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1975-11-07 第76回国会 参議院 本会議 第10号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十年十一月七日(金曜日)    午後八時八分開議     ━━━━━━━━━━━━━議事日程 第九号   昭和五十年十一月七日    午後三時開議  第一 永年在職議員表彰の件  第二 昭和四十二年度以後における地方公務員   等共済組合法年金の額の改定等に関する法   律等の一部を改正する法律案内閣提出、衆   議院送付)  第三 昭和四十四年度以後における農林漁業団   体職員共済組合からの年金の額の改定に関す   る法律等の一部を改正する法律案内閣提   出、衆議院送付)  第四 恩給法等の一部を改正する法律案内閣   提出衆議院送付)  第五 昭和四十二年度以後における国家公務員   共済組合等からの年金の額の改定に関する法   律等の一部を改正する法律案内閣提出、衆   議院送付)  第六 昭和四十二年度以後における公共企業体   職員等共済組合法に規定する共済組合が支給   する年金の額の改定に関する法律及び公共企   業体職員等共済組合法の一部を改正する法律   案(内閣提出衆議院送付)  第七 一般職職員給与に関する法律の一部   を改正する法律案内閣提出衆議院送付)  第八 特別職職員給与に関する法律及び沖   繩国際海洋博覧会政府代表の設置に関する臨   時措置法の一部を改正する法律案内閣提   出、衆議院送付)  第九 防衛庁職員給与法の一部を改正する法律   案(内閣提出衆議院送付)  第一〇 国家公務員等の旅費に関する法律の一   部を改正する法律案内閣提出衆議院送   付)  第一一 裁判官の報酬等に関する法律の一部を   改正する法律案内閣提出衆議院送付)  第一二 検察官の俸給等に関する法律の一部を   改正する法律案内閣提出衆議院送付)     ━━━━━━━━━━━━━ ○本日の会議に付した案件  一、請暇の件  一、日程第一  一、昭和五十年度一般会計補正予算(第1号)  一、昭和五十年度特別会計補正予算(特第1   号)  一、昭和五十年度政府関係機関補正予算(機第   1号)  一、日程第二より第一二まで      ——————————
  2. 河野謙三

    議長河野謙三君) これより会議を開きます。  この際、お諮りいたします。  岩本政一君、中沢伊登子君から、いずれも病気のため十八日間請暇の申し出がございました。  いずれも許可することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 河野謙三

    議長河野謙三君) 御異議ないと認めます。よって、いずれも許可することに決しました。      ——————————
  4. 河野謙三

    議長河野謙三君) 日程第一 永年在職議員表彰の件  議員郡祐一君は、国会議員として在職すること二十五年に達せられました。  つきましては、院議をもって同君の永年の功労表彰することとし、その表彰文議長に一任されたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 河野謙三

    議長河野謙三君) 御異議ないと認めます。  議長において起草いたしました表彰文を朗読いたします。    〔郡祐一君起立〕  議員郡祐一君 君は国会議員としてその職にあること二十五年に及び常に憲政のために力を尽くされました  参議院は君の永年の功労に対しここに院議をもつて表彰します    〔拍手〕     —————————————  表彰状の贈呈方は、議長において取り計らいます。      ——————————
  6. 河野謙三

    議長河野謙三君) 安井謙君から発言を求められております。発言を許します。安井謙君。    〔安井謙登壇拍手
  7. 安井謙

    安井謙君 私は、本院議員を代表いたしまして、ただいま永年在職のゆえをもって表彰せられました郡祐一君に対し、一言お祝い言葉を申し述べます。  郡祐一君は、昭和二十五年第二回参議院議員通常選挙に御当選され、自来二十五年の長きにわたり本院議員として御活躍をされてまいられました。その間、同君は、その高邁なる御人格と御識見をもって法務委員長議院運営委員長等国会役員として、本院の使命達成のため多大の貢献をされました。  また、自治庁長官郵政大臣及び法務大臣として、その卓越せる政治手腕を遺憾なく発揮されるとともに参議院自由民主党議員会長、同幹事長自由民主党党紀委員長等の要職につかれ、わが国民主政治発展のため力を尽くされました。  ここにわれわれ議員一同は、同君の二十五年間の御功績に対しまして深甚なる敬意を表しますとともに、本日、栄誉ある表彰を受けられましたことに対し、心からの祝意を表する次第でございます。  現下、わが国内外の諸情勢はまことに多事多端であり、本院に対する国民の期待もますます高まっておるのであります。どうか郡君におかれましては、この上とも健康に御留意せられ、ますますの御活躍を願い、わが国憲政発展のため一層の御尽力を賜りますよう切にお願いを申し上げまして、はなはだ簡単でございますが、お祝い言葉といたします。(拍手)     —————————————
  8. 河野謙三

    議長河野謙三君) ただいま表彰を受けられました郡祐一君から発言を求められております。発言を許します。郡祐一君。    〔郡祐一登壇拍手
  9. 郡祐一

    郡祐一君 お許しを得まして、一言お礼を申し上げます。  ただいまは永年在職のゆえをもって、院議によって光栄ある御表彰を賜り、また身に余る御祝辞をちょうだいいたしまして、感銘の至りでございます。これはひとえに先輩、同僚の議員各位の御厚情と選挙区有権者の御支援のたまものでありまして、深く感謝をいたす次第でございます。私が初めて参議院に議席を与えられました昭和二十五年は、なお占領下にありました。国民所得総額は三兆円をわずかに超える程度でありまして、今日の三十分の一にすぎませんでした。予算規模に至っては、たしか昭和二十五年度一般会計の当初予算は六千六百億円と記憶しておりますから、昭和五十年度のそれが二十一兆円でありますのに比べまして、まことに隔世の感がいたすのでございます。その国運の発展の間に、みずからまことに微力でありましたことを省みまして、衷心じくじたるものを禁じ得ないのであります。ただ、現在のむずかしい、そうして重要な問題の山積しておりまする時局に、参議院の担う責任のまことに重かつ大なるを思いまして、心を新たにして精進をいたす所存でございます。どうか議員の皆様の一層の御交誼を賜りますよう心からお願いいたしまして、謝辞といたします。  まことにありがとうございました。(拍手)      ——————————
  10. 河野謙三

    議長河野謙三君) この際、日程追加して、  昭和五十年度一般会計補正予算(第1号)  昭和五十年度特別会計補正予算(特第1号)  昭和五十年度政府関係機関補正予算(機第1号)  以上三案を一括して議題とすることに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  11. 河野謙三

    議長河野謙三君) 御異議ないと認めます。  まず、委員長の報告を求めます。予算委員長大谷藤之助君。    〔大谷藤之助登壇拍手
  12. 大谷藤之助

    大谷藤之助君 ただいま議題となりました昭和五十年度補正予算三案につきまして、委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。  今回の補正予算は、一般会計歳入歳出において四千五百十六億円の減額となっております。  すなわち、歳入面におきましては、当初予算において見込んだ租税収入等経済停滞等により大幅に減少する見込みとなったことに伴い、歳入見込み額を四兆百九十七億円減額し、かわりに財政法四条但書き及び別途提出されている財政法特例法案による公債発行を予定して、三兆四千八百億円の公債金収入増加を見込んでおります。そのほか若干の収入増加があるため、差し引きの減少額は前述の金額と相なります。  歳出面では、景気回復及び災害復旧のための公共事業追加国家公務員等給与改善義務的経費追加等、緊要な事項に限って総額八千二百三十億円の追加を行う反面、所得税等三税の減収に伴う地方交付税交付金減額一兆一千五億円、既定経費の節減七百四十二億円及び予備費減額一千億円の措置をとり、差し引き、さきに述べたように四千五百十六億円の減額となっております。  この減額補正により、昭和五十年度一般会計予算は、歳入歳出とも二十兆八千三百七十二億円となっております。  また、一般会計予算補正等に関連して、十八の特別会計、六つの政府関係機関予算について所要予算補正が行われております。なお、地方財政及び財政投融資計画につきましても、それぞれ所要措置が講ぜられております。  委員会におきましては、十月二十日に大平大蔵大臣から提案理由の説明を聴取した後、衆議院からの送付を待って、十月三十日から本日まで七日間にわたり、三木内閣総理大臣以下関係大臣に対して質疑を行いました。  以下、委員会質疑のうち、政治姿勢財政経済に関する事項を中心として、その要旨を御報告申し上げます。  まず、政治姿勢につきまして、三木内閣対話協調をその政治路線として公約されたにもかかわらず、酒、たばこ、郵便等値上げ法案を無理押しする一方、独禁法改正案提案を見送るという態度は納得し得ないところである。また、今秋結論を出すと公約していたスト権問題の解決をいまだ果たさず、国会審議中にもかかわらず先進六カ国首脳会議に出かけようとしているが、その真意は一体何かとの質疑がありました。  これに対し三木内閣総理大臣より、対話協調という政治姿勢は今日でもいささかの変更はない。三木内閣物価選挙法等十分その公約を果たしてきている。本国会はその性格から、補正予算等不況乗り切りのための緊急問題にしぼっており、独禁法改正案は次の通常国会提出したい。公共企業体スト権については現在専門委員懇談会で鋭意検討中であり、その結論を待って閣僚協議会で今秋をめど結論を出す考えである。先進六カ国首脳会議日本国際的評価にかかわる歴史的行事であるので、国会会期中であるが、野党を初め国民各層の同意を得て、ぜひこれに出席し、国際的視野から英知を集めて成果を上げてまいりたい旨の答弁がありました。  次に、現在の景気後退及びその対策につきましては、政府は国際的な景気落ち込みに現在の不況原因を求め、経済政策誤りなしとしているが、そもそも物価の高騰を許し、長期の総需要抑制政策を必要としたのは、昭和四十七年以降の過剰流動性対策の失敗及び高度成長政策の破綻に根本原因がある。それを無視し、物価が上がったから総需要抑制不況が深刻になったから公共投資拡大と、その場限りの政策をとるため、かえって景気振幅を大きくして国民に犠牲を強いているのではないかとの責任追及があり、さらに、現在の不況個人消費落ち込みによるところが大であるから、不況対策公共投資に偏ることなく、たとえばアメリカが大幅な赤字財政下減税を行っているごとく、個人消費拡大を目指す施策を行って、現在二十兆円とも言われる需給ギャップに対処すべきではないかという政策提案を含めた質疑がありました。  これに対し、三木内閣総理大臣及び福田経済企画庁長官より、経済政策の目標は、物価景気をともに安定させることにあるが、三木内閣のスタートした時点においては、石油ショック以降の激しいインフレが続いていたときであり、野党も世論も挙げて物価を重視する政策を主張していた段階である。その段階での政策選択物価を最優先としたのは当然である。しかし、物価だけで不況対策をおろそかにしたわけではなく、二月、三月には第一次、第二次、さらには六月には第三次の不況対策を決めるなど、可能な施策はこれを実施してきたところである。  春以降の景気回復がおくれたのは、国際経済停滞によって輸出が予測より百億ドル以上減少し、その影響で設備投資も低迷しているからである。そのため第四次対策に踏み切ったが、物価政策が成功していたからこそこうした政策がとれるのである。  四十七、八年の過剰流動性の発生については反省しているが、石油等資源確保の条件も違っており、国民価値観も変わってきているので、いま景気を刺激しても再び同じような事態を起こす懸念はない。  また、個人消費拡大のため減税せよとの提案は残念ながら賛成できない。不況下でも個人消費は着実に伸びていること、減税景気刺激効果財政支出に及ばないことなどがその理由である。現在の需給ギャップがどれだけかはいろいろ説があるが、第四次不況対策により来年三月には稼働率指数も九〇程度まで回復可能であり、これによって本年度下期の実質成長率は六%を確保できると考える旨の答弁がありました。  次に、財政問題につきましては、租税収入は当初予算成立以前に変調が明らかになっていたにもかかわらず、予算成立のみを図り、いまここに二兆円を超える赤字国債発行しようとしているが、大蔵大臣はどのように責任を感じているか。歳入が不足したからといって赤字公債発行して安易に歳入歳出のつじつまを合わせようとする考えは、建設公債すら例外としている財政法原則を無視するもので、許されないことではないか。中央地方を通ずる巨額な公債増発は、インフレをもたらすおそれはないのか。また、五十一年度財政については当初から特例公債考えているのか。いるとすれば、その金額は幾らか、さらに赤字公債から脱却するのはいつの時点か。そのための方策としてどういうことを考えているか。中長期経済計画に相応した財政長期展望がいまこそ示されるべきときではないかなどの諸点がただされました。  これに対して大平大蔵大臣森永日銀総裁から、租税収入について結果的に大きな見込み違いとなったことは遺憾である。当初予算成立の当時、大きな変化が起こるかもしれぬという危惧は持っていたが、基礎となる経済見通し改定がいま少し時期を見てということであり、それを離れて税収の予測をすることはできないという事情にあったことも理解願いたい。  赤字公債は、現在の財政法をどのように解釈しても認められるものではない。しかし、現在の経済情勢では増税を考え経済環境にないし、また、歳出の削減も景気の先行きからして許されないので、異例中の異例事態として特例法による公債発行をお願いしているのである。公債増発経済とバランスのとれたものであり、市中消化原則に立つ限り、直ちにインフレを招くものとは考えない。ただ、それがマネーサプライの大幅増加を来さないよう、その動向には十分注意して対処していきたい。赤字公債発行は、五十年度の場合、歳入減少を補うに必要な額に限定している。五十一年度については、すでに出された概算要求を十分審査するとともに、税制調査会等租税特別措置見直しなどをお願いしているが、なお特例公債に頼らざるを得ない状態である。しかし、その金額については、まだ明らかにできる段階に至っていない。  特例法に頼らない財政に戻すには、第一に、歳入歳出両面にわたる厳しい見直しが不可欠である。  第二に、現在の景気政策により、適正な経済活動回復し、経済を通じ妥当な歳入が確保されることが必要である。今年と来年度は、経済にそうした活力をつける役割り財政に期待される時期なので、それにより力がつけば健全財政への復帰は早まると考えている。  また、経済計画に見合った財政長期展望ということは十分理解できるが、一方、財政弾力性も確保しなければならない事情等もあるので、今後の検討課題にしたい旨の答弁がありました。  以上のほか質疑は朝鮮、パレスチナ、日中友好条約、核防条約等外交問題、新防衛構想国債消化、償還問題、金融政策預貯金金利の引き下げ、新価格体系と公共料金問題、地方財政対策、中小企業問題、雇用問題、農漁業対策住宅対策公害対策ライフサイクル計画社会福祉身障者対策、さらには信濃川河川敷問題、クアラルンプール事件、教育問題、婦人問題等々内外にわたる諸問題を広範に取り上げ、連日夜遅くまで熱心に審査いたしましたが、その詳細は会議録により御承知願いたいと存じます。  かくて質疑を終局し、討論に入りましたところ日本社会党を代表して鶴園哲夫委員反対自由民主党を代表して矢野登委員賛成、公明党を代表して矢追秀彦委員反対日本共産党を代表して岩間正男委員反対、民社党を代表して木島則夫委員反対の旨それぞれ意見を述べられました。  討論を終局し、採決の結果、可否同数となりましたので、国会法第五十条により、委員長は原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  以上御報告申し上げます。(拍手
  13. 河野謙三

    議長河野謙三君) 三案に対し、討論の通告がございます。順次発言を許します。松永忠二君。    〔松永忠二登壇拍手
  14. 松永忠二

    松永忠二君 私は、日本社会党を代表して、補正予算関係三案に反対の立場を明らかにし、その理由を申し述べたいと存じます。  補正予算審議を最大の課題とする本国会は、まれに見る長期の空白と混迷した国会運営の中で審議が行われ、景気回復物価抑制を望む国民の要望にこたえることが十分できず、かえって政治不信を増大しつつあることはまことに残念なことであります。これは補正予算案の編成を待って開くべき国会が、自民党内の派閥の圧力で値上げ法案早期成立に固執し、無理を承知で早期に開会したためであります。三木首相党内統制力の無力を示すものと言わなくてはなりません。  対話協調を主張しながら、値上げ法案は相次いで単独採決強行採決が行われています。総裁公選は諸悪の根源と言いながら、改革案は少しも前進していないし、企業献金廃止もむしろ拡大する方向で法律が改められ、みずから企業献金関係者に要請するという状況です。前国会であれだけ固執した独禁法改正も、米国で約束してきた核防条約批准も、自民党内では提出成立めどさえついていません。これでは首相総裁としての指導力を疑うのは当然なことであります。これで公労協スト権についてこの秋までに結論を出し、円満に収束することができるでしょうか。解散、総選挙を通じて国民信頼を問い直し、その信頼を得れば、お仕着せ内閣から脱皮し、出直すことのみが三木内閣のとるべき唯一の手段であることを強く指摘しておきたいと思うのであります。(拍手)  さて、今回の補正予算反対する第一の理由は、歳入不足約三兆五千億に上り、赤字国債約二兆三千億を発行せざるを得なかった政治責任について明らかにしていないことであります。一般会計の二六%余を国債に仰ぐなどということは、前代未聞のことである。大蔵大臣財政上の歳入欠陥に厳しい責任を感ずるなら、これを生じさせた経済政策上の欠陥見通し誤りに厳しい責任を感ずるのは当然なことであります。三月または六月に政策重点を転換する必要があったという議論も、この数年間経済政策が適切な時期に適切な施策の実行を怠り、大きな振幅を繰り返してきたことからも率直に耳を傾くべきであります。内閣として一貫した筋の通った反省を率直に国民に示すべきであります。また高度成長時代西ドイツのごとき財政調整基金制度をつくるとか、総合予算主義を取り入れる用意もなく、膨張し硬直化した財政を固定化してしまいました。この過去の失政に対する厳しい反省があってしかるべきであります。こうした反省の上に立ってこそ正しい財政政策経済政策が生まれるものと考えます。  第二に、財政の今後の見通し計画性のないことであります。本年度下期六%程度成長が期待され、景気は次第に回復感が出てくる、経済が正常な姿になるには五十一年度まで待たなければならない、高度成長路線をひた走ることができた時代は終わったという経済見通しとかみ合った財政見通しがあってしかるべきであります。特例国債に依存しない堅実な財政にできるだけ早く復帰をする、五十一年度予算では従来以上に厳しい決意歳出効率化合理化に努めるという程度で済まされる性質のものではありません。中央地方を通じて財政運営根本的変革が迫られているとき、政府具体的構想を示して強い決意で行財政改革に取り組まなければ、高度成長時代の行政の体質から脱却することはできないし、これに対する国民の積極的な協力も得られません。この財政再建構想国会に明らかにされてこそ予算審議も実りあるものとなるのでありますのに、全く不明確なことに強い不満を感ずるものであります。  第三の反対理由は、第四次不況対策及び補正予算の内容についてであります。政府は、総合的な景気対策として二兆一千億の施策を実行し、そのために三兆四千八百億の国債発行と一兆四千億の財投の追加を計画しているのであります。この巨額な資金が、言うならば、国民からの借金で実施をされるのでありますから、その効果は的確であり、その使途は適正を期さなければなりません。特に、その財政支出は、当面の景気対策だけでなく、将来の日本経済中長期のあり方とのかかわり合いで行われなくてはなりません。こうした観点から、本四架橋、新幹線、高速道路大型プロジェクト不況対策目玉として取り込まれたことに問題があります。大型プロジェクトは、本来、三全総という長期計画の一環として全体が整合性を持って実施さるべきものである上に、不況対策としては特定地域、業種に偏りがちであります。仕事を望む中小建設業者は、手の出せる地方公共事業を強く要求しているところであります。アメリカ西ドイツなどの景気対策を見ても、その目玉となった景気対策所得税減税あるいは児童手当の増額など福祉的支出であります。大型プロジェクトか、生活関連公共事業か、それとも減税か、社会福祉か、教育かといった検討がなされず、なりふり構わぬ不況対策で、二十世紀的な量の経済景気論議をまる写しにした企業対策のための公共投資だけに重点を置く不況対策予算に強く反対するものであります。景気対策はだれのためにやるのかという疑問を抱かざるを得ません。  いま、政府は、巨額な国債地方債消化のために、低金利政策貨幣供給量の増大を図る金融政策がとられています。市中金利の低下は、企業金利負担を軽減し、企業債務者利潤を増大し、需要刺激効果を持ち、インフレ再燃危険性も高め、なお、庶民の金融資産価値をも低下させます。ここに金融政策独自性金利弾力化が強く求められなければなりません。  副総理は、第四次不況対策効果について、この対策景気浮揚決定打になることを強調しています。しかし、産業界見方は悲観的で、雇用不安も続き、景気回復のテンポはさらにおくれるとの見方も強く、年末にかけて第四次不況対策の補強を求める声も出ています。政府は、物価抑制年度内一けたに示したような、政治責任をかけての決意対策不況回復についても明らかにし、年率二・二%の経済成長率政治責任を果たすべきであります。  第四には、国際経済の新しい秩序に対応する措置が何ら予算に示されていないで、旧来のような貿易のてこ入れ策として、輸銀の貸付枠五百七十億の拡大にとどまっていることであります。国連経済特別総会IMF総会に見られる消極的な態度、恥ずかしいほど低い水準の政府開発援助など、官僚依存の狭い視野から、新しい高い視野での国際経済協力の政治的、経済的努力が切望されるのであります。  以上、反対理由を述べて討論を終わります。(拍手)     —————————————
  15. 河野謙三

    議長河野謙三君) 中山太郎君。    〔中山太郎登壇拍手
  16. 中山太郎

    中山太郎君 私は、自由民主党を代表して、ただいま議題となりました昭和五十年度補正予算案三件に対し、賛成討論を行うものであります。  石油危機を契機として発生した、一昨年来のわが国経済の異常な事態も、財政金融両面を通ずる厳しい総需要抑制政策により物価賃金ともに急速に落ちつきを示すに至りました。しかし、このようなインフレ克服努力は、同時に経済活動の沈滞と雇用の減少を招いて、わが国経済はこれまで経験したことのない長期かつ深刻な景気停滞を見るに至ったのであります。このような不況はひとりわが国に限らず、世界同時不況の名のとおり、先進諸国においてもひとしく見られるところであります。  政府は、今春来既定予算の枠内で、繰り上げ支給等を中心とした不況対策や金融措置を講じられたのでありますが、個人消費や民間設備投資は伸び悩み、輸出の減少が続く等最終需要が伸びず、企業収益の悪化の結果は、国税、地方税の歳入激減を招く一方、労働需給も依然として厳しい状態にあるため、雇用不安も増大し、深刻な社会現象を呈しております。  今回の補正予算は、このような景気停滞を反映した財政の財源難の中で、不況対策歳入不足を補う公債増発地方財政対策の要請という、きわめてむずかしい環境の中で編成されたのであります。したがって、その内容も、今年度歳入不足を四兆百九十六億円と見込み、その対策として特例公債二兆二千九百億円、建設公債一兆一千九百億円、計三兆四千八百億円の公債増発することにし、一般会計では、公共事業費を四千二百十一億円追加するのを初め、給与費など合わせて八千二百三十億円を追加支出しております。また財政投融資計画では、資金運用部資金を活用し、一兆三千九百五十七億円を追加しているのであります。  一般会計予算の規模は、国税の減収に伴って一兆一千億円余の地方交付税交付金減額されるため、補正後の予算規模は当初の二十一兆二千八百八十八億円から四千五百十六億円減額され、二十兆八千三百七十一億円となったのであります。  地方交付税交付金落ち込みは資金運用部からの融資で全額補てんをいたしますので、予算全体として見れば六千五百億円近くの実質的な歳出増加となっております。  また、今回の補正により今年度公債発行額は五兆四千八百億円となり、一般会計公債依存度は二六・三%と戦後最高となったのであります。  以下二、三の問題について若干意見を申し述べてみたいと存じます。  まず、不況対策公債増発問題についてであります。これまで三次にわたって実施されてきた不況対策が、物価への配慮もあり、既定予算の枠内での措置であったのに対し、第四次対策財政主導による積極的、総合的な景気対策を打ち出されたものであります。財政非常の際、勇断をもって不況対策の拡充を図られたことを多とするものであります。この結果、需要創出効果は三兆円程度となり、これら措置によって、本年度下期には実質国民総生産は、政府見込みのとおり年率六%の順調な回復軌道に乗るものと考えられております。  なお、今回の不況対策は、大企業本位の大型プロジェクトに偏向しているとの一部の誤解もありますが、実際は国民生活関係公共事業にも十分な配慮がなされていることは歴然としております。  次に、公債増発の問題でありますが、五十年度税収は法人税、所得税を中心とした三兆九千億円の不足が生じ、新たな財政措置が必要とされるに至ったのであります。政府は、これらに対応するため、建設公債発行限度額いっぱいの一兆一千九百億円を追加発行することとし、これを超える歳入不足分を充足するために立法措置による特例公債二兆二千九百億円を増発し、不況克服を目指す公共投資追加や公務員給与改善費等の補正要因に振り向けることにしたのであります。  財源不足に対応するためには、増税あるいは歳出を削減するのも財政運営の一つの方法ではありましょうが、不況による税収減の中で、政府財政支出を維持し、不況対策を支えるために特例公債発行してこれを補ったことは必要やむを得ざる措置考えているのであります。  特例公債発行については、その是非を初め、その公債消化及びインフレとの関連性、財政のあり方等幾多論議のあるところであります。それだけに公債発行に当たっては政府に厳しい財政節度が要求されますし、公債が個人資産として国民になじむような公債市場の育成政策の確立こそが何よりも急務と思うのであり、この点を特に政府に要望いたす次第でございます。  歳入不足の問題は、本年度の処理もさることながら、高度経済成長から安定成長への過程で当初から歳入不足が予想されているので、当然明年度以降の財政をどうするのかが重大な問題として残るのであります。やむを得ない処置とはいえ、今後は赤字公債に依存しない堅実な財政にできるだけ早く復帰するため、あらゆる努力を傾けられんことを心から望むものであります。  なお、この際一言申し上げたいことは、行政機構の大改革についてであります。行政機構の簡素化、合理化は、これまで幾たびも指摘されてきたことでありますが、そのいずれも実現を見ていないのであります。今後の事態はこれまでとは比較にならないほど深刻な状態が考えられ、高度経済成長下に築かれてきた行政機構は、安定成長時代への移行に伴い、莫大な数に及ぶ審議会等も含め、行政機構の抜本的改革を必要とするものであります。もちろん、制度の改革には常に困難と抵抗が伴うものでありますが、いまこそ納税者の、国民の立場に立った行政機構の大改革断行の好機と考えるものであります。  次に、公務員給与の改善についてでありますが、政府は人事院勧告に基づいて、公務員制度を適正に運用することの重要性にかんがみ、最も厳しい財政下にもかかわらず、これまでどおりの完全実施に踏み切り、一千九百四十三億円の給与改善が行われたことを是とするものであります。しかし、不況にあえいでいる国民の間には、経営収支が黒字か赤字かによって大きく左右される民間給与と異なり、今年のように、歳入欠陥が四兆円を超えるため、特例公債発行してでも財源を調達し、民間給与とのつり合いをとらねばならない仕組みに釈然としない人の少なくないことも事実であり、また、生涯給与という縦軸からの比較が見落とされ、たとえば退職年金制度や保険給付など、官民格差に相当の開きのあることも指摘されているのであります。今後の給与水準のあり方、官民格差の是正についても再検討をすべき時期ではないかと考えておるのであります。  一方、地方行政については、地方税収が一兆六百三十二億円、国税三税の減収による地方交付税の減額分一兆一千億円など、二兆円以上に上る歳入不足が確実視されております。政府は、苦しい財政の中で特例措置を講じ、地方交付税交付金減額分を国が補てんし、その利息分も国が一般会計で負担するなど、地方財政計画に計上された歳入不足分は全面的に確保することとされておるのであります。しかし、今後の地方財政の運営については、地方制度調査会の指摘を待つまでもなく、安易な財政運営は絶対に認められなくなったとの強い認識に立たれ、厳しい姿勢で現状打開に取り組まれんことを強く望むものであります。  以上、今回の補正予算は、五十年度当初予算作成後に生じました緊急事項を、現行の法規、制度に基づいて、きわめて困難な中で財政措置を講じたものであり、そのいずれも適切な処置であったと考えるものであります。日本経済の厳しい調整過程のもとで生じた今回の歳入不足問題の解決は容易なものでないだけに、財政もきわめて厳しい事態にあることを直視し、速やかに財政再建の基盤を確定されんことを期待して、補正予算三案に対する私の賛成討論を終わります。(拍手)     —————————————
  17. 河野謙三

    議長河野謙三君) 太田淳夫君。    〔太田淳夫君登壇拍手
  18. 太田淳夫

    ○太田淳夫君 私は、公明党を代表して、ただいま議題となりました昭和五十年度補正予算三案に対し、反対討論をいたします。  最初に私は、補正予算案審議の過程で示された国民に背を向ける三木内閣の姿勢について指摘しなければならないのであります。  今国会における最大の課題は、不況をいかに克服するかということであり、破綻に瀕している国民生活をいかに守り、活力を与えるかにすべてがあると言うべきであります。しかるに政府は、みずから不況の克服を課題と称しながら、そのために必要な施策を織り込んだ補正予算案の編成をおくらせたまま国会を強引に開会し、しかも国民の多数が反対する酒、たばこ、郵便料金値上げ法案を優先して提出するばかりか、自民党は無謀な強行採決によって国会を空転させたのであります。しかも、三木総理みずからが公約し、前国会衆議院において全会一致で通過した独占禁止法改正案を葬り去ったことは、政府自民党の独善的姿勢を如実に示すものと言わなければなりません。さらに政治献金についても、総理は就任当時において、企業から多額の献金を受けた候補者は企業の代弁者となりやすいと言いながら、いまや自民党の金融機関からの借金を肩がわりしてもらおうとすることなどに見られますように、事実上大企業からの政治献金を奨励するかの態度を見せているのであります。私は、三木総理に対し、国民の三木離れがこうした国民無視の政治姿勢にあることを申し上げておきたいのであります。結局、国民無視の政治姿勢を前提に編成されたこの補正予算案であるがゆえに多くの矛盾を露呈していると言っても決して過言ではないのであります。  以下、補正予算三案に反対する主な理由を申し上げます。  第一は、今回の補正予算案不況インフレの被害を受けている国民生活を守ることを最優先する内容になっていないことであります。当面するわが国経済は、戦後最大の深刻な事態に追い込まれ、失業者の増大、就職難、中小企業の倒産や経営難は、解決の兆しさえも見られていないのであります。このような現状は、いかに三木総理が強弁しようとも三木内閣政策誤りがあったことは明白であります。  私は、今回の補正予算は、不況インフレの被害を最も受けている国民生活を救済するために、低所得者層に対する所得税減税、さらに老人、生活保護世帯、母子家庭等の生活を守る社会福祉政策の拡充がまず優先されなければならないと主張するものであります。  さらに、公共事業については、大企業本位の大型プロジェクト中心でなく、これまでおくれていた公共住宅、上下水道、学校、保育所など、国民生活関連施設整備を最重点に置いた安定した経済成長のための景気浮揚策を講ずべきであります。  第二は、安易な赤字国債発行によって国民に新たな負担を押しつけようとしていることであります。巨額な赤字国債発行に追い込まれているのは、高度成長期における放漫財政インフレ、さらには五十年度税収見積もりに重大な誤りがあったからであります。にもかかわらず、政府はその責任を認めず、その上、歳出見直しや不公平税制の是正による歳入確保に積極的な努力を払おうとしていないのであります。  既定経費の七百四十一億円の節減、金融機関の貸し倒れ引当金の繰り入れ率の若干の引き下げで当面を糊塗しようとしても納得できるものではないのであります。一方、赤字国債の償還計画については、何ら具体的な内容が示されていません。借りかえもせずに十年間で二兆二千九百億円償還をすることは容易ではないはずであります。政府みずから言うごとく、低成長下において飛躍的な税の増収が望めない現在、償還財源対策を明確にすることは当然であり、国民の不安を少なくするためにもきわめて重要なのであります。この際、改めて償還計画の明確化を強く要求するものであります。政府のこの魂胆は、付加価値税等の新税創設によって国民に新たな負担を押しつけようという以外の何物でもないと断言するものであります。  わが党は、今日まで、具体的な償還財源対策として、大企業保有の土地の再評価益課税の創設を提案してきたにもかかわらず、一顧だに与えられなかったことはまことに残念であります。  第三は、地方財政対策がことごとく地方自治体の巨額な借金にゆだねられていることであります。政府経済運営の失敗による国税減収に伴う地方交付税交付金減額分については、国が全額補てんの責任を持つことは当然過ぎることであります。百歩譲っても、地方自治体が資金運用部資金に返済するための十分な財源対策は講ずべきであります。  さらに、地方税の減収にしても、かねてから課題となってきました法人事業税の外形課税の実施や、租税特別措置地方税の非課税措置などの洗い直しに何ら手をつけないまま、地方税の落ち込み地方債にゆだね、しかも、その大部分を地方自治体の民間資金調達に任せてしまっているのであります。地方自治体の将来の負担となる借金を押しつけようとする補正予算案をとうてい認めることはできません。  反対理由の第四は、中小企業対策及び雇用対策がきわめて不十分であることであります。戦後、最悪の状態にある倒産や、失業率の高水準という事態に対し、政府のように、景気対策が成功すれば景気回復し、倒産や失業問題が解決するだろうといった発想は説得力を持つものでないことは言うまでもありません。中小企業を倒産の危機から救済するためには、中小企業が直接潤う国民生活関連公共事業の遂行を初め、生業資金の確保や、中小企業減税、大企業の不当な中小企業分野への進出規制、下請代金支払遅延等防止法の強化など、総合的かつきめ細かい対策がとられなければなりません。  雇用対策にしても、新規学卒者の就職対策、中高年齢者や身体障害者の失業回避、不払い労働債権等についての具体策や雇用調整給付金の支給期間の延長について明確な方針と確約を示すべきであります。  反対の第五は、補正予算案が多くの物価上昇要因を抱えていることであります。すなわち、多くの国民反対する酒、たばこ、郵便料金の値上げを前提にして今回編成されました、しかも、赤字国債を含む三兆四千八百億円もの国債発行していることであります。酒、たばこ、さらには郵便料金の値上げが強行されるならば、原油値上げを理由に待ち構えている大企業製品の便乗値上げに火をつけることは明らかであります。私は、値上げ三法案の撤回をあくまで要求するものであります。  さらに、国債市中消化が名ばかりで、実質日銀引き受けとなっているわが国において、巨額な国債発行が通貨の増発をもたらし、インフレを促進することは必至と言わなければなりません。物価を押し上げる要因の多い補正予算案賛成することはできないのであります。  以上、数点について反対理由を述べましたが、再度、三木内閣国民生活無視の政治姿勢を改めるよう要求して討論を終わります。(拍手)     —————————————
  19. 河野謙三

    議長河野謙三君) 須藤五郎君。    〔須藤五郎君登壇拍手
  20. 須藤五郎

    ○須藤五郎君 私は、日本共産党を代表して、昭和五十年度補正予算三案に対し、反対討論を行います。  反対理由の第一は、この補正予算案物価値上げとインフレを促進させるからであります。わが党は、物価の安定、引き下げこそ最適の不況対策であることを主張してまいりました。わずか三年の間に七〇%に及んだ異常な物価値上がりこそ、国民消費を減退させ、不況の克服を困難にしている最大の要因だからであります。ところが政府は、わが党のこの道理ある主張に耳をかさず、前国会で廃案となった値上げ三法をこの補正予算案に組み込んで上程し、さらには特別法による赤字公債を含めて三兆五千億もの公債追加発行しようとしております。このような措置が、新価格体系と称して現在政府が積極的に進めさせている石油、鉄鋼その他大企業製品の値上げと相まって、一層の物価値上がりとインフレを促進することは議論の余地がありません。政府は、市中消化インフレの歯どめであるなどと述べてきましたが、しかし、わが党議員の追及で明らかにされたように、政府市中消化のやり方そのものがインフレの条件をつくるものではありませんか。インフレ促進のこの補正予算案国民生活に一層の打撃を与え、不況の本格的な克服さえ困難にするものであることは明白であります。  反対理由の第二は、この補正予算案が依然として当初予算と同じく大企業奉仕、高度成長型の予算だということであります。補正予算案は、不況対策を口実として、高速道路、新幹線、本四架橋建設などの大型プロジェクトを中心として公共事業費を追加支出しております。この大型プロジェクトが鉄鋼、セメントなど大企業の利益につながる大きな需要を起こし、さらにその工事の発注が新幹線では九九・五%、道路公団では九四・二%などと大企業の独占となっており、まさに文字どおり大企業本位のものであることはわが党が明らかにしたとおりであります。ところが、この反面、補正予算案は、いま緊急に必要な失業保険給付の改善や失業対策の拡充などは全く無視し、老人対策身障者対策、さらには、この不況下でもともと当初予算の〇・六%にすぎなかった中小企業対策費などまで減額し、低家賃の公営住宅建設には一円も計上していないありさまであります。  第三の理由は、この補正予算案が、未曾有の財政危機に陥っている地方自治体に対してこれまで以上の借金財政を押しつけている点であります。地方自治体の財政危機を克服するためには、地方交付税減額分は全額臨時特例交付金の交付で補てんすること、約一兆一千億円に及ぶ地方税の減収額は全額政府資金による減収補てん債を認め一般会計から利子補給すること、また、国の公共事業の自治体の裏負担手当として特別事業債の発行を認め国が利子補給することなどが最小限の要求として緊急に求められております。しかし、補正予算案は、臨時地方特例交付金二百二十億円、超過負担解消に百億円余と、わずかな額しか計上せず、地方自治体に莫大な借金を背負わせることにしており、しかも、地方債の追加発行額の七割以上は民間資金依存とするなど、地方財政の危機打開に対する政府責任を全く放棄しているのであります。  反対の第四の理由は、この補正予算案財政危機を口実として、財政法違反の巨額の赤字国債発行しようとしていることであります。財政法第四条は、「国の歳出は、公債又は借入金以外の歳入を以て、その財源としなければならない。」と規定し、健全財政主義の原則政府に義務づけております。この財政法の精神を踏みにじる特例法公債発行赤字公債の恒常的な発行への道を開くものであることは、わが党議員が厳しく追及し、政府も否定し得なかったところであります。しかも、五年後には国債発行残高は七十兆円、予算国債依存度は三三・七%にも及ぶという政府答弁でも明らかなように、本補正予算によってとめどなき財政破綻、重税とインフレの促進に道を開きながら、今後の財政運営方針として公共料金引き上げ、付加価値税などによる一層の重税、社会保険料の引き上げなどを公言してはばからないありさまであります。このような赤字公債発行国民を長い将来にわたって苦しめるものであり、断じて認めることはできません。  今日のこの危機を打開する道は、政府の大企業本位、高度成長型の財政、税制の仕組みを国民本位のものに根本的、民主的に転換させる以外にはありません。また、当面の財源措置としては、この立場に立って大企業に対する法人税還付を停止するとともに、臨時非課税積立金増加税を新設するなど、大企業に対する特権的な減免税を是正し、正当な税負担を課することであります。同時に、防衛関係費、大企業への補助金、産業基盤整備費など、不要不急の経費の未執行分を大幅に削減するならば、必要な財源は確保でき、赤字公債発行は必要がないのであります。  最後に、政府自民党がこのような反国民的な補正予算案をあくまでも押し通すならば、国民生活の危機は一層深刻にならざるを得ず、この責任が挙げて自民党三木内閣にあることを強く指摘して私の反対討論を終わります。(拍手)     —————————————
  21. 河野謙三

    議長河野謙三君) 木島則夫君    〔木島則夫君登壇拍手
  22. 木島則夫

    ○木島則夫君 私は、民社党を代表して、ただいま提案されております昭和五十年度一般会計特別会計並びに政府関係機関等の補正予算案に対し、一括して反対討論を行うものです。  まず第一に、最も遺憾とするところは、政府不況対策が余りにも遅く、そのために不況の深刻化と長期化を招いたことであります。すでにわが党は、昨年の十月以来、わが国の経済が容易ならぬ事態に直面しているとして、経済の運営については安定と不況克服の二つの正面作戦を展開すべきであると強く主張して警告を発してきたのであります。しかし、政府経済見通しについて、本年四月ごろから薄日も差し、春闘で労働者の良識ある態度が期待されるならば景気は次第に回復するというきわめて楽観的な態度をとり続けていたのであります。しかし、現実は、春闘は政府の予想をはるかに下回る一三%台ということになったにもかかわらず、企業内容の悪化、雇用の不安の激化、倒産の増大となり、ひいては戦後最大の歳入欠陥という不測の状態を現出させたのであります。これは明らかに、インフレ不況が同居する新しい事態に対して政府の誤った経済見通し経済運営の結果だと言わざるを得ません。  次に、本予算案の重要な問題点は、戦後最大の歳入欠陥をもたらした責任の所在があいまいであり、かつ、赤字国債の安易な大量発行を予定していることであります。いまさら申し上げるまでもなく、今年度歳入不足は戦後最高の四兆円にも達しており、政府は、この歳入不足をもたらした不況があたかも石油ショックインフレ対策上やむを得ないものとして、予算委員会における審議においても何ら反省の弁が聞かれず、責任の所在が明確にされなかった点であります。狂乱物価を一時的に引き下げる代価として深刻な不況をもたらしたことは、最善を尽くしたとは言えません。この政治責任を謙虚に反省することが今後にとって重要であることを銘記すべきであります。  また、政府歳入不足の大部分を三兆四千八百億円の公債発行によって処理しようとしているのでありますけれど、大量の国債発行がもたらす将来の財政インフレ危険性に対し、国民が納得できる防止策は何ら示されていないのであります。さらに、来年度以降の財政がどのような姿になるのか、今後大量国債を抱えた財政にいかに対処されようとしているのか、全く不明確であります。政府のその場しのぎの経済運営に強く反省を求めたいものであります。  第三に問題になる点は、補正内容の陳腐さについてであります。本予算案でこの際工夫すべき点は、租税特別措置法の思い切った改廃によって歳入をふやし、既定経費を削減し、インフレで大もうけをした人々に対する課税——富裕税、弱い立場の人々に対する減税、たとえば中小企業減税などを策定することにより社会的公正感を引き出して国民協力を求めることであります。  次に、余りにも型どおりの景気刺激策にとらわれて本四架橋、新幹線、高速道路など産業基盤投資を重視する一方、わが党が八月二十八日に要求した住宅の大量建設、学校や上下水道、中小企業の緊急対策など、国民生活の向上に直結する施策を軽視している点、さらに問題にされるべきことは、公定歩合の引き下げに伴い庶民の預貯金金利まで引き下げた点であります。その理由はともかくとして、依然として消費者物価が上昇しつつあり預金の目減りが続いている現在、さらに目減りの拡大をもたらす預貯金金利の引き下げは、国民大多数の断じて容認できないところでありまして、政府自民党企業優先の姿勢を端的に示したものと言わざるを得ません。  最後に問題となるのは、本臨時国会に対する政府自民党の思慮を欠いた態度であります。現在国民が求めているものは、物価の安定を確保しながら景気回復させ、雇用と国民生活の安定を図ることであります。この点からすれば、酒、たばこ郵便料金の引き上げ法案は、いかに予算関連法案であるとしても、物価国民生活を守る立場から慎重に再検討することが必要であります。少なくともこれを優先させるべきでは断じてありません。  以上、いろいろと反対理由を申し述べてまいりましたが、わが党の基本的な立場は、自由な社会を守るためには自由経済を修正することが必要であり、この見地から経済安定計画化基本法と国民参加による民主的な経済計画を提唱しているものであります。現に直面しているスタグフレーションに対して使い古しの総需要抑制景気刺激策だけでは、このむずかしい事態を乗り切ることはとうていできません。容易ならぬ難局であればこそ、発想を新たにし、構造的、計画的な施策を強力に実行することが必要だと思います。  以上、補正予算案に対して反対理由を述べ、私の討論を終わるものであります。(拍手
  23. 河野謙三

    議長河野謙三君) これにて討論は終局いたしました。  これより三案を一括して採決いたします。  表決は記名投票をもって行います。三案に賛成の諸君は白色票を、反対の諸君は青色票を、御登壇の上、御投票願います。  議場の閉鎖を命じます。氏名点呼を行います。    〔議場閉鎖〕    〔参事氏名を点呼〕    〔投票執行〕
  24. 河野謙三

    議長河野謙三君) 投票漏れはございませんか。——投票漏れはないと認めます。投票箱閉鎖。    〔投票箱閉鎖〕
  25. 河野謙三

    議長河野謙三君) これより開票いたします。投票を参事に計算させます。議場の開鎖を命じます。    〔議場開鎖〕    〔参事投票を計算〕
  26. 河野謙三

    議長河野謙三君) 投票の結果を報告いたします。   投票総数        二百四十三票   白色票          百二十七票   青色票           百十六票  よって、三案は可決されました。(拍手)      ——————————   〔参照〕  賛成者(白色票)氏名      百二十七名       宮田  輝君    寺下 岩蔵君       平井 卓志君    吉田  実君       中西 一郎君    山本茂一郎君       山内 一郎君    久保田藤麿君       前田佳都男君    木内 四郎君       佐多 宗二君    最上  進君       望月 邦夫君    森下  泰君       梶木 又三君    藤川 一秋君       福岡日出麿君    鳩山威一郎君       秦野  章君    夏目 忠雄君       林  ゆう君    安孫子藤吉君       青井 政美君    有田 一寿君       井上 吉夫君    石破 二朗君       中村 登美君    松岡 克由君       藤井 丙午君    桧垣徳太郎君       原 文兵衛君    中村 禎二君       高橋 邦雄君    細川 護煕君       宮崎 正雄君    林田悠紀夫君       佐藤  隆君    菅野 儀作君       石本  茂君    中山 太郎君       小林 国司君    寺本 廣作君       柳田桃太郎君    内藤誉三郎君       玉置 和郎君    高橋雄之助君       楠  正俊君    岩動 道行君       西村 尚治君    鍋島 直紹君       新谷寅三郎君    上原 正吉君       郡  祐一君    青木 一男君       迫水 久常君    徳永 正利君       小川 半次君    八木 一郎君       丸茂 重貞君    塩見 俊二君       志村 愛子君    片山 正英君       河本嘉久蔵君    嶋崎  均君       棚辺 四郎君    中村 太郎君       戸塚 進也君    高橋 誉冨君       坂野 重信君    斎藤栄三郎君       山東 昭子君    糸山英太郎君       岩男 頴一君    岩上 妙子君       遠藤  要君    大島 友治君       大鷹 淑子君    斎藤 十朗君       古賀雷四郎君    黒住 忠行君       川野 辺静君    金井 元彦君       今泉 正二君    土屋 義彦君       山崎 竜男君    上田  稔君       初村滝一郎君    長田 裕二君       久次米健太郎君    鈴木 省吾君       世耕 政隆君    江藤  智君       藤田 正明君    大森 久司君       岡本  悟君    平泉  渉君       橘直  治君    町村 金五君       加藤 武徳君    安井  謙君       剱木 亨弘君    吉武 恵市君       増原 恵吉君    神田  博君       伊藤 五郎君    鹿島 俊雄君       大谷藤之助君    小笠 公韶君       亘  四郎君    橋本 繁蔵君       佐藤 信二君    亀井 久興君       岡田  広君    上條 勝久君       稲嶺 一郎君    矢野  登君       安田 隆明君    山崎 五郎君       高田 浩運君    増田  盛君       二木 謙吾君    源田  実君       熊谷太三郎君    植木 光教君       木村 睦男君    温水 三郎君       福井  勇君     —————————————  反対者(青色票)氏名      百十六名       太田 淳夫君    矢原 秀男君       野末 陳平君    喜屋武眞榮君       下村  泰君    相沢 武彦君       塩出 啓典君    青島 幸男君       市川 房枝君    柄谷 道一君       内田 善利君    峯山 昭範君       桑名 義治君    三治 重信君       上林繁次郎君    阿部 憲一君       三木 忠雄君    藤原 房雄君       和田 春生君    栗林 卓司君       黒柳  明君    矢追 秀彦君       原田  立君    田代富士男君       藤井 恒男君    木島 則夫君       鈴木 一弘君    宮崎 正義君       柏原 ヤス君    中村 利次君       田渕 哲也君    二宮 文造君       白木義一郎君    小平 芳平君       多田 省吾君    中尾 辰義君       向井 長年君    福間 知之君       矢田部 理君    案納  勝君       久保  亘君    青木 薪次君       野田  哲君    対馬 孝且君       秦   豊君    浜本 万三君       赤桐  操君    大塚  喬君       小山 一平君    片岡 勝治君       田  英夫君    宮之原貞光君       鈴木美枝子君    神沢  浄君       前川  旦君    竹田 現照君       山崎  昇君    村田 秀三君       小野  明君    野口 忠夫君       栗原 俊夫君    茜ケ久保重光君       瀬谷 英行君    森  勝治君       戸叶  武君    田中寿美子君       竹田 四郎君    戸田 菊雄君       森中 守義君    志苫  裕君       森下 昭司君    近藤 忠孝君       山中 郁子君    粕谷 照美君       片山 甚市君    目黒今朝次郎君       橋本  敦君    安武 洋子君       内藤  功君    寺田 熊雄君       佐々木静子君    辻  一彦君       小巻 敏雄君    神谷信之助君       小谷  守君    工藤 良平君       上田  哲君    和田 静夫君       松本 英一君    小笠原貞子君       立木  洋君    鈴木  力君       中村 波男君    川村 清一君       杉山善太郎君    沢田 政治君       加藤  進君    渡辺  武君       塚田 大願君    安永 英雄君       吉田忠三郎君    鶴園 哲夫君       松永 忠二君    小柳  勇君       須藤 五郎君    岩間 正男君       星野  力君    阿具根 登君       野々山一三君    中村 英男君       藤田  進君    加瀬  完君       河田 賢治君    野坂 參三君       上田耕一郎君    春日 正一君      ——————————
  27. 河野謙三

    議長河野謙三君) 日程第二 昭和四十二年度以後における地方公務員共済組合法年金の額の改定等に関する法律等の一部を改正する法律案内閣提出衆議院送付)を議題といたします。まず、委員長の報告を求めます。地方行政委員長原文兵衛君。     ━━━━━━━━━━━━━    〔原文兵衛君登壇拍手
  28. 原文兵衛

    ○原文兵衛君 ただいま議題となりました昭和四十二年度以後における地方公務員共済組合法年金の額の改定等に関する法律等の一部を改正する法律案について、地方行政委員会における審査の経過及び結果を御報告いたします。  本法律案は、恩給法等の改正内容に準じて、地方公務員共済組合の退職年金等の額を増額改定し、退職年金等の最低保障額の引き上げ等を行うほか、廃疾年金受給資格の消滅時期の延長、掛金及び給付の算定の基礎となる給料の最高限度額の引き上げ等の措置を講ずるとともに、地方議会議員の退職年金地方団体関係団体の職員年金制度についても所要措置を講じようとするものであります。  委員会における質疑の詳細は、会議録に譲ることを御了承願います。  質疑を終わり、別に討論もなく、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。    〔議長退席、副議長着席〕  なお、本法律案に対し、公務員関係共済制度を調整改善するための関係閣僚協議会の設置、賦課方式の採用や公的負担割合の引き上げ等を含む地方公務員共済制度の基本的な見直し、遺族年金の支給率の引き上げ等、十一項目にわたる附帯決議を付しております。  以上御報告いたします。(拍手
  29. 前田佳都男

    ○副議長(前田佳都男君) これより採決をいたします。本案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕
  30. 前田佳都男

    ○副議長(前田佳都男君) 総員起立と認めます。よって、本案は全会一致をもって可決されました。      ——————————
  31. 前田佳都男

    ○副議長(前田佳都男君) 日程第三 昭和四十四年度以後における農林漁業団体職員共済組合からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案内閣提出衆議院送付)を議題といたします。  まず、委員長の報告を求めます。農林水産委員長佐藤隆君。    〔佐藤隆君登壇拍手
  32. 佐藤隆

    ○佐藤隆君 御報告いたします。  本法律案は、農林漁業団体職員共済組合からの給付について、最近の経済情勢の変化等に対応し、他の共済組合制度に準じて、既裁定年金の額の改定年金の最低保障額の引き上げ及び標準給与の月額の上下限の引き上げ等、所要の改善措置を講じようとするものであります。  委員会におきましては、年金財政と掛金率の見込み、遺族年金の給付率の改善、国庫補助の増額、掛金の負担割合のあり方等について質疑が行われましたが、別に討論もなく、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、本案に対し、国庫補助の引き上げ等、七項目の附帯決議を行いました。  以上であります。(拍手
  33. 前田佳都男

    ○副議長(前田佳都男君) これより採決をいたします。本案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕
  34. 前田佳都男

    ○副議長(前田佳都男君) 総員起立と認めます。よって、本案は全会一致をもって可決されました。      ——————————
  35. 前田佳都男

    ○副議長(前田佳都男君) 日程第四 恩給法等の一部を改正する法律案  日程第五 昭和四十二年度以後における国家公務員共済組合等からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案  日程第六 昭和四十二年度以後における公共企業体職員等共済組合法に規定する共済組合が支給する年金の額の改定に関する法律及び公共企業体職員等共済組合法の一部を改正する法律案  日程第七 一般職職員給与に関する法律の一部を改正する法律案  日程第八 特別職職員給与に関する法律及び沖繩国際海洋博覧会政府代表の設置に関する臨時措置法の一部を改正する法律案  日程第九 防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案  日程第十 国家公務員等の旅費に関する法律の一部を改正する法律案   (いずれも内閣提出衆議院送付)  以上七案を一括して議題といたします。  まず、委員長の報告を求めます。内閣委員長加藤武徳君。     ━━━━━━━━━━━━━    〔加藤武徳君登壇拍手
  36. 加藤武徳

    ○加藤武徳君 ただいま議題となりました七法律案につきまして、内閣委員会における審査の経過と結果を御報告いたします。  まず、各法律案の要旨について申し上げます。  恩給法等の一部を改正する法律案及び共済関係法律案は、現在の恩給・共済年金の年額を本年八月分から二九・三%、明年一月分からさらに六・八%引き上げて三八・一%増額するほか、最低保障額の引き上げ等の措置を講じようとするものであります。  次に、一般職職員給与に関する法律の一部を改正する法律案は、本年八月の人事院勧告を完全実施するため、一般職職員給与について、全俸給月額を平均一〇・七%引き上げるとともに、初任給調整手当、扶養手当、住居手当、通勤手当及び義務教育等教員特別手当の改定を行い、本年四月一日から実施しようとするものであります。  また、特別職職員給与に関する法律及び沖繩国際海洋博覧会政府代表の設置に関する臨時措置法の一部を改正する法律案並びに防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案は、一般職職員給与改定に準じて、特別職職員及び防衛庁の職員の俸給月額等についてそれぞれ所要改定を行うほか、防衛庁職員給与については、営舎内等に居住する自衛官の特殊な法的拘束性にかんがみ、その俸給月額を明年二月からさらに改善しようとするものであります。  最後に、国家公務員等の旅費に関する法律の一部を改正する法律案は、国家公務員の旅行の実情等にかんがみ、日当、宿泊料等の定額を内国旅行において平均四〇%、外国旅行において平均三七%引き上げるとともに、移転料等の定額を改定しようとするものであります。  委員会におきましては、以上七法律案を便宜一括して質疑を行い、特に恩給、共済関係法案に関連して、元日赤従軍看護婦の処遇問題について参考人の意見を聴取いたしましたが、これらの詳細は会議録に譲ります。  質疑を終わり、別に討論もなく、順次採決の結果、恩給法等改正案及び共済関係二法案はいずれも全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、三法律案それぞれに対し、受給者の処遇改善等に関する附帯決議が付されました。  次に、一般職職員給与法改正案は全会一致、特別職及び防衛庁職員の二給与法改正案は多数、また、国家公務員等旅費法改正案は全会一致をもって原案どおり可決すべきのもと決定いたしました。  以上御報告をいたします。(拍手
  37. 前田佳都男

    ○副議長(前田佳都男君) これより採決をいたします。  まず、恩給法等の一部を改正する法律案昭和四十二年度以後における国家公務員共済組合等からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案昭和四十二年度以後における公共企業体職員等共済組合法に規定する共済組合が支給する年金の額の改定に関する法律及び公共企業体職員等共済組合法の一部を改正する法律案一般職職員給与に関する法律の一部を改正する法律案、並びに国家公務員等の旅費に関する法律の一部を改正する法律案を一括して採決いたします。五案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕
  38. 前田佳都男

    ○副議長(前田佳都男君) 総員起立と認めます。よって、五案は全会一致をもって可決されました。      ——————————
  39. 前田佳都男

    ○副議長(前田佳都男君) 次に、特別職職員給与に関する法律及び沖繩国際海洋博覧会政府代表の設置に関する臨時措置法の一部を改正する法律案採決をいたします。本案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕
  40. 前田佳都男

    ○副議長(前田佳都男君) 過半数と認めます。よって、本案は可決されました。      ——————————
  41. 前田佳都男

    ○副議長(前田佳都男君) 次に、防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案採決をいたします。本案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕
  42. 前田佳都男

    ○副議長(前田佳都男君) 過半数と認めます。よって、本案は可決されました。      ——————————
  43. 前田佳都男

    ○副議長(前田佳都男君) 日程第一一 裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案  日程第一二 検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案   (いずれも、内閣提出衆議院送付)  以上両案を一括して議題といたします。  まず、委員長の報告を求めます。法務委員長多田省吾君。    〔多田省吾君登壇拍手
  44. 多田省吾

    ○多田省吾君 ただいま議題となりました二法案について、法務委員会における審査の経過と結果を御報告いたします。  両法案は、一般の政府職員給与改定に伴い、裁判官及び検察官の給与改定しようとするものであります。  その主な内容は、高等裁判所長官の報酬並びに次長検事及び検事長の俸給については、これに対応する特別職職員の俸給の増額に準じて、また、その他の裁判官の報酬並びに検察官の俸給については、これに対応する一般の政府職員の俸給の増額に準じていずれもこれを増額することとし、これらの改正は本年四月一日にさかのぼってこれを適用しようとするものであります。  委員会におきましては、判事、検事相互間の人事交流の運用の実情、裁判所職員の待遇改善と補充対策等について質疑がありましたが、その詳細は会議録に譲ることにいたします。  かくて質疑を終了し、討論には別に発言もなく、順次採決の結果、右二法案はいずれも全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。  以上御報告いたします。(拍手
  45. 前田佳都男

    ○副議長(前田佳都男君) これより両案を一括して採決いたします。両案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕
  46. 前田佳都男

    ○副議長(前田佳都男君) 総員起立と認めます。よって、両案は全会一致をもって可決されました。  本日は、これにて散会いたします。    午後九時四十七分散会