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1975-12-17 第76回国会 参議院 公害対策及び環境保全特別委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十年十二月十七日(水曜日)    午前十時三十五分開会     —————————————    委員異動  十二月十六日     辞任         補欠選任      浜本 万三君     矢田部 理君     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         藤田  進君     理 事                 森下  泰君                 山内 一郎君                 栗原 俊夫君                 内田 善利君     委 員                 青木 一男君                 井上 吉夫君                 金井 元彦君                 菅野 儀作君                 藤井 丙午君                 宮田  輝君                 神沢  浄君                 福間 知之君                 小平 芳平君                 沓脱タケ子君                 近藤 忠孝君                 三治 重信君    国務大臣        国 務 大 臣        (環境庁長官)  小沢 辰男君    政府委員        環境庁長官官房        長        金子 太郎君        環境庁企画調整        局長       柳瀬 孝吉君        環境庁企画調整        局環境保健部長  野津  聖君        環境庁大気保全        局長       橋本 道夫君        環境庁水質保全        局長       堀川 春彦君        通商産業大臣官        房審議官     伊藤 和夫君        労働省労働基準        局安全衛生部長  中西 正雄君    事務局側        常任委員会専門        員        中原 武夫君    説明員        通商産業省立地        公害局公害防止        指導課長     弓削田英一君        通商産業省基礎        産業局基礎化学        品課長      石原 純徳君        通商産業省生活        産業局紙業課長  沢田  仁君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○公害及び環境保全対策樹立に関する調査  (苛性ソーダ製造法に関する件)  (大気汚染NOX対策に関する件)     —————————————
  2. 藤田進

    委員長藤田進君) ただいまから公害対策及び環境保全特別委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  昨十六日、浜本万三君が委員を辞任され、その補欠として矢田部理君が選任されました。     —————————————
  3. 藤田進

    委員長藤田進君) 公害及び環境保全対策樹立に関する調査を議題といたします。  質疑のある方は順次御発言願います。   〔委員長退席理事栗原俊夫君着席〕
  4. 小平芳平

    小平芳平君 ソーダ業界が、例の水銀の問題が発生して、その時点水銀法から隔膜法転換するということで来ておりますが、なかなか思うように転換もできてないというふうに新聞にも報道されております。この間の事情について、政府から御説明いただきたい。
  5. 柳瀬孝吉

    政府委員柳瀬孝吉君) 水銀汚染問題につきましては、昭和四十八年の六月に関係十三省庁から成ります水銀等汚染対策推進会議を設けまして、いろいろな対策を講じてきたわけでございますが、当時、水銀を排出するおそれのあった苛性ソーダ工業に対しましては、四十八年の十二月末までに水銀の関連の作業工程についてのクローズドシステム化を完了するということと、それから、なお、万全を期するために苛性ソーダ製造法を従来の水銀法から水銀を用いない隔膜法転換することを決めたわけでございますが、この際に、昭和五十年の九月までに三分の二を転換をし、五十二年の末までに原則として全部転換をするということに方針を決めたわけでございます。  そこで、その三分の二に決めたということにつきましては、いろいろ技術的な問題、あるいはソーダ隔膜法によりますと質が低下をするというような問題とか、いろいろな問題がございまして、三分の二を五十年九月までということにしたわけでございますが、これは、いろんな事情で三分の二まで達しない状況に立ち至ったわけでございまして、これにつきまして、関係省庁課長会議通産省からそういう御報告がございまして、環境庁といたしましては一日も早くその転換を図ってもらいたいという要請をいたしまして、五十年の三月までには三分の二の転換を完了するように通産省から強力な指導をしていただくというふうにお願いをしておるわけでございます。
  6. 小平芳平

    小平芳平君 その、いろいろな事情というのがのみ込めないわけです。  ですから、五十年九月までに三分の二ということは、どういうことでそういう目標が立てられたのか。可能性があったのかなかったのか。そして、今日、転換が進まないいろいろな事情というのは、どういう事情があるか。簡単でいいですから、要領よくお答えいただきたい。
  7. 石原純徳

    説明員石原純徳君) ただいまの先生の御質問でございますが、私ども四十九年に三分の二の転換を決めましたときには、先ほど環境庁の方からも若干御説明がございましたように、水銀にいたしまして当時三百六十六万トンの能力がございました。この能力を一気に転換をするということになりますと、やはり、これは外国技術にかなり依存をしているという面もございますし、あるいは設備メーカー機器を供給する方のメーカー能力の方のギャップもあるであろう。それから、加えて品質の問題もアスベスト法によりますと化繊業界その他高純度品を要求するユーザー側希望にこたえるかどうかというところにも問題が残るというふうな諸般の情勢を考えました上で、各企業からヒヤリングをいたしまして、まあ大体三分の二ぐらい、五十年の九月末までにいけるのではないかということで決定をいたした次第でございます。ところが、現実に先生の御指摘のように、その後遅延をいたしておるわけでございますが、これはいろんな理由があるわけでございますが、主な理由を御説明いたしますと、一つ地元公害防止協定、これは先生承知かと思いますが、水銀法でやりますと、約五〇%近い濃度苛性ソーダが出てまいります。ところがアスベスト法でまいりますと、電解工程では一〇%強の苛性ソーダが出てまいりますので、これをどうしても煮詰めなければいけない。そうしますと、当然ボイラーが要るわけで、それに使用する重油、そこから出てくるSOx、NOxというふうな問題がございまして、地元公害防止協定を締結をし面さなければならないというふうな問題で、ある企業の例を挙げますと、ことしに入ってやっとその地元了解がとれたというふうなことでございます。工事は大体一年半から二年ぐらいかかるということでございますので、地元了解がついてから着工ということになりますと、五十年九月には間に合わないというふうなのが一つ理由でございます。  それから二つ目理由は、これは実は当初の私ども見込み見込み違いであったということでございますと不明の至りでございますが、やはり設備を供給する機械メーカーの方の供給が遅延をいたすということで、私どもも実は機械情報産業局という機械関係の局がございますので、そこを通じまして機器メーカーさんの方にも納入促進方を何度か、要請をしたわけでございますが、それが間に合わなかったというふうなことでおくれたケースがございます。  それから三つ目には、資金問題でございまして、ちょうど転換が決まりましたころは景気はそう悪くない時点であったわけでございますが、それがだんだんオイルショック等ございまして、金融引き締めというふうなことで、もちろん私ども開銀融資北東公庫融資ということで財政的な援助はしているわけでございますが、協調融資の方はつきがたいというふうな事情がございまして、私ども実は取引銀行お願いをして、何とか協調融資をつけてやってくれというふうなことを話した事例もございますが、そういう関係でややおくれたというケースがございます。  それから、後は隔膜法工事過程工事現場のいろいろなトラブル、事故が起こりまして、予定の期日を達せなかったというふうな工事上のケースも実際ございます。いろいろございますが、主な理由はそのようなところでございます。
  8. 小平芳平

    小平芳平君 品質が落ちるということは、これは水銀法でやりながらも一部隔膜法でやっている企業もあったわけですから、十分わかっていたわけでしょう。そうすると、品質が落ちる、そしてまたボイラーで濃縮させるという装置が必要だ、そのためには大気汚染の二次公害が発生するではないかということ、あるいは後ほど労働省からも御説明いただきたいですが、アスベストですね、アスベストによる健康障害労働者健康障害、こういうこともわかっていたはずではありませんか。  それから特に機械メーカーは主にアメリカですか、この機械メーカーに限度があるということなんかも、もうとっくにわかっていなくてはならないはずだったと思うのです。ですから、そういう点、資金ですね、資金面も、不況がこういうふうに深刻になるということまでは見通しができなかったということは言えるかもしれませんが、資金面でも、相当費用がかさむということも当然わかっていたことだと思うのです。ですから、そういう点、余りにも環境庁長官が、三木さんが環境庁長官の時代に、五十年九月三分の二、五十三年末全転換ということを打ち出すには余りにもその打ち出し方がずさんだったのではないか。まるっきりできる目標のないことを、いかにもやるかのように政府姿勢だけとった、こんなふうに受け取れるのですが、いかがですか。
  9. 小沢辰男

    国務大臣小沢辰男君) 当時のいきさつについては私詳細に存じませんが、私が着任してから経過等を聞いてみまして、確かに先生のおっしゃるような詰めが不十分であったような感じを私も持ちました。ただ、あのときは、とにかく水銀を出さないようにということで、むしろ三分の二と言わずに、九月までにはどうしても全部転換しろというぐらいの強い三木環境庁長官姿勢を出されたようでございます。しかし、いろいろ検討してみると、いま言った、技術的に外国技術の導入に頼らざるを得ないような面がたくさんある、あるいは資金の面がある、あるいは一方、純度の高いものを要求する化繊業界の、要望等があるということで、対策会議の議長であった三木長官各省意見を聞いて、じゃ、まあやむを得ぬ、三分の二でがまんしよう、しかし三分の二はやれよということで御決定になったように聞いておるわけでございます。私参りましてから、いま先生の言われた石綿を使うことによる第二次的な公害の発生のおそれ、それから大気汚染の問題、百万キロリッター使わなければいけませんので、大変な大気汚染地域によっては起こってくる。しかも一方において聞いてみますと、もうクローズドシステムが完全に行われまして、よほどの事故がなければ、あるいはまた取り扱いのよほどの不注意というようなものがなければ水銀が排出をされるという危険は全くない、こういうことだったものですから、やはりこの石綿隔膜法による転換よりは、もっと高純度のものが得られる、しかも二次公害も起こすおそれのないようなイオン交換膜法開発も一方において行われているのだから、むしろそちらのほうに、少し遅くなっても転換をしたほうが、よりいいのではないかという意見を私率直に持ったのでございます。その意見通産省にも環境庁としてよくひとつ言うてみろということからいろいろあれしまして、ただ、イオン交換膜法の本来、実用化にまだいっておりませんので、恐らくもう一年ぐらいたてば何とかなるだろうということでありましたものですから、それでは一方において当時決めた目標値というものがあるのだから、それはできるだけ達成することにして、ただ五十二年度末、したがって五十三年の年度末でございますから、五十三年の四月からはイオン交換膜法によって全部転換できるように、できるだけの努力をしてもらいたい、こういう要望をいたしたわけでございまして、当初の考え水銀による汚染公害の問題が非常に大きな問題であったものですから、確かにそういうそちらの方を充実して、少し転換についての技術的な検討というものが、表現はともかくとして不十分であったことは私も事実じゃないかと考えます。
  10. 小平芳平

    小平芳平君 環境庁長官ですね、どうすればいいかということを私はいまここで問題提起しているわけであります。長官からいろいろずっとお話がありましたことも、まず第一に通産省からイオン交換膜法というのは果たして実用化段階がいつごろになるか。で、これも開発した企業によってどういうような違いがあるか、その見通し、それからアスベストによる労働関係ですね、労働関係では、アスベストによる労働者健康障害に対してどういう配慮をなされているか、以上二点をお伺いしたい。
  11. 石原純徳

    説明員石原純徳君) まず、イオン交換膜法技術開発状況でございますが、先生承知かと思いますが、実はことしの四月に、これは具体的な会社名前を言ってもよろしいかと思いますが、旭化成が延岡に年産四万トンの規模のもう実用化プラントを建てておりまして、まあ主として自分のところの自家消費ということで生産をいたしております。で、私どもの聞いている限りでは、順調に運転がなされているものというふうに了解をしております。それからもう一社、これは実はその旭化成技術を買いまして、現在その一次計画の一環ということで工場建設中の会社がございます。それから、これはまだ実用段階ではございませんが、旭硝子さんが、これは実はことしの九月から、これはまだパイロットプラントでございますが、を建てまして、実験的な操業を行っておる。これが、旭硝子発表によりますと、来年の三月ごろには一応の成果が出て、その成果公表できるであろうということになっております。それから、あとまだいろいろと勉強している会社が幾つかございます。そういう状況を踏んまえまして私どもが判断をいたしますと、まあまあこの第二期計画の完了時が五十三年三月ということで組んでおりますので、これにはいま申し上げましたような各種のイオン交換膜技術が利用可能であろうというふうに考えております。  それから石綿の問題でございますが、これは御承知のとおり、労働省の方で石綿使用に関しましてはいろいろな規制を行っておりまして、私どもとしてはそれを遵守するというかっこうの指導を行っておる。で、特に労働省規制によって労働環境というものに対してと、それから操業が実際にやりにくくなるという面では特に問題ない、つまり労働環境というものを維持しながら操業ができる状態に現在はなっておるというふうに考えております。
  12. 中西正雄

    政府委員中西正雄君) じん肺等予防対策として、石綿を取り扱う作業につきましては、従来から労働安全衛生法に基づく規則等によりまして、局所排気装置の設置と紛じん飛散防止のための措置並びに必要な場合には着装できる保護具の備えつけ等を利用者に義務づけているわけでございます。また、昭和三十五年からじん肺法によりまして健康管理等に遺漏のないようにいたしておりますし、昭和四十六年から特定化学物質等障害予防規則によりまして規制を強化してまいっております。  さらに近年この石綿石綿肺、いわゆるじん肺のほかに肺がん、中皮腫を起こすということが明らかにされましたことから、本年九月にこの特化則を改正いたしまして、規制を強化しております。強化した中身を二、三挙げてみますと、一つは、この石綿を取り扱う作業について作業やり方等につきまして特別の規制をした、そういう規定を設けたということ。それから抑制濃度につきましては、従来一立米当たり二ミリグラムであったものを、これを一立方センチ五ハイバア、これは濃度にいたしますと、従来の約十分の一ということでございます。そのほか健康診断につきましては、じん肺健康診断として一般の作業者は三年に一回という周期で健康診断をやることになっておりましたのを年に二回ということで規制を強化いたしまして、この石綿による障害予防に努めているところです。
  13. 小平芳平

    小平芳平君 じゃ、ちょっと観点が変わりますが、五十年九月転換予定企業が、工場がまだ転換工事中である、あるいは全く着工してないというそういう企業名公表することについて、通産省公表しない、環境庁はあえて公表するというふうに報道されておりますが、通産省としても別にそういうことは秘密にしておく理由はないわけでしょう、いかがですか。
  14. 石原純徳

    説明員石原純徳君) 実はこの転換計画でございますが、これは先生承知のように、法律の根拠に基づくものではございませんで、私ども全くの行政指導ということでいま進めております。その行政指導を進める過程では、もちろんその各社転換計画進行状況、あるいはそれがおくれているとすれば、どういう理由があるかということはもちろん詳細、まあ可及的詳細に調査はいたしておるわけでございますが、そういう資料というものが本来行政指導をするために各企業からとったものでございまして、本来公表ということを目的にとっておりませんということがございまして、私どもいろいろな筋からも個別企業名前公表ということについて御要請があったわけでございますけれども、まあ慎重を期さしていただいたというのが現状でございます。環境庁さんの方でいろいろ御発表この前なさったわけでございますが、これは当然といいますか、環境庁の方は当然公表するという前提で都道府県を通じて各社情報をとられて公表なさったということでございまして、私ども情報のとり方その他のあれが違いますし、それはそれで私は妥当な措置であると思っております。
  15. 小平芳平

    小平芳平君 そうしますと、環境庁長官ですね、先ほど御発言されましたように、このイオン交換膜法というものに対して期待を持ちながらも、とにかく一たん政府のきめた方針は貫くということでいかれますのか。第一、私も先ほど申しましたように、また長官もお話しされたように、とにかく水銀をなくそうというあの時期の状態というものは私もよく承知いたしております。いまここへ来まして国の方針が一体どうなのか、そういう新しい技術開発ということでこうした転換計画に対して変更しようという考えなのか、あくまで水銀をなくすという、五十二年度末ですか、五十二年度末には完全に水銀をなくす、あくまでそれで通しますということか、その辺いかがですか。
  16. 小沢辰男

    国務大臣小沢辰男君) まず第一に、先生は十分御承知なんでございますが、国民に御理解をいただかなければいけないのは現在の苛性ソーダ工業界のみならず、水銀を使っているところは四十八年の十二月末をもちましてクローズドシステムを一切完了いたしましたので、水銀はたれ流しということはあり得ない。ただし、万が一の事故があったような場合にはそれが排出されるおそれなきとしないので、したがって、水銀というあの非常に影響の多い有害な化学物質については一切出さないということを考えますと、大事には大事をとって、やはり苛性ソーダ業界転換というものはせっかく政府各省そろって対策会議をやって決めたことでありますから、私がそれをいま変更するとか、そういうようなことは、万一のことを考えた場合に、やはり国民の健康を守る立場に立って見れば、これは転換転換として進めていかなければいかぬだろうと。その際、幸いに、先生が御心配になりました石綿の粉じんにまじったいろいろな健康障害ということは、最近TABという方法によって石綿のいろんなこの使用原材料のあれが変わって——まあ全部アメリカから来るわけでございますけれども、変わってまいりましたので、その点の心配はないだろうと。あと大気の問題だけでございますが、大気の問題もできる限り私どものその地域における公害防止協定等を十分やりまして、それぞれ工場考えていただくということで解決をし得るとすれば、あとは、問題は非常に膨大な金をかけて、日本経済的にも非常に大きな投資をするわけでございますので、せっかくそういうことであるとすれば、品質の点からも、第二次公害の点からも考えまして、イオン交換膜法転換技術開発を急いでいただいて、そちらの方にせっかく転換をするんなら転換をしていただいた方がいいんじゃなかろうか。しかし、それがもし相当先になるとすれば、これはそのために転換をいつまでもほっておくわけにはいきませんので、通産省のその辺のところは御指導いかんによって——しかし、最終目標はまあ五十年度いっぱいということであくまでもひとつやってほしいと。私ども希望を申し上げれば、イオン交換膜法による転換をむしろ一日も早く進めてもらいたい、こういうことでございます。
  17. 小平芳平

    小平芳平君 基本姿勢はわかりました。  次に、産業廃棄物について、時間の関係がありますのでまとめて質問いたしますが、まず環境庁長官廃棄物処理のための第三者機関公社のようなものをつくって地域的な広域にわたる廃棄物処理方法考えるということが新聞にも報道され、社説でもそういう考えは大事なことだというふうになっていたように思いますが、この点について伺いたい。  ちょうど同じころ、通産省では再資源化五カ年計画、こういうことで発表になっておりましたが、そのことについて伺いたい。  それから第三に、たとえば通産省に伺いたいんですが、これは産業廃棄物と言えるかどうか、旧ノーカーボン紙はどれだけの——使用を中止した段階企業は四社はっきりしているんですが、どれだけの在庫があったかというと、私が幾ら要求しても出してくれませんが、そうしたものはどういう処理がされたか、以上三点について伺いたい。
  18. 小沢辰男

    国務大臣小沢辰男君) まず私から最終処分地の問題についての考え方を申し上げます。産業廃棄物厚生省所管ではございますが、同時に通産あるいは海洋関係からいいますと運輸省、まあ各省に分かれております。そこで、環境庁が主になりまして連絡会議を開きまして、その大体結論を厚生省に渡しまして、厚生省が必要な懇談会なり審議会にかけて、いま産業廃棄物法律改正の準備をしているわけでございます。  私、その際に各省の皆さんに申し上げましたのは、当然事業者責任というものを明確にしていかなきゃいかぬ。また、処理業者についても、これが当然もぐりのものでは困りますので、一定の資格を持った、認可された処理業者責任を持ってやるようにしなきゃいけない。それはありますけれども幾ら頭をたたいてみましても、責任を持て、責任を持てと言っても、その最終処分地確保ができなければやっぱりそこにいろいろな問題が起こってくるんじゃなかろうか。どうしても最終処分地というものを何とか確保してあげなければならない。この面は企業に任して、おまえたちが探してこいといってもなかなかめんどうな問題ですから、国なり公共団体が相当これについての、最終処分地確保について協力をしなければ実効は上がらぬのじゃなかろうかと、こういう観点で自治省にも要望いたしましたり、いろいろいたしました。現在地方開発公社等もありますし、あるいはまた、第三セクターの方式でやっておるところもあるわけでございますが、それらを国の方である程度やはり統一的に地方庁と相談をして、あらかじめ、たとえば土地を確保して、そうして政府なり地方公共団体なりが、この処分方法については他の環境影響を起こさないんだと、二次公害も起こさないんだという、住民に安心感を与えた処分方法というもので、それで事業体にそれを開放してやるというような形が一番大事なことではないかと。こういうことで、いませっかく、一体どういう組織がいいのか、地方にいまばらばらにございますから、それをどういうような形でやっていったらいいのか。地方庁にやれと言いましても、今日のような地方財政の現状ではなかなかできませんので、どの程度国がめんどうを見なきゃいかぬのか。また、国がめんどうを見る方法——いまの国もこういう時勢でございますので、何かいい方法はないのか。たとえば公害防止事業団ではその取り扱いをすることになっておりますけれども、ほとんど資金枠の関係で手が伸びてないということもございますので、来年度は予算要求として公害防止事業団に最終処分地確保の別枠を取りまして、そこを中心にして地方庁と連絡の上で最終処分地確保の具体的な方法を検討していこうと、こういうことでいませっかく努力をしておるところでございます。
  19. 伊藤和夫

    政府委員(伊藤和夫君) 再資源化に関する基本計画のお話でございますが、通産省としましては廃棄物の再資源化ということは、一つには省資源、一つには環境をよくする、そういう二つの、いわば一石二鳥といいますか、そういう効果がございますので、本年度から幾つかの、特に再資源化の必要なものにつきまして再資源化基本計画というものをつくろうということで本年度から始めております。本年度は、たとえて申し上げますと、鉄くずでございますとかあるいは廃プラスチックとか、そういったような九品目を選びまして、これに関してまず本年度は調査をいたします。その調査に基づきまして来年度基本計画をつくる、そういったことを始めておるわけでございまして、来年度におきましても引き続きまた品目を選んで実施してまいりたいというふうに考えております。  ただ、先生のお話しになった五カ年計画ということでございますけれども、これはそれぞれの商品によって調査の結果どういう計画ができるかわかりません。あるものは二年あるものは三年ということになるかもしれません。特に五カ年計画というのはございません。
  20. 沢田仁

    説明員(沢田仁君) PCB入りの感圧紙の問題についてお答え申し上げます。  御指摘の在庫量でございますけれども、私どもがはっきり把握しておりますのは、まず害公庁関係では現在千百トンの在庫がございます。これは各官公庁におきまして厳重に保管をしていただいております。それから民間の大手のユーザー、会社関係でございますけれども、そこにいま凍結してございますのが千五百トンから千六百トンの間でございます。合計しまして二千五、六百トンの感圧紙がいま捕捉された形ではありますが、残念ながらそのほかに日本じゅうの各事務所、オフィスに浮遊していると申しますか、そのような状態で捕捉不可能な感圧紙があると推定されます。これについては捕捉ができませんもんで、どのぐらいの数字があるか、そこが一番むずかしい点でございます。むしろ、その数字がわかりましたならばこの困難な感圧紙問題の対策が非常に決め手が出てくるわけでございますけれども、その実態が非常によくわかりません。乱暴な推定をいたしますと恐らく千トンから二千トンぐらいあるんではなかろうか。で、先生承知のようにこの感圧紙と申しますか、故紙を使って、特に静岡を中心としましてトイレットペーパーあるいはちり紙をつくっておるわけでございます。目的は、これら中小企業が非常に安心して環境庁のおつくりになった基準に合うように、そういう操業ができるように一刻も早くそういう体制をつくるというのが私どもの気持ちでもございます。  そこで昨日でございますけれども、廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令、これの改正に関する閣議決定が行われまして、実は施行としましては来年の三月一日以降、これは感圧紙のみにとどまりませんけれども、電気関係のPCBを含めましておおよそPCBを産業廃棄物として指定する段取りになったわけでございます。三月一日を期しまして私どももPCB入り感圧紙を取り扱います故紙関係の業者、こういったものに新しい産廃体制に即応するように指導あるいは準備をさしていきたいというふうに考えております。  他方、静岡のちり紙メーカーあるいはほかの日本全国のちり紙メーカーでございますが、おしなべて検査しますところ、現在の排水状況、決して百点ではございませんけれども、かなり私ども考えるところいい状態になっているではないかというふうに思います。しかし、まだいま一歩詰めが必要かと思います。そのような意味におきまして、実は先ほど御指摘のこの感圧紙は四十六年二月で生産をストップしておりますけれども、十條製紙以下四社がつくってまいりました。この四社を母体にいたしまして処理協会——任意団体でございますが、今年四月に設立いたしました。これを中心にいたしまして極力各方面、事務所から出てくる感圧紙を集めてこれを保管してもらう。このような体制を実は現在目下鋭意進め中でございます。東京で申しますと、そして東京を中心にしたものが静岡に、ほとんどのものが流れるわけでございますけれども、足立地区で実は選別をやっております。——この選別のスポットに、焦点を当てまして、そこで出てくるパイル——パイルといいますか、包みでございます。これをわきへどけまして、これだけを特別に故紙の流通の中に乗らないように分ける。いわば私ども申しておりますのは川上対策と称しておりますが、末端の中小企業段階ではなかなか千枚に一枚あるいは万枚に一枚というような非常に微量な感圧紙を、これをピックアップすることは非常に困難、不可能と言ってもいいと思いますが、このようにまとまったものがございました場合には、これはその処理が選別業者の段階において、川上の段階でこれを除去するという方法をこの会社の、四社の予算措置も裏づけをつけまして実行しようと思っております。これ若干ストの関係どもございまして、実施が当初もくろみましたのは十一月の終わりには実施に入りたいと私ども思っておりましたが、残念ながら若干おくれております。しかし、その着手実行に急ぎたいと思います。そのようなことで、静岡を中心としますちり紙中小企業者が安心して操業できるような体制に持っていきたいというふうに思っております。
  21. 小平芳平

    小平芳平君 環境庁長官に。本当は通産大臣が責任かもしれませんが、いまの静岡を中心とする家庭用紙のメーカーが、水質規制がかかるPCB〇・〇〇三PPmですか、そういう水質規制がかかる、そしてメーカーとしては中小企業あるいはもっと小さい零細企業と言われるそういう中小企業も水質をきれいにして流すということは一生懸命努力しているわけです。一生懸命努力しているんですが、いかにせん自分の方ではPCBなんか全く使ってないし、関係のないことなんですが、この使用する原料の故紙の中にわずか一枚の旧ノーカーボン紙が入っていたがゆえに操業停止になるわけです、基準を超しますと。ですから、一億分の一か十億分の一か、そのくらいの大量の中にわずか入っているということで基準をオーバーすると、そうしたら操業を中止するなり何なりということになりかねないわけです。ですから、そういう点に対しては全くそういうことが起きないでスムーズに生産が続けられていけばそれで結構なんですが、そういう問題が起きることが予想される段階で、それはいま四社がお金を出して選別をするとかというように通産省説明しておられますが、これには本当に企業政府も行政も気を配っていかなくちゃいけないと思うのです。全くわが社の設備が壊れて基準をオーバーしたというなら、これはわが社において一切責任をとらなくちゃいけませんが、全く十億枚の中に一枚それが入っていたということから基準をオーバーするというような事故が発生しないように、発生しないためには政府もそれから……。大体製造して販売した四社がどれだけ在庫があったか、それいまでも通産省は習いませんけれども、その在庫だってどこでどう処理したかっていうくらいのことは、これだけの在庫があって、ここでこういうふうに処理しましたっていうくらいのことははっきりさせるべきだと思うのです。ですから、最初のメーカーもあるいは政府もあるいは地方団体も、これだけの家庭用紙メーカーにそういう迷惑が及ぶことがないよう努力をしますということでなくちゃならないと思いますが、いかがです。
  22. 小沢辰男

    国務大臣小沢辰男君) それはおっしゃるとおりで、末端の中小企業に全部やれと言ってもなかなかそれは無理だと思います。ですから先生の御趣旨に沿うように、通産省のいま紙業課の方では水上作戦という作戦で、根っこでそれを防止しようということをいま徹底をいたしつつあるところろでございますから、まあ私どもは極力そういう面で効果を上げていくようにいたしまして、中小企業の生産なりあるいは工場運営についての支障を来さないように、本当に安心して操業できるような根元における対策を強化するように一層努力いたしたいと思います。
  23. 内田善利

    ○内田善利君 私きょうは四つのことについて、去る十日の日から実施になりました第二次の排出基準の規制について若干お伺いしたいと思いますが、まずその前に四十八年の五月、一時間値の一日平均値NO2〇・〇二PPmと、この環境基準が諸外国に比べて非常に厳し過ぎると、アメリカの環境基準よりも七倍であるというような厳し過ぎるという批判と、それから化学的根拠があいまいであるという批判が出ておりますが、このことについて、環境庁としてはどのようにお考えなのか、お聞きしたい。
  24. 橋本道夫

    政府委員(橋本道夫君) 第一の問題でございますが、厳し過ぎるかどうかということでございます。これは、アメリカが年平均〇・〇五PPmというのを決めておりまして、それに対して日本の数字が一日平均〇・〇二PPmというのを決めております。で、この両方の数字を、年平均と一日平均になっておりますので、これを、日本の一日平均のものを年平均に直してみると、どれぐらいな数字であるかということで見るのが比較的わかりやすい機械的な方法ではないかということでございますが、日本の環境基準の判断で九八%値のところがこの〇・〇二PPmとするということでございますので、そういうことで、日本の環境基準を年平均に直しますと九八%値というところへいきますと、大体年平均〇・〇一PPmという数字になります。そういうことで、〇・〇一PPmと〇・〇五PPmというものを全く細かなせんさくを抜きにしまして機械的に比べますと五分の一の厳しい条件に日本があるということは、これは事実でございます。七倍と言っておられる方は〇・〇二PPmが九九・九%値としてとった場合には大体七倍に近くなると、そういう計算も成り立ちますが、国の環境基準は九八%値としてとっておりますので七倍ということではございません。  次に、厳しいかということでございますが、数字の条件だけではこれはなかなかむずかしいことでございまして、アメリカの環境基準は大気清浄化法によりまして、まず三年以内に達成するということが一つの基本になっております。どうしても達成できない場合に二年だけの猶予が認められるということでございます。そういうことでアメリカの環境基準は達成目標ということでは日本と同じでございますけれども、日本のように、かなり長期の期間の中でこれを達成するというような性質のものではございません。この点は、アメリカの上院におきまして、アメリカの次官が国会議員の質問に対して、日本の環境基準とアメリカの環境基準とは法的性格が異なっておるということを答えております。そういう点におきまして、日本の方が長期目標であるという点につきましては、そういう意味では、厳しさは日本のは数字だけを見ると厳しいようであるが、それほどの厳しさではないという見方も一方にはあり得るわけでございます。そういうことで、日本の環境基準は厳しいかと言われますと、世界一厳しくございます。これだけは間違いございません。非常に厳しい条件でございます。ただアメリカの数字に比べて、安易に七倍ということで厳しさを比較することは決して正しい方向ではないということでございます。  それから次には、あいまいではないかという議論でございます。大気汚染の分野におきまして化学的根拠がないということでございますが、これは化学的根拠に不確定性が高いということは事実でございます。これは日本もアメリカも同様でございます。日本だけがとりわけて不確定性が高いわけではございません。完全に確定性——相当な確定性があるというのは、水俣を二回繰り返したりあるいは四日市のような汚染、あるいは日本全国に非常な汚染をたくさん起こして、そして、それによって疫学データのはっきりしたものを得られるというときにのみ得られる話でございまして、そういうものに比べますと、確かに不確定性は高いということでございます。しかしながら動物実験のデータということでいきますと、日本の判断の材料になりました動物実験の成績は国際的にも評価をされております。またアメリカも同様の成績を持っております。そういう意味で動物実験の成績の方からはそう不確定性が異常に高いというものではございません。医学の水準で受け入れられるものでございます。疫学の成績ということになりますと、これは汚染の程度とそれに対応して住民の間でどのような疾病の有症が見られるかというような、化学的に厳密な意味での量効果反応を見ているものではございません。汚染水準に対する、暴露してどのような反応があるかというような見方でございますので、一般の実験学者から見ますと、あるいは理工学の人から見ますと、非常にラフに見えるということは事実でございますが、疫学によってやはり見当をつけるということは行政の一つのやり方でございます。その点におきまして、日本のNO2の疫学データといいますものは、SO2が十数年に積み重ねられたのに比べまして、日本のものは四十五年以降の数年間のものと、四十五年以前の既存のごくわずかの使用し得るデータに基づいておるということで、不確定性はSO2よりは高うございますが、しかし、決してどういいますか化学的ではないというようなものではございません。不確定性が高い、あるいはやり方にラフな点があるという議論はございましょうが、アメリカの疫学調査と比べましても、厳密な化学論争をすれば、いずれの側においても同等の不確定性があるということでございます。そういうことで、環境基準としては政策的に割り切った数字が日本の環境基準であるというのが環境庁としての見解でございます。
  25. 内田善利

    ○内田善利君 一番の違いは、日本の場合は長期目標であり、アメリカの場合は短期目標であるということだと思いますが、批判に対する違いですね、それと環境基準に対する認識が違うように思うんですが、この点はいかがですか。
  26. 橋本道夫

    政府委員(橋本道夫君) 環境基準に対する認識という点で、二つの角度から申し上げますと、一つは政策的に割り切った場合の化学データに対する政策的な割り切り方が違うということであります。どこが違うかといいますと、アメリカは動物実験におきまして日本と同じデータを持っております。しかしながら、アメリカは動物実験を判断の材料にはいたしませんでした。日本は動物実験のデータを見て、これはSO2よりも器質的な変化を起こすものである、このことにつきましては、アメリカの専門的な書類もちゃんと出しておる、アメリカのEPAの判断条件の資料の中においてもコメントをし、WHOのテクニカルレポートの中にもコメントをしておりますが、日本はそのコメントのポイントを重視をいたしまして、SO2よりも厳しくすべきであるというような認識に立ったことは事実でございます。その点において日本とアメリカの非常な相違があるということが一点ございます。  もう一点の問題は社会的な認識ということでございましょうが、日本では〇・〇二PPmを少しでも超えるときわめて危ないというような認識が一般の中にはまだあるのではないかというふうに思います。それは誤っております。〇・〇二を超えたらすぐ危ないというような数字では全然ございません。これは非常に厳しい理想的な条件を決めておりますので、そのような角度のものではございません。アメリカの場合の〇・〇五PPmというものはどういうものであるかということでいきますと、日本の場合とアメリカの場合とで影響の尺度とした条件が異なっております。アメリカの場合は、そういうところに暴露されておるとインフルエンザの流行のときにたくさんなるよと言います。ある意味で亜急性に近い影響をとらえております。日本の場合にはそういうものではなしに、慢性の肺に対する影響及びその中で特に肺気腫、肺腫瘍というようなものに着目をしたものということで、両者の認識の中に相違がございまして、アメリカの条件でいきますと、日本的感覚でいきましたならば、許容限度に非常に近い数字である。これはドクター・シャイが〇・一四PPm、二十時間平均値があれば、これはよくないと言った条件は、年平均〇・〇五PPmでは完全に出現いたします。これは日本の環境基準の健康を保護するために維持することが望ましい条件ということにはとうてい合わない条件である、そのような点において日米の認識の相違がございます。
  27. 内田善利

    ○内田善利君 それと、環境基準が設定されてから、環境庁の保健部で疫学調査をなさっていますね、ずっと。この結果がまだ発表になってないわけですが、その疫学調査と、SO2も関係してくると思いますが、NO2あるいはNOxの有症率との関係ですね、そういった面は調査なさっておると思いますが、許せる範囲内でどうなっているのかお聞かせ願いたい。
  28. 野津聖

    政府委員(野津聖君) 環境保健部といたしましては、去る昭和四十五年度から五年かけまして全国六カ所におきましての地域の設定を行いました。この間におきまして、いわゆる硫黄酸化物、窒素酸化物、浮遊粒子状分子、粉じんというふうな形で、いろいろな面におきます大気汚染物質の健康に対します影響調査を実施してきたところでございまして、その間、いろいろその調査に基づきましての議論もされましたし、また調査発表も行われているわけでございますけれども、どうもきちんとした疫学的な相関性というものが、それらの複合しました汚染物質によります影響というものがうまく出てこないということでございまして、現在、過去五年間のデータを総洗いいたしまして、委員会を設置いたしましてこのデータを総洗いいたしまして、その結果を、いわゆる健康の影響とこれらの大気汚染物質との関連とのもとで整理をしまして影響の結果を出したいということで、委員会におきまして鋭意検討をしていただいているという段階でございます。
  29. 橋本道夫

    政府委員(橋本道夫君) いまの答弁の中でもしも誤解があってはまずいと思いますので、一点申し上げます。  NO2の影響ということにつきましては、日本の場合もアメリカの場合も、いずれもほとんど同じでございますが、窒素酸化物とそれから硫黄酸化物と浮遊粉じんと、みんな混合の複合汚染状態の中に暴露されておるわけでございます。そういうことで、これはいま保健部長のお答えいたしましたのは、昭和四十五年以来四十九年までに五カ年計画で全国の六カ所のところにおきまして複合汚染の健康影響調査ということを実施しておったわけでございます。その中で、この環境基準の策定のときに専門委員会が資料として一部使いましたのは、四十五年の一年分——五年調査の第一年分の資料、まだ完全解析報告を終わっていない資料でございます。完全解析報告の終わっていない資料を、四十五年一年分だけの資料をこれは使いました。それから、それに対してやや補足的な調査を四十六年にさらに、これ、汚染調査の方で加えて出したものです。その計算の中で、いま申しました相関ということでございますが、非常に、確かに言えますことは、成人の四十歳以上の人の有症率が大体五%を超えるぐらいなときに、浮遊粉じんやSO2の汚染もあるが、そのときにNO2の汚染の水準は長期平均で大体〇・〇四二PPm見当であるということにつきましては、これはもう完全な疫学的な事実としてございます。あるいはその後幾つかのデータの中にもそういうことは肯定されるものがございます。ただ、非常に低いところから高いところまで専門委員会の報告の資料につけましたこのチャートの中にこの六都市の相関を検討をしたチャートがございまして、その中に最小二乗法で線を引いている図がございます。その最小二乗法で線を引いている図で、非常に低いところまでにこの相関が優位にあるのかいないかというところに一つの問題点があるわけでございまして、そこの資料の中では、統計的に計算をすると優位の相関があるやに見える報告があるわけでございますが、統計的な検討手法としては誤ってはおらないが、そのサンプルとして適用する場合に、それは適切な方法ではないのだという批判が一部にあります。それは理論的にはやはりそういう御批判のあることを十分頭においてもっと確かめてやってみるべきであるということでございまして、そのときのデータを解析したところでは、SO2が一番相関が高く、窒素酸化物が次に相関が高く、粉じんは低うございました。しかし、それの最終の確かめを五カ年間を全部総括をいたしまして、そうしてばいじん、SOx、NO2の相関をもう一度解析をしてみて検討をしようということをやっておるわけでございますので、専門委員会は疫学的なプリテストというような調査の資料を一部使ったということは誤りではございませんが、一部に批判があるということも、これはまた学問的な理論としては事実であるというぐあいに考えておるわけでございます。
  30. 内田善利

    ○内田善利君 四十八年の八月にNOxの固定発生源の第一次規制をして、今回十二月四日第二次規制をされたわけですが、まず最初にお聞きしたいのは、環境基準はNO2〇・〇二PPmと、ところが、排出規制の場合にはNOxと、こうなっているわけですが、その大体排出ガスの中はほとんどNOだと思うのですが、この辺どうなっているか通産省にお聞きしなきゃわかりませんが、ほとんどNOだと思います。そのNOと環境基準NO2との関係性ですね、相関性といいますか、あるいはどのようにリンクしているのか、その辺は環境基準をNO2〇・〇二PPmと決めて、排出規制の方はNOxというふうになっている点、まずお聞きしたいと思います。
  31. 橋本道夫

    政府委員(橋本道夫君) いま先生の御指摘のございましたように、排出源の規制はNOxといたします。これは大半はNOであるということは事実でございます。NO2は非常にウエートの小さいものでございます。ただ、それが一般の大気中に出まして、その最中にNOがNO2に変わってくるという状態があるわけでございます。そういうことで、NO2だけで規制をしても意味が出ないということでございまして、NOx全体として規制する必要があると思います。それでは環境基準はなぜNO2だけで決めたのかという議論があります。当然これはNO2とNOと両方決めなければ、将来当然NOを決めなければならないということであり、現在その努力は進められてはおりますが、現在の段階ではNO2というものにつきましては労働衛生でもかなりの経験を経、しかも実験医学的にもかなりのものが得られ、また疫学的にもある程度の手がかりがつかまえられるということでNO2の汚染物質としての健康上の意味が非常に大きゅうございますので、それをつかまえて規制を環境基準としてやったということであります。ただ、測定の段階で非常にむずかしい問題がございます。これは先ほど先生に対するお答えの中で一つ抜けておりましたが、測定の方面における不確定性ということがございます。アメリカが基準策定に使いました測定法は、実際よりも高く出るという測定でございます。日本がやっております測定は実際よりもいささか低く出るのではないかという測定でございます。現在全世界で実験的には相当かっちりした測定ができますが、フィールドで機械を使って、行政の技術職の人が測定をしているという方法も中には完全な方式はございません。原理は出てきました。このケミ・ルミネッセンスという方法で非常にいいということは出てきましたが、それをちゃんと確かめる、それには標準較正ガスが必要でございます。高濃度の標準較正ガスがこれはいま可能でございます。ただ、現在大気中で問題になります〇・一とか、〇・〇幾らというオーダーで使える較正ガスは現在世界のいずれにおきましてもそれは得られないということでございまして、あと一年ほどかかるのではないか、そういう意味での測定法上の問題はございます。そういう意味で環境におきましてはNOとNO2を分けて測定をいたしておりますが、発生源におきましてはNOxとして、しかも高濃度でございますから、これは標準較正ガスもございますので、ケミ・ルミネッセンスの方法を使って十分これは実用的に測定をし得る。その間の相関をどうとるかということで、四十九年度以来、環境庁は四十九年度、五十年、五十一年度でそのシミュレーションの手法を固めようということで、対応をいたしておるわけであります。
  32. 内田善利

    ○内田善利君 それから今度の規制は燃焼方法の改善だけにとどまったわけですが、その理由は。
  33. 橋本道夫

    政府委員(橋本道夫君) NOxの規制対策といたしまして、一番の基本には一つは燃焼方法の改善がございます。これは燃焼の場合に空気と燃料と一両方使うわけでございますから、そういうことで空気をどの程度コントロールして燃焼さすか、あるいは温度をどうするかということがございますので、燃焼方法一つの基本でございます。ただ、これは限界がございまして、大体三〇%から五〇%までしかカットできません。  その次の方法といたしまして、これは燃料の規制でございます。これは燃料中の窒素の含有量が問題になります。従来は燃料中の硫黄含有量を問題にしておりましたが、今度は燃料中の窒素の含有量を問題にしております。燃料中の窒素の含有量の低いものといいますと軽質油になります。軽質油ということになりますと、従来エネルギー調査会で低硫黄化対策につきましては非常な努力で世界にない計画をちゃんと進めてSOx対策は効果を上げつつあるわけでございますが、そこで使われます低硫黄燃料は必ずしも低窒素燃料ではございません。LNGとかA重油とか灯油とか、そういうものは確かにそのような低N分でございますが、軽質油を十分供給するということは現有のエネルギー扇情ではまだ非常に限界がございまして、まずそれを規制の中に大幅に取り入れるということは現在の段階では残念ながら無理があるということでございます。  第三には脱硝でございます。これは脱硝方式につきましては、クリーンのガスについては脱硝が実用化されたという判断に立っております。クリーンのガスといいますのは、ガスの中にばいじんやSOxの濃度が非常に低いというものでございます。これは実用化されました。そういうことで、今回の排出規制の中の新設の巨大施設の中の基準の一部には、全部の脱硝を必要とせずとも部分的な脱硝を迫られるという基準は一部に入れてございます。しかしながら、このばいじんとかSOxの含有量が比較的高い——比較的高いと申しましても、〇・四とか五グラムというのは、これはもう高い方に入ります。あるいはSOxにしましても数十PPmから百PPmも高い方に入ります。この方につきましては、現在全国にかなりテストプラントが四十基前後ございますが、これはテストプラントとして確かにそういうものが現在やっと建設され、動かされ始めておるということでございまして、これが実用化のめどがつきますのはどうしてもあと一年はかかるということでございます。そのようなことで今回はこの燃焼改善を主体とした規制にとどまった、こういう事情でございます。
  34. 内田善利

    ○内田善利君 そうしますと、今回は製鉄、電力関係の焼結炉を見送り、それから製鉄のコークス炉、セメント焼成炉、これは既設だけということですが、総排出量でいけば今度の規制でNOxはどれだけ削減できたわけですか。
  35. 橋本道夫

    政府委員(橋本道夫君) 今回の排出量だけでいきますと、大体五%弱の総排出量を減らすことができたということであります。第一次と今回とを合わせまして、全体のこれはNOxの排出総量の中で第一次と第二次の規制で大体六割をその規制対象といたしております。そして燃焼改善ということでやっておりますので、先ほどの六割に対して四割カットしたということでいきますと、第一次、第二次合わせまして二五%弱というものがカットをし得るということが現在の実情でございます。
  36. 内田善利

    ○内田善利君 そうしますと、五年地域の達成と八年地域の中間目標達成、これは可能ですか。
  37. 橋本道夫

    政府委員(橋本道夫君) 五年地域と八年地域につきまして四十八年の環境基準策定時に決めたわけでございますが、現在五年地域と八年地域で、大体五年地域ですと六〇%近く、五十三年四月までに全部カットを終わらなきゃならない。八年地域ですと、五〇%前後カットを終わらなければならない。現状は先ほど申し上げました二五%でございます。あとの二五%をいかにカットをするかということでございます。そういう観点から見まして、私どもはこの後の第三次規制も、ダーティーの規制の防止技術が見当がつけば、できるだけのものは打ち出していきたいとは思っておりますが、いろんなタイムラグ等を含めますと非常に困難で、良心的に物を言えと言われますと、私は大半の問題のスポットでは不可能であろうということでございます。そういうことでございますが、四十八年にわずか四ヵ所しかNO2の環境基準に合格したところはございませんでしたが、四十九年度には全国で二十五ヵ所それに合ったところができているということも、一方そういう事実もございます。そういうことで、もうきわめてむずかしい、正直に言えば不可能に近いと言わざるを得ないですが、最善の努力を尽くしていきたいということで、NO2の長期の対策の進め方というものを今回のカットに合わせて打ち出したわけでございます。
  38. 内田善利

    ○内田善利君 そうしますと、きわめて困難ということですが、その次の対策はどのように講じられますか。
  39. 橋本道夫

    政府委員(橋本道夫君) この次の対策といたしまして、NO2の問題といいますのは、固定発生源と移動発生源と両方ございますので、両方からアプローチをしていかなければなりません。そういうことで、固定発生源の方につきましてクリーンの方はめどがついたと、しかしダーティーのガスの方が来年いっぱいでめどがつくだろうと。そうしますと、そういう条件を含めましてこの第三次規制をどの程度まで打ち出せるかということがございます。ただ、一つの大事なポイントは、この大気汚染防止法で現在NOxに対する規制は全国一律に、最低限度これだけはどこにあってもしなければならないということでございまして、地域差は一切入っておりません。これは、ある意味におきましては地域差を法律でやったらどうだという議論もございますが、いまの法律ではその形が打ち出せません。そういうことで、地域差がはっきり出せて、しかも合理的な対策をできるのは何かといいますと、これは地域別の総量規制のときでございます。しかも総量規制のときになりますと、工場単位の規制になりますので、工場としても非常に最適化をやりやすいという問題がございます。現在の規制法のいまの基準のやり方ですと、施設別に全部やるということになりますので、工場単位のことはできません。   〔理事栗原俊夫君退席、委員長着席〕 そういうことで、この本格的対策といいますと私は、この五十三年度から後、地域別の総量規制対策に入るということで、そのときに地域の態様に応じた最も効果的な脱硝対策法律上の根拠に基づいて入れられるようになるのではないか、それまでの間はきわめて限られた範囲内の巨大施設についてどの程度まで脱硝ということがこの法律上全国一律に強制されるようになるかという問題点でございます。そういうことで、燃料と脱硝の計画は総量規制のときに初めて本格的に入ろうと、五十三年度以降ということでございます。
  40. 内田善利

    ○内田善利君 それと、通産省見えてますね。——脱硝技術開発の目安といいますか、クリーン排ガスの場合はもう実用化されておりますけれども、ダーティー排ガスの場合にC重油関係と、それから先ほど申しましたセメント焼成炉あるいは焼結炉、あるいは石炭のボイラーあるいはガラスの溶融炉等ですね、こういったダーティーガスの方の実用化の目安はどのようになってますか。
  41. 伊藤和夫

    政府委員(伊藤和夫君) 脱硝技術開発の目安でございますけれども、これはただいま環境庁大気保全局長が申されたことと大体同趣旨でございまして、まあクリーンの排ガスにつきましては排煙脱硝技術というものは大体実用化段階に達したと。しかし、いわゆるSOxを含む、あるいはダストを含んでいる、そういったダーティーな排ガスですが、これはダーティーと申しましてもダーティーの度合いにはいろいろあるわけでございまして、一概に言えないわけですけれども、一般的に現在問題となっておりますのは、触媒の劣化の問題、それからダストが入っておりますために触媒に目詰まりを起こすと、そういうのが共通した技術的困難さでございます。それで現在のところ、パイロットプラントによる研究開発段階でございまして、いつごろかということでございますけれども、これはやはり結局ダーティー度いかんということにもよってまいりますし、それから、それぞれの施設にもよりますので、一概にいつできるかということは、現在のところちょっと申し上げられないと思います。
  42. 内田善利

    ○内田善利君 まあ環境基準達成目標、努力目標があるわけですから、通産省は、大体いつごろまで目安ができるか、——私は期限を言ってるわけじゃありませんが、大体どのくらいまで、いまテスト——パイロットプラントでやってるとか、あるいはこれも実用化のプラントの域に達したとか、そういうのはおわかりと思うんですがね、いまの御答弁は何にもわからない。
  43. 伊藤和夫

    政府委員(伊藤和夫君) 私ちょっと詳細存じませんので、相当の課長からお答えさしていただきます。
  44. 弓削田英一

    説明員弓削田英一君) 脱硝技術の進捗状況につきましては、ただいま環境庁及び私どもの審議官からお答えしたとおりでございますが、ダーティーガスの問題でございますが、環境庁からもお話ございましたように、その中でいわゆる重油を使いますボイラーの脱硝に関しましてはすでに実際の規模のものが動いております。で、われわれといたしましては、これをある程度長期運転に耐えるかどうか、やはり一年程度の実績を見なければならぬじゃなかろうかというふうに考えておりまして、環境庁からも御答弁がございましたように、後一年ぐらいたてば一応工業化のめどはつけられるのではなかろうか、こういうふうに考えております。それからさらに、C重油よりももっとダーティーなものにつきまして先生から御指摘がございましたが、焼結であるとか、あるいはセメント、それからガラス溶融炉というのが問題になるわけでございますが、これらにつきましては私どもの工業技術院に重要技術研究補助金というのがございまして、これを交付いたしまして、いまパイロットプラントを建設し、いま実験をやっている段階でございますので、まだいまのところ脱硝技術を評価するほどのデータが得られてない状態でございますが、いつそれじゃ実用化になるかということでございますけれども、これははっきり審議官申しましたように、年限をいつまでということはいまの段階では明確にお答えできないわけでございますが、パイロット設備状況につきましては、一応二年程度ぐらいたてばある程度の技術評価ができる段階になるんじゃなかろうか、かように考えておる次第でございます。
  45. 内田善利

    ○内田善利君 パイロットプラントで二年ということになりますと、実用化が大体一年とおっしゃっていますね。そうすると三年ということになるわけですが、おおよその考え方でですね。湿式法、乾式法、触媒を使っていろいろの問題があると思いますけれども、そうなりますと、環境庁、先ほど五十三年四月までには何とかしたいと、非常に厳しいということですけれども、この点とかみ合わないわけですが、そういった三年先ということになりますとその目標達成がおくれると思うのですけれども、その点、環境庁通産省との間では努力についての要請等はなさっているわけですか。
  46. 橋本道夫

    政府委員(橋本道夫君) いま私のお答えいたしましたのと通産省がお答えいたしましたことの中に、非常な食い違いは私はないというぐあいに考えております。五十年度、五十一年度、五十二年度、この三年があるわけでありまして、そしてこれはお約束ではございませんが、やはり行政としては責任のある見通しのもとに進めて達成を図らなければならないというようなことを非常に大事なことであるということで考えておりますので、総量規制の削減計画は大体私のいまの感じですと、五十三年度内にちゃんとできてきて、五十三年度の末になると大体どうカットするかわかる。そうすると、それに合わせて施設が全部入ってくるという形になりますので、五十三年の四月に達成するということは、これは全く無理でございますが、通産省のおっしゃった五十三年とこれとは決して違ったものではないと思います。またもう一点、それまで法規制としてはもちろんこれは無理でございますけれども、非常な努力をして、たとえば千葉の川鉄とか新日鉄とか中電の知多とか、あるいは九州電力の小倉とかいう、非常な特殊なケースはあるわけでございます。その成果をどう見て、それを法律基準の中に押し込んでいけるかというところが国としては大きな問題でございますので、その経過をはっきりさせない以上は私は、法律で強制することは無理ですし、地方条例でこれを強制することも技術的に不可能なことを無理に強いるということになると思っております。
  47. 内田善利

    ○内田善利君 わかりました。  現在、大気汚染公害病患者、これは大気汚染関係で何名になっておりますか。
  48. 野津聖

    政府委員(野津聖君) この十月末現在で細かい数字あれでございますが、約二万七千五百名になっております。
  49. 内田善利

    ○内田善利君 二万七千五百名に大気汚染関係でこういった被害者が出ておるわけですが、これに対する取り組みですね、環境庁もまた通産省技術開発については努力しておられると思いますが、環境庁として目標を達成するために基準値までの業種別あるいは炉別の削減目標、これを立てておられるかどうかという問題、それから低濃度NOxの測定方法開発はどうなっているかという問題ですね。それから発生源の種類ごとの汚染寄与率、これなどはどのように調査なさっているか、それからNOxの拡散反応のシュミレーション手法の確立はできたかどうか、この点についてお伺いして、私の質問を終わります。
  50. 橋本道夫

    政府委員(橋本道夫君) 第一の業種別の目標はできておるかということでございますが、業種別に現在のNOxの排出状況は把握をいたしております。そういうことでどれだけカットしなければいけないかということによっておよその見当はついておるということでございます。  それから第二の低濃度のNO2の測定、NOの測定の開発はどうかということでございますが、これは私どもの方も調査費をもちまして、現在のザルツマン法というものと、それから新しくできますケミ・ルミネッセンスの方法というものとの比較検討をするということを来年度には予定をいたしております。いままで通産省の方もおやりになったのもありますが、この間お話にあった柳沢先生のお話の中でもやはり標準較正ガスがきれいに出ないということで、現在の段階ではこれは誤差は避けられないがザルツマン法以外にはやりようがないということでございます。そういうことで、私どもはそういう覚悟に立っておりますし、また通産省の方は低濃度の標準較正ガス、これはJISでどのようなぐあいにして低濃度の標準較正ガスをつくるかという問題の一部はこれは規格化しておるわけでありますが、そのようなことは通産省の方が、現在鋭意工業技術院でこれを行っておられますので、そういうことが行政の方に生かされてくるというのは、少なくとも一年少しはかかろうということでございます。  それから種類別にということでございましたが、これはちょっと私、理解をいたしかねましたのですが、施設の種類ごとにということでは、大体これは見当は先ほどの業種別のときの基礎算出が施設の種類別に挙がっておりますので、これは基本的な検討はついております。  最後のシュミレーションの方でございますが、シュミレーションの方につきましては、四十九年度、五十年度、五十一年度の三年間にわたりまして、NOxのシュミレーションの問題を現在扱っております。それから、それと並行いたしまして、一方で自動車の沿道の排ガスのシュミレーションの詰めをいたしております。これも継続していたしております。それから一方、化学的な変化が起こりますので、光化学スモッグの方の実験室の問題と光化学スモッグの方の化学変化を組み込んだシュミレーションの手法を現在やっております。これもかなり進んできております。日米の交流をいたしましても決して日本が劣っておるということではございません。そういうことで、そのことにつきましては学問的には長い問題があるかと思いますが、五十一年度末には行政の、実情に耐える程度のシュミレーションの手法をぜひとも開発したいし、できるものと私ども考えておりますので、その結果によって移動発生源と固定発生源の重合をやりまして、そして削減計画をつくるときの基礎をはっきりつくる、それがなければ総量削減計画はできないという立場で臨んでおるわけでございます。
  51. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 それではわずかな時間でございますし、ちょうどたまたま内田委員が私もお伺いをしたいと思っていた点を大部分聞いていただきましたので、簡単にお聞きをしたいと思っております。  NOxの第二次規制が十二月四日に公表されまして、そして新設分については十二月十日から、そして既設分については五十二年の十二月一日から実施するということに決定をされました。で、これを見てみまして、いまの質疑応答を拝聴しておりまして、その中でも感じるわけですけれども、やはり現状では技術的に困難ということで、全体として総量の規制を約五%弱という程度に押さえざるを得なかったという御説明を拝聴したわけでございますが、まあ私はその点で、先ほどの御説明でも五十三年度のいわゆる八年目標のところでは中間目標の達成という点が、これは六〇%が二五%弱程度にしかならないというふうに御説明があったと思うんですが、まあやはり技術問題との関連ではまた一度お伺いをする機会を別に持ちたいと思っておりますが、いわゆる移動発生源のときの規制でも自動車排ガス五十一年規制が大幅に緩和をされたという点で、これも技術的な困難でということが理由であった。固定発生源の今回の第二次規制の場合にも技術的な困難というのがやはり出てきているという点で、これは一定の論議を呼ぶ問題だというふうに思っているわけです。この点については別の機会にまたお尋ねをする機会を持ちたいと思っておるのですけれども。  そこで私はちょっとはしょってお聞きをしていきたいと思うんですが、まず、そうすると中間目標値の達成がかなり大幅におくれるというふうになってくるという点では、いわゆる公害対策というのはこれは当然発生源対策、それから原状回復というのが基本目標ではございますけれども、そういった点が大幅におくれていくという見通しになってくるということであれば、当然これは被害者の救済の問題というのが勢い問題にならざるを得ないというふうに感じるわけでございます。そこで、いろいろ御検討にはなっておられるんですけれども、端的にまず最初にお聞きをしたいのは、そういった被害者の救済の立場を考える場合に、せんだっても、いわゆるこの指定地域ですね、第一種の大気関係の指定地域の大幅な——大幅なというんですか、かなりたくさんの地域の指定をおやりになったわけです。そういった点で、たとえば大阪のように全市的に救済をされるというふうな場合にはこれは問題がないわけですけれども、そうでない場合には、窒素酸化物というものの汚染物質をいわゆる被害補償法の中で取り上げていくということが必要な段階に来ているんではないかというふうに思うわけです。といいますのは、法律の発足当初には調査が十分にできていないというふうなこと、指定等の不十分さというふうなこともあって、硫黄酸化物SO2だけが対象として取り上げられたわけですね。ところが現状の状態から見ますと、NOxの問題あるいは浮遊粉じんの問題等、これは考えていかなければならない段階へ来ているのではないかというふうに思いますが、そういった点についてはどうなんでしょうか。
  52. 野津聖

    政府委員(野津聖君) 御指摘ございましたとおり、決して硫黄酸化物だけで現在の閉塞性の呼吸器疾患というものに対します考え方というものは処理できないことは実際だろうと考えておるわけでございますけれども、ただ、先ほども申し上げましたように、現在いわゆる窒素酸化物あるいは浮遊粒子状物質によります健康影響という問題につきまして過去五年にわたりましての各種の調査を実施いたしたわけでございまして、その間のいわゆる疫学的な相関性というものにつきましての検討ということは非常に大事な問題になってきていると私ども考えておりまして、その点から、現在いわゆる窒素酸化物を含めました複合大気汚染調査の結果の総まとめということを実施いたしておりまして、この検討の結果を待ちまして、いわゆる疫学的な相関性というものを見つけるということが先行するというふうに考えておるわけでございますが、ただ、実際の問題としまして、動物実験あるいは一部の地域におきます調査によりまして窒素酸化物と健康との関連、特に呼吸器疾患との関連につきましては、一部におきましては見当がつけられておりますけれども、いわゆる疫学的な形でのきちんとした調査というものにつきましては、過去のデータを早くまとめましてその相関性を出していきたいと考えておるわけでございます。
  53. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 一般論はわかるのですが、具体的にお聞きをしたいと思うのですが、たまたまこれは公害健康被害補償法制定のときに実は私もお伺いをしているのですね。そのときにこういうふうに、当時の橋本審議官ですかがお答えになっておられるのですけど、窒素酸化物については、「ここ一、二年の間に早急に窒素酸化物を積極的に取り入れるという観点で、指定地域の基準を新たにそういう観点から洗い直していくということでございます。SOxが低くても窒素酸化物の高いところはどういうぐあいにしていくかということで私どもは対応いたしていきたいと思っております。」というふうにおっしゃっておられるのですが、ちょうどそういった問題が具体的に取り上げられざるを得ない段階に来ているのではないかというふうに感ずるわけです。  そこで関連をいたしまして、東京都の先日の指定地域を指定されましたときに、東京都の中野区、杉並区、練馬区、世田谷区、これが外れたということでこれは論議を呼んでおりますし、地域の被害者が切望しておるという関係からいって非常に期待外れだったわけですね。そういった点で、ここの指定から外れたという理由、それを少しお聞きをしておきたいと思います。
  54. 野津聖

    政府委員(野津聖君) 東京都におきましては、今回十区につきましての調査と、さらに四区につきまして、昨年四十八年度に調査しました結果につきましての再検討ということを実施いたしたわけでございますが、ただいま御指摘ございました中野、杉並、それから世田谷、練馬、この四区につきましては、いわゆる硫黄酸化物の濃度につきまして指定、要件を満たしていないということがございますし、また健康被害の発症状況につきましても、若干、いわゆる有症率が自然有症率と比べまして高くないというふうな結果が出てまいりましたので、この区につきましての指定は今回行わなかったわけでございます。
  55. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 それは資料もいただいておりましてよくわかっているわけですが、硫黄酸化物の濃度については確かに低いわけですね。にもかかわらず、あの地域には有名な環状七号線が通っておって、いわゆる窒素酸化物を中心とする被害というのが従来から大変強いというふうに言われ、環七ぜんそくとまで言われておるようなぜんそくその他、上気道の疾患というのが非常に多くあるわけですね。そういう点で、これは相関関係だけで見るというふうな御意見なのか、いわゆるその硫黄酸化物の濃度あるいは有症率が五%を超すというふうな状況では窒素酸化物の濃度との相関関係が非常にはっきりしてきているというふうに定説になりつつあるという点で、そこだけで見るのか、あるいは、特に私思いますのは、世田谷だとか杉並だとかいう行政区全体を平均的な有症率として見ていく場合と、特に暴露要件の非常に顕著な環七の周辺だけを一定の段階でしぼって有症率を見ていく場合と非常に違いが出てくるのではないかというふうに思いますが、そういった点について御検討をされるおつもりはあるのかどうか、その点を聞きたい。
  56. 野津聖

    政府委員(野津聖君) 二つの問題があるかと思います。  一つは、現在、先ほど御指摘ございました四区につきまして相当広大な地域を持っておるという問題が一つございまして、その中にいわゆる緯線道路が走っているというふうなことがあるわけでございまして、その場合に、全体を対象といたしまして汚染状況なりあるいは有症率の問題になりを調査をいたしますと、一つのいわゆる薄められたという形で低くなってくるということが一つあるわけでございます。  それから第二番目の問題といたしましては、先ほど来御議論いただいておりますように、いわゆる窒素酸化物、特に緯線道路沿線の自動車によります窒素酸化物の影響というものをどう考えるかという二つの問題があるかと思います。  まず第一番目の、この区全体の問題になりますと、現在の区全体を対象と、しました形でのサンプリングを実施しましての各種調査を実施いたしますと、薄められるというような結果が出てくることはもう御案内のとおりでございまして、この問題につきましては、少しきめ細かい調査というものを考えなければいけないんであろうというふうに私ども考えておるわけでございますが、昨日長官からも、ひとつその辺につきまして十分検討して考えてもらいたいということでございました。私どもいろいろ資料をまとめている段階ではございますが、できるだけ実態に応じた形での指定ということを考えるべきではないかと思っております。  それから窒素酸化物の問題でございますが、先ほど来御議論いただいておりますように、いわゆるきちんとした相関関係というものが私どもあるに違いないという考え方を持っておりますけれども、これをひとつきちんとした形でまとめていただいて、それをもとにしましての健康被害に対します救済制度の適用というふうなことを考えてまいりたいと思っておるわけでございます。特に移動発生源によります影響につきましては、ただいま川崎とそれから兵庫県におきまして自動車道沿道調査ということで、かつてないと思いますような広範囲にわたります汚染物質あるいは健康の状況調査というものを実施いたしておるわけでございまして、この二つの調査をまとめた上でこの窒素酸化物の対応ということを考えていきたいと思いますが、ただいまの汚染状況なりあるいは有症率の調査の問題につきましては、いわゆる区部の広い面積を持っている、その中に幹線道路が走っているというふうな問題は、そういう形で着目しまして進めてまいりたいと考えておるわけでございます。
  57. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 調査をされておるのは私どもも存じ上げておるんですが、そういう点で一定のやりめどというものが要るんじゃないかと思うんですがね。それから窒素酸化物を汚染物質の中に入れていくという時期をいつごろを目標にしてやっていこうと考えておられるのかという点を、これははっきりしていただきたいというふうに考えているわけです。といいますのは、東京都の問題もさることながら、私も環七沿線の常時測定値等をずっと拝見しておりましても、ちょうど道路から六百メートル、六百五十メートルほど離れた窒素酸化物が〇・〇二ぐらいになるという場合がある。ところが、直下とかあるいは本当に二十メートルというふうなことになりますと、これはもう〇・〇七、〇・〇六三というふうな非常に高濃度になっていくというふうな状況が、特にNO2の場合にそういう状況の測定値が出ておるという時点から見まして、これは窒素酸化物を汚染物質として採用していくという点では、沿道の影響というものを把握していただいて、これは御調査になっておられますが、ぜひ早く結論を出してほしい。  そこで、いま御調査になっておられる結論ですね、これはいつごろ出てくる見通しで、それを基礎にしていつごろから窒素酸化物を汚染物質として指定していくおつもりなのか、その辺をお聞かせをいただきたいと思います。
  58. 野津聖

    政府委員(野津聖君) 現在の調査並びに再検討でございますが、一応私ども調査につきましては、両方——川崎及び兵庫県におきましては健康調査の一部を除きましてほぼ調査の方は終了したわけでございますが、そのデータにつきましての分析に相当時間を要するのではないかと過去のいろいろな経験でも考えておるわけでございますが、私どもの目途といたしましては、ただいま申し上げました自動車道沿道調査の結果と、それから窒素酸化物あるいはその他の、汚染物質の関連の見直しというものを今年度内にまとめ上げまして——これはもう御案内のとおり、昨年の十一月の中公審におきましていわゆる窒素酸化物等につきまして御議論がありながら一つ目標値とならなかったということもあるわけでございますので、この結果を踏まえまして中公審でできるだけ早く御審議をいただきまして、ただいま御指摘がございましたような形での取り入れということを考えていきたいというふうに考えております。
  59. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 そうしますと、今年度中に解析をして新年度にできるだけ早く中公審にかけて取り入れていく、こういうことですな。
  60. 野津聖

    政府委員(野津聖君) 私どもの目途としまして、早くなければいけないと思っておりますので、年度内に結果をまとめまして来年度のできるだけ早い時期に中公審にかけて御審議をいただきたいと考えております。
  61. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 もう一点お聞きしたいと思いますのは、これはすでに御調査になっておられるのでよく事情はおわかりだと思いますが、私は、国道四十三号線の沿道の実態を見まして、特に複合汚染が非常に人体被害をひどくするもんだということを痛切に感じるような事例を見て驚いているわけですけれども、そういう点で国道四十三号線、特に尼崎もそうですし西淀川もそうなんですが、兵庫県、大阪にまたがっておりますから、固定発生源の影響も非常にたくさん受ける。しかも、国道四十三号線の交通量が非常に多いという点で、まあ十万台内外ですが、そういうところでは移動発生源の影響も受けるというふうな中で顕著な被害の状況が出ているのに実は驚かされているわけなんです。  これについてちょっと簡単にお伺いをしておきたいと思うんですが、兵庫県の調査によりますと、NO2というのは四十三号線沿いでは平均が〇・〇六一から〇・〇八PPm、それから最大が〇・一八三PPmというような非常に大変な濃度で出ているわけです。そこでは当然SO2も大変高くて最高が〇・一五九というふうな数値まで出るというふうな状況でございますけれども、その国道四十三号線に非常に近い小学校がある。これは幾つかあるんですが、たまたま私の手元にいまありますのは、尼崎市の城内小学校という小学校があるんですが、この小学校は国道四十三号線から四十三・五メートルしか離れていないところに立地しているわけです。交通量は四十三号線で大体八万台、一日、それから高速道路で十万ないし十二万台というのが予定をされているわけですが、こういう状況の中で、たまたまこの城内小学校というところは公害認定患者が百七十一名おる、これはちょうどことしのちょっと古いデータですけれども、ことしの五月の数字なんですが、百七十一名おってこれは全生徒数の約二〇%に及ぶ、しかも小学校三年生以下のお子さんが六五%になっておるというふうな状況なんですね。もちろん、この地域全体は大気汚染の健康被害補償法の指定地域になっておるんですが、小学校が四十三あるんですが、その中でずば抜けてこの小学校の有症率が高いという状況になっておるわけです。で、私は特にこの小学校のこういった数値を見て感じるわけですけれども、これはまあ固定発生源からの影響と移動発生源の影響を集中して受けておるという状況がこういう姿になってあらわれているんではないかというふうに思うんですが、これは御承知でしょうか、状況は。
  62. 野津聖

    政府委員(野津聖君) 尼崎市におきましての認定されました患者さん等につきましての数字につきましては知っておりますが、そういう一つの学校につきましての状況につきましては私ども聞いておりません。
  63. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 そこで、こういった非常にひどい状況の中で被害者が続出をするというふうな地域、こういう地域は単に救済をするというだけではどうにもならないのではないかというふうに思うわけです。少なくとも発生源対策とそれから原状回復に向かって特別に配慮をしなければならないと思うんですが、ときたまたまここに高速道路が建設予定地になっておって建設が進んでいるわけですね、四十三号線に。そういたしますと、ここに高速道路が完成をいたしますとまた十万台余りふえるという状況が起こってくるわけですが、総計いま大体十万台内外が恐らく二十万台内外になってくるという状況が起こるわけです。で、こういう状況というのはこれは環境庁の環境行政の上から見たらまことにぐあいの悪い姿だと思うんですけれども、私この点四十三号線だけ考えてみましても、あるいはこの上に乗るという高速道路大阪——西宮線を考えてみましても、通過経路というのは全部指定地域なんですね。こういう非常に高濃度汚染地域にさらに発生源をプラスしていくというふうな建設計画、こういったものに対して環境庁としてはどうお考えになるか、この点基本的なお考えをまずお伺いしておきたいんです。
  64. 小沢辰男

    国務大臣小沢辰男君) 私よくその西宮線の計画承知いたしておりませんけれども、もしおっしゃるように十数万台の車にさらに十万台も加わるような、しかも指定地域にさらにそれが追加していくようなかっこうはどうも私の方としては好ましくないと思います、率直に言って。
  65. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 それは具体問題はよくおわかりにならないと思いますが、私お聞きをしておりますのは、高速道路の建設計画、都市計画等、これ環境庁と無関係決定がされていくわけでしょう、実際には。で、行政的にはわりあいに後手後手になりますからね。たとえば尼崎を通り、大阪では西淀川を通り此花を通っておるわけですよ。そうしますと、大気汚染の高濃度汚染状態でいいますと日本では有数のひどい地域なんですね。こういうひどい地域をさらに高速道路が建設をされて縫って通るというふうなことが具体化しているわけですね。現に仕事が進みつつあるわけですけれども、これは住民にとっても大変大きなショックですわ、実際。だって、原状回復はもちろん発生源対策もまだ十分されていないという段階でさらに新しい発生源を導入するというふうなことについてはこれは理解ができないという立場ですね。その辺についてこれはまあ環境庁として少なくともお考えをまとめていただきませんと、今後もこういうことが次から次へ出てくるということは、これはまあ大阪だけではなく、兵庫だけではなく、東京でも同じ問題がこれは派生しているわけですからね、そういった点について環境庁としてはどうお考えになるかというのは非常に大事な点だと思うんで、長官のお答えを伺っておきたいと思うんです。
  66. 小沢辰男

    国務大臣小沢辰男君) 各それぞれ公共事業をやる場合には十分環境影響調査を事前にやっていくという仕組みができる以前の計画でございますので、これは一応そうした問題と無関係に進んでおったわけです。ただ、住民の皆さんの反対であれ一時ストップたしかしていると思います。私どもはやっぱり要はあそこに今度、先ほど来窒素酸化物についての自動車の規制が後退後退と言われましたが、四十八年、五十年、五十一年とこうやってきまして、近くこの土曜日には私が特にお願いをしました四人の先生方の検討委員会の中間報告も出てまいりますけれども、五十三年を目標にしてさらに自動車の発生源対策をやろうということで鋭意努力をいたしておるわけですが、その中でも特にトラック、バス、ディーゼル車の規制を強化をしていきませんと、おっしゃるようにあの辺は本当に何かこう自動車公害の展覧会のようなところでございますから、特別に何かそういう方法——トラック、バス等についての規制方法というものがあるのか、そういう点も真剣に検討していかなければいけませんし、それから調査の結果が——調査の対象に入っておるわけですね。先ほど健康調査なりあるいは複合大気汚染調査等やっておりますので、その結果を見まして建設当局にも申し入れまして、どういう代替の対策があるか真剣に環境庁としてはひとつ検討してまいります。いまここで私もう少しよく詰めてみないといけませんので、私の立場であれを中止さすとかいう思い切ったお答えできませんで大変恐縮なんですけれども、もう少しこれらの調査結果を待ちまして、対策等について何か代替案があるか、あるいはもう許容限度を超えるものとして建設を延期をしてもらうか、その辺は建設当局ともよく相談をしてみたいと思います。
  67. 藤田進

    委員長藤田進君) 本日の調査はこの程度といたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後零時二十九分散会