べなど、あらゆる経営努力を続けてまいったわけでございます。しかしながら、燃料費を初め設備関連費、諸経費増高は著しく、当社経営は危殆に瀕しておりました。すなわち、原価高騰のほとんどが海外石油価格上昇物価上昇夏ピーク増大電源立地遠隔化、社会的諸要請によります設備増加など社会的要因に基づくものでございまして、また、その事業収支に及ぼします影響もきわめて大きいために、経営努力のみではとうてい吸収することができない、不可能な状態にあったわけでございます。  したがいまして、このまま推移いたしますならば、電気供給設備維持拡充も困難となり、ひいては電力供給の遂行に大きな支障を来すおそれが生じてまいりましたので、料金改定お願いいたしました次第でございます。  今回の料金改定は、当社の置かれましたこのような苦しい事情に対します御需要家各位初め関係当局並びに各方面の深い御理解のたまものでございます。厚くお礼を申し上げる次第でございます。  このたびは、特に経済情勢まことに厳しい中で実施させていただくわけでございまして、私どもは、改定に際し寄せられました数々の貴重な御意見と、さらには、当社に課せられました社会的責務を肝に銘じまして、今後の電力供給の安定確保とサービスの向上に一層の努力を傾けまして、御需要家の皆様の御期待に沿うよう、全社一丸となってがんばってまいる決意でございます。  電力原価につきましては、物価の趨勢並びに産油国の動向などがきわめて流動的な段階のもとで、新料金をいつまで維持できるかを予測することはまことに困難ではございますが、当社といたしましては、新料金でできる限り長期にわたって経営の安定を図り、電力安定供給の責務を完遂してまいる所存でございます。  このため、早速社内に経営革新推進会議設置し、今回の料金改定に際しまして各方面から寄せられました御意見を十分にしんしゃくして、事業運営全般にわたり、時代の変化と社会の要請に適応し得る経営基盤の確立を図るための具体策を検討してまいることといたしております。  さて、今回の料金改定では、御当局からまことに厳しい査定を受けましたが、現在の電気事業におきましては、熱効率の向上電力損失率の低減、労働生産性向上など合理化要因もほとんど技術的限界に達しておりますので、電気事業経営安定のためには、今後よほどの抜本的対策を講じてまいる必要があろうかと存じます。  当社では、昨年度より新経営五カ年計画を立てまして、経営全般にわたる効率化を推進してまいっておりますが、これを契機に、設備の有効利用、投資効率化、業務処理基準の再検討など、あらゆる面でさらに一層の工夫をこらし、経費節減のためきめ細かいじみちな努力を傾注していく所存でございます。電気安定供給確保と電気事業経営安定につきまして、今後ともよろしく御指導、御鞭撻をお願いいたす次第でございます。  終わります。
  14. 板川正吾

    板川委員長 ありがとうございました。  次に、福田参考人お願いいたします。
  15. 福田勝

    福田参考人 私は、今回の衆議院物特で電気料金の問題を取り上げていただいたことに、大変感謝を申し上げる次第であります。  まず、私は、電力各社と通産省の査定と、この二つに分けまして、考えておることを申し上げてみたいと思います。  一つは、電力各社に対してでございますけれども、基幹エネルギーであり、地域独占企業社会的責任という問題をどのように考えておられるのかということをまず指摘をしておきたいのであります。  今回の申請と通産省の査定の差を見ますと、先発四社の場合は、申請が三四・三三%、これに対しまして認可が二七・〇七%、暫定料金として二四・九五%となっております。この申請と認可との差が七・二六%、暫定料金との差が九・三八%になりました。関電の場合は暫定料金がございませんから、申請の二九・〇八%に対して査定が二二…二二%、その差が六・八六%、こうなっておるわけであります。ところが前回は、平均いたしまして六二・九%に対して、査定は五六・八%、その差が六・一%であります。  私は、通産省の査定が、後から申し上げるように、非常にいろいろ問題があるとは思いますけれども前回は六三%程度申請に対して、その査定との差が六・一%程度であった。約一割である。今回は、いろいろ社会的責任を感じておられると言いながら、その差は四分の一もあるわけですね。こういうような各社とも不況で非常に苦しんでいる中で、電力各社だけがなぜこのような水増し申請を行ったのかということの問題であります。これだけ各社とも苦しんでおる中においては、私どもの常識で言えば、申請と通産省の査定との差がほとんどないというのがしかるべきではなかろうか。前回は一割、今回は三割に近い申請と査定との差があるということは、いかにこの電力各社が水増し申請をしておるかという証拠であろうかと思うのです。このことは後から査定になる東電以下の四社についても同様ではなかろうかと思うわけであります。これが第一点であります。  第二点は、先ほども委員長も言われましたように、大変物価高騰が言われている中で、また春闘の賃金も低く抑えられて勤労者の家計が苦しい中で、そしてまた産業の中では電気値上げによってつぶれる産業さえ出ようとしておる、またそのことによって労働者の雇用問題が起こっております。アルミを初め電力多消費の産業においては特にそうであります。そういう中で、先ほど各社の責任者のお話を聞きますと、大変苦しいということでありますけれども、苦しいのは電気だけではあるまい。このことによってつぶれる、また配当もできないような会社のことを申請に当たって一体考えたのかどうかということを指摘をしておきたいのであります。  第三点に、政治献金の問題でございますが、東電が四十九年八月十三日に政治献金中止の決定をされたことは私は非常に評価するものであります。しかし、その後の関電を初め再開の動きがあるということも一部新聞に伝えられておりました。公益事業であり、地域独占企業である電力会社が特定政党なり個人に対して政治献金をするというのは、これはもう論外であって、私どもも訴訟等を通じましてこれに反駁をしてまいっておりますが、いま政治献金を中止されていることはまことに結構と思いますけれども、現在のロッキード問題は実はその前に起こっていることであり、電気が銀行なり鉄鋼と並んで献金の御三家と言われてきたわけでありまして、今日の金権政治の一端を電力各社は担ってきたということを指摘しておきたいのであります。したがって、電力各社は、さきに社債法案が成立し、二倍から四倍という他社にない優遇措置がとられておるわけでありますから、この際、さらに社会的責任の立場を明確にして、今後とも反省をして厳しい態度をとってもらいたいと思うわけであります。  次に、通産省の査定の問題について申し上げておきたいと思います。  今回、通産省が政策的に三割以下に査定をするという判断を示したことは、インフレの懸念される中で非常に一つの英断であろうかと思いますが、しかしながら、前回の査定を見ますと、先ほど言ったように、相当厳しい査定がされたと言われているけれども、しかし、査定と実績の差は非常に大きなものが実はございます。その一例を申し上げるならば、たとえば九社合計の総括原価において査定と実績の差、実績がこれだけ少ないわけでありますが、二千九百五十二億円、二・三%の水増し査定がされております。それから燃料費なり修繕費で、九社全体で見ますと、二千九百二十六億円というのが出てまいりました。特に修繕費におきましては、実は三割近い水増しがされているわけであります。総括原価料金といういまの原則のもとに立つならば、総括原価の水増しということは、電力会社に超過利潤を与えたということになるわけであります。以上のような水増しで私ども計算してみますと、東電の場合、前回の査定で一キロワット時で十一円五十七銭ということになりましたが、これらの水増しの分を引きますと、十一円三十一銭という計算が実は出てまいります。したがって、通産省の査定は相当厳しいものをやられたといいながらも、さらにその後の実績を見るならば、相当の水増し、そして電力各社に超過利潤を与えたというふうに言わざるを得ないわけであります。その意味からいきまして、総括原価のあり方は、この料金の決定の中身につきましても検討をする必要が出てきたのではないかと思うわけであります。  次に、暫定料金の問題でございますけれども、先発四社に暫定料金をとりながら、その後の関電以下の、あとの四社もそうであろうかと思いますが、なぜ暫定料金という制度をとらなかったのか。物価の面からいうならば、二、三カ月前よりも現在の方がむしろ物価上昇率の懸念がされているわけでありまして、きわめて一貫性を欠く態度と言わねばならないと思うわけであります。  さらにまた、低所得者層への政策料金でありますが、今年度中は据え置くということになっておりますけれども、来年はこれを上げるということでありまして、来年度上げて、一体低所得者対策ができるのかどうかということにつきましても大変懸念をいたします。私どもは、引き続いて来年度でも低所得者層に対する政策料金はとるべきであろう、こう思うわけであります。  以上、料金査定の問題について簡単に意見を申し上げました。  次に、基本的な問題について二、三申し上げておきたいと思います。  一つは、料金決定のあり方の問題でございます。今回、九社に対しましての公聴会が一斉に行われましたが、この公述人の数を見ましても、二年前と比べまして、かつてないくらいに、関西電力関係を除きますと千名から三千名近いという公述申請がされております。大多数は反対の公述申請であります。なぜこんなに多くの人が申請をしたのかということをまず考えてみなければいけないと思います。  そしてまた、ブロック一カ所で大変形式化されている公聴会のあり方に対して、非常に大きな批判がいま示されているわけであります。一体、公述の内容が査定にどんな程度に反映したのか一向にわからないということでございました。さらにまた、ブロック一カ所で旅費も支給しないわけですから、該当の地方通産局の所在地近くの者しか実は公述できない。九州各地から福岡まで行く、その旅費を一体どうするのかということが一向にないわけでございまして、しかも、結果がどういうふうに査定に反映したか一向に示されていない。こういう形式化されている公述のあり方、そしてまた、このような公述を経て通産大臣が一方的に認可をするというような料金決定のあり方については、もうこれは限界に来たし、国民から厳しい批判がされているということなのであります。私どもは、地域独占企業であって、電気なくしていまの生活はできない、非常な強制力を持っているこの電気料金については、慎重に慎重を重ねた民主的な決定をしなければならないと思います。したがって、この料金決定に当たっては、少なくとも三者構成程度の民主的審議会を持つということが必要でありますし、本当からいえば、国会での決定が最も必要だろうと思います。公聴会のあり方、料金決定のあり方に対して根本的な問題がいま出されているということであります。ちょっと時間が長くなりますが、あと簡単に終わりますから……。  もう一つの点は、われわれがいろいろやってまいりましたけれども電気の会社がなぜ九つ必要なのか、そしてなぜ私企業でなければならないのかという基本問題が出されているように思うわけであります。北海道の電気料金東京電気料金がなぜ違うのかという基本的な疑問がございます。いま広域運営ということが言われておりますけれども、いまのような地域独占で、基幹エネルギーである電気というのは、もう私企業として限界に来たのではないか。それからヨーロッパの各国を見ましても、国営化が資本主義国で進んでいるわけでありますが、なぜ国鉄が公共企業体で、電気を公共企業体にできないのかという基本的な疑問が実はございます。そういう一元化、公的所有という問題を速やかに通産省としてもやるべき時期に来たのではないか。そうすれば、原価計算等なりあるいは利潤の問題等もややこしいことを言わなくても結構であります。すっきりしたものになるというふうに思いますし、また原発等の問題につきましても、非常に問題がいま出てきておることは御承知のとおりでございます。  最後に一つだけ委員長お願いしておきたいのは、この問題とはあれですけれども、実は物価指数の問題でぜひこの際、物特の皆さんにお願いだけして終わりたいと思います。  物価指数が九月に新指数に改定になると言われておるわけでありますが、前回、四十六年に新指数になったことによって一・八%物価指数が下がっているわけです。いま政府のやっていることは、物価を下げることではなくして物価指数を下げることをやっている。もしこういう経緯をたどるならば、物価は上がっているけれども物価指数だけが、六十五ふやすことによって下がるということになったならば、これは大変な事態だと思うわけであります。したがいまして、九月以降も相当の期間、旧指数と新指数を並行して発表して、この際、物価指数が生計費指数ではございませんから、勤労者の家計を反映するような指数のあり方はどうかというような問題について、ぜひ物特の皆さんに今後ともひとつ御審議を賜りたいということを最後にお願いいたしまして、若干時間が長くなりまして恐縮でございますが、意見陳述を終わりたいと思います。
  16. 板川正吾

    板川委員長 ありがとうございました。  次に、田中参考人お願いいたします。
  17. 田中里子

    田中参考人 全国地域婦人団体連絡協議会田中でございます。  本年三月末に消費者物価はやっと一けた台になりましたが、いま福田さんもおっしゃいましたように、私たちの方の賃上げ率もやはり一けた台に抑えられているという現状でございます。  東京都が昨年暮れに実施した都市生活に関する世論調査では、不況と物価高による都民生活への影響が大変深刻で、都民が実感として受けとめた物価上昇率は実に三一・六%に達しております。所得の低い者にも高い者にも、公共料金値上げはひとしく及んでおります。ほかの商品なら生活防衛のためにボイコットもできますが、電気は全くの独占事業であり、私たちに選択する権利がありません。この地域独占の事業に対する料金認可が現状のままでよいものでしょうか、私は大きな疑問を持っております。  すでに、北海道電力を初めとする先発四社、それに続いた、いまお話のありました関西電力は、査定を終えて値上げ率を圧縮認可されたわけです。通産省の査定方針はこれでほぼ固まったと見れば、私がここで電力会社方々や通産省の方々とは全く及びもつかない乏しい知識から、燃料費資本費人件費修繕費などを問題にしても、軽くいなされてしまうのが関の山です。そういう意味では本当にむなしい限りです。議員の皆さん方に、どうぞこのむなしさというものをどう取り除いたらいいかということを御検討いただきたいと思います。  今回の電気料金値上げについて、黒字の電力会社がなぜこれほど大幅に値上げするのか、この素朴な疑問は、大幅値上げを押しつけられる消費者の言い分としては当然のことだと思います。ここに問題の原点があると思います。  石油ショック以来、企業の赤字、国の赤字は大きく叫ばれて、公共料金は受益者負担の原則が最も正しい国の論理であり、企業の論理であり、それがまかり通っているのではないでしょうか。ここに消費者の論理が欠落しているところに大きな問題があります。  家計の実態は、先ほど述べたように賃上げ率に比して公共料金値上げ率が高く、逆ざやを生んでおり、消費者物価が預金金利を上回り、目減りが着実に行われている異常事態です。これを、物価が鎮静しつつあるという見方をしていること自体が、旧態依然としか言いようがありません。国民生活優先の政治とは名のみで、経済優先が堂々と先行していると思います。  消費者の論理を生かすためには、電灯料金の中でナショナルミニマムの線までは、値上げ率をせめて消費者物価上昇率以下の、つまり一けた台に抑制すること、これが政治というものではないでしょうか。  この主張について、電力会社も政府もきっとこうおっしゃると思います。電気料金は決められた料金制度に従ってまず総括原価を出し、個別原価を算定する原価プラス適正利潤によるものですということだと思います。  しかし、前期経済計画の中では、公共料金について受益者負担の原則をうたいながらも、「社会的、福祉的側面の要請から国民に最低限のサービスを提供する必要がある場合には、その効率性に配意しつつ政策的配慮について検討を行う。」としています。庶民の家計が異常事態のとき、どうしてこれを活用できないのでしょうか。イギリスの灯力格差が、電力に比べて電灯が一・〇六倍というのは、料金制度に政策的配慮を加えたからといわれております。  今回の値上げ問題に対応させる理論的根拠として以上を挙げましたが、この考え方を定着させるためには、現行電気料金制度の見直しが必要になってきます。  まず、総括原価を算定し、電灯料金については、ナショナルミニマムの範囲内に消費者物価上昇率を考慮するの一項目が挿入されるべきだと思います。  以上を第一の問題点とすれば、第二の問題点には原価算定期間のことがあります。  今回、二年の原価算定期間がとられていますが、これは電力会社と通産省のみの合意によるものです。私も参加しての料金制度部会では、「原価要素の変動の状況等に対応して、三年未満のいずれの期間も原価算定期間として採用し得るよう措置することが適当と考える。」と答申しております。もちろん、一年でも一年半でも算定期間となし得るということです。  東電の場合、四十九年値上げのときの査定と四十九年度実績を対比させてみると、消費量の低下等諸事情があるにせよ、約一四%実績が下回っております。これは福田さんも御指摘になったと思います。だからこそ、一年原価算定期間で二年ももたせることができたのだと思います。私は、長期安定という名のもとの先取り値上げは反対です。政府や企業に対する国民の不信感のあるときこそ、原価算定期間を一年にし、一年ごとに査定と対比させた実績の公開によって、どうしてもやむを得ない場合には消費者も納得のいく値上げに踏み切ってください。  第三には、独占企業だからこそ明細を明らかにしたガラス張り経営であること、設備計画、特約料金問題など、少なくとも国民の合意を得るための努力を積極的にすること、消費者の要求する資料は提示する義務を持つことが必要だと思います。  第四に、福田さんも触れられましたが、電気料金に関する消費者の唯一の正式な発言の場として、政府主催の公聴会がありますが、私たちは壁に向かって物を言うむなしさ、頼りなさを終始感じながら参加してまいりました。この公聴会のあり方について国会でもぜひ御検討をいただきたいと思います。せめて電気事業法第百十一条の「苦情の申出」について書かれてあるように、通産大臣は、「申出があったときは、これを誠実に処理し、処理の結果を申出者に通知しなければならない。」となっている程度のことは当然行う責任があると思います。  以上、幾つかの問題を提起しましたが、とにかく消費者に選択の権利を与えない独占事業料金決定に、十分に消費者が参加でき、意見が述べられる場というものが私たちにとっていま一番必要なのではないでしょうか。従来の、いままでの料金認可のあり方というものでは、国民の政府、それから通産、企業に対しての不信感が増してくるばかりで、われわれにとっても非常に不幸なことだと思います。  以上、申し述べさせていただきました。
  18. 板川正吾

    板川委員長 ありがとうございました。  次に、工藤参考人から御発言を願います。
  19. 工藤芳郎

    工藤参考人 全国消費者団体連絡会代表幹事の工藤でございます。  一つは、今回の値上げの特徴がいずれも黒字値上げであるということでございます。  東京電力値上げ申請書などを読みますと、「石油危機後の諸物価の急騰、燃料価格の引き続く上昇に加え、夏ピーク増大による設備利用率の低下、さらには電源遠隔化による長距離送電線建設環境社会安全対策費の増大などから、電力原価は著しく高騰いたしております。このまま推移いたしますと事業収支の破綻はもちろんのこと、電力安定供給やサービスにも重大な支障をきたすことが憂慮される」、事業収支が破綻をするというふうに言われておるのでありますけれども、この辺は電力会社の皆さん方の破綻という概念が一体何を基準にしているのか、私にはよくわかりません。  最近出ました五十年度の申告所得を見ましても、ベスト百の中に電力会社は東電、中電、関電、東北、九電、中国が入っております。東京電力は十位でありまして、四十九年に比べますと一五二・二、中部電力に至っては四十九年比で指数は三〇九〇・二ということでございまして、中電が二十二位、関電が二十九位、東北七十位、九電七十一位、中国電力八十三位と、いずれもわが国の大企業として位しているわけでございます。  もちろん三月決算をとってみましても、九電力で税引き後の利益で六百一億九千七百万円を計上しております。その他八千万以上の内部留保額もありますので、破綻に瀕するなどというようなことはとうてい考えられない。  今日の経済状況は、御存じのように大手の企業の中での景気回復の基調は見られますが、中小企業は昨年度一万二千六百五件、昭和三十年に比べますと二十倍の倒産があったのですが、今日なお一千件以上の倒産が続いておる状況にあるわけであります。  こういう中で黒字か赤字かを論ずる場合には、中小企業の立場、国民生活のあり方などを十分勘案した上で事を論じませんと、電力会社の立場だけを考えておりますと破綻に瀕するなどという言葉が出てくるのではないか。これは経済情勢全般を十分見通していないのか、あるいはまた、見通していても、そういうふうにわざとそういうことを言っているのか、大変理解に苦しむところでございます。  また、こういった黒字値上げをやりますが、値上げを予定どおりやったといたしますと、現在消費者物価指数が一〇%前後の値上がりを見せておりますが、なお注目しなければならないのは卸売物価の指数でございまして、十二カ月連騰を続けておるわけであります。日銀総裁もマネーサプライの増加などを含めてインフレの心配さえしているわけでありますから、われわれは大変重大な関心を持っております。  さらに、私鉄の、最近出されました民鉄協会からの資料などによりますと、電力料金値上げが出れば私鉄は重大な影響を受けるということをすでに発表しているわけでございまして、現在進行中の国鉄運賃の問題も含めまして、関連する公共料金あるいはまた鉄鋼、非鉄金属などの値上がりが進むということで大変重要であると思います。  次に、現在申請中でありますから、ぜひとも厳正な査定を通産当局お願いをしたいわけでございます。先ほど福田参考人からも言われましたが、前回の査定と実績、あるいは前回申請と実績との関係がやはり参考になると思います。東電、関電、中電の三社の総括原価だけでも二千九百五十二億の水増し査定があったわけでございます。特に申請との対比でありますと、実績との差額は三千八百八十二億に上って、一四・四%の食い違いが出ているわけでございます。  電力会社各位にお尋ねいたしますと、燃料費などは七三年以降の石油ショックの中で大変見通しがつかなかったと言っているわけでありますが、それでは修繕費などはどうなるのか。修繕費は標準修繕費率でいくわけでありますから、そう食い違うはずがないわけであります。ところが、申請と実績との違いでは九電力で九百七億、四二・四%、さらに査定と実績との差額でも六百十五億、二八・七%の食い違いが修繕費には出ております。  燃料費は、御参考に申し上げますと、九電力申請と実績との差額は二千九百十六億、水増し率が二〇・六%、さらに査定と実績との差額では二千三百十一億、一六・三%、こういう違いが出ているわけでございます。特に、前回は一年原価をとったわけでありますから、食い違いが出るといっても、このように見通しと実績との食い違いが出てきたのでは国民は通産当局を信用することができなくなるというように思っているわけであります。  それでは、なぜこのような食い違いが出ているのか、出てくるのか、またどうすればこれを改めることができるのかというような観点で今後検討してもらわなければ、このような食い違いは今後とも改まらないだろうと思います。  第一は前提計画であります。需給計画設備投資計画といったような前提計画について国民参加が全くありません。国会の審議もありません。需給計画などは産業構造審議会などによって御討議はあるわけです。また、設備投資計画は現在では届け出制によってなされておるわけであります。膨大な設備投資計画が担当課長と当該企業との間で話し合いをされるということであってみれば、この設備投資計画が本当に適正なのか、必要最小限度額なのかといったようなことは国会でもわからない。もちろん国民にはわからないということでございますので、前提計画を策定する段階、これを確定する段階で公的なチェック機関が必要ではないだろうかと思うわけであります。  今度はそういう前提計画のもとで行われる総括原価でありますが、まず燃料費の問題であります。これは地域的な独占が許されているにもかかわらず、依然としてナフサやあるいはLNGや各種の石油製品などの購入ルートや購入価格が公表されない。つまり、討議をする場所がない、通産省のあるべき水準も示されていないということでございますから、これも水増しが出るのもやむを得ないわけであります。それから修繕費は標準修繕費率でいっているわけでありますが、実績主義も若干勘案されているわけでありますが、やはり主として実績主義の上に立って修繕費は算定されるべきではないか。前回の査定でも燃料費修繕費の水増しが一番多いわけでありますから、この点は改めてもらいたいと思います。  次に、資本費でございます。問題は減価償却費、事業報酬額の算定基礎となる対象資産であります。これは、通産省の算定基準要領によりますと、真実かつ有効な資産でなければならないということがこの算定基準要領に書いてあるわけでございますが、真実かつ有効な資産とは一体何なのか。先般も通産省の担当官にお尋ねをいたしましたら、またここにお隣りにおられます部長にもお尋ねをいたしましたけれども、その定義は現在ないと言うのであります。ですから、稼働中のたとえば原子力発電でありますが、そういう設備があるといたしますと、それが稼働率がよくても悪くても真実かつ有効な資産には関係がないというようなことになっておるわけでありますから、それはわれわれから見れば全く心外でありまして、これは修辞句にすぎないということをいまお尋ねをしておるわけですが、真実かつ有効な資産というのはどういうものを言うのか。真実の反対は虚偽であります。有効の反対は無効でありますから、虚偽にして無効な資産なんというのはありようがないわけでありますから、そういうことがあってはならぬ。これは本当にどういうものか、ぜひとも中身を御検討いただきたいと思うわけでございます。  さらに、こういったような資産が築かれていく過程でありますが、先ほどの前提計画ともあわせ考えてみますと、たとえば発電所建設いたします。この場合の請負会社は一体だれにやらせるのかというのは、官庁の工事でありますとすべて入札制度でございますが、電力の場合は特命発注でございます。私の消団連の方に消費者の方から投書がございました。これは東京電力の一例でありますが、昭和三十年に行われた千葉火力の場合は間組、三十二年の横須賀火力は国土開発、西松建設、鹿島建設、三十七年の五井火力は間組、四十年の姉崎火力は大成建設、前田建設、四十三年の鹿島火力の場合は大成建設、前田建設、四十一年の福島原子力は間組、前田建設、五洋建設、四十六年の高瀬川水力は鹿島建設、飛島建設、間組、国土開発、こういうふうに特命発注でやっておるんだ。したがって、こういう技術者から見ても大変問題があると思うというような投書が実は来ているわけでありまして、つまり、ここのところの事業資産を真実かつ有効なものにするためには、前提計画としてこの建設会社との見積もりが本当に厳正に行われておるかどうかということが問題になるわけであります。その辺を抜きにして事業資産を幾ら幾らあるというふうに見積もっていくということであれば、減価償却費や事業報酬額は非常に大きなものになっていくだろうと思うわけでございます。  こういったような問題を論じて初めて適正な原価、適正な利潤というのが出てくるわけであります。事業法によりますと、適正な原価、適正な利潤ということがうたわれています。事業報酬率との関係から言いますと、昭和三十五年につくられた算定基準要領、これは高度経済成長政策がとられる前夜につくられた算定基準要領であります。今日から将来に向かっての経済のあるべき姿の中でこういった事業報酬率が今後とも通用するのかどうか。現在は八%であります。アメリカなどでは六%でありますが、こういった事業報酬率を今後ともやっていくのかどうか。この辺の報酬率の問題も御検討をいただきたいと思っております。  最後に、私は、電力事業が公益事業として本当に国民本位のものになっていただきたいと思っているわけでございます。そのためには、電力企業に関連するさまざまな企業、たとえば燃料の購入でありますと大手商社も通しましょう。あるいは石油会社も通しましょう。こういった関連企業ですね。燃料の問題で言えばたとえばそういうところ、あるいは建設でありますと建設会社との関連の問題、あるいはお金を借りる場合は生命保険会社や銀行などとの関連、こういった関連企業電力会社との関係がどのようになっているのかというところが国民の前に明らかにされないと、電力会社だけが公益事業として腐敗のない清潔な企業として立っていこうといってもかなり無理があるのではないか。そういう意味で言えば、私は連結監査制度といったようなものを設ける必要があるのではないかと思うわけであります。来年から連結決算がとられるということは聞いておりますが、そういったような方向ではなくて、本当に公益事業としてあらしめるためには、関連企業は言葉は大変悪いのですが営利企業でありまして、ハゲタカのように公益事業に群がってもうけを取っていく、そうしてその負担は全部国民消費者におっかぶせる、こういう形では、きょうは電力のトップの方がお見えでございますが、一生懸命企業努力をやろうとしても関連企業に食われてしまう。つまり、公益事業国民からの収奪のパイプになってしまうのではないかというふうに心配をするわけでありますから、その辺がきちんと問い改められなければ、つまり経済的な民主化——経済的な民主化といいますか民主的なコントロールといいますか、そういったことが加えられなければ電力国民本位のものになっていかない。したがって、水増し原価燃料の問題や原子力プラントの購入をめぐるさまざまな疑惑が生まれてくる根源がそこにあるのではないか。こういったことをぜひ国会でも積極的にお取り上げをいただきますようお願いいたしまして、私の陳述を終わりたいと思います。
  20. 板川正吾

    板川委員長 ありがとうございました。  以上で参考人各位の御意見の御開陳は終わりました。
  21. 板川正吾

    板川委員長 これから各参考人に対して質疑を行いますが、まず各党一巡の質疑をいたします。一人当たり十分ないし十五分程度といたします。その後フリートーキング形式の質疑で議事を進めることにいたします。各委員は挙手をして質疑の申し出をしていただきたいと思います。なお、会議録作成の都合から、委員長の許可を得た後御発言をするようお願いいたします。質疑者も参考人方々も座ったままで結構でございます。  これから質疑に入ります。加藤六月君。
  22. 加藤六月

    加藤(六)委員 参考人各位には非常に貴重なる御意見をお聞かせいただきまして、ありがとうございます。時間がございませんので、簡単に要点だけ御質問いたしたいと思いますので、ひとつ御答弁の方も簡単にお願いいたしたいと思います。  まず一番に、加藤参考人にお伺いいたしたいと思うのですが、先ほど福田参考人もこの問題には触れられたわけですが、私の質問は福田参考人がおっしゃったのとは若干立場が違うかもわかりませんが、料金改定申請のときにおっしゃった内容を聞きますと、各社とも経営合理化効率化等に最大限の企業努力をし、厳しい自社査定をし、なおかつ、前回料金値上げもし今回もしていこうとしているというお話がございましたが、しかし、申請どおり認可されるとは思えないわけです。そうしますと、査定と申請どおりの認可という問題で、その差というものをどういう方法で吸収されていくのかということが一点と、申請と査定されてくるものと非常に矛盾があると思うのですが、それをどう思うかという点。これを福田参考人申請の水増しという表現をせられたわけですが、査定というものと皆さん方の申請というものはどういう方法で吸収していくのか、あるいは矛盾はないのか。  ついでに質問する点を全部一連に質問しておきたいと思うのですが、その次に、これは齋藤参考人に第二点お伺いしたいと思いますが、先発四社に対しては、先ほどこれも同じく意見が出ましたが、暫定料金制度というものを採用しております。これはある面で言いますと、公共料金原価主義をゆがめるのではないかという点等もあるわけであります。もちろん、田中参考人がおっしゃいましたナショナルミニマムという問題等とも考えなくちゃならぬのですが、この制度の導入ということについてどのように齋藤参考人は受けとめておられるかという点をお聞かせいただきたいと思います。  それから、これは山根参考人にお伺いしておきたいと思うのですが、為替レートの問題であります。先発四社については、最近三ヵ月の実勢だということで三百五円の申請に対して三百円の査定が出てきております。ところが、関西電力の場合はこの申請と査定が金額が違ってきております。聞くところによりますと、これは三百一円の申請で二百九十九円、そうすると、最後の後発四社の場合、最近の円高傾向というのがあるのですが、これでまたそれ以下の数字に査定を受けた場合に、燃料費という問題を油の問題としてどう判断されていくかということであります。  それから水野参考人に第四点お伺いしますが、先ほど工藤参考人からナフサ、LNGの問題が出てきましたが、聞くところによりますと、東京瓦斯と東京電力はLNGを輸入するについて日本の船を使いたくないというお話があったとかいうことでございます。それは、五百億、六百億一隻の船がかかるのに二週間、三週間ストをされたら大変なことになる、世に言われておるマルシップなら使ってもいいけれども、純粋の日本海運は使ったら大変なことになるという発言があったかどうかということなんですが、そこら辺、おっしゃったことが東京電力東京瓦斯としてあるのかないのか、あるならばその理由をはっきりお教えいただきたい、こう思うわけでございます。  その次に、これは工藤参考人にお伺いしておきたいと思いますが、地域的独占であり公共料金である電灯電力料金というものとあなたのお言葉の中にも出てきましたが国鉄というもの、国鉄の場合には交通手段として選択の余地があります。選択の余地があるものに対して国が相当助成しております。そうすると、電力会社そのものに対する国の助成というのをあなたはお考えになったことがあるかないかということですね。逆の言葉で言いますと、私は実は助成というのを全部やめていきたいという気持ちがあるのです。先ほどちょっと海運に触れましたが、海運自体ももう成り立たないということになると一部で猛烈なる助成運動をする。すべての日本のそういう大きな企業に助成助成ということをやっていきますと、国の財源というのは国民の財源ですから幾らあっても足りなくなる。そこら辺で、一つの同じ公共料金としても、対国鉄の問題と電灯電力料金の問題についても非常な苦しみが接していく場合にあるわけなんです。そこら辺をどうお考えかということでございます。  それから、これは福田参考人がいいのかどうかわかりませんが、九電力あるいは私企業としての限界という問題にお触れになりました。いろいろな論文や何かも私たちは読んでおるわけでございますけれども工藤参考人に御質問したと同じ趣旨でございますが、九電力というものを自由なる競争に持ち込む方法はありやなしや。福田参考人は限界説をとっておられるようでございましたが、私は逆に、自由なる競争というものを何か導入する方法があるかないか、ここら辺の問題をお教え願いたい、こう思うわけです。  それから田中参考人に御質問いたすのですが、われわれも前回の四十九年の値上げのときには四国電力中国電力供給範囲内における一世帯当たり平均の家庭の使用量という数字まで出してナショナルミニマムの問題を激しく党の段階で議論したわけでございますが、その問題に絡んでいっていまの料金決定のあり方というものが二年あるいは三年あるいは一年といういろいろな議論が出てくるわけですが、その中でナショナルミニマムを二年、三年の中でどう見ていけばいいのかということについての御意見がございましたらお教えいただきたい。  大変長くなりましたが、以上であります。
  23. 板川正吾

    板川委員長 それでは参考人の方から御発言を願います。加藤参考人
  24. 加藤乙三郎

    加藤参考人 ただいま加藤議員さんからお話がございました水増しの件でございますが、これは先発五社といいますか四社といいますかはもちろんでございますし、いま出席させていただいております各社も決して水増しなんという考えは毛頭持って申請はいたしておらぬと存じます。  ただ、すでに査定を受けました会社を見ますと、何がしか申請と査定との間に差がある、これは事実でございます。しかし、私ども、まだ査定を受けている段階のものとしまして、この後の結果についてどうこうということは申し上げかねますが、しかし、いまの先発四社あるいは関西さんも決意を表明されましたように、査定を受けましたにつきましては、あくまで会社であらゆる機関を設けまして企業内において努力してこれが吸収に努めてまいりたいということでございます。私ども全くそのようなつもりでございまして、査定を受けました上は、あくまで、先ほど来申しました安定供給ということを第一として経営に当たってまいりたいと思うのでございます。  査定といまの私ども申請との間の差でございますが、これはいまの、私どもはあくまで安定供給を念として申請をいたしたのでございますが、当局ではこれを若干見解の相違という点で差ができたかと存じまして、改めて水増しではございませんということを申し上げておきたいと思います。
  25. 齋藤義雄

    齋藤参考人 ただいま暫定料金の問題につきましての御質問かと存じますが、当社改定率は二二・二二%でございます。先発四社の暫定料金改定率をかなり下回っておるわけでございまして、このために御当局といたしましても、当社の場合、暫定料金の必要性を認めなかったのではないか、かように思われるわけでございます。
  26. 山根寛作

    山根参考人 為替レートのお尋ねがございましたので、私の考えを申し上げます。  実は四十九年の料金改定のときには、二百八十円で査定になりました直後三百円に下がったわけでございます。それから先発の今度の四社は申請が三百五円でございましたが、三百円に査定をされておる。それから関西電力さんが、申請は三百一円でございますが、二百九十九円で査定を受けておられます。  私ども考えますのに、為替レートは最近時点ではどうも円高傾向にあるように考えられまして、これはもちろんお役所が御査定をいただくわけでございますので、私ども希望としては申し上げておりますが、なるべく長期的観点からお考えをいただけば結構ではないかと思うわけであります。  以上で終わります。
  27. 水野久男

    水野参考人 ナフサあるいはLNGの油送船を日本船を使うのはいやだ、使いたくないという御質問でございましたが、私、そういうことはいまだに聞いておりません。  ただ、私想像いたしますのは、LNGの油送船というものは、一般の油の油送船と違いまして特殊の技術が必要であるわけでございます。それで、まだそういうものが日本の造船会社でできません間、当分は外国の技術によるよりやむを得ないのじゃないか、こういうので外国船に頼っているのではないかと思います。外国船のみによって、日本船は使わないというのはちょっと私考えられないことだと思います。  以上であります。
  28. 福田勝

    福田参考人 自由競争の問題でありますけれども、たとえば、加藤先生は岡山ですけれども、岡山で、もし関電がサービスがいいからといって、関西電力を買うわけにはいきません。そういう競争関係が、自由選択がないところでは、実は自由競争というものはあり得ないのではないか。国鉄は、限定された地域において私鉄もあり、航空機もあり、いまの国鉄というのはそのために負けたようなところが若干あるわけでありますが、そういう意味において、電気はそういう関係にないので、九電力がなぜ必要なのかということがどうも私どもはわからない、そういうことでございます。
  29. 田中里子

    田中参考人 ちょっとよくわからなかったのですが、ナショナルミニマムを二年、三年の間どう考えていくかという……(加藤(六)委員「据え置くなら据え置くとしてですね」と呼ぶ)はい。ただ、一つは私は、電気料金の場合と言わずに公共料金の場合に、ナショナルミニマムの考え方を導入するということは必要だと思っております。ですから、そういう意味では、電気料金料金制度の中にナショナルミニマムの考え方を導入したということは評価しているわけです。  それで、九電力がナショナルミニマムを同じように百二十キロワット時で設定しているのがいいか悪いかという問題になりますと、加藤先生も御調査なされたとおっしゃいますように、たとえば四国東京では違うと思いますし、それから北海道や東北電力、東電や関電とは標準的な使用量というのは格差があると思いますので、そういう意味では、ナショナルミニマムの設定は、キロワット時の設定について地域差があってもいいのではないかというふうに考えております。ただ、今回の電力値上げのときに、この主張をそう消費者団体が大きな声で言っていなかったというのは、現状の総括原価から個別原価を算定してやっているその枠内で電灯料金のナショナルミニマムの線を少し上げれば、結局、負担がナショナルミニマムの方も引き上げられるという、ですから百二十キロワット時から百六十キロワット時に上がっていくと、その百二十キロワット時の値上げ率よりもさらに大きくなるのではないかという懸念もありまして、電灯料金だけの範囲内でどう動かしても、余りわれわれにとってプラスにならないのじゃないか。むしろ、私が先ほど言いましたのは、総括原価ということは厳しく査定して決める必要があるのですが、個別原価の問題についていまのやり方がベストであるとはとうてい思っていないわけなんです。それについて、やはり電力電灯の場合の政策的配慮が必要じゃないかというふうに考えておるわけでございます。
  30. 工藤芳郎

    工藤参考人 国の助成をどう考えるかという御質問だったと思います。  国鉄に関しましては、私どもは、国鉄に要する費用の中で、基本的な施設に要する費用、たとえば新幹線を敷設するような費用、そういったようなものと経常費用とを分けまして、その基本的な施設に要する費用については国が支出をすべきである、その他の経常コストについては国民負担をすべきである、こういうふうに提案申し上げてきたことは御承知のとおりであります。  電力についてどう考えるかということですが、電力は株式会社制度をとっているわけです。公益事業としては、一応共通のベースがあるわけです。現在の段階では、そういうふうな発想はいままでなかったわけでありますが、特に今日のように、大半の費用がたとえば電源開発に必要な費用ということになりますと非常に多額に上っていくわけです。そこで、そういう問題を、国鉄の問題についての考え方を応用できるかどうかということなんですが、私、現在の段階では、前提問題が一つあると思います。  それで、その場合には、私的経営をとっておりますので、経理内容を十分やはり公開をしていく。それから先ほど申し上げました前提計画、需給計画設備投資計画などを国会などで十分論じられるような仕組みができるならば、これは私は基本的な建設費用などについては国の助成があってもいいのではないかというふうに考えておるわけです。  もう一つ関連して申し上げますと、ガスの場合もそうでありますが、電力の場合は最近自己資本比率が非常に下がってきているわけです。民間資金を導入するのがいいか国の金を使うのがいいかということとも関係があるわけでございます。ことしの三月決算を見ましても、わが国の企業は大体二〇%以下になりました。自己資本比率が下がってきているわけです。これが戦前では自己資本比率は六〇%前後でした。四十年で二六%台だったものが年々低下する一方でございまして、四十九年度下期では全産業平均で一四・九、製造業でも一七・八、こういうふうになってきまして、電力、ガスが一八・九であります。ですから、公益事業の自己資本比率が下がるということについてはもっと考えてみなければならぬ。公益事業の場合は事業報酬制度をとっていますから、この借入金の利息や配当予定額などは、広義における資本コストは先取りといいますか、事業報酬に上積みされるわけであります。ですから、こういう形で国民にすぐかかってきますので、民間の資金をダイレクトに導入するということについては、一つは民間の資金を使う場合の公益事業に対する金利のあり方というのをひとつ検討してもらわなければならぬだろうと思います。日経新聞などによりますと、生命保険会社が最近貸出金利を下げることを検討しているということをちらっと聞いておるわけでありますが、そういうことであるならば、もっと大蔵省に御検討いただいて、公益事業についての金利のあり方というものをもっと考えてみる必要があるのじゃないか。現在九・七ぐらいのを使っているようでありますけれども、そういうふうなことでは国民負担がふえてまいりますから、ならば、国のお金を出した方がいいのじゃないか。しかし、その場合、税金でありますから、その使途なり、事前または事後のチェックを十分するという保証が取りつけられるということがあくまでも前提でございまして、国民への直接負担を軽減するという方法をまず検討してみるということが必要だと思います。
  31. 加藤六月

    加藤(六)委員 どうもありがとうございました。
  32. 板川正吾

    板川委員長 次に加藤清政君。
  33. 加藤清政

    加藤清政委員 私は、最初に黒字企業値上げの根拠について加藤参考人にお尋ねし、原価計算の構成項目について水野参考人にお尋ねしたいと思います。さらに、原子力発電、特に効率と料金関係について加藤参考人その他の参考人の方からお答えを願いたい、このように思います。さらに、電力各社原価構成比の伸び率について山根参考人からひとつお答えを願いたい、こう思います。  最初に、黒字企業値上げの根拠でありますけれども電力九社は相次いで料金値上げ申請しまして、すでに北海道だとか東北、北陸、九州の四社が六月十五日に通産省から平均二七・〇七%の値上げ率で認可され、続いて七月三十日に関西電力が二二・二二%で認可されております。ところが、日本経済新聞が発表しました五十年度の日本の企業百社のランキングでありますけれども、九社とも上位にランクされておって、売上高では五位の東京電力の一兆二千九百十七億円を先頭に、関西電力は十四位で八千十三億円、十八位の中部電力が六千三百三十九億円、東北電力、九州電力中国電力の六社がランクされておりまして、各社とも前年に比較して順位がずっと上がっておるわけです。利益面でも百社の中に電力九社が入っておりまして、東京電力の三位で三百八十四億円を筆頭に、五位の関西電力、六位の中部電力、二十八位の東北電力、二十九位の中国電力、三十位の九州電力、四十八位の四国電力、六十七位の北海道電力、七十五位の北陸電力と続いておりまして、全部百社のランクの中に挙がっておるわけであります。  このように売り上げでも利益でも日本の企業の上位にランクされている電力会社料金値上げ申請しておるわけでありますけれども、先ほど工藤参考人からお話がありましたように、中小企業の倒産は非常に深刻なるものがあるわけでありまして、昨年九月から十一月続いて千件台をすでに突破しておって、中小企業は原料高の製品安という大変深刻な現状に当たっておるわけでありますけれども、黒字経営電力会社が一斉に料金値上げを急いで申請する理由は現在の社会情勢において大変と考えられるわけでありますが、この申請の根拠は一体どこにあるか、その点について加藤参考人からお答えを願いたいと思います。  次に、原価計算の構成項目についてお伺いしたいと思いますが、たとえば研究費、この問題でありますけれども東京電力の研究費は五十年度は四十三億五千万円であったにもかかわらず、五十一年度では百三十一億六千四百八十万円と三倍強の増強をしておるわけであります。研究費そのものの必要は認めますけれども、この異常なる引き上げがどうしても何か便乗値上げというような感があるわけですけれども、このことについての御答弁を水野参考人からお答え願いたいと思います。  なお、配当の問題についても、この点についてもっと配当を原価計算主義の中から低くして、それを料金体系にもっとしわ寄せされないような配慮も必要ではなかろうか、この点についてもひとつお答えを願いたいと思います。  次に、原子力発電の効率と資金の投入の問題でありますけれども原子力発電については本年五月に通産省は原発開発計画をまとめまして、それによりますると、原発の規模を六十年までに四千九百万キロワットに拡大することになっておりますが、現在は十基、合計電気出力六百七十万キロワット原子力発電所が運転しておりますが、新たに四千二百三十万キロワットの原発を建設しなければならないわけでありますけれども、つまり、後九年間で百万キロワット級の原発を四十二基必要とされるわけでありますが、平地面積の狭いわが国で四十二基の原発を建設するということは非常な問題があろうと思います。その安全性の問題、そういう問題についてはここでは論じませんけれども、大変原発の故障が多いわけでありますので、投資のわりあいに効率が上がっていないというのが現状であろうと思うわけであります。  たとえば日本原子力発電ですが、敦賀の時間稼働率が二五・七、設備利用率が二五・五、それから関西電力の高浜が時間稼働率が一六・五、設備利用率がわずかに四・五というように、投資のわりあいに効率が非常に低いという中に、これからこういう問題について一体どう考えておられるか、その点についてお聞かせ願いたいと思います。  それから、最後に山根参考人にお尋ねしたいと思いますが、電力各社原価構成及び伸び率を見ますると、さっき山根参考人から、特に燃料費が高くなって困っていることを強調されたわけであります。しかし、この表を見てみますると他の会社よりも大変構成比が低いのですが、その点、たとえば関西電力の場合には構成比が三八・一、中国電力は三五・四、四国電力が三九・九、東京電力が三九、中部電力は四二・七ということで、他の会社より大変低いように感じられるのです。先ほど山根参考人から構成比が非常に高いということを強調されましたが、その点についてひとつお考えをお聞かせ願いたいと思います。
  34. 板川正吾

    板川委員長 それでは加藤参考人から。
  35. 加藤乙三郎

    加藤参考人 加藤でございます。  ただいまの、なぜ電気事業が黒字でありながら料金値上げ申請をしたか、こういうお話のように承りました。御案内のとおり、電気事業設備産業であるという非常な、他の産業に比べましてかなりの特殊性を持っているかと存じます。資本金など他産業に比べまして相当大きいということが申し上げられるかと存じます。いまお話しございました五十一年三月末、この一部上場会社から御指摘がございましたのですが、その一部上場会社は大体九百社だと承知しております。その資本金が九兆五千億と承知しております。その百分の一に当たる九社でございますが、一兆三千億の資本金を持っております。したがって、資本金からいけば、いわゆる利益率からいけば問題にならない低いことに相なるかと存じます。ちょっと例にありましたある自動車産業などは非常に大きな会社でも五百億あるいは五百四十億、それが、利益率からいけばこれは何層倍ぐらいになるかと存じます。ただ、額ではなくて利益率、実質でひとつお話をお願いできればと存ずるのでございます。  御承知のとおり、四十九年度のオイルショックで二十四年間ためました留保金を全部吐き出しまして何とかつじつまを合わせたというのが九電力会社の実態であります。したがいまして、ここで料金値上げお願いしませんと、赤字を埋めるものは何にもございません。企業の性質からいきまして、いまの原価主義はあくまでとっておるなれば、それに対する資本費というものはお認めをお願いいたしたい。  それから配当率の問題でございまするが、いま産業界は不況であるということでございますが、少し長期的な観点から見ますと、大体電気事業の倍ぐらいの配当に相なるかと存ずるのでございます。いま九百六社のうちで、株価をひとつごらんいただきましても、一けた台の株価というものはございません。大体は私ども七百円とか六百七十円とかいっているのですけれども、これは十株でございますから、一株に直せば七十円なり六十五円であります。そういう株価は一部上場側には電気事業以外はまずないと申し上げてもいいと思います。したがって、この中で資本の調達をするには、いわゆる配当だけは安定しているというのが、投資家に対する一つの大きな、持っていただく根拠になるかと存ずるのでございまして、ただ配当であるとか黒字であるということだけでお決めいただかずに、他の資本金であるとかいう点から御検討をいただければ大変幸いだと存ずるのでございます。  以上でございます。
  36. 水野久男

    水野参考人 先ほど加藤先生からの御質問、第一の御質問は、まことに申しわけございませんが、よく聞き取れませんでしたが、多分料金原価計算の構成率についてお尋ねになったと存じます。私ども申請いたしました内容は、原価の中身でございますが、人件費が約一一%、それから燃料費が三九%、修繕費が七%、資本費が二一%、公租公課が約五%、購入電力料が一一%、その他が約五%という状況になっております。  それから第二の御質問の研究費の問題でございますが、研究費が非常にふえたがというお話でございますが、研究費はこの一両年、ともすれば収支が非常に窮屈でございましたので、できるだけ削減を加えてきたわけでございます。技術革新の必要、特に原子力関連の必要性が非常に強くなってまいりましたので、実績に比べれば非常に大きいように見えますが、適正なものを申請しておると存じます。  この申請織り込みで、研究費、普及開発関係費、廃棄物処理費が増加しております理由は次のとおりでございます。  第一に研究費でございますが、先ほど冒頭に申し上げました、私どもは都市型の電気事業でございますので、環境対策あるいは系統強化のために開発研究を進める必要がございますほか、脱石油に沿った原子力開発のための研究課題が非常にたくさんあるのでございます。たとえば火力で見ますと、排煙脱硫であるとかあるいは温排水の対策、そういう技術、あるいは系統運用関係に見ますと大容量の高電圧の送電、これは夏、冬両方ともでございます。それから原子力に関しましては、安全研究、それから改良標準化あるいは放射能の低減対策、こういうものに鋭意研究を進めなければなりませんので、額も相当膨大になっていった次第でございます。  そのほか普及開発関係、これは細かいのでございますが、この一、二年の間PR資料であるとか刊行物、たとえば皆様方のお手元に届いているかとも存じますが、「東電グラフ」であるとかあるいは「地域開発ニュース」というようなものの配布回数あるいは部数等を削減いたしましたり、新聞広告も少なくいたしました。それから普及開発の行事も縮小いたしました。今回の申請は、これらのかつて縮小いたしましたものを正常の水準に回復させまして電気事業に対する御理解を高める必要があると存ずる次第でございます。  それから、廃棄物の処理費につきましては、火力の灰処理の委託費がふえましたこと、これは火力で灰処理というのはおかしいのでございますが、油をたきましても灰がたまりますので、これの処理が必要でございます。それから火力の排水処理施設の汚泥処理をコンクリートによってやる方法がないか、これを改善するとか、原子力の稼働率向上によります廃棄物処理の増大、こういう点で研究開発費がふえてまいった次第でございます。
  37. 山根寛作

    山根参考人 御質問の内容をはっきり伺えませんでしたが、一つは料金地域格差の問題でございますか……(加藤清政委員「構成比」と呼ぶ)わかりました。お手元に配ってあります資料の五ページをごらんいただきますと、私の方の原価内容の中に購入電力料というものがございます。千五百九十七億という、これがございますために、これがほとんど火力でございます。燃料費と合わせますと四千四百三十一億という数字になるわけでございます。そうしますと純原価の八千十一億の大体五〇%になるわけでございます。それを御説明申し上げたわけでございまして、各社さんの火力比率が多いとか少ないとかいうことは私は申し上げておりませんので……。  以上でございます。
  38. 加藤乙三郎

    加藤参考人 原子力の点でございますが、いまの昭和六十年度に四千九百万キロというのは現状からいけばいかがという御質問のように承りました。確かに現状からまいりますと私ども非常に憂慮いたしております。しかし先ほど申しましたように、将来石油依存度を少しでも縮めるという意味におきまして、これの代替としてわれわれとしましては原子力発電の安全性を一層強めながらこれに向かっていかなければならないというふうに考えております。  また、原子力発電がいま稼働率が低いではないかというお話がございましたが、確かに一昨年、昨年は低うございました。しかし、これはいまの故障というものを二度と同じような設計のもとにつくられました原子力発電所にも起こさないという意味におきましても、一時それをとめまして修繕をいたすということでございます。したがって、五十一年度からは大体六五から七五くらいの稼働率になるかと、かように考えております。  以上でございます。
  39. 板川正吾

    板川委員長 次に野間友一君。
  40. 野間友一

    ○野間委員 最初に水野参考人にお伺いをしたいと思います。  先ほどから問題になっておりますように、値上げ申請理由について、九電力とも収支悪化、あるいは先ほどの工藤参考人のお話にありますように、東電の場合には収支が破綻するというようなオーバーな表現までされておる。三月期の決算を見ますと六百億の税引き利益、さらに内部留保が九電力合計しますと七千七百九十億、工藤さんは万と言われましたけれども、億ですね。こういう状態でなぜ収益悪化あるいは破綻というようなことが出てくるのか。これでは国民を納得させることができないと思うのです。田中参考人も言われたと思いますが、昭和六十年をめどに確か四十八兆円の設備投資ですか、これは原子力発電中心になるやに思いますが、恐らく値上げの本当の理由、ねらいというのは、原子力発電中心とした設備投資、これに金が要る、これ以外に私は理由は考えられないと思うのです。そうしますと、国民に対しては結局その設備の先取り値上げということで、このインフレと不況の中で苦しまなければならないというふうになるわけで、加藤参考人から幾たびかいろいろ話を聞きましたけれども、どうもやはり納得できませんので、その点について水野参考人から、これは当面東電が値上げ申請をしておりますから、ぜひ納得のいくような説明をしていただきたいというのが一点です。  二点目は、福田さんあるいは工藤さんも言われておりましたが、申請査定、実績ですね。これも東電の水野さんにお伺いしますが、この申請、査定、それから実績、これが奇妙なことに九電力とも一致しておるわけです。非常に大きな矛盾がずっとあるわけですね。逆の場合はどの会社を見てもないわけです。その点で燃料費とか修繕費、いろいろ問題点工藤さんも指摘されましたけれども、この指摘に答える形で、なぜこうなったのかということについてぜひお答え願いたいと思う。ついでに通産省もその点について疑問にお答えいただきたい。  三点目は、政治献金の問題です。福田参考人が言われましたように、政官財、この癒着の問題ですが、企業献金、とりわけ電力会社は公益事業でありますから、こういうところが献金するということは、これはけしからぬ話だと思うのですね。東電がなるほど献金しないという方向を固めておられるようですけれども、ほかの電力会社、きょう来られた方々は政治献金についてどういうような方針を持っておられるのか、この点についての明確なお答えをひとつ願いたい。  最後に、農事用の電力について、これはきょうお集まりの参考人方々にお伺いしたいと思うのです。といいますのは、農事用電力については、灌漑排水あるいは育苗栽培、それから脱穀調製、その他イグサの乾燥機のものとかありますけれども、これは扱いが全部まちまちなんですね。中国電力が農事用の電灯を含めて農事用の電力、これらすべてが、既設さらに新設ですね、これについては全部適用されておるということで、この点で私は評価するわけですね。ところが東電あるいは関電、これらについては、ほかでも皆同じような不備な点がありますけれども、いろいろまちまちでありまして、特に私がここでお伺いしたいのは、たとえば関電の場合で言いますと、米麦以外にミカンとか野菜栽培、これについての灌漑排水、これのいわゆる農事用電力の適用がないということで、大変深刻な思いをしております。さらに四国に参りますと、高知ではいわゆるイグサの乾燥、これは九電等についてはイグサの乾燥について農事用電力を適用しておりますけれども四国ではない。そのためにある農民組合の方が試算しますと、現行料金でいきましても、これは低圧電力契約による料金を払っておる、これが年間九万七千三百八十五円。農事用の適用による料金になりますとこれが二万六千六百十三円で済むわけですね。こんなに大きな差がある。しかも、いま申し上げたように各電力会社によってまちまちなんですね。せめて関電がミカンに、あるいは四国電力がイグサ栽培に、こういうような農事用電力をどうして適用できないのか。これはいま申し上げたような、中国電力が全部適用されておる点からできないことはないと思うのですけれども、それぞれの御意向をお伺いしたいと思います。  以上です。
  41. 水野久男

    水野参考人 ただいまお話しになりました未処分利益が非常に多いのではないかということがございます。五十年で、なるほど退職給与引当金が四千三百億、そのほか法定積立金は二千四百二十七億、合計約六千七百億ぐらいございますが、実際にこれを処分できますのはわずか二%の百五十八億しかございません。これをひとつ御承知おき願いたいと存じます。  それから政治献金のことでございますが、政治献金は先ほどどなたかからお話が出ましたとおり、東京電力におきましては、四十九年の八月十何日でございましたか、臨時取締役会を開きまして、政治献金その他これに類するものは一切しないという結論に達したのであります。いまもそれは守っておるつもりでございます。ほかの各社さんも、取締役会を開かれたかどうかは存じませんが、いろいろ正式の会議でやめるということを申し合わせておられると聞いております。  それから、農事用電力の問題につきましては、私ども実は畑地灌漑は適用いたしておりません。これは終戦直後に電力が非常に余りましたときに、それからその当時の農事電化の奨励その他に見合いまして、農事用料金というものを創設したのでありますが、現在は畑地灌漑については適用いたしておりませんが、これは監督官庁ともお話し合いをして、何らかの形でそういうものを解決していくように進めたいといま考えておる次第でございます。  以上であります。
  42. 板川正吾

    板川委員長 そのほか各社、発言はよろしいですか。
  43. 野間友一

    ○野間委員 どうぞお願いします。
  44. 山根寛作

    山根参考人 政治献金の問題でございます。私の方は取締役会で決議したわけではございませんが、法律が変わって政治献金ができるようになるまではやめるということで、やめております。
  45. 山口恒則

    山口参考人 政治献金につきましては、中国電力さんと同じでございます。  それから、農事用の料金四国のことが出ましたのでちょっとお答えをしておきますが、当社の農事用は現在米麦その他の灌漑排水、それから脱穀調製、既設の分だけでございますが適用いたしております。これは四十八年に関西電力と十九年ぶりの電気料金値上げをいたしました。そのときに、公益事業部の御指導もあり、こういうふうに決定をいたしております。これは少し余分なことかもしれませんが、いま水野社長も申しましたけれども、農事用というのは、昔水主火従の時代、それからピークが冬の時代、そのときに夏前後の水が余る、電気も非常に安くできるということで農事用が原価主義の観点から安くなっておったといういきさつがあるのでございます。その後夏ピーク、火主水従、こういうふうに変化をいたしてきておりますので、原価主義の観点からいろいろと公益事業部の御指導を受けておるところでございます。
  46. 齋藤義雄

    齋藤参考人 政治献金のことにつきましては、ただいまお話がございましたように、政治団体であると判明いたしました団体に対しては一切政治献金をいたしておりませんし、今後ともその方針に変わりはございません。  それから、農事用電力のことにつきまして、ミカンに全面的にやっていないではないかというようなお話がございましたが、私の方もミカンの一部にはやはり農事用電力を適用しておる例がございますので、その点を申し上げておきます。
  47. 服部典徳

    ○服部説明員 先ほど御指摘のございました四十九年当時の査定とそれから実績が非常に食い違っている、水増しではないかという御指摘でございますが、査定と実績が食い違いました最大の原因は、実は残念なことながら、需要見通しが、査定の段階に立てました計画とそれから実績が非常に食い違っているということが原因でございます。四十九年は、御案内のとおり非常に需要が伸び悩んだ不況の年でございます。見通しと実績がやはり食い違うこともやむを得ない事情もあったのではないかというふうに考えるわけでございますが、その関係から、特に燃料費につきましては、需要の落ち込みに見合って火力発電所等のたく燃料がそれだけ少なくて済んだということが一つのずれる原因でございます。  それから、資本費関係でございますが、資本費につきましても、需要の減少に伴いまして設備投資のテンポをスローダウンすることがある程度可能であったという問題と、もう一つは配当をやはり八%のままに据え置いたということから、レートベース方式の計算とそこである程度のギャップが生じたという問題がございます。  それからもう一つの問題といたしまして、修繕費でございますが、これは残念なことながら、修繕費につきまして原価と実績に差が出ておる。実績の方が少なかったということは、やはり収支状況がそれだけ査定後悪かったために、どうしても修繕費にある程度しわが寄らざるを得なかった、こういう事情でございます。  したがいまして、原価関係ではそういうことで原価と実績の差が出ておりますが、同様に収入の見込みですね、これはやはり原価と実績にはそれだけの同じような差が出ておるということでございます。
  48. 板川正吾

  49. 石田幸四郎

    ○石田(幸)委員 それでは、電力会社関係につきましては、加藤参考人代表してお伺いをいたしたいと思います。  まず一つは、この電力料金値上げについては、非常に各産業界とも深刻な影響を受けるというので心配をいたしております。また、一般家庭においても、家計に占める比率というのは決して小さくないわけでございますので、あるいはそういった各製品の値上げというものが再び一般消費者のところへかぶってくるというような関係もございまして、この電力料金値上げ問題については非常に反発が強いわけなんです。  そこでお伺いしたいのは、いわゆる他の産業界への影響あるいは国鉄とか私鉄とか地下鉄とか、そういったもろもろの公共料金への影響、そういうものをどのように研究をされて、そして申請をされたのか、特にその申請をされた際にこういった他産業界への影響をどのように配慮されたのか、ここら辺のことについて、まず一点お伺いをいたしたいと思います。  それから、これは福田参考人にもあわせてお伺いをしたいのでございますが、総理大臣の私的諮問機関であります物価安定政策会議ですか、ここでは五項目にわたっていろいろな要望をまとめて政府に伝えたとあります。値上げ幅の問題、それから原価の査定を厳重に行うということ、それから、物価と景気への影響をやわらげるよう配慮すること、それから家庭用の電灯料金産業電力料金より割り高だといういわゆる灯力格差を縮めるという問題、シビルミニマムの問題、こういうことが言われておるわけでございますが、特にこの家庭用電灯料金産業用の電力料金、これは私はいつも言っておるのでございますけれども、いろいろな製品を生産いたしまして、電力料金というのはその原価の中に吸収されるわけですから、したがって、かぶってくるのは一般の消費者ということになるわけでございますので、二重にダブルパンチを食うわけでございますので、どうしてもこれは家庭用の電灯料金というものが低位に抑えられなければならないはずだ。いろいろな努力がされてその差が縮まってきていることはわかるのでございますけれども、これを一体将来どういうふうに考えていかれるのか、この問題についてお伺いをいたしておきたいと思います。  それから、設備投資の問題でお伺いをするわけでございますけれども、先ほど来いろいろなお話がありますように、原子力発電というものが将来非常に大きなウエートを占めざるを得ないというのが業界側の立場のようでございます。先ほど加藤委員からもお話が出ましたけれども、当初の目標は六十年度までに四千九百万キロワット、ところが八月八日の読売新聞の報道によりますれば、業界としてはとてもこの目標達成は困難である。したがって、目標三千五百万キロワットに大幅に下げるべきだということを近く通産省や経企庁、政府関係機関に要請をしたいというようなことが発表になっているわけですが、この数値を考えますと、マイナス三五%、そういう状況であります。ところが、いま申請を出されているこの原価の中には、六十年度の原発目標ということで出されているのではないか。そうなりますれば、もしこの報道が事実だとすれば、先ほどの加藤参考人のお話からいってもこれは無理だということでございますので、当然そうすれば、申請料金原価というものはもう一度そこで考え直さなければならないのではないかという点をお伺いをしたいわけでございます。  福田参考人に対しては、この問題でお伺いしたいのは、この間、物価委員会では、浜岡発電所をいろいろ視察に参りましたけれども、そのときのお話でも、水力発電ももうどうにもならぬ、火力発電石油一辺倒では困る、どうしても原子力発電というものをふやす以外にないんだというお話なんでございますけれども、先般来日をされたアメリカのウォード教授ですか、生理学の面でノーベル賞を受賞しておられる方も、原子力一辺倒は危険だからやめるべきだ、こういうことを強くおっしゃっておるわけですね。また地域においても、そういう反対の声が非常に強いわけなんですけれども、こういった状況の中で、原子力発電というものをどう考えていったらいいのか。大変大ざっぱなお伺いの仕方で恐縮でございますけれども、いわゆる許容度と申しますか、そういうような問題をどうお考えになっていらっしゃるのか、福田参考人にお伺いをいたしたいと思います。  さらに、加藤参考人にお伺いをいたしますが、この原子力発電の問題については、いろんなところで検討されておるのでございますけれども、ウランの採鉱から発電に至るまでのいわゆるアップストリームの問題、これはいろいろな意味で危険防止がかなり高く行われているように承っておりますけれども、特にこの再処理問題、廃棄物の処分の問題、これについては全く見通しがついてないわけですね。特に、原子力発電のうち東海一号炉を除いたものは全部軽水炉が導入されておるわけでございますけれども、この再処理問題については全くめどがついていないというのがいま実情ではないでしょうか。世界の中でもこの商業用の再処理工場というものは一つも操業されていない。そういうような状況の中で、安全性を幾ら誇示されても、これは非常に納得しがたいものがあるのではないのか。そういう問題のめどがつかないうちにやはり三千五百万キロワットですか、そういうようなところまで押し上げていこうというのは無理があるのではないかということについてどうお考えでいらっしゃるのか、お伺いをしておきたいと思うのです。  それからもう一つ、やはり設備投資の問題でお伺いするのでございますけれども、中部電力においては五年間で総額二兆円の設備投資をおやりになるというようなことを承っておるのでございますけれども、その設備投資をする際に、五十一年度四千二百六十七億八千万の設備投資をなさるそうでございますが、そのうち八百七十三億を自己資本で賄うというふうにおっしゃっておるのでございますけれども、これはどこから取り崩して行われるのか。また、非常に疑問に思うことは、利益隠しではないかと言われている問題の一つに、いわゆる退職給与引当金があるのでございますけれども、これが約六百億近いものがあります。中電の人が一万八千人退職しても払えるだけの引当金である、こういうふうに言われておるのでございますけれども、そういうような形で、いわゆる他産業が非常に不況で悩んでいる最中に、法律に基づいてやっているとは言われても、ここまで引当金をどんどんふやす必要があるのかどうか、この辺の問題についてもお伺いをいたしたいと思います。  もう一つ、福田参考人にお伺いをしたいのですけれども、九電力体制という問題、料金の上で地域格差が生まれておるわけなんでございますけれども、先ほど九電力体制はもう再検討されなければならないのではないかとおっしゃいましたけれども、もう一歩突っ込んだ議論がございましたらお伺いをしたい、こう思います。  まだ細かい問題、たくさんありますけれども、時間もありませんから以上にいたしておきます。
  50. 加藤乙三郎

    加藤参考人 ただいまの石田さんの御質問にお答えをさせていただきます。  まず、電気料金改定によります産業界への影響でございますが、業種によりましてこれはかなり幅がございますが、産業界全体と見ますると一%ぐらいかと存じます。最高はいまの鉄鋼の二六四あるいは私鉄の二・三というところが影響度の多い方でございまして、少ないものでまいりますと輸送機械器具、これらが〇・五%、電気機械器具は〇・四%等でございます。したがって、私どもたとえ一%といえども影響度は少ないものではないというので、われわれとしましてはできるだけの企業努力をいたして今回の申請を出した次第でございます。  それから家庭でございますが、これは全部いたしますと、直接消費者物価指数に対して〇三ぐらいではないかと存ずるのでございます。  それから、電灯電力の格差の問題でございますが、これは先般の料金改定におきまして、いままで倍ぐらいだったのが一・五ぐらいに相なったかと存じます。これはあくまで前々から私ども原価計算、それから個別配分という点はぜひとも貫かせていただきたい。しかし、事情によりまして、情勢によりまして、その範囲内においてできるだけの努力をいたして、縮める方向に持ってまいりたいと存ずるのでございます。  それから、原子力発電の問題でございますが、いまも申しましたように、私どもは決して安易に考えておるわけではございませんが、しかし、代替燃料としましては、あくまでいまの保安、安全を確保しながら、原子力発電にウエートを持っていかしていただきたいと思っておるものでございまして、四千九百万を安易に考えておるわけではなく、ただお話のございました、ある新聞に出ておった三千五百万というのは、まだわれわれの業界においてまとめたものではなくて、原子力に対する設置が非常に心配であるというお方のあるいは御意見ではないかと存じます。決してわれわれ、原子力を、四千九百万キロができるというのはただいまの情勢では申し上げかねるのでございますが、くどいようでございますが、できるだけこの方の設置に努めてまいりたいと考えるのでございます。  ウランの問題、要するに核燃料サイクルに対する手前どもの考えでございますが、ウラン製造につきましては大体十年ぐらい確保済みであると申し上げていいかと思います。昭和五十四年度から大体年間二千六百ショートトンの生産を開始しますが、そのうち日本引き取り分として千二百ショートトンでございまして、大体これが日本の電力の引き取りということに相なっておるのでございます。いまのウランのいわゆる燃料サイクルが、実は全面的に解決したというものはございませんが、しかし、われわれがいまそういうふうになるであろうという時点までにおきましてはそれぞれ目鼻をつけまして、その方面の御心配の解消に努めてまいりたい、かように存ずるのでございます。  それから、中部電力においても退職給与引当金が相当あるのではないかというお話でございますが、これは電力会社全体の問題といたしましてお願いいたしておきたいのは、これをあくまで従業員からの債務と考えまして、私ども女房を質に置いてもこの点だけは崩すべきでないというつもりでございます。
  51. 板川正吾

    板川委員長 加藤参考人、ちょっと伺いますが、灯力格差が従来二倍だったのが一・五倍ぐらいになると言われましたね。
  52. 加藤乙三郎

    加藤参考人 二倍までいっておらないと思います。一・八倍ぐらいまで……。
  53. 板川正吾

    板川委員長 前回改定のときには平均一・五九でしょう。一・五九から今度幾らぐらいになるのですか。
  54. 加藤乙三郎

    加藤参考人 今度大体一・五ぐらいになるのではないかと思います。
  55. 板川正吾

    板川委員長 さっき二倍だとおっしゃいましたね。
  56. 加藤乙三郎

    加藤参考人 それは要するに四十九年の改定前のことです。
  57. 福田勝

    福田参考人 石田先生から私に三点の質問がございました。  第一点は、家庭用と産業電力との関係でございますけれども、将来どうするかということでありますが、私どもは固定費の配分につきましては、現在御承知のとおり原価計算におきまして、最大需要電力比それから使用電力量比、尖頭負荷時における需要電力比を二年前まではそれぞれ二対一、現在は二対一対一の割合になっておりますが、これはいろいろ専門家の意見がありますけれども、とりあえずはこれを一対一対一にすべきではないか、そのことによって家庭用電灯電力との比は、これはさらに家庭用が軽減されるという関係が出てまいりますし、また外国等においてもそういうやり方をやっておるのを聞いておりますから、これにつきましては、一応の案でありますが一対一対一等の方法をとるということを前提にしてひとつまた検討をしてみたい、こう思うわけであります。  二つ目に原子力発電の問題でございますが、原爆を受けた日本人としてやはり原子力問題に対する基本的な感覚を持っているということはどうしてもほかの国とは違うと私どもは思うのですが、とりあえずは私どもは安全性、廃棄物の処理等につきまして、先ほど先生の御指摘のような基本問題を持っておりますし、それからもう一つは、一基三千億と言われるこの原子力発電設備、これが現在世界で約五百基、百五十兆産業だと言われている、したがって、先ほど加藤先生の御指摘では、いま日本に四十二基ぐらい必要だということになりますと、一基約三千億のものですから、ロッキードの比ではない。このようなものがいまアメリカの二社を初めとして世界的に売り込みをやってきておるわけですが、これに伴う不正の問題なりいろいろ政治的な暗躍が行われるということも十分にひとつ各先生方に気をつけてもらいたい。これがもし起こった場合はロッキードの比ではない、そういう危険性を非常に持っております。  そこで、現在これだけの安全性なり廃棄物の処理が保障されていない中においては、やはり火力、特に水力等の問題についてもっと充実を努めるべきだし、基本的にはまた投資が十年間で四十八兆円も必要かどうかということからこれを決めるべきであろうと思うのです。また、太陽熱の問題なりあるいは地熱等のいろいろこういう問題でなくして日本に非常に豊富にあるような問題、また石炭等についてはあれだけ廃棄しましたけれども、石炭を一体どういうふうに見るのか、石炭はまだ日本にあるわけですから、ぜひそういうエネルギーの基本的な問題に立ち返って再検討すべき時期に来ている、原子力を安易に追うべきではないというふうに私ども考えます。  それから三番目の九電力体制につきましては、先ほど一元化なり公的所有ということを申し上げましたけれども、私はたとえば西の方の各社は提携をやっておられるし、また中部なりでも提携をやっておられるわけですから、また通産省も広域的な運営ということを言っておられるわけですから、数社がもう少し協力をしてやはりむだをなくしていくような体制等もとることができるし、それから一元化即公的所有という方向に一挙に持っていくような方向を各党、特に社会主義を志向しておられる各党は展望を明らかにすべき時期ではなかろうか。これは資本主義国でも国有はもうすでにいろいろ出ておるわけです。何も社会主義、資本主義の問題ではないですが、特に社会主義的な方向を目指しておられる各党、私どもも含めてやはり一元化、公的所有の方向というのは速やかに実現すべき時期に来ておるのではないか、今後のためにもやはり必要である、こういうふうに考えておるわけでございます。
  58. 板川正吾

  59. 和田耕作

    和田(耕)委員 最初に、きょうの参考人のうち会社以外の参考人の方とそしていま各党委員の質問は、査定が正しく行われておるかどうかということについての疑問なり質疑がほとんど全部だったと思いますね。この問題は電気事業法という法律があり、料金の問題については担当省の認可が必要だということになっておりますので、これは会社の方から電力料金値上げ申請して査定が始まるというよりは、常時接触という状態だと思いますから、役所と会社の方は料金の問題についてはほとんど年がら年じゅうそういうふうなものを検討しておるというふうに理解できるのじゃないかという感じがするのですね。  そういうような状態のもとで申請がなされ、そして査定が行われる。その査定と見通しが、先ほど通産省の方もおっしゃったように狂ってくる。いろいろな問題があるわけですね。これはできるだけ国民として、そういう法律があるわけですから、通産省の方も厳重な査定が必要だし、業界の方も良心的な申請が必要だということを今後望むということは無論のことですけれども、いま申し上げたような関係であれば、しかもそれをいろいろな方からの疑問が提出されておるという段階では、何かそういう国民の疑問を解くような機関を考える必要がありはしないか。先ほど福田さんの方から、公聴会の問題が非常に形式化しておる、そしてこれにかわるべきものとして三者構成的な何かの機関が必要だという御指摘があったのですけれども、必ずしもそれにとらわれないとしても、何らかの国民の疑問を解くための一つの機関が必要だという感じがするのですけれども、この問題について特に会社側と通産省の方の御意見を承りたいと思います。  もう一つの問題は、原子力発電の問題でございますけれども、これまた全部の委員方々から問題になっておることでございますけれども、私どもの方は民社党ですけれども原子力発電というものは必要であるし、そして安全性をしっかりと確かめた上で積極的にやるべきであるというのが私どもの基本的な考え方なんですね。私、いまでもそれはそう思っておるわけでございますけれども福田さんとそれから田中さんと工藤さん——福田さんは先ほどお立場をはっきりされたのですけれども田中さんと工藤さんは原子力発電という問題についての将来の見通しをどのようにお考えになっておられるのか。こういうものはもう必要でないから他の方法を考えろというふうにお考えになっておられるのか、あるいは安全性というものをしっかり確かめて国民合意の上で進めていくべきだと考えておられるのか。この問題についてお二人のお考えをお聞きしたいと思います。  そして第三点は、これまた福田さんから出された問題で、これは言うと言わぬにかかわらず、国民のいろいろな人たちの頭に出てくる問題だと思いますのは、私企業として電力というものを将来とも考えていいのかどうかという問題でございます。これはいろいろな人がこういう問題を一度はやはり考える問題だと思いますし、また先ほど、電力会社建設の場合にあるいはいろいろなことをする場合に、他の本当の私企業方々と接触するというようないろいろな問題もあるし、いろいろ不都合なような問題が起こってきやしないか、いっそのこと国有あるいは公的な経営に移したらどうかということでございますけれども、この点について加藤さん、代表されてどういうふうにお考えになっておるのか。  そしてまた、福田さんにお伺いしたいのは、つまり、これは相当たくさんの人が、国鉄なんかの場合にも出ておるのですが、公企業のようなものになるといまの国鉄労働組合とか動力車労働組合とかいうようなああいう労働組合ができるような企業ができてきて、とてもじゃない、能率的な経営ができないじゃないかというような気持ちが広く国民にあると思うのですね。実は、国有化を主張する側の人が、しかも現在の労使関係の中で公共企業体における組合の行動の仕方というものによって逆に国有化の傾向を抑えておる、つまり、国有化の傾向を阻んでおるのは現在の公企業における労使関係だというふうにも言う人が非常に多いのですね。そういうような点から見て、この問題が果たして直されていくのかどうか。これが直されないと、国有化が必要だという国民でも、またあんな役人をたくさんつくってどうなるんだなんということになると何ともならぬという矛盾がまさにいまあると思うのですね。そういう問題をどのようにお考えになっておられるのか。  この三点についてひとつお答えをいただきたい。
  60. 加藤乙三郎

    加藤参考人 いまの査定に対する基本的な考え方とすれば結構ではないかと、私、思います。もちろん、その時勢によりましてやはりそれに即応したものを修正をするということは必要ではないかと思いますが、基本的にはいまの公聴会のあり方で結構ではないかと思います。  それから原子力の点でございますが、昨年は稼働率は低かった。それも、安全である、事故であるということから、矛盾したようでございますが、いまの現実にたどりついたということでございますが、これは先ほど申しましたようなことで五十一年度からかなり見直していただけるのではないかと存じます。  次に、体制の問題でございますが、御案内のとおり現体制ができまして二十五年、二十六年にできましたからちょうど二十五年になります。その二十六年のときに、御承知のとおり配電会社の九つにするのかあるいは電発一社に持っていくのか、いわゆる一社化にするのか分割するのか、要するに発送電までの一貫したものにするのは大体の世論でそうなっていたと思います。問題は一社化にするか適当な会社にするかということで大変御議論があったと思います。結局、議論の末現在の九体制が結構ではないかということでいまの体制になってきたことは御案内のとおりでございます。したがって、この問題は一社化にするのかということになりますと、これはもういつもなるところでございますが、私ども、ただいまは現在の体制が何も欠点が一つもないということは申し上げかねますが、しかし、あらゆることを考えた上での体制として結構ではないかと思います。  と申しますのは、先ほど来申しましたように、これだけ大きな需要を何とか御迷惑をかけずに来たのは、九電力体制におきまして、民間企業であり、それぞれの会社の創意工夫によりまして資金調達、あるいは先ほど来申しましたような生産性あるいは合理化をしてきたということについて、私は、今日の日本の姿に幾分なりとも電力エネルギーを通じて寄与さしていただいたと、これは自負しております。したがって、この問題につきましても、私は、いまの直すべき点はぜひとも直し、いまの体制を守っていきたい。したがいまして、諸先生にはこの上ともこの体制につきまして指導、御鞭撻をお願いいたしたい、かように存じます。
  61. 福田勝

    福田参考人 和田先生から、電力会社の一元化、社会化の問題につきまして、現在の公共企業体の労使関係からの問題点を指摘になりました。私はこういうふうに考えるわけであります。  現在の公共企業体、特に国鉄における労使関係、これを悪化させてきました原因は、一つは、国鉄の四十四年のあの再建十カ年計画、この際、国鉄当局がマル生の運動をやってまいりました。あの陰惨なマル生を、職場から管理者をふやして、そしてやっていく。また四十八年には十一万人の定員削減を行う等の、非常に国鉄労働者に対して合理化、それから労働過重を強いてきた。このことと、もう一つはスト権を与えていないという、二つの点が今日の国鉄の労使関係悪化させてきた大きな要因だと思うのです。むしろ逆なのであって、国鉄の労働組合の人たちも言っておるように、ストライキ権というのを与えないから昨年のような八日間のああいうストが行われるわけであって、スト権を本当に与えるならばストライキというのはむしろやりにくくなるのですよ。そこの点がもっと私ども知ってもらいたいと思うわけであります。したがって、その意味におきまして、労使関係を正常化するためには、いま政府なり国鉄当局がやっているような、大分いま正常化の方向をたどっておりますけれども、国鉄の労働者に過分のああいう合理化なり労働過重をやられるようなことをやめることと、それからスト権を与えること、この二つが非常に重要でありまして、各世界的な資料を見ましても、日本の国鉄の生産性はもう各国の約二倍、イギリスなんかに比べると三倍の能率を上げているということは、これは運輸省の資料でも明らかなのでありまして、この点はぜひ誤解のないようにしていただきたい。  それから、将来の一元化、社会化に当たりまして、私は、現在の電力各社の持っておられる私企業のいい点はぜひ生かしてもらいたい。したがって、国鉄が最初から国有であったものをいま公企体にしたのと違いまして、私企業から一元化そして公的所有に持ってくる際には、現在各電力で非常にいい企業運営をされている面については、ぜひこれを生かすような新しい形態というものを考えるべきではなかろうか。したがって、現在の公共企業体即そういうモデルとして見れるのか、あるいは先進的な諸国ではいろいろな形をとっておりますから、それを速やかに、通産省並びに各党の皆さん、またわれわれも含めて検討いたしまして、そういう新しい形を生み出していくならば、私企業の持っておるいい面は十分に生かした一元化、公的所有の方向というのはいける、こういうふうに思っておるわけであります。
  62. 田中里子

    田中参考人 原子力の問題に私は触れなかったのは、私ども全国地婦連といいますと非常に会員数が多うございまして、全国的にいま六百万人ほど会員数を持っておりまして、一つの方向というのが現在生まれておりません。それで、たとえば例をとりますと、長崎県からは非常に原発反対の申し入れが私どもの方に来ておりますし、ほかの地域でも検討中というところと、それから核燃料の後処理問題がはっきりしていない以上原発は問題があるという御指摘も非常にたくさんございます。どちらかというと私どもの会員も非常に不安を持っているという現状でございますので、原発をいまのような形で進めていくことについては疑問があるとは申し上げられますけれども、これ以上のことについては、ここで私が申し上げることはちょっと差し控えたいと思います。
  63. 工藤芳郎

    工藤参考人 原子力問題については、安全性の問題と経済性の問題と二つあると思うのです。  原子力発電比をふやしていこうという有力な原子力導入の根拠とされているものは、設備費は非常に高いけれども、ウラン等が非常に安い価格で入ってくるので、長期的に見れば準国産的なものになるということが通産省などの位置づけのように言われております。しかし、経済性の面から申し述べますと、ウランそのものが、日本では岡山県の人形峠、東濃地区に約四千数百トンある。わが国全体で九千トン地下埋蔵量があると言われているだけで、あとはないわけですね。西暦二〇〇〇年までに必要なわが国のウランの量は四十ないし五十万トンと言われているわけでございまして、全世界の埋蔵量の一割を日本で必要とするということになるわけですね。このウランの確保ができるかどうかということに大変問題があります。  価格も、一九七三年、石油ショックの当時はキログラム当たり十二ドルから十四ドルぐらいだったのですが、ことしは四十ドルから五十ドルにはね上がっております。しかも、七三年以降わが国の大手商社は一斉にウラン会社のダミーをつくり始めております。豪州ウラン探鉱、太平ウラン探鉱、ウラン開発、東京ウラン開発、ミシシッピーウラン、共同ウラン、こういったような会社がだあっとできていっているわけです。こういった商社を通してウランを購入するということになりますと、本当に通産省が当初に予定されたような安い価格で確保できるのかどうかということを大変疑問に思っているわけでございます。  なお、各社とも現在では長期確定量方式——アメリカとの関係では日米原子力協定七条で長期確定量方式をとっておるわけでございますが、これ自体にもさまざまの問題があるということでございます。  さらに、今度は安全性の問題でございますけれども、御存じのように、熱出力一千キロワットの原子炉を一日運転いたしますと一グラムのウランを消費するわけです。したがいまして、百万キロワット電気出力を出すには約三百万キロワットの熱出力が必要でありますから、その発電炉を一日運転いたしますと三キログラムのウランを核分裂で消費いたします。その分だけ死の灰が原子炉の炉心の中に出てくるわけです。これはもちろん燃料棒で閉じ込めてあるわけです。つまり、三キログラムの死の灰といいますと、広島に落とされた原子爆弾のまき散らした死の灰の約三倍の量になるわけです。ですから、毎日毎日広島原爆三発分の放射性物質が原子炉の中に蓄えられていっているという状況にあるわけです。  安全性の問題では四つの段階があると思います。一つは、原子炉自体に万一の事故が超こらないかどうか、第二番目は、この事故が原子炉の中に起こらなくても日常運転に伴って排出されたものによる放射能汚染がありはしないか、第三番目は、さらに使用済み燃料の再処理工場からの放射性排出物が出やしないか、最後には、最終的に生じた高レベルの放射性廃棄物の貯蔵や処分の問題、こういうように分けられるわけでございます。私どももさまざまな研究会を開いて専門家の御意見も何人かから聞いておりますが、現在では、結論から言いますと、原子力発電の問題はやはり実験段階ではないかというふうにおっしゃる専門家が多いと承知しております。  結論から言いますと、この原子力発電の問題は、やはり自主、民主、公開、こういった三原則に基づいてきちんとやっていくということで、科学の進歩はわれわれは望ましいことであると思っているし、原子力というものが本当の意味で平和的に国民本位に利用されることは望ましい姿だと考えているわけです。しかし、現実の段階では、原子力発電が平和利用と言い切れないのではないかというふうに大変懸念をしているわけでございます。結論から言いますとそういうことでございます。これは十分国会などでもお取り上げいただきまして、国民の前に本当に確証を示していただくことが必要ではないかと考えております。
  64. 服部典徳

    ○服部説明員 料金の査定の問題と、それから公聴会について御質問がございました。  まず、料金の査定でございますけれども、現在の料金制度のルール、骨組みと申しますのは、電気事業審議会の料金部会から四十九年三月二十日に中間報告が出されております。これによって料金査定をやるということでございまして、基本的な考え方は電気事業法十九条に書かれておりますように、総括原価主義を基本的な枠組みとして考える、こういうことでございまして、四十九年三月に特に指摘されました問題点は、先ほど来御議論のございましたたとえば固定費の配分方法の問題でございますとか、あるいはナショナルミニマムのあり方の問題あるいは逓増料金制のあり方、こういったいろいろな問題点についてその料金制度部会で提言がなされたわけでございます。これを受けまして、料金の査定に当たって、こういうルールで査定するという考え方をとっておるわけでございます。  なお、このルールにつきましては、ことしの三月二十五日に一部修正がございまして、そこでは原価計算期間の問題と、それから特別料金制度の範囲の拡大の問題、この二点がさらに修正になっております。したがいまして、この二点の修正をもとにいたしまして料金査定は厳正に行っておるということでございます。  それから、公聴会の制度、これはことしの公聴会から、従来陳述人の人数は百人でございましたが、それをできるだけ広く一般の意見を聞くという趣旨から百五十人にいたしました。また、賛成、反対が従来は同数ということでございましたが、これもやはり賛否の比例制を一部とるというようなことで改善を図ってきたところであります。なお、各方面からいろいろな御指摘もいただいておりますので、その改善についてなお検討していきたい、かように考えている次第でございます。
  65. 板川正吾

    板川委員長 最後に、委員長から若干質疑をいたしたいと思います。  これは電力業界の方に伺いたいのですが、前回値上げ、四十九年に値上げをしたときのキロワットアワー当たり総合電気料金、これを国際的にちょっと比較をしてみた資料があります。イギリスが九円九十八銭、フランスが八円九十八銭、西ドイツが十一円二十九銭、アメリカが七円八銭、日本が十円六十二銭、こういうふうに言われております。実は日本の場合には私企業体制ですから非常に能率がいいはずだ、こういう前提でお話もあったわけですが、この資料から見ますと、日本は西ドイツに次いで二番目に高い料金体系になっておる。しかも、今回二割から三割値上げをすると世界一高い料金体系になる、こういう国民の側から疑問があるわけであります。アメリカを除けばイギリスもフランスも西ドイツもそれぞれ公営的な機能で経営されておる。こういうことを考えまして、一体私企業体制が非常に能率がいいという日本がなぜ世界一高い料金体系になるのだろうか、この点ひとつ明快な国民にわかりやすい回答を願いたいと思います。
  66. 加藤乙三郎

    加藤参考人 御指摘のとおりだと思います。ただ、四十九年度の油のショック以前は日本がアメリカを除いては欧州各国よりも低かったのでございます。それが油ショック後いまのような数字になってきた。なぜそうなったかといいますと、日本が油の依存度が御指摘になりましたような欧州に比較しまして格段に違っているということが一番大きな要因かと思います。どうあろうが、欧州各国より高くなったということにつきましては、私どもこれから相当企業努力をいたしまして、御批判のないようにいたしたい、かように存じます。
  67. 板川正吾

    板川委員長 非常にむずかしい問題だろうと思うのですが、この点ひとつ将来わかりやすいPRをしてもらいたいと思いますね。
  68. 加藤乙三郎

    加藤参考人 承知いたしました。
  69. 板川正吾

    板川委員長 次に、通産省に伺います。  東京電力などの四社の料金改定認可の方針及び認可の期日については、通産省、いまどう予定されておるのですか。
  70. 服部典徳

    ○服部説明員 四社の査定につきましては、現在事務的に作業を進めているところでございます。まだ事務的な結論が出るまでにも若干の日数が必要かという段階でございます。なお、それを省全体としてどう考えるか、さらに物価問題がございますので、経済企画庁と協議をして、その結果いつ認可になるか、これはちょっとそういう事情がございますものですから、いま何日というふうに明言はできませんが、大体そういう状況でございます。
  71. 板川正吾

    板川委員長 きょうの新聞ですが、二十日ごろ一括認可という報道がありますが、これは推測記事だと思いますが……。
  72. 服部典徳

    ○服部説明員 私の方は一向存じません。
  73. 板川正吾

    板川委員長 経済企画庁に伺います。  朴木参事官、通産省から東京電力以下四社の査定について協議を求められた場合に、どのような態度をとられるのか、この点。
  74. 朴木正

    ○朴木説明員 電気料金値上げは家計、物価に与える影響が非常に大きゅうございますので、その値上げ理由内容等を十分審査した上で協議をいたしたいと思います。
  75. 板川正吾

    板川委員長 これにて参考人に対する質疑は終了いたしました。  この際、委員長から参考人に一言申し上げますが、東京電力など後発四社の料金値上げ申請に対する通産省の査定作業も進みつつあるようであります。近く認可されることが予想されるわけでありますが、電力値上げ影響は、御承知のとおり波及効果も大きいので、物価情勢の厳しい折から各社全力を挙げて経営合理化と最適運営に最大限の努力を払って、公益事業として国民の期待にこたえていただくよう要請いたします。  参考人各位には、お忙しいところ長時間にわたり御出席いただき、貴重な御意見をお述べくださいまして、ありがとうございました。ここに委員会を代表して厚くお礼を申し上げます。  次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後一時十七分散会