○喜多村説明員 まず
消費者物価でございますが、
消費者物価は昨年十月以降、前年同月比ずっと一けたで推移いたしておりまして、最近に至るまでその安定基調は変わっておりません。ただ、若干の公共
料金の上がりがございましたために、去年よりはやや上がり方が高いとは申しますものの、一応われわれの推定どおりに動いておる、こういうふうに
考えております。
〔武藤(嘉)
委員長代理退席、橋口
委員長代理着席〕
問題は卸売物価指数でございます。卸売物価指数は、先ほどもずっと触れましたように、七月に前月比一・〇%上昇いたしました。これは先ほども触れましたように、一部は
電力料金あるいはガソリン税の
関係、あるいは鉄鋼の一部
値上げの反映ということもございまして、特定いたしましたものを除きますならば〇・五というようなことでございます。しかしながら、私
たちが想定いたしました推移よりもはるかに高いところを推移していることには間違いございません。今後、八月も鉄鋼の造船、自動車向けの出荷分でありますとか、あるいは関西
電力等々が出てまいりますし、それ以後も九月までもややそういった早いテンポが続いていくことも
考えられます。
しかしながら、いまのような値上がりの
状況と申しますのは、そういう特定いたしましたものを除きますならば、現在の
段階では生産財と申しますか、原材料が中心になっておりますので、これが果たして投資財でありますとか、あるいは
消費財のところまで流れてくる間にどういうような
環境によってこれが抑えられてくるかどうかということは、今後の問題でございます。いまのところ
消費財というのは安定いたしております。したがって、今後卸売物価の
関係が
消費財
段階へ波及してくる過程におきまして、できるだけ、先ほど
先生の仰せになりましたように、価格上昇に対する心理的な抵抗感というものを十分につけていくというようなことをいたしまして、その転嫁を容易でないようにしていくならば、これまた
消費者物価へのかかわりというのは少なくなるものと見ております。
したがいまして、問題は卸売物価でございますけれども、先ほど申し上げましたように、卸売物価は私
たちが想定いたしましたよりもやや高めの推移ではございますけれども、今後の
経済事情、特に卸売物価と申しますのは、
消費者物価と違いまして、商品相場と申しますか、商品需給あるいはその当時の金融の事情等々によってきわめて敏感に左右されてまいります。したがいまして、私
たちが
消費者物価を一応の
努力目標と置いておりますのに対しまして、卸売物価指数はどちらかといいますと見込みの数字で
考えておりますので、
政策対応のレベルとしてはやや違うものとして理解いたしておりますけれども、いずれにしてもこういう
状況におりますことを十分認識いたしました上で、先ほど
先生のお話がございましたように、
円高でございますとか、景気回復に伴います生産の増大による圧力の弱めというようなことも期待いたしまして、できるだけわれわれの目標を達成すべく
努力していくということを
考えておりまして、目下のところはできるだけそれに近づけていくという見込みをつけておるわけでございます。