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大出委員 つまり、末端の各隊の
調達をする
各種物資を、
指揮権はないわけでありますけれども
統制をする
権限を持っているという、簡単に言えばそういうことのようであります。
そこで、実はきょうは
警察庁の
方々に
おいでをいただくようにしておったのでありますけれども、たまたまけさの新聞で御存じのように、私も知っておりますが、エリートの方がお亡くなりになりまして、あれをめぐりましていろいろ
内部に
事情がございます。
事情を承りまして私の方で御遠慮申し上げたわけでありますが、そこで実はまだこれ、正式に
告発の
手続をとっておりません。したがいまして、近く
告発の
手続を恐らく
被害者はとるであろうと私は推測をいたしております。そのときには恐らくこの三巻の
テープは
提出をすることになるだろうと思うわけであります。
私は
ゆうべ二時間半ぐらいこれを聞いたのであります。
ゆうべこれを預かったものですから、
警務隊が取り調べた対象になった方に取り調べの
事情を延々と聞いて、それも
テープに全部入っております。杉一曹という方が調べておりますが、これには私は大変疑問がございまして、これだけでも実は重大な
責任が
防衛庁側にあるという気がするのでありますが、
そこらの問題だとか、それから前二回同じ
事件が起こっているわけであります。この同じ
事件が発覚をいたしましたときの
統制処長さん、次長さん、さらに
管理部長さん、こういうふうな
方々や
総務課長の
豊田さんという方が
おいでになりますが、これは
豊田一佐に関する
テープであります。これは
豊田一佐と外何名の方、いろいろな方が
おいでになりますが、五月二十八日午後から始まりまして、二十八、二十八、二十九、二十九、六月一日、四日、四日、八日というぐあいに、
電話で延々と
やりとりをしておりますのが全部実は
テープに入っております。だから、いいかげんなことをおっしゃられても、
電話の
やりとりも
一つ残らず全部
テープにきちっと入っておりますから、明確に
豊田さんのお答えも聞こえるわけでありまして、こんなにたくさんありますが、これは全部
テープに入っております。それから
竹内さんという方が
中村君ともう一人の主役でありますが、この方の
テープも、これば約二時間ばかりございます。つまり、
警務隊にいろいろ聞かれた、おどかされたりなんかしておりますけれども、その間の
事情というのも、なぜ
警務隊にこういう言い方をしたかということまで釈明を含めて全部ここに入っております。したがって、そういうことで
告発が起こる時点で改めて実はいずれかの機会に
警察庁の
方々にお出かけをいただいて、その席上でひとつ細部にわたっての
質問をしたい、こういうふうに思っております。
そこで、
事件の概要を申し上げますと、
被害総額がございますからちょっと申し上げておきます。
十二月の二十日という日に起こりました
事件でまず五百万円、これは五十年十二月二十日です。
被害額を
最初に申し上げますが、
詐欺行為であります。一月の十九日、これは本年であります。これが八百三十万円。続いて一月
末日に八百万円。それから二月の二十日に千二百四十万円。それから二月の二十五日に千九百万円。これはちょっと
日付が薄くなっておりますが、三月の二十三日七百万円。同じく三月の二十三日千七百五十万円。三月の
末日五千八百万円。四月の一日三千四百八十万円。これは四月の中旬で
日付がございませんが、
返済期日は六月二十日になっておりますが、二千六百五十万円。同じく四月二十日に五千万円。五月の十日に六千万円。それでこの同じ五月十日にもう一件ございまして、一億一千百万円の金を借りた形になっておるのでありますけれども、現金は五千万円であります。
こういった実は
金額でございまして、このうち金を差し繰って返しているものがございます。次々にこの
補給統制処を
舞台にいたしまして、そこに
金融業者を連れてきまして
中村君と会わせまして、そこで
コピーだ何だとったりいたしまして、
中村君自身も間違いなく
支払いの金が出るから
つなぎに貸してやってくれなんということを言って、この
竹内なんという人や
山村という人を使って金がその
人たちの手に入るようにしていたわけであります。
そこで、もうちょっと詳しく申し上げておきたいと思いますが、穴埋めいたしましたのが一番
最初に申し上げました五十年十二月二十日、新潟のスーパーが
相手であります。古川と申します。
物件は
砂糖であります。
自衛隊に納入する
砂糖、これが安く出るからというので、形は横流すわけでありますけれども、これは五百万円金を送らしたわけでありまして、なかなか
砂糖が出ない、こういう
かっこうになって五百万が穴になったやつをほかから借りてきて五百万を埋めた、これは埋まっております。これは五十年十二月の二十日。
一月の十九日、
物件は
サケ十トンでありますが、
川崎の原田という人が
相手であります。御商売の
屋号等もございますけれども、申し上げないことにいたします。
サケ十トン八百三十万円、
キロ当たり八百三十円、こういう単価でありますが、これは例の
市谷の
補給処のあの門を
トラックに
サケを入れて一遍中に入れている。それから築地に持っていきまして
通称バッタ屋という、そういうのを買い取るのがございまして、それが安売りの、
方々の
皆さんがよく買いに行かれる
場所に安く売られるように出たりするのでありますけれども、そこに八百三十万のものを五百三十万くらいのことで、
大変損をしておりますけれども、もともとこれは
取り込み詐欺をやるつもりなんですから損得は問題でないのでありまして、横流している。これも御丁寧なんですね、
市谷の中に一遍入れているのですよ、
トラックに十トン積んだやつを。それから回れ右をして出てきた。こんなばかなことか、これは
三島の
事件のときに
——あそこ私よく
皆さんとの
関係で
幹部学校に講師を依頼されてお伺いしたりしたことがありますけれども、
三島さんのときも何であんな物を持って入れたのだという
議論が議会でございましたが、何ともどうも解せないわけであります。そこで、これもいろいろな経過がございましたが、ほかから金を借りてきて八百三十万埋めてあります。
それから五十一年一月末の件、
渋谷の
寺村さんという方、実はこの
寺村さんのところで二回目にばれた。これが第一回の三月十七日、後から承りますが、
皆さんが
最初に処分をしたことになっておる
日付でありますが、これが八百万円であります。
寺村さんのときの
物件は、
タラコだとかその他の
食料品が
物件の中心であります。この八百万も埋まっているわけであります。
それから二月二十日に
昭和信用というのがございまして、これは横浜でございます。これもこの社員である岩崎という人を第三
整備課まで連れていきまして、つまり
中村さんのいるところに連れていって、その部屋に入れて、
資料室で人がいるところで
やりとりをして
信用をさして千二百四十万円を払わさしている。
それから二月の二十五日、
丸幸と申します一これはこの当時
中村君あるいは
竹内君という二人、もう一人
山村君というのがおりますが、この三人共謀でございますが、この三者の間で、
中村さんから言い出したことでありますが、
国際食品だとかIMCという
会社などに対する
取り込みがやってありまして、穴があいている、それを埋めないと
事件になるというので、
丸幸という
会社をだましまして、千九百万円入手したわけであります。これも後から
騒ぎになりまして、埋めて先に延ばしております。
それから、さっきちょっと日がわからぬと申しましたが、三月二十三日ごろでございますが、
渋谷の
寺村さん、二回目であります。このときに
イカとお茶と
かん詰めと
タラコと、御念が入っているのですが、こういうものを
主要品目にいたしまして、七百
万金を出さしたわけであります。ところが、この七百
万金を出さしたときに、これも
寺村さん、二回目でございまして、どうも様子がおかしかったと
竹内君はこの
テープの中で言っております。この
テープの中でこの間の
事情を詳しく説明しておりますが、ここのところ後で
皆さんに一遍聞いてから私の方から申し上げたい。
警務隊の
皆さんの調べた
中身と食い違いがございますから、一遍
皆さんの
調査の
中身を承ってから申し上げたいのであります。
豊田一佐との
電話の
やりとりの中で
豊田さんが答えておりますけれども、
そこらの問題もございますから、後ほどこれは承りたい。
いま申し上げました七百万円の
寺村さんのところまで金は埋まっているのであります。だけれども、
自衛隊に納入する
——これはここで解説か
一つ必要なのでありますが、それから
質問に移りますが、やり方は二種類ございます。
一つは、
自衛隊の
補給統制処が
物品、
食料品を必要とする、買いたい、こういうことなんだ。ただし、
コードナンバー等があるから
竹内商店を通さぬと入れてくれない。したがって、
竹内商店を通して
自衛隊に入れるということで
物資を
調達をするという
仕組みであります。つまり肉、
サケ、
かん詰め、
冷凍イカというのがたくさんあるのであります。
方々に
冷凍イカが出てまいりますが、こういうものを扱って動かしておる
業者に引き合いをかけまして
品物を引くわけであります。引いて、
竹内商店を通してつまり
自衛隊の
補給統制処に入っていく、こういう形をとって、だから
サケなんかの場合には、中に
トラックで持ち込んでいる。現物を引いたわけであります。そういう
かっこうにして回れ右で出ていって、
バッタ屋に売っちゃう。ぽんと金にしちゃう。そうして
品物が入りましたよというのを実はつくるわけです。これは
防衛庁の中で、目の前で
コピーとっているのですから
信用しますよ。
しかも、この
書類の
形式を調べてみましたら、
皆さんの
書類形式と同じ。それは多少の違いがあるようでありますが、確かに多少の違いがないと困るのでしょう。全くそのままじゃ
皆さんの
責任になってしまいますから。これが公
文書であるかないかという点はいま
専門家に私は相談をしております。五十一年三月二十二日、
てっぺんに
決裁という判、こっちに
至急と入っておりまして、
補給統制処事務官中村栄作、
中村の判が押してある。こういう
かっこうで、この
中身は
冷凍イカでございます。そして
支払い金額があり、
契約金額が千何百万かになるのでありますが、
振込先は
太陽神戸銀行だ。これは千七百五十二万円ですか、これだけのものを、これは
冷凍イカでありますが、つまり
冷凍イカを
自衛隊に納入をしたのだ。したがって、
自衛隊は千七百五十二万円を払ってくれる。
支払い月日がここに書いてありますが、五十一年五月二十日である。五月二十日に支払ってくれるというのをもうすでに
決裁が終わって正式な
文書にしております。これが
会計に回って五月二十日に金が落ちる。これが
決裁されているのですから、
品物が入ったですね、明確に、これを見ると。入ったから
決裁されておる。金を払うように
会計に回っておる、こうなっておりますね。そして、ここにも内訳その他が詳しく
検査済みになっておりまして、
冷凍イカはこうこうこういうことだということで、これも
中村事務官の
書類でございまして、これが
竹内商店の
コードでございます。これを通じて入ってくる
かっこうであります。これも
決裁の
判こがぴしっと押されているわけであります。
補給統制処、
てっぺんが
決裁、五十一年三月二十二日というような
ぐあいで丸判がぴしっと打ってある。こういうわけであります。そして御丁寧なことに、
送金の
依頼書がここにございまして、この
送金依頼書は、御庁、つまり
防衛庁なんでございましょう。
昭和五十一年五月二十日
支払い日のこちらの
決裁の
書類で
——これは大臣聞いておいていただきたいのですが、
決裁の
書類でこれは
架空なんですよ。
冷凍イカが納入された、だから金が出てくる、
決裁に回っている。これが正規な
書類とほぼ違わないのですから、しろうとにわかるはずはない。間違いなく出てくる。そこで、五十一年五月二十日
支払い日の金千七百五十二万円なりについては
左記口座に振り込み
送金されたく依頼いたします。ここで落ちたらこっちに
送金をしてくださいよ。なぜならば、
つなぎに、金がないから、この日に
防衛庁が
決裁をすでに済ましているのだから、
会計から金が出てくるのだから、その分の千七百五十二万円分を貸してくれと言って町の
金融機関に持ちかけるわけですね、この
文書を持っていって。すでに
決裁になって
品物が入っています、
相手が
自衛隊さんだから、軍隊なんだから間違いないです。それはないでしょうな、
自衛隊だから
右向けと言えば右向くのだから、気を
つけと言えば気を
つけなんだからというわけだ。そこへ行って、手を挙げて敬礼と言って、これは逆に失敬してきたというわけだ。これは妙な話であります。だから
送金依頼書というのを、私のところは千七百五十二万円、ここに
補給統制処補給分任
物品管理官一等空佐星秀男、
事務官
中村栄作——この
中村栄作か黒幕だ。二人かここに
判こを押しまして、右承諾す。つまりここで納入されて、支払う金は
竹内商店に支払うのではない。
これは一例を挙げるわけでありますが、横浜市西区南軽井沢十番地、
昭和信用株式
会社代表取締役松堂朝永、この人に送ってくれ、こういう
送金依頼書を金を貸している
竹内商店、
コードナンバーを持っているのでそこを通さなければ
自衛隊は買ってくれないというのだから、その
権限を持っているということになっている
竹内商店にこの
書類を見せられて千七百五十二万円の金を貸した
金融機関の
責任者名で、支払った金は私の方が金を貸しているのだから私の方に送ってくださいという、そのことを
自衛隊の
補給統制処補給分任
物品管理官の一等空佐星秀男という人と
事務官の
中村栄作さんという人が承諾が済んでいるということで、これまた
決裁の判が押されている
書類をつくっている。だから、この日に出てくる金は、おたくにいま金を借りたのだから金はおたくの銀行に入るのだからといって、金を借りるときに金利は天引きで取られているわけでありますから、そういう
かっこうで金は持ってきているわけであります。
そして、御丁寧にもう一通ある。債権譲渡契約書というのがございます。つまり、
竹内商店が
物品を納入した、
冷凍イカを納入した、これは千七百五十二万円になる。それだけの債権を
竹内商店は
防衛庁に対して持っている。それはそうでしょう、
物品を入れてまだ金をもらっていないのだから。その債権を金を借りた
金融機関であるいま申し上げました
昭和信用株式
会社というところに譲渡をする。
竹内商店店主、
竹内春男という人でありますが、東京都
渋谷区恵比寿三の四十三の五、この人が
防衛庁に対する債権を譲渡する。だれに譲渡したかと言えば、金を借りている
昭和信用株式
会社の取締役松堂朝永さんに債権を譲渡した。そして第三債務者の表示ということで、東京都新宿区
市谷本村町一番地、
航空自衛隊補給統制処補給分任
物品管理官一等空佐星秀男という方が表示をいたしまして、
判こをついている。そして承諾書というのがここについておりまして、これまた星秀男、
中村栄作になっていて、ここに
補給統制処の
決裁の
判こが押してある。それは中にいる人間ですから、
決裁の
判こを持ってきて押せばいいのだから、どうということはない、やることは簡単なんだが、第三者がながめてこれを
信用しないというのはおかしな話だ。普通で言えば
信用せざるを得ない。そういう
かっこうの
仕組みで町の
金融業者から金を借りる。
物品は納入されている、金はいつ
支払いになることになって
決裁がおりているということで、
つなぎに金を借りてくる。金利をもらうわけですから、
業者の方もそんなにかたいところで間違いないのだから、
自衛隊さんなんだからというので金を貸す。だから、海千山千と言っていいようなその道の熟達した
業者の
方々が何人も何人も実はさっき例を挙げましたように金を貸している、こういう結果がある。
二つございまして、
一つは全くの
取り込みでございますが、
コード番号を持っている
竹内商店を通じなければ
自衛隊に
物品が納入できないということで、物を抱えている大きな商店、卸問屋さん等に引き合いを出す。
冷凍イカがどれだけ要る。とにかく
冷凍イカ二万ケースなんというのですからね。そうでしょう。
相手は
自衛隊なんだと思うから、向こうは
信用するわけですよ、大きいのだから、それが百ケースなんといった日には、そんなもの危いということになるけれども、二万ケースなんと言われれば、天下の
自衛隊さんなんだから、それはそうだろうというわけだ。そういう
かっこうなんですね。それで引いたら
市谷に
トラックに積んで十トンの
サケなんぞぽんと入れて、回れ右前へ出ていってしまう。出ていって、築地のそばの
バッタ屋に行っちゃって、
キロ当たり八百三十円のやつをほんと、じゃ五百五十円なんというようなことだから、右から左に現金になってしまう。そうすると、
バッタ屋でばかばか売って、それを
皆さんちょいちょい朝上野の駅前だ、やれどこだというところへ行って、何でこんなに安く売れるのだろうなんといって買ってくるという世の中でしょう。十トンも持っているのだから。実はそういういきさつです。ところが、これは結果的にいま申し上げたように、直接物を持ってきて、
自衛隊に入れないで横流しをする、そして金にするという仕掛けが
一つ。それにも
信用される
自衛隊の
決裁の判のある明確な
書類が使われている。どこから見たって、私が見たって疑いもない、この限りは。すべて整っているのですから。
ところで、もう
一つは、納入をしてしまっているんだ、
支払いはいつなんだ、間違いないんだということで、実は
金融業者から
つなぎに金を借りてきている。そして、いま私が説明した
仕組みで債権護渡の
書類もつくって、直接借りた先に金が入るような仕掛けにする。入れば問題ないんだが、入ってない。
自衛隊から出さないんだから、
架空なんだから。
実はそういう二つの方法をとりまして、いま私が挙げましたように次々に金を借りていって、それは
バッタ屋に売るのですから、その間大きな
金額の差があるのですから、それだけ穴になっているわけです。次から次へと
金融機関を巻き込んでいって、金を借りてきては前のところを埋めて、
事件の発覚を防ぎながら進めていくわけですから、だんだん大きくなって、しまいには一億一千百万円も借りるなんという
騒ぎになってしまう。そのたびに
自衛隊から出てくる
書類はでっかいことになる。大変たくさんの量を
自衛隊が買うようになってくる。ずっと続いてきている。こういうことがこの
事件の
中身であります。
そこで、
責任の問題と絡みますから、これから
質問に入りたいわけでありますが、まず三月の初めごろにこの
事件が発覚いたしまして、
警務隊が
調査をされる。懲戒
委員会というのをおつくりになるのだろうと思いますが、後からこれまた承りますが、そこで処分ということになったのだろうと思うのであります。どういう
事件が発覚をしたのか、そしてそれをどこで調べて、どういう
方々が集まって処分云々というようなことをお決めになったのか。専決権を持っておるところで処分をされたのでしょうけれども、そこのところをひとつ承りたい。