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木村国務大臣 今回の
ロッキード事件につきましては、私の
在任中のことではなかったにいたしましても、
運輸行政というものは連綿として続いておりますので、今日の
責任大臣である私も大いに
責任があることを、みずから認めておるわけでございます。同時に、私もかつて
運輸省に職を奉じた者でありますだけに、一層その
責任を強く痛感をいたしておるわけでございます。ただ、今回の
事件はまことに残念でたまりませんけれども、しばしばお答え申し上げております
ように、それによって
航空行政に対して
国民の
不信あるいは
疑惑を受けたということは一日も早く払拭されなければならないと思っております。
しかしながら、当時の
航空行政そのものは決して誤っていなかった、私は常にそう
確信をいたしておるわけでございまして、いま
斉藤委員の
お話しの
ように、そういう
疑惑の
事件によりまして
航空行政がねじ曲げられたとおっしゃいましたけれども、私はそうは
考えていない。
不信や
疑惑はありましたけれども、
航空行政そのものの結果がねじ曲げられて、妥当でない
航空行政が結果的に行われたということにはなっていないという
確信を持っておるわけでございます。
しかしながら、それらの
不信あるいは
疑惑、将来にわたって十分われわれは戒心をいたさなければなりません。そこで、
行政を行う
段階におきまして、そういうことがそこに忍び込むことのない
ように、でき得る限り
行政の
やり方について
運輸省としても反省しなきゃいかぬということを痛感いたしております。これはただ単に
航空行政だけではございません。
運輸行政全般について、この
機会に猛反省をいたそうということで、先般来、
運輸省に
運輸行政の総
点検本部というものを事務次官を
中心にいたしましてつくりまして、
大臣通達で地方にもこれを流し、いま、その作業に
入りまして、
運輸行政にはたくさんの
許認可行政を持っておりますので、どこにもそういう危険があるという前提で総
点検をやり、今後そういうことのない
ような
行政の
やり方をどうしたらよろしいかということを検討いたし、成案を得て
実行に移したい、か
ように
考えておるわけでございます。
それから、先般来、現在の
自民党内のいろいろな意見の
相違等がございまして、
挙党体制をとるべきであるということで、私も一
党員として、それに参画をいたしておるわけでございますが、
運輸行政を担当いたしております私といたしましては、当面、一番重要な問題は、やはり
国鉄の
再建を一日も早く
実行に移したい、これが私の当面の大きな課題である。もちろん
ロッキード事件の
検察当局による
解明につきましては
運輸大臣といたしまして、できるだけの
協力はいたしますし、一日も早い
解明ができる
ように
協力はいたしますが、それとは別に、
国鉄の
再建問題を早く解決したいということが常に頭から離れないわけであります。そのためには、御
承知の
ように、去る
通常国会で
継続審議になりました
再建関係の
法案が一日も早く
成立することを願っておるわけでございまして、それには
臨時国会が開かれまして、そこで野党の御
協力も得て、その
法案の
審議を尽くし
成立を期するということを念願いたしておるわけでございます。その
立場に立って
考えますときに、いまの
自民党の
内部事情では、
自民党として
挙党体制がとれていない状況のもとで
臨時国会が開かれましても、
法案の
審議その他が果たしてできるかどうかという非常な不安を私は持っておるわけでございます。したがいまして、私は先般の
挙党体制に賛成する一人として
参加をいたしておりますが、そういう
意味で、まず与党である
自由民主党が
挙党体制をとる、そして一糸乱れざる結束のもとに
臨時国会に臨むということでなければ、こういった
重要法案の
審議、
成立も期されぬのではないかということで、一
党員として
参加をいたしておるわけでございまして、別にそれ以外に他意があってやっておるわけではございません。そういう趣旨のもとに現在、私は
行動をいたしておる、こういうことでございます。