○大出
委員 これは「合衆国軍隊の構成員及び軍属並びにそれらの家族の義務である。」こうなっておりまして、ただ単なる尊重ではなくて義務とまで入っておるのであります。そこで、今回の問題の焦点は、大臣もお聞き及びだと思いますけれ
ども、横浜市鶴見区安善町というところがございまして、一丁目、二丁目に分かれておりますが、この両方に
一つずつエアリア1、エアリア2ということで米軍の貯油施設がございます。この米軍の貯油施設は中身はどういうことかと言いますと、たびたび私もこの
委員会で問題にして取り上げました横浜市金沢区にございます小柴の貯油施設という巨大な貯油施設がございます。この小柴の貯油施設から海上輸送で持ってまいりまして二つの桟橋で入れたり出したりするのでありますが、ここのタンクに燃料を貯蔵をする、そのすぐそばに国鉄の安善駅という駅がございまして、ここでタンク車に載せて横田の
基地などに搬送する、こういう施設でございます。中身は皆さんに承った方がいいのでありますけれ
ども、時間の
関係がございますから申し上げますが、ジェット燃料、軽油、重油、ガソリン、これらの一時貯蔵施設、こういうことになっておるわけであります。そして敷地面積は十八万三千七百平方メートルもありまして、タンクの数は片っ方が十五基、これはエアリア1でありまして、エアリア2の方に八基、合計二十三基の巨大なタンクが並んでいるわけであります。貯油能力は十三万キロリットル、こういうものでございます。この施設のすぐそばが東京瓦斯の大きな工場でございまして、しかもこのタンクの周辺はカルテックスであるとか、あるいはモービルであるとか、あるいは昭和石油であるとかという七社ばかりの石油の貯蔵施設がございまして、まさにタンク群の林立する真ん中にある、こういう地理的条件であります。そしてここから二百メートルばかりのところに密集地域でございます横浜市鶴見区の寛政町という町がございます。こういうところであります。
そして、中央防災
会議その他との
連絡の上で、横浜市が
法律に基づきましてこの辺のタンク群を点検をしていっているわけでありますけれ
ども、どうにも瞬時もほうっておけない。つまり、タンクの底が腐食してしまって油の流出を始めているタンクなどが合計四基、このすぐ周辺で見つかりまして、おのおのそれぞれの
企業の責任において手を加えて完全なものにする、こういうことに進んでいる地域であります。これらのタンク群よりもこのエアリア1、エアリア2の二十三基のタンクはさらに建造時期が古いタンクでありまして、これから六本の油送管が配置をされておりますけれ
ども、この油送管は安善橋という橋の周辺は表へ出ておりますが、これも大変に古い、戦前、戦中のものでありまして、日石カルテックスという
企業が敷設した油送管でありまして、それを米軍が借りている形になっております。二本道路の左側に入っている油送管は調達庁の時代につくったものでありまして、調達庁の時代でございますからこれまた大変古く、これは大蔵省財産でありますけれ
ども、実はこういうものであります。
そこで、これをしさいに点検をした消防
関係の、たとえば横浜の消防
局長等の手元の資料によりますと、この寛政町に民家が二百戸ばかり密集しておりますけれ
ども、ここから二百メートル足らずのところにこの施設があるのでありますが、エアリア2のタンクが壊れてガソリンが流出し炎上すると、放射熱で二百二十メートル以内の木造家屋が火災を起こし、三十分後には延焼面積が六千八百平方メートルに広がり、鶴見区寛政町の民家百五十から二百戸が焼失、さらに隣接
企業にも連鎖反応を起こすおそれが十二分にある。学者を入れて計算をしてみた結果こういう結果が出ている。これはこの地域の諸君が自治会主体の住民集会等を開きまして取り上げられている問題でもあります。それからエアリア2のタンクから一万二千キロリットルのガソリンが防油堤、高さ一・五メートルでありますが、この中に流出をし炎上した場合、この放射熱は六十メートル離れても二万キロカロリーに達する。木材の燃焼の度合いが四千キロカロリーの熱量でございますから、これで発火するわけでありますから、国鉄安善駅をはさんで約二百メートル離れた寛政町の住宅というのは完全に燃えてしまう。
これは横浜市議会でも議論をされておりまして、海の方にあるエアリア1というタンク地域、十五基ございますけれ
ども、こちらから一万キロリットルのガソリンが流出をすると、海上に広がると、三十分後には油面の半径は三百四十メートルになる、こういう計算になるわけであります。この周辺から修理を必要とするタンクが幾つも出てきているという現実から見て放任ができない。建造年数その他から言っても、その後手を加えていない、こういうふうに見えるわけでありますから、横浜市側としては、横浜川崎地震等との関連もありまして、一遍点検をさしてもらいたいという、消防法の規定もあるわけでありますから、そういうことを米側に、それぞれ手続を踏んで申し入れをしているわけでありますが、これに対して米側の方は、御訪問ならば喜んで迎えます、
質問をしてください、
お答えします、その後一巡だけ認めます——一巡というのは車ですっと歩いてくるわけであります。これはいつも例がありまして、池子の弾薬庫なんかでも、
質問をしてください、
お答えします、一巡だけいたしますということで、私も参りましたが、一巡だけして何も見せてくれない。いつものことでありまして、横須賀でもそういうことであります。厚木でもそうであります。私
どももうさんざんそういう目に遭っております。これではいずれにしても市民の安全、これを最優先をしなければならぬ時期に、しかも直下型地震の不安が非常に住民の間にあるのに、これはいささかひどくはないかという、それが実は市議会の側の議論の焦点でありまして、国会の側でもどうしてもこれを取り上げてもらいたいという市議会側の熱意もありまして、きょうはそういう
意味で宮澤外務大臣に承りたい、こう思っているわけでありまして、なお細かい点ございますから後ほど申し上げますけれ
ども、これを何らか市民の安全のために解決方途への御努力がいただけるかどうかという点をまず承りたいと思います。