○川口法制局長 御
指摘の問題は、この
ロッキード問題が予算
委員会で取り上げられた当時から、必ず問題になるだろうことは予測できましたので、
関係のところとも、いろいろ相談しながら勉強をいたしました。
結論を申しますと、現在の議院証言法の解釈論としては、この議院証言法上に乗せた証人尋問、つまり証言拒否、宣誓拒否、偽証というふうな罪に問うような権力行使、これはできないと考えております。
理由を申しますと、なるほど
国会法や
衆議院規則には、審査または
調査のため
委員を派遣することができるという規定が
衆議院規則にはあります。しかし、その問題を議院証言法に真っ正面からは取り上げておりません。そして、ほとんど議院証言法の条文を読みますと、院に出頭さして証言させるというのは、どうも初めから決めてかかっているような感じでございまして、
立法論はいざ知らず、解釈論としては無理であろうと考えております。
御参考までに民事訴訟法と
刑事訴訟法を読みますというと、明確に明文で、その裁判所外において証人尋問をなすことができる、それから証人の現在する場所で証人尋問をすることができる、そして、それに対する罰則も整備しております。このような、院内のことは別でございますが、院外の
国民に対して処罰、
刑罰をもって強制することの権力というのは、どうしても、もっと明確な規定がないというと、私どもとして解釈論で補充することは困難だと考えております。
なお、これは当然、申し上げるまでもないことでございますが、
田中委員長が、この間おいでになりましたり、あるいは将来また各党代表がお出向きになって、ある外部にいる人間のうちに行って、その同意を求めて、いろいろ事情を聞く、これは、ちっとも差し支えないことでございまして、まさに、その
委員派遣で、ただ、これが問題は、そのとき、うそをついたり黙って答えなかったりしたときに処罰できるのかという
意味では、そこまではいけないでしょう、こう申し上げておる次第でございます。
先ほど
稲葉先生が御
指摘になりましたように、アメリカの一九七〇年の、これは俗に
立法部改革法という名前で呼ばれておりますが、それの百三十四条に「上院の各常任
委員会(各小
委員会を含む)は、上院の会期中たると休会中又は閉会中たるとを問わず任意の時期、場所において
会議を開き活動する権限を有し、罰則付召喚状その他により証人に出頭を求めて、信書、図書、文書を
提出せしめ、必要と認める証言をなさしめ又は適当と認める支出をなすことができる。」非常に明確に、こういう条文がございますが、これが実際に、いわゆる臨床尋問なんかで、どのように活用されているかという本当の中身のことまではわかりません。わかりませんが、恐らく、これを活用してやっているのじゃなかろうか、これは学者に聞きただしましたところ、そう私が判断するのじゃなくて、恐らく、これを運用してやっているだろうと思う、こういうことでございます。