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1975-12-18 第76回国会 参議院 内閣委員会 第8号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十年十二月十八日(木曜日)    午前十時四十七分開会     —————————————    委員の異動  十二月十八日     辞任         補欠選任      森中 守義君     矢田部 理君     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         加藤 武徳君     理 事                 世耕 政隆君                 林  ゆう君                 上田  哲君                 片岡 勝治君     委 員                 岡田  広君                 源田  実君                 寺本 広作君                 戸塚 進也君                 中村 太郎君                 八木 一郎君                 山本茂一郎君                 秦   豊君                 藤田  進君                 矢田部 理君                 太田 淳夫君                 峯山 昭範君                 河田 賢治君                 内藤  功君                 中村 利次君    国務大臣        国 務 大 臣        (内閣官房長        官)       井出一太郎君        国 務 大 臣        (科学技術庁長        官)       佐々木義武君    政府委員        内閣官房長官  海部 俊樹君        内閣官房内閣審        議室長      渡部 周治君        行政管理庁行政        管理局長     小田村四郎君        防衛庁参事官   岡太  直君        科学技術庁長官        官房長      小山  実君        科学技術庁原子        力局長      生田 豊朗君        科学技術庁原子        力局次長     山野 正登君        科学技術庁原子        力局次長     半澤 治雄君    事務局側        常任委員会専門        員        首藤 俊彦君    説明員        科学技術庁原子        力局動力炉開発        課長       高岡 敬展君    参考人        動力炉核燃料        開発事業団副理        事長       瀬川 正男君        動力炉核燃料        開発事業団再処        理部計画課長   佐藤  茂君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○参考人出席要求に関する件 ○科学技術庁設置法の一部を改正する法律案(内  閣提出、衆議院送付) ○軍人恩給等改善に関する請願(第三号)(第  一〇号)(第一五号)(第二一号)(第二二  号)(第五一号)(第五二号)(第五三号)  (第六七号)(第六八号)(第六九号)(第一  一三号)(第一一四号)(第一一五号)(第一  一六号)(第一一七号)(第一六五号)(第一  六六号)(第一八〇号)(第一九三号)(第二  一四号)(第三〇九号)(第一二一四号)(第  一九六一号)(第三〇七一号) ○恩給及び共済年金に関する請願(第一一号) ○昭和五十年度恩給改正法律早期成立に関する  請願(第一二号)(第一三号)(第一四号)  (第二四号)(第二五号)(第二六号)(第五  四号)(第五五号)(第五六号)(第五七号)  (第九六号)(第九七号)(第九八号)(第九  九号)(第一一一号)(第一一二号)(第一六  七号)(第一八一号)(第三一二号)(第三四  九号)(第一二一三号) ○昭和五十年度恩給及び各共済年金給付改善促  進に関する請願(第一八号) ○自衛隊予備自衛官平時勤務期間を「現職勤務  期間に加算する措置」に関する請願(第五八  号)(第一一八号)(第三五〇号) ○金鵄勲章制度の復活に関する請願(第六五号)  (第三一〇号)(第三五一号)(第一二一五  号)(第一九五八号)(第一九五九号)(第一  九六〇号)(第二〇五二号)(第二〇五三号)  (第二〇七一号)(第二一五五号)(第二一五  六号)(第二一五七号)(第二二八〇号)(第  二二八一号)(第二二八二号)(第二二八三  号)(第二二八四号)(第二二八五号)(第二  二八六号)(第二二八七号)(第二二八八号)  (第二二八九号)(第二二九〇号)(第二二九  一号)(第二二九二号)(第二二九三号)(第  二二九四号)(第二二九五号)(第二二九六  号)(第二二九七号)(第二二九八号)(第三  五六二号) ○義務教育等教員特別手当の支給に関する請願  (第七〇号)(第七一号)(第七二号)(第七  三号)(第七四号)(第七五号)(第七六号)  (第七七号)(第七八号)(第七九号)(第八  〇号)(第八一号)(第八二号)(第八三号)  (第八四号)(第八五号)(第八六号)(第八  七号)(第八八号)(第八九号)(第九〇号)  (第九一号)(第九二号)(第一四八号)(第  一四九号)(第一七五号)(第二一七号)(第  二一八号)(第二一九号)(第二二〇号)(第  二二一号)(第三一二号)(第四三二号) ○富山県大山町の寒冷地手当改善に関する請願  (第三三五号)(第三六一号) ○岐阜県の寒冷地手当改善に関する請願(第三三  六号) ○岐阜県藤橋村の寒冷地手当改善に関する請願  (第三三七号) ○岐阜県上矢作町の寒冷地手当改善に関する請願  (第三三八号) ○岐阜県串原村の寒冷地手当改善に関する請願  (第三三九号) ○岐阜県根尾村の寒冷地手当改善に関する請願  (第三四〇号) ○岐阜県板取村の寒冷地手当改善に関する請願  (第三四一号) ○岐阜県春日村の寒冷地手当改善に関する請願  (第三四二号) ○岐阜県徳山村の寒冷地手当改善に関する請願  (第三四三号) ○岐阜美山町の寒冷地手当改善に関する請願  (第三四四号) ○岐阜県山岡町の寒冷地手当改善に関する請願  (第三四五号) ○自衛隊予備自衛官平時勤務期間を「現職勤務  期間に加算する措置」に関する請願(第三五〇  号) ○救護看護婦外地勤務)の恩給に関する請願  (第三六〇号)(第一三四七号)(第一三四八  号)(第一三四九号)(第一四七一号)(第一  五〇七号)(第二〇八四号)(第二〇八五号)  (第二〇八六号)(第二  一六六号)(第二一六七号)(第二一六八号)  (第二二四一号)(第二三一六号)(第二三四  一号)(第二三四二号)(第二四二七号)(第  三二六八号)(第三七五四号)(第三八四二  号) ○長野県の寒冷地手当改善に関する請願(第三八  一号) ○長野県小海町の寒冷地手当改善に関する請願  (第三八二号) ○長野県富士見町の寒冷地手当改善に関する請願  (第三八三号) ○長野県平谷村の寒冷地手当改善に関する請願  (第三八四号) ○長野県浪合村の寒冷地手当改善に関する請願  (第三八五号) ○長野県売木村の寒冷地手当改善に関する請願  (第三八六号) ○長野県飯田市の寒冷地手当改善に関する請願  (第三八七号) ○兵庫県多紀郡の寒冷地手当改善に関する請願  (第三九五号) ○兵庫県一宮町の寒冷地手当改善に関する請願  (第三九六号) ○兵庫県千種町の寒冷地手当改善に関する請願  (第三九七号) ○兵庫県氷上郡の寒冷地手当改善に関する請願  (第三九八号) ○栃木県の寒冷地手当改善に関する請願(第四〇  四号)(第六一〇号)(第六五九号)(第六八  四号)(第八五一号) ○栃木県鹿沼市の寒冷地手当改善に関する請願  (第四〇五号)(第六一一号)(第六六〇号)  (第六八五号)(第八五二号) ○栃木県日光市の寒冷地手当改善に関する請願  (第四〇六号)(第六一二号)(第六六一号)  (第六八六号)(第八五三号) ○栃木県茂木町の寒冷地手当改善に関する請願  (第四〇七号)(第六一三号)(第六六二号)  (第七七一号)(第八五四号) ○栃木県足尾町の寒冷地手当改善に関する請願  (第四〇八号)(第六一四号)(第六六三号)  (第六八七号)(第八五五号) ○栃木県藤原町の寒冷地手当改善に関する請願  (第四〇九号)(第六一五号)(第七七二号)  (第八五六号) ○栃木県那須町の寒冷地手当改善に関する請願  (第四一〇号)(第六一六号)(第六六四号)  (第七七三号)(第八五七号) ○新潟県の寒冷地手当改善に関する請願(第四一  一号)(第四二〇号)(第一一九四号)(第一  二六四号)(第三七五五号) ○兵庫県波賀町の寒冷地手当改善に関する請願  (第四二六号) ○兵庫県山崎町の寒冷地手当改善に関する請願  (第四二七号) ○兵庫養父町の寒冷地手当改善に関する請願  (第四二八号) ○岐阜県明智町の寒冷地手当改善に関する請願  (第四三七号) ○福井県の寒冷地手当改善に関する請願(第四三  八号) ○福井県池田町の寒冷地手当改善に関する請願  (第四三九号) ○福井美山町の寒冷地手当改善に関する請願  (第四四〇号) ○福井県大野市の寒冷地手当改善に関する請願  (第四四一号) ○福井福井市の寒冷地手当改善に関する請願  (第四四二号) ○宮城県の寒冷地手当改善に関する請願(第五二  四号) ○宮城県七ケ宿町の寒冷地手当改善に関する請願  (第五二五号) ○宮城県小野田町の寒冷地手当改善に関する請願  (第五二六号) ○宮城県岩出山町の寒冷地手当改善に関する請願  (第五二七号) ○宮城県秋保町の寒冷地手当改善に関する請願  (第五二八号) ○兵庫県豊岡市の寒冷地手当改善に関する請願  (第五四〇号) ○兵庫県村岡町及び美方町の寒冷地手当改善に関  する請願(第五四一号) ○兵庫美方郡の寒冷地手当改善に関する請願  (第五四二号) ○島根県仁多町の寒冷地手当改善に関する請願  (第五六一号) ○北海道の寒冷地手当改善に関する請願(第五六  四号)(第五八六号)(第六三一号)(第六三  二号)(第四七一五号) ○山形県の寒冷地手当改善に関する請願(第五八  七号)(第七三〇号) ○今上陛下御在位満五十年奉祝国民大会開催に関  する請願(第五八九号)(第六五七号)(第六  五八号)(第八五八号) ○兵庫県出石町の寒冷地手当改善に関する請願  (第五九〇号)(第九五五号) ○福島県湯川村の寒冷地手当改善に関する請願  (第五九一号) ○福島県塩川町の寒冷地手当改善に関する請願  (第五九二号) ○福島県河東村の寒冷地手当改善に関する請願  (第五九三号) ○昭和五十一年度恩給改善に関する請願(第一〇  九七号) ○福島県の寒冷地手当改善に関する請願(第一三  二四号) ○国家公務員の賃金の早期改定に関する請願(第  二〇九二号)(第二〇九三号)(第二〇九四  号)(第二〇九五号)(第二〇九六号)(第二  〇九七号)(第二〇九八号)(第二〇九九号)  (第二一〇〇号)(第二一〇一号)(第二一〇  二号)(第二一〇三号)(第二一〇四号)(第  二一〇五号)(第二一〇六号)(第二一〇七  号)(第二一〇八号)(第二一〇九号)(第二  一一〇号)(第二一一一号)(第二一一二号)  (第二一一三号)(第二一一四号)(第二一一  五号)(第二一一六号)(第二一一七号)(第  二一一八号)(第二一一九号)(第二一二〇  号)(第二一二一号)(第二一二二号)(第二  一二三号)(第二一二四号)(第二一二五号)  (第二一二六号)(第二一二七号)(第二一二  八号)(第二一二九号)(第二一三〇号)(第  二一三一号)(第二一三二号)(第二一三三  号)(第二一三四号)(第二一三五号)(第二  一三六号)(第二一三七号)(第二一三八号)  (第二一三九号)(第二一四〇号)(第二一四  一号)(第二一四二号)(第二一四三号)(第  二一四四号)(第二一四五号)(第二一四六  号)(第二一四七号)(第二一四八号)(第二  一四九号)(第二一五〇号)(第二一五一号)  (第二一五二号)(第二一五三号) ○兵庫養父町の寒冷地手当級地引上げに関す  る請願(第二六六一号) ○公務員労働者ストライキ権回復に関する請願  (第四三七七号)(第四三七八号)(第四三七  九号)(第四三八〇号)(第四三八一号)(第  四三八二号)(第四三八三号)(第四三八四  号)(第四三八五号)(第四三八六号)(第四  三八七号)(第四三八八号)(第四三八九号)  (第四三九〇号)(第四三九一号)(第四三九  二号)(第四三九三号)(第四三九四号)(第  四三九五号)(第四三九六号)(第四四二五  号)(第四四二六号)(第四四二七号)(第四  四二八号)(第四四二九号)(第四四三〇号)  (第四四三一号)(第四四三二号)(第四四三  三号)(第四四三四号)(第四四三五号)(第  四四三六号)(第四四三七号)(第四四三八  号)(第四四三九号)(第四四四〇号)(第四  四四一号)(第四四四二号)(第四四四三号)  (第四四四四号)(第四六五五号)(第四六五  六号)(第四六五七号)(第四六五八号)(第  四六五九号)(第四六六〇号)(第四六六一  号)(第四六六二号)(第四六六三号)(第四  六六四号)(第四六六五号)(第四六六六号)  (第四六六七号)(第四六六八号)(第四六六  九号)(第四六七〇号)(第四六七一号)(第  四六七二号)(第四六七三号)(第四六七四  号)(第四九九四号)(第四九九五号)(第四  九九六号)(第四九九七号)(第四九九八号)  (第四九九九号)(第五〇〇〇号)(第五〇〇  一号)(第五〇〇二号)(第五〇〇三号)(第  五〇〇四号)(第五〇〇五号)(第五〇〇六  号)(第五〇〇七号)(第五〇〇八号)  (第五〇〇九号)(第五〇一〇号)(第五〇一  一号)(第五〇一二号)(第五〇一三号)(第  五七五九号)(第五七六〇号)(第五七六一  号)(第五七六二号)(第五七六三号)(第五  七六四号)(第五七六五号)(第五七六六号)  (第五七六七号)(第五七六八号)(第五七六  九号)(第五七七〇号)(第五七七一号)(第  五七七二号)(第五七七三号)(第五七七四  号)(第五七七五号)(第五七七六号)(第五  七七七号)(第五七七八号)(第五七七九号)  (第五七八〇号)(第五七八一号)(第五七八  二号)(第五七八三号)(第五七八四号)(第  五七八五号)(第五七八六号)(第五七八七  号)(第五七八八号)(第五七八九号)(第五  七九〇号)(第五七九一号)(第五七九二号)  (第五七九三号)(第五七九四号)(第五七九  五号)(第五七九六号)(第五七九七号)(第  五七九八号)(第五七九九号)(第五八〇〇  号)(第五八〇一号)(第五八〇二号)(第五  八〇三号)(第五八〇四号)(第五八〇五号)  (第五八〇六号)(第五八〇七号)(第五八〇  八号)(第五八〇九号)(第五八一〇号)(第  五八一一号)(第五八一二号)(第五八一三  号)(第五八一四号)(第五八一五号)(第五  八一六号)(第五八一七号)(第五八一八号)  (第五八一九号)(第五八二〇号) ○継続調査要求に関する件     —————————————
  2. 加藤武徳

    委員長加藤武徳君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。  この際、参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  科学技術庁設置法の一部を改正する法律案の審査のため、本日、動力炉核燃料開発事業団理事長瀬川正男君及び同事業団処理部計画課長佐藤茂君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 加藤武徳

    委員長加藤武徳君) 御異議ないものと認め、さように決定いたします。     —————————————
  4. 加藤武徳

    委員長加藤武徳君) 科学技術庁設置法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。  質疑のおありの方は順次御発言を願います。
  5. 秦豊

    秦豊君 前回の委員会で、日本原子力行政の基本的な欠落というか、欠陥というか、私なりのとらえ方について科技庁長官あるいは生田氏その他の皆さんの答弁を求めたわけですけれども、きょうは時間がかなり限定されていますので、端的に問題を具体的なポイントにしぼって伺いたいと思います。  まず、昭和六十年における原発の発電計画量、すでに計画縮小、四千九百万云々が伝えられておりますけれども、その原子力発電計画量確定分、それと、その場合の年間に換算した使用済み燃料発生量、どのくらい出るのか、さらに、その出たものについての再処理計画は、いまのところペーパープランにすぎぬと思うけれども、一体立っているのかどうか。さらに、あなた方がすでに準備を進めている、いまの東海村の処理施設、これは日本核燃料サイクルの中ではどのように位置づけられているのか、以上の点を大きな前提として伺っておきます。   〔委員長退席理事世耕政隆君着席〕
  6. 生田豊朗

    政府委員生田豊朗君) お答え申し上げます。  わが国におきます原子力発電計画でございますが、昭和四十七年の原子力委員会長期計画におきましては、昭和六十年度六千万キロワットでございましたが、その後の情勢の変化に応じまして、本年の八月に総合エネルギー調査会が出しました答申によりますと、昭和六十年度四千九百万キロワットでございます。したがいまして、私ども昭和六十年度四千九百万キロワットの原子力発電計画前提にいたしまして各種の政策の指針といたしております。  先生御質問の使用済み燃料発生量でございますが、昭和六十年度におきまして四千九百万キロワットの原子力発電規模が実現いたしました暁には、年間で約七百トン、累積で約四千百トンの使用済み燃料が発生してまいります。これに対しまして、この使用済み燃料の再処理能力でございますけれども、ただいま先生御指摘の動燃事業団東海処理施設、これが現在ウランテスト中でございますが、完成いたしまして本格運転に入りますと、フル操業いたしました段階年間二百十トンでございます。したがいまして、昭和六十年度におきます七百トンと比較いたしまして約五百トン程度の再処理能力不足が生じてまいります。で、これは昭和六十年度だけではございませんで、それ以前におきましても再処理能力不足が生じておりますし、現在も同様でございますので、その分はとりあえず海外委託することにいたしておりまして、現在英国及びフランスに委託いたしまして海外で再処理を行っております。将来はやはり国内原子力発電規模と見合った再処理工場を持つべきであるという考え方に立っておりまして、いわゆる第二再処理工場を、これは民間が建設するという計画を進めております。計画を進めております主体は電力業界でございまして、濃縮・再処理準備会を設けましてただいま計画を作成中でございまして、通産省と科学技術庁原子力委員会がそれをバックアップする形をとっております。ただ、そのようなかなり大規模の再処理工場建設には相当のリードタイムを要しますので、動燃の再処理工場の完成後すぐにその第二再処理工場につなぐということが不可能でございますので、その間はさらに海外への委託量をふやすということでつなぐ予定でございまして、その一環といたしまして、英国核燃料公社BNFLでございますが、BNFLが新しい再処理工場建設する計画をただいま持っておりまして、その建設に当たりましてわが国協力を求めてきております。わが国といたしましても協力いたしたいという考え方に立ちまして、ただいま電力業界BNFLが折衝中でございまして、この協力の実現を期待するものでございますが、要約いたしますと、国内ではまず動燃の再処理施設、それから海外への委託、それから国内での第二再処理工場建設と、かような段階で再処理をいたしてまいりたいというように考えております。
  7. 秦豊

    秦豊君 いまの問題は後でもう一回触れてみたいと思います。生田さんは、たしか仄聞するところによれば、一月からは転出をされるそうであります。恐らく委員会における答弁がお別れ答弁じゃありませんか。そうした意味では、日ごろにも増して、また心を新たにしてひとつ思い切った答弁をせめてやってみるということを要望しておきますし、動燃に対しては、きのうは、理事長はたしか衆議院委員会あたりで何か日本語をしゃべっておったようだが、きょうはたまたま健康上の理由とかで当委員会には見えない。これはいやらしい配慮ではなくて、あくまで健康上の理由と了承しているということを付言しておきますがね。  それから東海村の再処理工場なんですけれども、この東海村の再処理工場では、生田さんがおっしゃった使用済み燃料二百十トン、これを再処理した場合、プルトニウムというのはどれくらい回収できる予定ですか。
  8. 半澤治雄

    政府委員半澤治雄君) 再処理量の約一%がプルトニウムとして抽出されますので、二百十トンでございますと、おおむね二トンのプルトニウムが抽出されます。
  9. 秦豊

    秦豊君 それじゃ、そのあなたのおっしゃったプルトニウムというのは、現在の工場状態ではどんな状態で出てくるんですか。
  10. 半澤治雄

    政府委員半澤治雄君) 硝酸プルトニウム溶液の形で出てまいります。
  11. 秦豊

    秦豊君 そうしますと、この再処理工場にある例のプルトニウム貯留槽、あれはキャパシティーはいまどれぐらいですか。
  12. 半澤治雄

    政府委員半澤治雄君) 貯留槽が三基ございまして、〇・七立米でございますので、合計二・一立米貯槽能力がございますが、現実貯槽能力といたしましては〇・五トン程度と考えられます。
  13. 秦豊

    秦豊君 〇・五トンだと私たちも思います。その場合、もしこの〇・五トンを踏まえますと、年間フル稼働で、たしかあなたは二・二トンとおっしゃったですね。私の思っていたより少し多いんですけれども、そうしますと、仮に二トンに近いプルトニウムができるとすると、おっしゃった現実キャパシティーが〇・五トンであると、つまり全部を貯蔵できない状態、非常に不安定な状態にある。一体、これをどうされるのか。その場合の安全対策のめどは立っているのか、立てつつあるのか、その辺はどうなんですか。
  14. 半澤治雄

    政府委員半澤治雄君) 第一には貯槽能力の増加ということを考えております。しかし、これは〇・三トン弱でございます。それから第二といたしましては、動燃の再処理施設スケジュールフル稼働までには数年を要すると見ております。私どものスケジュールでも五十五、六年まではせいぜい八割稼働くらいのことで、慎重に進めていくというスケジュールでございます。それから第三には、硝酸プルトニウム溶液酸化プルトニウムの形に転換するという計画を持ってございまして、現在詳細設計中でございます。予算的にも措置を講じているわけございまして、酸化プルトニウムの形になりますと、これは粉末状でございますので、貯蔵は比較的容易にできる、液と違いまして。その三つの観点から見まして、できますプルトニウム貯蔵には遺憾なきを期し得るというふうに考えております。
  15. 秦豊

    秦豊君 あなたは非常にあっさり確信を持って答えられたけれども、まさに、その酸化した場合の粉末、たとえば粉じんのように飛び散るこの危険さ、技術的に大変問題があると思うけれども、それはもちろんいまの主題じゃないからあえてそらす。  次の問題ですけれども、生田局長がさっきたしか答えられた点に関連します。硝酸プルトニウムはそのままでは核燃料としては使えない。これは常識である。当然核燃料加工工場によって加工の段階を経なければならない。そうですね。そうすると、それはどこで、いつごろから建設をする計画なのか。東海村のあの再処理施設内か、隣接をした地域なのか、全く違った場所なのか、あるいはそれについての、生田さんかなり長く答弁されておったが、建設計画のいわばマスタープランのようなもの、公文書に類するもの、これはすでにあるのか、あれば当委員会に資料として出していただきたい、こう思います。
  16. 高岡敬展

    説明員(高岡敬展君) お答え申し上げます。  ただいま次長から御説明申し上げましたように、硝酸プルトニウム溶液酸化プルトニウムに転換いたします施設につきましては、ただいまの計画としましては東海の再処理工場敷地内に建設予定しております。そういう予定に従いまして、現在、施設の詳細設計を進めておるわけでございます。本年度の予算額を御参考までに申し上げますと、五十年度で債務負担行為大体二十二億円の経費を計上しております。そのうち現金の分が大体二億六千万円という予算の規模でございます。全体の完成までの予算規模といたしましては大体四十億円程度のお金を要するんではないかと考えております。
  17. 秦豊

    秦豊君 じゃ、あなた、またはその他の理事者の方にお願いしておきますが、委員会に並行してとまでは言わないから、いまあなた方が進めている詳細設計の内容、債務負担行為でも二十二億あるわけだから——そうでしょう、この詳細を私あてに資料として後刻提出をしていただきたい。約束できますね。
  18. 生田豊朗

    政府委員生田豊朗君) 資料を作成いたしまして御提出いたします。
  19. 秦豊

    秦豊君 たしか、去年の七月だと記憶しますが、アメリカの原子力委員会、AECが環境白書というのを公にしましたね。御存じだと思う。その場合、プルトニウム核燃料とするプルトニウム・リサイクルプランというのを当然明らかにしたわけですね。ところが、この計画の実施について非常に慎重であって、本年から三ヵ年の間は延期をされたという重大な事実があるわけですね。恐らく、あなた方所管の事項だから、これは当然お調べになっていなければ怠慢だと思うし、それについては事実かどうか。また、あの核技術開発の先進国であるアメリカ、あなた方の大先輩のアメリカ、これがこんな慎重な態度に出たのはなぜだと。どんなにわきまえていますか、あなた方。
  20. 半澤治雄

    政府委員半澤治雄君) 御指摘のとおりの事実がございまして、当初の見通しでは、プルトニウム・リサイクル問題については、本年の六月ころまでに一応見通しを立てるという計画であったわけでございますが、御指摘のように約三年程度延ばされております。私ども承知いたしておりますところでは、一つは安全性の確保の問題と、保障措置の問題について慎重な検討を要する、それが主たる理由というふうに理解いたしております。
  21. 秦豊

    秦豊君 これは、いわゆる核ジャックということをラロック元提督が言い出して大変問題になっているわけなんだが、核の盗難というか、セーフガード、それからあなたの言われた安全性、すべてについて確信が持てないから三ヵ年という、もう計画の土台を揺さぶるような変更を加えたんですよ。重大な変更なんですよ、この足踏みは。そうしますと、いままで無原則に諾々としてアメリカに右へならえというふうなかっこうをとってきたあなた方にしてみると、御本家のアメリカがそれほど慎重に市民への影響、安全、こういうことを最重点にしてやっている時期に、少なくともアメリカに右へならえをしてきたあなた方は、まるで暴虎馮河というか、もうそれは前へ前へと、ブレーキを忘れた車みたいなものだ、あなた方は。ひたすらにのめり込んでいるというふうな現状は、はなはだもって危なっかしい。なぜ危なっかしいかについては前回の委員会でさんざん言ったから、佐々木長官も激しいなんて言ったけれども、とにかくきょうは繰り返さない。繰り返しませんけれども、やはり日本としてもこの核燃料サイクルあるいは核の。プルトニウム・リサイクルプランというものは当然足踏みをする段階ではないか。こういう点については真摯に受けとめて、どう思っていますか。
  22. 生田豊朗

    政府委員生田豊朗君) 先生御承知と思いますけれども、アメリカの原子力委員会が昨年プルトニウムのリサイクルプランを推進——それ以前に推進していたわけでございますけれども、これは、一つの理由といたしまして、軽水炉の燃料であります低濃縮ウランの製造能力と申しますか、加工能力と申しますか、それが必ずしも十分ではないために、プルトニウム・リサイクルの理論を応用いたしまして、まあ水増しと言うと大変言葉が悪いわけでございますけれども、低濃縮ウランの供給量の足りない部分をプルトニウム・リサイクルによってカバーするという考え方でございます。したがいまして、石油危機の後各国が原子力発電に非常に積極的に取り組みまして、濃縮ウランの最大の供給国でありますアメリカに対しまして濃縮ウランの提供を申し入れたわけでございますが、これがアメリカの能力を超えてしまいましたので、何段階かに分けまして、たとえばわが国の場合でも、一部につきましてはプルトニウム・リサイクルの計画が実現した場合には供給するというような形で、条件づきになったものもございます。そういう次第でございまして、むしろ。プルトニウムが、何と申しますか、余ってどうしようもないからそういうふうに使うということではございませんで、低濃縮ウランの供給不足をカバーするために考えられたものだと了解いたしております。  そういう次第でございますが、ただいま先生の御指摘がありましたように、アメリカにおきましては、そのプルトニウム・リサイクルの実現の時期があと三年ぐらいかかるということで、先に延ばしております。これは、理由につきましてはただいま半澤次長の御説明のとおりでございますが、問題といたしまして、やはり基本的には技術的な問題のむずかしさがございます。それからもう一つは、確かにその安全の問題あるいは軍事転用をされないような保障措置の問題があると思います。で、この後半につきましては、わが国も全く同じでございますので、保障措置、それから安全の問題につきまして私どもも十分それを確保してまいりたい、かように考えております。
  23. 秦豊

    秦豊君 アメリカでも、軍事用以外に商業用の再処理工場というのは、実際にはもう現実には稼働をしていないというぐらいになっている、軍事用だからしようがない、やっているというのが実態なんですよ。それで、七六年に新しく稼働する予定工場も怪しくなっているというのが最近のニュースで伝えられている。それくらいなんです。それよりか、はるかに総体的な技術能力の劣っているはずのあなた方が、にもかかわらず泰然として既定路線を進めようとする。まことに危なっかしいわけですね。この問題については終わりのところでまた関連して繰り返したいと思いますから、先へ進めます。  いま東海村では、化学テストから始まってウランテスト、ずうっと一連の来年を目指したテストを積み重ねていますけれども、ことしのたしか十月だと記憶しますが、東海村でテスト中に、ウランテスト段階で、二・五トンのウランを使った、そうしたら何と三・三%のウランが行方不明になったということが私どもの調査では明らかなんだけれども、そういう事実があったんでしょう、隠しおおせないでしょう。それについてはどう考えているんですか。手軽な問題じゃないですよ。
  24. 半澤治雄

    政府委員半澤治雄君) ウランテストでございますので、劣化ウラン、天然ウランを使用してやったわけでございますが、御指摘のように、九月末までの試験の段階で在庫調査を行いましたところ、帳簿上インプットされましたウランの量が二千五百七十四キログラム、測定によります在庫調査、在庫量、これが二千四百九十一キログラムでございまして、八十三キログラム、約三%の行方不明量——まあ行方不明量と通常言ってございますけれども、発生しているのは事実でございます。
  25. 秦豊

    秦豊君 この三%、ぼくは三・三と調べたんだけれども、なぜ誤差が出たのか、インプットしたデータの数字が二けたのところが違っていると思うんですね。その三・三%にせよ三%にせよ、これはあなた、欠量の意味するところというのはきわめて大きいというのが私どもの受け取り方なんです。それで、フル稼働した場合には、おっしゃったように、二百十トンの使用済み燃料のうちで、たとえば二百十トンとすれば六・九トン、これで五十キログラム程度のこれは不足量、欠量ということに換算、置きかえられますね、計算の数値を当てはめれば。そうすると、この。プルトニウムの量というのは、初歩的な原爆の少なくとも七、八個分には相当するはずであって、事ほどさように重大な問題なんです。あなた方は、インプットした、在庫調査をしたら減っていた、三%だと。非常に淡白におっしゃっているけれども、それほど重要な問題であるということをこれは指摘しないわけにはいかない。  そこで、転用されないため、ある瞬間から突如原爆等に転用されないための保障措置というのは当然考えなければならない。それがあなた方の使命なんです。義務なんです。これについてはどういうふうなことを考えていらっしゃるか。
  26. 生田豊朗

    政府委員生田豊朗君) 保障措置の重要性につきましては先生のおっしゃるとおりでございます。特に、ただいま減損ウランにつきましての数字について御説明申し上げたわけでございますが、これがプルトニウムということになりますと確かに御指摘のとおり非常に重大問題でございますので、私どもは、プルトニウムが今後再処理工場におきまして発生してまいりました暁におきましては、何と申しますか、計量管理と私ども言っているわけでございますけれども、計量管理を徹底的に行いまして、いやしくも何がしかの量の。プルトニウムが知らない間に外に出てしまった、あるいは盗まれたということでは非常に大問題でございますので、その点に最重点を置きまして計量管理を徹底させたいと考えております。  それからなお、現在でもわが国は、日米あるいは日英等の原子力協定に基づきまして、国際原子力機関、IAEAの査察を受けているわけでございますが、今後核防条約が批准されますと今度は自主査察という形になりまして、さらに詳細な査察を行うことになっておりますが、この査察の重点は、もちろん原子力施設全般には及びますけれども、最大の重点はプルトニウムにあるというように考えておりますので、この。プルトニウムの管理につきましては十分意を尽くしてまいりたいというように考えております。
  27. 秦豊

    秦豊君 これはね、一問一答みたいな簡単な問題ではなくて、セーフガードいかにあるべきかなんて言い出すと、これはあなた方の。プルトニウム管理体制とか、もう重大な行政上の大きな課題になるわけであって、とても私に与えられた時間ではなし得るところではない。それで、核防条約についても後でちょっと触れておきたいと思いますが、とりあえず質問を進めましよう。  さっきあなたがおっしゃった欠量の問題三%なんですがね、実用段階では何%程度に持っていくおつもりなんですか。どうなんですか。
  28. 生田豊朗

    政府委員生田豊朗君) 諸外国の例も参考にいたしまして考えておりますけれども、いわゆる計量誤差といいますのが一%台、大体一・五、六%というのが標準にされているようでございます。したがいまして、私どもはこの三・三%の誤差が出てもあたりまえだというようなことは毛頭申す気はございません。もっとこれを少なくしていく努力はするつもりでおりますが、計算上の計量誤差が出るということと、それから実際にウランなりプルトニウムが外に知らない間に出てしまう、なくなってしまうというようなことと、これは理論的にもちょっと違いがあるわけでございますが、計量誤差は計量誤差といたしましても、とにかくプルトニウムが絶対に外へ出ない、知らない間に盗まれたり紛失したりしないということが大前提でございますので、その点は現在でもプルトニウムの保管の方法につきまして十分注意をいたしておりますけれども、今後もその点に特に重点を置きまして、プルトニウムの管理に万全を期してまいりたい、かように考えております。
  29. 秦豊

    秦豊君 生田さんね、アメリカで最近シンポジウムがあったでしょう、データをお持ちだと思うけれども。保障措置のシンポジウムで、たしかAECの、原子力委員会の方の核物質管理部長だと思いますが、アメリカでさえ、一%の正確さに至るまでには長年の積み重ねが必要だと、かなり長い時間がかかると、こう答えているわけであって、あなた方はいま漠然と答えたけれども、三を無限に一に近づける、アメリカ並みに近づけるだけでも相当な技術努力、蓄積が必要なんです。そうでしょう。非常にこれはむずかしいことじゃないですか、どうなんですか。
  30. 生田豊朗

    政府委員生田豊朗君) なかなかむずかしいことだと思います。しかし、核物質の計量管理につきましては、かねがね、たとえば核物質管理センターという団体もつくりまして研究を重ねておりますし、あるいは政府の部内におきましても研究を重ねておりますし、一%台に持っていくことは私どもは十分できると考えております。
  31. 秦豊

    秦豊君 大変結構ですよね、自信満々で。先進アメリカの最高のオーソリティーが、わが国におけるも相当長い道程を経なければ自信がないと言っているのに、生田原子力局長はまさに自信にあふれていらっしゃるわけで、慶賀にたえませんけれども、問題は、その実現を祈りたいと思うんですよ。大変なことですよ、あなた、これ、簡単におっしゃるけれども。  そこで、あなた方動燃の方に伺いたいんだけれども、動燃、あなた方これを出されましたね、パンフレット。これを見ますと、七ページを見ると気になることが書いてある。気体廃棄物の大部分を占めるクリプトン85の年間全身被曝量をおよそ三十二ミリレムと述べていますね。その次のところを引用すると、「クリプトンが出す放射線の大部分はベータ線で、これは皮膚でとまってしまいます。このため皮膚以外の器官に対する影響は非常に小さいといえます。」、こういうふうにきわめて楽観的な日本語を使っている。もしそうであるとするならば、じゃ逆に聞きたいんだけれども。クリプトン85の被曝量については、体を全部さらす全身被曝じゃなくて、皮膚に対する被曝量というのを当然厳密に算定してしかるべきじゃありませんか、あなた方の論法どおりであれば。それが、あなた方のかなり金をかけたらしいパンフレットにはない。なぜなのか。この。パンフレットでは、国際放射線防護委員会の勧告による全身被曝の公衆線量限度というのは年間五百ミリレムであって、それに比べると三十二ミリレムはごく微少だから安全なんだと、こういうイメージを与えようとする目的が先走っちゃって、それが第一優先なものだから、こういうふうな、七ページの表現にあえてしたのではないかという私は疑いを持っている。やはりここでは皮膚被曝量を厳密に算定したものを公表すべきじゃありませんか、あなた方の仕事の範囲として。違いますか。
  32. 瀬川正男

    参考人瀬川正男君) ただいま御指摘の。パンフレットは、ただいまのお話のように若干舌足らずの面も多うございますが、私どもの再処理工場周辺の約二キロメートル地点における公衆被曝量の計算値は、御指摘のとおり三十二ミリレムになっておるわけでございます。この三十二ミリレムは、私どもは全身被曝線量というふうに、これはお話のとおり、そういう表現をしておるわけでございます。しかし、計算上は、実は皮膚被曝が三十二ミリレムのうちの大部分でございまして、その意味で影響は非常に少ないということになるわけでございますが、ただ三十二ミリレムのうちでほぼ一ミリ前後のものがガンマ線である。つまり全身被曝につながる部分も三十二ミリレムの中に若干あるという意味で、この三十二ミリレム全体を全身被曝という表現を使っておるわけでございまして、その意味で若干舌足らずの面もございますが、一応いま私が申し上げたような内容につきましては、安全審査の面においても政府の方で十分御検討をお願いした結果でございます。
  33. 秦豊

    秦豊君 あなた方舌足らずだそうですね。そういうところはたくさんあるのですよ。舌足らずなのか意図があったのか、意図に合わせて表現を抑制したのか、隠したのか、わかったものじゃありませんよ、それは。  今度、このパンフレットの九ページではこんなことを言っております。液体廃棄物による被曝量というのは、年間にして約十ミリレムである。安全審査会に出したデータだと少し違っていて、正確に引用すると十一・七ミリレムとなっている。ところが、その時点での調査に比べると、たとえば付近の市民の皆さんの食生活というものはかなり急速に向上をしているわけであって、魚の摂取量が非公式のデータによっても格段にふえているんですよ。したがって、周辺の皆さんの安全をもしあなた方が誠意を持って考えているというのであれば、そういう食生活の変化というものを反映して算定を変えなければならないのではないかということが、すでに住民団体からも巻き起こっているのです。それについてはどんなふうにお考えですか。
  34. 瀬川正男

    参考人瀬川正男君) ただいま御指摘の点は、私ども安全審査におきまして、液体廃棄物の放射能は一日〇・七キュリーであるという数値のもとに安全審査を受けて一応パスしたような形になっておりますが、しかし、その後なおこれをさらに低くするという措置を追加してございまして、現在では、安全審査に出しました海中での液体廃棄物の〇・七キュリーはほぼ十分の一におさめられるというふうにいたしてございますので、この。パンフレットよりはなお少ない数字になるかと思いますが、一応その点だけ申し上げます。
  35. 秦豊

    秦豊君 あなたの言われた液体廃棄物の中に、たしかトリチウムがありますね。これは弱いけど水素と同じ同位体でしょう。だから水に溶ける。溶けたら取り出しができないし、第一検出自体が技術的にむずかしいのじゃないかとされていますね。そうすると、トリチウムを含んだ水が飲料水として、あるいは食べ物を通じて人体に入る、このサイクルというのは、水俣における状態、人体をフィルターとして通った場合に濃縮されるという、あの状態と同じ状態が緩やかに再現されるわけですよ。そうしますと、このナトリウムの放射能というのは、私たちではなくて子孫数代後の人間の生活に、あるいは生存に、健康に、内臓に非常に深い影響を与えるというのがむしろ常識ではないかと私の方は思いますよ。あなた方は、全くそんなことは心配ありませんよ、進め進めだと言っておるけれども、トリチウムだけに限定しまして、そういうふうな危険があると言われている学界、一部の卓抜な指摘に対して、あなた方は、全くそんなおそれはありません、学者の言っている方が間違いなんです、大切なんですという態度をおとりなんですか、あるいは、わりと真摯に受けとめて、すでに調査研究の対象にされているのか。これはどなたがお答えになれる範囲でしょうか。
  36. 瀬川正男

    参考人瀬川正男君) トリチウムにつきましては、私どもは、一応気体廃棄物の面においても液体廃棄物の面におきましても、全体の線量のうちのどれだけかということも詳細に計算してございまして、現在では、廃棄物によるトリチウムの生物に対する影響は考えられないという数字になっておるというふうに考えてりおります。ただし、私どもはただいまの御指摘のとおりに、フードチェーンにおいてトリチウム等の影響等も将来なお十分トレースしていきたいと思いまして、特に専用の船もつくりまして、この再処理工場において定期的に海中の放射線を測定し、毎年フードチェーンの計算等も十分やっていくんだという体制をつくっておる次第でございます。決して軽視しておるわけではございません。
  37. 秦豊

    秦豊君 再処理施設で働く人々の被曝線量なんですけれども、これは働く人々に非常に直結をする問題です。再処理工場では一時間当たりの空間線量を五十ミリレム以上の場合は、たしかその辺の色もそのものずばりで塗っているでしょう。レッドというのですかね。あとは一・二五から五十ミリレムの、アンバーと言われているようだが、アンバーはアンバーの色に塗っている、一・二五ミリレム以下のをグリーンという、たしか三つの区分があるはずだけれども、この再処理施設が、いまのテスト期間じゃなくて、フル稼働した場合には、それぞれに安全を第一義として働く人々をどのように配置し、いまでも人材不足、教育不足と言われているあなた方動燃の場合にどれだけの人数を確信を持って配置できるのか、どのようにして順調に作業を進め得ると考えになっているのか、その辺をぜひ伺っておきたい。
  38. 瀬川正男

    参考人瀬川正男君) ただいま御指摘の再処理工場の中の管理区域は御指摘のとおりで、ホワイト、グリーン、アンバー、それからレッドと四区域に分かれておりますが、これは私どもは、保安規定においてこの区域の放射線量の制限値はただいまの御指摘のような数字で分けてございます。もちろん試験運転とか、あるいはウランテストの次のホットランとか、そういうものを今後経過いたしまして、さらにそういう点はまた十分見直しをする場合も当然あるかと考えておりますし、またそれに基づく従業員の配置等も、その際にまたさらに検討するつもりでございます。また、全体の従業員の数は、昨年まではほぼ三百人というふうに想定してございましたが、現在、すでにウランテストに入りましてから六十人ほどふやしまして三百六十名になってございます。ただし、現在やっておりますウラン試験が終わりましたときに、さらに総合的な検討をこの人数についてもまた加えることになると思います。
  39. 秦豊

    秦豊君 詰めた話は一番最後にしたいと思いますが、一応伺うだけ伺っておきましょう、データとして。  その場合、瀬川さんの言われたとおりであるとすれば、見直し見直しというわけなんだが、では各区分ごとのマン・レムですね、これは人間一人一人がこうむる被曝総線量で、レムであらわすことになっているんだけれども、マン・レムというのはどんなふうになる予定なんですか。
  40. 瀬川正男

    参考人瀬川正男君) マン・レムにつきましては、一般にマン・レムは国民遺伝線量というふうに、集団に対する被曝線量を云々するときの概念として用いられていると私どもは解釈してございまして、再処理工場におきましては、マン・レムというよりも、むしろ保安規定等によりまして従業員の年間被曝線量は五レムに抑えるとか、あるいは三ヵ月の許容線量は三レムに抑える、また警戒線量としては、三ヵ月の警戒レベルは一・三レムというふうな目安のもとに管理していくということが実態でございまして、全体のマン・レムというような考え方は、余り工場運営上は現在は使っておらないわけでございまして、ただ、それを使って管理することも、やることは簡単にできるわけでございますが、ただ、実態としては、いま申し上げましたように何ヵ月何レムで抑えるということを作業上の基準値として運用しておるわけでございます。
  41. 秦豊

    秦豊君 そうあなた言われますけれども、たとえば福島の一号原発ですね、すでに公表された資料があるはずです。たとえば四十六年が二百五十マン・レム、四十七年が四百マン・レム、かなり急速にふえて四十八年には九百マン・レムになっている。そうすると、労働者三千人で、平均に一人にあれしてみると〇・三レムと、こういうふうにすでに発表されているんですね。ふえ方が非常にこういうカーブでふえている。これは一つのデータですね、すでに。そうすると、再処理工場において、あなた方のところで運転がずっと継続しているうちに、福島一号原発じゃないけれども、大体そういうカーブで急増をするのではないかというのはこれまた常識ではありませんか。そうすると、こんなものは別に当てはめなくてもいいんだと、あなたは副理事長としてそんなこと言われるけれども、労働者が放射線にさらされているという状態を把握するときには、かなりこれは科学的に基準になるものじゃありませんか、そうはお考えになりませんか。
  42. 瀬川正男

    参考人瀬川正男君) 現状におきましては、先ほど私が申し上げましたように、保安規定上の年間の制限値あるいは三ヵ月制限値で作業量を押さえていくんだということで私は十分であり、むしろその方が実態に即しているというふうに考えてございますが、ただ、今後ホットランから営業当初にかけましてこの工場内の各工程におきまして作業量上でアンバランスが生じてくるような場合においては、工程別のマン・レムもやはり参考にはしようかというふうには考えてございます。決してマン・レムは要らないんだというわけでもございませんが、現状のところはいま申し上げましたような考え方でおるわけでございます。
  43. 秦豊

    秦豊君 非常に不思議なことに、調べていってみると、この原子力行政への対応の仕方というのは、アメリカはもうかなり以上に真剣かつ冷静、慎重というのに対して、あなた方はどうもラフではないかという印象を否めません。たとえば、ずっとこう調べていっているうちにこういう数字にぶつかってわからなくなったんだけれども、たとえばアメリカの場合は、   〔理事世耕政隆君退席、委員長着席〕 一般の人々は年間で〇・一七レムの許容線量と、こういうふうにうたわれているんです、これはAECの出した広報資料にあるんだけれども。日本では〇・五レムなんですよね。日米でそれだけ数値が開いている。なぜ日本でこうなったのか。日本人の肉体に放射線に対する特別の耐性でもあるというのが前提なのか。そんな愚かしい話はないでしょう。ならば、行政の姿勢がここに反映されているのではないか。アメリカはより慎重、日本はずさん、これがこの〇・一七と〇・五の数値の格差になって反映されているのではないかとまで思いたいわけですよ。この点についてはどういうふうにお考えですか。これはしかも一般人ですから。再処理工場とか原発に働く人々が対象ではなくて、ぐるんだ数字、包括的な数字ですね。しかし、そういうところで働く労働者に対してはどういう基準が妥当であるとすでにお考えでしょうかね。
  44. 瀬川正男

    参考人瀬川正男君) ただいまの環境に対する、一般公衆に対する許容基準は、日本では五百ミリレムであるということはこれは私は当然であると思っていますが、アメリカの百七十ミリレムが日本の五百ミリレムに該当するものであるとは私考えていないので、むしろそれは政府の方から説明を御聴取願うべきかと思いますが、従業員に対しましては、むしろ私は三ヵ月の三レムで抑えること、それから警戒レベルはやはり一・三レムであるということをいかに厳格に守っていくかということが一番大事だというふうに考えています。
  45. 生田豊朗

    政府委員生田豊朗君) ただいまの先生の御質問でございますが、アメリカにおきましても、個人、これは従事者以外の一般人でございますが、一般人の被曝線量の最高限は日本と同じく〇・五レム、すなわち五百ミリレムで同じでございます。ただ、先生の御指摘になりました百七十ミリレムと申しますのは、これは被曝線量を、モニターを使いまして、そのモニターの平均値が百七十ミリレムになるようにコントロールする。ということは、これは全体の被曝量の分布状況から見まして、平均を百七十ミリレムに抑えれば最高が五百ミリレムでとまるという考え方でございますので、わが国とアメリカとの間の差はございませんし、この五百ミリレムという数字は、これはICRP、国際放射線防護委員会で定められた国際基準でございます。で、それに関連しまして一言つけ加えて御説明させていただきたいと思いますが、先般原子力委員会におきまして、この規制値とは別に原子力発電所の規制の目標値としまして、この五百ミリレムの百分の一の五ミリレムという目標値を設定したわけでございますが、実はこれはアメリカよりもはるかに厳しい目標値でございます。で、わが国の場合は一つのサイトにおきまして、つまりその中に原子炉が何基ありましても五ミリレムということで非常に厳しい条件を設定しておりますが、アメリカも当初それを考えておりましたけれども、その目標値の達成にいろいろ技術的な困難があるということで、一つの原子炉ごとに五ミリレムということで目標を緩和したわけでございます。わが国におきましても、ワンサイト五ミリレムということはアメリカに比べまして数分の一の非常にシビアな目標値であるから、アメリカ並みに緩和すべきであるという意見もございますけれども、私どもは、アメリカはそうであっても、やはり日本は国情も考えましてこの一番シビアな基準をとるべきであるということにしておりますので、全般を通じまして、私どもは、むしろアメリカよりは日本の方がこの放射線のコントロールにつきましてはシビアな態度をとっているというように考えております。
  46. 秦豊

    秦豊君 まああなた方が引用されるデータと、私どもが調べたデータ、そこから導き出された結論がこれほど違うわけなんだけれども、あなた方はアメリカよりシビア、ぼくは逆にとっているわけですよね。それで、これは生田さんの範囲だと思うんですけれども、少し先を急がねばなりませんが、この再処理施設が使えなくなったという、使用できなくなったときの処理というのも、当然原子力行政としてはいまから考えおくべきテーマでしょう。いま稼働中のこの再処理施設ですね、稼働年数というのはどのように踏まえればいいんですか。
  47. 瀬川正男

    参考人瀬川正男君) 一応私どもは、再処理工場の操業上の目安としましては、耐用年数を十五年というふうに考えて、いろいろな試算をしておるわけでございます。  それからもう一つ、十五年たてば全然使いものにならないかといいますと、それはまた各セルの洗浄等を厳重にやればまた改造等も可能であるかというふうに考えておりますので、全然ペケになるんだというふうにも考えていませんが、一応材質としては十五年というふうに考えております。
  48. 秦豊

    秦豊君 それは、改造してプラスアルファは何年になるのかそれはわかりませんよね、あなたにも正確にはおわかりでないと思うし私もわからぬ。仮に十五年であるか、継ぎ足して十七年かは別として、その稼働年数を経た後、オシャカになった後というのは一体どういうふうにできるんですか。つまり、それ自体が原発の幾十倍というふうな、小さなものでも放射能に汚染されているという見方をした方が素直だと思うんだけれども、そういう状態の場合に、もちろん人は近づけない、セーフガードのためにチェックポイントが必要だ、人も施設も心要だと。そうすると工場全体にそういう警戒措置が当然要るだろうし、巨大な非常に危険な廃屋になる、構造物になるというのが十数年後にあり得るわけですね。しかもプルトニウムの半減期はもう御存じのとおりだということになると、そのこと自体が原子力行政にとっては大変放置しておけば重要な問題になりかねないと思いますね。これについては、いまからどういうふうに考えているわけですか。
  49. 瀬川正男

    参考人瀬川正男君) どうも十五年先でどの程度に改造できるか、ここで正確に申し上げるのは私も余り自信はないわけでございますが、しかし、原子力発電所の炉の構造と違いまして、再処理工場におきましては、やはり構造物的に主体は各セル、つまり何といいますか、非常にがんじょうなトーチカをつないだようなものでございまして、従来の諸外国の例に見ましても、セルそのものの洗浄は可能であるというにふう私は考えております。
  50. 秦豊

    秦豊君 私の締めくくりの質問に入る前に、ちょっと生田さんの方だと思いますが、さっきあなたがちらっと言われた核防条約の問題に関連して確かめておきたい。また今度あなた方が考えている機構改革にも関連するでしょう。  三木総理が、きのうたしか国会の答弁で、何か、次には来年中なるべく早いときに核防条約をという答弁をして、一つのポイントになりつつあるんだけれども、核防条約が批准された場合にたとえば生田さんが所管し、佐々木長官が所管をしていらっしゃるいわゆる行政との関連におきますと、どういう業務がふえて、それはどのセクションが担当するのか。それは、いまただでさえ足りないと言っている、あなた方の用語によれば足りないというスタッフで十全の自主査察が可能なのかどうか、あるいは自信がないのか、この点はどうですか。
  51. 生田豊朗

    政府委員生田豊朗君) ただいま先生の御指摘のとおりでございまして、核防条約が批准されますと、それに伴います保障措置協定も同時に実施されるということになりまして、これはもう先生十分御承知のことだと思いますが、現在わが国が受けておりますようなIAEAの査察担当官が参りまして査察をし、それをわが国の担当官が後ろで見ているという形の査察から、それが逆になりまして、わが国が自主査察を行い、それをIAEAの査察員がオブザーブするという形になるわけでございます。したがいまして、査察を十分に行いますためには、当然わが国国内の査察体制の整備が必要でございます。これはただいま御審議願っております原子力安全局が成立いたしました場合には、原子力安全局の中に新設されます核燃料規制課がその担当の課になります。で、その査察員でございますけれども、科学技術庁原子力安全局の職員が第一義的にその査察を担当することになりますので、現在その充実を図っている次第でございますが、この査察は必ずしも科学技術庁原子力安全局だけで行うものではございません。むしろ政府の各部局を通じまして、いわば国を挙げて査察に取り組むという姿勢が大事でございますので、現在通産省と協議中でございまして、通産省の検査の担当官も動員して同時に査察をするということを考えておりますし、先ほど申し上げました民間の財団法人でございます核物質管理センターがございますが、そこにおきまして、研究開発——特に先ほどの御質問にもございました計量管理を中心にいたします研究開発あるいはコンピューターの導入の方法、さらにその要員の養成訓練というものもあわせ行わさせる、この三本立ての構想を考えておりまして、それによりまして十分な査察を行ってまいりたい、かように考えております。
  52. 秦豊

    秦豊君 ここにあるのは、瀬川さんのところが十月二日に出しました「再処理施設について」という文書なんですね。これは今年の十月二日です。動燃の見解ですね、これは。この三ページから四ページ、これは全体的に私などから見ると大変問題がある。いまパイロットプラントなんだから試行錯誤だと。だから、こういうところで起こるいろんな、たとえば働く者の認識からすると事故だと思っても、あなた方は単に日本語を広げて、異常であると、異常ではあるが事故ではないとか、これは実に工夫をした、もう苦心惨たんをしてこういう見解を出している。ぼくら素人は、危ない、事故だと、あるいは事故につながりかねないと思うものでも、あなた方は、単なる異常である、事故とは考えないというふうな思想で貫かれているから、これ自体問題なんですけれども、その三ページ、それから四ページにかけまして、第四項、数字で4のところで、「動燃処理施設の性格について」という見逃せない一節があるんですよ。これはどういうことが書いてあるかというと、「これを実用規模の第二工場に反映させる使命をになっている。その意味で、本施設は、パイロットプラントと考えるべきである。」、こういう個所があります。あなたは覚えていらっしゃると思うんですが、要するに、いま運転中のこの再処理施設は実験施設なので、実用のものではないんだと、こういう認識が基本的にあるようですが、それに相違ないですか。
  53. 瀬川正男

    参考人瀬川正男君) パイロットプラント的な性格を持っておるということにつきましては、パイロットプラントという言葉が別段字引の上で厳格な定義があるわけではございませんので、私どもの再処理工場施設が、全体の感じとしてはパイロットプラント的であるのではないかというのが私どもの信念でございまして、と言いますのは、やはり再処理工場としては、国際的に見ましても、やはり一日処理量が三トンとか、あるいは五トンというのが各国の計画であり、また建設中のものは大抵そういう容量でございます。それに比べまして、私どものは一日〇・七トンにしかすぎないというので、そういう容量から言いますと、どうも再処理事業としては、経済的にはどうもそろばんが全然とれないという数字に現在の情勢ではなりつつあるわけでございます。ただ、さればといって実験プラントでもないと言いますのは、やはりある程度の量は毎年処理して、それに対して再処理料金というものを一応電力会社からいただくというふうに、業務上ではやはり一応の収支は考える。もっとも大分赤字でございますが、そういうふうに収入もまた考えていかなければいかぬという面で、そういう面でどうもいろんな角度から見まして。パイロットプラント的である。また、つけ加えますと、もう一つはやはり日本における最初の再処理工場である、初めての工業技術を確立するということがわれわれに課せられた任務でもあると考えますので、あれこれ総合いたしまして、パイロットプラント的であるというふうな言い方をしているわけでございます。
  54. 秦豊

    秦豊君 それはね、一つの言い方なんですよ、瀬川さん、あなたの。これは科学技術庁のとらえ方と違うんです。第一あなたはそういうふうに気軽におっしゃるけれども、パイロットプラントとしてはこれは群を抜いて大きいですよ、キャパシティーが、能力が。やっていることが単なるこんな小さな実験の段階じゃないんですよ。で、科学技術庁すら、わが党の上原議員が衆議院委員会で聞いたときに、確か生田さんだと思うんですけれどもね、答弁のニュアンス、それからきょう私に対する冒頭の答弁でも、再処理能力が二百十トンとお答えになっているし、差し引きの不足のところまであなたが答弁されている。科学技術庁は、明らかにこれはもう実用段階、もちろんフル稼働、実用段階に入るのは来年五十一年と言うておるけれども、瀬川さんのところはパイロットプラント、非常にこれの解釈は広義ですが、私たちはそう見ておりますと、たまたまそう言った方が万事好都合だから、そこに起こっている事故、頻発する異常——あなた方は異常、ぼくらは事故と言っているが、それでも試行錯誤の段階なんだからまあいいじゃありませんかという言い方で逃げるためには、やはりパイロットプラント、実験段階、多少のミスはやむを得ません、諸外国にもたくさんありましたと、こういう言い方になる。ところが、これは明らかにそうじゃなしに、実用と実験というか、科学技術庁としてはこれはあくまで核燃料サイクルの中枢にあるのも、枢要な部分、ある程度実用の使命を担っている、こういうふうなわきまえをすでに持っているんでしょう。上原議員に対する答弁と私に対する答弁というのは、明らかにそういうニュアンスを反映したものと私は思うし、その点については科技庁とおたくの方の見解は違うんじゃありませんか、科学技術庁どうなんですか。
  55. 生田豊朗

    政府委員生田豊朗君) ただいま瀬川理事長がお話しになりましたことと違わないと思うわけでございますが、私どもの考え方を御説明さしていただきますと、確かに秦先生が御指摘になりましたように、〇・七トンという処理能力を持ちました工場が完全なパイロットプラントではないということも事実でございます。いわゆるパイロットプラントと申しますのは、もっと非常に規模の小さなものを一般的にパイロットプラントと言っております。ただ、それと同時に、それでは〇・七トンの規模のものが、完全に実用化された商業プラントであるということが言えるかというと、それも言えないわけでございまして、現在、国際的に見まして商業プラントとしての規模は大体一日の処理能力が三トンないし五トンというものが、国際的にいわゆる実用施設と考えられているわけでございますので、わが国で第二再処理工場建設いたしますときは、恐らくその辺の一日の処理能力三ないし五トンというのがめどになりまして、実用的な再処理工場建設されることになろうかと思います。したがいまして、先ほど瀬川さんもパイロットプラント的という言い方をされたわけでございますが、私どもも、パイロットプラント的な、つまりわが国で最初の施設でございますし、特にこれまで再処理につきましてわが国内におきます技術の蓄積が余りございません。現在動燃が試運転に入っておりますものも、フランスのサンゴバン社の技術を導入いたしまして、いわゆるターンキーシステムと申しまして、完成まで全部向こうの技術によってやるという方式をとっておりますので、そういう意味におきまして、いろいろのトラブルがどうしても発生するわけでございます。そのトラブルの発生が今後予定されておりますホットテスト、あるいは本格運転段階で出ますと、これは非常な問題になりますし、先ほど先生も御指摘になりましたような、あるいは再処理工場をストップしてしまわなければいけないということにもなりかねないわけでございますので、その点のパイロットプラント的な部分につきましては、非常に慎重な態度をとっておりまして、ウランテストをやりまして、その間に十分要員の訓練も行うし、それから設備のテストも十分行うということでございます。これは昨日も衆議院の方で御答弁申し上げたわけでございますけれども、そういう性格を持っておりますので、私どもは、予定されておりますウランテスト期間が過ぎたから、もうそこで打ち切ってしまうという気は毛頭ございません。これはやはりウランテストの本来の使命を終わるまで、時間にとらわれないでテストを十分やるということが、その。パイロットプラント的というところに対応する最善の方策であろうかと思っておりますので、その点、スケジュールスケジュールで、スケジュールどおりいった方が望ましいことはもちろんでございますが、仮にまいりませんでも、とにかく技術的な確認と蓄積をまず第一に考えるという方向で進めてまいりたいと思っております。
  56. 秦豊

    秦豊君 これは瀬川さんの方でしょう。あなた方は、このパンフでも、さまざまなテストをやり、安全面で確証を得てから五十一年春以降、本格運転に入ると言っているけれども、まだたしかホットテストが終わっていないでしょう。まだウランテスト生田さんの言われるように一応終わったからタイムスケジュールどおりもうこれで次というようなことでなくて、非常に慎重にブレーキをかけるとおっしゃっているのだが、まだ残されたテストの段階もあり、なおかつ働く者の現場からは、すでにいままででも、このテスト段階で、まだ全部終わっていない中途半端な中間的な段階でも、たとえば化学試験の結果でも八十数件の不良個所が発見されているし、その半数については未処理であるというリポートが出され、あなた方は、いやと、それについて押し切る構えでやっている。人数についても、なるほどフランスの本場に幾十人か送ってテストをしたけれども、その多くの部分は、動燃の本部にいわゆる昇進をして、現場には配置されない。東海に残るのはほんの少しというふうな倒錯した状態にあるし、あなたはいま、人数も万全を期していると言うが、これはもうそれこそ紋切り型の答弁で実体が伴っていない、質と量のバランスがとれていない、こういう認識は否めません。  それから、科技庁で、いまそれに限定して言えば大体いつごろ本格運転にはいるんですか、入ろうとするんですか、どうですか。
  57. 生田豊朗

    政府委員生田豊朗君) 現在のスケジュールでは、このウランテストスケジュールどおり済みまして、後、ホットテストもスケジュールどおり済むということで計算いたしますと、五十二年の春から本格運転……
  58. 秦豊

    秦豊君 五十二年ですか。
  59. 生田豊朗

    政府委員生田豊朗君) 五十二年でございます、になる予定でございます。
  60. 秦豊

    秦豊君 それじゃ伺いますが、この原子力船「むつ」は、この前さんざん言ったからあれだけれども、「むつ」の事件では、原子力委員会の安全審査というのは、言うまでもなく基本設計でおしまい。それ以後の詳細設計とか、竣工検査、これはもう全然関係なしでしょう。ところが、原子力船とか原子力発電所より再処理工場の方が危険だということは、これはアメリカのさまざまな専門家も、フランスの専門家もイギリスの専門家も言っている。だから、いまや通念である。ところが、最も危険度の大きい再処理工場については、なるほどこの再処理安全専門部会というのはありますね。ありますけれども、一体、その専門部分というのは、どこまで、何をチェックできるんですか。たとえば「むつ」については船舶安全法、これはちゃんとした法律ですね、法律がある。それから原発については電気事業法があります。一応既存の法律がチェックできるだけの根拠と裏づけを持っている。ところが再処理工場の安全をチェックする法律というは一体、生田さんないじゃないですか。六法全書幾らひっくり返してもありませんよ。ないでしょう。これはどうなんですか。
  61. 生田豊朗

    政府委員生田豊朗君) 原子炉等規制法におきましては、再処理施設動燃事業団だけしか建設、運転ができないということになっております。したがいまして、法律の改正をいたしませんと、先ほど申し上げました民間の再処理工場建設にできないわけでございますので、その点につきましてはただいま検討しておりまして、いずれ、時期を見まして、また国会で御審議をいただきたいというふうに考えておりますが、現状はそういうことでございますので、科学技術庁の監督下にあります動燃事業団の再処理施設だけでございます。これは法令的にもそういうことになっております。したがいまして、科学技術庁の監督権限といたしまして、十分監督することはもちろんでございますが、安全審査につきましても、先生御指摘の、安全審査専門部会を設けまして安全審査をしておりますが、これは、「むつ」の問題で御批判をいただきましたように、基本設計の安全審査だけをやるものではございませんで、その後の詳細設計等につきましても、この安全審査専門部会が全部チェックをいたしております。したがいまして、「むつ」の問題と違いまして、この安全審査専門部会は、基本設計から最後まで全部通してチェックをするというたてまえで審査をいたしております。
  62. 秦豊

    秦豊君 それでは、峯山氏もお待ちですから、これで私の最後にいたしますけれども、前回の委員会で、私は全般的な原子力行政の欠落部分、欠陥と認識される問題点について、特に佐々木長官を中心にして答弁をいただいた。きょうは、再処理に絡めて総括しましても、いまの日本核燃料サイクルは、なるほど、瀬川さんがある紙面で発表しておらられたように、この核燃料の再処理というのは原子力利用の過程の中では核燃料サイクルの中心となるべきものである、この認識は確かに妥当するだろうと思う。ところが、その認識や、生田さんがきょうるるさよなら答弁で述べられたこと全部を取りまとめてみても、必ずしも私はすとんと胸には落ちない。私の理解度が悪いのか、あなた方のやっている姿勢がおざなりなのか、私はにわかには即断できないと思うけれども、やはりいまのままであれば、日本核燃料サイクルに対する行政の対応ぶり、これがいまのテンポであるならば、恐らくあなた方がどんなに希望されても腸閉塞のような状態になると思う。行き詰まりは早晩必至であるという認識を私は取り下げません。その意味で、特にその問題では、核燃料サイクルの根幹をなす再処理に備える体制は果たして十全かどうか、大いに疑わしいと言わなきゃならないわけです。そうした意味で、この安全局という、あなた方にしてみれば精いっぱいの機構改革をなさろうとするわけなんだが、私どもの基本的な見解、社会党の立場というのは、とのようないわゆるびほう策によっては、もう開発の最初から再処理まで全部、どこの段階をチェックしてみても非常に不十分ないまの原子力行政というものが、今度の一片の機構改革によって、にわかに、あすから突然安全度を急増するというふうな結論にはとても結びつかない。あくまでびほう策であると思うが、最後に佐々木長官の、私がきょう述べたこと、あるいは前回の質問を十分にお聞き取りいただいたと思いますが、きょうの紙面あたりによると、有沢さんが、すでにこの前私が質問したような有沢私案なるものをほぼ固め終わったというふうな報道等もあります。開発と規制を分離する、今度は機構も改める、安全がうんと高まるというふうなイメージがしきりに拡散されると思うが、私は必ずしもそれは満たされまいという認識を持ちます。最後に、佐々木さんの包括的な答弁を求めておいて終わりたいと思います。
  63. 佐々木義武

    ○国務大臣(佐々木義武君) この前にも御答弁申し上げましたように、安全局が皆様の御承認を得まして発足した場合は、これ自体が、いまるるお話がございました原子力全般の問題、特に安全の問題に対して、これが全部解決するというふうにはもちろん考えておりません。ただ、有沢懇談会ではいろいろ議論しておるようでございますから、いろんなありがたい意見が出てくると思います。で、そういうものを、政府といたしましてはさらに、いまお話がございましたような原子力委員会と、あるいは原子力安全委員会というふうに分けるか、あるいはその性格なり機能なりといったものをどうするか、あるいは審査、検査の対象をどうするか、いろんな問題がございます。特に、まだ詳しくは私は聞いておりませんけれども、いまお話がございましたようなプルトニウムとか、あるいは廃棄物の処理とか、特に高レベルの廃棄物をどう処理するかといったような大変大きい問題が残っておりまして、そういう問題を一体どうするのだという機構的な問題を考える場合でも、いろいろまた問題がございます。あるいは地方との関係をどうするか、特に知事さんとか、市長さんとかの関係の深い人も入っているはずでございまして、そういう問題は大きい問題になるわけでございますが、そういう問題等もこれからいろいろ検討されることと存じます。それこれ考えてまいりますと、私はどうも、やはり答申が出まして、その答申というのはどういう答申か私はまだ見当もつきませんけれども、これが法律化され皆様の御審議を経て、そして予算化され、さらに、委員は恐らくはどういうふうに分かれようと国会承認人事の委員になるかと存じます。そういたしますと、これまた次国会を待ってということになりまして、実際、行政として定着するというまでには相当時間がかかるのじゃないかと思います。それまでいまのままでよろしいかといいますと、私はそうは考えませんので、やはりこの際、少しでも責任を明確化し、あるいは機能を充実して、いま申しました原子炉の安全問題のみならず、査察する機能、あるいは先ほどお話のございましたような、ハイジャック等に備えると言っては語弊がありますが、盗難防止等を一体どうするかといったような問題、あるいはいまお話ございました燃料サイクルそのものの安全性をどうするかという、原子炉とまた違った一つの大きい問題があるわけでございます。こういう問題ひっくるめてまいりますと、やはりこのままの状況ではいけない、少しでもやっぱり充実した方がよろしいんじゃなかろうかというので、私どもといたしましては、原子力委員会そのものをどうするかという問題は恐らくだめだ、むしろ行政官庁といたしまして、少しでも内容を充実し、責任をさらに明確にするということで一応立案したわけでございます。
  64. 加藤武徳

    委員長加藤武徳君) 午前の審査はこの程度として休憩いたし、午後零時三十分から再開いたします。    午後零時一分休憩      —————・—————    午後零時四十一分開会
  65. 加藤武徳

    委員長加藤武徳君) ただいまから内閣委員会を再開いたします。  午前に引き続き、科学技術庁設置法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。  質疑のおありの方は順次御発言を願います。
  66. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 私は、先般からこの原子力委員会の問題、特に科学技術庁に原子力安全局を設置するという今回の法律案に関連をいたしまして、特に原子力行政の基本的な問題にかかわりますので、先般から質疑を続けてまいりました。きょうは官房長官に御出席いただいたわけでございますが、本当は、私はこの席に行政管理庁長官がいないのが残念なんです。本人が御病気らしいので、これはやむを得ないと思っております。  長官、私は原子力行政というのは非常に重要な行政である。それで、根本的には今回の設置法に私たちは反対をいたしております。反対しておりますけれども、原子力安全局をつくるという、要するに安全局をつくるということに反対じゃないんです。今後の原子力行政の上で、特に安全行政というのは非常に重要なポイントを占めますし、重大である、こういうぐあいに認識をいたしております。したがって、私たちが反対しているゆえんのものは、要するに原子力行政そのものですね。先般からずいぶんいろんな質問をいたしまして、その質問の中で、きょう官房長官、初めてでございますので私申し上げますが、いろんな質問をこの席でやってまいりました。たとえば今後の原子力行政はどうなるんだという質問に対して、科学技術庁長官は、原子力行政の基本的な問題についてはいま有沢機関でつくっておる、検討いたしておるから、要するにと、そういうふうな答弁で終始しておるわけです。この原子力行政の抜本的な改正というのは、すべてこの有沢委員会で検討しておるというのがこの委員会における答弁であります。そのほか、開発と規制の分離の問題、あるいはダブルチェックの問題、こういうふうな問題どの問題一つ取り上げても、これすべて有沢委員会で検討しておると、こういうふうに御答弁が返ってきているわけです。そうすると、一体有沢委員会とは何だということになってまいりました。実は、私たちこれを調べてみましたら、総理大臣の私的な諮問機関である、こういうふうにお伺いをしたわけであります。しかし、私的な諮問機関というのは、政府もこの問題については、何回か私的な諮問機関のあり方について閣議決定なりあるいは行政管理庁の管理局長の通達やら、いろんなものが出ております。この通達によりますと、官房長官も御存じだと思いますが、通達のポイントのところだけ読み上げますとこうなっています。「懇談会にあっては、合議機関としての意思が表明されることなく、出席者の意見が表明されるにとどまるところにあります。したがいまして、懇談会は、出席者の意見の表明又は意見の交換の場であるにすぎないのであります。」、こうなっているわけですね。「意見の交換の場であるにすぎない」あるいは「意見が表明されるにとどまる」ということになっているんです。これは通達の内容であります。このことを先日副長官に申し上げましたら副長官は、それはとんでもないと、現実にもうそれ以上のことが行われておると、そういう意味の副長官答弁がありました。まあ副長富、この中身余り知らぬと御答弁になったかもしれませんが。しかしながら、先般から当委員会で行われている答弁の内容を見ますと、答申ではなくても、少なくとも有沢機関からの結論待ちというのがこの答弁であります。したがって、それでは私たちは一体この有沢委員会に対する位置づけ、これは一体どうなるんだ。これはやはり、私は本当は昭和三十六年に当内閣委員会でこの問題が議論されたときに、当時の池田総理並びに当時の行政管理庁長官等が御出席になってきちっと答弁をしていらっしゃいます。そういう経過からも、少なくとも総理大臣の御出席をお願いしておったわけでございますが、きょうは御都合悪くて官房長官に御出席をいただいたわけでございます。私がいま申し上げましたこれらの点について、特にこの原子力行政懇談会の特に位置づけについてはきちっとした御答弁をいただきたい。
  67. 井出一太郎

    ○国務大臣(井出一太郎君) ただいま峯山さんから御指摘になりましたもろもろのことにつきましては、先日、私都合が悪く、副長官が参りましてそれぞれやりとりがございましたことは、私も後で報告を受けました。  そこで、原子力行政の問題がきわめて重要でありますことは、ただいま御指摘のとおりでございます。いま、いわゆる有沢懇談会というものの性格等についてのお尋ねでありますが、これはまあ従来のいきさつもあった次第でございますが、私どもは、懇談会というものの性格は、各省庁において相当な数ございますが、その場において、それぞれ有益な御意見を聴取し、自由な意見交換の場として現在それぞれの懇談会が機能しておるところでございますが、まあ御指摘の御趣旨に沿いまして、この運用というものはやはりきちんとしたものでなければならぬ。国家行政組織法八条にございます委員会等とやはり区別をいたしまして、その間紛淆のないようにしなければいかぬ、こういうふうに心得まして、今回の御指摘を契機にして懇談会というもののあり方につきましても見直しをいたしてみたい、かように考えております。
  68. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 官房長官、いまの実情をいろいろ検討して八条との区別ができるかどうか見直しをしたいということでございますが、これはまず行政管理庁にお伺いをいたしますが、行政管理庁が昭和三十六年四月十二日及び昭和三十八年三月十八日に出した、懇談会等行政運営上の二つの通達がございますが、この内容については現在でも変更ないわけですね。
  69. 小田村四郎

    政府委員(小田村四郎君) 三十六年の四月に出しました行政管理局長の通達は、現在でも変更ございません。  それから三十八年の「審議会と懇談会との差異について」と、こういう見解が載っておりますが、これは通達ではございませんで、政府部内でまとめた見解でございます。この見解につきましては現在といえども変わっていないと考えております。
  70. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 それでは、官房長官きょう御出席でございますが、この二つのあれが現在の政府としても変わりないということでございます。それで、まず、私的諮問機関というのを、先般私の手元に出していただきました。また、本日も私は実はそれぞれの座長さんの名前を調べて出していただきたいといって、私、本日この資料は手元に入ったんですが、先般の当委員会で四十一この審議会があるということでございました。ところが実際は、これは管理局長、きのうの新聞にも大きく高等教育懇談会、文部大臣の私的諮問機関として、この中間報告のようなものが出ております。これはあなたの私的懇談会がこれだけあるという調べの中には入っておりませんが、これは一体どういうことですか。
  71. 小田村四郎

    政府委員(小田村四郎君) 十二月十一日に先生に御提出いたしました資料は、その当日、至急各省から取り寄せたものでございまして、多少完全でなかった点があったようでございまして、その点は深くおわび申し上げたいと思います。  昨日、高等教育懇談会の記事が出まして、文部省に問い合わせましたところ、なお、高等教育懇談会、放送大学創設準備調査会、教員等待遇改善研究調査会、この三つがまだ漏れておったようでございまして、大変恐縮いたしておる次第でございます。
  72. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 そういうぐあいにいいかげんな報告をしてもらったらいかぬ。これは先ほどこちらから指摘をしたからあなたがおっしゃっているのかもしれませんがね。いずれにしても、まずその点は全部でそれじゃ四十四あるということですね。  そこで官房長官、これを全部見てほしいんですが、先ほどの通達はいまだに有効だというわけです。ところが、実際に官房長官、こういうのはね、これは答申とは言わなくても、こういうように全部本になって出ていますね、これ。これは老人問題懇談会、こういうような厚い本当に一冊の本になって提言として出ております。それから、産業廃棄物処理問題懇談会、これは十二月八日になってこういうような二冊のパンフレットになって出ております。それから社会保障長期計画懇談会、今後の社会保障のあり方についてという、こういうような一冊の本になって出ております。昨日新聞に載りましたけれども、高等教育拡充整備計画についてという答申のようなものが出ております。しかもこの中身は、これは見ていただいてもいいんですがね、一つ一つ全部あるんです。たとえば、先ほど私は詳細に読みませんでしたが、この委員の委嘱の問題につきましても、この委員を、「参集者に委員、参与等を委嘱すること等は疑惑を招くおそれがあるので適当でない。」というこの通達なんですね。これは初めの方の通達です。実際にはこういうように全部通達が行われています。いままでは通達してないということで逃げてまいりました。先般の防衛を考える会のときには、正式に委嘱していないということが実際ありましたけれども、実際私の手元に入った資料によりますとすべて正式に委嘱をいたしております。これはもう文書でちゃんと出ております。たとえば、文化行政長期総合計画懇談会、これは、趣旨、組織、庶務、内容も、「委員、顧問及び専門委員は、文化庁長官が委嘱する。」、これは文書でちゃんと出ております。行政管理庁、わかっておりますか、これ。文書で出ていますよ。これは私の文書と違う。ちゃんと文部省から出た文書です。高等教育懇談会について、これもちゃんと文書で委嘱の内容が出ております。それから文明問題懇談会、これも文部大臣裁定という文書で、委員の任命、内容、中身、組織。こういう懇談会をこういうぐあいに置くなんというのはやめるという話でしたね。ところが実際にはもう全部置くという内容になっています。「委員、顧問及び専門委員は、文部大臣が委嘱する。」、こういうふうになってまいりますと、これは私的な諮問機関じゃない。すべて正式な八条機関じゃないですか。これは違反しませんか、どうです。
  73. 小田村四郎

    政府委員(小田村四郎君) 先ほど御指摘のございました管理局長通達にございますように、「委嘱する」ということは「疑惑を招くおそれがあるので適当でない。」ということになっておりますので、私どもといたしましてはそのような言葉を使うことは適当でないと考えております。
  74. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 あのね、これは適当であるとかないとかいう問題より、これは官房長官ね、こうなっているんです。管理局長は、いつもそういうようにして逃げますけれども、林法制局長官の当時の答弁の中にはね、これは政府でまとめたやつですが、「かりに懇談会という名前をつけようと、実態がここでいう八条の機関に当たるものであれば、これはもちろん法律によることは当然で」ありますと。要するに名前とかそんなんじゃない、実態なんですよ。ところが、実態は全くこの八条機関と変わらない。しかも、その中身の問題についてはこうおっしゃっています。「何人かの人をある問題についてずっと呼んで委員各自の意見を聞く、もちろんその委員、人、個人々々の意見を聞くわけです。これは今の八条に抵触しない、」「しかし、一つの組織体を作って、その組織体としての意見をそこで出させるということは、この八条の方」に当たる。法制局長官答弁です。これは全部、一人一人の意見じゃない。懇談会としての意見です。全部そうですよ。これもそうです。ここに出ているやつすべてそうです。原子力行政懇もそうだと私は思うのですよ。きょうの毎日新聞の報道によりましても、「答申」という言葉がこれは出ております。まあそれは妥当であるかどうかは別にしてですね。現実に使われています。どういう言葉を使おうと、現実には完全に国家行政組織法なり、たとえば原子力行政懇でいえば内閣法に違反する。いずれにしても、きちっとしたこの処理をしないとこれは解決しない問題です。きょうは本当は有沢先生にこの席へ出ていただいて、この私たちのこういう考え方を申し述べて、政府のたとえば意見を聞くにとどまるとか、そんなことを申し上げたら本当に申しわけないのじゃないか。そういう、ただその人の意見を聞くということでやっているのじゃなくて、日本の今後の原子力行政をどうしようかというもっと高次元の問題をやっているわけでしょう。そういうふうな意味からは、私はこの行政懇そのものもやっぱりきちっとした位置づけをして答申するようにしなきゃいけないのじゃないか、こう思うのですが、いかがです。
  75. 井出一太郎

    ○国務大臣(井出一太郎君) これはまあ形式論あるいは実態論、こういうものに分かれてくるかと思いますが、まあ政府の側からいたしますれば、いま局長がお答えしましたように、これはまあその委嘱ということではなく、何か依頼というような言葉を使っておるやに私も報告は聞いておるのでございます。さらにまた、本来ならば個々の意見をごめいめいから伺うというたてまえでございましょうが、それを一つの場を設けまして、こう議論を深めていただくというためには、一つの御集合を願ってやることの方が便宜であるというふうないろいろこれはあると思います。まあそういうことはともかくといたしまして、いま御指摘になりまするような、これが混淆いたしまして、一本の答申を出すのはこれはまあ八条機関と全く同じではないかと、こうおっしゃいます。これもまあ議論をすれば必ずしも一本にまとめていただくことを期待しているんではない。いろいろな御意見がある。まあ幾つかの御論議を並列ということもあるでしょうし、それはまあ望ましい形としては一本化していただければ一番結構なんでしょうが、そういうような形式論と実態論と私はあると思うのでございまして、これは懇談会というもののあり方も、時によっては非常にそれが適切であると、八条によってきちんとした機関でいくことがなじまないような性格のものもあるいはあるのではないか、こう思うのでございます。しかし、先ほど来御指摘になりますように、そういうものが紛淆して限界が乱れていくというふうなことでは、確かに法律のたてまえからいたましてよろしくないことでございますから、それはやはりひとつ今後十分気をつけてやってまいりたいと、こう思っております。
  76. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 私はどうも官房長官の話聞いても納得できないのですがね。この原子力行政懇談会というのは、これは形式論から見ても実態論から見ても、どこから見たってこれはもう法律に反する、どこから見たって。あなた方はね、一つの意見にまとまることは望ましいけれども、まとまらなかったら並列でも何でもいいんだと、こういうぐあいにいま官房長官おっしゃいましたけれども、実際はそんなことはみじんも思ってないですよ、みんな。お隣の科学技術庁長官でも、一日も早くきちっとしたまとまった結論を出していただいて、その結論に基づいて今後の原子力行政がどうなっていくか、そのことを望んでいる。これはもうそのことは明らかです。あなた方、その場しのぎで答弁すればいいというものじゃないと私は思うのですよ。これはやはり今後の原子力行政、いわゆる原子力委員会という一つの八条機関、三条機関にも匹敵する八条機関をたな上げにして、しかも科学技術庁長官の口もある程度封じてです。科学技術庁長官はこの間からこの委員会答弁されていますけれども、答弁されるときに、いつも、少なくとも今後の原子力行政のことについては非常に遠慮されながら答弁していらっしゃいます。なぜかというと、先般の「むつ」とか、いろんな問題があったからです。というふうに考えてまいりますと、私はこういうようなものはきちっと法律に基づいてつくっていいんです。なじむものとなじまないものという話がありますけれども、これは私は、なじむ、なじまないというのは、それはその性格にもよりますけれども、あなた方がいつもおっしゃっている国民的合意を取りつけるためには、やはり法律に基づいてきちっとした委員会をつくって、そうしてきちっとした答申を得て、そうしてやるというのが従来のやり方だと私は思うのです。決して私はきちっと法律にしたからどうのこうのということはないと思っています。しかも、こういうふうなやり方が最近は非常に多い。実際の法律に基づいた審議会というのは、休眠状態の審議会が物すごくよけいある。ところが、実際はその休眠状態にある正式の委員会をたな上げにして、それこそ屋上屋を重ねて、要するにこの私的諮問機関が幅をきかしている。実は国家行政組織法を審議する当内閣委員会の私たちとしては、こういうふうな実態を見て、これを見過ごすわけにはいかないわけです。少なくとも、今回のこの原子力行政懇談会の問題については、今後の原子力行政をどうするか、科学技術庁長官はこうおっしゃいました。原子力行政懇談会の意見が出て、それからそれを立法化して、そして予算をとって、実際に実施するまでには大分先のことになる。大分先のことになるから、その前にやれることはやっておきたい、したがって今回の設置法を出したんだと、こういうことなんです。そうであるならば、やはりそのやれることをやるというその前の段階の、一つのいわゆる答申なりあるいはきちっとしたもの——これはやはり官房長官がかねがねストの問題やなんかでも言うでしょう、あるべき法律は守らなければいかぬというのがあなたのかねがねの主張じゃないですか。それをやっぱりきちっと守るべきだと言うのです。私的諮問機関というのは、管理局長もかねがねからおっしゃっていますけれども、こういうふうなものはなくしていった方がいいというのが基本的な考えのはずです、政府自身は。行政改革の中でもそれが基本になっているはずなんです。ところが、それを最近は奨励しているみたいな、最近の答申の中身はすべてそうなっているんです。これでは私たちは納得できない。少なくとも、この原子力行政懇談会の問題についてやはりきちっとした政府の見解を明らかにして、そしてこれからどうするんだと。有沢さんのその委員会も、きちっとした正式の機関にすればきちっとした答申になるんですよ、それできちっとした答申に基づいて今後の原子力行政がきちっとして行われるその方が何ぽかいいですよ。そうでないと日陰の身ですよ。現実に、これはきょうの毎日新聞ですが、今晩行われるそうですね、この懇談会が。それで二十三日には答申をすると、答申ということになっておりますけれども、その答申の中身がどういう中身になっているか私は知りませんけれども、そのものは出てくれば全部日陰の身ですよ、すべて。やっぱりそういうふうな行政というのは私は日の当たるところへきちっと出すべきじゃないか。それでこそ私はきちっとした原子力行政ができるんじゃないか、こう言っているわけです。どうです。
  77. 井出一太郎

    ○国務大臣(井出一太郎君) 当面の原子力行政に関して、いまの有沢懇談会にお触れになって御質問でございますが、この点は佐々木長官からもお答え申し上げましたように、非常に急を要するという事情もあったかと思います。それはそれなりに首肯できるといたしましても、峯山さん言われますように、確かに懇談会というものの数も多いということは私も感じておるものでございます。しかし、それにはそれなりのよって来る理由もあったものだと思うのでございまして、今後におきまして、国家行政組織法第八条、この審議会にふさわしいものについてはもちろんそれに準拠したところの審議会を設置するように努めたいと思っておりまするし、行政運営上の必要から懇談会がなじむであろうというものも私はないわけではないと先ほど来申しておるのでありますが、しかし、その間に誤解を招くことがないように運用においてはきちんとその間のけじめをつけてやってまいりたい、こう思います。
  78. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 官房長官、大分思い切った答弁していらっしゃいますから、ぜひともこれは、現在、私的な諮問機関というのが非常に多いということも事実です。官房長官おっしゃるようにそれを洗い直して、八条機関に沿うものは沿うようにしてもらいたい、そういう私の主張でございますから、ぜひとも、一日も早く法律に沿うようにしてもらいたい、それでやってもらいたいと思うんです。  もう一言、官房長官ですね、私申し上げておきたいことがあるんですけれども、これは官房長官、実は当内閣委員会で前々からこういうふうな問題が議題になっているわけです。そして何遍も何遍も当内閣委員会で議論をいたしまして、結局最終的に、先ほども申し上げましたように、当内閣委員会で、昭和三十六年当時、閣議決定して発足いたしました暴力犯罪防止対策懇談会というのがございまして、これが答申をするということで、どうなるかとさんざん問題になったわけです。当時、池田総理が当内閣委員会出席して、それで、「今問題になっておりまする暴力防止懇談会これは答申をするようになると思いますが、これは法律にいたしたいと思います。」と。それで、「労働問題懇談会、これは意思決定して答申しておると聞きましたが、これは今後そういうことのないようにしなければいけません。」、「それでなければ、廃止するのにやぶさかではございません。」という懇談会に対する政府の方針を明らかにした。これはもう御存じだと思いますけれども、実際総理がこれは法律にしたいと、こういう答弁があったんで、当時の内閣委員会としてもそれで一たん一件落着したわけです。ところが、実際にその後それはどうなったんだというふうに私が調査した範囲内では、総理大臣の答弁のとおりになっていない。それではやっぱり困るわけです。ですから、やはり私は官房長官、もう一回念を押しておきますけれども、きょうの確認でも四十四も私的諮問機関があります。この中には、私的諮問機関として当然八条になじまないで、その私的諮問機関の本来の趣旨である専門の人たちの意見を聞くというだけの、本当の私的諮問機関としての役目を果たしておるものもあるでしょう。けれども、実際にこういうぐあいに答申をたくさん出しているものもあるわけですね。したがって、やっぱり法律による八条機関に訂正をしなきゃいけない分も現実にあるわけです。ですからそういうものをはっきり洗い直して、やはり政府みずからが法律を守るという趣旨にものっとって、そして今後の、一つの行政改革ですわ、言うたら、これね。これはやっぱり力を入れてもらいたいと思うんです。本当は、きょう行政管理庁長官がおりましたら——現在あるいわゆる八条機関に基づいた審議会というものも、実際には稼働していない審議会が物すごくよけいあるわけです。きょう私具体的に例は挙げませんけれども、一年間に一遍ぐらいしか開いてない審議会というのが相当あるわけです。当然その用をもう終わったものもあるわけですね。そういうふうなものも、本当はこれは行政管理庁長官に言うべきですけれども、そういうものもあわせて、やはりこの整理統合あるいはその法律に沿った処理というものをやっていただきたいと思うんですが、いかがですか。
  79. 井出一太郎

    ○国務大臣(井出一太郎君) 先ほども、私見直しという言葉を使いましたが、そういう意味で、峯山さんおっしゃる方向に即して私どもも十分に検討をいたしてみたいと思っております。  それからまた、行政改革の問題等に関連しまして、正規の八条委員会といえども眠っておるものも確かにあるでしょう。そういうものにつきましても、きょうの御質問を一つの契機としまして、私どもも十分に気をつけたいと、こう思っております。
  80. 上田哲

    ○上田哲君 委員長、関連。  峯山委員の質問ですべては尽くされているわけでありますけれども、特に私が一言付言したいのは、一会派の見解ではないのでありまして、これは本日の委員会の開会に先立っての理事会の中でも正式に確認をされまして、この内閣委員会の主管事項として、この種の機関についての行政当局の十分な責任ある措置が講ぜられねばなるまい。本来はいまのお話にもありましたように、行管長官等々に、もっと具体的に各論的にもたださなければならないところでありますけれども、きょう懸案となっております法案の処理の問題とも絡んで、ぜひともひとつその辺の経過を飛ばして決着の姿勢を承りたいと私どもは共通して考えたわけでありますから、どうかひとつ再度もう一言御確認をあえていただきたいゆえんのものは、この種の野方図な行政運営の拡張といいましょうか、その限りにおける立法府、われわれ主管委員会の範囲の狭隘化というような問題もありまして、政府は厳にこの部分について戒めるとともに、直ちに具体的な効率的な措置をとられるべきであるというふうに思います。一片の答弁に終わらせることなく、このことを具体的にひとつわれわれの前に明らかにしていただくことを再度お約束をいただきたいと思います。
  81. 井出一太郎

    ○国務大臣(井出一太郎君) いまこの場所で、具体的にどれをどうするということは申し上げがたいのでございますが、御趣旨のほどは私も同感でございます。そして、実は内閣官房の部内では、少しこういう問題を洗ってみよと、こういうことを私ずっと以前に申しつけてもあるわけでございまして、ただいまの御趣旨は十分に心得て対処をいたすつもりでございます。
  82. 内藤功

    ○内藤功君 去る十一月の二十五日に、「むつ」総点検・改修技術検討委員会の第一次報告というのが出されましたが、原子力船第一船である「むつ」の開発計画も含めて、まず今後の原子力船の開発の将来的な見通しということについて、概括的に技術庁長官にお伺いしたいと思っております。
  83. 佐々木義武

    ○国務大臣(佐々木義武君) 「むつ」の問題が起きまして、去年の暮れごろからでございますけれども、「むつ」の改修あるいは総点検等「むつ」そのものを健全にするという問題も大きい問題であるけれども、同時に日本の原子力船開発というものが一体必要なのかどうか、必要だとすればどういう気構えで日本としては取っ組むべきかという大きい展望の問題が一つございまして、実は原子力委員会の中に原子力船懇談会、名前が悪いんでございますけれども、原子力船懇談会というものを設けまして、そして相当長い期間を費やしまして検討をいたしました。その間、ことし三月ごろだと思いましたが、ニューヨークで世界の原子力船会議と申しますかがございまして、この問題に関心を持っている先進国が集まりまして実は会議を持ったことがございます。わが方からも出席させまして、各国の動向等もしんしゃくした上で判断をしましたのは、大体今後十ヵ年後、すなわち一九八五年ころになりますと、世界は原子力船の時代に入っていくんじゃないか。全部原子力船になるというわけじゃもちろんございませんけれども、しかし、原子力船時代に入っていくであろうと、大体、各国の計画等を勘案いたしますとそういうふうに判断されました。そうして、そのためにはわが国も世界の海運国であり、また世界一の造船国でございますから、そうだとすれば、それに備えて官民を挙げてこれに対する対処方法を講ぜなきゃいかぬということでございまして、それにはどうするかと申しますと、いまのまず第一船の原子力船「むつ」を修理点検すれば、りっぱな実験船になるという結論でございますので、まず、修理点検計画を完全にして、これを修理点検して完全なものにしてしまう。そしてこれを実験船として所要なデータを蓄積いたしまして、それこれを基礎にして、さらに十五年後に備えていまの事業団等を中心に原子力船に対する研究をさらに積み重ねていこうじゃないか。そしてさっき申しましたような実用化の時代に入ってきたときには、それに相応して日本でも原子力船というものを建造していこうじゃないかと、こういうふうな大体立場にいたしまして、その結論をもってただいま進んでおる次第でございます。
  84. 内藤功

    ○内藤功君 いま、ことしの三月と言われたが、これは五月ですね。ことしの五月にニューヨークで国際会議が開かれた。原子力商船に関する国際会議ですか、これが開かれた。そして、日本からも代表が行ったらしい。この会議でも、いまから十年後、一九八〇年代の後半におきましては原子力船時代が来るということがそこで議論をされた、そういう確認になったと承っておるのであります。一九八〇年代の後半には、わが国でも船舶の推進力として舶用炉が一般化される。わが国でも恐らくその時代は、これは造船国、海運国としては世界では有数の国ですからそういうことになるであろうと、こういう見通し。つまり本年五月に行われたニューヨークの会議での見通しと同じような見通しを、細かいことはいいですが、大きな見通しとして長官は持っておられるわけですな。
  85. 佐々木義武

    ○国務大臣(佐々木義武君) 世界の海運国の情勢はそういう情勢でございますけれども、ひるがえってわが国の現状を考えますと、私はとてもそういうふうにならぬと思います。そういう時代が来ましても、すぐ日本がそれを追いつき追い越すような原子力船をどんどん建造していくというふうなことは、なかなか準備その他から見て無理じゃなかろうかと思います。
  86. 内藤功

    ○内藤功君 日本の産業界の状況、造船業界の現状、その他国民の安全についての世論などでむずかしい点があるかもしれないが、そうすると長官としては、この世界の造船界、海運界の状況としては、世界の大きな大勢としては八〇年代後半がそういう時代になるであろうということをいま言われたわけでありますな。
  87. 佐々木義武

    ○国務大臣(佐々木義武君) そのとおりでございます。
  88. 内藤功

    ○内藤功君 そこで、防衛庁にお伺いしたいんですが、この原子力を自衛隊の艦船、特に軍艦ですね、自衛隊の軍艦に使う、自衛艦に使うということについて国会でいままでも幾たびか論戦が行われたわけです。昭和四十五年と思いますが、時の防衛長官中曽根さんが委員会での質問において、言葉の端々は私は詳しく覚えていないけれども、そういう原子力推進による船舶が普遍化してきて普通のものになるというような状況、あるいはまた言い方として、舶用炉が船舶の推進力として一般化したときにはそういうものをつくるという趣旨の答弁をしておると思うんです。そのほかにもいろんな答弁があるが、大体そういうことを言っておったんですね。まず、この答弁は現在も一般論として防衛庁の方針というふうに承ってよろしいですか。
  89. 岡太直

    政府委員岡太直君) 原子力推進の艦艇を保有するかどうかと、こういう問題でございますが、従来の国会答弁でいろいろ申し上げておりますように、原子力推進艦というものが日本並びに国際的な常識として一般の船舶の推進機関として普遍化した場合においては、自衛艦推進力としまして使うということも考え得るという趣旨のことを従来お答えいたしております。
  90. 内藤功

    ○内藤功君 私の質問は、四十五年のこの長官答弁ですね、私も一部引用した、これと同じかどうかということにしぼっていま聞いているんで、まずその点を伺いたい。
  91. 岡太直

    政府委員岡太直君) 当時と変わっておりません。
  92. 内藤功

    ○内藤功君 変わっていない。  そこで科学技術庁長官、佐々木さんにお伺いしたいんですが、いま防衛庁の方から、防衛庁長官が四十五年にやった答弁、将来この舶用炉が船舶の推進力として一般化したときには、原子力推進の軍艦、原子力潜水艦などをつくることも考え得ると、あり得ると、こういう答弁がありましたが、長官は、同時に原子力委員会委員長でもあります。そうして、この基本法の第二条には、「原子力の研究、開発及び利用は、平和の目的に限り、」ということが明記されておりますね。このような規定のもとで、いまの防衛庁の答えられた答弁については、原子力の平和の目的に限るというこの第二条の精神との関係ではどういうふうにお考えになっておられるか、この点を伺います。
  93. 佐々木義武

    ○国務大臣(佐々木義武君) 原子力基本法は私どもも参画してつくったものでございますし、その後、平和の目的に限るという点に関しましては、初期からいまなおもってその考えはもちろん変わっておりません。したがって、原子力が殺傷力ないし破壊力がなくて——殺傷力、破壊力にこれを利用することはもちろんだめでございますけれども、そうじゃなくて、自衛艦の推進力として使用する場合であっても、船舶の推進力としての原子力の利用がまだ一般化していない現状におきましては、やはり同じくこれは認めるべきじゃないというふうにただいま考えております。  先ほど一般化の問題の御質問に答えましたけれども、原子力船時代が来るであろう、十年後には来るであろうという意味は、原子力船が支配的だという意味じゃなくて、商業用の原子力船が実用時代に入るであろうと、こういうふうに御解釈いただきたいと思います。したがって、世界の船舶が圧倒的に原子力船に切りかわるというのにはまだ相当時間がかかるというふうに考えていいんじゃないかと思います。
  94. 内藤功

    ○内藤功君 防衛庁に伺いたいんですが、いま科学技術庁長官は、一九八〇年代後半においても原子力商船というものは一般化する時代に入るとは思わないんだという答弁をされた。あなたの技術、装備の方に関係しておられるから知っておられると思うけれども、一九八〇年代後半において、いまだその時代では一般化という段階まではいかないであろうと、この将来見通しについて防衛庁は同じ考えかどうか、その点聞きたい。
  95. 岡太直

    政府委員岡太直君) 先ほど科学技術庁の方からお答えがありましたけれども、私どもとしましては、このお答えに対しまして、これと異なった意見を述べるだけの根拠がございません。したがいまして、見解としては同じ見解でございます。
  96. 内藤功

    ○内藤功君 もう一つ防衛庁に伺いますが、そうすると、この答弁でも、それから現在のあなた方の見解でも、一般化した場合、あるいは普遍化した場合ですな、この場合は原子力潜水艦の建造をわが国でも考えることがあると、こういうわけだが、一般化、普遍化ということについての判断は、これは専門の役所である科学技術庁の判断というものに従うということがあなた方の考えですか。
  97. 岡太直

    政府委員岡太直君) そのとおりであります。
  98. 内藤功

    ○内藤功君 それから、科学技術庁長官に伺いますが、さっきの御答弁の中で自衛艦ですね、まあ略称軍艦と言っておきましょう。軍艦と言う方がわかりやすい。軍艦の破壊力、殺傷力というものと、それから軍艦の推進力というもの、この二つを決して機械的に分けて考えているわけじゃないですね、あなたは。軍艦の推進力というものも破壊力、殺傷力の一部である。破壊力、殺傷力と非常に密接に関連したものである。言うなれば、軍艦の殺傷力、破壊力というのは、その推進力というものと切り離して論ずることはできぬと思うんですよ。軍事力というのは破壊力とスピードですね、これがかみ合わさって破壊力、殺傷力ができる。もともとこの言葉の使い方は長官が使い分けたのだけれども、こういうおかしな使い方は、私は兵器体系論から言っても、装備論から言ってもおかしい。だからまず聞きたいのは、言葉の上で、破壊力、殺傷力と推進力というのを長官は分けてお答えになりましたが、推進力というものは破壊力、殺傷力をさらに強める、そういうかかわり合いのあるものである、軍艦についてですよ。それは認めますか。
  99. 佐々木義武

    ○国務大臣(佐々木義武君) 私の申し上げております推進力というのは、船を進める上に原子力エナージーをどう使うかという、その問題でございまして、それ以外の何物でもございません。したがって、船自体が殺傷というのは私にはよくわかりませんけれども、通常、殺傷力とか破壊力と申しますのは、船自体の意味ではなくて、核兵器等を指しておるものだというふうに考えます。
  100. 内藤功

    ○内藤功君 そうすると、あなたは推進力というのは船を動かす力と言った。物を運ぶだけの船なら、お客を運ぶだけの船ならば船を動かすだけだと言えます。しかしながら、軍艦において、特に潜水艦において、特に原子力潜水艦において、この推進力が通常のエンジンであるのか、あるいは原子力であるのかということは、これは物を運ぶというだけじゃないのですね。人を運ぶというだけじゃないんですよ。相手の船あるいは相手の軍事目標というものに対して、いかに早く接近をして、それこそ殺傷、破壊ですな、をやるための力ですね。したがって、あなたは軍艦の推進力というものを、これを軍艦の殺傷力、破壊力とは違うという意味で使ったと言うのなら、軍艦の戦闘能力、その構成要素である、軍艦の戦闘能力あるいは戦闘の上の性能というものの一部である、これは認めますね。
  101. 佐々木義武

    ○国務大臣(佐々木義武君) 私は軍事知識が余りございませんので、的確なお答えになるかどうかわかりませんけれども、船自体で敵を殺傷するとか、破壊するという意味じゃなくて、やはり破壊あるいは殺傷するのは船そのものではなくて、船に塔載しております核兵器あるいはその他の通常兵器等だというふうに考えておるのでございます。
  102. 内藤功

    ○内藤功君 いま問題は、平和の目的に限って使うということの基本精神ですね、原子力平和利用の基本精神の問題。  そこで、お伺いしたいのは、これは防衛庁にお伺いしたいのですが、原子力潜水艦であるか、通常潜水艦であるかということによって、まず、この水中艦の水中速力、これはいろいろな深さによって違いますけれども、水中速力はこれはどのくらい違うのか、この点を一般的に、世界のいまの軍事的な技術の水準で話してください。技術庁長官に、軍事知識がないというからよくわかるように教えてやってください。
  103. 岡太直

    政府委員岡太直君) いろいろ資料ございますけれども、たとえばジェーンの年鑑なんかによりますと、原子力潜水艦というのは一般に水中速力三十ノット、それから通常型の潜水艦は水中速力二十ノット、これだけの水中における速度の差がありまして、これが著しい違いでございます。
  104. 内藤功

    ○内藤功君 技術庁長官、いまお聞きになりましたように、水中で原子力潜水艦の場合には約三十ノットというから、暗算で計算してみると五十四、五キロという速度、その辺を走っている自動車、町を走っている自動車と同じくらいの速さで水中を走るわけですね。これが原子力潜水艦、したがって水中において三十ノットか二十ノットかということは大変なこれは差である。戦闘上の能力、その軍艦の戦闘性能——軍艦というか潜水艦の戦闘の性能の上においてえらい違いなんですね。したがって、これをいまの問題に戻してみると、そういう原子力というものを潜水艦の推進力にするかどうかということは非常に重大な問題です。物をただ運ぶかどうかという問題じゃない。これは一つの軍事能力をさらに強化して軍事的にプラスするかどうかという、そういう問題なんです。このことはどうです、いまの説明でおわかりになりますね。
  105. 佐々木義武

    ○国務大臣(佐々木義武君) 原子力潜水船であろうと原子力潜水艦であろうと、いまのお話は同じでございまして、いままでの潜水艦よりスピードの速いのは、海中でございますから摩擦が少ないということ、あるいは燃料の交換が要らないということ、原子反応でございますから酸素その他の必要がないといったような非常な特色がありまして、したがって潜水艦で浮上する必要もない。そういったような一連の要素が加わって大変スピードも速く、いま申しましたように三十ノット等で走るようになるわけでございます。それは原子力潜水艦でなくても原子力船でも同じ原理でございまして、将来の世界の原子力潜水船の予想図をする人は、やはり同じように原子力船の列車のようなものを考えて、そして北氷洋の下をやった方が将来の商船に対していいんじゃないかなんて言う人もおります。ですから、必ずしもいまおっしゃったことは原子力潜水艦だからそうだというのじゃなくて、原子力潜水船の場合でも同じだと思います。
  106. 内藤功

    ○内藤功君 いまあなたは水中での摩擦が少ないという問題を言ったけれども、これはまたやったら切りがないけれども、水中が摩擦が少ないかどうか、まあ水中というのは水の抵抗があるわけですね、こういう議論もあるのです。ですから技術庁長官、余り当てずっぽで言われちゃ困る。これは議論すればこの点だけに入っちゃうからいいですよ、別の問題に入ります。
  107. 佐々木義武

    ○国務大臣(佐々木義武君) これは、海上はいろいろ波等の摩擦がございますから大変抵抗が強いのでありますけれども、海中の場合には抵抗力が海上に比しましてはるかに少ないわけでございまして、それがおかしいのでございましょうか。
  108. 内藤功

    ○内藤功君 そういう議論じゃないんですよ。いろいろな点をよく研究しなければいかぬですよ。  そこで、私はさっき答弁の中で非常に問題だと思うのは、これは中曽根長官時代も言っていたんですけれども、いいですか。世界的に原子力商船というのが普遍化してくる、一般化してくる、こういう時代になったら日本の軍艦に舶用炉をつけて原子力推進にしてもいいと。しかし、まだ世界的に一般化していないから、いまは日本の海上自衛隊の船に原子力推進の装置をつけない。ここのところの理由づけですね、どうしてそうなるのか。なぜ世界的に一般化すれば日本の軍艦につけるというのか、ここの説明、あなた方にはわかり切ったことかもしれないけれども、問題はこの平和利用の基本法第二条の解釈ですよ。「平和の目的に限り、」という解釈ですよ。この「平和の目的に限り、」という解釈は、世界の商船の推進力がどう変わろうと、この原子力基本法の精神、憲法に基づくこの精神がある限り、私は変わっちゃならぬし、変わるわけがないと思うんです。それは日本の政府の自衛力の限界の中では、軍艦が持てます、軍隊が持てますというふうな、ああいう解釈流に時代によって曲げちゃいかぬものだと思うんですね、これは。これはいけないと思う、いまの原子力基本法の解釈ではできないと思う。変えれば別ですよ、法律を。法律を悪く変えれば別だ。いまの法律のもとでは、一九八五年代になろうと、八〇年代後半になろうとどうなろうと、これは同じ解釈がとられてしかるべきだと思う。ところが、まああなたは前の中曽根答弁をずっと見てきて矛盾しないようにやってるのかもしれない。いやそう言ったら失礼かもしれない。その前の中曽根長官のときだってそうだ。なぜ世界で一般化してくれば日本の自衛艦につけていいのか、原子力つけていいのか、そこの理由をちょっと説明してください。
  109. 佐々木義武

    ○国務大臣(佐々木義武君) 法理論的に言いますと、これはいろいろあるかと思いますけれども、ほぼ常識的に申しますと、仮に推進力というものが全部原子力による推進力に世界が変わったという場合に、それでは自衛艦のみが単なる推進力でありますのにそれを使ってはいけないということは、これはやっぱりおかしいのでありまして、一般的にエンジンその他は原子力使ってやるという場合になりますと、それはやはり原子力を推進力に使っても私はおかしくないと思います。  で、その際、先ほど申しましたように、一般化というのは一体どの程度かということが大変問題になっておりますけれども、私はこれは相当先の時代であろうと見ておりますし、実用化する時代でも大体十年後という想定でございますから、あらゆる船舶が原子力船に変わるというような時代はまだまだ先だと思います。その場合にはそういう時代になって考えればいいんであって、仮にそういう時代になって考えた場合に、これはおかしいじゃないかということになりますれば、これはいまここで議論していること自体がおかしなことになるかもしれませんが、これはやっぱりその時代になって考えていくべきじゃなかろうかというふうに考えます。
  110. 内藤功

    ○内藤功君 科学技術の中でも原子力は、いま太陽熱だとか何とかというものが考えられているけれども、やはり時代の先端を行く科学の分野なんですね。それで、政治の中でもこれは一番自然科学の最先端。私はその専門家じゃないから間違うことを言うかもしれないけれども、政治家なりに先の先をやっぱり議論する問題がこうなんです。ですから、あなたはいま議論するのがおかしいかもしれぬと言ったけれども、決しておかしくはない。十年先、十五年先の日本のことを考えて議論するのはおかしくないですよ。これが一つ。  それから、やっぱりこの問題を討議するのは、科学技術庁長官は国防会議にも入っているでしょう、あなた。国防会議に入っていますね。国防会議に入っているということは、原子力を平和的に利用する、核武装なんか絶対させない、こういう精神のもとでお目付役で入っていなきゃおかしい話だ。大いに核武装をやりましょうという顧問で入っているわけじゃないと思うんですね。そういう意味では、この先いつごろそういう原子力商船が普及する時代が世界の地球の上に来るであろうか、そのときでもわが国は原子力を軍事に使わない、非核三原則を守るということをきちんとしておかなければいかぬ。というのは、原子力潜水艦つくる場合、もしそういう気持ちを防衛庁、政府が持った場合には、相当前から研究をし、開発をして予算を組んで準備するわけです。そういうことからいって、先々のことをやっぱり考え議論しなきゃいかぬと思うんです。  そこで私はもう一遍議論を戻し、質問ですが、それでは一般化する時代はずっと先だと、しかし、原子力商船が一般化する前の時代においては、これは原子力を日本の自衛艦、軍艦の推進力にすることはないというのはなぜなんです。これはなぜなんです。一般化された時代においては、これはほかがやるから原子力を軍艦の推進力にしても構わないんだと、いまは一般化してないからいけないということだとすれば、ほかの様子を見て、よその国のふりを見て、よその国が商船の中で原子力商船が多くなったからうちの方もやろうじゃないか、ついでに軍艦もやっちゃおうじゃないかということなのか、それとも、わが国は原子力基本法というものがあって、学術会議の答申に基づいて織り込んだ原子力基本法の二条に基づいて軍事目的に使っちゃいけないと、「平和の目的に限り、」とあるから原子力潜水艦は持たないということであるのか、どっちなんです。もし後者だとすれば、この法律のある限りは、原子力の平和利用の原則がある限りは、八五年代になろうと九五年代になろうとそれは同じですよ、同じように軍艦に使っちゃいけないということになるわけです。そこをやっぱりはっきりしてもらいたいと思うんですね、どうです。
  111. 佐々木義武

    ○国務大臣(佐々木義武君) 先ほどから詳しくくどく申し上げているように、殺傷力あるいは破壊力として、そういういわゆる軍事目的として核兵器等に使うことは、これはやれません。ただし、単なる推進力、動力としてこれを使う場合には、それが一般化して、ほとんどそれ以外に動力がないというほど普遍化した場合には、商船であろうと軍艦であろうとその推進力には使うときが来るであろうと。しかしそれは理論の問題じゃなくて、そういう時代が来た場合にはその時点で考えればいいんじゃないですかと、こういう私は考えを持っております。
  112. 内藤功

    ○内藤功君 ですからね、何回も何回も同じことを私は聞いて、あんたは同じことを答えていると思うんですね。
  113. 佐々木義武

    ○国務大臣(佐々木義武君) それはそうですよ、同じこと。
  114. 内藤功

    ○内藤功君 私はそうじゃないと思うんですよ。この原子力基本法の二条というもので、軍事目的には使わない、「平和の目的に限り、」と書いてある、だから軍艦には推進力に原子力を使わない、というんじゃないんですか。
  115. 佐々木義武

    ○国務大臣(佐々木義武君) 現在は一般化しておりませんので、したがってもちろん使いません、これは。それから、十数年後になりまして実用化した場合にどうかといいましても、これは一般化でございませんから、これはもちろんその時点ではまだどうという問題はないと思います。しかし、さらに何十年、何百年か知りませんが、たって、そして、もうそういう時代、推進力は、動力はほとんど原子力だという、まあ全部原子力に変わることはないと思いますけれども、仮にそういう時代に入ったとして、その場合どうかという議論でございますから、それはその時点で考えたらいいんじゃないですかと、こういうことを申し上げている。
  116. 内藤功

    ○内藤功君 くどいようですがね、この考え方は、各国の原子力商船がどのぐらい普及したかということで決めるべき問題じゃなくて、日本の場合には原子力基本法の第二条の「平和の目的に限り、」ということが基本的な根拠になって軍艦には原子力の推進力というのは使わないということが貫かれなくてはならぬと私は思うんです。私はそう思う。ただ、あなたの解釈はここで幾ら聞いても同じだ。恐らくいま聞いてもそれにまともに答えないで、さっきと同じ解釈で返ってくるでしょう。これは私は残念ながら、もっとやりたいけれども同じことだと思うんでね、私は繰り返しません。このことをはっきり言っておく。とにかくあなたに言いたいのは、原子力平和利用のやっぱりあなたはつかさだからね、あなたの地位は。そうですよ。そういう点から言って非常にぼくはいまの解釈はおかしいと思うんですよ。
  117. 佐々木義武

    ○国務大臣(佐々木義武君) はっきり言っておきますけれども、私は核武装論者でも何でもございません。最も徹底した核の平和論者であることをはっきり申し上げておきます。
  118. 内藤功

    ○内藤功君 あなたを攻撃しているわけじゃないからね、そういうことを聞いているわけじゃないですから、そういう答弁は無用ですよ。
  119. 佐々木義武

    ○国務大臣(佐々木義武君) 軍艦に使えると言っているんじゃなくて、船舶の推進刀としての原子力の利用が一般化していない現在におきましては、自衛艦の推進力として使うのはこれは許しませんと、こう言っているのであります。
  120. 内藤功

    ○内藤功君 そうすると、もう一遍確認しておきますが、あなたの解釈では原子力基本法二条の「平和の目的に限り、」というのは、日本の海上自衛艦、まあ略称して軍艦といままで言っているけれども、軍艦に使うか使わないかという問題については、原子力基本法二条は一切アンコンシダラブルというか、考慮の外、あなたの考慮の外にある。要するに、一般化してきたかどうかというだけでもう使うんだ。したがって、一九八〇年代の後半を待たずして科学技術の発展がもっと早い時期に一般化をもたらした場合には、そのときには軍艦に対する原子力推進装置をつくるという問題がこれは出てくる、こうなってきますよね。そうすると、原子力基本法二条というものは、これはもう原子力潜水艦あるいは原子力軍艦というものを、日本でもってつくるということに対する何の規制にもならぬ。こうだとすると、これは非常に重大な問題だと思うんですね。よくその点を考えてもらいたい。私はそうじゃない。原子力基本法の二条というものがやっぱり基礎にありますからして、わが国では推進力には原子力を使いませんという答弁が一つなければ、これは憲法あるいは原子力基本法の精神というものにのっとった考え方にぼくはならないんじゃないかと思うんですね。その点、これはもうはっきりさしておきますから。それは結論はぼくはどっちでもいいですよ、どっちでもいい。どうせそんな簡単にできるものじゃないんだからいいんですよ。しかし、簡単にできるものじゃないけれども、先々のあらゆることを論議しておかなければならぬ、国会は。だからどっちかはっきりしてもらいたい。いまぼくのはだめ押しです、これは。もう原子力基本法二条なんというのは、これはもう全然考慮の外だ、世界の大勢が一般化するかどうかというだけで決めます、したがって、一般化すれば日本は原子力潜水艦を持ちますということですね。
  121. 佐々木義武

    ○国務大臣(佐々木義武君) 原子力潜水艦の推進力をどうするかという問題の議論でありまして、兵器としての、兵力としての原子力艦という問題と私はこれは区別して考えるべきだと思いまして、その殺傷力とか、あるいは破壊力とかいうふうなそういうものは、これは平和利用でございますから一切つくることはできないんでありますけれども、しかし、原子力が推進力、動力として非常に普遍的に人類で使われるような場合——そういうことはないと思いますけれども、しかし、自動車とか、そういうものまでみんな使うようになった場合でも、日本だけは自衛隊で使うものは動力としてもだめだとその時点になっても言えるかといいますと、私はそうは言えないんじゃないか、そういう事態が来たならばその時点でも考えたらいいじゃないかと、こういうことを申しているのであります。したがって、現在では自衛艦に推進力として使うのは認めませんと言っているわけです。
  122. 加藤武徳

    委員長加藤武徳君) 速記をとめて。   〔速記中止〕
  123. 加藤武徳

    委員長加藤武徳君) 速記を起こして。
  124. 内藤功

    ○内藤功君 よく政府のいままでの答弁、特に法制局長官という人たちの意見を聞いてもらいたいと思うんですね、これは。法制局はいないと思うけれども、法制局長官答弁と違うんじゃないんですか、いまのは。これは憲法問題原子力基本法問題になってきますよ。一つだけ言っておきます。高辻法制局長官という、いま最高裁判所に入っている人がいます。この人が四十五年四月十七日、参議院予算委員会答弁しています。これには、この原子力基本法の解釈からこれは許されないという立場で解釈しているんです。ちょっとこれ調べてくれませんか。こうなると、いままでの政府見解と矛盾してくるんですよ、政府見解と。特に法制局の見解というものと矛盾してくると思う。矛盾しないならしないでいいですよ、しないならしないという理論過程を示してもらいたいのです。これは全くあさっての方向に原子力基本法がいってしまっているのですよ、いまの答弁だと。一般論かどうかと、そんなら原子力基本法の二条は要らないのだよ、要らない。高辻法制局長官答弁と比べてみてもらいたい。だれか、政府委員でもいいけれども助け舟を出してください。冗談じゃない。
  125. 生田豊朗

    政府委員生田豊朗君) 整理しまして御答弁申し上げます。  昭和四十五年の参議院予算委員会におきまして、高辻法制局長官答弁がございましたのは、ただいま先生のお示しになったとおりでございます。先ほど来大臣がお答え申し上げておりますのは、この高辻長官答弁の中にもございますけれども、従来からの政府統一見解でございまして、平和目的に限定するという原子力基本法第二条の規定は、主として殺傷力、破壊力として用いるものを指しているわけでございますけれども、ただいま先生御指摘の軍艦の推進力として原子力を使った場合がどうであるかということは問題点の一つであろうかと考えます。で、高辻長官の御答弁にもありましたように、将来、船の推進力として原子力推進が一般的になった場合に、なぜその軍事目的の船、いわゆる軍艦でございますが、だけがその一般的な推進力を使えないのだろうか、そういう疑問が生ずるので、先ほど来大臣のような見解が政府部内でつくられているわけでございますけれども、ただいま先生の御指摘がございましたように、この問題は憲法と自衛隊との関係、あるいは原子力基本法と憲法との関係、その他包括的な法律解釈を要すると思いますので、再度法制局とまた意見を調整いたしたいと考えております。
  126. 内藤功

    ○内藤功君 だめじゃないか、そういうことでは。一番大事な問題だ。この原子力推進力の問題を聞くということは政府に対してきのうぼくは通告しておいた。当然法制局の見解を調べてあると思っていた。うまいつじつまの合う解釈があると思ったら、そばについている政府委員もそういう始末ではどうする、これは。しかも、長官に至っては、これは長官、失礼ですが、あなたはいままでのことを調べてないだけじゃなくて、一般的にこういう原子力商船が普及したときにはどんどん軍艦に原子力を使えるということになっている、大変な問題です、これは。原子力潜水艦というのは、ほかの船と一緒になって海中を相当なスピードで走れる、大変な攻撃力です。私はもうこれ以上、きょうは防衛論議じゃないから言わないけれども、それじゃ法制局とこれを突き合わせて明確な見解を出しなさい。これは審議がここまで進んできてこういうことになったのは非常に遺憾です、ぼくも、審議を進める立場からいって。明確に、きちんとした、まとまった見解をここで発表してください。
  127. 生田豊朗

    政府委員生田豊朗君) 昭和四十年の四月の十四日に、原子力基本法第二条の解釈に対する政府統一見解というものがつくられておりまして、たびたび国会でもこの統一見解に基づきまして各大臣あるいは政府委員答弁が行われております。この統一見解は、「原子力基本法第二条には、「原子力の研究、開発及び利用は、平和の目的に限り……」と規定されており、わが国における原子力の利用が平和の目的に限られていることは明らかである。したがって、自衛隊が殺傷力ないし破壊力として原子力を用いるいわゆる核兵器を保持することは、同法の認めないところである。また、原子力が殺傷力ないし破壊力としてではなく、自衛艦の推進力として使用されることも、船舶の推進力としての原子力が一般化していない現状においては、同じく認められないと考える。」、これが昭和四十年の政府統一見解でございまして、昭和四十五年の高辻法制局長官答弁もこの線に沿ったものでございまして、それの説明といたしまして船舶の推進力として原子力が利用されることが「一般化しない状況のもとで、それを潜水艦に使うというのは、原子力基本法に抵触する。同時にそれが、原子力利用が一般化する、推進力として使うということが一般化するという場合には、自衛艦だけが旧式の推進力でなければならぬということはないだろう。一般化したものに従ってやっても、それは殺傷力、破壊力に用いられるのではないから、原子力基本法に違反するとまでいうことはあるまいというような結論になって、統一見解としてお話を申し上げたことがございます。要するに、これは政府の見解としてはりっぱにでき上がって、すでに皆さまにも統一見解としてお示ししたことであることをつけ加えておきます。」ということでございまして、法制局長官答弁もこの政府統一見解の線に沿ったものごでざいます。したがいまして、ただいま先生の御指摘もございますので、再度この統一見解の確認はいたしたいと考えております。
  128. 上田哲

    ○上田哲君 そんなのを読んでもらったってしょうがないんですがね。それをお読みになって議論をするのであれば、これはひとつ私どもも考えなければならない。つまり、いまの見解には議論があるんですよ。統一見解というのはいまおっしゃったように四十年でありますし、高辻さんがおっしゃった四十五年の解釈についても議論が分かれているところであって、その議論は決着しているとは思わない、国会の場では。だから、その問題については、あなた方がこう考えるということを言うのは確かに国会の答弁のパターンでありましょうけれども、われわれもまた、それに対してはそう考えてはならぬのでないかということで、法の精神に照らして議論をしなければならない奥行きのある問題だ。それは原子力行政一般についてもかかわりがあるわけですから、この法案の中でやることも結構ですし、このことが除外されるべきであるとかなんとかいう議論にはならないと思うんです。しかし、少なくとも今回の議論というのはそういう形で進んでこなかった。いまここで、この議論をこの法案の中に含めてやるべきだということになるなら、これは理事会のこれまでの議事の運営のあり方をもう一遍再検討して、この中に含めてこの議論を深めないと、これは浅薄な議論になってしまう。ふっと思いついて、四十年と四十五年の政府統一見解とこれにかかわるあるいは半歩進めたとわれわれは理解しているけれども、なし崩しの法制局長官答弁なんていうものを繰り返されて、さらっと逃げられた説明になったり議論を交わされたりして、その二十分後あたり、三十分後あたりに採決が行われたということになっては、これはわれわれとしては非常に困る問題が出てきますし、その処理はひとつ委員長のお取り扱いをお願いしたいわけですけれども、その議論も含めてやるのならひとつ審議日程を考えさせてもらいたい。それからまた、それを含めないというのははなはだおかしいことですけれども、場を改めてその問題はじっくりひとつやろうではないかということであるなら、それはそれでもまたわれわれも納得し、いま質問者と大臣との間の議論を聞くことになると思うのですけれども、統一見解をそこに引っ張り出して政府委員がそういう形で答弁されるということになれば、質問時間の終わったわれわれとしても、黙過して採決に入ることにはならないというあたりをひとつ処理をしていただきたいと思います。
  129. 加藤武徳

    委員長加藤武徳君) 速記をとめてください。   〔速記中止〕
  130. 加藤武徳

    委員長加藤武徳君) 速記を起こしてください。
  131. 内藤功

    ○内藤功君 これは最後に一言だけこの問題で言わしてもらいたい。  さっき政府委員は、四十年の統一見解と、その後の高辻長官答弁を読み上げられました。その二つの間には矛盾がないと。それはそうでしょう、その二つの間に矛盾があるかどうか聞いているのじゃない。しかし、その二つの答弁でも解決できていない問題があるから聞いたのですよ。聞くことはこれは自由なんです、論議することは自由です。ただ、簡単に、いままでの見解から逸脱しようとした技術庁長官答弁は、これは許せないです。これは、推進力として一般化していない現状では基本法に触れる、一般化すれば基本法に触れない。なぜかというのですよ、この質問は。これは重大な問題だ。さっき上田委員が言ったように、これは日本国民の平和、安全、生命にかかわる重大な問題なんです。どうしてだと、それに答えない。この四十年の見解も、四十五年の高辻さんの答弁も、きょうのあなたの答弁も答えていない。しかも、基本見解を逸脱しようとしている。そこですよ。ですから、従来の法制局の見解などもしっかり踏まえて、そしてもう一回きっちりした答弁を、きょうはもう時間の関係でできないが、することを約束しますね。これをちゃんと言ってください。
  132. 佐々木義武

    ○国務大臣(佐々木義武君) 私は、政府の一員でございますから、政府の統一見解をるる御説明したつもりでございますけれども、逸脱等あったようにも御指摘がございまして、文字どおりこれは非常にむずかしい根本的な問題がございますから、法的な解釈あるいは個人的な実際の知識と申しますか等を集めまして、よく検討しておきたいと思います。
  133. 内藤功

    ○内藤功君 検討してもう一回しっかりして答弁を正式にするという意味と理解をします。普通でしたらこれは許せないことですよ、これでストップです。しかし、これはいま委員長の話もあるし、特別きょうはやらないのですから。  あともう時間がありませんから……。
  134. 中村利次

    中村利次君 原子力の平和利用、特に非常に深刻なエネルギー危機の中でのエネルギー源として原子力を利用するかどうかという点については、わが国では国論が統一されておりません。国会の議論もやはり統一されない議論がしたがって続けられておりますし、また続けられてきたわけである。そこで、私はこの科技庁に安全局を新たに設置をしようという法案が出されて、これが間もなく議了をしようとしておるこの際に、私は何回もこれは政府の姿勢についてずいぶん指摘をしてきたつもりですけれども、この際改めて指摘をしておきたと思います。  やはり私は、この原子力の平和利用については、もうこれを阻止しようとする人たちでも、あるいは開発を進めようという人たちでも、安全性についてどうでもいいんだと言う者は、これは一人もいないと思うのですよね。環境問題にしてもしかり、それから、この補償問題にしても、すべてこういう問題についてはやっぱり厳しい対応というものがなければならない。安全保障あるいは環境等について厳しいものがなければ国論の統一もまた不可能でありますから、そういう点については全くこれは異論のないところなんです。ところが、私がいままでもたびたび指摘をしてきましたのは、これはちょっとおとといの連合審査でも触れましたけれども、国会でも問題になった原子力船「むつ」の問題、あるいは敦賀原子力発電所の作業に係る問題、あるいは福島原子力での漏水問題ですね、その他たくさんありますけれども、その一つ一つを全部取り上げてここで再チェックしてごらんなさいよ。連合審査で言った原子力船「むつ」の問題にしても、陸奥湾の中で原子炉の運転はなかった、放射能が出るようなそういう事実はなかった、まことにはっきりした答弁が返ってくる。また、科学的にこれを、いやあったんだという議論もない。ところが、やっぱりホタテガイがあそこでは原子力船「むつ」のために大被害があったと国民に受け取られており、そういう状態であるにもかかわらず外洋でテスト中に放射線漏れがあった。これは私は、事業団にしてあるいは政府にしても釈明のできないやっぱりミスであったと思う。こういう事業団も政府も言いわけのできないミスを犯したということと、科学的にそのことが母港としての「むつ」にどういう影響を与えるのか、どういう影響を与えたのかという、そういう真っ当な議論じゃなくて、いかにもこれが大問題であり、大危険であり、大変なことだという印象を国民に与えたままになっておるというのがね、そして事もあろうに政府ではない——まあ政府を助けるこれは与党の役割りとしておやりになったかどうか知らないけれども、ずぶの素人が行って母港反対というのに政治的妥協をして、そして母港の撤去をしてしまった。科学的なそういう詰めをまるっきり怠って、そして国民に不安を与えたまま政治的妥協をして母港の撤去をする、そして新たに今度は母港を求めようとする、そんな姿勢を繰り返しておるから、私はこの原子力平和利用がなかなか国民の理解を得て進むに至らないと、こういうことをいままでも言い続けてきたつもりですよ。福島の漏水問題にしたって、人間が裸になって泳げるような低レベルの水が漏れた。大問題になった。そういうものに国民がそれじゃどういう理解をしておるのか、科学的な根拠に基づいて。あるいは敦賀の作業員の問題にしても、やっぱり国会で質問があると、政府は、そういう報告を受けておりません。あたりまえなんですよ。そういう報告をしないのはあたかも間違いであるような答弁をなさる。報告する必要はないんです。データを調べてごらんなさい。法に基づいて報告をしなきゃならないようなトラブルではないんですから。ところが、そういうのを国会で追及されると、報告を受けていません、早速調査して。冗談じゃないって言うんですよ。そういう私は責任のある政府の姿が国民に疑惑を与える、安全性について疑惑を与える。まして日本は、私はそういうことは直接関係があってはいけないと思うんだが、やっぱり地球上唯一の被爆国という核アレルギーというものがある。それから、危険だ危険だという学者の説もあり、あるいは政治的ないろいろの議論もある。そういう中で、政府がやっぱり事実は事実としてはっきりした姿勢を示さなければ、私はやっぱり行政府としての役割りも果たせないだろうし、国民の不安も解消しないというぐあいに思うんです。そういう点についてどうでしょう、これはこういう際に、私は特に念を押して姿勢について質問をしておきたいと思う。
  135. 生田豊朗

    政府委員生田豊朗君) 私どもも先生のただいまの御意見と同じようなことを考えております。ただ、一つ申し上げておきたいと思いますけれども、確かに先生の御指摘のとおり、重大な事故はもちろんでございますけれども、人身事故に類するものも、少なくとも従業員以外につきましては世界じゅうで一つもいままで発生しておりませんし、わが国におきましても、かつて一度二、三人の従業員の被曝事故があっただけでございまして、ほとんどないわけでございます。したがいまして、御趣旨は先生のおっしゃるとおりだと思いますけれども、私どもは、現在のわが国のこの原子力に関します一般国民の方の受けとめ方から考えまして、こういう事件あるいは出来事は、大したことのない問題だから知らせる必要がないということよりも、こういうことが起きたけれどもかくかくしかじかの理由によって大したことはないのだというわかりやすい説明をつけて、なるべく起きたことを広く一般に知らせる方が、むしろ現在のわが国におきましては原子力に対する国民の御理解を得る上に有効ではないかというように考えまして、原子力局におきましては、指示をいたしまして、細大漏らさず原子力発電所あるいは原子力施設の中で起きた問題は全部把握して、それをはっきりわかるような説明をつけて、できるだけ外部に公開すべきであるということで処置いたしております。ただ、考え方といたしましては、ただいま先生のおっしゃったお考えに全く賛成でございます。
  136. 中村利次

    中村利次君 まあ政府のそういう慎重な姿勢を私は決していけないとは考えません。しかし、やはり科学的な根拠に基づいた正確なはっきりした姿勢も同時にあるべきであるということを特に強調しているわけですよ。  まあこれから、これは質問というよりも、私は意見を含めて要望をしておきたいと思いますが、冒頭触れましたように、資源の何にもない、特に資源は有限であるというエネルギー問題については特に深刻なわが国で、世界の趨勢からいってもエネルギー源を原子力に頼るべきである、そしてこれを安全でクリーンなエネルギー源とすべきであるというのは、これはもう世界の趨勢であり常識ですから、ですからやっぱり、この安全管理、環境等を非常に厳しく、国民の納得ができ合意が得られるような形で開発を進めていかなければならないと思うんですけれども、やはり、たとえば午前中トータル・マン・レムの質疑があり、あるいは答弁がありましたけれども、これは電労連の提言でも、トータル・マン・レムが増加をしておるという、そういう事実が指摘をされておるんです。ところが、私は困ったものだと思うのは、このトータル・マン・レムが増加をしておりますよと、したがって安全にクリーンエネルギーとして開発を進めていくためには、こういう対処をしなければなりませんよと、こういうのと、トータル・マン・レムが増加をしておるというと、それ危険だ、けしからぬではないかという追及とに分かれるところに、私はまことにどうも日本の原子力の平和利用そのものが困ったものだという気がするんですよ。それはトータル・マン・レムが増加をしていることは間違いないけれども、これは技術開発によって、金属、さびないような、そういう開発をやればこのトータル・マン・レムの低減には役に立つんだと。あるいは定検だとか安全について細かい神経を使うことは当然なんです。使い過ぎて使い過ぎるということはない。しかし、限界を超えた、過剰な神経の使い方、これはかえってマイナスになる場合があるんです。トータル・マン・レムがふえているということは、定検だとか、何かちょっとしたことがあると、炉を引き上げて点検をする。本当に神経過敏と思われるほどの状態がトータル・マン・レムの増加の一つの原因になっておる。電労連の提言というのは、そういうのを指摘しているんですよ。ですから、そんなのが、だから危険であるからという議論に利用されるのは迷惑千万であって、だから今度安全局を新たに設置しようとなさるわけでありますけれども、そう遠い時期でなく行懇の答申も出るでしょう。新聞等によると、これは事実かどうか知らぬけれども、何か五十二年度あたりからこれは具現化されていくような記事が出ておりますけれども、私はこれはやっぱり法律化すべきもの、あるいは法改正をすべきもの、あるいは行政の中で生かすべきもの、国会の議論等を含めて相当慎重にこれに対応していかなきゃならないと思いますから、ある程度の時間がかかると思うんですね。なお、その骨子といわれております開発と安全規制を分離するというのは、私どもの日ごろの主張に基本的には合致するものでありますし、もしそういうものが出て、行政府の間で整理をされて、国会の議論の場に提供されるようになれば、大いにひとつこれは真剣な議論をして、そして正しい原子力の行政のあり方を追求していかなきゃいかぬと思います。ですから、そういう意味で、やはりそういう新しい体制ができる前提として安全局を設置をしておこうという、こういうぐあいに私どもは受け取っておるわけでありますから、行懇の答申を受けて政府がこれにどう対応されるのか、その点を最後にお聞きをして私の質問を終わりたいと思います。
  137. 生田豊朗

    政府委員生田豊朗君) ただいま先生の御指摘のとおりでございまして、国会におきましてもいろいろの角度から御質問をいただきまして、そのたびに私どもで調べまして御答弁申し上げておりますが、その内容につきましても、逐次整理をしておりまして、政策の検討の非常に重要な材料といたしております  それから、行政懇談会でございますが、先ほどの峯山先生の御質問、あるいは官房長官の御答弁にもありましたように、答申という形ではなくて、いろいろの委員の方の御意見、あるいはその集積ということになるかと思いますけれども、この行政懇談会は必ずしも行政機構だけを検討するのが目的ではございませんで、ただいま先生の御指摘になりましたような行政の進め方、あるいは姿勢、いわゆる行政のソフトウエアでございますが、その辺も一つの大きな検討の課題になっておりますので、ただいま御検討中でございますので、その御意見も十分踏まえまして、先生の御指摘にありましたように、科学的な根拠に立脚して、かつ国民の信頼を得られるような安全政策の進め方、これを十分検討してまいろうと思っております。     —————————————
  138. 加藤武徳

    委員長加藤武徳君) この際、委員の異動について御報告をいたします。  本日、森中守義君が委員を辞任され、その補欠として矢田部理君が選任されました。     —————————————
  139. 加藤武徳

    委員長加藤武徳君) ちょっと速記をとめてください。   〔速記中止〕
  140. 加藤武徳

    委員長加藤武徳君) それでは、速記を起こしてください。  他に御発言もないようでありますから、質疑は終局したものと認めます。  これより討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
  141. 秦豊

    秦豊君 私は、社会党を代表しまして、今回の科学技術庁提案に係る原子力安全局と今回の機構改革には、明らかにまた強く反対であるという立場で討論を行いたいと思います。  すでに数日前から、いわゆる有沢私案なるものが散見されて、きょう手元にとりあえず資料として提示をされたわけですが、それを披見しましても、大体もう伝えられている方向を踏襲しているに過ぎない。なるほど、たとえば安全審査のダブルチェックであるとか、あるいはまた規制と開発を分離する姿勢であるとか、さまざまなものはちらつかしてはいるけれども、これはやはり日本の原子力開発というものが十数年前、もう二十年になんなんとする開発の実績の中で、やはり当初から、たとえば原子力委員会に対する権能がまことに形式化された権限をしか与えておらず、しかも科学技術庁原子力行政の姿勢そのものが、明らかに開発優先、産業界にこよなき理解を示すだけというふうなありようの中に、つまり原点としての原子力開発行政の欠陥があると思う。  しかも、いわゆる一部の、たとえば日本学術会議その他、いわゆる原子力学者、科学者の多くは、行政委員会的な機能を原子力委員会に与えることによってとめどない暴走をチェックすべきであるという立論を展開したはずであるし、一時は自由民主党においてさえ、しかも閣議においてさえそのような方向が一たんは了とされながら、産業界の巻き返しに遭うと途端に雲散霧消し、現在のように十数年間、いわゆる中途半端なままに放置されたという責任はきわめて大きいと言わなければならない。しかも、きょうの委員会でも、先般の委員会でも論議されたように、あなた方がいかに口をきわめようとも、いまの日本原子力行政全体の中には、開発あって安全対策なしということは、極言でも極端でもなく何回でも繰り返し指摘しなければならない。しかも、あなた方の言う構想に係る核燃料サイクルの全体的な進展度を見ると、明らかに高レベル廃棄物に対する加工あるいは処理、その安全対策についてはなかんずく欠落が多過ぎる。私は午前の委員会でも指摘をしましたけれども、生田原子力局長が、あるいは佐々木長官がいかに懇切げなポーズでわれわれに答弁されましょうとも、少なくとも私の理解、社会党の調査にかかれば、あなた方の核燃料サイクルは日ならずして恐らく数年のうちに、私の用語をかりればどうにもならない極限状況、いわば腸閉塞のような状態に追い込まれることは必至である。すでに先般も、リーベン・フィッシャー号でイギリスに運んだ高レベル廃棄物がキャスクから漏れたという事故が外電欄の片すみにあり、イギリスでは大きな鋭い反応を引き起こしたにもかかわらず、日本側では活としてこれを省みた形跡もない。つまり結論するところ、われわれは今回のあなた方の提案に対しましては、いまの原子力行政の全般にかかわる反対の態度と絡めて、あくまでこれに対しては強く、また重ねて反対の態度を表明する以外にない。日本の原子力開発は、ソフトウエアもハードウエアを含めても、余りにも安易な、いわゆる産業界偏重的な基本姿勢という根本的な問題を含んだままである。今回のこの原子力行政のあり方に関する有沢私案骨子によっても、その方向が、その欠陥が改善されるという心証すら私は得ることはできません。  したがって、ここに社会党は、今回の科学技術庁提案に係る機構改革案には反対の態度を表明して討論を終わります。
  142. 戸塚進也

    ○戸塚進也君 私は自由民主党を代表して、ただいま議題となっております科学技術庁設置法の一部を改正する法律案に対し、賛成の意を表明するものであります。  経済社会の健全な発展を図り、国民生活水準の向上をもたらすためには、エネルギーの安定的かつ低廉な供給を確保することが不可欠とされておりますが、原子力の開発利用は、わが国の将来におけるエネルギー供給の安定化を図る上に大きな役割りを果たすことが期待されているものであります。特に、さきの石油危機の際のごとく、石油の安定確保が困難となり、国民生活に深刻な影響を与えたときにはその感が大きいものであります。しかしがなら、エネルギーの安定供給源としての期待が増大する反面、「むつ」問題を初め、各地の原子力発電所事故に見るごとく、利用面が先行し、安全性の確保が立ちおくれているなど、安全面について国民の信頼を得ているとは言いがたい状況にあることも事実であり、当面の原子力行政においては、原子力開発利用の安全性確保のため万全を期し得る体制をつくることがまず必要と思われるのであります。本法案は、そのため現在の研究開発と安全規制とを同一の原子力局で行っている原子力行政体制の中から、安全確保に関する機能を分離独立させて原子力安全局を設置しようとするものであり、目下原子力行政懇談会で検討を加えている原子力行政体制の再検討結果に先がけて、まず行われる必要があると思うのであります。  最後に、原子力開発、核融合問題を初め、国民の期待している当問題について、五十一年度予算を踏まえて大臣を初め関係当局のさらに積極的な御努力を心からお願いして私の賛成討論を終わります。
  143. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 私は公明党を代表いたまして、ただいま議題となっております科学技術庁設置法に反対の立場から討論を行います。  すでに三日間にわたりまして審議が行われてまいりましたが、原子力行政が今後国民の重要な関心事になっていくことは当然のことでございます。さらにまた、エネルギー対策の面から考えてみましても、将来、日本の重要なエネルギー資源となることは当然であろうと思います。そういうような点から、私たちは、今後原子力行政がどのような方向へ進んでいくかという点につきましては、質疑の中で私は明らかにしてまいりましたが、先般の「むつ」等の事故等で急遽科学技術庁が、従来の原子力委員会である八条機関をたな上げにして、さらには原子力局の中に分割して原子力安全局をつくる、こういうふうな案が現在出てきているわけでございますが、これはその場しのぎの私たちは対策ではないか。ただ単に、原子力安全局をつくるという点だけでは万全の原子力行政であるとは言えないと思います。そういうような観点から、私たちは、原子力行政というものを国民的視野に立って万全の原子力行政を今後行っていかなければならない、そういうような観点から質疑を続けてまいりました。  さらに、この質疑の中で明らかになったことでございますが、将来の原子力行政はどうあるべきか、この点については、その大部分が現在有沢さんを中心にした原子力行政懇談会のいわゆる答申にその大部分がゆだねられているような情勢でございます。しかしながら、この原子力行政懇談会そのもののいわゆる法的地位というものが明確でございませんし、総理の私的諮問機関というような状態でございます。これでは私たち、とても納得できるような状態ではないと思います。将来の原子力行政を充実するためにも、こういうふうな私的諮問機関も、できたらきちっとした法律に基づいた諮問機関にしてもらいたいという要望も先般の質問等で明らかにしてまいりました。そういような観点から私たちは、ただ単にこの原子力安全局を設置するというだけでは今後の原子力行政が十分に進むとは考えておりません。したがって、私たちはそういうような立場から、今回の原子力安全局の設置に対しては反対をするわけでございます。  以上をもちまして私の反対討論を終わります。
  144. 中村利次

    中村利次君 私は民社党を代表して、ただいま議題となっております科技庁設置法の一部改正案に賛成の立場で討論を行います。  国民の福祉、文化生活、これは行政府にしても、立法府にしても、いかにしてこれを達成をしていくかということは申し上げるまでもなく使命だと思うんです。私どもは木によって魚を求めるわけにはいきませんから、深刻な地球上のエネルギー不足、エネルギー危機に対してどう対応していくか。石油問題は、資源が有限であるということだけではありません。むしろ、それよりもいま深刻なのは、もう驚くべき高価格時代で、果たして日本がそういう超高価格の石油を輸入をして、国民の福祉を達成し得られるのか、国民が必要とするエネルギーを確保することができるのかということにかかっておると思うのです。その場合、これはやっぱり先進諸国の間では、もう世界的にエネルギーの原子力化という点について真剣な開発が進められておる。ですから、当然行政府も立法府も、クリーンエネルギーとして原子力を国民のためにどう安全に正しく利用をするかという追求をやっていくのが、これが立法府も行政府もその使命であろうと私は思うんです。ですから、そういう立場から考えますと、この科技庁の中に安全局を設置するということが私はベストだと思わない。いまの分裂した原子力の平和利用の議論の中でベストだと思わないけれども、やっぱり国民が、安全について相当の不安をお持ちになっておる。私どもは、やはり開発と安全規制というのは分離をして、そうしておのおのが一貫した、一元的な責任体制をとることがベストに近いものではないかと思いますけれども、そういう方向にいく前提として大変問題になっておる安全問題について、科技庁の中に一局を設けて安全局を新設しようというのに対しては、現状におけるベターとしてこれに賛成をしようと思うものであります。  以上賛成の討論を終わります。
  145. 内藤功

    ○内藤功君 この法案に反対の立場でございます。  現在政府が進めております原子力開発政策は、国民の安全の確保、エネルギーの自立性の保障、軍事利用の危険防止など多くの点できわめて重大な致命的欠陥を持っています。とりわけ安全審査体制の根本的な欠陥が最大であります。ところが今回提出の法案は、安全審査を行う原子力委員会その他の、この審査の機関については全く手を触れないで、原子力局をいわば機械的に二分するだけのものにすぎないと考えるのです。そして、この原子力安全局の設置で、政府は結局国民の目をごまかして真の安全審査体制の確立を先に延ばし、安全性の確立されていない軽水炉を積極的に設置、推進の口実にしようとしておるのであります。  以上が、私どもがこの法案に反対をする基本的な理由であります。  あと少し時間がありますので若干意見を申し上げたい。  まず、この原子力行政懇談会についてであります。このメンバーのうち一体何人専門家がおりますか。専門家以外の人にレクチュアをするために、この夏休みを使って勉強会を何回もやっておるのです。私は専門家以外の人に勉強してもらうのもいいと思うのです。しかし、この間のスト権の例の専門懇も同じでしょう。せっかくここに専門家がたくさんいるのですから、そういう人たちに諮問すればいいのであります。無用なことをやっておると私は思います。そうして、これはだれにそれじゃ諮ったらいいか。時間がないから簡潔に言いますが、私は法律で定められた日本学術会議に諮問すべきだと思うのであります。この日本学術会議は法律によって設置された機関であって、経済学者もいれば原子力の科学者もいるし行政法学者もいる、こういう人たちにきちんと諮問をしていく必要があります。また、同学術会議は去年十月の総会でもそういう用意があるということを申しております。過去の実績としては、昭和二十九年、平和利用の三原則を勧告して、それが基本法に織り込まれていることも委員各位、また政府委員も御承知のとおりであります。私はこのことを提言したい。先ほど、質問の時間が打ち切られて、なかったものですから、ここで特に申し上げておきたいと思う。  最後に一点だけ申し上げておきますが、十一月の十八日に、たしか衆議院内閣委員会生田局長は、行政懇の答申は現在の審議状況から考えるともう数ヵ月要すると答えたはず。そうでしょう。ところがですね、その数ヵ月かかるというのがばたばたと、採決できょう出されようとしている。これが毎日に出ておる。きょうまとめて二十三日に出すという。いや、首振っているけれども毎日に出ていますよ。こういうことなんです。これは非常に私は解せない。質問の時間じゃないからこれ以上言わないが、こういうことを一つ申し上げておきたい。  それから長官、あなた十一日の委員会で、アメリカのNRC、これは軍事利用の規制も担当しているので規制スタッフが多いんだと、こういう発言していますが、果たしてそうか。こういういいかげんなことを言っちゃいけない。これは後で生田さんに聞きたかったんだけれども、NRCは、たしか私の調べではスタッフが二千三百三十九名もいるんだね。これは決して軍事利用の方もやっているから多いわけじゃない。本当にこういうふうにスタッフを用意しているんですよ。私は、そういう点もっともっとあなた方が安全に徹した行政をやることを要望して、私の討論を終わります。
  146. 加藤武徳

    委員長加藤武徳君) 他に御発言もないようでありから、討論は終局したものと認めます。  これより採決に入ります。  科学技術庁設置法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  147. 加藤武徳

    委員長加藤武徳君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定をいたしました。  なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  148. 加藤武徳

    委員長加藤武徳君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。     —————————————
  149. 加藤武徳

    委員長加藤武徳君) それでは、これより請願の審査を行います。  第三号軍人恩給等改善に関する請願外四百四十件を議題といたします。  これらの請願の願意につきましては、お手元の資料で御承知を願いたいと存じます。  ちょっと速記とめてください。   〔速記中止〕
  150. 加藤武徳

    委員長加藤武徳君) 速記起こしてください。  これらの請願につきましては、理事会において協議しました結果、第三号外二十四件の軍人恩給等改善に関する請願、第一一号恩給及び共済年金に関する請願、第七〇号外三十二件の義務教育等教員特別手当の支給に関する請願、第三三五号外九十四件の寒冷地手当改善に関する請願、第三六〇号外十九件の救護看護婦外地勤務)の恩給に関する請願及び第一〇九七号昭和五十一年度恩給改善に関する請願、以上合計百七十五件は、議院の会議に付するを要するものにして内閣に送付するを要するものとし、残余の二百六十六件は保留することといたしました。  以上のとおり決定することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  151. 加藤武徳

    委員長加藤武徳君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。  なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  152. 加藤武徳

    委員長加藤武徳君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。     —————————————
  153. 加藤武徳

    委員長加藤武徳君) 次に、継続調査要求に関する件についてお諮りいたします。  国家行政組織及び国家公務員制度等に関する調査並びに国の防衛に関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、両件の継続調査要求書を議長に提出したいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  154. 加藤武徳

    委員長加藤武徳君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。  なお、要求書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  155. 加藤武徳

    委員長加藤武徳君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。  本日は、これで散会いたします。    午後二時四十八分散会      —————・—————