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1976-04-14 第77回国会 衆議院 運輸委員会 第5号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十一年四月十四日(水曜日)     午前十一時十一分開議  出席委員    委員長 中川 一郎君   理事 江藤 隆美君 理事 小此木彦三郎君    理事 加藤 六月君 理事 増岡 博之君       片岡 清一君    木野 晴夫君       木部 佳昭君    塩川正十郎君       關谷 勝利君    田村  元君       竹中 修一君    徳安 實藏君       松永  光君    三原 朝雄君       宮崎 茂一君    渡辺美智雄君       河村  勝君  出席国務大臣         運 輸 大 臣 木村 睦男君  出席政府委員         運輸省鉄道監督         局長      住田 正二君         運輸省鉄道監督         局国有鉄道部長 杉浦 喬也君  委員外出席者         日本国有鉄道総         裁       高木 文雄君         日本国有鉄道常         務理事     山岸 勘六君         日本国有鉄道常         務理事     橘高 弘昌君         運輸委員会調査         室長      鎌瀬 正己君     ――――――――――――― 委員の異動 四月七日  辞任         補欠選任   河村  勝君     小平  忠君 同日  辞任         補欠選任   小平  忠君     河村  勝君 同月十四日  辞任         補欠選任   佐藤 孝行君     塩川正十郎君   佐藤 文生君     片岡 清一君   田村  元君     木野 晴夫君   中村 寅太君     竹中 修一君   丹羽喬四郎君     松永  光君 同日  辞任         補欠選任   片岡 清一君     佐藤 文生君   木野 晴夫君     田村  元君   塩川正十郎君     佐藤 孝行君   竹中 修一君     中村 寅太君   松永  光君     丹羽喬四郎君     ――――――――――――― 三月五日  地下鉄一二号線を青梅市まで延長に関する請願  外一件(小山省二紹介)(第九二八号) 同月六日  山陰本線等輸送力増強に関する請願(竹入義  勝君紹介)(第一〇九三号)  同(林孝矩紹介)(第一〇九四号)  同(近江巳記夫紹介)(第一一六〇号)  同(鬼木勝利紹介)(第一一六一号)  同(矢野絢也君紹介)(第二六二号)  宮古測候所気象業務拡充等に関する請願(受  田新吉紹介)(第一〇九五号)  同(山本弥之助紹介)(第一〇九六号) 同月九日  山陰本線等輸送力増強に関する請願大野潔  君紹介)(第一二四〇号)  同(有島重武君紹介)(第一三一九号)  同(伏木和雄紹介)(第一三二〇号)  国鉄運賃値上げ反対等に関する請願金子満広  君紹介)(第一三一六号)  同(紺野与次郎紹介)(第一三一七号)  同(米原昶紹介)(第一三一八号) 同月十一日  山陰本線等輸送力増強に関する請願広沢直  樹君紹介)(第一四二三号)  自動車損害賠償保障法改正に関する請願(松  本忠助君紹介)(第一四九一号)  国鉄運賃値上げ反対等に関する請願金子満広  君紹介)(第一四九二号)  同(神崎敏雄紹介)(第一四九三号)  同(土橋一吉紹介)(第一四九四号)  国鉄運賃値上げ反対に関する請願寺前巖君  紹介)(第一四九七号)  同(土橋一吉紹介)(第一四九八号) 同月十八日  山陰本線等輸送力増強に関する請願(大久保  直彦君紹介)(第一五九三号)  同(松尾信人紹介)(第一五九四号)  地下鉄一二号線を青梅市まで延長に関する請願  (大野潔紹介)(第一五九五号)  同(大野潔紹介)(第一六三八号)  国鉄運賃値上げ反対に関する請願寺前巖君  紹介)(第一五九六号)  国鉄運賃値上げ反対等に関する請願三浦久君  紹介)(第一五九七号)  国鉄運賃値上げ及び運賃法定制度廃止反対  に関する請願金子満広紹介)(第一六七六  号) 同月十九日  国鉄旅客運賃値上げ反対等に関する請願(栗  田翠君外三名紹介)(第一七九七号)  同(紺野与次郎紹介)(第一七九八号)  国鉄運賃値上げ及び運賃法定制度廃止反対  に関する請願石母田達紹介)(第一七九九  号)  同(不破哲三紹介)(第一八〇〇号)  京都市電存続等に関する請願外一件(梅田勝  君紹介)(第一八二四号)  国鉄篠ノ井線麻績駅の駅名存続に関する請願(  梅田勝紹介)(第一八五〇号) 同月二十五日  京都市電存続等に関する請願梅田勝君紹  介)(第一九一〇号)  同(梅田勝紹介)(第一九五一号)  同(梅田勝紹介)(第二〇一四号)  潮岬測候所気象業務拡充に関する請願(斉藤  正男君紹介)(第一九五二号)  同(紺野与次郎紹介)(第二〇一三号)  高齢者に対する国鉄運賃優待制度等に関する請  願(紺野与次郎紹介)(第二〇一一号)  地下鉄一二号線を青梅市まで延長に関する請願  外一件(福田篤泰紹介)(第二〇一二号)  宮古測候所気象業務拡充等に関する請願(庄  司幸助紹介)(第二〇一五号) 同月二十七日  国鉄旅客運賃値上げ反対等に関する請願(中  路雅弘紹介)(第二一六五号)  国鉄運賃値上げ反対等に関する請願中路雅弘  君紹介)(第二一六六号)  国鉄運賃値上げ及び運賃法定制度廃止反対  に関する請願石母田達紹介)(第二一六七  号) 同月三十日  国鉄運賃値上げ反対等に関する請願松本善明  君紹介)(第二四〇六号) 四月六日  広島東部流通業務団地建設のための埋立認可に  関する請願灘尾弘吉君外二名紹介)(第二四  八九号)  広島東部流通業務団地埋立認可に関する請願  (灘尾弘吉君外二名紹介)(第二四九〇号)  広島広域都市圏整備のための海田湾埋立認可に  関する請願灘尾弘吉君外二名紹介)(第二四  九一号)  山陰本線等輸送力増強に関する請願新井彬  之君紹介)(第二四九二号)  同(小川新一郎紹介)(第二四九三号)  同(山田太郎紹介)(第二四九四号)  国鉄運賃値上げ反対等に関する請願石母田達  君紹介)(第二四九五号)  同(栗田翠紹介)(第二四九六号)  同(庄司幸助紹介)(第二四九七号)  同(田中美智子紹介)(第二四九八号)  同(寺前巖紹介)(第二四九九号)  同(中島武敏紹介)(第二五〇〇号)  同(村上弘紹介)(第二五〇一号)  京都市電存続等に関する請願梅田勝君紹  介)(第二五五八号)  国鉄運賃値上げ反対等に関する請願多田光  雄君紹介)(第二五五九号) 同月八日  京都市電存続等に関する請願梅田勝君紹  介)(第二六九八号)  同(梅田勝紹介)(第二七七四号)  同(紺野与次郎紹介)(第二七七五号)  同(寺前巖紹介)(第二七七六号)  山陰本線等輸送力増強に関する請願野坂浩  賢君紹介)(第二七七三号)  潮岬測候所気象業務充実に関する請願(野間  友一君紹介)(第二七七七号) 同月十二日  京都市電存続等に関する請願梅田勝君紹  介)(第二九〇四号)  同(紺野与次郎紹介)(第二九〇五号)  同(寺前巖紹介)(第二九〇六号)  同外一件(三浦久紹介)(第二九〇七号)  同(梅田勝紹介)(第二九九一号)  同(紺野与次郎紹介)(第二九九二号)  同(寺前巖紹介)(第二九九三号)  同(三浦久紹介)(第二九九四号)  国鉄運賃値上げ反対に関する請願三浦久君  紹介)(第二九八八号)  山陰本線等輸送力増強に関する請願島田安  夫君紹介)(第二九八九号)  国鉄運賃値上げ反対等に関する請願津金佑近  君紹介)(第二九九〇号) 同月十三日  京都市電存続等に関する請願梅田勝君紹  介)(第三〇五八号)  同(紺野与次郎紹介)(第三〇五九号)  同(寺前巖紹介)(第三〇六〇号)  同(三浦久紹介)(第三〇六一号)  同(梅田勝紹介)(第三一四二号)  同(紺野与次郎紹介)(第三一四三号)  同(寺前巖紹介)(第三一四四号) は本委員会に付託された。     ――――――――――――― 三月二十三日  国鉄運賃及び料金の値上げ反対等に関する陳情  書外一件(  第一一七号)  国鉄田辺周辺コンテナ基地設置に関する陳  情書  (第一一八号)  四国循環鉄道等建設促進に関する陳情書  (第一一九号)  精神薄弱者に対する運賃割引制度創設に関する  陳情書(第一二〇  号)  地方陸上交通事業維持整備法案等成立促進に  関する陳情書外九件  (第一二一号)  地方バス路線運行維持対策確立に関する陳情  書外一件(  第一二二号)  福岡空港周辺整備機構設立に関する陳情書  (第一二三号)  本四架橋に伴う旅客船対策に関する陳情書  (第一  二四号)  国鉄丸森線全線開通促進に関する陳情書  (第一二  五号)  自動車損害賠償保障法改正に関する陳情書  (第一二六号) 四月九日  東北新幹線の建設促進等に関する陳情書  (第一九二号)  青函トンネル早期完成に関する陳情書  (第一九三号)  国鉄七尾線、能登線の輸送力増強等に関する陳  情書外三件  (第一九四号)  国鉄運賃値上げ反対に関する陳情書  (第一九五号)  農林畜産物輸送にかかる国鉄貨物運賃軽減等  に関する陳情書外一件  (第一九六号)  地方陸上交通事業維持整備法案等成立促進に  関する陳情書外五件  (第一九七号) は本委員会に参考送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  日本国有鉄道経営に関する件(根室本線にお  ける列車脱線事故に関する問題等)      ――――◇―――――
  2. 中川一郎

    中川委員長 これより会議を開きます。  ただいま、日本社会党日本共産党革新共同及び公明党所属委員出席されておりません。  この際、各党の委員に対して出席を求めることとしたいと存じますので、暫時お待ちを願います。  ちょっと速記をとめてください。     〔速記中止
  3. 中川一郎

    中川委員長 速記を始めてください。  ただいま、日本社会党日本共産党革新共同及び公明党委員に対して連絡をいたしましたが、出席を見るに至りません。まことに遺憾に存じますが、やむを得ず、この際議事を進めます。  日本国有鉄道経営に関する件について調査を進めます。  この際、昨十三日の根室本線における列車脱線事故について、日本国有鉄道当局から説明を聴取いたします。山岸常務理事
  4. 山岸勘六

    山岸説明員 昨日の根室本線の「おおぞら3号」気動車特急でございますが、釧路から函館行きの特急でございます。釧路を出まして、十四時四十二分、庶路という駅が釧路から四つ目ほどにございますが、この駅に差しかかりましたときに、最後部まで十両編成の列車でございますが、前から四両目から五両、六両、七両、八両目までが脱線いたしました。九、十両目後部の二両がさらに最後に至りまして横転いたして、お客さんを二十五名負傷せしめるに至りました。まことに申しわけない事故を発生いたしております。  この事故状況につきまして調べましたところ、脱線は四両目の食堂車でございますが、この食堂車が一番最初に軌間の中に落ち込んだ、いわゆる軌間拡大と私ども申しておりますが、レールが左側と右側とで所定の寸法より開きまして、その中に落ち込む現象でございますが、こういう現象を起こしまして、さらに当時八十キロの惰行運転でございましたので、四両目以降大きな事故に発展したものと結論を出しております。  さらに、この四両目がなぜ軌間の中に落ちたかということでございますけれども、当日午前中にこの地点付近におきまして、一応遊間整正準備作業をいたしたわけでございます。この地点におきましては、先ほど申し上げましたように、四両目から脱線開始をいたしておりまして、十両目まで脱線または転覆いたしておりますので、これらの列車が全部通過いたしておりますので、非常に痕跡がめちゃめちゃになりまして、明瞭な痕跡、たとえば準備作業として、いわゆる犬くぎが抜いてあったのかどうかということまで認めるわけにはいきませんで、脱線後に抜けたものと推定される部分があるわけでございますけれども準備作業そのものに欠陥があったという結論をいまだ出すに至っておりません。しかしながら、こういう作業をしなければいけない場所であったことは事実であります。  したがいまして、その線路状態から、列車速度制限をあらかじめ行うとか、あるいはまた作業準備に入りまして、当時二十一名で作業したわけでありますから、その線路を見ているわけでありますから、その状況から判断いたしまして、汽車をとめなければいかぬとかいう判断が当然あってしかるべきであったと思うわけでありまして、私ども判断の甘さがこのような大事故に至らしめましたことにつきまして、大変申しわけなく、今後一層この点に注意をいたしまして、かかる事故のないよう万全を期したいと、このように思っておる次第でございます。  簡単でございますが、概況の説明を終わらせていただきます。     —————————————
  5. 中川一郎

    中川委員長 質疑の通告がありますので、順次これを許します。江藤隆美君。
  6. 江藤隆美

    江藤委員 この際、根室本線脱線事故と、それに伴う諸問題についてお尋ねをしてみたいと思います。  本日は、長い間委員会が空白を続けておりまして、そのさなかのこの委員会でありますが、本日は半日の拠点ストが行われるということであり、これはその前日の事故であります。しかも、また、近くは七十二時間のストをやろうという計画もあるかに聞いておるわけでありますが、こういう問題が重なるというと、最も安全であるべき国鉄事故というものが頻発をして、信頼を受けるべき国鉄が非常な不信感安全性の上から招くと同時に、われわれは運輸委員会委員としてこの席を汚す者として、今後このような事故がないように——事故があるたびに以後十分配慮して気をつけますということをいつも言うわけでありますが、同じことが年じゅう繰り返されておるというのが遺憾ながら今日の国鉄状況であります。したがって、変則的な中ではありますが、国会の当然なすべき責任として、本日は委員会の開会を実はわれわれはお願いして質問をさせていただくということになったわけであります。  そこで、ただいま山岸常務から原因と経過について簡単な説明があったわけでありますが、いまの御説明の中で、事故経過でありますけれども一つ気にかかることがあります。私どもはマスコミを通じてしか事故状況はわかりませんでして、ただいまこれをいただいたわけでありますが、その判断の中で、国鉄当局は、いろいろと手不足のことはあるにしても、機械化その他こういう事故に対しては十分対応策をとってきておったということを言っておるし、組合は、いやそうじゃない、これはすべて人手不足によっているのだ、そのために保線巡回の回数が減り、手抜きをしていたからこういう事故が起こったんで、これはあたりまえのことだということを言って、真っ向うから実は対立をしておるわけであります。  ところが、いまの説明を聞いて、これにありますものを読んでみますというと、脱線転覆した現場というのは、午前中に二十一名の作業員が行って現に作業をしておるというところであります。しかも、素人が行ってそこを見回ったり作業をしたのならともかくも、それでおまんまを食っておる玄人の作業員が行って作業をしておって、午後の二時四十何分になったら列車がそこでひっくり返ったというのでは、われわれはその説明にはいささか納得に苦しむものがあります。  まず、お尋ねしたいのですが、いま山岸常務からも判断の甘さがあったのではなかったかというような反省の言葉もありましたけれども、二十一名の作業員というのは、どの程度の人が配置されておったのですか。責任者はどのくらいの経験あるいは統率の能力があったのか、その他の作業員については、アルバイトなのか、専門家がやっておるのか、まずそこいらからお聞かせをいただきたいと思います。
  7. 山岸勘六

    山岸説明員 当時の作業責任者といたしましては、釧路保線区の助役、五十一歳、助役になりまして二年二カ月の経過でございます。なお、現場作業長といたしまして、同じく釧路保線区の軌道作業長、三十八歳、軌道作業長経過年数は五年六カ月であります。なお、このほか作業員として保線区員並び請負人たち、合計して二十一人ということでございます。
  8. 江藤隆美

    江藤委員 これは全部国鉄正規職員ですか。
  9. 山岸勘六

    山岸説明員 私どもはまだそこまで全部調べておりませんけれども請負人たちが若干名入っているものと思います。
  10. 江藤隆美

    江藤委員 いまの説明で、五十一歳の助役と言われると、かなりの経験年数と実績を持った人であろうと思います。あるいはまた、現場長もそのように拝聴をいたしました。そうすると、組合が言っておるのと全く違うということであります。  私どもが新聞を見た範囲内においては、そこは危ないぞと指摘しておったけれどもそのままほったらかしにされておったんだというふうに報道されております。いま事実を聞いてみると、なるほど問題の個所であった。したがって、当日午前中に助役を筆頭にして現場長その他作業員が行って、そうしてこれによれば、これは専門語ですからわかりませんが、「アンチクリーパー軌間内配布及び継目ボルト締直し及び注油作業を行った」ということであります。これを見る限りにおいては、一応のそこにおいての手当てが行われたとわれわれは判断をするものであります。しかも、当日午後にはまた作業予定をされていたわけです。  列車が通るということはわかり切っておるのですから、危なかったならば応急の安全手当てをなすことは当然の責任でありますが、それがなされていないということなのか、とにかく、手入れをした後に脱線転覆をしておる。しかも、午後にはまた作業を行うという作業予定がちゃんとあった。一体これはどういうことなのか、判断に苦しむわけでありますが、ひとつわかりやすく説明をしてください。
  11. 山岸勘六

    山岸説明員 先生のおっしゃいましたように、アンチクリーパーと申しますのは、線路が横揺れ、横動しないようなために取りつけてあるものでございますし、あるいはまた、それらを取りかえまたは付加するために準備作業としてレールの間に置いておいたものと思われますが、さらに、継ぎ目ボルトの締めつけは、その遊間がこの辺では二十五メーター置きにレール遊間というものがあります。したがいまして、この遊間全部を整正するわけじゃありませんで、何本かのレールを締めつけたままにおいて移動するというような作業にもなるわけでありまして、そこに「準備作業」とあります一環のものはすべて移行の作業準備作業でございます。  私ども非常に注意しておりますのは、こういう準備作業の際に、たとえば犬くぎを一本置きに抜いて準備するというような作業がありますし、その際には、さらにもう少し抜きたいというときには徐行をかけまして準備を進めるという作業正規作業としてあるわけでございますが、この場合に、どこまでそれをやったのかという実証が現在まだとれておりませんで、やった人間たち口述書を現在とっておりまして、それらの口述書を突き合わせることによって真相を究明してまいりたいというふうに考えている次第でございます。
  12. 江藤隆美

    江藤委員 真相の究明に本社からだれか派遣してありますか。
  13. 山岸勘六

    山岸説明員 従業員一人一人についての真相でございますし、基本的に釧路にも保安課という担当課がございますし、その調べの専門家がございますので、こういう場合には一般には本社から派遣しておりません。ただし、私ども昨夜考えましたのは、これが地質的に問題があるのじゃないかということでけさまで考えておったわけでありますけれども現地からこのような報告が参りましたので、研究所からの派遣を取りやめまして現地に委任しております。
  14. 江藤隆美

    江藤委員 私は午前中だけの作業かと思っておりましたら、同じ作業を午後もやっておるのですね。一時五十八分の列車、二時十分の列車。その前に同じような作業をすでにやっておる。こういうことです。そこでなおかつ事故が起こっておる。ということは、一体そういう作業にミスがあったのかどうかということと同時に、列車運行そのもの一体手落ちはなかったのかということも考えなければならぬと思うのです。あなたはさっき約八十キロで惰行運転をしておったと言われたが、八十キロというのは適当なスピードなんですか、どうですか。危険個所で午前から午後に引き続いて作業を行っておる。したがって、ここのところはもっとスピードを落として安全運転をすべきであるという指示がなされ、あるいは処置がなされてしかるべきではなかったかとわれわれは考えるのですが、その方面の手落ちはないのですか。
  15. 山岸勘六

    山岸説明員 先ほども申しましたように、事態に対する判断の甘さというものは言いわけの申しようがないわけでございますけれども、当日は徐行運転その他の措置は一切いたしておりません。したがいまして、線路保守側におきましては所定運転で十分安全だという判断のもとに作業にかかっているわけでございます。また、乗務員運転取り扱い方につきましては、釧路発車以来事故に至るまで所定計画運転線図に沿って走っておった結果におきまして、当時、その時点におきまして惰行の八十キロ、これは所定取り扱いでございます。
  16. 江藤隆美

    江藤委員 ということは、問題の個所であったにもかかわらず、スピードは落とさずに所定スピードで走っておったということである。そのことは、運転者側から言わすというと、線路のそういう保守工事に全幅の信頼を寄せておったか、あるいはまた現場作業員あるいは監督者スピードを落とすべしという当然の連絡を行うべきものを怠っておったか、そこいらに一つの問題があるように私は感じてならない。このことは目下調査中ということでありますから、いまここで押し問答してみたところでわからないと思いますけれども、十分に検討してもらいたい。  そこで、この機会お尋ねをしておきます。いつでしたか、鹿児島本線で列車運転手が腹が減ったのでパンを買いに行って、帰ろうと思ったらブレーキをかけてないから列車が動き出して、あわてて引き返そうとしたらトラックにはねられて死んだという事故がありましたが、あれなどはおよそわれわれが抱いておる国鉄のイメージからすると想像のつかないことでありまして、悲劇というか、喜劇というか、漫画というか、まことに形容する言葉もないわけであります。亡くなった人にはお気の毒だと思いますけれども、しかし、考えてみるとずいぶんと乱暴な話だと思う。  そこで、この際にお尋ねしてみたいと思うのですが、最近の列車事故と称するものは、この一年間を振り返ってみて、いままでと比べてどうなんですか、ふえたのですか、減ったのですか。主なものを挙げて概要の御説明をこの機会に賜りたいと思います。
  17. 山岸勘六

    山岸説明員 昭和四十九年度と昭和五十年度とを比較いたしまして、列車事故と私どもが称しております列車衝突列車脱線、それから踏み切りにおける踏み切り障害列車事故、それらを含めまして一年間で約十件減っております。  また、内容につきましてはそれぞれ十分反省しなければいかぬものがありますけれども、幸いにして、一昨年の夏に起きましたような東北線における事故あるいはまた今回釧路に起きましたような、大ぜいのお客さんにけが人を出すという事故は過去一年半ほどなかったのでありますけれども、ここにまいりまして、一年半ぶりに二十五名のお客さんにけがをさすという釧路事故が発生いたしたわけでありまして、まことに申しわけなく存じておる次第であります。
  18. 江藤隆美

    江藤委員 列車事故は減ったという報告でありますけれども、去年一年間国鉄はろくすっぽ走っていない。走っておる時間の方が少なかったのだから、それから言うと減るのはあたりまえのことだという見方は成り立たないのですか。一年じゅう正常運転をやっておったならばもっと事故はあったのではないか。いわゆる列車の運行時間というものと比較検討してきたことはありますか。
  19. 山岸勘六

    山岸説明員 先生のおっしゃるとおり、事故が少ないといっても、汽車がうまく走らなければどうにもならないわけでありますが、いまの比較におきまして、列車のおくれ状況を一年間を通して見てみますと、大体、四十九年度に対しまして五十年度は、おくれの総時分で見まして五分の四ぐらいに、二割ぐらいの減り方であろうかと思います。  ただ、先生のおっしゃるとおりでありまして、四十九年度は、新幹線を初めといたしまして、いわゆる汽車がうまく走らない年でございますが、根本的な問題としては、車両、レールの疲労、それに伴う故障というようなものもやはり数多く見られたわけでありまして、それらに対して根本的な切開手術ともいうべき、たとえば新幹線のレールの総取りかえとか、架線の重架線化への総取りかえとかいうような、あるいは車も取りかえていくというような、そういう基本的な手を打ち始めたばかりでありまして、それらに対する効果というものはいま急に出るものではないと思いますけれども、しかし、それらの姿勢がまた全体の汽車の扱い等にも影響して、若干たりとも上向きに転じたものと存じておる次第でございます。
  20. 江藤隆美

    江藤委員 このような事故が発生し、問題が提起されたときに、私は何も当局の味方をしようというつもりはありませんが、いつも責任のなすり合いであります。当局は不十分であっても十分なことをしておりましたと言うし、組合は、挙げてこれは国鉄当局が悪いのだ、運輸省が悪いのだ、おれたちは責任は全くないのだということをいつもわめき立てておるというのが今日の状況であります。したがって、これらの問題については、原因の究明とともに責任の所在を明らかにするということがまず第一番であろうと思うのです。  それから、もう一つは、このような事故が起こるのは、一体、組合が言うように人手が足りないのか、それとも予算が不足をして設備が不十分なのか、それとも精神的な弛緩が原因なのか、そこいらを究明しないと基本的な問題の解決にはならないと私は思っておるのです。  就任間もないことでありまして、総裁にお尋ねするのは酷かもしれませんが、しかし、いやしくも総裁として御就任をされた以上、この責任を避けて通ることはできません。その座についた日から責任は生ずるわけでありまして、今回の一連の列車事故一つの例として、過去の前例を考え、将来を展望して、一体国鉄総裁としてはどのようにこの問題をとらえておられるか、その所感を求めておきたいと思います。
  21. 高木文雄

    ○高木説明員 現在、国鉄には、各種各様の解決をいたさなければならない問題が実に山積をいたしておるわけでございますが、それら全部を通じまして、安全かつ確実に列車、電車、貨物を運行させるということが最も大事なことだ、ほかのことが仮にうまくいきましても、事故がありましたり運転が不正確でありましては何にもならないという意味で、何が何でも安全に、かつ確実に運転をすることが確保できるようにするということが最大の焦点であると考えております。  具体的に、それを実現いたしますためにどういう点を解決していったらいいかということになりますと、ただいま御指摘がありましたような予算の問題もございましょうし、精神的な面もございましょうし、また、さらに技術面でいろいろ工夫を要する点もあろうかと思います。  今回の場合につきましては、まだつまびらかな調査が完了いたしておりませんで、手をつけ始めたばかりでございますので、ただいま御指摘になりました幾つかのポイントのうちのどれが主要な問題であるかというようなことにポイントを置いて調査をいたし、今後の参考といいますか、再びこういうことを起こしませんための注意事項を摘出してまいりたいと思いますし、また、御指摘がありました責任の明確化ということについては御指摘のとおりにいたしてまいらねばならぬと思います。
  22. 江藤隆美

    江藤委員 総裁がいみじくも、安全かつ確実に運転するということが国鉄の使命であるとおっしゃったわけでありますが、新総裁としては、国鉄が今後安全にしてしかも確実に運行されていくように、その職務に全力を挙げるという決意であると承ってよろしいのでありますか。
  23. 高木文雄

    ○高木説明員 そのとおりでございます。
  24. 江藤隆美

    江藤委員 しからば、本日の拠点半日ストについてお伺いをいたします。  この半日ストによって、およそ千八百万人の人々がゆえなくして足を奪われ、迷惑をこうむると言われております。正確に言うと、私鉄の電車が七百五十万人、バスが六百七十七万人、国鉄が四百十万人というのだそうであります。しかも、この二十日からはまた性こりもなく七十二時間のストをぶち抜こうという計画だと承っておりますけれども、これは総裁が決意をされておる安全かつ確実な国鉄の運行というものとどういう関係があるのか、お聞かせをいただきたいと思います。どう対処されるか。決意を述べられたその日から起こっていることでありますから、これに国鉄としてはどのように取り組んでいかれるか。
  25. 高木文雄

    ○高木説明員 安全でかつ確実に運行するということについての現在の障害は、主たるものとして二つあると思います。一つは、先ほどの北海道におきます事故のような、アクシデントとでも申しますか、そういう事故でございますし、もう一つは、ただいま御指摘のように、職員問題と申しますか、組合問題と申しますか、そういうことから起こりますところの、言ってみれば、常識的にはなかなか理解しにくい事態が毎年繰り返し行われているということでございます。  この後の方の問題、つまり、春闘その他の機会に時折あるいはしばしば行われております計画的な運行阻害の問題は、これはどうして起こってきているかということは私自身も外から見ておりましてなかなか理解ができなかったわけでございますし、現在、いろいろな過去の経緯の積み重ねから、いろいろなこじれから起こってきているということは私自身もわかっておりますけれども、それをどのようにしてほぐしていったらよろしいか。いろいろな過去のいきさつやら、また、当社の中におきまして幾つもの組合があるというような問題やら、余りにもいろいろと重なり合っておるわけでございますし、また、さらには、四十三万人という非常に大きな組織であるというところから、これの持ちます社会的影響が大きいということによって、日本の労働組合運動全体の中において特殊な位置づけに置かれておるというような問題もあろうかと思いますが、いずれにいたしましても、そういうものが重なり重なって今日のような状態になっておるわけでございます。これは何が何でも全力を挙げて私が片づけなければならない問題と思っておりますが、同時に、はなはだ申しわけございませんけれども、私だけの力ではなかなか片づけ得ない面もあるわけでございますが、一般的な社会情勢であるとかその他もろもろの要素、特に、最近ではこれに対しての国民一般の批判的な声が大変高まっておりまして、それが職員諸君にも漸次反映して、職員諸君の全体が現在の行動に対して積極的な気持ちで行動しているということでも決してないというふうに動いてはきております。  そこで、申しわけございませんが、今後いささか時間がかかるとは思いますけれども、私自身も、組合の執行部の諸君はもちろんのこと、場合によりましたら一人でも多くの職員の諸君に声をかけてまいりまして、いろいろと職場で接することを考えまして、そうして私自身の勉強にいたしますと同時に対策を立ててまいりたい。就任早々にストに次ぐストということで、本当に身を切られる思いでおるわけでございますが、さりとて即座にこれを排除するという力を持っておりません現状でございますので、しばらく時間をかしていただきたい。しかし、それが最大の仕事であるということは考えておるということだけを申し上げておきます。
  26. 江藤隆美

    江藤委員 いま国鉄が未曾有の危機に見舞われて、いま、旅客の輸送割合は恐らく三〇%を割り込もうとするのじゃないかと思います。これでもかこれでもかと痛めつけた上に、損害賠償を請求すると不買運動を起こすなどと言っておどかすから、今度は貨物の輸送というものにはだんだん愛想を尽かしてトラック輸送に切りかえて、いまのままでやっておったならば、いわゆる貨物の輸送シェアが一〇%になるのはもうほど遠くないと私は思っておるのです。  先月末に私は農畜産物価格をやりましたが、北海道から牛乳を関西に送ると、トラックやらカーフェリーを使うと三十円近くかかります。これが安全に年じゅう列車運転されるということになると半分ちょっとで行くんです。仮に十円だけでもキロ当たり運賃が助かるということになれば、これはもう牛一頭で五万円収入がふえる。十頭で五十万、四十頭搾乳しておれば二百万それでふえるのです。国鉄が年じゅうとまって牛乳が腐ってしまうから、農家は仕方なしにトラックに切りかえ、カーフェリーに載っけて北海道から東京やら大阪に持っていくのです。これは一つの例にしかすぎませんが、それほど国鉄のわが国の経済に及ぼす影響はきわめて大きい。物価を一けたにということがよく言われますが、極言をすれば、日本の物価というものは荷づくり費と輸送賃と手間賃だと私は思っておるのです。その輸送体制が常に不安定であるということが、生産者はもちろん多くの消費者や利用者に対していかに大きな影響を及ぼしておるかということは、これはもういまさら改めて私が説明する要もないと思うのです。  そこで、この機会にはっきりお尋ねしておきたいと思うわけでありますが、国鉄の労組というものは特殊な位置にあるとおっしゃいました。これはいろいろな意味があるでしょうけれども、その特殊な位置づけというものが、昔の誇りある国鉄一家というものの上に立った特殊な位置であれば結構だと私は思うんですが、幾ら赤字が出ようと、親方日の丸で、どうせ国有鉄道だから国家が後のめんどうは見るんだという考え方が従業員の中に蔓延しておるとするならば、それは国民として納得のできない位置であります。一日運休をやると四十億も赤字が出るわけでしょう。七十二時間というと百二十億ですよ。これは国鉄当局責任がある、国有鉄道だから国家がめんどうを見ろというのであれば、国はこれは国民の税金から見るより以外にありません。そうであるならば、われわれ国民のサイドから見るならば、国鉄はもっと国民に対する責任を果たせと言って要求するのはあたりまえのことだと私は思います。  今回の、本日行っておる拠点スト並びに二十日以降に予定をされておるという七十二時間のストというものは一体何を目的にしておるのか、われわれは理解に苦しむのであります。一体何を目的にしてきょうはストライキをやったのか、そして、改めて何で七十二時間もストライキをやらなければならないのか、どうしても意味がわからないのです。そのストライキの意義を聞きたいのと、それから、そのようなストライキが行われるということは明らかに違法行為であると私ども判断をしておるわけでありますが、そのことは間違いありませんか。総裁にこの二つのことをお尋ねをしておきたいと思います。
  27. 高木文雄

    ○高木説明員 先ほども申しましたように、私自身も外から見ておりましてなかなか理解に苦しむというようなことを申したわけでございますが、現在の日本の労働運動の中で、一つには何と申しましても人数が非常に多いということで、そういう意味での力を労働界の中で持っておるということは否定できない事実であると思います。それから、もう一つは、国民経済的にきわめて重要な独占的な輸送事業であるということ。そのことのために、その団体が、違法であれ適法であれいろいろと行動することが社会全般に非常に大きな影響力を与えるところから、きわめて遺憾ではございますが、違法であることをしてさえも一種のアピール活動の中心に立つ、あるいは周囲の組合との関係で立たされるという結果を繰り返しておるわけでございます。  しかし、実は、先ほど来お触れになっておりますように、現在の国鉄経営状況は、いま、日本のあらゆる企業の中でも最も悪い方の一つになっておるわけでございますから、本来であるならば、こういう経営状態の悪い経営体の組合が、ますます国民からきらわれるといいますか、国民の方から離れていくような事態を自分自身でつくり出しておるということは、ある意味から申しますとみずから墓穴を掘る結果になるわけでございまして、何と申しましても、いままでのような二十年、二十五年と続いてまいりましたような春闘の状態とは少しく物事を変えて考えてもらわなければならないというふうに思うわけでございますが、そこのところはそういうような話し合いをいたす機会をまだ持つに至っておらないのでございます。その長い歴史の中における春闘の特殊な経過というものに相変わらず頼っておるということでございまして、新しい事態に対応したことにならなければならないのを、目覚めといいますか、そういうものがまだ生まれてこないというところの、はなはだ不可解なる事態の連続であるということになっておるというふうに考えます。  いまの違法という問題については、まさしく違法でございまして、これはもう明快に違法でございますので、その意味におきましても、私どもは、一日も早くそういう状態を取り除かねばならぬというふうに思っております。
  28. 江藤隆美

    江藤委員 今後の事故の処理の仕方あるいは万般の安全運転への取り組みの仕方と、同時に、国民生活に重要なる影響を及ぼす今度の七十二時間のストの行方、それらの取り扱いいかんによっては、いよいよ国鉄も運賃改正法をやらなければならないわけでありますが、私どもは重大なる決意をしようと思っております。これでは国鉄の財政再建をやったって意味がないのじゃないか。責任感もなければ使命感もない連中を抱え込んで、そして悪いやつが天下にのさばっておる、まじめに働く人たちが同じ国鉄の中でも日陰者にされておる、そういうような状態の中で国鉄の財政再建に汗を流すことが意味があるかどうかということについては私どもは多大の疑問を持っております。今後の御努力と、そして御精進を切に祈りたいと思います。  同時に、最後に委員長にお願いしておきますが、このような異常事態でありますから、適当ななるべく早い時期に、この違法ストの張本人である国労、動労のそれぞれの責任者をこの委員会に召喚されて、われわれの前で、今後のストあるいはその他の考え方について十分われわれから聞く機会をつくっていただくように各党に対してもお働きかけをお願いし、ぜひ早急にその実現をお願いして質問を終わりたいと思います。
  29. 中川一郎

    中川委員長 きわめて大切なことでございますので、理事会で協議いたします。  河村勝君。
  30. 河村勝

    河村委員 根室本線事故について、疑問の点を二、三伺います。  北海道の、特にツンドラ地帯の場合には、凍上が終わる時期に合わせて軌条の遊間整正計画的に行われているはずであるが、それは今度の場合、通常のスケジュールよりおくれているのか、正しく行われているのか、どっちですか。
  31. 山岸勘六

    山岸説明員 最近は軌条の狂い測定を機械で実施いたしておりまして、この区間につきましては、たしか三月の二十三日に測定をいたしているわけでありまして、先生のおっしゃるように、凍上の後始末の遊間整正その他の作業が当然行われるわけでありますけれども、この計画もこの測定結果に合わせて最近は順序を決めているわけでありまして、二十三日の測定結果によって当日の作業計画を立てた、と、このように現地から言ってきている次第であります。
  32. 河村勝

    河村委員 三月二十三日というと、もう二週間以上前ですね。すると、その危険な状態にあるという測定がなされたところが、それがやっときのうぐらいになって作業が行われるというふうな順序になっておるのはどういうわけですか。
  33. 山岸勘六

    山岸説明員 申し忘れまして、大変失礼いたしました。  三月二十三日のデータにおきましては、いわゆるきわめて普通のデータを言っているわけでありまして、特に悪いというデータはございません。もっとも、三月二十三日といいますと、凍上から凍上の終わり、いわゆる融解時期に入る時期でございますので、したがいまして、その間の狂い等もあったかと思われますけれども、三月二十三日のデータそのものについては、昨日見たところによりますと、いわゆる五十キロNレールと申します新しい五十キロレールの敷設区間といたしましては正常の値である、このように認めている次第であります。
  34. 河村勝

    河村委員 脱線後の測定の数値が出ていますが、これは脱線した場所そのものではないけれども、軌道狂いの最大値が、軌間、水準、高低、通り、と、それぞれ出ていますね。この数値は危険な状態ではないのですか。
  35. 山岸勘六

    山岸説明員 これは直ちに危険だという状態ではないと判定いたします。
  36. 河村勝

    河村委員 そうなるとおかしくなるのだな。これは脱線の場所そのものではないけれども、二十メートルぐらいの差しかないところだ。そこで、この日の午前中に準備作業をやって、そして午後遊間整正をやる予定になっておった。だから、現場を確認している。その際に、もし危険ならば速度制限をするはずですね。それをしないというのは、大体危険のない状態であったと見たわけだ。そうすれば、その事故原因はほかになければならぬということになるわけじゃないですか。
  37. 山岸勘六

    山岸説明員 この測定側はあくまでも脱線後の測定値でございますから、私どもとして、いま、正確な数値としては、三月二十三日のものが一番正確な近い数値であると判定しているわけでありますが、先生のおっしゃるように、もともとそこが脱線するような線路状態になっておったのかという一つの疑問点と、それから準備作業において少しやり過ぎがあって危険状態へ持っていったのかということと、この二点からの追及を現在いたしているわけであります。  ここにちょっと脱線後の静的狂いだけを書いてございますけれども、これだけでは何とも判断いたしかねるというのが現時点でありまして、まず、作業がどういう作業であったのか、取り急ぎもう少し詳しく個々の人から口述をとりまして、それによって現象あるいは残った痕跡等々から判断をしてまいりたいというふうに考える次第であります。
  38. 河村勝

    河村委員 脱線後の数値ですら危険な状態ではないというのであれば、脱線前はなおさら正常に近いものであったはずだな。そこで、脱線するというのは何かほかに原因があったとしか考えられない。だから、そうなれば、準備作業中に犬くぎを抜いたとかなんかと、そういうような問題が当然出てくるはずだ。さっき江藤さんが盛んにやっておったけれども、その辺にやはり平素のしつけというものに対する疑問が非常にあると私は思う。しかし、きょうはその翌日だから、その原因がそこまでつかめていないというならば仕方がないが、その点をもう一遍よく調べてください。それだけ申し上げておきます。  終わります。
  39. 中川一郎

    中川委員長 宮崎茂一君。
  40. 宮崎茂一

    ○宮崎委員 きょうも新聞に大きく出ておりますし、また、前々からいろいろ出ておりますが、私は、いわゆる国鉄スト問題につきまして、政府と国鉄当局の意見を承りたいと思っておるのでございます。  御承知のような今度のストライキでございますが、いつも春闘で「スト旬間に突入す」というような新聞の見出しがございますが、私どもも、先ほどの同僚議員の江藤さんのお話のように、どういうわけでこのストライキをやるのか、どうも、純然たるいまの現体制に対する反対ではないかというふうにしか受け取れないのでございます。ストライキ権というのは労働者に与えられた基本的な権利でありますけれども、民間の労働組合でも、交渉をして、そしてぎりぎりのところでストライキをするかどうかという決心をするわけでございますが、国鉄当局お尋ねいたしますが、いわゆる賃金のベースアップと申しますか、こういう賃金要求の具体的な交渉はいままでにどのくらいなされているのかという問題が第一点と、それから、先ほど総裁もお答えになりましたけれども、今度のストライキは経済的なものだけではなくて、総評あたりの掲げている問題を見ますと、どうもいろいろな政治的な色彩の方が非常に強いように思われますが、そういう点はどういうふうにお考えになっておるか。  まず、第一点のストの交渉ですが、国鉄内部においてどの程度どういう交渉が賃金問題について行われているのか、その辺をお聞かせ願いたいと思います。
  41. 橘高弘昌

    ○橘高説明員 賃金交渉でございますけれども、私どものところに大きな——大きなと申しますか、組合が五つございまして——全体で七つございますけれども、重だったものが五つございまして、各組合とも三月九日に要求書が出まして、自来四回ほど交渉をいたしております。  どういう内容かと申しますと、いままでのところ、組合側の要求根拠についてこちら側からいろいろ質疑をして、その不当性と申しますか、妥当性について、むしろおかしいではないかという感じの質問をやっておる状況でございます。
  42. 高木文雄

    ○高木説明員 お尋ねの第二点につきましては、三月十七日の場合と、さらに三十日の場合には、ストの理由として掲げられております事柄も私どもの手の及ぶところでないことばかりでございまして、そういう意味において、純粋な意味での経済的な、特に賃金問題というような経済的な問題の解決のための主張であるとはなかなか理解しにくい状態でございます。  今回の十四日から二十二日までのものにつきましては、御存じのように、私鉄その他の民間の闘争とある種の提携がなされて組まれておるという意味におきまして、三月の段階の場合に比べますと経済的な主張の実現をねらったという色彩が強いということは言えますけれども、それにいたしましても、いろいろと付帯的に、いわば政治的と申しますか、経済外と申しますか、そういう項目が多分に含まれておるわけでございまして、その意味でやはり私どもの手の及ばない範囲のことがいろいろ入っておる、そういう色彩のものというふうに私は理解をいたしております。
  43. 宮崎茂一

    ○宮崎委員 総裁もそのように理解しておられるわけでございますが、新聞なんかに載っておりますが、例の動労が山手線のストをやるというのは、これは国会で予算案を自民、民社の両方で強行したからだということで、われわれにはもう実に考えられないことで、法治国家においてそういうことを考えること自体が非常におかしい、頭が狂ってるんじゃないかというふうに考えられるわけでございます。総裁も就任早々でございますが、これはひとつ基本的に根本的にじっくりと話し合って——話し合ってもわからない人たちかどうかわかりませんけれども、これは心を入れかえなければ国民の国鉄というふうには私どもにはとても理解できないわけでございます。  いま一つ、さっきの賃金問題でございますが、これは国家公務員の場合も予算で五%とかなんとか決まっているわけですね。物価上昇その他から考えますと、国労や動労が言っているように二けたとかいうようなことはもうとても考えられることではございませんし、国鉄のいまの経済状態からいきますと、もう破産してしまったようなものですから減俸するんだということぐらいあってしかるべきなのに、予算があるからということで幾らか出そうかというような話のようでございますが、私どもは非常に理解に苦しむわけでございます。国民に迷惑をかけて、そしてまたその上でベースアップを要求して、そして政治的な要求を掲げて議会制民主主義を否定するような言動をしているわけでございますが、まことに私は遺憾だと思います。  もう時間もございませんから大臣に伺いたいのですが、このスト問題に対して  これはもう違法ストであることは明らかでありますが、今回のこのスト問題に対してどういうふうに国鉄当局を御指導なさっているのかという点と、それからいま一つ、私が先ほど申し上げましたように、増額回答とか有額回答というような段階ではないと思うのですけれども、高度の政治的判断から幾らかでも出そうかというように新聞にも載っておりまして、今明日中にあるいはお決めになると思いますが、大臣はこれをどういうふうにお考えになっているのか。その二点ですね。国鉄のしょっちゅうやっているような違法ストに対してどういうふうに国鉄を指導しようとしておられるのか。それから、この有額回答の問題でございますが、賃金の問題は予算があるからやってやろう、経済状態を離れて何とかしなければならぬのではないかというような高い次元のお考えを持っておられるのかどうか。その辺を、二点だけお聞かせ願いたいと思います。
  44. 木村睦男

    ○木村国務大臣 国鉄のたび重なる違法ストに対して、運輸省としてどういうふうな態度で指導をやっておるかという第一点の問題でございますが、機会ありますごとに私は申し上げておるわけでございます。あくまでも違法ストでありまして、いかなる理由があるにしろやってはならない違法行為でございます。  それに対しましては、まず、第一に、国鉄の中の業務遂行の秩序というものが再建にとっても一番大切なことでございますから、秩序を維持するという観点からこれに対して厳正に措置をする。そのためには、スト行為があるたびごとにその実態を早く把握する。実態を把握して、それに対する厳正な措置をする。また、これだけ赤字を抱えております国鉄は、一日違法行為があって列車がとまりますと、恐らく三十億内外の減収になるわけでございます。これらの減収がさらに国鉄の赤字に加わるわけでございます。かといって、その国鉄内部の職員の違法行為による国鉄の減収は、政府の補助金なりあるいは税金なり、あるいは旅客の運賃を増すことによってカバーすべき問題ではないので、これはやはり違法行為を起こした者に対してそれだけの損害は補てんの請求をやるべきである、それを正確にやりなさいということを指導をいたしておるわけでございます。しかし、違法とは言いながら、こういう行為がいままで長年にわたって行われてまいった、その原因もいろいろあると思いますが、それはそれとして、そういった違法行為が行われないように国鉄労使間の指導、話し合いは十分にやるべきであると思います。  なお、もう一点は、違法行為をやるということのために、旅客の混乱その他を避けるために、あらかじめ当局側が走らすべき列車もあえて走らせないというようなことがもしあるとすれば、これは考え違いであるので、いかなる混乱があろうとも、国鉄は旅客、貨物を運ぶということがやはり責任でございますから、そのために万全の努力をやるべきであるということも指導をいたしておるわけでございます。  それから、第二点の、今回の春闘に関連いたしましてのベースアップの問題でございますが、毎回、国鉄のみならず、電電等を含めまして、公共企業体のベースアップは公労協として一体の形で政府に迫っておるわけでございますが、今回も同じパターンを繰り返しておるわけでございます。国鉄の場合につきましては、昭和四十七年までは財政上その他の理由で回答ができないでまいりましたが、四十八年以降は回答をいたしております。民間のベースアップ等との関連におきまして、公共企業体といえども、その職員にある程度のベースアップはやはり必要であるという大前提はわれわれは十分理解をしておるわけでございます。しかし、五十一年度の国鉄関係の予算あるいは国鉄再建の法案、運賃関係法案はいまだに審議もしていただいておりませんし、予算は衆議院は通りましたが、まだ参議院で審議もされていないという状況のもとで、果たしてどのような態度でこれに対処すべきであるかということは、非常に厳しい問題がそこにあるわけでございます。  われわれといたしましては、関係閣僚協を今週中にも開かれると思いますが、政府全体の問題といたしまして、そこで十分それらの状況を踏まえながら検討をいたして結論を出したい、と、かように思っておる次第でございます。
  45. 宮崎茂一

    ○宮崎委員 いまのような重大な問題でございますから、慎重に検討してやっていただきたいと思います。そして、また、スト問題につきましては、国鉄当局を、大臣の信念に基づいて、不法行為のないように御指導をお願いしたいと思うわけでございます。  先ほどの根室本線事故でございますが、同僚の江藤議員、そしてまた河村議員からお尋ねがございましたので、私はもう省略をいたします。しかしながら、こういった今回のような事故対策はやはりしっかりやってもらわなければならぬと思うわけでございます。今回のような事故が起こらないように、大臣の方から、どういう対策を考えておられるか、最後にお伺いをいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
  46. 木村睦男

    ○木村国務大臣 こういった事故でございますが、これは鉄道のみならず、交通事故はほとんどが過失か、しからずんば不注意に基づくものでございまして、必然的な天災に基づくものとかいった事故はきわめてまれでございます。  本件のような場合には、先ほどいろいろと今日までの知り得た状況については説明がございましたが、いままでの委員の方の御質問の中にもございましたけれども、私は、こういう場合に大切なのは、何が何でも使命感に徹底して、そして十分な注意をもってそれぞれが業務に当たるというこのくせが根底に固まっていなければ今後とも事故というものは起こる可能性が非常に多いと思うわけでございます。そういう点から考えましても、職場内の規律を初め使命感を十分一人一人が認識をいたしまして事故防止に専念するということが何よりも大切ではないか、と、かように考えます。
  47. 宮崎茂一

    ○宮崎委員 その点につきまして、毎回のことでございますから、今後とも国鉄当局の方で事故対策に万全を期せられるよう要望をいたしまして、これで質問を終わります。
  48. 中川一郎

    中川委員長 本日は、これにて散会いたします。     午後零時三十三分散会