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1975-11-20 第76回国会 参議院 大蔵委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十年十一月二十日(木曜日)    午前十時三十六分開会     —————————————    委員異動  十一月十九日     辞任         補欠選任      遠藤  要君     柳田桃太郎君      対馬 孝且君     粕谷 照美君  十一月二十日     辞任         補欠選任      粕谷 照美君     対馬 孝且君     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         桧垣徳太郎君     理 事                 山崎 五郎君                 吉田  実君                 辻  一彦君                 鈴木 一弘君                 栗林 卓司君     委 員                 上條 勝久君                 河本嘉久蔵君                 嶋崎  均君                 寺下 岩蔵君                 戸塚 進也君                 中西 一郎君                 鳩山威一郎君                 藤川 一秋君                 宮田  輝君                 柳田桃太郎君                 大塚  喬君                 粕谷 照美君                 対馬 孝且君                 寺田 熊雄君                 野々山一三君                 吉田忠三郎君                 矢追 秀彦君                 近藤 忠孝君                 渡辺  武君                 野末 陳平君    国務大臣        大 蔵 大 臣  大平 正芳君    政府委員        内閣総理大臣官        房広報室長兼内        閣官房内閣広報        室長       関  忠雄君        公正取引委員会        事務局長     熊田淳一郎君        大蔵政務次官   梶木 又三君        大蔵大臣官房日        本専売公社監理        官        西沢 公慶君        大蔵大臣官房審        議官       戸田 嘉徳君        大蔵省主税局長  大倉 眞隆君        大蔵省国際金融        局長       藤岡眞佐夫君        国税庁次長    横井 正美君        国税庁間税部長  大槻 章雄君    事務局側        常任委員会専門        員        杉本 金馬君    説明員        厚生省環境衛生        局食品化学課長  宮沢  香君        日本専売公社総        裁        泉 美之松君        日本専売公社副        総裁       斎藤 欣一君        日本専売公社総        務理事      佐藤 健司君     —————————————  本日の会議に付した案件 ○酒税法の一部を改正する法律案内閣提出、衆  議院送付) ○製造たばこ定価法の一部を改正する法律案(内  閣提出、衆議院送付)     —————————————
  2. 桧垣徳太郎

    委員長桧垣徳太郎君) ただいまから大蔵委員会開会いたします。  まず、委員異動について報告いたします。  昨十九日、遠藤要君、対馬孝且君委員辞任され、その補欠として柳田桃太郎君、粕谷照美君が選任されました。     —————————————
  3. 桧垣徳太郎

    委員長桧垣徳太郎君) 酒税法の一部を改正する法律案及び製造たばこ定価法の一部を改正する法律案を便宜一括して議題といたします。  これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言を願います。
  4. 寺田熊雄

    寺田熊雄君 大蔵大臣お尋ねをいたします。  大蔵大臣は、先般ランブイエで開かれました主要国首脳会議には、三木総理大臣と一緒に御出席になりましたね。で、国会開会中でありますのにおいでになって、まあいろいろ評価はさまざまでございますけれどもそれなりの意義を大臣としてはお認めになったことと思います。世界経済全般に関する問題でありますからして、まあ直接の影響日本経済にどのようなものがあるのか、なかなかこれはむずかしいところだろうと思いますが、まあ当委員会主管大臣でもあられるわけですからして、このランブイエ会議評価ですね、大臣としてはどの程度評価していらっしゃるのか。また、日本経済に与える影響あるいはメリット、そういうようなものについてお伺いできれば幸いだと思います。
  5. 大平正芳

    国務大臣大平正芳君) ただいま進行中の世界経済の停滞がこういう状態で続きますならば、それは先進諸国ばかりでなく、発展途上国を含めまして大変困った事態でございまするし、社会主義経済圏に対しましてもいまようやく深刻な影響を及ぼそうといたしております。で、そういうときでございますので、フランスの大統領の招請にこたえまして六カ国の首脳が集まったわけでございますが、この六カ国は、世界のGNPの約五割五分、貿易の約四割五分を、世界全体の経済のそれだけのシェアを背負っておる国々でございますので、今日の経済のあり方に対して大変重い責任を持っておるわけでございます。そこで、こういう事態をみんなの共同努力で打開をしようと、そういう決意を新たにし、確信を固め合うということが第一のねらいであったと思うのであります。そして、それを実行するためには、まず共同努力をしなけりゃならぬが、どういう政策をやってまいるかということにつきまして大方の合意が得られたわけでございまして、まず第一に、貿易につきましては、保護貿易、すなわち輸入制限等に傾斜することのないように世界経済全体の自由な拡大の方向に努力しようと、OECDにおける輸入制限をしないというプレッジを忠実に守ろうじゃないか、あるいは東京におきまして開かれたガット総会において採択された東京宣言趣旨を尊重して、ガット関税交渉というものを早期に仕上げるように努力しようというようなことが合意し合ったわけでございますし、これは共同宣言にも盛られておるところでございます。  第二は、通貨でございますが、今日変動相場制に移っておるわけでございますけれども、この変動相場制は今日の変動した事態によく対応してまいりましたけれども、実勢以上に通貨の価値が変動するということは、世界経済の立ち直りにとって決してよい傾向ではないので、為替相場のより安定した、安定化のために通貨当局間の協力を強化していこうと、そういうことも合意を見たわけでございます。  発展途上国に対することといたしましては、発展途上国輸出所得安定化のために十分な配慮をしなければならない。とりわけMSAC諸国に対する配慮に気をつけなければならぬということもあわせて合意されたわけでございます。  エネルギーにつきましては、その節約、代替資源開発技術、研究の協力、そういった面が各国間において合意されたことは御案内のとおりでございます。  私は、全体を通じて感じますことは、各国の意見の相違というものがだんだん影をひそめまして、みんなで一致してこの世界経済の重大な困難を克服していく、そのために共同の行動をとろうということで、そういう機運が盛り上がってまいりましたことは、世界経済にとりましても、そして日本経済にとりましても大変いいことであったと思うのであります。  ただ問題は、宣言を発出すればよいというものではないのでありまして、これから参加国がそれぞれの政府を通じまして、この趣旨に沿ってどのように具体的な政策を精力的に展開するかにかかっておるわけでございますので、それなり責任を私どもは持っておると思うのでございます。
  6. 寺田熊雄

    寺田熊雄君 この首脳会議が開かれる前に、フォード大統領シュミット西独首相に対して電話で、国際農業開発基金に拠金してくれという要望を直接して、西独首相もまあ渋々それを承諾したというようなことが伝えられておりまして、日本も財政難の折からではあるけれども、六千万ドルの拠出を決定したということが新聞情報で出ておりますが、この問題はこの会議では出ませんでしたですか。また大蔵省として、大臣としては、この拠出はもうすでに決定されていらっしゃいますか。
  7. 大平正芳

    国務大臣大平正芳君) この問題はランブイエ会談に臨む前に政府部内で話し合われた問題でございます。外務省からは、寺田さんがおっしゃるように、六千万ドルの拠出が望ましいという申し出が私の方にございましたことは事実でございます。それで私の方ではOPECが、これは全体の計画が十億ドルでございまして、そのうち四億ドルはOPECが出そう、それから二億ドルはECが出そう、二億ドルはアメリカが出そう、そうするとあとの残りの二億ドルをその他の国で持ち、拠出を期待する。その中で日本がまあ六千万ドル拠出したいというのが外務省考え方でございまして、私どもまず第一に、そのように四億ドル、二億ドル、二億ドルのそういう拠出をするという話を聞いておるが、それは一体そのコミットメントは非常に確実なものかどうかということと、それからその農業基金の運営の問題が加盟——それに拠出した国々意向も十分反映されて、デモクラチックに行われるものかどうか、そういった点を十分確かめた上で日本政府態度を決めるべきじゃなかろうかというように考えておるわけでございまして、そういった状況を見ながら、日本政府として最終的な態度を決めようということにいたしておりますので、まだ事柄自体はペンディングであるということでございます。農業問題が開発途上国にとりまして非常に大事な問題であるし、世界経済にとりましても大事な問題でございますので、わが国が応分の協力をするということは、私ども異存はないわけでございます。  先ほどちょっと私数字を間違えましたが、OPECが六億ドルです。それからアメリカが二億ドル、ECが二億ドル、その他が二億ドル、都合十二億ドルです、これは。それでそのうちそういった自余の国々コミットメントが、どういうところまで確かなものかというようなことをよくいまから確かめていかなければいかぬと考えております。
  8. 寺田熊雄

    寺田熊雄君 大臣も言われましたように、この問題は開発途上国日本に対する信頼といいますか、それを決定するのに非常に大きく影響があることと、まあそれでなくてもエコノミックアニマルというようなことを言われて、自主性がないとかアメリカ追随であるとか、まあこれはアメリカが非常にこの場合は拠出していますけれども、未開発国の国民の運命にわれわれはまあ非常なかかわり合いを持っておりますし、先ほどの世界経済の問題にも関係するわけですからして、大臣がやはり前向きでこの問題に取り組んでいただきたいと思うのです。もしまだ決定しておられないということが真実であるとしますと。大臣、やはり前向きに考慮しておられますですか。
  9. 大平正芳

    国務大臣大平正芳君) 私ども海外経済協力の基本の政策一つは、開発途上国農業生産力の充実が、一番その国の経済の自立にとって決定的なことでございますので、それに貢献するような協力をしたいと、エカフェを通じましてもそういうことを強調し、そういうラインで私ども協力予算拠出をいたしておるわけでございまするし、とりわけアジアにおいては米作の技術の向上、それに力点を置かなければならぬというわけでございまして、しかも、その技術日本が持っておるわけでございますので、日本としてはそういった点に力点を置いてきたことは事実でございます。したがって、私どもこの農業開発基金拠出することだけが農業開発協力することでないので、すでにいろいろなことが行われておるわけでございますが、そのうちの一つのアイテムなんです、これは。それでございますから、これとてもそういう意味では結構なことでございますけれども、いま先ほども申しましたように、日本意向も十分これに反映できる状態で、それから拠出するというコミットメントも本当に確かなものであるというようなことでないといけないのじゃないかと、そういう点をよく確かめた上で日本政府として考えようじゃないかということでございますので、私どもこれに消極的な姿勢ではない、前向きに対処をいたしておるところでございます。
  10. 桧垣徳太郎

    委員長桧垣徳太郎君) 速記をとめて。   〔速記中止
  11. 桧垣徳太郎

    委員長桧垣徳太郎君) 速記を始めて。
  12. 寺田熊雄

    寺田熊雄君 次に、昨日の朝日新聞に大きく報道されたことですが、専売公社たばこ受りさばき人に対して迷惑料物品の形で支払っているというような報道がございました。これが事実かどうか、まず第一にお伺いいたしたい。  それから、それが事実であるといたしますと、その実態はどういうものであったのか。また、何人がそれを指揮なさったのか。その総額はどの程度のものか。なぜそういうような支払いをしたのか、その理由。そういうことについてお尋ねをいたしたいと思います。専売公社総裁にこれは御答弁いただきます。
  13. 泉美之松

    説明員泉美之松君) 例年、専売公社は、たばこ小売人販売活動意欲を持たせるために、販売活動促進費という予算を持っておりまして、その中から小売店販売意欲を持つような物品を交付いたしてまいっております。今年は、御存じのとおり、当初五月一日から定価改定を行いたいということで、小売店の中には自動販売機につきまして改作を行うとか、あるいは買いかえを行うというようなことでやってまいった方が相当多いわけでございますが、その定価改定が実現いたしませんでしたために、また、その定価改定が行われるということで、四月中大変な消費者の買い入れと申しますか、買いだめと申しますか、がございまして、小売店の方、大変忙しい思いをしたし、そういったようなことがありまして、公社に対して不満の声が相当大きく上がってまいったわけであります。  私どもとしましては、小売人に対しましてその販売意欲を持続させ、公社に対して悪感情を持たせることのないようにしていくことが、今後の公社たばこ販売につきましてきわめて重要なことだと考えまして、販売促進費の中から約十億円を支出いたしまして先ほど申し上げましたような、従来からやっておりますような販売促進意欲を持つような物品小売店に交付した次第でございます。
  14. 寺田熊雄

    寺田熊雄君 そうすると、これは専売公社として正式に決定を見たことで、総裁のやはり決裁を得たことだというふうにお伺いしていいわけですね。
  15. 泉美之松

    説明員泉美之松君) 各支社及び地方局でどういう物品を交付するかにつきましては、販売組合との方で打ち合わせするということで、各支社地方局別予算公社から配付いたしまして、実行問題としては各支社地方局で現地の組合と相談しながらやったのでありまして、必ずしも全国的に統一された品物ではございません。
  16. 寺田熊雄

    寺田熊雄君 その支払いの方法は別として、支払うことそれ自体公社として決定されたことであると、それからまた毎年やっておったというお言葉がございましたね、それは大体ことしの額は十億円だということをおっしゃったんですが、大体毎年その程度の支出をしておられたわけですか。
  17. 泉美之松

    説明員泉美之松君) 今回、物品を交付するように各支社地方局予算を配付したということでございまして、小売店に金を渡したということではないのであります。  それから毎年どうかとおっしゃいますが、たとえば四十九年度でございますと約六億円余りを支出いたしております。十億というのは、それより若干多いという形になっております。
  18. 寺田熊雄

    寺田熊雄君 それはそうしますとどうなんでしょう、今後もやはり行われる可能性があるわけですか。それともやはりそういうようなことはことし限りでおやめになるというのか、その点はどうでしょうか。
  19. 佐藤健司

    説明員佐藤健司君) このたび、約十億円の資金を配りましたのは、特殊な、今回の定価改定法案廃案になるというために、自販機を改作しました者が非常に困っておる、あるいはその当時起きました仮需要といいますか、そういうものに応ずるために資金繰りが非常に困ったというところも相当あるわけでございます。そういう零細な小売店に対しまして出したものでございますが、これは今回限りという考え方でおるわけでございます。
  20. 吉田忠三郎

    吉田忠三郎君 寺田君の質問に関連いたしてお伺いしますが、公社予算だけは配付したと、後それぞれの物品購入あるいは品名等販売組合で決めたと、こういま答えられましたね。そこで、私もこれを新聞見たんですが、新聞にはこう書いてあるんですがね。大畑という所長さんがですね——これは専売公社の方ですね。この方は、「四千円以上のものは関西支社から送ってきた」と。関西支社というのは専売公社支社でしょう。「送ってきた」。「懐中電灯支社指示によって営業所独自で配った」と、こう言っているんですよ。配った数については滋賀県全体で金額については五百六十万円に上る物品を配ったと、こう言い切っているのが新聞に出ているがね。この関係がひとつどうなのか。  それから、全国で小売店は私どもは大体二十四万あると聞いていますが、この二十四万に対して、私は問題にいたしたいのは、実施をしたのは去年の十二月から本年の七月にかけてやっているんですね。その後、十一月になってきて、今度は電子ジャーであるとか、あるいはミキサー小型電卓等々配給しているわけですよ、これは。配給しているんですね。いま寺田委員質問したように、総額で約十億を超えると、こうなっているんでありますが、この関係は一体どうなんですか。  それから、もう一つ聞きますが、値上げを予定して専売公社シールを製造したと、印刷したと、これは何枚くらい印刷しましたか。枚数とそれからかかった経費、これを明らかにしていただきたい。これは第三点。  第四点ですよ。去年の十二月から本年七月にかけてこういうものを配付しているということになりますと、国会たばこ値上げについて審議中でありますね。そうしますと、専売公社総裁、あなたは国会の権限を無視して、こういう指示をして、しかも、値上げシールを印刷しているということになると、これは国会審議軽視じゃないですか。答えてください。
  21. 泉美之松

    説明員泉美之松君) 先ほど申し上げましたように、今回の十億円というのは、本社から各支社及び地方局予算を配付いたしまして、数量の多いものは各支社地方局で買いまして、それを営業所を通じて各小売店に配付したのでありまして、金を配付したのでありません、物品を配付したのであります。  それから数量の少ないものにつきましては営業所で購入することもいたしております。したがって、販売組合に支出したといった性質のものではございません。  それから、昨年から、こういうことをやっているというお話でございますが、今回の措置は定価改定が実現しませんで、その結果、先ほど申し上げましたように、自動販売機改作したり、あるいは買いかえたこと、あるいは仮需要があったために資金的に逼迫を来たした向きがあったことなどの不満がありましたために、今後の公社販売小売店協力していただく意味で行ったものでありまして、八月以降行ったものであります。したがって、昨年十二月とかいうようなことは関係がございません。  それからシールは、これは今回の定価改定が行われる場合におきまして、新しい製品と旧製品とを識別するためにシールを印刷いたして小売店の手元まで届けたのでありますが、定価改定法案廃案になりましたので、それは廃案になりました後、全部引き揚げております。
  22. 吉田忠三郎

    吉田忠三郎君 シール関係、引き揚げたと言ったけれども、何枚印刷して経費幾らかかったかという答えがない。  それからもう一つは、あなたは同僚の寺田君の質問に対して、販売組合でそういうものを決めたと。私に対してはいまそうじゃない。それは販売組合ではなくて、物品で渡したと、こういうことなんですね。
  23. 泉美之松

    説明員泉美之松君) 私が申し上げているのは、寺田委員にお答え……。
  24. 吉田忠三郎

    吉田忠三郎君 ちょっと待ってください。後で答えてください。  そこで、その点は後で答えてもらうことにしますが、配付された品名というのは総裁全部知っていますか。これひとつ答えてください。四千円ぐらいのものから二万五千円——これは主に時計でございます。二万五千円の置き時計というとかなり高級なものだと私は思うんですね。電子ジャーであるとか、ミキサーであるとか、小型電卓等々配っておりますな。ですから、それはひとつその品名を知っているはずですから答えていただきたい。全店に対しては懐中電灯を配っておりますな。ですから、そういう内容を明らかにしていただきたい、こう思うんです。  それからもう一つは、先ほど伺った返事がない。仮にあなたの答えを肯定しても、八月からだと、こう言っているんですな。そうすると、いまなおかっその物品を配給をしているわけですから、国会審議中でしょう。どうなんですか、一体。国会軽視にならないの。専売公社総裁としてそういう権限あるの。この点を明らかにしてください。
  25. 泉美之松

    説明員泉美之松君) 先ほど私が寺田委員に申し上げましたのは、本社から予算支社及び地方局に配付して、地方局及び支社で購入して小売店に配ったと、そのどういう物品にするかというときに組合の幹部に相談したと、こういうことを申し上げたのであります。  それから、物品につきましては、これは各支社地方局で購入いたしましたものですから、私も全部の品名は存じておりませんけれども、お話しのように、四千円程度のものから——二万幾らと申しますのは、自動販売機をたくさん持っておって、その改作費が多額にかかった人に対して最高二万幾らと、これはデジタル時計でございます。それから、ミキサーとかジャーといったような性質のものは、たばこ販売関係がございませんので、そういうものはいたしておらないはずでございます。
  26. 吉田忠三郎

    吉田忠三郎君 おらないはずだと言っているけれども、はずでは済まされないんであります。目体的に新聞品名が出ているし、それからこの関西営業所大畑徳蔵という所長さん、いるでしょう。この方が記者団にこういう話をしたから新聞にこう出たと思うんですが、これはうそなんですか、この事実は。そんなデジタル時計などということについてあなた知っているわけですから、あなたが知らないというはずがないです。全品名をあなた承知して皆わかっているはずですよ、公社指示したんですからね。それを明らかにしてください。  それから国会軽視との関係はどうなんですか、これは。  それからシール印刷枚数、かかった経費の総金額、これも答えていない。ちゃんと答えなさいよ。
  27. 泉美之松

    説明員泉美之松君) シールの方は失礼いたしました。十億枚で印刷経費が約二億円でございますが、これは定価改定が実現いたしませんでしたので引き揚げておるわけであります。  それから、小売店に今回配った品物につきましては、各支社及び地方局で調達いたしましたものですから、本社が全部は承知いたしておりませんけれども、申し上げますと、卓上ライターデジタル時計、それから電卓御存じのように手で持つ簡単な電子計算機でございます。それから灰ざらたばこ盆卓上ライター、こういったものになっております。  それから、国会軽視ではないかとおっしゃいますけれども、こういう品物を配って、まあ自動販売機改作し、あるいは買いかえたのが役立たないということ、あるいは仮需要のために資金が逼迫して苦しかったというような小売店不満をやわらげるということは、やはり公社の今後のたばこ販売していただく小売店に対する信頼関係というものを保っていく上に必要だと考えて支出したのでありまして、定価改定あるなしにかかわらず、そういう信頼関係はきわめて大切なことでございますので、そういう支出をしたことが私は別に違法とは存じておりませんし、それが国会軽視といったような性質のものでないことは何とぞ御了承いただきたいと存じます。
  28. 吉田忠三郎

    吉田忠三郎君 御了承いただきたいといったって総裁これは了承できますかね。あなたの方の値上げの理由の最たるものは、赤字になってくるから値上げをお願いするということなんでしょう、国会に対しては。いまのシールが二億、それからこの慰労といいますか、迷惑かけたから迷惑料これは十億超えてますね。大変なもんでしょう、これは。しかも、あなた国会軽視ではないと、こう言ってますけれども国会でまだ決まらない間にこういうことをあなた方やっているということは、すでに十億枚もつくったんですから、すでにそれはもう小売店に配って張らす段階までやっておったじゃないですか、事実。それであなた国会軽視じゃないの。これは大蔵大臣にひとつこの事実を答えてもらいたい。答えてください。  それからもう一つは、総裁あなたいまこういうものが国会で明らかになって、やったことがいいと思っていますか、遺憾だと思っていますか。
  29. 泉美之松

    説明員泉美之松君) シールの方は先ほど申し上げましたように回収いたしまして、今度いっあるかわかりませんけれども定価改定が実施されましたときに再度使うことになりますので、これは決してその支出したことがむだになるわけのものではございません。  それから事柄を分けていただきたいのでございますが、なるほど国会審議中にシールをお配りしたという点については、審議がまだ終わってない段階で国会軽視ではないかと言われる御理由もわからないではございませんけれども国会を通りますれば直ちに定価改定を実施しなきやなりませんので、あらかじめそれを印刷して配付しておったのでありまして、私どもが別に国会を軽視するつもりでやったのでは毛頭ございません。  それから、今回こういう物品を配りましたのは、先ほど申し上げましたように小売店公社との信頼関係を今後とも保っていく上に必要であったし、またそれが決して役に立たなかったとは思っておらないのでありまして、私どもはこれによって公社小売店との信頼関係が今後緊密になっていくことができたと考えております。
  30. 吉田忠三郎

    吉田忠三郎君 関連質問ですからそろそろあれしておきますがね、こういう実態を大蔵大臣知っておられますか、この実態を。
  31. 大平正芳

    国務大臣大平正芳君) 最初の販売対策費の問題でございますけれども公社一つの事業を経営いたしておる上におきまして、販売系統との信頼関係をつなぎ、事業を円滑に推進してまいる上におきまして、公社責任におきましてそういったことをやることにつきまして、詳細につきまして事前に私御相談を受けたことはございませんけれども総裁責任においてそういうことをやられたことは、私は適切な措置であったと思います。  それから、第二のシールの配付の問題でございますけれども値上げに備えまして準備行為をすることは、いわば当然の公社としての責任でやらねばならぬことでございまして、もしそれをやらないで、国会の御決議がありましてそれからおもむろに準備をやるなんということでは、私はとても公社はその責任にこたえられないんじゃないかと思うのでございまして、その点につきましては御了解を賜りたいものと思います。
  32. 吉田忠三郎

    吉田忠三郎君 相談はなかったけれどもやった行為は適切であると、こういうことなんですね。しかし、大臣総裁は八月からだと、こう言っていますけれども、当時もう国会審議をしておったさなかに、特に自動販売の調整費は御承知のとおり小売店が負担することになっているわけですね。そうして各店をそれぞれ専売公社が、絶対値上げになると、だからこうしなさいという指示をしているわけです。それが国会軽視ということにならないのか、この点はどうですか。当然だと思うと、当然で私は済まされないと思うんですがね。
  33. 大平正芳

    国務大臣大平正芳君) もし国会の御決議を待たないで値上げをするとか、あるいは値下げをするとか、そういうようなことをやりましたらおしかりをちょうだいしなきゃならぬと思いますけれども、そうではなくて、値上げの御決議があった場合に、事柄が仕事が順調に運ぶような準備作業をするということは、公社が当然しなきゃならぬ私は責任であろうと思うのでございまして、あえて私の立場でとがめ立てをする必要はないと考えております。
  34. 寺田熊雄

    寺田熊雄君 三公社五現業のスト権につきまして前から関係閣僚協議会の専門委員懇談会の答申、これがもう、意見書ですか、明らかになってもう全文が報道されておるという状況になっております。   〔委員長退席、理事山崎五郎君着席〕 そしてその内容を見ますと、専売公社についてはこれを民営化すべきであるというような意見が高らかにうたわれておるわけですね。これについてはすでにこの委員会でも予算委員会でも論議がなされました。これはまあ非常にたばこ耕作農民の運命にも大きな影響がありますし、公正取引委員会との関係もある、専売公社職員の労働条件にも非常な影響がある、外国資本が日本たばこ企業を完全に席巻してしまうんじゃないかというような、これは国家的には非常に大切な問題であるわけですね。この専門委員懇談会の意見というものは、私どもの感触では、これは政府がスト権を与えないための一つの便法としてこういうようなものを、実現不可能な国民的な非常に反対意見の強いものをことさらにぶつけて、そしてスト権付与の、この突っかい棒にしようというような悪意さえもこれに見られるように思うのです。これはもう、大臣としても、専売公社総裁としても、これに対する明確な態度を決定すべきいま時期にきていると私は考えるんですが、大臣、この民営化についてあなたはどういうような御意見を持っておられます。あなたはこれは、今後どういうふうに対処していこうとなされます。率直なあなたの御意見を伺いたい。
  35. 大平正芳

    国務大臣大平正芳君) 御案内のように、専売制度ができまして、塩、たばこ、しょうのうが専売品として政府の専売制度のもとに置かれまして七十一年でございますか、たちまして、途中でしょうのうは専売品から外れましたけれども、塩とたばこにつきましては全国津々浦々、遅配とか欠配とかいう問題一切なく、関係者の非常な協力で、その専売制度の所期の目的を、私は果たしてきておると思うんです。そして、国民生活の中に相当完熟して定着した一つの制度になっておると思うんです。でございますから、いまことさらにこれを民営にしなけりゃならぬという積極的理由を私は感じないんです。   〔理事山崎五郎君退席、委員長着席〕 しかし、このスト権問題というのが出てまいりまして、この経営形態の問題が論議されることになっておりましたが、この問題は、これはまたそういう角度から、いまから政府関係閣僚の間で論議をしなけりゃならぬことになってきておるわけでございますので、このスト権問題との関連において、ここで私が所見を申し述べるということは、若干早走ったことになりますので、それは御勘弁いただきたいと思うのでございますが、いままで専売制度というものは不都合なく運営してきたということ、で、特に積極的にこれを民営に移さなけりゃならぬという必要、いま、特にその面からは私は感じていないということだけはここで申し上げられるのではないかと思います。
  36. 寺田熊雄

    寺田熊雄君 まあ、いつもどちらかというと墨絵のように神韻縹渺たる御答弁の大蔵大臣が、きょうは、いまは明確な、非常に明確な御意見を伺って満足ですが、それはそれでいいんですよ。ただ、民営化という問題と、スト権付与という問題とは直接結びついた問題でないということは、この間私が意見を申し上げて、大臣もそれはそのとおりだということをお認めになったんですが、それは現在でもお変わりないでしょうね。その点いかがでしょう。
  37. 大平正芳

    国務大臣大平正芳君) いま申しましたように、スト権問題が出てまいりまして、この経営形態が問題になってまいりましたので、いまあなたが言われたようなことが問題なのか、問題でないのか、これがまさにいまから詰めなけりゃならぬ問題でございますので、いま私が断定的にお答えを申し上げる理由はないわけでございます。
  38. 寺田熊雄

    寺田熊雄君 そういうことを伺っているんじゃないですよ。スト権付与ということと、民営にするという問題とは全然直接結びついておらぬじゃありませんか。つまり、政府の経営する企業体といえども、労働者の生活権を守らなければならないと、したがって、生活権から当然に発生してくる団結権、争議権というようなものは、生活権確保の手段として、これは憲法上欠くべからざるもので、いかに国家的な形態といえども、赤字だから生活はどうなってもしょうがないんだというような論理は生まれないわけですからね。だから、それを申し上げた。大臣は、それはそのとおりだとおっしゃったんですよ。これは速記録で明らかです。ですから、その御意見はいまでも変わりはないかとお尋ねしているのです。
  39. 大平正芳

    国務大臣大平正芳君) あなたの御質問にどのように答えたか、ちょっと私記憶にないんですけれども、私は、民営の問題とスト権付与の問題とが関連がないという説もあろうし、何かのかかわりがあるという説もあるようだし、そういった問題が、まさにいまからいろいろ論議して詰めなけりゃならぬ課題だと思っておるんです。したがって、いま関係閣僚協もまだ開かれない段階で、それについて所見を私から申し述べることを差し控えさしていただきたいと申し上げておるわけで、いま白黒の判断を申し上げられる立場でないということを申し上げておるわけです。
  40. 寺田熊雄

    寺田熊雄君 大臣関係閣僚の一員でいらっしゃるわけですからね、当然関係閣僚懇談会において、あなたは御自身の所信、信念をお述べにならなきやならぬお立場でしょう。  それから、いまの問題でも、これは六月二十六日の私の質問が「大臣、これは突然お尋ねしたので大臣の方でもちょっと御準備が不足だったと思いますから余り追及する気持ちはありませんけれども、ただそういう御答弁だとちょっと大変私どもとしましてはまあ不本意なわけで、いわゆる罷業権の問題などとこの問題と絡めて考えるということは非常に誤りですね。と言うのは、日本電信電話公社でも、それから国有鉄道でも皆共通の問題ですから、だから、国有鉄道の問題、スト権と民営論と絡みつくものじゃないんです。電信電話公社でも一緒です、これは。だから、そういうふうに労働権の問題と民営論と何も結びつくものじゃありません。だから、そういうような御答弁はちょっと誤りじゃないでしょうかね。もっと根本的な問題じゃないでしょうか、運営の。どうでしょうか。」と言って私がお尋ねしますとね、あなたが、「仰せのとおりでございます。仰せのとおりでございますが、そのそういう根本的な問題をいま議論申し上げますことは生産的でないので、いま現実の当面しておる問題の解明から始めなけりゃならぬのじゃないかというのが私の申し上げておるところでございます。」と、一応私のスト権と民営論とは絡みつくものじゃないというのを、「仰せのとおりでございます。仰せのとおりでございますが、」しかしこの際、スト権付与の問題をいま申し上げるのは生産的でないからこらえてくれいという御答弁だったんですよ。あなたは、いまやもう関係閣僚懇談会の一員として、御自分の信念をその懇談会で率直に吐露する、そういうお立場にいまきているんじゃないでしょうかね。どうでしょう。
  41. 大平正芳

    国務大臣大平正芳君) いまの、速記によりましてのあなたと私とのやりとりでございますが、承っておりますと、若干舌足らずのような感じがします。けれども、私がいまの段階で、仰せのとおり関係閣僚協の一員でございまして、その場で判断を申し上げにやならぬ立場にあることは御指摘のとおりでございます。でありますからこそ、きょうは勘弁していただきたいと思います。
  42. 寺田熊雄

    寺田熊雄君 答弁を、これは拒否することになりますがね、これは委員長、はっきり答弁するように大臣に御注意を願います。——これはちょっと質問時間に入れてもらっちゃ困ります。
  43. 桧垣徳太郎

    委員長桧垣徳太郎君) 大蔵大臣、重ねて御所信をお述べいただきたいと思います。
  44. 大平正芳

    国務大臣大平正芳君) スト権問題と経営形態の問題とは関連がないという御見解。寺田さんのような御見解もあれば、また何らかの関連があるのではないか、これを付与するについては経営形態等の関連を考えるべきでないかという説も世上にあるようでございます。したがって、関係閣僚協におきましては、そういった議論もございますので、これについて何らか結着をつけるに当たりましては、その場で十分討議を遂げなけりゃならぬわけでございます。したがって、今日の段階で、その一員である私が前広に、おれの考えはこうであるというようなことを申し上げることは適切でないわけでございまするので、御勘弁をいただきたいというのが私のお願いでございます。
  45. 寺田熊雄

    寺田熊雄君 これはちょっと了解できません。これは国務大臣としてこういう国家的な大問題について、当然御所信をお持ちになるべきはずのものですね。そういう筋合いのものでしょう。それは関係閣僚懇談会の席では述べるけれども、あらかじめ国会の場ではその信念は述べられないということは、政治家としてどうでしょう、また大臣としてどうでしょう。それこそ国会軽視でしょう。
  46. 大平正芳

    国務大臣大平正芳君) 政治家として信念々述べることをはばかっちゃいけない。その場所がどういう場所であれ、どういう段階であれ……
  47. 寺田熊雄

    寺田熊雄君 どういう場所じゃないですよ。国会の場ですよ。
  48. 大平正芳

    国務大臣大平正芳君) それをはばかっちゃいかぬじゃないかという御意見も、私わかるんです、それは。それは寺田さんの御主張として、私は理解できないわけじゃないんです。しかし、同時に政治家としての責任ある見解を述べるという以上は、その政治家の判断で、こういう場面、こういう段階においては、それは述べるべきでないという自由もまた許されてしかるべきでないかと思うのであります。  したがって、あなたの御意見としてはよくきょう拝聴いたしたわけでございますけれども、スト権に絡む問題といたしましては、事柄が重大でございますし、デリケートな問題であるだけに、関係閣僚協開催の論議に至る段階までは、ひとつ見解を述べるというようなことは慎ましていただきたいと、そういう御寛容を願いたいと思います。
  49. 寺田熊雄

    寺田熊雄君 アメリカ国会の例を出すわけじゃないんですけれどもアメリカじゃCIAがどんなことをしたかという、国家的な機関の悪事まで、やっぱり国会審議のメスをどんどん入れているわけですよね。大臣の場合は、田中金脈は守秘義務で言えませんと、酒の原価はこれは企業秘密でありますと、この問題はまだその時期ではありません。すべてが秘密ですね。国民の前には少しも知らされない。行政権だけがその秘密を握って、国民の前には全部隠されている。そして協力してほしい。これに賛成してほしい。いまの自民党政治は、国民を盲にした政治であってね、そういう印象ですよ。それでいいんでしょうかね、大臣。これは寛容の問題じゃないでしょう。われわれは国民を代表して審議する前には、そういう事実を認識する必要がある、情報を得る必要がある。それでお尋ねしておるのです。ところが、それはもう一切言えないと。国民には知らせない。われわれだけが知っていて、われわれだけが決定するんですよという御態度でしょう。それは民主的な態度と言えるでしょうか。
  50. 大平正芳

    国務大臣大平正芳君) 私はどこの国に比べましても、日本は非常に開放された自由な民主社会でございまして、そのことを大変誇りにも思いまするし……
  51. 寺田熊雄

    寺田熊雄君 では、おっしゃったらいいでしょう。
  52. 大平正芳

    国務大臣大平正芳君) また、こういう体制は守っていかなけりゃならぬと思います。それについてはそれを守るだけのルールがなけりゃならぬと思うのでありまして、したがって、国会における国政調査権の問題も、政府による守秘義務の問題も、すべてそういった自由開放社会を守るための一つの厳しいルールでございまするので、そのルールを忠実に守って、この民主社会を健全に維持しようといたしておるわけでございまして、私は、私がとっておる態度は間違っていないと確信をいたしております。
  53. 寺田熊雄

    寺田熊雄君 厳しいルールじゃありません。もうがんじがらめに国民を縛って、そして必要な情報の伝達を拒否しているという状態ですよ。これはまさに、何といいますか、国会審議権というものを形骸だけにしてしまっているということだと思います。  ただ時間の問題がありますから、これはまた別の機会に譲りまして、専売公社総裁お尋ねしますが、民営化した場合に、外国の、これはまあ独禁法との関係があるので、この専門委員懇談会の意見も専売公社を民営にする場合には数社に分割せよということがありますね、そういう場合に、外国の巨大なたばこ資本が入ってきて、この小規模な数社に分割された経営というものを押しつぶしてしまうおそれがあるんじゃないかということが一つ。  それからもう一つは、たばこ耕作農民が日本で耕作しておる葉たばこ、これはアメリカのバージニアたばこのような非常に安くておいしいものが自由貿易のもとで入ってきた場合に、一体そういう経営を重んずる民営の会社が、安い外国の葉たばこを買い付けずに、高い日本の耕作農民のつくった葉たばこを買うだろうか。それを考えてみるだけでも、非常に背筋が凍るような思いがしますよ。もし、民営なんていうことになると、日本の葉たばこ耕作者に対して、これは壊滅的な打撃を与えるんじゃないだろうかと思われるんだけれども、その二点についてあなた、率直にあなたの信念を表明していただきたい。
  54. 泉美之松

    説明員泉美之松君) 現在、閣僚協専門委員懇談会で、新聞には民営とかいろいろ論議が出ておるようですが、あれ秘密会議でやっておられますので、私どもにはどういうふうな論議がなされているかわからないのであります。したがって、いまのお話、なかなかお答えにくいことなのでありますが、仮に独禁法との関係があって、民営にする場合、数社にしなければならないというような事態にありますと、お説のように、外国資本がその民営会社に入ってくる。それによってその民営会社が席巻せられ、さらにわが国のたばこ産業に大きな影響を及ぼしてくるだろうということは容易に想像されます。これは御存じのように明治三十七年に製造たばこを専売にいたしましたのは、当時アメリカ資本が入ってきまして、わが国の国内資本との間に葛藤が続きまして、外国資本によってわが国のたばこ産業が非常に危殆に瀕するおそれがあるということから、専売にいたした経緯からいたしましても、それから七十一年たった今日もそういった実態は変わっておらないものと思います。  それからたばこ耕作農民の点でございますが、この点も製造たばこを民営にするが、葉たばこの方はどうするのか、そういった点もまだはっきりされておらないのでありますが、もし、製造たばこの専売と同様に葉たばこの専売も廃止するんだということになりますれば、恐らく民営化されたたばこ製造会社は、わが国の葉たばこは高いわけですし、品質も外国のいいものに比べると劣るわけであります。それを買わないことになりましては、耕作農民が大変大きな打撃を受けることになる。恐らくそういうことはちょっと考えられないことではなかろうかと存じます。
  55. 寺田熊雄

    寺田熊雄君 最後に一つだけ。また専売公社職員の労働条件のきわめて低下するおそれがあるということも考えられる。たとえばいま退職後特別な年金制度による年金の支給を受けておりますが、これがもし民営化されるならば、当然特別な年金制度なんというものをその会社だけに維持するということは考えられない。厚生年金の領域に入ってしまうということも考えられるんですね。労働密度の問題もある。そういうことを考えると、労働者の労働条件がきわめて低下するということが予想せられるんだけれどもその点はどうでしょう。
  56. 泉美之松

    説明員泉美之松君) 専売公社の職員は、一般的に公社法の規定によりまして身分保障をされておりますので、もし民営に移すとしますれば、その身分保障の問題をどう解決するのかの問題が先に議論にならなければならないと思うのでありまして、それによっていまの年金制度の問題、これも公労協共済組合という制度でやってまいっておるわけでありますが、民営になりますとそういう制度に乗れませんので、そうすると、しかし、いままで積み立てたものはどうするのかといったような問題もございまして、なかなか厄介な問題であろうと思います。まあ、一概に民営にしたから労働条件が悪化する、公社営だから労働条件がいいというふうには申し上げかねますけれども、しかし、現在公社職員が保障されているいろいろな制度について不安をもたらすことは確かだと思います。
  57. 寺田熊雄

    寺田熊雄君 次に、ウイスキーですね、それからブランデー、ワインこれの原価がどうなっているか。この問題についてお尋ねをしたいと思います。これはわれわれの調査では……じゃ、どうぞ先に。
  58. 大槻章雄

    政府委員(大槻章雄君) 御承知のように、原価は企業にとりましても最高の秘密でございますので、省庁がこの企業の有価証券報告書等で公表されていない事項を公表するということは差し控えさしていただきたいと思います。  ウイスキーにつきましては有価証券報告書によりますと、ニッカにつきましては五十年の三月期の有価証券報告書から七百六十ミリびん換算による原価を推計いたしますと、税込みの詰め口までの製造原価というのが五百二十三円六十三銭、販売費・一般管理費二百九円三十五銭、計七百三十二円九十八銭、金利等その他二十五円六十銭、総原価七百五十八円五十八銭ということでございます。  サントリーにつきましては、洋酒部門全体ということに有価証券報告書はなっておりますので、この部門からウイスキーだけを抽出するということは不可能でございます。  ブランデー、ワインにつきましては、有価証券報告書を提出する企業におきましてもその中でブランデー、ワインにつきましての売り上げ区分がなされておりませんので、ブランデー、ワインについて原価を有価証券報告書から推定計算することは不可能となっておりますので、御了承いただきたいと思います。
  59. 寺田熊雄

    寺田熊雄君 これはモルトがその中で大体まあ仮に二四%から三〇%とする、そうすると、これは麦芽からどの程度できるということはあなた方はすぐ把握できるわけですね。われわれも計算してみればわかる。それから合成アルコールが一キロリットル幾らでやるということもすぐ計算できるわけでしょう。そういうところから計算をしていくと、従来の合成アルコールの価格——今度上がったようですがね、から言いますと、大体七十円前後、ただ、いま上がったものを含めて計算に入れてもサントリーの特級酒で百円を超えることがないという計算が出てくるんですよ。そういう点、企業秘密と言われるが、企業秘密といえども、国政調査権という、あるいは国会審議権という大きな公益の前にはやはり屈してもらわにゃいかぬので、企業秘密でありますからして、どうも審議権へこんでくださいというわけにはまいらない。だから、これはどうしてもやはりこの席上で明らかにしていただきたい。
  60. 大塚喬

    ○大塚喬君 関連。  一昨日、私もウイスキー、ビールの生産原価の質問をいたしました。きょうと同じように企業の秘密ということで逃げておるわけですが、今回の酒税法の改正で二二%値上げをすると、原価がわからないで二二%値上げしますからひとつ審議をして通してくださいと、一体二二%なのか三〇%なのか四〇%の値上げをしようとするのか、これじゃ全然審議できないじゃないですか。やっぱり具体的にこれらの問題は原価を明らかにして、そしてこれらの審議を続行されるようにお願いいたします。それでなければ二二%の審議、果たして妥当なのかどうか全然わからないじゃないですか。これはひとつどうしてもこの生産原価だけは明らかにしてこの審議の続行をさせていただきますようにお願いをいたします。そうでなければ審議になりません、これは。
  61. 吉田忠三郎

    吉田忠三郎君 関連して。  ウィスキーとブランデーについて答えられていますがね、最近非常にワインブームが起きてきて、ワインについてはどうなっていますかね。その答えがないわけですがね、製造原価、これもあわせて答えてください。
  62. 大槻章雄

    政府委員(大槻章雄君) ワインにつきましては、先ほど御説明いたしたと思うのでございますが、有価証券報告書を提出しておる企業におきまして、ワインについての売り上げ区分がなされておりませんので、ワインについての原価を有価証券報告書から推定計算することは不可能でございますので、御了承いただきたいと思います。
  63. 吉田忠三郎

    吉田忠三郎君 推定することはできないという、有価証券報告書では。推定できないで、じゃ、二二%とか、二二%の税率を上げていくというのは、どういう根拠で国税庁が決めるんですか、これ。われわれはその根拠を全然わからないじゃないですか。  それから、立ったついでですから、関連ですから、多く聞くわけにいきませんから、もう一つ伺っておきますが、清酒のおけ取りというものがございますね。清酒のおけ取り、これの単価は一体どうなっているのか、これでできる各メーカーの銘柄種類別にこの単価というものはどうなっているか、これも価格の問題ですからあわせてお答え願いたいと思う。
  64. 大槻章雄

    政府委員(大槻章雄君) 現在手元に持っておりますのは昭和四十五年以降の資料でございますが、過去五年のものについて、これは全国の清酒のおけ取引の価格につきまして、サンプルから算術平均をいたしました単価でございます。四十五年が一・八リットル換算で百九十二円七十四銭、四十六年二百円二十六銭、四十七年百九十八円七十八銭、四十八年二百五円四十二銭、四十九年二百三十八円三銭、アルコール分は二十度でございます。
  65. 吉田忠三郎

    吉田忠三郎君 そこで読み上げているよりもその資料をちょっと配布してくれませんか。われわれはそれをただべらべらと答えられても参考になりませんから……。
  66. 大槻章雄

    政府委員(大槻章雄君) いまちょっと余部がございませんので、後ほど届けさせます。(「休憩してください、寺田さんの持ち時間がなくなっちゃう」と呼ぶ者あり)
  67. 桧垣徳太郎

    委員長桧垣徳太郎君) 質疑を続行してください。
  68. 辻一彦

    ○辻一彦君 関連。  ブランデーとそれからワインについて有価証券の報告がないから推計ができないということですが、それでは、値上げの根拠というのはわからないじゃないかという関連をした大塚質問に対して答弁がない。その資料の扱いについて理事会の開催を要求いたしたい。
  69. 桧垣徳太郎

    委員長桧垣徳太郎君) 委員長から議事の整理をいたします。  酒税の引き上げについて何%の引き上げをやりますということは、何に対して何%であるかということを国税庁、主税局側から明確に答弁を願います。
  70. 大倉眞隆

    政府委員(大倉眞隆君) 御質問にございます二二%というのは増税率でございまして、これは現在の酒税の税額に対して、改正法による酒税の税額が何%アップになるかという率でございます。この増税率二二%は、二二・三でございますけれども、なぜこの率による増税を御提案申し上げておるかということにつきましては、なるべく簡単に申し上げますが、前回の改正直後の小売価格に占めます負担率が、その後の原料価格その他のアップによります小売価格の増価につれまして、漸次負担率が下がってまいりました。たとえばビールで申し上げますると、前回の改正直後には小売価格百三十円、酒税は六十七円九銭でございまして五一・六%の負担になっておったわけでございますけれども、その後の値上げによりまして、増税なしに値上げだけがございまして、値上げの結果、現在は百八十円のものにつきまして計算いたしますと、五一・六%が三七・三%に下がっておるわけでございます。これが前国会でもたびたび御議論になりましたいわゆる間接税のおくれでございまして、小売価格の上昇に伴います税負担率の低下をある時期をおきまして見直しをいたしたいというのが、今回の酒税法改正の基本的な考え方でございます。  さて、しからばどれぐらいの率の増税をお願いしたらよろしいかということで、一つ考え方は、前回の改正直後の姿に戻すという考え方もあろうかと思います。そういたしますれば、今回の提案よりももう少し大きな増税をしないと前回の負担率までは戻ってまいりません。その角度からと、もう一つは、初年度で大体どの程度の増収を期待したいかという角度から、両方から議論をいたしました結果、平均的に約二二・三%の増税をお願いいたしますれば——これはくどくて恐縮でございますが、税額に対する引き上げ率でございます。いたしますれば、これによりまして約初年度千億、平年度で当初お願いいたしましたときには千三百億強という増収が図れるであろう、そう考えて改正をお願いいたしたい。  なお、引き上げ率を酒の種類別に変えるという考え方も、酒の種類別に変えて御提案するという考え方もあり得るわけでございますが、この際は特別の理由のあるものを除きまして、一律の増税をお願いすることが妥当であろうという考え方を採用したわけでございます。特別の理由をもちまして増税率を小さくしておりますのは、御承知のとおり清酒の一級でございます。なお、この増税分がそのまま小売価格に上乗せされるといたしました場合の小売価格のアップ率は、二二%とは違う率になるわけでございまして、たとえば清酒の一級でございますれば三・七%アップ、ビールでございますれば八・三%アップ、ウィスキーの一級でございますれば三・四%アップ、酒類全体を総合いたしまして、小売価格といたしましては大体六、七%のアップとなるように推計をいたしております。
  71. 野々山一三

    野々山一三君 関連。  いまいろいろおっしゃったけれども、簡単に言うと原料価格が変動した、これが一つですね。それから増収部分は一定率で考えたい。こういう二つの理由が一定率二二・三を上げたい。個別に言うと三・何がしとか、八・何がし、こういうことですか。  そこで、私が伺いたい。そういうことであるならば、委員長が言われた何に対してどういうふうに変化したのでどうするという、何とは何ですか。何がわからぬのに何%掛けたからと、何が何だかわからぬということになるのじゃないですか。そこのところを聞きたいのが本質なんであって、その何というものをここで言えないなら、秘密理事会でもいいから言ったらいいと思うのですよ。
  72. 大倉眞隆

    政府委員(大倉眞隆君) いろいろな酒類がございますから、ビールに例をとって申し上げますと、前回の改正の直後は小売価格が大びん一本百三十円だったわけでございます。その中で、税は六十七円九銭負担していただいておったわけでございます。以後増税をいたしておりませんから、現在でもビールの大びん一本当たりの税金は六十七円九銭のままで今日まで来ております。その間に輸入麦の値段が動くとか、人件費が動くとかいうような要因で、増税をしないでも、小売価格の方は現在で申せば百八十円まで、五十円上がったわけでございます。したがいまして、小売価格百三十円のときに六十七円九銭の負担というものは、五一・六%負担していただいておったわけでございます、ビールを飲む方に。それが現在は、百八十円のビールをお飲みになるときに、相変わらず六十七円九銭の税金でございますから、ビール一本についてのお酒の負担の率と申しますのは三七・三%に下がったと。下がった原因は小売価格が上がったためである。小売価格が上がったのは原料費のアップその他の要因によるということを申し上げたつもりでございます。  で、今回の増税をお願いしておりますのは、このような負担率の下がり方を回復させていただきたい。前回どおりとまでは申しませんけれども、初年度千億ぐらいの増収が期待できるというぐらいの幅の中で改定をさせていただきたい。したがって、改定後の負担率は私どもの計算では四二・一%になります。つまり、いまの三七・三%を回復させるけれども、昔の五一・六まではいかない。四二・一%の負担になるように改正をさせていただきたい。その結果、小売値はどうなるだろうか。これは、いま百八十円で売っておりますビールに、今回の増税額をそのまま——十四円九十四銭でございますから、これをそのまま小売価格に乗せるといたしますと百九十五円という計算ができます。仮に百九十五円というのが、——この税法を成立させていただきまして実施に移しました後、小売値が百九十五円になるといたしますれば、負担率は四二・一になるが、その場合の小売価格の上がり率と申しますのは、百八十円が百九十五円になるわけでございますから、小売価格は十五円上がる。その上がり率は八・三%である。それを清酒その他についても申し上げて、平均してみますと六、七%の小売値段のアップになるのでございましょうと、そう申し上げたわけでございます。
  73. 野々山一三

    野々山一三君 私が聞いているのと、あなたのお答えになっているのが違うわけですよ。つまり、小売価格を上げるその根拠は何々ということをいま比率論であなたはお答えになっていらっしゃる。そこで、もっと端的に、めんどうくさいことを言うのはやめて、たとえばビールの場合ですね、麦価がどう、それが幾らある、人件費が幾らある、したがってその税率は、小売価格は頭が決まってますから、幅が少なくなってしまった。したがって、増収率が少なくなってしまう、そこでこれを改定したい、こういうふうな意味で聞いてるわけです、こっちの方は。そうであるならば、人件費がどういうふうに上がったとか、あるいは麦価がどれだけ上がったとか、その他、加工費がどれだけ上がったとか、そういう積算の一つ一つがわからなければ、比率が上がったとか減ったとかいうことだけでは原価はわからないわけではないかというのです。だから局長言われるように、何がどれだけであるからどう上がったという、何とは一体何ですか。そういうところを聞いておるわけですよ。そこのところは言えないならば、前から言ってるように、ここでは言えないならば理事会で明確に答えてもらえばいいと、こういう趣旨なんです。
  74. 大倉眞隆

    政府委員(大倉眞隆君) 私が申し上げましたのは、ビール一本につきまして税は従来から六十七円九銭のままであると、負担率の下がったゆえんは小売の百三十円が百八十円まで上がったから、五十円上がったからでございますと。じゃ、その五十円の上がり方というのは何かと、そのような御質問ということでございますね。——はい。
  75. 吉田忠三郎

    吉田忠三郎君 どうも理解できませんね。ですから、いまの課税率というのは、現行の酒税に対して、小売価格が上がったものに対する現行税と対比して何%と、こう言ってるわけですよ。そういうことでしょう。  そこで、たとえばこのビール価格が上がりましたね。上がった要素というのは幾つもあるわけですよ。で、先般私が十八日に聞いたのは、その原価を、総合的に言えば増率することになるのですが、その一点だけですね。その増率の一つのファクターである中身のいわゆる製造原価を私はお聞きしたわけなんです。  まだたくさんありますよ。いま野々山さんの聞いたように、給与の問題もあるでしょう。この問題もありますけれども、時間がないから多く聞きません。ですから、それが有価証券の報告書では取れないのだと、推定だと、これは想定してやってるのだと。これでは、いまの税金が高いのか低いのか、把握できないでしょう。だから、原価を明らかにしなさいと。把握してないはずはないのです、大蔵省は。そういう意味で言ってるのです。  それから、いま私が聞いた、たとえばこのおけ取りの取引の単価を出しなさい。これを見たらありますと。そこで報告書で借りて見たのです、あなたから。これを見ますと、平均なんです。平均じゃなくて、私の場合は、各銘柄の単価を出してください、それを持ってるからこの平均が出てくるわけですからね。こう言っているのですから。
  76. 桧垣徳太郎

    委員長桧垣徳太郎君) 簡単にお願いします。
  77. 横井正美

    政府委員(横井正美君) 第一点の五十円上がったのはなぜかという点の御質問でございますが、私ども監督権限に従いまして極力価格を上昇させないような指導をいたしておるわけでございますが、各種の原材料あるいは人件費等の上昇がございましてそのような事情になっておるわけでございます。  それから、ビールの中身につきましては、一昨日の御質疑もございましたが、私ども有価証券報告書に基づく数字で御勘弁願いたいと、かように考えておるわけでございます。  なお、吉田委員のもとに昨日参りまして、吉田委員の貴重な資料もいろいろ拝見いたしまして検討したのでございますが、時間の関係もございまして終わっておりませんので、引き続き御説明に伺うつもりでございます。  なお、おけ取引価格につきましては、全国三千を超えます清酒メーカーのうちで二千以上の方がおけメーカーでございまして、これを個別に銘柄別に取るということは大変むずかしゅうございますので、サンプル的に申し上がておるということでございまして、御了承いただきたいと考えます。
  78. 桧垣徳太郎

    委員長桧垣徳太郎君) 建て値の原価資料の問題でやや紛糾をいたしておりますので、この際午前の質疑はこの程度とし、いまの資料問題については理事会において処理をすることにいたしたいと思います。  午前の質疑はこの程度とし、一時十分まで休憩をいたします。    午後零時八分休憩      —————・—————    午後二時九分開会
  79. 桧垣徳太郎

    委員長桧垣徳太郎君) ただいまから大蔵委員会を再開いたします。  まず、委員異動について御報告いたします。  本日、粕谷照美君が委員辞任され、その補欠として対馬孝且君が選任されました。     —————————————
  80. 桧垣徳太郎

    委員長桧垣徳太郎君) 休憩前に引き続き、酒税法の一部を改正する法律案及び製造たばこ定価法の一部を改正する法律案を便宜一括して議題といたします。  休憩中の秘密理事会における酒類の原価資料等についての結果を御報告いたします。  ビールの原価資料につきましては、前回御報告したとおりでありますが、なお、本日の秘密理事会においてもその経緯を確認し、引き続き資料の整備に努めるよう国税当局に要望いたしました。  次に、ウィスキー、ブランデー、ワインの原価資料については現段階において十分整備されていると認められないので、国税当局が資料要求者との連絡をとりながら資料の整備に努め、極力速やかに秘密理事会に報告すること。  次に清酒のおけ買い価格の資料についても、資料要求者と連絡をとり資料整備の上、なるべく速やかに秘密理事会に報告するものとすること。  以上御報告を申し上げます。  これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言を願います。
  81. 大塚喬

    ○大塚喬君 委員長の報告に関連して。  先ほど主税局長からビールを例にとって報告がありました、答弁がありました。しかし、その内容は、お酒の税金については御承知のように従量税と従価税の方式があります。ビールを例にとって小売価格の二二・三%値上げをすると、こういう問題は、これは従量税に関する課説の方式について答弁があって、ウイスキーなりブランデーなり、それから日本酒については特級や一級は御承知のように従価税であります。従価税に対する二二・三%の値上げという問題は、原価が明らかにされなければ、生産原価が明らかにされなければ、課税の一番基礎になる対象が不明確なままでその審議に入ることになるわけです。この答弁はやっぱり明確にして、従価税に関するものの一体課税の方式はどういうものであるか、ここのところを答弁いただかない限り、これの審議を進めることはこれは不可能であります。ですから、ここの問題を速やかに明確にしていただいて、それから寺田委員質問に入っていただくようにお願いをいたします。そうでなければ審議になりません、これは。
  82. 大倉眞隆

    政府委員(大倉眞隆君) 先ほど申し上げましたのは、清酒一級、ビールについて申し上げまして、二回目に繰り返しビールについて申し上げました。それは、従量税につきまして価格変動にかかわらず、従量税は一リッター当たり幾らというふうに税額が決められておりますので、価格の変動に応じた調整をさせていただきたい、それが今回の増税をお願いしておる趣旨でございますということを申し上げたわけでございます。その意味で、今回は従価税によっておりますものにつきましては、増税をお願いいたしておりません。なぜならば、従価税というのは値段が上がればそれに応じて負担もついて上がってまいりまするので、従量税におけるような調整を必要といたしませんので、今回の増税案には従価税対象酒類は入っておりません。
  83. 大塚喬

    ○大塚喬君 これは、値上げをする内容について大蔵省から当初発表ありましたものは、これは日本——清酒の一級酒については一五%、特級酒については二二%と、こういうことで、その他のウイスキーやブランデーについても同様に特級酒に、あるいは一級酒については値上げをするということが、当初提案理由の説明の際にあったわけです。そのことを明らかにするためには、生産原価が幾らかということがはっきりしなければ、一体この二二・二%の値上げというものがどれだけの価格になって、どれだけ国民生活に影響あるかという問題がさっぱりこれはわかりません。そこのところを明確にしなければ審議を進めるわけにはいきません、これは。そこを明確にしてもらう。
  84. 大倉眞隆

    政府委員(大倉眞隆君) 大塚委員よく御承知のとおり、清酒の特級につきましては、従価税を課しております特級と、従量税によっております特級とがあるわけでございます。従価税によります特級というのは、値段の高い方のお酒、同じ特級の中でも。その分は、従来から値段が上がりますればそれに応じて税も上がります。従価税でございますから。したがって、特級酒の中の従価税制度によっております分につきましては、今回の増税案とは関係がございません。特級酒の中の従量税で課税されておる分、それにつきましてはやはり従量税率を二二・三%引き上げさしていただきたい。ウィスキーについても同様でございます。
  85. 大塚喬

    ○大塚喬君 答弁があいまいにされては大変迷惑です。それでいままで審議の中で説明があった分について申し上げますならば、従価税については、これは蔵出し価格について、それに対する課税の額があって、そして税額が決まるものだと、そうしますと、その一体蔵出し価格というのは生産原価が幾らということになって、それが基礎になって蔵出し価格が決まるわけであります。それらの問題を全然ここで明らかにしないでこの税率が上がると、こういうふうなことについては納得できません。そこのところを明確にしていただいて、それから審議に入るのが至当だと思います。
  86. 大倉眞隆

    政府委員(大倉眞隆君) 従価税と申しますのは、大塚委員御指摘のとおり、蔵出し価格に税率を掛けるわけでございますから、蔵出し価格が幾らで……
  87. 大塚喬

    ○大塚喬君 そこを明らかにしてもらいたい。
  88. 大倉眞隆

    政府委員(大倉眞隆君) そのとおりでございますから、蔵出し価格がどう動くかによりまして税の額も動きます。したがいまして、従価税の税率を直す場合には、蔵出し価格との関連についての御議論が当然出てまいりましょう。  従量税と申しますのは、一リットル当たり幾らというふうに税法で決まっておるものでございまして、蔵出し価格と直接に関連いたしておりません、税額が。
  89. 大塚喬

    ○大塚喬君 これらの問題は、やっぱり国民生活にどう関連するかということが基礎になってこのような慎重審議が繰り返されておるわけなんです。で、一体このような酒税法の改正によって、いま国民に愛用されておる特級酒あるいは一級酒、そういうものに二つの方式があるとすれば、それぞれについてどういうふうな小売価格になり、国民生活にどういうふうな影響があるかと、こういうことの関連をとらえながら審議をしておるわけです。そこのところを、全然基礎のところを明確にしないで、あいまいにしたままで審議を進めると、こういうやり方について私どもはどうしても納得できないんです。だから、そこのところをひとつはっきりさせなければ、主税局長、一生懸命首ひねっているけれども、それじゃ審議にならないんだ、あなた。いいですか。
  90. 大倉眞隆

    政府委員(大倉眞隆君) でございますから、けさほどの御質問に関連いたしまして、私は、ビールはたとえばいま百八十円でございますが、従量税を今回の案のように十四円九十四銭引き上げさしていただきまして、それがそのまま小売価格にはね返るといたしますと百九十五円なると思われますと、その小売価格の上がり率は八・三%でございますと、そう申し上げたわけでございまして、税額の上げ幅とは違うんでございます、小売価格の上げ幅は。
  91. 寺田熊雄

    寺田熊雄君 乳酸が酒の添加物として別に指定されていることは間違いないですね。
  92. 大槻章雄

    政府委員(大槻章雄君) そのとおりでございます。
  93. 寺田熊雄

    寺田熊雄君 その乳酸というのは、合成乳酸は当然含んでおるでしょう。
  94. 大槻章雄

    政府委員(大槻章雄君) さようでございます。
  95. 寺田熊雄

    寺田熊雄君 その乳酸は、WHOの専門委員会から日本政府に、乳児の食品の中には加えてはいけないという勧告が来ていることは御存じですか。
  96. 大槻章雄

    政府委員(大槻章雄君) その点につきましては私は承知いたしておりません。
  97. 宮沢香

    説明員(宮沢香君) ただいま先生の御質問の件は、一九七〇年の第十三回のWHOのテクニカルレポートのことだと思います。その中でいま先生御指摘の乳酸につきまして、成人では消化が十分で問題はないと、しかし、未熟児、ベリーヤングのインファントという言葉を使ってございますが、私どもこれは非常な未熟児というふうに理解しておりますが、この者の食事等にはこういうものは避けるべきだと、そういうような違いがございます。
  98. 寺田熊雄

    寺田熊雄君 その勧告書は、原文とそれから翻訳文と双方をこの委員会に提出してもらいたいのだけれども、よろしいですか。
  99. 宮沢香

    説明員(宮沢香君) 原文は私ども持っておりますのですぐ提出はできると思います。
  100. 寺田熊雄

    寺田熊雄君 間税部長ね、あなたはそういうことは全く知らないとおっしゃったが、酒の中にそれがどの程度含有されているか、それが長年にわたって体内に蓄積された場合に健康に支障があるのかないのか。あなたは全くそれは御存じないわけ。どうですか。
  101. 宮沢香

    説明員(宮沢香君) 乳酸について、成人の場合には十分代謝ができるので問題はない、こういうふうに報告されております。
  102. 寺田熊雄

    寺田熊雄君 それはもうあなたは断言できるんですね。
  103. 宮沢香

    説明員(宮沢香君) WHOのテクニカルレポートにはそのように記載してございます。
  104. 寺田熊雄

    寺田熊雄君 今後それについてさらに検討をしてみるというお気持ちはないんですか。
  105. 宮沢香

    説明員(宮沢香君) WHOのいわゆる専門家の方々の討論によって、成人については問題はない、こういう報告がございますので、私どもは問題はないというふうに理解しております。
  106. 寺田熊雄

    寺田熊雄君 それから、それじゃ大蔵大臣に次はお尋ねいたしますけれどもね、大蔵大臣は、衆議院の大蔵委員会と、この委員会で、週休二日制の実現ですね、銀行法十八条の改正に関連して、その実現にあなたも率先努力したいと、もあ努力するとまで衆議院の方でははっきりおっしゃっておられるようですが、その後半年もたっていないわけですが、その間あなたは御努力なさいましたか。
  107. 大平正芳

    国務大臣大平正芳君) 本件につきましては、本院の決算委員会に御報告申し上げたのでございますが、衆議院の大蔵委員会で取り上げられましたので、私はそれに対しまして、本件は銀行業務、金融機関の関係ばかりでなく社会生活、経済生活全体にわたって影響がございまする問題でありますので、この週休二日制の問題について内閣に設けられておりまする閣僚協議会にこの問題を取り上げていただくように要請いたしますということをお約束をいたしまして、そして内閣におかれましてはそれを受けて第五部会というものを設置されたのであります。第五部会はそれ以来今日まで三回会合が開かれて、いろいろな角度から専門家で御討議をいただいておると承知しております。  一方、これに関連いたしまして、銀行法の休日条項、十八条でございますか、その問題がございますが、この件につきましては、銀行法の検討、改正問題を金融制度調査会に別途御審議をお願いいたしておるわけでございます。一応そういう手順で政府での検討が進められているわけでございます。
  108. 寺田熊雄

    寺田熊雄君 大臣御承知のように、社会党の方で銀行法十八条の一部改正の法案を提出しているわけですね、現在。これについては大臣はどういうふうに考えていらっしゃいますか、賛否も含めて。
  109. 大平正芳

    国務大臣大平正芳君) 銀行の改正問題は、休日条項も含めまして昭和の初年の立法でございますので、今日の社会経済の状況から見ましてもう一度根本的に見直す必要があるというわけで、金融制度調査会に御審議を依頼しているわけでございます。したがって、問題は、非常に経済立法といたしまして基本的なものでございますので、私は、相当の期間御審議に時間を要するのではないかと考えておるわけでございます。ところが、この十八条問題を、その長い討議の過程で一遍切り離してこの問題だけを独立して御審議をいただけるものがどうか、またそうすべきかどうか、そういうようなことはまず金融制度調査会がどう判断されますか、そういう問題だと心得ておるわけでございます。で、問題は、労働行政の立場からの問題ばかりじゃなく、一つ経済秩序の問題として取り上げなければならぬ問題でございますので、非常に重要な問題と私は評価をいたしておりますけれども、そういう問題をいまどのようにすべきであるという熟した見解を私はまだ固めるに至っておりません。いまそういった御専門の方々の御審議を願っておりますので、その御討議の結果を承った上で慎重に判断すべきものと考えております。
  110. 寺田熊雄

    寺田熊雄君 あと一問だけ。自動車関係の諸税について来年度に増税を考えているという新聞辞令ですね、いままでにたびたび出ましたが、これにつきまして、軽自動車協会連合会ですか、そういう団体があるそうで、岡山県でもそういう団体が国会議員のところへ回ってきて、上げてくれるなという盛んに訴えをしている、ビール券なんかをわれわれのところへも持ってきておる。われわれはすぐそんなものは突っ返しますけれどもね、しかし、もうそういうふうに、業界がまだわれわれが知らないうちに大蔵省の動きをキャッチして、そしてそれを業界の運動でチェックしようというようなことははなはだ好ましくないわけですね、まあ事のよしあしは別として。ですから、これに対してはよほど大臣を初め主税局長十分戒心していただかなければいけませんね。そういう動きについてどう思われるか、またあなたとしては現在事務当局でどういう準備をしておられるか、ちょっとお聞かせ願いたい。  それが最後で終わります。
  111. 大倉眞隆

    政府委員(大倉眞隆君) 自動車関係諸税は、寺田委員よく御承知のとおり、四十九年度の税制改正で資源節約、消費抑制、それに道路財源の充実というような観点から税率の引き上げをお願いしましたのでございますが、その際には、例の石油ショックの直後でもございまして、石油の供給見込みなど、なお非常に流動的であるということで、二年間限りということで御審議を願い成立したわけでございます。たまたまその二年間の期限が今回まいります。揮発油税と地方道路税につきましては五十一年の三月末、自動車重量税につきましては五十一年の四月末にそれぞれ期限がまいります。この期限がまいりまして何らの措置をいたしませんと本則に戻りまして、減税になるという仕組みでございますが、これをこのまま暫定的に期限を延長させていただくのか、あるいは期限延長の機会に若干の負担の増加をお願いしてもいいかどうかということで、現在私どもで検討を続けております、部内で。現在私どもなりに考えております問題といたしましては、石油につきまして現在価格改定がいろいろ議論されておる。価格改定の推移なども見ながらガソリンについてなお負担の増を求めた場合に、それが転嫁されるかどうかということの見通しも立てなくてはならない。それから自動車重量税の側は、地方税におきまして自動車税が長年据え置かれておりますので、自動車税の負担を、ちょうど酒をお願いしておりますのと同じような意味で、長年据え置いてきた従量税である自動車税について引き上げを考えたらどうか。自動車税と自動車重量税と一緒にやるのが適当かどうか、どの程度やれるのかというようなことを現在関係者の方の意向をサウンドしておる段階でございます。したがいまして、大蔵省としまして具体的に増税に踏み切るかどうか、踏み切るとしてその幅はどの程度適当と考えるという点につきましては、いまお答えできる段階にございませんが、いずれにしても、五十一年度改正の一環としての問題にならざるを得ない、期限切れの関係で、という項目でございますので、ごく近い機会に、政府の税制調査会にも議題としてお出ししまして、税制調査会としての御感触をまず伺いまして、その上でなお具体的な検討を続けたいという段階にございます。
  112. 上條勝久

    ○上條勝久君 委員長、ただいま…(発言する者多く、議場騒然)……提案いたします。
  113. 桧垣徳太郎

    委員長桧垣徳太郎君) ……(発言する者多く、議場騒然、聴取不能)……本日はこれにて散会いたします。    午後二時三十四分散会      —————・—————