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坂井委員 一機ごとに申し上げてよろしいかと思いますけれ
ども、時間がございません。そこでこれを実は全部締めてみました。丸紅の資料を総計いたしますと、一号機から、ただし十六号機まで、機体の価格の総額が三億一千万ドル。
そこで、またコーチャン証言に戻りますが、コーチャンはこう言っていますね。私は、手数料と売り込み経費の合計を四%以下に抑えようとした、丸紅のような商社は契約高の二%を受け取る、クラッター氏は、L一〇一一の契約が大きかったので、丸紅の手数料を約一%にすることができた、こう言っているわけです。
では、ここで一応四%で押さえてみましょう。そういたしますと、三億一千万ドルの四%は千二百四十万ドルであります。
さて、千二百四十万ドルの内訳はということになりますと、すでに明らかにされた分から申しますと、丸紅の正規の手数料が、丸紅から得た資料によりますと、これが正しいとするならば二百二十九万ドル、パーセントにいたしまして〇・七四%であります。次に児玉ルート。手数料及び児玉からの工作
資金、これが、児玉領収証に基づきましてドル換算いたしますと五百九十二万ドル、こうなります。さらに三番目といたしまして、丸紅のルートで政府高官にという分であります。と目される分であります。いわゆるユニット、ピーナツ、ピーシズ、こういう領収証を、これまたドル換算いたしますと百八十五万ドル、これはパーセントにしますと〇・六〇%。それから
——失礼いたしました、児玉の分は五百九十二万ドルで二%になります。さらに四番目に、ID社の領収証作成の手数料、これはシグ・片山氏の証言から七万ドル。さて五番目に、最後の全日空の分であります。これは
先ほどから申しますところの、いわゆるキックバックと称する裏金、裏リベート、それがさらに流れていくでありましょう。総額が十六号機までは二百二十七万ドルであろうと推定をいたします。パーセントにいたしまして〇・七三%であります。
内訳を申します。すでに明らかになっておりますところの八機追加の詰めのための宣伝費十万五千ドル、ロッキード社からのレンタル料七万四千ドル、それから藤原逮捕のいわゆる外為違反として出ました、あの四十万ドル、さらに同じ趣旨のキックバックが四十五万ドル、この四十五万ドルはすでにチャーチ小
委員会で公表されましたロッキード社の資料の中にありましたL一〇一一コミッションANAと記載された分であります。四十五万ドル、いわゆる社内伝票、これが出てきております。これはまさにこのキックバックのうちの
一つであろう、こう私は見ております。
そういたしますと、
先ほど申しました二百二十七万ドルになるためには、百二十四万ドルあとなければならぬ、こういう
計算値が出てまいります。ただし、
冒頭お断わりいたしましたように、十六号機までに対する分としてであります。したがって、少なくとも百二十四万ドルという分については、いままでのこの
経緯から見まして、あるいは金の流れ、受け渡しから見まして、なければならぬ、こう推定する常識的な数値であります。この金につきましては、児玉ルート、丸紅ルートとは
関係なく、全く全日空ルートの分であろうと想定をいたしております。
なお、十七号機以下二十一号機に至る分につきましては、次回におきまして具体的にお聞きしながら詰めていきたいと思います。
そこで、時間が参っておりますので、いま私が問題提起をしたというところに、いまの問題についてはとどめておきたいと思いますが一最後に
大蔵省に
伺います。
当然この輸銀
融資につきましては、
大蔵省としてもきわめて大きな
関心を持ち、また、この
融資の金の使途等につきましても、今日すでに全日空の幹部の逮捕、ここに外為違反があり、裏金を受け取った、こういう被疑容疑でもって逮捕が相次いでおる。そういう中で、私が、
先ほどから、裏金づくりの、いわゆるキックバックと称する金がどういうふうにしてつくられたかという
内容につきまして、会計
検査院を主としての間で、やりとりを進めてまいりました。
全日空の
監査法人であります栄光会計事務所、これがありますが、
大蔵省は、過去五年間にわたる
監査調書の見直しを行うよう指示されたようでありますが、その
経緯のあらましを御
説明いただきたいことと同時に、少なくとも有価証券
報告書が、虚偽の記載がされたという疑いきわめて濃厚であります。
大蔵省は、全日空に対しまして、証取法違反で告発をすべきではないかと私は思いますが、この点に対しては、
大蔵省いかがな見解と、いま決意にお立ちになっているか、簡明に
伺いたいと思います。