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塚田大願君
本件につきまして、私は若干の
意見を述べたいと思うのであります。
と申しますのは、やはりこの問題の
重大性を考えるならば、これはもっともっと時間をかけてお互いに論議をし合う、
審議を尽くすということに欠けたというところから問題が派生しているわけであります。したがいまして、私
どもも、やはりもっと
国会というところは
審議を尽くすところだという
立場から、改めて若干の
意見を申し上げるわけでありますけれ
ども、この酒、
たばこの
値上げ法案が
国民にとって
国民生活をどんなに圧迫するかということは、これはもう常識でございます。はっきりだれしも認めているところだと思うのであります。まして、今日のこの不況の中で非常に
国民生活は苦しくなっているときにこういう
値上げ法案を
政府は率先をしてやるということは、これは何人も納得しないところだと思うわけであります。しかも、同時に、この
法案が前
国会におきまして、七十五
国会におきまして、御承知の
経過を経て
廃案になっておる。で、この
廃案になったのは、単にあの七月四日にたまたま何か
事務的ミスがあって
廃案になったというようなものでなくて、私はやはりこれは
国民の世論がそうさせたというふうに判断すべきだと思うわけであります。
そういう
意味から言いましても、このたび
政府が、また今
国会にこの
法案を提出し、しかも大幅な会期を決め、さらには延長までして強引にこういう
法案を押し通そうとする
やり方というものは、非常に理不尽であると私は考えるわけであります。まして、
大蔵委員会におきまして、前回の
強行採決に次いでまた再び先日の
強行が行われた。これはまさに、いまも述べられましたように、
議会制民主主義というものを全くじゅうりんしてはばからない
行為ではないか、率直に私たち、そう思います。したがいまして、私
どもは、先日行われました
強行採決というものは、あの実態を見るならば、これはあそこの場面にいた者は何人も認めるところだと思うのでありまして、私もそのときに傍聴しておりましたから知っておりますが、
採決などというものが行われたという
状態でないことは明らかであります。
会議録にもそのことが示されておる。ああいう
状態の中で、
採決は行われた、だから、この
法案は今度は本
会議に
上程するんだということは、どうしてもこれは納得できない。で、私
どもは、この
採決は存在しなかったという
立場で、
河野議長に対してもこれを差し戻すべきであるということをたびたび
要請をいたしました。その他でも主張してまいりました、各
委員会でも。こういう
要求に対しまして
議長は、やむを得なかったんだとか、いろいろなことを言われまして、結局われわれの
要求にこたえようとされておらない。そして、その結果、このたび発表されましたような、いわゆる
各党に対する
要請という形で提案されました。しかしながら、なるほど言葉は「
要請」でありますけれ
ども、私は、中身はやはりこれは仲裁、あっせんという従来のパターンから一歩も出ているもんではないと考えるわけであります。したがって私
どもは
議長に対しても、この
要請を撤回すべきである、
議長は、これはお願いなんだから回答要らないものなんだとおっしゃったけれ
ども、私
どもは、実質的にこれは同じものである、これは撤回すべきであるという主張をいたしましたが、遂にこれにこたえられずに、本日こうして
鍋島議運委員長を指揮されてこの本
会議開会を職権
強行されると、こういう事態になったことはまことに不当だと私は思うわけであります。
河野議長は、前
国会でも、この酒、
たばこ法案が
大蔵委員会で
強行されましたときに、いわゆるあっせん案なるものを提出されまして、われわれは受けませんでしたけれ
ども、わが党は受けませんでしたけれ
ども、この問題について、その後、反省しているということを私
どもは聞かされておる。ところが、同じことがまたここで繰り返される。
大蔵委員会でも
——大蔵委員長もしかり、
議長もしかり。こういうことでは、全くこれは
党利党略の
立場に立っていると言わざるを得ないのでありまして、そういうことでは本当にこの参議院の公正な
運営というもの、
議会制民主主義というものを守ることができないのではないか。
そういう
意味で、私
どもはこういう本
会議上程、本日のこの
上程に対しては強く
反対の意を表しまして私の
意見を終わります。