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1976-05-06 第77回国会 衆議院 内閣委員会 第5号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十一年五月六日(木曜日)     午前十時三十一分開議  出席委員    委員長代理 理事 竹中 修一君    理事 阿部 喜元君 理事 松本 十郎君    理事 上原 康助君 理事 大出  俊君    理事 中路 雅弘君       旗野 進一君    林  大幹君       三塚  博君    木原  実君       山本 政弘君    和田 貞夫君       鬼木 勝利君    鈴切 康雄君       受田 新吉君  出席国務大臣         国 務 大 臣         (総理府総務長         官)      植木 光教君  出席政府委員         人事院総裁   藤井 貞夫君         人  事  官 島田  巽君         人事院事務総局         給与局長    茨木  廣君         人事院事務総局         職員局長    中村  博君         総理府総務副長         官       森  喜朗君         総理府人事局長 秋富 公正君         総理府統計局長 川村 皓章君         行政管理庁行政         管理局長    小田村四郎君         行政管理庁行政         監察局長    鈴木  博君         防衛庁人事教育         局長      竹岡 勝美君         経済企画政務次         官       林  義郎君         経済企画庁長官         官房長     辻  敬一君         経済企画庁長官         官房参事官   朴木  正君         経済企画庁長官         官房参事官   佐々木孝男君         大蔵政務次官  唐沢俊二郎君         大蔵大臣官房審         議官      戸田 嘉徳君         労働省労政局長 青木勇之助君         労働省労働基準         局長      藤繩 正勝君  委員外出席者         人事院事務総局         職員局補償課長 岡田  仁君         内閣総理大臣官         房参事官    石川 雅嗣君         警察庁警務局給         与厚生課長   橋本 佑三君         警察庁刑事局捜         査第二課長   平井 寿一君         法務大臣官房審         議官      鈴木 義男君         内閣委員会調査         室長      長倉 司郎君     ――――――――――――― 委員の異動 三月五日  辞任         補欠選任   大石 千八君     細田 吉藏君   三塚  博君     根本龍太郎君   受田 新吉君     安里積千代君 同日  辞任         補欠選任   細田 吉藏君     大石 千八君   安里積千代君     受田 新吉君 同月十日  辞任         補欠選任   受田 新吉君     安里積千代君 同日  辞任         補欠選任   安里積千代君     受田 新吉君 同月十二日  辞任         補欠選任   受田 新吉君     安里積千代君 同日  辞任         補欠選任   安里積千代君     受田 新吉君 同月十七日  辞任         補欠選任   受田 新吉君     安里積千代君 同日  辞任         補欠選任   安里積千代君     受田 新吉君 同月二十四日  辞任         補欠選任   受田 新吉君     安里積千代君 同日  辞任         補欠選任   安里積千代君     受田 新吉君 四月七日  辞任         補欠選任   大石 千八君     櫻内 義雄君   林  大幹君     北澤 直吉君   吉永 治市君     大野 市郎君   受田 新吉君     小平  忠君 同日  辞任         補欠選任   大野 市郎君     吉永 治市君   北澤 直吉君     林  大幹君   櫻内 義雄君     大石 千八君   小平  忠君     受田 新吉君 同月八日  辞任         補欠選任   根本龍太郎君     三塚  博君 同月十四日  辞任         補欠選任   大石 千八君     佐藤 文生君   林  大幹君     中村 寅太君   三塚  博君     丹羽喬四郎君 同日  辞任         補欠選任   佐藤 文生君     大石 千八君   中村 寅太君     林  大幹君   丹羽喬四郎君     三塚  博君 同月二十三日  辞任         補欠選任   受田 新吉君     安里積千代君 同日  辞任         補欠選任   安里積千代君     受田 新吉君 同月二十八日  辞任         補欠選任   三塚  博君     越智 通雄君   吉永 治市君     栗原 祐幸君 同日  辞任         補欠選任   越智 通雄君     三塚  博君   栗原 祐幸君     吉永 治市君     ――――――――――――― 三月二十五日  国家公務員災害補償法等の一部を改正する法律  案(内閣提出第五三号) 四月二十二日  法務省設置法の一部を改正する法律案内閣提  出第五号) 同月二十七日  防衛庁設置法及び自衛隊法の一部を改正する法  律案(内閣提出第三号) 五月六日  一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改  正する法律案内閣提出第四八号) 三月四日  天皇陛下在位満五十年奉祝国民大会開催に関  する請願外一件(伊藤宗一郎紹介)(第六五  三  号)  金鵄勲章に関する請願小島徹三紹介)(第  六七一号)  同(住栄作紹介)(第六九四号)  同(石井一紹介)(第七一三号)  同(河本敏夫紹介)(第七一四号)  同(戸井田三郎紹介)(第七三七号)  同(松本十郎紹介)(第七三八号)  同(佐々木良作紹介)(第七六一号)  同(根本龍太郎紹介)(第七六二号)  旧軍人恩給改善に関する請願外四件(上村千  一郎君紹介)(第六七二号)  同外四件(江崎真澄紹介)(第六九五号)  同外四件(海部俊樹紹介)(第六九六号)  同(浦野幸男紹介)(第七一二号)  救護看護婦に対する恩給法適用に関する請願(  藤本孝雄紹介)(第七三六号)  同(稲富稜人君紹介)(第七六三号)  同(奥野誠亮紹介)(第七六四号)  同(中村弘海紹介)(第七六五号)  同(受田新吉紹介)(第七九八号) 同月五日  官公労働者ストライキ権回復に関する請願(  石母田達紹介)(第八五五号)  天皇陛下在位満五十年奉祝国民大会開催に関  する請願外五件(伊藤宗一郎紹介)(第八五  六号)  同(伊藤宗一郎紹介)(第九三一号)  旧軍人恩給改善に関する請願外三件(中垣國  男君紹介)(第八五七号)  金鵄勲章に関する請願小澤太郎紹介)(第  八五八号)  同(齊藤邦吉紹介)(第八五九号)  同(原健三郎紹介)(第八六〇号)  同(小山長規紹介)(第九三二号)  同(渡海元三郎紹介)(第九三三号)  救護看護婦に対する恩給法適用に関する請願(  愛野興一郎紹介)(第八六一号)  同(赤城宗徳紹介)(第八六二号)  同(内海英男紹介)(第八六三号)  同(小渕恵三紹介)(第八六四号)  同(越智伊平紹介)(第八六五号)  同(大西正男紹介)(第八六六号)  同(木村武千代紹介)(第八六七号)  同(小泉純一郎紹介)(第八六八号)  同(小山省二紹介)(第八六九号)  同(佐藤文生紹介)(第八七〇号)  同(坂村吉正紹介)(第八七一号)  同(篠田弘作紹介)(第八七二号)  同(田中六助紹介)(第八七三号)  同(田村良平紹介)(第八七四号)  同(中村寅太紹介)(第八七五号)  同(楢橋進紹介)(第八七六号)  同(羽田野忠文紹介)(第八七七号)  同(長谷川峻紹介)(第八七八号)  同(原健三郎紹介)(第八七九号)  同(藤尾正行紹介)(第八八〇号)  同(藤本孝雄紹介)(第八八一号)  同(毛利松平紹介)(第八八二号)  同(森下元晴君紹介)(第八八三号)  同(山崎拓紹介)(第八八四号)  同(山崎平八郎紹介)(第八八五号)  同(吉永治市君紹介)(第八八六号)  同(今井勇紹介)(第九三四号)  同(三塚博紹介)(第九三五号)  靖国神社の国家護持に関する請願大竹太郎君  紹介)(第九三〇号) 同月六日  旧軍人恩給改善に関する請願外十一件(渡海  元三郎紹介)(第一〇〇六号)  金鵄勲章に関する請願園田直紹介)(第一  〇〇七号)  同(田中龍夫紹介)(第一〇〇八号)  救護看護婦に対する恩給法適用に関する請願(  鯨岡兵輔紹介)(第一〇〇九号)  同(鬼木勝利紹介)(第一〇九八号) 同月九日  金鵄勲章に関する請願有田喜一紹介)(第  一一六六号)  同(小林正巳紹介)(第一一六七号)  同(林義郎紹介)(第一一六八号)  救護看護婦に対する恩給法適用に関する請願(  伊能繁次郎紹介)(第一一六九号)  同(井上泉紹介)(第一二四二号)  同(加藤清政紹介)(第一二四三号)  同(金子みつ紹介)(第一二四四号)  同(島田琢郎紹介)(第一二四五号)  同(成田知巳紹介)(第一二四六号)  同(藤田高敏紹介)(第一二四七号)  同(三宅正一紹介)(第一二四八号)  同(湯山勇紹介)(第一二四一号)  同(米内山義一郎紹介)(第一二五〇号)  扶助料等支給率引上げに関する請願馬場昇  君紹介)(第一二四九号) 同月十一日  金鵄勲章に関する請願浦野幸男紹介)(第  一三二二号)  同(久野忠治紹介)(第一三二三号)  同(木村武千代紹介)(第一三六八号)  同(竹内黎一君紹介)(第一三六九号)  同(福永一臣紹介)(第一三七〇号)  同(赤城宗徳紹介)(第一四二六号)  同(上村千一郎紹介)(第一四二七号)  同(春日一幸紹介)(第一四二八号)  同(丹羽喬四郎紹介)(第一四二九号)  同(八田貞義紹介)(第一四三〇号)  旧軍人恩給改善に関する請願上村千一郎君  紹介)(第一四二五号)  救護看護婦に対する恩給法適用に関する請願(  芳賀貢紹介)(第一四三一号) 同月十八日  天皇陛下在位満五十年奉祝国民大会開催に関  する請願外二件(田中龍夫紹介)(第一四九  九号)  同外一件(足立篤郎紹介)(第一六四〇号)  金鵄勲章に関する請願田中覚紹介)(第一  五〇〇号)  同(三ツ林弥太郎紹介)(第一五五二号)  同(田澤吉郎紹介)(第一六〇六号)  同(野中英二紹介)(第一六〇七号)  同(宇田國榮紹介)(第一六四一号)  同(小宮山重四郎紹介)(第一六四二号)  同(竹中修一紹介)(第一六四三号)  救護看護婦に対する恩給法適用に関する請願(  鈴切康雄紹介)(第一五〇一号) 同月十九日  天皇陛下在位満五十年奉祝国民大会開催に関  する請願外一件(足立篤郎紹介)(第一六八  九号)  同(足立篤郎紹介)(第一八一七号)  金鵄勲章に関する請願大西正男紹介)(第  一六九〇号)  同(小宮武喜紹介)(第一七四五号)  同(澁谷直藏紹介)(第一七四六号)  同(坪川信三紹介)(第一七四七号)  同(野呂恭一紹介)(第一七四八号)  同(宮崎茂一紹介)(第一七四九号)  同(亀山孝一紹介)(第一八一八号)  同(木部佳昭紹介)(第一八一九号)  同(中山利生紹介)(第一八二〇号)  同(羽田野忠文紹介)(第一八二一号)  同(前田正男紹介)(第一八二二号)  同(綿貫民輔紹介)(第一八二三号) 同月二十五日  官公労働者ストライキ権回復に関する請願(  久保三郎紹介)(第一八五八号)  同(広瀬秀吉紹介)(第一八五九号)  同(久保三郎紹介)(第一九一五号)  同(楯兼次郎紹介)(第一九一六号)  同(福岡義登紹介)(第一九一七号)  同(枝村要作紹介)(第一九六一号)  同(楯兼次郎紹介)(第一九六二号)  同(広瀬秀吉紹介)(第一九六三号)  同(福岡義登紹介)(第一九六四号)  同(山田耻目君紹介)(第一九六五号)  金鵄勲章に関する請願天野光晴紹介)(第  一  八六〇号)  同(大石千八紹介)(第一八六一号)  同(梶山静六紹介)(第一八六二号)  同(片岡清一紹介)(第一八六三号)  同(河野洋平紹介)(第一八六四号)  同(栗原祐幸紹介)(第一九一一号)  同(河村勝紹介)(第一九一二号)  同(内田常雄紹介)(第一九五六号)  同(中尾栄一紹介)(第一九五七号)  同(藤本孝雄紹介)(第一九五八号)  同(村上勇紹介)(第一九五九号)  同(山崎拓紹介)(第一九六〇号)  救護看護婦に対する恩給法適用に関する請願(  中路雅弘紹介)(第一九一三号)  同(山原健二郎紹介)(第一九一四号) 同月二十七日  旧陸軍看護婦恩給に関する請願中路雅弘君  紹介)(第二〇二四号)  金鵄勲章に関する請願田川誠一紹介)(第  二〇二五号)  同外一件(早川崇紹介)(第二〇二六号)  同(稻村佐近四郎君紹介)(第二一〇四号)  同(奥野誠亮紹介)(第二一〇五号)  同(小泉純一郎紹介)(第二一〇六号)  同(橋本龍太郎紹介)(第二一〇七号)  官公労働者ストライキ権回復に関する請願(  枝村要作紹介)(第二〇二七号)  同(久保三郎紹介)(第二〇二八号)  同(楯兼次郎紹介)(第二〇二九号)  同(横山利秋紹介)(第二〇三〇号)  同(久保三郎紹介)(第二一〇八号)  同(勝澤芳雄紹介)(第二一〇九号)  同(下平正一紹介)(第二一一〇号)  同(楯兼次郎紹介)(第二一一一号)  同(横山利秋紹介)(第二一一二号)  兵庫県一宮町の寒冷地手当引上げ等に関する請  願外一件(松本十郎紹介)(第二〇九八号)  兵庫山崎町内山崎町等の寒冷地手当引上げ  等に関する請願松本十郎紹介)(第二〇九  九号)  兵庫県安富町の寒冷地手当引上げ等に関する請  願(松本十郎紹介)(第二一〇〇号)  兵庫県波賀町の寒冷地手当引上げ等に関する請  願(松本十郎紹介)(第二一〇一号)  兵庫県千種町の寒冷地手当引上げ等に関する請  願(松本十郎紹介)(第二一〇二号)  岐阜県串原村の寒冷地手当引上げ等に関する請  願(古屋亨紹介)(第二一〇三号) 同月三十日  金鵄勲章に関する請願奧田敬和紹介)(第  二一七七号)  同(稲富稜人君紹介)(第二二六七号)  同(床次徳二紹介)(第二二六八号)  同(森下元晴君紹介)(第二二六九号)  天皇陛下在位満五十年奉祝国民大会開催に関  する請願外一件(中山正暉紹介)(第二一七  八号)  官公労働者ストライキ権回復に関する請願(  勝澤芳雄紹介)(第二一七九号)  同(久保三郎紹介)(第二一八〇号)  同(下平正一紹介)(第二一八一号)  同(楯兼次郎紹介)(第二一八二号)  同(広瀬秀吉紹介)(第二一八三号)  同(福岡義登紹介)(第二一八四号)  同(横山利秋紹介)(第二一八五号)  同(久保三郎紹介)(第二二七〇号)  同(横山利秋紹介)(第二二七一号)  同(広瀬秀吉紹介)(第二三一五号)  同(山田耻目君紹介)(第二三一六号)  同(横山利秋紹介)(第二三一七号) 四月六日  金鵄勲章に関する請願木村俊夫紹介)(第  二四一七号)  同(田村良平紹介)(第二五〇四号)  兵庫県但東町の寒冷地手当引上げ等に関する請  願外一件(小島徹三紹介)(第二四一八号)  同(佐々木良作紹介)(第二五七一号)  兵庫県美方町の寒冷地手当引上げ等に関する請  願(小島徹三紹介)(第二四一九号)  同(佐々木良作紹介)(第二五七二号)  兵庫県温泉町の寒冷地手当引上げ等に関する請  願(小島徹三紹介)(第二四二〇号)  兵庫県村岡町の寒冷地手当引上げ等に関する請  願(小島徹三紹介)(第二四二一号)  兵庫県養父町の寒冷地手当引上げ等に関する請  願外一件(小島徹三紹介)(第二四二二号)  兵庫竹野町内旧竹野村等の寒冷地手当引上げ  等に関する請願小島徹三紹介)(第二四二  三号)  兵庫県出石町の寒冷地手当引上げ等に関する請  願外一件(小島徹三紹介)(第二四二四号)  同外一件(佐々木良作紹介)(第二五七三  号)  兵庫県一宮町の寒冷地手当引上げ等に関する請  願外一件(河本敏夫紹介)(第二四二五号)  兵庫山崎町内山崎町等の寒冷地手当引上げ  等に関する請願河本敏夫紹介)(第二四二  六号)  兵庫県安富町の寒冷地手当引上げ等に関する請  願(河本敏夫紹介)(第二四二七号)  兵庫県波賀町の寒冷地手当引上げ等に関する請  願(河本敏夫紹介)(第二四二八号)  丘庫県千種町の寒冷地手当引上げ等に関する請  願(河本敏夫紹介)(第二四二九号)  官公労働者ストライキ権回復に関する請願(  岡田哲児紹介)(第二四三〇号)  同(福岡義登紹介)(第二四三一号)  同(山田耻目君紹介)(第二四三二号)  同(横山利秋紹介)(第二四三三号)  同(枝村要作紹介)(第二五〇五号)  同(岡田哲児紹介)(第二五〇六号)  同(勝澤芳雄紹介)(第二五〇七号)  同(福岡義登紹介)(第二五〇八号)  同(山田耻目君紹介)(第二五〇九号)  同(横山利秋紹介)(第二五一〇号)  兵庫県浜坂町の寒冷地手当引上げ等に関する請  願(佐々木良作紹介)(第二五七〇号)  岐阜県和良村の寒冷地手当引上げ等に関する請  願(古屋亨紹介)(第二五七四号)  岐阜県恵那市の寒冷地手当引上げ等に関する請  願(古屋亨紹介)(第二五七五号)  岐阜県大和村の寒冷地手当引上げ等に関する請  願(古屋亨紹介)(第二五七六号)  岐阜県上矢作町の寒冷地手当引上げ等に関する  請願古屋亨紹介)(第二五七七号)  岐阜県山岡町の寒冷地手当引上げ等に関する請  願(古屋亨紹介)(第二五七八号)  同(楯兼次郎紹介)(第二五七九号)  岐阜下呂町内旧下呂町等の寒冷地手当引上げ  等に関する請願古屋亨紹介)(第二五八〇  号)  同(楯兼次郎紹介)(第二五八一号)  岐阜県金山町の寒冷地手当引上げ等に関する請  願(古屋亨紹介)(第二五八二号)  同(楯兼次郎紹介)(第二五八三号)  岐阜県明方村の寒冷地手当引上げ等に関する請  願(古屋亨紹介)(第二五八四号)  同(楯兼次郎紹介)(第二五八五号)  岐阜県各市町村寒冷地手当引上げ等に関する  請願(楯兼次郎紹介)(第二五八六号)  岐阜大野町の寒冷地手当引上げ等に関する請  願(大野明君外一名紹介)(第二五八七号)  岐阜県関ケ原町の寒冷地手当引上げ等に関する  請願大野明君外一名紹介)(第二五八八号)  岐阜県板取村の寒冷地手当引上げ等に関する請  願(大野明君外一名紹介)(第二五八九号)  同(楯兼次郎紹介)(第二五九〇号)  岐阜県藤橋村の寒冷地手当引上げ等に関する請  願(大野明君外一名紹介)(第二五九一号)  同(楯兼次郎紹介)(第二五九二号)  岐阜県久瀬村の寒冷地手当引上げ等に関する請  願(大野明君外一名紹介)(第二五九三号)  同(楯兼次郎紹介)(第二五九四号)  岐阜県春日村の寒冷地手当引上げ等に関する請  願(大野明君外一名紹介)(第二五九五号)  同(楯兼次郎紹介)(第二五九六号)  岐阜県根尾村の寒冷地手当引上げ等に関する請  願(大野明君外一名紹介)(第二五九七号)  同(楯兼次郎紹介)(第二五九八号)  岐阜県徳山村の寒冷地手当引上げ等に関する請  願(大野明君外一名紹介)(第二五九九号)  同(楯兼次郎紹介)(第二六〇〇号)  岐阜県美山町北山地区以外地域の寒冷地手当引  上げ等に関する請願大野明君外一名紹介)(  第二六〇一号)  同(楯兼次郎紹介)(第二六〇二号)  岐阜上石津町の寒冷地手当引上げ等に関する  請願大野明君外一名紹介)(第二六〇三号)  同(楯兼次郎紹介)(第二六〇四号)  岐阜県明智町の寒冷地手当引上げ等に関する請  願(渡辺栄一紹介)(第二六〇五号)  岐阜県八幡町の寒冷地手当引上げ等に関する請  願(渡辺栄一紹介)(第二六〇六号)  同(楯兼次郎紹介)(第二六〇七号)  岐阜県萩原町の寒冷地手当引上げ等に関する請  願(渡辺栄一紹介)(第二六〇八号)  同(楯兼次郎紹介)(第二六〇九号)  岐阜県小坂町の寒冷地手当引上げ等に関する請  願(渡辺栄一紹介)(第二六一〇号)  同(楯兼次郎紹介)(第二六一一号)  岐阜県馬瀬村の寒冷地手当引上げ等に関する請  願(渡辺栄一紹介)(第二六一二号)  同(楯兼次郎紹介)(第二六一三号)  岐阜県白鳥町内の寒冷地手当引上げ等に関する  請願渡辺栄一紹介)(第二六一四号)  岐阜県串原村の寒冷地手当引上げ等に関する請  願(渡辺栄一紹介)(第二六一五号) 同月八日  栃木県藤原町の寒冷地手当引上げ等に関する請  願(船田中君紹介)(第二六一六号)  同(森山欽司紹介)(第二七一五号)  同(渡辺美智雄紹介)(第二七一六号)  栃木那須町寒冷地手当引上げ等に関する請  願(船田中君紹介)(第二六一七号)  同(森山欽司紹介)(第二七一七号)  同(渡辺美智雄紹介)(第二七一八号)  栃木県日光市の寒冷地手当引上げ等に関する請  願(船田中君紹介)(第二六一八号)  同(森山欽司紹介)(第二七一九号)  同(渡辺美智雄紹介)(第二七二〇号)  栃木県足尾町の寒冷地手当引上げ等に関する請  願(船田中君紹介)(第二六一九号)  同(森山欽司紹介)(第二七二一号)  栃木県鹿沼市の寒冷地手当引上げに関する請願  (船田中君紹介)(第二六二〇号)  同(森山欽司紹介)(第二七二二号)  同(渡辺美智雄紹介)(第二七二三号)  岐阜県各市町村寒冷地手当引上げ等に関する  請願武藤嘉文紹介)(第二六二一号)  岐阜大野町の寒冷地手当引上げ等に関する請  願(武藤嘉文君紹)(第二六二二号)  岐阜県関ヶ原町の寒冷地手当引上げ等に関する  請願武藤嘉文紹介)(第二六二三号)  岐阜県板取村の寒冷地手当引上げ等に関する請  願(武藤嘉文紹介)(第二六二四号)  岐阜県藤橋村の寒冷地手当引上げ等に関する請  願(武藤嘉文紹介)(第二六二五号)  岐阜県久瀬村の寒冷地手当引上げ等に関する請  願(武藤嘉文紹介)(第二六二六号)  岐阜県春日村の寒冷地手当引上げ等に関する請  願(武藤嘉文紹介)(第二六二七号)  岐阜県根尾村の寒冷地手当引上げ等に関する請  願(武藤嘉文紹介)(第二六二八号)  岐阜県徳山村の寒冷地手当引上げ等に関する請  願(武藤嘉文紹介)(第二六二九号)  岐阜県美山町北山地区以外地域の寒冷地手当引  上げ等に関する請願武藤嘉文紹介)(第二  六三〇号)  岐阜上石津町の寒冷地手当引上げ等に関する  請願武藤嘉文紹介)(第二六三一号)  官公労働者ストライキ権回復に関する請願(  枝村要作紹介)(第二六三二号)  同(勝澤芳雄紹介)(第二六三三号)  同(勝澤芳雄紹介)(第二七三二号)  同(広瀬秀吉紹介)(第二七三三号)  宮城県岩出山町の寒冷地手当引上げ等に関する  請願外三件(内海英男紹介)(第二七〇七  号)  同外百十二件(大石武一君紹介)(第二七〇八  号)  同外二件(日野吉夫君紹介)(第二七〇九号)  宮城県七ヶ宿町等の寒冷地手当引上げ等に関す  る請願大石武一君紹介)(第二七一〇号)  栃木県茂木町の寒冷地手当引上げに関する請願  (小平久雄君紹介)(第二七一一号)  群馬県水上町の寒冷地手当引上げ等に関する請  願(田邊誠君紹介)(第二七一二号)  兵庫県青垣町の寒冷地手当引上げ等に関する請  願外一件(有田喜一紹介)(第二七一三号)  兵庫県篠山町の寒冷地手当引上げ等に関する請  願外一件(有田喜一紹介)(第二七一四号)  兵庫県但東町の寒冷地手当引上げ等に関する請  願外一件(有田喜一紹介)(第二七二四号)  同(佐々木良作紹介)(第二七二五号)  兵庫県温泉町の寒冷地手当引上げ等に関する請  願(有田喜一紹介)(第二七二六号)  兵庫県村岡町の寒冷地手当引上げ等に関する請  願(有田喜一紹介)(第二七二七号)  兵庫県養父町の寒冷地手当引上げ等に関する請  願(佐々木良作紹介)(第二七二八号)  兵庫竹野町内旧竹野村等の寒冷地手当引上げ  等に関する請願有田喜一紹介)(第二七二  九号)  同(佐々木良作紹介)(第二七三〇号)  兵庫県出石町の寒冷地手当引上げ等に関する請  願外一件(有田喜一紹介)(第二七三一号) 同月十二日  福島県会津若松市の寒冷地手当引上げ等に関す  る請願(伊東正義君紹介)(第二七九九号)  同(八田貞義紹介)(第二九二五号)  福島県北会津村の寒冷地手当引上げ等に関する  請願(伊東正義君紹介)(第二八〇〇号)  同(八田貞義紹介)(第二九二六号)  福島県湯川村の寒冷地手当引上げ等に関する請  願(伊東正義君紹介)(第二八〇一号)  同(八田貞義紹介)(第二九二七号)  福島県塩川町の寒冷地手当引上げ等に関する請  願(伊東正義君紹介)(第二八〇二号)  同(八田貞義紹介)(第二九二八号)  福島県本郷町の寒冷地手当引上げ等に関する請  願(伊東正義君紹介)(第二八〇三号)  同(八田貞義紹介)(第二九二九号)  福島県河東村の寒冷地手当引上げ等に関する請  願(伊東正義君紹介)(第二八〇四号)  同(八田貞義紹介)(第二九三〇号)  兵庫県村岡町の寒冷地手当引上げ等に関する請  願(佐々木良作紹介)(第二八〇五号)  栃木県茂木町の寒冷地手当引上げに関する請願  (武藤山治君紹介)(第二八〇六号)  同(稲村利幸君紹介)(第二九二三号)  同(神田大作君紹介)(第二九二四号)  群馬県水上町の寒冷地手当引上げ等に関する請  願(田邊誠君紹介)(第二八〇七号)  官公労働者ストライキ権回復に関する請願(  岡田哲児紹介)(第二八〇八号)  同(勝澤芳雄紹介)(第二八〇九号)  同(兒玉末男君紹介)(第二八一〇号)  同(下平正一紹介)(第二八一一号)  同(福岡義登紹介)(第二八一二号)  同(岡田哲児紹介)(第二九三二号)  同(下平正一紹介)(第二九三三号)  宮城県小野田町の寒冷地手当引上げ等に関する  請願外二十一件(伊藤宗一郎紹介)(第二九  一八号)  同(三塚博紹介)(第二九一九号)  宮城県秋保町の寒冷地手当引上げ等に関する請  願(三塚博紹介)(第二九二〇号)  島根県仁多町の寒冷地手当引上げに関する請願  (大橋武夫君紹介)(第二九二一号)  宮城県七ケ宿町の寒冷地手当引上げ等に関する  請願三塚博紹介)(第二九二二号)  天皇陛下在位満五十年奉祝国民大会開催に関  する請願伊藤宗一郎紹介)(第二九三一  号) 同月十三日  長野県小海町等の寒冷地手当引上げ等に関する  請願外二件(原茂君紹介)(第三〇〇六号)  福島県会津若松市の寒冷地手当引上げ等に関す  る請願外七十二件(八田貞義紹介)(第三〇  〇七号)  宮城県秋保町の寒冷地手当引上げ等に関する請  願外十六件(伊藤宗一郎紹介)(第三〇〇八  号)  同(佐々木更三君紹介)(第三〇七二号)  宮城県七ケ宿町の寒冷地手当引上げ等に関する  請願外二十七件(伊藤宗一郎紹介)(第三〇  〇九号)  金鵄勲章に関する請願(大橋武夫君紹介)(第  三〇一〇号)  同(唐沢俊二郎紹介)(第三〇七四号)  同(西村英一君紹介)(第三〇七五号)  同(坊秀男君紹介)(第三〇七六号)  官公労働者ストライキ権回復に関する請願(  枝村要作紹介)(第三〇一一号)  同(岡田哲児紹介)(第三〇一二号)  同(広瀬秀吉紹介)(第三〇一三号)  同(山田耻目君紹介)(第三〇一四号)  同(枝村要作紹介)(第三〇七七号)  同(岡田哲児紹介)(第三〇七八号)  同(兒玉末男君紹介)(第三〇七九号)  同(山田耻目君紹介)(第三〇八〇号)  山形県上山市の寒冷地手当引上げ等に関する請  願(黒金泰美君紹介)(第三〇六九号)  山形県天童市の寒冷地手当引上げ等に関する請  願(黒金泰美君紹介)(第三〇七〇号)  山形市の寒冷地手当引上げ等に関する請願(黒  金泰美君紹介)(第三〇七一号)  救護看護婦に対する恩給法適用に関する請願(  關谷勝利君紹介)(第三〇七三号) 同月十四日  金鵄勲章に関する請願(粕谷茂君紹介)(第三  一五四号)  山形県上山市の寒冷地手当引上げ等に関する請  願外件(安宅常彦君紹介)(第三一五五号)  同(渡辺三郎君紹介)(第三一五六号)  山形県天童市の寒冷地手当引上げ等に関する請  願(安宅常彦君紹介)(第三一五七号)  同(渡辺三郎君紹介)(第三一五八号)  山形市の寒冷地手当引上げ等に関する請願(安  宅常彦君紹介)(第三一五九号)  同(渡辺三郎君紹介)(第三一六〇号)  官公労働者ストライキ権回復に関する請願外  一件(兒玉末男君紹介)(第三一六一号)  同(広瀬秀吉紹介)(第三一六二号)  同(兒玉末男君紹介)(第三二〇六号)  同(下平正一紹介)(第三二〇七号)  同(兒玉末男君紹介)(第三二七三号)  同(下平正一紹介)(第三二七四号) 同月十九日  栃木県藤原町の寒冷地手当引上げ等に関する請  願(広瀬秀吉紹介)(第三三一五号)  栃木那須町寒冷地手当引上げ等に関する請  願(広瀬秀吉紹介)(第三三一六号)  栃木県日光市の寒冷地手当引上げ等に関する請  願(広瀬秀吉紹介)(第三三一七号)  栃木県足尾町の寒冷地手当引上げ等に関する請  願(広瀬秀吉紹介)(第三三一八号)  同(渡辺美智雄紹介)(第三三一九号)  栃木県鹿沼市の寒冷地手当引上げに関する請願  (広瀬秀吉紹介)(第三三二〇号)  救護看護婦に対する恩給法適用に関する請願(  塩川正十郎君紹介)(第三三七〇号) 同月二十一日  栃木県藤原町の寒冷地手当引上げ等に関する請  願(稲葉誠一君紹介)(第三四六八号)  栃木那須町寒冷地手当引上げ等に関する請  願(稲葉誠一君紹介)(第三四六九号)  栃木県日光市の寒冷地手当引上げ等に関する請  願(稲葉誠一君紹介)(第三四七〇号)  栃木県足尾町の寒冷地手当引上げ等に関する請  願(稲葉誠一君紹介)(第三四七一号)  栃木県鹿沼市の寒冷地手当引上げに関する請願  (稲葉誠一君紹介)(第三四七二号)  栃木県茂木町の寒冷地手当引上げに関する請願  (藤尾正行紹介)(第三四七三号)  福島県北会津村の寒冷地手当引上げ等に関する  請願外一件(澁谷直藏紹介)(第三四七四  号)  福島県湯川村の寒冷地手当引上げ等に関する請  願外一件(澁谷直藏紹介)(第三四七五号)  福島県本郷町の寒冷地手当引上げ等に関する請  願外一件(澁谷直藏紹介)(第三四七六号)  福島県河東村の寒冷地手当引上げ等に関する請  願外一件(澁谷直藏紹介)(第三四七七号)  金鵄勲章に関する請願(西岡武夫君紹介)(第  三五八四号) 同月二十四日  官公労働者の労働基本権確立に関する請願(河  上民雄君紹介)(第三六二七号)  同(河上民雄君紹介)(第三六六三号)  同(河上民雄君紹介)(第三七〇八号)  金鵄勲章に関する請願(中尾宏君紹介)(第三  六二八号)  同(白浜仁吉君紹介)(第三七五四号)  同(宮崎茂一紹介)(第三七五五号)  官公労働者の労働基本権回復等に関する請願(  米原昶君紹介)(第三七〇四号)  宮城県小野田町の寒冷地手当引上げ等に関する  請願(庄司幸助君紹介)(第三七〇五号)  宮城県秋保町の寒冷地手当引上げ等に関する請  願(庄司幸助君紹介)(第三七〇六号)  宮城県七ケ宿町の寒冷地手当引上げ等に関する  請願(庄司幸助君紹介)(第三七〇七号)  長野県小海町等の寒冷地手当引上げ等に関する  請願外七件(小川平二君紹介)(第三七五六  号) 同月二十七日  金鵄勲章に関する請願外二件(高橋千寿君紹  介)(第三七九三号) 同月三十日  天皇陛下在位満五十年奉祝国民大会開催に関  する請願外一件(伊藤宗一郎紹介)(第三九  七〇号)  金鵄勲章に関する請願(石田博英君紹介)(第  四〇三〇号)  旧治安維持法等による犠牲者の補償に関する請  願(諌山博君外一名紹介)(第四〇四七号)  官公労働者の労働基本権確立に関する請願(増  本一彦君紹介)(第四〇四八号)  同(河上民雄君紹介)(第四〇九三号)  救護看護婦に対する恩給法適用に関する請願(  青柳盛雄君紹介)(第四〇九四号)  同(諌山博君紹介)(第四〇九五号)  同(石母田達紹介)(第四〇九六号)  同(浦井洋君紹介)(第四〇九七号)  同(紺野与次郎紹介)(第四〇九八号)  同(庄司幸助君紹介)(第四〇九九号)  同(田代文久君紹介)(第四一〇〇号)  同(田中美智子君紹介)(第四一〇一号)  同(中川利三郎君紹介)(第四一〇二号)  同(中路雅弘紹介)(第四一〇三号)  同(平田藤吉君紹介)(第四一〇四号)  同(不破哲三君紹介)(第四一〇五号)  同(正森成二君紹介)(第四一〇六号)  同(増本一彦君紹介)(第四一〇七号)  同(三浦久君紹介)(第四一〇八号)  同(山原健二郎紹介)(第四一〇九号) は本委員会に付託された。     ――――――――――――― 三月二十三日  中小企業省の設置に関する陳情書外三件  (第六八号)  建国記念の日奉祝行事施行に関する陳情書外一  件  (第六九号) は本委員会に参考送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  国家公務員災害補償法等の一部を改正する法律  案(内閣提出第五三号)      ――――◇―――――
  2. 竹中修一

    竹中委員長代理 これより会議を開きます。  本日は、委員長が所用のため出席できませんの、私が委員長の指名により委員長の職務を行います。  国家公務員災害補償法等の一部を改正する法律案を議題といたします。  趣旨の説明を求めます。植木総理府総務長官。     —————————————国家公務員災害補償法等の一部を改正する法律案     〔本号末尾に掲載〕     —————————————
  3. 植木光教

    ○植木国務大臣 ただいま議題となりました国家公務員災害補償法等の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。  本年二月二十六日、人事院から国家公務員法二十三条の規定に基づき、国会及び内閣に対して、公務上の災害または通勤による災害を受け長期にわたり療養する職員の実情等にかんがみ、国家公務員災害補償制度に関し、傷病補償年金等の創設、身体障害に対する評価の改善、他の法令による給付との調整方法の改善を図る必要がある旨の意見の申し出がありました。  政府としましては、その内容を検討した結果、この意見の申し出に従い、国家公務員災害補償法等の一部を改正する必要を認め、この法律案を提出した次第であります。  次に、改正の内容についてその概要を御説明申し上げます。  まず第一は、療養の開始後一年六月を経過しても治らない病状の重い長期療養者に対しては、現行の休業補償にかえて、障害等級第一級から第三級までの障害補償年金の額に相当する額の傷病補償年金を支給することとしたことであります。  第二は、神経系統の機能または精神の障害等について、障害等級表の改正を行うこととしたことであります。  第三は、災害補償の年金と厚生年金保険法等による年金とが併給される場合における災害補償の年金額の調整について、その方法を改善整備したことであります。  第四は、補償額の算定の基礎となる平均給与額について、一般私傷病のため勤務することができなかった場合についても、その計算の基礎となる日数及び給与から控除して算定することとしたことであります。  第五は、審査の申し立て制度を改善し、福祉施設の運営について不服のある者について、人事院に対する措置の申し立てができることとしたことであります。  なお、以上の改正は、障害等級表の改善については昭和五十年九月一日から、審査の申し立て制度の改善についてはこの法律の公布の日から、その他については労働者災害補償保険法の改正の時期に合わせて、昭和五十二年四月一日から実施することとしております。  以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概略であります。  何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
  4. 竹中修一

    竹中委員長代理 これにて趣旨の説明は終わりました。     —————————————
  5. 竹中修一

    竹中委員長代理 これより質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。大出俊君。
  6. 大出俊

    ○大出委員 国家公務員災害補償法案がしばらくぶりで出ているわけでありますが、きょうは、実はそれに絡みまして、本来これは労災見合でございますから、労働省の方々にお見えをいただいたわけでありまして、どうも週休二日制などをめぐりましても閣僚懇の中で労働省が反対だということを実は耳にするわけでありまして、不可解な気が  いたします。これらの問題を堀り下げたいと思っているのでありますけれども、この後、この委員会は法務省にかかわる法案の審議もしなければならぬ委員会でございまして、そのときにいきなり問題提起をするのもどうも唐突でございますから、労働省の皆さんに、警察庁の方の時間の関係もございまして、ちょっとわずかな時間でございますけれども、整理の意味で最初に問題提起をし、あわせて一言、二言承っておきたいことがございます。  それは、労働省所管でございまして認可をいたしました法人がございます。この法人をめぐる詐欺事件、私は明確な詐欺であろうという気がするのでありますけれども、詐欺容疑濃厚である、こう言った方が言い方としてはいいと思いますけれども、簡単に申し上げますので、警察庁の平井捜査第二課長さん、お見えになっておりますから承りまして、それから労働省の責任という問題について、次の質問の機会までに御検討いただき、誠意ある態度をひとつ明らかにしていただきたいのであります。  と申しますのは、登記謄本によりますと勤労者福祉協会、こういう名称の財団法人がございます。この財団法人、理事長さんは、さきの都知事でございました東竜太郎さんであります。それから、まあそうそうたるメンバーが理事その他に就任をされておられまして、念のためにちょっと挙げておきたいのでありますが、理事の方々は、日刊工業新聞社の責任者である白井十四雄さん、専務さんは新原安郎さんとおっしゃる方でありますが、専務理事であります。同じく理事に、いま時の人の一人でございます。全日空の社長さんをやっておりました大庭哲夫さん。それから順天堂大学の東俊郎さん。野津診療所、有名な方でありますが、野津謙さん。これは悪意で申し上げるのじゃないので、ひとつ誤解いただきたくないのでありますが、私どもの同僚である大野明さん。それから経団連の、この方も有名な方でございまして、与党の皆さんへの国民協会のパイプ等でずいぶん活躍なさっている方でありますが、花村仁八郎さん。東京商工会議所の影山衛司さん、それから共積信用金庫の森岡謹一郎さん、黒川建設設計事務所の伊藤貞逸さん、それから法律家でございます。これは満園勝美さん、それから全国勤労青少年会館の、さきの労働次官でございますが、中西実さん。まだ何人かおいでになりますが、横浜市会の副議長の私のところの大島君なども入っております。こういう方々がずらっと理事に並んでおられる法人であります。  それでこの法人は、登記面によりますと、勤労者共同の使用に供するため、体育施設を主とし、その他娯楽、文化機関を含む付帯施設を有する総合グラウンドの建設及び運営管理というふうなことが仕事でありまして、各職域における勤労者の体力テストの実施、労働者はいろいろな問題を抱えておりますので、たとえば労働者の心身修養のための研究施設であるとか講習会施設であるとか、あるいは勤労者及びその家族のための各種親睦会であるとか運動会の開催などまで入っておるのでありますが、そういうたくさんの目的を持つ法人でありまして、資本金はきわめて少ないのでありますが五百万円、こういうわけであります。それで、この法人は労働省の認可団体、したがって、監督官庁は労働省でございます。四十六か七か労働省の認可したこの種の団体がございますが、その一つであります。  それで、この団体がいろいろな計画を、時間がありませんから申し上げませんが、各所に持っている。その中の一つに、長野県の下伊那郡平谷村というところで勤労者のための安いゴルフ場をつくるということで金を集めている。ところがこれは昨年の五月初めに労働省がこの専務理事を呼びまして、資金もないのにそういうことをやるのはよろしくないということでやめろという勧告をしたわけですね。だから、労働省はだめだと言って五月にすでに勧告をしてやめさせるということであった。そして新原専務理事の名前で、六月十一日には長野県下伊那郡平谷村の村長である熊谷靖郎さんあてに、労働省からやめろということで勧告を受けたというような事情もあって、せっかくお進めをいただいたができないということで取りやめるという公文書を実は出しているのであります。昭和五十年六月十一日労福告五〇第一〇一号、こうなっているわけてあります。ところかこの後で、つまり労働省に五月の初旬に勧告されているのに不思議なことか行われているのてすね。民間建設工事請負契約という契約書がここにございます。つまり、下伊那郡平谷村のゴルフ場用地をまだ買っているわけでも何でもないわけでございますけれども、村長その他に話して、政治的な話が進んでここへつくろうということだったわけでありますが、だめだというので労働省が勧告をした。もうそうなってはっきりしているのに、民間建設工事請負契約書というのがここに正式なものがありますが、これは財団法人勤労者福祉協会と横浜にございます総合芝生株式会社という会社との間で調印されている正式の契約書でございます。何をやらせるかというと、下伊那郡の国民ゴルフ場の芝生造成、この工事一式の請負をさせるという発注であります。  それで、この契約は三億五千万円の契約でございます。この三億五千万の契約をいたしまして、したがって、入会金その他の金を出してくれということで、片や手形を切っているわけでありますが、つまりこの総合芝生株式会社に三億五千万円の仕事をしてもらう着手金というような意味で、東竜太郎さんの名前で契約が成立したということで、五十年九月三十日支払いの千二百五十万円の手形を八千代信用金庫渋谷支店から振り出した、こういうわけであります。これを九月に振り出しておいて、入会金その他でいま金を払ってくれといって、逆にこの総合芝生から合計千二百万円の金を四回に分けて、労福協入会金一口分十万が最初でございまして、それから六百万円、二百四十万円、三百六十万円というぐあいに受け取っている。その受け取りを労福協が切っておりますが、これは全部ここにございます。つまり、総合芝生が払うこの千二百万は全部労福協に受け入れられております。だから勤労者福祉協会、東竜太郎さんのところは業者から千二百万円、金は受け取った。ところが逆に、着手金ということで切った千二百五十万円の手形の方はみごとに不渡りである。明らかにゴルフ場はもうできないことになって、労働省はつくらせないということで、平谷村の村長さんあてに東竜太郎さん理事長なるところの勤労者福祉協会から取りやめの文書が行っている。わかっている。にもかかわらず民間建設工事請負契約書に正式に調印をして、東竜太郎さんの名前で千二百五十万の着手金を手形を切って業者に渡した。逆に千二百万、金を取った。そちらは現金で入っていて、手形は不渡りである。このやり方はどこから考えても詐欺容疑濃厚としか言いようがない。  私はこの件について——これは一業者ではございません。埼玉県にも同じような被害を受けている業者がもう一つございます。そこで、この業者が警視庁あてに告発書を持って二回にわたって行かれたがなかなかお取り上げにならぬということで私、実は質問する気になって物を申し上げましたが、その後警察の側は告発を受ける、したがって捜査をするという御連絡はいただいておりますけれども、ここで承りたいのは、この団体にはこの種の負債が三億ぐらいある。これはだれが考えてもこれだけそうそうたるメンバーが並んでおれば、資本金は五百万円であったって、一番最初の理事さんの中には三菱の副社長の寺尾さんも入っているわけですね。これは抹消登記をしておりますけれども、寺尾一郎さんも入っている。こうなると、これは信用しない方がおかしい。この信用のもとにこういうことをやった。しかも、元労働省の次官まで理事に名を連ねておられる。労働省が監督官庁であり、認可した財団法人である。それで、警察の方に私はお願いをしたいのは、これはやはり刑事事件として正規な捜査を進めるべきである、社会的に責任の所在を明らかにすべきである。  もう一つは、まさにペテンでありますけれども、具体的に契約が成立して喜んで金を出した、手形はもらったが不渡りになった、こういうようなところに対する救済というのは、これは一体どこが責任を負うのか。労働者の味方であるべき労働省  まあ、週休二日制に反対たからというので因縁をつける気はないのですけれども、それがこういうかっこうにしておくということを放任はできない。一体この被害者の救済措置はどうあるべきなのか。私は事を起こすだけをねらっているんじゃない。そうそうたるメンバーなんですから、たとえば千二百万の被害に遭った人に千二百万全額補償ができなくたって、それなりの救済措置はやはり講ずべきである。  労働省にも承っておきたいのでありますが、なぜこういうことになったかということと、労働省の責任上、この財団法人が目的とするところ、企画がいまでも正しいとお考えになっているんなら、かつての理事さんあるいはいまの理事さん等を全部集めて救済措置について考えるなり、さきの次官も入っているわけでありますから、労働省主導型で何らかの形でこの計画を進めようということになるなら改めてそういう方向をとって、その中で、工事の発注なら発注ということの中でこの被害者の救済を、別に利益にならぬでもいいのでありますから、考えてあげるとか、これはそうであれば国の責任ですから、私はそこまでの処理は当然行うべきだというふうに考えているわけでありますが、どうも労働省を含めてみんな逃げてしまう。  私は、それでは事は済まぬと思いますから、いま申し上げた趣旨で警察庁からひとつお答えをいただきますのと、労働省からお答えをいただきますのをお願いして、次の法務省の法案をめぐります問題の中でもう一遍取り上げさしていただきたいと思っております。それまでにしかとひとつその方途を明らかにしていただきたい、こう思いまして、質問に入ります前にひとつ警察庁、労働省からお答えをいただきたいと思います。
  7. 平井寿一

    ○平井説明員 いまお話がありました件につきましては、警視庁におきまして三月十日の日に告訴状を受理いたしまして、捜査を行っているところでございます。捜査進行中の段階でございますので、明確な捜査上の判断、方針については申し上げる段階ではございませんけれども、いまおっしゃられましたような事実関係に対しまして、警視庁におきましては、詐欺の容疑があるという認定に立ちまして鋭意捜査を進めております。なるべく速やかに結論を出すようにしてまいりたい、かように考えております。
  8. 藤繩正勝

    藤繩政府委員 労働省の監督下にございます公益法人におきまして、いま大出先生言われましたような事態を引き起こしましたことについては、まことに遺憾に存じておるわけでございます。  確かに、設立申請時におきましては東理事長以下のメンバーでございまして、その後いまお挙げになりました中で、理事の方でさらにやめられた方もございますけれども、目的それから内容、資産等から見て、これは適正なものとして認可をいたしたわけでございますが、いまるるお述べになりましたような事件を引き起こしてしまったわけでございます。  五十年の四月に、私どもにおきましては、いま問題になりました国民ゴルフ場計画なるものがまことにどうも適切ではないというので、強くやめるように指示をいたしたのであります。それにもかかわらず、そのような計画を推し進めて、契約までしてしまって不渡りを出したというのが実態でございます。その後、しばしば私どもも新原専務理事も呼びましたし、私自身東理事長とも二回お目にかかっております。私どもとしては、こういうことはまことに遺憾だ、もうこういう協会の存在は適切でないというふうにも考えたいところでございますけれども、関係者がたくさんございます。ゴルフ場の会員権を入手しております方もおりますし、いまのように取引関係にある方もございますし、しかも相手が勤労者でございますので、そういう措置だけが必ずしもよいわけではない。むしろ何とかしてこの協会を存続させながら、後始末といいますか、それができるような方途がないかということでいろいろ相談をいたしたのでございますけれども、非常に率直に言いましてむずかしい段階になっております。  この協会では、その後新原専務理事は専務理事辞任いたしました。そして特別の委員会を設けて対策を検討しておりまして、近く関係者の集会も持たれるやに聞いております。そういうところで経済界にももう一遍働きかけるということも言っておりますが、それがどうしても無理ということになれば、解散というような次の措置も考えなければならぬと思いますけれども、いま先生からの御指摘もありましたように、労働省としても単に法的な措置だけでなくて、もっと実質的に何らかの方策はないかということをもう一遍検討してみたいとも思いますけれども、なかなかむずかしい問題で、まことに残念な問題であるということでございます。
  9. 大出俊

    ○大出委員 私は、なぜここで取り上げたかという真意を申し上げたいのでありますが、労働者災害が数多く発生している昨今の事情の中で、民間の場合には、労災という法律は最低基準でございますから、その上に法定外給付、たとえば会社で従業員が死ねば社長が見舞い金を持っていくというのはどこの会社でも必ずある。ところが、国家公務員災害補償法の方はそうではない。国家公務員災害補償法は、二十三条に規定されておりますように、労災見合いで進めてきている。だが、これは最高なんですね。そこから上はないのです。法定外給付はない。まさか、官庁の職員が労働災害で公務で亡くなったからといって、大臣が一々見舞い金を持ってくるわけじゃない。最高なんですね。いまそういう大変困ったことになっているわけでございまして、かつて長い時間私はこれを詰めたことがございますが、発想の転換が根本的には必要だと思っているのです。  あわせて、そういう中で、いまもう少し気分的な転換を図って、ゆとりある生活をということを含めて、週休二日制問題が人事院の仕事の一つの中心として進められている。だがしかし、大きく欠けているのは何かと言えば、休日をふやすことはやるけれども、休日に当たって、世の中の多くの労働者は何をやるのだ、レジャーを一体どう楽しむのだ、そっちの方についてはほとんど見るべきものがない。これは大変欠けているところだと私は思うのです。だから、労働省主導型でそういう勤労者のいろいろな施設をつくっていく。だから、週休二日になったら、土曜日、日曜日は、奥さんの立場からすれば、亭主を引っ張って、子供を連れて、いわゆる公的施設で金のかからないところに全部で出かけていくというアメリカ、欧米にあるような形をぜひとらせたい。その意味で、私はここで認可したことは間違いだと思っているのじゃないのです。決して間違いじゃない。りっぱなことを目的になさっている。そのとおり進めていただきたいというのが実は私の真意なんです。だから、これをだめだと言うのではなくて、こういう事故があったけれども、もう少し労働省か親身に——理事さんの中にこれたけそうそうたるメンバーがそろっているわけです。最初顔を出しておった寺尾さんのところだって、三菱さんが、土地のどういう形の提供というような問題だってやってできないことじゃない、政府がその気になれば。そういう意味で、ぽっとやらしておいて、あわてて四月に物を言ってというのではなくて、認可をするならするで、なぜ最後まで労働省は責任を持って進めてくれぬのかという気が、逆に言うと私はするのです。どうも心外でならぬのです。  週休二日制にはどうも労働省は反対だと言ったそうだ。片一方で今度は労働省認可のこの種のことは、私は将来ぜひ考えてもらいたいと思っていることを進めようとなさっている傍ら、こういう事件で逆に勤労者まで泣かせる。会員権なんかみんな勤労者が持っているのですからね。そういう行政のあり方には大変私はふんまんを感ずるわけですよ。許しがたい。  しかも、その被害者が町の善良な小企業です。だからだまされたのかもしれません、天下の大企業じゃないから。もうのどから手が出るほど仕事は欲しいわけです。だから千二百万出したのかもしれない。そういうところを今度は泣かせっぱなし、これもまたふざけた話で、しかも警察関係の方々のところに告発状を持っていったら、二回にわたってお認めにならぬという。それでやむなく、さっき三月というお答えを平井さんからいただきましたが、その段階で、私はこれは政治的に取り上げざるを得ないと思って質問の通告をした。その後いろいろ話し合いをしていただく機会がございましたが、再度お調べをいただいた結果として、確かに私が御指摘申し上げているように、詐欺容疑濃厚だと私は申し上げているのですけれども、そう見ざるを得ない面がある。だから告発状を受けて正式に、これは調査と捜査は違うのですから、捜査という限りは告発がなければ捜査はしないのですから、捜査に踏み切られた、こういうことでございますから、いまの警察庁の捜査二課長平井さんの答弁で、その点は私は結構でございます。それはそれで、やはり責任は責任で追及をしていただきたい。  だが、それでは済まない。もっと大きな視野で労働省はこの問題をどう決着をつけるのか、将来労働省がこの種の仕事を進めるに当たって、労働省だけじゃできないのですから、何かの財団法人なりをつくらなければ、レジャー対象に、片や人事院の進める週休二日制と、もうらちもない、これはらちもないと言うと人事院もおいでになるからお怒りになる方がいるかもしれないが、国家公務員災害補償法という、私に言わせればまことにらちもない法律なんだ。そういうことなんだから、なおのことそっちを成功させてもらわなければ困るのだけれども、それがどうもそういうことじゃ困る。だから、これはつまり残務整理みたいな形であるいは債権者集会もついこの間開かれていますよ。ずいぶん皆さん弁護士も入れて苦労しておられますよ。中に東竜太郎さんの方を防ぐ弁護士さんまでいるのですけれども、被害が向こうにかかわらぬようになっている。そうじゃいけないんで、この決着は、やはり労働省が国の責任で認可し、この計画を認めたんだから、その筋に乗せて、再建するならするで、どういうふうにするか、この関係者みんな集まっていただいて、労働省主導型で、どうするんだ、そこまで詰めて、道義的責任を含めて被害者の救済措置まで考えていただきたい、こう考えているわけですよ。  それで、いままで新聞が二回ばかり取り上げたそうであります。ここに一つございます。ここに新聞の記事の写しがございますけれども、これは昨年の十月です。このときは、これはまだ警察の関係の方は告訴状を持ってこられたけれども返していたままですから、ようやく三月、私いろいろお願いをいたしました結果として踏み切られたわけですから、新しい事態。だから、そこの上に立って、ひとつ責任は責任で明らかにする、そして皆さんの方は皆さんの方で行政ベースでどういう収拾を図るか、あるいはどういう再建をするか、被害者救済はどうするかというような点まで、これはよく官庁がおやりになる行政指導だってできるのですからお考えいただきたいのですが、念のためにもう一遍労働省から御答弁いただきたい。
  10. 藤繩正勝

    藤繩政府委員 労働省の監督のもとにある法人の事態でございますので、十分責任は感じておりますし、先ほどお答えしましたように、なおいろいろ検討してみたいと思いますけれども、私、東理事長にお会いしましたときに、東理事長の率直な御意思はいかがでしょうか、これをどういう方向に持っていかれましょうかという御質問をしましたときに、いや実はもうとにかくこれはこりた、とても再建の見込みがないというお答えが返ってきたのでございます。  というのは、やはり問題になっております新原専務理事という方が、ほとんどお一人で切り盛りしていらっしゃった。その方が、先ほど申し上げましたように、われわれの勧告にもかかわらずこういう事態を起こすというようなやり方でございますので、趣旨はまことに結構だし、それから私どもとしてもこういうものを育てなければならないというのは、私、先生のいまのお話と全く意見は一致いたしますけれども、この団体がこのままの形で果たして再建できるかという点については、非常にむずかしい問題があろうかというふうに思っております。やはり当面は、実はここの事務局の職員の賃金未払いまで起こっておりまして、いろんな関係の方々が被害を受けておりますので、その被害をできるだけ何とかするということに焦点を合わせなければならぬと思いますが、しかし、持っている資産が非常に貧弱でございます。長野にあります車山山荘というのが唯一のものでございます。これを売ってもなかなかカバーできないというような事態にございますので、なお総合的な検討も含めてもう一度考えさせていただきたいというふうに思います。
  11. 大出俊

    ○大出委員 これはせっかく設立した財団法人で、人間が悪ければ責任を追及をする傍ら、かえなければならぬわけですよ。しかるべき人間を選定をしてやらせるということはできるわけですね。  私も実は、御存じのとおり全逓本部の書記長だ、副委員長だなんかやっておりましたし、総評本部の副議長も長くやっておりましたから、たとえば新宿の厚生年金会館なんというのは、当時の労働大臣、労政局長さん以下に、私、総評副議長時代に何遍かひざ詰めで話し合いをいたしまして、厚生年金の積立金なんかも、これは全駐労なんという組織はいい例で、かつて四十万もいたわけですよ。みんな厚生年金に入っていた。これはみんな途中で掛けっ放しでおしまい。いまの総評議長の市川さんが副委員長の時代で、彼が総評大会で、こんなばかなことがあるか、おれのところの組合、みんな厚生年金に入って、みんな何にもならぬで終わっているじゃないかという大演説をぶったことがあるのですが、そのことを受けて、私は労働大臣に会い、労政局長さんにも会い、時間がかかりましたが、厚生年金の積立金を勤労者のために使うべきだというので、大変こわ談判いたしました。たしか五十億だと思いましたが、あのときに、それならばということになって、時の大臣、大変に英断をふるっていただいて、第一号、新宿に会館をつくることになったわけでありますが、私にも直接的経験がございます。  だから、この種のことをやろうとお考えなら、やってできないわけじゃない。しかし、どこまで労働省が本腰を入れてこの種のものを育てていくかというところに問題があると私は思う。だから、たまたままずかったというなら、その人をかえて、しかもその責任を明らかにさせて、社会的な意味での処置のできるようにして、そして被害者の救済というものについても考えていただいて、この趣旨はこの趣旨で生かして進めるにはどうするかという——この関係者の方々、途中で理事をやめたから責任がないというのじゃないのですよ、私に言わせれば。それは、ここに中西さんが談話で言っておられますけれども、職安局長をやっておる遠藤政夫さん、安定局長から頼まれたからなったんだ、そこから先、おれにそれ以上責任をと言われても困ると言っているのですが、遠藤さんに聞いてみたら——ぼくは遠藤さんとはそれこそ私が組合時代からのえらい長いおつき合いですから、大変仲のいいおつき合いですから、電話をいただいていろいろ聞いてみたらよく事情がわかりまして、だからそれはよくわかりましたということにしたわけです。つまり労働省だって、そのOBの方々でかかわり合いがある人があるのだから、だからそうならば、やはりその方々に、理事をやめたからといって責任がないんじゃない。しかもいまの登記面を見ると、やめない方がまだたくさんある。だからそういう意味で、やめた方、やめない方、そうそうたるメンバーなんですから、それこそ超一流の方々なんですから、やはり皆さんの道義的責任をも含めてひとつお骨折りいただいて、どういう方向でこの種のことを生かしていくかという、そういう将来展望が私は欲しいのですよ。そこらのところをひとつ念のために申し上げて、改めて承りますが、それまでにひとつおたくの方でどっちの方向に、債権者集会なんかも開かれているのですから、どういうふうにしていくつもりなのか、次回はっきり聞かしていただきたいのですが、よろしゅうございますか。
  12. 藤繩正勝

    藤繩政府委員 いま御指摘のように、労働保険その他で集まりました金をなるたけこういった施設にも投下するという趣旨で、雇用保険あるいは労災保険からの資金でいろいろ福祉施設をやっております。ただ、先生御承知のように、それは雇用促進事業団とか労働福祉事業団というような形で普通やってきておるわけでございます。それから、この団体につきましては、いま労働団体のお話も出ましたが、実は途中経過でございますけれども、労働三団体にしからば少し肩入れをしていただくかというような動きもあったわけでございます。やはりどうもまずいということで手を引かれたやに伺っておりますし、いろいろな経過がございます。  しかし、御趣旨はごもっともでございますので、省内でもう一度関係者よく集まりまして、何とか方途が見出せないものかというようなことを検討いたしたいと思います。
  13. 大出俊

    ○大出委員 これをこのままにしますと、この種のことを次々に今度は考えた場合に、労働三団体も四団体も乗りませんですよ。片っ方はこちら側の方々、つまりそうそうたる、経団連の花村さんまで入っているのですから。日刊工業新聞だとかこういう方々サイドでやろうとしたら、うまくなかったからといって三団体に持ってこられたって、そういうわけにはいかぬ。こっちが悪ければこっちだというのでは、それは乗りようがないでしょう。私ども、前官礼遇で、いま行ったって顔が通用しないんじゃないのだから、骨折らなければならぬことなら、ぼくらだって一生懸命骨を折りますよ、それは。私の出身の全逓だって、金なんか山ほど持っているのだから、そんなことは、会館三つや四つ建てるぐらい何でもない。だけれども、片っ方へ持っていってぐあい悪いから片っ方ということになると、これは乗りようがないでしょう。趣旨が悪くないのだから、何もゴルフ場といっているわけじゃないのですよ、レジャーランドをつくるならやりようは幾らでもある。だからそういう意味で、皆さんの方で将来この種のことを考えても、この例があるからということになったのでは困るから私は言う。  いまおっしゃったように、ひとつ改めてどうするかということについての御検討を願いますようにお願い申し上げておきたい。よろしゅうございますね。
  14. 藤繩正勝

    藤繩政府委員 ただいまお答えしましたように、十分各方面と検討してみたいというふうに思います。
  15. 大出俊

    ○大出委員 それで、直接的に大きな被害者があるわけでありますから、そういった意味の救済措置というふうなものも、これは道義的責任を含めてどうするかを一遍あわせて御検討願いたいのです。  この問題は問題提起だけにさしていただくわけでございまして、週休二日制であるとか労働者災害であるとかいう問題を全般的に見直さなければならぬ時期に私は来ていると思いますから、ぜひ御検討いただきますようにお願いを申し上げておきたいわけであります。警察庁の平井さんどうも済みません、お忙しいところをどうも。ロッキード事件で大分忙しいさなかに来ていただいて恐縮でございますが、そちらの方も急いでいただかないと困るものですから。  次に、国家公務員災害補償法で幾つか承っておきたいのでありますが、時間が二時間ちょっとしかございませんので、実は長い議論をしていると、とてもじゃないがらちが明きません。したがって、ごく要点だけ申し上げておきたいのであります。  それからもう一点つけ加えておきますのは、実は労災あるいは国家公務員災害補償法あるいは地方公務員災害補償法、三本あるわけでありますが、これはいろいろ問題がその間にございます。不公平もございます。そういう意味で、労働四団体のうちの総評主導型できょうこの問題についての労災、国家公務員災害補償法、地方公務員災害補償法にかかわる集会を開いているわけであります。そこでしさいに検討したい、私は意見めいたことは話しておきましたが、そこの結論がきょう出てくると思うのでありますが、そういう意味で次の機会に、この点は改めて、実は修正提案になるかあるいは附帯決議になるかわかりませんけれども、その結果に基づいてひとつお諮りを願いたいと思っておるわけでありますが、その点あらかじめ申し上げておきたいと思います。  そこで、まず第一に、かって私は、何年か前でありますが、細かい議論をしたことがございます。さっきちょっと口にいたしましたが、発想の基本になるもの、民間と官庁の大きな違い、無過失責任主義をおとりになっておるわけでありますから、その意味では迅速であり、確実であるということになります。当面、必ずしもそれが悪いわけではなくて、だからやってきたわけであります。だが、かって私は、それでは終わらないじゃないか。たとえば民間の場合はさっき申し上げたように法定外給付というものがある、見舞い金なども出てくる。国家公務員はこれがてっぺんである。民間は労災が底辺である、最低保障である。そうじゃなくて、国家公務員の方はそれが天である。これは一体どういうことなんだ。そこで労災見合いでなくていいんじゃないか、国家公務員災害補償法というものは改めて独自のものを考えていいんじゃないか、こういう発想で実は物を申し上げたことがある。この大きな差をどうするかという、これが一つ。  それからもう一つ、そのときにも申し上げましたが、町の真ん中で、車にぶつけられて死んだ人が不幸にしていたとすると、千五百万円ぐらいは自動車賠償保険に基づいて金がもらえる。遺族も助かる。ところが、国家公務員が公務で亡くなった場合に、それが通産省の庭であっても、これは確かに奥さんに年金ということになるわけでありますけれども、一時金をくれと言ったら千日分。これでは余りにひどくはないか、どうも町の中で車にぶつけられた方が得だったというばかなことを放任はできぬじゃないかということを言ったことがある。このときに私は、あわせて通勤途上をどうするのか。国家公務員災害補償法の中には通勤途上に対する措置を取り込んでいない。だから、団体交渉権を持っておるというところは話し合って、明けで帰った場合に、朝七時までに家に着いた、その途中の災害は見るとか、そういう措置をやっておるじゃないかということを提起したら、その方はその後の改正で取り込まれたわけでありまして、だから三つ、四つはそのときに申し上げましたが、まずもって一つを皆さんが処理をされたのだから、そうそう勝手なことも言えぬと思って、私は以来がまんした。  だが、ここでもう一つ問題がある。この間の改正のときに、浅間山荘の事件で警察庁の内田二機隊長がお亡くなりになった。このときに土金官房長が私のところに相談にお見えになったので、私は、国家公務員災害補償法の特例をつくるより方法はなかろうと思うという意見を申し上げた。だから、この際一番先にこの改正案を出してもらえぬか、何とか各党の皆さんとも相談をして特例ということで、一千万なら一千万よけい金を払うことを認めるという措置をとりたいと思うというふうに申し上げたことがある。たまたま早くお出しになった。したがって、混乱をする前に成立をして措置ができたわけでありますが、このときに、警察官だからということになると、これは各党簡単にオーケーは出てこない。たとえば地方公務員の方が災害地に派遣をされて第二次災害で亡くなった方もいる。それならこれは特例措置の対象にならぬのか。学校の先生が子供さんを連れて海水浴に行ったのだが、子供がおぼれる、飛び込んで本人が死んだということもあるわけでありますから、その種の世間一般にある公務ということで死んだ人の場合に特例措置たるべきものがないこと二はない。ただ単に警察官、天下の耳目を集めていた浅間山荘というあの事件で亡くなったからということだけでは筋が通らない。だから、将来そこらのところをどういうふうに考えるかということを御検討いただかなければならぬということを申し上げたわけです。そこらのことも皆さんは御了承いただいてあの特例を認めて改正をしたわけであります。  ところが、そこらのこともそのまま今日に至っている。やっぱり抜本的な問題、いま申し上げたような問題、少しこの際見直してみる必要がある。で、今度の不服申請異議申請等の問題についても、いま提案理由の説明にございましたが、地方公務員の場合は恐らくこちら側が成立をするとなれば、これ見合いにということになるのだろうと思うのでありますが、当面は向こうにはないのでありまして、したがって、もう少しここらの問題を掘り下げてみる必要がありはせぬかという気がするわけであります。  したがって、まずそこらのいま私が申し上げた大きな問題点につきまして皆さんがどう考えているかという点を冒頭に承っておきたいのであります。どなたとは申し上げませんが、所管の方からお聞かせいただきたい。
  16. 藤井貞夫

    ○藤井(貞)政府委員 国家公務員の災害補償の基本的なあり方等につきまして、非常に御造詣の深い先生からの御意見の開陳があったわけであります。  確かにそれらの点は問題が根本的にはあるわけでございます。したがって、国会の御論議もいろいろいままでございましたし、人事院あるいは政府といたしましてもこれに対して種々検討を加えてまいったところでございます。また事実、そのために一歩一歩前進をしてきておるということも事実であろうかと思うのであります。  私たちといたしましては、国家公務員の勤務条件の維持改善ということを何よりも大切に考えておる者といたしましては、これらについて大変関心を持って日々の業務の中でも反省を加えておるところでございますけれども、一般的な公務員の給与等の問題とも同じことになろうかと思いますけれども、一面においてやはり一般の民間との対比において均衡を保っていかなければならぬということと同時に、やはり国民一般の支持と申しますか、そういうものもこれを常に背景として持っていかなければならぬという問題もございますので、要するに全般として民間の従業者、また労働に従事しておられる方々との均衡ということを常に配慮していかなければならぬという基本的な前提があるわけであります。そういう意味で民間の関係の公務災害についてもいろいろ検討をし、実情の把握をいたしております。  いま先生がお話しになりましたように、民間の大企業等におきましてはいわゆる法定外給付というようなことがかなり広範に実施されておるというようなことも事実でございます。しかし、これはもう全部が全部の企業でそういうことが行われているというわけのものでもございませんので、それらの点をどの程度にやっていくかということが全般の国民の納得を得るという点からも大変重要なことでございます。  そういうことで、国家公務員の場合、いま御指摘もありましたように、これは法律でもって基本が決まってまいりますので、災害補償といってもいわゆる量局限である。ところが民間の場合は、労災というものの基本がございますけれども、それに対して、要するに法定外給付、付加給付というものが行われているという現実がございますので、そういう点を配慮しながら、国会の論議等の指示も受けまして、いままでだんだんと改善を加えてまいりまして、いわゆる特別の支給金であるとか援護金であるとかというような道も開いてきたような実情にございます。全般といたしましては、まだまだ問題か多いこともあると思いますけれども、われわれといたしましては、基本的にはいま申し上げましたような点を配慮いたしまして、今後ともさらに改善すべき点は積極的に改善していくという姿勢で取り組んでまいることが必要ではないかというふうに考えておる次第でございます。
  17. 大出俊

    ○大出委員 それと、いまのお話はわかるんですが、これは総合的に考えなければいかぬのですが、たとえば安全衛生規則なんというものを、四十八年ですか、七年ですか、安全衛生法にかえて災害をなくす五ヵ年計画をおつくりになったり、建設現場だとか港湾だとかというのは特に死亡事故が多いのですからね。とにかく亡くなる人あるいはけがをする人をなくする必要かまずあるわけですね。だから、そちらの方も相当な力が入らなければいかぬわけですけれども、これは、不幸にしてという場合の措置でございますから、したがって万全な法体系にはして、かつ片っ方で事故が減っていくということが望ましいわけでありますが、そこまで触れて申し上げると時間がありませんから基本的なことだけしか言わないわけです。  そこで、もう一つは、特別公務ですね。さっき私が申し上げた例外措置特別措置ここの方なんかも、どうも世の中にアピールする、国民の皆さんがひとしくながめていて気の毒だと思った、だからという発想というのは、時にそれも必要でございますけれども、私、やはりそれだけで済む筋合いのものじゃないと思っているんですね。だから、さっき申し上げましたように、警察官の方は常に生命を対象になさっているわけですから、特別公務があっていいんですけれども、それだけではないはずだという気が私はするので、そこらの問題についても実はあわせて皆さんからお答えをいただいておきたいのですけれども、そこのところはどうでございますか。
  18. 中村博

    中村(博)政府委員 特別公務の問題につきましては、確かに先生御指摘のように範囲という問題がございます。たとえば、先ほど例にお挙げになりました先生の問題を考えてみますと、国家公務員たる先生、地方公務員たる先生、私立学校の先生といろいろいらっしゃるわけでございます。なさっておられるお仕事内容は皆同じでございます。そういう場合に、ただいまいたしておりますような警察官の場合等々のように、特殊な国独自の、しかも職務として大変危険な仕事に挺身しなければならない、そういう場合の取り扱いをいま申し上げましたようなたとえば先生の場合にどういうふうに考えていくか、実はこの問題に悩んでおるのでございます。したがいまして、そういった意味での平仄と申しますか、対等性、公平性と申しますか、そういった点に一つの問題がございますので、その点、現段階におきましては、私どもといたしましては振り切れてございません。またいろいろお教えを賜わりたいと思います。  そんな状況でございます。
  19. 大出俊

    ○大出委員 いま余り突っ込み過ぎる時間がないので、いろいろ申し上げたいことはたくさんあるのでありますが、災害補償法の問題はとりあえずいま申し上げておきまして、さっき冒頭に申し上げましたように、そういう問題を広範に含めて労働団体の方で議論も進んでおりますから、また改めてひとつ提起をさせていただきたいというふうに思うわけであります。  そこで、次に公務員の賃金について少し承っておきたいのでありますけれども、私がきょう質問をすることにしたのは連休前の理事会でございますが、ところが、どうもやたらとぽかぽか新聞に出始めまして、四日の新聞でございましたか、何か新聞によっては書き方が多少ずつ違ったりもいたしますが、どうもおかしな書き方をしているのもあり、わけのわからぬ書き方のところもあり、いろいろするのであります。  その前に一つあわせて承っておきたいのでありますが、公労協、つまり公企体関係のあっせんあるいは委員長談話などというものが出て一つのまとまり方をしているわけでありますけれども、この方は国鉄なり電電なり、国会承認という問題が一つ出てまいりますが、値上げの法案が二つあるわけでありますけれども、私は、筋論として、余りそちらの方と絡ませて物を言われると物事は逆になる。あっせんの段階で三公社五現の理事者側、管理者側の方からの値上げに絡むような発言もありましたが、最後の段階でそういうものが皆消えていったというのはそこに理由があるので、本来、賃金のあり方を決めようというわけでありますから、そこらは大蔵省の言い方が何か気になっているわけでありますが、これを一体どういうふうに扱おうというお考えなのかですな。きょうは労働省お見えいただきましたし、大蔵省お見えいただきましたから、そこらのところを、長い議論をするつもりはないのでありますけれども、気になりますので、その問題に触れて単刀直入なお話を承っておきたいのでありますが、いかがでございますか。
  20. 唐沢俊二郎

    ○唐沢政府委員 ただいま大出先生から三公社五現業の賃上げについてのお話がございました。これはたしか四月二十二日から公労委の仲裁段階に入っておるわけでございます。いずれにいたしましても、仲裁が出た段階で各公共企業体について収入、支出の両面から財政事情を十分検討する必要がある、かように考えております。特に、ただいま仰せになりました運賃、料金改定両法案を抱えております国鉄、電電につきましては、国鉄の場合に運賃の増収がたしか五千三百億、電電の場合に料金の増収五千八百億と見込まれておりますが、これが予定どおり施行されないとなりますと、特に国鉄、電電の場合は財政事情が深刻なものになるのでございまして、ぜひ予定どおりの施行を期待をいたしておりますが、これらの機関を含めまして、各公共企業体について裁定が出されました時点で、またそれを見た上で各方面とも御相談の上、具体的な取り扱いを決定いたしたい、かように考えております。
  21. 大出俊

    ○大出委員 労働省の方々もおいでになるのですけれども、私がいま聞いている範囲で言いますと、五月二十二日仲裁裁定提示ですね。それで、調停委員長談話もございましたが、八・八%、一万二千百四十四円ですか、このくらいでおさまるという——これは初めてやっているわけじゃないので、それぞれ経験者がそろっていますからそう間違いのあることじゃないので、はっきりしていると私は思っているわけでありますが、ここらのところを労働省側の方は、所管でございますが、いまどういうふうに見ておられるわけでございますか。青木さん、きょうお見えになっているようでございますが……。
  22. 青木勇之助

    ○青木(勇)政府委員 お答え申し上げます。  本年度の民間賃金の動向につきましては、賃金交渉も大勢としてはかなり煮詰まってまいってきております。しかし、まだ妥結しておらない企業もかなりございますので、いま労働省として春闘の民間賃金何%ぐらいにおさまるかという点につきましての見解表明は一応差し控えさしていただきたいと思いますが、御参考までに民間の主要業種の賃上げ状況を申し上げてみますと、鉄鋼大手五社で八・五二%、それから電機の総合三社で九・五%、それから家電三社で一一・六%、自動車大手八社で八八%、私鉄十三社で八・九七%等と相なっております。現在の民間の賃金動向状況、大手の方はそういう状況でございます
  23. 大出俊

    ○大出委員 公労委の仲裁をめぐっての動きの方はどういうふうに見ておられますか。
  24. 青木勇之助

    ○青木(勇)政府委員 公労委の方は先生御存じのように四月の十七日にそれぞれ各当局が有額回答を出しまして、二十二日に調停委員長見解、ただいま先生おっしゃいました一万二千百四十六円、単純平均で八・七六%でございますが、これが出ましたのですが、不調に終わりまして、当日直ちに緊急総会を開きまして、公労委の決議によりまして仲裁に移行いたしました。御存じょのうに、公労法の施行令では仲裁が開始されたときは三十日以内に裁定をするようにしなければならない、こういう規定に相なっておりまして、現在公労委の方では事情聴取の段取り等を決めておりまして、それが終わりました後で仲裁裁定が出てまいる、従来の経緯から申しまして大体三十日以内に新賃金については出ておりますので、そういう経過で進んでまいるのではないか、こういうふうに思っております。
  25. 大出俊

    ○大出委員 五月の二十二日ごろに出されることになると思うのでありますが、単純平均、加重平均、とり方ございますが、加重平均で八・八ぐらいになるだろうと思っておりますけれども、そうすると一万二千百四十四円ぐらいになるのだろうと思うのですが、唐沢さん、政務次官お見えになっておって、電電あるいは国鉄の経営状況は深刻である、こういうふうにおっしゃいましたが、条件云々という言い方はなさっておられないので、とおっしゃられればもう少し物を言おうと思ったのですが、そこまでおっしゃっていない。私はやはりここでまた争いを再燃させることはよくないという気がするわけであります。大蔵省、労働省応おいでになりますが、五月二十二日に仲裁裁定が出たという段階で物を言うべきものでしょう、それは認めます。だが、そこで争いを再燃させるべきでないという気が私はいたしますので、十六条があることも百も承知でありますけれども、それなりのつまり割り切り方を皆さんがおとりになるべきであろう、そして争いの再燃をさせずに問題を決着をつけるという必要があろうという気がするわけであります。またどうもストライキを打たなければならぬとかけしからぬとかいう騒ぎを起こしてもしようがないので、その辺をひとつ申し上げておきたいのですが、何かまた御意見がございましたら承りたいと思います。  それから、大蔵省の方々には後ほどまた週休二日制問題等をめぐりまして少し承りたいこともございますが、特に週休二日制の問題は銀行が絡んでおりますから後ほど承っておきたいのでありますけれども、順序といたしまして人事院の総裁に承りたいのです。  ことしの人事院勧告に至ります過程の手順、順序、どういうふうにこれからお進めになるかということですね。例年のことでありますが、お考えを一応承っておきたいのであります。  それから、ずばり申し上げますけれども、ことしの人事院勧告は一つ間違うと人事院の存在価値を問われることになると私は思っておるわけであります。とんでもないことができ上がりはせぬかという気がするのであります。と申しますのは、新聞がお書きになっている中身、これをまず聞きたいのですけれども、どこで、どうして、どういう発表でこうなったのかわからぬのですけれども、一斉にお書きになったのだから人事院が何かおっしゃったのだろう、人事院がおっしゃっていないとすれば大蔵省がおっしゃったのかもしらぬが、ここら一体どういう場面で何がどうなってこんな記事がたくさん書かれるようになったのかという真相をまず承りたい。  この中で五%以下でも勧告をするなんというようなことを何となく言っておられるように書いてある。細かいことは私は時間ありませんから掘り下げませんが、五%以下でも勧告をする、さて五%以下であっても勧告した年がこれこれかくかくあるのだなんて、中だるみがどっち向いたとか初任給がどうだとかいうようなことを本格的には触れなかったがなんということが書いてありますね。五%以下でも勧告をするなどということを皆さんがおっしゃるとすると、五%以下のこともあり得るということになる、とんでもないことをおっしゃる筋合いで、そうなると、人事院なんというものはない方がいいじゃないかなんというようなことに世の中なりかねない、これは重大な問題、人事院の存立にかかわると私は思っておる、その点は。よくもまたこれ五%以下のことまで人事院が物を言ったものだと思って私はびっくりしたのですが、不用意千万というよりはけしからぬと思っておるわけですが、まずそのあたりを……。  もう一遍言いますが、まず一つは、これからどうお進めになるのかという点、またいかなる場所で、いかなるいきさつでこういう新聞に記事がたくさん、しかもきょう私が質問を賃金についてするという通告をしてあるのに、がたがた載っかったのか、五%以下でもなんということ、まことにもってこれは不可解でございますから、それは一体どういうことなのか、大蔵省と御相談の上でおやりになったのかどうか。それから最後に申し上げましたように、一つ間違うと、これは人事院はない方がいいんじゃないかなんというような話になっても困るので、そこらのところをひとつあわせてずばりお答えをいただきたい。
  26. 藤井貞夫

    ○藤井(貞)政府委員 給与の問題につきましては、例年ずっと同じような歩調で進めてまいっておりますことは御承知のとおりでございます。本年の場合におきましても、人事院といたしましては、官民の給与の比較をしてそれの結果を待って措置をとるということの基本的な態度につきましては全然変えておりません。これは従来どおりにやっていきたいということで作業を進めておるような次第でございます。いまお話しの中に出ておりましたが、本年の場合も大体例年と同じようなやり方で調査をやりたいと思っております。調査の時期は実はちょうど本日から来月の大体半ばごろまでを期間といたしまして調査を実施をしたいということで、それぞれ周到な準備をいたしまして本日から実施に移したいというふうに考えておる次第でございます。  ちょうどいま新聞のお話がございましたが、これは大体例年もそうであったと思いますが、調査項目等が決まってまいりますと、これを新聞の方に発表をいたします。その説明を事務当局としていたしたことは、これは事実でございます。そういうことから、その間にいろいろ新聞の方といたしましても関心があることについて質問等があり、それに対して答弁をしたというようなことから ああいうような一斉の取り扱いになったというふうに考えておりますけれども、しかし、これは内容に至りましては無論のこと、何ら具体的に申し上げておるつもりはございません。また、申し上げるべき筋合いでもないということでございまして、非常に形式的な問題でございますけれども、調査のやり方について御説明を申し上げたということでございます。これはごく事務的に処理をいたしたということでございますので、無論私が新聞の方に対して、何かれのことを申し上げたということではございませんので、その点ひとつ御了解を賜りたいと考えておる次第でございます。  また、本年の勧告がどのようになっていくかというようなことは、いまの段階では申し上げる筋合いでもございませんし、また申し上げる時期でもございません。厳密な民間の給与の実態調査をやりまして、それと国家公務員の給与の較差がどう出るかということを厳正な資料でもって調査の結果、判断をいたす問題でございますので、これにまつわるいろいろな問題ということは、これは人事院の全然本意ではございませんので、その点も合わせてひとつ御了解を賜っておきたいと存ずる次第でございます。
  27. 大出俊

    ○大出委員 ちょっと筋の通らぬお話をなさるので、そこのところをもう一遍聞きたいのですが、この新聞の書いておられるのによりますと、「人事院は「これまで五%以上の格差がなかった年にも勧告しなかったのは二十九年の一回だけ」と述べているか、」——述べているんだから、述べたのでしょう。何で一体五%以下の話をしなければならぬのですか。あなたはいま、厳正にやるんで、いまはわからぬのでそんなことは言えた義理ではないとおっしゃったって、そんなことを言うんなら、何でこんな必要があるのか。「人事院は「これまで五%以上の格差がなかった年にも勧告しなかったのは二十九年の一回だけ」と述べているが、」と。で、ほかの新聞には、五%以下でも人事院は勧告なんという見出しでみんなそう書いてあるでしょう。それはどこかの新聞の方が解説をしただけならばこんな記事にはならない。新聞はほとんどここにありますが、全部あなた方は五%以下を述べている。それは幾らになるかわからぬ、いまあなたは、だから厳正にやっていくんで、いまの時期でそんなことを言えた義理じゃないと言っておいて、何で一体五%以下の話をするんですか。これはけしからぬじゃないですか。こんなふざけた話ありますか。何ですか。
  28. 藤井貞夫

    ○藤井(貞)政府委員 先刻もお話を申し上げましたように、調査方法について御説明を申し上げた段階におきまして質問がいろいろあったことは想像ができるわけでございます。そういう際で、たとえば五%以上というのは、これは法律でも書いてございますように、以上の格差が出れば、これは義務的に人事院としては勧告しなければならぬということになっておるわけでありますけれども、それ以下の場合については義務を課していないという現実がございます。そういうことで、それを踏まえて、恐らくその場合はどうするんだというような質問があったかと思うのであります。したがって、それに対してそういうように受け取れるような発言をしたことはあり得るということはそのとおりだと思います。
  29. 大出俊

    ○大出委員 だんだんわかってきたのですけれども、いま総裁は他人事みたいに答えているので、これはあなたが物を言ったんじゃないんです。質問があったかと思う、あったことに答えたことはあり得る、こう言う。あなたが答えたのなら、そう答えたとおっしゃるでしょう。あり得ると言うんだから、それじゃこれは言ったのはあなたじゃない。責任追及の仕方があるんで、そこで逆立ちしてくれぐらいを言わなくちゃいかぬものですから。それじゃこれを言ったのはだれですか。だれが言ったのですか
  30. 茨木廣

    ○茨木政府委員 これは例年連休前に、御案内のように記者クラブの方からその期間の原稿等の関係でいろいろ取材を求められるわけでございます。たまたまそれが五月の六日から調査期間に入りますものですかち、例年発表いたしておりますので、給与局としてこれを発表させたわけでございます。私もその現場におったわけじゃなく、実は私どもの次長にやらせましたものでございますから、後でいろいろ報告を受けておりますが、ことしはたまたま、御案内のように春から一けた台とかあるいはゼロとかいうようなこともいろいろ言われたものでございますから、何回となくございました組合との会見等の席でもこの五%云々というような話も大変出てまいったわけでございます。そんなことで、そういうことについての心配が大変あったということは事実でございます。そういうことを聞きつけられておられたからであろうと思いますけれども、記者会見の席上に記者の関心のポイントの一つとしましてこの問題が出てまいったようでございます。記者クラブの方とされましては、こういう内容の調査が始まりますということでは記事にならないということで、毎年、いつでも、率は大体幾らだとか、その中心点がそこに行くわけでございます。  そこで、ことしは五%を超えるのか超えないのか、一体勧告があるのかないのかというようなところに大変質問が集中した結果、過去の経緯もこうでございました、しかし、いまの段階でこういたしますというふうにもはっきり言いかねるしというようなところで、いろいろな説明をされたようでございますが、そこで記者の方の方々は、それぞれの観測といたしましていろいろな書き方をされた。これがもし公式に一定で発表されておれば、記事は恐らく一定の記事になるはずでございますけれども、その辺のところはそういうことでございますものですから、非常にきつく書かれたところもありますし、そうでないところもあるというようなところになったわけでございます。(「世論操作だ、人事院のやることじゃない」と呼ぶ者あり)
  31. 大出俊

    ○大出委員 後ろの方からやじがありまして、これは世論操作だ、人事院のやるべきことじゃない、と。これは全く賛成ですね。けしからぬ話だ。角野君を呼んできて、そこで逆立ちでもおまえしろと言わなくちゃいけないところだけれどもですな。これから聞いていきますが、皆さんの答弁いかんでそれは取りやめにしますけれども、答弁いかんではそういうわけにまいらぬということになる。  なぜならば、この記事の中には、去年も公労協妥結時点以後、民間賃金というのは先細りをした、だからことしはもっと先細りするだろうと。調べているのは何も人事院じゃないんだ、民間賃金というのは。だから念のために青木さんにいま聞いてみたら、鉄大手五社で八・五二から始まって、二これは私鉄十三社で八・九七、こういうところまで。去年、まあ一三・一を労働省は出したわけだけれども、何も先細りですぐにいってはいない、いまの話は。去年だって、金融だ何だ、入れなかったりするからああいうことになるだけで、これも世論操作だった。大体、それを人事院が世論操作を先取りしてはいけませんですよ。そうでしょう。  これは公平の原則からいって、いままでほとんど公労協にリンクしている。一年前に皆さんの方が一%高かったというので、今度は仲裁裁定の方は逆に、向こうが一%高いと出した。公労協とそういうリンクの仕方をしてきているわけでしょう。公務員公平の原則があるんだから。いまあなた、人事院は、マーケットバスケット方式なんというのはやつちゃいない、マバ方式なんというのは。皆さんが行って、一生懸命賃金台帳を聞いてきたり見てきたりするだけのことだ。そういう世の中に、どうも五%以下の話なんぞしたり、先細りがどっち向いたなんというようなことをいまの時期で言い出すなんというのはもってのほかだ、聞かれたからといったって。五%以下なんて聞かれたら、五%以下なんということをおっしゃっちゃいけませんよとあなたは言わなくちゃいかぬのだ。加重平均で調べてみて、公労協は八・八なんだ。間違いない、八・八。定昇が二・三%なら、差し引けばこれは六・五%になるに違いないんだ。六・五%になれば、六・五の勧告をあなた方は出さなければしょうがないんだ。それをやらない人事院なら、だから冒頭に申し上げたように、それなら人事院なんというのはない方がいいということになっちゃう。これは人事院廃止運動でもやらなくちゃいけない。そういうことになりかねぬのです。存在を問われる、だから申し上げている。  公労協が八・八ならば、定期昇給含みなんだから、二・三%引けば、いやでも六・五の数字が出てこなければならない。そうでなければ、調査諸表を全部公開しろとわれわれは言わなければならぬ。調査がインチキなのか、手心が加わったのか何かだと言わなければならぬ、そうなれば。そういう歴史をこれは持っている。それを五%以下なんというようなことを言い出すから——それでも、勧告しなかったのは一年しかない、あと三回は、基準賃金については勧告しませんでしたが、ほかのことでやりましたなんてね。だから、この記事を読んだ。きのう私は退職公務員の皆さんの集会に行ってみたら、いきなり、大出さん、大変だと言う。何だと言ったら、来年は恩給は上がらないのでしょう。何をと言ったら、五%以下だ、勧告はするけれども基本賃金はしないと新聞に書いてある、人事院がそう言ったと言う。そうすると公務員に本格賃金引き上げ勧告が出ないかもしれぬ。出なければ、それに見合うんだから、恩給が来年は上がらないだろう。こんなことを言い出すから——角野君が言ったか横野君か言ったか知らぬけれども、縦野君が言ったかわからぬけれども、丸野君が言ったかわからぬけれども、こういう言い方をするから、そんな心配まで世の中じゅうするんですよ、いまの時期に。これは人事院の重大な責任であり、世論操作であり、言うべきことではない。いかがでございますか。
  32. 藤井貞夫

    ○藤井(貞)政府委員 いまるるお話がございましたように、人事院の立場なり機能から申しまして、世論操作をするというような大それたことは毛頭考えておりません。その点はひとつ御了承を賜りたいと思います。われわれといたしましては、従来どおりの立場で厳正な資料に基づいて官民較差の比較をやりまして、その結果に応じて適正な措置をお願いをするという態度なり基本的な性格というものを毛頭変えるつもりはございません。
  33. 大出俊

    ○大出委員 それでは、先ほど総裁が、質問があってそういう答弁をしたというふうなことも想定されるという言い方をされましたが、もしこういうことを事実言っているとすれば、だって述べたと新聞幾つにもみんな書いてあるのだから、これはまことに不用意であった、質問にうっかり一般的な意味で言った、ことし云々でなくて、だからここに述べたと書いてあるのは本意でない——言わなかったと言えない、あなたはそういう答弁はあり得ると言って認めたのだから、認めた以上は言ったに違いないのだから、だからまことにこれは不用意であった、はっきりさしてください、みんな心配するから。
  34. 藤井貞夫

    ○藤井(貞)政府委員 不用意であったという言い方は若干行き過ぎだろうと思うのでありますが、いろいろ質問応答の過程におきましてそういうような論議があったことは私も想像ができるわけでございます。ただ、これは取材態度の問題でございますので、私からとやかく批判めいたことを申し上げることはいかがかと存じますけれども、人事院といたしましては、従来どおりの客観的な公正な資料の調査をやりまして、その結果に基づいて措置をするということでございますので、ことしがあらかじめ五%以下になるとかならぬとかというようなことは人事院の現在における本意ではないということは申し上げられると思います。
  35. 大出俊

    ○大出委員 これはいわゆる春闘のさなか、締めくくりの段階で皆さんは関係団体との間でいろいろとやりとりをなさっておいでになるわけであります。この中で尾崎さんの答弁などもある。ことしは勧告なしなどという言い方をする、つまりそういう意味の疑問などもあるが、そう消極的に考えていない、五%以下の較差なら勧告をしなくてもよいとする人がいるが、次の年にべらぼうな数字になるのでやるべきだと思うなんということを言っているのですね。これもどうも私に言わせるとおかしな話で、こういう答弁をするとすれば、これも五%以下なんというようなことを一つ前提に置いていることになる。ここらのところは、事務総長がそう言ったとすると、これは皆さんの腹の中、頭の中に五%以下の想定だって持っていることになる。総裁、首振ったって、他にかえがたき人物尾崎事務総長答弁となると、これは総裁、あなたも昔事務総長をおやりになったことがあるのだけれども、いま滝本さんがとっくにやめていない限りは、給与局長としては尾崎さん以上の人はいないのだから、そうでしょう。私が官公労事務局長のときに研究課長でお入りになっていてあれ以来やっていたのだから、そうでしょう。だから、これは尾崎さんが言ったというのは重大な問題だ。ただ、言わんとする真意はまだわかる。うっかりやらなかったら来年とんでもない賃上げになった日には大蔵省がばたばたするからということを言っているわけだから、この点はわからぬわけじゃない。大蔵省をばたばたさせないために勧告するというのだからわからぬわけではない。ないか、あなた方の腹の中にこういうことがあっては困る。  そこで承りたいのですが、公労協との関係、これをあなた方がどういうふうに考えておられるかということをいまの問題を踏まえて、総裁と総務長官に公労協の仲裁裁定との関係についてどうお考えかを承っておきたい、いかがでございますか。
  36. 藤井貞夫

    ○藤井(貞)政府委員 再度の御質問でございますけれども、人事院といたしましてはパーセンテージのことをいま予測的にとやかくというようなことを考えているわけでは絶対にございません。あくまで客観的に調査をいたしました事実に基づいて措置をするという基本的な態度は変わりがないことを重ねてはっきりと申し上げておきたいと存じます。  なお、いまお話しのございました公労協の関係でございますか、これはいままでも先生からいろいろの機会に御指摘がございましたし、われわれとしても申し上げておるわけでございますけれども、あくまで私たちの方といたしましては民間の給与の調査をやりまして、それとの比較ということでやっておるわけでございます。したがって、直接的にはこれは公労協の関係はございません。しかし、お詳しいのですから私からるる申し上げる必要もないわけでありますけれども、公労協自体もやはり民間の動向その他にいて留意をしてまいっておるわけでございます。これは従来のしきたりもそうでございます。したがって、これか結果的には全く関係のないということでなくて、われわれも重大な関心を持ってこれをながめておるということは事実でございます。
  37. 植木光教

    ○植木国務大臣 いま御答弁がございましたように、人事院は民間給与の実態調査を行われ、また公労協の賃金につきましてもにらみをしながら勧告が行われるものであるというのが従来からの例でございまして、私といたしましては、組合が私との会見におきまして民間や三公五現と同程度の給与改定を希望するということを要請せられましたのに対しまして、勧告が何としてもなければならないわけでございますけれども、そういう期待をせられることは理解ができるということを申し上げたので、御了承いただきたいと思います。
  38. 大出俊

    ○大出委員 念を押しておきますが、この関係組合、つまり植木総務長官所管の関係団体あるいは関係組合の皆さんが民間や三公五現、特に三公五現中心になりますけれども、身分法は公務員法であるところが多いわけですから、三公五現と同程度の改定を期待するというのが率直な関係団体の気持ちでございましょう。これはよく理解できるというお気持ちはあなた方はお示しになっているように見受けるのですけれども、そういうお気持ちに変わりがないかどうかですね。つまり民間、三公五現、特に三公五現と同程度の給与改定を期待するという、それが植木さん所管の関係団体の要求あるいは気持ちだと思いますが、これはまあそうだろう、その気持ちはよくわかる、理解ができるというふうにお考えならばそのようにお答えをいただきたいのですが、いかがでございますか。
  39. 植木光教

    ○植木国務大臣 一般職国家公務員の給与を担当しているわけでございますけれども、いまお話しございましたように、民間や三公五現と同程度の給与改定を期待をしていることは理解できるということは、私は会見の際にも申したのでございますし、その考え方はいまも変わりございません。
  40. 大出俊

    ○大出委員 藤井総裁に承りたいのですが、法制上賃金勧告そのものに総理府は介入できないわけでありますが、しかし、総務長官はやはりみずからが所管する関係諸団体の要請もございますから、それは三公五現程度の賃金改定が欲しい、こういうことなので、それはよく理解できる、こういうふうにお考えだというわけでありますから、さっき総裁の答弁によれば、三公五現の方も、つまり公労委は民間との較差というものがそのポイントであります。だから私鉄とシーソーゲームをやりながら深夜に及んだといういきさつなのでありまして、そこにやはり目標を置いているわけであります。先ほど労働省の青木労政局長が答えた民間の賃金動向を見ても、おおむねその辺にいっているわけであります。だから、公務員諸君が、人事院所管の方々がそれを期待するのは当然であります。また、それと大変かけ離れた勧告が出た歴史的経過はない。佐藤人事院総裁の時代にほぼ三公五現見合いの勧告が出ているわけでありまして、だからそれが大きく狂うとすれば、政治的配慮であるとか、何かがそこになければならぬことになる。それでは困る。したがって、旧来の経過、三公五現と皆さんの勧告とがそうかけ離れていない、このことを、過去の経過に立ってまずお認めになるのかどうか。だとすると、今回もそんなにかけ離れた結果が出るはずがない、こう考えていいはずなのでありますが、そのところはいかがでございますか。
  41. 藤井貞夫

    ○藤井(貞)政府委員 公務員諸君のいろいろの組合と総務長官との折衝の経過等も私詳しく承っております。また、私自身もいろいろな機会にいままで組合とも折衝をしてまいりまして、その言い分その他についても十分に腹に入れているつもりでございます。  事の経過というのは、非常に形式的になって恐縮でございますけれども、やはり民間との較差ということが主眼になりますので、その客観的な調査結果を待たなければという、決まり文句になって恐縮でございますけれども、しかし、これは従来の経緯もございます。長い間の積み重ねの経過もございます。したがって、それらの点は私自身も十分腹にしまって持っておるつもりでございますので、そこらの点で私自身あるいは人事院の考え方というようなものはひとつ御了解を賜りたいと思います。
  42. 大出俊

    ○大出委員 念のために茨木さんに承っておきたいのですが、去年とおととしの人事院勧告と公労委の仲裁裁定は、数字は幾つでございましたか、ちょっとそこで挙げていただきたいのですが……。
  43. 茨木廣

    ○茨木政府委員 四十九年、おととしでございますが、これは定昇を除きました三公五現系統の数字が二六・六六でございます。これに対しまして、人事院勧告の方は二九・六四でございます。それから昨年、五十年の数字は、三公五現系統は、定昇を除きましたものが一一・七七、人事院勧告の方が一〇・八五でございます。
  44. 大出俊

    ○大出委員 これは総裁に承りたいのですけれども、四十九年、五十年の数字をいまお挙げになったのですけれども、四十九年、どうも人事院の方にちょいと高く出された、これは中身は言いませんが、私も大変議論したのです。昨年は公労協の組合の関係の代表幹事の諸君が仲裁委員会、調停委員会に申し入れまして、去年は後から出た人事院勧告の方がちょっと、一%ばかり有利である。したがって、ことしはそれを取り返してくれなければ困るぞというようなことをさんざん言ったわけですよ。私も、これはしようがない、立ち合った場面まであるのですからね。それは、いやいや確かに結果的に考えなければならぬところですといって、当時仲裁委員長は答えた。結果的に出てきたら一一・七七公労委、一〇・八五人事院勧告。だから私どもは今度は人事院に、何でこれを認めたんだ、こういうばかなことがあるか、去年どうもわが方がちょっと高過ぎたわい、だから今度はちょっと下げておくわいというふうに公労委と話し合ったんじゃないかと、そこまで私は言ったのです。  総裁、これは何を意味するかというと、過去の歴史はそういうふうに公労協関係とそれから人事院傘下の公務員の関係と、それだけ密接な相関関係を持っているという事実、これは否定できない。この否定できないこのことをお認めになるかと私は申し上げているのですよ。いかがでございますか。
  45. 藤井貞夫

    ○藤井(貞)政府委員 これは公労委関係の給与決定等の基本的なたてまえでございます調停あるいは仲裁ということと、人事院がやっておりますやり方とのたてまえの相違というものが基本的にございますことは御承知のとおりでございます。  そういうことから、やはり三公五現の場合におきましては、民間とのにらみ合わせ等の、要するに大局的な見地からの総合的判断というものが一つあるということはこれは事実であろうと思います。その点、わが方は民間の客観的なデータを集めまして、非常に正確な集計の結果から出てくるものでございますからして、そのたてまえはかなり違います。違いますけれども、そこに相関関係がないのだということは、これはあり得ないことでございます。従来の経過から見てもその点は明らかでございます。  したがって、私たちといたしましても、民間の調査ということを基本的にはいたしますけれども、それと同時に、やはり三公五現関係のやり方、動き方というものも十分に横にらみしながら重大な関心を持っておるということを申し上げているのはそういう意味でございます。
  46. 大出俊

    ○大出委員 そのことをお認めになるとすれば、私はこの人事院システム、一緒に歩いて調査しているわけではないのですから、おまけに皆さんは調査諸表をお出しになったことはないのですからそんたくの余地がないのだが、マバ方式をとるのではない、皆さんは足を使って、人数で分けまして百人以上、五十人以上の事業所を歩かれるわけですね。それで、賃金台帳その他、皆さんはここで念を押しておきたいのですが、春闘の上がった分というのは的確にとらえると、こう関係団体には答えておられるわけですね。だからそこまで調査をしていただいて結論をお出しになるという方式ですよ。だからそうなれば、加重平均で八・八になっていく三公五現の賃金改定、もちろんこの中には定昇二・三%を含んでいるわけですから、だから八・八から二・三を引けば六・五残る、これは間違いない。そうすると六・五という較差が出てきて、これは公労協とそう変わらないというところになるわけです。六・五がなければこれはおかしい。だからその将来見通しからいけば、これから御調査をなさるわけだけれども、まさか、その法律上の五%、こういう枠がありますけれども、その法律に立脚をして勧告ができないようなことになるなどということは、これはあり得ない。それなら一・五%以上も食い違ってしまうことになる。そんなことを世の中が納得しやしないですよ、いまの歴史的経過、相関関係をお踏まえになるなら。だからその意味では、当然これはことしも勧告を正面からするという数字になるはずだ、こういうふうにお考えいただかなければ筋が通らない。これは当然でしょう。いかがでございますか。何も六・五%と言い切るわけではないけれども、あなた方調査をされるのだから。だが、その辺にいかなければ、その前後どうなるかわかりませんが、いかなければおかしい、こういうことになる。調査諸表をお見せいただくわけではないし、私が調べに行くのじゃないのだから、そこから先は言えないからこう言うのだから、やはりそうでなければ、この記事が載った以上は、みんな心配してしまっているわけですから、これは五十万からの方が、地方公務員を入れればもっとの方が。だからさっき申し上げたように退職者を含めてそういう心配をしているのだから、放任できないですよ。この記事というのは皆むさぼり読んでいるわけだから、たくさんそういう退職公務員の方が出てくる。五%以下なんかになったら、現職公務員の給与にリンクする恩給の仮定俸給表の改定はなくなってしまうという騒ぎ、そんな騒ぎを起こさせては困るので、だからくどいように聞くのだけれども、その歴史を前提になさるなら、相関関係をお踏まえになるなら、八・八から二・三引けば六・五なんだから、その前後のところにいくということにならなければこれはおかしい。まあ将来に向かってどうなるかそれはわからぬけれども、おおむねそうあってしかるべきと、この辺のところぐらいまでは御答弁願わないとこの混乱は解消できませんですよ。いかがですか。
  47. 茨木廣

    ○茨木政府委員 例年の関係はそんなような前後の数字になっておることは事実でございます。これは大体いままでの経済情勢下でございますと、いわゆる春闘相場といったふうなものがございまして、それにならってずっと各会社もお決まりになるような、こういう空気があったと思います。ただ、ことしあたりの情勢は、業種別にいたしましても、あるいは業種の中でも企業ごとにいろいろ大変違うようでございまして、その辺のところが調査の結果を見ませんとはっきり申し上げかねるというのが、実はことしのむずかしい情勢判断の一つでございます。そういう点がございますものですから、しかとどうなるかということはなかなか申し上げかねるような情勢でございます。
  48. 大出俊

    ○大出委員 ただ、さっきあなたの方で五%以下の場合云々というのは、これは本意でないという御答弁が総裁からあったわけでありますから。  そこで、いま茨木さんの答弁を言えば、去年、おととしなどの例からいきまして、旧来のいわゆる春闘相場というふうな形のもの、総合的に考えた民間と官業というものからいけば、大体私の言うようなことになる。だが、そこに一つ要素があって、ことしは少し情勢が違うから、これがひっついたわけですね、あなたの話は。多少そのくらいのことはひっかけることを私の方も認めないと、現時点での人事院のお立場がある。だから、これはなかなか苦しいお答えになることがわからぬわけではない。が、しかし、青木労政局長が答えたこのいまの段階は、昨年の傾向から言って、いずれも一つの春闘相場をとらえての数字が出てきているわけですよ。多少落ちた上がったというなら、労働省流に言えば、どういう職種をとらえて後追いをするかということになるので、金属が残り、金融共闘が残ったのですから。ところが、これは去年ぼくがここで指摘したように、銀行というものは労働省の調査に出てこない。私は総評系ですから、民間の金属関係まで数字を持っていますけれども、それまでいまここで述べている時間がない。ないが、去年も先細りはしているんだが、これは大変な先細りではない。だから、その後のものは確かにクエスチョンマークだが、さっきお話が出たような五%以下を云々する時期じゃない。これは六・五%前後のところにいかなければ人事院の存在価値に云々か出てくるわけですから、そこのところを総裁、これで終わりますが、やはり一つの傾向というものはいかなる場合でも毎年あるわけでありまして、一つの傾向、それは公労協が一つの官業の相場づくりをしているこの傾向、常識的に言えば、必ずしもぴたりいくことはあり得ないかもしれぬ、調査が違うのだから。しかし、そう開きのないところに落ちつく筋合いなんで、世の中の大方の心配は総裁の口から消してほしいので、一言答えてください。
  49. 藤井貞夫

    ○藤井(貞)政府委員 五%以下云々ということが大変論議の対象になっているわけでございますが、その問題が出ましたいろいろないきさつ、経緯等については、ここで私自身が直接に知っているわけでもございませんので申し上げかねますけれども、それらの点は五%になるとかなんとかということを頭に置いてのことでなくて、むしろことしの状況から言って、仮に五%以下というようなことになった場合にどうなんですかというようなことが質問として出てきた。われわれの腹の中にもございますね。そういった場合にも、それは先刻御指摘になりました事務総長等の発言の中で、やはり仮に五%以下でもこれは見送るというようなことになりましたら、来年も大変なことになるということがございますし、現在五%自体が、基礎的な給与がもうかなり上がっていますから大変な額なんです。そういうようなこともわれわれは考えないわけではございません。そういう意味合いからの気持ちのほとばしりが何かそういう表現になったのではないかということで、何か五%以下に抑え込むんだとかなんとかということは、むしろわれわれとしては全く論外のことであって、その点はあくまで客観的な資料に基づいて判断をしていくということでございますので、その点ひとつ御了解を賜りたいと思います。
  50. 大出俊

    ○大出委員 五%以下言々は論外だということですから、さっき茨木さんがおっしゃったように、昨年、一昨年等の……(茨木政府委員「それはちょっと」と呼ぶ)いや、いいですよ。もう聞かない。あなた言っちゃったんだからだめですよ。これは角野さんを呼ぶことは帳消しだ。しょうがない。わかりました。  ということですから、ひとつ総務長官、安心して——三公五現程度の賃上げということについて理解できる、こう総務長官答えたが、どうもそのとおりになりそうでございますから、御安心をいただきたいわけであります。大蔵省の方も、そこらのところは御覚悟いただきまして、五%以下なんというのは論外なんだから、唐沢さんもおいでになりますが、ひとつ大蔵省の方もちゃんと財源措置をするようにお考えおきいただきたいわけであります。  そこで、週休二日制問題について少し承りたいのですが、まず大蔵省は、民間の銀行協会の方々が調査団などまで派遣をされておるわけでありまして、欧州各国の例を四月いっぱいでまとめるという進行の度合を示しておりましたが、銀行を所管をされている大蔵省の側で、銀行の週休二日問題について国際的にどういうふうに把握をされておられるわけでございますか、簡単にお答えをいただきたいのでございます。
  51. 唐沢俊二郎

    ○唐沢政府委員 昨年十一月から十二月中旬にかけまして、全銀協でヨーロッパと北アメリカに週休二日制調査団を派遣いたしまして、その調査結果の概要はわれわれ受けております。もし何でございましたら詳細は事務当局から御報告をいたさせます。
  52. 戸田嘉徳

    ○戸田政府委員 概略申し上げますと、調査項目は、まず金融機関等が週休二日制をどのように実施しておるか、その状況でございます。それから二番目が、移行の順序でございますが、そういう諸外国ではどんな順序で週休二日制を取り入れていったか、そういう順序を調べております。それから三番目が、実施の契機、これは金融機関がなぜに週休二日制を取り入れるようになってきたか、その契機でございます。それから四番目としまして、移行時の顧客対策と申しますか、どんなような準備をいたしてきたかという問題、その他は、法制的にどんな措置をとったか、これは各国によって違うわけでございます。  そこで、その調査結果の骨子といいますか概要を申し上げますと、まず第一の実施の状況でございます。これは各国とも貯蓄金融機関といいますか、そういうものを除きますと、おおむね週休二日制を実施いたしておる、そういうことでございます。  それから二番目の二日制の採用の順序といいますか、それにつきましては、フランスを除きまして、いずれの国もまず一般の民間企業が週休二日制を取り入れていっておるということでございます。フランスの場合はちょっとごたごたいたしますが、この場合でも金融機関が先頭に立っておるというわけではございません。そういう形で移行が行われておるということでございます。  それから三番目に、なぜに金融機関が週休二日制を取り入れていったかということでありますが、これはいろいろ原因がございますが、その大多数を占める原因は、一般の企業が週休二日制を採用いたしましたために金融機関として不採用が非常にむずかしくなってきた、いわばそういう労働条件的な面から金融機関としてもこれは取り入れざるを得なかったというのが、共通した大きな採用の契機のようでございます。  その他は、たとえば顧客対策、相当PRに努めるとか、いろいろ細かいものがございますが、これは省略させていただきます。
  53. 大出俊

    ○大出委員 私の手元にもございますが、念のためにひとつ後ほど皆さんのお手元にある資料がございましたらいただきたいのですけれども、お願いをいたしておきます。  私なりにそれぞれの組織を通じまして調査結果を聞いてみました。いまお話がございましたように、イギリス、フランス、西ドイツでは商業銀行を初めとする全金融機関がおおむね週休二日制を実施している。アメリカ、カナダも、商業銀行の一部の中小金融機関で週六日出勤制をとっているところがあるけれども、大勢は週休二日制に移行済みである。それからまた、いまお話しの二日制実施までの経過を見ると、イギリスやアメリカは民間企業がまず先で、イギリス、アメリカの場合は民間企業、官庁、そして金融機関、こういう順だというわけですね。ところが、西ドイツは、官庁に先駆けて金融機関、それからフランスのごときは傾向として民間企業に先駆けて金融機関、そういうふうに見える。そこで全銀協の物の考え方を、人を介しまして、全銀協には御存じの総合調整室がございますが、そこに聞いてもらいましたら、国際的な配慮から見てできるだけ早く実施したいという気持ちです、また低成長時代には週休二日でなければおかしいのではないか、こういうお話が実は返ってまいりました。だから、国際的な視野から見て、銀行側は実施すべきであるという気持ちなんですね。ただ問題は、人事院が基準その他をお出しになっておるけれども、官庁の方はいまたなに上がっておるという時期に、先駆けてというのはいかがなものかというのですね。そこが一つのネックになっている。あるいは冗談話ですけれども、銀行はもうけ過ぎていると言われておる世の中に先走るということはどうもいかがなものかというようなニュアンスの考え方も一部にはある。もう一つは、不況というようなことがある、こういうところなんですね。だから、官庁が動き出せばついていけるということは間違いない、こういうことなんです。このあたりが私は大勢だというふうに思うわけですね、銀行関係では。特に郵便局と競合する金融機関がございますから、そこらは協会側からすると郵便局がという問題がもう一つ別な角度からある。ここらが大ざっぱに言って、いまの全銀協の考え方、こうなんですね。  大体いまのお話とそう大きな違いはないのじゃないかと思うわけでありますが、この辺にとらえておいていいんだろうと思うのですが、いかがでございますか。簡単で結構です。
  54. 戸田嘉徳

    ○戸田政府委員 おおむねさようなことだと思います。ただ、いまおっしゃいました中で、ちょっと訂正といいますか、私どもが把握しておりますのは、移行の順序中、西ドイツも一般企業が先行いたしておりまして、次に銀行ということになっております。それからフランスの場合は、最初には官庁、金融機関、大企業と一斉にやりまして、それが戦争で中断いたしまして、その後官庁、銀行というようなぐあいになっておる、こういうことでございます。  それから全銀協の考え方、おおむねそのとおりでございますが、特に心配いたしておりますのは、やはり中小企業、この方面からの、むしろ率直に言いますと、反対に聞こえる声が非常に強いわけでございます。これはいろいろな場合で出てまいりまして、金融機関というのはサービス部門、人間の体で言えば血液を供給しておるようなところが、こういう非常に苦しいときに先に体むのはどうだというような批判が非常に強いということは事実でございまして、全銀協の方としましても、やはり社会的なコンセンサスがないと実施できない、かように考えておるようでございます。
  55. 大出俊

    ○大出委員 そこで承りたいのでありますが、たとえば日曜配達を廃止するという郵便局の問題が提起された時期がございます。張本人が当時私でございますけれども、新聞関係の方々が日曜夕刊廃止というのを上乗りをするということで、一緒に実は郵便の日曜配達廃止、新聞関係の方々の日曜夕刊廃止という抱き合わせで浅草の問屋街で実はしゃべったことがあるのですけれども、新聞関係の方が先にいって、日曜夕刊を廃止して、私どもの郵便局が残りまして、この時期に西ドイツの労働総同盟会長ウィリー・リヒター氏が日本に来られて、私一緒におつき合いしておったわけですけれども、西ドイツの週休二日制問題を彼が説明していましたが、やはり部分的に相当なトラブルがあるというわけです。ところが、割り切ってやってみたら、やった結果としてほとんど解消してしまったというわけですね。だから、部分的にいろいろあるものに余り気をとられずに進めた方がいいですよということを言って帰られました。その後、私はウィリー・リヒター氏の招待で戦後初めてドイツ労働総同盟大会に総評代表であいさつに行ったのですけれども、そのとき私、調べてきた経験もございますが、私はやっぱりここまで来るとそれは社会一般からすれば、いろいろな部分的な現象はありますけれども、大勢としては週休二日制ということに踏み切っていかなければならぬ時期に来ている、こういうふうに思います。  そこで、去年の約束がありまして、森美秀さんが政務次官のころに大平さんと大蔵委員会の山田耻君との論争などもあって、この六月目途に、銀行法十八条が絡みますから、何とか考えにやならぬということだったわけでありますが、この国会に改正案が出ていない限りは、これはまだ六月が来ていませんけれども、どうやら約束違反と言わざるを得ぬわけでありまして、そのあたりを政治的にどうお考えか、一言承っておきたいのですが、いかがでございますか。
  56. 唐沢俊二郎

    ○唐沢政府委員 ただいま大出先生から約束違反ではないかというようなお話でございましたが、私ども昨年の議事録をいろいろ読んでおりますと、昨年申し上げましたのは、「金融機関の週休二日制の導入は、一般経済取引その他社会経済全般に与える影響かきわめて大きいので、」遇休二日制関係閣僚懇談会において「検討を開始し、なるべく早く結論を出して」いただくようにいたしたい。また、この問題は銀行法その他の法令にかかわる問題でございますので、金融制度調査会においても御審議をお願いをしているとお答えをいたしたわけでございまして、銀行法十八条を改正して銀行の週休二日制を実施するよう努力するとは申し上げておらないわけでございます。
  57. 大出俊

    ○大出委員 いまの議事録は大蔵委員会の方でございましょうから、そちらでやっていただきますが、私の委員会の方では、森美秀さんの答弁は、大蔵省といたしましても大河の流れに逆らい得ない、こういうふうにお答えになって、したがって、その方向で努力すると言っておられるわけでありますから、それは努力はされたができないと言われれば、これは約束違反ではないことになるのですけれども、政治的なやりとりというのは、私からすれば約束違反だ、こう言いたいわけでありまして、唐沢さんは森さんではございませんから、唐沢さんを追及しても森さんではないので、ちょいちょいおかわりになるので困るのだけれども、これはまあいたし方がない。  そこで、ずばり承りたいのですけれども、人事院は一体何で勧告でも意見でもない何かよくわからぬものをお出しになったのか、ここからまず聞きたい。  これは一月の二十日でございますかね、官房長官にお出しになっているのですね。これはどういうことになるのですか、皆さんが政府にお出しになった文書は。これはかっこうは何という文書なんですかね。これは人事院は公務員法に基づけば勧告だ、意見だとお出しになれるけれども、何だかわけのわからぬものを、強いて言えば要望か何かみたいなかっこうですな。これは一体何ですか。
  58. 中村博

    中村(博)政府委員 昨年の報告におきまして、「昭和五十一年初期より一定の条件の下に試行計画を具体化することとし、その方策について所要の検討を進める」、こういうことを申してございます。  したがいまして、その報告をいたしました後、いろいろな検討をいたしまして、その所要の検討結果を御報告申し上げた、こういうことでございます。
  59. 大出俊

    ○大出委員 だって、これは「配慮をお願いする次第であります。」というのですね。  これは大体私は総裁に申し上げたいのだが、週休二日問題は総裁、人事院自身か、いささかではない大変へっぴり腰なんです。配慮をお願いする次第であると結んでいるのですね、この文章は。総裁は、総裁におなりになって間もなく私が承ったときにお答えになって、週休二日問題について人事院がもう一遍前に出て、はっきりとした態度をとらざるを得ないのではないかということを痛切に感じているというお話だった。私はそのときに、勧告のどこかにつけるとか、何かお願いの文章を出すとかなんとかというけちなことは困る、勧告をするなり、意見書なり、きちっとやってもらわなければ困るということを言ったら、もちろんそういう気持ちだとあなたはおっしゃった。その責任を間うわけじゃないけれども、ここまで来てこのままの形で、しかもやがて人事院の賃金勧告を迎える。このときに、もう一遍その勧告のときにあわせて週休二日制をなどというお考えだとすれば、一つ間違うと一年延びる、試行が一年延びる。こういうふざけたことを私はすべきじゃないと思う。したがって、私が聞いている限りでは閣僚懇なんかで、これは植木さんに承りたいのですけれども、相談をなさったときに、法務大臣の稻葉さんは、本当かうそか知りませんよ、私が聞いた限りですから。こんな週休二日だなんてことをやれば、日本という国は滅びるなんていうたわ言を言ったというんだな。稻葉さんの言いそうなことではあるけれども、日本が滅びちゃ大変ですよ、週休二日くらいやって。冗談じゃない。  そうかと思うと労働省が反対したというのは、どういうわけだか知らぬけれども、そんなべらぼうな話があるかというんだ、労働省は。私は労働省のある人に聞いてみたら、何か年次休暇の計画付与かなんかをおやりになっているという話が耳に入った。これは個人の権利なんだから、計画付与みたいなことをやっているからそれでいいというんだったら大変なことだと私は思う、そんなことは。それで後になってそれが消えていたなんて、なお大変なことだ。これはうわさだから確たることじゃないけれども、そういう労働省当局の姿勢について私は納得できない。これは先に立って進めなければならない筋合いのもの。  労働省の調査も承っておきたいのだか、労働省調査によっても一六%かなにかのものが二二%くらいに進んでいるわけですよ。進み方が遅々としていても着実に進んでいる、完全週休二日制は。それを調査資料として持っておられる労働省がそんなことを、とんでもない話であります。  そうかと思うと行政管理庁、きょうお見えになっているのだけれども、行政管理庁もけしからぬ。行政管理庁あたりが一々足を引っ張るようなことを考えるというのは間違い。これは総定員法を抱えていて、来年は総定員法を改正しなければ一言ぬかもしれぬなんということが頭にあって、人がふえちゃ大変だくらいな気持ちかもしらぬが、それは大河の流れじゃない。てにをはです、そんなものは。もってのほかだと私は思っている。経済企画庁もまた、どういう理由か知らぬが反対だというんだが、これも私はふざけていると思うのですね。  したがって、各官庁に承りたいのですが、総裁、一体これをどうするつもりなんですか。総務長官、これの取りまとめの役に当たっているのですけれども、何か御努力いただいていることはわからぬわけではないけれども、当面の責任者として一体——これはけしからぬと私は思う。約束事なんだからなぜやらぬか、試行一つできないのか。そしてまた労働省、経済企画庁、きょう法務省は呼んでおりませんけれども、あるいは行政管理庁などが反対だなんというのは、これは一体何事かと言いたいのですが、一々御答弁いただきたい。
  60. 藤井貞夫

    ○藤井(貞)政府委員 週休二日制の試行の問題につきましては、御案内のような経過で今日まで相なってきておるわけでございまして、私といたしましても、これが当初予期したように順調に行っておらないということについては、大変遺憾に存じておる次第でございます。  ただ、この問題は御承知のように給与その他の勧告の問題とは違いまして、各省庁がそれぞれ実施に移していただかなければできないという筋合いのものでございます。それと、やはり民間のいろいろな考え方、国民の影響というような大変深刻な問題もございますので、われわれといたしましても、慎重な態度でもって臨んでまいりましたことは御承知のとおりでございます。  去年の八月の給与勧告の際にも報告として取り上げまして、本年の当初からひとつ試行に踏み切りたいという決意を述べたわけでございますが、事柄の性質上、各省庁とも本当に緊密な連絡をとりまして問題点を洗い直し、また整理もいたしました結果、大変時期的にも手間取りましたけれども、本年に入りまして人事院としてはとるべき手段というものは一応終えたということでございまして、これに従って各省庁が試行にひとつ踏み切っていただきたいということを強く期待して、時期あるごとに要望を繰り返しておる次第でございます。  いま御指摘もございましたように、総理府といたしましても大変各省庁の調整には骨を折っていただきまして、試行の計画その他につきましてもお集めをいただいておるというようなことは承っておる次第でございますけれども、いままでのところまだ本格的に試行の実施に入っておらないということは、御指摘に相なったとおりでございます。  私たちといたしましては、これを趣旨の徹底を図りまして協力していただくように、さらに推進を図ってまいりたいと存じておる次第でございますが、大変重要な影響を持つことでもございますので、各省庁のひとつ緊密な御協力を得るという努力はさらに今後も積極的に続けてまいりたい、かように考えておる次第でございます。
  61. 植木光教

    ○植木国務大臣 人事院からの勧告あるいは意見あるいは申し入れ等につきましては、これを尊重するというのが政府の基本的な姿勢であるということは、まず申し上げておきたいと存じます。  そこで、この週休二日制の試行につきましては、先ほどもお話ございましたように、一月二十九日に関係閣僚の懇談会を開きまして、関係省庁連絡会議で検討を続けているというのが現状でございます。そして、この試行基準に基づいての具体的な試行方法及びその場合の問題点について検討を重ねますとともに、連絡会議におきましてはそれぞれの調整を行いつつあるというのが現状でございます。  しかし、まだその調整を要すべき事項が残っているという報告を受けております。この閣僚懇自体の主宰者は実は官房長官でございます。しかし、私が人事行政の主管大臣でございますので、したがいまして人事局にこの試行の実施についての協力方を督励をいたしまして、努力をしているというのが現実の姿でございます。  一方、関係閣僚の意向も確かめているのでございますけれども、国内景気が御承知のように回復基調にあるとはいえ、企業の倒産でありますとか失業者数が依然として高い水準にあるというこの現下の社会経済情勢のもとにおきまして、試行という問題についても、まだ踏み切るのは慎重な姿勢でなければならないというような御意見が相当数出ているのでございまして、したがいまして、官房長官とこの閣僚懇談会の開催につきまして数次にわたって相談をしているところなんでございますけれども、現在のところまだ開かれていないという状況でございます。  なお今後とも、私の姿勢につきましては、いろいろな問題はありますけれども、試行自体は必要なことでありまして、人事院の申し出は尊重すべきであるという立場をとっておりますので、できるだけ早い機会に閣僚懇談会が開かれて試行に移りますことを期待しつつ最善の努力をしてまいりたいと存じております。
  62. 藤繩正勝

    藤繩政府委員 お答え申し上げます。  労働省が週休二日の推進について熱意がないではないかというおしかりでございますけれども、労働省といたしましては、経済社会の伸展に伴いまして労働時間が短縮されていくということは大変望ましいことということを一貫して考えておりまして、先生御案内のように、週休二日制・定年制延長問題関係閣僚懇談会も、昭和四十七年に当時の田村労働大臣が提案をいたしまして設けられたというようないきさつがあるわけでございます。その後、私どももいろいろ調査などをいたしておりますが、先ほどもちょっとお話が出ましたように、昨年九月の時点では、企業数で、これは三十人以上でございますが四四・二%、労働者数で七〇・九%の者が何らかの形の週休二日制を享受している、七割を起えたという段階ではなかろうかというふうに思っております。それから完全週休二日制も、先ほどお話がありましたように、昨年二八・何がしでありましたものが二一%になったというのも事実でございます。ただ問題は、三十人未満がどうだというのがなかなかつかまえにくい、恐らくはとてもそういう水準にはいっていないだろうと思いますし、それから、いま御議論になっております公務員の場合は、先ほど賃金のお話も出ましたが、やはり民間準拠、そういうことが基本になるのであろうと思うのであります。  人事院から先ほどお話のありましたような文書が出まして、それを受けていま総務長官がお答えになったようなことでございますが、一月の段階の閣僚懇で労働大臣がどういうふうに言われたか、私も実はつまびらかにいたしておりません。おりませんけれども、労働省といたしましては、いま一番頭が痛い問題はやはり雇用、失業問題でありまして、不況の浸透に伴いまして出先の窓口が大変忙しいというのが実情でございます。そういう中でどこまでやり切れるかということは実は非常に頭を痛めているわけでございます。いままだ内部で検討いたしておりまして、まあ政府の統一方針の中でできるだけ努力をしてやるべきものではないかというふうに思いますので、今後とも検討さしていただきたいと思います。
  63. 小田村四郎

    ○小田村政府委員 週休二日制の問題につきましては、ただいま人事院、総理府等から御答弁がございましたように、いろいろな問題がございます。  そこで、ただいま問題になっておりますのは週休二日制の試行ということでございまして、これは週休二日制にまつわりますところの各種の問題点を検討するための実験的な試みであるというふうに理解しておるわけでございます。そこで、問題点を今後検討していきますために、私どもとして週休二日制の試行自体に反対するという態度はとっておりません。ただ、ただいま総務長官からお話がございましたように、その試行の時期あるいはやり方等につきましては、各省ばらばらになってはよくないことでございますので、この点はひとつ慎重に調整していただくように、また、ただいまの社会経済情勢等との関係もございますので、その時期等につきましては最高首脳の御判断をいただくことが適当であろうということを申し上げておる次第でございます。
  64. 辻敬一

    ○辻政府委員 経済企画庁からお答えを申し上げます。  私ども週休二日制一般につきましては、その実施はいわば世界的な傾向でございまして、わが国におきましても大勢として最近次第に普及しつつございますことは十分認識をしているところでございます。  公務員の週休二日制につきましても、基本的に申しますならば、そういう傾向の上に立って判断すべきものと考えておるのでございます。ただ、この問題につきましては、申すまでもなく一方におきまして行政サービスの確保という問題もございますし、先ほど来各省からお答え申し上げましたように、全般的な経済情勢や景気動向とも関連をいたしますので、それらを含めて総合的に検討する必要がある、かように考えておるわけでございます。  なお、当面の試行の問題につきましては、関係省庁間で事務的に協議検討している段階でございまして、経済企画庁もこれに加わって各省とともに調整に努めている最中でございます。
  65. 大出俊

    ○大出委員 いま聞いていると、総論賛成だというのは皆さん意見が一致している。総論賛成、各論反対で、動物保護管理法をつくるのに私は往生したことがあるのです。五年もかかっちゃった。ところで、いまの話を聞いていると、反対ではない、こう言うのだが、これは総論について反対ではない、各論というのはいま試行、つまり試験的に実施するということなんですが、これに賛成なのか反対なのかはっきりしていただきたい。  もう一遍承りたいのですが、経済企画庁さんは総論は賛成なんだが、試行そのものにはちょっと不況だ云々だとおっしゃいましたが、反対だというわけですか。行政管理庁さんは試行、試験的にやる、これには賛成、反対いずれなんですか。労働省さんも、失業、雇用対策で大変骨が折れるから人の差し繰りがつかぬというようなことをちらっとおっしゃるのだが、天下の労働省が週休二日制に反対をしたということになったら、これは特筆大書すべき重大な問題だ。だから試行にずばり賛否の意見をぴたっと言っていただきたい。お答え直しをいただきたいのですが、いかがでございますか。
  66. 藤繩正勝

    藤繩政府委員 私どもは、人事院から出されました試行の提案について反対ということは全然ございません。これはやらなければならないことだと思っております。
  67. 小田村四郎

    ○小田村政府委員 ただいま御答弁申し上げましたように、試行ということ自体についての反対ということは申しておりません。ただ、その時期、やり方等につきまして慎重に御検討いただきたいということを総理府の方にお願いしておる次第でございます。
  68. 辻敬一

    ○辻政府委員 私どもといたしましても、試行そのものに反対しているわけではございませんが、行政管理庁からもお答え申し上げましたように、方法、時期等についてなお検討調整すべき余地がある、かように考えておるわけでございます。
  69. 大出俊

    ○大出委員 いまの話を聞いていると、行政管理庁的答弁なんですな。わが委員会は行政管理庁を所管する委員会でございますからちょいちょい行政管理庁さんのお話を聞いているのだが、試行そのものに反対ではない、だが時期、方法ということになると、時期、方法が適当でないからと言うのなら、これは実際には反対なんだ。行政管理庁さんがおっしゃるようにとおっしゃるのだから、経済企画庁さんも同じことなんだ。試行に反対ではないと言っておきながら、時期、方法が適当でないということになると、これは反対だということになる。そういういいかげんな答弁はいけませんですよ。じゃ、反対なんですか。反対だというなら、時期、方法についてあなた方に詳しく聞きたいのですがね。ところが、そうなると時間がなくなって本会議のベルが鳴ることになりますので……。  そういうぬえみたいなものをおっしゃらないで、試行に賛成なら時期、方法についても協力をなさって実施しなければおかしいのじゃないですか。そうでしょう。あなた方は試行に賛成だとおっしゃるなら、時期、方法について協力しなければいかぬでしょう。労働省さんの方は、試行についても賛成だとおっしゃらぬで反対ではない、こう言うのですから、これもまたどうも……。だが、せめて反対ではないと言うだけ行政管理庁さんよりは筋がいい。やはり天下の労働省だから、これは反対だとは言えぬでしょうから。どうですか、人事院か苦労されてここまで進めてこられたし——どうも行政管理庁さんが自治省、福田さんのところと一緒になって一生懸命足を引っ張っているという風聞があります。行政管理庁がそんなことを言うようだと、総定員法はどっち向いているなんということを考えなければならぬと私は思っているのですがね。江戸のかたきを長崎でとって締め上げなくちゃいけないと思っているのです、行政管理庁を。  総務長官に重ねて承りたいのですが、いろいろなお考えがあると思う。だが、機械化という形のものがどんどん進んできた中で、時間短縮というものはアメリカの例からいけば並行して出てきているわけですね。職場確保ということが中心なんですよ。いま不況だと言うのだが、だがしかし、いま従業員数でいけば、労働省がお答えになっているように、七〇%週休二日制に踏み切ってきているわけです。だから大勢はそうなんですね。ならば、さっき私は西ドイツの例を挙げましたが、やはり踏み切る腹を決めていただかないと、これはいつになったって前に進まずという結果になってしまう。それじゃ踏み切れないのですね、ここまで来たのですから。時間がなくなりましたから私は改めて承る場所はつくりますが、方法と時期が悪いと言われると、人事院は方法を提起しているのですから、悪いと思って方法を提起しているのではない。職務専念の義務免除なんというのは、方法としてはそのぐらいしかない。まさか年次休暇という個人の固有の権利を——どこかでおやりになっているそうだけれども、計画付与なんということでばかみたいなことをおやりになる。これは筋じゃないです。じゃそのほかに方法があるか、方法が悪いと言ったって。方法なんてありはしませんよ、人事院が考えた以外に。あなた方があるなら、それは反対でもいいですよ。人事院の言っている方法が悪い、こうやれ、こうおっしゃられるならわかる。そんなことも言わずに、方法が悪いと言ったのじゃ、あなた方に方法の案がないなら、つまり腹の中は何とかこれをつぶしたいという気持ちが先行していることにしかならぬ。そういうのは筋論じゃない。不況だから時期が悪いと言ったって職場確保の必要があるのだから、それなら週休二日制に踏み切ったっていい。筋論からいけば機械化のときと一緒ですよ。西ドイツだってどこだって相当な失業率を抱えているのだから、どこへ行ったって。それだって週休二日でやっているのだからできなくはない。つまり、問題はどういう決断をするかなんですね。  重ねて承っておきたいのですが、総務長官、これは船頭多くして船山へ登るようなことをさせておいてはよろしくない。だから、まとめ役が官房長官だというのなら井出さんに来ていただいて物を言わなければならぬ。もう一遍、どういうふうに進めていけばできるか、当面いつごろまでという目途をお持ちなのか、この辺はっきりしてください。
  70. 植木光教

    ○植木国務大臣 先ほど来申し上げておりますように、社会情勢、経済情勢あるいは窓口、交代制部門を抱えました省庁の実情がございまして、いろいろ結論をまとめるのは困難なのでございますけれども、しかし、調整は大分進んできていることは事実でございます。そしてまた、私自身といたしましては、試行自体は必要なことであり、基本的には人事院の申し出を尊重すべきであるというふうに考えておりますので、そのような方向で各省庁の合意が得られるように努力をいたしたいと存じます。この点につきましては、さらに官房長官と十分協議いたしまして、早期に閣僚懇談会が開催せられますようにさらに最大限の努力をいたしたいと存じます。  以上でございます。
  71. 大出俊

    ○大出委員 これは本当ならば、人事院も再三要望している、やることはすべて終わったのだというのではなくて、人事院がそこまで踏み切ったことに対して早くやってくれという、ここまで職場の空気が強いのですから、私は何らかの重ねての意思表示が必要だという気かするのです。やることはすべてやったというのではなくて、もう一遍改めて人事院が物を言うことが必要な気がするのですが、いかがでございますか。
  72. 藤井貞夫

    ○藤井(貞)政府委員 この問題は事柄が大変重要なことでございますので、それなりに大変慎重な配慮をいたしまして今日まで推移をしてきておることは御承知のとおりでございます。私といたしましても、いろいろな各省の動き等についても報告を受けております。なかんずく総務長官を中心といたしまして大変な御努力をいただいておることも伺っておるわけでございますので、時期がおくれておることについては遺憾ではございますけれども、努力についてはそれなりの評価はいたしておるつもりでございます。  しかし、これは私たちの方で、もう措置は終わったから後は各省庁の出方次第だ、こちらは知らぬというようなそういう無責任な態度をとるつもりはございません。したがって、先刻も申し上げましたように、さらに事態の推進のためには総理府とも十分連絡をとって今後最大限の努力をいたしますし、またその情勢の推移いかんによりましては、そのときの時点に立って何らかの方法、手段をとらざるを得ないという事態がまいりますればそういうことも考慮しなければなるまいというふうに決意をいたしておるわけでございます。
  73. 大出俊

    ○大出委員 つまり意見書を出すこともできるし勧告をすることもできるわけですから、この試行の時期がずるずるずれていかないように、そしてまたことしの賃金勧告と一緒になってしまうことのないように、早急な決意ある意思表示等をお願いしておきたいわけであります。  まだ予鈴が鳴りませんので、ここで個条的に三つ四つ承っておきたいのですが、実はきょうは経済企画庁の皆さんに、消費者物価指数というものを、長年私も大変な関心を持って賃金をやっております関係で調べてきておるのでありますけれども、何とも腹に据えかねる指数であります。操作された消費物価指数、みごとな操作をおやりになっている形跡顕著なものがございまして、全くでたらめだということを言い切れると私は確信を持っているわけであります。  したがいまして、まず総務長官に承りたいのですが、一つは最近総理府がおとりになった世論調査よくおやりになるのですが、気に食わぬものもずいぶんありますがね、この世論調査をおまとめになったようですけれども、これによると、あなた方が調べた限りほとんど、民間の調査機関を通じておやりになっているわけですが、その調査機関の調査の約七割ぐらいが、生活の実感とはほど遠い、二〇%ぐらいの物価上昇になっている、政府統計とはずれがあり過ぎるという指摘をしているのですね。それはそのはずなんです。このべらぼうな違い、世論一般が見ている消費者物価指数、七割を超えるような方々がこれはいいかげんだというふうに思っている世の中に、これは総理府に統計局があるわけでありますから、物価指数そのものは経済企画庁がやっておりますけれども、放任はできないと私は思うのですよ。世の中じゅうが信用しない、一生懸命金をかけて、週刊誌の間にまで物価が上がったの下がったのと書いてあるけれども、そのことを国民の七割以上の方が信用しない、そういうばかげたところに金を使ったってしようがない。統計法十四条もございます。守秘義務という名前のもとに資料はお出しにならぬ実情にある。これがおまけに労働者の賃金にリンクする性格をある面で持っている。これは放任できない。だから、この世論調査の結果をいかにお考えかということをまずひとつ承りたい。  それからこの際、個条的に承って、あと少し消費者物価指数について触れたいのでありますが、次に行政管理庁の皆さんに承りたいのであります。  さっきの二日制とも絡みますけれども、総定員法を数年前にこの委員会で私も佐藤総理とも長いやりとりをしてお決めいただいたわけであります。ところが、その後ながめておりますと、当時の所管であった古屋さん等のお話も新聞には載っておりますが、もう削れないということで、限度を超えれば改定しなければならぬことになっておりますから、だから週休二日制問題などとも絡んでくるのだろうという気もするのですけれども、この改定を一体出さざるを得ぬことになったのかどうか、来年に向けて出てくることになるのかどうか、そこのところをひとつ承りたいわけであります。  あわせて、私がかつてここで松澤行政管理庁長官に質問いたしましたが、例の都市ガス、プロパンガスのシェアの問題などをめぐりまして、皆さんの方から全国的な事故の問題等を表に出しながら点検をする、こういうわけで、三月いっぱいおやりになってまとめるということですけれども、これは一体その後どっちの方に向いているのか、その辺のところをひとつ明らかにしておいていただきたい。傾向としてどうなるのかということを承りたいわけであります。  それから経済企画庁の皆さんに、この二月、三月、四月の消費者物価統計を挙げていただいて、三月という時期に向けて多分に操作された消費者物価指数という気がするのでありますが、そういうことがあるのかないのか、これだけ一つ、簡単で結構でございますから、まず承っておきたい。
  74. 植木光教

    ○植木国務大臣 世論調査を発表いたしましたのも総理府でございますし、統計指数を発表いたしておりますのも総理府でございます。私は、この世論調査に出ました国民の生活意識というものをあえて発表をいたしましたのは、やはり消費者物価指数とこの生活実感との間にずれがあるということをかねがね私自身も聞いておりますし、また私の身近の者もそういうことを申すというような状況でございますので、したがって、一体どういう生活実感を持っておられるかということをあえて発表をしたわけでございます。  これと消費者物価指数との関係でございますけれども、これは大出議員十分御承知のとおり、消費者物価指数というのは、四百二十八品目について調査をいたしているわけでございます。これは昨年の三月とことしの三月で比べますと、御承知のように、全国では三月、前年同月比で八・八%、東京都区部では九・九%という上昇になります。年度間では一〇・二%でございましたかの上昇ということになったわけでございます。しかし、一般の方々は、大体二〇%ぐらい生活実感として伸びている、こういうふうに思っておられる。しかしながら、その四百二十八品目の内容を見ていただければ御理解いただけると思うのでございますが、三〇%以上対前年同月比で上がりました物は二十一品目でございます。それから一〇%以内上がっております物が三百十七品目でございます。その三百十七品目の中には、前年同月比で同じ物もあるわけでございます。電気代でありますとか新聞代などは変わっておりません。それから、前年同月比で、下がっている物もございます。砂糖でありますとかあるいは即席ラーメンでありますとか魚のかん詰めでありますとかちり紙でありますとかいうようなものは下がっているわけでございます。したがいまして、それらをウエートをかけまして消費者物価指数を専門的な立場で分析をいたしましたものが、その先ほど申し上げました消費者物価指数ということになっているのでございまして、ともすれば、生活実感といたしましては、上がった物の方について非常に強い意識を持つわけでございまして、これはまあ部分的、感覚的と申しますか、そういうようなものが生活実感というものになろうかと思います。しかし、消費者物価指数は全体的、理論的なものでございますので、これとの隔離というものは、やはり実際上それぞれの個々の人々あるいは個々の御家庭によって、消費する物によりましても違いますし、ただいま申し上げましたような消費感覚によりましても違ってくるという結果が出ているのでございまして、たとえば一つだけ申し上げますと、たばこが、セブンスターが五〇%上がりました。電気代はゼロでございます。これを平均をすれば二五%になるじゃないか。しかし、これは実際上生活実感としては、たばこが上がった方は非常に強く実感いたしますけれども、上がらない方は生活実感として余り出てこない、下がった物については生活実感としても余り強く出てこない、こういうようなことがございますので、その点についてひとつ国民の方々に御理解をいただきたい、大出議員にもひとつ御協力をいただきたいと思います。
  75. 小田村四郎

    ○小田村政府委員 総定員法のお話でございますが、総定員法の問題は、五十一年度につきましてはすでに国会に予算案を提出いたしましたとおり、総定員の枠内で処理したわけでございます。五十二年度どうなるかという問題でございますけれども、これは来年度の行政需要がどういうふうになるか、あるいは経済動向等ともにらみまして業務量がどういうふうになってくるか、まだ予測がはなはだむずかしい状況でございます。各省の概算要求も八月にならなければ提出されないわけでございますので、いまのところ予測困難ということでございまして、行政管理庁としては全く白紙の状況でございます。  ただ、例の定員令一条の定員でございますけれども、これは四十九年度まで徐々に減少してまいったわけでございますが、五十年度から増勢に転じました。したがいまして、総定員の最高限度とのすき間が徐々に縮小されつつあるということでございますので、私どもとしてはこれを将来どういうふうに持っていくかということについて当然検討を進めていかなければならないであろうというふうに考えております。ただ、その検討に当たりましては、最近の経済情勢あるいは財政事情それから民間、地方団体等におきます状況もございますので、厳正な態度でこれを検討してまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
  76. 鈴木博

    鈴木(博)政府委員 都市ガス及びプロパンガスの保安をめぐります監察につきましては、一月から三月までの間、現地において実態調査をいたしたわけでございます。それが現在手元の方に集まってきております。七月をめどに本庁の方で勧告を出したいと思っておりますが、方向といたしましては、安全それから両ガスの調整等の問題も含めて十分検討してまいりたいと思います。
  77. 朴木正

    ○朴木政府委員 野菜等につきましては、価格が下がりましたときに価格補償金を出しまして、上がりましたときには出荷奨励金を出すということで野菜の価格の安定を図っておるわけですが、そういう制度とともに、年度末におきましてかなり野菜が上がりましたので、フードウイークと称しまして若干の安売りをいたしましたが、これは秋にもやっておることでございまして、特に年度末物価指数を意識してやったということではございません。
  78. 大出俊

    ○大出委員 これは意識してやりましたと言わせるつもりでいたんですがね、時間がなくなりましたが。のみならず、ILOで決めた方式なんですが、さかのぼって、いま総務長官がずいぶん簡単なことをおっしゃいましたが、そういうことを言っているから世の中が信用しなくなるのであって、統計法に基づく密室の中の操作というのはもうがまんがならぬことがありますので、実はこれを指摘していきますと二時間くらいの時間がどうしても必要だと私は思っているのですが、時間がかかるものてすから——論理的に詰めなければいけませんから、しかも、皆さんが資料を出しておりませんから実証しなければいけませんから、それで実はいままでやろうやろうと思いながら延びちゃっていたわけですが、ここまで来るともうほっておけないわけですから取り上げたかったのですが、残念ながら時間がないので、これは宿題にさせていただきます。そしていま、そういうことがないとおっしゃいましたから、それをひとつしかと耳に入れておきまして、改めてそういうことがあったという例証を挙げて申し上げるつもりでいます。総務長官、そう簡単に言わずに……。  この審議会がございますけれども、この審議会というのもふざけた審議会でして、こんなものをいまやっておられるのでしょうけれども、ろくな結果は出やせぬと私は思っている。統計審議会、構成を見ると、各省担当者七人なんですが、利用者代表が四人なんです。この利用者代表というのはだれかと思って調べてみると、日本銀行の統計局長、経済企画庁の調査局長、人口問題研究所長、経済団体連合会——経団連ですよ、経団連の専務理事、こうなんですね。こんなところで何を審議したって、満足なものは出やしませんよ、こんなものは。  時間がございませんから、改めてやりますので、御検討願いたいと思います。  終わります。
  79. 竹中修一

    竹中委員長代理 本会議散会後委員会を再開することとし、この際、暫時休憩いたします。     午後一時十分休憩      ————◇—————     午後三時二十九分開議
  80. 竹中修一

    竹中委員長代理 休憩前に引き続き会議を開きます。  国家公務員災害補償法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を続行いたします。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。中路雅弘君。
  81. 中路雅弘

    中路委員 最初に法の改正案について二、三点お聞きしておきたいと思います。  今度の改正内容が五点ありますが、人事院はこの改正と同時に、これに関連して人事院規則の改正を何点かお考えになっているというお話を聞いています。項目だけでいいのですが、人事院規則をどの点にわたって改正されるおつもりなのか、最初にお聞きしておきたいと思います。
  82. 中村博

    中村(博)政府委員 今回の法案に伴います改正点といたしましては、まず一つは、傷病補償年金の創設に伴います支給対象となります廃疾等級の区分がこれでございます。それから、その次には他の法令の給付との調整の問題がございますので、その割合を定める規則を制定する必要がございます。次には、福祉施設の運営につきまして不服申し立てをすることができるようにお願いしてございますので、それに伴います手続的な措置を決める必要がある。  今回の法律改正に伴いますものとしましては、直接なものはそれくらいでございます。その他にも、独自のものとしてはまだ多少ございますが……。
  83. 中路雅弘

    中路委員 もう一点お聞きしておきたいのですが、この改正の中で、他の法令による給付との調整方法の改善の問題がありますが、本法による年金と厚生年金、国民年金等が併給される場合、現行では、他の法令による年金額の二分の一あるいは三分の一減額するという調整をとっていますけれども、改正案は一定率を乗じて調整するということになっています。この調整の問題で、現行の方法と比べて不利になる場合、現行よりも下回るというような場合も考えられないこともないと思うのですが、もし現行より悪くなるということが考えられる場合、これについてどのような対策、処置を考えておられるのか、その点をもう一点お聞きしておきたいと思います。
  84. 中村博

    中村(博)政府委員 現在の調整方法と新しい調整方法との間において、新しい方法によって不利となる場合におきましては、現在の調整方法が有利になります場合には、既得権は確保していきたい、かように考えてございます。
  85. 中路雅弘

    中路委員 もし現行より悪くなる、下回るというような場合は、現行より悪いことはないという、そういう支えはするというお話と理解していいですね。
  86. 中村博

    中村(博)政府委員 そのとおりでございます。
  87. 中路雅弘

    中路委員 時間をきょうは一時間と短くしていますので、給与の問題あるいは週休二日制の問題等は別の機会にまた詳しくお聞きしたいと思うのですが、もう一点だけ、午前中の論議でなかった問題でお聞きしておきたいのです。  国家公務員の職員組合、これの交渉の相手になる、そういう立場にあるのはどこになるわけですか。総理府の総務長官だと思いますが、間違いございませんか。
  88. 秋富公正

    秋富政府委員 いま先生のお尋ねの点がちょっとはっきりいたしませんが、一般的な交渉の問題でございましょうか。一般的な問題でございますか。——そのとおりてございます。
  89. 中路雅弘

    中路委員 これは海部副長官はお受け取りになって、総理府の方は受け取るのを断っておられるそうですか、四月十七日付で国家公務員労働組合連合会、国公労連から質問状が出されているわけです。総理と官房長官と総務長官あてに出されているのですが、この問題は総理府はご存じですか。
  90. 秋富公正

    秋富政府委員 国公労連の公開質問状の問題でございますか。それは私の方の海老原参事官が会いまして受け取っております。
  91. 中路雅弘

    中路委員 総理府の方はこれを受け取れないというお話だったということなので御質問しておきたいと思ったのですが……。
  92. 秋富公正

    秋富政府委員 それは、昔からこの問題はいろいろございましたけれども、向こうといたしましてはそういう意向だということで、別に回答はいたさないということで、受け取ったといいますか、置いていくといいますか、その辺の問題はございますけれども、事実上、私は内容は拝見いたしております。
  93. 中路雅弘

    中路委員 この中身について私、きょう質疑するつもりはないのですが、この中にも書かれているわけですが、いまお答えのように、一般的な勤務条件では、国公労連の交渉の相手というか、当事者は総理府である、いまもお話しになったとおりなんですね。それで一九七三年十二月五日以降現在まで、当時は国公共闘と言った場合もありますが、国公労連の交渉に応じられたのが、国公労連結成のあいさつに赴いたとき総務長官が応待されたのを除けば、人事局長が二回だけという状態です、というのがこの中に書かれているわけですね。私はこの点で、国家公務員労働者の一般的な労働条件については総理府総務長官が交渉相手であり、また、人事局が窓口だということも御答弁になっていますし、また、事実ILOの調査に対する総理府の返事の中でも、当時の国公共闘の相手は総理府総務長官であるという返事も出しておられますし、対外的にはこういうことをおっしゃっているわけですが、実際にはいま訴えられたような実情だとすれば、これはやはり改善をしなければいけない。こういう労働条件の問題で  一々全部長官が会うという意味じゃないですが、人事局長の場合もあっていいのですが、やはり重要な問題では長官が会われて、いままで公務員共闘として会っているからというお話もあったそうですか、やはり地方公務員の場合は自治省なんかも関係してきますし、国家公務員労働者ということになれば直接は総理府総務長官でありますから、この点はぜひともひとつ改善をしていただいて、少なくとも重要な問題では交渉に応じる、話をしていくということはひとつ明確にしていただきたいと思うのです。
  94. 秋富公正

    秋富政府委員 御承知のとおり、国公労連も公務員決闘というお話もいまございましたが、一つの組織の中の一つでございまして、今度の春におきましても、公務員共闘の皆様方にお会いしたときに国公労連の幹部の方々ともお会いしたわけでございます。なお、これ以外に、国家公務員の賃金共闘の場におきましてもこれはお会いいたしておるわけでございまして、決して拒否しておるわけではございませんが、国公労連の皆様方の御意向というものはそういった場において十分総務長官にはお話しする機会がございますし、総務長官もお答えいただく機会があるわけでございます。
  95. 中路雅弘

    中路委員 絶えずそういうことが一つの口実になっているわけですが、いま言いましたように、公務員共闘と言った場合は、地方公務員の労働条件も含まれているわけですね。むしろ自治省の問題である場合も多いわけですし、国家公務員の場合は直接の問題でありますから当事者でありますし、この質問状の内容を見みますと、中身はやはり国家公務員労働者に関する問題なんでしょうね。こういった問題については、やはり公務員共闘という場だけじゃなくて、そこにも入っているからという意味じゃなくて、やはり国家公務員の直接の問題ですから、入っているからという——これは独自の、国公共闘から国家公務員労働組合連合会というのが結成されまして、四十万の国家公務員労働者の多数を占める組合でありますから、もちろん非登録団体であっても、これは交渉の地位を持って、総評にも会っておるわけですから、そういう点で今後私はもっと——公務員共闘に入っているからということで、事実上いままでの経過を見ても、国公労連とは長官がお話をするということはほとんどないわけです。この点はひとつ改善をされる必要がある。意見ですけれども、述べておきたいと思うのですが、長官のお考えはどうですか。
  96. 植木光教

    ○植木国務大臣 先ほど来人事局長がお答えをいたしておりますように、組合の方々の勤務条件の改善等につきましての要請につきましては人事局が窓口になっておりまして、局長自身もいろいろお会いをいたしておりますし、また副長官もお会いをしているというような経過をたどってきたわけでございますが、私自身が会見をし要請を受けますのは、ただいま人事局長が申しましたように、公務員共闘及び全官公の二つの団体にお会いをすることによりまして、すべての国家公務員の組織を網羅いたしました代表的な方々との会見になるということで今回もそのような会見をしたのでございまして、私といたしましては、ただいま申し上げたような方式で組合側とお会いをいたしまするのが適切なことではないかと、こういうように判断をいたしております。
  97. 中路雅弘

    中路委員 もう一点だけいまのと関連するのですが、公務員共闘の場合、いわゆる国公労連、それから地方公務員関係の組合あるいは全駐労関係、それから政労協ですか、こういうところも全部含まれているわけですから、労働関係の適用の法律を見ても、国公法、地方公務員法あるいは地公労法、労組法、いろいろ分かれていますし、国公労連が直接国に雇用されている同一の法律制度のもとにいる労働者で組織された組合員の連合体だという意味でも、給与を含む労働条件の決定の方法も労働条件の内容もやはり共通のものを持っているわけです。今度の場合のように中身には触れませんけれども、質問状は主としてそれに関連した問題でひとつ話をしたい、交渉をしたいという申し入れなわけですから、この場合はやはり国公労連とも会うというふうにしておかないと、公務員共闘以外には、そこに入っているのだから、公務員共闘から話かあった以外に国公労連とは一切話をしないのだということになれば、一番最初におっしゃった公務員労働者の一般的な勤務条件の問題についての交渉の相手は総理府だとおっしゃっていながら、実際その多数を占める組合とは一切会わない。公務員共闘には会うけれども、直接皆さんが交渉の当事者だと言われているその組合とは結果として会わない、事実上そういうふうに拒否するということにならざるを得ないわけですね。この点は私は、かたくなな態度はひとつ改めて、重要な問題についてはやはり会って話をするということもやるというふうにさるべきじゃないかと思うのですが、もう一点ちょっと……。
  98. 秋富公正

    秋富政府委員 決して会わないというわけじゃございませんで、先般の申し入れにつきましても、私どもの総務参事目がお会いいたしております。場合によっては次長が会うこともございます。また、先生からも御指摘がございましたように、私自身も何回もお会いしているわけでございます。あるいは副長官がお会いすることもございますが、総務長官の場合でございますと、国会の動きその他ございましてお時間のセットがなかなかむずかしいものでございますから、私が承りまして、その都度よく総務長官の方にはお話し申し上げ、また御指示もいただいてやっているということでございます。
  99. 中路雅弘

    中路委員 決して拒否しているのじゃないのだということですね。事情が許せばあるいは大事な問題においては交渉も会うということもあるというふうに理解していいですね。極端に言えば、国公労連は交渉の相手としないのだ、会わないのだということを決められている、そういうことじゃないですね。もう一度それだけ念を押しておきます。
  100. 秋富公正

    秋富政府委員 会見を拒否するわけではございません。問題によりますけれども、大体私どもといたしましては、私がお会いすることによってその都度総務長官には御報告し、御指示を仰ぐということで事を処してまいりたいと考えております。
  101. 中路雅弘

    中路委員 この問題は先ほど言いました四月十七日の質問の中身と関連していますので、また改めて取り上げたいと思うのです、きょうは時間が限られていますから。  私は、昨年ですか、この委員会で一度取り上げた問題ですが、まだ解決をしていないというので、統計局の職員の皆さんの職業病の認定申請に関する問題ですが、御質問したいと思うのです。人事院の総裁が何か午前中から後ぐあいが悪くなって病院の方に行かれたということなんで、体のことですから御無理して出てこられなくても、たしか鎌倉で、私の地元でもありますから、選挙区でもありますから、大事にしていただきたいと思います。あと、じゃ参事官、局長から答えていただけますか。  質問を続けさせていただきますが、先日私、ほかの新聞にも出ているかもしれませんが、朝日新聞、読売新聞等見ていまして、この新聞に総理府の統計局の方が訴えを載せられているわけです。私自身が昨年取り上げた問題なので、この訴えを読みまして、この問題がまだ解決してないということで、この問題がいままでおくらされているということについて、人事院あるいは総理府の皆さんにぜひとも委員会でもう一度問題にしたいと思ったのです。  これは四月三十日の朝日新聞に飯塚美代子さんという方が、統計局の申請を出している方だと思います。ちょっと一部読みますと、「統計局ではキーパンチャーの被病者が国家公務員としては最初に公務災害の認定をとりました。が、数字を一日数千も書き続けるだけの一般事務の同病に対しては、私自身認定を求めてから七年目に入ってもまだ認定されません。同じ病名でありながら一般事務には認定基準がないというのが当局の言い分です」ということからずっと実情か書いてありまして、「この病気は一度被病すると治すのが困難で、いつまでも半病人のままです。女性かほとんどの統計局では被病者も女性です。女性が働きつづけるのが困難ないまの日本の社会の中で職業病で働けなくなることがないようにと思います。いまだに被病者の絶えない職場を変えるためにも現在三十八人が公務上の認定を要求していることに当局がまじめにこたえるよう訴えます。」という意味の投書が出ていますし、読売新聞にも岡安慶子さんという方が、「公務員にも早期の認定望む」というやはり新聞に文書を載せられています。この中にも、「私の職場には、同名の診断書を出し、休んだり通院したりしている人が百人以上おり、一般事務の職場だけでも三十八人が公務災害の認定申請をしています。また全職員の九〇%近い人が頸肩腕障害の前期症状を持っています。公務災害の認定申請をしてから六年半たった現在も、当局は公務上とも公務外とも何の判定も出していません。」ということで、「一方、民間会社での一般事務職の頸腕障害は、認定申請してから三カ月くらいで、ほとんどが「業務上」の認定がされているそうですから、」という、これからずっと実情が書いてありまして、本人の実情も書いてあります。痛みのため子供を抱けなかったり、子供と手をつないで歩くこともできないという時期があった。現在も夜余り遅くまで起きておられない、毎日もう少し体力があればとくやしい思いをしていますという実情を書いた訴えも出ています。  昨年取り上げてからももうすでに一年たっていますし、この訴えにもありますように、私もいろいろ調べてみましたら、民間においてもこの疾病は労働基準法の施行規則にはまだ明記されていませんから、基準監督署の認定申請をすることになっていますが、民間の場合は、早ければほとんど三、四カ月、遅くとも一年ぐらいで結論が出ているのが通例なわけですね。それから、同じ国家公務員の場合も、お聞きしましたら二、三例があるわけですね。たとえば通産省の、北海道札幌ですが、コークスの統計をやっている事務の女の方は一年間かかっていますが、認定されている。これは局長がまた特別早く認定をしてもらいたいという、札幌の方は通産省で局長が文書も上部に出している。文部省を見ましても図書館の関係、大学の図書館関係で一般事務の女子の職員、奈良の女子大の付属図書館あるいは京都大学の数理解析研究所の図書係の女子事務員、北海道大学の水産学部の図書係の女子職員、こういった人たちは、少し年限はかかっていますが、二年かかっている方もありますが、認定を受けているということで、やはりこの三十数名は、発病してからもう大変な日時がたつわけですが、七年目を迎えてまだ結論が出ていない。  私は、この問題はやはり人事院、総理府ともいろいろ理由があると思いますが、やはり結論がまだ出ていないということについて責任があると私は思うのですね。いま総理府にかかっていると思いますが、私は人事院の責任も大きいと思うのです。災害の法の一条の目的の中では、迅速に行うということを非常に強調していますね。迅速、公正にやらなければいけない。迅速といった意味で七年目を迎えているわけですから、この法の目的の第一条から言っても非常に重要な問題でありますし、また、第三条の二項では人事院と実施機関、この場合総理府の責任を明らかにしています。そして第四項で、人事院は、この責任を怠る実施機関の是正のための必要な指示をすることが書かれています。すでに七年目を迎えているわけですから、人事院としても総理府についてやはり何らかの指示が必要じゃないか。人事院の責任が明確にされているわけですし、迅速にやらなければいけないという目的も明記されていますし、また、その実施をおくらしているというような機関については必要な指示を人事院がやらなければいけないということも明記されているわけですが、この統計局の問題で、人事院から総理府に何らかの意見なり指示をされたことがありますか。
  102. 中村博

    中村(博)政府委員 この問題の経緯については、人事院が協議書を受け取りました以降の段階のプロセスにつきましては、先生一番よく御承知でございます。したがいまして、私どもとしましては統計局の方と密接な連絡を保ちまして、その後の経緯を見させていただいておる、こういう段階でございます。と申しますのは、統計局の方として、実施機関として最善の努力をなすっておるように伺いますので、したがいまして、先生御指摘のような是正指示とかいうものをする段階ではない、かように考えてございます。  それから、最初の方におっしゃいました迅速、公正という問題でございますけれども、確かに御指摘のように迅速、公正にやることは必要でございます。しかし問題は、本件の場合には全く新しい作業であって、したがって、それが公務との困果関係をどのように見るかということにつき問題があるわけでございます。このような事例ば多々あるわけでございまして、したがいまして、新しい事例の場合には、たとえその事案につきまして多少の時間がかかりましょうとも、そこにおいて事柄がはっきりし、かつまた医学的見解も明確になれば、事後は迅速に進んでいくわけでございます。したがいまして、まあ迅速さを確保するために、同時に公正さも当然なことでございますが、そのような意味合いにおきましての一つの陣痛の苦しみである、避け得ざる一つの経過である、かように考えてございます。
  103. 中路雅弘

    中路委員 避け得ざる経過というお話ですが、じゃ、総理府が本当に迅速、公正にやるために努力をされているのかどうかという問題、すごくされていて、そこに何らかの障害がまだあっておくれている、みんなが納得できるという問題なら、私も再度これを取り上げるというつもりはないのですよ。  それじゃ、これは総理府の関係者にお聞きしますけれども、この前私が、ことしの初めだったですかね、この問題がおくれているので、いっこの結論が出るんだというお話をしましたら、三月末までには何とか結論を出したいというような努力をしているんだというお話がありましたが、それもすでに過ぎている。その際もお話だったですが、申請者自身の方に書類の不備だとかあるいはいろいろ障害があるのじゃないのだ、これはおくれている障害ですね、障害はそこにはないのだというお話もされていたのですが、今日なお、三月も越えて結論が出されていない。まだそれを出せない要因、おくれている要因はどこにあるのですか。問題はどの問題がまだ解決しないというので今日までおくれているのですか。
  104. 川村皓章

    ○川村政府委員 お答えをいたします。  先生が昨年二月の十八日、三月二十五日、当委員会でお伺いを私ども受けました問題と承知をいたしております。その後につきましては、私ども、総務長官の特段の御指示もございまして、早期に解決を図るようにということで、実は鋭意努力をいたしています。  その中身を若干申し上げますと、すでに過去の経緯につきましてはもう先生十分御存じと思います。四十五年の、第三者による特別健康診断の問題、これも結果的に不調に終わりまして、さらに四十八年に人事院から指示をされました労働衛生学的な検査も、職員団体の協力が得られず、これも挫折をいたしました。しかしながら総理府としては、やはり事健康に関する問題であるだけに早期の認定を図りたいということで、頸肩腕症候群に関する専門家を擁し、かつ一般の信用の厚い総合病院に依頼をいたしまして、その意見を聞いてやるのでいかがでしょうかということを、四十九年二月に職員団体に私の方は相談を申し上げましたが、これも御協力が得られず実施ができなかった。そこで最終的に、当該罹病者の主治医からの資料の提出を求めたわけでございます。その点は昨年の二月十八日にここで詳しく御報告を申し上げたつもりでございます。それが出てまいりまして、ある程度資料は参りましたが、そのほかに、いわば主治医だけの資料でございますので、私どもか一般的に——これは新しいケースでございますから、過去及び現在の、特に国勢調査のマークづけの業務それから家計調査の集計業務について、それぞれの労働負荷の程度の検査分析をするということで、昨年の五月から六月にかけて、いわば職場診断と私ども申しておりますが、これを労働衛生関係の専門家に依頼をいたしました。これらの資料が実は整い次第、既存の関係資料とあわせて審査資料とし、専門的事項については必要に応じて専門医師の参考意見を聞きながら、実は早急に処理するということで、現在その報告書が間もなく出てくるのではなかろうかというところでございます。
  105. 中路雅弘

    中路委員 七年間の経過についての論議はまた意見もあるのですが、きょうは時間であれですが、いまの時点でまだ結論が出ていないという要因でお尋ねしたのですが、去年の六月に実施された職場の実態調査ですね、この診断の報告書がまだ出ていないということはお話にありましたが、これが一番の障害になっているわけですか。一年たっていますがまだ報告書が出ていないというお話ですが、残っているのはこの問題だけですか。報告書が出てくれば、結論を出す作業はそれでできるわけですか。
  106. 川村皓章

    ○川村政府委員 資料といたしましては、その資料が参りますと作業としては進行すると思いますが、たとえばその資料が仮にきょう到着した、それではあした出るかというほどの問題ではございませんけれども、その資料を待って、従来の資料と合わせて、いわば個々の認定業務を早急にいたしたいと考えております。
  107. 中路雅弘

    中路委員 報告書は大体いつごろ出るのですか。
  108. 川村皓章

    ○川村政府委員 もう近日中というふうに考えまして、まあ遅くとも今月中には大体到着するのではなかろうかと見込んでおります。  ただ、その理由は、何分にも専門家の先生、非常にお忙しいところを時間を割いていただいたという問題が一つございますし、さらに、昨年の六月に、五十年の国勢調査の集計業務、これは今後こういう病気の方を出さないという、多少当局側の決意もございまして、五十年の国勢調査というのは、先生御存じのように十月一日に行われて、調査票か十二月くらいまでに集まっているわけですが、それをいわば想定した作業を実際に実演をしたわけてすか、実際にことしの——年末まて来ましてその作業が実際に行われるものですから、六月にいわば仮想してやっているものと実際の仕事とのマッチングを、念のためお医者さんも見ておきたいということで、これは三月に、実際の進行しているところと過去に仮想してやったものとの実際の比較もやっておるものですから、その意味で報告書は若干おくれているという事情にございます。
  109. 中路雅弘

    中路委員 この問題を担当されている官房人事課の職員の方は何名ぐらいおられますか。
  110. 石川雅嗣

    ○石川説明員 官房人事課の職員は三名でございます。
  111. 中路雅弘

    中路委員 その三名の担当される方は専任ですか、兼務でやっておられるわけですか。ほかにいろいろ公務の災害の仕事も担当しておられると思うのですが……。
  112. 石川雅嗣

    ○石川説明員 企画職員係というところで担当しているわけでございますけれども、この係は職員の服務全般の問題組合との窓口、それからそのほか、定期的に各省庁の人事担当課長会議を開いておりますが、これの庶務的な事項、その他もろもろのことをやっております。その一つとして公務災害に関することも処理しているわけでございます。
  113. 中路雅弘

    中路委員 私が聞きましたところ、この三名はいまおっしゃったような公務災害の他の仕事も兼務してやっている。特にこの前の国勢調査の際に、国勢調査員の中でいろいろ災害もあった。たとえば犬にかまれたとか——犬にかまれただけても八十数件あるというのです。それから交通事故、自動車事故で死亡された方も二人ある。こういった問題も皆担当してやっているのだということで、三名でこういうものを全部やっているんでなかなか大変だというお話も聞いているのです。  国勢調査の問題で公務災害がこれだけあって、それにも追われているというお話ですが、たとえばいままでの職業病の認定の申請をされた方で最初問題になったのは四十年かちですね。そうしますと、国勢調査だけでももうすでに三回経過していますね、この期間に。だから、今度の国勢調査のそういう公務災害に関連した仕事も一方で兼務してやっているので忙しいというだけでは済まないですね。国勢調査の仕事だけでもこの間で三回もやっているわけですからね。だから、体制からいっても、三名で兼務をしてやっているということが、この目的である公正、迅速にやるということからいっても、とうていいまそういう体制にないと私はお話で思うのです。しかも一年前に職場診断をされて、これも私、聞きましたら、最近やられた二回目の職場の調査ですか、これは今度の認定の問題には直接関連はないんだ、去年六月にやった職場診断、この報告をもとにして、資料にしてやるんだということを話されているそうですか、いまのお話だと、今度は最近のものも関連させて見るんだ、だからおくれているんだというお話ですが、これはどういうことなんですか。
  114. 川村皓章

    ○川村政府委員 先生が先ほど御質問されましたまず担当者の三名の問題でございますけれども、確かにこの公務災害の実施機関としては総理府の官房の人事課でございまして、担当者は、いま参事官の答えたように三名でございます。ただ、国勢調査の問題もここで最終的には持っているわけでございますが、実際には国家公務員災害補償法によります補償事務主任者というのはこの私でございまして、なお統計局におきましてもそのために職員厚生管理室という組織もございますし、そのためにかかっておる担当者が課長補佐あるいは係長、係員と別に担当者を持っておりまして、これが国勢調査の問題もあわせて官房人事課の方と連携をとりながらこの頸肩腕の問題も進めているわけでございます。  先ほども先生がおっしゃいましたように、国勢調査の問題もここに正確な数値を持っておりませんが、ざっと全国で二百件に近い、その中で確かに犬にかまれた方もおりますし、交通事故もございます。中には不幸にして死亡なさった方も実はいるわけでございます。その辺の問題も実はあわせて処理をする、大変忙しくやっているわけでございます。  そこで、先ほどの御質問で、ことしの三月には確かに五十年国調の労働負荷の方を調べたわけでございますけれども、それは昨年の六月にやった職場診断、これは先生にある程度お話を申し上げてございますが、四十年国調の状況と、それから五十年国調の状況というふうにやったわけです。四十年を、過去をできるだけ再現し得るようにという条件をつけてやったわけでございまして、五十年は、その当時としては将来起こるであろう状況を想定してやったわけです。それが実際の状況が来ちゃったものですから、お医者さんとしましては実際の状況と合わせておけば、そこのところが少なくとも当時仮想した問題と、いまは実際になっておりますので、そこを合わせておけば、データの信憑性というのをより高めたいという、むしろお医者さんとしての良心的なお申し出がございましたので、それじゃもう実際にちょうど取っかかった折だから、それと合わせて見てくださいということで実施をいたしたわけでございます。
  115. 中路雅弘

    中路委員 三十八名が申請を出しておりますが、その他に統計の職場で同じような症状で診断書を出して通院をしているとか、さっきの新聞のあれでは百名近い方がそうだということが出ていますけれども、皆さんの方でそういう職員がどれくらいおられるかというのはどのようにつかんでおられますか。
  116. 川村皓章

    ○川村政府委員 先生は先ほど三十八名が申請されているという問題で、七年経過をしているじゃないかということについて、あるいはお言葉に反するかもしれませんが、確かに最初に申請が出されましたのは四十四年に十七名が出されました。それ以降は四十五年に二名、四十六年に一名、四十七年は飛んで、それから四十八年に十二名、四十九年も飛んでおりますが、五十年に六名、計三十八名でございます。ですから、最初に申請なさった方から見れば確かに七年の歳月が流れているということも御指摘のとおりです。ただ、一番最近の方は五十年に申請されているということもあわせて申し上げておきたいと思います。  なお、投書の中で、実際に百名ぐらい通院している者がいるよというお話がございましたが、この点につきましても、私どもが把握いたしておりますのは、申請はしておらなくても、実際に一週間以上の病休の場合には診断書に理由が書いてまいります。その場合に頸肩腕症候群とか、あるいは肩が痛い、指が痛いというかっこうで出てくるものを実は把握をいたしておりますが、それは現在の職員について五十名でございます。
  117. 中路雅弘

    中路委員 この申請者の以外に相当多数の、いずれにしてもそういう症状で通院をされている職員が出ているということですね。この期間に、私は去年ですか職場を一遍短時間ですが見さしていただいた。お話も聞いたのですが、休憩時間だとかあるいはいろいろ肩たたきなども置いてありましたけれども、そういう若干の手当てもいろいろやっておられる。こういうことから見ても、通院をされているのが申請者以外に相当多数出ている、あるいは皆さん自身が職場の労働条件もある程度改善もせざるを得ないという中に、この問題が公務外の要因で特殊にあらわれたのじゃないということは、一般的に私たちのような素人が職場を見ても、一般的な背景の状況を聞いてもわかるわけですね。これが職場の問題と何らかの関連で起きているということはわかるわけです。キーパンチャーの問題では、労働省あるいはそれに基づいて人事院から基準が出されている。  私はこれも人事院にお聞きしたいのですが、基準を出されたということは、できるだけ迅速、公平にこういう問題の作業が進むように、そういう立場から出されているのじゃないか。基準を出してそれに一つ一つ当てはめてみて、それで厳格にやってこの仕事をむしろおくらしてしまう、とうていそういう意図じゃない。基準が出されているのは、基準を出して迅速、公正にやるために出されたというふうに考えるのですが、それは間違いありませんね。
  118. 中村博

    中村(博)政府委員 御指摘のような基準はいろいろな方面にわたって出してございます。これは、先生御承知のように、医学的にはっきりして、そして特に反証がない限りは公務上だというようなことが現代の医学水準において明白に確定されたといいますか、そういうものについて出しておるわけでございまして、なお医学的にもいろいろな論争があり、また公務との因果関係性についてもなお論議すべき点があるという場合には、こういう基準はちょっと出しにくい、こういう状況でございます。
  119. 中路雅弘

    中路委員 いろいろ話を聞きますと、この職場診断のやり方にも問題が多いと私は思うのですが、いずれにしても職場から現にこれだけの通院者も出てきている。それは決してとまっているのじゃなくて、いまおっしゃったように五十年になってもまた申請が出ていますね。三十八名と言いましたが、実際にいま扱っていられるのは三十二名でしょう。五十年のあとの六名はこの中には入っていないでしょう。入っていませんね。それでいままた申請者がふえていっているわけですね。しかもそれと似た症状の人たちもふえてきているという中ですから、この問題は公務外に起因しているのだということよりも公務に起因している、職場のいろいろの条件に起因しているのだということが、いろいろのそういう客観的な情勢からいって、そうならざるを得ない状態にいまあるわけですね。だから、これを急いで結論を出すということについて、最初の申請者が出されてから七年間放置されているということは、人事院は、総理府はもう一生懸命やっているのだからそういう指示はまだ出していないのだというお話ですけれども、総理府かこの問題にやはり結論を——それは職員団体が協力してくれぬだとかいろいろ理由を挙げています。しかし、いままでの全体の七年間の経過を見た場合に、やはり人事院として総理府に対してこの問題を一日も早く結論を出すように指示されるということがなければ、人事院の存在意義だってなくなってしまうのじゃないかと私は思うのです。いまの体制だって実際にそういう十分な体制にはないわけですね。この問題にじゃ早く結論を出す、迅速に出すというだけの体制でやっているわけでは決してないという状態なわけです。  もう一度もとへ戻りますけれども、若干のいまの質疑の中で、人事院として総理府に対してやはりこの問題について早急に結論を出すということについて必要な指示を出すべきだというふうに思うのですが、いかがですか。
  120. 中村博

    中村(博)政府委員 一般論としましては、すでになるべく早く公務上外の認定はしていただきたいという注意的な通達は出しておりますのは御承知かと存じます。しかし、本件の場合には、先ほどの御説明にもございましたように、なお医学的な問題についていろいろ御検討なさっておる段階でございます。したがいまして、やはりそれの決着を私どもとしては見守るのが現在としては最もよき態度ではないか、かように考えてございます。
  121. 中路雅弘

    中路委員 これは五十年の二月二十五日の最高裁の第三小法廷での判決ですが、中身は詳しく紹介しませんが、国と公務員との間における問題で判決としては最初のものじゃないかと思うのです。国の側が公務員の日常の安全配慮の義務を負うということをはっきりさせた非常に注目しなければいけない判決だと私は思うのですが、この中にこういうところがありますね。国家公務員災害補償法について、「国が公務員に対し安全配慮義務を負うことを当然の前提とし、この義務が尽くされたとしてもなお発生すべき公務災害に対処するために設けられたものと解される。」ということで、国家公務員災害補償法というのは、その前提として、国が公務員に対して健康で安全な職場を確保していくという安全配慮の義務を負っているのだ、それを当然の前提にして、なおそれで災害が発生したという場合にそういう公務災害に対処するために設けられたものなんだということで、その前提として公務員に対する安全配慮の義務を負うということをこの判決は明記をしているのです。  統計局の職場を見た場合に、皆さんのお話でも、五十名はいま現に通院している、そういうことですね。それから申請者も三十八名から災害申請が出ているという状態なわけですし、また、それに類似した症状の人たちが非常に多いということを私は職場に行っても聞きました。こういう現状から見た場合に、国が安全配慮の義務を負うというこの最高裁の判決から見ても、統計局で職場に対してもっと責任ある日常的な健康、安全の問題についての予防措置、積極的な対策というのが使用者として義務づけられているのじゃないかと思うのですね。しかもそれを前提にして起きている問題ですから、この問題を迅速に結論を出すということは当然のことだ。こういった点から見ても、やはりいままでの非常に結論が延びていること、最初のケースだから、新しいケースだからとかいろいろ理由は言われていますけれども、現実にその間にこれだけまた同病者がふえてきているということに対する責任は私は免れないというふうに思うのですが、この点について総理府あるいは人事院はどのようにお考えですか。
  122. 中村博

    中村(博)政府委員 御指摘の最高裁の判決、私も拝見いたしました。安全配慮義務があるかどうかという点は別問題としましても、国公法の中に能率の増進計画として職員の保健、安全はしっかりやれということがうたってございます。特に健康及びその安全の問題につきましては、それを受けて人事院規則の一〇—四というのを発出してございまして、いろいろな安全衛生措置を講じておるのでございます。その内容は、先生御承知のように労働基準法ないしは労働安全衛生法あるいは国家公務員独自のものというように、私どもなりには十全なものをその中に規定しておるものと考えてございます。したがいまして、そういったことを受けて、先ほども申し上げましたようなキーパンチャーのたとえば勤務態様につきましての通達でありますとかその他の措置もあわせて講ぜられておるのでございます。  したがいまして、ただいま問題になっております場合でも、先ほど来申し上げておりますように、医学的にはっきりいたしますれば、そのようなことが職場で多々発生することのないような基準というものもおのずから明らかになるわけでございます。私どもの気持ちとしては、一日も早く統計局の方で処理なすって、そしてその医学的な貴重な結果をももとにして、そういった基準をつくっていきたいという気持ちでおるわけでございます。
  123. 川村皓章

    ○川村政府委員 昨年の二月二十五日の最高裁判決につきましては人事院の答えたとおりでございまして、なお、統計局におきましても、法令の趣旨にのっとりまして、職場環境が良好に保たれ、職員が健康かつ安全な状態で勤務することができるように、従来より十分な配慮を払ってきたところでございます。  具体的な対策といたしましては、職員の健康維持につきましては、人事院規則で定められている健康診断の検査項目のほかに、特に特別なものを大幅に充実してつけ加えてまいっておりますし、職場環境につきましても、照度とか騒音の測定も年二回いたしております。休憩所の設置も行いました。さらに、作業体制については、従来の作業の単調性を解消するために、作業の横割り方式を縦割り方式に改めるとか、あるいは一連続時間を最長五十五分に調整をし、五分ないし十五分の筆休め、職場体操の時間を設ける等の改善を図ってまいっております。  以上のほか、人間関係改善のために各種の研修であるとか、あるいは職場単位のミーティングを実施しておりますほか、レクリエーションの行事やサークル活動に対する援助、さらに職員相談室を設置いたしまして、疲労回復やストレス解消について積極的な施策を行ってまいったつもりでございます。  そこで、先生のおっしゃるように、一日も早くという点も十分わかりますし、ただし、私どもやはり新しいケースだけに、これが職員団体の御協力がもし得られておるならば、多少時期を早め得たと思いますが、過去に不幸にも得られなかったという事実からしては、最も急いだ処置をしたと思っておりますし、現在もそのつもりで作業を進めております。
  124. 中路雅弘

    中路委員 いま言われたように、不十分でもいろいろの改善処置がやられているわけですね。やられていること自身は、いままでの職場が十分でない、こういう改善処置をしなければいけないということを皆さん自身が認められた結果なわけですね。こういう罹病者が出ているわけですから、事実上やらざるを得ないわけですよ。そこのところが、いろいろもっと調査をしてみなければいけない、新しいケースだから、こういうことも調査してみなければいけないということが、結果としてこの結論をどんどんおくらせているわけですね。しかし、現実にその間に罹病者がふえていっている。職場では改善処置をやらざるを得ない。そのこと自身が、その職場に起因してそういう問題が起きているんだということを客観的に証明している事実だと私は思うんですよ。こういう点からも、職員団体の協力が得られなかったとか、いろいろ言っていますけれども、これ自身はきょうは論議はしませんよ。両方言い分があるんだから、しませんけれども、それは理由にならないですね。一方でそう言いながら改善処置をやらざるを得ない、また、現実に罹病者がふえてきているということが、何よりもその職場に関連があるということを客観的に示しているんじゃないか。  いずれにしても、その点でこの結論を急がなければならないという問題をはっきり示していると私は思うのですよ。だから、こういう面では、七年間、こういうこともあったら、もっと早くできたろうというようなことはお互いにいろいろあると思いますよ。しかし、ここまて来て、——最初十六名ですか、訴えられてから少なくとも七年たっているわけですね。先ほど言ったように、民間の企業で言えば、同じ症状の病気で大体三、四カ月、遅くても一年では認定の結論は出しているんですよ。こういう問題が、国家公務員である、しかも、あの統計の仕事は一般の事務というよりも、民間で言えば現場の職場と同じですよ。そういう中で出てきている問題が、いろいろ理由はあるにしても、最初に訴えられてから七年間も放置されているということについては、やはり人事院なり総理府に非常な責任があるんだということを自覚していただいて、この結論を一日も早く出すというところへ明確な態度を出していただかないと、この七年間受けてきた苦しみというのは、本人だけじゃなくて家族も含めて大変な問題だと私は思うのです。  この面で、いままで若干論議してきましたけれども、総務長官どうですか、ここではっきりとひとつ認定の結論を出していただきたい。
  125. 植木光教

    ○植木国務大臣 私は、昨年の二月、三月、中路委員からの御質問に対しましてお答えをいたしましたように、就任いたしまして直ちにこの問題があることを説明を受けまして、自来解決を促進するようにということを強力に指示してまいりました。昨年もお約束をしたわけでございますから、その後もこの促進についていろいろ中間報告を受けましたり、あるいは指示をしてきたというのが実情でございます。  この経過については、もういろいろ論議されておることでありますから、私からは御説明を申し上げませんが、いずれにいたしましても、先ほど局長が申しましたように、職場診断の結論のレポートが近く来るわけでございます。したがいまして、これに基づきました結論をできるだけ早く出したいというふうに考えております。鋭意努力を続けてまいります。  なお、職場環境のことについてお話がございましたが、これは若松町にございますあの統計局、恩給局の職場環境だけではございませんで、本府におきましても、私は就任以来職場環境をよくするようにということを指示いたしました。したがいまして、公務員が気持ちよく職務に精励できるようにということで努力をしておりますことを御了承いただきたいと思います。
  126. 中路雅弘

    中路委員 民間では大体労働組合の代表あるいはその意見を入れた形で職場の健康管理、安全衛生委員ですね、大体労使同数のそういう委員会を設けて、職場の健康管理や環境の改善ということで話をやられているのですが、総理府を初めとして国の機関の中では、主として局の方の任命ですか、そういう形で、形の上では健康あるいは安全管理者が決められているわけですね。私はこの点ではやはり職員団体の側の意見も入れる、あるいは代表も入れた形で職場の安全委員会といいますか、そういったものの設置が必要じゃないか。そして、実際仕事している職員の方の意見も反映した形で、どうこの職場を改善していくのか、あるいは健康管理についてもいろいろ意見を求めて、共同して検討していくということまで一歩進む必要があるのじゃないかというふうに考えているのですが、この機会に、このような問題についても、ひとついまの問題と関連して御意見を承っておきたいと思います。どなたか……。
  127. 中村博

    中村(博)政府委員 先ほど申し上げました人事院規則の一〇—四の十四条におきましては、そういうユニットごとに職員の健康、安全に関して意見を聞くための措置をせいということを義務づけてございます。したがいまして、いまおっしゃられましたような安全あるいは健康に関しまして、そういった組織をつくって職員の御意見を十分に聞いて適切な措置が講じられ得るようにというような指導をいたしておるのでございます。
  128. 中路雅弘

    中路委員 私は、この点は制度としても一度検討をしていただきたい、こう思うのです。もう少し職員団体か——民間の方にいきますと、職場ごとに労使同数による健康安全委員会というようなのかきちっと設置されているのが相当ありますね。だからそういう点では、ただ意見を聞くというだけじゃなくて、制度としても職員団体も加わったような形でのそういうものの研究もひとつ今後していただきたいということも、この際希望として述べておきたいと思うのです。  それからもう一つ、いずれにしてもこの認定と関連して人事院と協議される場合も出てくるかもしれないということでお聞きしておきたいのですか、いまの人事院の健康専門委員の方のお名前、それから災害補償審査会がありますね、審査会の委員の方はどなたなのか。先日私、資料でいただきましたが、先ほどのお話で古いのを渡したということをちょっと聞きましたので、改めて現在の災害補償審査委員会の委員の名簿、それから人事院の健康専門委員の方、これは中に入っていると思うのですが、ひとつお名前とどこの方かというのをこの席できちっとさせていただきたい。
  129. 中村博

    中村(博)政府委員 細かく申し上げましょうか。
  130. 中路雅弘

    中路委員 五名でしょう。
  131. 中村博

    中村(博)政府委員 災害補償審査委員会の委員は、現在におきましては、厚生省の国立病院医療センターの院長であられます小山善之先生、労働福祉事業団の東京労災病院長であられる近藤駿四郎先生、元国家公務員共済組合連合会理事の滝本忠男先生、それに公平局長及び職員局審議官、この五名でございます。
  132. 中路雅弘

    中路委員 健康専門委員は。
  133. 中村博

    中村(博)政府委員 健康専門委員の先生方は、多数いらっしゃいまして十六名でございますが、お名前を申し上げますか。
  134. 中路雅弘

    中路委員 名前を聞かせてください。
  135. 中村博

    中村(博)政府委員 女子栄養大学の教授であられる秋山房雄先生、総合健康管理研究所長の近江明先生、日本大学名誉教授の大島研三先生、東京医科歯科大学教授の大塚先生、東京医科大学教授の岡本先生、東京医科大学教授の加藤先生、国立精神衛生研究所長の笠松先生、国立箱根療養所長の久保先生、中央労働災害防止協会労働衛生検査センター所長の久保田先生、それから先ほど申し上げました小山先生及び近藤先生、それに労働科学研究所長の斉藤先生、日本国有鉄道顧問の千葉先生、国立聴力言語障害センター所長の堀口先生、東芝中央病院名誉院長の森山先生、労働衛生研究所長の山口先生と、かようなことになっております。
  136. 中路雅弘

    中路委員 時間ですからもうそろそろ終わりますが、私はもう一度、特に局長に要請したいんです。  幾らか事情は違うにしても、たとえば先ほど言いました礼幌の認定がありました通産省の通産局、ここは局長が要望といいますか、意見を出していますね。職場の状況を話して、申請者について早く認定をしてほしいという文書まで通産省本省に出しておられるわけですね。こういう現状から見て、皆さんの局の中で同病者がふえてきているという中で、この認定がおくれているという問題について、本府にあるいは人事院に対しても、局長自身の姿勢として、私はやはりもっと積極的にこの問題の解決に当たっていただきたいと思うのです。  これはどういう事情があったか知りませんけれども、先日私は職員団体が出しているニュースを見ましたら、ことしの三月だったですか、関係者の皆さんが局長とこのことでお話をしたいという話があったんだけれども、そのときは管理室長か何か会って、局長はおられたけれども、同じ職場のコーラスか何かの席に出ておられたということが、職員団体のニュースにも出ておりました。私は、これが事実だとすれば、局長のこういう姿勢は改めていただかなければいけない。この問題の解決に本当に真剣に局長が当たっていくとすれば、やはり局長自身が本府や人事院に対してもっと積極的に意見を言うべきだと思うのですが、ちょっときついあれかもしれませんけれども、この席でもう少しこの問題に当たる局長の決意といいますか、解決について本府に任せておくのじゃなくて、あなた自身が責任があるんですから、この問題についてもう一度発言を求めたいと思います。
  137. 川村皓章

    ○川村政府委員 ただいま中路先生から御激励をいただきまして、まことに恐縮をいたしております。  これは私も統計局で昨年、今年、いずれも局の運営方針みたいなものを出しまして、その中に特に明るい統計局というそれぞれ三本柱の中の一本でございますが、昨年も今年も一にかかってこの問題について実は積極的に進めておるつもりでございます。その点で特に職員団体に対しましても、私はこれをできるだけ早期にやりたいという点につきましては皆さんと同じ立場をとるということでお答えも申し上げているつもりでございます。  それで、何か先般の木曜コンサートを引き合いに出しまして、コンサートというのは音楽の話で、音楽を聞いているなら職員組合の話を聞けというお話でございますが、これはたしか三月十九日か何かだったかと思いますが、木曜コンサートというのはたまたま講堂を使いまして、当局が職員全般のために木曜日に開いているコンサートでございまして、これが国勢調査のために半年間実は中断をいたしましたので、それを再開する第一回だというので、特にその中身の解説を私がやることを実は一カ月前に約束をいたしまして、再開をいたしたものでございまして、その最中にたまたま私に会えないかという話が出たので失礼をいたしたわけでございます。決してその問題は、音楽を先にして患者を後にしたというような性格のものではございませんので、念のためお答え申し上げます。
  138. 中路雅弘

    中路委員 これで終わりますが、こういう委員会の席ですからそれ以上のお話をしませんけれども、職員団体や申請者の皆さんの話を聞きますと、いろいろまだ、局の当局の皆さんとの話の中で、それが事実だとすれば、積極的にこの解決に当たっている、本当にそういう使用者としての側の姿勢という点で、私は疑われるようなやはり言動もあるのですね。この点はひとつ局長として、局を挙げて、千六百人ですか七百人ですか、女子職員が働いている職場に責任ある局長ですから、その中でこれだけ多くの罹病者が出ているわけですから、解決にもっと積極的な努力を払っていただきたいと思います。  終わりに、私はこの問題を何回かこの席で、他の問題も除いて時間をさいていだだいて御質問したのですが、長官、ひとつこれはもう何としても、この次また何か公務員の問題をやるときに質問しなくてもいいように、それまでに認定の結論を、この問題の解決を出すように、ひとつ長官からももう一度関係者に指示もしていただいて、結論を出すようにしていただきたい。そのことを最後にもう一度要望してお答えいただいて、終わりたいと思います。
  139. 植木光教

    ○植木国務大臣 できるだけ早く結論を出します。
  140. 竹中修一

    竹中委員長代理 ちょっと速記をとめて。     〔速記中止〕
  141. 竹中修一

    竹中委員長代理 速記を始めて。  鬼木勝利君。
  142. 鬼木勝利

    鬼木委員 午前中からずっと質問があっておりますので、あるいは私がお尋ねすることが重複するかもしれませんけれども、その点は御了承を得たいと思います。  聞くところによると、藤井総裁は何かおぐあいが悪いとかということで、速やかに御全快なさるようにお祈りをいたしつつ質問をいたしたいと思います。  この傷病補償年金制度の創設ということで論議しておるわけでございますが、補償年金制度の創設ということの目的が私らが考えますとどうも明確でない。まずその点について明確にこういう目的だという決定的な説明をひとつお願いしたい。人事院総裁がお見えになっていなくても人事官が見えているでしょう。だから責任をもって、これは総裁がおらぬからわかりませんなんというようなことは承知しませんよ。そういうことだったら質問はきょうはとりやめますから、ぜひひとつ。
  143. 島田巽

    島田政府委員 お答え申します。  補償年金制度の創設の目的でございますが、職員が公務上の傷病または通勤によって傷病にかかりまして療養のために勤務することができない場合で給与を受けませんときには、平均給与額の百分の六十に相当する額の休業補償を支給することとしているわけでございますが、長期間にわたって療養いたします者の中には、たとえば脊髄の損傷症というような者に見られますように、療養の継続中であっても実質的に癈疾状態にあると認められる者が相当ございますので、これらの者に対しましてむしろ障害補償年金に相当する給付を行った方がその保護を厚くするという意味で適当であろうと考えて行った次第でございます。
  144. 鬼木勝利

    鬼木委員 それは大体提案理由の説明でいまあなたのおっしゃったようなことはよくわかりますが、しかし、この制度の適用を「療養の開始後一年六月」と書いてある、この点がすこぶるあいまいじゃないですか。期限を一年六カ月と、そこに期限を切ったその根拠、これはわれわれ素人が考えましても、一年六カ月見なければ病状がわからないなんて、それはなるほどそういう場合もあり得るでしょう。しかし、病を起こしたその時点から、これはとても一年や二年、三年、四年ではよくならないということもあり得る。私はわかると思うのですよ。それを一年六カ月と期限をつけたという根拠はどうしてもわれわれは納得できない。病になったその時点に、これはとても一年や二年じゃよくならないというような病も現にあり得るでしょう、ありますよそれは。いいですか、長官もお聞きくださいよ。そういうひどい重症患者でも一年六カ月たたなければ、待っておらなければならない。半年や一年くらいでよくなるだろうと思っている人が、治療をして一年六カ月たってもよくならない、そういう場合もあるでしょう。それを一律に全部一年六カ月と決めたその根拠、それはどういうことでしょうか。
  145. 中村博

    中村(博)政府委員 一年六カ月にいたしました根拠は、確かに先生御承知のように、ある公務災害を受けられた方、長年おかかりになるというような場合もあると思いますけれども、−現在の法体系のもとにおきましては、年限のいかんにかかわらず治られるまで、あるいは不幸にして死の転機をたどられるまで療養の給付を続け、そうしていろいろな療養をなすって、その結果、もうこれ以上療養の給付を加えても症状が固定して病状が変化しないという段階に至りました場合に治癒ということにいたしまして、そのときまでは療養の補償給付並びに休業補償を差し上げておるわけでございます。それから、治られてから後、障害をお残しになっていらっしゃれば、その障害の程度に応ずる障害補償年金あるいは一時金を差し上げる、かような構造になってございます。  ところが、長年療養をなすっておられる方は遺憾ながら千人近くいらっしゃるわけでございますけれども、そのような場合に、やはり一年半もたってなお症状が直ちに治らないというような場合に、そうしてまたその障害の程度が障害補償の一級から三級までに当たるような労働能力の全損というような非常にひどい状態であられる方につきましては何らかの措置をする必要がある、これが第一点でございます。  現に一年半という時点は、厚生年金保険の方でも障害年金をその時点から差し上げてございます。また、それと平仄を同じくして、そのような時点から、そのような重篤な病を養っておられる方につきましては、障害補償年金の一級、二級、三級程度と同じ額を傷病補償年金として差し上げる、そういたしますれば、これは休業補償よりもずっとその内容が改善されるわけでございます。あわせてそういった優遇措置を講じながら治癒に向かって療養に専心していただく、こういうような考え方でこの制度の導入を図るというのが私どもの考え方でございます。
  146. 鬼木勝利

    鬼木委員 だから、私はそう言っておるのです。いまあなたのおっしゃることはわかっておる、これに書いてあるから。これにちゃんと書いてあるからわかっておりますよ。そうじやなくて、一年六カ月経過しなくても、これはとても今後まだ将来一年や二年じゃよくならない病人ということがわかっておっても、二年六カ月しなければ補償年金がもらえない、そこがおかしいじゃないかと私は言っておる。それは現行法によれば、休業補償は六〇%出ているでしょう。六〇%じゃ困るじゃないですか、実際の話が。将来もう二年も三年もよくならぬというような重い病気の人がたった六〇%もらっているのですよ。しかも二年、三年とてもよくならぬと医者が診断しても、この法律案によっては一年六カ月しなければ年金はもらえない。そんな気の毒な人をどうするか、こう言うのです。そんなあなたの説明では、これは根拠がすこぶる薄弱です。納得できませんね、これは。あなたはお見受けしたところ非常に頑健で御健康だから、そんな病人のことはどうでもいいというような顔をしているかしらぬけれども、こんなことじゃ話になりません。  長官、私が言っているのはおわかりでしょう。これでは納得できませんよ、そんな説明では。これは労災法との関連で、労災法がこうだからどうだこうだという、そんなことばかり言ったのでは、いま社労委員会の方で労災法のことは盛んに審議しているようですが、だったら私ら言いたいことは何ぼでもあるわけですよ、実際の話が。けさほどもお話がちらっと理事会で、私も一緒に列席して、あっておったようですが、民間は、仮に非常にぐあいが悪いとか、あるいは亡くなられたというような場合でも、法的にいただくお金以外に、社長の見舞い金とか同僚の見舞い金とか、プラスアルファがたくさんありますよ。これはこれで打ち切りですからね。しかも千日分しかない。これは後でお話ししょうと思っているのだけれども、千日分で、それで打ち切りだ。労災法との兼ね合い、労災法との見合いによってこうやっている、こうやっているというならば、なぜ労災法のようにもっとよくしませんか。だから、考え方が非常に矛盾しているのですよね。  また後からお話し申し上げたいと思いますけれども、今度のこの補償年金制度でも、一級が八六%、二級は七六%、三級は六七%、これは現行法の六〇%よりもよくなっているから、少しでも前進はしているけれども、少しでもよくなっているから悪いとは言わぬけれども、まだ四級以下の人だって大変な人がおりますよ、四級から七級まででも。それを三級で打ち切っている。確かによくはなっている。よくはなっているけれども、われわれは納得できないですね、これでは。  まずその第一点ですよ。一年六カ月という期限をつけたというそれをもう少し、はっきりした根拠。そうしなければ皆さん納得いきませんよ、これは。あなただってわかるでしょう。病気になっても、医者がこれは御心配いりませんよ、もう二、三日すれば起き上がれますよ、そうすると安心できる。そうですね、これはちょっと簡単にいきませんよ、事と次第じゃ大学病院でも行ってもらわぬと……。その診断した瞬間に、全部が全部とは申しませんけれども、医者が見ればわかるはずなんですよ。いや、これはとても一年や二年じゃちょっと起き上がることはできませんよ、これは奥さん大変でしょうけれども、ひとつ御主人をお大事になさいよ。それを一年半に限定して、災害補償審議会というのには五人おると言われたですね。何か審議委員が五人ですか。
  147. 中村博

    中村(博)政府委員 いま先生のおっしゃっておられますのは、先ほど中路先生に対するお答えで申し上げましたのは、災害補償審査委員会、訴えがありました場合でございます。
  148. 鬼木勝利

    鬼木委員 一体一年六カ月にしたというのは、これは閣議で決定したのですか。だれがやったのですか。人事院の方でやったのですか。そういう申し出があったから人事院がいま出したわけでしょう。あなたたちは一体どういう気持ちでこういう一年六カ月という法案を出したのですか。この一年六カ月に決めた犯人は一体だれだい。
  149. 中村博

    中村(博)政府委員 傷病補償年金制度の導入につきまして、一年六カ月たった後にこういう制度をつくっていただきたいと言ったのは人事院でございます。  先ほど来先生のいろいろな御説がございました。確かに御見解と思います。しかし現在、確かにおっしゃいますようにある病気あるいは負傷をなすった場合に、長年かかることの当然わかっておる場合もございましょうけれども、やはりある負傷、疾病をした場合には、療養の給付を、医療を加えることによって、できるだけ早くまたもとの体に治っていただけるように、あるいは障害を残してもできるだけ少なくするように、療養の給付が行われるべきはずでございます。したがいまして、一般論として言いまして、入院なすった、直ちにそれが廃疾状態にあるというものではなくて、療養の給付を加えることによって逐次その態様は改善されていくべきものでございます。したがいまして、ある程度の期間療養の給付を加えてみて、それによって、一年六カ月たちましてもなお大変な廃疾状態にいらっしゃるというような場合には、先ほども申し上げ、また先生も御承知のように、症状固定する以前でもそのような措置を講じて、少しでも給付の改善を図りたい、こういう趣旨でございます。ほかの方の保険、厚生年金におきましても、あるいは共済年金におきましても、在来三年でありましたのを同じく一年半に改善いたしてございますので、ほぼそれらの制度と見合ってそのようなことを人事院として申し上げた、こういう経過でございます。
  150. 鬼木勝利

    鬼木委員 だから私が言っているのは、従来三年であったのを一年半にしました、だから少なくともこの法案は前へ進んでおることは私は認めているとさっきから言っているでしょう。しかしながら、これじゃこぼれが出る。実際、この人は半年や一年半じゃとてもよくなりませんということがわかっているような病人は取り残されるということなんですよ。しかも三年したならば——労災法では三年間は身分保障があるようですが、こちらも三年間は身分保障があるわけでしょう。その点どうなっていますか。労災法と同じですか。こういう一級、二級、三級の重病人でも三年間は身分保障はできているのですか。
  151. 中村博

    中村(博)政府委員 先生御指摘のように、労働基準法の系列では、業務災害を受けました場合に、三年たてば千日分の打ち切り補償を渡して解雇することができるというように、解雇制度といいますか、一つの末端を示しておるわけでございます。できるということになっておるわけですね。ところが、国家公務員の場合には、労基法は適用に相なりません。したがいまして、三年たったら解雇することができるという法構造にはなってございません。したがいまして、全然その点では基準法と面が違うわけでございますので、その点御了承をお願いいたしたいと思います。
  152. 鬼木勝利

    鬼木委員 だったら一これは労災法にこうなっておるからこうだ、実施でも、労災法の実施の時期にこれは実施をするというようなこと、何でもかんでも労災法、労災法と合わせて実施しようとなさっておるようですけれども、労災法と何ぼでも違っていいわけじゃないですか。労災法にこだわる必要はないじゃないですか。いささかもこだわる必要はない。傷病補償年金というものは、独自の立場でやったって少しも差し支えないじゃないですか、いまのあなたのお話からすれば。先般は説明を聞くと、労災法がこうなっているから、労災法がこうなっているからと、全部労災法と足並みをそろえていこうというような——だから、あなたのお話はよくわかる、だけれども、私の話もわかってもらっているはずと思うのです。ですから、原則としては一年半ならば一年半でもいいでしょう。「ただし」という、ここにただし書きがあればわれわれは了承しますよ。ただし、医師の診断によって発病の時点から長期療養を要するというような者は、一年半はたたないでも傷病年金を差し上げるようにするというようなただし書きでもあれば納得ができる。そうしなければそういう気の毒な人がこぼれるではないか、私はこう言っている。どうですか。あなたは首をひねっておるがわからぬの。こんな簡単な事実がわからぬか。
  153. 中村博

    中村(博)政府委員 先生のご指摘は私なりに理解させていただいておるつもりでございます。しかし、今回の場合には、確かにそういう例もございますけれども、先生もお認めくださっておりますように、大変な一つの改善であるわけでございます。したがいまして、そういう改善は、国家公務員災害補償法の二十三条にありますように、やはり民間の労働者の場合と国家公務員の場合と、基本的にはその補償体系において特異なものというものを特に認める理由がある場合以外には、やはり同じことであってしかるべきと思います。確かに、後ほどまた御質問ございますかもしれませんが、二十三条においては、労働基準法あるいは労災補償保険法との均衡を保てというふうにお決めいただいておるわけでございます。したがいまして、そういった点も考慮しながら、一方では国家公務員だけに特殊的な、たとえば警察官等々が職務のために殉職された場合に、特殊な特別公務災害という概念をつくって国家公務員のみ独特な手当てをしておるということは当然行っておるわけでございます。しかし、この場合はそういった場合と違いますので、やはりその点は、二十三条の本旨に基づいて平仄をとり、少しでも、先生御認定のように一歩でも改善されるということはよろしきことではないかというのが私どもの判断でございます。
  154. 鬼木勝利

    鬼木委員 いや、私が先ほど言ったところが、私の言うようなこともそれはある場合は肯定します、そういう場合もあるかもしれません、ということをあなたはいまおっしゃったでしょう。それから、労災法となるべく均衡を失しないように、それは私も不肖ですけれども、それくらいのことは知っていますよ。この労働基準法等との関係ということで第二十三条に載っていますよ。それはあなた、もうおわかりだから全部読まぬでもいいけれども、「業務上の災害に対する補償又は通勤による災害に対する保険給付の実施との間における均衡を失わないように十分考慮しなければならない。」というのが載っているんです。そのくらいのことは知ってお尋ねしているのですよ。それはわかってますけれども、だったら、「均衡を失わないように十分考慮しなければならない。」——十分考慮していないじゃないですか。だったら、先ほどから私が指摘しましたように、今度の問題でも、亡くなったときの遺族の年金なんかは全然改善してない。民間の場合は法定外の給付があるのでしょう。ところが、こちらの公務員は額面以外には何もないじゃないですか。いわばこれは均衡を失っているじゃないか。そんなことを言うならば、私も承知せぬよ。こっちはそのぐらいのことはわかり切っているんだ。ここにちゃんと法的に、二十三条に労働基準法等との関係において均衡を失わないようにと書いてある。だけれども均衡を失っているじゃないですか、こういうような場合にも。なぜ人事院はそういう点を考えないのか、わかっておって。これは法に違反しているじゃないか。均衡を失わぬようにとあなたが言うならば、百歩譲ってあなたの論を私が肯定するならば、こういう均衡を失しておるものこそ人事院はもっと考えなければならない。それは考えていない、ここに出ていないんだ。民間の場合は法定外の給付が多いんですよ。ところが、公務員の場合わずかに千日だ。これは大変なあれがある。  だから、私が言っているのは、あなたのおっしゃるように、これは原則として一年半、それはわかるんですね。しかし、これは原則としてじゃない、とにかく一年半でこれはもう決定だ。だから、これは原則として一年半というならわれわれはわかる。ただし、発病の時点において長期療養を要するような方は、一年半でなくても、そのときの病状によって傷病補償年金を支給することができるというふうなら理屈はわかる。あなたは、そういう場合もあるでしょうと言ったんだ。それは医者が診た場合に、この人はとても将来一年や二年、三年じゃよくなりませんよ、再起ができませんよというようなことが、診断の結果わかった場合にはどうするかと私は言っている。それをあなたは一般論の説明ばかりしているんだもの。一般論の説明は、そんなことは聞かぬでもわかっていると言うんだ。そこにこの法案としてこぼれているところがあるのじゃないか、取りこぼしが。大体福祉の根本精神というものは、一人でも取りこぼしたら、これは福祉になりませんよ。大の虫を助けて小の虫を殺すなんていうのは、これは福祉じゃない。福祉というものは、一人でも気の毒な人を取りこぼしてはいけない。一〇〇%の中に一%不幸な人がおったら、あとの九九%がまた不幸になるということの前提なんだから、一人をも取りこぼしてはならないというのが福祉の原則なんだ。百匹の羊がおる、一匹羊がわからぬようになった、ああ一匹ぐらいいいじゃないか、だったら、あとの九十九匹はまたその二の舞を踏む、ですから、その一匹のために全力を挙げて皆が総合的にこの一匹を助けなければならない、これが福祉の原則なんだ。その点においてこの法案は欠陥があると私は言っている。それはあなたのような説明で、そんなこと説明なくてもわかっていますよ、書いてありますから。長官いかがですか、私が申し上げていることは。
  155. 植木光教

    ○植木国務大臣 ただいま鬼木先生の御所見をいろいろ伺っておりまして、さすがに長年月深い御体験をお持ちであり、また学識をお持ちである御所見として非常に貴重なものであるというふうに伺っておりました。さすがにと言っては大変失礼でございますけれども、ただいま福祉問題についてお述べになりましたこともまさに当を得たご所見であるというふうに存ずるのでございます。一年半たたなくても、半年後でも、一年でも、もう長期にわたって療養するものがはっきりする、診断できるじゃないか、そういう者に対してなぜやらないのだ。これは本当にこういう御意見が出るというのは私も大変理解ができるわけでございます。ただ、と言いますとまたおしかりを受けるかもしれませんけれども、三年でありましたものを一年半ということで、人事院が専門的な研究の調査を行われまして、また他のものとの均衡等も考えてこういう勧告をお出しになったわけでございまして、国家公務員の災害補償制度の企画立案及び実施につきましては、いずれも人事院がこれを行うことになっていることは御承知のとおりでございまして、政府といたしましては、この勧告を受けまして、それを忠実に法改正案として提案をしたような次第でございます。  また、民間における法定外給付の御所見も伺いました。現在は福祉施設に企業内給付としての性格を持たせることといたしまして、それに見合う遺族特別援護金が設けられましたり、また人事院規則によって障害特別援護金が四月一日にさかのぼって設けられるという予定にもなっております。  いずれにいたしましても、全体として今回の改正案はいままでと違いまして一つの前進でございますので、この今回の改正案については御理解を賜りたいと存じます。また、いまの先生の御所見につきましては、人事院も将来にわたりまして専門的に研究をし、その成果が出ましたならば、政府に対してもいろいろ御勧告もあろうかと存じます。ただいまの貴重な御意見は人事院と総理府ともども承ったところでございます。今回の改正案は前進としてお認めをいただきたい、このように思う次第でございます。
  156. 鬼木勝利

    鬼木委員 長官の御説明で大体私は納得ができます。  そこで、人事院の方に、人事官も見えておるからこの問題について最後に要望しますが、総裁はいらっしゃらないが、人事院の人事目の責任者が見えているから、いま長官もおっしゃっていただいておるので、この問題について、ただわかり切ったことをだらだらと説明するのでなくして、いま長官のおっしゃったように、人事院の方においてはこうしたこぼれた人の対策を協議、研究します、そういう答弁を得たならばこの問題に限って私は了承しましょう。確かにいま長官がおっしゃったように、この件に関しては前進しておるということについては私は冒頭に申し上げている。決して後退しているんじゃない、まことにこれは慶すべきことだ、その点はもう私は冒頭に申し上げているからわかっているはずと思う。私は全面的にけちつけているんじゃない。その一点について総裁の代理としてあなた方いらっしゃるんだから……。じゃ御答弁願います。
  157. 島田巽

    島田政府委員 お答え申し上げます。  ただいまの非常に貴重な御意見を非常に印象深く伺いまして、私どもとしまして今後検討する一つの指針としてまいりたいと思います。  私どもといたしまして、わが国の中の社会保障制度の中の均衡ということも一面において考えなくちゃならないというのは、これは人事院としてもはずすことができない一つの柱だろうと思います。片一方で、いまのお話のような労災との間の問題につきまして法定外給付のような問題がございますが、そういうものが多々あるだろう、また現にあることも私ども耳に入っておりますけれども、それじゃそれが全体のどれだけを占めているのかということは、これは調査しょうといたしますと、法定外給付なものでございますから、なかなか現実につかまえにくいというふうな現実も先生御承知のとおりでございますので、そういうふうなものが全然ない会社もあり、ない企業もあるというふうな場合に、公務員だけ法定外給付のある方だけをつかまえてその給付をするということも人事院として踏み切りがたいというような面もいままではございました。これからそういうことも全部含めまして、今後、先生が御指摘になりました労災との間の問題というふうなことを含めまして、十分検討さしていただきたいという考えでございます。
  158. 鬼木勝利

    鬼木委員 それでは同じことをいつまでも言ったってしようがないですから、十分ひとつ私の指摘した点は検討をしていただく、研究をしていただくということで了承いたします。  それから同じようなことですけれども、いわゆる病状の重い、長期療養を要する方が、一級から三級までの人だと別表で限定してありますが、これは四級以下でも同様そういう重病の方がおられるんじゃないか、私はそう思うのですよ。ところが、三級までで切ったというその点が、その根拠がまた私はどうも納得いかない。何か事務的にあなた方か実態を把握しないで——人員を掌握する、把握することがむずかしいというようなことをいまおっしゃっておったようですけれども、そんなことはありませんよ。これは人員なんかはっきりしています。一級が何人、二級が何人、三級が何人、四級が何人、それがわからないようじゃこれはますますもってのほか。ですから、その病状の実態をよく把握されて、三級までで打ち切る——私は、もっと重病の方も四級以下にも、四級から七級までぐらいですか、いらっしゃるのじゃないかと思うのです。そういうところをよく実態をあなた方はおきわめになってやられたのか。人事院はただ机上のプランによっておやりになったのか。その辺のところがどうも私ははっきり理解ができないのです。その点どうですか。
  159. 中村博

    中村(博)政府委員 三級以上にいたしましたのは、これはもう先生とっくに御承知のように、三級は稼得能力の全部喪失の段階でございます。したがいまして、そのような重篤な方を今回の対象にするということでございます。
  160. 鬼木勝利

    鬼木委員 いや、それはわかっているのだ。ここに書いてあるから、そんなこと言わぬでもそれはわかっているよ。実際は四級以下の方でも、当たってみて、そんな重い病の人があるのじゃないかということを聞いているのですよ。それなのに、ここに書いてあるとおりのことを言わぬでもだったらこんなもの、書いた物を、説明資料をわれわれのところにいただかなくたっていいですよ。実態はどうなっているか。そういう方がおられるのじゃないか。もしおられたらあなた方どうしますか。
  161. 中村博

    中村(博)政府委員 先生、四級というふうにおっしゃいますけれども、三級と四級との一番顕著な差は、三級が労働能力の全損失ということでございます。もし仮に、いま障害補償等級表でいって四級の中にこのような三級に該当する方がいらっしゃれば当然三級になるはずでございます。そういう方は当然対象になるということに相なるのでございます。
  162. 鬼木勝利

    鬼木委員 いやそれは、そういう方がおられたら三級になるとおっしゃっているけれども、だからあなた方、実態をよく調査されておるかと言うのですよ。それじゃ、もしおられたらどうしますか。現在においては四級の者でも当然三級に上がるべきだ。上がっていなかったらあなた方はどうしますか。
  163. 中村博

    中村(博)政府委員 私の言葉が足りませんでしたが、現在の何級と言いますのは、これもとっくに先生御承知のように、傷病が治癒した場合の残存障害についての話でございます。  したがいまして、そのような場合ではなく、ただいまの傷病補償年金の話は、現在療養の給付が加えられておって、できるだけ早くより軽い障害を残す、できれば残さないようにいろいろな医療上の手当てがなされている段階の話でございます。したがいまして、そのような場合に一年六カ月たちまして、はっきり労働能力全部喪失だという時点におられる方はこれを今回の補償年金の対象としますし、また一年六カ月たった後、治らずに、たとえばそのときには該当しなくても、その後症状が治癒しなくて、あるいはまた増悪なすったというような場合においてその三級に該当するような場合には、当然その時点で傷病年金の対象者と相なってくるわけでございますので、その点はやはり労働能力の全損という段階に達すれば傷病補償年金の対象に相なる、こういうことでございます。
  164. 鬼木勝利

    鬼木委員 あなた方の説明だけ聞けばなるほどと思えるけれども、これは実際を当たってみますと、私どもでもやはり地方に行っていろいろそういう患者の方にお会いするというと、非常に気の毒な方があるのですよ、実際の話がね。わずかな休業補償をもらって、現行法では六〇%ですか、それで実際は植物人間といいますか、もう本当にとてもじゃないがこの人は未来永久にだめだと思うような人でもいわゆる六〇%で、当然こういうことはもう補償年金をいただかなければならない方なんですよ。そういう人でも間々三級以下になっている人があるのです。だから、そういうような人は病院に収容された時点からもうすでにこの人は植物人間としてだめだというような人はわかっているわけなんです。そこでやはり一年半しなければだめだ。これはまたさつきの話になるけれども、だから三級以下、三級でとめたという点もひとつよく実態調査をして再考慮してもらいたい。よく実態を調査把握してもらいたい。ようございますか。
  165. 中村博

    中村(博)政府委員 先ほど島田人事官からお答え申し上げましたとおりに、なお先生の御指摘につきましては私どももこの段階に引き続いていろいろ研究をさせていただきます。  なお、先ほど御発言の中で休業補償六〇%とございましたが、私どもとしましては、現在、先ほど総務長官も御発言に相なりましたように、法定外給付等にできるだけ近づけようというので、国家公務員独自にたとえば御遺族の方には百万円を国家公務員のみについて特殊な措置として差し上げております。また、この四月一日からは障害補償年金を三級該当の段階では百万円を特別に差し上げる、こういうことになっております。それと同時に、休業補償の場合でも、その給与が出なかった場合には、福祉施設として人事院規則で施行できます。いわば民間の労使協議で決まりますようなのと平仄を合わせまして人事院規則で二〇%をつけ足してございまして八〇%に相なってございます。  なお、先ほど御指摘のような、言葉は別としまして、植物人間の方には格別に介護料を差し上げておる現状でございます。
  166. 鬼木勝利

    鬼木委員 はい、わかりました。  次に、この法案について、第二の「神経系統の機能又は精神の障害等について、障害等級表の改正を行うこと」にしておりますと、別表に載っております。それは意見もありますけれども、それでいいとして、厚生年金と災害年金の併給の場合に二割カットした。これは年金の種類別で率を違うようにしてあるのですか、その点明確にしてもらいたい。
  167. 中村博

    中村(博)政府委員 いろいろな組み合わせで違ってございます。
  168. 鬼木勝利

    鬼木委員 いや、組み合わせでやっていることを聞いているのだ。各種年金——ようわからぬのじゃな。もっと勉強してこいよ。年金の種類別によってその率を皆変えているかということを聞いているんだよ。
  169. 岡田仁

    岡田説明員 ただいまの点でございますが、私から申すまでもございませんけれども、現在同じ事由に基づきましてほかの制度から給付を受ける場合、国庫負担の重複を避けるという意味で調整しておりますけれども、これにつきましては国家公務員共済組合法による年金を受ける場合、先生御承知のように、これが実は国家公務員が災害補償を受ける場合の大多数のケースでございますが、これにつきましては国家公務員共済法に基づきまして出ます年金の公務による割り増し分を停止するという方法をとっております。  それから、国家公務員の場合でも、ごく一部には厚生年金保険法の被保険者である人がございます。この場合には、従来までの調整方法といたしましては、同一事由について災害補償法による補償年金たる補償と、それから厚生年金の障害年金ないしは遺族年金が出る場合、向こうの年金の、厚生年金の方から出ます年金額の二分の一に相当する額、これは個人別に算出いたします、それをこちらの補償年金から差し引くという方法をとっております。  それからごく一部の方では、同時に国民年金保険法の適用を受ける。御本人の場合ですと障害年金でございます。それから御遺族の場合ですと母子年金、遺児年金、寡婦年金というものがございますけれども、この場合には国庫負担との関係を考慮いたしまして、国民年金から受ける給付の三分の一、これも個人別に計算いたしまして、三分の一の額をこちらから出ます補償としての年金から差し引くという調整方法をとっております。
  170. 鬼木勝利

    鬼木委員 それでわかった。それを私は聞いている。各種年金別に調整をとっているのだな。それは了解。それからその次に五番目、「審査の申し立て制度を改善し、福祉施設の運営について不服のある者について、人事院に対する措置の申し立てができることとしたことであります。」つまり異議の申し立てだ、こう思いますが、これはいままで二十五条は削除してあったのが、今度二十五条でこういうことがまた新たに出てきた、こういうことでしょう。これはどういうメリットがあるのかね。
  171. 中村博

    中村(博)政府委員 いままでは補償の実施についての異議申し立て制度はございました。ところが、先ほどもちょっと触れましたように、いろいろな福祉施設をいたしておるわけでございます。たとえば先ほど申し上げました特別援護金あるいは休業補償の積み上げのほかに奨学援護金なりその他いろいろな施設をいたしておるのでございます。したかいまして、そういうような国が使用者としての立場からいわば福祉的に差し上げておるいろいろな給付が額もふえ、また範囲も拡大してまいりましたので、そのような福祉施策が十全に、また迅速かつ公正に災害を受けた方々に達しますように、もし国として決まったものを十全に行っていないような場合がございましたら、このような措置の要求をしていただいて、そしてその福祉の十全を図ろう、こういう趣旨合いで、いわば国が積極的に行っておりますのをよりよく確保するということでこのような制度をつくらしていただくということを考えたのでございます。
  172. 鬼木勝利

    鬼木委員 それでは、この二十五条のメリットとして、私はどうも納得がいかないが、この条項を修正したその背景は一体何であるのか。たとえば補装具の支給だとかあるいは二十二条の福祉施設の運営に関して不服のある者とか、そういうような人かたくさん出てきたわけですか。そういう不服のある人がたくさん出てきたから急遽こういう条項を修正した、もしそういう人がたくさん出てきたということであれば、単にその申し立てを認めるというだけであって、何ら中身の修正とかいうことじゃないわけなんだ。そうでしょう。傷病補償年金制度の創設ということに対する何もメリットはないわけだ。これはつけたりで、見せかけにこういうことをやったのか。これは一つの見せかけだな。
  173. 中村博

    中村(博)政府委員 いろいろ御批判をいただいたわけでございますが、たとえば先ほど申し上げましたように福祉施設の範囲が相当拡大してまいりまして、たとえば一つ奨学金の例をとってみますと、特殊な条件の方には一定の奨学金を差し上げておるのでございます。その場合に、実は自分はこれだけもらえることになっておるのにもらっていないという御不満か仮に出ました場合には、そのような御不満をいつまでも残しておくということは、これは大変よろしくないことでございます。したがいまして、そのような災害補償本体についての審査請求とあわせて福祉施設として国が使用者の立場において行なわれておりますものが、その量及び質的に拡大されてまいりましたので、それがより十全に実施されることを確保するために現段階においてこのような措置を講じまして福祉の十全を図りたい、こういう気分でございます。
  174. 鬼木勝利

    鬼木委員 だから、現時点においてそういう声がたくさん起こってきたかということを尋ねているのだ。どうですか。
  175. 中村博

    中村(博)政府委員 現時点におきましては、私ども御承知のように補償の実施につきましてはできる限りの監査をいたしていろいろな御意見も聞いておるわけでございます。私どもの聞き方が足りないのかもしれませんけれども、そのような声を直接にお聞きしたということはございません。しかしながら現実に、先ほど申し上げました例で申しますと、奨学援護金をこれこれ差し上げるということになっておりますのに、実は計算間違いなりあるいは考え間違い等々がございましてその額に達していないというような事態は、監査の結果、間々あるわけでございます。その点につきましてはあらゆる機会をつかまえて適正に行っていただくように間違いのないようにお願いしておるわけでございますが、やはりその受けられる方からのお声も十分お聞さすることが福祉の十全を図る意味において不可解なことである、かような判断に達しましたので、このような改正をお願い申し上げている、こういうことでございます。
  176. 鬼木勝利

    鬼木委員 どうも考えるのに、突如としてこういう条項の修正をやって出してきたということは、いま突如として声が起きてきたということならばなおさら私は悪いと思うのだが、ずさんでほったらかしておったということになると思う。ところが、こういうことを入れたということは、何かそういう問題がどこかに起きたのじゃないか。あなた方の管理、施設経営が悪かったのじゃないか。何かそういうことを隠蔽するためにこういう条項を出したのか、何もないところに突如としてこういうことが起こるわけがない。二十五条を削除しておった。どこかに、会計検査の結果か何か知らぬけれども、何か不都合な点があったのじゃないか、どうです、この点は。簡単に通り一遍のことを言わぬで、本当のことを言わぬとつまらぬ。
  177. 中村博

    中村(博)政府委員 本心を申し上げますと、本心は先ほど申し上げましたとおりでございますけれども、監査等々におきまして福祉施設の実施状況を見ておりますと、私どもとしましてはその適正実施のためにいろいろな努力はいたしておるつもりでございますが、なお間違いがある。それではせっかく福祉施設を設けたことの意味が減殺されるという反省に立って、このような措置をお願いする、こういうことでございます。
  178. 鬼木勝利

    鬼木委員 そういう判定に立ったというのは、そういうことをいま気がついたのか、ますますおかしい。うまくやっていないのじゃないだろうかなどということをいま気がついたのですか。それじゃいままでほったらかしておったのですか、もう少しはっきり言いなさい、こういう条項の修正を出したということは。だったら有病患者の方はいままで気の毒ですよ、かわいそうですよ。そういう人こそ大事に大事にしなければならぬ。それを患者の皆さんから異議申し立てができるようにしたなんということは、その点ひとつ……。
  179. 中村博

    中村(博)政府委員 先ほども申し上げましたように、福祉施設は範囲が拡大され、またその中身も充実されてまいりましたので、遺憾ながらいろいろな実際上の間違いがあるということを監査の結果発見し、その都度是正いたしておるわけでございます。そのようなことでいままでやってまいりましたが、それよりもむしろそういうこととあわせて、実際に福祉施設を実施する場合に、この福祉をお受けになる方々からこれが足らぬじゃないかというような御発言を率直に聞いてより完璧を期そう、こういう心でございます。
  180. 鬼木勝利

    鬼木委員 だから私が言うのは、いままではそういうことを言ってもあなた方は取り上げなかったか、こう言っているのです。それはいままでだってああしてください、こういうところにこういう機械を置いてくださいとか、こういうことをやってくださいということがあったろうと思う。そういうのをいままで聞かなかったか、耳を傾けなかったか、こう言うわけです。弱い者の言うことは聞かなかったか。
  181. 中村博

    中村(博)政府委員 私どもさような気持ちはさらさらないのでございまして、たとえば先般、御遺族の方々にどのような点をお望みでございますかというようなことを中心とした調査をいたしたことがございます。そういう場合に、国としても、御主人がお亡くなりになったわけでございますので、大変心細いからあらゆることに、できるできないは別としても、相談をするような体制をとってもらいたいという御要望がずいぶんございました。そのような御要望を受けまして、人事担当者の会議におきまして、できるだけ御遺族と接触してそのお声を聞き、また御相談に乗れるものは乗っていただきたいというようなことを念のために実施機関に向って御要望申し上げたというような経緯のように、あらゆる場合において私どもは御遺族なりあるいは災害を受けられた方々のお言葉あるいはお気持ち、それを無視するというような気持ちはさらさらございません。
  182. 鬼木勝利

    鬼木委員 いや、だから遺族の方とかあるいは患者の方からそういう御要望もたくさんあったからとあなたいま言ったじゃないか。私が先ほどそういう要望があったのかと言ったところが、あなたはそういうことは特別あったわけではない、いまあなたはそういう要望かあったからと、どうも言うことが支離滅裂で、何言っているかわからぬじゃないか。だから、要望があったからこういうことを念のためするようにしましたと、ではいままでは要望はあっても聞いていなかったのかと、答えをはっきり聞いているんですよ。
  183. 中村博

    中村(博)政府委員 私の言葉足らずでございましたが、福祉施設についてこのような制度をつくれという御要望はございません。
  184. 鬼木勝利

    鬼木委員 わかりました。いずれにしても私も善意に解釈しまして、あなた方がそういう弱い方や気の毒な方、遺族の方のお声を聞いていない、弱い者をいじめておるとは思いません。今後ともこういう条項を修正して出される以上はこれが生きた法になるように、大体御病人の方とか遺族の方からああしてくれこうしてくれと言われぬでも、こちらから皆さんが御満足なさるように弱い方を本当に至れり尽くせりやっていくというのが福祉施設なんだ。福祉施設というのは観光施設じゃないのだ。だから私は、この条項を見た場合にどうも納得がいかなかった。これは何かあるんじゃないかと思った。根性が悪いようだけれども、私はそういうふうに考えたんだ。根性が悪いように見えて実際はいいんだからね。だから、時間が大分超過してはなはだ済みませんけれども……。
  185. 中村博

    中村(博)政府委員 福祉施設の問題につきましては先ほど申し上げましたような態度でおるわけでございますが、私どもとしては現在の施設のあり方をもって足れりといたしてはございません。したがいまして、もう一年くらい前から専門家の方々にお集まりいただきまして、現在のほかに国家公務員の福祉施設としてはいかがあるべきかということを大変御熱心に検討していただいております。そのような結果も十分御参考にさせていただきましてなお一層の発展に努めたいという気持ちでございますので、一言申し添えさせていただきます。
  186. 鬼木勝利

    鬼木委員 よくわかりました。総裁もお留守であったのであなた方に御迷惑をかけましたけれども、総裁には一日も早くお元気になられるように私も祈っております。また、あなた方からよろしくお伝えを願いたい。  どうぞひとつ、公務員の方々も好きこのんで病気されたわけじゃないのだから、公務のためにお気の毒なそういう事態になられたのだから、十分ひとつ温かい気持ちで法案の立案でも実際の面においても至れり尽くせりお考え願いたいと思う。  ではこれで、御無礼いたしました。
  187. 竹中修一

  188. 受田新吉

    受田委員 今回の改正法案の中身の中に特色の一つとして取り上げられている改正点、「神経系統の機能または精神の障害等について、障害等級表の改正を行うこととした」という提案理由の説明のもとに、五等級に掲上されてあるわけです。私、ここでちょっと指摘したいことは、公務執行中神経系統もしくは精神の障害ということはどういう状態を示すものであるか御答弁を願いたい。
  189. 中村博

    中村(博)政府委員 たとえばノイローゼにおなりになったような場合が一つあると思います。
  190. 受田新吉

    受田委員 ノイローゼになった場合は神経系統の問題、しかし精神の障害とはどういう場合ですか。
  191. 中村博

    中村(博)政府委員 たとえば一つの精神分裂症等を発症なさった場合があると思います。
  192. 受田新吉

    受田委員 公務に起因して精神分裂の症状を呈するということですね。公務に起因しなくてもいいわけですか。
  193. 中村博

    中村(博)政府委員 公務に起因することを要します。
  194. 受田新吉

    受田委員 公務に起因するということになると、いじめられる、まあ国会でもつるし上げられて盛んにやられるものだからノイローゼになって、高級官僚が精神の障害を来すという場合もあり得ると思うのです。そういうのは、それは国会の質疑の状態等が過酷で、恐怖心を起こさしめ、ついに分裂症を発症する、こういう場合は公務による、この規定に該当するのですか。
  195. 中村博

    中村(博)政府委員 いま先生のおっしゃったことに直接のお答えになるかどうかわかりませんが、私どもがここで御答弁さしていただいておりますのは公務でございます。したがいまして、それと仮に因果関係があることが医学的に立証された場合には、まあ精神病は別問題としましても、そのような因果関係があれば公務上と認定されるべきものである、かように考えます。
  196. 受田新吉

    受田委員 過去においても、政府高官が国会の質問が非常に手厳しくて、まさに自殺を志さんとするような人もあらわれた状態があったわけです。そういうときはやはり公務に起因する、こういうことになるかどうかということですが、精神の問題は非常にデリケートである。事は十分検討していただかなければならぬ。まだ法務省から解釈がどうかという問題があるようですが、それは法務省が来なくてもわかることでありますから、同時にここで私一つ取り上げさしていただきたいことがあるのです。  刑事訴訟法第二百三十九条に、「官吏又は公吏は、その職務を行うことにより犯罪があると思料するときは、告発をしなければならない。」という官吏、公吏に特別重い義務規定がある。特に税務職員などは、この税務調査の過程において、これは犯罪——ちょうと児玉譽士夫君のようなのかいま出てくるわけです、そういうときに犯罪がここにひそんでいる。脱税の意図がある。まだそのほかにもいろいろ、麻薬取締官なるがゆえにいろいろな犯罪が予想される。海上保安官、これらもそうです。こういう特殊の勤務を持っておる官吏または公吏はその職務執行に当たって犯罪がひそんでおると思量する場合がしばしば起こるわけだ。そのときは告発しなければならないという規定があるわけです。「告発することができる。」のじゃない、義務、「しなければならない。」黙っておってはいかぬのです。それほど官吏、公吏は重い使命を持っておる。ここにおられる皆さんも皆官吏、公吏ですから、同様刑訴法二百二十九条においてどの公務員も全部その使命を持っておるわけです。国会職員といえども全部同じことです。そういう重い使命を官吏、公吏は負わされておるのです。黙っておってはいかぬ、傍観してはいかぬのです。  その官吏、公吏が犯罪ありと思量する、告発する、告発した結果、お礼参りが行われるということがよくあるのです。いいですか。あいつが言うたからおれはこういうことになったのだ。これはとにかく税金の問題など大変です。そういうときに、脱税その他の犯罪がひそんでおるということで官吏が告発した。そうしてそのためにお礼参りに殺されたというときは、公務執行上の責任を感じて告発した、そのために相手からお礼参りをされて殺害されたというときは、公務による死亡ということになるかどうかです。
  197. 中村博

    中村(博)政府委員 個別的な例ではいろいろな態様があり得ると思います。しかし、それがお礼参りかどうか存じませんが、職務上の怨恨に基づいてさような事態が不幸にも生じました場合には一般に公務上とするという解釈でございます。
  198. 受田新吉

    受田委員 その恨みの仕返しが、よし役所でなくて、自宅においてあるいは別途夜陰に乗じて外部の、公務執行とは関係のない場所で殺されても、公務執行に基づく死亡と、こういうことでよろしいかどうか。
  199. 中村博

    中村(博)政府委員 お説のとおりでございます。
  200. 受田新吉

    受田委員 非常に明快です。そうすると、公務員も安心して犯罪と思量するときはこれを告発して、そうして社会正義のために闘うという意欲がわくわけなんです。そのお礼参りという事態が起こるなどということは、私予測することもいやでございまするが、おおむねこうした税務官吏あるいは麻薬取締官、そういう特殊の使命を持つ公務員には、そうした仕返しを恐れてやってはしようがない。現に児玉譽士夫君がいまごろになって、彼がどうだった、こうだったということをいろいろと世間でやっておる。当時は恐れて黙っておった分をいまになってやった。りっぱな邸宅ができたのに対しても税金をようかけぬでおった。公務執行上の大変な大きな迫害を感じておったのだが、これはこうだということをいまぴしっとやって児玉君にやられたというときは公務死亡と、こういうことですね。
  201. 中村博

    中村(博)政府委員 先ほど申し上げましたとおりでございます。
  202. 受田新吉

    受田委員 そうしたことで、公務員というのは非常に重い使命を持っておる。職務執行上傍観できない義務を負わされておる。これは人事局長さん、それほど重い使命を持っている公務員です。自分の知ったことを黙って告発しなければしないで済む問題かどうか。黙っておれば、さわらぬ神にたたりなしですね。そういう公務員が多い中に、勇気を持って犯罪がひそんでおると告発するという公務員、むしろそういう公務員こそ優秀な公務員であって、これに対して何らかの恩賞を与えるということはどうですか。
  203. 秋富公正

    秋富政府委員 ただいまの先生の御趣旨、まことに私たちといたしましてもごもっともと思います。また人事を預かっておる者といたしましても、まことにありがたい御指示でございます。ただ、現在のいわゆる栄典制度と申しますものにはそれぞれの規定がございまして、的確にいまの御指摘のことにこたえ得るかどうかということにつきましては、必ずしも沿い得ない面もあるかと思いますが、そういった面も含めまして、私といたしましては、今後もいかにあるべきかということを検討いたしたいと思っております。
  204. 受田新吉

    受田委員 刑訴法の規定にかかわらず公務員に対する表彰という規定もあるわけなんですが、人が恐れて、おびえて普通は言われないことを勇気を持って社会正義のためにがんばっておる人に対しては何らかの形で恩典を与えなければいけないと私は思うのです。そういう人が本当に公務執行上のまじめな人で、黙って、さわらぬ神にたたりなしというようなことをやっておるからマンネリ化して、官界だってとろっとしてくる。信賞必罰、ぴしっぴしっと、すべてをぴしっとやるところに、その勇気、決断、そういうところに行政の運営の妙味があるわけなんですね。時に悪いことをした公務員は処分し、よいことをした公務員は表彰する、信賞必罰がぴしっといかなければいかぬです。そのことについては人事局長、いろいろと行政運営の上において、いま私が申し上げたことについてりっぱに運営が行われていない欠陥はないかどうか。
  205. 秋富公正

    秋富政府委員 私の方は毎年度人事管理運営方針というものを定めまして、これは各省庁の人事課長、官房長また次官会合で報告しているものでございますが、その際にも、いま御指摘の信賞必罰、職場規律の明確ということは絶えず強調しておるわけでございます。今年度もその点は強調しておるわけでございます。私は、そういった点については、これは人事管理の基本に関する問題の一つでございますので、各省ともこの点については万々遺憾のない措置が行われておるものと確信いたしております。
  206. 受田新吉

    受田委員 法務省の方、来られましたか。  鈴木議官、御到着直後で大変申しわけないのですが、ただいま私が質問しておりますことは、刊訴法の第二百三十九条の二、官吏または公吏は、その職務執行に当たって犯罪ありと思量するときは、告発しなければならないというこの規定について、いま人事行政上の質問をしたわけです。  そこで、今度は別の角度から、つまり公務執行に際していろいろな法規違反をやったことを一応認めて告発した公務員に対して、お礼参りという行き方が一つあって、そこで殺害をする、傷害を与えるということがある。そのときは公務死亡、公務傷害だということです。うしの刻参りのような不能犯の場合は別ですよ。しかし、もう一つ、本人に対してお返しをするのでなくして、そこへ、本人の家を訪れて、本人がいなくて妻や子供に対してお礼参りの仕返しをしたという場合はどういうことになります。その場合は、例の警察官の職務に協力、援助した者の災害給付という問題になるのかどうかです。家族は殺され損かどうかです。ところが、御主人が殺されたんなら、それは公務死亡で五割増しの給付がもらえる。御主人と思って殺された方が御主人でなくて奥さんだったら何にもないとなったら、これは大変な不公平です。そうでしょう。ということはあり得るのです。大事な問題です。
  207. 鈴木義男

    鈴木説明員 警察官等の職務に協力した場合に受けた災害補償の問題の主管は警察でございますので、直接私ども関知しておりませんけれども、あの法律におきましては、警察官の犯人の逮捕等について警察官に協力した、あるいは警察官から援助を求められてこれに協力した、そういう場合に災害を受けた場合というように、ちょっと漠然としておりますけれども、理解しております。
  208. 受田新吉

    受田委員 これはどうですか。つまり、非常にデリケートな問題ですけれども、いま中村職員局長は、公務員が職務執行に当たって犯罪と認めて告発した、そのときにお礼参りにやってこられて殺されたら公務災害、それでもう五割増。そしてその五割増で奥様にも、亡くなった方の遺族に対してもちゃんとした手当てができる。ところが、御主人が殺されないで奥様が殺された、御主人を殺しに来たから、奥様はこれを支えて犯罪を起こさないように防ごうとしたら逆に奥様の方が殺されたという場合に、つまり警察官がそこに出てはいないか、御主人を殺そうとした者に対して、公務執行をやった御主人に対してお返しに来たのに対して奥さんがこれを阻止しようとした、そのときに逆に奥さんが殺されたという場合は、これは警察官の職務執行に対する協力かどうかです。つまり、公務執行に対して怨恨で反撃が来た、それを阻止するために奥さんがやったのですよ。法律論として非常に大事な問題です。
  209. 鈴木義男

    鈴木説明員 先ほども申し上げましたように、警察官の職務に協力した者に対する補償の問題は少しむずかしいのではないかというふうに思いますけれども、刑事事件に関連いたしまして、刑事事件について内容を知っている者、すなわち証人とかあるいは参考人となり得る者、あるいはその親族に対してその事件のことで殺したあるいはけがをさせたという場合につきましては、別に法律がございまして、その法律で補償が行われるということになっております。その法律は、昭和三十三年法律百九号、証人等の被害についての給付に関する法律というのがございまして、いわゆるお礼参り、刑事事件について、これは公務員であるかどうかということは関係ございませんで、刑事事件について証人あるいは参考人となる者について、その本人はもちろんのこと、本人の家族、親族に対して危害を加えたという場合に補償を行うことになっております。
  210. 受田新吉

    受田委員 この問題は、犯罪被害者補償制度というものをどうするかという問題がいま世論としても起っておる。当局としても御調査しておられると思うのです。そういう問題が根本的にその制度ができれば救われることですが、私がいまここで指摘しておるのは、公務員か公務執行上の結果犯罪があると認めて告発した、そしたら相手方が腹を立て、怨恨を感じて襲いかかってきた、そのときにそのまま殺されれば公務災害死、奥さんがやられたら何もない。奥さんがそれを阻止しようとしたら何もない。これは普通だったら……これは普通の人がやられるのとは違うのです。公務死になる。公務災害の対象になるというような殺され方になる。ちょっと違うのです、タイプが。そのときにそれを阻止しょうとした奥さんがあるいは子供さんが逆に殺されたというのは、公務災害死かどうかというところへ立ち会った場合だから、普通の、いまお話しの出たような昭和三十三年の証人等とは性質が違うのですよ。こういうことは、ちゃんとやはり一応こういう場面も想定した対策が私は要ると思うのです。御主人と奥さんと、その相手が違うことで大変な差が起きてくるのですね。これは警察官がおらなければ警察に協力にならぬ、当然警察官がおらなければいかぬのにたまたまおらなかった場合においても、警察官がおらなければいけぬことになるのですか、あの法律は。当然これは警察官かおらなければならぬのにおらなかったので、犯人をつかまえようとして殺される、警察官がおろうとおるまいと、そういう場合はどうなんですか。
  211. 橋本佑三

    橋本説明員 警察官の職務に協力援助した者の災害給付に関する法律二条の規定によりますれば、警察官が協力援助した場合はもちろんでございますけれども、警察官がいない場合であっても、人の生命、身体、財産に危害を及ぼすような被疑者を逮捕しょうとした場合災害を受ける、あるいはそういった犯罪によって危害が及ぼうとしている者を救助しょうとして災害を受けた場合には、この法律の適用がございます。ただし、これが自力救済のような、たとえば自宅にどろぼうが入ってきてそれを逮捕しょうとしたといったような自力救済の場合は適用になりません。要するに、どこかの家庭にどろぼうが入って、どろぼうだ、こう言っており、あるいは格闘しておる、それを第三者が見て救助なり逮捕行為をやった場合には、警察官かいなくてもこの法律の適用があるわけでございます。したがいまして、ただいまの先生の御質問の件につきましては適用にならないと思います。
  212. 受田新吉

    受田委員 それは課長の御発言でいくならば、その官吏が、たとえば税務職員にしましょう。税務官吏が脱税を見つけて告発した。なにあの役人のやつ、おれの秘密を暴露したと言ってお礼参りに来た。そしてそのまま黙って殺されておれば公務災害死。それを御主人が殺されようとするんだから、奥さんがあるいは息子が行ってこれを阻止しようとする。つまり、当然第三者が出ると同じじゃないですか、妻や子が助けに行くのならば。それは警察官の協力と同じじゃないですか。
  213. 橋本佑三

    橋本説明員 血族同居の親族等が被害に遭っている場合には、その犯人を逮捕しょうとしてもこの適用が除外されておるわけでございまして、したがいまして、問題ではありますけれども、適用にはなりません。
  214. 受田新吉

    受田委員 これは非常な欠陥がありますね。主人が殺されようとする、父が殺されようとしている。外部から殺人犯が襲ってきた。そいつを死を賭して覚悟で飛び込んで阻止しようとして殺された。それは何ら補償の道かない。しかも御主人は公務執行者として、御主人が亡くなるんなら公務災害死、奥さんは犬死に、これは大きな相違ですよ。総務長官、検討してもらいたいです。
  215. 植木光教

    ○植木国務大臣 これは公務災害死という中には入らないと存じます。これは専門家の御意見も聞かなければなりませんが、私が承知しております範囲内では、そういう場合には公務災害死の適用は受けられないと存じます。しかしながら、いま御指摘の問題はきわめてあり得ることであり、またそれが実現といいますか、そういう事件が起こりましたときの被害者はきわめて悲惨であり、お気の毒であるわけでございますから、公務災害法とは別のものといたしまして、何らかの救済の措置をとる必要があろうかと存じます。研究をさしていただきます。
  216. 受田新吉

    受田委員 大臣は勘違いしておられるのです。私がいま指摘したのは、御主人が亡くなられたら、これは公務災害死になるのです。ところが、奥さんがそれを助けた場合は、公務災害死ということでなくして、警察官の職務協力という形の方の法律の適用にならぬか、こう私はいま指摘したのです。警察官がいなくても、もう肉親であるとそれが外れておるということですから。御主人の場合には、殺されたら公務災害死亡ということになる。奥さんや子供が御主人を襲ってきた者を阻止しようとして殺された場合は、そのいまの警察官の職務に協力をした立場から来る災害給付法のあの法律の適用を受ける、こういうふうに研究すべきものだと思うのです。それを私がいま指摘したのです。ところが、それが肉親でなければ警察官の協力死に当たるんだ、肉親であるがゆえに協力死に当たらないんだといういまのお説だから、これは矛盾だ。肉親であろうとなかろうと、そういうときには警察官に協力した者ですから、普通だったら警察官がおったら阻止できるのを、警察官がおられなかったから、たまたまそこへ警察官が通りかかったら、それは肉親であろうと何であろうとすぐ協力になるわけです。警察官がおらぬとそれがだめになるというのは、これは大変おかしいので、どうもここに一つ矛盾がある。公務災害ということとじかに関連する問題です。そうせぬと公務員というものは安心して告発しませんよ。つまり、知っておっても黙っておるような悪いくせがつくですよ。これは犯罪があるというのを、後からお礼参りに来るし、後がうるそうなるぞ、自分の家族まで怨恨でやられるかもしれぬぞとなると、せっかく社会正義に立ち上がろうとする真っすぐな公務員が脱線を知っておりながら黙っておっておる。これは今度の児玉譽士夫事件と相通じておるじゃないですか。  そういうようなことを考えてみるときに、むしろこの際、公務災害死亡、この法律に関連して、そういうときに刑訴法二百三十九条をもっと活発にどんどん活用して——審議官、そうですね。あの二百三十九条をしっかり生かした方がいいでしょう。御答弁を……。
  217. 鈴木義男

    鈴木説明員 刑事訴訟法二百三十九条の第二項は、公務員が職務上犯罪を発見した場合には告発しなければならないという規定になっておりまして、そういう事態が出ました場合には、原則として告発の義務があるというように解しております。
  218. 受田新吉

    受田委員 非常に大事な規定があるのです。黙っておる方が悪いのです。しかしながら、黙っておるようになるですよ、いまのような後の処理がよいかげんにされておったら。もう不安で、自分がやられる場合も、また家族がやられることを考えたときに、これはもう不安ですから、まあ黙っておるかということになりますよ。  それから賄賂の横行も当然ですが、この点お互い公務員が賄賂をもらっておる、あいつが賄賂を取ったというときには、隣の公務員がちょうど職務関連であいつを告発してやろう、こうなれば収賄罪で告発すればいいのをまあ黙っておろうということになってくる。そうすると官界の腐敗、堕落の根源になるのです。むしろこの際、綱紀、官紀の粛正という意味から、この告発義務などを大いに奨励して、そしてそれに伴う賞でも出すべきですよ。それは大事なことです。人事院の職員局長中村先生どうですか。あなたの方がこういうことは国家公務員法で解釈その他でしっかりしたものを出す責任があるのですから。
  219. 中村博

    中村(博)政府委員 いま先生御指摘の点は、国家公務員法でもはっきりうたっておるのでございまして、国公法の九十八条一項は、「職員は、その職務を遂行するについて、法令に従い、且つ、上司の職務上の命令に忠実に従わなければならない。」先生御承知のとおり。したがって、職務遂行については法令に従いという場合の法令には、ただいまのような御指摘の法令も当然入るわけでございます。したがって、遵守義務は濃厚にここで決められておる、かように相なると思います。
  220. 受田新吉

    受田委員 だから、その際に、次の措置も十分とるように、いまのような警察側の仕事に協力した場合の補償措置などももっと親切にとっておくべきですよ。この点、非常に問題がひそんでいる。公務員に犯罪の告発義務を与えておきながら、その後の対策を十分してないために、実際はさわらぬ神にたたりなしと逃避的な気持ちを公務員が持つようになる。残念です。植木長官はそういう人事の最高責任者です。むしろこの際ぴしっとしたものを持って官紀、綱紀の粛正、そのためには法規にもっと手だてすべきものがないかをしさいに見て——家族をいまの公務災害死にしてくれと言うのじゃないですよ。私はそれを言っているのではない。別の警察官協力災害給付法の対象にせよということは、公務員に関係する法律だから一当然あなたが国務大臣として、後の問題に響くからどうかひとつこの法律は公務執行上の関係法規として改正してくれないかと法務省や警察庁に要望されたら、いい改正案が出ると思うのです。
  221. 植木光教

    ○植木国務大臣 先ほど私が御答弁申し上げましたのは、受田議員から警察官のみならず麻薬取締官でありますとがあるいは税務職員でありますとか、ほかの職員をも含めました国家公務員の刑事訴訟法との関連による事件か起きた場合の御質問として御答弁を申し上げたわけでございます。したがって、ただいま仰せの警察官及びその家族等につきましての問題は、これは別個のものでございますから、いま仰せのような御趣旨につきましては警察庁長官が所管をいたしておりますので、私はその問題提起につきまして十分連絡をいたしまして、その救恤のための措置をとられるように要請をいたしたいと存じます。さらにまた、他の職員につきましても検討をすべき問題だと思いますので、各関係省庁に要請をいたしたいと存じます。
  222. 受田新吉

    受田委員 総務長官の御決意を伺ったから御期待を申し上げることにして、この問題は一応おさめることにします。鈴木議官御苦労でございました。突如としてお呼び申し上げて申しわけありません。非常に誠実なお方であることを感謝します。  私もう一つ、こうした公務災害というような問題にぶつかるまじめな公務員を大事にする意味で、別途、危険も顧みずに職務の執行に当たった公務員に対しては、それぞれの面で賞じゅつ金という制度があるわけですね。これは公務災害を基礎にしてその上にプラスアルファ。自衛官の場合は、一身の危険も顧みずに抜群の功労をもって一般の模範とするに足るという場合は、三十八年四月の訓令で特別な措置をしていただく。いま量局一千万超えましたか、幾らですか。
  223. 竹岡勝美

    ○竹岡政府委員 四十九年のときに一千万に上げていただきまして、ことし五十一年度からこれを千三百万円まで上げようということで警察庁といま打ち合わせ中で、大体これが実現するのではないかということで努力しております。
  224. 受田新吉

    受田委員 自衛官の場合は、特にジェット戦闘機などのような非常に危険な飛行機に乗って、国土、国民を守るために、祖国を守るために奮励努力して殉職した、非常に危険率が高い飛行機に乗って、あえて身命を顧みずに殉職したという場合などは、これは千三百万の賞じゅつ金が出ることになっておるということをいま伺いました。もちろん今度警察官だって、そういう身命を賭してやった場合は、これは警察官も同額にしてありますか。警察庁どうですか、千三百万ですか。
  225. 橋本佑三

    橋本説明員 同額でございます。
  226. 受田新吉

    受田委員 さらに警察官、自衛官だけでなくて学校の先生。子供を連れて海水浴に行った。急に波風が立って子供たちが波の間にさらわれる、あるいは船が転覆した。かつて大正時代の井の頭公園の松本訓導の物語を思い起こしますが、最近においても、こうした身命を賭して愛児を救った教師が各所にある。そういうときに、波間を見え隠れする子供をまあまあ危ないからと見逃す先生と、危険も顧みず飛び込んで子供を救い上げて、そして御自身も救いに行くときは、もう自分は助かるかどうかわからぬ、されどこの子供たちを助けたいという師弟愛に燃えた、教育愛に燃えた先生の行為、帰れるか帰れぬかわからぬのを飛び込んで救うというような行為は、これはもういまの自衛官や警察官の最高の功労と全く同等か、またはそれ以上の崇高な使命感というものである。こういう場合はどうなってくるのですかね。
  227. 中村博

    中村(博)政府委員 その場合は現在の法制では、御承知のように一般の公務災害になるということでございます。
  228. 受田新吉

    受田委員 一般の公務災害の場合と、これはもう帰れるか帰れぬかわからぬ、しかしあの波の向こうにいる子供を、おれは力が尽きるかもしれぬが命をかけて助けに行こうという場合とがありますよね。その行為そのものはもう本当に生死を乗り越えた命がけ、捨て身です。そういうときは警察官なんかと同じような教育愛の権化ですよ。そういう場合には、やはり賞じゅつ金の対象にすべき性質のものじゃないか。あるいは災害時にそういうことが起こる。おおむね普通の扱いをした公務執行と、危険を乗り越えて最高の扱いをした場合と、これはかけ隔てがあると思うのです。そういう場合はしばしばはないが、しかし、そういう場合を考えていいのじゃないか。賞じゅつ金制度というものは別に警察官と自衛官だけでなくして、他の職種にも、海上保安官だってそうですね。海上保安官にはありますかね、いまのような賞じゅつ金制度が。
  229. 秋富公正

    秋富政府委員 ただいま賞じゅつ金制度がございますのは、御指摘の警察庁、防衛庁以外に法務省、それから海上保安庁、消防庁にございます。
  230. 受田新吉

    受田委員 そうそう消防庁がある。監獄官吏、これは監獄法が改正されなければまだ監獄官吏ということになる。大変古臭い名前です。収監されて刑の執行を受けている人が脱獄しようとして、それを阻止しようとしてやった場合なとは——これはもう脱獄させるのが一番楽で、出ていけと言えば危なくないが、それをつかまえようとして、せぬでもいいのを無理をして殺されたらどうなるのですか。
  231. 秋富公正

    秋富政府委員 ちょっと私のお答えが不明確でございましたので、もう一度申し上げますと、警察庁、防衛庁、法務省、海上保安庁、消防庁でございます。
  232. 受田新吉

    受田委員 その法務省の職種です。法務省というのは普通の法務省ということですか。全部の職員ですか。
  233. 秋富公正

    秋富政府委員 これは趣旨からいたしまして、やはり職務に伴いまして非常に危険度の多い職種を持ちますところの省庁でございまして、法務省と申しますと当然にいま御指摘のような職種でございます。
  234. 受田新吉

    受田委員 警察官の場合もこうした賞じゅつ金制度を受けるのは、地方公務員の災害補償法の対象になる人、国家公務員の方の対象になる人は大体警視正か警視長以上の地位にある人、こういう方々が身命を賭して殉職をされるという例がいままでありましたか、ないか。
  235. 橋本佑三

    橋本説明員 ただいま先生が御指摘しておられるようなケース、つまり高度の危険をあえて顧みず、その危険を避けることなく職務上の義務から職務を遂行して、そのために殉職したといったようなケースは警視正以上の警察官にはございません。ただし、警視正以上の警察官で公務災害補償の適用になった事例はある程度ございます。
  236. 受田新吉

    受田委員 土田警視総監が爆弾の贈り物を受けて奥さんが亡くなられたという悲しい事件がありました。そのときに、仮定の問題ですが、もし当時の土田部長、いまの警視総監がその小包をあけて、爆発で亡くなられた場合にはどういうことになるのか。
  237. 橋本佑三

    橋本説明員 この場合も先ほどの御議論になったようなその警視総監の職務と小包を受けたこととの因果関係が公務と認定されれば、公務災害と言えるかと思います。ただし、これは制度省たる人事院の権限に属することでございます。
  238. 中村博

    中村(博)政府委員 土田さんの場合は、あの内容をよく存じませんので直ちにお答え申し上げかねますけれども、やはりその荷物の発送者、あるいはその中でその中身が爆発物であるというようなことが予測されるというようないろいろな事情を勘案する必要がございますけれども、先ほどの御答弁申し上げましたようなことで、それか職務遂行に関する怨恨に基づくことがはっきりすれば、これは公務上になります、そういうように思います。
  239. 受田新吉

    受田委員 こういうことはもう因果関係を必ずぴしっとしておかなければいかぬわけだ。結果から見てもわかるわけです。これはもう不特定、つまり警察官に対する恨みという意味で小包が行ったか、あるいは土田さんがその親分であるから行った、それを奥さんが開いたのか。つまり特定であるかあるいは不特定であるか。つまり、警察官という職種に対する、その一番親分であるというので行ったのかというようなところもいろいろあると思います。こういうことは常に制度をきちっとしておいて、後から異論を差しはさむすきがないほどぴしっと、こういうことはいい方へいい方へ解釈して、この制度をつくっておかなければいけません。そうしないと公務員は、つまりさわらぬ神にたたりなしになるのです。これだ、身を挺して職務執行に当たりたいという気持ちを起こさせる。学校の先生にしても、子供が危険になったときには危険にさせぬように予防がいると同時に、危険になったら飛び込んでいくという師弟愛が発露されたときには、最高の補償をしてあげるというふうに制度を設けておく必要があるのです。  自衛官でも、この間も山口県の私の郷里で、防府の北基地の若い将校が亡くなられた。その奥さんがどうするかという問題にぶつかってきた。また私の県では、三年前に警察官が犯人を逮捕に行って二人ほどやられた。私はその遺族を終始見舞いに行っておる。見舞いに行っておるが、後は悲惨ですよ。若い婦人が子供を抱えて、みんな悲惨。それだから、そういうときには最高の待遇を、危険を顧みずやったというようなことは本当に崇高な使命遂行だから、それは最高の礼をもってしなければいかぬ。自衛官だって若い自衛官で若い奥さんが後に途方に暮れることがないようにその後の措置がしてあるかどうかです。こういう一般の制度上以外に温かい愛情をもって友情としてその家族を別途激励しておるかどうか。人事教育局長、ひとつ若くしていける自衛官の家族それから警察官の家族、そういうところへどのように心を使っておられるか、もう年数がたったら忘れてくるというようなことではいけないのです。
  240. 竹岡勝美

    ○竹岡政府委員 私もかつて警察本部長をしておりまして、若い隊員を殉職させたこともございますが、自衛官の場合でも同じかと思います。特に自衛官の場合には非常に危険な職におりますので、警察官と同じように公務災害でも五割増しの特別公務災害補償が出る場合もあるわけでありますし、賞じゅつ金制度等もしておりますけれども、特に若い隊員で殉職しました場合の後の遺族のこと、できるだけの手当てはしたいのですが、それは制度上できるだけのことはします。ただし、いま言われましたように、後の心の温かみ、これは私この前現地で聞きましたけれども、その部隊の隊長なり司令なり、これがそのときそのときに法事その他で出ていくとかあるいは法事があればそこへ訪ねていくというようなことを聞いておりましたが、恐らくやってくれておるだろうと思います。またそうあるべきだと私は思います。
  241. 橋本佑三

    橋本説明員 警察におきましては公務災害補償、特に特殊公務災害補償制度を設けること、あるいは賞じゅつ金あるいは内閣総理大臣特別ほう賞金という制度がございますが、そういったことで法制度上の給付をいろいろ行っておりますが、それ以外に警察の関係団体といたしまして警察育英会というものを設置いたしまして、殉職者の子弟あるいは身体障害者の子弟の育英事業をやっております。なおこれには、先ほど出ました民間の協力援助者の子弟も対象にしておりまして、現在小学生は月六千円、大学生は月二万円の奨学金を給付いたしております。これは渡しっぱなしのものでございます。そのほか共助会とか生活協同組合等をつくりましてお互いに助け合う、あるいは警察協会から協力援助者あるいは殉職者の遺族に対して五十万から二百万円程度の見舞い金を差し上げる、あるいは一年忌、三年忌、五年忌、こういつたときに、少なくともできれば本部長が持参してお見舞いを申し上げるようにといったような指導を各都道府県警察に対して行っておりまして、できるだけ手厚い援護の手を差し伸べるように努めておるところでございます。
  242. 受田新吉

    受田委員 私もう一つ、国家公務員共済組合法の九十二条に公務による遺族年金とこの遺族補償年金、こっちからくる今度のこの法律の補償年金との調整規定が書いてある。それで百分の二十の停止規定が挙げてあるのです。これはこの国家公務員災害補償法で最高御遺族に対して五〇%と二五%、七・五割、それへ今度一般の扶助料の共済組合の方が最高遺族補償で四割としますか、そうすると、合計すると十一割五分になるから、その上前をはねるという意味ですか、どうですか。
  243. 岡田仁

    岡田説明員 ただいまの点でございますが、率が非常に高くなるので、いま先生おっしゃいましたように上前をはねるという考え方ではございませんで、国家公務員共済組合法の場合、いまの二割の上積みと申しますものは、公務災害であるためにまるまる国庫負担で上積みするということでございます。しかしてその制度は、災害補償法がまだ一時金の制度しか持っていなかった時代に設けられたわけでございます。先生すでに御存じのように、昭和三十四年十月一日施行の改正でございますが、したがいまして、その後災害補償法の方に年金制度が導入されました結果、一方的な国庫負担による上積みというものが性格において重複するということになりましたので、その分をいわば重複を避けるという意味で停止するということのように理解しております。
  244. 受田新吉

    受田委員 この百分の二十という比率は、一体何を根拠にしたんでしょうか。
  245. 岡田仁

    岡田説明員 国家公務員共済組合法の率でございますので、私ども正確にこの場で申し上げることはちょっと差し控えたいと思いますが、先生御存じのようにその基礎になりますものは、私傷病の場合、年数にかかわらず百分の四十という年金に上積みするわけでございますが、それを、考え方としましては公務であるがための厚くするということだとは思いますけれども、私、百分の二十という算出根拠については現在つまびらかにしておりません。
  246. 受田新吉

    受田委員 三十四年の共済組合ができたときの規定、これはいまの災害補償という制度がきょうほどまだ充実しない時点であったわけです。しかし、公務員から見たら、これは公務員の立場を守る一番大事な法律が二つあるわけなんです。だから、いまの最高五割を支給を受ける公務災害の場合は七割五分になる。つまり五割とその五割増しですから七割五分になる、一方は四割、そうすると十一割五分ということになる。そうすると、その二割を引くというのは共済の方の二割を引くんでしょう。そうするとやはり一〇〇%は超えますわね。つまり公務災害の方は共済が二割引けて、四割から二割引くと三割二分ですか、それに七割五分が足せるわけで、そうすると一〇〇%は超えて十割と七分というものはもらえるわけですね。
  247. 岡田仁

    岡田説明員 ただいまの先生おっしゃる数字的な問題でございますが……。
  248. 受田新吉

    受田委員 合計額が俸給額によりも超える。合計の二割を引くのか、あるいは共済の二割を引くのか。
  249. 岡田仁

    岡田説明員 共済の二割でございます。
  250. 受田新吉

    受田委員 だからつまり百分の百は超える……。
  251. 岡田仁

    岡田説明員 遺族の場合は、超えることもあり得ます。
  252. 受田新吉

    受田委員 わかりました。  最後に長官、私これに関係してお訴えしたいのですが、いまお互いの社会は非常にエゴに陥る危険が起こりまして、さわらぬ神にたたりなしで、社会正義の乗り出しをしなければならぬようなところへもなかなか乗り出し得ないような風潮がある。列車の中などですりの現行犯など、お互い「あいつはすりだ」とやっていけば片づくようなものを後難を恐れて黙っておる。酩酊者が暴れておる、これを黙っておる。ちょっと手伝いをすれば、皆さんが協力をしていけば犯罪が防止できるようなものを、傍観する風潮があるわけです。これを何とかひとつ閣議においても、お互いの社会の秩序を保つために、もっと国民的協力によって犯罪防止、社会正義の協力関係をしくように、長官はそういう方面の国務大臣でもいらっしゃるわけです。犯罪防止への協力、そして酩酊などというこれに次ぐ迷惑をかける人間に対する注意。教育ということもこれは関係します。教育の力も要るが、お互い社会環境の中に社会正義に反する行為をする者に対して、これを防止せしむるところの運動というようなものをどうですか、何とか展開できませんか。本当にひんしゅくを買うような事態が各所に起こっているんだ。これをぴしっと取り締まるということ。むしろ教育もある、社会教育もある。しかし同時に公務員  国家公務員、地方公務員の姿勢などもやはりそこへきちっとやることによって、そういうものが救われてくると思うんです。  長官、そういう私の願いが社会の秩序をきちっとする。そのために私は、先ほどから後難を恐れて沈黙する公務員をつくっちゃいけないということも含めてやったわけです。そのお答えをいただいて、質問を終わりにします。
  253. 植木光教

    ○植木国務大臣 暴力を追放し社会正義を実現をするということは、民主主義国家でありますわが国にとっての基本的な課題でございます。御指摘がございました点につきましては、各省庁と連絡を密にいたしまして、ひとつ大きな国民運動としてこれを取り上げてまいりたいと存じます。  なお、人事管理問題の中での職場秩序の維持及び信賞必罰ということは、一つの大きな柱でございます。本日御指摘がありましたことにつきましては、十分検討をし、努力をいたしてまいります。
  254. 竹中修一

    竹中委員長代理 次回は来る十一日火曜日、午前十時理事会、十時三十分より委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後六時四十八分散会      ————◇—————