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1976-03-03 第77回国会 衆議院 逓信委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十一年三月三日(水曜日)     午前十時三十二分開議  出席委員    委員長 伊藤宗一郎君    理事 愛野興一郎君 理事 稲村 利幸君    理事 加藤常太郎君 理事 志賀  節君   理事 三ツ林弥太郎君 理事 阿部未喜男君    理事 古川 喜一君 理事 平田 藤吉君       小渕 恵三君    亀岡 高夫君       地崎宇三郎君    坪川 信三君       長谷川四郎君    廣瀬 正雄君       金丸 徳重君    久保  等君       下平 正一君    米田 東吾君       土橋 一吉君    大野  潔君       田中 昭二君    小沢 貞孝君  出席国務大臣         郵 政 大 臣 村上  勇君  出席政府委員         郵政政務次官  羽田  孜君         郵政大臣官房長 佐藤 昭一君         郵政大臣官房首         席監察官    永末  浩君         郵政大臣官房電         気通信監理官  松井 清武君         郵政大臣官房電         気通信監理官  佐野 芳男君         郵政省郵務局長 廣瀬  弘君         郵政省貯金局長 神山 文男君         郵政省簡易保険         局長      中市 彩也君         郵政省電波監理         局長      石川 晃夫君         郵政省人事局長 浅尾  宏君         郵政省経理局長 高仲  優君  委員外出席者         日本電信電話公         社総裁     米澤  滋君         日本電信電話公         社副総裁    秋草 篤二君         日本電信電話公         社総務理事   北原 安定君         日本電信電話公         社総務理事   山本 正司君         日本電信電話公         社総務理事   三宅 正男君         日本電信電話公         社総務理事   遠藤 正介君         日本電信電話公         社総務理事   好本  巧君         日本電信電話公         社理事     玉野 義雄君         日本電信電話公         社業務管理局長 川崎鋼次郎君         日本電信電話公         社計画局長   輿 寛次郎君         日本電信電話公         社施設局長   長田 武彦君         逓信委員会調査         室長      佐々木久雄君     ――――――――――――― 委員の異動 二月二十一日  辞任         補欠選任   金子 岩三君     藤井 勝志君 同日  辞任         補欠選任   藤井 勝志君     金子 岩三君 同月二十六日  辞任         補欠選任   高橋 千寿君     倉成  正君 同日  辞任         補欠選任   倉成  正君     高橋 千寿君 三月一日  辞任         補欠選任   高橋 千寿君     谷垣 專一君 同日  辞任         補欠選任   谷垣 專一君     高橋 千寿君 同月二日  辞任         補欠選任   高橋 千寿君     江崎 真澄君 同日  辞任         補欠選任   江崎 真澄君     高橋 千寿君 同月三日  辞任         補欠選任   池田 禎治君     小沢 貞孝君 同日  辞任         補欠選任   小沢 貞孝君     池田 禎治君     ――――――――――――― 二月二十七日  放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認  を求めるの件(内閣提出承認第一号) は本委員会に付託された。     ――――――――――――― 二月十九日  電話加入権担保制度充実強化に関する陳情書  (第六四号)  郵便切手及び収入印紙等の売りさばき手数料の  引き上げに関する陳情書  (第六五号)  電話加入権担保制度貸付金利調整に関する陳  情書  (第六六号) は本委員会に参考送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  逓信行政に関する件(郵政行政基本施策及び  日本電信電話公社事業概況)      ――――◇―――――
  2. 伊藤宗一郎

    伊藤委員長 これより会議を開きます。  逓信行政に関する件について調査を行います。  まず、郵政大臣所信表明を聴取いたします。郵政大臣村上勇君。
  3. 村上勇

    村上国務大臣 逓信委員会皆様には、平素から郵政省所管業務の適切な運営につきまして、格別の御尽力をいただき、ここに厚くお礼を申し上げます。  申し上げるまでもなく、郵政省全国の約二万二千の郵便局を通じて、郵便貯金保険の三事業を行い、国民日常生活にきわめて密着した重要な機能を果たしております。  また、通信主管庁として、電信電話を初めとする電気通信及び電波放送の各行政分野において、国民生活発展向上に寄与してまいっておりますが、現下の厳しい経済社会情勢の中で、さらに公共の福祉増進に資するよう私どもに課せられました重大な使命を果たし、国民皆様の御期待に沿うぺく、渾身の努力をしてまいる所存であります。  本日は、この機会所掌事務の当面する諸問題について所信一端を申し上げ、皆様の深い御理解と格別の御協力を賜りたいと存じます。  まず、郵便事業について申し上げます。  郵便事業運営に要する財源確保のための料金改定内容とした郵便法の一部を改正する法律が、さき臨時国会において成立を見、去る一月二十五日から施行されたことにより、懸案でありました郵便事業財政基盤整備端緒を得ることができました。  この上は、同法律国会審議過程で承りました数々の御指摘を今後の郵便事業運営に生かすよう努めるとともに、今期年末年始は幸いに順調な運行確保し、国民期待にこたえることができましたが、これに引き続き、一層円滑な業務運行の維持を図り、国民の信頼にこたえ得る、よりよい郵便サービス提供努力してまいる所存でございます。  さらに、今回の料金改定措置のみでは、十全な事業財政改善を期しがたい点にもかんがみまして、今後事業全般にわたり一層その効率化に努めるとともに、郵便の将来を展望しつつ、真に国民生活に密着した信頼される郵便事業確立努力してまいる所存でございます。  なお、郵便切手類売りさばき手数料改定のため、郵便切手類及び印紙売さばき所に関する法律の一部改正案を提出する予定でありますので、その節はよろしく御審議のほどをお願い申し上げます。  次に、為替貯金事業について申し上げます。  今日、景気回復国民福祉充実が重要な政策課題となっておりますとき、貯蓄の果たす役割りは、さらに一段と高いものがあると考えます。  郵便貯金は、簡易で確実な貯蓄制度として一世紀にわたり、わが国国民生活向上経済発展に貢献してまいりましたが、一層の預金者サービス拡充を図るため、さき国会預金者貸し付け貸付限度額引き上げ内容とする法律案を提出いたし、成立を見たところであります。この法律案の御審議過程で承りました数々の御指摘は、今後の事業運営に十分反映させ、魅力ある貯蓄手段国民提供し、その便益に資するとともに、健全な資産形成に寄与しつつ、貯蓄増強努力する所存でございます。  なお、さき通常国会におきまして、郵便貯金会館設置根拠等について御指摘があり、その法的措置を講ずることとしておりましたが、その具体案郵便貯金法の一部を改正する法律案として提出する予定でありますので、その節はよろしく御審議のほどをお願い申し上げます。  次に、簡易保険事業について申し上げます。  最近の生命保険に関する国民要望は、昨今の社会経済情勢を反映して、非常に多様化、高度化しておりますが、簡易保険事業は、生命保険に対する国民期待に対応して、時代の要請に即応した制度改善サービス向上を図り、国民経済生活の安定と福祉向上に資さねばならぬと考えております。  このため、さき国会におきましては、保険金最高限度額引き上げと、昭和二十四年五月以前の保険契約に関する特別措置を行うための所要法律案を提出いたし、成立を見たところでありますが、その御審議過程で承りました数々の御指摘を今後の簡易保険事業運営に十分生かし、より一層充実した加入者サービス提供努力してまいる所存であります。  ところで、郵政事業は、人手に依存する度合いのきわめて高い事業であります。したがいまして業務の円滑な運営を図る上で、労使間の円満な協調関係の樹立は不可欠なことであり、省といたしましても常に重要課題として取り組んでいるところでありまして、今後とも的確な労務管理を行い、秩序ある明るい職場づくりのため積極的な努力を傾けていく所存でありますが、労使関係はあくまでも労使双方の存在の上に成り立つものでありますところから、労働組合に対しましても、労使関係正常化努力するよう率直に要望してまいりたいと考えております。  なお、事故犯罪の防止につきましては、省を挙げて努力してまいったところでありますが、事業信用確保のため、今後とも一層防犯体制強化を図りますとともに網紀の粛正を期する所存であります。  次に、電気通信行政について申し上げます。  わが国電気通信は、近年質・量ともに飛躍的な発展を遂げ、これが社会経済活動の躍進に大きく貢献しているところであります。ことに、電話は、昨年三千万を超えたところでありますが、なおその普及改善についての要望は強く、今後とも、その整備拡充努力したいと考えております。  しかし、日本電信電話公社財政状況につきましては、最近における経済情勢の急激な変動に伴い、昭和四十九年度は約一千七百五十億円の欠損金を計上し、また、本年度も約三千億円を超える欠損金発生が見込まれており、このまま推移いたしますと、昭和五十一年度以降はさらに大幅な不足額発生が予想されるというまことに憂慮すべき状態にあります。このため、昨年十一月、日本電信電話公社から電報電話料金改定について要請を受けましたが、政府部内におきまして国民生活に与える影響等を考慮して、所要調整をいたしまして、このたび、公衆電気通信法の一部を改正する法律案を提出した次第であります。  よろしく御審議のほどお願い申し上げます。  この措置によりまして、電信電話事業財政健全化及び運営円滑化を図り、もって国民福祉増進に寄与するよう、日本電信電話公社を十分指導監督してまいる所存でございます。また、増大する国際通信需要にこたえるため、昨年末、第二太平洋ケーブル建設し、本年は日中海底ケーブルが開通する運びであり、さらには東南アジアケーブル建設計画推進されるなど、その改善が図られつつありますが、国際通信分野につきましても、海底ケーブル衛星通信の両面から大容量、高性能の各種通信施設整備拡充に関する諸施策推進してまいる所存であります。  次に、電波放送行政について申し上げます。  今日、電波利用は、わが国社会経済活動のあらゆる方面に及んでおり、今後さらに増大する傾向にあります。  このような情勢にかんがみ、今後多様化し、高度化する国民情報需要傾向に即応して、適時適切な電波行政推進してまいりたいと考えております。  放送につきましては、これが国民の間に広く普及し、国民生活に必要不可欠なものとなっておりますので、放送事業者に対しましては、放送番組向上を図るよう強く期待いたしますとともに、テレビジョン放送の難視聴地域の解消は、きわめて重大な課題でありますので、今後とも積極的に取り組んでいく所存であります。  日本放送協会財政状況につきましては、最近における受信契約者数の伸び悩み、経済情勢の急激な変動等により、収支が悪化しております。日本放送協会におきましては、経営の現状及び今後の見通しにかんがみ、受信料月額改定することとして、昭和五十一年度収支予算等を提出してまいりました。郵政大臣といたしましては、これを検討した結果、おおむね適当である旨の意見を付して国会に提出した次第であります。  よろしく御審議のほどお願い申し上げます。  実験用容量静止通信衛星及び実験用中型放送衛星につきましては、昭和五十二年度打を上げを目途に開発を進めておりますが、両衛星の製作及び地上施設建設は、これまで順調に進められております。今後とも、関係機関の一層の協力を得て、所期の目的実現のために努力してまいりたいと考えております。  以上、所掌事務の当面の諸問題について、所信一端を申し述べさせていただきましたが、この裏づけともなります昭和五十一年度予算案につきまして概略を御説明申し上げます。  まず、一般会計でありますが、歳出予定額は百九十六億円で、これを前年度予算額と比較いたしますと、十八億円の増加となっております。  この歳出予定額には、通信衛星及び放送衛星開発を初めとする宇宙開発推進に必要な経費のほか、国際海底ケーブル建設計画推進のため、より経済的な新海底同軸ケーブルシステム開発するための経費、並びに総合的電気通信施策強化国際放送充実テレビジョン放送の難視聴実態調査など、通信技術の著しい向上と、ますます多様化する情報化社会進展に即応した通信行政に必要な経費を計上いたしております。  次に、郵政事業特別会計でありますが、歳入予定額歳出予定額とも二兆六千三百五十九億円で、これを前年度予算額と比較いたしますと、四千七百十五億円の増加となっております。  この歳入予定額の中には、去る一月二十五日から実施いたしました郵便料金改定による収入を含め、郵便業務収入として七千百三十三億円を計上しております。このため、過去年度収入不足を補うための借入金を減少するまでには至らないものの、当面、借入金増加は回避できることとなっております。  歳出予定額におきましては、重要施策としております郵便局舎等改善のための建設予算を七百億円計上いたしておりますほか、安定した郵便業務運行確保するために必要な経費郵便貯金簡易保険増強利用者サービス向上を図るために必要な経費、並びに、明るい職場づくりのための施策に必要な経費などを計上いたしております。  次に、日本電信電話公社予算案でありますが、事業収入につきましては、料金改定を織り込み、二兆七千八百十一億円、事業支出につきましては、二兆七千三百二十二億円を予定いたしております。建設投資の額につきましては、前年度比一三・九%増の一兆五千億円といたしております。  これにより、五十二年度末までに全国的規模で積滞を解消することを目標に、加入電話二百六十万加入増設を行うことといたしております。この建設投資及び電信電話債券償還等に必要な資金は、二兆二千九十九億円となりますが、その調達につきましては、内部資金で九千二百二十七億円、加入者引受電信電話債券設備料等による外部資金で一兆二千八百七十二億円を予定し、設備料につきましては、料金改定を織り込んでおります。なお、外部資金のうち、財政投融資は四百三十億円を予定いたしております。  以上るる申し述べましたが、郵政省所掌事務の円滑な運営のため、委員各位の御支援、御協力を切にお願い申し上げる次第でございます。
  4. 伊藤宗一郎

    伊藤委員長 これにて郵政大臣所信表明は終わりました。  次に、日本電信電話公社事業概況について説明を聴取いたします。日本電信電話公社総裁米澤滋君。
  5. 米澤滋

    米澤説明員 電信電話事業につきましては、平素格別の御配慮と御支援を賜わりまことにありがたく厚く御札申し上げます。  ただいまから日本電信電話公社の最近の事業概況につきまして御説明申しあげます。  まず、本年度予算につきましては、事業収入を二兆一千二百七億円と見込んでおりますが、最近における経済情勢影響を受け、十二月末までの収入実績は、予定収入に対し一・八%減収の一兆五千五百七億円となっております。  一方、事業支出につきましては、当初二兆三千六百九十六億円を予定し、収支差額は二千四百八十九億円の赤字を計上いたしましたが、先般の補正予算におきまして、仲裁裁定実施等に必要な人件費等二百五十八億円が追加されました。  公社といたしましては、今後とも収入確保経費効率的使用に一層配慮する所存でありますが、最近までの収入の伸び悩み傾向を勘案いたしますと、三千億円を超える大幅な赤字とならざるを得ないものと懸念しているところであります。  建設工事につきましては、工事費総額は前年度からの繰越額及び先般の補正予算におきまして基礎設備整備増強のために追加された三百億円を含め一兆四千四百一億円となっておりますが、進捗状況について見ますと、十二月末における契約額は一兆三千二百八十六億円でありまして、年間予定の九二・二%となっております。また、十二月末における加入電話増設数は二百十三万加入であり、年間予定の七一・一%となっております。  次に、電話及び電報料金改正について申し上げます。  昭和四十九年度決算におきましては、経済情勢変化等に伴い、事業収入は伸び悩む一方、石油危機以来の物価上昇及びこれに伴うベースアップによる人件費の増高等の影響を受けて支出増加し、千七百五十三億円という公社発足以来初めての大幅な赤字を計上するに至りました。  昭和五十年度におきましても、ただいま申し上げましたような大幅な赤字が見込まれ、昭和四十九、五十年度の二年間の赤字は、累計約四千九百億円にも達します。  公社は、昭和二十七年八月に発足後、二つの大きな目標を掲げてまいりました。すなわち、第一は電話の申し込み積滞を解消することであり、第二は全国電話即時にかかるようにすることでありました。自来五次にわたる五カ年計画を立て、この目標を追求してまいりましたが、このうち第二の目標は、新技術開発を図るなどして、現在では九九%自動即時化しており、今後三年ほどで一〇〇%自動即時化ができるようになりました。  一方、電話の申し込み積滞を全国的規模で解消する目標についても、第五次五カ年計画が終了する昭和五十二年度末には達成される予定となっております。  公社といたしましては、今後とも一層経営近代化能率化に努める所存でありますが、経営基盤確立を図るためには、電話及び電報料金改定することが、必要となってきました。公社は昨年十一月政府電話及び電報料金改定要請しましたが、昨年暮れの昭和五十一年度予算案の閣議決定に当たり、公社予算案料金改定を織り込んで編成されました。  この電話及び電報料金改定内容といたしております公衆電気通信法の一部を改正する法律案につきましては、先般政府から国会に提出されておりますので、よろしくお願い申し上げます。  次に、昭和五十一年度予算案につきまして御説明申し上げます。  まず、事業収支計画につきましては、ただいま御説明申し上げました電話及び電報料金改定による増収を織り込み、事業収入は二兆七千八百十一億円と見込んでおります。一方、事業支出は、経費効率的使用に一層の努力を払い、二兆七千三百二十二億円を計上いたしております。その結果、収支差額は四百八十九億円となっております。  事業収入二兆七千八百十一億円の主な内訳は、電信収入五百七十七億円、電話収入二兆五千二百五十九億円、専用収入千三百二十五億円などであり、昭和五十年度予算に対し六千六百四億円の増加となっております。  また、事業支出二兆七千三百二十二億円の主な内訳は、人件費九千百三十九億円、物件費三千八百四十五億円、業務委託費千二百五十二億円、利子三千五百十三億円、減価償却費八千三百七十八億円などであり、昭和五十年度当初予算に対し、三千六百二十六億円の増加となっております。  建設計画につきましては、昭和五十二年度末に全国的規模加入電話の積滞を解消することを基本とし、基礎設備増強にも配意して、昭和五十年度当初予算に対して、一三・九%増の投資規模一兆五千億円をもって、次の主要工程計画いたしております。  まず、一般加入電話増設につきましては、需要の動向を勘案し二百六十万加入計画いたしております。また、公衆電話増設につきましては、五万個を計画いたしております。  基礎工程につきましては、手動式局自動化推進するとともに、既自動式局においても、設備行き詰まり状況等を考慮して、分局開始を行うなど合計千七十六局の新電話局建設を行うことといたしております。このうち、昭和五十一年度中にサービスを開始する局は五百十三局であります。  また、データ通信施設につきましては、需要実態等を考慮しつつ、ナショナルプロジェクト関連システム等推進を図ることとし、七十八億円をもって、データ通信設備二十九システムデータ通信回線一万三千回線等を計画いたしております。  さらに、非常災害時における通信確保を図るため、引き続き防災計画推進するほか、農山漁村等における電話サービス改善のため、逐次加入区域の拡大を図るとともに、既設地域集団電話につきましても一般加入電話への変更等を行うことといたしております。  以上の建設計画及び債務償還等に要する資金、二兆二千九十九億円につきましては、内部資金により、九千二百二十七億円、加入者債券により三千六百六億円、設備料により料金改定による増収額を含め、二千八十八億円を調達するほか、財政投融資四百三十億円、特別債及び借入金により六千七百四十八億円を予定しております。  以上をもちまして最近の公社事業概況説明を終わらせていただきます。
  6. 伊藤宗一郎

    伊藤委員長 これにて日本電信電話公社事業概況説明は終わりました。     —————————————
  7. 伊藤宗一郎

    伊藤委員長 これより質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、これを許します。三ツ林弥太郎君。
  8. 三ツ林弥太郎

    三ツ林委員 ただいま郵政大臣から所信表明が行われましたが、私は基本的な問題につきまして若干御質問をいたしたいと思います。  まず、郵便事業の問題でございますが、大臣の御説明にも述べられておりますように、「真に国民生活に密着した信頼される郵便事業確立」ということは、郵便事業の根幹をなす重大な使命であり、この重大な使命を果たすための基本的な課題は、郵便業務安定化であると思います。  郵政省は、安定した郵便業務運行確保のため、今後どのような施策を講じていこうとしておられるのか、その内容についてお伺いをいたしたいと存じます。
  9. 村上勇

    村上国務大臣 お答えいたします。  第七十六国会におきまして成立いたしました郵便法の一部を改正する法律が、昭和五十一年一月二十五日から実施されまして、三年来の懸案であった郵便料金改定によりまして、郵便事業財政基盤整備端緒を得ることができました。これを機会に、郵便事業は一層業務の安定的な運行確保し、事業に課せられた国民の負託にこたえるべく、最善の努力を傾けることとといたしております。すなわち、社会経済発展に伴いまして、年々着実に増加しているわが国郵便物を、安定的な業務運行によって処理することが、郵便事業に課せられた最も大きな課題の一つとなっております。特に、人口の都市集中化進展によりまして、大都市及びその周辺発展地域では、町名地番の混乱、交通事情の悪化などのため、一部地域におきまして郵便の正常な業務運行確保することに少なからぬ困難性が生じております。したがいまして、郵便番号制の導入などに伴う作業の機械化及び事業近代化または効率化などを従来以上に推進するほか、特に問題の多い大都市及びその周辺発展地域対策に力を注ぎまして、具体的には郵便物増加等に対処する集配運送施設の拡充整備郵便外務作業対策として新住居表示の促進、高層ビルの配達方法の改善及び郵便局改善推進等の施策を講じていくことといたしております。  以上のほか、近年における社会的変化に適応する郵便事業の今後のあり方につきまして、長期的視野に立って検討し、郵便事業の安定と円滑な運営確保するよう鋭意取り組んでいくことといたしております。
  10. 三ツ林弥太郎

    三ツ林委員 今回の郵便料金改定によりまして、郵便事業財政基盤の整備端緒を得ることができたわけでありますが、今後の事業財政は相当厳しいものがあろうと思います。大臣の言われますとおり、今後事業全般にわたり一層その効率化に努め、国民の信頼にこたえ得るよりよい郵便サービス提供努力してもらいたいと思います。  次に、郵便貯金についてお伺いいたしますが、本年度わが国の経済は、景気停滞下にありまして、そのため数次にわたる景気刺激策を採用したところでありますが、国民所得の伸びは非常に低く、昨年の冬季ボーナスの支給率も近年になく低いと聞いておりますが、個人預金の大宗を占め、かつ、国の財政投融資資金の主要な原資として重要な役割りを果たしております郵便貯金は、その中にあってどのような状況にあったのかお伺いをいたします。また、今後の増加見込みはどうなのか、あわせてお伺いをいたしたいと存じます。
  11. 神山文男

    ○神山政府委員 お答え申し上げます。  本年度におきます郵便貯金増加状況でございますが、ただいま先生のお話しのとおり非常に不況下にありまして、またボーナスの支給率が例年になく低いというような状況下にありまして、特に夏季及び年末のボーナス期の伸びが非常に低下したという状態にありましたが、その他の月の増加がおかげさまで順調に推移いたしまして、二月末現在で四兆八千四百十億円ということになっております。それで本年度増加目標額が御承知のとおり四兆五百億円でございました。これに対しまして一二〇%でございます。それから前年同期実績に対しまして一二六%となっておりまして、現在までのところ郵便貯金全体としてはまずまずの成績でなかろうかと考えております。  今後の見通しでございますが、景気の回復状態というようなものもわれわれ重大な関心を持って見ておるわけでありますけれども、いわば安定成長期というようなものも予想されますのですが、五十一年度予算目標額は五兆一千億円ということでただいま考えておりまして、厳しい経済環境のもとでこの目標を達成いたしたいと考えております。そのためにも施策充実強化あるいは関係職員の御努力を願うというようなことで達成できるとわれわれは考えておるわけでございます。
  12. 三ツ林弥太郎

    三ツ林委員 次に、簡易生命保険事業についてでありますが、現在のわが国の重要な政策課題は、一つは先ほども申し上げましたとおり、現在沈滞している景気の回復であり、もう一つは国民福祉充実であると考えられます。  現在検討されておりますライフサイクル計画の中におきましても、国の提供する社会福祉と並んで生命保険の持つ保障機能も自助手段の一つとして大いに注目されるところであります。また簡易保険は、資金の運用を通じて社会資本の充実にも大いに役立っており、こういう観点から、簡易生命保険事業は、今後のわが国経済社会において大きな役割りを果たすすべきだと考えますが、これに対する御見解を伺いたいと思います。
  13. 村上勇

    村上国務大臣 先生の御指摘のとおりでございまして、簡易生命保険事業は、国民経済生活の安定を図り、その福祉増進することを目的としております。また、資金の運用に当たりましても、その資金の大部分を財政投融資計画に計上し、社会資本の充実国民福祉向上に大いに役立っているものと考えております。今後におきましても、国民生活の安定と福祉向上の上に十分配意していきたいと考えておる次第であります。
  14. 三ツ林弥太郎

    三ツ林委員 以上、私は郵便貯金保険、三事業の根本的な問題について御質問いたしましたが、申し上げるまでもなく、この三事業国民生活発展向上に大きな役割りを果たす仕事であることをさらに深く認識し、誇りと自信の上に立って事業推進努力されるよう、当局に対し強く要望するものであります。  次に電気通信及び電波放送関係についてお尋ねいたしたいと思います。  わが国電気通信は、大臣所信にも述べられましたとおり、飛躍的な発展を遂げ、社会経済活動の躍進に大きく貢献しておりますことは、いまさら申し上げるまでもありません。  なかんずく、電話は三千万加入を超え、アメリカに次ぎ世界第二位にランクされていることはまことに驚くべきことであります。  この中において最近の電電公社経営状況は、四十九、五十の両年度で四千九百億円に及ぶ赤字が予想されるようであり、電話建設は、五十一年度予算案においては二百六十万で、前年度に比して、四十万加入も減少しております。このような状況ですと、五十二年度末までに積滞を解消するという目標は、達成が困難になるのではないかと懸念されるところでありますが、郵政大臣及び電電公社総裁は、これをどのように見ておられますか、お伺いをいたします。
  15. 村上勇

    村上国務大臣 電電公社の五十一年度予算の編成に当たりましては、生活必需品となっている電話増設に最重点を置いておりまして、二百六十万加入増設予定しております。しかし、五十一年度予算における建設投資資金調達が計画どおり行われるならば、五十二年度末までに電話の積滞解消を図ることは十分可能と考えております。郵政省といたしましても、この目標の達成を最優先にして予算の執行に当たるよう電電公社を指導してまいる所存でございます。
  16. 米澤滋

    米澤説明員 お答えいたします。  ただいま郵政大臣からお答えございましたけれども、電電公社といたしましては公社発足以来、電話の積滞を解消するということは一つの大きな目標でございました。一時は三百二十万という加入電話をつけた時期がございます。しかし、最近の経済成長の鈍化といいますか、従来の高度成長がだんだん成長がダウンしてきたこと、あるいはまた、電話が普及してまいりましたこと等によりまして、本年度昭和五十年度におきましては三百万、それから、今度予算をお願いいたしております五十一年度には二百六十万、また次の五十二年度には二百七十万くらいの加入電話をつけますと、全国的規模で積滞は解消できるというふうに思っております。すなわち、大体申し込みましたら平均一月以内に電話をつける、早いところでは二週間以内につくところがございますが、全国的規模では平均一月以内に電話をつけるということは十分達成できると思います。しかしこの間、先ほど私の所管事項の説明でも申し上げましたが、昭和四十九年度並びに五十年度の累積赤字が約四千九百億円にもなるという財政的な一つの危機を迎えておりますので、この問題は別途財政基盤を確立するという問題をどうしてもこの間解決いたしたい、またそれをお願いしたいというふうに考えております。
  17. 三ツ林弥太郎

    三ツ林委員 電電公社は五十一年度においては一兆五千億円に及ぶ建設計画を立てておられますが、このため外部からの借入金も相当な額に上っております。電話は今日国民生活にとって日常欠くことのできないものとなっていることを考えますと、このような電気通信設備建設所要資金としては長期低利な財政投融資確保するよう郵政省はもっと努力すべきではないか、こういうふうに思いますが、郵政省としてはどのように考えておられますか、お伺いをいたします。
  18. 松井清武

    ○松井(清)政府委員 お答えいたします。  電電公社の、ただいま御指摘建設投資に要する資金は、減価償却引当金等の内部資金並びに加入者引き受けの電電債及び設備料等をもってその大半を調達してまいってきておるところでございます。御存じのとおり、近年公社収支状況が悪化してまいりまして内部資金の比率が低下してきておるわけでございます。さらに今後電話の新規需要の見込みも減少傾向をたどるのではなかろうかというふうに考えられる次第でございまして、結果といたしまして加入者引き受け電電債及び設備料も低下せざるを得ない現状にあり、資金調達は困難な局面を迎えつつあるというふうに見ておる次第でございます。したがいまして、このような現状にかんがみまして、まず公社財政基盤の確立を図りますとともに、ただいま先生御指摘のありましたように、財政投融資確保、特別電電債の発行など資金の調達に遺憾のないよう配慮してまいりたいと考えております。
  19. 三ツ林弥太郎

    三ツ林委員 次に、電波の問題でありますが、申し上げるまでもなく、今日電波利用社会経済活動のあらゆる方面に及んでおり、さらに需要は増大するものであります。このような情勢下において特に人工衛星開発利用というものが急務であると考えられるものであります。  そこでお伺いいたしますが、先般種子島から打ち上げられた電離層観測衛星郵政省宇宙開発事業団が九年間の努力の結果ようやく成果が実り、国産ロケットで打ち上げたと聞いておりますが、その間の関係者の御労苦に対し、深く敬意を表します。この衛星はカナダに続いて打ち上げられた数少ないもので、世界的に高く評価されていると聞いておりますが、郵政省はこの衛星を用いて今後どのような観測を行う予定なのか、お答えをいたします。
  20. 石川晃夫

    ○石川(晃)政府委員 お答えいたします。  この電離層観測衛星開発につきましては昭和四十二年から郵政省電波研究所で着手したわけでございますが、宇宙開発事業団が設立されましたときにこの開発を同事業団に移したわけでございます。その後同事業団でこの開発が順調に進んでまいりまして、昨年秋にこの衛星ができ上がりました。この衛星は重量は約百三十九キログラムでございますが、その中にあります装置は短波を発射して電離層による短波の反射状況というものを観測する装置あるいは雷などによる電波雑音を観測する装置それからイオン密度を測定する装置、プラズマ量を測定する装置、このような種類の観測装置がこの衛星に乗せられております。この電離層観測衛星を三段式の、わが国開発いたしましたNロケットで二月二十九日の十二時三十分に種子島の宇宙センターから打ち上げたわけでございますが、この衛星は赤道との傾斜角が約七十度ということになっております。これはちょうど北極と南極のそばを通るという地球を縦に回る衛星でございます。高度は約千キロメートルでございまして、ほとんど千キロに近い円軌道を描いております。衛星は打ち上げました後約二時間で軌道に乗ったことが確認されました。  今後のスケジュールでございますが、宇宙開発事業団がこれから約一カ月の間その衛星のアンテナとかあるいは観測装置の性能、機能、こういうもののチェックをいたします。そうしてその衛星が正常に機能しているということを確認いたしました後、郵政省電波研究所でこの衛星を使って各種の観測を行うという段取りになっております。郵政省電波研究所におきましては、鹿島支所におきましてこの電離層観測衛星から送られてまいります各種の観測データを受信いたしまして、これをコンピューターにかけまして処理いたします。そうして電離層で反射可能な短波周波数の世界分布あるいは短波を使用するときに考慮しておかなければならない雷などによる電波雑音の世界分布、こういうものを定常的に測定することになるわけでございます。この電離層観測衛星によりますと、従来海上ことに大洋の上ではこういうものが測定できなかったのが、この衛星では測定できるようになりましたので、こういうものを使いまして今後船舶における短波通信あるいは短波を使用する国際通信、こういうものに大いに役立つというふうにわれわれ期待しております。
  21. 三ツ林弥太郎

    三ツ林委員 現在開発中の実験用通信衛星放送衛星の問題であります。この衛星昭和五十二年度に打ち上げられ、世界においてもまだ実用されていない新しい技術が活用されるものと伺っております。したがいまして、われわれといたしましてはこの衛星が順調に開発され、わが国通信放送技術向上に大きく寄与してもらいたいわけでありますが、この両衛星開発状況はどうなっておりますか、お伺いいたします。
  22. 石川晃夫

    ○石川(晃)政府委員 お答えいたします。  ただいま御質問がございましたこの実験用通信衛星それから実験用放送衛星でございますが、これにつきましては昭和四十八年度郵政省におきまして概念設計と予備設計を完了いたしまして、その成果を宇宙開発事業団に引き継ぎました。宇宙開発事業団におきましてはこの設計に基づきましてこの二つの衛星開発に着手いたしまして、現在この開発が非常に順調に進んでおります。すでに設計の段階を終わりまして、現在は製作段階に入っております。またこの二つの衛星によりまして行う実験の中枢となります支局は電波研究所の鹿島でございますが、ここの建設作業も現在順調に進んでいるという段階でございます。
  23. 三ツ林弥太郎

    三ツ林委員 実験用通信衛星放送衛星開発状況につきましてはただいまの答弁で承知いたしましたが、現在、衛星の打ち上げ成功率は満足すべき状態でない、一〇〇%でないと聞いております。郵政省が五十二年度予定しているこれらの衛星の打ち上げ計画につきましては、ぜひとも成功させたいと願っている次第であります。この際、この計画推進に当たって郵政大臣所信を伺って質問を終わりたいと思います。
  24. 村上勇

    村上国務大臣 ただいま先生からお話がありましたように、私といたしましても、この打ち上げ計画を成功させたいと念願いたしております。御承知のとおり宇宙開発には非常に多額な費用と高度な技術を必要とするものでありますので、各方面とも慎重な上にも慎重に検討いたしまして、必ずこの所期の目的を達成いたしたい、かように念願いたしておる次第であります。
  25. 伊藤宗一郎

    伊藤委員長 次回は明四日木曜日午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午前十一時二十分散会